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1972/06/22 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第34号
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1972/06/22 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第34号

#1
第071回国会 地方行政委員会 第34号
昭和四十八年六月二十二日(金曜日)
    午前十時三十四分開議
 出席委員
   委員長 上村千一郎君
   理事 小山 省二君 理事 高鳥  修君
   理事 中村 弘海君 理事 中山 利生君
  理事 三ツ林弥太郎君 理事 山本弥之助君
   理事 吉田 法晴君 理事 林  百郎君
      愛野興一郎君    今井  勇君
      片岡 清一君    亀山 孝一君
      島田 安夫君    谷垣 專一君
      保岡 興治君    小川 省吾君
      多田 光雄君    小川新一郎君
      小濱 新次君    折小野良一君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     江崎 真澄君
 出席政府委員
        警察庁長官官房
        長       丸山  メ君
        警察庁刑事局長 田村 宣明君
        警察庁刑事局保
        安部長     綾田 文義君
        警察庁交通局長 片岡  誠君
        警察庁警備局長 山本 鎮彦君
        自治政務次官  武藤 嘉文君
        自治大臣官房長 松浦  功君
        自治大臣官房審
        議官      近藤 隆之君
        自治省行政局長 林  忠雄君
        消防庁長官   宮澤  弘君
 委員外の出席者
        文部省初等中等
        教育局審議官  諸澤 正道君
        文部省体育局審
        議官      石川 智亮君
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出第一〇一号)
 消防に関する件
 警察に関する件
     ――――◇―――――
#2
○上村委員長 これより会議を開きます。
 消防に関する件について調査を進めます。
 この際、消防庁当局から説明を求めます。宮澤消防庁長官。
#3
○宮澤政府委員 最近のビル火災の事情等につきまして御報告を申し上げたいと存じます。お手元に簡単な資料をお配りしてございますので、まず、それについて御説明を申し上げたいと思います。
 第一番目は済生会八幡病院の火災でございますが、この件につきましては、過日当委員会でも御報告を申し上げましたので、ごく簡単に御報告をいたしたいと思います。
 済生会の八幡病院の火災でございますが、出火の日時は本年の三月八日の明け方、三時二十一分ごろと推定されております。消防機関がそれを覚知いたしましたのが三時五十一分、一一九番で情報が入ってまいりました。鎮火をいたしましたのは五時二十五分でございます。
 出火の場所は、一階の婦人科の診療室付近でございまして、出火の原因につきましては、当直外の医師がたまたま病院に泊まっておりまして、その医師の不始末の疑いが濃厚でございます。
 焼損の程度でございますが、病院は鉄筋コンクリートづくり、地上五階、地下一階の建物でございます。一階から四階まで焼損をいたしておりますが、特に三階、四階が焼損をいたしておりまして、犠牲者も四階で出ているというような状況でございます。犠牲者は、死者が十三名でございます。
 それから、当日病院には、当直の職員といたしまして、医師を含めまして十五名の者が当直をいたしておりました。また、当日の収容患者の数は二百三十一名でございました。
 火災が起こりまして、消防機関が出動いたしたのでございますが、消防車が六十八台出動いたしました。はしご車等によりまして四階から五十八名救出をいたしております。
 それから、消防用設備につきましては、済生会病院は、屋内消火せん、自動火災報知設備、非常警報設備、避難器具等が設けられておりまして、多少問題はございますけれども、まず、この種の病院としては消防設備は比較的完備をしていたというふうに思われます。
 階段は、屋内階段が二カ所、屋外階段が二カ所ございました。
 この火事があのような大事故になりました原因でございますけれども、パイプダクトが天井裏で完全に仕切られておりませんで、パイプダクトを伝わって一階からの煙が各階の天井裏へ延焼いたしまして、これが大惨事になりましたおもな原因であるというふうに考えられるわけでございます。なお、五階でございますけれども、五階は、たまたまパイプダクトの空間がふさがれておりましたために延焼をいたさなかったわけでございます。
 この火事につきまして問題点がございますが、おもな問題点を申し上げますと、第一番目には、先ほども申しましたように、火災が発生いたしましたのが三時二十一分ごろでございまして、消防機関に通報のございましたのが三時五十一分ごろでございます。その間に約三十分の時間的な空白がございます。このことが火災を大事故に至らしめたたいへん大きな原因ではなかろうかと思っております。第二番目には、先ほども申しましたように、消防用設備はかなり整った病院ではございましたけれども、特に夜間におきます防火管理体制というものが十分でなかったということが指摘をされるわけでございます。第三番目には、先ほども御報告をいたしましたように、一階で発生をいたしました火災の煙なり炎なりが上にのぼってまいりましたのは、パイプダクトの縦穴部分の埋め戻しが十分でなかった点が一番大きな原因でございます。この点、問題点の一つとしてあげておきたいと思うわけでございます。
 以上が済生会病院の火災の概要でございます。
 次に、本年の五月二十八日に起こりました新宿歌舞伎町の第六ポールスタービルの火災概要について御報告を申し上げます。
 出火の場所は、第六ポールスタービルの四階、五階に「キャスチル」というゴーゴークラブ、キャバレーがございまして、そこが出火の場所でございます。
 出火の日時は、昭和四十八年五月二十八日十時六分ごろ、たまたま朝でございまして、その点で比較的人身事故が少なかったということが言えるかと思うのでございます。消防機関が覚知をいたしましたのが、一一九番で、十時十分でございます。鎮火いたしましたのが十二時八分でございます。
 出火の個所でありますが、四階のゴーゴーキャバレーの「キャスチル」の中央窓側の床付近ではなかろうかというふうに見られております。
 それから、出火の原因につきましては、目下調査中でございますけれども、たばこの不始末の疑いがございます。
 焼損の程度は、この建物は、鉄筋コンクリートづくり、地下二階、地上八階の建物でございまして、延べ面積が二千三百七十五平方メートルでございますが、焼損をいたしましたのは、四階と五階の「キャステル」でございます。四階と五階が一部吹き抜けになっておりまして、したがいまして四階、五階が一緒に焼損をした、こういうような事情でございます。
 それから、死者は、五階で男の人一名が死亡をいたしたという状況でございます。
 この第六ポールスタービルは、7の「使用状況」でもおわかりのように、一階から三階までが徳陽相互銀行で、銀行が使っておりまして、四階、五階がゴーゴークラブでございます。六階がバー、七階がマージャンクラブとスナックバー、八階が飲食店ということでございまして、ごらんのように、いわば典型的な雑居ビルでございます。
 出火をいたしまして、消防車が三十台出動しまして、ヘリコプター一機も出動いたしました。
 消火活動の模様でございますが、隣の棟に大和銀行がございまして、大和銀行の屋上からこのビルの建物の窓を破って消防士が侵入をいたしましたほかに、はしご車によりまして、装飾の格子、網入りガラスを破壊して侵入をいたしまして消火をいたしたわけでございます。こういうキャバレーのようなものでございますので、装飾の格子というものが窓の外側に張ってございまして、これなども、おそらく、今後こういう施設の防火というものを考えます場合に、一つの問題になるのではなかろうかと思っております。
 なお、四階、五階、六階はその施設の出入り口がかぎがかかっておりまして、消防士がカッターでとびらを破壊いたしまして、消火、救出作業をいたしたわけでございます。
 この建物の消防用設備でございますが、消火器、屋内消火せん設備、自動火災報知設備、非常警報設備、避難器具、誘導灯、連結送水管というものが設けられておりまして、「四階に避難器具が設けられていなかった」というふうに記載をしてございますが、そのような設備上の問題も一、二ございますけれども、まず、現行法のたてまえから見ますと、比較的消防用設備が整っていた建物であるというふうに見られるわけでございます。
 この建物の火災の問題点でございますが、四つほどここに掲記をいたしております。
 第一番目には、先ほども申し上げましたように、建物の窓の外側に装飾の格子がついておりまして、これが外部からの消火活動にたいへん支障を及ぼしたということが指摘できるようでございまして、この辺、今後の検討すべき問題点であるように思われます。
 第二番目には、先ほども申しましたように、消防設備は比較的整っておりましたが、防火管理の面でかなり不始末の点が多かったように見受けられます。当然選任をすべき防火管理者が未選任でございます。未選任と申しますよりは、選任をいたしていたわけでございますけれども、その防火管理者が、ああいうキャバレーのようなものでございますので、人の出入りがたいへん激しいようでございまして、一度選任された防火管理者がその職場をやめまして、それ以後防火管理者が未選任であった。結局、火災の当時は防火管理者が未選任であったという違法の状況でございましたし、それから、先ほども申しましたように、典型的な雑居ビルでございますので、共同防火管理を行なうべきでございましたけれども、共同防火管理も行なわれていなかったという状況でございます。
 それから、三番目に、たまたま午前中の火事でございましたので、銀行以外には、いわゆるお客というものはいなかったわけでございます。その点は不幸中の幸いでございましたけれども、もし営業中の火災ということを考えますと、やはり、屋外避難階段の設置というものが望まれるというふうに私どもは考えるわけでございます。
 それから、四番目に、店内がああいう施設でもございますので、可燃材料で内装されていたことが、ああいう煙をあおったということにやはり影響しているように思われるわけでございます。
 次に、三番目に、最近、六月十八日に発生をいたしました釧路市のオリエンタルホテルの火災の概要について御報告申し上げます。
 これにつきましては、実は、釧路地方が御承知のように地震、津波がございましたので、消防本部自身が、地震、津波のあとの対策でたいへん多忙をきわめておりました。そういうこともございまして、また、必ずしも十分な情報ではございませんので、その点ひとつあらかじめ御了承を得ておきたいと思います。
 出火の日時は六月十八日の明け方四時二十二分、鎮火が五時三十九分でございます。
 焼損の程度でございますが、この建物は鉄筋コンクリートづくり、地下一階地上六階の、延べ五千七百二十一平方メートルの建物でございます。このうちで、一階の千七百四十三平方メートルのうち、八百五十平方メートルを半焼をいたしました。焼けましたのは一階だけでございますが、後に申しますように、煙が上に上がっていったわけでございます。
 出火の場所は一階の宴会場付近というふうに想定をされております。
 出火の原因につきましては、目下調査中でございます。
 出火の当時、宿泊者は、五階と四階に宿泊施設がありまして、五階と四階に五十二名おりました。それから従業員が八名いたわけでございます。
 死傷者でございますが、死者は、男の人が二名でございます。「男二名(飛び降り)」というふうにここに書いてございますが、たいへん恐縮でございますが、飛びおりてなくなられた方は一名でございます。もう一名の方は、部屋で、いわば窒息死のような状況でございました。この点御訂正を賜わりたいと思うのであります。いずれにいたしましても、犠牲者は二名でございます。負傷者が三十五名でございます。
 消防機関の活動状況でございますが、出動車両は、はしご車を含めまして三十台でございます。消防隊が救出いたしましたものは三十九名でございます。はしご車によって八名、そのほかのつなぎばしごによって三十一名救っております。
 この建物は、一階がかなり上階に比べて大きい建物でございまして、特に一階にかなり長いひさしが正面のほうに出ておりまして、その関係で、正面からははしご車のはしごがかからなかった。はしご車が裏に回ってかけたわけでございます。正面のほうからは、ここにございますように、つなぎばしごを使って救出をしたという状況でございます。
 消防用設備の状況でございますが、消火器、屋内消火せん、自動火災報知設備、放送設備、誘導灯というものが設けられておりまして、この建物も、釧路市の消防当局の報告によりますと、消防用設備といたしましては、釧路市としてはかなり整ったもの、こういう評価がされていたわけでございます。
 階段といたしましては、屋内階段が二カ所ございます。それから、屋外階段も一カ所設けられておりました。
 この火災の問題点でございますが、先ほども申しましたように、目下いろいろ調査をいたしておりますので、まだ結論的なことはございませんけれども、一つは、焼けましたのは、いま御報告しましたように一階でございますけれども、一階から火事が発生しまして、主階段を伝わりまして、煙が上のほうに上がってまいりました。階段から廊下に出る防火とびらがございまして、防火とびらは夜間締めているというのが普通のようでございますが、たまたま四階におきましては、ちょうど地震がございましたので、お客からの要請がございまして、防火とびらをわざとあけておいたという事情があったようでございます。したがいまして、特に四階に一階からの煙が多量に進入をいたしたというような事情があるように見受けられます。したがいまして、煙と防火とびらの関係というようなものは、ここで問題点の一つとしてあげるべきであると考えております。
 それから、第二番目に、火災が発生をいたしまして、非常ベルが鳴り、火災が発生した旨の放送をしたと従業員等は言っておりますけれども、それが必ずしも宿泊者全員にうまく伝わったかどうかというようなところにまだはっきりしない面がございます。この辺も、もしそのとおりであるといたしますれば、設備が十分でありましても、その設備を活用すると申しますか、その設備を基礎にした防火管理の問題ということが出てくるように思われるのでございます。
 以上、三件、概要について御報告をいたしたわけでございますが、以上三件を通じていろいろな問題点がございますけれども、私ども特に感じますのは、一つは、従前からも指摘をしておりましたが、煙の対策というものを今後さらに強化をしていかなければならないということが一点でございます。それから、もう一つは、施設、設備をいかに設けましても、いざというときのそれの作動の問題、あるいは宿泊者等の避難等を含めました防火管理の問題、この煙の問題と防火管理の問題は今後さらに徹底をして考えていかなければならない、こういうふうに思っているわけでございます。もちろん、各種の消火設備、あるいは建物の構造、あるいは建築基準法の問題になるわけでございますが、建物の構造、設備等につきましても今後規制を強化をしていくべきであろうと思いますが、特に、煙というものを中心に考え、あるいは防火管理というものを徹底をするというような方向でものを考えていく必要があるように思われます。
 その煙の問題につきまして、一、二火災実験をいたしましたので、資料としてはまだ御提出を申し上げることになっておりませんが、煙の火災実験についてここであわせて御報告を申し上げたいと思います。
 一つは、厚生省の旧館で五月九日に火災実験をいたしました。これは建設省の建築研究所、通産省の製品科学研究所、私どものほうの消防研究所、三者が合同して火災実験をいたしたわけでございます。厚生省の旧館の二階の大部屋、床面積が二百二十五平方メートルでございますが、ここに火災室を設定をいたしました。この火災室に、衣料でございますとか、木材でございますとか、ちょうど千日デパートビルの三階売場にございましたような可燃物を置いておきまして、それに火をつけまして実験をいたしたわけでございます。
 実験の目的でございますが、実験の目的は二つございまして、一つは、部屋に火災が発生をいたしました際に、階段室等が避難路になるわけでございますが、その避難路に煙が入った場合に、煙を排除する場合の効果の測定ということが第一点でございます。
 それから、第二点は、煙がどういうふうに動いていくか、煙の流動状況を把握をいたしまして、それから煙の分析を行ない、建物の防煙対策に資するということが目的でございました。そこで、実験の方法といたしましては、まず排煙の方策といたしまして、先ほど申し上げました設定をいたしました火災室から煙が階段室にだんだん出てまいりました。それで、五階が一番上でございますが、五階の室内に一ぱいになりました時点で、電動送風器によって階段室に風を送りまして、その送風量なり、あるいは火災室や階段室のドアが開いているか締まっているかというような状況、そういう条件を変えまして、下から風を送ることによって排煙の状況がどういうふうになるかということを観察をいたしましたのが第一点でございます。それから、もう一つの点は、煙の発生量なり、あるいは上階に対する伝播の状況、あるいは煙の毒性というようなものを観察測定をいたしたわけでございます。
 その実験の結果はただいま取りまとめているわけでございますが、まず、排煙の問題といたしましては、結論的に申しますと、ある一定の条件のもとにおきましては、下から風を送ることによりまして、避難路と階段室等の煙を排除する効果が非常に大きいということが認められたわけでございます。しかし、これは一定の条件のもとでございます。条件を変えまして、たとえば階段室に多少――階段室の防火とびら等の開閉の状況によりましては、煙を送ることによってかえって火勢をあおるというような事情もあるわけでございます。その一定の条件のもとにおきましては、電動送風器で風を送ることによって、階段室を避難路として活用することが実際問題として考えられるという方向の大体結論を持っております。厚生省ビルの煙の実験は以上でございます。
 それとあわせまして、東京消防庁が旧労働省ビルの、やはり煙についての火災実験をいたしました。これは六月三日でございます。それにつきましても簡単に御報告を申し上げておきます。
 旧労働省ビルは、三階建ての鉄筋コンクリートの建物でございますが、これの一階の一つの部屋に、家具でございますとか、廃材でございますとか、化学繊維などを約一トン入れまして、それに点火をいたしまして、その火災によって一体どういう影響が起きるかということを主に実験いたしたわけでございます。二階や三階の廊下に試験用の防火戸を設けまして、これが一体煙をどういうふうに遮断するかという効果を測定いたしました。同時に、煙の拡散状況でございます。あるいは防火戸の自動閉鎖装置というものがどういうふうに働いているかというような有効性の問題、あるいはスプリンクラーの働く状況というようなものの測定を行なったわけでございます。この実験の結果も現在取りまとめ中でございますが、大体観察をされましたところの事項の幾つかを申し上げてみますと、一つは、煙は、火をつけましてから三分三十秒くらいで三階階段室に達しまして、六分で三階廊下全域に充満をいたしました。やはり、煙の速度がたいへん早いということが観測されたわけでございます。
 それから、防火とびらの自動閉鎖装置、これは熱に連動いたしまして閉鎖いたすものでございますが、これは作動がかなりおそかったという結果が出ております。ということは、やはり、煙対策から申しますと、煙に連動をした自動閉鎖装置というようなものを今後積極的に進めていく必要があるのではないかという感じがいたしておるわけでございます。
 それから、防火シャッターでございますが、これは火の遮断が主目的でございます。煙の遮断にはあまり効果がないように見受けられましたが、防煙の処置をしたものはかなり遮断効果があった、こういうような結果が出ているわけでございます。東京消防庁が行ないました旧労働省ビルの火災実験の概要は以上のとおりでございます。
 さて、私ども消防庁といたしましては、昨年の千日前のデパートビルの火災以来、あの教訓にかんがみまして、消防法で規制をいろいろ強化いたしてまいりました。政令、省令等を改正いたしまして規制の強化をしてまいったわけでございます。
 その概略を大体申し上げますと、劇場でございますとか、キャバレーでございますとか、旅館でございますとか、病院等の不特定多数の人の利用する施設、それから、それらの施設が混在をいたしております、いわゆる雑居ビルというようなものを中心にいたしまして規制の強化をはかってまいりました。おもな点といたしましては、防火管理者を選任をしなければならない施設の対象を拡大をいたしました。あるいは、消防計画をつくることになっておりますが、消防計画を消防機関に届け出ることを義務づけをいたしました。あるいは、避難訓練の強化というような防火管理体制の強化を省令、政令の段階ではかってまいりました。同時に、消防用施設につきましては、スプリンクラー設置でございますとか、あるいは自動火災報知設備、あるいは避難器具等の設置義務の対象の拡大をはかってきたわけでございます。そのような措置を講じてまいったわけでございますけれども、先ほども御報告を申し上げましたように、最近の火災、特にビル火災の事情は、規制の強化なり、あるいは防火管理の拡大なり、あるいは煙対策というものをさらに早急に講じていく必要性というものを痛感をいたしているわけでございます。
 まず、煙の問題でございますけれでも、先ほども申しましたように、労働省ビルあるいは厚生省ビルにおいて実験を行なったわけでございますが、今後考えます問題は、避難通路というものを煙から守るための排煙の方式ということは、重要な点として至急に検討をいたさなければならないと思っております。あるいは、室内におきます可燃物の物量の制限というようなものも強化をしていく必要があろうと思います。同時に、煙火災におきます消火活動が、消防関係機関としてもたいへん難渋をいたしております。空気呼吸器というものをつけまして煙の現場に突入をいたすわけでございますけれども、現在の呼吸器等がかなり重量も重いし、その耐用の時間数も短いわけでございますので、もう少し有効な呼吸器というようなものの開発をしたい。これもほぼめどをつけているわけでございますが、そういうように、消防機関から始まりまして、施設自身の、特に人命の安全という見地から煙対策というようなものをさらに強化をしていく必要を痛感をいたしているわけでございます。
 それから、建築基準関係といたしまして、これには建築の構造設備の問題でございますが、やはり、避難階段でございますとか、防火区画でございますとか、あるいは空調のダクトを伝って煙等が入りますので、この問題でございますとか、あるいは防火とびらの、先ほども申しました閉鎖の機構、いままでは大体熱に連動して防火とびらが閉鎖をするというものが多かったわけでございますが、やはり、煙に連動する閉鎖機構というようなものをもっと積極的に考えていかなければならない。あるいは建築基準の関係でも、既存の建物に対する規制の遡及の問題というように、これは直接には、私どもの問題と申しますよりは、建設省の建築基準、建築構造、建築設備の問題でございますけれども、私どものほうからも十分連絡をとりながら、建設省のほうとしても十分その辺を今後考えてもらっていかなければならない、こういうふうな感じを強くするわけでございます。
 先ほど、私は、今後の問題といたしまして、煙の問題と同時に、一つは防火管理体制の強化ということを申し上げたわけでございます。先ほどの三つの火災からも御想像をいただけますように、三つの施設ともに、この種の施設としては比較的消防用設備は整っていたほう、こういうふうに考えられる施設でございます。その施設がかなり大きな犠牲者を出したということは、設備、施設の強化もさらにする必要もございますけれども、同時に、防火管理体制というものをさらに徹底をしていかなければならないということを痛切に感じるわけでございまして、防火管理体制は、これは消防機関が取り締まるだけでは結局どうにもなりませんので、施設なり設備の設置者、運営者の自覚というものをさらに徹底をしていく方途を何らか講じていかなければならない、こういうふうに感じているわけでございます。
 そこで、そういうことの一環といたしまして、私どもは、特定の施設、特に不特定多数の人が使用をいたします施設につきまして、表示と公表という制度をやっていただきたいということを地方の消防機関にお願いをしているわけでございます。表示と申しますのは、そういう施設につきまして、消防用設備、法令に定められました設備の基準があるわけでございますが、その設備の基準を満たしておりまして、しかも防火管理その他の運営面においても、これならばまずだいじょうぶだというような施設につきましては、消防用設備が整っているという意味で、「消防用設備良」という表示をこの施設の内側、外側にしていただく、こういうことが表示の制度でございます。現在、こういう不特定多数の者が利用いたします施設は全国に非常に数がございまして、その中には、消防機関がたびたび警告を発しましても、なかなか現行法の基準を充足していないという施設がございます。そういうことで、表示をいたしますと、かなりのものがこの「良」の表示から脱落をするというような事態もございまして、場合によりましては、営業妨害ではないかというようなこともございますけれども、この表示の制度というものを東京消防庁あたりから始めてもらっています。さらに、消防用設備が整っておりませんで、消防機関が何度警告を発しましてもそれに従わないというものは新聞等によって公表してもらう、それによって市民に情報を提供いたしまして、一般の人と一緒に安全な町づくりを考えていく、こういうようなことを考えているわけでございます。
 それから、最後に、これらの災害から考えますと、消防用設備におきましても、特に火災が発生をいたしました場合に、それを消火するのに一番有効なものの一つといたしまして、スプリンクラー設備がございます。私どもは、今後、このスプリンクラー設備の設置の対象の拡大、それから、これにはかなり困難がございますけれども、これの遡及適用という問題をさらに積極的に考えてみたいと、こういうふうに思っているわけでございます。
 以上、最近のビル火災の事情と、それに対する私どもの考え方、今後とるべき措置というようなものにつきまして御報告いたしました。
#4
○上村委員長 以上で、説明は終わりました。
     ――――◇―――――
#5
○上村委員長 次に、内閣提出にかかる公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。江崎自治大臣。
#6
○江崎国務大臣 ただいま議題となりました公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由と要旨を御説明申し上げます。
 公有地の確保につきましては、公有地の拡大の推進に関する法律に基づき、その促進をはかってきているところでありますが、最近の土地需要の動向に即応し、地域の秩序ある整備を推進するため、土地の先買い制度を整備するとともに、土山開発公社の業務を拡充する等所要の措置を講ずる必要があります。
 これが、この法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、土地の先買い制度の整備についてでありますが、現在、市街化区域に限定されております土地の先買い制度の対象区域を都市計画区域の全域に拡大いたしますとともに、届け出により先買いをした土地は、公共用地等の代替地に充てることができることといたしております。なお、届け出等にかかる土地の譲渡制限期間を最長四週間から六週間に延長することといたしております。
 次に、土地開発公社の業務の拡充についてでありますが、公社の本来の業務に支障のない範囲内において、地方公共団体の委託により、土地の造成とあわせて行なう公共施設の整備等の業務を行なうことができることといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますことをお願い申し上げます。
#7
○上村委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
#8
○上村委員長 次に、警察に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。吉田法晴君。
#9
○吉田委員 三月の十二日、これは福岡県の宮田町というところにあります県立鞍手商業高校で起こった問題であります。
  〔委員長退席、中山(利)委員長代理着席〕
校務分掌に関連をいたしまして、職員会議で相談されることになっておりました、その校務分掌について、いわゆる校長の私案を提示した。協議をすることになっておったけれども、相談するに至らなかった。この問題について掲示をした、その掲示の紙を破ったということで、六月の十二日に、強制捜査あるいは取り調べ、書類の送検という、いわば警察の強権的な活動があったわけであります。問題は学校の中の問題で、学校の中の問題も、これはあとで文部省の御意見等も承りますけれども、私どもが調べた範囲内では、校長も、あるいは教頭等も職員会議で議題にする、相談をするということになっておったものを、掲示をしたということで問題が起こった。しかし、それは学校内部の問題でありますが、三月の十二日にあった問題を六月の十二日になって強制捜査に踏み切っております。PTAやあるいは学校の生徒からも、学校の中に警察が入ったことについてのいわば抗議的な申し出がいっておりますが、この三月の十二日のことについて、しかも学校内部の問題について、六月十二日以降強制捜査に踏み切った理由をまずお尋ねをいたしたいと思います。
#10
○江崎国務大臣 これは具体的な事案でありまするので、警備局長から詳細に御答弁いたさせます。
#11
○山本(鎮)政府委員 事件の発生は、いまお話しがありましたように、三月の十二日でございますが、警察が知りましたのは、四月の七日に学校から被害申告がありまして承知したわけでございまして、その後、四月の十三日から捜査を開始いたしまして、前の校長ら十四人から延べ十八回にわたって事情を聴取したわけでございます。その結果、容疑事実がはっきりいたしましたために、六月七日に裁判所から捜索差し押え許可状、検証許可状の発行を受けまして、日曜日を待って、六月十日早朝に捜索、検証を行なうとともに、被疑者に任意出頭を求めたものでございます。この間、関係者が教育に携わる方であるために、事情聴取についても教育的配慮を必要としたということ、それから、事件当時の校長が退職して大分県に在住しており、出張して捜査をする必要があったということ、それから、捜索差し押えの日時をきめる場合についても、生徒の目に触れないように日曜日の朝を選ぶ、こういうような形で慎重な配慮を行なったというようなことで、捜索及び被疑者に対する任意出頭要求までに、認知してから約二カ月かかったわけでございまして、そういう事情ということを御賢察いただきたいと思います。
#12
○吉田委員 経緯について、私どもも少し知らぬこともございますが、送検をされました書類は公文書破棄ということになっておるようでありますが、六月の十六日、私どもが、社会党の調査団ということで、文教委員諸君も含んで参りまして、教頭、事務長から聞いたところによりますと、あの掲示をした文書が公文書ならば控えがあるだろう、あるいは現物がプリントされたということもあるから、その書類の保存があるだろうということを尋ねましたけれども、控えもない、あるいは保存もない、そして、公文書かどうかということについては、公文書とは考えられないと言う。これは教頭のお話しでありました。これは形式的に公文書と考えるかどうかという問題が一つと、それから、この内容でありますが、先ほども申し上げましたけれども、三月十二日に職員会議が開かれた。冒頭に、この校務分掌の問題について、時間がたつことだから冒頭に協議をすべきではないかという緊急提案がなされたけれども、協議の結果、これは議長は校長がしておりましたか、あるいは実際の説明を教頭がしておりましたか、つまびらかにいたしませんけれども、教頭等の意見もあり、それからみんなの話では、その日四時から警備員の葬式があるからということで切り上げなければならぬが、まず議題になっている問題を協議をして、そのあとで校務分掌については協議をしよう、議題にしようという了解で進んだ。ところが、三時二十分ぐらいになって、教頭がお坊さんで葬式を実際に主宰をしなければならぬものですから、教頭が立って、あとは聞いた話だけれどもということでございますけれども、その校務分掌については相談をするということになって、相談に至らなかった。したがって、決定案だとは、職員会議にはかってきめた案というわけにはいかぬという点は、これはお認めいただけると思うのです。そうすると、いわば校長が原案を出して職員会議で検討するというふうになっておったのですが、そうでないものを一方的に掲示をするということになれば、校長の意思を職員会議にはからないで一方的に掲示をするということになって、実質的にもそれが公文書であるということで断定することは困難ではないかと思われます。これらの点についてはどういうぐあいに報告を受けておりますか、承りたい。
#13
○山本(鎮)政府委員 最初の御質問、公文書でないのじゃないかという御質問でございますが、本件は公文書毀棄罪ということで送致したわけでございますが、公文書というのは「その作成者、作成の目的いかんにかかわりなく、現に公務所で使用に供しまたは使用の目的をもつて保管している文書を総称する」というふうに判例でなっているわけでございますが、この鞍手商業高校は、やはり、地方公務員の地位にある同校の教職員が勤務する公務所でございます。また、本件文書は、当学校当局が、校長の名前をもって、昭和四十八年度の校務分掌の一部を全教職員に告示するため、同校の教職員室の中に掲示したものでありますので、それが法令に基づいて作成、使用しているものであるといなとにかかわらず、また、同校校長の押印があるといなとにかかわらず、同校で職務上の必要から現に使用中の文書であることは明らかであるので、公文書毀棄罪の客体としての公文書に該当するというふうに判断をいたしたわけでございます。
 さらに、当日の状況、事実の関係について御質問でございましたが、われわれ警察のほうで調べた事実と若干事実関係が異なっておるようでございますが、われわれの把握しているところによりますと、校務分掌問題取り扱いをめぐっていろいろと紛糾したわけでございますが、校長の指示で、まず最初に入試事務の問題についての審議に入って、午後三時少し前に、お話しのあったように葬式に行くということがあったので、三時前に校長が立ち上がって、みずからの権限に基づいて決定した校務分掌を読み上げたわけです。ところが、喧騒のため聞き取れないという状況になったために、この校務分掌を書いた文書を面前に掲げて全員に示して、職員に命じて、これを黒板に画びょうでとめて掲示させたものでございます。したがって、本件文書は、校長が学校管理規則第十二条及び本年の二月一日付の福岡県教育委員会教育長通達にのっとって職員の意見を徴しながら、みずからの権限に基づいてすでに決定いたしました校務分掌を職員会議で職員に示達しようとしたが、徹底を欠くきらいがあったためにこれを黒板に掲示させたもので、単に事案というわけでなくて、これはもう決定されたものであり、これが公文書に該当するというのは当然であるというふうにわれわれは判断をいたしております。この間の事実関係について、先生の御調査と若干違った点があるので、私のほうの意見を申し上げた次第であります。
#14
○吉田委員 事実の認識の違いと、それから法律的な解釈とが違ってくるのは当然だと思うのです。
 文部省の諸澤審議官に来ていただいておるようでありますが、校務の分掌という問題が、学校の中で、学校の教諭の本務であるかどうかお尋ねをいたしたいと思います。
 教育基本法あるいは学校教育法等の関係の部分を拝見をいたしましても、校務の問題について学校長が自分で考えた、だから、その考えたことを表明することはすなわち学校の校務であり、そしてまた校務を分掌させることは一方的に命令し得ることだとはどうしても納得ができかねます。教育基本法の第一条に「教育の目的」と書いてありまして、「教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」となっている。個々の個人の価値をとうとび、それから勤労と責任を重んじ、自主的な精神に満ちた国民を育てるということであるならば――先生自身も、あるいは校長自身も、あるいは校長と教諭との関係も規定してございますが、勤労と責任を重んじ、自主的な精神に満ちた人を育てるためには、学校自身も、あるいは教諭自身も、校長も、自主的な精神に満ちておらなければならない。教育でありますから、教育者の人格というものが生徒、児童に移ると思います。この校務分掌の中には、庶務、消火あるいは清掃、衛生等の業務もございますが、これを本来の教育そのものとは言いかねることは、これは何ぴとといえども否定するわけにはいくまいと思います。あるいは生徒指導とか、進路指導とか、あるいは学生主任とか、教務主任とかいうのは校務に関係ないことではございませんが、それが本務であるのかどうか、自分の受け持ちの児童に対して教育をする、あわせて校務について担当をきめて分掌する、これらは校長を中心にするにしても、先生の間に、一人一人の教諭の自主性と、協議による納得と、自発的協力なしには校務の円満な処理というものはむずかしいのではないかと思うのです。そういう意味では、校長がこう考えたから、それを一方的に発表すれば、それで学校の業務がうまくいくというものではなかろうと私は考えるのであります。職員会議にかけるということは最初に相談をしてきめたが、それを協議するに至らなかった。すでにそれはさまっておった。校長の腹の中できまっておった。しかし、それを職員会議にはかり、あるいは相談をしてそれぞれ引き受けを願うという過程があってこそ、ほんとうに校務分掌の決定と協力とができると思うのです。言うまでもないことでありますけれでも、綸言汗のごとしというか、昔の天皇制とか王制なら別問題でありますが、学校で校長が言ったら、それが何でも権威がある、それがそのまま実行されると考えるのは、私は、封建主義だと思うのです。少なくとも、教育基本法やあるいは学校教育法が予定しているところではなかろうと思う。そこに警察が介入をしておるわけでありますが、警察の介入の当否は別にして、校務分掌という問題と、校務分掌を民主的に運営していくべきである、あるいは民主的にきめるべきであるという考え方についての、文部省初中局審議官としての御意見を承りたいと思います。
#15
○諸澤説明員 ただいまの先生の御質問の前段は、要するに、学校の先生がやる仕事の範囲というのはどこまでかというようにお聞きしたわけでございます。その範囲が定まったところで、それはそれでは一体だれがどういうふうに仕分けをし、分担をさせるのか、こういうことだと思いますが、前段の学校の先生の職務の範囲でございますが、御承知のように学校教育法には、まず校長さんは、「校務を掌り、所属職員を監督する。」とございまして、それから教諭のほうは、教諭は児童または生徒の教育をつかさどるというようになっております。そこで、先生の御指示は、教育をつかさどるのだから、日々の教場における教育活動、それが仕事じゃないか、各種の掃除だとか、衛生とか、文書記録だとか、あるいはその他の校外補導だとか、そういうものは先生の仕事ではないのではなかろうかというふうにお聞きしたわけでございますが、しかし、私どもが考えますのは、およそ学校というのは、校長がおり、教諭がおり、そして子供がおって、その学校という施設において、その人的あるいは物的な活動体が一つになって教育活動をするところにその意義があるわけでございますから、子供が学校におって日々教場で勉強するということだけが先生の仕事ではない。やはり教場の外においても教育活動を円滑にし、そして、先生が、おっしゃるような基本法の目的に達するような子供を教育するためには、そのほかのいろいろの校務というのがございますから、そういうものは直接教育という活動そのものでなくても、それはやはり先生の仕事だというふうに考え、今日まで各県に御指導申し上げ、それをやっていただいておるわけでございます。そこで、今度は、校長さんは、そのような教師の職務というものを前提にして所属職員を監督するのでありますから、校長が校務分掌をきめる、だれは何年の学年主任とか、あるいは全校の教務主任だとかいうことは、校長さんがきめるというのは論理上当然であろうと思います。福岡県の県立学校の学校管理規則によりますと、校長は毎年先生の校務分掌というものをきめて、県の教育委員会に届け出なさいという規則があるわけでございます。ところで、問題になりますのは、その校長が校務分掌をきめる場合に、いわゆる職員会議というものがどういう立場に立つかということでございますが、聞きますところでは、従来、福岡県では、学校によっては、校務分掌をきめる場合に、職員会議の投票等で、だれ先生は何、だれ先生は何というふうに分掌をきめて、それを校長に報告する、校長はそれを一方的に受け入れて校務分掌をお願いする、こういうやり方をやっておったようでありますが、いま申しましたように、校長さんの立場というのは、やはり、主体的に当該学校の運営についで最終的に責任を負う方でございます。おっしゃるように、独断専行してよろしいというものではさらさらないけれども、そういう意味では、職員会議等にはかって、十分御相談申し上げるということは必要でありましょうけれども、最終決定はあくまで校長さんのところにおいてきめる性質のものである、こういうふうに考えられるわけであります。
 そこで、福岡県では、ことしは、いまの学校管理規則に一条を加えまして、いま申したような職員会議の性格というものを規則の上でも明らかにした、こういうふうに聞いておるわけでございます。
 そこで、いまの鞍手の問題になるわけでございますけれども、したがいまして、校長の立場としては、規則の定めるところに従って、先生方の御意見というものについては事前にいろいろと聞いたということでございます。しかし、聞いたけれども、最終的には校長がこういうふうな校務分掌でいこうということを決定して、これを職員会議に伝達しようとしたところがうまくいかなかったという経緯のように私ども聞いておるわけでございます。
#16
○吉田委員 いままでの福岡県の実際と、それを変えようとする教育委員会なり、あるいは県の立場がどういうことにあったかということは具体的にあらわれておりませんけれども、この問題についても、学校から警察活動を求めたという形跡はないようであります。少なくとも、学校について聞いた場合にはそういうことです。ですから、学校の管理体制を管理規則の改正等で進めようとした教育委員会等にあるいはあるのではないかと感じたところであります。
 それはあとで問題にすることにして、いままでの学校の校務分掌のきめ方は問題があるといって、管理規則を変える。それから、そのやり方についても、管理規則には諮問すると書いてございますが、それといままでの経過といいますか、あるいは慣例といいますか、これをどういうぐあいに両立させるかということは、これは学校長なり、あるいは教育委員会の苦心のあるところだと思います。鞍手商業高校における従来のやり方、そして先生たちの意見も聞きながらきめていこうというやり方、しかも、それが、教育委員会から一方的に指図をされてやろうとしたところに摩擦が起こったと考えられます。この問題について、あとで、PTAの代表やら、あるいは子供自身からも、学校の現場に警察が入ってくることで抗議的に申し入れがあったやに、一つは新聞で、一つは現地で実際に聞いた。あとで校長に会いましたら、事態の円満な解決を望むということはやはり校長さん自身も言っておられる。先生とあくまで対立をしていって、それで済むものではない。そうすると、校長と職員との関係、先生との関係の問題と、それから、教育をどんなに効果的に、教育基本法、学校教育法の精神に従ってやるかという問題について意見が分かれたときに、その意見の統一のために警察を入れることが望ましいかどうか、これらの点については、これは校長の発言ではございませんが、常識的に考えるところだと思います。やり方は、さっきも申し上げましたけれども、学校運営のやり方を、一方的に昔流に校長が思ったとおりにやりさえすればよいということでいくとは考えられません。まあ、法律に書いてありますように、監督をするとか、あるいは責任をもって云々ということはございましょうけれども、教育基本法にしましても、あるいは学校教育法にいたしましても、その精神が先ほど申し上げたような点にあるならば、その民主的な教育あるいは平和的な教育をどう進めていくか。学校児童、生徒の自発性、自発的な成長を助けるというのが民主的な教育の本務であるならば、学校の運営も民主的にやらなければならぬというのが当然だろうと思いますが、問題が起こったときに警察を入れて解決するというのはどうですか。
#17
○諸澤説明員 学校の運営なり、あるいは生徒の指導について、基本法、学校教育法の示しますところに従いまして自主的な人間を育てるということは、これは申すまでもなく非常に大切なことだと思います。そういう意味で、先生が自発的な創造的な教育活動をなさるということはわれわれも期待するところでございますけれども、しかし、それは、あくまでも、きめられたルールの中においてそのような活動をしていただかなければならないわけでございますから、いまの職員会議の性格、それによる校長の責任というようなものを踏まえていただいた上でやっていただくことが必要だ、かように思うわけでございます。
 警察の調べ、捜査を受けたというのは不幸なことではございますけれども、われわれとしては、そういう捜査を受けるような事態が何らかの形で学校に起こったということがはなはだ残念なことであるというように思うわけでございます。
#18
○吉田委員 校長から、先ほど申し上げましたように、われわれに、円満な解決を望むという発言までもございました。それを、校長の意思どおりに強行しようということで学校に警察を入れたという結果になっておるが、円満な解決を望むという校長の意思が進められるためには、あるいは成就させられるためには、この問題も問題になると思いますが、あるいは校長も教頭も、関係者も、学校に警察が入ったということについては、程度の差はあれ、ひとしく遺憾の意を表明しておられるところであります。この校長の希望を達成されるために、警察に対して、文部省として希望せられるところはございませんか。
#19
○諸澤説明員 いま申しましたように、学校内で、何らか警察の捜査を受けなければならぬような疑いがある事実が発生したというところに問題があろうと思うわけでございますので、われわれの立場といたしましては、今後警察の調査の成り行きを見てまいりたい、かように思うわけでございます。
#20
○吉田委員 この場で調子を合わされようとするのは私ども納得いたしかねますが、それでは、国家公安委員長にお尋ねをいたしたいと思います。
 労働運動に警察は介入をすることは毛頭考えていない、労使の争いに対しては、これは法の範囲内で当事者にまかせるのだ、警察というのは中正不党だ、こういうように言ってこられた。現地に参りまして、県の警察本部の本部長あるいは警備部長等の立ち会いでございましたが、学校運営あるいは校務分掌についての意見の対立があって問題が起こったというところに警察が介入する理由はないではないか、かねて国家公安委員長の言明をせられたところと、福岡県警察がやっておられます態度は違うのではないかというお尋ねをいたしましたら、警備部長が答弁をして、あとで警察の本部長もそれを肯定されましたが、労働運動あるいは大衆運動に随伴をして起こった問題だから警察は出動したんだ、あるいは強制捜査に踏み切り、あるいは調査をしたんだ、こういうお話しであります。そして、また、その社会的な影響をも考えたと言うんでありますが、先ほど来申し上げましたように、学校の運営あるいは校務分掌に関連をして意見が違った。その掲示をした文書が最終的な職員会議の了承を得たものであったかなかったかという点は先ほど来争ったところでありますけれども、少なくとも、議題にするということで議題にならなかったことだけは事実である。すでに校長はきめておったと言われますが、校長がきめておったと言われることを、それまでには意思表示は全くなかったわけであります。あるいはその関係者の中で言うたことでありましても、肩をたたいて言っても、あるいは口頭で言っても、しかし、議題にしないで、了承を求めないで、一方的に掲示をされたという点に、はたして公文書であるかどうかという疑問を私ども持ったゆえんであります。いずれにいたしましても、その校務分掌について意見が違って、そしてまた、その表示の方法が問題になっておるところだけれども、校務に関連をして警察権力が介入されたことは望ましいことではないと関係者の全部は言う。校長も、あるいは教頭も、学校の先生も、PTAも、生徒もそう言う。そして学校の校長は円満な解決を望むと言っておるのに、労働運動に関連をするから、あるいは大衆運動に関連をして起こった問題だからということで警察権が介入されるならば、実際問題として、それは労働運動に対する介入になるではありませんか。これは、福岡県の教育委員会と、その背後には県知事の意見もあるようでありますけれども、教育委員会と教組との間に意見の食い違いがあって、この規則の制定をめぐり、あるいは校務分掌のきめ方の問題をめぐって争いがある際に、大衆運動に関連がある、大衆運動に随伴して起こった云々ということで介入をされることは、その介入の社会的影響のほうが大きいと考えられますけれども、これは警察当局の答弁を伺いたい。あるいはこれは大臣答弁かもしれませんが、どちらかからひとつ意見を承りたいと思います。
#21
○江崎国務大臣 これはあなたがおっしゃるように、学校教育に与える影響を考えながら警察が行動をするということは当然だと思います。それから、警察は、こういった労働問題については、厳正中立、公正な立場をとる、これももう当然なことであります。ところが、これは何も警察が好んで介入したわけではなく、さっきからの説明でおわかりのように、四月七日に学校からの被害申請があって、それから事情聴取をしたり、取り調べが始まったわけであります。校長がいわゆる福岡県立学校管理規則の定めるところに従って、自分の権限で決定した新しい校務分掌の内容を文書に作成して、これを事務主任に命じて教職員室内に掲示をさせたところ、数人の組合員が校長の目の前でやにわにその文書をはぎとって持ち去ったという問題ですが、これは、やはり、当事者から被害届けがあり、取り調べをされたいということになれば、警察としては、悪質違反ということで調べておるというわけでございます。これは当然だと思います。
#22
○吉田委員 同じような事件が、私どもが参っておりました六月の十五日に起こっておるのでありますが、これは労働運動ではございません。カネミという北九州にあります米ぬかからとりました油の中にPCBが多量に混入して、西日本一帯に何千名もの油症患者が出た。その油症患者に新しく認定された諸君が、市のあっせんで社長に会うことになっていて、十五日に面会を求めて行ったのであります。そして、工場の門のところで社長に面会を求めた。これは市の職員も同行したわけであります。そうしたところが、一一〇番で会社のほうから要請があった。それで、警察の機動隊が出た。このカネミの会社は、社長さんはじめ会社がいままで患者にまともに十分話し合ったこともありません。あるいは医療の一部は負担しておりますけれども、最初は、もし私のほうの油が原因でそういう油症が起こったのならば――これはたいへんな症状ですが、それが原因で起こったのならば、まる裸になっても治療と補償に最善を期しますという話でありましたけれども、その態度が変わった。私は、これは、県、市の態度に原因があると思いますけれども、十分会いもせぬ。あるいは、誠意を尽くして話もしない。そこで面会を求めているのは当然だと思われます。その門の前には、患者の会長が継続的にすわり込んでおるという実態があります。その新しく認定された患者が、市のあっせんで社長に会うという約束がされたから行った。玄関で患者だけには会う。患者以外の随行者とは会わない。押し問答の最中に警察に一一〇番の電話があった。行ってみて、何事もなかったから、本人に聞いたら、本人は工場に帰りたいということだったから、護衛して工場に帰したということであります。これは、世論から考えますならば、何も身に危険があるというわけでも何でもありませんし、面会を求めている患者を会わせないように、いわば、中に入って、会社側に立って患者を阻止した。そのあと、会おうと言われなかった支援の人たちがへいの上に上がって、いわば避難をしておったのだと思いますが、それを内部から引きずりおろして暴行を加えるという事態さえ起こりました。これは警察の行動がなかったならばそういうことまでは起こらなかっただろうと思いますが、被害者が加害者に対して面会を求めて、治療と補償を要求するのは当然だと思うのであります。なぜそういうところに出るのでしょうか。私は、福岡県警察の態度に問題があると思った。ここで公正な答弁が行なわれるかと思ったところが、警官の行動に対してはあくまで弁護しようという態度が見受けられますが、それでは公正なるべき国家公安委員長の立場ではないような気がする。いまの問題に関連をして、重ねて御答弁を願います。
#23
○江崎国務大臣 具体的な事犯につきましては、警備局長から詳細を申し上げますが、私は、公正な取り締まりを行なっておるというふうに報告を受けております。そればかりか、警察では、全然実力行使などの挙には出なかったという報告でございます。
#24
○山本(鎮)政府委員 お答えいたします。
 ただいまの件については、六月十五日午後八時十分ごろ、北九州市の小倉の東港町所在のカネミ倉庫から小倉署に対して、会社の総務課の次長が患者や支援のグループに取り囲まれて、いわばつるし上げられて離脱できないんだというような意味の一一〇番が参りまして、小倉署は、別に機動隊を出したわけではございませんで、私服の者がどんな事情かということで――一応そういう一一〇番があって、いわば助けてくれということなので飛んで行ったのです。そして、会社の正門の前でそういう状況を把握いたしまして、次長に、交渉をおやりになるのですか、交渉をやっていくのですかということを尋ねたら、もう交渉はやりたくないんだと言って引き揚げてしまったという状況であって、警察としては、別に、これらの患者と会社側との交渉の内容に干渉した事実もございませんし、実力で患者を外に排除したというようなこともなくて、まあ、一一〇番があったから飛んで行った、そして事情、状況を聞いたというだけで、それに対する干渉、排除というようなことは何らしたことはないというように報告を受けておるわけでございます。
#25
○吉田委員 公安委員長は報告を聞いて判断をするのですけれども、何もしたわけではない、こういうお話しであります。そこで警察官がどういう役割りを果たしたかは、そのときの写真を見ればわかることであります。報道は、私も現地に行ったわけではないから新聞記事を見るだけでありますが、カネミの会社側のいままでの仕打ちを見ていると、あるいはたび重なって面会を求めても面会もしない。だから、面会をしない加藤社長に対する非難の声はあっても、患者が面会を求めることについての非難の声はありません。これは新聞紙上を見てもわかります。
 それで、市のあっせんで面会をすることになっていて、門の前まで行った。そうしたら総務部の次長が出てきて、患者だけに会うという約束だから患者以外は入れませんと言う。そこで押し問答になったのですが、身の危険があるとかなんとかということなら別問題にして、会う会わぬというところに警察が出て――これは写真を見ればわかりますけれども、また、県の本部長に聞きましたところ、本人に聞いたち、本人が工場に帰りたいと言うから帰れるようにしてあげたんだと言うのですから、それは警棒をふるったりする、いわゆる実力行使であるかどうかはわかりません。また、出ていった警官は、私服も、あるいは制服もおったかもしらぬと思いますが、機動隊ではなかったかもしれません。機動隊ではなかったかもしれませんが、それが総務部次長を工場の中に帰れるように、いわば面会を求める患者と会社側とを隔てて、交渉を打ち切らして、この話を打ち切らせた。市も立ち会って面会をさせるということになっておったけれども、面会をさせるほうには動かなかった。客観的に見れば、会社に頼まれて、面会を求める患者さんを阻止をしたということにしかなりません。そのことが非難されるゆえんだと申し上げているわけであります。そうすると、主観的にはどうであろうと、客観的には、この加害者と被害者との面会を求める患者に対して、警察がこれを阻止して、会社側を引き揚げさせて、面会をさせないようにしたということにしかなりません。これを申し上げているのです。それから、その形勢があとに影響したと思うのでありますが、これは調べているという話ではございましたけれども、会社側から被害者に対して暴行事件が行なわれた。いわば、全体を通じてみて、加害者の会社側に立って警察は動いたという印象を受けることは、警察としては公正を欠くことになるではないかということを申し上げているのです。
 それから、この問題について言うと、いわば労使の問題とは言うかもしれませんけれども、県の教育委員会と学校の先生との間で、学校の校務分掌のきめ方をめぐって争いがあって、その問題を、校長自身としても、あとけんかのままで済むわけにはまいりませんから、円満に解決することを望むということも言っておるわけです。そうすると、学校の内部の問題について、いわば鶏をさくに牛刀をもってするということではございませんけれども、大上段に振りかぶって学校の中に土足で入ることが問題を円満に解決することになるのかどうか。学校教育法あるいは教育基本法に従って教育が行なわれることが望ましいということは、国家公安委員会といえども、あるいは警察といえども、異議を申し立てられることはないと思うのでありますが、その全般的な立場に立って、高いところから考えてみても、警察の動きについては行き過ぎがありはしませんか。あるいは、大局に立って言えば、片一方につくというような結果になることは慎むべきではないかということを申し上げているのであります。
 重ねて公安委員長の御見解を承りたい。
#26
○江崎国務大臣 警察側は、特にこのごろは民主警察という形で、行き過ぎのないように、そういう場面でも誤解を生じないように、十分配慮をして行動をいたしておるものと、私も実は認めておるわけでございます。
 いまのカネミ油症患者の問題でございますが、これは患者側から言いますと、相当言いたいことも多いわけですし、当然、その補償を求める集まりですから、積極的に意思表明されることは、これは無理からぬことだと思う。会社側は、自分の命に関係があるというような主張をもって補償を迫ってくる人々に、次長なら次長が会っておるということになりますと、やはり、よほど腹のすわった人でありませんと、ここでたたき殺されてしまうのじゃないかといったような被害妄想にかられる。これはどうもあることだと私は思うのです。そこで、警察側に急遽助けを求めるといいますか、状況の急を知らせるということがあって、警察が参りまして、そして、まあ静かに話をしましても、また、警察側も、そういうところへ入っていく場合には多少人数を持っておりますから、今度はまた相手に、ややもすると誤解を与えがちだということはあろうかと思いますが、これは、警察がそういう場面に入って、会社側についてどうするとかこうするとかいうことはございません。会社側として交渉の意思がないから、ひとつどうぞ自分の身を自由にしてもらいたいという要請があれば、それに基づいて話し合いをする、仲介の労をとるということは、火急の場面でありますからあったと思いまするが、その行動において不当な行為があったという報告は一切受けておりません。
#27
○吉田委員 まあ、それは、報告を受けているとは思いません。自分で公正を失って、あるいは会社側について云々ということは、これは報告はないでしょう。先ほどの本部長からの説明をもってしても、現地に行ってみたら、本人が交渉に応ずるというならばとにかくでありますが、本人が帰りたいということだから帰れるようにしてあげたと言うんですから、その場に入った警察が役割りを果たしたことは間違いありません。(江崎国務大臣「それはやはり未然に防止する……」と呼ぶ)ですから、警察は出たけれども、何もしなかったという説明がさっきありましたが、そうではありません。客観的には、一一〇番をしたから出ていった。出ていって、本人が帰りたいと言うから帰れるようにした。問題は、その場合、何時間も、あるいは何日も一部屋にとじ込められて問題だというような状態ではないんですよ。工場に行った。会うという話だから、市の職員もついて行っている。時間もきまっている。そうしたら、門のところで、患者さんたちには会いますけれども、支援の人々には会いませんと言う。そして、会う人数のことで問題になった。そこで、その門の前で、何分だったか、何十分になったか知りませんけれども、少なくとも一時間以上はたってはいないわけでありますが、そこに警察が出ていって割り込むことはないではないですか、警察の公正さを疑わしめるではないですかということを言っているわけです。
 いまの学校の問題にしても、形式的に言えば、校長の掲示をした文書を校務分掌と仕立てて、そこに犯罪をつくることもできるかもしれません。それはあなたたちなりの理屈によるとですね。しかし、学校の中に警察が入って――校長と学校の先生たちが、その学校の運営の問題で相談をして意思の対立があった。それはいままでやりよった選挙の方法と、それから意見を聞いてやるという方法に変えたいというあれはあったにしても、しかし、いずれにしても、本人の承諾なしには円満にはいきません。だから、校長がこう思ったからそのとおりやれというやり方ではいかぬのじゃなかろうか。そのことをPTAも、あるいは学校の生徒自身も、校長さん自身も遺憾だと言いながらも、円満解決を望むならば、それは当事者の交渉にまかせるべきではないか。カネミと同じように、労働運動あるいは大衆運動に関連があるということで警察が出られるということは、大衆運動抑圧、あるいは労働運動介入ということになるおそれがありますから、その点は直すべきではないですかということを尋ねておるわけでありますが、簡単でいいですから御答弁願いたい。
#28
○江崎国務大臣 これは、不当な介入は一切しておらぬということを繰り返し申し上げておるわけであります。学園の場合も、学園からぜひひとつこれを取り締まってもらいたい、捜査してもらいたいということで校長から直接の申し入れがあり、したがって、それに対して不法、不当な行為はないのかあるのか、これを捜査したというわけですから、何も好んで警察がそれに介入したとか、出しゃばったとかいう性格のものでは一切ございません。しかも、また、カネミの問題にしましても、これはやはり二十数人が押しかけてきた。このごろ新聞等で見るところのこういった抗議行動というものは相当きびしいものがあります。そうなるというと、抗議を受ける側では、人数を制限して会いたいと言う。ところが、それは話がまとまらなかった。そこで一一〇番があった。これは、何となく交渉を受ける側の当事者の被害感の問題ですね。そこで警察が行って話をする用意ありやなしやと聞いたところが、大ぜいと話すことはどうも自分としては好ましくないので、ひとつ何とか守ってもらいたいといわれれば、これはやはり不測の事態が起こってはなりませんから、そこで、未然に、そういう暴力行動やまたは不当な圧迫行動が起こらぬように、話し合いを穏やかに進めてもらいたいということで警察が間に入る。これはあることだと私は思うのですね。ですから、これを不当な介入であるというふうに直ちに判断されることはどうかと思います。また、警察がかりそめにも不当な介入をすることがあってはならぬと思います。したがって、そういう行動については十分注意は期しまするが、今度のおあげになりましたそういう問題について、私ども、この論議のやりとりを十分承っておりまするが、そんなに不当なものではない。もし、吉田さんがそういう不当介入は一切してはならぬとおっしゃるなら、そのことは全くそのとおりに考えておりますが、この事犯に関する限りは不当介入はなかったというふうに思います。
#29
○吉田委員 その背後を申し上げてお尋ねする時間がありませんから省略いたしますが、願わくは、かねてから言っておられるように、ほんとうに警察が資本の側について労働者を弾圧することのないようにしていただきたい。カネミの場合には、カネミの加藤社長という人は、さっき申し上げましたように、初めは裸になっても責任をとりたいという話であったけれども、態度が変わりましたのは県市の態度に原因があると私は思うのですけれども、これは亀井知事やあるいは市長選挙のときの後援者をやったりいたしまして、その公正さがやはり問題になっているところです。世間の見るところはそうは見ておりません。それだけに、あまりに公正を装って片一方につかれると、やはり、警察の権威に関します。それからまた、では警察全体がそういう色彩を持つのか、片一方のほうにつくのか、強いものにつくのかと、警察にも民衆の批判というものが集中してまいると思います。そうならないように、ほんとうに公正を期してもらいたいと思うし、まして福岡県のような、労働県と言われるような、労働運動が盛んに行なわれておりますところでは、それに対する不当な弾圧に客観的にならぬようにぜひ注意を願いたいことを要望して、質問を終わります。
  〔中山(利)委員長代理退席、委員長着席〕
#30
○上村委員長 林百郎君。
#31
○林(百)委員 私は、これから開かれる日教組の大会に備えまして、毎年日教組の大会が右翼に襲撃をされてトラブルを起こしておりますが、そのことに対する憂慮を兼ね、また、わが党の群馬県委員会の事務所がしばしば右翼に襲われ、あるいは川崎の地区委員会がしばしば右翼に襲われ、あるいは宮本委員長が右翼の者に刺殺寸前の状態に置かれたような、最近の右翼の目に余る跳梁に関連しまして、これの警察との関係を質問してみたいと思うのであります。
 最初にお尋ねしますが、右翼の中で大日本興国青年隊というのがありますか。
#32
○山本(鎮)政府委員 ございます。
#33
○林(百)委員 この大日本興国青年隊というのは、組織人員はどのくらいで、本部はどこにあるのですか。
#34
○山本(鎮)政府委員 本団体は、組織人員五名というふうに把握しております。場所は東京でございます。
#35
○林(百)委員 東京のどこなんですか。東京だけではわからない。
#36
○山本(鎮)政府委員 場所は、いまちょっと調べております。
#37
○林(百)委員 この大日本興国青年隊本部の組織の中に局長という職名がありますか。
#38
○山本(鎮)政府委員 そういうものがあるということは承知しておりません。
#39
○林(百)委員 そうすると、この大日本興国青年隊と警察との接触はどの程度されておりますか。
#40
○山本(鎮)政府委員 現在、特に接触というようなことはございません。
#41
○林(百)委員 現在ないということは、過去にあったということですか。
#42
○山本(鎮)政府委員 だいぶ古い問題については、私、ちょっと存じておりませんので、お答えできません。
#43
○林(百)委員 今度の群馬県の日教組問題で、この大日本興国青年隊が出動しておる。そして、いろいろの集団的な暴行行為をしているという事実は知りませんか。
#44
○山本(鎮)政府委員 その事実は承知いたしております。
#45
○林(百)委員 どういう行動をしたか、ちょっとここで簡単に述べてください。
#46
○山本(鎮)政府委員 一つは、六月の九日、午前八時二十分ころ、大日本興国青年隊四名が、前橋駅前でビラを配布していた女性からビラをもらい受けたが、ビラの内容が「右翼暴力団」と記載していたために、同女性に対して抗議し、脅迫罪で告訴されたという事件が一つございます。
 もう一つは、同日午前八時五十六分でございますが、このころ、大日本興国青年隊四名が、ただいま申し上げたビラに「右翼暴力団」と書いてあることに抗議するために、日本共産党群馬県委員会事務所に押しかけ、事務員との面会を要求したあと、二階の窓から事務員が写真撮影しようとしたことから双方が口論となり、その後、住居侵入、脅迫、強要等の罪で告訴された事件でございます。
#47
○林(百)委員 大日本興国青年隊の綱領というのは、どういう綱領ですか。
 私は、昨日、警察庁のほうへ、この点はよく調べておけと言ってあるはずですよ。最近のことは知っているが、前のことは知らないなんということは、警備局長、無責任ですよ。私のほうは、特にこれをさして、十分このことについて調べてきてくれと言ってきているはずですからね。そんな不正確な調査で国会へ来て答弁されちゃ迷惑ですよ。綱領はどういう綱領ですか。
#48
○山本(鎮)政府委員 綱領というものはありません。ただ、この団体の現在の目標といいますか、主張は「反共愛国」ということでありまして、日中問題、日教組大会、こういう時局問題をとらえて行動しているということでございます。
#49
○林(百)委員 日中問題、日教組問題をとらえて行動しているということはどういうことなんですか。どういう行動をしているということなんですか。
#50
○山本(鎮)政府委員 問題としては、街頭宣伝、いわゆる宣伝活動ですね、こういうことで主義主張を発表するということ、さらに、いま申し上げましたような形で不法行為をいたしておるというのが事実でございます。
#51
○林(百)委員 だから、どういう主張をしているというのですか。日教組の大会をどうするというのですか。それから、あなたは、「暴力団」と言われて、それに対してこの大日本興国青年隊が抗議をしたと言いますけれども、それはどういうことを言ったのですか。私のほうの調査によりますと、「今度ここでやると、この世にいないものと思え」ということを言ったという報告が私のほう
 へ来ております。どういうことを言ったのですか。それから、日教組の大会に対してはどういう態度で宣伝をしているというのですか。それでなければこの組織の性格が出てこないじゃないですか。そして、自分が「右翼暴力団」と言われたのが気に入らないからといって、「今度ここでビラを配れば、この世にいないものと思え」と脅迫するなんて、警察ともあろうものが、そんな論理の通らない答弁をここでしたってだめじゃないですか。
#52
○山本(鎮)政府委員 もう一つの事件がございまして……。
#53
○林(百)委員 いや、もう一つの事件じゃないですよ。日教組と日中問題について宣伝をしているとあなたが言うから、どういう態度で宣伝をしているのかと聞いているのですよ。あなたは、綱領はないと言っているのだから……。
#54
○山本(鎮)政府委員 日教組の問題については、日教組大会の反対ですね。日中問題については、日中国交正常化反対、こういうような趣旨でございます。
#55
○林(百)委員 そうすると、女の子が朝配っていたビラというのはこれですが、参考までに、警備局長に見せます。「すべての県民が立ち上り右翼暴力団を一掃しましょう」「民主主義の危機です」こういうビラです。そのビラを配っていた女の子に大日本興国青年隊がどういうことばを使ったという告訴をあなたのほうでは受けているのですか。告訴状を受け取っているのでしょう。――そんな、告訴されている内容がわからないようじゃどうにもしかたがありません。告訴の内容としては、「今度ここでやるとこの世にいないものと思え」、「おれはこれだ」と言って、「右翼」というところをさした。「おれはこれなんだ、だから、今度ここでおまえがこういうものを配るならば、この世にいないものと思え」と女の子を脅迫したということの告訴でしょう。自分は右翼だということを認めて言っているんでしょう。
#56
○山本(鎮)政府委員 現在、その件について告訴を受けて警察で取り調べ中でございますが、現在までの取り調べの時点では、そのような形の脅迫をしたことがないということになっておりますが、まだ、現在いろいろと取り調べ中でございます。
#57
○林(百)委員 私の聞いているのは、告訴の内容を聞いているのですよ。告訴で被害者が何と言っているか、こういうことを聞いているのですよ。この「右翼暴力団」ということに対して、「おれはこれなんだ、だから、おまえは今度こういうビラを配るならば、この世にいないものと思え」と言われたという告訴が出ているだろうということを聞いているのですよ。とんちんかんな答弁をしていてはだめですよ。時間がない。
#58
○山本(鎮)政府委員 告訴の内容、告訴状については、群馬県の警察のほうに出ておるということは承知いたしておりますが、罪名として、脅迫内容の告訴であるというふうにわれわれのほうへ報告が来ておりまして、具体的にどういう表現であったかということについては、現在取り調べ中でもあり、われわれのほうに報告はまだ来ておりません。
#59
○林(百)委員 この組織は、警察とはいま接触が全然ないのですか。いまないということは、かっては接触があって、情報をとっておられたのですか。
#60
○山本(鎮)政府委員 現在、本組織と警察とは、接触といいますか、そういうように特に彼らから情報をとっているということは別にございませんが、かつては、いろいろな関係から、彼らの行動についてわれわれに若干の情報が入っていたということはございます。
#61
○林(百)委員 どういう方法で情報をとっていたのですか。
#62
○山本(鎮)政府委員 普通情報をとる方法としては、いわば、一緒にどこかでお茶を飲むとか、食事をするとかというような形になると思いますが、
 いずれにしても、普通の情報をとる方法で特定の者と接触をしておったということはございます。
#63
○林(百)委員 それは、昭和何年ごろですか。
#64
○山本(鎮)政府委員 大体、昭和四十二、三年ごろだというふうに思っています。
#65
○林(百)委員 それでは、参考までに、私のほうで資料をあなたのほうに逆に提供します。そんな、情報をとるなんというなまやさしい関係じゃないですよ。この団体と警察との関係は、ですね。
 これは、ある市民の方が私に届けてくれた大日本興国青年隊本部の局長武藤譲二の日誌です。まず、それを見ましょう。この「三月」の小さい欄のところを見ますと、まず、三月の四日ですが、「水戸縣警本部行」、続いて六日「水戸縣警本部行」、八日「神奈川縣警本部え、AM一〇・〇」、十日「吉田と小田原縣警え、PM一・〇〇」、十一日「吉田と水戸県警え、AM八・〇〇」、十五日「熊ケ谷縣警え」(「熊谷県警なんてない、いいかげんな資料で質問するな」と呼ぶ者あり)これはわかるでしょう。三月の最初の欄です。二十三日「小田原警察え(公安課佐藤課長)」、こういうことが書いてあります。これは本人の筆跡であることは間違いないということで私に届けてくれております。昭和四十二、三年ごろの接触というのは、このようなひんぱんな接触をしていたのですか。
#66
○山本(鎮)政府委員 いま、このメモを初めて見るわけであり、これがほんとうに本人のものであるかどうか、ちょっといまここで断定できないわけでございますが、これによりますと、そういう警察署あるいは警察本部へ行っているということですが、これは、街頭宣伝などをする場合届け出をしたりする必要もあるし、道交法上の許可を求めるというようなこともございますので、警察へひんぱんに行っても、別に、特別な関係であるというふうに断定はできないと思いますが、そういう幹部がこういう形で警察へ来ているというのはあり得ることであるというふうには思います。
#67
○林(百)委員 そんな言いのがれを言ったってだめです。
 それじゃ、その下の欄を見てください。これは「十二月」と書いてありますけれども、ここに白い欄があって「四二・三・二一(火)PM三・三〇おみやげもらう、熊ケ谷警察警備課長村山一彦氏」となっているが、ビラまきの届け出に行って、警察がおみやげをくれるのですか。いいかげんな答弁をしないでくださいよ、あなた。これはどういうことですか。
#68
○山本(鎮)政府委員 一般的に申し上げれば、右翼の、特に極右の連中の行動について、具体的にその情報をとるというのは、公共の安全と秩序を維持する上での一つのわれわれの職務でございまして、いろいろな一般的な方法でそういう情報を集めていることは御承知のとおりでございまして、その際、提報された情報の価値に見合った形で、いわば情報提供の謝礼を差し上げるということもまた一般的な状況、事実でございます。したがって、ここでおみやげを提供したということがあれば、想像される点は、適切な情報を警察としては提供されたので、その労に報いるために適当なおみやげをやったというふうに考えられるわけでございます。
#69
○林(百)委員 労に報いると言ったって、あなた、憲法に規定されている基本的な人権を侵害するような暴力右翼に対して、情報を提供したから、その労に報いるから警察がおみやげをやるなんて、そんな中立、公正な警察というのがあるのですか。それは、本来法律で守られるべきもののらち外のものじゃないですか。取り締まらなければならないものでしょう。それに対して警察が、情報提供をしたからおみやげをくれる、そんなことは、右翼を泳がして、右翼を思い上がらせることじゃないですか。思想、信条の自由とか、あるいは警察に適正な刑事上の情報を提供したからということは、それは正常の人がやる場合ですよ。人をおどかす、人を刺し殺す、そして民主的な大会を妨害する、そういう、本来取り締まられるべき、法律のらち外にあるものに対して、警察が、情報を提供したからおみやげをやるなんということは許されるのですか。大臣、どうでしょうか。そんなことまでして警察は右翼を泳がしておかなければいけないのですか。これはとんでもない話です。だから、右翼が大きな顔をしてはびこっておるのですよ。どう思いますか。何でそんなものにおみやげをやる必要があるのですか。人を刺し殺すものへ警察がおみやげをやるなんというばかなことがどこにありますか。
#70
○山本(鎮)政府委員 別に、そういうことでみやげをやっておるというわけじゃございませんが、一般的な情報の提報、すなわち、たとえて言えば、あした群馬県に日教組大会の妨害のビラをまきに行くというような情報でもわれわれが受ければ、それに従って、適切な群馬県における事前の警備配置その他もできるわけでございますが、そういうことがないと、いわば、この間の群馬県の日本共産党本部に押しかけていくというようなときにも、適切なあらかじめの配置ができないというようなことで、不法行為が起こると困るので、不法行為が起こらないようにそういう情報を得る努力をいたしておるわけでございまして、右翼を力づけ、あるいはそれを激励し、不法行為を奨励するというような意味で謝礼を出しておるというような事実は全くございません。
#71
○林(百)委員 およそ警備局長にしては論理の合わないことですよ。民主的な日教組の大会を前橋でやる、それに対して妨害のビラをまきに行きます、よくそういう情報を提供してくれたといっておみやげをやる、そんなばかなことがどこにございますか。そんなことをしてはいかぬ、もしそういう民主的な集会を妨害するようなことがあれば、暴力行為取り締まりなり、あるいはそのほかで厳重に警察は取り締まる、絶対そういうようなことをしてはいかぬと言うのが警察のつとめじゃないですか。それを、おまえ、あした前橋へ行って日教組の大会の妨害のビラをまくというような情報をよく提供してくれたな、ありがとう、おみやげをやるよ、行ってビラをまいておいでよ、そんなばかな警察がどこにありますか。
#72
○山本(鎮)政府委員 そういうような意味で申し上げておるのではございません。それは、協力者というのは、大日本興国青年隊自体を代表して言っておるわけじゃないのでございまして、いわば、組織の中に入って、その行動を警察に内報してくれる、協力をしてくれる者があって、そういうような情報があれば、もちろん、間に合えば、大日本興国青年隊のほうの代表者に会って、そういうビラをまくのはやめたらどうか、そんなことをしに行くというのは、むしろいろいろなトラブルが起こるからやめたらどうかというような努力、そういうような勧奨、勧告、これは積極的にいたしておるわけでありまして、いま私が例としてそういうような事案としてあげたわけでございますが、協力者の情報において、不法不当の行為を行なうおそれがあれば、その団体なり組織に対して、警察のそれぞれの手段なり手続をとって、そういうことをしないように、本人の行動を制止し、抑止するための努力はいたしておるわけでございます。
#73
○林(百)委員 あなたのほうがそういう努力をしておるにもかかわらず、事実は、大きな顔をして右翼が行って妨害をしておるということは、あなたが最初に言ったことが本心じゃないですか。たとえば、このノートにあるもの、これは昭和四十二年です。昭和四十二年は、日教組の大会は、青森市で、五月十五日から十九日まで開かれたのです。あなたのほうは、さっき私が一例を申しましたけれども、このように常に接触を保ち、そして、おみやげまで提供をしておる。
 さて、ここで、それでは、五月十五日に日教組大会が開かれた前後に、この大日本興国青年隊がどういうことをしたかということを見ますと……(「信憑性ないじゃないか」と呼ぶ者あり)もう信憑性の問題じゃないですよ。だから、私が言ったでしょう。入手の経路は、それは十分信頼のできるところから入手しておりますから、だから、事実で聞いているわけですよ。そんなこと、自民党の諸君なんか言う必要ないよ。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 そこで警察に聞きますよ。それじゃ、国士舘大学の倫理綱領の中に――自民党の諸君が行って閲兵式にも参加しているし、祝賀会をやっているじゃないですか。右翼と自民党の一部の諸君と関係があるなんということは、文教委員会でだって、どこでだって論議されていることですよ。
 いいですか。そこで私は聞きますよ。(「十ぱ一からげで言ってもらっちゃ困る」と呼ぶ者あり)だから、自民党と言っているのですよ。
 そこで、五月の十五日から十九日まで日教組の大会が開かれた。このことはこの二枚目に書いてある。「五月十五日」というのを見てください。「青森市民会舘に於て、日共祖大会、十九日迄」と書いてある。そして今度は、右側のところを見てください。「青森市え向う、隊員完全武装(二十名選出)特務、行動隊、PM二・〇〇紫苑にて上野公安K氏と逢う、」いいですか。五月十五日に青森市において日教組の大会が開かれるということに備えて、青森市へ完全武装した隊員が二十名選出されて上野を出発している。しかもその午後二時に「紫苑」、これは喫茶店だと思いますけれども、そこにおいて上野の公安K氏と会う。名前は書いてありません。公安の人に会ってから、完全武装隊が日教組大会へ出かけているじゃないですか。
#74
○島田(安)委員 議事進行。
 いまのやりとりで、右翼と自民党、しかも━━━━━━━━━━━こういう発言があったのですが、これはちょっと取り消してほしいと思います。
#75
○林(百)委員 ━━━━というのは、自民党の一部の諸君ということなんです。一部の諸君ということにしておきます。ここにいる人たちが一部の諸君になるかならないかは、いずれ私のほうで調査した上ではっきりさせますよ。
#76
○島田(安)委員 いま、指さして、━━━━━━━━と言うのですから、━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━林さんともあろう人が、質問の中でそうしたことを引用されなくても十分質問はできるはずですし、特に、共産党の中でも私は尊敬しておりますが、ですから、取り消してください。
#77
○林(百)委員 私は、別に取り消す必要はないと思います。自民党の一部の諸君という意味で言ったわけであります。そのことは、文教委員会でも、国士舘大学の問題で論議されております。ですから、私は、ここで具体的に名前をあげまして繰り返すことはいたしません。こういう人たちが国士舘大学の倫理実践委員会のメンバーでもあるし、また、倫理実践委員会に出席もされておるし、この人が大臣に就任したとき、祝賀会まで開かれております。これははなはだ遺憾な事態であります、こう私は言っているわけなんです。ですから、先ほど私が言ったのは、自民党の諸君も――――――になっておるじゃないかということを言ったわけなんで、特定の人をさして言ったわけではありません。だから、私は取り消す必要はないと思います。
#78
○島田(安)委員 ――というのは、たとえば暴力行為に関する質問の中で、暴力行為を前提として、―――――――――――――――これはますますもってけしからぬ。どういう団体とつき合おうとわれわれは自由である。それは、右翼であろうが、左翼であろうが、つき合うことは自由だけれども、ただ、そういう法に違反するような行為に対して―――――――これは、まさに、私は取り消しを要求しましたけれども、これを強要されるとすれば、これは懲罰動議ですよ。
#79
○林(百)委員 懲罰動議にするかどうかは自民党の御自由ですから、どうぞ。私は取り消す必要はないと思います。―――――――――――――――――――――だから、その点は、後日ひとつ理事会で決定願って、私の質問を進めさせていただきたいと思うのですよ。私は時間が制限されているのです。(島田(安)委員「暫時休憩」と呼ぶ)
#80
○上村委員長 先刻の林委員の発言について不穏当な言辞があれば、速記録を取り調べの上、委員長において善処いたしたいと存じます。さよう御了承願います。
#81
○林(百)委員 そこで自治大臣、私の指摘したことがわかりましたか。こういうように、五月十五日に青森の市民会館で日教組大会が開かれるということがきまっております。江崎大臣、右側の十三日のところには「青森市え向う、隊員完全武装(二十名選出)特務、行動隊、PM二・〇〇紫苑にて上野公安K氏と逢う、」というように書いてあるわけですね。これは明らかに警察が、大日本興国青年隊が日教組の妨害をすることを公然と許していることになるのじゃないですか。どう思いますか。しかも、当時、あなたのほうは接触があったと言っているのですからね。
#82
○山本(鎮)政府委員 お答えいたします。
 確かに、昭和四十二年の五月十五日から十九日まで青森市で開催された日教組の定期大会に大日本興国青年隊の者が行っておりますが、ここに書いてあることは全くでたらめであって、こういう暴力的な行為をする者のメモを一々信用するのは、私、いかがかと思うのでございますが、当時青森に行ったのはわずか二名でございます。そうして、向こうに行きましても、特に目立った活動はしていないというように結果の報告、が来ております。したがって、こういうような「二十名選出」など、全くのでたらめというふうに私は考えております。
#83
○林(百)委員 あなたのほうがでたらめと言って言いのがれをするなら、それじゃ、その二名の大日本興国青年隊はどういう行動をしたか、正確に言ってください。あなたのほうがそれほど正確な情報を持っているというなら……。
#84
○山本(鎮)政府委員 行ったのは、隊長の武藤良雄外一名でございます。そして、ほかの団体のあとについてまわって、特に目立った動きはしていないということでございます。二十名というようなことは全くございません。
#85
○林(百)委員 他の者のうしろについていったという、他の者とは何ですか。どういう組織ですか。それは一体何で調査したのですか。あなたは、先ほど、最近のことは接触してわかっているけれでも、前のことはわからないと、最初の私への答弁で言った。ところが、私が具体的に聞いていけば、昭和四十二年から三年ごろのことが、確信を持ってあなたは答弁されているけれども、どういう材料からそういうことが言えるのですか。
 それから、いま言った武藤良雄なる者外一名が他の者のうしろにくっついて歩いていた、他の者とは何ですか。
#86
○山本(鎮)政府委員 これは、大日本興国青年隊のことについて質問されるということで、一応過去の日教組大会の記録を調べたところ、大日本興国青年隊が青森の大会に行ったという事実をその記録から把握したわけでございます。そして、武藤良雄が隊長で、外一名が現場に行っておって、さっき申し上げましたように、多数の中で動いておっただけで、現在のところ、われわれの手持ち資料では、こまかい状況というのはわかりません。
#87
○林(百)委員 それならば、あなたにこの信憑性についてお尋ねしますが、この二枚目の三月九日の欄に「小田原県警警備課長佐藤良助氏三月十日午後一時」云々、これはいいでしょう。「小田原県警警備課長佐藤良助」という人はいたのですか、いないのですか。
#88
○山本(鎮)政府委員 「小田原県警」というのは、小田原の警察という意味なんでしょうか。いずれにしろ、そういう事実は知りません。これは初めていま拝見したわけで、そういうことは調査してみなければわかりません。
#89
○林(百)委員 だから、「小田原県警警備課長佐藤良助」という人がいたかどうか。あなたは調べてきたというから、私は聞いているんですよ。
#90
○山本(鎮)政府委員 興国青年隊のことについて御質問があるというふうに承ったので、調べたわけでございまして、このメモはいま初めて拝見したわけで、この信憑性、事実関係は、調査してみなければわれわれはわかりません。
#91
○江崎国務大臣 林さん、これはどうでしょう。いまあなたがこれをお出しになったでしょう。だから、その辺から不規則発言があったように、この信憑性についても、いまあなたは確実だと言うが、はたしてどういう経路から来て、どういうものかということについては、こちら側は何にもわかりませんね。同時に、青森県へ完全武装二十名なんという勇ましいことが書いてあるが、実は、その日は二名しか青森には行っていない。そうすると、これはゼロをつけるくせがあるのかもしれませんね。ですから、これが真実であるとするならば、一体どういうものか。そして、これはやはり重要な物件の御提示ですから、よくこちら側で調べまして、しかるべき機会に責任をもって御答弁する、こういうことにしたほうがどうも妥当なように思いますがね。本物かにせものかわからぬものを対象にして責任ある答弁をせいとおっしゃっても、実際、責任のある答弁のしようがないというふうに思います。これはどうですか、林さん。
#92
○林(百)委員 事は、日教組大会が切迫しておりますので、それで私は言っているわけなんです。「自民党の諸君」と言ったのも、このメモの中に、実は、「第一議員会館高橋清一郎氏、新潟出身、第二会館六百二十号室」というような名前もあるわけです。(「死んじゃっているよ」と呼ぶ者あり)だから、昭和四十二年ごろです。こういう名前があるわけですよ。私は根拠のないことを言っているわけじゃないし、また、この信憑性とも関係がありますので言っておるので、大臣の言うように、なお十分これを調査して、後日答弁をするならけっこうです。
 そこで、もう一つ私が申し上げたいことは、実は、この右翼の大日本興国青年隊のメモの中に、今後も警察としても十分留意をされてもらいたい人の名前として十三名載っております。この人たちが大日本興国青年隊にねらわれているということも想像できますので、念のために言っておきます。
 どういう人たちかというと、第一が大内兵衛、東大名誉教授。市川房枝、これは昭和四十二年当ですから、参院議員。柳田謙十郎、哲学者。海野晋吉、なくなったですが、弁護士。佐々木更三、当時の社会党委員長。佐藤芳夫、中立労連議長。中野好夫、中大教授、文芸評論家。野上弥生子、作家。東山千栄子、俳優座。平塚雷鳥、婦団連名誉会長。堀井利勝、総評議長。松本清張、作家。野坂参三。というような名前が書いてあります。これは、われわれは看過しておくわけにはいきません。右翼のメモの中にこれらの名前が書いてある。しかも、いまの右翼は、一人一殺ということを目標にして訓練を受けているわけなんですから、そういうもののメモにこういう名前があるということは、十分警戒を要することですね。
 次の質問者の時間が参りますので、最後に質問をまとめたいと思いますが、こういう右翼を、私から見れば、計画的に警察は泳がしている。あるいは、よく言って警察が放置している、悪く言えば泳がしているというように考えられるような事態のもとに、幸いにして前橋で日教組の大会が持たれるようにはなりましたけれども、しかし、この日教組の大会がこういう右翼の暴力から完全に守られるという保障があるのかどうか。ここではっきり責任をもって言えるかどうか。これは江崎国家公安委員長にまずお聞きして、具体的にどういう措置をしているかどうかということを警備局長に聞いて、次の質問者の時間がありますから、私の質問はこれで終わります。
#93
○江崎国務大臣 これはもう先回の御審議のときも申し上げたように、警察当局としては、不祥事態の起きないように万全の措置をとります。これはもう何べんも繰り返しておるわけですね。しかも、現地において、県知事等々が警察本部長に向かってだめ押しをせられたことについても、警察本部長は同様の答えをしておるはずです。そうして、この大会が開かれるにあたっては、警察当局としては、少なくとも心配のないように万全の措置をとる。これは、社会党等々、あなたも含めた皆さんからずいぶん御要請もあって、常に私どもは確信を持ってお答えしておる、こういうわけであります。
#94
○山本(鎮)政府委員 さっき調べていると申し上げました興国隊の本部ですが、本部という名称はないのですね。隊長武藤良雄の自宅がいわば拠点になっている。この自宅は、中野区上高田五−一三−六の中島荘というところにございます。
 それから、いまの一般的な警備体制についてでございますが、すでに、水上町の日教組大会という段階から、県警本部に警備準備本部をつくってございます。それから前橋ということになった場合にも、対策本部を設置しておりますし、所轄の警察署を中心に、県下の各警察署からそういう要員を集めて警備をいたしております。さらに、関東各県、近県からも応援を求めて、すでに昨日から配置について、万全の事前体制をとっております。それから、開催の日については、秋田の場合も延べ千人の警察官で警備をしたわけでございますが、それ以上の規模でがっちりした警備をしいて、そういう右翼のいわゆる不法暴力事犯というものが起こらないように万全の体制をとって進むつもりでございます。
#95
○上村委員長 小川新一郎君。
#96
○小川(新)委員 私は、麻薬、覚せい剤、ヒロポン、シンナー遊びといった問題について御質問しますが、大臣の時間の関係がございますので、最初に大臣にお尋ねいたします。
 覚せい剤絶滅全国運動についてはどういうふうになっているのか、日にちはいつからやるのか、その対策の要項はどうか、これをまずお尋ねいたします。
#97
○江崎国務大臣 麻薬に比較しまして、覚せい剤を取り扱った場合の処罰というものが非常に軽微でございまして、そこで、この法案を改正しまして、麻薬と同じくらいの重罰でもって覚せい剤の取り扱い者を処罰する、こういう体制できびしく臨んでおるわけです。特に、覚せい剤が処罰対象として軽いために、暴力団の資金源になっておることはゆゆしい問題でございます。もうすでにそういう証拠が全国的にも相当あがっておるわけでございまして、これらを厳重に取り締まるということで法改正を進めますと同時に、警察側としては、これらの取り締まりに万全を期しておるという実情でありますが、詳しい現実的な取り締まりのあり方につきましては、政府委員からお答えいたします。
#98
○小川(新)委員 覚せい剤は、御存じのとおり、ヒロポンは麻薬とは違いますけれども、非常にいま急速な勢いでふえております。いま大臣は大事なことを発言されておりますが、覚せい剤の取り締まりの罰則が麻薬取り締まりの罰則から見たら罪が軽い。だから、戦後、昭和二十九年をピークとして爆発的にヒロポンが発生して以来、今日までおさまっていたのが、例の玉本事件ですか、タイ国チェンマイ事件がございますけれでも、そういう事件でいま急速にふえております。この覚せい剤の取り締まりの罰則をどういうふうに改正しようとしているのですか。これは大事なところですから聞きたいのです。
#99
○綾田政府委員 これは、私ども、議員立法として改正されるということを仄聞しております。現状を御説明申し上げますと、たとえばヘロインでは、輸出、輸入、製造は一年以上の有期懲役、ところが、現在、覚せい剤では、五年以下の懲役または十万円以下の罰金ということになっておりまして、個々にバランスがとれておらない。そういうことはわれわれとしてもやはり改正する必要があるというふうに考えております。
#100
○江崎国務大臣 この罰則を強化して取り締まりを厳重にするということについて、議員立法の話は、いま、私からも、また政府委員からも申し上げましたが、これはもうすでに成文化しておるわけでございます。で、社労の委員会で、この取り扱いについてどうするか、最終の各党間の詰めにも入っておるというふうに報告を受けております。そして、一体事務的にこの国会で成立のめどありやなしやについては、よほどの事故がない限りは、これが暴力団の資金源等にも及んでおるというような数々の弊害の実態から見て、この罰則を強化し、今国会で成立するものというふうに私どもは期待をいたしておるわけでございます。
#101
○小川(新)委員 そういたしますと、覚せい剤の取り締まりを強化し、暴力団の財源を断つためには現在の法律では手ぬるい、この罰則ではその効果があまりあがらない、だから、ヘロインとかモルヒネのような麻薬取り締まりの罰則並みに引き上げるといたしますと、麻薬の中で一番重いヘロイン並みに取り扱うということで理解してよろしいですか。
#102
○江崎国務大臣 いま大体、そういう方向で検討されておるというふうに承知しております。覚せい剤そのものが人体に及ぼす悪影響という被害を考えてみましても、相当強く取り締まってしかるべしというふうに思います。
#103
○小川(新)委員 原料については、現在非常に罪が甘いのですけれども、これは一般麻薬並みに扱っていただけますか。それくらいきびしくできる考えをお持ちでございますか。
#104
○綾田政府委員 警察としてはそういうふうに考え、そういうふうにやってほしいというふうに考えております。
#105
○小川(新)委員 それでは、大臣、重ねて申し上げますと、ヘロイン並みに扱うということは非常にきびしい罰則になる。麻薬と同等と理解してよろしいのですね。麻薬と覚せい剤とは同等に罰則が強化される、そしてそういう対策が講じていかれるという考えでございますか。
#106
○江崎国務大臣 覚せい剤も、これは広い意味での麻薬というふうにもう認定をして、罰則を強化していこう、こういう体制でおるわけでございます。
#107
○小川(新)委員 今回、薬物濫用対策推進本部会議というのをつくると聞いておりますが、これは閣僚会議で決定して、だれが一体この中心になっているのですか。それが一つと、全国的にこの運動を七月一日から当分の間やるということを聞いておりますが、厳格に言うと、七月一日からどれくらいの間この対策取り締まりの本部が設置されて、対策を講じていくのか。それから、地方においてはどうなのか。この点をお尋ねいたします。
#108
○綾田政府委員 薬物濫用対策推進本部と申しますのは、昭和四十五年に閣議決定によって設置されたものでありまして、本部長は総理府長官でございます。本部員は、厚生省、警察庁、大蔵省の関税関係あるいは海上保安庁、青少年対策本部その他の大体十一省庁だと思いますが、その程度のところの局部長が本部員になっております。
 これは七月一日から、覚せい剤乱用対策というものの強化ということで、関係官庁が一体となって、一つには、その弊害についてのPR、一つには、これを強力に取り締まるということで進めるわけでありますが、八月には、覚せい剤乱用防止及び取り締まり強化月間というのを全国一斉に行なう予定でございます。それで、当分の間と申しますのは、これは事態の推移を見まして、覚せい剤の乱用その他の状況を見まして、そうして打ち切るということでございますが、私は、少なくとも本年内はこれは強力に進められるものというふうに考えております。
 なお、地方本部のほうは、これは総理府が主唱したものでございますが、総理府から都道府県のほうへ通達が出まして、地方の本部長は知事でございます。それで、都道府県関係の厚生その他の関係の職員、それから国の出先機関の職員等で中央の本部並みに構成をされまして、地方においてもこれを強力に進めるということになっております。
#109
○小川(新)委員 麻薬と、覚せい剤と、暴力団の関係についてお願いいたします。
#110
○綾田政府委員 まず、覚せい剤でございますが、覚せい剤につきましては、大体、昨年中に五千近く、四千七百九人を検挙いたしておりますけれども、暴力団関係者はその六割四分程度、過半数でございます。本年の一月から四月までの検挙状況では若干減りまして、五九%、依然として暴力団が非常に過半数を占めまして、暴力団の資金源となっておるわけでございます。そういう点で、強力にこれを取り締まっておる状況です。
 また、麻薬につきましても、同様に、ちょっとここに数字がございませんが、暴力団の資金源として、やはり暴力団が相当関係しておりますので、これも覚せい剤と同様に、強力に、暴力団対策として取り締まっておるという実情でございます。
#111
○小川(新)委員 具体的に言いますと、広域暴力団関係の取り締まりの中から浮かび出てきた組織の中で、何という暴力団、どこの組、どこの系列が一番強烈にそれをやっているのか。また、そのルートはどうなんですか。この二点について伺いたい。
#112
○綾田政府委員 これは、山口組をはじめ、警察庁で指定七団体と言っておりますが、そういう主要な暴力団が、若干数は違いますけれども、全部関連をしておるということでございます。
 それからルートでございますが、覚せい剤につきましてはほとんど韓国から、主として空輸、それから関釜フェリー、一般の貨物船ということで、飛行機とフェリーが一番多いわけでございますが、それによって日本に密輸入されておるということでございます。
 それから、麻薬につきましては、東南アジア、香港方面から密輸入されておりますが、実情を申し上げますと、本土内におきましては、麻薬は、暴力団を非常に強力に取り締まった結果相当減ってきておりまして、覚せい剤がいまや非常に多くなっている、だんだん激増しておるというふうな実情でございます。
 なお、沖繩につきましては、麻薬がいまも依然として多いという状況でございます。
#113
○小川(新)委員 右翼の中には、覚せい剤を財源
 にしているところはありませんか。
#114
○綾田政府委員 ただいまのところ、特にそういうことは聞いておりません。
#115
○小川(新)委員 埼玉県で取り締まった中で、日本国粋会があがってきておりますが、これは右翼
 ではないですか。
#116
○綾田政府委員 これは右翼でございますけれども、実は、その点はまだ私も報告を受けておりませんので、また詳細に調べたいと思います。
#117
○小川(新)委員 私の住んでいる埼玉県内に流れ込む覚せい剤のルートというものは、私が調べたところによりますと、関西の暴力団である山口組系、広島に勢力を持つ共政会、それから、県内の強力な暴力団と言われている稲川系の暴力団極東組、それから日本国粋会系の暴力団と言われているわけです。これは県警本部でそう言っております。
 そういたしますと、私が一番心配いたしますことは、これらの輸入ルートである韓国、ベトナム、タイ国、フィリピン等の東南アジアの国々から、これらの暴力団の有力な資金源となる覚せい剤や麻薬が、特に沖繩の場合は、基地を通しての不良外人から入ってくるもの、いろいろなコースがあると思いますが、これらの国々、つまり、麻薬や覚せい剤を製造して密輸入のできる相手国に対して、この間のタイ国の玉本敏雄事件というのが大きくマスコミに報ぜられましたが、こういった対外的な問題に対して、暴力団のリストを示し、外務省を通して何らかの外交上の政策というものを展開できないのかどうか。この点については、取り締まり当局の警察としては、外務省とどういう連携をとり、また、厚生省とどういう連絡をとってこの取り締まりに当たっているのか、お尋ねいたします。
#118
○綾田政府委員 実は、昨日も覚せい剤の会議が持たれたときに、先生の言われるような問題が出たわけでございますけれども、外務省当局とも密接に連絡をとって、外交ルートを通じてそういうことを申し入れたり、あるいは情報交換をするという制度は必要でございますし、現に私どもも韓国その他とやっております。それから厚生省関係と、特に大蔵省の税関関係でございますが、そういう関係とも密接に連絡をとってそういう手を打っておるわけでございます。なお、警察庁といたしましては、御承知のICPO、国際刑事警察機構というのがございまして、個々の事件につきましては、そのICPOを通じて手配、調査、捜査、その他を依頼いたしまして、そういう点で遺憾のないように進めておるところでございます。
#119
○小川(新)委員 韓国その他といま言われましたけれども、具体的に申しますと、韓国とは月に何回、年何回、どういうルートで――こういった覚せい剤や麻薬の問題に対して、韓国政府とどこの窓口でやっていらっしゃるのか。それから、その他とは一体どこなんですか。それから、今後何国とどういう手段でやられますか。
#120
○綾田政府委員 韓国も、御承知のように、本年三月に、覚せい剤等の取り締まりについては、最高刑を死刑まで引き上げた法律改正をやって、前向きで強力に進めております。私どもは韓国大使館を通じて情報交換をやっておりますが、近い将来といいますか、来月でございますけれども、警察庁その他関係県の係官を現地に派遣して、そして、現地の実態・情報交換、そういうことをやるという予定でおります。
 それから、香港、東南アジアにつきましても、香港警察あるいは東南アジア諸国とも密接に連絡するわけでございますが、これは御承知のように、警察官同士では、毎年一回、麻薬ゼミナールというのを警察庁と厚生省の主催で、各東南アジア関係の警察官、麻薬担当の幹部で、そういう取り締まりの具体的な打ち合わせをやっております。本年も九月から約一カ月、東南アジア各国から来まして打ち合わせをするわけでありますが、そういう係官同士の情報交換あるいは捜査の方法ということもやっておるわけでございます。
#121
○小川(新)委員 いままでやっていらっしゃること以外に、私がいま申し上げた新たな対策――これはそのことが悪いと言っているのじゃないし、批判しているわけでもございませんけれども、覚せい剤の増加率が最近急速に上がってきておりますね。そういう中にあって、次の手を外交政策上の中でやれないのか、たとえばこういう国内の暴力シンジケートや強力な暴力団の名前を示し、外務省当局からこちらの大使館にそれを通報するとか、そういうことをやれないのかということを私は聞いているのです。
#122
○綾田政府委員 そういうことは現にやっておりますが、ただ、暴力団の名前を示すということは、捜査実態といたしましては、実際にそれを密輸入するルート、あるいはその根源になる主犯者の情報提供といいますか、そういうことを現にやっております。今後も、韓国大使館その他を通じて強力に行ないたいと思っております。
#123
○小川(新)委員 この問題は、単に取り締まりだけでできるものではありませんし、青少年の間に、甘美な幻惑とか、そういった誘惑があるということで、教育の中にも取り入れなければならないと思います。
 そこで、きょうは文部省からも来ていただいておりますけれども、公害教育がいま盛んになってきましたが、麻薬の害を教育の場に取り入れて、こういう麻薬をやればこうなる、こういう覚せい剤をやればこういう害が出る、こういう問題を青少年の教育の場の中に取り入れていかなければならないと私は思いますが、この点について、文部省ではどのような御配慮とお考えを持っていらっしゃいますか。
#124
○石川説明員 先生のおっしゃいますように、麻薬、覚せい剤その他の障害の問題が大きな問題であることはよく承知しておりまして、学習指導要領において十分に指導するように手配してあります。特に、新しい学習指導要領になりましてから、中学二年の「健康な生活の設計と栄養」という項で、麻薬それ自身について十分教える時間をとってまいりましたことと、それから、保健体育以外の生徒指導の面でも十分に指導してまいりたいというふうになっておりまして、教科書あるいはスライド等で、麻薬にかかった患者の動向等がわかるような取り上げ方をしております。
#125
○小川(新)委員 交通対策の面からお尋ねいたしますが、覚せい剤を飲んで、中毒状態になってふらふらになったときに車を運転していますとどういう結果が出るのか、また、飲酒検査というものはやっても、覚せい剤検査というものは取り締まりの中に入れられるのかどうか、お尋ねいたします。
#126
○片岡政府委員 覚せい剤で正常な運転のできない状態で運転していることは、道交法違反になります。しかし、いまのところ、覚せい剤をどれだけ含んでいるかという取り調べ用の正確な機械というものはございません。今後の検討問題といたしたいと思います。
#127
○小川(新)委員 そういう事例があって、酔っぱらったような状態になって、ちょうどお酒を飲んだ状態と同じで、ろれつが回らなくなったり、視覚が麻痺したり、手足の神経が麻痺したり、取り調べ官によりますと、正常な精神状態で取り調べる状態にないために、その禁断症状がおさまったときに警察では取り調べると聞いておりますが、そういう危険な連中がモータリゼーションの中に入ってくるということは非常に重大な問題だと思うので私はあえて聞いているわけですが、これに対する将来性の問題について、御計画なり、それに対する取り締まりなり――いまお聞きしますと、それに対する測定する機械がないと言っておりますが、酔っぱらって、酔っぱらいと同じ状態になるというのですけれども、アルコール検査に反応が出なくてそういう状態になったときは、これは明らかに麻薬常習中毒者の禁断症状だと断定し、警察ではこれにどう対処するのですか。
#128
○片岡政府委員 道路交通法の六十六条に「過労運転等の禁止」という条文がございます。「何人も、」「過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。」ということで、これは罰則が「六月以下の懲役又は五万円以下の罰金」ということになっております。したがいまして、仰せのように、どうも正常な運転でない状況の車があって、警察官が車をとめる、そして、それがどうも酒気帯びでないということであれば、それは過労なのか、病気なのか、あるいは薬物の影響を受けているのか、その辺の捜査をして、薬・物の影響を受けているということが立証できれば六十六条で検挙いたします。
#129
○小川(新)委員 この問題は、非常に大きな社会性の問題と今後の問題を指摘しておりますので、ひとつ、十分なる対策を講じていただきたいと思います。
 それから、沖繩県警からの報告によりますと、麻薬の常習者の取り扱い件数においては日本で一番と言っていいと思いますけれども、大体、取り締まり官その他の対策に対して、沖繩の麻薬取り締まり、また覚せい剤取り締まりについての計画なり強化なり、それに対する対処のしかたを教えていただきたいと思います。
#130
○綾田政府委員 沖繩では、先ほど申し上げましたように、麻薬犯罪が主体でございますが、この取り締まり体制を強化するということで、本年の四月だったと思いますが、本部員に取り締まり専従員が五名おりましたのを、二十四名に特別に強化をいたしました。それから、主要の警察署にも専従員がおるわけでございますが、それらが一体となって強力に取り締まっております。その結果、本年に入ってからは、麻薬犯罪の検挙が非常に多いという状況でございます。
#131
○小川(新)委員 その麻薬の問題で、不良外人、米軍人、基地問題という、沖繩を取り巻く、内地とは変わった環境問題から左右された犯罪が多くなっておりますが、これに対して米軍当局、アメリカ当局に対して何らかの処置を講じ、また、それに対して何らかの回答があったのかどうか、これをお尋ねいたします。
#132
○綾田政府委員 昨年じゅうに沖繩県警で検挙いたしました麻薬事犯は二百九件、二百十名でございますが、このうち、米軍人軍属は、約七割強の百六十二名というふうな状況になっております。しかも、復帰後の状況を見ますと、その大体八割が米軍の基地内の違反でございまして、米軍の捜査機関もこれら麻薬事犯につきましてはよく協力いたしまして、これはほとんど米軍捜査機関からの通報事件によって日本の沖繩県警が立件送致しておるという事案でございます。したがいまして、今後もさらに緊密に連絡をとって取り締まりを強化いたしたいと思っておりますので、特に最近の申し出だとかいうようなことでございませんで、そういう状況であります。
#133
○小川(新)委員 いまの私の発言の中で、内地ということばを使ったことは訂正いたします。同じ日本の国土の中でございますので、沖繩県に対しては特殊な環境に置かれているということばで訂正いたしますが、そういう面に立って、交通事故も、そういった麻薬のような薬物犯罪においても、いま日本一、売春行為においても上位であるということを聞いておりますので、この沖繩の置かれた諸環境の悪化という問題を踏まえた上で、今後の対策をどうなさるのか、それらを踏まえてどうなさっているのか、いまの三つの点で総合的にどうなさっているのかお尋ねいたします。
#134
○綾田政府委員 沖繩の麻薬犯罪、それから交通事故、それから売春の問題は先生の言われたとおりでありまして、警察庁といたしましても、特にこの点に注目いたしまして、まず、体制の強化、それからもう一つは、先ほどちょっと申し忘れましたけれども、体制を強化するように装備その他の器材を充実する。その他通信器材も含めまして、さらに、本土といいますか、県警とはちょっといままでと違った――違ったをいいますか、捜査その他において立ちおくれているといいますか、若干そういう点がございますので、特に本庁の直轄といたしまして、そうしてよく沖繩県警を指導するという点で、それらの問題が一日も早く解消されるように努力をいたしております。
#135
○小川(新)委員 最後に一問だけお尋ねいたしますが、東京都の交通問題をちょっとお尋ねいたしたいのです。
 昨日の新聞によりますと、美濃部都知事は、公害問題について、前向きの姿勢を示されました。その中で、排気ガスの総量規制ということがある。単独量の規制でなくて総量規制ということを言われておりますが、自動車の排気ガスを東京都の示す総量規制で――きのうも私が質問いたしましたように、二百五十万台の車から出される排気ガスが、美濃部都知事の言われる総量規制の中で一体消化し得るのかどうか、これに対しては、当然考えられることは、時間的な都内乗り入れの規制、また、時間的の車種別規制、そうして一方交通等々の考えられる規制というものを行なわなければシビルミニマムの達成というものはできないのじゃないか、私はそう考えまして、最後の質問にこれを充てたのでございますが、車の規制が、昨日も国家公安委員長が答えていたような範囲だけにとどまっておったならば、美濃部さんの言っている公害取り締まりの、排気ガスの総量規制の中で断ち切れないという考えを私はしておりますので、警察庁としては、どのように前向きな姿勢でこの地方公共団体と協力していくかをお尋ねします。
#136
○片岡政府委員 きのうもお答えしたわけでございますけれども、私、大気汚染の問題は、一番基本的には発生源対策だと思います。したがって、それが自動車の排出ガスによる場合には、例の和製マスキー法と言われておりますような、昭和五十年及び五十一年において、NOx、窒素酸化物なり、炭化水素なり、あるいは一酸化炭素を五年前の十分の一にするというあれができれば、汚染の問題は片づいていくのではないかと思います。しかし、それができるまでの間の当面の措置の問題があろうと思います。それにつきましては、考えられることは、それが何か非常に重大な影響が出た場合の臨時的な交通規制の問題が一つあろうと思います。つまり、非常にオゾン値が高くなって、光化学スモッグの被害がたくさん発生するという場合の緊急措置が一つあると思います。しかし、それはそういう場合の緊急措置であって、より恒常的な政策としては、昨日来言われておりますように、不急不要の自動車の交通量を削減していくのが基本的な問題だと思います。現在すでにとり、ある程度効果が出始めているのが、先ほど申しましたように、車庫法の取り締まりの問題、あるいは都心の駐車禁止をきびしくしていくということによっての削減がある程度でき始めております。しかし、これだけでは十分ではないと思います。したがって、現に私どもがやっておりますように、裏通りから自動車を締め出していくという政策、これは安全にも役立つと思います。それからもう一つは、バス優先通行をやらせていくという方策、これを現にとっておるわけでございます。
 あと、今後何が考えられるかという問題でございますが、発想の方法としては二つあろうと思います。一つは公安委員会が道交法に基づいて車種別あるいは時間別に交通規制を強化していくというのが一つの方向だと思います。もう一つは、東京のような大気汚染なり渋滞の激しい地域においては、何らかの混雑税的な、その地域で自動車を使う人に対する特別の税制といったものを考えていくのが一つの方向ではないかと思います。そのいずれの方向につきましても現在検討は続けておりますし、関係省庁と話を続けているのが現状でございます。
#137
○小川(新)委員 あまり満足した答弁をいただけなかったのですけれども、私がきのうも議論したように、一カ月に一万台の自動車が東京都内にふえる。どんどん自動車がふえていくのですね。ところが、東京都は、逆に、公害規制を今度純度の規制から総量の規制にきびしくしていったという、まるで逆のコースにいっているわけですね。車はふえていく。取り締まる、要するに規制のほうは逆にきびしくなっていく。じゃ一体どうするのだということになると、限度が二百五十万台の車が毎月一万台以上もふえていくということでは、これはどうしようもないのである。その辺の規制を求めるのにきのうから一生懸命言っているわけですね。きのうは公営交通企業の立場から、きょうは公害の立場から言っているわけです。それにもう一ぺんお答えをいただきたいのですけれども、おそらくそれ以上の答えは出ないだろうと思いますが、単なる裏通りの規制だけではほんとうに満足できない。もう一ぺん十二分な御検討をしていただいて、この次に私が御質問をするときには明快な御答弁があることを期待して、質問を終わらしていただきます。
#138
○上村委員長 次回は、来たる二十六日火曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後一時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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