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1971/05/17 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 災害対策特別委員会 第4号
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1971/05/17 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 災害対策特別委員会 第4号

#1
第068回国会 災害対策特別委員会 第4号
昭和四十七年五月十七日(水曜日)
   午後一時二十一分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     片山 正英君     久保田藤麿君
     園田 清充君     佐田 一郎君
     中村 英男君     松永 忠二君
     杉山善太郎君     佐々木静子君
     鈴木  力君     神沢  浄君
     塚田 大願君     須藤 五郎君
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     増田  盛君     八木 一郎君
     高山 恒雄君     向井 長年君
    ―――――――――――――
   出席者は左のとおり。
     委員長        小柳  勇君
     理 事
                小林 国司君
                上林繁次郎君
     委 員
                佐田 一郎君
                濱田 幸雄君
                八木 一郎君
                渡辺一太郎君
                佐々木静子君
                松永 忠二君
                向井 長年君
                須藤 五郎君
   国務大臣
       自 治 大 臣  渡海元三郎君
   政府委員
       農林政務次官   佐藤  隆君
       農林大臣官房参
       事官      大河原太一郎君
       農林省蚕糸園芸
       局長       荒勝  巖君
       消防庁長官    降矢 敬義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   説明員
       内閣総理大臣官
       房参事官     高橋 盛雄君
       警察庁刑事局捜
       査第一課長    宮地 亨吉君
       厚生省環境衛生
       局環境衛生課長  加地 夏雄君
       通商産業大臣官
       房審議官     仲矢  鍜君
       通商産業省化学
       工業局窯業建材  原野 律郎君
       課長
       労働省労働基準
       局補償課長    松尾 弘一君
       建設省河川局砂
       防部長      阿座上新吾君
       建設省住宅局建
       築指導課長    救仁郷 斉君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○災害対策樹立に関する調査
 (大阪千日デパート火災に関する件)
 (昭和四十七年五月上旬の降霜による災害対策
 に関する件)
 (富士山大沢崩れによる被害に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(小柳勇君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十六日、片山正英君、園田清充君、塚田大願君、中村英男君、杉山善太郎君、鈴木力君が委員を辞任され、その補欠として久保田藤麿君、佐田一郎君、須藤五郎君、松永忠二君、佐々木静子君、神沢浄君が選任されました。
 きょう十七日、増田盛君、高山恒雄君が委員を辞任され、その補欠として八木一郎君、向井長年君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(小柳勇君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。
 大阪千日デパートの火災に関する件について政府から説明を聴取いたします。降矢消防庁長官。
#4
○政府委員(降矢敬義君) 大阪市の千日デパート火災の概要について御説明申し上げます。
 去る五月十三日夜発生いたしました大阪市千日デパートの火災は、百十七名というとうとい犠牲者を出す惨事となりました。まことに痛ましい事故であり、災いにあわれました方々の御冥福をお祈りするとともに、御遺族に対し衷心よりおくやみを申し上げる次第でございます。
 以下、その概要について御報告申し上げます。
 出火場所は、大阪市南区難波新地にある千日デパートでありまして、火災は五月十三日、二十二時四十分ごろ消防機関側に覚知されまして、翌十四日、七時四十一分に鎮火したものでございます。
 事故のあった千日デパートは、鉄骨鉄筋コンクリートづくり、地下一階、地上七階建で、延べ面積は二万六千五百平方メートル、高さは約二十二メートルございます。この建物は、昭和七年に建築され、昭和三十三年まで歌舞伎座として使用されてまいりましたが、その後、昭和四十二年九月に貸し店舗として現在の使用状況の形で建築確認を済ませております。
 現在は、地下一階を機械室及び店舗に、一階、二階をデパートに、三階、四階、五階を衣料品売場に、六階を遊技場に、七階をキャバレーとして使用しておりました。
 出火したのは、三階の衣料品売場で、出火原因については工事関係者の失火によるものといわれておりますが、なお調査を続けておるところでございます。
 出火後、約四分で消防隊が現場に到着し、直ちに消防、救助活動に従事いたしました結果、二階から四階までの売場の約八千八百平方メートルを焼損しましたが、七階への火災の拡大は防止することができました。
 ところが、七階のキャバレーには客及び従業員合わせて約百七十名の人がおり、また、三階から六階までには工事関係者若干名がおりました。七階は、通常エレベーター二基のみで昇降し、階段に通ずる部分の防火戸は、すべて閉鎖してありましたので、当日も出火後停電によるパニック状態もあって避難に困難を来たし、窓から飛び降り墜死した者十六名、墜死したと思われる者五名のほか、避難できず煙により死亡した者、はじご車等により救出後死亡した者を含めまして死者百十七名に達したわけでございます。この間消防隊のはしご車等による必死の救助作業等によって五十三名を救出いたしております。
 この建物の消防用設備は、警報設備として火災報知設備、消火設備として屋内消火栓設備、スプリンクラー等の設備が設けられており、また、避難設備として利用できる階段が四カ所ありましたが、これらはいずれも閉鎖されておりました。さらに、七階には救助袋が一個設けられておりましたが、使用方法が適切でなかったため、有効に使用できませんでした。
 この建物では、消防機関の予防査察上も、消防設備の面では、現行法令上特に指摘すべき点はなかった反面、その運用面に欠けるところが多かったように思われます。今後事故の原因をさらに徹底的に究明し、これを教訓として、避難誘導訓練の徹底、この種複合用途ビルの共同管理体制の強化及び用途規制の検討、避難路を煙から守るための措置などを重点として、建設省とも十分協議の上、今後の対策に万全を期することといたしたいと考えております。
 なお、このため、とりあえず、現地消防機関に対しましては、特に上層部に不特定多数の者を収容する建築物、中高層の複合用途建築物等の避難体制及び通報、避難設備の総点検を早急に実施し、緊急時にこれらの機能が十分に発揮できるような指導と査察を強化するよう指示したところでございます。
 以上、火災の概要について御報告申し上げました。
#5
○委員長(小柳勇君) 本件に対し質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○佐々木静子君 それでは、いま消防庁のほうから本件事故について御報告を伺いましたので、まず、順次お伺いたしたいと思います。
 警察庁の方に先に伺いたいと思いますが、本件事故についていま捜査中と承っておりますが、現在時点における本件の刑事責任についてどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
#7
○説明員(宮地亨吉君) 今回の火災につきましての捜査状況のお答えをいたします。
 火災と同時に、所轄南警察署に府警本部刑事部長を長とします千日デパート出火事件特別捜査本部を設置いたしまして、捜査員約百六十名をもって捜査を開始し、死体の検死、身許確認、遺族への引き渡し等の作業と並行いたしまして、出火原因の究明にあたりました結果、出火場所は三階の呉服コーナー付近であり、出火当時その付近で電気の配線工事作業に従事しておりました作業員の電気工の河島慶次三十六歳のたばこの火の不始末によるものと認められるに至りましたので、十四日の午後十一時五十分に同人を現住建造物重過失失火並びに過失致死傷の疑いで逮捕して、現在取り調べ中でございます。
 なお、多数の死傷者が出ましたことにつきまして、ビルの管理関係者、キャバレーの責任者等の過失責任の有無についても現在慎重に捜査を進めている状況でございます。
#8
○佐々木静子君 それでは、次に建設省のほうにお伺いしたいんでございますが、いま消防庁のほうからの御報告にもございましたが、本件事故のあった建物が、昭和七年に歌舞伎座として新築されたものであって、その後用途変更されて現在に至っているというようなことで、現行建築基準法、これは昭和四十五年の一月に大幅に改正されたということをお聞きしているわけですけれども、適合しないというようなことで問題があったということをお聞きしているわけですけれども、この現行建築基準法によりますと、このような建物の場合に、義務づけられている消火設備としてどのようなものがありますか。
#9
○説明員(救仁郷斉君) お答えいたします。
 この建物は、先ほど消防庁長官から御説明いたしましたとおり、昭和七年に大阪歌舞伎座として建築竣工したものでございます。その後、昭和三十三年に至りまして、大阪の歌舞伎座が別に新築されましたので、この建物をデパート等に用途変更いたしまして、それで改修したものでございます。問題の、死亡を出しましたこの七階のキャバレーでございますが、これは四十七年に売り場から用途変更したものでございます。建物の経歴としてはそういうような経歴を持っております。
 それから、建築基準法の関係につきましては、いま申し上げましたとおり、この建物が逐次用途変更、改修等を続けておりまして、そのつど必要な建築基準法上の手続は大阪市――私、現地へ参りましてずっと調べましたところ、必要な手続をちゃんととっておりまして、そしてその設計変更の内容等につきましても遺漏はなかったというように考えております。
 それから御指摘の昭和四十五年には、こういったたび重なる大火災に対しまして大改正を行ないました。その大改正の内容は、防火避難を中心として、主として人命尊重という観点から改正されたものでございます。その改正点につきまして、今回の建物がどうであったかというようなことを、まあこまかい点はたくさんございますが、非常に大まかに申し上げますと、排煙設備に関して若干欠けているところがあった。それから非常用の照明装置がついていなかった。まあその他こまかい点はいろいろございますが、非常に大きな点につきましてはそういう点になろうかと思います。ただ、昭和四十五年に改正された規定は、既存の建築物には直ちにそのままでは適用になりませんので、そのいまの状態で違反、違法だということには直ちにはならないかというように考えております。
#10
○佐々木静子君 いまこの建物が用途変更をなされて、そうして何回も用途変更して現在に至っておったというお話でございますが、そうして、その手続などについて調べたところあまりミスがなかったというお話でございますが、この用途変更の場合ですね、いまの基準法のたてまえからいくと、どういう手続を現在とらしているわけでございますか。
#11
○説明員(救仁郷斉君) 用途変更の場合に、原則としてその用途を変えることによって制限が非常にきつくなる場合がございます、用途が変わりますと。そういうような場合には、用途変更する場合には新しい規定が適用になる。ただ、その前の用途と新しい用途とが制限が基準法の規定上変わらない場合、この場合には、新しい規定は適用する必要はないというような、一般論としまして、そのような組み立て方で、新しい規定が適用になるかならないかというものが分けられておるわけでございます。
#12
○佐々木静子君 そうしますと、具体的に本件の場合の用途変更の場合は、どういう手続を要したのか、お述べいただきたいと思います。
#13
○説明員(救仁郷斉君) 本件について申しますと、この七階部分に限って申しますと、七階部分は、何といいますか、売り場からキャバレーへの用途変更でございまして、この場合には用途変更の手続は要しないことになっております。したがいまして、用途変更の手続は現実にとっておりません。しかしながら、こういった種類の建物でございます関係上、建築主から大阪市のほうに相談がございまして、で、相談に乗って、そして手続は要らないんでございますが、事実上ここをこうしなさいというような指導をやってできた建物のようでございます。
#14
○佐々木静子君 そうしますと、指導の上、現在の七階の「プレイタウン」というまあこのキャバレーができたというわけでございますね。
#15
○説明員(救仁郷斉君) さようでございます。
#16
○佐々木静子君 いまこの建物であまり大きな法規違反はなかったというお話でございますが、まあ排煙設備が不十分であった、あるいは非常口についている照明がなかったということですが、この排煙設備は、法的にはこの被災建物の場合、どういうものが要求されたわけですか。
#17
○説明員(救仁郷斉君) いまの建築基準法の排煙設備と申しますのは、ちょっと一般の場合の排煙ということばとニュアンスが違っておりまして、火災の初期の火災を防ぐという目的を持っております。したがいまして、最初火災が発生いたしますと、まず煙がどんどんどんどん出ます。そして煙が天井にある程度たまりましたときにフラッシュオーバーと申しまして、急激に火災がぱっと拡大するという現象がございます。そのために、火災の起こったところで天井面に煙をためないというためにその規定が設けられているわけでございまして、その内容につきましては、天井の近くに開口部を開けるような窓を設けなさいということ、そういう窓がない場合には、ファンでもって外に煙を引き出すような装置を設けなさい、そういうような規定になっておるわけでございます。そういう面でこの建物は、もちろんかとは思いますが、不十分であると言うことが言えるのじゃないかと思います。
#18
○佐々木静子君 そういうふうなこの点検といいますか、建設省のほうからの御調査というようなものは、これは期間的にはどのくらいの間隔をおいてなさっているわけでございますか、それをお願いします。
#19
○説明員(救仁郷斉君) こういった建物に対しましては、まあ私どもとしては、各県あるいは大きな市でございますが、これが、建築行政を担当しておりますそういう各県及び建築行政を担当いたしております市、これを特定行政庁と申しておりますが、そこが定期的にできるだけその調査をして、そして必要な個所に是正の措置をとるようにというような通達を出しております。で、これは消防署のほうと協力をして一緒にやっておりますが、春、秋には、これは毎年そういった特殊な危険な建物の一斉点検というものをやらすようにやっております。まあそのほか随時そのときだけでなくて、危険建物の一斉検査をやるようにというような指導はいたしております。
#20
○佐々木静子君 現実にこういう大きな事故が起こったのですけれども、本件、この千日デパートの建物についてはいつ検査をなさったのか、また検査の上、この排煙設備をつけるようにという御指示をなすっていたのかどうか。
#21
○説明員(救仁郷斉君) 残念ながら大阪市で調べましたところ、この建物につきましては、まだそういった検査をしていなかったようでございます。大阪市が重点的にいままでやってまいりましたのが、ちょうど二、三年前から、御承知のようにホテルの火災、これは非常に多発いたしました関係で、旅館、ホテルを中心に消防当局と一緒に査察を行なっていたようでございました。で、ことし、大阪市の話では、消防当局と一緒に百貨店を中心にやろうではないか、百貨店と地下街を中心にやろうではないかということで、ちょうど打ち合わせをしていたやさきだったようでございます。
#22
○佐々木静子君 この「プレイタウン」が開業してからもうかれこれ三年になるわけですね。この三年の間、そういう指導をなさっておらなかったということは、これははなはだ遺憾に思うわけなんです。そういう点について建設省とするとどういうふうにお考えになっているか、また今後、どういうふうにして注意を喚起するように強化していこうか、そこをどのようなお考えでおられますか。
#23
○説明員(救仁郷斉君) 実はこの建物につきましては、四十二年にキャバレーができましてからもう五年たっているわけでございますが、その間御指摘のように、一回もそういった検査が行なわれなかったということは非常に申しわけないというように考えております。したがいまして、私どもとしましては、これは消防当局と一緒にやらなければならない仕事でございますが、これからやはりこういった危険な建物を重点的に洗い直して、特定行政庁みずからが検査すると同時に、たまたま昭和四十五年の法律の改正によりまして、こういった特殊な建物につきましては、オーナーみずからが専門の検査をできるような資格者に検査させて、そしてまあこれは年限は一年に一回あるいは一年半に一回、二年に一回あるいは六カ月に一回、これは地方の事情で地方できめるわけでございますが、そういった定期検査の制度というものができましたので、これを大いに活用して、そしてこういった事故の起こらないような形に指導してまいりたい、こういうふうに考えております。
#24
○佐々木静子君 それともう一つ、私も一昨日この本件現場を見せていただいたわけですけれども、いまおっしゃるとおりに、非常口の照明設備がない。これは非常口の表示もはがれてしまって何もない。そういうふうなことについても、やはり建設省のほうとするとこれはお調べになって、注意されていたようなことがあるんですか、どうなんですか。
#25
○説明員(救仁郷斉君) 先ほど申し上げましたように、この建物に関しましてはそういった調査が不十分であったというように残念ながら申し上げるわけでございます。
#26
○佐々木静子君 これはビルの所有者あるいはこの事業を経営している人たちにむろん多く責められるべきところがあると思うのですけれども、何しろ狭いところで、これビルしても、あるいは事業を経営している人にしても、ちょっとでも利潤を追求したいというのが、人間の欲望としてこれはどうしてもそのほうにウエートがかかるのは、これはやむを得ないわけなんですから、そういう点をきびしく建設省のほうでもっともっとあらゆる方法を講じていただいて、この建物の持つ公共的な立場というようなことを注意していただいて、こういう災害が起こらないように十分注意していただきたいと思うわけです。
 それと、四十五年の改正ですか、これによりますと、避難用の非常用階段の設置とか、避難用の非常口設置、消防口の設置、消防用の進入路の設置などが義務づけられておりますけれども、これはいまのお話で、法的には必ずしも義務づけられておらないということでございますけれども、これは現在現存しているビルについて、これはこの改正ができた以前に建ったものについてもこれらの義務を適用される、義務づけるような、こういうふうな方法をとらなければ、このビルの公共性あるいは人命の尊重というようなことははかれないんじゃないかと私ども思うわけですが、その点について建設省はどのように考えていらっしゃいますか。
#27
○説明員(救仁郷斉君) 御質問のように、現在の建築基準法の立て方といいますか、これは一般的には法律が改正されました時点において、既存の建物についてはそれらの改正された規定は一般論としては適用されないことになっております。建築基準法は建築物の敷地、構造、設備、用途、あらゆる面において建物全般を規制する法律でございまして、これを一挙に既存の建物まで遡及適用するということは、これは国民の経済上相当な大きな問題になりますので、一般的には適用しないという原則になっております。ただし法第十条によりまして、一般的には適用がないんだが、そういった特に危険あるいは衛生上有害といった建物に対しましては、違反建築物と同様な是正命令を出すことができるというような規定がございます。そういった意味で、いままでこの法第十条の命令というのが残念ながらあまり活用された例がないということは、非常にわれわれ残念でございますが、今後この規定を大いに活用して、既存の建物でも危険なものに対してはどんどん命令を出すようにというような通達をきのう付で出しましたし、その前からももちろん指導していたわけでございますが、きのう次官通達を出しまして、そうしてびしびし是正措置をとらせるようにという指導をいたしておるわけでございます。
#28
○佐々木静子君 いま特に危険な建物について法十条によってそういう設備を取り付けるということの規定があるというお話ですが、この事故のあった本件千日デパートの建物ですね、これはいままで特に危険の概念の中に入っておりましたか、どうですか、この建物は。
#29
○説明員(救仁郷斉君) この建物は、少なくとも先ほど申し上げましたように、現場査察をやっていたとしましたら、当然危険だということは、かぎが常時締められているというような状態というのは非常に危険だというような指摘が当然なされるべきであったと私ども考えております。
#30
○佐々木静子君 そうすると、この法十条という規定があるのに、特に危険だということで注意しておられなかったということについては、やはり建設省当局としても責任をお感じになるわけですね。
#31
○説明員(救仁郷斉君) 申しわけなく思っております。
#32
○佐々木静子君 それから、今度は通産省のほうにちょっとお伺いしたいんですが、先ほど警察庁から伺いますと、出火原因がこれが三階の衣料売り場であるというようなお話を警察庁あるいは消防庁のほうから伺ったんですが、私も、この三階に参りまして、たいへんなものすごい燃焼度にびっくりしたわけなんでございますけれども、この売り場は繊維類を置いておった、特に婦人ものの繊維類であった化学繊維類が非常に多かったということを伺っているんですが、この化学繊維などのような特別燃焼しやすい繊維類を保管するような業者などについて、まあ何か通産省として特別な危険物としての規制なり責任を義務づけるようなことを考えていられるかどうか。
#33
○説明員(仲矢鍜君) お答えいたします。
 私ども、デパートなりあるいはスーパーなりというもの、俗に大量販売店といわれているものにつきましてのそういう先生のおっしゃいますような意味での規制というものはいままでやっておりません。
 それから、今後そういうものにつきましてどうすべきかということは、私どもとしましても取り組まなければならない問題であることは承知しておりますけれども、これはむしろ防火あるいは防災という見地から、そのほうの専門家といいますか、専門でございます消防庁なりあるいは建設省なりの御指導によって私どもそれに御協力申し上げると、そういう立場で検討を進めてまいりたいと、かように考えております。
#34
○佐々木静子君 これは私特に通産省のほうに考えていただきたいと思うんです。といいますのは、この「ニチイ」の繊維売り場、罹災する前も私はよく存じておりますけれども、特に繊維類がここに集中的にたくさんあると印象に残るほどの売り場じゃないわけでございまして、たとえば大阪の場合ですと、生地の問屋が、これはもうほんとうに化学繊維ばかり集めたものがぎっしり詰まっているところがたくさんあるわけなんです。しかもまた、これは大阪に限らず大都市いずれもそうだと思いますが、いま地下街に衣料売り場が集中的に集まっているところがたくさんあって、こういうところでこういう事故が起こったら一体どうなるであろうかと、まあ思わずぞっとしたわけですけれども、そういうことについて通産当局としても独自な立場で十分に御検討をいただきたい。
 また、このビルの内装など、ビルに限りませんが、カーテンその他に化学繊維を用いる、こういうふうなものについて、不燃性のものじゃないとカーテンその他に用いることを許さない、あるいは不燃性とまでいかなくても、難燃性の薬剤をかけて難燃性なものにしないことには、そういうふうな火災の危険のある用途には使えないとかいうふうな、そういうふうなことを考えないと、これから危険が非常に多いんじゃないかと思うのですが、その点当局としてはどのように考えておられますか。
#35
○説明員(仲矢鍜君) 先生御指摘のそういう密集地帯その他における売り方の問題につきましては、私どもこれから流通問題その他とからめまして十分検討してまいりたいと思っております。
 それから、先生のおっしゃいました難燃性でなければ使わないような規制をというお話でございますが、これはむしろ私ども難燃性のものにつきましての開発その他というものは真剣に進めております。おりますが、規制その他につきましてはむしろ消防法によりまして、こういうところにはこういうものでなきゃ使っていけない、こういうところはこういうものを使いなさいというような規制はむしろ消防法の規定で定められておりまして、私どもはそれに適合しますような難燃性の繊維というものを開発してまいる、あるいはそれを普及してまいる、そういうふうな形で努力を進めたいと思っております。
#36
○佐々木静子君 そしたら消防庁のほうで、この件についてお答えいただきたい。
#37
○政府委員(降矢敬義君) 消防の見地から繊維類の防災という問題と取り組んでおりますが、現在消防法の規定によりまして、ビルとか旅館とか病院とか劇場というようなものの、不特定多数の人が集まるようなところに用いるどんちょうとかカーテンとか、それから百貨店で用いる展示場の合板、ああいうものについて防災処理をしたものを用いなきゃならぬという規定を置いてそれを励行さしておりますし、昨年の十二月においてはその範囲も若干広げて従来遡及適用してなかったものについても、一定の猶予期間を置いて遡及するようにしております。しかし、いま先生が御指摘の一般繊維類まで全部防災、難燃処理をしたものをしなきゃならぬというまでにはまだしておりません。
#38
○佐々木静子君 大臣がお越しになりましたので、自治大臣にお伺いしたいんでございますが、私一昨日、現地へ参りました。大臣も現地を御視察なさっていろいろと詳細にお調べいただいて、今後の救援活動その他についてもいろいろと御努力なさっているということを承っているのですけれども、本件について、まあ特にとりたてて言うほどの法規違反がないのに、現実にこれだけの大きな事故が起こった。たくさんの死亡者が出たということについて自治大臣はどのようにお考えになっておりますか。
#39
○国務大臣(渡海元三郎君) 本件、私参りまして、何と申しますか、消防法に定められた施設を昨年十二月に点検いたしまして、これが十分施設としては行なわれておると、しかも、出火間もなく、十時四十分の警報を受けてから、十時四十四分には多数の消防車並びに消防団員が――それにもかかわらずあのような惨事が起こった。私が参りました当時は、まだ火の原因がたばこの不始末によるものであるということが判明いたしておりませんでした。しかし、聞きましたところ、屋上へ上がる通路、また下へおりる避難の通路がかぎがかかったままになっておった、そのために火災は五階でとめておりますのに、煙によりましてむだな死傷者を出した。しかも、私が参りましたときにはまだ救命袋がぶら下がっておったのでございますが、あの救命袋によって使用目的どおりの使用がなされずに、せっかくの救命袋がありながら、これによって救助された者がわずかに三名程度にすぎなかったということを聞かせていただきまして、私は施設だけでなく、平素の訓練と申しますか、心がまえと申しますか、防火責任者の重要性を非常に痛感したわけでございます。特に私たち、幾つかの旅館における火事、あるいは昨年のソウルにおける旅館の火災等をながめまして、消防当局といたしましても非常にこういった点につきまして努力し、幸いにいたしまして旅館におきましては、このごろ私たちが参りましても、旅館の従業員そのものが懐中電灯の置いてある場所、避難の場所をお客に注意をされるようなところが多くなり、非常に喜んでおったのでございますが、このようなレジャー産業と申しますか、キャバレーと申しますか、ああいったようなところに私たちの思わざる盲点があって、結局消防施設以前の問題、心がまえの問題のためにこのような惨事を起こしたこと、まことに残念であるということを痛感したような次第でございまして、今後雑居ビルにおけるそういったものの火災責任の統一的な防災の管理制度、またレジャー産業等のそういったビルにおける使用のあり方、また避難訓練等に対する査察のあり方、非常に教えられる点があったのでございまして、この点を十分反省し、今後このようなことを撲滅しなければならないということを痛感したような次第でございます。
#40
○佐々木静子君 この、とうといといいますか、非常にこれだけの大きな犠牲を払った事故をむだにしないように、二度とこのようなことを繰り返さないように万全を期していただきたいと思いますとともに、この事故で不幸な犠牲にあわれた方々のこれは十分な補償をお考えいただきたいと思うわけなんでございます。特にこの「プレイタウン」で被災されました方々の中で、働いておる女の方が多かった、女の方の犠牲が多かった。しかも、その婦人の方々が比較的恵まれない環境におられ、しかも母子家庭の方が多い。子供さんをかかえて一家の大黒柱になっていた女性の方がこういう悲惨な最後を遂げられたわけでございまして、こういう方々に対して十分な補償を考えていただきたいと思うわけでございますが、こういうことについて自治大臣はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
#41
○国務大臣(渡海元三郎君) 補償の問題でございますが、これは専門の佐々木委員でございますので、法的関係その他の問題については私よりも佐々木委員のほうがよく御承知のことと思いますが、私参りまして、また遺体が精華小学校、太融寺ですかに安置してございましたので、お参りもさしていただき、また重軽傷者の方の病院等にも一部お見舞に回らせていただきました。従業員の方々がいま申されましたような母子家庭の方が多いということを痛感した次第でございます。
 ホステス等の従業員の方々に対する保険給付その他につきましては、労働省のほうで現在指導していただきまして、請求書が出てき次第できるだけの早急なる措置をしていただくようにやっていただいておると聞いております。また、今回の補償というものはおそらく民事的な問題になろうと思いますが、ちょうど私が参りましたときに、ドリーム観光の責任者、「ニチイ」の責任者がおられまして、大阪市長も同席しておられましたので、十分な遺族に対する補償等をお考え願いたいということを私もともにお願いをし、責任者の方々もできるだけのことをさしていただくようにつとめますというふうなお答えございました。大阪市長も、もし必要とあればいつでも、何と申しますか、われわれもお世話をさしていただきたいという申し出もしておられるという姿でございましたので、大阪市のほうにおきましても十分なことを考えていただいておるのじゃないかと考えております。その後お聞きしましたところによりますと、大阪市長、ドリーム観光の社長並びにニチイ産業、ここはいま社長が御病気だそうでございます。専務に再び会われまして補償の件についてよくお願いをしておいたという返事も聞いております。
 なお、遺体のお引き取り並びに合同葬をやらしていただきたいということを、これらの方々から遺族の方々に対して申し入れをされ、その遺体の引き取りは円満に行なわれ、一時的な見舞い金として、関係四会社によりまして一億五千万円の見舞い金を一応出すということにきまったと、このようにも聞いております。ただ、法的な関係におけるところの責任関係が、現在まだ取り調べ中でありますので、どういうふうになりますかわかりませんので、その結果等も待ちまして、今後、補償の問題については十分関係会社と話し合いたいと、そういう姿で臨んでおられるということを大阪市長から、私連絡を受けておるような次第でございます。また、いま申されました母子家庭における遺児等でございますが、現実に私も遺体をお見舞いをし、弔慰を表して参りましたときに、遺児が二組遺体に取りすがって泣いておられる姿を見、御近所の方か親戚の方であろうと思いますが、この子たちはおかあさんがなくなられて孤児になられたんです、ということを聞かされまして、その後市役所に引き揚げまして市長から、私が帰りますまでの間に、さっそく民生局長に指揮をして処理をするようにいたしたいということの御返事を聞いたのでございますが、その後の報告によりますと、大阪市内の居住者に対しましては住所がほとんどわかりましたので、全部の区の民生委員を通じて遺憾なきを期したいということで、やっておられるわけでございます。大阪市以外の方々に対しましては、それぞれの市町村に連絡をとり、これらの方々に民生保護等につきまして万全の措置をしていただきたいということを連絡さしていただいたという報告を受けております。市のほうにおきましても、できるだけの手を尽くしまして、これらの問題に当たっていただいておりますが、私どもといたしましても市と連絡をとりまして、御遺族の補償等につきまして、できるだけのことも行なわれますように、今後ともに配慮してまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
#42
○佐々木静子君 いま、非常に大臣が先般来この補償問題について御尽力いただいておるということは大阪市当局からもお聞きしておるわけなんでございますけれども、この法的責任がどこにあるとか、ここにあるとかいうようなことは、これは法律上責任ある者が、その責任を負わなければならないことは、これは何も言うまでもない、あたりまえのことなんでございまして、まだ断定されたわけではありませんけれども、この関係のあると思われるこの「ニチイ」さんあるいはこのドリーム観光などが、幸いにして企業としてかなり大きい企業であるということで幾ぶんこの事故の中で救われた気持ちもするのでございますけれども、しかし、この補償の話というものはなかなかスムーズにいかないのが常で、しかも、これだけの大ぜいの人間がなくなった場合に、よけいこの話がまとまりにくいというのが常でございます。そうしていま母子家庭のおかあさんがなくなった、お客さんのほうでなくなった方もたいていが勤労者の方々であるというようなことから考えますと、補償の話がうまくいかなければどうにもならないという遺族の方々が多いわけでございますので、その間、国とか地方公共団体が肩がわりをしてその補償を考えられ、あとでまた正式に法律上の措置がきまった場合には、それと、国と公共団体がお話になってしかるべきだと思うのですが、とりあえずこういうふうな被災者に対し国、あるいは地方公共団体が責任をもってその補償をするというような、そういうお考えはありませんでしょうか。
#43
○国務大臣(渡海元三郎君) 私がいま法律関係と申しましたのは、事件の調査中でございますので、ドリーム観光、あるいは土地会社、また電気会社、それから「ニチイ」、この四社がとりあえず一億五千万円の見舞い金を出された。この四社の関係におけるところの責任関係と申しますか、それらは事件の調査が進みませんとわからぬということでございまして、四社そのものはできるだけのことをせなければならぬという姿で遺族の方に話し合いを続けていただいておるというふうに大阪の市長さんから報告を受けております。それで、市長さんのほうといたしましても、こちらからただいま言われましたように、直ちにかわってあっせんに入るとか、補償に入るとかいうことは、いまのところは、十分誠意をもってこれらの会社が当たっていただき、遺族とお話合いをしていただいておるので、ございませんが、もしそのような必要なときは、私も労を惜しまずにあっせんをさしていただく気持ちでおりますという御報告でございますので、その経過を待って、できるだけの配慮をさしていただきたい、かように考えます。
#44
○佐々木静子君 そうしますと、国あるいは地方公共団体のほうで責任持って前向きにこの補償の問題は考えていただけるというわけでございますね。
#45
○国務大臣(渡海元三郎君) 補償を責任をもって行なうということでなくして、あくまでも地方自治体におきましてあっせんの労をとらしていただくと、こういう意味で、大阪市長はやっていただいておると思います。大阪市長にそのような労をとっていただくことに対しまして、私も現場でもお願いいたしましたが、今後とも私も大阪市長の報告を聞きながらやっていただくことをお願いしたいと、こう考えております。
#46
○佐々木静子君 非常に前向きの姿勢で取り組んでくださっておるということ、そうして、今後大臣としても強力に地方自治体のほうに万全を期するようにさらに御指導をお願いしたいと思うわけでございますが、これと同時に、死亡者の御遺族の方々に対する救済を一番まっ先に考えなければならないのはむろんでございますが、また、この事故のありました千日デパートの中に、百五十八軒の商店があるわけなんでございまして、その商店の人たちは、幸い死亡事故は免れましたけれども、まだ自分の商店の中に立ち入ることもできない状態であり、また、自分の商品がどうなったかもわからない、またいまの間に運び出せば有毒ガスなどの被災ももう少し防げるかもわからないという事情の方もかなりおるわけでございます。そういう方に対する営業補償といいますか、積極的な救済というようなことはどういうふうにお考えになっておられますか。
#47
○国務大臣(渡海元三郎君) これらに対しましても、市のほうで適切な処置を講じなければならないということを話しておられたのでございますが、その結果がどのようになっておりますか、私不敏にしてまだその点は聞いておりませんですが、それらに対しましても、おそらく手を打っていただいておると、そのときの話し合いにも出ておりましたものでございますから、出ておると聞いております。あるいは相当の損害をこうむられ、実際においてまた責任者としての補償と申しますか、それの措置がおくれるような場合には、あるいは融資の道、その他の具体的に考えられる措置を市のほうにおきまして行なわれるんじゃないかとも考えられておりますが、まだ具体的にどうされたかということをお答えするに至っておりませんので、その点は御了承賜わりたいと存じます。
#48
○佐々木静子君 これは実は百五十八軒の業者の代表の方からも何とかしてほしいと要望もあるわけなんでございまして、必ずしもそこまで手が回っておらないのが現実ではないかと思うんでございますが、大臣としてもこうしたあらゆる種類の被災者に対して積極的に救済の道を講ずるよう強力な御指導を特にお願いしたいと思います。
 それから、消防庁のほうにお伺いさしていただきたいんでございますが、本件事故において大阪における消防車のほとんどが、消防車と申しますか、はしご車ですね、ほとんどが動員されて現場にかけつけたということなのでございますが、にもかかわりませず、残念ながら五十人ほどの人が救済できたけれども、あとのものについては死亡するに至ったということで、消防当局としてもたいへん御苦労なすったことはわかるんでございますが、現在の事故が大阪ですので大阪の例をとりますと、このはしご車が大阪市に何台あるわけでございますか。
#49
○政府委員(降矢敬義君) 三十メートル以上のはしご車が八台ございます。
#50
○佐々木静子君 十階以上のところに到達できるはしご車は何台あるわけですか。
#51
○政府委員(降矢敬義君) 三十メートル以上のはしご車であれば全部到達できます。
#52
○佐々木静子君 そうすると、一番長く伸びるものは何階までいくわけですか。
#53
○政府委員(降矢敬義君) 大阪市に現に保有されておる最長のはしご車は四十一メートルございまして、大体いまの階で言えば三メートル程度でございますから十三階ないし十四階までは届くというふうになっております。
#54
○佐々木静子君 大阪市内に十三階あるいは十四階以上の建物がないわけですか、あるわけですか。あるとすると幾つくらいございますか。
#55
○松永忠二君 関連して。
 大臣もおられるのでお聞きしたいんですが、消防庁長官もいるし、建設省のほうにひとつ伺います。
 今度の事件から見て何か法的に少し改正をしなきゃいけぬのじゃないか、検討する必要があるのじゃないか、こういう点については、政府としてはどういうふうな考えを持っているんですか。それだけひとつ聞かしていただきたい。
#56
○国務大臣(渡海元三郎君) 私も係官を帯同いたしまして直ちに現地を、建設大臣も直ちに現地を見ていただきました。先日の閣議でおのおの報告さしていただいた次第でございます。各省に関連することが多いものでございますから、ある程度の調査の進みました段階をつかまえまして、総理府に設置しております中央防災会議を開いていただきまして、具体的にこの問題についての反省と今後の措置等を検討いたすことに、ちょうど総務長官、不在でございましたので副長官と打ち合わせをし、今週中にも防災会議を開けるように各省においていま事務的に検討を、集計をしておるという姿でございます。そのときの話し合いに出ましたのは、雑居ビル等における業種の使用制限というものを、いまございませんが、できればそういったことも含めての雑居ビルのあり方についての建築基準法の検討が必要でなかろうかという点と、もう一つは四十五年に改正され、四十六年度から行なわれておりますところの建築基準法では、旧来の建物に対する規制というものがいま法十条の問題も出ておりましたが、なお実施の点に万全を期しがたいようなことであれば、この点も検討いたしたい。必要によりましては、それらの点についての法改正等も考えられるのではなかろうかというふうなことを話し合っておる。私のほうは現在雑居ビル等に対するところの防火責任者のあり方、各店ごとの責任者がございますが、しかしながら、統一しての責任者のあり方につきましては、協議会等を設け、代表的な責任者を決定するという規定のもとに実施をいたしておりますが、その点が今回も不十分であったという点につきまして、今後もし必要とするなれば、法改正等も考えて検討すべき課題である、このように考えておるような次第でございます。
#57
○政府委員(降矢敬義君) 大阪市に複合ビルの数は、つまり五階以上の雑居ビルでありますが、千二百八十四ございます。府としては千三百八十六でございます。そのうちちょっと一年前の資料になりますが、いわゆる三十一メートル以上の高層の、いわゆる私のほうでは高層建築物と言っておりますが、それが大阪府では四十三という数字が出ております。
#58
○佐々木静子君 まさにいま大臣おっしゃっていただきましたように、このビルの公共性、人権の尊重ということから、ぜひその問題、雑居ビルの規制あるいは法改正というようなものを積極的にぜひこの際さらに強力にお進めいただきたいと、私どもからも要望する次第でございます。
 それからいまのその大阪市の、十四階以上の建物に対する消防車がはしご車がない、あるいは十四階以下であってもはしご車の数が非常に少ない。そういうことから考えますと、消防のほうでもいろいろ安全を期しておられることと思いますけれども、現在の建築状況、都市の過密状況に対して消防の設備が追っついておらないのではないかということを心配するわけです。消防庁、長官、今度の事件を体験されまして、やはりこの近代的な科学的な消防設備の強化というような必要をお感じになりませんでしたか、どうですか。
#59
○委員長(小柳勇君) 関連しまして、先般の「一〇二」のテレビの対談の中で、消防庁のちょっと名前を忘れましたが、大阪の設備が進んでおりますが、七割しかない、七〇%しかいま完備してないという答弁があっておりました。その点も含んで御答弁願います。
#60
○政府委員(降矢敬義君) いまお話がありましたように、昨年改正をいたしました消防力の基準、都市ごとに算定いたした基準によりまして算定いたしますと、必要基準に対しまして現有勢力が約七割でございます。今度の事件を契機にしてはしご車の問題はいま八台と申しましたが、基準に対して約七三%ということで若干欠けております。はしご車の増加は当然でございますが、もう一つは、はしご車につきましては消火と同時にむしろ救助するという新しい使命がございます。今回のはしご車による救助は、はしご車が当然予想しているやり方ではございません。はしご車には御案内のとおりいわゆるワゴン、エレベーターで上に上がっていきまして、そこの箱の中に消防署の人が一人つきましてそのほかに二人乗せておりてくる人の安全を期する意味でエレベーター式になっております。ところが、今回は御案内のように、みんなはしごで手でこうやりながら、おりてきたわけでございます、ところを消防署の方が下でささえながら、ずっとおりてきております。この辺のはしご車による救助のやり方というものにつきましても、今回の事件を契機にして、やはり検討をどうしてもしなきゃならぬと考えております。
#61
○佐々木静子君 もう時間もありませんので、労働省の方に簡単にお答えいただきたいんですが、さっき自治大臣からもなくなった従業員の方々に対する補償の問題について十分考えるという前向きの姿勢の御答弁いただいたんですが、労働省のほうとしますと、この経営者の方たちに対する労災補償についての指導、どのようにお取り組みになっておられますか。
#62
○説明員(松尾弘一君) いま大臣からも御答弁ありましたように、私どもといたしましては、負傷者はもとより、死亡者の方々の補償につきまして即刻事業主に補償請求の指導を目下進めております。請求あり次第、直ちに支給をする、こういう段取りを現地に指示しました。そういう態勢をとっておる次第であります。
#63
○佐々木静子君 もう一つ、労働省のほうに伺いたいんですが、被災されたホステスの方々、源氏名のほうはわかっているが、企業の側で本名がわからなかったという方たちがだいぶあったようですが、そういう方々に対して、企業者の責任を、労働省のほうはどういうような御指導をなさっていますか。
#64
○説明員(松尾弘一君) ホステスの方の住所が確認されて、本籍その他の問い合わせ等でなかなか確認が困難な方がおると思いますが、それはすべてわがほうで調べまして、確認をする。元の事業主も並行して努力をしていただきますが、私ども確認を急ぐ、こういう段取りにいたしております。
#65
○佐々木静子君 本件はともかくとして、こういう風俗営業などの場合、経営者としてはどのような責任を従業員に持たなければならないかということについて、労働省のほうで常時積極的な御指導を特にお願い申し上げたいと思うわけです。
 それから、厚生省のほうにお伺いしたいんですが、この飲食店のような場合に必要な防災、防火設備が十分に施されてない場合、厚生省としてはどのような立場で御指導あるいは御協力なさっておられるのか、その点について簡単にお述べいただきたい。
#66
○説明員(加地夏雄君) 環境衛生金融公庫の融資の問題でございますが、たまたま今回の問題になっております「プレイタウン」の場合は、この環境衛生金融公庫が資本金一千万円以下、しかも従業員が五十人以下という、いわば中小、零細企業を対象にしておりますので、今回の「プレイタウン」は、環境衛生金融公庫の対象になっておりません。ただ御質問のように、こういったキャバレーなどにつきましても、中小、零細な企業の融資の問題でございますが、おっしゃるように、飲食店という形で一応環境衛生金融公庫の対象にはなっております。ただ業界の業態であるとか、あるいは環境衛生金融公庫の融資の目的、そういう面からいたしまして、一般的な融資というのは大体御遠慮願うように指導しております。ただ問題は、こういった消防、防火設備になりますと、当然その融資の対象になるわけです。従来もそういう形で融資を続けておるわけであります。
#67
○佐々木静子君 時間がありませんので、最後に、元の防衛大学の校長さんが書かれていらっしゃる、このビルの災害の本を見ましても、この煙の延び速度は垂直拡大は人間が歩く速度の十倍であるということを書いておられるわけでございまして、今後ビル災害につきまして、この煙に対する対象というものが非常に重点が置かれるのではないかと思うわけです。そういうことにつきまして、近代的な今後の消防庁のあり方というようなことについて、最後にお述べいただきたいと思います。
#68
○政府委員(降矢敬義君) 従来消防は火を消すという観念が非常に強うございました。しかし、いま御指摘がありましたように、最近の火災におきましては、大体約五割が煙によって死亡している状況でございます。そこで、いま御指摘のように煙対策というものが、消防の見地から、どうしても考えなければいけない、この点で一つは先ほど御指摘がありましたように、煙を出すようなもの、燃えてすぐ煙になるようなしかけをやめる、そういう意味で防煙というものを強化していく、これは私のほうの所管ではございませんが、建材についても同様のことがあるわけでございます。それから消防の見地からいたしますと、やはり煙は御指摘のように、一秒間に三メートルないし五メートルという、すばらしい早さでございますので、やはり火になってから火災を知るというのではすでにおそいわけでございます。そこで、やはり煙感知器というものをつけさせまして、それによって火災の発生を覚知し、しかも、それが同時に通報というかっこうで知らせる、そうして同時に避難をする、こういうことでございまして、そこの火災探知器の普及ということに、かなり重点を置かなければならないわけでございまして、この点につきまして御説明申し上げますと、四十四年にこれを普及するために法律を改正いたしまして、遡及適用をしたものはございます。それはホテルと旅館と病院と、それから重要文化財については遡及適用をいたしたわけでございます。この点につきましては、今回の火災の現状にかんがみまして、やはり私たちはこの点をもう少し考えなければいかん。あそこにありましたのは、手動式火災報知器でございます。これが煙感知器でありますれば、もっと早く通報できたはずでございます。しかし、手動でございますから。こういう点はどうしても今後の問題点としてぜひ検討さしてもらいたい点でございます。
 それから、もう一つは、やはり煙の問題は外気に早く接するということが一番大事な問題でございます。避難するといっても、やはり外気に接するようなしかけがどうしても必要でございまして、私たちはやはり一番端的にいまつくり得るのは屋外の階段、あるいはそれに準ずるような開口部を持つような階段をぜひつくっていただきたい。これは遡及適用のものではありませんが、先ほど申しましたような、ぜひそういうような避難というものに対する措置としての開口部を持つ階段というものを構造の中にぜひ取り入れてまいりたいという気持でおるわけであります。
#69
○委員長(小柳勇君) 長官、さっきの関連ですけれども、それはいまも七割とおっしゃったが、たとえばはしご車が完備していれば、いまの百十七名のうち何人かの方々は救助されたかもわかりません。その一〇〇%にはいつなるのか、それに対して長官はどういうふうに御努力をなさっておるのか、われわれはどういう努力をしたらいいのか、御答弁願います。
#70
○松永忠二君 関連して。
 前々から話もあったことですけれども、これはどうなっているのですか。いまお話を聞いても、はしご車の数は少ないのに、高層のビルはどんどん建っているわけですね。たとえば火災保険会社のほうに課税をしたらどうかというような話も出ているし、また高層ビルを建築したときには、自分もそういうような意味の責任から、ある程度の金を出させたっても当然のことだという感じがするわけですね。だから、そういうようなことが幾ら努力する努力するといってみても、実際は追いつかないわけです。どんどん片方のほうが進んでいるのだから。これは一体どこまで話が進んで、どういうような具体性を持って推進ができるのでしょうか、あわせてひとつ聞かしてください。
#71
○政府委員(降矢敬義君) この消防力の整備の問題は、非常に施設としては今年から五カ年計画をつくりまして、これによって充実していくという基本的な考え方でございます。それについては、財源の問題がまず何といっても第一でございます。この点は国の補助をいたしておりますが、それがまず単価が実情に沿っておりません。今年はしご車、化学車を中心に、単価の是正を予算措置としていたしました。もう一つは、機材の問題でございます。それから交付税、こういう三者がこの財源になっておりまして、で、いま御指摘がありました消防施設について、ビルあるいは保険会社から何か特定の税金といいますか、負担金というようなもののお話は前からございました。火災保険会社からある程度、課税といいますか、消防施設税というようなもので取ってはどうかというお話も前々からあるわけでございますが、どうもこの点はいろいろ理屈言って恐縮でございますけれども、火災保険が現在強制加入ではございませんので、そうすると、火災保険かけている人の負担において消防施設が整備されることはいかがかという議論は従来からありますが、私たちはそうは言っても、やはりその点、火災保険と火災の予防という問題は何とも切れるわけではございませんので、したがって、ここはひとつ火災保険会社を中心にした保険協会を持っておりますので、そこから起債の財源として、本年度四十五億、起債の財源として借り入れるようにいたしております。そのほか、そういうことで、どうも施設から金を、保険会社から税金というかっこうで取るのは、御議論は長いことありますけれども、なかなか実現しがたい状況でございます。
 それから、いま先生がおっしゃっておりましたように、ビルが建っていくと施設が追いつかぬ、確かにそうすれば、ビルの建設者からある程度の負担金を取るという御意見もわれわれ承知しておりますし、考えもしました。この点は、実は一般財源としての固定資産税、及び都市計画税というものが片方にあるものですから、特に都市計画税は御案内のとおり、都市の整備に充てる、同時に都市計画の中には先生御案内のとおり、防災防火施設というものが計画の中に入っているわけでございます。どうもこの辺の関連がどうしてもうまく割り切れずに、先生御指摘の点は十分承知しておりますけれども、実現に至らない点でございます。
#72
○上林繁次郎君 きのうの地方行政委員会において、相当突っこんだ質疑が行なわれたわけです。そこで、これらに重複しないように聞いてみたいと思いますが、まず一点ですけれども、建築基準法の第十条の規定の適用権限を持っている省庁、これは、どこになりますか。
#73
○説明員(救仁郷斉君) 建築基準法の施行の権限を持っておりますのは、都道府県と、それから人口二十五万以上の市、これは政令で指定いたしまして、二十五万以上の市につきましては、市が権限を持っております。それから二十五万以下の市につきましても、これは強制ではございませんが、市長さんが自分のところでやるとおっしゃいますと、そういう建築行政の仕事ができるというような形になっております。ですから、原則的には府県と、それから特定の市ということになっております。
#74
○上林繁次郎君 そうしますと、きのう指導課長はこういう話をしておりますね。まあ発言をしているのですが、この大阪の千日デパートの事故については、これに対する十分な査察が行なわれておれば、おそらく建築基準法の第十条が適用されておったであろう、こういう発言をされたわけなんですが、それは都道府県知事がこの十条適用権限を持っているということですか。この関係はどういうことになりますか。
#75
○説明員(救仁郷斉君) きのう申し上げましたところのそういった建築行政を担当しております都道府県あるいは、市、大阪市の場合には、これは当然大阪市でございますが、大阪市が第一義的にそういう査察をいたしまして、そして十条の命令を出すということになるわけでございます。
#76
○上林繁次郎君 そうしますと、消防庁にお尋ねをしたいのですが、査察の問題ですけれども、これはどうなんですか。いわゆる指導課長が言われているように、この査察が行なわれてなかったということなんですか。はっきり行なわれてなかったということなんですか。
#77
○政府委員(降矢敬義君) 消防法に基づく消防の査察は行なっておりまして、一番最後のものを昨年の十二月八日に行なっております。いままでの経過を見ますと、大体年に二回程度査察を行なっております。
#78
○上林繁次郎君 それでは、その査察の内容についてどういう点を重点に指摘し指導したのか。その点ひとつ。
#79
○政府委員(降矢敬義君) 査察は消防器具を中心に当然やるわけでありまして、一つは、先ほど御指摘がありましたように、救助袋は多少ネズミが食っておりました。その補修を行なうようにという指示をしております。それから、南側の避難通路のところに雑品がいろいろ置いてありますので、その雑品の除去を指示しております。それから、屋内避難階段のところに避難階段という誘導灯をつけるように指示しております。それから、中央非常出口のところにカーテンがありますので、これの除去を指示しております。それからもう一つは、非常警報設備に非常電源をつけなさいという規定がございますが、それが非常電源がついておりませんので、それをつけるようにという指示をしております。
#80
○上林繁次郎君 じゃ、その査察の結果はどういうことになるのですか。先ほど指導課長が言いましたね。この十条の適用の権限は都道府県知事が持っているのだと、こういうことなんです。そうすると、その査察の結果というものは、その知事に報告をされなければこれは十条の適用もできないということになるわけですか。その辺のところはどうなっておりますか。
#81
○政府委員(降矢敬義君) ただいま査察は消防として消防法の規定によって消防が管理するものについての査察を行なっております。その点の結果、たとえば救助袋の補修はしてなかったということでありますが、その他若干の修正はこれによって行なわれております。建築基準法十条の問題は、法律によりまして、先ほど御答弁がありましたように、その権限を持っている、つまり建築行政の権限を持っている市――特定行政庁というものしかあの権限は行使することができませんので、消防法の関係から消防職員があの権限を行使することはできません。
#82
○説明員(救仁郷斉君) ただいまの点でございますが、一般的にこういった古い建物等の査察をいたします場合に、年に何回か計画的にやっております。その計画的にやります場合には、一般的に当然建築行政の当局と、それから消防当局と御一緒に協力してやるというようなことを一般的にやっておりますが、たまたま去年の場合はおそらくそういう計画的に一斉にやるという形じゃなくて、おやりになったのだろうと思います。その関係で建築当局との連絡は非常にまずかったのじゃないかというふうに私どもは判断をしております。
#83
○上林繁次郎君 そうしますと、指導課長が言われた査察が十分であったならば、この十条の適用はなされておったであろう、こういう発言はやはり建設省側の問題である、こういうことですね。それといまのようなお話ですと、これは十分でなかったと、定期的にそういった査察をやるのだけれども、おそらくそれは行なわれていなかったというようなお話なんですが、これではいわゆる責任の所在というものは非常に明らかでない、やってもやらなくてもいいんだというようなことでは、これは事故が起きてもやむを得ない、また、法律があっても何の役にも立たぬということになる。そこでもっと強力な義務づけというものをやらなきゃいかぬじゃないか。調査十分ではないけれども、消防関係ではいわゆるこれもやはり定期的に査察が行なわれているということなんです。これは、この点についてはまたあとからお尋ねをいたしますけれども、その辺が非常になまぬるい、こういう感じがするわけですね。
 で、きのうも質疑の中で、いろいろと話が出たわけですけれども、結局こういう査察が十分に行なわれておったならばあれだけのいわゆる事故は起きないで済んだんじゃないか、もっと軽く済ますことができたんじゃないか、こういうことが考えられるわけです。ということは、その査察ということは、もう全く基本的な問題である、したがって、非常に重要な問題であるという感じがするわけです。そういう意味から、この査察体制というようなものをこれはもっとその体制を強化しなきゃいけない、また、その査察をやるにしても、もっと強力な義務づけをやらなきゃいかぬ、こういうように私は考えるんです。そのことについての方針というか、考え方をひとつ聞かしてもらいたい。
#84
○説明員(救仁郷斉君) おっしゃるとおりでございまして、私どももこういった大惨事は査察がほんとうに完全に行なわれていれば少なくとも大半は防げているんではないかというように考える次第でございます。
 これにつきましては、私ども今後の対策といたしまして考えておりますのは、第一義的には、やはり地方のこういった建築行政を担当しております職員の数あるいは体制の整備、これをやっていかなければならないと思います。現在、百五十くらいの特定行政庁と、それから建築行政関係に従事しております職員が約四千名近くおります。しかしながら、これで全国約三千万軒の建物がございまして、さらにその中で特殊建築物が約一割くらいあるんじゃないかというように私ども推定しておりますが、その中のかりに一割が非常に危険だといたしましても三十万軒でございます。これを逐一全部シラミつぶしにやっていくといたしましても、この四千人の組織ではどうにもできないというのが実情ではないかと私ども考えております。
 そこでそういった意味で、もちろん、この四千人の従事する人間を拡充強化していくということ、これは強力な指導をしなければならないのは当然でございますが、ただそれだけではなくて、昭和四十五年の法律改正によりましてこういった特殊建築物のビルのオーナーに対して、建築あるいは消防あるいは設備等の専門家が必ず年に一回とかあるいは二年に一回とか調査して、そしてその報告を出すようにというような制度が設けられてあるわけでございまして、そういった意味で、そういう制度をもっと活用して、そしていま申し上げました行政庁の直接の査察の補完的な役割りを果たしていきたいというように考えている次第でございます。
#85
○上林繁次郎君 消防庁にお尋ねしますが、いまこの千日デパートに対する査察がこういうふうに行なわれたんだという、いまそのことについての御発言があったわけですが、これは消防庁として十分な査察であったかどうかという問題についてはどう考えておられるか。
#86
○政府委員(降矢敬義君) 今回の査察につきましては、施設を中心にやっておりまして私はほぼ十分であると思います。
 問題は、やはり査察の中における考え方が十分に徹底していないというところにあったと思います。つまり、機能的に必要なときどう動くか動かないかという査察の問題でございます。つまり、非常階段のドアがある。それはどうしてどういうふうに非常の場合に開き、どういう手順であけるのだというようなこと、それから救助袋がありますが、その使用方法を具体的にどうするんだというような指摘はありましても、それが機能するのかしないのか、機能させることができるのかできないのかという観点がやはり査察のときの一つの着眼としてやらなければならなかったのじゃないかという気持ちを強く持っておるところでございます。
#87
○上林繁次郎君 なんだかその答弁がはっきりしないのですね。したがって、十分であったということは言い切れないでしょう。あなたは、きのうの地方行政委員会に出てきておらなかったわけですがね、大臣もその点については今後もっともっと厳重にやっていくのだということを答弁しておるわけですよ。ということは、厳重ではなかった、厳重を欠いたということを意味しているということ、これは言えるでしょう。
#88
○政府委員(降矢敬義君) 私が後段つけ加えたところが査察としては十分でなかったというところでございます。
#89
○上林繁次郎君 そこで、先ほどもちょっと申し上げたように、査察がいいかげんである、なれ合いであるというような話はこれはいま始まったことではない。消防関係の問題としてもう前々からそういった点についてはこれは言われてきたわけです。そうして、事故があると次はまあ厳重にという、こういう発言が必ず出てくる。なぜそれでは厳重な査察が、いわゆる消防庁としては、厳重にやっていきたいという考え方があるわけです。しかし、現地としてはその厳重な査察ができないという原因はどこにあるのかということをしっかりつかんでいかなければ、今後の対策は成り立っていかぬ、こう私は思うのです。消防庁はその点どういうふうにとらえておりますか。
#90
○政府委員(降矢敬義君) 確かにいま御指摘のように、この事件を見まして、私が率直に申し上げましたような査察の点において欠けるところを認めております。この点は、査察をする人間の教育の問題教養の問題もありましょうし、それから、いまこういう施設がかなりふえてまいっておりまして、なかなか手が回らないという問題もあろうかと存じます。しかしながら、いずれにいたしましても、この防災の問題につきまして私たちが消防防災という施設を義務づけるゆえんのものは、やはりこういう特殊な建物、特に不特定多数の人が出入する特定のそういう建物はこれ自体防災について社会的な責任を当然持っておる。したがって、そこの建物につきましては義務づけを順守させ、しかも同時に、その管理をまず第一次的にやるという責任を前提にしてこういう制度を考えているわけでございまして、そこの消防のほうとのかみ合いが必ずしも十分でないというところもあろうかと存じます。
 先生御指摘のように、小さい市町村におきまして現在どんどんと常備化、救急も含めまして消防の活動分野が予防、救出活動にだいぶ進んでまいりました。そういう意味で、私たちも小さな市町村におきましても組合制度によって常備消防の必要を指導してまいっておりますが、そういう中で、やはりいま先生の御指摘のような査察におけるなれ合いという姿勢が出るということになれば、これは自治体消防として二十三年の歴史を持つものとしては非常に残念でありまして、そういう点は私たちも十分教養その他についても気をつけまして、そういうことのないようにぜひやってまいりたいと、こう考えております。
#91
○上林繁次郎君 いまの答弁ですと、私が聞いていることについてあまり明確ではないんですよ。で、なれ合いのないようにやっていくという、こういうことなんですけれども、話としてはわかります。そういったこともまた何回も繰り返されて言われてきたことです。しかし、またそれが繰り返されて、こう繰り返されてきても結局はこういう事故が起きておるという、こういう現実。そういう問題、現時点において本気になって私は考えなくちゃならない問題だろう、こう思うんです。そこで、私はこの前も指摘したことがあるんですが、いわゆる市町村消防体制というこの体制に欠陥があるのじゃないか、こういう考え方がするわけです。ということは、いわゆる人事の交流が全くないといっていいんじゃないか。人事の交流がない、そういうところにいつも定着している、何かよどみが出てきている、それがいわゆるなれ合いという問題を引き起こす原因になっておるんじゃないか、私はそういうふうに感ずるわけです。ですから、どうしても人事の交流ということがなされるような体制をとらなければ、私は幾ら――消防庁が今後そういうなれ合いということについては厳重に監視もし指導もしていくんだということではあるけれども、現実の問題としてそうはいかない。というのは、いままでがそれを証明しておる。ですから、何らかの、いままでの体制そのままでなくて、言うならば、抜本的な体制をここでもって検討し直さなきゃならないのじゃないか、私はこう思うわけです。その点について長官はどういうような考え方を持っておるのか、ひとつお聞かせ願いたい。
#92
○政府委員(降矢敬義君) 市町村消防体制を抜本的に改正をするというお話であります。そうすれば、従来一部でいわれております府県消防というような考え方もありましょうし、もっと広い区域で消防を担当するような、そういう組織というものを考えるという考え方があろうと思います。この点は私は基本的にどうも賛成できない点であります。これはなるほど予防行政といいますか、こういう施設関係の問題は多少査察という、立ち入りという面から見て権力的な要素は、これは払拭することができませんけれども、しかし、そもそも消防という性格から見てそういうものであるかどうかというところは、私はやはり考えなければいけませんので、今日家庭救急とか、あるいは一般の救急とか、家庭防火とか、こういうものにかなり現在消防は力を入れてまいっております。したがって、人事の交流という面から見ますれば、交流についてのしかけを私たちやはり真剣に考えなくちゃいけませんけれども、しかし、直ちにいまの市町村消防体制というものを抜本的なものとして、つまり自治体の市町村消防というものをもう少し違ったかっこうに直ちに直すべきかどうかということについては、私は直ちに賛成できません。
#93
○上林繁次郎君 それじゃ、賛成できないということはわかるけれども、あなたの言ったそれ自体、そのことば自体はわかる。だけれども、先ほどから言っているように、査察という問題が徹底されていたならば、こういう今回のような事故ももっと軽微に済んだのではないかということは、きのうの地行委員会においても論及されてきているわけです。それも、大臣も認めておった。ですから、そういう重要な問題、その重要な問題についてあなたが消防庁長官としてただ賛成しかねるという、そういう話は私は聞けないということです。それじゃ、どういう根拠によって賛成できないのか。それじゃ、その査察というものをどういうふうに厳重にこれからやっていくのか。いままで何回も同じことが繰り返されたんですよ。だから、ここでもって、そういう体制の、何といいますか、欠陥というか、そういういわゆる市町村消防という体制、人事の交流が全然ないというようなそういう体制が、いわゆるなれ合い査察というような形になってあらわれてきているんじゃないかということなんで、その点をもっとあなたが真剣に考えなければならない、検討しなければならない私は問題だと思う。それを、ただ根拠もなくして賛成できないというあなたの答弁については私は納得できない。
#94
○政府委員(降矢敬義君) 人事の交流あるいは予防査察というやり方それ自体と、それから直ちに現在の市町村消防という体制を根本からくつがえして別なものにするということについては、私は直接結びつける考えは持っておりませんと、そういう意味でございまして、査察の問題につきましては、確かに御指摘の問題がございました。たとえば椿温泉ホテルのような点についても、前に地方行政委員会で御指摘を受けました。その後、あそこの市町村消防を中心に、県も入りまして全く体制を一変いたしました。消防法によっては告発までできるようなしかけでありますし、また、むしろ査察というようなものよりもどこが悪いかという、欠陥があるところを公表をする。現に、ある地方団体では旅館の査察をして、こういう旅館は欠陥があるということをソウル火災の直後に出した例もございます。そうすれば、やっぱりお客さんのキャンセルの出る事例もありますので、そういう姿勢をだんだんとってきておりますので、ここは私たちはそういうことをお願いもし、また当然私たちの行政のベースで考えるべきことでありますので、そこは、私たちは十分先生の御意を体しまして、それで、いまのようなことのないようにいたしたいと、こう思っているわけであります。
 それから、確かに私、この具体の「プレイタウン」の査察について、やり方について欠陥があると申しました。それは、実際、非常の場合どう動くかという問題を抜きにして、いわば規制的な査察をやっておったわけでございます。おそらく、私はきのう衆議院のほうに出ておりましたので、直接大臣の御答弁を聞いておりませんけれども、屋上に上がる階段とクロークのうしろにある階段のとびらが開かれておれば当然多くの人が、かように多くの人が煙に巻き込まれることがなかったことは想像にかたくないわけでございます。ところが、そのキーは、私たちがいままで仕入れた情報では支配人が持っておったわけでございますが、それがどうしたことか、その点はよくまだ調べておりませんけれども、開くこともせずに避難してしまったというような事実がございまして、査察のやり方のときに、もう少しそこの点を、非常の場合どう作動するかという、そういう点を気をつければ、この問題についてはかなり多くの方々の犠牲を救えたのではないかということを率直に感じている次第でございます。そういう意味におきまして、先生の御指摘のこの行政におけるなれ合いというものを、すぐ現行の市町村消防を抜本的に改正すると言う前に、もう少し私たちは御指摘の点を十分踏まえてやっていかなきゃならぬ、こういうふうに考えている次第でございます。
#95
○上林繁次郎君 これを何回も繰り返しても同じような答弁しか出てこないような感じがしますので、この辺でやめますが、御承知のように千葉の田畑というデパートが焼けた。あれは何回も継ぎ足しをやっておる。で、スプリンクラーですか、この設備をするように言われておってもそれができない。第一次、第二次、第三次工事が進んでいる。そのいわゆる一次のときに言われて、じゃ二次のときに、三次のときにと、だんだんだん延びていって、もしそれが完備しておったならば、あそこまで大事故にはならなかったであろうと、こういう、あとでのいわゆる批評もあった。あるいはまた、そのほか大火のあったこのあとを振り返って見ると、もうほとんどいわゆる消防設備の欠陥、そういったものがそのままであったという場合がほとんどなんです。ですから、そこをじゃなぜそういうふうになるのか、そこを見きわめ、そうしてそれを排除していく努力をしていかなければ、いつまでたったって査察というのはかっこうだけであって、何の効果もあがらない。いつの場合もそれが繰り返されるとするならば、これはたいへんな責任問題ですよ。ですから、私は、そういうような意味でこの問題を取り上げたわけですけれども、まああなたの答弁については私は納得しません。しかし、前向きに取り組んでやっていくんだということについては評価しましょう。で、きりがありませんので、この辺でとめておきますけれども。
 次に、この今回の火災は、火災によって死亡者が百十七名、これはほとんどがいわゆる有毒ガスによって被害を受けている、犠牲者を出した、こういうことなんだ。そこで、まあ先日も今国会で消防法の一部改正、その中に防火カーテンの義務づけ、これがなされているわけです。法律できまったわけです。きまったわけですが、これだって先ほど佐々木先生のほうからもちょっと話がありましたけれども、これはいわゆるある程度不燃焼じゃない。やはり完全に燃えるのは燃えちゃう、と同時にガスを発生するわけですよ。ですから、そういう今回の火災の傾向を見ると、ほんとに煙でやられているという、そうなると、この間消防法の一部改正の中に防火カーテンの義務づけがなされたけれども一、そういった点については配慮はなされておらないので、この点についても今後は配慮していかなければならない。こういうことが言えると思います。なお、この新建材の問題については、もう前々から言われておるわけです。先ほどの答弁ではその開発をいまやっておりますと、こういうお話がありました。そこで、その開発がどの程度まで進んでおるのか。そしてどの程度まで進んでおり、また今後の見通し、こういったものはどの程度まで見通せるのか。また、開発されておるのかという点について、ひとつまあ報告をしていただきましょう。
#96
○説明員(仲矢鍜君) 建材のほうにつきましては窯建課長が参っておりますので、窯建課長から御答弁申し上げますが、繊維関係についてお答えいたします。
 先生おっしゃいますとおり、難燃性と申し上げましても、燃えないんではございませんで、燃えにくいというのが実態でございます。燃えない繊維といいますのは、たいへん妙な言い方でございますけれども、本来燃えるものだ、繊維というものは。それで現在そういう意味で繊維に何らかの加工をいたしまして燃えにくいものをつくる。それで煙につきましては、逆にへんな言い方でございますけれども、燃えにくいものが燃えると煙をたくさん出すんでございます。実は私どもこれはたいへんわれながら矛盾を感じているんでございますけれども、よく燃えると、いわゆる完全燃焼というようなことで煙は出ない。燃えにくいものが燃えると煙もたくさん出す可能性があるわけでございます。そういう意味で、先生のおっしゃいます難燃性というものと煙の出ないというものを、どうバランスさしたらいいかと、実はこれが私ども悩みの種でございます。
 それからもう一つ難燃加工といいますのは、まあ繊維原料、これはまあ天然のものであれ、あるいは合成、人造のものであれ、それに何らかの意味の燃えにくい物質を加えるわけでございます。それでちょっとした火あるいは炎が一回ぐらいなぜたくらいでは燃えないような意味での難燃性はあり得るわけでございますけれども、今度はそれが高い熱で燃え出しますと、別のいわゆる毒ガスといわれるようなガスを出す可能性もあるわけです。その辺で、どういう難燃性の繊維を開発すれば、ほんとうの意味でこういう災害防止に役立つのかという点は、なかなかかれこれその辺の客観情勢あるいは燃え方なり燃える量なりあるいは燃える時間なりというものの相関関係、この辺が微妙にからまっておりまして、実はこれが一番いいんだというところの解明はまだいたしておりませんもので、まことに申しわけないのでございますけれども、非常にむずかしい問題でございます。
 ただ、考えられる限り、いろいろな材料を使いまして、それぞれの開発をいたしております。それで、これはそれぞれいろいろな種類の難燃性繊維を開発してございますけれども、一長一短がございまして、なかなかこれがいいというようなものまではまだ至っていないと申し上げるのが正直なところかと思います。
#97
○上林繁次郎君 そうすると困りますね。消防庁でそういう状態のようですけれどもね、今回の火災を見ても、煙でやられているわけです。焼死という方はほとんどといっていいくらいいらっしゃらない。煙がほとんどだ。あるいはまた飛びおりだ。そういったことなんですけれども、こういうものの開発はどうも困ったものだと、こういう答弁なんですよ。
 消防法の一部改正で、燃えにくいカーテンの使用ということについて義務づけられたわけですけれども、これからどうするかということです。そういったことに対する対策、その点ひとつ伺いたい。
#98
○説明員(原野律郎君) 建材関係の燃焼性の問題について御説明させていただきます。
 建材につきましては、御承知のとおり、公共事業等需要の関係から日本工業標準規格、いわゆるJISマークの表示制度というものが非常に普及しております。このJISの中におきましては、たとえばJIS・Aの一三一二というのがございますが、これは建築物の内装材料及び工法の難燃性の試験によって規格したものでございますが、すでにこうしたJISの規格におきまして、燃焼性の問題からさらに煙の問題まで含めまして規格ができておる。したがいまして、JISマークのつきました建材につきましては、その煙の発生量につきましても一応規定されておるわけです。しかし、いわゆる先生御指摘の新建材と称せられますものは、このJISの制度になじみにくいものが非常に多いわけです。と申しますのは、この建材それ自身がまだ品質、性能的にも改善途上のものであり、あるいは製造方法につきましても固定していないというようなことから、なかなかなじみにくい。そのために、JISの表示制度からはずれた品物が市販に出回ることになりかねない。で、こういったことをほうっておきますのは、これは消費者の選択に非常に御迷惑をかけることになりますので、私どもは昨年度から新建材の認証制度というものを発足させて、新建材の中でも優良品につきましては、単に燃焼性だけではなくて、そのほか遮音性であるとか強度であるとか、あるいは断熱性であるとかというような、使用部分に応じました各種の必要性能を試験いたしまして、その優良品を通産大臣が認証するという形で新建材の選択に便宜をはかっております。また、これはどちらかと申しますと、優良な新建材を世に出すという考え方でございますが、市販建材の中にはかなり危険なものもあるかと思われますので、そうした悪貨を駆逐するという考えにつきましては、私ども四十七年度から市販建材の買い上げ試験というのを実施することにいたしておりまして、市販されております建材を買い上げて、これの燃焼性その他試験をする。特に四十七年度におきましてはプラスチック建材というものを中心として試買検査をやっていきたい。そして悪いものはこれを公表してどんどん駆逐していきたいというふうに考えております。
 なお、そのほか全般的な問題といたしましては、実は私どものほうに軽工業生産技術審議会というのがございまして、その中に燃焼性部会というのを設けて、建材の燃焼性の問題全般について検討しておる。あるいは工業技術院の傘下の試験所におきまして不燃材料の開発研究をやっておるというような各種の措置を講じておるつもりでございますが、何しい新建材は非常に数が多いものでございますから、こうした制度をより一そう強力に普及してまいるというふうに考えております。
#99
○上林繁次郎君 もう時間がありませんから最後にしたいと思うんですけれども、第十条の先ほど危険な建物については点検をやっていく、こういうことであります。これについての総点検をまずいつごろからやるのか、この時期、それから第十条の適用を受けた建物の所有者、これに対してはこの適用を受けた対象については徹底したいわゆる措置をとるのか、その腹があるのかどうか。
 それから、これは消防庁のほうにはそれらの危険いわゆる十条の適用を受けた建物というのは防火設備、こういうものは非常に欠如しておるといっていいと思うんです。それについて徹底したこれもその指導をし、またその設備をさせるか、させる腹があるのかということですね。
 もう一つは、これは佐々木先生が触れたかと思うんですけれども、その場合資金面で非常に問題一が起きてくる場合がある。それらについては特別にどういうような措置を考えていくか、この三点についてひとつお答え願いたい。それで終わりたい。
#100
○説明員(救仁郷斉君) 昨日、次官通達で総点検の指示をいたしました。この時期につきましては、大阪市では昨日から消防当局と一緒になって点検を開始しているという報告を受けております。しかしながら、従来は一週間とか二週間とかあるいは一カ月とかいうおざなりの点検に終わるというきらいがございましたので、今回の場合には、そういったおざなりの期日、あるいは実は今週の十九日の日に六大都市の建築行政の担当の部長を集めまして、そうして集まったときに、そういった点検の方法、時期、それから対象、そういうものの計画を持ってこいという指示を出しております。そして十九日の会議におきましてなおそれを打ち合わせまして必要な指示を与えたい、こういうふうに考えております。それから、そういった点検に基づきまして十条の命令を出すことになると思いますが、これは当然小さいものから非常に危険なものまでいろんな段階があろうかと思います。したがって、これに関しましては、当然ある程度の段階に応じて猶予期限というものが現実問題として必要になろうかと思います。そういったことで改修を命じ、もし聞かない場合には、使用禁止命令を出すというような強い態度で臨みたいと思います。しかしながら御質問のように、といって金がなければ、これは動かないということが現実に言えるというようなことでございまして、これにつきましては先ほど厚生省のほうからもお話がございましたように、そういった勧告なり、命令を出したときにはいわゆる環境衛生金融公庫の対象となる業種につきましては、昨年度から融資の道が優先的に開かれております。
 なお、そのほかの業種につきましても、来年度の予算におきましていろいろな政府系統の金融機関と交渉いたしまして融資の道が開かれるように努力してまいりたい、こういうように考えて余ります。
#101
○政府委員(降矢敬義君) 消防のほうもさっそく指示をいたしまして、東京、大阪を初めとして複合用途ビルを中心に器具の点検と、先ほど言いました予防査察のやり方を変えてやり始めております。その結果は、大体二十日程度くらいには新しくなりました十大都市までは至急まとめたいと思っております。
  〔委員長退席、理事小林国司君着席〕
 それから改善につきましては、当然これを改善させるようにいたします。
 同時に問題は、前からいわれております資金の問題でございます。この点につきましては、いま政府関係金融機関の話がありましたが、旅館のときには県単の助成というものを三十件近くやっていただきました。今回もこういう事態にかんがみまして、私どものほうでは県単の融資というものについても府県等を指導して旅館、ホテルの改善と同じようなことを至急やっていただくようにぜひやりたいと思っております。
#102
○向井長年君 私は、先ほどから各委員が質問されましたので、重複する点が非常に多いかと思いますのでこれはもう省きたいと思います。
 基本的な問題について特に消防庁長官あるいは建設省等に質問いたしますが、どうでしょうか、今回の惨事といいますか、この事故ですね、これは私の知る範囲においては、これは戦争は別ですよ、戦争で人の殺し合いをするのは別、あるいは私たちが子供のじぶんの関東大震災これも別です。その後、言うならば、船の事故あるいは飛行機の事故、こういう以外を除けば地上の火災事故でこれだけの災害を出した、あるいは人命を、いわゆる死傷者を出したということは私は初めてだと思うのですよ。おそらく皆さんもそう思われませんか。そうなりますと、非常に重大な事故なんですよ。したがって、この事故に対して、私はもちろん原因はいかほどにあったかという問題を探究することはあたりまえだと思います。本来であるならば建設省なり消防庁に、この事故かますます拡大した原因は何ゆえにあったかということを聞きたいのですが、これは先ほどから皆さんも聞いておられますし、そしてここに資料も若干出ておりますので私はこれはやめます。
 しからば今回の惨事に対して、先ほどもお話がありましたが、消防庁としても、あるいは建設省としても、これは十分な基準法に基づいたりあるいは消防法に基づいて十分な設備なりあるいはまた建築構造があったということは言い切れないと言っておりますね。これは認めます。これに対してそうすれば今後の問題になると思う。
 しからばまず私はここでお聞きしたいことは、特に大阪の中でああいう事故が起きたのですが、いま私は消防庁長官に質問をしておりますけれども、消防庁長官は自治消防に対してどれだけの権限があるのですか、行政上の権限、言うならば防火の問題あるいはまた人命救助の問題、こうあらねばならぬ一つの消防法なり、それぞれの法律でそれはさまっておりますけれども、その行政上の権限というものは那辺にあるのか。またその権限を実行するために、言うならば不足する予算があるかと思います。おそらくこれは中央の助成もあれば、地方自治においても消防の設備に対する予算もある。あるいはその他の改善の予算もあると思いますが、こういう問題について、消防庁長官はどういう権限を持っておられるか、どこまでこれを徹底できるのか、この点私はまずお聞きしたいと思います。
#103
○政府委員(降矢敬義君) 消防法が二十三年にできましたときに、警察から分離いたしまして、自治体、市町村消防として発足いたしました。そして消防組織法の中に、市町村はその区域の中における消防について全責任を持つ、都道府県知事及び国の行政管理に服さないという規定がございます。したがいまして、大原則は、市町村が自分の考え方に従って、自分で市町村内における責任を果たすと、それで他からの容喙を受けないという大原則になっております。しかしながら、これは、全国的にある程度当然レベルの水準をそろえなけりゃなりませんし、そういう意味から、消防庁は、いまの消防力の基準とか、そういうものについて告示をいたしまして、それに従って指導をするというのが一つのやり方、それから、もちろん地震その他の非常災害の場合におきまして、新潟の地震その他の場合におきましては、現地の消防の要請に基づきまして、他の府県に対して、他の市町村に対して応援要請をするというような権限が認められておるわけでございます。
 ただ、消防行政の中で一つ違いますところは、危険物行政であります。これは、従来、三十四年までは普通の消防行政と同様に、市町村の責任において条例でいろんな規制をやるしかけになっておりました。しかし、危険物、石油類を中心にした需要が拡大し、それの使用形態が非常に複雑になってまいりました。そこでこれは、法律で一定の規制をしまして、これのとおりやるというしかけにいたしたわけでございます。
 それからもう一つは、いま問題になっていますこういういろんな施設に対しまして、特定の消防施設を義務づけるようにいたしたのも、三十六年でございます。病院、ホテル、キャバレー、こういうものについて消防、防火上必要な施設を強制設置するようになりましたのも三十六年でございます。こういう法律的な制度の立案によって、それを強制し、それを実施させ、さらに査察をする権限は市町村の責任と、こういうことになっておるわけでございます。
#104
○向井長年君 そうすると、消防庁長官というりっぱな名前をもらっておっても、地方自治に対する言うならば、教育、指導はこれはやることができますが、具体的に命令権もないわけですね。言うならば、法律で規定されたものはいいが、それ以上に、こうしなければならぬというようなことの命令権はもちろんないと、そういうことですか。そうなってまいりますと、これは、私たちが消防庁長官を一生懸命責めておっても、実際は、大阪の災害だったら、大阪の府の地方自治の問題が中心になってくると思うんですよ。少なくとも、やはり日本の消防全般として、これは一つの法律で規制しようと、法律をつくろうというのには、やはり消防庁長官に、十分なやはり、強制力と言うのはどうかと思いますが、義務を持たすだけのなにを持たなきゃならぬという感じを持ちませんか。あなたが今日まで行政をやってきている中で、非常に不備な状態を感じませんか。その点いかがですか。
#105
○政府委員(降矢敬義君) 長官の個別の指示によって市町村消防を義務づけるということではなしに、国会の議決を得ました法律によって、たとえば、いまのような予防査察をしなけりゃならぬというような一つ一つの義務づけは、法律によってこれをやろうというたてまえをとっているわけでございます。法律で義務づけられておる義務を履行するについて、どういう技術的な方法があるか、どうしたらいいかというようなことは、私のほうで全国的な指導を行なう、こういうたてまえにしていまして、行政について個別的に一々指示をするということではなしに、法律でこれを義務づけるというたてまえをとっております。
#106
○向井長年君 そうしますと、最近、高層ビルがどんどん建ってますね、都市においては。これに対して、先ほどもいろんな質問がありましたが、それに対する機材の整備等もみんなやらなければならぬでしょう。やっていかなければ追っつかぬ、ビルに対しても追っつかぬ。こういう状態に対しては、市町村が中心になって予算化もし、そうしてやるのであって、あなたが、それに対応した機材整備なり、あるいはそれに対する措置を、指導したり教育したりするということは、それはできないのですか。
#107
○政府委員(降矢敬義君) 機材の整備につきましてどういうような計画でやるかということについて、私たちは、個々の市町村の積み上げによる五カ年計画を作成して、それによって指導をする、これは当然であります。
  〔理事小林国司君退席、委員長着席〕
 ただ、指導をする場合に、私たちは、当然、財政的な措置を伴わなければこれは具体の指導になりません。そこで、計画に基づきまして毎年予算要求をいたして、先ほど申し上げましたように、化学車とかあるいははしご車とか、こういうものを中心にした予算の補助をすることが第一点でございます。
 それから第二点は、当然、その裏負担に伴う起債を認めるわけでございます。
 第三点は、これは市町村行政、あるいは他の府県行政も同様でございますが、地方交付税の基準財政需要のワクにその五カ年計画に基づいた所要の経費を算入して、一般財源としてこれを市町村に交付する、こういう裏づけのもとに、この施設の充実について指導をする、こういうたてまえにしています。
#108
○向井長年君 そうすると、消防庁長官は、いま国の予算で各市町村へ助成していますね、そういう問題で、消防に対する、あるいは防火に対する、あらゆる機材なりその他の問題について、十分であると思いますか。現状は完備されておると思いますか。
#109
○政府委員(降矢敬義君) ここがなかなかむずかしいところでございまして、要するに、市町村の財源と見合って個々の市町村が予算化するわけでございます。私のほうから、これだけ補助金をやるから予算化しろと言うことは、これはできないわけでございます。そこで、私たちは、化学車とか消防車とかというものについては、単価アップもいたしましたり、裏負担の財源もつけてやることであるので、しかもその年ごとに、その年その年、市町村ごとに、危険区域とかあるいはコンビナート地帯とか山林地帯とか、こういうようなところで、過去のいろいろなデータからして、火災危険の度合いというものを、ある程度私たちのところでも判定しているわけでございます。そういうことからして、その市町村に勧奨をしてそれを具体化すると、こういうことにしてあるわけでございます。
#110
○向井長年君 そういうような情勢の中で、今回の大阪の惨事に対して、ビル消火といいますか、この間もやっておられるし、私もテレビでずっと朝まで見ておりましたが、この消火に対する設備、機材、これは十分だったと思いますか。
 それからもう一つは、人命救助に対する機材が十分であったと思いますか。
 起きたものはしようないとして、それに対する消火あるいは人命救助、あれで十分だったという感じを持ちますか。
#111
○政府委員(降矢敬義君) まず第一は、人命救助の問題であります。
 これは二つあると思います。一つは、はしご車によって救助したという問題であります。あすこの地形を先生御案内かと存じますが、あすこに七台はしご車が張りついたわけでございます。あれ以上はおそらく張りつけないと思います、地形的に。したがって、三十メートル以上のはしご車があれだけ張りついて救助をした、窓からからだを乗り出した人を次々に出したということで、しかも、先ほどちょっと御説明申し上げましたが、はしご車によって救助をする活動としては、きわめて異例な救助活動でございました。あれは、ワゴンでやっぱり安全にして下におろしてくるというエレベーター式でございますが、それを、はしごを使って下でささえながら救助したということでございまして、私は少なくともはしご車の状況については今回十分にやれるだけはやったというふうに判断しております。それからまた救助活動の場合は、ああいう煙の中でもそうでありますが、防火、防煙の措置をして、しかもマスクをつけて、そして中へ入って救助をするというやり方がございます。あるいは先ほど私が御報告申し上げましたように、覚知してから四分で現場に到着しております。そのときに消防隊は一部は二階まで、一部は五階までそれぞれ階段を伝わって行っておりますが、すでに異常な熱気でありまして、それ以上はとうてい進入することができなかったわけでございます。したがって、外からシュノーケル車によって消火活動を行なったということで、少なくとも、今回のあの現場における消防の機材あるいは活動として全く不十分であったという評価は私は全然いたしておりません。
#112
○向井長年君 あなたは質問の趣旨を取り違えておるのだ。私も見ておって十分といいますか、一生懸命に人命救助をやろうとして努力されておる姿も見ておりますしね。それは現在持っておる機材で一生懸命やったんでしょう。あの機材で十分かと私は聞いている。大阪で七台はしご車が行ったけれども、そしてまたいろんな救命袋を持っていったが、あれは間に合わなかったけれども、現在ある機材で十分やられたかしらぬが、あの機材で現在の高層建築物がどんどんできておる中で十分であるのかと、こう言いたい。大阪の場合に何メートルあったか知りませんが、ああいう七階の諸君を救助するために、あれで機材が十分であったのですか、機材が十分でなかったのですか。この点どうですか。
#113
○政府委員(降矢敬義君) 先ほど申し上げましたとおり、はしご車につきましては、私たちの定めておる大阪市の所有すべきものとして基準を算定しますと、全体で二十二台ということになるわけでございますが、そのうちはしご車は全部で十六台でありますので、なお不足しております。
#114
○向井長年君 私しろうとですが、われわれから考えた場合に、あの中で被害者が窓から手を出している、ああいう諸君をもっと高いはしご車で救助できる方法があるのじゃないかという感じがする、これはしろうとが見て。しかしあのはしご車ではできないのですよ、一生懸命やられておっても。機材をもっと整備する、あるいはりっぱな機材をつくる。あれでは不十分じゃないか、こういうことを私は聞いておるのですよ。中へ入るとか、なんとかいうことじゃないのだ。そういうことができ得たのじゃないか、こういうような感じを持つわけです。あるいはまた救命袋にしてももう少しこれを完備した形で十分利用するしかたがあったのじゃないか、こういうことを私は聞いておるので、あのやった人たちが不十分であったという私は責め方をしておるのじゃない。十分やられたと思う。しかしあれでは、あの機材では不備ではないか、これからどんどん高い建物ができてくるが、それに即応した機材というものをつくらなきゃいかぬのじゃないか。これは技術的な問題もありますが、それに対して消防庁長官はどう考えるか、こう聞いているのですよ。
#115
○政府委員(降矢敬義君) 現在はしご車の開発として最高のものは四十一メートルでございます。しかし私も経験いたしましたが、相当な高さでございまして、しかも、それがおそらく技術的に現在のところ限度でございます。そこで、それ以上の建物につきましては、昨年の建築基準法の改正で建物自体において避難救助の特別の義務づけがなされたわけでございます。私たちは先生おっしゃるとおり、今度も三十メートル以上のはしご車があそこに七台出動したわけでございます。高さが二十二メートルでございまして、したがってはしご車をもって救助する高さとしては十分余力があったわけでございます。それからあの地形において七台出動した。あの配置はあれ以上とても配置できないような状況であったわけでございます。しかし総体的に高層ビルができる場合に、現在のはしご車の開発で十分かといえば、技術的にいま四十一メートルまでのはしご車が開発されましたけれども、なおそれの研究が進めば、二、三年前までは三十メートルであったわけでありますから、この二、三年の間に四十一メートルまで開発がされたという実績がございますので、御指摘のことば十分考えていかなければならない、こう考えております。
#116
○向井長年君 もう一つ。人命袋ですか、あの設備は常備しているわけではないでしょう。おそらく消防署から持っていっているんではないですか。それだったら、そういう設備をもっとたくさんしたらどうですか。あれ幾つ下にやられたのですか。私はテレビで一つしか見ていないけれども、ああいうものは各所にやはりつくって、昔はみなやっていましたね。三階か二階くらいだったらあれをもっとたくさんつくって、非常の場合はあれを使うと、こういうことも今後できるのではないですか。それだから、機材が十分ではなかったのじゃないかという感じがする。だからそういう点についてのもちろん使い方、あるいは入り方の教育は必要ですよ。しかし、そういうことに対してのなには私は全く不十分なような感じがする。この点どうですか、今後の問題として。
#117
○政府委員(降矢敬義君) 救助袋も一つの避難器具というような部類でございます。ああいう避難器具類につきましては、消防法によって特定の施設には、それぞれの施主が自分でこれをつけるということにしたのであります。それは避難袋、あるいは屋外階段、そういうものを組み合わせまして、全体として、この施設としてこういう避難の手順、手立てがあるという中で施主が行なう、こういうことになっているわけでございます。で、御指摘のように、したがって使い方を知っておらなければならないというのは、そこにいる現場の人が一番やはり誘導するために使い方を知らなければならない、こういう問題でございます。
#118
○向井長年君 これは建設省ですか、やはりああいう寄り合い世帯みたいな、総合ビルみたいなところの貸しビル、あるいはこの間のようないろいろな種別の諸君が入っている、こういうものに対する管理といいますか、そういうものに対する管理はどこが見るのですか、これはやはり消防庁ですか。
#119
○政府委員(降矢敬義君) 今度のビルのような、いろいろな業種がそれぞれ権限を持ってそこを使用しているという、私たちは複合用途ビルと申しておりますが、こういうものにつきましては、防火の管理はそれぞれの施主において行う、したがって、消防法の設備の強制も、それぞれの施設ごとに判定をしてやらせる、こういうしかけにしてあります。
#120
○向井長年君 いろいろありますが、時間があまりありませんから……。
 実はこれは、まずやはりこういう火災等の事故を起こさない。言うなれば予防、このためのやはりあらゆる施設の完備、あるいは建築構造の改善、あるいは教育訓練といいますか、そして査察、こういう問題からやはり事故を起こさない一つのその推進をしなければならない、これがまず第一、これがやはり今回の場合を見ても不十分であった、これがまず言えると思います。続いて、そういっても事故が起きた場合には、どうするかというのが第二番目だと思うのです。そうでしょう。しかし事故が起きた場合においては、やはりまず消火の問題、あるいは人命救助の問題、こういう問題が伴ってくると思うのです。そうすれば、消火に対しては現在の機材でいいのか、人員でいいのか、あるいはまた建築構造がこれでいいのか、あるいは救助に対する方法なり、この機材整備がこれでいいのか、これが私は第二番目の問題になると思うのです。先ほどから皆さん質問しているところもそういうところにあったと思うのです。こういう問題について、私は、いまどうということは言いませんけれども、具体的にやはりこれは十分な措置が必要ならば法律をつくって、あるいは予算化もして、地方自治に対しても、あるいは国においてもこれをやらなければ、常に災害が起こってから、私たちが原因究明だ、今後どうしよう、こればかり言っているわけでしょう。今回のような大惨事に対しては徹底して、これは建設省にしても、消防庁にしても私はやらなければならないと思うのですよ。この点についてどうですか。
#121
○政府委員(降矢敬義君) 御説全くそのとおりでございます。先ほども決意を表明いたしましたが、御指摘の点に沿うて十分今回措置をするという覚悟でございます。
#122
○説明員(救仁郷斉君) 全く御指摘のとおりでございまして、建設省といたしましても、さっそくこの火災を科学的に分析いたしますために、消防庁と御一緒に調査委員会をつくりまして、そうして調査委員会の結論を待って必要な法令の規定の改正が必要であればしたい、こういうふうに考えております。
#123
○向井長年君 最後に一つ。労働省来ておられますか。
#124
○委員長(小柳勇君) おりません。帰りました。
#125
○向井長年君 帰ったって、ぼくば要求しておったんですよ。――それでは終わります。
#126
○須藤五郎君 私は、十五日にさっそく大阪へ調査に行ってまいりまして、まだ焼けあとそのまま、死体はもう片づけられてありませんでしたが、そのほかのものはもうそのままになって水が川のように階段を流れておる。そういうまだガスのにおいもしておるというような、その中でずっと大阪の消防局の中田さんの案内でずっと見てまいったわけです。ですから、私の質問はかなり具体的な質問になるかと思いますから、皆さんも具体的に答えていただきたい。それから、私は皆さんを詰問する、責任を問うというような立場で質問をするんじゃありません。これからどうするかという点で、皆さんと一緒に考えていきたいという点で質問するんですから、あまり言いわけ的な答弁に時間をとらないように気をつけてもらいたいと思うんです。
 まず第一に、防火管理者の選任、消防計画の作成について、消防法第八条によりますと、今回多くの犠牲者を出した「プレイタウン」は、二項で防火管理者を選任し、それを届け出ることとなっており、また、消防計画の作成、それに基づく消火、通報、避難訓練の実施などが義務づけられておると思うんですね。それからまた千日ビル全体としましては、同条の二によりまして、共同防火管理の協議を行ない、防火管理上の必要な事項を定めて届け出ること、二項は共同防火管理協議会の代表者の選任などが義務づけられておると思うんです。ところが「プレイタウン」、千日ビルにつきまして、これらの義務は厳重に守られておったかどうかということです。
#127
○政府委員(降矢敬義君) 千日デパート、それから「プレイタウン」、それから「ニチイ」、この三の施設につきましては、防火管理者の届け出がございました。ただ、この施設についての消防計画の策定はございません。それから第二の、全体としての共同防火管理及びそれに基づく消防計画の作成、この点は全然ございませんでした。
#128
○須藤五郎君 そうすると、この「プレイタウン」はそういう条項があるにもかかわらず、それが守られていなかったということになるわけですね。そうすると、これを守らせる義務は一体どこにあるかということになるんですが、法律ができてもそれを守る義務を怠っておる者を放置しておくというならば、法律を幾らつくっても一意味がないということになるんですが、どこの責任になりますか。
#129
○政府委員(降矢敬義君) 消防計画をつくっておりませんので、この作成の権原を有する者に、つまり防火管理者の任命権者である施設の責任者、それに消防計画の策定を消防当局において命令をするという規定を昨年の改正で入れていただきました。したがって、それをつくらせる、つくらないものにつくらせるという権原は消防当局にございます。
#130
○須藤五郎君 そうすると、やはりそれがちゃんとできてなかったということについては、あなたたちも責任の一端を負わなきゃならぬということになりますが、あなたたちが幾ら責任を持っても今後こういうことが繰り返されるのでは意味がないと思うのですね。私たちはあなたの責任を追及する前に、こういうことを再びないように処置していっていただきたい、こういう立場なんですから、まあしてなかったということがはっきりすれば、今後はそういうことがないように十分あなたたちがやっていくと、こういう決意だろうと思いますが、その決意には間違いがありませんね。必ずやらせますね。
#131
○政府委員(降矢敬義君) その点は確かにわれわれ指導をする立場においても遺憾に考えておりまして、いま最後に言われましたような決意をもって今回査察も具体的にやらせ、そういう結果に基づいた欠陥は必ず是正させるようにいたしたいと思っております。
#132
○須藤五郎君 千日ビル全体としまして義務づけられている共同防火管理上の届け出事項は、私の聞くところによりますと昭和三十八年九月に届けられておったと聞くのですが、それは事実でしょうか。またそれは、そのことは、その後点検も改善もされていなかったということでしょうか。そういうことが届けられておって今日のようなことになるということは、点検も改善も何もされていなかったということでしょうか。「プレイタウン」の消防計画は一体作成されておったのかどうか。これらの防火管理者の選任、届け出、消防計画の作成などがされていたとしましても、その後の適切な指導が必要であると私は思うのですね。「プレイタウン」、千日ビルにつきましてどのような指導がされていたとあなたは報告を受けていらっしゃいますか。
#133
○政府委員(降矢敬義君) いま御指摘の、三十八年の十二月に千日ビル全体としての消防計画の提出はございました。しかしながら、その後少し形態が変わりまして、その三つの施設の権原者がそれぞれ分かれたわけでございます。したがって、消防計画は施設ごとに作成することになっておりますので、その点三十八年十月に出された消防計画は事実に反することになったわけでございます。そこで、四十六年の六月に南消防署のほうで三者を、権原三者を呼びまして、それでまず第一番に三者ごとの消防計画をつくるということと、それから同時に、全体としてまとまった共同防火管理として必要な消防計画の作成をするように、そのところで話し合いをさせたわけでございます。それが四十六年の六月にやったわけでございます。そのときに三者の間で話し合いがまとまらずに、協議会を設置するには至っていなかったということでございます。
#134
○須藤五郎君 まあいまから思い返せば非常にまあこちらがもう責任が放置されておったように私は受け取れますよ。あなたの答弁によりますとね。指導はしたが、指導は実質的にはしていないというようなね。そういう状態を放置しておったということは、やっぱり今後の災害を起こした私は大きな原因になってきておると思うのです。その点大阪の消防局のみならず、消防庁も責任を感じて今後再びこういうことのないように、今後はしっかりと責任を持って指導なり計画を立てていってもらいたい、こういうことを私はあなたに申しますよ。要請しますよ。そのことはそのとおり必ずやっていただきたい、いいですね。
#135
○政府委員(降矢敬義君) 先ほどから申し上げておりますとおり、すぐに具体のこういう施設の点検に入らせております。その点検が大体二十日までにはまとまりますし、また、その点検の結果何をしたかということも私たち確かめまして、そうして具体的災害のいま御指摘のような措置を必ずやらせるようにいたしたい、こう考えております。
#136
○須藤五郎君 次に、「プレイタウン」内の遺体の状況は、犠牲者たちが何の誘導も受けず、出口を求めて混乱するうちに死亡したということを示しております。テレビでもごらんになればそのことがわかるのですが、犠牲者の中には保安係の人も含まれておるのですね。また避難袋の口もあけられていないなど、ふだんの防火管理が十分に行なわれてきたならば、これまであのような惨事は私は起きなかったのではないかと思うのです。特にこの点を私は質問するわけです。
 私が見に行きまして聞いたところによりますと、これも市の消防局の中田君の話でしたが、支配人すらも非常階段を知らないのです。そうして消防車に救助されておる。ところがその支配人がドアのかぎを持っておった。こんなことがこれまでほうっておかれたということはたいへんなことだと思うのですね。これでは災害が起こるのは当然のことだと思うのです。そうして私は、まあ死体の話が出ましたから、ここで、質問の順序が少し違いますが、この地図を皆さんに示して申し上げたい。
 ここが「プレイタウン」のボックス席です。そうすると、私はこのらせん階段を登ってここに着いたのですが、ここによろい戸がかかっておるのです。それで階段がある。しかもここは非常口なんですが、かぎがかかって、内側には赤のビロードがかけてあるのです。そしてここは非常口という表示もかけてないのですね。それでそのかぎは支配人が持っている。それで支配人がうろうろして、自分は消防車に助けられるというような状態。それからここにもう一つ非常口がある。ここには非常口という表示はしてありました。しかしこれもかぎがかかっていた。それからここにエレベーターがあるのです。エレベーターは停電でとまってしまったのです。そのエレベーターは四つあるですが、そのうちの二つがこの「プレイタウン」の使うエレベーターです。それでもうそれはとまってしまったからこれを使って逃げることはできない。そうすると、逃げ口というのは、四つある非常口以外に逃げる道はないのです、あの人たちは。ところがその四つの非常口に、九時になると内側からかぎをかけておるのですね。出口になぜかぎをかけておるかというと、下の商店が物を盗まれることをおそれるためだとか、またただ飲みをしてここからお客さんが脱出するということをおそれてかぎをかけておるんですね。非常口がせっかくありながら、非常口の表示もされてない。そこにはかぎがかかっておる。しかもここなんかは非常口ということもわからない。カーテンが締まっておる。こういう状態をほうっておったということにほんとうにあきれはてたわけなんです。そうしてこういうところにたくさんの死体があるわけなんです。こういうことをこれまで放置されておったということは、私は実際常識上考えられて、あっていいことかと思うのですがね、どうですか。どういうふうに思いますか。
#137
○政府委員(降矢敬義君) 問題は、いま御指摘のところに全くあると私どもも判断しております。七階は御案内のとおり火炎が全然行っておりませんで、煙だけでございます。したがって、いま先生御指摘のらせん階段の上から屋上に出られるドアがございまして、そのドアのキーと、それからクロークのうしろのいまの階段、屋外開口部を持つ階段、この階段のキーは支配人が持っておったと聞いております。この二つの階段があればほとんどの人が全部開口部、空気のあるところに全部出られたはずでございます。ところが支配人がかぎを持ったまま負傷者で救われてしまったということでございまして、まことにいま御指摘のように常識といいますか、管理する支配人としての行動は全く解せないというように衷心から考えております。
#138
○須藤五郎君 今度の災害の最大責任者はビルの管理者、ここに私は最大な責任があると見てまいりました。私どもこの階段からそのかぎのかかっておったところをあけて、そして屋上に出ました。屋上は広いですから、あそこに出ればガスも何もない、火はきていないから。そうすればみんな助かったわけですね。ただ、かぎを締めておったということで百十何名の死者を出したということは残念千万だと思うのです。
 それから、先ほどから避難訓練の問題が出ておりましたが、千日ビルとしての訓練は、昭和四十年七月以来十一回行なわれております。その内容はどんなものであったかという点も聞かせてもらいたいし、「プレイタウン」としましての訓練は昭和四十二年の九月以来七回行なっておるんです。しかもその訓練の内容は、ここが問題なんですが、たとえば最近の、昭和四十六年七月六日のものでは、窓近くで出火し、初期消防で消しとめるとともに、ホステス等一同各非常口から無事に脱出することを想定して行なわれておる。非常に甘い想定のもとに訓練がなされておる。訓練というものは、こんな甘い条件で訓練しても、いざとなったときには何の役にも立たないわけなんです。だから訓練をする場合は、非常に困難な状況が起こったときはどうするかということを訓練のめどにしていかないと、こんなことでは訓練にならないんです。雑居ビルの七階にある施設の訓練としまして、こんな甘ったるい訓練では私は何の役にも立たないと思うのですが、それを指導する消防当局としまして、ビル火災に対して一体どういう考えを持っておるのか。こんな甘い考えでは役に立たぬと思うが、この点、ひとつ消防庁の見解を聞かせてもらいたい。
#139
○政府委員(降矢敬義君) 私たちは、こういう施設についての消火といいますか、初期消火というものは、ある程度機械にまかせまして――というのは、相手は必ずしろうとでありますし、小さな火の間ならある程度消せますが、天井に上るような火になればとうていなかなか消せません。しかもこういう、お客さんが不特定多数の人がいるところでございますので、要するに、早期に発見をして不特定の方々に通報をする、そして避難誘導をするということが消火訓練、防火訓練の基本として指導しておるところでございまして、そういうところで、また、いまありました先生の非常の状態における訓練というのは実際なかなかむずかしいのでございます。やらなきゃいけません、私たちホテルの火災でずいぶん死傷者を出しました。そこでホテルの関係の方々、旅館の関係の方々と防火避難訓練、避難誘導訓練というものについて、ほんとうはお客さんのいらっしゃる夜間、あるところに停電等を想定した訓練が実は実際的なんだろうと思いますが、そういうことをお願い申し上げましてもなかなかお客さまの御協力を得られないという現実の問題があるようでございます。私は業界の方々ともずいぶん話してみましたが、そういう実際の具体の困難の問題ありますけれども、だんだん旅館等についても協力を得ながら、短い時間停電を実際行なってそういう訓練を実施するところに入っておるところもあるようであります。この辺は確かに御指摘のような問題がありますが、不特定多数の人の出入りするところについては、そういう困難な状況も想定しながら、私たちは早期発見、通報、早期避難という点に重点を置いて訓練をするように必ず指導しておりますが、今後もそういう考え方でまいりたいと思っております。
#140
○須藤五郎君 こんな、私がいま指摘しましたような甘い想定の訓練では、やっぱりいざとなった場合には、何の役にも立たないということが今度はっきりあらわれきておると思うんです。あのときに非常口にもしも下からそういうガスがきたら、ここから屋上に逃げるんだというようにそういう指示をして、訓練をしてはっきりさしておけば、私は今度のようなことは起こらなかったと思いますよ。そんな窓ぎわで火事が起こってすぐ消しとめた、そんな訓練では。私はほんとうに子供だましいみたいな訓練をしておっても何の役にも立たぬと思うんです。だからこれからもしも訓練をするならば、そんな甘い想定ではなく、ほんとうの実際の想定をして、そうしてどんな場合でも間違いのないように、ちゃんとしていくという姿勢が私は必要だということを強調をしておきます。ぜひともそうしてもらいたい。
 それから、十二月八日に立ち入り検査をしておるんですよ、消防庁で。それは先ほど私がちょっと触れましたが、私が現場を見たときには、二つの非常口のカーテンが固定されておった、くぎで打ちつけられてあるわけですね。しかも、らせん階段に通ずる非常口には、非常口を示す標示もなければ、またそれにもかぎがかかっておったというわけです。昨年の十二月八日消防庁は立ち入り検査をしておりますが、その際、この非常口の状態はどういうふうになっていたのか、また、避難袋は確実に作動するようになっておったのか、袋に穴があいていなかったのかどうか、三、四階のエスカレーターのシャッターが開放されたままであったために、今度の被害は非常に大きかったんですね。あの三、四階のエスカレーターのシャッターがあいておったんです。もし締まっておりましたら、上のほうには火がいかないから何も燃えていない。ですからこのあいておるところが、エスカレーターのあすこが唯一の煙突のようになって、あすこからばっと煙が上がってしまったわけですね。ですからその周辺は全部焼けてしまったんですが、そのシャッターの上降など終始、適切な使用法の確認などは一体されたのかどうか、先ほど聞いておりますと、査察が不十分であったというような答弁でしたが、立ち入り検査の結果はどのようなものであったと、あなたのほうは報告を受けておるのかどうかということです。
 それから、続いて質問しておきますが、それは、昨年十二月八日に立ち入り検査した際の報告はコピーによる報告なのかどうか。きのう大阪市消防局が明らかにしましたところによりますと、十二月八日の立ち入り検査による指示事項には非常口のカーテンのこと、避難袋のことも指摘しております。しかし、事故が起こるまで、これらの点は改善されていなかったわけだと思います。管理責任のある者の責任はもちろん重大でありますが、改善を指示しておきながら、半年たって改善されたかどうか確認していなかった消防当局の監督上の責任も私は大きいと思いますが、どういうふうにお考えになりますか。
#141
○政府委員(降矢敬義君) いま査察の結果について大阪の消防当局のお話がございました、そのとおりでございます。袋は補修をするように命じてありますが、結果として補修をされておりませんでした。それから非常階段の非常口、非常誘導の欠除及びカーテン等の排除についても指示しておりますけれども、それは守られておりませんでした。で、結局先ほどもお話がありましたが、そういうところが問題であり、全体の姿勢として正すべきだという御指摘も先ほどいただいたところでございまして、こういう点はどうしても今回の査察を契機にして完全に順守させ、また、査察事項の改善というものについても必要なやはり融資というものも加味して考えまして、これをさせるようにいたしていかなければならぬと、こう考えております。
#142
○須藤五郎君 この避難袋ですが、私が行ってみますと、根元のところにネズミの食ったような、こんな穴が三つ、四つあるわけです。それでその窓のそばに避難袋を入れる箱があって、さあとなってぽんとほうり出すわけです。ところが、その根元にはこういう金のワクがついていまして、それがぱんとうまく立つと穴があくわけです。そこからみんなすべる。ところがそのワクが上に上がらなかった。ぺしゃんとくっついたまま。だから袋で避難しょうと思っても入り口がどこかわからない。だからある人はその袋をつかまえて、そうして下まで降りたということがあるわけです。だからおそらくこの査察のときにそういう査察をやっていないんでしょう。その場合に、避難袋があるな、オーケー、こういうことだったと思う。やはりそう言う以上は、一度窓の外へほうり出してみて、間違いなしにそれが実効をあらわすかどうか、それがちゃんと立って、そこから逃げられるような状態になるかどうか、穴があいていないかどうか、そのくらいのことは調べなければいかぬと思うのです。何もそれは調べていないと思う。もし調べたとするならば、穴があいていたら、そんなものは早く直させる必要がある。だから消防庁の査察そのものが非常にずさんなものだったということははっきりしておるのですが、消防庁長官はそういう点はお認めになるだろうと思いますが、どうでございましょうか。
#143
○政府委員(降矢敬義君) 御指摘の避難袋について穴があいておる、これを補修すべきであるということは、査察のときに指摘しております。問題は、それが具体的に動くのか動かないのかという、査察のときに教育的な一体査察をしておるかどうかという点において十分でなかったということは、先ほども私はお答えしたところでございます。
#144
○須藤五郎君 指摘しても調査していなかったからこういうことになったと、こういうことですね。
 それから消防庁に聞きますと、非常口にかぎをかけることはあまり賛成でないということですね。ところが、警察のほうはどろぼうが入ったり、盗難があったりすると困るからかぎをかけてくれ、こういう意見だそうです。この錠をかけるということについては、警察と消防庁との間に意見のそごがあるように私は聞いてきたのですが、こういうことでは私はぐあいが悪いと思いますので、この点は一体今後どうしていったらいいと思いますか、非常口の錠をかけるということについて。
#145
○政府委員(降矢敬義君) 確かに御指摘のように、盗難と避難の二つの要請をどう満たすかという問題であります。私たちはその防犯を無視して全部かぎをあけておかなければならぬというようなことば、それは無理な要求だろうと思います。当事者にとっては非常に無理だろうと思います。問題はやはり非常の場合に、内からかぎがあかる、つまりキーを持たなくてもあかるようなしかけができておるわけでございますし、それから、建築基準法の去年の改正でも、そういうような施錠をやるような構造の問題が法律に規定されてきたわけでございます。その点がやはり内のほうから別にキーを持たずともあけられるような施錠、こういうことをぜひ今度の査察を通して指導してまいりたいと思っておるところでございます。
#146
○須藤五郎君 先ほど向井委員が、消防庁の設備の問題や施設の問題など十分と思うか、これでは不十分ではないかという質問をなさいました。私も見ましてまだ不十分だと思いますが、それにも増して私は驚いたんですが、消防署員が出動するときの手当などを見ますると、全くこれでは気の毒で私たち黙っておることができないと思うのですが、消防職員の給与につきましても、たとえば今回の火災の場合でも出動手当が幾らついたかというと、わずか三百円ですね。その他を含めて八百円にしかならない、こういうことを聞いてまいりましたが、こういうことで消防署員が命をかけて消火に当たるというような点から見ましたら、こういう手当では私は気の毒だと思います。また、不合理だと思います。この点は消防庁としましても大いに予算を要求して、もっと消防署員を優遇するように考えていくべきだと私は思いますよ。今度の予算でもほかの予算がどんどんふえておるのに消防庁の予算はあまりふえてないということが予算面を見ると言えますので、もっと政府に、当局に予算の請求をするなりして、そして消防署員を手厚くもてなす、ねぎらうということが私は必要だと思います。それが一つ。
 それから今後の対策ですね、いまは高層ビルのことを言っておりましたが、大都市でもう一つ問題になるのは地下街の問題が起こってくると思うんです。あの千日のところにも今度新しくできた地下街があります、難波の地下街というのが。しかし、あそこは新しくできたので、消防署の意見を聞くと、室内の温度が上がれば水が天井からぱあっと散るようにできておりますので火災の心配はありません、安心してお歩きくださいということを消防署は言っておりました。それから梅田にできておる梅田の地下街、それもそういう設備がある。新しくできたところはみなそういうふうにできております。こういうことでしたが、大阪駅の前の地下街、あれはできてから二十年も――戦前にできている地下街ですからずいぶん古いものですね。ところが、あそこは一番人がたくさん通る。地下鉄から上がってくる、方々から来る、国鉄へ行く人、いろんな人があそこは一番人の通行が多い。もしもああいうところで火災が起こったらどうなるかというと、たいへんなことが起こると思うんです。ああいう古い地下街ですね、一体どういうふうに処置しようかと考えていらっしゃるか。私は先ほど自治大臣が帰られるときに廊下で会いました。そこで、自治大臣、私はあなたにひとつ責任ある答弁を求める問題があるんだが、大体古い地下街をどうするんだ、地下街の火災についてどういうふうに考えていらっしゃるか、ひとつあなたの答弁を得たいと思っているんだがと言ったら、そのことは消防庁長官おるし、また、建設省もおるからよく聞いてもらいたい。私としては責任を持ってああいう古い地下街も設備を新しくしていく方針を考えておりますという自治大臣の私に対する答弁でした。あなたたちもそういうふうに考えていますか。どうしようと考えておりますか、地下街の問題を。これもなかなか重大な問題なので、私はこの際伺っておきたいと思います。
#147
○政府委員(降矢敬義君) 第一点の手当の問題につきましては、交付税措置において措置することにしておりますが、ことしも機関員手当については若干引き上げをいたしました。しかし、御指摘のような問題がございますので一そう努力をする考えでございます。
 それから地下街につきましては、四十四年に私たち消防法の改正をしていただきまして、誘導道あるいは非常警報設備とか、あるいは漏電警報設備とか、避難器具とか、そういうものについては遡及適用をいたしました。古いものについて遡及適用をしたわけでございますが、自動火災報知機につきましては地下街等についても遡及適用はいたしておりませんでした。ホテルとか、あるいは病院等については、これを遡及適用をいたしましたが、こういうものについてはしておりませんでした。消防施設についてもいま大臣がおっしゃったような、こういう遡及適用の問題について今度のビル火災を中心にしてぜひ考えてみたい、こう思っておるのでございます。
#148
○須藤五郎君 建設省にも聞いておきたい。
#149
○説明員(救仁郷斉君) 私どもこういった複合建築と同様に地下街を一番重点に置いておりまして、昨日の次官通達の今度の総点検の重点事項の中に複合建築物と地下街というような形で総点検をやるように命じております。
#150
○委員長(小柳勇君) それでは、なくなった方の御冥福を祈り、かつ重症の方の全快の早いように祈ります。
 なお関係省庁、今日出ました問題が今度の事故を教訓にして再び起こらないように御努力を期待いたしまして、本件に対する質疑を終わります。
    ―――――――――――――
#151
○委員長(小柳勇君) 昭和四十七年五月上旬の降霜による被害に関する件について政府から説明を聴取いたします。大河原農林省参事官。
#152
○政府委員(大河原太一郎君) 五月の上旬の降霜被害につきまして、重点について御報告を申し上げます。
 五月一日から二日にかけて日本海から三陸沖を抜けました低気圧のあとに寒冷な高気圧が西日本から本州中部をおおいまして、このために、五月三日早朝には中部山岳方面から関東東北南部にかけて各地とも気温が異常に下がりまして、晩霜によりまして桑、果樹、茶、野菜などに相当な被害が発生したわけでございます。被害額はなお動いておりますが、現段階で各県の報告を五月十六日現在につきまして申し上げますと、総額約百四億五千万円でございまして、そのおもなものは桑が最も大きく約四十五億六千万円、それから主として工芸作物、たばこ等も若干ありますが、主としてお茶が三十二億七千万円、果樹が十五億七千万円、野菜等十億円余というようなことに聞いておるわけでございます。
 で、このような被害概況が出たわけでありますが、本年の気象庁によります暖候期、向こう六カ月の長期予報も被害が、多発いたしました昨年と同様な気象型を呈するというようなことでございますので、農林省といたしましても三月の下旬に事務次官名をもって、春夏作の技術指導について詳細な指導通達をしたわけでありますが、さらに四月の二十六日には向こう三カ月の長期予報というものも出まして晩霜のおそれが強いということでございましたので、この点を加味いたしました通牒を重ねて末端に指導したわけでございますが、ただいま御報告申し上げましたような不幸な被害が各種作物について発生したわけでございます。災害に対して取りつつある措置について御報告を申し上げますと、各種制度の基礎、対応措置のもとになります農林省統計調査部の被害調査をただいま急いでおるわけでございますが、とりあえず五月の六日から十二日にかけまして、茨城、群馬、埼玉、長野、静岡等各県に対しまして、関係局の関係課長等を急派いたしまして、被害の実態調査及び被害後の技術指導を行なったわけでございます。さらに養蚕、蚕繭等につきましては共済金の早期支払いの問題も起きると考えられますので、これに所要の指導のために農林経済局の保険関係担当官をいたしまして、長野、岐阜、群馬等、その他各県に派遣いたしまして調査及び指導に当たらせているところでございまして、統計調査部の被害調査を早急に取りまとめまして所要の措置を講じていきたいというふうに考えておるわけでございます。なお、最も被害の大きかった長野あるいは群馬、埼玉、茨城、静岡等の関係県は農林省といたしましても、出先は関東農政局でございますので、そこに応急対策等の的確な推進をはかるために、災害対策本部を設置いたしまして、今後の指導に当たりたいというように考えております。
 要点のみでございますが、とりあえずの報告をさせていただきたいと思います。
#153
○委員長(小柳勇君) 本件に対し御質疑のある方は御発言願います。
#154
○松永忠二君 大体の被害の状況等お伺いいたしましたが、たとえば群馬、長野、桑の霜害の被害、あるいは静岡の茶、この被害を受けた、いわゆる耕作面積に対してどのくらいの程度の被害を現実受けておるのか、また被害農家はいわゆるお茶ならお茶、養蚕なら養蚕における一年の所得額の何割程度になっておるのか、こういう点、あるいはまた、いわゆる天災融資法にある被害農業者、あるいは特別被害農業者と考えられるようなものがどの程度にあるのか、具体的に最も被害の多かった群馬、長野、静岡――お茶では静岡ですが、これは現実に一体耕作面積の何割程度の被害が起きておるか、あるいは農家はどの程度の一体生産に対する被害を受けたのか、これをちょっとお聞かせください。
#155
○政府委員(大河原太一郎君) 松永先生の御質問でございますが、実は先ほど御報告申し上げました数字は、応急に県としてとりまとめて十六日現在で御報告を受けた数字でございまして、先生御指摘のように、被害の程度別とか、被害関係農家等につきましては、ただいま所要の融資措置その他を講ずるために、現在実は調査中でございます。面積等についてとりあえず申せということでございますと、県報告を基礎とした被害面積と金額だけはまとめてございまして、それはお手元にも資料として、一枚刷りで非常に簡単な資料で恐縮でございますが、実は現在のところではこの程度の資料でございまして、先生御指摘の災害の年度別、深さ、広さ、これについてはただいま調査中でございます。
#156
○松永忠二君 私、他の県のことはあまりよく承知いたしませんけれども、たとえば静岡県についてお茶で言えば約二万六千ヘクタールあるわけです。その中で、被害面積はここに出ておりますが、七千六百九十四ヘクタール、大体半分まではいきませんけれども、三割程度の耕作の面積に対する被害を受けておるわけです。中には七〇%以上の被害を受けている、生産額において被害を受けておる農家がある。で、関係している市町村十二市町村、こういうふうなことになっているわけです。したがって、被害額というだけでは実は状況はわからないのであって、たとえばそこに、私のところに十七億という数字が出ておりましたが、これは主として五月を中心にしたものであります。そうすると、お茶の生産高が大体一番茶で約百六十億程度あるわけでありますから、そういうものに対しての被害というものを考えていかないと、今度の場合、凍霜が特殊な品目について、作物について、しかも、何といいますか、米とか桑、そういう耕作と違って、農家はわりあい同じ農家であっても、その被害が非常に深刻であるということ、こういう点の把握をしっかりしていただかないと、対策も十分できないと思うんです。こういう点については、調査としてはこの段階であるけれども、各都道府県等から、そういう状況と話を聞かれておると思うのでありますが、そういろ認識についてはどういうふうにお考えでしょうか。
#157
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。
 お話のとおり、お茶、あるいは桑、くだもの等につきましては、主産県と言われる県におきまして、相当の大きな被害があったわけでございまして、相当面積も大きいし、被害も深い、こういうような判断に立っておりまして、その意味で県の報告等についても、程度とか広がり等についての報告を現在求めておるところでございますが、各種施策の発動のために、国が持ちます資料といたしましての、統計調査組織の資料も、その点について十分遺漏がないように、ただいま早急に調査を取りまとめておるということでございます。先生御指摘の点につきましては、その各種被害の判断なり、あるいは施策の実施等については、遺憾のないようにいたしたいというふうに考えております。
#158
○松永忠二君 そこで、対策というような面で、天災融資法の適用を強く要望していることはそのとおりです。また、激甚災害法に基づく指定というような問題も出ているようであります。まあ、基準等を調べてみますと、必ずしも一般的にすぐ適用するということにはならぬように思うのでありますが、局地激甚のような基準にあるいは該当するところが出てくるのではないかという感じは受けております。この点について、これは政務次官もいるわけでありますが、天災融資法の適用ということについては、一体どの程度検討が進められていて、大体どれくらいのころにはっきりした調査をまとめて、大蔵省と協議をして、そうして具体的に、たとえば政令等の適用をきめるのは一体いつごろになるのか、この点についてすでにおおよその進行を見つつあると思うので、この点についてひとつ政務次官から回答していただきたいと思います。また、ここに全国農業会議所等からすみやかに激甚指定を行なえというようなことがあります。私のところにも、ここに激甚災害の適用についてというようなことが出ているわけですが、この点について参議官のほうからこの問題についてひとつ考え方を聞かしていただきたい。
#159
○政府委員(佐藤隆君) いま被害の概要につきましては、現在知り得ている範囲内で参事官のほうから御説明申し上げましたが、天災融資法の発動、これについては、実は団体側等からも陳情を農林省として受けております。それで、いま参事官申し上げましたように、判断の基礎としては、やはり農林省統計調査部の調査結果、被害調査結果、これを待たなければなりませんが、その調査結果がいつ出るかということになりますと、大体二十日ごろにはまとまろうかと、かようにいま思っているわけであります。それを待ちまして、天災融資法の発動を考えなければならぬ。また、激甚災害法についても、いまお話がございましたが、これもやはりその判断の基礎は二十日ごろ出される統計調査部の調査結果を待って判断をいたしたい、こういうわけでございます。
#160
○説明員(高橋盛雄君) 激甚法のお尋ねでございまするけれども、先生御案内のように、天災融資法関係の激甚の指定については、天災融資法の発動を前提として、かつ御案内のような激甚指定基準がございますが、一定要件を備えた場合に、指定されるわけでございますが、ただいま農林省から御説明ございましたように、農林省においてその具体的な数字等については、被害の実態については調査中でございますので、まだ正式に農林省のほうからその資料はいただいておりません。今後農林省とよく相談、協議を続けていきたいと、このように考えております。
#161
○松永忠二君 ただ、そうばく然たることではなくて、天災融資法については、従来出ている例もあって、ここにおよそ各県から出てくる百四億の金があるし、あるいはまた、従来三十億以上の被害があって、二県以上にまたがるというような大体の基準もあることなので、天災融資法については、これはもう問題ないというふうに私たちは思うんですね。しかし、それを適用された激甚地について、いわゆる激甚災害として指定されるのか、局地激甚としての考え方にいくかということについては、これは少し、もっと明確なものを持たなきゃできぬが、天災融資については、ただ調査の手順がおくれているというか、確実を期するということであって、大体予想としてはこれは当然なことだと思うんですが、この見通しについてちょっとお聞かせください。
#162
○政府委員(佐藤隆君) いまほど申し上げましたように、大体二十日ころには調査結果が出ようと思いますから、その的確な数字をもとにして、天災融資法の発動を考えていきたいと、こういうことであります。まあ、いまここで、その的確な数字が実はないわけでございますので、しかし、予想されるところは天災融資法の適用はできるのではないかと、こういう考え方であります。
#163
○松永忠二君 天災融資法の発動がなされるということになれば、まあ要望としては、国の減免措置もやってほしいということが出ているわけですが、これは自然出てくる問題なんで、あるいは県や国の税金の減免措置の要望がすでに出ているわけですが、国の減免措置については、これは天災融資法で被害か明確になってくれば、おのずから明確になってくるものだと私考えるんですが、これはどうですか。
#164
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げますが、これは大蔵省なり自治省のほうからお答えするのが筋かと思いますが、われわれの従来の災害でも天災融資法を発動するような災害におきまして、被害農家に対する例の措置についてはルール化されておる実情でございますので、その今回の被害につきましても、そのような処置がとられ得るというように確信しておりますし、また農業者の立場に立ちますわれわれといたしましても、関係の省とも連絡をとりながら、その円滑な措置がとれるように要望していきたいというふうに考えております。
#165
○松永忠二君 特に被害を受けた町村あるいは農業団体などから凍霜害防除施設に対して、国の補助率のアップをしてほしい、あるいは山村の小規模施設にも適用できるように現行の補助要項を改正するということで要望が出ているわけです。で、何か凍霜害を防除するにあたって、お茶なんかではスプリンクラーなどを利用することは非常にいいことだというようなことで、そういうものも施設をしていきたいという考え方もあるようです。この問題は一体どういうふうなことになっているんでしょうか、これについてちょっとこういう要望というものにこたえられるものなのかどうなのか、現状がどういうふうになっているのか、これひとつ、ちょっとお聞かせを願いたいと思います。
#166
○政府委員(大河原太一郎君) 具体的な要項等を、突然のお話でございますので、持ち合わせておりませんので、なお後刻資料等を通じまして、十分に御説明をさせていただく機会を得たいと思いますが、大体先生の御指摘は畑地かんがい施設、農業基盤事業の畑かんの採択基準を、山寄りの山村とかその他についてはできるだけ採択基準を引き下げまして、茶園その他に対する導入が容易なようにというような御要望の向きかと思います。今回の凍霜害地域について採択基準が一般の基準のためになかなか入りにくいというような事情があるかどうかという点については実は私もまだ明らかにしておりません。したがいまして、この採択基準の問題等につきまして、凍霜防止上非常に効果がありかつ本来導入が望ましい凍霜害の常襲地帯等にそれを導入するための基準はどうかという点につきましては、われわれのほうといたしましても早急に検討させていただかなければならないというふうに考えております。
#167
○松永忠二君 すでに御承知のとおり、凍霜害は比較的常襲的に来るという傾向があるのですね。したがって、同じ種類の栽培の地域でもこういうふうな凍霜害を受けるのは全域に来るというよりはむしろ局部的にしかも相当毎回似たような現象が起こってくる。これは地理的な条件もあるわけです。したがって、この凍霜害防除の施設というものはやはりしておけば効果もあるし、そしてまた要望も強いわけです。そういうような意味でぜひひとつ今度の事例にかんがみて、このいわゆる補助要項の検討というものもぜひひとつ進めていただきたい、これによって要望に答えてもらいたい、これは強く要望しておきます。
 それともう一つは、こういうことも要望されているわけですね。気象異変の速報対策というものはあまり十分でないということも言われているわけです。これは凍霜害等の予報については測候所に照会する以外は対策がない。もっと測候所と密接な連絡による的確な情報というものが町村に流されていくようないわゆる措置というものを、県あたりでも今後適切な予報体制を望んでいるわけです。現実にお話のように気象状況から事前に相当指導もされているようです。県は県なりにそれなりのこともやっているようでありますけれども、いよいよという段階になって非常に予報というものが的確に伝達をされるという一つのきまったルートというものがないわけです。だからこういう点について今後どんなふうな考え方でこういう問題を整備していくのか。まあ災害は単に農産物でなくても、一番やはり急傾斜の問題でも予報に問題があるというようなことで、観測地点をふやして金をかけてつくっているわけですが、こういう面について何かこの凍霜害について対策はないものなのか。こういう点についてのいわゆる考え方についてひとつ積極的な面の検討をひとつ聞かせていただきたい。
#168
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、農業関係においては気象と観測とその結果の速報、これが防災上非常に大きい。ことに凍霜害のように急激に前の日の夕方ごろその気象のあれが予知され出して、そのときの未明から起こるというような場合においては特に気象の伝達問題が大事かと思います。これにつきましては実は農業関係におきましても従来測候所と密接な連絡をとりまして、これは防災一般をやりますので、県の防災関係課を中心といたしまして農林関係の各種の技術関係課が連絡協議会というものを設けております。測候所からの速報は直ちに農林事務所なり地方事務所なり出先機関に速報いたしまして、さらに市町村なり農協なりというふうなルートの速報並びに気象関係方面でも独自にラジオ、テレビ等でそれぞれ報道するというようなことでございまして、われわれも実は昨年も東北の福島等において凍霜害がございまして、この問題について当委員会でも御指摘を受けた経緯がございますので、その後各県についてその体制自体についてはいろいろレビューをしてみたわけでございますが、一応その体制としては整っておるというふうに考えております。
 そういうことでございますが、なお組織だけでございまして、生きた気象速報が流れないという点については今回も不幸な災害が起きたことは事実でございますので、一そう努力しなければならないかと思うわけでございますが、今度のまだ中間段階でございますが、今回の被害につきまして被害県の速報状況を実はわれわれもチェックしてみたところでございますが、おおむね二日の五時からおそくは八時ごろまでに各県の速報は出まして伝達されたようでございますが、実は県によりましてなかなか個別の事情もあったようでございます。たとえば、静岡県でございましたかは相当風が強くて、二日の日は、そのために、風の強い日は凍霜害は起こりにくいというような農民側の判断なんかも加わったというような事情もあると思います。それから長野県では二日の日は相当高い気温で、二十二、三度だったもんでございますから、まさかというようなことで気象通報は流されたけれども、それに対する予防態勢、一部ではタイヤ、重油の燃焼等で相当防除を行なったことは事実でございますが、そういうようなケース、ケースの問題があるようでございますが、受ける農民側に対しても的確にその防除態勢に入れるような気象通報内容でございますか、そういうものを整備いたしまして、ただいま先生御指摘の予報と防除との有機的な結びつき方につきましては、努力しなければならないというふうに考えております。
#169
○松永忠二君 再度よく調査をされて、そういう態勢が明確になって、それから漏れておりませんかどうか、動いていればこういう要望が出るというわけはないわけですから、現実にそういうことがあったに違いない、そういうことについてもう少し金の面からも整備をしてほしいという要望もあることをひとつ念頭に置いていただきたいと思うんです。
 それからもう一つは、これはもう毎回問題になっていることであって、すでにもう果樹についてはそれができている共済制度の適用のお茶の問題であります。これは調査をされているというふうに聞いているわけですけれども、この調査も、もうすでに結論を得たのではないか、これが適用できないというならば、一体問題点はどこにあるのか、このすでに予算を、調査費をつけて調査をした事実はあるわけです。その結果をまとめてまだ発表されてないという段階であるけれども、一体その結果はまとまったのかどうなのか。それからまた、これができないのは一体どういうことなのか。これについてはもう農家の収入の中では、私の県あたりではむしろ茶とミカンの生産は有名ですけれども、ミカン以上に茶のほうがいわゆる生産量が多いし、耕地面積も多い、しかもお茶は非常に土地の利用度の状況等からいっても、傾斜地も利用されて非常にいい、また農民の一日当たりの労働賃金の割合からいっても非常に有利な栽培の品目になっているわけなんです。こういうようなものを、しかも凍霜害というような形は今度来たわけじゃありません、被害もときどきあるわけであります。こういうものについての共済制度を強く要望するということは当然のことだと私たち思うんで、これをひとつ早急に実施をすべきだと思うが、さっき申しましたように調査の結果はどうなったのか、それからまたその一体困難であるという、検討を要するならどこが検討を要するのか、そういうことを克服をして適用するという見通しを持っているのかどうなのかこの点をひとつ聞かせてください。
#170
○政府委員(佐藤隆君) 先生御存じのように、今度果樹共済もいよいよ実施の段階に入るわけであります。そういう条件で農林省も鋭意努力はいたしおるわけでありますが、お茶につきましては共済制度を仕組めるかどうかということについて実は四十五年度から地域特産物保険制度調査ということで、対象品目はお茶とかあるいはまたホップ、タバコ、イグサあるいはキビそうしたようなものを対象品目といたしまして調査を実は続けておるわけであります。
 さらに調査を進めなければならぬわけでありますが、お茶の場合は何回かに分けて摘採されるものであるということ、摘採時期は地域によって価格の点で著しい差があるというようなことからほかの農作物に見られない複雑なむずかしさ、そういう面がございますので、そういう意味で実は若干の時間をなお必要とすると、こういうことで実は調査をいま続行中であります。しかし、何としてもこれは取り上げることができないかというような姿勢で積極的にさらに検討してまいる、こういうことでやっておるわけであります。
#171
○松永忠二君 お話わかりましたけれども、また逆に言えばお茶の被害というのは非常に常習的な性格があるというようなこと、あるいは特定の農産物である特産物については局部的に、生産県が非常に少ない。集中的に行なわれているというような、こういうような点なんかもあって、どうもなおざりにしがちであるではないかというような感じを持っておるわけであります。したがって、いろいろいま言ったような条件はあるとしても、当地方においてはもう第一の生産額を持っているものであって、また、この茶のいわゆる市況というものが私たちの地域の農民の人たちの経済的に非常に大きな影響を及ぼすような内容を持っているものであって、茶の景気が、価格がいいときには農家が活気づいているというのも実情であるわけです。
 そういうふうな意味で、この問題について、やはり生産の安定をはかるという意味からいっていろいろな点のいま言ったような価格のいろいろな変動とかいう問題も克服する道があるのではないかという気持ちもするので、長く果樹について問題があったので、そういうような適用をされてきているわけだから、ぜひひとつ積極的な前進をはかってもらいたいということをこの場で強く要望しておきます。単に言うだけであって実現はできないということじゃ困りますから、そういうことをひとつ実施をしたいという意気込みをお示しいただいたことを了として、それを的確にひとつ今後実現をしてもらいたい。
 なおもう一点、この凍霜害についてお聞きしたいのは、お茶の生産の問題点というのは、一体どういう点に問題があるというふうに考えておられるのか。特に畑作振興課の中で係がたった二人の1私もかつていわゆる茶の振興法を一時考えたことがあって、当時の自民党の人たちもそういうことを考えて特別の立法はできないもんだろうかどうだろうかということでいろいろ努力をしたことがあります。当時まあ農林省へ行って話してみたところが、お茶の担当の係がたった二人しかいない。この二人が全体の仕事をやっているわけでありまして、これではどうにもならぬじゃないか、しかもお茶に対していわゆる外郭の団体と称するものも非常に微力であってなかなかいろいろな点で問題がある。しかし、まあいわゆる特別な県に片寄っているという面からいってそういうふうな結果になってくるとは思うけれども、実はいろいろこまかくは申し上げたいわけですけれども、いろいろな問題点を持っているわけでありまして、解決をしてほしい問題が多いわけであります。この点については一体どういうふうないわゆる問題点を持ち、解決を迫られているし、解決が要望されているのか、この点をひとつお話を願いたいと思います。
#172
○政府委員(荒勝巖君) お茶につきましては、畑作農業におきます重要な産物の一つといたしまして私たちの局では所管をしておる次第でございます。それで、ただいまたった三人しか担当官がいないというお話でございますが、むしろ役所の定員の少ない中でお茶のこういった専門の担当しております者がむしろおるということでさえも畑作振興課では非常に大きな勢力――勢力というか、そういうウエートを占めておると、こういうふうに御理解願いたいと思います。
 お茶につきましては、農林省といたしまして、茶業試験場がありますほかに、茶原種の原種農場といたしまして静岡に一カ所、それから奈良に一カ所、それから鹿児島に一カ所というふうに茶原種農場をつくりまして優良品種の奨励に努力している次第でございます。このお茶につきまして、さらに、地域特産農業の問題といたしまして非常に各方面から要望が強いので、最近、特に重点的に地域特産農業の振興対象といたしましてお茶を取り上げまして、今後生産の近代化と、その加工過程の合理化を一段と進めてまいりたいということで行政指導をしている次第でございますが、一番問題になりますのは、われわれといたしまして、先生御存じのように永年作物であって、一たん植えてしまいますと、二十年や三十年は最低少なくとも保存しなければならないということで、茶の需要の見通しというものを的確につかむということが現在の時点では非常に重要なことではなかろうかということです。ところが、四、五年前まではむしろ需給バランス上、供給のほうが一時的に過剰ぎみでございまして、お茶の価格が下落いたしましていろいろ地元の農家の方も御心配されたようないきさつもありまして、そういうことから、その前後から茶の生産振興が少し足踏みになったという時点がございます。そういうことで、むしろ現在におきましては茶の国民の消費構造の伸びといいますか、所得が伸びるに従いましてお茶に対する非常に需要が強くなったということで、国内産のお茶は非常に生産増強はその後いたしておりますけれども、どちらかというと価格的には非常にいい価格を現出いたしておりまして、今後さらにこういったことを伸ばしてまいりたいということで、需給の的確な見通しが第一点でございます。
 さらに、その需給の中で御存じのように問題点となりますのは、静岡とか、あるいは埼玉あるいは奈良というふうな都市近郊地区にあります茶生産地帯が、都市化の波でどちらかというと労働力不足が出てまいりましたりいたしまして、お茶の植栽がどちらかというと足踏みです。それに対しまして九州方面では今後も非常に期待される農業の一つといたしましてお茶の植栽が進んでおる。全国的な形でわれわれといたしましては需給バランスを合わせながら、植栽を振興していくというところに重点を置いてまいりたい。
 さらに、流通問題で一つ問題になりますのは、ただいま御指摘がございましたように、一つの団体かもわかりませんが、各県で生産をいたしまして葉ができまして、それを荒茶までは大体各県のそれぞれの産地でできるわけでございますが、それぞれお茶につきましては、産地ごとの風味とか、味とかということがありまして、その辺の加工過程で品質、規格を統一し、もう少し近代的な取引ができるようにわれわれとしては指導してまいりたい、こういうふうに考えておりますが、なかなかその辺が、各県ごとに茶の出来時も違うし、また、植栽のしかたあるいは風土性によりまして多少品質等にも格差がありまして、その辺の整理が、今後一種の流通の合理化と申しますか、そういったことが今後のわれわれの課せられた課題ではなかろうか。最近少しウエートが少なくなってはおりますが、なお、お茶の輸出の振興につきましても、今後海外におきます茶の需要の増大もございますので、これらに即応してまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#173
○松永忠二君 大体お話が出ているわけでありまして、特に流通に非常に問題があって、いろいろ努力しても何か打開が困難だという点があるわけであります。そういう点について、静岡あたりも実は茶市場を新たにつくってやったわけですけれども、なかなかこれは考えているようなぐあいにはいかないということで、問題も非常にあるわけであります。
 需給バランスの問題についても、お話しのように一時は過剰ぎみではないかという感じもしましたけれども、現状ではバランスをとりつつあるような状況のように私たちも聞いているわけであります。特にお話しのあった輸出の問題、これは国内需要が伸びてくるし、あるいは高級化してきて、そういう面からのいわゆる価格の向上というような面から一つのいい面も出てきていることも事実だけれども、かつて輸出が拡大されたことを考えてみると、この輸出の不振をどう一体取り返していくのかという問題があるわけであります。これは、また国自身が本腰にならなければ、特に一つの県、生産県が少ない、集中的だというだけに輸出の振興というものに対して国がどういう施策をもってやるかということが一つ強く要望されるところです。
 それから、また、いまお話しのように、新しい九州地方の茶園の新種による栽培というものが拡大されているとともに、品種を改良して木を植え直していくという、そういう必要が非常に強く出ているわけです。特に生産の古いわれわれの県あたりでは、改植するということが非常に重要なことになってきているが、これについて現実には補助がないわけなんですね。それで、結局は各県が独自でいわゆる近代化資金の上のせを、利子補給をするということで、これをそういう面で何とかカバーをしておるということであって、この改植、品種改良というような問題について、もっと国が積極的に施策を講じてほしいというような要望が出ているわけなんです。こういう点について、ひとつ今後また十分努力をしていただきたい。
 問題も非常に多いし、もう少しお聞きをしたいわけでありますけれども、時間もありませんし、問題の点は的確につかんでおられるようでありますから、ぜひひとつ、国として一体、残された施策の方向としてどこに力を入れていくのか、特にこういうふうな特産の農産物については主たる県が非常な努力をしていくという責任のあることも事実ですけれども、それだけにまた、少ない県だけに国の施策にたよるところも非常に多いわけなんです。そういう意味で、ひとつぜひ十分な努力を今後してほしいということをお願いをしておきたいと思うのです。
 私は、この機会に、以上で降霜害のことは終わりまして、御承知のとおり、同じ災害で例の富士の大沢くずれというのがありまして非常に大きな災害がもたらされたわけでありますが、国がこの大沢くずれについては年次的な計画を定めて施策を実行しつつあったわけでありまして、これは今回の大沢くずれの被害にあたって国が行なった防災のいわゆる施設が非常な大きな役割りを果たしたということを高く地元は評価をしておるわけであります。それだけに今度の大沢くずれの被害について国の施策を強く要望する声も非常に多いわけでありますが、一体、今度の五月の一日、五月の五日の豪雨における大沢くずれの被害については、どれくらいの被害があるというふうに建設省は考えているのか、この災害の復旧の方法というものについてどういう具体的な方法を考えているのか、この点を取りまとめてひとつ御説明をいただきたいと思います。
#174
○説明員(阿座上新吾君) 今回の大沢くずれの土石流でございますが、五月一日及び五月五日の両日に発生をいたしました土石流は、両方とも降雨が約八十ミリございましたけれども、御存じのように、異常豪雨による源頭部の融雪あるいはなだれによりまして土石流が発生したわけでございます。約二十万立方米という土砂が土石流となりまして扇状地へ流れ込んできたわけであります。いま現在源頭部のほうにつきましては調査中でございまして、詳しく資料がまだ出ておりませんが、扇状地につきましては、先ほど申しましたように約二十万立米の土砂が両方とも流れてまいりました。五月一日の場合には約十六万立米、五月五日の場合には約十五立米を扇状地の直轄砂防事業並びに補助砂防事業でやりました砂防堰堤六本で食いとめたわけでございます。下流潤井川へ出ました土砂の量は、五月一日分で約四万立米、五月五日分で約五万立米の土砂が流れたというわけでございます。災害復旧といたしましては、土木施設といたしましては、県が施行いたしましたじゃかごによります床止め工三本と、直轄工事でやりましたブロック堰堤三本ございますが、いずれも床固め並びに根固め並びに導流堤の一部が決壊いたしまして、さらに河底橋下流の河川区域の河道に土砂が埋没いたしまして、これを六カ所河道掘さくをいたしたわけでございます。加えまして約五千万円程度の被害でございます。
 さらに一般被害といたしましては、県道並びに市道の河底橋――河底橋というのは御存じのように洗い越しになっておりまして、洪水ごとに土砂がたまるわけでございますが、その埋没並びに潤井川を横断して設けられております富士宮市の管理の水道管が二カ所、並びに農業用取水せきの埋没が二カ所、こういうぐあいに発生いたしたわけでございますが、それぞれ管理者によって応急復旧されております。
 私どものほうの建設関係の先ほど申し上げました直轄災害並びに補助災害につきましては、いずれも応急復旧といたしまして、現在契約をいたしまして着工をいたしております。
 以上簡単でございますが、お答えいたします。
#175
○松永忠二君 それはわかりますが、このただ従来、今度の場合直轄でやった場所について、破壊されているところを復旧すればそれでいいというわけではなくて、このむしろ、そのもう少し改良的に復旧をして、きちっとやっていかなきゃいかぬと思う。今度の災害から見ても、もうこれだけのことをやっていても、ようやくに食いとめたという程度であって、これで完全だというようなことはまあ考えられるわけではない。したがって、いま現に進行しているいわゆる工事と合わせて、この復旧をしながら強化するという意味で、今後一体どの程度の金がここに投入をされていかないとできないのか。そういう面のいわゆる従来の工事と比較して、なお改良的にこの補充をしていかなきゃできないものについて、どういうふうに考えているのか、これをひとつ聞かしてください。
#176
○説明員(阿座上新吾君) ただいま申し上げましたのは、施設のしさいを申し上げたわけでございます。先生御存じの直轄作業で始めましたのが、上流でございますが、七号、八号、九号のところでございますが、いずれも全面完成したわけではございません。九号に至っては本堤がまだちょっとかかったような程度でございます。その関係から今回の災害が起こったわけで、あるいは導流堤の根固めについては多少改良を加えなければいけないのじゃないかというような考え方を持っているわけでございます。県が施行いたしましたのは、御存じのような暫定工法といたしまして、じゃかごで一応とめをこさえておるわけでございます。これにつきましては、早急に直轄でやっておりますような永久構造にいたしたい、かように考えております。
 それで計画で四号、五号、六号を改造いたしたい。さらにはその下に一号、二号、三号を続けてやってまいりたい。合わせまして九本の床止めで約百七十万立米の土砂を遊ばしておきたい。
  〔委員長退席、理事上林繁次郎君着席〕
 現在の施設であの扇状地における、われわれのほうでは遊砂と申しておりますが、砂を遊ばしておる、いまの土石量は約九十万立米ございます。さらにそれに百七十万立米の余裕をつくってまいりたい。この余裕をつくって、その間に源頭部を攻略をいたしたい、かように考えるわけでございます。
 源頭部につきましては、いわゆる二千四百メートル以上の場所でございますので、セメント、コンクリートその他では凍結、融解に対しましてどうしても使用することができません。さらには水の運搬等もございますので、これにかわりまして別の施工材料のいま開発を行なっております。そういうことで、この開発――土木研究所で行なっております研究成果が出るまで、何としてもこの遊砂でしのいでいかなければならないというのが現状でございます。この一号から九号までの床止めの完成を、鋭意現在完成いたすべく努力をしておるわけでございます。
 これが幾らかかるかといいますのは、扇状地に入ります床止め工並びにその下流に流路工を――河底橋までの流路工を行ないます。さらに扇状地に入る入り口にダムを二本つくります。要するに十二本の――二本のダムと十本の床固め工並びに流路工、合わせまして約十七億円かかるという考え方でございます。
#177
○松永忠二君 まあ、お話はわかりました。十本の予定したものを復旧をしながら、建設を完成しながら、しかもそのいわゆる扇状地における何というんですか、土砂の堆積の量をふやしていくということを考えているということ。なお、その流路工など二本をそれに加えていくというお話があった。
 そこでもう一つ、問題の点をひとつお話しになった、扇状地の問題であります。ここが御承知のとおり私有地であることは事実。しかも私有地であって、周囲にやや一部、これを何というか、別荘地的なものに活用していこうというような動きもあったりして、この扇状地をなかなかそうした住民がこれを売却をしぶっていたというような関係で、同じ入れた堰堤についても、その一部を完全にできないで、半分で終わっているというところもできてきている。ここに今度非常にたくさんの土砂が堆積してきたので、この扇状地がそういういわゆる住宅的なものに開発できないというようなこともわかってきている現段階、そういうような関係で、この扇状地については国としてはこれを所有をして、そうしていま言ったような砂防の工事を的確に行なっていくというようなことを要望されているやに私たちも聞いているし、そういう点について積極的に国自身が動くということに呼応しながら、地域の団体、市がこれと呼応しながら、そういう買収の工作を進めていくということは、非常に適切な時だというふうに考えるわけです。この点については、やはりこの扇状地を国有化していく必要がある。この点については早急にやはり買収に着手をして、そして大沢くずれの災害の根本的な解決をやはりはかっていく必要があるというように考えているのではないかというふうに私ども思うんですが、この点をひとつ明確にお答えをいただきたい。
 それからなおもう一点は、いまお話しのありました扇状地から下のところの潤井川が非常に掘れて同時に下流のほうに土砂が逆に堆積をして、したがって、下流の土砂堆積の場所については、今後水が出てきた場合に、今度はそれがはんらんをするのではないかというような心配も出てきて、下流の潤井川の土砂の排除というようなものを考えると同時に、ここに星山放水路というのがあるわけでありますが、これをひとつ早く完成をしたい。これは砂防ではなしに、ここから下は河川の問題になってくると思うんですが、このことについてやはり潤井川の扇状地から下流の河川についてどういうふうな災害の復旧の考え方を持っているのか。一部伝えられるところによれば、この砂防指定地を少し延長していかなければできぬのじゃないか。こういうことも考えておられるようでありますが、この扇状地の買収問題、砂防指定地の拡大、それから同時に、下流における河川の放水路を含めていわゆる護岸の整備、土砂の排除、この問題についてどういう考え方を持っているのか、これをひとつお聞かせをいただいて質問を終わりたいと思うんですが、的確にひとつお答えを願いたい。
#178
○説明員(阿座上新吾君) 第一問の土地買収の問題でございますが、率直に申し上げまして、全部国有地に買い取りたいと私どものほうは考えております。四十三年に直轄砂防に編入されまして以来、鋭意御承知のように努力いたしておるわけでございます。すでに買い上げたのもございます。ただ最初に買い上げた金額は非常にわれわれのほうで言う適正な価格でございまして、皆さん方の言う価格と比べますと非常に安いものでございます。いわゆる現在行なわれている売買価格と非常にかけ離れておるという困難性がございますが、とにかくわれわれの方針はこの扇状地における遊砂地としてわれわれの計画しておる区域に全部買い上げるという考えで鋭意現在努力をいたしておるわけでございます。最後にはある程度の覚悟もいるんではないか、かように考えております。
 それから砂防指定地の拡大でございますが、この方針も私どものほうといたしましては、現在四号から上に土どめ堰堤でございますが、三号、二号、一号と上がってまいりまして、さらに河底橋まで流路工を延ばしていきますと大石寺のほうまで延ばしていかなければならないんじゃないか、かように考えております。同時に河川改修の問題でございますが、現在河川改修として国庫補助として県の施行として工事いたしております。さらに先生の御案内のごとく放水路の計画もございます。
  〔理事上林繁次郎君退席、委員長着席〕
 ただひとついま手元に資料を持ってきておりませんので、河川改修について詳しい御説明、お答えができないのでございますが、砂防と相まって河川改修も積極的に進めてまいりたい、かように考えるわけでございます。
#179
○松永忠二君 大沢くずれが国が計画を立てて実施を始めたのはいまの西村建設大臣が立てて、かつて建設大臣の当時であった。それでこれは当時いろいろな意見もあった中で必要を痛感して国も県も努力してこれをやったわけです。そのやった防災の結果というのは非常に効果があったことを現実に証明をしたわけです。こういう意味ではやはり国の考え方がまさに正しかったということを証明したわけです。それだけに今後の大沢くずれはなお規模を拡大するであろうというふうな予想もされている現状であるので、かつて計画をしたものを十分にひとつ検討して、そしてその徹底した防災工事をやっていただくようにちょうど着手をして、いろいろ事情のわかった大臣のときでありますので、ぜひひとつその間に一応の考え方をいまのようにはっきりまとめていただいて実現していただくように、特にいま河川の下の問題についてはお話の該当のところではありませんのでできませんでしたが、そういうような要望もあることもすでに承知をされていると思うので、ぜひひとつ最終的に国の仕事が非常に高く評価されて信頼を得ているものでありますから、徹底した施策をひとつ実行していただきたいということを強く要望いたしまして、そして質問を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。
#180
○佐田一郎君 松永先生からすでにいろいろ御質問等がございましたので、なるたけ重複しないようにお尋ねをいたしたいと思います。
 特に私は、お茶の話は松永先生からお話がありましたが、桑と蔬菜あるいは果樹についてひとつお聞きしたいと思います。
 最初に、大河原参事官、佐藤政務次官ではちょっと無理かと思いますが、蚕糸園芸局から来ておるようですが、五月二日前後の養蚕の準備態勢がどの程度になっておったかおわかりでしょうか。特に群馬、長野が多いようですが、問題はこれを検討する上において、たとえば催青中であったとか、あるいはすでに稚蚕で掃き立てておったとか、具体的な激甚地の養蚕の準備態勢がどうなっておったかということをまずお尋ねいたします。
#181
○政府委員(荒勝巖君) 五月三日の日に凍霜害の報告を受けましたので、それぞれ担当課長を群馬、長野あるいはそのほか北関東の栃木、茨城のほうまで養蚕関係につきまして派遣いたしましてつぶさに現状を調べてきた次第でございます。大体そのあとでまた詳しい点は担当課長から御報告申し上げますが、私の報告を聞いております段階におきましては、大体桑がやはり例年どおりの発芽をいたしておりまして、その前後の段階におきましては、もうやがて掃き立て寸前ということで大体催青の段階にあったというふうに私は聞いておるわけでございます。
#182
○佐田一郎君 催青の段階といいましてもあした掃き立てになるか、あるいは一週間後に掃き立てになるかということはちょっと大事な問題なんですが、長野はおそいですけれども、群馬等については大体その後幾日くらいで掃き立てておるか、あるいはまた催青中のものについは何らか種の何と申しましょうか、掃き立ての抑制でもしたという方法をとられたのか、この点はどうですか。
#183
○政府委員(荒勝巖君) いま担当課長から聞きますと、群馬は御存じのように、大体激甚の地帯が少し山間部に入っております関係もありまして、その後掃き立てばいたしておりましたが、その後掃き立ての抑制にいま入ったというふうに聞いておる次第でございます。で、長野のほうは全然そういうことはございませんで、長野とは実情がだいぶ違うわけでございます。
#184
○佐田一郎君 そうすると蚕種の、つまり種の被害というものは、抑制をした関係で、なかったということで承知していいですか。
#185
○政府委員(荒勝巖君) どうも御質問が非常に専門的なものですから、ちょっと答弁がおくれまして相すみません。
 掃き立てはおくらせる、抑制をいたしました関係もありまして、そういう意味では種自身に被害はなかった。ただ、掃き立てばおくらせたものの、やはり掃き立て不能といいますか、桑の全体の収量が減っておりますので、したがいまして掃き立て量も今後控えざるを得ないということで、この辺がただいまの御質問から申し上げますと掃き立て不能量といいますか、種に被害が出ているのではなかろうか、こういうふうに理解いたしております。
#186
○佐田一郎君 その関連において、おおよそこの当初の掃き立て予想量よりどのくらい減る予定ですか。この点はちょっとわかりませんか。
#187
○政府委員(荒勝巖君) その点が、統計調査部の報告もまだ十分報告が確定いたしておりませんし、また県の段階におきましても、連日私たちのほうも報告いただいておるわけでございますが、県の指導がありまして、一部の被害の大きいところに御存じのように桑を枝から切ってしまうという指導をしておるわけでございますが、一部農家の方々の間では、やっぱり切ってしまいますと春蚕がだめになるということで、最近御存じのように糸価も回復しておりまして、ことしの繭代も相当見込みがいいということで、そのまま切らずに再発芽を待って、掃き立てを抑制し、今後養蚕に入りたいということもございまして、十分に全体的にまだ養蚕の減収量を掌握はいたしておりませんが、まあ全体的には、われわれの感触では、春蚕の大体全国ベースといたしましては一割ぐらいの減収になるのではなかろうか、こういうふうに理解いたしておる次第でございます。
#188
○佐田一郎君 次にお尋ねしたいのは、これはまあ先ほど松永先生からもお話が出たのですが、毎年この霜害は同じ地方にやってくるわけですが、いろいろこの予防もずいぶん徹底さしたようでありますけれども、なかなかうまくいかないようでありますが、何かこの凍霜害の予防対策として、長い懸案でありますが、何か特別な、特に桑あるいは蔬菜、果樹等についての特別な防除体制というものは立っておるのか、またそれを実際に指導しておられるのか、その点ひとついま一度お尋ねしたいのですが。
#189
○政府委員(荒勝巖君) この春の凍霜害につきましては、私たちも蚕糸園芸局といたしましては、特にほとんど凍霜害といえば蚕糸園芸局関係の農作物が多いものですから、毎年頭を悩ましていろいろ試験研究機関にもお願いをし、また民間の方々の御意見等も聞いて対策を、できたらいい案をつくりたいと思うのでありますが、なかなか実際問題としては、いまだこれが完ぺきであるという報告は聞いてないわけでございます。で、実際問題、現実の対策といたしましては、ただいま官房のほうから御報告ありましたように、気象の的確な掌握並びにその速報の伝達が手段の一つであるというふうに理解しておりますが、しかし、伝達がありましても、問題はどうやってそれを予防するかといいますか、今晩霜害がありそうだというときにどう手を打つかということにつきましては、非常にまだ的確な、まあ金額をかければまた別かもわかりませんが、実際的な技術指導といたしましては、御存じのようにタイヤをたく、あるいは重油燃焼を行なうということに重点が置かれるわけでございます。それも全桑園面積に、あるいはほかの果樹面積地帯に全部に行なうわけにはなかなかむずかしいので、たとえば桑園を前提にいたしますと、実際問題といたしましては、稚蚕共同桑園というものが被害を受けないようにということで、稚蚕共同専門に、重点的に農家がそこをタイヤを燃やしたり、あるいは重油燃焼を行なうことによって被害を最小限度に防止するということで実行している次第でございます。また一部的にビニール被覆をかけるとかいうような技術の方法もありますし、またさらに、今後一つのホルモン剤といいますか、農薬等によりましてなるべく発芽を抑制するというようなことも考えられてはおりますけれども、まだ実際問題として試験研究の段階でございして、普及の段階にはまだ至っていないというふうに理解している次第でございます。今後抑制剤が十分に活用でき得ますれば、霜害の、晩霜の時期をおくらしたあとで発芽を始めるというようなことも考えられるわけでございます。
#190
○佐田一郎君 この天災融資法あるいはまた濃甚法の指定ですね、これはまあ先ほどお話が出ましたが、昨年の北海道の例によって、若干額をふやすということになっておったわけですが、どんなふうにふえていますか。もちろん、まあ激甚指定等については、先ほどのお話では調査して何とか早くやってくれるそうですが、融資の額等、どういうふうにふえているか、ひとつお尋ねいたします。
#191
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。
 お話の問題でございますが、先ほども松永先生から御指摘がございました点についてお答え申し上げたとおり、ただいま統計調査部の被害報告を待ちまして、天災融資法については政務次官申し上げましたような前向きの早急な検討ということを急いでおるわけでございますが、昨年の秋、北海道冷害を契機といたしまして、当委員会で御審議を願いました天災融資法の改正によって、融資限度は、内地、北海道、それぞれ二倍に引き上げられたわけでございまして、二十万円を四十万円と、内地においては大幅な引き上げを行なったわけでございます。で、これによりまして、今回の被害が「特別被害農業者」というようになるような被害の大きい方々につきましても、所要の現金経費は、これで、昨年の限度引き上げによっても対応させていただけるんではないかというふうに判断をしております。
 それから激甚災害の問題でございますが、これはもちろん天災融資法発動と同時に、被害の金額が、四十七年度の全国の農業所得推定額の一定割合あるいは一定割合に達する県が幾つかあり、かつまあ非常に大きな被害を受けた農家が主業農家の何割を占めるというような基準があることは、先生御案内のとおりと思いますが、天災融資法につきましても、実は激甚災については被害が非常に大きい、国の施策を手厚くしろというようなことで、現地の御要望もございますが、天災融資法に関する激甚災指定のメリットは、実は限度が、十万円だけ貸しつけ限度があがるだけでございます。したがいまして、今回の被害の実態を見ますと、私どもは、まあこれは予断はしておるわけではございませんけれども、天災融資法の発動自体があれば、その点については特に激甚災の指定を待たなくても、融資の面での措置は可能ではないかというふうに考えております。
 それからまた凍霜害につきましては、災害対策にお詳しい先生方に申しわけないんでございますけれども、風水害等の土木災害の場合は激甚災になりますと非常に補助率が高くなるというようなメリットがございますが、凍霜害につきましては、これは融資措置でございますので、メリットといたしましては、ただいま私申し上げましたような限度の一定のかさ上げというだけでございますので、いずれにしても、農家の資金需要の実情にこたえられるかどうかという点で判断していっていいのではないかというふうに、実は事務的には考えておるわけでございます。
#192
○佐田一郎君 佐藤政務次官にお伺いしたいと思うのですが、政務次官は非常に災害については御熱心であって、しかも理解が非常に深いわけですが、そこでこの天災融資制度の、どうも借り手が少ないという声があるんですけれども、それは事実かどうか。また、一面どうも最近非常に低金利時代であるにもかかわらず、現在六分五厘ですか、少し高いんじゃないか。いま少し三分五厘ぐらいまで下がらないものか、ちょっと高いんじゃないかという点が一つ考えられるんですが、それとなかなか迅速に貸し出しが実際上は、やってないんじゃないかと、もう忘れた時分じゃないとどうも手当てをしてくれないんだというような声もあるんですが、この点どうですか、政務次官からひとつ正直なところを。そういうことがあったんでは、せっかくの国の制度金融が泣いてしまうんで、ひとつそういう点、御研究いただいて、私も仲間から聞いておるんですけれども、昨年の米の関係なんかも、いまようやく貸し出しが始まったというようなことをいっておるんですが、こういう点、ひとつ低金利にしてもらいたいということと、迅速に貸し出しをしていただきたい、こういう点をひとつどうですか、ちょっと伺います。
#193
○政府委員(佐藤隆君) いまの御質問でありますが、大河原参事官から先ほどお話ししましたように、天災融資法の貸しつけ限度につきましては倍にするという大幅な引き上げ措置をやります。あわせて金利の点についても、実は去年、改正をいたしているわけであります。五分五厘というレートも実はつくったようなわけでありまして、なお詳しい点については大河原参事官から答えさせます。
#194
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。
 ただいま政務次官からお話申し上げましたとおり、天災融資法は普通被害者については、なるほど六分五厘でございますが、被害の態様によりまして、昨年、当委員会で御審議していただきましたように、五分五厘という段階を設け、さらに農業収入について相当な大きな被害がございますと、三分という資金があるわけでございまして、現状では各種災害金融の中では、実は農業という特質もございますが、最も低利な制度として、今日運用しておるわけでございます。まあ、その借り手がいないんじゃないかというようなおしかりがございますが、農家の方々の対応も、やはり多少の被害については利息のつく金よりも預貯金で対応する。特に被害の大きい方々、三分資金を借りるような方々は、これは農業収入に多くの被害を受けたというような方々が借りておって、天災融資法の現在の融資率を見ますと、融資額の八割ぐらいは三分資金というようなものを多く借りられている方々だというようなことになっております。もちろん、金利も下がりますし、災害対策は充実の上に充実をするということが筋でございますので、今後もなお検討を続けるべきものと考えておるわけでございます。
#195
○佐田一郎君 蚕繭の共済保険金の概算払いですが、これはまあできるだけ早くお願いしたいと思うのですけれども、これはいつごろになりますか。
 それからまた時間がございませんので、一緒にひとつ……。天災融資法が発動されるというと、税の減免が当然行なわれるわけですが、この手続等についてひとつお尋ねをいたしたいと思います。
#196
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。
 今回の養蚕業の被害で非常に多く桑が凍霜害のために掃き立て不能というようなことで共済金の仮渡しなり、あるいは国が最終的に再保険金の財源を用意するという問題があることは先ほども申し上げたとおりでございまして、そのために、養蚕関係の被害県については農林経済局のこれの関係の担当官が現地でただいま調査中でございまして、早期の支払いを末端の要望にこたえるようにいたしたいと、大体具体的に申し上げますと、七月上旬には共済金の仮渡しというような各種措置が地元の御要望に応じてやれるように進めておるわけでございます。
 なお、税の減免の問題等につきましては、先ほど松永先生からもお話がございましたように、まあこれは大蔵、自治両省関係のほうからお答えするのが筋と思いますけれども、従来の災害の例にならいまして、助成、負担の軽減の問題についても配慮をしてもらうように農林省としても努力をしたいというように考えております。
#197
○佐田一郎君 次に、御承知のとおり、非常に桑がやられて、また新しい新芽が出て、そして養蚕やるわけですが、非常に樹勢が衰えるので追肥等をやるわけですが、まあ相当むだな肥料をくれてやるのですが、そういうことが一つと、それからこれはまあ農林省の専門家はよくわかるわけですが、非常にやわらかい桑、あるいは短期間に育った桑をくれるという関係上、桑もそうですが、養蚕にも凍霜害というものが非常にふえてくるわけです。そういうことで薬剤の購入やあるいはまた追肥の助成というようなものが国で考えられないか、この際ひとつ政務次官にお尋ねしたいのです。
#198
○政府委員(荒勝巖君) 終戦直後にしばしば大凍霜害がございまして、その以前につきましてはあるいは肥料、あるいは農薬の助成金を出したいきさつが実はあるわけでございますが、いろいろな事情等がございまして、最近の災害、特に凍霜害に際しましては天災融資法の制度等、そういった制度的な金融制度が確立いたしました関係もございまして、肥料とか、農薬等の消耕品の系統には補助をしないようなことで最近は処置しておるわけでございまして、実際問題として、今回の被害に際しましても、そういった御要望に沿うことはむずかしいのではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。
#199
○佐田一郎君 それから最近被害地の、これはまあ群馬、長野その他どの県もそうでありますが、養蚕指導員は非常に掃き立て前後から掃き立てを終わらせるための苦労はたいへんなんですが、協同組合をはじめとして、養蚕の関係団体は非常に苦労しておるのですが、そういう関係で技術員のいわゆる時間外手当等について国がこの際、ひとつ国庫補助をするというような道をひとつ新しく開いてくれという要望もあるんですが、さきの二つの要望と、これもひとつ御研究いただきたいと思うんですが、この点いかがですか。
#200
○政府委員(荒勝巖君) この点については、やはり農薬あるいは肥料と同様でございまして、実際問題といたしまして、通常活動とこういった災害の特別活動との実態の掌握といいますか、区別が非常にむずかしいというようなこともございまして、補助事業としてこれを設定することは非常にむずかしいんではなかろうかと、こういうふうに考えているわけでございます。
#201
○佐田一郎君 この養蚕関係の桑もそうでありますが、蔬菜、果樹等の被害も相当あるわけですが、蔬菜等の種苗の資材購入費の補助というようなものも考えられないか。これも先ほどいろいろと補助関係、あるいは何と申しますか、融資関係とダブるので、ちょっと困るという御返答があるかと思いまするけれども、そういう点はいかがですか。相当蔬菜関係の被害もあるようでありますが、そういうふうな点について何らか助成する方法があるかどうか、ひとつお尋ねしたいと思うんです。
#202
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。
 ただいまの桑の樹勢回復なり、病害虫特別防除等の経費、農薬の助成という問題については最初に園芸局長からお答え申し上げたわけですが、その他の蔬菜なり果樹等についても同様な問題があるわけでございます。これら資材費につきましては、先ほども園芸局長が申し上げましたように、昭和二十年代において災害が多発し、農家の負担なり、他の制度が整わなかった時代におきましては助成をした例はございますが、最近におきましては、金額が非常に零細で一般的な用途と災害のときの特別にやった用途の仕分けが実はむずかしいというような実情がございまして、会計検査等の面からもしばしば問題が起きているわけでございます。したがって、要するにこれは現金経営費であるという点から、農林省といたしましては天災融資制度なり、あるいは自作農資金制度というような資金の面で、農家の御要望にこたえていきたいというふうになっておるわけでございます。ただ国の助成が非常にむずかしいものでございますので、県におきましてはあらかじめ災害条例等をつくっておきまして、県の単独でその点を補完していっていただいているというような事例がございまして、国がその責任をのがれるわけじゃございませんけれども、中央・地方を通じまして穴があかないような制度の運用ということで対処をしてまいりたいというふうに考えております。
#203
○佐田一郎君 最後に霜害防止対策に関しまして、これは国のやはり試験研究が前から行なわれておるわけでありますが、恒久対策として、先ほどちょっと話が出ましたけれども、何か特別な試験研究をしておるかどうか。この点はいかがですか。これは最後にひとつ、もし具体的なものがあったらお聞かせいただきたいと思っております。
#204
○政府委員(荒勝巖君) 先ほど申し上げましたように、試験研究機関におきましても、また都府県の試験研究機関、あるいはその他の方々ともいろいろ検討して試験研究といたしまして、さしあたり重油燃焼機がいいのではないかということで始めたわけでございますが、まあ最近の時点におきましてはタイヤが非常に多いということで、古タイヤ等も利用しておりまして、一時、十年ほど前でございますが、重油燃焼機に凍霜害対策として助成したわけでございますが、むしろ最近の時点におきますと、今回の凍霜害の前後にやはり寒い段階がありましたので、重油燃焼機等で燃やしましたところ、実は新しい、まあ一つの、くさいと、新しい公害といいますか、くさいといいまして、相当周辺の、いわゆる一般の居住の方々から異論が出るような段階でございまして、われわれといたしまして、確かに重油を燃やしたりタイヤを燃やしますと、くさいことも事実でございまして、新しい、まあくさくない何か対策を考える時期が近づいておるのではなかろうかと、こういうふうに考えておりますが、こういったものにかわるべき安い、実際に農家が使えるような対策というものはなかなかむずかしいのではなかろうか。いまのところ、まあ新しい近代的なやり方といたしましては、発芽抑制で、もう五月も終わりごろになってから発芽できるような方法が発見できないものだろうかということで農薬等の開発を研究しておる一方、また最近稚蚕共同専用のために人工飼料の開発等につきましても、蚕糸試験場のみならずその他の試験研究機関におきましてもぼつぼつ近いうちに実行できるような人工飼料の開発も進んでおりまして、まあ凍霜害専用の人工飼料等につきましても予備飼料として留保していくということもあるいはそのうちに実験的にできる時代も近づいておるように理解しておる次第でございます。
#205
○八木一郎君 関連してちょっと。
 ただいまの御答弁の中で、それはむずかしいと、困難だと、こういうことがちょっと残りますので、困難だけれども何とか検討して道をあけてもらいたい、こういうまあ要望を含めた質問でございますが、私の質問がここに間違いでなければ、凍霜害救済助成措置として昭和三十九年度に養蚕指導活動をしておる。この特別活動事業の助成補助として三十九年には二千五百四十五万三千円、四十四年には六百四十四万五千円の指導補助対象県について助成が行なわれておるわけです。それで、被害の率が三〇%以上の桑園面積と、百ヘクタール以上の県というようなワクがありますけれども、とにかく過去においてこれだけの特別時間外活動といいますか、災害活動のためにこの指導員の諸君の手当の根源は繭ですから、繭が入らないと手数料も入らない、給料も払えないということになっていくので、それは気の毒だということで、こういう実績がありますので、先ほどの御答弁ではむずかしい、要望に沿いがたいというように聞えましたが、なお、検討の余地はあるのではないかと思いますが、どうですか。
#206
○政府委員(荒勝巖君) ただいま御指摘がありますように、三十九年には農林省といたしましてこの技術員の活動費補助金といたしまして二千五百四十五万三千円、それから四十四年には六百四十四万五千円というものを政府として一種の凍霜害対策の一環として支出していることも事実でございます。ところが、まあわれわれといたしまして相当各方面の御要望に従って支出した次第でございますが、こういう補助金を出したあと、まあ会計検査院とか、その他の機関によります調査を行ないましたところ、この災害対策としての活動費の助成になったのか、それともこの一般的な活動、運動費の補助金として出たのか、末端の支出段階におきましてその辺の仕分けが非常に困難でございまして、その辺が指摘されまして、現実問題といたしまして末端の市町村なりあるいは農協等で非常にまあその辺の釈明といいますか、説明に非常に苦労をされたということで、この辺の取り扱いについては今後とも、われわれとしましても非常に深くその時点におきまして反省しまして、まあ今後、こういったものにつきましては非常に迷惑をかけることにもなりますので、この取り扱いは非常に困難ではなかろうか、こういうふうに理解している次第でございます。
#207
○八木一郎君 困難な事情は、そういう事情であるとすれば、その指摘された弊害のある点を直して、やっぱりこういう災害時に給料も払ってもらえない羽目にはまる、特別活動をしても目をあけてもらえないというような状態にしておくことは、これはいかぬのじゃないかと思いますので、なお実情を再検討をして、何とかあたたかい行政の手を打たれるよう、期待しておるということを申し上げて、質問を終わります。
#208
○上林繁次郎君 関連。
 もうすでにほとんどが言い切られておるわけですが、そこで、私は二点だけ政務次官にお伺いしたい。
 長野県の問題です。この資料によりましても長野県の桑の災害は一番大きい。まあこのままではどうにもならぬということで、補てんといいますか、補充といいますか、これにかわるべき桑ですね、これを山梨だとかあるいはまた岐阜、愛知、これらの県から取り入れているわけです、輸送をして。その輸送費が非常にかさむというわけですね。そこで、この輸送費に対する何か助成をしてあげるというような考え方はないのか。この点ひとつ伺います。
#209
○政府委員(佐藤隆君) 先ほどの蚕業普及技術員の特別指導活動費の問題と同じように、非常に実現困難な問題であります。いま、ここでその輸送費を農林省として見るということを、直ちにここで申し上げるような状況に実は率直に申し上げてございません。しかし、先ほど八木委員からも御指摘ございましたように、困難だということがわかっておっても、このたびのこうした災害をひとつ新たな起点として反省もしながら考えるという御要望がございましたので、そうした意味での御要望の向きと心得てひとつ反省をいたしてまいりたい、かように考えております。回りくどく申し上げますが、残念ながらここですぐやります、こういうような答えができないのをまことに申しわけなく思っております。
#210
○上林繁次郎君 これは、考え方はいろいろあると思いますが、そこで十分今後もあることだし、そういった点については八木先生のほうからお話があったけれども、十分検討する余地があると、こう思います。天災融資法というのは何のためにあるのか。そういう目的からいえば、やはりそれにつながる一環だろうと思う。そういった問題についても、ですからやっぱりそういった見地から十分検討する余地があるんじゃないか、こう思います。
 そこで、もう一点のほう伺いますが、これもおそらくむずかしいと言うだろうと思いますが、あきらめずに聞いてみたいと思います。災害を受けますと、その災害を受けた農家に対して、それを立ち上がらせていくためにいろんな措置があるわけですね。それはそれでいい、一応その面は。しかし災害をひどく受けますと、何で農家の収入をはかるかという立場、そうなりますと、その年は農家の生活が圧迫される、十分な収穫がありませんから。その辺について、これは昨年、一昨年と千葉県あたりも水害でやられたわけですが、その間のいわゆる生活の維持ということが非常にむずかしいわけですよ、困難になる。この点はこれは農林省のほうは、そういった点については関係ないというお考えなのか。あるいはいままで何らかの措置、助成等をしてきた例があるのかどうか、その点どうでしょうか。
#211
○政府委員(佐藤隆君) 助成というのはちょっとないと思いますけれども、先ほど来天災融資法の話が出ておりますが、自作農維持資金、この災害ワクを大幅にワクを持っておりますから、そういうものによって、レートは年五分ということでありますが、そういうものによってひとつ維持していく、こういう考え方でやっております。
 なおこれに加えて、いろんな資金の条件緩和措置なども、実は従来ともそうでありますが、十分農家の方々が生活していけるように、また再生産の意欲を失わないように、こうした資金で手当てをしているのが例であります。
#212
○委員長(小柳勇君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後五時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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