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1972/11/08 第70回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第070回国会 運輸委員会 第2号
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1972/11/08 第70回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第070回国会 運輸委員会 第2号

#1
第070回国会 運輸委員会 第2号
昭和四十七年十一月八日(水曜日)
    午後一時四十九分開議
 出席委員
   委員長 細田 吉藏君
   理事 江藤 隆美君 理事 佐藤 孝行君
   理肇 徳安 實藏君 理事 内藤 良平君
   理事 田中 昭二君
      奥田 敬和君    小峯 柳多君
      河野 洋平君    坂元 親男君
      關谷 勝利君    塚原 俊郎君
      福井  勇君    増田甲子七君
      松本 十郎君    金丸 徳重君
      久保 三郎君    斉藤 正男君
      宮井 泰良君    内海  清君
      寺前  巖君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 佐々木秀世君
 出席政府委員
        運輸省船舶局長 田坂 鋭一君
        運輸省鉄道監督
        局長      秋富 公正君
 委員外の出席者
        運輸委員会調査
        室長      鎌瀬 正己君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月八日
 辞任         補欠選任
 小此木彦三郎君     奥田 敬和君
  河野 洋平君     坂元 親男君
  國場 幸昌君     松本 十郎君
  田代 文久君     寺前  巖君
同日
 辞任         補欠選任
  奥田 敬和君    小此木彦三郎君
  坂元 親男君     河野 洋平君
  松本 十郎君     國場 幸昌君
  寺前  巖君     田代 文久君
    ―――――――――――――
十一月七日
 気象業務の整備拡充等に関する請願(坂井弘一
 君紹介)(第二四二号)
 同外一件(広沢直樹君紹介)(第二四三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
十一月八日
 都市モノレールの整備の促進に関する法律案(
 中村梅吉君外十五名提出、第六十八回国会衆法
 第四四号)
は委員会の許可を得て撤回された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案(
 内閣提出、第六十八回国会閣法第九八号)
 都市モノレールの整備の促進に関する法律案(
 中村梅吉君外十五名提出、第六十八回国会衆法
 第四四号)撤回の件
 都市モノレールの整備の促進に関する法律案起
 草の件
     ――――◇―――――
#2
○細田委員長 これより会議を開きます。
 この際、運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。佐々木運輸大臣。
#3
○佐々木国務大臣 ただいま委員長から発言を許されまして、委員の皆さま方に二百おわびとごあいさつを申し上げたいと存じます。
 去る六日の未明に起きました北陸本線の事故並びに日航機のハイジャック問題、あるいは引き続きまして九州の日田彦山線の火災事故と、相次ぎましての不祥事件を起こしまして、皆さま方にたいへん御迷惑をかけまして、何ともおわびの申し上げようもございません。この詳細につきましては、加藤政務次官より皆さま方に御報告を申し上げたと聞いておりますが、私は、六日の予算委員会の途中におきまして、予算委員会のお許しをいただき、また、運輸委員長の御了解をいただきまして、六日午後四時の新幹線で現地に参りました。何せ、汽車でございましたので、飛行機があのような状態で飛び立ちませんので、現地に着きましたのが午後八時ごろでございました。さっそく御遺体の安置されております三カ所を訪問いたしまして、ねんごろに御焼香をいたし、御遺族の方々を御慰問申し上げましたのですが、遺体が各地に分かれておりましたので、終わりましたのが夜中の二時過ぎ三時ごろになりまして、この日は負傷者の方々をお見舞いすることができませんでした。引き続きまして、昨日は、何百人という負傷者がございますものですから、そのお見舞いを申し上げまして、昨晩おそくまでできる限り努力してお見舞いを申し上げましたが、ただ、幸いにだいぶ軽い方もおられますので、自宅に帰られた方のありましたことは幸いでございました。
 結果的に、私申し上げますと、敦賀のほうには六カ所の病院で百三十九名、武生の病院で百三十四名、合計私が一人一人お見舞いごあいさつをして回ったのが二百七十三名でございました。この方々は非常に焦燥の念にかられておられた方もおられますし、看病なさった方々にもよくお願い申し上げまして、先ほど十一時五十分の東京着の全日空の飛行機で帰ってまいりました。また、お世話になりました市役所とか、警察とか、消防とか、この方々の必死の御協力を賜わりましたので、非常な災難を受けられた方々を思った以上に助けることができたということでございますから、このお礼も十分いたしてまいりました。
 こういうことで、もうすでに御承知のとおり特別監査の者も出しましたけれども、それだけでは足りませんので、ただいまこちらに参ります前に、ちょうど十二時二十分に国鉄総裁を私の部屋に呼びまして、警告書を渡してまいりました。非常にたいへんなことでございますので、私をはじめとして、こうした仕事に携わる者はほんとうに一丸となって再びこのような事故を起こさないように心を引き締めることが第一である、こういうことを考えましたので、警告書を手渡して、そして全員に徹底せしめるように申し渡しをいたしまして、こちらに参ったような次第でございます。今後ともあらゆる万全の処置を講ずるつもりでございますので、以上申し上げまして、六日から今日までの経過につきましては、加藤政務次官の報告を御了承いただき、また、今後とも何とぞ皆さま方の御指導を賜わりたいと存じます。
 以上で発言を終わります。
     ――――◇―――――
#4
○細田委員長 第六十八回国会から継続審査となっております臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案を議題といたします。
#5
○細田委員長 本案につきましては、第六十八回国会におきましてすでに趣旨説明を聴取いたしておりますので、これを省略したいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○細田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#7
○細田委員長 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。斉藤正男君。
#8
○斉藤(正)委員 提案されました臨船調法につきましてはすでに議了をいたしておるわけでございますが、本案の採決に先立ちまして、私は船舶建造に関する国辱的なといっても言い過ぎでない問題が発生をいたしておりますので、この問題につきまして若干お尋ねをし、当局の考え方を伺いたいと思うわけであります。
 すなわち、十月十九日の新聞紙は、船舶建造に関連をして、いわゆる欠陥船が大量にあったということを運輸省みずからが発表し、関係当局に対しましても重大な関心を持たせたということでありますけれども、われわれはこのような問題につきましては、船舶建造関係の議案あるいは一般質問等々において強くその点を指摘をし、そのようなことが起こる心配、危険性が多分にあるということで実は要求をし、追及をしてまいったわけでありますけれども、残念ながら私どもの追及やあるいは予告は現実のものとなってあらわれました。当時の新聞発表を見ますと、いずれもたいへんな報道でございまして、ある新聞は「大型船に大量欠陥」「6隻き裂54隻に疑い」「下請工員が手抜き溶接作業」「運輸省石播・川重に警告」というような見出しであります。ある新聞はまた「“造船王国”大きな汚点」「孫下請けも黙認・30年代拡張期」「無視できぬ国際的影響」といったような見出しが出されております。しかも関係メーカーは何の抗弁もできません、全く申しわけないということで頭を下げっぱなしでありますけれども、造船王国日本が世界の船舶の需要にこたえて、ずいぶん早いスピードで、ずいぶん大きな船をしかも多量に建造をし、輸出に狂弄したことは御承知のとおりでありますけれども、この造船王国日本にこのような問題が発生をしたということは、まことに世界的に汚名を着たということになると思うのであります。
 したがいまして、今回の臨船調法成立にあたりましても、私どもは前々から強く要求し、強く指摘してきたこの問題の対策が当然確立をし、明らかにされなければならぬと思うわけであります。幸い大臣も御出席でございますので、大臣の見解をまず伺い、そして具体的にどこに問題があったのか、その問題点をどのようにしたのか、船舶局長からお答えをいただきたいと思うわけであります。
#9
○佐々木国務大臣 お答えいたします。
 運輸省といたしましては、従来より良質の船舶を建造するように造船所の指導を行なってまいりました。しかし今回、通常考えられないような非常識な内容の手抜き工事が発見されましたことは、まことに遺憾に存ずる次第でございます。
 これらの手抜き工事は、当該造船所の品質管理体制に問題があるものと考えられます。安全上はもちろんのこと、わが国造船界の国際信用を堅持する立場からも、再びこのような事態が発生することのないよう厳正な態度で本件を措置するように命じておる次第でございます。
#10
○田坂政府委員 ただいま大臣からお話がございましたように、本件の基本的な問題は当該造船所の品質管理にあったと考えます。
 そこで、当面の措置といたしまして、三造船所に対しまして、学識経験者、東京大学の教授二名、私どもの局の担当者二名並びに海事協会の技師二名を選びまして、調査団を派遣いたしまして、現在の当該造船所の品質管理体制につきまして詳細な調査に当たらせました。幸いにいたしまして、現在におきましては、このような不祥事が起こるというような心配はないということでございます。それにいたしましても、十分念には念を入れる必要があろうということで、明年早々、一月十五日から全造船所の品質管理体制につきまして総点検を行なうことにいたしております。
#11
○斉藤(正)委員 大臣から監督官庁としての決意の披瀝があり、局長からも具体的な問題につき、不十分でありますけれども御答弁をいただきました。ときがときだけに、私はこれを深追いするつもりは毛頭ありませんけれども、新聞報道等によりますれば「また浮かぶ20次造船」「“ぼりばあ”と同期が多い」というような見出しもございますし、特に船舶局長は新聞発表をして「ぼりばあ丸」は関係ないというようなことをあえて言っていて、こんなこと局長が言わなければ別にどうこうないのですけれども、「ぼりばあ」はほかの原因だったのだということをいかにも申しわけがましく言っている。これじゃ「ぼりばあ」もあやしいのだと、われわれはすなおに考えてもそうとらざるを得ない。「ぽりばあ」の遭難当時、私どもは造船工業界の実態につき、そうしてまた造船会社の実態につき、あまりにも下請が多い、そしてまた労働条件も悪い、低賃金だ、重労働だ、また危険な職場だというようなことも口をすっぱくして要求し指摘もしたところでもあります。したがいまして、大臣や局長の通り一ぺんの答弁で私はこの合理化、近代化、そしてまた輸出に追われての工事の急ぎといったようなものは解決できるものではない、徹底的なメスを入れる時期がきているというように思うわけでございますので、きょうは深追いはいたしませんけれども、大臣からさらにそうした問題に関連をした御決意のほどを伺って質問を終わりたいと思います。
#12
○佐々木国務大臣 斉藤先生御指摘のとおり、海国日本の名誉にかけて、再びこのようなことのないように、十分今後ともに厳重な注意をいたさせます。
#13
○斉藤(正)委員 終わります。
#14
○細田委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#15
○細田委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
 臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#16
○細田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものを決しました。
 おはかりいたします。
 ただいま議決いたしました本案の委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○細田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#18
○細田委員長 この際、政府から発言を求められておりますのでこれを許します。佐々木運輸大臣。
#19
○佐々木国務大臣 ただいま、臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案について慎重審議の結果、御採決をいただきましてまことにありがとうございます。
     ――――◇―――――
#20
○細田委員長 この際おはかりいたします。
 第六十八回国会より継続審議となっております中村梅吉君外十五名提出の都市モノレールの整備の促進に関する法律案について、提出者より撤回の申し出があります。本案の撤回を許可するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○細田委員長 御異議なしと認め、撤回を許可するに決しました。
     ――――◇―――――
#22
○細田委員長 都市モノレールの整備の促進に関する法律案起草の件について議事を進めます。
 本件につきましては、過般来、理事会等におきまして御協議願っていたのでありますが、先刻の理事会におきまして協議がととのい、お手元に配付いたしておりますとおりの起草案を作成した次第でございます。
#23
○細田委員長 その趣旨及び内容につきまして便宜委員長から御説明申し上げます。
 まず、その趣旨について申し上げます。
 都市における交通事情は、人口と産業の集中及び自動車の増加に伴い、通勤、通学交通の混雑、道路交通の渋滞など、著しく悪化しております。このため、交通空間の有効な利用及び効率的な輸送機関の整備の観点から、都市モノレールの整備を促通し、交通の円滑化をはかり、もって公衆の利便の増進に寄与しようとするのが本案起草の趣旨でございます。
 次に、本案の内容の概要について申し上げます。
 第一に、都市モノレールとは、主として道路に架設される一本の軌道げたに跨座し、または懸垂して走行する車両によって人または貨物を運送する施設で、一般交通の用に供するものであって、その路線の大部分が都市計画区域内に存するものといたしております。
 第二に、都市計画区域内に存する都市モノレールの路線については、都市計画において定めることといたしております。
 第三に、国及び地方公共団体は、都市モノレールの整備の促進に資するため必要な財政上の措置その他の措置を講ずるようつとめなければならないことといたしております。
 第四に、道路管理者は、都市モノレールについて都市計画が定められている場合において、当該都市モノレールの路線にかかる道路を新設し、または改築しようとするときは、当該都市モノレールの建設が円滑に遂行できるよう、十分な配慮をしなければならないことといたしております。
 以上が本案の起草の趣旨及び内容の概要であります。
    ―――――――――――――
#24
○細田委員長 本起草案に関連し発言を求められておりますので、これを許します。斎藤正男君。
#25
○斉藤(正)委員 ただいま委員長から読み上げられました都市モノレール法案の成立を前にして、この際、若干運輸省にお尋ねをいたしたいと思います。
 と申しますのは、本法案によりますれば、助成規定が明確にあらわれておりまして、今後の都市輸送につきまして一つのあるべき姿を端的に表現をしているということで、まことに自画自賛になりますけれども、けっこうな内容であろうと思うわけであります。
 私がお尋ねしたいのは、実は新しくつくられるこの都市モノレール法案にこのような助成規定があるにもかかわらず、すでに各地で工事が行なわれておりますし、また完成をいたしておりますけれども、いわゆる大都市交通機関としての地下鉄に対して、大幅な国並びに地方公共団体の助成がはかられておりますが、この地下鉄に対する助成につきましては、法律による裏づけは全くないわけでありまして、運用面で予算的な措置が講ぜられるということにすぎません。私ども日本社会党は長い間この地下鉄の建設にあたって国費並びに公費の助成を要求をし、法案も用意をしたところでありますけれども、何かあとのカラスが先になって、一方は法律的な根拠はないのに便宜上予算措置を講じている、都市モノレールについては法律でこれが規定されているということで、矛盾を感ずるのは私一人ではないと思うのであります。この際、当然地下鉄等に対する助成についても法案を整備すべきだ、このように思うわけでありますが、大臣には最後に伺いますので、ひとつ局長のほうからお答えをいただきたいと思うわけであります。
#26
○秋富政府委員 先生の御指摘のとおり、地下鉄につきましては三十七年以来助成の方式をとってきているわけでございます。そしてさらに四十二年からは一〇・五%助成をしている。さらに四十五年からは五〇%の助成方式をとってきているわけでございます。これにつきましては、御指摘のように法律上の助成規定というのはございませんで、予算上の措置として、しているわけでございます。これまた先生よく御承知のとおりでございますが、助成につきまして必ずしも法律的根拠がなくても賛助できるわけでございまして、現在までやったわけでございますが、私たちとしましては御指摘のとおり地下鉄につきましてもさらに助成を強化すべきであると思っておりまして、来年度はさらにこの助成の強化をはかりたいと思って、現在予算上でございますが要求をしているところでございます。
#27
○斉藤(正)委員 大臣、解散必至といわれるこの国会の、しかもいまの時点でなぜ都市モノレール法案を上げなければならぬのか。私どもがつくったわけでございますから大臣にお伺いするのもおかしいのでありますけれども、大臣はこの法案があるとないとでは――運輸省政府筋はあったほうがこういう点でやりよいんだ、なくてもいいとお考えですか。あったほうがいいというのですか。あったほうがいいというならば、その理由は那辺にあるのでございましょうか。その点を伺いたいと思います。
#28
○佐々木国務大臣 これは法律を出される方々のお考えでございまして、私のほうはそれに対しましてやはり皆さんの考え方を尊重して、そうして行政的にこれを行なうという私の立場だと思います。しかし何をさておきましても、いずれの立場を問わず、都市交通の現在の状況を緩和するということについては一致しているはずでありますから、あるほうがけっこうだ、こう思います。
#29
○斉藤(正)委員 十分おわかりのようでございますので、もう一つだけお尋ねをして私の質問を終わりたいと思いますが、この法律案におきましては「国及び地方公共団体は、都市モノレールの整備の促進に資するため必要な財政上の措置その他の措置を講ずる」ということで、先ほど局長から答弁があったとおりでありますけれども、その答弁の中で、何も法律がなくても予算措置はできるんだということで、前向きで検討もするような意味のあれはありましたけれども、私はもう一つ問題の点として、鉄道事業の経営状態の悪化が、公営私営を問わずたいへん苦しい現状にあることが、特に都市の交通については御認識をされていると思うわけであります。したがいまして、国及び地方公共団体の助成の強化をはかることは当然必要でありますけれども、民営にしろ公営にしろ今日都市交通の経営主体というのは非常に大きな、いろんな問題をかかえていることは御承知のとおりだと思うわけでございます。したがいまして、民営公営を問わず、この経営主体に対しましてはよほど慎重に配慮をし、また綿密な指導をいただき、かつ大幅な助成をいただかなければどうにもならない実態にあることは局長も御承知のとおりだと思います。したがいまして、経営主体に対しどのような指導、あるいはどのようなものが望ましい姿だとお考えなのか、お答えをいただきたいと思うわけであります。
#30
○秋富政府委員 御指摘のとおり、大都市におきます交通の混雑を緩和するというためには、大量輸送機関でございます鉄軌道、地下鉄、モノレールというものがきわめて重要なものでございます。しかし一方、現在その財政状況はきわめて悪化いたしておりまして、これをいかにして経営を存続し、さらに建設を促進するかということにつきましては、私たちそれに関係いたしております者としてはきわめて重大な責務であると考えております。
 それで、まず私鉄でございますが、先般の国会において御審議をいただきまして、日本鉄道建設公団におきまして、初めて私鉄につきましてもその建設を鉄建公団がやるということによりまして、長期の建設というものに対しましての私鉄の負担を軽減するという、まさに画期的な制度ができたわけでございます。また地下鉄につきましては、先ほど御報告申し上げましたとおり、現在いわゆる五〇%の助成方式をとってきておりますが、これをさらに強化すべくいたしておるわけでございます。モノレールにつきましても、現在日本各地におきまして八カ所ございます。この中で、いわゆる大都市交通といたしまして通勤通学に使われておるものが三つあるわけでございますが、これまた御指摘のとおり必ずしも経営成績がいいわけではございません。その中で、いわゆる都心と羽田間にありますモノレール、これが初めて昨年黒字に転じたわけでございますが、それまでの累積赤字というものはばく大なものでございます。その他のいわゆる都市交通に使っておりますモノレール、これは赤字でございます。これにつきましても、私たちといたしましてはぜひ助成をしなければいけない。その意味におきまして、ただいま御提案になっております助成、こういう問題については十分考えなければいけないと思うわけでございます。
 また、いわゆる経営主体の問題でございますが、こういった民営あるいは公営以外に、いわゆる第三セクターと申しますか、国も地方もあるいは開銀とかいったようなもの、あるいは地元の銀行というものが出資して経営するというようなものが、交通圏というものが拡大してまいりましたときに、おのずから公営というものの限界ということもございますし、あるいは私鉄のいわゆる経営難ということから、こういった問題につきましてもいろいろと問題があることは十分承知いたしておるところであります。私たちとしましては、既存の事業主体との関連、これを考慮しつつ、経営の効率あるいは都市交通の広域化、こういう点も十分検討いたし、今後さらに検討を進めていきたい、かように考えております。
#31
○斉藤(正)委員 最後に要望を申し上げます。
 いま御答弁いただいたことでほぼ了解はできたわけでございますけれども、既存の大都市交通、それに中核都市の都市交通、こういうものの現状から、今回私どもが都市モノレール法案を成立させるわけでありますけれども、あげて国並びに地方公共団体の理解と協力、特に財政的な助成が焦眉の急務であろうというふうに思うと同時に、いまお答えをいただきましたような経営主体に対しましても十分なる配慮が必要であるし、既存の経営主体にとらわれることなく、第三機関の検討というようなことも当然あるべき姿であろうというように思うわけであります。しかし設置経営者並びにそれらの従業員等々のなまの意見、現場の意見というようなものも十分聴取をいただく中で、最も理想的な都市の市民の足を守るという形の体系を一刻も早く確立をしていただくことを強く要望し、私のお尋ねを終わります。ありがとうございました。
#32
○細田委員長 次に田中昭二君。
#33
○田中(昭)委員 ただいま都市モノレールの整備促進に関する法律案が成立されようとしておりますが、私はこの「都市における交通の円滑化を図り、もって公衆の利便の増進に寄与する」ということはたいへん喜ばしいことだと思いますが、これに関連いたしまして、一、二御質問なり要望を申し上げておきたいと思います。
 これが都市市街地にモノレールを設置することになりますと、当然周辺の住宅及び市街地におきましていままでにない騒音の問題が生ずることもあろうかと思います。この騒音対策並びに日照権の問題も起こるのではないか、こう心配しておりますが、これらに対してはひとつ十分なる配慮をお願いしたいと思いますが、御見解はいかがでしょうか。
#34
○秋富政府委員 今回御提案いただいております都市モノレール、これは主として道路に架設されるということがございまして、従来のモノレールとまた違った面もございます。御指摘のとおりいわゆる騒音の問題、これは当然にわれわれとしては考えなければいけない重大な問題でございます。特に住宅地を通る場合、これにおきましては騒音というものは十分今後配慮していかなければならない問題でございますし、また御指摘の日照権の問題、これにつきましても、道路に架設するとは申しながら、やはりその高さあるいはその位置ということによりまして、日照権の問題がござ.いますわけでございまして、私たちといたしましては御指摘のような騒音対策あるいは日照権ということにつきまして、さらに防災、こういう面につきましても十分配慮いたしまして、ルートの選定につきましても考えますし、またいわゆる車両その他の対策というものについても、こういう際にも十分に配慮してまいりたいと考えております。
#35
○田中(昭)委員 このモノレール法案によりましてモノレールが建設になりますと、それに伴って工事が進むわけでございますが、市街地の整備、それから工事によるところの拡幅、こういうものが出てくるわけですが、これにはいつも利害の対立があって、いろいろな運動が起こってむずかしい問題を生ずるわけでございますから、このような工事にあたって、建設計画並びにルートをきめる場合については公平に住民の意思をひとつ十分に反映させるべきであると思いますが、いかがでございましょうか。
#36
○秋富政府委員 私たちも、ただいま御指摘のとおり、工事の際の公害という点につきましては十分配慮いたしますと同時に、ルートの選定につきましては地元の輸送需要の動向、こういうことをよく把握いたしまして、地元の皆さんの御意見も十分承りまして、そうして大局的に輸送需要、一番効率的な利用者の利便になるような選定をいたしたいと思っております。
#37
○田中(昭)委員 最後に要望申し上げますが、先ほどモノレールという新しいものができました場合の防災体制についても考えるとありましたが、特にこれは高架になりますし、お客の避難というようなことはいままでにないものを考えなければならない。またおととい、きのうというように国鉄は大きな事故を出しておりますが、こういうことを一つの背景にしまして、この建設にあたってはそういう災害のないような、住民の人命に及ぶ被害のないようなことを考えて、そして建設の財政的な問題についても配慮をいただきたい、こうお願いするわけであります。
#38
○秋富政府委員 ただいま御指摘の点は今後十分勉強し、あるいは工事を進める際におきまして配慮いたしていきたいと思います。
#39
○田中(昭)委員 以上で終わります。
    ―――――――――――――
#40
○細田委員長 おはかりいたします。
 都市モノレールの整備の促進に関する法律案起草の件につきましては、お手元に配付の案を委員会の成案とし、これを委員会提出法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#41
○細田委員長 起立総員。よって、さよう決しました。
 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○細田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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