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1972/06/08 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第28号
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1972/06/08 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第28号

#1
第071回国会 地方行政委員会 第28号
昭和四十八年六月八日(金曜日)
    午後五時五十九分開議
 出席委員
   委員長 上村千一郎君
   理事 高鳥  修君 理事 中村 弘海君
  理事 中山 利生君 理事 三ツ林弥太郎君
   理事 山本弥之助君 理事 吉田 法晴君
   理事 林  百郎君
      愛野興一郎君    亀山 孝一君
      島田 安夫君    谷垣 專一君
      古屋  亨君    保岡 興治君
      渡辺 紘三君    小川新一郎君
      小濱 新次君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 江崎 真澄君
 出席政府委員
        自治省財政局長 鎌田 要人君
 委員外の出席者
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関す
 る法律案(内閣提出第五四号)
 地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関す
 る法律案(山口鶴男君外十九名提出、衆法第一
 六号)
     ――――◇―――――
#2
○上村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出にかかる地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案及び山口鶴男君外十九名提出にかかる地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。愛野興一郎君。
#3
○愛野委員 武藤政務次官のほうからすでに懇切丁寧な御答弁をいただいておりますので、私は、大臣に、保留をいたしておりました二点を質問いたすべく考えておりましたが、島田議員がまだその質問をいたしますので、武藤政務次官に質問をいたしました部分を二点だけ、大臣から御所見をお伺いいたしまして質問を終わりたいと思うわけであります。
 その第一点は、今日、都市交通のみならず、地方公営交通等々の赤字の問題は、経営努力以外によるいろいろな交通事情の変化から来る要因が非常に大きい。そういうことから、交通体系の確立というものをぜひ強力に進めていただかなければならぬ。これはもう論をまたないところでありますけれども、先般、大臣が、都市における通勤通学の問題の緩和のために自転車道の構想というものを発表されたということをお聞きいたしましたが、この構想についてお聞きをいたしたい。この問題が第一点であります。
 時間もありませんから総括して質問をいたしたいと思いますが、第二点は、今回の法案並びに財政措置等は、私はもちろん賛成の立場で質問をいたしておるわけでありますけれども、昭和四十一年から行なわれた前回の財政再建達成がなかなか困難であったことについて、この反省をどういうふうにしておられるかということと、今回の財政措置並びに法案が、それにどういうふうに生かされたかということ、その点の御所見をお伺いいたしておきたいと思うのであります。よろしくお願いいたします。
#4
○江崎国務大臣 第一点の自転車の通勤通学奨励の問題でありまするが、これは、まだ、私自身も、一つの試みとしてやってみたらどうかということを提議した程度のものでございます。
 先般、私は、公営企業、特に路面交通事業、地下鉄等々を含む視察に横浜市へ参りましたが、これは、都市の規模から言って、一つのモデルケースであろうということで横浜市を選んだわけであります。横浜市というのは、政令都市では京都に次いで緑が多いという市長のお話がございましたが、そのときに、高速道路が順調にまいりまして、私、三十分ほど早く着き過ぎた。そこで、約束の時間より三十分も前に到着することはかえって御迷惑であろうということで、市内を見て歩いたわけですが、市内を車で走っておりますと、車の渋滞がはなはだしいわけですね。したがって、三十分で港を見たり、あちらこちら見ようと思っておったが、なかなか思うように見ることができませんでした。そこで、率直にその感想を市長に話して、なるほどあなたが言われるように緑は多いが、交通渋滞は東京にまさるとも劣りませんねと言うと、いや、そのとおりですよ、この交通問題が解決されれば、都市運営の困難な問題の五〇%は解決されると思うと言うところから、私、実は、数年前のコペンハーゲンであるとか、あるいはストックホルムであるとか、そういう欧州の都市における話をしたわけですが、そういう欧州の都市では、通勤通学に自転車が非常に盛んに使われておる。しかも、これらの国々は人口も少ないし、日本の国民所得より、国民所得においては多い国々です。ああいう日本の国民所得より多い国である以上、小型の自動車を持ち得るはずだが、通勤通学に自転車が奨励されておるということは、これは、きっと、自動車というものの限界がおのずと市民生活にあらわれて、自転車というものが見直されたんじゃないだろうか、アメリカでも、ニクソン大統領が自転車の見直しなんということを言っておるようだが、ひとつ、思いきって自転車の時間帯を限って、自転車の通勤通学というようなことを奨励してみたらおもしろいと思うがと言ったら、飛鳥田市長が、それはおもしろい、あなたは国家公安委員長もやっておるが、本気で発言しているのかと言うから、いや、きょうは思いつきの話だけれどもと言ったところが、私もあとう限りの機関で研究をしてみるが、あなたも、国家公安委員長として、ひとつ本格的に取り組んでくれぬか、それで、いまあなたの言ったような構想を本格化しようということになれば、私のところは、モデル地区ということで率先してそれは奨励してみてもいい、実験都市になってもいいと言うから、それは御苦労さま、しかし、こういうことは、われわれ政府が言い出したからといって、それに共鳴してくれる人がいないのじゃ困るけれども、あなたが実験都市になってもいいんだということを言ってくれるなら、非常におもしろい話だし、警察庁の交通局長をはじめ、運輸省であるとか、われわれ自治省であるとか、それぞれの関係省庁にも直ちに話をしましょう、道路整備そのものから言うなら、建設省にも呼びかけて、時間帯を限っての自転車通勤というものが可能なのかどうなのか調べよう、また、すでに、名古屋などでは、歩道に自転車を乗り入れていいということをきめて、そこで、その歩道と車道の段差をなめらかにして、身体障害者などが上がったりおりたりするのにも都合がいいようにして、選挙には負けましたが、前の保守系の杉戸市長などがこれを実行しているという話などを私は話しまして、そうなれば、あとは自転車置き場をつくることだな、これは自動車置き場と違って簡便だし、何か道があるぞ、それじゃ、いよいよ軌道に乗ったときは、あなたのところが実験都市だぞと言うと、よしわかったというようなことで、非常に話がはずんだわけであります。
 それから私は東京に戻りまして、警察庁の交通局長等々と話をしましたところが、すでに、岡山県では、長野知事が自転車通勤、自転車通学ということに非常に熱意を燃やして、いま私が申し上げたようなことを実行に移しかけておる、道路の改造も積極的に進めておる、一方、大阪などもそれをやろうということで立ち上がっておるというわけで、おそらくはこのことには共鳴者も多いことだろうだし、本格的にひとつ検討しましょうということになったわけであります。しかし、これは言うことはやすいわけですが、やはり、自転車の安全性が保たれませんとなかなか実行が期待されませんので、いま事務段階におろしまして、それにはどういうふうにしたら一番いいのかということを目下にわかに検討しておるわけであります。
 きょうも、私、ちょうど国会のほうがああいうことで審議がストップしておりましたので、たまたま、交通遺児が「赤トンボ号」という自転車に乗って、日本橋を起点にしてずっと日本全土を自転車で回るという催しがありまして、それは交通遺児の会の名誉会長が秩父宮妃殿下というわけで、妃殿下もおいででございましたので、私もそれへ出かけまして、一緒に自転車で日本橋から宮城前までその子供におつき合いをしたわけですが、安全さえ保たれればたいへん快適なもので、これはいけるぞと実は思ったわけです。
 ですから、いよいよこれが具体的になりましたら、ぜひ御協力を得て、モデル地域というか、実験都市のような、手をあげていただいたところで実行に移すことができれば、たいへん交通難の緩和にもなるし、公害のない都会をつくり上げることに少しでも役立つのではないかと思っておりまするが、こういう問題というのは、少しじみちに検討いたしませんと実行が伴いませんので、もう少しじみちな事務的検討をしていきたいというふうに考えております。
 さて、第二点の、第一次再建計画が達成困難になった理由いかん、そして、これが今度の法案にどういうふうに生かされておるのかということですが、これは、基本的な、きわめて重要な問題であろうというふうに考えます。
 これは、御承知のように、国及び地方公共団体の一般会計の財政援助のもとに、路面電車の計画的な撤去はおおむね進められました。バスのワンマン化の推進も、薄い、厚いの差はありますが、おおむねそういう方向に進められました。それで、人員の縮減及び諸手当の合理化によるいわゆる人件費の節減、これに伴う経営改善や合理化につとめる。それから、三番目には、料金の改定、いわゆる乗客増による収益の増加をはかるとともに、電車等を撤去したあと、不用財産があれば、それを売って、企業としての自主性を保つというような指導をして、不良債務を解消し、経営基盤の確立をはかるという基本方針で進めたわけでございますが、これはある程度目的を達成しましたが、一部の都市を除きましては、なかなか思うようにまいりません。経営状況は一向好転しなかったという残念な結果になったことは、いかにも私どもも不本意に思っております。
 なぜそんなことになったのかというと、これは、車がどんどんふえ、特に、バス路線などにおいては、時速十キロ、せいぜい走れても十五キロ以下というようなことで、いわゆる乗用車のふえとの悪循環で、どうも利用が思うにまかせない、非常に不便である、勤務先に時間までに到着する予定が予測できないというようなこと、あるいは、料金の適正化については、単年度収支の均衡を維持し得る程度が限度であるため、当初予定したような不良債務の解消に充てるというほどには収入の確保がこれまた困難であった、毎年大幅の給与改定が行なわれる、人員整理はする、ワンマン化もした、けれども、給与費というものが相当増高して、どうも思うにまかせなかった、勤務体制の合理化や経営の改善、合理化といったこともどうもおくれてしまった、また、財政面から見ても、その負担に耐えられない、著しい困難がある、こういうようなことがおもな原因であります。
 したがって、今回も、抜本的な改正をということで取り組んだわけでありますが、何といいましても、企業というものは、その企業体自体がよほど努力をしてくれませんと、なかなか思うようにまいりません。いや、そうじゃない、どんなに努力をしても、こんな自動車の悪循環では、独立採算などと言っておったのではいつまでたったって追いつかぬではないかというきびしい議論もありますが、しかし、何といっても、企業という名がつく以上は、企業努力ということがその根底に流れる基本的な要素でありますので、これについて十分努力をし、合理化もしていただきたい、そのかわり、不良債務については長期間たな上げをすることにして、今後の企業経営の計画等について、いわゆる再建計画を御提示願って、国が利子の全面的な補給を――全面的といいますか、ほとんどの利息を持つというたてまえから言いまして、その計画等にも十分指導性を発揮いたしまして、今後できるだけ企業の体質改善をはかっていきたいということを考えておるわけでございます。
 時間もありませんし、だんだん長くなりますから、この程度にいたしますが、今後、審議の経過をめぐりまして、このあたりについても十分な御了解と御納得を得るようにいたしてまいりたいというふうに思っております。
#5
○愛野委員 もう最後でありますけれども、ただいまの大臣の懇切なる御答弁、非常にありがたく思っております。
 特に、自転車道の問題につきましても、積極的にお取り組みを願うと同時に、いまの公営交通の問題につきましては、これは私の意見としてお聞き願いたいと思うわけでありますけれども、地下鉄は別といたしまして、陸上交通の問題につきましては、道路運送法第一条の目的にはっきり書いてありますように、陸上交通事業の目的は地域住民の福祉のためにあるという関係からいたしますと、公営交通も、また民営事業も、そういう面から非常に大事なものであるというふうに考えております。しかるに、公営交通は当然国で見るべきものであるとか、あるいはまた、私鉄とか民営の大企業のみがこの交通事業の使命を達成しておるような論議がよくかわされるわけであります。また、公営交通は付帯事業、関連事業ができないけれども、民営は付帯事業、関連事業ができるというふうな論議がかわされるわけでありますけれども、私は、これはまことに実態を無視したものであるというふうに考えております。それはどういうことかと申しますと、少なくとも、都市交通よりも資産力、資本力においてはるかに劣っておる中小の民間業者も、この交通事業の使命達成のために、ほんとうに血の出るような苦労をいたしておるわけであります。そういうことをお考えいただいて、公営交通は、経営姿勢をほんとうに国民優先、国民中心に考えてやっていただきたいというふうに私は考えるわけであります。
 昨日の論議を聞いておりまして私は思ったのでありますが、一社でお城か何かをつくられるような民営の大企業を対象として考えられるようであるならば、六〇%以上の中小の民営業者が、今日、付帯事業をしたくても資本力がない、資産力がない、また、兼業をしたくてもできないという事情下にあり、そういう事情下にありながら、最近は、運輸省におきましても、めったに路線廃止なんかを認可してくれるものではありませんし、そういうことで、血のにじむような苦労を労使協調してやっておるので、そういう六〇%以上の民営業者があるということも十分念頭に入れて御指導を願いたい。こういうことをお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#6
○江崎国務大臣 ただいまの御提案は、私、非常に重要な点だと思うのです。地方の中小バス路線を持っておられる民間業者が非常な苦労をしながら、このモータリゼーションの発達に伴う悪循環を克服して、健全経営に向かっておられる。あるいはやむを得ざる赤字が出るという場合もありましょうが、非常な経営努力をしておられるのですね。そういう場面から言いますると、民営業者の場合といえども、公営企業と何ら差別さるべきものじゃない。利用者の側から言えば、同じことなんですね。そういう点で、公営企業そのものも、民営中小企業の経営のあり方等を真剣に勉強してもらうことも必要だというふうに思うわけです。
 それからまた、政府としては、特に、バス専用レーンというものを通勤時間帯だけは確保していくことが必要で、これは、横浜などの場合、六車線の場合は、一レーンは優先的に認めておるそうです。優先というより、専用路線を一車線認めておるといいますが、これは四キロに満たない。だから、それが四車線ないし両側二車線というところに入っていくときにはまた渋滞してしまう。四車線の場合はバスを優先させておるという話でありまするが、これなどについては、警察庁においてももっともっと創意くふうを加えまして、地方の公共企業体のまじめに苦労しておる人たちに十分調子を合わせて、もっともっと努力していかなければならぬということを痛感いたしております。
#7
○愛野委員 どうもありがとうございました。
#8
○上村委員長 次回は、来たる十二日火曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後六時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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