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1972/02/27 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 本会議 第11号
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1972/02/27 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 本会議 第11号

#1
第071回国会 本会議 第11号
昭和四十八年二月二十七日(火曜日)
    ―――――――――――――
  昭和四十八年二月二十七日
   午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 議員請暇の件
 江崎自治大臣の昭和四十八年度地方財政計画に
  ついての発言及び地方税法の一部を改正する
  法律案(内閣提出)及び地方交付税法の一部を
  改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質
  疑
   午後一時五分開議
#2
○議長(中村梅吉君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 議員請暇の件
#3
○議長(中村梅吉君) 議員請暇の件につきおはかりいたします。
 水田三喜男君から、海外旅行のため、三月七日から十人目まで十二日間、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(中村梅吉君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。
     ――――◇―――――
 江崎自治大臣の昭和四十八年度地方財政計画についての発言並びに地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#5
○議長(中村梅吉君) この際、昭和四十八年度地方財政計画についての自治大臣の発言を許し、あわせて、内閣提出、地方税法の一部を改正する法律案、及び地方交付税法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。自治大臣江崎真澄君。
  〔国務大臣江崎真澄君登壇〕
#6
○国務大臣(江崎真澄君) 昭和四十八年度の地方財政計画の概要並びに地方税法の一部を改正する法律案、及び地方交付税法の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 昭和四十八年度の地方財政につきましては、現下の社会経済情勢の推移と地方財政の現状にかんがみ、国と同一の基調により、財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹し、適切な行財政運営を行なうことを基本とし、地方財源の確保に配慮を加えながら、長期的視野のもとに、積極的に住民福祉の充実向上をはかる必要があります。
 昭和四十八年度の地方財政計画は、このような考え方を基本とし、以下申し上げます方針に基づいて策定することにいたしました。
 第一は、地方税負担の現状にかんがみ、個人の住民税及び事業税、電気ガス税等についてその軽減合理化をはかることであります。
 また、土地に対する固定資産税の課税の適正化をはかるとともに、特別土地保有税を創設することとしております。
 第二は、地方税及び地方交付税の伸長の状況等を考慮しながら、昭和四十七年度において講じられた地方交付税の特別措置がなくなることによる影響を緩和するため、交付税及び譲与税配付金特別会計において資金運用部資金から九百五十億円を借り入れることとするとともに、引き続き沖繩県及び同県市町村に対して交付すべき地方交付税の財源に資するため、臨時沖繩特別交付金三百八十八億円を国の一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れることとしております。
 第三は、福祉優先の基調に立脚し、社会福祉施策等を充実するとともに、住みよい生活環境を整備するため、国庫補助負担制度の拡充並びに地方交付税及び地方債による財源措置の充実をはかることであります。
 まず、老人福祉、児童福祉等の社会福祉の充実、教育の振興をはかるとともに、地域住民の生活環境の改善と安全の確保の観点から、公害対策、交通安全対策、消防救急対策を推進することとしております。
 次に、児童生徒急増市町村における義務教育施設に対する国庫負担率の引き上げ等により人口急増地域における公共施設の整備を推進するとともに、過疎及び辺地対策事業債の増額、集落の移転整備等の過疎地域対策を促進し、あわせて広域市町村圏の振興をはかることといたしております。
 第四は、各種の長期計画の改定に即応しつつ、地域の特性に応じて、地方道、上下水道、廃棄物処理施設、厚生福祉施設等の社会資本の計画的な整備を推進するとともに、公共用地の先行取得の拡充等公有地の拡大を促進することであります。
 第五は、地方公営企業について、地下鉄事業に対する助成措置の拡充、路面交通事業にかかる新たな再建制度の発足等その経営の健全化を積極的に推進する措置を講じ、経営基盤の安定をはかることであります。
 第六は、地方財政の健全化を促進するとともに、財政秩序の確立をはかることであります。
 以上の方針のもとに、昭和四十八年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は、十四兆五千五百十億円となり、前年度に対し、二兆八千十二億円、すなわち二三・八%の増加となっております。
 次に、地方税法の一部を改正する法律案について、その趣旨と内容を御説明申し上げます。
 明年度の地方税制の改正にあたりましては、地方税負担と地方財政の現状にかんがみまして、
 第一に、個人の住民税、個人の事業税等について負担の軽減合理化をはかること。
 第二に、宅地等にかかる固定資産税について、課税の適正化をはかるため所要の措置を講ずること。
 第三に、特別土地保有税を創設することをその重点といたしております。
 以下、その概要について御説明を申し上げます。
 まず、個人の住民税につきましては、住民負担の軽減をはかるため、課税最低限を引き上げることとし、基礎控除、配偶者控除及び扶養控除の額をそれぞれ一万円引き上げるとともに、特に低所得者層の負担軽減をはかるため、市町村民税の所得割の税率の緩和を行なうことといたしました。
 次に、個人の事業税につきましては、個人事業者の負担の軽減合理化をはかるため、事業主控除額を八十万円にするとともに、電気ガス税につきましては、住民負担の軽減をはかるため、税率を六%に引き下げることといたしました。
 また、固定資産税につきましては、宅地等にかかる固定資産税の課税の適正化をはかるため、住宅用地について軽減措置を講ずるとともに、税負担の激変緩和の措置を講じながら、評価額に基づいて課税を行なうことといたしました。
 さらに、土地税制の一環として、土地の投機的取得を抑制することを目的とする特別土地保有税を市町村税として創設することといたしました。この場合において、農林経営規模の拡大、工場の地方分散等国の施策等に適合する用途に供されている土地等につきましては、非課税とすることとし、また、市町村ごとの面積の合計額が一定面積に満たない場合は、課税しないことといたしました。
 このほか、料理飲食等消費税、固定資産税等の免税点等の引き上げ、不動産取得税等の非課税範囲の拡大等、各税を通じて負担の適正合理化ないし地方税制の合理化をはかるための規定の整備等所要の改正を行なうことといたしております。
 以上の改正によりまして、昭和四十八年度におきましては、個人の住民税における千六十二億円をはじめ合計千七百十七億円の減税を行なうこととなりますが、一方、固定資産税の課税の適正化等により四百八十五億円の増収が見込まれますので、差し引き千二百三十二億円の減収となります。
 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 昭和四十八年度分の地方交付税の総額につきましては、ただいま昭和四十八年度の地方財政計画の概要で御説明申し上げましたとおり、現行の法定額に交付税及び譲与税配付金特別会計における借り入れ金九百五十億円を加算する特例規定を設けることといたしました結果、総額二兆九千七十四億円で、前年度に対し四千百三十五億円、すなわち一六・六%の増加となります。
 また、昭和四十八年度の普通交付税の算定にあたりましては、地方財政計画の策定方針に即応して、住民生活に直結する各種の公共施設の計画的な整備を促進し、社会福祉水準の向上に要する経費の増額をはかるとともに、引き続き過密・過疎対策、公害対策、交通安全対策、消防救急対策等に要する経費を充実するため、地方交付税の単位費用及び算定方法の改正を行なうことといたしております。
 以上が、昭和四十八年度の地方財政計画の概要並びに地方税法の一部を改正する法律案、及び地方交付税法の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 昭和四十八年度地方財政計画についての発言並びに地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#7
○議長(中村梅吉君) ただいまの地方財政計画についての発言及び二法律案の趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。佐藤敬治君。
  〔佐藤敬治君登壇〕
#8
○佐藤敬治君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま趣旨の説明がありました昭和四十八年度の地方財政計画、地方税法の一部を改正する法律案、及び地方交付税法の一部を改正する法律案に関連いたしまして、田中総理大臣及び各大臣に質問いたしたいと存じます。もちろん、これらの各法案に関しては、関係委員会において詳細に検討が加えられますので、ここでは、現在地方財政がかかえております諸問題について論ずることといたします。
 昭和四十八年度の地方財政計画の策定方針の中で、政府は、地方財源の確保、住民負担の軽減、社会福祉の充実、社会資本の整備及び超過負担の解消など、地方行財政水準の着実な向上、地方公営企業の健全化を目途とすることをうたっております。しかしながら、この財政計画を見る限りにおいては、このようなうたい文句は、単なる作文としての価値より認めることができないのでございます。
 わが国の財政は、国と地方の二重構造をなしております。最近の地方財政は年を追うて大型化してきております。昭和四十六年度以来、国の一般会計の予算規模を越えるようになってまいりましたけれども、内政の主要な部分は、たとえば一般行政費の七七%、民生費の五六%、衛生費の九一%のごとくに、いずれも地方財政がこれを受け持っております。それにもかかわらず、わが国の極端な中央集権的財政構造のために、おもなる財源はすべて国に握られております。地方財政は住民の要請に応ずるどころか、国の政策によって振り回されているのがその現実の姿でございます。
 今年度の地方財政計画におきましても、ただ一つの自主財源である地方税、これは歳入総体に対しては三八・一%となっております。前年度に比べますと、増加率では二七%という高率を示しておりますけれども、好況時にもかかわらず、歳入総体に対しては、わずかに〇・九%上回っているにすぎません。その他の六一%は、すべて国に対する依存財源でございます。地方自治の確立が問題になっている今日、国の財政に対する依存度の高さは、地方財源確保のうたい文句とはうらはらに、相も変わらぬ地方軽視の端的なるあらわれといわなければなりません。
 しかも、四十八年度の減税は、地方税の増徴一兆一千八百三億円に対しまして、わずかに一千二百三十二億円にすぎません。これでは住民負担を軽減するどころか、逆に一兆五百七十一億円の増徴となっているのでございます。
 わが国における国税と地方税との比率は、大体において七対三となっております。しかしながら、その処理すべき事務及び事業量は、逆に三対七と地方が圧倒的に多いのであります。この矛盾をカバーするために、御承知のように、国から地方交付税、国庫支出金、地方債などが交付されておりますけれども、この財源交付の過程におきまして、国の自治体に対する支配、干渉、統制等が行なわれております。したがって、地方自治体とは名ばかりで、国と地方自治体の関係は、あたかも大企業と下請の中小企業のごとき関係になっております。国でやるべき仕事が地方団体に下請に出されて、そのしわ寄せが地方財政の赤字となってはね返ってきております。
 この最もよい例が国庫支出金、すなわち補助金による超過負担の問題でございます。約二千億円にのぼるといわれるところの超過負担の膨大さは、地方自治どころか、三割自治といわれる地方自治体の財政を圧迫する最大の要因となっております。
 また、この地方財政計画は、国の政策に同調して住民福祉の充実向上と、社会資本の整備があげられております。そして、かつてない超大型なものとなっておりますが、今回の予算でも、膨張率の大きいのは、生活基盤整備のための公共投資、社会福祉の関係であります。そして、これらの事業の大部分は、地方自治体の手にゆだねられております。しかしながら、今年度予算の実行によって予見されるところのインフレの影響を受けて、多少単価や補助率の引き上げがあったといたしましても、いまの財政構造ではさらに大きな超過負担を生ずることは必然でございます。この計画で、超過負担解消のために今年度二百八十三億円を計上して、四十九年度で完了する意向を示しておりますけれども、今後新たなる超過負担を出さないとの決意が必要と思われます。大蔵大臣、自治大臣の所信を披瀝していただきたいと思います。(拍手)
 さらに、地方財政を調整して、いわゆるナショナルミニマムを維持するために、地方交付税が交付されておるのでありますけれども、この財政計画においては、本年度も再び九百五十億円の借り入れをしているにもかかわらず、二兆九千七十四億円と前年度の伸び率を五彩も下回っております。このことは、昨年交付税総額の確保のためにとられた措置とともに、二年連続して交付税の総額は借り入れ金によって穴埋めされることになります。現行交付税制度の破綻を示していること、そのとおりでございます。
 また、交付税の配分は、自治省がほとんどその権力を握っておりますので、地方自治体が交付税を受け取り、その過程におきまして、自治省の強大なる支配力を受けているのでございます。こういうことと相まって、交付税制度の根本的改革の必要性がはっきりとあらわれておりますが、自治大臣、大蔵大臣の御所見をお伺いいたしたい。
 地方債の許可制度もまた地方自治の自由を奪っている中央集権的存在の一つでございます。公共事業の費用を起債に依存する傾向は、わが国におきましても次第に強まると思われますが、自治省や府県による許可が起債発行の条件となっていることで地方自治を著しく侵害いたしております。
 本年度の地方債は一兆七百四十億円と前年度の特殊状態を克服して、一見妥当なものと見えますけれども、七・三%といろ高い依存率を示しております。借金財政の色をさらに濃くしておるのであります。そして、ここにもまた国庫支出金と同じように、起債の過小見積もりによるところの超過負担的な問題が発生いたしております。この際、地方債につきましては、許可制度を全廃して、自由に地方債を許可するととを強く要求するものでありますが、自治大臣の所信をお伺いいたします。(拍手)
 以上のようにして、地方自治体の財政は自由を失って半身不随におちいり、慢性的な財政危機に直面させられておりますけれども、あたかも中小企業の犠牲の上に繁栄を続けている大企業のように、国には何らの影響もなく、地方財政の赤字をしり目に、世界第三位のGNPを誇っているのであります。
 地方自治の確立が唱えられてからすでに久しい。しかし、依然として事態は改革されるどころか、逆に国に対する依存度はますます高まっていくばかりであります。はたしてこのままでいいのでしょうか。
 木を見て森を見ずということばがございます。近づけば一本一本の木の集まりであるけれども、離れると一本一本の木は姿を消して、全体としての森があらわれてきます。国の仕事は、私は、ちょうどこの森的な仕事の役割りを果たしていると考えます。しかし、一本一本の木、すなわち、住民一人一人分めんどうを見るのは地方自治体の仕事でございます。多様化した住民の要求を国がすべて処理するということは、とうてい不可能であります。ここに、幾ら国が金持ちになっても地域住民の不満が解決ざれないところの根本的な原因が存在いたします。
 住民の多様な要求をくみ取って、それを政治に反映させることは、元来、直接住民と接触している市町村の仕事であります。しかし、その市町村が相も変わらず三割自治の貧乏世帯では、住民の不満を解消するなどできるはずがありません。
 今日、空前の繁栄を誇っているわが国が、世界先進国の中で、社会福祉も、社会保障も、社会資本の蓄積も、すべて最低である理由は、田中総理の言われるように、いままでは金がなかったからではなく、直接国民の要求をくみ取るべき役割りを持っている市町村を、かくも貧しい状態に、かくも長い間放置して、政治と国民との断絶をもたらしたことが最大の原因であると考えられますけれども、総理及び自治大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。(拍手)
 以上、論じ来たったところを要約すれば、この財政計画は、相も変わらぬ三割自治に地方団体を縛りつけておくばかりか、国の大型予算のあおりを食って、地方財政もまた超大型化し、その結果、さなきだに貧しい地方自治体は、さらに国に対する隷属の度を強め、中央集権的色彩をますます濃くしていくものといわざるを得ません。
 今日、国民的合意に達している社会福祉、社会保障、社会資本の蓄積、さらには、民主的な国土開発の構想を推進するために、住民との対話は不可欠であります。このためにも、地方自治制度の確立は、これまた不可欠の要件であると思います。
 このために、国と地方自治体との間の抜本的な行政事務の再配分は、ぜひともこれを実行しなければなりません。すなわち、外交や国全体の政策立案、都道府県と無関係な事務、あるいは国鉄等のごとく、国が経営するところの公営企業的なものは国に保留し、ほかのものはすべて地方自治体に委譲する、また、地方自治体の権限を侵して、地方自治体の機関を強力に統制し、超過負担の一因ともなっている国の機関委任事務は全廃することであります。そして、これと並行して、地方税財政制度の抜本的な改革が必要であります。三割自治を逆転させて、地方七、国三となるように税源を再配分すること、具体的には、所得税、法人税などの地方税化を考えるべきであると思いますが、大蔵、自治、両大臣の所見をお聞かせ願いたいと思います。(拍手)
 次に、土地税制の一環として創設されようとしております特別土地保有税に関してお尋ねいたします。
 土地問題の解決はもちろん焦眉の急でありますが、はたしてこの特別土地保有税がどの程度の効果を期待できるか、総理並びに自治大臣にお伺いいたします。
 第一に、この程度の税率で、はたして抑制の効果があがるのか。
 第二に、この基準面積では、大部分の土地は該当しなくなるのではないか。
 第三には、約五十項目にも及ぶ非課税条項を見ますれば、逆に、非課税条項を掲げるよりも課税されるものは一体何であるかをさがさなければいけません。(拍手)これで、はたして課税される土地はありますか、こういう疑問を持つのは当然でございます。御所見をお聞かせください。
 最後に、地方公営企業の問題についてでありますけれども、公営企業は、軒並みに財政のバランスを失って苦悶を続けておりますが、特に、国の福祉政策の中心的地位にある自治体病院は、老人、幼児等の医療の無料化、救急患者の急増等福祉政策の進展に伴って、社会的医療の充実をいやおうなしにささえていかなければなりません。一刻も早く自治体病院に対する根本的な対策を立てなければ、行き詰まって自壊する懸念さえあると思いますが、厚生、自治両大臣の御決意をお尋ねいたします。
 また、公営交通事業、上下水道等喫緊の対策を要するものがありますけれども、しかし、現在、公営企業にとうていその企業性を追求することはできません。いまや、単なる小手先の対症療法をやめて、公営企業法を改正し、応益主義を排し、独立採算制の鉄鎖を断ち切ることが必要と考えますけれども、田中総理大臣並びに大蔵、自治両大臣の決意をお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
  〔内閣総理大臣田中角榮君登壇〕
#9
○内閣総理大臣(田中角榮君) 自主財源強化のための抜本的対策、行財政体制の強化についてまずお答えをいたします。
 地方団体が住民の要請にこたえ、自主的な財政運営を通じて、社会福祉の充実、社会資本の整備など、住民福祉の向上をはかるためには、一般財源の伸長をはかることがきわめて重要であると思います。
 このため、一つには、地方税等の自主財源の拡充強化、二つには、地方交付税の充実確保について、地方制度調査会等の意見を徴しながら、今後も積極的に取り組んでまいりたいと考えます。
 昭和四十八年度におきましては、地方税の自然増収はかなり多額にのぼるものと見込まれるのでございますが、さらに、土地に対する固定資産税の課税の適正化おおむね四百億円余、交付税特別会計における借り入れ九百五十億円、臨時沖繩特別交付金の交付税特別会計の繰り入れ三百八十八億円等の措置を通じまして、一般財源の充実確保をはかっておるところでございます。
 なお、地方交付税の税率につきましては、昭和四十一年度から、現行三二%に引き上げて今日に至っておるわけでございますが、その間の経済成長に伴って、地方交付税の総額は、毎年二〇%以上の伸びを示し、地方財源の体質改善に寄与してきたところでございます。
 もとより、地方財政につきましては、今後の経済情勢や財政環境の推移も勘案しながら、その運営に支障を生ずることのないよう、適切な措置を講じてまいりたいと考えます。
 最後に、土地新税につきましては、土地利用等のほかの措置と相まちまして、実効をあげると確信をいたしておるわけでございますが、詳細は関係閣僚から答弁をいたします。(拍手)
  〔国務大臣愛知揆一君登壇〕
#10
○国務大臣(愛知揆一君) 基本的な問題につきましては、ただいま総理からお答えをいたしましたとおりでございます。
 具体的な問題としての第一は、超過負担の問題でございます。
 いわゆる超過負担が生じませんように、従来からいろいろ配慮してまいりましたが、四十八年度予算におきましては、四十七年度中に、関係各省によりまして六項目にわたって実態調査を行ないました。その結果、二カ年計画で超過負担の解消を実施することにいたしまして、四十八年度予算に計上したわけでございます。その所要額は、ただいま御指摘がございました二百八十三億円でありますが、このほかに四十八年度の物価上昇による単価の改定分を加えますと、四百五十二億円ということに相なります。今後とも予算の編成にあたりましては、補助単価等が実態と遊離しないように、十分各方面の意見を聞きながら、その改善に努力してまいる所存でございます。
 第二の問題は、地方交付税交付金、それから二年連続借り入れ金で補てんしているという点についての御質疑でございますが、四十六年度の補正の借り入れ金、四十七年度当初予算の借り入れ金は、当時の景気の停滞に伴う税収の不足という短期的な事態に対処するためのものでございました。四十八年度には地方税が、これも御指摘のありましたように、二七%程度の伸び率を示すと見込まれる状況のもとにありますけれども、昭和四十七年度において講ぜられたような特例措置がなくなることによって受けるべき影響を緩和するために、交付税特別会計において借り入れ金九百五十億円を計上したものでございます。しかも、この借り入れ金は一年間で償還することが予定されておるのでございまして、交付税制度は十分運用されていると考える次第でございます。
 それから第三は、地方団体の自主財源の強化の問題でございます。歳入全体の中に占める地方税の構成比は、四十八年度におきましては、前年度に比べて上昇が予想されております。また、歳出面におきましても、地域住民の生活、福祉の向上に資するための財源措置の充実をはかることとしております。国の施策に対応する地方負担についての措置のみならず、地方団体が地方の実情に応じて自主的な施策として実施する、いわゆる単独事業につきましても、前年度の伸び率を上回る相当の伸び率が見込まれております。一般行政経費については、一二・三%から二〇・一考という伸び率が予想されておるわけでございますから、その点も御理解をいただきたいと思います。
 今後の地方自主財源の問題、また国の税源との関係、この問題についての御質疑につきましては、これは税の配分の観点からだけでなく、広く国、地方及び地方団体間を通ずる財源配分の問題として考える必要があると思いますし、また基本的には、御指摘のとおり、国と地方の行政事務の配分と密接に関連する問題でございますので、これらを総合的に勘案の上今後とも検討いたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。以上、お答え申し上げます。(拍手)
  〔国務大臣齋藤邦吉君登壇〕
#11
○国務大臣(齋藤邦吉君) 地方自治体病院についてのお尋ねにお答えを申し上げます。
 地方自治体病院は、地域住民の医療の確保とその向上をはかるための中核となるべきものとして、一般診療のほか、ガン、小児疾病、難病等の高度、先駆的医療、救急、僻地医療などの不採算医療、看護婦等の医療関係者の養成等を積極的に推進する役割りをになっておると考えております。国は、従来から自治体病院等に対しましては、ガン診療、救急医療、僻地医療などのこうした高度不採算医療を中心といたしまして、必要な施設整備のために必要な助成措置を講じてきております。
 昭和四十八年度予算においては、公的医療機関施設整備費につきまして、十二億五千万円の補助金を計上いたしておりまして、今後とも病院の充実につき、一そう努力いたす考えでございます。(拍手)
  〔国務大臣江崎真澄君登壇〕
#12
○国務大臣(江崎真澄君) 地方公共団体が、福祉優先の方針に基づいて、福祉施設、社会資本の充実あるいは窓口サービス業務の拡充強化、こういうような形で非常に入り用が多いことは、私どももよく承知いたしております。
 国と地方とは本来一体でありまして、大企業と下請企業というようなていのものではありません。これは車の両輪に比すべきものであろうかというふうに考えております。
 そこで、本年の財政規模でありまするが、おかげでこの地方税におきましては二七%程度の増加が見込まれております。また、地方交付税におきましても、国税三税の伸びが順調でありまして、相当な増収が期待される、こういう予測に立っております。国庫補助負担率の改善等と相まちまして、まあ歳入は比較的順調な伸びを示すのではないかというふうに私ども考えておるわけであります。
 もうちょっと詳しく言いますと、一般地方財源の地方税、地方譲与税及び地方交付税の対前年度比増加率は二二・九%、約二三%でございます。四十七年の場合は一二・六%というわけでございまするから、前年に比しますると相当な伸びが期待されるというものであります。
 超過負担の点につきましては、大蔵大臣から詳細の御説明があったとおりでありまするが、私ども、今後も関係各省庁と十分緊密に連絡をいたしまして、かりそめにも、地方に事業負担が過重になって、それが地方の自主財源を脅かすということにならないように、何も四十七年度の調査だけにとどまらず、四十八年度におきましても、この調査を拡充強化し、補助対象というものも拡大してまいりたい、こういう方針に立っております。
 それから、九百五十億円を資金運用部資金から借りて交付税に見ておるではないか。これも大蔵大臣からすでに答弁があったとおりであります。要するにこの九百五十億円は、昭和四十七年度、本年度の国税三税の自然増を目当てにして借りたわけでありまするから、四十九年決算が成立しましたあとにおいては、これを自然増分として補てんしようというわけでありまするから、来年度からのいわゆる地方財政計画に影響を与えるていのものではございません。
 なお、地方債の許可制度を廃止してはどうか、こういうお尋ねでありまするが、これは、当分許可制度は続けなければならないという法律に示されたとおりの線を歩みます。
 それはどういうことか。国及び地方を通じて、やはり国全体の資金計画というものを的確に把握していくことは、これは自治省としては重要なことであります。それに、特に過密、過疎というような問題が顕著になってまいりまして、このごろ、同じ地方債と申しましても、縁故債等々を含めて比較的資金の調達のしやすい地方公共団体、にっちもさっちもならない地方公共団体、こういった形が顕著になっております。これは残念なことでありますが、その顕著なひずみをどう是正、調整していくか、これも自治省の役割りでありまするので、にわかに許可制度を廃止するというわけにはまいりません。
 地方財源の充実強化は、勢頭申し上げたとおりでありまするが、なお今度は固定資産税の評価がえ等において四百十一億の増収が見込まれております。
 あるいは娯楽施設利用税、これもゴルフ場の利用税というものを上げましたことによって、しかもこの配分を、いままでは三分の一、三分の二、県と市町村が分けておりましたのを、県と市町村の配分を半々にするというわけで、ゴルフ場などを持っておる市町村に対して効率があがるようにという配慮もいたしたような次第であります。
 なお、国と地方と抜本的に行政事務を再配分する、そうして税の配分なども七対三ぐらいにしたらどうだというお話でありまするが、この事務の再配分につきましては、今後とも弾力的に、十分その実情を見きわめながら考慮してまいりたいと思います。また、税の配分等につきましては、さっき大蔵大臣からお答えしたとおりであります。地方制度調査会、税制調査会等の意見に耳を傾けますると同時に、経済社会の発展の度合い等を十分考慮しながら、これはやはり税の基本に関する問題でありまするから、大蔵省と十分連絡を密にして解決をはかりたいと思っております。
 なお、土地の保有税、これは実質的には土地の供出が逆に妨げられるのではないか、こういう御心配でありまするが、この土地の保有税は、本来、未利用地であるとか空閑地であるとか、そういうものに高税率で課税をする、これが一番理想的でありまするが、どこまでが未利用地であり、どこまでが一体いわゆる遊んでおる土地か、この判定がなかなかむずかしいというところから、高率な、時価を対象とする土地譲渡税の重課分、この重課分と相まって効果をあげようというわけでありまするから、国税、地方税を合わせて七〇%の重課税になり、そこに銀行金利分の一〇%、人件費等々を考えてまいりますると、これは相当効果をあげ得るものというふうに私どもは期待をいたしておるわけであります。
 最後に、自治体病院についてのお尋ねでありまするが、地方公共団体による自治体病院の重要な役割りというものは、今後も一そう重くなるものというふうに私どもも強く重視しておるものであります。
 この自治体病院が、まことに残念ながら非常な経営難に瀕しております。これには地域的に、いわゆる患者がオーバーラップするといいまするか、適正配置を受けていないというようなこと、医師の確保がきわめてむずかしいということ、いろいろ経営上の難点は数え上げられるのでありまするが、医師不足等は、昨年御審議をいただき、すでに発足をいたしました自治医科大学等々によって、特にへんぴな地域に対して医療が行き届くようにという配慮に立って、あの自治医科大学を設置しておるようなわけであります。
 自治省におきましては、従来とも病院の建設改良費あるいは僻地医療対策費、特殊病院の増高経費等には、一般会計から繰り出し金あるいは地方財政計画に計上して、適切な財政措置を講ずるというようなことでまいったわけでありまするが、今後関係各省庁と十分これは協議をいたしまして、自治体病院というものはほんとうに地方住民にとって重要な役割りを果たしておりまするだけに、この経営内容改善に向かって協力、尽力をいたしてまいりたい、かように考えております。(拍手)
#13
○議長(中村梅吉君) 多田光雄君。
  〔多田光雄君登壇〕
#14
○多田光雄君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、昭和四十八年度地方財政計画、地方税法の一部を改正する法律案、及び地方交付税法の一部を改正する法律案について、総理並びに関係大臣に質疑を行なうものであります。
 初めに、政府の地方自治に対する基本姿勢について伺います。
 言うまでもなく、国と自治体は、国民が人間らしい生活を送ることができるような生活環境と社会保障を整えるのが義務でございます。ところが、住民の日常生活の利益を守るはずの地方自治体は、歴代自民党政府の中央に直結する地方自治の名による大企業、大資本本位の政策を推進する下請機関とされ、その民主的権限の剥奪と国に対する財政的従属をしいられてきたのが実態であります。(拍手)
 今日、国民の約三分の一が百三十四に達する革新自治体のもとで生活しております。これは、こうした歴代自民党政府の地方自治破壊、住民無視の政治に対する根本的批判を示すものであるとともに、国民が新しい住民本位の地方政治を求め、そして、そのために戦っていることのあらわれと考えますが、総理の御所見を伺いたいものでございます。(拍手)
 さらに、今日の自治体が三割自治どころか、一割自治といわれている現実を、総理並びに自治大臣はどのように認識され、また、転換しようとしておられるのか、まず伺いたいものでございます。
 次に、地方財政計画の具体的内容についてであります。
 この計画によれば、来年度地方財政は、国の実質的な赤字公債の大増発による超大型予算に対応して、総額十四兆五千五百十億円と、国家予算を二千七百億円も上回り、昭和三十六年以来最大の伸びを示しております。しかも、歳入においては、地方税の増収を二七%も見込む一方、列島改造事業費をはじめとする公共事業の三五・八%増、企業債を含む地方債の三〇・四%増、ひもつき財源である国庫支出金の構成比率の大幅増などに見られるように、地方財政はますます借金に依存し、国への従属を強めようとしています。
 さらに、地方自治体の自主財源拡充の強い要求にもかかわらず、地方交付税は引き続きその税率を三二%と据え置き、歳入全体に占める割合を逆に低下させ、全体として列島改造推進、住民福祉財源削減の財政計画となっているのであります。
 そこで伺います。
 第一に、今回のドルの切り下げ、円の変動相場制への移行という事態は、法人関係の税を大幅に減らし、計画で見込まれた地方税の増収はもとより、交付税の伸びもとうてい望めず、一昨年以来、連続三カ年の深刻な地方財源不足に直面することは必至であります。
 政府は、この事態を直視し、大幅な自然増収を前提とした地方財政計画に、この際、根本的に再検討を加え、計画の再提出を行ならべきだと思うかどうか、総理並びに自治大臣の見解をまず求めるものであります。(拍手)
 さらに、予測される地方財源不足の中で、公共事業費の大幅増と、二兆二千五百三十億円に及ぶばく大な地方債を発行することは、二年連続の財政危機による地方債の乱発で起債依存度を著しく高めている市町村財政を、一そう借金財政に追いやり、住民にその犠牲をしわ寄せする結果となることは明らかであります。さらに今年度も地方財源不足に直面するならば、三年連続の地方財政危機を迎えることとなり、その場合、政府は、地方交付税法第六条の趣旨に照らして、当然、地方交付税率の大幅引き上げを断行すべきものと考えるが、その用意があるかどうか、総理並びに大蔵、自治大臣の責任ある答弁を求めるものであります。(拍手)
 第三の問題は、政府がこの計画を福祉優先、生活基盤整備優先の計画として描いている点についてであります。
 公共事業投資の重点が依然として大企業本位の産業基盤整備にあることは、幹線道路中心の道路事業費が一兆円をこえていること、国鉄新幹線の新設計画をいち早く決定して、しかもその繰り上げ実施に踏み切ったことだけを見ても明白であります。しかも、若干の伸びを示した生活基盤整備費さえ、その目標が達成されるかどうかは、地方財源対策いかんにかかっているのであります。
 そこで、伺いたい。
 生活基盤整備優先というならば、地方住民と自治体が切実にその実現を求めている市町村道の整備を優先させるべきであります。ところが、国道、主要地方道に比べわずか一・八%前後と極端に立ちおくれている地方道整備費が、今回の新道路五カ年計画においては、二四・八%から二一・八%へと逆に低下させられている事実を、政府はどのように説明されようとするのか、まず伺いたいのであります。
 私は、生活基盤重点の公共事業という以上、五カ年計画における市町村道整備の目標を、せめて現在の府県道の整備率である六〇%前後まで高めるべきであると主張するものであります。(拍手)そのためには、市町村道路整備費に占める道路目的財源がわずか二四%と、国、都道府県に比べはるかに低く、その大半を乏しい一般財源で負担させられている不当な現状を改め、道路目的財源を国から市町村に大幅に移すことによって市町村道路財源の抜本拡充を断行すべきだと考えるが、その意思があるかどうか、大蔵及び建設大臣の明確な答弁を求めるものであります。(拍手)
 第四に、地方財政を困難にしている土地問題についてであります。
 公共事業費に占める用地取得費、補償費の割合は、今日、大都市とその周辺自治体ではすでに三分の二をこえ、全国平均でも四分の一をこえるのが現状であります。これでは計画に示された公共事業費の大幅拡充は、住民のための生活基盤整備を拡大するどころか、住民の血税を不動産資本や大手民間デベロッパーに注ぎ込む結果になることは明白であります。政府は一体この事態にどのように対処するつもりであるか、伺いたいのであります。
 私は、少なくとも大都市とその周辺地域においては、住民が切実に要求している住宅、学校、保育所、公園などの生活関連施設用地に限定して、民間の投機的買い占め用地を適正価格で民主的に収用し得る権限を自治体に与えるという措置を、この際思い切って断行することが、住民の生活基盤を整備するためには不可欠であると考えるが、総理の責任ある答弁を求めるものであります。(拍手)
 次に伺いたい問題は、今日まで地方自治体が繰り返し国に要求してきた、いわゆる人口急増市町村に対する財政特別措置、超過負担解消がどのように実行されようとしているかについてであります。
 今日、大都市周辺の多くの市町村は、相次ぐ宅地開発、大規模団地開発に伴う急激な人口増加によって、学校、保育所、幼稚園、下水道など、いわゆる開発関連公共施設の整備に追われ、市町村財政の大半をこれにつぎ込み、他の民生、福祉対策を犠牲にしている状態です。しかし、なお、多くのプレハブ教室をかかえ、生活環境整備の立ちおくれに悩んでいるのが現状であります。
 しかるに、政府は、こうした自治体の強い要求にもかかわらず、再び人口急増対策特別措置法の立法化を見送り、わずかに学校建設費補助率の引き上げ措置などを行なうにとどめたのであります。
 大都市過密の解消、生活優先の地方都市整備を本気で実行するつもりがあるならば、政府は特別措置法案を今国会に提案し、用地を含む各種生活関連公共施設の補助負担率の大幅引き上げを行なうことは不可欠の要件であります。政府にその用意があるかどうか、明確な答弁を求めるものであります。(拍手)
 さらに、政府は、地方財政法に違反して自治体財政に不当な犠牲を押しつけてきた超過負担について、今年度単価是正一〇%、補助基準是正一一%によって、その七〇%を解消するとしているのであります。しかし、今日の物価高騰にこの程度の単価是正では、その大半が吸収され、超過負担の解消にはほとんど焼け石に水といわざるを得ません。また、補助基準の是正を行なうというなら、超過負担の特に大きな原因となっている文部省の学校施設指導要領における学校適正規模の基準を大幅に引き上げ、それに見合った補助基準引き上げを行なうこと、さらに、児童福祉法の定める最低基準さえ保障していない保育所建設費補助の定額補助方式を廃止することを確約すべきだと思うかどうか、大蔵、自治、文部、厚生、各大臣の確たる答弁を求めるものであります。
 次に、地方税法改正案についてであります。
 大衆課税としてその大幅な減税が強く求められていた個人住民税は、改正案ではわずか千六十二億円の減税にとどまっている点であります。この措置がいかに国民の要求にほど遠いものであるかは、昭和四十八年度個人住民税自然増収額四千億円にはるかに及ばず、所得税との課税最低限の差が拡大されて、大衆課税の性格が何ら改められていないことを見ても明らかであります。
 国民所得向上による内需の拡大が経済政策の面からも強く求められている今日、政府は、所得税はもとより、個人の住民税、事業税の免税点を、当面百三十万円に引き上げるべきであります。
 一方、地方財政の引き続く危機が予想される今日、地方税へのはね返り減収が昭和四十七年度千四百五十八億円にも及ぶ国税の租税特別措置はもちろん、大企業、大資産家などに対する国税の特権的減免税をやめ、法人税、所得税、資本利得税などを強化して、地方税の増収をはかるべきと考えます。
 昭和四十七年度千七百六十一億円に及ぶ大企業に対する事業税、固定資産税、電気ガス税の減免をやめて、所得一億円以上の大企業に対する法人事業税率を四%引き上げ、大企業、大資産家の固定資産を正当に評価して課税し、都市計画税の税率を一%に引き上げるなど、地方税制の根本的民主化が必要であると思うが、総理、大蔵及び自治大臣の御所見を伺いたいのであります。
 最後に、私は、政府が日本列島改造計画に見られるような相変わらずの、住民の命と暮らしを犠牲にする大資本本位、生産第一主義の政策を改め、文字どおり地方自治を守り、地域住民の福祉を優先させる方向に転換させることを強く要求して、私の質問を終わります。(拍手)
  〔内閣総理大臣田中角榮君登壇〕
#15
○内閣総理大臣(田中角榮君) 第一は、地方自治の問題でございますが、地方自治体は、自治制度の発足以来、着々と自治の体制を備え、政府と協力して住民福祉の向上に努力しておるところでございます。
 第二は、四十八年度地方財政計画についての御発言に対してお答えを申し上げます。
 しばしば申し上げておりますとおり、円の変動相場制移行に伴う国内経済への影響につきましては、変動相場制の過程、状況、変動相場制の期間等、流動的な要素が多く、現段階で、年度を通じた経済全体に及ぼす影響を的確に把握することは困難であります。したがいまして、税収を中心とした歳入の見積もり、その他地方財政への影響についても同様の事情がありますが、今後の経済の動向及びその地方財政に与える影響につきましては、十分注視をしてまいりたいと考えます。
 第三は、交付税率の引き上げ、税の再配分等、自主財源の抜本的強化の方向についての御発言に対して申し上げます。
 地方交付税の税率につきましては、昭和四十一年度以来現在に至る宙で据え置かれてまいりましたが、その間の経済成長に伴って地方交付税の総額は毎年二〇%以上の伸びを示し、地方財政の体質改善に寄与しておるところでございます。もとより、地方財政につきましては、今後の経済情勢や財政環境の推移、特に地方財政需要の動向を見守りながら、その運営に支障を生ずることのないよう適切な措置を講ずることが必要でありますので、今後とも地方税、地方交付税、地方債等を総合的に勘案して、必要な地方財源の充実を期してまいりたい、こう考えます。
 大都市地域などの民間の投機的な買い占め用地を自治体が適正価格で収用し得る権限等についでの御発言について申し上げます。
 国民に対して居住環境の良好な住宅用地の供給をはかるため必要な要件を備えた土地につきましては、地方公共団体等の公的機関において、新住宅市街地開発法、新都市基盤整備法等の活用によりまして、一定の区域についで用地を適正な価格で計画的に取得をし、住宅、学校、保育所、公園等の施設の用地として供給をいたしておるのでございます。この場合、民間の投機的買い占め用地であるといなとを問わず、必要な場合には収用権を活用して土地の取得をしてまいりたいと考えるところでございます。
 財政的依存が強化されている現実をどう認識し、転換をするかという問題について申し上げますと、地方自治の本旨を尊重することはもとより、地方財政につきましては、地方団体の自主的な財政運営を通じて、地域の実情に応じで社会福祉の充実、社会資本の整備など住民福祉の向上をはかることができるよう、従来から地方税等の自主財源の充実、地方交付税の確保、国庫支出金の改善、地方債の活用等、地方財源の確保をはかっできたところであります。今後とも、高福祉社会の実現要請にこたえて、地方行財政全般にわたって検討を加え、地方自治及び地方財源の一そうの充実をはかってまいりたいと考えます。(拍手)
  〔国務大臣愛知揆一君登壇〕
#16
○国務大臣(愛知揆一君) お答えいたします。
 まず第一は、地方財政計画の基本が変わってきたので、交付税率引き上げ等の措置を講ずる必要はないかどうかというお尋ねでございますが、ただいま総理からお答えがございましたように、変動相場下におけるレートの水準、あるいは変動相場制の期間等の流動的な要因が多いので、現段階で、年度を通じた経済全体に及ぼす影響を的確に把握することは困難でございますが、四十八年度の地方財政計画を修正する必要はないと考えております。したがって、交付税率引き上げ等の御指摘のような特別の措置を必要とすることは考えておりません。
 第二のお尋ねは、市町村の道路整備財源についてでございます。
 この点につきましては、昭和四十六年度に、御案内のように自動車重量税を創設いたしました際にも、その税収の四分一相当額を市町村の道路財源として譲与することといたしましたように、今後におきましても、市町村の道路財源の強化については、道路整備の状況や財源の推移などを見ながら、十分検討してまいりたいと考えております。
 第三は、人口急増市町村についての財政上の特別措置についてのお尋ねでございますが、児童生徒が急増しております市町村に対しましては、学校用地の取得に関する特例措置、住宅公団等による公共施設の建てかえ施工等を講じて、地方の財政負担の軽減につとめておりましたが、四十八年度におきましてもこれを一そう拡充するとともに、急増市町村の公立小中学校校舎建設費の国庫補助率を現行の二分の一から三分の二に引き上げる等の改善措置を講ずることといたしております。
 なお、四十八年度予算におきましては、小学校の屋内運動場の補助率引き上げあるいは公立文教施設関係の超過負担の解消ということをはかっておる次第でございます。
 立法化の問題については、義務教育施設費国庫負担法の改正によって所要の措置を講ずる予定でございます。
 なお、先ほどお答えをいたしましたように、物価の値上げ分も含めまして、四十八年度においては超過負担解消のために四百五十二億を計上し、今後におきましても、超過負担の解消については引き続き努力をするつもりでございます。
 第四は、住民税の課税最低限を所得税並みに引き上げることについてでございますが、個人住民税も所得税も、同じ所得に対して課税されるものであります。納税者の立場からすれば、両方の税の課税最低限はできるだけ一致させることが望ましいわけでございます。しかし、同時に、地域社会の費用を多くの住民が負担することが望ましいという見地からいたしますると、必ずしも両税の最低限を同一にするということもいかがであろうかという議論もありますことは御承知のとおりでございます。しかし、いずれにしても、個人住民税の課税最低限の水準につきましては、国民生活水準の向上に伴って、個人住民税の納税義務者の推移や地方財政の状況を総合的に考慮しで、今後その引き上げを検討することにいたすことが適当であろうと考えます。
 第五は、大企業に対する特別措置の廃止についてでございますが、租税特別措置については、従来から、各種の政策目的の合理性や有効性の立場から、常に見直しを行なってきております。そして、これが既得権化したり慢性化したりすることがないようにつとめてまいりました。四十八年度の税制改正におきましても、重要産業用合理化機械の特別償却を中心とする、平年度四百億円近くの増収を講ずる措置を講じておりますことは御承知のとおりでございます。
 以上、お答え申し上げます。(拍手)
  〔国務大臣江崎真澄君登壇〕
#17
○国務大臣(江崎真澄君) 地方自治体の財源を一そう充実強化しなければ仕事ができぬじゃないか、まさにそのとおりでございまして、先ほども申し上げましたように、昭和四十一年以来、地方税は大体二〇%程度の伸びを示しております。特にことしは、前年度に比較しまして二二・九%の伸びというようなことで、相当これは期待できるわけでございます。しかも、これも、さっき社会党の方にお答えしましたように、固定資産税の評価がえ等における増収、あるいは娯楽施設利用税等の増徴というようなもの等によって相当カバーができる。地方財源を強化するために地方交付税率を上げるべきじゃないか。これについては、大蔵大臣もお話がありましたが、これはやはり税の根本に関する問題でありまするので、今後慎重に検討をしてまいりたいと思います。
 超過負担の件につきましては、これは詳しく大蔵大臣からお話がありましたので重複を避けますが、特に昭和四十八年度におきましては、補助単価のみでなく、補助基準についても、学校、公営住宅等については改善するつもりで準備をいたしておるわけであります。
 それから、個人住民税の問題でありまするが、これも大蔵大臣からすでに詳細の答弁がありました。個人住民税は、今日でも、八十万円を八十六万円に免税点の引き上げをはかっております。これを所得税の免税点と同じ金額にすべきだ、こういうことのようでありまするが、これは最も密接に関連をする地方自治体、非常に関係の深い地方自治体の経費というものは、一人でも多く分担してもらう、こういう観点に立ったのが、住民税の御承知の均等割であります。老人であるとか高齢者あるいは身体障害者ならとにかく、働く人であるならば、やはり地方公共団体の一翼をになっておるという自覚と責任は持ってもらいたいものだというふうに思います。(拍手)
 なお、地方税収にはね返る、要するに税の特別措置については、これまた大蔵大臣から詳細の答弁がありましたので、省略をさせていただきます。(拍手)
  〔国務大臣奥野誠亮君登壇〕
#18
○国務大臣(奥野誠亮君) 超過負担解消の問題につきましては、四十八年度の公立文教施設整備補助予算におきまして、鉄筋構造で例を申し上げますと、単価で一〇・一%引き上げました。同時に校舎の補助基準面積で二〇%の引き上げを行なったわけでございまして、これらを通じまして百四十億円の増額計上をいたしておるわけでございます。文教施設の水準は、連年向上してまいるわけでございますので、今後ともこの面についての努力は続けていかなければならないと考えているわけでございます。
 人口急増市町村につきましての文教関係の財政援助、かなり進めさせていただいたつもりでございますけれども、これらの考え方を全般的にさらに充実させるように努力をしていきたいと思います。(拍手)
  〔国務大臣齋藤邦吉君登壇〕
#19
○国務大臣(齋藤邦吉君) 保育所の超過負担につきましてお答え申し上げますが、保育所の施設整備につきましては、従来から設置の希望が非常に多いために、ややともすれば超過負担の傾向がありましたが、昭和四十六年度の実績について実施いたしましたその調査の結果に基づきまして、厚生省といたしましても、超過負担の解消に積極的に取り組むことといたしておりまして、昭和四十七年度においては、たとえば定員九十人保育所、ブロック構造の場合、二百五十万から五百四十万、こういうふうに単価を引き上げてまいりましたし、昭和四十八年度においてもこの方針に従い、実施計画策定の段階において、国庫補助単価の大幅な引き上げを行ないました。今後とも超過負担解消のために努力をいたす考えでございます。(拍手)
  〔国務大臣金丸信君登壇〕
#20
○国務大臣(金丸信君) 第七次道路整備五カ年計画における整備方針といたしましては、幹線道路網の整備のほかに、特に地方の生活圏内の交通幹線網を形成する道路など地方道の整備に重点を置いて実施したいと考えております。
 このため、市町村道については都市と農山村とを一体とした整備を行ない、住みよい生活圏の形成をはかるのに必要な日常生活の基盤となる幹線市町村道の整備を強力に進める所存であります。
 新五カ年計画の市町村道整備事業費については、現在検討中であるが、その大幅な拡大をはかる所存であります。
 なお、第七次五カ年計画の初年度である昭和四十八年度の市町村道事業については五百六億四千五百万円と、前年に比べてみますと四九%の伸び率を見込んでおりまして、一般道路事業の対前年伸び率の二六%に比べますと大幅な伸びでございますが、念のために、地方道予算の総額から見まして、第六次五カ年計画の総額は千五百九十三億であります。第七次五カ年計画の総額は、ただいま検討中でございますが、五千億を用意いたしたいと考えておるわけでございます。
 以上。(拍手)
#21
○議長(中村梅吉君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#22
○議長(中村梅吉君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後二時二十三分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  田中 角榮君
        大 蔵 大 臣 愛知 揆一君
        文 部 大 臣 奥野 誠亮君
        厚 生 大 臣 齋藤 邦吉君
        建 設 大 臣 金丸  信君
        自 治 大 臣 江崎 真澄君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 吉國 一郎君
ソース: 国立国会図書館
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