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1972/03/09 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 本会議 第15号
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1972/03/09 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 本会議 第15号

#1
第071回国会 本会議 第15号
昭和四十八年三月九日(金曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十二号
  昭和四十八年三月九日
   午後一時開議
 一 国土総合開発庁設置法案(内閣提出)の趣
   旨説明
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 国土総合開発庁設置法案(内閣提出)の趣旨説
  明及び質疑
   午後一時四分開議
#2
○議長(中村梅吉君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 国土総合開発庁設置法案(内閣提出)の趣旨説明
#3
○議長(中村梅吉君) 内閣提出、国土総合開発庁設置法案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣坪川信三君。
  〔国務大臣坪川信三君登壇〕
#4
○国務大臣(坪川信三君) 国土総合開発庁設置法案について、その趣旨の御説明を申し上げます。(拍手)
 この法律案は、国土の均衡ある発展をはかり、豊かで住みよい地域社会の形成に寄与するため、国土の総合開発に関する行政を総合的に推進することを主たる任務とし、国務大臣を長とする国土総合開発庁を総理府の外局として設置しようとするものであります。
 この法律案においては、
 第一に、国土総合開発庁の所掌の事務及び権限について、その任務を遂行するため、国土の総合開発に関する計画をはじめ、大都市の機能の改善、地方の都市及び農山漁村の整備、総合的な交通施設の体系の整備等国土の総合開発に関する総合的かつ基本的な政策及び計画の企画立案に当たるとともに、国土の総合開発に関する関係行政機関の基本的な政策及び計画、特定の地域の大規模な開発整備事業にかかる関係行政機関の計画並びに経費の見積もりの方針及び配分の計画等関係行政機関の事務の調整を行なうこととしております。
 さらに、国土の総合開発の前提である土地問題及び長期的な水需給に関する総合的かつ基本的な政策の企画立案、並びに災害に関する施策の企画立案及び関係行政機関の事務の調整を行なうこととしております。
 以上のほか、首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律等各法律の施行に関する事務を行ない、また、国土総合開発法をはじめとする国土の開発整備に関する諸法律に基づく内閣総理大臣の権限の行使につき、内閣総理大臣を補佐する等の事務を行なうこととしております。
 第二に、国土総合開発庁長官は、国土の総合開発をはかるため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料の提出及び説明を求め、さらに、重要事項について勧告を行なう権限を有するほか、特に内閣総理大臣に対し、内閣法第六条に基づく措置がとられるよう意見具申ができることとしております。
 第三に、国土総合開発庁の内部部局として、長官官房のほか、計画局、調整局、土地・水資源局、大都市圏整備局及び地方振興局の五局を置くこととし、土地・水資源局には、水資源部を置くこととしております。
 また、付属機関として土地鑑定委員会を置き、地価公示、不動産鑑定士試験等の実施及び不動産の鑑定評価に関する重要事項について調査審議することとしております。
 第四に、国土総合開発庁の設置に伴い、内閣法及び関係各省庁設置法の改正その他関係法律の整備を行なうこととしておりますが、特に環境の保全の観点から、下水道整備緊急措置法等についても所要の改正を行なうこととしております。
 最後に、国土総合開発庁は、昭和四十八年七月一日から発足することとしております。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。以上。(拍手)
     ――――◇―――――
 国土総合開発庁設置法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#5
○議長(中村梅吉君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。坂本恭一君。
  〔坂本恭一君登壇〕
#6
○坂本恭一君 私は、ただいま趣旨説明のありました国土総合開発庁設置法案につきまして、日本社会党を代表し、総理並びに関係各大臣に対して質問を行なうものであります。(拍手)
 本法案は、総理の著書であり、かつ昨年十二月行なわれました総選挙におきまして重要な争点の一つになりました「日本列島改造論」を推し進める具体化の一つとして提出されたものであります。そして、いわゆる列島改造政策のあらわれとして、現在審議中の昭和四十八年度予算案、また、今国会に提出され、あるいは提出が予定されている国土総合開発公団の設置法案並びに国土総合開発法案があり、政府は、これら法案と一体をなして列島改造政策を推し進めようとしているものであります。
 わが党は、大企業優先の従来の政治から、人間を、国民を尊重する政治、国民生活優先の政治に、政治の流れを変えることを主張してまいりました。そして、その結果が、昨年十二月の総選挙におきまして、わが党の躍進として国民の支持を得たものであると確信をいたしております。(拍手)したがいまして、大企業優先の列島改造論には、もちろん基本的に反対するものであります。そして、その具体化の一つとして提出されました本法案に対しましても、反対の意を強く表明し、本法案の撤回を要求するものであります。(拍手)
 本法案は、今後委員会におきまして詳細な審議が行なわれるものでありますので、私はここでは、列島改造論につきまして総理の所信を賜わり、さらに本法案に関連する基本的な問題について、総理並びに関係各大臣に質問をいたしたいと存じます。
 去る二月十三日、「活力ある福祉社会のために」という副題をつけた経済社会基本計画が閣議決定をされました。この基本計画は、昭和四十八年度から昭和五十二年度までの五年間の経済運営の指針となるものであります。それと同時に、昭和六十年から昭和六十五年ごろまでの長期的展望をもその中で行なっているのであります。この基本計画につきましては、わが党は、あらためてその批判ないし反論を行なうものでありますが、ここで、列島改造論との関連におきまして伺いたいと思うのであります。
 この基本計画におきましては、わが国の経済成長率は、昭和四十五年から昭和五十五年までは年九%前後、昭和五十五年から昭和六十五年までは六%ないし七%に保たれると見込んでおります。総理の列島改造論におきましては、年成長率一〇%を前提としてその理論を組み立てておりますが、このことは、各方面からの列島改造論への批判によりまして、総理自身が反省した結果なのでありましょうか。もちろん、基本計画の中におきましても、年成長率一〇%の高度成長を維持することは可能であると述べられております。しかし、そうすると環境はきわめて悪化し、所得分配面での不公平は未解決のまま残り、また、国際収支の大幅な黒字が続き、国際社会において著しい摩擦を引き起こすことになると述べられております。このことは、列島改造論に対する批判として、そして、これまでの高度経済成長政策のひずみとして、国民生活を著しく圧迫してきた現状を率直に反省した結果出てきたものなのでしょうか。総理並びに経済企画庁長官の所信を賜わりたいと存じます。(拍手)
 また、総理自身が反省じた結果がこの基本計画に盛り込まれているといたしましても、経済成長率を単に数%下げることによって、現在のわが国の深刻かつ広範な、経済的、社会的な諸矛盾に苦しむ国民の鋭いほこ先をかわそうというお考えは、いかにも安易かつ無責任な態度ではないでしょうか。(拍手)さらに、この基本計画の六%ないし九%の成長率は、どのような根拠に基づくものでしょうか、総理並びに経済企画庁長官の明確な御答弁をいただきたいと存じます。(拍手)
 次に、本法案に関連をいたしまして、若干の基本的な問題案について質問をいたしたいと存じます。
 本法案は、昨年十二月に行政監理委員会がまとめました「国土政策に関する行政機構についての意見書」をもとに作成されたものであります。要するに、国土の総合開発に関する総合的、基本的な政策及び計画を企画すること、さらに、事業部門の効果的な調整をはかるための機構であると説明をされております。
 わが国の行政機構は、行政が各省庁別に縦割りに構成をされております。したがいまして、国民生活の種々さまざまの要請を能率的に吸収し、それを処理することが非常に困難であるという欠陥を持っております。昭和三十九年、池田内閣に提出されました臨時行政調査会の答申は、国土建設を能率的に進めるために、行政機構の抜本的改革を断行すべきであると強調いたしました。しかし政府は、その後行政機構の抜本的な改革には何ら手をつけず、その場その場の場当たり的な改革をなしたのみにすぎません。
 本法案は、従来の行政機構をそのままにし、単に一つの庁をふやし、一人の国務大臣をふやし、単に屋上屋を重ねるにすぎないものであると断ぜざるを得ません。(拍手)私は、この際、行政機構全体について検討しなければならないということを強く要求いたすものであります。したがいまして、本法案を撤回し、行政機構について、全体的構想の中で検討した上で、あらためて提案すべきものであると考える次第であります。(拍手)この点についての総理及び行政管理庁長官並びに総理府総務長官の所信を賜わりたいと存じます。
 さらに、本法案は、関係各省庁が個々別々に行なっている国土開発行政を調整することを目的といたしております。しかし、本来この目的を達成するために、経済企画庁に総合開発局を設置したはずであります。この総合開発局が何ゆえに思うように機能してこなかったのか、政府はその原因について検討したことがはたしてあったのでしょうか。これまで国から市町村に至るまで、開発計画はそれぞれ各行政レベルばらばらに立案され、実施されてまいったことは御承知のとおりであります。経済企画庁にせっかく総合開発局を設置はしたものの、結局は何らの効果が出ませんでした。これを新たに国土開発庁に分離いたしたところで、その結果は同じことになるのではないかと断ぜざるを得ないわけであります。なぜならば、先ほど申し述べましたように、行政機構の縦割り制度は、結局は、開発事業を担当する各省庁がそのなわ張り意識から脱却できず、機構は新しくても機能は旧態依然たるものに終わらざるを得なくなるといわざるを得ないからであります。この点について、行政管理庁長官及び経済企画庁長官並びに総理府総務長官の所信を賜わりたいと存じます。
 次に、本法案によりますと、国土総合開発庁は、開発事業に関する経費について関係行政機関が行なう見積もりの方針及び配分の計画について調整を行なうこととなっております。しかし、財政法第十八条によれば、各省庁の概算要求を受けて見積もりの検討、調整を行なうことは、大蔵大臣の権限であると規定されております。さらに、財政法第三十四条の二によれば、予算のきまった計画について実施の承認を与えることも大蔵大臣の権限であると規定されております。この国土総合開発庁に与えられる二つの調整権限は、これらの財政法の規定に抵触するものと考えられます。何ゆえに国土総合開発庁にかような権限を与えなければならないのか、大蔵大臣並びに総理府総務長官の御答弁をいただきたいと存じます。
 次に、本法案に関連をして、今度、国土総合開発公団が設置されようとしております。昨年、第六十八国会におきまして、従来の産炭地域振興事業団を工業再配置・産炭地域振興公団に改組をいたしました。これを、さらに国土総合開発公団に改組しようとするものであります。
 本来、斜陽化しつつある産炭地域をよみがえらせるために設置されたものが、本来の目的からだんだんとかけ離れていき、産炭地域の振興政策は、どうやら片すみに追いやられてしまうのではないかとの疑問を持たざるを得ません。(拍手)産炭地域の振興ということを総理は本気で考えているのか、御答弁を賜わりたいのであります。
 本法案は、冒頭に申し述べましたように、列島改造論実現に向けてのものであります。総理が日本列島改造論を明らかにして以来、土地の買いあさりなどの投機が進行し、国民生活が著しく圧迫されてまいったことは御承知のとおりであります。単に国土改造の将来図が列島改造論という形であらわされただけで、この始末だったのであります。ここで、その実施の主体となる国土総合開発庁という機構が設置されれば、改造ブームに一そうの拍車がかかり、さらに国民生活が圧迫されるのではないかという懸念を持たざるを得ません。(拍手)
 円問題、地価問題、商品投機問題など、今国会においても取り上げられ、さらに、本日から集中審議が行なわれ、投機の抑制あるいは物価上昇の抑制を直ちにはかることを求めておりますが、はたして本気でこの抑制策をとり、実効ある措置をおとりになる気があるのか、総理並びに経済企画庁長官の決意のほどをお聞かせ願いたいと存じます。(拍手)
 最後に、日本列島改造論は、大企業本位の高度成長論にすぎず、すでにわが国をおおっている公害、物価上昇など、国民生活破壊の現状をさらに著しく悪化させるものにほかなりません。政府は、列島改造に関する政策を直ちに取りやめ、人間を尊重する、国民一人一人が安心して生活できる政策をすみやかに計画し、実施すべきであることを強く訴えまして、私の質問を終わるものであります。(拍手)
  〔内閣総理大臣田中角榮君登壇〕
#7
○内閣総理大臣(田中角榮君) 坂本君にお答えいたします。
 第一は、経済社会基本計画において示されました経済成長率九%と、列島改造論における一〇%成長率との関連についてでございますが、「日本列島改造論」は、巨大都市への人と文化と経済の流れを地方へ転換をさせて、住みよい豊かな地域社会を全国土にわたって実現をするための私の所見であります。その中で示しました経済成長率は、論旨を具体的に展開をするための一応の前提といたしまして、仮に想定をした数値でございます。
 この中には、御承知のとおり、一〇%の場合には、国民総生産三百四兆円、また八・五%の場合は二百四十八兆円、このように書いてあるわけでございまして、想定をした数値であることを御理解賜わりたいと存じます。
 経済社会基本計画は、工業再配置、全国交通通信ネットワークの形成、地方都市の整備等、改造論に示された考え方を取り入れつつ、活力ある福祉社会を目ざす、今後五年間の基本的な政策体系を提示をしたものであります。これら政策と整合のとれた経済成長率として九%程度と見込んだのでございます。
 第二は、縦割り体制を見直し、開発関係の行政機構全体の改革が必要であると思うが、どうかという御所論でございますが、現下の重要問題である過密過疎対策、環境の保全、社会資本の充実等の諸問題に対処するためには、国土総合開発に関し、十分な企画調整権能を持った行政機構が必要であると考え、国土総合開発庁の設立を提案したものであります。
 なお、今般の国土総合開発庁の設置は、昭和三十九年の臨時行政調査会の答申及び昨年十二月の行政監理委員会の意見の趣旨に沿ったものでございます。
 第三点は、国土総合開発公団と産炭地域振興についてでございますが、産炭地域振興施策は、国土総合開発の一環をなすものであり、今後とも、その充実をはかる必要があることは申すまでもないことであります。
 工業再配置・産炭地域振興公団を改組、拡充して設けます国土総合開発公団におきましても、産炭地域振興業務が従来どおり引き継がれ、さらにその強化につとめてまいらなければならないことは当然でございまして、全力を傾けてまいりたいと考えます。
 残余の問題に対しては関係閣僚から答弁をいたします。(拍手)
  〔国務大臣愛知揆一君登壇〕
#8
○国務大臣(愛知揆一君) お答えいたします。
 私に対する御質問は、国土総合開発庁の予算要求と実施についての調整権と財政法の関係でございます。
 国土総合開発庁が、各省庁にわたる経費の見積もりの方針の調整を行なうのでございますが、これは、いわば、予算の概算要求をいたします段階におきまして、関係各省庁と国土総合開発庁との間で行なわれる調整でございます。国庫大臣としての大蔵大臣は、財政法第十八条第一項の規定に基づきまして、この調整の済んだ要求を検討いたしまして、予算の原案を編成し、概算の閣議決定を求めるわけでございますから、この点は、総合調整機能を有する。すでに、科学技術庁、環境庁、沖繩開発庁等の各設置法上においても認められておるところでございます。
 また、第二は、配分の計画の調整でありますが、これまた同様に、各省庁において特定年度の実施に着手しようとするときに行なわれる調整でございまして、国庫大臣たる大蔵大臣は、財政法第三十四条の二の第一項の規定によりまして、財政当局の立場から、支出負担行為実施計画が、財政会計法令その他の法令または予算に違反することがないか、積算の基礎が確実であるか等について、その適否を審査いたしました上で、これを承認することに相なるわけでございます。
 以上のとおりでございますから、国土総合開発庁の行ないます調整は、財政法に違反するものとは考えません。(拍手)
  〔国務大臣福田赳夫君登壇〕
#9
○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。
 坂本さんから、縦割り制度をこの際根本的に再検討して、横割りの行政機構を考えたらどうだ、こういうようなお話でございますが、縦割り、横割りと申しましても、これは、利害得失が非常にむずかしい問題があります。たとえば総合開発庁を設置する、この際、坂本さんのお考えを貫きますれば、国土省とし、この機構の実施機関といたしまして、建設省あるいは農林省のある程度の業務を、あるいは運輸省の相当部分の業務を吸収する、そういうようなことになるわけなんです。そういうことを考えて、考えられない理屈はないわけでございまするけれども、しかし、それはあまりに強大です。これは行政機構として振り回せるかどうか、非常に重要な問題だろうと思う。そういうようなことで、今回はそういう縦割り、横割りというようなそういう問題には入らない。
 そこで、企画、調整の機能だけを新しい開発庁に与える、実施部門は、建設省なり農林省なり運輸省なり、その他の各官庁にこれを残す、こういうことを考えたわけでございまして、これが行政監理委員会も言うように、あるいは臨時行政調査会が言うように、実際的であると考えておる次第でございます。
 なお、企画庁の総合開発局でなぜ仕事ができないのかというお話でございまするけれども、国土の総合開発という問題が、今日のように非常に大きな問題になってきておる。この段階になりますると、一企画庁の一部局である、それでは十分でない。十分の機構と権限を持った機構ができまして初めてその機能を達成し得るということを考えまして、企画庁の総合開発局もこれを吸収する形におきまして今度の開発庁を設置する、そういうことにいたした次第でございます。
 なお、総理からも申し上げましたが、この考え方は、臨時行政調査会においても、また行政監理委員会におきましても支持しておる考え方であるということを申し添えます。(拍手)
  〔国務大臣小坂善太郎君登壇〕
#10
○国務大臣(小坂善太郎君) すでにお答えのあった問題ばかりでありますけれども、坂本さんに対してお答えをいたします。
 まず、「日本列島改造論」でありますが、これは、田中総理の私見としてまとめられたものでありまして、工業の分散、全国通信交通ネットワークの形成あるいは小都市の整備等によりまして、均衡のとれた地域構造を実現し、過密過疎、公害等の解消をはかるとともに、国民福祉の充実を基礎条件として整備しようとするものであります。
 経済社会基本計画は、こうした考え方を十分に取り入れてつくられたものでありますが、改造論に述べておられまする一〇%の成長というものは、これは、いまのような考え方を展開するための前提として仮に想定されたものでありまして、この値が望ましく、かつ、実現可能なものであるということについて、必ずしも十分な検討がなされたものではないというふうに理解しているわけでございます。
 したがいまして、経済社会基本計画では、社会保障の充実、社会資本の整備、公害の防除、労働時間の短縮等の福祉政策及び国際収支の均衡を達成するための諸施策の具体的なスケジュールに基づく実施を前提として算定いたしまして、期間中の実質経済成長率を九%程度と見込んだわけでございまして、これは、今後の政策運営の基本として適当なものであろうと考えておるわけでございます。
 次に、国土総合開発庁ができたのはなぜかということでございますが、ただいま経済企画庁総合開発局は、地域開発関係の法律を二十、審議会を十三所管しているわけでございますが、開発政策の重要性が増大してまいりました今日は、これを一局をもって処理することは困難な実情に達していると認められます。
 また、水資源の開発につきましても、現在五大水系につきまして水資源開発計画の策定を行なっておりますが、五大水系以外にも、水需給の見通しを行ない、水の供給の確保をはかることが必要となっておる地点もあるわけでございます。
 加えまして、土地問題の重要性が非常に増大いたしまして、土地の対策が重要な政策課題となってくることは、私から申し上げるまでもないところであります。このために国土総合開発法の全面改正を行なうとともに、開発行政の機構を整備し、その一元化をはかることが必要であると考えておる次第でございます。
 最後に、国土総合開発公団にお触れになりましたが、これはさきにも御答弁がありましたように、斜陽化する産業、たとえば産炭地というようなそういう地方の開発も含めて、総合的な平均的な国土の開発、発展をはかるということが必要でありますので、かようなことを考えておる次第でございます。
 以上、お答えといたします。(拍手)
  〔国務大臣坪川信三君登壇〕
#11
○国務大臣(坪川信三君) 私に対する三点にわたる御質疑に対しましてお答え申し上げます。
 第一点の、現在、国土の総合開発に関する行政は、御案内のごとく、総理府、首都圏整備委員会、経済企画庁、建設省、各省各庁の所掌に分かれておるような次第であります。
 しかし、過疎過密対策、環境の保全、社会資本の充実等の諸問題に対処しつつ、住みよい生きがいのある生活環境のもとで、豊かな暮らしのできる地域社会を建設するためには、総合的かつ斉合的な国土開発を強力に推進する必要があります。
 このため、今般、国土総合開発庁を設置いたしまして、開発行政に関する企画調整権能の強化をはかるとともに、国土総合開発に関する基本的かつ総合的な政策及び計画の企画立案、関係行政機関の国土総合開発に関する計画及びその実施の事務の調整、国土総合開発を推進するための前提である土地、水問題対策等を一元的かつ総合的に、強力に処理することといたしましたような次第であります。
 次には、国土総合開発に関する行政を所管しあるいは関連する省庁は、きわめて多岐にわたっております。このため、国土の総合開発を強力に推進していくには、十分な企画調整能力を持った総合的な行政機構がぜひとも必要であります。このような要請にこたえまして、経済企画庁総合開発局をはじめ、首都圏整備委員会等を統合いたしまして、国土総合開発庁を新設いたした次第であります。
 国土総合開発庁においては、国土の総合開発に関する基本的な政策及び計画について、一元的に企画立案するとともに、関係行政機関の事務の実効ある調整を行ない、国土の総合開発を強力に推進していく所存であります。
 最後に、国土総合開発庁は、その実施が多省庁にわたって行なわれる大規模な地域開発事業について、その総合的かつ統一的な推進をはかっていく観点から、各省庁の経費の見積もりの方針とその配分の計画について調整を行なおうとするものであります。
 先ほど大蔵大臣も述べられましたとおり、大蔵大臣は、財政当局の立場から、国土総合開発庁との調整が済んで各省庁から要求のあった予算の見積もりについて調整を行ない、あるいは予算成立後の実施計画が、財政会計法令その他の法令または予算に違反することがないか、積算の基礎が確実であるか等について、その適否を審査するものであります。
 したがって、両者は制度的に異なるものであって、何ら財政法上抵触するものではありません。
 以上。(拍手)
#12
○議長(中村梅吉君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#13
○議長(中村梅吉君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後一時四十分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  田中 角榮君
        大 蔵 大 臣 愛知 揆一君
 出席政府委員
        国 務 大 臣 小坂善太郎君
        国 務 大 臣 坪川 信三君
        国 務 大 臣 福田 赳夫君
        内閣法制局長官 吉國 一郎君
ソース: 国立国会図書館
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