くにさくロゴ
1971/04/26 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 物価等対策特別委員会 第5号
姉妹サイト
 
1971/04/26 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 物価等対策特別委員会 第5号

#1
第068回国会 物価等対策特別委員会 第5号
昭和四十七年四月二十六日(水曜日)
   午前十時十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         長屋  茂君
    理 事
                西村 尚治君
                山下 春江君
                片岡 勝治君
                田代富士男君
                中沢伊登子君
    委 員
                亀井 善彰君
                川野辺 静君
                志村 愛子君
                田中寿美子君
                前川  旦君
                森中 守義君
                柏原 ヤス君
                渡辺  武君
   国務大臣
       国 務 大 臣  木村 俊夫君
   政府委員
       総理府統計局長  関戸 嘉明君
       公正取引委員会
       事務局長     吉田 文剛君
       公正取引委員会
       事務局取引部長  熊田淳一郎君
       経済企画庁国民
       生活局長     宮崎  仁君
       厚生大臣官房審
       議官       信澤  清君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉本 金馬君
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   説明員
       農林省農林経済
       局企業流通部長  下浦 静平君
       食糧庁総務部長  森  整治君
       通商産業省通商
       局輸入企画課長  若杉 和夫君
       建設省住宅局住
       宅計画課長    丸山 良仁君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○当面の物価等対策樹立に関する調査
 (物価対策の基本方針に関する件)
 (公正取引委員会の物価対策関係業務に関する
 件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(長屋茂君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。
 当面の物価等対策樹立に関する調査中、物価対策の基本方針に関する件及び公正取引委員会の物価対策関係業務に関する件を一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○中沢伊登子君 経企庁長官にお尋ねいたしますが、この間の予算委員会でも、私多少物価の問題に触れさしていただきました。きょうは、また違った角度からお尋ねをしたいと思います。
 円の切り上げが物価に与える影響について御質問申し上げたいんですが、先ごろの総理府の統計局の発表によりますと、本年一月の消費者物価指数は一〇七・八%で、依然として急騰が続いております。実質経済成長率が四・三%と、かつてない不況下で、しかも円の大幅な切り上げ、輸入自由化、関税引き下げなどが進行しているときに、なぜこのような物価上昇が持続するのか、ちょっと了解に苦しむわけでございますが、このような経済的条件は、ほんとうなら消費者物価安定の絶好のチャンスであるはずでございます。かつて経済企画庁が、円切り上げ一〇%の場合の消費者物価への影響を推計した結果でも〇・八二%の低下ということになっております。ところが、当然下がるべきはずの灯油も、牛肉も、豚肉も、少しも下がらない、むしろ最近は、また豚肉が上がっているようですが、これは現行の機構や制度に欠陥があるためだと思いますが、この点はどうでしょうか。それが第一点です。
 それから第二点は、なおそれ以上に物価抑制にはきめ手がないなどと、もっぱらあきらめムードに身をまかせている政府の責任にあると思いますが、政府の責任のある御答弁を聞かしていただきたい。
#4
○国務大臣(木村俊夫君) 一般的に申しまして、消費者物価はなお上昇の機運にはございますが、その上昇の傾向は最近やや鈍化しておることも事実です。したがいまして、指数的に申しますと確かに下がってはおりませんが、上昇率は、御承知のとおり、たいへん最近野菜価格が下がっておりますし、また、気象条件、これはもう単に、私、はっきり申しますと、政府の政策努力でなしに、気象条件が幸いして、野菜価格も非常に下がっておるという点が幸いしておりますが、しかし、もっと一般的に申しますと、もっと下がらなければならない客観条件がございます。すなわち、関税引き下げ、あるいは輸入自由化、また円切り上げの効果が、これがもっと消費者物価に影響をもたらすべきではないか。これは当然国民の皆さまお考えだと思いますが、それほどに下がっていないということは、たいへん残念でございます。しかしながら、この一月から三月にかけての消費者物価指数、上昇ではございますが、その指数も、前に比べますと相当落ち着きぎみでございまして、私ども実績見込みで昭和四十六年度の消費者物価指数、大体六・一%ぐらいは見込まなければならぬじゃないかと、こう言っておりましたが、このほど、大体五・七%程度でおさまるのではないか、これはほとんど確実のようでございます。しかしながら、私ども、この五・七%になったからといって、何ら自慢する気持ちは毛頭ございません。五%以上の上昇率というものは、たいへん私どもにとって、私どもの努力の足りない、こういう結果であろうとも思いますし、また、これ以上下げなければならぬ客観条件がいろいろございますから、いま御指摘になりましたような消費者物価についてのプラスの要件というものを今後一体どうして生かしていくべきかということで、いろいろ努力はしております。
 いま御指摘のような中に、円切り上げの効果、これが一向出ておらぬじゃないかという御指摘でございますが、事実そのとおりでございます。しかし、中には、大体円の切り上げ効果というより輸入自由化の効果が目に見えてあらわれておる品目も相当ございます。また、せっかく円切り上げの効果が輸入価格にあらわれている半面、流通過程における減耗というものが、そこにあらわれて、なかなか末端価格にそれが届いていないというものもございます。いろんな面で、私ども、いまいろいろ政策的な努力を集中しておるところでございます。今後は、こういうものがもっと末端価格にあらわれて、切り上げ、あるいはいまの不況というものが当然消費者物価に影響があるべきだという国民の皆さんの御期待に沿うように、今後なお一そうの努力をいたしたい、こう考えておるところでございます。
#5
○中沢伊登子君 なるほど野菜は今年度はたいへん気象条件に恵まれまして、相当安いような感じがいたします。しかし、魚に至っては相当な高値を呼んでおりまして、この間も、私は麹町のスーパーマーケットに参りまして、自分一人でいただくのにカマスの開きを買ってみたんです。ところが、こんな小さいのですね、一匹ではちょっと足りないかなと思うくらいのものが、一匹百五十円もしておりました。もしも四人家族に一匹ずつつけるとしまして、主菜になる干物だけでも六百円かかるわけです。このごろは、むしろ肉のほうが価格が安定してしまって、魚が非常に高い。そうして、ホタルイカなんていうもの、あの小さなイカです、あれなんかも、三十匹くらいあるかなと思うのが、舟に入って三百円も四百円もしている。とっても一舟では家族のおかずにならない。こういうふうなことで、魚の問題が家庭の台所を相当脅かしている、こういうことですが、魚についてどうお考えですか。
#6
○国務大臣(木村俊夫君) 私どもも魚には非常に悩んでおるわけでございます。一般的に申せば、魚、確かに流通機構にいろんな欠陥がございますが、むしろ、その漁獲源と申しますか、漁獲が非常に昔と比べまして狭まっておる。これはもう、いろんな近海物については、海の汚染の問題もございましょうし、また、広く言えば、国際的に漁獲高が非常に制限されてきたというような国際的原因もございましょう。したがいまして、当面すぐ実効のある政策ももちろんとらなければなりませんが、もっと広く考えますと、やはり養殖漁業とか、あるいはもっと漁業、漁獲の海域を広げるとか、いろんな国際的な努力もあわせて必要じゃないかと思うのです。なお、詳しい数字的なことについては、局長からも御答弁いたしたいと思います。
#7
○政府委員(宮崎仁君) 御指摘のように、この魚介類は、最近三年ほど、年率二割近い上昇を示しております。物価指数の中でも非常に目立った動きをいたしております。そういう点でわれわれも重視しておるわけでありますが、いま大臣から話もございましたように、基本的に、資源不足、需要と供給がバランスしないということがございますので、この勢いをとめるということはなかなかむずかしいわけであります。しかしながら、最近若干この騰勢が鈍ってまいりまして、現在のところ、対前年で一割弱くらいになっておるということで、すでに基調に変化が出てまいりました。これは、昨年とれましたものを冷凍で貯蔵しておきまして、値が上がったら出そうというような、やや投機的な動きをしたのが裏目に出たというような点もあるようでございまして、楽観を許しません。いずれにいたしましても、私どもとしても、この魚介の問題について基本的に検討して、有効な対策を打つ必要があるだろうということで、物価安定政策会議の第一調査部会でいま検討を開始しております。
 問題は、一つは、やはり資源問題、さらにこれに関連いたしまして、開発輸入とか、そういったようなことが問題になります。
 それから第二の点は、流通段階でございます。御承知のように、生産地の市場、それから中央卸売り市場、地方市場と、野菜よりも段階が多いわけでございます。そういうことによりましてマージンが多くなるというようなこともございます。それから中央市場における価格形成、これが、冷凍品が非常にふえてまいりました関係で、いわゆるせりによる割合が少なくなってまいりました。初めからもう荷受け側が買ってしまうということで、値段の形成が産地側の意向できまるというような場合が非常に多いようでございます。
 そういった問題もございますし、さらに、結局、冷凍品が非常にふえておるわけでございますから、生鮮と言いましても、実際は小売り店の段階で解凍いたしまして、そして売っているわけでございます。これが家庭に何とかストレートに冷凍のままいけば、非常に安く安定して持っていけるということがわかっているわけでございますが、現在の住宅事情等から見て、冷凍庫を各家庭に全部置けというのはむずかしいといたしますと、その辺に何か、センターのように、適当なものを持つか、あるいは小売り店の中でそういう冷凍のままで売れるような形で設備を整えたものをつくるか、その辺に知恵を働かすことができるのではなかろうかといったような、三つ四つの重点といいますか、ねらいをある程度しぼって、いま勉強をやっているところでございまして、七月ごろに結論を出したいと思っております。
#8
○中沢伊登子君 いまの魚のことですが、魚を取りに行くところがずいぶん遠くなりましたね。そのために、漁業者が飛行機でレクリエーションに帰ってくる、一台チャーターして帰ってくるというような話を聞きましたから、そういう費用もみんな魚にかぶさっているんだろうとも想像いたしますけれども、相当魚獲地が遠隔地になったということも一つの原因ではあろうと思いますけれども、できるだけいろいろな点を検討していただいて、日本人というのは魚をずいぶん食べますから、その点で、お魚の問題に、もう少し力を注いでいただきたい、このように考えます。
 同時に、先ほどの養殖漁業ですが、この間も予算委員会で私はPCBの質問をさしていただきましたけれども、たとえば、駿河湾なら駿河湾で養殖いたしますね。そうすると、網を海の中に入れているんですけれども、その網に全部モがついてしまって、水が流通をしない。だから、そこがよどんでしまう。そこで、ハマチならハマチが何か病気を起こしますね。病気を起こすと、何か薬をほうり込むわけです。そうすると、それをまたみんなが寄ってたかって食べるということで、実は私どもそういう話を聞きまして、たいへん気持ちが悪くなるわけでございます。水は流通しないし、よどんでしまう、そこに薬を投げ込むわ、それをみんなが食べるわというので、ちょっと魚全体がどうにかなっているんじゃないかというような非常な不安を私ども覚えるわけです。これは漁師から聞いた話なんですけれども、その辺も、国民の健康状態を考えた場合、また、PCBの中には相当こわいものが入っていたという発表がございましたね、カネクロールかなにかですか。ですから、その点も十分一度調査をしていただきたい。
 きょうは時間がありませんから、そういう問題だけについて時間を費やすわけにまいりませんので、その程度申し上げて、次の質問に移らしていただくわけですが、円の切り上げを消費者物価に生かすための方策については、物価安定政策会議で論議されておりますが、この結論を待つまでもなく、輸入物資の追跡調査と価格監視の強化、それから流通段階の合理化と競争条件の確保、それから価格カルテルの監視、こういったような三つの問題などの対策は早急に実施されてしかるべきであると私ども考えているわけですが、政府においては、円切り上げを物価に生かすために具体的にどのような施策を行なってきたのか、お尋ねをしたいと思います。
 なお、「国民生活」ですか、雑誌がありますね、この間あれを拝見いたしておりますと、長官は、公共料金も一応頭打ちだから、当然ここら辺で、いつまでも公共料金を上げないというわけにはいかないというような御発言をしておられたようですし、物価安定会議のほうからも、公共料金をそういつまでもこのままに据え置くわけにいかないから、ここら辺で公共料金も受益者負担になるのもやむを得ない、こういう発表があったやに私伺っているのですが、その点について御答弁をいただきたいと思います。
#9
○国務大臣(木村俊夫君) まず第一点のお尋ねでございますが、円切り上げの効果を、消費者物価にいい影響を与えるようにいろいろな政策努力をしなければならない――これは、先ほど申し上げたとおり、現在もう努力中ではございます。そこで、一番大事なのは、その追跡調査をまずやらなければならない。実態を把握することがまず大事であります。これも、先般、円切り上げと同時に、またその前から、私ども経済企画庁が中心になりまして、各省の物価担当官会議をやっております。おのおの各省の所管に応じて輸入物資の十数品目をとらえまして、輸入自体から流通段階を経て消費者の末端価格に及ぼすいろいろな経路を追跡調査をいたしております。まあ、残念ながら、円切り上げの当時はまだその効果がほとんどあらわれなかった。最近になりますと、品目によりましては、先ほど申し上げましたとおり、円切り上げの効果が消費者の末端価格に及んでおる品目も相当あらわれております。この品目については、またあとで局長から申し上げることにいたします。
 そのようなことで、追跡調査はいたしますが、ただ、調査だけでは事足りませんので、その調査結果を一々われわれが問題にいたしまして、その間の行政指導を強化する、これは当然ですが、また消費者の方々の御協力を得まして、消費者の方々に情報を提供する、ある面では、これを公表することによってその流通段階における減耗を何とか避けたい、防ぎたいという努力もいたさなければなりません。また、その中で一番下がらない大きな原因として、とにかく総代理店制度というものがどうもじゃまになっておるということから、これは公取でもその点についていま非常に監視を強化していただくことにしております。そのようないろいろな努力は、これはもう今後も執拗に続けていかなければならぬと思います。
 また、第二点のお尋ねでございますが、公共料金の問題これは、先般も私この委員会でも申し上げましたとおり、確かに公共料金政策というものは二つメリットがあると私は思います。
 一つは、この公共料金が非常に即効的な効果がありますので、その効果を利用いたしまして、一般物価が急騰するときに、公共料金を抑制することによって、それに社会的心理的な効果を与えるというようなことが一つのメリットだと思います。その意味では、昭和四十五年の十二月にやりました公共料金の一年間ストップ令、これがそういうメリットを発揮したのではないかと思います。
 しかしながら、そういうことは、いわば緊急避難的な効果をねらったのでございまして、あまり長くそれを続けますと――公共料金を対象とする事業も、これも一つの企業形態でございます。そこで、どうしても、いびつと申しますか、無理が出てくる。その無理が長く続きますと、その公共料金を対象とする事業自体の経営が非常にあぶなくなってくる。経営の困難も出てくる。それがまた、公共サービスを実質的に低下いたしましたり、また量的な不足が生じたりして、ひいては、これを利用される国民の方々についても非常に大きな支障国民福祉の一つの障害になってくる、こういうような悪循環がございます。したがいまして、それを断ち切るためには、一番はっきりした方法としては、その企業自体、極端に言えば企業努力でそういう点を吸収することですが、なかなかそれもむずかしいということになれば、政府が公共性の強弱に応じて財政援助をして、利用者負担をなるべく少なくする、運賃の値上げを避ける、こういうことが当然政府の政策努力としてなければならない。そういう意味で、今回の国鉄のごとく千百億円を上回るような財政援助も実はしたわけでございます。私、これは、個人的な見解で申せば、まだ足りないと思います。もっと財政援助をふやすべきだと思いますが、しかし、公共料金そのものから言いますと、やはり物価安定政策会議から御提言がありましたとおり、これも一つの企業でございますから、純粋の公共財でない限り、やはりそこに企業採算がなければならぬ、そのためには、応分の受益者負担というものは、やはりこれは負担をお願いしなければならぬということからいいまして、私どもは、先ほど申し上げた二つの前提、すなわち企業自体の企業努力、それに対する財政援助、この二つを極度にやりまして、なおその企業体がうまく運営できないという場合には、受益者の方々、直接それをお使いになる国民の方々に応分の御負担をお願いする、これはやむを得ぬのじゃないか、こういうふうな考え方で、実はこの最近の公共料金の一部の引き上げを認めているわけでございますが、まあしかし、どんどん福祉国家というものが進めば、それに応じて――たとえば老人医療の問題は、従来はこれは純粋の公共財としては考えていない、すなわちそれを受診者の老人の方々に御負担を願っておったのですが、福祉国家が進むに従って、そういう老人医療も無料にする、これは公共財的なところまで引き上げた一つの例であろうかと思います。そういうふうな点で、今後そういう面の費用は出てくると思いますけれども、総じて公共料金は、やはり一応は企業の合理化努力、財政援助とともに、受益者負担というものは避けられない、こういうような考えで処理してまいりたいと考えております。
#10
○政府委員(宮崎仁君) ちょっと補足して申し上げますが、去る三月三日の物価閣僚協におきまして、いわゆる追跡調査の対象品目として約六十品目を考えるということがきめられております。このうち、すでに手がけられておるものは三十数品目でございまして、調査の結果も明らかになっております。総じて申し上げますと、いわゆる輸入物価指数と申しますか、卸売り物価の段階、つまりCIF価格と言っていいかもしれませんが、国内に入ってくる段階でどの程度下がっているかといいますと、四十六年八月を一〇〇といたしまして四十七年二月で九二・六ということでございます。したがいまして、約七%ちょっと下がっておる。水ぎわではこのくらい下がっておるということが言えるわけでございます。もちろん、これには原材料も入っております。われわれの計算によりますと、今度の十二月のいわゆる多国間通貨調整によりまして、為替レートの関係でどのくらい理論的にわが国の輸入物価が下がるべきかということをはじいてみますと、大体一二%ぐらいという数字でございます。したがって、この七%何がしが一二%になってくれるといいんですけれども、これは輸出国側で値上げをしておるというようなものもかなりございますので、一二%まではなかなかいかないかもしれないと思っておるわけでございます。
 なお、消費者段階でどうかということで調査をいたしておるわけでございますが、値下がりをしておるものというものもかなりございます。例を申し上げますと、グレープフルーツとかレモンとかバナナといったものは、御承知のとおり、非常に下がっておる。それから万年筆、紅茶、乗用車、エアコン、化粧品の一部、ウイスキー、ブランデー、それから鉱工業の原材料関係、あるいは羊毛を除きまして綿花、鉄鉱石、原油はいずれも下がっております。そういったような状況でございますが、下がっていないものもございます。牛肉、これは国内の価格が非常に強いということもございまして下がっていない。それから豚肉、これは、御存じの価格支持制度の関係がございます。特にそういったこともございまして、つい最近関税減免制度を発動していただきましたので、これはその効果があらわれてくると思います。そのほか、大豆であるとか腕時計であるとか、コーヒー、それからチョコレートというようなものは、あまり下がっていないということでございます。この原因は、ただいま大臣からお話がありましたように、いろいろの原因がございますが、私どもとしては、こういった下がっていないというものについては特にまた再び取り上げて調査をするというようなこともいたしまするし、強力な行政指導をやっていくということで、できるだけ効果をあらわしていきたいと思っております。しかし、中には、砂糖のように輸入価格そのものが非常に上がってしまっておるものもございます。これは、ちょっといまのやり方では、もう下げることもむずかしいというようなものもございます。ものによっては対応のしかたは違ってくる、こう思っておりますが、全般といたしましては、昨年十二月に切り上げが行なわれておりまして、その当時のストックということを考えますと、だんだんこの効果はあらわれてきておると、こう思いますので、これからも強力にこの調査をやってまいりたいと思っておる次第でございます。
#11
○中沢伊登子君 その輸入業者ですね。輸入業者のワクを相当広げる必要があるのではないかと思います。ですから、そういう点については、生協とかスーパーとか、そういったようなところにも輸入業者として認めるようなことを考えていただけるんでしょうか。それが私は輸入物資の値下がりになる一番の根本だと思いますが、いかがでしょうか。
#12
○国務大臣(木村俊夫君) あとから通産省からお答えいたしますが、私ども経企庁として、ぜひそれをやっていただきたい、こう考えております。また、そのように通産省もお考えになっていただいておるのではないかと思いますが、通産省からお答えしたいと思います。
#13
○説明員(若杉和夫君) 補足してお答えいたします。
 輸入物資につきましては、御承知のように、自由化品目と非自由化品目がございます。自由化品目につきましては、もちろん、生協、百貨店、スーパー、どなたでも、極端に言えば個人でも輸入できるわけでございます。これは問題なかろうと思います。いま御質問の趣旨は、輸入割り当て物資を生協とかスーパーにも認めてはどうかということでございます。その点、現実にはいろいろございまして、認めているものもございますし、認めていないものもございます。たとえば、比較的大きいものとして、カズノコなんか従来認めておりました。ただ、カズノコは五月一日から自由化する予定でございますので、これは問題ございません。それから牛肉等につきましては、直接は認めておりませんけれども、御承知のように、指定牛肉店制度というもので事業団が直接安い価格で提供するということで、その中には、スーパー、生協等も、全部ではございませんけれども、入るようにしております。方向といたしましては、従来なぜ生協、スーパーを認めていない例が多いかといいますと、特に商社の実績割りということで、インポーターの実績割りということが中心になっております。これは、議論をするとなかなかむずかしい問題があるんですが、必ずしも絶対的にいい方法とは思っておりませんけれども、現実論として、それ以外になかなか名案がないということで、そういうことをやってきましたが、ここに至って量的に輸入数量も、かなり割り当てワクも拡大してきております。そういう過程で新規参入を入れていくということを考えざるを得ないというか、考えるほうがよかろう、こういうことになってきておりますので、そういう過程の中で考えてまいりたい、こういうふうに思っております。
#14
○中沢伊登子君 ありがとうございました。わざわざ忙しいところを出てきていただいて恐縮ですが、時間がありませんので、次に、ちょっと住宅問題をどうしても伺っておきたいので、住宅問題に移らしていただきます。
 公団住宅の家賃を値上げするような報道が一時ございまして、たいへん住宅に住んでいらっしゃる方の反対運動が起こりましたね。四十七年度は見合わせたように私ども承りますが、そうですか。
#15
○説明員(丸山良仁君) 公団住宅の値上げ問題につきましては、四十五年の六月二十四日に住宅宅地審議会の答申がございまして、そこで、過去の住宅が非常に家賃負担率が低いじゃないか、一方、最近建てる住宅につきましては非常に高くなっておる、この均衡をはかるべきである、こういう御答申をいただいたわけでございます。したがいまして、事務当局といたしましてはいろいろ準備を始めたわけでございますが、この物価に及ぼす影響、あるいは社会情勢等を勘案いたしまして、現在のところ、四十七年度には実施をするという考えは持っておりません。ただし、この二十四日に、再度、住宅宅地審議会に公的住宅の家賃はいかにあるべきかという諮問をいたしまして、これは値上げ問題だけではございませんが、すべての住宅について公的住宅の家賃というのをどのように考えたらよいかということを御検討願っている次第でございますから、この結論を待って処置いたしたいと考えております。
#16
○中沢伊登子君 そうすると、戦後間もなく建った住宅がありますね、そうした公営住宅は相当に古くなって痛んでおりますが、それを建てかえる、こういうようなことも検討されるんでしょうか。
#17
○説明員(丸山良仁君) 御承知のように、非常に土地問題が重要でございまして、家賃に占める土地費の割合がだんだん高くなっております一方、いまお話しのように、戦後建てました住宅は木造住宅でございまして、これを建てかえることによって大体三倍くらいの住宅ができるわけでございます。そういうことでございますから、特に大都市地域、東京、大阪等につきましては、八年計画をもちまして何とかいまある木造住宅をほとんど全部建てかえたい、こういうことで、東京都並びに大阪府と事務的に詰めている段階でございます。
#18
○中沢伊登子君 そうすると、またそのときになると相当な家賃の値上げが行なわれるわけですね。現在、公営住宅の標準家賃、それと広さ、第一種とか第二種とかございますね。それの所得基準はどのようなことになっておりましょうか。
#19
○説明員(丸山良仁君) まず、所得基準から申しますと、これは公営住宅法の施行令できめられておりまして、昨年の四月から改定したわけでございますが、第一種住宅につきましては二万七千円から四万六千円の間、それから第二種住宅につきましては二万七千円以下ということになっておりますが、これを標準四人世帯の粗収入に直しますと、第一種住宅につきましては月額六万三千五百円から八万七千百六十六円、年額に直しますと七十六万二千円から百四万六千円という階層が一種階層でございます。それから二種階層は七十六万二千円以下、こういう形になっておるわけであります。
 それから広さにつきましては、いろいろ種類がございまして、必ずしも一律ではございませんが、大体現在一番多く建っております中層住宅でございますが、これにつきましては、四十七年度で四十九平米という形になっております。それから第二種住宅につきましては四十五・七平米でございます。
 なお、建てかえによりまして家賃は上がるわけでございますけれども、御承知のように、公営住宅につきましては、一種二分の一の補助、二種三分の二の補助ということでございまして、現在の家賃の最高が大体一万二千円程度でございます。これは東京の一番高い例でございますが、大部分は七、八千円ということでございます。ただし、現在入っておられます方の家賃は非常に安いわけでございまして、それに比べますと相当値上がりするということにはなるわけでございますが、われわれが住宅建設五カ年計画で考えております家賃負担率は、大体標準世帯で申しますと一五、六%、公営階層は低いわけでございますから、公営階層の方につきましては一二、三%の家賃負担率が適当ではないか――これも住宅宅地審議会から御答申をいただいておるわけでございますが、この点につきましては先ほど申しました諮問で再度御検討をいただく、こういうことになっているわけでございます。
#20
○中沢伊登子君 いまの第二種の所得基準、ちょっといま聞き漏らしたのですが、月二万七千円以下ですね。
#21
○説明員(丸山良仁君) はい。
#22
○中沢伊登子君 そうすると、その二万七千円以下というような収入の人というのは、どういう人があるのでしょうか。
#23
○説明員(丸山良仁君) いま申しましたのは、政令できまっています、いろいろ差し引きました基準でございまして、粗収入で由しますと六万三千四百九十九円以下ということになっております。したがいまして、この階層で申しますと、大体五分位に分けまして一番下の階層、二〇%くらいの階層、こういうことになるわけでございます。
#24
○中沢伊登子君 それから最近建っている公団住宅ですね、公団住宅の家賃というのが相当なもので、一般の庶民はなかなか入れないというのですが、どういう人が入るのをめどにして、こういうふうな大幅な家賃にされたか。
#25
○説明員(丸山良仁君) 公団住宅につきましては、五カ年計画の考え方で申しますと、公営住宅の上の階層――五カ年計画の考え方は、四十六年度の額に直しますと大体年収百万円以下の方が公営階層である、このように考えておるわけでございまして、それから、政府が援助をいたします賃貸階層、その上の公団階層でございますが、この方々は、大体年収百六十万円以下の階層百万から百六十万以下の階層、こういう考え方をしているわけでございます。現実に入っておられます方の収入を調べてみますと、平均でとりますと、ちょうど全国の平均収入、勤労者世帯の平均収入の方とほとんど一致しております。
#26
○中沢伊登子君 公団住宅で二Kで二万四、五千円というような話を私ども聞いておるのですが、二Kで二万四、五千円ぐらいといいますと、二Kでしょう広さが、そうすると、子供持ちの人はなかなか入れない。そうすると、よく俗に言われるのに、変な話ですけれども、夜つとめを持っているような婦人、そういうお嬢さんが一人で住んでいるというようなのをよく聞くのです。一体どこを目当てに、こんな高い家賃で狭いところ、こういうものを建てられたのかなあと、ずいぶんいろいろな文句を私ども聞くわけですね。実際にどういう人が住んでいるか、お調べになったことがありますか。
#27
○説明員(丸山良仁君) いまのお話で、二Kで二万四千というようなお話は、これは市街地の最も便利なところのゲタばき住宅あるいは江東地区で行なっております面開発の住宅でございまして、こういうものにつきましては、非常に土地代が高いものですから、そういう家賃になるわけでございます。公団で一般に行なっています団地の住宅でございますが、これにつきましては、大体三DKで二万円前後というのが実態でございます。
 なお、中に入っておられる方でございますが、これは、よく、いま先生が言われましたような御質問が出るわけでございますが、そういう方々はほとんど例外でございまして、大部分は勤労者の方でございます。特にどういう方が入られるかと申しますと、六割近くが現在の木賃アパートに住んでおられる世帯持ちの方でございます。
#28
○中沢伊登子君 そうしますと、最近建った公団住宅で家賃が三DKで二万円くらいというのは、今度は、相当遠い場所、郊外で通勤に非常に時間を要する、こういうようなことであろうかと思いますが、その問題について、いまここでいろいろ議論する時間の余裕がございませんが、実は、ちょうど昨年の秋に、公営住宅として一番初めに建ったといわれる団地に、私、ちょっと参ったわけです。そうしたら、そこで、六百世帯で子供の数が八百人と、こういうふうに聞いてまいりました。そして、一番古いのですから、入居当時は働いていた人も、もう年をとって、むすこたち夫婦と一緒に暮らしているわけですね。ずいぶん狭くて、もう、老人もいるということで、やり切れないのです、こういうような訴えを聞いたわけですね。その住宅は二Kなんです。しかし、おふろがついているというので、当時はたいへんぜいたくだと言われたそうですが、そういう人たちがいま二Kに住んでいるのですが、こういうような住宅ではちょっと住めないのですが、一体この二Kで、子供もいて老人もいるという、こういうところに住んでいる人は、何とかほかに移れるというような方法があるのでしょうか。
#29
○説明員(丸山良仁君) 確かに、先生のおっしゃるとおりでございまして、われわれは、そういう二Kに非常に大ぜい住んでおられるというような方を住宅難世帯と称しているわけでございます。したがいまして、この五カ年計画におきましては、そういう方々を解消するということが目的になっておるわけでございまして、まあ公営住宅につきましても、これから建てる住宅はなるべく規模の大きなものにする、あるいは老人室づきの住宅を建てたい、こういうふうなことを考えておるわけでございます。まあ、所得の低い方も入っておられますから、これは無理だと存じますが、公営住宅に最初から入っておられた方は相当所得も高くなっておられる方もございます。こういう方につきましては、本年度から公庫融資をもちまして、老人室づきの住宅という、まあこれはわずかでございますが、百七十万円までの融資をする、現在は九十五万円であったものでございますから、額は百七十万円でも低いわけでございますけれども、上げ方としては非常に思い切ってことしは上げたわけでございますが、そういうことで、老人対策とか、あるいは母子対策とか、あるいは身体障害者対策、こういうようなものをこれからの住宅政策において特に配慮を払いまして、きめこまかな政策をやっていきたい、そのように考えているわけでございます。
#30
○中沢伊登子君 そこで、もう時間が来てしまいましたので、公取の事務局長さんにはおいでいただいたのですが、ちょっと私質問する時間がもう切れてしまいましたので、またこの次にさしていただきます。
 いまの住宅問題をお聞きになっていていただいて、経企庁の長官にお尋ねするわけですが、日本の政治の課題はまことに多種多様でございますね、いろいろ問題がございます。どれをまっ先にして、どれを最重点にしたらいいかということがきめかねるほどでございますけれども、その中でも、住宅問題も非常に大きなウエートを占めているわけです。そこで、日本人は外国の人からきらわれるほど実によく働きますし、そしてまた働かせもしてまいりました。ところが、その肉体を休める、そしてあすの労働力を養う場としては、まことにいまの住宅問題はお粗末と言わなければなりません。平均的に見て、勤労者がいま自分の家を持つということは、よほど決断力のある人か、収入が一般の人より多いか、資産があるか、こういう人のほかは、なかなか持てるわけにはまいりません。で、最近は、持ち家を自分で建てるという人も何か鈍化してきた、こういう話を聞いておりますが、そこで、勢い、どうしても公営住宅とか公団住宅に殺到をして、賃貸の家を求めるわけですけれども、最近の物価高の中で、まことにその家賃というものは、まとまったお金を出しますね。そういったまとまったお金の出るのは、たいへんまあ勤労者にとってはつらいものです。
 そこで、家賃は収入に対してどの程度まで負担が可能であるとお考えになられるか、これが第一点。それから、また、近々家賃の値上げが行なわれる見通しでございますね、いまのお話のとおり。これについて企画庁はどのようにお考えになられますか。その二点の御答弁をいただいて、私の質問を終わらしていただきます。
#31
○国務大臣(木村俊夫君) 生計費の中で住宅費はどの程度が適当かというお尋ねでございます。これは、私は低いにこしたことはないと思います。まあしかし、常識的に考えまして、現在やはり一五%、まあ一八%以内が上限ではないか、こう考えます。しかしながら、いま御指摘のように、住居問題、住宅問題、これは、私、日本にとっては、わが国にとっては、これから最大の問題になると思います。まあ、着るもの、食べるもの、これは何とか、物価は上がっておりますけれども、まずまず、あるところまで来た。今後は、もう住宅問題だと思います。したがって、これからの政府の政策目標としては、住宅問題を最重点に取り組まなければならぬ。また、その前に、やはり土地問題というものを解決しなければ、根本的にこの住宅問題はおさまらないということからいいましても、国民福祉に転換する政治ということについては、もうそのところで大きな政治的決断が必要だと、こう私考えます。
#32
○田中寿美子君 経済企画庁長官、御承知だと思いますが、今度、食品衛生法の一部改正が行なわれまして、昨日参議院先議で社会労働委員会で可決して衆議院に送ったわけですが、長官の三月八日のごあいさつにもありますように、「消費者保護基本法の精神に従い、また、消費者行政に関する本委員会の決議を尊重して、法令・制度の改善、財政措置、行政運営の改善等を通じ、諸般の施策を進めて」いくと、こういうふうにおっしゃいましたですね。今度の食品衛生法改正案には、たくさん私ども附帯決議をつけました。まだあれでは不十分ですから、今回私たちが通しました食品衛生法は必ずしも満足であるわけじゃございません。私たちは、食品衛生法というのではなくて、統一的な食品法というのをずっと主張してまいりました。もう一つは、食品問題等懇談会の山田精一会長の懇談会の報告にもございますように、行政が縦割りであるということ、それからばらばら行政であるということが今日非常に食品問題の隘路になっているので、この点を考慮するようにということがありましたけれども、今度の改正ではそこまで至っておりません。それで、統一食品法を将来つくっていくということや、行政の一元化に向かっていくということについて、経企庁はこれは相当責任のある立場をとっていらっしゃるはずなんですけれども、長官の御意見を伺いたいと思います。
#33
○国務大臣(木村俊夫君) 私も、基本的には、食品法と申しますか、そういう統一的な法制、これは理想的だと思います。また、その方向に向かわなければならぬと思いますが、なおまだ検討すべき余地もございます。経企庁が中心になりまして、厚生省、農林省、あるいは公取等とよく連絡を保っていきたいと思います。また、行政の縦割り、食品行政の一元化と申しますか、これも私、基本的には賛成でございますが、これまた、いろいろいままでの行政機構のあり方等も関連いたしますので、これはなかなか困難も伴うことだと思います。基本的な方向としては私は賛成でございます。
#34
○田中寿美子君 賛成であるとおっしゃいましたけれども、それを実行するめどというものが必要だと思うのですね。先年消費者保護基本法を制定してから後の食品を取り巻いておる環境の汚染、それから、そういう環境の汚染から来る外側の環境の汚染と内部からの環境の汚染とで人間の食べるものというものは非常に危険な状況にある。こういう中でだんだん新しく食品が開発されていく。たとえば石油たん白のようなもの、石油化学、合成化学の発達とともに食品添加物が発達してしまって、あらゆる危険なものをはんらんさせたということは言えると思います。それから、あるいは食品の保存、殺菌、殺虫なんかのために、いろいろな方法が使われますね、薬品処理だけでなくて、放射能の照射をしたりする。それからまた、農薬の残留もずいぶん問題になってきておる。ですから、食品は、これまでにない重大な注意を払わなければならない段階に来ておると思うのです。ですから、行政をうんと強化していかなければならないと考えるのです。で、先年、四十四年でしたけれども、私ども社会党で食品規制法案というのを、案をつくりまして出したことがございますけれども、それをつくります過程でも、規制を目ざすのでなくて、食品を中心にした統一的な行政と法律がほしいと思ったのです。これは諸外国のような、せめて英、米、西ドイツくらいのところまで一歩進めてほしいと思って考えたわけでございますけれども、そのときに、各省に接触いたしまして、ずいぶんいろいろと御説明も受けたり、私たちの理想とするところを申し上げたりしたのですけれども、どうしても縦割り行政の意識が強くて、一歩進めてくださらない。そのときに、経済企画庁は調整の立場に立って、統一的な食品法に向かって、統一的な行政に向かって努力する立場をとっていらっしゃったと思うんですね。その考え方にお変わりはないかどうか。その後、その問題に関して、経企庁を中心にして、各省との調整がどのようなふうに進んでいるか、伺いたいのでございます。
#35
○国務大臣(木村俊夫君) 詳しいことは、また局長から補足いたしますが、その基本的方向に従いまして、毎月関係省の連絡会議を開催しております。そこで調整の役割りをしておりますが、私、この附帯決議の内容を拝見しますと、非常に示唆に富んだ項目が多いと思います。したがいまして、もうだんだん、そういう科学のほうが先に立ちまして、食品衛生のほうがおくれがちでございますから、まず、そういうものに先立つ一つの研究体制というもの、検査体制というものを、もっと技術的にも確立する必要があるかと思いますし、また、だんだん経済の国際化に従って、これが国際的に広がってくる。まあ、たとえば環境問題のごときは、これはもう、すでに地球管理というような考え方も広がって、もうストックホルムで環境会議が開かれるという時代ですから、こういう食品衛生につきましても、国連あたりが主になって、こういう食品衛生についての国際会議を開くぐらいにいくべきではないかと、こういう、まあ私自身の個人的な考えも持っておりますが、これは、もう少し、各省での連絡調整もさることながら、政府としても大きく取り上げて、国際会議まで持っていくような意気込みでやるべきテーマではないかと、こう考えております。
 詳しいことは、また局長からお話し申し上げます。
#36
○政府委員(宮崎仁君) いま大臣からお話がございましたが、私ども、関係各省連絡協議会を開いてやっております。中心的課題は、御承知のように、この問題はここ数年問題になってきたわけでございますが、どちらかと言うと、問題が起こってから、あとから処理をするという、まあ後手後手に回っておるというような事態が非常に多いわけでございます。こういうことではいかぬので、できるだけひとつ事前にいろいろの手を打てるようにということで、各種の基準等を積極的にきめていくというような作業に非常な重点を置いてやってきたわけでございます。食品衛生法の関係もございますし、それから農林省のJASであるとか、あるいは公取の公正競争規約というような形で、それぞれの分野ごとにできるだけ早く全体にわたる網を張ってもらおうということを進めてまいりまして、かなりそういう点では進んできたと思っております。しかしながら、新しい問題が次から次へとまた起こっておりますので、まだその点では、とても十分というわけにはまいらないというのが実態でございます。
 で、さらに、行政権限を一元化するかどうかという問題については、なかなか、こういう連絡協議会というような場では、実はやりにくいわけでございます。別途、私どもの中で、こういう問題についての検討は進めておりますけれども、現段階では、ともかくそれぞれ各省いろいろの機構を持っておるわけでございまして、特に厚生省等は地方に膨大な機構を持っているわけでありますから、これを一挙にどこかの省に統一するというようなことでは混乱も起こるだろうということも予想されるわけでありまして、いまのように、おくれた事態をとにかく早く解決していくということにむしろ重点を置いて、いままでやってまいったわけでございます。もちろん、基本的には、御指摘のような方向に進めなければならないということはみんな考えておるわけでございまして、これから後の研究課題として、さらにそういった点を進めてまいりたいと考えております。
#37
○田中寿美子君 大臣が、食品衛生についての国際会議ぐらい開いてもいいはずだとおっしゃいましたが、ぜひそのくらいの意気込みを持っていただきたいと思います。
 この際、ちょっと私、社労でいろいろ議論申し上げましたことから意見を申し上げたいんですけれども、食品衛生という観念から一歩進んでいただきたい。つまり、食品の安全を守るというだけでなくて、一歩進んで、食品というものは人間の健康をさらに増進させていかなければならないという立場から、いつも危害を防止することのほうが先に立ちますけれども、それだけでなくて、食品というのはさらに栄養を高めていくというような観点をぜひ入れていきませんと、食品行政の一本化の方向に向かっての理想というものがたいへん薄れていくような気がいたしますので、その点をぜひ考えてみていただきたいと思います。
 それから、経済企画庁は、調査の立場ばかりでなくて、ぜひイニシアチブをとっていただきたい。たとえば農林省は、農政局を廃止した形で流通局をつくり、あれが消費者の立場に立つ行政のあり方に変えられるんだろうと私は期待しておりますけれども、厚生省の中にも、やはりたとえば、公衆衛生局の中に栄養改善課があるわけなんですが、私どもの主張しているような考え方からまいりますと、いまの食品衛生関係のところと栄養とが一緒になって食品行政になっていかなければならないと思うのですね。それは、消費者保護基本法ができたときの附帯決議にも載っておりまするし、今回の食品衛生法の改正案に対する附帯決議にも、そういうような意味を載せてあるわけなんです。省内でもいま人員がワクづけされておりますときに、大きな一つの行政機関をつくれというようなことを私は言うわけではございませんで、現状に対応するような各省の内部の改善をしていかなければならないだろうし、そういうものを集めて、人間が食べる食品というものを中心にした一つの行政、それからそういう法律、こういうふうに考えていただきたいのですが、経企庁長官、ぜひこれについては意欲をもって進めていただきたいと思いますが、重ねてどうぞお願いします。
#38
○国務大臣(木村俊夫君) その御趣旨には全く私も賛成でございます。環境問題でも、公害の防止という消極面でなしに、これが自然の保護から、むしろ環境の改善というところまでいかなきゃならぬということと同じように、食品衛生の問題についても、いま御指摘のような態度が必要かと思います。これは一経済企画庁ではなかなかできませんが、政府全体の姿勢の中に取り入れていきたいと、こう考えます。
#39
○田中寿美子君 それは、ぜひ長官の時代に一歩進めていただきたいと思います。
 で、現在の食品行政の弱さといいますか、たいへんいままではウエートのつけ方が十分じゃない、そういうことについては、もうみんなの委員が社労では申しまして、ほとんど全員が申しましたので、その内容についてはここでは繰り返しませんけれども、たとえば国立衛生試験所の毒性部の人員です。これは十一人ですね。それで、三百四十品目もある食品添加物の中から、現在検査している品目は二十五品目ある。それから、そのほか、金属物質が入ってくる、あるいは残留農薬の許容基準をつくらなければならぬとか、新しいいろいろなものが出てくるわけでございますね。
 それで、私、これは厚生省の方にお伺いしたいのですけれども、十一人の国立衛生試験所の毒性部の人で、一体一人の受け持ちが何品目で、そうして一品目について実験結果を得るのにどのくらいかかるかということですね、こういうこと。それから、たいへん臨時職員を使っていらっしゃるわけですね、ですから、そういう人数はどんなものなのかということをお伺いしたいと思います。
#40
○政府委員(信澤清君) 一体一つの品目にどれだけ時間がかかるか、あるいはどれくらい受け持っているかということにつきましては、試験の内容なり何なりによって違うと思いますが、最小限度、慢性毒性一つをやるにつきましても、二年間の期間は必要でございます。したがいまして、ただいま仰せのような人員では、なかなか思うように事が運ばないということは御指摘のとおりでございます。
#41
○田中寿美子君 まあ、詳しく伺っている時間もなさそうですから……。
 私、いろいろと伺ってみて、いま非常な無理をしておる。先日、参考人に食品衛生監視員のことについてお伺いしたときに、市場に出回っておりますところの食品の監視員のほうですね、これなんかも、いま五千五百人いるんですけれども、せめて一万人はほしいといわれる。しかし、それは非常に少ない数を言って一万人であって、それでない、いろいろの設備が必要なわけですね。で、長官は、このような実情で日々汚染されていく食品の安全性を守り、さらに健全性といいますかね、アメリカでは健全性と言っているんですが、これを守っていく、そういう食品行政を行政していらっしゃる立場から、まあ物価対策特別委員会というのは、物価の価格のほうの問題も非常に大事ですけれども、価格を押えて、価格を引き上げないようにするだけではなくて、品質をどんどん悪くしていくという問題は重大な問題ですけれども、そういう点から、こういう行政に必要な陣容やら設備の確保について少し御所見を伺わしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#42
○国務大臣(木村俊夫君) 私も聞きましたところ、どうも二万人に一人ということで、まあ英国が五千人に一人ということだそうですが、たいへんなおくれだと思います。そういう意味で、まず人員を確保しなければなりませんが、私、よくわかりませんけれども、厚生省のほうから御説明があるかと思いますが、やはり待遇が少し悪いのではないかという気もいたします。また、ある一定の資格が必要だと思いますが、その人的供給源といいますか、たとえば薬科大学あるいは薬学専門学校を出て、という資格の者がなかなかそのほうに向かわない。これは、わが国のいま置かれているいろんなむずかしい点がその部門にもあらわれておると思いますが、そういうような要員の確保が一体どうしたらこれから可能かと申しますと、やはりこれは地方公共団体にやってもらうことですから、もっと交付税を多くするような財政的措置は当然これはとらなければならないと思います。私もあまりそのほうにはうとかったのですが、いまいろいろ社労のこの決議を拝見しまして、政府としても、もっとその方向に力を入れなければならないという感じを強くしております。
#43
○政府委員(信澤清君) ただいま長官から申し上げたとおりでございます。
#44
○田中寿美子君 いま、地方の地方交付税をできるだけもっとというようなお話がありました。で、実際にその食品衛生監視員を引き受けるのは各地方でございますが、たとえば、これは東京都の例なんですが、東京の食品衛生監視員の法定監視回数ですね、これは四十六年度で二百二十九万三千八百二十三回、ところが、実際の監視回数というのは五十万千四百十四件、四分の一しか回れない、食品監視員が。いまごろのように繁雑になってきて、こういう状況で、食品の汚染の状況や、それから食品の保存の状況なんか――今度、改正法案によりますと、施設、営業状況まで監視しなければならないわけなんですね。また、そうしてもらわないと、ほんとうに食品の衛生は保たれない。それで、機動力もないわけですね。外国ですと、一人一台の自動車を持って監視に回っているわけです。監視員一人の受け持ち数は、多いところで千五百軒、少ないところで五百軒、平均七百軒持っている。そこで、たとえばおすし屋さんは年に四回見回って監視しなければならないわけですけれども、一回しか回れない。その一回も回られていないわけですね。それから、その他の食べもの屋も四年に一回回ってくる程度だというのが地方でもみんな言われている。こういう状況ではとても食品の監視ができないということなんでございますが、食品監視員については、どうしても人員をふやすことと、それからその機動化、科学化と申しますか、そういうことに相当の予算が必要だと思いますね。その点については、私、社労のほうで十分お尋ねできなかったので、厚生省の御要望をこの際おっしゃっていただきたいと思います。
#45
○政府委員(信澤清君) 監視の状況が、現状につきましては、ただいま先生御指摘のような状態でございます。で、私どもといたしましては、少なくとも法定回数の監視ができるような最小限度の人員は確保いたしたいと、こういうことを考えておるわけでございまして、その点の問題解決のためには、長官から先ほどお話ございましたような点について、十分厚生省自身が自分の力でそういう状態ができるように努力すべきだと考えております。なお、経企庁その他からもいろいろ御協力をいただきたい、このように考えております。
#46
○田中寿美子君 それで、その監視の際にいろいろの問題があるわけなんで、これは厚生省だけの管轄にはならないと思いますが、保健所に食品監視員というものは一人ずつぐらい駐在しているわけですね。これは、保健所の職員の保健医療関係とか、そういうものと違う人としてそこにいるわけなのでね、ぽつんとおって、その縦横の連携が必ずしもうまくないというふうに思うのですね。そういう点が一つと、それから、たとえば冷凍食品なんですが、今度は運搬中の状況も、これ、規制するということになっております。冷凍食品というものは、一体、マイナス十五度以下に保存しておかなければいけないはずなんですが、それだけのことがほとんどすべての食品でできるかどうか。中小企業の問題もありますけれどもね。その辺は各省が協力しなければいけないわけなんですね。このあたり、長官、何かいいお考えはないですか。これは現実にやっていて非常に抜け穴だらけなんですね。食品の規格だって、ちゃんとしていないものですから、どこに当てはめていくか。それから点数なんか、百点なら満点であって、五十点以下は落第というような非常に荒っぽい監視しかできていないわけです。この辺は一番大事なところだと思うのですが、いかがですか。
#47
○政府委員(信澤清君) 長官からお答え申し上げます前に、私から申し上げますが、まず最初の問題まあ保健所に一人というお話でございますが、私どもの調査では、平均しまして大体五人ぐらいいるかっこうになっております。ただし、いろいろ連携上問題がありますことは御指摘のとおりでございます。なお、現在監視の状態を見ておりますと、営業の施設あるいは営業の状態等の監視に重点が置かれているようでございまして、個々の品目について詳しく調べるというところになかなか手が及ばない、その他、冷凍食品等について、いまお話しのような状態が生じておることも十分承知をいたしております。したがって、今回まあ法律改正をお願いいたしたわけでございますが、今後は、営業者自身にきちっとした衛生的な条件を守っていただき、少し物自体について監視の手を広げたい。それも現状で満足しているわけじゃございませんで、先ほど来御答弁申し上げ七おりますように、さらに体制を強化した上で万全を期してまいりたい、こういうふうに考えております。
#48
○田中寿美子君 たとえば肉屋なんかですね、ひき肉をひいて、そのあとの始末なんか、これは業者自身が十分な衛生的な思想を持っていなければいけないし、業者の責任もあると思うのですけれども、これはある肉屋さんから私は手紙をもらったのですけれどもね。そういう機械を入れた機械業者がアフターケアするような方法をやってもらえないだろうかというようなことも言っているわけですね。ですから、中小企業に対して振興の貸し付け資金を使って食品衛生関係の施設の改善にお金が使われるようになっていますね。こういう方面をもっともっと強化して総合的にやっていかないと、食品行政というものはできないと思いますが、その辺をどうお考えになっていますか。
#49
○政府委員(信澤清君) 御指摘のような点がございます。そこで、私どもは、中小企業の一般的な金融機関とは別に、環境衛生金融公庫というものをつくっていただいているわけでございます。したがいまして、この公庫をフルに活用いたしまして、いま御指摘のような点にこたえていきたい、このように考えております。
#50
○田中寿美子君 たいへん、どれもこれもすらすらと答えられますけれども、現実はもうそんなんじゃないんで、一体どうやって、これだけきめたことをなさるかと思って、こっちが心配しているわけなんです。それはお互いに大事なことですね。そういう、ほんとうにそれができるような体制づくりを、ぜひ、特にこれは――消費者保護会議の一番頂点には総理大臣がいらっしゃるわけでございましょう。で、経企庁長官はそのまた主管の長官でいらっしゃいますから、そういう立場から十分総合的に考えていただく、そのことによって、この行政も次第次第に総合的に行なわれる方向に向かって努力をしていただきたいと思うんですが、それは要望だけにしておきます。
 次に、食品の表示のことなんですが、消費者保護会議の決定に基づいて、今回食品の表示制度の改善、それから広告の規制をしております。食品問題等懇談会の報告の中にも、日本の表示制度は、外国に比べて一番おくれているということを言っている。非常に品物が豊富になってきて、消費者が選択する自由というか、選択の権利というか、これを守るためには、表示をきちんとしなければいけない。「食品表示の統一的目的に資するよう」というようなことが書いてあるんですね。これも実は、表示に関して食品では厚生省が表示の規定を持っております。それから表示に関しては公正取引委員会が共同責任を持つと。それからJAS法の改正で、農林物資の中に食品の表示が入ってまいりました。これらが統一的に行なわれるということが必要なんですが、どうも食品の表示に関して、やはりばらばらなところがあるように思うんですが、この辺をどのように、まず経企庁のほうではお考えになっておりますか。
#51
○政府委員(宮崎仁君) 確かに、現行の規定では、いまおあげになりましたような形で食品の表示の問題が扱われておるわけでございます。もちろん、これはそれぞれごとに十分効果を発揮しておると私は考えておりますけれども、先ほども申し上げましたように、まだ未整備の面がだいぶあるということで、早くこれを整備しなきゃならぬというので急いでいたというのがいままでの実態でございます。中には、たとえば厚生省のほうでの表示、あるいは農林省のJAS法による表示と、公正取引委員会のほうでの公正取引規約でございますか、そういったものとの間で調整が必要になるというような場合も若干はございます。そういう際には、先ほど申しました連絡協議会の場におきまして矛盾のないようにしていくことで運用をいたしておりますが、将来の問題といたしますと、こういった点をもう少しスムーズにやれるように考えていかなければならないということもございましょうし、さらに、先ほどお話がございましたような食品法というような問題が将来統一的にできることになりますれば、表示の問題等もあわせて統一化していくということを考えていくべきであると思っております。ただ、現在の段階では、若干いきさつもございますし、それぞれの機構もございますから、いきなりこれを一元化するということには無理がございます。むしろ、いまそれぞれ得意の分野をやっておるわけでございますから、これをもっと進めていくということが最大の急務ではないか。別途、OECDあたりにおきまして国際的な食品規格の問題が現在進んできております。まあ、こういうこともございまして、われわれといたしましても、そういった世界的な動き等も十分考えに入れながら今後この問題に取り組んでいきたいと思っておるわけでございます。
#52
○田中寿美子君 まあ現状、いろいろまだまだあるのですけれども、表示の基準として、どういうことが望ましいかということですね、これを伺いたいのですが、表示の基準として現在何を基準にしているかということと、それから、どういうものが望ましいか。これは、それぞれ厚生省、農林省、違うかもしれません。まあ公取は、中身と外の違いが一番重要かと思いますが、その辺をどうぞ。
#53
○政府委員(信澤清君) まあ、必ずしも厚生省独自でということではないかもしれませんが、私ども、表示の問題につきましては、やはりきちっと食品の内容が一般の消費者の方々にわかる、これが第一の前提であろうというふうに考えております。そのほか、食品を扱う上での注意事項、あるいは食品の内容について具体的にその原材料を明示するとか、あるいは製造業者の名前を書かせるとか、つまりその食品について責任を負う立場の者を明確にするとか、こういったようなことを中心に現在私どもは表示の問題を検討いたしておるわけでございまして、実際表示事項としてきめておりますものも、いま申し上げたような考え方のもとに規定の整備をいたしておるわけでございます。
#54
○説明員(下浦静平君) 農林省の企業流通部長でございます。
 農林省といたしましては、先ほどお話がございました一昨年五月の法律改正に基づきまして、ただいま鋭意表示の関係の事務を進めておるわけでございますが、私どもといたしましては、やはり積極的に情報を提供をいたしてまいるということを基本的なラインとするというぐあいに考えております。したがいまして、原材料に何を使ったか、あるいは内容量がどうであったか、あるいは製造年月日の表示とかというようなことに重点を置いて考えてまいりたいと、こう考えておるわけでございますが、先ほど国民生活局長からもお話がございましたWHO並びにFAOの関係の国際食品規格でございます、まあこれらの国際的な動き等もございますので、これらも念頭に置きながら進めてまいりたいと、こう考えておる次第でございます。
#55
○政府委員(吉田文剛君) 公正取引委員会の立場でございますが、これは、申し上げるまでもなく、不当景品類及び不当表示防止法に基づきまして行なっているわけでございます。この法律の目的は、不当な顧客の誘引を防止して、公正な競争声確保し、もつて一般消費者の利益を確保するというのが目的でございまして、やはり重点は、一般消費者の利益、いわゆる消費者の商品の選択を確保してあげるというのが目的でございます。この目的から、四条一号、二号、三号という規定がございまして、内容について実際のものよりも著しく優良である、あるいは価格その他の取引条件について、実際のものよりも著しく優良であるというふうな消費者を誤認させる表示を規制しているわけでございます。それで、もちろん、法律の目的はそういうことでございますけれども、JAS法その他の各省の所管の法律、それの規格と矛盾が生じないように十分に意見の調整連絡をいたしまして、ばらばらにならないようにということは、かねがね私ども心がけているところでございます。
#56
○田中寿美子君 まあ、いま、それぞれ表示の基準とすべきものについての御説明がございましたけれども、今度の改正法のところでは、「容器包装に関する表示」というので、「関する」ということばが入ったのと、「標示」というのが「表示」に変わったのでございますね。それで、政令でどれだけのことを基準にされているのかということなんですが、いま原材料ということは皆さんおっしゃった。それから製造年月日、製造業者の名前を表示するということは言われておりますけれども、食品添加物が非常に多いわけです。食品添加物はぜひ入れるべきではないかと思う。それから、保存の期間、保存の方法とか、そういうことも必要なんじゃないかという気がするんです。たとえば、原材料の場合は、これは公取の公正競争規約のほうで、原材料を量の多い順に記載をするということになっておりますが、私がそういうことが食品衛生法でも非常に必要じゃないかと思うのは、たとえばハムというのは、このごろハムの肉の中に十種類ぐらい違った肉を入れていることがあるということを聞かされております。その辺、原材料を量の多い順に入れること、それから食品添加物は一体何が入っているか、着色料、人工甘味料、合成保存料、それから製造年月日、保存の方法、保存の期間、そのほか取り扱いの注意、これぐらいのことは絶対必要だと思うんですが、いかがですか。
#57
○政府委員(信澤清君) 若干簡単に御説明し過ぎたきらいがありますので、こまかく申し上げたいと思います。
 今回法律改正をお願いいたしたわけでございますが、したがって、改正の趣旨に沿うような形で、現在きめております表示事項についても改善をいたしたい、これについては各省と十分御相談をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございますが、現在でも、私どもは、たとえば食品の名称、それから製造者の氏名、所在地、それからお話しになりましたような合成甘味料あるいは合成着色料、合成保存料、こういった添加物を使用しております場合には、それを使用した旨を表示さしております。
 それから、かん詰めとか、あるいはハム、ソーセージというようなものにつきましては、使っております材料について、ただいまお話がございましたように、使用量の多い順から記載するということは、実は現在でもやっておるわけでございます。そのほか、製造年月日も記載させているわけでございますが、お話のような点につきましては、たとえば原材料の記載については、さらにその範囲を広げるとか、あるいは場合によっては分量を記載させるとかというようなことまで含めまして検討してまいりたい、このように考えております。
#58
○田中寿美子君 原材料の多い順に書くということ、これはやはりたいへんめんどうくさくなるわけですが、原料も食品添加物も、きちんと、何がどのくらい――消費者はそれを全部読むと限らないと私は思うんですけれども、製造する業者にはそれが相当の力になりますね、一種の強制力というか。そういうことになれば、あまりいいかげんなものを入れないということになる。そういう意味で表示の基準について、もっと研究していただきたいと思うんです。
 それで、今度、虚偽の表示の禁止というところでございますね。もちろん、うそつき食品というのはたいへん問題になりましたね。例の牛かんの問題で、たいへん問題になりまして、ああいうのは困るんですけれども、やはり私は、人を惑わすような表示というのはこれはいけない、禁止すべきだと私は思うんですけれども、この辺、いかがですか。
#59
○政府委員(信澤清君) たまたま今回御提案しております食品衛生法に関連してのお尋ねだと思いますので私から申し上げますが、虚偽の表示は実は現行法でも禁止しているわけでございまして、現行法の条文で申しますと、「虚偽の標示その他の標示」というふうに、ややばく然といたしておりますが、今回「虚偽の又は誇大な表示」というように改正をお願いいたしたわけでございます。お話のように、人を惑わすということを、もっとはっきり書くべきであろうという意見もございましたが、御承知のように、消費者保護基本法の、たしか十条でございますか、虚偽又は誇大な表示等についての規制を整備するというような趣旨の――条文は間違っておるかもしれませんが、そういうような表現もあったようでございますので、やはり基本的な法律に「虚偽又は誇大な」ということまでございますので、「誇大な」ということばの中に先生御指摘のようなものも当然読めるはずだ、こういうふうに考えておるわけでございます。
#60
○田中寿美子君 ちゃんと実施法の中で私は入れてもらいたいと思いますのは、たとえばハチみつなんですが、「純粋はちみつ」と表示してあるのがよくあるのです。これは「公正取引協議会員之証」ということで、「公正取引」というマークが非常に大きな字で出ていて、それで「純粋はちみつ」とある。「純粋」の「純」ということば、それから「純生」というのもありますけれども、「純生」、あれはどういうことになりますか。「純生」が純粋の「生」なら、生ビールでないものもあるんじゃないかというようなことも感じるのです。それから牛乳で、天然牛乳とか、あるいは自然食品というようなことを言いますね。それがはたして妥当なのかどうか、ちょっとまぎらわしい。
 それから、さっきのハチみつの場合、美容食というふうに書いてあることがある。ほかの大事なことがなくて、「公正取引」というような大きなマークや、美容食というようなことが書かれる。こういうようなのは、ひっかからないということになりますか。有名デパートでお買い求めください、健康食品であり、美容食品である、こういう言い方はどうですか。
#61
○政府委員(信澤清君) 具体的な例をおあげになりましたような事項が、はたして今回私どもが考えております「誇大な表示」に当たるかどうか、なおもう少し実態について研究さしていただいた上で御答弁申し上げたいと思います。
 なお、たまたまハチみつの例が出ましたが、私どもは、表示の問題と、さらに品質の問題と、両面から内容を明確にすべきであろう、このように考えているわけでございます。つまり、およそハチみつと称する以上、少なくとも純度はこれ以上とかというようなことをまず規格としてきめてしまう、そういうものがなければハチみつと称してはいけない、こういたしますれば、先生いま御指摘のような問題はかなり解決するのではなかろうか、このように考えております。
#62
○政府委員(吉田文剛君) 先生御質問のハチみつの場合、「はちみつ類の表示に関する公正競争規約」の第四条一項一号でございますか、に「純粋等」ということで、「はちみつに「純粋」、「天然」、「生」、「完熟」、「ピュアー」「Pure」その他これらと類似の意味内容を表わす文元を表示しようとする場合には、「純粋」又は「Pure」という文言に統一して行なわなければならない。」という規定がございます。したがって、ハチみつの成分規格にぴったり合ったものでございますれば、「純粋」という名前は使ってよい。その規格に合わないものにそれを使ったら、これは不当表示のおそれが出てまいります。合っていればかまわないというふうなたてまえから規約ができているわけでございます。ただ、「公正取引」というマークをつけて、しかも「純粋」――まあ、それがほんとうに規格どおりのものであって純粋であればよろしいわけでございますが、そうでないものに使えば不当表示のおそれが出てくるというふうに考えております。
#63
○田中寿美子君 「純生」はどうですか。
#64
○政府委員(吉田文剛君) 「純生」については十分に検討しきっておりませんので――これは、以前、問題になるのじゃないかということで一時検討はいたしておりますけれども、まだ結論的なものは出ておりません。「純生」というものが一体どういう意味であるのか。あるいは「本生」ということばもございまして、どうも誤認をさせるおそれがあるのじゃないか、これは私個人の考えでございますが、それが不当表示になるかどうかという点までは、まだ結論が出ておりません。
#65
○田中寿美子君 天然牛乳は。
#66
○政府委員(吉田文剛君) 天然牛乳につきましても、牛乳の規約では、いまちょっとすぐには見つかりませんけれども、「天然」というのも、牛乳につきましては、おそらくちょっと誤認を与えるおそれがあるのじゃないかというふうに考えておりますが、公正取引委員会としてそれが不当表示のおそれがあるというふうな結論はまだ出ておりません。私個人としては、天然ということばは、牛乳については、ちょっと、牛の乳をそのまま、しぼったままをすぐ持ってきて販売されているんだという印象を与えるから、どうかなという感じがいたしますけれども、公正取引委員会として不当表示のおそれありという結論は、まだ出してないというふうに考えております。
#67
○田中寿美子君 つまり、やたらに自然食品だとか天然食品だとか純粋だとかということばを使うことによって、ほんとうは中身はどうかわからないものを、人を惑わして、消費者の選択を誤らせるということがあると思いますので、これ、一言ったわけで、これは消費者のほうからきちんと訴え出るかなにかしなければ、公取としても、それを消費者に誤認させるおそれある表示というものの指定というのはできないわけですね。そうですか。そちらのほうからやるということはないわけですか。
#68
○政府委員(吉田文剛君) ただいまおっしゃいました四条三号の指定ということでございますが、四条の不当表示の一号、これは、先ほども申し上げましたけれども、商品あるいは役務の品質、規格その他の内容について、実際のものあるいは競争業者のものよりも著しく優良であると一般消費者を誤認させる、こういうふうに書いてございます。それから第二号は、商品または役務の価格その他の取引条件について、実際のものあるいは競争事業者のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者を誤認させる表示というのがございまして、四条の三号と申しますのは、以上申し上げましたもののほかで、商品、役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれのある表示に、著しく有利とか優良とかということでなくて、誤認されるおそれのある表示であって、公取が指定をするものということでございまして、この点、昭和三十七年に景品表示法ができましてから四条三号の指定は行なっておりません。と申しますのは、いま申し上げました一号、二号、これでもって大体規制ができるわけでございまして、大部分規制をしてまいりました。そのほかに、公正競争規約というもので表示の義務づけを命じております、誤認のおそれのあるものにつきましては。したがって、いままで四条三号の指定はしてきておりませんけれども、ただ、現在、これはやはり現段階においては指定をする必要があるものがあるんじゃないかということで検討はいたしております。ですから、具体的なものについて、ただいま検討中でございますので、その結果いかんによっては、近く指定をいたしたいというふうに考えております。
#69
○田中寿美子君 それじゃ、もう時間が来てしまいましたので、あと、JASのほうに、もう少し入りたいと思いましたけれども、たいへん失礼しました。
 それで、これ、厚生省の方も御存じだと思いますが、私もきのう質問しようと思って、うちの台所のものを片っ端から出してみて、もうほんとうに、製造食品ですね、箱のものなんかでも、年月日がない、原材料がない、保存方法もちろんない、合成着色料使用と書いてあるだけで、そしてその重さも、NET一〇二グラム――これはカレーですけれども、製造元と製造者の名だけしかないという、そして大きなスペースに、きれいな絵が入っていて、そしてお料理のしかたが書いてある、こういうふうなものがざらにあるんですね。これに驚いてしまいまして、これは、ある意味では、表示というものを、こんなに食品がはんらんするときに、きちんとさせる行政というものは、もっとやっぱり強化していただかなければならない。それで、さっきから申しておりますように、表示もできるだけ統一して、その表示の基準もきめていっていただくという方向にいっていただきたい。最後に長官のお話を伺いまして、きょうは、たいへんJAS関係の方においでいただいたかと思いますが、次に譲らせていただきたいと思います。失礼いたしました。
#70
○国務大臣(木村俊夫君) 私も、いささか不勉強で、きょうたいへんいろいろお話を承って、もう少しきめこまかい消費者行政を徹底しなければならぬということを痛感したわけでございますが、いずれにいたしましても、やはり政府のやり方が、予算の裏づけがなければならぬ。そういう意味で、今後国民福祉に大きく転換する上において、資源配分上大きく私たちは、ある決意を持って考えざるを得ないという感を強くしたわけでございます。
#71
○柏原ヤス君 この四月に消費者米価の物統令の適用が廃止されましたが、廃止された後に米の小売り販売価格が値上がりしたのか、しなかったのか、上がったのか下がったのか、変わらないのか、この実態をお聞かせいただきたいと思います。
#72
○国務大臣(木村俊夫君) 詳しいことは食糧庁からお答えいたしますが、私も実は物統令適用廃止についてはたいへん重大な関心を持っておりますし、また責任も感じておりますので、食糧庁から逐一報告を受けておりますが、どうも第一週、第二週の調査によりますと、米価について平静といいますか、安定した水準を保っておる、こう聞いております。
#73
○説明員(森整治君) ただいま長官からお答えがありましたとおりでございますが、もう少し具体的に申し上げますと、四月以降小売り屋さんが販売をしておりますお米、精米につきまして、上、中、下と分けまして毎週一回調査をするということで始めております。すでに二週目の調査を終わっておりますが、四月以前の三月にも事前調査をしております。それと比べてみますと、全国平均でも、六大府県の平均でも、むしろ若干下がったような数字が出ておりまして、そこで下がったとかというようなことは申しませんが、一応消費者米価というのは安定した水準で推移をしておるのではないかという、そういう判断をしているわけでございます。
#74
○柏原ヤス君 統計局でも調査をされていらっしゃると思いますが、米の値段は三月と比べて四月はどのようになっておりますでしょうか。
#75
○政府委員(関戸嘉明君) 私のほうでも、小売り物価統計調査におきまして米を実は調査しておりますが、先生御承知のとおり、三月まではいわゆる統制価格でございましたので、その以外の自主流通米でありますとか、あるいは非配給という形で銘柄をとりまして調査いたしておりますが、この四月から、いま問題になっておりますように物統令適用が廃止になりまして、米の値段がどういうふうになるかということにつきましては、私ども小売り物価統計調査でも非常に関心を持って調査いたしておるのでございますが、調査時点から現在までにおきまして、どういう銘柄で出回るのか、どういう地方にどういう品物が出るのか、米屋さんがどういう――従来の米屋さん以外に、配給機構として、デパートでありますとか、あるいはスーパーでありますとか、いろんな人が指定業者になり得るわけでございますが、そういう機関がどれぐらいになって、どういう形でどういうふうに売るか、そういったことが全くわかりませんので、私どものほうといたしましては、そういう状況の、いわゆる出回り状況調査というものを、まず四月にはやっております。したがいまして、米の値段というものはどこにとったらいいかということによります小売り物価統計調査の米の価格というのは、いまのところ、なかなか出にくいわけでありますが、事実問題といたしまして、四月に各米屋さんの店頭で売りました米の銘柄と価格、数量等を全部報告をしてもらうという形でとっております。それが代表的にどういうものを米の値段だというふうにきめていいかということにつきましては、いろいろ慎重に検討しなければいけない、こう考えております。
 調査時点が、十二日を含みます火、水、木というような日にちになっておりますので、統計局にその調査票が集まってまいりますのがごく最近でございまして、ただいまそういう意味におきまして非常にたくさんの価格票が集まってきておる段階でございまして、いま集計の途中であるということでございますので、いま米の値段が四月に幾らになったかという数値は手元にないわけでございます。近く一と申しますのは、毎月物価指数のほうを二十八日、大体月末の金曜日ということで公表をずっとしてきておりますので、統計調査の結果の公表というものを、ある事情によりまして延ばしたり早めたりということは、はなはだ利用者に対しまして迷惑を及ぼしますので、私ども、大体一定の時期には発表するというたてまえで従来ともやってまいりましたので、今回も、作業量が非常に多くなっておりますが、鋭意、二十八日に発表できるように努力しておるというのが現状でございます。
#76
○柏原ヤス君 いま統計局の方にいろいろ詳しいお話を承ったのですが、ちょっと聞き落としたというか、もう一回はっきりさしていただきたいのですが、米の値段をどういう基準で調べていらっしゃるかということを、ちょっと教えていただきたいと思います。銘柄と。
#77
○政府委員(関戸嘉明君) 実は、従来は、先生御承知のように、配給米、非配給、自主流通米というような、まあ徳用米もございますけれども、そういう銘柄をきめまして調査ができたのでございますが、今回は、どういう形で米屋さんが売られるか、いろいろな種類が出ると思います。ササニシキでありますとか、いろいろ銘柄をつけたり、あるいはゴールド米といって売ったり、その中がどういう形になっておるかということは、いろいろ食糧庁で基準をおきめになると思いますが、そういう形で店頭に出ますので、私どもが調査員にどういう銘柄の米を調べてくれというのをきめるのに、まだきめかねておるというのが現状だということを先ほど申し上げたわけであります。近く、と申しますか、実際いま上米、中米と申しますか、上中下三段階でということを森総務部長のほうからお話がございましたが、そういうように小売り店で上中下という形で売られるようになりますれば、私どものほうで小売り物価統計調査としての米を今度どれをとればいいかということは非常に簡単になってくるわけでありますが、だんだんそういう方向に落ちつくであろうということは考えておりますが、まだ四月段階では全くわかりませんので、店頭で売っておりました各銘柄の米を全部一応調べてくれという形でいま報告を求めておるというのが現段階でございます。
#78
○柏原ヤス君 そこで、先ほど食糧庁の方にお伺いしましたらば、調査をやったら大体下がっているというようなお話でございましたね。その下がっているというのは、ここに私もいただいておるのですが、米穀の小売り販売価格調査結果表、これを毎週一回ずつやっている。三月にもやった。四月になって一回やり、二回やった。これを見て、そしてそれを比較して下がったと、こういうふうにおっしゃるのでしょうか。
#79
○説明員(森整治君) そのとおりでございます。
#80
○柏原ヤス君 それでは、小売り販売価格調査結果表というものについていろいろとお聞きしたいと思います。
 いままで自主流通米、自由米という区分をして調査をしておりましたが、今度四月からこのように上中下と区分した理由はどこにあるんでしょうか。
#81
○説明員(森整治君) 従来、自主流通米と政府の配給米というふうに分けておりましたけれども、政府の配給管理米につきまして物統令の適用を廃止いたしますに伴いまして、結局、自主流通米と政府管理米の区別がなくなってきたわけでございます、四月以降。そこで、自主流通米という実際の同じお米はあるわけでございますけれども、そういう名称を制度的にとるということがなくなったという結果、むしろ、自主流通米の調査というのを廃止したわけでございます。そこで、結局、お米は幾らで売ってもよろしいということになるわけでございますが、先ほど総理府のほうからお答えがございましたように、何を基準に価格調査を行なうかというのが非常にむずかしいわけであります。従来も、そういう意味では、自主流通米と政府管理米につきましては政府管理米ということで、いわゆる配給米ということでいろいろ価格の実態が調査されておったわけでございます。したがいまして、どういう基準で価格調査を行なうかということがいろいろ議論がございました。議論がございましたけれども、結局、どうもやはり価格を三段階くらいに分けて、それがどういう動きをしているかということを、むしろ毎週横に、こう、ながめて、絶対水準がどうかということよりも、われわれの行政目的としては、そのお米屋さんは変わりませんから、お米屋さんから買っているその調査の報告がどういうふうに動いていくだろうか、そういう意味の調査としまして、価格調査をいまのように上中下といいますか、並みといいますか、というふうに分けて、もちろん徳用米なんかは別でございますが、そういう形で調査を実施をしているわけでございます。
#82
○柏原ヤス君 この上というものは何なのか、また、中というのは何なのか、これは説明していただけませんか。
#83
○説明員(森整治君) ここで申しております上というのは、お米屋さんで売っております一番高いお米を御報告願いたい、それから中庸の価格で売っているものであれば、それを御報告願いたい、一番安いお米、徳用米を除きまして、安いお米を御報告願いたいということでございます。したがいまして、一番てっぺんと下とまん中と、非常に大ざっぱな話でございますけれども、そういう観念で調査報告を求めているということでございます。
#84
○柏原ヤス君 そうしますと、この価格調査結果表というものは、ただ一般のお米屋さん、一般という――二千軒を対象にしたわけですね。二千軒の米屋を対象にして、上はこのくらいだ、中はこのくらいだ、下はこのくらいだということを、ばく然と報告させて、そしてまとめたものですね。
#85
○説明員(森整治君) ばく然とと言われると困るのでございますが、こういうふうに御理解をいただきたいのです。たとえば東京の例で、東京のお米屋さんで、毎週のある日、そのスポットで一番高く売っているお米が幾らであったか、その次の週でまたスポットで一番高いお米を売っておったかという調査をしている。下も中庸もそうですけれども、そういうふうに御理解をいただきたいのでございます。
#86
○柏原ヤス君 それはわかりますが、そうすると、この上中下に分けた分け方が、ただ一軒の米屋さんで、高い米、それから標準価格米、その間にあるもの、こういうものを売っているでしょう、それを報告しなさいと、こういうことですね。
#87
○説明員(森整治君) そのとおりでございますけれども、結局、お米の内容と申しますか、それをどういうふうに表現するかということが、現在の段階ではまだ明らかになっておらない。従来からもそうでございましたし、現在もそうでございますので、むしろ価格そのものを基準に調査をしたということでございます。
#88
○柏原ヤス君 いまおっしゃるように、一軒の米屋さんの中でしたら、上中下、そして上はこういう品、中はこういう品、その下はこういうもの、こういうのはわかりますけれども、二千軒を掌握して報告をとりますと、ばらばらですね。その店々によって上中下の値段も違うし、内容はもちろん違っているわけですね。それがこの表に、はっきり出ているわけです。この上という中に、最高価格と最低価格と分けてあります。中のほうにも最高価格と最低価格が分けてあって、そして上のほうの最低価格が二千円、これは東京の場合ですが、中のほうは最高価格が二千百円と、こういうふうに値段が、こう、ダブっているというか、交差しているわけですね。これは私、意味はわかりますよ、二千軒の店を対象にして上中下を報告しなさいというんですから、その店々によっての上中下は全部違う。これをまとめれば、これはほんとうに上なのか、中なのか、それでは、この上のほうの最低価格二千円の米と中のほうの最高価格の二千百円という米とが、一体どっちがいい米なのか、そして内容はどう違うかということはわからないですね、これ、見ているだけじゃ。
#89
○説明員(森整治君) 確かに先生おっしゃるような問題点はございます。ただ、こういうふうに御理解をいただきたいんでございますが、たとえば東京では現在十何県からの生産県からお米が入ってまいります。そのお米を五段階に分けまして、五グループに分けまして、どこのお米屋さんにも公平に行くように、その入った比率で分配をしております。したがいまして、あと、それがどういうふうなまぜ合わせ方をされて、それでそこのお米屋さんの商売として――あるいは下町なり山の手で違うかもしれません、そういう売り方の違いがそこへ出てくるということはあると思いますけれども、東京の中のお米というのは大体均一にどこにも配られておる。それも、どういう値段をつけて、いいのだけ取り出して高く売り、あるいはその他をまぜてどういうふうに配分していくかということにつきましては、これは基準というものは従来もございません。また、ほしいけれども、現在、そういう、何と何をまぜてどうしたらいいかということにつきましては、いままでのところ、時期の問題もありますし、端境期もありますし、古米もありますし、新米もありますし、産地なり銘柄なり、いろんな問題がございます。それからもっと極端に言いますと、食味という点をわれわれも問題にしたいわけでございますけれども、そうなりますと、いろいろ個人的なフレが非常に出てまいります。いろいろ食味試験をわれわれもしょっちゅうやっておりますけれども、あるいは理化学的な検査もいろいろやってみましたけれども、まだはっきりした科学的な裏づけができるようなデータも出ておらぬ。そういうこともございまして、いまのような方法で、まあとりあえず横の価格の動きを追及をしていかざるを得ないんだということでやっておるわけでございます。
#90
○柏原ヤス君 何か、わかったような、わからないような、簡単に上中下に分けて、上の値段はこの範囲だ、中の値段はこの範囲だ、こういって、それを毎週積み重ねていって、そうしてこれが上がっているとか下がっているとかというような、そういうその調査のしかたというのは、非常にばく然としている。この調査の目的というのは、物統令を廃止したことによって米が値が上がってはならないと、それを総理大臣も非常に心配して、そういうことのないように十分に調査をして、それに対して早急に手を打ちなさいと、また、それを食糧庁も真剣に考えてのこれは調査だと思うんですね。ところが、これでは、ただ二千軒の米屋の上中下の値段を報告さしているだけで、内容については何にも触れてない。ですから、その米屋によって、みな内容が違っているわけです。それに対する値段が上がった下がったと言っていても、私は、この調査の目的は達せられないんじゃないか、こういうふうに思うわけですね。その点、いかがですか。
#91
○説明員(森整治君) お米が上がったか下がったかということについては、私が申し上げましたのは、最高の値段がどのくらい動いておるかということは、この調査からわかるわけです。ただ、御指摘のように、わからない問題は、結局、幾らの米がどのくらいという数量が入ってまいりませんと、全体として消費者が高くお米についてお金を払っておるかどうかということがわからないわけです。ですから、そういう問題につきましては、むしろこの価格調査からは出てこない。要するに、数量の入ったものでないと、全体の水準が上がったのか下がったのかということは、ちょっと無理ではなかろうかというふうに実は考えておるわけでございます。その点は、この価格調査では、ちょっとつかみにくいという予想があろうかと思います。
#92
○柏原ヤス君 米がどうして値が上がっていくかというのは、消費者にとってみれば、おいしい米を食べたいというところからですね。値段がだんだん上がっていく。結局、まずいお米は買わない。したがって、お米屋さんも高くてもおいしいお米を配るわけですね。そういう点から考えますと、この米の値上げを防いで、そしてそれに手を打つというための調査の目的から考えると、品質とか内容というものを考えないこうした価格調査表によって、上がってない、下がりましたと、ですから心配ありませんというようなことでは、私は大問題だと思うのですね。いかがでしょうか。
#93
○説明員(森整治君) 私ども、したがいまして、むしろ実際の措置としまして、標準価格米というものを必ず置いて、従来の内地米ですか、そういうものを販売をさせるということだの、あるいは小売りに新しく新規参入を認めて、競争条件を整備するとか、そういうことで実際問題として上がらないという、そういう措置を別にとっておるわけです。今回の調査でも、標準価格米を置いているところがほとんどでございまして、また、それについては従来どおり価格が守られておるというふうにわれわれは理解をしておりますが、また、これは食糧事務所も動員しまして、半分以上あるいは全店調査も実施をしておりまして、その面から実行上お米がどういうふうに売られておるかということを、逆に行政の指導としてやっておるわけでございます。
#94
○柏原ヤス君 いま標準価格米のことをおっしゃいましたが、その標準価格米のことよりも、私は、この調査結果表の上下というこの区別が問題だと思うのですね。それじゃ、この調査結果表は、値段だけを見ている、値段の変化をずうっと見ている、内容とか品質ということについては、まだきめられないし、わからない、そういうわけですね。もう一回念を押しますが、どうなんですか。
#95
○説明員(森整治君) 厳密に申しますと、先生のおっしゃるように、品質そのもの、品質基準というものをつかまえる要素は、非常に味というものに関連してまいりますから、現在のところ無理ではなかろうかというふうに思います。
#96
○柏原ヤス君 消費者のほうは、その味が問題なんですね。ですから、その値段は変わってない、何回も何回も報告をとっても、その値段に変化はない、けれども内容がだんだんまずい米になってくる、また、おいしい米が食べたいというので高いお米をみんな買うようになる、そういうふうになれば、いままでもそうでしたけれども、結局、米は値上げの方向へいかざるを得ないわけですね。そういう心配があるわけです。で、これはこの調査表ではわかりませんね。
#97
○説明員(森整治君) 私が申し上げておりますのは、小売り屋さんが売る精米のことに限定をしてお答えをしておるわけでございますが、別に、産地別、銘柄別に卸が小売りに売る一俵幾らという値段がございます。これは別に毎月われわれのほうで調査をいたしますが、それはむしろ、確かに味なり産地、銘柄なり、いろいろそういう要素が入ってまいります。むしろ、非常に味と相関の高い品物、品質といいますか、そういうものとの連関の調査は別にやっておるわけでございます。それから、それをまぜて精米にした段階での品質というのはなかなかつかまえにくいし、それはむずかしかろうということで、ただいまお答えをしておるということでございます。
#98
○柏原ヤス君 くどいことを、わからないことを聞いているような質問になりますけれども、この調査結果表では値段だけを見ているのだから、味によって高いものを買う、まずいものは買わないという消費者の要求というのですか、米の買い方から考えれば、米はむしろ内容によって値上がりになっていくわけですね。それはこの表ではわからないでしょうと、またわからないと思います。その点、どうなんでしょうか。この表ではわかる、わからないと、それだけ、どちらなのか言っていただきたいのですが。
#99
○説明員(森整治君) 御質問の趣旨は、単純に申しまして、不評なお米というのは確かにございますが、そういうお米だけを、たとえばいまの標準価格米といいますか、従来の統制価格のお米だけを売るというようなことは、この価格の調査そのものでは確かに出てまいりません。ただ、それは現在別に、むしろ行政指導のあり方としまして、標準価格米につきまして卸の段階で集中精米で袋に詰めて、ごまかしといいますか、ごまかしと言ってはちょっと語弊があるかもしれませんけれども、そういうことができないように、もとの段階で袋に詰めて、ちゃんとはっきり、先ほど表示をするというお話がありましたように、表示をして売るとか、そういうことをつとめてやってまいるということで、その段階で、政府が売りました政府の管理米が多くそういうところに入っておるというふうに事実指導をしておるわけでございます。むしろ、そっちの面からいまの品質の問題は確保してまいるほかはなかろうというふうに思っております。
#100
○柏原ヤス君 品質の内容をきめない、また、きめられないというお話でございますが、そういう、ばく然とした、ただ米屋の上中下の報告で価格の状態を見ていく、そして上がったとか下がったとかいうことは、私は、ほんとうに米の実態調査になってないと思うんですね。ということは、同じ米の調査をやはり統計局でもやっていらっしゃるわけです。米のこの調査を統計局ではどうやっているかというと、ただ値段だけを報告さして、そして調査しているというような、そんなあいまいな調査はしておりません。統計局のほうで一体米の調査をどういうふうにやっているか、ちょっとお答え願います。
#101
○政府委員(関戸嘉明君) 従来のことは、もう先生御承知のとおりだと思いますので、これからどういう米の調査をすればいいかということになるわけでございます。これは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、いろんな銘柄のものが出回るであろう、米屋さんでいろんな表示をするであろう、どれをとればいいのかということが非常に問題になるわけでございますが、いま森総務部長が言われましたように、標準価格米というようなことも一応考えられておるというようなことがございますように、また、小売り物価統計調査をするとか米の価格、これは何のためにとるか、確かに、あまり上等の米ばかりとっておっても意味がないので、何らか基準的なものをつかまえて一応米の価格の変化率を見なければ意味がないということになりますので、そういった関係で、ただいまどういった米をとれば一番消費者が買っておる米の値動きがはっきりわかるかということを私ども検討しなければならないわけでございます。同時に、これは全国でやっておりますので、出回り状況といたしましても、全国でやはり売られている米でないと横の比較もできません。縦の比較だけで、四月、五月はどうなっておるかということだけではございませんで、やはり東京と青森でどうかということを需要者はいろいろお考えになると思いますので、そういったことも全部考えあわせまして、今後、先ほど申し上げましたように、どういうふうにこの制度が定着して、そして米屋さんのほうで大体大まかに、上米あるいは中米――上中下といいますか何ですか、そういうようなやはり三種類くらいに内容、品質とも大体分かれるであろうというような形で売られるようになりますると、その中のどれをとれば一番適切な小売り価格調査になるかというようなことを検討してまいりたい。まだ検討の途中でございまして、この制度がどこまでどういうふうに進んでいくかによりまして、私どものとります銘柄をどれにすればいいかということを検討をしていきたい、このように考えておるわけでございます。
#102
○柏原ヤス君 そこで、自主流通米、自由米の調査はずっと継続されてきているわけですね。これを基準にして判断したほうが廃止前後の実態がよくわかるんじゃないか。いままでずっとやってきておるものをやめてしまって、そして何を基準にして上中下というものをきめたのか。値段を上中下に分けたんだということにすぎないような、こうしたあいまいな調査表で、物統令廃止前後の米の値上がり、これを注意して、そして早く手を打つための大事な資料にしようという、これは私は必要はないと思うのですね。いままでの自由米を調査してきた、それをずっと続けて調べても米の値上がり云々の問題はできると思うのですね。いかがでしょうか。
#103
○説明員(森整治君) 自主流通米というのは、従来は政府から買わないお米、生産者から直接卸が買って小売りに売るという、そういうお米として、自主流通米は、何といいますか、入手経路の違うお米ということで、これにつきましては物統令が最初からございません。したがいまして、幾らで売ってもよろしい、要するに売れる値段で売るという、そういうお米であったわけであります。今度は、お米屋さんでは、物統令がはずれましたから、そのお米と政府からもらったお米をまぜて、いままで二千円であったものを、たとえば千八百円で売ってもよろしいということに今度なってまいりました。その自主流通米というお米が変わってきてしまったという問題があるわけなんであります。したがいまして、そのお米と全然同じお米がなくなったかというと、そうではなしに、今度は、自主流通米としていままで売られておったお米が売られておるわけでございますけれども、制度的につながりがなくなってしまったという問題がございまして、自主流通米の調査をやめたわけでございます。別に意図があってやめたわけではないし、制度が変わったに伴って調査を変えたというふうに考えておるわけでございます。
#104
○柏原ヤス君 いま、物統令が廃止になっても、自主流通米というものはちゃんと袋に入って売られておりますね。それをずっと継続調査していいんじゃないですか。
#105
○説明員(森整治君) まあ、そういうお米があるということを申し上げたので、今度は自主流通米という表示をしてはいけないということではないのですけれども、そういうお米としての意味がなくなってきたということなんでございます。要するに、自主流通米というものなら、価格統制を受けておらなかったという意味がいままであったわけでございますけれども、今後、そういうことをわざわざ断わらなくてもよろしくなったわけで、ですから、いままで商売として、自主流通米はいいお米である、うまいお米であるという印象が残っておって、そのまま、まだ袋もありますし、従来の袋に詰めてまだ売っておると思いますけれども、それはいずれ、制度的にはそういうものの意味がなくなったと、ですから、その調査を今後続けていくということが非常にむずかしくなるということなんでございます。
#106
○柏原ヤス君 いままで自主流通米をずっと調査して、その自主流通米の値段が今月は上がったとか下がったとかいう調査をやっているわけですね。これは、米屋の店先に出て、売られている、その米の値段を調査して、そしてこういう平均を出しているのじゃないですか。
#107
○説明員(森整治君) 自主流通米の調査はそういうことなんでございますが、毎月売られた自主流通米のお米の平均の価格を報告するということで、そういう調査としてやってまいっておるわけでございます。
#108
○柏原ヤス君 売られたその自主流通米の報告を平均して出しておるのですね、いまおっしゃったのは。
#109
○説明員(森整治君) 大体お米屋さんが出す数字は、平均をして出してもらっているという意味でございます、もちろん集計をして平均いたしますけれども。
#110
○柏原ヤス君 ですから、物統令廃止になっても、その米屋の操作というか、その自主流通米に対する取り扱い方というものはやっているわけでしょう。自主流通米は売られているわけですね。物統令廃止になる前と、なってからも、ずっと変わらずに売られているわけですね。
#111
○説明員(森整治君) 物としては継続して売られておると思います。
#112
○柏原ヤス君 ですから、その売られた自主流通米の平均価格というものは、三月まで出していたと同じように、四月になっても出せるわけじゃないですか。
#113
○説明員(森整治君) 四月にいまの制度が変わったわけでございますが、それを引き続きいま同じ袋で売っておったり、そういうことはあると思いますし、四月、五月、まだそういうものをうまくつかまえて、前の自主流通米と同じものをいま幾らで売っているかという聞き方をして、しいて調査をすれば、それはできないことはないと思います。ただ、要するに、われわれが言っておりました自主流通米といいますのは、政府から売ったお米でない、消費者と生産者の間で自然に成立してきたお米というように理解しておるものですから、そういうものは今後もありますけれども、そのお米は必ず別にそれだけ売らなければならないということになっておったわけです。政府のお米とまぜてはいけない、混米してはいけない、そのお米として売らなければならないという制約が今度とれたわけですから、今度は、同じお米を売るとすれば、売っているか、売ってないか、これはわからなくなる。そういうあいまいさが逆に出てくると思います。したがいまして、むしろ今後そういう価格調査をしても、その段階で観念的におかしくなってしまうということになろうかと思います。むしろ、この際そういう調査は廃止したということでございます。
#114
○柏原ヤス君 私のしろうとの考え方かもしれませんけれども、今度のこの調査は、どういうように聞いてみても、何かばく然として、これがほんとうに米の値上げ、また値上げをしないというようなことを正確に調査する、その調査表とは思えないわけですね。むしろ、いままで行なわれていた自主流通米の調査、それを継続すれば、こういう内容のあいまいな調査よりはわかるのじゃないか。この調査の目的というのは、物統令廃止の前後の米の変動というものがわかればいいわけなんですから、こんなややこしい、何か結果的にはわからないような調査表、そうしてわからなくして、数字の上では米は値上がりしていませんということを数字の上に出すためにつくったような、非常に頭のいい方たちがいろいろ知恵をしぼってつくった表みたいな感じがするわけですね。ですから、私がさっきからお聞きしているのは、実際自主流通米というものは物統令廃止前も売られていたし、廃止後も売られているんだから、そうしてその調査はいままでずっとやってきたんだから、続けてやれば米の値上がり、値下がりの実態というものははっきりわかる。むしろ、こんなややこしいものをやるよりもずっといいんじゃないか、こういうことを思いますので、お聞きするわけなんです。
 まあ、その点はこの辺にいたしまして、次に……。
#115
○委員長(長屋茂君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#116
○委員長(長屋茂君) 速記を起こして。
#117
○柏原ヤス君 この新聞記事について、ちょっとお聞きしますが、四月十五日に二通りの結論を出している新聞があるわけなんですね。それで、これは両方全く反対の結論が出ているわけです。そうして価格の幅も非常に幅があるわけなんですね。いままでのこの自主流通米の販売価格調査表などは、その幅といっても、一番値上がりの幅も、これは九円、その程度なんですが、この幅というのは、どちらも、上がったほうは三十四円だ、六十一円だと言っているのですが、下がったほうは、今度は下がったも下がった、二十八円、二十九円というような数字を示しているわけです。これは同じ食糧庁の資料を使ってそういう結論を出しているわけなんですね。これは主婦にとってみれば大きな問題だと、一体どっちなのかしらと、非常に反響を呼んでいるわけで、米の上がり下がりというものは数字の上でどうにでもなるんだと、こういうように受け取られる感じが強いわけなんで、それじゃ一体食糧庁の権威というものはあまりにもなさ過ぎるのじゃないか、こういうわけで、一体米は実際上がったのか下がったのかということを知りたいわけです。これは、企画庁長官はいろいろな報告を聞いているけれども、たいした変動がない、安定しているというお話でございますけれども、この点、いかがでしょうか、企画庁長官にお聞きしたいと思います。
#118
○国務大臣(木村俊夫君) 私も、いろいろ食糧庁からも説明を承っておりましたが、これは一つの過渡期でございます。いままでの自主流通米、またはいわゆる自由米、配給米、そういうカテゴリーがなくなった、こういう段階でございます。したがって、新しい米価のカテゴリーを上中下に分けてやることも、これから一つの試験期だろうと思います。したがって、これ、ちょっと見てみましても、中級米と申しますか、最高価格が上級米の最低価格より上の場合もございます。そういうような入り組みがあることは、いわば一つの実験期であろうかと思いますが、しかし、新しい制度に今度入りまして、これはいわば米をお買いになる消費者の選択が非常に広がった時期でございます。したがって、品質に対する好み、選好度も、またしたがって変わってくるでしょうし、また、あるいは、好ましいことながら、所得水準が上がれば、やはりうまい米を買おうとする。したがって、そこに消費水準も上がってこようと考えますし、いろいろこれからのそういう意味の広がりがどういうふうに落ちつくか、ただいま新しいカテゴリーで定着するような時期がなるべく早いことを期待するわけでございますが、そういう意味で、私はやはり、それを日常お買いになる特に主婦の方々が実際米屋へ行って上がったか下がったかという実感というものが一体どう出るかということが一番大事だろうと思います。いろいろ報道でそういうふうな記事もございますが、私も、大勢としては、私どもが非常に警戒いたしましたような悪い傾向はあらわれていない、こういうふうに考えますし、また、これは新しい制度に入りましてからまだまだ三週間ちょっとたったところですから、新規参入も完全に行なわれておりません。東京のごときはまだそれが認可されておらない、新しい業者といいますか、信頼性の強い業者も出てまいりますと、米だけの販売にたよる必要がない業者もおります。そこに一つの、悪く言っては目玉商品といいますか、別にそれによってのみ販売をする必要のないような新しい業者も入ってきて、それが大きな力を持っておれば、消費者の選好に応じたような売り方もするでしょうし、そういうような競争条件というものが、これから漸次整ってくる、その中で米価が消費者の品質に対する嗜好とも合わせて一つの落ちつきを持ってくるのではないか。しかし、それのためには、あくまでわれわれはその監視をしていかなければなりませんし、また、消費者も入れた一つの適正化協議会でその点を十分警戒しつつ、また特に非常に緊急な場合には、食糧庁といえども緊急の手段をちゃんと考えておるようでございますから、その点について大勢としては心配ない、こういうような考えを持っておるわけでございます。
#119
○柏原ヤス君 新聞の記事に対して食糧庁はどういうふうに考えていらっしゃるか。
#120
○説明員(森整治君) 私どもは、いま記憶ございませんが、たしか三十円ないし六十円上がったという記事のことを言われておると思うのでございますが、計算をしますと、自主流通米の従来の価格調査と今回の上と比べましたのが一つと、それから自由米の調査と比べますと、大体そういう数字が出るようでございます。ですから、おそらくそういうことで数字を出されたのではなかろうかと思いますけれども、調査が全然違いますので、比較をすることはちょっと無理ではなかろうか。むしろ、私どもは、先ほど申しましたスポットで、ある週とある週を比較してみた、それで判断をして、まあ大差なく動いておるのではないか、安定しているのではないかという判断をしておるわけでございます。
#121
○柏原ヤス君 そこで最後に、この調査の方法というものは今後も変えないでやっていらっしゃるおつもりかどうか、それを食糧庁と企画庁長官に、もう一回お答え願いたいと思います。
#122
○説明員(森整治君) 先ほど企画庁長官がお答えいたしましたとおり、確かに過渡期的な問題もございますし、いろいろわれわれも議論をいたしました。議論をいたしましたけれども、落ちついたのが一応こういうことでございまして、やり方なりその他、もちろん今後十分検討をいたしまして、よりよいものに変えてまいりたいというつもりは十分ございます。
#123
○政府委員(宮崎仁君) いろいろ議論があることは、いま御指摘のとおりでございます。私どもも、この調査を始めるときに、いろいろ内部でも議論したわけでございますが、ともかく現在の段階で総体的な価格水準の動きを見るのには一応これで適当ではないか、こういうことで始めたわけでございますので、継続性の問題もございますから、しばらくこのかっこうでやっていただいて、そのうちには統計局のほうの御検討の結果も出るでしょうし、また家計支出についての数字も出てまいります。そういったいろいろなほかの面からの検討資料も整いますから、そういうことから見まして非常におかしいということであれば、再検討をお願いするということも考えたいと思います。
#124
○委員長(長屋茂君) 両件に対する質疑はこの程度にとどめます。
 なお、委員長の不手ぎわによりまして約束の時間を経過いたしましたことに対する長官の御寛容を感謝いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト