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1972/06/29 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第38号
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1972/06/29 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第38号

#1
第071回国会 地方行政委員会 第38号
昭和四十八年六月二十九日(金曜日)
    午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 上村千一郎君
   理事 高鳥  修君 理事 中村 弘海君
  理事 中山 利生君 理事 三ツ林弥太郎君
   理事 山本弥之助君 理事 吉田 法晴君
   理事 林  百郎君
      愛野興一郎君    片岡 清一君
      亀山 孝一君    島田 安夫君
      前田治一郎君    保岡 興治君
      小川 省吾君    多田 光雄君
      小川新一郎君    小濱 新次君
      折小野良一君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 江崎 真澄君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 山中 貞則君
 出席政府委員
        防衛施設庁施設
        部長      平井 啓一君
        建設省都市局参
        事官      大塩洋一郎君
        自治政務次官  武藤 嘉文君
        自治大臣官房審
        議官      近藤 隆之君
 委員外の出席者
        議     員 山口 鶴男君
        大蔵省理財局国
        有財産第二課長 川崎 昭典君
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第一〇六号)
 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済
 組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一
 部を改正する法律案(内閣提出第一〇七号)
 地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法
 律案(山口鶴男君外五名提出、衆法第三六号)
 公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出第一〇一号)
     ――――◇―――――
#2
○上村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出にかかる地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案及び山口鶴男君外五名提出にかかる地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。江崎自治大臣。
#3
○江崎国務大臣 ただいま議題となりました地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由とその概要を 説明申し上げます。
 最近における通勤による災害の発生状況及び通勤と公務との密接な関連性等にかんがみ、職員が受けた通勤による災害に対し、公務上の災害の場合に準じた補償及び福祉施設を行なうとともに、その他の所要の改正を行なおうとするものであります。
 このことに関しましては、政府は、すでに、通勤による災害をこうむった労働者及びその遺族に対し業務災害の場合に準じた保険給付等を行なうため、労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案を今国会に提出し、また、国家公務員の通勤による災害につきましても、人事院から、通勤による災害に対し公務上の災害におけると同程度の保護を行なうよう意見の申し出があり、これを受けて、国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を提出し、御審議を願うことといたしておりまするが、地方公務員の通勤による災害につきましても、これらと同様の措置を講ずる必要があります。これが、この法律案を提出した理由であります。
 次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。
 第一は、従来の公務上の災害に加えて、通勤による災害につきましても補償及び福祉施設を行なうことができるように目的を改正することであります。
 第二は、補償等の対象とする通勤の範囲でありまするが、通勤とは、職員が、勤務のため、その者の住居と勤務場所との間を、合理的な経路及び方法により往復することをいうものとしておりますが、職員がその往復の経路を逸脱したり、往復を中断した場合には、その逸脱または中断の間及びその後の往復は、この法律案にいう通勤とはしないものとしております。ただし、その逸脱または中断が、日用品の購入など日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により行なうための最小限度のものである場合には、その逸脱または中断の間を除き、その後の往復は、通勤として認めることとしております。
 第三は、通勤による災害にかかわる補償及び福祉施設についてでありますが、これらの種類、支給事由及び内容については、公務上の災害にかかわるものに準ずるものとすることとしております。
 第四は、費用の負担についてでありまするが、通勤による災害にかかわる療養補償の支給を受ける職員は、初回の療養に際し、二百円の範囲内で自治省令で定める金額を基金に払い込むものとすることとしております。
 第五は、他の法令による給付との調整についてでありまするが、通勤による災害に対し、療養補償、休業補償または葬祭補償が行なわれる場合には、地方公務員等共済組合法、健康保険法等によるこれらに相当する給付は行なわないものとし、集金たる補償が行なわれる場合において地方公務員等共済組合法による年金たる給付が行なわれるときは、当該給付との調整を行なうものとする等、他の公的給付との間における必要な調整を行なうものとすることとしております。
 第六は、非常勤の地方公務員の取り扱いについてでありまするが、非常勤の地方公務員のうち、法律により通勤による災害に対する補償の制度が定められていない者についても、条例で通勤による災害に対する補償の制度を定めなければならないものとすることとしております。
 第七は、葬祭補償について、その額を現実に葬祭に要する費用を考慮して政令で定めるものとするほか、所要の規定の整備を行なうこととしております。
 なお、施行期日につきましては、通勤による災害に関する規定は、労働者災害補償保険法の一部を改正する法律の施行の日から施行し、同日以後に発生した事故に基因するものについて適用するものとし、その他の規定は、この法律の公布の日から施行するものとすることとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決賜わりまするようお願い申し上げます。
 次に、ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案について、その提案理由とその概要を御説明申し上げます。
 政府は、恩給年額の増額をはかるため、恩給法等の一部を改正する法律案を今国会に提出し、御審議を願っておりまするが、これに伴い、地方公務員の退職年金制度についても、恩給法等の改正内容に準じて所要の措置を講ずるとともに、地方団体関係団体職員共済組合が支給する年金の額を地方公務員共済組合が支給する年金の額の改定措置に準じて改定する必要があります。このほか、退職年金等の最低保障額の引き上げ、在職死亡にかかわる遺族年金の受給資格年限の短縮等の措置を講ずる必要があります。これがこの法律案を提出した理由であります。
 次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。
 第一は、恩給制度の改正に伴う地方公務員共済組合制度の改正に関する事項であります。
 その一は、恩給年額の増額の措置に準じ、地方公務員共済組合が支給する退職年金等の額について増額することとしております。すなわち、昭和四十五年度以前の退職にかかわるものについては二三・四%、昭和四十六年度の退職にかかわるものについては一〇・五%それぞれ増額し、昭和四十八年十月分から支給することとしております。
 その二は、長期実在職した七十歳以上の者が受ける退職年金、減額退職年金及び廃疾年金並びに七十歳以上の者及び七十歳未満の妻、子または孫が受ける遺族年金の額の算定の基礎となった給料について、四号給を限度として加算することとし、その年金額を増額することとしたほか、公務による廃疾年金及び遺族年金について、増加恩給の額の増額措置との均衡を考慮して、その最低保障額を引き上げることとしております。
 その三は、これらの措置のほか、外国特殊機関職員の通算要件の緩和、教育公務員の勤続加給及び準文官期間の完全通算等の措置を講ずることとしております。
 第二は、厚生年金保険制度の改正等に関連する地方公務員共済組合制度の改正に関する事項であります。
 その一は、在職中死亡した者にかかわる遺族年金の受給資格年限について、他の社会保険の取り扱いとの均衡を考慮して、十年から一年に短縮することとしております。
 その二は、厚生年金保険の給付の取り扱いを考慮し、退職年金の最低保障額を三十万二千四百円に、遺族年金の最低保障額を二十三万五千二百円に、それぞれ引き上げることとしたほか、掛け金及び給付の算定の基礎となる給料の最高限度額を二十二万円に引き上げることとしております。
 その三は、公庫等に転出した者にかかわる公庫等職員としての在職期間を組合員期間に通算する場合における通算の条件について緩和することとしております。
 第三は、その他の制度の改正に関する事項であります。
 その一は、地方団体関係団体職員共済組合が支給する年金について、地方公務員共済組合が支給する年金額の改定措置に準じて、その年金額を増額することとしております。
 その二は、旧沖繩県町村吏員恩給組合及び旧樺太市町村吏員恩給組合の恩給条例の規定による退隠料等については、現在まで給付できなかったのでありますが、他の旧町村吏員恩給組合の退隠料等の取り扱いに準じ、この退隠料等に相当する給付を関係市町村職員共済組合が支給することとし、そのための必要な措置を講ずることとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその概要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決賜わりまするようお願い申し上げます。
#4
○上村委員長 ちょっと速記をとめておいてください。
  〔速記中止〕
#5
○上村委員長 速記を始めてください。
 次に、山口鶴男君。
#6
○山口(鶴)議員 ただいま議題となりました地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党、民社党の各党提出者を代表して、その提案の趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
 最近の急速な経済成長の陰で、わが国の社会保障の水準は、西欧先進諸国に比べ、依然として低水準に置かれております。しかも注目すべきことは、すでに政府の昭和四十七年度経済白書も指摘しておりますとおり、経済規模の拡大につれて成長と福祉の乖離が次第に顕著となり、とりわけインフレを背景として、高齢者世帯、母子世帯等の所得格差が拡大し、社会的施設の偏在と不平等化の進展と相まって所得と富の格差を一そう増大させている現状にあります。いまや「成長より福祉へ」の転換点に立って、成長の成果を国民生活の充実に振り向けるべき絶好の機会であると言わなければならないのであります。
 このような観点から、現在の地方公務員の共済組合の現状を考慮いたします場合、その実態は、きわめて憂慮すべき状況に置かれているのであります。その国の福祉の水準は、その時代の老人の生活がどうなっているかを見ればわかると言われております。地方公務員及びその遺族が、退職後の生活を保障し得る人間らしい年金を受け、病気になっても経済的不安のないようにすることは、共済組合の趣旨に照らして、当然の任務であります。
 それだけでなく、最近における医療費の急激な増高は、各種共済組合の短期給付財源の収支を悪化させ、組合員に過重な負担をしいる掛け金の引き上げを余儀なくし、また一方、長期給付におきましても、ここ数年来の異常なまでの消費者物価の上昇のもとで、年金受給者の生活は極度に逼迫しているのが実情であります。このような事態に直面し、地方公務員の共済組合制度を充実強化するため、共済組合による給付の内容を大幅に改善し、年金額を平均給与額の変動に応じて自動的に改定するとともに、その財政については賦課方式を採用し、かつ、国の負担金割合を引き上げ、あわせて地方公務員の共済組合の制度が組合員の福祉の増進のために運用されるよう規定を整備するほか、退職者についての短期給付の特例等の措置を講ずることは、緊急かつ重要な課題となっているのであります。
 以上の立場から、共済組合の短期給付及び長期給付の改善充実等をはかるため、本法案を提出いたした次第であります。
 次に、法案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、第一は、共済組合の給付に要する費用につき、短期給付については、国の負担割合を新設し、長期給付については、国の負担割合を引き上げ、組合員の負担の軽減をはかったことであります。すなわち、短期給付に要する費用につきましては、現在、地方公共団体と組合員の負担が百分の五十ずっとなっておりますのを、国の負担割合百分の二十、地方公共団体の負担割合百分の五十、組合員の負担割合百分の三十とし、長期給付に要する費用につきましては、現在、地方公共団体の負担割合百分の五十七・五、組合員の負担割合百分の四十二・五となっておりますのを、国の負担割合百分の三十、地方公共団体の負担割合百分の五十、組合員の負担割合百分の二十といたしたのであります。
 第二に、従来の積み立て方式による長期給付の財政方式を改め、これを賦課方式に切りかえたことであります。後に申しますように、本法案は長期給付の給付内容を大幅に充実させ、また年金のスライド制を実施することといたしておりますが、このような給付内容の充実のためには、従来からの積み立て方式では限界があるため、新たに賦課方式を採用したものでありまして、三年を一期とする期間を単位としまして、掛け金、国及び地方公共団体の負担金は、その期間内における給付に要する費用と均衡を保つよう定めることといたしたのであります。
 第三に、共済給付の内容を大幅に改善することといたしました。まず、短期給付におきましては、家族療養費の給付率を現行百分の五十を百分の八十といたしました。次に、長期給付におきましては、退職年金は、現在その支給率が組合員期間二十年の場合、俸給年額の百分の四十となっておりますのを百分の六十に引き上げ、最高支給率も百分の七十を百分の八十一とし、さらに最低保障額十五万円を四十八万円に引き上げることといたしました。これに準じまして、退職一時金の額の引き上げ、廃疾年金の支給率及び最低保障額の引き上げをいたし、また、遺族年金の額につきましては、その最低保障額の引き上げとともに、現在退職年金額の半額とされておりますのを八割相当額といたしました。さらに、長期給付の算定の基礎は、従来退職前三カ年の俸給の平均額とされておりましたが、消費者物価の上昇の中で年々ベースアップが行なわれている現状等を考慮して、これを退職時の俸給といたしたのであります。
 第四は、年金額の自動スライド制を採用したことであります。右に述べましたように長期給付の額を大幅に改善いたしましても、年々の消費者物価の上昇の中ではその価値は常に低下するのでありますが、これを是正して、年金受給者に一定の生活水準を確保するため、公務員の平均給与額が五%以上上昇しました場合には、政令によって、当然にそれに見合った年金額を引き上げる措置をとることといたしたのであります。
 第五は、遺族に対する給付を受けるための要件の緩和と年金者遺族一時金の創設であります。まず遺族に対する給付を受けるべき遺族の範囲でありますが、年金を受ける遺族は、現在組合員の子、父母、孫、祖父母は、組合員死亡の当時組合員の収入によって主として生計を維持していた者に限られておりますのを拡大しまして、一部でも組合員によって生計を維持しておればよいこととし、年金以外の給付を受ける遺族の範囲はこれを一そう拡大しまして、組合員によって生計を維持していない者等を含めることといたしました。そして、遺族年金の支給要件を満たしていてもそれを受けるべき遺族がないときには、組合員の収入によって生計を維持していなかった者に対して遺族年金の七・五年分の年金者遺族一時金を支給することといたしました。
 次に、遺族年金の受給要件につきましては、現在、組合員期間が十年以上二十年未満である者に支給される遺族年金は、六カ月以上の組合員期間があれば支給されることとし、これに伴いまして、従来の遺族一時金は廃止することといたしました。
 第六は、退職者についての短期給付の特例の新設についてであります。現行法では、退職の際に療養の給付等を受けている場合には療養の給付等の支給開始後五年間は継続して療養の給付等を受けることができることになっておりますが、退職後の新たな疾病や事故に対しましては、共済組合員の資格がないため、給付水準の低い国民健康保険によらざるを得ないのであります。しかしながら、永年勤続して退職した者は、退職後二、三年の間に疾病する場合が多いという事情等を考慮いたしますと、退職後も一定期間は医療給付等が行なえるよう改善をはかることが必要であると考えられますので、組合員期間が二十年以上である者が退職した場合または組合員期間が十年以上である者が五十五歳以上で退職した場合には、退職後十年間はなお短期給付を受けることができることといたしたのであります。
 第七は、地方公務員共済組合運営審議会委員についてでありますが、共済組合運営の実態及びその特殊性から、現在は非組合員であっても、たとえば労働組合の役員として業務に携わっている者等、かつて組合員であったものについては、労働組合の推薦により、委員に任命できるようにしたのであります。
 第八は、長期給付の支給のための積み立て金の運用についても組合員の意思を反映させるようにはかったことであります。すなわち、現在この積み立て金は法律上の一定の制約のもとに組合員の意思が直接には反映しない形で組合または連合会が運用いたしておりますが、これがなるべく組合員の福祉のために活用されるよう、その管理、運用については、組合の運営審議会または連合会の評議員会の議決事項としたのであります。
 第九は、年金受給者の福祉増進のため、共済組合は、福祉事業として新たに老人福祉施設その他必要な施設の設置、運営の事業を行なうことができることといたしました。これは、現在の共済組合の福祉事業が組合員の福祉増進のためのものに限られておりますのを広げまして、かつて組合員であった者で現在は年金を受けております者のための必要な福祉施設の設置、運営の事業をも行なうことができるようにしたものであります。
 第十は、労働組合専従者の共済組合員としての継続についてであります。昭和四十三年十二月十三日において、地方公務員共済組合法に規定する職員であった者で、在職中に地方公務員法の規定により職員団体または労働組合の役員としてその業務にもっぱら従事した者が、その後職員を退職した場合において、その日の退職の翌日において、職員団体または労働組合の役員であるときは、その者は、その後における職員団体または労働組合の役員である間、職員である組合員と同様に取り扱うものといたしております。
 第十一は、退職一時金からの通算退職年金の原資の控除を受けないことを選択することができる期限の延長についてであります。すなわち、この選択期限は、男子については昭和四十四年十月三十一日に満了しておりますが、その期限を、とりあえず、昭和五十一年五月三十一日まで延長することといたしたのであります。
 以上、この法律案の提案の理由及び内容の概略を申し述べました。
 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
#7
○上村委員長 以上で各案についての提案理由の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
#8
○上村委員長 内閣提出にかかる公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。小川新一郎君。
#9
○小川(新)委員 公有地拡大の推進に関する法律案に関して御質問いたしますが、それに関連いたしまして、埼玉県の朝霞基地のあと地利用の問題について質問したいために、きょうはわざわざ防衛庁長官がおいでくださいましたので、お忙しいようでございますので、先に基地のあと地利用について質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
 二十八年間米軍の支配下にありましたキャンプ朝霞南地区約百二万平方メートルが、二十日返還されることになりました。そこで、そのあと地利用をめぐりましていろいろと地元の計画、特に、地方公共団体の財源の少ない中で、この国会において提案されておりますこの法律の改正に基づいて、これから公有地を拡大していこうというやさきでございますので、非常に大きな問題と考えまして、きょうは防衛庁長官に来ていただきましたが、このキャンプ朝霞及び埼玉県内にある軍事基地をはじめとする関東平野に散在している米軍基地が、日米合同委員会で問題になりました関東計画なるもので今回返還されるというふうに聞いておりますが、まず、この関東計画というのは一体どういうものなのか。防衛問題については内閣委員会で詳しく質疑をされておりますが、私どもは、地方行政委員会で、そういう専門的な問題を認識しておりませんので、まず、関東計画の概要についてお尋したいと思います。
#10
○山中国務大臣 関東空軍施設整理統合計画、俗に言う関東計画、これはアメリカが、直接にはポスト・ベトナムの問題もありましょうし、あるいはアメリカの極東戦略の変更とまでいかなくても、財政上の問題等も関与していると思いますが、機能をある程度維持しながらも、いままでのように、われわれから見ると各地に、市街地等の中に点在するような形で基地を今後置くことは、アメリカ側も好ましくないという判断に立って合意が得られたものと思います。
 この経緯は、外務省、さらには具体的なそれに伴う代替施設その他については大蔵省という形で進んでまいりますが、最終的には、私どものほうでその施設を建設する役目を受け持つわけであります。したがって、その関東空軍施設整理統合計画に関する地域並びに面積でありますが、立川飛行場の全部、これは六百二万平米であります。それから、関東村住宅地区の全部、約百二十七万平米、これはいずれも約でございます。それから、水戸の対地射爆場の全部、これが一千百四十八万平米、それから、ジョンソン飛行場の大部分、一部残りますが、これは約百六十四万平米、それから、府中の空軍施設の大部分、約五十六万平米、問題の、いま御質問のあります点のキャンプ朝霞地区の大部分、これが百十六万平米、したがって、合計二千二百十三万平米に及ぶものであります。概略はそういうことです。
#11
○小川(新)委員 私の理解しております、いただきました資料によりますと、立川飛行場が五百七十三万四千平米で、いま防衛庁長官がおっしゃったのは六百二万でございます。それから、大和空軍施設が三十四万三千、関東村住宅地区が百二十六万六千、ジョンソン飛行場が百六十九万六千、府中空軍基地が五十九万六千、キャンプ朝霞が百三十三万五千平米、水戸射爆場が千百四十七万八千平米、合計二千二百四十四万八千平方メートルとなっておりますが、ただいま防衛庁長官が言われました二千二百十三万平米が正しいのですか。
#12
○山中国務大臣 その資料は、私どもの防衛施設庁で出したものです。
#13
○小川(新)委員 政府委員にお伺いします。
#14
○平井(啓)政府委員 ただいまの数字、若干の誤差があるようでございますが、まず、一番大きな差のあります立川飛行場の件でございますが、二番目に御指摘になりました大和空軍施設と申しますのは、立川飛行場の一部として、飛び地にはなっておりますが、立川飛行場の面積の中に入っておりまするので、合わせまして六百二万という数字になるわけでございます。
 それから、キャンプ朝霞につきましては、キャンプ朝霞の南地区の面積が百三十万平米ほどあるわけでございます。今回、六月二十日に返還になりました面積をただいま大臣から御答弁申し上げたわけでございます。
 なお、今後の検討といたしまして、パン工場地区とか、あるいは極東放送地区だとか、そういった地区の問題を検討していきますと、御指摘のような面積になろうかと思います。
#15
○小川(新)委員 そうしますと、私がいただいた資料の二千二百四十四万八千平方メートルが正しいと理解していいですね。
#16
○平井(啓)政府委員 どういう数字か、ちょっと後ほどお手持ちの資料と正確に突き合わさせていただきたいと思いますが、なお計画を詰めている段階で、若干の対象面積の誤差が出てきていることは事実でございます。
#17
○小川(新)委員 あなたのほうからいただいた資料ですよ。
#18
○平井(啓)政府委員 ただいま拝見いたしまして、まず、立川の問題は先ほど御説明したとおりでございます。大和地区というのは立川飛行場の一部になっておりますが、それは分けて書いてございますけれども、一緒にして立川飛行場と御理解いただきたいと思います。
 それから、府中空軍施設の数字が違っておりますのは、米軍が府中の大部分を返還いたしまして、一部通信施設等があそこに残るわけでございます。そこで、その数字に「返還施設」というふうに表題を打っておりますのは、はなはだ申しわけなく、間違いでございました。移設の対象になります府中の施設そのものの面積を掲げたわけでございます。先ほど大臣から御答弁申し上げましたのは、そのうちで残ります部分が約四万平米近くございます。それを差し引きまして返還になる面積が五十六万平米でございます。
 それから朝霞地区も、やはり、それは対象地区南地区全部の数字百三十四万でございましたか、掲げておるわけでございますが、そのうちで若干残る部分、通信施設、通信タワーが残るわけでございますが、その部分を差し引きました数字で大臣から御答弁申し上げたわけでございます。
 はなはだ誤解を招くような資料を差し上げて失礼いたしました。
#19
○小川(新)委員 そういたしますと、防衛庁長官のお示しになった数字が正しいと理解してよろしいわけですね。そうすると、再確認いたしますと、二千二百十三万平方メートルで、ただいま防衛庁長官の言われた数字でいきますと、埼玉県のキャンプ朝霞は百十六万平方メートルが返ってくるわけでございますね。
 そこで、長官にお尋ねいたしますが、関東空軍施設整理統合計画、俗に言ういわゆる関東計画で、横田に軍事基地が集約されるということを聞いております。このことについての是非、また、問題等々については専門委員会で明確にされておりますから、私はここでは追及いたしませんが、昭和五十一年三月までの三年間に整理統合されることになっておりますが、昭和五十一年までの年度別返還計画は、この席上で明確にしていただけますか。
#20
○山中国務大臣 一応、本年度は約三十七億円を充てておりますし、四十九年度以降において百八十三億円、合計二百二十億円の予定であります。
#21
○小川(新)委員 返還計画、その数字が出ましたから、それで納得いたしますが、返還後のあと地利用計画について、地元、大蔵省、また防衛庁、それから外務省、こういった関係省庁でおよそ議論が出ておると思います。そこで、私が長官にお尋ねいたしたいのは、横田に集中、集約させるための経費、たとえばいま申し上げました立川飛行場、大和空軍施設、関東村住宅地区、ジョンソン飛行場、府中空軍施設、キャンプ朝霞、水戸射爆場、合計二千二百十三万平方メートルがわが国に返還されることに伴う代償と言っては問題がありますが、その米軍が横田に集中する関東計画に要する費用というものは、内閣委員会でも明確にされておりませんが、私は、本委員会でこの数字を明確にしていただきたい。
 その理由を申し上げますと、一つは、その返還に要する費用が、大蔵省の財政計画の中で、地元にこのあと地利用の負担ということになっていまはね返ってきております。こういうところにお金がかかるんだから、あと地利用については、地元公共団体、朝霞市、それから大和、新座、それからこちらへきまして東京関係、そういった関係市町村公共団体が、都市財源の中から、地価公示価格や、また鑑定士によるところの不動産売買鑑定価格で土地を買い上げなければならぬということがいま問題になってきておりますが、一体どれくらいの費用が横田に集中させるために必要なのか。二十八年間苦労をかけても、朝霞なら朝霞の市に対して無償ではこれは払い下げられない、無償ではお渡しできない、正当なる対価でもって買ってもらいたいということなんですが、その米軍の横田に集中するところの施設費及び経費、それらは一体幾らになるのか。
#22
○山中国務大臣 これは大蔵省のほうで、国有財産の審議会の中に特別委員会を設けて、関東集約計画に基づくあと地処分等をやっておるようでございますから、この部分の答弁は大蔵省がすべきものと思います。しかしながら、私どものほうで付替施設をつくります場合の費用は、先ほど申しました来年度、再来年度の予算も入りますから、約という数字で言わざるを得ませんが、二百二十億であると申し上げたことに変わりはございません。
 なお、ついでに申し上げますと、では、それはどの程度のものを代替施設として建設するのかということになりますと、たとえば住宅は、米軍が返還される施設内にいま現に所有しております戸数として二千四百九十二戸ありますが、横田飛行場に代替施設としてつくりますものは二百七十五戸でありまして、その一一%を建設すればけっこうであるということで返還するわけであります。
 さらに、付帯施設が九十一万平方メートルありますが、これも十一万六千平方メートル程度つくればよろしいということで、これは約一三%ということで、いまあるものを完全に全部、まっさらのものをつくってもらわなければ困るという形にはなっておりません。なお、付帯施設のおもなるものは、司令部、病院、兵舎、幼稚園、小学校、事務所、倉庫、そういうものでございます。
#23
○小川(新)委員 そういたしますと、長官、たとえば私の住んでおります埼玉県のキャンプ朝霞が百三十三万平方メートルですから、これを三・三で割りますと、約四十万坪近くになりますね。キャンプ朝霞の周辺地区の地価公示価格は幾らぐらいと建設省では見ているんですか。
#24
○大塩政府委員 その単価につきましては、いまここで資料を持ち合わせておりませんし、また後刻調べて答弁させていただきます。
#25
○小川(新)委員 大臣、大事なことはこれから大蔵省に質問いたしますが、大蔵省が、関東計画に必要な、ただいま大臣が申された米軍の施設移動に関する費用が、少なくとも当該市町村、公共団体のあと地利用の売却費から生み出すというようなことになりますと、たとえば、キャンプ朝霞だけで言っても、いまこちらに地価公示価格が示されませんが、私の推測いたしますところによると、あの周辺が坪単価で約二十万円しております。二十万円で計算いたしますと、百十六万平米に対しますと、これが約六十億から七十億近くになる。これはキャンプ朝霞だけでもそうです。そうなってまいりますと、米軍の移動に伴う費用をキャンプ朝霞ならキャンプ朝霞のあと地利用の売却費によって充てるということになると、多分に問題が出てくると私は思うのです。これは所管がちょっと違うようでございますが、長官の御所見をこの際ちょっとお伺いしておきたい。せっかく来ていただきましたので、お願いしたいのです。
#26
○山中国務大臣 これは所管違いもいいところで、大蔵省にそのためにわざわざ特特会計という会計がつくらされたということで証明されておりますから、この部分に対する質問は、やはり大蔵省にしてください。
#27
○小川(新)委員 では、大蔵省、お願いいたします。
#28
○川崎説明員 ただいま長官がおっしゃいましたように、特特会計というのは私どものほうにございますが、これはリロケートだけをやるということではございませんで、一般的に特別の施設をつくる場合に、現在の老朽施設とその土地を売却して新しい施設をつくるという考えの会計であるわけでございすす。したがいまして、この会計になじむように防衛施設の関東プランをやっていこうという考えでございますけれども、先ほどお話しがありましたように、何百億もする土地をすべて公共団体に買えといったつもりで運営するつもりは毛頭ございません。
#29
○小川(新)委員 俗に特定国有財産整備計画と言うものですね、いま申されたのは。その中では、国有財産中央審議会が審議をして、その答申が出ない限りは、このあと地の問題は、いまあなたが言った特特法によって処理することはできませんね。そうすると、埼玉県の問題でいま私が聞いておりますが、それでは、地元で時価の対価で買い上げろなどということは大蔵省は絶対に言わぬでしょうね。
#30
○川崎説明員 絶対言わないということはございませんで、やはり、考え方といたしましては、移設する費用を生み出すということでございますから、買っていただく場合もある。しかし、公共団体自体の御要望に対しましては、何もかも時価で買えというようなことは毛頭考えておりません。
#31
○小川(新)委員 そうしますと、伝えられておりますような、埼玉県の朝霞が認識しておりますような、大蔵省が、関東計画に必要な財源として、朝霞市に対して時価と対等で買い上げさせるというようなことを認識していることは、朝霞市の先ばしった考えであり、そんなことはあり得ないのだということに私は理解していいのですか。
#32
○川崎説明員 かなり先ばしったお考えでありますが、絶対ないとも申しかねる実情であります。やはり、よく地元と相談をしまして利用計画をつくりますから、その段階において、ある程度の経費を負担していただく場合もございます。
#33
○小川(新)委員 防衛庁長官はお忙しいようですし、大体御計画の数字をいただきましたから、どうぞお帰りください。ありがとうございました。
 そうしますと、これは大事な問題でございますが、国有財産法第九条の二、国有財産中央審議会はいつ開かれるのかということを私いま聞いたのでございますが、同様に、関東財務局の地方審議会はいつ開かれ、その結論が出るのですか。
#34
○川崎説明員 この開催時期につきましては、別に定めはございません。その必要に応じてやるということでございますが、当面、返還時には、特に朝霞キャンプにつきましては、中央審議会に御審議をお願いをいたしておる段階でございますので、結論を得るまでには相当長時間かかると考えております。
  〔委員長退席、中山(利)委員長代理着席〕
#35
○小川(新)委員 地元が、緑化計画で、ここに環境保全をするための基地あと地の利用をするについては、国有財産法第二十二条に、「普通財産は、左に掲げる場合においては、これを地方公共団体、水害予防組合及び土地改良区に、無償で貸し付けることができる。」となっており、そして、「公共団体において、緑地、公園、ため池、火葬場、墓地、ごみ処理施設、屎尿処理施設又はと畜場の用に供するとき。」というのがこの一号なんですね。これは無償貸し付けができると書いてありますが、このあと地を公園、緑地にしたいと朝霞市が大蔵省に言った場合には、この朝霞市に対しては無償貸し付けでやっていただけますか。
#36
○川崎説明員 具体的な御要望はこれから出していただくという相談になっておるのでございますが、公園という御要望が出ました場合には、適当な面積ならば御要望に沿いたい、こういうふうに考えております。
#37
○小川(新)委員 国有財産法及び国有財産特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議ですね。このときには二番目に、「米軍提供財産の返還後の処理については、国民の福祉に役立つ公用・公共用に優先的にあてることを原則とし、できるだけ住民の意思を反映させ、地域の再開発、住民福祉の向上等に資するよう配慮すること。」となっています。
 そこで、自治大臣にお尋ねいたしますが、大蔵委員会でこの附帯決議がついた国有財産法の審議のときに、いまのようなことになっておる。そこで、住民の意思を反映させ、地域の再開発、住民福祉の向上等に資するようまず配慮しなさいという附帯決議でございますけれども、私どもが住んでいる朝霞及び大和、所沢一帯については、いま言ったような考え方で一生懸命運動しておりますが、運動は聞いていないようにいま大蔵省は言っておるのですけれども、相当前から出しておる。
  〔中山(利)委員長代理退席、委員長着席〕
こういうことになったときには、国有財産法第二十二条及び先ほど申しました特別措置法ですね。これに該当して無償貸し付けをすべきだと私は思うのです。公有地の拡大のためにもそうすべきだと思う。こういう問題で、場合によっては、時価の対価によって地方公共団体に譲るんだ、だけれども、非常に面積が大きいので一これからあとから質問いたしますけれども、公有地拡大の財源である土地開発基金や都市開発資金では手がつかないのです。これに対してどうお考えをしていただけますのでしょうか。
#38
○江崎国務大臣 これは、やはり、国有財産であるからといって、無償貸し付けということは、その対象にもよりましょうが、非常に問題があると思います。そのために特特会計ができて、審査をしたり、また、妥当な金額を設定するわけでありますから、その実情に応じて大蔵省側として判断をしていくということが妥当だと思います。いまの公共団体の要求のあり方によっても、よほど考慮される範囲があるというふうに私ども考えます。
#39
○小川(新)委員 それでは、国有財産法第二十二条に該当すれば無償貸し付けできるんですね。
#40
○川崎説明員 該当すれば無償貸し付けできます。ただ、面積ということが問題になるわけでございます。
#41
○小川(新)委員 そうしますと、やっぱり国有財産中央審議会の答申が出ないうちは、特特法で朝霞市に対価で払い下げるとかなんとかということはほんとうに先ばしった、思惑的な考え方であり、そんなことはデマである、当然そんなことはあり得ないのだ、そう理解して私は地元へ帰って言ってもいいですか。
#42
○川崎説明員 大体けっこうでございます。ただ、全部無償で払い下げになるということだけは避けていただきたいと考えております。
#43
○小川(新)委員 全部というとたいへんな額でございますし、私のほうも、都市計画上、地方公共団体がどのように利用するかということを、ここで私は市長じゃありませんから言えませんけれども、でき得る限り地方公共団体の財源に圧迫が加わらないように御配慮いただきたいと、いうことを、大臣に重ねてお願いしておきます。
#44
○江崎国務大臣 もとより、われわれは地方公共団体の便宜を十分旨として行政をやる省でありますので、その点は、今後相談にも乗っていきたいというふうに考えます。(島田(安)委員「大臣は周囲の条件をよく検討して措置すべきだと答弁しているのに、大蔵省の一課長は無償払い下げは全部ではない、一部ならばすると言うし、おかしいじゃないか」と呼ぶ)
 それについては――もっとも、不規則発言に答える必要はないですかな。
#45
○小川(新)委員 いまの不規則発言に答えてください。
#46
○江崎国務大臣 私が申し上げたのは、地方の計画というものが具体的に出ておりません。したがって、その計画によって配慮されるものである。それは、無償貸与を含む計画もまた今後出てくるかもしれませんですね。しかし、全部無償ということはないと大蔵省でも言っておるわけですが、やはり、その計画の実情に応じて考えられるものである、こういう答弁をしたわけですね。
#47
○小川(新)委員 そこで、私は、土地問題について……(発言する者あり)もういいですよ。私が質問しているのだから。
 そこで、公有地先買いの件について本論に入りますが、防衛庁長官がおられたので先につまんで質問させていただきましたが、公有地の先買いを行なうという法案が出てきた、その背景に、非常な土地の高騰があげられております。
 財団法人日本不動産研究所が去る六月二十日に発表した全国市街地の地価調査の結果によりますと、昭和三十一年三月の地価を――大臣、ここは大事ですね。昭和三十一年三月の地価を一〇〇としました場合、ことしの三月の地価は二二八六、二十二・八六倍であります。これを同期間の卸売り物価指数一二六に比べますと、一八・一倍の上昇率であります。とりわけ、昨年以来の上昇率は、ことしの三月現在、年間上昇率三八・一%。これは一月現在で定める建設省の地価公示価格の上昇率では、全国平均が三〇・九%になっております。それが実に三八・一%上がっております。昨年十月以来半年間の上昇率、――田中内閣が発足して十カ月ですが、ちょうど半年間の上昇率は一六%、六大都市では二三%にもなっております。これは、田中内閣の列島改造論が従来からの上昇に一段の拍車をかけたことと私は理解しておるのでございますが、そうきめつけることについては、いろいろとまた問題があると思いますが、大臣、数字は現実に出ております。特に、地価公示価格の三〇・九%を上回ること実に八・一%、こういうふうに数字が上がってきたことについては、どのように理解していいのか。田中内閣の中でも博識多才の自治大臣でございますから、特に、地方公共団体の公有地先買いに関して、土地全体の問題としてまず一点お尋ねしたい。
 二点目は、第七十一特別国会で百二十三本の法案がかかりましたが、その中で、土地関係の法案は何本あるのですか。
 この二点をお尋ねいたします。
#48
○江崎国務大臣 この値上がりの基準はどういうところでお求めになったか存じませんが……(小川(新)委員「、日本不動産研究所です」と呼ぶ)そうですか。確かに、一時的に不動産が、また、ことしに入ってからも上がったことは事実だと思います。それから、従来からも上がってまいりました。しかし、ここへきて国総法をはじめとする土地政策を打ち出しましてから、私どもが把握しておりまするのには、大体横ばいであるというふうに聞いておる次第でございます。詳しいことにつきましては、資料があれば事務当局からここでもお答えできるかと思いますが、土地の上昇率というものが、過熱の状況からだんだん平静に戻りつつある。日本列島改造をここで議論するつもりはありませんが、少なくとも、日本列島改造で指向するところの住宅地あるいは工場用地を含む宅地等々の、土地の利用範囲を広くするという、あの根本の方向というものはやはり正しいものだと私は思っております。先頃来議論になっておりまするように、一%のところに三二%が住むとか、一・七%のところに五三%が住むということが今日の宅地高騰というような状況の大きな要因であることはもう間違いございません。したがって、これを広げるという政策の根本方針は正しいし、また、推進しなければならぬものというふうに考えておる次第でございます。
 したがって、だんだん土地政策が徹底するにつけてこれは鎮静するものであり、鎮静しないというならば、もっともっと法律改正をしてきびしくしていくことも可能であるというふうに私は考えておるものであります。
#49
○近藤政府委員 今国会に提案されております土地関係法案と言いましても、これは、見方によりまして、どこまでを土地関係法案に入れるか、いろいろあろうかと思いますけれども、われわれは、十六の法律を一応土地関連法案と考えております。
#50
○小川(新)委員 そこでお尋ねいたしますけれども、公有地先買いの実態について、データをいただきました。いただきましたが、この中で、問題になっている面積がございませんし、昭和四十八年四月末日現在の先買い協議の状況を見ますと、届け出、申し出件数四千五十八件、買い取り協議件数一千二十三件、これに対して買い取り件数は百六十四件、いかにも少ないと思います。特に、資金難で実績ゼロという県が一体幾つぐらいあるのか、また、その理由は何なのか、これをお尋ねいたします。
#51
○大塩政府委員 資金難を理由とする件数というのは、ただいま調べますが、しばらくお待ちください。
 確かに、協議の成立した件数は百六十四件というふうに、いまの段階におきまして、きわめて少ないということは確認されております。おもな理由の中に、資金が足りなかったという理由があげられておりますが、その理由は、計画が相当将来であるために、いまから買っておくということが非常にむずかしくなったということだろうと思います。
 資金難ということの解釈でございますが、価格の折り合いがつかないという数字が非常に高うございますが、価格の折り合いがつかないというものの中に二つあると思います。これは、こちらの公示価格と折り合いがつかないということが含まれておることもその中の一つに入っておると思いますが、件数として確定的にはかりかねるということをいま申し上げておきます。
#52
○小川(新)委員 買い取り金額の総額は幾らなんですか。それから面積。これがいただいた資料の中に出ていないのです。
#53
○大塩政府委員 買い取り総額は、百六十四件につきまして、買い取り面積が五十三万九千九百六十八平方メートルでありまして、その買い取り総額は百三十七億円でございます。
#54
○小川(新)委員 私のほうでちょっと調べたところによりますと話し合いがつかなくて、ゼロの県で、届け出、申し出の件数だけがあって、全然買い取りの契約が成立していない県があるが、こういう県は幾つあるのですか。
#55
○大塩政府委員 大体十七でございます。
#56
○小川(新)委員 大臣、この買い取り件数が百六十四件というのはいかにも少な過ぎるのですが、その理由は二ついまあげられました。一つは、地価公示価格で、または不動産鑑定士による価格鑑定がされましても、民間デベロッパーがもっと上のせをしてくるとまず成立しない。もう一つは、財政的にとても追いつかない。それと同じことになりますが、裏をひっくり返せば、お金がないということ。ただお金がないというよりも、地価公示価格という、一つの建設省が示された問題が出てきますが、地価公示価格というものを守らせるためには、大臣はどのようなお考えを持っていますか。
#57
○江崎国務大臣 これは非常にむずかしい問題でございますが、地価公示価格で買えといっても、ところが、民間がその利用価値を金額的に換算して高く買うということになりますると、公有地はなかなか公共団体の手に入らないということですね。どうもこれは全く困ったことで、そうかといって、公示価格を、投機的意味またその利用価値などを判断して不当に高いものにしたのでは、地価公示価格の意味が薄れます。この点については私どもも全く頭を悩ましておるところでありまして、地価公示価格というものも十分その妥当性がなければなりませんが、これを強制するということが、いまの私権を認めておる現在の法律のたてまえから言って、一体統制できるかどうか、非常に問題の点だというふうに思っております。
#58
○小川(新)委員 じゃ、そういう機能を発揮しない、ただ買い取りのめどにだけするような地価公示は廃止したほうがいいのじゃないですか。何も意味ないじゃないですか。まして、調整区域なんかは、今度公有地の拡大のために調整区域も買い取りの対象地域に拡大される。そうなったときには、まだ地価公示ができていないところと、できているところがある。それから、守られないところと、守られるところがあり、不公平さが出てきますが、私は、最近、この地価公示価格そのものが地価の高騰に拍車をかけているような気がしてきたのですが、その辺のところはどうでしょうか。
#59
○大塩政府委員 地価公示制度のたてまえというものは、これは、そのときにおける公正な市場価格、いわゆる時価と言ってもいいわけでございますが、公正な市場価格を表示するということであり、その効果としましては、一方におきまして、公共的な機関はこれを基準として取得するようにきめておりますし、他方におきまして、民間取引もこれが一つの指標となるという効果を持つものだろうと思います。
 ところが、四十七年一月一日現在では二千八百地点、四十八年一月一日現在ではまだ五千四百九十地点、しかも、市街化区域のみについてでございますが、これしか公示されておりません。そういうこともありまして、地価公示が一平方キロ一地点ということでこれから拡大するわけでございますけれども、これをもう少し拡大していくということと、それから、この地価公示というのは、いま申しましたように適正な市場価格を反映したものと考えておりますので、これはやはり公共の守るべき一つの基準であり、民間の指標となるという考え方をしておるわけであります。ただ、民間におきましては、これは相対のいろいろな事情がございますので、これによりがたい場合があるわけでございます。これは一つの指標として考えております。
#60
○江崎国務大臣 ちょっと補足しましょう。
 この問題は、どうも私自身も歯切れの悪い答弁をしましたが、それが実情なのです。ただ、それじゃ必要がないのかということでございますと、必要がある。なぜか。これは、たとえば国鉄新幹線などを当初買収いたします。高速道路を、東名道路をはじめとして買収をする。その当時、与野党を含めて、国家が、大体の標準になる価格、適正価格といいますか、そういったものを持たないということは困るではないか――たとえば固定資産税の評価額などというものは売買対象にしませんから、時価より比較的低いところに見積もりがなされておる。そういうことから、この地価公示価格というものが出されたわけでございます。本来ならば、その公示価格ですべて取引しろ、これは統制国家ならできると思います。それが、官公庁に対しては、これが適正価格であるからこれで実行をしろ、ところが、民間に対しては、たとえばこの間のNHKの例があるように高く買う、これは売るほうからすれば、高く売るということが何といったって一つの条件だということになると、需給の原則から言って、その利用価値等々から言って、これに政府が介入してどうこうするということはどうもむずかしい。これは商法上の問題にもひっかかりましょうし、私権の問題に静寂かってくる。ここらが非常に隔靴掻痒の感があるわけです。
 しかし、これがないと、政府自体が、思惑で土地を買いあおる者のあおりを黙って見ておるということにもなります。ですから今度は、いまの二千八百地点くらいの調査ですか、これを五千地点くらいをやろうという計画でおりますが、これはやはりもっと徹底して、せいぜい上回っても取引価格がこれの大体一割以内くらい程度というような一つの風潮が国民の間に出てくることが望ましい。それには、やはり、利用する土地を広げていこうということも急務であるというふうに思います。
#61
○小川(新)委員 そうすると、調整区域でも市街化区域でもそうですが、公共団体が土地を買おうとするのに、地価公示価格が示されていない地点は、何を基準にして買うかということになるのですが、公共団体では、評価委員会だとか、固定資産税の鑑定士三人以上が、近傍類地の価格で算定して示すわけでしょう。それが不当であるとか不当でないとかいうことは、そこに目安がないのですからね。片方では地価公示価格というのを示して、それが上がらないようにと言っている。片方ではそれがない。公共団体の評価委員会やそういった鑑定士や、いろいろな思惑でいろいろやって、かえって地価の高騰をあおる。その中で、公有地を買う財源というものは、機構としては土地開発基金、公共用地先行取得債、地域開発事業債、義務教育施設債、水田取得債、都市開発資金と六つあるわけです。この中で該当するのに当てはめて買う、また、一般財源から繰り出して買う、または、公有、民有の開発公社を通して買うということになりますね。そういう問題をはっきり明確にしないで、この公有地先買いという問題が非常にいまデッドロックに乗り上げている。そこで、百六十四件しかまとまらない。五千件も六千件も申し出や届け出等があっても、実際成立した件数というのは一%にも達しないような状態になっている。この辺のところを、建設省としては、これからどうやっていかれますか。
#62
○大塩政府委員 お説のとおり、地価公示がなされていないところが、先ほど申しましたようにたくさん残っておるわけでございます。そういうところにつきましては、不動産鑑定士の鑑定に付する等、公示価格ではないが、これの算出方法に準じた方法で買い取るように指導しておるのでありまして、これは建設省のきめました補償基準等によりまして指導しておるところでございます。だから、言い方を変えれば、その算出方法に準じておりますので、地価公示地点はないけれども、これに準じたやり方で公的なものについてはやらせているということです。
 それから、この百六十四件という数字は非常に少のうございますが、まだ大体三百二十何件の未処理部分を含んでおります。これは若干上回ると思いますけれども、いずれにしましても千件をこす協議申し出をしておるのに、一六%あるいは二〇%ぐらいしかない、こういう形になっております。これは発足後まだ日が浅いということでございまして、その中身を見ますと、特に二月中、三月中の件数がぐっと上がっておりますようなことも考え合わせまして、今後体制の整備と、それからおっしゃるとおり資金の充実等をはかってまいるほか、いま考えております制度上の不備と申しますか、地方公共団体等において非常に支障と考えております点を今回改正点としてあげて、その拡充をはかっていきたいと考えている次第でござ
 います。
#63
○小川(新)委員 一つ一つの、六つの問題について議論していきますと長時間を要します。たとえば土地開発基金一つ取り上げても非常におかしくなっていますね。土地開発基金でのいま言ったようなひずみですよ。たとえば、この「第七十一回国会(特別会) 公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正する法律案について」という調査室で出した資料を開いてみてください。六ページにおかしな数字が出ていますよ。「土地開発基金」「これは、地方自治法第二百四十一条の規定による土地の取得を目的として一般財源を積み立てたものである。その昭和四十七年五月三十一日現在の積立状況および運用状況は次の通りである。」として、積み立て団体数、都道府県四十四、市町村二千三百五十、合計二千三百九十四。積み立て額、都道府県千百三十二億、市町村が千五百三十九億。市町村は二千三百五十も団体があって、県から見たら大体同じくらいの数字です。一方は四十四しか団体がなくて、市町村のほうは二千三百五十団体もあって、四十四しかない都道府県と同じくらいの額しか積み立てていない。合計二千六百七十一億です。そこまではいいです。その下の運用方法というところを見てください。土地に対しては、都道府県が三百三億、千百三十二億のうち、土地に対しては三百三億しか使っていない。市町村においては、一千五百三十九億に対して五百九十六億。合計二千六百七十一億という積み立て金に対して、土地に使われているお金が八百九十九億、これは一体どういうわけなんですか。そして、そのあとに、他の会計に貸し付けたとなっている。最初に、一般財源を積み立てるのは、「地方自治法第二百四十一条の規定による土地の取得を目的として一般財源を積み立てた」と言っておきながら、こんなような状態ですね。これはどういうわけですか。
#64
○近藤政府委員 この土地開発基金につきましては、御案内のとおり、昭和四十四年度と昭和四十五年度に、地方交付税の配分を通じまして、都道府県、市町村に対して財源措置をしたわけでございます。四十六年と四十七年は地方財政が非常に窮乏化しておりまして、交付税特別会計が借り入れまでして所要財源を確保したというような年でございましたので、土地開発基金の積み立て金を基準財政需要額に算入する措置をとらなかったわけでございます。その算入いたしました額が、都道府県におきましては二年間で九百九十六億、指定都市では百五十四億、市町村では千六百八十一億という形になっておりまして、大体、その金額が積み立て金という形で現在残高となっておると見ていいのではないかと思います。
 それから運用の状況でございますけれども、この「土地の取得」と書いてございますのは、土地そのものを買って保有しておるというものでございます。それ以外の「他会計貸付」、「預託」というようなものも、土地以外に使われておるのではございませんで、たとえば「預託」というのは、この基金の金を銀行に預託いたしまして、その何倍かの額を公社等が借り入れて土地を買うというようなことで、目的といたしましては、すべて土地に使われておるということでございます。
#65
○小川(新)委員 じゃ、これで「土地」と書いたのと、「他会計貸付等」という、この「等」は何ですか。
#66
○近藤政府委員 地方団体によりましては、土地取得の特別会計――国のほうにもいろいろございますけれども、そういう特別会計を設置いたしまして、一般会計で積み立てましたこの基金からその特別会計へもう一度移しかえるというようなことで土地を買っておるものがございます。そういったものがこの他会計貸し付け金に入っております。
 なおまた、ここにも「注」のところに書いてございますように、市町村の土地資金として県の基金を貸し付けるというようなものもあるわけでございます。それから、公社に直接現金で貸し付けるというようなものがここに入っております。
 それから「預託」というのは、金融機関をくぐりまして公社等の土地資金となるというようなものがこの欄に含まれております。
#67
○小川(新)委員 いずれにいたしましても、大臣、この数字の中に相当額の残高がある。要するに、金はあるんだけれども、その金を生かし切れない。ぐるぐる回っている。それはわかりますよ。わかりますが、協議件数が多くて成立件数が少ないんだから、金が余るのは当然なんです。そうでしょう。申し込みと届け出のほうは多くて、協議件数がある程度あって、成立件数がずっと少ないんですから、金は余るわけです。だから、その金はまた運用してぐるぐる回していくからいいと思いますが、特に、この土地開発基金の中で問題になっているのは、地方交付税の中に算定していますところの、要するにひもつき分ですね。こういう土地にやりなさいといって地方交付税の中に算定していますが、地方交付税の基準財政需要額に盛り込まないで、この基金というものが入ってくるわけにはいかないのですか。
#68
○近藤政府委員 地方交付税の基準財政需要額の中にこの分を積算いたしまして、一般財源として交付するわけでございます。だから、地方団体としては、一般財源でございますから、ほかに使ってもいいわけですけれども、交付税でこういうものを措置したという趣旨にかんがみて、それぞれ基金を設けて、その財源としてくれという指導をしておるわけでございます。
#69
○小川(新)委員 そうしますと、やはり、この基金の場合は、公共団体のほうが基金の配分率は多いということになりますね。
#70
○近藤政府委員 現在の基金の状況は、大体われわれのほうで積算した交付税の基準財政需要額とほぼ匹敵しております。先ほど数字で御説明いたしましたけれども、二千何百億かの措置を二年間にわたってやりまして、それで地方団体の手に渡りまして、ここにもありますように、二千三百九十四億となっておりますから、大体自治省の方針を了とされまして、各地方団体もそれぞれ積み立て金を行なっておられるという形になっております。
#71
○小川(新)委員 百六十四件の成立件数に対して、開発基金、取得債云々とずっと六項目ありますが、その成立件数の比率はわかりますか。
#72
○近藤政府委員 実は、その財源の内訳、百六十何件をそれぞれどういった資金で買ったかということはわかりかねます。
 と申しますのは、地方公共団体が土地を買いますのは、四十七年度の実績を見ましても、一兆二千三百四十八億円の土地を買っております。それから、公社のほうでも一兆一千四百九十九億、二兆三千億からの土地を年間に買っておるわけでございます。その財源措置といたしまして、先ほどの土地開発基金あるいは地方債というものが充当されておるわけでございまして、百六十何件というのはそのうちのほんの一部――もちろん、これは、四十七年度中に決算できたものがどのくらいあるかまだわかりませんけれども、そのほんの一部でございますので、その部分の財源はどうかということはちょっとわかりかねます。
#73
○小川(新)委員 大臣、公有地先買いに関しては、やはり、こういった現行のシステムをもう一ぺん洗い直す必要があると思うのです。たとえば先行取得債の対象ワクを広げるとか、その利子補給をしてあげるとか、いろいろ考えられますね。これは一つずつやっていくと時間がありませんから、きょうはさておきまして、私はこういう問題をもう一ぺん洗い直して御質問いたしますが、この問題とあわせまして、今回の法律改正で一番大きな問題は、調整区域に公有地を先買いできるということですね。
 そうすると、調整区域に公有地が先買いできるというのは、調整区域をはずすという前提のもとに公有地先買いをやるのか、それとも、この前私が御質問いたしましたように、調整区域のほうが値段が安くて、民間デベロッパーがどんどん買い出したから、このままではたいへんだから、公有地先買いの網を先にかぶすのか、一体どっちかという問題が出てくる。
 そこで、埼玉県知事が五月二十二日に市街化調整区域の線引きの凍結令を打ち出した。これについてはいろいろと議論がありますが、私はおおむね知事の考えに賛成なんです。というのは、埼玉県がいま四百四十万くらいで、昭和六十年には七百六十万をこえるだろうと言われている。このままいったら、特に水問題、いろいろな資源問題からからめて見ても、首都圏の諸県が持っている悩みを一県に集めております。こういう問題を解決しなければならぬということは、これはやはり田中列島改造問題の一つの着目点だと思うのです。
 そこで、私が言いたいのは、知事がこういった問題を打ち出したということについて、大臣はまずどういうふうに認識なされておるのか。これが一点。
 二点目は、今回、都市計画法では、市街化調整区域と市街化区域とに分かれておりますが、都市計画区域に何で無計画地域が残されておるか。要するに、白地地区ですよ。白地地区は今回はどういうふうになるのか。要するに無計画地域ですね。埼玉県でいきますと妻沼とか北川辺とか、あの辺が全部無計画地域です。線引きも何にもない。それでも都市計画区域の中に入っておるのですから、そこへ殺到するのが、ゴルフ場だとか、いろいろな土地の投機的思惑が無計画地域に入っている。これはどういうふうになされるのか。これは非常に大きな政治的な問題で、埼玉県の問題に固執して申し上げて申しわけないですけれども、一例を埼玉県という表現に変えてお尋ねいたしますから、的確な………。
  〔委員長退席、中村(弘)委員長代理着席〕
#74
○江崎国務大臣 御指摘の線引きの見直しというものは、五年程度を標準として見直しをしようということで出発をしておりますから、やはり適当な見直しというものは、私は、全国的に見て必要であるというふうに思います。
 それから、見直しを前提にして都市計画区域に公有地拡大推進法の対象を広げたとか、そういうことはございません。要するに、地方公共団体が欲する施設を対象とする場合に、比較的低廉な調整地域にも着目をし、そこかち土地を買い取ることができるようにする。これは実情に合うように法案整備をしたというわけでございます。
 そこで問題なのは、先ごろ御指摘になりましたような、農地などを民間デベロッパーが手付け金を打って、いわゆる仮登記をしておる問題、そういうものと見直しとがどうなるかということについては、やはり、政府としては、緑地保全が望ましいというところ、まだ見直しの行なわれない場面で取引の対象にして、名義が変わらぬから手付けだけを打って仮登記をしているという、例の御提起になった問題は、やはり何らかの結論を得なければならぬと思っております。これは仮登記までは違法でないにしても、将来見直しをよくして、それが思惑対象で土地購入が相当量行なわれておるということは、やはり、土地政策全般から言っても問題があろうかと思いますので、十分関係省庁が連絡を密にして、これが不当な形にならないように措置をしなければならぬということで、これは閣議等でもすでに問題提起をいたしておる次第でございます。したがって、今回のこの場面については、線引き見直しは、冒頭申し上げましたように、予定に入れての行為ではないというふうに御了解を願います。白地の問題については事務当局から……。
#75
○大塩政府委員 都市計画法の一部改正を今国会に提案しておりますものの中に、いままでは建築物の建築を目的とするところの開発行為のみに限っておりましたのを、一定の工作物まで広げまして、たとえば、お説のゴルフ場のごときも許可の対象といたしましたことはお説のとおりであります。そして、いわゆる白地地域という、都市計画区域全般についてその制度を広げましたので、白地地域とおっしゃる、要するに線引き対象以外の都市計画区域であって、用途地域制度がまだしかれていないようなところ――これからしかれるでありましょうが、まだしいていないところにつきましても、同じようにその規制を加えることにしたのでございます。
#76
○小川(新)委員 そうすると、都市計画法の一部改正で、無計画地域、いわゆる白地地域というのはなくなるのですか。
#77
○大塩政府委員 都市計画の区域の中では、用途を定めるべきことを法律上義務づけておりますのは、線引き都市計画区域の中の市街化区域についてはそういう規定はございます。一般に都市計画区域というのは、大体十年くらい先を見まして、ここはどういう用途に使うべきだということを順次指定しております。もとより、一番初めから用途地域指定をしくことが望ましいのでございますけれども、まだ未確定というところが用途地域が指定されずに残っておる。これを通常白地と呼んでおりますけれども、これは、次の段階にはどういう用途になるか、まだ未確定という意味の地域でございますので、調整地域とは全く意味が違う。調整地域は、これは抑制するということがはっきりしているという意味においても、むしろ白地地域のほうが調整地域に比べれば開発可能性は大きい、こういう地域だと思います。
#78
○小川(新)委員 そこで大臣、こんな問題が出たというのは、都市計画区域の中で、埼玉県妻沼とか、北川辺とか、そんな地域です。こういうところに何で用途指定ができないのですか。なぜ調整区域にできないのですか。じゃ、こういうところはゴルフ場建設地域とでも言うのですか。ここに全部殺到していますよ。都市計画区域の中で、十年間に都市化をおおむね完了するところは市街化区域、それから農村予備地域というところが調整区域、何にもないところは何地域なんですか。それが激動している埼玉県の中で、妻沼や北川辺に一ぱいある。(「白地だ」と呼ぶ者あり)白地ですよ。白地というのは何地域ですか。そういうところを都市計画区域で放置しておくところに問題が出てくるから、調整区域の先買いができるんだったら、同じように、白地地域の先買いも公共団体がやらなければならぬでしょう。何でこの法律にうたわないのですか。
#79
○大塩政府委員 妻沼等の地域は、おそらく都市計画区域でございまして、線引き都市の対象になっていない区域だろうと思います。線引き対象区域にいたしますのは、人口十万以上の都市であるとか、あるいは首都圏、近畿圏等の、人口の集中が著しくて大臣が指定するような地域を指定することにいたしております。最近、こういった別荘地帯であるとか、あるいは市街化が著しく飛んでいくようなところで、非常に地方公共団体は困っております。そのために、線引き対象地域に建設大臣の政令指定を要望する声が非常に高まっておりまして、昨今、ことしの三月三十一日でございますけれども、七十四の線引き対象都市の追加をしたのもそういう事情のあらわれでございます。でございますので、そういう市街化が著しくて、ほんとうは守りたいところがあるというときに、線引き対象都市として、これを政令で指定して追加していくという方法でわれわれは対処していきたいと思っております。
#80
○小川(新)委員 大臣、そういう観点に立って埼玉県が調整区域の凍結を打ち出したということは、知事のとった行為は是なのか、非なのか、どうなんですか。
#81
○江崎国務大臣 原則論としては、五年ぐらい経過すれば見直しをするという前提で始まっていますし、それから、都市は変貌を遂げますね。成長したり、衰微したり、いろいろするわけですが、特に、埼玉県などは成長していくわけです。しかしながら、農家自体にしてみると、公用地として売ることはできますが、事実上農協などに買い付けてもらう以外に売れないというので、非常な不平不満が出ておることも無視することはできぬと思います。したがって、あくまで公正に見直しをする、これは私は適切なことだと思います。
 ただし、農地を思惑対象として大量に買い入れた商社があるといたします。そして、それが、この間うちあなたが問題にされるように、仮登記などしておる。こういうものは線引き待ちであるというのであるならば、それは調査することが簡単ですから調査して、しかるべき措置をとっていく。これは、政府として、今後の問題として、いま事務的にも関係省庁で検討しておりますから、かねて懸念の点については御心配は要りませんが、普通の地域については見直しをすることは、私は必要じゃないかというふうに考えております。
#82
○小川(新)委員 そうしますと、埼玉県知事のとった行為は不当ですか。
#83
○江崎国務大臣 これはよく実情を聞いてみまして――この凍結というものも、向こう何年間と言っておりますか。そうじゃないでしょう。当分凍結ということであろうと思うのです。ですから、よく実情に即しまして、私どもも調査をして、妥当なところに落ちつくように協議してまいりたいと思います。
#84
○小川(新)委員 妥当なところに落ちつくということは、埼玉県の、人口急増の、さっきから私が言っているように、公有地の拡大をやっていくことについても問題が出てくる地点については、市街化調整区域の公有地の拡大ということで今度広がってきたのですから――私が言うのは、そこを線引きの対象からはずすというところにどうしても考え方がいく。こういうように議論していくと、ですね。だけれども、あなたはそういう前提ではないと申されていますから、私はすなおに受け取ります。そのとおりすなおに受け取りますが、埼玉県知事の理想に立った立場に立って、それじゃ知事の立場も尊重しながら、凍結という問題を打ち出した埼玉県はやむにやまれないんだということは、埼玉県、千葉県、神奈川県、首都圏は全部同じような状況にありますが、その辺のところはどうなんですか。
#85
○近藤政府委員 いま凍結というお話しが出ておりましたけれども、埼玉県は、ゴルフ場規制等の要綱をつくりまして、強い土地規制をやっておるということを聞いておりますが、その凍結の件につきましては、私どものほうでまだ詳細なことを承知しておりませんので、内容を十分県から聞き取りたいと思っております。
#86
○小川(新)委員 私は、あなたのようなのんきなことを言われると腹が立つのです。五月二十二日から、きょうは六月何日ですか、一カ月以上たっている。いまごろになって聞いたようなことを言っては困る。(江崎国務大臣「それは建設省でしょう」と呼ぶ)建設省でも、どこでもいい。
#87
○大塩政府委員 いまのお話しは、埼玉県におきまして、当分現状のまま、調整区域にするとかあるいは市街化区域にするとかいうことをやめる、非常に急激な土地事情の変化が起こっておりますから、しばらく現状のまま塩づけにして、市街化区域あるいはその市街地の整備を一生懸命やる、そういう好ましくないところにゴルフ場等が入ってくることは、これはなるべく押えていく、こういう姿勢を示されたものだというふうに解釈しております。私は、そういう市街化区域、調整区域というものを、いま、市民との間に、見直しといいますか、十分検討をされまして、どこを市街化区域にし、あるいは調整区域にするかというような準備と調整をなさいました上で決定される、その方針につきましてはけっこうではないかというふうに考えております。
#88
○小川(新)委員 まことに抽象的なことばですが、私は、知事のとった行為がいいか悪いか、そのことによってどうかということで聞いているのであって、何だかわけのわからないことを言われてもわからないのですよ。その点はどうなんですか。
#89
○江崎国務大臣 これは小川さん、どうでしょうか。一カ月経過しておりますが、ひとつ十分建設省側でも調査してもらいますし、それから、われわれ自治省としてもなおざりにできる問題じゃございません。全国に波及しますから、すみやかに調査して御報告申し上げたいと思います。
#90
○小川(新)委員 わかりました。ではそのとおりやってください。
 そこで、先買いの調整についてお尋ねいたしますが、公有地というのは地方公共団体が買う土地ですね。住宅公団の買う土地は何という土地なんですか。
#91
○大塩政府委員 本法におきましては、住宅公団もその買い取りの主体にすることができるようにしておりますので、公有地の中に入ると思います。
#92
○小川(新)委員 そうすると、法案を見ると、公有地とは「地方公共団体の所有する土地をいう。」と書いてあるけれども、住宅公団は入っていないのはどういうわけですか。
#93
○大塩政府委員 この法律上は、「地方公共団体の所有する土地をいう。」というふうに公有地の定義をしております。ただ、先ほど私が言いましたのは、買い取りの対象を申し上げたものでございます。公有地の正確な意味は、地方公共団体の所有地でございます。
#94
○小川(新)委員 第二条の「用語の意義」の中に、「この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。」として、「一 公有地 地方公共団体の所有する土地をいう。」「二 地方公共団体等 地方公共団体、土地開発公社及び政令で定める法人をいう。」となっていて、ここでは住宅公団の「コ」の字も出てこないのですが、それでは、住宅公団が買い上げたいという土地は正確に言うと、公有地でなくて公共用地になるのですか。
#95
○大塩政府委員 第二条の定義は、お説のとおり、公有地は地方公共団体の有する土地である。それを「地方公共団体等」の中に「政令で定める法人をいう。」として、その政令の中で住宅公団等を考えておりますから、その「地方公共団体等」の中に入るわけでございます。
#96
○小川(新)委員 そういたしますと、大臣、具体的に申し上げますと、調整区域にある民間デベロッパーが土地を取得した、その取得した土地を、住宅公団と当該地方公共団体がもしも買いたいという場合には、届け出の義務及び申し出の義務はどうなのか。それから公共団体のほうが住宅公団に優先するのか。住宅公団の場合には目的がはっきりしているわけですね。これを住宅の用に供するためです。ところが地方公共団体が公有地の先買いをする場合には、先買いでも、何に使うかはまだ明確にされてないわけですね、先買い権が発動され、ほんとうにいろいろやるのには、やはり土地収用がかからなければ意味がないと私は思うくらいなんです。それは、御存じのとおり、土地収用というものは、まず第一に土地を収用する目的がはっきりしなければならない。道路だとか、住宅であるとか、公共施設の何々であるということがはっきりしなければならない。そして、それの建設の計画決定、事業決定をして、その時点において問題が起きてきて、初めて、好むと好まざるとにかかわらず、売りたくても売りたくなくても、その土地が収用の対象になる。ところが、今回の公有地の拡大の場合には、明らかに、おれは売りたくなくても、売っても、届け出だけはするのだ、申し出だけはするのだということですね。そうなってきますと、目的のはっきりした住宅公団が、その当該公共団体の都市計画事業に従って、あくまでもここが住宅に必要だという土地である場合には、住宅公団に先買いの優先権を与えるべきだと私は思いますが、その点はどうですか。
#97
○大塩政府委員 いまお説の土地は、おそらく二千平米以上の土地に限られると思います。そういう場合には、土地の買い取りの協議をしますときには、買い取りの目的を示し、そして買い取りの協議を行なうということを、協議の通知をそのときに知事がするわけでございますが、そのときにだれかという「地方公共団体等を定め、」と書いてございます第六条の規定によりまして、当然知事のところで調整がとれるようにいたすような仕組みになっております。また、事実、そういうことのためにあらかじめ地方公共団体等にも通知をいたしまして、希望等を徴しておくというような連絡の組織も必要でございまして、そういう運用をさしているのでございます。
#98
○小川(新)委員 そうすると、公有地について、「地方公共団体等」と先ほど言いましたが、「等」の中に住宅公団が入るのだ。そうなると、住宅公団も、先買いの公有地拡大の推進に関する法律案が該当するような権利というものを当然主張してくると思いますが、どうですか。
#99
○大塩政府委員 そこが買いたいといって手をあげる権利はあるわけでございますね。手をあげるというか、そこをほしいといって買い取りの主体となる権利が与えられております。
#100
○小川(新)委員 そこで重ねてお尋ねしますが、目的がはっきりした住宅公団と、目的がはっきりしていない地方公共団体が買い取りの手をあげたというような場合、二人手があがっているわけですね。その二人手があがっているのに対しての裁定は知事がするわけですけれども、国としては、地方公共団体の目的ははっきりしていない、ところが、住宅公団のほうは住宅に供給をするという目的がはっきりしているわけで、住宅公団のほうが都市計画上必要であると認めたときには、自治省としては、知事から諮問を受けたり何かする場合はありますか。そういう場合、自治省としてはどういう態度をとりますか。
#101
○近藤政府委員 自治省の段階まであがってくることはございません。その土地が住宅用地に適する土地であるかどうか、住宅公団に住宅をつくらせるほうがいいのか、あるいは市町村あるいは県のほうで何かの公共施設にするという予定があるのかどうか、そういったものをいろいろ勘案いたしまして、県知事がどこに交渉に当たらせるかをきめるという仕組みになっております。
#102
○小川(新)委員 そうしますと、その判定はあくまでも知事であるということで、自治省としては解決しないということになると、それが市街化調整区域の中の農振地域である場合には、県知事だけでとまるのですか。それとも、農林省がタッチするのですか。
#103
○近藤政府委員 農地転用の問題がからむと思います。だから、その規模によりまして、農林大臣の転用認可の部分と、知事の認可の部分とあると思います。
#104
○小川(新)委員 そうすると、それは農林省の主体待ちということですか。
#105
○近藤政府委員 その農地を転用することが適当であるかどうか、知事が勘案いたしまして、農林省と相談して、適当であるということになって、農地転用の見通しがつけば、これはどういう施設にするかという次の段階に入るのだと思います。
#106
○小川(新)委員 その点は了解いたしました。
 そこで、私は、大蔵省に、国有地の問題をちょっとお尋ねいたします。
 国家公務員の数は現在百三万人、東京に三十三万七千人おります。そのうち、住居不安定者は三十三万三千人、このうち、すでに充足された人数が三十万三千人でございまして、国家公務員の住宅の充足率は約九一%になっておる。ところが、大蔵省所管の宿舎用地は、関東だけでも二百二十七万平方メートル未利用になっておると言われておりますが、この点は間違いありませんか。
#107
○川崎説明員 御指摘になりました二百二十七万という数字は、私どものほうでは関知いたしておりませんが……。
#108
○小川(新)委員 そうすると、関東で、国有地の未利用の土地の数はどれくらいあるのですか。
#109
○川崎説明員 この前御説明したかと思いますが、三十五ヘクタール程度だと思いますが、ちょっとお待ちください。――失礼しました。東京周辺で、未利用の国有地は五十四ヘクタールでございます。関東地方全体ですと、首都圏全体で、未利用の国有地は千六十三ヘクタールでございます。
#110
○小川(新)委員 千六十三ヘクタールを坪数に直すと幾らですか。
#111
○川崎説明員 千六十三万平米でございますから、三で割りますと三百万坪ですか。
#112
○小川(新)委員 大臣、私のいまの質問は、関東にどのくらいの国有地が未利用になっておるかという質問をしたわけです。わが党の黒柳君が、二百二十七万平方メートルの未利用地があると、こういう質問を田中さんに向かってしたのですが、いまここで御答弁をいただいたら、実際は千六十三ヘクタールしか未利用地があいてないという。これは坪に直すと三百万坪あいている。関東に国有地三百万坪が未利用になっている。利用されていない。この利用されていない土地を地方公共団体が国から買い上げたい、私のほうで使わしてくれ、公有地先買い権の法律を使って、未利用の土地が三百万坪もあいているから、少し私どものほうに使わしてくれと国に言われたときは、自治省はこのあと押しをしてくれますか。
#113
○川崎説明員 未利用の国有地というのは、いま申し上げましたものには、たとえば返還財産といったものも入っておりまして、地方公共団体から先買いの対象として売ってくれと、そういうお話のある土地ではございません。
#114
○江崎国務大臣 国有地を地方公共団体がぜひ使いたい、使用目的はこれであるということを明示して私どもに協議があれば、これは、やはり、大蔵省側に、その内容によっては協力的に払い下げ要請をする。これはもう当然自治省としてはやらなければならぬ仕事だというふうに考えます。
#115
○小川(新)委員 じゃ、大蔵省にお尋ねしますが、この三百万坪の未利用地に対する土地利用計画はいつできるのですか。
#116
○川崎説明員 非常に大きな返還財産というものを含んでおりますから、ただいま申しましたように、中央審議会におはかりしたものもございます。したがいまして、いつできるかということははっきり申し上げられませんけれども、小さな宿舎用地の非効率なもの、そういった意味での未利用地はいま鋭意調査いたしておりますから、一、二年の間に利用計画が全部できる、そういうふうに考えております。
#117
○小川(新)委員 これは、先ほど私が質問した関東計画とか返還基地も含めて三百万坪なんですか。
#118
○川崎説明員 さようでございます。したがいまして、いま申し上げました数字も今後またふえる数字であるということでございます。
#119
○小川(新)委員 ちょっとおかしいですね。ふえるというのはどういうことですか。
#120
○川崎説明員 未利用地といいますのは、大蔵省が現在所管しておる筋のものであります。したがいまして、提供の財産がまた返還になれば、未利用地に組み入れられるわけでございます。したがいまして、この未利用地といいますのは、今後返還が進むに従いましてふえてまいる、また、逆に、利用計画がきまりますと減ってまいる、そういう関係であります。
#121
○小川(新)委員 それはわかりました。
 そこで、国有地に関して、大蔵省が地方自治体に納めております交付金の評価がえ、これはその後どうなっておりますか。
#122
○川崎説明員 その後とおっしゃいますとなんでございますが、固定資産税と国有財産の台帳価格と開差が非常にあるわけでございます。したがいまして、この開差をどう調整するかということで、二倍以上開差があります場合には、台帳価格によらずに、前年の価格に一・一倍か、あるいは固定資産のほうの額のどっちか高いほうによるということで調整いたしております。
#123
○小川(新)委員 これは固定資産税のときに問題にいたしまして、台帳価格の整備というところに触れてしまってはまた長くなりますからいたしませんが、それでは、公共団体に払い下げる場合、また、要請があった場合には、これは全部地価公示価格で払い下げてくれるのですか。
#124
○川崎説明員 地価公示価格というのは、まだ現時点では全部網羅いたしておりませんので、地価公示価格がある地点では必ずそれを参考にして、それと均衡をとる価格ということで考えております。
#125
○小川(新)委員 ないところはどういうふうな価格でやるのですか。
#126
○川崎説明員 ないところは、簡単に申しますと、私どものほうの自主鑑定ということになりますけれども、その場合には、民間精通者の意見も徴するということもやっております。
#127
○小川(新)委員 そこで、公有地拡大に悩む地方公共団体に払い下げるときの減額基準はどのようになっていますか。
#128
○川崎説明員 公有地拡大法案で考えておりますためのようなものに私どもの国有地を払い下げるということはないかと考えますが、一般に目に見えております公共用の需要ということで、地方公共団体に払い下げます場合は、目的に応じて減額する場合と、時価で払い下げる場合と両方があるわけでございます。
#129
○小川(新)委員 目的というのに違いが出るのはどういうときでございますか。
#130
○川崎説明員 たとえば、学校の場合ですと五割減額とか、社会福祉施設ですと、やはり五割か四割といったような減額の措置があるわけでございます。
#131
○小川(新)委員 元公共団体の用地、元自治体の寄付地、旧物納土地の払い下げの特例の基準というものは、大蔵省ではあるのですか。
#132
○川崎説明員 第二点はちょっとわからなかったわけでございますけれども、元地方公共団体が持っておりました土地を払い下げるというのは、特例と申すほどではございませんけれども、元地方公共団体がある目的のために寄付をした、その寄付に従って国が使用をしてきたけれども、国の用が廃止された場合、そういった場合の土地を、元の地方公共団体が目的の用に供したいという場合に限ってお返しするという意味で、無償で返すという特例がございます。それ以外は全部、たとえ寄付を受けた財産であっても、時価というのが一般の原則でございます。物納財産につきましては、特に特例ということはございませんですけれども、住んでおる人に権利がある、したがいましてほかの人には売らない、こういう考えでやっておるわけでございます。
#133
○小川(新)委員 時間が参りましたので、最後に一問だけお尋ねしておきます。
 土地開発公社の財源についてお尋ねいたしますけれども、二つあると思うのでございますが、その二つは何ですか。
#134
○近藤政府委員 現状ではほとんどが縁故資金でございますが、一部公営企業金融公庫からの融資がございます。
#135
○小川(新)委員 縁故債の場合は、市中銀行からの借り入れになりますね。そして、公営企業金融公庫からの借り入れというのは、これは公営企業の赤字の問題があって、なかなか開発公社のほうには回ってこないと思うのでございますが、その点はどうでございますか。
#136
○近藤政府委員 公営企業金融公庫のほうで、この土地開発公社に貸しつけるワクを設けております。昨年が十億、ことしが七十億、金額がまだわずかでございますが、一応その額を予定いたしております。
#137
○小川(新)委員 そういたしますと、市中銀行から借り入れる、地方自治体が債務保証をするわけでございますが、金融引き締めがきょうまた出てまいりました。公定歩合の引き上げということでございますが、土地開発公社の公有地の取得のための融資は、引き締めの対象からはずすことはできませんでしょうか。
#138
○江崎国務大臣 これはもうすでに引き締めの対象外にするということで、日本銀行も大蔵省も確認をいたしております。
 それからまた、その後、私どもも、しばしば金融引き締めを強化するについて、たとえばきょうも物価関係閣僚懇でそういう話が出ましたので、そういうときには絶えず、いま小川さんがおっしゃったようなことを発言しまして、これは別扱いにしてもらうということを話し合っております。
#139
○小川(新)委員 土地開発公社に対する縁故債の利子補給というものはできますか。利子補給というのは考えられますか。
#140
○江崎国務大臣 利子補給は、御承知のように、現在はございません。ございませんが、これは何らかの形で考えなければならぬのではないかと思います。特に、こういう高金利時代になってまいりますと、やはり問題があろうかと思います。ただ、公有地全般に向けて金利補給をと思っても、大蔵省側も、これは従来からの経緯から言ってもなかなかむずかしかろうと思います。
 そこで、いま私が大蔵大臣に強く要請しておりまするのは、この公共用地の中の住宅用地、これについてはひとつ考えてもらいたいということで、特に、農協の系統資金などを今後利用する。農協法の改正でだんだんそういうことになってまいります。そういう場面等においては、ぜひひとつ実現されたいということで要請をしておる段階でございます。
#141
○小川(新)委員 たいへん長時間にわたって真摯な御答弁をいただきましたが、今後、土地問題に関しては、私の質問が拙劣でございまして用を果たさなかったのですけれども、もっと総合的な立場から公有地の拡大というものをはかっていかなければならないが、民間デベロッパーと競争してこれに勝ち抜くというわけにはまいりませんですね。それには、土地問題全体の中から、現在企業が買い占めた土地をどうやって吐き出させるか、どう有効利用していくかということを考える。たとえば市街化区域で、土地の流動がある程度行き詰まってきたという裏づけには、もう国民、庶民が手の届かないところに土地が上がってしまった、また、不動産関係をやっていらっしゃる人たちにうま味がなくなってきたということがささやかれております。そこで、勢い、調整地区、白地地区、無計画地域に殺到してきて、ゴルフ場をつくったり、いろいろな問題が出てくるのでございますので、都市計画法の一部手直しも必要でございますが、また、それに関連して、その都市計画を行なうところの資源の配分の問題、いろいろな問題、公害、環境等の問題も含めて土地対策というものを考えなければならぬ。
 それから、土地というものは一体商品なのですか、商品ではないのですかという議論を瀬戸山さんが大臣のときに私とやったが、土地は商品でないということを言った。それからまた、次の大臣は坪川さんでしたか、どなたかちょっと忘れましたけれども、土地は特別の商品であるというようなことを表現をした。土地というものの定義が非常にむずかしくなってきて、私有財産権に守られたわが国の憲法下において、私権の制限という問題を踏まえた上で、土地に対するモラルというものがいま国家的に要請されてくる時代になってきたことを考えて、大臣のほんとうに大きな政治的理念と申しますか、土地に対する憲法といいますか、そういう問題で、江崎自治大臣の発言の中から、私の参考になることばがもしも見出せれば、きょうの質問をした価値があると思います。
 最後に、不肖小川新一郎の質問の締めくくりにあたって、土地に対する基本となる考え方、大臣が日ごろお持ちになっているお考えでけっこうですが、この考えを浸透さえしていけば土地対策というのはある程度解決するのではないかというまた、田中内閣にあって、こういう考えで協力もし、また忠言も吐き、あらゆる面で推進していくのだという、そういうお考えと御決意があるならば、最後にそれをお聞きいたしまして、私の質問を終わらしていただきます。
#142
○江崎国務大臣 公有地の拡大の推進に関する法律の今度のこの改正法案だけではなかなか思うように公有地の獲得はできないのではないかということは、私は、一面これは肯定しなければならぬ点があるというふうに思います。したがって、万全のものではありませんが、まあ、これを基礎にしまして、なお今後鋭意改めるべきところは改める、資金需要にこたえて豊富な資金量も持つというような形で進めてまいりたいと思います。
 それから、埼玉県の実情に対するところの御質問でございましたが、いわゆる東京都のドーナツ化現象といいますか、その余波が埼玉県に及んでおります。ところが、埼玉県側では、もうこれ以上人口はふやしたくないということで人をシャットアウトする、こういう傾向があるということは非常に重要な問題だと思うのです。したがって、私は、田中首相の言ういわゆる日本列島改造の必要性をますます痛感するわけです。また、地方の中核都市の建設、これもやはり急速に進めなければならぬなということを思うわけです。一体東京都民をどこに持っていくかということなどを含めて、これはよくよく考えなければならぬ数多い問題を示唆されたものというふうに、質問を承りながら考えた次第であります。
 土地とは何ぞや、これは非常にむずかしい問題で、私、いまにわかにこれに定義づけるだけの素養の持ち合わせば、残念ながらございません。ただ、非常に特殊な、やはり商品性を持ったもの――これは、商品性を全然否定するわけにはまいりません。なるがゆえに、高騰したり、こんなに土地があるのに、利用価値の高いところは不当に高いという現象が起こっておりますから、商品であることは間違いありませんが、いろいろな制約を受ける商品であるわけです。制約とは何ぞやというならば、公益優先の原則を貫かなければなりません。したがって、私権ぎりぎりのところまでは公のために制約できる商品、こういうふうに表現してもいいかと思います。
 こういった定義の問題は、定義そのものをお聞きになっておるのじゃなくて、土地というものの利用度を今後政府はどう踏まえて公有地拡大を推進するか、このことに御質問の意味はあろうかと思います。したがいまして、国総法はじめ今度の改正も含めたあらゆる土地の政策を含めまして、私権ぎりぎりのところまでこれを制約し、かりそめにも土地が投機の対象になるというようなことは、昭和四十八年前半期をもってピリオドを打つという決意で、土地問題は取り組んでまいりたいと思います。そして、公共優先の目的達成のためにも努力をしてまいりたいと考えます。
#143
○小川(新)委員 どうも、質問したら日本列島改造推進の話にいっちゃったのですが、田中さんが十カ年の日本列島改造計画を発表したら、先ほど私が言ったように地価が上がったということを考えたときには、田中さんの日本列島改造の計画はもう発想の転換をしなければならぬということを私は言いたかったのでありますけれども、大臣は田中内閣の一員であり、私は野党公明党の立場にあるのだから、当然議論の分かれるところでありますが、この議論はまた後日に譲るといたしましても、土地問題について十分な配慮をしていただきたいことをお願いして、終わらせていただきます。
#144
○中村(弘)委員長代理 折小野良一君。
#145
○折小野委員 お昼の時間をだいぶ過ぎまして、たいへん御迷惑かと思いますので、できるだけ簡単にいたしたいと思いますから、よろしくお願いいたします。
 今回提案されております公有地の拡大の推進に関する法律の一部改正でございますが、私は、この表題はけっこうだと思うのであります。そしてまた、そうあるべきだ、そういう方向に進むべきだ、こういうふうに考えるのでありますが、この法律の内容を見てみますと、必ずしもそうでなくて、端的に言いますと、公共事業用敷地の取得の推進に関する法律という程度のものじゃなかろうかというふうな感じがいたすのでございますが、大臣の御所見をまずお伺いいたしたいと思います。
#146
○江崎国務大臣 御指摘の点は、確かにそういう傾向なしとしないというふうに思います。しかし、今後、この改正案を契機として、十分実効のあがるように――これは金の面の配慮によりましても、よほど変わってくるかと思います。
 それから、もう一つ、現実的には、いま統計には出ておりませんが、御承知のように、土地購入等に対する民間資金の貸し出しを極力引き締めております。引き締めておるというより、これはもう土地購入の資金は貸し出さないという方針で、日銀が銀行指導に当たっておりますので、今後、公有地を手に入れることが相当容易になるのではないか。これは、ことしの後半期の問題として、私どもも楽しみにいたしておる点でございます。
#147
○折小野委員 私は、ただいま申し上げたように、公共事業用敷地の取得の推進ということだけでなしに、日本全体の土地対策という立場から、これは地価対策も含めまして、そういう立場での公有地の拡大ということを大いに推進すべきであるというふうに考えておるわけでございます。
 昨年法律が成立をいたしまして、今回、その内容につきましても、たとえば開発公社の業務の範囲を広げるとか、それから先買い権の及ぶ範囲を拡大するとか、いろいろな方策がとられておるわけでございますが、残念ながら、今日までの実績を見ますと、先ほどの質問でもお話しがありましたように、その成果は、私どもが期待するほど必ずしもあがっていないというふうに考えます。大臣は、ただいま、今後公有地は拡大しやすくなってくるという見通しをおっしゃったわけでございますが、今日までのこの実績から見まして、やはり、私どもいろいろ反省すべき面を反省してまいらなければならないと思っておりますが、自治省のほうで、あるいは建設省のほうでもけっこうでございますが、成果がこの程度で終わる――もちろんこれは百六十四件ということだけを申しておるのじゃありませんが、三百二十件ほどの未処理がまだあるから、実績はまだふえるであろうというふうにおっしゃっておりました。あるいはそうかもしれません。
  〔中村(弘)委員長代理退席、委員長着席〕
しかしながら、いずれにいたしましても、今日までの成果から見まして、必ずしも私どもが期待するほどには成果があがっていない。その理由というものはどこにあるのか。具体的な理由ですね。そういう面をわかっておりましたらお教えいただきたいと思います。
#148
○大塩政府委員 公有地の法律に基づきます手続の上におきまして、こちらの希望する申し出をした千数件の中で成約した率が非常に少ないという理由といたしましては、まず考えられますのは、届け出が出ましても、これは相当将来の計画でありまして、その実施の見込みが立たないというような点が第一。
 それから、都市計画施設の中で出てまいりましても、たとえば道路なり公園なりの区域の外にはみ出すような案件があります場合に、それを合わせて買いますと、そのはみ出した部分が、現行法によりますと代替地に使えないというような点が制約になりまして、一括して買ってくれなければいやだというようなことが障害になったということが報告されております。
 それから、三番目に、公共団体が届け出を受けましても、協議するまでもなく価格が高過ぎて初めから買えない、あるいは、協議いたしましても、大体その辺ならと思いましても、ついに価格の点で折り合わない、こういうような点が三番目にございます。
 それから、二千平米以上のもの等の大きなものが出てまいりましても、あるいは申し出がありましても、そこのところは必ずしも公共団体の必要とする適地でないというような点もございます。
 以上申し上げましたような四点が、買収に至らなかったおもな点でありますが、さらにもう一つは、売り主が成約寸前でございますので、相手方との信用関係におきまして、やはり地方公共団体には売りたくない、こういうことで買えないということでございます。この最後の点におきましては、この法律の持っております仕組みが、こちらから買い入れるのではなくして、相年方の成約を待って、その届け出を受けて横から入るという形をとっておりますためにこういう事情が発生するものだと考えます。
#149
○折小野委員 いろいろな具体的な理由が出てまいっておりますが、価格が高過ぎるという問題に関連をいたしまして、これは地方団体の買収し得る能力というものもございましょうが、また、同時に、ここにございますような、先ほど来問題になっております公示価格というものにも関連が出てくるのではなかろうかというふうに考えます。この価格が高過ぎるという問題で、どうなんでしょうか。公示価格にひっかかって買えなかったというふうにはっきり言えるものが相当あるのでございますか。
#150
○大塩政府委員 公示価格を基準として公共は買うようにしておりますので、相手方は公示価格ということには拘束されません。一つの取引の指標でありますから、やはり、そういう面が制約の要因になっております。
#151
○折小野委員 といたしますと、今度の改正で、公示価格に関する買い入れ価格、土地の取得価格ですか、これにつきましては、むしろ公共団体に対してきびしく規制するという方向に向かったのではありませんか。こういう面を、成果があがらなかった理由との関連から、こういう改正をされたという意図はどこにあるか。
#152
○大塩政府委員 公示価格というのは、これは正当なそのときの時価と申しますか、客観的な市場価格をあらわすものだと考えております。もちろん、若干の誤差等は人間のすることですからありましょうけれども、それはやはり精緻をこらしまして、評価の技術を尽くして、いろいろな方法をいたしまして、客観的な市場価格に近づこうとした適正な時価と考えております。したがいまして、それを基準としろということでございますので、標準地そのものが売買される例はきわめて少ないから、その遠近あるいはそれと類地ということで引っぱってきてその価格を算定する例が非常に多うございますが、いずれにしましてもこの公示価格を基準とするという方法は正しいのでありまして、これを変えることはできない。だから、このたびの改正案の中にも、この公示価格を基準としろということの原則は変えていないのであります。
#153
○折小野委員 これはちょっとことばの問題ですけれども、「第六条の規定による公示価格を規準としなければならない。」というのが従来の規定ですわね。今度はこれを改正して、「公示価格を規準として算定した価格をもってその価格としなければならない。」となっていますが、これは表現は違いますが、内容も違いますのですか。
#154
○大塩政府委員 意味を取り違えまして申しわけございませんでした。七条の改正をいたしました理由は、実は、地価公示法の中身が変わりまして、従来の市街化区域の中だけにおきまして、大体一万二千点を公示することにしておりましたのを広げまして、都市計画区域の中におきまして、省令で指定する地点を公示することとしたのでございますが、それでも漏れがございますので、どうしても地価公示の対象にならない地域がございますので、その場合の規定を置いたのでございます。
#155
○折小野委員 ところで、この地価公示制度ですが、実は、私、あまりこれに関する質問は申し上げるつもりじゃなかったのですけれども、先ほど来少しそういう面が問題になっておりますし、私の考える地価公示制度といいますか、それに対する考え方が多少違っておると思っておりますので、そういう観点から少しここで質問をさせていただきたいと考えております。
 先ほど、地価公示制度の問題に関連をいたしまして、大臣も、公示価格で買うということについては、現実の問題として非常に悩んでおるというふうにおっしゃったのでございますが、しかし、私は、できないことはないんじゃないかというように思うのであります。私の考え方がいいか悪いか、それはわかりません。いろいろと御批判をいただきたいと思っておりますが、それは、現在の公示価格が、従来特にそうなんですが、公共団体の買い入れ価格とか、そういうものともほとんど関連がなかった。また、税金とも何にも関連がなかった。こういう面は全然考慮しなくて実際の土地売買というものが出てきた。そういうところに一つの原因があるわけです。ですから、地価公示価格を一応の基準にいたしまして、そして、その上で売買が行なわれた場合は、その増価分は税で吸収をするというような形にいたしますならば、公示価格というものは国民一般が非常に関心を持たざるを得ないということになってまいろうかと思うのでございます。ことし土地税制の改正がございまして、そういう実勢に近づいてはおりますが、しかし、これでは不十分だと思います。こういう点を徹底してやりさえすれば、公示価格で買収するという制度は確立をしていくというふうに考えるのでございますが、いかがでございますか。
#156
○江崎国務大臣 お示しの点は、私、全く同感でございます。そこまで理想的にまいりませんと、どうも地価公示価格というものか中途はんぱで、ただ一つの基準を示したというのにとどまってしまいます。したがって、これは地方公共団体ばかりでなしに、公示価格というものが中心になって、民間も、おおむね前後一割ぐらいゆれがあっても取引がなされるというところまで落ちつけば、土地政策のこれはほとんどが解決されるというふうにも考えられるわけでございまして、現在は地価公示を行なう地点が非常に少のうございまするが、これを、来年度は、一万四千五百七十地点と言っておりまするが、もっともっと推進して、これを五万、十万、あるいは何十万という形に持っていって徹底を期す。それには、今後地方公共団体の協力を得なければなりません。そうなるというと、その段階で固定資産税と地価公示価格との一致の問題もおのずと解決をしてくる。こういうふうに思いますので、おっしゃるように、ぜひひとつ今後充実して進めてまいりたいと考えております。
#157
○折小野委員 ただいまの大臣の御答弁に関連をしてでございますが、公示価格というものを活用するには、現在のところ、実際に公示をした個所が非常に少な過ぎる。そして、また、大臣がおっしゃったように、全国にわたってそれをやるためには、相当大規模なものをやっていかなければならないし、そのためには、人の問題とか、いろいろな問題もございまして、なかなか困難である、直ちにはなかなかできない、こういうふうにおっしゃっておるわけでございますから、その点私どもはわかるのです。しかし、現在、固定資産の評価というものが行なわれておるわけであります。この固定資産の評価は、実勢価格からしますと何分の一かということで低いのでございますが、しかしながら、ある程度の――ある程度のといいますか、相当程度の均衡はできておるのだというふうに考えております。固定資産の評価が行なわれるようになりましてから、もうすでに相当の月日がたってきておりますし、また、それを基礎にして課税が現実に行なわれておるわけなんですから、その均衡という面からいきますと、おおむね住民も納得をする価格であるというふうに言っていいんだと思うのです。
 といたしますと、それと、現在地価公示法でやられております地価公示と併用をして、暫定的にその均衡というものを取り入れていくということで、一応の地価の公示、それに当たる制度というものがとりあえずできてくるのじゃなかろうかというふうに考えるわけです。そういう点、私は、考慮する必要があるのじゃなかろうかと思いますし、そういうような方法によってでも現在の地価を抑制をする方策をつくるということが非常に大切な問題だというふうに考えるのでございますが、大臣の御所見はどうでございましょうか。
#158
○江崎国務大臣 全く同感でございます。したがって、今後市町村の協力を得て地価公示価格というものを割り出す。いまの固定資産税の評価額というものは、これは売買対象という要素を全然考慮に入れておりませんために低いわけですが、それにしても、これは膨大な地点を一々調査して価格をきめているわけですから、その労力を建設省の地価公示と協調して一緒に行なえば、固定資産税の税率はおのずとそこでまた引き下げるということによって十分実効があげられるわけです。相続税を対象としての地価評価、これも一定するということになれば、個々の人々も、土地を、たとえば財産としてどれだけ持っておるかということが端的に、率直にわかるわけですし、私、お示しの点はきわめて望ましい方向である、また、それに政府も努力しなければならぬというふうに考えます。
#159
○折小野委員 いずれにいたしましても、この法の趣旨といたしますところは、やはり、大きく日本全体の現在当面いたしております土地対策に少しでも効果をあげるようにと、こういうことでなければならないんだと考えております。そういう面から、実は、前にも私は一ぺん申し上げたことがあるのでございますが、外国におきまして、たとえばスウェーデンのコペンハーゲンにおいて、市の区域の約八〇%が市有地になっておる。しかし、もちろんこれは百数十年という年をかけて努力してきた結果であるということでございますが、最近、私が、前に都立大学の先生をやっておられる磯村先生に話を聞きましたところによりますと、イギリスのリバプールでは、市の区域の三〇%を公有地にするんだという目標を掲げて、そして、その目標をほぼ達成した、これで市の土地対策というものが十分効果的にやっていけるんだ、こういうふうにそこの市長がおっしゃっておったということでございます。
 いずれにいたしましても、土地対策という立場からいきまして、公有地を拡大する、しかも相当程度の公有地を確保するということはできないことではないことですし、また、その効果というものは非常に大きなものがあるのじゃなかろうかというふうに考えます。特に、いまいろいろな公共事業をやってまいるにつきまして、いまは事業をやることがきまってから用地買収にかかるというような状況でございます。そういうことのために、結局、公共用地を取得するために地価をつり上げるというようなことさえ言われておるような情勢でございますし、また、相当程度の公有地があれば、都市計画も時代の推移に即してわりあい自由に行なわれるということになってまいりますでしょうし、それから、また、当面問題になっております地価の抑制という問題も可能になってくるというふうに考えるわけでございます。
 今回、この法律の改正をやられて、一部開発公社の業務範囲の拡大とか、あるいは、直接の公共事業の用地だけでなしに、代替地域まで広げるとか、あるいは都市計画区域まで先買い権の及ぶ範囲を広げるとか、こういうような措置をやられたわけでございますが、土地対策という大きな目的のために、さらにこの法律の内容を広げていって、そして、より大きな効果を目ざすということが非常に必要なことじゃなかろうかというふうに考えます。まあ、これは今後の問題でございますが、特に、大臣の、こういうような考え方に対する御批判も加えていただいてけっこうでございますが、どういうふうにお考えになっておるのか、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#160
○江崎国務大臣 国及び地方公共団体が土地を持つ、これは全くおっしゃるとおりだと思います。それを何%に押えるかという点は、おのずと日本としての立場もありましょうが、やはり、三〇%程度は押えていくことが望ましいことだと思います。いま、事務当局に聞いてみますと、公有地で大体国土の三〇%程度は保有しておる、ただ、林野が多いという説明であります。そのとおりだと思います。したがいまして、市町村単位に今後あらゆる施策を総合させまして、目的達成といいまするか、いまお示しのような、せめて地方公共団体が二〇%程度は少なくとも確保しておるというようなことになったら、よほど仕事がやりよくなるというふうに思います。あと、公有地が一体どれだけか。国有地はむしろ林野が多いでしょうが、もっとも、地方公共団体でも、県などは林野が多いわけですから、まだ正確な統計は出ておりませんが、少なくとも、いまの御質問によって、これはひとつよく各種日別に統計を出してみます。そして、今後の計画の資にするということで進めたいと思います。
#161
○折小野委員 これもいままでいろいろと議論もあった問題でございますが、公共用地を取得するに際しまして出てくる問題の一つといたしまして、結局、開発利益というものをどういうふうに処理し、どういうふうに対策を講じていったらいいのかということが問題になるわけでございます。一つの公共事業を行なうについて、その用地を取得する、したがって、その用地を提供された方に対して一定の補償をする、これはまあ当然でございます。しかも、その補償につきましては、税法上とかいろいろな対策も考慮しながら、できるだけその方々の犠牲にこたえようというふうにされておるわけであります。それはもっともだといたしましても、その周辺の土地所有者は、結局、そこに何らかの公共事業が行なわれたことによって地価の上昇という利益を確保することができる。これはいわば不労所得というようなものになるわけです。そういうところに、人との比較において不平不満が起こってくる、あるいは社会正義的な立場からのいろいろの意見が出てくる、これは当然なことだと思っております。ですから、そういう面を何とかなくするためには、やはり開発利益の吸収というものは考えていかなければならない。その開発利益というものをさらに今後の社会全体の開発のために再投下していく、こういう方法が特にとられなければならないのだと考えます。
 そういう場合に一番問題になりますのは、憲法上の関連からなかなかそれをやることはむずかしいというような考え方が出てくるわけなんでございますが、これも、やはり、税の運用というものをうまくやってまいりますと、それはある程度できるのじゃなかろうかと私は思います。開発利益が反映するのは、一つは固定資産税です。評価が変わってきますから、その評価をきわめて適切に反映さしていくということになりますならば、一部は固定資産税で吸収するということができますでしょう。それから、それが現実の所得にはね返るのはやはり売買のときでございますから、さっき申し上げましたような増価税というような考え方を十分効果的に考慮いたしますならば、開発利益というものは相当程度吸収できると私は思います。ですから、憲法の問題を特別考慮しなくとも、現在できる政策というものを実情に即して十分活用をするということで、こういう問題も解決できるのじゃなかろうか。そして、また、それが解決できるならば、用地を提供される方々も、案外容易に提供をしていただけるのじゃなかろうか。先ほど来、現在の成果があがっていない理由の中にちょっとございました不公平感、こういうようなものがあるわけですし、また、自分たちは犠牲になるのだというようなこと等があるわけなんですが、そういう面をなくするためには、どうしても開発利益は公共のために吸収しなければならない。そのためには、ただいま申し上げたようないろいろな方法をやってまいりますならば、私は、十分にその目的に沿うことができるというふうに考えるのでございますが、いかがでございましょうか。
#162
○大塩政府委員 お説のとおり、本来、公共事業による受益、開発利益というものは、これは本人の力でなし得たものではないのでありますから、いわば、一種の不当利益というふうに見る見方が特に諸外国等においては強いと考えられます。わが国におきましても、そういった開発利益を吸収する手法といたしまして、たとえば受益者負担金というような制度によりまして、その利益を受けた限度において、直接にその利益を得た者がこれを支払いまして、その支払った額をもってまた公共事業等に還元していくという制度がある。たとえば大阪市長をなさいました関一さんなんかのときも、御堂筋線とか、あるいは北野線とか、そういう事業をそれでやってきたのでありますし、また、道路法、都市計画法あるいは河川法等にも、そういった受益の限度において開発利益を吸収する受益者負担金の制度があるわけでございます。
 ところが、御承知のごとく、特に戦後におきまして、都市問題というものが大きくクローズアップし、個々の事業によって開発利益が生じたのか、どの地域、あるいはだれがした行為によってどこまで開発利益を受けたかというようなことが非常にあいまいになってきたというような一般的趨勢がございます。非常に大きなスピードとスケールにおいて公共投資が都市じゅうに行なわれているような状況になってまいりますと、たとえば地先の道路を一つつくりましても、そこを下関から通る自動車もございましょうし、自分のところだけが開発利益を受けるということではなくなってきている。公園にしましても、街路にしましても、受益者負担金という制度がなかなかできにくい、徴収しにくいというような事情になってまいりました。
 そこで、これに対しましては、開発が非常に大きく、そして地域的にも広がっていって確定しにくく、直接に利益を受けたという実感が伴わなくなってきた。そういった社会的情勢を受けまして、これを譲渡所得税とかあるいは固定資産税というような税金でもって――その利益を受けたと思われる部分がその中に一部含まれているんだから、その税金でもって対処するという方法がとられるというようになってきたことはお説のとおりでございます。したがいまして、わが国におきましては、昭和四十四年から個人の短期譲渡所得税の課税の特例が設けられておりますが、本年度からは、法人に対しまして土地譲渡税が創設されまして、適正な程度以上の利益を得た土地の譲渡につきましては、その譲渡益の二〇%を課税するということにしたわけです。したがいまして、これらの税金によりまして、公共事業によって生じた開発利益の相当部分がその中に含まれて吸収されるものというふうに考えているような次第でございます。
#163
○近藤政府委員 先ほどの国公有地の面積の関係でございますけれども、河川敷だとか道路敷、それから海岸、港湾、漁港、そういった関係の土地をはずしまして、いわゆる公用、公共用普通財産を合計いたしますと、国有地といたしましては九万二百八十七平方キロございます。ただし、この中で国有林特別会計が持っております分が八万五千九百五十七平方キロございますので、それ以外を一応林野以外である、林地でないというふうに見ますと、約四千平方キロが国有地としての財産ということになります。国土面積の一・二%でございます。同じように公有地について見ますと、全体では一万九千七百平方キロ、約二万平方キロでございますが、そのうちで林野面積が一万三千二百平方キロでございますので、ここでは六千五百平方キロぐらいがその他という形になりまして、一・八%、林野を除きますと、国土面積の約三%ということになっております。
#164
○折小野委員 やはり、公有地というものは、それが相当規模になって、初めてさっき申し上げたような効果をあげるのだろうと思います。したがって、もちろん、三%でもそれを有効に活用することは必要なことでございますが、やはり、この法律の趣旨等から考えますと、先ほどちょっとお話しもございましたように、二〇%なり三〇%なり、少なくもそれが日本全体の土地対策に効果をあげるというようなところまで拡大をしていくということが大切なことじゃないかと思います。もちろん、現在二〇%にするにしましても、資金の面とかでなかなかたいへんなことじゃないかと思います。しかし、それが将来の国民のためにどれだけ大きな役割りを果たすかということになりますと、さっき申し上げましたスウェーデンの例は、百数十年間そのために努力してきたというふうに申しております。このことばからもわかりますように、やはり、私どもは、百年、二百年先の国民のために今日なすべきことはやっていかなければならないのじゃないかというふうに考えておりますが、こういう面はひとつ十分お考えをいただきたいと思います。
 それから、開発利益の吸収について御答弁がございましたが、確かに、いまおっしゃるようなことなんでございます。しかしながら、今日までの手法、特にその中心になっておりました受益者負担制度というのが、御答弁にもありましたように、実際にはほとんどその効果をあげてきていないというのが実情でございます。そしてまた、今回土地譲渡税その他によって講ぜられた対策も、決して十分な対策であるとは申せないわけでございます。これはただ単に土地譲渡税だけでなしに、前に審議されました固定資産税、特別土地保有税というような面についても同様でございますが、大きな政策目的を達成しようといたしますならば、こういう面については、やはり思い切った措置を講ずべきであろうと思うし、土地譲渡税等につきましても、先ほどから申し上げるように、一定の評価による正しい地価、それを上回るものについてはその全部を返してもらう、こういうような形でやって初めて地価の上昇というものを押えることができるというふうに考えます。こういう面についてはひとつ十分お考えをいただきたいと思いますし、特に、政府におきましては、いわゆる縦割り行政でございまして、それぞれのところでそれぞれの仕事を所管しておいでになります。しかし、土地対策というような問題は、一つの省庁だけで問題が解決するということでなくて、お互いに緊密な連絡をして、十分に検討された上で政策を立てていただくということが特に大切なことであろうというふうに考えますので、その点は今後よろしくお願いをいたしておきたいと思います。
 ところで、この土地問題、公有地の拡大に関連をいたしまして、せっかく公有地として持っておる土地がありながら、安易にそれを手放しておるというような事例が間々あるのであります。こういうような点については、いろいろな指導その他によってそうさせないような方法というものは容易にとれると私は思います。実は、私が具体的に知った例では、先般ちょっと私は沖繩に行ってまいりましたが、沖繩におきましては、一年前の復帰ということがございましたので、日本の本土以上に経済の混乱がはなはだしいわけでございます。特に、最近は、いわゆる離島ブームと申しますか、そういうような面もあり、あるいは将来に予定されております海洋博というような問題等もありまして、乱開発が非常に進んでおるということが非常に憂慮されておるわけであります。そういう中におきまして、ある町が七十万平方にも及ぶ町有地を民間の開発業者に売ってしまっておるというような例があったわけであります。それだけでなしに、もっと小さな規模の土地でございますならば、その他にもございました。そういう点につきましては、やはり、それぞれの市町村の当局というものが土地問題に対する認識というものを深めるということも必要なことだと思いますが、その理由は、ただ単に財政上の理由によってということでございますが、そういう面については、もっともっと県なりあるいは自治省なりが相談に乗ってあげる、あるいは指導をするというようなことがあっていいのじゃなかろうかというふうに感ずるわけでございます。私が現実に見たもの、知ったものは、具体的にはそういうことでございますが、そのほかにもそれに類したことはたくさんあるのじゃなかろうかと思います。せっかく持っておる公有地ならば、将来の利用のために何とか確保しておいてもらいたい、そうすべきじゃないかというふうに考えますが、当面赤字に悩む、あるいは財政のつじつまを何とか合わせなければならないというようなことのために安易に売ってしまうということが多いように感ずるわけでございます。
 こういう点についてはいろいろと御指導を願わなければならないのじゃないかと思いますが、そういう面についての大臣のお考えをひとつお聞かせいただきたいと思います。
#165
○江崎国務大臣 これは、御指摘のように、きわめて重要な問題で、私も全く同感でございます。したがって、昨年「公有地の拡大の推進に関する法律の施行について」ということで、いろいろな角度から通達を出しております。その中にも、「本法制定の趣旨に従い、その施行にあたっては、下記の点に十分留意して遺憾なきを期せられたく、命により通達する。」という中に、「公有地取得の現状にかんがみ、財源難等の理由によりみだりに公有地を処分することは厳に慎むべきものであること。」というのを第一に取り上げて通達をいたしております。しかし、現実は、まさに財政事情の困難からやむを得ずそういうことをしておるといういま御指摘であります。
 沖繩の件については、事務当局は、いま具体的に知らないと言っておりますが、これなどはよく調査いたしまして、今後のこともございまするので、よく指導をしてまいりたいと思います。
#166
○折小野委員 よくお願いしておきます。
 ところで、開発公社でございますが、この法律に基づく開発公社というものもございますし、また、この法律に基づかない任意のいろいろな開発公社というものも現実にはたくさんあるわけでございます。そういうような開発公社といわれるものの中に、いわゆる第三セクター方式というものがあるのでございます。この第三セクターといわれるものは、大臣がよく言われる田中さんの日本列島改造論の中にも、一つのにない手として掲げられておる。そういうものなんですが、現在、地方公共団体の関係の開発公社の中で、いわゆる第三セクター方式をとっておりますものがどの程度ございますか。そして、その業務の実態というものはどういうようなことでございますか。わかっておる範囲内においてお聞かせいただきたいと思います。
#167
○近藤政府委員 第三セクターといいますものはどういった性格のものか、まず、そこが問題になるわけでございますけれども、通常言われておりますように、地方公共団体と民間とが共同出資をしてつくった会社というように定義いたすといたします。そこで、地方公共団体が少しでも金を出しておれば、そういう定義に従いますれば第三セクターになるわけでございますけれども、われわれが調査いたしましたのでは、ある程度地方公共団体の意見がそこに反映するものということから、二五%以上出資しているものということで、昨年十月一日で調べたものがございます。それによりますと、開発関係のそういった公社が全体で九百八十あるわけでございますが、そのうちの八百六十九は全額地方公共団体が出資し、残りの百十一が九九%から二五%まで出資という形になっております。これがいわゆる第三セクターに当たるのじゃないかと思います。開発公社関係では数がわりと少のうございますけれども、観光関係あるいは農林水産、商工関係、社会福祉関係といったものになりますと相当数がございまして、いわゆる地方公社と申しますか、全体で約千九百あるといっておりますけれども、その中では六百八十二が二五%から九九%出資となっております。現況は大体そんなところでございます。
#168
○折小野委員 こういう公社を利用するというのは、いろいろなメリット、デメリットがあるわけでございますが、そのメリットの一つといたしまして、民間資本を導入をする、これが一つの大きなメリットだと考えております。法的な開発公社等におきましては、民間資本を導入するにしましても、これは借り入れ資本という形で入れてくるわけでございますが、民間の資本を求めてやっていく、いわゆる第三セクターにつきましては、その出資金というのが結局力になるということですね。私どもは、そういうところが一番問題じゃなかろうかというふうに考えます。二五%から九九%というふうにお話しになりましたが、特に、その中で、半分以上の資金を民間から入れておる公社、こういうものにつきましては、十分監督するとか、あるいはその動きに注目するとか、あるいはそういうものをつくるについて適切な指導をするとかいうことが必要じゃなかろうかと私どもは考えるのでございますが、いかがでございますか。
#169
○近藤政府委員 第三セクターの中で、地方公共団体の出資分が二五%以上を占めているものにつきましては、御案内のように、地方自治法の規定によって監査ができます。それから、五〇%以上を出資が占めておるものにつきましては、これは、長が、その事業内容とか決算とかを議会に報告するということになります。そういう意味におきまして、ある程度地方公共団体のコントロールはできるわけでございますが、それ以下のものにつきましては、実は、公的なコントロールというものは何もないわけでございます。ただ、地方公共団体が一応出資しております関係でその事業の運営につきまして、公共の見地からのコントロールがいろいろできるのじゃないか、うまく運営されるならば、それなりの効果は発揮されるのではないかと思っております。
#170
○折小野委員 地方公共団体が出資することによって、その事業をある程度公共的な立場から指導するということはあり得ると思いますし、私は、それはそれなりにいいと思いますが、むしろ、逆に、五〇%以上が民間の資本であるということ、しかも、その公社の組織が株式会社形態をとっておるという場合におきましては、御存じのように、出資によって意思がきまるわけなんです。そうしますと、公共と一緒にやっておるのだから公共のためにという表向きの名目はいいといたしましても、いざといった場合には、結局そこには資本の原理が働くということになり、民間の支配に服しなければならないということになってくるおそれがないか、そういう面を監視する必要があるのじゃないか、あるいは、そういうような公社については適宜な指導を必要とするのじゃないかということでございます。
#171
○近藤政府委員 どういった第三セクターに対してどの程度の出資をするかということで、その出資金をめぐりまして、地方公共団体の議会では、おそらく相当の議論があるだろうと思うのです。当然のことながら、出資につきましては議会の議決を要しますので、その地域の実態から見まして、こういった第三セクターが望ましいということで、それぞれの地方団体が出資金を御議決になってそういう公社ができておる、そういう第三セクターができておるということだと思いますが、なお問題になるようなものがございますれば、具体的な問題としてわれわれとしては指導しなければならないと思っております。
#172
○折小野委員 私も、一つ一つの公社については、それは存じません。しかし、たとえばむつ小川原の開発とか、あるいは京葉地域の開発とか、こういう面に第三セクター方式の公社が活用をされておるというふうに考えるわけでございますが、そういうようなことになってまいりました場合に、終局的に地方公共団体が資本のためにむしろ利用されるといいますか、そういうような現実がいろいろあるんじゃないか、あるいは出てくるおそれがあるのじゃないかということなんであります。これは、私は、具体的には知りませんので、そういう面があったら何とかしていただかなければなりませんし、また、十分御調査いただいて、そういうようなおそれのないように御指導を願わなければなりません。
 ただ、一つ、さっきもちょっと申し上げましたが、私はこの間沖繩に行きましたが、沖繩でこれが一つの問題になっておるのであります。沖繩で、いわゆる北部開発公社の問題というのが地元のマスコミをにぎわせております。当初、海洋博を行ないますので、それの関連事業を行なうための本部開発公社という構想がございました。それからさらに、その後それが変わりまして、あの本部地区一帯を含んだ沖繩本島の北部、その全体を開発したいということで北部開発公社という名前になった。そして、最近におきましてはさらに発展をいたしまして、沖繩全体の開発をやっていきたいということから、沖繩リゾート開発公社というふうに名前が変わってきつつある。名前が変わってくるということは、その内容が変わってくるということでございます。その開発公社は、第三セクター方式で、民間資本が地方公共団体の出資よりか非常に大きい。何倍というふうにあるわけでございます。こういうものが今後の沖繩の開発について実際の行動をやっていくということがいまいろいろと検討をされておるわけでございますが、私が行ったときには、まだ最終的な決定がなされておりませんでしたので、いまはたしてどうなっているか、そこのところまで確認はいたしておりませんが、そのことにつきまして、マスコミをはじめ沖繩の住民が考えておりますことは、ただでさえ本土資本が沖繩に乗り込んできて、あらゆる土地を買収し、買い占めをやってしまっておる、本土資本の都合だけによる沖繩の開発というものが行なわれるのじゃなかろうか、しかも、これはまた、現在進みつつある乱開発に拍車をかけるということになるんじゃないか、それに地方公共団体が乗って、そして一緒になって沖繩の開発をやるということに対して、はたしてどういうものだろうかということが沖繩の住民の不安と将来に対する疑念でございます。
 これは、やはり、そういうような第三セクター方式による開発公社というのも問題がある。今後のことはやってみなければわからぬということは言えるかもしれませんけれども、株式会社組織であります以上は、少なくも、出資金がその意思をきめるということになるわけであります。当初は、民間に協力する、地域住民の意思を体してと、こういうようなきれいごとで済んでおるわけでございますが、いざとなると、やはり、出資口数の多い民間の発言権というものが支配をするということになってくるわけでございますし、そういうことに対する懸念というものがあるわけでございます。こういうものがこの第三セクターに対する問題だと私は考えるわけでございますが、今後、こういう第三セクターの公社方式というものにつきましては、よほど考えていただかなければならぬ。特に、沖繩の場合におきましては、最初、その構想はむしろ通産省筋から出ておるわけであります。と申しますのは、あそこが海洋博を主管するという立場からだと思いますが、「日本列島改造論」の中にも第三セクターというものが触れられておるわけでございます。こういう点につきましては、やはり、自治省がそれぞれの地方公共団体の立場に立って、そしてまた地域住民の立場に立って、よほど指導をしていただく、よほど監視をしていただく、よほど検討をしておいていただくということでなければならないんだと思うのでございますが、大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。
#173
○江崎国務大臣 仰せの点は、全く重要だと思います。十分御指摘の点等を注意いたしまして、今後に処したいと思います。
 先ほど来の第三セクターの件でありますが、これは、やはり、監査権を公共団体が持っておりますれば、相当なきびしい監査もするわけであります。やはり、民間のエネルギーを無視したのでは、活発な国土開発ということはなかなかできにくいのではないか。経済性も高い、また、仕事の運営も弾力的である、絶えず採算性にのっとって仕事の効率化を進めておる民間業者というものは、これはまた捨てがたい、いい味わいも持っておりますので、それといわゆる地方公共団体側とがほんとうに理想的な姿で進められたならば、相当な成果が期待できるわけであります。それだけに、私は、これは軽々に否定はできない、むしろ進めるべきであるという論者でありまするが、十分監査を行き届かせまして、特に、地域住民にかりそめにも不信感が出てまいりますと、これが能率を逆に非常にスポイルするようなことにもなってまいるわけでございますから、そのあたりをよく指導いたしまして、万全を期したいというふうに考えます。
#174
○折小野委員 私どもも、できるだけ公社というような方法を使って民間の資本を活用したい、あるいは、場合によっては、民間のエネルギーを利用するということ、これは大切なことだと思います。しかしながら、それには、地方自治体とか、あるいは地域住民の立場というものを考えた一定の歯どめというものが必要であろうと思っております。さっき申し上げたような、株式会社組織による第三セクターというものにつきましては、究極的には歯どめというものはないのでありまして、ただ、その関係者の理解と、あるいはその方々の善意に期待をするということだけでございます。そういう点がうまくいっておる間はいいのでございますが、万一というときのことの問題がございます。そういう点も十分考慮しておく必要があると考えます。特に、ことしの春、世間が特に指弾をいたしました商社あたりの経済活動、こういう面を考えてまいりますと、民間資本のいい面ばかりであればいいのでございますが、ああいう面がいろいろと出てくるということになってまいりますと、国土の総合的な活用とか、あるいは有利な、特に、地域住民のための国土の健全な発展をはかるというような面にもいろいろと支障を来たすということも懸念されるわけでございます。
 したがって、こういう面を、ただ単に通産省あたりのアドバイスだけでそれぞれの地域が進められていくということでなしに、自治省におきましても十分関心を持っていただいて、指導面で遺憾のないようにしていただきたいというふうに考えるわけでございます。
 以上をお願いして、大体時間も来ましたので、私の質問を終わります。
#175
○上村委員長 次回は、来たる七月三日火曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後一時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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