くにさくロゴ
1972/06/26 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第35号
姉妹サイト
 
1972/06/26 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第35号

#1
第071回国会 地方行政委員会 第35号
昭和四十八年六月二十六日(火曜日)
    午前十時五十八分開議
 出席委員
   委員長 上村千一郎君
   理事 高鳥  修君 理事 中村 弘海君
  理事 中山 利生君 理事 三ツ林弥太郎君
   理事 山本弥之助君 理事 吉田 法晴君
   理事 林  百郎君
      愛野興一郎君    今井  勇君
      片岡 清一君    亀山 孝一君
      島田 安夫君    古屋  亨君
      前田治一郎君    渡辺 紘三君
      小川 省吾君    多田 光雄君
      三谷 秀治君    小濱 新次君
      折小野良一君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 江崎 真澄君
 出席政府委員
        建設省都市局長 吉田 泰夫君
        自治大臣官房長 松浦  功君
        自治大臣官房審
        議官      近藤 隆之君
 委員外の出席者
        大蔵省主税局税
        制第一課長   伊豫田敏雄君
        大蔵省銀行局銀
        行課長     清水  汪君
        農林省構造改善
        局農政部農政課
        長       関谷 俊作君
        建設大臣官房公
        共用地課長   西村 純幸君
        建設省計画局宅
        地部宅地政策課
        長       川上 幸郎君
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
六月二十二日
 聴力言語障害者の自動車運転免許に関する請願
 (古屋亨君紹介)(第七六四二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出第一〇一号)
     ――――◇―――――
#2
○上村委員長 これより会議を開きます。
 この際、申し上げます。
 去る六月十九日、当委員会において、警察に関する調査のため参考人の出席を求めることとし、日時、人選は委員長に御一任願っておりましたが、その後事情が変わりましたので、理事会で御協議いただきましたとおり、参考人の出席を求めないことにいたしました。さよう御了承願います。
     ――――◇―――――
#3
○上村委員長 内閣提出にかかる公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。片岡清一君。
#4
○片岡委員 わが国は戦後四半世紀の間に世界一、二の経済大国にのし上がったとはいうものの、国家をつくっておる原点である国民のしあわせという立場からのバロメーターであるべき社会福祉の水準はまことにお寒い限りでありまして、国民の社会生活、環境整備の尺度を示しますところの社会資本の蓄積は、残念ながら、わが国はアメリカの五分の一、また、ヨーロッパ、特にイギリス、西ドイツ等から見ますと二分の一だと言われております。ところが、ことしは福祉元年と言われまして、ことしの予算では、この後進性をひとつ一挙に取り戻そうという政府の立場から、福祉関係の予算は前年に比べまして三二・二%という増でありまして、それが二兆八千四百億になっておるのであります。そういう飛躍的な増大ぶりを示しておりますし、これと呼応しまして、地方財政計画におきましても、この投資的経費が前年比三〇%近くの二九・六%の大幅の増であります。これらの公共投資のために必要な土地というものは、自治省で最近まとめられた土地需要の緊急調査によりますと、昭和四十七年から五十一年までの五カ年間で約三十三万ヘクタールの土地を地方公共団体が取得しなければならぬというふうに見込まれております。これは、単年度に直しますと六万数千ヘクタールの需要となるわけでございます。今後、日本列島改造の計画が逐次進められていくということになりますと、その需要はさらに膨大なものになろうと存じます。
 しかるに、一方、地価の暴騰は非常に激しいものがありまして、これが国民のマイホームの夢を打ち砕いているという結果になり、そのため、国民の一般に非常な不安と不満を与える結果になっておりますとともに、一方、国や地方団体が今後公共投資事業を進めていく上において、これが非常な一つの暗影を投ずる結果になっておりますことはまことに残念なことであります。この事態に対処されまして、政府は、とりあえず四十八年度にいろいろの土地対策を打ち出しておられますがこの際、その具体的措置を一応伺いたいと存じます。
#5
○江崎国務大臣 仰せのように、土地の利用は、地方公共団体としては、土地の値上がり等とともに非常に困難な状況にありますが、福祉施設を充実するためにはこれはどうしても確保しなければならぬというわけです。今日までいろいろな土地政策を進めてまいったわけでありますが、特に、本年度からは、均衡ある国土の利用を回復しよう、そして、土地が少なくとも投機対象になることはあくまで抑制しなければならぬということで、税制上からもあらゆる規制をしてこの抑制をする、また、住宅不足に関連しまして、大量の宅地を供給されるように計画を進めていこうというわけで、国土総合開発法を背景にして土地の利用の基本計画を策定する、また、その土地利用については規制をする、また、いま申し上げましたように、投機対象にならないように土地税制を改めていく、また、土地の融資、これは投機的な思惑買い融資を積極的に規制していく、また、宅地開発事業を促進する、そして、この法律案にありますように、公有地拡大のための積極的な推進がはかられるよう措置をしていく、そして、国や公有地の活用を通じて、地方公共団体がほんとうに福祉に貢献できるようにしていきたい、そんな理想のもとに、十分とは申せませんが、できるだけの措置をしておる。それが今日の土地政策でございます。
#6
○片岡委員 土地暴騰の対策についていろいろ腐心をしておられますことはよく理解できるのでございますが、その中でも一番大事な、ただいま大臣がおっしゃいました国土総合開発法案がいま国会に出されておりますが、これがまだ審議の段階にのぼっておらぬことはまことに残念でございます。これは何とか早く審議の段階にのぼせて、これの成立を期待することまことに切なるものがあるのでございます。ただいま大臣がおっしゃいましたように、この先買い制度を拡大する、いわゆる公有地の拡大推進の改正案は、こういう事態にさらに対処する土地政策の一環としていま出されておるものと存ずるのでございますが、そのねらいとするところは、従来市街化区域だけの先買い制度の適用でございましたものを、今回都市計画区域全体に広げるというところに大きな改革があるわけでございます。大体、これによって新しく対象となる区域がどのくらい広くなったかという点を、ちょっと数字で伺えれば伺わせていただきたいと思います。
#7
○吉田(泰)政府委員 現在の都市計画区域は約八百万ヘクタールでございますので、従前の対象区域、すなわち市街化区域の面積百十七万ヘクタールに比べまして約七倍になる計算になります。
#8
○片岡委員 そこで、市街化区域以外の都市計画区域において四条の届け出を要する土地の面積は大体どのくらいのつもりでおられますか、伺いたいと思います。
  〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕
#9
○吉田(泰)政府委員 都市施設にかかる面積は市街化区域内と同様三百平方メートルということを考えております。それから、都市施設等の外で、どの地域につきましても届け出を義務づけるという面積としては、市街化区域の中は二千平方メートルでございますが、今回は面積も非常に多いし、市街化区域ほど活発な土地の動き、あるいは土地需要というものも少なかろうと考えまして、当面五千平方メートル以上というところで発足したいと考えております。
#10
○片岡委員 そういうふうに先買い制度を適用される地域が相当広くなりましたが、このたびの改正案によりましても、都市計画区域以外の区域につきましては、本法の先買い制度の適用がないのでございます。ところが、今後大きく国土計画というものを進めていき、また、いわゆる日本列島改造等の大きな目標に向かって国土の計画が進めていかれますと、いわゆる国土保全あるいは水源涵養林の保持その他いろいろの大きな面積の要るような計画について、やはり、府県、市町村が公有地として確保することが必要な場合が起きてくると思いますが、これらの点について将来どういうふうにお考えになっておりますか、お伺いしたいのでございます。
 それで、これはなかなか先買い制度を全部できないとなれば、これらについて、国から財政的に相当援助をするという必要があると思いますが、それらの点についてもあわせて御意見を承りたいと思います。
#11
○吉田(泰)政府委員 今回対象区域を都市計画区域に限りましたのは、公共用地など、先行的に先買い協議によりまして取得する必要性と、それと、何と申しましても、個人から見れば、届け出義務という、いわば民間の自由な取引にある程度の制約を加えるということでありますので、その辺を勘案しまして、公共施設等の整備を特に推進する必要のある地域といたしまして都市計画区域を対象と考えたわけでございます。仰せのとおり、都市計画区域以外につきましても、国土の保全とか、水源涵養とか、その他もろもろの公共施設の設置の必要性が高まっておるわけでございますが、これらにつきましては、現在、森林法あるいは自然環境保全法、自然公園法等の法律があり、さらには、それの監督許可事務を強化するというような法案も今国会に提出されておりますし、そういった法案によって不適当な土地利用というものを抑制していくということがはかられるのではないか。そういう規制措置、許可届け出等の措置だけでは足りないということになりますと、その中でも必要な地域、核となるような部分を地方公共団体等が積極的に買い取って、自分の所有権の行使として完全な管理をしていくということが必要になってきますが、また、そのような制度もあるわけでございますけれども、一般的には、そういう各種法律によっての保全のための規制措置をもって当面は対処できるのではないか。先ほど言及されました国土総合開発法案では、都市計画区域の内外を問わず、特定地域総合開発計画なる制度を設けておりまして、そこには、先買い権がその法律のほうで規定されております。以上のような次第でますます今後法的機関が土地取得をしていくという必要性が高まっておりますので、これが財源措置、資金措置につきましては、政府をあげましてその万全を期してまいりたいと思います。
#12
○片岡委員 列島改造等の推進のためには、これらの点については、相当大きく基本的な考え方をさらに進めていただかなければならぬと存ずるのであります。将来十分お考えいただきたいと思いますが、なお土地先買いの制度の対象区域を今回拡大したことによりまして、市街化調整区域線引きの完了していない都市計画区域にも対象地が広がりまして、さらに、公共用地の代替地までに先買い権を認めておるというふうに大きく広げたのでございますが、これはものの考え方でございますが、列島改造の目玉商品である地方中核都市の設計等のためにも、これらの制度がかなり大きな貢献をすると存ずるのでございます。まだ、中核都市の構想は政府としてでき上がっておらぬようでございますが、そういう点等を考え合わせて、これはたいへん重要な貢献をする改正だと思いますが、これらの点についていかがなお考えをお持ちになっておりますか、できれば大臣のお考えを伺っておきたい。
#13
○江崎国務大臣 これは、当然、過密、過疎の問題を同時に解決していくためにも、また、東京集中、大都市集中といったような傾向を押えていくためにも、地方中核都市を実現していくことは焦眉の急務だというふうに思っております。間もなく成案を得るものというふうに私どもも考えております。
 さっき、公有地を拡大促進するについては金はだいじょうぶかというお話しでしたが、都市局長からもあらゆる努力をするということでありまするが、問題なのは、自治省としてもめんどうを見るということもありましょう。しかし、資金量にはおのずと限界があります。そうすると、これは公有地をどんどん必要なだけいまから確保しておこう、特に、都市計画地域全般が対象になったということになれば、これはやはり縁故資金にたよらざるを得ません。また、その一方では、農協などに相当な金があるわけですから、市町村としては、農協の系統資金などを流用するということもあろうかと思うのです。したがって、私どもは、そういう場合に特に宅地に充てられるというものについては、農協の系統資金などの一般金利と、公営企業金融金庫が貸し出すとか、いろいろめんどうを見る政府資金との金利差というものぐらいはめんどうを見たらどうだといって大蔵省に強く要請をして今日に至っておりますが、どうもこれがなかなかはきはきしない。こんなことでは、ほんとうに地方が公有地をどんどん確保しようといっても、思うようにいきません。ですから、今回はまだ具体的になっておりませんが、これは、政府として、今後ぜひひとつ実現をしたい。これは予算審議中から問題になっておるわけですが、まだ大蔵省側の了解が得られておりませんが、これは大臣なども何とか考えなければならぬということを言っておりますから、近い将来実現をするという方向で、さっきお尋ねの金融問題等についてはできるだけの措置をしたいというふうに考えております。
#14
○片岡委員 先ほどからの御説明で、市街化区域における届け出を要する土地の面積が二千平方メートル、それから、市街化区域外の都市計画区域内の届け出を要する面積は^ただいま伺いますと、五千平方メートルで考えておるということでございますが、そういたしますと、そういうこれらに該当する地面でありましても、これを届け出対象以下の面積の土地に幾つかに切り売りをすると、その規制を免れるということになる可能性があると思います。これは去年この法が設定せられましたときにも問題になったようでございますが、今回も、それについては改正案に盛られておらないのでありますが、こういう脱法行為についてはどういうふうにお考えになっており、また、手を打っていかれるおつもりでありますか、御方針を承りたいと思います。
#15
○吉田(泰)政府委員 確かに、おっしゃるとおり大きな面積の売買行為につきまして、あえて小さく分割して売られる場合には、本法の適用はないことになります。もっとも、同時に同じ当事者間で売買されるのでありましたならば、これは分割してもその法律の適用はあると解釈できますけれども、時期をたがえたりしてやられますと、それを封ずる方法は本法にはございません。私ども、実は、この法律が先買いとは申しながら、事前に届け出させて両当事者が協議する、協議が整ったときに先買いできる、そういう任意の協議を主体とした制度でございますから、切り売りまでして脱法したいという人であれば、別に強制される売買ではありませんので、本法によって届け出て協議が申し込まれても協議を受けないということができる余地がある。いわば、ゆるい制度であります。そういうことですから、知事のほうで買ったと言ったとたんに売買が成立するというようなものでないだけに、わざわざそういった切り売りしてまで届け出を免れるというようなことはないのじゃないかと考えておる次第でございます。しかしながら、今後の実施状況、それから施行体制の整備の状況等にらみ合わせまして、おっしゃるような事態がかなり頻発するということであれば、何らかの措置を法的にも講じまして、そういったものを封じていくということを検討させていただきたいと思います。
#16
○片岡委員 それでは、現在、法施行後いろいろ先買いが行なわれた実績があると思いますが、この法の施行前に各公共団体等が買いましたときと、法施行後土地を取得しようとしたときとでだいぶん差があるか、というのは、要するに、この法ができましてから非常に買いやすくなったというような実績があるかどうかというようなことをちょっとお伺いしたいと思います。そして、四条による届け出の場合、届け出と、実際協議が整って買うことができたという率と、それから、五条によって申し出た土地に対して協議が成立して売買が成立したという場合との率がどういうふうになっておるか、できれば、あわせてお示しいただければありがたいと思います。
#17
○吉田(泰)政府委員 本法施行後――これは十二月一日から施行されておりますので、まだ半年そこそこなんでございますが、一応四月末までの五カ月分というものを県から報告を徴しております。これによりますと、届け出と申し出を合わせました件数が四千五十八件、買い取り協議を通知しました件数が一千二十三件、うち、協議の成立した件数は百六十四件、それから、協議中の件数が三百二十二件、こういうことになっております。協議中の件数につきましても、現在協議中でありますので、ある程度の協議成立に至るものもあると考えております。
  〔高鳥委員長代理退席、中村(弘)委員長代理着席〕
 それから、四条の届け出と五条の申し出別にこれを申し上げますと、届け出にかかる件数が約三千七百件でありまして、うち協議成立件数が百三十一件であります。五条の申し出のほうは三百三件でございまして、その申し出に対し協議成立は三十三件ということになっております。
#18
○片岡委員 私は、ただいま伺いまして、法が施行になりました前とあととでどれだけの効果があったということについてははっきり伺えないのですが、いずれにしても、いま実績をお伺いしても、成立して実際売買が行なわれたというのはたいへん率が少ないというふうに思うのであります。私は、その価格のきめ方に大いに問題があると思いますが、これはまたあとから触れることにいたしますが、とりあえず、この土地開発公社制度ができ上がりまして、これが相当各府県で利用せられて、どんどんできておるようでございます。ただいまいただいた表の「土地開発公社の設立状況」を見ますと、かなり多くの府県で新しく設立せられ、まだ設立していない県もあるようでございますが、おおむね各県でだんだんこういうものができつつあると思います。各市町村についてもどんどんできておるようでございますが、これは、法の前にできておりましたいわゆる地方土地公社というような開発公社とか、いろいろ名前があったと思いますが、そういういわゆる財団法人、社団法人式の、民法に基づく公益法人の形をとっておったものが二年以内で土地開発公社に切りかえられたわけでございまして、まだ切りかえが終わっておらないものもかなりあるでしょうが、それの数をひとつお知らせ願いたいと思います。
#19
○近藤政府委員 都道府県で申しますと、現在設立の認可をしております三十五のうちで、組織変更によりますものが二十八、新しく設立したものが七つという状況になっております。また、市町村のほうで現在設立済みという報告がわれわれのほうにございました五百四のうちで、新規設立は三百四十八、組織変更によるものが百五十六という形になっております。そこで、新規設立が多くて、組織変更がわりと数の上で少ないような感じになっておりますが、御案内のように、これまで財団法人等でやっておりました都道府県、市町村の公社というのは、土地の買収、あるいは造成以外に若干の開発事業等も行なっておったものもあるわけでございます。従来の法律に基づく土地開発公社、これは土地だけに業務範囲が限定されておりましたので、土地開発公社を設立しても、従来のはみ出し業務範囲のものがあるわけでございまして、二枚鑑札でやっておる前のものもそのまま置いておくというようなケースもございます。それから、市町村の場合でございますと、この五百四の中に、広域市町村単位で一つの公社ができておるとか、全県下の町村を打って一丸として一つのものというようなものがございます。従来の土地開発公社はおおむね各市町村単位にできておったという関係がございまして、おそらく廃止したものがあるだろうと思いますけれども、それが組織変更という形じゃなくて、大きなものが新設という形になっておりますので、どうも、組織変更の数が思ったより少ない形になっておりますしかし、今度法律改正によりまして、上ものも若干できるという形にいたしますと、都道府県のいわゆる開発公社というものがほとんどこの法律上の土地開発公社に吸収できるのではないかと思っております。
#20
○片岡委員 そういうふうに、開発公社が逐次法律に基づいて組織がえがされるということになりましても、公社の組織から見ましても、多くの場合、知事なり市町村長が公社の長になるという場合が多かろうと思いますが、これは何といいましても、市町村議会にこまかい問題について一々相談しないでも、市町村の運命を決するような大きな問題、関係のある仕事をある程度どしどしやることができるということにどうしてもなると思います。その点、自治体監督上の立場から、自治省においてはどういうふうに考えられておるか。もちろん、議会とこの公社との関係についても相当きびしく規制はせられておりますが、こまかい問題については必ずしも十分でないと思います。したがいまして、この公社がたとえばいろいろ問題を起こすという例もなきにしもあらずと思いますが、これらについて、自治省の監督のめど、方針というものを承りたいと思います。
#21
○江崎国務大臣 公社業務というものを簡素化する、それから、監督するときに一々議会にはかつておったのでは機宜の措置がとりにくいとか、いろいろあるわけであります。しかし、事業を推進する上において、公共団体の長は事業全体に責任を負うわけですから、もし行き過ぎや失敗があったり、それが顕著な事態であるということになれば、当然議会としては問題になると思います。
 それから、土地を取得するに際しまして、それが借り入れ資金にたよらざるを得ないというような場面になることが当然予想されます。そうすると、それは市町村が直接保証の任務に当たるということになれば、これは予算の上に債務負担行為であらわれてまいりますから、それらを通じて議会はものを言うことができる。これは市町村が出資して、特に全額出資して事業を行なっておるわけでございますから、当然、その市町村議会は、一般質問に関連して自由に質問できる。ですから行き過ぎたことにはならないのではないか。むしろ、いつでもチェックできると思います。ただ、一々こまかいことで、土地を、これを買いたい、あれを買いたいということを議会等に諮問しておりますと、その間に値段が高騰したり、様子が変わってしまうということもありますから、これは直接的にはそういう仕組みになっておりませんが、監督権限は当然議会もあるわけでございまして、これは設立者が公共団体の長であるということから言いましても、十分監督は行き届くものというふうに思っております。
#22
○片岡委員 それでは、市町村が再建団体として指定せられたものがこの開発公社をつくろうとした場合、これは自治省の方針として認められるのですか、認められないのですか。
#23
○近藤政府委員 再建団体であるがゆえに公社の設立を認める、認めないというような方針は立てておりません。ただ、御承知のように、再建団体の中には、財政力が非常に弱いような団体が多いかと思いますが、そういう団体でございますと、たとえば銀行から借りるような場合に条件が悪いという点でハンディがあるだろうと思います。そこで、特に町村あたりでは、たとえば広域市町村圏単位というような形で、自治法で言えば一部事務組合でございますが、共同して設立することが望ましいのではないかという意見も申しております。幾つかの県ではそういった方向で公社を設立しております。
#24
○片岡委員 それでは、さらに進めまして、先ほどお話しがございました国土総合開発法と本法との関係がどうなるのかという点について、若干お伺いしたいと思います。
 たとえば土地所有者の届け出義務が重複しないかとか、あるいは国総法の特別規制地域の指定は本法関係の先買い対象地域の上にも、こういう特別規制地域が設定せられるということもあると思います。本法では三週間以内に協議をしなければならないということに関しまして、その譲渡制限期間の間、この期間との関係で、国総法の特定地域または特別規制地域との関係がどういうふうになるのか、これらの点の調整は考えておられるのですか。ちょっとお伺いしたいと思います。
#25
○吉田(泰)政府委員 本法とは別に、国土総合開発法案で、土地の売買につきまして届け出制度がしかれ、一部地域については、これをもとに、中止勧告制度、さらには先買い権等が国土総合開発法案自体に規定されて提出されているわけでございますが、その関連をお答え申し上げますと、まず、届け出義務が重複しないかということでございますが、これにつきましては、国土総合開発法案の規定によって届け出を必要とする場合には公有地拡大法による届け出を要しないというふうに国土総合開発法の附則で措置しておりまして、ただし、国土総合開発法による届け出をもって本法による届け出とみなす、みなした後は、本法によりましてこの法律による先買いができる、こういうふうにいたしております。要するに、届け出を二重にさせるということの手間を省く措置をとっておるわけでございます。
 次に、特別規制地域、これは土地等の売買を許可制にかける地域でございますが、これについては、おっしゃるとおり、本法の対象地域にも重ねて設定し得るわけでありますが、この場合には、公有地拡大法の適用を除外いたしております。これは許可制度になっておる地域でありまして、その許可も、公共事業のためであるとか、自己の居住の用に供する等の場合以外は許可しないということになっておりますので、そのように非常に限られた利用目的に合致して許可されるというような場合にまで公的機関が先買いに乗り出すことはかえって不適当ではないかという意味でありまして、特別規制地域については本法の適用を除外した、こういうわけであります。
  〔中村(弘)委員長代理退席^委員長着席〕
 それから、譲渡制限期間でありますが、これは国土総合開発法の譲渡制限期間が、土地利用の適正あるいは公共事業への支障あるいは価格が著しく高いというようなことを理由として不適当と思われるときに中止勧告をしようということでありますので、それの審査に六週間を要するであろうと考えまして、国土総合開発法では一律に六週間の譲渡制限期間を設けております。それに対しまして、本法では、まず、届け出を受けましてから買い取り協議の通知をするまでが、国総法では二週間以内、この改正案では三週間にそれを引き延ばしておりますが、それが第一段階。通知を受けましてから、さらに現行法では二週間、改正案では三週間、これも引き延ばしておりますが、その期間は譲渡制限ということですから、最大限をとれば、本法においても六週間ということになります。ただし、協議の通知を早くすれば、その分だけ六週間よりも短くなるというわけですが、最大限としては六週間に一致させているわけでありまして、これも国総法の規定の適用を受ける場合には、譲渡制限期間は一律六週間ということにして、国総法で譲渡制限を一元化する、本法の譲渡制限期間の適用をはずす、こういうふうに処置しております。
#26
○片岡委員 あまり時間がないようでございますから、先に進みたいと思います。
 まず、本法によります取引の土地価格についてお伺いしたいと思いますが、これは、第七条の規定によりますと、土地の公示価格を規準として、折衝によってきめられることになっておるわけでございます。ところが、地価公示の地域というものは現在非常に限られておる。大都市付近と、三大都市圏を中心にして、きわめて限られた地域にしか適用されておらぬ。これをだんだん広げていくというような御方針のようでございますが、この法律の適用にこたえていくように、その計画がどういうふうに進められるのか、それをちょっとお伺いしたいと思います。
#27
○吉田(泰)政府委員 御指摘のとおり、現在までの地価公示地点は、対象地点も少ないわけであります。つまり、三大都市圏及びおおむね人口三十万以上の市の市街化区域のみを本年度は対象にして、五千四百九十地点を地価公示したわけでありますが、これは、地価公示法そのものの必要性もこれあり、また、本法その他の諸制度の基礎にもするために対象地域を広げ、地価公示地点も広げなければならないということで、今国会に地価公示法の一部改正案を別途提出いたしております。それによりまして、まず、対象区域が現在市街化区域に限られておりますのを、本法と同様都市計画区域の全域に広げるということが一つあります。それを受けまして、当面は、昭和四十九年度の地価公示としては、市街化区域の個所もふやし、さらに市街化調整区域、それから線引きしていない都市計画区域、これも本年度調査の上明年地価公示するという予定でありまして、明年の予定個所は一万四千五百七十地点、本年の約三倍ぐらいにする予定であります。これによりまして、市街化区域に限られておりましたものが、対象区域が本法と同様都市計画区域の全域に次第に及んでいくということでありますが、必ずしも本法の対象区域に一気にいきませんので、その間のつなぎといたしましては、本法案におきましても、地価公示の定めがない地点については、別途近傍類地の取引価格を考慮して算定した相当の価格をもってその価格とするという改正規定を置いて対処することといたしております。
#28
○片岡委員 届け出によりますところの土地先買いの場合には、公示価格を規準としてその価格を決定するということになっておりますが、実際は、そういう場合、すでに第三者との話し合いが進んでおるという段階において問題になりますので、これは、もし公示価格を公共団体等が最後までがんばれば協議が整わないということになる。そういう結果、お互いにせり合いを始めて土地の価格がだんだん上がっていくということになると思います。すなわち、地主側にしてみれば、法定の譲渡制限期間を粘り通したら今度自由販売の形になるということになりますので、結局は価格がだんだんとつり上がっていくということになると思うのでありますが、ここにたいへんな問題があると私は思うのです。
 そこで、この当事者の売買価格がだれが見ても適正価格であるという場合には問題はございませんのですが、不当な価格であります場合に、私は、問題になると思います。それを何としても適正価格で買い取るという強制買い上げの措置が講ぜられるべきでないかと思うのでありますが、これについて、御存じのように、フランスにおいては長期整理区域というものがあって、これは指定区域の地価を一年前の価格で固定をいたしまして、収用または先買いの際に建築物物価指数で補正した方法をとって適正価格にする、こういうふうになっておるようでありますし、また、西ドイツにおいても、鑑定委員会で定めた正常価格で先買いを行なうというふうになっておるのでございます。わが国は、これらの諸国に比べてみまして、土地は非常に少ない。そういう関係から、地価がだんだん高騰する。需要が多いのに供給が少ない。こういう関係から、当然地価が上がっていくということになると思います。昭和四十六年の五月には、時の根本建設大臣が、地価抑制のための根本構想というものをお持ちになっておられて発表されたということがありますが、これによりますと、知事は一定期間内に緊急宅地化すべき区域を指定して適正価格で強制買収できるという制度を提唱されたということであります。わが国の憲法は、御承知のように、二十九条一項では、財産権の不可侵というものを非常にやかましくうたっております。しかしながら、第三項で、「私有財産は、正當な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」とうたつておりますし、また、第二項では、「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」ということを明定しておるのであります。いまさら言うまでもなく、土地は再生産されません。限られた国民の資産であります。その意味において、日本のように狭い土地にたくさんの人口がおるというような状況を考えてみましたときに、私権を尊重するということと公共の利益というものをどういうふうに見ていくかという場合に、今日においては、やはり、公益優先というような新しい一つの価値観に基づいていろいろな発想がなされていかなければならぬものだと私は思うのでございます。先ほどの、特に、届け出の土地に対してなかなか協議がまとまらないというようなことも、この価格形式の段階においていろいろ問題があるからだというふうに私は思うのでございまして、こういう機会に思い切った土地に対する公益優先の考え方を盛り込んだやり方を、したがって、協議が整わないというときにはやはり適正価格で強制買収するというような制度を考えていかなければなかなか問題は解決しないのじゃないかと私は思うのでございますが、この点、大臣のお考えを伺いたいと思います。
#29
○江崎国務大臣 だんだんお述べになりました御意見は、全く私も賛成でございます。土地問題というものは公益優先の理念に立って取り扱われるべきものであるというふうに思います。いろいろ憲法上の制約もありますが、国総法に見られますように、できるだけ法に触れない範囲でいろいろな規制を加えたわけでありまするが、いまおっしゃるような方向はもっと徹底していく。そうでないというと、ただモラルの面だけで協力を求めると言っておっても公共優先というものの実現がなかなか困難な場合もあるわけであります。できるだけ憲法に反しない範囲で十分公共優先の思想を生かしていきたいというふうに考えます。
#30
○片岡委員 大臣の前向きの御意見に対して深く敬意を表しますが、これは、これからもっと勇敢にこの考え方を進めていただき、そして、場合によっては、先買い制度についても、形成権を内容とする制度として、価格については収用委員会の裁決によるという方法も考えられましょうし、また、今日においては、土地の取得はすべて公的機関で一括して行なって、民間デベロッパーその他のものに対しては、その公的機関の下請けといいますか、そういう役割りを果たさせるといったような思い切った措置を逐次考えていただかなければ、なかなかこの問題は解決しないと思うのでございます。これは、さらに前向きでお考えいただくための私の意見として申し上げておく次第でございます。
 次に、自治省でまとめられました「地方財政の長期ビジョン」によりますと、昭和四十五年から五十五年までの地方公共団体の投資累積総額は約百十兆となっておりまして、ごのうち、かりに二割が用地費といたしますと、十一年間で二十二兆、これは毎年に直しますと二兆円の土地の購入費が必要であるということになります。また、自治省で発表いたしました昭和四十七年から五十一年の間、五年間に三十三万ヘクタールの土地を地方公共団体等が取得する必要が見込まれております。これらの購入に要します資金の見込み額は十一兆単年度にいたしまして六万六千ヘクタールとして二兆二千億という膨大な金額にのぼります。これらに対しまして、地方公共団体及び土地開発公社等が先買いをするに要する資金の財源につきましては、先ほど自治大臣からもお話しがございましたし、「公有地取得の財源措置」というのをここに表でもってお示しをいただいたのでございますがこれらの措置について、概括的な方針といいますか、先ほど大臣からお伺いしたのでございますがもう一言、積極的な前向きの御答弁をいただければたいへんありがたいと思います。
#31
○近藤政府委員 先ほどお話しがございましたように、地方団体が必要とする土地が単年度で約七万ヘクタール、金額にして約二兆、四十六年度の実績あるいは四十七年度の実績を見ましても、大体その程度を必要とし、その程度の金額が支出されているわけでございまして、今後長期的に見ましても、おそらく、毎年そのくらいの用地が要るでございましょうし、また、それに対する財源措置を何らかの方法でしなければならないわけであります。
 そこで、地方公共団体に対する財源措置としては、お手元にお配りしてありますように、土地開発基金と、それから各種の地方債でございます。公共用地先行取得債、地域開発事業債、義務教育施設債、あるいは水田取得債というふうに名目は分かれておりますけれども、地方債、それから建設省が所管しております都市開発資金、こういったものでその需要をまかなっていくわけでございます。
 それから、土地開発公社の関係につきましては、これは縁故資金がほとんどでございますけれども、公営企業金融公庫も一部その融資をするという仕組みが現在とられておりまして、本年も、わずかでございますけれども、七十億が予定されております。
 それから、地方公共団体の土地開発資金の相当部分というものが銀行に預託されまして、それが公社の貸し付け金という形に変わっておるということでございますので、今後の方針といたしましては、土地開発資金の拡充あるいは地方債の拡充と、できるだけよい質の資金を拡充していくという方向で臨んでいかなければならないところであります。あわせて、公営企業金融公庫の拡充をはかってまいりたいというふうに思っております。
#32
○江崎国務大臣 いま申し上げたとおりでありますが、やはり、この資金量確保ということが一番根本だと思うのです。幾ら公有地拡大促進法と言ったって、金がなくてどうやって拡大促進するのかこれは言うべくしてできませんですね。そういうことになりますと、いまのように政府資金量というものをもっとふやしていく、これが根本です。しかし、縁故資金等については、これは農協も、今度農協法の改正で当然貸すことになりますからその金利の高いそういう系統資金などでも、金利ぐらいは、それは一般公有地の全部に及ぼせと言うのは無理でしょう。宅地が不足しておる。だから、その住宅をどんどんつくる、こういういまの政府の大目的からするならば、住宅用地については、これは金利負担を考える。いまは特に高金利時代ですから、市中銀行の金利も決して安くありませんですね。これは上がったり下がったり、今後の経済情勢によっていろいろ機宜の措置はとるにしましても、当分高金利が続くと見なければなりません。そうなるというと、やはり、利子補給の問題は、この公有地拡大促進のまさに表裏をなす重要な点であるというふうに私ども考えます。したがって、大蔵省とはこの点等については十分折衝をして、ぜひ金利補給の実現を見たいというふうに考えております。
#33
○片岡委員 いまお話しの列島改造が成功するかいなかは、これはまさに公有地の先買い制度が成功するかいなかにかかっておると言っても過言ではないと存じます。したがいまして、いまお話しのように、この先買いに対して思い切った資金が用意されなければならぬと思います。土地開発公社の行なう業務内容も今回大きく拡大せられまして、いろいろの事業が行なえることになりました。これらについても相当の資金が必要であることは言うまでもないのでございます。ところが、この手当てができないために、これがそっくりそのまま、地方の、貧弱な、そしてまた独立財源を持っておらぬ地方公共団体の負担になり、そして、それが大きな町村財政の重荷になるということになりますと、これはたいへん困ることになりますので、これらの点につきまして、ひとつ十分お考えをいただきたい。
 そこで、私のほうの富山県あたりでいろいろ希望を聞いてみますと、その土地先買いに対して、良質低利な資金を豊富に供給してもらいたい、そのために、たとえば土地開発金融公庫というものを設置してほしいというような意見があります。あるいはまた、土地開発公社に対する昭和四十八年度の公営企業金融公庫の貸し付けワクは去年よりもたいへん急激に増大いたしまして、七十億という大幅なワクになったのでございますが、しかし、これからの、先ほども言ったような毎年二兆円に及ぶという地方財政計画から考えますと、この額はまことにさびしい額であると存じます。そういう意味で、もっとこのワクを拡大することを考えていただきたい、それから、公社に土地債券を発行するというような立法措置を講じてほしいという要望があります。あるいはまた、大蔵省の銀行課長もおいでになっておるようでございますが、民間金融機関その他いろいろな一般の金融機関から借りるというようなことにもなりましょうが、今日の状況では、その貸し出し条件はやはり商業ベースの中で行なわれておるわけでございますが、それではいま大臣のおっしゃった良質な資金とは言えないのでございまして、こういう意味において、何か特別のワクを国で考えるという方法を講じていただきたいというようなことを要望しておりますが、これらの点について御意見を承りたいと存じます。
#34
○近藤政府委員 まず、土地開発金融公庫の件でございますが、土地開発金融公庫というものを別につくるのがいいのかど、瀞。われわれは、このかわりといたしまして、公益企業金融公庫にこの事務を取り扱わせようということで、昨年十億、ことし七十億と、わずかでありますけれども、芽をふいたわけでございまして、今後これの拡充をはかっていきたいと思っております。
 それから、土地債券を発行するなり、立法措置を講じたらどうかというお話しでございますけれども、貧弱な、と申しては語弊があるかもしれませんけれども、それぞれの地方公社が債券を発行するよりは、地方公共団体が共同して債券を発行して原資を確保する、そのほうが筋ではないか、また有利に消化できるのではないかと私は思います。公営企業金融公庫はまさに地方公共団体の共同の金融公庫でございまして、一括して債券を発行しておるわけでございまして、この債券のワクを今後とも拡充していったほうがいいのじゃないかと思っております。
#35
○片岡委員 大蔵省のほうはどうですか。
#36
○清水説明員 私どもといたしましても、民間の金融機関の活動につきましては、基本的には、福祉優先という政府の経済運営の基本的政策の方向に沿って考えていくように常々指導しているわけでございまして、ことに住宅関係、あるいはただいまお話しにございます地方の開発関係、社会資本、そういった面につきましては、金融機関としても最も優先的に配慮していくようにという線で常々指導しているわけでございます。ただいまいろいろお話しがございましたが、そういう趣旨に沿いまして、たとえば一例で申し上げますと、御承知のように、現在は全般的なかなりきびしい金融引き締め政策がとられておりますけれども、そうした中にありまして、ことに土地関係の融資につきましては、本年の一月から、地価対策の観点も含めまして相当きびしい抑制措置をとっておるわけでございますが、そうした場合にも、特に公的な宅地開発機関等に対する貸し出しにつきましては、これを規制のワク外とするという扱いもいたしておるわけでございます。
 御参考までに多少数字を申し上げますと、たとえば、いまの公的な土地開発機関に対する貸し出しの残高、これは全国銀行八十七行の貸し出し残高の増加の傾向でちょっと申し上げますと、全国銀行の貸し出し残高の三カ月単位でわれわれいま調べておりますが、たとえば昨年の十−十二月、この三カ月のときには、総残高は約七・七彩増加しておるわけでございます。それに対しまして、この一月以降はかなりきびしい引き締めがとられておりますので、一−三月は四%の増加率、さらにこの四−六月は、これはまだ実行見込みのベースでございますが、三%の増加率というぐあいに、三カ月単位をとりました総貸し出しの増加率はかなり急激に抑制されているわけでございますが、そうした中にありまして、いまの公的な開発機関に対する融資の数字を申し上げますと、昨年の十−十二月におきましては、貸し出し残高の伸び率は八%であったわけでございます。これは全体の貸し出しの増加率の趨勢よりはやや高い水準ですが、それがこの四−六月期では、実行見込みのベースですが、一八・二形という、もとの絶対額が必ずしも大きくないということはございますけれども、最近の趨勢としては、かなりその面に対して積極的に融資が配慮されているということは御了解いただけるかと思います。今後とも、私どもといたしましては、ただいま来御議論をいただきましたこういう関係の融資については、当然のことながら、最も優先的に配慮していくように指導していきたい、そのように思っております。
#37
○片岡委員 ただいまの話を承りまして、いろいろの財源措置についてお考えをいただいておることはまことにけっこうですが、いま、金融引き締めの事態でございますが、これは一般の大企業、民間企業にはもうきつくやっていただかなければならぬのでありますが、公的機関のこの先買い等の問題に類するものについては、この引き締めのワクを十分ゆるめていただくとか、何とか十分考えていただいて、この上とも優先的に考えていただくという配慮をぜひお願い申し上げたいと存じます。
 もう時間があまりありませんので、ちょっと急いで申し上げますが、次は、この申し出による先買いの問題について、租税の減免措置を考えていただきたいという問題でございます。申し出による先買いの場合に、租税特別措置の適用がないのはまことに残念であります。これは理屈から言いますと届け出の場合とは違うということでございますけれども、自由意思によって申し出て、公共用地に先買いしてもらうということについて、公共的な目的に協力するという立場をとっておるわけでございますから、その立場を評価して、ぜひ、この届け出による先買いの場合に準じてこの減免措置を考えていただきたい。
 なお、今日、届け出による先買いの場合の現行の特別控除額が五百万円でございますが、今日土地の価格が非常に暴騰しておる現状から申しまして、これはあまりにも低過ぎるのではないかと思います。もう少しこれを引き上げて、そして、同時に、いま申し上げましたように、申し出による先買いについても大幅の減免措置を講じていただくことによって、この協議も非常にととのいやすいということになるのではないかと思いますが、これについての御所見を承りたいと思います。
#38
○伊豫田説明員 ただいまお話しのありました土地の譲渡所得につきましての特別控除の問題でございますが、御承知のとおり、現在、租税特別措置法の三十三条以下には、二千万円以下、各種の特別控除の規定がございますが、いずれも、ただいま先生がおっしゃいましたように、権利制限を伴います場合に、それに応じて国が税の面において減免を行なうという考え方に立ってできております。たとえば、公共用地の場合の収用の場合でございます。あるいは、古都保存法等によって非常に使用が制限されている場合に、やむを得ず国または地方公共団体に対して、法令の規定に基づいての買い取り請求とか、その他特定の非常に大規模な民間宅地の造成とか、こういうものにつきましては、それにつきましてある程度の社会的強制も働きますということ等を勘案いたしまして現在の制度がすべてできておりまして、いかに国または地方公共団体に率先御協力をいただく場合でございましても、それが形の上から自由意思に基づくような場合には、現在の租税特別措置法のたてまえからは特別控除の制度というものはできておりませんので、もし、先生のおっしゃるように、そこに新しい制度をつくるとすれば、全く新しい見地から事を考えていかなければならない。それにつきましては、他とのバランスで非常にいろいろ問題がございますということを申し上げておきたいと思います。
 それから、ただいまの五百万円の四条の規定の届け出に関する場合の減免の規定、特別控除額は現在五百万円になっておりますが、それを上げたらどうかというお話しでございますが、確かに、物価、所得その他の上昇に基づきまして、長い目で見ればこれは引き上げていかなければならないものと考えております。現在の五百万円の控除と申しますのは、ただいま御説明いたしましたように、収用の場合以下各種の権利制限の態様に応じましてその段階がきめられております。本年度の改正におきましても、三百万円の控除を五百万円に引き上げたばかりでございます。そのバランスの問題それから、本年度に引き上げたばかりであるという点から、当面は引き上げはなかなか困難かと思います。先生の御意見を十分拝聴いたしまして、さらに検討を続けたいと考えております。
#39
○片岡委員 理論的には、まさにそうだろうと思います。しかし、いまや、いままでの理論構成、いままでのような発想、これを転換すべき時期が来たと私は思うのであります。そういう意味において、先ほど申し上げましたように、土地の適正価格による強制的な買収ということも考えると同時に、一面においては税金を減免するということを考えることによって、制度として非常にうまくいくんじゃないか。そういうふうな考え方で、実もありふたもある方法をとっていただき、そして、一面においては、公共の利益のためにきつい態度をとるということもぜひ将来考えていただきたいと私は思うのでございます。
 あと、もう時間もありませんので、せっかく農林省からおいでいただいておりますのでちょっとお伺いしたいのですが、この土地開発公社の買収農地は農地法第五条の適用除外にしてほしいという意見が強いのですが、これに対して御所見を簡単に承りたいと思います。
#40
○関谷説明員 ただいまのお尋ねの点でございますが、土地開発公社も含めまして、大規模開発を主体とします事業に関連する用地の問題につきましては、かねてから、農林省といたしましても、都市開発と関連しましていろいろ検討しているところでございます。御承知のように、かなり広い地域ということで検討いたしますと、都市の周辺にもかなり広い集団的な優良農地もございますしまた、かなり規模の大きい公共投資をやっている地域もある。こういうことで、一般的に許可を不要とする扱いになかなかできにくい。やはり、農業投資あるいは農地の保全ということとの調整も必要といたしますので、許可除外ということではなくて、この種の公共的な開発につきましては、事前に関係の地方公共団体あるいは行政機関を含めましてかなり前広に協議をいたしまして、円滑に用地取得を進めてまいりたい、こういう扱いにいたしたいと考えております。
 なお、土地開発公社につきましては、昨年公有地拡大推進法が制定されまして、十二月に施行されましたので、市街化区域内の農地転用につきましては一一般的には届け出を必要としておりますが、土地開発公社につきましては届け出を要らなくするということで、市街化区域内の扱いについては、農林省令改正によりまして、十二月六日から届け出不要としているわけでございます。
#41
○片岡委員 最後に、最近土地が非常に問題になっておりますが、土地の利用方法ということに対して、公害防除の面とか、あるいは地球上に住む者が空気、水あるいは土地を大事に使ってお互いに長生きをしようとか、いろいろな面から非常に大事な時期に来たと私は思うのでございます。ところが、最近のゴルフ熱に浮かされて、民間デベロッパーがあちらこちらにゴルフ場を大規模につくるというようなことがある。これは健全なスポーツでありますからそうやかましいことも言えないかもしれませんが、このごろはむしろ必要以上にたくさんのものが非常に計画されておる。これらの問題について、各府県、市町村が非常に困っておられる。これらについていろいろの規制措置が講ぜられておるということですが、きのうかおとといも新聞にも出ておりましたが、これらの状況についてちょっとお伺いできたらお願いいたします。
#42
○吉田(泰)政府委員 最近、ゴルフ場等の大規模な開発につきまして、一部条例、大部分は指導要綱のようなものを制定いたしまして、これを事実上チェックするということがかなり行なわれるようになってまいりました。大規模開発についての条例を制定している県は岡山県であります。その他、指導要綱を制定している県は十県ほどございます。いずれも規制対象はゴルフ場等の大規模開発でありまして、一ヘクタール以上とか、五ヘクタール以上とか、県によって違いますが、そういった規模のものを対象とし、規制方法としては、一部許可制もありますが、主として事前協議といったものでやっております。規制の基準としては、災害の防止とか環境の保全、あるいは都市的便益の確保といった観点で規制されているわけであります。このようなものは、現行の制度におきまして、市街化区域、市街化調整区域以外の都市計画区域及び都市計画外につきまして、法的にあまり有効な規制措置がないものですから、やむにやまれぬという立場から各県においてくふうされ、このような実行措置をとっておられるものと思っております。しかし、やはり、法的根拠がないといろいろの点で不十分であるという面もどうしても出てまいりますので、実は、今国会にいろいろな法律を提出して、その穴を法律的に埋めようということで考えておりまして、国土総合開発法案による土地売買の届け出制度とか、中止勧告制度、あるいは特別規制地域における許可制度といったもの、あるいは都市計画法の一部改正を提案しておりますが、この中で、都市計画法による開発許可を、線引きしない都市計画区域にも広げるというようなこと、あるいはゴルフ場等の工作物についても開発許可の対象にするというようなことを考えて御提案申し上げている次第でありまして、そのような法制が整えば、現在相当法的に不備であった地域についても規制の根拠が確立されるのではないかと考えております。
#43
○片岡委員 日本列島改造論は、野党側の御意見によるといろいろ異論があるようでございますが、しかし、私は、これはやはり日本のいまの過疎、過密を調整していくということが今後の日本列島の生きる道であると、かように思いますときに、このために必要な公の土地を何とか早く買い入れて、そうしてできるだけ土地の値上がりを防ぎ、大事な日本民族の限られた資源であるこの土地を有効に使い得るようにするために、この公有地拡大の法律が有効に適用されることが望ましいと思うのでございます。そのために、今後、この財政的な資金の手当てその他先買いの措置につきましても、先ほど私が申しましたような強い態度も十分中へ織りまぜて考えていただいて、これが有効に働くようにお考えいただくように、前向きな御努力をさらに要望いたしまして、私の質問を終わります
#44
○上村委員長 小川省吾君。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#45
○上村委員長 速記を始めて。
 この際、暫時休憩いたします。
   午後零時二十三分休憩
     ――――◇―――――
   午後四時十一分開議
#46
○上村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次回は、明二十七日水曜日、午前九時四十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後四時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト