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1971/03/22 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第2号
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1971/03/22 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第2号

#1
第068回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第2号
昭和四十七年三月二十二日(水曜日)
   午前十時十四分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         熊谷太三郎君
    理 事
                永野 鎮雄君
                宮崎 正雄君
                松本 賢一君
                多田 省吾君
                岩間 正男君
    委 員
                植竹 春彦君
                後藤 義隆君
                佐藤 一郎君
                高橋文五郎君
                秋山 長造君
                戸田 菊雄君
                林  虎雄君
                横川 正市君
   政府委員
       自治省行政局選
       挙部長      山本  悟君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公職選挙法改正に関する調査
 (選挙制度審議会の審議状況に関する件)
 (選挙年齢引下げに関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(熊谷太三郎君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。
 第七次選挙制度審議会の審議状況に関する件を議題とし、自治省当局から報告を聴取いたします。山本選挙部長。
#3
○政府委員(山本悟君) 第七次選挙制度審議会は、御案内のとおり、一昨年十二月に発足をいたしまして、その際、政党本位の選挙を実現するための選挙制度全般を通ずる根本的改善策を具体的に示されたい、かような諮問に応じまして、その後数会の総会を開き、それから、さらに、昨年の春以来、第一、第二の二つの委員会に分かれまして審議を重ねてきているところでございます。
 委員会の構成といたしまして、第一委員会におきましては、衆議院議員の選挙区制のあり方、参議院議員の地方区、全国区選挙区制のあり方、定数について、投票方法及び当選人の決定方法について、以上のことを所管事項といたしまして第一委員会が審議をいたしております。第二委員会におきましては、政党のあり方について、それから候補者の選定、選挙運動の仕組み、態様について、政治活動の仕組み、態様について、選挙公営制度について、選挙運動または政治活動に要する費用の取り扱いについて、以上のような事項を主たる取り扱い事項といたしまして、第一、第二の二つの委員会に各委員が分かれまして審議を重ねました。昨年一ぱい、大体隔週に一回ずつそれぞれの委員会を開催をいたしてまいったわけでございまして、昨年末までにそれぞれの委員会におきまして十三、四回の委員会を開催をいたしたわけでございます。その後、ちょうど一年の経過をいたしたような関係もございまして、本年に入りまして、一月の二十一日に第五回の総会をいたしまして、その間におきますところの審議の経過を各委員長のほうから総会に報告をいたしました。
 お手元に本日御配付申し上げております第一委員会委員長中間報告、第二委員会委員長中間報告は、いずれも一月二十一日の第五回総会におきまして、それぞれの委員長から総会に報告をいたしました事項でございます。したがいまして、その内容はお読みいただけるとおわかりいただけますように、一年間に審議をいたしてまいりました経過並びにその状況ということがこの報告の中に入っておりまして、一応これに基づきながら本日御説明を申し上げたい、かように存ずる次第でございます。
 まず、第一委員会の関係でございますが、この総会までに十四回の委員会を開催をいたしまして、先ほど申し上げましたような第一委員会の所管事項につきまして審議を重ねてまいったわけでございますが、まず、政党本位の選挙の実現ということを諮問の内容にいたしておりますので、何を、どういうことをもって政党本位の選挙と考えるかということが一番もとにあるわけでございますが、これは第一委員会、第二委員会を通じての認識のしかたとしての基本でございますが、それにつきましては、この報告では、第二委員会の委員長の報告の中に入れております。一と二とが混同いたしまして恐縮でございますが、第二委員会の委員長の最初のところの報告にございまして、政党本位の選挙というのにつきましては、「現在の選挙にみられる多くの弊害は、主として候補者個人が主体となって選挙が行なわれる点に存するので、このような現状を改め、政党が主体となって政策を争うことにより選挙が行なわれるようにすることが政党本位の選挙には絶対的要件である。そうすることによって初めて選挙における同志討ちの弊をなくし、従来の選挙の弊害の原因である個人の後援会中心の選挙を改め、義理、人情、利害等を排除して政策中心の選挙とし、結果的にいわゆる金のかからない選挙の実現を図ることができる。」、かような認識に立ちまして議論が進められたわけでございます。この点は、第一委員会におきましても同一の考え方に立って論議が進められているというようなことになっているわけでございます。
 そういたしまして、衆議院の場合について申せば、現在の中選挙区単記投票制というのは、いろいろな御意見もあったわけでございますが、多くの委員の方の御意見は、「政党本位の選挙に移行するためには現行制度を改める必要がある」ということで、ほぼ多くの委員の方の御意見がまとまったというぐあいに、この第一委員会委員長報告の二ページの前段のほうに書いているわけでございます。
 それから参議院の選挙制度につきまして、二ページの後半のほうでございますが、衆議院の特性を発揮する上からも議院運営上の改善くふうの必要性があるという意見もあったわけでございますが、委員会全体といたしましては、主として全国区制度の問題を中心にいたしまして、衆議院議員の選挙制度の改正に対応して、二院制のもとにおける参議院のあるべき機能を発揮できるような何らかの改正を考慮すべきであると、こういうのが大かたの御意見であったわけでございます。
 それから三ページの中間にございますように、その際、衆議院、参議院両院につきまして、やはり定数の問題が議論になったわけでございますが、大かたの御意見といたしましては、定数の是正は必要であるという点におきましては一致しているところでございますが、基本的には、根本的な選挙制度の改正の中でこの措置をすることが適当であるというような考え方で委員会は進められたということになっているわけでございます。
 第一委員会といたしましては、こういうような考え方に基づきまして、昨年来、十数回の委員会を進めてまいったわけでございますが、主として衆議院の選挙制度につきましての論議が中心でございました。その際、政党本位の選挙を実現いたすという観点から申せば、現在の中選挙区単記投票制というのを改めまして、小選挙区制か比例代表制か、このいずれかが政党本位の選挙としては典型的な制度であるという認識に立ちまして、ただ、現実には、いずれの制度にもいろいろな問題点があるんで、それぞれの欠点を補充するような方式を考えるべきだと、こういうことが大かたの御意見であったようでございます。そういうような考え方でいろいろ論議がされましたが、それに基づきまして各委員のほうからいろいろな御案が提案をされたわけでございます。
 別紙といたしまして、「衆議院議員の選挙制度に関する諸提案の概要」ということで、これもやはり先般の総会におきまして、第一委員長の報告の別紙としてつけられたものに、さらに、その後――一番最後の一二ページにございますが、松本特別委員のほうから御提案をいただきましたものを加えたものでございますが、総会の後に御提案をいただきましたものを加えましたのがこの衆議院の分でございまして、御案内のとおり、数多くの委員から十数案という多くの数のものが提案をされたわけでございます。
 その御提案をいただきました中身といたしましては、一つは、大きく類別に分けますと、小選挙区制の体系に属するものがございます。これもさらに分けますと、単純小選挙区制あるいは暫定的に少数の二人区を認める小選挙区制、あるいは最高得票者の得票率が一定以下の場合には決選投票を行なう、いわゆる二回投票の小選挙区制、こういったようなそれぞれの類型があろうと存じます。
 第二番目の類型といたしましては、小選挙区制と比例代表制を何らかの形で合わせて採用しようとするものでございます。それについて、第五次選挙制度審議会の比較多数案でございました併用制の系統に属するもの、要するに、小選挙区を中心にして比例代表でそのひずみを是正しようという系統に属するもの。それから小選挙区と比例代表それぞれ別個に選挙を行なう併立制の系統に属するもの、あるいは小選挙区制にいわれますところの死票が多くなるという弊を除去するために、死票だけで比例代表制を加味しよう、まあこういったようなもの、以上のようなものがこの合わせ持つ案の中にも類別できるわけでございます。
 それから、比例代表の系統のものといたしましては、現行の中選挙区をそのままにして、その中選挙区の中で比例代表制を行なおうというもの、その中にも、いわゆる固定名簿式、政党できめられました候補者の順位に従って当選人のきまっていく固定名簿式のもの、あるいは選挙人に候補者の選択を許す非固定名簿式のもの、こういったようなものがございます。
 さらに、中選挙区でなく、もう少し選挙区を広くした――これは公明党からの御提案でございますが、四人ないし十二人の選挙区をつくれという大選挙区比例代表制案、さらに全国一本で比例代表を行なえという全国比例代表制案、こういったようないろいろなニュアンスのものが比例代表の中にも御提案として含まれているわけでございます。
 まあ、こういうようなことで、非常に数多くの御提案が小選挙区制、比例代表制、あるいはそれぞれを加味する案というようなものの中にも出てまいっておりますので、委員会といたしましては、この総会におきましてこの報告をいたした後に、本年に入りましてからは、第一委員会というかっこうでなく、さらにその中で学識経試者によりますところの小委員会を設置をいたしまして、その小委員会におきまして、これらの各案の取りまとめをいたしている最中でございます。大体毎週一ぺんずつこの小委員会を開催をいたすテンポで作業いたしておりまして、現在七回小委員会を重ねて、この各案につきまして、ただいま申し上げましたような類型というものを頭に置きながら、小委員の間で議論が進められているところでございます。まだ取りまとめの結論の出ている階段ではございませんが、小委員長といたしましては、なるべく早く類型に応じて幾つかに取りまとめをいたして、それをさらに第一委員会に報告をして、第一委員会の場で議論を積み重ねてまいりたい、かような意見を申しているような階段でございます。
 以上が第一委員会のやってまいりました事項並びに現在の階段でございます。
 なお、参議院の選挙制度の改正につきましては、お手元に「参議院議員の選挙制度に関する諸提案の概要」ということで、全国区、地方区、比例代表制あるいはブロック制といったような数案が御提案をいただいておりますものを提出をいたしております。
 これも一月二十一日の総会に出した資料と同様でございますが、先ほど申し上げましたように、第一委員会におきましては、いままでは主として衆議院の選挙制度のほうを中心に論議が進められてまいりまして、衆議院のほうについて、ただいま申し上げましたように、小委員会において各案の取りまとめをいたしているところでございますので、衆議院につきましてある程度のめどを得て、さらに参議院の分に入っていきたい、衆議院の制度の改正と対応しまして参議院制度を考えていきたい、こういうようなことでございますので、この一月二十一日におきます総会に対する報告におきましても、参議院の制度の改正につきましては諸提案が出ているということに触れるにとどまりまして、それ以上のコメントはいたしていないというような状況でございます。
 次に、第二委員会でございますが、第二委員会におきましては、先ほど申し上げましたように、政党の制度あるいはその仕組み、あるいは政党本位の選挙になった場合の立候補制度、選挙運動の制度、こういったような事項が主たる議論の内容になっているわけでございます。
 第二委員長の報告の三ページからございますように、これは政党の概念なり、法的地位なりというものにつきまして、当初いろいろと議論がなされたことが書いてあるわけでございます。定義あるいは要件につきまして明確な概念を設けることが必要だという意見もございますると同時に、選挙制度上は、現在、御案内のとおり、確認団体という制度があるわけでございますが、こういった程度の要件でよいとする意見等がございまして、結論は、現在のところ、まだ得ていないわけでございます。
 それから、同時に、政党法制定の必要性の有無といったようなことにつきましても議論があったわけでございますが、具体的な内容というのが明らかでない段階では、まだなかなかそれにつきましての結論を得ていない、こういうような状況になっているわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、政党本位の選挙という場合に、制度として取り上げられますものは、四ページの中ほどにございますように、国会議員の選挙に関与する程度のものを頭に描いて論議を進めていこうということになっておりまして、そういうことで選挙運動あるいは立候補制度等につきましての論議が重ねられているということでございます。
 それから、次に、四ページの三以降にございますように、政党は、そういうことで結論の出ないままに、国会議員の選挙に関与する程度のものというような程度で一応横にあげておきました。具体的には政党本位の選挙制度に移行するためにはどういうことになるのかということを列挙いたしまして、立候補の届け出、政党による候補者の公認、推薦制度、供託金問題、党籍の変更、選挙運動の主体、選挙運動と政治活動との関係あるいは選挙運動期間、あるいは選挙運動等の規制、公営の問題選挙運動の費用の問題、こういったような各項目につきまして、政党本位の選挙になりました際の考えられる問題点というようなものをいろいろと論議を重ねているような段階でございます。
 まだ何ぶんにも、どういうような選挙制度になるかということ自体が主として第一委員会のほうの経過にかかっているわけでございますが、第一委員会のほうにおきましてまだ結論が出されていないというような現状におきまして、第二委員会としてもなかなか結論が出しにくい、論議がしにくいというような段階でございます。本年に入りましてからも、第二委員会は隔週一ぺんずつのテンポでその後も論議を続けておりまして、昨年来通じますと、現在までに第二委員会は十七回開かれているというような状況でございます。
 以上たいへん簡単でございますが、第七次選挙制度審議会の現在におきます審議の経過と状況でございます。
#4
○委員長(熊谷太三郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#5
○委員長(熊谷太三郎君) 速記を起こして。
 質疑のあるお方は順次御発言を願います。
#6
○岩間正男君 二点お伺いしたいのですがね。
 一月八日に、わが党は選挙制度審議会の特別委員を持たないものだから、高橋会長にわが党の見解としてこれは出したわけですが、会長はどういうふうにこれをこの審議会の中に反映されたか、その経過をひとつお伺いしたい。これが一つ。
 それから、もう一つは、ただいまの報告で、根本的な改革、定数の問題はきまらない、こういう話でありますが、これは見込みがあるのですか。根本的な改革が行なわれないような、実際はなかなか手続が困難で、ことに当面する選挙には間に合わないようになると思うのですが、そういう点からいえば、現実的な処理はどうするのか、こういう問題についても当然論議が起こっておると思いますが、これについての選挙制度審議会の態度、この二点をお伺いしたい。
#7
○政府委員(山本悟君) 第一点の一月八日に日本共産党を代表されまして御意見の文書により御提出がございました。これは、高橋会長これを受けまして、次の委員会にその旨を報告し、かつ文書をすべて全員の方に配付をいたしました。こういう御意見があり、こういうことでお受けをしたから報告をするという会長からの発言がございまして、これを全部の方に御配付をいたした、かようなことでございます。
 それから第二番目の定数の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、審議会といたしましては、根本的な制度改正に合わせて考えるべきであるという態度でまいっていたわけでございます。先般の一月二十一日の第五回総会におきましても、多くの委員、ことに特別委員の方からそれに関します御発言がございまして、審議会といたしましても、総会の場でだいぶ議論があったわけでございます。その際、やはり審議会としては根本論を議論をしている最中であり、かつなるべく早くその根本論についての議論を答申をしたい、しようじゃないかということで審議が進んでいる最中であるから、この際は、根本論の中での処理ということでやってまいりたい、特にその根本改正の実現性の可能性の有無というようなことから、当面の問題として、定数是正だけを取り上げるという態度はとらないということが一月二十一日の総会におきます大かたの委員の意見であった。総会におきまして、会長もそういうようなただいまの問題に関する処理を総会においてされたと、こういうようなことになっているわけでございます。
 したがいまして、その後におきます第一委員会の小委員会あるいは第二委員会というような場におきましても、そういった総会の決定といいますか、空気というものを受けました上での審議ということになっておりますから、ただいま直ちに定数是正の問題を審議会として取り上げるというような――直ちにといいますか、現行制度のままにおいて定数是正だけを切り離して取り上げるというかっこうには論議はされていない。ただし、いろいろな改正案におきましては、根本問題と関連いたしまして、定数につきましてのいろいろな提案がなされているわけでございまして、そういう意味での議論があるわけでございますが、現行制度のもとにおいて、定数是正だけを先に取り上げるという意味の議論は審議会においては行なわれていない、かような状況になっております。
#8
○岩間正男君 第二点ですけれども、これは現実認識の問題だと思うのですが、大体間に合うのですか。根本的な改革をやると、こういうことなんですが、どうですか。実際のいまの政局の様子から見て、相当早期解散もあり得るし、そういう要望も起こっている。国民の要望から言えば、非常にそれは強いわけでしょう。現状では、これでは何ともならぬ、実際行き詰まりだと、至るところ、日本全部満ちている、全国的に。そういう中で、選挙制度審議会だけがそういう判断で、なかなか根本的な改革を、定数是正の問題をやれない、こういうことでいけますか。つまり現実的認識の問題ですけれども、それは特別委員がやはり主張される理由は、そこにあるのだ。政治的調整に待つ。だからその辺はちょっとわれわれとしては意見があるところですね、意見だけ述べておきましょう。
#9
○松本賢一君 いまの質問で、私の質問も同じような質問になるんだけれども、ひとつ、いまのに関連したようなことにはなりますけれども、あの一月二十一日の総会のときの空気を察知して部長はお話をされたわけだけれども、われわれは、こういうようにもとれると思うのです、あの空気は。審議会としては、いまタッチはなかなかできにくい、だから審議会としては定数是正だけを取り上げていくことはいたしませんけれども、しかし、国会のほうで各政党間で話し合いをなさっておやりになることなら、それに対してはとやかくは申しませんという空気も相当強かったように思う。その間、特別委員からは、そんな便乗主義的なことは考えるべきではないという発言もあったけれども、しかし、大かたの空気としては、国会のほうで、いまわれわれ頭をわずらわしませんから、国会のほうでひとつさしあたっての問題としてはお考えくださいというようなふうに私は考えられると思うのですけれども、その点が一つと、もう一つは、小委員会の取りまとめで答申が出るであろうという見通しがある程度つくものなら、一ぺん部長の感触として言ってみていただきたい。
#10
○政府委員(山本悟君) 確かに一月二十一日の総会におきましての空気というのは、そういういま松本委員おっしゃったような空気にとれる面もございました。この点につきましては、会長の当日の取りまとめからいたしましても、それを絶対取り上げるべきでないということは、これは言っていないと思います。しかしながら、同時に、いまおっしゃいましたようなことならばよろしいんだという意思表示をしたわけではない、まあ、いろいろな空気にとれるような状況であったということにとどまっているだろうと思います。私どもが横から拝見をいたしておりましても、やっぱりいろんなとり方があり得るなということは感じたところでございます。
 それから、二番目の小委員会の取りまとめの状況でございますが、小委員会で、なるべく数多くの案を小数の案に、小委員会としてはこうであったということでまとめたいという努力はいま盛んにやっておる最中でございます。しかしながら、完全に一本にして、これだということでもって委員会に返すのかということになりますと、この小委員会の設置のときのいきさつというようなものも、やはり過去非常に多くの案が出ているから、類型的になるべくまとめてみたいというようなのが一番の出発であったわけでもございますので、すぐさま一つの案というかっこうになるかということは、なお問題であろうと思います。そういたしますと、幾つかの案に取りまとめられた、類型別に取りまとめられましたものがさらに第一委員会におきまして論議されるというような段階が当然あるわけでございまして、そういう段階がまだあるわけでございますから、いつまでにどうだというようなことは、なかなか見込みとしても申しにくいようなところでございます。
 それから、小委員会といたしましては、でき得べくんば、四月のおそくも中旬には第一委員会のほうに報告をし、第一委員会で議論をしてもらうというようなことは持っていきたいというようなことで、ただいま高田委員長が努力をされている最中である、かように存じておる次第でございます。
#11
○松本賢一君 いまの問題、もう一ぺんお尋ねするんですが、かりに小委員会が四月中旬ごろに、四月の中ごろに第一委員会のほうに報告するわけだな。それから今度第一委員会で論議をして、さらに総会にかけて答申というものができるということになるわけでしょう。そういうのを時間的に考えていくと、今度の国会では、幾ら早く進んだとしても、とても選挙法の根本改正というところまではどうしてもいかないようにぼくら思うんだけれども、その辺、部長の感触はいかがですか。
#12
○政府委員(山本悟君) ただいまおっしゃいましたようなテンポというようなものと国会の日程というものを考えますと、改正案というかっこうでもって根本的な選挙制度の改正の部分が国会に提出されるをいうことは、事実上非常にむずかしい問題であろうと私ども存じております。
 ただ、審議会といたしましては、漫然とおくらせればいいというかっこうでやっているんではない、なるべく早くしたいということで努力をしている最中でございますので、それ以上に確実に、とても問に合うなんということは申し上げるわけにはまいりません。
#13
○多田省吾君 私も、岩間委員あるいは松本委員の御質問と重複するようでございますけれども、この前の一月二十一日の選挙制度審議会総会の雰囲気、また、それに対する取りまとめというものに非常に私たち問題があると思うんです。
 特に衆議院議員の定数是正という問題は、これはもう憲法の問題であり、また、公職選挙法にも「この法律施行の日から五年ごとに、直近に行われた国勢調査の結果によって、更正するのを例とする。」とございますように、法律事項でもございます。しかも、今度は佐藤総理の第七次選挙制度審議会に対する諮問も、はっきり衆議院の選挙区制改正と、もう一つは定数是正と二つ盛り込んである。これらの点から考えますと、私は、この第七次選挙制度審議会の第一委員会において緊急措置すべき事項として定数是正を取り上げるのが、これは私は当然だと思う。ですから、この前も特に野党の特別委員は全員こぞって、やはり政治不信を除去するためにも定数是正を取り上げるべきだという意見を強く言ったわけです。これは何も特別委員だけじゃなくて、まあ一般委員でも、藤井委員とか土屋委員とか、その他の委員の方も非常にこの点強く定数是正は審議したほうがいいんじゃないかということは申されたわけですね。一部の委員の中には、確かにいま松木委員がおっしゃったように、選挙区制の改正問題をやっている最中だから、ここでいまやるのはまずいので、政党間でこれはもうやってほしいと、こういう意見もあったけれども、中には、ちょっと感情的に、そんな問題はもう政党でやったらいいじゃないかと、こういうような意見もあったわけです。
 本委員会でも、昨年ですか、自治大臣に衆議院の定数是正は早急にやるべきだし、また、審議会にも大臣として早くやるようにと言うべきじゃないか、こういう意見が強くありまして、昨年のたしか十一月ごろですか、自治大臣も、選挙制度審議会の運営委員会に対して、はっきりと定数是正も一緒にやってもらいたいという要請をしたわけです。
 そのことは、第一委員会でも報告がありまして、一部の土屋委員とか、そういう委員からは、これは当然だと、やっていくべきだという意見もあったわけです。そういう空気なのに審議会で取り上げようとしないというのは、私は非常にこれはおかしいと思うのです。
 先ほどから話があったと思いますけれども、いまの定数のアンバランスなんというのは全くひどいもので、これはもう世界で類例を見ない全くひどい姿です。昭和二十一年ごろの疎開人口をもとにした定数をもとにして二十六年間やっているなんということは世界に類例がありませんし、私は、国辱だと思う、こんな選挙制度は。大阪三区と兵庫五区のアンバランスが一対五だなんて、国民の権利は五分の一に過ぎない。しかも、四百九十一名の衆議院の定数を、昭和二十一年当時と同じように、二十一万数千でいまの百二十四選挙区に割り振りますと、東京七区なんかは定数十二名になるのですよ。それがいま五名じゃありませんか。大阪三区とか、神奈川一区なんかの定数が十一名になるのですよ。それがいま四名とか、五名じゃありませんか。こういうアンバランスはもう世界に類例を見ない国辱ものだ。だから、そういうことがあるから政治不信につながるんだと、国民の意思が公平に議席に反映されないんですから、むしろその正反対なんです。私は、第七次選挙制度審議会の空気に対して非常に異論がある。それは第六次選挙制度審議会のときもそうでした。参議院の地方区の定数是正をやろう、あれほどまで一年間かかってやったのに日の目を見なかったわけです。それで最後に、私たちは不本意ではありましたけれども、いわゆる三つの案が運営委員によって出されたわけですが、それだって、あのときは選挙部長はその席にはいらっしゃられなかったと思いますけれども、選挙課長はいらっしゃったと思いますが、あのときは、一つは東京、大阪、神奈川、これは六名増。それからもう一つは東京と大阪を二、二ずつふやしてあと三つの選挙区で二つずつ減らすと、もう一つは大阪、神奈川をふやすと、そういう三案が出たのですが、委員の中で一番意見の強かったのは、東京、大阪、神奈川は二名ずつ増にすべきだと、こういう案が一番有力だったのですけれども、結局、会長の決のとり方というのは、この三案を一つずつ聞くのじゃない、定員をふやすほうに賛成か、現状維持なのに賛成か、そういうとり方。全然一、二、三案なんて関係ない採決のしかた、それも初め一回の採決は何だかうやむやで、それは異論が出てだめになっちゃった。二回目にやっと手があがったんですけれども、何だかうやむやのうちに定数をそのままに据え置くというのがたった一票差で通っちゃった。それで、実際は東京、神奈川、大阪を二人ずつふやす意見の人が一番多かった。それが葬り去られて、そして二名減らす案と、それから全然定数を変えない案、それがどちらがいいかというまた採決なんです。そういう不明朗な採決じゃ、ちょっと私たちは議員の意思が正確に反映しないんじゃないかと、そして現状維持の案が通ったときに、ある民社党の特別委員が、これで定数是正はしなくても済んだと、こう言って終わったあとで喜んでいるわけです。ということは、結局、減らすことは絶対できないだろうという、こういう思惑で、東京、大阪、神奈川がアンバランスの是正をしても与党には得しないんだと、野党だけ得するんだと、そういうのは定数是正する必要がないという、こういう党利党略から、もう是正しなくて済んだ――まあそれが結局昭和四十五年度の国勢調査のあの結果によってもできなかったわけでございますけれども、そういう姿勢が衆議院の定数是正にも続いているんだと思うんです。そして、こういう世界一アンバランスな定数をそのままにしていこうと。私は、総理の諮問だって、会長の解釈は間違いだと思うんです。根本的な改正をやりながらこの定数是正を、何ですか、やっていくような、そういう考えは間違いだと思うんです。でなかったら、総理の諮問に選挙区改正と定数是正をぴしっと二つ並べて出るわけないと思うんです。根本改正だけが主眼であったならば、定数是正なんか何もやる必要ないじゃありませんか。根本改正すれば、当然、人口比例あるいは有権者比例でやれば、定数是正はできるんじゃありませんか。いま一番問題になっているのは、現制度での定数のアンバランスがひどいから、総理もついに世論に押されて定数是正を諮問に打ち出したんじゃありませんか。そうしたら、次の総選挙でもし間に合わないという姿があるならば、緊急措置すべき事項として定数是正改正を一カ月、二カ月、三カ月かかってもやるべきじゃありませんか。その証拠に、一月二十一日から発足した第一委員会の、いわゆるまとめるのが初めの予想に反して四月末に出るだろうと、三カ月以上かかっても出ないじゃありませんか。その時間に定数是正の第一委員会を開いていれば、いまごろできていたかもしれませんよ。これをサボっておいて、何も特別委員が定数是正を主張するのは党利党略のように受け取るのは非常におかしいことだと思うんです。残念ながら、第七次選挙制度審議会では衆議院の定数是正をやる意思が全然もう一部にないという状態でありますから、私は、これはもう何としてもこの政党間あるいは政府が――法律事項なんですから、ほんとに政府がやらなきゃならぬのです。昭和二十一年以降、五年ごとにやったかと言うんです。やってないじゃありませんか。昭和三十五年の国勢調査をもとにして、昭和三十九年に初めて一回だけやっているんです。その後の人口のアンバランスも昭和三十五年のときまでに比してもっともっとひどくなっている、現在は。そして、世界に類例を見ないような、こういう定数のアンバランスになった。だから、もうはっきり総理の諮問というものは、次の総選挙が現行制度で行なわれる場合は、当然、定数是正を第七次選挙制度審議会でなすべきだという諮問だと私は思うんですけれども、でなかったら、あんな条項は要らないわけですよ、根本改正ならば定数是正ははっきりこれはできるんですから。それをやらないようなおかしな案は出ないと思うんです。だから、一般委員から出た十三案だって、全部あれじゃないですか、根本改正と一緒に人口比例でやっているじゃありませんか。これは当然なんですよ。だけれども、総理が定数是正をもう一項目立てて、きちっと打ち出したゆえんは、やはり現行制度で次の総選挙が行なわれる場合には、定数のアンバランスがあまりにもひどいから、定数是正も合わしてやってくれという意味だったんです。
 まあ、私の話ばっかり長々とやって、たいへん申しわけありませんけれども、まあひとつお答えいただければお答えいただいてもいいんですけれども、これはどうですか。
#14
○政府委員(山本悟君) この問題につきましては、いろいろの御議論のあることは十分承知をいたしているわけでございます。審議会に対します諮問の際の総理のあいさつという中には、先ほど来申し上げました政党本位の選挙制度への改正というものと合わせて定数についても考慮願いたい、こういうようなあいさつをいたしているわけでございまして、それの受け取り方というようなものにつきましては、審議会としては、先般来申し上げましたようなかっこうで運営がされてきているわけでございまして、この点については、審議会としては、やはり根本改正というものを当面取り上げて至急やりたいということでやっているんだから、そういうかっこうでの処理をいたしてまいりたいと、こう申しておるわけでございまして、その点はひとつ御了承を賜わりたいと存ずる次第でございます。
#15
○多田省吾君 最後に一つだけ。
 やはりこれは審議会がそういう姿勢であるならば、公職選挙法のはっきりした項目にあるんですから、これは政府がやるべきじゃありませんか。三十九年の大体審議会の意向というものもありますし、やはり定数是正は現行制度でも行なっていかなければならないということは世論にもなっておりますし、これは法律事項なんですから、審議会がそういう姿勢であるならば、これは当然政府が行なうべき性質のものではありませんか。どうですか。
#16
○政府委員(山本悟君) 政府といたしましては、これは予算委員会その他でもたびたび答弁が行なわれているわけでございますが、やはり是正をどの範囲でやるか、総定数との関係、あるいはまた論議されております根本的な制度改正との関連というようなことをやはり考慮した上でものを考えざるを得ない、こういうような事情がございますので、その点も含めて審議会のほうに頼んでいるというような状況でございます。政府のほうが直ちに問題を取り上げるというようなかっこうには、なかなか現在の段階ではいきにくいのじゃなかろうか、こう存じております。
#17
○多田省吾君 ですから、私は、審議会は隠れみのだと言うんです。政府は審議会にまかせる、審議会はやらないという。いつまでたってもできないじゃありませんか。そうして世界一のアンバランスで、これはもうひどいものですよ。日本の現行法は、何も私は中選挙区そのものに対して異議を申し立てるというのではありませんけれども、この定数のアンバランスというものは、こんな例は世界にありませんよ。しかも、法律事項だってあるじゃありませんか。そうしていままで二十六年間政府がサボってきたんじゃありませんか。それをやらない。そうしてお互いにキャッチボールで、それで審議会に至っては、まあある委員のごときは、こんなつまらないようなことは政党でやれ、そういうことではもう審議会の存在理由もなくなるでしょうし、そうして政府のそういう姿勢というものは、もう審議会を隠れみのに使おうとしていると、そう言わざるを得ません。これはもう一考ひとつ願いたいと思いますがね、この問題。だからこそ、先ほど松本委員もおっしゃったように、どうしてもこれはわれわれ特別委員あるいは公職選挙法の委員である松本さんとか私が強力に言っているので、何かこれが党利党略のようにとられがちでありますけれども、決してそうじゃない。やはりこの世界に例のない、こういうアンバランスを何とかして是正して、政治不信を除去していただきたい、こういう気持ちなんです。そうして、その第七次選挙制度審議会の意向も、決して先ほど部長が岩間委員に答えられたような姿じゃなくて、先ほど松本委員がおっしゃったように、どうしても、第七次選挙制度審議会の意向も、これももう審議会のいまの段階ではちょっと手に負えないので、政府あるいは政党でぜひやってほしいというような意向もあったように私は思います。
 最後に、その点をひとつお聞きして終わりたいと思います。
#18
○政府委員(山本悟君) ただいまの最後の御質問の点でございますが、そういうような趣旨の御発言をなさった審議会の委員も、総会においてあったことは事実であります。ただ、総会全体として、さようなとりまとめはなされなかったということを先ほど申し上げただけでありまして、そういう空気のあったことも事実であります。
#19
○岩間正男君 私も、簡単にただいまの多田委員の質問に関連してお聞きしたいのですが、結局、これは国民が何を望んでいるか。この前の選挙の反省として、あんなアンバランスなことは国際的な恥だと、こういう話がございましたが、全くそのとおりだと。そして日本の民主主義の姿、選挙制度を通じての民主主義の姿というものは、これほどきたないかっこうで出ているものはない。ただ、任務を果たすこの審議会の問題については、われわれ、いままで論議しました。これは、結局は国民に責任を果たしているんじゃない、自民党に対する責任を果たす、そういう性格で果たしているんです。いままで審議会の委員において詳細にこの前論議はしたわけです。そうした点からして、どのように政治責任を負うのか、こういうことで、まだ実際定数是正が見送りになって、そしていままでのありきたりのやり方でやられる、そういうところに落ちる、そういう可能性はいまの見通しとしては非常に多いんだ。そうすると、役割りというものは――隠れみのという話がありましたが、全くそういうことになるんじゃないですか。むろん、これは選挙部長を追及しただけでは進まないで、当然これは自治大臣の出席を求めて、この問題は徹底的にやらなきゃならない問題です。ただ、実際はそういうような責任を果たすことのできない、そうして政治的に無責任なことで終わる可能性は十分にある。そういうところの政治責任をどうするかということが一つ問題であります。
 それから、もう一つは、審議会に諮問しなくたって、政府がやる気があったらやったらどうですか。やれるのじゃないですか。この前の公選法の改正は何もしない、審議しない。必要があるというと、政府はやったじゃないですか。配合が悪いときは全部審議会に逃げる。自分の必要があれば審議会を無視してやっているのがいまの姿じゃないですか。だから定数是正の案を出せということは、政府がその決意があるとすれば、この前の選挙の反省をほんとうにこれは誠心誠意受けとめておれば、これは当然だと思うんです。この点について、あなたに答弁を求めても無理かもしれないが、感想でもいいから述べていただきたい。いまの点どうです。
#20
○政府委員(山本悟君) たびたびお答え申し上げましたように、ただいまの段階におきましては、定数是正問題につきましては、政府としては、審議会が根本論と合わせまして早急にやりたいと、こう言っているわけでありまして、その辺を勘案いたしまして、ただいま申し上げましたような態度をとっているわけでございます。
 また、一般のその他の改正につきまして、審議会は単に隠れみのに使うんじゃないかということでございますが、やはり根本にかかわりますような大きな是正の問題につきましても、やはりその他の根本論と関連がありまして、そういう意味から審議会にお願いを申し上げているようなわけでございまして、ごく細部にわたりますものにつきましても、一々わずらわすということにはならないかと思うのでございますが、やはり基本にわたるようなことまでの御意見を伺ってやっていきたい、かように存ずる次第でございます。
#21
○多田省吾君 これは、大臣いらっしゃいませんので、選挙部長からひとつ大臣におっしゃっていただきたいんですが、一つの警告なんですけれども、この前の反省ということがありましたが、この前は、昭和四十四年十二月の選挙において、千葉二区では、三万一千票でわが党の鶴岡議員が当選したわけですが、その前にも伊能議員が三万一千で当選した。ところが大阪三区の共産党の候補の方が十二万八千票とって落選している。今度はもっとひどくなりそうです。というのは、大阪三区も千葉一区も大体毎年有権者が十万ずつふえているんですよ、毎年。だから三十万以上ふえます。もし、ことしの暮れから来年の初めごろ選挙が行なわれるとしますと――任期一ぱいやったとしても、来年じゅうに選挙をやらなければいけませんが、早ければ、ことしのもう数カ月で行なわれるのじゃないか。その間に三十万以上の有権者がふえるのですよ、一つの選挙区で。そうすれば、当然十八万票くらい取っても落選する、片一方では、三万票で当選する、こうなったらどうなりますか。四倍どころか六倍ですよ。そういうのが随所にあらわれる可能性が強い。はっきりわかっているんですよ。そういうものを放置しておくのかどうかですね。そのこともひとつ考えに入れて、私は、審議会がああいう状態である以上、いま岩間委員が言われたように、政府が責任を持って、二十六年間放置していた定数のアンバランス是正をやるべきだと思います。そのことをひとつ強く主張しておきます。
 以上です。
#22
○委員長(熊谷太三郎君) それでは、本件に関する調査はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#23
○委員長(熊谷太三郎君) 次に、選挙権年齢の引き下げに関する件を議題とし、自治省当局から報告を聴取いたします。山本選挙部長。
#24
○政府委員(山本悟君) ただいま議題になりました選挙権年齢の引き下げに関しまする世論調査の結果の概要につきまして簡単に御報告申し上げます。
 お手元に配付申し上げておりますが、「選挙権年齢の引下げに関する世論調査結果の概要について」並びに「選挙権年令について」という二つございます。長いほうが概要を取りまとめたものでございまして、その半分のほうはその細部の数字でございます。
 一昨年来、選挙年齢の引き下げの問題が論議の対象になっておりましたので、昨年の第七回の地方統一選挙の後並びに第九回の参議院議員通常選挙のあと、さらにその後、政治意識に関する世論調査、三回に分けまして、これらに関しまする世論の調査をいたしたわけでございます。
 最初の地方統一選挙並びに参議院の通常選挙、この二つは、従来から大選挙のあとには一般的な世論調査をいたしているわけでございますが、それに合わしまして、この選挙権年齢引き下げにつきまして項目を起こしまして調査をいたしたものでございます。最後の政治意識に関する調査は、この目的のために特にいたしたわけでございまして、以上、三回の調査の結果、ほぼそれが出てまいりましたので、本日御報告をいたしたいと存ずるわけでございます。
 第一番目の、昨年五月に行ないました調査は、(1)の参考のところにございますように、十八歳ないし十九歳の調査対象約四百、それから二十歳以上の成年者約二千八百、合わせて三千二百のサンプルにつきまして調査をいたしたところ、十八歳、十九歳におきましては、十八歳に選挙権年齢を引き下げることに対する賛成が二四・七%、原則的には賛成だがいまはまだ早いが一〇・五%、合わせまして三五%強がほぼ賛成。それに対して反対が五〇・五%という数字でございました。また、その際に、成年者についてみますと、賛成と、原則的には賛成だがまだ早いというのを合わせまして二〇・六%。反対が五二・二%。この調査におきましては、いずれも五〇%以上が反対であるという数字になっております。
 それから、第二番目の参議院選挙のあとの調査におきましては、四十六年七月でございますが、調査対象は全国で三千、これは十八、十九という未成年者につきましては調査をいたしておりません。いずれも成年者でございます。成年者三千人につきましての調査の結果は、賛成一八・一%、反対が五九%ということで、反対が過半数でございます。
 さらに、三番目の政治意識に関する世論調査、これも七月に行なったわけでございますが、これは十六歳から十九歳までの未成年者がサンブルー千、それから成年者がサンプル二千、合わせまして三千の調査でございますが、この未成年者の十六ないし十九歳のグループにおきましては賛成が三三・八、反対が四四%、成年者は賛成が二二%、反対が六〇・二%ということでございまして、各調査を通じまして、いずれも賛成よりも反対が上回る、特に最後の「政治意識に関する世論調査」の十六ないし十九歳を除きましては、いずれも反対が過半数である、かような結果になったわけでございます。なお、年齢別にも書いてございますが、四十歳から四十九歳、あるいは五十歳から五十九歳――四十代、五十代というところが反対においては最も高い率を示していると、こういうような数字が出ているわけでございます。
 二ページ目は、引き下げ賛成と答えた方につきます賛成の理由についての統計でございます。統一地方選挙後の分におきましては、「十八歳になれば政治に参加する能力を十分に持っている」というのが、四十歳代を除きましてその他の年齢におきましては、最も賛成の理由として高くなっております。四十歳代におきましては、「政治に参加する能力を十分持っているとはいえないが政治についての責任を持たせることが必要である」、こういうのが賛成理由の中で一番高いものになっております。それから参議院選挙後の調査におきましては、これはいずれも成年でございますが、「十八歳になれば政治問題を判断する能力があると思うから」というのが三五・九%、それから二番目には「若い人の意見を政治に反映させた方がよいから」というのが二九・八%、これらがいずれも理由として高くなっております。また、最後の「政治意識に関する世論調査」におきましてもそれと同様でございまして、十六から十九という未成年者におきましても、「十八歳になれば政治問題を判断する能力があると思うから」というのが三一・八、それから「若い人の意見を政治に反映させた方がよいから」というのが四四・八、この二つの理由で大部分を占めております。成年のほうにおきましても、やはり同じように、この二つの理由が賛成の理由として大きなウエートを占めていると、かようなことになっているわけでございます。
 それから三ページ目は反対者におきます反対の理由のパーセントでございますが、反対の理由といたしまして、最初の統計では、「政治について判断する能力がまだ十分でない」というのが十八、十九歳では五一・二%、成年者では五五・一%と、これが過半数でございます。それからその次の参議院選挙後あるいは政治意識に関する調査におきましても、いずれも「十八歳ではまだ政治問題を判断する能力がないと思うから」というのが六四・六%ないし六三・二%ということで、反対者のうちの過半数が能力がないということによって反対をいたしておる。まあ、賛成者は十八歳になれば判断する能力ありというのが一番多いし、反対者は判断する能力がないと思うというのが一番多いということで、同じことについての二つの見方というのが数字としてあらわれてきていると、かように存ぜられるわけでございます。
 なお、細部のほうは、ごらんいただきたいと思うわけでございますが、この中では職業等につきましてもとっておりますので申し上げますと、四ページをお開きいただきますと、これは政治意識調査、一番最後にありました分でサンプルも多いわけでございますが、この二十歳以上の成年者におきますところの賛成、反対を見てみますと、非常に数の多く目につきますのは、反対におきまして、管理職の七〇・六%が反対である、あるいは家族従業のうちの商工業・自由業の七〇・八%が反対であると、こういった数字が非常に大きな数字になっていると思います。それから賛成のほうでは、「学生」の五三・三%というのが唯一の過半数のものでございます。そういうようなことで、学歴で見ると、大学卒に比較的賛成が多いというような点。それから十六歳から十九歳の未成年者の部分を見ますと、賛成については、「学生」のうちの「大学生」が五一・五%賛成である。学歴では「大学在学中」というのが五〇・七%というのが賛成であるというように、賛成者のほうで半数をこえているのはこういうところにあらわれているというようなことでございまして、以上のような点が数字として見ました場合の特徴的なことではなかろうかと、かように存ずるわけでございます。
 簡単でございますが、昨年行ないました三調査につきましての概要を御報告申し上げた次第でございます。
  〔委員長退席、理事永野鎮雄君着席〕
#25
○横川正市君 政治意識の調査をする場合に、調査のしかたというのは、普通の調査のしかたではなしに、もっとくふうをして――というよりか、調査そのものの、何といいますか、内容のとり方ですね、意識のとり方というのは変えないと、「政治意識」というのは何だということですがね。たとえば十八歳では政治判断ができないと回答した三十歳の人に、「今の総理大臣はだれですか」と聞いたら、「さあ」と言って答えたという。言ってみれば、非常にちぐはぐな問題が調査の中に出てこないか。それから、たとえば通貨制度で、「管理通貨というのはどういうことをいうのですか」と聞かれた五十歳の人が、自分で一万円札をふところに入れておいて、そして紙幣というのは何だかわからない、ただ、一万円持っていけば物が買えるんだという判断しかないが、十八歳では政治判断ができないと答えているとか、そういう答え方が「政治意識」の場合には出るんじゃないかと思うのですよ。ある年齢層、これはちらっと見れば、大体五〇%から五五%台が、まだ十八歳では政治判断はできないと言うが、「政治判断ができないというのはどういうことですか」とこの人たちに聞いたら、どういう答えを出すか、こういうことですね。たとえば十八歳未満の青年男女がゴーゴーを踊ったりエレキをたたいたり、どうも困ったものだと思っている人に、これだから政治判断はできないというふうに拡大解釈されていれば、これは問題だと思うのですね。これが一つ判断のしかたとして問題になってくる。
  〔理事永野鎮雄君退席、委員長着席〕
 それから、もう一つは教育の問題だと思うのですよ。あるいは高校教育を受けたような人たちに、政治色あるいは政党色というようなへんぱじゃなしに、もっと一般的な政治教育というものがあれば、政治判断というのは、実は四十、五十、六十の人たちよりかもっと的確な政治判断をするんじゃないかというふうに思われるわけで、単に現象をとらえて、十八歳では政治判断がまだ十分じゃないという回答をもらって、十八歳になっても選挙権を与えないという考え方を持つということは、いかにもその国の知的水準というものに疑いを持たれるということにならないか。だから、調査のしかたそのものにもう少しくふうをしてみたらどうだろうかというふうに思いますけれども、どうでしょうかね。
#26
○政府委員(山本悟君) 本日御報告申し上げましたのは、この部分だけにつきまして取り出して――他の部分はまだまとまっておりませんので、この部分だけを特に早く取り出して申し上げたわけでございますが、政治意識の調査は、いろいろと御指摘いただきましたように、まだ新しい調査でもございますし、大いに考えなきゃならない部面を多分に持っていると思います。この問題につきましても、たとえば十八歳選挙年齢の問題につきましても、全体としての議論そのものが、ただいまおっしゃいましたようなことまで深く掘り下げての世論というものがまだたたかわされていない、こういう段階の調査であるという、こういったような点も考えてみますと、なおまた、これからいろいろな議論が起こってこなければいかぬじゃないか。そういう上で、さらにこういう調査もたびたび続けていって、それらの動きというものを見ていかなきゃいかぬ、かように存じているところでございまして、調査の内容等につきましては、なお、われわれの側といたしましても、いろいろ検討を加えていかなきゃならぬ、かように存じておる次第でございます。
#27
○岩間正男君 資料の要求したいんですが、アメリカの調査の結果と反対に出たと、アメリカの調査項目というのは、それをやっぱり資料として出してもらいたい。これは比較してみないと、いま言った話、何か具体的でないと何も言えませんよね。それから今度の結果についてまとめができていないんだろうけれども、一応の中間報告というようなものだろうと思いますけれども、なぜこういうような結果が出たというように考えておられますか。この点はどうですか。こういう分析までやってますか。
#28
○政府委員(山本悟君) ただいまの段階で、これがなぜかというところの追跡というものは、いろいろな見方があろうと存じます。私どもといたしまして、これだからということを的確に申し上げることは非常に困難な状況でございます。先ほど申し上げましたように、初めてこの調査というものを昨年からいたしてきたわけでございまして、どういう動きになってきたかというものとの関連といったようなことは、まだ、われわれといたしましても、つかんでいない。たまたま昨年のこの前半におきますところの三調査におきまして、世論がこうであったという事実を本日は御報告申し上げる程度でございまして、なぜこういう結果になったかということまでは、いささか、われわれとしても、つかみにくいと、かように存じております。
#29
○岩間正男君 だから、こっちへも調査項目、これ出してもらいたいんです。先ほども話がありましたけれども、政治一般というような形で出したんではちょっとわからぬ。政治不信がものすごく起こっているんだよね、無関心な、そうでしょう。そういう一つのこれはまあ文化の姿なんというものは、そういうものと重なってそういうものが起こっている。だからたとえば具体的にもっと出したとすれば、今度の政治意識という問題で単に青少年自体がどうであるか、戦争に対してどうなのかと、自衛隊に対してどうなのかと、こういうような形でかりに出したとすれば、それは政治意識はありますよ。はっきりしてますよ。ところが、実際は一般にもうほんとうに抽象的に出され、そして政治判断があるかないかと、こういうようなかっこうで出されますと、いまのような結果で、実に何というかな、正確でない、科学的厳密さを持たない形で出されてくる可能性が非常に多いんですから、これはやっぱり調査の尺度の取り方、これは非常に重大なんです。だからこういう形ではなく、もう少し検討してほんとうは発表してほしかったと思うんで、何かいきなりこういう結果についてばっと出されて、われわれも、テレビで、一昨日ですか、あれ見て、もうちょっと慎重にやる必要がある、こういう問題は。実は、われわれにこういう調査やっているという報告もなかった。実際あればこれについてもっと検討したはずです。それからもっとこれは妥当な線でやっぱりやるべきじゃないか。そうでないと、何かにやっぱり使われるというと、まずいです。十八歳の問題は、いままで各党の要求としては出されておりましたから、そういうものに対して実際は逆の結果になるということなのか、これはそういう問題ありますから、いろいろ政治不信の問題とも関連させて考えていかなくちゃ問題です。政治判断というのは何を言うかという中身というものはもっと知る必要がある、こういうふうに考えます。これは見解として述べておきたい。資料は出してくだきい。
#30
○多田省吾君 私も一点だけ質問しておきますけれども、いま岩間委員からもおっしゃられましたように、アメリカでは八〇%以上が十八歳引き下げに賛成したという結果が出ているそうでございますが、アメリカでは、御存じのように、ベトナム戦争に対する徴兵制の問題等もありますから、そういう点で十八歳選挙権というものが非常に強く論ぜられて、その認識が強かったのじゃないかと、こう思います。
 私も、一昨年のこの当委員会等におきまして各委員から十八歳引き下げの要望があり、それに対して当時の秋田自治大臣がまじめにこういった調査に取り組まれたということは、一応の敬意を表しますけれども、その前に、やはり新聞、テレビ等においても、この十八歳問題はしばしば取り上げられて――しばしばというよりも、一、二取り上げられてきた感があったわけでございますから、やはり今度の統一地方選挙あるいは参議院通常選挙のおりに世論調査をやるぞというような啓蒙、これが必要だったんじゃないかと思うのです。やっぱり唐突だったから、ちょっとまだ認識がなかったのじゃないか。
 それからもう一つは、質問するときに、やはり質問のしかたによって回答というものは非常に左右されるものですね。ですから、私は、この十八歳引き下げの問題も、最小限度の認識を与えて調査をする、たとえば、いま二十一歳以上は何カ国、二十歳以上は何カ国、最近西ドイツとか、イギリスとかアメリカとか、十八歳引き下げに向かっているとか、そういう何らの認識もさせないで急に調査をしても妥当な結果というものはなかなか私は出にくいのじゃないか、かように思います。アメリカ等においても、今度の大統領選挙から十八歳引き下げに踏み切った、西ドイツ、イギリスあたりでもやっているとか、そういう認識があらわれたのかどうかということを考えますと、その前にやっぱりもっと、専門家じゃない限りは、こういった問題は、相当マスコミ等でも取り上げていただかなければぴんとこない問題ですから、その準備が私はどちらかといえば少なかったのじゃないか、そういう啓蒙を行なった後、マスコミ等においても相当取り上げられた後に世論の調査をすれば、また違った結果が出たんじゃないか。特に、私も参議院議員でありますから言いにくいことでありますけれども、統一選挙のときよりも参議院のときのほうがむしろ反対のほうが大きくなっているような傾向もあります。これはやはり参議院議員は被選挙者も三十歳以上というようなことで、若い人にはちょっと関心が薄かったというような時期もありますし、こういったような問題もやはり考えに入れなければならないのじゃないかと、このように思いますので、今度やられるときには、そういったことをひとつお考えに入れてやっていただきたい。これは希望ですが、一言だけ申し上げておきます。
#31
○委員長(熊谷太三郎君) ほかにありませんか。
 それでは、本件に対する本日の調査はこの程度にとどめ、これにて委員会は散会いたします。
   午前十一時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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