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1971/03/08 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 物価等対策特別委員会 第2号
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1971/03/08 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 物価等対策特別委員会 第2号

#1
第068回国会 物価等対策特別委員会 第2号
昭和四十七年三月八日(水曜日)
   午後一時四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月三十一日
    辞任         補欠選任
     加瀬  完君     森中 守義君
     鈴木  強君     田中寿美子君
     佐野 芳雄君     前川  旦君
 二月十日
    辞任         補欠選任
     竹田 四郎君     片岡 勝治君
    ―――――――――――――
 出席者は左のとおり。
   委員長          長屋  茂君
   理 事
                西村 尚治君
                山下 春江君
                片岡 勝治君
                中沢伊登子君
   委 員
                亀井 善彰君
                川野辺 静君
                佐田 一郎君
                志村 愛子君
                嶋崎  均君
                玉置 猛夫君
                竹田 現照君
                前川  旦君
                森中 守義君
                柏原 ヤス君
   国務大臣
       国 務 大 臣  木村 俊夫君
   政府委員
       公正取引委員会
       委員長      谷村  裕君
       経済企画政務次
       官        木部 佳昭君
       経済企画庁調整
       局長       新田 庚一君
       経済企画庁国民
       生活局長     宮崎  仁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○当面の物価等対策樹立に関する調査
 (物価対策の基本方針に関する件)
 (公正取引委員会の物価対策関係業務に関する
 件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(長屋茂君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る一月三十一日、加瀬完君、鈴木強君及び佐野芳雄君が委員を辞任され、その補欠として、森中守義君、田中寿美子君及び前川旦君が選任されました。
 また、二月十日、竹田四郎君が委員を辞任され、その補欠として片岡勝治君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(長屋茂君) 理事の補欠選任についておはかりいたします。
 ただいまの委員の異動に伴いまして理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(長屋茂君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に片岡勝治君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(長屋茂君) 次に、当面の物価等対策樹立に関する調査を議題といたします。
 まず、物価対策の基本方針につきまして政府から説明を聴取いたします。木村経済企画庁長官。
#6
○国務大臣(木村俊夫君) 物価等対策特別委員会が開かれるにあたりまして、物価対策及び国民生活行政について所信の一端を申し述べたいと存じます。
 最近の物価動向を見ますと、卸売り物価は、景気情勢を反映いたしまして、総じて横ばいに推移しており、消費者物価につきましても最近その騰勢が鈍化してきております。これは、昨年九月の異常天候により高騰いたしました野菜等季節商品が値下がりを示しますとともに、これら季節商品以外の一般物価の騰勢も鈍化の傾向にあり、各般の政策努力に加えて、景気の停滞が消費者物価に影響してきたものと考えられます。
 このような物価その他の経済情勢を総合的に勘案いたしまして、さきに閣議決定をみました経済見通しにおきましては、四十七年度の消費者物価上昇率を五・三%と見込み、消費者物価の上昇をこの範囲にとどめるよう最善の政策努力を傾注することといたしました。
 このため、政府といたしましては、農業、中小企業、サービス業等低生産性部門の近代化、流通対策、競争条件の整備等の施策を強力に推進することとし、昭和四十七年度予算においては、一般会計、特別会計を通じまして、前年度当初予算に比べ二七%増の一兆四百二十一億円にのぼる物価対策関係経費を計上いたしましたほか、財政投融資計画においても事業規模の大幅な拡充をはかることといたしております。特に野菜対策につきましては、四十六年度の二倍を上回る予算措置を講じ、近年の野菜需給の構造的変化に対応いたしまして、野菜指定産地の拡充、近代的モデル団地の育成を行なう等、供給の増大をはかりますとともに、秋冬季の主要野菜を中心といたしまして、その価格安定と需給調整等の対策を大幅に拡充することといたしております。その実施体制についても、食品流通局を新設するなど、万全を期しておるところであります。
 また、円切り上げの効果による輸入品価格の低下を消費者物価の引き下げに結びつけるよう、輸入品の追跡調査を行ない、その監視、指導体制の強化につとめますとともに、食料品等を中心とする消費関連物資の積極的な輸入の拡大、輸入物資の流通機構の整備を進めるほか、関税政策や輸入制度等の運用にあたりましても、物価対策の観点から十分配慮いたす考えであります。
 次に、公共料金につきましては、政府は、公的サービスの適正な供給等をはかる観点から、このたび、その一部を改定することといたしましたが、その引き上げを極力抑制するという基本方針は今後とも堅持してまいります。
 国鉄運賃の改定につきましては、国鉄自身の合理化努力と千百億円を上回る財政措置を前提に、その一再建のため真にやむを得ない範囲にとどめることといたしております。
 消費者米価につきましても、物価統制令の適用廃止と関連し、小売り業者に競争原理を導入して、その合理化を推進するため、その新規参入規制の緩和、配給計画の弾力化などをはかるほか、現在の統制額以下の価格で販売する標準価格米を常時店頭に備え置くよう指導することとし、消費者米価水準の安定を期することといたしております。
 その他の公共料金につきましても、極力抑制的に取り扱い、その引き上げが真にやむを得ない場合であっても、その程度、時期等については特に慎重に配慮してまいる所存でございます。
 物価政策と並んで国民生活において重要な消費者行政につきましては、消費者保護基本法の精神に従い、また、消費者行政に関する本委員会の決議を尊重して、法令・制度の改善、財政措置、行政運営の改善等を通じ、諸般の施策を進めてまいっており、相当の成果を挙げつつあると考えております。
 しかし、依然として種々の消費者問題が発生しており、消費者利益の維持、増進のためには、なお一そう各般の施策を強化することが必要であると痛感しております。
 このため、政府は、毎年、消費者保護会議におきまして、危害の防止、計量、規格及び表示の適正化、契約関係の適正化、消費者組織の育成等につきまして、具体的施策を決定しており、この決定に基づいて必要な制度の改正を行なう等、消費者保護の積極的推進をはかっておるところでございます。
 また、国民の直面する生活上の諸問題につきまして円滑な意見の交流をはかるため一昨年十月に発足させました国民生活センターにつきましては、一応の準備期間も終わり、国民の生活全般にわたる相談、苦情の処理、商品テスト、消費生活に関する各種情報の提供、収集、各都道府県の消費生活センターとの情報交換等、ようやくその活動が軌道に乗ってまいりましたが、なお一そうの充実をはかり、「国民との対話の場」を確保してまいる所存であります。
 政府は、以上申し述べました諸施策を一そう強力に推し進める所存でございます。本委員会におかれましても、このような政府の考え方を御理解賜わりまして、よろしく御支援と御叱正を賜わりますよう切にお願い申し上げる次第でございます。
#7
○委員長(長屋茂君) 次に、公正取引委員会の物価対策関係業務につきまして説明を聴取いたします。谷村公正取引委員会委員長。
#8
○政府委員(谷村裕君) 昭和四十六年中における公正取引委員会の物価対策関係業務につきまして御説明いたします。
 御承知のとおり、ここ数年来、物価問題が非常に大きな課題として取り上げられてまいりましたが、物価対策の面で公正取引委員会の果たすべき役割りは、私的独占禁止法等を厳正かつ強力に運用いたしまして、公正かつ自由な競争を促進することによって経済の発展を促進し、究極において一般消費者の利益を確保するという本来の任務に尽きるわけでありまして、具体的には次の四点に重点を置いております。
 第一点は、価格協定等違法なカルテルについて厳重に取り締まるとともに、私的独占禁止法の適用除外となっておりますカルテルの許容にあたりましては、公正取引委員会の認可する不況カルテルについてはもちろん、主務大臣等が認可する際の同意または協議にあたりましても、きびしい態度で臨むことでございます。第二点は、再販売価格維持行為の弊害の規制についてであります。第三点は、管理価格などの硬直的な価格の実態を究明いたしまして、その対策を検討することであります。第四点は、商品の不当な表示を排除し、過大な景品つき販売を規制することにより、消費者の商品選択にあたっての価格意識を高めるようにつとめることであります。
 まず、第一点の違法な価格協定等の取り締まりでございますが、私的独占禁止法ではこれを不当な取引制限として禁止しております。昭和四十六年中においては同法違反被疑事件百八十二件について審査を行ないましたが、このうち価格協定に関するものが百二十七件を占めております。また、審査いたしました事件のうち法的措置をとったものは四十五件でありますが、価格協定に関するものは四十件にのぼっております。
 次に、私的独占禁止法では、原則としてカルテルを禁止いたしておりますものの、例外といたしまして、不況カルテルの制度を認めており、昭和四十六年十二月末現在で四件の不況カルテルを認可しております。また、私的独占禁止法の適用を除外する法律といたしまして、中小企業関係としては中小企業団体の組織に関する法律、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律、貿易対策の見地から輸出入取引法など四十の法律があり、これらの法律に基づきカルテルが認められておりますが、その件数は、昭和四十六年十二月末現在九百九十二件にのぼっております。これらのうち、中小企業団体の組織に関する法律に基づくカルテルが一番多く六百四件、次いで、輸出入取引法に基づくカルテルが百九十五件、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律に基づくものが百二十三件となっており、これらが大部分を占めております。公正取引委員会といたしましては、主務大臣等がこれらを認可するにあたって当委員会に同意または協議を求めてまいりました場合には、それが必要最小限度のものであるかどうか、あるいはそれが関連事業者や一般消費者の利益を不当に害するおそれがないかどうか等を厳重に審査いたしまして、同意または協議に応じております。
 第二点は、再販売価格維持行為の弊害の規制の問題でございます。
 最近における再販売価格維持行為のうちには、価格や流通マージン等について消費者の利益を不当に侵害しているものがあるとの観点から、その弊害を一そう規制するための方策について検討を行ない、昭和四十六年四月に「再販売価格維持行為の弊害規制等について」をとりまとめ、さらに、この弊害規制方針を具体化するための検討を進めてまいりました。なお、昭和四十六年中における再販売価格維持契約の成立届は八社、九件であり、再販売価格維持契約を実施しているものは八十八社、百二十六件となっております。
 第三点は、経済実態調査の一環としての管理価格の調査であります。これは、比較的少数の大企業が支配的な地位を占めているような業界におけるある程度価格が硬直しているような商品につき、その原因がどこにあるかということを調査することであります。
 最近、物価対策の見地から、大企業における生産性向上の成果の一部を消費者にも還元すべきであるというようなことがいわれておりますが、管理価格についての調査は、このような要請にも寄与するものと存じます。公正取引委員会といたしましては、調査の結果、たとえば価格協定などの事実がある場合、あるいは新規企業の進出を不当にはばむ等の私的独占禁止法に違反する行為が行なわれているような場合には、同法に基づき排除措置をとることといたしておりますが、管理価格問題については、単に独占禁止政策の観点からだけでは律し切れない面もありますので、有効かつ適切な規制を行なうにはどのようにすべきであるか、幅広い検討を行なっていく必要があると考えております。
 第四点は、過大な景品つき販売及び不当表示の規制であります。
 過大な景品つき販売、虚偽誇大な表示は、消費者の正しい商品選択を妨げるばかりでなく、これが行なわれるときは、品質や価格による本来の競争が回避されがちになるため、公正取引委員会といたしましては、不当景品類及び不当表示防止法を厳正に運用することにより、これらの規制につとめております。
 昭和四十六年中には六十一件の排除命令を行ないましたが、その内訳は、過大な景品類の提供に関するもの三十七件、不当表示に関するもの二十四件でありました。また、表示に関して七件、景品に関して三件の公正競争規約を認定いたしました。
 なお、不当景品類及び不当表示防止法の権限の一部を都道府県知事に委任することにより、同法の運用をより一そうきめ細かく、かつ効率的に行なうため、同法の改正案を本国会に提出しております。
 以上が昭和四十六年中における公正取引委員会の物価対策関係業務の概要でありますが、今後公正取引委員会の業務は一そう重要性を増すものと考えられますので、何とぞよろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げる次第でございます。
#9
○委員長(長屋茂君) では、先ほどの木村経済企画庁長官の発言を補足して、昭和四十七年度の経済見通しと経済運営の基本的態度、並びに、最近の物価動向と消費者行政の現状について説明を聴取いたします。新田調整局長。
#10
○政府委員(新田庚一君) お手元にお配りしてあります「昭和四十七年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」につき、その概要を御説明いたします。
 初めに、四十七年度の出発点となります四十六年度の経済情勢について申し述べますと、わが国経済は四十五年秋以来の景気後退及び四カ月余続いた国際通貨問題の影響を受けて停滞し、この結果、年度の実質成長率としては四・三%、また国際収支は経営収支で五十五億ドル程度の黒字となる見通しであります。他方、物価面では、卸売り物価が前年度比一%弱の低下が見込まれるのに対し、消費者物価は六・一%程度の上昇となる見込みであります。
 四十七年度のわが国経済は、このような四十六年度経済のあとを受けて、きわめて重要な局面に立っております。
 対外面では、保護主義的傾向、通貨調整に伴う過渡的摩擦、今回の通貨調整に続く新しい通貨体制の確立等、今後一そう緊密な国際協調を必要とする多くの問題があります。
 また、国内面では、景気後退下の通貨調整という試練を受けており、景気停滞が長期化すれば国民生活や国際収支調整にも大きな影響を与えるおそれがあります。
 こうした内外の情勢にかんがみ、四十七年度の経済運営にあたりましては、積極的な景気振興策を展開するとともに、対外均衡の達成と国民福祉の向上を軸とする新しい経済発展に向かって第一歩を踏み出す年とすることとしております。このため、第一に、公債政策を活用した積極的かつ機動的な財政金融政策の展開、第二に、生活関連社会資本の整備、社会保障の充実等、社会開発の積極的推進、第三に、輸入の自由化、関税の引き下げ等、対外経済政策の一そう積極的な展開、第四に、消費者物価安定諸施策の強力な実施、第五に、新しい経済発展の基盤強化のための国内条件の整備、等の諸施策を重点的に講ずることとしております。
 特に、消費者物価の安定につきましては、長官のごあいさつにもありましたように、輸入政策の積極的活用、生鮮食料品の安定的供給の確保、低生産性部門及び流通機構の近代化、競争条件の整備等の諸施策を強力に実施するほか、その際、円切り上げに伴う輸入価格低下の利益が消費者に還元されるようつとめることとし、さらに公共料金については極力抑制的に取り扱うものとしております。
 なお、四十七年度においては、内外の新経済環境に応じた新たな長期計画を策定することとしております。
 このような経済運営のもとにおける四十七年度の経済見通しについて述べますと、わが国経済はおそくとも年度後半には安定成長路線へ回復し、国民総生産の規模は九十兆五千五百億円程度、成長率は実質七・七%、名目一二・九%程度の伸びとなる見込みであります。
 この場合、沖繩の本土復帰による増加分を控除すれば、その実質成長率は七・二%程度となりますが、その内訳を見ますと、個人消費支出、民間住宅とも比較的底固い伸びを示し、在庫投資も次第に回復すると見込まれるのに対し、民間設備投資は製造業を中心になお停滞し、三%弱の伸びにとどまる見込みであります。これに対し、財政面では、景気振興、国民福祉の向上を基本とする施策を進めることとしており、政府財貨サービス購入は前年度比一七・〇%の伸びを見込んでおります。
 このような総需要の動きを反映して、鉱工業生産の伸びは前年度比七・五%程度になるものと見込まれます。
 また、物価につきましては、卸売り物価がほぼ横ばいと見込まれる反面、消費者物価は、円切り上げによる価格引き下げ効果が期待されるものの、依然その騰勢は根強く、各般の物価対策を強力に推進することにより、前年度比五・三%程度の上昇にとめるようつとめることとしております。
 他方、国際収支面では、通貨調整の影響や国内の景気の回復等を考慮すると、輸出の伸びは八・五%程度、輸入の伸びは一五・一%程度と見込まれ、経常収支は四十七億ドル程度の黒字となる見込みでありますが、黒字幅は年度後半にかけて次第に縮小の方向に向かうものと思われます。
 以上、昭和四十七年度の経済見通しと経済運営の基本的態度につきまして御説明した次第でございます。
#11
○委員長(長屋茂君) では、引き続いて宮崎国民生活局長。
#12
○政府委員(宮崎仁君) 最近の物価動向及び消費者行政の現状につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 初めに、最近の物価動向につきまして御説明申し上げます。
 昭和四十四年度、四十五年度と大幅な上昇を示した消費者物価は、最近になって落ちつきを見せてきております。
 すなわち、消費者物価の前年同期比上昇率は昨年七−九月の七・一%に対して十−十二月には五・四%に鈍化しております。これは、季節商品の騰勢が野菜、果物の反落を中心に大幅に低下したことにもよりますが、消費者物価の大宗を占める工業品、サービス等、季節商品を除く指数も七−九月の七・〇%に対して十−十二月には五・七%と鈍化の傾向が目立っております。こうした季節商品を除いた消費者物価の騰勢鈍化は、最近の景気動向に加え、四十五年秋以降の景気停滞が時間的におくれをもって消費者物価に影響してきたためと考えられます。
 本年に入っても、一月の消費者物価は前年同月に比べ三・八%の上昇にとどまっておりますが、この上昇率は四十四年二月以来の低さであります。また、二月の消費者物価(東京)も前年同月に比べ四・六%の上昇にとどまっております。今後も、工業製品や民間サービスを中心に落ちつきの傾向が続くと考えられるので、四十六年度の消費者物価上昇率は、実績見込みの六・一%を下回ることが期待されます。
 次に、最近の卸売り物価の動向について申し上げます。
 四十五年秋以来、景気停滞とともに軟化していた卸売り物価は、四十六年度前半に、原油輸入価格の上昇、非鉄金属の海外市況高、鉄鋼、繊維の流通段階での仮需要の台頭などから、一時底入れの気配を示しましたが、八月十五日の米国の新経済政策発表以後、先行きの見通し難などにより、市況商品を中心に再び下落に転じました。その後も、設備投資など総需要の停滞を反映して、卸売り物価は総じて弱含みに推移しておりますが、自主減産、不況カルテル等の効果や、多角的な通貨調整の成功により、一部商品には底入れや反騰が見られるようになり、一月中旬には五旬連続保合いの後上旬に対し〇・一%、二月上旬には前句比〇・二%の上昇を示しました。
 今後も、卸売り物価は底入れぎみに推移するものと見込まれるものの、四十六年度としては前年度比実績見込みのほぼ〇・九%減程度になるものと思われます。
 以上、最近の物価動向につきまして御説明申し上げましたが、今後とも物価安定の実効をあげるために、円切り上げ利益の消費者への還元、野菜等生鮮食料品の安定的供給の確保など、各般の物価対策を一そう強力に推進してまいりたいと考える次第であります。
 次に、消費者行政の現状について御説明申し上げます。
 政府は、消費者保護基本法の精神に従い、各般の消費者保護施策を鋭意進めているところであります。特に、昨年十月に開催しました第四回消費者保護会議におきましては、前回に引き続き消費者行政の現状について点検を行ない、今後の施策の具体的方針を決定いたしたところであります。この方針に従って、消費者行政を推進いたしているところでありますが、今後とも一そう強力に施策の実施方努力いたす所存であります。
 すなわち、食品添加物の再検討、残留農薬の規制基準設定、医薬品の効能等の再評価、規格、表示の適正化、消費者啓発、地方の消費生活センターのテスト施設の助成等を引き続き実施するほか、今国会に、計量法の一部改正法案及び不当景品類及び不当表示防止法の一部改正法案をすでに提出いたし、また、割賦販売法の一部改正等についても準備を進めているところであります。
 なお、地方の消費生活センターは、現在までのところ、四十の都道府県について五十七のセンターが設置されておりますが、昭和四十七年度中には、沖繩も含めて、ほとんどの都道府県に少なくても一以上のセンターが設置されるものと期待しております。
 以上、最近の物価動向及び消費者行政の現状について御説明申し上げた次第であります。
#13
○委員長(長屋茂君) 以上で政府当局からの説明聴取を終わります。
 本件に対する質疑は、これを後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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