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1972/03/13 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 本会議 第16号
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1972/03/13 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 本会議 第16号

#1
第071回国会 本会議 第16号
昭四十八年三月十三日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十三号
  昭和四十八年三月十三日
   午後二時開議
 第一 資金運用部資金並びに簡易生命保険及び
    郵便年金の積立金の長期運用に対する特
    別措置に関する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 昭和四十八年度一般会計予算
 昭和四十八年度特別会計予算
 昭和四十八年度政府関係機関予算
 日程第一 資金運用部資金並びに簡易生命保険
  及び郵便年金の積立金の長期運用に対する特
  別措置に関する法律案(内閣提出)
   午後六時四十四分開議
#2
○議長(中村梅吉君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 昭和四十八年度一般会計予算
 昭和四十八年度特別会計予算
 昭和四十八年度政府関係機関予算
#3
○中山正暉君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、昭和四十八年度一般会計予算、昭和四十八年度特別会計予算、昭和四十八年度政府関係機関予算、右三件を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#4
○議長(中村梅吉君) 中山正暉君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(中村梅吉君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 昭和四十八年度一般会計予算、昭和四十八年度特別会計予算、昭和四十八年度政府関係機関予算、右三件を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
 昭和四十八年度一般会計予算
 昭和四十八年度特別会計予算
 昭和四十八年度政府関係機関予算
  〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
#6
○議長(中村梅吉君) 委員長の報告を求めます。予算委員長根本龍太郎君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔根本龍太郎君登壇〕
#7
○根本龍太郎君 ただいま議題となりました昭和四十八年度一般会計予算外二案につきまして、予算委員会における審議の経過及び結果を御報告申し上げます。
 この予算三案は、去る一月二十六日に予算委員会に付託され、同月三十一日に提案理由の説明を聴取し、翌二月一日より質疑に入りましたが、二月十三日午後、アメリカのドル一〇%の切り下げ措置に対応し、わが国は外国為替について変動相場制をとることとなったことに伴い、審議は一たん中断され、二月二十日より質疑を再開し、公聴会、分科会をあわせて三十日間にわたって委員各位の熱心な審議が行なわれ、本日、討論採決をいたしたものであります。
 なお、総予算に関連し、一般質疑の期間中、外国為替の変動相場制採用の問題に関して二日間、また、一般質疑終了後、円対策、商品投機及び土地問題に関し二日間を充て、内閣総理大臣の出席を得て特に審議が行なわれましたことを申し添えておきます。
 まず、予算の規模等について簡単に申し上げます。
 一般会計予算額は、歳入歳出とも十四兆二千八百四十億円でありまして、前年度当初予算額に比べ、二四・六%の増加であり、歳入のうち、公債金は二兆三千四百億円で、公債依存度は一六・四%であります。
 また、特別会計及び政府関係機関の数はそれぞれ四十一及び十五で、前年度と同数であり、なお、財政投融資計画については、資金運用部並びに簡易生命保険及郵便年金特別会計の積立金の長期運用について別途法律を制定し、国会の議決の措置を講ずることとし、その運用予定額を両特別会計の予算総則に掲げることといたしております。
 次に、質疑の概要を申し上げます。
 まず、財政金融政策についてであります。
 すなわち、質疑は、予算をめぐるインフレ、地価の高騰及び商品投機と過剰流動性、また、過剰流動性を吸い上げる方法、国際通貨問題、税制については、所得税、法人税のあり方等について行なわれましたが、特に変動相場制へ移行について、「今回、変動相場制への移行せざるを得なかった原因は、福祉中心型経済への転換の努力を怠ったこと、また、低賃金、長労働時間、低い企業課税による低コストの製品で海外市場を乱していること、アメリカがドルの信認回復への努力を怠っているのに、政府はアメリカに対し事態の改善を講ずるよう何らの要請をしなかったことなどによるのではないか。また、予算の歳入歳出面でその見積もりを変更する必要はないか。外為会計の評価損は一般会計で負担することとなるのか。政府は責任を痛感するというならば、予算の内容を福祉中心型により一そう充実して修正すべきではないか」等の趣旨の質疑が行なわれました。
 これに対し、政府は、「福祉への転換については全力を傾けているが、その財源は経済の安定した成長によって求めていかなければならないので、急激な転換はできない。また、産業構造の転換については、ある程度の期間を必要とする。わが国の企業の賃金が低かったことは認めるが、このことのみで変動相場制をとらざるを得なくなったものとは考えない。ドル価値の急速な低下など他動的要因が大きく複雑にからみ合っている。国際通貨の不安は、単に黒字国の責任だけではなく、赤字国の責任でもあるし、特にドルが唯一の基軸通貨となっているので、政府としては、アメリカに対し、ドル価値が維持されるよう、インフレ政策の抑止、海外投資の抑制等について、機会あるごとに強く主張してきている。今回のドルの切り下げは、緊急事態という認識のもとにとられた措置と思うが、重大問題であるので、このたび開催されるパリの蔵相会議では、ドルの交換性の回復、海外投資の抑制、国内政策、特に金融政策について適切な措置をとるよう強く主張することとしている。予算の歳入面については、税収は当初の見積もりどおり確保できると考える。歳出面では、輸入物資は基準レート以下で購入できるし、対外支出金等は三百八円の基準相場で小切手振り出しで送金することとなるから、何ら国損を生ずることなく、予算は適正に執行できる。外為会計の評価損の処理は、単に評価損として計上しておけばこと足りる。評価損は一般会計から補てんする性質のものではない。昭和四十八年度予算は社会保障の拡充等に最善を尽くしたものである。予算執行の過程で、中小企業等に対し万遺憾なき措置をとりたいと考えているので修正する考えはない」との趣旨の答弁がありました。
 このほか、今後の国際通貨体制のあり方、輸出産業等に与える影響、輸入価格の値下がりを消費者に還元する方策、今後の国際収支対策、特に農産物輸入の自由化、週休二日制、法人税の引き上げ等についても質疑が行なわれたのであります。
 次は、社会保障についてであります。
 すなわち、質疑は、福祉社会の意義、社会保障費、年次計画の策定、年金制度、健康保険、医療需要の増加と医療のシステム化の重要性、救急病院、保健所のあり方、献血者に対する無料健康診断の実施、福祉施設等について質疑が行なわれましたが、特に「年金制度の谷間にある六十七歳から六十九歳までの約百二十九万人に対し、年金支給の措置を早急に講ずべきではないか。また、老齢福祉年金の給付額は実情に合わぬと思うが、政府の見解はどうか」との質疑が行なわれました。これに対し、政府は、「年金制度発足当時五十五歳以上で年金制度に入れなかった人たちについては、拠出制か、無拠出か、いずれの制度で解決したほうがよいか、結論を得るに至っていないが、引き続き検討していく。また、老齢福祉年金については、再検討の時期が来ていると考えるので、五十年度に予定している一万円年金の実現を機会に、拠出制年金その他共済年金等とあわせ、その位置づけ、性格等について検討したい」との答弁がありました。
 次は、土地対策についてであります。
 土地問題は現下の最重要問題の一つとして、社会的に大きな関心を呼んでおります。
 質疑は多面にわたって行なわれましたが、特に、「政府の決定した土地対策について、政府の対策は手ぬるいので、所期の目的を達成しないのではないか、特定地域の指定は、大企業に安い土地を保証する結果となるのではないか。土地譲渡税は分離課税とすべきではないか。所有税については、課税対象から除外される区域を多くし過ぎていると思われる。また、税率の一・四%は低過ぎるのではないか」等の質疑が行なわれ、これに対し、政府より、「土地対策は現時点で考え得る最善のものと信ずる。特定地域の指定は、土地の投機買いの抑制、乱開発の防止、よりよい住宅団地の提供等を目的とするもので、特定大企業の利益を守るものでは絶対にない。譲渡税の分離課税については、完全に他の所得と分離して、法人税とは別にかりに七〇%の課税をすることとした場合、利益をあげた通常の法人は、譲渡税による追加的負担は約二〇%で済むが、欠損法人の負担は七〇%になるというバランス上の問題に留意し、分離課税方式をとらないこととした。保有税の課税対象から除外する土地は、農地の規模拡大等のため取得した場合であって、望ましい土地造成のための取得に対しては課税をしないというところに主眼を置いている。また、税率の一・四%は取引価格に課税されるので、固定資産税とは比較にならぬほどの高額となると考える」との趣旨の答弁があり、また、地価公示制等についても質疑が行なわれました。
 なお、土地対策につきましては、土地利用公社による一手売買、価格認定機関の設置等各種の提案がありましたことを申し添えておきます。
 総予算に関連しての質疑は、以上のほか、外交、防衛、岩国、三沢における米軍施設の改修等の負担、沖繩問題、政治資金、商品の投機的取引、為替差損に対する会計処理と法人税の取り扱い、食糧の備蓄、米の流通秩序の問題、農業問題、林野行政、また環境基準、被害者救済、騒音、瀬戸内海汚染対策等の公害問題、大学紛争及び文部行政、公務員等のストライキ権、国鉄財政再建計画、地方行財政等、その他国政の各般にわたってきわめて熱心に行なわれましたが、詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。
 なお、本日質疑終了後、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の四党共同提案による予算三案を撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出され、趣旨説明が行なわれましたあと、予算三案及び四党共同の動議を一括して討論に付しましたところ、自由民主党は政府原案に賛成、四党共同提案の動議に反対、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党は四党共同提案の動議に賛成、政府原案に反対の討論を行ない、採決の結果、四党共同提案の動議は否決され、予算三案は多数をもって政府原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○議長(中村梅吉君) 昭和四十八年度一般会計予算外二件に対しては、堀昌雄君外二十四名から、三件につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。
#9
○議長(中村梅吉君) この際、その趣旨弁明を許します。堀昌雄君。
  〔堀昌雄君登壇〕
#10
○堀昌雄君 私は、提案者を代表いたしまして、ただいま議題となりました日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党、民社党が共同提案いたしております昭和四十八年度一般会計予算、昭和四十八年度特別会計予算及び昭和四十八年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議につき、その提案の理由及び概要を御説明申し上げます。(拍手)
 すでに動議の案文につきましては、お手元に配付いたしてありますので、御参照いただきたいと思います。
 まず、動議の主文を朗読いたします。
  昭和四十八年度一般会計予算、昭和四十八年
 度特別会計予算及び昭和四十八年度政府関係機
 関予算については、政府はこれを撤回し、少な
 くとも左記の点を含めてすみやかに組替えをな
 し、再提出することを要求する。
  右の動議を提出する。
  〔拍手〕
 まず最初に、昭和四十八年度予算の編成替えを求める理由を申し上げます。
 その第一は、円再切り上げに追い込まれたその責任と、そのために予算編成の前提が完全にくずれてしまったという点にあります。
 政府は、これまで、円の再切り上げはあくまで回避すると強く主張し、田中総理は、再切り上げに追い込まれた場合には、責任をとるとまで申されておりましたが、ついに円の変動相場制への移行という、事実上の円の大幅切り上げの事態を招き、国民に深刻な打撃と損失を与えることになりました。
 私ども野党のたび重なる提言を無視して、当然行なうべき内外政策の転換を行なわなかった政府の責任は、きわめて重大であります。(拍手)まさに政府の無能と大企業優先、アメリカ追従の姿勢を如実に示すものと言わなければなりません。
 しかも、このような事態を迎えた今日、昭和四十八年度予算がその前提をすべて失い、根本的な再編成が行なわれなければならないのは、当然のことであります。
 政府は、すみやかに、経済見通し、予算案、財政投融資計画を再検討し、新しい事態に対処して、国民の生活と利益を守るべきであります。そのための編成替えがなされない限り、国民の期待にこたえることができないことは明らかであります。(拍手)
 理由の第二は、今日まで政府のとってきた大企業優先の政策を、国民生活優先の政策に根本的に転換をする必要があるということであります。
 これまで、自民党政府のとってきた高度経済成長政策は、生産と輸出をすべてに優先させ、そのために、国民は、不十分な福祉と低い所得に甘んじなければならない状態でありました。
 労働者には、米国の三分の一の低賃金、また、先進諸国に例を見ない長時間労働を押しつけ、公害をたれ流しにし、社会保障、社会福祉の充実を怠り、生活環境の整備を放置し、農業や中小企業を踏み台にして国際競争力を強め、そのために生まれた低い輸出価格、国内価格との二重価格によって、他の国には例を見ない輸出の拡大が進められてきたのであります。
 しかも、その上に、政、官、財一体となった金融、財政政策によって、産業基盤偏重の税制、財政投資の拡大が行なわれ、そのために、異常な物価の高騰を招き、国民の生活を苦しめております。現在の日本経済は、まさに、国民生活の犠牲と負担によってもたらされたものであります。(拍手)
 第三の理由は、昭和四十八年度政府予算案が、国民生活を一そう苦しめるインフレ促進、低福祉高負担の予算となっていることであります。
 田中内閣は、今日の事態を招くに至ったことについて、少しも反省せず、あくまでも日本列島改造論を振りかざし、従来にも増して高度成長路線を推し進めようとしています。
 すなわち、昭和四十八年度予算は、福祉充実はおろか、経済政策転換の姿勢すら全く認められず、円再切り上げの原因をもっぱら外圧に置き、みずからの責任を回避して、通貨危機の犠牲を国民に押しつけ、またしても国民生活の犠牲と負担の増大をはかろうとしているのであります。(拍手)
 具体的な問題を取り上げるならば、その一つは、昭和四十八年度予算は、インフレを促進させ、物価を上げる予算であります。
 政府は、地下鉄、バス料金に続いて、国鉄運賃、健保料金値上げの法案を提出し、公共料金の引き上げによる政府主導の値上げ政策を進めようとしているのであります。
 また、だぶついた資金と日本列島改造論によって、土地、株式、生活必需物資への投機をあおり、インフレの進展と社会的不公正を拡大しております。加えて、巨額の国債を増発しようとしているのであります。
 これらは、物価の値上げに一そう拍車をかけ、国民生活を圧迫するだけでなく、国民の貯蓄を減価させ、将来の国民の生活を完全に破壊させるものであります。
 しかも、減税とは名のみで、物価調整すら十分行なわれず、国民の負担をますます増大させるものとなっているのであります。
 さらに、福祉転換はかけ声だけで、低福祉高負担を先行させ、その反面、産業基盤投資を優先させている予算であるということであります。
 政府は、口では福祉優先を唱えながら、老齢福祉年金は月額五千円にすぎず、五万円年金構想も完全に見せかけのものであり、国民年金に至っては、その実施は昭和六十一年からという遠い先のことであります。
 しかも、健康保険料、厚生年金、国民年金の保険料の引き上げは、国鉄運賃の値上げと相まって、国民の負担を増大させ、かえって福祉を後退させるものであります。
 これに対し、列島改造を先行させる道路等の産業基盤投資は大幅に増額し、これまで放置されてきた住宅、生活環境、社会福祉、教育文化施設等の整備は軽視され、かえって、公害の発生、自然破壊に拍車をかけようとしているのであります。
 さらに、加えるならば、昭和四十八年度予算は、農業と中小企業の危機を一そう深めるものであることであります。
 政府のこれまでの農政のもとで、農林漁業は破壊され、危機に瀕しております。減反と米の買い入れ制限が推し進められ、生産費と所得を補償する生産者米価及び食管制度はくずされ、農産物の自由化促進によって、果樹、畜産も、経営の自立性は完全におびやかされています。
 円再切り上げの事態を迎える中で、中小企業予算は相変わらずコンマ以下の低位に放置され、中小企業労働者に対する積極的施策は全く忘れられて、中小企業の危機的状況をますます深めているのであります。
 編成替えを求める理由の第四は、四次防推進の予算だということであります。
 政府は、国民世論を無視して、四次防計画を決定し、攻撃用兵器の装備を進め、これと対応して、自衛官を大幅に増員し、さらに、兵器国産化などにより、日米安保条約のもとで、軍事力の一そうの増強をはかろうとしております。これは、平和を願う日本国民のとうてい承認することのできないものであります。(拍手)
 以上のような国民生活軽視の予算を、私たちは容認することはできません。
 政府予算、財政投融資計画を根本的に再検討し、ほんとうに福祉を優先し、国民の生活と利益を守るよう編成し直し、国民の期待にこたえるべきであります。(拍手)
 次に、編成替えに関する要求の概要を申し上げます。
 日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党、民社党は、以上申し述べました理由に基づいて、ここに共同して、政府が、昭和四十八年度一般会計予算、同特別会計予算及び同政府関係機関予算を撤回し、少なくとも次の点を含め、編成替えをすることを強く要求するものであります。(拍手)
 組み替え要求の第一は、歳入関係であります。
 まず第一は、勤労者の所得税の減税であります。
 物価高の中で、勤労者に重い税の負担をかける現行の税体系を根本的に改め、生活費非課税の原則を貫き、諸控除を大幅に引き上げるべきであります。
 そのため、所得税は、四人家族、年所得百五十万円まで無税とすることを目途に、諸控除を引き上げるべきであります。なお、高額所得者に対しては課税を強化すべきであります。
 次は、中小零細事業者の減税であります。
 中小零細事業者に対しては、法人税率の引き下げなど、大幅な軽減を行なうべきであります。
 二番目は、大企業の税負担を強化することであります。
 大企業の法人税率を四〇%以上に引き上げること。また、法人受け取り配当の益金不算入など、大法人優遇の法人税体系を根本的に改めるべきであります。
 さらに、大企業、資産所得優遇の減免税を廃止することであります。
 大企業、資産所得優遇の租税特別措置を廃止するとともに、交際費課税の強化、広告費課税の新設、さらに、有価証券の取引、譲渡所得に対する課税を強化すべきであります。
 三番目は、土地税制の改革であります。
 この際、土地税制を抜本的に改革し、法人所有の土地譲渡所得の完全分離、高率課税及び大法人所有の土地の適正な評価等による土地課税の強化を行なうべきであります。(拍手)
 国債の発行については、財政法第四条、第五条の原則に立って、赤字国債の発行をやめることを要求いたします。(拍手)
 次は、歳出の増加についてであります。
 現在、国民の最も切実な願いは物価の安定であります。そのために、国鉄運賃値上げ等、各種公共料金の引き上げをやめ、政府主導による値上げ政策を根本的に改めるべきであります。
 また、大企業の管理価格の監視機構の強化、生活必需物資の投機規制、生鮮食料品の価格安定対策と消費者保護行政の強化、生協への助成など、強力な物価安定対策を緊急に実施すべきであり、さらに、消費者米価の物統令適用を復活することを要求いたします。(拍手)
 二つには、社会保障の拡充であります。
 まず、健康保険法の保険料の引き上げ等の改悪をやめ、医療保険に対する大幅な国庫補助を行なうべきであります。
 また、老齢福祉年金、障害、母子・準母子年金を大幅に増額し、そのため、老齢福祉年金は、六十五歳以上少なくとも一人月額一万円とし、障害、母子等についてもそれに準じてそれぞれ引き上げるべきであります。
 厚生年金、国民年金については、老齢福祉年金等の引き上げとあわせて、従来の積み立て方式を賦課方式に改め、同時に、支給額の大幅な引き上げを行なうため、制度の抜本的改革を行なうことを要求いたします。
 次に、生活保護費、老人福祉費、児童手当、心身障害児者施設、難病対策等については、社会福祉関係費を大幅に増額し、保育所、老人施設、心身障害児者施設、医療施設等の福祉施設の緊急整備、並びに社会福祉施設従業員の増員と待遇改善をはかるべきであり、以上のことを含む社会保障、社会福祉施設の充実をはかるため、この際、総合的な年次計画を立てることを求めるものであります。(拍手)
 三つには、生活環境の整備であります。
 公共賃貸住宅の建設戸数は、これを年間百万戸にふやし、政府出資並びに補助金の増額等により、家賃の値上げを押えるべきであり、下水道、ごみ処理施設、公園緑地の拡充、生活道路、大量輸送機関、交通安全施設等の整備、農村地域の生活環境の改善等、生活環境関係予算を大幅に増額すべきであります。
 また、土地投機を規制し、土地税制の強化、公有地の拡大、地価の抑制など、総合的な土地政策を確立し、強力に実施することを要求いたします。
 四つには、公害対策と自然環境の保護についてであります。
 公害関係法令を再改正し、公害原因者負担原則に立って、企業に公害防止施設の整備を行なわせること、発生源規制の強化並びに総排出量規制の実施など、公害防除施策を強化するとともに、公害監視体制を拡充するよう、大幅な予算措置を行なうべきであります。
 被害者の救済措置についても、企業責任を明確にするとともに、公害被害者救済制度の改善をはかり、また、休廃止鉱山対策、公害関係研究体制の確立等をはかり、同時に、瀬戸内海等海域浄化対策の強化など、自然環境の保全整備を行なうことを要求いたします。
 五つには、中小企業、農業対策であります。
 ドル切り下げ、円の変動相場制移行に伴う被害から、中小零細企業を守るための緊急対策を強化し、下請企業対策及び労働者雇用対策の徹底、大幅な緊急融資を十分行なうべきであります。
 また、中小企業信用保険公庫の出資金の増額と保証ワクの拡大、小規模事業助成の拡充、納税猶予の実施など、中小企業対策予算を大幅に増額し、あわせて中小零細企業の労働者福祉施設の整備を進めることを要求します。
 農業対策につきましては、主要食糧の自給体制を確立し、食管制度の根幹を維持し、農産物の価格支持制度を拡充するとともに、土地改良事業など、農業基盤整備のための国庫負担を大幅に増額することを求めるものであります。
 六つには、地方財政の強化であります。
 地方財政の危機を打開し、生活福祉重点の政策を実施するため、地方財政を強化する必要があります。そのため、地方交付税率の引き上げ、国庫補助制度の改善、超過負担の解消等をはかるべきであり、また、危機に直面している公営企業に対し、国の助成を強化することを要求します。
 七つには、教育・文化対策であります。
 義務教育の完全無償化を実施するとともに、私学振興のための経常費補助を含む国庫助成を増額すること。奨学金制度の拡充をはかり、国公私立大学の授業料は値上げをしないこと。人口急増地域の不足教室の解消、僻地教育振興のための教育施設整備、教員の増員、さらに幼稚園施設整備、社会教育施設の充実等、教育関係費を大幅に増額することを要求します。
 また、入場税を撤廃し、文化・スポーツ施設の整備、文化財の保護、芸術家、芸能人等の生活・医療共済制度の設置助成などの予算を大幅に増額することを要求します。(拍手)
 第三には、歳出の減額についての要求であります。
 その一つは、四次防計画を取りやめることであります。(拍手)
 二つは、産業基盤整備のための公共事業費、特に産業道路整備の予算を削減するとともに、日本列島改造計画による先行投資や経費の支出は大幅に削減すべきであります。(拍手)
 三つには、産投会計繰り入れ金の削減であります。
 産投会計の大企業優先の融資につながる繰り入れ金は、削減することを要求します。
 第四は、財政投融資計画についてであります。
 財政投融資計画は、これを抜本的に改め、大企業、産業優先の運用を、住宅、生活環境など、国民生活改善、福祉優先の施策に大幅に投入することを要求します。
 また、財政投融資計画の運用の民主化をはかるため、国会議決のあり方を抜本的に再検討すべきであります。
 以上、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党、民社党が共同して提案いたしました、昭和四十八年度政府予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議の理由及び概要を申し上げましたが、これらは、当面緊急を要する最低限度の要求であります。(拍手)
 政府は、いさぎよく今回の予算を撤回し、すみやかに組み替えを行ない、再提出されるよう強く要求いたしまして、趣旨弁明を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#11
○議長(中村梅吉君) これより、予算三件に対する討論と、動議に対する討論とを一括して行ないます。順次これを許します。小澤太郎君。
  〔小澤太郎君登壇〕
#12
○小澤太郎君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております昭和四十八年度予算三案について、政府原案に賛成し、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の共同提案による予算の編成替え要求の動議に反対の討論をするものであります。(拍手)
 昭和四十八年度の予算は、経済の運営を新しい安定成長の路線に乗せながら、財政の面で国民福祉の向上に本格的に取り組んだ画期的な予算であります。
 私は、内外の経済情勢がきわめてきびしい今日、万難を排してこの福祉予算を編成された政府の熱意に対し、深く敬意を表する次第であります。(拍手)
 まことに大蔵大臣の財政演説にもありますとおり、国民福祉の向上という課題と、物価の安定及び国際収支の均衡とを調和させて、同時に解決をはかることは容易ならざるものでありまして、したがって、予算の編成にはなみなみならぬ苦心のあとが見られるのであります。(拍手)
 私は、まず本予算と物価の安定、すなわちインフレの関係について論じたいと思いますが、その際問題になるのは、財政規模の拡大と公債の問題であります。
 すなわち、まず健康にして豊かな充実した生活を強く求める国民の期待と要望に積極的にこたえるためには、財政の規模が拡大することは必至であります。
 すなわち昭和四十八年度の一般会計予算総額は十四兆二千八百四十億円でありまして、前年度に比べて二四・六%の伸び、また、財政投融資計画は六兆九千二百四十八億円で、同じく二八・三%の伸びという大型のものであります。
 そこで、この大型予算がインフレを誘発しないかという点が論議の対象となったのであります。
 しかしながら、この点に関しては、この予算が今日の向上した国民所得の水準の上に立って、財政の資源配分の機能を十分に生かし、社会福祉の充実に重点を置いて編成され、振替所得の増大に多くの部分が充てられたこともあり、政府の財貨サービス購入の伸び率も経済成長率とほぼ見合っており、さらには金融政策の面においても、預金準備率の引き上げその他の手段により、引き締めの方向に運営していぐこと等を考えますと、この予算がインフレを刺激するという心配はないものと判断されるのであります。
 さらに、ここで注意すべきことは、物価安定対策関係費を一兆三千五百二十六億円と、前年度に対し二九・八%増額計上してあるほか、土地、株式、生活関連物資等に対する一部商社等の買い占め、売り惜しみ等の投機的行為を封ずる強力な措置を講じつつあることであります。
 第二は、公債政策あるいは公債の機能の見直しの問題であります。
 従来はともすると、公債の発行額を決定するにあたっては、景気調整上の観点が重視されてきたのでありますが、昭和四十八年度においては、公債による公経済と私経済との資源配分の調整という機能が特に重視されております。
 社会資本の充実という当面の要請にこたえるため、景気上昇期にもかかわらず、公債の発行額は二兆三千四百億円と前年度よりかなり増額されております。
 公債即インフレというような考え方がいまだに世間の一部にあるような現状からいたしまして、公債の額が絶対額において増加していることは問題であるとする者がありますが、一般会計の公債依存度は一六・四%にとどまり、前年度より減少しており、さらにまた、建設公債、市中消化という二つの原則は、もちろんこれまでどおり堅持されているのでありまして、この点から公債発行は節度を守っているものと言い得るのであります。(拍手)
 以上、私は国民福祉の充実を目ざす財政の大型化が、物価の安定という課題と両立している点を指摘したのでありますが、三つの課題の一つとしては、さらに国際収支の均衡の問題があります。
 本院の予算審議の段階において、ドルの切り下げ、円の変動相場制移行という大きな問題が生じ……
  〔発言する者多し〕
#13
○議長(中村梅吉君) 静粛に願います。
#14
○小澤太郎君(続) そのために予算委員会における審議も一時中断したのであります。ドル切り下げ、円の変動制移行は、日本経済に相当な影響を及ぼすものであり、政府は現在すでに輸出関連中小企業等に対する金融の拡大等、適切な措置を実施しつつありますが、この際、政府が冷静に各国の動向を注視し、国益を守り、国際協調をはかる上で万全の措置をとることを期待するものであります。
 政府が国際通貨の激動に対処して、変動相場制を持続しながら、円の実勢価値を掌握し、さらに国際通貨安定策を検討しつつある今日の段階では、四十八年度予算を組みかえようとする野党の要求は、非現実的であり、(拍手、発言するもの多し)また全く無理な話であります。
 それよりも、一刻も早くこの予算を成立させて、国際収支の改善に全力を注ぐとともに、中小企業対策等必要な措置を適時適切に行ない、さらにその必要が生じた場合には補正予算を組むというやり方のほうが、より賢明にして現実的だと思うのであります。(拍手)
 次に、私は、昭和四十八年度予算のおもな内容を二、三あげながら、賛成の意見を述べたいと思います。
 まず第一は、社会保障の充実であります。
 予算額から見ましても、四十八年度の社会保障関係費は二兆円をこえ、一般会計における構成比も一四・八%とふえておるのであります。
 内容的には、高齢化社会に対応する老人対策に重点が置かれております。いわゆる五万円年金の実現、物価スライド制の導入、また、福祉年金の引き上げとその扶養義務者の所得制限の大幅緩和等、各種年金の改善と並んで、老人医療の無料化の拡充、老人ホーム等に対する助成の充実等、老人福祉対策が積極的に推進されておるのであります。
 また、老人対策以外の社会保障の政策としては、医療保険制度の改善、難病奇病対策の充実、遺家族援護、生活扶助基準の大幅引き上げ等をあげ得るのであります。
 第二は、社会資本の整備であります。
 一般会計の公共事業関係費は二兆八千億円をこえ、歳出総額のほぼ二割を占めるに至っております。その上に財政投融資の伸びを見込みますと、四十八年度における公共投資の伸びは画期的なものと言い得るのであります。
 また、機構面で、国土総合開発庁の新設と国土総合開発公団の発足が予定されており、計画としては、道路整備、漁港整備、土地改良の各事業について、それぞれ新規の長期計画が策定されることになっております。
 さらに特筆すべきは、昭和四十八年度においては、住宅及び生活環境施設の整備に力点が置かれているということ、税制の整備とあわせて、土地対策を積極的に進めているという点であります。
 第三は、文教予算の充実であります。
 教育の向上をはかるには、何よりもまずりっぱな教育者を得ることが重要でありますが、四十八年度予算においては、国公立の小中学校教員の給与改善のための特別経費が計上されております。
 これはわが党のかねてよりの主張に基づくものでありまして、処遇の改善と人材の確保という目標に一歩踏み出したものと言い得るのであります。(拍手)
 なお、ほかに注目すべきものとしては、教員の海外派遣の大幅な拡充、私立学校に対する経常費補助を前年度より四四%と大幅に増額していること等をあげることができます。
 第四は、租税負担の軽減合理化がはかられたことであります。
 すなわち、中小所得者の税負担の軽減をはかるため三千百五十億円の減税、産業関連の租税特別措置の改廃及び交際費課税の強化による百五十一億円の増収、そのほか福祉対策、公害対策、勤労者財産形成、住宅対策、中小企業対策に資するための減税を行ない、国税、地方税を通じて四十八年度減税額は四千六百億円となっておるのであります。(拍手)
 四十八年度予算の内容については、以上のほか、公害防止及び環境保全対策の拡充強化、農林漁業及び中小企業の近代化、地方財政対策等がその特色と見られるのであります。
 以上、昭和四十八年度予算は、一貫して国民生活の充実を目ざして、社会資本の拡充、福祉優先へ大きく転換を実現したものであり、まさに適切妥当なものであります。(拍手)
 次に、四党提出の予算編成替え動議について申し上げます。
 私は、四党が共同提案を行なわれた御苦心には敬意を表するにやぶさかではありませんが、前年度の予算審議に際し、日本共産党を除く三党が共同で提案された案の内容に比べて、著しく具体性を欠いた提案であることを、まことに残念に思うのであります。(拍手)
 言うまでもなく、予算は、国や政府関係機関の活動を、金額の面で国会が規制する形式であります。にもかかわらず、組み替え案には、予算について何らの数字が掲げられておらないのであります。(拍手)
 円の変動相場制移行により予算編成の前提がくずれたから、予算を組み替えるべきであるとの御提案でありますが、しからば、年間を通じて経済成長率はどの程度と推計され、予算規模はどの程度にすべきだとお考えでしょうか。遺憾ながら、それさえ、何ら数字をもって明示されておらないのであります。(拍手)
 また、国民負担の軽減を主張しながら何らの明確な計算もなく、より高い福祉が実現されるかのごとき印象を与えることも、無責任といわざるを得ないのであります。(拍手)次に、政府原案を大企業優先のインフレ予算ときめつけ、国民生活優先の政策に置きかえよという御提案でありますが、すでに述べましたように、政府原案は、限られた財源で国民福祉の向上に最重点を置いて編成されたりっぱな予算であり、その御提案は断じて承服するわけにはまいりません。(拍手)
 以上の理由により、私は、政府提出の四十八年度予算三案について賛成し、野党四党提出の予算編成替え動議には反対するものであります。(拍手)
 最後に、予算審議の過程で特に問題となった、いわゆる平和時における防衛力の限界について申し上げます。
 これはもともと、衆参両院を通じての日本社会党議員の要求に端を発して、防衛庁が誠心誠意検討を急ぎ、予算委員会劈頭においてこれを公表したのでありますが、その後日本社会党は態度を一変させて、これを撤回しなければ予算の審議に応じないという主張に変わったことは、私どもの全く理解に苦しむところであります。(拍手)
 しかし、政府が誠意をもって防衛力の限界を示したことは、従来、野党側のためにせんとする宣伝によって、わが国の防衛力が無制限に拡大するのではないかとの一部の疑惑を一掃したことは、政府の勇断によるものでありまして、私は、心からこれを評価するものであります。(拍手)
 以上をもって、私の討論を終わります。(拍手)
#15
○議長(中村梅吉君) 細谷治嘉君。
  〔細谷治嘉君登壇〕
#16
○細谷治嘉君 予算は、その国の政治の顔だといわれます。
 「いい世に走れ七三年」のごろ合わせで編成された昭和四十八年度政府予算は、国民多数の間では「いい世にはしない」あるいは「いいようにかってに走れ」とも呼ばれ、現に、土地・証券投機、商社による生活物資の買い占め、異常な物価の値上がりなどルールなしで横行し、無政府状態の感すらあります。(拍手)いま一億のはらからは、生活と権利、そして平和をかけて、国会の予算審議の状況を見守っているのであります。われわれは、その期待に必ずこたえなければなりません。
 私は、日本社会党を代表し、政府の昭和四十八年度一般会計予算、同特別会計予算及び政府関係機関予算に強く反対し、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党、四党提案に係る、右三案を撤回のうえ編成替えを求めるの動議に心から賛成する討論を行ないたいと思います。(拍手)
 政府は、予算編成にあたり、福祉、国際収支、物価という三つの問題の同時解決に努力したと自画自賛しておりますが、そもそも、この三つの政策課題がトリレンマを形成すると認識するところに、福祉路線転換への切りかえができていない何よりの証拠と言えるのであります。(拍手)
 福祉充実の前提条件が物価の安定にあることは論をまちません。また、生活関連社会資本の充実、公害防止、国内市場拡大が福祉と対外的均衡につながることも明白であります。すなわち、福祉政策への転換を決意し、国際収支の均衡、物価安定のため適切な手段をとりさえすれば、三者の矛盾は全くあらわれないのであります。つまり、政府が従来の経済成長、資本蓄積路線を継承し、生産第一、輸出第一、重化学工業中心の高度成長政策を取り続け、みずから作成した経済社会基本計画をも上回る高成長をとるところに、トリレンマがあらわれるのであります。(拍手)
 事実、この誤りは、予算の審議中二度にわたって行なわれた為替市場の閉鎖、円のフロートで証明済みであります。
 いまや、予算編成の前提となっている政府の経済見通しは根底からくずれ去り、福祉無策、円無策、物価無策の三無策予算と成り果てたのであります。(拍手)政府は、いさぎよく三予算を撤回し、直ちに野党四党の要求の線に沿って編成替えされるべきであります。(拍手)
 政府予算に反対する第二の理由は、財政投融資も含めて七兆八千億円にも及ぶ列島改造の路線であります。
 田中首相は、一枚看板ともいうべき日本列島改造論をひっさげて登場したのでありますが、この構想が、すでに失敗を繰り返した新全国総合開発計画、新経済社会発展計画の延長線上にあり、さらに土地、物価の騰貴、環境破壊と公害の拡散を促進し、あまつさえ地方自治を否定し、中央集権化を進め、農村の荒廃をもたらし、海外資源の争奪戦をも誘発する危険性すら持つのであります。
 列島改造論における工業再配置計画や工場追い出し税、二十五万都市建設構想など、すでに幾多の面で破綻しつつあることは周知のとおりであります。けだし、過疎過密同時解消論は一種の空論にすぎず、これを解決する道は、日本経済の二重構造の解消と同様、現在の経済体制を維持しては不可能なことを知るべきであります。(拍手)
 第三の反対理由は、福祉とは一体何かが全く不明確な点であります。
 公共事業など、列島改造関係では長期、中期の計画を決定しながら、最大の重点であるべきはずの福祉政策に対しては何ら計画がないことは、まことに遺憾であります。重要なことは、福祉の概念を明確にし、国、府県、市町村間の責任分担を定め、企業、個人を含む費用分担を適正化し、社会保障、社会福祉拡充年次計画を具体的に策定することであります。社会保障に後退は許されないといわれるだけに、政府は、憲法二十五条で規定した「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するために、不退転の決意をこの計画で示すべきであります。
 政府の予算にあらわれているような高負担低福祉は、絶対に許されないのであります。同時に、各種公共料金の値上げを抑制し、生活費には課税せずの原則に基づいて、大幅減税を断行すべきであります。国税の自然増収が、前年度当初比で二兆五千九百十億円もあるのに、減税はわずかに三千三百五十五億円で、地方税を合わせても、自然増収に対し一二%弱にすぎません。まさに、実質的増税というべきであります。また、悪名高い租税特別措置による減収が一兆円にも達しており、税負担公平の原則を破壊する最たるものである点にかんがみ、この際、抜本的に洗い直すとともに、大法人に対する法人税の実効税率を実質的に西欧水準にまで引き上げ、土地税制はさらに強化すべきであります。
 第四の反対理由は、四次防の本格的予算化であります。
 特に、攻撃的な空軍力の整備、爆撃装置のついた新機種の研究開発、大型護衛艦、新型装甲車など新兵器の増強、自衛官の大幅増員や沖繩の南西航空混成団の新設、さらに兵器国産化による産軍体制の強化など、危険な計画を内容としております。
 政府は、防衛施設庁費に三沢及び岩国の米軍基地兵舎の改修、改築費十億円を計上しておりますが、これは、安保条約締結以来、わが国が負担する初めてのケースであります。まさに地位協定第二十四条の拡大解釈であり、旧安保条約の防衛分担金を復活するものであります。(拍手)
 現在、米軍が基地の整備拠点化や老朽施設の改築を要求しており、その額は数百億円にのぼっているといわれています。もし、万一、三沢、岩国のケースを許すならば、わが国の負担は歯どめなく増大することになるのであります。
 政府は、一昨年の沖繩返還協定に際し、基地整備費六千五百万ドルの負担について、地位協定の拡大解釈でやることを密約したことを認めました。われわれ日本社会党は、国際緊張緩和に逆行して、ニクソン・ドクトリンに追随し、米軍の拠点化など日米安保体制を強化し拡大しようとする政府の態度と予算に断固反対し、これを全面的に削除するよう要求するものであります。(拍手)
 第五は、ばく大な財政投融資が大企業への低利融資や産業基盤投資に優先的に投資され、福祉投資が軽視されている点であります。
 この原資の大部分が大衆貯蓄や年金積み立て金であり、かつ、財投が第二の予算と呼ばれ、一般会計予算と密接不可分である以上、財政の公開主義、民主主義、平和主義の観点から、公団、事業団等の支出も政府機関と同様、国会の議決事項とすべきであります。
 第六の反対理由は、地方行財政を軽視している点であります。
 四十八年度地方財政計画は、国の予算に完全にビルトインされ、列島改造に動員されております。まさしく地方自治の否定であります。福祉重点の政治は地方の行政力、財政力を強化する以外にありません。私は、この意味で、税財源の大幅移譲、交付税率の引き上げなどを強く要求するものであります。(拍手)
 以上のように、国民生活軽視、公約不履行、そして編成の土台を失った政府予算三案を認めることは絶対にできないのであります。
 新聞等の伝えるところによれば、西ドイツは、二月、マルクの投機で多量の短資が流入し、インフレが強まったのに対し、過剰流動性吸収策として法人税等の増徴を実施に移そうとしつつあり、また、英国のバーバー蔵相は、三月六日の下院本会議で、新年度予算について演説をし、老人年金の増額、土地の投機的買い占めの防止などを含む通貨調整待ちの中立予算を発表しております。
 田中首相は、一月二十七日施政方針演説で、「新しい時代の創造は、大きな困難と苦痛を伴うものであります。しかし、私は、あえて困難に挑戦し、議会制民主主義の確固たる基盤に立って、国民のための政治を決断し、実行いたします。そして結果についての責任をとります。」と宣言したのでありますが、いまや、そのことばの片りんすらも見当たりません。他の国と比較すれば雲泥の差が感じられ、はなはだ遺憾に思うのであります。
 世論調査によりますと、田中内閣に対する期待度はわずかに二二・五%にすぎず、政治の流れを変える声は七九・六%にも達し、全国津々浦々にみなぎっておるのであります。
 政府は、すみやかに予算三案を撤回し、野党四党の要求する線に沿って、直ちに編成替えを行なうよう重ねて強く要求して、反対討論を終わります。(拍手)
#17
○議長(中村梅吉君) 谷口善太郎君。
  〔谷口善太郎君登壇〕
#18
○谷口善太郎君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、政府提出の昭和四十八年度予算三案に反対し、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党共同提案にかかる政府原案を撤回し編成替えを求める動議に賛成の討論を行ないます。(拍手)
 本論に入る前に、一言政府に申し上げたいことがあります。
 われわれの撤回動議に対して、先ほど予算委員会において総理が答弁をなさいました。あれは一体何ですか。総理はあの場所で言われたことは、この国会冒頭の施政演説の中で言われた抽象的なことを言ったにすぎないのであって、四十日にわたるわれわれの真剣な予算の審議を何と心得ておるか、(拍手)全く誠意のない答弁であったといわざるを得ないのであります。野党四党の共同提案にかかる編成替えの動議は、これは国民の要求を反映した、きわめて控え目な要求にすぎないのでありまして、福祉国家を口にする政府であるなら、自民党政府といえどもこれを聞かざるを得ないものとわれわれは確信している。(拍手)しかるに総理は、まさに木で鼻をくくったような答弁をいたしました。われわれはこれに対して、多数の国民を代表して、心から糾弾し、ここに抗議をするものであります。(拍手)
 本論に入ります。
 私は、まず、今日の経済情勢が、国民にとって危険な四十八年度予算の正体を鮮明にあらわしたことを指摘しなければなりません。
 この点での第一の問題は、国際通貨危機、円・ドルの問題であります。
 いま、国際的にも、国内的にも、投機のあらしが吹き荒れております。外には過剰ドルによる強い通貨や金への投機、内には外貨インフレや政府のインフレ促進的財政、金融政策によって生まれた、大企業の膨大な過剰資金による土地、株式、商品投機の横行など、資本主義世界経済はまさに矛盾の激化と病気の深さをあらわしてきているのであります。(拍手)とりわけ日本経済に矛盾が集中的にあらわれ、このため、国民の生活、営業は深刻に脅かされていることは、諸君の御承知のとおりであります。
 スミソニアン協定後わずか一年有余にして、円は変動相場制への移行を余儀なくされました。そして、引き続く事態は国際通貨危機の一そうの激化を示し、市場再開にこぎつけたといたしましても、円の変動相場制が長引くとともに、その大幅な切り上げを不可避にしているのであります。
 このような深刻な危機をもたらした最大の原因は何か。予算委員会の討議の中で明らかにされましたとおり、アメリカの軍事的経済的侵略政策によるドルのたれ流しにあることは、もはや国際的に常識になっておる。これを認めないのは日本政府のみであります。(拍手)
 田中内閣は、日米安保条約と日米経済協力のもとで、アメリカ帝国主義の力の政策に積極的に協力、加担するとともに、国際通貨危機を他国民への犠牲によって打開しようとするアメリカの要求のままに、円再切り上げや自由化を受け入れて、わが国の労働者、農民、中小企業に重大な打撃を与えつつあるのであります。(拍手)このような田中内閣の対米従属的な経済外交政策に対して、わが党は断固として抗議の意思をここに表明するものであります。(拍手)
 昭和四十八年度予算が円の大幅切り上げという重大な事態をあらかじめ前提にしてなかったことは、政府の言明によっても明白であります。もし政府が、この事態の中で国民の利益を守る考えを持つならば、この新たな事態に即して、当然予算の撤回、再提出を行なうべきであります。(拍手)しかるに、政府は、先ほど申しましたとおり、われわれ四党が真剣に討議をし、国民の意思を代表して提出した編成替えの動議に対して、国民の世論を無視してまで政府原案を押し通そうとしているのであります。ここに田中内閣の国民の利益を踏みにじる腹黒い、陰険な正体が暴露されているといわなければなりません。(拍手)
 特にここで強調しなければならぬことがあります。それは、今回の短期間のうちに繰り返された円の再切り上げと国際通貨危機の進行は、自民党政府が低賃金、低福祉を土台にした大資本優遇、輸出第一主義を改めない限り、再びドルが日本にたまり、円の切り上げを繰り返し、そのたびに働く国民、中小企業が重大な打撃を受けるという悪循環の道を進むことを明らかにしたことであります。この愚を再び繰り返してはなりません。
 しかるに、四十八年度予算は、まさに低福祉、大企業優先に貫かれたものであります。すなわち、すでに予算委員会で指摘されたごとく、社会保障費の一般会計に占める比率は、前年度予算に比べてわずかに〇・五%の上昇、年金に至っては、いわゆるまぼろしの五万円年金と引きかえに大幅な保険料の引き上げが行なわれる。健康保険にいたしましても、全くの改悪であって、労働者階級に対する重大な攻撃といわざるを得ません。まさに高負担先行が押しつけられようとしているこの事態を、われわれは黙視することはできないのであります。
 また、いわゆる列島改造予算の中で、産業基盤関連整備費が約八割、これに反して生活関連、教育、福祉関係、こういう国民の必要とする部分はわずか二割にすぎず、四十七年度予算とほとんど変わっていないのであります。この点については、政府自身が予算審議の中で、ドラスチックな変化はないと自認せざるを得なかったのであります。まさに笑止の至りであります。
 四十八年度予算を初年度とする社会経済基本計画が、日本の輸出を年に一四%増という世界の平均的な伸びをはるかに上回る勢いを予定し、五十二年度には百二十億ドルという大幅な貿易収支の黒字を見込んでいることも、田中内閣が依然として大資本優先、国民には低賃金、低福祉、輸出第一主義、そしてアメリカと結びつきながら、経済侵略を急速に推し進める道をとっていることを、最も端的にあらわしているものといわざるを得ません。(拍手)
 いま国民が切実に要求しているのは、文字どおり国民生活優先への根本的な転換であります。田中内閣が転換を口にしながら、依然として大企業本位の高度成長政策を続けようとしていることを、われわれはここにきびしく糾弾するものであります。
 第二は、物価騰貴の問題であります。
 今日の物価騰貴は、まさに第一次大戦後の米騒動の前夜を思わしめるものがあります。特に許しがたいのは、総合商社をはじめ大資本の、土地、木材、米、大豆、生糸からガーゼ、苗木、マグロに至るまで、こういう全面的な商品投機が横行しているということであります。
 このような国民を無視した大資本の悪行が、外貨インフレ及び政府のインフレ促進的財政金融政策によって生み出されたことは、だれの目にも明らかであり、過剰流動性と一体のものであることを、私どもはここにはっきりと指摘しておきたいと思います。(拍手)
 しかるに、政府は、これを鎮静させようとするどころか、ますます大企業の過剰資金を増大させる超大型インフレ予算を組んだのであります。一体、これが国民によって許されると思いますか。国民を愚弄するもきわまれりといわざるを得ないのであります。(拍手)
 さらに、政府は、国鉄運賃の大幅値上げとともに、今後十年間に四回に及ぶ運賃値上げを予定する国鉄再建計画なるものを国民に押しつけようとしております。まさに、今後十年にわたって政府主導の物価上昇を押しつける暴挙であります。日本共産党・革新共同は、このような国民生活破壊のインフレ促進、物価値上げ予算を、断じて許すことはできないのであります。(拍手)
 第三の問題は、対米従属的な軍国主義の復活強化、そのための予算を計上していることであります。
 ベトナム協定の成立によって、アメリカはもはやベトナムに対する侵略政策を投げ捨てた、冷戦構造は崩壊したという議論が、いまもなお一部にあるようであります。しかし、ベトナム協定成立後一カ月半のすべての事実は、ニクソン政権が、南ベトナムに対し、別の形の戦争、新しい方式の侵略を続けていることをはっきりと示しております。彼らが南ベトナムに送り込んだ背広を着た軍人による南ベトナム人民への平定計画、サイゴン政権支配地域のあのコンソン島における残忍な政治犯虐殺事件、毎日平均四百回以上に及ぶ解放区への武力攻撃、タイの米軍基地の強化と東南アジア海域における強力な第七艦隊の存在等々、ニクソンは、あくまでも南ベトナムの新植民地的支配を維持しようとしてあらゆる策謀をめぐらしているのであります。
 特に重大なのは、政府がこのような新たな形の侵略に対して、沖繩県をはじめ日本の基地を提供し、こともあろうに、アメリカのベトナム協定違反行為に傍若無人な協力加担をしていることであります。
 わが党が予算委員会で明らかにいたしましたように、日本政府の知らない間に、広の弾薬庫からは一万トンの大量な各種の弾薬がダナンに送られているのであります。これは、米第七艦隊空母ミッドウエーの横須賀母港化、在日米軍基地の再編強化を目ざす関東計画などとともに、日米安保条約の危険な実態をあらためて国民に示すものであります。
 昭和四十八年度予算は、このようなアメリカの力の政策に追随する日本の軍国主義復活強化を端的に示すものとして、一兆円をこえる四次防予算、アメリカの極東侵略を補完する海外援助費など、大きな費用を持っていることがこれを示しております。日本共産党・革新共同は、このような予算を断じて認めることはできません。これはまさに憲法違反そのものであるからであります。(拍手)
 さて、それでは、いまどのような予算を組まなければならないか、その基本的方向は明らかであります。
 それは、政府提出予算を貫く低福祉、大資本優先、対米追従と軍国主義復活強化の路線を、根本的に、文字どおり百八十度転換することであります。特に国民生活安定のための物価の安定は当面の急務であります。何よりもまず、国鉄運賃、健康保険料その他の公共料金の引き上げを直ちにやめることであります。大企業の商品投機やカルテルをきびしく取り締まり、独占価格を引き下げさせ、赤字公債の発行をやめて、インフレを押えることでなければなりません。また、所得税の免税点を四人家族百五十万円に引き上げることをはじめ、住民税、個人事業税の所得税に準ずる減税、生活必需品の間接税減税、中小企業の法人税率引き下げなど、これを断行することであります。わが党は、国税、地方税合わせて二兆円ぐらいの減税は断行すべきだという主張を持っております。これは、大企業に軽く、働く国民に重い現在の税体系を根本的に切りかえる税制の民主的改革によって実現可能であります。すなわち、租税特別措置その他の大企業、大資本家に対する特権的減免税の全廃、彼らに対する課税の強化、とりわけ土地や有価証券などの投機によるもうけに対するきびしい課税を実行することであります。こうすれば、二兆円の大衆減税は可能であるばかりか、われわれの計算によれば、財源はさらに余裕があるのであって、これを国民生活向上の諸対策の実施のために使用することができるのであります。
 先ほど小澤太郎君は、野党はいいことずくめを言っているが財源を示さぬと言っている。財源はあるのであります。大資本から取ることであります。取るか取らぬかが問題であります。自民党は大企業と癒着しているから、こういう政策は出せないだろう。われわれは勇気をもってこれを国民に訴えているのであります。(拍手)
 また、円の大幅再切り上げによる打撃から輸出関連中小零細企業を守るため、無担保、無保証、無利子の融資、倒産防止、市場転換に対する助成などを強化すべきであります。地方交付税率の大幅引き上げ、超過負担解消をはじめ、地方財政の危機を防止する対策も重要であります。
 また、賃下げなしの四十時間労働制、全国一律最低賃金制を確立し、賃金をはじめ働く国民の所得水準を大幅に引き上げ、労働条件を改善するとともに、真に憲法第二十五条の精神を生かして、社会保障制度を根本的に改善し、公共住宅を年間百万戸建設することなど、生活基盤を優先整備することをわれわれは強く要求します。(拍手)
 また、農民に対しましては、国民生活に重要な関係を持つおもな農産物の海外依存政策をやめ、農産物の自給と日本農業の自主的で多面的な発展を目ざして対処しなければなりません。食管制度の根幹を堅持するとともに、おもな農産物の価格保障制度を確立し、国費で積極的に農地造成を行なうなど、民主的な総合農政を実現すべきであります。
#19
○議長(中村梅吉君) 谷口君、谷口君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単にお願いします。
#20
○谷口善太郎君(続) 国民の圧倒的多数を占める働く国民の福祉の向上こそ、真に民主的な経済政策の基本であります。それがまた真の内需拡大につながり、対外的にも日本経済の安定と均衡のとれた発展をかちとる道につながるのであります。
 このような見地に立って、わが党は、すでに発表した生活改善、福祉向上計画、社会保障五カ年計画、教育施設整備五カ年計画、民主的国土政策とよい環境のための計画など、命と暮らしを守り、住みよい国土をつくる総合計画を実行し、その初年度予算として四十八年度予算を位置づけることを、ここに要求します。(拍手)この総合計画を行なうための財源は、すでに述べたように、税制の民主的改革、四次防計画と大企業奉仕の日本列島改造計画の中止、独占資本本位の対外進出費の大幅削減などによって、確保することが可能であります。要は、大資本の利益優先ではなく、国民生活優先の原則に立つこと、対米従属と対外侵略の道ではなく、経済の自主的、平和的発展の道を進めることであります。(拍手)
 以上の立場から、日本共産党・革新共同は、四党共同提案の四十八年度政府予算の撤回、編成替えを求める動議に賛成するとともに、政府提出の四十八年度予算に断固として反対することをここに明らかにし、私の討論を終わります。(拍手)
#21
○議長(中村梅吉君) 岡本富夫君。
  〔岡本富夫君登壇〕
#22
○岡本富夫君 私は、公明党を代表いたしまして、昭和四十八年度予算政府三案に反対し、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党が共同提出した予算組み替え動議に賛成の討論を行ないます。(拍手)
 最初に私が申し上げたいことは、当面する通貨危機の現状の中で、すでに東京為替市場は再度の市場閉鎖を行ない、国際通貨会議の動向は、かつてない重要性を示しております。しかして、円の実勢から見て、予想外の円の大幅切り上げに立ち至ることは必至と考えられ、このことが日本経済に及ぼす影響は甚大であることは、容易に想像ができることであります。
 したがって、政府は、国民の不安にこたえ、少なくとも、今日の円の実勢に照らし、その結果、変動する経済指数を具体的に明らかにし、われわれ野党が一致して組み替え動議を提出するまでもなく、みずから予算案を修正することこそ、責任ある政府の態度というべきであります。(拍手)
 政府は、予算審議中において、今回の事態に立ち至った政治責任の表明で、今後政府がとるべき姿勢として、わが国の経済社会構造を福祉中心型構造へ転換するための努力をすると確約しているのでありますが、その後の通貨情勢の変化は、直ちに実行に移すべき状態に立ち至っているというべきであります。
 それにもかかわらず、政府があくまでも原案どおりの予算案の成立を強行しようとしていることは、固陋頑迷に過ぎて、百害あって一利なく、みずから予算編成権の権威を失墜するものであり、国民の名において断じて許すことはできないのであります。(拍手)
 すなわち、わが党をはじめ、野党各党が予算の組み替えをすべきであると主張しているのは、以上のような前提、そうしてそれと関連して、政府案が、その以前の政策課題に対しても全然こたえ得ないものとなっているからにほかならないのであります。
 そもそも、今日の日本経済がかかえる福祉、円、物価といった政策課題が解決を迫られるに至ったのは、にわかにわき起こった問題ではありません。かねてからわが党が要求してきた国民福祉優先への経済体制への転換に対し、政府は反省することなく、いたずらに大企業優先、輸出至上、生産第一主義のもとで、国民福祉の向上を押えつけて、もっぱら高度経済成長政策を推し進めてきた当然の帰結であります。
 したがって、これら政治課題の解決は、経済成長は一体だれのためにあるのか、その原点に立ち戻らなければ解決はしないのであります。
 本来、国民福祉の向上のためにあるべき経済成長が、一部大企業の発展のためにすりかえられてきたことは、根本的な誤りであります。
 あたかも、国際経済社会において壮年期に達した日本経済は、その体質においては、低福祉国という欠陥体質をつくってしまったのであります。したがって、日本の急務は、国民の福祉を向上させることであり、それを実践に移し、健全な経済体質を保持しなければなりません。そのためには、従来のインフレ促進型の経済成長と資本の高度蓄積の路線を完全に放棄する必要があります。
 しかしながら、政府案が示す経済運営は、従来の路線を踏襲して、何ら国民本位となっていないのであります。
 すなわち、経済見通しは、実質一〇・七%の成長率、これは三十六年から十年間の年平均実質成長率一一%に匹敵する超高度成長を継承し、その成長の見通しのもとで、二兆三千四百億円という巨額の国債を発行し、日本列島改造計画をてことして、依然として産業優先の高度成長、インフレ経済を推進しようとしているのであります。
 政府は、四十八年度予算案を自画自賛し、社会資本と社会保障を重視した財政主導型に転換したいと言っておりますが、そのバックボーンはどこにもないのであります。
 四十八年度の財政資金は、四十七年度補正を含め、一般会計は十五兆円、さらに、四十七年度財政投融資計画の消化実績から判断して、四十八年度に財投が実際に使う金は八兆円から八兆五千億円になるのであります。こうしたインフレ大型予算をカムフラージュするために、社会資本整備のための財政の大型化、主導化は必要であるとか、資源配分の適正化が必要だと言っているにすぎません。
 しかし、経済の実質成長率が二けたの成長が見込まれる四十八年度財政が、これほど大型化したことは、財政の景気調整機能から見るならば、投資乗数効果によって有効需要を拡大することは間違いなく、インフレ景気刺激型であって、そのことを社会資本整備の必要性や資源の配分の適正化でごまかすのは許されないことであります。(拍手)
 これまでのわが国の財政運営を資源配分重視型に転換する前提として、世界でまれに見る低率の大法人の税負担の是正、資産所得、高額所得優遇税制の抜本的改正等の対策がとられ、財政の所得再配分機能が十分に働く条件を整えることが必要であります。
 政府案は、生産第一、大企業優先の歴代保守政党の政策と何ら変わりはなく、政治の流れを変えるとか、あるいは決断と実行などということは、おせじにも言えないのであります。(拍手)
 以下、政府案の内容について反対する理由を述べます。
 その第一は、政府案は、庶民生活切り捨ての物価値上げ予算であるということであります。
 政府案は、一方では、大量の国債発行をもとに、財政規模を安易に膨張させ、インフレをあおり、他方では、国鉄運賃や健康保険料などの公共料金の値上げをしようとして、政府みずからが物価高騰を主導し、さらには、地価安定のめどが立たないままに日本列島改造を先行しようとするなど、二重、三重の物価値上げ予算になっております。
 現に、大商社などによって生活必需物資までが買い占められ、異常騰貴を見せており、去年の卸売り物価の急上昇のはね返りや、野菜価格の先行不安なども合わせると、物価問題はさらに深刻化することは必至といわなければなりません。
 物価の安定を要求する国民の合意を無視し、これに逆行した物価値上げ予算を編成した政府の責任は重大であります。
 わが党は、この際、日本列島改造のための産業基盤投資関係予算を削除して、また、国債発行を大幅に減額し、また国鉄、健保の料金値上げなど、公共料金値上げをストップすることを強く要求するものであります。
 第二に、政府の宣伝ずる福祉充実が全く見せかけのものであり、いわんや、福祉経済への転換などということは、及びもつかない予算案であるということであります。
 政府は、社会保障関係費の伸び率をあげて、福祉充実予算であると宣伝していますが、社会保障関係費の一般会計に占める割合は、昨年度の一四・三%をわずかに〇・五%増したにすぎないのであり、しかも、福祉向上のビジョンは何ら示されていないのであります。
 また、福祉充実の一枚看板であるといわれる年金は、老人福祉年金が月わずか千七百円アップのみであり、はなばなしく登場した五万円年金のキャッチフレーズも、掛け金の引き上げを先行させ、厚生年金において実際に五万円年金を給付される者は受給者のうち約一割であり、国民年金に至っては、夫婦五万円の受給は、実際には早くても十三年後ということであり、これでは看板に偽りありといわざるを得ないのであります。(拍手)
 わが党は、老齢福祉年金三万円を、また厚生年金六万円、国民年金夫婦で六万円の実施を、修正賦課方式によって実現することを強く要求するものであります。
 第三には、来年度税制が福祉税制逆行の税制改正であることを指摘しなければなりません。
 政府は、大幅所得減税の公約を踏みにじり、国税の自然増収だけで二兆五千億以上見込まれているにかかわらず、国税、地方税を合わせてわずか五千億程度の減税にとどめてしまっております。
 予想される物価高から国民生活を守り、福祉向上をはかる意味からも、大幅減税は当然であり、政府案では税負担の不公平を助長するだけであります。
 さらに、大企業の法人税引き上げが見送られ、租税特別措置法の改廃が小手先の細工に終わり、さらに地価高騰や土地投機抑制のために期待された土地税制も骨抜きに終わったことは、とうてい納得ができないものであります。(拍手)
 政府において、真にわが国の経済体質や産業構造を転換し、さらに所得再配分の公平を期する意思があるならば、大法人税率を四〇%以上に引き上げ、勤労所得税の課税最低限を標準世帯年収百五十万円に引き上げ、また、大法人、資産所得者に対する租税特別措置の撤廃をし、土地税制を強化すべきであると思うのであります。
 第四には、社会資本の充実の面でも、生活環境施設整備が対前年度比六一・四%と大幅に増加したと政府は声を大きくして宣伝しておりますが、前年度に対して、増加額八百六十億円は、道路整備費の増加額千八百七十八億円を大きく下回っており、政府があくまでも産業優先の姿勢を変えていないことは、公共事業費によって占められる産業基盤投資が六五・五%を占めていることを見ても明らかであります。
 これでも政府は、資源配分の適正化だとか生活関連社会資本の充実だと言い得るかどうか。生活関連整備をあと回しにし、決して国民の命や生活を重視した資源配分を行なっていないことは明瞭であります。公共住宅年間百万戸の建設をはじめ、生活環境関係予算とともに、公害関係予算の大幅増額を強く要求するものであります。(拍手)
 第五には、中小企業と農業の危機を一そう深刻化する予算であるといわねばなりません。
 現在、すでに事実上の大幅円切り上げに直面した中小企業者は、一昨年十二月の切り上げによる被害が続出し、その影響は想像以上のものがあります。
 政府はかねてから、中小企業に対して重大な影響を与える円再切り上げは絶対に回避すると言い続けてきたのであり、この政府の公約をだれよりも期待しておったのは中小企業者であると思うのであります。その中小企業者に対してその責任を明確にする意味からも、万全な予算措置が必要であります。
 しかるに、政府の中小企業対策予算の伸び率は、予算規模の伸び率よりはるかに低く、大幅な円の切り上げが予想されるに至った今日の事態を全く予想していない予算案なのであります。
 政府は、当面の切り抜け策をもっぱら金融政策にゆだねようとしていますが、大幅な緊急融資はもちろんのこと、助成の拡充、下請企業対策及び労働者雇用対策の徹底、さらに減税、納税猶予を実施するなど、中小企業対策予算を大幅に増額すべきであります。
 わが国農業は、米作の減反と買い入れ制限の中で食管体制はくずされ、一方、農産物の自由化の促進は果樹、畜産経営をも脅かし、まさに危機に直面しておるのであります。国際社会にあっては、すでに世界の食糧危機が訴えられ、国内にあっては、急速な都市化現象と相まって、農業経営の危機が叫ばれ、加えて商社の投機が動く中で、主要食糧の自給体制の確立と農業経営の健全化は急務であります。政府の予算案は、この基本的な課題に対してこたえてはいないのであります。
 この際、わが党は、農業基盤整備に対する国庫負担をはじめ、食管制度の根幹を維持し、農産物の価格支持制度の拡充のため、予算の大幅増額を要求するものであります。(拍手)
 第六には、本年度の防衛予算は、昨年度から開始された五兆一千億にのぼる四次防計画が本格的に予算化されたものであり、従来の専守防衛構想から逸脱し、攻撃型の兵器を増強したきわめて危険きわまりない内容を持っているものであります。
 たとえばF4ファントム要撃戦闘機、大型護衛艦をはじめ攻撃的性格の兵器が増強され、しかも、兵器増強に伴う自衛官の大幅増員、南西航空混成団の新設、旧軍の軍医制度復活を意図した防衛医大の新設や予備自衛官の増員、さらには兵器の国産化による産軍複合体制の強化、在日米軍基地の統合による強化等、日米安保体制堅持の姿勢と連動して、軍事国家へのレールが着々と敷設されている意図が明らかであるといっても過言ではありません。
 わが党は、アジアの平和に逆行し、軍事力増強政策を具体化する防衛予算は断じて認めることはできないのであります。したがって、四次防計画を取りやめ、さらに三次防の国庫債務負担行為の打ち切りをし、防衛関係予算を大幅に削減し、それを福祉関係予算に振り向けることを要求するものであります。(拍手)
 以上、申し述べただけでも数々の欠陥を持つ政府の予算には、とうてい賛成できないのであります。(拍手)
 わが党は、三野党とともに、これを国民生活優先の予算にするため、組み替え動議を提出いたしましたが、政府は、この動議を真摯に受けとめるとともに、野党四党の背景には自民党をこえる国民の支持があることをよくよく理解すべきであります。(拍手)
 これをもって、政府予算三案には反対、野党四党の組み替え動議に賛成する私の討論を終わります。(拍手)
#23
○議長(中村梅吉君) 渡辺武三君。
  〔渡辺武三君登壇〕
#24
○渡辺武三君 私は、民社党を代表し、政府提案の昭和四十八年度一般会計予算案、特別会計予算案及び政府関係機関予算案の三案に対して一括して反対するとともに、野党四党共同の政府予算案組み替え要求動議に賛成する態度を明らかにしたいと思います。(拍手)
 わが党が政府予算案に反対する第一の理由は、円の実質的再切り上げによって、予算案の前提が根本から崩壊したということであります。
 言うまでもなく、政府はこれまであらゆる努力を払い、円の再切り上げは回避すると国民に約束をし、また、その前提で今回の予算案を編成したのであります。しかし、事実はすでに御承知のとおり、円は実質上の大幅再切り上げを余儀なくされ、為替市場は長期にわたって閉鎖をされているなど、予算の前提条件は根本からくずれ去っているのであります。
 しかるに、政府は、あたかもこれを天災地変によって受けた災害のごとくに装い、何らその責任を痛感しないばかりか、一片の反省すらうかがい得ないのであります。(拍手)
 かつて、この壇上より、国民のための政治を決断し、実行いたします、そして結果についての責任をとりますと言明されたのは、そも何人であったでありましょうか。(拍手)
 総理がここに決断し実行すべきは、このような大きな変化に対応するために、いまこそこの予算案を組み替えることにありと考えます。
 民社党をはじめ野党四党が、その基本的な主張の違いにもかかわらず、共同して政府予算案の組み替え要求動議を提案をしました最大の理由は、この際、国民福祉の飛躍的増大をはかることによって、今後の円の再々切り上げを防止することが当面緊急の課題であると考えたからであります。(拍手)
 しかるに、政府は、このような国民の切実な要求を無視し、野党の主張に耳をかさず、政府原案を多数の横暴によって押し通そうとする態度は、まさに反国民的な硬直姿勢そのものをむき出しにしたものであり、(拍手)わが党の断じて認めがたいところであります。
 政府予算案に反対する第二の理由は、今回の予算案が国民生活を一そう苦しめるインフレ促進予算であることにあります。
 田中総理は、わが国政が直面している最大の課題である土地政策に何らの対策を講じないまま、いたずらに日本列島改造論を強調し、ために地価の暴騰、証券の高騰、それがひいては大豆、木材、綿糸などの生活必需品への投機を引き起こし、いまや日本列島はインフレの危機にさらされているのであります。(拍手)
 しかるに、今回の予算案は、この物価高にブレーキをかけるどころか、一そう景気の過熱をあおり立てようとしているのであります。
 すなわち、第一に、旅客運賃の二三・二%など、大幅な国鉄運賃の値上げを画策し、第二に、土地政策は無為無策のまま国土の総合開発を強行して、全国的な地価の上昇をもたらし、第三に、無原則かつ大幅な国債の発行によって予算の大型化をはかり、財政面からインフレを促進しているのであります。
 民社党は、四党共同組み替え案の中にその骨子を述べておりますが、この際、インフレを抑制するためには、あらゆる施策を尽くして国鉄運賃の値上げはこれを取りやめるべきであり、土地価格の安定をはかるためには、まず土地利用公社の設立によって政策の方向を明示すべきであります。
 また、一方において、法人税の引き上げ、富裕税の創設などによって国債の減額を行なうことなどを強く主張しているのであります。
 これらインフレ対策を全く無視した政府予算案に対しては、わが党は断じて反対せざるを得ません。(拍手)
 第三に指摘しなければならないことは、現在国民が最も切実に要求している福祉の飛躍的増大に対して、政府予算案はきわめて冷淡なことであります。
 わが党は、この国民の要求にこたえるために、さきに、国民福祉四倍増五カ年計画を策定し、政府にその実現を迫ってまいりましたが、政府は、依然としてその易しのぎの糊塗策に終始しているありさまであります。
 現に、政府案は、口で福祉充実を唱えながら、その実質は、老齢福祉年金がわずか月額五千円にすぎず、また五万円年金構想も、それは見せかけのものであり、特に国民年金に至っては、その実施は昭和六十一年度からという、遠い遠い将来の計画にすぎないのであります。しかも、健康保険、厚生年金、国民年金ともに、その掛け金は大幅に引き上げるという、それはまさしく、低福祉高負担そのものといっても過言ではありません。(拍手)
 なおまた、老人、心身障害者の福祉施設とそこに働く従業員対策についても、その約九〇%を民間の協力に依存するなど、政府の社会保障、社会福祉政策は、何ら国民の期待にこたえてはおりません。これでは福祉国家の建設は、言うべくして、その実行は全く不可能であります。
 政府予算案に反対する第四の理由は、防衛費が大幅に増大されていることであります。
 わが国の防衛予算は、年々急膨張を続け、昭和四十八年度は九千三百五十四億円にも達し、ここに四次防はその第二年目を迎えようとしております。このような政府の防衛力増強計画に対して、いまや国民は深い危惧の念を抱いております。
 わが党は、自主防衛の必要性を認める立場に立ちながらも、国民的合意なくして、いたずらに防衛力増強計画だけを独走させることは反対であり、(拍手)また、日中国交回復、ベナトム和平などアジアの緊張緩和の現状にあって、ことさらに防衛力の増強をはかることは、まさに時流に逆行するものと断ぜざるを得ません。(拍手)
 われわれは、わが国が率先をして防衛費の削減をはかることによってアジアの緊張緩和を一そう促進することこそが、わが国の安全と平和を守る賢明な路線であると確信をいたします。政府の予算案は、防衛費を拡大し、わが国を再び軍事大国へとのめり込ませるおそれあるものでありますから、強く反対せざるを得ません。(拍手)
 最後に、私は、いまこそ国民のために、政治が決断をされ、実行されなければならぬときが来たと思います。総理は、みずからの公約どおり、まずその第一歩とし、この四野党共同の組み替えを求める動議の線に従い、本予算案を編成替えされんことを強く要望し、政府予算案に対する反対討論と、野党四党の共同組み替え動議に対する賛成の討論を終わります。(拍手)
#25
○議長(中村梅吉君) これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。
 まず、堀昌雄君外二十四名提出、昭和四十八年度一般会計予算外二件につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。
 堀昌雄君外二十四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#26
○議長(中村梅吉君) 起立少数。よって、堀昌雄君外二十四名提出の動議は否決されました。(拍手)
 次に、昭和四十八年度一般会計予算外二件を一括して採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。三件の委員長の報告はいずれも可決であります。三件を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
  〔議場閉鎖〕
#27
○議長(中村梅吉君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
#28
○議長(中村梅吉君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
  〔議場開鎖〕
#29
○議長(中村梅吉君) 投票を計算いたさせます。
  〔参事投票を計算〕
#30
○議長(中村梅吉君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 四百六十八
  可とする者(白票)      二百六十六
  〔拍手〕
  否とする者(青票)        二百二
  〔拍手〕
#31
○議長(中村梅吉君) 右の結果、昭和四十八年度一般会計予算外二件は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
 昭和四十八年度一般会計予算外二件を委員長報告の通り決するを可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    足立 篤郎君
      阿部 喜元君    愛知 揆一君
      愛野興一郎君    赤城 宗徳君
      赤澤 正道君    秋田 大助君
      天野 公義君    天野 光晴君
      荒木萬壽夫君    荒舩清十郎君
      有田 喜一君    井出一太郎君
      井原 岸高君    伊東 正義君
      伊藤宗一郎君    伊能繁次郎君
      石井  一君    石原慎太郎君
      稻葉  修君    稻村佐近四郎君
      稲村 利幸君    今井  勇君
      宇田 國榮君    宇都宮徳馬君
      宇野 宗佑君    上田 茂行君
      上村千一郎君    植木庚子郎君
      臼井 莊一君    内田 常雄君
      内海 英男君    浦野 幸男君
      江崎 真澄君    江藤 隆美君
      小川 平二君    小此木彦三郎君
      小沢 一郎君    小澤 太郎君
      小沢 辰男君    小渕 恵三君
      越智 伊平君    越智 通雄君
      大石 千八君    大石 武一君
      大久保武雄君    大竹 太郎君
      大西 正男君    大野  明君
      大野 市郎君    大橋 武夫君
      大平 正芳君    大村 襄治君
      奥田 敬和君    奥野 誠亮君
      加藤 紘一君    加藤常太郎君
      加藤 六月君    加藤 陽三君
      海部 俊樹君    笠岡  喬君
      梶山 静六君    粕谷  茂君
      片岡 清一君    金丸  信君
      金子 一平君    金子 岩三君
      亀岡 高夫君    亀山 孝一君
      鴨田 宗一君    唐沢俊二郎君
      仮谷 忠男君    瓦   力君
      菅野和太郎君    木野 晴夫君
      木部 佳昭君    木村 武雄君
      木村武千代君    木村 俊夫君
      岸  信介君    北澤 直吉君
      吉川 久衛君    久野 忠治君
      久保田円次君    鯨岡 兵輔君
      熊谷 義雄君    倉石 忠雄君
      倉成  正君    栗原 祐幸君
      黒金 泰美君    小泉純一郎君
      小坂善太郎君    小坂徳三郎君
      小島 徹三君    小平 久雄君
      小林 正巳君    小宮山重四郎君
      小山 長規君    小山 省二君
      河野 洋平君    河本 敏夫君
      國場 幸昌君    近藤 鉄雄君
      左藤  恵君    佐々木秀世君
      佐々木義武君    佐藤 榮作君
      佐藤 孝行君    佐藤 文生君
      佐藤 守良君    斉藤滋与史君
      齋藤 邦吉君    三枝 三郎君
      坂田 道太君    坂本三十次君
      櫻内 義雄君    笹山茂太郎君
      志賀  節君    塩川正十郎君
      塩崎  潤君    澁谷 直藏君
      島田 安夫君    島村 一郎君
      正示啓次郎君    白浜 仁吉君
      菅波  茂君    鈴木 善幸君
      住  栄作君    瀬戸山三男君
      關谷 勝利君    園田  直君
      染谷  誠君    田川 誠一君
      田澤 吉郎君    田中伊三次君
      田中 榮一君    田中 角榮君
      田中  覚君    田中 龍夫君
      田中 正巳君    田中 六助君
      田村 良平君    高鳥  修君
      高橋 千寿君    竹内 黎一君
      竹下  登君    竹中 修一君
      谷垣 專一君    谷川 和穗君
      千葉 三郎君    地崎宇三郎君
      中馬 辰猪君    塚原 俊郎君
      坪川 信三君    戸井田三郎君
      渡海元三郎君    登坂重次郎君
      徳安 實藏君    床次 徳二君
      中尾 栄一君    中尾  宏君
      中垣 國男君    中川 一郎君
      中曽根康弘君    中村 弘海君
      中村 拓道君    中村 寅太君
      中山 利生君    中山 正暉君
      楢橋  渡君    二階堂 進君
      丹羽喬四郎君    丹羽 兵助君
      西岡 武夫君    西村 英一君
      西村 直己君    西銘 順治君
      根本龍太郎君    野田 卯一君
      野田  毅君    野中 英二君
      野原 正勝君    野呂 恭一君
      羽田  孜君    羽田野忠文君
      羽生 田進君    葉梨 信行君
      萩原 幸雄君    橋口  隆君
      橋本登美三郎君    長谷川四郎君
      長谷川 峻君    旗野 進一君
      八田 貞義君    服部 安司君
      浜田 幸一君    早川  崇君
      林  大幹君    林  義郎君
      原 健三郎君    原田  憲君
      廣瀬 正雄君    福田 赳夫君
      福田 篤泰君    福永 一臣君
      福永 健司君    藤井 勝志君
      藤尾 正行君    藤波 孝生君
      藤本 孝雄君    藤山愛一郎君
      船田  中君    古屋  亨君
      保利  茂君    坊  秀男君
      細田 吉藏君    本名  武君
      前尾繁三郎君    前田治一郎君
      前田 正男君    増岡 博之君
      松浦周太郎君    松岡 松平君
      松永  光君    松野 幸泰君
      松野 頼三君    松本 十郎君
      三池  信君    三木 武夫君
      三ツ林弥太郎君    三原 朝雄君
      三塚  博君    箕輪  登君
      水野  清君    湊  徹郎君
      宮崎 茂一君    武藤 嘉文君
      村岡 兼造君    村上  勇君
      村田敬次郎君    村山 達雄君
      毛利 松平君    粟山 ひで君
      森  美秀君    森  喜朗君
      森下 元晴君    森山 欽司君
      安田 貴六君    保岡 興治君
      山口 敏夫君    山崎  拓君
      山崎平八郎君    山下 元利君
      山下 徳夫君    山田 久就君
      山中 貞則君    山村新治郎君
      山本 幸雄君    吉永 治市君
      早稻田柳右エ門君    綿貫 民輔君
      渡部 恒三君    渡辺 栄一君
      渡辺 紘三君    渡辺美智雄君
 否とする議員の氏名
      安宅 常彦君    阿部 昭吾君
      阿部 助哉君    阿部未喜男君
      赤松  勇君    井岡 大治君
      井上  泉君    井上 普方君
      石野 久男君    石橋 政嗣君
      板川 正吾君    稲葉 誠一君
      岩垂寿喜男君    上原 康助君
      江田 三郎君    枝村 要作君
      小川 省吾君    大出  俊君
      大柴 滋夫君    大原  亨君
      岡田 哲児君    岡田 春夫君
      加藤 清政君    加藤 清二君
      勝澤 芳雄君    勝間田清一君
      角屋堅次郎君    金瀬 俊雄君
      金丸 徳重君    金子 みつ君
      川崎 寛治君    川俣健二郎君
      河上 民雄君    木島喜兵衞君
      木原  実君    北山 愛郎君
      久保 三郎君    久保  等君
      久保田鶴松君    小林 信一君
      小林  進君    兒玉 末男君
      上坂  昇君    神門至馬夫君
      佐々木更三君    佐藤 観樹君
      佐藤 敬治君    佐野 憲治君
      佐野  進君    斉藤 正男君
      坂本 恭一君    阪上安太郎君
      柴田 健治君    島田 琢郎君
      島本 虎三君    嶋崎  譲君
      清水 徳松君    下平 正一君
      田口 一男君    田中 武夫君
      田邊  誠君    多賀谷真稔君
      高沢 寅男君    高田 富之君
      竹内  猛君    竹村 幸雄君
      楯 兼次郎君    塚田 庄平君
      辻原 弘市君    土井たか子君
      堂森 芳夫君    中澤 茂一君
      中村  茂君    中村 重光君
      楢崎弥之助君    成田 知巳君
      野坂 浩賢君    芳賀  貢君
      馬場  昇君    長谷川正三君
      原   茂君    日野 吉夫君
      平林  剛君    広瀬 秀吉君
      福岡 義登君    藤田 高敏君
      古川 喜一君    細谷 治嘉君
      堀  昌雄君    松浦 利尚君
      三宅 正一君    美濃 政市君
      武藤 山治君    村山 喜一君
      村山 富市君    森井 忠良君
      八百板 正君    八木 一男君
      八木  昇君    安井 吉典君
      山口 鶴男君    山崎 始男君
      山田 耻目君    山田 芳治君
      山中 吾郎君    山本 幸一君
      山本 政弘君    山本弥之助君
      湯山  勇君    米内山義一郎君
      米田 東吾君    横路 孝弘君
      横山 利秋君    吉田 法晴君
      和田 貞夫君    渡辺 三郎君
      渡辺 惣蔵君    青柳 盛雄君
      荒木  宏君    諫山  博君
      石母 田達君    梅田  勝君
      浦井  洋君    金子 満広君
      神崎 敏雄君    木下 元二君
      栗田  翠君    小林 政子君
      紺野与次郎君    柴田 睦夫君
      庄司 幸助君    瀬崎 博義君
      田代 文久君    田中美智子君
      多田 光雄君    谷口善太郎君
      津金 佑近君    津川 武一君
      寺前  巖君    土橋 一吉君
      中川利三郎君    中路 雅弘君
      中島 武敏君    野間 友一君
      林  百郎君    東中 光雄君
      平田 藤吉君    不破 哲三君
      正森 成二君    増本 一彦君
      松本 善明君    三谷 秀治君
      村上  弘君    山原健二郎君
      浅井 美幸君    新井 彬之君
      有島 重武君    石田幸四郎君
      小川新一郎君    大久保直彦君
      大野  潔君    大橋 敏雄君
      岡本 富夫君    沖本 泰幸君
      北側 義一君    小濱 新次君
      坂井 弘一君    坂口  力君
      鈴切 康雄君    瀬野栄次郎君
      田中 昭二君    高橋  繁君
      竹入 義勝君    林  孝矩君
      広沢 直樹君    伏木 和雄君
      正木 良明君    松尾 信人君
      松本 忠助君    矢野 絢也君
      山田 太郎君    安里積千代君
      池田 禎治君    稲富 稜人君
      受田 新吉君    内海  清君
      小沢 貞孝君    折小野良一君
      春日 一幸君    河村  勝君
      神田 大作君    小平  忠君
      小宮 武喜君    佐々木良作君
      竹本 孫一君    玉置 一徳君
      塚本 三郎君    永末 英一君
      宮田 早苗君    和田 耕作君
      渡辺 武三君    瀬長亀次郎君
    ―――――――――――――

#32
○議長(中村梅吉君) 日程第一、資金運用部資金並びに簡易生命保険及び郵便年金の積立金の長期運用に対する特別措置に関する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#33
○議長(中村梅吉君) 委員長の報告を求めます。大蔵委員長鴨田宗一君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔鴨田宗一君登壇〕
#34
○鴨田宗一君 ただいま議題となりました資金運用部資金並びに簡易生命保険及び郵便年金の積立金の長期運用に対する特別措置に関する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 御承知のとおり、財政投融資計画と国会の審議のあり方につきましては、かねてより、衆参両院を通じて論議がなされてきましたが、本案は、その論議の経過を踏まえ、毎年度新たに運用する資金運用部資金及び簡保積立金のうち、その運用する期間が五年以上にわたる長期の運用予定額については、予算をもって国会の議決を経るものとする等の措置を講じようとするものであります。
 本案につきましては、当委員会において慎重に審査を重ね、財投計画の今後の方向、いわゆる二重議決問題、弾力条項と繰り越し規定のあり方、公団、事業団等の予算制度、年金財政と財投計画との関係等、各般の点にわたり質疑応答がかわされましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 かくして、去る三月六日質疑を終了いたしましたが、三月九日広瀬秀吉君外三名より、日本社会党及び公明党の両党共同提案にかかる修正案が提出されました。
 その内容は、弾力条項についての根拠規定を法律に明定するとともに、その限度額を設定すること、長期運用予定額の繰り越しについては、あらかじめ予算をもって国会の議決を経るものとすること、及び公団、事業団等の予算のあり方について、その適正化を期するための指針となるべき規定を設けることの三点であります。
 続いて討論に入りましたところ、日本共産党・革新共同を代表して荒木宏君より、修正案はなお基本的に問題があり賛成しがたく、原案は反対である旨の、また、公明党を代表して広沢直樹君よりは、修正案に賛成、原案は反対である旨の意見が述べられました。
 次いで採決いたしました結果、修正案は少数をもって否決され、本法律案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対しましては、附帯決議が付せられましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#35
○議長(中村梅吉君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#36
○議長(中村梅吉君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#37
○議長(中村梅吉君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後九時十二介散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  田中 角榮君
        法 務 大 臣 田中伊三次君
        外 務 大 臣 大平 正芳君
        大 蔵 大 臣 愛知 揆一君
        文 部 大 臣 奥野 誠亮君
        厚 生 大 臣 齋藤 邦吉君
        農 林 大 臣 櫻内 義雄君
        通商産業大臣  中曽根康弘君
        運 輸 大 臣 新谷寅三郎君
        郵 政 大 臣 久野 忠治君
        労 働 大 臣 加藤常太郎君
        建 設 大 臣 金丸  信君
        自 治 大 臣 江崎 真澄君
        国 務 大 臣 小坂善太郎君
        国 務 大 臣 坪川 信三君
        国 務 大 臣 二階 堂進君
        国 務 大 臣 福田 赳夫君
        国 務 大 臣 前田佳都男君
        国 務 大 臣 増原 恵吉君
        国 務 大 臣 三木 武夫君
ソース: 国立国会図書館
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