くにさくロゴ
1971/03/10 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 交通安全対策特別委員会 第3号
姉妹サイト
 
1971/03/10 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 交通安全対策特別委員会 第3号

#1
第068回国会 交通安全対策特別委員会 第3号
昭和四十七年三月十日(金曜日)
   午後二時三分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤原 道子君
    理 事
                岡本  悟君
                二木 謙吾君
                阿具根 登君
                原田  立君
               柴田利右エ門君
    委 員
                今泉 正二君
                鬼丸 勝之君
                黒住 忠行君
                中村 禎二君
                橋本 繁蔵君
                山崎 竜男君
                矢野  登君
                神沢  浄君
                中村 波男君
                野上  元君
                阿部 憲一君
                小笠原貞子君
   国務大臣
       国 務 大 臣  中村 寅太君
       国 務 大 臣  山中 貞則君
   政府委員
       内閣総理大臣官
       房交通安全対策
       室長       須藤 博忠君
       警察庁交通局長  片岡  誠君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○交通安全対策樹立に関する調査
 (交通安全対策の基本方針に関する件)
 (昭和四十七年度交通安全対策予算に関する件)
 (昭和四十七年度における交通警察の運営に関
 する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(藤原道子君) ただいまから交通安全対策特別委員会を開会いたします。
 交通安全対策樹立に関する調査を議題といたします。
 まず、交通安全対策の基本方針について、関係大臣より所信の聴取をいたします。山中総理府総務長官。
#3
○国務大臣(山中貞則君) 今国会における交通安全対策特別委員会の審議が開始されるにあたり、交通安全対策に関する政府の方針を申し述べます。
 昨年中の交通事故による死者数は一万六千二百七十八人、負傷者数約九十四万人を数え、昭和四十五年に比べて死者数において約二・九%減、負傷者数においても約三・二%減と、それぞれ減少しておりますが、地域的には増加しているところもあり、依然として楽観を許さない状況にあります。
 私は、一昨年一月、総理府総務長官に就任して以来、各般の交通事故防止対策を交通対策本部において決定し、推進してまいりました。特に一昨年六月、交通安全対策基本法を制定し、それに基づき昭和四十六年度から昭和五十年度までの五ヵ年を対象として、交通安全基本計画を決定し、諸般の施策を講じてまいりました。今後は、この計画に基づき、交通安全施設の整備、交通安全思想の普及徹底、安全運転の確保、交通秩序の確立、被害者救済対策の確保等の施策を総合的かつ計画的に実施することといたす所存であります。
 このような施策の実現をはかるため、昭和四十七年度の予算編成に際しては、関係省庁の交通安全対策関係予算の調整を行ない、その結果、交通安全対策の推進に必要な予算額としては、前年度に比較して約四五・二%増の総額二千四百九十三億円を計上いたしました。
 総理府といたしましては、激増する交通事故被害者の救済を最重点とし、昭和四十六年に人口五十万以上の五都市に設置された交通事故相談所を人口四十万以上の十都市にまで増設拡充することとしたのをはじめ、交通遺児調査に引き続いて交通事故死者の損害賠償の実態、遺家族の状況等を明らかにするための調査を実施することとし、また、交通遺児育英資金の確保についても特に配意するなど被害者救済対策の推進をはかることといたしました。
 以上、交通安全対策に関する政府の方針を申し述べましたが、各位の一そうの御指導をお願いいたします。
#4
○委員長(藤原道子君) 次に、国家公安委員長より所信を聴取いたします。中村国家公安委員長。
#5
○国務大臣(中村寅太君) 委員会の開催にあたりまして、一言ごあいさつを申し上げるとともに、所信の一端を申し述べ委員各位の御理解と御協力を賜わりたいと存じます。
 御承知のように、年々増加の一途をたどってまいりました交通事故による死傷者の数は、関係機
関をはじめ国民各位の懸命な努力により、昨年ようやく前年より減少を見るに至りました。しかし
ながら、大都市の周辺県等一部における交通事故は依然として増加の傾向にあり、加えて交通混雑による都市機能の低下や交通公害による生活環境の悪化なども大きな社会問題となっているところでありまして、交通をめぐる客観情勢の推移については、なお予断を許さないものがあります。
 このような情勢に対処するため、警察といたしましては、これまでも人間優先を基本とし、交通事故による死傷者抑制のための諸施策を強力に推進してまいり、相応の成果をあげたところでありますが、本年はさらに一そうの努力を傾注し、きびしい交通情勢に対応し、徹底した歩行者保護中心の施策を講じてまいる所存であります。
 当面、具体的な対策といたしましては、昨年に引き続き、交通安全施設等整備事業五ヵ年計画を推進し、信号機、道路標識、その他の安全施設の大幅な整備をはかり、また歩行者用道路及び都市交通の効率化のためのバス優先レーンの設定拡充等総合的な交通規制を強力に実施するほか、交通警察体制を整備して交通指導を活発化し、さらに、安全運転の普及と交通道徳の向上を期するための運転者対策の推進、交通安全国民運動の展開等の諸施策を講ずることとしております。
 また、これらに関連して今国会において運転免許制度の改善をはかるための道路交通法の改正を行なうよう準備しており、いずれ御審議をお願いすることになると存じます。
 委員各位の一そうの御高示と御鞭撻を賜わりますようお願い申しまして私のごあいさつといたします。
#6
○委員長(藤原道子君) 以上をもちまして関係大臣の所信聴取を終わります。
 各所信に対する質疑は、これを後日に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(藤原道子君) 次に、昭和四十七年度交通安全対策予算について、総理府から説明を聴取いたします。須藤総理府交通安全対策室長。
#8
○政府委員(須藤博忠君) それでは、お手元にお配りしてございます昭和四十七年度陸上交通安全対策関係予算調書という横書きの資料がございますので、これをお取り出しになっていただきたいと存じます。これに基づいて御説明を申し上げたいと思います。
 昭和四十七年度の陸上交通安全対策関係の予算でございますが、先ほど総務長官が所信表明で申し上げましたように、総額におきまして二千四百九十三億四千万円という額になってございます。昭和四十六年度が千七百十七億七千六百万円でございましたので、これを比較いたしますと四五・二%程度の伸びということになるわけでございます。
 この内訳は、各省庁の予算全部を取りまとめたものでございまして、大きく項目を申し上げますと五つの項目に分かれてございます。アラビア数字の一が道路交通環境の整備、それから2が交通安全思想の普及、3が安全運転の確保、4が被害者の救済、5がその他というふうになっております。この項目別に従って御説明申し上げたいと存じます。
 1の「道路交通環境の整備」でございますが、今年四十七年度が二千三百六十三億八千八百万円ということでございまして、前年度が千六百六億五千百万円でございますので、伸び率は四七・一%というふうになっております。
 その内訳が(1)からずっとございまして、(1)が交通安全施設等の整備でございまして、これが三百五十一億四千八百万円、前年度が二百六十二億六千万円でございますので、八十八億八千八百万円の増ということになります。この内容が二つに分かれておりまして、アの交通管制システムの整備、これは警察庁の所管でございまして、内容は、交通管制センターの設置並びに信号機、道路標識等のこういった整備に要する費用について補助するというものでございます。これが五十六億二千三百万円、前年度が三十億でございましたので、伸び率が八七・四%というふうになるわけでございます。
 イのほうの特定交通安全施設等の整備、これは建設省の所管でございまして、歩道とか、あるいは自転車道、横断歩道橋、道路照明といったものに要する費用でございます。これが二百九十五億二千五百万円、前年度が三百三十二億六千万円でございますので六十二億六千五百万円の増、パーセンテージにいたしますと二六・九%の増ということになるわけでございます。
 それからその次の(2)でございますが、既存道路における改築事業による交通安全施設等の整備、これは既存の道路において、交通安全施設等の整備が困難な個所における小規模バイパスの建設、局部改良、こういったものに要する費用でございまして、同じく建設省の所管になっております。これが九百四十四億四千三百万円でございまして、前年度が七百四十九億七千七百万円でございますので二六・〇%の増ということになります。
 それから(3)も建設省の所管でございまして、道路防災対策事業、落石とか、のり面崩落、なだれ等を防止するための必要な費用でございます。これが三百七億七百万円、前年度が九十八億七千七百万円でございましたので、伸び率は二一〇・九%という数字になります。
 次に、二ページ目のところをごらんになっていただきたいと思います。
 (4)が踏切道の立体交差化等の関係予算でございます。これが三百五十六億六千四百万円、前年度が三百二十七億一千九百万円でございましたので二十九億四千五百万円の増ということになります。
 内容は二つ分かれておりまして、アが踏切保安設備の整備、これは運輸省の所管でございまして、赤字または準赤字の地方鉄道業者または軌道経営者が行なう踏切保安設備の整備に要する費用を補助するものでございまして、これが四十七年度は一億四千六百万円、前年度が一億一千七百万円でございましたので二四・八%の増ということになります。
 それからイのほうが建設省の踏切道の立体交差化等に要する費用でございまして、これが四十七年度が三百五十五億一千八百万円、前年度が三百二十六億二百万円でございましたので八・九%の伸びということになります。
 それからその次の(5)が自治省の所管の交通安全対策特別交付金でございます。これが三百十五億六千二百万円、前年度が百三十七億九百万円ということでございまして、伸び率が二二〇・五%ということになるわけでございます。
 それから(6)が建設省の所管でございまして、基幹公園の整備、これは児童及び青少年の遊び場を確保し、路上における遊びや運動による交通事故を防止するために、四十七年度を初年度とする都市公園整備五ヵ年計画のうち、住区基幹公園及び都市基幹公園の整備に要する費用について補助するものでございまして、八十六億二千四百万円計上してございます。前年度が二十九億三百万円でございましたので一九七・一%の増ということになります。
 それからその次が(7)、文部省所管の校庭開放事業、これはやはり遊び場不足を補うために校庭開放を行なうということでございまして、二億四千万円、前年度が二億六百万円でございましたので一六・五%の伸びということになります。
 次に、三枚目の資料をごらんになっていただきたいと思います。
 大きな数字の2の「交通安全思想の普及」というところでございます。これが四千九百万円、前年度が四千六百万円でございますので三百万円の増加ということになります。
 (1)から(4)までございまして、(1)が警察庁の所管の交通安全事業委託、これは前年度と同じ千四百万円でございまして、これは交通秩序の確立と交通安全思想の普及徹底をはかるために、交通安全に関する広報活動を全日本交通安全協会に委託するというものでございます。
 (2)が文部省所管の交通安全教育センターの設置、これは前年度と同じ二千八百万円ということでございます。
 それから(3)が、やはりこれも文部省の所管でございまして、交通安全教育研究等委嘱、これは交通安全思想の普及をはかるため、交通安全教育に関する調査研究等の事業を日本交通安全教育普及協会に委嘱するというものでございまして四百万円、前年度が二百万円でございます。
 それから(4)もこれも文部省の所管でございまして、交通安全指導の研究推進、これは学校における交通安全管理及び交通安全教育を充実強化するために、教育関係者に対して学校安全管理研究協議会及び講習会の開催等を行なうというもので、三百万円ということで、前年度に比べて百万円増加しております。
 それからその次が大きな柱の三番目の「安全運転の確保」で、百十二億二千七百万円、前年度が九十七億七千五百万円でございますので一四・九%の伸びということになります。
 その内訳を申し上げますと、(1)が警察庁の所管の運転者管理センターの運営に要する経費でございまして、四億九千百万円という予算が計上してございますが、前年度が四億八千二百万円でございますので九百万円の増ということになります。
 それから(2)も同じく警察庁の所管でございまして、交通取り締まり用の車両、あるいは事故処理の車両、あるいはヘリコプターといったものの整備に要する費用でございまして、来年度四十七年度が七億三千四百万円、前年度が七億六千七百万円、三千三百万円の減になっておりますが、これは減耗補充分というようなことでこういう結果になっておるわけでございます。
 それから(3)、これも警察庁の所管でございまして、交通事故事件捜査活動等の強化ということで、五億八千九百万円計上してございます。前年度が四億五千六百万円でございますので一億三千三百万円の増ということになります。
 次に、四ページ目の資料をごらんになっていただきたいと思います。
 (4)が、これが裁判所の交通事件裁判処理体制の整備ということで、交通事件裁判処理要員の増員、これは二十五八の増員をはかるというものでございまして四千二百万円、前年度が二千五百万円でございます。
 それから(5)が法務省の所管でございまして、交通事犯処理体制の整備、九十六人の増員をはかるということでございまして、これが六億九千百万円、前年度が六億六千八百万円でございますので二千三百万円の増ということになります。
 それから(6)が運輸省の自動車事故防止対策等でございまして、これは自動車運送事業者、鉄道事業者等の監査指導等を行なう経費でございまして一億二百万円、前年度が九千二百万円でございますので一千万円の増ということになります。
 それから(7)が、やはりこれは運輸省の所管でございまして、自動車検査登録業務の処理体制の整備、検査施設の六コース増設、あるいは検査要員の増員百十八人というようなことに要する費用でございまして、八十五億五千七百万円、前年度が七十二億六千四百万円でございましたので十二億九千三百万円の増ということになります。
 それから(8)が運転免許事務の合理化の研究開発、これは警察庁の所管でございまして、運転免許事務の合理化をはかるための調査研究を委託する、これは二年目に入っている委託費でございまして、四百万円、前年度が五百万円でございますので百万円の減となっております。
 それから(9)が自動車運転者労務管理改善対策、労働省の所管でございまして、自動車乗務員手帳制度の普及及び自動車運転者を使用する事業場に対する監督指導の強化に要する費用でございます。四十七年度が千七百万円、前年度が千六百万円でございますので百万円の増ということになります。
 それから、その次に大きな柱の「被害者の救済」というのがございます。これが四十七年度は十二億四千二百万円、前年度が十億千二百万円でございますので二二・七%の伸びということになります。
 内訳を申し上げますと、(1)が救急業務施設の整備、これは自治省、消防庁の所管でございまして、救急指令装置の整備に要する費用について補助するというものでございます。四十七年度が二千三百万円、前年度が二千百万円でございますので二百万円の増ということになります。
 それから五枚目の資料、五ページ目をごらんいただきたいと思います。
 (2)が厚生省所管でございまして、救急医療施設の整備等、これは主要都市に救急医療センターを整備する、あるいは救急医療担当医師に対する研修の実施を委託するというような費用でございまして、五億七千三百万円の計上でございます。前年度が四億八千五百万円でございますので八千八百万円の増ということになります。
 それから(3)が文部省の所管でございまして、脳神経外科等の充実、これは救急医療体制整備の一環として、脳神経外科専門医養成のため、国立大学医学部に脳神経外科学講座、三講座、それから大学附属病院脳神経外科、三診療科等の増設を行なう費用でございまして四千六百万円、前年度が一千万円でございますので三千六百万円の増ということになります。
 それから(4)が労働省所管、むち打ち症対策の経費でございまして、これは前年度が四千三百万円でございますが、労災病院の機械配分が終了しておるということから六百万円ということで減になっております。
 (5)も労働省の所管でございまして、通勤途上災害調査会等の経費でございまして、これが千百万円、前年度が三百万円でございますので八百万円の増ということになります。
 それから(6)が交通事故相談活動の強化、これは私ども総理府の所管でございまして、交通事故相談所の設置及び活動について補助するというもので八千五百万円、前年度が六千七百万円でございますので一千八百万円の増ということでございます。先ほど総務長官の所信表明にもございましたように、来年度は人口四十万以上の都市についても補助金を差し上げるということにいたしておるわけでございます。
 (7)が法務省の所管で法律扶助事業の強化、これは法律扶助協会の行なう貧困者に対する法律扶助事業に要する費用について補助するというもので、前年度と同じ七千万円ということになっております。
 それから(8)が自動車損害賠償責任再保険特別会計による補助、運輸省の所管でございまして、保障勘定の利子収入の範囲内において、交通事故相談業務及び救急医療機器の整備等に要する費用について補助するというものでございまして、四億二千八百万円を計上してございます。前年度が三億一千三百万円でございますので一億一千五百万円の増ということになります。
 最後は、5の「その他」でございまして、四十七年度は四億三千四百万円、前年度が二億九千二百万円でございますので四八・六%の伸びとなっております。その内訳は五つございまして、六ページをごらんになっていただきたいと思います。
 (1)が通産省の自動車安全研究の強化、これが一億六百万円、前年度が一億百万円でございます。
 それから(2)が運輸省の自動車事故防止に関する調査研究開発というものでございまして八千九百万円、前年度が二千二百万円でございますので六千七百万円の増ということになります。
 それから三番目、(3)が建設省の道路交通安全対策に関する調査研究、これが二億一千九百万円、前年度が一億四千三百万円でございますので、七千六百万円の増ということになります。
 それから(4)、交通事故実態調査委託費等、これは総理府、私どものほうの所管でございまして、これは交通事故死者にかかる損害賠償に関して調査を行なう予定の費用でございます。これが二千万円、前年度が一千九百万円でございますので百万円の増ということになります。
 それから(5)、警察庁の交通関係科学研究の推進というのが前年度が七百万円、今年度がゼロになっておりますが、これは交通公害関係になりますので前年度限りの経費ということになっておるわけでございます。
 以上をもって説明を終わらせていただきます。
#9
○委員長(藤原道子君) 次に、警察庁から発言を求められておりますので、これを許します。片岡警察庁交通局長。
#10
○政府委員(片岡誠君) 初めに昭和四十六年中の都道府県別の交通事故の発生状況について御説明いたしたいと思います。お手元に一枚紙がございますので、ごらんいただければ幸いだと思います。
 先ほど総理府総務長官、国家公安委員長からもお話ございましたが、昨年は、一番下の欄をごらんいただきますと、発生件数において二・五%、それから死者数が二・九%、負傷者数が三・二%と発生件数、死者、負傷者数とも前年に比べて発生が減少いたしました。戦後、死者数が対前年比で減少しました年は四回ございます。しかしながら、発生件数、負傷者数とも減少いたしましたのは昨年が初めてでございます。ただ、そういう傾向になりましたことを非常に私ども喜んでおりますし、また、この傾向をことしも続けてやってまいりたい、そのように思っておりますけれども、地域別にこれを見ました場合に、中身を見ますと、まだいろいろ問題がございます。たとえばこの表の上のほうにございます警視庁、東京都の欄をごらんいただきますと、発生件数が一三・四%、あるいは死者数が一九・九%、あるいは負傷者数が一五%というふうに非常に減っております。また、愛知県をごらんいただきますと、発生件数が六・五%、死者数が一四・八%、負傷者数が七・七%、それから大阪府をごらんいただきますと、発生件数が六・二%、死者数が一八・四%、負傷者数が八・五%、このように大府県で発生件数、死者数、負傷者数とも相当激減してまいっております。それに引きかえまして、東北地方とか、あるいは関東地方の中の周辺部、茨城、栃木、群馬、山梨といった周辺部の府県、それから山陰の鳥取、島根、それから四国の徳島、高知といったところ、それから九州の南部の府県ではふえてまいっております。これはどうした理由だろうかということでいろいろ分析をいたしましたのですけれども、現在私ども考えておりますのは次の三つの点が問題ではないか。一つは、警察官の監視力と申しますか、大府県は人口に比べて警察官の数が多い、したがって、街頭の監視力も相当強いというのが一つの理由ではなかろうか。それからもう一つは、これは公安委員会所管と同時に道路管理所管の両方合わせます安全施設の公共投資が、大きな県では相当いままでもなされてきましたけれども、地方部ではまだそれが公共投資の額が少ないというのが第二の理由ではなかろうか。それから第三の理由としまして、地域社会の人たちの、それが歩行者の場合であろうと運転者の場合であろうと、両方含めまして地域社会の人たちの車社会と申しますか、自動車交通に対する適応性が違っているんじゃないか。大都市をかかえている府県の場合には、自動車交通の歴史も古うございますし、だいぶ適応はしておるんだけれども、最近急激に自動車の普及し出した府県ではまだ適応が十分なされていないという点があるんではなかろうか、大体以上三点がおもな理由ではないか。したがいまして、そういう問題を踏んまえまして、対策もおのずから出てまいるわけでございますので、私どもとしましては、公共投資、安全施設の投資をいま事故が急激にふえている地域に多くするし、警察官の増員も主としてそういう地域に増員してまいりたい。あるいは安全教育の面でもそういう地域に特に力を入れてまいりたい、このように考えております。
 それから、お手元に「昭和四十七年における交通警察の運営について」という別の資料がございますので、それをごらんいただきたいと思います。
 三ページから項目に従って概略簡単に御説明いたします。
 まず初めに、交通規制の先行的な推進ということでございますが、都市交通規制の基本計画の作成、各県のおもな都市はその都市の道路、幹線道路なり、あるいは準幹線道路、それから主として住宅内の生活道路というふうに、道路の機能によって具体的な道路を分類して、そのおのおのに従った道路交通の利用方法に従った規制のしかたをやっていくという基本計画をつくってまいりたいと思っております。
 それから、その次に歩行者――自転車を含みますが、保護のための交通規制の強化をしてまいりたい。特に市街地における幅員の狭い住宅街の道路は、自動車の通行どめをやって歩行者用道路にしてまいりたい。それから、これは一日じゅうやるわけでございますが、さらに、もう少し広い道路でございましても、通学・通園の道路、それから主婦が夕方買いものに多く出る道路、あるいは子供のための遊戯道路、これは日曜日でございますが、そういう遊戯道路あるいは歩行者天国などの歩行者のための道路を歩行者用道路として先行的に整備強化していく。この歩行者用道路というのは昨年の道交法の改正でできた制度でございますが、御承知だと思いますけれども、通過交通を締め出していく、そしてその地域内に車を持っておられる人については署長が許可証としてステッカーを出して、そのステッカーを張ってある車だけを通すという制度でございます。それから、路側帯を整備して、自転車あるいは自転車専用通行帯の規制を強化してまいりたい。もちろん道路管理者のほうで歩道をつくりましたり、あるいは自転車道をつくっていくのが本筋でございますので、そういう施設ができるまでの間、少しでも歩行者なり自転車の安全をはかってまいりたいという趣旨でございます。
 それから、次に歩行者保護地区なりスクールゾーン、通学ゾーンとか、歩行者の保護のための面規制を積極的に実施してまいりたい。これは総理府の交通安全対策室を中心に各省庁が相談いたしまして、春の安全運動から、引き続き通学スクールゾーンをつくってまいりたい。学校を中心に半径五百メートルくらいの区域にスクールゾーンをつくりまして、通学する子供の安全をはかってまいりたいという趣旨でございます。
 それから、その次は都市交通の効率化のための交通規制の推進、これは東京、大阪あるいは名古屋といった大都市から、地区の中心になるような札幌、仙台、広島、福岡といったような、そういう都市まで大体交通混雑が非常にひどくなっております。そういう都市交通の緩和の問題のやり方としての当面の策として私ども考えておりますのは、路線バスなどの公共輸送機関の優先通行を増してまいりたい。そのために優先通行帯を積極的に設置してまいりたいし、特に必要な場合には、バスの専用の通行帯をつくってまいりたいというふうに考えております。
 それからもう一つは、駐車規制をきびしくはいたしますけれども、自家用車で朝持ってきて夕方まで道路上にほうり出しておくといったような車については、きびしく規制をしてまいりたいと思いますけれども、業務用の駐車使用というものは、どうしても大都市では必要でございます。路外の駐車場も必ずしも整備されておりませんので、パーキングメーターをつくりまして、一時間なら一時間という駐車時間の制限をする。しかし、それ以上の駐車はさせないということで、有効に使っていくという制度を考えております。現に警視庁、東京都内の銀座地区に設置を始めました。幹線道路の一方通行、あるいは中央線の変移などをいたしまして、できるだけ都市交通の混雑緩和に資してまいりたい。それから、バス路線をつくって、駐車規制をきびしくすることによって間接的に自家用車の都心乗り入れというものを抑制してまいりたい、そのように考えております。
 それから、その次に交通公害防止のための交通規制の実施でございますが、これは特に住宅街における夜間の自動車騒音防止のための交通規制に力を入れてまいりたいと思っております。
 それから、交通安全施設等の整備促進でございますが、信号機、横断歩道などの整備をやってまいりたい。昭和四十六年度を初年度とする五ヵ年計画のことしは第二年度になりますけれども、昨年が国の補助する事業が六十六億でございましたが、昭和四十七年度予算として、一応、政府原案では百十二億の予算を準備いたしております。これで相当信号機が設置できるのではなかろうかということを期待いたしております。また、信号機が安全のためには非常に有効でございますけれども、信号機をたくさんつけますと渋滞が起こってまいりますので、それを電子計算機を使いまして、信号機を面的に制御をいたして、安全であるとともに円滑にも資したい、そのように考えております。
 それから、道路標識や道路標示につきましても、量をふやすだけではなくて、よくわかるように視認性も高めていくということもあわせてやってまいりたいと思っております。
 それから、次に適正かつ効果的な交通指導取り締まりの強化の問題でありますが、交通及び外勤の警察官あるいは交通巡視員だけではなくて、機動隊員なり署の直轄警ら隊員なども集団的に計画的に街頭に出して、街頭監視を強化いたしたいと思っております。また、取り締まり対象としましては、無免許運転とか、飲酒運転、あるいはスピード違反、それから追い越しのためのはみ出し違反といった一番危険な違反に重点をしぼりまして取り締まりをいたしたいと同時に、都市におきましては駐車違反を徹底的に取り締まってまいりたいと思っております。
 それから、次に六ページにまいりますが、交通事故事件、ひき逃げ事件その他の交通犯罪捜査力を強化してまいりたい。交通事故事件を安全、適正、迅速に処理していくということと、また、ひき逃げ事件あるいは欠陥車の事故でありますとか、当たり屋・当たられ屋といったような事件についても捜査力を強めてまいりたいと考えております。
 次に、交通安全国民運動の展開でございますが、安全教育の推進をいたしたい。そうして、また同時に関係団体、組織等に対する協力もやってまいりたいと思っております。中に、先ほど申しましたスクールゾーンの問題でございますが、特に歩行者の中でも幼児が交通事故の事故率が高うございます。三歳、四歳、五歳辺の幼児の事故が非常に問題でございます。学校に入りますと小学校の先生の教育もいいと思いますので、急激に事故率が減ってまいっております。問題は幼児であるということと、六十あるいは七十を過ぎたお年寄りが非常に事故率が高うございます。その幼児とお年寄りあるいは身体障害者も含めまして、弱い道路利用者に対する事故を減らすというところに力を入れてまいりたいと考えております。
 それから、次に運転者対策の推進でございますが、新規に免許を取得した人たちの安全運転能力を向上するために、試験のやり方を改良してまいります。学科試験、それから技能試験につきましてもやり方を改善してまいりたいと思います。それから同時に、この普通免許の取得者の八割ばかりは指定自動車教習所を卒業いたしておりますので、指定自動車教習所の教育いかんが運転者の安全運転能力に非常に影響いたしますので、指定自保車教習所の職員――指導員とか、検定員に対する講習にも力を入れてまいりたい。それから、すでにもう免許をとっている既成の運転者の資質向上をはかるために、更新時の講習を、昨年の道交法改正でこれを義務化いたしました。それから処分者の講習、違反者あるいは事故を起こした人たちに対する講習の中身も充実してまいりたいと、かように考えております。
 それから、昨年の道交法改正ででき上がりました交通方法に関する教則を国家公安委員会がきめて普及するという問題でございますが、先般、国家公安委員会できめまして、現在その普及版の作成に力を入れております。近くできますので、先生方のお手元に届けられることになろうと思いますけれども、わかりやすい道交法と申しますか、交通に関する教則の普及徹底もいたしてまいりたいと思っております。
 それから次に二輪車の安全運転対策の推進でございますが、二輪車事故が最近ふえてまいりました。特に七五〇CC、あるいは五五〇CCという高排気量の車がだいぶ出回ってまいりまして、青年がそれに伴って事故を起こしておるという状態もございますので、免許試験のやり方をいま検討いたしておりますが、同時に、やはり教えるということも大切なことでございますので、自動二輪車、原付自転車の取得者に対する安全教育の徹底も組織的にはかってまいりたいというふうに考えております。
 それから最後に交通警察体制の整備でございますが、一つは道路交通法の改正の問題でございます。一昨年、昨年と大改正いたしましたけれども、若干、免許行政に関して残っておりますので、今国会で御提案をいたしたいと思っております。いずれまた御審議をお願いいたすことに相なろうと思います。中身は主として、一つはその路上試験、自動車の免許を路外で試験するのではなくして、路上でほんとうに安全に運転できるかどうかを確かめて初めて安全運転ができる人に免許証を渡すというふうに、路上で試験をいたしたいというのが一つでございます。それからもう一つ、ここにございませんが、免許証の有効期間の末日を誕生日にいたしたいということを考えております。これは有効期間が過ぎてうっかりしていて失効になる方が毎年八万人ばかりもございますので、自分の誕生日であれば忘れないで覚えておられるであろうということで考えております。おもな点はそういう点でございますが、いずれ御審議いただきたいと思っております。
 それから、その次が最後に体制の整備でございますが、交通警察官の増員をはかって、機動警ら、検問等の体制を整備する、これは外勤警察官と交通警察官と込みでございますが、四千人の増員で予算原案をつくっておりますので、できればこの四千人の警察官を使って監視力を強めてまいりたいと、そのように考えております。
 以上でございます。
#11
○委員長(藤原道子君) それでは本日の調査はこの程度として、これにて散会いたします。午後二時四十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト