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1972/11/13 第70回国会 参議院 参議院会議録情報 第070回国会 逓信委員会 第2号
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1972/11/13 第70回国会 参議院

参議院会議録情報 第070回国会 逓信委員会 第2号

#1
第070回国会 逓信委員会 第2号
昭和四十七年十一月十三日(月曜日)
   午前十時二十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月二十七日
    辞任         補欠選任
     増原 恵吉君     平井 太郎君
     郡  祐一君     塚田十一郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         杉山善太郎君
    理 事
                今泉 正二君
                植竹 春彦君
                森  勝治君
    委 員
                迫水 久常君
                塚田十一郎君
                松平 勇雄君
                鈴木  強君
                松本 賢一君
                青島 幸男君
                松岡 克由君
   政府委員
       科学技術政務次
       官        藤波 孝生君
       科学技術庁計画
       局長       長澤 榮一君
       科学技術庁研究
       調整局長     千葉  博君
       郵政政務次官   木村武千代君
       郵政省電波監理
       局長       齋藤 義郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
   説明員
       宇宙開発委員会
       委員長代理    山県 昌夫君
       大蔵省主計局主
       計官       岡島 和男君
       日本電信電話公
       社総務理事    庄司 茂樹君
   参考人
       宇宙開発事業団
       副理事長     松浦 陽恵君
       宇宙開発事業団
       理事       野島 正義君
       日本放送協会専
       務理事      松浦 隼雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に
 関する調査
 (通信衛星及び放送衛星の打上げ計画に関する
 件)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(杉山善太郎君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十月二十七日、増原恵吉君及び郡祐一君が委員を辞任され、その補欠として、平井太郎君及び塚田十一郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(杉山善太郎君) まず、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のため、日本放送協会専務理事、松浦隼雄君及び宇宙開発事業団副理事長、松浦陽恵君、同理事、野島正義君を参考人として本日の委員会に出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(杉山善太郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定をいたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(杉山善太郎君) 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
 鈴木君より質疑の申し出がございますので、これを許すことにいたします。鈴木君。
#6
○鈴木強君 たいへん御多用のところ、日本放送協会、宇宙開発事業団、それと電電公社の御出席をいただきましてありがとうございました。
 きょうは、宇宙開発、特にそのうちの放送衛星、通信衛星等の打ち上げの問題を主にお尋ねをいたしたいと存じます。
 日本の宇宙開発につきましては、開発委員会が基本施策を御決定になりまして、いろいろと御苦労をいただいておるのでありますが、率直に言って、当初から見ますと、三年ないし四年、開発ペースがおくれておるわけでありまして、非常に残念に思っております。それで、当初の計画を一部修正をされておることはもう申し上げるまでもございませんが、そういう中で、特に放送衛星あるいは通信衛星の打ち上げ問題については、率直に言って、五十二年に実験静止衛星の打ち上げが予定されておりますが、放送通信のほうは実は未定になっておるわけでございます。こういうふうな開発ぺースの中で、実は先般八月の十日でございましたか、NHK側のほうから放送衛星打ち上げに対する要望書が郵政省に出されたように聞いております。引き続き八月十一日に、電電公社からも同様な打ち上げ計画を示して郵政省に要請が出ているように聞いております。
 これは非常に重要な問題でありまして、私どもから見ましてもその意図はわかります。どうも当初計画が三年ないし四年ずれ、さらにまた、修正し直された計画が、はたしてそのとおりいくかどうか。そういったことに対しても、なおまだ決定的にだいじょうぶだというところまでいってないように聞いておりますから、そうもたもたされておっては困るので、できるだけひとつ現在の諸情勢の中から、早目にやってもらいたいと、そういう気持ちはわかるんでございますが、どうかすると、宇宙開発について、ロケットだとか、あるいは衛星自体の開発研究ということが先行しまして、一体その打ち上げた衛星を使ってどういうふうな利用をするのかということですね。放送面におきましては、それがどういうふうに利用されることが、いまとりあえず考えられているのか、あるいは電電公社の場合ですと、通信衛星をどういうふうに利用するのか、そのためにはこうすべきだという、そういう点が少しぼけているように思うんです。ですから、開発全体の中に利用計画というものをもっとクローズアップして、そのことがいまの現下の情勢からして非常に緊急であるし、どうしてもぺースを早めなきゃいけない。そういうことになると思うんでございますが、そういう意味で、最初に――私は、NHKと電電公社のほうから、皆さんが郵政省に提出された打ち上げ計画の変更ですね、これのねらいというのは一体どこにあるのか。で、現実に、ユーザーのサイドとして、これを早く打ち上げてもらって、こういうふうにしてもらいたいんだという、具体的な計画を含めて最初にお答えいただきたいと思います。
#7
○参考人(松浦隼雄君) お答えいたします。
 かねてNHKが放送衛星について研究を正式に開始いたしましたのは、昭和四十一年でございますけれども、それ以来かねて、放送に衛星技術を利用するということについては、ことしの問題ではございませんで、かねて要望を持っておりました。ただ先生御指摘のように、ことしの六月以降、急速にいろいろなことが発展したわけでございますが、私どもが放送衛星の早期利用ということを要望申し上げました理由は、大きく分けますと二つだと思います。
 一つは、放送衛星利用に関する世界情勢の推移でございます。
 第二点は、国内における難視聴――特にテレビジョンの難視エリア対策というものが、非常に緊急度を増してきたという、この二点でございます。
 第二点のほうから申し上げますが、現在までNHKは、全国普及の義務ということを遂行するために、地上の施設によって難視聴解消につとめてまいりましたことは御承知のとおりでございますが、今後を見通した場合に、いわゆる辺地の難視、あるいは離島、山間――山村あるいは離島における難視という問題につきましては、従来の方式、すなわち小さなテレビジョンの放送局をつくって、電波を出す、あるいは共聴施設と言われるものを利用してやっていくということにおきましては、限度がある。一〇〇%カバーすることは非常に困難だという見通しをひとつ持っております。それからかてて加えて、大都市――特に東京あるいは大阪というような大都市におきましての難視の問題、これを解決していくということ、アンテナの高さを高くしていくということが一つの方法。もう一つは、ケーブルの利用ということでございますけれども、そのいずれの方式をもってしてもやはり抜本的解消策にはならないということも非常に見通せるところでございます。一方衛星を利用した放送ということの技術的特色といたしましては、ねらった地域について一〇〇%カバーすることが可能である。しかもそのための初期投資というものがかなりの額によるといたしましても、その後の運営その他を見たときに、経済的にも従来の施設、方法にまさる方法として、早期の衛星利用ということが考えられます。実態といたしましても、昭和五十一年まで、NHKは、すでにこの委員会席上でも申し上げておりますように、従来の置局、あるいは共聴という手段によって、難視解消につとめますとともに、都市においてもできるだけの難視解消策を講ずることといたしておりますけれども、五十二年以降における難視の経済的かつ効率的方策としては、やはり衛星にたよらざるを得ないという点から、早期の衛星利用ということを要望申し上げておるわけでございます。
 第二の、放送の国際化ということとの関連における国際情勢でございますが、御承知のとおり、昨年の六、七月にジュネーブにおいて開催されました臨時無線主管庁会議の宇宙通信会議におきまして、放送衛星に利用する周波数が明確に割り当てられました。まだ、細部の技術基準その他につきましては、今後の検討に待つところがございますが、どこの周波数帯を放送衛星に使うかということが非常に明確にきまりまして、そういうことを契機といたしまして、世界各国における放送衛星開発についての熱意と具体計画がとみに高まったように思われます。
 たとえば、アメリカにおいて来年度打ち上げる予定のATSFという衛星を使いまして、アメリカ国内、あるいはブラジル、あるいはインドにおいて、これは周波数はUHFあるいは二・五ギガヘルツでございますけれども、テレビジョンの試験放送をする、さらに七五年に予定されております、アメリカ、カナダのCTSという星はナニギガヘルツというところを使って、まさにこれは放送衛星そのものでございますが、そういう計画が具体的に進捗しておる。このカナダのCTSには、ヨーロッパ諸国も何らかの形でその実験に参画するという状況でございます。
 この間わが国におきましては、先ほど御指摘の日本の宇宙開発計画は、五十二年度に重量百三十キロのものを打ち上げるということでございますが、放送衛星といたしましては、どう見積もっても、最低二百キロ以上三百キロ前後の重量の星でないと、実験の目的は果たせないということになります。そうすると、放送先進国の中で、放送衛星ということについて、具体的に計画を持たないのは、わが国だけであるという状況になることが予想されます。放送において衛星の利用ということは、すでに日常茶飯事になっておるわけであります。衛星中継ということについては日常茶飯事になっている。ただ、放送衛星というような強力な電波を地上に降らして、それを比較的簡易な受信機で受けるということについては、これから着手すべき問題でありますが、その実験になかなか参画できないということになると、たぶん予想でございますけれども、昭和五十五年以降、一九八〇年以降、本格的な放送衛星時代がきたときに、わが国はどちらかといえば、その面についてはあとを歩むという時代が予想される。そうすると、少なくとも、昭和五十五年以前において放送衛星の実験を完了しておる必要がある。こういう点からも、五十一年に実験としての放送衛星を打ち上げて、単に技術的のみならず、制度的、社会的な成熟を待つ必要がある。そういうことが、まだいろいろな点で決定していかなければならない国際的な話し合い、あるいは国際会議における放送衛星に関するこまかい、あるいはこまかいけれども、いろいろな重要な問題についての国際的な発言力を強化する道でもある。こういうふうに考えまして、早期実現を要望したわけでございます。
 なお、この実現可能性につきましては、一つ、放送衛星としての通信衛星、あるいはそのほかの星との違いは、比較的強い電力を出して、そして地上ではできるだけ簡単な受信施設でこれを受けるという点でございます。この点について、放送衛星に最も優先して使える周波数は十二ギガヘルツ地帯でございます。UHFあるいは二・五ギガヘルツというところは地上の施設のほうが優先する。放送衛星を使っても、もし地上の施設に妨害を与えるならば、衛星のほうがこれを逃げる。ところが、十二ギガヘルツは地上のほうが妨害を与える場合には地上のほうが逃げる。衛星のほうが優先するという唯一のバンドでございますが、利用できる、二十ギガ以下では。そうなると、十二ギガルヘルツにおける受信機の問題が非常に問題でございますので、世界的に放送衛星の利用ということにもう一つのちゅうちょがあったわけでございますけれども、この点については、冒頭に申し上げたNHKの技術研究所において四十一年から現在までの研究成果の中で、相当見込みのあるローコストの十二ギガヘルツの受信機の開発が可能であるという見通しも得ましたこと、並びに衛星開発そのものの世界的な情勢から見て、この程度の三百キロないし三百キロ程度の衛星を上げるということはそれほどの難事でないという判断のもとにこういう要望を申し上げた次第でございます。
 以上でございます。
#8
○説明員(庄司茂樹君) 電電公社として、五十一年には通信衛星を上げることを要望いたしました理由といたしましては、御存じのように、情報化社会が進展しておりまして、電気通信網の果たす役割りがますます重要になっておりますので、この電気通信網の信頼性確保ということが非常に大切でございますので、災害等の予期せざる事態が発生しましたときに、通信網が確保されるためにも、別の通信手段として通信衛星が非常に必要であるというふうに考えております。御存じのように、通信網は、マイクロとか、同軸とか、あるいは海底同軸とかいうような、いろいろな通信手段で通信網を形成しておりまして、また、異常災害も考えて多ルート化をやっておりますが、地震その他を考えますと、通信衛星でやるということが非常に災害対策としても大切でございますし、また、その他離島の関係の通信とか、あるいはトラフィックが急増した区間にも、通信衛星を使ってやれるというような意味で、非常に必要だというふうに考えておるわけでおります。
 それからもう一つの理由といたしましては、この国内通信衛星にわれわれの自主技術をぜひ入れたいということでございまして、公社といたしましても、四十二年からこの研究をやっておりまして、今度の通信衛星といたしましては、準ミリ波を使うとか、PCMを使うという、世界でまだやってない新しい技術を入れたいということが強い願望でございます。
 それから先ほど申しました災害対策の具体的な方法といたしましては、この地球局を固定局といたしまして、東京、大阪、福岡、札幌というところに、四カ所まず地球局をつくりたい。もう一つ異常災害その他いろいろなことを考えまして、可搬式の移動の地球局を四台つくりたいということで、一応、地震その他の災害があった場合にも、万全を期せるというふうに考えておるわけであります。
 それからまた、通信衛星の容量といたしましては、電話三千回線、カラーテレビ二回線というような容量のものがぜひほしいと思いますので、大体重量としては二百五十キロくらいになることでございます。
 以上でございます。
#9
○鈴木強君 松浦さんちょっとお尋ねしますけれども、二つ理由がありますうちの一つの、放送衛星利用に対する国際的な情勢、これはよくわかります、あなたがおっしゃるとおりですね。それで、それに関しては、国際間の打ち上げる衛星利用に対する計画というのは、どういうふうになっておりますかね、それが一つ。
 それからもう一つは、国内の難視解消というところに大きなねらいがあるようですけれども、辺地難視とか、離島、それから最近の都市難視等は、サテライト局やブースターをもってしても、あるいは共聴設備を使用しましても、なかなか困難なところだと思いますね、わずか残された数%というところは。ですから、衛星によってそれを解消したいという考え方ですね。これはもう前田さんが会長、副会長のころでしたか、むしろNHKは独自の衛星を打ち上げたいというような、すばらしい構想を、われわれの前でも意見発表されたこともあります。しかし、まあこれはその後立ち消えしたようでありますし、するんですけれども、この十日に申し入れた中で、難視解消の場合に、お話のように四十一年以来NHKの電波研究所でいろいろと御研究をいたしまして、あのSHFの受信とか、私もちょっと見せていただきましたけれども、特に十二ギガヘルツの受信については可能性があると、こういまおっしゃいましたが、はたしてこの衛星から出てまいります電波を、個々の聴視者がこれをキャッチして、個別受信ができるような形にいけるのかどうなのか。それは当面不可能だと思いますね。そうなりますと、幾つかの地上局をつくって、そこからまた電波を中継してやるという方法をとらざるを得ないと思うのですけれどもね。そういう場合に、はたして離島とか、僻地の難視解消の面で、これがすぐ役立つかどうか、この点は非常に疑問があります。ですから、そういう点は一体かりに当面個別受信ができないとしても、その個別受信というのはどの段階で実際に可能になってくるか、そういったおよその見通し等もわかっておりましたら教えてもらいたいと思うのです。
 それから皆さんが考えられたのは、五一年に国内のまあ打ち上げロケットの開発というものが非常にむずかしかろうというので、開発委員会のほうで政策をきめておられますが、それによりましても二百五十ないし三百キロですね、そういう大きな打ち上げはなかなか五十二年まではほとんど不可能であると、こう思われるわけですね。したがって打ち上げるとすれば、何とかそのペースを少し早めていただいて、金も出して、国がもっと積極的に金を出して、そうして研究開発を進めていって、五十一年度にやれるかどうか、たいへんこれはむずかしい問題だと思いますが、そういったことを一面考えてみたかどうかですね。それがだめの場合には、NASAのいわゆる打ち上げ技術を借りて、とにかく一度打ち上げてみよう、そういう御構想であったのじゃないかと思いますけれどもね。その辺はどうなのかですね。これは電電公社のほうもその辺の判断についてはちょっと同様に聞かしてほしいんです。
#10
○参考人(松浦隼雄君) 個別受信の可能性について、最初にお答えいたします。
 純技術的に申しますと、現在提案をし、検討されております、確定ではございませんが、対象につきますと、電力が送信機出力で四十ワットないし八十ワット、これが実効輻射電力で申しますと、五十三dbから五十四dbワットという力を持っております。それはどういうことかと申しますと、具体的に申しますと、東京とか、大阪というような、ねらったカバレージの中心部におきましては、かなり強い電力になります。ただし、ずっとカバーしております端のほうへいきますと、だんだん弱くなってくるわけです。そこで、中心から三デシベル、こう電力が減ったところまでを一応サービスエリアというふうに想定するわけでございますが、この中心部におきまして、少なくとも一・五メートルのパラボラアンテナで受信できるものをねらっておるわけでございます。できれば一メートルぐらいの受信アンテナで受かるように実現をしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。そういたしますと、中心部におきましては一メートルないし一・五メートルのアンテナで受かるということになりますと、この程度のものを共同受信と言うか、個別受信と言うかという問題が逆に出てまいるわけであります。
 で、先ほど申し上げた無線主管庁会議あるいはITUのもとのCCIRというところで、まだ確定はしておりませんが、どういうものを共同受信と言い、どういうものを個別受信と言うかという場合に、技術的にいいますと、アンテナの大きさで分ける。つまり一・五メートル以上のアンテナの要る場合には、これを共同受信とみなそう。それからそれ以下の場合、特に一メートル以下のアンテナの場合が、個別受信に適当なんじゃないかというふうな見方をしております。したがって、もし個々の御家庭において一・五メートルのアンテナを使うことが許されるならば、今度構想しております星でもいわゆる個別に受信することは可能でございます。それが中心部の状態でございますが、そういう段階までいっておれば、もっと小さなアンテナで受かるということについては、すぐ手の届く範囲に出てくるということになります。それから小笠原あるいは南大東島あるいは北海道の北部というような、カバレージの端のほうになりますと、電力が下がってまいりますので、大体四・五メートルぐらいのアンテナが必要だろうというふうに想定しております。この四・五メートルのアンテナは確実に当然個別受信ということにはまいりません。しかも個々の簡易な装置というわけにはまいりません。おそらく一千万以上の経費のかかった受信局を設けなければならないというふうに考えられます。
 ただ、いわゆるインテルサットその他通信衛星という部類に入ります星から出てまいりますものでは、とてもその程度のもので、一千万円程度のオーダーの受信局では無理でございまして、やはり非常に電波が弱いために、相当高価な、現在でも何億かするいわゆる地球局を設けなければ受からない。この点が放送衛星での共同受信、特に大きな非常に弱いところの共同受信と、それから通信衛星による、インテルサットによるテレビ中継等との違いだというふうに存じております。
 以上が個別受信ということでございますので、要約いたしますと、技術的に申しますと、すでに今度の実験期間内で個別受信の実験をすることは可能であるというふうに考えております。で、そういうところから、いろんなことが整備されました暁に、本格的な放送衛星というものについては、当然個別受信を目的として実施するというふうに考えております。
 それから最初の国際的な問題でございますけれども、かつて昭和四十三年だったと思いますけれども、NHKがアジア放送連合――ABUに向けて、アジア各国のための放送衛星構想というものを提案して、検討をしていただいたことがございます。このときは、単一の星を上げまして、マルチにオムバニス方式で各国に向けてビーム――電波を出して、一つの星で各国がその放送衛星を利用するという構想でございましたけれども、現在、いろいろな国際情勢その他から考えますと、そういうかっこうもこれもあり得るかとも思いますけれども、また同時に、放送はすぐれて国内的というか、ナショナリスティック的なものであるということも考えますと、現在、放送しておりますような個別の国内向けの小さいビームでもって各国が、それぞれの放送衛星を持つということも十分考えられると思います。そういうような場合に、今後、文化的な意味での国際交流という点も考え合わせますと、日本が、放送衛星技術について確固としたものを現在持っておるということが非常に大事なことだと思われます。たとえば地上の放送施設につきましても、アジア各国に向かって、わが国は現在いろいろな意味で技術援助を申し上げておりますけれども、その分野が衛星というようなものにまで広まったというふうに考えれば、必ずしも現在実験しようとしておりますその衛星そのものを使っての、海外との関係だけでなくて、いろいろなことが考えられてくるというふうに考えられますので、明確にその点をいまこうだというふうには考えておりません。
 以上でございます。
#11
○説明員(庄司茂樹君) 五十一年度にぜひ上げていただきたいという要望を、電電公社としては政府機関に申し上げているのでございまして、また、いろいろと打ち合わせしている電電公社の分担する範囲、先ほどもちょっと申し上げましたような、準ミリ波で地球から衛星には三〇ギガヘルツ、衛星から地球には二〇ギガヘルツ、それでPCMというような公社の分担する技術に対しましては五十一年度にできると思いますが、全体としては国の方針に従ってやっていただきたいと思います。
#12
○鈴木強君 これはあとから政府のほうにお伺いするんですけれども、その前段でNHKと電電公社の御意見を伺っておるわけですけれども、電電公社のほうは大体わかりました。具体的に東京、大阪、福岡、札幌に固定地球局ですね。それからあと四カ所に移動ですね。
#13
○説明員(庄司茂樹君) はい。
#14
○鈴木強君 もう一つ伺っておきたいんですけれども、沖繩の先島でしたかね、見通し外電波で何か研究されておるところがございましたですね。沖繩全島は、いまマイクロウエーブでやられているんですが、どこか一カ所、先般沖繩に行ったときに、研究しておって、たぶんだいじょうぶだろうというようなお話を聞いたんですが、そういうものは、これによって完全に解消できるんですか、この衛星によって完全に解消できるんですか。
#15
○説明員(庄司茂樹君) 沖繩の先島のテレビの問題は、白黒ではできるかどうかということでただいまのやつでやっておりますが、将来この通信衛星ができれば当然カラー化もできると思います。
#16
○鈴木強君 それから公社のほうは電話三千回線と、カラーは二回線でございますか。
#17
○説明員(庄司茂樹君) そうでございます。
#18
○鈴木強君 その二回線は、NHKが考えておる放送衛星との関連はどういうふうになるんですか、カラー二回線は。
#19
○説明員(庄司茂樹君) 電電公社のそれは中継回線でございますから、NHKのとは違います。
#20
○鈴木強君 それで松浦さんに伺いますけれども、純技術的には個別受信は可能であるという前提に立ってのお話なんですが、ただ、いまお話のありましたように、必ずしも個別受信というものが、現実的に実用化というような形での可能性から見ると、相当問題が私はあると思うんですね。それで、かりに一・五メートルとかあるいは一メートルくらいのパラボラ型の受信アンテナというものが開発されるとしても、その受信機ですね、要するにそのアンテナですね。こういうのはあれですか、経済的にはどのくらいのものになるかですね。非常に安く買えるといいですけれども、相当やはり高額になりますと受信者の負担にもなるわけでして、そこらはどんなふうか。
 それから、どうも四・五メートルアンテナで個別受信ができるというような一部の地域ですね、中心から遠いところのことだと思いますけれども。それから、まあ中心部は一メートルないし一メートル半で可能だというんですけれども、これはやはり打ち上げて相当に研究をしてみないと、打ち上げるもちろん、玉の大きさとか、そういうものにもかかわると思うんですけれども、純理論的に、技術的に可能であっても、実際にはばらつきが相当に出てくるわけでしょう。ですからして、そういう中で難視聴というものを解消しようという構想をお持ちですから、それならば五十一年に打ち上げて一メートルないし一メートル半あるいは四メートルなり四メートル半でもけっこうですよ。そういうアンテナを使って、いま残されているわずか五%か四%かの難視聴をどのくらいの年度において解消できるのか。もちろん星の改良もしなけりゃならぬでしょうけれども、そういうものも含めて具体的な難視聴解消を衛星によってやっていくんだという、そういうものはないんですか。それがあればわれわれよく理解できるんですね。
#21
○参考人(松浦隼雄君) 十二ギガヘルツの受信機につきましての価格の問題でございますが、もちろん、これからの問題でございますので、見通しを申し上げるわけでございますが、先ほどもちょっと触れましたけれども、アメリカあるいはヨーロッパにおきまして十二ギガヘルツの利用での最大の問題点は、放送という以上、受信機が安くなければならぬという、この点のローコスト化ということでございました。それに対して、これも先ほど触れましたように、私どもの研究所において研究を進めました結果、見通しといたしましては、十何万円もかかるということではございませんで、現在のカラー受像機に付加的に数万円ということでございます。できれば非常にそれも安い、うんと下のほうの価格、つまりVHFからUHF放送というものが出ましたときに、コンバーターというようなものが出てまいりましたけれども、そういうときの付加的にかかる費用、あるいは今後難視が進んで、受信者の方々が、やはりアンテナその他で相当な、現在以上のお金がかかるという、この中で吸収できる程度の額まで、その付加的な十二ギガ受信のためのコンバーター並びにFMからAMへのコンバーター、それからアンテナというものの総計費用をその程度までに持っていくという見通しを持っているわけでございます。それが受信機のほうの問題でございます。
 それから実験の具体的な内容でございますが、放送衛星という性格上、受信機のほうにつきましてはいま申し上げましたコストの問題もあって、的確に何施設というふうには申し上げられません。個々の受信者の方々がどうつけるかということにまで持っていくというふうに考えております。五十一年に打ち上げまして、五十二年から五十四年までの実験期間の間に、いま先生御指摘の全般の状況その他を初年度、五十二年において実験をする。五十三年において、わがNHK自体の持っております有線、あるいは遠隔の多段中継をしております中継所に、星からの電波を受けられるような設備をする。五十三年、五十四年という段階において難視解消のための実際的なサービスに入りたいというふうに考えておりますが、現在この衛星開発の計画そのものがNHKの計画でなくて、国の計画ということで検討されておりますので、それ以上具体的なことをわれわれとして、いまの段階でまだ申し上げられないという事情にございます。
 ただ可能性といたしましては、四・五メートルのアンテナを、たとえば南大東島あるいは小笠原というようなところ、あるいは必要があれば先島というようなところにも配置することによって、少なくとも全国放送については十分のサービスができるというのが実験期間の後期においては可能である。そういう、先生も御指摘のような純技術的の問題だけじゃない、いろいろな問題がございますので、そういうものを整理した上で、それ以後において本格的なサービスに入りたいというふうに考えているわけでございます。
 なお、もしこのようなことを、地上の施設を今後も拡充し、かつ維持していくということを考えますと、それにかかる経費はかなり、一千億をこえるということでございます。現在の九三%のカバレージで、もし新しくUHFで一系統をつくったとして、かかる費用を推定いたしますと、これが約五百六十億でございます。二系統で千億をこえます。と同時に、現在、今後五十一年以降に残るであろうと思われる難視地域、これは世帯数にしても十世帯とか、要するに、二十世帯以下になっておるようなところが一万地点近くあるわけでございます。そういうようなところを全部電波を届かせようといたしますと、やはりこれも数百億ないし一千億かかるということで、かなりなお現在の施設についても維持更新が必要でございます。そういうようなことを考えていきますと、経済的に見ましても昭和五十五年、できるだけ早い機会において衛星の利用ということに踏み切りたいと考えておるわけでございます。
#22
○説明員(庄司茂樹君) 先ほど、通信衛星でカラーテレビが、沖繩の先島も可能であるというふうに申し上げましたが、現実におきましては五十一年のことでもございますし、海底同軸でどうかというふうに考えておりますから、その問題は今後経済比較をして、実施するときには、どの方法によるか考えたいと思います。
 補足いたします。
#23
○鈴木強君 その点はまだある程度雲をつかむようなところもあると思うのですね。ですから先島の人たちから見ると、そう長く、衛星でやるから待ってくれということに対してがまんできないと思いますね。ですから、やはりこれは海底同軸ケーブルですね、こういうものも必要なんですから、かりに衛星ができたとしても、そのほうはそのほうとしてやはり有線で確保してやるという意味で、ひとつカラー化のほうは公社のほうにはやってもらいたいと思うのです。
 で、松浦さん、いろいろ伺っているのですけれども、端的に結論的に言って、五十一年に打ち上げた二百キロくらいですか、そして出力は四十ワットから八十ワットくらいの衛星ですね、二百五十から三百キロの。それを打ち上げた場合に、あなたのおっしゃるように数万円、できればコンバーターくらいのものでとおっしゃるのですけれども、それをつけたら個別受信ができるのですか、これ。中心部においては完全にできるのですか。それともそうでなくて、ある程度地上局的なものをつくって、そこからCATV的なものに切りかえてやっていこうとするのか、その辺もう結論的にどうなんですかね。そういう困難性があれば、だから具体的にはどうなるのですか、実際に開始されたときには。
#24
○参考人(松浦隼雄君) 受信という点から申しますと、さっき申し上げたとおりでございます。ただ実験といたしましては、直ちにこれ放送番組内容の問題でございますので、やはり実験期間は実験期間といたしまして、共同受信というかっこうで受信するということを前提としております。ただ、その実験そのものが放送衛星という以上、個別受信までできるだけ早期にいくということをねらいといたしますので、個別の実験もあわせて行なうということでございます。
#25
○鈴木強君 そうしますと、日本列島に、北海道から先島、奄美大島まで、幾つくらいの――個別愛信ができないとするならば、幾つくらいの地上局的なものをつくって、そこでキャッチしようとしているのですか。
#26
○参考人(松浦隼雄君) 現在、NHKが置局しております置局地点の数が、五十一年末で千六百七十地点ぐらい、それから、いわゆる共同受信施設が七千台の施設になるわけでございますが、その中で直接いわゆる親局の電波が受からなくて、われわれ多段中継と申しておりますが、親局から受信をいたしまして、また中継所で受信をいたしまして、また放送波を出しまして、それを受けまして、また中継いたしまして、また受ける。多いのは五段、六段というふうに中継して、非常に画質が悪くなっておるところがございます。まず、そういうところの全国放送につきましては、衛星からの受信というふうに切りかえていきたい。そのための経費は、先ほど申しましたように非常に安うございますので、いま全体を算出してはおりませんけれども、そういう数をまず着手する。それで漸次、実験でございますので、いろんな技術的な支障もない、あるいはいろいろなほかの面でも支障もないということがわかりました段階において、あるいは解決いたしました暁において、その利用を漸次強化していきたいというふうに考えておるわけでございます。
#27
○鈴木強君 これはもちろん、ユーザー側に立って、ものを考えておられるわけでございますが、利用計画というものは、もう少し明確に実験をしてみなきゃわからぬとか、そういうことでなくて、おおよそもう学問的にはわかるわけでございましょうから、さっき私が申し上げましたような、難視解消等についても、五十一年にかりに打ち上げた場合に、どの程度にいったら、どういうものにまた改良され、それによって個別受信がどういうふうに変わるのだろうか、そういうふうなこととか、あるいは放送番組についても、全国放送的なものは、この衛星利用を受けましょうが、ローカルというものを重要視しなければならない。そうなりますと、ローカル番組は、一体衛星の打ち上げによってどういうようになっていくのか。この程度の私は具体的なものがはっきりしなければ、五十二年以降、五十三年以降でなければ打ち上げられないという、いま宇宙開発委員会のほうでお考えになっているその考え方に対して、どうしてもこうしてほしいという、その理由づけにしては、若干私は迫力が足りないような気がするのです。
 だから――アメリカの衛星でNASAのロケットを借りても打ち上げるべきじゃないかというのが、皆さんが郵政省に要請したときの基本方針なんですか、そのロケットの打ち上げについては。そうであるならば、なおさらのこと、その面についてもっと明確に国民にわかるようにして、なるほどこれは緊急である、国際的にも主管庁会議の周波数の割り当てや、あるいは軌道上に打ち上げられる星というのは制限がありますから、百八十ぐらいしか打ち上げられないということですから、早くやったことにこれはこしたことはありません。これはもうわれわれも、むしろ政府のいままでの宇宙開発に対する取り組み方についてはたいへん不満を持っている。これはあとから申し上げますが、そういうわけでございます。
 私は、ちょうど欧米のほうをちょっと旅行しているうちに、大体この問題がかなり転換をしたのでありまして、旅行先でも、ニュース等で伺って、どうなるかなと心配しておったものですから、この国会でもう一度経過を伺っておかないといけないと思いまして、きょう解散が、衆議院では行なわれるというような時期に、あえて私は質問をしたわけであります。
 それでいま私が申し上げましたような意見も含めて、日本の宇宙開発に対するロケットや衛星だけじゃなくて、それと不離一体になる利用計画というものがもっと国民の前に、目に大きく映るようなことをしてもらいたいと私は思うのです。そういう意味においては、ユーザーの意見というものが、国際電電の会社を含めて非常に重要でありますから、そういうユーザーの皆さんの期待に沿えるような政策を政府が積極果敢にやっていただくということも、これは当然でございまして、一面、私は、このNHK、電電公社の申し入れを聞いたときに、なるほどと思いました。それは、日本の科学技術というものに対して非常に政府の力の入れ方が足りない、予算的に見ましても。まだ、科学技術基本法一つすらつくられておらない。こんなことでは、とてもアメリカや、ソ連や、先進諸国の宇宙開発に追いついていくことは不可能です。六年間で千五百億といえば大きいようでもありますけれど、その使い方もあとで伺いたいのですが、非常にこれは私に言わせると、きわめて少額だと思います。もっともっと金も出して、思い切り技術者が本格的に取り組めるような陣容と、経済的な、財政的なフィールドを与えてやらなければ、これは五十二年にだいじょうぶですといったことを皆さんが言っても、私は信用できないぐらいに、この基本政策についても若干疑義を持っている。そういうわけでありますから、NHK側においても、もう少し私が要望したような点は明確にしていただいて、できるだけ早い機会にわれわれにも教えてもらいたい、こう思うのですが、松浦さん、どうですか。
#28
○参考人(松浦隼雄君) 先ほども申し上げましたように、現在、放送衛星を含めまして、宇宙開発計画そのものがNHK単独の計画になっておりませんので、具体的にお答えを申し上げられなかったわけでございますが、われわれとしても、一日も早く計画が確定することを待って、先生御要望の線を固めたいと思います。
#29
○鈴木強君 それからもう一つ。電電もNHKも、あれでしょう、十日、十一日に申し入れをしたときには、アメリカ航空宇宙局の力を借りても打ち上げるべきだという考えであったのですか、どうですか、その点はいかがですか。
#30
○参考人(松浦隼雄君) 私どもは、ロケットの打ち上げについては論及してございませんけれども、現在の宇宙開発計画にいわれる、五十二年に百三十キロ程度の実用試験衛星を上げるということでは、放送衛星には間に合わないということは申し上げました。
 それから、それ以後において、三百キロ程度のものを開発するのにどのくらいかかるかということについても、いろいろ苦慮いたしておることは事実でございます。
#31
○鈴木強君 電電はどうですか。
#32
○説明員(庄司茂樹君) 要望いたしまして、先ほど申し上げましたようなことも、ロケットはどうなるかは国のほうできめることでありますけれども、可能性のないことをむちゃくちゃに要望したということではございません。
#33
○鈴木強君 そこで郵政省に最初伺いますが、六月二十八日に郵政省、NHK、電電、KDDの四者の宇宙通信連絡会議というものを持っていただいているのですが、その会議を持たれて、放送通信衛星の打ち上げの進み方を促進をするべきだという方針を決定したと聞いているのですけれども、それは事実でございますか。事実だったら、その内容を教えてもらいたい。
#34
○政府委員(齋藤義郎君) 六月の末に四者で協議いたしまして、できるだけ早く放送通信衛星を打ち上げるべきであるという結論に達したわけでありますが、いつ打ち上げるかというところまでは確定いたしておりません。
#35
○鈴木強君 それで、四者でそういう方針をきめられて、七月四日に、宇宙開発委員会のほうに、郵政省は要望書を出しておりますね。その要望書の要点というのは、どういうのでありますか。私はあとから伺いたいように、少なくとも、六月二十八日にそういう打ち合わせをして、それで皆さんが七月四日に宇宙開発委員会のほうにお願いをしたわけでございましょう。そのあと八月十日になって、今度は、NHKと電電公社が独自の立場で、郵政省にまた意見をして出してきたということは、ちょっと合点がいかないんですね、これは。六月二十八日にそういう意思統一をしておって、また七月四日に皆さんが申し入れをし、一カ月そこそこで十日、十一日に、そういう独自のまた、郵政省に対する要請が出てくるということは、ちょっとおかしいように思うんですが、この辺はどういういきさつか。
#36
○政府委員(齋藤義郎君) 郵政省といたしましては、宇宙開発計画をいま持っておるわけでございますけれども、それは五十年度に電離層観測衛星というものを上げていただきたい、それから五十二年度に実験用静止通信衛星を上げていただきたい、そのあとで放送衛星、それから静止通信衛星、これを上げていただきたいというのが、六月の末の四者協議会の結論でございまして、それを七月四日に宇宙開発委員会に要望を提出したと、こういうことでございますが、その内容が、どれくらいの重さの衛星をいつ打ち上げるかということが欠けておるわけでございます。それについて八月に入りましてから詰めて、九月六日に具体的な要望書を出したと、こういう経緯になっておるわけでございます。
#37
○鈴木強君 だから、いまのようなことだったら、五十二年度に実験用静止通信衛星を上げるということは、これは宇宙開発委員会の基本計画の中に含まれているのです。その以降放送あるいは通信の衛星を上げてもらいたい、これはまあ未定になっておりますが、それは当然のことですね。ですから、何もそういう申し入れをすること自体も、ちょっと私はピンぼけのような気もするんですけれども。で、八月十日や十一日になってそういう、NHKから、あるいは電電公社から、そういう意見が個別に出るような意見がもしあるならば、六月二十八日に四者会議を開いているんですから、その四者会議をまた開いて、七月四日にこういうふうな宇宙開発委員会に要望をしたけれども、どうもうまくいかぬならいかぬと、そうして、あらためて四者会議でそういうふうな方法をとるとか、そういうことをやるのが、この連絡会議の性格ではないんですか。外から見ておりますと、どうもその辺が郵政省としての電波行政に対する指導性といいますか、そういうものに対しても私は疑義を持つんですよ。出し方が非常におかしい。そして、最初は、出したものについて、時宜を得ないピントはずれのようなことを郵政大臣が――私は新聞で見たんですけれども、けしからぬとは言わぬけれども、何だ、というような趣旨の意見が出ておった。そうしたと思ったら、今度は自民党の通信部会か何かが開かれて、NHKや電電公社の趣旨のようなものが出てくると、今度は郵政省は態度を変えて、そうだそうだと言って、宇宙開発委員会のほうに二度も御丁寧に意見を出しています。そこらも、私が、この十六、七年の間一貫して日本の電波行政に対して非難をしておるのは、そこにあるんです。
 今度の措置についても非常に私は疑問を持つのです。一面では、アメリカとの技術協力の中で、アメリカと日本のメーカーとの間にいろいろな技術協力体制というのができてきている。それとの関連性なんかも考えざるを得ない。だから、ハッパをかけるということについて、私もさっき言っているようにわかるのです。なまぬるい政府の科学技術に対する態度というものが一体いつになったら実用化するのか、そしていつになったら、放送や通信に衛星を使わしてもらえるのか、こういうことに対して確たる自信を持てないような、のんべんだらりのやり方をやってきた。だからむしろ政府こそここで反省して、いままで三年も四年も延ばしてしまって申しわけなかった。今度は本腰を入れて金を出してほんとうにしっかり取り組んでいくから、ひとつ従来の足りなかった点は許してもらいたい、こう言って国民にわびて、それから新しい決意の中で予算をつけ、陣容を整備して宇宙開発に取っ組んでいくという、そういう姿勢がないということにはだめなんです。だから、NHKや電電公社が何回言ってもうまくいかぬ、したがって、ここでひとつハッパをかけて政府を鞭撻しよう、こういう趣旨もあったと思います、思いますけれども、さっき言ったように、利用計画その他も国際的な周波数の割り当てとか、いろいろな制約がありますから、むつかしい面もあると思うけれども、それはそれとして、利用計画は今後やっていただくとしても、要は、この計画が、実際にNHKや電電公社の言っているような、この計画が、現実に可能かどうかということが、きょう私の聞きたい一番大きな問題、そしてその計画が可能であると判断するなら、それに向かってやってほしい。もし不可能であるないしはこういう点をこうすれば可能であるというならば、その可能に到達するいろいろな条件を、この際解決するために政府は大いに力を入れてもらいたい。
 できるだけ早く打ち上げるということについては私も大賛成です。国産技術で、はたして五十一年に二百五十ないし三百キロの打ち上げができるのかどうなのか、ロケットの問題、衛星の問題あるいは衛星に積むミッションの問題、いろいろとあると思います。ですから、そういう点をお互いに従来以上に緊密な連携をとって、そうして御要望に沿えるような道を歩んでもらいたいということを、私は心に強く思っておるものでございますから、その辺をちょっと伺っておるのですけれども、これはきょうは予算委員会が並行して行なわれておりますので、大臣にもいらしていただけなかったので、御多用のところ政務次官に出ていただいておるわけですが、どうでございましょう、郵政大臣――郵政大臣と私は見るわけですが、次官のほうで、いま私がちょっと述べたような、今度のこの一連の動きを見ておる場合に、行きつ戻りつ、何か右往左往したような印象を私は受けるのですが、そういう印象を受けるのは無理ですか。
#38
○政府委員(木村武千代君) お答えいたします。ただいま鈴木委員からお話がございましたことにつきましては、私といたしましても十分に御同感さしていただきたい次第でございます。この通信衛星及び放送衛星につきましての場合は、早期に打ち上げることにつきまして郵政省としましては、四十二年度から、宇宙開発につきましては、非常に重大政策としまして考えてまいったわけでございますが、特に最近になりまして、この通信衛星並びに放送衛星は、国際的な関係もございますし、また、いままでのユーザー、特にNHK、電電公社の研究その他郵政省自体といたしましても、研究をいたした結果、やはりこれは早期にこの開発を実行しなければならぬということを考えたわけでございます。そこで、それらのことを総合いたしまして、五十一年度に開発するというような計画でいままでまいりまして、それを宇宙開発委員会のほうに、そのことを申し入れたわけでございます。その申し入れた一番のものは、やはりこの四十八年度におけるところの予算の関係もございますので、それについての委員会の御回答を得たいと、こう思っておるわけでございますが、それにつきましての御回答がまだないので、私どものほうとしましては、再度委員会にお願いをいたしまして、五十一年度から開発するというような気がまえを今度出して、いま再度のお願いをいたしておるのが現状でございますから、郵政省といたしましては、いま先生のおっしゃるとおりの、いわゆる積極的な態度で臨んでおることには間違いございません。
#39
○鈴木強君 そうしますと、郵政大臣が、この電電公社、NHKからの要望があった直後でしたかね、新聞記者などと会見をされ、記事になっている面を私は見たんです、ちょうど私がアメリカに行く前でしたけれども。そのときに、どうも実情にそぐわないような趣旨の御意見だったのですが、あなたのほうに御両所から、ユーザーのほうからお話があったのは、いまちょっと私が伺ったんですけれども、ロケットの開発その他は非常にむずかしかろうということは、お互いに判断ができるわけでして、五十一年ということになりますとね。したがって、これは場合によったら、NASAの協力を得て一挙に打つだけは打ち上げてしまうというような方針を一面持っておられたと思うのですね、NHK、電電公社は。私、そこまでちょっとはっきりわかりませんけれども。これは国の方針であるからというような意見も電電公社からは述べられておるし、NHKのほうからも明確には――松浦さんの答弁の中にはあやふやですよ、これは。あやふやですけれども、一般的にはそう受け取っておるわけです、これは。そうでなければできないじゃないですか、実際問題としてね。だからして、そういうこともあわせて、従来できるだけ国産でいきたいという、これはわれわれも終始一貫そういう考え方を持ってきたわけですから、何も人の力を借りなくたっていいじゃないか。しかし、これはなかなか技術協力といっても、ごく秘密に属するところは、ブラックパッケージで持ってきてしまって、ふたをあければ、どうにもならぬというような、そういうもので、これは急所は教えませんよ、教えてもいいととろは教えるでしょうが。
 だから、そこのところの研究をどうやっていくかという、これはあとから山県先生にも伺いたいのですけれども、そういう意味において、QからNへの切りかえ等もやっているし、固体を液体にかえていくというような三段式のロケット方式も、その後研究されておるわけでございましてね。ですから、そういうふうな政治的な面から、ちょっと私がとらえているものですから――きょう大臣の御出席がないですが、政務次官に申し上げてもちょっとどうかと思うのですけれども、どうも外から見ますと、そういうふうにとれる。あなたが最初にぼくの意見を同感だとおっしゃったから、その点は政治的に私も受けとめてはいますけれども、そういう印象が非常に強いために、郵政省何しているのだというような、そういう気持ちも一面あると思うのですよ、これは。われわれいろいろと記者の皆さんだとか、関係者に聞いてみましても、そういう疑惑を与えていることは事実ですよ。
 これは、最初からそうであればそうであるように、最初の正式な要望とか、あるいは第二回目の再度宇宙開発委員会に申し上げたような、積極果敢な態度でいくならば、いってほしかったわけですけれども。どうもジグザグをとったということは、少し行政をあずかる郵政省としては、どうも一貫性がないじゃないかと、言われてみて、こっちに行ったり、言われてみて左に行ったりするような、そういうことではいけないじゃないか。だから、電波行政というものが電波政治になっているのですね、日本の場合には。そこに非常に問題があるわけですね。ですから、いま私は酷なことを申し上げたかもしれません。しかし、大体一般的な情勢としては、私はそういうふうにこのいきさつはとっておりますから、政務次官、この辺はひとつ大臣にもよくお話しをしていただいて、そういう誤解を多少なりとも国民に抱かせるようなやり方は今後もう厳重にひとつやらないでほしいと思うのです。
#40
○政府委員(木村武千代君) そのことにつきまして、この問題が出てまいりましたのは、NHK並びに電電公社の要望がありましてから、非常にクローズアップされたわけでございます。しかしながら、郵政省といたしましては、やはり宇宙開発というものは、これは国がイニシアチブをあくまでもとるべきである、こう考えておるわけでございます。この方針には変わりはございませんが、それも、郵政省がそれを具体的に行政的な方面にやるといたします場合においては、やはり宇宙開発委員会というものがございまして、その御意見を承らなければならぬということに、先生が御指摘になられたような印象があったかと思うのであります。これは決して宇宙開発委員会の責任というわけではございませんが、そういうようなことがございますことをひとつ御了解いただきたいのでございます。
 そこで、ただいま先生がお話しになりましたロケットの問題につきましても、郵政省といたしましては、やはり開発については郵政省がどこまでもイニシアチブをとりますけれども、打ち上げということにつきましては、これは宇宙開発委員会の御意見に従ってやらなければならぬと考えておる次第でございます。
#41
○鈴木強君 わかりました。大臣にもきょうのような質疑のあったことを、また時間がありましたら伝えておいてほしいと思います。
 それで、山県先生にお忙しいところをおいでいただいたのでございますが、実は昭和四十五年十一月十一日に、当委員会におきまして、当初御計画になった最初の案でございますね、これが三年間延びたことに対していろいろと質疑を行なっております。それで、いろいろと当時計画を立てたときのいきさつからしても、一年ごとに見直しをしていくというような方針で最初の基本計画が立たっておりますから、目まぐるしく変わる国際的な宇宙開発の諸情勢というものも考えながら、年度ごとに手直しをして見直していくという、先生のおっしゃることもよくわかるし、また、そうであったと思います。それで、具体的に修正された計画案というものが示されたのでございますが、どうでございましょうか、五十二年に実験用静止衛星、これは百キロぐらいの小さいものですけれども、これを打ち上げるために、たしかロケットはQからNに切りかえていくということであったと思いますけれども、現在このほうの御計画は大体順調に進んでおると、またもう一回手直しをしなければならぬと、こういうようなことはないのでございましょうか、その点最初にお伺いしたい。
#42
○説明員(山県昌夫君) お答えいたします。
 ただいまの御質問、昭和四十五年度に改定いたしました現行計画でございますが、その後の進捗状況、これはものによりますと、最初のスケジュールに比べまして数カ月おくれているものもございますが、おおむね順調にいっておりますので、こういうようなことをふまえますと、五十年の打ち上げ、さらに五十二年の実験用静止通信衛星、これの打ち上げは可能と私どもはいま判断しております。
#43
○鈴木強君 そこで、百キロ程度の衛星を打ち上げるためのロケット開発ですね、それから衛星開発、それに積み込むミッション等については可能と思う、これはわかりました。したがっていま先ほどからいろいろと問題になっております通信放送衛星、二百五十ないし三百キロ、こういう衛星を打ち上げるためには、第一段階としての五十二年の実験用の静止通信衛星を打ち上げる、三万六千キロメートルになるのですか、そういうような静止衛星の打ち上げをまずやって、それからその次に二百五十ないし三百五十程度の気象衛星をはじめ、計画にあります五つの気象、通信、航行、測地、放送、こういうものを打ち上げる準備にとりかかっていくと思う。ですから、いまここで五十一年に上げるということになりますと、いまやっております百キロ上げるお仕事と、それから今度それをさらに拡大して、できれば、もちろん百が上がれば三百は簡単でございましょうから、ロケットのほうはそういうことでもってピッチを上げていったら、何とか五十一年度に電電公社や、NHKの要望に沿えるような衛星の打ち上げができぬものなんでしょうか、どうでしょうか。
 それからもう一つは、この四十五年度に見直しをされました政策の中に、その後の国際情勢その他からいたしまして、新しくつけ加えるようなものは出てきておらぬのかどうなのか。これは一年ごとに見直しということになっていますから、その点もあわせてお答えをいただきたいんです。
#44
○説明員(山県昌夫君) 前段の、いわゆる現行のNロケットは、お話のとおり静止衛星といたしますというと、百数十キロのペイロードになります。当然、日本の宇宙開発計画といたしまして、それに続きまして、さらに大きなロケットを開発する必要があると私どもは判断しております。従来計画にはまだ乗せておりませんが、五十二年以降におきましてNを改良いたしまして、大体二百五十キロぐらいのペイロードの静止衛星を打ち上げ得るような技術を持ちたい。で、一応のめどといたしましては、昭和五十五年度ということを、公表はいたしておりませんけれども、私どもの内部あるいは事業団とも御相談いたしましてそういうことを内定しております。
 そこで、いまお話がございましたように、放送、通信衛星を打ち上げるというお話が出てまいりましたので、この二百五十キロ程度のものを打ち上げ得るロケットの開発を早くしたらば、いつごろになったら打ち上げられるかということも検討もいたしました。結論的に申しますというと、五十五年度の打ち上げを予定しておるというふうにわれわれはNの改型を考えておったわけですが、それが一年程度しか繰り上がらぬ。結局、現在やっておりますNロケットの開発に引き続きまして改型をやるというと、五十五年になる。ある程度それをオーバーラップさせましたら、どうなるだろうということでございましたが、やはり結論的には、一年あるいは一年ちょっとぐらいの繰り上げということにしかならないと私どもは判断しております。
 それから、今年――ただいま先生のお話がございましたように、原子品の長期計画と違いまして、宇宙開発計画というのは、宇宙開発そのものが非常にテンポが速く変わってまいりますので、当初から、原子力のように五年とか、六年ごとにそれを改定していくという方針をとりませんで、毎年見直すということにいたしました。その内容は、当然、従来の計画でやってみたところが、ころこう直さなきゃならぬという、いわゆる訂正という点と、それから一年ごとに見直しをやりますので、一年たちました場合に、いわばころがし計画という性格を持っておりまして、一年たちましたので、さらに追加するものはないかということでございまして、本年度におきましても、当然見直しをやるということになりまして、確か四月末を一応の期限といたしまして、各省庁に計画の訂正なり追加がございますならば、という御照会を申し上げたわけでございます。期日に、四月末までにほとんど各省庁から出てまいったわけでございますが、文部省と郵政省からは出てまいりません。それで先ほど来たびたびお話がございますように、七月の初めになりまして郵政省と文部省からも出てまいりました。
 文部省は、これは従来御承知のように、文部省と申しますか、東京大学で打ち上げております衛星、これはいわゆるミューロケット、Mロケットというものでございまして、四段ロケットで、すべて燃料は固体になっておりますが、その実績からこの際、東京大学のロケットを少し変えたいと、それは従来の四段ロケットを三段にするということでございます。これはいわゆる制御を加えてまいりますというと、四段ロケットで二段、三段に制御をやるということよりは、三段にいたしまして、二段目のロケットに制御の装置をつけるというほうが簡単でございます。したがって信頼度が高い、こういうことでそういう改定の申し出がございました。これはいろいろ東京大学その他からお話を承り、また、委員会の中のいろんな部会で御審議願いまして、けっこうでございましょうということで、そういうふうに今回改定するつもりでおります。
 それから追加の分といたしましては、気象衛星と、ただいまいろいろお話がございます通信及び放送衛星、このお話が出てまいったわけでございます。で、気象衛星につきましては、もう二年ほど前からいろいろお話が気象庁――運輸省からございまして、これは国際協力の一環といたしまして、アメリカが気象静止衛星を二つ打ち上げる、それからヨーロッパ、これはESRO――ヨーロピアン・スペース・リサーチ・オーガニゼーションですか、これが一つ打ち上げる、それから日本がもう一つ打ち上げる、さらに最近になりましてソ連も打ち上げるということになりまして、したがいまして、五つの静止衛星を打ち上げまして、それによって地球の気象をグローバルに観察すると、こういうことでございまして、アメリカは来年、引き続きまして再来年打ち上げます。それからヨーロッパは昭和五十一年、したがいまして、日本も昭和五十一年度に打ち上げませんと、せっかくソ連を除きましても、四つ打ち上がりましたもののうちの一つが欠けるというので、ぜひ日本で受け持ってくれということが前々から話がございました。で、この件につきましては、過去二カ年間、大蔵省からも予算をいただきまして、十分検討いたしまして、われわれといたしましても自信がつきましたので、明年度からこの開発に着手する。で、先ほど申し上げましたように、Nロケットの改型が非常に急ぎましても五十四年度ぐらいになりますので、これは国際協力という面から昭和五十一年が必要条件でございますので、アメリカの技術に相当依存いたしまして、結局はNASAで打ち上げてもらう、こういうことになっております。
 それからただいまの気象衛星を除きまして、通信、放送衛星につきましては、七月の初めに、第一回のお話を郵政から承りまして、その後、たしか九月の初めごろと思いますが、五十一年という具体的な数字が出てまいりました。そこで私どもといたしましては、御承知のように、この宇宙開発委員会というのは原子力委員会とやや性格が違っておりまして、原子力委員会でございますと、研究、開発、利用と、この三つの仕事が守備範囲になっているわけでございますが、宇宙開発委員会の場合は、その三つのうち、利用というものが抜けております。これはいろいろな過去の事情が、いきさつがございますし、また、実際問題といたしまして、原子力と違いまして、宇宙開発は各省庁に非常に及ぶところが多いわけで、これを一元的に委員会がとりしきるということが、非常にむずかしいという事情がございます。そういうようなことでございまして、通信衛星なり、放送衛星を利用されるお役所、それからのお申し出を受けて、われわれは開発を考える。むろんその間に、いろいろ下話もございまして――ありますのは当然でございますが、たてまえとしてはそうなっております。そこで委員会といたしまして、この通信、放送衛星をどう扱うかということでございますが、当然通信政策と申しますか、郵政省が御担当になっております通信政策から見て、どうであるかということが一つの大きなファクターになります。
 次に、われわれといたしましては、そういう郵政省の御希望を達成し得るようなことを考えなきゃならないわけでございますが、その場合に、やはり日本の宇宙開発政策というものが根底にあるわけでございまして、そういった衛星は要りませんよということを、こういうことは決して申し上げられるわけではございませんが、その開発のやり方なり、したがって、それが、その計画がいつ達成されるかというようなことは、当然宇宙開発政策の面から考えなきゃならない。たとえば先ほど来お話しがございました放送衛星、これは相当大きな電力を必要といたしますが、そういった場合に、衛星の姿勢を制御する、そういったやり方が、どういうやり方がいいか、たとえばスピン安定がいいのか、三軸制御がいいのか、そういったいろいろな技術的な問題がございます。それが当然開発のやり方、あるいはその完成の時期に影響が出てまいります。こういうようなことを開発の面から、あらゆる角度から見て、将来の日本の宇宙開発というものをやはり頭に置きながら、われわれとしては、どういう方法が一番いいかということをやはり議論しなきゃならぬ。当然そういう一応の線が出ました場合に、郵政省なり何なりと御相談をして、現実の問題としては、どっかに落ちつくんじゃないかと思いますが、ただいまのところ、現時点におきましては、いまの二つの衛星でございますが、これを受けまして、いろいろの角度から将来の宇宙開発につながる、はなはだ有効に二つの衛星が、日本の宇宙開発の中の位置を占めるような検討をいたしております。まだ最終的の結論には達しておりませんが、いずれある程度の具体的のことが出ました場合には、郵政省その他とも御相談いたしまして、やはりできるだけ早い機会に、打ち上げ年度、あるいはその開発のしかた、あるいは衛星そのもののミッションをどうするかというようなこと、こういったものをきめたいと考えております。
 大体現在の状況は以上のとおりでございます。
#45
○鈴木強君 何か政務次官会議があるそうでございまして、両政務次官とも、そちらに出席をしなければならないような予定になっておるようですけれども、ちょっと質疑の順序が狂うんでございますけれども、科学技術庁の政務次官にちょっと伺っておきたいんですが、いままでのいきさつはお聞き取りのとおりでして、それで九月二十六日でございますね、中曽根長官と、それから山県宇宙開発委員長代理と、三池郵政大臣が、ヒルトンホテルで会合されているようですが――これはそれぞれまたお尋ねしますけれども、特にその際に、科学技術庁としましては、郵政省の要望は十分に受け入れられるが、打ち上げのための具体的な問題についての各種の前提条件があるので、なお検討さしてほしいと、こういう意見を述べておりますですね。それで宇宙開発委員会のほうとしては、郵政省に対する回答の中で、いまも委員長代理のおっしゃっておりますように、なかなか、五十一年に打ち上げると言ってもこれはむずかしい。たとえば外国技術の大幅な導入をするとか、あるいは国内での、ミッション機器の早期開発とか、実用衛星の研究開発の体質の整備とか、こういった三つくらいの大問題があるので、大体開発時期というのは、五十年代のできる限り早期という、ばく然たる回答をした直後にこれは開かれていると思うんですけれどもね。科学技術庁としては、このNHKなり、電電公社なりの提案に対して、いまどういうふうな考え方を持っておられるのか。特に、予算編成の時期ともからんで、郵政省から第二次の一再度、宇宙開発委員会のほうに、五十一年度ぜひ可能にしてもらいたいという、いろんな前提条件も、これも可能、これも可能、これもこうすればできるというような、そういった趣旨をつけて再度出しておるのですね、これはさっき次官もちょっと言われたのですが。ですから、そういうものとの関連で、これは早期にやはり一つの結論を出さなきゃならぬと思います。ですから、きょうは関係の皆さんに全部出ていただいて、そうしてここでいろんな意見をもう少し詰めてからお伺いしたいと思っておったんですけれども、そういった会議で、支障もあるようですから、ここでひとつ科学技術庁としてほんとうにこれを真剣に解決してやろうということについて、郵政省とも相談をし、開発事業団があるわけですから、これは郵政省、科学技術庁の共管になっていると思いますので、後ほど副理事長からも準備の状況等伺いたいと思っているんですけれども、いずれにしても、国の科学陣営を総動員してまでも、そうしてまたお金もできるだけ多く出して、そうしてできるだけ早く――いま五十一年度とおっしゃっているんですけれども、そこのテンポに合わせるような努力とくふうをやってもらえるかどうかですね。これは非常に具体的なことですから非常にむずかしい点もあります、ロケットの打ち上げなんかにつきましては。だけれども、その決意といいますか、心がまえというか、科学技術に対してほんとうにいま自己批判しなきゃいかぬと私は思うんですよ。多くの技術者に聞いてくださいよ。ほんとうに日本の政府が科学技術に対してもっと、なぜ力を入れてくれないかというので、非常に不満を持っていますね。ですから、そういう点もありますので、いい機会ですから、この際、日本の科学陣営のためにも、宇宙開発のためにも、ひとつ重大決意の上に立って体制をつくってもらいたいと私は思っておりますから、ちょっと次官から。
#46
○政府委員(藤波孝生君) 先ほど来、宇宙開発についての先生の非常に御熱心な御高見を拝しておりまして、私ども敬服をいたしておるわけでございますが、今回、郵政省から宇宙開発委員会に御要望、お申し入れになりました件でございますが、その要望に基づきまして、宇宙開発委員会でいろいろ御審議をいただいておるわけでございます。
 両衛星につきましては、増大する通信需要及び教育、難視聴解消、国際放送等の放送需要に適切に対処するとともに、わが国の電波権益の確保等をはかるために、できる限り早期に開発を行なう必要性があることが指摘をされておるわけでございます。しかしながら、これを昭和五十一年度までに開発をいたしますことの緊急性、また技術的な可能性は先生御指摘のとおりでありますが、その技術的な可能性、これを昭和五十一年度までに開発することと、現行のN計画との斉合性等につきましては、まだ結論を得るに至っていないわけでございます。衛星の利用機関であります郵政省とも十分連絡を取りながら、宇宙開発委員会において引き続いて御検討いただくことに、先ほどの山県委員長代理の答弁からもお聞き取りいただいたと思うんでありますが、その宇宙開発委員会におきまして、いろいろ御決定をいただきますことを科学技術庁はそれを受けとめさせていただきまして、行政の面で全力をあげてその実行に移っている、こういう体制になっておることは先生御高承のとおりでございます。科学技術庁といたしましては、郵政省のお申し入れば十分趣旨は了承いたしておるわけでございまして、ただいまいろいろお話を申し上げましたように、従来の計画あるいは技術的な可能性、斉合性等を十分踏まえて、宇宙開発委員会の結論を待ってひとつ前向きに取り組んでまいりたい。このように科学技術庁としては考えておるわけでございます。いずれにいたしましても、先生の非常に御熱意のある御見解につきましては、さっそくに長官に伝えまして、前向きに全力をあげて科学技術庁としては取り組んでまいりたいということを答弁として申し上げておきたいと存じます。
#47
○鈴木強君 いま科学技術庁の政務次官からいろいろ伺いました。で、その御決意をひとつぜひ実行に移すためには、やはり宇宙開発委員会が仕事のしやすいような方向にひとつやっていただかないと、結局は、この委員会の結論待ちという次官のお話のようでございますので、これから山県先生にいろいろ御注文もしたいと思っておりますので、ぜひ今後積極的な支援体制をつくってほしいと思うんです。
 それで私は、九月の二十六日に、宇宙開発委員会から郵政省のほうに出された御回答ですね、それからさらに同日、郵政省が、宇宙開発委員会の出した「通信、放送両衛星に関する見解」というのを拝見しまして、おそらくこれは第二回目にまた、郵政省から開発委員会のほうに申し入れをしたことだと思うんですが、二十七日にやっているようですね。そこでこの回答を見ますと、二十六日の回答ですと、いろいろ御検討いただいたんですけれども、結論としては、五十年代のできる限り早期に開発し、打ち上げることに努力すると、こういうのが結論でございますね。そこで、郵政省としては、なお不満であったんでしょう、これに対して見解を発表しているんですが、それを見ますと、「一つには、通信衛星、放送衛星の早期開発の必要性を十分認めたものであること。それから二つ目には、五十一年度を目途とする衛星の開発の可能性を認めたものであること。三番目には、現行の開発計画に示されているETSIとETSII、それからISS、ECSを予定どおり推進させ、かつ、新たに通信衛星、放送衛星の開発を進めるものとしていること。」について十分敬意を表するものであるが、郵政省は貴見解に対し下記の意見を持っているので、再度御検討を願いたい。」こういうことになっている。その一つは、宇宙開発委員会のいま申しました見解で、三番目ですね、三番目の、五十一年度までに、通信衛星、放送衛星の開発を行なうための条件が満たされるかいなかについて、現時点で直ちに判断することは困難であるとされているが、郵政省は別紙のとおり条件を満たすことは可能であると考えているということで、別紙に外国技術の導入の問題、それから搭載機器の問題、それから実用衛星の研究開発体制についての問題、これをあげております。この別紙を見ますと、それぞれ可能であるというふうになっていますね。したがって、3において、五十年代のできる限り早期にとあるが、昭和五十一年度を目途としてとされたい。したがって、昭和四十八年度から五十一年度を目途とした開発に入ることを明確にされたい、そして、まあ予算もつけましょうということだと思いますが、そういうふうな見解をまとめております。
 それでこれについて若干伺っておきたいのですけれども、大事なところですから。まず、外国技術導入の件ですけれども、これは先生もさっきおっしゃっておったのですが、御承知のように、昭和四十四年七月三十一日に宇宙開発に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協力に関する交換公文、こういうものが出ておりまして、アメリカ側も十分協力する態勢をとっているのであります。具体的には、開発を担当する国内メーカーに外国メーカーからの技術導入、これはハードウエアの輸入を含めてですが、を行なわせる場合、それから科学技術庁のステートメントの発行によって円滑に行なわれるものと確信していると、それからなお現に開発計画に定められているISSとECSに関する技術導入においても特に困難な問題は生じていない、また、国内主要メーカーにおいては、外国の系列メーカーとの間に包括契約を結んでおり、通信衛星、放送衛星に必要な衛星技術に関する限り技術導入の困難性はないものと考える。したがって、このほうのメーカーサイドにおける体制というものはかなり前に進んじゃっていると思うのですね。こういうことを考えると、外国技術の導入については心配ない。したがって、こういう技術を導入することによって可能であるというならば可能じゃないか、こういうことが第一点になっているわけですね。
 それで、これはどこで聞いたらいいんですかね。――これは開発委員会の見解ですから、先生からも伺いたいし、それからもう一つは事業団のほうにちょっと伺っておきたいのですが、ロケットの開発の問題ですけれども、昭和五十二年度に重さ約百キロの実用衛星を打ち上げるため、宇宙開発事業団が開発を進めている三段式Nロケットの二段目液体ロケットですね。エンジンの性能テストがこの夏アメリカの砂漠で行なわれた。よい成績をおさめているので、次の段階の開発を進めるというふうに事業団のほうでは発表しておりますね。このロケットエンジンは、同事業団が、米国のノースアメリカン・ロックウエル社の技術援助を受け、三菱重工業に委託して昭和四十五年から開発を進めてきたものであります。今度のテストは、米国のニューメキシコのラスクルス近郊にあるNASA所属のホワイトサンズ燃焼試験場で高度三十キロに相当する条件で行なわれている。テストの結果を審査をしたところ、このロケットエンジンは燃焼状態は安定で、比推力は二百八十五秒以上、推力は五・四四トンプラス・マイナス〇・一一トン、エンジンが焼き切れることに対する耐久力は四分十秒、冷却装置の性能は良好、こういうことが確認されている。
 だから、かなりロケットの開発については、もうすでに日米技術協力というものが相当深く行なわれているのでありまして、こういった一連の外国技術導入についてこれらのものができれば、まずロケットについて、あるいはその衛星についてどうなんですか、五十一年度に打ち上げるということは可能なんじゃないですか。これは事業団の――先生のほうか、事業団のほうか、伺いたいのですけれども。
#48
○説明員(山県昌夫君) 前段の件につきましてお答え申し上げます。
 私ども宇宙開発計画、いわゆるナショナルプロジェクトでございますが、過去の例によりますというと、こういう大きな開発計画、これがいろいろ計画されまして私自身も関係いたしましたが、たとえば原子力船というような大きな開発計画、これらの実績を見ますというと、最初の計画どおりなかなかうまくいっておらない。むろん開発でございますから、スタートいたしまして、その後いろいろ問題が起こりまして、それを変えるとかいろいろなことがございますが、しかし、一番やはり過去における大きなプロジェクトが計画どおり、これが時期的にも、それから経費的にも大きく狂っているということは、やはりその計画をスタートいたしましたその時点におきまして、十分その計画を練っていなかった、というと、少し言い過ぎかもしれませんけれども、やはりもっと配慮すべき点が、あとから考えてみると、あったのではなかろうかと思います。
 したがいまして、こういった気象衛星とか、通信衛星、放送衛星、それは何と申しましても、相当多額の経費を必要とするものでございまして、われわれといたしましては、これをできるだけ正式な計画に乗せます場合には、十分に検討いたしまして、そこでわれわれとしても、確信が得られますれば、当然これは計画に乗せるわけでございます。
 そこで、先ほどの技術導入の問題でございますが、こういった外国――アメリカでございますけれども、アメリカの技術導入をいたします場合に、従来、一番問題になっておりますのはロケットでございますが、いろいろ実際、対米交渉をやってみますというと、問題が出てまいりまして、具体的な問題になりますと、いろいろな点が問題になりまして、そこで、あるものは入れることができなかったものもございます。また、入れるにいたしましても、最初三カ月か四カ月で話がつくと思ったものが、半年かかり、一年かかるというような実情もございます。そういったような、過去の、われわれは経験がございますので、先ほど申し上げました気象衛星につきましては、二カ年かけまして、アメリカ政府とも打ち合わせをいたしましたし、また、気象衛星の調査団もアメリカに、相当大型の調査団でございますが、そういうものを編成いたしましてアメリカ、さらにヨーロッパもそうでございますが、ヨーロッパにも参りまして、十分確信を持ってわれわれは今度の見直し、気象衛星については、五十一年に打ち上げるという見通しが得られましたので、計画に乗せるという心がまえであります。
 そこで、ただいまの放送、通信衛星につきましては、過去において、われわれはそれだけの手を尽くしておりませんので、こういった技術導入につきましても、やはりあらかじめ時間の許す限りということにはなるとは思いますけれども、アメリカとも下話をいたしまして、それで確信を持ってから計画に正式に乗せたい、こういうことになっておるわけでございます。
#49
○参考人(松浦陽恵君) 先ほどお尋ねがございました技術導入の問題でございますけれども、ちょっと触れさしていただきますと、N二段のエンジンの技術導入、この関係のものは、昭和四十五年にアメリカ政府の許可が出まして、それ以降開発を続けておるものでございますが、先般の、去ることしの八月でございますか、アメリカのテストスタンドを借りまして試験をいたしました結果は良好でございました。エンジンではいま申し上げましたように、比較的順調に進んでいるわけでございます。
 それからその他のNロケットの一段、それからさらに上段――三段までございますが、これらについての技術導入の点も現在のところ、すでにアメリカ政府の許可が出ておりますものと、それから容易にこれは出得るものだというものとがございまして、いずれにしましても、Nロケットの計画を進めてまいりますのには差しつかえないという状態になっております。
 ただ、いま要望されております気象、通信、放送衛星等を打ち上げますのに、十分な能力を持っているロケットを開発するということになりますと、たとえばいまお話が出ましたN二段のロケットもこれは性能向上をしなければいけないということでございますので、ですから、いまNに使おうとしているものそのままを使うというわけにはまいらないわけでございます。したがって、総括的に申しますと、ロケットの開発にはかなり時間がやはりかかります。
  〔委員長退席、理事森勝治君着席〕
#50
○鈴木強君 二つに分けて伺ったのですけれども、この夏アメリカのニューメキシコでやった実験ですね、これは要するに、いま考えておる百キロのたとえば、実験用の静止通信衛星用のものであって、これは山県先生のおっしゃったように、ロケットそのものの開発は昭和五十年には間違いなくでき上がると、この一環でございますね。
#51
○参考人(松浦陽恵君) いまの御質問のとおりでございます。
#52
○鈴木強君 そうしますと、今度二百五十ないし三百キロの衛星を打ち上げるということになりますと、いませっかく実験をされて、百キロが可能であるという、そのロケットに相当なやはり改良を加えなければならぬと思うのですが、それが、われわれは科学技術についてはしろうとなものですから、よくわかりませんのですけれども、二百五十なり三百にすぐ改良してやれるというような、そういう手っとり早いわけにはいかないわけですね、お話をお聞きしますと。そうしますと、いま百キロをせっかく二段目の実験をやって、まあ順調に進んでおると山県先生もおっしゃるのですが、そうでございましょう。したがって重ねて二百五十、三百キロを打ち上げるための仕事というのは、百キロ打ち上げのロケットが完成しないとそっちに移れないのか。あるいはあわせて、二百五十なり三百の打ち上げのできるようなことが並行してできるのかできないのか。人と金があったらできると私は思うのですが、そういう点はどうなんでしょうね。
#53
○参考人(松浦陽恵君) いまの御質問に対してお答えいたしますが、エンジンだけについてまず申し上げますと、こういう液体ロケットエンジンを開発する基礎的な能力は、Nの段階を過ぎますと、われわれに十分つくと思います。でありますが、このロケットエンジンそのものが、大きい性能を持つロケットにそのまま使えるというものには必ずしもなりません。ただ、開発の手法が、ピンからキリまで自分の身につくという、そういうことでございます。したがって、次の性能向上をいたしますエンジンにつきましては、開発の期間が非常に短くて済むだろう、そういうことは予想できます。
 ただ、いままで試験をいたしましたものはあくまでも第一段階の試験でございまして、あとNロケットの二段に使いますエンジンにつきましても、環境試験と申しましたり、あるいは限界性試験と申しましたり、各種の試験をさらに繰り返さなければなりませんが、性能的に、また、熱的な問題等につきまして、このエンジンの現在の設計を基本として見通しが十分ついたということが現段階の状態でございます。開発期間は非常に短くて済むと思いますけれども、同じもので必ずしもいくとは限りません。それから、もう一つ言わしていただきます。ダンクの容量等を変えなければならぬ。これは燃焼秒時等を長くするために大きいタンクをつくらなければいかぬ、こういうふうなやはり技術問題がございます。
#54
○鈴木強君 そうしますとね、いまのNロケットの開発計画が五十年にでき上がるとしますと、そうしますと、静止衛星、ぺーロード百三十キロぐらいのものを計画しているようですから、それくらいのものは五十一年に上がる。したがって、いま五十一年に実は放送・通信衛星を上げてくれと言ってるわけです。これはそうでしょう、お聞き取りのように。ですから、これは宇宙開発事業団のほうとして、いろいろ開発委員会の御決定もあるでしょうし、するんでしょうけれども、いまの事業団の体制、いまの郵政省なりあるいは科学技術庁なり、そこでいろいろやっていただいている、そういうような既存の体制の中でやるとすれば、もう五十五年ぐらいにならないと、三百キロのものはなかなかむずかしいと、こう言ってるわけですね。したがって、五十一年までに、もしどうしてもこれをやらなければならぬという至上命令であったとしたら、どうしたらいいのですか、科学技術庁は。こうしたら五十一年に上がります、これは技術援助だって――アメリカでは現に上がっているわけですからね。日本の国産開発でいきたいということでしょうから、それをやるには技術援助も得なきゃならぬ。NASAのものを借りてきてやれば、あしただって打ち上げできるわけでしょう。だから、そういうことでなくて、国産技術でやるとすれば、陣容なり、予算なり、こういうふうにしたら五十一年度に上がりますという、そういう試算はないですか。
#55
○参考人(松浦陽恵君) いまの御質問のような検討は、実はずいぶんいたしましたわけでございます。現在の体制と必ずしもそういう前提じゃなくって、あらゆる手を使いまして、Nの性能向上をしたロケットをつくるというためには、どうすれば最も近道かということは、いろいろなケースにつきまして検討いたしました。これは自主開発でやるという前提に関する限り、やはり五十四年ごろにまず試作のものができる、要望される打ち上げをいたしますロケットは五十五年ごろになるだろう。これは、ずいぶんいろんなケースにつきまして検討いたしました結果が、そういうことでございます。
#56
○鈴木強君 それで、そうなると、ちょっと郵政省のほうの要望というのはなかなかむずかしいようにも思うんですけれども、しかし条件が満たされた場合には、五十一年度に通信衛星、放送衛星の開発ということも必ずしも不可能でないと、こういうふうにとれる回答が、開発委員会から郵政省にやられていると思うんですね。ですから、条件が満たされればという、述べられている幾つかの条件ですよね、その条件の可能性ですよ。そこに問題がしぼられてくると思いますけれどもね。この点、山県先生、どうなんでございましょうか。いま事業団のほうの見解もちょっと伺ったのですけれども、何とか日本の科学陣営を総動員してこの際、国産で打ち上げるというその方針をやるとすれば、政府に対してこれとこれとこれはひとつ最低条件としてやってほしいと、そうすれば、できる可能性は出てくるというような、そういうものはおありなんじゃないでしょうか。この点いかがでございましょう。
#57
○説明員(山県昌夫君) 先ほど松浦さんからお答えいたしましたいわゆるNの改型と申しますか、改良型の開発でございますが、この問題は、根本にさかのぼりますと、一九六九年の日米協定に関係が出てまいります。と申しますのは、日米協定は、ソー・デルタまでは教えてやりますと、こういうことを言っているわけでございます。そのソー・デルタということばがある程度あいまいでございまして、というのは、ソー・デルタの水準までと言っているそのソー・デルタは一九六九年、その時点におけるソー・デルタであるか。御承知のように、ロケットというのはどんどん改良されてまいります。したがいまして、いま問題になっております通信、放送衛星も広い意味のソー・デルタであるわけでございます、新しいソー・デルタ。私どもの希望的観測といたしましては、そういった一九六九年当時のソー・デルタから改良されたものまで、必要な場合には技術導入ができればと思っておりましたんですが、この点は、昨年夏私どもアメリカへ参りましたときに、やはり一九六九年その当時のソー・デルタというふうにアメリカは考えておるようでございます。したがいまして、先ほどのお話しの、現在やっておりますNロケットを飛ばしてと申しますか、次の改型と申しますか、二百五十キロなら二百五十キロのロケットの開発に着手するということになりますと、ただいまの問題がございますので、これは日米交渉でわれわれ交渉をしないとちょっと見当がつかないという状況にございます。
 したがいまして、やはりわれわれといたしましては、ペーロード、百二、三十キロの静止衛星を打ち上げる、いわゆるNロケットというものをある程度アメリカの技術を導入いたしまして覚えまして、それから先はもう自主開発でいこうという大方針でございます。もっとも、その間アメリカがある程度教えてやると、また、数年先になれば現在のソー・デルタは改良されますから、そういった場合には、何かそういう便宜の措置もとってくれることがあるかもしれませんけれども、一応いまのところは、要するに、一九六九年のソー・デルタについては技術導入をやると、それから先は自力でやろうと、こういうふうに考えております。したがいまして、先ほど私が申し上げましたように、Nロケットの開発とある程度並行してNの改型ということをやれないことはないとは思ってはおりますけれども、まるまるNをやめまして、次の二百五十キロの打ち上げのロケットに移るということは相当むずかしいことだと思いますし、また、五十一年にはとても間に合わないと、ころ考えております。
 それからいろいろな条件が合ったら昭和五十一年に打ち上げが可能であろうということでございますが、これがまさに問題でございまして、たとえば対米依存度をどうするかという問題がございます。対米依存度を一〇〇%にいたしますれば、近いうちに少なくとも通信衛星につきましてはアニックというやつが、これはカナダの衛星でございますけれども、アメリカで開発いたしましてNASAで打ち上げられる。そういったようなものをそのまま持ってくる――持ってくると申しますか、採用すると申しますか、そういうことならこれは当然五十一年にはできます。したがって、対米依存度をどうするか、これがやはり将来の日本の宇宙開発計画にも関連いたしてまいりますので、そこら辺をわれわれはいろいろな条件を考えながら検討中というのが現状でございます。
#58
○鈴木強君 問題点は大体一点にしぼられてきたと思うのですね。ですから、ミッションのほうはNTTとNHKとKDDの研究陣が一丸となって体制をつくっていけば十分五十一年度までにはできるという、これははっきりした確信を持っておりますからね。それから実用衛星の研究開発体制についても、郵政省とNTTとそれからNHK、KDDの間で完全に合意がされているということ。さっきのミッションの場合は、郵政省の電波権も入っているようです。これは事業団が中心になってやっていただいているんですが、そういう点は大鼓判が押せるようですから、問題はここにかかってくると思うので、これは一つの政治問題でしょう、おそらく。
 したがって、先生ねどうなんですか、日本の科学者の良心として、対米依存をしないわけにいかぬ。これはしないわけにいかぬけれども、一〇〇%依存で向こうのほうで打ち上げるということは、これは日本の科学陣にとっては耐えがたいことでしょうからね。千五百億近い金を使っていままで努力しているのも、そこにあると思うんだが、要するに、研究体制というものが経費の面から、予算の面からなかなか思うようにいかない。そういう点もあったと思うんですよ。ですからして、ここで五十一年に、どうしてもこれは打ち上げなければならぬということに、最終的になれば、先生おっしゃるように、これは対米依存度一〇〇%で、カナダで九月に打ち上げたようなああいった衛星でも打ち上げるということになれば、これはもう日本もすぐ可能なんでしょうけれども、それに踏み切っていいのかどうなのか。その辺に非常に問題があると思うんですよ。要は、これは一つの政治問題だと思いますけれどもね。
 ですから、NHKなり電電公社なりが、あるいはKDDなりが、どうしてもユーザーサイドから見て、五十一年でなければ困るんだというそのことがはっきり国民の中にうつってくれば、いかに科学陣営が、五十五年になるまで待ってくれと言っても、これは待てないので、国内の政治としても、やむを得ないから一〇〇%依存をして、じゃアメリカに打ち上げてもらおうじゃないかということになる。その場合に、科学者として相当抵抗があるでしょうし、そんなばかなことがあるかと言って、またいろんなことが出てくると思うんですね。ですから、私は問題はユーザー側の利用計画というものも、さっき最初にお尋ねしたのはそこにあるんです。
 したがって、何とかそこを調和して五十五年度を、五十四年度とか、三年度とかということで、はたしてがまんができるのか、できないのかという、そこに国民としての情報化社会に進む場合の体制というものがひとつ大きく出てくると思うんですよ。そうなれば、科学者が何と言おうと、政治的にアメリカに依存しようということになるかもしれないですね。そういうことのないことをわれわれは願うわけですから、それにはいまのNロケットの百キロ打ち上げの開発と並行して、さらに二百五十なり三百キロの打ち上げができるような、改良型の性能のいいエンジンというものを、ロケットを開発して、そして五十一年度に持っていくという努力をしなければならない。そのために、私が申し上げたように、こういった陣営でいったら可能である、予算もこれだけ出してくれということになるのか、あるいはソー・デルタの一九六二年ですか、これまでのものしか教えてくれない。日本の科学陣営がその後、大型の一トンなんというのを打ち上げておるわけですから、タイタンなんというものも出てきておるわけですから、そういうアメリカが軍事目的をもって、金に糸目をつけないで、どんどんと予算も出して開発する国の技術というものを、はたしていま千五百億ぐらいの金を使って、これからもどうなるかわかりませんけれども、それくらいのちゃちな金で追いつこうというのは、これは無理な話でしょう。しかし、金を克服していくだけの日本の科学技術陣営にそれだけの力があれば、これはまたひとつ別でございますけれども、そうは言ったって、やはり金がなければ研究できないし、その辺の判断はどうするかということが非常に問題だと思います。
 ですから、私は私の考え方がありますけれども、先生としてその辺をどういうふうにお考えになっておるのか、これは非常に高い政治的な判断にかかることですから、お聞かせいただけますならば、委員長代理としての先生の御所見を承っておきたいと思います。
#59
○説明員(山県昌夫君) いまの先生のお話、まことにそのとおりでございまして、冒頭申し上げましたように、国として通信政策という面から、われわれといたしましては、宇宙開発政策という面から、もう一つ財政という問題もあると思いますが、そういったことでいろいろな角度から検討されまして、どこかに落ちつかなければならぬだろうと思います。結局問題は、冒頭先生がおっしゃいましたように、昭和五十一年度に絶対に打ち上げなければならぬか、それが絶対条件であるかということが一番問題だと思います、この問題は。そこで、五十一年が絶対条件でありとすれば、これはちょうど気象衛星と同じように、気象衛星も国際協力という面でございますから、必ずしも絶対条件とは言えないかもしれませんけれども、やはりそこにワクを日本としてはかぶせられる。したがいまして、ある程度われわれといたしましては、自主開発というような面も譲歩いたしまして、特に打ち上げにつきましては、ソー・デルタの新しい型二九一四というものでございますけれども、それでもってNASAで打ち上げるということに踏み切ったわけであります。したがいまして、この通信、放送衛星につきましても、五十一年が絶対条件である。五十二年になったらばどういうことが困るかというような具体的のお話を、今後、私、郵政関係ともしたいと思っているわけでございますが、ポイントはどうもそこにあるようなんでございまして、それが年数の早いほどいいということは、これはわかります。また、大きいほどいいということもわかります。しかし、通信、放送、両衛星とも実用衛星ではございませんで、実験用の衛星でございますので、おのずからミッションについても再検討する必要があるのじゃないか。
 たとえばカラーテレビジョン二チャンネルというお話でございますが、それは一チャンネルになったら一体どうなるのかというようなこと、これもやはりわれわれは現在検討いたしておりますけれども、そういったように、気象衛星の場合は実用衛星でございますが、通信放送衛星は実験衛星でございますので、おのずからミッションそのものにつきましても、やはり十分検討する必要があるというふうに私ども考えております。そういったように、問題は、タイムリミットがございますから、だらだらやっているわけにもいきませんけれども、先ほども申し上げましたように、何百億かの金が必要なんでございますから、やるとすれば。やはり国民に十分納得がいくだけの理由と、また、その期日につきましては、開発がそれまでにできるというめどをわれわれは持ちませんと、なかなか踏み切れないというのが現状でございます。
#60
○鈴木強君 それで、これは不確定の情報ですから、郵政のほうでもいいし、事業団でもいいし、山県先生お知りでしたら先生でもけっこうですが、アメリカでは宇宙開発、アポロ計画、この問題も大体大詰めにきているようですし、ポストアポロのいろいろの動きもあるようで、それで、日本に対しましても、あるいは世界の各国に対しても、アメリカが積極的に商業ベースにおける衛星の打ち上げ、そういうことを売り込んできているように聞いているわけです。もうすでに、メーカーのほうでも、衛星に対する製造自体も、さっきも申し上げましたのですが、動きもあるようですが、そういうようなポストアポロに絡んでの動きというものはあるのでございますか。
#61
○説明員(山県昌夫君) あれは昨年でございましたか、前アメリカの大使マイヤーさんが来てくれというお話でございまして、木内長官のおともをいたしまして、マイヤーさんにお会いいたしました。そのときのお話は、要するに、日本ではN計画をやっているということは十分御承知で、それでN計画以上のものを、L計画が完成しない前に必要をするというような場合には、喜んでアメリカで、アメリカのロケットで打ち上げてやろう、こういう趣旨のことでございます。
 それから、まあこれからは推測になりますけれども、アメリカはああいう経済状況になりましたので、技術を輸出するということには相当難色がございます。物を売ろうということに努力しているわけでございまして、したがいまして、先ほど来たびたび繰り返して同じことを申し上げて申しわけありませんが、要するに、対米依存度をどうするかということが一番ここで、お金の問題も、それから時期の問題にも非常な影響が出てくる。われわれ、いまそれをどうするかということで苦しんでおるというのが現状でございます。
#62
○鈴木強君 これは、単なるうわさとかなんとかということでなくて、事実、私はそういう動きがあると思うのですね。ですから、今度の私はこの一連の、最初から申し上げているように、動きの中で、そういうものが背景になければいいがという一面、気持ちも持っているわけです。まさかそんなことはないと思いますけれども。だからして、この打ち上げようとするNHKなりあるいは電電公社なりが、一方におきましては、宇宙開発委員会というものがおきめになっている年次的なこの長期計画というものがある。それを知りながら、なおかつ具体的に五十一年度を主張してくる。それに対して、自由民主党の通信部会等も積極的にこれに対して協力するような体制をつくっておる。そして放送衛星の開発部分については、むしろこれは積極的に国が全額を出してやるべきだというような意見まで出ているように聞いているわけですね。まあこれは私は、政治的にものを見ることはいけないと思いますから、いま私が申し上げたことは、私が頭の中に若干そういうことがあるということだけを知っておいてもらいたいと思って、述べるわけですが、もう少し私は、だから先生のいまおっしゃるように、ほんとうに至上命令として五十一年に絶対に打ち上げなければならぬものだということになれば、これはもうどんなことをしても打ち上げなければならぬ。そうなれば対米依存度一〇〇%をこれは受け入れざるを得ない。これは、いままで粒々辛苦積み上げてきた日本の科学陣営にとっては、それこそしのびないことであるけれども、耐えがたいことであるが、これもやむを得ないという結論になると思うのです。その利用計画自体は、先ほどから電電公社、NHKから伺いました。私はNHKの利用計画の中にも、私たちが納得できる面もあるけれども、まだまだもう少しこうしてほしいというような、難視聴解消等に対する長期展望といいますか、そういう具体的なものも若干欠けているように思うのですね。ですから、そこいらをかみ合わして――まあ先生の非常にいま御苦心になっているということもよくわかりました。願わくは、これはひとつほんとうは大臣なり総理に言いたいことですけれども、もう少し、日本には優秀な科学者がいるわけですから、その科学者の方々が本来の英知を十分に発揮できるような体制をつくってあげることですよ。それがおくれているためにこういうことになっておるわけでして、非常に私も残念に思います。
 ですけれども、まあ問題はもうその一点に私もかかってくるように思いますから、ぜひひとつ先生としては――ある条件が満たされればという、そこのところがいま私は伺っていてよくわかりました。したがって、なかなか対米依存度の問題では問題があると思いますけれども、ユーザー側の切なる願いもあるようですから、そういう点もなお詰めていただいて、そして願わくは、日本のみずからの手によって、国産によって、われわれの仲間の技術者の手によってNロケットが改良され、そしてこれが五十一年に打ち上げられるような方途を真剣に考えていただきたい、こう思います。どうかそういう気持ちを今後十分に理解していただいて、先生たいへんでございますけれども、奮闘をしていただきたい。われわれもまたあらゆる角度から、もしまた、御用命があればどこへでも出向いてお力になるつもりです。そういう意味でぜひひとつがんばっていただきたいと思います。もう一回先生の御所見を承りたいと思います。
#63
○説明員(山県昌夫君) ただいま先生から御激励をいただきましてどうもありがとうございました。るる申し上げておりますように、いま私ども検討いたしておりまして、先生のお話も十分その中に織り込みまして、できるだけ早い時期に、この問題を委員会としてはきめたいと、こう考えておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
#64
○鈴木強君 それから最後に、大蔵省の主計官に伺いますが、来ていただいておるのですが、たいへんお待たせをして恐縮でした、忙しいところを。
 で、きょうあなたに実は出ていただいたのは、ほんとうは大臣にと思いました。少し政策的な問題ですから、大臣にと思いましたけれども、御都合で出られませんから、私はまあ大臣だと思ってお尋ねしますから、大臣ともひとつよく相談をしていただきたいと思うんですが、いままでいろいろと質疑をいたしましたが、要は、科学技術、特に宇宙開発、科学技術全体に対しても言えると思いますが、国の施策というのは、なかなかわれわれが期待するような方向に行ってないのは事実だと思うのですね。五年間に千五百億という金だそうですけれども、私は、この金は少ないと思うのですよ、率直に言ってですね。しかし、その金がほんとうに有効に宇宙開発のために使われておったかどうかということは、これはまあ会計検査院に毎年監査をしてもらっているわけですから、それはそれに譲りましょうが、まあ主計官としては――主計官ですから、きめられた予算で、いま私がここでこれは非常に不十分じゃないかということを、あなたに申し上げても、ちょっとこれは筋違いだということを私はよく知っているのです。知っているけれども、あえて申し上げる。まあ大臣だと思っていますからね。やはり反省をしてもらいたいと思うのだ、私は。
 これは各省からは、相当の要求をするのですよね。ところが、それを査定をされてしまって、予算が削られちゃうんだね。だから、せめて科学技術、宇宙開発等についての予算というものは、すなおに認めてやったらどうかという、私は気がするのですよ。まああなたは大臣じゃないからと言って逃げるだろうけれど。確かに大臣じゃないのだけれども、こうでないとちょっと私も質疑がしにくいわけだから、まあ大臣だと思ってやるから、あなたも大臣のような気になって答えてもらってもいいのだけれどね。私はそう思うのですよ。実に少な過ぎると思うのだね。だから、もっとこれはふやしてやらなきゃならぬ。したがって、まあいままでどうして査定をしちゃうのかというのですよね。このくらいはまるまる認めてやったらいいじゃないかとぼくらは毎年思うのですけれどね。査定ということが好きだね、大蔵省は。だから、まあ査定をして減らしてしまう。だからせっかくやろうとする技術者がそこで挫折しちゃうんですよ。勇気を失うというと語弊があるけれども、やる気になっている者に対して水をぶっかけられたような、そういう気持ちになるのは事実だと思うのですよね。ですからここへきて、こういう三年も四年も計画を変更して、それはNHKでも、電電公社でも、まあ、もう四年くらい前にできると思ったわけです。それがこうなっちゃっているからね。もう一方からすれば、待ち切れないのですよ。何もたもたしているんだ、こんならば、ここでひとつわれわれの意見をぶつけておこうじゃないか、という気持ちになるのも、これはわかるわけですね。それで、結果的に見ても、いままでの政府自体の予算の出し方というものが、どうも少ないように私は思っているわけですね。だからそういう点について、岡島さんどうですかね。大臣として所感を述べてください、大臣代理としてね。
#65
○説明員(岡島和男君) 初めにお断わりいたしておきますが、私、実は郵政省担当の主計官でございますが、科学技術庁の担当の主計官でございませんので、科学技術庁全体の問題につきましては、私からまあ特に的確にお答えすることが若干できないわけでございますが、予算の査定一般の問題につきましてちょっと申し上げさしていただきますと、例年八月末までに各省が概算要求を持ってくるわけでございます。そのときに政府といたしましては、全体といたしまして、前年度の予算額の何%の伸びというようなことを一つのめどといたしまして、それで要求をさしていただくわけでございます。それで、各省それぞれみんな重要政策に段階をつけまして要求してくるわけでございますから、それぞれ自分のところの要求は一番いいと思って要求してくることは当然でございます。したがいまして、そういう要求を大蔵省としてどのように査定するかということになりますと、まあこれは先生に釈迦に説法でございますけれども、結局のところは、租税負担ということと、あとは公債でまかなう財源がございますけれども、そういう与えられた財源の中で、どういうふうに財源配分をしていくかと、こういうことになるわけでございます。
 それで、先生、先ほどの御質問の宇宙開発関係の件につきましても、これは私、科学技術庁担当の主計官から聞いてまいったわけでございますけれども、先生、先ほどたいへんにまだ少ないではないかというふうにおっしゃいましたけれども、四十七年度予算の数字を、私手元の数字で見ますと、前年度の五六%も伸びておるということで、大蔵省のほうといたしましては、一般会計予算の伸びに比べまして、大幅に伸ばしておると、こういうことでございます。それで、従来からも開発の実情に応じまして、できるだけの配慮をしてきたということでございますし、今後とも、いろいろ科学技術庁のほう、あるいはほかの省とも御相談いたしながら、できるだけのことをしていきたい、こういう考え方でございます。
#66
○鈴木強君 まあ大臣になって答弁しろというのが無理でしょう、私のほうがね。ですから、そういう主計官としてのお答えになるのもやむを得ないと思うんですけれども、たしか五十数%の伸びはあったかもしれませんね。しかし、全体としてのワクはやっぱり少ないんですよ。私たちは、たとえば電波関係なんかについても――私は電波行政については、もうほんとうに十数年間批判しっぱなしできているんですけれども、しかし一面気の毒に思うのは、実際いま電波行政というのはどんどんとふえているわけですね。ところが、さっぱり人の面はふえていかない、まず陣容においてですね。それから予算的にもそうですよ。だから、十分な監視体制一つできない。そういういろんな問題があるんですね。ですからして、必要なところには、少なくとも要求したものは一〇〇%認めてやる、不必要なところはどんどん切りなさいよ、これは。そういうふうな考え方でやらぬといけないと思うんです。これは、宇宙開発政策ですからね。国がそういうふうな政策をぴちっときめてやるということになれば、これは予算が、査定する場合、査定よりかもつと多くなって、査定どころじゃない、もっとふやすということになるので、これは大きく言えば、もう国の大きな政策ですからね。これは、岡島さんにそういう点を申し上げても、ちょっと無理ですから、きょうは私これ以上申し上げませんけれども。
 いずれにしても、四十八年度の要求が出ております。で、私ども、関係の予算もここに持っておりますけれども、これはいま言った基本政策、五十一年度に向けての問題が開発委員会のほうでどうなるか、これとの関連もあるんですよ。ですから、いまにわかにここでは言えませんけれども、私たちは、これを推進してほしいと、五十一年度にできるようにあらゆる努力をして。そうい気持ちを強く持っておるものですから、そういう趣旨に沿って出されることしの予算に関しては、ぜひひとつ査定をしないで、五〇何%なんて、パーセントだけあげていたってこれはだめですからね。やってほしいということをひとつあなたに強くお願いしておきます。
 それから委員長さんに最後にもう一つお願いをしておきたいんですけれども、二度目の郵政省に対する回答をまだ出されておりませんよね、出されておりません。しかし、これとの関連で、四十八年度予算というのは相当密接な連携があるんですよ。だから、選挙が終わるまで待とうというようなことでなくて――それはたいへん。失礼なことを言ったんだが、やはり委員会は委員会独自のあれを持っておられるんですから、積極的に連携をとっていただいて、できるだけ早く私たちが期待する結論を出してほしいと思うんですよ。そうして、宇宙開発委員会がどうせ見直すことになっておるわけですから、そういうことで、放送衛星については見直しをするということであれば、これは非常にけっこうなことであるし、そうぜひしてほしいと思うんですが、そういう考え方で、ひとつできるだけ早い機会にこの結論を出していただくようにお願いします。たいへん政治問題がからんでいるから、委員長代理としても御苦労のようですけれども、それをひとつ何とかこの際、われわれ国民が期待するような方向に持っていけるような努力を、もう一段とお願いしたい。これを御両所にお願いをしまして、きょうはこれで終わります。どうもありがとうございました。
#67
○理事(森勝治君) それでは本日の調査はこの程度にとどめます。
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#68
○理事(森勝治君) 次に、継続調査要求に関する件についておはかりをいたします。
 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査につきましては、閉会の場合においてもなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出したいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○理事(森勝治君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成及び提出の時期につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#70
○理事(森勝治君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後零時五十六分散会
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ソース: 国立国会図書館
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