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1971/06/09 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第10号
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1971/06/09 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第10号

#1
第068回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第10号
昭和四十七年六月九日(金曜日)
   午後二時十九分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         長谷川 仁君
    理 事
                楠  正俊君
                剱木 亨弘君
                丸茂 重貞君
                川村 清一君
                戸叶  武君
                藤原 房雄君
                星野  力君
    委 員
                今泉 正二君
                長田 裕二君
                梶木 又三君
                片山 正英君
                亀井 善彰君
                古賀雷四郎君
                柴立 芳文君
                竹内 藤男君
                西村 尚治君
                初村滝一郎君
                宮崎 正雄君
                山内 一郎君
                若林 正武君
                田  英夫君
                松下 正寿君
   国務大臣
       外 務 大 臣  福田 赳夫君
       国 務 大 臣  江崎 真澄君
   政府委員
       防衛庁参事官   鶴崎  敏君
       防衛庁防衛局長  久保 卓也君
       防衛施設庁総務
       部長       長坂  強君
       沖繩開発政務次
       官        玉置 和郎君
       沖繩開発庁振興
       局長       渥美 謙二君
       外務省アメリカ
       局長       吉野 文六君
       外務省欧亜局長  有田 圭輔君
       外務省条約局長  高島 益郎君
       水産庁長官    太田 康二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する
 調査
 (B52の嘉手納基地寄港問題に関する件)
 (那覇空港の完全返還に関する件)
 (沖繩における軍用地の継続使用に関する件)
 (自衛隊の沖繩移駐問題に関する件)
 (沖繩の物価対策に関する件)
 (沖繩の核撤去に関する件)
 (沖繩における国連軍施設に関する件)
 (日ソ平和条約交渉に関する件)
 (北方海域の安全操業に関する件)
○沖繩の米軍基地内免許業者の権益保護に関する
 請願(第一一一五号)
○北方領土復帰実現に関する請願(第一二三八
 号)
○日本固有の領土である北方諸島の早期復帰に関
 する請願(第一五〇六号)
○北方領土の返還促進に関する請願(第一七九八
 号)
○コンセッショナーに対する転業資金特別措置及
 び軍施設内に加設した投下資本の補償に関する
 請願(第二三八一号)
○沖繩県における通貨切替えによる損失補償及び
 物価安定対策に関する請願(第二五一二号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(長谷川仁君) ただいまから沖繩及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○川村清一君 本日の委員会は、今国会では最後の委員会になるのではないかと思います。したがいまして、私は、沖繩及び北方問題について前の沖繩国会から今国会にかけて、本委員会においていろいろ論議された問題が、五月十五日に沖繩が復帰しましてからすでに一カ月近く経過した現時点で、これらの問題がどのようになっているのか、さらに今後どのように推移していくのか、政府はどのような政策をとられようとしているのか、数点につきましてお尋ねをしたいと思います。なお、北方問題につきましても若干の問題について政府の考えを聞きたいと思います。政府当局におかれましては、ぜひ率直に、しかも真摯な態度で御見解を国民の前に明らかにしていただきたい。まず、冒頭お願いを申し上げておきます。
 そこでまず、第一点お尋ねいたしますことは、五月の十五日沖繩は返還されましたが、その返還の態様、返還に伴う県民生活は、政府は自画自賛されておるようでございますけれども、実際の姿は政府のおっしゃるような姿ではない、かように考えております。佐藤総理はもちろん、当局大臣の方々は、口を開くと平和で豊かな沖繩返還を唱えられてまいりました。県民をあたたかく迎え入れられることを約束されてまいったわけであります。しかし、現実は御承知のような姿で沖繩は返ってきたわけであります。物価の異常な高騰は県民生活を脅かし、県民は不安な生活の中から政府を恨んでおります。さらに復帰後五日たったところで、突然B52が飛来してまいりました。とんでもない復帰プレゼントになったわけでございます。しかも、ベトナム戦争はますますエスカレートしております。米軍基地はほとんどそのまま、むしろベトナム戦争の拡大によって施設は増強されている、これが実態でございます。その上県民の反対を押し切って久保・カーチス協定の線に沿って自衛隊の移駐が進められている。県民はまさに平和の危機、戦争の不安におびえておると言っても過言ではないと思うわけであります。これが沖繩県の現実の姿であります。沖繩返還交渉直接の責任者としてその衝に当たられてきた福田外務大臣は、物価の異常な高騰によって生活におびえている県民生活、さらにベトナム戦争の拡大によってB52が飛んで来たり、そういう不安がつのってきているこの沖繩の姿をごらんになって、あなたはどういうような御見解をお持ちになっておるか、率直にひとつこのことについて御見解をお伺いしたいと存じます。
#4
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、いま川村さんがおっしゃったように、沖繩島が日本に返ってきた、平和な豊かな沖繩島ということを実現しなければならぬと、常々そう考えております。ただ現実の問題といたしますと、お話しのようにむずかしい物価の問題が起こってきています。またベトナム戦争のエスカレーションに伴いまして、その余波というものが、間接な形でありまするけれども、ひたひたと沖繩島に押し寄せておる、こういう状態であります。しかしそういう物価の問題、これもすみやかに克服いたしまして、そして県民に御安心をいただいて生活できるような状態を早く実現したい、こういうふうに政府としては日夜努力いたしておるわけであります。またベトナム戦争の影響につきましても、これが最小限に食いとめられるようにということを念願いたしまして、これはアメリカの自制に待つところが非常に多いわけでございまするけれども、それを強くアメリカにも要請して、わが国といたしましてもできる限りのことをいたしてまいりたいと、こういうふうにいま考えております。私は沖繩の戦後に対する考え方、これは何と申しましても、一口で言いますれば、沖繩の平和で豊かな島としての島づくり、県づくり、これらはこれから始まるのだ、これからが沖繩問題のほんとうに真剣な時期を迎えるのだと、そういう感覚を持ちまして沖繩諸問題に取り組んでいきたい、かように考えております。
#5
○川村清一君 次に、B52の沖繩飛来についてお尋ねいたします。
 五月二十日、B52三機が突然沖繩の嘉手納基地に着陸いたしましたことは御案内のとおりであります。日本政府に対する米側の事前連絡によりますれば、悪天候による緊急着陸である。地上給油を済ませると五時間後には離陸してまいったわけであります。これが実情であります。しかし、その後判明したところによりますれば、二十日の南方洋上における気象状況というものはそのようなものではなかった。いわゆる悪天候ではなかったと、こういうことであります。さらに、沖繩にはKC135空中給油機が待機しておるわけでございます。したがって、わざわざ沖繩に着陸する必要がなかったのではないかと私は考えておるわけであります。県民もすべて考えております。一体、いかなる理由によってB52が沖繩の基地に着陸したのか、これが納得できない。そのまま県民は過去の事実を思い出して、このことに対して非常に大きな疑問、大きな不安、これを持ちまして、日米政府に対しましては憤りの感情を強く持っておるわけでございます。
 そこでこの件についてお尋ねするわけでありますが、第一に、B52は今後とも沖繩基地に着陸することがあるのかどうか、そして地上給油を行なうことがあるのかどうか、もしこういうことがあるとするならば、当然それは事前協議の対象になる、こう思うわけでありますが、これに対する御見解をお述べいただきたいと思います。
#6
○国務大臣(福田赳夫君) 沖繩へ去る五月二十日にB52三機が緊急着陸をした。その理由は、アメリカ側の説明によりますれば、これは悪天候のために空中給油ができなかったからであると、こういうのです。そこでわがほうにおきましてもあとで追跡調査をしてみたんですが、なるほど川村さんおっしゃるように、グアムのほうは晴れております。しかし、当日は沖繩周辺はやはり気象状況がよくない。空中給油というのは非常にデリケートな作業のようでありまして、気象状況が非常に影響すると、そういうような状態であった。そういうために空中給油ができない。そこで緊急着陸をしたいという要請がありまして、これを拒否するというようなことは、これは人道上から見てもたいへんなことだろう、こういうふうに考えておったわけでございますが、しかし、その際米当局に申し上げたのです。不時着陸といえども、あるいは緊急着陸といえども、今後反復するというようなことがありますると、これは沖繩県民の感情から見て好ましくない。不時着、緊急着陸といえどもこれを反復せざるように注意してほしいということを申し入れておるわけであります。それに対しましてアメリカ側もこれを了とし、そのように努力します、とこう言っておる。
 それから第二の問題は、この不時着、緊急着陸じゃない移駐ということにつきましては、これは絶対に私どもはしてもらっては困る、こういうことを申し上げておるわけでありますが、これもアメリカ側はこれを了としておる。そういうことでありまするから、沖繩県民にさして御心配をかけるような事態はないと、こういうふうに思いまするが、しかしながら、不時着、緊急着陸という事態が、アメリカ側が注意に注意をいたしましても、これは絶対に起こり得ないということは私は言えないと思うのです。と申しますのは、これはいまの天変地異というか、そういうような関係がある、そういうときにわが国がそれを拒否するということは私はできないと思います。アメリカは注意はします。しかし、不時着あるいは緊急着陸というそういう事態を絶対に回避し得るかというと、私はそういうわけにはいくまいというふうに思いますが、実際問題としましてはアメリカも気をつかうと、こう言っておりますので、めったにそういうことはあり得ないのじゃないかと、そういうふうに考えております。
 それから継続的な駐留つまり移駐であります。これにつきましては、ただいまも申し上げましたように、もうアメリカ側においてはわがほうの気分というものをよく了解いたしておりますので、そういうことは考えるところはなかろう。ことにB52ではかなりアメリカとしても苦い経験を持っておるわけでありまするから、その苦い経験を再びあえてするというようなことはなかろう、こういうふうに私どもは見通しております。
 それから、最後に事前協議の問題でありまするが、出撃の意図を持ちまして沖繩における空港を飛び立つというような事態がありますれば、これは事前協議の対象になります。しかしながら、そういうことじゃない、ただ単に沖繩の基地を使って給油を行なうというようなこと、これは事前協議の対象にはしない。ただこういうことは言えます。グアムを出撃意図を持って発進をしたその飛行機が、途中で給油を要する。こういうような事情のもとに沖繩の飛行場において給油をする。その後また出撃行動を続けるというような事態ですね。これはまた沖繩からの出撃、こういうふうに理解されますので、今回の給油行為は沖繩からの出撃の一環でありまするから、これは事前協議の対象といたします。こういう見解でございます。
#7
○川村清一君 大臣の御答弁からこの際確認をしておきたいと思います。
 第一点は、米軍は作戦上の必要から沖繩にB52を再配置する、そういうことは今後絶対にない、こういうふうにひとつこれを確認しておきたいと思います。
 第二点は、グアムをいわゆる戦闘作戦命令を受けて発進したB52が沖繩の基地に着陸して、地上給油を受けてベトナムならベトナムに出撃していく場合においては、これは直接戦闘行為と見て事前協議の対象になる。
 第三点は、悪天候のために沖繩の基地に着陸すること、これはないようにアメリカ側も十分注意するが、しかし、この問題は悪天候による緊急着陸であるから、あることもあり得る。こういうふうに私は大臣の答弁から受け取ったわけですが、これでよろしいかどうか。
 それからこれはひとつ私の意見でございますが、ベトナムに対する爆撃命令を受けたB52がグアム島を発進してベトナムに向かう途中、沖繩周辺の空中においてKC135によって空中給油を受けた場合には、これは地上に着陸したわけではないから事前協議の対象にならないという御見解でございますけれども、これはちょっと変な話でございまして、私の論理からするならば、B52のこの作戦行動とKC135の行動というものは、これは一つのセットである。一セットとして直接戦闘作戦行動を行なっておる、こう見るべきではないかというのが私の見解でございます。したがいまして、作戦命令を受けてグアムを飛び立ったB52が、沖繩の空中においてKC135から空中給油を受けた場合においては、これは当然戦闘作戦行動と見るべきではないか。したがって、これは事前協議の対象になるべきである、すべきであるというのが私の意見でございますが、これに対する外務大臣の御見解をひとつお示しいただきたいと思います。
#8
○国務大臣(福田赳夫君) 四つ御質問でございますが、第一のB52の沖繩移駐は絶対にないか、こういうお話でございますが、私は絶対ということばは使いませんが、しかし、まずまずこれはあり得ない、こういうふうにお考えくださって差しつかえなかろう、こういうふうに思います。
 それから第二点、作戦命令を受けてグアムを発進したB52が沖繩において地上給油を受ける。その後さらにベトナムに向かって発進する。これは事前協議の対象となるか、こういうお話でございますが、これは事前協議の対象となります。
 それから第三点、B52が今後緊急着陸することがあるか、こういうお話でございまするが、これはアメリカにおいてはそういう事態のないように特段の配慮をする、そういう考えでありまするが、これは絶対にない、こういうふうにまでは言えないと思うのです。どういう事態があるかわからぬ、緊急の事態でありますから、そういうふうに考えます。
 それから空中給油ですね。その場合は事前協議の対象とならぬという政府の考え方は正しくないのじゃないかという御意見でございますが、これはたとえば補給活動はわが国はアメリカに自由に認めておるのです。地上で補給をするという際には、これは補給を受けて、そうしてグアムから来た飛行機がさらにまたベトナムに向かって発進をするという発進行為と一体をなしているのです。であるがゆえにこれは事前協議の対象となる。しかし、ただ単に上空において給油をする、これは安保条約上認めておる補給活動それ自身である、そういうふうに考える。したがって、これは事前協議の対象としない、こういう考えでございます。補給という点が、この直接出撃と合体した地上給油の場合と本質において非常に違うという見解でございます。たださらにこれを例をあげて言いますれば、油を補給することは米軍の自由でありまするから、したがって、沖繩から台湾のある港に油を送った、そこへ行ってアメリカの飛行機が給油を受ける、それと本質的に空中給油の場合は違うところがない、そういうようなことを考えましても、私どものこの見解は妥当な見解である、そういうふうに考えております。
#9
○川村清一君 私は妥当な見解とは思わないわけでありますが、さらにもう一点お尋ねいたします。
 それはグアムからベトナムのほうへ飛んで行くのでなくて、ベトナムで爆撃行為を行なった、戦闘行為を行なったB52が、今度はグアムへ帰る途中に沖繩へ寄って、まあ地上給油を受ける、今度の五月二十日のようなケースでございますが、これも事前協議の対象にすべきではないかと思うわけであります。なぜかならば、ベトナム爆撃行為をやってきたわけでありますから、それに報復行為をしようとする飛行機があとを追ってきた。そうしてかりにB52が沖繩の地上に着陸した、それに対して報復爆撃を行なうような場面は想定されるわけです。なければけっこうですが、もしあったらたいへんなんです。このことは明らかに日本が戦争に巻き込まれる、こういうことになるわけでございます。したがって、こういうような場合も絶対歯どめをかけるためには事前協議の対象にすべきでないかという、これが一点でございます。
 それから先ほどの大臣のお答えに対する私の意見でございますが、空中給油を行なうことはこれは補給行為である、安保条約に認められておるところの行為であるからして事前協議の対象にならないと、これは一般論としてはそのとおりかと思います。しかし、これは戦争でございまして、そのB52が直接戦闘行為にもう参加しておるわけでありますから、したがって、沖繩の周辺の空中において給油を受けるということ、その事実がもうすでに作戦行動である。かように考えれば、当然これは事前協議の対象になる。もしもこれは事前協議の対象にならない行為であるとするならば、非常に事前協議というものの対象は限られたものに狭くなってまいりまして、要するに戦争への歯どめ行為としての事前協議の機能というものは失われてくるのではないかというふうに私は考えるわけでございますが、重ねてこの問題について御答弁をいただきたいと存じます。
#10
○国務大臣(福田赳夫君) お尋ねは、ベトナムから帰りのB52が沖繩の地上において給油を受ける行為、これは事前協議の対象とすべきではないかと、こういう御意見でございますが、安保条約上は、これは出撃の場合においては、つまり戦闘作戦行動に移る、沖繩基地がそのために使われる、そういう際におきましては、これは事前協議の対象とするということにいたしておるわけでありますが、帰りという場合におきましては、もう戦闘作戦行動は終わっているんです。そういうようなことから、私どもはこれは条約上の解釈といたしまして事前協議の対象といたしませんと、そういう解釈をとってるんです。ただ、実際問題といたしましては、先ほども申し上げましたように、緊急着陸といえどもこれは与えるところの沖繩県民への影響等を考慮するときは、これが反復されることは好ましくないと、こういうふうに申し入れてある。またいわんや移駐に至っては、これは何とかしてこれを差しとめてもらいたいと、こういうことを要請しておると、そういうことにかんがみまして、まあ理論上はそうは申し上げまするけれども、実際上はめったにそういうケースは起こり得ざることであると、こういうふうに思います。
 それから空中給油――行きの場合です、今度は。行きの場合の空中給油が、これが事前協議の対象とならぬと、そういうような際において報復を受けるおそれはないかと、こういうようなお話でございますが、私は今回のこのベトナムの事態、これは南北の争いである、わが国は当事者ではない。そこで、まあいろんな国から南北ともいろんな補給を受けておるわけなんです。北のほうはソビエト・ロシアからずいぶん補給を受けているというふうに聞いておる。それから南のほう、つまり米軍を主とした戦闘集団はわが国からも補給がかなり行なわれておると、こういうような状態でございますが、まあわが国が置かれておる立場、そういうことは私は北ベトナムにおきましてもこれを理解してもらいたいと、こういうふうに考えておりまするし、また北ベトナムの国民におきましても、わが国と戦争をしておる、わが国に対して敵性を認めるというような状態じゃないと思います。あの北爆の最中におきましても、北ベトナムの経済使節、ミッションがわが国を来訪いたしまして、そして各地を視察しておる。そうしてわが日本の国民の好意に感謝すると言って帰っておると、そういうような状態を見まするときに、私は北ベトナムの国がわが日本国に対して敵性を認めておるんだ。したがって、報復爆撃をするんだというような事態は今日存在しないと、かように見ております。
#11
○川村清一君 それでは問題を次に進めますが、沖繩返還の目玉商品と言われました那覇空港の返還は一体どうなっておるのかということであります。那覇空港を基地とする米海軍対潜哨戒機P3の移駐につきましては、移駐先の普天間基地の滑走路整備が、四十七年度予算成立がおくれたために復帰時まで間に合わない。やむなく復帰時には那覇空港の完全復帰が実現しないと、これが政府の今日まで言われておった見解であります。確かに予算は政府のたび重なる不手ぎわによって一カ月成立がおくれました。しかし、予算成立いたしましてからすでに四十日経過しておるわけであります。かりに四十七年度予算というものが三月末までに成立しておれば、五月十五日までに普天間基地の滑走路が完成していたとすれば、実際の予算は四月の末に成立したわけでありますから、おそくも六月二十日ごろまでにはこの普天間基地のほうの滑走路が整備されましてP3は移転できるはずであります。そこでこのP3はいつ普天間基地に移駐するのか、那覇空港が完全に返還されるのはいつなのか、このことを、これは外務大臣ですか、防衛庁長官ですか、担当の方からはっきりひとつ言っていただきたいと思います。
#12
○国務大臣(福田赳夫君) 確かに那覇飛行場は五月十五日には完全復帰、つまりP3の移転を含めまして実現をされるということを信じ、この国会の前半期まで私はしばしば皆さんにそういうことを申し上げてきたわけなんです。ところが、いま川村さんからもお話がありますように、一つは予算の問題が起きておる。つまり四月初めに成立すべかりし予算がそのとき成立しない、そういうような状態。そこでその当時私ども考えておりましたのは、もし四月初めに予算が成立しておりますれば、四月、五月の十五日までと、こうかけまして、四十五日間で昼夜兼行の工事をして、さしあたり普天間飛行場の滑走路の整備、つまりかさ上げだけをいたしまして、そうしてP3の移転ということを考えたんです。ところがそれができないという事態になってきたわけなんです。間に合わないという事態になってきた。暫定予算にそういう経費を盛り込むことは妥当でないということだったからであります。
 それと同時に、もう一つ問題が起こっておりますのは、普天間の飛行場の周辺におきまして、P3の移駐を歓迎しないという動きが起こってきておるわけであります。この動きも無視することはできないわけであります。普天間の市長、そういう方々から強い移駐反対の動きが出てきておるのであります。
 この二つの問題をとらえまするときに、まあひとつこの際は滑走路のかさ上げという応急処理だけでなくて、この際初めから予定しておりました普天間飛行場の総合的な整備、つまり格納庫だとか、そういうものの整備までもやってしまった上移転をするというふうにしたほうが妥当じゃないか。まあそれまでの間にこの地域住民の御理解も得るようなこともしなけりゃならぬじゃないか、そういうふうに考え、その工事をとにかく取り急ぐということにいま全力を傾倒しようと、こういうことで、その手順を進めておるというのが現段階でございます。ですから、工事が完成する、その工事というのは滑走路のかさ上げだけじゃない。それにとどまらず、格納庫等の受け入れ設備全体が整う。それから同時に地域住民の御理解も得る、そういう事態になりますれば移転を行なう。その移転の時期の一日も早からんということを期しておると、こういうことでございます。
#13
○川村清一君 いろいろむずかしい問題があることは承知しましたが、そこで移転の時期、見通しはどういうふうになっておりますか。見当つきませんか。
#14
○国務大臣(江崎真澄君) 経緯はいま外務大臣からお答えになったとおりであります。で、かさ上げだけですと大体二カ月ぐらいでできるわけです。しかし、現在普天間のその格納庫の問題とか他の付属施設の問題について細部の打ち合わせをアメリカ側といたしております。
 それから、外務大臣もお触れになりましたような、多少地元側でP3の移転に疑義がある――まあこれもどういう話ですか、私も実は地元の宜野湾市というところの市長に会ったわけですが、普天間の米軍の何か司令がここへ持ってくることはどうだろうかなんというようなことを言っておるとか言っていないとか、これは確たる証拠はありませんがそういううわさもあるわけです。したがいまして、米軍側でも何となく調整のできない問題もあるやにこれは仄聞をしておるわけでありまするが、そういう問題をこれは急遽片づけまして直ちに仕事に入りたいということで、目下結論を急いでおるというのが実情でございます。
#15
○川村清一君 それじゃ目玉商品もさっぱりであったということになるわけでございますので、この点ひとつ責任を感じていただきたいと思います。
 次に防衛庁長官にお尋ねをします。時間の関係でまとめてお尋ねをしますので、御答弁もひとつ簡潔にお答えいただきたいと思います、問題がきょうたくさんありますから。
 第一点は、軍用地の継続使用について、地主との間に円満に再契約された面積、地主の数、全体に対しての比率等についてどの程度か、ひとつ示していただきたい。
 第二点、契約を拒否している地主に対しては公用地暫定使用法の発動を考えているか。すでに告示行為が完了したようであるが、強制収用するとするならばその時点はいつなのか。
 第三点、現在自衛隊の移駐はどの程度進められておるか。
 第四点、久保・カーチス協定による復帰後六カ月以内に三千二百名の配置はどのような計画で進められるのか、具体的にその計画を示していただきたい。
 第五点、沖繩県民の自衛隊に対する反対運動は一向におさまりません。むしろますます燃え盛っていくというような実情にあります。沖繩県民の拒否反応はきわめて強い。これは世論調査にもはっきり出ております。こういうような情勢の中において、防衛庁はあくまでも強行する心がまえなのかどうか、この点をひとつ明らかにしていただきたい。結論だけでけっこうでございますから。
#16
○国務大臣(江崎真澄君) 一点、二点の土地契約の進捗状況につきましては、時間の節約の意味もありまするから、政府委員からまとめて答弁をいたさせます。
 第三点の自衛隊の移駐状況、これは御承知のとおり準備要員というものが九十七名行っておりました。これを直ちに基地及びその施設の管理要員に復帰時点において切りかえたわけであります。ところが、基地そのものも広大でありまするし、建物自体でも二百八十棟というようなこれは膨大なものになりまするので、その後人員を徐々に充足しております。この人員は炊事業務等に従事する者、あるいは不発弾の処理をする者等々というわけで、大体七月中ごろまでには陸、海、空で二百五十人程度にしてまいりたいというふうに考えております。現在時点では、本日現在百六十七名、これが自衛隊移駐の数字であります。
 久保・カーチス取りきめ、この成り行きはどうなるのか。御承知のとおり、復帰の時点から六カ月の間に約三千二百人を配備する。こういうことにしておりましたが、これは県民感情なども考えまして、できるだけ実人員張りつけにおいては減らせるものは減らすという作業をしまして二千九百名程度、その最後的な配備も七カ月半ほどあと、こういう計画で進めておるわけであります。
 第五点、沖繩県民の自衛隊に対する反発は依然として強いがどうするのか。これは私どもも戦前の旧軍隊に対する暗いイメージ、これがとりもなおさず新しい自衛隊の上にオーバーラップして何となく自衛隊アレルギーになっておる。これは非常に残念に思っております。しかし、今回復帰いたしまして、県民がまのあたりに見た自衛隊、これはまだごく少数でありまするが、だんだん理解も深まりつつあるやに情勢として私ども聞いております。したがいまして、今後旺盛に自衛隊のほんとうの姿、あるべき姿というものを沖繩県民に理解を得る努力、これはPR等を含めまして粘り強くそういった理解を深めるべくいろいろな角度から努力をしてまいりたいと思っております。
#17
○政府委員(長坂強君) 御質問の第一点と第二点についてお答え申し上げます。
 この軍用地の土地の賃借契約につきましては、六月の八日現在におきまして土地の所有者数の約九三%、所有者数は三万二千七百八十人でございますが、そのうち同意を取りつけてございますものが三万三百四十五人、総数の九三%に達しております。
 それから暫定使用法の適用関係につきましては、暫定使用法の第二条第二項に基づきまして、四月の二十七日に七十四件、五月の十一日に十二件、合わせまして八十六件の告示を行なっております。そういたしまして、さらに暫定使用法の第二条第三項による所有者への通知につきましては、現在なお土地の所有者の同意を得るように、あと二千名残っておりますので、それを得るように努力中でございまして、ここ一、二カ月の間にその同意の見通しを得まして、取れないものについてはその通知を行なうというようにしてございます。と申しますのは、この暫定使用法の第一条の第二項の「この法律の規定による使用の開始後であっても、当該土地又は工作物の所有者その他の権利者との合意によりこれを使用することとなるよう努めるものとする。」ということで、合意を得るようにあくまでも話し合いを行なっていけというのがこの法律の運用上の基本方針であると存じますので、その方針に従っているわけでございます。
 それからなお先ほど申し落としましたが、合意を取れました面積は全面積二億八千六百万平米のうち、民有地は一億八千二百万平米でございますが、そのうちの同意を取りつけましたものは一億七千百万平米、総面積の約九四%に相当しております。
 以上でございます。
#18
○川村清一君 それでは防衛庁長官と外務大臣にお尋ねいたします。
 まず防衛庁長官にお尋ねいたしますが、御承知のように沖繩の施政権は返還されましたが、膨大な米軍基地がそのまま現存しておるわけであります。西太平洋のかなめ石あるいはアメリカの極東戦略基地としての姿は何ら変わっておらないわけであります。しかも、ベトナム侵略基地として今日現在機能しておることはだれも否定できない事実でございます。ここにさらに六千八百名にも及ぶ自衛隊を配置することがどんなに危険なことであるか。さらに中国や北朝鮮あるいは北ベトナム等、極東諸国にどのような対日感情を与えるか、これは言うまでもなく明瞭なことでございます。こういう国際情勢を考えたり、また沖繩県民の感情というものを考えてみるときに、無理してこういう膨大な自衛隊を配備するということは一体どういうことになるか。非常に危険なことではないか。しかも、地元の県民がこのように反対しておるところに、無理やり押しかけていっても、このことによってあなた方のおっしゃっておるような、いわゆる自衛隊の使命、専守防衛に徹するとか、あるいは民生安定に資するとかいう自衛隊の使命を達成することができるかどうか。私はできないと思う。したがって、こういう情勢を判断して、この自衛隊配備計画、これは久保・カーチス協定によってきまっておることでありますけれども、再検討すべきではないかと思うわけでありますが、その意思が全然ないかどうかをお伺いしたい。
 次に、福田外務大臣に対しましては、沖繩開発庁が発足いたしまして、いよいよ沖繩の振興開発計画が策定され、それからその計画の実施へと、開発がいよいよ軌道に乗って動き出す段階にきておるわけであります。それを進めていくのに一番阻害要因になるものは何かと言えば、言うまでもなく米軍の基地であります。沖繩の振興開発を真剣に考えれば考えるほど、米軍基地がじゃまになるわけであります、端的に言って。したがって、基地の縮小が最大の問題でございます。この問題につきましては、本委員会において何回も何回も議論されてきておることでございますけれども、一向に解決のきざしが見えておりません。
 そこで、福田外務大臣に私はお願いするわけでありますが、キッシンジャー・アメリカ大統領特別補佐官が来朝されるわけで、福田さんもまた会談される趣、新聞で承知しておりますが、この場合に、事前協議問題とともに、アメリカの基地をできるだけ早期に縮小していってもらいたいということを、率直に腹を割ってキッシンジャーと話し合う用意がないかどうか。ぜひやってもらいたいというのが私の願いでありますが、これについて、ひとつ御見解を伺いたいと思います。
#19
○国務大臣(江崎真澄君) ベトナムの戦局が――一時的と私どもは思っておりまするが、苛烈な状況になっておることは、きわめて残念に思います。しかし、日本の自衛隊というものは、ベトナムがどうなろうと、あるいは極東の地域でいろんなことが起ころうと、海外派兵は絶対しない、こういう大前提に立って、自衛のみに徹する自衛隊であることは御承知のとおりであります。したがいまして、沖繩に配備する実人員が、極東地域の諸国を刺激するというふうには私ども考えておりません。米軍のみがおって、施政権の戻ってきた沖繩県に自衛隊がないということのほうが、どうも矛盾ではないかというとらえ方でわれわれは考えるわけであります。また平時の、特にこれは陸上自衛隊が中心でありまするが、自衛隊というものは、不発弾を処理したり、あるいは遺骨の収集もしたりというような、民生協力面で活発な動きをするようにというのが、私赴任以来の主張であります。したがいまして、沖繩で自衛隊に期待されるところは非常に多いわけです。復帰がなされますると同時に、不発弾処理の要員を早くもらいたいというような要請にこたえて、不発弾処理要員を送ったというような事例に見ましても、これは私ども、だんだん自衛隊のほんとうの姿を沖繩県民に理解してもらえるのではないかと、また、理解をしてもらうように、こちらも積極的にそのことを働きかけていく、大事な問題だと思っております。いま、にわかに計画を変える予定は持っておりませんが、先ほども申し上げましたように、久保・カーチス取りきめに見られるいろいろな条件等につきましても、与う限りの緩和方策、縮小方策等々もとったわけであります。現在は、先ほど申し上げた線を推進するわけでありまするが、なお県民感情を十分考慮しながら、今後、自衛隊の実人員の配備というものを検討して慎重にまいる予定でおります。
#20
○国務大臣(福田赳夫君) 今回のキッシンジャー補佐官の来日は、これはサンクレメンテにおける首脳会談と性格が違いまして、今度はキッシンジャー氏がアジアに対する知識が少ない。また、アジア、特に日本において友人が少ない。そういうことから、日本を勉強し、日本に友人を求めたい、こういう趣旨でやって来るのですから、交渉ごと、談判ごとは、これはありません。ありませんが、せっかくのいい機会でありますので、日本の米軍駐留状態に対する諸問題等につきましても、触れてはみますけれども、これはもう触れるだけの話でありまして、交渉事ではありません。しかし、大事な問題でありまするから、当方より、わが国の米軍の駐留の状態の見方というようなことにも触れてみたいと考えております。ただし、これは交渉じゃありませんから、そのように御理解願います。
#21
○川村清一君 開発庁の政務次官にお尋ねするわけでございますが、政務次官は、言うまでもなく沖繩振興開発の直接の担当者でございます。ただいままで、私と福田外務大臣、江崎防衛庁長官と、いろいろ論議をしてまいりましたが、あなたはそれをお聞きになったわけでございます。論議されておりました問題は、沖繩開発に直接的あるいは間接的に大きなかかわり合いのある問題でございます。そこで、外務大臣や防衛庁長官の御答弁をあなたはお聞きになってどのようにお考えになられたか、あなたの御意見を率直にこの際ひとつ聞かしてください。
#22
○政府委員(玉置和郎君) 私も国会議員として、いわゆる平場におって、いろいろな意見を聞いてきたときに、党という立場からするならば、それなりのやはり見解がいままでありました。しかし、実際に沖繩開発というものを引き受けまして、そうして現地に飛んで見まして、あの戦跡のあとに立っていろいろと思いをめぐらしてみますると、沖繩の県民が持つ反戦に対する根強い感覚というもの、これがやはり胸にしみるほど痛く感ずるのであります。また、しかし、日本の国会議員として、日本全体の防衛というものがどうあるべきか、また、いま日本外交の中軸であります日米の関係がどうあるべきかということを考えましたときに、そこにまた、その考え方の限界があるわけでありまして、私はいま川村さんの質問、そうして両大臣の答弁を聞いておりまして、この際に両大臣にも御理解を得たいと思いまするが、沖繩を開発していく上において、何が一番重点になるかと言いますと、やっぱり沖繩の県民の心をすなおにとらえて、そうして沖繩開発庁というものが各省に真剣にお願いをしていくという立場でなければならぬと思います。そうしたときに、やはり、何としても沖繩開発では、いま川村さんが申されましたように、やはり基地との私はいろいろの取り組み、これがやっぱり最重点になるんじゃないかというふうに考えております。現地に飛びましたときにも新聞記者諸君の会見の求めに応じて、沖繩開発のポイントはどのようにしてスムーズに、いま米軍が持っておる基地を縮小していただくか、これにはやはりアメリカとの関係、これが非常に大事であります。それだけに私たちはいたずらにアメリカを刺激するようなことは避けたい。しかしどうしても沖繩の県民の福祉が確保できなかったならば、これはかえってアメリカの戦略の足を引っぱることになるぞというふうな立場から沖繩の開発計画というものを進めてまいりたい。それにはどうしても外務省の協力を得にゃなりませんし、またこの前この委員会で私は答弁をさしていただきましたが、自衛隊の配置の問題にしましても、防衛長官おりますので、私はこの際はっきり申し上げたいのですが、自身朝霞に住んでおりまして、基地のあり方というものが身にしみております。それだけに基地は人目に触れぬところで、そうしてなるべく基地の機能の発揮できる、人口過密のところでないほうがいいという考えを持っております。そういうことから、開発庁の政務次官としてそういう見解を持っておりますが、これはまたこれなりに政府全体の問題でもありますので、私たちはそういう立場からこういう問題をとらまえて、そうして外務省に、また防衛庁にお願いをしてまいりたい、こういう、いま先生の質問を聞いておりまして、両大臣の答弁を聞いておりまして、そう思ったわけであります。
#23
○川村清一君 重ねて開発庁次官にお尋ねいたします。
 沖繩県民は返還によって何を得たか、一体何を与えられたのか。三百五円レートによる円・ドル交換、それによる異常な物価高騰、生活への圧迫、それだけではなかったのか。これが素朴な県民感情だと私は思っておるわけであります。沖繩の物価問題は復帰後の本委員会において活発に議論されてまいりましたことは、これは当然でございます。物価安定の方策について閣議の決定があり、開発庁が中心になって政府もいろいろ具体的な施策を進めていることも私は承知しておるわけでございますが、その結果、現在、現時点においてこの物価問題はどのような状態になっておるのか、開発庁の政務次官、ひとつ明らかにしていただきたいと思います。
#24
○政府委員(玉置和郎君) この物価問題、復帰直後のこれは大問題でありまして、これを早急に平常に引き戻して沖繩の県民の生活というものが安定していく、これがなくては私はほんとうの復帰の喜びが出てこない、こう思います。
 そこで、いまお話のありましたように、閣議でもいろいろやっていただきましたし、開発庁としましては、復帰直後の最大の問題として取り組んできたわけであります。私ごとを申し上げて恐縮ですが、私自身も現地に飛びまして、そうして実際この目で、この足で物価の現状というものを調査をしてまいりました。そのときにも感じたのでありまするが、やはり比較的組合組織のしっかりしておるところではお互いに話し合って、たとえばクリーニング屋さんだとか、あるいはパン屋さんだとか、そういうところはこの際損をすまいということで、いままでの価格で十分利益のあるのを知っておりながら、かつそういう協定価格というものを設けてやっておった、こういうことが現地の私自身の調査でもわかってまいりましたし、これに対しで公取がかなり真剣に取り組んでいただきまして、九業種について勧告をして、これがいま冷やす大きな原因をつくっております。現在のこの物価、耐久消費財から見ていきますと、これは大体正常に戻ってきております。ことに衣類、衣料品、繊維類でありますが、これは三百五円というよりも、私の店は三百円で読みかえております、というふうな看板も出ておりまして、こうした繊維類については私はあまり心配は要らないと思います。問題はやはり生鮮魚介類、これはまた野菜、くだもの、そういったものがやはり一番影響があるのだと思います。そこでその生鮮魚介類、野菜、くだもの、いわゆる食生活に直接大きな影響を持つ二十九品目を調査いたしました。この調査はきのうの調査の結果でありますが、二十四日からこの六月の五日の間に二十九品日中で落ち込んできたもの、これが十九品目あるわけであります。現在まだ多少上昇しておるというのは五品目あります。横ばいが大体五品目と、ただし上昇を続けておるといいましても、これは品目をとってみますと、牛肉でありまして、わずか一%ということであります。チューナのかん詰めでありますが、マグロのかん詰めにしましても、これは輸入品でありますが、四%。みそは、これが一番高いパーセンテージを示しておりますが、九%。これはみそについては私たちきょうこの事情を知りまして、さっそく冷やす対策を講じていきたいと思います。全体から見ていきますと、復帰前よりも落ち込んでおる物価が大体九つほど出てきております。この点から見ましても、物価対策についてはある程度の効果が出てきたというふうに考えておるわけでありまして、重ねて申し上げますが、これは本土の政府のやり方がよかったからとか、沖繩県のやり方がよかったからとか、そんななすり合いをするのじゃなしに、やはり開発庁も沖繩県も一体になってやってきた成果であろうと、こういうふうに考えておるわけであります。
#25
○川村清一君 時間の関係で最後に福田外務大臣に対しまして、北方領土の問題につきまして二点お伺いして質問を終わりたいと存じます。
 第一点は、本年一月に来日いたしましたグロムイコ外務大臣と福田外務大臣との会談の結果、平和条約締結に関する交渉を本年中の双方の好都合な時期に行なうということで合意されましたことは、日ソ平和条約締結の促進と北方領土問題の解決を願っている国民は心からこれを歓迎し、期待を寄せておるところでございます。
 そこでお尋ねしたいことは、本年中の双方の好都合な時期とは一体いつなのか。私どもはおそらく今年の秋あたりではないかと、こう考えておるのでありますけれども、その推測というものが当たっておるのかどうか。次に、交渉に入る前に当然予備的な話し合いも行なわれまして交渉の段取りといいますか、いわゆる交渉のアプローチというものがしかれなければならないと私は考えておるわけでありますが、外務省はこのことについてどのような構想を持たれているのか、考えられているのか、このことについて、本委員会を通じまして非常な期待を寄せて注目している国民の前に明らかにしていただきたい。これが一点であります。
 次にもう一点は、本年の一月のサンクレメンテの会談で、佐藤総理大臣はニクソン大統領に対しまして、ニクソン大統領が訪ソをした際に、北方領土のことについてソ連首脳によろしく話をしてくれと、こういうようなことを依頼したと伝えられておるわけであります。そこで、このたびニクソン大統領が訪ソされまして、両国首脳の話し合いが行なわれ、その結果が共同コミュニケとして発表されましたが、この中には北方領土の問題については一言も触れられておらないのであります。このことは一体佐藤総理はニクソン大統領に一方的に頼んだのか、ニクソン大統領は別に約束したことでもなかったのか、それとも約束したけれどもニクソン大統領は約束どおりソ連側に話を出さなかったのか、あるいは話題にはなったけれども共同コミュニケには入れなかったのか、まあいろいろ考えられるわけでございますが、サンクレメンテの会談に同席されました福田外務大臣としてはこの事実をどのようにして迎えられておるか、ひとつ御見解をこの際明らかにしていただきたいと、こう思うわけであります。
#26
○国務大臣(福田赳夫君) まず、日ソ平和条約交渉の段取りでございますが、その後、新関大使がソビエトの外務当局と当たっております。それは、いつごろの時点でこの交渉を始めましょうかということでありますが、まあ大体において秋から暮れにかけてのタイミングというふうに考えておきましょうと、こういうことになっております。また、これからその会談が始まる時期をさらに具体化しなきゃなりませんけれども、その際に双方の議題をどういうふうにするかというような事前の打ち合わせもあろうかと思いますが、これはもう少し先に行ってからにいたしたいと、こういうふうに考えております。
 それから、サンクレメンテの会談におきましては、佐藤総理からニクソン大統領に対しまして、何かいい機会がありましたらこの北方領土につきましてわが国がこういう要求を持っておるんだという旨を伝えてほしいということを軽く言われたわけであります。ニクソン大統領はそうしましょうというようなことでありましたが、そのときニクソン大統領のほうから、まあこれが頼まれたというようなことが、またあるいはそういうような話がこの席で出たというようなことが外部に漏れると、なかなかこの話はしにくくなりますねえと、こういうようなことがあったんです。ところがその後、そういう会談の内容が新聞紙上等で伝えられるようなことになりましたので、ニクソン大統領はこの話を米ソ会談の機会に持ち出すということがたいへんむずかしくなったという事情が想像されます。それはまあそれとして、米ソ会談そのものにおきましては、共同コミュニケには何事も書いてありませんし、また共同コミュニケに書かれるような性質のものであるとは思いませんけれども、ともかくもこの話はこの二大巨頭会談では出なかったというふうに承知しております。
#27
○藤原房雄君 先ほども川村委員からお話ございましたが、本日の委員会がこの六十八国会の最後になるという、こういうことを考えますと、沖繩・北方領土問題、いろんな懸案の問題がございます。本来ならばその個々の問題につきまして政府の見解をただすという、それだけの十分な時間がほんとはほしかったのでございますが、本日は限られた時間でございますので、項目的に何点かについてお聞きするようなことになると思いますが、その点ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 時間の制約もございますので、最初に北方領土の問題からお聞きしたいと思うのでありますが、私がここで長々申し上げるまでもなく、過日東方条約が批准され、ヨーロッパにおきましていままで長い間懸案でありましたこの問題が解決の方向を見出すことができたという、これが日本のこの北方領土問題につきましても大きな好条件と言いますか、緩和の条件と見るべきであろうと思うのであります。こういう国際情勢の動き、また米ソ首脳会談、これがもたらすところの緊張緩和、一部にはベトナム戦争等緊張した状況もありますけれども、国際的には非常に北方領土問題というこの問題に関して考えますと、いままでにない交渉しやすい状況と言いますか、そういうムードがあることは事実だろうと思うのであります。このような状況の中にありまして、本年の一月、この平和条約の締結の方向というものも話し合うその段取りにもなりまして、いよいよ沖繩返還と同時に国民の願いはこの北方領土の返還という方向に向かいつつあることは言を待たないと思うのであります。しかし、北方領土問題につきましては戦後二十七年間の長い私どもの願いであるとともに、日本とソ連との間の懸案事項というのはいろいろな問題があります。何と言いましても平和条約の交渉であり、安全操業の問題であり、漁船の拿捕の問題であり、日ソ漁業問題、墓参のこともありましょう、こういう日ソ間のいろいろな懸案事項がございます。この一つ一つにつきましてお伺いする時間はとうていございません。平和条約の準備段階、今後の考え方につきましては先ほど外務大臣からお話がございました。私はこのような最近の客観情勢と言いますか、国際情勢というものを踏んまえまして、また今月に入りましてイシコフ漁業相が日本に参りました、そういう感触等を通じまして、この北方領土、日ソ間のこの平和条約交渉、そのほかの問題につきまして、率直のところ外務大臣としては明るい確かな手ごたえがあると言いますか、そういうお感じでいらっしゃるかどうか、この間の問題につきましてどのように現在お考えであるか、お伺いしたいと思います。
#28
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、日ソ関係は世界情勢が多極化してきたという中において、非常に友好接近の雰囲気をかもし出しておる、こういうふうに考えております。事実この一月グロムイコ外務大臣が急遽日本を訪問する。しかも、その訪問におきまして、私との間にいろいろな問題の討議が行なわれましたが、六年間も中絶いたしておりました日ソ間の外相定期協議がこれからは毎年一回以上行なわれる、こういうことになり、また両国の首脳の交換訪問をとり行なうということになり、さらに懸案の日ソ平和条約交渉、その交渉を年内にひとつ開始いたしましょうと、こういうようなことになると、たいへんな変化が来たのだろうと、そういうふうに思います。その日ソ間において一番大きな問題は、何と言っても領土問題であります。この領土の問題につきましては、歴代内閣が機会あるごとにソビエト側に対しましてその返還を要請しておったわけでありますが、そのつどソビエト側におきましては、本件は解決済みの問題であると言って話に乗ってこない、こういう状態でありましたが、平和条約の締結交渉、これは何と申しましてもその中心課題は領土の確定でございます。その領土の確定が実体をなすところの平和条約交渉にまあとにかく乗りましょう、そういうことになる。つまり平和交渉の場において領土問題を論ずるという機会を得ましたことは、私どもといたしましては非常に欣快な推移であったと、かようなふうに見ております。私どもはそういう状態を踏まえまして、この問題の前途はなかなか容易ならざるものではある、そうは考えておりますものの、全力を尽くし、かつ粘り強くこの問題の解決に向かって努力してみたい、かように考えております。
#29
○藤原房雄君 平和条約のことにつきましても、当委員会また外務委員会、いろいろ政府の見解があったわけでありますが、一つだけお伺いしたいのでありますが、先ほどの川村委員のお話にもちょっと関係するかもしれませんが、サンクレメンテで佐藤総理がニクソン大統領に仲介の労をとってもらうということで話したという先ほど外務大臣からお話ございました。そのいきさつについてはいまお話を聞きましたが、過日の国連第二十五周年記念の総会におきまして、佐藤総理が北方領土返還問題に触れまして、国連の総会における発言があったわけであります。また、サンクレメンテではアメリカの大統領に仲介の労をとってもらうような態度があったという、こういうことからいたしまして、わが国といたしまして早くに領土問題、平和条約、ソ連との平和条約が結ばれるということにつきまして、一つの国際問題といいますか、こういう大きな立場に立って多数と言いますか、国連という多数国を含んでそれを解決の方向を見出さんとする、そういう考えなのか。またソ連とことしの秋になりますか、本年交渉に入るわけでありますけれども、二国間交渉ということでこの問題を進めようとなさるのか、北方領土問題解決に対する政府の基本的な考え方、いままでのいきさつもありますので、この点等をお伺いしたいと思います。
#30
○国務大臣(福田赳夫君) 佐藤総理が北方領土問題につきまして国連で触れた時期、それからサンクレメンテでアメリカの大統領との間でこの問題に触れたそのとき。そのときのあとに至ってグロムイコ外務大臣の来訪というものが行なわれたわけであります。グロムイコ外務大臣の来訪以前の状態におきましては、この北方領土の問題は日ソ二国間におきましてはこれはなかなか解決しない。これは国連というああいう世界的な場においてその解決を助成をする、そういうような考え方も必要であったというふうな見解から、あのような総理演説になったわけであるし、またサンクレメンテにおきましても、あのような総理発言ということにもなっておったわけでありますが、しかし、事態は非常に変わってまいりまして、とにかく日ソ平和条約交渉をいたしましょう。日ソの平和条約交渉というのはその主体は何といっても領土問題である。領土問題というものを、これを日ソ平和条約交渉のその場で論議しようということに相なりましたので、まあ国連あるいは第三国の雰囲気づくり、これも大事なことでありますが、より大事なことであり非常に好ましきことは日ソ間で事を友好裏に話し合い、解決することになってきた。その辺に非常に大きな客観情勢の推移がある。その推移に応じましてわが国の姿勢もこれに対応させなきゃならならぬ、そういうふうに考えております。
#31
○藤原房雄君 次は、安全操業、また拿捕のこと、また日ソ漁業問題、このことちょっと触れたいと思うのでありますが、まあほかの委員会でいろいろなお話があったかもしれませんが、当委員会ではございませんので……。イシコフ漁業相との話し合い、一部新聞には出ておりますけれども、水産庁になりますか、今日まで取りきめられた経過といいますか、この問題につきまして、まあ現在も会議開いておるわけでありますけれども、現在までの話し合った経過、取りきめられた問題、これからまずちょっと御説明いただきたいと思います。
#32
○政府委員(太田康二君) 安全操業の問題につきましては日ソ間に存する漁業の問題として最も大きな問題であるということで、従来とも外交ルートを通じて話し合いを進めてまいったわけでございますけれども、今回イシコフ来日の機会に農林大臣との間に話し合いが行なわれたわけでございます。その際、私どもが毎度申し上げておりますことは、拿捕防止という人道上の見地からも本件のすみやかな解決が望ましい。そのことがまた同時に日ソの友好親善を進める上にたいへん役立つからすみやかに解決いたしたいという前提のもとに話し合いが行なわれたわけでございます。イシコフ大臣とわがほうの大臣との間に熱心な討議が行なわれたわけでございますけれども、まだ必ずしも意見の一致を見ないというのが今日までの段階でございまして、まあ私どもといたしましては、今後基本的な考え方といたしまして、従来私どもが主張いたしておりますように、四島周辺水域のうち漁場としてきわめて重要である、しかも拿捕の多い水域を対象としなければ問題の根本的解決になりませんから、そういった線に沿った案を明確に文書にいたしまして、これを正式の提案としてソ連側に提示をして、代表団を通じてさらに引き続き話し合いを続けるということに大体意見の一致を見たわけでございまして、そういった形で今後話し合いが続けられてすみやかな解決が得られるよう今後も交渉を続ける、こういうことに相なっておる次第でございます。
#33
○藤原房雄君 このたびのイシコフ漁業相がまいりましたのは、赤城農林大臣の招聘によって来日したというふうに伺っているわけでありますが、漁業のことが中心としていろいろな話し合いがなされる、こういうことだろうと思いますけれども、いらっしゃったその目的、そうしてまたもしこの漁業のことについてのいろいろなお話し合いだったとするならば、一つは安全操業、これはもう一方的に今日まで北洋水域で働く漁船の方々が拿捕される。日ソ漁業問題につきましては一方的に漁獲制限ということで今日まで漁民の方々が苦しい立場に立たされておったのでありまして、その間の事情というものを十分に話し合って何らかの解決の糸口が見出されなければこの会談の成果というものはあがったとは言い得ないと思うわけであります。今日までも安全操業につきましてはいろいろな経過をたどって今日までまいりました。いまも御答弁ありましたけれども、まあ、今日までの経過の中でどうしても折り合いがつかなかったという問題は何点かあったわけでありますけれども、今回なかなか話し合いがつかなかった国後、択捉、こういう四島の問題もさることながら、そのほかのことについては、たとえば以前には代償ということがたいへん問題になったことがありましたけれども、そういうようなことで何らかのいままでの交渉とは違って明るい見通しがあるのかどうか、こちらのほうとしても交渉しやすいというか、この交渉した感触から、その間につきまして政府としてはどのように感じられていらっしゃるのか、この間の安全操業の問題につきまして今日までの交渉に当たった結果からどのようにお考えになっていらっしゃるか、その点ちょっとお伺いしたいのですが。
#34
○政府委員(太田康二君) 結局いま申し上げましたように、私どもといたしましては四島周辺の漁業の、漁業として重要であって、しかも拿捕の多いところということが私どもの根本的な主張に相なっておるわけでございます。これに対しまして、御承知のとおり、ソ連側の昨年の一月の提案というのは、歯舞、色丹、しかもその周辺の一部の海域というようなことがいわれておるのでございまして、まだかなり海域自体についての距離の開きがあるわけでございます。まあ議論の過程におきまして、こういった議論が両方で戦わされた上に立ちまして、さらにお互いに主張は主張としてし合ったわけでございますけれども、そういうものを踏まえて新しい提案ということが考えられないかというようなこともいわれたわけでございまして、私どもといたしましては、今回の議論の経過も十分踏まえまして、先ほど申し上げたようなことを念頭におきながら、新しい提案というものをひとつ正式の形で提案をして、代表団を通じて話し合いを進める、こういうことに相なったわけでございまして、いま先生がおっしゃいましたように、日ソ友好ムードというようなムードもあるわけでございますけれども、そういったことが直ちにこの問題の解決に非常に役立つであろうというふうに想像いたしまして、いましばらくで解決するということをここで申し上げることは私はできないわけでございまして、とにかく引き続き交渉を続けるということを決定をいたした次第でございます。
#35
○藤原房雄君 たいへんな国際情勢の変動の中にありまして、非常に友好的なムードがかもし出されておる。これは非常に喜ばしいことでありますが、そういうこととはまたうらはらに個々の問題を考えますと、いろいろな問題があるようであります。北方領土、特に四島の今後のあり方というのは、返還後の問題といいますか、この問題につきましては、いままで当委員会におきましても、日本に復帰すれば、北方領土が日本に返れば、当然安保の網がかかることになりますが、しかしまあ軍事施設は置かないというようなことが政府の考えとして発表になったこともございました。非常に微妙な今日でありますので、私どもは細心の注意を払っていろいろな問題を考えなければならないと思うのでありますが、きのうの発表によりますと、米軍の稚内の通信基地が自衛隊に引き継がれるということがきまったということであります。これは北方領土と同じようにソ連に最も近い国境線、また北鮮に近い。そういう土地でありますだけに非常に対外的には刺激が強いといいますか、こういうことが考えられると思うのでありますが、そういうことでこの問題について二、三お伺いしたいと思うのでありますけれども、いままでの米軍の稚内通信基地の任務、現在の状況、そしてまた今後自衛隊が引き継ぐに当たりまして、どういう配備でどういう任務をになうのか、この問題についてお伺いしたいと思います。
#36
○政府委員(久保卓也君) 稚内の米軍の基地は、第五空軍の指揮下にありまする第六九八六通信保安群という部隊でありまして、ピーク時軍人が約六百人ぐらいおりました。今日はほとんど管理要員がいるかいないかという程度で、六月末に日本側に返還するという予定になっております。ただし、日本側に返還をいたしまするが、米側としては部分的に使用したいということで、共同使用ということを申し入れているようであります。米軍がやっておりました場合の任務と申しますと、無線中継、通信保全、あるいは電子現象に関する研究というものを行なっております。無線中継はことばのとおりでありますが、通信保全と申しますのは、米側で通信をやっておりまする場合に、それが適切に行なわれているかどうか、たとえば暗号などを使用しておりましょうし、それから電送手続が適切であるかどうか、あるいは不急不要の通信を行なっているかどうかといったような事柄をチェックする機能であります。米軍の通信基地においてはこういった通信保全の機能がおおむね行なわれております。
 それから電子現象に関する研究でありますが、これは各種のレーダーが電波を発射いたします。その電波を受信をいたします。すなわち、ここの施設は受信施設でありますが、その発射された電波を捕捉をし、それを分析することによりまして航空機などの行動などを掌握するというようなのが米軍の機能であります。
 そこで、米側といたしましては、米国本会計年度末でもって一応閉鎖をするということでありますが、自衛隊といたしましては米側がやっておりました機能の中で日本の防衛にとって直接重要であるようなものがあれば、その任務については、その機能については引き継ぎたいという希望は持っております。ただし、これはこれからの四次防の問題でありまするし、あるいは来年度予算の問題でありますので、現在防衛庁としては態度をきめるわけにはまいらない。来年度の予算の中で関係各省と協議をして引き継げるものがあれば引き継いでまいりたい、かように考えております。
#37
○藤原房雄君 稚内にはこの米軍の通信基地のすぐそばに航空自衛隊のレーダーサイトがありますね。これがこのたび、これはアメリカからどういうふうに言われてどうしたか、細目のことは私はわかりませんけれども、肩がわりするということは、現在あるそれ以上の大きな任務を与えられるということになると思うのですね。いま局長から必要なものについては使用するのだということでございますけれども、少なくとも自衛隊が使用する範囲内のことについては、現在の航空自衛隊のレーダーサイトでやっていると思うのでありますが、航空用とは違ったもっと大きな任務がそこにあるのではないか、このように思うわけでありますけれども、現在既存のものと今度の米軍の通信基地との違いといいますか、そこらあたりはどうなるんですか。
#38
○政府委員(久保卓也君) 稚内に航空自衛隊のレーダーサイトがございます。このレーダーサイトは他の基地にありまするレーダーサイトと同じ機能で、したがって、このレーダーサイトの到達距離の中におきまする航空機の運航、運航といいますか、どういう方向へどういう高度で飛んでいるかということがわかります。しかしながら、これはいうならば機影、飛行機の影、形がレーダースコープの上にうつることによってその位置なり高度なりが判明をするわけでありますが、こちらの場合には発射された電波をこちらが受ける、受信をするということでありますので、その電波の解析によりましてどういう種類の飛行機あるいは艦艇も含みますが、周辺の艦艇がどういう方向で動いているかというようなことがわかるということで、いうならばものとそれから電波の性質の相違というふうに言えようかと思います。
#39
○藤原房雄君 自衛隊は専守防衛に徹するという、こういう原則からいたしまして、米軍と自衛隊とはおのずと働きが違うことは論を待たないと思います。そういうことでいま防衛局長がおっしゃった範囲内のことならばあれでありますけれども、実際この米軍の稚内通信基地、それはやはり大きな使命をになって、任務をになっておるだろうと思うのでありますけれども、もし引き継ぐことになってソ連の情報分析とか、こういう情報収集のみにあらず、さらに大きな任務を負うようなことになりますと、これは自衛隊の範囲をこえるものとして、これは今後、せっかくソ連との交渉等明るい見通しがありながら、それが今度はくずれ去ってしまうもとになる、こういうことを非常に懸念するわけであります。それからまた情報収集ということにつきましても、まあ千歳、三沢等順次肩がわりしてきておるわけでありますけれども、それがやはり大きな主要拠点を結ぶ任務をになうようになるということになりますと、これは単にいま防衛局長がおっしゃった範囲内にはとどまらず、やはり大きな形になるのではないか。こういう点非常に懸念するわけでありますので、その間につきましてどういうことになっておるのか、詳細にひとつ御説明いただきたいと思います。
#40
○政府委員(久保卓也君) 専守防衛であればあるほど平素におきまする情報機能というもの、つまりわが国の置かれておりまする情勢というものを十分に判断をする必要がある。そういうことがまた防衛力をチェックするゆえんにもなろうと思うわけでありまして、ちょうどウサギの耳が大きいというのと同じように、そういう情報というものは非常に重要である。そこで、いま三沢とか米側の通信基地が幾つかございますけれども、それとの関連は必ずしもございません。したがいまして、私がいま申し上げた範囲のものを米側もやっておりますが、その米側のやっているものの中で部分的なものを引き継ぎたい。その引き継ぐものは私が申し上げた以上のものは出ない。つまり相手方の各種装備から出る電波をこちらが受信をする、それの分析、解析をやるだけ。これは稚内基地にあるアンテナが受信施設でありますので、こちら側がどうこうする、あるいはこちらからどこかへ行ってどうこうするというようなものはさらさらございませんで、完全に受信施設でありまするし、その範囲内で自衛隊ができればこれは引き継ぎをいたしたい、かように考えておる次第であります。
#41
○藤原房雄君 時間もありませんのでもう一つあれですが、受信専門といいましても、必ずしもアメリカの電波だけを受信するわけじゃありませんので、そこにどうしてもいろんな危惧が生まれてくるわけであります。そういうことで、地理的な条件からいたしまして、非常に時期的にも地理的にもまずいことになってはほんとうにそれこそまずいという、そういう危惧を抱きますのでいろいろお聞きしているわけであります。
 それから基地の返還ということにつきましても、まあどっちかというと米軍から強制させられるような自主性のない、そういう肩がわり的な姿が最近あちこちに見えるようであります。まあ基地の問題につきましては私は多くを申し上げませんが、基地の総点検をするということにつきまして防衛庁長官発言なさったことがございますけれども、いつごろなさって、この結果によってどういう効果をもたらそうとするのか。また核のことや毒ガスのことにつきましても十分な調査をするのかどうか。この米軍基地総点検のことにつきましてお伺いしたいと思います。
#42
○国務大臣(江崎真澄君) これは米軍基地のみならず自衛隊の基地をひっくるめまして私ども一度再検討の必要があるということを真剣に考えておるわけです。今週も火曜日の防衛庁参事官会議で再考といいまするか、この基地問題検討のプロジェクトチームをどういう形で発足させるかという内輪話を事務的に詰めておるような次第であります。これは事務次官を頂点といたしまして、たとえば自衛隊の基地一つを考えてみましても、戦前の陸軍基地をそのまま受け継いだものというのがずいぶんあるわけです。ところが戦後の経済発展に伴いまして、また都市化現象の変化等に伴って非常に都市周辺地域の変貌というものが著しゅうございます。そういう場合に、ただ従来から持っておったからここにいなければならぬというものなのか、あるいは人家稠密のところはその地域の都市計画等々、地方公共団体の意思等もくんで地元に協力してしかるべきものか、こういう場合に願わしいことは、新しく基地を求めるということがなかなかむずかしいのであります。したがいまして、でき得べくんば県知事とかあるいはその各関係地方公共団体の責任者が代替地を責任や持って世話をしてくれる、こういうことが望ましいわけですが、そういう場合には移転していいものは進んで移転ができるのではないか。それから関東平野の基地縮小の問題、これは米軍でありまするが、これにからんでも自衛隊が共用すべきもの、あるいはそのまま返還しかるべきもの、やはり新たな見地、新たな角度から検討すべき多くがあると思います。したがって、向こう一年以内ぐらいの視点で総ざらいをする。そうして防衛庁は防衛庁としての計画を樹立し、また地元の要望にこたえ得るものはこたえていく。どうしてもこたえられないものについてはその必然性等を話すことによって地元側の理解を深める。まあ総体的にそういった問題をひとつ事務的に突っ込んで検討してみたい、こういうふうに考えております。
#43
○藤原房雄君 いま防衛庁長官のお話、確かに都市化の進んだ今日、過密なところに基地があり、それからまた防衛庁のいろんな施設があることは事実であります。それがお話しのとおり積極的に話し合いができ、一つでも多く解決されることを心から望むわけであります。
 次に、このたびの稚内の通信基地の問題につきまして、去年の秋ですか日米軍事研究会というところでいろいろ話し合ったという、アメリカからこの話が出てそして協議が続けられた、こんな報道がありましたけれども、これは制服組の会合でこの話が明らかにされ、そして協議が続けられた。少なくともこういう問題につきましては、事務レベルの話し合いが先にあってしかるべきじゃないか。これはまあシビリアンコントロールということでずいぶん今国会では問題になりましたけれども、この間の問題についてはどのように考えていらっしゃるか、ちょっと見解をお伺いしたいと思います。
#44
○政府委員(久保卓也君) いまのお話はどういう報道か存じませんが、事実関係は第五空軍司令官から私に話がありまして、あとの実務は私のほうの調査課長とおそらく第五空軍司令部の担当部長との間で話が進められておるものと思います。これは内局だけの話で、各幕にはもちろん連絡はいたしておりますけれども。そして、いまお話の日米合同軍事委員会はそういった行政事務を扱うものではございませんので、これは全然関係はありません。
#45
○藤原房雄君 日米軍事研究会ですよ――まあいいです。
 時間がありませんから、最後に、先ほど防衛局長からウサギの鋭い耳という話がありましたけれども、これは中曽根前防衛庁長官のいろんな構想の中に四次防で情報本部構想というのがありましたですね。これは現在は一応白紙ということのようでありますけれども、四次防の原案の中には、情報の一元的処理にあたる情報中枢機構を整備する必要がある、こういうふうに考えが述べられておるわけですね。現在この最北端の稚内または千歳、三沢それから神奈川の上瀬谷ですか、こういうところが肩がわりしておるということを考えますと、こういう中曽根構想とだんだん関連性が出てきたんではないかというように考えさせられるわけであります。この間についてどういうお考えなのかということを、十分に国際情勢といいますか、緊張緩和の現在の諸情勢というものを勘案して、こういう問題につきましては十分ひとつ配慮していただいて推進していただきたい、推進というか十分に配慮をしてこういう問題を処理しなければ後に禍根を残すという、こういうことを非常に感じますので、一言要望いたしますとともに、いまの問題について御答弁いただきたいと思います。
#46
○国務大臣(江崎真澄君) 情報本部機能といいますか、そういったものを整備充実する、これは確かに中曽根構想の中にありました。しかし、これは白紙に戻しました。したがって、白紙に戻しました以上、現存、いわゆる現有の情報機能というものをフルに活動させることによってこの問題の解決に処したいと思っております。したがって、今度の四次防構想を練るにあたりまして情報本部機能というものを充実、拡大強化するといいますか、新設するというか、そういうようなことについては現在の時点では考えておりません。それから稚内の通信基地の問題は、部分を受け継ぐというわけでありまするし、これは詳しく防衛局長が説明したとおりでありまして、お示しのように平和愛好国家としての善隣友好の外交をそこなわない、この基本方針を堅持して進みたい、慎重に対処したいと思います。
#47
○松下正寿君 これは外務大臣にお伺いしたいと思いますが、昨年のいわゆる沖繩国会で非核決議、沖繩の基地縮小等の決議が行なわれたわけであります。沖繩の基地縮小の決議がいかに進行しておるかについては、すでに御答弁が相当詳しくありましたからこれは別として、非核決議のほうが一体どういうふうになっておるか、つまり核兵器の撤去については毒ガスの撤去の作業のようなああいうようなことが行なわれてないわけでありますが、それについて政府はどのような確認を行なったか。
  〔委員長退席、理事剱木亨弘君着席〕
アメリカの国務長官の書簡だけで十分であるという――これむろん信用に値すると思いますが、それだけであるか、あるいはもっと何らかの作業が行なわれたかいなかというような点について外務大臣にお伺いしたいと思います。
#48
○国務大臣(福田赳夫君) 沖繩が返還時以降において核はないということにつきましては、一九六九年の両首脳の共同声明でもはっきりしているわけです。また、さらにそれが今回の沖繩返還協定にもうたわれておるということで、これはもう私ども一点の疑いもないところでございますが、しかし、さらに念には念を入れよと、沖繩県民の心情も考えてということで、返還当日においてロジャーズ国務長官から私にあてまして、大統領の命によってアメリカ大統領の日本国首相に対する約束は履行されましたと、なお今後とも日本の核政策につきましてはこれを尊重してまいりたいと、こういう趣旨の書簡がまいっておるわけなんです。それで私はもうほんとうにこの問題についてのピリオドは打たれたと、こういうふうに考えておりますが、しかし現実に何か疑いがあるというような事態でもありますれば、これは国民の疑問あるいは不安、そういうものを取り除かなきゃならぬというふうに考えておりますので、そういうケースがありますれば、その不安、疑問を取り除くに足る妥当な措置を講ずるという考えでございます。
#49
○松下正寿君 次に外務大臣と防衛庁長官にお伺いしたいと思いますが、沖繩返還協定が成立しましてこの五月十五日に沖繩が復帰したことは、私個人として非常に喜んでおるところであります。ただ、これに対していろんな批判といいましょうか、不安もしくは不満がたくさんあるようでありますが、いろいろあるとしましても、やはり何といってもそのうち一番大きな問題は米軍基地の問題である。この基地の問題については本委員会及びその他衆参両院の委員会においていろいろ質疑応答があって相当はっきり、ある程度まではっきりしておると思いますが、私はやはりこの問題のとらえ方が、結局は沖繩の基地問題が片づかないというと沖繩問題がやはり片づかないと思うんですが、さればといってあの基地をすぐ撤廃するということができるかどうかというと、これは相手あっての問題でもあるし、また日本自体の防衛問題もありますから、そう簡単に処理することはできないと思うんです。そこでやはり私は、この委員会は沖特ですから一般の防衛問題や外交問題を論ずる機会、論ずる場所ではないかもわかりませんが、やはり沖繩の基地問題というものを沖繩の問題というふうに考えないで、現に沖繩はもう日本の名実ともに領土になったわけでありますから日本の問題と、もっと具体的に言いますというと、米軍の日本における基地の問題の一環というふうに考える必要があるんじゃないかと、私は御承知のとおり民社党に属しておるものでありますが、
  〔理事剱木亨弘君退席、委員長着席〕
民社党は従来有事駐留あるいは駐留なき安保、いずれもことばとして私はあまり好きじゃありませんが、ことばは別としておいて、やはり私は日本の現在の国力からいいましても、また日本人自身の、自分のことは自分で処理すべきという点からいいましても、また同時に日米間の親善もしくはいまなお何らかの意味においての安保体制が必要であると、こういう立場からみましても、やはり落ち着くところは、また目ざすところは、安保条約を全部やめちまうというのでもないし、また現状をそのまま認めるのでもなく、やはり沖繩を含めて日本全体の有事駐留といいましょうか、あるいは駐留なき安保といいましょうか、そういう体制に持っていく以外に目ざす道は実際上はないのじゃないか。この前衆議院における外務大臣の発言のうちに、だいぶ私のいま考えておることに似たような御発言があったようで、私は非常に興味を持っておりましたし、またそれと関連して防衛局長の御意見等も伺っておりまして、これも私は大いにわが意を得たわけでありますが、外務大臣及び防衛庁長官としては、この際すぐ、きみの言っていることに賛成だとおっしゃることはこれは期待できないと思いますが、私個人としてはだいぶ接近しておるように感ぜられるわけであります。
 そこで、先刻どなたかの御質問に対して外務大臣は、今回のこのキッシンジャーとの会見というものは、これは外交交渉をするのでなくて、キッシンジャーが日本へ来たときには日本の事情をよく知らないからよく勉強するんだ、そういうようなお答えであったわけです。私はそのとおりであると思います。私自身もキッシンジャーを、補佐官になる前に非常によくつき合って、どういう考えであるかよく知っておるんです。そういう点から見ましても、やはり私は外交交渉だけが国のすべき仕事じゃないので、キッシンジャーという非常に有力な、大統領に対する影響力の強い人が来るわけでありますから、いまの沖繩問題をも含めた日本の来たるべき安保体制といいましょうか、まあ具体的には駐留なき安保、あるいは有事駐留というようなことを率直に、またいままでの立場にあまりとらわれないで、いわゆるフリートーキングをしてみられたらどうかというふうに考えておるわけでありますが、そういう点について外務大臣、防衛庁長官の率直な御意見をお伺いしたいと思います。
#50
○国務大臣(福田赳夫君) 私は民社党の言う有事駐留論に対しましては、これは心情的にはよく理解できる問題だと考えています。ただ民社党が言うように、全部米軍が日本からいなくなって、有事にさあ来てくれと、こう言いましても、これは幻想であり非現実的である。そんなことができるものじゃございませんです、これは。やっぱり有事駐留というためには、常にこれを、米軍を有事において迎えるという準備とその施設、補給、補修等のまた体制というものが整備されておらなければそういうことはできない。ですから、非常にきれいな形における私は有事駐留ということは、これはむずかしいと思います。しかし、考え方は私は理解できるというふうに考えておるんです。理解できるといいますのは、これはわが国はとにかく経済的にはアメリカに次ぐといわれるくらいまで力を持つに至った。そのわが日本国が他国の軍隊によってその安全を保障されておると、こういう状態は私は好ましくないと、こういうふうに思うんです。でありまするから、わが国はどうしても自衛力を漸増いたしまして、これに見合いをとりながら米軍のわが国からの撤退ということを実行していくべきである、こういうふうに考えるわけであります。ですから私は、米軍側の実戦部隊というものは自衛力の漸増に伴いましてだんだんだんだんとわが国から減っていくと思う。しかし補給、補修、そういうような関係、あるいは飛行場などの施設、そういうものが有事に使用し得る状態にキープされなきゃならぬと、こういうふうに考えるわけでございますが、そういう意味において完全な米軍の引き揚げということは、これはなかなかむずかしい問題である。ただ、米軍がわが国において駐留する、その駐留が少なくなるといたしましても、駐留のマナーというか、それが問題だろうと思うんです。これが駐留のあり方、つまり米軍がわが国の地域社会と完全に溶け込んで、そうして融和、調和が保たれておるという状態、これがどうしても必要である。これはアメリカの自制というか、アメリカ側のそういうわが国の要請に対する順応が必要であろうと、こういうふうに考えておりますが、そういう角度からこの沖繩の基地の問題というものもとらえるべき問題じゃないか。私は、沖繩はやはり重要な軍事要点である、ここに米軍がいなくなるということを期待いたしましても、なかなか私はそれはむずかしいことだと思う。問題は、一地域に密集した基地が存在をするとか、あるいは戦後二十六年間の余勢というものが続いて、そして米軍が勝者対敗者というような雰囲気のもとに駐留いたしますとか、そういうようなことがあっては断じて相ならぬ。ですから基地のあり方、配置、そういうものについても考えなければならぬし、もとより極東の情勢も緩和の方向でございまするから、整理縮小、そういうことも考えなきゃならぬし、また米軍そのものの存在、行動というものがわが国の県民に及ぼすところの影響、そういうものにつきまして常に米軍も心して駐留していただく、こういうようなことが必要であると、こういうふうに考え、そういう方向で基地問題には対処していきたいと、かように考えます。
#51
○国務大臣(江崎真澄君) 時間がありませんので、繰り返しは差し控えます。外務大臣から答弁がありましたように私も考えております。
#52
○委員長(長谷川仁君) ちょっと速記とめてください。
  〔速記中止〕
#53
○委員長(長谷川仁君) 速記を起こして。
#54
○星野力君 私は、五月十五日に国連軍地位協定に基づく合同会議が開かれて、沖繩に三カ所国連軍のための施設の使用を認めることがきめられた、その問題についてお尋ねするつもりなんですが、いろいろ御発言を聞いておりますと、私自身としてもお聞きしたいことが出てきましたので、まず、そのほうから二、三点お聞きしたいと思います。
 まず、B52の問題でございますが、外務大臣と防衛庁長官にお聞きするわけですが、アメリカはベトナム戦争に参加するB52の大増強を進めてきております。三月末にはインドシナの爆撃に行動するB52は三十数機というふうにいわれておりましたが、現在では二百機といわれておる、さらにそれを五十機増強するということが伝えられております。そうなりますと、タイのウタパオ、グアム、これらの基地だけではB52の行動が不自由になるということが考えられますが、そうした場合に沖繩の嘉手納を使うことがふえるのではないかと憂慮されるわけであります。そこで、お聞きいたしますが、グアムを出動したB52が空中給油をやってベトナムなり他のインドシナ地域を爆撃して、そこから帰って沖繩に着陸する、そうして数時間後、あるいは一日、二日後に立ち去る、そういうやり方がとられる可能性が考えられる、私には考えられるのでありますが、そういう可能性はあるとお思いになりますか、ないと思いますか、相当あるというふうにお考えになりますか、それが一点です。
 で、そういうことが起きた場合、それを日本政府として承認されるか。またその場合はそういう行動を戦闘作戦行動につながるところの行動として事前協議の対象にしなければいけないと考えられるか。これから台風季に向かって、ときには気象の関係上の緊急着陸というようなことも口実に使ってそういうケースがふえるんじゃないかという問題であります。
 お答え願いたいと思うんです。
#55
○国務大臣(福田赳夫君) まず第一点は、緊急着陸が頻度を増すかと、こういうようなお話でございますが、そういうことはないと思います。慣行として緊急着陸をするというようなことにつきましては、厳重にそういうことはないように警告をいたしておりますので、そういうことはない。しかし天変地異、そういうようなことで、ときにそういうことが絶対にないと、こういうふうには申し上げません。
 それからそういう際に事前協議を要するかという話でございますが、これは事前協議の対象にはいたしませんです。
#56
○国務大臣(江崎真澄君) 主として御質問は外務大臣の所管でありまして、私も同様に考えております。
#57
○星野力君 私、心配するのは、いまの天変地異ですか、それが頻発しやしないかということなんです。外務大臣がそう気楽に考えておられるようなことにならなければいいと、そう心配しておるわけであります。
 次の問題でありますが、外務大臣は、ベトナムは日本の立場を理解しておる、敵性を感じていないと思うというような意味の御発言、しばしばお聞きしたわけでありますが、私は違うと思うんです。たとえば先日も、御存じでありましょうが、五月の二十八日でございますか、南ベトナム臨時革命政府のグエン・チ・ビン外務大臣、新聞記者との会見で言っております。「現在佐藤政権の戦争犯罪における共犯行為の責任は重大である。日本政府はベトナム戦争以後の経済再建への協力を口にしているが、共犯行為を停止することが先決であり、ベトナム人民はこのような日本の共犯事実を忘れないだろう。」こういうことも言っておりますし、同様の態度表明はベトナム民主共和国の公式の文書にも私はしばしば見ております。大臣は、日本はベトナム戦争の局外者だと、当事者じゃないと、そして別段ベトナムに対してさして悪いこともしておらないかのような見解を、これまたしばしば述べておられるんでありますが、たとえばこういう場合、アメリカはサイゴンの政権を助けてソ連や中国その他の国から北ベトナムや解放戦線へ援助や補給がやられる、それを阻止するということで先日海上封鎖をやった。それなら日本からの出動や補給を阻止するということで、ベトナムあるいはソ連、中国が、あるいはその他の国でもよろしいですが、ベトナムを助けて東京湾の入り口や瀬戸内海の入り口、日本の周辺に機雷を敷設して海上交通を妨害するというようなことをやっても、これは文句を言えない立場にあるんではないかと思うんですが、御見解どうですか。
#58
○国務大臣(福田赳夫君) そういうことはもう夢々あり得べからざることである、かように信じております。あったらこれはたいへんなことであるし、そういうことはあり得ざることであると、さような見解でございます。
#59
○星野力君 しかし、これは理論的にはあり得ることですね、少なくとも。そうお考えにならぬですか。あったらたいへんなことはわかっておりますけれども。ないという根拠はどういうことですか、もう少し説明してください。
#60
○国務大臣(福田赳夫君) 戦争をやっておりますれば資材は要るわけです。それはもう各国からこれを求める。たとえば北ベトナムにおきましてはソビエトから多くの資材の補給を受けておる。そうすると、米ソ間はお互いに敵性を持った国であるかというとそんなことはありませんです、これは。これは米ソ会談があの最中に行なわれておるじゃありませんか。そういうようなことを考えて、まあ星野さんがおっしゃるようなことは、私はあり得べからざることをまあ論じておる、そういう議論のための議論である、そういうふうに考えます。
#61
○星野力君 その米ソは別に敵性国家じゃないと、それはいいですよ。その敵性国家じゃないはずのアメリカがソ連からの補給を阻止するということで海上封鎖をやった。あべこべにソ連が日本から米軍に対する補給を阻止するという理由でもって日本の周辺に封鎖的な行為をやる、これはあり得ることじゃないですか。
#62
○国務大臣(福田赳夫君) これは考え得られざることであります。つまり、ソ連とわが国は何の敵性な関係にはありませんです。そのソビエトがわが国に対して敵対行為をとるということは考え得られざることであると、かように考えます。
#63
○星野力君 これは水かけ論になるかもしれませんですが、そのソ連に対してアメリカは敵性国家じゃない、敵性国家じゃないアメリカが実際、事実においてソ連に敵対行為ととられてもしようがない行為をやっているわけですね。同じことじゃないですか。
#64
○国務大臣(福田赳夫君) これはわが国はどこまでも主観的にも北越に対しましてこれはもう敵性を持っておるというふうな考え方は持っておらないのです。また客観的にもこれは北越と戦争しておると、こういうようなことではない。機雷封鎖は、これは米国が自衛権の発動としてまあやっておる、そういう行動の一環である、一態様であるということでありまして、それがわが国に何らの関係がある問題でもない。それをもってわが国に対して北越が敵性を感ずる、そういうような私は推理は少し飛躍しているのじゃないか。私は北ベトナムは主観的に日本に敵性を感じておるかというとそうは信じません。いま何かいろいろな発言を引用してのお話でございますが、もうことばの端々という問題ではない。全体を通じてものごとは見なければなりませんけれども、北ベトナムの国民というものはわが日本国民に対しまして非常に親近感を持っておる。経済視察団まで派遣をするとこういうような状態であり、そういうことを全体として見て国家間の関係というものは論じなければならぬ、こういうふうに思うし、また、客観的にも北ベトナムとわが国は、戦争、戦闘行動というようなものは全然ある状態ではない。主観的にも客観的にも何ら敵性関係は成立し得ないと、かような見解でございます。
#65
○星野力君 ベトナムとの間に敵性関係がないという問題については、まああなたのペースに乗ってやっておると時間ありませんから、これはまた機会をあらためてそれがやれることをひとつ念願しましてやめますが、あなたのおっしゃることはこういうことじゃないかと思う。相手には報復能力がない、報復意思がない、そういう場合にはこっちはやってもいいんだ、アメリカはやってもいいんだが向こうはやらない、そういうことは問題にならぬ。こういうことになりますと、強いほうは、あるいは凶悪なる意思を持っておるものは何をやってもよろしいと、こういうことにもなるので、それは大国主義とかあるいは侵略者への思想にもつながるんじゃないかということを私懸念いたします。が、その問題はまあやめましょう。答え要らぬです。
 先ほど外務大臣は、ベトナム戦争の影響がわが国に及ぶのをできるだけ少なくするためにアメリカとも話し合うという意味のことを言われました。キッシンジャー特別補佐官が今夜来るようでありますが、この機会にもそういうことを話し合いなさるのかどうか。アメリカ筋の報道によりますと、キッシンジャー補佐官は日本政府の人々との間に事前協議の問題や六九年の日米共同声明の台湾条項の現実性などの問題については話し合う気持ちはないというふうに伝えられております。少なくともそれらの話題にあまり興味を持っておらぬというふうに報道もされておりますが、この国会でも大きな問題になりました事前協議の問題、それが問題になった事情、背景、そういうものについてもお話し合いになるのか、ならないのか。
#66
○国務大臣(福田赳夫君) キッシンジャー補佐官はわが国にアジア――特に日本の勉強に来るのです。話し合いは一切私は――話し合いというか、交渉ごとは一切これはいたしません。ただ、日本を理解するというような面におきまして、ベトナム戦争とわが国との関連というようなことは、これは日本を勉強するという意味合いにおいてそういう知識を正確につかんでおくとかいうことは妥当であるというふうに考えますので、自然そういう問題には触れてみたいと、かように考えております。
#67
○星野力君 それでは本論のほうへ返りまして、国連軍の問題でありますが、時間がありませんから、ひとつまとめてお聞きいたします。
 沖繩に三カ所、国内には八カ所ですか、本土のほうには従来から八カ所、国連軍の使用に供しておる施設区域があるわけでございますが、ことに沖繩の場合ですが、そういうところを使って第三国人の訓練が行なえるのか行なえないのか、私は行なえないと思いますが政府のお考えをひとつ聞きたいということ。
 それからそれらの施設、区域を利用してタイの軍隊や軍人が南ベトナム、ラオス、カンボジアへ出動する。まあ政府のことばでいえば移動するでもよろしゅうございますが、あるいは在インドシナ・タイ国軍への補給活動をやる。そういうことはやれるのかやれないのか、これもやれないと思いますが、どうでしょうか。
 それから在日米軍がもう一つの国連軍という性格を使い分けることによって、安保に基づく在日米軍としてより以上の行動の自由を行使し得るのか。そういうことはないと思いますが、二重人格を使い分けることによって安保条約の在日米軍という以上の行動の自由があり得るのかどうかということです。ことにその問題と関連しまして、朝鮮で万一戦争が起きた場合はその問題はどうなるか。在日米軍が朝鮮へ移動するというこの形式、口実で自由出撃ができるのではないか、これひとつ心配になる点ですが、それだけでございます。
#68
○政府委員(高島益郎君) 日本にあります基地、それから沖繩にあります基地、すべて国連軍のための基地は、もっぱら朝鮮との関連で使われるだけでございます。
 まず第一番に訓練に使われる、第三国の訓練のために使われるということはありません。また朝鮮以外の地域への何らかの補給活動、そういったことには全く関係ございません。
 それから在日米軍がかりに国連軍として活動する場合におきましても、当然安保条約及び安保条約の関連取りきめが適用される。ということは、安保条約と同時に締結されました吉田・アチソン交換公文等に関する交換公文第三項に明瞭に書いてございます。それからまたアメリカ軍以外の国連軍の日本の基地の使用態様でございますけれども、これは国連軍地位協定の第五条に関する公式議事録の中に明瞭に書いてございまするけれども、これは補給、つまり兵たん支援のためにのみ使われるということが明瞭に合意してありますので、その点も御心配全くございません。
 万一朝鮮で再び朝鮮動乱のような事態が起きた場合には、われわれとしましては当然国連であらためて決議が行なわれる、その決議に従ってどういう行動がとられるかということは存じませんが、いずれにいたしましても、在日米軍が国連軍として活動する場合には、あくまでも安保条約に基づいて行動する。それからまた第三国、米軍以外の国連軍は事前協議の対象になるような行動はできなくて、あくまでも兵たん支援に関する活動しかできないということでございます。
#69
○委員長(長谷川仁君) 本調査に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#70
○委員長(長谷川仁君) これより請願の審査を行ないます。
 第一一一五号 沖繩の米軍基地内免許業者の権益保護に関する請願外五件を議題といたします。
 まず、専門員から説明を聴取いたします。
#71
○専門員(伊藤保君) 請願一一一五号 沖繩の米軍基地内免許業者の権益保護に関する請願は、沖繩における米軍基地内の免許業者の営業について、米側との直接契約を政府機関を通ずる間接契約に改められたい。事業の整理縮小、転廃業による損害を補償し、従業員に対する補償、見舞い金の支給を行ない、さらに転業資金の融資については、年利六分、期間十年ないし十五年、同年数据え置き、三万ドルまで無担保とする等の特別措置を講じられたいとの趣旨であります。
 二三八一号 コンセッショナーに対する転業資金特別措置及び軍施設内に架設した投下資本の補償に関する請願は、米軍基地内の特免業者に対して、ただいま申し上げました一一一五号と同様の転業資金特別措置を講ずるとともに、投下資本に対する補償をされたいとの趣旨であります。
 二五一二号 沖繩県における通貨切りかえによる損失補償及び物価安定対策に関する請願は、通貨切りかえに伴う通貨確認措置漏れの補償、経済成長に見合う分の追加補償、物価抑制策の早期確立、中小企業及び農林漁業に対する長期低利資金の拡大等の措置を講じられたいとの趣旨であります。
 一二三八号 北方領土復帰実現に関する請願は、北方領土復帰実現のため、歯舞群島、色丹島、国後島、択促島の早期復帰についての世論統一に格別の努力を払われたい。領土問題の解決を前提として、日ソ平和条約の早期締結について特段の配慮をされたいとの趣旨であります。
 一五〇六号 日本国有の領土である北方諸島の早期復帰に関する請願は、千島問題を解決するため、日ソ共同宣言の確認に基づき、平和条約をすみやかに締結し、歯舞、色丹の返還を実現するとともに、日本固有の領土である北方諸島が一日も早く復帰するよう最善の努力を払われたいとの趣旨であります。
 一七九八号 北方領土の返還促進に関する請願は、平和条約の締結を促進し、北千島を含む北方領土のすみやかな返還が期せられるよう最善の努力を払われたいとの趣旨であります。
#72
○委員長(長谷川仁君) ちょっと速記とめてください。
  〔速記中止〕
#73
○委員長(長谷川仁君) 速記起こしてください。
 第一二三八号 北方領土復帰実現に関する請願外三件は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものとし、第一一一五号 沖繩の米軍基地内免許業者の権益保護に関する請願外一件は保留と決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#74
○委員長(長谷川仁君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○委員長(長谷川仁君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#76
○委員長(長谷川仁君) 次に、継続調査要求に関する件についておはかりいたします。
 沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#77
○委員長(長谷川仁君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○委員長(長谷川仁君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#79
○委員長(長谷川仁君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。
 沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のため、閉会中委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#80
○委員長(長谷川仁君) 御異議ないと認めます。つきましては、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#81
○委員長(長谷川仁君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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