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1971/06/09 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 災害対策特別委員会 第6号
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1971/06/09 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 災害対策特別委員会 第6号

#1
第068回国会 災害対策特別委員会 第6号
昭和四十七年六月九日(金曜日)
   午後一時十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月七日
    辞任         補欠選任
     棚辺 四郎君     伊藤 五郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         松永 忠二君
    理 事
                小林 国司君
                世耕 政隆君
                上林繁次郎君
    委 員
                寺本 広作君
                濱田 幸雄君
                八木 一郎君
                渡辺一太郎君
                杉山善太郎君
                鈴木  力君
                塚田 大願君
   国務大臣
       建 設 大 臣  西村 英一君
       国 務 大 臣  中村 寅太君
   政府委員
       総理府総務副長
       官        砂田 重民君
       行政管理政務次
       官        岩動 道行君
       行政管理庁行政
       管理局長     平井 廸郎君
       行政管理庁行政
       監察局長     小林  寧君
       農林大臣官房参
       事官      大河原太一郎君
       運輸大臣官房長  高林 康一君
       運輸省港湾局長  栗栖 義明君
       気象庁次長    山本  守君
       建設省河川局長  川崎 精一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   説明員
       人事院職員局参
       事官       真田 善一君
       防衛庁防衛局運
       用課長      福田 勝一君
       外務大臣官房外
       務参事官     平野 文夫君
       林野庁指導部長  松形 祐堯君
       気象庁総務部企
       画課長      有住 直介君
       自治大臣官房参
       事官       福島 栄造君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○災害対策樹立に関する調査
 (昭和四十七年六月六日から八日までの発達し
 た低気圧による大雨等の災害に関する件)
 (昭和四十七年五月上旬の降霜による災害対策
 に関する件)
 (新潟港におけるしゅんせつ船の爆発事故によ
 る被害に関する件)
 (気象観測体制の整備に関する件)
 (富士山大沢崩れによる被害に関する件)
 (個人災害共済制度に関する件)
 (岐阜県大牧ダム放流による被害に関する件)
 (ソウル市大然閣ホテルの火災事故による日本
 人被害者に対する補償問題に関する件)
○昭和四十七年一月十二日から十六日にかけて発
 達した低気圧による岩手県の災害対策に関する
 請願(第三〇二号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(松永忠二君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る七日、棚辺四郎君が委員を辞任され、その補欠として伊藤五郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(松永忠二君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。
 まず、昭和四十七年六月六日から八日までの発達した低気圧による大雨等の災害について、政府から報告を聴取いたします。砂田総務副長官。
#4
○政府委員(砂田重民君) 昭和四十七年六月六日から八日までの発達した低気圧による大雨等の災害について御報告をいたします。
 御報告をいたします前に、今次災害でおなくなりました方の御冥福をお祈りいたし、負傷された方、あるいは各種物損の被害を受けられました方に心からのおくやみを申し上げたいと思います。
 台風第三号くずれの低気圧が中国大陸の南岸沿いに北東進し、六日早朝、台湾の海上に達したころから、南西諸島方面で大雨が降り出し、この低気圧が北東へ進むにつれて、大雨の区域は、七日には九州、四国方面に移り、八日には近畿、東海、北陸、関東方面の西部に移りました。九日現在では、この低気圧は、樺太南部へ移り、また、前線は太平洋上へ移動いたしまして、東北地方、北海道では、小雨が降っておりますが、今後は大雨の降る心配はございません。
 この大雨によります被害は、沖繩県、高知県、兵庫県を中心に、関西以西の各県に及んでおりますが、本日までに判明したところでは、次のとおりとなっておりますので御報告申し上げます。
 まず、一般被害といたしましては、死者八名、行くえ不明一名、負傷者二十二名、建物の全・半壊流失三十七棟、床上浸水六百六十九棟、床下溜水九千七百八十三棟、罹災者数二千七百十九名となっております。
 次に、施設関係等の被害といたしましては、公共土木施設約五十億円、農地等約二十三億円、豊作物等約四億円、その他あわせて約七十八億円となっております。
 この災害によります被害の大きかった高知県吾川郡伊野町に災害救助法を適用し、被災者の収容、食料の供与、被服、寝具の支給、学用品の支給等を実施したところでありますが、このほか、高知県をはじめ十四の県及び市町村では災害対策本部を設置し、応急対策の推進につとめたところでございます。
 以上、被害状況を御報告いたしましたが、さらに、今後の調査結果を待ちまして、災害復旧等に万全を期してまいりたいと、かように考えております。
#5
○委員長(松永忠二君) 何か御質問ありますか。――ございませんね。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(松永忠二君) 次に、昭和四十七年五月上旬の降霜による災害対策に関する件について、政府においてとった措置等の説明を聴取いたします。大河原農林大臣官房参事官。
#7
○政府委員(大河原太一郎君) 五月上旬の降霜害につきましては、前回の当委員会におきまして応急措置等につきましては、すでに御報告いたしましたので、その後の本格的な対策等について、現在とりました措置について御報告を申し上げたいと思います。
 まず、当委員会において、最も御要望の強かった天災融資法の発動等につきましては、六月一日の政令第二百十四号をもちまして、天災融資法を発動いたしました。関係県の資金需要等も勘案いたしまして、それを十分充足するという視点から考えまして、六億五千万円の融資総額をきめまして、なお、特別被害地域といたしまして、特に被害の激甚な群馬県、長野県、静岡県という県につきましては、特別被害地域を県として指定したわけでございます。それからなお、被災農業者に対する既貸し付け金の償還猶予等の条件緩和措置につきましては、五月二十五日に農林経済局長名をもちまして、関係金融機関に対してすべて条件緩和の通達を出したところでございます。
 それから、天災融資法と並びまして、自作農維持資金の災害特別ワクの設定につきましては、六億円を特別ワクとして設定いたしたわけでございまして、この金額は関係県の資金需要をつぶさにとりました結果、その要求を満たすものと判断しております。なお、現地からも要望の強かった蚕繭共済の共済金の仮渡し、早期支払いにつきましては、すでに前回の委員会で御報告を申し上げましたように、早期の損害評価、早期支払いというために、査定官なり、関係官を関係府県に派遣したわけでございますが、五月の下旬に至りまして、五月二十五日に農林経済局長名をもちまして、その共済金の仮渡し、あるいは保険金の支払い、さらに都道府県段階の連合会の資金手当が必要な場合においては、国の特別会計からの再保険金の支払いというものにつきまして措置したわけでございまして、現段階におきましては、本月下旬には関係県の被災農家の方々に対しましては、共済金の仮渡しが行なわれるものというふうに判断して事務を進めているわけでございます。
 以上、今回の降霜害につきましての主要な施策につきまして御報告を申し上げました。
#8
○委員長(松永忠二君) 何か御質問ありますか。
 それでは、いま話しの出ましたものを書類にまとめて、資料として出してください。天災融資法の適用政令案の概要なども出ておりますから、それではよろしゅうございますね。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(松永忠二君) 次に、新潟港におけるしゅんせつ船の爆発事故による被害に関する件及び気象観測体制の整備に関する件を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#10
○塚田大願君 私は、いま議題になりました新潟港におけるしゅんせつ船の爆発事故についてお尋ねしたいと思うわけであります。
 いまも運輸省の資料いただきましたが、五月二十六日午前十一時五十八分、新潟西港におきまして、運輸省所属のしゅんせつ船「海麟丸」が機雷らしきものに接触して爆発、沈没をしたと、こういう事故が起きたわけであります。
 新潟港は、つい先般リベリアのタンカーの「ジュリアナ号」の事故がございまして、その時も私は質問いたしましたが、まだ行ってみましたら「ジュリアナ号」の船体が半分そのまま残っているというところで今度またしゅんせつ船が爆発をして沈没した、こういうことで、まことに現地に行ってみましても何か異様な感じを受けました。しかも、リベリアタンカーの場合にはこれは幸いに人身の事故はなかったわけでありますけれども、今度の場合にはいま港湾局が発表されましたこの資料見ましても、死者二名、入院加療十六名、軽傷二十九名、計四十七名という数字になるわけであります。大きな惨事になったと思うわけであります。
 私、早速行きましてこの現場を調査したわけですけれども、あの二千トン以上の大型の船が、とにかく船の鉄板がまくれ上がって、鉄のパイプがあめのように曲がっているのを見まして、機雷の威力というもののすごさを私は感じました。確かに機雷というものは軍艦を目標にしたものでありますから、相当の爆発力を持っているものだということは想像もしておりましたけれども、やはり現場を見ますと非常にものすごいものであるということがわかりました。しかも、その場所が港口のすぐ近くで、すぐそのわきを佐渡の大きな観光船が行き来しておるというふうな場所でございますし、ちょうど事故のあったときには、朝鮮の帰国船が入港しておったというふうなことがございまして、この狭い港口で、もしこういう船が事故を起こしたならば、これはたいへんなことになるんじゃないかと思いました。しかも、時間はちょうどあの日の昼、昼食どきで、まあ昼間でございましたから救助も非常に早かったという話でございます。したがって、事故もこの程度にとどまったのだと地元の人は言っておりましたが、これがもし深夜であったならば、もっとやはり大きくなったであろうとも想像されます。こういうことで、事故の実態というものは運輸省もつかんでおられると思うのですが、まず、この爆発の原因の問題について、運輸省にお伺いしたいと思うのです。
 この資料でも機雷の爆発によるものと判定されるというふうに言われておりますが、聞くところによりますと、これは米軍が戦時中に落とした磁気機雷であると、型式はM9型ではないかというふうに言われておりますが、その後この調査がどのように進んだのか、そしてその機雷の性質、型式ですね、こういうものがはっきり判定できたのかどうか、その点についてまずお伺いしたいと思うのです。
#11
○政府委員(栗栖義明君) ただいま先生御指摘のように、まず、先般の私どものしゅんせつ船が事故を起こしまして二名の死亡者そのほか負傷者多数を出しましたことを、この席をかりまして深くおわび申し上げます。
 ただいまの先生の御質問の、機雷の種類その他につきましては、実は、海上保安庁のほうで調査をしていただいておりますので、私のほうは海上保安庁からお聞きしたことをここに御報告申し上げておるわけでございます。したがいまして、型式その他につきましては私どもとしてはわかりかねますけれども、たぶん戦争中の投下された機雷じゃなかろうかというふうに想像はしているわけでございます。ここの資料の三ページにも書いてございますように、(1)から(5)までいろいろと書いてございますように、こういう事実を海上保安庁のほうで判断されまして、機雷であろうというふうに判定されましたし、私ども乗り組み員から聞きましても非常に瞬時にして爆発した、それで船が沈んだというふうに聞いております。
#12
○塚田大願君 第九管区海上保安本部ですね、新潟にございます。ここでの発表も、五月二十九日の発表によりますと磁気機雷であると思われると、こういう発表がやはりされておりますが、なお海上保安本部としては海上自衛隊やあるいは大学などに委嘱をして確認をしたいと、こういうふうに言っておられるので、なお、その最終的な結果はそれに待たなければならないと思うのですが、とにかく大体の常識からいって、そして、ここで原因があげられておりますが、これからいって、これは米軍の磁気機雷であるということはもう大体間違いないところだろうと思うのです。
 そこで、この二十七年前の戦争の落とし子である機雷がいままた浮かび上がってきている、まあいわば戦争の亡霊がまたあらわれたようなそういう感じがするわけですね。そこで私は、実は、この参議院の決算委員会におきましても二回にわたって戦後処理の問題として質問を申し上げているわけです。防衛庁長官あるいは自治大臣さらには総理にも、このことにつきまして質問をいたしました。とにかく機雷だけではなくて陸上の不発弾ですね、これもたくさんいま方々から出てくる、あるいは毒ガス、これも方々から出てくるということ、そしてまた、なおかつ機雷の問題があるのではないかということで、この点でいろいろ、二回にわたって質問をいたしました。ところが、陸上の不発弾の場合あるいは毒ガスの場合には主管官庁が明らかでない。いままでこれが一つのネックになりまして、非常に処理がおそくなっていたということがございます。この点については総理もあるいは防衛庁長官も自治大臣も、これはひとつ閣内で十分意思統一をして主管官庁を明確にして責任を持って今後処理するようにしますと、こういうことをはっきり言明されました。が、まあ機雷の場合は幸いにしてこれは海上自衛隊が処理するということが義務づけられておるわけですね。陸上の不発弾やそれから毒ガスと違いまして機雷の場合は幸か不幸かそういうことになっておるので、いままでも海上自衛隊でかなりやってこられたと思うのです。で、きょうはその点についてもお聞きしようと思ったのですが、防衛庁見えられましたか。
 じゃ、そういうことで、次に、防衛庁にお伺いしたいのですが、この機雷の掃海というのは、防衛庁設置法第五条あるいは自衛隊法第九十九条ではっきりきめられておるわけなんで、一体戦後二十七年間、この機雷の掃海というものは、防衛庁としてどういうふうにおやりになってきたか、その辺のことをお聞きしたいと思うのです。
#13
○説明員(福田勝一君) お答え申し上げます。
 戦後におきますところの機雷処理の状況でございますが、大戦中に敷設せられました機雷の数でございますが、まず、旧海軍等によりまして敷設されました機雷が五万五千個ございます。これは終戦直後の第二復員省あるいは復員庁、これは旧海軍の方々によって主として構成されていた役所でございましたが、この復員庁によりまして二十一年の八月に五万五千個全部を処理いたしております。これは一〇〇%処理を終わっております。で、問題になります大戦中に米軍によりまして敷設せられました機雷でございますけれども、これは戦後主として飛行機等により投下され、敷設されたわけでございまして、米軍のパイロット等からいろいろ情報を収集いたしまして、そうして得ました資料が、危険海域といたしまして三万四千三百三十三平方キロメートルという集計の数字になっております。また、投下敷設せられました機雷の総数でございますけれども、先ほど申し上げましたパイロット等の証言等をもとにいたしましてつくった資料でございますが、それが一万一千八十個ということになっておるわけでございます。
 これの処理でございますけれども、昭和二十年の十一月の三十日までは海軍省の軍務局の掃海部が処理いたしまして、その後、役所の機構改革がございまして、二十年の十二月一日から二十一年の六月十四日までは第二復員省、それから二十一年の六月十五日から二十二年の十二月三十一日までは復員庁、それからさらにこの復員庁がなくなりまして、二十三年の一月一日から二十三年の四月三十日までは運輸省の海運局掃海管理部掃海課、これが主管いたしまして処理しております。それから二十三年の五月一日から二十七年の七月三十一日までは海上保安庁のこれは保安局掃海課、その後の一部機構改革があったようでございますが、航路警戒部というところが所管しておるようでございます。それから二十七年の八月の一日から二十九年の六月の三十日までは保安庁第二幕僚監部航路警戒部というところが処理いたしまして、昭和二十九年七月一日防衛庁あるいは自衛隊の設置に伴いまして、その後海上自衛隊がこの掃海をするという形になって掃海をやってまいったわけでございますけれども、これら諸官庁が所管いたしまして、処理と申しますか、掃海した海域が、先ほど申し上げました三万四千三百三十三平方キロメートルのうち三万一千九百三十九平方キロメートル掃海を終わっております。
 で、機雷の個数でございますけれども、一万一千八十個のうち、処理いたしました数が六千十八個ということになってございます。残りが五千六十二個残っておる、こういう数字でございます。もちろん、もともと一万一千八十という数字そのものでございますけれども、これがパイロット等の証言等をまとめましてつくった数字でございまして、主として日本の港湾を中心に投下敷設されたものでございまして、必ずしも海上ではなく、あるいは一部陸地等に投下せられておるということが推定されるわけでございますが、いずれにしましても、ほぼこれに近い数字の機雷が残存しておるというふうに考えられるわけでございます。
 で、先ほど申し上げました掃海完了いたしました面積の危険海域に対します比率は、全国で九七%という数字になってございます。ただ、太平洋の沿岸それから九州沿岸、日本海沿岸、こういったところはすべて一〇〇%の掃海になっているわけでございますけれども、瀬戸内海を中心にいたします内海、こういったところが、浅瀬等を利用いたしまして、カキであるとかあるいはノリであるとか、そういった海産物の養殖の施設等がございまして、漁業関係者等との調整が必ずしもうまくいかないというようなことがございまして、掃海率が非常に悪くなってございます。この瀬戸内を中心にします内海の掃海の割合でございますが、八七・八%ということになっております。で、こういった内海の未掃海の部分が比較的多いため、全国平均といたしまして九三%、なお、未掃海の海域が七%残っておるということに相なるわけでございます。
 問題は、海上自衛隊がやっております掃海でございますけれども、これは御承知のとおり、自衛隊法の九十九条に、海上自衛隊は、海上における機雷その他の爆発性の危険物を除去、処理すると、こういうことになってございます。で、この法の制定の趣旨は、申し上げるまでもなく、海上におきますところの機雷その他の爆発物、そういったものを、海上自衛隊が持っておる現有能力によって除去し処理しなさい、すなわち海上交通のためにあるいは航行の安全のために十分であるようなそういう掃海をしなさいというのが、法の趣旨ではないかというふうに私ども理解しているわけでございますが、いずれにいたしましても、米軍が投下敷設いたしました機雷と申しますのは、先ほど先生のほうからのお話にもございましたように、磁気感応機雷ないしは音響感応機雷あるいは磁気水圧機雷というようなものに大別され、説明されているわけでございますけれども、こういったものが海底に沈んでおるわけでございまして、それがためにこれに対する掃海のやり方といたしましては、私どもの現有いたしております掃海艇四十二隻、うち小型の掃海艇が六隻ございますが、大型のほうは三百トン、小型のほうが四十トンでございますが、こういう掃海艇のうしろに長いひもで、船が、通常の船舶等が航行する際に発するようなそういう磁気を出させる、それから音響等を出させる、そういうことによって海上を往復し、掃海いたしまして、それに感応させて、機雷を爆発させるというやり方が、通常海上自衛隊が持っておる能力によりまして行なう掃海のやり方でございます。そういうやり方で一応危険海域ということで調べられた危険海域は一応九七%終わっておる。ただ、内海等については若干漁業関係者あるいは港湾関係者、そういったところとの調整が終わっておらないために、どうしても未掃海の分として残っておる、こういうことになるわけでございます。
 問題はもう一つございまして、海水と陸地とのちょうど接触部分になります砂地であるとか、あるいは道路であるとか、そういったところに機雷が投下せられてそのまま埋没しているとか、あるいは陸地に非常に近い部分でありましても、その後陸地から流される土砂であるとかあるいはヘドロ、そういったものをかぶっておるそういう機雷、この機雷等につきましては、大体いままで引き揚げられたものから判断いたしまして、信管の部分、すなわち発火装置の部分は大体死滅しておるというのが現在までの実情でございます。ところが、機雷の火薬の本体そのものはまだ生きておる、こういうことになっておるわけでございます。ところが、現在海上自衛隊が持っておりますその能力によりましては、この海岸線に埋まっておりますどろの中の機雷を処理する能力が非常にないと、そういうことをどうしたらいいのかということで、いろいろ、これは四十五年の九月に参議院の運輸委員会におきまして、社会党の小柳先生等から御質問があったというようなことも契機になりまして、昭和四十五年の十月の十四日に関係各省庁の連絡会議をいたしまして、そういった機雷等についてはどうするのか。すなわち、それまでに一部北九州等におきまして、港湾工事等の際、しゅんせつ船がカッターで機雷をたたいて爆発するというような事故がございましたのを契機にいたしまして、こういった会議を開いたわけでございます。そこで、こういった港湾等の工事によって海底を攪拌するような場合には、残存機雷の爆発の危険を生ずることがあるので、運輸省あるいは海上保安庁等は、機雷が残存すると推定される海域で行なわれるような工事の施工については、工事の施工にあたり確実に機雷の探査を行なうよう指導したいと、こういうような申し合わせ決定を見たわけでございます。ところが……。
#14
○塚田大願君 大体、まあ一ぺんにしゃべらなくてもいいです、順次質問しますから。
#15
○説明員(福田勝一君) いま少しで終わるんでございますが……。ところが土中に埋まっております機雷と申しますのは非常に探査がむずかしゅうございまして、現在海上自衛隊をはじめ、政府機関等におきましてはこういった機雷の探査能力というのがないわけでございます。ただ、民間の日本物理探鉱という会社がございまして、この会社が外国の特許等を取りまして、土中大体四メートルくらいまで探査能力がある。したがいまして、こういった民間の日本物理探鉱、これは一社でございますけれども、この会社がいろいろそういった港湾等の工事の際に、危険であるというようなそういう区域の機雷等の探査の下請をやっているというふうに私ども承知をしているわけでございます。しかし、だからと言って、防衛庁海上自衛隊がこのままの状態でいいとは言えないということを常日ごろ考えておったわけでございますが、せんだっての本院の運輸委員会におきまして江崎大臣も、今後こういったことにつき、土中に埋まっている機雷等の措置の問題については、政府においても十分その措置について善後策等を協議していくようにいたしましょうということを答弁されているわけでございます。私どもといたしましても、それを受けまして、土中におきますところの機雷を探査するそういった器具等を、もうすでにこの研究開発には従事しておるのでございますけれども、これを研究していきたいと考えておる次第であります。
#16
○塚田大願君 時間がないから、質問したことだけを答えてください。研究のことまで聞いてないんだよ。どうも、原稿を全部読まないと気が済まないような答弁でも困るんですが、私いま質問しましたのは、戦後の処理がどの程度までできたのかということで、研究開発や、これからのことはまたこれからのことで質問します。
 そこで、いまおっしゃったんだが、ちょっとこれは数字の間違いじゃないかと思うんですが、おたくは海面九七%掃海したとおっしゃったように聞こえたが、九三%の間違いじゃないですか。
#17
○説明員(福田勝一君) たいへん間違えて恐縮でございます。危険海域三万四千三百三十三平方キロメートルございまして、掃海海域が三万一千九百三十九平方キロメートルでございます。掃海率は九三%でございます。九七%と申し上げたのは誤りでございます。
#18
○塚田大願君 そこで、海面水域九三%というと、ほとんど済んだように聞こえるんですね。ところが実際には一万一千発のうち六千発、そうして残りが五千発というんですから、半分なんですね。いままで、防衛庁の答弁を見ますと、みんな九三%やったということを盛んに言われておるんで、何か錯覚が起きるんですけれども、しかし、実際は半分しか処理されてないということ。それからもう一つですね、防衛庁は海上における云々と、機雷その他の危険物の除去をするんだということで、たいへんこの法律の解釈を狭く考えておられて、何か浮遊しているものだけを除去すればいいと、埋没しているものは直接おれのほうの責任ではないというかのごとき答弁に聞こえるんですけれども、もちろん港の中のところなどは運輸省もこれは直接責任もあると思いますけれども、やはり機雷そのものからいえば、私は、防衛庁は埋没していようと何しようと、徹底的に探査して処理をするという義務を持っていると思うんです。ところが、まあ残りの五千発が浅瀬や何かに埋没している可能性があって、非常にむづかしいということで処理がされてないというんですけれども、私はそれは埋没しようと何しようとやはり防衛庁が責任を持って処理していただかないと、五千発の機雷をわれわれが何か抱きかかえて生きていかなきゃならないということになりますと、これはもうわれわれ国民の生活は成り立たないですよ。これは機雷だけじゃなくて、さっき言ったように陸上の不発弾のほうも、毒ガスも含めてこれは全く何かわれわれは爆弾の上にまだ住んでいるというふうな感じさえするんでね。やはりそういう意味では、これは防衛庁の責任というものは非常に私は大きいと思うんです。
 そこで、とにかくこれだけ処理したと言われたんだが、これは一体いつまでにおやりになったことですか、つい最近までですか、それとも昭和四十五年ごろまでにやったという数字ですか、それをちょっとお聞きしたいと思います。
#19
○説明員(福田勝一君) ただいま申し上げました処理の状況でございますけれども、四十七年、本年の三月三十一日で集計した数字でございまして、たとえば、四十五年の三月の三十一日から四十七年三月三十一日までの二年間におきましては、掃海海域といたしましては三十平方キロメートル、処理個数といたしましては二十二個の機雷を処理しておる、こういう状況でございます。で、現在も内海等におきますところのそういった漁業関係者というものとの間におきまして調整をはかりつつ小型の掃海艇等により掃海を続行しているという状況でございます。
#20
○塚田大願君 私があえてそのことをお聞きしましたのは、この四十五年の洞海湾でやはりしゅんせつ船が機雷に接触して爆発しましたときに、国会で審議がされましたときにやはり防衛庁は九三%やりましたと、そして六千個処理しましたと、いまの数字とほとんど変わらないんです。それでいま特にお聞きしたらこの二年間、つまり四十五年以後三十三平方キロですか。――三十平方キロ、それに二十二個の処理、五千発残っていると。二十二個処理したってほとんど処理していないといってもいいと思うんですね、五千発のうちの二十二個ですからね。ですから、私はその点でやはりこの掃海ということに対する取り組みが非常に弱いと。で、江崎防衛庁長官の話が出ましたが、長官もこの前私にもそのことを言ったし、総理もそのことは非常に強調されたんですけれども、早く処理すると、お金がかかってもそれはしなければならないと、こういうふうに言われましたが、しかし、現実はいま言われた程度の、二年間でたった二十二個で五千発が依然として残っているという状態は、私は早急に改めてもらわなければいけないと思うんですが。これは何でしょうか、予算がなかなか不定しておるんで、この掃海がむずかしい、この浅海における掃海なんかがむずかしくてできないというんですか、それとも何かほかに理由があるんでしょうか。
#21
○説明員(福田勝一君) 予算の問題についてはまず問題ございません。
 現在残っております掃海の海域と申しますのは、主として大体五、六メーター以下の水域ばかりでございます。
 それで、一般のこの日本近海におきますところの船舶の航行、そういった航行の安全という点ではまず一〇〇%安全でございます。ただ、そういった先ほど来申し上げておりますように非常に浅瀬であるとかあるいは海と陸の接触部分、そういった部分の土中に埋没いたしております残存機雷、これが五千六十二個のうちの相当数ではないかと思いますし、また、この五千六十二個の中には日本の沿岸等におきまして海底に敷設されていましても、土砂等をかぶりまして、海上自衛隊の先ほど申し上げたような方法で、これは大体同じ海面を二回から四回掃海するわけでございますが、そういったものによっても感応し爆発するということはないという状況になっておるわけでございまして、もう航行には安全でございますから問題は、私どもといたしましても泣きどころは、ほんとうに海と陸の接触部に残っておる機雷の処理ということになるわけでございます。現在持っております海上自衛隊の小型の掃海艇、これ四十トンでございます。これが六隻大体呉に所属いたしておりまして、地元の方々と調整ができたら、そのできたところを逐次掃海をしておるわけでございますが、この四十トンの掃海艇といえども水深が一メートルあるいは二メートルくらいのところになりますと、事実この掃海艇の航行そのものができないということでございまして、未掃海の海域が七%残っておるというのはいわば海上自衛隊の泣きどころと申しますか、非常に浅瀬のところそれから土中、かようになるわけでございます。
#22
○塚田大願君 予算の問題ではなくて、どっちかといえば技術上の問題のようなお話がございました。
 確かにそういう点ではいまの技術ではいわば磁気探査が最高のものだというふうに考えられていた程度であって、実際に埋没しているものに対する探査というものは非常にむずかしい面があるでしょうし、また掃海艇のことも出ましたが、とにかくいろいろそういう技術上の問題があると思うのですが、しかし、一方では予算の問題ではないとも言われておるので、だとすれば私は、その予算の面で困難がなければ、あとはいわば技術上の開発研究をもっと徹底的にお金をかけてやって、そして優秀な技術を開発して、そして浅瀬でもどんどん処理できるようにやはり努力する必要があると思うのですよ。そのためには、私はどんな困難があっても政府としては国民の命を守るということが大前提ですからそれをやはり徹底的にやる必要があると思うし、総理や江崎長官もそのことは約束されておるのですから、ひとつ防衛庁としてはぜひそれを徹底的にやってもらいたいと思うのですが、どうでしょうか。
#23
○説明員(福田勝一君) 私、先ほど申し上げた七%残っている部分についての海上自衛隊が持っている現有能力において掃海するについては、これは予算の問題とかかわりなく地元の調整等がうまくいけば逐次掃海ができる、かように申し上げたわけでございます。ただ、総理あるいは防衛庁長官がお答えになっておられる趣旨と申しますのは、そういった土中におきますところの機雷等を積極的に処分するということになるならば、現在の政府機関が持っておる能力によってはできないがゆえに民間の会社等にやはり委託してやらざるを得ないということになりますと、これはなかなか日本物理探鉱の機雷探査の費用というものは、相当高いものにつくようでございます。そういうことになれば、これは予算の問題が出てくるんではないか、かように思うわけでございます。
 それから、なお海上自衛隊はこういった土中に含まれている機雷等の探査について努力の意欲があるのかどうかということでございますけれども、これにつきましては最初長々と御説明を申し上げて恐縮だったんでございますけれども、これはここ数年、この方向でいろいろ研究を進めております。まだ成果は出ておりませんけれども、非常に手ぬるくて申しわけないんでございますけれども、やがてそういった面の能力をも備えることができるのではないかというような見通しでございます。もちろん、そういった能力が出ますれば、その段階におきましては土中に埋まっておる機雷でありましても、私どもとしましては元来が海上交通の安全というところをねらってやっておりました掃海でございますけれども、土中に埋まっている機雷等をも積極的にやはり探査し、除去し、処分していくという、そういう意欲があるという点では御理解を賜わりたい、かように思う次第でございます。
#24
○塚田大願君 時間の関係もございますから、防衛庁だけを相手にできませんので、今度は直接責任が今度の事件ではあります運輸省にお伺いしたいと思うのですが、これは直接いまこれから御質問するのは運輸省が適当かどうかよくわかりませんが、新潟港の場合、安全宣言というのがたびたび行なわれておりますね。これはまあ防衛庁、海上自衛隊も知っているでしょうが、第九管区海上保安本部としてもやっておられるし、それから、海上保安庁長官の名においてもこういうことが言われておるわけですが、その安全宣言というものはどういうものなのか、これをちょっと私どもしろうとにはよくわからないんですがね、ちょっと説明していただきたいと思います。
#25
○政府委員(栗栖義明君) 実は先生、ただいまお話しのように、海上保安庁が、これは水路部で公示されたものでございまして、私のほうと所管が違いまして、むしろ私のほうはそれを受けて、港湾の管理あるいは開発というものをやるという役割りになっておるわけでございますし、で、ちょっとお時間拝借しますけれども、四十年あるいは四十五年に工事中の事故がございましたものですから、海上保安庁とあるいは防衛庁の専門家の御意見も伺いまして、港湾工事をやる場合に、未掃海区域はこれはもちろんでございますけれども、掃海済みの区域につきましても危険な海域というふうに言われている場所に対しまして、新しく航路を掘ったり、深くしたり、広げたりといった場合は必ず磁気探査をやって、さらにこれは磁気探査をやりますと、鉄分は全部感応をいたしますから、さらに感応をしたところについてはもぐりを入れて調査をするということを実施してきておるわけでございます。ただ、新潟につきましては先生御指摘になりましたように、安全宣言がございましたし、実は、昭和四十年以降新しい航路の拡幅であるとか、深さを深めるという仕事をやっておりませんけれども、「海麟丸」は御承知のように信濃川の河口でございますので砂がたまります。たまった砂を吸い上げるという目的で建造し、就航しているわけでございまして、この点私も自身深く反省しておるのでございますけれども、そういうふうにたまったどろを吸い上げて、先ほどのお話じゃございませんけれども、土中深く入ったもんじゃなくて、土中深く入ったものは危険だけれども、すでに掘ってあるところのものをさらうんだということで安心しておりましたら、こういうふうな事故が出ましたので、この点深くおわび申し上げますと同時に、私ども自身も反省している次第でございます。
#26
○塚田大願君 安全宣言の問題も、私よく海上保安庁やその他海上自衛隊にも聞きたいと思うのですね。とにかく、最初港内安全宣言をされたのは、昭和二十四年の八月に港内安全宣言というのをやっておる。それから、二十七年二月は新潟港安全宣言というのをやっておられる。さらに三十五年九月でありますか、このころにも安全宣言というのをやっておられる。まあ繰り返し繰り返し安全だといっておって、ちっとも安全じゃなかったということなんで、私は、これはまことによくわからないしろものだと思っておるわけであります。しかし、きょうは海上保安庁も来ておりませんし、この点についてはまた別の機会に譲りますが、とにかく新潟港の場合には、先ほど海上保安庁からの説明はありませんでしたが、新潟港の場合には米軍が投下した機雷というのは七百八十一あると、そのうち処理されたのが四百四個あると、残が三百七十七あると、やはり半分くらいちょうど残っているわけです。四百個近く残っていると、こういうことなんです。にもかかわらず、安全宣言をしたというのは、私は、これはもう非常に責任上やはり問題ではないかと考えるんです。安全でなければ、こういうことをしないでおけばかえって注意するかもしれないんですね。ですから、今度の事故が起きまして、御承知だと思うんですが、新潟県知事から海上保安本部、それから海上自衛隊に対する要請書が出ておりますね、ついこの間、五月二十九日付です。これを見ますと、こう言っておる。「しかしながら、新潟港等については去る昭和二十七年二月一日に全航路について安全宣言がなされていたもので、このような事故が起る事態は全く予測してなかったものであります。」と、これは普通そうだと思うんですよ。だれだって安全宣言までして、しかも繰り返し繰り返しされれば、まさかこんな事故が起きるとはまず想像しなかったでしょう。しかし、よく調べてみたら新潟だけでも約四百個くらい残っている、こういう事態を聞かされて私どもは実際びっくりしてしまうんです。そういう意味で、安全宣言の問題についても、私は、これはこんな軽率な安全宣言をすべきでないと考えるんですが、それは海上保安庁のほうにもよくお聞きすることといたしまして、運輸省の場合、海上保安庁や防衛庁がやることで、私のほうはあまり直接責任はないというふうにお考えになっているのかどうか知りませんが、この港湾における機雷の事故というものは局長もよく御存じでしょうが、昭和二十三年以来五回起きているんですね。で、計十七人の人が負傷しているんです。それで今度はもっと大きな事故になってしまったんですけれども、全部しゅんせつ船なんですね。最近では昭和四十五年――二年前の五月に洞海湾でやはりこれは民間のしゅんせつ船ですが、このときも乗務員が一人けがをしております。それから同じ四十五年の九月十九日に富山新港でやはり同じしゅんせつ船が機雷事故を起こしました。このときには幸いけが人は出ませんでしたが、とにかくみなしゅんせつ船の事故なんです。だとすれば、私は、港内のしゅんせつ作業をやるときに、あらかじめこういう操業の安全対策というものがやはり徹底していなければならないじゃないかと思うのです。その点についてあらためて局長にお伺いしたいと思うんです。そういうふうにいままでこれだけの事故があるのに、初めてというんだったら別ですが、もうわかり切っているいわばこういう事故を起こすというのは、一体どういう安全対策をとっておられたのか、その辺をひとつお聞きしたいと思うんです。
#27
○政府委員(栗栖義明君) 先ほども、少し先走って申し上げて恐縮でございますけれども、新潟の場合は、先ほど申し上げましたように、一ぺん掘ったところのあとにたまったのをさらっていること、実はちょっと私どもも見逃しておったという点は事実でございますけれども、それ以外の各港につきましては、私の名前で通達を出しまして、新しく港路を掘る場合、あるいは深くする場合、幅を広げる場合、そういうふうな場合に特に危険なのはポンプ船で掘る場合でございますけれども、一般に単にそうじゃなくて、くいを打ったりというふうな構造物をやる場合につきましても、危険だと思われる個所については事前に磁気探査をやっている。さらに磁気探査をやった場合に鉄片あるいはワイヤーロープの切れっ端まで反応しますから、もぐりをいれてもう一ぺん確かめるというような操作をやるようにという指示をいたしまして、昨年一年間、四十六年度でございますけれども、全国で約二千四百万平方メートルの区域を実際磁気探査をやっております。これは大体二メーター程度まで掘りますと、もう一ぺん繰り返してやれというように指示しておりまして、そういうふうに新しいところをやる場合には、極度に注意してやるようにさしてございます。ただ、繰り返して申し上げますように、新潟の場合のようなところに実は盲点があったというような点は率直に申し上げまして反省したいと直います。
#28
○塚田大願君 お答えのとおりだと、私は思うのですね。局長通達が四十一年、四十五年に出ておる。しかし、それは、そういういま言われたような条件のところで磁気探査をやっている。新潟港のような場合、毎年同じようなところをやるというところはやってないという実情です。これが今度の結果になって出た。ところが現場に行って聞いてみますと、なるほど毎年やっているところは本来必要はないみたいに考えられるのですけれども、実際は土砂は移動するし、土砂もくずれる場合もあるし、したがって、機雷が動くという場合があるわけですから、この程度の通達ではやはり事故は防げなかったと思うのですよ。やはりやるべきことをやらないでその事故が起きたということになりますと、やはり私は責任が非常に重大なんで、このことはもう二度と繰り返さないように、こういう場合のことも想定しながら、港内におけるしゅんせつ工事作業というものに対する安全対策はやはり徹底していただく必要があるだろうと思います。船や物の損傷だけならばとにかくとして、人命がそこなわれるというようなことになりますと、これはやはり重大な問題ですので、ぜひその点をお願いしておきたいと思います。
 それで、時間がもうだんだん切れてきましたので、私はもうあと少し大事な肝心なところがあるのですが、一つはいわゆる労働条件の問題ですね。聞いてみますと、やはりしゅんせつ船というのは二十四時間船内拘束で三直三交代制で深夜作業すると、現に今度事故の起きた「海麟丸」も秋田で一度前にドラグサクションで防波堤にぶつけて事故起こしたことがある船ですが、やはり深夜作業やればいろいろそういう事故を起こす可能性もある。そこで、やはり勤務体制の問題ですね、この改善を私はやはり考えてみる必要があるのじゃないか。これは船員法であるとか、船舶安全法であるとか、いろいろ法律によってこういった海事職の勤務体制というものはあると思うのですが、しかし、こういう特殊な作業をやっておる場合には、私はたとえば四直三交替制というふうなことができないのかどうか。それから、港内の当直時間の拘束というふうなものをもっと緩和することができないのか。とにかくもっと労働条件を緩和してほんとうにそういう面からも危険性を防ぐ、特に新潟のように狭い河口港で夜間作業をやっているというのはたいへん危険なことだと私は思います。広いところならとにかく、船がしょっちゅう出入りしているところで深夜作業をやっている、こういうことも考えますと、この労働条件の問題については運輸省としてはぜひこれは考えていただく必要があろうかと思います。
 それからもう一つは、補償の問題ですね。補償の問題は、これはあとで人事院が来ておられると思うので人事院に最後にお聞きしたいと思っておるのですけれども、この問題も今回の場合の事故の原因を見ますと、これはその当事者の責任ではなくてやはりそういった、いま言ったような機雷というふうなものからきているものですから、やはりこの補償の問題を政府としても十分考えていただかなければならないと思うのですが、その点で運輸省の考え方をお聞きしたいと思います。
#29
○政府委員(栗栖義明君) まず、先生御指摘のように、新潟港のような場合にも考え直さなければいかぬというような御指摘がございましたが、そのとおりでございまして、実は昨日私の名前であらためてこういう場合についても十分やれということを重ねて通達を出してございます。これはいずれも関係各省とも相談しなければいかぬと思いますが、とりあえず実際の第一線で働く人たちの安全性の確保という見地からもう一ぺん再検討するということと、それから、新潟のような場合の盲点をなくするという意味で、徹底してやりましょうというような通達を出しております。
 それから、労働条件につきましては、先生御指摘のような乗り組み員からのいろいろな話も私聞いてございます。で、現行の人事院規則なりあるいは国家公務員法にきめられたいろいろなものがございますけれども、こういうふうなドラグサクションのようなしゅんせつ船というのは港内で作業したものを港外に捨てにいくということで、しょっちゅう港を出入りするという特殊な性格を持っております。
 それからなお、夜間作業につきましては、実は話は逆になるかもしれませんけれども、実際にドラグサクションが活躍する場と申しますのは、ほかの船の航行に支障のないようにどろを堀るというのに特徴がございますので、私どもといたしましては乗り組み員が安心するまで安全性を確認した上でなお労働条件その他につきましても十分検討いたしまして、むしろ昼間の航行のひんぱんなときを避けて夜間にこういう作業をすべきじゃなかろうかというふうなことで検討してございますので、先生御指摘の点は十分私どもも御指摘の旨を体しまして検討いたしますし、なお、第一線の乗り組み員の方々の意見も十分くみ取って進みたいというふうに考えております。
 それから、最後に、犠性者につきましてはまことに痛ましい限りでございまして、私のほうも人事院その他にお願いいたしたいと思いますけれども、最大限のひとつ補償措置をお願いしたいと思いますし、私どもの中で、部内でできることはあらゆる手を尽くして遺族その他の十分めんどうを見て差し上げたいという気持ちを持っておる次第でございます。
#30
○塚田大願君 まあ、運輸省としてはほんとうにいま局長の言われましたように誠意をもって補償の問題あるいは今後の労働条件の問題を考えていただきたいと思うのです。
 最後に、時間が参りましたので、このいまの補償の問題で人事院にお聞きしたいのですが、国家公務員災害補償法の改正がいま行なわれて審議されております。ここでなお、今度問題になっておりますこの法案では、「警察官、海上保安官その他職務内容の特殊な職員で人事院規則で定めるもの」ということが言われておりますが、まあどっちかというと、武器を携帯しているような職員、そういったものをその他の特殊な職員という考えのようですけれども、しかし、考えてみますと、いま言ったようなしゅんせつ船の事故などは、まあ自分は武器を持っていないかもしれないけれども、相手が武器だったというふうな場合ですね、それが二十七年前の武器だったというような場合ですけれども、とにかくこの非常に危険な、高度に危険な条件の中で作業をしておるという、こういう国家公務員ですね。こういうものは、私はこの法律が適用できるようにすべきではないかと思いますし、衆議院におきましても、この附帯決議案の中でそういった趣旨のことがうたわれておるわけです。一般的な常識としまして、いまこういった災害が起きたときの補償というのは、民間企業なんかの場合ですと、相当なレベルでやられておる。ここに資料もございますけれども、たとえば塗料関係などは、大体死亡した場合には一千万ぐらいの見舞い金が労災のほかにあるということになっています。その他でも六百万、七百万というのが常識になっておりますが、国家公務員の場合にはそれが出ない。それでこういった法律も考えられていると思うんですが、この点人事院としてはどういうふうに今度のようなケースの場合にお考えなのか、その点をお聞きしたいと思うんです。
#31
○説明員(真田善一君) お答え申し上げます。
 今回、警察官等に特に限りました理由を申し上げますと、まあ警察官等と申しますのは、国民の生命、身体及び財産の保護その他公共の安全、秩序の維持というような特殊な任務を負っておりまして、この任務を遂行するにあたりましては、自分の生命だとか身体に対する高度の危険が予測される状況下においても、なおその職務を遂行しなければならないというような、特殊な職務上の義務を課せられているものに限定したわけでございます。そこで、警察官と特別な職種に限定したわけでございます。しかし、先ほど先生がおっしゃいましたように、一般の職員につきましても、危険な仕事に従事するという者も十分想定されるわけでございますが、しかし、こういったものにつきましては単に国家公務員だけではなくて、民間企業の従業員等にもそういった危険業務に従事する者もおるわけでございます。ところが、一方われわれの公務員の災害補償制度につきましては、民間のそういった労災保険等との均衡を考慮してやらなければならないというような法律の規定もございます。また、民間の水準を考慮して定めなければならないというような規定もございます。したがいまして、今後本年度から民間の実態を調査いたしまして、先ほど先生がおっしゃいましたように、民間では一部そういった労災保険法等によるもの以外に、法定外でいろいろ処置されているやに聞いておりますので、今後そういった調査をいたしまして、積極的に、前向きに検討してまいりたい、こう思う次第でございます。
#32
○塚田大願君 ぜひその点はひとつほんとうにこれはもう国家公務員の場合にはいつでも非常にあと回しにされておって、ついこの間も川崎の土砂くずれの実験の事故の場合もそうでございましたが、私、ここで質問もいたしましたけれども、ぜひこれは国家公務員の皆さんの場合といえども、民間の方といえども、これは同じ大切な命でございますから、そういう点では政府としてはぜひひとつ前向きに御検討をお願いしたいと思います。その点運輸省も、運輸省は運輸省としていろいろ考えていただきたい、このことをお願いして、私の質問を終わります。
#33
○鈴木力君 最初にいまの新潟港の機雷問題で若干伺いますけれども、いま塚田委員の御質問はだいぶ広範に触れられておりますから、なるべく重複をしないようにお伺いしたいと思います。
 まず最初に、運輸省の港湾局長さんにお伺いいたしますが、先ほど塚田委員の御質問に御答弁がありましたように、たぶんきのうの日付で通達を出されただろう。そこで私が伺いたいのは、この通達を出された先が全国の管理者と、それから地方港湾建設局長ですか、この二者に出されておるわけでありますが、通達を出されたあと、何かその後の追跡調査といいますか、点検といいますか、そういう御計画があるのかないのか、あればどういう御計画を持っていらっしゃるのか伺いたいと思います。
#34
○政府委員(栗栖義明君) 私ども、出先に当たります港湾建設局、これは北海道は開発局になりますけれども、そういうところは関係の局長以上集まってもらいまして具体的な指示をいたしてございます。それから港湾管理者に対しましては、早い機会に、あるいは各地区別にブロック会議あるいは全部集めますか、ちょっといま検討してございますけれども、早急に説明会を持って指示いたしたいというふうに考えてございますし、なお先ほど、繰り返しております、いろいろな、従来の直轄はもちろんでございますが、港湾管理者に対しまして、港湾工事に対して補助事業と申しまして補助金を交付して仕事をやる場合に、補助対象事業と、どの範囲を補助対象にするかということをきめておるわけでございますけれども、これも港湾管理者のほうで希望する、この範囲までは十分検討したいというところがあれば拡大して、極力管理者のほうで安心して仕事ができるという範囲まで、対象範囲を広げるというふうな基本的な考え方を持っております。
 それからなお四十五年のときに出しましたあとも、具体的に各港ごとに、どういうふうな場所でどういうふうな探査をするかというのは、予算の実施の計画のときにわかっておりますので、それをどういうふうにやったかということも報告をとってチェックしておるというのが実態でございますし、今後とも進めてまいりたいというふうに考えております。
#35
○鈴木力君 私が一番先にこのことを伺いましたのは、どうも従来、こういう事故が起こったから直ちに、どこかの責任がどうだというような、そんな話には持っていきたくありませんけれども、そうではなしに考えてみましても、しかし初めての事故ではないわけですね、先ほど以来、塚田委員とのやり取りの中にも出てまいりましたように。そういたしますと、いままではそういう事故がありましたときに、必ず何かやっぱり通達かなんか出しておったと思う。前には何もしなかったということにはならないと思う。だから、その通達は出しておるけれども、にもかかわらずまた機雷なら機雷の事故が起こる。これを、厳重に通達を出しましたと、それからいろんな点検をしましたと、しかし、それでもこういう事故をこの際繰り返したとすれば、再びこの通達が要らないような手だてというものが私は具体的に計画されてしかるべきものであろうと、そういう意味でいま申し上げたわけであります。したがいまして、やっぱり管理者――おそらく府県知事ですか、大部分の港湾は。管理者に通達を出しましたと、あれは大部分は補助事業でいろいろ港湾の事業をやっていらっしゃるとすると、その予算の面もさることながら、この指示をされた、たとえば具体的にいろいろなことがあるようでありますが、この指示どおりにやられておるかどうかということの、これは報告を求めますという点では従来も報告は求めておったと思う。そうすると、従来になかった何かの方法で相当きびしいやり方が必要なのではないか、こんなふうに私は感ずるものですから伺ってみたんです。いま御答弁をいただきましたのですが、一定の時期にこの通達がどう生かされておるのか、点検といいますか、相当念入りな追跡調査ということをまずぜひひとつお願いを申し上げたいと、こう思っております。それから、同じこの事件につきまして、今度当事者というか、はなはだあれですが犠牲者ですね、犠牲者の所属しておる労働組合は全港建ですか、全港建に所属しておる二人の犠牲者、みんな犠牲者ですけれども、特におなくなりになった方は二人です。そうした事故を起こしましたときに全港建あたりから相当強い要望といいますか、要求といいますか、作業についての安全保障の問題が出されておると思います。それから同じように海員組合のほうとしても、これはちょっとうわさみたいに聞いたので不正確でありますけれども、海員組合のほうからも運輸大臣あてですか、相当な強い要求が出てきているということを聞いております。その中身はどういうことですか。
#36
○政府委員(栗栖義明君) 実は、本日私のところで全港建と中央の話し合いを持っておる最中でございます。で、いろいろ項目ございますが、安全問題につきましては、先生もあるいは御承知かとも思いますけれども、昨日私の名前で各建設局なりあるいは管理者に出したのは、これは一般的に十分やれと、あるいは新潟のようなところでも十分やりなさいという指示をしてございますけれども、あとは技術的に詳しい安全対策についての議論があろうかと思います。たとえば、ちょっとこれは技術的になりますけれども、磁気探査をやりますと、コイルに鉄分の磁気が感応するわけでございますが、何ガウス以上どうだとかいうふうな話とか、そういうふうなお話も出たと思いますし、先ほど塚田先生がおっしゃいましたような乗り組み員の勤務体制につきましてもいろいろな申し入れがございまして、それに対しまして私ども、第一線の人たちの作業状態の状況につきましてはできるだけ要望に沿いたいというような趣旨で相談しておりますということで考えております。
 それから、なお海員組合のほうの御要望は、ほかの点もございますけれども、新潟についてもう一そう安全性を確認してくれという趣旨のことがあったかと私記憶してございますけれども、それにつきましてもこれは一般に港湾管理者あるいは海上保安庁の港長業務という立場を別にいたしまして、むしろ暫定措置でございますけれども、私ども自身が港の工事をやっておりますから、工事をやる保安といいますか、人命に直接つながる問題でございますので、自発的に進んでやりたいというふうなことで進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#37
○鈴木力君 その中身についても大体わかりましたけれども、どうもこの種の問題は従来とも、さっきも申し上げたように繰り返すわけですね。そしてやや抽象的な答えが出ておって、その抽象的な答えが具体化をする以前にまた同じ事故を繰り返す、こういうようなことが従来あったと思うのです。したがいまして、私どもはやはりそういう面から相当検討をしてほしいと思いますが、特にいま御答弁いただきましたように、労働条件の問題等も、どうも私はこの船の関係の労働件というのはやや安全性ということと、それはまあ船でありますから安全性ということはいつでも重要視されておる、されておりながらどこかにひとつ欠陥があるような気がしてならないわけです。
 これは運輸省の直接のあれではありませんけれども、前に出ました無線通信士の定員にしてもそうですね。外国航路の大型の船に二名の通信士を置いていた定員を一名でいいということにして大騒ぎになった。ああいうことなんかも、ちょっと機械的に考えると通信機械が非常に進歩したから一人でいいのだ、そういう計算から通信なら通信というものの定員を減していく、そうしたことが機械を過信することによって事故につながっていくというような、あるいはそこの職員が労働過重になって事故につながっていくというような、どうもそういう点が少し目こぼしがあるような気がしてならない。したがって、今度のこの事件を見ますと、いまの通信士とは関係がありませんけれども、先ほど塚田委員も指摘いたしましたように、何といってもやはり三直交代というのはどうも少し酷に過ぎるのではないだろうか。こういった業務に携わる職種こそ最低でも四直三交代くらいのそういう制度をつくってしかるべきではないか。特に私は、さっき通信士の例を使って言いましたけれども、国の直轄するそういう職場でこれは民間をリードしていくということ自体が運輸行政の安全を守るという。一つのリーダーの役割りを果たすのではないか、こういう気がいたします。そうした点についての運輸省当局としてのお考えはございませんか。
#38
○政府委員(栗栖義明君) いま先生御指摘のように、先ほど塚田先生から御指摘がありましたように、こういうドラグサクションの作業というのは非常に特異なものでございます。この点は私どものほうもいままで努力の足りなかった点もあろうかと思いますけれども、人事院も十分その特異性を了解していただきたいというふうに思っておりますし、現在のきめられた法規の中でも最大限、まあこれ運用ということばを使いますか、できるだけのことは皆さんの要望に沿って勤務条件をよくしていく、あるいは労働過重にならないようにするという努力を続けてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#39
○鈴木力君 できるだけのということでいつも済まさないように、今度は具体的にどこを改善するつもりであるという答えを実は私は期待しておったわけです。できるだけのことをするという答弁は、大体検討とか慎重にということ、これは国会の委員会の常用語でありまして、どうも私はあまりなるほどと思えない。そうではなしに、具体的に私は三直交代でやっていることが無理ではないかという御質問を申し上げました。できるだけということではなしに、四直三交代なら四直三交代に切りかえるように今後は具体的な作業に入るとか、やはりこういう事故が起こったときに、そういう切りかえ切りかえといいますか、対応する処置が直ちに講じられないで、やや事故が起こったあとしばらくたってそれから取り組む、あるいは取り組まずにそのときの気持ちがいつの間にやら細くなっていくというようなことがあると思います。ですから私はやはりこういう業務については、そういう具体的に改善の処置をこれできるだけ早急にお願いを申し上げたい、こう思います。
 それからその次に、さきに言いましたように、ここは前にも掘ったところであってよもやここに機雷があるとは思わなかった、こういう御答弁がさっきあったと思いますが、それは私どももよく理解できると思います。まさか一ぺん掘ったあとに機雷が残っておってまた爆発するとは思わなかった、それは当然のことだと思いますが、しかし、そういうことで済ましてもおれない問題でもありますし、先ほど以来防衛庁の課長さんからも塚田委員に対していろいろの御答弁がありましたのですが、これは防衛庁とか運輸省とかいうことよりも、いずれにしても瀬戸内海に毒ガスの問題もある、戦後処理としてはですね。そういうような、日本人の人命に危害を与えるようなそういう危険物というものがあるわけでありますから、これは先ほど来の御答弁で調査もしている、あるいは探査もしている、そういう活動はやっているという御答弁をいただきました。これは政府として、これらの問題に対応する責任官庁はどこになっておりますか。
#40
○説明員(福田勝一君) 機雷の問題につきましては、これは海上におけるところのそういったものの除去処理、これは海上自衛隊が責任を持ってやらなければならないと思います。ただ、その海上におきますところの機雷その他の危険物という、海上という点については、先ほど塚田先生からも御指摘いただいたのでございますけれども、私どもは従来海上自衛隊が持っておるそういった能力に即応して、そういう除去あるいは処理の作業をやればよろしいのであると、こういうまあ一応の理解をしておる、こういう状況でございます。したがいまして、完全に土中に埋まってしまったものであるということについては、これについては、これは現有能力がないので、それについては政府においても関係省庁の連絡会議において一連の措置をとって、そういう措置に基づいてできるだけ安全を確保していく、いろいろのその他しゅんせつ工事をやるように、こういうふうになったと、私どもは理解しているわけであります。
 なお、毒ガスの問題でございますけれども、これにつきましては、やはり私どもとしましては、たとえばイペリット等がボンベに入っている場合には若干疑問があるわけでございますが、これはイペリット爆弾というような形になっておりますれば、爆発性の危険物ということで、当然海上自衛隊がその除去及び処理をするということになろうと思うわけでございます。この点につきましても、せんだって五月の二十五日、内閣の審議室、環境庁、そういったところが音頭をとりまして、連絡会議を開いた結果、大久野島の問題につきましては、一応当面する問題としてそれぞれ処理するわけでございますが、総理からの国会での答弁、こういうこともございまして、総点検をするということになりまして、この総点検については、防衛庁が中心になって各省庁の協力を得てやりなさい、こういうことで、一応連絡会議の決定を見たわけでございます。私どもといたしましては、総点検については、その後いろいろ具体的な方法等を検討いたしまして、近くこの防衛庁内部といたしまして、三つの自衛隊それぞれ基地等中心にいたしまして、全国的な総点検の作業を進めるようにいま手はずを整えているわけでございます。とりあえず問題になりますのが宇部沖の毒ガスということになるわけでございますが、これにつきましては、来週早々掃海艇をあちらに赴かせまして、水中テレビあるいは潜水夫、これはダイバーが海上自衛隊におりますので、そういったものによって調査をやる。それが終われば今度は大湊のほうへ、陸奥湾の一部、そういったところの調査も同様の方法をもってやりたいと思っております。問題は、毒ガスの現在の所有ということが問題になるわけでございますが、そういうことが一応現在のところ、所管官庁等については、私どもの見たところ今後問題はあろうかと思いますが、一応現在の段階で処理を進めていくのにはそれほど不自由をしないのではないか、かように思っております。
#41
○鈴木力君 いまやっていることは、先ほど塚田委員の質問に対する御答弁で大体わかりました。私がいま責任官庁がどこかということをお伺いしたのは、私はどうもこの種の問題が、これは一般の災害の場合もそうなんですが、どうも責任があいまいであって、たとえばいま課長さんからお答えいただいたけれども、海上の機雷は海上自衛隊の責任だ、防衛庁の責任だというのでしょう。そうすると、陸と海上の境目はどこだということになると、これは港湾であればあるいは運輸省がということになりましょうし、一般の普通の海岸線の場合には建設省ということになりましょう。何か、そういう形の責任がばらばらになっておるところに、やはりこういう事故が何べんも繰り返すということになりはしないだろうかという懸念を私は持っておるのです。したがって、これは、きょうは総理府がお見えになっていない。そうすると、どなたに申し上げていいかわからぬわけですが、これはむしろ委員長に申し上げまして、災害対策委員会としてたとえば機雷なら機雷という、こういう事故防止あるいは機雷ということに限らずに、いま御答弁をいただいたような、毒ガスはこっち、機雷はこっちというよりも、むしろ終戦前のこうした危険物の処理ということに、統一をして、責任官庁をつくって、統一的に政府が本腰を入れてこれらの除去作業に立ち上がる、こういう形のものでないと、どうもこの事故というものは解消しないような気がいたします。
 これはこの委員会として、政府にそういう申し入れをひとつしていただければ幸いだと、こう思います。
#42
○委員長(松永忠二君) 鈴木委員から御要望もありましたが、この前も、実は私も、公害対策特別委員会でこの問題を取り上げられて質問をするところにも臨みましたけれども、これまたまことに答弁があいまいで、明確でないという感じもいたします。きょうも運輸省あるいは防衛庁の関係者の答弁の中でも、非常に限界がもう明らかでない点も非常にあるように思うのですが、機会を見て、総理府にやはりこの見解を明確にしてもらうということが必要だということを感じておりますので、適当な機会にそういう措置をとりたいと思っています。
#43
○鈴木力君 それでそのあとに、責任官庁をつくっていただいてからなおこの次の対処のしかたについてはさらに御質問申し上げることにいたしまして、新潟港の機雷についてはこれだけで質問を終えさしていただきまして、その次に入ります。
 行管の長官がお見えになっておりますけれども、今度は気象庁の観測業務と定員の関係についてひとつお伺いをこれからいたしたいと思います。
 長官もおそらく時間の持ち合わせがそうないと思います。本来ならば気象庁に相当お伺いしたあとに長官にお伺いをしたいのでありますけれども、その時間の持ち合わせがないだろうと思いますので、先に長官にお伺いをしておきたいと思いますが、昭和四十六年の八月に、国の行政事務の簡素合理化に関する行政監察の結果に基づく勧告をなさっていらっしゃいますね。そのうちの、運輸省関係のうちの気象庁に関する部分、この気象庁に関する勧告についての、文書はよろしいのでありますが、そのあらましの趣旨をひとつ承りたいと思います。
#44
○政府委員(小林寧君) 勧告の内容につきましては三点ございます。第一は、測候所についてでございます。戦前、主として軍事的要請などにより設置され、現在ではその存在意義が乏しくなった測候所については配置の適正化をはかることが一つ。第二点は、気象通報所についてでありますが、河川法に基づいてダム管理者が観測施設を設置したなどにより、必要な観測結果の入手が可能なものについては、通報事務を廃止することであります。第三点は、地区及び特区予報区についてであります。府県予報区担当官署が府県予報を数地域に区分して行なっているなどのことによって、独立した予報区担当官署として存在意義の乏しいものがございますので、離島など特異な気象条件の地区を除いて地区及び特区予報官署では原則として予報を行なわず、予報の伝達、解説業務に専念させること。
 以上がそのあらましでございます。
#45
○鈴木力君 局長さんにあとでこの問題については詳しくもう少しお伺いいたしますが、長官にお伺いいたしますけれども、いま御答弁をいただいたような趣旨の勧告が出ている。ところがその趣旨の勧告が、実際に気象庁ではその趣旨を乗り越えたような実施が行なわれているような気がして私はならない。たとえば、いまのこの第三項の地区、特区の予報区ですね。これがばらばらになって統一的な予報ができないからというので、ここの予報はやめて、そして各府県の中央区ですか、そこのところに全部集中してしまって、そういう形になってくるものを、しかしまあ勧告の文章によると、何でもそこをそのとおりやれとは書いていないので、いまの局長さん御答弁にもあるように、「離島など特異な気象条件の地区を除き」と、こう書いてあるのですね。その離島など特異な地域を除きというここのところがどうも、これはあとで気象庁のほうにお伺いいたしますけれども、よく読まれていないみたいな感じがする。そこで、長官には大ざっぱにお伺いをしておきますけれども、この種の勧告というのは、指摘をしたものはもちろん指摘をしたということになりましょうが、一つの例示というものが全部に行き渡るということになりますと、これは行管としてはその趣旨に合っているのかどうかということなんです。それほどやかましいものなのかどうなのかですね。具体的に言えば、あとで気象庁にもう少しお伺いいたしたいのでありますけれども、たとえば今度の行管の勧告に基づいて、これはまあこれから気象庁にお伺いしてみないとはっきりはしませんけれども、どうも私どもが仄聞をしている限りにおいては、相当の地区あるいは特区、そういう実際に観測業務をやっているところの定員を減らしてみたり、それから地区の予報をやめてみたり、そういうことがある。そのことによってどういう結果が起こっているのかといいますと、たとえば、私の郷里で、これは古い話でございますが、岩手県のあの海岸の久慈という地域がございます。これが集中豪雨を受けたことがある。ものすごく大きな被害を受けて、この委員会でも取り上げられて審議、対策を講じていただいたことがあります。あのときの久慈市の集中豪雨というのは実は警報が解除をされたあとに集中豪雨が降ってきた。そこで当時の気象庁のあのときの答弁でも、あそこは特殊な地形であって、そして盛岡の気象台一つと、それから何か富士山のレーダーかなんかを使ってやっているけれども、どうしてもそういう特殊な地域、部分的な地域については手が及ばないんだという意味の答弁がたぶんあったはずです。そして岩手県あたりからもその後久慈市に測候所を、あるいは観測、あるいは予報のそういう施設をほしいという陳情や請願があったはずです。ところが今度の気象庁のこの勧告に基づいた計画を読ましていただきますと、逆に久慈市にそういう施設をつくるということではなくて、そのあたりの上にある八戸と宮古、あるいは大船渡というような海岸のこういう観測所の定員を逆に減らしてきておる。強化するべき必要が、もう事実として過去にあったような地域が、私をして言わせれば、機械的に減らされているというふうにしか見えない。これは私はどうしても、勧告の受け取り方に違いがあるのか、いずれにしても実情に合わないものが相当あるような気がしてなりません。したがいまして長官に、それほど窮屈ではなしに、この勧告の趣旨というのは、趣旨を生かしながらも、しかし現実的に必要なものは積極的に進めていかなければならない趣旨である。私はこの文章どおりに読みますと、どうもそういう趣旨に読まれるのでありますけれども、その点の、その勧告というものはこういうものだということの御見解をひとつ承りたい、こう思うのです。
#46
○国務大臣(中村寅太君) 勧告の趣旨といいますか、ねらいとするところは、これはやはり全般的に見る場合と個々に見る場合とあると思いますが、ただいま監察局長が申しましたような勧告は、きわめて個々の問題をとらえた勧告でなく、やはり一般的にそういうすべてに当てはまるようなとらえ方の勧告だと思います。ただ特に管理庁でいろいろ勧告をしますが、勧告の対象になる場所とかあるいは機能とかによってかなり違ってくると思います。いま御指摘になりましたような気象庁なんかの場合は、これはやはり運輸省でも、――私も運輸省に経験がありますが、非常に重大に考えておる部署であります。これが気象情報というようなものがすぐ災害につながる可能性がありますので、運輸省としてもかなり重要にこれは考えておる部署であると思います。
 で、そういう場合、場所等をいろいろ監察を通じて簡素化、合理化をしますときには、やはり測候所でいいますと観測機能の低下しないように、それから観測情報を流す面が弱体化にならぬようにというやはり特別の配慮をしながらこれは運輸行政の中で取り扱っていっておる。特に、最近機械化等が非常に進んでまいりまして、特に気象情報をつかむような機械も昔と違って開発されてまいっておりますので、人間は減るのですが、機能は強化されておるというような面がかなりあると思うのであります。そういうこともございまして、一律に人間を減らせというようなことも申しませんし、監察局では、気象観測機能というものはやはり強化しなければならぬというたてまえになっております。
 それから通報事務も、これもまた強化の方向でいかなければならぬという基本線はきちっとしておいて、いろいろ合理化等、機械化等によってできるだけ人員も減らしてもらいたい、機能も合理化してもらいたい、こういう考え方でやっておるわけでございます。
#47
○鈴木力君 わかったみたいな、わからないみたいなこともだいぶんございますがね、確かにことばで言えばそういうことになると思うのですね。機械が整備をされてくると、人間の必要部分というものが、ある面はなくてもいいものが出てくる。しかし、それはそういう具体的なやり方は、いまの観測と通報、あるいは予報のその機能を強化するという前提でなければいけない、いまの長官のおっしゃったとおり。ところが、私が先にあげた一つの例は、機能を強化するのではなしに、いままででさえもがその機能が機能しないで、ミスがあり、これはそれだけの施設、設備がない限りはやむを得ないと、当時は言われたものですね。積極的にむしろそういう増強しなければいけない。ところが逆に予報の回数も減ってくれば、特殊な地域に、そこの地域の観測と予報が必要であるのに、予報する場所が中央に全部移ってしまう。こういうことでは機能が強化されたということにはならないと思うのです。まあしかし、基本原則としてのいまの長官の御答弁はわかりました。
 そこで、しばらく気象庁にお伺いいたしたいのですが、気象庁のこの勧告を受けての合理化計画ですが、おそらく一次と二次とあって、現在は二次目に入っていると思います。勧告も二回目に観測があったわけですから。その計画の大要をひとつお示しいただきたいと思います。実はきのう資料要求でお願いを申し上げましたのですけれども、具体的な内容の資料はちょうだいすることができませんでした。具体的な内容のほうをひとつお伺いいたしたいと思います。
#48
○政府委員(山本守君) ただいま御指摘の点についてお答え申し上げます。
 気象庁におきましては、第二次の定員削減といたしましては、三カ年で二百六十二名を予定しております。第一年度――つまり今年度でございますが、八十八名、第二年度八十七名、第三年度同じく八十七名という削減数でございます。なお、この削減は気象庁におきまして、四十六年度定員六千百五十一人を対象にした数字でございます。
#49
○鈴木力君 長官、次に何か御日程があられるそうですから、次官がいらっしゃると思います。このあと次官にお伺いいたします。
 そこで、いまの気象庁の次長の御答弁で総体の数字はわかるんですけれども、私がさっきから問題にしているのは、具体的な観測業務と予報業務ですね、その点が私はいま問題だと、こう思って御質問申し上げておるわけです。それらの具体的な計画をお伺いしたいと思います。
#50
○政府委員(山本守君) お尋ねの件につきましてお答え申し上げます。
 私どもの削減の具体的な計画内容につきましては、事務的な管理業務の削減等、いろいろな項目はございますが、ただいま御指摘ございました点につきましての中心的な問題点は、気象業務のやり方につきましての合理化、業務改善等における面からの削減という点にあろうかと思います。そこで、その点につきましての削減のいたし方を御説明いたしたいと思います。
 当庁の地方出先機関は一つの県にほぼ一つの地方気象台を置いております。で、その一つの県の地方気象台のほかに二ないし三の測候所というものを持っております。例を具体的に出しまして、岩手県について例をあげるといたしますと、盛岡に地方気象台がございます。宮古と大船渡に測候所がございます。それで天気の予報というものにつきまして、ただいまではどういうような仕事のやり方をやっているかという点が基本になろうかと思いますので、若干触れさせていただきたいと思います。
 全国、各地におきまして出します天気予報というものを作成するにつきましては、基本的には日本周辺の気圧配置でございますとか、温度でございますとか、風でございますとか、そういうものが必要でございます。それで極東天気図と称しておりますけれども、日本周辺を広くとって、その天気概況というものがどういうような状況になっておるかということを、資料を集め、これを解析するのは、ただいま東京の本庁に電子計算機を置きましてやっております。また、地方ブロック、たとえば北海道なら北海道といった地方ブロック的なただいま申しました天気概況というものは、地方管区気象台というのがございまして、東北地方で申しますと、仙台ですが、ここで作成をいたしております。で、そういう段階のものを基礎にいたしまして、それで一つの県でございますと、一つの県の予報というものを地方気象台がつくり上げてまいります。この際、もちろん、各レーダーの資料というものも伝送によりまして判断の材料になるわけでございます。
 それで、ただいま申しました岩手県の例で申しますと、従来は、盛岡の気象台におきましても、宮古、大船渡の測候所におきましても、同じくただいま申しましたような材料というものを基礎にいたしまして、それに地方気象台並びに測候所におきまして観測いたしました局地気象状況というものを加えまして、それでこの地方の予報、つまり将来の天気がどう変わっていくかということを判断いたしまして発表するわけでございます。それで、私どもといたしましては、一つの県の中におきまして、盛岡におきましても、宮古におきましても、大船渡におきましても、同じような天気図をつくる作業を重複して行なうということが今日なお必要であるだろうかという観点に立ちまして、長い間検討をしてまいった次第でございます。通信線の発達でございますとか、ファックスによる受画装置の整備というものを長い間かかりましてどうにか整備いたしまして、これは、同じような作業を三カ所でやらなくても、局地の観測値、つまり宮古、大船渡におきます観測値というものを盛岡へ送る、そうして盛岡におきまして岩手県全体の地区別の気象の判断をするということをやりまして、それをすぐ通信線で宮古、大船渡に返してやるという方法をとれるような段階になった、そう判断をしたわけでございます。したがいまして、天気予報を出しますためには、まず各測候所は観測をやるわけでございます。この観測は従来と変わりなく地方の測候所において行なうわけであります。で、いろいろ予報までへの作業段階、つまり、天気図を作成するということになるわけでございますが、温度を記入し、風向きを記入し、気圧の等高線を書くといったいわゆる机上におきます作図作業、こういった作業に基づきまして天気図をながめて将来を予測するという……。
#51
○鈴木力君 順序はわかりますから、私はその順序を聞いているのじゃない。観測しないと予報できないのはあたりまえですから、まず観測いたしますなんて、そんなことはいらない。
#52
○政府委員(山本守君) したがいまして判断作業、つまり観測値を得てから判断するまでの作業というものを一カ所に集約いたしまして、出た結果をそれぞれの地区に返してやる。発表はそれぞれの測候所から行なうということでございまして、測候所といたしましては、要するに、天気図を作成する作業というものを省略する。で、発表行為並びに観測行為というものは従来どおり変わりなく行なうというのが今回の業務改善の要旨でございます。それによりまして労務が省略できるというふうに判断をしたわけでございます。
#53
○鈴木力君 その、判断したからこうしただろうということはわかるわけです。その判断にあやまちがないかということを私が聞いている。だから、さっき言いましたように、それでは調べていただきたいのですが、あれは四十何年でしたか、岩手県の久慈市の集中豪雨がありましたのは。あの久慈市の集中豪雨があったのは、これは盛岡の、いまは県の地方気象台ですね、盛岡に気象台があって、久慈には測候所がなかった。現在もありませんね。その予報の経路が、もちろん測候所が久慈になかったからですけれども、盛岡の気象台から集中豪雨の警報を出しておった、その警報を解除したわけです。解除したあとに集中豪雨が降ってきたんですね、そして大きな災害になった。これは予報のミスなんでしょう。解除したあとに集中豪雨が降ってきたということは、警報を受けるほうからいえば、警報のミスでしょう、それは認められますか。
#54
○政府委員(山本守君) 先生御指摘の集中豪雨は四十一年における集中豪雨であろうと思います。なお、当庁といたしましては、観測網の点におきまして、あの地方におきます弱点というものは、これは認めざるを得なかったわけでございまして、その後四十四年に秋田に気象レーダーを設けたわけでございます。函館と秋田と仙台と、三つのレーダーによりまして、当時よりは上空におきます気象状況はつかみやすくなりました。ただ、久慈地方におきますレーダーの不行き届きの点、つまりレーダーでカバーしきれない地区があるという点は事実でございまして、ただいまのところでは、雨雲はおよそ高度七千メートルぐらいに発生するのが通常でございますけれども、この秋田レーダーによりまして四千メートル以上の雲はキャッチすることができますが、それ以下のものはキャッチすることは今日でも不可能でございます。
 それで、それではどういう対策を考えているかという点でございますが、当庁におきましては、ただいま地域観測網の展開と呼んでおりますけれども、自動的に気象要素を機械がはかりまして、それを気象官署に通報してくるという、テレメーター方式と称しておりますが、この自動気象観測装置というものを全国的に十キロないし二十キロの平方のます目の中に一つ置くという計画を立てておりまして、今年度その最初の予算が成立いたしまして、まず、福島県下六カ所にその機械を設置いたしまして実際の業務に入るということに相なりましたので、今後、レーダーによる観測のカバーしきれない地点でございますとか、あるいは集中豪雨、豪雪地帯と言われておりますそういった地点をなるべく優先的に自動計測装置の展開というものをはかっていきたい、かように考えておる次第でございます。
#55
○鈴木力君 どうも話がよくわからぬですね。昭和四十一年の久慈の集中豪雨については、確かに警報上のミスがあった、それを認める、それを解消するために、函館、秋田ともう一つどこかのレーダーを使う。しかし、それでもそういう地域がある場合にはカバーしきれない、それで福島に何カ所かをつくる、福島にテレメーター方式を採用すると。これならば岩手県の海岸はそれで全部つかめるんですか。
#56
○政府委員(山本守君) 今後各県に全国的に展開をしていきたいと思っておりまして、今年度施設します福島県下のものは、岩手県の海岸に有効ということではございません。
#57
○鈴木力君 だからね、どうもあなたのおっしゃることが、何をおっしゃりたいのか私はよくわからない。われわれのほうの災害対策委員会側のほうは、これは昭和四十三年の九月十九日に衆議院の災害対策特別委員会からも決議があげられているでしょう。「自然災害の防止に資するための気象業務の整備拡充に関する件」というのがある。ところが、何べんか気象庁のほうにそういう角度から質問申し上げましても、私のほうからいえば、むしろ拡充ではなしに、逆にそっちのほうが低下をしていく、そういうことはいけないのではないかと言うと、これでいいんですという答弁をしょっちゅう繰り返しているわけですね。先ほどの久慈に置けば、それで万事オーケーという意味で、私は質問しているわけじゃありませんよ。そうじゃなしに、そうじゃないけれども、明らかに久慈の場合には、あとでレーダーのことも伺いますけれども、レーダーでカバーする、それでもカバーし切れない面がある。これは岩手県なんかは天気予報の当たらないところの典型みたいなものですよ。山ぞいは、北部は、海岸は、海岸は北部と南部で違う。平気で当たらない天気予報をしょっちゅう出しておるわけですよ。その欠陥はどこにあるのかということをむしろそういう角度で見てもらわなくちゃいけない。ところが、そうではなしに、福島にテレメーター方式をつくるから将来こういうことをやりたいと考える、考えているうちにまた集中豪雨がきて災害が起こる。そうでしょう。もしそういう完ぺきな方法があるならば、完ぺきな方法ができるまでは従来の観測機能というものを少なくとも維持するという努力は私はなすべきだと、こう思うんです。
 それで、具体的にもう少し伺いますけれども、第一次の定員削減計画で、たとえば測候所にいたしますと、測候所関係では全体で、五十名の減ですか、この計画は。これは具体的にはどういう減員の計画を立てているんですか。一つ言いますと、札幌の気象台の管下ではどこどこどこの定員を減にするのか、これは全部おっしゃっていただくと時間がかかりますから、札幌と仙台、お願いしたいんですがね。言ってください。
#58
○政府委員(山本守君) 札幌管区におきましては留萌、岩見沢、倶知安、紋別、根室、江差の六カ所を対象に考えております。仙台管区におきましては八戸、宮古、大船渡、酒田、小名浜を対象に考えております。なお札幌管区におきましてはこの関係で六人、仙台関係では五人の減員を考えたわけでございます。
#59
○鈴木力君 現在たとえば留萌なら留萌は何名おってどういう業務をやっておってどの業務をやっている何人を間引いたのかという、そういう説明をしていただかないとわからない。
#60
○政府委員(山本守君) ただいま御指摘のございました具体的な例といたしまして留萌をとりますと、観測回数は八回でございます。業務の内容といたしましては地震観測、それから漁業無線の関係、農業観測をやっております。人員といたしましては十二名でございます。
#61
○鈴木力君 そのうち何名どの部分を減らすのですか。
#62
○政府委員(山本守君) 各測候所とも一名減でございますが、この減ずる面の作業につきましては、先ほど申しましたいわゆる天気図を作成して予報作業の資料をつくるという面に従事しているものを対象にしたわけでございます。
#63
○鈴木力君 これは各測候所ともそうですか。
#64
○政府委員(山本守君) さようでございます。
#65
○鈴木力君 そうすると、いままでは天気図作成、予報資料の作成業務をやっておったものは一人で、今度は各測候所ともこれがゼロになる、こういうことですね。
#66
○政府委員(山本守君) ただいま御指摘の点でございますが、各測候所につきましてはいろいろな業務を都合して、たとえば留萌については十二名という人間がいるわけでございますけれども、この全体の仕事量というものを基礎にいたしまして天気図作業というものの作業量というものを計算して人をはじき出したということでございます。
#67
○鈴木力君 端的にお答えいただきたいのですよ。まあ留萌はぐあいが悪かったら岩手県の宮古にしましょうか。宮古にはいままで何人おって、それでここもやはり宮古も一名減なんでしょう。五つの測候所が減員ですから一名減になるのでしょう。この宮古の場合にも天気図作成、予報資料の担当が一人なくなるわけでしょう。どうですか。
#68
○政府委員(山本守君) 宮古につきましては十八名から一人を減じたわけでございます。
#69
○鈴木力君 そこで、その一人というのは何業務をしている人かということです。
#70
○政府委員(山本守君) 御答弁が重なるかと思いますが、宮古につきましては二十四回観測をいたしておりまして、そのほか地震、津波の観測、潮汐、沿岸の観測並びに漁業関係、農業関係の観測をやっているわけでございますが、ここの宮古の具体的な例といたしまして予報関係に従事しておりました者は二名であったわけでございます。これを一名削減したわけでございます。
#71
○委員長(松永忠二君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#72
○委員長(松永忠二君) 速記をつけて。
#73
○鈴木力君 要するに、いまの人員削減というのは、測候所に関しては、結局さっき言われた天気図をつくる、あるいは予報資料をつくる、そういう予報関係者が一人ずつ減ったと、こういうことなんでしょう。そうすると、札幌、仙台――仙台だけでもいいです。複雑になるとまた御答弁が遠回りしていけないから、仙台管区だけですと、予報関係の職員は何名残ることになりますか。
#74
○政府委員(山本守君) これは、何名という正確な数字はただいま資料を持ち合わせございませんが、宮古で減じた人間は盛岡のほうへ移す、つまり、地方中枢の気象台のほうを増強し、測候所を減じているということをやっておりまするので、差し引き計算につきましての詳細は調べさせていただきたいと思います。
#75
○鈴木力君 そんなの調べないだってわかるでしょう。あなたはさっき予報関係が宮古には二名、そのうち一名減したら一名しか残らぬでしょう。調べてみなきゃわからぬですか。そういう形で各局の累計を出すべきでしょう。
#76
○政府委員(高林康一君) 非常に技術的な知識が不足でございますので、若干補足説明をあとでさせていただけるかもしれませんが、私どもの理解している点について御説明申し上げたいと思います。
 先ほど気象庁の次長から申しましたように、たとえば岩手県で申しますと、現実に従来は天気図の作成ということは地方管区気象台でございますところの盛岡で行なっておる。同時に、それぞれ側候所でございます宮古あるいは大船渡、こういうふうなところでもそれぞれ天気図の作成を行なっておる。したがって、その天気図の作成の業務につきましては従来重複しておるという姿になっております。一方、通信機器あるいはその他の整備によりまして、かなり天気図の情報連絡というものが高い精度でもって十分担保できるようになってきております。そういうような現象からかんがみまして、天気図というような作成作業、こういうようなものを盛岡の地方気象台に集約いたしまして、そして宮古というような側候所の場合、盛岡地方気象台ともいろんな通信網の整備によりまして、その盛岡気象台におきますところの天気図の作成というようなものを利用して、そしてこれを行なう、こういうようなシステムを考えておるというのが状況でございまして、それによりまして二名のものを一名にして、天気図の作成の面において合理化してまいりたい、かように考えておるものと聞いておる次第でございます。
#77
○鈴木力君 そうすると、予報関係は要らないんじゃないですか。たとえば宮古なら宮古でつくっておったものとそれから盛岡の気象台のものと重複するから、そこで一名は盛岡にやってそっちで使うんだと、宮古では天気図も何もその資料をつくらぬでしょう。残った一名は何をしているんですか。
#78
○政府委員(山本守君) ただいまも御説明のあったところでございますが、あくまで発表行為というものは従来どおり行なうのでございまして、天気図をつくるというデスクの仕事というものを、三カ所でやっておったものを一カ所に集約したということでございますから、外部に対して発表するということにつきましては、宮古にしろ、大船渡にしろ、従来どおり発表行為は行なうわけでございます。
#79
○鈴木力君 そうすると、いまの削減の対象になったところは、天気図作成、予報資料の作成ですね、それと発表行為とあったんですね。最初からそう言ってもらうとはっきりわかるんだけれどもね。天気図作成と予報資料だけ言っておるからおかしくなるんで、もう少し、わかっていらっしゃることは最初から全部おっしゃっていただかないと、審議しにくいんですよ。
 そこで、私は問題にしたいのは、発表行為というものに一人残したと、いろんな形で発表しなければいけないわけです、それが一人でいいかという問題なんです。ほんとうのことを言いますとね、いまのように、特に私は岩手県を例にとっているから、岩手県を例に申し上げますけれども、岩手県というああいう広い県で、しかも地形が非常に複雑なんですね。複雑なところの発表は、さっきの久慈市の例でもないけれども、盛岡からの発表だけでは、ときどきミスがあったり誤差があったりと、特に宮古の場合には、いま御答弁いただきましたように、地震とか津波とか漁業、農業ですね、平時の場合には、むしろ漁業、農業の観測とその発表が非常に地元に対して大きな貢献をなしておるわけです。ところが、発表の回数というものは、昔何回であったから、いまも何回であってもいいということにはならないわけだ。これこそ発表の回数が非常に多くなければ、どんどん進歩していく漁業活動なり農業活動なりの奉仕にはならない。そうして災害防止ということを考えると、急に海のうねりの状況が変わってきたり、天気図が変わってきたり、それをまた報道する任務があるわけでしょう。だから、天気図をつくる人が盛岡にダブるから、宮古はその分は一人で予報だけでよろしいという考え方がどうも私は納得できない。少し機械的にお考えになってはいませんか。いまの天気予報業務というのは非常に重要な業務になっておる。たとえば、ラジオやテレビでしょっちゅう天気予報はやるけれども、それだけでも足りなくて、皆さんのほうで努力をなさって、電話で聞けばいつでも聞けるような、そういう施設さえしているんでしょう。そうすると、予報業務というものはどれだけいま住民に大事にされておるかということはわかっているはずなんだ。それを一人の人間を置いて、二十四時間この人がやらなければいけないということになってきたら、これは無理じゃありませんか。こういう機会にこそ、むしろ、行管の勧告があったにしろ、この業務だけは必要だから二人要るんですと、どうして気象庁が言えないかということなんです。どうです、その辺は。
#80
○政府委員(山本守君) 気象庁の仕事のやり方といたしまして、異常気象事態になりますと、臨時観測体制と称しておりますが、臨時体制をとりまして、観測、発表というものに人員を集中するというやり方をとります。なお、通常の場合でございますが、いろいろ行なっております観測業務につきましては、当番制で輪番をしておるわけでございます。これと発表に携わる人間というものとが同じ場所におるわけでございまして、平時においては、当地区では一人でやっていけるというふうに判断をいたしておる次第でございます。
#81
○鈴木力君 それじゃ答弁にならぬのですよ。その判断に誤りがないかということを私が言っている、何べんも同じことですよ。いま私は、一人で間に合うという判断をしたことだが、こういう時期こそ二名で予報活動を充実したらどうか、これが地域の住民に対する気象庁の義務ではないかとこういうことを聞いている。それは皆さんの判断はもちろん一人で間に合う計算、しかし一人が二十四時間できないわけだ、同じ地域にいるからだれかがかわっていつでもやるんですよ、これでは担当がどうとかなんとかさっきの説明が当たらないんだけれども、あなたのね。この二人は天気図の作製あるいは予報資料の収集、そして通報業務ですか予報行為、これをやるものを担当として二名置いたものを一人を盛岡にやったんですと、こういう説明でしょう。そして今度は一人で足りないじゃないかというと、他の者もおりますから、同じ場所におりますから必要なときにはだれでも来てやれるんですと。それなら担当なんて最初から意味がないじゃないですか。特にこの気象業務のような専門的な分類に属するこの業務は、私はそんなあいまいなことにしてもらうということはこれは国民は安心できない。当たらないものの代表に宝くじと天気予報があるといわれている、それがそういうような考え方から出ているということがわかったとしたら、これは気象庁の信用というのは一ぺんにがた落ちになる、ここらが大事なことじゃないのですか。まあ一応ここだけやっておっても時間がありませんけれども、他に移りますけれども、その予報業務についても私はそういう意味ではきわめて不満です。
 それからその次に、さっきのレーダーの話が出たんです。レーダーでたとえば久慈市を例にするとレーダーでカバーをしたり、まあシグナルという話もわかります。それで、今度のこの合理化の計画で一体レーダーの観測通報というものを、いままでと、それからこの簡素化ができたあととではどんなふうに状況が違ってきますか。
#82
○政府委員(山本守君) レーダーの情報につきましては、レーダー情報伝送ということばを使っておりますが、レーダーからもよりの気象官署へレーダーの画像を送り届けるという伝送の網を全国的に張るように計画を進めておりますが、四十七年度におきまして秋田のレーダーを当該地方の官署へ伝送するという措置をとることになります。
#83
○鈴木力君 もう時間がありませんので、少し端的に答えてもらいたい。
 それでは聞きますよ。現在あれでしょう、レーダーの観測は二十四回観測通報やってきている。それを今度合理化をやることによって八回の観測通報にするでしょう。三分の一に観測通報を減らすのはどういう理由なんですか。
#84
○政府委員(山本守君) その点につきまして専門の企画課長のほうから答えさしていただきたいと思いますが、有住と申します。
#85
○説明員(有住直介君) お答え申し上げます。
 レーダー観測は現在四回やっておりまして、それを四回では足りないので八回にするという計画で進んでいるわけでございます。むしろ、回数をふやす方向に進めております。それはルーチン的に規則的に毎日八回やるという計画で、異常気象がございましたとき、雨が降ったりなんかいたしましたときには適宜臨時に観測は一日二十四回でも行なえるようにしたい。現在でも四回観測とは申しますけれども、大雨、異常降雨などがございますときには現在でも臨時に観測をいたしておるわけでございます。
 前の昭和四十一年のときにはそういう伝送網がございませんでしたけれども、今度伝送網を張りまして、もよりのたとえば仙台、秋田のレーダーがございますが、そのレーダーで、レーダーサイトといっておりますが、そのレーダー観測をやっているところでそのレーダーの専門家がおりまして、雲の分布とそれから雲の高さがどういう高さに達したか、それから雲頂はどういう発達状況であるか、それから雲の性質がどうであるとか、そういうことをレーダーサイトにおいてレーダーを操作いたしまして、その状態をこまかく解析いたします。その解析した結果を地方気象台に迅速にテレックスと申しまして、図を使って、図をそのまま送るわけでございます。同時に電話でもってその図につきましてサイトでこういうふうに思い、こういうふうに観測し、こういうふうに予想されるということを地方気象台に送るというわけでございます。そういうことが進んでまいりましたために、その地方気象台が予報をやるということにおきまして精度が非常によくなりつつある。そういうことで、測候所で予報部門をつくるよりも地方気象台につくるのがいいのであるというような考え方になってきたわけでございます。
#86
○鈴木力君 そうすると、いままで二十四回やっているのを、八回にするというのはうそですね。
#87
○説明員(有住直介君) はい。
#88
○鈴木力君 わかりました。
 それからもう一つまた観測で伺いたいのは、一つのレーダーで観測員が何名おるのですか。
#89
○説明員(有住直介君) レーダーのサイトがある場所が、たとえば山頂にございます場合六名の人員を配置しております。それから地方気象台あるいは管区気象台のその場所のたとえば屋上等に設置されているというようなところは四名で運営をしておりまして、それから情報伝送網ができたところにつきましては大蔵からプラス一名の人をいただいておるわけでございます。
#90
○鈴木力君 私も、的確な知識はありませんけれども、同じレーダーの業務をやっておる自衛隊関係ですとどれくらいになっているか御存じですか。
#91
○政府委員(山本守君) よく存じておりません。
#92
○鈴木力君 調べてみてください。
 私の記憶では何でも一つに一番少ないところでも十二、三名はいるはずです。それくらいがいなければほんとうのレーダーを使った活動ができない。自衛隊は十二、三名いなければできないが、気象庁は四名でできるということは説明にならぬような気がするのですね。もう少し欲ばったらどうですか、こういうものを使うのに。どうも私はこの気象庁の皆さんの姿勢というものが、もう時間がありませんからその他の問題はあと回しに次の機会に譲りますけれども、どっちか萎縮しているというのか、小さくなっているといいますか、もう少し、この気象業務というのはいまは大事なことなんですから、単なる漁業ばかりじゃない、航空業務だっていま非常にこんなに進んできている、この航空関係の気象観測だっていまの私は配置ではきわめてあぶなくてしょうがない。たとえば、先刻の新聞記事に見ましたように北海道のセスナの事故があったでしょう。あの事故はどう見られているのかというと、「紋別空港内の測候所の職員が手不足で、気象情報が十分に伝達されていなかった疑いもあり、お粗末なローカル空港の実態がまたもクローズアップされた。」という新聞記事がある。だから、いま私はレーダーとそれから地方の測候所の話をしましたけれども、空港の気象観測、長期予報活動にしてもきわめて貧弱だといいますか、不十分、もしこれがきちっとなっておればあるいはこの事故が起こらなかったんではないかという見方をされておる、こういう面についてももっと積極的な気象庁のあり方というものはないもんだろうか、私どもはこういういまの時代に対応する気象庁のあり方というのは、もう少し気象庁自体が欲ばって、そしてもっと完全なものを早くというところに意気込みを見してもらいたい、そのことが私は災害対策の基本だと思う。まあ、いろいろな災害の種類がこのごろふえてはまいりましたけれども、台風にしても、集中豪雨にしてもあるいは船舶のいろんな事故にしても、この気象庁の観測と通報というのはもういまや非常に大きな動脈にさえなっておるわけです。そういう点で、ひとつ気象庁当局ももっと主体的に積極的な熱意をひとつ示していただきたい。したがって、私はこの人員整理ということを再検討していただきたいと思います。
 そこで、行管の政務次官がいらっしゃいますから、最後に行管の政務次官にお伺いいたしますが、いま私が気象庁にいろいろとこまかい質問をいたしました。そのことはたとえば岩手県で言いますと、まあ政務次官も岩手県ですから説明するまでもないことなんですが、特に海岸の気象観測関係が今度は八戸も半分になった、それから宮古も大船渡も、オール岩手県の海岸が全部削減の対象になっておる。それから仙台管区で言えば、福島県の小名浜もそうです、現地の漁民は大騒ぎをしておる、そういう現状にいまなっておりますが、この動機は気象庁をかばう立場で申し上げますと、行管の勧告がもとをなしておるわけです。そこから運輸省にいって、運輸省がきついことを言えば、気象庁は外局は弱いなんてこぼしながら、外に対しては強いことを言って、人減らしという、こういう形をとっているわけです。この辺はやはり行管もさっきの局長さんの答弁にありましたように、そんなに機械的ではなくて実情に合うようにということを例をあげている面はありますけれども、そういう点ではやはり行管の勧告が機械的に全部を縛っていないということを先ほど長官の御答弁でも確認をしておりますけれども、そういう面で少し実用性のあるといいますか、あるいは国家的に非常に要求の高いこれらの業務についても、やはり行管自体もひとつ御検討をしていただきたい、こう思いますが、いかがでしょう。
#93
○政府委員(岩動道行君) 先ほど来、鈴木先生からのいろいろな御質問に対しまして、私もまことにごもっともな点も多いので傾聴いたしておりましたが、この気象災害の影響するところはきわめて甚大でございます。人命から国民の財産、さらに農業、漁業、さらにはことしの一月の低気圧いわゆる台湾坊主のような災害によりましては林業にまで非常に大きな損害を与えるというようなことで、きわめて多様化したような現状になってきております。したがいまして、この気象業務というものはきわめて重要な国の行政業務であるということは私も認識をともにするものでございます。そこで私どもの勧告は、要らざるところはやはり廃止すべきである、要るものはやはり認めていくべきであるという観点から、若干の廃止の勧告も申し上げたわけでございます。と同時に、定員につきましては、これは全体の整理計画に基づいて運輸省にもお願いをいたしたわけでございます。そこで、先ほど来測候所の予報業務の人員の減ということがそれぞれの測候所で一人ずつくらい行なわれているようでございまするが、それは他方におきましては、予報業務の重要性、そうして判断の的確性という観点から、地方気象台にむしろその業務を集中して誤りのない判断をしてもらい、そこから予報を出してもらう、こういうような観点から測候所のほうで一人減らしても、それはむしろ地方気象台のほうでふやして業務は間違えなくやる、こういう観点から行なわれていると私は了承いたしておるわけでございます。さらにまた、定員削減の立場から申しましても、これは一般の事務職員とは異なりまして、研究所の職員であるとか、そういったような者と同様に、現場業務的な観点から削減率もかなり配慮をいたしておるわけでございます。また、定員の全体といたしましても、削減するものは削減いたしましても、一方において必要なものは増員をするということで、これまた特別なる配慮をいたしております。このように私どもは、全体として不要なものはそのような措置をとっていただくが、必要なものについては十分なる体制を整えるという措置をとっておりますことをまず御理解をいただきたい、かように思うわけでございます。
 そこで、今後もこのような基本的な姿勢を持って、気象業務というものが国民の要望にこたえ得るように、そうして極力災害を未然に防いでいけるような体制を堅持していきたいと考えておりますので、先ほど来鈴木先生からの質問を通じての御激励に対しましては、十分にこれを拝承してまいりたい、かように考えております。
    ―――――――――――――
#94
○委員長(松永忠二君) 次に、富士山大沢くずれによる被害に関する件について質疑を行ないます。
 それでは私から少しお聞きいたします。
 大臣がちょうど出ておられますので、大臣にお尋ねをいたしますけれども、御承知のように、五月一日と五月五日に融雪出水に伴う大沢くずれの被害があり、きょう新聞で出ておりますように、六月八日にまた同様の土砂の流出が被害を及ぼしているという状況であります。建設省に御説明いただきたいのは、被害の状況、それから被害の総額、復旧工事の予定、いままで復旧工事を行なってきた費用額、このことについて建設省側からひとつ御説明をしていただきたい。
#95
○政府委員(川崎精一君) 富士山の大沢くずれに伴いまして、五月一日、五日、並びに六月の八日に、かなりのくぐれに伴う土石流等によって被害が生じております。五月一日、五日に発生いたしましたものは、やはりいずれも約八十ミリ程度の降雨がありまして、しかも、かなりの異常高温による源頭部の融雪、こういったものが原因になりまして、雪なだれを起こして土砂を流下さしたものでございます。土砂の流下量は五月一日、五日それぞれ約二十万立米、それから六月の八日につきましては約連続雨量百二十五ミリ程度を示しておりますが、これによる崩壊量が約十万立米でございます。で、この結果、すでに既設の砂防の床固め工が完成並びに工事中を含めて約六基ございますが、これらにかなりの被害があったわけでございます。なお、非常に火山灰等、微粒の土砂を伴っておりますので、そういったものは一部潤井川を通りまして田子の浦まで達しておるということでございます。そして、砂防の床固め工によりまして、こういったかなり粒形の大きなものは、ほとんどこの砂防ダムによって、床固めによってそのエネルギーを減少させて、かなり下流に対しては好影響を与えたと考えておりますが、やはり相当な勢いでございまして、床固め工あるいは導流堤の一部が欠壊をしたわけでございますが、大体被害の見込み額は約五千万円でございます。なお、下流の河川あるいは県道、これは潤井川を横断しておりまして、道路と兼用になっておるような工作物でございますが、こういったものの一部埋没、そして河積をかなり土砂が埋没しておるというようなところがございます。河川の関係につきましてはそれぞれ私どものほうで……。
#96
○委員長(松永忠二君) ちょっと区切って説明してください。
#97
○政府委員(川崎精一君) 大体以上が被害の状況でございます。
#98
○委員長(松永忠二君) 河川局長にひとつもうちょっとあとで話を聞かしていただきます。
 大臣時間がありませんので、大臣は現地をごらんになっておりますし、それからまた、きょうは御承知のように、各新聞に出ておりますように、全く六月の八日の強風、強い風雨に伴って――また、むしろ、お話によると十万立米というお話ですが、新聞によると、前回と同様の土砂の排せつがあった。そういうことで、県道にも水が上がってくるとか、田子の浦まで土砂が排せつしたとかというようなことで、新聞によっては相当大きな写真を載せているものもあります。緊急で復旧した六号ダムが五メートルないし六メートルの幅で二カ所決壊もしておるという記事も出ているわけです。そこで大臣、現地を御調査になりまして、大沢くずれについてはどういう災害の復旧が必要であると、こういうふうにお感じになって、おられるのか、この点ひとつお聞かせをいただきたい。
#99
○国務大臣(西村英一君) 私どもも先般ちょっと拝見いたしまして、非常に事の重大性に実は驚いたわけでございます。と申しますのは、土砂が砂防ダムを突破して、さらに下の道路、百三十九号線ですか、道路を越えて人家の付近まで行っている、そのすぐ下にはもう多少人家があるのでございます。あの量はあれだけでもって済んだものの、あれがもう少し多かったら、これは人命の被害が起きているということで、実はびっくりしたようなわけでございます。そこで、一応見ましたが、応急復旧はそれはやらなければならぬだろう。もちろん既定方針は一応やらなければならぬと思いましたけれども、まあ少しやはり規模を大きくしてやらなければしょうがないのじゃないかというように私は思います。率直なところそうです。この前私は建設省のごやっかいになった時分、昭和四十二年六月大沢くずれの対策懇談会をつくったときは、これは大沢くずれは年々再々いままでもたびたびやっているので、おそらく静岡県としても調査会ができていろいろやっておりまするが、やはりどうもときどきこれが新聞をにぎわして危険だと、あんなに崩壊しているのにどうしているのかというようように新聞で拝見いたしますが、私もそれに刺激されまして、対策委員会をつくったのでございます。当時、私はあまり知りませんので、とにかく私の考えておったのは大沢くずれの対策であるから、くずれるところを直せばいいんだと、こういうことで、実は懇談会をやったのですが、それがいま考えますると、その後ずっと調べてみますと、一番上のほうの問題でございます。その当時の各委員の方々も、とてもその上のほうの部分は、それはやれるところじゃないというお話をする人もありますし、いや何とかそこを防がなければうまくいかぬよと言う人もありまして、結局あまり大した結論が出ませんでしたが、しかし、懇談会を境にいたしまして、今日いまやっている計画の、第一期計画というものができて、五十億円を使ってやろうということになったのでございます。したがいまして、源頭部がいわゆる大沢と私は思うのですが、間違っておったら訂正しますが、源頭部が大沢だった、そこを防がなければならぬという気がするのですが、なかなかこれは技術上むずかしい問題でございまして、この問題については引続き研究はいたしますが、はたしてそこまで及ぶことができるのかできないのか、ある学者のごときは、それは大臣地球に挑戦したってだめですよ、これはとてもと。こういう意見の方もございました。しかし、とにもかくにも土砂流を防いで、そうして下の人家にそれを及ぼしてはいかぬ、人命に損傷を与えてはいかぬということだけを考えておるのでございますから、今後既定方針はやりますが、規模はさらに大きくしたいというふうに大体考えているのでございます。先生は私よりも出身でございますので、詳しいと思いますから、ひとつ、とりあえず一応そういうように答弁をしておきます。
#100
○委員長(松永忠二君) いまお尋ねいたしましたのは、規模を大きくするという意味で、たとえば、床固めの工事の数をふやすということも考えているようです。また、扇状地の用地買収の問題も考えておられるようです。あるいはまた砂防指定地の拡大というようなものも考えているようであるし、また大臣ごらんになったとおり、一番上の第一期の床固めの工事のところにほとんど土砂が埋ってしまって、それを越えているので、あれは床固めの工事であるけれども、土砂をとめるわけなんで、すでに一ぱいになっていると、相当機能としては減退をしていると考えなければいけないから、そういう床固めをした工事のところにたまった土砂排除という問題がある、こういうことについて事務的にも考えて進めていられるということであるし、これを的確にやるということが非常に重要だということを、私のほうから申し上げ、大臣もその点はほとんど同意見であろうと思う。そこで、いまお話のあった源頭部の問題ですが、実はこの前のときの大沢くずれの最後の結論として、大沢くずれの拡大を防止するということが一つ。それから扇状地の安定化をはかるということがその二、それから、下流への土砂の害を防除するというのが第三番目。そのために有害土砂生産の根源部を主体として、滝の部分及び扇状地において土砂の抑制をはかって流砂の調節をはかる、そのために源頭部では山腹工と滝保護工を施工して砂れき生産の増大を防ぐというのが方針になっているわけですね。したがって、いまもっぱら大臣が見て言われているのは、扇状地の安定化という問題なわけです。ところが、実際の問題としては、実は扇状地に流れて来る土砂を生産する根源部があるわけであります。この根源部を主体にしてやらなければ、この被害を防ぐことはできないという考え方で、砂防の調査をやって、航空写真をとるとか、地表の地質を調査するとか、あるいはまた砂防の工法についても大沢の崩砂防工法の試験をするということを四十六年あたりにやっているわけです。したがって、やはり大沢くずれの源頭部を何とかしないことには、結果的には扇状地だけの安定をはかってもどうにもならぬではないかというのが、これは現地でもそう言っているし、われわれも結果的にはそこに問題があるというふうに考えているわけです。したがって、従前の源頭部のいわゆる大沢くずれというものの場所の航空写真と今度被害を受けた後の航空写真を比べてみれば、どれだけいわゆる崩壊が進んでいるのか、今度八日の日に再びまた土砂くずれがあったというのは、その源頭部の土砂がくずれてきているわけなので、非常に困難ではあっても、源頭部の施工という問題について一歩前進をしていかないことには問題の根本的な解決はないのではないか。同時に、その流れてくる土砂の扇状地のいわゆる安定という問題について、大臣の言われる、もう少し大規模に考えていかないと、いままで以上に土砂の崩壊が来るのではないか、こういう感じを、私も現地をたずねてみて、やはりただ扇状地安定だけでは問題は片づかないという感じがしたのです。したがって、お話しのように、改良工事的ないわゆる扇状地工事というものをひとつ考えなければいかぬと同時に、いわゆる源頭部について一歩前進した対策をしてもらわなければいかぬ。この砂防の関係の建設省でつくっているものも、扇状地における土砂防止の工事を行なっていますが、今後は扇状地の工事と並行して源頭部大沢くずれの難工事に挑戦していかなければなりませんと、こういうふうにして、これからここへ挑戦しなければいかぬと言っているわけです。この問題について、お話になったように、大臣が就任された当時、懇談会をやって、翌年直轄事業としてこれを認めて、そして四十四年以来着工して、今度つくった床固めが非常な効果を発揮して、人命にとにかく被害なしに終わったわけであります。したがって、大臣があと任期そうたくさんあるとは思いませんけれども、熱意と従来の研究をもとにして、何らか一歩前進した源頭部の対策を進めてほしいというのが現地やわれわれ関係者の要望です。したがって、そういう問題について御意見を聞かしていただくとともに、根本的な対策をやはり進めていかないといけないのではないか。後ほどお伺いいたしますけれども、かりに建設省が非常に努力をしたとしても、中流部には林野庁のいわゆる工事のところもあるわけです。これは十カ年にたった九千万の金しか使えなかった、こういう点からいうと、そこの関連も明確にしていかないと、やはり考えているような完成ができないのではないか。こういう点で、短い時間でありますので、大臣にもう少しその点の見解をお聞かせをしていただきたい。
#101
○国務大臣(西村英一君) 私もあれ以来ずっと考えてきておるんですが、これは正直なところ源頭部に対する工法をどうするか、やり方をどうするかというようなことは、これは専門屋にまかせる以外には方法がないんですが、何と申しましても衆知を集めなければならぬというので、せっかくあれ以来、国としてできましたのが防災科学技術センターでございます、防災科学技術センターは、そういうことに非常に取り組んでおる役所でございます。したがいまして、防災科学センターあるいは建設省の土木研究所あるいは農林省の方々、もう一回ひとつ集まって、これは何も形式張った調査会でなくてもいいのですが、今回のあの大量の土砂くずれを契機として、もう一ぺん衆知を集めてひとつ上のほうに挑戦して、はたしてどういうような方法をとっていくかということを、これはもう少し突き進んでやっていかなければならぬのじゃないか。下のほうの扇状部の流出の土砂を防ぐことにつきましては、いま九号をやりかけておりますけれども、私はさらに十号、十一号をやれと、こう言っておるのでございますが、それとは別に、上のほうの対策につきまして、今後何らかの衆知を集めたいという考えを持っておる次第でございます。
#102
○委員長(松永忠二君) お話わかりました。
 大規模というのは、もう少し堰堤の工事の数をふやそうということだと思う。それから非常に困難でありますけれども、四十三年から四十五年にかけて、また、四十六年度も大沢くずれの源頭部についての研究はとにかくやっていることは事実です。それからまた、現地の所長あたりも、この工事がどれだけの効果があるのか、率直に言って災害がなければわからないという気持ちを持って施行してきたけれども、今度やってみて、この工事がやはり効果があるという自信を持ったということを言っているわけです。したがって、この工事をどうしても完成していくことが大事だということを言っているわけですから、したがって、現在の砂防の工事についても、一応の効果の見通しがついたので、これを徹底してやると一緒に、困難でも源頭部について衆知を集めて、とにかくこのままにしておいたんでは、今度のいわゆる土砂崩壊も、それほどたくさんな雨が降ったわけじゃないわけです。非常に強い風と雨で、前回あれだけ雪が解けてきたときに崩壊した土砂とほとんど匹敵するものが流れてきたわけです。ですから、そういう面で、困難でもひとつそういう衆知を集めて実行に移すように、ぜひひとつ大臣の努力を要望しておきたいと思うのです。
#103
○国務大臣(西村英一君) いま申しましたように、やはり関係者を集めまして、これを機会にひとつもう一ぺん対策をさらに練り直してみるということをやりたいと思っております。できるだけひとつ人命の損傷がないように、また、たいへんむずかしい問題ではございまするが、ベストを尽くしてやるつもりでございますから、どうぞよろしくお願いをいたします。
#104
○委員長(松永忠二君) どうもありがとうございました。
 それじゃ農林省のほうに少しお聞かせをいただきますが、ちょっと建設省も局長だけ残っておってください。
 農林省は、いわゆる中流部というところを担当して国有林の中の工事をやっているわけですけれども、今度の被害は一体どの程度の被害があったのか。それからまた、従来どのぐらいの年数、このいわゆる山腹の工事をやったのか。この二つの点をお聞かせをください。そしてまた、同時に復旧についてどういうふうなめどを持っているのか、伺います。
#105
○説明員(松形祐堯君) お答え申し上げます。
 被害の状況でございますが、五月一日及び五日の二回にわたりまして発生いたしました土石流に対しまして、私どもの施設といたしまして、堰堤と、それから堰堤に準じた床固め工一、水制工十という施設がございます。そこに対しまして土石流がきわめて急激に流下するということを防ぐことにつきましては、非常に効果があったと思います。この中で上流から二番目でございますけれども、堰堤のそで部の一部が五日の日に破壊されているわけでございます。なお、私ども国有林でございますので、昭和三十三年から、そこにそのような堰堤なり床固め工、あるいは水制工というようなものを四十五年までにつくっておるわけでございます。
 復旧の状況でございますけれども、ただいま御説明を申し上げましたそで部の関係、こわれましたそで部の補修あるいはそれのかさ上げとか、あるいは護岸工とかいうようなもの、そのほかにもまた堰堤がございますが、それらの護岸工、水制工等につきましても、さらに強化してまいりたいというふうに思っておりますし、さらに、緊急を要するものは今年度中に直ちに着工したいと、こういう準備をしておる次第でございます。
#106
○委員長(松永忠二君) 被害額はどのくらいですか。
#107
○説明員(松形祐堯君) 被害額約三千万円でございます。
#108
○委員長(松永忠二君) さっきお話がありましたように、昭和三十三年から四十五年にかけて、十年間工事をして、九千四百万だったわけですよ、工事料が。それで一応終わったとして、今度被害が出たのが三千万円、したがって、まあいわゆる林野庁の砂防工事の予算としては従来の例からいうと、相当画期的な努力をしないと三千万円の復旧を早急にやることができないというふうに考えるので、この点の特に努力を要望することが一つ。
 それからもう一つは、さっき申しましたように、あなたの担当している中流部にくると、狭窄部も相当広くなっているわけです。傾斜も少しはゆるくなってきている。ここの部分の手が抜けていたのでは、幾らまた上下の建設省の関係の工事が完全に行なわれても結果的には被害が出てくるということになるので、特に林野庁のその部分についてひとつ建設省との間でもよく協議をして、ひとつ完全な砂防の施工をやっていただかなきゃできぬ、こういうことを強く要望しておきたいと思うのです。その点について答弁をしていただきたい。
#109
○説明員(松形祐堯君) 先ほどお答え申し上げましたように緊急必要なものにつきましては、たとえ三千万円というものが、十年間の約九千万というものに比較いたしまして大きいと申しましても、私ども急ぐものにつきましては早急にやるつもりでございます。また復旧の方法その他につきましてさらにこれを補強するという必要があるという見解もあろうかと思いますが、その点につきましても十分調査いたしまして、私どもこの中流部だけでこれを防ぐというようなことができるわけでもございませんので、十分建設省のほうとも連絡をとりながら万全を期したいと、かように考えておる次第でございます。
#110
○委員長(松永忠二君) もう一つ聞いて終わります。
 河川局長のほうに、先ほど途中ですが、まあ復旧の問題についてひとつお話をしていただくことと、あわせて実は話が出ましたのは源頭部の話が出ているわけです。それから、いま話しの出た中流部、これは農林省林野庁の関係のお話です。それから扇状部の問題はこれは建設省の関係で、特に背後地の土砂の堆積の排除という問題について積極的にどういう考え方を持っておられるのか。それから特に補助事業について潤井川と星山放水路の完成という問題を取り上げて、ここに私ちょっとこまかいものを持っておりますが、地元の補助事業の被害約五千五百二十万という数字を出しています。この点についての推進の問題についてどう考えておられるのか。
 もう一点は上井出を中心にして今度も避難の命令を出したようです。市が独自にですね。で、これについてはやはり警戒体制という問題をもう少し深刻にいわゆる指導しておかなきゃできないのじゃないか。あるいは報知機などもやはりちゃんとセットしておかなきゃできないのじゃないか。少しいまやっている扇状地の工事に安心し過ぎて、そして非常に被害の出た際にそれに対処し得るような体制というものが十分でないのではないか。この点についてどういうふうに考えるのか。
 以上の点をお話をしていただいて、きょうはその程度で終わりたいと思います。
#111
○政府委員(川崎精一君) 被害の額は先ほど申し上げましたように私どものやっております直轄関係で約四千二百万ぐらいの既設の施設に対する被害がございました。現在の進行状況は約六割程度と私ども聞いておりますけれども、これはいずれも緊急砂防費を充当いたしまして処置をしておるわけでございますが、なお八日にまた若干の増波等があったようでございますので、これもあわせて早急に、まあ出水期でもございますので、大急ぎで対策を講じたいと考えております。下流部等にはこれは潤井川の河川の閉塞の問題とか、いろいろございますが、閉塞等につきましてはいずれも全部五月一日、五日の分についてはすでに処置を終わっております。基本的にはやはり潤井川の河川改修、それから、星山放水路というのをやはり計画をいたしております。これが一番下流にとりますればきめ手になるのじゃないかと思います。これにつきましては河川の改修、それから放水路の建設、両方進めておるわけでございますが、やはり放水路にまず重点を置きたいというようなことで、おかげさまで四十六年に全部用地買収も終わったようでございますので、これから開塞等に積極的に力を入れますれば四十九年の出水期までには完成するんじゃないか。そういたしますと、大体もう在来程度の洪水は全部富士川が吸収することになりますので、今後は下流に対する治水上の心配というのは大きく軽減されるんじゃないかと期待をいたしておるわけでございます。
 それから扇状地でございますが、これは床どめであると同時に、土砂を遊ばす遊砂地の作用もしておるわけでございます。私どものほうで被災前の実測いたしました土砂量と被災後の土砂量を積算いたしますと、前回の五月分が約四十万立米、今回のやつが十万立米でございました、報告によりますと。現在の遊砂可能の量が百三十万立米でございましたから、まだ九十万ぐらいの余力があるようでございます。なお、さらに今回の私どもの計画が一応扇状地の関係で完成をいたしますと、約百七十万立米ぐらいの貯留が可能になりますので、そうしますればまず当分は心配はないんじゃないか。しかし、やはり今後のくずれの推移等を見まして、場合によってはやはりそういった床固めによる遊砂量のできるだけ有効な使い方ということも考えていく必要があるんじゃないかと思いますが、当面はまず計画どおりの床固めを進めていきたい。本年度中には九号を完成をいたします。なお、大臣からもお話がございましたように、さらにそれから上流部に、やはり一番源頭に近いほうでございますので、ここに砂防堰堤二基を今後入れまして、そういたしますれば、かなり下流に対する影響も減殺されてくるんじゃないかと考える次第でございます。
 それから、源頭部につきましては、これは非常に技術的な問題が多いわけでございます。大臣からも指示がございまして、私どもさらに積極的に関係方面とのチームワークもとって研究を進めたいと思っておりますが、四十三年以来約七千万余りを投じまして、主として工事材料あるいは工法、こういったもの研究を進めておるわけでございます。で、御承知のように、標高からいきましても二千五百メートル以上というようなことで、寒冷とかあるいは雪の問題、落石の問題、相当問題が多いわけでございまして、在来から使っておるいわゆる砂防の工法なり工事材料、こういったものがほとんど役に立たないというようなことでございますので、まさにこれから新規開発をしていかなくちゃいけないというような非常に困難な面もございますけれども、やはり源頭部に向かってできるだけ技術的に解決の方法に対して全力をあげていきたいと考えておる次第でございます。
 それから、最後に避難体制でございますが、たまたま河口、下流の扇状地の下のほうには県道の河底橋といったようなものもございまして、いろいろ今回の土砂の土石流による被害がございました。こういったことも心配をいたしまして、私どものほうで、九号付近に見張り員を立てまして、地元の警察等とも、それから道路管理者、こういったものと連絡をとりながらやったわけでございますが、なお、まあ必ずしも十分でなかったというような点もあるかもしれないと思って反省をしておるわけでございます。したがって、今後は何か少しいまよりは一そう緊密な連絡がとれるような現地の警戒体制、こういったものを、市等も入れまして、つくって対策を進めていきたい。なお、こういったくずれに対する予報の問題でございますが、どういう気象条件でどのような気象のときにはどのような融雪が起こるかというようなことにつきましていろいろ研究もいたしておりまして、そういう自動的な警報装置、こういうものもできれば開発をしたいということで、現在北陸地建で、立山だとかあるいは焼岳等で試作をして、いろいろテストをしたりしておるわけでございます。それと気象予報、こういったものをあわせてひとつ今後の十分な警戒体制をしきたいと考えておる次第でございます。
    ―――――――――――――
#112
○委員長(松永忠二君) 次に、個人災害共済制度に関する件について質疑を行ないます。
#113
○上林繁次郎君 先日いただきました災害弔慰金構想ですか、この第一の「大規模な自然災害」ということはどういう範囲ですか。たとえば災害救助法の適用範囲、あるいはまた天災融資法の適用範囲、いろいろあると思いますが、その点はどういうふうに考えておりますか。
#114
○政府委員(砂田重民君) お答えいたします。
 衆議院の小委員会で御検討になりました段階でも、大規模な災害というものの意味するものは何かということが非常に重要な御研究の課題でございました。衆議院の小委員会の御意向も承りながら私どもが考えておりますことは、災害救助法が発動された市町村、一応これを原則にしてまいりたいと考えております。ただ、いままで災害救助法が発動されるべき筋合いの規模と申しますか、災害救助法施行令で発動要件がきまっておりますけれども、その発動要件に該当するだけの規模を持った災害であるにもかかわらず、災害救助法が現実問題として発動されなかったという前例もございますので、災害救助法が発動されなくとも、救助法が当然発動されるべきであったという要件が整っていれば、そういう場合にもこれはやはり該当をしなければいけないんではないか、このような配慮は当然加えていきたいと考えております。
#115
○上林繁次郎君 火災での死亡者はどうなりますか。
#116
○政府委員(砂田重民君) 火災はこの場合は対象に考えておりません。
#117
○上林繁次郎君 第二の予算措置なんですが、これは補助率二分の一ということなんですけれども、あとの二分の一は都道府県あるいは市町村、こういう立場でこれを支出すると、こういうことになるわけですか。
#118
○政府委員(砂田重民君) 衆議院の災害対策特別委員会並びに小委員会の段階では、市町村長が支給をいたしますところの弔慰金に対する二分の一、その頭打ちは十万円、そういう構想をまとめられたわけでございます。その後、実は地方公共団体と自治省で、国が二分の一見るならば、県四分の一、市町村四分の一、そういう考えもまた検討するべきではないかといって、そういう検討がただいま進められております。いずれにいたしましても、国の補助率といたしましては十万円を限度にしたそれの二分の一、このように考えております。
#119
○上林繁次郎君 その場合、いわゆる所得水準だとかあるいは年齢、性別、こういったことによって支給制限されるというような場合もあるかどうかですね。
#120
○政府委員(砂田重民君) 災害弔慰金の支給対象者はやはり市町村長が決定をするべきものと考えます。ただ、災害弔慰金というものは、あくまでもなくなられた方に対します弔慰を表すると申しますか、そういう性格のものでございますから、所得の制限だとか年齢の制限だとか、そんなことは全く政府では考えておりません。制限をつける気持ちは毛頭ございません。
#121
○上林繁次郎君 そうしますと、この災害弔慰金ということについてはわかりますが、なお、これを広げてそのほかのたとえば災害による重軽傷者の問題、あるいは家屋の損害だとか、こういうような問題があるわけですが、そういった点について範囲を、災害によって損害をこうむったそういう人たちを対象にしての範囲というものを広げていくという考え方はありませんか。
#122
○政府委員(砂田重民君) この弔慰金制度はあくまでも死亡者に対します弔慰金の制度として発想され構想がまとまったものでございますから、既存の災害救助や社会保障等とは全く別個の観点に立っておりますことを御理解をいただきたいと思うんです。やはりこの災害弔慰金というものの給付は何よりもとうとい生命をなくされた方、地域共同体としての市町村がそういう方に対して哀悼の意をあらわすために行なうそういうお見舞いにつきまして、国が応分のお手伝いをするということでありますから、気持ちといたしましては、現実には御遺族でありますとか、なくなった方を弔われる方に市町村長がお渡しになられると思いますが、気持ちといたしましては、やはりなくなられた御本人に贈るという気持ちでございます。そのあらわれとしてその給付は、先ほどお答えいたしましたような御遺族の方の資産であるとか、年齢であるとか、そういう制限を全く付さないでいきたいと、こういう考えがまた出てくるわけであります。一家の支柱を失ったり、生活の道を失なわれたような方に対しては、残された方の生活が立つように災害救助とか、あるいは社会保障とかの措置がいろいろございますが、こういう弔慰金というものと全く別個の分野で、そういう措置を円滑に発動して救助のお手伝いをしていくべきだ、こういうふうに考えておりますので、災害によってうちを失ったり、あるいはからだに傷害を受けられたこういう方に対しましても、これと同様にこうした災害弔慰金とは別にあります災害救助の制度、社会保障の制度でもって住居を確保するとか、衣料を確保するとか、そういうことの措置をしていくべきものだ、このように私どもは考えているところでございます。
#123
○上林繁次郎君 特に深く突っ込みませんけれども。それでは、たとえばこういう制度ができまして支給の段階でなくなった方についてこれは差し上げるということですから問題はないかとも思いますが、なお慎重を期する意味において、たとえば不服審査機関、こういうものを置く必要はないかどうかということ、この点どういうふうに考えておられますか。
#124
○政府委員(砂田重民君) 支給対象者をおきめになるのは、まず先ほども申し上げましたように市町村長が決定をなさるべき筋合いのものと思いますけれども、前回の委員会で私から御報告をいたしましたようなよって起こったその発想の根源というものは非常に心情的なものもございます。したがいまして、何かいま先生がおっしゃいましたような不服審査であるとか、不服の申し立てであるとか、そういうかた苦しい気持ちから出たことではございませんので、そういう事態は市町村の段階でも起こるまいと考えておりますが。
#125
○上林繁次郎君 起こらないことを願うわけですが、この支給される最高限度が十万円ということですが、この支給についてはこの課税関係は、税金関係はこれはございませんね。
#126
○政府委員(砂田重民君) 課税関係はないように処理を、具体的な内容を詰めていきたいと考えております。
#127
○上林繁次郎君 この問題の最後なんですがね。いま市町村あるいは都道府県の段階で災害見舞い金制度、こういうものがあちこちで実施されておりますね。そういうものとのからみ合いといいますか、それはどうなりますか。
#128
○政府委員(砂田重民君) 都道府県、市町村、地方公共団体すべての中でこういったものを制度的に設けておられる市町村は一四%程度だったかと思いますが、自治省に調査をお願いしてやってもらいましたので、自治省から御説明をいたします。
#129
○説明員(福島栄造君) 府県の段階におきましては、二十五府県がいまこの制度を持っております。市町村は四百六十六市町村でございます。
#130
○上林繁次郎君 それだけじゃないですよ。私の聞いているのは数を言ってくれと言っているんじゃないのです。十万円支給するんでしょう、この制度ができればなくなった方に対して。それで各市町村では災害見舞い金制度というそういうものはだいぶございまして、いま言われたように徹底されてきているわけです。徹底されているというか、そういう見舞い金制度を実施しているところが多くなってきておりますね。それとこの十万円との関係は何もないかということです。一方でこの災害に対しての弔慰金、これは受けられる。市町村における、あるいは都道府県における災害見舞い金制度、それも受けられる、こういうことになりますか、この点を聞いているわけです。
#131
○政府委員(砂田重民君) 市町村長が、災害弔慰金のようなものの支給を制度的にそれぞれの都道府県なり市町村でおきめになって制度として持っておられる市町村が一四%ございます。それとこれとダブって渡せるかというような先生の御質問の御意図だろうと思いますが、今回のこの国の補助の制度は市町村長が、こういった事情でなくなられた方に対して災害弔慰金を支給をされる場合に国がこれを補助するということになっておりますので、ダブられるかダブられないかはおそらくこれはその地方自治の問題と申しますか、その市町村長、市町村段階でのお気持ちの問題であろうと思いますが、まだ具体的なこまかいところまでそこは詰めておりませんけれども、たとえばわずかな数でありますけれども、全国の市町村の中には今回私どもがやろうとしております十万円以上の弔慰金をお出しになるということを制度的にきめておられるところもございます。そういうところに対しては二分の一補助にならないかもしれません。たとえば二十万円市町村長が弔慰金を出される場合に、それに足します国の補助というものは十万円の半分、二分の一の五万円になるかもしれません。しかしそういうものを、国の補助をそこへ取り込んで二十万円支給をなさる市町村もまたあるかもしれませんし、全く別になさるところもあるかもしれません。これはもう市町村段階でのそういうお気持ちは事柄が事柄でございますから国から強制をする気持ちは毛頭ございません。国としては市町村がこういう環境の中でなくなられた方に対して弔慰金を出される場合には十万円を限度としてそれの二分の一を国がお手伝いをいたします。そこまでで国の考え方としてはとどめていきたいと思っております。
#132
○上林繁次郎君 私がなぜそういうことを言うかと言いますと、先ほど副長官が言われましたように、とにかく私が申し上げていることはこういう制度が地方公共団体でも行なわれておる。現に新潟なんかの例を見ても、たとえば死亡者にはおとなについては三万円、それからこどもについては一万円、こういうふうに、こういう制度ができているわけですよ。ですから、もし二分の一、国で補助するんだと、あとの二分の一は市町村あるいは都道府県でやると、こういうことになりますと、そのまま続けていく、こういう制度がいま申し上げた新潟の例をとったわけですけれども、こういう制度がそのまま続けられていくということになりますと、ダブルということになるわけですよね、市町村では。もし市町村が、国が二分の一持って、あとの二分の一は十万円に対しての市町村が持つということになれば、こういう制度がすでにあるところはダブル形になるわけで、当然こういうものはなくなってしまうんじゃないかという心配があるわけです。そういう意味で聞いているんです。副長官はそれはあくまで地方自治の問題だから、われわれが関与すべき問題ではない、こういうことなんですが、これはあくまで市町村の段階でつくったものである。今度はそれに対して国が、言うならばたいしたことはない、十万円を限度としてその半分を持とうというのですからたいしたことじゃないんです、それも最高限度額なんですから。ですから、それでもっていままで市町村で行なっているものよりも何ら変わりがないんだというようなところも出てくるでしょう。また多い二十万なんていうことはちょっと考えられないと思うのですがね。そういうようなことで、できればそのまま地方の制度は、地方でつくってある制度はそのまま残して、そして国の今回こういったことを考えているこれが実施されれば、今度それにまた国のそういった措置がプラスされるというような形に持っていけるようにしてあげたらいいんじゃないか、それに国が強制力を持っているわけじゃないから、あくまでも市町村できめることかもしれませんけれども、そういうふうに進めてあげたらどうかという、私はそう思うのですよ。
#133
○政府委員(砂田重民君) お答えをいたしておりますように、市町村長が、災害でなくなられた方に弔慰金を支給なさる場合に、国がこれを二分の一お手伝いすることは意義のあることである、こういうことをきめてかかろうとするわけでありますから、いま先生おっしゃった、たとえばなくなられた方には三万円ということを町なら町が条例できめているといたしますか、その町では町長さんもまた町議会も三万円が妥当であるという判断で、何らそれを変更しないという御意思であるとするならば、それの二分の一を国が補助するということになるわけでございまして、おそらくその町では今回の二分の一国の補助という制度を、いま条例できめておられるその制度に導入をされると思います。ですから、全く別個に、国がこういう二分の一補助があるんだから、頭打ち十万円だけれども、あなたのところの三万よりこのほうが多いから、この制度をとりなさいということを国から積極的に町に対して言うことはいかがなことかと思います。これはやはり地方自治としての町の理事者側、町の町会、こういうところでおきめになっていくことでありますから、全然別に、いままでの制度は制度として置いておいて、それのほかに何か新たにつくれということには、今回の弔慰金制度ということは相なりません。ただ、国がひそかに期待をいたしておりますものは、最高限度をきめてこういう形でまいりましたならば、だんだんこれに、それよりも低いところでやっておられる町村あるいは全くそういう制度を持っておられない市町村、こういうところが、今回、国会と私どもで共同作業のような形でこれからスタートしております制度のきめております限度に近づいてこられるんではないだろうかという期待を私は持っておりますことだけは申し上げておきたいと思います。
#134
○上林繁次郎君 先ほど国の二分の一の補助、あとの二分の一は都道府県で持つのかあるいは市町村で持つのかという点にについてお尋ねしたわけですよ。その点については副長官、何かはっきりしなかったような感じがするんですがね。明確に、それは都道府県でやるあるいは市町村でやる、こういう明確な答弁じゃなかったように思うのですが、どうなんですか。
#135
○政府委員(砂田重民君) 市町村が支給なさいます額の二分の一を国が補助をいたします。ただ、その場合に、市町村が支給なさる額の最高十万円までについて国が二分の一の補助をいたします。
#136
○委員長(松永忠二君) 少し聞きますが、来年度の予算要求をなさる額はどのくらいかということが一つ、大体予想している額。それからいまのお話によると、結局市町村が出さない場合には、結果的には国は出さないということになるわけですか。それから都道府県は全然関係はないように考えておるのか。
 それからその次の点として、「どこにも苦情の持っていきどころのない自然災害」というのが出てきているのだけれども、「どこにも苦情の持っていきどころのない自然災害により死亡した者の遺族」ということだけれども、これは非常にむずかしい問題で、何か悪く解釈すると、わからないのはみなこれで片づけてしまうというような点も出てくるので、何か法文的にはよほど気をつけていかないといけない内容のように思うということが一つ。
 それから、それと他からもらった場合には、どこかに苦情を持っていくところがあってもらっていた場合にはこれには出さないということになるのか、この辺のところはどうなるのか。
 これは時間もありませんので、いま三つの点を話したことについてちょっと聞かせてください。
#137
○政府委員(砂田重民君) 額につきましては、まだ計算をいたしておりませんけれども、内容のこまかい具体的な実施要綱のようなものをこれからつくってまいるわけでございますから、まだ来年度の予算の概算要求します時期までにきめていこうと思っております。ただ、大体過去の平均数等がありますので、これに金額をかけたもので要求することになると思いますけれども、まだ具体的な先生おっしゃった実施要綱というものもいまだんだん詰めているところでございますから、要求もまだきめているわけではございません。それはまだしばらくお待ちをいただきたいと思います。
 それから、県のことでありますけれども、先ほども上林先生にお答えいたしましたけれども、衆議院段階では国が二分の一補助、残は市町村というふうな構想でございますが、実施要網をいろいろ検討いたしております段階で、今度は地方公共団体の側と自治省のほうから、国が二分の一、県四分の一、市町村四分の一、そういうふうにしていくほうがいいんではないかという御意見が出てまいっております。自治省並びに自治省から地方公共団体との連絡をとっていただきながら、地方公共団体側でのお考え方を聞かせていただきまして、地方公共団体側がそういう御意向であるならば、国が二分の一、県四分の一、市町村四分の一というふうにあるいはなるかもしれません。これもいましばらく地方公共団体と自治省との相談の結果を待ちたいと思うところでございます。
 それから、ただいまの「どこにも苦情の持っていきどころがない」というお話でございましたが、これは弔慰金という性格をまず第一義にお考えをいただきたいと思います。したがいまして、苦情の持っていきどころがある場合というのは、当然補償というものがそれに伴って考えるでございましょうけれども、これは全く無関係のことでございまして、どこまでも弔慰金でございますから、市町村長が出すことにきまったという弔慰金につきましては、国はその弔慰金に対して二分の一の補助をいたします。
#138
○委員長(松永忠二君) ちょっと、「苦情の持っていきどころのない」なんということばではなしに、「上記災害弔慰金構想は、自然災害により死亡した者の遺族に対する弔慰金を対象としていること。」じゃ悪いんですか。何でそれならこういうことばを入れなければいけませんのでしょうか、その点はどうでしょうか。
#139
○政府委員(砂田重民君) 御承知のように、こういう弔慰金に対して国が直接見舞いとして出すことがどうであろうかとか、あるいは今回のような市町村長が弔慰金を出す場合に国がそれの補助をしてはどうかというので、長い間、衆参両院で御議論があったところでございます。それに対しまして、政府側は、国がこの種の弔意金を住民に対して、直接であれ、市町村を通じてであれ、この種の見舞い金を国が支給することは、それはおかしいのだという姿勢で、政府はこれまでやってまいったわけでございますけれども、今回その考え方を改めたわけです。その改めた理由の一つとして、どこにも苦情の持っていき場のない、こういう災害にあわれた人の心情のことを申したのでありまして、いま先生御心配のように、法律的にどうこうという問題ではないわけでございます。したがいまして、実施要綱をつくります場合に、どこにも苦情を持っていき場のない、そんなことばは出てまいりません。予算措置として実施要綱としてきめてかかりますことは、災害の範囲をどういう範囲にするか、先ほどお答えいたしましたような災害救助法の範囲、あるいは災害救助法が発動されなくて、災害救助法施行令できめられている規模の災害の場合、そういったようなこと、金額、そういう具体的なことだけを書くわけでございますから、どこにも苦情の持っていき場のないという、あとで苦情を持っていく問題、その陰に隠れた補償の問題、そういうことと関連を持つようなことは、具体的な要綱をきめます段階では、全く出てこないことば使いでございます。私どもの心情だけを申しましたのが、苦情の持っていき場のないということばの表現であらわしたにすぎないのでございますが、そこのところは心配しないようにしていただきたいと思います。
    ―――――――――――――
#140
○委員長(松永忠二君) 次に、岐阜県大牧ダム放流による被害に関する件について調査を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
#141
○上林繁次郎君 先日、岐阜県の大牧ダム、ここで三名の子供さんがなくなりましたね。これは、いわゆる大牧ダムの放流によってなくなったと、こういうことなんですが、新聞にも大きく取り上げられました。このときの状況について、一応お聞かせ願いたい。
#142
○政府委員(川崎精一君) ダムの規模、その他については御承知かと存じますので省略いたしまして、事故の概要を申し上げますと、六月の六日の午後四時三十分から放流を開始いたしました。これは流入量の関係で、このダムの満水位を越すおそれがあるということで放流を開始したわけでございます。そのときの状況は、放流にあたりまして、操作規程で放流のしかたを定めておりますので、今回の約三十分前の午後四時に、役場その他の関係機関に通知をいたしまして、放流開始の五分前に警報のサイレンを吹鳴いたしました。それから、開始後は三十分ごとに吹鳴をしたわけでございます。放流量につきましては、やはり操作規程に基づきまして、当初は毎秒四立方メートルから始めて、徐々に増加して放流をしたということでございます。一定の放流を続けておったわけでございますが、六時二分に役場から水難事故の連絡がございましたので、直ちに放流を中止いたしまして、その下流部を調べましたところが、お話のような事故が起こったということでございます。
#143
○上林繁次郎君 そうしますと、放流についていろいろと規則があるわけですね、ダム操作規則とか、こういったことが守られていたかどうか、これが問題になると思いますが、その点はどうですか。
#144
○政府委員(川崎精一君) 事故の起こりましたのは、夕方でございましたので、翌七日に私どものほうも担当員を派遣をいたしましたが、現地は、岐阜県の高山警察署のこれは管轄になっておりまして、署員三名、それから関西電力の方も立ち合いをいたしまして、いろいろその間の操作規則の照合をいたしましたところ、まあこれは公式の警察側の判断ではございませんけれども、一応操作規則に従ってなされているというようなことを、現地に行きました私どもの担当員から報告がございました。
#145
○上林繁次郎君 もう、こまごました問題については省きまして、この放流をするにあたって、三十分前に市町村等に連絡が行った、こういうことですね、一般には放流五分前、こういうことですね。今回もそうだったわけですよ。実際問題として三十分前に市町村なり学校なり、そういった機関に連絡をとって、はたしてなお一般には五分前にやる、こういうふうな時間で、実際にそういったことが周知徹底できるかどうかという問題、こういった問題を考え直さなければならないのじゃないか、こういう感じがするわけです。今度の事件でこの点どういうふうにお考えになっておりますか。
#146
○政府委員(川崎精一君) お話しのように、操作規則に従ってそのとおりやっておった。しかし、結果的には、やはりこういう不幸な事故が起こったわけでございますから、これは何か少しわれわれの通信、あるいは連絡、あるいは管理体制に対して、やはりすなおに検討する必要があるのではないかということを痛感しているわけでございます。現地のいろいろな話を聞きますと、あまり事前に吹鳴をいたしますと、今度は時間があり過ぎて、かえって肝心なときによく徹底しないのじゃないかというような話もあって、いろいろ地元の役場等と話をいたしまして連絡は三十分前だと、警報するのはむしろ直前のほうがいいのではないか、その時点ではほとんど水がございませんので、比較的退避もそう困難じゃないというような判断から、こういうことにしているようでございます。しかし、まあ実際にいろいろ七日の日に警察も立ち合いまして、同じ放流状態を再現いたしまして、大体規則どおり放流はされたということはほぼ確認したようでございますけれども、かなりの時間に水位のやはり上がり方というものがあるものですから、これはやはり実情に応じたような操作のしかたなり、それからサイレンの位置とか、そういったものも合わせて検討する必要があるのではないか。それから、今回の場合には、特に小さい子供さんでございました。したがって、小学校とか、そういうところにもよく学校の先生からも徹底をしていただくとか、何かそういうことをもう少し考える必要があるということで、これは北陸地方建設局の富山工事事務所というのが監督をいたしておりますが、そこで、いまひとつ改善の方法を考えようじゃないかということで、急いで検討をいたしておるわけでございます。
#147
○上林繁次郎君 まあ突っ込めばいろいろの点があると思います。いま申し上げたように、三十分前にそれぞれの機関に連絡をとる、たとえば、この放流が始ったのは四時三十分、四時三十分といえば、その三十分前といえば四時です。四時ではたとえ学校に連絡をしたとしても、これはその日に放流するのではとても子供に徹底はできませんね。ですから、そういう矛盾があると思うんです。ですから、あまり操作規則がこうだからといって、それだけで徹底をしておれば、この責任がないんだというわけにはいかぬと思う。今回の場合なんかそのいい例だと思うんですね。そういうわけで、子供さんが三人なくなった、こういうわけです。それともう一つは五分前に一般にはサイレンで知らせる。それも早くから知らせたのでは、かえって効果がないのじゃないか、ですから直前に鳴らすようにという考え方です。子供の場合には、そういうサイレンにも気がつかない場合があります。特に、今回の場合は、たとえば、この一帯には六月になるといわゆるカブト虫、そういうものが発生しまして、それで子供は喜んでそこへとりにいくというわけです。そういう事情というもの、やはりそういうものを踏まえなければいかぬと思うのです。それだけのやはり配慮があって、放流するにしても、そのくらいの配慮がなければ、やはり今後もこういうような事故が起きるという可能性があるのじゃないか、こういうふうに思うのですね。その辺のところを、学校から子供さんにはどういう徹底がされたか、あるいは市町村からどういう徹底がされたのか、そういうような事情というものを踏まえた上で、その放流というものは行なわれたのか、その点はどういうふうにとらえておられますか。
#148
○政府委員(川崎精一君) 私どものほうの事務所の職員も、実は学校の学童にアトランダムに聞いてみたそうです、先生から聞いていますかと。そうすると、ほとんどの生徒が、聞いておると、こういう返事でございました。したがって、学校もかなり関心を持って教えてはいただいておる。しかし、やはり結果的にこういう事故が起こったわけでございますから、何かやはり子供さんがもっと早く元気がつくようにしないと、やはりおそらく夢中になった結果じゃないかと思うのです。一人の生徒は気がついて急いで連絡等してくれたそうでございますが、したがって、私もよく現地の事情を存じませんけれども、やはり子供が遊びに行くところには、やはり行くような道なり、常にそういったところがあるのじゃないか。したがって、画一的にサイレンの個所をきめたりなんかしないで、何かもう少し危険をなくするため、子供もすぐ気がつくというような個所があれば、そういったところに増設をするなり、あるいはサイレンでなくて、もっと河原に何か適当な注意を喚起するようなサインをするとか、何かくふうがあるのじゃないかということを申しまして、その辺もいろいろ調べさしておるわけでございます。
#149
○上林繁次郎君 まだまだ突っ込みますといろいろありますけれども、そこで、最後に補償関係ですが、いままでこういう事故が何件かあるわけですね。そのいわゆる生命を失った場合、その補償関係はいままでの例はどういうようなことになっていますか。
#150
○政府委員(川崎精一君) 相手の、今回の場合には関西電力でございますが、いわゆる瑕疵といいますか、違反したような行為があったかどうか、これが一つの分かれ道になるのじゃないかと思いますが、通常の規則に従ってやっておったということであっても、やはり事業者としては道義的な責任は当然感ずるわけでございますから、その間には町なり何なりが入りまして、双方了解をしたようなものを、お見舞い金とか、いろいろなことを言っておりますけれども、そういった形で処理をしてきておるというのが実態でございます。
#151
○上林繁次郎君 具体的な例はおわかりになっていませんか。たとえば昭和四十二年七月二日に、これは和知というのですか、由良川の。これはやっぱり関西電力です。このダムのゲートの脚の柱ですか、これがこわれて放流されたのであります。そして一名が死亡しております。これらの補償なんかわかっておりませんか。死亡ないし事故を起こしているのは関西電力が非常に多いということですね。何かこれは特別な事情があるんじゃないですか。
#152
○政府委員(川崎精一君) ただいまのお話しの和知ダムの場合には、これは不可抗力――技術的ないろいろむずかしい問題がございましたが、ゲートの開閉の操作の途中でゲートそのものが吹っ飛んだというような事故でございました。したがって、これはまさに、原因はいろいろ技術的にむずかしい問題はございますけれども、明らかに関西電力の責任だということははっきりしておるわけでございます。たしか関西電力とゲートを製作しました会社とが相談をいたしまして、もうこれは当然補償をしたわけでございます。今回の場合には、正式に警察から通知を聞いておりませんが、一応規則どおりやっておるというようなことでございますので、特にその間違いがあったから補償しろとかいう筋じゃちょっとないと思いますが、しかし、きのう向こうの役員が私どものほうに見えまして、いずれにしろ規則どおりはやっておったけれども、やはりダムの放流というものが一つの原因で今回の事故が起こったことには間違いがないので、できるだけ地元の方と十分話をして、適切なお見舞いをいたしたいというような話でございました。
#153
○小林国司君 河川局長に伺います。
 さっきからのお話を伺っておりますと、ダムの放流について、操作規程に基づいて放流したので、放流する側には落度はなかったというふうに聞こえたわけでございますが、しかし現実には警報が徹底してなくて人命を失ったという問題がありますので、そこで、操作規程に基づく放流量を逐次増大するというそのやり方について、たとえば最初の一時間はごく少量だけ放流する。ごく少量でございますと、子供であろうと、御婦人であろうと、水が出てきた、さあ、ぼつぼつこれは逃げたほうがいいなと。急に増大しませんから、幾らでもゆっくりと子供でも避難できる。たとえば一時間なら一時間の間はきわめて少量の放流をして、これが一つの警報を発したのと同じ効果になると思いますね。その後、逐次量をふやしても、そのときはもうだれも河の中にはいない、こういうふうに考えられますので、操作規程に基づく放流量をふやすというそのやり方は、河川の流域の状態あるいはいろいろな状態によって、あるいはダムの大きさによって違うと思いますが、特に建設省におかれて、今後のそういった操作規程に基づく放流の量をふやしていくいき方、それを、最初きわめて少量のものを警報の意味で、早く避難しなさいという予告の意味で流すというようなことを今後お考えになれば、こういった被害というものは起きてこないんじゃないかと、こう思われますので、考えていただけばしあわせだと、こう思います。
#154
○政府委員(川崎精一君) まさにお話のとおりでございまして、一応現在の操作のルールでも、初めはなるべく徐々に、そして次第に流量を増していくという一応ルールをつくっておるわけでございますが、特に最近は、地元の方だけではなくて観光的ないわゆるフィッシングというような方もおられるわけです。そういったことを考えますと、できるだけ初期の増水を押えるという方向が一番安全な方向だと思いますが、そのほかに先ほど来申し上げましたような、かなり人なり子供の出入りするようなところをねらって少し警報の装置をつけるとか、そういうこまかい配慮をしないと、今後やはりこういう事故がまた繰り返されるということは、われわれとしてもまことに申しわけがないと思いますので、もちろん、この操作規則もいま再検討するように言っております。できるだけ、お話のような方向に改定をさせるようにしたいと思います。
 なお、こういったかなり、日ごろには水がなくて、そして放流時になると危険があるというようなところを、ひとつ全部再点検をしたいというようなことで、昨日実は通達を出したばかりでございますが、同じような事故を繰り返さないように、私どもなりにひとつ努力をいたしたいと思います。
#155
○委員長(松永忠二君) 本件に関する調査は、本日はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#156
○委員長(松永忠二君) 次に、ソウル市大然閣ホテルの火災事故による日本人被害者に対する補償問題に関する件について調査を行ないます。
 質疑のある方は御発言を願います。
#157
○上林繁次郎君 外務省にお伺いします。
 昨年、ソウルの大然閣、このホテルの大火で日本人が十名もなくなっております。
 その後、問題になるのは補償問題だと思います。補償問題が現在どういうふうに進められてきておるのか、その状況について、ひとつお話を願いたいと思います。
#158
○説明員(平野文夫君) 邦人死亡者十名に対します補償につきましては、災害の直後、ソウルにおきまして、大然閣ホテル火災事故対策委員会というものが設置いたされまして、この委員会が韓国人死亡者に対しましては、百万ウォン、これは邦貨にいたしますと、八十万円でございます。それから、外国人死亡者に対しましては、一万五千米ドル、これを見舞金として贈るということを決定いたしまして、この委員会の代表が日本になって参りまして、直接各遺族等と協議いたしたわけでございます。それに対して遺族側からは一人当たり千五百万円の補償金、それから遺体収容、日本への搬送などの諸経費五十万円、これをただいまの対策委員会あてに要求いたしたわけでございます。そういうことで双方折り合いがつきませんで、そのうちにこの対策委員会というものは解散するということになりまして、その後、遺族側は直接この大然閣ホテルと交渉を続けてまいったわけでございます。しかしながら、やはり条件の点で双方の折り合いがつかないということで、現在に至っておるわけでございます。
#159
○上林繁次郎君 そういったことで、何となく、このいまのお答えを聞いておりますと先に進みそうもないような感じがするわけです。というのは委員会も解散してしまったということなんですね。まあ聞くところによると、韓国側もこれは民間ベースの問題だから国のタッチする問題ではない、外務省のほうとしても、日本政府としてもやっぱり同じようなことを言っている。こういうことでは、これからどういうようなルートをたどって相手側との交渉を進めていくかということも問題があるところですね。その点は外務省としてはどういうふうに考えているのですか。
#160
○説明員(平野文夫君) これはやはり原則といたしましては、私人対私人の問題でございますので、あくまでも民事問題ということでホテル側と遺族側との直接交渉ということが原則でございます。それで、政府機関がこれに直接介入するということはしないという方針でございます。ただわれわれもこの両者の交渉の推移を見ておりまして、遺族側からの援助の要求がございました場合には、われわれとしてできます限りの側面的な援助というものをいたしたいと思っております。これはたとえば韓国におきましていろいろな補償制度、保険制度、こういったものがありますが、そういったものの調査を通じまして、大体どういう補償の常識と申しますか、めどを韓国側では考えられておるのか、あるいは裁判に持ち込んだような場合にどの程度で大体おさまっているのか、そういった点から裁判に持ち込むのが有利であるか、そういったいろいろな点がございますが、そういった点につきましてはわれわれできる限りの調査をいたしまして側面的援助をいたしたいというふうに考えております。
 それから遺族側も六月十日――明日でございますが、遺族側の会合がございましてここで新たに態度を協議するというふうに聞いております。
#161
○上林繁次郎君 そうしますと、まあ外務省としては側面的に援助をしていく、今後の姿勢としてはそういう考え方である、こういうことですね。
 それで、外務省はいままで遺族の方たちとどのくらいお話になっておりますか。あるいはまた近く会合があるということですが、そういうところにも出て事情をお聞きするというような点についてお考えになっておりますか。
#162
○説明員(平野文夫君) 遺族の代表とわれわれのところはたえず連絡をとっておりまして、われわれのほうもいつでも先方から、遺族側から要求がございました場合にはお手伝いするということになっております。
#163
○委員長(松永忠二君) 本件に関する調査は、本日はこの程度にとどめます。
 速記をとめて
  〔速記中止〕
#164
○委員長(松永忠二君) 速記つけて。
    ―――――――――――――
#165
○委員長(松永忠二君) 次に、請願の審査を行ないます。
 請願第三〇二号昭和四十七年一月十二日から十六日にかけて発達した低気圧による岩手県の災害対策に関する請願を議題といたします。
 本請願につきましては、理事会において慎重に検討いたしました結果、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものとすることに意見の一致を見ました。
 つきましては、理事会の審査のとおり決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#166
○委員長(松永忠二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#167
○委員長(松永忠二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#168
○委員長(松永忠二君) 次に、継続調査要求に関する件についておはかりいたします。
 災害対策樹立に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#169
○委員長(松永忠二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。なお、要求書の作成、提出の時期につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#170
○委員長(松永忠二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#171
○委員長(松永忠二君) 次に、閉会中における委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。
 閉会中、委員派遣を行なう必要が生じた場合、これを行なうこととし、その取り扱い等を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#172
○委員長(松永忠二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後五時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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