くにさくロゴ
1971/05/24 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第8号
姉妹サイト
 
1971/05/24 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第8号

#1
第068回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第8号
昭和四十七年五月二十四日(水曜日)
   午後一時二十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     濱田 幸雄君     鈴木 省吾君
     佐田 一郎君     長田 裕二君
     金井 元彦君     鬼丸 勝之君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         長谷川 仁君
    理 事
                楠  正俊君
                剱木 亨弘君
                丸茂 重貞君
                川村 清一君
                戸叶  武君
                藤原 房雄君
                高山 恒雄君
    委 員
                稲嶺 一郎君
                長田 裕二君
                梶木 又三君
                片山 正英君
                亀井 善彰君
                古賀雷四郎君
                鈴木 省吾君
                竹内 藤男君
                初村滝一郎君
                山内 一郎君
                鈴木美枝子君
                田中  一君
                田  英夫君
                宮之原貞光君
                村田 秀三君
                塩出 啓典君
                宮崎 正義君
                春日 正一君
                喜屋武眞榮君
   政府委員
       沖繩開発政務次
       官        玉置 和郎君
       沖繩開発庁総務
       局長       岡田 純夫君
       外務省条約局外
       務参事官     穂崎  巧君
       大蔵大臣官房審
       議官       前田多良夫君
       厚生省薬務局長  武藤g一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       防衛施設庁総務
       部施設調査官   楯石 一雄君
       沖繩開発庁振興
       局振興総務課長  荒木  睿君
       外務省アメリカ
       局外務参事官   橘  正忠君
       厚生省社会局生
       活課長      蝦名 真一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する
 調査
 (沖繩の物価対策に関する件)
 (医療問題に関する件)
 (混血児問題に関する件)
 (B52の嘉手納基地寄港問題に関する件)
 (円・ドル交換問題に関する件)
 (売春問題に関する件)
 (基地問題に関する件)
 (米軍人、軍属の犯罪問題に関する件)
 (久米島事件に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(長谷川仁君) ただいまから沖繩及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る五月十三日、濱田幸雄君、佐田一郎君及び金井元彦君が委員を辞任され、その補欠として鈴木省吾君、長田裕二君及び鬼丸勝之君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(長谷川仁君) 次に、理事補欠選任の件についておはかりいたします。
 去る五月十二日、鬼丸勝之君が委員を辞任されたことに伴ない理事が一名欠員となっておりますので、これより理事の補欠選任を行ないたいと存じます。理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(長谷川仁君) 御異議ないと認めます。それでは理事に鬼丸勝之君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(長谷川仁君) この際玉置沖繩開発政務次官から発言を求められておりますのでこれを許します。玉置沖繩開発政務次官。
#6
○政府委員(玉置和郎君) このたびはからずも新設されました沖繩開発の政務次官に就任いたしました玉置和郎でございます。まことにまだ不勉強でございまして、いろんな点におきまして諸先生方の御指導、御鞭撻をお願いしなければならぬこと多々あろうと思いますが、よろしくお引き回しのほどをお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#7
○委員長(長谷川仁君) 次に、沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○田英夫君 沖繩が返りましてから、ちょうど十日になるわけでありまして、ところがその返還直後物価の上昇、あるいはB52の飛来というようなことで、現地沖繩の状況はまことに憂慮すべき状態と言っていいと思います。そこで、きょうは政府側にこの現状に対していろいろ対策をお尋ねしようと思いましたけれども、大臣席がからっぽで、どうもまことにやりにくいわけでありますけれども、そういうことを言っていられないほどの緊急の状態だと思いますので、関係政府委員の方から、ひとつ現在の状況に対する緊急の対策を伺いたい。まず、もうすでに新聞などで大きく伝えられているように、現地の沖繩の物価の急上昇というものは、このまま放置したならばまさに大混乱と言っていい状態になっていると言えると思います。
 そこで、そうした現状をつくり出したのも、元をただしていけば三百六十円交換ということを約束しながら三百五円というレートを押しつけたというような、これに象徴されるような政府の対策の誤りにあるのではないか、こう思わざるを得ないわけであります。新聞などで伝えられている、物価の上昇の状況をいろいろ伝えられておりますけれども、沖繩で最も住民の主要な食糧と言われているブタ肉を例にとってみても、大体四割から六割という上昇を示しているようですけれども、このような状況をいま政府のほうでどのようにつかんでおられるか、新聞へ伝えているところだけではわかりませんので、ひとつ現状を関発庁なりおつかみのところをお答えいただきたいと思います。
#9
○政府委員(玉置和郎君) 沖繩における復帰直後からの異常な物価騰貴でございますが、これは私どもの山中長官が記者会見ですでに述べておりますが、大体三つの点からとらまえておるわけであります。その第一は、沖繩県民の心理的な不満であります。これは三百六十円でこれが計算をされていくという受け取り方をしておったにもかかわらず、ただいま御指摘がありましたように、三百五円になったという、このことに対する不満、これがやはり何としても物価にはね返ってきておるという、こういう心情的な要素というものをやっぱり私たちも重く見ております。
 で、第二番目に考えますことは、三百六十円のレートでやられると思っておったのが三百五円になったじゃないか、それだけに、いままで商人の間でもこれは当然三百六十円でやられるんじゃないかということで、自分たちの店のドル建ての表示も三百六十円のレートによっていろんな換算の表をつくって、そうして自分たちの得意先にも渡しておったというふうな例もあります。また、この米ドルが使われましてから――これはたしか一九五八年からだと思いましたが――十四年になるわけであります。十四年間の三百六十円レートのドルに対する沖繩県民のなじみ方というものは、われわれの想像を絶するものでありまして、いま、三百六十円ということでずっとやってきた生活の中に三百五円というレートが飛び込んでまいりましても、これがなかなかなじめない。勢い、やっぱり三百六十円で計算をしていく。ことに、公共料金、また、賃金労働者の賃金というものが三百六十円レートで計算されておる。そういうときに商人のほうだけが三百五円で計算をするということは、何かしらこう、われわれにとって不利だというようなことから起こるこうした現象も見のがせないと、こう思っております。
 もう一つ、三番目に私たちが考えておりますのは、沖繩が本土に復帰しましたときにいろんな特別措置を考えておりましたし、すでにそのことについては皆さんの御質問の中でも長官が答えてきたはずであります。そうした特別措置、たとえば輸入関税に対する特別な考え方、こういう措置に対して沖繩県民の間にあまり徹底しなかったという、PRの不足という、こういうこともやっぱり考えてみますると、こういうことが物価騰貴の要因をなしているのではないかと、こういうように理解をいたしております。
#10
○田英夫君 そういう現状であるわけなんで、そこで、沖繩県のほうでは、緊急にいろいろ対策をすでに講じておられるようであります。しかしながら、こういう物価問題というのは、単に地方自治体の対策で済むものではないし、特に本土との関係においていろいろ手を打たなければならないということになれば、当然政府の緊急の対策というものが望まれるわけでありますから、その点で、すでにいろいろお考えとは思いますけれども、どういうことを具体的にやっておられるか、考えておられるか。たとえば、その物価上昇の一つの大きな要因は、いま政務次官おっしゃったようなことから、たとえば一般住民の買い占めというような事態が起きているわけですが、豚肉とかあるいはベーコンとかいうような、特に沖繩の人たちにとって重要な食糧などは、本土から緊急に送り込むというようなことで買い占め機運を鎮静させると、こういうことから物価安定の一つの糸口も見つかるのではないかという気もするわけですけれども、その辺の対策、具体的な対策をお示しいただきたいと思います。
#11
○政府委員(玉置和郎君) いまお話のありました沖繩県だけで物価対策というものはむずかしいというこのこと、私たちも沖繩といわゆる本州、いわゆる昔の本土でありますが、本土との関係から見ましても、当然だと思います。そこで、物価の上昇しておるこれを品目別に見ましても、沖繩県だけで解決できるものもあり、また、どうしてもやっぱり本土の政府というものがこれに力強い援助措置を与えなかったならば解決のできない問題も多々あるわけであります。そういうことから、先般、開発庁が中心になりまして、関係各省庁の幹部を招致しまして、山中長官が中心になってこの対策を練ったわけであります。で、特に力点を置いておりますものは、日常の生活品でありまして、ことに農林物資に力を入れております。農林省としましても、すでに対策の方向がある程度打ち出されてきております。また通産省としましても、緊急の輸入物資に対する特別な考え方、これも出てきております。御承知のとおりだと思います。そこで、こういうふうな考え方だけを打ち出しておったんじゃほんとうに物価を冷やすということにはならぬじゃないか、上がってくる物価を冷やすということにならぬじゃないかということで、実は山中長官の一つの考え方、これは実はきのう記者団にも語られたわけでありますが、そのときにはオフレコという形で出ておりましたので、私たちはまだ内部で慎重に検討をいたしておりました。そのものはランチョンミートという、これは北欧風のソーセージだそうであります。きょうは稲嶺先生、それから喜屋武先生おられますので、私は確かに食べたことはあるのですが、ランチョンミートというのはどんな形をしておるのか知らないのでありますが、このランチョンミートというのは、沖繩県民の副食の中でたいへん重要な関係にある。ことにこのランチョンミートというのは学童の給食に使われておるということから、これをやはりひとつ重点的に考えようじゃないかという議が起こりましたときに、われわれがはたと行き詰まったのは、ランチョンミートというのは、これは輸入品でありまして、すでにこのランチョンミートを積んだサバンナ号という、大阪三井船舶に所属している一万トンの船でありますが、それを積んで沖繩の港に来たのでありますが、ちょうどストでありまして、沖繩で荷下ろしができないということから、他の、積んでおる荷を神戸で下ろそうというので神戸に向かいました。また神戸のほうもちょうどストに入りましてなかなかランチョンミートなるものが沖繩県民の手に入らないということであります。現在神戸港にサバンナ号はストのために停泊をしておるわけであります。ランチョンミートをサバンナ号は、大体私の知っておる範囲では約五十トン近く積んでおるそうであります。これは沖繩県のランチョンミートの必要量からいたしますると約三カ月分になるのだそうであります。そこでこういった学童の栄養向上という点なんかから考えてみましても、また、ランチョンミートが一部の業者によってどうも買い占められておるのじゃないかというふうな見方もありまして、市場にいま出回っておらない。その騰貴の度合いも非常に高いというところから、関係筋にひとつお願いをして、ぜひ、ストの現状はわかりまするが、新生沖繩県の出発ということから、いわゆる高い次元からこの問題にひとつ手をそめていただけないかということを要請をいたしておる現状でございまして、そうした問題が解決をいたしますと、私たちのほうではさらにまた海上保安庁のほうに懇請をいたしております。そういうことから両方の接点が合いますると、こういうランチョンミートなるものが沖繩に向けて、いわゆる沖繩県の要請ということで受けて立った本上政府が緊急手配ができるということでありまして、こういうあたりから高騰していく物資というものを冷やしていきたいというふうに考えておるわけであります。
#12
○田英夫君 ランチョンミートの話が一つ例として出たわけですけれども、それに限らず、やはり日用必需品の中で特に外国から、あるいは本土から送りつけなければならないものですね、これをひとつ緊急に送り込むと、こういうことをやらなければこの買い占め機運を鎮静するというような効果は出てこないんじゃないか、しかもそれは非常に早急に手を打たなければならないんじゃないかと、こう思いますので、その辺、開発庁のほうで具体的にほかの品目についても計画がおありになるならば示していただきたいと思いますが、半務当局でけっこうですが、いかがでしょう。
#13
○政府委員(岡田純夫君) いま政務次官から最も沖繩県民の生活に親しい部分について言われたわけでございますけれども、そればかりではなくして、種々の品目につきまして具体的にどのような手を打つべきか、たとえば外国からの輸入品でありますというと、当然これはまあドルでございますからして、端的に申せば上がる理由がないものなんでありますけれども、それもまあ三百六十円で切りかわっているというふうなものも少なくない、そういうものについてワクを広げる。あるいはまた、本土のほうから冷凍漁業品でありますとか、その他送れるものはどんどん送るということで、しかもなるべく早期にということで、しかも品目ごとに具体的な政策を立てないと意味はございませんので、本日ただいま関係各省庁集めまして輸入ワクの増大、本土からの移送、あるいはまた別の角度からは、やはり公正取引関係でもって言うべきことは教えてあげるというふうな態度も必要でございます。そういうようなそれぞれにつきまして対策を本日現在練っておるところでございます。
#14
○田英夫君 その点はひとつ早急に、いま公正取引の問題も出ましたけれども、そういう点についても適切な措置をとっていただいて、早急にその対策を、具体的に手を打っていただきたいということをお願いしておきますが、もう一つ今回のこの緊急の値上がりの問題だけでなくて土地の問題ですね、土地の値上がりということも、いますでに日用品を中心にしたこの急激な物価上昇ということに伴って、すでに復帰前から本土の観光業者などによって土地の買い占めが、あるいは大企業が工場を建てるというようなことで土地が買われているという中で、地価の問題ですね、これも早急に手を打っておかないと、本土と同じように、あるいはもっともっと悪い状況でさらに物価の上昇の根になってくると、こういうふうに考えられるので、その点土地の値上がりの実態をひとつどういうふうにつかんでおられるか、これもひとつお示しいただきたいと思います。
#15
○政府委員(玉置和郎君) 沖繩県の土地に対して、まあ本土側のかなりの企業が積極的に買いに出ておるという事実は私たちもこれは就任する前から、新聞あるいは雑誌その他で承知をしておりました。で、私個人の当時の見解でも、これはいかぬなということを考えておりましたが、こうして開発の政務次官ということで就任をいたしてみましたときに、この問題が解決をしないと海洋博の問題にしましても、これから沖繩の開発の基盤整備をしていく上におきましても、これは大きな障害になるということで、これこそ真剣に取り組まなきゃならない。しかも、息の長い取り組み方をしていかなきゃならぬという考え方を持っておったのであります。そこでこの問題を考えましたときに、単にいまの企業が出てくるそのものをチェックしていくということ、このことも大事でございますが、私は何としてもいま米軍が占めております基地――御承知のように離島も全部含めますと基地の占めるパーセンテージというのは何か一二%くらいでありますかね、沖繩本島だけにいきますと二二・一というようなことでありまして、この基地というものをどのように縮小していくかというところからやっぱり真剣に考えて、それとあわせて土地政策というものを打ち立てていかなければならぬのじゃないかというふうに考えるわけです。それだけに、これはやはり沖繩の県民感情というものをこれをよく知っておる沖繩県というものを中心にして、そうして進出してくるこうした思惑的な買い手に対してどのようにチェックするかということにつきましても、やっぱり私たちはできるだけ手をかして、そうしてそういう進出というものを押えていきたいというふうに基本的に考えております。ただむずかしいのは、いままでにやはりいろんな形で手が打たれております。沖繩県民の名でもって買われておるそうした土地が、やっぱり背景に大企業がついておるというようなことにつきましては、またこれは税制の面から、あるいは企業認可の面から、そういった面からもチェックするぞというやはり姿勢を早く打ち出さなければならぬのじゃないかというように考えておるわけでありまして、この点についての詰めは、まだ開発庁発足したばかりでありまして、長官ともさらに私たちも意見を交換しまして具体的な案を出していきたいと、こういうふうに考えております。
#16
○田英夫君 たいへん山中さん、玉置さんという実行力のあるコンビが生まれておりますので、ひとつこの土地の問題もいまのお答えのように、本土の企業あるいは観光会社というようなところに沖繩が荒らされるというようなことのないように、これもいまのおことばをひとつ実行に移していただきたいと、こうお願いをします。で、その土地の問題に関連をして基地のことを言われましたけれども、基地の再契約の問題、いま具体的になってきているわけですが、まあ見舞い金という形で三十五億ですか、出すというようなことのようですが、再契約の問題どういう進行になっているか、これひとつ現状の実態をお話しいただきたいのですが。
#17
○政府委員(玉置和郎君) これは施設庁関係だと思いますので、施設庁のほうから御答弁……。
#18
○田英夫君 施設庁の方がおいでにならないようですが、まあ三十五億円という金を出すが、それを何か伝えられるところによると二分して、再契約者には、二十五億を均等に割って、残り十億を再契約者にのみ支払うというようなことがいわれているけれども、この点が事実なのかどうか、そういうことになると非常に何かえさでつるような形になる、好ましくない状態だと思いますけれども、この辺、政務次官御存じならばひとつお答えいただきたいと思います。
#19
○政府委員(玉置和郎君) 不勉強でございまして、まだそういうところまで私も聞いておりません。しかし、そういうことが事実だとするならば、これはやっぱり私たちの基本姿勢、いわゆる沖繩の県民感情をさかなでするようなことに対しては、やっぱりひとつそういう立場からこの問題を検討していきたいと、こういうふうに考えております。
#20
○田英夫君 どうも開発庁のお立場から言われるとまことにけっこうなんですけれども、防衛庁なり防衛施設庁の立場からすると、何とかして基地の土地を確保してやろうということで、どうやらいま私が申し上げたように、一律分と再契約者にのみ支払うという分とに分けて計画が進められているということのようですけれども、こういうやり方はまことに、まさにえさでつって契約を進めていこうということであって、政務次官言われたように、全く住民感情をさかなでするということですから、これはもう基本的には先ほど言われたように、沖繩の基地を縮小するという方向で進めるべきであって、このえさで再契約をやっていくという方向はまさにそれに逆行するわけなんですから、この点はひとつ早急に開発庁として折衝していただきたい。その結果はぜひひとつお知らせいただきたいと思いますが、そういう何というか、基地をむしろ存続しようという姿勢ですね。この点はひとつ重大な問題だと思いますので、まあきょうは関係者おいでになりませんけれども、次回あらためて機会がありましたらひとつお尋ねをいたしますけれども、開発庁の立場をひとつ通していただきたい。この点ひとつ重ねてお願いをしておきます。いかがでしょうか。
#21
○政府委員(玉置和郎君) 開発庁の基本的な考え方というものは、いまお話のありましたように、私は沖繩県の全島的開発ということになりますと、やっぱり現在ある基地に対する取り組み方、これがやっぱり明確化されなきゃならぬと思います。
 そこで、外務省のほうは、これは御承知のようにアメリカとの外交交渉をスムーズに進めるという立場からいろんな考え方が出てくると思います。また、防衛庁は防衛庁なりに、やっぱり自衛隊の配置ということについて主として考えていきますだけに、それなりのやはり主張が出てくると思います。しかし、そうした考え方を持っておる外務省であれ、防衛庁であれ、やっぱり何のために存在をするのかということを考えますと、やっぱり沖繩県民の平和と福祉ということになるのでありまして、そういうことからするならば開発庁の取り組むべき第一の問題は、基地をいかに縮小していくか、そうしてその転換をしていく基地というものを経済開発にどのように利用していくかという問題、こういった問題がやっぱり私たちに課せられた非常にむずかしい、しかしまた、どうしても、避けて通ることのできない私は課題であると、こういうふうに理解をしております。
 もう一つこれは付言をいたしますが、私は現在朝霞に住んでおります。朝霞もやっぱり基地の町であります。われわれそれぞれイデオロギー、立場は違いましても、基地というものはなるべくやっぱり人口の密集している地帯から離すべきである。やっぱり私は立場上、基地というものはある程度は必要だという認識の上に立っておりますが、しかし、何も人口の密度の高いところに置くことは、基地の機能をかえって低下さすというふうに考えておりまして、基地というのはなるべく人目の多く触れるところのない、そういうところに置くべきであるという考え方から、朝霞におりながら、朝霞の市長ともどもこのことを主張してきたのであります。それだけに、ぼくは基地というものに対する認識は、基地の町に住んでおりますだけによくわかります。那覇を中心にした自衛隊の配置の問題につきましても、きょう初めてそういう見解を公式の場所で申し述べるのでありまするが、私は、今後長官とも相談をした上で、これは政治全体の大きな問題でありますだけに、防衛庁ともそういった問題について、私たちの基本的な考え方というものについて深い理解を示していただきたいと、こういうふうに願っておるものであります。
#22
○田英夫君 あまり時間がありませんので、できればB52飛来問題を中心にした基地の問題をお尋ねしたかったわけでありますが、本日はそれができませんので、もう一つ政務次官おいでの間に伺いたいんですが、いまの基地の問題に関連をして、返還後わずか十日ですけれども、すでにアメリカの軍人軍属による犯罪というものがむしろ増加をしているというふうに伝えられております。で、これまた沖繩の皆さんにとって重大な問題であって、今度のB52の飛来に象徴されるように、どうもアメリカ側は、特にアメリカ軍は、沖繩返還ということによって生じた新しい事態、日米間の新しい事態というものを末端まで正しく認識していないんじゃないかという気が非常にいたします。この点で、日本政府として、やはりこの際き然として注意を喚起する必要があるんじゃないかと。さらに昨年の米軍による犯罪、さらには以前との比較、そしてこの十日間の状況というものを私も調べてみましたけれども、むしろ増加の傾向にある。これはベトナム戦の激化ということに原因があると思いますけれども、それにしても、沖繩県民の感情からすれば、復帰という事態の中から当然これは激減をし、なくならなければならぬというのが当然であるにもかかわらず、傾向としてはふえていると、こう思いますが、その辺、まあ警察庁がおいでにならないとつかめないかもしれませんが、この犯罪の状況をどういうふうにつかんでおられるか、おわかりならお答えいただきたい。
#23
○政府委員(玉置和郎君) 復帰いたしましてこの十日ほどの間に犯罪件数がふえておるというその実態については、私は詳しい報告に接しておりません。しかし、私はいま先生のお話を聞いておりましてふと思いましたのは、もし、これが答えになるかどうか、その点ははなはだ私自身も疑問に思いながらお話をしているんですが、やはりアメリカ軍人といっても、これはもともと米国人でありまして、これがもし日本と置きかえたときにどうだろうかということをふといま考えたのであります。それだけに私はちょうど松岡主席がワシントンから帰られて、那覇に着かれたその直後、それはジョンソン大統領――当時の大統領と話をされたときのことであります。ジョンソンさんに、沖繩の本土復帰をまあ執拗に迫った。そばにおったマクナマラさんが、顔をまっかにしてテーブルをたたいておこった。何を言っているのかと言って松岡さんに迫ったそうであります。沖繩で日本人がたくさん死んでおると言うなら、おれたちだって同じことじゃないかというようなやりとりがいろいろあったそうであります。――まあそういうのがやっぱり米軍の国民感情の中に、あれだけのインテリがそういうことばを言うんですから、私はやっぱり多少残っているんじゃないかというふうな感じがいたします。しかし、それだからといって、私はこれは許すべきではない。少なくともアメリカという世界の先進国を自認する国でありますし、法体系を尊重したいと、それで法秩序というのもあくまで尊重したいというのが現在の大統領の方針でもあります。それだけに、米軍人といえどもその方針には私はやはり当然従うべきであるという考え方をとりますだけに、この際御指摘をいただきましたように、われわれといたしましては、そういう関係の筋に対しましてもき然たる態度で臨め、そして一日も早く、一時間でも早くそうしたこの復帰直後の犯罪件数の増加という問題に対して真剣な対策を立てろというふうなことを私たちは指示したいと、こう思います。
#24
○田英夫君 もう時間がありませんが、いまの冒頭申し上げましたように、現在の沖繩における事態というのは、この物価の問題、そして基地の問題、特にB52飛来というこの事態、非常に重大だと思います。
 委員長にお願いをしたいんですが、こういう事態の中で、本日の委員会に残念ながら大臣がどなたもおいでにならないと、会期末ということで、衆参の各委員会が一斉に開かれているという事態であることはよくわかりますので、文句を言うわけじゃありませんけれども、やはり沖繩のこの緊急の事態というのは大臣がおいでにならない委員会でも、その問題について質疑が行なわれているからということもあるでしょうけれども、当委員会はまさにこの沖繩の問題について中心に考えていく委員会であるので、この点ひとつ今後は当委員会を重点的に政府としてお考えいただきたいように、これは私から申し上げることではないかもしれませんけれども、理事会でお話し合いの上、ひとつ十分な審議ができるようにお取り計らい願いたいということをお願いをして終わりたいと思います。
#25
○鈴木美枝子君 政務次官にお願いいたします。
 私は五月十四日から、十五日、十六日、十七日と、復帰の日に沖繩に行ってまいりました。
 売春の問題でございますけれども、栄町、十貫寺、与儀、美里村にある吉原、コザにある中央通りの白人街、黒人街歩いてまいりました。十五日以後でもあまり変わりない様子を見てまいりました。
 沖繩県の問題は全日本の婦人の問題だと思います。特に、売春の問題は全日本婦人の屈辱の問題だとして御質問申し上げます。
 で、前々から前借金のことについて婦人議員の方たち一同で取りやめにしてくれ、そしてまた、沖繩の売春協議会の方たちも取りやめにすることを宣言してくれということでは一致しております。どう処置をしてくださいましたでしょうか。
#26
○政府委員(玉置和郎君) 私が政務次官に就任をいたしまして、前任の沖繩関係の政務次官というか、そういう仕事をしておられました砂田――現在の総理府総務副長官から特に引き継ぎの中で力点を入れて説明を受けたものはこの問題であります。そうしまして、この問題についての対策について関係各省ばらばらになっておるんで、これはひとつ緊急に政務次官のもとでそういう方々のお集まりを願って、総合的な対策というものを早く立てるべきであるというふうに聞いておりましたし、私たちもまだその集まりは、先生申しわけございませんが、まだやっておりませんが、緊急にやっぱりやりたいというふうに考えております。そこで、そういう話の中で、いま御指摘をいただきました前借金の問題、これをどうするかということで法務省とも詰めまして、まだ法務省がその見解について公式には発表をいたしておりませんが、私たちの詰めた話の中では、これは法的に無効であるという考え方が出てきておりますので、これは早い機会にそういう総合的な対策を立てたその第一発に、われわれとしてそういう意思の表示をしたいというふうに考えております。
#27
○委員長(長谷川仁君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#28
○委員長(長谷川仁君) 速記を起こして。
#29
○説明員(蝦名真一君) 前借金の問題につきましては、これはすでに本土の最高裁の判例があるわけでございます。昭和三十年だったと思いますが、売春を前提とした前借金は無効であるという最高裁の判例が出ておりますので、沖繩においても当然この判例が有効であると考えまして、この意味では前借金は無効であるというふうにわれわれも考えております。
#30
○鈴木美枝子君 政務次官、前借金のことを総合的に相談した上で取りやめにする方向を持つと言いましたけれども、もうすでに五月十五日からは十日たっておりますので、いつごろまでにそのことを実行していただけますでしょうか。
#31
○説明員(蝦名真一君) 前借金の問題は、これはいわば民法上の問題でございまして、この点につきましては法務省がいろいろ検討されておるところだと思います。
  〔委員長退席、理事楠正俊君着席〕
私どもは婦人保護の立場でございますが、私どものいわば第一線機関であります婦人相談員、あるいは婦人相談所等につきましては、先ほど私が申しましたように、売春を前提とした前借金は無効である、これはすでに本土の判例が出ておるということを周知するようにいま指導しておるところでございます。
#32
○政府委員(玉置和郎君) いまの前借金の法的な無効性という問題ですね、これは非常に急を要する問題だと私も思います。そこで私たちもその総合的な対策を立てて云々ということをいま言っておりましたが、私たち総合的な対策も早く立てなければいかぬと、しかし、この問題は長官ともすぐ相談しまして、なるべく早ければ早いほどいい、この問題は。そうして法的に問題もなければ、ただ、いままでその方たち等が、端的なことばで言うと、御婦人を犠牲にしてあくどいもうけ方をしておったというふうな方に対しては、それは前借金というのはいかぬのだぞと、そんなものは効果ないのだということをはっきり知らせ、そうしてまた前借という鎖につながれておった御婦人を一日も早く、一刻も早く解放するという立場から何らかのいい方法というもの、一番いいのはやはり記者会見だ、こう思いますので、長官とも相談をしまして、そういう方途を早くとりたいと、こういうふうに考えております。
#33
○鈴木美枝子君 いつごろとはきめられないけれど……。
#34
○政府委員(玉置和郎君) すぐきめます。
#35
○鈴木美枝子君 それじゃぜひ早くやっていただきたいと思います。
 私が五月十五日に参りましたときに、新聞の一面に、売春防止法実行というふうに出ておりましたんでございますけれども、売春防止の問題と更生施設の問題とは車の両輪になっているような感じがするんです――感じじゃなくて、絶対にそうだと思うわけなんです。五月十五日の日に、新聞では売春防止法のことが出ておりましたけれども、更生の問題については出ていなかったようでございます。こまかい部分でございますけれど、婦人相談所のことは、どのくらいの規模で、どのくらいの経費でやっておりますか。
#36
○説明員(蝦名真一君) 婦人相談所につきましては、規模と仰せられましたけれども、職員を、従前五名だったところを八名に増員するように四十七年度の予算では措置いたしてございます。
#37
○鈴木美枝子君 売春の方たちが七千三百八十八人いた、現にいるという中で、婦人相談員の人が八名では足りないんじゃないでしょうか。その点について政務次官お答え願います。
#38
○説明員(蝦名真一君) 先ほど婦人相談所の規模で申し上げまして、職員八名と申し上げましたが、なおそのほかに婦人相談員を十一名配置することになってございます。婦人相談員が不足かどうかという点でございまするけれども、私ども十一名というのは本土の例に従いまして、ほぼこれでまず、もちろん十分ということではございませんけれども、まあ売春防止法執行について支障のない体制をとれるのではないかというふうに考えまして予算措置いたした数字でございます。
#39
○鈴木美枝子君 私はどう見ても十一名では足りないと思いますので、ここで提案させていただきたいと思います。私が五月十五日に回って歩きました栄町に何人置くか――そういう売春の方たちがいらっしゃった地域に相談所を開いて、そして個所個所に婦人相談所をつくるというようなことはお考えになりませんでしょうか、政務次官。
#40
○政府委員(玉置和郎君) いま先生御指摘をいただいておりますのは、管理された売春婦の対策の問題ですね、これは。管理というか……。
#41
○鈴木美枝子君 婦人相談所が少ないということです。
#42
○政府委員(玉置和郎君) その対象がですね。これはやっぱり、ぼく自身まだ実態――沖繩に私も行きましたけれども、私はそういうところへ行ったこともございませんし、わかりませんので――これはまあ冗談ですが、実際この問題につきましては、私はやっぱり本土並みということになりますと、これは一番先に手がけにゃならぬ問題、しかもやっぱり非常にじめじめした問題でありますだけに、豊かな、平和なというふうな沖繩のうたい文句からいきましても、この問題についてはやはり思い切って対策を講じていきたいと、こう考えておりますので、いま先生から出されました御意見というものは、きょうは謹聴さしていただきまして十分心にとめさしていただきまして、そうして対策を考えていきたいと、こういうふうに考えております。
#43
○鈴木美枝子君 じゃ各個所に置いていただけますね。
#44
○説明員(蝦名真一君) 婦人相談所は、これは都道府県の設置する相談所でございまして、これは本土の場合におきましても、各都道府県一カ所ということでございます。一種の行政機関でございまして一カ所、で、各地に置くということは、そういうことで事実上できないと思いますが、それを補うために巡回相談ということで、婦人相談所が各地を巡回して相談にあずかっておるということでございます。なお、婦人相談員につきまして、相談員が主として中核となって相談に応じるわけでございますけれども、このほかに民生委員とか、あるいは人権擁護委員、あるいは婦人少年室の協助員というようなボランティアの方が、それぞれお互いに連絡をし合いまして、ネットワークを組んで婦人の保護更生の相談に応ずるというような仕組みをとっております。そのようなことを現地のほうにも強く指導しておるところでございます。
#45
○鈴木美枝子君 四十七年の一月一日に、婦人相談所の相談員が七人でございました。その三カ月間で四件の事件しか解決することができなかったわけです、七人では。で、いまのお話によりますと、七人から十一人になった。この四人ふやすだけでは七千三百八十八人の方たちの相談に応じることができないという、この事実があるわけです。そしてまた一月一日では、更生する婦人のために十四万三千ドルで六十一人収容する施設を一つ建設することになったという事実があるんですけれど、そのお金だけでは予算不足で建設が進まなかったということなんです。ですから五月十五日以後、四人ふやすだけではだめだと思うから、私は各個所にふやしていただきたいと、こう申し込んでいるんです。それについてただばく然と、するというのでなくて、各個所につくる、十一人ではだめだという、そういう御返答をいただいておきたいと思います。
#46
○説明員(蝦名真一君) ただいま六十一人収容の施設というお話でございますが、これは婦人を収容する施設、まあ私どものほうで申し上げますと婦人保護施設でございます。この施設につきましては、実は昭和四十六年度の日政援助費で国が補助として行なったものでございまして、私どももこれを早く設置するように、当時の琉球政府を強く指導したところでございますけれども、現地の事情で着工がおくれて、現在昼夜突貫工事で工事を急いでおるところでございます。これが来月完成する予定になっております。なお、四十七年度予算におきまして、さらに施設を一カ所増設するように予算措置を講じているところでございます。
#47
○鈴木美枝子君 いまの御返事ではちょっと納得できないんですけれど、政務次官どうぞ。
#48
○政府委員(玉置和郎君) 開発庁というのは、大体、御承知のように、県民の心になって仕事をしていくというのが開発庁の基本の姿勢です。ただそれを執行していくというか、現場の官庁というのが、いま答弁をいたしました厚生省ということになります、この問題では。それだけに、国会のこうした御要望に対しましては、これは当然国民の代表の立場から言われることばでございますので、沖繩県民の御意思にかなっているというふうに受け取っておりますだけに、基本的なそういう姿勢を持つ開発庁としましては、先生の御意思を十分くみまして、さらに厚生省とその問題について十分御意見を尊重しながら詰めていきたいと、こういうように考えます。
  〔理事楠正俊君退席、委員長着席〕
#49
○鈴木美枝子君 じゃあ、それを約束してくださいますね。そして前借金をなくすだけではなくて、更生資金を出すというような計画はございますでしょうか。
#50
○説明員(蝦名真一君) 沖繩のこのような婦人の更生のためには、婦人更生資金という制度を準備してございます。で、従前、この制度は実は復帰前から沖繩で発足いたしておりまして、復帰前におきましては、ドル三百八円換算で十六万九千円というのが最高額でございましたけれども、本土復帰になりましてこれが最高四十万円まで増額したというしかけになっております。これはこれらの婦人が正業につくためにいろいろな当座の金が必要であるという方に貸し付けるものでございます。
#51
○鈴木美枝子君 その窓口が婦人相談所になっているのですか。
#52
○説明員(蝦名真一君) これは窓口としましては、先ほど申しましたように、民生委員その他のボランティア、あるいは婦人相談員で、結局最後に婦人相談所がこれらの事務を取り扱っているところでございます。
#53
○鈴木美枝子君 ではなおさらのこと、十一人では七千幾人かの人を受け入れる段階ではないものですから、ぜひ各所につくっていただきたいと思います。この場で約束していただきたいと思います。
#54
○説明員(蝦名真一君) 私、説明が不十分であるいは言い足りなかったかと思いますが、婦人相談所というのはこれらの婦人の保護、更生をする役所でございまして、これはやはり本土におきますと同様に各県一カ所。で、必要があれば巡回相談をするというようなことになっておるわけでございます。で、さらにこの婦人相談所の職員のほかに、婦人相談員という方々が十一名おられるわけでございます。なお、そのほかのボランティアの方々がさらに多数おられるわけでございます。で、ただいまの婦人相談所はそういうことで、これは一カ所で機動力を持てば十分だと思います。婦人相談員につきましては、これは十一名では不足であるということであれば、現地のほうからそういうことであれば、また予算等において増員を考慮するということもあろうかと思います。
 繰り返して申しますが、婦人相談所は行政機関としまして県内一カ所。それで相談員の人数の多い、少ない、――これは売防法が全面実施になって、ふたをあけてみますと十一名で不足か、あるいはどのくらい不足かということが出てまいりますれば、それによってまた財政当局とも折衝いたさなければならないかと考えております。
#55
○鈴木美枝子君 どうしてもあいまいな返事になるのでございますけれども、それは政務次官が約束すれば、全員の方があいまいじゃなくなるのでしょうか。
#56
○政府委員(玉置和郎君) 先ほどお話を申し上げましたように、いま実際それをやっていく厚生省のほうの立場からいろいろお答えがあったのですが、それではとても、先生のほうで対策にはならぬというお考え方、これ聞いておりまして、私たちもその問題については、いま答弁を聞きながら、これではやっぱり無理だろうなという感じは率直に言って受けております。それだけにこの問題について、先ほど申しましたように、少し詰めてみたいと、こういうふうに考えますので、ここで、私が大蔵大臣でも兼務しておれば、これはよっしゃと言うのですが、そういうわけにもいきませんで、その辺の事情をよくお考えいただきまして、詰めていくということでひとつお許しを得たいと思います。
#57
○鈴木美枝子君 いまのおことばでどうぞ詰めていただきたいと思います。
 それから特殊婦人の方たちは子供さんをかかえている人が多い。母子寮の設置なぞは考えているでしょうか。
#58
○説明員(蝦名真一君) 母子寮は厚生省の中でも児童家庭局の所管に属しておりまして、私社会局でございますので、詳細な計画は聞いておらないのでございますけれども、母子寮を建設する。なお四十六年度日政援助でも建設することになっております。四十七年度以降におきましても母子寮を建設するということを聞いております。
#59
○鈴木美枝子君 政務次官。そういう特殊婦人の場合は病気の方も多いと思うのですけれども、その病気治療を無料にする考えはございませんでしょうか。
#60
○政府委員(玉置和郎君) そういう立場にある方が子供さんをかかえておられるという問題これは子供さんをかかえてそれなりの事情があるからこそそういうところにはまったのだと私は理解をします。それだけに私たちの受け取り方は、むしろ母親の再就職というか、就職をしていく、正しい正業につくというこの問題、非常に大事なことでありますが、それにも増して、そういう母親のもとで育てられていく子供に対する愛情というものが、やはり私は政治の基本の姿勢でなけりゃならぬというふうに考えております。ただ、何せまだほやほやでございまして、そうした施設をどうするか、そして収容してどういうふうなことをやっていくかというふうな問題につきましては、私自身具体的な案をまだ持たないのであります。
 もう一つ、そういう御婦人が病気におかされておる、私たち当然考えられ得ることだと思います。ことに国際的なこういう病気、これは非常に御婦人の健康を害するばかりか、これをそのまま放置しますと沖繩県民の健康にも私は大きな影響がある。それだけじゃない。これから本土との非常に交流の激しくなる沖繩県にそういう病根を残しておくということにつきましては、やはり深刻な受けとめ方をしていかなけりゃならぬという理解をしております。ただ、私はそういう理解だけでありまして、これを具体的にどうしていくかという方策につきましては、これまたいまの母子寮その他の答弁と同じかっこうでございまして、具体的な方策についてこうするのだと、それはもう全部病気治療については無料でやるのだというようなことについて、ここではっきりした公式の場所で言明できないということは、まだ就任間もない私でございまして、また新発足の開発庁としましても、その問題について関係各省としっかりした詰めがまだできていないという段階でありますが、基本の考え方は、こういう考え方であるというわれわれの認識のその点を御理解をいただきまして、ひとつ今日の答弁にしてみたいと、こう思います。
#61
○鈴木美枝子君 最初に申しました全日本婦人の問題でございますからどうぞお書きとめしてくださいませ。書いておいてくださいませ。そして私は十五日、十六日とまいりましたときに、吉原の中にある業者のうちの中に入りました。たまたま俳優だったものですから親しみをお感じくださいまして、そのときに、日本の本土のお客さん声待っているんだというふうに言っておりました。そのぐらいに売春防止法の新聞が出ましたらお互いにどうにもならない状態になっております。ですから病気のこともどうぞ無料でやってあげていただきたいと思います。転業の問題なんですけれども、一つの例として、ことしの三月に琉球大学を卒業した千人の方たちの二、三割しか就職していないという実情があるわけでございます。ですから転業して仕事をするといいましても、大学を卒業してもないくらいでございますから、たいへんなんだという前提条件がございますので、病気をなおすとか、母子寮をつくるとか、婦人相談所の数を各所につくるというようなことは特にしなければいけないんじゃないかと思うんです。そして婦人労働者が七万八千人おりましても、平均賃金が二万六千八百四十円という、そういう状態でございますから、どんなにいい言い方をしましても特殊婦人の方たちの更生がむずかしいということは、ほんとにこれをもってしてもわかるわけでございますから、病気をなおすとか母子寮をつくる、婦人相談員が十一人であってはどうにもしようがないということはこの実例でわかると思うのです。
 きのう二十四日琉球新報に出ていたこの事実が最も証明していると思うのです。栄町の特殊婦人がガス中毒死をしている。借金に苦しんで自殺をしているんだ、十八歳だ。栄町で働いていたわけです。業者の話によりますと十六のときから働いて二年間働いてた。未成年の方です。その方がアパートでガス死をしてた。時計がめちゃくちゃになっていた。三面鏡がばらばらになっていたということは、暴力団が来たとも言えますし、前借金の問題だと私は思うのです。これがきのうの二十三日のできごとです。あらゆる問題が特殊婦人の中におおいかぶさっていると言えるんじゃないでしょうか。全日本婦人の問題として、私たちの仲間として真剣に取り組んでいただきたいと思います。
#62
○政府委員(玉置和郎君) 戦いに敗れました日本がこの二十七年間けみしておりますが、やはり私は最大の犠牲者は沖繩県民であるという受けとめ方をしております。そういう中で、特にいまの問題が先生から浮き彫りにされてまいりました。私たち聞いておりましてもこれは実に深刻だ。とにかく敗戦日本の縮図というものがそこに見られるような感じがいたします。
 そこでいま御指摘のように、非常にむずかしい問題、たとえば就職するにしましても、沖繩県におられる御婦人の就職すら非常にむずかしい今日、ことにまた基地縮小に伴うそうした解雇その他ですね、この方たちも新しい職場を見つけなければならぬというそういう必然的なものが必ず出てまいりますときに、こうした問題は非常にむずかしい。しかし、むずかしいからといって放置するわけにいかないという問題でありますが、私はこれは何としても精神的な面と、経済的にこういうふうにしていったらこうなるんだというふうな方途、これはやはり早い機会に示してみたいと、いまお話を聞きながら思ったのであります。実に深刻なこういう生活状態にある方々でありまするが、われわれに対しては、こうして本土政府も新生沖繩県も、また本土の同胞も沖繩の人たちも、すべてひとつ真剣に考えていただけるんだと、希望が持てるんだというふうなことを、いま先生御指摘いただきましたように、全日本婦人の問題として、それは単なる社会問題ではない、政治問題としてやはり取り上げていくという姿勢が私はまっとうだろうと思います。
 そこで、そういう具体的な事例について、さらにこれから起こるんじゃないかというお考えもあると思います。私もまた、さらにこれから起こるんじゃないかと、お話を聞きながら思ったくらいですから、こうした問題については、いま申しました見地から、やはり一つの方向というものを早く考えていきたいということを、いまお話を聞きながら思ったわけでありまして、よけいに、冒頭申しましたように、関係各省集めての総合対策というものを早く急がなければいかぬ。また、沖繩県に対しても、この問題について真剣に取り組んでいただいておると思いますが、われわれと力を合わして、それこそ沖繩県、中央政府というものが一緒になって全国民的立場でもって解決をしていきたいというふうに考えるわけであります。
#63
○鈴木美枝子君 どうぞよろしくお願いいたします。中央政府に相談ではなまぬるいと思うのです。私は全日本婦人の立場から要求していただきたいと思うのです。
 これは最後なんでございますけれども、いままで御存じと思いますけれども、ドルを稼いだという点におきましては、沖繩が年間パイナップルが千七百万ドル、ミカンが四千三百五十万ドル、売春の方たちが一年に五千四十万ドル。どうぞ要求を、それが一番最初に片づいていなければ……よろしくお願いいたします。
#64
○委員長(長谷川仁君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#65
○委員長(長谷川仁君) 速記を起こして。
#66
○藤原房雄君 沖繩が復帰いたしまして十日たったわけでございます。先ほども同僚委員から、いろいろな観点からお話がございましたが、この十日間を顧みまして一番問題になっておりますのは、何といいましても、基地の問題、それから物価の問題、さらに総合事務局ができたわけでありますが、行政事務の問題、いずれも県民に直結する問題が山積しておるといっても過言でない、このように思うわけであります。どの一つを取り上げてみましても、早急に対策が処置されなければならない、こういう問題であるわけでありますが、本日はわずかの時間でございまして、一つ一つお聞きすることはできませんが、この中の何点か、概括的に御質問申したいと思います。
 行政事務の問題につきましても、私どもは新聞に報道される範囲内のことしか実際は知らないわけでございますが、これはもう十五日返還ということのために、相当準備がなされておる。たしか九日か、十日、当委員会が開かれまして、そのときにも国政事務につきましても、また事務員の配置、また事務所、こういうものにつきましても、万々遺漏はないような御答弁であったと思うのでありますが、現実はそうではなくして、いろいろまあ事務所がはっきりしないとか、国政の事務でございますので、ふなれであるとか、こういうことで地元におきましては混乱があるようでございます。まず最初に、この問題につきまして、現状どうなっておるのかという報告をいただきたいと思いますし、それに対する今後の対策、考え方、基本的なことについてお聞きをしたいと思います。
#67
○政府委員(岡田純夫君) 沖繩総合事務局八百十名それぞれ発令も終わりました。担当部署もきまりました。ただ予定いたしておりました建物が工事関係でもって若干おくれておりますので、したがいまして、最高幹部等が入りますまでにちょっとおくれておりますけれども、しかし、実際作業に携わっております者は、建物十数階ございますが、そのうち六階等に入っておるわけでございまして、したがいまして、総合事務局等につきましては、場所等についても、ごく近いうちに体制が整うもの、こう考えております。なお、一番県民にとりまして重要な問題は、融資の問題でございます。それで公庫法も通していただきましたので、さっそく十五日から、とりあえず中小企業関係の方々の八十億の融資、これにつきましては、さっそく受け付けを開始いたしまして、申し出られている方も、その日から、当日からありましたというふうに公庫の理事長からも報告を受けております。ということで、体制整いまして、十分県民のために支障ないように活動できるものというふうに考えております。また、そのように努力いたしたいと思っております。
#68
○藤原房雄君 事務所、また事務をとる方、こういう問題は新しい沖繩にとりましては、どの一つを欠かしましても、県民の生活に直接関係することでございますし、復帰不安という、昨年からずっと叫ばれてきましたこの不安を除去する上におきまして、早急に立て直し、不備な面につきまして対策を講じていただきたいと思います。それから何といいましても、県民の生活に最も直結する物価の問題につきましても、県当局のできる範囲内というのは、ごく限られた範囲内で、物価抑制などという大きな問題につきましては、どうしてもこれを本土政府、国政レベルでの事務になるかと思います。そういうことからいたしまして、十分な体制が整わなければならないと思います。物価高等、一連の経済混乱の最大の原因というのは、円・ドルの交換率ですね。ここに問題があろうかと思います。現実の問題をしっかりひとつ把握していただいて、十分な対策を講じていただきたい。日用品の物価高、これも最近の著しい高騰のために、たいへんな不安を巻き起こしております。食糧にいたしましても、衣料にいたしましても、日常の生活物資、どの一つが値上がりいたしましてもたいへんなことでございますが、特に人命に関係する問題といたしまして、私どもは新聞報道の範囲内しか把握できないので、この問題については、特にお聞きするわけでございますけれども、やはり医療の問題、特に最近報道されております血液の値上がりという、これは医療業務にたいへんな混乱を起こしておる。当初の三倍、四倍というような、この血液の問題にいたしましても、日本の医療制度と異なるのでこういうことになっているわけでございますけれども、この問題につきまして、厚生省から現在までどのようにこの現実をとらまえていらっしゃるのか、また今後の対策等につきまして、具体的にお考えがあればお聞きしたいと思いますが……。
#69
○政府委員(武藤g一郎君) ただいま問題になりました血液問題についてお答え申し上げます。
 先生御指摘のように、血液問題は、医療制度の中でも非常に重要な問題でございます。現在、内地では献血制度によってこの問題が、いわゆる供給関係では措置されているわけでございます。そうして具体的には薬価としては千五百五十円の一本当たり、つまり二〇〇ccでございますが、一本当たり千五百五十円の仕組みになっているわけでございます。したがいまして、健康保険の関係では、本人は無料になりますけれども、家族はその半分、七百七十五円、それから国保の場合でありますと、本人が四百六十五円、家族も同様でございます。そういう本土の仕組みでございます。で、先生御承知のように、沖繩では従来まあ非常に血縁関係と申しますか、そういう関係が強く、その間におきまして、いわゆる返血制度という制度でこの問題が解決されてきたわけでございます。今度は復帰に伴いまして、いわゆる日赤がいま全国的にやっております献血制度に切りかわることになるわけでございます。沖繩におきましても、今後は沖繩の赤十字血液センター、それから政府立の那覇病院、それから中部病院の三カ所で現在でも行なわれておりますが、これが日赤のほうに統一されて管理されてくると、こういうことになろうかと思います。したがいまして、現在では沖繩におきましては血液につきましては約八百円程度のいろんな器材費をお願いしているようでございます。したがいまして、先ほど私が内地の血液の負担関係をお話しいたしましたように、大体似たような負担関係になろうかと思います。ただ問題は、いままでの血液問題がいわゆる返血制度、つまり身近な方によってまかなわれていたのが、献血という一つの社会的な広がりを持った制度にすぐ移行できるかどうかと、こういう点は先生御指摘のように心配するわけでございます。したがいまして、やはり職域関係、それから地域関係の幅広い献血運動を展開する必要があるということでございます。
 以上が現在の問題点並びに将来の私どもの考え方でございます。
#70
○藤原房雄君 ただいまのお話をお聞きしましても、健康保険に入っておってもこれはたいへんな負担になるわけなんですけれども、現実県民の過半数が国民健康保険に入っていないという現状ですね、そこに本土の制度がおおいかぶさるということでございますから、これはまあたいへんな本土から見ますとおくれをとっておる。そのために、一たび病気になり輸血しなければならないような立場になった人は、これはまあたいへんな負担をしいられるということになるわけですね。そういうことからいたしまして、現在諸物価が高騰しておる――だれも病気になりたくてなる人はいないわけでありますが、しかも、人命という最もとうとい問題のためにたいへんな生活苦に追いやられるという、こういうことからいたしまして、現在の沖繩県の現状といたしましては、まあこれは健康保険で半額どうだこうだというようなことでありますけれども、現在の沖繩には本土の考え方がすぐそのまま当てはまらぬと思います。そのためには何らかの、こういう異常な状態が続く間は何らかの処置をとらなければ、これはほんとに多くの犠牲者が出る心配もそこには出てくるんじゃないかと、こういうことを私どもは非常に心配するわけであります。また、沖繩の特異性からいたしまして、この本土の献血のような形にしてそれがスムーズにいくかどうかという、そういう心配もございますが、何といたしましても、国民健康保険に入っている方が少ない現状にあるだけに、二倍、三倍と高騰する血液、どうしても必要な人に対しては何らかの補助なり対策がとられなければならないんじゃないかということを心配するわけですけれども、その間につきましてはどのようにお考えになっていらっしゃるか。
#71
○政府委員(武藤g一郎君) 制度が変わります場合は、先生御指摘のようにいろいろ混乱と申しますか、いろいろ困ることが出てくるわけでございますが、こういう点につきましては、十分私どもは万遺憾のないように十分指導したいと、かように思っております。ただ問題は、先生御指摘のように、具体的な患者さんにとりまして、それが非常に負担になりますと、これは人命に関する問題でもございまするし、また、気の毒な状態にあります患者さんのためにつきましては最小限の負担であるべきだということは、私ども先生の御主張のとおりだというふうに思っております。ただ現在でもこの二〇〇ccにつき八百十円の御負担をなさっておるようでございます。これが新しい制度になりますと、千五百五十円で、その場合に保険に入っておられる方は半分で現在と同じぐらいかあるいは多少安くなる程度もございます。ただ、先生御指摘のように、国保が十分普及していないということで、早く国保を普及させるということが第一であろうと思います。したがいまして、それまでの間は、その差額の七百円程度をどうするかという具体的な先生の御指摘でございますけれども、こういう点については、できるだけそれを早い時期に国保に入っていただいて解消するという方向でないと現在のところいたし方がないんではなかろうかと、かように考えています。
 その他、運用につきまして、なお現地の実情をよく調査いたしまして、この問題については前向きに善処できるかどうか研究をいたしたいと、かように考えます。
#72
○藤原房雄君 これは非常に絶対――絶対といいますか、値上げがあっては困ることは、そういう問題はこのことに限らずいろいろなことがあるだろうと思います。たまたま私どもこの問題一つ現在取り上げたわけでございますけれども、いま積極的なお話がございましたけれども、どうかひとつそういうことで十分に御検討いただきたい。現在までは琉球政府においてある程度患者に対して補助をするというシステムをやっておったわけでありますので、こういう異常な状態はいつまでも続かないで安定することを願うわけでありますけれども、特殊なことでもございますし、人命にかかわることでもございますので、その間につきましては、ひとつ十分に大臣と御検討をいただきたいと、こう思うのです。地元の状況等を把握しながら進めていただきたいと思います。
 次に、この問題に触れましたついでに医療問題といたしまして、公的病院における医療器具ですね、これが非常に沖繩においてはおくれておるということも私どもも聞いておるわけでありますが、これを整備するにはおよそ十五万ドルくらい必要だろうというふうなことをいわれておるわけであります。しかも、その器具はいずれも十年来の古いものを使っておるということで、早く新しい技術の開発とともに新しい医療器具の導入ということが待たれるだろうと思います。本年度の予算としましては、六千ドルくらいの予算が組まれているように聞いておりますけれども、これから雨季に入ると伝染病の発生する時期にも入りますし、こういうことを考えあわせますと、十分な医療器具の整備という、こういう問題も厚生省としては十分に考えていかなければならぬ問題だろうと思うわけでありますが、この医療器具に対する特別の補助、特別の対策、こういうことについては現在御検討していらっしゃるのかどうか、その間の考え方をお聞きしたいと思いますが。
#73
○委員長(長谷川仁君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#74
○委員長(長谷川仁君) 速記を起こして。
#75
○政府委員(武藤g一郎君) 私が所管をいたしておりませんので、まあ勉強不足でございますが、先生御指摘のような点につきまして具体的に補助制度をとるようになっているかどうか、至急に調査させますが、一般的に先生がおっしゃるように、私もたとえば県立病院等につきましてもなかなか不十分だという話も聞いておりますので、そういう点につきましては十分援助対策なり指導体制がとれるように私はすべきだというように考えております。したがいまして、その方向で関係部局のほうへも先生の御意見を連絡したいと思います。
#76
○藤原房雄君 公的な病院でさえこういう状態でありますので、ほかのことにつきましても十分な施設があるかどうか、これはいろいろ問題だろうと思います。地元からのいろいろな要望の中にこの声が非常に強いわけでありますが、沖繩におきましては情報医療システムというようなことも考えられているようでありまして、非常に離島に対する対策ということにつきましても積極的な考えがあるようなんで、非常に喜ばしいことだと思いますが、一つ要望しておきたいことは、沖繩には二つですか、らい病患者の病院がございまして、これらの方々の施設も非常に不備であって、こういう方々は外に出れないので、病院の中に娯楽施設等つくって、十分にこれらの方々の立場に立って充実さしてもらいたいという声もあるわけでありますが、この点につきまして何かお考えがございましたら……。
#77
○政府委員(武藤g一郎君) この問題は私の所管でございませんけれども、先生御承知のように、内地におきましては、こういう問題につきましてはだいぶ改善が進んでおりますし、医務局のほうでも余裕と申しますとあれでございますが、ほぼ十分な体制がとられているんではなかろうかと思います。したがいまして、今後はやはりそういう復帰しました沖繩につきまして、いままで内地で全力をあげてきたそういう対策の力を、今度は沖繩に全力をあげていく。予算的にも人的にもそういうことに振り向けていくということは、私は可能ではないかというふうに考えますので、その方向で関係部局へ連絡したいと思います。
#78
○藤原房雄君 次は、沖繩におきましていろんな問題がございますが、特に本日与えられた時間で混血児の問題につきまして、二、三お聞きしたいと思うのでありますが、この問題につきましては、過日当委員会だと思いますけれども、外務大臣から、沖繩が返ってきたら善処する、こういう答弁もあったわけでありますけれども、混血児の問題も、沖繩にはいま複雑ないろいろな問題がございまして、やはりこれを解決をしっかりしなければ社会に大きな不安を残すだろう。現在もいろんな問題を起こしているわけでございますので、これに対する対策は万全にしなければならないと思うんでございますが、さきの国会における答弁から半年ほどたっておりますので、その間にどういう経過をたどって、この問題について進められたか。その間の経過といいますか、この問題についてお聞きしたいと思うのでありますが、これはだれになりますかね。
#79
○政府委員(玉置和郎君) 混血児問題では、これは私も就任しまして、開発庁の中で協議をしたことはございません。ございませんが、これは私がいま考えておりますことは、基本的に誤りがないと信じておるのですから申し上げるわけですが、この混血児の中で、日米両国の国籍いずれもとれないというふうな深刻な子供がおるわけです。こういった問題をどうしていくか、これは子供のことでございますので、本人の意思というふうなことについては、これは非常にむずかしい問題があろうかと思います。そこで、勢い母親ということになろうかと思いますが、国籍をとるという問題につきましても、これはやはりその自由意思というものをある程度尊重しなければいかぬのじゃないかというような考え方を、私はこれは個人的な見解ですが持っております。そうした方の中に、この際やはり混血ということで社会的な目の向け方、これは比較的日本のほうがきびしいんじゃないかというふうな理解をしておる母親も現地においてあるやに聞いております。むしろ父親の血の流れておる、そういうところのほうが、そういった問題に比較的寛容であるというふうな理解のしかたをしておる向きもあるというふうに考えておりますが、これはやはり本土に復帰しました新生沖繩県にとりましても、また、われわれこうした開発庁という庁におりますものにとりましても、このかじのとり方というか、これは非常にむずかしい問題でありますだけに、これにつきましても、先ほどの売春対策と同様に、関係の向き相寄りまして、早急にひとつ対策を立ててみたいと、こういうふうに考えております。
#80
○藤原房雄君 担当の方がいらっしゃらないようなんで、政務次官がいらっしゃいますから、現地の問題二、三今後十分に検討していただきたいことを申し上げたいと思うのでありますが、いまも政務次官もお話ししておりましたように、これは大体どのくらいの数いるのか、現実につかまえていらっしゃるかどうかわかりませんが数万、万という数だろうといわれております。これらの方々が学校へ入るにいたしましても、就職をするにいたしましても、この国籍が、父親がいないということのために、離婚をするにも母親としては離婚ができない。その子供はアメリカの国籍になっておっても、現実にアメリカ人であるのか日本人であるのかわからない、こういう現況でございます。勢い戸籍の問題、就職になりますと成規の手続でちゃんとした就職をするということになりますと、どうしても戸籍という問題が出てくるわけでありますけれども、これもはっきりしない。特に沖繩の特殊事情の中にありまして、米軍軍人と結婚した、そのあと米軍人は本国へ帰って様子がわからない。そのあとまた現地の方と内縁関係にあるというような、その間に生まれた子供さんというものが、非常に複雑なケースが考えられるわけでありますが、こういう方々になりますと、ほんとうにいま無国籍といいますか、国籍がどうなるのか、そこから出てくる学校の問題、就職の問題またそれに伴う遺産相続とかいうようないろいろな問題が派生して出てくるわけであります。これはまた後日一つ一つの問題については、関係の方によくお聞きしたいと思うのでありますけれども、こういうことからいたしまして、これは開発庁といたしましても、沖繩県の大きな一つの問題でございますので、一つは外交面といいますか、アメリカに対して、やはりこういう方々に対しての残された子供や妻に対しての仕送りですね、仕送りをはっきりさせるという、非常にこれはむずかしいことかもしれませんけれども、その生活を何らかの形でみる。福祉政策といいますか、それの実現というものは、これはどうしてもはかられなければならないのではないか。
 それから国内的に見ますと、離婚の手続の簡素化、先ほど政務次官ちょっとお話しておりましたけれども、それから就職の手続等につきまして、そういう方々に対しは簡素化をはかっていくというようなこと、こういうような特別な配慮がなければ、これらの方々が学校にも就職にも大きな差別をつけられるという、こういう方がたいへんな数いらっしゃるということになりますと、沖繩県を担当する皆さん方といたしまして、これはほうっておけない重大な問題だろうと私は思うわけでありますが、この点につきまして、また後日詳しく申し上げたいと思いますけれども、どうかこの点ひとつよくお調べをいただきまして、これらの方々のりっぱに社会人として立っていける道を講じていただきたい、こう思うわけでございますが、最後に政務次官ひとつ……。
#81
○政府委員(玉置和郎君) この問題につきましては、五月十五日以前、御承知のように、いわゆるアメリカの施政権下にある沖繩としては、これはアメリカの一つの私は恥部だったと思います。それだけに、実態調査につきましても、当時の琉球政府としてもなかなか手がつけにくかったということが実情じゃなかろうかと思います。これは私のあくまで推測でございますが、それだけに、まずこの問題については、早急にやはり元を洗い出してみるという、この作業から取り組まなければならぬのじゃないか。そうしますと、幾つかのケースがやはり出てくると思います。たとえばいま御指摘をいただきましたように、アメリカの父親に対する責任の明確さをはっきりさすという問題、こういった問題も当然これは出てくると思います。しかし、そうした父親の存在すらわからないといった問題もまた当然そこに出てくるかと思います。そういう幾つかのケース、実態を洗い出してみたときに出てくると思いますので、そういうケース一つ一つをとりまして、これから沖繩県を中心にして作業が進んでいくと思いますが、われわれとしましても、そうした問題について関係のある法務省なり外務省なり厚生省なり、こういったいろんな役所に対しましても、沖繩県の心というものを尊重しながら対処していきたいというふうに考えております。
#82
○高山恒雄君 物価の問題についてお尋ねしたいんですが、時間がございませんので、ひとつ簡潔に御答弁願いたいと思うんです。
 今度の沖繩の返還後の物価の値上がりですが、実際はどのくらい上がったのか、これを簡単にひとつ……。
#83
○政府委員(玉置和郎君) 総務局長から……。
#84
○委員長(長谷川仁君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#85
○委員長(長谷川仁君) 速記を起こして。
#86
○政府委員(岡田純夫君) お答え申し上げます。早急の間に沖繩総合事務局がまとめたものでございますので、前提といたしまして、対象品目あるいは調査員の数等もございますので、したがいまして、とりあえずまとめたものということでお聞き願いたいと思います。
 外国産品、それから島内産と申しますか、県産品、それから本土から買っているもの、本土産というぐらいの三つのグループに分けまして、三百六十円をこえたものについて御紹介申し上げてみますというと、本来外国産品が三百六十円をこえるということは考えられないのでございますけれども、先ほども御議論ございましたが、ソーセージ、特にランチョンミートなどはそれをこえております。それから石けん、ケチャップ、コーヒーといったようなものが輸入品でありながら三百六十円をこえている。それから県産品、島内産につきましては、三百六十円をこえておりますものは豚肉、鶏肉、みそ、コンニャクといったようなもの――もっともコンニャクは材料が輸入品になっておりますが――がございます。それから本土から買っておりますものでは、三百六十円をこえているというものは洗剤、ハムといったようなものがあり、非常にまちまちでございます。もちろん三百五円で切りかわっているものもございます。
#87
○高山恒雄君 そうすると何ですか、牛乳二〇%、コンニャクが二三%、それから平均して二五%、こういう見方をしても間違いないと、こういうことですね。
#88
○政府委員(岡田純夫君) 最後に申し上げましたように、業界の組合の指導のあり方、あるいは個々の業者の方の判断、それから家庭での消費者の買いだめと申しますか、というもののあり方によって非常にまちまちでございますので、必ずしも平均ということでは、少なくとも対策を立てる等の場合には、一がいに言えないのではないか、こういうふうに考えております。
#89
○高山恒雄君 平均の物価の値上がりはつかんでおられないと、こういう見方をしてもいいですね。したがって、十九日の日に閣議で御相談なさって、物価高騰の実態調査とそれから高騰の原因の不足物資の調査、こういう二つの問題を速急にやるべきだと。この結果はもう届いたのですか、どうなんですか。
#90
○政府委員(岡田純夫君) 一つには沖繩県からの報告を待っておるのでございますけれども、このほうはまだそこまで至っておりません。
 いま申し上げましたように、沖繩開発庁の出先機関でありますところの総合事務局を使ってとりあえず把握したのが、いま申し上げましたような状況でございます。
#91
○高山恒雄君 すでに五日になっておるわけですがね。これは次官にお聞きしたいのですが、すでに五日たっておるのですよ。したがって、沖繩の県民は、少なくとも十五日にドルの給料をもらっておるはずです、返還と同時に。それを三百五円で円にかえておるはずですね。したがって、これからのは円でもらうわけですが、一体、先ほどもちょっと社会党の鈴木さんから御意見が出ましたように、二万六千数百円という金は、日本の本土では初任給ですよ、十五歳の初任給ですよ。こういう実態を踏まえて考えてみますと、沖繩県民の方は、いま十五日に臨時ドルの賃金の支払いを受けたと思うのですね、そうして円に交換した。実際問題としてほんとうに生活できるのかどうかですね。この点をどうお考えになっておるのか、政府は。いまだに――先ほど十九日から物価の調査をやらなければいかぬとか、あるいはまた高騰の原因、要因は一体どこからきているのか、こういうことを早急に調べようということで、すでに五日たっておっても、まだ中央のこちらでは掌握ができていない。ここらに問題があると思うのですよ、重大な返還時期に際してですね。こういう点、次官どうお考えになりますか。
#92
○政府委員(玉置和郎君) いまの総務局長の答弁の中で、先生に御指摘いただきました平均物価上昇は二五%だということに対して、ちょっと明確を欠く答弁でございましたが、私はこの二五%という平均値のとり方、これにはやっぱりちょっと問題があるのじゃないかと思います。それは積算をしていきますときに、押えていくこの品目をどういうふうに整理するか、こういった点で、私たちの認識をしておる平均値と、いま先生が言われたのと若干の差があるということ、それはなぜそういうことを確信をもって言うかと言いますと、すでに田先生の御質問にも答えておりますように、開発庁としましては、閣議のあとを受けまして、関係各省の責任者を集めて協議をしております。そのときには沖繩県からの報告もある程度とっております。それだけに実態を何も把握してないということでは私はないと思います。そういうところから具体的な措置として、先ほど答弁の中でも御報告を申し上げましたように、ランチョンミートの問題、まだ答弁をしておりませんでしたが、先ほど田さんのほうから御指摘をいただきました豚肉の問題、これなんかも就任早々でございましたが、私も前に農林のほうをやっておりましたので、畜産事業団のほうと交渉を持ちました。畜産事業団のほうでは、現在豚肉は売れ行きがいいということで手持ちがないということから、農林省の佐藤政務次官が中心になりまして、生産者団体の手持ちの豚肉、これをひとつ沖繩に緊急に出そうというふうな措置を考えておるわけであります。しかし、現実は沖繩にそうしたら豚肉がないのかといいますと、決してそうじゃない。これはやはりかなりの思惑的なものがそこに存在をしておるというふうなことから、やはりこれはそういう思惑というものはいつまでも続くものじゃございませんぞ、必ずあなたは損をしますぞという手立てをやっぱりするためには、こういった生産者団体、本土からの生産者団体の手持ちの豚肉を沖繩に緊急に持っていくというふうな措置、あるいはまた、米等につきましても、小売りの値段の段階でこれをはっきり順守さす――これは物統令もございます。御承知のとおりです。そういう立場から米の値段というものを順守さす。また、買い入れ物資の長期の割り当て、これはやっぱり早急に決定をする、そうしてその早期決定に従って、それを忠実に順守をしたものに対しては将来ともやっぱり優遇措置を考える。しかし、それをいまの思惑をしておる業者と結託をして、まだそういうことが続くようなことをやるならば、これは割り当てについても通産省を中心にして将来チェックする、そしてそういう問題については新規の業者に振り向けていくというふうなこと、あるいは本土物資につきましては、系列がもうはっきりしています。そこで、そういう業界の代表に対しまして、本土からいく物資については、そういう業界で責任を持って指導してほしい。たとえば冷凍の食品を向こうに出すとか、また、魚肉ソーセージ、これは大手二社で占めております。それだけに、この魚肉ソーセージの価格については大手二社が系列の商売人の手元までこの値段で売るべし、これにはやっぱりいろいろな問題があります。自由経済のもとでそういうことをやることについて、これは問題がありますが、いまの物価を冷やしていくというたてまえからするならば、こういうこともやっぱり必要だというので、農林省は農林省で手を打っていただいております。通産省の問題につきましては、先ほどからお答えをしたようなことでございます。
#93
○高山恒雄君 私は先ほど言いましたように、今度の物価値上がりの要因というのは異常だと思うんですよ。異常なら異常の手を打たなくちゃいかぬと思うんですね。私はこの沖繩問題で一番心配していますのは、最低生活の確保ができるかできないかという層の労働者の方が多数おられる。それは何かというと、やっぱり中小企業に働く労働者の方々ですよ。これはもう三回私は質問いたしておりますが、何の手も打ってない。ところが、予算ではどういうことかというと、生活必需物資に対する価格の安定対策という予算が組まれたんだ、組まれておるんです。しかも百三十八億も組まれておる。だからいまからこうする、ああするじゃなくて、異常な状態をどうするかという問題を私はお聞きしたい。これからやられることは、それはそれでいいと思いますけれども、先ほど申しますように、勤労大衆は結果的には十五日にドルの給与を支給された、この物価値上がりにそれを使っちゃう。そうすると二十日締めでありますと、あと五日間しか円の支払いはないんだ、こういうことになると思うんですね。結局ドルの支払いは物価の値上がりで食われちゃった。そうするとあとの円のほうの支払いは三百五円の価値でひとつ支払いができる、こういうことになればこれはますます生活は苦しいと言わざるを得ないでしょう。そういう問題を、一体いま起こりつつあるこの問題を、いま物価値上がりして一週間にならんとしておりますけれども、月末は一体どうなるのか、あるいはまた、来月になったらどうなるのかということは、いま手を打たなければ、いま次官がおっしゃったような気の長いことでは、私は生活も苦しいのではないかという考え方を持つわけですよ。したがって、これは掌握しておられればお聞きしたいのですが、沖繩の全労働者の平均賃金と日本の労働者の平均賃金とどのくらいの格差を調査したのが頭に入っておるのか、そういうものの調査でもしていただかぬと、これは生活が一体どうなるのかという不安がぴんとこないと思うのですね。私は知っていますよ。私は最賃もわかっておりますし、平均賃金、日本とどのくらいの格差があるかということも十分知っておりますが、政府はそれを十分承知されておるのかどうか、ここらをお聞かせ願いたいと思います。
#94
○政府委員(岡田純夫君) 調査の時点もございますが、大体平均賃金三分の二くらいであろうかと考えております。
#95
○高山恒雄君 次官ね、次官を責めるわけじゃありませんけれども、いまおっしゃったように三分の二ですよ、もっとそれは低いのです、ほんとうは。けれども三分の二という見方をみなしていますがね。それでですよ、物価はしからば日本本土とどういうことになっていますか。日本の本土から今度の値上がりを見てどうなっておるのか、私はここまで究明していただかぬと、ほんとうに沖繩の勤労大衆の生活というものが苦しいという実態を政府はつかめてないのじゃないかという気がするのですよ。それをお聞かせ願いたい。日本の物価と沖繩の今度の値上がりの実態はどうなっておるのかということ。
#96
○政府委員(岡田純夫君) 日本の経済圏に組み込まれましたのが御承知のとおり十五日からでございますので、それまではドル経済圏でございましたので、本土との比較した資料につきましては手元にございません。ただ、沖繩限りにおいて従来の推移を見てみますというと、まあ数%程度の値上がりを続けてきたのではないだろうか。しかし、ことしに入りましてからは、この一、二、三月の傾向を見ますというと、ほぼ落ちついておったわけでありますが、今回の復帰直後のいろいろな関係から、買い占めもございましょうし、業者の方の判断もあったでしょうし、いろいろ指導のあり方もありましたし、また、本土政府がいろいろ関税とか物品税等について考慮いたしておりますところが十分浸透していなかったという点は、まことに残念でございましたけれども、その結果相当の値上がりをしたということは御指摘のとおりだと思っております。
#97
○高山恒雄君 次官、いま御答弁なさったとおりですよ。つかんでないのですね。私は次官にお願いしたいことは、何も沖繩が返還されなくても、沖繩経済の物価の変動というものはどういうふうに動いておるかは、これは政府としてはつかんでおくべきですね、ほんとう言いますと。それに今回先ほど言いましたように、これは特別に上がっておるわけじゃないとおっしゃるかもしれませんけれども、いろいろ新聞報道で見ますと、牛乳が二〇%も上がっておるというのですよ。これ、内地だったらたいへんですよ。もしこれが下がらないとくれば、このままいってしまう。コンニャクにしましても、鶏卵にしましても、牛肉にしましても。こういう状態で沖繩の物価がかりに安定するとするならば、これは実際生活ができないじゃないか。しかし、生活がほんとうにできない時代はいつくるかというとこれから一カ月先だ、私はそういう点を見てもらいたいのですよ、政治ですから。いま現実に二〇%上がった、三〇%上がった事実は、一体勤労大衆にはいつしわ寄せがくるのか、これ一カ月先ですよ。こういう点を特別の処置を講じてもらいたいと思うのですが、ひとつこの点は政府として十分考えていただきたい。
#98
○政府委員(玉置和郎君) 品目別の物価騰貴につきましては、これはいま鋭意どういうふうな原因によってなったかということ、これはやっております。いま御指摘をいただきましたコンニャクなんかにつきましても、これは従来百八十トンぐらいで沖繩は十分間にあったわけであります。それを今度二百五十トンを緊急に沖繩に手配するということで、もう手配済んでおります、これは。ただ鶏卵、いま御指摘がありましたが、これは私、養鶏のほうの関係もしておりますので、鶏卵の小売り価格、総務局長から聞きましたところによりますと、小売り価格におきましては本土とそう差がないというふうに理解をいたしております。ただ現地において従来の価格よりは高騰しておる。それでまた、先生御指摘いただきますように、そうならば本土との賃金差があるじゃないかということにつきましては、その賃金差をどのようにして経済成長をさして埋めていくか、こういった点はやはり政治として取り組まねばならぬ問題だと思いますので、そういうことを含めてひとつ考えていきたいというように思います。
#99
○高山恒雄君 将来の問題はいろいろ開発資金として出ていますから、それに基づいてやっていかれるんでしょうが、それは当然沖繩としては政府の計画どおりに進めれば、ある程度好調することはあり得る、こう信頼をしても私はいいと思うのですよ。しかし現実なんですよ、私が申し上げておりますのは。これは次官は初めてですから、たとえばどうですか、来月の十五日か二十日ごろには国家公務員の賃金の問題も大体きまるんじゃないですか。そうでしょう。そうしますと、沖繩もこれを適用するということになりましょう、人事院の勧告として。ところが、一般中小企業は、それができないのですよ。中小企業資金として基準金利に基づいて生鮮食料品だとか、近代化の促進とか、事業転換とか、こういうふうにいろいろ並べておられますわ。これは先のことなんですよ。これから事業家がやろうかということなんですね。ところが、それをやってしまって初めて安定がくるわけなんです。その前に中小企業の労働者は賃金を上げようとしても上げられぬ。企業倒産に追い込む以外にない。こういう事態を一体政府はどうするのかという質問を私は二回も三回もやっておるのです。それには通産省が特別の長期、金利の安いもので、そうしてさしあたり三百六十円レートの賃金にかえてやるべきだと、これ何回も私言っておるのです。いろいろ言いのがれはしますけれども、いざこれが二カ月、三カ月続くということになったら、全くこれは生活困窮者が多数出ると思わざるを得ないと思うのですね。労働者はオーバーですよ、これ。工業なかなかできませんよ、沖繩では。あるいは職業訓練に入れるといったって、職業訓練半年あるいは一年も入っているということになれば、これはまた先のことですわ。そこにいくまでの期間一体生活がどうなるかということを私は手を打ってもらいたい。それは早急に民間に対する特別の長期金融を出して三百六十円レートの賃金に引き直してやるべきだ。そうしなければ、中小企業は持たない、生活も安定しない、このことを強く私、要望しておきたいと思うんですが。
#100
○政府委員(玉置和郎君) これは本土の公務員の給与ベースを適用されますと、かなりの格差がつくということは、これは御指摘のとおりだと思います。そこで考え方として、この本土の適用される賃金、それによって支払われる金、それがまた沖繩の経済を引っぱっていく牽引車になるということは、これまた事実です。そこでその間に中小零細企業が耐え得るかどうか、この問題でありますので、われわれはいま考えて実際実施に移していこうとしておるのは、復帰後一年に限って思い切った三%という金利、この金利で二年据え置き七年の長期貸し付け、一応その金を八十億準備をしまして、もうスタートしておるわけであります。そういうことで、とにかく中小零細企業としては、本土との格差のついておる経済が、成長していく過程においてがんばれる、また少しがんばってもらわなくちゃということを真剣に考えてやっておるわけであります。
#101
○高山恒雄君 もう一つ確認しておきますが、そうしますと中小企業に働くものといえども、賃金は三百六十円レート台の賃金に直しても差しつかえないような融資をしたのだ、金利は三%、そうして二年据え置きの五年間の七年ですかの返済期だ、こういうことですか。そういうことを含めての対策ですね。
#102
○政府委員(玉置和郎君) そのとおりです。
#103
○高山恒雄君 きょうは外務省見えないので私質問してもだめかと思いましたけれども、確認だけしておきたいと思いますが、返還後、これは十八日の日、屋良知事がこちらに参りまして、佐藤総理と会談をしておるわけですね。そこで核の撤去については日米両首脳の約束を信頼してほしい。しかし、この問題でもしも疑わしい点があれば、政府としてもこのままで放置はしない、こう述べておられるのですよ。また、米軍機のベトナムへの沖繩からの自由発進というようなことが起こった場合は、絶対それはないのだと、こういうことを首相は屋良知事に言っておられるわけですね。ところが十九日の日は新聞で見ますと、B52が三機沖繩に着陸をしたと、こういうふうに報道されておるわけですね。そのときの天候不順のために沖繩に着陸した、こういうことがテレビ放送でもいわれておるのですが、しかし、実際の沖繩の天候は、テレビでも私は見ましたが、雲という雲はわずかしがなかった。したがって、飛行に危険があるというようなことはないのだということを新聞でもテレビでも発表しておるわけですよ。したがって、その飛行機はどこに行ったかというと、御承知のように日本に着いて、二十日の午前七時過ぎですか、着いて、零時五十五分には嘉手納を発進してグアム島に向かった、これは外務省にも通知があった、こういうことが新聞にも発表されておるのですね。ところが政府はこれに対していろいろな答弁をしておられます。しかし、この新聞、テレビを見て、このくらい日本の国民を愚弄する問題はないと思うのですよ。少なくとも沖繩県知事が首相にそういう話をされたときには、絶対そういうことはありませんと、こう言っておられるわけだね。わずか三日か四日の間に沖繩にはB52が着陸した、そうして天候不順だと、こういう。ところが、NHKのテレビを見ますと天候不順どころじゃない、雲もたいした雲はないわけです。ごまかしじゃないですか。こういう点について、外務省としては、天候その他については異常はなかったのだ、こういう見方をしておられるのか。それ以上のことはきょうは私は聞きません。天候には何ら異常はなかったんだがB52が着陸したんだと、そうしてグアム島のほうに向かったんだということだけは確認が出ていますか。その点だけお聞かせください。
#104
○説明員(橘正忠君) 五月の二十日の午前八時十分から約十七分までの間にB52が三機嘉手納の基地におりました。これにつきましては、約一時間前に外務省のほうにも連絡がまいっておりました。その際の説明にも、それから米側が外に対して発表いたしましたところによりましても、このB52は、西太平洋地域における気象状況が悪くて、その飛行機が油が足りなくなって、まあいわば緊急状態になっておりざるを得ないので、それをあらかじめお知らせをすると、したがって、嘉手納で給油をした後グアム島に向かいますということでございました。事実、先生が御指摘のように、四時間あまり嘉手納に滞在した後グアム島に向かって飛び去った次第でございます。B52が三機まいりました事情はそのようなわけでございまして、天候が悪い、気象状況が悪いということから、その飛行機の油が足りなくなったということのようでございます。
#105
○高山恒雄君 気象状況が悪いということを日本の外務省としては信頼してみえるのですか。テレビで放送したように、気象状況はそうではないという放送をしておることを信頼したら国民はいいんですか。どっちですか。それが聞きたい。テレビではそういうことを言っていませんよ。気象状況は悪くない、天候はこういう状態だという、天候をテレビまで放送しましたよ。私はそのことを聞きたい。気象状況がほんとに悪いと日本政府は信んじておるのか。それとも、テレビで放送したように、そうじゃないんだ、やっぱり単なる給油で着陸し、かつまた、四時間後にグアム島のほうに向かったのだと、こういう受け方をしておるのか。その点はっきりしておいてください、今後の問題がありますから。
#106
○説明員(橘正忠君) そのB52が向かっておりましたのはグアム島であったようでございますが、グアム島の地域の気象状況が悪かったということはなかったようでございます。したがいまして、米側でも申し立てておりますように、西太平洋地域ということで、これはまあ沖繩を含む西太平洋地域の気象状況が悪かった、事実そういうところもあったようでございます、たまたまそこへきたのであろうと、それがどういう原因か、飛行機の油が足りない、気象によってそういう現象が起こった、それでおりざるを得なくなったということだと考えております。
#107
○高山恒雄君 これはもう時間がありませんからね、これ以上確認をしてもだめだと思いますので、終わります。
#108
○春日正一君 物価の問題に関係して、幾つかお聞きしたいんですけれども、
  〔委員長退席、理事剱木亨弘君着席〕まあいろいろきょうの話聞いておっても、それからいろいろ書いたものを見ても、今度の異常な物価値上がりの原因というものが、円・ドル交換の不手ぎわといいますか、これが適正にやられなかったと、そこにやはり一番大きな原因があるように私は思うんです。そこで、具体的にお聞きしますけれども、まあ官公労とか、その他沖繩の労働組合のある大きな企業では、まあ賃金の三百六十円という読みかえが行なわれた。ところが、中小零細なところではそれが行なわれていない。大体沖繩の全部の労働者の中で、三百六十円に読みかえられた部分がどのくらい人数があるのか、かえられないものはどのくらいな人数になるのか、これは事務当局でいいと思いますがね、大体聞かしてくれませんか。大体の見当でいいですよ、何人まではっきりしなくても。
#109
○説明員(荒木睿君) いまの先生の御質問のことにつきましては、具体的に個別の企業におきまして、どの程度の規模の企業において一ドル三百六十円でもって賃金が復帰の際に換算をされたのか、それからどの程度の規模から換算をされなかったか、このようなことについては、まとまった調査というものを当時の行政府のほうでもって調査をいたしておりません。私どものほうは、たまたま民間の企業におきます労使間の賃金読みかえの問題でございますので、直接に政府が、特に外国の施政権下にあるのに私どものほうで介入をするということは、一般的には労使の問題には政府は不介入であると、労使間の自主的な交渉できめられるべきことであるという立場を堅持するべきところではございますが、賃金を一ドル三百六十円で換算をしてほしいという労働組合側からの要求にも一理あることでございますので、そこで、具体的には、二月に入りまして、沖繩地方同盟がまず最初に、たしか私の記憶いたしておりますところでは、二月一日、二日に第一波のストライキをぶち、それに対しまして使用者側がかなり強硬に、これは本来琉政、それから日本政府、米国政府の措置よろしきを得なかったために起こったことであるから、一切われわれは関知しないと、これは日本政府のほうでめんどうを見てほしいということで、団体交渉などにも応じないというようなことがございまして、二月のたしか十七日から三日間、続けて第二波のストライキを沖繩地方同盟が打ったわけでございます。沖繩地方同盟といいますのは、これは……。
#110
○春日正一君 あんまり詳細にやっていると、あなたひとりで時間をとっちゃう。
#111
○理事(剱木亨弘君) 簡単にやってください。
#112
○説明員(荒木睿君) 簡単に申し上げますと、沖繩地方同盟のその際のストライキにおきまして、大衆金融公庫、それから沖繩産業開発資金融通特別会計、それぞれにもし資金需要が必要とあるならば、資金ワクをさらにふやすという措置を講ずることによりまして、賃金を三百六十円で読みかえてやれるような措置を政府のほうでもって講じたわけでございます。これによりまして、沖繩地方同盟傘下の企業の賃金読みかえ問題は、あらかた解決がついたと、あらかたというよりは全部解決がついたというぐあいに私どもは了解をいたしております。続きまして、県労協……。
#113
○春日正一君 そんな経過要らぬから、これとこれとこれだけの部分は三百六十円になったと、あとはならぬと、この比率はどのくらいだと、それだけ言ってくれればいいんですがね。時間がなくなっちゃうんだ。あんまり詳細なことは要らぬのだから。
#114
○説明員(荒木睿君) その比率、正確には人数の上では私のほうでもって承知いたしておりませんので、そこで申し上げたいと思いますのは、労協系の大きな組合……。
#115
○理事(剱木亨弘君) 荒木君、簡単に願います。
#116
○説明員(荒木睿君) 官公労あるいは全軍労、そういうところの組合の組合員の賃金もこれも全部三百六十円に読みかえられるのと同じ結果になるような措置が講ぜられております。こうなりますと、先生がおっしゃいますように、中小零細企業が残る。特に零細企業は残るわけでございますが、先ほど政務次官からも御説明がございましたように、沖繩金融開発公庫のほうで、特に中小の零細企業を対象にいたしまして八十億の融資ワクを設けることによりまして、先ほどから御説明申し上げております官公労系の組合、それから、企業のうち中小企業の大きいところ、それから最後に、ただいま申し上げました八十億の低利長期の融資によりまして、零細企業の場合でも、自分のところの雇用する労働者に対しまして、賃金を三百六十円に読みかえようと思えば読みかえ得る措置を講じておるわけでございます。当時、私の記憶するところに間違いがなければ……。
#117
○春日正一君 そこまで言ってもらわなくていいんだ。少し時間割引してもらうから。
#118
○説明員(荒木睿君) 県労評系では、三月の七日に統一ストを打ちましたときには、三千名ばかり残っていると、こういうことでございました。
#119
○理事(剱木亨弘君) 荒木君もういいですよ。
#120
○春日正一君 まあそういうことで、私の聞いているんでは、読みかえられたのが約三分の一、読みかえられないのが三分の二というぐらいの比率だというように聞いております。念のためにいま確かめようと思ったんですけれども。
 そうすると、こういう問題が起こるわけでしょう。読みかえられたのは官公労とか大企業の労働者で、賃金の高いところが三百六十円で読みかえられて、そうでなくても賃金の低いのが三百五円でかえられるということになると、この格差というものはうんと開くわけでしょう。そこへもってきて物価の値上がりでしょう。そうすると、この人たちは、一番大きな犠牲を受けるわけです。沖繩労働者の三分の二というものは、一番大きな犠牲を受けるわけですね。
 ところが、いまの話を聞いてみると、中小企業にも読みかえたけりゃ読みかえられるような措置はとってありますと。そこがぼくは問題だと思うんですよ。これは、たくさんある中小企業で、労働組合もないというような条件で、なかなか、政府が読みかえなさいと言ったって、おやじの頭次第ではごまかされてしまうような状態のところを、読みかえるものには融資をしてやりますぐらいではそれはできないということになると、やはり、三百六十円で読みかえるということを政府がやるべきだったんじゃないのか。そうすれば、ストライキもやらぬで済むし、すっとそのまま移行するんだけれども、ストライキをやったところは三百六十円だ、やれないところは三百五円だ、しかも物価の値上がりだと、こういうことでしょう。やはりここに、いわゆる円・ドル交換の不公平といいますか、政府のやり方、それがはっきり出ておるんじゃないか。そうすると、やっぱり三百五円しかもらえない中小企業の人たちに対して、政府として、きちんとした補償をつけてやる必要が私はあると思うんです。三百六十円に読みかえなさいと。政府の責任でやるべきだと思いますよ。
 というのは、こういう問題で、沖繩国会のずっと前から、どうするんだ、どうするんだ、早く三百六十円でかえなさいと言うのを、政府はかえなかった。損するじゃないかと言ったら、総理も長官も、絶対損はさせませんと、こういうことを言明してこられたんですね。損はさせませんと言明してさておいて、いま現実にその損が出ておって、一番苦しんでいるし、政府がさっき言われたようないろいろな物価対策をやっても、この格差というものは残るわけでしょう。一体これをどうしてくれるか、責任として。その点はっきりひとつ政府の考えを聞かしてほしいと思います。見殺しにするのか助けるのか。
#121
○政府委員(玉置和郎君) 未組織労働者の方々、そういう三百六十円のワクからはみ出ておるということをわれわれも承知しております。こういうことが、まあ私は、逆説的に言いますと、物価の騰貴にまたはね返ってきておると思うんですよ。おれたちだけが損をするじゃないかと。だから、この際に、商売人、ほとんど未組織の方ですからね、そこに働く方々のやっぱり生活というのを確保せんならぬために、やっぱりこれだけの計算でもって物を買ってほしいと、また、農家の方々もやっぱりそういう認識の上に立つということでありましてね、
  〔理事剱木亨弘君退席、委員長着席〕
この辺にやっぱり、今後の沖繩の大きな問題点があろうかと思います。まあ先生冒頭に御指摘をいただきましたように、そうした実態把握ができていない、これまたちょっと言い過ぎかもわかりませんが、われわれとしては、復帰前から、施政権下にある沖繩の立場、また復帰後の沖繩県、そうした沖繩県自体の行なういろいろな調査等に対して、あまり本土のほうからとやかく言うということは、これは自治権の侵害だと、そういうことについてはやっぱり沖繩である程度やってもらいたいというのがわれわれの本音です。
 しかし、今日ここに至っては、やっぱりそうした問題についても深刻に受けとめて、そうしてやはり政治の根幹というか、中心というものは、たとえ苦しくともやっぱり公平であると、すべての者がやっぱり平等の権利をうけるという、そういう立場がやっぱり一日も早くできてくるということが私は基本だと思いますので、そういう認識に立って、その問題についてもこれから早急に検討していきたいと、こう思います。
#122
○春日正一君 いまも話に出ましたけれども、ここで、公共料金は三百六十円に読みかえられた。ところが農民の売るキビやパインは読みかえられていない。そこで損が出てくるわけですね。商人や中小の企業家にしても、やはり、三百五円だということになると、おれはもう損すると、そこに、政府の政治に対する不信というものですね、政府にまかしておいたら何されるかわからぬと、だから、かってに、おれのほうも三百六十円に読みかえろということのできる人たちはそれをやっちまうし、あるいは四百円に読みかえるというような者も出てくると。だから、この円・ドル交換のそういう不公平な形、運輸関係とかタクシーとかバスとか、そういうような関係は三百六十円だといって読みかえて値上げしちまう、それから一部の労働者には三百六十円だと。ところが、農民とか中小企業の労働者とか、そういう者には三百五円だというような不公平ですね。これがもとだった。そうして、いま次官は、そういうことについてあまり干渉するのはまずいから自治にまかせると言ったけれども、少なくとも、三百六十円ですぐかえてくれということは、沖繩の、これは自民党まで含めての立法院の決議でもって何回も陳情に来て、私ら受け付けておる。そうして、私らも一緒になって、政府にそのとおりやってくれ、やればできるんだということを言ってきておるんだけれども、それを政府がやらないで、しかも、この公共料金の値上げなんかは政府の指導のもとでやられておるわけですね、三百六十円に読みかえと。こういうことをすれば、いまのような大混乱が起こるのはあたりまえだ、これは。そのもとをおつくりになったんだから。だから、この対策は緊急にやらなければならぬし、先ほど言われたように、緊急物資を送るとかそういう面もあるけれども、それをしてみたところで、三百六十円に読みかえられたところと五円に読みかえられたところの、この差というものははっきり残るわけですから、この損をどうしてくれるという問題は、これは一生残る問題ですよ。せっかくあなた方は祖国復帰といってお手柄にしようと思ったけれども、第三の琉球処分なんて言われるようなことというのはここから来ると思うんですよ。だからそういう意味では、やはりこういう問題を全体に公平に解決してやらなければならぬということになれば、いまからでも私らはおそくないと思うんですよ。
 だから、もう時間ないから一度に言ってしまいますけれども、去年の十月九日に確認されて、その後県民の生活、いろいろ生産活動によって通貨がふえた分について、その差損の分を補償してやるとか、去年漏れた法人の現金とか預貯金、個人と法人の通貨性の資産の差損を国が補償するというようなことは、これは当然やってやらなければならぬ問題だし、あるいは、いま言った労働者の賃金や農民の農産物の価格、これはすべて三百六十円で読みかえるように、国の責任でやっぱり措置されると。いまからでも私はおそくないと思う。そうして、その際、三百六十円読みかえによって、先ほど高山君の話のあったように、経営が困難と予想されるような零細企業については、沖繩の経済が安定するまでの間、政府として一定の補助を行なうというような形で助けてやらなければ、小さいものは、この際ますます踏みつけにされることになる。そういうことを当然やるべきだと思うし、また電気やガス、バス、タクシー、こういうような公共料金の値上げを停止して、そうして経営困難に陥ることが予想される企業には国の責任で融資なりその他、成り立つような援助をちゃんと行なってやる。あるいは、流通機構への適切な指導の援助を行なって価格の安定をはかるというようなことを、私はいまからでもやるべきだと思う。
 それで、この際、特に私はお聞きしておきたい、確かめておきたいことは、この前、いま言ったように、沖繩現地からも三百六十円でかえてほしいと言ってき、そして野党こぞって三百六十円ですぐかえなさい、全面的にこれはかえなければだめなんだということを主張して、そのときの山中長官なり総理の考えでは、いまかえるということはこれは無理だ、これはアメリカの施政権下にあるし、なかなかむずかしい問題があるんだというようなことで、それが延ばされてきて、実際かえる段になったら三百五円というような形で、先ほど来私が言ったような不公平が実際生まれてきて、この実損を受ける人がたくさんおるわけですね。だから、そういう意味からいっても、国の政治の責任として三百六十円にこれからでも読みかえていく。そのくらいの金は私は六百億もあれば十分できるというふうに思うんですけれども、あのドルの対策が発表されてから二十八日までの間に、いわゆるドルをどんどん売って日銀が買い込んだ。あれは三千億ですか、四千億ですか、相当でかいものを買い込んでおりますね。その金額に比べれば、沖繩のこの祖国復帰に際しての通貨の交換で県民に損害を与えない。特別もうけるというわけじゃないですから、三百六十円でかえたって。損害を与えない程度のことをやるのに六百億かかるとしても、それは多過ぎるとは言えないじゃないだろうか。だから、そういうことをおやりになるのかどうか。六百億出すということが多過ぎるのかどうか。そこらの点、政治的にひとつはっきり答えておいてほしいと思うのです。
#123
○政府委員(玉置和郎君) 二点お答えをしたいと思いますが、その前に手放しで喜んでおるんじゃないかというようなことですが、これはそんな考えはありません。これは、やはり、われわれとしても、当然やるべきことをやったんだという認識の上に立っておるのでありまして、その辺の誤解のないように、まず申し上げたいと思います。
 で、いま、これ一緒になって考えてみたいと思いますのは、やっぱり沖繩経済というのは、今後本土に復帰しまして、これは単に沖繩の島だけの経済で成り立つわけじゃありません。ことに、多くの物資を輸入せにゃならぬという沖繩の経済の性格から考えても、そうです。日本の経済だって同じことだと私は思います。国際経済の中の日本経済だということを考えますと、日本経済の置かれている立場というのは、やはり、自由経済、この中に置かれておるのであります。それだけに自由経済の中で大きく力のあるもの、それはやはりドルに対する投機的な動き、これをやはり私は軽視するわけにはいかないと思います。ユーロダラーというものが、もしあの一週間の期間に、これは四百億ドル以上ユーロダラーはあると思いますが、短期投機的なものが沖繩にどっと流れ込んできたら、一体どうなるか。これは、とてもじゃないが、いまのような混乱状態では私はないと思います。それこそ円経済の根幹から私は破壊をされてしまう。これはもう単に沖繩だけじゃない。それこそ、国際経済自身もある程度それは足を引っぱるという、こういうことに私はなりかねないと思います。それだけに、沖繩の方々がその犠牲になられたということも、また反面言い得る私は理屈だと思います。そこでそうした方々の差損というものをどういうふうにわれわれは受けとめていくかということが二点の答えでありますが、やっぱり先ほどから御指摘をいただきましたように、零細の商売人さん、それから工業者、農民、漁民、いわゆる未組織労働者、そういった方々でありまするが、そういう方々には、やっぱり自由経済といいますと、これは何としてもやっぱり市場経済というものが確立をされておるということだと私は思いますので、沖繩にまっとうな市場経済というのがあるのかないのか、こういう点から見ますると、これは私見でございまするが、私はやはりまだ後進性が残っておるというふうに考えます。そこでそういう差損につきましては、この際にかなり近代化した市場というものを建設してみたい。これにつきましては屋良知事のほうからも、まだ非公式でございますが要望もきております。そこでこういった市場の建設、そうしてこの際そういういままで三百六十円のワクからはみ出ておるそういう方々とも、生活権というか、公正を欠いておったかに思われる救済措置として、私は早急にやってみたい。現在調査費をつけておりますが、調査費の段階でなしに、これは思い切って四十七年度で農林省とも相談をしながらやっていかにゃならぬ問題でありますが、実施の方向でやっぱり検討してみたい、こう考えております。
#124
○春日正一君 いまの説明聞いても私は納得いかないんです。というのは、市場をいくら近代化してみたって、それで百姓のふところによけい金が入るというものじゃない。だからやはり三百六十円と三百五円の差額というものの損害は、これはついて回るし、おそらく沖繩の農民の経営というものを非常に圧迫する要因になるでしょう。だけれども、この議論を私はしていると、もう時間ありませんし、だいぶ超過もしましたから、きょうはここで打ち切りますけれども、しかしこれは根本の問題だし、国の政治の姿勢の問題としても、この通貨の切りかえにあらわれたこの現象というか、政府の姿勢というものでは、とてもじゃないけれども、沖繩県民がうまくやっていけるというものにはならぬというような気がします。だからその点はこれからも機会を得て、もっと私は深めた議論をしたいと思いますけれども、しかし最後にもう一言どうしても言っておきたいことは、いま言った中小企業の労働者、農民あるいは零細企業というように、円・ドル交換でむしろ打撃を受ける人たちの現実的な救済の策、これをどうするかということがいまの一番の問題なんだし、単に物価を動かすというだけの問題じゃないということですね。その点だけ言わしていただいて、それできょうは私質問を終わりますから、この次にひとつまた質問さしてもらいます。
#125
○喜屋武眞榮君 沖繩の問題は、五月十五日の復帰に向ける段階では、いわゆる復帰不安ということでよく言われておった。ところが五月十五日以降今日までというのは不安と不満と不信と怒り、このようにいま県民の心中にうずいておるという、こういう中から起こるもろもろの問題一つとらえても、これはちょっとやそっとの時間では究明できない、それほど緊急な問題であるわけなんであります。ところが、きょう時間もわずかしかありませんので、私は幾つかの問題にしぼって質問をいたしますから、ひとつ明快にまた政府の所信を披瀝していただきたい、こうお願いをまずいたします。
 そこでまず第一に、先ほど来述べられた物価問題、この物価問題はいろいろの要因があることもよく存じておりますが、結論的に申し上げますと、私は沖繩の物価高の混乱は通貨の交換率、三六〇、三〇八、三〇五と、このような交換率の変動が、物価混乱となってあらわれておると、このように私は受けとめるのでございますが、政府の見解いかがですか。
#126
○政府委員(玉置和郎君) この問題には、先ほどから何人かの委員の先生方お出しになりましたが、私は何回かお答えを申し上げましたが、ことに私たちが慎重な配慮のもとで決定をいたしましたのは、いま共産党の春日先生にお答えしましたが、これはやっぱりあの交換をしてまいりますときに、もし三百六十円というレートでやった場合に一体どうなるのか、やっぱり投機的な行為が沖繩で渦巻くんじゃないか、これによって、せっかく本土に復帰して円経済のもとでやっていこうという沖繩が、ほんとうに根底からその姿勢がくずれてしまう。それこそ収拾のつかないようなものになるんじゃないかというこの心配があったわけであります。それだけに、いま御指摘のありました三百五円というレートに決定をいたしまして、そして二十二日まで一週間交換業務に当たっていただいたわけでありますが、これからくるいろいろな問題、これはまたそれなりにすなおに受けとめて、そして特に現地の先生方の御協力を得ながら、やっぱり早急な対策をそれなりに立てていきたいというふうに考えておるわけです。
#127
○喜屋武眞榮君 私が、率直にお聞きしたいことは、毎度の過程においていろいろあったと思いますがね、結論的にこの通貨の交換率が原因になっておると私は思っておりますが、どうお考えですかという、その答えだけお聞きすればいいんです。
#128
○政府委員(玉置和郎君) これも先ほどお答えしたとおりでありまして、やっぱりその辺から物価高の原因が出てきておることは事実であると思います。
#129
○喜屋武眞榮君 そうしますと、このことは当然予想されたことでありますと私は理解する。当然こうなるであろうということは予想された。ならば、日本政府は事前にそのことを予想して、どのような事前の具体策、指導をされたかお聞きしたい。
#130
○政府委員(玉置和郎君) 事前に沖繩県のほうと相談しながらやっておりました問題につきましては、先生御承知のはずでございますが、一例をあげますと関税等の特例措置、こういった問題につきましても、復帰直後の経済混乱を引き起こさないという特例措置について、いろいろとやってきたはずでありまして、この特例措置につきましては、いま大蔵のほうからも来ておりますし、これは政府委員から答弁させていただきたいと思います。
#131
○喜屋武眞榮君 私は、そういった予想されておることに対して、事前の手の打ち方が足りない、こういうことの怠慢と申しますか、私はそれを率直に指摘いたしたいと思います。
 そこで物価高については、いろいろな皆さんは皆さんなりに、政府は調査されたと思いますが、最高六二・五%、あるいは物品税の撤廃をされたものでさえも一八・四%の値上がりがあると、こういったような泥乱の状態の中で、山中総務長官は通貨の問題では、県民に絶対に不利益を与えない、その基本方針のもとで対策を講じていく、こう述べておられますが、その方針に基づく具体策、いわゆる県民全体の経済にプラスになるような形で検討したい、こう記者団に述べておられますが、その内容は一体どういうことなのか、お聞きしたい。
#132
○政府委員(岡田純夫君) 対策の内容となりますと、まず物資について供給をふやすということが一つの先決になると思います。したがいまして、輸入ワクでありますとか、あるいは本土からの冷凍牛その他の供給はできる限り早急に、ワクの追加等も含めましてやるということが一つ。
 それから沖繩県におきましても、まず消費者の方々にどのくらいの値ごろのものが妥当なのかということについても、いわゆる適正価格と県のほうでは言っておられますけれども、そういうものを早急に定めて県民に知ってもらいたいという努力をしておられる。それをこちらのほうでも受け取りながら、具体的な品目についてそういうものに照らしてあまりにも高いというものについては、どういうふうな手を打っていくか、それにはいまのような供給ということを結びつけ、あるいは価格が適正を欠いているというものにつきましては、公正取引、現地から関係の人に指導するというふうなことを考え、また具体的な内容といたしましては、たとえばただいま政務次官が言われましたような恒久対策としての卸売り市場の整備でありますとか、あるいは当面の措置としましてはランチョンミート等についても関係の向きと相談をいたしまして、現在サバンナ号でございますか、海員スト等の関係によって神戸あたりに待船いたしておりますものを何とか解決いたしたいといったような具体策を含めて検討いたしておるところでございます。
#133
○喜屋武眞榮君 通貨切りかえの、戦後の過程からしても沖繩は五回もそういう苦い体験をなめさせられている、そういう体験からしてもすでにこう打つべき手というのは予想されるはずです。そういうことをいまのような状態で後手後手で、しかもどこかでこうでっち上げられた、そのしわ寄せがすべて沖繩に犠牲となって押し寄せられているという、こういうことに対する配慮が、また私はあたたかく迎えるとか不利益を与えぬということばの裏腹に、このような現実がひしひしと迫るこの犠牲、このことに対して怒りを覚えるわけなんです。
 そこで聞きますが、政府とされても沖繩の物価対策は黙視できない、こういうことで、マスコミの報ずるところによりますと、緊急会議の名のもとに各省庁の物価担当官を集めて検討されたということなんですが、それは結果はどういうことになっておりますか、承りたいと思います。
#134
○政府委員(岡田純夫君) 会議は一昨日関係省庁の局長級十三省庁集まってもらいまして、そこで沖繩総合事務局からの速報をもとにいたしまして、県からも一部資料が届いておりましたが、見解を公開いたしました対策が、ただいま私触れましたように、輸出品等についてのワクの早期割り当てあるいはまた追加ということであり、本土からの物資についても早急にワクを送付すると申しますか、追送するというようなことをとにかくなるべくすみやかにとろうではないかということをきめました。しかしながら、具体的な品目についてそれを考えてまいりませんというと、いわゆる実効があがらないと申しますか、その問題がございますので、したがいまして、本日さらに、いまの関係十三省庁の課長級を集めまして具体的な品目について今後どういうように打っていくかということを早急に討議を重ねているということでございます。
#135
○喜屋武眞榮君 そこでこの問題に続いて、去年の十月九日で押えたいわゆる通貨確認分の三百六十円、これは当然だ、ところがその後の分に対しても当然だという現地の要望があることに対して、一貫して政府の述べられた答弁は、いわゆる投機介入ドル、これをどうするかということが非常に困難であると言われた。ところが結果的には、実際にはその投機ドルがなかったということがはっきりしているわけなんです。だから、いまからでもこれはおそくはない。当然その後のドルに対しても三百六十円分の差損を補償すべきだと、こう私は思いますが、それに対してどう考えておられるか。またその意思があるかないか、それを承りたい。
#136
○政府委員(岡田純夫君) この点につきましては、政府側としてはそのたびごとに答弁させていただいておりましたように、長い間の県民の方々の御労苦に報いるということで、昨年十月九日の時点で把握いたしましたドルにつきまして、三百六十円と三百五円との開きについて考えていこうということで予算としては二百六十億を組んでおりましたが、これが三百億に到達しておるわけでございます。したがいまして、それ以後のものにつきましては、個人法人を問わず、個々の方について一般的な経済成長等についての問題を個人あるいは法人と結びつけて考えることはできないということをすでに御答弁申し上げておったとおりでございます。
#137
○喜屋武眞榮君 基本的に沖繩側の労苦に報いるというこういった恩恵的な発想から出ることがよく聞かれますが、これは償いであって当然の要求で、一ドル三百六十円というのはあたりまえのことなんですよ。それをいかにも恩恵的なことでやってやったんだというようなことに対してはどうも解せない。だから、いかなる理由があるにせよ、三百六十円で読みかえるということは、これはいつどこでだれが要求しても当然のことなんです。それをたまたま十月九日で押えたあの分に対してはいかにも恩恵的だ、それじゃ取り残されたものに対しては一体どうなんだということなんですね。だから取り残されたものに対しても、介入ドルの心配がないということがはっきりするならば、当然それにも権利はひとしく享受さすべきである、またわれわれ要求すべきである、こう思っているわけなんですが、ここでその問題をもう論議したってしようがありませんので、とにかく沖繩県民はそのような考え方に立って不信と不満と怒りを持っているということを受けとめていただきたい。
 次に、総理府に、例の戦争中における日本軍人の虐殺事件については国会、衆参両院でずっと問題になってきました。そのことについて沖繩開発庁としても調査を進めておる、こういうことでしたが、現状はどうなっておりますか。
#138
○政府委員(岡田純夫君) いまの御質問、久米島等を中心としました問題についてどう考えておるかという御質問かと思います。……
#139
○喜屋武眞榮君 久米島だけではありません。
#140
○政府委員(岡田純夫君) 久米島その他いわゆる対米請求と申しますか、というふうな問題、これにつきましては総務長官が、これは沖繩の県民の方々の何と申しましても心の問題、心が傷ついた問題というようなことに関連した問題等を含んでおりますので、実施の面はそれぞれ権限を持っていますところの関係各省庁にお願いしながら、しかしながら、窓口事務を沖繩開発庁において取り扱ってまいりたいということを総務長官申されておりましたが、それによりまして、開発庁の関係政令のもとで復帰前の特殊事情で特に対策を講ずる必要があると認められるものにつきましては、開発庁がその必要あるものについて措置を講じていくということの規定を設けまして、そういう問題について連絡、協力、促進をはかってまいることにいたしております。
 なお、久米島等の問題につきましてはそれぞれ関係省庁が、たとえば法務省あるいは厚生省、それぞれ刑法上の見解、あるいはまた、どのような措置をとり得るものかということについて積極的に検討をしてもらっておりまして、まとめまして判断をしていきたいというふうに考えておる段階でございます。
#141
○喜屋武眞榮君 いま私の質問は、その実態調査の現状はどうなっておるかということが一つと、もう一つは、いまの答弁に関連して、この補償についてはこれは法的立場と道義的立場、両面から考えられると思うんです。法的立場から一体どういういま見解をとっておられるかお聞きしたい。
#142
○政府委員(岡田純夫君) 調査のほうはできる限りすみやかな努力と、かつまた掘り下げました――いかにも二十数年前の事実でございますので、調査の上にミスあるいは不公平があってはなりませんので、徹底を期して努力しておるところでございます。法務省におきまして刑法上の取り扱い等について検討してもらっておりますが、私どもの知っておる限りにおきましては、法務省の見解は、当時は米側にニミッツ布告といったようなものがありましたけれども、これを久米島の事件において考えますというと、鹿山という当時の兵曹長が指揮しておったところの地域には及んでいなかった。したがって、ここは日本刑法の分野ではないかというふうな見地から検討を重ねておるというふうに聞いております。しかしながら、法務省の中でもいろいろと、いわゆる制裁と申しますか、刑法上の見解について詰めておるというふうに聞いておりますので、すみやかにその最終的な結論を聞かしてくれということをきのう、きょう、申し入れをしておるところでございます。なお、遺家族援護等が厚生省の立場からの現行法令に照らした措置でございまして、これにつきましては、厚生省もできる限り運用上の幅を広げて考えたいという気持ちを持っておりまして、開発庁としてもぜひそうしてあげてくれと、要するに心の問題であるということで関係省庁にお願いしておるわけでありますが、これにつきましても、最終的な結論を促進しておるというところでございます。
#143
○喜屋武眞榮君 この問題につきましては、沖繩教職員組合としましても組織をもちまして実態調査して、これが実態調査の内容なんです。これを見ても件数にして二十件、しかもそれがいままだ完成ではない、五月七日現在でこれができております。これをひとつ関係大臣に、持ってきておりますので、差し上げたいと思いますから、これもひとつ検討して、法的にたとえどうあれ、これは道義的立場からも、佐藤総理も国会の答弁の中でも、これは最大の努力をし、あるいは理解と愛情をもってこれに報いる、こういう答弁もあったし、その旨山中大臣にも伝わっておるということもお聞きしております。そういうことでひとつぜひ配慮をしていただきたい。これは後ほどお上げしたいと思います。
 次に、基地問題について申し上げたいと思います。
 この基地問題につきましては、外務大臣はじめ政府は五月十四日、いわゆる復帰前はどうあれ、復帰後はすっぽりと安保条約が完全適用されるので、その沖繩の米軍の性格は変わってくると、こういうことを一貫して述べられたが、どのように変わってきたか、このことをお聞きしたい。
#144
○説明員(橘正忠君) 先生御存じのとおり、沖繩にあります米軍の基地に関しましては、復帰の後におきまして、日本とアメリカとの安全保障条約、これが完全にそのまま適用されるということになりましたので、それ以前の状態とは全く法的な性格を異にしているということになると思います。したがいまして、たとえば、安保条約の第六条に基づく事前協議制度というものが沖繩の基地にも本土の基地におけると同様に適用があるということになると思います。
#145
○喜屋武眞榮君 どう変わるかということは、われわれはすなおに受けとめて、少なくとも基地問題についても復帰後はよくなると、よく変わると、そう受け取っておったが、現実は悪く、後退して変わっておるということが沖繩の現状なんですね。このことについてもいろいろ論議を進めていきたいですけれども、時間時間とおっしゃいますので、そのことを、とにかく、変わったのはいいほうに変わったのでなく後退した悪いほうに具体的に変わってきておるという、この根拠についても、いろいろ事前協議の問題とも関連して進めたいんですけれども、残念、時間がありませんので、最後に一つ、このことだけは許していただきたい。
 軍用地問題について、これもはしょって申し上げたいと思います。
 まず、一つは、五月十五日の時点で契約したもの、それから契約しないもの、その実態はどうなっておるか。それから契約した者は、地主側からの条件もいろいろ要求があったことは御承知だと思います。それもいれられた合意の上での契約であるかどうか。
 第二点は、公用地法の五カ年期限が経過した場合、契約に応じなかった場合には、当然これは返還すべきだと思うがどうか、このこと。
 最後に、地料の問題ですね。この軍用地料の見舞い金、これは総額三十五億だと受けとめておるのですが、もういろいろ一問一答したいですけれども結論を。三十五億だと、ところがその中で協力謝礼金十億、いわゆる見舞い金、御苦労金が二十五億、こうなっておると私理解いたしております。ところが、現地での防衛施設庁が述べておることは、そのように差をつけてある。十億と二十五億の差をつけてある。契約しない者には協力謝礼金は払わないと、こう言っておると聞いております。このことは、地主の意向を無視した、米軍に接収された――沖繩の土地問題というのは米軍の接収から始まった。これを銃剣のもとで合法化されたのが今日の土地問題である。そういう経過からすると、これは一視同仁に報いてやるべきものだと、当然だと私は思うわけですが、このように見舞い金を区別して、契約強要の手段に利用したといえば語弊があるかもしれませんが、そういうにおいが一ぱいするわけなんです。この見舞い金の性質からして許されないと、このことは受け入れられないと思いますがいかがですか、以上申し上げまして、答弁を求めて終わります。
#146
○説明員(楯石一雄君) 第一の点につきましてお答え申し上げますと、復帰時の五月十五日現在では、約軍用地の地主さんは三万二千七百名と承知しておりますが、その方々の、九〇%の方々から同意をとっております。なお、昨晩の情報でございますが、その後、同意の説得につとめておりますので、昨晩の六時現在では、同意いただいておる方が九三%というふうになっております。今後も極力局長が前線に出まして、同意の取りつけにつとめたいと思っております。
 第二点の五カ年たちました後はどうなるかというような御質問でございますが、暫定使用法をかりにかけましても、極力説得につとめるつもりでおりますので、五年後の時点におきましては、はっきりした状態がわかりませんが、なお説得につとめていきたいと、こういうふうに考えております。
 最後に三十五億円のいわゆる見舞い金につきましては、先生のお話のように、確かに現地のほうで二十五億とか十億とかいう説明はしておりますが、これはまだはっきりきまっておりませんが、積極的に契約に協力していただく方々につきましては、政府といたしましても多少のお礼心と申しますか、という意味合いで若干のお礼を申し上げたいと、こういうふうに考えておるわけでございますが、大かたの金額につきましては、契約するといなとにかかわらず、やはり過去の精神的、経済的な御苦労に対しまして、お見舞い金として差し上げたいと、こういうふうに考えております。
#147
○委員長(長谷川仁君) 本調査に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト