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1949/03/04 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 大蔵委員会 第25号
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1949/03/04 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 大蔵委員会 第25号

#1
第007回国会 大蔵委員会 第25号
昭和二十五年三月四日(土曜日)
    午後一時五十三分開議
 出席委員
   委員長 川野 芳滿君
   理事 北澤 直吉君 理事 小山 長規君
   理事 島村 一郎君 理事 前尾繁三郎君
 理事 川島 金次君 理事 早稻田柳右エ門君
   理事 河田 賢治君 理事 内藤 友明君
      岡野 清豪君    奧村又十郎君
      鹿野 彦吉君    佐久間 徹君
      高間 松吉君    三宅 則義君
      松尾トシ子君    宮腰 喜助君
      竹村奈良一君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  水田三喜男君
        大蔵事務官
        (主税局長)  平田敬一郎君
 委員外の出席者
        專  門  員 黒田 久太君
        專  門  員 椎木 文也君
    ―――――――――――――
三月四日
 委員神山茂夫君辞任につき、その補欠として木
 村榮君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 米国対日援助見返資金特別会計からする電気通
 信事業特別会計及び国有林野事業特別会計に対
 する繰入金並びに日本国有鉄道に対する交付金
 に関する法律案(内閣提出第六五号)
 造幣庁特別会計法案(内閣提出第六八号)
 公認会計士法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第七二号)(予)
 財政法の一部を改正する法律案(内閣提出第七
 三号)
 米国対日援助物資等処理特別会計法案(内閣提
 出第七四号)
 配炭公団の損失金補てんのための交付金等に関
 する法律案(内閣提出第七五号)
 酒税法の一部を改正する法律案(内閣提出第四
 八号)
 有価証券移転税法を廃止する法律案(内閣提出
 第四八号)
 法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 五一号)
 所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 五二号)
 富裕税法案(内閣提出第五三号)
 通行税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 五四号)
 資生再評価法案(内閣提出第八三号)
 相続税法案(内閣提出第八四号)
 所得税法等の改正に伴う関係法令の整理に関す
 る法律案(内閣提出第八五号)
    ―――――――――――――
#2
○川野委員長 これより会議を開きます。
 米国対日援助見返資金特別会計からする電気通信事業特別会計及び国有林野事業特別会計に対する繰入金並びに日本国有鉄道に対する交付金に関する法律案、造幣庁特別会計法案、公認会計士法の一部を改正する法律案、財政法の一部を改正する法律案、米国対日援助物資等処理特別会計法案及び配炭公団の損失命補てんのための交付金等に関する法律案の六法案、及び先三日本委員会に付託に相なりました資産再評価法案、相継税法案及び所得税法等の改正に伴う関係法令の整理に関する法律案の主税法案、あわせて九法律案を一括して議題といたしまして政府の提案理由の説明を聽取いたします。水田政務次官。
#3
○水田政府委員 ただいまの九法律案の提出理由を御説明申し上げます。
 まず米国対日援助見返資金特別会計からする電気通信事業特別会計及び国有林野事業特別会計に対する繰入金並びに日本国有鉄道に対する交付金に関する法律案について御説明申し上げます。
 別途御審議を願つております昭和二十五年度予立に掲げてありますように、今回政府は米国対日援助見返資金を、電気通信事業における電信電話等の建設改良費、国有林野事業における事業施設費及び造林に要する経費、並びに日本国有鉄道における建設改良費の財源に使用するためにそれぞれ電気通信事業特別会計へ百二十億円、国有林野事業特別会計へ三十億円を繰入れ、日本国有鉄道へ四十億円を交付する予定でありますので、それに関する法的措置をいたしますとともに、その繰入れまたは交付を受けた金額については、おのおの各特別会計または日本国有鉄道において固有資本の増加として経理せしめるため、必要な規定を設けようとするものであります。
 次に造幣庁特別会計法案の提出の理由を御説明申し上げます。この法律案を立案いたしました趣旨は、造幣庁の事業を企業的に運営し、その健全な発達に資する目的をもちまして、従前の特別会計を廃止し、新たに特別会計を設置いたしまして、一般会計と区分して経理いたそうとするものであります。
 この法律案の主要な点といたしましては、まず第一に従前の特別会計におきましては、製造済み補助貨幣の発行高に相当する金額は、同特別会計の歳入として計上されて来たのでありますが、補助貨幣発行の性質にかんがみ、この発行高に相当する金額を、発行済み補助貨幣の回收のための準備資金として積み立て、その運用につきましては、大蔵省預金部に預け入れることができることといたしたいのであります。なお準備資金をもつて引きかえまたは回收しました補助貨幣は、地金の価額をもつて、この会計の資産といたそうとするものであります。
 第二に、ただいま申し上げましたように、製造済み製助貨幣の発行高相当金額を、従来のごとく歳入として計上することをやめましたので、補助貨幣の製造に要します経費は、予算の定めるところによりまして一般会計が負担し、この会計に繰入れることができるようにいたしたいのであります。
 第三に、この会計の資本についてでありますが、これを固有資本、減価償却引当金及び借入れ資本の三種といたしたいのであります。
 第四に、この会計におきまして支拂上現金に不足がありますときは、年度内償還の一時借入金をすることができるようにし、その一時借入金が、歳入減少のため年度内に償還できないときには、借りかえをすることができるようにいたしたいのであります。
 第五に、決算上の利益及び損失の処理につきましては、利益は原則といたしまして、すべて一般会計に繰入れるのでありますが、造幣庁の事業の企業性にかんがみ、その一部を資本の増加に充て、残余を一般会計に繰入れることといたし、さらに一般会計に繰入れまする際に、現金が繰入れるべき金額に達しないとき、または、翌年度初めにおきまして、この会計の運転資金に充てる必要があります場合には、大蔵大臣の定める金額だけを納付し、納付しなかつた残額につきましては、翌年度以降におきまして納付することといたそうとするものであります。また損失を生じました場合におきましては、損失の繰越しとして整理することといたしたいのであります。
 第六点といたしましては、以上に申し上げましたことのほかに、この会計の予算及び決算の作成及び提出に関する手続規定等、特別会計に必要な措置を規定いたそうとするものであります。
 次に、公認会計士法の一部を改正する法律案の提出の理由を御説明いたします。
 公認会計士制度は、昭和二十三年七月六日公布された公認会計士法によつて設けられたものでありますが、わが国としてはまつたく新しい制度でありましたため、その運用については、なお考慮の余地が少くなかつたのでありますが、先般シヤウプ使節団から懇切な勧告もあり、種々検討の結果、公認会計士制度の高い水準を維持し、あわせて公認会計士法の運用を円滑ならしめようとする目的をもつて、今回この法律の一部を改正いたそうとするものであります。この眼目といたします点は三点であります。
 まず第一点といたしましては、大蔵大臣の諮問機関であつた公認会計士審査会を廃止して、新たに大蔵省の外局として公認会計士管理委員会を設け、もつぱら公認会計士法に関する事務を執行せしめることにいたした点であります。この公認会計士管理委員会は、五人の委員をもつて構成することとし、委員はすべて公認会計士または公認会計士の資格を有する者のうちから任命し、委員長は委員の互選によるものといたしております。
 第二点は、公認会計士でない者が報酬を得て財務書類の監査証明の業務を営むことを禁止していた規定を廃止した点であります。これにより、だれでも監査証明の業務を行うことができることとなつたのでありますが、公認会計士でない者は、公認会計士と誤認されるような名称を使用することはできないことになつております。
 第三点は、計理士に関する取扱いの点であります。従来の規定によりますと、計理士は、本年三月末日後は財務書類の監査証明を行うことはできず、また計理士の名称を使用するのも昭和三十三年七月末日までとなつていたのでありますが、今回この規定を改正し、計理士法廃止の際計理士であつた者は、この改正法施行の日から一年内にあらためて再登録を受ければ、計理士の名称を用いて、監査証明その他の会計業務を行うことができることといたしたのであります。これに関連いたしまして、計理士に対する陪審式試験の規定はこれを廃止することといたしました。
 なおこの機会に、これらの三点のほか、外国公認会計士の取扱い、第二次試験合格者の実務補習の取扱い等の諸点について、規定を、整備いたした次第であります。
 次に、財政法の一部を改正する法律案の提出の理由を御説明申し上げます。
 今回この法律案を立案いたしました趣旨は、次の二点について財政法の一部改正をいたそうとするものであります。
 すなわちその第一点は、現行の財政法第三十一條の規定によりますと、予算が成立しますと、内閣は各省各庁の長に対し、その執行すべき予算を配賦するのでありますが、その配賦の際、歳入予算については、これに目までの区分を立て、歳出予算については、目をさらに節に区分して配賦することになつておりまして各省各庁においては、この目及び節の区分に従つて歳出予算を執行するのでありますが、予算執行の現状、特に本年度当初から実施されました支出負担行為制度の実績を見ますと、歳出予算を節までの区分によつて執行いたしますことは、手続を煩わしくし、かえつて予算統制の実績をあげる上に妨げとなつている実情にありますので、この際歳出予算の配賦について、節の区分を廃止いたそうとするものであります。しかしてこれに伴いまして、従来の実績にかんがみ、目の整理統合を行うとともに、従来の節のうち特に流用制限を行う必要のあるものを、目に引上げる等の調整を行う予定であります。
 なおこれらの措置は、昭和二十五年度予算から実施し得るよう、所要の規定を設けることといたしました。
 次に、改正の第二点は、各省各庁の長が予算を執行いたしますには、まず支出負担行為の計画を作成して、大蔵大臣の承認を得る必要がありますが、現行財政法第三十四條によりますと、支出負担行為の計画は、管下の支出負担行為担当官ごとに作成することになつておりまして、これも従来の実績に徴しますと、手続の煩瑣に比較して実効が少い実情でありますので、この際支出負担行為の計画は各省各庁一本建で作成し、大蔵大臣の承認を経ることに改めようとするのであります。
 次に、米国対日援助物資等処理特別会計法案の提出の理由を御説明申し上げます。
 今回この法律案を立案いたしました趣旨は、米国対日援助物資の取得及び処分等の処理に関する政府の経理を一層明確にするため、米国対日援助物資等処理特別会計を設置しようとするものであります。
 すなわち従来援助物資に関する経理は、貿旨特別会計の援助物資勘定において行つて来たのでありますが、今般新たに独立の特別会計として本会計を設置し、米国対日援助物資の売拂い代金、援助物資の価格調整のための財源として、一般会計からこの会計に繰入れる繰入金等をもつて歳入とし、米国対日援助見返資金特別会計への繰入金、事務取扱費等をもつて歳出といたしまして、これらに関する政府の経理を一層明確にすることといたしますとともに、この会計の予算及び決算の作成及び提出に関する手続規定等、特別会計に必要な措置を規定いたそうとするものであります。
 次に、配炭公団の損失金補てんのための交付金等に関する法律案の提出の理由を御説明申し上げます。
 今回この法律案を立案いたしました趣旨は、配炭公団、食料品配給公団及び飼料配給公団の損失補填財源に、まず公団が国庫に納付すべき剰余金を充て、なおかつ損失金の生ずる配炭公団に対しましては、政府一般会計からの交付金をもつてその補填財源といたそうとするものであります。
 すなわち、配炭公団につきましては、昭和二十四年九月十五日に解散いたし、清算に入つたのでありますが、その損失は、目下のところ百十九億四千五百万円と予想されるのでありまして、この損失金の補填財源に、まず昭和二十三年度以降の国庫に納付すべき未拂い剰余金七十五億八千八百万円を充て、なお不足する四十三億五千七百万円につきましては、同額を限り昭和二十五年度において、一般会計から同公団に交付いたそうとするものであります。
 また食料品配給公団、飼料配給公団の二公団につきましては、昭和二十四年度末に解散いたし、昭和二十五年度中に清算結了の予定でありますが、その損失は目下のところ、それぞれ一億一千六百五十万七千円、及び五千百九十八万一千円と予想されるのでありまして、これらの損失金の補填財源に、昭和二十四年度以降の国庫に納付すべき剰余金をそれぞれ充当いたそうとするものであります。
 以上が六法律案を提出いたしました理由であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
 次に、相続税法案外二法律案につきましてその提案の理由を御説明申し上げます。
 まず、相続税法案について申し上げます。相続税の制度は、今回の全面的改正によつて相当重要な変更が加えられることになるのであります。従来の相続税法におきましては、相続税とこれを補完する贈與税との二本建でありまして、相続税は被相続人の遺産の総額に課税し、贈與税は財産を贈與した者に対し、贈與財産の累積額に課税していたのであります。すなわち従来の制度は、相続、遺贈または贈與による財産の移転があつた場合に、それまで財産を所有していた者について課税していたのでありますが、今回の改正では、財産を取得した者に担税力があるものと認め、取得財産の累積額を標準として一本建の相続税を課税することにいたしたのであります。いわば改正後の相続税は、一種の財産承継税あるいは財産の無償取得税とも言うべきものになるかと思うのであります。
 この課税体系の変更と、あとで申し上げまする基礎控除、税率の変更、各種控除の新設等によりまして相続税の負担は従来と著しく異なつて参るのであります。すなわち、たとえば五百万円の財産を子供が相続したとすれば、従来は相続人が何人でありましても税額の合計は二百三十六万余円であつたのでありますが、改正法によりますと、相続人が成年の子一人の場合の税額は二百二十八万余円と、二%余の軽減になり、配偶者と成年の子一人とが民法の相続分通り相続したとすれば、その合計税額は百五十万余円と、三六%余の軽減になり、また配偶者と未成年の子三人が民法の相続分通り相続すれば、その合計税額は百三万余円となり、五六%余の軽減になるのであります。しかしながら後に申し上げます通り、相続税の最高税率は九〇%に改めることになりますので、高額な財産、たとえば一億円の財産を配偶者と子供一人とが民法の相続分に従つて相続した場合には、従来の相続税額五千九百三十六万余円に対して改正後は六千四百三十五万余円となつて八%余増加するのであります。
 以下相続税法案の内容についてその大要を申し上げます。まず相続税の納税義務者は原則として相続、遺贈または贈與によつて財産を取得した個人であります。相続税の課税価格は、相続、遺贈または贈與により取得した財産の価額の合計額でありますが、その計算にあたつては、その非課税財産の範囲を拡張し、宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者の取得した財産で、その公益目的の事業の用に供することが確実なもの、及び政治資金規正法に規定する公職の候補者が選挙運動に関し、寄付等によつて取得した金銭で、同法の規定によつて報告されたもの等をも非課税財産とし、その全額を課税価格に算入しないこととしたのであります。
 次に今回の改正によつて、新たに各種の控除を認めることといたしております。その第一点は少額控除でありまして、同一人から同一年中に取得した財産の価額のうち、三万円までの金額は課税価格に算入しないのであります。従来は三千円以下の財産は課税しなかつたのでありますが、今回その限度を大幅に引上げるとともに、控除制度に改めたのであります。その第二点は配偶者控除でありまして、配偶者がその配偶者の死亡によつて財産を取得した場合には、取得財産の価額の二分の一を課税価格から控除することとしたのであります。これはその場合の取得財産の中には、夫婦共同でかせぎために財産が多いと認められ、また配偶者間の年齢には大差のないのが普通でありますから、再び相続が開始せられて相続税を課せられる公算が大であるからであります。第三点は未成年者控除でありまして、相続人のうちに十八歳未満の者がいる場合には、一万円にその者が十八歳に達するまでの年数を乗じて算出した金額を、課税価格から控除るのであります。これは未成年者が相当の年齢に達して自立するまでには、かなりの養育費を必要としますので、あらかじめこれを控除しようというのであります。第四点は基礎控除でありまして、相続税の課税にあたつては一生を通ずる取得財産の課税価格から、十五万円を控除するのであります。これは先に申し上げた少額控除のほかに認めるのであります。取得財産の価額が十八万円以下であれば課税を受けないのであります。
 相続税の税率は、以上のようにして各種の控除をして計算した課税価格に対して、二十万円以下の金額に対する二五%から、五千万円を越える金額に対する九〇%に至る超過累進税率に改めることになつております。御承知のように従来相続税の最高税率は六五%、所得税の最高税率は八五%であつたのでありますが、今回の改正によりまして所得税の最高税率は五五%とし、別に高額な財産を所有する者には富裕税を課することとし、相続税については、高額財産の取得に対して高度の累進課税を行うために、このような高率にいたした次第であります。もつとも改正後の相続税法では、公益事業に寄付すれば非課税となり、相続人が多数であればその税負担は相当軽減されることになりますので、これによつて公益政策上または社会政策上、望ましい効果を生ずるものと期待する次第であります。次に同一財産について相続が頻繁に行われる場合の税負担の公平をはかりますため、各種の税額控除を認めることといたしております。すなわちその一は相次相続の控除でありまして、これは従来相続の開始があつた場合に、その被相続人が五年以内に開始した相続について納めた相続税額を、今回の相続税額から差引くことにしていたのでありますが、今回の改正によりまして、その期間を十年に延長し、前回の相続から今回の相続までの期間を十年から差引いた年数を、前回の相続税額の十分の一に乘じて、算出した金額を、今回の相続税額から差引くことといたしまして、この控除制度を合理化することに努めたのであります。次は年長者控除でありまして、相続によつて財産を取得した者が被相続人より年長者であるときは、その取得した財産にかかる相続税額の三分の一を控除することにしたのであります。これは相続によつて年長者に財産が移るときは、再び相続が開始して相続税の課税を受ける公算が大でありますので、この控除を設けて課税を緩和、合理化するに努めたのであります。
 次に相続税の申告及び納税について申し上げますと、その年中の相続、遺贈または贈與によつて取得した財産を基礎として計算した課税価格、相続税額等を記載した確定申告書を、翌年二月一日から同月末日までに提出し、納税していただくことになつております。もつとも年の中途で相続または遺贈によつて財産を取得した場合には、その相続の開始または遺贈があつたことを知つた日の翌日から四月以内に、概算申告書を提出して納税していただくことになつております。
 次に延納、物納については従来と同様でありますが、従来年賦延納の場合の利子は一日十銭でありましたが、本年四月一日以降はこれを一日四銭と改めることにいたしました。なおその他相続税の異議処理、第三者通報、利子税額、加算税額、罰則等については所得税、富裕税等と同様であります。
 次に改正相続税法は四月一日から実施する予定でありますが、この改正規定は本年一月一日以後相続、遺贈または贈與によつて財産を取得した場合に適用することにいたしております。
 次に資産再評価法案につきまして御説明申し上げます。過去数箇年の間におけるインフレーシヨンによりまして物価が著しく騰貴いたしましたため、企業の資産についてその取得の当時の価額を基礎とする帳簿価額は、その実際の価額を反映しない低い価額となりまして、資産の適正な減価償却ができず、企業経理は不合理となるに至つている現状であります。このような状態を是正して企業の経理を合理化し、健全化することはきわめて肝要と考えられるのであります。さらにまた資産の讓渡の場合に、インフレーシヨンに伴つて生じた單に名目的な所得に対しましても、所得税または法人税が課税されるという従来の状態を合理化いたしまして讓渡所得についての課税を適正ならしめ、税負担の軽減をはかることが必要と考えられるのであります。よつてこれらの目的を達成するために、経済が正常化に向いつつある現段階において資産の再評価を行うことといたし、今回資産再評価法案を提出することとした次第であります。
 次にこの法律案についてその概要を申し上げます。まず再評価は原則として本年一月一日を基準日といたしまして、その日において法人または個人が所有する資産について行うことといたします。法人の資産及び個人の事業用の減価償却資産につきましては、再評価を行うかいなかは所有者の任意といたしまするとともに、その再評価額は一定の基準の範囲内で所有者が任意に定めることができることといたし、企業の実情に応じた再評価が行われ得るようにしているのであります。また個人のその他の資産につきましては、讓渡所得の計算上の問題のみでありますので、その資産について讓渡等がありました際に、基準日現在で再評価が行われたものとみなすこととしているのであります。
 次に再評価の基準といたしましては、原則として資産の取得価額にその資産の種類に応じまして卸売物価指数、消費者物価指数または土地価格指数に基く一定の倍数を乗じまして、再評価額またはその最高限を算出する方式によることといたしております。なお個人が財産税調査時期前に取得した非事業用資産等につきましては、財産税評価額を基礎としてこれに一定の倍数を乘じて再評価額を算出することとしているのであります。
 次に再評価の申告につきましては、再評価を行つた法人及び減価償却資産について再評価を行つた個人は、原則としておそくとも本年八月三十一日までに、再評価申告書を政府に提出しなければならないものといたし、個人の減価償却資産以外の資産につきましては、再評価申告書は資産の讓渡、贈與、相続または遺贈があつた場合に、所得税の申告書の提出期限と同一の期限内に、政府に提出することを要するものとしているのであります。
 次に再評価税について御説明いたします。再評価差額に対しましては、社債や預金等の債権の所有者及び過去においてインフレーシヨンによる名目所得に対して、高率の課税を受けていた者との間に公平をはかるため、百分の六の税率により再評価税を課することといたした次第であります。この場合再評価税の課税によつて企業の適正な再評価を妨げることがないよう、納税方法につきましては企業の税負担の状況等を考慮し、延納を認めることとしているのであります。
 すなわち減価償却資産についての再評価税は、原則として法人の場合におきましては三年間、個人の場合におきましては五年間に分納することとしているのでありますが、再評価税によつて税負担が一時的にもせよ過重となることを避けるために、青色申告書を提出する法人または国人につきましては、各事業年度または行年における利益の状況に応じて、おおむね五年後に至るまでの延納を認めることとしているのであります。次に法人及び個人の減価償却資産以外の資産についての再評価税は、原則としてその資産の讓渡等があつた際に納付することとしているのでありますが、法人につきましては、五年後に至るまでなお讓渡されないものにつきましては、五年後において納付するこことしているのであります。
 次に再評価額、再評価税額等につきまして政府による更正決定の制度を設けまするとともに、審査請求、訴訟、加算税等につきましては、おおむね今回の税制改正による他の税法において採用されている諸制度に準じているのであります。
 なお資産の再評価を適正ならしめるために資産再評価審議会、全国資産再評価調査会及び地方資産再評価調査会を設置いたすこととし、資産再評価の円滑な運用をはかりたいと存じております。
 次に再評価に関する企業の経理について申し上げます。再評価によつて生ずる再評価差額は、損失の填補に充てた額を除いて、一応これを再評価積立金として積み立て、三年間は原則としてそのとりくずしを禁止することとしております。三年後におきましては、再評価積立金の四分の三の範囲内で資本への組入れを認めることとし、五年後におきまして再評価税を完納したときは、再評価積立金の残額の全部を資本に組み入れることも認めることとしているのであります。なお再評価積立金はこれを社債の発行限度に算入することといたしたのでありますが、経済の状況をも考慮し、その全額を一時に算入せず、三年間にその四分の三までを限度として逐次算人することとしているのであります。
 次に資産の再評価後における所得税、法人税などの課税関係につい申し上げますと、まず再論価を行つた資産の減価償却につきましては、再評価額を基準とし、残存価額が再評価額の一割に達するまで税法上償却を認めることとしております。また再評価資産の讓渡所得につきましては再評価額を基礎として計算し、インフレーシヨンによる名目所得を排除することとし、再評価積立金に対しては積立金に対する法人税を課さないこととする等の措置を講じているのであります。
 以上この法案を提出いたしました理由及びその内容の概略につきまして、御説明申し上げたのでありますが、この法律の制定によりまして、かねて懸案の資産再評価もいよいよ実施に移されることになるわけでありまて、各企業がそれぞれ適正妥当な再評価を行うことにより資本の維持、経理の合理化が達成され、日本経済の健全な発展に寄與するとともに、合理的な税制の樹立に貢献するところきわめて大なるものがあることを期待する次第であります。
 次に所得税法等の改正に伴う関係法令の整理に関する法律案について、その大要を申し上げます。
 従来特別の法令において、所得税及び法人税を課さない旨の規定を設けているものが相当あるのでありますが、今回すでに御審議を願つております所得税法及び法人税法の改正案におきまして、他の法令中所得税及び法人税を課さない旨のこれらの非課税規定を整理統合し、それぞれ所得税法及び法人税法において規定することを適当と認めたのであります。それにつきまして、所得税及び法人税の非課税規定に関する関係法令の規定を整理するため、本法案を提出することとしたのであります。なお今回有価証券移転税法が廃止されることとなりましたので、これに関する非課税規定をもあわせて整理することといたしました。
 何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#4
○川野委員長 それではこれよりただいま政府から提案理由の説明を聽取いたしました三税法案、及び前金まで質疑を経続いたしております六法案を、一括議題として質疑を許します。川島金次君。
#5
○川島委員 提案されております法案に関係は実はないのでありますが、この機会に少し当局に御説明を願いたい点がありますので御質問申し上げます。
 まず主税局長にお尋ねいたしますが、財産税によりましてかなりの当初物納財産がありました。その物納財産の当時の詳細のことにつきましてはわれわれも記憶をしておりますが、その後その財産の売り拂いについて、今日までどのような経過をたどつておりますか。あらましのことでよろしいですが、御説明を願いたい。
#6
○平田政府委員 財産税の物納で收納いたしました財産は一応国有財産といたしまして、国有財産の管理の責任に当つておりまする官庁で、それぞれ管理し処分する計画にいたしております。今手元に資料を持合せておりませんので、今詳細にお答えできないのは恐縮でございますが、必要がございますれば管財局から詳細は説明するかと思います。政府といたしましては一旦收納しました財産は、なるべく適正な価格で、なるべくすみやかに民間に拂い下げまして、それによつて国庫としても收入を得るという方針で処分いたしておるのでございます。しこういたしまして株式等につきましては、それぞれ有価証券処理協議会等に委託いたしまして、そこで相当な処分を行つて、現在におきましても相当の実績を上げて来ておるようであります。また不動産等につきましても極力適当な機関等に委託する方法等を用いまして、なるべく適正にかつ迅速に拂下げをする方針で目下進んでおるようでございます。数字的な問題は的確な材料によつて申し上げませんとはつきりいたしませんので、必要がございますれば後ほど説明させていただきたいと思います。
#7
○川島委員 管財局の担当係官が見えましたならば、その点さらにお尋ねしたいと思います。それまでは保留いたします。
#8
○三宅(則)委員 私は所得税並びに法人税についてお伺いいたしたいと思いますが、まだ本日提案されたものには手をつけませんから、主税局長もそのつもりで御答弁願いたいと思います。
 主税局長の今までの御説明によりますと、所得に対します予定申告をするときに、昨年の半額に満たないという場合があります。そのときには政府の許可を得て予定申告をするといいますが、どういうふうな許可を得てやりますか承りたいと思います。
#9
○平田政府委員 今回の所得税法の予定申告につきましては、普通の所得の場合は原則としてまして前年実績以上で申告していただくことにいたしております。もちろん前年実績以上に申告していただく場合、そのときの状態によりまして所得を見積つて申告していただきますことは、従来の制度と同様でありましてさしつかえございません。ただ従来と違いまして前年実績以下で申告しようという場合におきましては、一定の條件に該当するものといたしまして、政府の承認を受けなければ申告できないということにいたしております。その條件といたしましては、大体災害とかあるいは常業の全部または一部をやめたとか、その他外形的な原因によりまして営業なり事業の所得等が相当減ることが客観的に明らかな場合、こういう場合におきましては政府におきましては、必ず承認をしなければならないという規定になつております。それからその他相当納税者から確実な材料を税務官庁に提供いたしまして、前年の実績に比べて二割以上減收することがはつきりしている場合におきましても、税務官庁は承認を與えなければならない規定にいたしております。しかしながらその他はたして減るか減らないかわからない、見解の相違だといつたような場合には、原則としまして前年度の実績額で予定申告をしていただく。もしもその申告が出て来ない場合、あるいは理由なくして前年以下の実績で申告があつた場合におきましては、これは番然前年の実績額で予定申告がなされたものと見なしております。それによりまして税務官庁は税額を計算しまして、税額を通知し納税していただく、かようなことにいたしております。繰返して申し上げますが、いろいろの事情ではつきり減少することが明らかな場合におきましては、これは税法の定めるところによりまして税務官庁は必ず承認しなければならないのでございますが、どうも結局水かけ論になるような、どちらかよくわからないという場合におきましては、前年の実績で予定申告をしていただく。もちろん納税者の所得が相当ふえまして、各納期ごとに平均して納めておいた方がいいという納税者は、おそらくたくさんあると思いますが、なるべく見積額に応じまして前年以上に申告していただくことを、私どもとしては期待しております。
#10
○三宅(則)委員 次にちよつと簡單な問題でありますが、農業得得等につきまして農村では鶏一羽――これは卵を産むものもひよこも含めてでありますが、一羽に七百円もかけたといつております。これはまことに不見識きわまると思いますが、こういうものについて指令を出しておりますかどうか、国税庁長官でないからわからないかも存じませんが、一応承つておきたい。
#11
○平田政府委員 今の問題は先般小山委員からもお話がございましてお答えいたしたのでありますが、所得税の理論から申しますと、いやしくも一定の收入がある。その收入は必ずしも金銭による收入だけではございませんで、現物による收入も一切入るのでございますが、一定の生産等によりまして、金銭または現物の收入があるという場合におきましては、原則としてその收入はやはり所得税の所得の算定上收入金額に該当するのでございます。従いまして理論から申しますと、一切のさような所得に課税するのは別に違反ではないわけでございますが、お話のような点はおそらく実際問題としまして審査請求等が出た場合において、納税者の側もはつきり証拠が全部について出ない、税務官庁の側もよく調べが行き届いていなくて、全部の調査した資料で説明がなかなかできない、こういう場合におそらくそういうようなものもあるのじやないか。従つて決定額通り納めたらどうか。こういうようなことになつて、お話のように相なつておるのじやないかと思います。その辺の実際の運用は常識的な問題になつて来るわけでありまして、あまり零細な所得まで一々調べまして、非常に極端に苛察にわたるようなことは、行政の運用としてはいかがであろうかと考えますが、建前は今申し上げたようなことになつておることを御了承願います。
#12
○三宅(則)委員 私は身近なことを申しまして恐縮でありますが、自由所得者――弁護士とか計理士とかいう自由業者でありますが、たとえば選挙で代議士となつた九州の弁護士さんの場合、大部分東京に来ておる。国会の方では御承知の通り源泉課税をたいへん納めておる。ところがやはり依然として自由業であるというわけで、同じような税金をかけられておるということははなはだ不穏当であると思う。そして国会が一年のうち半分以上も開かれるということになりますと、收入は半分以下に減る。こういうそろばんが出る勘定になるのです。自由業で公職等についた場合、あるいは議員等になつた場合に、收入が相当減るという見込みがあるにもかかわりませず、君は昔からやつておるから收入が相当あるだろうということは違つておると思いますが、政府はどうお考えになりますか。
#13
○平田政府委員 今御指摘の方は今後青色申告の制度を活用していただきまして、帳簿を正確にしていただきますれば、必ず帳簿を調べた上でないと更正決定をいたしませんからぜひ記載していただきます。それによつてお互いに堂々と勝敗を決するということにいたしていただきたいと思います。
#14
○三宅(則)委員 税務署に予定申告をいたすのでありますが、物価の変動等によりまして、相当所得の金額が減る場合があると思つております。前年度の所得に対しまして半分以下に減つた場合においては、もちろん訂正されるわけでありますが、物価変動等についてはどのような対策をとつておられますか。ひとつ承りたいと思います。
#15
○平田政府委員 予定申告は原則としまして前年の実際額によつて行うのでございますが、ただ経済界の状況は一般的に非常にかわるのでありまして、前年の状態とその年の状態と著しく違う。なかんずく物価その他の事情によりまして、状況が違うという場合におきましては、必ずしも前年の実績によらないで、法律の定めるところによりまして一定の倍率を加えたりあるいは減らしたりした数字で、前年度の実績額に置きかえることができるようにいたしておるのでございます。どういう基準をつくりますか。これはなかなかむずかしい問題でございますので、いろいろ研究しておるわけでありますが、近くそういうものにつきましては、必要が生じました場合に国会に提案いたしまして、御承認を得たいと考えております。ただ率は具体的にその法律によつてきめるつもりはございません。大体どういうものさしによつて政府が加えまたは減すべき率をきめるか、その基準となるべき法律を作成いたしたいと思つております。本年はさしあたり前々から説明いたしておりまするように、大体横ばい、生産は若干ふえる。従いまして所得は前年度に比べまして幾分かふえるということで、すべての計画を現在のところいたしておりますので、その條文を適用するつもりはございません。今後事態が生じました場合において、今申し上げましたような事項を研究しまして、具体化することにいたしたいと思つております。
#16
○三宅(則)委員 もう二、三点やらしてください。いよいよ青色申告に入つて来ました。青色申告の実施につきましては、相当人員が増加しなければならぬと考えておりますが、政府はこれに対しましてどういう施設をもち、人員をもつて、これを処分せられるという気分でありますかということが一点。第二点は青色申告をしておりましても、不正な事実を書いておるものも中にはあるかと考えておりますが、どの程度信用せられるという用意がありますか。この二点についてまず承りたい。
#17
○平田政府委員 今度の青色申告の制度を採用いたしましたのに伴いまして、税務署で帳面を調べる官吏、所得税におきましても、今まで直接所得の調査を担当しております官吏、こういう方面は相当増加する見込みでございます。今回税制整理で取引高税は廃止になりまして、その方で人間が大分出て参りますのと、その他各税につきまして大分簡素化をやつておりますので、その方面から相当人間をさきまして、その方面に充てることができると考えておるのでございます。それからさらに全体として、現在も相当な頭数がおりますが、その中でできるだけ早く、よく帳簿等の調査能力のある優秀な官吏を育て上げまして、それによりまして極力この運用の適正化をはかつて参りたいと考えておるのでございます。全体としての人員増加につきましては、單に税務行政だけの見地から考えますと、ますます多くしていただきたいのでございまして、私どももそういう考えを持つておるのでございますが、他面全体の政府の行政管理に関する方針等との関係もございますから、必要最少限度におきまして、できるだけ能率化をはかりまして、適正な運用をはかりたい、かように考えておるのでございます。
 それから帳簿の信用の問題でございますが、これにつきましては、もちろんさつき申し上げましたように、帳簿をよく調べる能力のある官吏をしてよく調査せしめまして、正しい帳面はあくまでも尊重して行く。不正な点につきましては、よく事実を調べまして、それと違つた決定をする場合においては、どこが不正であるかということを納税者にもはつきり知らせまして、決定をして行くというふうにいたしたいと思つており参ます。今回青色申告を提出いたしました納税者につきまして、更正決定をやります場合におきましては、必ずその申告といかにして違えたか、その理由を決定通知書に記載することにいたしております。従いまして税務官庁におきましても、理由なくこの帳面を否認したり、あるいは申告を認めないというようなことはできなくなります。それだけ相当仕事はむずかしくなるのでございますが、むずかしい仕事のできるような官吏を育て上げることに努力いたしまして、適正化をはかりたいと考えております。なおつけ加えて申し上げますが、わずかささいな、あまり全体に大した影響のないささいな誤り等を指摘しまして、それで全体を否認するというような態度は避けたい。あくまでもどこが間違いであるか、その事実をよく調べまして、その上で正しい決定をして行くようにいたしたいと考えておりします。
#18
○三宅(則)委員 今主税局長が仰せになりました、ささいな事柄によつて、大なる事柄にあやまちがなければ、これを指摘しない。小さいあやまちをもつて大なるあやまちとしないというふうになさつたことは、まことにけつこうだと思いますが、ややもすると今までの税務官庁というものは、ちよつと交際費の一部分がつけ落ちになつておつたとが間違いがあつたといたしますと、その帳面は否認するのだ、こういう態度が今まで過去何十年間続いていたものと私は信ずるのであります。そういうことのないようにやられるという今の主税局長の答弁は、まことに当を得たものと私は感心いたします。つきましてはこの青色申告に対しまして更正決定せられる場合、もしくは損失の繰越しまたは繰りもどしをせられるということでありますが、これは相当よく見ていただかなければならないと思うのでありますが、これに対しましてあなたといたしましては、現在どういうような帳面を、個人等におきまして認めておられますか。この詳細なることを一応御説明願いたいと思います。
#19
○平田政府委員 おそらく帳面とか簿記の方は三宅委員の方が私より詳しいのじやなかろうかと思いますが、青色申告の資格を得るための記載事項等につきましては、大蔵省の省令で詳細に告示いたしております。あらためてその告示を読み上げるのもどうかと思いますが、それによつてひとつ御了承願いたいと存じます。なおこの様式等につきましては、政府であまり画一的な様式を最初からきめるよりも、民間の進んだいろいろなくふうにまかした方がいいだろうというので、政府におきましてあまり機械的な一律の様式はつくることにいたしておりません。省令の中に規定いたしておりまする必要な條件を満す場合におきましては、いかなる様式の帳簿といえどもさしつかえないということになつております。ただ実際問題といたしまして、なるべく商工会議所あるいは農業協同組合そお他の業者の団体等におきまして、その事業によく適応した帳面等を、機式を整えましてつくつていただきますことを、私どもといたしましてば非常に期待しておるわけであります。
#20
○三宅(則)委員 たくさんありまするが、あとがつかえておりますから、もうあと一、二点だけで終ります。今主税局長の明快な御答弁がありましたが、ややもすると民間におきましては、今までの税務官吏のやり方が悪かつたという理由のもとに、こんな帳面をつけてもいかぬであろうということで、非常に心配しておる向きがあるのであります。また今主税局長も仰せになりました通り、省令で明細なひな型を示した、こういう話でありますが、ややもすると今までの税務官吏の御説明はむずかし過ぎるのです。大蔵省の官吏の方は非常に頭がよ過ぎて、非常にこまかいことまでみな書いておりまするが、事実民間人はその程度まで行つてはいない。あなた方の三分の一ぐらいしか程度が行つていない。でありますから今度何らかの方法をもつて、帳簿組織なりその他の法律を改正することが必要であろうと思う。大なる事柄が間違いなければ、小さいことのささたる間違いは是認いたしまして、大きな間違いがないということによつて税を律するというそろばんが、一番便利であると考えておりまするから、今後大蔵省令もしくはひな型等をお示しなさるときにおきましては、あなたよりもずつと地位の下の人でけつこうでありますから、わかりやすいように書いて頒布するということが必要であろうと思いまするが、政府といたしましてどう考えておりまするか。
#21
○平田政府委員 帳面の程度につきましては、なかなかこれはむずかしい問題がありまして、私どもといたしましては、実行し得る限りにおきまして可及的にやさしいものにしたい。ただ一面におきましては、ある程度は正確を期してもらわなければなりません。それとともに民間側におきましても、こういう機会にひとつ勉強していただきまして、今までのレベルを少し上げてもらうように努力いたす。その程度があまり飛躍し過ぎてはいかぬ、そういう考え方でお互いに勉強するようにしたらどうか。かように考えております。
#22
○三宅(則)委員 今主税局長は大分開けた御答弁でありまするが、ややもいたしますると、末端に行きますとそれと反対になつて来まして、なかなかむずかしい。お前さんのような頭ではとてもだめだ。こう言つてひやかしておる場合が往々にあるのでありまして、これはどうかひとつ今度主税局長の言といたしまして、各国税局、各税務署等にこれを頒布してもらいたい、かように考えております。
 次に伺いたいと思います事柄は、個人の簡單なる帳簿――たとえば俸給生活者であるとか、勤労者というようなものに対しましては、五種類も六種類も帳簿の必要はないと思う。現金出納帳ともう一冊くらいのものでいいと、かように思いますから、どうか簡易なる職業につきましては、その親心をもつて、ひとつ簡單な帳簿でやるという線を施行してもらいたい。
 次にもう一つ申し上げたい華柄は、簡單な税額表というものがありますが、税額表も大分わかりやすくなつて参りました。これは三十万円まで簡易な税額表をおつくりになつておられますが、これを五十五万円くらいにまで引上げまして、その五十五万円くらいのものは一目してわかりやすいような税額表を示していただきたいと思いますが、これはどんなお考えでありましようか、承りたい。
#23
○平田政府委員 今度の簡易税額表は所得税法の法律でおわかりになりますように、課税総所得金額の三十万円までのところを設けております。課税総所得金額と申しますのは、備考に書いてありますように基礎控除、扶養控除、不具者控除、災害等の控除及び医療費の控除をした後の所得金額でございますので、これらの控除前の所得金額でありますと四十万円前後にもなるかと思いまする独身者であればそれほどではございませんが、家族が通常あるような所得者の場合におきましては四十万円前後になるかと思います。その辺までになりますと、おそらく納税者の九五%――これは正確な数字はちよつと記憶しておりませんが、数から申しますと、おそらく九五%までが、この簡易税額表で見ればわかる、こういうことになると思いますので、簡易税額表としての効果は相当に発揮しておるものと、私どもは考えておるわけであります。
#24
○川野委員長 宮腰君。
#25
○宮腰委員 この問題は昨年の暮れから積雪寒冷地帯の北海道外十一県、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、新潟、富山、石川、福井、長野の一道十一県の代表者が議会に要望書を持つて参りまして、この積雪寒冷地帯における各県に対し、税制改革の上においてぜひ考慮してほしいということを言つて参つたのであります。その決議案の内容を読みまして、あと要望事項を申し上げたいと思うのですが、政府並びに主税局長から特にこのことについて御返答願いたいと思います。
 決議案の内容は五本国土の五九・四%、総人口の二九・七%を占めている北海道、東北、北信地方は積雪、寒冷の自然的悪條件の占める比率極めて大きく、無雪温暖地方に比較して生産、消費、文化、税負担等、著しく不利な立場にある。
  日本積雪連合は、東北信十一県を基盤として積雪寒冷の科学的研究を促進すると共に、その成果をもつて新生日本の政治、経済、文化の向上竝に地方民生の安定に寄與せんとするものであるが、従来の国策は全く劃一的であるため、積雪寒冷地帯は立地條件からくる住民の生活損耗著しく、且つその所得は低位で、地方財政の窮乏も甚だしい。
  そもそも文化的、平和的日本を再建し、新憲法下の地方自治の確立を図るためには、国家の基盤である住民及地方自治体の完全なる発展なくしては国家の真の興隆は期し得られない。
  日本積雪連合は今次第三回総会を開催するに当り、国家の劃一的施策による悪條件の累積せる東北信十一県の実情に即する均衡是正の方策を講ぜらるるよう特に税制改革に当り、所得税算定上の特別控除竝に平衡資金の合理的配分等積雪、寒冷の実態を把握せられ、この地方をして、その所を得せしめられんことを総会の決議に於て要望するものである。ということを決議されて参りました。その要望事項を申し上げます。
 一、所得税の賦課に当つては、地域的不均衡を是正して、その適正化を図ること。
 一、積雪寒冷に基因する生活損耗、竝びに事業増嵩経費に対して、「特別控除」を所得税法上に規定すること。
 一、農業経営に投下する超過自家労働は、農業所得算出上の事業必要経費として、これが控除を認めること。
 一、土地家屋の資産評価に際しては積雪寒冷地方の実情に即する様評価上の差異を設けること。
 一、農地に対する資生評価に際しては、その土地收益力に即応する様評価上の差異を設けること。
 一、公共的性格の特に強い灌漑用動力揚排水機、共同作業用動力脱穀、籾摺及び噴霧機、竝びに農道等は課程対象より除外すること。
 一、国有林野に対する地方税若しくはこれに代る地方財源附與の途を講ずること。
 一、再評価実施に際しては、積雪寒冷地方の実情に即する様彈力性ある措置を講ずること。
 一、一般平衡交付金の算定基準となるべき行政標準費用の測定基準の設定に際しては、積雪寒冷等に基因する不可避的経費竝に損耗行政経費を加える等、地方公共団体間の合理的な財政調整を図ること。
 一、特別平衡交付金の経過的特別配付基準には、国税の地域的不均衡等に基ずく住民及び地方自治体の経済力窮乏に対し調整の途を講ずること。
 一、国庫負担法の対象となるべき「災害」の対象中に雪害、凍害を明文化すること。
 一、地方自治体の経済力の懸隔を調整する自主的積極施策のため、産業振興政府資金融資の途を講ずること。
 こういうような要望事項を持つて各府県の代表者が上京されまして、参議院の第一会議室でこの一道十一県の代表者が集まりましてこの要望書を出して参つたのでありますが、ぜひ大蔵委員会にこれを出しまして、政府当局並びに主税局がどういうお考えを持つておられるかということを、尋ねてほしいということであつたのでありますがとうとう今までその機会が得られないで延び延びになつておつたのでありますが、政府ではどういうお考えを持つておりますが、この点について特にお願いいたします。
#26
○平田政府委員 東北の雪害地方からのいろいろな要望等につきましては、私どもも平素からときどき承つているのでありますが、今御朗読になりました事項は相当具的体な事項で、しかも広汎にわたつておりますので、その全部についてここで確たる御返答を申し上げるのはいかがかと思いますが、おもなる点についてお答え申し上げまして、なお必要がありますれば将来の適当な機会に、さらに具体的な問題といたしましてはつきり意見をきめまして、お答えいたしてもさしつかえなかろうかと思います。
 まず所得税の地域的不均衡を是正するというお話でございますが、これはあくまで所得税は、実際の賦課につきましては、現実の所得が幾らであるかということを調べまして、それによつて課税するというのが一番理想でございます。もちろん各地間におきまして、各人の個別所得が調査できない場合におきまして、ある外形的な方法で、比較権衡の方法を用いまして見る場合があります。さような場合におきましては、もちろん各地の実情に応じて、できる限り公平を期するということは当然のことと考えます。
 それから生活費が高くなるから控除してもらいたいとか、あるいは自家労賃の部分を所得計算より除多してもらいたいとかという意見があるようでございますが、これは所得税法の理論から申しまして少しいかがかと思います。生活費は所得の中から拂うのでございまして、こういうものをどうするかという問題が、結局基礎控除の問題でございます。基礎控除の問題を地域によつて差別をつける、そうなりますと、たとえば大都市等は勤務地手当などがよけいついているが、それがかえつて大都市は低くなり、いなかの方が高くなるとか、あるいは、いなかにおいてもいろいろ差をつけるとか、問題がいろいろありますので、今の所得税法におきましては、一応全国一律にこういう控除を考えることにいたしております。地域により、人により、基礎控除等に差別をつけるということはなかなかむずかしかろうと考えます。
 それから超過自家労賃につきましては、これは当然所得になるわけでございますが、労働者が時間外労働をやつた場合とか、要するに所得というものは働くことによつて生れるか財産によつて生まれるか、そのいずれかでございますが、いやしくも自家労賃として所得がある場合におきましては、その自家労賃を支拂わなくても、ほかのだれかの所得の中に入つておる場合において、その所得に対して課税することは所得税の理論上当然かと考えます。従いまして自家労賃を経費で引くという議論は、所得税の本質論としては成り立たないと思います。けれどもただ事業費については、積雪地方におきまして相当費用がよけいかかる。これは所得の計算上、たとえば事業所得税につきましては当然控除すべき対象になるのでございます。貸家所得等におきましても、修繕費がよけいにかかるというような場合においては、もちろんこのよけいかかるということを十分考えまして所得の標準等を作成し、あるいは具体的な査定をすることは当然のことでございますので、そういうことはよく注意をいたしまして、実際上適正な所得を査定することに努力すべきものと考えます。その他土地、家屋の評価について実際に即した評価をすべきだという議論のようでございますが、これは今後固定資産税におきまして、それぞれ市町村ごとに評価委員を置いて適正化をはかることにいたしております。なかなか困難な問題でございますが、それぞれ地方の実情に応じまして、できる限り合理的な評価ができるように努力すべきものと考えておる次第でございます。
 なお平衡交付金等につきましても、当該市町村の標準となるべき経費が他の地方の経費に比べて特別よけいかかることが事実であり、かつ一般的でありますれば、そういう問題につきましては、やはり標準経費を算定する意味における一つのフアクターとして、研究すべき問題ではないかと考えます。まだその点具体的にそこまで至つておらぬのでありますが、これは研究問題だろうと思います。
 なお国有林野に対する課税の問題、これはいろいろ前からある問題でございますが、なかなか解決困難なところがあるようでございます。しかしこれも何か適等な方法で解決を要する事項も確かにあるようでございますので、よく研究してみたいと思います。その他具体的ないろいろの問題があるようでございますが、こまかい問題につきましては適当な機会にもう少しよく取調べまして、お答えいたしたいと考える次第でございます。
#27
○内藤(友)委員 今單作地帶の課税問題で宮腰さんからお尋ねになつたのでありますが、ちよつと関連してお尋ねしたいと思います。結局私は所得の把握の問題だろうと思います。單作地帶というのは要するに一年一作でありまして、その一作の收入も完全に把握できる。ところが他の多毛作地帶において一毛作、二毛作は所得が把握できましても、三毛作は抜けることがあるのであります。どこまでも抜けるところがある。そこに公平、不公平があると思います。所得のあるところから必ず所得税をとることは、これはわかりきつたことだと思う。そういう考え方をいたしますれば、私は現在の所得税法においては勤労所得は多少優遇されておるということは、これはもうそうなつておるのです。端的な例を一つ申し上げてみると、主税局長は毎日自動車でお通いになつております。あの自動車賃というものはあなたの所得の計算になつておりますか、なつておらぬだろうと思う。それは私どもも都電のパスをもらつております。ただで乘つておるけれども、電車に乗るまでよくくつを踏まれたり、歩きますと裏皮も減りますから、一年によく打たなくてはならぬ。そういう経費がいる。そういう問題が所得の把握だろうと思います。従つて單作地帶というものは所得がもうピンからキリまで把握できます。だからこういうところはやはり不均一趣旨で行かなければならぬものだろうと私は思うのでありますが、それはどうでございますか。
#28
○平田政府委員 事業所得の把握がなかなかむずかしいことは、今御指摘の通りでございます。この事業所得の中におきましても比較的把握の容易な場合と、むずかしい場合といろいろあろうかと思います。しかし私どもとしましては、方向はあくまでも所得税法の規定に従つて正しくそれを把握する。その方向に行くように将来はすべての問題を解決すべきではないか。反対に把握の悪い方にいい方を引きつけて行くことはいかがであろうか。今度勤労所得の控除を一割五分に圧縮いたしましたのも、まつたくそういつたような事情が一つあるのでございます。勤労所得ははつきり把握されて、事業所得はなかなか把握されぬから、事業所得に対して何かしらんがそういう実際的理由で特別しんしやくをしたらどうか、こういう議論があるのでありますが、これは理論といたしましては今後私どもはそういうことはとらないようにして行きたい。あくまでも税法の規定に従いまして、それぞれ所得は現実に的確に把握するという方向で、制度としても考えるし運用としても考えたい。ただ先ほび鶏の例がございましたが、さらばといつてあまり常識はずれのつまらないような問題まで一生懸命追つかけまわして、かえつて負担の実際的不公平を来すということは避けなければならない。しかしながらたとえば多毛作地帶におきましても二毛作、三毛作等ございますれば、やはりそれぞれできるだけ調査を的確にやりまして、適正な所得を批握して行く。そうして全体として公平な課税をして行く。そういうことによりまして全体として所得税の收入をふやすことができれば、同じく公平な査定しをました所得のベースをもとにいたしまして、全体として税率を下げて行く。あるいは控除を上げて行く。それによつて初めて負担の公平が期し得るのではないかと考えております。今度勤労所得を二割五分を一割五分に圧縮しました一つの実際的理由はそこにあります。それから今度シヤウプ勧告においてそれを極端に一割まで圧縮するということは、一層徹底的ないい考え方でありまして従いましてお説は実情としてごもつともなところがございますが、方向としてどうも理想はお話の点と反対の方向に行くべきでなかろうか、かように考えておる次第でございます。
#29
○内藤(友)委員 なるほどりくつはその通りなんです。ところが局長のおつしやるようなことが、これは農業とほかの業態との間にも同じようなことがあるだろうと思いますが、農業自身にも今申したように單作地帶としからざるところとあると思います。理想はその通りでありますが、現実はその通りには行かぬと思う。現に今申しました通り、あなたの勤労所得の中に自動車で乘りまわしておられるものが、所得として計算されておらぬと私は思う。それならわれわれと同じようにくつの裏皮代は一つ入れるのかといえば、それも入つておらぬだろう。こういうことを考えて行きますと、やはり單作地帶のような一年に米だけでぴしやつとわかる、自分よりも人がわかるというようなものに対しては、そのような現実な制度を持つて行かなければ、これは負担の公平にならぬのではないか。りくつはおつしやる通りです。けれども現実はそう行かぬ。政治というものは現実に即してやらなければならぬから、そいうう單作地帶は多少他と比率を軽くして行くということが、ほんとうの政治ではないかと私は思うのであります。でありますから、單作地帶の皆さんがああいう主張をなさるのも、私はそこに非常な意味があると思う。こういうことも私はやはりお考えになつて行かなければならぬのではないかと思うのでありますが、これは意見の相違でありますから、いずれまた私はいろいろな角度からお尋ねしたいと思うのであります。
 それからもう一つ、立つたついででありますから……。先ほど三宅さんが青色申告のことについてお話になつたのでありますが、この青色申告を昨年の国会で私ども決議で出しますときに、一月三十一日までに申告しろとおつしやるけれども、それはむりではないかということを、私は口をすつぱくして特に申上げたのであります。ところがその後国税庁から普通の事業所得者については二月の半ばごろ、農業所得者については二月末までに申告してよろしいというお知らせを出されたようでありますが、法律できまつておることを――これは私は都合がいいのですよ。だから私どもは文句は言いませんけれども、法律で一月三十一日までに出せというのを、国税庁が二月末まででもよろしいというのは、これは一体どこから出て来たのでありますか。われわれが法律違反をやるとぴしぴしと痛めつけられるのでありますが、政府が公然と法律違反をやられても何もさしつかえないのでありますか。その法理論をひとつお伺いしたいと思うのであります。これは私は特に昨年は、一月三十一日はいけませんぞということを強く申し上げたことを記憶しておりますからお尋ねするのでありますが、ひとつお答えいただきたいと思います。
#30
○平田政府委員 着色申告の帳面の届出区分につきましては、内藤委員のような御意見のございましたことも私どもよく存じております。これからいよいよこの制度を本格化しまして実行するという段階になつて参つたのでありますが、やはり青色申告の制度を使うことによつて、納税者にいかなる利害関係を来すかということは、今回の所得税法、法人税法の改正によつて初めて実は明らかになるようになつたわけであります。従いまして、今回特に法人税法、所得税法の附則で法律施行後二箇月以内はなお届出ができるということにいたしておきました。従いまして実際問題としては、五月の末まで政府に届出すれば、青色申告の制度が利用できるということにいたしたのでございます。前回の法律は準備的な法律でございまして、やはり一応なるべく早く納税者に記帳をしていただいておきまして、そしてなるべく届け出るということも早く届け出してもらつた方がよいのじやなかろうかという趣旨で、一月にいたしていたのでありますが、その当時から本格措置をやります場合におきましては、さらに若干の引延しは必要じやないかと私ども考えていたのでございます。そういうふうにいよいよ所得税につきましても、そういう方針で政府の方針も決定いたしましたので、それに即応しまして運用の面においても、運用の妙を発揮すると申しますが、所得税法が通過すれば当然五月末まで届け出ればよいということになつておりまするし、また届け出ましても、その間記帳をしていただかなければなりませんので、なるべく早くそういうことを周知徹底をはかつておいた方がよいだろうというので、かような声明を発したものと考えております。この所得税法の法律と照しますると、趣旨におきましては何ら法律違反ではない、かように私ども考えておるのでございます。
#31
○内藤委員 その法律違反でないとおつしやるところに私は疑問があるのでありますが、正直に申しますと、新しく法律を改正なさるならよいのであります。今度はそういう法律が出ておりますからそれはよろしゆうございますが、一月の末にまだ法律も改正されない先から先走つて、政府が法律できめられてあることを曲げられるということはどういうことか。それは私は明らかに法律違反だと思うのでありますが、それでも法律違反ではございませんか。
#32
○平田政府委員 期限後に届け出して来た場合におきまして、それを一応受付けておくというわけであります。所得税法、法人税法が通りますれば、その受付が所得税法、法人税法に基きまして適法な受付になる。そういう所得税法、法人税法を提出することを政府において方針を決定いたしました以上は、私はむしろその方が納税者にとつて親切ではないか、かように考えたわけであります。
#33
○宮腰委員 先ほど質問しましたいろいろな事項ですが、今答弁できないとおつしやるならば後日していただいてもけつこうでございますが、もう二点について、先ほどお願いたした点について御返答いただいておりません。それは農地に対する資産評価に際しては、その收益力に即応するように評価してほしいということと、それから公共的性質の強い灌漑用の動力用排水機だとか、あるいは共同作業の動力、脱穀機、籾摺機、噴霧機並びにこれに関する農具についての課税ですが、これを課税対象から除外してほしいという希望があるのですが、この二点について伺いたい。
#34
○平田政府委員 農地に対する再評価額の問題だろうと思いますが、この点につきましては、大体財産税の評価額から土地価格指数で伸ばしたものを再評価額としております。この再評価額というのは、先ほど政務次官からも詳細説明のありましたように、その額を越えて売つた場合に、初めてその越える部分が所得税の課税対象の所得になります。それ以内の部分につきましては六%だけしかとらない、こういう意味の再評価にしかすぎないのでございます。従いまして土地の一般的な騰貴率、その騰貴率のところまである農地の価格が上りまして、それ以内で売つた場合においては六%だけで課税を済まそう、それを越えて売つた場合におきまして、初めて実質所得として課税しよう、こういうことでありまして、宅地、農地も大体同じようなことで再評価額をきめるようにいたしております。従いましてこの場合の再評価額はどつちかと申しますと、むしろ高い方が納税者には有利になるという結果になりますことを、御了承願いたいと考えるのであります。しかし特にそういうつもりで出しておるわけではございません。あくまでも土地価格指数で伸ばすことにいたしまして、合理的な解決をはかりたいと考えておるわけでございます。それから固定資産税を課する場合の評価、これはいろいろあるわけでございまして、大体御承知の通り、收益力をいかにして反映せしめるかというような観点から決定さるべき問題ではないかと考えておるのでございます。シヤウプ勧告によりますと、一般に土地、家屋につきましては、現在の賃貸価格の千倍、農地につきましては二十五倍――大体二十五倍というのは、田が四十二、三倍、畑は四十八、九倍くらいでございましたから、二十五倍にしますと大体千倍近くになるわけでございます。それを大体二十五年度の收益力を反映する農地の価格として、固定資産税を課したらどうか、このような意見になつております。この点につきまして今いろいろ考えておりますのは千倍は少し高きに失するのではなかろうか。従いまして、これを八百倍くらいの程度に下げたらどうかということも考えておりまするが、結局いろいろ検討しました結果九百倍くらいにいたしまして、国会に提案するというようなことに現在のところなりそうでございます。そうしますと農地の方は二十二・五倍というようなところで案を作成しまして、提案することになろうかと思います。なおその他そういう点につきまして詳細御説明する機会もあろうかと思います。
 それから次は農機具等の固定資産につきまして、固定資産税を課するか課さないかの問題だろうと思いますが、これはやはり固定資産税は、理論上すべて減価償却資産を統合することにいたしておりますので、理論上の建前といたしまして、いかに評価するかは、これはいろいろ問題はございまするが、原則的に農業の場合は、減価償却資産を除外するということに、今するのはやや困難であろう。営業等の場合におきましても、すべて減価償却可能資産は課税対象にするということになつておりますので、やはり課税対象になるべきものではないかと思いますが、実際の評価をどうするかということはなかなかむずかしい問題でございまして、先ほども申し上げましたように、市町村に不動産固定資産評価員という相当独立性のある職員を置きまして、その職員をして適正な評価をできるだけやらせるということにいたしております。この問題は近く固定資産税として、地方税で国会に提案しまして、その際に詳しく御審議願う機会があろうかと思いますので、それだけ申し上げておきます。
#35
○川野委員長 ほかにございませんか。
#36
○宮腰委員 私の方はまたあとでやりますから……。
#37
○川野委員長 三宅君。
#38
○三宅(則)委員 私はさらに主税局長にお尋ねいたしたいと思いまするが、主税局長は予定申告並びに確定申告等を要しない範囲を広げたい、こう迎せになつていらつしやいますが、どういうようなものにそういうことを適用したいと思つておりまするか。その御構想を承りたいと思います。
#39
○平田政府委員 一般の、その適用を受けるのは、一箇所でしか俸給給料等を受けていない、いわゆる源泉課税を受けておる納税者の場合でございます。この場合におきましては、その源泉課税を受ける際に、それぞれ控除税率等を適用しまして、簡易税額表を算出いたしておるわけでございます。その範囲を従来と比べまして、相当大幅に引上げまして、提出する必要のある範囲を少くいたしたい、かように考えておるのでございます。具体的に申し上げますと、簡易税額表の第二にございまするが、今回は月額給與の金額四万円のところまでは、一箇所だけから受取りますと、簡易税額表は、四万円まではそれぞれ累進税率を適用しまして、負担に差がないようにいたしておるのでございます。従いまして一箇所だけですとそれ以上、またほかに所得があります場合は、三千円以上でありますと申告を要するものを、今度は一万円以上は申告を要することにいたしております。その他若干そういうような改正を行いまして、できるだけ納めることにつきましては源泉だけで済ませるということにいたしておる次第であります。
#40
○三宅(則)委員 今の構想はまことにけつこうなことであると思いますが、なるべくそういうふうに簡略にして租税の把握をする、こういう線をますます強調せしめられたいと希望いたします。
 次に申し上げたいと思いますることは、源泉徴收に対しまして、年末調整というものをやるのですが、これがなかなかめんどうであるということを世間で言つておるのでありますが、これを何とか簡略にする方法があるかないかということが一問。
 第二問は、俸給、給與に対しまして、年末においてそうしたような源泉徴收分を納税者、いわゆる支拂う人がとつておいて拂うべきものと思つておりますが、これがなかなか円滑に行つていない面もあると思いますが、それに対して政府はどうお考えになつておりますか。
#41
○平田政府委員 年末調整というのは、非常に税の負担を公平化するための不可欠な制度でございまして、やはりこの制度を廃止しますと、非常に所得税の負担が不公平になると存じます。ただ年末調整します場合におきまして、追徴する税額なり還付する税額がなるべく少いようにしたい、こういう考え方からいたしまして、従来は賞與の場合は一率二割天引いたしまして、累進税率等による負担の差異を源泉の際には設けないで置いたのでありますが、その結果、賞與を高く出しておりました会社などには、年末に相当多額の追徴税が行つて、納税者も困るし会社の方も困るという場合が出て参りましたので、今回の改正におきましては、賞與をもらいました前月の給與に賞與の額を頭に乘つかけまして、それの適用を受ける税率で賞與に対する税額を算定する、そうして賞與に対する税額を徴收いたしておきますと、あとで追徴しなくちやならぬという場合が少くなりますので、さような制度に今回変更することにいたしております。
 いま一つ、従来は本来たとえば役所の超過勤務手当等でありますと、当然毎月の給與でございますから、ほかの給與の上に乘つかけまして税額を計算していただかなくちやならぬ。換言しますと、ほかの給與と合算しましたところで、総体の税額を計算して源泉徴收しなければならなかつたわけでございまして、実際問題といたしまして、そういう賞與の性質を必ずしも有しない定期的な給與まで、臨時手当として二〇%しか差引いていないという例が間々あつたのであります。その結果年末になつてから調整額が多い、追徴金が多いというので、問題を起していたようなところがあつたようでございますが、これはあくまでも税法の規定に従つてやつていただきますれば、さような問題は比較的少くて済むのじやないか。従いましてこの制度は、なるべく過不足額を少くするということにつきましては、合理的をはからなくちやならぬと思いますが、制度自体をやめるということは、やはり不公平の起るゆえんでありまして、そこまで行くのは行き過ぎではなかろうか、かように考えておるのであります。
#42
○三宅(則)委員 関連しまして、これはちよつと議員さんに関係あることでありまするが、費用弁償というのと歳費は大体似たように考えられておりますが、費用弁償の方は無税にいたしまして、滯在費の方も無税にする、こういう線だろうと思つておりまするが、これについて御説明願いたいと思います。
#43
○平田政府委員 税法で費用弁償という言葉を使つておりますのは、前に府県会議員の歳費を費用弁償という名前で実は出していたのであります。それをさして費用弁償という言葉を使つていましたが、最近はそういう言葉がなくなりましたので、改正案では削除することにいたしております。議員の歳費は、当然これは普通の所得として課税することにいたしております。それから府県等の費用弁償も当然歳費と同じでございますから、従来は課税することにいたしていたのでございます。名前がなくなりましたから削つただけでございまして、これも大体歳費と同じように課税することにいたしております。ただ旅費はこの反面非課税にいたしております。旅費の範囲の解釈がなかなか問題があるのでございまするが、現実一定の会社なりあるいは勤務先の必要から、一定の旅行等をいたしまして、それに対して現実に実際の費用がかかる。そういう実費弁償的なものは、従つて非課税にすることにいたしておるわけでございます。従いましてこれは旅費と見るか見ないかということによつて判定がつく、かように考えるのであります。
#44
○竹村委員 私、委員長からひとつ皆さんにお諮り願いたいと思うのでございますが、去る一日の極東委員会において、イギリス代表から、日本の旧財閥は解体されましたが、また新しい財閥として八大銀行が金融業務をつかさどつておるというようなことを聞かされておるのでございますが、これに対しましてはその真偽のほどをやはり一応われわれはわれわれ独自の立場におきまして、大蔵委員会においてこれを国政調査の面でお取上げ願つて、そうしてこういう事業の有無を――大蔵大臣はそういうことはないと言つておられますけれども、議会は議会としての建前からましてこの大蔵委員会としては重要な問題でありますので、理事会か何かお開さ願つて、国政調査の面でお取上げくださらんことをお願いいたします。
#45
○川野委員長 あとで理事会を開きまして御相談申し上げることにいたします。
 それでは本日はこの程度にいたしまして散会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○川野委員長 御異議がないようでございますので、本日はこれで散会いたします。
    午後三時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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