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1949/03/14 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 大蔵委員会 第32号
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1949/03/14 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 大蔵委員会 第32号

#1
第007回国会 大蔵委員会 第32号
昭和二十五年三月十四日(火曜日)
    午前十時五十四分開議
 出席委員
   委員長 川野 芳滿君
   理事 大上  司君 理事 北澤 直吉君
   理事 小山 長規君 理事 前尾繁三郎君
   理事 川島 金次君 理事 河田 賢治君
   理事 内藤 友明君
      岡野 清豪君    奧村又十郎君
      甲木  保君    鹿野 彦吉君
      佐久間 徹君    田中 啓一君
      塚田十一郎君    苫米地英俊君
      中野 武雄君    三宅 則義君
      田中織之進君    宮腰 喜助君
      竹村奈良一君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (主計局長)  河野 一之君
        大蔵事務官
        (主計局法規課
        長)      佐藤 一郎君
        大蔵事務官
        (銀行局長)  舟山 正吉君
        大蔵事務官
        (証券取引委員
        会事務局長)  湯地謹爾郎君
        大蔵事務官
        (証券取引委員
        会事務局次長) 三井 武夫君
        造幣庁長官   松崎 健吉君
 委員外の出席者
        專  門  員 黒田 久太君
        專  門  員 椎木 文也君
三月十一日
 神山茂夫君が議長の指名で委員に補欠選任され
 た。
三月十四日
 委員中村寅太君辞任につき、その補欠として寺
 崎覺君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
三月十一日
 解散団体財産収入金特別会計法案(内閣提出第
 一〇〇号)
同月十三日
 証券取引法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第四四号)(参議院送付)
同 日
 佐賀県に国民金融公庫支所設置の請願(永井英
 俊君紹介)(第一三九一号)
 身体障害者に対する税法改正に関する請願(丹
 羽彪吉君紹介)(第一四二〇号)
 土地台帳改訂に関する請願(青柳一郎君外一名
 紹介)(第一四二五号)
 理容業者に対する所得税課税標準の適正統一化
 に関する請願(青柳一郎君紹介)(第一四二六
 号)
 楽器類に対する物品税減免の請願(野原正勝君
 紹介)(第一四四六号)
 清涼飲料及び嗜好飲料に対する物品税撤廃の請
 願(塚田十一郎君紹介)(第一四五三号)
 たばこ民営反対に関する請願(千葉三郎君紹
 介)(第一四五七号)
 同(橋本登美三郎君外七名紹介)(第一五二四
 号)
 山中漆器に対する物品税軽減に関する請願(坂
 田英一君紹介)(第一四六〇号)
 蓄音機及び同部分品に対する物品税軽減の請願
 (塚田十一郎君紹介)(第一四六一号)
 徳山市所在元第三海軍燃料しよう転用促進に関
 する請願(佐藤榮作君紹介)(第一四六七号)
 身辺用細貨類等に対する物品税課税方法改正に
 関する請願(若林義孝君外二名紹介)(第一五
 〇三号)
 青色申告者の所得額算定に特典付與の請願(三
 宅則義君紹介)(第一五一六号)
 揮発油税軽減に関する請願(井手光治君外二名
 紹介)(第一五二〇号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 造幣庁特別会計法案(内閣提出第六八号)
 財政法の一部を改正する法律案(内閣提出第七
 三号)
 輸出信用保險特別会計法案(内閣提出第九二
 号)
 保險業法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 第九三号)
 日本勧業銀行法等を廃止する法律案(内閣提出
 第九六号)
 銀行等の債券発行等に関する法律案(内閣提出
 第九八号)
 解散団体財産収入金特別会計法案(内閣提出第
 一〇〇号)
 証券取引法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第四四号)(参議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○川野委員長 ただいまより会議を開きます。
 去る八日、本委員会に付託されました輸出信用保險特別会計法案、並びに保險業法等の一部を改正する法律案、及び去る九日本委員会に付託になりました日本勧業銀行法等を廃止する法律案、並びに銀行等の債券発行等に関する法律案、及び去る十一日付託されました解散団体財産收入命特別会計法案の五法律案について、順次提案理由の説明を求めます。舟山政府委員。
#3
○舟山政府委員 ただいま議題となりました輸出信用保險特別会計法案外四法律案の提案の理由につき御説明申し上げます。
 まず輸出信用保險特別会計法案につきまして御説明申し上げます。今回政府におきましては輸出貿易の振興をはかる目的をもちまして、輸出信用保險法案を別途提出いたしまして、御審議を願つているのでありますが、この輸出信用保險制度を実施いたすことになりました場合には、その経理の状況を明確にいたしますため、一般会計と区分して輸出信用保險特別会計を設けまして、これを経理するのが適当と存ぜられますので、この法律案を提出した次第であります。
 次にその内容の概略を御説明申し上げますと、この会計におきましては、その資本に充てるための一般会計から繰入れる繰入金、国庫に納付される保險料及び附属雑収入をもつてその歳入とし、保險金、事務取扱費その他の諸費をもつてその歳出といたしまして、政府の行う輸出信用保險に関する経理の全体を明らかにし、またこの会計の運営上、その損益計算の結果生ずる利益または損失は、翌年度に繰越して整理することといたしますのが適当と存ぜられますので、これに関する規定を設けますとともに、この会計の予算及び決算の作成及び提出に関する手続規定等、特別会計に必要な措置を規定いたそうとするものであります。
 次に保險業法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由並びに要旨を御説明いたします。
 第一は、保險会社の株式所有につき、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外を認めるために、保險業法及び外国保險事業者に関する法律の一部を改正しようとする点であります。
 現行の独占禁止法によれば、金融機関は、国内の他の会社の株式総数の百分の五を越えてその会社の株式を所有することを禁止されているのでありますが、保險会社については従来特に投資機関としての特質から、その制限の緩和が問題にされておりました。一方保險会社の資産の危険分散をはかり、その健全性を保障するため、同一会社の株式を所有し、または貸付の担保としてその会社の株式を受入れることについては、その会社の株式総数に対して一定割合を越えないよう制限する必要がありますので従前においてはその割合は百分の二十ということになつておつたのであります。今回これら両面の要請を調整して保險会社については、他の会社の株式総数の百分の十までは株式を所有し、または貸付の担保として株式を受入れることを認めようとするものであります。
 第二は、外国損害保險会社の進出に伴い、保險業法、損害日保險料率算出団体に関する法律及び外国保險事業者に関する法律の一部を改正しようとする点であります。現在損害保險事業については、特にその国際的性格のゆえに、外国損害保險会社の日本への進出が予想されているのでありますが、設立後日が浅く、資産も十分でない外国会社の進出は、日本における保險契約者その他の一般債権者の利益保護上、万全を欠く点があると考えられ、一方同様の條件にある日本会社が外国に進出することも、外国において同様の事態を惹起するおそれがあるのでありますので、今回設立後三年未満でかつ最終の事業年度において利益を計上していない会社は、外国会社については日本市場への進出を、日本会社については外国における営業を禁止しようとするものであります。
 次に、日本において営業を行おうとする外国損害保險会社のうちには、日本の損害保險会社に、代理店としてその業務の委託を希望するものがあるのでありますが、現行の保險業法によれば、保險会社は、原則としてその本来の保險事業のほかに、この種業務の兼業を行うことができないことになつておりますので、現行法を改正し、大蔵大臣の認可を條件にその道を開こうとするものであります。次に、現行損害保險料率算出団体に関する法律によれば、外国会社は、同法に基く損害保險料率算定会の会員資格がありませんので、日本保險会社と公平の條件によつて、その会員資格を認めようとするものであります。
 第三は、損害保險料率の合理性を保障するために、損害保險料率算出団体に関する法律の一部を改正しようとする点であります。現行損害保險料率算出団体に関する法律によれば、損害保險料率算定会は、その算出した保險料率につき、利害関係人の意見を聞くため、公聴会を開かなければならないこととなつているのでありますが、今回さらに保險料率の公正な算出を保障するため、公開性を強化し、その算出しようとする保險料率についても、公聴会の開催を規定しようとするものであります。最後に、右に述べた改正諸規定の違反に対し、所要の罰則を規定しようとしております。
 次に日本勧業銀行法等を廃止する法律案につきましてその提案の理由並びに内容の概要を御説明申し上げます。
 従来わが国においていわゆる特別銀行と称せられたものには、日本銀行のほか、日本勧業銀行、北海道拓殖銀行、日本興業銀行及び終戰後閉鎖機関として指定されたものとして横浜正金銀行外三銀行があつたのでありますが、これらのうち日本勧業銀行、北海道拓殖銀行及び日本興業銀行については、その基礎法規である三つの特別銀行法の改廃が、かねてから問題となつておつたのであります。特に一昨年の金融機関の再建整備において、これら三銀行は、債券発行機関か、預金銀行かの岐路に立つこととなつて、日本興業銀行は前者の、日本勧業銀行及び北海道拓殖銀行は後者の道を選んだ結果、これらの三銀行は、その業務内容において必ずしもその基礎法規と一致しなくなつて、適当な時期における法的措置が当然に、必要とされておつたのでありますし、他方役員の政府任命、監理官制度等政府との特別の関係もかねてからこれを廃止することが適当であると考えられておつたのであります。ただこの問題は、金融制度全般とも関連がありますので愼重に考究していたのでありますが、今般銀行等の債券発行等に関する法律案によつて、銀行一般に金融債の発行が認められることとなりますので、この際本廃止法案を提案することとした次第であります。
 以下この法律案につきまして内容のおもな点を御説明申し上げます。本法案は、本年四月一日をもつて日本勧業銀行法、北海道拓殖銀行法及び日本興業銀行法を廃止することを主たる目的としておるのでありますが、これに関連いたしまして、旧農工銀行関係の四法律及び興業債券の発行限度の特例に関する法律をも、あわせて廃止するものといたしております。その他の規定は、これらの法律の廃止に伴い、必要な経過措置を定めることが主眼となつているのでありまして、これを要するに三特別銀行の普通銀行化に伴う処置であります。
 その内容といたしましては、まず第一に従来各特別銀行法に基いて設立された日本勧業銀行、北海道拓殖銀行及び日本興業銀行は、この法律施行後においては、銀行法に基いて営業の免許を受けたいわゆる普通銀行とみなすものとしているのでありまして、さらにこれらの三銀行は、この法律施行後遅滞なく株主総会を招集し、必要な定款の変更を行うべきものとされております。また従来政府任命であつた日本勧業銀行及び日本興業銀行の正副総裁及び理事等は、この株主総会終結のときにその任期を終了することになつております。
 第二に、従来これら三銀行が発行した債券及び日本勧業銀行または北海道拓殖銀行がなした特殊の貸付に関しては、なお旧法によるものとしております。
 第三に、私的独占の禁止及び公正取引確保に関する法律の規定によりますれば、銀行は、競争関係にある同種の金融業を営む他の会社の株式を所有することが禁止されているのでありますが、この法律が施行されますと、現在地の銀行がこれら三特別銀行の株式を所有していること、及びこれら三特別銀行が他の銀行の株式を所有していることが、この規定に違反する結果となりますので、一年間を限り、これら株式の所有を認めることによりまして、制度の円滿な切りかえを期しているのであります。
 その他別途御審議を願つております銀行等の債券発行等に関する法律案が、本法案に先だつて施行される予定でありますが、右法案は三特別銀行及びその基礎法を前提としておりますので、これに必要な字句の修正を加える等の若干の規定を設けることといたしております。
 次に、銀行等の債券発行等に関する法律案につきまして、その提案の理由並びに内容の概略を御説明申し上げます。
 終戰以来金融の面におきまして経済の安定復興のため幾多の施策が実施に移されて来たのでありますが、特に復興のため不可欠な長期資金の供給につきましては、その円滑化に格段の努力が拂われたのであります。復興金融金庫の設立による設備資金等の融資もその一つでありますが、昨年初頭における実質的均衡財政の樹立に伴う同金庫の積極的な機能の停止後におきましても、政府といたしましては長期資金の供給のため、引続き米国対日援助見返資金の活用、株式社債による直接投資の活発化、証券市場の育成、国債及び復金債の償還により銀行に生ずる資金の長期設備資金への転用、興業債券の発行限度の拡張による日本興業銀行の活用等、種々の方策を実行して参つたのでありまして、他方わが国経済の実情に即し、住宅金融その他不動産金融、中小企業金融、農林水産金融の面におきましても、できる限りの努力を傾注しておる次第であります。
 ただ以上の諸方策のみをもつてしては、莫大なる長期資金の需要をまかなうのに、必ずしも十分であるとは認めがたいのでありまして、つとに銀行等による長期資金調達の手段としての債券の発行について、検討を進めつつあつたのでありますが、今般ここに成案を得、法律案として御審議を願う運びと相なつたのであります。すなわちこの法律案は、銀行並びに農林及び商工組合の両中央金庫に対し、債券の発行についての特例を定め、もつて刻下喫緊の急務である長期金融難の打開に積極的、根本的な施策をとろうとするものであります。
 以下この法律案につきまして内容の基本となる点を申し上げます。本法案において対象としている金融機関は、日本勧業銀行、北海道拓殖銀行、日本興業銀行、農林中央金庫及び商工組合中央金庫並びに銀行法に基いて営業の免許を受けている銀行でありまして、これらの金融機関に対して本法律案が規定しておりますおもなる点は、大体三つとなつております。その第一は、銀行等による金融債の発行、第二は、この債券の発行に資するための米国対日援助見返資金による銀行等の優先株式の引受け、第三は、銀行等の自己資本の充実でありまして、そのいずれもが金融政策上あるいは金融制度上、まさに画期的な内容を持つものと考えられるのであります。
 まず金融債の発行につきましては、銀行等は、自己資本の金額の二十倍相当額から、預金と債券との合計額を控除した残額の債券を発行することができるものとし、これに関連して、商法の特例その他金融債の発行につき必要な規定を設けるごとといたしたのであります。御承知のように、現に積極的に債券を発行している金融機関は日本興業銀行一行であり、他に従来債券発行の権能を認められていたものとしては、日本勧業銀行、北海道拓殖銀行、農林中央金庫及び商工組合中央金庫があるのでありますが、本案におきましては、ひとりこれらの銀行等についてのみならず、銀行一般に対しても同一の基準をもつて債券発行の権能を與えることとしているのであります。これにより債券発行量の飛躍的増大を期し得るほか、すべての銀行が預金業務と債券業務とを併営することができるという、銀行業務の建前における質的変化を見ることとなつたのであります。従つて今後におきましては、金融機関による長期資金の供給が格段に円滑となることが期待されるのみならず、銀行または金庫は、それぞれの特色に応じそれぞれの分野において、活発なる融資活動を期待し得ることとなる次第でありまして、産業界の要請にこたえ、金融の順便、積極化に寄與するところ多大なるものがあると存ぜられるのであります。
 第二に、この金融債の発行に資するため、銀行等は、米国対日援助見返資金をもつて引受けられる場合に限り、この法律による特殊の優先株式または優先出資を発行することもできるものといたしておるのであります。すなわち銀行等が株式市場の状況等によつて、自力で資本を十分に調達できない現状にあるのにかんがみ、援助資金を活用し、これに銀行等の優先株式または優先出資を引受けさせるという新たな運用の形態を認めることによりまして、銀行等の資本調達を可能ならしめ、もつてその債券発行余力の増加と、経営の健全化をはかつているのであります。この優先株式は、利益の配当または残余財産の分配について、普通株式に対し優先的内容を有するほか利益または一般の増資によつて得た資金をもつて償却することのできる、いわゆる償還株式である点において現行商法の特例をなすものでありまして、現在審議の進められております商法改正案の施行に先だち、新たな制度としてこれを銀行制度のうちに取入れようとするものであります。
 最後に、以上申し上げましたところにも関連して、銀行等の自己資本の充実のため必要な規定を設けることといたしたのであります。銀行が預金者その債権者保護のために、適当額の自己資本を有すべきであることは言うまでもないことでありますが、本法案におきましては、嘆銀行等は、自己資本の金額が預金と債券との合計額の百分の五相当額に達していないときには、銀行法等による通常の積立てよりも多くの法定準備金の積立てをなすことによつ、て、自己資本の充実をはかるべきものとしたのであります。同時に普通株式に対する配当については、別段の法律的制約を加えないこととし、多年の懸案であつた銀行の配当復活の実現、ひいては増資による銀行等の資本の充実を容易ならしめることが期せられることとなつたのであります。
 以上銀行等の債券発行等に関する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概略を申し上げたのでありますが、本法律案の施行による金融債の発行可能額は、昭和二十五年度中におきまして、おおむね五百二十億円に上るものと予想されるのでありまして、これが長期資金の供給を飛躍的に増加させ、また企業の設備資金の融通、不動産金融、中小企業金融、農林水産金融等それぞれの面において必要な長期金融に大きな寄與をなすことによつて、経済復興のため多大の貢献をすることになろうと存ずるのであります。さらにこれに関連し、多年の懸案でありました預金部資金による金融債の引受けも考えられるに至つたのでありまして、金融政策の面における最近の最も大きな効果的施策の一つとなると考えられるのであります。
 なお本法案に基く援助資金の優先株式の引受け、これによる金融債の発行については、長期金融の現状にもかんがみ、早急にこれを取進めることを適当と認められますので、本案が法律として施行されます日の一日も早からんことを切に希望いたす次第であります。幸いにして国会通過のあかつきは、本年度内可及的すみやかに公布の上、即日にも施行いたしたい所存であります。
 次に解散団体財産収入金特別会計法案の提出の理由を御説明申し上げます。
 解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令に基き、国庫に帰属した現金及び現金以外の財産の処分等による收入金につきましては、従来これらの現金及び收入金をもつて外国貿易特別円資金を設け、この資金は、これら財産に伴う債務の支拂いに充てるほか、外国貿易特別会計に繰入れて貿易のために使用することとし、外国貿易特別円資金特別会計を設置して経理して参つたのでありますが、今回この経理方法を改め、国庫に帰属した右の現金及び収入金は、債務の支拂い及び特に政令で定める経費に充てるほかは一般会計に繰入れることにいたしました関係上、その経理の方法が根本的にかわるごとになりますので、現行の外国貿易特別円資金特別会計を廃止し、新たに解散団体財産收入金特別会計を設置して、その経理を明確にいたそうと存ずるのであります。
 次に、新特別会計法案の従来の特別会計法と異なりますおもなる点について申し上げますれば、まず第一條におきましては、会計設置に関する事項を定め、その第四條におきまして、新会計における歳入及び歳出となるべき事項を規定いたし、第八條において、一般会計へ繰入れる額の計算方法を規定いたした点であります。しかして右以外の規定は、新会計の予算の作成、執行繰越し及び決算等に関するものでありまして現行の外国貿易特別円資金特別会計法及びその他の各特別会計法に規定してあります例規的な事項を定めた内容のものであります。
 以上が輸出信用保険特別会計法案外四法律案の提案の理由であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。
    ―――――――――――――
#4
○川野委員長 それでは財政法の一部を改正する法律案を議題として質疑に入ります。三宅則義君。
#5
○三宅(則)委員 私は財政法の一部を改正する法律案につきまして、簡単に二、三の点を御質問申し上げたいと思うのでございます。ただいまここに提案されたものによりますと、目節を合一せられまして、割合に簡単にしようという案でございまするが、そうすることによつて、経理内容といたしましては簡單になるかもしれません。しかし実際にこれを使う面におきまして、ほかに流用することが多くなりはしないかと思うのでございますが、その方面について政府はどう考えておられますか、一応の御説明を賜りたいと思います。
#6
○河野(一)政府委員 財政法を改正いたしまして、従来目から節までの配当をいたしておつたのでありますが、これは一年間実行した経過によりますと、各地域担当官ごとに款項目節まで記載してやります結果、非常に事務が煩雑になりまして、経理上支障を及ぼすような傾きがありましたので、今考えておりますのは、従来節でありますものを相当程度目に上げまして、そうすることによつて目もある程度ふえるのでありますが、そういうことによりまして節に沈んでおるものの実際の経理上の支障を除くとともに、目に上げることによつて、今三宅さんのおつしやつたような点を解決しようということで両方の面をかみ合せまして、経理の実際に即するように改正するという考え方でございます。
#7
○三宅(則)委員 しつつこく質問するわけではございませんが、私の観点からいたしますると、ときどき政府としても監査しなければならぬのでありますが、合計検査院は一体いつごろまわつて来まするか。私どもは翌月もしくは翌々月ぐらいにまわつて来まして、これを監査することが穏健であろうと思いますが、現状はどういうふうになつておりますか、一応承りたいと思います。
#8
○河野(一)政府委員 政府の会計に関する会計検査院との関係でありますが、会計法その他の規定によりまして、政府で一定の措置をとりました場合におきましては、必ず会計検査院に通知をいたしております。会計検査院はその通知によつて、政府において流用を認めるとかいう点をチェックしまして、それと合せて実際の支出面を監査せられるわけでありますが、これはもちろん当該年度の点もやられるわけであります。大体昭和二十三年度の決算でありますならば、昨年の四月から十二月ぐらいまでの間において、いろいろおやりになつているようであります。当該年度のものにつきましても実地に監査されるわけでありますから、当該年度の分を合せておやりになるわけでありますが、決算自身は確定いたしませんので、その次の翌年度においてさらい監査をいたして国会に報告するというような手はずのように承つております。
#9
○三宅(則)委員 私は多少会計学のことを申して恐縮でありますが、今日の法人――個人でも同じでございますが、営利団体等においては、大体半年決算でやつているのであります。今は税務官吏の手も少いのでございますから、なかなか十分とは行きませんが、少くとも次の会計年度にはこれを監査するという方法をとつているのであります。たとえば半年で次の会計年度が来る。こういうことになるわけでございます。国会の方は一年ということになつておりますから、もちろん一年でけつこうでありますが、私どもは四半期ごとにもくろみをつくり四半期ごとに監査されると思つておりますから、少くとも第一・四半期が済んで第二・四半期になつたならば、すぐに第一・四半期をやるというふうにしておりますので、政府も同じ国の政府でありますから、そこは緊密に連絡をとつて、四半期ごとにずつとやつてもらつたら、たいへんいいと思いますが、政府にそういう御構想はありませんか。承りたいと思います。
#10
○河野(一)政府委員 政府の会計を監査いたしておりますのは、会計検査院だけではございませんで、それぞれ各省としては監査をいたしているのであります。大蔵省におきましても財政法に基き、一般的な監査権利がございます。そして現在予算をつける場合におきましては各四半期ごとに従来の執行の内容を見てつける、こういうふうな建前をとつております。もちろんいまだそういうことを実施して日が浅いので、完全には参らないのでありますか、現在支出負担行為、支拂計画は四半期の実情を見てやつている。そうしてその結果を会計検査院に報告いたしております。会計検査院においては執行の都度四半期ごとに見るということは、現在の陣容等からなかなか困難ではありますが、すでに長い間たつたあとで監査いたしましても、当事者もかわつており、また環境もかわつているというようなことで、なかなか適当でない点がございますので、現在会計検査院ではできるだけ早くということで、その監査を、執行の後できるだけ早い機会においてやることを心がけておられるのでありまして、この点政府当局とも十分連絡をとつております。ことに計算証明規定であるとか、そういつたことにつきましては、おつしやつたような点に即応するように、四半期ごとにその報告をとるという形になつております。
#11
○三宅(則)委員 私は過去のことを申し上げてはなはだ恐縮に存じますが、一体政治家諸君のことでもありますが、予算のときにはたいへんりつぱなことをおつしやるのでございます。しかしそれが決算になりますと、大体において二年前のことをやつておりますから、その当時のことはわからぬ。今河野主計局長のおつしやつたようにわからぬのでありますから、はなはだおもしろくない。とういう段階に至るのでありまして、これはアメリカでもそうだろうと思いますが、年度内にある一部分は監査して、事前監査と申しますか、あるいは同時監査と申しますか、少くとも会計経理の担当官は予算とにらみ合せて、また執行面においてもこれを愼重に考慮し、監査することが必要である、かように思つているのでありますから、これと関連をいたしまして、一つ重大なことを申し上げたい点があります。この点は皆さんも御承知でありましようが、会計年度の年末になりますと、ややもすると政府は、余剰金額がある場合にはこれを濫費するおそれが多分にある。本年度あたりは当然ないと思いますが、これに対しては嚴重に監督をし、また政府も心がけつつあるとは思いますが、その御構想を承りたい。
#12
○河野(一)政府委員 従来会計年度の終りに至りまして、いろいろ濫費と申し上げると語弊があるかもしれませんが、会計法上適当でないような行為があつたことは、三宅さん御指摘の通りであります。そういうことがありまして、財政法及び会計法を改正いたしまして、支出負担行為を実施することに相なりまして各四半期ごとに予算の執行の状況を見まして、その支出負担行為については大蔵省の承認を求める。それでないと予算が使えないというような現実的なやり方をいたしたわけでありまる。ただこの点はいろいろ会社でも同じような点があろうかと思いますが、年度の当初においては、年度内にどういうことが起つて来るかわからない。従つてある程度金を留保しておくということがあるわけであります。ことに二十四年度においては、予備費というものは全然なかつたものでありますから、大体物品について申しますと、一割くらいのものはあらかじめ留保しておく。それで実行の状況を見てそれを出して行くというようなことで、年度末において多少余つて、今まで足りなかつたものを買おうというような点もありますので、必ずしもその点を嚴格にとがめるわけにも行かないのであります。ただ予算を余して年度末に何か旅費に使うというようなことをやられることは、嚴に愼めという通牒も出しているわけであります。
#13
○三宅(則)委員 これに関連してちよつと私はこういうことを聞いたのであります。これは今の内閣ではありませんで、過去の内閣のときでありますが、相当年度末になりますと、納まらない品物でも納まつたことにして受取を出して支出した。こういうことが過去終戦以来一、二回あつたと考えておるのでありますが、こういうふうにいたしますと、政府みずから濫費する濫觴になる。また国民に対しても悪影響を及ぼす。これは出入り商人を初めといたしまして、経済界にもきわめて好ましえ影響でないと考えるのであります。嚴にわが自由党内閣においては、そんなことがないようにやつてもらいたいことを念願いたすのであります。特に御注文申し上げたいのは、会計年度の年度末に予算を残すと、来年度の予算を削られるおそれがあるというので、どの省もこれに対して全部使うような傾向があるということを聞きます。残つたら残つたでいいじやないかと私は思いますが、これに対して主計局長の御答弁を承りたい。
#14
○河野(一)政府委員 そういう三宅さんのおつしやるようなことが、一般に各省で言われているので、残すと、翌年の予算を積算する上にそれだけ削るということになるのであります。それともう一つは、三宅さんのおつしやつた点の、現実に物が入らないで金だけをやつてしまう。これは嚴に取締らなければならぬことでありますが、予算の繰越しをする場合に、いろいろなめんどうな書類をつくつて出すことは、なかなかたいへんだということで、過去において一時例があつたようであります。そういう点は現在厳重に取締つております。それからおつしやつた予算の点もこれも程度の問題でありまして、長年見ておりますと、これはほんとうにいらなくなつたものであるか、あるいは節約した結果たまたま出たものであるかということは、大体過去の経験、実績その他で判定ができるのでありまして、最近においてはそういう非難が大体ないようになつている。またそのつもりで私どもも運用しているというふうに申し上げて、さしつかえないと存じます。
#15
○三宅(則)委員 河野主計局長から大分謙譲的な態度をもつて御答弁になつたのでありますが、各省お互いに節約をいたしまして、次の事業をやる資金というよほどではありませんが、一つの目標をつくる。会社にしてもなるべく剰余金を出して、一部分は配当し、一部分は次の事業の発展に充てる。こういうことが私経済ではもちろんやられているのでありますが、公経済になりますと、ややそういう線が薄くなるおそれがありますから、嚴にそういうことのないように、主計局長から各省の支出官に向つて、そういう趣旨を伝達してもらいたいと考えております。私は国の財政も一会社の財政も同じでありまして、少くとも国民の税金によつてまかなわれている以上は、濫費をしないように嚴重に監査制度を十分に徹底してもらいたい。これをひとつ申し上げて質問を打切りたいと思います。
#16
○宮腰委員 ちよつとお尋ねしますが、よく一般会計から特別会計に繰入れている場合が非常に多いようですか、その際大臣なり政府当局の説明によりますと、来年度になれば必ず一般会計に返すということをたびたび言われておりますが、この返されている状況がはたしてどうであるか、私は疑問に思うのであります。その点を一点と、それから年度を三月ということでなく、アメリカのやり方のようにあるいは六月なり七月なりに切りかえてやつていただけば非常によい。国会もこの年度のために十二月から一月に召集する。必ずその際には国会の解散なり何なりありまして、冬のまつただ中の寒いところで選挙をやるということは非常に苦痛だと思うのですから、関連しての問題ですが、年度をそういうふうに合理的に改正することができないかどうか、その二点をお伺いいたします。
#17
○河野(一)政府委員 お答え申し上げます。最初の方の、今まで特別会計に繰入れて、なかなか返さないのではないか。これは通信とか、鉄道とかいうところがおつしやるような例に該当するわけであります。これはもちろん独立採算制をとる建前上、一般会計に返すのが当然でありますが、過去における終戰以来のいろいろなインフレーシヨンの時代におきましては、なかなかそういうことか事実できかねた。運賃の引上げも押えられるというような関係で、その赤字を国の一般会計から補填してやつた。しかし鉄道収支の状況はなかなか改善して参らぬということで、事実問題としてなかなか困難である。これはしかし今後におきまして経済が安定して、企業の内容が改善されて行くに従つで、順次改善されて行くというふうに考えております。
 それから会計年度の問題でありますが、これはむずかしい問題でありまして、御承知の通りアメリカは七月からになつておりますしその他フランスは一月からでありましたか、イギリスは四月からでありますが、これも現在の日本の明治以来とつておりましたいろいろの制度なりあるいは行政の実態、あるいは政治の運営というようなものと、会計年度というものは非常に結びついておりますので、たとえて申しますれば、この次から一月までの会計年度にするということになりますと、過渡的には短かい年度ができる。そうして予算の編成もあるいは国会の開会も繰上げて、全部のものがそれに相応する、ことく動かねばならない。また地方団体でも同じような事情があるというようなことで、実行問題としていろいろ問題になりながら困難になつておるわけであります。むしろ現在では会計年度をそのままにしておいても、予算の実行についてそういう程度のことはできはしないか。ことに四月の冒頭から事業ができる。公共事業なんかについては、そういうふうにできるように予算の運営や執行をやれというような議論が、現在のところではまだ強いように存じておる次第であります。
#18
○宮腰委員 局長さんから丁寧なお言葉をいただいたのであります。しかしたびたびこの委員会でも、必ずこれは将来一般会計に返すということを言つておられますが、実際そういうことがこの委員会には全然報告されてないのです。こういうように委員会で記録に載つておる通り、どの問題はこれこれを返す予定になつておる、従つてその会計年度を終つた場合にはこれこれを返すということを、確実に今後委員会へ御報告願いたいと思います。
#19
○河野(一)政府委員 鉄道会計につきましては、たしか昭和二十二年でありましたか、一般会計から繰入金をいたしたことがございます。これは鉄道公社になりまするときにこの分を切りかえまして、従来臨時軍事費がありました時代に、鉄道が一般会計に繰入れた金がございます。それと差引相殺したようなところもございます。まだ残つておる部面もあるのでありますが、こういう面につきましては宮腰さんの御意見のように御報告を申し上げるのが、妥当であろうというふうに考えております。
#20
○小山委員 今度の財政法の改正にあたりまして、従来節であつたものを目に繰上げするというような監督の方法、そういうことを考慮されましたか。つまり予算配賦の場合には目から節まで配賦しておつたのを、目だけの配賦にするということでありますが、そうすると監督の立場から言うと、節の方の区分がわからなくなる。それで節の中が――あとで申し上げますが、この区分ではたしていいかどうかというものが二、三ありはしないかと思う。それでこれを改正する御意思があるか。あるいは従来のままで、ここに見本として出しておるような、このような区分の仕方で行くつもりでありますか。
#21
○河野(一)政府委員 従来と申しますか、現行で申しますと、たとえてみますれば「諸手当及給與金」の中に、お手元に差上げてあります特殊勤務手当であるとか超過勤務手当であるとか、それらが節にも沈んでおりますし、石炭手当、寒冷地手当、それから非常勤職員に対する給與、定員外の職員に対する給與、こういうものが特殊手当の中に一本に入りまして、一つの手当給與金の目の中に、ここに掲げてありますようなものが節に沈んでおりました。従つて監督上非常に不便であつたわけであります。こういうような特殊な手当を全部目に拾い上げております。それから十五ページの補助金、負担金、交付金というのでありますが、これは従来目では「補助負担金及交付金」という目になつておりまして、その中の節がいろいろこまかくわかれておつたわけであります。何々団体補助であるとか、あるいは何々会補助金というふうに現在まで節になつておりましたが、これを目に、従つて節以下は各省大臣の責任にまかされておりましたので、場合によりましてはある補助金と他の負担金がいろいろ流用されることがありましたが、今回の改正におきましては、おのおの何々団体補助、何々負担金、あるいは交付金というものを目にその対象を明らかにして上へ出しました。そうして節の整備をいたしますとともに、その監督上必要な分を目に上げまして、そしてかえつて監督がしいいようにいたそうというふうに考えておる次第であります。
#22
○小山委員 それでわかりました。この表は現行の表でなくて、今度改正されようというのでありますが、ただこの場合に、なお若干変ではないかと思いますのは、第一ページにありますところの「職員基本給」という中に俸給と扶養手当、勤務地手当と一緒になつていることは、たとえば余剰金が出た場合に、ほかのものに流用可能な事柄になるわけであります。そういうふうなことがはたしていいのかどうかということ、それから物品費の中に備品費と、消耗品費とが一緒になつておる。これもはなはだおかしいのではないかと思います。普通の会社経理のように、備品費と消耗品費は明らかにわける。備品費を消耗品費とが一緒になつておつて、それを各省各庁の長が流用できるという制度は少しおかしいじやないか。備品費と消耗品費は目の中に繰上ぐべきものではないかと思いますが、その点はどういうふうにお考えになりますか。
#23
○河野(一)政府委員 基本給の中に俸給、扶養手当、勤務地手当と三つあるわけでありますが、このすべてのものはおのおの職員の給與の実態で現われて来るものでありまして、たとえて申しますれば、職員の俸給をそのときの現員現給で支出されるわけであります。扶養手当は家族の状況によつて家族がふえればふえる。それから勤務地手当も、その勤務地の区分に従つて三割から一割までということになりますので、かりに不用が出ましても、お互いの間は実際問題として使うことはできない。対象がはつきりしておるから使えない。ただこの金をよその方に持つて行く、ほかの経費に持つて行くということになりますとこれは大蔵大臣の承認がいりますので実際問題としてむずかしいのでございます。
 それから物品費の中を備品費と消耗品費とにわけることでありますが、これは企業会計経理でありますと、おつしやるような議論になる点もあろうかと思うのであります。政府の会計におきましても、この備品の方は物品会計規則の適用を受けますし、消耗品の方けその適用がないわけでありますが、ただ消耗品費におきましても、まだ拂い出さない場合におきましては、物品として取扱われるというような面もありますので、現実の官庁の会計といたしましては、その両方を相類似して使つておるというようなことで、便宜一緒にいたした次第であります。各種の事務品品あるいは文房具類というようなものも、これが物品会計官吏のところにあります間は物品として取扱われ、これを一般の職員のところに配付されると消耗品として取扱われるというようなわけで、多少相関連したものがあるので、こういう取扱いにいたしたわけであります。御趣旨の点はごもつともな点でありますが、ただ全般的にもう少し研究を要すべき点もございます上、急激に現行の区分に大変革を加えるということも、今までなれました会計官吏が混乱されるというようなこともございまして、一応過渡的にこういうふうな取扱いにいたした次第であります。御趣旨の点は十分研究してみたいと思います。
#24
○小山委員 これは十分研究していただきたいと思います。というのは、監督上非常に妙なことが起りはせぬか。極端な場合を申しますと、自動車を買うという予算を立てておいて、自動車ををやめて全部ガソリンに流してしまつても、これは財政法上は一向不当ではないという結果になろうかと思うのであります。この備品費と消耗品費のわけ方というものは、備品費の中にも直接備品として上げていいかどうかというものもありましようけれども、その辺はよほど御研究の必要があるだろうと思いますので、将来これがまた問題になつたときのことを考えて、一応速記録にとどめさしておいていただきたい、こう思うのであります。
#25
○川野委員長 竹村奈良一君。
#26
○竹村委員 一点お尋ねいたしたいと思います。大体従来の予算で、科目の流用がどの程度行われておるかということを伺いたいと思うのであります。
#27
○河野(一)政府委員 目の間の流用は、現在では全部大蔵大臣の承認を要することになつております。ただものによりましては、そう弊害のないと思われるようなものは、たとえば人件費相互の予算につきましては、ある程度包括的に流用を承認するというようなことにいたしております。ただ原則として人件費から物件費に持つて来るというようなこと、あるいは物件費から人件費に持つて行くというようなことは、原則的に認めないという方針で進んでおります。
#28
○竹村委員 その原則的に認めないといわれておることが、各出先等においては行われておる事実が相当あると思うのですが、これに対して一体何件ぐらいあつて、それの取締りはどういうふうにされたか。ひとつそれを具体的にお伺いしたいと思います。
#29
○河野(一)政府委員 ただいまどの程度あるかちよつと存じておりませんが、流用の問題はすべて大蔵大臣の承認を要するわけでありますので、決算書においてはすべてこの流用の関係が現われて参ります。大蔵大臣はその裁量によりまして、流用の承認ができるのであります。これは合法かと思います。大蔵大臣の流用承認がなくて、各省大臣がかつてにやつたというような例は非常に僅少でありましておそらく昭和二十三年度予算においても数件にとどまると思います。二十四年度予算につきましては、予備費がありませんでした関係上、相当大幅に流用を認めるというような実情もやむを得なかつたのでありますが、原則的には、物件費から人件費に持つて行く、あるいは人件費を物件費に使うというようなことは、大蔵大臣としてもできるだけこれを避けるという方針で進んでおるわけであります。ただやむを得ざる場合においては、その事態をよく調査いたしまして、これが流用を承認するかいなかをきめておる次第であります。
#30
○竹村委員 もちろんこれは本省におきましては、そういうことは嚴重にやられておるかもしれませんが、各出先機関におきましては、往々にしてそういうことが非常に問題の種になつておるのですが、出先機関の問題については一体どういうふうに、どのくらいあるか、調査せられたことがありますか。また問題になつたこと等がありましたらお答え願いたい。
#31
○河野(一)政府委員 これは私どもの立場において申し上げますれば、書面で得まして、これを適当であるかどうかを判断するのでありますが、その末端機関において、語弊はありまするが、その書類を適宜の書類をつくるというようなことがありますれば、これは実地に監査しなければわからぬ次第であります。たとえて申しますれば、から出張をいたしまして、それでもつてかりにいろいろな経費が出たというようなことがあるといたしますれば、これは実地に監査いたしませんとわかりません。この点につきましては大蔵省自身財政法上に基く監査の権限をもちまして、時に応じて予算の目的に合致しておるかどうか、あるいは会計法上に照して適当であるかどうかということを、監査いたしておるのでありますが、会計検査院といたしましては、全面的にその実情をお調べになる次第であります。そうしてその結果は決算報告書において、これこれの支出がある。大蔵大臣の承認なしに流用いたしておる。あるいは予算外の目的にこれを使用しておるということが、検査報告として出まして、そうしてそれに基いて国会において判断を下されまして適当な処置をとるという建前になつておる次第であります。
#32
○竹村委員 今度はこの法案によりますと、大体節は一応廃止するとしております。簡潔にするのだということでございますが、そういたしますと、かえつてたとえば詳細な点がここに上らないので、ある程度自由に出先は使えるようになるのじやないかと思いますが、その点に対するお考えはどうですか。
#33
○河野(一)政府委員 これは私どもは、この逆な立場に考えております。目が今まで二十二であつたと思いますが、その下にたくさんの節がございまして、節というものは私どものところではよくわかりません。従つて目の以下にある限り相当かつてに使えるということになるのでありますが、今回は節に沈んでおるものを目に上げて行くという考え方をしておるのであります。従来でありますならば二十二、三のものが二十六、わずかしかふえないことになります。たとえて申し上げますれば、先ほど申し上げました補助金、負担金及び交付金というものは一つの目でありその下に何々団体何負担金いうのが節ににだんだん沈んでいるのありますが、おのおのその何々団体補助とか、何々費の交付金とかいうものを目に出しておりますので、目の実際上の種類とかあるいは効用というものは非常に大きくなります。それから効用も発揮されるということで、かえつて監督上よくなるというふうに私どもは考えております。
#34
○竹村委員 そうすると今大体目が二十二のものが今度は二十四になると、二つくらいしかふえないのですね。
#35
○河野(一)政府委員 一般会計では二十六ばかりでありますが、私の申し上げましたのは、たとえば十四ページの委託費なんかを見ていただきますと、これは従来は目に表われておりません。節でありましたが、これを目に表わしましてそうしてその中に何々試験の委託費、あるいに何々研究の委託費というものをおのおの個々の委託費を目に上げて行く。従来でありますと節の中に沈んでおりましたから同じ委託費の中でもAの人にやる委託費と、Bの人にやる委託費をお互いに流用することができた。それからまたその委託費でもつてほかの方の経費を出すこともできたということが、今回はAの委託費あるいはBの委託費、おのおの別の目になつて表われておる。同じ需要に表われておる委託費でも、これが幾つもの目に表われるわけでありますから、非常にその点が従来よりも監督上便利になるというふうに考えておるわけであります。ただ單に形式的な目の名称の数だけではないということになると考えております。
#36
○竹村委員 それではもう一つお聞きしたいのですが従来のもので見ますと、たとえば人件費等におきましては、これを見ておると大体級別に想像がつくのですが、今度こういうふうにされた場合に一括して人件費というようなものが出て来て、たとえば職階制による賃金なんかは一見してわかるようにわれわれは考えておるのですが、これはどうですか。
#37
○河野(一)政府委員 おつしやる人件費の問題について職階制との関係でありますが、職階制がまだ確立いたしておらないがために、各級別の人員を各項で表わすということがちよつと困難なような状況になつております。ただ本年の予算書にもございますが、各所管を通じまして一級の人間が幾人、二級の人間が幾人というふうに、一級から十五級までの予算積算の上の級別の計数というものが予算書についております。ただ各項別の計数がついておらない。しかしこれは職階制確立につきましてその通り予算書に表わすべきものだと思つております。従来の戰争中の予算でも役人の高等官が何人、判任官が何人、雇用人が何人ということがちやんと書いてありまして、單価も出ておつたわけでありますから、いずれはそういうふうになろうと思うのであります、現在の行き方といたしましては、一級から十五級までを通じました各省の各局別の現級の單価をとりまして、そうして人数を出しております。将来はおつしやるようなところに、あるいは節以下のところへ組めるようにして行くことに相なろうかと思つております。
    ―――――――――――――
#38
○川野委員長 それでは財政法の一部を改正する法律案に対する質疑はあとまわしにいたしまして、この際ちよつとお諮りいたします。
 ただいままで予備審査中の証券取引法の一部を改正する法律案につきましては昨十三日本付託と相なりましたので、本日より本審査に切りかえて質疑を続行いたしたいと思いますが、この点御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○川野委員長 御異議がないようですから、証券取引法の一部を改正する法律案及び造幣庁特別会計法案を一括議題として質疑を続行いたします。小山長規君、
#40
○小山委員 條文を忘れましたが、今度の改正法案によりますと、会社は決算の場合に公認会計士の監査を受けなければならぬという規定があつたと記憶しております。それはどういうふうな――たとえば資本金幾ら以上というようなことで実施をされようとしておりますが、さしあたりどの程度の資本金からこの公認会計士の監査を受けさせようというおつもりでありますか。それをひとつ伺つておきたいと思います。
#41
○湯地政府委員 ただいまの御質問は、おそらくこの第百九十三條の二というところに「証券取引所に上場されている株式の発行会社その他の者で証券取引委員会規則で定めるものが、この法律の規定により提出する貸借対照表、損益計算書その他の財務計算に関する書類には、その者と特別の利害関係のない公認会計士の監査証明を受けなければならない。」この規定の御質問だと思います。この「公認会計士の監査証明を受けなければならない。」となつておりますが、御承知の通り現在の公認会計士の数が百五、六十名でありまして、この法律によつて全部公認会計士の監査を受けしめるということは、なかなか実際問題として困難である。それで委員会規則で定めるものが云々ということで、委員会規則によりまして公認会計士の監査能力等々と関連いたしまして、この監査証明を受けなければならないものをだんだん指定して参ろう、こういうふうに考えております。そうしてこの前この席でお答え申しましたが、ただいまさしあたりといたしましては、一応上場されておる会社で資本金が五億円以上のもの、あるいは五億円以上でなくても、株式の募集もしくは売出しをしようとするものが五億円を越えるものというような、さしあたり五億円程度で線を引いてみたい、こういうふうにただいまは考えております。
#42
○小山委員 五億円以上の会社ということになりますと、そうたくさんはないのでありますが、ただここで若干希望的に申し上げておきたいのは銀行の場合であります。銀行は御承知のように大蔵省の嚴粛な監督を受けておりますと同時に、銀行法上の種々な制約を受けておるのでありますが銀行の場合にも、やはり公認会計士の監査を受けなければならないとお考えになつておりますか。あるいは銀行の場合は、それは証券取引委員会の規則によつて当分これは免除してもよいとお考えになつておりますか。その点を伺つておきたいと思います。
#43
○湯地政府委員 この問題は、実はこの前の百九十三條に、この委員会に提出する書類について、その様式とか用語とかあるいは作成方法を委員会規則で定める。その方法によつて書類は出してもらう、こういう規定があるのでありまするが、これについて銀行法だとかあるいは信託業法だとか、あるいはそういう特別の法律によつて書類の様式等がきまつておるものがあります。それらについてはさしあたりその様式を使つて、それ以外のものについては委員会規則で定める様式を使つて行こう、こういうふうに考えております。それと関連いたしまして銀行のように、銀行法で特別の様式等が規定されておりまするし、さらにその上銀行検査官が検査をやつておるというような、言いかえれば十分な監督を受けて、またその規定された様式のもとに出して来るような銀行については、委員会規則でこれは当分公認会計士の監査、署名を免除しよう、こういうふうに考えております。
#44
○小山委員 ただいまの御説明でよくわかりましたが、それは法律上のいろいろな制約があり、あるいは用語あるいは様式、その書類の作成方法によつて法律上きまつておるものだからというお話でありましたが、そういたしますと銀行以外のもの、たとえば信託銀行、これは一つの銀行ではありますが、信託銀行も含むつもりでありますか。あるいは信託以外の企業会社についても、そういうことを考えておるものがありましようか。もう一つあわせてお伺いいたしたいと思います。
#45
○湯地政府委員 お答え申します。この様式云々という問題とは直接は関係ないのでありますが、法律等できまつた様式で出すことをさしあたり認めるものの中で、やはり主務官庁等で十分検査、監督をいたしまして、他面一般の投資者保護に欠くるおそれのないようなものについては、これに関して特殊な監督を考えてみて、できるだけ公認会計士の手を省くという趣旨から考えまして、銀行等はその一番著しきものだと思いますが、そのほかに及ぼすかどうかということは、この経営の状態、それに対する監督の強さというところから判断して参ると、必ずしも銀行に限るとは考えておらないので、公認会計士の現状、数等から見まして、一面一般の投資者の保護に欠けない範囲内において、しかも会社自体にいたずらな手数をかけない趣旨で、選定して参りたいと考えております。
#46
○川島委員 造幣庁特別会計法案に関しまして、ちよつと二、三お伺いをいたします。この特別会計法にあります事業は、言うまでもなく「貨幣、章はい、記章、極印、合金及び金属工芸品の製造、貴金属の精製、配給及び品位の証明並びに鉱物の試験」こういう業務を行うようであります。そこで参考のためにお伺いしたいのでありますが、現在の日本で政府が発行いたしておりまする補助貨幣の種類とそれから量、これはどのくらいになつておりますか。念のためにお聞かせを願いたい。
#47
○佐藤(一)政府委員 お答えいたします。現在の流通商並びに手持商、これを合計いたしましてまず五円が枚数にいたしまして三億六千四百二十一万二千枚、金額にいたしまして十八億二千百六万円、それから一円が枚数にいたしまして三億千九百二十七万枚、金額が三億千九百二十七万円、それから五十銭が枚数にいたして十億五千二百三十万八千枚で金額が五億二千六百十五万四千円、それから十銭が枚数にいたしまして十七億六千五百四十二万枚、金額にいたしまして一億七千六百五十四万二千円、五銭が枚数にいたしまして十億六千五百九十万枚で、金額にいたしまして五千三百二十九万五千円、一銭が枚数にいたしまして四十九億五千八百二十万枚、金額にいたしまして四千九百五十八万二千円、なお五厘が二千九百八十万枚で十四万九千円というのがございます。これはいずれ資料にして差上げます。
#48
○川島委員 そのついでに、資料がありましたら参考にこれをお伺いしたいのでありますが、五円以上が十円、百円、今回の千円、それからまた一説によりますと、近く五百円札をつくつてはどうかというような意見も、政府で強く出ておるということでありますが、その点はどうなつておりますか。参考のために聞かしていただきたい。
#49
○河野(一)政府委員 今年度の印刷庁の紙幣の計画といたしましては、五百円札、二百円札というものはつくる計画にはなつておりません。目下研究はいたしておりますが、予算的にそういうことは今予定いたしておりません。
#50
○川島委員 最近の日本経済の実情、それから物価の実態、取引の実情等から言いまして、円以下の端数は何か法律をもつて切捨ててこういつた補助貨幣も現在いらないのではないか。ことに五銭、一銭、五厘というようなのは実際の取引の上においてまことに迂遠な存在ではないかという議論もあり、また政府の中にもこの端数問題について相当熱心な研究をされておるという話も承つておるのでありますが、その点の事柄については、どういう御見解を今お持ちですか。
#51
○河野(一)政府委員 国庫金の端数は一銭で限られているわけでございます。これを一円以上ということで、法律案を最近の機会において提出いたすつもりであります。ただ完全に一円で切り捨てあるいは切上げることは、いろいろ支障もございます。たとえて申しますと、現在食糧等の配給におきましては、一円未滿の金を使つているような実例もございますので、過渡的に最近におきまして五十銭を上下切り捨て切上げというようなことを政府は考えております。これは暫定的でありまして、いずれ近いうちには、これを一円ではつきりけりをつけるというふうに持つて行きたいと思つておりますが、ただいまのところ五十銭をもつて四捨五入して、切り捨て切上げをやるというふうに考えております。
#52
○川島委員 先ほどの発表によりますれば五厘銭が出ておる。これは流通しておるのでありましようし、また手持もあるのですが、実際において民間で活用されておるでしようか。私どもその点はまことに不思議に思うのですが、その実態はどういうふうになつておりますか。
#53
○河野(一)政府委員 流通しておると申しまするよりも、返つて来ないわけであります。ほとんど骨董品みたいに扱われておりまして返つて参りません。以前から厘を使うことには問題がありまして、現在まれな例でありますけれども、政府へ五厘銭が入つて参りますとこれを一銭になるまで持つているという古めかしい規定があるわけであります。そういうことで実際は流通していない。政府で持つているものも、一銭になつたら納めて、そこでけりをつけまして廃してしまう。こういう事態になつているわけであります。
#54
○川島委員 それの回収の場合に、特別会計には準備金を持つているわけでありまして、準備金というのは、発行した額と見合つて置くということになるようでありますが、回収を開始して、しかも回収にならない。そうすると、その間にそれだけ準備金の余裕ができることになるのではないかと思うが、その余裕金はどういうふうな形で処理をされることになるのですか。
#55
○河野(一)政府委員 発行商の相当ございまするものは準備金として持つわけでありますが、それが回収されない間は市場に流通いたす。もしけりをつけるといたしますれば、何月何日以降はそう貨幣は法定の通用力がないということにいたして一定の期限をつけて回収いたす。出て来なかつたものは利益になる。この措置は別途考えることになると思いますが、ちようど紙幣につきましても同様な問題があるのでありまして、同じように扱わるべき問題であろうと思います。ただそういう法定の措置をとりますまでは、一般に流通しておるというふうに考えております。
#56
○川島委員 またとつびなお尋ねですが、五円以下の補助貨幣、これは今紙も相当高くなつているし、印刷代もさだめし高いだろうし、工賃も上つているというようなことで、五円を一枚刷るためにはどのくらい原価がかかるか。そんなことについて、お手元に資料がありましたならば、一応具体的に示してもらいたい。
#57
○河野(一)政府委員 お札の方で申しますと、千円札一枚刷りますのに四円二十銭かかります。百円札が四円かかります。十円札が三十三鏡。一円札が十九銭。十銭札が九銭七厘七毛ということに相なつております。それからコインの方でありますが、五十円製造経費が十六円八十六銭、十円が一円八銭三厘、五円が八十五銭四厘、一円が七十二銭、こういう計算になつております。
#58
○川島委員 なるほど十銭札を刷るために九銭何ぼかかるとえらいことになるということはわかつたのですが、そこでさらにお伺いしておきたい。特別会計で行います章はい、記章、極印、工芸品の製造、これはもつぱら政府の用途に使うものでありますか。一般民間からの工芸品の製造依頼などにも応じて行くわけでありますか。その点はどうなんですか。
#59
○河野(一)政府委員 これは主として民間からの受託に基きます。造幣局は相当技術を持つておりまして、一般民間の受注に応じていたしております。
#60
○川島委員 そういつた民間の需要に応じて、年間どのくらいの収入を得ておりますか。
#61
○河野(一)政府委員 年間にいたしまして大体三千万円程度受託を受けております。
#62
○川島委員 特別会計のことについては、また後ほどお伺いしたいと思いますが、ついでに証券取引法の問題をお尋ねいたします。先般も小峯君が触れられたようでありますが、五十万円の準備資産を持たせるということがある。五十万円以下に対しては、免許を取消すという形になつている。しかも今日の経済の実態、資産再評価なども行われるときにあたつて、非常に大切な他人の証券、あるいは現金を相当扱つて行きまする業者に、今の経済通念からして、さらに資産再評価等を考えた場合に、五十万円程度ではたして証券業者としての信用と言いますか、資産的な裏づけとなるべき何らの心配がないものかどうかということについて、私ども多少疑念があるのでありますけれども、実態についてはあまり詳しくいたしておりませんので、その点は政府はどういうふうに考えられておりますか。それからもう一つは二年間の余裕を置いた。今五十万円なければ非常に弊害が多いのだ。従つて五十万円にくぎづける。しかも五十万円は今後二箇年の間に資産を持てばよろしいということになると、現在は五十万円以下ではそこに弊害が多い。しかし特別に二箇年間は猶予するとなると、今後の二箇年間だけはあまり弊害がないという変な矛盾したことが起る。何ゆえにこういう二箇年という長い期間をこれに充てなければならなかつたかということについての、もう少しく具体的な、率直な見解を表明しておいてもらいたいと思います。
#63
○湯地政府委員 証券会社の登録申請の要件として、並びに証券会社が常に維持する要件として、純資本額五十万円という金額は、現在の経済情勢から見て少くはないかというお尋ねのようでありますが、これは御承知の通り純資本額でありまして会社の総資産の中から、不動産その他の固定資産を差引きまして、さらにそれより外部の総負債を差引いた残りが、いわゆる純資本額でありまして、これが五十万円を維持しなければならないということでありまして、これはほんとうの意味のネットに残る自由にできる流動資産ということになりまして、実はこの資格の制限をきめる場合に、こういうような純資本額で行くべきか、あるいはもつとわかりよく会社の資本金額で行くべきかとこういう考え方があるわけでありますが、ただ会社の資本額で行きますと、かりにその会社が一億円の会社でありましても、相当損をしあるいは債権が固定してしまつて取れなくなつておる。言いかえれば純資本の関係で、五十万円を割るというような場合でも、資本金額で押えますとこれは一定の金額でありまして、会社の内容等は直接それに響かないといううらみがあります関係上、いわゆる純資本額ということで、総資産の中から固定資産を引き、さらにそれから外部に対する負債総額を引いたその残り、これは始終動く数字でありますが、これだけを維持せしめるということの方が実質的であるというような意味で、純資本額を條件といたしたわけであります。この五十万円と言いますとも名目的には少いようにお感じになると思いますが、会社が相当大きな仕事をやつておりますと、特殊の値下り等がありますれば、すぐこれを割るおそれがあるので、これを維持せしめるということが、実質的であるというふうに考えておるのであります。それから現在の証券業者について、純資本額五十万円をただちに実施しないで、二箇年間の猶予を與えたという点につきましては、これは御説の通り、われわれといたしましても二箇年は、一番おそくて二箇年というつもりでありまして、できるだけ早く純資本額五十万円を維持するように指導はして参りたい、どういうふうに考えております。ただなぜその間の余裕を置いたかと申しますと、これは昨年の九月決算で調べた証券会社の中で、純資本額五十万円以下のものが約三九%ありまして、約四割近い証券会社が、当時においても純資本額五十万円というものを維持していないというような状態でありまして、ことに最近のように株価が低落して参りますと、さらにその維持は困難になるだろうという状態になつて、それを一挙に実施いたしますと、そういう証券会社については営業の停止、もしくは登録の取消しをするということになりまして、かえつて混乱を起しまして、その整理を強行することになると、顧客に対して不測の損害を與えるということも心配されますので、一応最大限として二箇年、こちらとしてはできるだけ早く指導をし、これを維持するようにさして参りたい、こういうふうに考えたわけであります。
#64
○川島委員 先般もちよつと私が強く触れたのですが、この取引法の一連の中に、例の新聞、雑誌等に関する評論に対する罰則、こういう問題は、どうもいまもつてあつて益なきものではないかという感じをいたしております。こういう法律をつくつたがために、出版者あるいは新聞発行者と政府の間に、あるいは、証券業者との間において、あるいは会社との間において、いろいろ疑義が生ずる場合が多くて、かえつて煩雑になつてしかもあまり益がない、こういうことになるのではないかと私は思いますが、政府はそれでもこの條文はどうしても置かなければならないという、強い考えを持つておるのかどうか。私はどう考えましても、この條文だけはない方がいいのではないかといまもつて考えておるのですが、その点いかがでございますか。
#65
○湯地政府委員 この第百九十一條の二の問題でありますが、この前もお話があつたのであります。われわれといたしましては、この趣旨はどちらかと申しますと、相当経済界において有力な方々、その人の意見が非常に有力に影響するというような人の、会社等に対する批評あるいは論説というものが、かりに対価をもらつたことによつて、多少誇張されて書かれるということでありますとその影響力が強いだけに、投資者一般に対して悪い影響を及ぼすということが考えられますので、むしろそういうことのないようにいたしたいということが、主たる目的でありまして御説のように本人と証券会社あるいは発行会社との間に、なれ合いで対価をもらつたことを隠して書くということは、あるいは二流、三流の雑誌等の執筆等の場合にあるとも考えられるのでありますが、そういう雑誌に載つたものについては、かりに対価をもらつておりながらもらつていないような形で出ましても、外部に対する影響はそう大きいものではない。むしろ有力な新聞、雑誌、あるいは有力な方々の意見等に、そういう間違いがないということが投資者の保護のために必要である。こういうふうに考えておるのでありまして、こういう規定がありますれば、自然そういう有力な方々あるいは有力な新聞、雑誌等においても、従来よりはもつと自粛されることになるのではないかという意味で、そういう効果を期待しておるのであります。
#66
○川島委員 そうするとこういう場合はどうしますか。たとえば、ある有力な会社が出資をし、または援助をしておる新聞、雑誌が、その会社のことについて評論をした場合、今の條文に直接触れるものかどうか。またよくあることでありますが、ある雑誌もしくは新聞が、有力無力は別として、一定の会社とある一定の機関を通じた広告を契約しておる。広告を契約されるのでありますから、その雑誌、新聞社はその広告主に対して好意も感ずるであろう。その結果として実際問題としてその会社の評論を書いてくれるといつた場合には、直接の対価の取引はないが、間接にはあることになる。その場合にはどういうふうに扱いますか。
#67
○湯地政府委員 最初の御質問に対しましては、この場合にはこの規定には触れないと考えております。
 それから後段お話になりましたものについては、実はこの法案をつくる際に、それが問題になつたのであります。当初、直接もしくは間接に対価を受け云々という原案もあつたのでありますが、そういたしますと、この境目は非常に微妙な関係がありまして、取締りの際においてもいろいろ困難を伴いますし、また現在のわが国といたしましては、少し行き過ぎと考えられましたので、「直接もしくは間接に対価を受け」という言葉をとりまして、單に「対価を受け」としたのであります。これはいわゆる直接こ受けたという解釈になるわけでありまして、ただいまのように間接に受けたような場合には、それに該当しないと考えております。
#68
○川島委員 この前も触れたのですが、一体新聞、雑誌が会社の評論をする場合に、これは優良でございますと、明らかに活字に表明して評論をするということがあり得るかどうか。この問題なんです。そういうことは社会通念ではないのにもかかわらず、こういう條文を設けるということは、私としては自由であるべき言論、文章に対して、無用の干渉をしておるのではないかという感じもいたさないわけではない。まだ納得の行かない点がありますけれども、時間がありませんので、この程度で一応打切つておきます。
#69
○内藤(友)委員 私は資料を請求したいのであります。解散団体財産収入金特別会計法に関して、こういう資料はできないものですか。すでに解散を命ぜられた団体で、解散を命ぜられたときにおけるその団体の全体の資産はどれだけか。それが清算事務をやつてから、ほんとうに姿がなくなつてしまつたそのときに、財産の余りがあつた、それをこの特別会計に入れようというのでありますが、それが幾らか。またその中間の解散のいろいろな事務処理をやるのに、どれだけの経費いつたか。すでに解散してしまつた団体二、三について、こういう資料がありましたらいただきたいと思います。と申しますのは、解散を命ぜられましてもだらだらとしまして、解散時に多少財産を持つておつたのを清算事務で食つてしまう、火事泥をやるというのを時折私ども聞くのでありますが、これが実際解散したものについてどうなつておるか。これを実は見たいので、なるべく私どもの見たいような都合のいい材料をちようだいしたいと思う。
#70
○佐藤(一)政府委員 できるだけ御希望に沿いたいと思います。
#71
○奧村委員 本日提出された議案にからんで、三特別銀行、農林中金、商工中金の現在までの貸借対照表、預金高及びおもな株主というような資料を提出願いたいと思います。
#72
○小山委員 今日提案されましたものに関連しまして、二十五年度に必要な長期産業資金、これを設備資金、運転資金にわけて、それの調達方法つまり資金源をどこに求めるか。つまり見返り資金、預金部、銀行預金、個人の直接投資、法人の社内留保というようにわけた資料をいただきたい。それから銀行等の債券発行等に関する法律案の中でありますが、第十條と第十四條の計算例をお示し願いたい。
#73
○川野委員長 それでは本日はこれにて散会いたします。
    午後零時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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