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1971/05/24 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 物価等対策特別委員会 第7号
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1971/05/24 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 物価等対策特別委員会 第7号

#1
第068回国会 物価等対策特別委員会 第7号
昭和四十七年五月二十四日(水曜日)
   午後一時九分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         長屋  茂君
    理 事
                西村 尚治君
                山下 春江君
                片岡 勝治君
                田代富士男君
                中沢伊登子君
    委 員
                川野辺 静君
                佐田 一郎君
                志村 愛子君
                嶋崎  均君
                山本敬三郎君
                前川  旦君
                柏原 ヤス君
                渡辺  武君
   政府委員
       公正取引委員会
       委員長      谷村  裕君
       経済企画政務次
       官        木部 佳昭君
       経済企画庁国民
       生活局長     宮崎  仁君
       食糧庁次長    中村健次郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉本 金馬君
   説明員
       沖繩開発庁総務
       局調査金融課長  松岡  宏君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○当面の物価等対策樹立に関する調査
 (当面の物価対策に関する件)
 (消費者行政に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(長屋茂君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。
 当面の物価等対策樹立に関する調査中、当面の物価対策に関する件及び消費者行政に関する件を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○片岡勝治君 実は、きょうは物価対策ということで若干質問をしたいと思うわけでありますが、特に沖繩の物価という観点からやってみたいと思うわけであります。
 なお、この問題になりますと、あるいは本来ならば沖特のほうの所管になるかもしれませんけれども、しかし、物価という問題でありますので、お許しをいただきたいと思うわけであります。
 御承知のように、五月の十五日に沖繩が本土に復帰をしたということになったわけでありますが、私どもがいろいろ心配をしておったことが現実の問題となってきておりまして、沖繩県民のみならず、私ども本土の者にとっても、いろいろ心配な事態が発生をしてきております。その一つが物価問題でございまして、この際、政府のこれに対する考えをお尋ねしたいと思います。
 十五日が過ぎますと、新聞は一斉にこの物価問題を書き立てておりまして、一、二例を取り上げますと、「一夜明ければ復帰貧乏」、「安くなったのは電話代などほんの僅か」という見出し、あるいは「物価ジャンプ、つのる不安」、「食料品なんと6割も」という見出し、あるいはまた「物価津波、沖繩は恐慌寸前」というような見出しで、各新聞とも、この問題を大きく取り上げておるわけであります。沖繩の物価問題につきましては、復帰後こうした現象が急速に出てきたわけでありますが、しかし、すでに、今回の円の切り上げ問題が昨年発生をいたしまして以後、沖繩にそうした傾向、つまり物価高の傾向が出ておったことは事実であります。したがって、政府としても、特に、いままで使っていたドル、しかもそれが、国際的な関係で、ドルの価値が下がる、あるいは円が切り上げになったというプラスアルファーの要素があった上に、円とドルを交換するという、そういう非常に複雑な要素があっただけに、これらの対策については、きめこまかく慎重に対処すべきであったと思うわけであります。もちろん、政府自体も決して何もやらなかったということではないと私は思います。一生懸命にやってきたとは思いますけれども、しかし、結果的にこうした事態を見ますと、もっときめこまかな対策があったのではなかろうかということを、いま私どもは感ずるわけであります。新聞の記事の中にも、沖繩開発庁の設置とか、あるいは自衛隊の配備等については、非常にきめこまかく着実に進められておる、しかし一方、こうした県民の物価対策についてはなかなか進んでいなかった、ということを指摘しておるわけであります。そういうことと関係いたしますと、たいへん残念に思うわけであります。
 そこで、私どもは、沖繩の物価問題は報道機関を通じて関知するだけでありますが、沖繩の物価の高騰、急騰の状況が今日どういうことになっているのか、政府関係機関のほうで把握できている点がありますれば、この際、その状況をお知らせいただきたいと思います。
#4
○説明員(松岡宏君) お答えいたします。
 御承知のように、五月十五日に沖繩が本土に復帰をいたしまして、その当日から五月二十日の土曜日まで六日間にわたりまして、従来地元で通用いたしておりましたドルの通貨を円へ切りかえたのでございます。この作業はすでに終了いたしております。この一週間は、ドルの通貨と円の通貨が並行して流通いたしました。物の値段等の表示も、ドルと円がそれぞれ並べて表示されると、こういうことでございました。この一週間は、何ごとにつけましても、地元の経済関係は非常な混乱の状態にあった。過渡的な現象として避け得ないものかと思いますが、いろいろと知識の不足等から混乱の状態にあったわけでございます。特に、一ドルを何円に換算するかということにつきましては、いろいろと問題がございまして、三百五円というところから三百六十円というところまで、いろいろとその換算レートに混乱が生じたわけでございます。
 で、伝えられます復帰直後における物価の急上昇は、主としてドルから円への換算レートの混乱に伴うものでございまして、そういう意味では、一時的偶発的な性格の強いものであるというふうに認識いたしています。ただ、政府といたしましては、かりに偶発的一時的な現象であれ、一たび値上げの形をとった物価がそのまま居すわってしまわれてはたいへんなことであるという認識に立ちまして、急遽実情の調査を開始いたしました。一方、沖繩県のほうにおきましても、しかるべき対策をすでに実施中でございます。政府といたしましては、一昨日の月曜日に、関係各省の局長クラスの協議会を急速沖繩開発庁主宰で開催いたしまして、もろもろの対策を検討いたしておりますが、とりあえずは、一時的な混乱に対する十分な、かつ適切なPRを行なって心理的不安動揺を解消しなければいけない、また、必要に応じて、便乗値上げ等、散見される事案に対しては、きびしい取り締まりも行なわなければならない、あるいは、一時的なものとはいえ、需給関係を大幅に緩和する形で、一たび上がった物価を突きくずし、安定の方向へ誘導しなければならない、こういった対策等につきまして具体的な施策を近く検討、発表するつもりでおります。
 この場合、いま御質問にありましたように、生鮮食料品を中心といたしまして、一ドルを三百六十円で換算した後においても、なおそれ以上の価格になっているというものが散見されているのでございますが、少なくとも一ドル三百六十円換算より高い円表示がなされているものは、これはほっておけないという判断に立ちまして、適切な対策を急遽策定いたしております。
 そういう状態でございます。
#5
○片岡勝治君 この物価の急騰、高騰の内容でございますけれども、私たちが一番心配をしておりますのは、日常使うところの日用品、特に食料品、生鮮食料品等でございますが、その部分が非常に大きく値上がりをしておるということであります。新聞報道によりますと、豚肉が一ドル八十セントのものが七百二十円、パン十七セントが七十五円、七セントの牛乳が二十七円、これを計算いたしてみますと、三百六十円から、高いのは一ドル四百円ぐらいの換算になるということが指摘できるわけであります。特に私驚いたのは、お米の値段でありますけれども、本土政府が、特別の措置によって、復帰後五年間は十キロ八百円――内地においては千五百十円ですか、という価格を、五年間十キロ八百円で維持をしていくと、こういうことになっているそうでありますけれども、その特別措置による米の値段さえ、つまり八百円のものが八百五十円から九百三十円に値上げをされていると。これは明らかに、何といいますか、政府のとっておるいわゆる物価対策が全く無視をされている、あるいはその効果が出ていないということのあらわれであろうと思うのであります。
 そこで、まあ、いまのお話によりまして高騰の原因というものが若干わかるわけでありますけれども、新聞報道によりますと、この急騰のきっかけは公共料金の値上げにあるということが報道されております。なかんずく、日常使っておりますタクシー代等がその値上げのきっかけになっただろうと。まあこれも、公務員その他労働者の要求によって賃金の切りかえが一ドル三百六十円ということで切りかえられたということにその根本的な原因があるとは思いますけれども、しかし、一ドル三百六十円で賃金を切りかえたにしても、沖繩の労働者は内地の労働者に比べますとまだ非常に低い。たとえば、大学卒の初任給を見ましても、ほぼ一万円の格差があるわけでありますから、労働者の賃金を三百六十円のレートで切りかえをするということは、決してこれは無理からぬ要求であり、措置だったろうと思います。そういうことによって、公共料金をそれに見合う料金にするために一斉に三百六十円で切りかえたと、こういうことでありますので、一般のものが、公共料金を三百六十円で切りかえるんなら、おれたちの売っている品物だって、それで切りかえなければ損してしまうというようなことが発端になって、一斉に、三百五円の基準が大幅に上昇して三百六十円に、あるいは、ひどいのは四百円になったのではないかと、こう思うわけであります。だとするならば、こうした公共料金については何らか特段の措置をとって、一定の期間これを押えていく、資金的な面、補助的な面を相当大幅にやって、一定の期間これを押えていくという措置がとられていれば、私は、こうした急騰というものがある程度押えられたのではないかと思うわけでありますけれども、そういったことが全然考えられなかったのかどうか、特にその点をお聞かせ願いたいし、また、米の値段等が政府のいわゆる政策価格をもオーバーして売られておるということについては何らかの措置ができるのではないかと、このように感ずるわけであります。それらの点について、ひとつ答弁をしていただきたいと思います。
#6
○説明員(松岡宏君) 公共料金の問題でございますが、いま御指摘のように、許認可料金を設定されている公益企業に従事しております従業者の賃金は一ドル三百六十円という換算で保証するという方針が打ち出されましたために、原価計算の関係から、それを織り込んだ料金の設定がなされなければならない、すなわち、結果的にはいままでの料金が一ドル三百六十円の換算で実施されたということで、三百五円との対比でいえば値上げの姿にならざるを得なかったわけであります。で、この問題につきまして財政措置等を講ずることによって一定期間公共料金の値上げを避け、できれば三百五円の換算で切りかえられたらどうだったろうかと、こういう御指摘でございますが、公共料金の関係、すなわち公益事業と申しましても、やはり企業体として長期の採算ということを踏まえた上での経営を行なっていかなければならないわけでございますし、また、その公益事業の便益を利用する利用者側におきましても、それなりのコストの負担、受益者としての負担ということは、これまた一般論としては当然なことであると、こういった原則に照らして考えますと、一がいに財政補助によって当面を切り抜けるということが妥当であるかどうか、これは非常に問題の多いところかと思います。公共料金の一時値上げストップというような措置は、従来からも本土におきまして行なわれてまいりました事例もございますけれども、その結果が成功であったかどうか、必ずしも一がいには評価し切れない関係にあろうかと存じます。で、復帰直前の沖繩におきましては、この問題は、そういうふうな関係から、いま先生のおっしゃいましたような方向をとらずに、このような結果になったわけでございます。また、米の値段でございますが、先ほど申し上げました通貨切りかえに伴う換算レートの混乱のいわば間隙をぬいまして便乗的に高い値段をつけている事例も事実あるようでございますけれども、これは、その後急速に、適切なPRの影響により、鎮静化してきておりまして、そうした、ばかげた値段が米について今後とも長続きすることはないというふうに情報を得ております。
#7
○片岡勝治君 公共料金を押えることだけによって、こうした急騰がすべてうまくいくというようなことを私も考えておるわけではありませんけれども、しかし、これがきっかけになって、やはり拍車をかけたという、そういう効果は相当あったということは否定できないだろうと思います。一般県民にしてみれば、市民にしてみれば、きのうまで乗っていたハイヤーのお金が、切りかえによって円になり、計算をしてみると三百六十円の割合の計算になっている。公共料金がすべてそういうことで切りかえになった。いわば公共料金というのは県なりあるいは政府の一つの政策によって価格が決定をされるわけでありますから、県民に対して、あるいは直接売買に関係しておる県民、市民の方々に対して、交換のレートは三百六十円だということを天下に表明した、そういう効果を与えたのではないか。したがって、つまり、切りかえの時期に政府が期待した三百五円のレートによる交換ということが、結局は、政府が公共料金を三百六十円で換算をすることを認めたということは、沖繩県民全体に対して三百六十円の切りかえを是認したという結果になったということが、今日振り返れば、言えるのではないか。いまさらこれを押えるわけにはいかぬのでありますけれども、円の切り上げとか、ドルの価値が下がった、しかも円とドルを交換するという複雑なそうした時期における措置ということを考えれば、私は若干、そういう措置、つまり、公共料金を押えることによって、政府の主導的な行政措置によって、三百五円を三百六十円にしてしまったということが避けられたのではないか。そのためには相当の資金なり何なりを投入することによって――もちろん、企業の採算を考えていかなければならぬと思いますが、結果的に政府の主導によって三百五円の切りかえがくずされたというふうに判断されてもやむを得ないんじゃないか、こういうふうに私は思うわけであります。
 そこで、公取のほうにお伺いをいたしますけれども、まあ復帰後間もない時期でありますから、公取の活動といいますか、そういうものも非常に制約をされて、公取本来の任務を発揮することは非常にむずかしいとは思いますけれども、公取として、沖繩の物価高騰についてどのように判断をされておりますかどうか。つまり、価格協定等を行なうひまも、まだないとは思いますけれども、あるいはそういう価格協定、つまり高い値断でお互いに協定をするというふうなことがあったかどうか。特に、いわゆるドルの切りかえについて協定をした場合に、つまり、業者間で一ドルを三百五円ということだけれども、おれたちの業者では三百六十円でひとつ切りかえて、一斉に新しい値段をつくろうじゃないかという、そういう協定をした場合には、これは問題になるのかならないのか。品物の価格協定だけじゃなくて、切りかえることの協定によって事実上価格協定が行なわれた、そういう点が必ずしもないとは言えないように私は考えられますので、その点、お答えをいただきたいと思います。
#8
○政府委員(谷村裕君) 私どものほうに参っております報告によりまして申し上げますと、大体が、私どものところでは、いま御指摘のありましたとおり、価格のメカニズムによらないで、業者たちがお互いに話し合ったり、あるいは協定したりして値段をきめるということがあれば、それはもう独禁法が適用になっておりますから、いけないわけでございます。そこで、その実態について、まだ十分沖繩全土にわたってはできませんけれども、とりあえずのところ、たとえば酒造組合連合会あるいはプロパンガス業界、あるいはクリーニング環境衛生同業者組合、雑貨商事業協同組合等々、あるいは飲食店組合等、いわゆる事業者団体がそこで何かしていないかどうかということを、まあ事情聴取をいたしまして、その結果としてはいまおっしゃいましたような点で、いずれも、はっきりとはそれはつかめないわけでございますが、換算率を三百六十円でいこうやということを役員会できめたというふうな例も見られました。また、それはただ換算率をきめたということだけでは実はどうということはないんですが、そのもとになる値段が大体幾らぐらいで、だからそれを換算するとこのくらいになるんじゃないかという、その値段のほうの――まあこれをお互い同士それを守るというところまではいってないようでございますけれども、目安をつけたというふうな例もあるようでございます。換算率だけをきめたとしても、もとが自由であれば、それはまあ競争の制限に直ちになるとは言えないわけでございますけれども、やはり沖繩では、同業組合あるいは事業者団体というものが従来ともかなり力が強くて、また、それが一種の、まあギルド的な行動をしておったと、よくいわれておりますが、そういった面が、われわれ当初から、昨年来調べておりまして、気になっておりましたので、行く早々に、事業者団体に対しての指導を行なっているわけでございますけれども、その指導のいろいろ話を聞いてみますと、どうもそういうことがあるようでございます。
 そこで、それが必ずしもすべてとは申せませんが、私どものほうは、それを直ちに法に照らしてどう処断するということではなしに、むしろやはり法が施行されて間もないことでもございます。そういった便乗値上げ的な形のもの、あるいは価格協定等のもの、こういうのが、法を厳格に適用しようと思いますと、いろいろ調査のために手間もかかりますし、証拠も必要でございます。そういうものでなしに、指導で少しそういうものを改めさしていこうと、こういう態度でいま臨んでおるようなところでございます。
#9
○片岡勝治君 まあ復帰、まだごく短い期間でありますから、なかなか調査自体もたいへんだろうと思いますけれども、少なくとも沖繩県民の期待した復帰ということに幻滅を感ずるようなことのないように、ひとつ関係機関の御努力を切にお願いをしたいと思うわけであります。
 そこで、政府においても、新聞報道によりますと、沖繩の物価問題に関する連絡協議会の第一回の会議を開いて、いろいろ意見交換をし、緊急対策をきめたというようなことが報道されておりますが、具体的にどういう対策をこれから進めようとしておるのか、その連絡協議会における協議の内容、今後の対策、そういうものについてお聞かせいただきたいと思います。
#10
○説明員(松岡宏君) 御質問の、沖繩の物価問題に関する連絡協議会でございますが、沖繩開発庁及び経済企画庁が中心となりまして、関係十三省庁の局長クラスをもって構成いたしておりまして、一昨日、月曜日に第一回の会合を開き、本日も午前中第二回の会合を開いて、鋭意検討を続けておるところでございます。今週中には正式に具体的な施策ということで発表することが可能かと存じますが、本日までのところ、検討しております主たる項目を申し上げますと、
 第一に、今回の物価上昇がレート換算をめぐる混乱から生じた、いわば知識の不足からの一時的の混乱であるというふうに、まあ考えまして、まずは物価の実態調査を徹底的に行ない、物価が必ずしも上がる必要があるわけではないのだといった、いろいろの情報を消費者へ十分提供していきたい、こういったことが施策の第一に考えられております。
 それから、適正な価格形成を指導してまいりたい。これにつきましては、品目別に、今回の復帰対策といたしまして、関税を軽減する、物品税を撤廃する、あるいは原材料等についての税制の措置を講ずると、いろいろな施策が講じられておりますので、講じられた施策を反映するだけは価格が低下してきていいはずだということを踏まえまして、適正な価格を指導していく。
 それからさらに、所要物資の供給を円滑化していきたいということも考えております。これにつきましては、輸入の割り当てを早急に決定し、さらに必要に応じて輸入の割り当ての追加を行なっていきたい。あるいは他府県から沖繩県へ送り込まれるべき物資につきましては、関係業界を行政指導いたしまして、積極的に物の沖繩への移入を推進すると同時に、かりにも価格を便乗的に引き上げることがないよう関係業界を指導していく、そういうことでございます。
 さらに独占禁止法関係の施策につきましては、公正取引委員会の委員長からお話があったとおりでございます。
 で、今後におきましては、沖繩現地におきます国の出先機関である沖繩総合事務局、それから地元の沖繩県あるいは沖繩県の中の関係市町村、こういったところが打って一丸となり、連絡をとりながら、今後の沖繩の物価の問題について中央できめられます施策の実施、アフターケアといったことに努力してまいりたいと、こういうつもりで考えております。
#11
○政府委員(谷村裕君) 私どものほうとしましては、いまの連絡会議に出ていろいろと情報交換などもいたしておりますが、先ほど申し上げましたようなことのいま非常に重要な時期でございますので、とりあえず専門の係官を二名、早い機会に現地に送るようにしたいと思っております。
#12
○片岡勝治君 非常に、何といいますか、円・ドル交換という特異な事態における物価高ということで、まあ政府自体もそういう経験がないということであったと思うし、また、そのために心情的な値上げというふうに見られる点もないでもありません。しかし、考えようによれば、そうした心情的な急騰という性質のものであれば、これは事前の対策の万全を期することによってこれが回避できたんではないか、つまり、経済的なメカニズムといいますか、そういうものによって上がったものはなかなかむずかしいとは思いますけれども、そうでないものであれば、これは事前の万全な対策によって、ある程度防げたのではないかというふうに考えるわけであります。しかし、事ここに至っては、過去のそうしたことを言ってもしかたがありません。いま御説明のあったような対策を緊急にとっていただいて、物価安定、引き下げに一段の努力をして、ただきたい。生鮮食料品等はいざ知らず、その他の価格については、一度上がったものを引き下げるということは、これは、本土のほうを考えてみても、なかなかむずかしい問題である。そういう点で、この高物価が定着をするということを何としても沖繩においては防いでいかなければならないと思うわけであります。そういう点を強く希望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#13
○柏原ヤス君 国民待望の祖国復帰を遂げた沖繩の県民が最初に味わったのは、先ほどから問題になっております生活不安の実感である、こう言えると思います。現在沖繩の県民が苦しんでいる物価高は、通貨の交換に伴って復帰を境にして突然襲ってきたのではないと思います。円の変動相場制への移行、そして円の切り上げ、こういう事態から、当然これは予想されていたことと思います。それにもかかわらず、現在のような物価高騰を招いたということは、沖繩県民の復帰後の生活不安の訴えに対して真剣に、そしてきめのこまかい措置がされていなかった証拠である、こう思いますが、その点、いかがでしょうか。
#14
○説明員(松岡宏君) 昨年の通貨の変動相場制への移行、さらに年末におきます基準外国為替相場の変更、こういった流れの中で、地元の沖繩の方々は非常に不安を持って、復帰に対する政府の万全の措置を要望してこられたわけでございますが、こういった点につきまして、本土の政府といたしましてできる限りのことをやってまいったというふうに考えております。たとえば、沖繩住民の保有しております現金通貨、あるいは通貨性純資産、これに対しまして一ドル三百六十円の交換が保証されるような特別給付金の措置を準備いたしてまいったわけでございます。これは、すなわち、先週行なわれました手持ちドルの交換が、交換レート三百五円で行なわれたわけでございますが、三百五円と三百六十円の差に相当いたします一ドル当たり五十五円を、昨年の十月八日、九日に調査いたしました手持ち現金、あるいは通貨性の純資産残高に応じまして、それぞれ交付を行なうということを予定いたしておりまして、すでに通貨に対する五十五円の差額の補償は今週の月曜日から開始いたしております。
 こういうような形で、地元の皆さん方は、一ドルは三百六十円という形で保証がなされたというふうに実質的にはお考えいただき、了承くださっていることと考えております。さらに、賃金は、本土に復帰した後において、やはり従来の、ドルで受け取っていた額を一ドル三百六十円で換算した円の賃金を受け取る、こういう要望がこれまた強かったわけでございます。これに対しましても、政府として、ありとあらゆる施策を打ちまして、地元の二十四万人に及びます雇用者それぞれに対して何らかの手段で一ドル三百六十円の換算が可能になるような裏打ちを配慮してまいったわけであります。こういうようなことから、すなわち、通貨も賃金も一ドル三百六十円であるということが実質的に保証をされましたために、切りかえにあたっての物価の換算レートは三百六十円に近いところで生じてきておりまして、これは実質の経済関係からいって否定し得ないところではないかということでございまして、一見、一ドル三百六十円に読みかえられたことが物価に非常に問題を生じているという御指摘もございますけれども、これは、その県民に対する政府の施策がそれなりに行き渡った結果、実質関係で、三百六十円が保証されているということの半面ではないか、そんなようにも考えるのでございます。
#15
○柏原ヤス君 そこで、今度の物価上昇の直接の原因というものはお調べになっていると思いますが、どういう点なんでしょうか。
#16
○説明員(松岡宏君) 物価の問題は、申すまでもなく、もろもろの経済事象の集約的な結果として出てくる問題でございますから、一がいに、一つのことが原因であったということはなかなか言い切れないかと存じますが、特に私どもこの一週間の動きを見ておりまして気がつます点は、いままで長年にわたってドルというものになじんできた地元の経済が一週間にして通貨をすべて円に切りかえるということをやってのけたわけでございますから、その間、制度の切りかえに伴ういろいろな心理的不安がかもし出されたことは避けがたかったかと存じますが、そういう不安につけ込んだ形で便乗的な値上げが行なわれた、すなわち一ドル三百六十円の読みかえよりももっと高いレートで、たとえば一ドル四百円とか四百五十円、ああいうふうな切りかえの換算率で物価を表示してしまう業者が散見されたわけでございまして、これは偶発的な経済制度の切りかえにつけ込んだ便乗的動きである――これは、地元のいろいろな不安がございまして、そういうものにつけ込まれる素地が背景にあったのではないだろうか、まだ一週間ばかりしかたっておりませんので、それ以上の分析は進んでおりませんが、とりあえずわれわれとして申し上げられることは、通貨切りかえの混乱に伴う一時的なものであって、許しがたい便乗値上げもかなり見受けられた、こういうことでございます。
#17
○柏原ヤス君 これは、山中大臣の見解として三つあげられておるようでございます。その一つは心情的な不満、二つ目は賃金の三百六十円切りかえの確保、三つが特例措置のPR不足だ、こういうふうに言われておりますが、これはそのように受け取ってよろしゅうございますね。
#18
○説明員(松岡宏君) 沖繩開発庁としての公式の見解は、ただいま先生が御指摘になりましたように、三つの点だ、こういうことになっておりまして、山中開発庁長官が機会あるごとに申し上げているとおりでございます。
#19
○柏原ヤス君 最初の心情的な不満というのは、簡単に言うと、どういう不満なのか、それをどういうふうに解釈していらっしゃるのか、お聞きしておきたいと思います。
#20
○説明員(松岡宏君) 復帰直後の一週間に行なわれましたドルから円への通貨の交換は、その時点の交換としては一ドル三百五円ということで行なわれたわけでございます。先ほど申しましたように、残りの五十五円につきましては、今後順次沖繩の住民の方々に交付金が渡されるわけで、その手続が済めば一ドル三百六十円という交換が実質上は成立したことになるわけでございますが、当面、先週一週間のできごととしては、一ドル三百五円ということまでが済んだわけでございます。で、地元の皆さん方の心情的不満と申しますのは、ともかく一ドル三百五円で交換してもらった、ところが、公共料金その他もろもろの関係が一ドル三百六十円ということで動いている、自分は三百五円しかもらえなかったと、こういうことから、おもしろくないという気持ちを心情的にはお持ちになるわけです。そこが、私どもの申し上げますPRの不足ということに起因するかと存じますが、実質は三百六十円で保証されているわけでございますけれども、当面、何か五十五円損したような気持ちをお持ちになる。これが心情的不満ということで説明している次第でございます。
#21
○柏原ヤス君 いまお聞きして、私もそのとおりだと思います。しかし、この沖繩の不満というのは、簡単に言えば、県民の資産が一ドル三百六十円で保証されなかったということにある。また、この一ドル三百六十円で保証されなかったということがどういうふうになったかということは、もう少し先へいって申し上げますけれども、もし、現在沖繩県民の持っている資産が全部一ドル三百六十円で保証されたならば、私は、このような国民感情の爆発、そしてそれが物価上昇に端的にあらわれたというような事件は起きないと思うのですね。それが、政府としては一ドル三百五円で交換した。事実交換したわけでございますね。これは投機ドルの防衛上のためであったと、こういうふうにも受け取れますけれども、この円切り上げの責任というものは政府の経済政策であり、その差損というものを沖繩県民が受けなければならないということは、私は納得できないと思うのです。本土に比べてみても非常に所得が低いということを考えますと、一ドル三百六十円で保証すべきではないか、こう思います。ということは、この一ドル三百六十円で通貨が交換されるというのは、去年の十月九日に確認した沖繩県民の手持ちの現金について三百六十円にかえてもらえるわけですね、けれども、その以降、十月九日以降手に入れたドルというものは差損補償は受けられないわけですね。これに対して政府はどういう考えを持っているのか。それは当然であると、こう思っているのかどうか。沖繩県民の不満というものは、私は、この十月九日以降の資産――入手したドルですね、また、そのチェックのときに漏れたドル、こういうものに対しては差損補償がないということに対する不満だと思うのですね。いまお伺いしていると、一ドル三百六十円で保証しているかのような言い方に受け取れますけれども、実際は、三百六十円で保証されるのは去年の十月九日に確認したその資産に対してですから、その点、十月九日以降に入手したドルについての差損補償というものはできないのでしょうか。これ、いかがですか。
#22
○説明員(松岡宏君) 御指摘のように、一ドル三百六十円を保証した通貨の残高は、昨年の十月九日現在の残高でございます。これは、昨年の十月九日に地元の住民全員から手持ちの通貨を報告していただきまして、その調査の結果に基づいて処理が済んでいるわけでございます。そういう意味では、昨年の十月九日以降の経済的な関係というものは保証の対象になっていないのではないかという御指摘でございます。おっしゃるとおりなんでございますが、まず、これについての考え方を申し上げますと、昨年の十月の九日以降における所得といいました場合、沖繩住民の月々の収入がございますが、現金通貨の手持ち高を三百六十円で保証するという場合には、これは、一月の動きの中で収入があり支出があり、差し引き手元に残った、まあいわば貯金としての手持ち現金の額、こういうことが十月九日の調査の対象になったわけでございまして、十月九日以降五月十四日までに生じた所得が全部そのまま保証の対象になるべきだ、そういうことではないのではないかと私ども考えておるわけでございます。その間も収入もあれば支出もある。これが、復帰直前まではドル経済ということで、すべてドルで行なわれてきたわけでありますから、それぞれの県民各位が受け取った所得が全部保証されなければならない、そういうことではなかったわけでございまして、しいて言えば、手持ち現金のその後の期間における増加額が対象にさるべきである、こういう御主張になろうかと存じますが、これは、額としての計算は非常に困難でございまして、その後確認をするということも実際問題として無理でございますが、さほど巨額なものではあるまいということが見当つくわけでございます。なお、この問題につきましては、手持ち通貨残高のその後における純増分ということであれば、できればこれは保証の対象にすべきであった問題でございます。何らかの措置を目下検討中、こういうことでございます。
#23
○柏原ヤス君 この点、もう少しお聞きしたいと思います。
 単純な考え方かもしれないんですが、まあ私、そういう計算をしているわけですが、十月九日の確認の金額はわかっておりますね。幾らですか。
#24
○説明員(松岡宏君) 調査いたしましたのは、手持ちの現金通貨と、それから通貨性純資産額、この二つに分けて調査したわけでございます。十月九日現在における手持ちの現金総額は六千百八十万ドルばかりでございます。それから同じ時点におきます通貨性純資産額、これは、一口で言えば、銀行に対する預金残高から銀行から借り入れている借金を差っ引いた残りの額、こういうことになりまして、純資産額と呼んでおりますが、これがほぼ五億ドルでございます。
#25
○柏原ヤス君 それで、五月二十日に終わったこの通貨交換の総額は幾らですか。
#26
○説明員(松岡宏君) これは、正確な資料がまだ手元に来ておりませんが、速報的に口頭で来た数字では、円にして三百十五億円と、こういうふうに報告を受けております。
#27
○柏原ヤス君 私が単純な考え方で計算してみたのですが、十月九日にこの現金総額が幾らチェックされたかといいますと、先ほどお話しのように六千百八十万ドル、その端数もございます。それから、五月二十日に交換されました金額は、約一億三百三十一万ドルと、こういうふうに計算したわけなんです。これを比べてみますと、その差が大体四千百五十一万ドル。これだけ、十月九日以降に入手したり、また、そのチェックのときに漏れた現金があったと、こう考えていいと思うのですね。こういう金額が、結局一ドル五十五円の差損としてあるわけです。この四千百五十一万ドルという金額に対して三百六十円という交換をしないわけですね。結局、県民の資産が減ったということになるわけです。この差損補償というものに対して、政府は払えないものか。先ほど、何らかの方法で考えているというふうなお話をちょっと承ったのですが、これは、ぜひ個人個人に補償すべきものではないか。特に、沖繩の県民は非常に低所得者であり、また、現にこれを補償しないために、その国民の不満というものが爆発して、そして物価の上昇にあらわれているということは、もうだれでも認めているわけなんです。いろいろな方法を講じても、私は、この国民の底流に流れている、そして国民がみんなが感じているこの不満に対して手を打たない限りにおいては、物価上昇の歯どめにはならないと思うのです。また、これに対する政府の決意といいますか、なかなかこれはできにくいことかもしれませんけれども、これをやることによって、私は、沖繩県民の経済生活というものに対して、将来の不安というものは取り除かれるのではないかと、こういうふうに考えますので、ぜひこの差額に対する――差額といいますのは、先ほど申しました、十月九日にチェックし、その後に入手したドル、いわゆる沖繩県民の持っているドルに対する一ドル五十五円の差損補償というものをやっていただきたい、やるべきであると、こういうふうに申し上げるわけなんです。
#28
○説明員(松岡宏君) いまの先生の御指摘の、ドルの金額の計算についてでございますが、ちょっとこまかい話になりますが、私どもの考え方を申し上げておきたいと思います。
 四千百万ドルばかりのものが現金残高としてふえているから、これが保証の対象外になっていると、こういう御指摘でございますが、十月九日に調査いたしまして一ドル三百六十円を保証いたしました対象は、個人の保有する個人の現金通貨でございまして、法人の保有するものは、これは保証する必要はなかろうと、こういう判断に立っております。
 ところで、先週一週間通貨交換を行ないました対象は、これは個人だけでなくて、法人もあり、現金通貨を持っている主体はすべて相手にしたわけでございます。この四千百万ドルの違いの中には、法人の持っている現金通貨も入っているわけでありまして、これは昨年の十月九日に調査をいたしませんでしたが、その時点から存在していたものであるというのが第一点でございます。
 それから第二点は、現金通貨と申しますのは、銀行に対する預金を引きおろせば、おろした瞬間にふえるわけでございまして、これは見合いに預金が減っているわけでございますけれども、現金通貨だけを調べてふえていると言いましても、預金が減っていれば、両方を足した合計には影響がないということでございまして、昨年の十月九日に調べまして保証をいたしました対象は、現金通貨と預金の純資産額、こういうことで、両方が対象になっておりますから、通貨交換時に預金が現金になっている分は、これはいまの議論からいえば問題外として控除しなければなるまい、こういうふうに考えます。
#29
○柏原ヤス君 私は単純な計算で申し上げているわけですが、その計算のしかたにはいろいろ複雑なものがあるのでしょうけれども、いずれにしても、十月九日にチェックしたものには三百六十円の保証をするわけですね。その後にふえているその個人の資産、持っているドルというものに対しては、三百五円で交換するわけですね。この矛盾を、全部一ドル三百六十円という通貨交換をすれば、それでみんなが安心する、満足する。だから、それができないのかと、こういうふうに申し上げているわけなんですが、できないというお答えなんですね。
#30
○説明員(松岡宏君) 額については、目下のところ、確たることは申し上げられませんが、昨年の十月九日以降五月十四日までの間に、それなりの経済成長に対応いたしまして沖繩に流通しておりました個人保有の現金通貨がふえていたであろうということは推測にかたくないわけでございまして、そのふえた部分については同じく三百六十円の保証をしなければならないんではないかということは、そのこととしては否定しがたい主張かと考えております。山中沖繩開発庁長官も、その問題について、目下、何かいい方法はないかということを一生懸命考えている、こういう段階でございます。
#31
○柏原ヤス君 何かいい方法は、沖繩県民に聞けばわかると思うんですね。県民は、個人個人に、一ドル三百六十円の差損補償をしてほしいと言っているわけです。ですから、考えなくとも、これは個人個人にその差額、差損補償をしようと思えば、できると思うんですね。これは五月二十日の日にやっているわけですから――具体的に三百五円の交換をやっているわけです。それを土台にすればできるわけです。できないというのは、結局、約二十二億というお金がないということでしょう。その二十二億のお金があればできるわけですよ。それをやろうという決意でいるのか。その点、いかがでしょう。
#32
○説明員(松岡宏君) この点は、目下のところ、政府内部で検討中である、こういう段階でございます。
#33
○柏原ヤス君 これは、沖繩の方々に聞いてみますと、もう全部が、そういうふうにしてもらいたい、これが今度の物価上昇のもとをなした底流なんだと、こう言っています。さっきから、この物価の上昇というのは偶発的であり一時的であって、いずれおさまるであろうというふうにおっしゃっているように受け取りましたけれども、この沖繩県民の資産に対して国が一ドル三百六十円で通貨交換をするならば、一ドル三百六十円の保証をするならば、私は、現在の沖繩のあのような物価上昇は起きてないと思います。また、沖繩県民は、自分たちが物価を上げれば、自分たちにそれがはね返ってきて、自分たちが困るということは承知しておきながら、そうせざるを得ない、もう、やけくそになって、もう政府をたよったり、できるだけ尽くしますという、そうした大臣の心をたよっていたってだめだ、自分で自分を考えていかなきゃならないという気持ちで、あっちも上げればこっちも上げちゃう、上げなきゃ損だ、政府なんかたよっていたんじゃ干上がっちゃうという、そういう感情になっていると思うんですね。その底流は、先ほどから申し上げたように、国が一ドル三百六十円という通貨交換を沖繩県民の資産に対してやれば、これは私は、ほんとうに沖繩県民は喜ぶ、こういうふうに思うわけなんで、ぜひこれを検討していただきたい、ぜひこうやるべきだということを、ここで私が自分の考えで主張しているのではなくて、沖繩県民のもう切なる願いであって、そしてそこに不満の底流があるんだということをわかっていただきたい、こう私思いますので、こうやって、しつっこく申し上げるわけなんです。その点に対して、あなたからぜひ山中大臣に言っていただきたいんですね。その点、いかがですか。
#34
○説明員(松岡宏君) 山中沖繩開発庁長官に十分先生の御主張を伝えまして、政府といたしまして、なお今後十分の検討を進めてまいりたいと存じます。
#35
○柏原ヤス君 よろしくお願いします。
 次に、労働者の賃金の保証の実態はどうなっているか、この点、お聞きしたいと思います。
#36
○説明員(松岡宏君) 賃金は一ドル三百六十円ということで読みかえを行なう方向で、これは大企業から中小零細企業に至るまで、それなりの経済的裏打ちが配慮されたものと考えております。
#37
○柏原ヤス君 全体の労働者の何%になっておりますか。
#38
○説明員(松岡宏君) 沖繩におきます雇用者の数は、ざっと二十四万人というふうに統計上示されておりますが、この中で、公務員、軍関係の労務者、その他大企業の従業員、こういったところは早くから三百六十円の賃金換算が方針として打ち出されていたところでございます。その後におきまして、中小零細企業に対してもそういった方向での措置をとるために、政府としても、もろもろの施策を講じてまいりまして、復帰前の琉球政府におきます産業開発資金特別会計から十億円、大衆金融公庫から七億六千万円の追加融資を関係方面に行なって、そういった三百六十円の賃金切りかえを経済的にささえていく、そういう措置をとりましたほか、沖繩振興開発金融公庫法の衆参両院における御審議の際につきました附帯決議に基づきまして、総額八十億円の中小零細企業に対します長期低利の特別融資、これを実施いたすことによりまして、沖繩の中小零細企業の従業者に対して、これがほぼ――かなりの数字に達しますが、こういう方々にも一ドル三百六十円の賃金読みかえが可能になるような経済的裏打ちがほぼ出そろった、こういうふうに考えております。
#39
○柏原ヤス君 離職者はどのくらいでありますか。そして失業手当のレートは三百六十円になっているかどうかということです。
#40
○説明員(松岡宏君) ちょっと、この数字につきましては、関係部局が来ておりませんので、お答えいたしかねますが……。
#41
○柏原ヤス君 それでは、その失業手当のレートは三百六十円になっておりますか。
#42
○説明員(松岡宏君) ちょっと、御質問のこの点についての把握が十分できておりませんで、準備が整っておりませんので、お答えできません。
#43
○柏原ヤス君 またお調べになったときに教えていただきたいと思います。
 外国産の商品について少しお聞きしておきたいと思いますが、本土産の商品で為替差損補償を受けている商品が値上がりをしている、この輸入業者への措置はどのようにとっていますか。魚肉ソーセージなどが四〇%も値上がりしているという調査もありますので、その状況をお聞かせ願いたいと思います。
#44
○説明員(松岡宏君) 御指摘のいわゆる特定物資でございますが、四百四十品目につきまして、変動為替相場に移った時期に、そのためにドルと円との交換比率が変化して、同じ円の値段のものであってもドルの価格が高くならざるを得ない。これでは復帰前の沖繩の必需物資の物価が上がらざるを得ないということの対策といたしまして、国から補助金を交付し、従来のドル表示の価格をそのままに据え置かせた、こういう制度でございまして、これが特定物資と称して四百四十品目あったわけでございますが、これは復帰までの措置でございますから、復帰後におきましては補助金は一切打ち切られて、すべて本土の円表示の価格がそのまま沖繩の移入物資の入手の価格になると、こういうことかと存じます。復帰までに沖繩に輸入いたしました四百四十品目の物資につきましては、これは従来の三百六十円時代のドル表示価格を維持するように補助金を交付していたわけでございますが、その分について復帰後値上げを行なうとなれば、これは従来の関係からいって認めがたいということに相なるわけでございまして、現在もろもろの価格の調査を急遽進めておりますけれども、四百四十品目の復帰前の輸入の残りの在庫につきまして値上げをしているような動きがあれば、問題として取り上げていかざるを得ない、こういうふうに考えております。
#45
○柏原ヤス君 また、復帰後の値上がりがあらかじめ予想されました外国製品、これが事前に買い占められました。この実情をどの程度掌握しておりますでしょうか。
#46
○説明員(松岡宏君) 外国製品の輸入につきましては、これはまさに三百五円のレートが今後適用になっていくわけでございまして、そういう意味では、沖繩での外国からの輸入物資の原価は決して高くならない。一ドル三百五円ということで継続的に保証されるわけでございます。で、復帰直前のそういった物資についての買い占め等は、これは国内の税制等における制度上の変更を考えた上での先取り的な行為ということに考えられまして、輸入価格自体は今後とも三百五円ということで継続的に保証されるわけでありますから、円切り上げの効果は、まさに輸入物価の低位安定という姿で今後輸入物資については県民に均てんされると、こういうふうに考えております。
#47
○柏原ヤス君 私、お聞きしていますのは、外国製品の事前買い占めという事実があったわけですが、この実情はどのように掌握されているか、また、どの程度にわかっていらっしゃるかということをお聞きしているわけです。
#48
○説明員(松岡宏君) 正式な政府としての調査は最近始められたばかりでございますので、その間の事情は十分的確には把握いたされておりませんが、しかしながら、すでに新聞情報等で現地の実情が報道されているのを拝見いたしますと、ウイスキーなどについて、復帰後はいままでよりは値段が上がってくるということを見越して、かなり消費者大衆が買いだめをした。したがって、問屋にも在庫がなくなって、復帰の直前はなかなかそういった現物が店頭では見当たらないような場面もあった、こういうふうに聞いております。
#49
○柏原ヤス君 ここに沖繩総合事務局の調査によったものをいただいたのですが、ここに、三百六十円あるいは三百六十円以上こえるものがたくさん出ております。こういうものに対して具体的な措置を、どうとろうとしていらっしゃるのか、外国製品に対して。
#50
○説明員(松岡宏君) 外国製品につきましては、今後とも外国から沖繩県へ輸入されると、こういう関係でございますから、いままで沖繩で一ドルで入手できたものを今後は三百五円という円表示の価格で入手し続けることができるわけでございます。輸入物資については一ドルであったものは三百五円が原則であると、こういう形で地元にPRを行ない、それをこえる価格づけにつきましては、合理的な理由が認められない限りはやはり値上げという意味で問題として取り上げていかざるを得ない、こういうつもりでおります。
#51
○柏原ヤス君 それでは、それはどこで担当いたしますか。
#52
○説明員(松岡宏君) 国内の物価政策の問題でございますので、一般的には経済企画庁が担当することになりますが、御承知のように、今回の沖繩における物価問題は、復帰に伴う通貨交換のレートと、いろいろ復帰問題にからんで突然起こってきた事態でございます。復帰問題を所管しております沖繩開発庁が、物価問題を所管しています経済企画庁と連携いたしまして、この両庁が中心になり、関係各省が全面的に協力するという形で担当してまいります。それから現地におきましては、沖繩開発庁の出先になっております沖繩総合事務局、それから地元の沖繩県、沖繩県の関係市町村、こういったところが緊密な連絡をとりまして、物価安定のための施策を打ち出す組織づくりを始めているところでございます。
#53
○柏原ヤス君 それでは、沖繩開発庁だと、こういうふうに了解してよろしゅうございますね、窓口として。
#54
○説明員(松岡宏君) 当面の沖繩物価問題についての窓口は、沖繩開発庁と経済企画庁、この両庁が連携して窓口にあたる、こういうことでございます。
#55
○柏原ヤス君 そこで、もう一つ、この外国産品のことですが、沖繩の食肉消費の大きな比重を占めているかん詰め肉の中で、ランチョンミート、これは非常に安くて、何か、一ポンド入りが二十五セントだったと思いますが、非常に安くて、また、沖繩の県民にとっては必需品である、こういうふうになっていたようですが、これが非常に値上がりしております。三百六十円をこえる項目の中に入っているわけなんです。どうしてこんなに値上がりしているんでしょうか。
#56
○説明員(松岡宏君) 現地からの速報と当面の中間報告によりますと、復帰の直前、もろもろの見通し難、復帰不安ということが高まったために、消費者大衆が一斉にこのランチョンミートの買いだめを始めまして、かなり店頭での在庫が払底した、こういうふうに聞いておりまして、こういう動きの中で、復帰直後における通貨換算レートの混乱によりまして一部値上がりが発生した、こういうふうに理解しております。
#57
○柏原ヤス君 このランチョンミートなどは非常に安いもので、またぜひ必要だと……。学校の給食などにも使われていたそうですけれども、こういうものが物価高のトップをいくようなこの項目の中に入っているわけです。これは、新しくどんどん船で輸入するというような手が当然打たれていいと思いますが、そうした政府の対策というものは何もされていないんでしょうか。
#58
○説明員(松岡宏君) 今週の月曜日と、それから本日の午前中開かれました沖繩の物価問題に関する各省の連絡協議会におきまして、この点に対する対策を急遽検討いたしておりますが、ランチョンミートは、これは外国からの輸入品でございますので、本年度上期分の輸入割り当てを早急に決定いたしまして、十分輸入ができるように、そのための割り当てを確保していく。さらに上期分として決定された後においても、それが不足するような事態が予見される場合には、機に応じて弾力的に割り当てを増加していく、こういう方針が本日ほぼきまったところでございます。
#59
○柏原ヤス君 時間がございませんので、最後に、まとめて公取にお聞きいたしたいのですが、パンが非常に値上がりしているようでございます。中間業者の圧力というようなものが販売店にあったというようなうわさも出ております。この辺の実情はどうなのか、調査していただいているのかどうか、その点が一点です。
 それから、いままで独禁法がなかった地域でもございますし、時期的に平常でないときであるだけに、非常にこれはむずかしい問題だとは思いますが、公取委員会としてはこの事態にどういう対処をなさろうとしているのか。
 それから、もう一点は、豚肉の小売り価格が六割も値上がりしたといわれております。この点も、どうなんでしょう。
#60
○政府委員(谷村裕君) 私どものほうとしましては、先ほども御答弁申し上げましたが、同業組合等においてお互いに値上げをやるとかというようなことを申し合わせているようなことがあってはならないということを、まず中心にして調べておりますが、具体的に、いまの状況では、食パンがどういうふうになっているか、豚がどういうふうになっているかということについて、十分私はまだ承知しておりません。しかし、現地では、それぞれの業者を招致いたしまして、その実情を聞いたりしておりますし、また、私どもとしましても、いまの状況でございますので、至急応援の係官を二人派遣いたしまして、実態調査と申しますか、そういう実情について詳しく知ろうというふうにつとめるつもりでございます。
#61
○中沢伊登子君 きょうは、沖繩の物価高の問題をここでいろいろ調査をする、こういうことでございまして、もうすでに片岡委員と柏原委員からいろいろ御質問がありましたので、私は重複を避けて、この問題には簡単に触れることにします。前回の物価のこの委員会でお米の物統令の除外の問題をやりたかったのですけれども、時間がなくなってしまって、きょうに私は回ったわけですけれども、まず初めに、沖繩の問題を多少触れさしていただきたいと思います。
 先ほどからいろいろ御質問があり、特に柏原委員からはたいへん詳しく、一つ一つの御質問までございましたが、私は大まかに、一、二点だけお伺いをしたいと思います。
 それは、先ほどからもお話がありましたように、今度の沖繩の物価高というのは、通貨の切りかえのときをねらって小売り価格をつり上げている、ここに問題があろうかと思います。それからもう一つは、この通貨の切りかえの錯覚を利用して、この錯覚をねらって、サービス料金を上げている。この二つにしぼられるのではなかろうかと思います。その点で、政府としては佐藤総理が談話を発表しただけで、具体的な措置が今日まで十分とられておらない。ここら辺に、何と申しますか、初めから、沖繩の復帰不安だと、こう言っておりましたけれども、ここら辺に何か政治の冷たさというものがはっきり一つのあらわれを示しているような感じがしてならないわけでございます。そこで、どうしても一日も早くこの物価高を押えるために、奢侈品は別としても、生活物資、つまり生鮮食料品とかあるいは衣料品、こういうものは、沖繩県知事が行政措置として早急に、品不足なら内地から持ち込みをふやす、つまり需給関係の調整をやるために移入量をふやすべきだ、このように考えておりますけれども、この点、どのようになっておりますか。いまその需給量をふやすような方向に向いておるかどうか、ひとつお聞かせをいただきたい。
#62
○政府委員(宮崎仁君) いま、沖繩開発庁のほうのお話もございましたが、政府の連絡会議は経済企画庁も一応協力をしてやっておりますので、便宜、私からお答えを申し上げます。
 御指摘のような事態が生じてしまったことは非常に遺憾でございますが、御承知のとおり、沖繩復帰にあたりまして物価面に悪影響があってはならないということで、税制、特に関税の面、あるいは各種の行政措置等におきまして各種の特例措置がとられまして、大体沖繩の、従来からある程度安かった物価はその恩典が残るように、また、復帰によって安くなるものはそれは安くするということで、各種の特例が法律上もとられておることは、もう御承知のとおりでございます。ところが、今回の切りかえにあたりましてこういった事態が生じたということは、先ほどから御議論があったと思いますけれども、一つは心情的なものであるということが言われておりますし、それから、三百六十円レートでかえてくれという希望が非常に強かったわけでありますが、現実には御承知のようなやり方になったわけでありまして、そこに、何となく、不満といいますか、損をしたというような感じが残っておるということ、それに、値づけにあたりまして、こういうことは初めてだそうでございますから、各業者によっていろいろまちまちになってしまっておる。これは島産品についても、それから輸入品につきましても、本土から送るものにしましても、みなまちまちの値段がついておるわけでございまして、こういう事態はだんだん落ちついてきつつあるようであります。
 しかし、このままで置いておってはなりませんので、早急に政府として対策を講じようということで、いまお話しのように、月曜日に連絡会議が開かれまして、私も出席をいたしましたが、当面、いま御指摘のように、需給の関係で不足をしておるということはあまりないと思うのでございますけれども、そういった不安のあるものがあれば至急手配をしよう。農林省のお話では、タマネギとかバレイショとかいったものは、そういうことをやったほうがいいかもしれないというお話でございました。それから、ランチョンミートの話なども出ておりますが、これは需給としては心配はないだろうというお見通しのようでございます。しかし、非常な買いだめが行なわれまして、現在業者の手持ちがないということのようでありますし、いま現にランチョンミートを積んだ船が神戸港におるんだそうでございますが、何とか早くそういうものについての手配ができないかどうか、これも検討をしております。そういった需給面、供給体制の面、そういうことも考えますし、また、場合によっては、輸入品については沖繩に対する特別の割り当てを行なっていくということも考えてみてはどうか、この具体的な内容等は、いま関係省で詰めておるわけでございます。そのほか、まちまちだということから見まして、至急実態を正確に把握する必要がある、そういう研究的な調査も必要かもしれません。そういったいろいろ具体的な方策を少なくとも今週中ぐらいにはきめてしまおうということで、いま鋭意やっておるわけでございます。
#63
○中沢伊登子君 円が切り上げになりましたときですね、八月でございましたか、あのときに、ちょうど私は沖繩に行っておりました。あした帰ろうという、その前の晩に円切り上げが発表されまして、そのときも、その晩のうちに、本土から向こうに輸入されるかん詰めですか、それなどは、もう一斉に十セントぐらいずつ、あの当時値上げをしたことがございます。あのときも沖繩の人たちはたいへん不安を感じられまして、今度で、こういったようなショックを受けられたのは二度目だと思いますけれども、いまの宮崎局長のお話を伺って、早急に皆さんがその不安から免れるように、心理的な不安動揺を取り除いていただくように、ひとつ早急に手を打ってほしいものだと要望するわけですが、公取のほうは二名人を派遣しているという、いまお話を伺ったわけですけれども、行く行くは公取も向こうに支所とかあるいは出張所、そういったものをおつくりになるお考えでございますか。あるいはまた、内地と同じように、モニターのような制度も設けられるのかどうか、ひとつお伺いをしたい。
#64
○政府委員(谷村裕君) 正確に申し上げますと、私どものほうから応援の係官が参りますのは、たぶん明後日でございます。まだ行っておりません。しかしながら、沖繩の復帰とともに開庁されました沖繩総合事務局がございます。そこの中にに、私どもの出先として公正取引室というのを設けまして――これは、人数から申しますと、室長以下四名でございますが、そのうち、室長は私どものほうで課長補佐をやっておりました者がこの際室長になって向こうへ参っております。さようなことで、総務部の中で、すでに公正取引室という機構をつくりまして活動をいたしております。これはわずか四名でございますけれども、しかし、私どもの出先が、御承知のように、各地方事務所としてある体制に比べれば、沖繩一県のために出している人数としては、まあ割合から言えば多いことになると思います。
 それから、モニターにつきましては、その必要を認めましたので、今回予算の措置も講じていただきまして、沖繩で十五名モニターになっていただくことにいたしました。まだ人選その他はできておりませんが、たしか八名を沖繩本島に、それから七名は別のほうの他の島々のほうにということであったかと思います。まだ私、ちょっとそれ、記憶しておりませんが、さようなことで、沖繩の移り変わりのときが大事でございますので、私ども人も出しますが、将来ともやはり各地方と同じようにして沖繩における独禁法施行の仕事をやっていくつもりでおります。
#65
○中沢伊登子君 まあ、そういったように公取も向こうへ行かれて、それぞれいろいろな物価の監視をしていただいて、沖繩の人たちがほんとうに生活不安を感ずることのないように、ひとつがんばっていただきたいと思うわけです。
 そこで、いま宮崎さんからもお話がありましたように、在庫があるのかないのか、そこら辺がよくわかりませんけれども、私どもの想像としては、売り惜しみをしているのではないかということも考えられます。あるいはまた、ひょっとしたら、みんな買い占めをしてしまって、在庫がないかもしれない。そこら辺がよくわかりませんけれども、今後やはり、いろんなものを早急に内地から、あるいは輸入ワクなんかも広げて、沖繩へ物資をたくさん送ることがつまり物価が下がるわけですから、その点で、私、いつもここで申し上げますと生協のことばかり申しますけれども、向こうの労働組合といえば、いま官公労だと思いますけれども、そういうようなところに生協式の直販をやらせるように、直売をやらせるように、そういうところに品物をおろして、公正に品物を分配するようにしてはどうか、このようなことを考えますが、いかがでございますか。
#66
○政府委員(宮崎仁君) 私どものほうも、沖繩の消費者団体等の実態について、それほどよく把握しておりません。しかし、いま申し上げましたように、緊急対策としては、とりあえず数点きめるつもりでございますが、さらに今後の模様を見まして、いまおっしゃったような、この組織がうまく利用できるか、これは考えてみたいと思います。
#67
○中沢伊登子君 この問題では、最後に、今度は委員長にひとつお取り計らい願いたい問題がございます。
 それは、いまいろいろ御答弁をいただいたわけですけれども、この委員会の意思として、ひとつ沖繩開発庁を督励して、沖繩の物価対策を早急にやっていただく、こういうことをこの委員会の意思としてきめていただいたらいかがかしらと御提案を申し上げる次第です。
#68
○委員長(長屋茂君) ただいまの中沢委員の御希望の件でございますが、近く理事会がありますので、そのときまた御協議しますから、いまのことについては、公取のほうでもひとつお聞き取り置いていただきたいと思います。御回答はいただきませんから……。
#69
○中沢伊登子君 それでは、委員長からもたいへんうれしいお取り計らいをいただきまして、いずれ理事会でこの問題を取り上げていただきながら、早急に沖繩の物価を解決していただきたい、このように考えるわけでございます。
 そこで、この前私、まだ質問をだいぶ残しておりますので、化粧品の不当表示の問題で御質問を申し上げたいと思います。
 不当表示に関しましての規制は利益の保護に直接密接につながるものでありますけれども、やはり相変わらず違反行為がございます。現在、公取の体制では迅速に処理するのには必ずしも十分にはできないかもしれません。いまの沖繩のお話を伺っても、わずか四名ということで、それは本土に比べれば率から見れば多いと、こういうようにおっしゃるわけですけれども、私どもいつでも、公取のメンバーをもっとふやしてほしい、このように要望し続けてきたわけですけれども、いまの体制では必ずしも十分に私どもの意思が反映しないかもしれませんけれども、しかし、ほんとうの法の運用いかんによっては、もっと効率的に規制が可能になるとも考えられます。たとえば、消費者の通報を組織的に取り上げるなどとかして取り締まることはできないのかどうか。最近、私どもは、いわゆるモニターの人々から、ときどき、いろいろなことを通報しても、それをなかなかそっくりそのまま取り上げていただけないというような不満も聞かされます。そのようなことでは、消費者も公取にそっぽを向くときが来るのではなかろうかということを実はたいへん案じておりますので、その辺について御答弁をいただきたい。
#70
○政府委員(谷村裕君) 不当表示、あるいは不当景品の問題の消費者行政をいよいよこういう時代で強化されなければならないときに、その重要性はますます大きくなっていることは御指摘のとおりだと思います。それに対する考え方としまして、一つは、かねがね御決議等もいただいておりました地方団体のうちで、とりあえず都道府県知事にいろいろと迅速に処理していただく、そういうお仕事をお願いする法律の改正が、おかげさまで、本日この参議院の本会議で可決されました。どの程度にいくことになりますか、なかなか全国都道府県のお仕事としてやっていただくときに、それがうまくいくようにすることは、いろいろ私どもとしてもつとめなければならないと思いますけれども、しかし、少なくとも地域住民と密着している第一線のところで迅速に、しかも全国にわたってやっていただける体制ができましたことは、まだ一歩を踏み出すに至っておりませんけれども、これからの体制としては、私は、おかげさまでいいものができたと、かように思っております。
 そこで、今度は私どものほうでございますけれども、確かに、おっしゃるとおり、いろいろの情報を得ましても、その情報にうまく直ちにこたえていくということのためには、まだまだ私は人数も足りないと思います。と申しまして、私どものほうだけの人数をやたらにふやしてもあれでございますが、この点では、やはり今回、たしか七月一日からだと思いますが、処理体制を確立しますために、表示関係の課を二つに分けまして、責任者である課長の、いわば仕事の負担をある程度緩和してやると申しますか、あるいは逆に言えば、二人がかりで課長がこの問題と取り組むという体制にいたしまして、より手が回るようにしたいと思っておりますし、また、人数等につきましても、わずかずつではございますが、ふやすようにしております。しかし、私の委員長としての責任といたしましては、やはりこれからも、こういった問題のための機構、人員、予算の充実、そしてまた国民の、あるいはいまお話があったようなモニターの方の負託にぜひこたえなければならぬと思って、そのように努力したいと思います。
#71
○中沢伊登子君 ちょっと思い出していただきたいのですけれども、化粧品の問題は、ことしの二月の問題でございまして、多少時間が過ぎましたけれども、いまからお伺いをしたいと思います。
 昨年の十月の公取の告示によって、化粧品に関しては公正競争規約が認定され、続いてことしの二月に、この規約に基づく施行規則の中で、いわゆるキャッチフレーズの基準が定められましたね。ところが、この基準は、消費者団体が猛反対をして、皮膚に栄養を与えるとか、小じわを防ぐなどの宣伝文句をいずれも深めておりまして、業界べったりの基準だとも言っておりましたが、誇大宣伝を容認せざるを得なかった、このいきさつと根拠についてお伺いします。
#72
○政府委員(谷村裕君) いま、御指摘のような化粧品の効能、効果の範囲につきまして、これがどの程度の表現ならば、まあ誇大あるいは著しく内容を優良であると誤認させるようなことにならないかについて、これは消費者の方々の御意見も承りましたし、その他学識経験者の方の御意見もございました。さらに、所管官庁であります、薬事法を所管しております厚生省の方の御意見もいろいろと承りました。そこで、これにつきましては、私どもの公正競争規約の認定によって新しくこういうことがきまったという形は、公正競争規約についてはそうでございますけれども、実は厚生省のほうで、昭和三十年代からだったと思います、ずっと薬あるいは化粧品、そういったものについての宣伝の、いまおっしゃったキャッチフレーズの基準を厚生省の立場からきめて、それを業者に通達として出している。そういうものが実はすでにあったわけでございます。それが、私どものほうとして、今度は、公正競争規約に基づく効能、効果の範囲の表現としてきめるということになりましたわけでございますが、その際、従来の厚生省がやっておられた、効能効果はこの程度の表現というふうにきめておられたもの、それをどう取り込むかという問題があったわけでございます。厚生省のほうには、私どものほうからも、ある程度こういうことの表現はやはり行き過ぎではないかというふうに申しまして、厚生省当局のほうも――これは具体的には薬務局でございますが、直そうというふうにして直した点もございます。たとえば、化粧水などについては、色を白くするということは、従来、言ってもよろしいというふうになっていたのを、この際削除するというふうにいたしました。同じように、クリーム、乳液類についても、色を白くするという表現はやめようということにいたしました。それから、パック類というものについて、同様、色を白くするということのほかに、皮膚に栄養を与えるということを許していたのでございますが、それはやはり削除いたしました。それから、洗顔料等についても、皮膚に栄養を与えるというふうな文言は、向こうの広告基準のほうからも削除し、私どものほうと厚生省のほうとが打ち合わせまして、それじゃこの程度というところにおさまったのが先般出たものでございます。なお、御指摘のように、効能、効果として、小じわを防ぐとか、あるいは、しみ、そばかすをどうだとか、あるいはさらに、ものによっては、皮膚に栄養を与えるというふうな文言も残っております。
 私どもとしては、化粧品の本来の姿からいいますと、それほどの効能、効果を一体表現すべきものなのかどうかという点については、まだ疑念を持っております。しかし、いつまでたってもきまらないというのも困りますので、いまの段階ではここまでというふうにして、消費者の方々にはお気に入らなかった点もございましょうが、一応きめました。しかし、厚生当局のほうにおきましても、この問題については、やはり化粧品というもののいわば化学的な本質からいいまして、効能、効果についての表現はもう少し検討しなければならないということを、私どもの要望に対して答えておりますし、実は昨日、私と厚生省の薬務局長と同席いたしまして、当参議院の商工委員会においても、その旨を発言いたしております。
 そういう意味で、私どもは、経緯ということでございましたが、これから先のことまで申し上げて恐縮でございましたが、表現のしかた等については、なお今後とも、消費者の方々の御意見もくみ、適正なことばにするにはどうしたらいいかという検討を続けてまいるつもりでございます。
#73
○中沢伊登子君 男の方はほとんどお化粧をなさらないと思っておりましたが、最近は男の方も、だいぶお化粧品がはんらんしておりますから、お化粧をなさるのでしょうけれども、いまの御答弁で、私、満足をさしていただきますが、たとえば、くちびるに栄養を与える――ところが、くちびるに口紅をつけることで、かえってくちびるが荒れることがあるのです。それから、小じわを防いだり、はだ荒れを防いだりということばがよく使われますけれども、小じわを防いだり、はだ荒れを防ぐのなら、お化粧をせずに素顔のままでいたほうがいい、むしろそういうこともあり得るのですよね。それから、何だかそういうことをあまり書き過ぎて、お化粧をしなさい、しかもそれは、ちょっとでなく、たっぷり使いなさい……。たっぷり使ったら、かえって、はだが荒れてしまって困る例が相当あるわけです。ですから、お化粧という字も、よそおい化けるというのだが、いろいろなことを言われるわけです。
 まあ、とにもかくにも、消費者は公取を信頼しながら、公取にたいへん期待をかけております。そういう中で、公聴会を開いて消費者の意見を聞きながら、それを基準づくりに反映させなかったのならば公聴会の意味がないじゃありませんか、こういうようなことも消費者が言って、たいへん不信感を持ったこともございます。
 そこで、まあいまのお話のように、厚生省の基準もあって一方的にきびしくはできなかったとも言われるかもしれませんけれども、公取はそれこそ消費者の唯一のよりどころですから、公取らしく、すかっと消費者の要望にこたえてほしいものだと思います。今後の改正もあろうかと思いますので、公取の今後の御活躍を期待をさしていただきながら、私は本来の質問であるお米の問題に移りたいと思います。
 お米の物統令が除外されたあと、もう約二カ月になりますが、消費者米価はどうなりましたか。この前とその前と、同僚議員の柏原議員からいろいろこの問題については相当事こまかく質問をされたのですけれども、ときには、ちょっとその意味がよくわからなかった点もございます。そこで、私が初めからもう一ぺん私なりの御質問をしたいと思うわけですけれども、政府は毎週価格調査をしていると思いますが、その調査方法はどのようにしてやっていらっしゃるのですか。小売り屋さんに行って調べているのか、あるいは消費者の家へ行って、産地別、品種別の価格について調べていらっしゃるのか、その辺を、まず第一にお伺いをしたいと思います。
#74
○政府委員(中村健次郎君) 物統令廃止以後、私のほうで消費者米価につきまして毎週調査をいたしておりますが、これは、その方法といたしましては、ただいま御質問ございました小売販売店を抜き出しまして適当な数を指定いたしまして、そこに電話で毎週聞き合わせて調査しております。なお、それだけではいけませんので、実際にその店に行きまして、正確な報告がされてあるかどうかというようなことをいろいろ監査して、その確実性を確かめる、こういった方法をとっております。
#75
○中沢伊登子君 前回は、四月十五日にその報告を発表されましたね。その後、まだ発表されておられませんか。
#76
○政府委員(中村健次郎君) この報告の集計は毎週いたしておりまして、最初の四月第一週の集計がまとまった段階で新聞方面に、説明を加えて発表いたしましたが、その後は、毎回やる問題でございますので、私のほうで集計表を広報室に置きまして、必要な方には、それを持っていっていただいて見ていただく、こういう方法をとっております。
#77
○中沢伊登子君 それは一カ月に一ぺんまとめて発表することになっていたのじゃなかったですか。
#78
○政府委員(中村健次郎君) 特に発表は……。毎週、いわば発表と申しますか、広報のほうに印刷をして置いておりますので、必要な方には、それを持っていって見ていただくということで発表にかえているわけでございます。特に要求があって必要な場合には、それについての説明を加える場合もあります。
#79
○中沢伊登子君 たいへん意地の悪い聞き方をいたしますけれども、そのお米の値段の調査ですね、それは、今度物統令を除外して米の値段が高くなったら、安い政府の管理米を放出すると言っておられますね。そのために、つまり、管理米を放出するために調査をしているのか、それとも、常時調査発表をして、業者のつり上げを押える目的でやっているのか、どちらでございますか。
#80
○政府委員(中村健次郎君) この調査の目的は、物統令適用廃止後、法的な価格の規制がないわけでございますから、価格水準がどのように変化するかということをこの調査によって把握をし、それに対応して私のほうのいろいろな施策をやってまいりたい、そうして、価格水準が上がらないように手を打っていきたい、こういう目的でやっております。したがって、この調査の結果の使い方につきましては、先生いまおっしゃいますように、われわれのほうといたしまして、もし価格が上がるような傾向が見えるということであれば、この原因がどこにあるのかというふうなことを調査いたしまして、かりに政府の売るものが不足しておるということであれば、そういったことがないように売却数量をふやす、そういった操作を通じて価格の上昇を防ぐということを第一義的に考えておりますし、また、こういった調査をやり、これが発表され、消費者の監視、一般の人々の監視の中にあるということを小売り業者にもよく自覚さして、そういった一般の批判をこうむらないように正しい業務をやるようにという意味もこの調査の中にはあるかと思います。
#81
○中沢伊登子君 そうであれば、なおさら国民に知らせねばなりませんから、テレビや新聞で流して、業者が引き上げないようにPRすべきであると思います。マスコミの協力を得て効果をあげるようにすべきだと私ども考えておりますが、その点、いかがですか。
#82
○政府委員(中村健次郎君) 先生おっしゃいますように、われわれとしても、マスコミの協力を得て、そういった効果をあげるように考えております。したがって、第一回のときにも発表をいたし、説明をいたしました。また、五月第二週からは、従来、上・中・並の三段階の調査をしておりましたのを、上・中・並・下というふうに四段階にした。並びに、新規登録の店がふえておりますので、それに応じて調査対象をふやして新しい店を調査対象に加える、そういった改正をいたしまして、その際にも記者クラブに説明をいたしておりますし、また、必要なごとに説明もいたしますし、いつでも見れるように印刷物を準備して記者クラブのほうに渡しております。
#83
○中沢伊登子君 せんだって農林大臣が、生産者米価の引き上げを示唆するような報道がございましたね。続いて、消費者米価も上げるような、何か、感じを受けました。それについて経済企画庁長官が、ことしの消費者物価の見通しが五・三%だから、いまから消費者米価を上げるようなことになってはたいへんだというような談話が出されたように記憶をするんですが、この点、いかがですか。
#84
○政府委員(中村健次郎君) 米の政府売り渡し価格につきましては、先般農林大臣からの発言があったわけでございますが、農林省といたしましては、現在まだ政府売り渡し価格をどうするかという方針はきめておるわけではございません。従来のように、家計費及び物価その他の経済事情を参酌して消費者家計の安定を旨として定める方針で、必要な場合には米価審議会にはかって決定していく、こういう手続をとっていくことになります。
#85
○中沢伊登子君 たぶん、米価審議会にはからなければきめられないというふうな御答弁が出てくるだろうと思っておりましたけれども。
 そこで、今度は、食管法の施行規則を改正いたしましたね。この改正のねらいは何ですか。
#86
○政府委員(中村健次郎君) 食管法の施行規則――いろいろ変えたのでございますが、どの部分について……。
#87
○中沢伊登子君 それじゃ、まず初めに、今度の規則の中で、特別販売業者の制度というのができましたね。これのねらいは何ですか。
#88
○政府委員(中村健次郎君) 特別販売業者制度を設けました趣旨でございますが、配給制度のもとにおきます販売業者は、従来は卸と小売りの二段階に区分されておりまして、卸業務と小売り業務というものが別個の経営体に分離されるという形態をとっておりました。しかし、最近の一般的な商品流通事情の変化に伴いまして、中間経費の節減が要求されるようになってまいりましたので、米の販売につきましても、大型集中精米工場を軸にいたしまして、卸と小売りの業務を単一の経営体で営み得る米穀流通の改善、合理化に資する、こういう趣旨で特別販売業者の制度を創設したわけでございます。
#89
○中沢伊登子君 そうしますと、特別販売業者というのは、小売りを八十店舗かかえればいいとか、あるいは五十馬力以上の搗精機を利用できることというような何か条件がありますね。そうすると、その八十店舗をかかえるということは、卸と小売りの間に、もう一つの制度ができたという感じを受けるんですが、そうじゃないんですか。
#90
○政府委員(中村健次郎君) 卸業者と小売り販売業者の制度は、もちろんいまもありまして、そのほかに特別販売業者というものを新しく設けたわけでございますから、先生のおっしゃいますように、新しい販売業者の制度ができたわけでございます。これは、先生のおっしゃいましたように、一定の条件がございまして、小売りが八十店舗集まって卸売業者と合体をして一つの企業体になる。しかも、その卸というのは、一定馬力以上の集中精米工場を持った、近代的設備を持った卸でなければいけない。これが一緒になれば、これは卸売り販売業者でも小売り販売業者でもなくて、特別販売業者という名前で、卸業務もできますし小売り業務もできる。こういう販売業者ということであります。
#91
○中沢伊登子君 まあ、お米は二兆円の商品とも言われるわけですね。そういうところに、いまのお話のように、米穀流通合理化と、こういう名前のもとに、つまり大手商社に米穀の取り扱いの道を開いていくものではなかろうかという疑いが持たれるわけです。まして、大手商社にまでわざわざお米をやらせなくたって、いままでのように卸があり小売りがあり、いままでの権利を持っていた人があったはずですのに、なぜこのような、八十店舗をかかえるような、つまり大手商社にこういうお米の販売の道を切り開いたのか。そこら辺が私どもにちょっと納得がいかないわけです。
#92
○政府委員(中村健次郎君) この制度は、もちろん、先生のおっしゃいますように大手商社に販売の道を開くためにつくったものではないのでございまして、従来の小売り販売業者自体が寄り集まって一つの合理的な販売をしたい、また、従来から登録されております卸売り業者が、やはり小売りと一緒になって、もっと合理的な、流通経費の少ない形での米の販売をしたい、こういう場合に成立するように仕組んであるわけです。したがって、卸売り販売業者の資格をとった者が必ず一つはなければいけない。それから、それに合体いたします者も小売り販売業者の資格を持っておる者でなければいけない。そういうことで、従来の小売り販売業者なり卸売り販売業者が中心になって、むしろ協業と申しますか、合併と申しますか、そういう一つの集中をして、合理的な力を持って大きなものに対抗していく、こういう近代的な販売形態の販売業者に育てていきたい、こういう趣旨でこの制度を設けたものであります。
#93
○中沢伊登子君 それならたいへんけっこうなんですけれども、もうすでに千葉県とか新潟県に、丸紅飯田とか、あるいは三井物産、そういったような大手業者が入り込んでおりますね。御存じでしょう。それから、食管制度の赤字が三千億円ぐらいございますね。そこで、そういったような流通合理化というような名前、あるいはまた、そういう人たちに特販業者という権利を与えることによって、そういった赤字を肩がわりさせるのではなかろうかと、こんなような感じがするんですけれども、その点、いかがですか。
#94
○政府委員(中村健次郎君) いま申されました千葉県その他における問題でございますが、商社の中に米の販売業務にも伸びていきたいという考え方があることは否定できないと思います。そういうことで、いまから米の販売業務に関与しておきたいということで、卸業者の会社に出資をするという形のものが見られる。それが、いま先生のおっしゃった問題だろうと思います。こういったことは、自由な経済の中で、一つの会社の中に株主として商社資本が入るということをあながち否定すべきものでもありませんし、また、否定することもできないと思います。
 それから、食管赤字を販売業者に転嫁するんじゃないかというふうなことでございますが、これは決してそんなことを考えたわけでございませんので、あらゆる商品について流通革命が行なわれるときに、米の流通機構が、長い統制の中で特殊な形で、小売り販売業者、卸売り販売業者がずっと閉鎖的な形の中に温存されてきた。それが現在の時代にそぐわないという点が出てきておるので新規参入という問題も出てきたわけでございますが、そういった情勢になりますと、小売り業者にしましても、従来の卸業者にいたしましても、何らかの企業の合理化と能率化ということをはからなければこれからの競争の中で発展していくことは困難である。したがって、それができるように、小売り業者が集まり卸業者と協力して一つの企業体をつくれば、卸もできれば小売りもできる、そういう合理的な販売方法をとれるんだ、従来は禁じられておりましたが、そういうことができるんだという道を開いたことでございまして、この特別販売業者制度というのは、私たちとしましては、従来の販売業者――小売り、卸が新しい流通機構をつくっていく一つの方向であるという考え方でこの制度の創設をしたわけでございます。
#95
○中沢伊登子君 いままでの支払い形態、そういうものはいろいろございます。たとえば、スーパーなんかは三十日から六十日の支払いだとか、それから小さな卸屋さんは一週間とか、いろいろそういう支払いの方法がある。そういうところへ大手の商社が資本参加という形でその支払いの肩がわりをだんだんしていくうちに、こういったような大手商社が特別販売業者という肩書きを獲得して、だんだんいままでの卸屋さんなんかが圧迫されていくんではなかろうかということを実はたいへん私は気にするわけです。そこで先ほど来のようなたいへん意地の悪い質問をしたわけでございますけれども、また大資本がどんどんのさばっていくということは、やっぱり私どもとしてはあまりいい感じがしないわけです。そこら辺、食糧庁のほうは、一体これからそういったような米の販売をどっちの方向に持っていこうとなさるのか、伺っておきたい。
#96
○政府委員(中村健次郎君) 食糧庁といたしましては、食管法に基づきまして、国民食糧の確保ということで管理をいたしておるわけでございますから、この目的に沿うような形で、しかも、中間の経費ができるだけ節減できて、それに携わる販売業者がりっぱな経営ができていくという方向に進むべきだと、このように考えております。
#97
○中沢伊登子君 そうすると、いまの特販業者に対する新規参入の基準といいますか、そういったようなのは、先ほど質問したような二つの点と、それからやっぱりお米の販売の経験何年というふうな基準があるんですか。
#98
○政府委員(中村健次郎君) 特別販売業者というのは、先ほど申し上げましたように、新しく新しいものがこつ然としてできるというわけにはまいらないのでございます。従来、一定の資格を持って卸販売業者の登録をとっておる、これは従来からやってきた卸――現在のところは新しい卸販売業者の登録はしておりませんから、いままでの卸がどうしても加わらなければならないということがございます。それから、小売り販売業者の登録をとっておる者、これは、従来からずっと小売りをやっておられる人と、四月以降若干の新規参入がございます。こういった小売り業者が八十以上一緒になって、卸しと一緒になって一つの企業体をつくる、こういう資格がございます。いままで何ら米に関係のなかった、たとえば、あるAという会社ならAという会社がすぐに特別販売業者になるというようなことはできないわけでございます。
#99
○中沢伊登子君 小売りの新規参入のことが出ておりますけれども、小売りの新規参入、これも相当ワクが広げられたやに聞きますけれども、これは経験条件が必要でございますね、いまおっしゃったように。このごろのお米はポリパッケージになっておりますね。そうすると、それをただ店で売るだけですから、それほど小売りの新規参入にきびしい条件をつける必要はないのではなかろうかと思いますが、その点、いかがですか。
#100
○政府委員(中村健次郎君) 小売り販売業者の新規参入の資格要件というのは、これは従来と大体変わらない形できめられておりますが、多少緩和を、表現をはっきりさした点はございますけれども、変わっておりません。ただ、大精米工場でつくって袋詰めにして売るのだから、販売として特に経験があったり、特別な販売技術を要しないので、そうむずかしい条件をつける必要はないではないかという御意見でございますが、これは、小売り販売業者は配給制度の中の一つの公的な機関として登録をしております。そして、配給につきましては切符制度によって配給をいたしておりますから、配給の規則がございます。そういったものはやはり守っていただかなければならない。したがって、そういった配給業務、法律に基づく配給業務ができる小売り店でなければいけない。だれでもいいというわけにはまいらない。そういう意味におきまして最小限の条件をつけておる、こういうことでございます。
#101
○中沢伊登子君 もう時間がだんだん少なくなってきておりますけれども、そういう点で、食糧庁からは基本的な点のみしか通達が出されておらないように聞いております。そして、その運用については各都道府県の判断にまかせている。そのために、県によっては基準がばらばらでございますね。それで公平を欠いている。たとえば、その免許にあたっては県知事の権限になっておりますが、各県の実情に応じて自主的な判断をすることになっているやに聞いておりますが、こうなりますと、業界の圧力が加わって新規参入がなかなかできないのではないかと、このように思いますが、その点、いかがですか。
#102
○政府委員(中村健次郎君) この点につきましては、食糧庁のほうは規則を定めておりまして、その規則に該当しておる小売り申請者については、これは登録をしなければなりません。その登録は県知事の権限にまかされておりますが、それの基準は食糧庁のほうから規則に基づいて示しております。したがって、ばらばらになるということはないと思いますが、ただ、申請を審査いたします場合に、たとえば経験要件で、一年以上米穀の配給の業務に携わった者が営業所ごとにいなければならないというふうな要件がございますが、実際に申請された営業所にそういった人がもちろんいるという申請が出ておりますけれども、それがほんとうに過去において配給業務に一年携わっておったかどうかというふうな問題を各県で審査をしておられます。そういった要件の審査ということにつきまして、いまいろいろ時間がかかっておるところもございますので、特にこの食糧庁からの指示なりがなくて、おかしな、ばらばらなことになるということはないと思います。
#103
○中沢伊登子君 それじゃ、東京都の例をあげますと、東京都は、現在お米屋さんの店舗が五千軒ございますね。それに対して新規参入を要請しているのが千二百軒あります。一体、これはその後どういうふうになっておりますか。それから、もう一つ、生協ですね、生協は三十八店舗申請しているのに対して十二店舗だけ許可されて、残りは保留になっている。この二つの例について御答弁をいただきたいと思います。
#104
○政府委員(中村健次郎君) 東京都につきましては、申請が千三百二十八出ておりまして、すでに第一回の登録で二百六十三店が登録済みになっております。第二回は五月中旬にやるということで、目下急いでおります。第三回を六月にやる、こういうことで、現在、残りの申請者につきまして審査をいたしておる段階でございます。何しろ数が非常に多うございますので、審査に時間がかかっておるのが現在の実情でございます。
 生協につきましては、現在登録されましたものは、東京都の十三、大阪の六、名古屋の三、京都の二と、二十四が登録が済んでおりまして、あとは目下審査中でございます。
#105
○中沢伊登子君 そこで、時間がありませんので、最後にもう一つだけお伺いをしておきます。
 前に食糧配給協会というのがありましたね。それは十分機能を発揮しなかった。そこで今度は、米穀流通適正化協議会、こういうものを設置するんですね。そうですね。これも、その構成メンバーに私は一つ注文をつけたいわけです。いつでも、こういうものをつくるときに何でも私たちは、物価対策の面から、消費者代表を入れろということを、いろいろな面で、いままでも強調してまいりましたけれども、今度も、この構成メンバーに、知事と業者代表と生産者代表と消費者代表、学識経験者、こういうふうなことになっているようでございますけれども、十分私どもの意向を反映できるような消費者代表を、ぜひひとつ入れていただきたいと、これは要望をするわけでございますけれども、四月末までに七県設置されておりますね。一府県は準備段階だと聞いておりますけれども、こういうものは早急に各県でつくる必要があると思います。現状はどのようになっておりますか。
#106
○政府委員(中村健次郎君) 流通適正化協議会につきましては、現在のところ、先生おっしゃいました七県が発足をしておりまして、十二都道府県につきましては五月中に発足する予定となっております。その他の府県につきましても、できるだけ六月早々に、できれば五月中にも発足させたいというふうに考えておるという報告を受けております。また、それの構成メンバーといたしまして、私のほうの基準にも消費者の代表の方を入れるようにということを指示しておりまして、それは各都道府県におきまして、県の事情によっていろいろ違うと思いますが、その県においてどういう方が消費者の代表として一番適当であるかということを考え、各県でこれを考えながら選定をしておりますし、現在発足しておる県の流通適正化協議会の中にも消費者の代表が選ばれて入っております。
#107
○中沢伊登子君 それでは、もう時間が二分ほどしかありませんから、最後にもう一つ。
 これは、こういったようなお米の問題にしても何の問題にしても、つまりは、競争条件を与えれば物は下がってくるわけですね。そこで、先ほどは小売りの新規参入についてお伺いしましたけれども、卸の新規参入について、食糧庁はこれは当分認めないと言っていらっしゃるんですが、やっぱりこれを認められるのですか。卸にも新規参入の緩和を、ひとつぜひお願いをしておきたいと思います。米穀流通の合理化からすれば、小売りの新規参入だけでは事足りずに、先ほどの特販制度だけでなくて、卸にも新規参入を認めなければ、これは片手落ちになるのではなかろうか、このように思いますが、この卸の新規参入についての見通しについてお尋ねをして、終わらせていただきたいと思います。
#108
○政府委員(中村健次郎君) 今回の物価統制令の適用廃止に伴う関連措置の一環としまして、卸売り販売業者につきましても、都道府県知事がその県における既存業者の業務運営の状況を見まして、このいまの卸売り業者だけではぐあいが悪い、配給の円滑な実施ができない、こういうふうにお考えになりまして、必要と認めて農林大臣に申請をされ、それの承認を受けた場合には新しく卸の新規参入が認められるというふうに改正をいたしております、ただ、卸と小売り業者との結びつきが従来からもございますが、従来は、一年間は卸と小売りとは結びついたら離れられないということになっておりますが、これを三カ月でかわれるというふうに改正をいたしましたので、小売り業者が卸売り業者を選ぶ、選定をするということは、若干の規制がございますけれども、それに近い状態になっておりますので、そういった意味で、当然、小売りに対してサービスのいい卸業者には小売り業者がたくさん行くということになりますので、そういった競争条件を整備するように、はかっております。そういう意味で、現在のところ、すぐに新しい卸売り販売業者を設けなければ物統令適用廃止後の配給業務が円滑にいかないというふうに思われる県は、まだございません。まあ、今後の卸売り販売業者の業務運営の状況を見ながら、この問題については新制度を適切に運営をしてまいりたい。また、こういう制度があるということ自体が、卸売り業者が好きかってなことができない一つの牽制になっておりますので、そういう意味でも非常に大きな力を持っておるというふうに考えております。
#109
○中沢伊登子君 表示の問題については、この間柏原委員がずいぶん、ポリ袋なんかを持ってきて、やられましたので、私はきょうは触れませんけれども、そのときに食糧庁は、とにかく肝に銘じましたと、こういうふうに柏原委員に頭を下げておったわけでございますけれども、まあ新しい制度ができたところでございますし、物価統制令がはずされて、まだ二カ月でございますから、今後のこの新しい規則を運用するにあたって、ほんとうに公平で、そして明朗にやっていただくように、そしていろいろな問題をかもし出さないように、十分心して運営をしていただきたい。このことを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
#110
○渡辺武君 先ほど、沖繩の物価問題についてのほかの委員の質問がありました。私、その答弁を伺っておりまして、これは失礼な言い方かもわかりませんが、率直に言わしてもらえば、これはやぶ医者の診断書みたいなものです。病気の原因をはっきりさせない。薬をくれと言ってみれば、大けがをした人に、まあとん服のかぜ薬をくれているような答弁をされていると私は思いました。政治的に言えば、これは徹頭徹尾、政府の責任を隠蔽しようというところに、その立場があるのじゃないかという気がするのです。それで、私は、ほかの委員の質問された点はできるだけ避けながら、沖繩の物価上昇の原因は一体どこにあるのか、そしてまた、それに対する正しい対策はどのようにして立てなければならぬのか、その点について幾つかの点を伺ってみたいと思うのです。
 まず、最初に伺いたいのは、いまの物価急騰の原因はいろいろあって、複雑だと思います。一がいには言えないと思いますけれども、しかし、その中で最も大きな決定的な要因、これは、沖繩県民にばく大な為替差損を強要した政府の通貨切りかえ措置そのものにある、責任は政府にある、というふうに思いますけれども、その点、どうですか。
#111
○説明員(松岡宏君) 通貨の切りかえにあたりましては、交換比率三百五円と従来の三百六十円との差額、一ドル当たり五十五円を沖繩の住民に補償するという措置が同時並行的にとられておりまして、今週の月曜日から、すでに五十五円分の給付の事務を開始しております。したがいまして、全般的な理解といたしましては、地元の皆さん方に差損が生じているということはないというふうに考えております。
#112
○渡辺武君 そんなことを言ってるから対策もろくなものは出てこないと思うのです。けしからんような答弁ですね。あなた方の、この物価上昇の原因――先ほども御答弁がありました。私も、沖繩の物価問題に関する連絡協議会、五月二十二日に行なわれた第一回会議の中での、物価上昇の要因というのを読んでみて、びっくりしましたよ。その一番最初にこういうことが書いてある。「通貨交換レート一ドル=三百五円に対する心情的不安が買いだめに結びつき便乗値上げを招いた」、こういうことですね。一体、心情的不安なのか、それとも現実に沖繩県民に大きな損害を与えているのか、これが今日の物価問題を考える上でも無視することのできない重要な原因なのだ。あなた方は、昨年十月の確認措置に基づいて個人の現金や預貯金については三百六十円の事実上の交換を保証した。しかし、その後七カ月にわたっての個人の現金や預貯金の増加分については三百五円でしか切りかえを保証していない。さらに強調したいのは、法人の現金、預貯金、これについては全部三百五円でしょう。それからまた、地方公共団体あるいは労働金庫その他の各種団体の現金や預貯金、これも三百五円の切りかえしかやっていない。だから、これらに対しては一ドル五十五円の差損を与えておる。琉球政府の計算によれば、沖繩県民の受けた為替差損は総額で二百九十一億五千万円になるだろうというふうに言っておる。
 特に私は、きょうは物価問題ですから、物価問題という見地から見て、無視できないものは法人の問題です。法人が手持ちの現金や預貯金を一ドル三百五円でしか評価されなかったということになれば、当然、これは法人の資産の大幅な目減りを来たします。私、この三月に、大蔵委員会の沖繩調査団に参加して、現地の人たちの意見を伺ってみました。たとえば、琉球銀行などで、こういうことを言っているのですよ。この五月十五日に差し迫った復帰を前にしてわれわれが心配しているのは、本土の金融機関との競争だ、幸いなことながら、本土の金融機関が向こう二年か三年沖繩に進出しない、いわば紳士協定のようなものを結んでくれているので、その間にできるだけ蓄積をふやして、そうして競争にたえるようにしたいと思っておった、ところが、今度、一ドル三百六十円で評価して当然だと考えていたのに三百五円でしか――まだ三百五円という数字は出ておりませんでしたけれども、評価されないということになれば、資産は二、三年分後退する、ですから、本土の金融機関が向こう二、三年沖繩に進出しないという協定を結んでいてくれても、われわれはとても不安でたまらないのだ、こういうことを言っておりました。これは銀行だけではない。保険業界も同じような意見です。資産が大幅に目減りした。そうして、本土から進出する企業との対抗上大きな負い目を負ってきている。ここに私は今度の物価値上げの重要な根源を見なければならないと思う。つまり、政府が三百五円でしか評価してくれないのだから、それを取り返すためには、自分のところでつくった品物の値段を三百六十円で評価して売って、その損害を取り返す、これは当然の経済法則として出てまいります。他方では、労働者は正当にも自分の賃金を三百六十円で評価してほしいということで、大企業はそれをのんでおる。この両面からの圧力が、沖繩の企業をして、復帰と同時に製品を三百六十円に評価して、言ってみれば、それが客観的には値上がりという形になってあらわれざるを得なくなってきた。ここに一番大きな原因がある。それにいろんなものがつけ加わっていくことによるかのように、いま物価が上がっている。しかし、最大の根源はどこかと言えば、政府のこの不当きわまる措置です、切りかえにあたっての。この点をはっきり見るべきだと思うけれども、どうですか。
#113
○説明員(松岡宏君) 法人の保有現金通貨、なかんずく銀行の資産の問題について御指摘がございましたが、特に銀行の場合は、資産・負債両建てでございます。まあ、法人もかなり金融機関等からの借り入れ金を受けておりまして、その資産、負債を比較してみますれば、資産が一ドル三百五円ということと同時に、負債も一ドル三百五円と、こういうことで切りかえられるわけでございますから、そういう意味では法人の資産がまるっきり打撃を受けたと、こういうことは当たらないのではないかと、そういうような趣旨で法人は除外したと、こういう施策になっております。
#114
○渡辺武君 そんなことを言ったって、現地の人たちの意見はまるっきり違いますよ。そういうことを、いつの日か言われるだろうと思って、私、わざわざ中小企業の代表の方にも、その大蔵委員会の調査のときに、わざわざ質問してみた。あなた方、資産よりも負債が多いということを聞いてるけれども、しかしどうですか、三百六十円で切りかえるのと三百八円で切りかえるのと、どっちが有利ですかと言ったら、中小企業の人たちでさえも、いや、われわれとしても三百六十円に評価してもらうことのほうがはるかに有利です、こういうことを言ってるんです。あなたが直接の切りかえの担当者であったとするならば、そんな目先のきかないことを考えてやるからこそ今度のような大事件が起こってくるんです。現に私は、証拠として、ここに、琉球商工会議所、それから沖繩経営者協会――これは私どもが行った三月に私どもに渡してくれた要請書ですが、あります。これ、読んでみましょう。これを見ますとね、もうその当時すでに、復帰したら三百六十円で製品を評価して売って損害を取り戻そうと彼らが考えていたということが、はっきりとこれに出ている。いいですか。
 これは琉球商工会議所の会頭の国場幸太郎さんがわれわれに手渡したもので、一九七二年二月十七日付の要請書です。「通貨切り換えによる賃金の換算について」という題でありますけれども、この一番最初のほうに、こういうことが書いてある。「企業の収入面も総て三百六十円換算額が確保できるよう価格を設定する。」と書いてある。「価格を設定する」と。つまり、製品価格を三百六十円で評価して売るってことです、これは。これが一。「二、収入面の三百六十円換算額を確保するに必要な価格設定が困難な企業については次により特別融資を行なう。」、こういうことになって、幾つかの要請が出ている。つまり、ここで言われてることは、こういうことなんです。私も質問して聞いてみた、この真意を。大きな企業では復帰後に三百六十円に評価して製品を売ることができます、しかし、競争力の乏しい中小零細企業、これは製品価格を三百六十円にするのは困難ですから、だからその分だけは政府が補償してほしい、というのがこの要請書です。これは政府の手に届いてると思う。したがって、政府は、今日のこの異常な物価騰貴、復帰と同時に起こる、これは当然わかっていたはずですよ。
 もう一つ、同じときに手渡された沖繩経営者協会――比較的まあ沖繩では大きい企業。一九七二年三月三日付の、やはり「賃金対策について」という要請書。この中で、やはりこういうことが書いてある。「従って円建て賃金への改定については、換算率の問題から派生する無用な紛争を排除すると共に沖繩経済が本土経済と円滑に一体化されるよう、その他の価格、料金体系と同じく本土並み水準に移行させる方向で対処されるべきである。」と言っている。賃金は三百六十円ということで要請されているけれども、その他の価格や料金体系も本土並みの水準に設定すべきだ、つまり三百六十円で評価すべきだ――経営者協会もこういう要請書を出している、政府に。ぼくらにも渡しました。私は、そのときに即座に質問してみた。あなた方はこういうことをお考えになっていられるけれども、こういうことをやられたら復帰後物価は大幅に上がることになるんじゃないか、結局沖繩県民がそれじゃ大きな損を受ける、そんなことをなさるよりも、いま労働者は三百六十円読みかえを要求してストライキをやっております、いま労働者がああいう要求でストライキをやっているが、経営者の皆さんも本土の政府に対して三百六十円で交換せよということを要求すべきじゃないか、と言ったら、そのとおりでありますと言って、私の意見に賛成した。それを、あなた方はやらなかった。三百五円でしか切りかえをやらなかった。だから、復帰と同時に大幅な物価騰貴が起こっている。いま本土産品までどんどん上がったでしょう。本土産品が上がっただけじゃない。輸入物資も上がっている。それは、輸入商社もまたこれは法人です。したがって、自分の資産の目減りを、安く入った輸入品でも三百六十円に評価して高く売って、その損失をカバーしようという動きで出てきている、こうとしか見られないじゃないですか。どうですか。
#115
○説明員(松岡宏君) 今回の沖繩現地におきます物価の混乱の原因の分析といたしまして、開発庁から申し上げております三つの点、第一が心情的な不満、第二が賃金の三百六十円切りかえを確保するという、そういう動きの問題、第三が、もろもろの特例措置のPRが必ずしも十分でなかったという点、こう三つあげておりますが、その中で特に経済理論上意味が深いと思われます第二の点、すなわち、従業員の賃金を三百六十円換算で実現するためには、その従業員を使用しております経営者は、製品の売却価格をどうしても一ドル三百六十円見当で切りかえていかなければ成り立たない、そういう関係があるわけでございまして、小売り業者においても、そこに働いている従業員がいるわけでありますから、いままで一ドルで売っていたものをやはり三百六十円という見当で切りかえなければ、なかなか働いている方への賃金の保証もできない、こういうふうに関係が分析されるわけでありますが、そういう意味で、一ドルのものが三百六十円に切りかえられたということは、あながちけしからぬことだとも言い得ない関係にあるだろうというふうに考えているわけでございます。
 で、問題は、一ドル三百六十円の換算よりももっと高く、たとえば、一ドル四百円とか、四百五十円とか、こういう換算で値段をつけた事例も散見されるわけで、これは問題である、混乱につけ込んだ便乗的な値上げである、こういうことでいろいろ対策を検討いたしておりますが、三百六十円までのところにつきましては、個人の現金通貨も三百六十円、賃金も大部分三百六十円、公共料金も三百六十円、こういうことで沖繩経済の基本的な骨格の部分がほとんど三百六十円で移行しております以上、この点について、値上げだという形できめつけるのは若干問題があろうかと、こういうように考えているわけであります。
#116
○渡辺武君 そんな人ごとみたいなことを言うから、ろくな対策も出てこない。労働者が三百六十円で読みかえろと言うのは当然の要求ですよ、これは。そうでしょう。そうでなくたって、本土に比べてみれば六割近い賃金水準しかない。非常に低いですよ。それが三百五円で読みかえられたらどういうことになりますか。さらに二〇%ばかり賃金水準が切り下げられるということになりまししょう。当然、これは三百六十円読みかえ。当然のことです、これは。問題は、企業家の資産――持っている現金や預貯金、これを三百六十円で評価すべきところを、それをやらなかった政府の責任にある。その損失を取り返さんがために、製品を三百六十円にして売っている。それでも損失は損失だ。そうでしょう。賃金は上がる、ほかが上がってくれば、損失をカバーするためには、もっと上げなければならぬ。当然雪だるま式に上がってきますよ。最初に、人口わずか九十四万五千という小さな島に住んでいる人たちに、三百億円に及ぶばく大な為替差損を背負わせたという政府の責任、これがいまの物価騰貴の根本的な原因ですよ。そこのところを見なければ対策が立てられたいじゃないですか。大けがをして出血している、それにあなた、まるで熱さましかなんかみたいなものを飲ませようとしている。そんなことで、いまの物価騰貴がなおりますか。先ほど、ほかの委員も非常に強調しておられましたけれども、この現実に――心情的じゃない、現実に受けている沖繩県民の為替差損、これを政府が、いまからでもおそくはない、正当に補償する、しかも物価を安定させるということを条件として補償する、これがいまの物価問題を解決する最も根本的な対策だ。おやりになるおつもりはありますか。
#117
○説明員(松岡宏君) お答えいたします。
 当面の物価の混乱あるいは上昇の原因として、法人の保有通貨の差損の補償がなかったことが理由であると、こういう御指摘でございますが、その点につきましては、必ずしもそういうふうな形でわれわれ理解しておりません。先ほども申し上げましたが、わが国の企業は常に金融機関からの借り入れを多額に負っているわけでございまして、債務の部分は一ドル三百五円、こういうことで切りかえられる以上、資産も三百五円ということで実はバランスがとれる、こういうふうに考えておりますので、そこのところの個人の保有通貨との取り扱い上の相違が今回の物価の急上昇をもたらした原因というふうには考えておらないわけでございます。
#118
○渡辺武君 きょうは長官が出てこられるかと思ったから、私も基本政策について申し上げているわけですが、あなたは、まあ初めに言われたとおりの答弁をしないと、帰ってしかられるというような点もあって、なかなかこれは言えないんでしょうけれども、帰って長官にその点ははっきりと申し上げてほしいと思う。いいですか。あなたがいま、いまの物価上昇の原因ではないと思うなどと言ったけれども、その、ないと思うというふうなことを言っているからこそ、ろくな対策が出てこないし、いまの物価値上がりも根本的には解決できないですよ。さっき私読みましたが、現地の人がそう言っているのだから――すでにこの要請書の中で、はっきりと。どうしても価格の引き上げをやらざるを得ないのだということを言っている。その点をはっきりと見てとらなければいかぬと思うんですね。そうすると、この前、大蔵委員会に山中長官がちょっと来られて、こういう答弁をしておられました。この法人や各種団体の手持ち現金、預貯金、これを三百五円で切りかえざるを得なかったということについては、私も気の毒だと思っているのだ、何とかその補償措置のようなものを考えたいと思っているのだということを言っておりましたけれども、そういうおつもりは全然ないということですか。
#119
○説明員(松岡宏君) 昨年の十月九日に調査をいたしました以降における個人の保有通貨の残高の純増分、この問題と、それから法人が保有している通貨の問題と、こう二つございますが、前者については、何かしら、いいくふうはないだろうかということで検討は続けておりますけれども、後者、すなわち法人の保有分についてはその必要はないものという判定をいたしております。
#120
○渡辺武君 法人について、資産だけじゃない、負債もあるのだからたいして損害にならないんだと言うけれども、琉球銀行の人たちと、それから保険会社の人たちは、ほぼそれと同じような答弁をしておりました。私どもの資産というのは、これはまあ、言ってみれば預金だと、琉球銀行の場合は。その中で、まあ貸し出しとあれすれば、結局、資産・負債を三百六十円で評価しようと、三百八円で評価しようと同じだと言ったけれども、しかし、これは金融機関の話だ。製造業は違うんです。あるいは商業も違います。この人たちは、現実にこれはもう自分の資産が目減りするということをはっきり言って、そうしてその目減りした分は製品価格あるいは販売価格に上乗せして回収せざるを得ないという立場に立っている。その辺は、はっきりと見ていただかなきゃならぬと思うのですね。私は重ねて要請します。との物価安定のために、個人の十月の確認日以降の増加した現金、預貯金はもとよりですけれども、法人及び各種団体の現金、預貯金も、物価安定ということを条件として正当に補償すべきだ、三百六十円で。こう思います。
 それからもう一つ、賃金の読みかえ三百六十円、これは必ずしも不当でないというような御趣旨の答弁がありましたけれども、そうすると、いままで三百六十円読みかえが一応この協定その他で承認された労働者は、沖繩の全労働者の大体三分の一程度といわれております。特に数の多い零細企業、中小全業の労働者は、まだ三百六十円に読みかえられていない。これについては、あなた方、三百六十円読みかえということを積極的に推進されますか。ただし、その場合は、競争力のない零細企業、中小企業がそのことによって打撃を受けないように、政府が適切な補助をやらなきゃならぬ。あるいはまた、今度新たにできる沖繩振興開発金融公庫、この資金で、零細企業が負っているばく大な債務――これは高利の金を借りておりますよ。これを低利の国家融資で肩がわりをするという措置が必要だと思いますけれども、その用意がありますか。この点を伺いたい。
#121
○説明員(松岡宏君) お尋ねの中小零細企業における賃金の三百六十円読みかえのための政府の施策ということでございますが、この点につきましては、御指摘の沖繩振興開発金融公庫法案を衆参両院で御審議いただきました際に、附帯決議として、中小零細企業に対する円経済への移行に伴う円滑な保証措置として、長期の低利特別融資を行なうようにと、こういう決議がなされました。これに基づきまして、政府といたしましては総額八十億円の長期資金を沖繩における中小零細企業に融資して、そこに働いておられます従業員の方々の賃金三百六十円読みかえを裏打ちしようと、こういう方針になっております。金利を年三%、期間七年、捉え置き期間二年、こういう条件で、従業員の数に比例いたしまして中小零細企業に融資を行なうということで、これはすでに五月十五日の復帰初日から沖繩振興開発金融公庫におきまして取り扱いを開始いたしております。
#122
○渡辺武君 時間もないので、私の伺ったことを端的に答えていただきたい。
 その労働者の三分の二にも及ぶ人たちは、まだ三百六十円読みかえが行なわれていない。その点について政府はどういう措置をとるのか。それからまた、いま低利融資ということを言いましたけれども、肩がわりについて――これはまあいい。大蔵省へもう聞いて、その不十分さははっきりしているから、これはいいが、賃金三百六十円読みかえですね、これはどうですか。
#123
○説明員(松岡宏君) 沖繩における雇用者総数は約二十四万でありますが、その中で、公務員だの軍労関係だの、すでに措置のされた方を除いてまいりますと、中小零細企業の雇用者、使われている人たちということで統計を見ますと、約十万人ございます。で、先ほど申し上げました八十億の特別融資というのは、この十万人の方々の三百六十円賃金実現、こういうことのための経済的な裏打ちとして措置されたものでございます。これをもって中小零細企業の末端に至るまで三百六十円の賃金の読みかえが保証されたというふうに考えております。
#124
○渡辺武君 額が非常に低いですね。少ないですね。この点は、もう時間もないので重ねて言いませんが、私は、そんなところではとても労働者の賃金三百六十円読みかえということを保証したことにはならぬと思う。まあしかし、政府が一応労働者の賃金三百六十円読みかえということを前提条件として金をかえるというのはけっこうなことだと思います。ですから、その点については深く追及しないで次に移りますが、農民の場合はどうですか。
 いま、たとえば、あの沖繩の農業の主産物であるサトウキビですね、これも価格は三百五円でしか評価されていない。あなたは、さっき、三百六十円で評価するのはそう悪いことではないとおっしゃっておるけれども、これも三百六十円で評価させるようにすべきだと思うけれども、どうですか。
#125
○説明員(松岡宏君) サトウキビの買い上げにつきましては、これは復帰以前から円建てで代金が契約されておりますので、このことは実質的に三百六十円で保証されていたということなんです。すなわち、円建ての契約であれば、ドルの相場がどう変動しようと、契約された円の金額が農民に渡されるわけでありますから、農民の側に為替差損というものは発生しないわけでございます。そういう意味では三百六十円で保証されていたという関係になるわけでございます。
#126
○渡辺武君 私が伺っておりますのは、こういうことなんですよ。昨年十二月の円の切り上げ後、三百八円で評価されたということを聞いていますが、そういうことはありませんか。
#127
○説明員(松岡宏君) 代金の契約が円建てということですと、その円が一体ドルでは幾らになるかということを計算しようと思えば、そのときそのときの為替相場で、三百六十円時代は三百六十円で割ってみる、三百八円になったら三百八円で割ってみるということで、そのときのドルの対応すべき金額は計算されるわけでありますが、農民に渡されるものが円であるということであれば、為替相場がどう変動しても、それは保証されているんだと、こういう関係になります。三百八円の時代には、受け取るドル表示のドル額はそれだけふえると、こういうことでございます。
#128
○渡辺武君 どうも、そうなっているかどうか、私、非常に疑問だが、これはまあ重ねて調べて、さらに伺います。
 そこで、次に移りますけれども、政府は、沖繩のいまの物価急騰、これを何とか安定させるんだということを先ほど御答弁の中で言っておりましたが、その物価安定なるものの目安ですね、これはどの辺に置かれますか。
#129
○政府委員(宮崎仁君) まあ、私もまだ結論的なことを申し上げるわけにはいきませんが、いま申しましたように、いま各省連絡協議会でもって鋭意詰めておる段階でございます。ただ、いままでの御質疑でも出ましたように、今回の物価値上がりの要因というものから考えてみますと、そこに幾つかの原因が指摘できるわけでございますから、それに応じて、やはりある程度の見通しを持たなければならないと、こうなってくると思います。で、結局大きく分けまして、沖繩島産品といいますか、沖繩の産品、それから本土から移入をするもの、それと外国から輸入されるものと、こうなると思いますが、島産品につきましては、いまもいろいろお話が出ておりましたけれども、何といいましても、賃金が三百六十円というように、大体実質的に見合うような形になってまいると、公共料金なども大体まあそういうことに見合って引き上げが行なわれたというようなことでございますので、したがって、物価のほうにつきましても、サービス料金のように人件費に非常に近いもの、これはやはり賃金と見合ったようなものにだんだんなってくるということはやむを得ないのではないかと思います。ただ、工業製品については、これは必ずしもそういうわけではございませんので、まあ三百六十円までやむを得ないというように、いまちょっと聞こえる御答弁もありましたけれども、私どもは、むしろ三百五円と三百六十円との、その間におさまるべきものであって、ものによっては三百五円そのものでいいというものも出てくるのではないか。これは、現にいま物価の緊急調査等が行なわれておりますが、そう上がってないものもだいぶございます。そういうことから見ましても、その辺については、ともかく業態なり、実態に応じて考えていくべきものであって、三百六十円換算以上にいっているというのは、これはもう非常に特別の事由があってやむを得ないというものも、あるいはあるかもしれませんけれども、そうでなければ、あるいはこれは不当であると見ていいのではないか、そういうふうに考えております。
 それから、本土から移入をするものにつきましては、これは、御承知のように、通貨切りかえ後に補助金を出しまして、三百六十円との差額を埋めておりました。これは五月十五日現在でなくなったわけでございます。これは、所得のほうも円になりますから、こういう補助金を出してまで下げる必要なしということになったわけでありまして、したがって、この場合には、円の表示価格が変わらぬとすれば、いわゆる三百六十円切りかえと同じ形になってまいるわけであります。まあしかし、このほうにつきましても、できるだけひとつ価格を抑制的にやっていけるように、いろいろこれは知恵があると思いますので、そういう点について各省それぞれ知恵を出そうということで、いまいろいろやっておるわけであります。
 それから輸入品でございますが、これはまあ、理論的にいけば別に三百六十円に換算するというような必要はないわけであります。というか、まあ関係ないと言っていいだろうと思います。しかし、この場合であっても、マージンとかそういったものについては、やはり賃金並みにある程度上げたいということも出てくるかもしれません。しかし、見通しとしては、むしろこれは三百五円ならば三百五円にできるだけ近い線に統一すべきである、こういうふうに私どもは考えております。で、そういう面から見て非常に問題があるとすれば、輸入のワク――沖繩、琉球ということで、沖繩に対して特別の輸入ワクをつくってあるものがだいぶございます。こういうものについて早急にその拡大なり、あるいはワクそのものを決定をするということで対処したらどうか、この具体的内容をどうするかというようなことが、きょうあたり議論になっておるはずであります。
 まあ、大きく分けましてそろいうことでございますが、このほかに非常に問題になったのは、一つは、沖繩本島はともかくも、沖繩離島においてさらにこの値上がりが激しいということがあるようでございます。これは、大部分は、情報不足と、それに伴う混乱ではないかというふうにいわれておりますけれども、その辺の実態がまだ私どもにも十分わかっておりません。ただ、一般的にいいまして、この離島というものは、やはりものによりましてはだいぶ値上がりすることがあるのは、これはもう国内の場合でも同じでございますから、そういうことにつきまして、離島の特別対策のようなものが、もうこれは復帰要綱にも書いて、いろいろ考えられておると思いますけれども、十分かどうか、その辺は若干検討を要する、これは私ども考えておるわけでございます。
 大体以上のようなことでございまして、ともかく急を要するわけでございますから、少し荒削りでも早くきめたいと思っております。
#130
○委員長(長屋茂君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#131
○委員長(長屋茂君) 速記を始めて。
#132
○渡辺武君 手持ちの時間がないそうですから、まだいろいろ具体的に伺いたいことはたくさんありますけれども、あと、ほんの一、二点だけ伺うにとどめたいと思います。
 私は、いま政府が考えておられる物価安定の目安を伺いました。まあその意図やまことに壮なりと考えましたが、ひとつそういう方向でうまくいってくれればいいなと思うんですが、さて、そのときに非常に疑問に思いますのは、いままで私ども、この円の切り上げなどの問題が起こる前に沖繩に行ったときに一番端的に感じたのは、沖繩の物価体系と本土の物価体系が、いわば体系として違うということです。一番端的にわかりましたのは、生活必需品が本土に比べればきわめて安い。特に肉が安い。その肉の中でも豚肉は島産品でありますが、しかし同時に、ランチョンミートなど、これが関税がかからないで入ってくるという事情もありまして、肉が非常に安い。これは、別のことばで言えば、本土のように大企業が横暴を尽くす、大企業製品が、これが次から次に値上げされて、そして物価上昇をあおるという、そういう事態から、いわば切り離されておるということが豚肉の価格の安さという形になってあらわれ、それに、ドル圏で関税がないということで、ランチョンミートなどが非常に安いという条件がつけ加わったのではないかというふうに思われました。それからまた、小麦粉――したがって、うどんやパン、これが非常に安い。これも、いま言った輸入関税がない、そして政策的にその値段を安く据え置いているということが基本的な事情だと。それから米が安い。これも、御承知のように、カリフォルニア米が本土米よりもはるかに安く入っておったという事情と結びついているわけです。それから砂糖、これも特殊な要因で、これまた安い。特に精製糖になりますと、これは沖繩から本土の保税工場に原料が行って、そしてここで関税がかからないで精製されて沖繩に逆送される。したがって、本土のように物品税が高くついて、しかも関税もついておるというような砂糖とは全く違って安く買えるというような事情がございますし、それからまた、屋良政府の公共料金抑制政策、これが効を奏して、公共料金も本土よりもはるかに安い。それから、特に私指摘したいのは、本土からの大企業の製品ですね、これが、高いのもあるけれども、安いのもある。その事情を調べてみると――これはひとつ、公取委員長がお見えになっておられるので、その点、聞いていただきたいと思うんですけれども、御承知のように、国内の大企業は、製品の国内販売価格は高くつり上げておきながら、輸出価格は低く設定するという二重価格制度をとっていたことは、カラーテレビなどの事件で御存じだと思います。沖繩は、復帰前はいわば外国並みで日本から輸出される。したがって、国内価格が作用するのではなくて、いわゆる輸出価格が作用しておる。したがって、比較的安いものがあった。そういう事情がありまして、物価体系が違っているわけです。私は、本土復帰にあたって日本政府が、乱暴にも、先ほど申しましたように、ドルの円への切りかえで大きな打撃を与えて物価上昇の主要な根源をつくったと同時に、沖繩の特殊な物価体系を十分に考慮せずして、そのまま本土の物価体系と同じようなものがじかに行くような、そういう形を事実上とった、それが今度の物価値上がりのもう一つの大きな要因だと思います。時間があればこまかくこれを追及しますが、そういろ点を考えて、今後の沖繩の物価安定、その辺のめどを考えておられるかどうか、それを伺いたいんです。
#133
○政府委員(宮崎仁君) いまおあげになりました米、小麦、砂糖、ランチョンミート等につきましては、いずれも、この復帰に対する特別措置として価格が上がらないような措置が行なわれたことは、もう大体御承知だと思います。ですから、ランチョンミートなどにつきましても、関税が引き下げられまして、価格が上がらぬようになっておるわけなんですけれども、どうも周知徹底不十分ということもあったようでございまして、非常な買い占めが行なわれた。買い占めといいますか、先買いといいますか、がありまして、そういうことで価格が上がってしまったというようなことがあるようであります。米なども、これはもう当然八百円という値段で売ることになっておるわけでありますから、しかも、この場合、末端統制が行なわれるのでありますから、問題ないはずなんでありますけれども、現実に上がっているところもあるようであります。こういうところは全くPR不足ということであろうと思います。
 それから、公共料金とか大企業製品等についての御指摘もございましたが、全体として見ると、やはり沖繩もこういった形で復帰になりまして本土の一環として経済の運営が行なわれてまいりますから、長期的に見ると、やはり国内の物価の体系というものとだんだんさや寄せされてくるという方向にはなるんだろうと思います。しかし、それが急に行なわれては非常に問題を起こす、それで、こういったようないろいろの特別措置が行なわれるわけでございます。したがいまして、そういったことが十分措置が行なわれ、実施に移されて、そうして皆さんによくわかっていただけると、まあ、いま起こっておるような混乱の相当部分はおさまると、こういうふうに思うわけでありますけれども、たとえば豚肉などについて見ますと、これはなかなかむずかしい問題を生じます。国内は、御承知のように価格支持で、それよりも向こうは下がっておるわけでありまして、これをどうするかということになると、現在大体自給自足的になっておりますから、その価格が上がらぬように、ひとつ本上からも、むやみに買いに出ることをさせないとか、そういうような指導をしていく必要があるかもしれません。ともかく、そういうこととあわせて、ランチョンミートというのは、これはもう豚肉だそうでありますが、これについての特例というのが非常に有効ではないかと思っております。
 まあ、これはいろいろきめこまかく議論していかなければならないわけでございまして、確かに、われわれのほうで十分議論をしたつもりでありましたけれども、不十分なところが幾つかあったのではないか、こういう反省もいたしております。そういうことを含めまして検討してまいりたいと思います。
#134
○渡辺武君 やめておきます。
#135
○委員長(長屋茂君) 両件に対する本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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