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1949/02/09 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 大蔵委員会 第11号
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1949/02/09 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 大蔵委員会 第11号

#1
第007回国会 大蔵委員会 第11号
昭和二十五年二月九日(木曜日)
    午前十一時開議
 出席委員
   委員長 川野 芳滿君
   理事 北澤 直吉君 理事 小峯 柳多君
   理事 小山 長規君 理事 前尾繁三郎君
   理事 川島 金次君 理事 内藤 友明君
      佐久間 徹君    高間 松吉君
      田中 啓一君    苫米地英俊君
      西村 直己君    三宅 則義君
      田中織之進君    松尾トシ子君
      宮腰 喜助君    竹村奈良一君
      奧村又十郎君    中村 寅太君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 本多 市郎君
 出席政府委員
        (主計局次長)
        大蔵事務官   石原 周夫君
        (主計局法規課
        長)
        大蔵事務官   佐藤 一郎君
        (農政局長)
        農林事務官   藤田  巖君
 委員外の出席者
        労働事務官   亀井  光君
        専  門  員 黒田 久太君
        専  門  員 椎木 文也君
二月九日
 委員首藤新八君辞任につき、その補欠として今
 村長太郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 大蔵省預金部特別会計の昭和二十五年度におけ
 る歳入不足補てんのための一般会計からする繰
 入金に関する法律案(内閣提出第一〇号)
 農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんす
 るための一般会計からする繰入金に関する法律
 案(内閣提出第一七号)
 食糧管理特別会計の歳入下足を補てんするため
 の一般会計からする繰入金に関する法律案(内
 閣提出第一八号)
 失業保険特別会計法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第一九号)
 開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源
 に充てるための一般会計からする繰入金に関す
 る法律案(内閣提出第二〇号)
    ―――――――――――――
#2
○川野委員長 これより会議を開きます。
 農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、失業保険特別会計法の一部を改正する法律案、開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案、右を議題として質疑に入ります。竹村奈良一君。
#3
○竹村委員 私は失業保険の問題について伺いたいのでありますが、まずその前に現在日本の失業者が一体どれだけあるか。しかもその労働部門と農村にある潜在失業者の数字がわかつたら、お知らせ願いたいと思います
#4
○亀井説明員 私直接の担当の主管課長でございませんので、資料につきましては後ほど御提出いたしたいと思います。
#5
○竹村委員 失業保険受給者は常時三十万人を見込むということになつておりますが、そうするとこれは大体三十万人を計上されておるならば、二十五年度においては十分であると考えておられるかどうか伺いたい。
#6
○亀井説明員 昨年来の失業保険の受給者の状況を見てみますと、七、八月を境目としまして急激に増加して参つておるのでございまして、昨年十二月におきましては、三十六万人の失業者に対しまして十二億の保険金を支給しておるような事情でございます。しからば来年度におきましてどういう数字が現われて来るかということは、非常に推測はむずかしいのでございますが、われわれとしましては一応毎月三十万人を見ておきますれば、一応の救済の可能な予算としましては、百二十億を見込めばいいのではないかというつもりでございます。しかし御承知のように失業という情勢は、非常に突発的な状況によつて急激に変化して参る性質のものでございまして、そういう意味で予備金におきまして、多少そこに安全性を持つた予備金を持つということが必要になるのでございます。従つて来年度の予算におきましても、四十億円の予備金で、その突発的な緊急の事態を切り抜けるような措置を一応考えておるようなわけであります。
#7
○竹村委員 これはあなたに聞いてもどうかと思いますが、大体この法案だけで見るならば、もちろん政府の方では数学的にはいいのでありますけれども、現在全体の状態からながめますと、今言われました突発的な失業者というよりも、むしろそれは政府の今日の政策の中にすでに失業者がはつきり予定されているような――突発的でなしに、予定されているような政策がとられているわけでありますこれは御承知でありましようが、政府は大体、たとえば今度の官公庁なんかもまた再整理をやるといううなことが、新聞等において伝えられておるのでありますけれども、こういうような点に対して――大臣が来られましたらいいのですが、そういう点から検討して行かぬと、この問題は單にここへ現われただけでやつておりましても、問題は解決しないと思うのでありますが、そういう点についてわかつておりましたらお答え願いたいと思います。
#8
○亀井説明員 ただいまお話のありました行政整理の問題につきましては、まだ私としまして何ら知るところではございませんが、かりにそれが行われたとしましても、失業保険の対象としましては、現在の国家公務員は対象にならないのでありまして、ただそれに伴つて民間の企業整備がまたどういう程度に動いて行くかという問題は、一応考えなければならぬと思います。ただ御承知のように失業保険以外に、来年度におきましては公共事業の予算も千億近くになつておりますし、また失業対策事業におきましても、四十億の予算を計上して方法を講じておりまして、積極的にそういう雇用の増大という面は一応考えておるのでございまして、失業保険におきまして、それらの積極的の手段でもなお救済し得ないものについて、生活の安定をはかるという趣旨でございます。従つてそれらの積極的な雇用の増大によつて、どの程度のものがカバーされ、どの程度残るかという問題になりますと、先ほど申し上げたように、一応予算面では三十万人というものを対象としておりますが、事態の推移によりましては、あるいはこれがもう少しふえるのではないかということで予備金を計上しております。
#9
○竹村委員 それでは今度はこういうことを伺います。たとえば、これは具体的な事例ですが、今度の失業保険をかけている人で、市町村の農業会の職員等、そういう者まで含めた失業保険の対策ということですが、大体そういうところにいるのは女の人たちが多い。そうしてそこらにいるような女の人は、現在の状態では失業というような事態はない。そういう場合、もちろん相互扶助の関係で、当然負担しなければならぬという建前はわかりますけれども、それであれば国家予算の中から全部負担したらいいのです。ある特定な、当然そういう憂いがないという考えを持つている人からもとつているのでありますが、これに対しては何とか改善するような方法をお考えになつているかどうか。従来通りやられるかどうか伺いたい。
#10
○亀井説明員 ただいまのお話は保険の理論に関連する問題でございます。御承知の通り保険は社会連帯の思想に基きまして、相互扶助でやるということでございますので、その保険を組織しておりますいわゆる被保険者の中には、危険の度合いの違うものが当然ばらばらに含まれておりまして、そうしてお互いに安い保険料で高い給付を受けられるという仕組みになるわけであります。全部が全部危険の高い者ばかり入りますと、非常に高い保険料でなければ経済が成り立たないということになるのでありまして、その一部の中に危険性の少い者が入つているから、保険料が安くて十分な給付ができるということになるのであります。しからば絶対的に危険がない者はどうするか。これはもちろん本来保険の対象にすべきものではないのでありますが、お話がありました農業会の女子職員というものも、各個人にとつて絶対的に危險がないということは、必ずしも断定できないのであります。全国的に見まして、あるいは危険の少い者もあるかと思いますが、また危険のある者もあるのであります。そういう意味で、全体的な相互扶助ということから今適用しているのであります。ただ問題は、女子全体といたしまして保険料率を下げてはどうかという意見が、実は各方面にあるのでありますが、われわれが今まで業務を運営して参りました実績を見ますと、女子も十分この制度を利用しているのでありまして、被保険者の割合は、男子と女子は大体三対一の割合でございます。給付を受けます割合も大体三対一に近い割合になつておりますので、女子も大体この制度を利用しているということからいたしまして、特に保険料率を引下げるという気持も実は今持つていないのであります。
#11
○竹村委員 そうすると、二十四年度で大体総額としてはこういうように書かれておりますが、男と女とは三対一の割合で支拂つておるわけでありますけれども、こういう場合に、実際保険金を給付するところのいろいろな條件等について、巷間においては事務的な給付の方法について、いろいろ伝えられておりますけれども、実際にこの保険を受けて、今度その期限が切れてなお就業ができない、職にありつけないという場合には、すぐそのまま切られてしまうということ自体は、これは非常に困る問題でありますが、これに対してどういうように処置されますか。
#12
○亀井説明員 六箇月の給付期限が過ぎましたものについて、どういう対策をとるかという御質問でございますが、これは将来の構想といたしましては、完備しました社会保障制度が確立したあかつきにおきましては、そこに関連性を持つて参るのでありますが、現行法の範囲内におきましては、失業保険の給付期限が過ぎますと、ただちに新しい制度がそれによつて発動されて来るということは、今はないわけでございます。従つてわれわれとしましては、給付期限が過ぎたものにつきましては、できるだけ失業対策事業をそれに振り向ける、あるいは公共事業の方に就労あつせんするというのが、積極的な面でございますし、また消極的な面としましては、御承知のように日雇い労働者に対します失業保険制度が、本年の一月から実施されておるわけでありまして、その面でカバーする。日雇いの失業保険制度は、これはこの法の給付の期限に満たないような性質のものでなりまして、毎月々々更新されて参るわけであります。そこで本人に労働の意思と能力がありさえすれば、その保険の方で今度はカバーできるつもりでいます。
#13
○竹村委員 日雇い労働の方でカバーすると言われますが、失業救済事業ともいろいろ関係するのでありますけれども、現在の日本全体の失業からいいまして、いかに失業救済事業を開かれましても、全体を収容して行くようなことはできないと思います。これに対して、これは政府の方でどれだけ――失業者の何パーセントを収容できる見込みを持つておるかというような点がわかれば、聞かしていただきたいと思います。
#14
○亀井説明員 失業保険で救済し得ますものは、六十万人の被保険者をわれわれとしては一応推定しております。一体日雇い労働者が日本全国に何人いるかという問題につきましては、正確な調査資料がございませんですが、総理府の毎月勤労統計によりますと、大体昨年の十月で百十万という数字が出ております。一時は百五十万あつた月もございますが、大体百十万から百五十万、その中でわれわれの保険で救済し得るものは六十万人、これは御承知のように、公共職業安定所を利用し得る範囲内におる日雇い労働者を対象としておるわけであります。そのほかのものにつきましては、結局公共事業で、来年度約千億の予算でございまして、これで五十万人の雇用人数、それから失業対策事業費四十億で約十万人の雇用人数を持つておるわけであります。そのほか見返り資金関係におきまして、民間雇用で吸収し得るもの等を入れますと、大体推測されます失業者というものは、いろいろな各施策によつて吸収し得るのであるというように、われわれとしては考えております。
#15
○川野委員長 竹村君にお伝え申し上げますが、実は本多国務大臣は午後三時から見えるということですから、御了承願いたいと思います。
#16
○竹村委員 ではそのときに御質問申し上げます。
#17
○川野委員長 それでは農政局長に内藤君から質問があるそうですから、農林委員会が開かれておる中から特にこつちへ来てもらつたので、農政局長に御質問があれば、この際お願いしたいと思います。
#18
○内藤(友)委員 農業再保険特別会計のことについて二、三お尋ねいたしたいと思います。農政局長にお尋ね申し上げる先に、大蔵省の主計局次長にお尋ねしたいと思います。これはおそらくきのう大蔵次官がこの通り説明なさつたと思うのですが、この通りですか。
#19
○石原(周)政府委員 はい。
#20
○内藤(友)委員 そこでまずここに書いてあることからお尋ねいたします。
 この説明書の中の初めのページの終りごろに「差引九億一千五百二十万六千円の歳入不足を生ずるのであります。」こう書いてある。そこで私お尋ねしたいのは、これは実は「生ずるのであります。」というのは少し行き過ぎであつた。これは予定じやないかと私は思うのであります。しかし私は「生ずるのであります。」という言葉の中には、大蔵省のこの法律に対する態度というものが、にじみ出ているのではないかと思うのであります。と申しますのは、実は昨年はいろいろ災害がありました。台風でも大きなのが六つほどありました。それから中国、四国、近畿の方には病害があり、それから私の富山県、それから秋田県の方では病害、東北の一部では冷害などがありまして、去年は農作だというのに、局部的には作が非常に悪かつたのであります。ところが、およそこういうことは、実は年度の初めに予想されないのであります。今年は台風が幾つ来る、病気はどうなるのかということは予想されないのでありまして、来てから初めてこういう話が出て来るのであります。そこで私は九億一千五百二十万六千円という数字がここに出ておりますが、これがどういうふうな算定から出ているのか。これはあとからお聞きいたしますけれども、考え方といたしまして、こういう「生ずるのであります。」という考え方はどうか。そうしますと、私どもから申しますれば、大蔵省は予算の範囲内でこの制度をやるのだ。デラ台風が来ようが、キテイ台風が来ようが、今度は予算にないから、認めないという態度でこの法律を施行なさるのか。その心持をまずお聞きしたいのであります。それで私は昨日政務次官が説明されたとき、不幸にしておりませんでしたので、おそらくこの説明書通りなさつたのだと思いますが、「歳入不足を生ずるのであります。」という言葉が大蔵省のこの法律に対する態度ではないかと思いますが、そこを次長からひとつお聞きしたいのであります。
#21
○石原(周)政府委員 「歳入不足を生ずるのであります。」という言葉についておしかりをこうむりまして、はなはだ恐縮でございますが、その言葉の表現を申します前に、ちよつと実態に
 ついて申し上げた方がいいと思います。それはその説明の次のパラグラフをごらんになりますと、おわかりになりますように、「異常災害が発生した場合に備えて十二億五千四百五十四万
 一千円の予備費を歳出に計上したために生じたものでありますので、」ということが書いてあります。この詳細に
 ついては農政局長がおいででありますので、農政局長の方からいずれお答えがあると思いますが、農業共済の仕組みというものは、大体過去二十年であつたかと思いますが、その災害の統計によりまして、普通の災害、異常の災害、超異常の災害というような区分をいたしまして、おおむねこの再保険料の範囲内におきまして、過去二十年間に起つたような災害でございますれば、通常つくはずであります。ただそれに対しまして、それ以上の大きな災害が発生することが当然予想されますので、毎年その異常災害に対しまして、たしか五割増しであつたかと思いますが、増しの割合が違つておりましたら後ほど訂正して申し上げますが、二十年間の統計によりまして見ました異常災害に比べまして、あの割増しをいたしました災害の発生することを考えまして、その際に必要な保険金の支出を、ここにございます予備費として計上いたしたわけであります。この会計のできましたのは一昨々年であつたと思いますが、爾来常にその方法をとつて参つたのであります。そこで実は一昨年まではこの異常災害に対しまする分は、起るか起らないかわからないということになるので、法律によりましてもその財源につきまして借入金で支弁をいたすことになつておりまして、一昨年まではそういうような予備費に対応する借入金で支弁したわけであります。そこで二十四年度の予算編成にあたりまして、この際にはすでに一般特別各会計を通じまして、債務の増加をいたさないということにいたしましたので、従来借入金によつておりました財源を一般会計から繰入れまして、昭和二十四年度以来この方式を踏襲しております。そこでこの「歳入不足を生ずるのであります。」ということでありますが、これは今申しましたように予備費が全額入ります場合におきまして、従来の筋道で申しますれば、借入金以外の收入をもつてしては、この程度の金額の不足が生ずるという趣旨であります。それは従来のごとく借入金をもつて支弁いたしませんで、一般会計から繰入れをいたすということなんでありますが、今お尋ねの後半にございました一体それではこれ以上に災害が起るか。すなわち事務的な考え方といたしましては、先ほど申しましたような相当過去の久しい期間にわたります災害の実績によりまして、それにさらに相当大巾のリザーブを見ておるのでありますから、それ以上の災害が発生いたすということはめつたに起り得ないことでありまして、かりに今そういうことが起つた場合には、それ以上は拂わぬことになるかどうかという点でありますその点につきましては本来の筋道から申しますれば、これは正確な意味におきまする義務費という言葉は当らないかと思いますが、義務費あるいはこれに準ずるものに当りますので、もちろん歳出予算のない限り支出をいたすわけに参りませんが、それはその次の補正予算なりあるいは万やむを得なければ、年度を越して次の年度予算という形において、なさなければならぬ筋道のものと考えております。二十四年度の予算に計上いたしました予備金をもつてしては、まかなえるかどうかという問題が起つておりますが、その点をあるいは御承知の今の御質問と思いますが、それにつきましては今農林省と相談をいたしておるところでありまして、筋道といたしましては、予算がないからもうそれ以上に金を拂わないかというと、経費の性質から申しますとそういうわけのものではない。その点につきましては農林省と大蔵省の間に、十分に折衝しなければならぬと考えております。
#22
○内藤(友)委員 わかつたようなわからないような御答弁でありますが、そこで今ちよつと最後に触れられましたけれども、二十四年度の分であります。二十四年度程度の災害は私は毎年あると思うのであります。今日の農林行政からながめまして、またその他災害復旧費あるいは森林政策などからながめますと、私はこの程度の災害は毎年あるものだと思う。ところが二十四年度の災害につきましての保険金を実はまだお拂いになつておらない。政府負担にかかるものは私の計算では四億か五億が、まだお隣りの局長とあなたの方と御折衝だろうと思うのでありますが、いまだに拂つておらないという事実を聞いております。そうなりますと私はこういうふうな予算を立てられましても、その中に立てこもられるのはどうかと思うのでありまして、極端に申し上げますならばこの法律をこれからおやりなさるのかやめられるのか、それともなま殺しにしていいかげんにされるのかということを心配するのであります。現に地方におきまして非常に査定がきびしいのであります。正直に申しまして、おそらく作物報告事務所のいろいろ調査しておる以上に、保険については手きびしい査定をしておられるように見受けるのであります。そういうところからながめますと、この保険は農業政策から重要なものとして生れて来たのでありますけれども、妙なところに縛られておる関係からいたしまして、本来の農業災害保險たる目的を達せられぬような現状になつておるのであります。だから私は政府はへびのなま殺しのようなことをされるのか。それともいつそやめるのか。それともいやそうじやない、本来の目的通りしつかりやるのだというのかどうか。これは石原さんにお聞きすればいいのか、あるいは大蔵大臣にお聞きしていいのかわかりませんが、現状はへびのなま殺しのような程度になつておる。これが昨年の保険金を現在拂つていない現状だと思います。そこらあたりをよくお考えになつていただきまして、おそらく私は九億一千五百万円では足りないと思うのであります。これはどういう基礎計算から出て参つたのか。これはあとから局長からお答え願いたいと思いますけれども、とにかくこの法律の取扱いというものがまことに情ない状態である。だから大蔵省にお聞きしたいのは、これをほんとうにやりなさるのか、やめなさる
 のか、その態度をお聞きしたいと思うのであります。
#23
○石原(周)政府委員 ただいまお尋ね
 の点につきましては同感な点があるのであります。と申しますのはたしか一昨々年だつたかと思いますが、この制度が始まりまして、従来の農業再保険が取消しになりました。その際におきましてもただいま申し上げましたように、データーといたしましては過去二十年であつたと私記憶いたしておりますが、相当長期にわたります災害の統計によつておるわけであります。ただ先ほどおつしやいましたように、その後におきまする国土の保安と申しますか、すなわち治山治水がうまく行つておらないということのために、災害が増加しておるだろうという点は御指摘の通りでありますが、実は一昨々年を通じまして顯著な現象は、アイオンでありますとか、あるいはキテイでありますとか、連年非常に洪水の害が多いのでありますけれども洪水の害とは一応関係をしないと思われます麦の面におきまして、大きな赤字が出ておるという点であります。麦だけに責任があるわけでは実はないのでありますが、たとえば一昨年のごときは、相当風水害はあつたのでございますけれども、私の記憶しておりますところでは、実は米の方につきましては収支は悪くなかつたのでありまして、麦におきまして赤字を出しておる状況であります。それだけのことから結論いたしますととは非常に早計でありますけれども、私ども事務的に部内で考えておりますことは、どうも過去の統計と申しますか、すなわちこれだけの災害があつたということにつきまして、なお再検討を要する点があるのではないか。なかんずく麦の問題につきまして相当毎年大きい食い違いが出て参るということは、何らか統計の基礎におきまして、再検討を要する点があるのではないかということを考えておるのであります。この会計の一応の建前からは、異状災害におきまする食糧管理特別会計からの繰入れ、それは結局のところ一般会計までひつぱつて来ておるわけでありますが、そういつたものを別といたしまして、筋道は一応独立の会計でございますので、実際の災害率が非常に高いのであるということでございますれば、これは普通災害、異状災害、超異状災害、それらをみなひつくるめまして、全体の料率で再検討しなければならぬ筋合かと思います。ただいま御指摘のように私どもとしましては、毎年毎年こういうような問題を生ずるようでは、会計として非常に困つたことじやないか。そこで二十五年度の予算の編成の際におきましても、そういう点において根本的な再検討をしようじやないかということで、実は保険特別会計ではございませんけれども、作物報告事務所の方の予算におきまして、若干そういうような実情調査をする経費を特に入れておるわけであります。それによりまして、はたしてこの保険の計算の基礎になつております料率、あるいはその前提であります災害率というものが、適正であるかどうかということを十分に見まして、今御指摘のような筋道が通つた、大手を振つて歩けるような会計にしたいということは、私ども非常に同感でありまして、農林省にただいま申入れを出しております。何分にも非常に古い時代からの数字でございますので、そう短かい期間に期待し得るような結論が出ないのでありますが、われわれとしましては本年度の実行におきましても、来年度の問題としましても、そういうような根本的な点を考えなければならぬだろうというふうに考えております。
#24
○内藤(友)委員 農政局長にお尋ね申し上げたいのでありますが、二十四年度の災害の保険支拂いはどういう状況になつておりますか。地方ではまだ支拂われてないので、非常に困るといつておるのでありますが、ありていのことをお知らせ願いたいと思います。
#25
○藤田政府委員 昭和二十四年度の水稻の被害に対しましての保険金の支拂いでございますが、いろいろお話の出ておりますように、二十四年におきましては、麦が暖冬異変のために相当大きな災害が出ました関係もございまして、水稲に対する被害も、先ほどございましたような風水害あるいは病害等が発生をいたしまして、現在政府として支拂わなければなりませんところの再保險についての財源が、手持保険料とその再保険金の見込額と比べますると、大体四億程度の政府の不足額が生ずるようなことに相なります。なおまた共済組合連合会の責任額として支拂わなければならないところの保険金につきまして、約八億円程度の不足額が生じておるのでありまして、この二つの問題につきまして、現在一つは政府不足額につきましては、これは大蔵省の主計局方面、それから連合会の不足額については、これは大蔵省の銀行局、結局問題は農林中金からさしあたり融資を受ける以外に方法はないと考えますので、それについて銀行局なりあるいは日銀当局とも懇談をして、いろいろお願いをいたしておるわけであります。昨日もずつとこれで各方面をまわつておつたのであります。大体私どもの見通しとしては連合会の不足額八億円、これについては農林中金も、現在はその手持資金でこれだけ出せないということではないけれども、やがて来る預金の引出し、それに備えて、それに不足を生ずることがあつては困るから、その際預金部からの預託等の何らかの保証でもほしいというふうなお話であるわけです。大体銀行局方面にも昨日お願いをいたして参りました。が、そういうときには何とか考えていただくように私どもは考えております。従いまして連合会の不足額のこの問題については、大体の見通しとしては何とか行けるのではあるまいかというふうに考えておりますので、さらに至急にこれが決定いたしますように、努力をいたしたいと考えております。
 それから政府の不足額の問題であります。これにつきましては、一方再保險金の見込額をなお一層よく確定をするという問題、それから不足額があつた場合に、これをいかなる方法によつて出して行くかという重大な問題につきまして、昨日主計局長にもいろいろお話をしたのであります。まだはつきりしたところまでは参つておらないのでありますが、私どもといたしましては、すでに発生いたしました災害について、政府のいわば一つの義務として、どうしても損害のありました場合には、これを出して行かなければならぬと考えますので、大蔵省方面の御了解を得まして、これがぜひ早く決定をするように一層交渉をして参りたい。かように考えておるわけであります。
#26
○川野委員長 内藤委員の質問中に恐縮でございますが、議事の関係しただいま議題といたしておりまする法案に対する質疑はあとまわしにいたしまして、大蔵省預金部特別会計の昭和二十五年度における歳入不足補てんのための一般会計からする繰入金に関する法律案を議題といたします。本案につきましては、すでに質疑を終了いたしておりますので、これより本案を議題として討論に入ります。討論は通告順によつてこれを許します。田中織之進君。
#27
○田中(織)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、大蔵省預金部特別会計の昭和二十五年度における歳入不足補てんのための一般会計からする繰入金に関する法律案に対しまして、反対の討論を行わんとするものであります。
 政府が現在本院に提出いたしております昭和二十五年度の予算案におきまして、この点を計上いたしておるわけでございますが、われわれは現内閣の目下国会に提出いたしております二十五年度予算案全部に対しまして、反対をいたしておると同じ立場におきまして、この予算案の一環をなしまする大蔵省預金部特別会計への一般会計からの繰入れに関する法律案に対しましても、反対をするものであります。ことに政府が予算案の説明という形において、われわれの手元へ提示しました資料によりましても、ことに預金部資金のいわゆる資金コストと運用利回りとの関係から見まするならば、われわれはこうした一般会計から、たとい三億何がしかのものにしろ、繰入れをしなければならないというような歳入不足を生ずるということは、理解できないのであります。具体的に数字を申しまするならば、政府の説明資料として出しました中でも、二十四年度は資金コストが八分八厘四毛、それが五分六厘五毛で運用したために、三十何億かの一般会計からの繰入れを必要としたのであります。本年においては資金コストは六分八厘一毛であるということを示しておるのでございます。もちろん運用利回りが六分六厘四毛ということで、その間一厘七毛ばかりの差がございまするから、そうしたところから三億何がしという歳入不足を生ずるのだという結論になるのかもしれませんけれども、御承知のように預金部資金は郵便貯金を主とした大衆の預金でありまして、これがきわめて今日われわれが期待しているような運営方針をとられておらないという点とも関連いたしまして、われわれはこの預金部資金の歳入不足に対する一般会計からの繰入れに反対するものであります。
 さらにこれは二十五年度の予算案に関連して、二十五年度中にこの程度の歳入不足を生ずるだろうという見込みによつて、あらかじめ法律をつくつておこうというのでありますけれども、大体従来はこうしたことはやはりその年度の途中において、歳入不足が出るという見込みがある場合に、補正予算なり、あるいはそのときの補正予算を計上するにあたつての法律案を提出するというのが、従来の大蔵省のやり来つた方針であつたと、われわれは了解をしておるのでありますが、こうした年初から歳入不足が出るという見込みのもとに預金部資金の運用をやるのでは、どうしてもこの歳入不足はまだまだ大きくなる見込みをわれわれは持つのでありまして、その点預金部の資金運用についての責任態勢が、十分こうしたことを認めることによつてとり得るとは考えられないのであります。その具体的な事例がたとえば薪炭特別会計、あるいは食糧管理特別会計への、最近相次ぐ一般会計からの多額の繰入れの問題を見てもわかるのであります。ことに薪炭特別会計のごときは、清算過程にある間に、一般会計からの繰入れという方針を、大蔵省並びに農林省が示したことによつて、その薪炭特別会計のあのでたらめな赤字の精算がほとんど行われておらない。国民の血税をもつて薪炭特別会計の赤字を補填する結果、比較的今年の冬はあたたかいからまだ恵まれているようなものの、薪炭を使用しなければならない国民が、実に大きな二重、三重のめいわくをさせられていることを考えてみます場合に、預金部特別会計は薪炭特別会計とは性質は異なりますけれども、ことにこの預金が、郵便貯金を主といたします零細なる大衆の蓄積であることを考える場合に、われわれはこれを見のがすわけには行かないのであります。そういう意味で前段にも申しました通り、われわれは大衆收奪の上に、独占資本と金融資本の安定をはかろうとする吉田内閣の露骨な階級的予算案に、反対すると同様な立場におきまして、遺憾ながらこの大蔵省預金部特別会計へ昭和二十五年度において一般会計から歳入不足の三億数千万円を繰入れるということを、あらかじめ承認する本、法律案に対しまして、社会党としては一反対するものであります
#28
○川野委員長 竹村奈良一君。
#29
○竹村委員 私は日本共産党を代表いたしまして、この大蔵省預金部特別会計の昭和二十五年度における歳入不足補てんのための一般会計からする繰入金に関する法律案に対して、反対を表明するものであります。
 先ほど社会党の田中氏からも言われましたごとく、本預金部の資金というものは、おおむね郵便貯金あるいは簡易保険とか、大体国民大衆の零細な金が集められてこれを構成しているのです。しかもこれの貯蓄にあたつて、預かる場合の利子は超低利子でありまして、実に現在では考えられないような低い利子で預かつている。そしてこれをいろいろな形において貸し出していますけれども、この貸し出している方面を見ましても、もちろん地方の起債とか米穀証券等にも貸し出されておりますけれども、その大半をなすものは国債証券であり、あるいは特殊銀行への融資であります。しかもこういうような融資が行われていること自体が、現在の経済組織そのものが、そういうような機構を通じて、特殊銀行とかあるいは国債とか証券とかいうものを通じて、今日の独占資本の利益を擁護するために運営されていることは、これは自明の理であります。しかもそういう方面に使われながら、二十四年度を見ますれば、たとえば株式のてこ入れに対して、百億円というものがいろいろな形において使われているということで、不足を生じているような現状であります。なお政府は米穀証券とかあるいは地方起債に充てているではないかと言われますけれども、しかしながらそれは大衆から安い利子で取上げて、そうしてこの特別会計というトンネルを通じて、高いもので貸しているにすぎないのでありまして、自分の金に自分で利子を拂つている結果に、事実においてはなつているのであります。こういうような形で一方においてはやりながら、一方においては自分たちというよりも、独占資本の都合のいい方面に安い利子で使つて、その穴埋めとして一般会計から繰入れるということは、われわれとしてはどうしても了解できない。しかもこの一般会計からするところの金、つまり国民の税金というものは、今日どういう形でしぼられているか。どういう形でとられているか。今日の税金が非常に大衆からの大きな収奪であるということは、もう毎日の新聞紙上その他のいろいろな面において、これが強調されているときでありまして、しかも今日のとられている税金が、あの税制のもとにおいてとられるならば、国民生活が成り立つて行かないことははつきりしている。そういう金を大資本あるいは独占資本の利益のためにする方面に使われたしりぬぐいに使われる。そういう方面には遠慮会釈なく、わずかに三億何ぼと言いますが、使われますけれども、ほんとうに必要な部面に対しては政府はなかなか出していない、こういういろいろな点から考えても、今日提出されている予算案に対しても共産党は絶対反対している建前からも、本案に対しても反対せざるを得ないのであります。
#30
○川野委員長 前尾繁三郎君。
#31
○前尾委員 私は民主自由党を代表いたしまして、大蔵省預金部特別会計の昭和二十五年度における歳入不足補てんのための一般会計からする繰入金に関する法律案に対しまして、賛成の意を表するものであります。
 ただいまいろいろ反対の討論がありましたが、しかし現在のインフレの状況から考えますと、いずれにいたしましても一般の金融機関は非常に採算に悩んでいるわけであります。しかもその間にいろいろ合法的な不正と申しますか、そういうようなことでやつているような向きもあるのでありますが、政府の投資といたしましては、あくまでも預金部の性質にかんがみまして、低率な投資をやらなければならぬ。しかも零細な金ではおりますが、しかし預金利子といたしましては三分四厘四毛でありますか、必ずしも安い利子を付しているわけではありません。従つて今までの経過としては、こういう赤字が出ることはやむを得ないのであります。なおかつ本年度よりは、来年度においてはその赤字の補填の額も少くなり、かつまた今回の法律によりますと、将来これを必ず返すというような措置も講ぜられておりますので、私としましてはこの法律案はやむを得ないものだと考える次第であります。
 しかしただ現在の投資されている融資の先が、もちろん地方還元の原則に従つて地方債の投資が大部分を占めてはおりますが、しかしいわゆる庶民の零細なる金でありますので、庶民金融として相当働いてもらうことを期待いたしているのであります。なおまた採算の点についても、もちろんそれは郵政省に対して相当な事務費を繰入れているのでありますが、それらの関係においてもまだまだ努力していただく余地があると思います。従つて私はぜひ今後の投資について十分反省もされ、御考慮も願いたいのであります。またあらゆる特別会計が独立採算をやつているのでありますから、一日も早く、少くとも来年度において繰入れを要ることのないように、努力していただきたいと思うのであります。
 そういうような希望を持ちながら、現在までの経緯を考えても、今回の繰入れば万全を期するという意味において、賛成せざるを得ないものであります。以上をもちまして、私は本案に賛成をいたす次第であります。
#32
○川野委員長 宮腰喜助君。
#33
○宮腰委員 私は民主党を代表いたしまして本案に反対をするものであります
 政府はごく最近に至りまして、昨年の第六国会あたりから、ひんぴんとてこの一般会計から特別会計に繰入れることをたびたび繰返しおります。昨年の食管法の問題、薪炭特別会計のような問題、こういうように特別会計が独立採算制をとりながら一般会計から繰入れるというようなことは、結局将来返還されるといいながらも、実際においてはこれは赤字になる傾向がある。この赤字は結局国民の血税によつてまかなつている関係上、ひんぴんと行われるところのこの一般会計から繰入れるということは、非常に今後の税制上にも重大な影響があるのであります。また預金部資金は大体郵便貯金から集められた金でありますが、地方の零細なる金を地方の産業なりあるいその他の投資に対しては全然顧みないで、この資金を政府がかつてに流用するというようなことは、今後非常に注意しなければならない点であるのじやないかと思います。ことに中小工業資金の問題については、たびたび預金部資金より特に興銀債なりを引受け、中小工業資金をまかなつてほしいということを、再々委員会にお願いしてあるにもかかわらず、こういうものが全然顧みられておりません。またわが党はこの予算の問題についても反対しておる立場上、本案に対してはとうてい賛成しがたいのであります。簡単ながら反対討論をした次第であります。
#34
○川野委員長 内藤友明君。
#35
○内藤(友)委員 私はこの法律案に反し対をいたすものであります。
 さきの反対論者がそれぞれ申されましたから重ねて申し上げませんが、ただ最近、特に最近、この預金部資金の運用というものが、非常に私どもから申し上げますと不満でならぬのであります。昨年の年末には株のてこ入れ資金として百億、また過日の新聞の伝えるところによりますと、二百億の滞貨資金をお出しになつたということで、これは私は何も竹村さんの保守反動とか何とかいう御意見にくみするものではございませんけれども、何となくそこにこのごろになりましてすつきりしないものがある。昔は預金部の金は土地改良であるとかあるいは自作農の創定の資金であるというふうな、何となく私どもが考えて味のある方面に使われておつたのであります。その当時はまだ資本主義のはなやかな時代でありましたけれども、この零細な金を地方還元という名において、まことに味わいのある農村社会施設のためにいろいろ使われておつた。ところが今日はまつたくそういうことがなくなりまして、金を使うとなれば株屋さんのためだとか、あるいは何か大きな金融機関が滞貨を持つて困つておるから救済するかいうことでありまして、何としても近ごろの歩みに対しては私どもは承服しかねるのであります。その意味におきまして、またほかにも理由がありますが、これは皆さんと同様になりますから申し上げませんが、私どもはどうも賛成することができない。静かに前尾さんの討論を聞いておりますと、前尾さんも反対のようでありますが、しかたなしに賛成しておるようであります。まあその苦衷はお察しするのでありますが、私もそういう意味において反対するのであります。
#36
○川野委員長 これにて討論は終局いたしました。
 これより採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#37
○川野委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
 なお報告書作成の件につきましては委員長に御一任願いたいと思います。
#38
○川野委員長 それでは先ほど議題といたしました農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、失業保険特別会計法の一部を改正する法律案、開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための、一般会計からする繰入金に関する法律案を議題として質疑を続行いたします。竹村奈良一君。
#39
○竹村委員 先ほどの農業共済再保険特別会計の問題に関連してお尋ねいたしますが、先ほど大体連合会が赤字になつておるのは八億円ある。これを中金あるいはその他の方から出資を受ける構想でやつておられる。非常にけつこうなことでございますが、しかしそこでひとつお聞きしたいのは、現在八億円ある赤字、これは中金やその他から何とかして融通を受けられる。しかしこれは続いて起るであろうと私たちは思うのでありますこの赤字というものは決して減つて行くのではなくて、現在の状態から申しますと、続いて今後も赤字が出て来るのじやないかと思う。連合会はおそらくこういう調子で行くと赤字続きだと思うのであります。これは私の見解でありまして、いや赤字ではないと言われては別でありますけれども、おそらくそういうことはない。赤字続きだと思いますが、これに対する恒久的な対策、つまりこれをひとつ国家で負担するとか何とかいう対策を立てなければならないような段階に来ておると思うのでありますけれども、これに対して政府はどういうふうな見解を持つておられるかをお聞きしたい。
    〔委員長退席、前尾委員長代理着席〕
#40
○藤田政府委員 御承知の通り保険の問題は、二十年の長期にわたる統計から長期バランスをとりまして、そこに保険料率を算定しておる。そしてさらにその料率は五年目ごとにこれを改訂しておる、そういうふうな関係でやつておるのでありますが、最近御承知のように災害が非常に多く起りましたために、一時的な不足を生じておるわけであります。私どもは必ずしもこれを赤字だとは考えておりませんが、しかしこれは議論のわかれるところであろうと思います。私どもといたしましても将来の料率改訂というような場合には、やはりそういうふうな従来の実績も考慮いたしまして改訂をして行き、特別会計もやはり何と申しますが、バランスをとるような考え方に進まなければならぬと思うのであります。しかしながら一方またさらに飜つて考えますと、現在農業経営というものは非常に押し縮められた。ことに米価についても消費者側の関係等もございまして、必ずしも農家の満足するような程度にもきめられておらないような点もあるわけであります。一方農業の生産費というものがだんだん上つて参る傾向になつております。従いまして私どもといたしましては、やはり農家経営に対する負担という面も考えまして、これを考慮しなければならぬと思うのであります。そこに広く農業政策というものが、やはり社会政策的な見地も織り込んで考慮されなければならぬと、私どもは思うのであります。この制度も農業保険法から農業災害補償法となりました趣旨も、そういう点にあろうと考えるのであります。従つて私どもといたしましては、ある程度の特に特殊の場合において、異常災害が発生をいたしましたような場合には、当然不足額も生ずるのであります。そういう際の保険金の支拂いに事欠かさないというためには、やはり何か一つの基金制度というふうなものが設定せられまして、その基金によつて支拂金に支障を生ぜしめないような対策も講じて参りたいということで、従来ともこの点につきましては特別会計に一つの基金を持ちたいというふうな事柄で、大蔵省方面とも交渉をいたしておるわけであります。これも財政その他の事情もございまして、私どもの思うようにも行かず、なかなかむずかしい点もあるわけであります。私どもといたしましてはやはりそういうふうな根本的な問題は、今後とも主張は続けて参りたいと考えておりますと同時に、なお一方特別会計の面におきましても、料率の算定その他についてやはり改善を要するというような点につきましては考えて行く。その両方の面をあわせ考えて行くことによりまして、将来とも特別会計が支障のない運営をして行けるように持つて参りたい、こういうように考えております。
#41
○竹村委員 今の御説明を聞いておりますと、一応理想的な案を立てておるというよりも、むしろ考えてるというだけにすぎないのでありますけれども、現実の問題は、これは農政局長も十分お考えになつておることと思いますが、おそらく今日のような土地改良あるいは災害復旧の復旧ぶりでは、政府のやつておるやり方だけでは、これは毎年災害がおそらくこれ以上にふえるということははつきりしているわけである。従つて五年間ごとにこれは改訂して行くと言われますが、しかし待つている間、五年もたつ間に八億円のものが十億になり、二十億になり、三十億になつて行く、私たちはそう考えるのですが、それを一応中金その他から融通を受けるというよなことになつて参りますと、これに対する利子なんかも、おそらくこれは結局においては連合会の負担になる。それは結局農民の負担になると思うのでありますけれども、そういうふうになつて参りますと、先ほど農政局長も言われたように、米価やいろいろな点から見ましても、農家経済というものは成り立つて行かない。その上に保険金をかけて、その災害の分、また不足になつた赤字の分の利子までも、こちらで農民の方へ転嫁させて行くということになると、結局においては保険料率の値上げのような形になつて来ると思うのですが、これに対して政府はおそらくこういう八億の融資をされる場合でも、何かこれはむりしてでも出すような方法を講ぜられておるのか。あるいは補助金でも出すような方法を講ぜられておるのか。その点を承りたい。
#42
○藤田政府委員 これは無利子というわけにも行きませんので、やはり融資というような考え方で、現在農林中金に対しましてはお話をしておるわけであります。なお本二十五年度の料率の問題につきましては、たとえば麦につきまして私どもといたしましては、虫害も今度は保険事故に入つて行くような関係もあります。従来麦についての災害が非常に多くあり、その方面の不足額が多くなつておるわけであります。これはある程度の料率の改訂もいたすというようなことで、現在その率その他についていろいろ検討いたしておるわけであります。
#43
○竹村委員 そうすると、つまり保険率というものの改訂は考えられておるが、今度は保険料の問題は、大体現在でも保険料は高いというのが一般農民の考え方であります。それは必ずしもその額が高いというのではなしに、農業経営全体から見て、あの保険料は高いという考えを農民は持つているわけであります。従つて災害の起らぬところでは、強制加入をやめてもらいたいということであり、災害の多いところでは、これだけ保険金をかけて災害でもらうけれども、もつともらわなければ償わぬというところと、二つが農村側からは出ているわけだと思います。これに対して一体政府はどういうふうに考えておるか。根本的に立てなくては、結局このままで行くと、あまりすかれぬ災害保険というようなことになるかもわからない。従つて先ほど申しましたように、農業経営からいつて高いと言つているのですから、片方においてはこれは農政の方になりますが、米価を上げて、農業経営が引合うような形に農政を持つて行くならば、あながちこれは高いことはないということになるのですが、これは現在の吉田内閣が五年も六年も先まで持つとは考えられませんので、現在一体どういうように考えておるかということを伺いたい。
#44
○藤田政府委員 先ほども申し上げましたように、一方料率の改訂ということによつて、特別会計を健全化することも考えなければならぬのでありますが、お話の通り農業経営の面から行きまして、それがはなはだしく負担になるということであつては、農家としては耐えられない。また強制加入の制度にもなつているわけでありますから、そういう点も考えまして、おのずからなる限度があることであると思います。従つてそういうふうな意味合いから行きまして、どうしても農家の負担に耐えられないというふうなことになます部分については、私どもとしましては、やはりこれは長期のバランスということを考えなければならぬ。長期バランスで行きますと、災害のある年もない年もあり、おのずからバランスがとれるわけであります。あの年次において不足が生じましたような場合については、やはり基金制度というようなもので、さつそく処理するような方向に持つて行きたいと思つております。
 それからもう一つ災害というものは、人力によつていかんともしがたい災害もあるわけであります。それからまた災害によつては、なお積極的な防除をすることによりまして、ある程度はこれを防ぎ得ると考えております。従来はたとえば病害虫というふうなものにつきましては、農家は何と申しますか、あるいは運命的な考え方で、しかたがないというふうにあきらめている部面もあるわけでありまして、積極的にはさらに防除体制をとることによつて、その被害率を減少せしめることは可能であると思います。従つて私どもといたしましては、一方そういうふうに人力をもつて防ぎ得るところの災害防止対策を積極的にやる、それによつて災害の事故を少くするという方面にも、努力を注がなければならぬと考えております。そういうふうな点につきましては、二十五年度におきましても植物防疫法を制定いたしまして、それによつて病害が発生いたしました場合には、国がそのものについて積極的にやる。あるいはまた噴霧器その他を貸與いたしまして、これによつてすみやかに徹底した防除策をとるというようなことで、そういうことについてもまた共済組合の活動を積極的に促しまして、災害を少くするというふうな方面にも施策をいたしているわけであります。いろいろな施策をあわせ講ずることによりまして、農家の災害も少くし、また農家経営を非常に不安ならしめるようなことも避け、ひいてこの災害補償制度は、農業経営の安定と農業生産力の増強に、非常に力強い裏づけの施設になつておりますので、その面は今後も積極的に体制は整備して行きたいと思つております竹村委員この料率につきまして、大体保険金の率をきめられる場合に、災害の多いところと、先ほど言われたたとえば二十年平均かあるいは五年平均か知らぬが、その率によつて、甲乙丙丁というように等級をわけておられるのですが、そういたしますと、これは災害保険の性質から考えまして、そういうことはどうかと私は思うのです。たとえば災害のところは料率が非常に高い。ないところは安い。これは当然のように聞えますけれども、しかし相互扶助というこの精神から見ますと、災害をたびたび受けるところは非常に迷惑する。これは保険金をもらつたところでまだ損です。その損の上になお保険金をかける。そしてまた災害のないところは、かけておつても実際は農業政策全体から言うと助かるわけです。それを安くするということになると、つまり問題は、これも先ほど言いましたように、農業経営というものが引合うものであり、現在の経済に沿うものであれば別でありますけれども、しかし引合わないような形でとられるものであれば、農家は迷惑するのであります。問題は、根本的に言うならば、こういう農業政策が完全にでき得ない現在の経済政策のもとにおいて、自立経済を立てて行かれる政策を立てられるならば、もちろん個人の負担でもいいわけでありますけれども、現在のように、先ほどからいろいろ農政局長が言われているように、たとえば米価一つにしましても、生産費を償わないということははつきりしている。これはちようど昔地主がとつた年貢米と同様なことをやつて、政府がとつておることだけははつきりしておる。その上に保険金をまた強制的にかけることは大きい矛盾であつて、現在のような制度が続くならば、当然保険金なしでも災害は全部政府が補償しなければならぬ、こう私は思うのです。これはむりかもしれませんが、現在の保険料率をかえて、農家には負担にならぬようにもつと軽くして、そうして国家の負担をもつと大きくするというようなことを考えておられるかどうか。聞かしていただきたいと思います。
#45
○藤田政府委員 それは先ほども申しましたように、一応保險料率についても、やはり特別会計で健全にやれるようなことを考えなければならぬ。しかしながら、それは農業経営の面からしておのずから限度があるほかの産業と農業とは性質が違うものでありますから、国家がやはりこれに対して一定の保証を與える、そういう両方の面をこの農業災害補償法については考えて行かなければならない。これは先ほどもお話がございましたが、保険料は農家からはとらないで全部国が持つと申しましても、現在の財政状態からいたしますと、非常にむりなことでありまして、やはり農家も耐え得る程度のものは持つ。そうしてどうしても耐えられないものについては国がめんどうを見る。現在でも負担割合いは農民が五三・六六%で国が四六・三四%であります。大体半分国が持つておるわけであります。従いましてやはりこれは両方の面を考えながら、そのときどきの財政事情に応じまして、また農業のそのときの状況から判断いたしまして、考えて行かなければならぬというふうに思つております。
#46
○内藤(友)委員 ちよつとさつきの続きをお尋ねしたいのですが、お尋ね申し上げようと思つたことのうち一、二竹村君からお尋ねがあつたから、それはやめておきます。
 そこでお尋ねしたいのは、やはり料率の問題でありますが、単作地帶の料率を下げろという声が、単作地帶の十一県から非常に強く叫ばれておるのであります。これは単作地帶なるものの本質から考えて当然だと思うのでありまして、今日の供出の状況から考え、下げてやらなければならぬものだと思うのでありますが、そういうことにつきまして、政府ではどうお考えになつておられるか、それをお尋ねしたい。
#47
○藤田政府委員 単作地帶は特に経営上不利な点がいろいろございますので、対策は講じて行かなければならぬと思つておるわけであります。保険に関係する面につきましても、そういうふうな問題が従来もあることは承知いたしております。しかしながら他と異なつた料率を採用することについては、まだいろいろ検討をいたさなければならぬ点も多あろうかと思つております。その点についてはまだ研究中でございまして、私どもといたしましては、はつきりしたことが申し上げられない段階にありますので、さよう御承知を願います。
#48
○内藤(友)委員 それはわかりました。さつそく御研究いただきまして、ぜひ単作地帶独得の料率をきめていただきたいと思うのであります。
 これは石原さんにお尋ね申し上ぐべきことかも存じませんが、この保険の掛金というものは、元来は消費者が全部負担しなければならぬ性質のものだと私は思います。当初この保険金は消費者価格の中に入つておつたのでありまして、それが政府の方に横流れした形でありますから、今度もう一度消費者に負担をかけて、そうして農家の掛金を少くするというふうなことにして行けばいいのじやないか。そこに料率引下げの一つの具体的な手があるのではないかと思うのでありますが、それはどういうことでございましようか。
#49
○石原(周)政府委員 ただいまお尋ねの保険料の負担を消費者にかけるという点でありますが、今内藤委員がおつしやいましたように、本来この法律の建前からいたしまして、先ほど農政局長から言われましたように、約半の割合になつておりまして、国自身が一般会計において負担いたすという建前になつていなかつた。ところが御承知のように昭和二十三年に、消費者米価をできるだけ安くしたいという趣旨からこの法律に附則を設けまして、例外的に昭和二十三年度限り米価に織り込まないで、一般会計から繰入れるという形にいたしたわけであります。爾来二十四年度も同じことになり、また今この案と同時に予定せられております食糧管理特別会計における歳入補填の法案によりまして、十五年度も同様に一般会計から入れまして、消費者の負担にはいたさないことに相なつております。あるいは後ほど御議論になるかとも思うのでありますが、この法案に現われておりまするように、政府の今の考え方といたしましては、これは一般会計の負担とせず、消費者負担といたすという従来の原則は、依然としてこれを尊重いたしておるわけであります。従いまして今後米価をきめる場合におきましては、内藤委員のお尋ねのように、消費者米価の方に織り込んで参るおそれがあるのではないかと思います。その際消費者、生産者の負担割合につきまして、また議論をいたす機会があると思います。いずれにいたしましても、従来のように一般会計の負担にいたすという事態が二十五年度も続くのでありますから、二十五年度の実行上において、いろいろ考えなければならぬ問題があると思いますので、その際にお願いいたしたいと思います。
#50
○内藤(友)委員 大体お尋ね申し上げたいことは盡きたのでありますが、最後に、二十四年度の保険金をすみやかに支拂われるよう、これは石原さんの方にもお願いして、私の質問を終ります。
#51
○三宅(則)委員 幸い農政局長がおいでになりますからちよつとお伺いいたしたい。
 農業共済再保険特別会計の歳入補填に関する一般会計からの繰入金でありますが、ここに書いてあるのを見ますと、歳入不足が九億一千五百二十万円となつております。歳入歳出予定計算書を見ますと、歳入一般会計からの受入れが十億二千九百二十万五千円となつております。その内訳を見ますと、災害発生による支拂金が九億一千五百千円、農業災害補償金が一億一千三百万円、こういうふうに解してよろしいでしようか。わかりましたら明細を承りたいと思います。
#52
○石原(周)政府委員 お答えを申し上げます。ここにあります九億一千と十億何がしとの差額でございますが、九億一千の方は、その説明で申し上げましたように共済プロパーの不足額でございます。差額の一億何がしは、これはこの間の議会で補正予算の際に法律として御審議願つたと思いますが、蚕繭共済につきまして、従来蚕糸業者の負担でございましたものを、繭、生糸の公定価格が撤廃になりましたので、国の負担といたしました。従つてその系統に属します本来の府県掛金、それが一億何がしでありまして、両者合せて十億何がしになります。
#53
○三宅(則)委員 今局長が仰せになりましたが、そういうようなことを何か明細に書いてお出し願えれば、われわれの審議の上に非常に便利だと思います。それから先ほど来しばしば各委員から質問がありました農業共済再保険につきましても、私は将来のことを考えまして一応明細なことを承つたのでありますが、各府県別に多少変化がありましようと思います。そういうものもお示し願えれば仕合せだと思います。
#54
○藤田政府委員 ただいまの御質問の点につきましては、資料を整えまして提出することにいたします。
#55
○前尾委員長代理 それでは委員会を休憩いたしまして、二時半から再開いたします。
    午後零時二十四分休憩
    午後三時十分開議
#56
○川野委員長 午前中に引続き会議を開きます。
 農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、失業保険特別会計法の一部を改正する法律案、開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案を一括議題として、質疑を続行いたします。三宅則義君。
#57
○三宅(則)委員 私は先ほど委員長の申された通りの農業共済保険並びに食糧管理あるいは開拓者資金、この三案につきましては、後日農林当局から詳細承りたいと思いますが、せつかく労働省関係の方がおいでになりましたから、この際失業保険に関係いたしまして、今日日本国中の大都市を初めといたしまして、各地に失業者が続出いたしておると私は確信いたしておりますが、それにつきましてまだ資料をいただいておらぬと思いますので、各府県別にもしありましたならば承りたい。なぜならば、私どもの選挙区にも関係のあることでありますが、ことに失業対策といたしまして、その対策を講ずる必要があると思う。つきましては、これらに対する大蔵省当局の関係もありましようが、現今の失業者の数とかあるいはその見込数とか、あるいは各地にあります職業安定所におきましての登録になつております失業者の数等がありましたら、この際承れればけつこうであると思います。
#58
○亀井説明員 失業者の数につきまして、現在のわが国で一番正確な統計と見られますものは、総理府統計局で発表しております労働力調査というものがございます。ここで毎月調査をいたしまして、そこで失業者の数を出しておるのが一つございます。それからもう一つは公共職業安定所の窓口で、求職者と就職者との割合、すなわち求職者の中で就職できなかつた者、それがすなわち失業者。この二つが、一番確実な数字としてつかめるのでございまして、そのほかの数は実は正確な資料としてはないのでございまして、ただ推定で知り得るというだけでございます。それで今お話の点で各県別ということでございますが、公共職業安定所において把握する失業者の数はわかると思います。いずれ後ほど資料として提出いたします。
#59
○三宅(則)委員 今大略承つたのでありますが、私は全国各地をまわつて来まして、どういうところにはどういうような失業対策を講ずるかということの前提條件といたしまして、東京、大阪というような大都会のみでなく、各地域において失業者の数を把握してもらうことが一番かんじんである。かように考えております。ところで私の承るところでは――寡聞でありまして、あるいは当を失しておるかもしれませんが、職業安定所が愛知県なら愛知県の県庁にこれを報告し、県庁はまた本省にこれを報告すると言つております。しかしその報告いたしましたものの数につきまして、失業対策費の割当とか、あるいはその事業というものに対しては、予算をとるということになりておるだろうと思うのでありますが、この辺についての今の御感想を承れればけつこうであると思います。いかがでございますか。
#60
○亀井説明員 ただいまの御質問は、失業の趨勢を勘案して対策事業の予算の配当をやつておるか、どうかというふうにお伺いしたのでありますが、もちろんわれわれが失業対策事業の予算を配付するにつきましては、各地方の失業の趨勢というものを当然把握しなければならぬわけでございまして、その資料としましては、今申し上げました公共職業安定所の窓口に現われました求職者の数、あるいは就職できなかつた者の数、あるいは失業保険の受給者の数、これの動きというふうないろいろな資料をとりまして、ある一定の率以上の深刻な失業の度合いになつた地域につきまして、対策事業を起すことを認めるという標準を立てておるわけでございます。
#61
○三宅(則)委員 いろいろな事業がありますが、土木事業でありますとか、あるいは保健事業であるとかいう事業等に、失業者を利用することが必要であろうと、かように考えておるのでありますが、私の想像するところによりますと、安定所に登録せられた者以外にもまだかなりあるのではないか、かように思うのでありますが、それは数字的には把握が困難かもしれません。しかしやはり国策と関連いたしまして、安定所に登録せられた者あるいは就職を求めて来た者の数を勘案いたしまして、各地の木事業なりあるいは保健衛生なりあるいは教育事業なりの施設にも、労働力を供給するものもあり、あるいは人的方面の救済にも充当するものがあるであろうと考えております。これにつきまして安定所以外の把握はむずかしいという御答弁でありますが、何らか各地に対してその数量を探るような方策を講ぜられているかどうかという一点と、もう一つは各府県の各部に安定所ではなくて、あるいはこれに類するようなものが今ありましようか。それらも勘案いたしまして御答弁を承りたいと思います。
#62
○亀井説明員 最初の第一の問題につきましては、一定の推定数というものは非常にむずかしいのでありまして、もしこの推定数を過大に見積りますと、これまた大きな社会不安になりますし、また過小に見積りますと、これまた楽観的ないろいろな数字になつて来るので、われわれといたしましては極力推定の数は発表しない方針で、正確な数字だけをつかまえて施策を立てて行くという方針をとつておるのでございます。従いましてこの安定所の窓口に現われます以外のところで、どういう動きをするかということは、実は推測は一応いたしますが、発表することのできない数字でございます。
 またもう一つは安定所の職員が毎月雇用主訪問をいたしまして、その雇用主において過去二箇月間における労働の動き、並びに将来二箇月間における労働の動きを一応調査をいたしております。これによりまして特定の産業における有効求人というものの把握をいたします。そうしてまた将来の失業の趨勢というものも、それによつて一、二箇月先を推測して行くという判断もあわせていたしております。しかしこの数字も事業主そのものの推測でございますので、これまたはつきりとした正確な資料と申し上げるわけには行かないのでありまして、結局は先ほど申しましたように、安定所の窓口に現われた未就職者というものだけが、日本では今一番正確な失業者の数だということだけしか言えないのでございます。あと言えますのは、結局潜在失業者ということでございます。この数につきましては、正確な資料は今のところないのでございまして、国勢調査でもいたしました機会においては、その数はそのときにおいてつかみ得るという性質のものだと思います。郡に安定所のような組織があるかどうかというお話でございますが、郡には必ずしも一箇所あるという意味ではございませんが、全国に五百二十五箇所安定所がございまして、大きな郡については所在するところもございます。また偏僻なところについては安定所の職員が巡回して、職業の相談や紹介をしておりまして、あらゆる機会に職業安定のサービスを十分にいたすように努力をいたしております。
#63
○三宅(則)委員 はなはだこまかいことになつて恐縮に存じますが、私の把握するところによりますと――これは資料が足りないために完全なる、そして妥当なる質問でないかもしれませんが、私の関係の深い愛知県においては、市だけがその対象になつて今日まで来ているということを聞いております。郡の方は失業対策の方の対象にはならないという意味合いになるのでありましようが、来ていないと聞いたのでありますが、それははなはだ調査が粗漏だと私は思います。ですから市だけを失業対策の研究素材とせずに、やはり郡もある意味において検査し、調査する必要があると思います。これが一つ。
 もう一つはこういうことを聞いております。はなはだ愚劣な質問かもしれませんが、失業保険をもらつていてやみをやつている者があつて、そのために失業者が続出しているということを聞いておりまするこれはあるまじきことと思いますが、中には相当そういうような官費を利用して、私行為を行つている者があるということを聞いております。これらに対して政府当局はどういうふうにお考えになつているか、お伺いしたいと思います。
#64
○亀井説明員 第一の点は失業対策事業について、郡部にも安定所の統計その他を利用すべきじやないかという御意見でございますが、実は統計については全国の安定所の統計を集めておるのでありまして、市だけの統計によつて失業対策事業を起すか、起さないかということをきめているわけではありません。ただ失業対策事業そのものの本質からして、やはり都市周辺に事業を起すというように限定されるものでありますから、対策事業そのものとしてはやはり市中心の安定所の統計というものを基礎にいたします。全国の失業者の把握ということになりますと、これは市、郡部を問わず、全国の安定所の統計によつてわれわれは判断しているわけであります。
 第二に不正受給者の防止の問題でございますが、これはお話のように、安定所の手不足のために、そういう悪意を持つて不正の保険金を受給している者のあることを、われわれとして二、三発見をいたしましたので、実は本年の一、二月をこの不正受給防止の強調期間として、今各安定所において愼重な調査をいたし、悪質な者についてはすでに検察庁に告発もしておりまして、極力これが防止をはかつて、正当な権利を持ち正当な資格を持つている失業者に、正当な現金が渡るように努力しているわけであります。
#65
○三宅(則)委員 これは労働大臣に聞くべきことであつて、説明員や局長の方では行き過ぎたことかと思いますが、私の構想の一端を申し上げて御参考に供したいと思う事柄は、やはり都市周辺と申しますけれども、その県あるいはその地方については、都市より多少離れている郡部でも、相当重要性を持つたものもあると考えております。たとえて申しますと、教育などにしても必ずしもその市内とは限らない。市街でありましても相当市と関係があるようなところもありますから、やはり都市中心でありましようが、郡部も、都市も入れて、包含したる失業対策なり事業計画をすることが、政治家の任務だろうと考えております。あとで予算面で多少の問題はあろうと思いますが、どうか失業対策事業を講ずる場合には、一地域だけではなく、全国をよく見て、それらの人への配分ということも考慮してもらいたいと考えます
 第二に、先ほど御答弁になりました通り、悪質者の徹底的な検挙あるいは防止ということはもちろんでありまして、国帑がそういうような悪質者によつて濫費せられるということは、断じてあるまじきことでありまするから、巌重に取締つてもらいたいと思つておるのであります。私どもは将来とも失業者をなくしたいということはもちろん理想であると思いますが、これは行き過ぎでありましようか。社会保障制度と失業保険制度との関係について、もし政府の御希望がありましたならば承りたい。この二点であります。
#66
○亀井説明員 前段は御意見のようでございますので、最後の失業保険と社会保険の関係についての御質問に御答弁いたしたいと思います。
 失業保険は申すまでもなく社会保険の一分野をなすわけでございます。将来社会保障制度が確立したあかつきにおきましても、もちろん失業保険は社会保障制度の中の一環をなすわけでございます。この社会保険と失業保険との関係において、失業保険がいわゆる一般の社会保険である健康保険、あるいは厚生年金保險というようなものと多少違いまするのは、失業保険は失業者に保険金を支給することだけが目的ではないのでございまして、その前提として失業者に就職のあつせんをし、その促進をはかるということが第一の目的である点が、社会保険という方式をとりながら、そこには性格的に一般の社会保険と違う本質を持つているわけでございます。いわば失業対策の一環としての失策保険という意味が、他の社会保険に比べて非常に強いのでございます。そういう特色を持つておりまするが、業務そのものの運営の方式その他は、他の社会保険とかわるところはないのでございます。
#67
○川野委員長 それでは先ほど質問を保留されておりました竹村奈良一君に質問を許します。
#68
○竹村委員 大臣にお伺いいたします。現在失業保険の問題が論議されておるのでございますが、その前提となるものを新聞などで拝見いたしますと、官公庁における行政整理等も、政府において考えておるということを伺つておるのでありますが、この際そういうことをやられる意思があるかどうか。またあるならばその構想等をお伺いいたしたいと思います。
#69
○本多国務大臣 実は政府の方針といたしまして、でぎ得る限りの行政規模の縮小、人員の縮減ということは今後も努力して行くつもりでございますが、この際特に一般的な行政整理というような構想のもとには、やつていないつもりでございます。ただ御承知の経済統制の廃止あるいは整理等による機構の縮小と人員の縮減だけは、ぜひやりたいという方針でございまして、これは調査が済みましたならば、本国会に提案をいたしたいと考えております。今回の国会に提案いたしまするこの定員法改正の方針といたしましては、ただいま申し上げました統制事務の縮小に伴う人員の縮減をでき得る限り正確に行うこと、さらに新規増については、でき得る限り部局内の今までの人員をもつて処理し得るようにくふうすること、従つて新規増はやむを得ざる最小限度にとどめたいという方針をもつて、ただいま調査を進めておる次第でございます。
#70
○竹村委員 現在調査中とのことですが、それでは減少する人員は大体どのくらいで、増員する方はどのくらいかということがわかつておつたならば、はつきりさしていただきたいと思います。
#71
○本多国務大臣 ただいま申し上げましたような範囲内のことでございまするから、大きな数字は出て来ないと存じますが、そういう方針でただいま行政管理庁内部と各省と連絡して調査中でありまして、確実な数字が固まらないうちに申し上げますと、いろいろ弊害もあろうかと思われますので、予想としては申し上げにくいのでございます。
#72
○竹村委員 それではもう一つ伺いたいのでございますが、先般来の行政整理によつて、全官公庁その他において大分退職者が出ているのでありますが、それは失業保険とは関係なく、一時金でもらわれたのでありますが、その後におけるその人たちの就職が何パーセントあるか。
#73
○本多国務大臣 昨年の行政整理で退職せられました方の就職のあつせんということにつきましては、各省においても努力し、特に労働省において非常な努力をいたしました結果、相当数就職せられて、残りはそう大きなものではないという概念だけはわかつておりますが、その数字につきましてはただいま資料を持つておりませんので、労働大臣あたりからひとつ説明してもらつた方がよくはないかと存じます。
#74
○竹村委員 現在失業保険を受けておつても、六箇月すれば就職しなくても切られるわけであります。従つて切られた後において、そういう人が就職す和ばよいのでありますが、就職できない場合におきましては、その人は実際生活のかてを失うわけであります。これは先ほども少し聞いたのでございますが、大臣としてはこういう場合にどういうふうな処置を政府としてとられる考えであるか。政府としてのお考えを聞きたいと思います。
#75
○本多国務大臣 この点につきましても詳しい資料を持つておりませんので、概念的にお答えするほかはないのでございますが、政府といたしましては、でき得る限り職業安定所等で、就職先の開拓あつせんというようなことに努め、さらに根本的には産業の振興ということに努力をして行く。さらにまた公共事業費の活用その他失業緊急対策費等の活用によりまして、応急的なことにも全力を注いで行くこうした一般的なことで努力するという以外、ただいま申されましたことにちようど当てはまるような対策については、私はここにそれを持つておりませんので申し上げかねます。
#76
○竹村委員 もちろん失業対策事業あるいはその他が、予算面においては出ておりますので、ある程度政府は考えておられると思います。ところがそれが、たとえば失業救済事業等をやられておりましても、それを市なんかでやりますと、その負担は大体三分の一が政府の補助だと思うのですが、そうですか。
#77
○亀井説明員 政府の補助は三分の二でございます。
#78
○竹村委員 そうすると、たとえばこういう現象があるのであります。これは呉市なんですが、呉市全体の税收入が一億六千万円、これだけある。ところがほんとうの完全失業者が一万人である。これの失業救済事業をやると一年に六億円かかる。これでは政府からそういう形でもらいましても、失業救済事業が完全でないということがはつきりしているわけであります。そういうような事態が出ているわけで、ござます。その際先ほど申しました当然統制事務などが廃止されて出るものは、一応これはいたし方ないといたしましても、官公庁の行政整理などをやられる場合、これに対してたとえば前のような簡単な退職金だけでは、今後深まり行くところのこの恐慌の中で、失業者は就職するところの機会を失うわけであります。もしそういう場合においては、政府においてどういうような失業者に対する対策というより、むしろ御政策を考えておられるか、大要をひとつ承りたいと思います。
#79
○本多国務大臣 大量に失業者ができるところに、特に政府として予算の配分等について考慮すべきではないかという御質問のようでありますが、この点は今後地方自治体に対する平衡交付金等の制度もございますので、研究いたしたいと存じます。
#80
○川野委員長 ほかに大臣に対する質疑はありませんか。――それでは本日はこれで散会いたします。
    午後三時三十六分散会

ソース: 国立国会図書館
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