くにさくロゴ
1972/04/10 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 本会議 第24号
姉妹サイト
 
1972/04/10 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 本会議 第24号

#1
第071回国会 本会議 第24号
昭和四十八年四月十日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二十号
  昭和四十八年四月十日
   午後一時開議
 第一 義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部
    を改正する法律案(内閣提出)
 第二 法人税法の一部を改正する法律案(内閣
    提出)
 第三 租税特別措置法の一部を改正する法律案
    (内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 議員請暇の件
 日程第一 義務教育諸学校施設費国庫負担法の
  一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 法人税法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
 日程第三 租税特別措置法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
   午後一時四分開議
#2
○議長(中村梅吉君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 議員請暇の件
#3
○議長(中村梅吉君) 議員請暇の件につきおはかりいたします。
 江田三郎君から、海外旅行のため、四月十一日から二十六日まで十六日間、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(中村梅吉君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。
     ――――◇―――――
 日程第一 義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#5
○議長(中村梅吉君) 日程第一、義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題といたします。
#6
○議長(中村梅吉君) 委員長の報告を求めます。文教委員長田中正巳君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔田中正巳君登壇〕
#7
○田中正巳君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教委員会における審査の経過とその結果を御報告申し上げます。
 本案の要旨は、
 第一に、公立の小学校の屋内運動場の新・増築費に係る国の負担割合を三分の一から二分の一に引き上げること。
 第二に、政令で定める児童生徒急増市町村が設置する小中学校校舎の新・増築費に係る国の負担割合を一定の期間、二分の一から三分の二に引き上げること。
 第三に、この法律は、昭和四十八年四月一日から施行すること。等であります。
 本案は、去る二月十六日当委員会に付託となり、三月六日政府より提案理由の説明を聴取いたしました。以来、慎重に審査いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
 かくて、四月六日本案に対する質疑を終了、次いで、塩崎潤君外四名から、本案に対し、この法律は、公布の日から施行し、昭和四十八年四月一日から適用することを趣旨とする自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の共同提案にかかる修正案が提出されました。
 本修正案及び原案については、討論の通告がないため、直ちに採決に入り、本修正案及び修正部分を除く原案は全会一致をもって可決、よって、本案は修正議決されました。
 次いで、長谷川正三君外四名から、本案に対し、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の共同提案にかかる附帯決議案が提出され、採決の結果、異議なく可決されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#8
○議長(中村梅吉君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(中村梅吉君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
 日程第二 法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#10
○議長(中村梅吉君) 日程第二、法人税法の一部を改正する法律案、日程第三、租税特別措置法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
#11
○議長(中村梅吉君) 委員長の報告を求めます。大蔵委員長鴨田宗一君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔鴨田宗一君登壇〕
#12
○鴨田宗一君 ただいま議題となりました法人税法の一部を改正する法律案、及び租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、法人税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法律案は、中小企業の内部留保の充実に資するため、同族会社の留保所得課税の場合の定額控除額を、現行の三百五十万円から五百万円に引き上げるとともに、賦払いの方法により対価の支払いを受ける役務の提供についても、物品販売の場合と同様に、割賦基準による所得計算を認めることとしております。
 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法律案は、当面の経済社会情勢に即応し、おおむね次のような措置を講ずるものであります。
 まず第一に、法人の土地譲渡益に対する重課制度を創設することとし、法人が昭和四十四年一月一日以後に取得した土地等については、原則として通常の法人税とは別に二〇%の税率で重課を行なうこととしております。これに伴い個人の不動産業者の土地等の譲渡についても、一般の短期譲渡に対する重課と同様の課税を行なうこととしております。
 一方、収用等の場合の譲渡所得の特別控除につきましては、現行の千二百万円から二千万円に引き上げる等の大幅な引き上げを行なうとともに、特例の適用範囲の拡大をはかることとしております。
 第二に、産業税制の改廃合理化をはかることとし、重要産業用合理化機械等の特別償却制度について、償却率を漸減して三年で廃止するとともに、格価変動準備金の積み立て率を一%引き下げる等の措置を講ずることとしております。
 第三に、社会福祉対策に資するための措置として、老年者年金特別控除制度を創設し、六十五歳以上の老年者が受ける公的年金等については、五百万円の所得制限のもとに六十万円の所得控除を認めることとし、また、心身障害者を従業員数の三割以上雇用している企業の機械及び工場の建物等について、三分の一の割り増し償却を認めることとしております。
 第四に、公害対策として、無公害化生産設備について、初年度三分の一の特別償却制度を創設するとともに、低公害乗用車の開発普及を促進するため、昭和五十年度の排出ガス保安基準に適合する乗用車については、物品税の課税標準を、四十八年度は四分の一、四十九年度上半期は八分の一だけそれぞれ減額する等の措置を講ずることとしております。
 第五に、中小企業対策として、事業主報酬制度を創設することとし、青色申告を行なう個人事業者についてみなし法人課税の選択を認め、この選択をした場合には、その事業主報酬に対して給与所得控除の適用を認めるとともに、みなし法人所得に対しては法人並みの課税を行なうこととしております。
 以上のほか、勤労者財産形成貯蓄に係る住宅貯蓄控除の控除額の引き上げ、国際経済環境の改善に資するための大型及び中型の乗用車に対する物品税の軽減等を行ない、また、農業協同組合等の留保所得の特別控除制度について、適用期限を延長する等、所要の措置を講ずることとしております。
 以上の両法律案につきましては、参考人を招いて意見を聴取する等慎重審査を行ないましたが、その詳細は会議録に譲ることといたします。
 かくて、両法律案につきましては、去る四月六日質疑を終了いたしましたが、これらに対し、木村武千代君外四名から、自由民主党の提案により、施行日を「公布の日」に改める旨のそれぞれの修正案が提出されました。また、法人税法の一部を改正する法律案につきましては、広瀬秀吉君外四名から、日本社会党、公明党及び民社党の三党共同提案にかかる修正案が提出されましたが、その内容は、法人税の基本税率を四〇%に引き上げ、受け取り配当等の益金不算入制度を廃止し、附則の修正により租税特別措置としての交際費課税を強化し、配当軽課税率を廃止する等のものであります。
 次いで、両法律案及び三修正案を一括して討論を行ないましたところ、自由民主党を代表して小泉純一郎君は、両法律案及び自由民主党提案にかかる両修正案に賛成、日本社会党、公明党、民社党の三党共同提案にかかる修正案に反対の旨を、日本社会党、公明党、民社党を代表して山田耻目君は、両法律案及び自由民主党提案にかかる両修正案に反対、三党共同提案にかかる修正案に賛成の旨を、日本共産党・革新共同を代表して増本一彦君は、法人税法改正案及びこれに対する自由民主党提案にかかる修正案並びに三党共同提案にかかる修正案に賛成、租税特別措置法改正案及びこれに対する修正案に反対の旨をそれぞれ述べられました。
 続いて採決いたしましたところ、三党共同提案にかかる修正案は少数をもって否決せられ、自由民主党提案にかかる両修正案並びに修正部分を除く両原案は多数をもって可決され、よって、両法律案は修正議決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#13
○議長(中村梅吉君) 両案につき討論の通告があります。これを許します。山田耻目君。
  〔山田耻目君登壇〕
#14
○山田耻目君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました法人税法の一部改正、租税特別措置法の一部改正について反対の立場を明らかにいたしたいと思います。(拍手)
 なお、租税三法の今日までの審議の経過にかんがみまして、所得税法の一部改正についてもあわせて反対の意向を述べたいと思います。
 今日、労働者や中小企業者の税に対する不満は、言うまでもなく、税金が相変わらず生活費にまで食い込んで課税をされ、税の大原則である生計費非課税の原則が完全にほごにされているところにあります。
 しかも、重要なことは、この勤労大衆への重い税金と大型の国債発行を財源として、大企業や資産所得、不労所得には取るべき税も取らずに、かえって税の特別優遇措置を温存、拡充し、税負担の格差と不公平をますます拡大していることに起因しているのでございます。(拍手)
 政府の今回の税制改正の特徴は、こうした勤労大衆の不満に何らこたえようとすることなく、減税が明らかに見せかけの税法上の減税にとどまりまして、物価高の中で実質増税を押しつけていることでございます。生活費非課税どころか、物価調整減税すら十分に行なわれておらないのであります。
 税の自然増収は、全体で二兆五千六百五十六億円もございました。そのうち、所得税の自然増収は一兆一千五百九十六億円であります。四十七年度に減税が見送られたことをあわせ考慮いたしますと、二年越しの所得税の自然増収は、二兆四千億円にも達しておると見られるのであります。
 ところが、所得税の減税は、わずかに三千百五十億円にすぎません。私どもの計算では、物価が五・五%政府見通しのごとく上がれば、物価調整減税は三千七百四十億円が必要となります。しかも、政府の国会答弁によりましても、もはや、四十八年度の物価上昇を五・五%に押えることは、とうてい不可能だということが明らかにされております。これでは物価調整どころか、実質増税になることは明白でございます。
 所得税の課税最低限は、四人家族給与所得者で平年度百十四万円に引き上げられたにすぎません。これくらいでは、平均百五十万円にも及ぶ生計費がかかる実態とあまりにもかけ離れたものでございまして、勤労大衆の生活権を全く無視したものであるといわなければならないのであります。
 このように、不当に低い課税最低限にしがみついている間に、中学新卒労働者の初任給にまで容赦なく税金がかけられ、雇用労働者の実態を見ましても、ほとんど全部が納税者となっているのであります。四十八年度の納税者は、源泉徴収者だけで二千八百四十七万人に及んでおります。
 しかも重大なことは、低い課税最低限に加えまして、労働者には、源泉徴収という名の天引き課税が過酷に実施されているという実態でございます。給与所得者には年末調整が行なわれるだけでございまして、納税者が税額に不満があっても、直接税務署にかけ合うことすらできません。こんな納税者をばかにした非民主的な、権利無視のやり方があるかと勤労大衆が憤るのも私は無理のないところだと思います。
 いま全国で約二千人以上のこうした勤労者が、このやり方に腹を立てまして、みずから確定申告書を提出をして、税務当局に直接請求をする行動に立ち上がっておるのであります。この行動は、何よりも人間としての権利に立った労働者の税金に対する怒りを強烈に表明しているものといわなければなりません。この労働者の怒りは、政府が税体系を全面的に改正をしない限り、根本的な解決策はあり得ないことを示しているのであります。
 こうした勤労大衆の激しい怒りに対して、政府のとろうとしている方向は、明らかに勤労大衆重課の税体系を据え置いて、かえって悪名高い租税特別措置を実質的に拡充することであります。
 加えて、諸外国に比べてみましても非常に低い法人税率を温存し、大企業や資産所得に相変わらず手厚い保護を加えて、税負担の格差と不公平をいやおうなしに拡大しているのであります。これでは、まさに税体系上、公平の立場から見ましたら、さか立ちをした税制といわなければならないのであります。(拍手)
 租税特別措置による特別減免税額は、利子、配当優遇措置をはじめ、内部留保の充実、企業体質の強化などという名目で、交際費課税強化を別にいたしますと、国税だけで実質六千四百五十億円にのぼっておるのであります。所得税減税額の倍額に相当するという実態であります。租税特別措置の大胆な整理、廃止の必要性は、税の公平と社会的正義の立場から、もはや論をまたないところであります。
 これまで税制調査会もたびたびその整理、廃止を答申しておるのでございますけれども、政府としては、この答申に一顧すら与えようとしません。
 今回の改正におきましても、重要機械などの特別償却制度や、価格変動準備金の積み立て率などを一部縮減をしたり、交際費の一部課税強化などで、これまでやり玉にあげられていたものを約百五十億円しぶしぶ整理、合理化することにしておりますが、そのかわりに、公害防止施設や自動車産業対策などで、特別償却制度をはじめとする百四十億円の制度の拡大を行なっております。これによりまして、減税分を帳消しにしておるのであります。特別措置の内容そのものを、大企業により手厚くするという従来の考え方を改めておりません。
 西欧諸国に比べて非常に低い法人税率の引き上げは、ついに見送られてしまいました。わが国の法人税率は、基本税率三六・七五%、地方税を合わせてみましても、実効税率は四五・〇四%であります。これは、アメリカの五一・六%や西ドイツの四九・〇五%、フランスの五〇%と比べてみまして、あまりにも低いということは、これまでしばしばこの壇上でも批判をされてきたところでございます。
 しかも、この法人税は、これまで不景気のときには下げられてきましたが、好況になっても引き上げようとしないずるさがあるのです。これが、今日までの政府・自民党の常套手段となってきていたのであります。
 その上、わが国の法人税体系は、いわゆるシャウプ税制勧告以来とり続けられております法人擬制説の立場に立って、法人間の受け取り配当には税金がかからない措置をとり、また、他方では、配当所得者には、四人家族で二百七十五万円まで無税となるという配当控除をしたり、また、それを受けて、配当分の税率を軽減をしたり、まさに、法人擬制説の悪い部分だけが日本では乱用されているのであります。この法人擬制説をよりどころとした税体系は、大企業がわが国を管理し、支配しているとさえいわれる状況の中で、いかにも非現実的な行き方であり、強いもの勝ち、強者優勝の論理といわなければならないのであります。
 このたびの円フロート、円再切り上げを招くに至りました日本経済の構造は、大企業偏重の租税特別措置の拡大と相まって、この法人税の低い税率がこれを税制面からささえてきた主軸であるということは言をまたないのであります。
 今回の国際通貨危機の中で、西ドイツはすでに法人税率一〇%の付加税の採用をきめておるのであります。日本政府が本気で日本経済の転換を考えているならば、法人擬制説の体系を改めて、法人税率を大幅に引き上げるべきでございます。来年では後手に回るのです。おそ過ぎるのであります。これでは、政府が幾ら声を大にして経済政策の転換を叫んでみましても、大企業や資本所得とぐるになったやり方だと批判されてもしかたがないではありませんか。(拍手)
 問題の土地の税制について見ましても、法人の譲渡益分離二〇%の新規課税と、地方税で保有税一・四%が創設されておりますけれども、これによって土地投機が抑制をされるということはとうてい考えられないのであります。
 しかも、民間デベロッパーは事実上課税対象からはずされ、完全に骨抜きとなっているのであります。これではかえってこの新税が地価に転嫁をされ、逆に地価値上がりに拍車をかける心配が十分にあるのでございます。
 土地成金と法人の土地買い占め、土地投機をもたらした昭和四十四年税制の失敗を根本的に反省をして、いまや社会問題化している土地のキャピタルゲインに思い切った課税を実施することが先決であらねばならないのであります。
 私は、いま日本の税制は合理的な再検討が必要でございます。勤労大衆に重く、大企業、資産所得に軽い不公平な税の体系を根本的に改めて、納税者の権利の保障、社会正義に立った税制につくりかえて、税の再配分機能を強化することなしに、国民の期待にこたえることはとうていできないことを明らかにいたしまして、反対討論を終わります。(拍手)
#15
○議長(中村梅吉君) これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。
 まず、日程第二につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#16
○議長(中村梅吉君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
 次に、日程第三につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#17
○議長(中村梅吉君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
#18
○議長(中村梅吉君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後一時二十八分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 愛知 揆一君
        文 部 大 臣 奥野 誠亮君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト