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1947/07/30 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第2号
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1947/07/30 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第2号

#1
第001回国会 厚生委員会 第2号
  付託事件
○教員の恩給増額に関する陳情(第六
 号)
○食肉統制價格撤廃に関する陳情(第
 二号)
○聖霊生命眞理療法保護法規の制定及
 び名誉快復に関する陳情(第四号)
○兒童の福祉増進に関する法令制定の
 陳情(第七号)
○恩給法の改正に関する陳情(第十二
 号)
○都市官公廳職員の生活安定に関する
 陳情(第三十八号)
○戰死、戰災遺家族並びに傷病者の更
 生に関する陳情(第五十号)
○恩給法の改正に関する陳情(第十四
 号)
○國民健康保險組合制度を改革するこ
 とに関する陳情(第六十六号)
○傳染病予防法等の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
○保健所法を改正する法律案(内閣送
 付)
○國民健康保險金に対する國庫補助金
 の増額等に関する陳情(第九十八
 号)
○青少年禁酒法案(小杉イ子発議)
  ―――――――――――――
昭和二十二年七月三十日(水曜日)
   午前十時十七分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○傳染病予防法等の一部を改正する法
 律案
○保健所法を改正する法律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(塚本重藏君) それではこれより開会いたします。本委員会に、傳染病予防法等の一部を改正する法律案保健所法を改正する法律案、何れも予備審査のための議案でありますが、本日委員会を開きまして、当局の提案理由の御説明をお伺いし、審議をいたしたいと思います。
#3
○國務大臣(一松定吉君) 只今上程せられました傳染病予防法等の一部を改正する法律案の提案の理由を説明申上げます。
 傳染病、結核、トラホーム及び寄生虫病の予防に関する各法律によりますと、これら疾病の予防の業務は、主として都道府縣知事の責任において、地方自治團体の行う事務として遂行せられておるのでありまして、從いましてこれら疾病の予防上必要といたします経費は、都道府縣が支出いたし、これに対して國庫は法定の率により補助をして参つたのでございます。然るに終戦後の社会情勢の変動に件いまして、これらの疾病は増加の傾向にあります。これが予防撲滅のため都道府縣におきましては、莫大なる経費を計上するの止むなきに至つておるのが現状でございます。而も地方財政逼迫の状況は各位の御承知の通りでありまして、地方自治團体におきましては、夙に財政上の必要よりこれら疾病予防に関しましての國庫補助率の大巾引上げを強く要望いたしておるのでございます。現在の如き低率の國庫補助を以てしては十分なる疾病の予防は期待し難い状況にございます。
 以上の理由によりまして、各疾病の補助率を二分の一に引上げるように各法律を改正いたしまして、地方財政政逼迫の状況を緩和する一助といたしますと共に、積極的にこれら疾病の予防措置を一段と強化推進することにいたしたいと存ずる次第で本案を提出したのでございます。何卒御審議の上速やかに可決あらんことをお願い申上げます次に保健所法の提案理由を説明申上げます。公衆衛生の向上及び増進を図ることは新憲法第二十五條によりまして、社会福祉及び社会保障の向上並に増進を図ると共に、國の基本的義務とされた次第でありましてこれなくしては平和的文化國家の建設は到底望み難いと言わなければなりません。保健所は現在既に全國に六百七十五箇所設置せられ、公衆衛生行政の第一線実施機関となつておりますが、新憲法の趣旨に添うためには、更に中央及び地方の機構を整備すると共に、直接に國民に接觸する保健所の機能の拡充強化を図らなければなりません。
 併しながら現行保健所法では十分にその目的を達し難い点があると認められますので、ここに新憲法に即應する保健所法案を提出いたした次第でございます。今その改正の要点を申し述ベますれば第一に保健所の目的が公衆衛生の向上及び増進にあることを明示した点でございます。
 第二に保健所の從來の担当事項の外人口動態統計、公共医療事業の向上及び増進、衛生上の試驗及び檢査、歯科衛生等を加え、これらに関し指導と共に必要なる事業を行い、更に都道府縣知事の権限の一部をその委任を受けて行うことができることといたしたのでございます。
 第三に結核、性病、歯科疾患その他厚生大臣の指定いたしまする疾病の早期又は予防的治療を行い、これら國民病の撲滅を期したいのであります。
 第四に保健所は公衆衛生の向上及び増進のために必要な、試驗檢査を行うと共に、その試驗檢査等を廣く医師その他の者に利用せしめることとし、医療内容の向上と医療費の軽減とを図つたのであります。
 以上申し述べました趣旨により所要の改正を行いたいのであります。何卒御審議の上速やかに可決せられんことをお願ひ申上げます。
#4
○委員長(塚本重藏君) 大臣の提案説明は終つたのでありますが、両案に対しまする質疑を行いたいと思います。
#5
○中平常太郎君 大臣の御説明によりまして、私は先般この都市衛生組合法の制定の問題について御質問申上げて内閣から御答弁願つておるのでありますが、この際申上げることは、傳染病の関係におきまして適当かと存じますので、大臣の御意向をお伺いしたいと思うのであります。大変傳染病に関するさまざまな補助の御増額をなさつたことは我々の熱望するところでありまして、極めて時宜に適した御処置であると存じまして、喜んでおるのでありますが、この傳染病というものの経路は近來都市に集中して不自然な状態におきまして、発達して行くところの都市の集團生活の状態は到底これは一片の軽い衛生法では私はこれは制禦できないと思うのであります。これが前前のように農村に一般に安住しておるのならば宜しいが、増加するところの人口は悉く都市に集中して、而も都市の計画に相反した膨張の状態であつて実に複雑多岐を極めた膨張振りでありまして、從つて衛生施設に対しても何等それに伴なわない、到るところ泥溝があり蝿や蚊というものは殆ど無盡藏に増加し、都市の胃腸障害というものは、悉くこれは衛生施設の不完備のために起きてくることであり、これが都市全体に傳染性をもつてまいりますので、ただ補助をして、少なくとも根本の問題にふれずして、補助の増額だけをもつてそういう方面の撲滅はなしえないと私は思うのであります。
 だから私はこの際お伺いいたしたいのでありますが、今まであり來つた衛生組合法など、或いは衛生法など、学事衛生、工場衛生その他医藥衛生、いろいろな衛生の法規がありますけれども、ここにどうしても大臣にお願いしたいのでありますが、都市衛生法というものはどうしても都市にのみ必要な衛生法の制定が必要であると私は思うのでありますが、この傳染病予防法に増額なさるという御趣旨から言いましても、都市に関する特別の衛生法を御制定になる御意思があるかないかということ、それからどうかこの問題を議するにつきまして、そういう抜本塞源的な方面に御意思を持つておるかどうかということをお伺いいたしたい。
#6
○國務大臣(一松定吉君) 只今中平委員の御説明でありますが、本法におきまして國庫の補助率が六分の一乃至三分の一、若しくは四分の一というような補助の規定でありましたのを二分の一に増額いたしました理由は、只今あなたの仰せ、になりましたようにただ國庫の補助を増額したということによつて、能事終れりと考えておるのではございません。これによりまして今お示しの如き各種の施設を、各府縣において拡大強化してもらう、それについては費用の増額が必要である。こういう意味において費用増額を提案いたしたのでございますから、補助のみをすることによつて能事終れりと考えることはどうだかと思われますという、それ御非難は只今申上げました趣旨によつて御了承を賜りたいのであります。
 それから都市衛生法を制定するということが、今日の急務であるという御意見でございます。成る程都市に人口が年々歳々集中いたしまして、都市衛生の重大なる事業であるということはお説の通りであります。でございますから、こういう方面に向つて府縣に補助いたしまするいわゆる二分の一という費用も、その補助せられたる府縣において、他の辺鄙なる田舎における衛生上の補助よりも、それら所属の都市における補助の方を比較的多く、各府縣において割当てられるように、私は考えておるのであります。故にそういうような施設をいたしまして、都市の衛生について十分に效果を挙げるようにいたしたいと、政府は考えておりますが、併しそれとても尚都市衛生法という、特殊の法律が必要であるという段階に到達いたしまするならば、その時には更に考慮して見たいと思いますが、只今ではそういう意思を持つておりません。
#7
○山下義信君 只今の二案を御提案になりまして、大臣から御説明がございましたので、これは誠に勝手を申して済みませんですが、他の委員会に御出席の関係もございますので、保健所の方の質疑をさしていただいて宜しうございますか。
#8
○委員長(塚本重藏君) 皆さん御異議ありませんか。
#9
○中山壽彦君 保健所の方は大臣から大体御理由を御説明にたつたのですがその内容について政府当局からもう少し詳しい御説明を聴かんといかんと思います。その上で御質問いたしたい。
#10
○委員長(塚本重藏君) 一括して審議を進めますか。今の傳染病予防法を先にもう少し進めて、後に分離してやりますか。
#11
○山下義信君 それじやあとで……。
#12
○委員長(塚本重藏君) 傳染病予防法等の改正について質疑を続けて戴きます。
#13
○姫井伊介君 傳染病の発生状況を考えられまして、更の今の改正案による二分の一補助の増額となりますと、予算関係はあと追加予算として出されるのでありましようが、それはどのくらいの金額になるのでありますか、お尋ねいたします。
#14
○政府委員(濱野規矩雄君) 予防局長でありますが、補助費は掛つた精算でまいります。だから例えば縣が使います、又市町村が使います。縣に対しては國が二分の一補助します。縣は市町村に対して又二分の一補助します。ですから丁度市町村は使つた金の三分の二を縣と國から貰うことになります。ですからもう一つ碎いて申しますると使つた金の三分の一は市町村、三分の一は縣が出します。又三分の一は國が出しますので、掛つた精算で年度末において補助を貰います。
#15
○姫井伊介君 重ねてお伺いしますがその補助ですね、それは予算を持たれないで、決算補助によられますか。
#16
○政府委員(濱野規矩雄君) それは三ヶ年づづ計算いたしまして、予算当初にそれだけ組みまして、丁度三ヶ年間予算に組みます。今度は今の二分の一に変えましたものですから、若干殖えると思います。傳染病だけで二百八十四万五千円という金を一應組んでおります。これは殖えましたら当然殖えてまいりますが、一應二百八十四万五千円という金を組んでおります。この金の出どころは三ヶ年間の予算で出しますわけであります。
#17
○姫井伊介君 すると追加予算関係はないわけですね。
#18
○政府委員(濱野規矩雄君) ないわけです。
#19
○中平常太郎君 ちよつと予防局長にお尋ねしたいのですが、今市町村の負担を三分の一と仰しやつたように伺いましたが、國庫の補助は二分の一であれば、あとの二分の一の又二分の一が市町村であれば四分の一じやないですか。
#20
○政府委員(濱野規矩雄君) 要するに二分の一、國が縣の使つた金を送るのであります。縣が使いましたお金に対して國が二分の一補助するわけであります。昔は六分の一程度というと、三十六分の一という極めて軽少な金になつておつたのですが、今度は今申上げましたように、町が貰う金は三分の一貰います。ですから要するに掛つた金の三分の一を町が拂うことになり、非常に今度はこれがよくなつたわけで、非常に進むだろうと思います。
#21
○中平常太郎君 百万円だつたら國庫が五十万円出す……
#22
○政府委員(濱野規矩雄君) 百万円ですと、三十三万円を國家が、縣が三十三万円、市町村が三十三万円ということで……
#23
○中平常太郎君 そうすると三分の一ですな。二分の一というのはどういうのですか。
#24
○政府委員(濱野規矩雄君) 國が縣に対して二分の一出す、縣が市町村に向つて二分の一補助するわけです。
#25
○中平常太郎君 そうかな、そういう勘定になるかね。
#26
○政府委員(濱野規矩雄君) お手許の予防法関係規則等改正案目録というずつとおしまひに傳染病予防法施行規則一部改正案、その中にございますが「傳染病予防法第二十一條及び第二十三條第二項の支出額に対し、北海道地方費又は府縣より市町村に補助する歩合は支出精算額の三分の二以上とす」、こういうことになつて三分の二を市の方に縣が拂う、又國が縣に拂いますから、三分の一、三分の一、三分の一と結論はそういうことになります。施行法がお手許にありますね。
#27
○中平常太郎君 では二分の一と書いてあるが、実際の問題は三分の一になる。
#28
○政府委員(濱野規矩雄君) 左様でございます。
#29
○姫井伊介君 今日は予算審査だけで質問だけですね。意見発表は後になりますか。
#30
○委員長(塚本重藏君) 今日初めてのことですし、参考資料を今お手許に配付したばかりですから、一應の質疑應答を終つて、次の機会に更に質疑應答を重ねて、その後に討論に入るようにしたいと思います。―他にありませんか。
#31
○藤森眞治君 この傳染病予防法の内容をもう一度そつくり御説明願つたらいかがでしようか。
#32
○委員長(塚本重藏君) 内容ですが。改正の内容は極めて簡單ですが、あなたのは改正の内容ではなく現に施行しておる……
#33
○藤森眞治君 第何條何々がどうと書いてありますが、これはどういうふうになるというように具体的に御説明願えまれば、非常に分り易くていいと思いますがね。例へば第二十五條の六分の一乃至三分の一を二分の一に改めてこういうふうになる。これはこういうふうになるというように御説明下されば非常に分かり易くていいと思います。
#34
○中平常太郎君 この際ちよつとお伺いしたいと思いますが……
#35
○委員長(塚本重藏君) ちよつとお待ち下さい、只今政府委員から……
#36
○政府委員(濱野規矩雄君) じやちよつと簡單に……。私達が申しております傳染病その他結核予防、トラホーム予防、寄生虫、癩予防、精神病、花柳病予防というものに、いわゆる疾病で予防のできますものに対しまして、國が在來から法律を決めまして補助をいたしております。それでその中で一番大きな問題が傳染病でございます。いわゆる法定傳染病を傳染病予防法としますので、今申しました結核、トラホーム、寄生虫、癩、精神病、花柳病、この補助率が創設費に対しましてはそういうものが二分の一の補助になつております。経常費が、先に大臣より御説明ありましたように、六分の一乃至三分の一ということになつております。今般政府の方でこの問題を取上げまして、創設費は全部在來通り二分の一、それからその他結核でありますとか、花柳病でありますとか、精神病、或は癩病というようなもので診療をいたしておりますものは、収入を差引きましたものの三分の一で從來通りにこれはなつております。そうでない結核トラホーム、その他のもので、ここに書きましたようなものは予防的措置をいたしております。そういうようなものに対しては、只今申しましたように二分の一補助であります。在來ありました率が非常に少かつたものは一様に上げまして、今日お手許に差上げましたものの中で、傳染病と、結核と、トラホームと、寄生虫、花柳病、これらが率が少ない。で法律の中に三分の一になつております。その外のもの、癩でありますとか、精神病は、在來の法律で六分の一乃至二分の一となつております。これは直しませんで、率だけ今の補助率を二分の一に変えて戴きませんと、二分の一の補助ができませんので今度お願いした次第であります。さよう御了承を願います。
#37
○中平常太郎君 この際傳染病の蔓延について大臣の御所見を伺いたいと思いますが、工場衞生の不備のために、主として私の考えるのは繊維工業が主でありますが、その從業員の大部分が女子でありまして、而もそれが習慣上今まで未婚の女子が皆工場に通うのであります。通う期間は大体において結婚期まで通うのでありまして、三年、五年を普通といたしております。それが皆溌剌たる生氣に満ちた血の躍つておるところの娘が、工場へ参りまして二、三年の中に実際青瓢箪になつて出て來るのであります。一囘出るときには格別変りないが、二囘目には既に早や浸潤の状態でおるのであります。さまざまな原因があるけれども、それが今度農村へ帰つて参りまして、純粹な綺麗な農村に入つて來て、これが休む状態は実に見ておれない。親は芋掘りに行き麦刈りに行つておるが、娘は白足袋をはいて座敷で寝ておるのが常態であります。それが一村に初めの間は一人、二人という状態であつても、最近はどの村に行きましても、これが非常に結核の蔓延の誘因をなしておるのは、工場の方から貰つて來るのが主たる原因になつておるのでございます。然るに工場の方におきましては、実際入社する場合に適当な健康診断をやらない。健康診断をやつてこれを使い、毎月健康診断をやつて、予防衞生に向つて十分にやるなれば、私はそれ程までに病体になつて帰すことは少くなるだろうと思うのでありますが、工場はそういう方面には極めて形式的でありまして只募集のときには様々な美辞麗句を並べて募集いたしますけれども、行つたところの娘達は誠にのらのらと実に野良犬の如き状態で寄宿舎に轉がつておる。自堕落極まつた状態におり、そうして非衞生な生活を何年か続けるのでありまして、親から離れたところの若い娘は、思わず知らず節制を誤つてしまつて、殆ど野良犬の如き状態で、野性ばかり発達するという状態になつております。そうして工合が悪くなりますと、今度は親の方に手紙を出して、家へ帰ると言います。親の方は早速連れて帰る。会社の方は喜んで出してしまう。而も後は顧みない。これが常態であります。生産の上におきまして未婚の女子の働きは非常に日本におきましては産業上において重大な役目を持つておりますが、その労働力を買うなら宜しいけれども、体まで買つてしまつて弱体にして帰すということは誠に許すべかざることであると私は思うのであります。これは一般に繊維工業において主におこなわれている状態でありまして、而もそれが結核に傳染して農村へ帰つて來ましても、村でこれを健康診断をして入れるという設備がない。而してそのまま家庭に入つてしまつておる。それが積り積つて親にもうつり弟にもうつり、娘にもうつるというようなことになつてしまうのでありまして、現在ではいかに麗わしい農村におきましても肺結核だけは人並みに、どの村でも都市に比例したほど農村に多いのであります。これは帰するところは工場衞生の不備或は経営者の工場衞生を履行しないというところから起きているのでありますが、只結核予防法なんといつて規則のみ嚴格にいたしましても、これを履行するところの人がこの規則に從つて、履行しなければなんにもならないのであります。履行するかしないかということにつきまして何ら制裁がない。私はこの点に対して実に遺憾に堪えんのでありますが、大臣におかれましてはこれに対してどういう考えを持つておられますか、將来工場衞生に対してもつと一層深い関心を持つておられますか、或は又そういう者の健康状態に対してどういうふうな予防の処置をお採りになるお考えでありますか、これをお伺いいたしたいと思います。
#38
○國務大臣(一松定吉君) 中平委員の繊維工場における未婚の女子が、最初採用せられた当時には、健康体であつたものが、就職後二、三年経てば、青瓢箪になるというようなことのために近來非常に結核に関する患者が多くなつておる。工場で働けないようになると、地方の父兄に引渡される。地方に帰れば、両親、兄弟は野良仕事に出ておつても、自分らは白足袋で家に寝轉んでおるというようなことが近來非常に多くなつたという御意見でありましたが、実際その通り私も認めております。そういうようなことはこれはつまり工場の設備が良くないということは勿論その一端でござりませうが、それと同時にこのいわゆる保健衞生という面に関しまする施設が十分でない、又國家のその点に差し伸ばしたところの手が十分に行き届かなかつたというようなことも重大なる原因であると思うのであります。そういうようなことはどうしても國家として、これは是正しなければなりません。それがいわゆる今囘の保健所法というものを改正いたしまして、今まで保健所というものの仕事は、只指導ということに重きを置いておつたのでありまするが、今度は必要な事項までもその仕事を拡大強化いたしまして、そうして地方に何百ヶ所という沢山の保健所を拵えて、それに衞生の各種の施設を設けて、國民の保健衞生に関する指導若しくは強化、或いはその他の拡充とかいうようなことに重きを置くようになつたのでございます。即ち保健所法の第二條の第十結核、性病、傳染病その他の疾病の予防に関する事項、それから第九の衞生上の試驗及び險査に関する事項というようなものを保健所の仕事に附け加えまして、そうして到るところにそういうような施設を設けて、かくの如き疾病の早期発見、若しくは既に傳染しておりまする者に対しては十分にこれを撲滅するところのいろいろの策を講じようという趣旨におきまして、今度の保健所法というものを改正いたした理由がそこにあるのでありまして、これにつきましては既に新憲法におきまして、國民の健康というものに対して十分に意を用いなければならぬ。施設を設さなければならんという建前からいたしましても、あなたの御趣旨は御尤もでありまするから、そういう点については政府は十分なる関心を持ち、施設の拡大強化を図りたい。かように考えております。
#39
○服部教一君 私も今度この委員の一人になりまして、かねて考えておるところをお尋ねも申し、それからこれは一つ我々も予算その他において、厚生省の大藏省に対する要求などについて加勢をして、そうして厚生事業の進むようにしたいとこう思うのであります。それで内閣はしばしば迭りまして大臣のお方は時々迭られるのでありますが、厚生省のその方の局に当られておりまする技師の方、責任あるお方が幾人かおられると思うのであります。つまり内閣が迭らうが、絶えずその問題について研究されておるお方があると思うのであります。そういうお方から懇談的に、只言い訳ということでなしに、懇談的にこういうことを困つておるということをお話になりまして私共は共に力を協せてやりたいとこう思うのであります。只非難したり攻撃したりだけではなんにもならん。それで当局の人達は予算について毎年御要求になる、それがなかなか思われる通りには行つておらんと思います。それで厚生省においても困つておられることと思うのであります。我々は代議士でありますから予算の問題等についてできるだけ一つお援けして、そうしてこの日本の公衆衞生がよく行くようにしたいと思うのです。私も知識は浅いですけれども、アメリカに二度行きまして、あちらの進歩しておる状況を見て驚いておるのです。それでなんとかして今度は日本は平和的に進んで行つて陸海軍もなくなるのでありますから、まあ今では進駐軍の費用もありますから、俄かにとは行かんけれども、これからこの厚生事業にも余程力を入れる、金をその方に入れてやらなければならんと思う。つきまして一つ率直にこれまでどういうふうに研究されておるのであるか、その点を専門家のお方に良く打ち明けて、聴きたいのです。それは今お話になつた工場における結核病の多いこと、これはもう多年の問題でありまして、これはその通りと思うのです。併しその原因についてはただ衞生施設が悪いとか、なんとかいうようなことだけでは私は納得できない。もつと科学的に本当に研究しておらるるところを聴きたい。又これまで十分に研究にならないならば、今後大いに研究して行きたい。今年だけではない又來年もありますから、それで我々もまだおりますし、できる限りこの点を特にやりたいと思う。そこで伺いたのは、どういう理由でああいうふうに田舎から出て來るところの娘が、繊維工場なんぞにおいてああいうふうに多く結核になるかということの理由です。それを一つ分つておる程度においてはつきりと知りたいのです。私共は常識的に色々考え、新聞雑誌等を読んで始終そのことを思つておるのでありますが、第一に考えなければならん点は過労の点です。身体さえ丈夫であつたら結核なの恐れるに足らんということを結核の専門の医者などはいうておるし、書物にもそういうことを書いておる。身体に傳染する欠点があるから傳染する、又傳染しても丈夫であつたら、それに耐えて行き又直すことができるということを多くの医者などは言うておるのであります。そうしてみるというと、どうしてああいうふうに沢山罹るのか、これをしつかりとした研究を知りたい。過労ということも一つだろうと思いますが、食物ということが第一、第一か第二か知りませんが、非常に必要だと思う。その点私は玄米食を十一年ばかり実行しておりまして、色々やつておりますが、この玄米食の問題は追つて私はこれを提案し、質問したいと思つておるから、今日はそれは申しません。玄米食を主張しておる二木博士、或いは矢追博士とか、その外私はこれに関する研究は随分多くの学者に就いてやりましたが、玄米食に限つたわけじやないけれども食物を良くすれば非常にいい、殊に玄米食なとがいい。日本人は脂肪質が足らんことが大きな原因でありますというようなことも聞いておりますし厚生省などがこれを科学的に研究して、しつかりとしたことを國民に示して貰いたいと思つておるのであります。示されておるかも知れませんが、若しそういう材料があるならば戴きたいのであります。それでこの過労と、それから食物、この二つが私は最も大きなる原因ではなかろうかと思う。そこで工場における食物をでういうように指導されておるものか、それでこの食物の問題は現在栄養失調問題などで一般國民にも非常に影響のあることで、これも又今日でないときに別問題としてお聴きしたいと思うのですが、今日は工場の今お話になりました田舎から出て結核を工場から持つて帰る。これは大きな問題であるから、その点に限つて私は申上げるのでありますが、その食物ということについてどういう科学的の研究を、在來厚生省が各工場における食物ということについて、どういうようにこれを研究されておられるのであるか、これを私はよく知りませんから一つこれをはつきり聴きたい。今日でなくても宜しい。食物関係がどういうふうになつておるか、それから労働時間などは段々制限されて、この頃はよくなつておる筈でありますが、過労という点について、これと結核病との関係をどういうように研究されておるのでありますか。この二つの点、その他にも色々あるでしようが、私はこの二つの点を非常に疑つておるのであります。それを一つはつきりと知りたい。又今後それをよく指導して貰いたいと思つておるのであります。どうか今お答え下されば結構でありますし、又今日でなくお調べになつた後でも宜しいのでありますが、この問題は大きな問題だと思うております。肺結核菌を田舎へ持つて帰るということ、それはさつき申されましたが、自分の村においてもそういう現象を見ておるのであります。ちよつとこの点をお尋ねいたします。
#40
○國務大臣(一松定吉君) 今服部委員の御質問の中で、詳細な具体的のことは事務当局から答えて貰いますが、大体のことについての私の考を申上げて見たいのであります。あなたが公衆衞生の抵下しておる我が國の現状に心を痛められて、どうかしてこれを欧米各國の線にまで引上げたい。こういうことの為に厚生省で色々考えておることで、実施面の上に障碍のあるようなことについては、自分等は國会議員とてお手傳いをして、それらの障碍を取除いて上げたい。こういうような御意見に対しましては、私感謝の意を表します。今お話のように厚生行政を運用する上におきまして、色々あなた方の御努力若しくは御誘導等に俟たなければならんことが沢山あるのでございますが、それらの点に対しましては徐々に又お願いすることがございますからして、どうか今あなたの仰せになりましたように、積極的に御賛助を願えますように、予めお願いをいたして置きます。それから工場の疾病を科学的に研究発表することが必要だ。これはいずれ事務当局の方にそういうようなものがありましようから、これは後で事務当局からお答えさして戴きますが、「私のごく素人考では、今まで工場における衞生施設というものが非常に好くなかつた。即ち通風だとか、採光だとか、室内の空氣の流通だとか、或はお示しの如き過労だとか、榮養だとかいうような点について、意の用いられることが十分でなかつたことがあつたでありましよう。そういうようなことは甚だ不都合なことでありまして、これが今囘御承知の労働基準法等において、労働者の健康をどこまでも保持しなければならんというようなことの為に、関心を持つて左様なことを防禦する規定があるのでありまするし、そういう点につきましては十分に私の方も所管に属しますることでありまするから注意してみたいと思います。又あなたが玄米食について十数年來非常に御盡力に相成つておつて、これを國民に奨励指導なさつたということは、あなたが代議士でありました時に私もよく承知しております。その御盡力に対して私も感謝をいたしておるのでありますが、こういう点に対しまして、これが栄養上どういうような成績を持つておるのであるかというような点に対しましても、何れ事務当局の方で関心があるでありましようから、お答えをすることにいたしたいのであります。要するにあなたの御質問は、今のような工場におけるそういう肺結核等がますます傳播して衞生に非常に悪結果を招來するということについて、これを科学的に研究してこれを発表し、而してその原因を衝いてこれを撲滅する施策を講じなければならんのではないかということが御質問の要旨であつたように考えますか、その点に関しましては事務当局から更に詳細に答えて貰うことにいたします。
#41
○政府委員(濱野規矩雄君) 大変有難いお言葉を賜わりまして大臣から申しましたように私らとしまして感激いたしておるのであります。結核の問題は全く重大問題でございまして、私も役人になりましたのが昭和七年、それ以來ずつと結核と一緒に行動を共にして今日まで参つておるのでありますが、昭和十二、三年頃からいよいよ情勢がむつかしくなつた時におきまして、結核に対する費用は國民一人あたり四銭三厘九毛という勘定でありますが、それを世界各國に、例えばドイツにおきましても、アメリカ、イギリスにおきましても約ツー・マルク、ツー・シリングという一円の單價になつておる結核を或る程度まで抑えて行きまするには一円内外の金が要ろと國際聨盟その他においていわれておりました時に、私たちの國におきましては安達前内務大臣の御盡力によりまして、ラジオの放送金が全部結核の方に寄せられました。それと約百万円の寄附金を加えまして、それを全部合わせて國民に割りますと四銭三厘九毛という金であつたことが未だに私の頭から消えないのであります。四銭三厘九毛の金を以て、一人あたり少くとも結核を撲滅するのに一円かかるという外國の例に対して如何ように我々が努力をするかという点については我々はいつも惱まされた問題であります。今度終戰になりまして、衞生の方面のいろいろな問題はやはり金を食うものであります。或る一定の程度の金を使わなければ、これほど重大な使命の問題、人の生命を預かつております問題はやはりそれだけの效果は挙り得ないということは一應考えますから、私共微力でありますが、できるだけ科学的に努力いたしましていわゆる私たちがいいます医術行政なるものを十分一同腕を相組みまして、そうしてこれから努力いたしてみたいと思いますので、何分とも御盡力、御鞭撻を願いたいと思うのであります。結核の蔓延につきましては、御承知の通り世界の國に例のない現状でございます。これは今数字としてお手許に差上げてありますが、人口一万に対して二十八幾らという数字になつております。この数字はどこの國にも例のないことであります。又昨年は少し下りまして二十三という数字、これはいろいろなものを推定しましたものでありますが、非常にどこを見ましてもひどいものであります。この間遠藤繁清さんがお書きになりました本の中に、結核を撲滅し得ない日本が戰争をしたのはどうかということを書いてございますが、アメリカにおきまして戰争中と雖も結核は滅つて参つております。まして撲滅し得ない國が戰争し、その間非常に殖えておる、敵の方が減つておるこういうようなところに日本の惨めさがあるのじやないかということをこの間自分の著書の中に書いておりまして感を深くしたのでありますが、非常な数であります。その一つの原因を私たち見ておりますというと、都市における結核は、明治三十二年以來日本では統計ができましたが、確かにずつと見ておりますが、都市における結核は若干ずつ減つております。農村における結核は多いのであります。これは昭和十二、三年頃から厚生当局といたしましては僅少の金を以ちまして今お話の農村に帰つて参ります方々の健康診断を強制的にいたしております。その時の率は今はつきり覚えておりませんが結核で帰つて來た者が約三分の二であります。要するに工場から帰ろうが、都会から帰りましようが、あらゆる所から帰つて來た者につきまして、医師会の方にお願いいたしまして健康診断をいたしました統計では約三分の二が結核であつたのであります。それで私たちがそういう村へよく見に参ります。参りますと、要するに処女地である村から製糸工場に賣られて行く、という言葉を使つてどうか知れませんが連れられて参ります。そこでその子供さんは、これをただ私たちの一番間違つていない医学的の常識から申しますならば結核に対して罹つておらん人、それが工場に入りましてそこで初めて罹るのであります。工場の中の衞生状態は御承知の通り余り完備したものではありません。いい会社等におきましては相当冩眞なといろいろなものがございますが、併しながらあの中におると暑さとか、いろいろな点から過労の面、又疲労の殖えるような條件に充たされたものが工場の内容でございます。又小さな部屋に数名づつ住まうのでありますから、そこで初感染なるものが起るのであります。全部の者を調べて結核に感染した者は、ピツクアツプしてのけておればいいのでありますがそうでありませんので、そこで結核に感染するのであります。結核に感染すると一年から二年の間が一番発病し易い時であります。その時期を過ぎますれば割合に発病せずに済んで行きます。感染してから約一年乃至二年の間が一番発病し易いのであります。昔脚氣なとが玄米食その他のことが行われなかつたために多かつたのでありますが、脚氣は十六、七の者に多いのであります。それを過ぎた者が結核年齢に入るのであります。それでそういう年頃の人が一番多人数の中に入つて行きます。それで丁度その感染した人が悪條件の下におりまして、加うるに榮養の問題は現在可なり、戰争の中頃から改良されましたが、昔はひどいものでありました。そんなような関係から栄養等の不足、過労、それから空氣の流通の悪い点などによりまして、結核におのずから感染する率が多くて、感染した者が発病いたしました。この発病いたしました者が氣管枝炎とか感冒とかいろいろな名前で、先程仰せの如く帰つて参つた。家へ帰りましても青白い顔をしております。そうするとその農村では工場に人を送らなければならんような農村でありますから、可なり困つておる農村であります。又多人数一つの家に住んでおります。ひどいのは万年床に住んでおるような人もございます。そういう人が不衞生的な農村に帰りますと、次々に感染して行つて処女地の人にうつるのであります。それで奈良縣と三重縣の境の或る村で全滅した所があります。全滅しますと村の人達は初めて知つたというようなことがあります。これらは或る期間じつとしておると栄養もよし、村の空氣もよし、又じつとちじこまりまして工場へも行かいない、その時期が十数年位続きます。そうすると又困難な時期が参りまして、又村の人が工場へ参る、この循環をどうしても切らなければ、結核は如何ようにもしようがないのであります。結核に対しましては今度保健所を設けましたが、保健所においては早期診断をいたしましてこれをみてやる。戰時中保健所が、工場衞生の方面のことも相当入りまして、この方面にも努力いたしまして、又今度保健所が活躍いたします。そこにおきまして徹底的に……これまでの工場医の方は、大変失礼ないい分でありますが、やはり工場医としてその工場からいろいろと面倒を受けておられますから、そういう指導その他については、利益本位でありますれば、若干困難であります。これと同じ現象を日本の紡績と非常に関係がありますイギリスのランカシア、有名な縣でありますが、これはやはりイギリスでも有名な結核の多い地方で、同じ條件を呈しております。併しながらリザント・コツクスという若い人がおりまして、結核については発病から癒つて行くまでの経過が大体分つておりますので、これに対しましては保健所その他が強力に入つて、又栄養の改善その他あらゆる問題について、要するにそういう点についてよく理解のある人が中に入つて指導いたしますれば割合に急速に囘復して行く尚結核に罹りますと、皆びつくりして慌てまして心配いたし、いろいろ迷信をいたしますが、これは避けなければならん。要するに結核に罹つた人を治しますには要するに安静、休息それから活動とをはつきり区別しなければならん。これをはつきりと会得した人が結核を克服したわけであります。こういう人は体から後光の出るような努力をした人であります。そういうよわけで結核に奮闘する医師の指導によつて直つて行くのでありますから、そういうことがおのずから分つて行きますことが結核を撲減する大きな途であると確信いたしておる次第であります。今後保健所並びに地方の人が協力いたしましてやつて行きますならば、又工場その他もそれに刺戟されて段々と悪い弊風が直つて行くのじやないかと思います。又結核の治療はどうしても患者を除けましてベツトに入れまして治療方法を本人に会得させることが必要であります。今度五万床程できておりますが、併しながら食糧関係で今のところ患者は約半分しか入つておりません。これは非常に残念でありますが、尚戰時中なくなつた長興又郎博士が中心になりまして学術研究会で作りましたBCGワクチンがございます。これについては二、三疑義があるという人もありますが、今日まで南百万人という者にやりました結果によりますというと死亡を八分の一に減ずることは統計上はつきりいたしております。これらのものが昔からありますが、使い方によりまして非常にうまく行くということを我々の先輩が発見して呉れました。又それを強力にやつて成績を挙げております。そういうような学問時なものを強力にいたしまして、どうか一日も早く結核でありますとか、その他のあらゆる傳染病、傳染病もこの頃減つた減つたといいますけれども、併し戰前の日本の傳染病から見ればまだ殖えております。加うるに日本の國内にまだ天然痘が出ております。発疹チブスが出ております。天然痘などは昔から日本には殆どなく、一人でも出ますと私共当局は本当に晝夜兼行で努力したものでありますが、この頃は毎日私の机の上に電報が入つて参るような次第でありまして、まだまだ私は衞生状態について非常に寒心に堪えないものがあります。教育と施設と正しい指導というものを保健所を中心にいたしまして、医師会の各位、その他と連絡を取つて一日も早く安心できるようにしたい。これにはどのように申しましても先程お話がございましたように全國民が協力して呉れなければならん。昔からずつと調べて見ますと、明治の初めにおきます衞生費用、昭和の日支事変の始まる前の衞生費用は縣に対するものは同じでありますが、それを縣費について見ますとどんどん減つております以前挾間衞生局長が調べたところによると僅に縣費の二パーセントの費用を以て縣民全体の衞生の費用とするということは困難じやないかと思います今後ともこの点については私共粉骨碎身努力いたしますが、どうか皆様方の御指導協力をお願いいたします。
#42
○小杉イ子君 昔松浦有志太郎先生は満州に行くと大変結核が多いと言つて帰つて來るが、満州ほど結核にならない空氣の所はないとおつしやつたことがあります。その原因は、満鉄には大変石炭があつて、部室を煖め過ぎるため肺が悪くなる、それほど部室を温くしておるのが結核の原因であるということをおつしやつたことがございますが、田舎では衞生思想がございませんので、よく痰唾を庭に吐きます。するとそれを鶏が好きなものでからつつつきますが、その肉から結核菌が出るかどうか、こういうことも研究の一つじやないかと思います。それからよく附近から法定傳染病が出ますと、蝿を取れというような綺麗なポスターが参りますが、私はこれは防止的なものであると思しまして、貼つたことがありません。これは予防的なものでなければならないと思います。蝿を取れでなく、蝿を生かさしてはいけないという方法でなければならん。蝿を取れというので朝鮮人が蝿をかつてそれを賣つたさうでありますが、そういう方法ではとてもできないと思います。私の所など空氣は通りますけれども、陽の当らない一番奥の悪い家におりますが、蝿も、蚊も、南京虫もおりません。又按摩など一度もしたことはございませんし、家族が多くても病氣をしたことはございません。それは蝿が來ないように、例えば家族でも汚い物をこぼしたりせず臭みがないと蝿は参りません。そこに注意して載くならばとこう思います。でいから台所その他を綺麗にし臭い物を置かないことが予防の一つじやないかと思います。それから予防的なものとしては寄生虫を防ぐこと、私は親の遺言で必ず月に一遍蛔虫下しを飲んでおります。併しこの頃はセメンが参りませんそうですから、殆ど効きません而も一服四十円もかかるのです。ところが医者なんか非常に冷淡なものだと思います。脱腸だというので切開して見たところ虫が出て來たという。そういうわけで勿体ない血を沢山吸われてをる。ですから蛔虫を下しなさい。虫下しを飲みなさいということについては、自分は派遣看護婦をやめてはならんということを痛切に思いまして、いろいろ新聞や雑誌に書いたりいたしておりますが、これも何か御参考にして戴けば結構だと思います。
#43
○河崎ナツ君 保健所にも関係することでございますから、併せて後で伺つてもいいと思うのでございますけれども、傳染病のことは結構でございます。保健所につきましてもいずれ結構なことなんで、できるだけ予算を取つて実施して載くことに違いないのでございまして、それにつきまして、先程ちよつと予算が傳染病の方は二百八十四万五千円といいますのは、三箇年平均において今年はそれだけで足りそうだということですか。
#44
○政府委員(濱野規矩雄君) とてま今年は足りません。
#45
○河崎ナツ君 今年は予算をもつと出してお置きになるのですか。
#46
○政府委員(濱野規矩雄君) 一應予算を組んでありますが、補充費途になつておりますから、それが不足いたしますと政府が出すのでございます。
#47
○河崎ナツ君 傳染病を予防します一番の問題は、これは色々ございますが先程の衞生局長さんのお話の中にもございましたけれども、いろいろ施設もすると共に、生活指導――指導という言葉を使つていらつしやいましたが、その指導の中の、殊に結核等のことは色色診て貰うと一緒に、日常の衞生生活もございますし、又病氣になつた後の療養生活、入院等がなかなかできないのですから、結局農村において困つておりますことは、家に帰つて生活の上において、傳染したり、治療がでぎなかつたり、色々するのでございますから、そういう生活指導というものが随分大事なことで、この保健所が今度その大きな使命を果して下さる意味におきまして、これは大事なことだと思つておる一人でございます。殊に保健所の生活指導におきましては、保健婦さんというものが非常に大事な、今迄に嘗つてないような大きな意味でもう一遍見直さなければならんと思うくらい重要な地位にございます。そういうような人達をできるだけ沢山置いて、結局予防生活、予防指導の一番尖端に立つ実践者が保健婦さんだと思うのでございますが、そういう人が今までの保健所ですと、ここで御発表のように六百五箇所保健所があるようでございますが、とにかく日本には足りない、今度沢山お殖やしになると思うのでございますが、その保健所が周囲の村及び町の人々の生活に結び付く、どう生活に入り込むかということが非常に大事なことで、今迄保健所のことは私も平生氣を付けて方々見ておる一人でございますけれども、なかなか離れておる。私は婦人の人々と生活のことを色々と氣を付けて話合つて見ておる一人といたしまして、何時でも保健生活を保健所に結び付けることについて骨を折つておるのでございますが、なかなか結び付かない。その結び付かないのを本当に結び付けるのが保健婦さんだと思つておるのでございますが、いろいろそんな意味で今度保健所をなさるについて良き保健婦を養成し、それから良き保健婦を沢山置くという費用ですね、結局費用にかかつて來ると思うのでございますが、そういう予算につきまして私共の立場から必要であることを要求したいと思つておる一人なんでございますが、そういうことにつきましての御予定と申しますか、又御計画と申しますか、そういう方面のことを併せてお伺いさせて戴きたいと思つておるのでございます。
#48
○政府委員(三木行治君) 只今保健所におきまする生活指導の面が重要ではないか、殊にその面における保健婦の仕事の意義は重大であるが、それについては予算的にどういう考慮をしておるかという御質問でございますが、生活指導の面につきましては、申すまでもなく、私共非常に留意をいたしておりまして、殊に衞生教育という形におきまして、良き生活習慣、衞生習慣を持たす、持つて戴くということが保健所の仕事の一番重要なる問題であると考えておるのであります。そうしてその衞生知識の普及徹底をやりますに当りましては、学校教育との連絡は固よりのこと、或は映画に、講演に、パンフレツトに、各種の方法を用いるのでありますが、その場合におきましても保健婦による個々面接の效果が最も適切であるということは、全く御同感に存じておるのでありまして、この度の予算におきましても、尚最後的なものではございませんが、財務当局と折衝いたしておりますところでは、大体一ケ所当りにつきまして現在八人の保健婦がおるのでありまするが、それが概ね十五人程度には増員できる、私共といたしましては尚不満足でありまするが、ともかく二倍以上に増加し得るということは一應いいことではないか、かように考えておる次第であります。
#49
○中山壽彦君 今保健所の問題に入りますが、保健所の方は私共も色々質問いたしたいことがありますが、御説明願つたほうがいいのじやないかと思います。
#50
○委員長(塚本重藏君) 時間が今十一時半で、引続いて保健所の方はだいぶ問題も多かろうと思います。
#51
○中平常太郎君 それじやあ今日はおやりにならんのですか。
#52
○委員長(塚本重藏君) 次囘にゆつくりやつた方がいいと思います。如何でしようか。
#53
○服部教一君 簡單に私短かい時間の間に申上げたいと思うのですが、どうも欧米に比べると日本は衞生知識が一般に普及していないように思います。先にいろいろ金の問題もありますけれども、金でなくとも、まだまだもつとやれる範囲が沢山あると思うのです。それでそのことを申上げますが、アメリカあたりの小学校を見て廻りますと食事前には必ず手を洗わし。その手は手拭いなんかで拭かせない、まあ物資の豊富な所でもあるからでもありましようが、皆一人に一枚づつ紙をやる、その紙で拭かしておる。そんなように一人々々に新しい紙をやるというようなことは日本ではできにくいと思いますけれども、それくらいに注意してやつておる。それからこれはアメリカでもドイツでもですが、家庭を廻つて見ると、主婦が日本で言うならば箸とかしやもじとか、そういうものの入れてある抽斗の中まで明けて見せる、そうして清潔に整頓されておることを外國人にでも見せて、それを誇りにしておる。日本なんかどうです。そういうことについての教育はできておりますか。汚くなつてうつちやつてあるのが多い。そういう細かいところまで注意して行かんとうわベばかりしておつては机上の空論になつてしまつて実行ができないと思う。それからその家の附近のぐるりの塵埃なんか、日本の町、日本の至るところ実に汚ない。これはもうアメリカでもイギリスでもドイツでもそれは綺麗なもんです。アメリカあたり一週間に一囘は必ず埃を取る。そうして容れ物に容れてある、あんな角に積んでない、ちやんと容れ物を出して、そうして一週間に集める日があつて、そのときにはすかつと持つて行つてしまう。家の附近に埃なんか溜まつておらん。痰唾なんか吐くと罰金を取るようになつておる。日本なんかこの頃は殊に紊れてしまつておる。停車場でも何処でも痰壷なんかの具え附けというものは甚だ不十分である。公衆風呂なんかでも、風呂の中で身体を洗う誠に汚い。これらに対してどういう注意を與えておるか。それから方々で賣つておる飲食物です。アメリカあたりは、ちやんと檢査しておる。日本にはどういう檢査が行われておるのか。あれを食つて病氣に罹つたりいろいろしておる飲食物に対する檢査は行き亙つておらんと思う。ああいうことをもつと徹底的にやつて貰いたいと思うのであります。それから先程蛔虫の話がありましたが、その他傳染病の知識、そういうことについても日本は家庭の婦人でも一般の人の知識が、黴菌ということに対する知識が普及しておらんと思う。それから食物でもアメリカあたりであるというと、ちやんと家庭の婦人が調理場の側に表を作つて、どういう食物は脂肪がいくらあるとか、蛋白質がいくらある。ビタミンAはいくら、Bはいくらある、Cはどのくらいかという表を作つて懸けてある。日本ではそういうことに関する、例えば栄養知識というものは普及しておらん。又厚生省などはそういうことについてどうする積もりであるか。その点細い点を実行するように一つやつて戴きたいのであります。手も十分足らんということも一つ理由かも知りませんが、一つどうか足らなければ足らんように足らす方法を講じて、もつと綿密に衞生知識というものを國民に普及するようにして戴きたいのであります。そういうことはやつて見ればまだ沢山あることであります。実に私はこの日本の汚いことに驚いておるのであります。どうか宜しくお願いします。
#54
○政府委員(濱野規矩雄君) 大変有難とうございます。お説の通り衞生方面には予算がなくてやつて行けます。こういう宣傳教育のものは多分にございます。これに対して仰せの如く努力して行きたいと思うのですが、只今私共といたしましては、ラジオの中に先程お話がありました蝿を取るとか、そういうようなことを加えさしておるのでありまして、四六時中やらしておるのでありますが、仰せの通りなかなか日本人は衞生に対しましては無関心の点が多いのであります。戰争中の話をしては誠に恐縮でございますが、もう少し日本の兵隊が衞生知識があつたらもう少し強い戰争ができたということを曾て軍医がいつておつたのであります。同時にもつと日本の兵隊が科学的の知識を持つていたらもつと強い戰争ができた。これを私らが聞かされて残念でもあり、又それは衞生当局者として反省しなければならん点であります。これはどうしても衞生を教えて行かなければならないのでありまして、これには私よくいいますが、到るところで話し、又は國会議員各位におかれましても、厚生関係の方のみならず、すべての方が到るところでこれを御指摘になり、御指導願えば非常に私たち有難い。例えば結核の問題ですが、結核があつて診断すれば、これは熊本のことですが、すぐお医者の所から退いてお灸に行つてしまう。どのようなことをいつても仕様がない。ついこの間ですが、ラジオで私たちの時間に、福島縣の保健婦と思いますが、私たちの言葉の中でいつておりましたが、村で赤痢患者が出るというと、忽ちにして疫病神の紙がずつと貼られる。それで神社へ行つて、おかみさんたちがお詣りに行つてお札を貰つて來て貼ります。そのお詣りに行く時間で一つ手を洗うとか何かをして貰いたいと叫んだ保健婦さんに感心しました。福島縣にこの人を調べてくれと話しましたが、到るところでこういう問題が起きて來ればいい。で私達が取扱つておる結核とか花柳病につきましては、まづ六三の三の子供に私達強力に指導して然るべきでないか。特に女の方に対して強力に指導したい。でこの女の方々、六三の三の方が一番分ると思いますが、この六三の三の方々に強力に、今特に婦人の方とに強力に入つて貰うべく考えていたしておりますが、要するにこの方々が立派な人になつて、自分の旦那さんに対して立派になりましようし又自分の子供に対して立派に仕込んで行く。やはり衞生は若干習慣でございますので、例えば先程満洲のお話がございましたが、満洲では寒いですからどうしても戸を閉めます。戸を閉めるから乾燥しておりますから、先程と同じように一人結核患者があればその人達が罹るのであります。逆に南方におきましては割合結核の発病した人は早く死にますが、罹る率は南方では少い。これは皆開放しておるからであります。先程鷄が痰を食うから、鷄を食と結核になるというのですが、これは心配ないと思います。牛とかあらゆる動物に結核はありますが、人間の罹る結核菌とそれとは違います。又鷄の食つたのが入つてくるものでありません。鷄の中に人間の結核菌が入るとは考えません。併しながらそういうことに対して御注意なさることは結構であります。この注意力が非常に少いので先程外國の話もありましたが、私も外國に行つておりましたが、手を洗う外一番感心したのは小学校の先生方が子供に午睡をさせます。日本の小学校の先生は午睡時間にはどうかというと、皆外へ行つております。私が行きまして、隈なく見ましたら、午睡する学生の傍で先生はじつと座つて見ておられる。その子供がねないで動けば、あと保健婦さんに見さして、どつか身体に故障がないか。故障がないというならば、その子供に附いてその家庭に参ります。家庭に参りましたら、どうして子供が昨夜ねなかつたか。何か出來事があつたかというと、夫婦喧嘩をして子供がベツトの下で小さくなつておつた。そういうことはお止しなさい。子供さんこれだけねませんでした。私はこの実状を見て、ああ進んでおるなと思うのですが、おのおのその職務に向つて忠実に盡しておる。これは單り私達がいろいろ申上げますのではなく、皆様方各位から金の掛からない教育、これが日本で一番望ましいものと思います。蛔虫の問題、あらゆる問題、今日は時間がございませんが、私達の方も氣を付けますが、要は六三の三の女生徒の方に努力を向けて行きたい。私達がやつておる傳染病予防のことはこの女性の方に一番強力に保健所と連絡を取つて行きたい。そうして男女同権といろいろ申しますが、まだ女の方はどつちかというと控え目の方がありますが、一つ衞生問題で男の方を凌駕して貰いたい。そうしてその方々が家庭人になれば、御主人に対しても子供に対しても立派に指導されると思います。そこに男女同権の立派なものができると思います。それでこれはあらゆる金の掛らんことで極力努力するとして、どうか各位におかれましても到るところで叫んで戴きたい。そうしませんと、どうしても分つたようで分からんものであります。いくら予防注射をしても出てこないのが、小学生の先生の御家族が出て來ない。子供さんはするが、なかなか家族は出て來ない。自分の子供だけ帰してしまうということが多々あるのであります。どうかこれから、いろいろ科学的の研究もいたします。またいろいろと施設は莫大な金が掛りますが、仰せの通り金の掛らんものに対しては指導をする。殊に六三の三の女子に向つて強力に進めて行きたいと思います。
#55
○中平常太郎君 ちよつと一言御参考までに申上げたいと思います。戰争前には都市衞生のみを扱う都市衞生組合連合委員会というものがありまして、私はそのために毎年東京に参りまして……東京或いは京都なりで大会を全國に開いていたのでありますが、やはりそれは都市衞生の不完備を痛感したものがそういう状態になつて、都市衞生組合連合会というものが十一囘まで開かれたのでありますが、戰争になつて交通機関その他の関係で止めてしまつたのであります。先頃大臣は都市衞生法を制定する意思が今のところないと仰しやつたのでありますが、都市衞生組合の連合会には、いつも大臣なり次官なりが見えて激励演説をなさつておるのであります。それくらいに早く久しき以前から都市衞生の問題は重要視されているのでありますから、適当の機会が來たならば大臣は都市衞生法を制定するというお話があつたのであります。そのことに対して大変期待いたしております。どうかお取調べ願いまして、都市衞生が如何に農村と違つた立場において悪化しているかということを十分にお考えになりまして、この点は善処していただきますことを切にお願いいたして置きます。
#56
○國務大臣(一松定吉君) 中平委員の戰争前に都市衞生組合連合会というものがあつて、都市の衞生思想の発達助成その他の事柄について貢献が多かつたという点については、私大変感謝しておつたのでありますが、戰争後こういうものがどうも中絶しておるようであります。こういうような組織はこれは私も必要だと思いまするし、いずれ又そういうような組合を拵えまして、これらのものが大いに衞生上に貢献せられるという機会がありますれば、私喜んで出席いたしまして、できる限り御協力申上げたいと考えておるのであります。先刻の中平委員の御質問は、都市衞生法を設定する意思ありや否やというお話でありますから、只今のところではそういうことは考えておらないが、若しそれが必要であるということであれば、厚生省としては勿論そういうことは率先してやらなければならぬとこう申上げたのでありますから、その点を一つ悪しからず御了承願いたいと思います。
 私はどうも日本人に衞生思想が乏しいという点につきましては、先刻服部委員からの御主張にもありました。又予防局長からの答えもありました。その他各委員諸君からのいろいろの御質問がありましたけれども私それは御尤もだと思つて、実はそれらの点について痛感しておる一人であります。例えば日本人が風呂に入るときに、手拭を持つてすぐ風呂の中に入つて、中でごしごしこするというような習慣などは、私どもは自分は風呂の中に手拭を持つて入つて、手拭でごしごしこすつたというようなことはないが、そういうことを一つ矯正して日本人のこういう悪習を直したいと思うことが随分ある。殊に宿屋などにおきまして、一緒に混浴しておりますときには特にそれを感じますが、併し自分は風呂の中で手拭を使わんから、お前も使うなということは、のどまで出ておつてもいえない。こういうことが常に私は多くあつたのでありますが、そういうことも一つ厚生委員の皆さんにおかせられましても、同感であらうと思いますから、なんらかの方法によつて、こういうことも宣傳をして、日本國民はただ風呂の中では身体を暖めるだけで、洗うのはその外で洗う、そうして又中に入るというようなことにでもすると、非常に私は衞生思想の発展だと思つておるのであります。又私特に実は田舎を歩いて見まして痛感しているのは、寝床の取りつ放しというところがある。話を聞いたり、見せられたりして驚いているのであります。ちよつと朝起きて寝床を上げて、日光の照つているときに、それを日光消毒して夕方取れば綿もふくらんで、寝心持もよし衞生思想に適合するが、そういうことはちよつと氣を付ければできるであろうと思うのでありますが、田舎ではいろいろ忙しいこともあろうと思いますが、そういうことには余り関心を持たれておらんということは、衞生思想が十分発達していない証拠です。特に私ども寧ろ痛憤するのは、旅行などするときに、汽車に乗つて便所に行つて水が出ない。而も東京から鹿児島まで長い間、一滴も水が出ないというようなことはこれはどうも運輸関係において甚だ不都合だと思いまして、これは私も運輸大臣に閣議ででも一つ異議を申し込もうと思つているのでありますが、そういうようなことは今の服部君の手を洗うときに綺麗な水に吸収する紙を云々なんということと三晝夜も旅行するのに、手を洗う水がないというようなことと比べると、いかに欧米各國に比して日本が、衞生思想が劣等であるかということを痛感しているのであります。こういうようなことに対しましては、厚生省の主管大臣といたしまして特に私は注意をいたして、こういうことなからしめて、欧米各國に比べて衞生思想が優るとも劣らんというような域にまで進めたいと考えているのであります。どうか皆様におかせられましても、各方面において御協力を賜りまして、機会ある度毎に、一つそういうことを宣傳をし、國民の衞生思想が向上発達するように、相互いに手を握つてこれを是正いたしたい。かように考えておるのであります。
#57
○千田正君 先程からいろいろお話がありましたが、ちよつとお伺いしたいのは、この傳染病の施設に関する問題につきまして都市のお話を大分伺いましたが、農村その他漁村においての問題としまして先般日本医療團の解散という問題ができておつたのですが、日本医療團が解散した。その施設を各府縣に、或いは厚生設備におけるところの今の傳染病の収容とか、その中の、厚生設備に使用すめ面において、厚生省の方では何かお考がございますでしようか、如何でございましようか。
#58
○政府委員(濱野規矩雄君) 私から代つて、これは私の所管事項じやございませんがお答え申上げます。医療團の施設は一應縣の方に返しまして、縣とよく協力して、縣の使えるようなものは使う。こういう恰好取つております。
#59
○千田正君 今のあれは厚生省の、例えば傳染病の予防に関することに対して、なんらかの特別の予算が出た場合に、突発的に傳染病が出たような場合特別なそうした予算を縣民の一部負担といいますか、或は國家に負担させるというような手があると思いますが、なんらかその邊についてお考えがございすか。
#60
○政府委員(濱野規矩雄君) 今のは厚生省の医療團の設備を一應整理いたしまして、これから結核療養所は全部國の方へ移讓いたしまして、各地方の状況を見まして、全部そういう恰好で今整理いたしております。
#61
○委員長(塚本重藏君) 本日はこれを以つて散会いたします。次会は八月一日午前十時から続行いたしたいと思います。
  午前十一時四十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     塚本 重藏君
   理事
           谷口弥三郎君
           宮城タマヨ君
   委員
           内村 清次君
           河崎 ナツ君
           中平常太郎君
           草葉 隆圓君
           中山 壽彦君
           安達 良助君
           木内キヤウ君
           小林 勝馬君
           藤森 眞治君
           井上なつゑ君
           小杉 イ子君
           服部 教一君
           姫井 伊介君
           穗積眞六郎君
           山下 義信君
           千田  正君
  國務大臣
   厚 生 大 臣 一松 定吉君
  政府委員
   厚 生 技 官
   (公衆保險局
   長)      三木 行治君
   同
   (予防局長)  濱野規矩雄君
ソース: 国立国会図書館
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