くにさくロゴ
1972/04/24 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 本会議 第29号
姉妹サイト
 
1972/04/24 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 本会議 第29号

#1
第071回国会 本会議 第29号
昭和四十八年四月二十四日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二十五号
  昭和四十八年四月二十四日
   午後一時開議
 一 国務大臣の演説(林業基本法に基づく昭和
   四十七年度年次報告及び昭和四十八年度林
   業施策について)並びに森林法及び森林組
   合合併助成法の一部を改正する法律案(内
   閣提出)及び国が行なう民有林野の分収造
   林に関する特別措置法案(芳賀貢君外十名
   提出)の趣旨説明
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 議員請暇の件
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 刑事補償法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)
 林業基本法に基づく昭和四十七年度年次報告及
  び昭和四十八年度林業施策についての櫻内農
  林大臣の演説並びに森林法及び森林組合合併
  助成法の一部を改正する法律案(内閣提出)
  及び国が行なう民有林野の分収造林に関する
  特別措置法案(芳賀貢君外十名提出)の趣旨
  説明及び質疑
   午後一時九分開議
#2
○議長(中村梅吉君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 議員請暇の件
#3
○議長(中村梅吉君) 議員請暇の件につきおはかりいたします。
 塚本三郎君から、海外旅行のため、五月一日から十一日まで十一日間、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(中村梅吉君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。
     ――――◇―――――
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#5
○中山正暉君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、内閣提出、地方税法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#6
○議長(中村梅吉君) 中山正暉君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(中村梅吉君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
#8
○議長(中村梅吉君) 委員長の報告を求めます。地方行政委員長上村千一郎君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔上村千一郎君登壇〕
#9
○上村千一郎君 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、地方税負担と地方財政の現状にかんがみ、個人の住民税、個人の事業税及び電気ガス税等について、負担の軽減、合理化をはかり、また、土地にかかる固定資産税について、住宅用地に対し軽減措置を講ずるとともに、税負担の激変緩和を行ないつつ、課税の適正化をはかり、あわせて土地の投機的取得を抑制するため、特別土地保有税を創設するほか、地方税制の合理化をはかるため、所要の規定の整備を講じようとするものであります。
 本案は、二月二十七日本委員会に付託され、三月二日江崎自治大臣から提案理由の説明を聴取した後、三月九日には参考人から意見を聴取するなど、本案はもとより、地方税制全般にわたって熱心な審査を行ないました。
 なお、四月五日、自由民主党から、固定資産税及び都市計画税について、三大都市圏の都市に所在するいわゆるA農地及びB農地に限り、昭和四十八年度ないし昭和四十九年度から、評価額を基礎として段階的に税負担の均衡化を進めること等を内容とする修正案が提出され、西村委員から趣旨の説明を聴取し、修正案についても熱心に審査を行なったのであります。
 さらに、四月十九日には、日本社会党、公明党及び民社党から、三百三十平方メートル以下の住宅用地の固定資産税額を、昭和四十八年度から昭和五十年度までの間、昭和四十七年度の税額に据え置くこと等を内容とする三党共同による修正案が提出され、山本委員から趣旨の説明を聴取いたしました。次いで、自由民主党から、施行期日を「公布の日」に改めるとともに、これに伴う関係規定の適用について整備をはかることを内容とする修正案が提出され、中村委員から趣旨の説明を聴取いたしました。
 四月二十日本案並びに本案に対する各修正案の質疑を終了し、本日討論を行ないましたところ、自由民主党を代表して中村委員は、本案及び自由民主党提出の両修正案に賛成、日本社会党、公明党及び民社党提出の三党共同による修正案に反対、日本社会党を代表して佐藤委員、日本共産党・革新共同を代表して林委員、公明党を代表して小濱委員、民社党を代表して折小野委員は、それぞれ日本社会党、公明党及び民社党提出の三党共同による修正案に賛成、本案及び自由民主党提出の両修正案に反対の意見を述べられました。
 次いで、採決を行ないましたところ、日本社会党、公明党及び民社党提出の三党共同による修正案は賛成少数をもって否決、自由民主党提出の両修正案及び同修正部分を除く本案は賛成多数をもって可決、よって、本案は自由民主党提出の両修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。
 また、本案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党共同提案により、住民税の課税最低限の引き上げ、住宅用地に対する固定資産税等の軽減、市街化区域内農地を対象とする生産緑地制度の創設、都市税源及び地方道路財源の充実、地方税にかかる租税特別措置の整理及び法人等の土地投機に対する規制の強化等を内容とする附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#10
○議長(中村梅吉君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#11
○議長(中村梅吉君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
 刑事補償法の一部を改正する法律案(内閣提
  出)
#12
○中山正暉君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、内閣提出、刑事補償法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#13
○議長(中村梅吉君) 中山正暉君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○議長(中村梅吉君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 刑事補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。
#15
○議長(中村梅吉君) 委員長の報告を求めます。法務委員長中垣國男君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔中垣國男君登壇〕
#16
○中垣國男君 ただいま議題となりました刑事補償法の一部を改正する法律案について、法務委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、最近における経済事情にかんがみ、刑事補償法に規定する補償金の額を引き上げ、補償の改善をはかろうとするもので、そのおもな内容は次のとおりであります。
 無罪の裁判またはこれに準ずる裁判を受けた者が、未決の抑留、拘禁または自由刑の執行等による身体の拘束を受けた場合の補償金の日額の上限を千三百円から二千二百円に引き上げ、また、死刑の執行を受けた場合の補償金額を三百万円から五百万円に引き上げること等であります。
 当委員会においては、去る三月九日田中法務大臣より提案理由の説明を聴取し、自来、参考人の意見を聴取するなど、慎重審査を重ね、本日質疑を終了しましたところ、日本社会党及び公明党から、それぞれ反対の討論があり、次いで採決を行ない、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#17
○議長(中村梅吉君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#18
○議長(中村梅吉君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 国務大臣の演説(林業基本法に基づく昭和四十七年度年次報告及び昭和四十八年度林業施策について)並びに森林法及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び国が行なう民有林野の分収造林に関する特別措置法案(芳賀貢君外十名提出)の趣旨説明
#19
○議長(中村梅吉君) この際、林業基本法に基づく昭和四十七年度年次報告及び昭和四十八年度林業施策についての農林大臣の発言を許し、あわせて、内閣提出、森林法及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律案について趣旨の説明を求め、また、芳賀貢君外十名提出、国が行なう民有林野の分収造林に関する特別措置法案について趣旨の説明を求めます。農林大臣櫻内義雄君。
  〔国務大臣櫻内義雄君登壇〕
#20
○国務大臣(櫻内義雄君) 昭和四十七年度林業の動向に関する年次報告及び昭和四十八年度において講じようとする林業施策につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、昭和四十七年度林業の動向に関する年次報告について申し上げます。
 わが国の森林、林業は、近年資源的制約、林業労働力の減少等により、国内林業生産活動が停滞する中で、国土の保全、水資源の酒養、自然環境の保全、形成等森林の持つ公益的機能に対する国民的要請が高まる一方、木材供給量の過半を占める外材についても、産地国の社会経済情勢の変化等を背景としてその供給事情にきびしさを加えている等きわめて困難な情勢に直面しております。
 まず、木材の需給の動向を見ますと、昭和四十六年には景気後退による建築活動の停滞等により、木材需要は減少し、木材価格は大幅に下落する等近年まれに見る動きを示したのでありますが、昭和四十七年には、民間住宅の建築等を中心とした景気回復が急速に進む中で、木材需要は急速かつ大幅に増加したのに対して、これに対応すべき国内生産はなお停滞的に推移する一方、外材輸入は相当程度増大して総供給量はある程度増加したものの、なお増大する需要に対応し得ず、この需給の逼迫、不況段階での在庫調整が進んでいたこと等の要因が複合して、秋から年末にかけての木材価格の高騰を招くこととなったのであります。
 なお、わが国の木材供給に重要な位置を占めている外材の輸入につきましては、産地国における住宅建築の急増、丸太輸出規制の強化、自然保護運動の高まり等産地国の社会的経済的諸問題が顕在化してきております。
 次に、林業生産活動を見ますと、国内の素材生産は、資源的制約、木材価格の低迷等を反映して、昭和四十三年以降減少傾向をたどり、人工造林面積も、伐採量の減少から趨勢的に減少しておりますが、昭和四十七年の下期には、木材価格の上昇等により、生産活動がやや積極化している面も見受けられます。
 林業経営の動向につきましては、昭和四十六年は木材価格の下落等を反映して林家の経営収支は悪化しております。
 また、林業就業者については、常用労働力は安定しつつあるものの、総数では減少傾向を見せており、林地の保有については、依然として零細規模の農林家が圧倒的に多数を占めておりますが、人工林化の進展等その保有山林の内容が充実しつつある一方、山林を保有する非農家世帯等が増加しつつあること、林地の転用が地域的にはかなり進んでいること等見のがし得ない問題も存在しております。
 また、森林の持つ多角的機能の発揮に対する国民的要請に即応して、木材生産等の経済的機能と国土の保全等の公益的機能との調和に十分配慮した適正な森林施業の実施と、これを推進するための援助措置の拡充が期待されるほか、山村及び都市における森林、林業の位置づけを明らかにするとともに、特に無秩序な森林の開発行為の規制、レクリエーション利用の増加に対応した森林の保全管理の充実、都市緑化の推進等の措置を講じていくことが必要となっております。
 なお、国有林野事業については、すぐれた国有林野を次代の国民に引き継ぐため、長期的視点に立って、国有林野の公益的機能の維持増進をはかるための諸施策の充実強化、各種事業の改善合理化等事業全般にわたる抜本的改善対策を樹立し、これを着実に推進することが強く望まれております。
 以上が第一部の林業の動向の概要であります。
 また、第二部におきましては、昭和四十六年度及び四十七年度において林業に関して講じた諸施策を記述しております。
 次に、昭和四十八年度において講じようとする林業施策について申し上げますと、以上のような林業の動向に対処するため、政府といたしましては、昭和四十八年度におきまして、林道及び造林事業の計画的推進等林業生産基盤の整備、林業構造の改善、林産物需給の安定及び流通加工の合理化、林業従事者の福祉の向上及び養成確保、治山事業の拡充、緑化の推進等森林の持つ公益的機能の維持増進等各般の施策を推進するほか、森林の開発行為の規制、森林組合制度の改善等を中心とする法制の整備を行なうこととしております。
 以上をもちまして概要の説明を終わります。
 次に、森林法及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 わが国の国土の約七割を占める森林につきましては、古来、重要な住宅用資材たる木材の供給を通じ、また、急峻な地形のわが国では、国土の保全の重要なにない手等として国民生活と深く結びついてきたことは御承知のとおりでありますが、近年経済の高度成長、都市化の進展等の社会経済情勢の変化に伴い、森林の有する公益的機能の発揮に対する国民的要請が高まる一方、需要の増大に対応して、木材の安定的な供給をはかることもまた大きな課題となっているのであります。
 政府におきましては、このような事情にかんがみまして、森林の有する経済的機能と公益的機能とを総合的かつ高度に発揮させるため、森林の適正な利用と健全な林業活動を確保することを旨として、森林計画制度の改善、開発許可制度の導入、伐採届け出制度の強化等をはかるとともに、森林組合制度の改善強化と森林組合の合併の推進とをはかることとし、この法律案を提出いたした次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 まず第一に、森林計画制度の改善をはかったことでありまして、全国森林計画は、流域ごとに計画事項を明らかにすることを旨として定めるようにするとともに、地域森林計画は、自然的、経済的、社会的諸条件及び利用の動向から見て、森林として利用することが相当と認められる民有林について樹立することといたしております。
 また、全国森林計画及び地域森林計画の計画事項として、新たに森林の整備に関する基本的な事項及び森林の土地の保全に関する事項を加えるほか、これらの計画は、森林の有する公益的機能の維持増進に適切な考慮を払って定めるべき旨を明定することといたしております。
 第二に、森林の土地の適正な利用を確保するため、民有林における一定規模以上の開発行為についての都道府県知事による許可制を導入することといたしたことであります。
 すなわち、地域森林計画の対象となっている民有林において、周辺地域に相当の影響を及ぼすおそれがあるような一定規模以上の土地の形質変更を行なおうとする場合には、都道府県知事の許可を要することといたしました。この場合、都道府県知事は、その森林が現に有している土砂の流出等の災害の防止、水の確保及び環境の保全の機能を維持するという観点に立って、許可するかどうかを判断することといたしております。
 第三に、伐採の届け出制度に関する規定を整備いたしたことであります。
 すなわち、地域森林計画に従って適切な伐採が行なわれるよう、森林所有者等が届け出た伐採計画が地域森林計画に適合していない場合や、その届け出た伐採計画が地域森林計画に適合していても、現実に行なっている伐採がその伐採計画に従っていない場合には、都道府県知事は、必要な命令をすることができることといたしております。
 第四に、森林施業計画の認定制度に関する改正でありまして、小規模経営林家の共同施業の推進を助長するため、新たに一定の基準に適合する森林の団地について共同して森林施業計画を樹立し、都道府県知事の認定を受けることができることといたしております。
 第五に、森林組合制度の改善強化をはかったことであります。
 その一は、森林組合制度の目的の整備でありまして、従来以上に森林所有者の地位の向上を重視する旨をその目的規定において明らかにすることといたしております。
 その二は、事業範囲の拡大でありまして、施設森林組合につきましては、その事業として、環境緑化木の販売等の事業、林地供給事業、保健休養の事業等を追加するとともに、森林の保続培養及び森林生産力の増進を期する観点から、みずから森林の経営を行なうことができる道を開くことといたしております。また、生産森林組合及び森林組合連合会につきましても、その事業の範囲を拡大することといたしております。
 その三は、管理運営体制に関する規定の整備でありまして、森林組合及び森林組合連合会の業務の運営が円滑に行なわれるよう、総代会の権限の強化、参事及び会計主任に関する規定の新設等の措置を講ずることといたしております。
 第六に、森林組合の広域的な合併を促進し、その体質の強化をはかるため、森林組合合併助成法を改正し、合併に関する計画の認定制度につき、その適用期間を五年間延長することといたしております。
 以上が森林法及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#21
○議長(中村梅吉君) 提出者芳賀貢君。
  〔芳賀貢君登壇〕
#22
○芳賀貢君 国が行なう民有林野の分収造林に関する特別措置法案につきまして、提出者を代表してその趣旨を御説明申し上げます。
 わが国の森林面積は二千五百万ヘクタールで、国土のおおよそ六八%を占めておりますが、国民一人当たりでは〇・二ヘクタールと、世界平均の一・二ヘクタールの六分の一にすぎません。すなわち、森林の果たす役割りは、国土の保全、水資源の涵養、自然環境の保全及び国民の保健休養などの公益的機能を確保し、木材その他の林産物を持続的に供給する等、国民生活の安定と福祉の向上をはかる上できわめて重要なものがあります。
 また、木材需給の動向につきましては、さきに政府が発表した森林資源に関する基本計画並びに重要な林産物の需要及び供給に関する長期見通しによりましても、わが国の木材需要は今後も大幅な増加の傾向を示し、すなわち、昭和四十六年度の総需要量は一億四百万立方メートルであり、供給の内訳は、国産材が四六%の四千八百万立方メートルと、輸入外材が五四%の五千六百万立方メートルでありますが、十年後の昭和五十六年度には、総需要量が一億三千五百万立方メートルに増大し、供給面では、国内生産は依然として停滞から脱却できず、自給率は三七%の五千万立方メートルであり、不足分の六三%の八千五百万立方メートルを外材に依存せざるを得ない状況となり、いまや、日本は世界第一位の木材輸入国に転落したのであります。
 しかしながら、外材輸入をめぐる情勢を見ましても、わが国の木材輸入量はすでに世界の総輸出量の三〇%を占めており、各国においても、資源政策及び環境保全の両面から、木材輸出に対する規制が一段と強化され、最近、アメリカ議会の上院における原木の対日輸出制限の動き等、わが国を取り巻く世界の木材事情は決して楽観を許さない状況であります。
 ひるがえって、わが国の林業は、一九七二年の林業年次報告でも明らかなごとく、政府・自民党の高度成長経済のもとで、大企業優先の乱伐及び乱開発によって森林資源の荒廃を招き、農山村の過疎化と労働力の不足、素材生産の減少と経営の不振により、林業の生産活動は後退を余儀なくされているのであります。
 なかんずく、民有林の造林事業についても、造林面積は、昭和三十六年度の三十三万八千ヘクタールをピークに年々減少を続け、四十六年度には二十五万五千ヘクタールに落ち込み、政府の民有林長期計画の達成率も八二%に低下し、さらに、インフレの激化と経済変動により、今後、造林計画の推進に一そう困難の度を加えることは明らかであります。
 結局、造林が進まない最大の原因は、林道の未整備及び労働力の不足に加え、経営上の不安と資金的な制約によるものであります。確かに、国の造林施策には補助造林制度や融資制度による助成の道がありますが、市町村自治体や小面積所有林家の自力造林はきわめて困難な状態に置かれており、その上、公社造林も資金的な行き詰まりを来たしている実情であります。
 このようなわが国林業の危機打開のため、昭和四十六年には、第六十五国会の農林水産委員会において、全会一致をもって、林業振興に関する決議が議決せられ、決議の第一項の中に、「「国が行なう民有林野の分収造林等に関する制度的措置」を検討し、その実現に努めること。」と明示されているのであります。
 この際、わが国林業の現状に対処し、国土保全、水資源確保、自然環境の保全など森林の公益的機能を確保し、林業生産力の増大と林業従事者の所得の向上を期し、森林資源の充実をはかるため、民有林野に対する国営分収造林の制度を創設し、国有林野事業の組織、技術、労働力及び資金を活用して、十五年間に百万ヘクタールの造林を目標に、国営分収造林を実施するため、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法案の主要な内容について申し上げます。
 第一は、国営分収造林計画に関する規定であります。
 農林大臣は、森林法第四条に規定する全国森林計画に即して、昭和四十八年度以降十五年間において実施すべき国営分収造林計画を樹立することとし、この計画において、国営分収造林契約に基づく造林の目標及び造林の事業量を定めるものであり、なお農林大臣は、この計画を公表することといたしております。
 第二は、造林実施地域に関する規定であります。
 農林大臣は、関係都道府県知事の申請に基づき、中央森林審議会の意見を聞いて、自然的、経済的、社会的制約によって造林が十分に行なわれておらず、かつ、すみやかに造林を行なうことが必要と認められる地域を造林実施地域として指定することとし、さらに、知事がこの申請を行なうときは、あらかじめ都道府県森林審議会及び関係市町村長の意見を聞いて行なうこととしております。
 第三は、国営分収造林契約の締結についての規定であります。
 国営分収造林契約とは、国が民有林野につき、地上権の設定を受けて造林を行ない、その造林による収益を、所有者と分収する条件で締結する契約をいうものであります。
 まず、農林大臣は、造林実施地域内の民有林野の所有者が国営分収造林契約を締結したい旨の申し出をした場合、その民有林野が政令で定める一定の理由と一定の要件を満たすときは、当該所有者を相手方として国営分収造林契約を締結することができることとしております。この場合、小面積の所有者が数人で共同して申し出をした場合においても、国営分収造林契約を締結できる要件を定めておるのであります。
 第四は、国営分収造林契約の内容等の規定であります。
 国営分収造林の収益を国及び造林地の所有者が分収する場合の分収割合は、それぞれ十分の五を標準とすることとしております。
 第五は、国営分収造林契約に係る造林事業に関する費用の繰り入れについてであります。
 政府は、国営分収造林契約に係る造林事業の業務の執行に要する経費を、毎会計年度、予算で定めるところにより、一般会計から国有林野事業特別会計の国有林野事業勘定に繰り入れするものとしております。
 以上、国が行なう民有林野の分収造林法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 国務大臣の演説(林業基本法に基づく昭和四
  十七年度年次報告及び昭和四十八年度林業
  施策について)並びに森林法及び森林組合
  合併助成法の一部を改正する法律案(内閣
  提出)及び国が行なう民有林野の分収造林
  に関する特別措置法案(芳賀貢君外十名提
  出)の趣旨説明に対する質疑
#23
○議長(中村梅吉君) ただいまの年次報告等についての発言及び趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。竹内猛君。
  〔竹内猛君登壇〕
#24
○竹内猛君 私は、日本社会党を代表して、ただいま報告された昭和四十七年度林業年次報告及び四十八年度において講じようとする林業施策に関し、田中総理並びに関係大臣に質問いたします。(拍手)
 第一は、わが国の社会、経済における林業の位置とその重要性についてであります。
 わが国の森林は、国土総面積の約七〇%を占め、急峻な山岳地形と相まって、国土の保全、水資源の涵養、緑と自然の保全及び造成、国民の保健休養などの公益機能の充実は、諸外国とは比較にならないほど重要な役割りを持っております。また、資源に乏しいわが国では、木材を中心とした森林資源は、諸産業の基礎資材として、国民生活の衣食住のすべての面で欠くことのできないものになっております。
 しかるに、林業に関する政策の目標と基本的施策を明らかにするための林業基本法が制定されて十年を経た今日にかかわらず、わが国の森林及び林業の現状は年とともに危機を積み重ね、今日きわめて深刻な問題に直面をしているといわざるを得ません。
 昨年六月の世界人間環境会議における、かけがえのない自然を守る宣言に見られる全人類的な自然破壊に対する怒りと、自然環境保全に対する切実な要求、昨年七月の集中豪雨で、あっという間に六十余名の命を奪った高知県土佐山田町及び宮崎県えびの市などに代表された全国的な大水害の痛ましい経験、都市化の進行に伴う水資源の涵養や、公害の広がりの中での緑の保全についての強力な要求、国内木材生産の減退と造林の大幅な落ち込み、山村の過疎化の深まりによる量、質ともに一そう悪化し後継者の見通しの全く立たない林業労働者の現状、加えて、林業労働者の命をむしばんでいる白ろう病の大量の発生、外材依存の政策によってもたらされた昨年夏以降の異常な木材の値上がりなど、森林の荒廃、さびれた山村、国民生活環境破壊の現状は、まさに危機としか言いようがなく、それは歴代自民党政府の、国民不在、独占資本、大企業優先の高度経済成長政策によってつくり出されたものだと断ぜさるを得ません。(拍手)
 田中総理の責任ある答弁を求めるものであります。
 第二は、木材需給の長期見通しについてであります。
 本年二月十六日に改定された森林資源に関する基本計画並びに重要な林産物の需給の長期見通しは、改定前の数字とあまりにも違い過ぎているのに驚かざるを得ません。
 五十年後の国内供給量一億三千二百万立方メートルから九千四百三十万立方メートルへと大幅に減らしたその反面、輸入期待量を千四百万立方メートルから五千八百六十五万立方メートルに大幅にふやし、しかも、輸入期待量のピークには、三千万立方メートルの約三倍の八千八百六十万立方メートルまでふやす見通しとなっております。
 この基本計画と長期見通しは、国及び地方自治体、そして林業団体、山林所有者等の生産と需要の指標となるものであります。しかも、森林経営は、他の産業と違い、四十年、五十年の長い年月を要するものであるだけに、三年や五年後の経済情勢が変わったからといって、簡単に森林経営の方向転換はできません。
 古来より、森林経営は、国家百年の大計に立って行なわれなければならないといわれているゆえんであります。
 経済成長のテンポの見込み違いと自然保護に対する国民的要求の高まりとを改定の根拠にしているようでありますが、五十年以上も見通さなければならない森林林業経営を、五年あるいは十年間の経済政策のワクの中に組み込んでしまうことは誤りであります。また、自然保護の要求が高まったのは、高度経済成長下の緑と自然の破壊に対する全国民的な批判と怒りであります。
 なお、長期見通しによる輸入期待量の最高八千八百六十五万立方メートルは、現在の五千五百万立方メートルを三千三百万立方メートルもふやすものであり、各国の丸太輸出規制、すなわち、最近におけるアメリカ議会の対日輸出全面禁止の動き、さらには、二月中旬ワシントンで開催された野生動物植物の輸出入等の規制に関する国際条約会議等におけるラワン、アピトンの伐採規制の動きなど、木材資源の世界的な不足傾向の中で、きわめて困難と判断せざるを得ません。
 農林大臣及び経済企画庁長官、通産大臣の見解を承りたいと存じます。(拍手)
 第三は、外材の輸入についてであります。
 最近、木材価格の異常な変動は、土地の爆発的な値上がりとともに、勤労者のマイホームの夢をますます遠いものにしております。
 四十六年の木材価格の下落を受け継いだ四十七年は、夏以来急上昇に転じ、ヒノキ、杉等の建築材は倍以上の値上がりをしました。この原因は、需給見通しの甘さであります。
 過ぐる三月二十二日には、建設業者や木材業者が大集会を開いて、大手商社の木材買い占めに集団的な抗議を行ないました。この事実は、歴史的なできごとであります。
 この原因は、木材の国内生産の停滞と減少に加え、輸出国における需要増など種々の条件があったことは万人の認めるところであり、政府の外材依存、大手商社中心の野放し輸入行政の結果にほかなりません。
 長期見通しで、外材は昭和五十六年の八千五百万立方メートル、六三%と、約三分の二を外材でまかなう計画を立てている以上、輸出国の丸太輸出制限の動きと相まって、木材価格の大幅な変動のないように、抜本的な対策を講ずべきであります。外材需給検討会の開催、産地事情調査などの小手先の対策ではどうにもならなかったことは、昨年秋の異常な値上がりですでに実証されております。(拍手)
 第六十五国会で、わが日本社会党が提案し、国民の総意に基づいて全員一致で決議された林業振興決議を具体的に実施しなかった政府の国会軽視の態度こそ、ここであらためて激しく追及しなければならないと思います。(拍手)
 それとともに、いまこそ、法律上の措置を含めて、木材の輸入のみならず、飼料、大豆等、第一次産品の輸入公社をつくり、大手商社にまかせないで、抜本的な措置を講ずべきだと考えるけれども、農林、通産両大臣の見解を求めます。(拍手)
 第四は、国内木材の生産についてであります。
 世界的な木材資源の減少傾向と森林の公益機能の充実を期するためには、造林の充実を期する必要があります。
 造林面積は、昭和三十六年をピークにして年々減少を続け、特に民有林が著しく、三十六年の三十三万八千ヘクタールが四十六年には二十五万五千ヘクタールと大幅に落ち込んできております。民有林造林の長期計画の達成率も八二%と低くなっております。一方、国有林においては、赤字対策のための手抜き造林が行なわれてきましたが、四十八年度から、新しい森林施業という名の天然林施策によって、新植面積を大幅に減らす計画と聞き及んでおります。
 このようなことでは、木林需給の長期見通しの前提となっている千三百万ヘクタールの人工林の造成は不可能となって、将来の木材需給に大きなそごを来たすことは必至であります。同時に、公益機能の十分な発揮は望めないと考えます。
 高度経済成長下の林業政策の誤りを再び繰り返してはなりません。誤りを正す意味からも、思い切った造林施策が必要であります。
 わが日本社会党がただいまここの場所で提案をしました民有林に対する国営分収造林制度を即時実現して、国有林の赤字にこだわった手抜き造林を直ちにやめるべきであります。(拍手)農林大臣の見解を求めます。
 第五は、山村の過疎化と白ろう症についてであります。
 山村地帯における過疎化の現状は、目をおおうものがあります。山村農民は、その生活をささえておった薪炭生産の没落に始まり、国有林の合理化、機械化で雇用から締め出され、林業構造改善事業で山を手放さざるを得なくなっております。米作減反で農業をやめざるを得なくなれば、当然山をおりて新しい生きる道を求めざるを得ません。過疎の進行は、同時に森林経営の基礎がくずれつつあることを意味します。林業労働者の年々の減少に続けて、昭和三十年代前半五十万を誇ったのが、四十六年には十七万人と、約三分の一に減少しました。民有林が特にひどいものがあります。それは、低い賃金と劣悪な労働条件と危険な作業が原因のすべてであることは言うまでもありません。労働基準法や失業保険及び社会保険の適用除外の事実が何よりもの証拠であります。(拍手)
 また、振動機使用者の中に蔓延している白ろう病の現状は、一刻もゆるがせにできない事実となっております。国有林で五千人をこす訴え者と千三百人の職業病認定者に比べ、二十倍をこす十二万台のチェンソー、十一倍の十一万台の刈り払い機を所有し、しかも、機械使用時間が、国有林の二時間規制に対して、労働省の二時間規制の指導にもかかわらず、五、六時間も使用しているという民有林が、認定者わずかに百人ということは、全く理解に苦しむところであります。
 このことは、雇用の継続と治療の全く確立されておらないために隠されているものであります。遠からず万単位の患者と廃人一歩手前の重症患者が顕在化することでありましょう。白ろう症状があらわれてからでは治療方法のない現代医学でも、それ以前に治療に専念するとなおるといわれておるのであります。現在の認定、治療補償の抜本的改善が必要であります。
 また、国有林の労働者においてさえも、身分がきわめて不安定で、常時働いてもその半数が定員外である事実がいまだに改善されておらないのであります。これをすみやかに改善されなければなりません。(拍手)
 いずれの国、いずれの時代を問わず、人間社会をささえるものは、人間の生存を保障し社会の進歩を推進するものは、ものをつくり、ものを運び、人とものとを育てる生産的な労働であります。(拍手)この生産労働のにない手である労働者の働きなくしては、社会は一歩も前進しないことは明白な事実であります。この労働者の命と暮らしの保障のないところに、森林、林業経営の発展の道はないと確信するものであります。農林大臣、労働大臣の答弁を求めます。
 第六は、日本列島改造と林業政策についてであります。
 四十七年度百二十億、四十八年度百四十二億に及ぶ国有林の売り払いは、即時取りやめるべきであります。また、林地保全、環境保全を重視した施策が求められておる今日、大面積皆伐並びに林地破壊に結びつく、四十七年度からスタートしたところの高密路網の展開と、自走式機械導入による施業方式を中心とする第二次林業構造改善事業は、再検討すべきものと考えます。
 この点に関連して、ある山村の年寄りはこう言いました。戦時中に東条内閣は、戦争遂行のために山林を乱伐して大量の水害や山くずれ災害をもたらしたけれども、まだ土地は残った。しかしながら、自民党田中総理の日本列島改造論は、土地の買い占め、乱開発で、立木はもちろんのこと、土地までなくなってしまっておる。これでは田中は東条よりまだ悪いではないか、という声はけだし名言だと私は思います。(拍手)田中総理の所見を承りたい。
 最後に、私は、豊かな緑と静かな自然を回復し、住みよい山村、豊かな福祉国家をつくり上げるために、第六十五国会で決議された林業振興決議を田中内閣の責任において一日も早く実現することを要求し、日本社会党を代表しての質問を終わります。(拍手)
  〔内閣総理大臣田中角榮君登壇〕
#25
○内閣総理大臣(田中角榮君) 竹内猛君にお答えをいたします。
 第一は、今後の森林、林業政策のあり方についてでございますが、政府としては、森林の公益的機能の維持増進と、森林生産力の増大をはかる観点から、今国会に提案している国土総合開発法案におきまして、森林として保全すべき森林地域を定めることといたしておるのであります。
 また、これと関連いたしまして、森林法改正案において、森林の無秩序な開発行為の防止をはかることを考えております。さらに、森林資源に関する基本計画に基づく適正な森林施策の推進、第四次治山事業五カ年計画に基づく治山事業の計画的推進、林道、造林等の林業生産基盤の整備、林業従事者の福祉の向上と養成確保、外材輸入の円滑化等の諸施策を講じてまいりたいと考えるわけでございます。
 第二は、林業振興決議についてでございますが、林業振興決議のうち、造林事業の積極的拡充、林道整備の促進、自然保護に配慮した森林施業の拡充、国有林治山事業に対する一般会計負担の拡充等につきましては、すでにそれぞれ所要の措置を講じてきたところであります。
 その他の事項につきましても、最近における森林、林業をめぐる諸情勢の変化等も十分考慮に入れまして、鋭意検討を進め、実現をはかってまいりたいと考えます。
 他の問題については、所管大臣から答弁をいたします。(拍手)
  〔国務大臣櫻内義雄君登壇〕
#26
○国務大臣(櫻内義雄君) お答え申し上げます。
 長期の見通しの改定についてのお尋ねでございました。改定前は、中期経済計画に基づいて一応の経済成長を想定し、これにより木材需給の見通しを行なったのでありますが、その後、実績と見通しの間にかなりの乖離を生じましたので、今回の改定となったわけであります。
 今回は、経済の安定的成長をはかり、人間生活と自然との調和のとれた福祉社会を指向するわが国の経済社会の発展方向に照らして、森林資源についても、木材の生産はもとより、国土の保全、水資源の酒養、自然環境の保全を考え、総合的資源として拡充整備することが必要であるということで、改定をいたしておるわけであります。
 外材の輸入について、種々見通しをお話しございましたが、海外資源の現状から推定して実現可能な数量と考えておりまするが、なかなか困難な事情もございまするから、輸入先の多角化、開発輸入、長期契約あるいは経済協力等、あらゆる施策を講じて、所期の目的を達してまいりたいと思います。
 木材についての輸入公社についてのお尋ねでございますが、木材については、私としては、まだ考えがまとまっておりません。輸出国の丸太輸出の規制強化の動きや、備蓄の必要性もございまするので、輸入が円滑に行ない得られるよう、ただいま申し上げましたような輸入先の多角化、開発輸入等、輸入のあり方につき、鋭意検討を進めてまいりたいと思います。
 造林推進について申し上げます。
 森林の有する国土の保全等の公益的機能と木材生産機能とを総合的かつ高度に発揮させるという基本方針のもとに、新たな森林施業を推進しているところでございます。
 民有林における造林の推進については、森林所有者及びその協同組織の自主的な努力を助長することを旨として各種施策を講じてきており、四十八年度においては、最近における造林の伸び悩みに対処し、森林の有する多面的機能の向上を期するため、補助体系の改定、補助単価の引き上げ等助成制度の大幅な改善をはかっておる次第でございます。
 国営分収造林制度の実施について御意見がございましたが、民有林造林事業の助成の基本方針との関連において、なお慎重な検討が必要だと思います。
 林業労働力の確保については、基本的には、山村振興対策の充実と相まって、造林、林道等生産基盤の整備、協業の促進に重点を置いて林業構造改善事業の実施を進めてまいりたいと思います。
 地域林業の中核的にない手となる優秀な基幹的労働者の福祉向上とその養成、確保をはかるためには、林業労働力対策等を通じ、就労の長期化、労働条件の改善向上、社会保障制度の適用条件の整備を推進してまいりたいと思います。
 林業従事の労働者の振動障害についてでございますが、疾病の消滅を期するという基本姿勢に立ちまして、予防についての労働省通達を順守するよう都道府県を通じ周知徹底し、防振装置等の取得に対する助成、講習会等による指導を通じ、その予防対策に努力し、万全を尽くしてまいる考えでございます。
 国有林の売り払い、第二次林業構造改善事業についての御質問でございましたが、国有林野の売り払いその他の活用については、国有林野の活用に関する法律等に基づきまして、国有林野事業の適切な運営の確保に必要な考慮を払いつつ、適正に行なっており、その際、特に国土の保全、水資源の涵養、環境の保全等、森林の公益的機能にも十分配慮しているところでございます。
 第二次林業構造改善事業は、森林の公益的機能に対する国民的要請の増大等、最近における森林、林業事情の推移を十分踏まえて、地域の要請に対応しつつ、林業の構造改善を推進するための総合的な事業として実施しているものでございまするから、御了承をお願いをいたしたいと思います。
  〔国務大臣中曽根康弘君登壇〕
#27
○国務大臣(中曽根康弘君) 木材の海外の輸出制限の動向でございますが、わが国の輸入依存率は五五%になっております。ところが、輸入量の約四分の一を占める米国におきまして、最近パックウッド法案とかあるいはアシュレー法案という法案がアメリカ国会に提出されております。
 パックウッド法案によれば、七七年に輸出全面禁止、アシュレー法案によれば、七二年の丸太八三%を七三年に認める、製材については六九%を認める、こういう法案が出ておりまして、特にアシュレー法案の成立の可能性については非常に懸念しているところであり、われわれはいま内面的にアメリカ当局と折衝しておるところでもございます。
 このようにアメリカ方面に輸出規制の動きがあり、また、西マレーシア、フィリピン、この二国からも、大体総輸入量の四分の一を占めておりますが、この二国も、従来の原木輸出から、製材、合板等の製品輸出へ転換を求めるために、原木輸出制限の動きが最近活発化してまいっております。
 しかし、わが国のその他の輸入の相手国でありますソ連、カナダ、ニュージーランド、インドネシア等におきましては、かなり豊富な木材蓄積量を持っておりまして、現在、米国におけるような輸出制限の動きはございません。したがって、これらの地域に対して、開発輸入あるいは長期安定契約等、秩序立った輸入活動を行なえば、輸入においてさほど心配することは起こらないと思います。
 しかし、全般的に見ますと、木材のようなものは、どうしても供給制限という動向が海外の国に起こりがちでございますから、この点はよく注目しているところでございます。
 さらに、輸入公社につきましては、農林大臣から御答弁がございましたが、ただいま申し上げましたような海外の動向も考えてみて、この構想は一考に値する構想でございます。そこで、外貨活用及び緊急需給調整等との見地から、輸入備蓄公団という構想のもとに事務レベルで目下検討さしておりますが、木材を入れるべきか、入れるべからざるか、入れる場合にどういう構想でやるか等について、いま、いろいろ練っているところでございます。(拍手)
  〔国務大臣加藤常太郎君登壇〕
#28
○国務大臣(加藤常太郎君) 竹内議員から私に対する質問は二件あったと思いますが、まず、林業の労働力の確保の問題についてお答えいたします。
 林業労働者につきましては、御承知のように、当該産業の特殊性にかんがみまして、どうも労働災害の発生率が高いことは御承知のとおりであります。また、一般的に労務管理の近化代がおくれている現状であります。さような意味で、労働省といたしましては、労働災害の防止を中心として、労務管理の近代化、労働条件の向上等を促進いたしたい所存であります。
 また、林業労働者通年就労奨励事業の推進につきましても、農林省とよく連携をとって、林業労働者の雇用の安定と確保につとめたいつもりであります。
 第二の問題は白ろう病の問題でありますが、民有林の林業労働者が業務上の白ろう病にかかった場合には、労災保険から所要の補償を行なうこととなっております。また、健康診断の励行により患者の早期発見につとめ、また、療養を必要とする労働者に対しましては、医師の指示によって療養を受けるよう指導を行なっております。
 なお、現在、専門家によって、白ろう病の健康診断項目等について検討をお願いいたしているところであります。今後とも、これらの結論を伺いつつ、白ろう病の適正な認定と補償に万全を期し、またチェンソーの問題については、合理的にこれが解決するように検討をいたす所存であります。(拍手)
  〔国務大臣小坂善太郎君登壇〕
#29
○国務大臣(小坂善太郎君) 竹内君にお答えいたします。
 森林資源に関する長期の見通しを改定したことは、高度経済成長下の森林林業政策に問題があったからではないかということ、及び今後大幅な外材輸入を期待しているが、その確保はきわめて困難と考えられるがどうか、ということであります。
 わが国は、狭小な国土に多くの人口を擁し、高度の経済活動を展開しながら高密度な社会環境を形成しておりますことから、環境の保全につとめながら資源の総合的かつ高度の利用をはかることが、今後の経済社会の発展にとって必要であると考えているのであります。また、経済社会基本計画におきましては、今後豊かな環境を形成していく上で森林資源は重要な役割りを果たしていくべきものとしておるのであります。
 森林が、その造成にきわめて長期間を要することにかんがみまして、長期的観点から、計画的に国内森林資源の整備充実をはかることが重要であり、これによって、今後森林、林業が健全に発達し、木材の安定的な供給と環境の保全等を通じ、国民の生活の向上と国民経済の発展に寄与することが望ましいと考えております。
 なお、外材の依存度は今後高まるものと予想されまするが、通産大臣からもお答えがありましたように、海外の森林資源の開発造成に関する経済協力等の施策を推進することによって、今後必要とされる外材の長期安定的な確保をはかりたいと考えておる次第であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#30
○議長(中村梅吉君) 米内山義一郎君。
  〔米内山義一郎君登壇〕
#31
○米内山義一郎君 私は、日本社会党を代表し、ただいま農林大臣から提案説明のありました森林法及び森林組合合併助成法の一部改正に関して、主要な点について田中総理並びに関係大臣に質問いたします。
 公害、物価騰貴、重税、社会保障の改悪など、国民生活環境の破壊と企業優先の上に築かれたGNP第一主義の高度経済成長のもとで、国土の約七〇%を占め、国土保全などの公益機能と木材生産などの重要な経済機能をあわせ持つ二千五百二十万ヘクタールの森林と林業経営の現状は、自然破壊の進行に伴い、緑は失われ、林業生産の破滅的な不振など、まことに目をおおうものがあります。
 森林経営の基盤である山村は、貧困と過疎の進行によって、林業労働力の量と質の低下はますます深刻になっているばかりではなく、後継者の見通しさえも全く立たない実情であります。
 この現状は、わが国林業がこれまでに経験したことのない深刻な危機にあることを物語っています。これまで、山村及び林業の振興については、昭和三十九年の林業基本法、昭和四十年の山村振興法、昭和四十五年の過疎地域対策緊急措置法など、幾つかの立法措置を講じたものの、その結果は、全く実効があがらないばかりか、危機は一そう深刻になっております。これは、歴代の自民党政府は、法律はつくるが予算的な裏づけもなく、したがって実効のある具体策が行なわれなかった当然の結果にほかなりません。(拍手)この責任を負うべきものは自民党政府のほかにはないと断定せざるを得ないのであります。(拍手)田中総理の所見を伺っておきたいと存じます。
 緑あふれる自然環境を保全することは、今日のような公害の広がりと異常な都市化の進行の中では、特に緊急を要する全国民的な命題であります。
 森林法に定める保安林の施業制限は、国民生活を守るためと森林の公益性を発揮するための必要最小限度のものを定めているのでありますが、現状はどうかといえば、国有林みずからが資本の高成長のための木材需要にこたえるために、森林法の趣旨をおかした経営を行ない、緑の自然を破壊し、資源を食い荒らして、今日のような国有林の荒廃を招いているのであります。保安林面積は、昭和二十九年の二百五十二万ヘクタールから、四十六年には六百八十三万ヘクタールと約三倍に増大したにもかかわらず、水害の発生はこれと比例して大幅にふえていることは、この山荒らしの実態のすべてを雄弁に物語っているのであります。(拍手)
 これは政府の重大な政治責任であります。この国有林みずからの山荒らし経営について、今後どのように臨もうとされるのか、総理の責任ある答弁を求めたいと思います。
 わが国の森林荒廃の現状と山村の実態を憂え、第六十五国会において、わが党が提唱して、全党一致で決議された林業振興決議が、満二年を経過した今日においても一向に具体的な実現を見ないことは、まことに遺憾であります。林業振興決議の早期実現を求める地方自治体の要請決議は、三十二都道府県と八百九十の市町村から政府に寄せられているはずであります。しかるに、一向に決議の実行をはかろうとしない政府の態度は、国会決議の軽視であり、地方自治体の要請決議の無視であるといわざるを得ません。(拍手)
 政府は、去る二月に、過去五年間に十八万ヘクタールの民有林が転用されている事実を発表し、民有林の開発規制の根拠としているのでありますが、最近の大手商社、大手不動産による土地買い占めやゴルフ場の新設等による乱開発が本格化したのは、昨年の七月、田中内閣が日本列島改造論をひっさげて登場してからのことであります。この三月末現在で、日本全土の約一%、奈良県あるいは埼玉県の全面積に匹敵する三十六万三千五百七十ヘクタールが、大不動産会社、大商社等によって買い占められていると伝えられています。
 また、昨年一年で三〇・九%という土地価格の暴騰と、ばか値ともいわれるような木材価格の騰貴は、勤労国民のマイホームの夢をますます絶望的なものにしただけではなく、すべての物価上昇に大きな影響を及ぼし、国民生活に大きな打撃を加えています。
 インフレと物価に対して、確固たる政策と決断、実行力を持たない政府は、現下の日本においては政治失格者というべきものであります。(拍手)田中総理は、その政治責任を明らかにすべきであります。
 次に、農林大臣にお尋ねします。
 国土の保全をはじめ、国民福祉の向上を使命とする国有林野事業が、土地暴騰に便乗して、赤字対策として国有林の切り売りが計画され、すでに四十七年度において約百二十億円相当額が売り払われ、四十八年度においても百四十二億円の売り払いを計画していると聞いています。これは民有林の乱開発にも大きな影響を与えるものであることは言うまでもありません。したがって、民有林の開発規制を行なう以前に、国有林の売り払いこそ即時中止すべきものと考えるが、農林大臣はどのように考えるか、伺いたいのであります。
 今回の改正案によりますと、民有林の開発規制は一ヘクタール以上を対象としていますが、一ヘクタール未満の森林所有者は百四十二万戸であって、五五%を占めております。これらは自力で造林ができないまま、薪炭林のなごりを残して放置している者が少なくありません。そうして、土地の値上がりの影響によって、森林売り払いの希望を持っているとも考えられるのであります。したがって、小規模林家が売却を希望する場合は、国または地方自治体が買い上げる措置を裏づけしなければ、規制の実効を期待ができないばかりか、一そう森林が、大山持ちあるいは大商社、不動産会社に集中することは明らかであろうと思います。
 また、森林組合の大型合併、事業範囲の拡大、組合資格の範囲拡大等を指向するこの法改正は、昭和四十八年度から出発した第二次林業構造改善事業の主柱である高密路網の展開による自走式機械の導入とともに、民有林の経営を労働集約型から資本集約型森林経営への転換を目ざすものでありまして、森林組合を施設組合から企業組合に大きく変えようとするものと考えられるのであります。しかし、これは、森林組合の恩恵を最も厚く受けるべき零細林業家にとっては、従来にも増して遠い存在となり、減反政策などと相まって、森林は一そう一部の大山持ちに集中し、過疎化と林業労働者の不足に拍車が加えられ、林業と山村の破綻を招くことは必定であろうと考えられるのであります。同時に、資本集約型森林経営は、大面積の皆伐主義、単純一斉造林主義となって、林地の破壊の道を歩むことになるのではなかろうかと懸念するものであります。今日の国有林経営は、その生きた教訓を余すところなく示しております。
 農林大臣の見解をお聞かせ願いたいと存じます。
 次に、林業労働者の中に蔓延している白ろう病の問題について、農林大臣、労働大臣、人事院総裁にお尋ねします。
 国が直接経営している国有林事業に携わる国家公務員である山林労働者の中に、六千人に余る白ろう病を訴える者と、一千三百人の認定者を出している重大な人権問題について、農林大臣はどのような責任を感じているのかを伺いたいと思います。
 また、現行の認定基準による治療の手おくれ、温泉加療、入院治療の制限、八割にしか満たない休業補償、さらには、全く補償金なしで退職せざるを得ないいまの実情は、国有林労働者の苦しみを倍加させ、その生活を暗たんたるものにしているのであります。こうした実情、実態を、農林大臣、人事院総裁はどのように認識しておられるのであるか、疑わしいのであります。
 白ろう病にはいまのところ完全な治療法がないことと、チェンソー、刈り払い機などの振動機械を使用すればこの病気にかかることがはっきりしているのであります。このことは、さらに一そう悲惨なものにしているのであります。これは明らかに人権問題であります。すみやかに抜本的対策を講ずべきことは言うをまたないところでありますが、このことを強く要請してやみません。農林大臣並びに人事院総裁の責任ある答弁を求めます。
 民有林労働者の白ろう病について労働大臣にお尋ねいたします。
 現在、認定患者は百名程度と聞いていますが、国有林の十倍の機械を使っており、民有林の使用時間は国有林の三倍に及び、五時間ないし六時間から使用している実態でありまして、これは全く理解しかねるところであります。
 先般のわが党の全国的な調査結果によれば、チェーンソー使用者の半数以上、場所によっては八割も白ろう病症状を訴えているのであります。しかも、国有林以上に症状が悪化し、廃人の一歩前の患者も含めて、少なくとも万単位の患者が山奥深く隠されているものと考えるものであります。すみやかに国をあげて対策を立てなければ、死亡者や廃人同様の重症患者が、近い将来に大量に発生する可能性が予想される現状であります。
 労働大臣の御見解をお尋ねいたします。
 終わりに、小規模林業家を山から追い出し、山村の過疎化に一そうの拍車をかけ、無権利同様の労働者を放置し、林業労働者の確保をより困難にし、その上に山荒らし施業につながる懸念のある反面、自然保護をはじめ、最も重要な課題である民有林の振興、山村振興にいささかの実効も期待できない本改正案に賛成できない態度を明らかにしながら、林業振興決議のすみやかなる実現を期し、緑したたる山づくりによって住みよい国づくりを推進することを提唱して、私の質問を終わります。(拍手)
  〔内閣総理大臣田中角榮君登壇〕
#32
○内閣総理大臣(田中角榮君) 米内山義一郎君にお答えをいたします。
 第一は、森林施策の基本についてでございますが、本件につきましては、先刻竹内君に申し上げましたので、御了承賜わりたいと存じます。
 国有林につきまして申し上げますと、国有林野の持つ公益的機能を重視し、森林施業を実施するとともに、民有林、国有林を通じまして、治山事業の計画的推進、林道、造林等の林業生産基盤の整備、林業構造の改善、林業従事者の福祉の向上と養成、確保等の諸施策を積極的に進めてまいりたいと考えるわけでございます。
 次は、買い占めや乱開発と列島改造論との関係について申し上げたいと存じます。
 日本列島改造構想は、過密過疎問題公害、住宅、交通難、地価高騰等国民の日常生活にかかわる諸問題を抜本的に解決するための考えとして提案をしたものでございます。地価上昇の原因は、基本的には宅地需要の不均衡や土地利用の混乱にありますので、地方開発を推進し、国土の均衡ある利用を計画的にはかりて、大都市に集中する人と産業の流れを変え、宅地需要の分散をはかることが問題解決の抜本策であります。列島改造構想もこの趣旨に沿ったものでございます。
 他方、当面の地価高騰や乱開発の現象は、国民の住宅取得に支障を与え、地方開発の計画的推進を阻害することにもなりますので、政府としては、税制、金融その他各般の土地対策を講じておるところでございます。
 国土総合開発法案とこれに関連する各種法案の中で、土地利用基本計画の策定と土地取引及び開発行為の規制に関する制度の充実をはかることといたしておりますので、森林法の一部改正案もその一環であると御理解をいただきたいのであります。
 以上。(拍手)
  〔国務大臣櫻内義雄君登壇〕
#33
○国務大臣(櫻内義雄君) 私へのお尋ねは、国有林野の売り払いについてのお尋ねがまずございました。
 これは国有林野の活用に関する法律等に基づきまして、国有林野事業の適切な運営の確保に必要な考慮を払いつつ、公共的用途及び農林業の構造改善の用に供する場合を主体として適正に行なっており、その際、特に国土の保全、水資源の涵養、環境の保全等森林の公益的機能にも十分配慮しているところでございます。
 今回の森林法の改正によって行なう民有林の開発規制は、大規模な開発行為の実施段階において、これが森林の現に有する国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、形成等のいわゆる公益的機能との関連において、周辺地域に悪影響を及ぼすことがないように規制しようとするものであって、国、自治体が買い上げをしなくとも、これによって土地の投機的な取引を抑制し、無秩序な開発を防止し得るものと考えております。
 森林組合が小林家にとってますます遠い存在だとのことでありますが、最近におけるきびしい森林林業事情に対処し、事業範囲の拡大等の制度改正及び広域合併の推進をはかることとし、小規模の林家の林業経営に寄与することとしているのであります。
 さらに、森林環境の保全への配慮を強化した第二次林業構造改善事業の実施とも相まって、森林の有する公益的機能の維持、増進にも望ましい効果を期待できるものと考えております。
 白ろう病についてお尋ねでございますが、先ほどお答えしたとおりでございまして、具体的には関係省庁とも十分連絡をとりながら、林業機械の開発、改良、振動機械使用時間の規制等により、疾病の発生防止につとめるとともに、認定者については治療方法の研究、休業者の補償及び転職者の賃金保障などを実施しておるところでありますが、今後なおこの対策を充実することに努力してまいりたいと思います。(拍手)
  〔国務大臣加藤常太郎君登壇〕
#34
○国務大臣(加藤常太郎君) 白ろう病の問題については先ほどお答えしたとおりでありますが、重ねてお答えをいたしたいと思います。
 民有林労働者の業務上の白ろう病の認定は、専門医の意見を聞いて行なっております。業務上の白ろう病につきましては、御承知のように、必要な療養と休業補償の支給と所要の労災補償が行なわれることとなっております。
 また、チェンソーの導入に対する弊害についても、これまた先ほどお答えしたとおり、これが改善を検討中であります。
 なお、現在専門家によって白ろう病の健康診断項目等について検討をお願いいたしておりますので、これとあわせて、今後白ろう病の適正な認定と補償については万全を期する所存であります。(拍手)
  〔政府委員佐藤達夫君登壇〕
#35
○政府委員(佐藤達夫君) お答え申し上げます。
 国有林従業員関係の白ろう病についてお尋ねでございましたが、公務災害補償法の適用の問題になるわけでございますが、人事院におきましては、白ろう病の問題が出て間もなく、昭和四十一年にいち早くこれを職業病に指定いたしまして、認定の関係ではよほど改善されておるつもりでございます。
 なお、治療につきましては、先ほど米内山議員御指摘のとおりでございまして、白ろう病については、どういう治療方法があるかという点について、まだ医学上確立したものが出ておらないという現状でございますが、現在におきましては、医学上必要かつ相当の処置としては、やはり薬物療法、これを主としてやっております。
 なお、入院関係も必要に応じて認めております。
 ただ、温泉関係につきましては、先ほど触れましたように、温泉治療の効果というものがまだ医学的に証明されておる段階でございませんので、このほうの研究の成果にまちまして、結論によって直ちにまた実施に移したいと思っておりますが、さようなことでお答えにいたしたいと思います。(拍手)
#36
○議長(中村梅吉君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#37
○議長(中村梅吉君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後二時三十九分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  田中 角榮君
        法 務 大 臣 田中伊三次君
        農 林 大 臣 櫻内 義雄君
        通商産業大臣  中曽根康弘君
        労 働 大 臣 加藤常太郎君
        自 治 大 臣 江崎 真澄君
        国 務 大 臣 小坂善太郎君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 吉國 一郎君
        人事院総裁   佐藤 達夫君
        人事院事務総局
        任用局長    渡辺 哲利君
        人事院事務総局
        職員局長    中村  博君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト