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1971/06/07 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 物価等対策特別委員会 第8号
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1971/06/07 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 物価等対策特別委員会 第8号

#1
第068回国会 物価等対策特別委員会 第8号
昭和四十七年六月七日(水曜日)
   午後一時十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月六日
    辞任         補欠選任
     前川  旦君     竹田 四郎君
 六月七日
    辞任         補欠選任
     山本敬三郎君     中村 登美君
     竹田 四郎君     前川  旦君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         長屋  茂君
    理 事
                山下 春江君
                片岡 勝治君
    委 員
                川野辺 静君
                志村 愛子君
                嶋崎  均君
                中村 登美君
                田中寿美子君
                竹田 四郎君
                柏原 ヤス君
                渡辺  武君
   国務大臣
       国 務 大 臣  木村 俊夫君
   政府委員
       公正取引委員会
       事務局取引部長  熊田淳一郎君
       経済企画庁国民
       生活局長     宮崎  仁君
       食糧庁次長    中村健次郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉本 金馬君
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
   説明員
       大蔵省理財局国
       有財産第二課長  柴田 耕一君
       通商産業省公益
       事業局ガス課長  原田  稔君
       建設省住宅局住
       宅企画官     京須  実君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○連合審査会に関する件
○当面の物価等対策樹立に関する調査
 (当面の物価対策に関する件)
 (消費者行政に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(長屋茂君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨六日前川旦君が委員を辞任され、その補欠として竹田四郎君が選任されました。
 また本日、山本敬三郎君が委員を辞任され、その補欠として中村登美君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(長屋茂君) まず、連合審査会に関する件につきましておはかりいたします。
 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案について、運輸委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(長屋茂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(長屋茂君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(長屋茂君) 次に、当面の物価等対策樹立に関する調査中、当面の物価対策に関する件及び消費者行政に関する件を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#7
○竹田四郎君 当面の物価問題でいろいろお聞きしたいことがたくさんあるわけでありますが、きょうは主として家賃地代統制令改正後の地代・家賃の問題についてお伺いをしたいと思いますが、まず、建設省の方はお見えになっていると思うんですが、昨年の暮れ、建設省の家賃地代統制令の告示が改正になったと思いますが、その改正の趣旨はどういうことでございますか、この点についてお尋ねします。
#8
○説明員(京須実君) 現行の地代家賃統制令は、昭和二十五年七月十日以前に建築に着手をした住宅で、延べ面積が九十九平方メートル以下のも一のに限りまして適用いたしております。
 十二月の改正前でございますが、その前までは、地代・家賃を統制しております建設大臣の告示が、昭和二十七年以来基本的な改正はございませんで、ただ、税金が上がった分だけは認めるということになっております。一貫して非常に低く押えられましたために、統制後の地代・家賃との格差は非常に激しくなりまして、統制を守っている方が非常に少なくなったというような現状に追い込まれまして、一部の善良な地主あるいは家主に過剰な犠牲をしいるというような現状になりまして、たとえば東京、大阪等の大都市におきます統制家賃の平均で申しますと、家賃では坪当たり約百二十円でございました。これは、統制外の家賃の坪当たり千四百八十円の約十二分の一といったような、ひどい状態でございます。また、統制地代につきましては、坪当たり約四十円でございますが、統制対象外の地代平均の約百四十円と比べますと、家賃ほどの格差はないように見えますが、統制対象の借地につきましては、通常の都市におきまして行なわれております権利金、あるいは更新料等の授受が一切禁止になっておりまして、それを加味いたしますと、家賃を上回る大きな差があるわけでございます。そのような観点から、昨年十二月告示の改正をしたわけでございます。
#9
○竹田四郎君 いま、東京付近の例をお述べいただいたわけですが、今度の告示改正で、いま申されましたように坪当たり百二十円のものを千四百八十円、それから地代で坪当たり四十円のものを百四十円、その線にこの告示によって上げたのである、こういうことですね。
#10
○説明員(京須実君) 家賃は、坪当たり百二十円のも一のが統制でございましたですが、統制外は千四百八十円でございます。統制家賃は百二十円を三百三十八円に上げました。それから地代につきましては、四十円のものを百十一円に、平均で上げました、こういうわけであります。
#11
○竹田四郎君 いまお述べいただいたのは東京付近というお話ですが、おそらく、この統制外の家賃・地代と統制の家賃・地代の差額というのは、いま大都市周辺が非常に上がっているだろうと思うんですけれども、いま東京周辺の問題はお述べいただいたんですが、名古屋、大阪、福岡、そういう大都市周辺と、それから中都市周辺、小都市、それで、統制令に基づく家賃・地代と対象外の家賃・地代との差額は、どのくらいになっておりますか。各地域ごとにおっしゃってください。
#12
○説明員(京須実君) 御説明が不十分で失礼いたしました。先ほど申し上げました資料は、東京・大阪・名古屋・横浜・京都・神戸のいわゆる六大都市の平均でございまして、それ以外の地方都市につきましては、家賃でございますと、約十二分の一と申し上げましたが、この格差が約九分の一になります。まだ相当の格差がございます。
#13
○竹田四郎君 最初の御説明で、地代・家賃が統制で非常に低くて、地主とか家主の負担というものが非常にたいへんになってくるからということで上げるわけですが、百二十円が三百三十八円、四十円を百十一円というんですが、それ以上上げた場合にはどうするんですか。
#14
○説明員(京須実君) 地代家賃統制令の大臣告示でございますから、その計算を上回りまして上げた場合には、契約は当然違反になります。ただし、ただいま申しました百十一円というのは平均でございますので、具体的な計算例といたしましては、個々の土地あるいは家屋の、固定資産評価額あるいは固定資産税課税標準あるいは税金の額というものを計算いたしますので、計算値は別にございます。その計算値に基づくものでございます。
#15
○竹田四郎君 そういたしますと、いまの百十一円なり三百三十八円というのは、平均額だというわけでございますね。これは、もちろん地域によって、当然場所によって違うわけですが、一般の国民はその点がおそらくわからないと思うんですね。具体的に幾らが適当なのか、この辺が全然わからないと思うんですが、こういう際ですから、おそらく地主は、上げろ上げろ、こういうふうに言ってくるのはきまっているわけです。それから、たな子にしても、借地人にしても、なるほどいままで安かったことは事実ですね、それはそのように認めると思うんです。したがって、この際上げろと言われる、いままで安く住まわせてもらったんだからそれじゃ上げましょうということで、借りておるほうに基準がございませんので、付近を聞いてみれば、先ほど言われたように、千四百八十円とか、あるいは百四十円ですか、という形ですから、借りているほうにはおそらく基準がないと思うんですよ。したがって、実際は、それ以上で貸した場合には契約違反だと言われても、契約違反であるかどうか、それがわからないんじゃないかと思うんですが、それは一体どういうふうにして知らしているんですか。
#16
○説明員(京須実君) それにつきましては、告示改正後、局長通牒、その他事務連絡、あるいは課長会議等を持ちまして、各都道府県の住宅関係部局に十分連絡をいたしまして、広報等に掲載した府県も多くございますが、そのほか、各府県あるいは市町村におきまして住宅相談室が最近大部分ございます。その相談室へ参りますと、何と申しますか、統制対象の場合でございますと、その方の地代あるいは家賃が統制額で幾らになるかということをお教えする手はずになっております。それは、課税標準額、固定資産税の税額がわかりますから、それから計算すればわかるようになっております。その点は十分指導いたしまして、単に何となく、上がったから上げろというようなことに対して間違って答えなくても済むような対策をとるようにつとめております。
#17
○竹田四郎君 おっしゃることはよくわかるんです。しかし、日常勤務で、あるいはいろんなことで忙しい人が、現実的にそういうところへ行きまして聞くかどうか。具体的に、いま申しました三百三十八円、家賃三百三十八円を三百五十円ぐらい、まあまあいいじゃないかというようなことで、おそらく契約違反になるような金額を受け入れる可能性があると思うんですよ、行かないで。これは一定の計算式というのがおそらくあるんじゃないかと思うんですが、そういう計算式というものを何らかの形ではっきり示して、そうして、借りている人にその点をはっきりされれば、あなたのところは少し高いじゃないですか、これだけにしなさいよ、という話し合いができるんですが、そういう基準というのはどうも徹底していないんじゃないか。地価も一般に上がっているんだから、家賃も一般に上がっているんだから、まあしようがないやという形のものになるんじゃないでしょうかね。
 私は、特に地代家賃統制令の金額をうんと上げろという意味ではありませんし、あるいは過度にこれを押えておけ、そういう意味で言っているわけじゃないんですよ。その額以上になれば契約違反だというようなことになれば、これは、借りている人がやはり認識をするような手段というものをもう少し何か講じてもいいと思うんですけれども、それは、住宅局のほうでは、そういう官報、広報、各市町村の住宅相談所ということだけしかできないんですかな。これは、国民生活局長のほうは、何かもう少しそういうPRの手段というのがあってもいいだろうと思いますが、どうでしょうか。
#18
○政府委員(宮崎仁君) 御指摘のとおりでございまして、いま建設省のほうの御答弁もありましたが、私ども、地代家賃統制令の改正を緊急是正的に今回やったわけですが、これについてはずいぶん議論したわけでございます。いま御指摘のように、なかなかわかりにくいわけです。しかし、計算式そのものは、それほど、何といいますか、理屈はむずかしいわけではございません。たとえば、地代であれば、その年度の固定資産税の課税標準額、要するに課税の対象になった標準額の千分の五十、それにあと固定資産税額を足しまして、その十二分の一、さらに都市計画税の十二分の一、こういうことですから、これは固定資産税をお納めになっておられるわけですから、当然それはおわかりになるはずであるということだと思います。
 また一方、倍率のほうが、大体地代は二・七倍、家賃は二・八倍という平均でございますけれども、倍率が新聞にも一ずいぶん出ましたから、これが三倍半だとか、あまりたくさん上がっているということになれば、疑問を抱かれて、もう一ぺん計算を、チェックをしてみようということになれば、わかるんではなかろうか、こういうふうに思っております。
 もともと、議論といたしましては、実は地代家賃統制令そのものは、先ほどの話にもありましたように、二十五年五月十日前着工という非常に古いものだけで、ごく一部についての統制令でございますので、やはり基本的にはこういう統制を残すかどうかの問題を早急に検討する必要がある、こういうことを建設省にもわれわれは申し入れているわけでございます。
#19
○竹田四郎君 ぼくもそれはわかるのですよ。もとが非常に安いし、またその後も、普通でいけば税金のふえた分だけを積んでいるのですから、非常に低いということはわかるのです。建設省のほうで契約違反だということを言われたから、その辺に非常にひっかかりができてくるわけですね。それで、あとになって、おれはいいというふうなつもりでいたが、これは契約違反だ、こういうことになりますと、紛争がかなり大きくなってしまう、紛争が大きくなる心配がある、そういう意味でいまお聞きしたわけですが、まあ、そういう趣旨というのはなかなか徹底していないと私思うのです。もっと徹底してもらいたい。
 日本は民主主義国家になって、借地借家法で、借地人、借家人のほうが有利になってきたとはいっても、実際問題としては、地主とかいうものは、その地域における、けっこう権力を持っている人でございますから、絶局泣き寝入りということが多いわけです。この地代家賃統制令の対象地域については、一般的に、いま言われたような形でオーバーしていないということであれば、国民的な合意は得られると思うのですが、ただ問題は、そういう場合に――まあ確かにあまり低過ぎたということは、私もこれは現実だろうと思う。何らかの形で、契約更改期等に、ずいぶん安過ぎたから少し上げてくれよといって、名目はどういう名目をつけているかわかりませんけれども、いろいろな名目で金を取っているのが相当あるわけなんですよ、一時的に。たとえば権利金なんというのはその一つの例だと思う。そういうように取っていたというものは、今度のこの地代家賃統制令の告示によって、上げていいということになるのですか、ならないのですか。
#20
○説明員(京須実君) 先ほど契約違反だと申し上げましたが、実は、この場合は違反しているのは地主と家主だけでありまして、借りているほうは何ら違反はございませんから、契約は有効でございまして、逆に刑事的に罰せられる可能性が地主・家主側に出てくるわけであります。たな子の方は心配ございません。
 なお、ただいまのお尋ねでございますが、契約更改時に権利金を取るということは、確かに地代については非常に大きな額を取っておりますが、家賃につきましては多少でございます。これにつきましては、地代家賃統制令は、はっきり明文をもちまして、権利金等はいかなる名目であっても取ってはいけないと書いておりまして、それを取ること自体がすでに現実に問題になるわけでありますが、これはたいへんお恥ずかしいのでございますけれども、地代家賃統制令を守っている方が非常に少ないといったような、何と申しますか、ざる法と申しましては、なんでございますが、いろいろな事情がございまして、順守率が非常に低くなっております。そのために、そういう罰則の適用につきましては、三十六年ごろ以降例がございません。
 それで、最高裁まで上がりました判例でございますが、統制対象でありながら統制額を上回って承知して払ったという者がおりまして、あとでたまたま地主、家主と仲たがいをいたしまして、金を返せといったような事例がございます。その場合でも、承知で払ったものならば返さぬでもいいというような判例も出ております。これも、統制額というものが従来あまりに低いと申しますか、また、物価統制というものが、こういうような意味で非常に無理で、順守が不可能ではないかというようなことのあらわれではないかと思います。ただ、そんなわけでございますので、権利金等、更新料を払いました場合には、従来の最高裁の判例で申しますと、返せというのは無理かと思いますが、その後の地代・家賃につきまして統制額目一ぱい取るのはおかしいんではないか、その分を差っ引いたらどうかというようなことは、主張として十分根拠があると思います。われわれのほうも、そういうぐあいな指導をしたいと思っております。
#21
○竹田四郎君 国有地の場合ですね、これを貸している場合、この場合は地代家賃統制令そのものの対象にはなるんですか、ならないんですか。
#22
○説明員(京須実君) 国有地と都道府県有地は適用になりません。
#23
○竹田四郎君 大蔵省は、国有地について、地代家賃統制令の改正に伴って、借地料等についてこういうふうに契約の金額を変えたということは、もうほとんどの借地人にそういう通知はお出しになったんですか、まだ出さないんですか、どちらですか。
#24
○説明員(柴田耕一君) 大蔵省といたしまして、普通財産を地代家賃統制令の適用のあるものに準じまして取り扱っております案件が、約二万一千件ほど全国的にございます。で、この案件につきまして、今回、建設省の統制額告示の改正に伴いまして、その告示の範囲内でできるだけ低く押える形におきまして通知をいたしたわけでございます。先生いま御指摘の点につきましては、一応、全体につきまして四月の上中句にかけまして通知をいたしておる次第でございます。なお、通知につきましては、できるだけ文面等に配意いたしまして、改正の趣旨、積算内容、積算根拠、あるいは納付の手続等々につきまして、できるだけ御理解、御協力をいただけまするように、できるだけ配意したつもりでございます。
#25
○竹田四郎君 すでに四月にそういうものを発送されたと。しかし、実際、その他の地主のほうにそういう点で動きが出てきているというのは、むしろ最近非常にそういう動きが出てきている。四月の段階では、若干あったかもしれませんけれども、まだ大きな動きは出てきていないように思うんですが、大蔵省としては、その通知をされるときに、付近の地代・家賃というものが一体どういう状態になっていたのかというようなことを御調査になってそういうものを発送されたのか、あるいは、ただ計算の上だけでそういうものを発送されたのか、その辺はどちらでございますか。
#26
○説明員(柴田耕一君) 御説明申し上げます。
 一月に告示が出まして、その後、私どもといたしましては、いろいろ取り扱いについて慎重に検討しておったわけでございます。それで、国有地を貸し付けております近傍の、民間におきます近傍類地の賃貸料の水準でございますとか、あるいは、国の貸し付け物件のうち統制令の適用のない物件がございますが、そういったものとの水準は慎重に検討してまいったわけでございます。客観的に申し上げますると、先ほど建設省からも御説明がございましたが、長年低位に据え置かれておるという事実と、それから絶対額も比較的少ない、こういう事実が認められまするので、まあ計算をそのまま適用しますと六倍、七倍といった事例が多発いたしますので、これは長年のものを回復するといいましてもいかにも問題があるということから、最高限を四倍に押えるということにしております。もちろん、四倍以下のものは四倍以下の数字でございますが、最高四倍にとどめるという形で慎重に配意し、御通知申し上げた次第でございます。
#27
○竹田四郎君 四倍で抑えたということはよくわかるんですが、それを実行するときに、その周辺の地代・家賃というものが具体的にどのくらいになっておるかというようなものを、おそらく、現実にはお調べになった上でそういう通知を出していないのだろうと私は思う。だから、公示価格とかなんかというようなもの、あるいは主要なところの固定資産税の評価額というようなものだけで私は出しているように思うんです。決して、近くのうちが現実にどのくらいの家賃あるいは地代を払っておるかというようなことは、あまりお調べになっていないように私は思います。ですから、現実には、大蔵省から、今度は――家賃を東京周辺ですと四倍ということにおそらくなるだろう、四倍に上げますよと。それで、その地代については、いままで年二回払いというようなことがおそらく通例であろう、そうしますと、一回に支払う分というのはかなりの額になる。そういうことで、おそらく、そういう通知をもらって、かなりびっくりしたと。とても五月二十日までには納め切れないというような額になっておると思います。私の知っている人でも、とにかく、五月二十になって納める額というものは、普通のサラリーマンで八万円納めろという通知であります。ボーナスをもらったあとならば、それも幾らか納められるだろうと思うんですけれども、ボーナス前の五月二十日までに八万円を納めろといったら、給料全部納めなきゃ納まらないですね。四月の上旬ごろに上げますよと通知した。五月の上旬に差額分の通知が来た。五月二十日までに払いなさいと。これはおそらく払えない人が相当あると思うんです。それと同時に、いままでの例は一例でありますから、ほかの例をもう少し調べてみないとわかりませんけれども、結局、一番最初に通知が来たのが国有財産を借りておるところです。大騒ぎして、おたくは幾らですか、おたくは幾らですか、という形で近所に聞いてみると、少ない。じゃ私のところも上げようよという形が、いま、あっちこっちで出ているというのが私は実情だと思う。ですから、長官ね、一般の人にとってみれば、これは、国が上げたらおれはそれに準じて上げるんだ、こういうふうな政府主導型の地代の値上がりの形というものが現実には国民大衆に移っていく。それ以後は、あちらこちらで便乗値上げが非常に行なわれてくる。なるほど、これは国有財産の規定で言えば私はそのとおりだと思うんです。その辺は少し国・政府のほうで何か考える――考えるといったって時期過ぎちゃった感じですけれども、やはり考えないと、これは政府主導型の地代値上げという形になるし、そうなれば、それが当然便乗値上げという方向に行ってしまうと思うんです。私は実は長官に、何らかの意味でひとつ新聞に談話でも発表してもらおうと思っていたしましたけれども、大臣がいらっしゃらなかったものですからできませんでしたけれども、こういう形というものは、やっぱり私は、いまのこの時期に――片一方では預金金利の引き下げなんという時期に、やはり手続、手順というものは私はあるんじゃないか。もう少しその辺を慎重にやってほしかった。繰り言になって恐縮ですが、私は今後そういうものがいろいろ出てくるんじゃないかと思う。
 それと同時に、さっき言ったように、国でやった場合に、かなり大幅に上げて、それを年二回に払え、こういうことも、いまのお話にあったように、四倍もに上がったのを一ぺんにぽんと払えと言ったって、これは実際上たいへんなことだろうと私は思うのです。ですからこれは私、大蔵省も、何らかの形で措置をしてもらわなければいかぬし、現実にその周辺を見比べてみて、それで飛び出ているというようなものについては何らかの措置をしないと、やっぱりこれは、国が地代を上げてもいいんだというような印象を地主全体に与えるんじゃないか。現実には、こういうことでいま便乗値上げというのがあちらこちらで、かなり激しく起こり始めてきております。その点、長官はどういうふうにお考えになりますか。ひとつ、国のやり方ですね、こういう事態でありますから、もう少し細心の配慮を払ってしかるべきじゃないだろうか、こういうふうに思うのですが、どうでしょうか。
#28
○国務大臣(木村俊夫君) 国有財産の問題でございまするので、制度的、慣行的には経済企画庁は相談を受けておりませんけれども、しかし、こういう物価問題、また心理的な面が非常に微妙な段階でございますから、これはひとつ事務当局同士で、そういう面についても、きめのこまかい配慮をするように細心の注意をいたしたいと思います。
#29
○竹田四郎君 これはひとつ、大蔵省も、企画庁のほうも、その辺は打ち合わせをしていただきまして、やはり政府主導型の地代の値上げという汚名を――もう半分ぐらいこうむっておりますがね、実際問題は。しかし、何とか措置をしていただきたい、こういうふうに思うわけであります。
 それから、いま便乗値上げが盛んに行なわれているわけですけれども、建設省にお聞きしますけれども、地代の計算方法というのは、地代家賃統制令の計算方法というのは私知っておりますけれども、対象外の地代・家賃の計算方法というのは、何か一定した形というものがあるのですか、ないのですか。
#30
○説明員(京須実君) 民間のものにつきましては、ございません。国が借りる場合の規定はございますのですが、それは高うございまして、問題にならないと思いますので。
#31
○竹田四郎君 この地代家賃統制令でも、たとえば地代については、利子分として千分の二十二をかけるということになっておりますね。これは住宅局の解説に、そう書いてあるわけです。それが今度千分の五十、いわゆる五%の利子をかけるということですが、この五%の利子というのは、利率というのは、この根拠は何ですか。
#32
○説明員(京須実君) 住宅公団の賃貸住宅、あるいは住宅金融公庫が融資をしております住宅の一部、あるいは、農住でございますね、いわゆる農業の農地所有者に利子補給をいたしましてつくります賃貸住宅、これの地代相当分を取る根拠は百分の五、つまり千分の五十でございます。しかしながら、それは、たとえば住宅公団でございますと、土地の取得価格、つまりその買ったときの値段と造成費が入りますし、それから、公団、公庫、農住の場合には時価でございますが、この統制令でございますと、これがその年度の固定資産の課税標準額になりますと、時価よりも約十分の一と申しますか、非常に低うございますので、表面的には百分の五という非常に説明のしやすい数字を実は今回使っておりますが、実質的には千分の五でございまして、一般の、何と申しますか、国のほうで認めている公的地代、それよりもはるかに低く計算されておりますわけでございます。
#33
○竹田四郎君 もう私の地域で毎晩のように人が集まって、地代の値上げについての動きが出ているわけなんですけれども、商店街でいいますと四倍から六倍、それから普通の住宅で二倍、このくらいのものが出ています。これは、もちろん、いままでは権利金を取ったり、契約の更新料を取っているところでありますけれども、こういう便乗値上げをやる――私は便乗値上げだと思いますが、ことしそういうふうな値上げをやる根拠というのは、特に何かあるわけですか。たとえば、固定資産の評価がえの時期というのは、おそらく来年だろうと思います。固定資産税が毎年少しずつ、何といいますか、上積みをされて、ならしていくという意味で、そういう意味での税金の値上がり分というのは、若干私はあると思うんですが、ことし特にこういうものをやらなくちゃならないという客観的な情勢というのは、家賃地代統制令の改定以外に、特に何かそういうものがあるわけですか、どうですか。その他の条件というのは、私はあんまり変わっていないと思うんですが。ただ、周辺の地価は、都市の周辺ですから、毎年毎年上がっているし、税金もわずかずつだが上がっています。これは一般的に言って、あるわけですが、何か特別に、ことしそういう値上げをやらざるを得ない、こういうような条件というものは何かあるわけですか、どうですか。
#34
○説明員(京須実君) 特に本年ということは、特別な理由はないと思います。ただ、毎年度四月になりますと固定資産税が上がりますので、それに際しまして、その分だけ地代・家賃を上げてくれといったような話はあるように聞いております。
#35
○竹田四郎君 ですから、その固定資産税の上がる分というのは、二倍、三倍というようなものではないと私は思うんですね。ほんのわずかなものだということです。それがあるというのは、原価計算的に見まして、ある意味じゃ納得ができるんですが、私は、大幅に上がり始めた、こういうことは、やはり特に、地代家賃統制令の告示を改正をした、あるいは国有財産についても、先ほどの、まっ先に上げた――と言うと大蔵省はいい顔しないだろうけれども、実際にはまっ先に上げた、こういうものが全体として私は影響しているのじゃないだろうかというふうに思うのです。それでなければ二倍も三倍も上げる客観的な根拠というのは私はないだろうと思うんですね。これが現実に、もう起きているわけですね、現象は。こういうことに対して一体どういうふうに指導をしているのか。付近の地代が上がるからやむを得ない、こういうふうにお考えになっているのですか。どういうふうに、この便乗値上げについて指導されているのか、伺いたい。
#36
○説明員(京須実君) 地代・家賃、統制対象の地代・家賃でございますと、先ほどお話ししましたように、家賃につきましては二・八倍にいたしたわけであります。地代につきましては、実際は千分の五――百分の五を掛けますが、事実は評価が非常に低いために千分の五でございまして、税金を入れましても、利回りからいいましても、年間一%にも満たない。しかるに、それに便乗をいたしまして通常の統制外のものが上がるというのは非常にけしからぬと考えております。それにつきましては、統制対象が上がったことに名をかりる理由といたしまして、通常の地代の場合でも、やはり毎月取る地代はあんまり高く取れませんで、権利の更新時、あるいは当初に非常に多く取ってしまうという事例が多うございますので、その点を、特に公共団体等に連絡をいたしまして、十分に注意してほしい、統制令が上がったことに名をかりて、統制対象外の地代を上げようとする場合には、少なくとも、その計算の場合には、権利金、更新料をもし取っているならば、それは毎月の地代のほうに計算し直して組み込んで、その分で計算してみるように……。そういたしますと、圧倒的に、まっすぐに地代がふえてまいりまして、統制額に名をかりるということは、おそらく全然根拠はないことになるのではないかと思っております。そういうようなわけで、その計算方法につきまして、すでに地方公共団体、特に第一線の住宅相談室、こういう方々に、よくわかるように指導しております。それからまた、個別的に借地人のほうからお話があった場合、その地主さん方にわかる場合がございます。そういう場合には、直接に、もう地主さんに折衝いたしまして、両者の仲介に立って話し合いをつけるように、そういうぐあいに指導しております。そこまでやらせるように考えております。
#37
○竹田四郎君 長官ね、いまの状況というのは、その地域で「がんこ」って言うのが適当なのかわかりませんが、まあ、地主として力の強い、そういうところが、いま、ずっと上げているわけですね。力の比較的弱い地主は、あそこが上げて成功したらおれのところもやろうというので、第二線陣地といいますか、第二線のは、若干、第一線で戦っている模様をながめているというのが、私はいまの現状のように思います。そういう意味で、便乗値上げに対して私は大きな根拠はないと思うんですね。いまの対象外のものに対して大きな根拠はないと思うんですよね。ですから、長官は予算委員会でも、上がると予想される物価についてはいろいろおっしゃられたんですが、まあ、公共料金とは私は申しませんけれども、比較的、今度の場合には、そういう根源が――地代家賃統制令の改正に基づくものが、どうも多く影響をしているんじゃないか、国有財産のほうはすでにそういう形で発足しちゃった、支払いの期日をもう過ぎてしまった、この辺に私は大きな根源があるんじゃないかと思いますが、そういう意味で私は政府のほうに責任があると思うんです。で、私は、そういう意味で、こうした便乗値上げがこれからますます行なわれようとしているこの際に、長官として何らかひとつ大きく便乗値上げを阻止するような対策を持ってもらわなければ困ると、こういうふうに思うんですけれども、何らかそういう措置をおとりいただけますか、どうですか。
#38
○国務大臣(木村俊夫君) 実は、昨年私が就任いたしまして、もう統制額の改定の問題が具体化しようとするときに、私に対する陳情が相当ございました。ふだんであれば、そういう改定、特に値上がりについては、反対する陳情がほとんどでございますが、その当時は、むしろ、大阪その他の都市から私のもとへ、非常に気の毒と申しますか、非常に零細な家主・地主の方が、ぜひともこれは上げてもらわないとわれわれの生活がやっていけないというような陳情がございました。そういう面から見ると、確かに統制額の改定というものは、ある意味では社会的公平という点から見れば、これは私はよかったと思います。しかしながら、それに便乗して不当な値上げをしようということは、これはもう言語道断のことでございまして、それに対する便乗値上げをどうして一体防止するか、とにかく全国で何百万あるか知りませんが、そういういろいろ個々の契約に対してどういう監督指導をするか、これは中央政府がとてもやり切れないことでございましょうから、建設省住宅局から各都道府県あるいは市町村長に相当強い指示をしていただいて、そういう便乗値上げを防ぐ以外にはないと、こう考えます。しかし、大局的に考えますと、こういうことがあるのも結局政府の住宅政策が非常に不十分であるということから来ておりますので、大局的には直ちに即効薬にはなりませんが、そういう面からの政策を強化していく以外にない、こう考えておる次第でございます。
#39
○竹田四郎君 現実には、おそらく建設省は都道府県を通じて各地主協会にいろいろな通牒はすでにお流しになっていると思うのです。しかし、その通牒にもかかわらず、そういうふうな値上げがされておるというわけです。今度の場合に、非常にその値上げのやり方が巧妙きわまるわけですね。これは全部がそうだとは言いません。こう四倍も上げられて、便乗値上げさせられて、地主のほうはこう言っているのです、支払いたくなければいいんですよ、前の地代で私のほうはいただきます、こういうふうに言っているわけです。こういうようなことで、便乗値上げに対してそれを払っていくことによって、対抗できますかどうですか。これは建設省に伺います。
#40
○説明員(京須実君) 四十一年に借地法が改正になりまして、地代につきましては、紛争がある場合には、もし裁判で負けた場合には、さかのぼって地代を取られるということになりますが、現在は、利息を一割だけ払いなさいという規定がございまして、ですから、その裁判に負けた場合、さかのぼって債務不履行だから出て行けということにはならない、そういう規定がございますので、どうしても話がつかない場合には公共団体等の指導によりまして話し合いをつけると思いますが、最後は裁判になった、裁判に負けた場合には、今度、裁判できめた額と前から払っていた額との差額に利息を一割つけるということで裁判上は解決する、少なく払っておりましたために、あとで債務不履行だから出て行けというようなことは起こらないと思います。
#41
○竹田四郎君 債務不履行の場合には、当然、明け渡しの条件になるわけでしょう。それで、一番最初から裁判所へ訴えるということは私はないと思うのです。向こうで話し合いをしないと言っているわけではないんですから。話し合いはいたします、ただ前の地代でいただきます、こう言っているわけです。この場合に、いろいろ法律家の意見も聞いたんですが、その金額を払ってしまうと、あと法務局が供託を受け付けない、残額についての供託は受け付けない、したがって供託はできない、古い地代を払ってしまうと供託はできない、受け付けてくれない、こういうことになっているという話を聞きましたが、それは事実ですか、どうですか。
#42
○説明員(京須実君) 担当外でございますので、もし間違いましたら、お許し願います。
 私の知っている範囲でございますと、あとから差額を足すのはおかしいのでありますが、毎年税金も上がりますので、借りている方が自分で適正と思う額を毎年上げていくということは供託でも十分可能だと思います。話し合いがつかない場合は、いまのお話ですと、地主は何か、おどかしているようでありますが、借り主は自分で適正と思う額を、たとえば、従来から毎年上がってきていた場合には、そのような率で上げて払っていくか、供託してもらうかすれば問題は起こらないと考えます。そういうことによりまして契約解除――少なくとも債務不履行と契約解除とは別のもののように借地法、借家法ではなっておりますので、その点は御心配ないと思います。
#43
○竹田四郎君 そうしますと、供託をするという場合に、いまの払っている……、いままで払っていた地代プラスアルファですね、そのアルファというのは、税金が上がった分とか、あるいは利息の若干の分とか、こういうものを含めて供託をするということなんですか、それとも、いままでの地代で供託すればそれで供託の効果はあるというのですか。その辺はどうなんですか。
#44
○説明員(京須実君) どっちでも、その借地人の方に、これで適正と思われる額をお払いになればかまわないと思います。供託は受け付けると思います。
#45
○竹田四郎君 これはどっちでもいいというふうにおっしゃるんですが、間違ったらたいへんです。間違ったら供託の効果はなくなっちゃうと思うのです。この辺は正確にしておいてもらわないと、便乗値上げに対して善良な市民がこれに対抗できるような指導というものをびしっと各市町村に実施しておいてもらわないと、私はいかぬと思うのですよ。いまのお話で、どっちでもいいということには私はならぬと思うのです、法律的には。おそらく、供託する場合には、旧地代プラスアルファですね、このくらいが適当であるという金額にして供託をしないと、あとの裁判上は不利になる、この辺が実際は末端においてまちまちなんです。住宅相談所あるいは各市町村役場の窓口においても、必ずしもこの辺は正確でない。そうすれば、せっかく市町村役場へ行き、住宅相談所へ行って相談しても、適切な指導がなかったら、あとはやはり認めざるを得ないということになってしまう。この辺の指導をぴしっとやっておいてもらわないと、法廷へ持っていっても戦えるような状況に指示を出しておいてもらわないと、ただ便乗値上げは困りますということでは戦いの手段というものはないわけです。便乗値上げをやめていく手段というものはないわけです。この辺は十分に、住宅局か企画庁かわかりませんけれども、法律上も正確に、こうした場合にはこうすればいいのですよという指導を末端までやっておいていただかないと、これはいけないと思うのですよ。私は、いままでそういう点についてはずいぶん誤った考え方を持っておりました。この点はもう少し調べて――どうもいまの建設省のお話でも私ちょっと納得いかない。十分末端までそれを徹底させる、そして便乗値上げを防いでいく……。これは多少のものについては、ある程度しかたがないと思うのです。それは、先ほど長官が言ったように非常に低いというものは、ある程度はしかたがないと思う。便乗値上げに対しては、私は、それを排除するには政府の力だけでは排除できないと思うのです。現実の問題として、やはり借りている人が個々にいろいろな手段を使って、合法的な手段を使って、便乗値上げをはねのけていく、これ以外にないと私は思うのです。どうもその辺があまり末端では明確でないようです。ぜひその点を、この際、末端では明確にするようにしていただかなくちゃいかぬのじゃないか。
#46
○国務大臣(木村俊夫君) 私の直接担当ではございませんが、消費者生活の保護という面から、これは確かに、おっしゃるとおり、その点があいまいではいけないと思います。そこで、担当はおそらく法務省の民事局だと思いますが、ひとつ、建設省のほうと法務省とよく連絡をとっていただきまして、私たちのほうも十分注意してまいりたいと思います。
#47
○竹田四郎君 そういう形で、おそらくこれから夏にかけて、家賃・地代の便乗値上げというのは非常に蔓延をしていくというおそれというのは十分あるわけです。ですから、ひとつそういう点で、便乗値上げについては、不当な値上げについては、やはり今日の物価政策の立場から、これをあくまでも押えていく、こういう態度を堅持していただくことをお願いしたいと思うのですが、そのほかにもいろいろお聞きしたいことがありますけれども、きょうは時間がございませんので、この程度でやめておきたいと思いますが、よろしくひとつ手を打っていただきたい、お願いします。
#48
○柏原ヤス君 前回におきまして不当表示と思われる具体的な例を示してお聞きいたしましたが、そのときに食糧庁のお答えは、そのような内容を認識させるような表示はさせないように指導したいということでした。その後どういう指導をなさったか、お聞かせ願います。
#49
○政府委員(中村健次郎君) 先般、先生からお示しいただきましたように、好ましくない表示をしたものが出回っておりますので、そういう点につきまして、食糧庁としましては、このような袋が使われないように末端において十分指導するようにという通達を五月の終わりに都道府県並びに食糧事務所に流して、現在指導をいたしております。
 ただ、袋の問題につきましては、従来からつくって準備してありました袋、あるいは新しい袋の印刷、デザインの作成等、時間もかかることでございますので、表示要領を示しました際に、一、二ヵ月の余裕期間は与えて、その間に新しい袋を届け出て正しい表示をするようにというふうに指導してまいっております。ただ、その後、小売り販売業者の新規登録の問題で非常にたくさんな新規登録の申請がございまして、都道府県の末端業務がそれに追われておりまして、表示の届け出に対する審査、指導等が十分にいま行なわれておらないような状況がございましたので、われわれ一、二ヵ月できれいに切りかわるようにということで指導はいたしておりましたが、残念ながら、まだ十分その点が徹底していないというのが現状でございますが、なお今後、この問題は重要でございますので、全力をあげまして適正な表示の袋に切りかえるように指導をいたしてまいりたい、このように考えます。
#50
○柏原ヤス君 そこで、確かに、おっしゃるように、さっぱりその指導が徹底していないわけなんですね。抽象的な話をしていても、らちがあきませんので、これまた持ってまいりました。
 それで、これ、ごらんになっているかどうか、それも疑問なんですが、ほとんど、これが指導されたのかしらというものばかりと言っていいくらいなんですね。ここにもございますように、こういうのがありますね。「農林省推奨」、「最高品質米」、そして「宮城米」、「ササニシキ」、「日本一うまい」、こういうのがありますね。それから、こういうあくどいのもあります。「特選銘柄米」、「選びぬかれたおいしいお米」、こういうのがございます。こういうのもありますね、「優良精米」、こういうもの。まだたくさんございますけれども、こういうものは届け出たわけですね。
#51
○政府委員(中村健次郎君) 先ほど申し上げましたように、新しく表示をするものについては届け出をしなければならない、こういうふうになっております。それで、全国各県の状況は、まだ私のほうで報告をとりつつあるところでございますが、大阪で申しますと、いままでに届け出が食糧事務所の手元に約三千銘柄、三千通りといいますか、の種類のものが届け出が出ております。これは小売りからの届け出。それから卸から十六の種類の届け出が出ております。これを整理いたしまして、やっと二千種類のものは整理して、まだ、千種類ぐらいは整理がつかないのでありますが、その二千のうち、大阪府と協議をして審査をして、約二百ばかりを審査をいたしましてみましたところ、届け出られた袋が、従来使っておりました、すし米――この前先生からお示しがございましたように、「すし米」であるとか「日本一うまい米」とか、そういう表示をし、かつ製造工場の名前も入れてない、必須条件も入っていないというものが非常に多数にございまして、そういうことで約二百審査をしたのでございますが、そのうち、まあまあというのが百五十くらいで、三十はまあ完全だということで、あとのものは、とりあえず不当なところを消すとか、書き込むとかして使いなさいというようなことで、百五十ぐらいを、まあ一応使ってもいい、直して使いなさいというようなことになっておるような状況でございまして、二千件のうち、あとのものは、どうもいかぬ、あるいは、いかぬと言っていいのかどうか頭をひねる。と申しますのは、「すし米」というのが非常に大阪では多いそうです。「すし米」というのは大阪では非常に通っておりまして、東京では……。
#52
○柏原ヤス君 済みません、いろいろおっしゃっているのはまたお聞きしますけれども、私お聞きしているのは、ここにございますでしょう――これは届け出たものかどうか、どういうふうに御判断になっているか。
#53
○政府委員(中村健次郎君) その袋、十分に見せていただきませんと、届け出られたものかどうかは、ちょっと私わからないんでございますが……。
#54
○柏原ヤス君 届け出をしないものは使っちゃいけないということになっているわけですね。
#55
○政府委員(中村健次郎君) 先ほど申しましたように、袋詰めに表示をしようと思うものは届け出なければならないと、こういうふうになっております。ただ、それには余裕期間がございまして、先ほど申しましたように、すぐにはできないから、一、二ヵ月は従来の袋を使ってもやむを得ないということになっておりますので、従来の袋を、いまもって使っておる。別に届け出て従来のを使っているのもございますし、届け出はそのまま従来のをしまして、まだそれでよろしいと言われないのに、そのまま使っておるとか、いろいろなものがございます。
#56
○柏原ヤス君 そこで、いまおっしゃるように、一応届け出たけれども、これが指導されなければならないものであることはもちろんだと思うんですけれども、それでどういうところを指導するかというと、事務所では、必要事項――品質、内地米、それから目方ですね、あと、工場とか住所とか、そういうことですけれども、これ、届け出て、けっこうだとは言われないと思うんですよね。けれども、内地米というのは書きなさいということは言われているわけですね。この内地米というのを書きなさいと言われたならば、帰っていって内地米というレッテルをつくって、これは古いものだけれども、内地米というレッテルを張るぐらいのことはさせられるし、また、できると思うんですね。それすらされてない。
 それから、これは新しくつくって、そして届け出たものと思います。これは「内地米」と、ちゃんと書いてきているんですからね。ところが、これをどう指導したのかしらと思うんですね。この「あじわい」、これがブランドというんですか、それはいいと思いますけれども、「ゴールド」なんという、もしこれが印刷されて届け出られたんなら直せないかもしれませんけれども、少なくとも新しくつくるスタイルなんですから、図案で持ってくるのが常識ですね。そういう場合には、こういう「あじわい」、「ゴールド」なんという、この「ゴールド」なんというのは一体何を意味しているのか、少なくとも指導されたらしい袋が……。出せないはずはないと思うんですけれどもね。
#57
○政府委員(中村健次郎君) このブランドにつきましては、それぞれ商品にブランド名をつけておりますので、これがはたして消費者に内容を誤解さすような、誤認さすようなものであるかどうか、非常に判定のむずかしいところでございます。いまの「あじわい」というものでも、これはいけないとも言えないと思いますし、それからもう一つの、その「ゴールド」というのは、これはいままでもよく使っておりまして、ゴールド、シルバーというふうな、ゴールドと書いたほうが値段が多少高くて、シルバーが普通のだとか、松竹梅というふうな区分けをしているのもございます。そういうもので必ずしもゴールドとか松竹梅というような区分をつけることがいけないとも一概に言えないと思います。そういうことで、総合的に判断して、府県と食糧事務所が相談をして、これは差しつかえないだろう、これはいけないというふうな判定をいたしまして指導しておる、こういうことでございます。
#58
○柏原ヤス君 その指導の姿勢というものが、消費者が米を買うときにその内容を判断するのに便利なように、あくまでもそういう消費者の保護のためにこの袋はつくったのだと、つくるのだということが趣旨でございますから、私は、そういう立場に立てば、もっとすっきりしたものが指導されていいと思うのです。ここでこの議論していても時間ございません。
 そこで、ここに持ってきましたのは、ほんの一部分で、やっぱりこれは不当表示じゃないかしらと思うものを持ってきたわけなんですね。私、しろうとですから、ここに公取の方がお見えなので、これ、御意見を、この袋一つ一つについて、言っていただきたいと思うのです。お願いいたします。
#59
○政府委員(熊田淳一郎君) 一つ一つにつきまして御意見申し上げます前に、ちょっとお断わりをいたしますが、このお米の品質表示につきましては、これはお米の味の問題とも関連をいたしておりまして、非常にむずかしい問題であると思います。まあ私ども、景品表示法の立場から、この是非というものを考えます場合には、景品表示法の四条にきめておりますように、実際のもの、あるいは競争関係にある商品、それよりも著しく優良であるというふうに一般消費者に誤認をされる、それによって不当な顧客誘引効果が生ずる、こういう場合、景品表示法違反の疑いがあるというふうに考えるわけでございます。それで、ここにございますいろいろな表示につきまして、いますぐこれが景品表示法に触れるかどうかというようなことを申し上げるのは、ちょっと即断に過ぎると思います。これは十分に私ども検討をさせていただきませんと、はっきりしたことはちょっと申し上げかねるわけでございます。しかしながら、まあ、感じといいますか、そういうようなものをちょっと申し上げてみたいと思います。
 それで、最初の、この「特選銘柄米」というのでございますが、この「特選」というような表示を用いること、これは、景品表示法の立場から申しますと好ましくないという考え方をいたしております。これは、いろいろ食品類の公正競争規約を見てみますと、その中に、客観的な根拠なしにこういうような「特選」というような表示、あるいは「極上」とか、「最高級」とか、あるいは「本場もの」とか、そういうような表示を用いますことは、これはほかの商品に比べて、やはり著しく優良であるというふうに誤認されるおそれがあるので、これは表示として用いることを禁止をする、不当表示と考える、こういう趣旨を公正競争規約では、うたっている例が多いわけでございます。そういう点から申しまして、私、この「特選」という表示は適当ではないのではないかというふうに考えます。
 同じく、この二番目に、「優良精米」というのがございますが、この「優良」という表示も、同じような趣旨から言いまして、どうだろうかという感じがいたします。
 それから三番目、これは先ほど最初におあげになりましたが、「農林省推奨最高品質米」、そして「日本一うまい宮城米ササニシキ」と、こういう表示があるわけでございますが、まず、「農林省推奨」という、この表示、これは、実際に農林省が推奨しておるというものであれば、それはけっこうであると思いますけれども、おそらく、この農林省推奨ということはないんじゃなかろうかと思います。そういたしますと、これは、こういう農林省が推奨したということを表示することによって一般消費者に不当な誘引効果を与えるというおそれがありますので、これは適当でないというふうに考えます。なお、「最高品質」というようなことは、先ほど申しました、同じ品質についてのオーバーな表現という点で問題があろうと思います。それから、「日本一うまい」というのも、同じような趣旨で問題があると思います。それから、この「宮城米ササニシキ」というのは、これはほんとうに宮城米ササニシキという銘柄であれば、これは差しつかえないかと思いますので、こう表示しておりながらほかの銘柄のものを入れておるということになりますと、これは不当表示のおそれがあるというふうに考えるわけでございます。
 それから次に、「GOLD」という表示がついておりますが、これは先ほど食糧庁からもお答えがございました、ゴールドとか、あるいはシルバーとかいうようなことで等級分けをするということが、一がいに不当表示のおそれがあるということは言えないかと思いますけれども、しかしながら、やはり私どもの立場から申しますと、ゴールド、シルバーという意味がよくはわかりません。よくはわかりませんけれども、ことさらにこれがほかの商品よりもいいものだと、品質のいいものだというような感じを与えるような気がいたします。そうなりますと、やはりこの表示は適当でないんじゃないかというような感じがするわけでございます。なお、これには「SPECIALRICE」というような表示も下についております。そうなりますと、これはやっぱり特選米とかなんとかいうような感じになると思いますし、問題があると思います。
 それから次は、「品質保証極上米宮城米」と、こういう表示でございますが、この「品質保証」なるものが、客観的にどういうふうにして保証されておるのか、よくわからないわけでございます。そういう点から、この表示は適切でないというふうに考えますし、「極上米」というのは、先ほど私が申しました基準からいいまして、適当でないというふうに思います。
#60
○柏原ヤス君 時間が限られておりますので、その続きはあとで……。
 あと、お聞きしたいことは、そういうものを、それではどう対処されるかということをお願いしいたします。
#61
○政府委員(熊田淳一郎君) こういうふうにいろいろ問題のある表示がございますので、ただいま食糧庁が指導をして表示の適正化ということを考えておられますので、私どもの意見も食糧庁のほうに申し上げまして、食糧庁で適切な指導をしていただくように考えたいと思います。なお、食糧庁のほうでも、そういうこまかいところまではなかなか手が届きかねるというようなことでございますれば、場合によりましては、公正競争規約を業界においてつくっていただくというような指導をいたしてもよろしいというふうに考えております。
#62
○柏原ヤス君 そこで、食糧庁が今度新しい姿勢として、この表示をしっかりやっていくということをうたっているわけですが、それに対して徹底されてない、指示とか指導というものに権威がなさ過ぎるのじゃないか。また業者のほうの立場に立つと、非常にこの問題は混乱しているような感じが、私、するわけなんですね。これは確かに、準備期間、また指導期間というものが整わないうちにこの物統令の廃止をしてしまった、非常に無理な状態の中に置かれているということを感ずるわけです。これでは、消費者は、米の選択というものにはもう迷うばかりだ。表示の趣旨に反するこうした状態、いつこれが徹底されるのか。その点で、私、届け出制というものが表示の適正化を行なっていくのにまずいのじゃないか、こう思いますが、やはり今後もこの届け出制で押していくお考えでしょうか。
#63
○政府委員(中村健次郎君) 先生御指摘のように、準備不十分、あるいはいろいろな事情がございまして、十分な指導が徹底していないということにつきましては、まことに遺憾に存じておりますけれども、私のほうも末端の機関を持っておりますし、県等とも協力いたしまして適正な表示ができるようにしてまいりたいと思っております。
 届け出制、これはもちろん、私のほうでは表示を法的に禁止するというふうな権限を持っておりませんし、できるだけ適正な表示ができるように指導するという意味で表示要領をつくっているのでございまして、したがって、表示しようとするものは必ず届け出てくれ、そうして、それについて私のほうで指導をするという立場をとっておりまして、当初でございますので十分にはいっておりませんけれども、この要領に基づいて適正に指導をしてまいりたい、このように思っております。
#64
○柏原ヤス君 この届け出をお受けになっていらっしゃるわけですが、その数が一体どのぐらいになっているのか。大阪のは伺いましたけれども、全国的にどのぐらいになっているのか。
#65
○政府委員(中村健次郎君) 先ほど申しましたように、全国的に各県からその届け出の状況を、私のほうへ報告を要求いたしておりますけれども、目下続々届け出が末端窓口に行なわれ、それが府県に届いていないものもございますし、そういったことで整理ができていないというような面もございまして、全国的な集計はできておりません。とりあえず先ほど大阪のを申し上げましたのでございますが、東京の食糧事務所に聞きましたところが、現在、東京では小売りから約千七百種類ぐらい、それから卸から百五十種類ぐらいな届け出が出て審査をしておる、こういう状況でございます。
#66
○柏原ヤス君 そこで、全国的に見ますと、このブランドというものが、もう何千、何万という数になると思うのですね。それによって、はたして消費者が品質に応じた選択ができるかどうか、私は非常に疑問に思うわけなんです。その点、どうお考えになっていらっしゃるか。
 そうして、具体的な例でお聞きするのですけれども、この「松印」という、こういうブランドができているのですね。これは「竹印」とセットになっているわけです。これは何も故意に、私、自分の意見を成立させるために証拠固めしたわけじゃないのですけれども、この「松印」をずっと集めてみたのですね。そうしたところが、値段が全部違うのですよね。二千円、二千百円、二千百五十円、二千二百円、二千二百五十円、二千三百円――同じ値段のが一つもないのです。おまけに、すごく調子よく高くなっているわけなんですね、五十円ずつ刻みに。今度、竹のほうは、やはり値段が少しずつ変わっているのですね。千八百円、千八百五十円、千九百円、二千円、二千五十円、二千百円、二千百五十円と、こういうふうになっているわけです。これを見ますと、値段は全部まちまちだ。そうすると、松とか竹とかいうこのブランドというものが一体何を意味しているのかということになると思うのですね。このブランドというのが、消費者の選択、選別に資するというふうに食糧庁ではおっしゃっているわけです。けれども、この松、竹というブランドは、こうした消費者の選択に何にも役に立ってない。かえって混乱しているという結論になると思うのです。
 それから、ここにも、これは新しく届け出て許可された、非常にいい表示だと思うのですね。ところが、この表示の米の内容が、また同じなんですね。それで、売っているお店まで同じなんですよね。それでも値段が、二千百円、これは二千円、こういうふうに値段が違っているわけです。これも、私の考えでは、このブランドというものは内容の品質を選択する何の役にも立っていない、こういうふうに言えると思うのですね。このブランドでお米を買う便利というのですか、弁別にはなっていない、こう思いますけれども、いかがでしょうか。
#67
○政府委員(中村健次郎君) ブランドそのものは、私、あまり品質を選択する上の大きな目当てになると思っておりませんので、私のほうの表示要領でも、ブランドは内容を誤認さすような文字や絵を使ってはいけないということで、むしろ、しぼる形をとっております。むしろ、表示につきましては、それが配給品目としてどういう品目のものであるか――内地米であるか、徳用米であるか、ですね、そういった配給品目、あるいは量目、ちゃんとどこでつくりましたというふうなことをはっきりと表示させる、こういうことに主点を置いております。したがって、それを必須の表示にいたしておる。あと任意の表示につきましては、これは私のほうで、一々、これはいかぬ、あれはいかぬと言うわけにもまいりません。表示の任意性と申しますか……。したがって、特に大切なことで、そういう表示をかってにしたのでは非常に消費者に誤解を与えるというものについては一定の規制を設けている。こういう条件を満たさなければ表示をしてはいけない――たとえば、年産、銘柄、産地というようなものをセットにしまして、内容がはっきりする、そういうものでなければ表示しちゃいかぬという表示にしております。したがって、そういったことを消費者に十分理解していただきたいと思うのでございますが、先ほどお示しになりました松、竹というものは、これは実は戦前から、米を売ります場合に、上白、中白、並白とかいうような名前で大体小売りは売っておりました。大体、そういう形で、松竹梅というふうな、その製造工場で、卸なら卸の工場でつくった品物のうち、うちの会社でつくったうちでも松が一番上等のものでございます、あるいは竹がその次ですという、その会社のAならAのランク分けでございますから、したがって、同じ小売り店の中にそういう松と竹が並べてあれば、おそらく松が高くて竹が安い。ただ、店が違いますと、これは価格はむしろ自由でございますので、小売りが申し合わして一定の価格で売るというようなことは、かえってこれは禁じられておりますから、したがって、そういったその店の考え方で値段はまちまちになるのが当然である、こういうふうに思っております。
#68
○柏原ヤス君 私もブランドの問題をいろいろ考えてみました。大型精米工場でブランドをきめて、そして袋詰めにして出すというような、そういうときのブランドは、私、非常に生きてくると思うのですね。ところが、こういうように店で一つのブランドをつくって、そして店々がかってな値段をつけて、そして並べて売る、こういういき方は、やはり非常に混乱を起こすのじゃないか。そういう点、表示というものは、確かに消費者がその品質に応じた選択を行ない得るように表示というものを特にするのだから、ということに対しての研究をもう少しやっていただきたいと思うのですね。次に、標準価格米についてお聞きしたいのですが、この標準価格米というのは、原則としては、大型精米工場でつくったものを袋詰めにして、そして店に置くんだ、ですから、店頭には必ずこの大型精米所から出された標準価格米というものは置かれてなければならないと思うのです。ところが、事実は置いてありません。そういうものを買いに行ったら、そんなものはないよなんて、すごいけんまくでどなられたという人もいるわけなんです。その点、いかがでしょうか。
#69
○政府委員(中村健次郎君) そのような事実があったといたしますれば、まことに遺憾なことでございまして、そういう店につきましては、私のほうで物統令適用廃止後の対策としまして発表しておりますものにも、そういった店については食料事務所か県の出先なり市の出先なり、言っていただけば私のほうで監査指導いたしまして、どうしても聞かない場合には行政的な制裁を加える、あるいはその店の名前を公表する、そういった手段をとることになっているのです。私のほうで先般一斉に調査しましたところでは、各店に標準価格米はおおむね置いてございました。準備が整わなくて、まだできない、あるいは袋詰めはしてないけれども、ちゃんと旧価格で、物統令時代の価格でちゃんと売る、ばらでも売っている、置いていますというお店もございました。そういうことでこれは重点として指導しておりますので、そういった事実があるとすれば、私のほうでも十分に注意をし、これを直さすようにやってまいりたい、このように考えます。
#70
○柏原ヤス君 この自家搗米の場合の品質保証がどのようにされているかということについて、この前もお聞きし、そこに「検」というマークがついている、これについて御意見を伺いましたらば、それについては何とかする、「検定のほうへ至急誘導をしたいと思っております」という御返事だったわけなんです。その後、自家搗米の品質保証はどういうふうになさっていらっしゃいますか。
#71
○政府委員(中村健次郎君) これは、従来から東京都等におきまして小売りが穀物検定協会等に頼みまして、サンプルを持っていって検査してもらう、したがって、その持ってきたサンプルについては、規格に合っているという意味で、そういったマークを打って、消費者にしっかりした米を出すということを自主的にやっている。それがいまも続いて残っているわけでございますが、私のほうとしても、いろいろ問題がございますので、この点についてはよく検討をして、そういったことがかえって消費者に誤解を与えるきらいがあるということであれば、今後これをやめるようにというふうに、いま検討中でございます。
#72
○柏原ヤス君 それから、標準価格米の値段の点ですけれども、千五百三十円以上で売られているわけです。千五百七十円、千五百八十円で売られているのですね。これは、中に、ビタミン米というのですか、そういうのが入っていることは入っているのですね。ですけれども、標準価格米というのは千五百二十円、内容の点にはいろいろと疑問がありますけれども、せめて値段だけは千五百二十円で守られなければならないと思うのですね。それを、そんなよけいなものを入れて、そして千五百七十円、千五百八十円で売るなんというのは、もうその辺から米の値上げにエスカレートしていくという心配が、私、あると思うのです。こういうことは許されるのでしょうか。
#73
○政府委員(中村健次郎君) いま申されました標準価格米につきまして、千五百三十円あるいは千五百七十円というふうな価格で売っているものでございますが、これは、従来内地米を統制額で売っておりました場合にも、袋代は別にもらってよろしいということで、千五百二十円に袋代十円加えて千五百三十円、ただし、その場合には、内容が幾らで袋代が幾らということをはっきり明示しなさいというふうに指導しております。またビタミン強化米等を入れた場合には、ビタミン強化米が幾ら入り、米の値段は千五百二十円、あとビタミン強化米が幾ら、袋代が幾ら、合わして幾らというふうにしてやるならよろしいというふうに私どものほうは指導いたしております。したがって、お買いになるほうもそれを十分了解の上でお買いになっていただく、こういうふうになっております。
#74
○柏原ヤス君 たいへん時間がなくなってまいりましたので、まとめてお聞きしたいと思います。
 一つは、販売方法ですが、ここにこういう札があるんです。これは政府管理米なんです。それで麻袋につけてある。それからここにもこういう大きな袋を持ってきたんですけれども、これも政府管理米で、いろいろ書いてありますが、これはどれもササニシキという銘柄がついておるわけです。そうすると、これはうまい米だというので十キロ二千円前後の値段で売れるわけです。これは物統令が廃止されてないときには千五百二十円で売れていたものです。それが二千円で売られているわけです。こういうのは認めていらっしゃるんですか。
#75
○政府委員(中村健次郎君) ちょっと、その票箋というのは、玄米の袋についている検査票筆ですか――検査票筆には、玄米を検査した場所で品種を見まして、銘柄がササニシキならササニシキということがわかりますから、それはササニシキだということをちゃんと書いてやっております。銘柄別の検査をいたしております。それからあと、それからつくった白米が十キロ二千円で売られる。物統令適用時代には千五百二十円、これ、まさにそういうことなんでございますが、ただ、物統令を配給内地米について適用しておりましたときにも、自主流通米につきましては物統令の適用をいたしておりません。宮城のササニシキというような米は、これは非常にいい米でございますので、自主流通米としてその当時から、白米にすれば東京あたりでは二千円以上に売れておった米でございまして、物統令適用を廃止したために特に千五百二十円の米が二千円になったというふうに一がいには言えないわけでございます。
#76
○柏原ヤス君 最後に、消費者米価の価格の動向、これはどういうふうになっているか。食糧庁、企画庁のお考えですと、大体安定していると、こういうお答えだときめてよろしゅうございますね。
#77
○政府委員(中村健次郎君) 仰せのとおり、私のほうで毎週調査しておりますところでは、多少上がったり下がったりございますけれども、大体安定して推移いたしておるつもりでございます。
#78
○柏原ヤス君 そこで、総理府統計局の調査を調べてみますと、これは安定してないんですね。値上がりしております。これは三月分の実効価格が百八十五円七十一銭、四月分は百八十五円七十四銭、五月分は百八十七円五銭と、こういうふうに三月から五月にかけて一キロ一円三十四銭、〇・七%上昇しているわけです。ですから、十キロで十三円四十銭値上がりしているわけです。ところが、一方、四月から政府売り渡し価格は値上がりを防止するためということで十キロ十円下げているわけです。こういう実情を長官はどうお考えになっていらっしゃるか。
#79
○政府委員(宮崎仁君) ただいまおあげになりましたのは、CPIにあらわれてくる主食の数字についての御指摘と思いますが、この前統計局長からこれもお話がございましたが、物統令が廃止されまして、従来、配給米・非配給・自主流通米という形でとっておりましたのをどういう形でとるかというのは、実はまだほんとうの意味で決定いたしておりません。とりあえず、食糧庁のほうのおっしゃっておる上・中・並ですか、そういったような形での価格の動きを見ておるということで今度の数字をつくったようでございますが、上米のウエートは上がったという形になりまして、結局、合成した価格は若干上昇ということがCPIの数字には出てきたわけでございますが、これはあと二、三ヵ月の状況を見まして、そうして、そのサンプルのとり方、ウエートのつけ方というようなことが決定されていくというふうに聞いております。ただ、上米のウエ−トが、特に東京でございますが、上がってきたというのは、やはり事実そういう動きがあるのかもしれぬ。これは私どもそう見ております。これは一種の格上げ混米みたいな効果を持つものかどうか、その辺が分析を必要とする。で、私のほうは、したがって、確かに安定的に推移はいたしておりますが、上米が若干上がっておるし、それから上米のウエートが少しふえておるようである、これが実効的には全体の水準を若干上げておるかもしれぬ、こういうふうな判断をいたしております。なおよく検討いたします。
#80
○柏原ヤス君 もう一問。
 四十四年に自主流通米の制度がつくられて、実質的に米は値上がりをしているのですから、物統令が廃止されても極端な米の暴騰はないのです。しかし、こうしたこまかい統計局の調査などを調べてみますと、一ヵ月、二ヵ月の間に十円くらいずつ、ほんの少しですけれども、値上がりしていく、こういうことが非常に問題だと思うのです。それで、聞きますと、十キロ二千円の米を買っていた人が米屋さんから六月からは二千百円になりますからという予告を受けているというのです。こんなことを考えますと、やはり値上げ防止対策というものは真剣にやっていただかなければならないと思うのです。そうして、一方では、品質の格差というものは消費者にはさっぱりわからない、こういう現状をお考えいただいて、食糧庁は今後、食糧を管理する、そういう最高の責任の場所でございますので、もっと対策について責任ある御答弁を最後にいただきたいわけなんです。企画庁長官、一言それに対してお述べいただきたいと思います。
#81
○政府委員(中村健次郎君) 食糧庁といたしましては、物統令適用廃止後、それによる不当な米の値上がりがあってはならないということで、標準価格米制度もとっておりますし、それから新規参入を大幅に認めて競争原理の導入もはかる、こういうことにつとめておりまして、先ほど申しましたように、大体米は、上・中・下それぞれについて見ますと、値段がそう動いていない、安定的に推移しているということでございます。ただ、いい米を買いたいという人が多くて、こちらのウエートが上がっていくということは、これは、物統令の適用を廃止した趣旨も、消費者の選択、消費者がほしいものを買う、こういうことにこたえる、品質に応じた選択にこたえる、こういうことで、はずしたわけでございます。その趣旨からしても、消費者の納得の上でやはり高くてもうまいものを買う人が多くなるということは、それは、それに応じて生産もいいものをたくさんつくっていくということで、これにこたえていく。ただ、いいものが非常にまあ操作が悪くて、需要に対して供給が足りないというふうなことで不当な値上がりをするというふうなことは、これは厳にわれわれとして警戒をしなければならないことでございますので、食糧庁としても、そういうことがないように、できるだけ米の品質別に操作をいたしまして、上米の需要の多いところにはたくさん送るというふうな、原料をたくさん送るということで需給関係から値上がりをするということがないように今後もつとめてまいりたい、このように考えております。
#82
○国務大臣(木村俊夫君) 私ども、物統令適用廃止後の米価の推移というものを非常に関心を持って見ておりました。幸いにして、そういう面における心配はないようでございます。しかしながら、その過渡期において、表示の問題、あるいは多少上級米に値上がりが見られる、これはもう、今後も大いにひとつ農林省、食糧庁で監視していただかなければならない問題だと思います。まあ、しかしながら、この統計の取り方によりますが、所得水準が上がっていくに従って、米の質に対する消費者の要求というものがやはり上がっていく、それがある意味でCPIの経過の面にあらわれてくることは、これは必ずしも、私ども、まずい傾向だとも思いません。そういう意味におきまして、総じて、最低限度の消費者米価の安定というものをはかっていくということだけは、ぜひ経済企画庁としてもこれを堅守していきたい、こう考えておる次第でございます。
#83
○渡辺武君 東京瓦斯が八月一日から平均三二・二%というガス料金の大幅な引き上げをやりたいという申請を出していることは御存じのとおりだと思います。ところで、この値上げ案の内容を見てみますと、七立方メートル以下の最低料金については、現行の二百六十六円五十六銭を六百円に引き上げる、つまり、二、二五一倍に引き上げるということになっております。これに反して、七立方メートル以上の料金については値上げの率は二二・七%ということになっております。つまり、小口の人たちについては非常に大幅な引き上げになっており、大口については引き上げがそれほどでもないという状況になっております。
 これを一立方メートル当たりの料金で見てみますと、この点がもっと、はっきり出てくるわけでありまして、五千キロカロリー地区――ですから、東京都ほぼ全域、それから近隣の各県の主要なところ、これが含まれると思いますが、七立方メートルから七十二立方メートルまでの、いわばまあ非常に小口のところですね、ここでの料金がどのくらいになるのか。一立方当たりの単価が約二十八円四銭ということになっております。ところが、非常に大口の三十六万立方メートル以上の利用者、これの一立方メートル当たりの単価は二十円七十八銭、こういうことになっています。そうしますと、小口利用者よりも大口のほうが一立方メートル当たりの単価が七円二十六銭も安いという値上げ案になっているわけであります。
 そこで、長官に伺いたいんですけれども、今回の東京瓦斯のこの値上げ案、これは小口利用者である一般勤労者に非常に重くて、そして大口利用者である大工場や大商社に比較的軽い値上げになっているというふうに思われますけれども、いかがでしょうか。
#84
○国務大臣(木村俊夫君) 詳細につきましては、まだ通産省は来ておらぬようですが、そのほうからお答え願うとして、確かに五月四日に申請がありまして、いま通産省で審査をしています。したがいまして、公式に申しますと、まだ通産省から正式に協議を受けておりませんので、まだ何とも申し上げかねますが、まあいろいろ問題点があるようです。いま御指摘の点も、その一つであろうと思います。通産省から協議を受けましたら、経済企画庁は独自の見地に立ちまして十分審査をしたいと、こう考えております。
#85
○渡辺武君 この値上げが勤労者に非常に大きな生活上の打撃を与えるということは、いま申し上げた数字だけでも、これはもう、はっきりおわかりいただけると思いますが、なお念のために一、二の数字を申し上げてみたいと思うのです。
 これは、生活協同組合が組合員八十世帯を調べて、昨年から今年にかけて実際使ったガス量で計算して今回の値上げがどのくらいの負担になるかということを統計として調べております。大体まあ一般サラリーマンの家庭の実例というふうに見て差しつかえないと思いますが、一世帯平均で三五・三%から五七・四%くらいの値上げになるだろう、月にしますと約五百円から八百円くらいの負担の増加になるだろうというふうな数字が出ております。また、東京瓦斯自身が試算したところによりますと、四人家族で百二十立方のガスを使う家庭――ですからガス湯わかし器その他を使っている家庭ですけれども、そこでは月に二千八百三十九円のガス料金が今回の値上げで三千七百五十七円になる、つまり月に直して九百十八円の負担増加になるという統計も出しているそうであります。これはもう国民生活にとって非常に大きな問題だと思うのですね。月に千円近い負担の増加ということになりますと、たいへんなことだと思うのです。
 私が申し上げるまでもなく、今年に入って公共料金が相次いで引き上げられました。たとえば、この二月一日から郵便料金が引き上げられた。四十七年度だけで八百六十一億円の増収になる。つまり、別のことばで言えば、それだけ国民の負担がふえたということであります。同じようにして、電報料金の引き上げで五十五億円の負担の増加、それから医療費の引き上げで七百七十五億円の負担の増加、それから国鉄の運賃、これが現在国会で審議されておる法案がそのまま通れば、一年間で千七百八十八億円の負担の増加、こういうことになるだろうと言われておる。それから政管健保、これもいま国会で審議されておる法案がそのまま通れば、八百八十九億円の負担の増加になるだろうというふうに言われておる。いまあげた公共料金の値上げだけでも、四千三百六十八億円、年間の国民の負担増加、これはたいへんなものです。その上に、タクシー料金がもう上がりました。いまも柏原委員が質問されましたが、消費者米価も今後引き上げられる可能性が非常に多い、こういうことです。福祉国家福祉国家と言って、四十七年度の社会福祉関係の予算が、約三千億円だったと思いますが、ふえました。ふえたけれども、こんなものはとっくに帳消しになっている。たいへんなことだと思うのです。その上にガス料金が値上げになったら、一体どういうことになるだろう、これが一般消費者物価の値上げに大きな影響を与えるということも、これまた言うまでもないことだと思うのですね。経済企画庁として、このガス料金の値上げについて原則的にどうお考えになっておるのか、この点を伺いたいと思います。
#86
○国務大臣(木村俊夫君) 公共料金、これは極力抑制する、これはもう基本原則でございます。それに従って、ガス料金につきましても、その原則のもとに、もちろんこれは審査しなければなりません。ただ、ガス料金については、昭和三十五年から十二年間据え置きというような特殊な事情もございますし、また、このガス料金を上げるいろいろな問題点が、まだ私どもあほうで正式に審査はしておりませんが、やむを得ない事情もあるようであることはよくわかっております。ただ、いま御指摘のとおり、非常にこれは国民の日常生活に直接響く値上げでございますので、今後とも、この問題の内容審査についてはきわめて慎重な態度で臨みたい、こう考えております。
#87
○渡辺武君 新聞報道によりますと、木村長官は、この料金値上げの幅及びこの値上げの時期これについて慎重に検討しなければならぬというような趣旨のことを言って、新聞に出ております。もしこれが事実だとすれば、すでに長官は、このガス料金の値上げということについては原則的に賛成されて、ただ値上げの幅と値上げの時期、これについては慎重に検討というようなふうに考えられるわけですが、その点はどうでしょうか。
#88
○国務大臣(木村俊夫君) まだ、現段階におきまして私の考え方は、もちろんこの値上げ幅、時期等もその要素にはなるものでございますが、値上げそれ自体についても慎重に考えたいと、こういう態度でございます。
#89
○渡辺武君 長官、もうお時間がなくて退席されるということでありますので、一言だけ伺いたいのですが、この公共料金の問題について、やはり政府の原則的な態度ですね、この点をひとつ明確にしていただきたいと思うのです。従来、公共料金については極力抑制するということを何回も言われてきた。ところが、実際値上げの問題が起こると、いつでも、どたんばでその態度はひっくり返る。そして、いろいろな理屈がそれにつく。最近では、物価安定政策会議などが公共料金についての提言などをやって、あまり公共料金を長期に据え置いておくと社会資本の配分がうまくないんだというようなことまで言って、したがって、公共サービスを守るためには公共料金を引き上げなければならぬのだというようなことを言い出してきているし、また長官もその立場に御賛成のような御答弁を以前いただきました。しかし、こういうような立場で物価の問題を見ていただいたのでは、物価は永遠に安定できないと思うのです。公共料金というものこそ、政府の介入することのできる最も手近な物価ですよ。これをあくまでも上げないという態度をとっていただいて、そうして、それ以外の物価が上がりますから、だから公共料金を上げないという立場から、さらに進んで、その公共料金の値上げの要因になるような他の物価の値上げを押えていくという方向に進んで、初めて物価の安定というものはできると思うのです。その点、どう思われますか。
#90
○国務大臣(木村俊夫君) まあ、公共料金を上げないという方針で終始した期間があることは御承知のとおりでございます。かつて公共料金をストップするというので、一年あるいは一年半ストップしたことがございます。まあ、そういうようなことがすでに行なわれたことは御承知のとおりでございますが、これも、その当時の物価情勢その他を勘案いたしまして、緊急避難的な、一つの緊急措置としての手段でございました。ところが、そういうことで、はたして公共料金をただストップしたことによって――長らく固定しておいて、はたして国民生活上どういう一体影響があるかということを考えますと、ある種の公共料金については非常に公共性が強いために財政的措置を講じてそれを押える場合がございましょうが、総じて公共料金も、御承知のように、一つの企業、また価格体系の一環でございますから、これを長らく固定すれば必ずそこに無理が生じて、それが国民へのサービスの質的低下、あるいは量的不足が出るということは、これはもう経済合理からいっても当然のことでございます。ただ、それをカバーするために、どの程度まで国からの財政援助が可能かということ、これはまた大きく国民的な判断の上に立たなければならない。そういう意味において、たとえば、今回お願いしております国鉄運賃のごときは、千百億円にのぼる財政援助もあえていたしました。まあこれでも足りないという御批判もあるようでございますが、また、タクシー料金のごときは、政府から財政援助を行なうことが、はたして国民の社会的常識に沿うものかどうかということは、これはもう当然それは無理であるという判断から、あえてタクシー料金の改定に踏み切ったわけでございますが、今回のガス料金、これは一つの公益事業であって、相当財政的金融もいたしているものでございますから、その面でカバーできる範囲のことは、ぜひ政府としても考えたいと思います。まあ、それ以上のことになりますと、やはり受益者負担というものがそこに働いてしかるべきものではないかと、こう考えますので、総じて公共料金については、基本的には、もちろん抑制しなければならぬという原則は守っていきたいと思いますが、ある種の公共料金については、やはりある程度の受益者負担は、これはやむを得ないのではないかというような考え方でございます。
#91
○渡辺武君 私は、いまの長官の御答弁をいただきまして、率直に言わせていただければ、佐藤内閣が物価安定政策について全く無策無為だ、無能だということを典型的にあらわしている御答弁だと思いますね。何回も申しますけれども、公共料金こそ、政府が介入して押えようと思えば押えることのできるものですよ。これを押えておいて、そうして公共料金引き上げを余儀なくさせるような他の物価の上昇をさらに進んで押えるという方向にいかなければ物価の安定なんというものはできるものではないんです。それを、どたんばに来ると、必ず、やれ受益者負担は多少は当然だとか、あるいは経営が困難になってくるからどうしても値上げしなければならぬのだとか、その他等々、まるでいろいろな理屈をかき集めてきて、そうして公共料金の値上げをやる。これじゃ物価の安定なんというのはできるものではありませんよ。その点、はっきり申し上げておきます。ですから、今度のガス料金の問題につきましても今後検討されるというなら、いま私が申し上げたような原則的な立場に立って、国民の生活を守るために、ひとつ、この料金値上げについては抑制するという立場で検討していただきたい。
 通産省のガス課長さんがお見えになりましたので……。
#92
○委員長(長屋茂君) 長官に対する御質疑はよろしゅうございますか。
#93
○渡辺武君 残念ですけれども、もう約束ですから……。
#94
○委員長(長屋茂君) それでは長官どうぞ。
#95
○渡辺武君 東京瓦斯から値上げの申請が出ていると思いますけれども、これに対する通産省の態度ですね、これをお聞かせいただきたいと思います。
#96
○説明員(原田稔君) 東京瓦斯から、本年の五月四日の日に、平均いたしまして三二・二%の値上げの申請が出ております。これにつきまして、現在、値上げの積算の根拠などにつきまして詳細なヒヤリングを行なっております。それで、東京瓦斯に対する特別な会計監査も行なってきたところでございます。現在、ガス事業法の規定に従いまして、昨日と一昨日と二日間にわたりまして公聴会を開催したところでございます。この公聴会において述べられました意見なども十分に検討いたしたいと思っております。今後は、これは物価対策閣僚協議会というものの議を経て最終的にどうするかということを決定することになるわけでございますが、その前に、事前にこれは経済企画庁とも十分に協議をいたしまして政府の方針をきめることになるということでございます。
#97
○渡辺武君 いままでヒヤリングをされ、あるいはまた監査もされて、その結果としては、通産省の考えはこの値上げについてどうなんですか。
#98
○説明員(原田稔君) まだ実はその最中でございますので、現段階においては、私からどうこうということをまだ申し上げられないのを非常に残念に思っておりますけれども、まだ、いろいろとその数字そのものにつきまして、中で検討中という段階でございます。
#99
○渡辺武君 それでは、具体的な問題についていろいろ伺いたいと思いますけれども、今回の値上げ――平均三二・二%の値上げによって一体どのくらいの増収を見込んでいるのか。それからまた、その増収した分をどういうところに使おうとしているのか、その辺、どうでしょう。私、できるだけあなたのほうからも資料をいただき、ほかの資料も集めて検討してみましたけれども、その辺はどうもはっきりせぬですね。どうでしょうか。
#100
○説明員(原田稔君) 会社の申請の資料によりますと、三二・二%の引き上げでございますから、したがいまして、全体として収入がその程度ふえるということになるわけでございます。大体、ガスの売り上げが年間に八百億近くございますから、それの三割強アップということになるかと思います。
 どういうものに使うかということでございますが、これは全体の収支のバランスをそれで合わせるということになりますから、特定の支出にどうこうということには必ずしもならない。全体として収入と支出が対応するということになりますが、大体の会社の申請の中身によりますと、いろいろな値上げの理由をあげておりますけれども、一つは、最近におけるいろいろな資本費償却ですとか、支払い利息ですとか、そういう資本費の増大、それからもう一つは、原料費が一時は低下の傾向にございましたが、最近におきましては、またOPECの値上げの要請等を背景にいたしまして、値上がりの傾向にございます。これは、油にしてもしかり、石炭にしてもしかり、というような状況でございますが、そういった項目、それからさらには労務費、これも大体従来から、何と申しますか、いろいろなべースアップ率がございまして、他産業の普通の平均的なべースアップ率を大体若干下回った感じで従来からベースアップをいたしてきておるようでございます。そういった労務費の増高、そういう費用項目が全体としてふえてきている、それに充てるというような申請内容になっているわけでございます。
#101
○渡辺武君 全体として非常に不明確なんですね。大体、年間のガス料金の収入が八百億程度で、その三二・二%上がるんだから、それの三割くらいの増収と言われてみれば、しろうとだってそれくらいのことはわかりますね。しかし、国鉄運賃の値上げの場合でも、運賃値上げによってどれくらいの増収になるんだ、この増収分はこれこれこういう方面に使いますというふうなことを、ちゃんと計画を立てて提出して、国会の検討も仰いでいるというのが、いまの姿でしょう。今度の東京瓦斯の値上げは、その辺がどうも不明確である。いま、伺ってみますと、減価償却や金利などの資本費がかかる、あるいは原料費はOPECの圧力でだんだん上がってくるだろう、労務費が上がるというようなことで値上げする、ということになると、単なる経営の現状を維持するために三二・二%上げる。一般小口使用の人たちには、先ほどお見えになる前に申しましたけれども、二・二五倍、べらぼうな値上がりになる。そういうことを、単に現在の経営の現状を維持するということだけにやるんですか、どうなんですか。それとも、また、利用者のためにこれこれこういうことをいたしますというようなことを言おうとしているんですか。その点、どうなんですか。
#102
○説明員(原田稔君) 私の説明が舌足らずでございましたが、御案内のとおり、最近における東京、埼玉、神奈川という首都圏におけるガスの需要というものは非常に増大してきております。大体、量的にいきますと、年率で一〇%弱くらいふえてきております。これは、新しくガスを申し込む方々がふえてきているということと、それから従来の、既存のガスの使用者の方々の一軒当たりの使用量がふえてきているという両方の原因が相重なってふえているというのが実態でございますが、従来までは、大体現状の設備のある程度の手直しと申しますか、たとえば、ある程度導管費に充てるとかというようなことで需要の増大に対応できたわけでございますが、最近におきましては、どうもそれではやっていけなくなってきたというようなことで、やはり従来にも増して、たとえば導管関係の設備を相当大規模にやらないと、なかなか安定供給といった責任を全うできなくなるおそれがある。それに対応して、最近におきましては、公害防止というような観点からもいろいろな意味で原料の転換をはかってきております。石炭から原油、原油からナフサ、ナフサからさらに液化天然ガスということで、次第に移りつつあるわけでございますが、そういった意味での新しい工場の建設ということも必要になってきておりますが、全体として、そういった需要の増大に対応した設備投資の増大ということも一つの要因になっているということでございます。
#103
○渡辺武君 いま御説明いただきましたが、どうもはっきりしない。たとえば、公害防止をするためにはどのくらいの金がかかるのだとか、年間一〇%くらい利用者がふえて、そのためにいろいろな設備をしなければならぬのだ、その設備についてどのくらいの金がかかるのだとか、そういうようなものはなにもないですね。やはりそういうことじゃ都民から絶対に納得されませんよ、検討の客観的な材料がないのだから。だから、そういうものについて――私いま質問しました増収がどのくらいになるのか、そうしてまた、その増収分をどういうことに使おうとしているのか、そういうものについてその資料を出していただきたい。
 それからもう一つ、その点に関連して伺いたいのですけれども、東京瓦斯が提出した収支計算のようなものがありまして、それを見ますと、四十七年度の下期から料金の値上げでこれこれこういう費目に使うのだというようなものが出ているようですけれども、見てみますと三年間分しか出ていない。そうすると、今度の料金値上げは三年同据え置いて、また三年たったあとでは再び料金他上げを検討する、こういうふうに考えられますけれども、その辺はそういうことですか。
#104
○委員長(長屋茂君) ちょっと、いまお答えいただく前に、ただいま渡辺委員から御要求のありました資料は、御提出いただけますか。
#105
○説明員(原田稔君) はい。
#106
○委員長(長屋茂君) じゃ、御答弁をお願いします。
#107
○説明員(原田稔君) ただいまの資料につきましては、後ほど提出をしていただきたいと思います。
 それから三年間の問題でございますが、これは、ガス事業の原価計算を算定する場合に、これは公益事業局長通達でございますが、原価計算算定要領というのがございまして、そこで原価計算期間というものが定められているわけでございます。その中で、一年あるいは三年といったような規定がございますが、その規定の三年というのを原価計算期間としてとったわけでございます。私、実態的には、この三年をとったからといって、この料金が三年しかもたないということには必ずしも結びつかないという感じを持っております。三十五年に設定いたしました料金が、まあだいぶ長いこともっているというような実態でもございますので、これはコストを計算する場合の一つの土俵をきめたんだというぐあいに考えております。
#108
○渡辺武君 そうすると、三年間だけは据え置くということじゃないということですね。三年後に値上げをまた言い出すということではないということなんですね。
#109
○説明員(原田稔君) 三年間もつとか、あるいは三年たったらまた出てくるとかいうことは必ずしも一実態的な結びつきは少ない、あるいはないのではないかという感じを持っております。
#110
○渡辺武君 東京瓦斯から通産省に対して、この値上げは三年間据え置くとか、あるいは三年たったあとでまた料金改定の問題について検討するとかいうようなことは言ってきてないのですか。
#111
○説明員(原田稔君) 私どものほうには正式には申してきておりません。ただ、新聞発表などで、安西社長が、五年あるいは六年――ちょっとその辺は、私、はっきりしておりませんけれども、その程度は何か料金の安定を最低限はかっていきたいという発表をされている記事は読んでおりますけれども、正式にそういった話を通産省には持ってきておりませんです。
#112
○渡辺武君 こんな大幅な引き上げをこれから先も、何年目か知らぬけれども、やられたら、これはちょっと、もうたまらぬですね。
 ところで、東京瓦斯のこの値上げの理由ですね。先ほどもちょっと御説明がありましたけれども、私は、客観的な検討の資料が整っていないということだけじゃなくして、いま言われたいろんな理由そのものを検討した結果としても、これじゃとうてい納得できない。都民もおそらく納得しないだろうという感じが非常に強いんです。
 まず、東京瓦斯は昭和三十五年の一月一日以来料金値上げをしていないために経営を維持することがいま困難になったという趣旨のことを述べていますね。先ほどの御説明でも、何というか、料金値上げをしてやっと経営が維持できるんだというようなふうにとられる御説明もありましたが、しかし、いままでの料金据え置きのもとでも、東京瓦斯は、原料転換――先ほど御説明のありました、石炭から石油ガスヘ、LPGへ、あるいはまた最近では液化天然ガスヘというふうに原料転換をしてきている。しかも、ガス発生過程あるいはまたガスの供給過程、ここでも生産性がかなり上昇している。そのことによって経営状態は、料金を据え置いてきたけれども、それほど悪化していなかったのじゃないかというふうに思われるわけですね。で、ここ数年の東京瓦斯の利益金ですね。それからまた配当の率、それからまた社内留保金、別のことばで言えば別途積み立て金や利益準備金ですね。こういうものはどのくらいになっておりますか。
#113
○説明員(原田稔君) まず、配当率でございますが、昭和四十六年度の下期――ガスの場合には、ガス需要の季節性という観点から、大体決算期は二月から八月、九月から一月というぐあいになっております。したがいまして、四十六年の下期といいますと、四十六年の九月から四十七年の一月ということになりますが、この四十六年度の下期の配当率が年率一割ということになりました。それ以前は、ここ数年のところ、年率配当率一二%というところで推移いたしてきております。それから次は利益金でございますが、いま手元に資料がございますので申し上げますが、四十四年度は、これは法人税込みでございますけれども、約百十三億円の利益を年間あげております。四十五年度は百十七億円でございます。それから四十六年度が約五十四億円弱になっております。それから内部留保でございますが、別途積み立て金の額は、ごく大ざっぱに申し上げまして、四十六年度の下期決算の段階で百九億ではなかったかと思います。それからいろいろな利益準備金と申しますか、要するに次期以降への繰り越し利益でございますが、これはだいぶ減ってまいりまして、四十六年度の下期の決算でたしか十一、二億程度になっているのではないかと思います。大体そんなところでございます。
#114
○渡辺武君 四十六年度の下期の別途積み立て金は百九億五千万円ですね。それから利益準備金は五十三億円ですよ。両方合わせますと百六十二億円、かなり大幅な積み立て金を持っているのですね。それから、それは四十六年の下期から一割配当に下がりましたけれども、しかし、従来は一割二分という、かなり高率の配当をずっと続けている。そうして利益金も、いま報告のあったように、年間百億円をこえる、ばく大な利益金をずっとあげてきているという状況ですね。ですから料金を据え置いたけれども、いろんな点で、安い原料を買ったり、あるいはまた生産性を向上さしたりということで、会社はかなりもうけをあげてきているというのが私は実情だと思うのですね。そうだとすれば、これは、従来料金を据え置いてきたことが正しいんじゃなくて、むしろ、この生産性の向上にふさわしいようにガス料金は引き下げる、値下げをするということこそが正しかったと思うのですね。それをやってこなかった。そうして、一割二分配当、相当高率配当をやってきている、こういう状況だと思うのです。しかも、いまこの社内留保については全然手をつけてないですね。そうでしょう。そうして一割配当を保証しながら、しかも大幅な値上げをやろうと、これは不当じゃないでしょうか。これじゃ都民は納得できないと私は思う。
 しかも、私、調べてみましたけれども、東京瓦斯の株主を見てみますと、百万株以上の大株主、これは九十一人ということになって、株主総数の〇・一一%、ほんのわずかです、千分の一。わずか株主の千分の一の人たちが株式総数の六一・〇五%を握っておる、半分以上。しかも、そのうちで、第一生命、日本生命、富国生命など、金融機関のわずか十社が総株数の三六・二四%を握っておる、こういう状況ですよ。そういたしますと、今度の料金値上げというのは、これら大株主に高率配当を保証するための料金値上げじゃないか。しかも、先ほど、金利負担が大きいと言うけれども、そのお金を借りているところはどこなんだ。大体こういうところは長期の固定資金が必要なわけですから、おそらくこれは、まああとから伺いたいと思うのですが、いま言った大株主と全く同じところから長期の金を借りて、そうして金利を保証しているというのが実態じゃなかろうかと思う。まさに、こういう大株主のために今度の料金の大幅な引き上げをやろうとしている、これが真相じゃないでしょうか。その点、どう思われますか。
#115
○説明員(原田稔君) いままでの経営の中身を見てまいりますと、大体四十五年の下期ぐらいまでは、まあ比較的順調な決算をしてきたと思います。四十六年度の上期から次第にどうも経営の内容がだんだん悪化してきているという状況でございます。それで、まあ利益の額も、先ほど私申し上げましたが、四十六年度年間を通じまして四十五年度の半額程度に落ち込んでおります。そこで、四十六年度の上期におきましては、すでに特別償却の非常に多くの部分の放棄、それからあるいは、従来まあ固定資産税などは、これは上期に一括払っておったわけでございますが、それを年間ならして払うといったような措置を講じてきております。これは実は、御案内のとおり、ガスは上期に非常に収益が多うございまして、下期が少のうございます。大体二対一から三対一ぐらいの割合でございまして、上期にあげてそれを下期にとっておいて、年間をならして資金繰りなり配当を行なっていくという状況でございます。それで、四十六年度の下期に至りまして利益の額がいろいろ、たとえば価格変動準備金の全額の取りくずし、特別償却のギブアップ、その他資産売却等もやりまして、税引きの利益が約五億弱ということでございまして、そこで、資産の何と申しますか、後期に対する繰り越し利益――後繰り残を相当食って一割配当した、こういう状況でございます。そういう状態で、まあ四十六年度の下期から次第にどうも経営の内容が悪くなっているのではないかという感じを持っております。
#116
○渡辺武君 その四十六年に入ってからの経営内容の悪化というものについては、なお質問しますけれども、その前に、こういう料金の値上げの問題が出ると、必ず、企業努力は一体どうなっているんだという問題か出てまいります。その見地から考えてみましても、大株主に対しては一割配当及び金利を保証している。しかも百六十億円をこえるばく大な積み立て金を持っている。それもまた取りくずしていないというような状況で大幅値上げをやろう、これは納得できないのじゃないでしょうか。企業努力をもし示すというなら、そういう点にまず手をつけて、そうして値上げのほうは押えるという方向にいくべきじゃないでしょうか。私は話が全く逆だと思う、その点、どう思われますか。
#117
○説明員(原田稔君) なかなかむずかしい問題だと思いますが、別途積み立て金等も、これはいろいろな会社の資産として物的に残っているわけでございまして、それだけ、たとえば金利なり、配当なり、あるいは中でのいろいろな経費支出なり、そういうものにそのまま右から左に充てるというわけにはまいらないということだろうと思います。資産売却とか、そういったような形にならざるを得ないということになるのじゃないかと思います。したがいまして、まあ別途積み立て金がそのまま配当なり、金利の支払いなり、あるいは償却なりに経理上もなるということは、これまた一つなかなかむずかしい点もあるのではないかと思っております。しかし、こういう会社の経理の状況その他を全般的によく私どもは検討いたしまして、それで申請の中身というものも審査してまいりたい、かように思います。
#118
○委員長(長屋茂君) 毎度恐縮でございますが、一応時間も経過しましたので、できるだけまとめて御質疑をお願いいたしたいと思います。
#119
○渡辺武君 私の伺ったことをちょっと誤解されているようなので、重ねて申しますけれども、私こう申し上げたんですよ。一方で高率配当を保証しながら――いま一割といえば相当高率ですよ。この不況下に高率配当を保証し、しかも、積み立て金を百数十億円も持っているという状況で料金を値上げするというのは不当じゃないかというのですよ。この積み立て金も――料金値上げをしないでは経営困難だというなら、この積み立て金を取りくずしたらどうなのか、配当のほうも、一割配当などということを保証する必要はないと思います。そういうことを改めて、そうして経営困難を解決していくということこそが、企業努力ということの真の内容じゃないかということを言っているんです。どうですか。
#120
○説明員(原田稔君) やや私のお答えがすれ違いになるかもしれませんけれども、具体的には、いろいろな機械その他に転化してしまっております。したがいまして、現実にふえてくる、たとえば設備投資の資金調達なり、あるいは償却なり、あるいは金利の支払いなり、いろいろな諸経費の支払いということになりますと、そのまま別途積み立て金を右から左に回すというのも、なかなか困難な面があるのではないかという感じを持っております。ただ、私どもは経営の中身全般につきまして慎重に内容を検討いたしまして、申請の中身を審査をするということになるわけでございます。
#121
○渡辺武君 別途積み立て金が機械その他になっているということをおっしゃるんだが、そういうことの資料、これもひとつ御提出いただきたいと思います。
 それから、時間があまりないそうですので残念なんですが、先ほどおっしゃった経営状態が四十六年度の下期に急速に悪化したという点も、私非常に疑わしいと思います。これはつくられたものだという感じが非常に強い。なぜかと申しますと、東京瓦斯の有価証券報告書を調べてみました。この中に比較損益計算書というのがある。それで見てみまして、製品の売り上げ、売り上げ原価、供給販売費と一般管理費、この三つについて見てみますと、対前年度の上昇率は、四十五年度は四十四年度に比べて、製品の売り上げは一二・五一%、売り上げ原価は一一・一三%、それから供給販売費と一般管理費は一五・一三%という上昇率になっていますね。ところが、四十六年度になりますと、製品の売り上げ高は前年度に比べて六%ふえている。売り上げ原価は六・七%ふえている。ところが、供給販売費と一般管理費は、驚くなかれ、二四・一七%、異常にふえている。この売り上げ高と売り上げ原価、これの伸びが非常に悪いということ、これは当然のことですよ。なぜかといえば、四十六年度はこれは暖冬異変なんです。ですから、ガスの使用量は非常に少ないわけですよ。ところが、まさに、その暖冬異変で売り上げの伸びが非常に鈍っている、そのときにこそ、供給販売費と一般管理費、これが帳簿の上で急増している。こんなことをやったら、帳簿上は、これは黒字が少なくなるのは当然のことですよ。一体なぜこんな現象が出てきているのか、これを伺いたい。私ども、こういう急上昇の内訳を東京瓦斯のガス料金原価計算書で調べてみますと、そうすると、修繕費と需要開発費と固定資産除却費、それから雑費、こういうものが急増している。経理に明るい人に伺えば、大体すぐ、ははあんと気がつくことだと思うのです。こういう費目がふえるというのは、これはもう帳簿づらをごまかすのに、いつも使われる手です。だから、こういうことを公表されれば、これは、都民はもう値上げを合理化するために作為的につくったものじゃないかということを当然考えると思うのです。この急増した理由ですね、それからまた、どういう事情でどういうものがふえたのか、その辺をおっしゃっていただきたいと思います。
#122
○説明員(原田稔君) まず、四十六年度の収入の伸びの問題でございますが、四十六年度の暖冬の影響は、これは実は、ガスの送出量と、それから具体的に会社の収入に入ってくる時期、これは時間的なズレがありまして、四十六年度の暖冬、たとえば本年の一月あるいは二月の暖冬の影響というのは、具体的には四十七年度の上期に収入として出てまいります。したがいまして、四十六年度中のガス売り上げの影響というのは、暖冬による分はほとんどないと言っていいのじゃないかと私は思っております。
 それから修繕費の問題でございますが、修繕費率をとりますと、四十六年度の修繕費率、これは、有形固定資産から土地とか償却対象にならない資産を差っ引いた、そういうものに対しましての修繕費の額が一体どのくらいの割合を示すかという率でございますが、四十六年度は六・六四%になっております。これは、従来のぺースからしますと、ある程度高うございます。たとえば四十一、二、三年をとってみますと、六・二五%−六・二六%ということで、ある程度高くなっております。かつまた、これは別に会社を弁護するわけじゃございませんが、特に四十五年にガス事業法の改正がありまして、保安全般につきまして相当きびしい規制がかかってくることになったのです。したがいまして、古い導管の入れかえ、そういったものが非常に大きな問題になっておりますが、そういう一般的な規制の強化ということも背景にありまして、それで保安といった観点から修繕豊が増大しているという面もあるやに伺っております。
 それから需要開発につきましては、ちょっと、いまつまびらかでございませんので、また別途お話し申し上げたいと思います。
#123
○委員長(長屋茂君) 御要求の資料提出は、差しつかえありませんか。
#124
○説明員(原田稔君) 御要求の別途積み立て金の資産関係の資料につきましては、これは別途また資料を提出さしていただきたい、こう思っております。
#125
○渡辺武君 時間が、なんですから、これで終わっておきますが、一、二点お願いをして終わりたいんですが、資料の要求です。
 それは、いまおっしゃった品目の詳細がわかるような資料を、つまり、供給販売費と一般管理費、これが急上昇しているのです。どういう内容で、なぜ急上昇したのか、これを説明できるような資料をいただきたいと思います。
 それからもう一つは、使っている原料です。石炭を使っておるし、石油を使っておるし、それからいろんなガスを使っていますね、液化ガスを。こういうものの原料を、種類別に、外国から輸入しているものはどのぐらいか、それから国産のものがどのくらいか、そういう資料。
 それから、全体をこれは何で統一してもかまいませんが――いただいた資料は、原料の量をLPGに換算して計算したものがありますが、それでもかまいませんけれども、主要原料の各項目に占める割合、これも明らかにしていただきたいと思います。
 それから特に、原料の国内価格及び輸入価格、これも明らかにしていただきたいと思います。
 それからもう一つ伺いたいのは、金利の負担が大きいんだ、大きいんだと言うけれども、金利についての説明資料が何にもない。ですから、東京瓦斯は一体どこからどのくらいの金を借りているのか。そうして、どこにどのくらいの利子を払っておるのか、これの資料をいただきたい。
 それから、政府関係の金融機関から借りている金と、その金利ですね。
 それからまた、租税特別措置などによって、国から特別な減税措置を受けておると思いますが、その額ですね、これも明らかにしていただきたい。
 もう一つ、今度は委員長にお願いしたいんですけれども、いま答弁をお聞きいただいておわかりのように、どうも間接表現なんですね。会社のほうではこう言っていますという表現で、どうも隔靴掻痒の感があるわけですから、したがって、東京瓦斯の責任者をこの委員会に参考人としてお呼びいただいて、次回に重ねて、きょうは十分できませんでしたので、この問題をやりたいと思いますが、その点をひとつ御了承いただきたいと思います。
#126
○委員長(長屋茂君) 課長さん、よろしゅうございますか。
#127
○説明員(原田稔君) いまのいろいろの資料でございますが、これにつきましては、内部でさっそく調製いたしまして、御提出させていただきたいと思っております。
#128
○委員長(長屋茂君) なお、ただいま渡辺委員から御要求のありました参考人の件は、散会後、理事会を開きますから、その際に御相談いたします。
 両件に対する本日の審査はこの程度にとどめまして、これにて散会いたします。
   午後三時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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