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1971/04/24 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 予算委員会第一分科会 第2号
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1971/04/24 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 予算委員会第一分科会 第2号

#1
第068回国会 予算委員会第一分科会 第2号
昭和四十七年四月二十四日(月曜日)
   午前十時四十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     鈴木 一弘君     矢追 秀彦君
     松下 正寿君     栗林 卓司君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     白井  勇君     山崎 竜男君
     小柳  勇君     鈴木  強君
     鈴木  強君     小野  明君
     工藤 良平君     鶴園 哲夫君
     佐々木静子君     和田 静夫君
     和田 静夫君     羽生 三七君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    主 査         平島 敏夫君
    副主査         栗林 卓司君
    委 員
                高橋 邦雄君
                長屋  茂君
                細川 護熙君
                若林 正武君
                小柳  勇君
                工藤 良平君
                鶴園 哲夫君
                矢追 秀彦君
   国務大臣
       国 務 大 臣  竹下  登君
       国 務 大 臣  中村 寅太君
       国 務 大 臣  山中 貞則君
   政府委員
       内閣参事官兼内
       閣総理大臣官房
       会計課長     國塚 武平君
       内閣官房内閣審
       議室長兼内閣総
       理大臣官房審議
       室長       小田村四郎君
       人事院事務総局
       管理局長     茨木  広君
       総理府総務副長
       官        砂田 重民君
       内閣総理大臣官
       房広報室長    松本 芳晴君
       内閣総理大臣官
       房管理室長    吉岡 邦夫君
       総理府恩給局長  平川 幸藏君
       青少年対策本部
       次長       清水 成之君
       日本学術会議事
       務局長      高富味津雄君
       警察庁長官官房
       会計課長     下稲葉耕吉君
       行政管理庁長官
       官房審議官    大田 宗利君
       行政管理庁行政
       管理局長     平井 廸郎君
       北海道開発庁主
       幹        首藤 泰雄君
       沖繩・北方対策
       庁長官      岡部 秀一君
       沖繩・北方対策
       庁総務部長    岡田 純夫君
       沖繩・北方対策
       庁調整部長    田辺 博通君
       食糧庁次長    中村健次郎君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   牧野 康夫君
       郵政省電波監理
       局長       藤木  栄君
   説明員
       大蔵省主計局共
       済管理官     鈴木 吉之君
       文部省管理局福
       利課長      五十嵐 淳君
       厚生省環境衛生
       局水道課長    国川 建二君
       厚生省年金局企
       画課長      山下 真臣君
       通商産業省公益
       事業局ガス課長  服部 典徳君
       中小企業庁計画
       部長       西田  彰君
       運輸省鉄道監督
       局土木電気課長  山本 正男君
       労働省労働基準
       局労災管理課長  石井 甲二君
       建設省都市局都
       市再開発課課長
       補佐       山田  寛君
       建設省河川局防
       災課長      黒坂 正則君
       消防庁防災管理
       官        古郡 良秀君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○副主査補欠選任の件
○昭和四十七年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和四十七年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和四十七年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○主査(平島敏夫君) ただいまから予算委員会第一分科会を開会いたします。
 分科担当委員の異動について御報告いたします。
 一昨二十二日、予算委員の異動に伴い、松下正寿君の補欠として栗林卓司君が選任されました。
 また、鈴木一弘君が分科担当委員を辞任され、その補欠として矢追秀彦君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○主査(平島敏夫君) この際、おはかりいたします。
 予算委員の異動に伴い、副主査が欠けておりますので、その選任を行ないます。
 選任は、投票によらず、主査の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○主査(平島敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 それでは、副主査に栗林卓司君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○主査(平島敏夫君) 昭和四十七年度総予算中、内閣及び総理府所管を一括議題といたします。
 政府側からの説明は、これを省略し、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○主査(平島敏夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のおありの方は順次御発言願います。
#7
○小柳勇君 きょうは二つの問題を質問いたします。一つは公的年金の調整の問題、一つは、関東大震災程度の地震がいま発生した場合、その被害の状況の見込みなりあるいは緊急対策、その問題を質問いたします。したがいまして、公的年金制度の調整について約一時間、地震関係について約一時間、二時間時間をいただきましたので、そういう順序で質問いたしますので、関係各省忙しいからそういうふうに時間を配分して御出席願います。
 まず第一の公的年金制度の調整であります。現在、わが国で年金制度が諸外国に比べて立ちおくれておることは、言うまでもありません。私が申すまでもなく、昭和四十二年の七月二十五日に、総理府におきまして、公的年金制度調整連絡会議が設置されております。これは昨年の三月八日の予算委員会で私が質問したのでありますが、昭和四十二年の六月二十一日に社会保障制度審議会が総理大臣に申し入れをいたしておる。そして、年金制度が諸外国に対して著しくおくれておるから一両年以内に公的年金の調整について結論を見出すように、こういう申し入れをいたしております。これを受けて公的年金制度調整連絡会議が設置されておるのでありますが、昨年の予算委員会の答弁によりますと、各グループごとに、四つのグループに分かれて検討をいたしております、そういう答弁がございました。したがいまして、きょうは、その四つのグループの代表の方から個々に現在の公的年金制度の調整の状態について報告を願って、そのあとで一般論につきまして総理府総務長官から質問いたしていきたいと思います。
 なお、その前に前段として総務長官に質問いたしたいのは、総理大臣に対して社会保障制度審議会が、両一年内、少なくとも二年以内に公的年金制度の調整について結論を出せ、そして早急に年金制度を抜本的に改正せよという申し入れを受けておられるのであるが、総理府としてのこれに対する態度なり決意、こういうものをまず総理府総務長官から御答弁を願いたいと思います。
#8
○国務大臣(山中貞則君) 公的年金制度は、各省庁あるいは財政主管省、こういうものとの間に非常な意見の違いがありますので、一本の制度に対する審議会の運用はきわめて困難だということで、昨年答弁いたしましたとおり、公務員グループ、あるいは民間グループ、あるいは農業、私学のグループ、そして労災もやはり関連がありということで労災グループというふうに分けて、その後逐次グループごとの会合をやっております。その経過を踏まえて見ますと、なかなか意見の共通部分の発見というものも著しく困難でありますし、せめて最大公約数のものを得て、そこからでも踏み出していきたいということを願望といたしておりますので、これから各それぞれの担当官に、現在までの討議の状況と問題点、それの見通しについて説明をさせたいと思います。
#9
○小柳勇君 いまの総務長官の答弁によりまして、まず、厚生年金、国民年金、船員保険などのいわゆる民間グループとして年金調整を審議しておられる厚生省の年金局から、審議の経過並びに結果について報告を求めます。
#10
○説明員(山下真臣君) 年金局企画課長でございます。民間グループの審議状況、経過を御報告申し上げます。
 厚生年金、国民年金につきましては、御承知のとおり、従来五年ごとの再計算期に大改正をやるということで、そういう時期でございますと、厚年につきまして四十九年度、国年につきましては五十年度、これが時期に当たるわけでございますが、ただいまのところ、私ども並びに関係審議会といたしましても、こういう御時世でございますので、これを繰り上げまして早く改善をいたしたいということで、現在両法の大きな改正をいたすべく検討をいたしておる最中でございます。このために、厚生年金につきましては社会保険審議会の厚生年金部会、国民年金につきましては国民年金審議会という関係審議会におきまして改正の問題点を審議をいたしておるわけでございますが、この問題になっております年金額の改定方式、これもこの際の一つの審議項目の非常に重要な項目として取り上げられておる状況でございます。現在のところは、まず審議会といたしましては、第一読会ということで、厚年、国年両方の全般の問題のあらゆる問題につきまして各委員が自由な意見の交換をしていくという段階でございます。かつまた、この年金額の改定方式という問題一つ取り上げましても、これは年金のあらゆる面にすべてに関連をいたす問題でございますので、全体を一応審議をいたしてみまして、さらに振り返ってもう一度詰めていくというやり方が必要だということで、現在第一読会をやっておる段階でございまして、まだ一つの集約された意見にまとまっておるという状況になっておりません。このあとの段取りといたしましては、第一読会が間もなく終了いたしますので、引き続きまして第二読会に入りまして問題を詰めていきまして、おおむねこの夏一ぱい、おそくとも秋ぐらいまでには厚年、国年の各問題点についての意見の集約化をはかりたい、こういうふうな状況にあるわけでございます。
 これまで第一読会で意見が交換されましたおもなこの問題に関する問題点でございますが、詳しく申し上げますと時間もございますので、簡単に申し上げますが、一つは、前々から問題になっておりますように、改定の指標をどういうふうなものをとるのが適当か、賃金か、生計費か、あるいは物価かということで、いろいろな意見が現在出ておるわけでございます。もう一つは、改定の方式、これにつきまして、完全に自動的な改定方式をとるのがよろしいのか、そのときそのときの判断を加えながら対応していくような方法がいいのか、あるいは中間がいいのかというような問題、あるいは改定の財源、これにつきまして、国庫負担を重しと見るべきか、三者負担に行くのか、あるいは、いずれにしろこういったスライド的なことをやりまするというと、その負担というものは後代に送らざるを得ませんので、後代の負担というものをどういう程度において認識するかというような問題点につきまして、非常に活発に議論が行なわれている次第でございます。厚生省といたしましても、次の改正におきましてはこの問題は検討さるべき重要課題の一つであろうという認識を持っておりますので、このような関係審議会の御検討もいただきながら、次期改正までに私どもなりの成案を得ていきたいと、こういうことで、いま現在努力をいたしておる状況でございます。
#11
○小柳勇君 ただいま企画課長が言われた大部分は、昨年の予算委員会で総務長官が答弁されたことです。そういうことであるなら、何も各グループに分けて検討する必要はないわけですよ。たとえば、年金というのは生活保障であるから、その生活保障の問題は前回全員一致しているのだ。その上に立って、改定の指標なり、改定の方式なり、財源の問題を各グループでまず一つ結論を出して、それを持ち寄って早急に結論を出そうというのが、各グループができた大きな目的であろうと聞いておるわけですよ。したがって、この一年間、昨年の三月八日ですから、もう三月八日にも一応の結論が出ていると答弁があったのですから、その上に立って、第一読会ということではいま納得できないのだが、たとえばそれでは、厚生年金、国民年金が再計算期を繰り上げるという、そのことはもう具体的にきまったのですか、まずそこから答弁願います。
#12
○説明員(山下真臣君) 厚生省といたしましては、四十八年度にでき得れば厚年、国年の大改正をいたしたいと考えております。それでまた、社会保険審議会並びに国民年金審議会の各委員におきましても、その点に関しましては合意をみておる次第でございます。
#13
○小柳勇君 いまの最後のほうはっきりしませんが、厚生省としては四十八年に厚年、国年両方とも再計算し、抜本的に改正したいと考えると。各審議会についてはどうですか、はっきりそのところを。
#14
○説明員(山下真臣君) 社会保険審議会厚生年金部会、国民年金審議会、この両審議会とも、そのような意向で現在検討いたしております。
#15
○小柳勇君 そういたしますと、あとの、さっき言われた改定の指標なり、あるいは改定の対象、あるいは改定の方式なり、時期なり、財源の問題も、夏ごろには、あるいは秋までには一応の結論はグループでは出ますか。
#16
○説明員(山下真臣君) そのようにいたしたいと考えております。で、せっかく関係審議会で種々勉強をいたしていただいておりますので、私どもが先走りまして取りまとめた考え方を申し上げるのもいかがかと思いますので、もしお時間をいただけますならば、若干ただいま第一読会で出ております議論の内容を御紹介申し上げまして、それによりましてお許しをいただきたいと思うわけでございますが、いずれもむずかしい問題でございまして、まあ一般に、第一に指標の問題につきましては、率直に申しまして、審議会の中では賃金説と物価説と両方があるようでございます。賃金説につきましては、これが一番よろしいとする意見に対しましては、まあ現在の賃金のベースアップの率というものをしさいに見てみると、若い者のほうにベースアップ率が高くて、年金受給者に近まってきておるところの五十、六十という階層の賃金のベースアップ率は若い者よりは幾らか低目にあるという実態から見て、全平均をそのまま、年金のアップ率に賃金をそのまま持ってくるというのはいかがかとか、あるいは賃金の中には貯蓄に回る部分もあるのじゃないか、あるいは教育というような年金受給者には直接関係のないような部分もあるのじゃないか、そういったことから、賃金をなまのままでそのまま指標に採用するのはいかがかというような批判的な意見が一部にございます。ところが、一方、物価という点につきましては、年金の購買力の維持という見地からはこれでいいのだけれども、物価だけでは、その後の国民生活の水準の向上でありますとか、そういったより大きな要素のものが反映されないので、そればかりでもいかがかというようなことで、両論が現在対立しておるというような内容でございます。
 改定の方式につきましても、さっき三とおり申し上げましたけれども、こういった指標のとり方との関連で、どの程度のものを自動化していくのが適当かどうか、どの程度のものを政策的にやっていくのが適当かどうかということが、相互関連において議論をされているわけでございます。財源につきましても、国庫でやれという意見が一方にある。一方諸外国の例等見ましても、三者負担でやっている例が非常に多うございますし、将来について考えれば、ほとんどが国庫になってしまうというような事態もあるので、それの行き過ぎはいかがであろうか。いずれにしても、過去の整理資源という問題は後代に送っていくわけですから、これをどの程度にやり方の前提をきめて見通していくかという問題が論議されているわけでございますが、そういったことは昨年ありました一般的なスライドに伴う問題だろうと思うのですが、なおそのほかに厚生年金なり国民年金につきましての若干具体的な問題といたしましては、御承知のように、各種共済につきましては、新規裁定と既裁定とでやり方を変えているわけでございます。新規裁定は、最終なり最後の三年間の報酬をもとにして裁定をいたしていきますから、ある意味で上がっていく。既裁定は、それとは切り離しまして、一定のルールで上げるというやり方をやっているわけでございますが、厚生年金なり国民年金につきましてはどうもそのようにはまいらないわけでございまして、従来厚年、国年の改正の実績も、新裁と既裁を一切区別せずに同じに上げてきているわけでございます、大改正の際も。この新規裁定と既裁定との取り扱い方をどのように整理していくか、将来にわたって既裁定も全く新規裁定と同じやり方をしていくのか、分けるのか、分けるといたしました場合に、特に厚生年金の報酬比例部分につきましてはその算定方法というものをどのように改善をしておく必要があるかというような、いわば改定方式のみならず、年金の算定方式それ自体との関連におきましても議論がなされているという状態でございます。一方、厚生年金の定額部分なり、あるいは国民年金の定額部分というのは、定額でございますので、既裁定と新規裁定とを異なった扱いをすることは非常にむずかしいのじゃないか。同じ扱いをする、こういうふうにいたしまして問題を見ますというと、定額を上げれば、既裁定者の年金を上げるのみならず、それは未来永劫将来に向かっての裁定についても全部上げるということになるわけなんで、この定額部分の新裁、既裁の区別をいたさないといたしますと、単に過去のもののスライドアップということじゃなしに、そのたびごとに将来に向かっての年金の改善をはかっていくという要素が組み込まれるわけでございますから、そういった意味から、この辺をどういうふうに割り切るか。ことに、厚生年金、国民年金は年金の九割を占めますので、非常にその広がりなり影響も大きな問題でありますだけに、ぜひこれをひとつ詰めていきたい。一方また国民年金につきましては、保険料も定額でございます。給付をもし一定のルールでスライドアップするということにいたすならば、負担のほうの保険料のほうはどうするか、これもスライド・アップしていくのかどうか、その場合に同じ割合でやっていくのかどうかというような点につきまして、詰めた議論を展開いたしているわけでございまして、現在まだ取りまとめた最終の段階への意見が一つに取りまとまるという段階に至っておりませんが、議論は相当に深まってきておりまして、私どもの期待といたしましても、夏一ぱい、まあできればこの秋くらいまでに両審議会としての一応の――非常にむずかしい問題でございますから、あらゆる面を検討し尽くした、これで完全だというものがその際出るかどうかは別としまして、一つのまとまった考え方というものは出るものと考えておりますし、私どもといたしましても、その辺を見ながら、明年大改正いたしたいという希望を持っておりますので、それまでの間にこの問題についての厚生省としての意見を取りまとめていきたい、かように思っているわけでございます。非常に問題点なり論議の御報告ということで恐縮でございますが、現在の段階では、正直申しまして、まだ最終的な結論を得ているという状況でございませんものでございますから、御了解いただきたいと思うわけでございます。
#17
○小柳勇君 厚生省が年金受給関係適用人員の約九割を持っているわけですから、厚生省がいま検討されることがおそらく共済の基礎になろうと思うんです。したがって慎重にやっておられると思うんですが、重要な問題をもう少し、これは責任者ですから、企画課長、聞いておきたいと思うんですが、まず一つは生活保障であるという観念ですね、年金というのは老後の生活を保障するものである、その観念については委員が一致しておるのだということを、この前、去年答弁してあります。まずこれはいま審議しておる方はだいじょうぶでしょうね。
#18
○説明員(山下真臣君) その点につきましても、年金というものが長期にわたる所得の喪失をした老年者の生活にとって重要な所得保障の柱であるということについては、ほぼ関係者の御意見は一致いたしておると思います。ただし、年金だけであらゆる一切のものを見てしまうかどうか、ほかに若干のみずからのたくわえなり、あるいはその他の諸施策、あるいは医療、あるいは住宅、そういったものとのかね合いを考慮すべきではないかというような意見等も一部にはございます。いずれにいたしましても、年金というものは老後生活にとって今後中心的な柱になっていく、所得保障の柱になっていくしろものであるという認識においては、先生のおっしゃるようなことだというふうに理解いたしております。
#19
○小柳勇君 第二の問題は、国民年金はまだ低額で論を待ちませんが、厚生年金の平均交付額を調べてみますと、昭和四十五年で年間に十七万一千二百六十八円です。したがいまして、月に一万五千円となります。生活保護の実態は、一級地、夫婦で二万五千五百十円、単身で一万六千五十円です。この前もこれは論議したのでありますが、生活保護と年金との関係が、もちろんいま現在関連しておるとは言いません、発生が違いますから。言いませんが、生活保護よりも年金が低いではないかという声がどこでも出るわけですよ。この基本的な矛盾をこの際論議しておかなきゃならぬと思うと同時に、現在の厚年、国年を改善をするという観念では根本的な改革ができぬのではないか。諸外国に対するおくれを取り戻すという社会保障制度審議会の申し出は、この際ひとつ金はかけても抜本的に諸外国の年金制度に追いつくようにしないかということだと思うんです。いまの国年、厚年を少しずつ改正していって何年かで追いつこうということではなくて、この際ひとつ二年ぐらいで抜本的に諸外国の年金に追いつかぬかということが申し入れの趣旨ですね。したがって、言うならば、いま生活保護がこれは生活保障でありますけれども、ところが年金のほうは、生活の柱でありますけれども、その人のささえでありますといういまの企画課長の考えでいきますと、根本的にそこから変えていかなければ抜本改正できません。このことをわれわれはほんとうに口をすっぱくして昨年から一年間言い続けてきているわけです。したがって、いまの企画課長の考えでいきますと、抜本改正できませんね。したがって、いませっかくグループで委員会をやっているんですから、厚年、国年の民間グループと、あとで聞きますけれども、官公労のグループとは、相当な開きがあると思うんです。中間グループも新しく発足したのですから、相当の前進がありますね。したがって、厚生年金、国民年金を抜本的に改正して諸外国にとにかく追いつくという決心をしなければ、その他の年金も前進しません。したがって、もう一回聞いておくが、第二点としては、生活保護と年金の裁定というものをとにかくバランスしなければならぬという観念を今度秋までに確立してもらいたいと思うが、どうか。
#20
○説明員(山下真臣君) いずれにいたしましても、国民年金、厚生年金の現状で非常に不十分だということにつきましては、もう関係審議会の先生方も私どもも一致をいたしておるわけでございまして、そのためこにこそ大改正をやりたいということで検討いたしているわけであります。ただいま先生が提出されました生活保護基準の額というものと年金の額というものとの比較関連の問題につきましても、これは私の意見と申しますよりも、審議会におきましても一、二度取り上げられたことがございまして、これも若干議論が両論ございまして、ネショナルミニマムという意味で保護基準並みのことは確保すべきだという意見が一方にありますほか、他方にございました意見といたしましては、その生活保護の基準というのは、いわば基準額でございまして、それによってすべての最低生活ができるという額をきめておるものである。現実に生活保護の保護費として支給せられているものは、その基準額に本人の資産なり所得で満たない部分を支給いたしておるわけでございますので、実際の基準額の何割くらいかが保護費として支給されているという現状がある。そうだといたすというと、なまにそれをそのまま年金額と結びつけておいたほうがいいのか、またそこに別の判断があったほうがいいのかという点についてはなお詰めなければならないということを言う一部の委員もございます。
 なおまた、保護基準の中には、もちろん御承知のとおり、その前提として、非常に詳細なミーンズテスト――資産調査というものを前提といたしますし、年金にはそれがない。あるいは保護基準は、そういう見地から、一級地、二級地、三級地というぐあいに、全国を四級地に処置いたしておりますけれども、年金はそういうことをいたしておらないというような、若干要素の違う面もあるものでございますから、そこのところはもう少し整理した議論が必要ではないかという議論も一方にございます。しかしながら、先生がおっしゃいましたような趣旨の、少なくともそれを上回る程度にはあったほうがいいんじゃないかという御意見のほうがやや多いような感じを受けております。大体いまの、率直に申しまして状況の報告だけでございますから、そういう意味でございます。
#21
○小柳勇君 ここで企画課長と論争してもいけないと思うのだけれども、これは大臣とまたやりますけれども、いまの生活保護の基準の問題でも少し違いますよ。おたくの出されている厚生白書の考えは、憲法二十五条による国民の最低生活を保障するという前提で、生活保障の施策であると書いてある、そうしなければならぬと書いてあります。生活保護基準、生活扶助というのは発足して二十年たっているから、憲法二十五条の精神に沿う生活保障的な施策でなければならぬと書いてある、おたくの厚生白書に。したがって、もう少し進んだ考えでないと生活保護だっていつまでも前進しません。
 もう一つは、それに関連しまして、これはあとでまだ長官から聞きますけれども、各省に聞いてから。生活保護の基準を受けることがたいへんなんです、手続が。社会福祉事務所へ参りまして民生委員の認可を得てやります。したがって、年金の少ない人で、公務員など、そんなことはいまもう排除していいのだけれども、古い人。プライドを持った人、地域的ないろいろな名誉との関係で生活保護を受けないのです。したがって、それでは生活扶助を受ける手続を改正するということを検討したことがありますか。これはあとで全体的に要求しておきたいと思うが、そのことを検討したことがありますか。
#22
○説明員(山下真臣君) 生活保護は社会局の所管でございまして、ちょっと私のほうからはいかがかと思います。
#23
○小柳勇君 これはやはり大事な問題のときは、たくさんの課長を呼んでおかなければならないものですから、結局大臣や次官ということになるわけですよ。しかし、これは基本的な問題ですから、長官にちょっと聞きましょう。
#24
○国務大臣(山中貞則君) いまの生活保護に対する解釈は、小柳さんのおっしゃるのは、私は唯一の解釈である、そう思います。担当が違っておりまして、ちょっと耳打ちしたんですが、そのことはちょっと解釈の誤りでありますから、政府としてただいまの御主張どおりの考えで生活保護はいる、その点ははっきりさしておきます。
#25
○小柳勇君 それはそう書いてあります、厚生省のほうの教科書に書いてあります。それで長官、いまの問題はあとでまた聞く予定でおったのですけれども、せっかくですから、とにかく生活保護基準、生活扶助を受けるのがたいへんですから、まず第一は、たとえば現在の生活保護基準よりも低いようなものも全部所得申告すればわかるんですから、たとえば六十歳以上の方全員税務署に申告しなさいと、年間所得を。そして、たとえば生活保護基準以下の者についてはもう黙っとっても生活扶助をするという、そういうふうなことをするか、あるいはもう、何か国勢調査なんかでもわかるはずですから、だから生活扶助手続をしなければ扶助しないという制度を改めて、国が国民に対する義務として、国が――政府が義務としてもう自動的にペイしてやると、払ってやるというような、そういう方向に検討していかなければ、私は、せっかくここに憲法二十五条の最低生活を保障すると、そううたわれた生活保障的な施策というものを、そう書いてあるけれども、これはほんとうに何分の一かしか受けてないと思う、調べましたら。おそらく年金が月に一万円くらいで夫婦で老後――古い官吏が、国にたくさんの貢献をした官吏あるいはその他の人が、実際国民が、生活保護まで受けたくないといって、あるいは子供から小づかいをもらうとか、子供に気がねして同居してるとか、たくさんあるんじゃないかと思う。そういう人を自動的に、あるいは国がもう調査をしてその生活を保障するという、それがほんとうの生活保護ではないかと思う。そういうふうに現在の方法を検討するようなことも考えなきゃならぬと思うが、長官の見解を聞いておきましょう。厚生省についてはあとでまた大臣から聞きましょう。
#26
○国務大臣(山中貞則君) これはやはり事柄の性質上、厚生大臣がお答えすべき立場にあると思います。ただ、私は恩給を所管いたしておりますが、恩給の金額等を毎年議論をいたしますが、そのときに、生活保護的な、社会保障的な立場で、自分たちの権利というものに対する国家の義務の行使をそういう目で見てもらいたくないと、自分たちは――いまおっしゃった誇りということばもありましょう、それだけの功労を尽くした者の遺族あるいは本人である、したがって、一般社会の底辺をささえる意味の社会保障的な観念でこれを見ることはごめんだというプライドの問題、もう私ども国がそれに対して耳を傾けなければならない正論を主張されます。このことはやはり年金の場合も私同じだろうと思います。いわゆる掛金をみずからかけてそして給付というものを期待しているわけでありますから、やはり問題は、そういう問題がいま一つありますことと、さらにその問題として、これはまあ厚生大臣がおられるといいんですが、給付を受ける条件についても、受けたあとについても、カラーテレビをまあ親はしんぼうしようという気があっても、子供たちは、友だちの家にみんなカラーテレビがある、しかし自分の家に白黒テレビがあるという場合に、カラーテレビを入れた場合にそれは生活保護の打ち切りになるのかという問題等は、やはり時代の流れとともに解決をしていかなければならない問題であろうと私はよそからながめておりますけれども、まあこれは厚生大臣の御出席のときに詰めていただきたいと思います。
#27
○小柳勇君 もう一つ、最後です、課長に。
 いま各グループから出てる方の名前、責任者の名前と、熱意があるかないかを聞いておきたいと思う。おたくのグループ、あの審議会のこのグループに出てる方の名前、その熱意の度合いを、あんたの見解を……。
#28
○国務大臣(山中貞則君) それは、あとの質問はいかぬ。
#29
○小柳勇君 私は質問するんだから、見解を言いなさい。
#30
○説明員(山下真臣君) まず国民年金審議会のほうは、会長は有沢広巳先生でございます。
#31
○小柳勇君 そんなのは知ってるけど、いまのグループに出ている人――厚生年金、国民年金、船員年金など民間の調整グループ。
#32
○説明員(山下真臣君) これは先生、たいへん申しおくれました。実は、公務員グループでございますとか、私学、農林グループ、これは関係省が幾つかございまして、相集まって議論してるわけでございます。ところが、民間グループにつきましては、厚生年金、国民年金両方とも厚生省、特に年金局で主管をいたしておりまして、年金局自体がその民間グループの所管の唯一の機関ということでございまして、私どものほうが全体になってこれを検討いたしておると。で、検討いたします際に、従来からの慣例その他、審議会もございますので、そういったものと並行いたして審議をいたしておるということでございます。
#33
○小柳勇君 どういうことですか。年金局がその審議会の中心機関ということはわかっていますよ。それはわかっているのですけれども、この調整連絡会議が発足しまして、民間グループ、それから国公グループ、中間グループ、労働災害、この四つでいまやっているのだが、その結論を持ち寄って全体会議をやって早急に結論を出さなければならないでしょう。そこまでいいですね。そうすると、民間グループは年金局だけでやっているということですか、あるいは、年金制度審議会とか、社会保障制度審議会とか、その委員が兼務しておるということですか、どちらですか。
#34
○説明員(山下真臣君) この公的年金連絡会議自体は、御承知のとおりに、役所の担当部局の集まりという状態になっているわけです。それを受けまして、私ども民間グループを担当する部局といたしましては厚生省ということで、ほかの省は入っておらぬわけであります。その場合に、もちろん、社会保険審議会、それから国民年金審議会、こういったものに、そういった重要な問題でございますから、十分御相談をしながら、その御意見も伺いながら、検討を深めていくという状態でございます。
#35
○小柳勇君 その第一読会をやりましたという、そのメンバーはどういう人ですか。
#36
○説明員(山下真臣君) 第一読会をやりましたのは、関係の審議会という意味で先ほど申し上げましたわけでございまして、社会保険審議会の厚生年金部会が現在ほぼ第一読会を終了いたしまして、私ども、それに必要な資料でありますとか、御説明を十分いたしながら、第一読会を終わっておる。このあと第二読会に入っていく、審議会の状況がそうなっております。それとほぼ私どもの検討の進め方も呼応しながらやっておるという状態でございます。
#37
○小柳勇君 それでは確認しておきますけれども、社会保障制度審議会の年金部会が中心になって論議しておるとするならば、社会保障制度審議会から総理大臣に答申されましたことについては、もうそれが前提で年金部会が論議しておるのであるから、もう結論としてはその方向にこの秋までに出ると確認していいですね。
#38
○説明員(山下真臣君) 私どものほうの厚生年金につきましての現在やっております審議会は、社会保険審議会の厚生年金部会でございます。
#39
○小柳勇君 わかりました。それでは時間がないから、社会保険審議会のほうの年金部会のほうは別の機会に一ぺん聞きたいが、夏あるいはおそくとも秋までには結論を出すものであるという企画課長の見通しを確認する。
 それから、再計算を両方とも四十八年にやるのだということも、厚生省の意向であるということ、そのことはここで確認をしておきます。
 次は国公部会でありますが、国家公務員、地方公務員、公企体職員の各共済年金について、そのグループの審議の経過と結果を大蔵省の主計局から御説明を願います。
#40
○説明員(鈴木吉之君) 公務員グループの審議状況について御説明申し上げます。
 公務員グループといたしましては、国家公務員の共済を担当いたします私ども大蔵省と、地方公務員の共済を担当しておりまする自治省、並びに公共企業体の共済組合関係の担当といたしまして運輸省、この三省が中心になりまして公務員グループの審議をいたしておるわけでございますが、過去五回実施をいたしましたが、審議の進め方といたしましては、各省それぞれ輪番で検討していこうという話し合いをいたしまして、今日まで検討を続けてまいっておるわけでございまするが、公務員の共済関係でございまするので、恩給との関連を十分踏まえながら、従来審議されてまいりました種々の問題について研究を行ない、検討を続けておる段階でございます。結論といたしましては、このようにということを申し上げる段階までには、事柄が重要な問題を含んでおりまするだけに、お答えできる段階までは遺憾ながらまいっておりませんけれども、ただ、現実に年金を受給いたしておりまする受給者の年金額そのものの実質的な価値の保全ということにつきましては十分配意しなければならない、ないがしろにはできないというふうに考えておりまして、現在までのところ、御存じのとおり、現行の共済制度は恩給制度を引き継いだといういきさつもございまして、過去における恩給公務員についての年額改定との関連を十分に考慮しながら、恩給の改定にならいまして、その実質的な価値の保全ということにつきまして、公務員給与の上昇とか上昇の率、あるいは消費者物価の上昇というような指数を踏まえまして、恩給の改定にならってその価値の維持につきましては十分配意し行なってきているというのが現状でございます。
 なお、公務員グループにつきましては、特に本年は、年金の改定方法が従来非常に複雑であった、難解である、わかりにくいというような事情もございましたので、あわせてこの問題についての検討も行ないまして、その結果結論を得まして、この点につきましては目下共済組合法に関する年金の改定法の中に織り込んで御審議をいただくということにいたしております。
 以上でございます。
#41
○小柳勇君 あとのほうは具体的でしたけれども、前のほうは非常に抽象的でして、そのことはもうわかっているわけです。そこで、具体的に改定の指標とか、年金改定の時期及び方式とか財源の問題、特に大蔵省は、財源は国庫負担であれば大蔵省担当でありますから重要な責任がありますが、そういう具体的な問題についてはどのように審議されておりますか。
#42
○説明員(鈴木吉之君) 指標の問題につきましては、ただいま申し上げましたとおり、現在までのところ、恩給の改定方法にならいまして、その指標に準じてやっていくということで考えておるわけでございまするが、財源負担の問題につきましては、御存じのとおり、三十四年から現行の共済制度が発足いたしておるわけでございまするが、この制度は公務員の職域保険として新しく発足いたしたものでございまするので、その精神にかんがみましても、新しい制度が発足した以降の期間につきましては、それぞれ国なり被保険者である組合員なりが負担するという考え方で今日まで至っておるわけでございます。
#43
○小柳勇君 その指標は現行どおりということに非常に問題がありまして、たとえば物価の変動にいたしましても、給与の改定にいたしましても、そのとり方が、しかもこの中の半分しかとってないんですよ、恩給改正は。去年のこれは国会でも私ずいぶん追及しましたけれども、全面的に、たとえば給与改定幾らありました、あるいは物価の変動幾らありましたと、こういうふうに全面的にとっていけば、いまの恩給退職者などが文句言うはずがない、あるいは共済年金の古い人たちが文句言うはずがないが、改定すると言いながら、毎年改定いたしますと言いながら、その変動幅というのは、たとえば賃金改定が一〇〇あったら、その中の半分とりましょうとか、あるいは三分の一とりましょうとか、あるいは物価変動が五%でありますからその半分加味しましょうとか、物価については大体八割ほどとってますけれども、そういう指標のとり方について非常に問題があるわけです。したがいまして、現行どおりというもしきまりがありましたら、これはひとつたいへんなことでありますから、もう一回さっそく検討し直すように私は要望いたします。
 それから、公務員は職域保険でありますからという意見、そのとおりでありましょうが、やはりこれは年金の精神は、保険でなくて、国が公務員の老後を生活保障するという立場、憲法二十五条の精神をやっぱり持ってもらわなければ、職域保険でありますから掛け金でまかなっていきますという恩給、年金の考えは、この際解消すべきではないか。それは、昨年の三月八日の予算委員会で発表された、年金は生活保障的なものである、これについては全員一致しましたと言っているんだから、いまの共済審議会の答弁では、まだ全然思想が変わっておりませんですね。もしそれでありますならば、きょう問題になったからといって、もう一回検討し直してみられたらいかがですか。
#44
○説明員(鈴木吉之君) ただいま私お答え申し上げましたのは、現在までこのような方法で行なってきておりますということの御説明を申し上げたわけでございまして、たとえば指標につきましても、あるいは財源負担の問題につきましても、将来の問題として引き続き公務員グループの検討事項ということで取り扱っていくということについては、先生からのお話のとおりでございますので、御承知おき願いたいと思います。
#45
○小柳勇君 わかりました。それでは、大蔵省、自治省、運輸省からどういう担当の人が出ておられるのか、そしていま現在まで何回ぐらい審議したか、いつごろ結論が出るのか、具体的に御説明を願います。
#46
○説明員(鈴木吉之君) 担当者は、自治省福利課長、運輸省は財政課長、大蔵省は私、共済管理官ということで、それぞれ担当者を交えまして審議を続けておりまするが、過去、昨年の三月以降、五回そのメンバーで実質的な審議を行なってまいっております。結論の時期につきましては、問題の内容等から考えまして、いつまでにこのようにということを現在申し上げることはいたしかねる状態でございまするが、できるだけ早い時期にこの結論なり見通しなりをつけたいということで鋭意検討を進めておるということで御了承願いたいと思います。
#47
○小柳勇君 冒頭にも言いましたように、五年前の昭和四十二年六月二十八日に総理大臣に対して社会保障制度審議会の会長が申し入れたことによっていま会議が持たれておるのでありますから、そのときの申し入れは、これから二年以内に諸外国に追いつくような努力をしてくれという申し入れですから、このことを十分踏まえて、ひとつ期間を早めてりっぱな結論が出ますように御尽力願いたいと思います。
 次は中間グループとして、文部省の担当官から、私学共済、農林漁業団体などの年金について、いままでの審議の経過と結果を御報告願います。
#48
○説明員(五十嵐淳君) 私学・農林グループにおきましては、再三会合をいたしまして、年金のスライド制の問題について検討してまいったわけでございます。農林省につきましては、農林年金を担当いたしております農業協同組合課長でございますが、両者におきましてその問題について検討してまいったわけでございます。まず第一に、先生が昨年も御指摘になられました改定の対象となる給付につきましては、退職給付、傷害給付及び遺族給付のすべてについて行なう必要があるということ、それから先生の御指摘になられました第二番目の改定の対象となる部分につきましては、このグループにおきましては、厚年の給付において最低生活保障的な機能を果たしておりますところの定額部分というのがどういう部分かということを分けることはなかなかむずかしい、したがいまして年金額は一体化してスライドすべきものであるというようなこと、それから第三番目といたしまして御指摘の改定の対象となるものにつきましては、これは私どものほうとしましては年齢によって差をつけるというようなことはできないのではないかという点、それから第四に、改定にあたりまして用いるべき指標につきましては、これはやはり第一番目には消費者物価指数の変動に即応すべきではありますけれども、給与も基本的な要因として考慮する必要があるんではないかというようなこと等が一応検討の結果でございまして、それから第五番目の改定を行なうべき時期とかあるいは方式というようなことにつきましては、まあいろいろな方式が考えられておるわけでございますけれども、現職者の給与水準との差が一定率以上になった場合にまあ半自動的に改定するというような方式が一番いいのではないかというような意見もございますが、これにつきましては、もちろん私どものほうといたしましては、公務員グループの検討結果を合わせまして、それらの結果をよく私どものグループとしましても検討した上で、なるべく公務員グループの結論に合わせていきたいというようなことを考えておったわけでございます。
 また、それらの五つの点でございますけれども、一番私どものほうといたしまして問題の大きい点と申しまするのは、財源措置の点でございます。このたび、私学、農林、医療共済等の長期給付に要する経費につきましての国の補助率につきまして百分の十六から十八に上げていただきたいという法案をいま御審議いただいているわけでございますけれども、年金額改定の整備資金につきましては、これは国庫の補助なくしてはとうてい組合が負担していくということは非常に困難な状況にあるわけでございます。まあいままでの検討結論といたしましては、公務員グループの検討の結果を合わせまして、それを最大の参考といたしまして、なお財政、整備資金の問題がございますので、財政当局とよく打ち合わせをした上で結論を得ていきたいというようなことを考えているわけでございます。
 以上でございます。
#49
○小柳勇君 重ねて申しますけれども、もう五カ年間もたっておることでありますから、早急に結論を出していただきまして、全体会議の中で、いまおっしゃいましたこのスライドアップの問題など十分にひとつ中間グループとしての意見を入れてもらいたいと思います。
 それから次は、労働省から、労災補償に対する生活保障としての給付金の調整などについてどのような討議がされておるか、お聞きをいたします。
#50
○説明員(石井甲二君) 災害補償グループについて御報告申し上げますが、構成メンバーといたしましては、人事院の厚生課長、自治省の給与課長、私のほうの労災管理課長が担当でございます。で、これまでに、三月以降七回の会合を持ちまして、特に年金給付のスライド制の問題を中心にいたしまして研究を行なってまいりました。
 これまでの問題点といいますか、審議の過程を簡単に申し上げますが、まずスライド制の問題については、いわゆる災害補償としての年金給付が自動スライド制をとるべきものであるということについては、大体意見の一致を見ております。すなわち、現在すでに労災保険法におきましては自動スライド制をとっておりまして、これをすでに法制化をいたしておりますが、公務員につきましても実質的にこれと同じような取り扱いが現実になされております。それを再確認をいたしたわけであります。
 それからもう一つは、スライドの基準を何に置くべきかという問題でございますが、すなわち一番大きな問題は、賃金を基準にしてスライドをするか、あるいは物価をどういうふうなことでこれを対応させるかという問題でございますが、結論といたしましては、労災補償がいわゆる賃金として評価される稼得能力の補償ということでこれを従来からやっておりますし、また基本的にそういう考え方をとっておりますので、賃金水準の変動を基準にするということにつきましても従来と同じような考え方で今後やるべきであるということで意見の一致を見ております。ただ問題は、スライドの、現在労災保険は二〇%の賃金の変動の幅をもちましてこれに自動的にスライドをするという方式をとっておりますけれども、また公務員もそうでございますが、ただ二〇%の幅がはたして妥当かどうかという問題が一つの議論でございます。で、これにつきましては、ほかの関連する公的年金制度との関連もございます。さらに、労災保険法といたしましては、特に基準法の労災補償のいわば責任保険的な性格を持っております。労働基準法の休業補償の考え方が、二〇%という考えをとっております。したがいまして、この問題について基準法との関連もございますので、労働省独自の立場といたしましては、現在基準法研究会におきましてこの問題を検討をいただいております。それも参考にしながら、今後この問題について検討をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから第三の問題は、公務員と民間労働者の災害補償のまあ統一性という問題が一つございます。これにつきましては、特に問題になりますのは、いわゆる賃金の範囲の問題、あるいは定期昇給部分をどう組み入れるかという問題が、むずかしい問題でございます。で、御承知のように、民間の場合には定期昇給部分をどの程度賃金の管理の中にシステム化されておるかという問題がここにございます。そういう問題もございまして、この統一化の問題につきましては、ほかの公的年金との関連を含めまして、今後のわがグループの検討課題ということで、今後さらに検討を続けてまいりたい、こういうふうに考えております。
#51
○小柳勇君 いまの結論、いつごろ出ますか。
#52
○説明員(石井甲二君) これはいつごろということははっきり申し上げられませんが、できるだけ検討を積みまして、ほかの関連の進捗状況とも合わせましてこれをやっていきたい、こういうふうに考えております。
#53
○小柳勇君 総務長官に質問いたします。この調整の申し入れは四つの事項がありまして、まず第一は、年金は生活保障的であり、かつスライド制の確立が必要である。それから第二は、各省庁の調整が必要である。それから第三は、各種年金の通算関係の不備を直すということが必要である。それから第四は、人口がだんだん老齢化しておるから、各種年金の総合調整は焦眉の急務であると書いてあるのですよ。この四つが、総理大臣に、五年前ですよ、申し入れた骨子ですね。これに対して、ただいままで、連絡調整会議の去年の報告なり、四つのグループの報告なり、いま聞いてみまして、この四つの問題ともほど遠い感じがいたします、この四つの申し入れに対して。このままこれ推移いたしますなら、まだ三年ぐらいかかるような気がしてならぬのですがね。長官はどのような決意で、この四つの申し入れに対して、五年前にこれから二年以内にやりなさいと言われた申し入れに対して、総理大臣にかわって、あなたはどういう決意でこれ取り扱います。
#54
○政府委員(小田村四郎君) ただいま各省から御説明がございましたように、昨年一月に公的年金制度調整連絡会議の中間取りまとめを行ないまして、四つのグループに分かれて、以来各グループごとの検討をいたしております。で、その間に、調整連絡会議といたしましては、総会を三回、それから小委員会を一回、計四回昨年中に開催いたしまして、その間の各グループの検討状況、これを相互に聞くと同時に、意見の交換をいたしております。で、各グループごとの意見の検討状況は、ただいま御報告申し上げましたように、まだ結論に到達するというところまではなかなか行っておりませんけれども、その間の意見交換をいたしておきませんと、相互の意思が相矛盾してくるという事態も予想されるわけでございますので、そういうことのないように調整をはかってまいったわけでございます。まあ、ただいま申し上げましたように、一番大きな問題は民間グループの問題であろうかと思います。で、この民間グループの今後のあり方がどういうふうになるかということが今後ある程度めどがつきませんというと、全体の調整もなかなかむずかしいというところにあるかと思いますが、この調整連絡を担当しております総理府審議室といたしましては、今後グループの検討状況を相互に交換し合いまして極力この調整をし、結論を早期に取りまとめてまいることに努力いたしたい、かように考えておる次第でございます。
#55
○国務大臣(山中貞則君) ただいま事務当局が取りまとめの経過を申し上げましたが、各省庁それぞれのニュアンスの違いが明確に出たわけであります。当初、私どもは公的年金制度一本としてスライド制も含む統一的な結論を出すために取り組んだのでありますが、どうしてもいま言ったような基本的な問題が違うものでありますから、そこで、労済をグループで一つにするかどうかに議論がありましたし、対象として見るかにも議論がありましたけれども、やはり関連が強いということで四つに分けて作業して、いまの過程が報告をいたしたとおりであります。
 ただ、私どものほうは、公務員グールプのほうの前提となる恩給制度というものを直接の主管として持っております。これについては、かつて恩給制度についても一体いかなる根拠でもって毎年のベースアップといいますか、改定をやっているのかという問題がはなはだ予算編成の場合に混乱の中で終わってしまうというきらいがありましたので、私が就任いたしまして以来大体この点はルール化を見たわけであります。したがって、公務員グループは恩給法の改正に伴う各種の共済年金、旧令共済等の改定の法律を国会に出すという仕組みが確立いたしておりますが、その根本の、たとえば先ほどもちょっと例にとられましたように、現在公務員である者と、かつて公務員であって長い間の国家、民族に対する貢献の見返りとして給付されておる人たちの間が完全にスライドはされておりません。この点がはたしていわゆる職務給的な、現在職務をとっておるかいないかの問題についての差が一体何割であればいいのか。そのものずばりということはやはりそこに問題があろう。しかし、物価においては現在つとめておる人、あるいはかつてつとめておった人というものもこれは変わりはないであろうというようなこと等から、まず私どもの恩給の問題も問題点を大いにはらんでおるということで検討はいたしておりますが、一応ルール化して三年を経過したという形になっております。そこで、それらの問題を踏まえて、いま各種制度の中で大体が共通しておると見られる老齢、退職、傷害給付及び遺族給付、こういうものを全部やはり改定する必要があるということについては一致しております。したがって、これらの一致点をまず踏み台として、その他の問題は、これは消去方式で一応当面の問題から消しておいて、最大公約数のものをまず結論を出すという作業がこの次の段階であろうと考えます。消去というのは、もう問題にしないというのではなくて、まず結論を得るために当面その問題はわきにのけるという作業が必要であると思います。そうして、公約数的な意見の一致するものからまず結論を出して、それが一つの社会保障制度審議会の総理に対する答申に沿い得るまず糸口をつける一つの道であると考えますので、とりあえずはその方向への結論の取りまとめを総会等を開いてやっていきたいと考えます。
#56
○小柳勇君 長官にあと二つ質問してこの問題やめますが、一つは、いま遺族給付とおっしゃいました。これは恩給にも年金にもありますが、遺族給付が二分の一になっているんですね、ああいった制度は。二分の一というのは、一体どういう根拠で二分の一にしたかということと、いまの少ない恩給、年金では残りました奥さんは、それはもう二分の一では何ともこの年金の価値ないわけです。恩給の価値ないわけです。したがって、せめてこれはもうそのまま残すか、三分の二ぐらいにしてもらいたいという要望がもう全体的にあります。この問題についてどうお考えになりますか。
#57
○政府委員(平川幸藏君) 御承知のように、現在の恩給法は大正十年にできたわけでございますが、歴史的には明治十七年から施行されております。その間扶助料につきましては終始一貫二分の一の制度をとっております。で、御承知のように、恩給受給者の九九・九%は既裁定恩給者でございます。したがいまして、そういう意味におきまして現在二分の一の制度というものを堅持しておりますし、実はこの問題につきまして、われわれといたしましては、恩給審議会にもひとつかけてみたわけでございますけれども、委員全体の御意見といたしましては、いまも申し上げました歴史的経過を考えまして、この制度についてはとにかく現行の制度を維持すべきである、こういう結論が出たわけでありまして、そういうことで、われわれといたしましては現在までその制度を踏まえておるわけであります。
 しかしながら、問題は扶助料が普通恩給の二分の一であるということよりも、むしろ恩給年額をいかに改善していくかということのほうが私としては本質的な考え方ではないか、こういうことで、われわれとしては実は改善に努力してまいっておる、こういうことでございます。
#58
○小柳勇君 二分の一というのは……。遺族給付がなぜ二分の一にきまっておるのであろうかということです。それを二分の一にしないで、もうそのまま奥さまがなくなるまで続けたらどうかということです。
#59
○政府委員(平川幸藏君) 要するに、先生の御意見は、これを三分の二なりあるいは四分の三なりということに改善する方向についての御意見かと思いますけれども……。
#60
○小柳勇君 改善でなくても、そのままもう御本人がなくなっても奥さま生存中はそのままいったらどうかと、半分にしたのはなぜかというんです。
#61
○政府委員(平川幸藏君) 実は恩給というのは、いま総務長官が言われましたように、長年国家に寄与した公務員またその遺族に対する給付でございますけれども、恩給制度といたしましては、先ほど申し上げましたように、本人に対しましては退職時の俸給をその三分の二、十七年間つとめますと、三分の一を給付します。三分の一の半分でございますから六分の一を給付するということでございまして、問題は、普通恩給の二分の一の給付が、いわゆる生活を保障するという面についての問題でございますけれども、やはり法律的には二分の一で遺族に対しては給付していくということがやはり理論的な根拠になっておると、このように考える次第でございます。
#62
○国務大臣(山中貞則君) ちょっとまあ説明にならぬようでありますから……。
 それは御本人であるならば、御本人がやはり国家、民族に貢献されたそのことについて、国家がそれに対して恩給という形で責任を持つ。そういう義務を負う。しかし御本人がなくなられたらば、貢献したその人はもういないわけですけれども、しかし貢献した人と一緒に世帯を営んで、やはり貢献した陰の功労者であるという意味から、これをやらないというわけにはいかないということで二分の一になっておるわけでありまして、二分の一が最終的に五分の三であればいけないのかという問題の議論は、これは全然いわゆる本質的な議論ではないんですけれども、もらう人たちにとってはやはりもらう以上は多いほどよろしいと、いまおっしゃるように、本人と一緒にいたのですから、本人と同じ金額をなくなるまで生涯ほしいということはよくわかります。しかし、その奥さまがみずから国家のために貢献をした人ではないということで、やはりその後の金額を御主人と同じ金額をなくなるまでもらうということは、理論上も問題があろうかと思います。しかし、二分の一は正しいのか、あるいは十分の六ならばいけないのかという議論になると、そこにはやはり多いほどよろしいという意見と、一体どこが正しいかという現実の問題とが存在するであろうと思います。
#63
○小柳勇君 さっきこれを続みましたけれども、生活保護基準の、生活扶助の、憲法二十五条の最低生活を保障する、これは政府は義務がありますし、国民は権利を持っているんですけれども、旧帝国憲法下の民法で家長的法律のもとで、すなわち、主人の付随的存在として奥さまを考えておった時代に恩給法の遺族給付二分の一ができたんでしょう。それが基礎になりまして、新しい共済年金でも遺族給付は二分の一になっているんですよ。恩給法がなかったら、おそらく私はもっと変わった遺族給付ができたんじゃないかと思う。したがいまして、このいい機会でありますから、新しい日本国憲法で、新民法で奥さまもちゃんとこれは一緒に働いているからこそ御主人は働けるわけでしょう。そうしましたら、それはもう一体で生活保障されなければならぬ。だから言うならば半分半分で初めから年金をきめておけばいいわけだ。これは御主人の年金ですよ、これは奥さまの分とやっておくなら、その金額は半分になりましても、それは納得するでしょうけれども、御主人が死んだから自動的にそのあとの残った奥さんが半分になるということは、いまの民法下ではこれは納得できないですよ。したがいまして、根本的にこの憲法二十五条、しかもそれが、年金が、もっと生活保障が十分にあるならいいけれども、最近の統計によりましても、たとえば国家公務員共済年金は月二万四千四百円、平均が。最近やめた人は月に五万円や六万円も取っているでしょうけれども、平均いたしますと二万四千四百円です、国家公務員の共済年金。それから公共企業体が二万一千八百円です、平均が。そのような年金を半分にしますと奥さんは一万円でしょう。それならば生活保護家庭の老人一人当たりが一級地一万六千五十円のほうが高いということですよね、年金よりも。そのような年金を根本的に改正するというのが、この申し入れの趣旨じゃありませんかといっている。
#64
○国務大臣(山中貞則君) その金額の問題については私も肯定いたしますが、その前提の理論については私自身は肯定いたしかねます。すなわち貢献を、国家に対して功労を持った人と全く同じに奥さまを扱うべきであるという考え方は、気持ちとしてはわかりますが、所得税の二分二乗方式すらもやはり日本においてはまだ問題がある、あるいは夫より妻への贈与税の問題、相続税の問題、これらもやはり民法においても二分の一ということになっておりますから、これは全く本人と奥さまが同じことをしておるとは――内助の功は、あるいは十分の十あっても、その果たした功績はやはり御本人が十なら奥さまは二分の一。二分の一がいいか悪いかの議論を私はしているわけじゃないんですけれども、御主人と全く同じであるべきだという新憲法下の議論であるということは、ちょっと私は賛成いたしかねます。
#65
○小柳勇君 じゃ、まだその問題に対してあるんでありますけれども、時間がもうないものですから、最後は、負の所得税の設立ということで先進諸国でもやっておるようでありますけれども、全部が現在の所得を申告しまして、国民生活水準以下のものについては国が還付するという、そういうものについてもういま考えなければ、いまの老齢福祉年金すら今度三千六百円になりますけれども、それでは生活できないんですね。ほとんど老人問題いまの緊急差し迫った問題として処理できない、いままで話を聞いていましてね。とりあえずそのようなことで救っていかなきゃならぬと考えるが、これは総理大臣の答弁になりましょうけれども、分科会ですからちょっと長官から聞いておきたい。
#66
○国務大臣(山中貞則君) この老齢福祉年金、これは昭和三十四年に発足をした無拠出の年金でありますから全額を国が給付するというわけであります。その後に拠出制の国民年金が出発をした。したがって、老齢、身体障害、母子福祉、そういうような三年金が発足したわけでありますが、しかし、これは当初からそれらの人たちの生活を全部保障するというつもりで出発したわけではありませんし、今日でもそれは変わっておりません。したがって、その当時制度の中に入れないような人たち、その人たちについては、国が国の責任において給付できる金額の範囲というものを千円から出発したわけでありますが、これが遅々として進まない。物価は上昇するということで、問題のあることは認めますけれども、これは私は生活保護的な部分ではないと考えます。
#67
○小柳勇君 外地引き揚げ者が公務員になりましたり、あるいは準公務員になりました場合に一年以内に採用されておりませんと、外地の勤務年数が在職年数に加算されないために年金がつかない、あるいは国鉄などでは表彰がもらえないという矛盾があります。大蔵省の主計局から、恩給には関係ないけれども、共済の取扱いについては一年以内に就職した者という通達が出ておりますからこれで救われない者がたくさんおります。この問題について大蔵省としてはどのようにお考えか、見解をお聞きいたします。
#68
○説明員(鈴木吉之君) 外国政府職員等として勤務されました方のうちで、御承知のように、いわゆる雇用人相当の方の扱いにつきまして御質問でございまするが、現在共済組合における取り扱いといたしましては、外国政府あるいは、外国特殊法人等の雇用人として勤務された方、昭和二十年八月八日まで当該機関に勤務され、その後本土に引き揚げられまして引き続き公務員として勤務された場合には、将来、退職時に年金額の計算の基礎となる期間として、その特殊法人なり、外国政府職員なりの期間が計算されることになっておりまするが、この引き続きというその期間が、ただいま先生からお話がございましたとおり、一年以内ということで取り扱われておるのが現状でございます。ただ、一年以上たちました場合には、その在職期間は将来、年金を受けるためのいわゆる資格期間としては取り扱っておるわけでございます。
 お尋ねの点は、この資格期間として取り扱っておるものを、年金の額の計算になるような期間に考えられないかという御質問かと存じまするが、これにつきましては、御存じのとおり、現行の共済制度が三十四年に発足いたしておりまするが、これは国家公務員という職域の社会保険でございまするので、したがいまして、本来公務員として勤務した期間がその在職期間として取り扱われるのが本筋でございます。しかしながら一方、恩給の制度を引き継いだと、あるいは二十四年に発足いたしました旧共済制度、いわゆる非現業の雇用人を対象としたものでございますが、本土におけるこの旧共済制度と昔からございました恩給制度を引き継いだといういきさつもございまして、したがいまして、恩給における措置、処遇との関連につきまして十分配慮しなければならない事情もございまして、ただいま申し上げましたような取り扱いになっておるのが現状でございます。
 ところで、この一年という期間について緩和するという問題につきましては、ただいま申し上げました二十四年に制度ができました旧共済法の対象になっております非現業の雇用人のそれ以前の在職期間の問題とか、あるいは朝鮮、台湾等のいわゆる外地官公署から引き揚げられました方々が引き続き公務員として勤務された場合の処遇の均衡等の問題がそれぞれ関連してまいるわけでございまして、十分これらとの均衡をも考慮して検討をしなければならないということになるわけでございます。しかしながら、ただいまお話がございました満鉄等その他の機関からの引き揚げ者につきましては、国会における附帯決議の関係もございまするので、私どものほうで、毎年、長期給付に関するいろいろなデータを収集するために定期に実態の調査をいたしておりまするが、この中に実は外国政府等の在職期間を織り込みまして、実態を把握すべく目下調査を実施中でございます。したがいまして、この結果を見ました上で、共済制度のあり方との関係も十分考慮しながら、検討をし、適切に処理をいたしたいというふうに考えておりまするので、さよう御了承をいただきたいと存じます。
#69
○小柳勇君 一年わずか過ぎて採用されたために年金通算できないで非常な不遇な地位にある人がたくさんありますから、前向きに、実態に即して処理されるように希望いたします。お願いいたしておきます。
 それでは、地震の問題に入りますが、関東大震災程度の地震がいま発生したといたしまして、中央防災会議では昨年の五月二十五日に大都市震災対策要綱なるものを決定しておられます。で、この内容について、関係各省庁に対してはどのような方法で具体的計画の実施を推進しておられるか、お聞きをいたします。
#70
○政府委員(小田村四郎君) 昨年五月に、中央防災会議といたしまして大都市震災対策推進要綱を御決定いただいたわけでございます。その後、これを細目にわたって検討したいということで、防災会議の事務局に十三のテーマごとの分科会を設けることにいたしました。で、十三の分科会ごとに取りまとめ官庁をきめまして、その官庁を中心として関係各省が集まりその作業を進めておる段階でございます。現在までに、この十三の分科会のうち五つ、すなわち、民間の自主防災組織の確立、それから火災防止対策、公共施設の点検整備、それから都市防災化の推進及び通信対策、この五つの分科会につきましては、分科会としての結論が出まして事務局に提出されております。残る八分科会につきましては、現在鋭意検討を進めておる段階でございまして、事務局といたしましては、この結論が提出され次第、その相互の調整を行ないまして最終的な報告を作成いたしたい、かように考えておる次第でございます。
#71
○小柳勇君 この中央の対策要綱だけきまっておりますけれども、各省庁の具体的な計画というものは、現在検討中であるという報告がなされておるわけです。で、地震はきょうでも発生するかわかりませんのに、鋭意研究するのでは、このせっかくつくりました対策要綱というものは、もうその意義を半減するんではないかと思うもので質問しているわけですが、各省庁の対策はあとで聞きますけれども、防災会議の事務局はいわゆる事務局でありまして、実施機関でないものですから、各省庁に執行指令を出すわけにまいらぬ。で、たとえばアメリカには大統領府に防災対策庁というものがあって約六百人ぐらいのスタッフがおるようでありまするが、いまの事務局体制でよろしいかどうか。地震が発生しますと災害対策本部をつくりますから、それまでの事務局ですから、ただもうプランだけつくりますと、それだけでは十分でないのではないかと思いますが、いかがですか。
#72
○国務大臣(山中貞則君) これは事務局の機構、定員の問題でありますが、総理府がじかにそういう実際上の作業対策等をやる手足を持つわけにもまいりません。しかし、また一方、そういうような大地震が起こったときに、昨年の防災の日に関東各県の知事室とも無線をつなぎまして想定演習をやってみました。しかし、そのときも笑ったのですが、総理府の建物――本部のある建物そのものがマグニチュード6になりますと、鉄骨が入ってないためにぺしゃんこになっているという想定が一方にあるわけです。その中でそういう一応演習をやってみたんですけれども、私どもとしては、地震というのは確かにきょう起こるかもしれないという問題でもありますが、しかし、それに対して全部の認識を深めることも一つ必要であります。先般、小笠原地震と申しますか、ありましたときに、その後の追跡調査等の報告が上がってきておりますが、火の元に気をつけることについては大体もう徹底してきておるようであります。しかし、それでも、冬の夕方の食事どきに起こった場合に、関東大震災規模であれは、――後ほど報告も場合によってはさせますが――消しとめられない火事が何件もあること等考えますと、やはりこれは国が責任を持って、そして地方公共団体等中心になってやっていかなければなりませんから、各省庁ごとのそのような対策については、絶えず総理府において掌握しつつ、適時適切に行動できるような機能は持ちたいと思っておりますが、いまのところの人数で、いまのように分科会を逐次ふやして各省庁の責任官庁をきめていきますと、一応対策らしきものはできていくと思うのです。これがはたして起こったときに機能するかどうかの問題については、これからの検討課題として残っておると思います。
#73
○小柳勇君 この昨年できました要綱にこう書いてあるんです。「大都市における震災対策は、基本的にはイ国土の土地利用計画にたった人口、産業の適正配置等都市における過密を解消し、口建物の不燃化、オープンスペースの確保等耐災環境を整備した安全な都市を建設すること」と、まことにりっぱですよ。これが基本でしょう。ところが、こう書いてありますけれども、一体、それを各省庁にずっと計画してやらせるのはだれですか。だれがやらせるのですか。
#74
○国務大臣(山中貞則君) これはやはり総理大臣の責任でありますけれども、実務の責任者は私であり、そして中央防災会議の事務局であります。
#75
○小柳勇君 それじゃ、山中長官、いままで、この基本計画についてどういうふうな計画を立て各省庁にどういう指示をされていますか。
#76
○政府委員(小田村四郎君) ただいま申し上げましたように、十三の分科会で細目を検討するということになっております。たとえば都市防災化の推進につきましては、分科会の一つといたしまして建設省が主管してこれを取りまとめることになっております。
 それから先ほど申し上げました公共施設の点検整備、これにつきましても建設省が中心となりまして、現在ございます各種公共施設の点検整備計画を立てると、こういうことになっております。
#77
○小柳勇君 整備計画を立てましても、その計画実施したものを点検するのはだれですか。
#78
○政府委員(小田村四郎君) これは、各公共施設を主管しております関係各省ということになります。たとえば道路とかあるいは橋梁ということになりますれば、これは建設省でございますし、また、港湾等でございますれば、これは運輸省ということになります。また、地方自治体が所管しておるものもあるわけでございます。
#79
○小柳勇君 非常に大きな二つの基本的事項が並んでおりまして、計画を立て実施させ、これをチェックしなければ、実際この、要綱が具体化するかどうかについてはわからぬのですけれども、まああとでまた結論を質問することにいたしまして、各省から対策をお聞きいたしましょう。
 まず、建設省に対しましては、前項基本的なことに対する建設省の見解、特に関東大震災程度の地震が発生した場合の建物、道路、上下水道の損壊についてどのように予測をしておるか。またその復旧対策の見通し、緊急措置についてお聞きいたします。
#80
○説明員(黒坂正則君) 建設省といたしましては、昨年のロサンゼルスの地震が起きた直後、四月から六月にかけまして、建設省の所管の道路とか河川堤防、あるいは都市施設、そういうようなものについての総点検をいたしております。それからさらに、中央防災会議が推進要綱を決定したあと、九月でございますが、建設省におきましても、建設省の地震対策本部というのをつくりまして、大震災の起こった場合の対策というようなことについて、省内でいろいろ議論をしておるところでございます。
 次に、関東大震災程度の地震が起きた場合にどうであろうかというような御質問に対しまして、これは私のほうが調べましたのは、南関東を含めて、全国ということで調べております。それで、これも被害がどの程度かということに直接お答えできなくて、まあ非常に近いんでございますが、大震災に対してどういう対策が要るかというようなことで調べたわけでございまして、それによりますと、全国で、道路施設にありましては三千三百九十カ所、河川施設にあっては三十六カ所、都市施設にあっては六十五カ所、官庁建物におきまして七カ所、それから老朽の木造公営住宅において一千三百八十カ所、こういうものの対策が必要であるというような結論を得ております。これに対しまして、四十七年度を初年度といたしまして五カ年計画で、こういうものを対策していこうというようなことで考えておるわけでございます。
#81
○小柳勇君 いまおっしゃいました道路の三千三百九十カ所など、その数字は全国的なもので、南関東、たとえば東京周辺だけではないんですね、わかりました。
 それから、上下水道などの損壊については報告がありませんでしたが、それはどうかということと、それから、その復旧対策の見通しなり緊急措置について御報告願います。
#82
○説明員(黒坂正則君) 私のほうの所管としては上水道は入っておりませんで、下水道は都市施設ということで六十五カ所の中に入っております。それから、これに対して、私のほうといたしましては、緊急五カ年計画ということで、その後こわれないようにするというような事業を四十七年度から着工するということで、もちろん震災、地震によりまして被災した場合には、災害復旧事業として直ちに緊急に復旧いたすということを考えております。
#83
○小柳勇君 建設省全般的にお呼びして、建設委員会でやったほうがいいかもしれぬが、たとえば、この周辺のあの高層建築あるいは古い建物などが損壊したようなことを想定した模型などをつくって写真なんかとったことありませんか。
#84
○説明員(山田寛君) 最近建てられております建築物につきましては、建築基準法によりまして構造的に安全なように計算され、建築されているわけでございまして、新しい建物については、おおむね関東大震災級の地震に対しても安全であろうかというふうに考えております。しかしながら、市街地の中には、老朽化した木造の建物等もございまして、関東大地震程度の大地震がまいりましたときには、こうした建物が倒壊する、あるいはそれに伴って出火するというようなおそれはあろうかと存じます。特にいまだ大規模な建物について、倒壊あるいは火災といったような模型をつくるというようなことはいたしておりません。火災が発生いたした場合に、安全対策といたしまして避難所を考えるということで、建設省、東京都が一体になりまして江東地区の防災につきましては模型実験等をいたしております。
#85
○小柳勇君 いまの答弁で、最近建っているのは、マグニチュード6ぐらいについてはだいじょうぶだと思う、ただし大震災がくれば倒れるかもわからぬとおっしゃいますが、どっちかわからぬ、話がちぐはぐだけれども、技術屋さんですから工法によりまして安全度なり、ちゃんと何年代ぐらいの建築についてはどうとか、何年代ごろについてはどうということは大体わかりましょうが、そういうことで建設省部内で討論されて、この概要について結論を出したことございませんか。
#86
○説明員(山田寛君) 建設省の内部におきまして各年代ごと、あるいは老朽化の状況によりましてどの程度の倒壊が起こるかといった問題について現在までまだ十分な調査なり検討なりはいたしておりません。これは必ずしも老朽の度合いというようなことでなくて、実際には建築基準法では関東大震災級の地震に耐えられるようにつくってあるわけでございますけれども、個々の施工の状況によりましてその強さというものも必ずしも一定ではないということでございますので、必ずしも古いから倒壊するとか、あるいは新しいからというわけのものでございませんで、その辺についての一般的な結論は出ておりません。
#87
○小柳勇君 それでは、東京都の建築局というのか、あるいは建設局というのか、東京都でそういうことをやったという話を聞きませんか。
#88
○説明員(山田寛君) 私どもは、東京都のほうからそうした具体的な試験なりあるいは研究をやっているかということについて報告を受けておりませんので、承知いたしておりません。
#89
○小柳勇君 それでは、建築学会などでそんな試算なりあるいは構想なりやったこと聞いておりませんか。これは各省庁も、私は参議院の責任者だから、災害については深いところを聞きますから、もし関係官足らぬときは、足らなければ呼んでおいてくださいよ。どうぞ。
#90
○説明員(山田寛君) 実は、私ども建築のほうの直接の担当でございませんで、本日は、建築の構造的な問題あるいは住宅倒壊、直接の問題につきましては、建築学会等でそうした報告がなされておるかどうか伺っておりませんので、お答えできません。
#91
○小柳勇君 内閣審議室に聞きますけれども、いまの、たとえば道路とか河川とか建物とか、あるいは上下水道などの、大震災のときの損壊状況などについて、各省庁を集めて意見を聞き、あるいは試算したことはありますか。
#92
○政府委員(小田村四郎君) 具体的に大震災の被害につきまして想定を立て、あるいは各省から意見を聞いたことはございません。
 ただ、昨年、四十五年でございますか、消防審議会から、南関東に大震災が発生した場合にどういう被害が起こるかという想定については、それに触れられておりますので、それを参考にはいたしておりますけれども、その後、具体的にどの程度の被害があるということについて、各省から事情を聴取したことはございません。
#93
○小柳勇君 あとでまた総括的に質問しますが、消防庁から、それでは、特に火災発生の状況などについての予測、それから避難に対する予測、それから退避場所の指定などやっているかどうか。特に、深川区、江東区のほうに私行って調べたところが、深川区、江東区は、何といいますか、三角州のうんと遠方に避難場所が指定してあるようでありますけれど、あの辺までとても行けないと、地震が起こったら、もう道路決壊しましてね、行けないと言っている。しかも、あそこは、もうゼロメートル地帯といいましょうかね、水浸しになってしまうんじゃないかと言っている。そういうものを指定してあるそうだ。したがって、消防庁は、どういうふうな予測を持って、どういうふうな訓練をし、どういう緊急対策を、方策を持っておられるか、お聞きいたします。
#94
○説明員(古郡良秀君) 消防庁におきましては、昭和四十五年三月に消防審議会の答申いたしました東京地方におきます大震火災対策に関する答申がございますが、この答申に基づきまして、先ほどお話のありましたように、中央防災会議におきまして、一応の大都市震災対策推進要綱をきめております。この震災対策推進要綱に基づきまして、現在は、各都道府県を指導いたしまして、それぞれ震災対策を推進するよう行なっておりますが、消防庁自身といたしましては、従来から、研究所におきます各種の研究の結果、実際問題といたしまして、いまお話のありましたような江東地区が非常に火災危険が大きいということでございますので、この地方を中心といたしました防災体制を考えております。
 それで、実は、江東地区におきまして、非常に密集度合いが大きく、かつ建物等も非常に木造建物が多い関係もございます。それで、火災の発生件数が非常に多いだろうということで、関東大震災程度の地震がまいりますと、火災防止もあるいは困難になるかと思います。それで、主といたしまして、避難路の安全をはかるために、現在予算要求しております四十七年度予算におきまして、百個の耐震性貯水槽をこの地方に配置したり、可搬式ポンプを配置したりいたしまして、避難の安全をはかることにしております。それから、前後いたしますが、火災の発生状況でございますが、これも非常にむずかしい問題でございまして、その発生時刻並びに気象条件、それから都市構造等によって、若干、異なるかと思います。消防審議会におきまして、先ほど申しました四十五年の答申によりますと、関東地方南部におきましては、特に東京都と神奈川県、千葉県、埼玉県を想定しておりますが、時刻が夕食時、時期といたしましては冬でございますが、で、風が三・五メートル程度の風のときに、地震が起こったといたしますと、東京都におきまして、八百六件出火するということでございます。それで、その多くのものが江東地区でございます。それから、これらのものを初期消火なり、消火活動によりまして消火いたしますが、結局、残るものは百五十四件だろうというように想定しております。それから、神奈川県におきまして、三百六件出火いたしまして、結局、消火活動にかかわらず、残りますものが六十六件。千葉県におきましては、百八件出火いたしまして、残存火災が二十一件。埼玉県では、百五十九件出火いたしまして、残存火災が五十件というようなことでございます。
 これらの火災の防止につきまして、現在、消防庁といたしましては、先ほど申しましたような当面の施設の整備のほかに、従来から消防力の増強ははかっておりますが、そのほかに、先ほどもいろいろお話しのありました、現在進めております中央防災会議におきます審議結果と並びまして、自主防災組織の結成を、それぞれ各地方公共団体を通じまして、はかっております。これは先ほど申しましたような避難路の安全をはかるためにも、大震災が発生した場合には、交通状況等が非常に混乱いたすかと思います。それでまず初期消火が大事でございますので、自主防災組織をつくりまして、これらの活動によりまして、できるだけ多数の火災を発生当初に消すというようなことを考えております。そのための自主防災組織指導要領を本年度つくることにしております。
#95
○小柳勇君 あとでまた聞きます。
 長官がお忙しいようですから、ちょっと長官に二つ。
 一つは、この間の参議院の災害対策特別委員会で、九月一日前後に地震の日をつくったらどうかという建議をしたんですが、審議室のほうからは、まあ防災の日があるから、これでやっていきたい、あまり地震の日、何々の日がたくさんあるからと――それはそれで委員会に報告いたします。
 あと、昨年は、無線訓練だけやりましたと、ことしは、また無線訓練に準じて、広範な広報活動等訓練をやりたいということです。それにしては、スタッフが少ないんじゃないかと思うんです、防災会議事務局が。さっきアメリカの例を見ましたけれども、たとえば、災害時のモデルをつくって、各省に指導あるいは行政援助したりするのがいいのではないかと思います。これが一つ。
 それから、地震対策研究費を三十九億二千二百万円計上しておる、全般的に各省を集めましてね。で、地震予知など各国とも相当経費をかけて研究しておるようでありますが、各省合計の研究費ですから、予防費は相当入っていますけれども、研究費が足りないから、この二点の問題について、長官がひとつ力を発揮してもらいたいと思いますが、いかがですか。そうして退席してください。
#96
○国務大臣(山中貞則君) 防災会議事務局、これも常時スタッフの多いにこしたことはありませんが、実際上の技術者あるいは科学者まで含めて会議事務局の機構を持つことは、やや、私としては、ふだんそう毎日仕事があるわけでもありませんから。したがって、それらそれぞれ大学の地震研究所まで含めたそういうものを、各省庁を通じて総合的に掌握をしておればよろしいと思います。ただ、今後やってみて、その機構でやっていけない、あるいは人員が足りないということであればまた別でありますが、当初私が事務局長というような形になっておりまして、これではとても忙しくてだめだというので、私は防災会議の委員となりまして、砂田総理府総務副長官を事務局長に充ててその問題に専念してもらうことにいたしましたので、一歩前進したと思っております。
 なお、あとの予算の問題でありますが、まあこれは日本は地震国でもありますし、地震予知等の問題についてはいろいろの論がありますけれども、学問の分野としては、日本は相当進んでいるように思います。したがって、これらの民間の優秀な学者の御意見、研究機関等の論文等もいろいろと国の段階において参考にして、必要ならば、国のほうでいろいろの方の御意見を伺うというようなこと等も含めながらやっていけば、地震予知その他の事前措置というような問題について、そう特別に各省庁からもう少し予算をとってくれというような意見もいまのところはありませんし、現在の予算でそう足らないというふうには思っておりませんが、この問題は幾ら準備しても、備えあれば憂いなしという問題でありましょうから、今後その問題は十分念頭においてまいりたいと思います。
#97
○小柳勇君 次いで運輸省から、国鉄、地下鉄、私鉄の被害状況の推測なりあるいは復旧対策なり御報告願います。
#98
○説明員(山本正男君) お答え申し上げます。
 まあ地震の問題でございますので、私どもが考えておりますようなことでは足らないところが一ぱいあろうかと思います。したがいまして、総合的見地からの先生の御指導を得たいと思いますが、現在まで私どもが考えておりますことを御報告してお答え申し上げたいと思います。
 まず、地震につきましての鉄道の災害を三つに分けてお答え申し上げたいと思います。最初の一つは地震がまいりましたときに、その鉄道の構造物がその地震に耐え得るかどうかという問題が一つあろうかと思います。で、これにつきましては、先ほど建設省の担当官がお答えになりましたのと私ども同じような見解を持っております。で、もう少し詳しく申し上げますというと、大正十二年九月一日に訪れました関東大震災のときに、当時敷設されておりました国鉄線の構造物の中で、一体どういうようなところがこわれたかというのが一つの参考ではなかろうかと私ども思っておりますが、大ざっぱに申し上げますというと、大体三つぐらいあろうかと思います。先生御承知だと思いますけれども、まず隧道の坑口の、入り口のところがやはり崩壊をしているという問題が一つ。それから場所によりまして違いますが、橋梁の橋脚あるいはけた式の橋梁でございますが、これがやはり少し問題があります。もう一つは路盤と申しますか、われわれフォーメーションと申しておりますが、土を盛ったところとかあるいは山を切ったところ、こういうようなところを含めまして、まあ地震の波の伝わり方、いろいろあろうかと思いますが、こういうようなところの路盤の沈下というような、この三つの顕著な構造物に対します災害状況が見受けられておるわけでございます。非常に大ざっぱですが、このような状況でございます。
 まあ、これらのことを踏まえまして、それから五十年の間、各関係学識経験者の意見を聞きましたりいたしまして、私ども国鉄、私鉄の監督をしていきます場合に、そういった事実を踏まえて工学上のいろいろな検討も加えさせていただきまして、今日まで指導してまいったのが現状でございますが、そういう上から申しますというと、関東大震災のような地震が訪れましたときは、場所によりましてはそういうところがありましょうが、まずだいじょうぶであろうということが言えるかと思います。ただ、かりに橋梁あるいは路盤がしっかりしておりましても、鉄道におきまして一番大事なのはレールでありまして、このレールの状況がどうなるかということが一番大事な問題点であろうかと思いますが、これは単に路盤がしっかりしておりましたり、あるいは隧道がしっかりしておりました場合でも、レールが曲がってしまったんでは列車は通れないということに相なろうかと思います。これにつきましては、まあいろいろ議論はされておりますけれども、少しく疑問点が残ろうかと思います。したがいまして、地震がまいりましたときにレールまでだいじょうぶということは、この席ではちょっと言いかねるかと思います。そこで、大都市におきましての問題点の一つの、先生の御質問の中に含まれておりますが、地下鉄あたりは一体どうなるかということがあろうと思いますが、これは先ほど申し上げました中に包含されるということになろうかと思いますが、まずだいじょうぶである。ただ、隧道の坑口がいかれるだろう――失礼なことばを使いましたが、こわれるだろうということになりますというと、地下鉄の出入り口と地下鉄の下へ結ぶ通路が少しく損傷を受けるであろう。しかし、ただひずんだり亀裂が入るぐらいであって人の通行に非常に支障を来たすということは、私ども絶対ないというふうに考えておりますが、レールが故障を起こしますと、やはり列車の運行に多少支障を来たすということは避けられないだろうと思います。
 第二の問題でございますが、安全性の問題であります。先ほど申し上げましたように、列車の運行の安全というものを確保する上においては、やはり震災が訪れるときがわからない以上、応急措置と申しましても、そのとっさの判断、これがたいへんに問題になってこようかと思います。これに対しましては、先ほど消防庁のほうのお話にもありましたように重ねて申し上げますが、やはり列車をすぐとめる、とにかく列車をすぐとめるというような手続を国鉄、私鉄のほうにわれわれ指導してまいりまして、まずとめて、とめ方にもいろいろございますが、とめてみて、そうして安全を確認した上で再運転をするというのが基本的な指導でございます。
 第三番目の復旧でございます。災害というのは地震、それから火災あるいは風水害、いろいろございまして、でき得る限りの体制を常時鉄道はやはり各現場で応急体制を整えておりますので、まず部分的な復旧は事なかろうかと思いますが、何ぶんにも全般的な施設がやられました場合には鉄道だけではどうにもなりません。したがいまして、それに関します各社、各線、それぞれにわたりまして細部の規定を関係省庁の指導を得ましてつくらせていただいておりまして、それによって応急連絡あるいは救急体制の組織づくり、これはすぐできるようにというような体制で、応急復旧と申しますか、そういう点を含めてわれわれ指導してまいってきておるところでございます。
 以上です。
#99
○小柳勇君 足を守るということで、ロサンゼルスの地震報告の中に、ヘリコプターを増備せよという報告がなされております。これは調査団の報告でありますが、このヘリコプターをロサンゼルスの調査団が帰りました報告の中に、とにかくいまの時代にはヘリコプターを増備することが必要である、急務であると書いてある。今度の予算にはこのヘリコプターの増備の予算、幾らありましたかね。
#100
○説明員(古郡良秀君) 消防庁におきましては、補助金六千万円、二機分ですが、これを計上してございます。
#101
○政府委員(砂田重民君) 消防庁から消防庁のヘリコプターの体制だけをお答えいたしましたけれども、当然、大震災が起こりました事後の措置といたしましては、自衛隊の持っておりますヘリコプターを全面的に当然活用いたします。昨年、行なわれました、先ほど先生がおっしゃいましたように、通信訓練のあの中にも、自衛隊のヘリコプター等を取り入れた訓練をやったわけでございます。
#102
○小柳勇君 その問題、いま調べてありますから、あとでまた聞きましょう。
 時間がありませんから、各省ともひとつ簡単に願います。
 次は、通産省の都市ガスの破損状況の予測、復旧及び緊急対策、特にこの火災予防対策について、いかなる措置がとられておるか、御答弁を願います。
#103
○説明員(服部典徳君) まず、関東大震災程度の地震が発生いたしました場合に、被害がどの程度になるかという問題でございますが、なかなかこれは予測がむずかしゅうございます。
 それで、実は新潟地震の場合に、一体どの程度であったかということを御説明申し上げますと、大体、新潟地震が関東大震災と同じ程度の強さの地震であったそうでございますが、ここに北陸瓦斯という会社がございます。需要家の数が約十二万軒でございます。ここにおきましては、約五億九千万円程度の被害をこむっております。その大半は、これは導管関係、供給施設関係でございます。ただ、新潟地震の場合におきましては、幸いにガスが原因となって火災は発生いたしておりません。復旧の状況は、六月の十六日に地震が発生いたしましたが、六月の二十日の日に一部の供給を開始いたしております。七月の二日の日には、一部の被害が非常に激しかった地域を除きまして、大体全部の供給を開始いたしております。完全に開始いたしましたのが十一月二十四日でございます。
 大体そういう状況に相なっておりますが、私どもといたしましては、現在ガス事業法によりまして、いろいろな規制を行なっております。規制のあり方は二つございまして、まず工作物の設置の段階で耐震構造をとらせるということでございまして、これは主要な工作物、製造設備、導管、そういったものにつきましては、すべて通産大臣の認可にかかわらしめておりまして、一応、関東大震災程度の地震には十分耐え得るような耐震設計ということになっております。それから緊急措置でございますが、これは各施設、たとえば導管について申し上げますと、緊急遮断装置というものを各施設につきまして設けております。これは地震が発生いたしますと、緊急にガスの供給を遮断する、あるいは放散させる、ガスを放散させてしまうということでございまして、こういった緊急措置を講じております。たとえば、最近、東京ガスが千葉地区から大きな幹線を建設いたしております。この幹線について申し上げますと、大体六キロから八キロ間隔で、ガバナーと申しまして圧力を調整する施設が設けられておりますが、その圧力調整施設に大体緊急遮断装置、緊急の放散装置が設けられております。したがいまして、一応の計算では地震が発生いたしますと、これは自動的に電気で、まあ電気と申しますか、無線で作動することになりますが、十分ないし十五分でガスの供給が停止する、ガスが放散し、緊急遮断装置がおりて停止をするということになっております。
 それから急の場合の緊急措置でございますが、これもなかなかむずかしい問題でございまして、現在各会社におきまして保安規程というものをつくらせることにいたしております。これはガス事業法によってつくっておるわけでございますが、その中に、地震に対応した場合の社内の体制の整備あるいは必要な資材の確保、必要な資材の貯蔵といった点につきまして義務づけております。そういった観点で、いろいろな諸対策を講じておるところでございます。
#104
○小柳勇君 次は食糧庁でございますが、食糧の備蓄状況、東京都内の食糧の現状、米の保管状況、並びに先般動労が順法闘争をやりました場合に、米が欠乏して米列車を運転したといっているが、少しオーバーではなかったかと思うが、そういう実態について御報告願います。
#105
○政府委員(中村健次郎君) 現在、御承知のように、政府は大量の米の在庫を持っております。したがいまして、特に大消費地につきましては常に一定量の保有、少なくとも一・五カ月分ぐらいな食糧はあるというふうに、生産地から計画的に米の輸送をいたしまして在庫の操作をいたしております。万一、地震等の大災害が起きました場合には、この起こる場所なり、程度なりによっていろいろな状態が起こると思いますが、災害を受けなかった周辺の府県から緊急に、たとえば東京でございますれば、栃木とか、茨城とか、神奈川とか、そういった所から緊急にトラック等によって輸送機関を動員いたしまして必要な米を運んでくる。なお、緊急、起きたばかりのときに備えまして、乾パン等も、乾パンでございますとか、あるいはめしのかん詰めでございますとか、そういったものも食糧庁自身も準備をいたしておりますし、また、防衛庁等の乾パン、そういった食糧も緊急の場合には使用さしていただくということになっておりますので、そういったことで、一時をしのぎ、そうして生活ができ炊飯ができる所から食べられる状態で被災地に運ぶ、あるいは被災地の炊飯その他ができるような状態になれば、米を運んでくる、こういったことで対処をいたしたい、このように考えております。
 それから、先般、私のほうから四月の十八日に、国鉄総裁に対しまして、御要請を申し上げました件につきましては、新聞等でいろいろ書いておりますが、私のほうでお願いを申し上げましたのは、いま申しましたように、大体一・五カ月分ぐらいな在庫で操作をいたしておりますが、これは毎月計画的に輸送をしておりますので、四月の初めに輸送の計画が三分の一程度の状態に落ちました。このままでまいりますと、四月は問題ございませんが、五月の初めの在庫が一カ月を切るというふうな状況になるおそれがございましたので、特に生鮮食料品等と同じように、米につきましても優先輸送をしていただきたいということをお願いをいたしまして、この下旬から臨時列車等を出していただいて、いままでのおくれを取り返し、五月の米の需給操作に不安がないように、こういうことで現在御協力を願っているわけでございます。
#106
○小柳勇君 たとえば一週間ぐらい道路が欠損し、トラックが動かない、あるいは地下鉄も動かないというと、一週間くらいは東京都内だけで、あるいは十日、一カ月半というのはどういう状態かわかりませんけれども、東京都内が外部から輸送ができない場合でも、一カ月半、東京都民は食糧に心配がないということと確認していいものかどうか。
#107
○政府委員(中村健次郎君) 一カ月半と申しますのは、東京都で申しますと、東京都内に米を在庫しておりますものが、一カ月半程度の米が置いてあるということでございまして、したがいまして、東京都が周辺から遮断される、しかし東京都内にある米が火災でやられないで使えるということであれば、あるいはそれでつなげるわけでございますが、そういった米をかかえておる倉庫が焼けるとか、運べないという状態になりますれば、やはり外からいろいろな手段を講じて、神奈川県なり、埼玉県なり、千葉県から運んでくるということをせざるを得ないと思いますが、そういった運ぶに必要な米の量は近県に十分にありますということを申し上げたわけであります。
#108
○小柳勇君 次は、郵政省でございますが、通信線の損害と緊急措置。なお、四十六年度は、九月に無線訓練をやったようでありますが、四十七年度の通信訓練の内容などについて御報告を願います。
#109
○政府委員(牧野康夫君) お答え申し上げます。
 御案内のように、現代の社会は情報によって非常に社会活動というものが支配されておりまして、情報の速達とか、情報の分配というものが、疎通がうまくいきませんと、特に、災害のときには、それによりまして人心の動揺を来たすという、非常におそろしいことが考えられますので、私ども電気通信事業を監理いたす者とといたしましては、大体、災害が起きても、通信の途絶が起こらない、情報の疎通がとまらないということを最大の眼目にいたしております。で、それには、やはり設備というものが完全でなければなりません。この設備といたしましたは、御案内のように、電話局の機械設備、それから電話局と電話局を結んでおる電線の線路の設備、それから電話を利用している方々の電線の設備、こういうもの、それに、それを動かすためには、どうしても電気が必要でございます。電気がとまったら、これは動かないわけですから、電源の設備を充実さしておく、これが必要な措置であろうと思っております。それで、過般十勝沖地震がございましたおりに、北海道にテレビのプログラムが送られなかった。あるいは北海道からテレビのニュースがこなかったということによって、非常にいろいろな問題が起きたのでございますが、この経験を非常にわれわれは苦くかみしめまして、さっそくに、それ以来三カ年計画でもって、全国至るところに、二重の設備があって、どちらがやられても空陸一体で――空陸と申しますのは、無線でいくか、あるいは線路でいくか、そういうような二重の設備で、どっちかが被害を受けても、それがカバーできて、どんな場合でも疎通がうまくいく。これが、幹線について、去年まででおおむね完成いたしました。たとえば例を申し上げますと、東京――大阪間というものは、東海道線沿いにに行きますものを、空陸でつくってありますのと、それから長野、信越から北陸を通って大阪にまいりますのと、こういうような二重のものを空陸にして――まあ、そうなりますと、四重ということになりますが、そういうようにつくっております。それから東北地方に対しましても、あるいは関西以西につきましても、さような設備を完了いたしたわけでございます。
 それから、今後また、さらに各線路が、こまかい加入者線路その他がこまかくやられる、破壊されることを考慮いたしまして、地下の設備を充実するとか、あるいは架空の設備というものについて補強するとかいうことを強力に指導いたしまして、今年度から三カ年でその設備を、大都市を中心に強固に補強してまいりたいと存じます。そこで、これによって被害を受けた場合、一体どのくらいの復旧時間がかかるのかという問題でございますが、末端のこまかい個々の加入者ということに至りますまでには、まだそこに一日、二日の時間があるかもしれませんが、重要なる加入者、たとえば放送中継線みたいなもの、それから公共団体、特に防水、防火、それから何と申しますか、上下水道、ガス、ただいまのそういう食糧上の供給の問題、そういったような需要と供給との問題を扱うような公共機関に対する通信線というものは絶対に確保したい。万一切れましても、あるいは予備設備は必ずつくっておく。そして常時、予備設備でダブっておく。その両方がやられても、すぐ無線で、非常用の無線設備を常備しておきまして、そしてこれをすぐ応急に稼動させまして、応急に動員しまして、すぐその接続ができて対話ができ、あるいは情報が疎通できる、こういうふうにするように計画を進めております。
 それから、ただいま先生から御質問がございました訓練――設備があっても、使うのは、やはり人でございますから、これを訓練しておかなければ、何と申しましても、すぐに応急に間に合わない。訓練こそ最上の道でございます。各地方、地方におきまして訓練はいたしておりますが、少なくとも年に一回以上やっております。東京におきましてはただいま先生御指摘のように、昨年大々的な訓練をやりまして、本年度もまた訓練をやらせるように指導いたしておりますが、こまかい予定、場所その他につきましては、日本電信電話公社からお答えさせます。
 それからもう一つ国際通信の問題がございます。こういうように世界的な規模におきまして、政治、経済、社会の活動が行なわれてまいりますと、国際通信の疎通ということが、これは重要な問題になってまいります。災害の場合にも、それが絶えないようにいたしたい。そのために、実は国際との間に、国際通信につきましては、ゲートステーションというのがございまして、要するに、日本に入ってくる関門になるところ、これがあるわけでございます。これがキーポイントになるわけです。関門局が、現在電話については、東京が関門局になっておりまして、大手町にございます。それから電報につきましては大阪と東京、それからもう一つ、テレックスというのがございますが、加入電信と称するもの、これは東京が関門局になっております。東京の大手町が、かなりそこに集中してきておりますので、東京の大手町がやられた、破壊された場合におけることは、十分考えておかなければならないということで、とりあえず現在小室という所がございますが群馬かどこか、ちょっと県は失念いたしました。そこに応急の設備を現在つくらせてございます。これでとにかく応急に間に合うように計らう。それから、電電公社の線路もそこにすぐ接続できるような仕組みも、つくってございます。しかし、これではまだ十分とは言えませんので、大阪のほうに、できるだけ設備の充実したものをこれからつくらせるということにいたしております。ただいままでに持っております措置状況につきましては、かようなわけでございますが、通信につきましては、絶対に確保することを条件に、ということを目的に、また目標に、鋭意努力しております。本年度においては御予算を御審議、御可決いただきますれば、大体電電公社において二百三十億程度の設備を投下して、それの補強をはかってまいりたい、さように心得ている次第でございます。
#110
○小柳勇君 ありがとうございました。
 次は厚生省ですけれども、飲み水の確保について、どのような対策があるかお答えを願います。
#111
○説明員(国川建二君) 飲料水の問題でございますが、大きな災害がありましたならば、食糧、避難所と同様に飲料水の問題が一番緊急の問題になろうかと思います。ここで、水道の災害の状況につきまして、ごく簡単に申し上げますと、水道施設には貯水池だとか、浄水場、配水場のような、水を生産製造する場所、部門と、パイプのような、水を輸送する部門と分けられますが、主として被害発生が予定されるのはその配水管、水をくばる部分であろうかと思います。これは、関東大震災以降の数々の災害からも、実態から考えましても、そういうような状態が予想されるわけでございますが、その程度等につきましては、やはり地盤の条件との関連が一番深いということで、容易に推定がむずかしいわけでございます。
 ただ、まあ非常に大ざっぱに申し上げますと、たとえば、東京都を例にとりますと、いわゆる江東、城北地域と申しますか、ああいう沖積層の地域におきますと、やはり配水管の事故等がかなり多発するのではないか。しかしパイプにおきましても、口径の大きなパイプがかなり安全である。しかし小さいパイプほど被害が大きいというように考えられるわけでございます。そこで、大規模な災害が発生いたしました場合、どうしてもすべての、大部分のところで、家庭から水が出るということを確保することは困難だと思います。したがいまして、直ちに車両を、給水車等を使いました応急給水の措置が必要だと思います。私どもこれらの問題につきまして、新潟地震以降いろいろ検討を加えておりまして、そういう際におきます応急給水の期間は一応二十日程度に押えて、その間にできるだけ施設そのものを復旧させていくという方向をとっていく。それからあらかじめ幾つかの水源系統の系統があります場合には、相互に連絡しておく。それから施設そのもの等につきましては、十分耐震性を考慮した施工を行なっていくというようなことを進めておりまして、それぞれの事業計画を進めるときにも、そういうことを織り込んだ形で対処していきたいというように考えております。
#112
○小柳勇君 ありがとうございました。
 そこで、ロスアンゼルスの経験によりまして、鋼板プールなど、鉄板プールですけれども、鋼板プールなどの貯水施設を整備する必要があるという報告がなされておりますが、担当は建設省じゃないですか、審議室か、どちらでもいいが、消防庁ですか。何かそういう計画があるのかどうかお聞きしたい。
#113
○説明員(古郡良秀君) 現在地方公共団体で行なっております事業といたしましては、神奈川県が実際に学校のプールを建設する際に、その上乗せといたしまして、耐震性を持たせるために、鋼板構造にする場合の、かさ上げの補助を行なっております。これで現在四十七年度予算におきましては、神奈川県で二十五基分、二十五カ所分で七千八百二十万円という補助をやって、従前、ここ二、三年ずっと年々行なっております。
#114
○小柳勇君 東京都内は……。神奈川県だけ。
#115
○説明員(古郡良秀君) 東京都内ではまだございません。神奈川県でございます。
#116
○小柳勇君 なぜでしょうか、それは。神奈川県だけに鋼板プールのかさ上げの予算をつけたのはなぜですか。
#117
○説明員(古郡良秀君) これは県単事業でございまして、神奈川県のほうで非常に貯水槽の必要性を感じまして、特に学校――現在ただいまお話申し上げましたのは神奈川県のプールの関係でございますが、東京都におきましては、先ほども申しましたように、本年度の四十七年度の予算で消防庁が計上いたしました耐震性貯水槽の設置を計画しておりまして、これは先ほど申しましたように、すでに予算化されております。現在一億三千万円ほどの補助金が計上されておりますが、東京都におきましては、これに見合います予算といたしまして三億九千万円ほど計上して、現在百基の耐震性貯水槽の設置をするように計画してございます。プールにつきましては、これは学校教育との関係もあるかと思います。その辺で、まだプールにつきましては私、聞いておりません。
#118
○小柳勇君 全国的に防火用水兼プールということで鋼板プールをつくる場合には消防庁としては補助する考えですか。
#119
○説明員(古郡良秀君) これは文部省との関係がございまして、実は消防庁で国から補助するということには現在はなっておりません。県のほうで単独で県単事業といたしまして神奈川県では行なっているということでございます。現在のところ、消防庁といたしまして、学校施設として整備いたしますプールにつきましてのかさ上げ補助ということにつきましては、考えておりません。
#120
○小柳勇君 はじめに神奈川県で七千八百二十万円、二十五基分、四十七年度には補助するとおっしゃったから、これと同じように、各県で県単でやるから、いわゆる防災関係を兼ねるとすれば、鋼板プールに対して、消防庁は全国的に補助しますかと、そういう質問をしておるのですよ。
#121
○説明員(古郡良秀君) 消防庁といたしまして、この事業につきまして国の補助を考えるということは現在は考えておりません。ただ、地方公共団体に、それぞれ独自で行なうようには指導しております。こういうものがよろしいかということで、各会議等でその神奈川県の実情等を説明し、できるだけ育成補助を行なうようにということは言っております。
#122
○小柳勇君 消防庁で、神奈川県のほうはやるといったから、消防庁で補助したのでしょう。同じようにたとえばよその県からやるといったら、補助しますかと言っているのです。
#123
○説明員(古郡良秀君) 鋼板プールにつきましては、先ほど申しましたように、これは神奈川県の単独事業でございまして、国の補助事業じゃございません。だから、前もこれは神奈川県の予算でございます。神奈川県の予算で……。
#124
○小柳勇君 いや、さっき、だって補助したとおっしゃったからよ。七千八百二十万補助しましたとおっしゃったから……。
#125
○説明員(古郡良秀君) いや、これは神奈川県がということで……。
#126
○小柳勇君 消防庁が補助したのじゃない……。
#127
○説明員(古郡良秀君) はい。
#128
○小柳勇君 あとでまた調べてみましょう。
 それからさっきのヘリコプターの全般的な各省のあれを言ってください、ヘリコプターの。
#129
○政府委員(小田村四郎君) ヘリコプター、実はただいま調べましたところでは、警察庁に中型ヘリコプター一機、航空機購入費として今年度予算が入っております。あと防衛庁等におきましても、ヘリコプターの修理の予算が入っておるはずでございますが、現在資料が整っておりませんので、あとで調べまして御報告申し上げたいと思います。
#130
○小柳勇君 じゃ最後で、瞬間も超過いたしまして申しわけありませんが、広報活動ですね。訓練なりあるいは国民に地震のおそるべきことを知らせ、あるいは日常退避の準備なり食料の備蓄なり、国民に知らせるために、消防庁などで、こういうふうなものを出してあります。ロスのほうでも、この報告の中に、りっぱな報告書が出ておりまして、地震に際しての安全と生存というこれは地震対策庁から出ている広報紙がありますが、こういうものをお出しになる計画があるかどうかということと、それから身近にいつの日か、日をきめて、退避訓練なり消防訓練なりをおやりになる計画があるかどうか、これを副長官からお聞きいたしまして質問を終わります。
#131
○政府委員(小田村四郎君) 広報につきましては、ただいままで九月一日の防災の日を中心といたしまして、総理府におきまして、壁新聞であるとか、あるいはテレビ等を通じましての広報を行ないます。それから消防庁におきまして、ただいま御指摘になりましたような、パンフレットを各地方団体に配布しております。本年度は、総理府といたしましても、この建築物の防災問題等を含めました指針のようなものをつくりたい、かように考えておるわけでございます。なお、各地方団体におきましても、御指摘のとおり、さまざまの住民に対する広報活動をいたしておりますので、これは総理府と消防庁と協力いたしまして、今後指導につとめてまいりたい、かように考えております。
#132
○政府委員(砂田重民君) いま一つ退避訓練の質問がございましたが、先ほどからお答えをしておりますように、また、先生からも御提案のございました地震週間の問題等もありましたが、九月一日の防災の日、今年もやはり地震を主とした訓練をやりたいと思っておりますので、この計画は明日各省連絡会議を開きまして、明日それのことしの訓練の主題等について各省と協議をすることにいたしておりますが、この内容については、地方公共団体に当然連絡をいたしまして、緊密な連絡をとりながら訓練計画を立ててまいります。やはり各地方公共団体の消防並びに自治省消防庁こういうところも、避難訓練を非常に重要視いたしておりますので、ことしの九月一日の計画の中に当然住民の避難訓練も入ってこようかと思います。
#133
○主査(平島敏夫君) 午後一時五十分に再開することにし、休憩いたします。
   午後一時十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五十五分開会
#134
○主査(平島敏夫君) ただいまから予算委員会第一分科会を再開いたします。
 分科担当委員の異動について御報告いたします。
 予算委員の異動に伴い、佐々木静子君の補欠として和田静夫君が、小柳勇君の補欠として鈴木強君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#135
○主査(平島敏夫君) 昭和四十七年度総予算中、内閣及び総理府所管を一括議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行ないます。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#136
○工藤良平君 私はわずかな時間でありますから、問題をしぼりましていろいろお聞きをいたしたいと思います。
 いま、各省庁に、それぞれ関係法律に基づきました審議会あるいは調査会等がたくさん設置をされているわけでありますが、実は、この実態と運営について私はお伺いをいたしたいと思います。
 総理府の長官がおられますので、この審議会あるいは調査会等について、その運営で、もちろん非常に重要なそれぞれの機関でありますけれども、実際の運営の実情として、現状というものでいいのかどうなのか、この点についてまず考え方をお伺いをいたしたいと思います。
#137
○国務大臣(山中貞則君) 他省庁の専属の審議会というものにまで、私批判する立場にありませんが、総理府には、現在、数多くの審議会を実はおあずかりしているという形になっております。ということはどういうわけかといいますと、総理府プロパーの審議会ももちろんございますが、これらはいずれも必要であって、しかも活動いたしておりますし、そのほかの、私はひさしを貸していると、こう言うんですけれども、総理府にしか審議会が置かれない、置きようがないという、いわゆる二省庁以上にまたがりますと、なかなか一方の役所に置くことを認めない。これは非常によく働いているほうですから、例をとってもいいと思うのですが、税制調査会が実は総理府でおあずかりをしておる調査会である。しかし、世間一般では、これは当然大蔵省あたりがあずかっている審議会だとみんな思っているはずなんです。しかし、現実にはそうなっておりません。それで、私は総理府の、そのような各種審議会で、不必要なものは整理しようということで、若干内々の作業もいたしておりますが、いま存在している審議会は、おおむね総理府関係のものはそれぞれの仕事として、軽重は別でありますが、冬眠状態のようなものはあまりないというふうに見ております。
#138
○工藤良平君 それでは行政管理庁にお伺いをいたしますけれども、現在各省庁に設置されております審議会あるいは調査会は大体どの程度おありですか、お伺いしたいと思います。
#139
○政府委員(平井廸郎君) 現在のところ二百三十六ございます。
#140
○工藤良平君 その運営につきましては、いま総務長官からお話がありましたように、それぞれ各法律に基づいて、しかも重要な役割りを私も、果たしていると思っているわけでありますけれども、実情を見ますと、必ずしもそうでもないような気がいたしますが、その運営において、毎年一回も開かれていないという審議会があるようでありますけれども、その実情についてはどうでございましょうか。
#141
○政府委員(平井廸郎君) 審議会、審査会等につきましては、事柄の性質上、たとえば審査会等におきましては国民の権利救済等の観点からつくられているものもございまして、そういった事案が幸いにして発生しないというようなケースにつきましては、数年間開かれていない事態もございますが、そういう点は、必ずしも、そういった審査会等の設立意義を意味するものとは考えておりません。ただ、御指摘のように、いわゆる審議会等の諮問機関等におきまして、過去数年間、たとえば過去三年間で、一回も開催されていないものというのも若干ございますし、その他開催回数の少ないものも若干あることは事実でございます。
#142
○工藤良平君 行管としてはもしもそのような、ほとんど年間開かれていないというような審議会なりあるいは調査会があるとするならば、それについては今日までたとえばそれぞれの担当者に対していろいろな勧告をなされてこられたかどうか。
#143
○政府委員(平井廸郎君) 先生すでに御承知と存じますが、昭和四十四年の閣議決定によりまして、第二次行政改革の一環といたしまして、二十一の審議会の整理統合等のことを行なっているわけでございまして、そのほとんど全部が本年度までに終了いたしている次第でございます。なお、その後におきましても、御指摘のような点を頭に置きまして検討を進めて、今後ともそういった設置の目的をおおむね達成したものというようなものについては、整理の方向で検討を進めていきたいと考えている次第でございます。
#144
○工藤良平君 ひとつ私具体的にこれは検討してみたいと思います。実は私、昨年参議院へ出てまいったわけでありますが、台風常襲地帯審議会委員ということで、国会の承認を得まして任命をされたわけであります。佐藤総理大臣から辞令もいただいたのでありますけれども、今日までまだ一回も開かれていないわけであります。で、この台風常襲地帯の審議会、もちろん台風がないわけではありませんので当然必要だと思いますけれども、今日まで三十八年に一回開きまして、三十九年から四十六年まで一度も開かれていないのでありますけれども、これは所管はどこになりましょうか。その理由をお伺いをしたいと思います。
#145
○政府委員(平井廸郎君) 御指摘の審議会は総理府の所管でございますが、確かに先生御指摘のように、最近数年間は全然開かれていないという状況でございます。こういった点に着目いたしまして、先ほど申し上げました第二次行政改革におきまする統廃合の対象として一応検討を続けたわけでございますが、何ぶんにも台風の関係でございまして、今後どういうことが起こるかわからないというような心配がある関係もございまして、現在のところ、まだ廃止をするという決定をするに至っていない状況でございます。
#146
○主査(平島敏夫君) ちょっと関連して。
 私ももう五年ぐらい同じ審議会の委員になっておりますが、私がなってから一度も開かれておりません。いま必要があるということは確かだと思いますけれども、ほかの審議会ができてダブってきているような点はないんですか。そういう点もお知らせ願いたいと思います。
#147
○政府委員(平井廸郎君) 私ども二百三十六の各種の審議会等についていろいろ検討をいたしておりますが、これと直接重複するような審議会というものは一応ないというふうに考えています。
#148
○工藤良平君 それでは、もう少し具体的にお聞きをしたいと思いますけれども、この台風常襲地帯審議会の委員は、台風常襲地帯における災害の防除に関する特別措置法いうのに基づいて設置をされ、運営をされることになっておりますが、現在この委員、そして会長、これはどなたがなさっているか。
#149
○政府委員(平井廸郎君) 四十七年二月現在でございますので、あるいはおかわりになっている方もあるかもしれませんが、会長は総理大臣でございまして、ほかに関係行政機関の長といたしまして、大蔵大臣、農林大臣、通産大臣、運輸大臣、建設大臣、自治大臣、国家公安委員会委員長、経済企画庁長官が任命されております。また、衆参両院議員といたしまして、田中角榮、鈴木善幸、水田三喜男、辻寛一、佐々木秀世、山中吾郎、小濱新次、鈴木一、青木一男、河野謙三、江藤智、大和与一、黒柳明の諸氏が任命されています。また、学識経験者といたしまして、赤坂武、小野哲、唐島基智三、河野文彦、今野源八郎、谷藤正三、平田敬一郎、星埜和。
 ちょっと名前の読み方はあるいは間違っているかもしれませんが、以上の方でございます。
#150
○工藤良平君 私の手元に四十六年八月の台風常襲地帯対策審議会委員名簿というものがあるのですけれども、これとずいぶん違うようですが。
#151
○政府委員(平井廸郎君) どうも失礼しました。申しわけございません。ちょっとページを間違えまして、ほかの委員会のあれを読んじゃいましたので(笑声)訂正さしていただきます。申しわけございません。衆議院議員は中馬辰猪、それから中村寅太、福田繁芳、川崎寛治、坂井弘一。参議院議員が平島敏夫、前田佳都男、永岡光治。関係行政機関の職員といたしまして、経済企画庁事務次官、大蔵事務次官、農林事務次官、運輸事務次官、気象庁長官、建設事務次官、自治事務次官の、以上でございます。
#152
○工藤良平君 いま報告ありましたけれども、それも違います。実は、私がなっているから、これは特別に調べたわけでありまして、いま永岡光治ということですけれども、永岡さんはすでに議員をやめていらっしゃるわけでありまして、行管がこのような状況でありますから、ましてや、この審議会の存在なんというのは、まさに眼中にないというように私は思うのでありますが、そういうようなものであるならば、もういっそのこと、これは、廃止したほうがいいのではないか。必要であるとするならばですね、会長も委員もわからないような状態で私は、設置しておくこと自身たいへん問題だと思いますし、この名簿を見ますと、当然決定しなければならない都道府県知事あるいは都道府県会議長あるいは学識経験者の名前、任命はまだ行なわれていないというようになっておるのでありますが、そういたしますと、これは会長そのものもまだ決定をしていないと、こういうことになると思うのですね。そうすると、これは一体どのような運営をしているのだろうかということを私は実は疑問を持たざるを得ないのでありますが、この点について行政管理庁としてはずいぶん検討してきたようでありますけれども、実態はどうなのか御説明をもう少しいただきたいと思います。
#153
○政府委員(平井廸郎君) 率直に申し上げますと、開催の状況等から考えますれば、まあこの辺で再検討してはどうかというのが、私どもの感じでございます。あらためてそういう問題について、今後取り上げていきたいと考えておる次第でございます。
#154
○工藤良平君 さっき私が言いました、この委員の全員まだ任命を終わっていない、会長もできていないと、このことはどうですか。そのように理解してよろしゅうございますか。
#155
○国務大臣(山中貞則君) 行管のほうは、その審議会のあり方、内容、委員の任命その他にはタッチいたしておりませんから、いまのような答弁をいたしましてちょっと申しわけないのですが、政府全体としては、総理府に一応預かっておりますけれども、経済企画庁が一切の事務を、庶務をいたしております。したがって、そこら辺の正確な事実関係については、経企庁から御答弁を願うことにいたしますが、私もこの審議会のあり方そのものについて問題があることは承知いたしておりますが、しかし、沖繩が返ってまいりますと――昨年もたいへんな被害も出しましたし、台風常襲地帯の法律そのものによってこれが、審議会がつくられておりますので、問題がたいへん最近は災害その他が少なくなったために開かれていないという事実もありましょうが、沖繩等が返ってまいるにしたがって、沖繩をこの法律の中でどのように対処することができるか等の議論は当然してもらう審議会であると思っておりますが、いまのような状態はやはり遺憾であると思います。
#156
○工藤良平君 これはまあ私は関係いたしましたので、一応辞令をもらった以上は、その職務に通じていなければならないという観点から、いろいろ調べてみたのでありまして、この種の審議会なり調査会が、まだほかにも若干あるのではないかという気がいたします。当然この台風常襲地帯の問題については、災害が起こってからではおそいわけであります。それをいかに事前に防除していくかということが、私は本来の使命でなきゃならぬというふうに考えるわけでありまして、もし利用する価値があるとするならば、やはり最大限に利用するということが必要ではないか、このように思うわけでありまして、そういう意味から、ぜひひとつこの審議会、調査会については十分洗い直していただいて、年度末に予算が余ったからひとつ一回総会を開きましょうというような審議会がたいへん多いわけでありますが、そういうことではなくて、やはり有効適切にこの審議会を使うという立場を、もう一ぺん私は検討してみる必要があるのではないかと思いますので、これは一つの例でありますけれども、申し上げておきたいと思うわけであります。
 それからたいへん例が小さくなりますけれども、それぞれ審議会には、もちろん常勤者につきましては、月額の手当も払われておりますし、常勤者でない者については、日額でそれぞれの手当が払われているわけでありますが、この手当について、若干、額の違いというものがあるようでありますけれども、これはむしろ統一すべきではないかという気がするのでありますが、この点について行管としてはどのようにお考えでございましょうか。
#157
○政府委員(平井廸郎君) 実はこういった手当の関係は私どものほうの所管でございませんで、特別職に当たる者につきましては、総理府人事局のほうで担当いたしておりますし、そういう関係につきましては総理府のほうから御回答いただいたほうが適当かと思いますが。
#158
○工藤良平君 では時間がたちますから続けますが、たとえば、審議会のうちで、会長に六千三百円、委員五千六百円、専門委員五千二百円――日額ですね。そういうところもありますし、あるいは会長で五千八百円、委員で五千二百円、専門委員で四千六百円、あるいは科学技術庁の審議会の委員のように、八千百円、七千五百円というように、それぞれまちまちのようでございまして、あるいは任務の重さによってそういうものがランクづけられておるのかもしれませんけれども、これについては、むしろ、政府機関でありますので統一すべきではないか、このように思いますが、その点についてどうでしょうか。
#159
○政府委員(平井廸郎君) 私、かって予算の関係やっておりましたので、その記憶で申し上げて失礼でございますが、たしか三十七年ごろから各種の委員会、審議会の手当の統一の問題が出てまいりまして、それぞれの審議会を一度グレードをつけまして分けまして、幾つかの段階で整理をはかったという記憶がございます。おそらくその関係がずっと尾を引きまして今日まで至っているのであろうと考える次第でございますが、なお現在の段階で見直しまして、もし適当でないというような状況がございますれば、予算当局なり総理府とも御相談申し上げたいと考える次第でございます。
#160
○国務大臣(山中貞則君) ちょっと事務当局に話しておりまして答弁ができなかったのでありますが、私のほうの総理府本府の審議会は、全部非常勤であって五千六百円に統一いたしております。
#161
○工藤良平君 まあ各省間に若干のアンバランスがあるようでありまして、まあこれはたいへん小さな問題でありますけれども、しかし、やはり同じ政府機関であるならば同一にすべきではないか、このような気がいたしますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。
 それからもう一つは、先ほど私は台風常襲地帯の問題を取り上げましたけれども、他にも、一年間に一回も開かない、何年間も開いていないというのが幾つかあるようでありますけれども、そのような場合に、予算の年度末における処置の方法はどうしているかですね。年度当初には予算として計上されておりますけれども、それが繰り越すのか、あるいは年度で返上しているのか、そこら辺をちょっとお聞きしたいと思います。
#162
○政府委員(國塚武平君) 総理府本府関係の審議会につきまして、執行状況を、一つの例でありますが御報告申し上げます。
 四十五年度――四十六年度につきましては、データが、まだ決算が完結いたしておりませんので、四十五年度実績について申し上げますと、総理府が庶務をつかさどっております十四の審議会について申し上げますと、四十五年度の歳出予算は五千二百七十九万九千円でございまして、これに対します決算額は四千六百四十六万五千円でございまして、おおむね九割、予算を使っておるという状況でございます。残額につきましては不用額に繰り入れてございます。
#163
○工藤良平君 これ一応、各審議会ごとに調査をすればいいと思いますけれども、そういう時間もありませんので、私は、総体的に申し上げるわけですが、これは、この前の一般質問の際に共産党の小笠原さんが質問しておりましたけれども、重症心身障害者等に対する予算については一円、二円という積算の基礎がたいへん大きな問題になっていると、そういうようなお話がありました。また散髪代をぜひ予算に計上してほしいという、非常に小さな問題でありますけれども、そういう要請がなされたわけであります。私は、この審議会の実情を見まして、もし不要である審議会があるとするならば、あるいは年度末の予算を繰り越さなきゃならぬという状態があるとするならば、もっと有効な金の使い方というものが必要じゃないだろうか。わずかな金というようにこの問題を見過ごすわけにいかない。こういうような気がいたしまして、この問題を取り上げたわけでありまして、ぜひ、これらの問題については十分な対策を講じていただくように私はお願いをいたしておきたいと思います。
 時間があまりありませんから、官房長官が見えましたので官房長官にお伺いいたします。
 先般、行監の委員の任命をいたしたようでございますけれども、昨日の新聞によりますと、木村禧八郎先生の問題が出されております。この人事をめぐりましていろいろ問題が提起をされておるわけでありますが、これにつきまして官房長官の手元に要請書を郵送したと、こういうような報道がなされておりますが、その内容については、これからの行政改革にあたっての三つの問題点というのを提起をしておるようであります。もちろん、その内容についてはまだ検討をなさっていないと思いますけれども、この扱いについてどういうような扱いをするのか、その点、まずお伺いをいたしたいと思います。
#164
○国務大臣(竹下登君) 元本院議員であられました木村禧八郎先生から、四月二十二日付、私あての要請書を受け取っております。詳細に続みましたのは本日読ませていただきました。
 この扱いにつきましては、率直に申しまして、先生がおっしゃっておる第一番の点については、行政監理委員就任を依頼され、慎重に考慮の上お引き受けいたしましたところ、私の了解なしにかってに委員就任の件を撤回されたその理由を明らかにしてもらいたい、ということが一つであります。これにつきましては、私がいまの時点で考えておりますことは、いわゆる先般、両院で御承認いただいた人事案件でありますが、従来、国会承認人事案件につきましては、率直に言って、二大政党時代に打ち立てられた慣行ではございますものの、今日までそれが定着、継続をいたしております。したがって、野党推薦の場合、かりに野党第一党のしかるべき機関で御推薦を――議院運営委員会理事を通じて御推薦をいただくと、こういう仕組みでありますだけに、この第一の点につきましては、私の名をもって御返答申し上げるにいたしましても、私は野党第一党の理事さんあてにそれを申し上げ、それをお伝えしていただくというのが、国会承認人事のあり方として妥当ではなかろうか、こういうふうに考えます。ただし、国会承認人事のあり方そのものについての御意見は別としての問題であります。
 それから第二番目に佐藤首相の陣謝、こういうことですが、これは新聞等にも出ておりますように、私が去る三月十七日に先生を訪れました際に、そのことの御要請がなされました。私自身といたしましては、私が内閣総理大臣の代理としてお断わりに参りました点で御了解をいただきたいという趣旨の発言をいたしましたものの、これは総理ともその後御相談をいたしておりまして、いわゆる先生の、何といいますか、手違いからして御迷惑をかけたという点につきましては、窮屈な陣謝とか陣謝文とかいうような形ではなしに、何らかの方法でお伝えすべきものであると、このように思っております。
 それから第三に、行政管理の本分を、大本を乱したことを反省し、今後改めること、これは先生からも、行政管理のあり方についての御高見をたびたび拝承を私もいたしております。そのことを十分今後の行政管理の点の中に政府自身が、貴重な御意見として参考にすると、こういうことでもって私は先生の御趣旨に沿いたいと、およそそのようなことを私は考えております。まだ非常に未熟な考えでございますけれども、とりあえずお答えといたします。
#165
○工藤良平君 私もこの人事の内容について、だれがいいとか悪いとかいうことはもちろん触れたくないわけであります。ただ、このような人事の問題については、それが本人に対する非常に大きな傷をつけるというようなことにもなりかねない問題でもありますので、取り扱いについては、私は十分な配慮というものが必要であろうと思いますし、特にこの際の木村禧八郎先生の扱いについては、やはり手落ちがあったのではないかと、こういうような気もいたしますし、やはり率直にその非は本人に対してもわびる必要があるのではないかと、こういうように思いますが、その点についての善処を特に私は要望いたしたいと思います。
 それから、いま一つの問題は、木村先生も指摘をしておりますけれども、行政監察の機構の体制等につきまして、私どもやはり、公務員が国民に忠実にその仕事を実行していく、こういうようなことからいたしまして、行政監察の重要性というものを、私は痛切に感ずるのでありますけれども、現在の体制でこの膨大な行政を監察するということは、きわめて困難であるような気がいたします。したがって、この行政監察の組織強化という点について、今後どのように対処されるか。私は、待遇改善なりあるいは体制の強化というものをはかる必要があるのではないかと思いますが、その点に対する考え方をお伺いをしまして、時間も参りますので、これで終わりたいと思います。
#166
○国務大臣(竹下登君) これは私の直接所管というわけでもございませんが、先般来、この新しい行政監理委員の初会合等、発足をいたしまして、いま工藤委員御指摘の点についても、大きな課題としてこれらに取り組んでいくと、こういうことを私も承っております。政府といたしましても、今日までいわゆる行政改革というものについて、非常に国民の皆さま方の期待というもの、そしてまた、それを受けた行政監理委員会のさまざまの答申に対して、その手の打ち方というものが必ずしも敏速果敢であったとは言えないということは十分反省をいたしておるところでありまして、ただいまの御趣旨を体して、新行監委員を軸として積極的に進めてまいりたいと、このように考えております。
#167
○工藤良平君 じゃ最後に、これは行政管理庁のほうにお願いをいたしたいと思いますが、私、先ほどごく一つの例でありますけれども、審議会、調査会の内容について、触れましてその実態というものは必ずしも十分でないような気がいたしますので、これらにつきましてはひとつ十分なる内容の検討をしていただいて、勧告すべきものはきちんと勧告をして改善をはかるような措置を講じていただくように申し上げて、終わりたいと思います。
#168
○主査(平島敏夫君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#169
○主査(平島敏夫君) 速記を始めて。
    ―――――――――――――
#170
○主査(平島敏夫君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。
 鈴木強君及び工藤良平君が分科担当委員を辞任され、その補欠として小野明君及び鶴園哲夫君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#171
○矢追秀彦君 沖繩の復帰があと三週間で実現をするわけでありますが、これに関して、県になって、県知事選も終わらなければいろいろな問題がはっきりしない点があるかもわかりませんが、今後の沖繩のためにこまかい問題も含めまして二、三お伺いしたいと思います。
 初めに本年度の予算でありますが、かなり多くの予算が組まれておりますが、質問通告で詳しくしておりませんでしたので、あるいは計算ができていないかもわかりませんが、この中で産業基盤整備のために幾らのお金になっておるか、全部まとめますと、それが何%に当たるか。それに反して、福祉関係の予算はどれぐらいの割合になっておるか、内訳がありましたらお示しいただきたい。
#172
○政府委員(岡田純夫君) お答え申し上げます前に、琉球政府のほうの予算の組み方と、それからそれに対してもちろん本土政府から援助はいたしておりましたけれども、こちらのほうの公共事業その他とは必ずしもマッチいたしておりませんので、非常に的確な御答弁にはならないかもしれませんけれども、お許しをいただいきまして概略だけ申し上げますというと、沖繩開発庁で一括計上いたしまして他省庁に移しかえて執行してまいるものが本年度四十七年度でいうと七百六十一億――まあ、まるめまして七百六十二億であります。それに対しまして、琉球政府時代の四十六年度予算額は四百二十五億でございます。その中で、公共事業がまあ非常に中心になるかと思いますので、公共事業について申し上げますというと、沖繩開発事業というかっこうで出しておりますものが二百九十億でございます。これに対しまして、琉球政府はどの程度であったかと申しますというと、一九七一年度、あるいは一九七二年度、両方の数字について申し上げますというと、一九七一年度が百三十九億でございます。七二年度は、これはもっとも五月十五日で切れることになりますので、その間の整理はございますけれども、二百億。そこで、先ほど来年度の沖繩開発事業費二百九十億と申し上げましたが、これには琉球政府のほうでは加えておりますところの学校等がはずれております。それで学校二十八億、まあ、その他もございますけれども、加えますと三百十八億ということになりますが、以上のものである、しかも一〇・五カ月分ということでございますので、いまよりもはるかに多くの開発事業というものになってまいります。内容といたしましても、農業基盤整備をはじめとして、それぞれ格段の大幅の助成をいたしております。
 概略を申し上げました。
#173
○矢追秀彦君 そこで、昨年度といいますか、本年度ですね、四十六年度の公共事業費のうちで、かなり使い残しが出ると予定されておりますが、その金額、内容をお示しいただきたいと思います。
#174
○政府委員(岡田純夫君) 琉球政府の繰り越し額、少し過去にさかのぼりまして申し上げますというと、一九六八年度が約七百万ドルでございます。まあ三百八円換算がいいかどうかわかりませんが、かりに三百八円としますというと、ざっと二十二億。それから一九六九年度が繰り越し二千万ドルでございます。ざっと六十二億前後ということであるかと思います。それから一九七〇年度が二千五百万ドル、ざっと八十億でございまして、琉球政府の予算総ワクのおおむね一五%ぐらいが繰り越されてきている。これは御指摘は数字だけでございますけれども、一つには、米国の政府の援助費も、当時、ございましたし、また、いろいろ向こうのほうから予算の執行その他について、当時、いろいろ管理下にあったというようなこともございます。また、離島でありますので、事業費等がなかなか時間がかかるといったような問題がございまして、おくれておりますが、来年度以降は、ぜひ十分指導を徹底いたしまして、消化してまいるよう指導してまいりたいというふうに思います。
 過去の状況は以上のとおりでございます。
#175
○矢追秀彦君 いま言われた数字、かなり、総予算の一五%の八十億なんとなりますと、ただ単に、いま言われた離島であるとか事業費の問題がどうだとか、いろんなことをおっしゃいましたけれども、もっと基本的な問題があるんではないか。要するに、財政の効率が非常に悪いわけですから、結局、予算が今度三百三十六億八千二百二十万組まれましても、この調子でいくと、また相当残るのではないか。いま、指導されていくと言われましたが、もっと基本的な効率の問題があるんじゃないかと思うんですが、その点はどうお考えですか。
#176
○国務大臣(山中貞則君) これは、先ほど申しましたように、米軍が上におって、一々アメリカ側が出す金もありましたし、また、執行にあたっても、日米間の連絡等が絶えず事前連絡を要求されたりなどいたしておりました。それから、ここ一両年移り変わりになりましたけれども、今度は、逆に、四十六年度、向こうの一九七二会計年度等になりますと、変動相場、円切り上げ等によって、差益、差損の理論等がありまして、これは一律に琉球政府の事務執行能力ばかりでなくて、こちらのほうから金を出しまする際の時期がだいぶおくれたという点等もございますから、これはやはり私どもは、その点、琉球政府に迷惑をかけましたので、向こうから、琉球政府から沖繩県に移る場合に、十分にそれらの点を勘案いたしまするとともに、赤字等についても全部たな上げをして、国が責任を持って返済していこうというようなことで、本土の一県になりますと、この消化は大体順調にいけるようになると考えております。
#177
○矢追秀彦君 ところが、いろんな、いま言われた米軍との引き継ぎ等でうまくいかない点がかなり出るんではないかと思うんですが、その点はいかがですか。
#178
○国務大臣(山中貞則君) 大体、引き継ぎ問題は無償であるべきであるという琉球側の意見と、結果、有償として承継せざるを得なかった基本的な立場の違いはあります。しかしながら、その後においては、もうその問題で大体話がついておりますので、ほとんどアメリカとの間のトラブルというものはもうないというふうに考えております。
#179
○矢追秀彦君 まあ、あとで触れますけれども、たとえば福地ダムの建設などは現在のところまだ米側から具体的なデータが出てないようですけれども、引き継ぎをやる場合の。まあ、現在のところ、六〇%強しかできていないと、そういうようなことで、これから調査をされて、さらに、今後の完成を目ざしてやると。アメリカのいろんなダムをつくるつくり方と日本とはかなり違いますし、そんな点でいろんな問題がこう出るんではないかと思うんですけれど、その点いかがですか。
#180
○国務大臣(山中貞則君) この問題は、問題があるとすれば、そのうちの大きな問題の一つでありますが、しかしながら、基本的には工事を完了して日本側に引き渡すというアメリカ側の態度が、実際上工事が遅延しておるために、ほんとうに引き継ぎます場合において、工事が完了していなかった場合は、アメリカ側がその残りの残工事額について金を日本側に残していくということになっております。予算の仕組みの上では建設省の特別会計でそれを受けて、全額国費の特定多目的ダムというものに支出をしていきますので、その辺の引き継ぎはうまくいくものと考えております。
#181
○矢追秀彦君 ぜひ、財政面からきちんと効率的にお願いをしたいと思います。
 次に、沖繩のこれからの経済の問題でございますが、現在、非常に倒産風が吹いておりますが、この実情を通産省から御報告を願いたいと思います。
#182
○説明員(西田彰君) ただいま先生御指摘のように、これまで沖繩には本土のような倒産というような事象は比較的ございませんでしたようでございますが、最近、復帰を控えまして、米軍の撤退その他の関係もございますと思いますが、多少、倒産の事例がございますことは事実でございます。
#183
○矢追秀彦君 具体的にお願いします。――まあ、こちらから申し上げますから、その点について報告してください。一つは、木工業界で大きかった会社が二社倒産をしておりますが、その状況と、その原因についてお伺いします。
#184
○説明員(西田彰君) 私どもで多少の調査をいたした中で、沖繩のプライウッド関係の倒産――従業員三百三十人をかかえました会社の倒産でございます。そのほかに化学工業関係で一、二倒産あるいは操業停止の状況に立ち至っておるものがございまして、従業員数はおのおの百人ないし二百五十人程度の会社でございます。
#185
○矢追秀彦君 あまりよく調査できていないみたいですので、あとで表にして出していただけますか、具体的な名前も入れまして。
#186
○説明員(西田彰君) 後ほど調査いたしまして、先生のところへお届けしたいと思います。
#187
○矢追秀彦君 あまりはっきり掌握されていないので、非常に困るんですけれども、いま非常に――長官にお伺いして恐縮ですけれども、いま木工業界の倒産もございまして、化学関係も少しありました。それから百貨店も一つ閉鎖になっております。そういうぐあいで、かなりいろいろなドルショックの問題あるいは輸出の不振、いろいろな問題でこういう倒産旋風が吹いておるわけですが、これから本土企業が出ていくときにあって、地元の沖繩のかなり中小企業にあたるところ――向こうは大企業はあまりありませんから。そういうのがこういう倒産旋風が吹いておるということは、沖繩の県民にとって非常な不安であると思いますが、これに対する対策はどういうふうにされておりますか。
#188
○国務大臣(山中貞則君) 原因がいろいろありますが、本土でも倒産は依然としてあるわけですから、しかし、中小企業の数は減ってないわけで、形として、その企業の倒産というものは、毎月、統計に出ます。そのような意味における沖繩の倒産もあります。いま一つは、米軍がドル緊縮政策をとり始めましたために、典型的な例として、嘉手納の基地等において、もっぱら基地内に集中いたしておりました建設会社が、そのために受注減によって倒産をした例があります。さらに第三点は、いまお話しになりましたように、復帰を目前に控えて本土の企業の進出合併、そういうようなもの等に伴って、いまの百貨店等はそう大きい百貨店ではありませんが、沖繩の大越百貨店と三越との提携、その他のグループの現地に対する進出の動き、そういうものを関知しながら、現地において流通段階における仕組みの中で、比較的基盤の脆弱であったものが生き残る道が選べなくなったというようなものもあると思います。しかし、国の方針としては法律で規制すべきものはあまりありませんが、運賃同盟等のように、あるいは通産政策として、現地の既存企業に対して直接の脅威を与え、もしくはそれが進出することによって間接的に沖繩県内における既存企業というものが危殆に瀕するというようなことについては、行政指導で進出企業等のチェックをするというようなことにもなっておりますので、本土とドッキングすることによる直接のダメージによる倒産というものは、行政上なるべく避ける配慮をしてまいりたいと思います。
#189
○矢追秀彦君 結局、沖繩経済の今後の方向でありますけれども、やはり最終的には本土の企業にまあ吸収といいますか、含まれてしまうということになってしまうんじゃないかと、このままでは思うんですけれども、その点はどうお考えですか。現在ある沖繩のそういった企業をまとめることも非常にむずかしいといわれておりますし、結局何だかんだしている間に、こういう非常に脆弱な経済でありますから、いつの間にか本土に結局、合併吸収されてしまう、そういうことによってはたして沖繩県民の人たち――私も何回か行きまして、そういった点では沖繩独自の産業の育成ということを財界や地元の産業界の人たちは言っておりますけれども、非常にむずかしい状態にきているんじゃないかと思いますが、それに対して、いまの長官の答弁だと、どちらかというと、本土企業に含まれてしまうというような御答弁に伺えるわけですが、その点はいかがですか。
#190
○国務大臣(山中貞則君) いや、そうではないんで、沖繩の既存企業というものに脅威を与える企業の進出は、これを行政上チェックしていくということ、もちろん税制、金融等の恩典は一切与えませんし、そういうブレーキの役目は果たすようにしたいと思います。ところが、体質上、沖繩が独立国的な形をとっておりますと存在していたけれども、しかし、日本国の一県になりますと、存在しにくい条件下の典型的なものとしては、装置産業的なビールあるいはセメント、製粉、そういうふうな業界等は、何もしないときわめて危険な状態になることはわかり切っております。そこで、これはまあビールのほうは一般の酒税の特例をとることによって、五年間で生き残っていく自信があるということで、その他の酒の製造業者とともに一応落ちついております。しかし、セメントのほうは、やはり地元に豊富な石灰石の山を持ちながらそのままでやっていけないということで、本土の企業との合弁ということが、これはまあアメリカの資本も入っておりますし、成立いたしましたので、何とかやっていける。その他のこまごましたものについては、税制、金融等で、沖繩で現在保護がとられております物品税的なものを、関税がなくなりますから、それに対する税制上あるいはまた輸入割り当て、関税率その他等について特例を開きますので、その間に中小企業の近代化あるいは構造改善、こういうようなものによって経過期間中に体質改善をやっていけば、私はそう大きな被害を受けることはなしに済ませる手段がとり得るということをいま考えているところであります。
#191
○矢追秀彦君 次に、金武湾の開発構想についてお伺いしたいんです。概略でけっこうです。
#192
○国務大臣(山中貞則君) どうも質問が相当大きな質問でどういうふうに答えていいのかわかりませんが、金武湾でいますでに立地いたしております企業としては、御承知のようにガルフが平安座高にあります。さらに琉球政府の許可を得たものとして、同じ石油産業であります三菱並びに宮城島のアラビア石油等があります。したがって、与勝国定公園と申しますか、琉球政府立公園の指定を解除するような状態になりました。これ以上石油産業というものはもう沖繩には立地いたしてもらいたくないという気持ちがいたしておりますが、なお金武湾に今後立地するといたしますと、いま予定いたしておりますものでは、これは中城湾になりますか、まだはっきりいたしませんが、たぶん金武湾になるだろうと思われるものにアルミ製錬があります。まあ金武湾というのは、先ほど申しました一連の、勝連半島から先の離島がつながりますと、相当深いふところの入り海になるおそれがありますから、その自然環境あるいは水産動植物等に被害を与えるおそれのある公害型企業というものの進出は、なるべくとめたいということで考えておりますので、まあ臨海工業型の企業を集中的に金武湾に持っていくことはやめるようにしなければならぬと考えております。
#193
○矢追秀彦君 沖繩アルミでありますけれども、着工が本年の十月で操業開始が五十年一月という予定だそうでありますけれども、現在のアルミの会社の様子からいって、はたしてこの辺でのスタートが可能かどうか、その辺の見通しはどうですか。
#194
○国務大臣(山中貞則君) これは当初どうも私のほうも若干猜疑的な目で見ましたのは、アルコア社の復帰前のかけ込み進出に対抗するために、本土のアルミ五社が業界全体でそういう対抗申請をしたのではないかという気持ちを若干持ったわけであります。しかし、その後積極的な通産省側との話し合い等もありまして、自分たちとしては、目下のところ業界の不況が続いておるけれども、やはり沖繩のために自分たちは立地しようということで、法律が通りますと、本年度の融資予定をいたしております沖繩振興開発金融公庫の融資の対象にもいたしておりまするし、その他の特定鉱業所としての租税特別措置の対象等にもいたしておりますので、これは当然沖繩に立地してもらえるものと考えております。
#195
○矢追秀彦君 次に、金武湾のもう一つ南にあります中城湾の問題でありますが、これに対してはどういう計画をお持ちになっておりますか、わかる範囲内でお伺いしたい。
#196
○国務大臣(山中貞則君) いまのところ、すでに東洋石油、エッソ、こういうものが金武湾には位置しております。したがって非常に埋め立てやすいところでありますから、そこを臨海工業地帯にしたいという地元の要望等もいろいろ聞いておりますが、一応政府としてそれに対して取り組んでおるものは、泡瀬を中心とする相当大規模な港湾の建設、これに伴って、その港湾に付随する自由貿易地帯、フリーゾーンというものを考えておるわけであります。なお中南部、ことに中城湾の内陸一帯は非常に人口稠密地区、住宅地区でありますから、ここに臨海工業型の企業の誘致はあまり好ましくない、できれば、糸満に松下電器が土地をすでに取得してドルショック等によって出足が鈍ってはおりますものの、そういうような内陸型の、しかも雇用貢献度の高い、あるいは関連産業に現地において貢献する付加価値の高いものを誘導してまいりたいと考えておる次第であります。
  〔主査退席、副主査着席〕
#197
○矢追秀彦君 ここはいま言われたように埋め立てにはかなりいいと思いますし、特に琉球海溝につながっておるところでありますから、消波能力がかなりあります。ただ、いま言われたように、問題は公害ということが非常に大きな問題になりますので……。その前に、いま泡瀬の問題をおっしゃいましたが、泡瀬では米軍基地がございます。通信隊ですか、これはやはりホワイトビーチあたりへ移さないとまずいと思うんですが、この開発にあたっては、その点はいかがですか。
#198
○国務大臣(山中貞則君) 四十七年度は調査費をつけておりますから、もちろん米軍墓地があることも承知の上で泡瀬を予定いたしておるわけであります。というのは、現在の海図等から判断をして、泡瀬の地先海面が非常に大型海湾を設計するのに理想的なリーフの状態になっておりまして、反面それが深い入り江にも直接つながっております。これは当然沖繩経済の発展の、東側に大型港湾が一つもないというようなこと等も基本的な問題として解決しなければならない問題でありますから、これは対米折衝等は、当然話が具体化するに従ってアメリカさんに御遠慮をしていただくということに前提を置いて、どんどんこちらのほうとしては計画を進めていく決意を持たなければできない仕事であると考えております。
#199
○矢追秀彦君 次に、観光の問題でありますけれども、現在の観光客の状態、少しはふえてきておりますけれども、ずっとこの間、十数年来伸びてきたわけでありますけれども、まあ数がふえたから、じゃ、今後沖繩に観光客がはたして復帰になってふえてくるかどうかは疑問だと思うわけです。というのは、この観光客が買いものして帰る中身というのは、どちらかというと、いわゆるアメリカのものが多いのじゃないか、いわゆる沖繩そのもの、まあ、みやげ品が多いわけですが、かなり内容はいわゆるドルで買える魅力というか、そういうものが多いような感じがするのですけれども、もしその辺のデータがございましたら、ひとつお示しいただきたいのですが、なければやむを得えませんが、そのデータと、それから今後、沖繩の観光が、はたして、海洋博をやられますけれども、私はそんなに甘くないのじゃないかと思うのです。その点はいかがですか。
#200
○国務大臣(山中貞則君) その観光客の年次別推移は事務当局に説明をいたさせますが、確かに沖繩の今後は観光立県が大きな柱の一つである、これは地元の希望でもあり、日本列島の最南端の亜熱帯地域であるということで、私たちも考えていかなければなりませんし、人の住んでいるだけの島が四十六もある、沖繩本島そのものも離島であるという状況を考えますと、やはり海洋性レクリエーションを中心とした観光になると思いますが、現状では、沖繩に対する観光客がふえているのは三つ理由があると思います。それは、日本国でありながら外国旅行のような気持ちが、逆にいろいろ制限がありますけれども、外国旅行みたいな気持ちがする。第二は、やはりハワイとかグアム、このごろはやりになっておりますが、それに似たような感じを沖繩は持たしてくれる。第三は、ショッピング観光の魅力、その三つだと思うのです。したがって、今後沖繩の観光立県の柱にする、肝要な忘れてならないことは、まず当面はこのショッピング観光というのは人間だれしも安くていいものは買いたいわけでありますから、この気持ちはどうしても尊重しなければなりませんし、五年間は沖繩の現在の外国扱いの数量の範囲内におけるショッピング観光はそのままの税制として特例を残しますし、賛否は別として、現実としてはアメリカの関係者がたくさん住んでおりますので、ドルを使用し、ドルによって買いものその他ができるような道も残しておきますし、これらのことによって経過的なショッピング観光の魅力は残せるものと思います。他面、ほかの要素である、手軽に外国旅行の感じがするのは、もう復帰と同時にそれは消えてなくなるわけでありますから、これはもう要素に数えられない。それから手近なハワイ、グアムというような感じというものは、やはりこれから沖繩に本土の人たちなり外国人が行きます場合、そのようなイメージに合うような施設、設備等が官民を問わず進められていかなければ、魅力は、とてもハワイやグアムにその意味では及ばないわけでありますから、私たちとしてはそういう点を配慮していかなければならぬことであると考えます。その意味において、沖繩の社会資本その他がおくれておりますから、今回の海洋博というものは、その事柄そのものがやりよういかんによって今後の沖繩の観光に大きな貢献をいたすものでもあり、それに対する先行投資も当然道路港湾等に集中をいたしますから、おそらくそれは沖繩の観光の大きな貢献になる一つの要素であると考えておるわけであります。
#201
○政府委員(田辺博通君) 観光収入の統計、実はこれは琉球政府の正式の統計のものはやや古うございまして、あるいはお手元にも、すでに御存じかと思いますが、最近二〇%から三〇%観光収入が上がってきております。
 それから御指摘のありましたみやげ品、観光みやげ品として本土に持ち帰ってきているものの数量、これは何と申しますか、基礎データがありませんのでつかめないところでございますが、ただ、御指摘のありましたように、復帰後こういうようなみやげ品の魅力というものが一挙に失ってしまわれては観光上も重大な問題でありますので、すでに御存じと思いますが、先国会で通りました沖繩復帰対策特別措置法に基づきまして、所定のもの、たとえば洋酒であるとか身辺用細貨類、ライター、万年筆、腕時計、そのような特殊な品目につきまして、現行の沖繩における関税を実際に据え置くような程度で、いわゆる観光レート、本土へ持ち帰る際に、出域をする際にその税差分を払い戻すという手続でいま準備を進めております。
#202
○矢追秀彦君 それでは次の問題、いま少し言われました海洋博の問題でありますが、結局この海洋博のあり方がやはり大きな問題となります。いろいろ意見も出ておると思いますが、大体最終的にきまるのはいつになりますか。大体の規模ないし――わかりませんか、わからなければいいです。
#203
○国務大臣(山中貞則君) 具体的には、いま通産省のほうでいろいろと各省の考え方というものを集めておるようでありますが、これはもう大体、ことしの相当早い時期にきめませんと、予算措置その他が三年間で全部終わらなければなりませんので、なるべく早い時期に内容を明らかにして、財源措置その他も海洋博協会の分も含めて検討に入りたいと思います。
#204
○矢追秀彦君 やはり沖繩で私としてお願いしたいことは、この海洋博のあと地の利用のあり方、結局、博覧会自身はもちろん成功させなければなりませんけれども、やはりあとが非常に大事でありまして、沖繩特別国会のときにも、永久的なものというようなことの構想が幾つか出ておりましたけれども、ぜひあと地をきちんとしていただきたい。最初からやはりあと地のこともきめておいたほうがいいのじゃないかと思うのですが、その点はいかがですか。万博の場合にも、あと地利用は相当がたがたしているようでありますので、その点はいかがですか。
#205
○国務大臣(山中貞則君) これは初めから沖繩においてはよく考えなければならないこととして、昭和五十年が終わった沖繩は火の消えたようになるということではとてもいけませんので、やはり沖繩における海洋博のテーマの設定、それぞれのプログラムあるいは内容というものは十分気をつけなければなりませんし、やはりそのあとに一般の観光客がさらにつえを引くような施設にしたい。さらにまた、そこの施設に関しては、人類のいまだいどんで解明できない神秘の一つである海洋科学研究に対する研究機関というようなものを、沖繩にはぜひこの機会にはつくって残したい。これになりますと、内外の関係学者というものが、日本、そうして沖繩、日本の沖繩というところに、海洋開発研究の相当なすぐれた世界的に注目すべき施設が残るということだけでも、これは沖繩の未来にとって相当大きな貢献をする学問的な所産になるであろう、置きみやげになるであろうと考えているわけであります。
#206
○矢追秀彦君 いまの構想の中に、ぜひできましたら海洋大学までつくられてはどうか。
 それからもう一つは、やはり沖繩の水資源、これはあとで聞きますが、非常に問題でありますので、やはりできたら海水の淡水化の装置、これをここで、この海洋博にひっかけて開発をして、それをあとで使えるようにする、これは非常に沖繩としての試みとしてはいいのじゃないかと思うのです。
 その二点をひとつ要望したいと思います。できましたらひとつ答弁を願いたい。
#207
○国務大臣(山中貞則君) いまのようなことも、もちろん検討の対象に入っておりますが、さらに百五十人乗りのホーバークラフトを海洋博協会が持って、会期期間中は那覇港から本部半島の渡久地港あたりまでピストン往復するようなことをした後は沖繩県なり離島市町村に寄付をいたしまして、それによって離島の足の確保というようなことに残したらどうだろうか、いろいろ知恵を出しておりますので、アイデアがありましたら、またいずれ御高見御披瀝願います。
#208
○矢追秀彦君 いまいろいろ申し上げましたが、要するに沖繩のこれからの沖繩県づくり、これからの経済をどうしていくか、復帰に伴って、要するにこれからの開発の計画というのができるわけでありますけれども、実は、きのうの共同ですね、これは経企庁の関係になりますので、長官御存じだったらお答えいただきたいし、もし御存じでなければけっこうでございますが、琉球政府の企画局長が上京されて、二十五、二十六日の両日に経企庁でいろいろ今後の開発計画の、沖繩総合開発の基本構想の協議を行なう、第一回の協議ですね。こういうふうな中で、まあ、いろいろ出ておりますが、結局これからいろいろ詰められていくと思いますが、問題は、この沖繩経済振興開発計画が早くきめられないと意味がないと思うんです。御存じのように、昨年通りました法律に基づいて計画を出すことになっております。ところが、この計画が早く立たないと、現在いろいろ仕事が、道路にしても港湾にしても、まあ、いろんな、ダムにいたしましても進んでおりますけれども、やはりこの基本計画がきちっと出ないと意味がない。一九七〇年琉球政府から、この長期経済開発計画というのが出ておりますけれども、これは十年後にまず基地がなくなるという前提からつくられていることは御承知のとおりですけれども、それと現在の状況、それから、復帰になって、まあおそらく県知事選というのが終わらなければこの計画も本格的なものにならないと思うのですけれども、しかし、あんまりのんびりしてこの年末あたりになってきた場合は、いろんな面でひずみが出てくるのではないかと思いますので、まあ、上京がされてこれから詰められていきますけれども、私としてはこれは非常に早くつくらないといけないと思うのですけれども、その点のめどはどういうふうにお考えになっておりますか。
#209
○国務大臣(山中貞則君) いまの、経企庁の話は私は知りませんが、おそらくそれは新聞に、経企庁長官が、沖繩復帰後一カ月以内にいわゆる沖繩の一ブロックとしての新全総の位置づけをやるという会見をされたものですから、そういう、ことで、びっくりして連絡か何かきたんだと思いますが、それは、その後、木村長官と私、相談をいたしまして、やはりこれは第二問である沖繩の十カ年計画の原案作成者は沖繩県知事でありますから、やはり復帰後一カ月というと、まだ、五十日以内に選挙をやらなければならない沖繩県にあまりよく相談もしないできめることになるおそれがある。したがって、やはり県民の意思による新しい沖繩県、沖繩県議会が選挙で選ばれたあと、そういう新全総計画も沖繩側と相談をしてきめようじゃありませんかということで意見が一致いたしておりますから、この点は氷解すると思います。
 そこで、第二問のことにも入ったわけですけれども、沖繩の振興計画の作成者は知事でありますから、その知事が新しく選ばれた方によって新生沖繩県の未来を描いてもらわなければなりません。このタイミングは、それを待たなければしようがないですけれども、一方、本年度予算は十カ年計画の初年度とするということになっておりますから、四十八年度、来年度予算になりますと、もう大体八月末に大蔵に原案を出して締め切る時期が参ります。ところが、知事選挙が終わって、その間に、第二年度となるべき実際上の十カ年計画の内容に入る予算をその前に要求しておくことも、またこれはむずかしい問題でありますから、やはり本年度の予算要求締め切りにおいて沖繩予算は若干ずらしましたように、この新しい振興開発計画の第二年度にふさわしい予算であるかどうかも含めてこの計画を早く決定をして、そしてその第二年度としての予算要求をしなければならないと思いますから、ことしも沖繩県の予算というものは開発庁が少しおくれさして作成をする、しかし、それもいつまでもおくれるわけにはいきませんから、十月ぐらいにはそういう計画の作成と予算の提出ということをしなければならぬだろうと思っております。
#210
○矢追秀彦君 結局、そういう状況ですから、最初に申し上げた、また使い残しという問題も出てきますので、やはりこれはもちろん県知事から出てこなければなりませんので、こちらでどうこうというわけにはいかないと思いますけれども、本土からできるだけの技術的な面の応援ですね、希望をつむような圧力はいけないと思いますけれども、それはぜひお願いをしたいと思います。そういうところで、この振興開発計画に基づいて審議会の議を経て総理大臣がきめるとなっておりますけれども、結局、こちらへ、内閣へ提出された時点で相当の大幅な変更ということもあり得るのか。だから、結局、八月に予算の締め切りですから、やはりその辺で、ある程度大蔵省から先にワクのようなものが出てくるんじゃないか。その場合、非常に、そのあとでこの長期計画が出てきた場合、いろんなトラブルが起きるんじゃないか、その場合は補正で処理をされるのか。それとも、そのワク内で第二年度は少し待ってもらう。そうすると、第三年度から本格的に計画的なのを進めると、こういうことになって二年間もブランクが起こると、こういうことになるわけですけれども、その辺はいかがですか。
#211
○国務大臣(山中貞則君) これは、ことしの予算の要求のときにも沖繩予算だけは時期もおくれますし、他省庁が対前年度比二五%増以内というワクをかぶせられましたけれども、沖繩予算は例外であることを閣議ではっきりといたしております。したがって、ことしの場合も、経常的なものはこれは八月末に出せると思いますが、沖繩振興開発計画の第二年度たるべき予算については、やはり時期についても沖繩予算はおくれて出してもいいということで、しかもワクについても既定の一般各省庁の対前年度比増というようなパーセントに縛られないということでやっていかないと、これはおっしゃるように、結果は四十八年度も計画の実際上の中の二年度にならないというおそれがありますから、その点は十分、政府として全体で配慮していきたいと考えます。
  〔副主査退席、主査着席〕
#212
○矢追秀彦君 次に、水資源の問題に移りますが、現在の水の需要と供給の関係についてお伺いしたいと思います。どのような状態になっておりますか。
#213
○政府委員(岡田純夫君) 現状を、これは琉球政府の申しておるところの現状のほうから申し上げます。
 生活用水が二十五万七千トン、それから工業用水が七万二千トン、合計いたしますと三十二万九千トンというのが現状である、こういうふうに現地のほうでは申しております。
 それに対しまして今後の見通しの問題。これは通産省なり厚生省なり、両方に尋ねて固めなければならない問題だと思いますけれども、今回の予算その他からあれいたしまして、福知ダムの問題、これが十二万五千トンというように一応予定いたしております。それから北部の三ダムの関係、これが今回の予算から、通産、厚生ないし琉水公あるいは建設関係が協議いたしましてスタートいたしますものが十二万七千トンといったようなことでスタートいたしております。それから西系列の開発をどの程度見込むか。その前提として、まあ、そういったようなことを見込みまして五十八万一千トンぐらいを目標にする。一九八〇年の需要、これはまだ十年先のことでございますので、もう少し詰めませんというと何とも申しかねるのですけれども、生活用水、工業用水その他全部含めまして五十五万トンぐらいは必要であるというふうに目標を立てて、そういう目標のもとに本年度予算その他を作成してまいりたいと、こういうふうに考えております。
#214
○矢追秀彦君 それに対して水源の開発可能量が、これは通産省からの報告ですけれども、いま言われた数字と少し違いますが、これは上水道と工業用水だけですが、一九八〇年度は八十一万トン、一日に。だから新規に五十数万トンの水源が必要でありますが、このままでいくと一九八〇年には四十万トンパーでいいと、こういうふうな程度であると、こういうことになっておりますので、ちょっとこの水資源のほうが足りなくなるわけでありますが、この辺については今後促進をされますか、それとも工業用水のほうを制限すべく、いわゆる工場関係をとめていくのか、つくるのを。その辺も結局その経済の長期計画との見合いが非常に問題になってくると思うんですけれども、その点はいかがですか。
#215
○政府委員(岡田純夫君) いま具体的に予算化いたしておりますものは、東系列の北部三ダムないし福地ダム等になりますが、今後西系列のほうの調査等を進めてまいることになっておりますので、そういうものを含めまして、全体構想が立てられていくということに考えております。
#216
○矢追秀彦君 もう一つは、この水が足りないだけではなくて、今度は、たとえばダムがかりに開発をされたとしても、それの供給体制のほうがこれまた問題になるわけですが、その前に、いま言われた福地ダムですが、先ほども少し触れましたが、これは非常におくれてきておると。それから技術がやはりアメリカの技術会社がやっておりますので、そのあとでいろいろ問題が出てくるのではないかと思いますが、これが完成しますとどの程度解消されるのか、まず。それから貯水量が出ておりますが、今度それを実際供給する体制というようなものをつくっていかなくちゃいけないと思いますので、その辺がどうなっているのか、お伺いしたいんですが。
#217
○国務大臣(山中貞則君) これは矢追委員の言われる数字と私どものものと違うように聞こえますが、実はそうではないんで、大体需要の見通しを立てまして、それに合うような取水計画を立てておりますから、北部の福地ダムを含む安波、普久川、新川、こういうところのダムは全額国庫で完成をいたしまして、それを石川浄水場まで十分の十の国庫補助で運びます。それからのちは簡易水道が三分の二、上水道が二分の一ということで、いずれをこれが完全に話がまとまっておりますので、これらはやはり大体が飲料水を主とし、工業用水を従とする。しかしながら沖繩開発のための工業用水の確保も、きちんと積算をしておくということで、いまの大体のテンポでまいりますと、予定どおりの水量の水の確保はできる。しかしながら、そのために、なおかつ北部の山岳地帯の西側の水量も、ある程度調査を始めまして、これもまた開発備蓄のためにやるということでやっておりますから、大体、水の問題も、工業用水も含めて解決すると思います。
#218
○矢追秀彦君 時間があまりありませんので、飛ばしていきますけれども、福地ダムの問題はさておきまして、北部方面の開発ですね。南部のほうはわりあいいろんな点でされていくと思いますが、北部のほうが非常にこれから問題になると思いますし、特に水資源などは北のほうが大事でありますので、北部の開発というものについてどういう構想をお持ちであるのか。できましたら、具体的な問題としては縦貫道路の問題、それから辺野古から辺戸岬までの道路の舗装、こまかい問題になりますが、それから宮古島本島と池間島を結ぶ水道の海底パイプライン、この辺も含めて、この北部に対してはどういうふうに開発を進められようとしておるのか、その辺をお伺いしたいと思います。
#219
○国務大臣(山中貞則君) 北部の開発では相当な可能性を秘めておりますものは大浦湾だと思います。この問題は大浦湾の入り口に相当巨大なリーフがありますので、これをどのように今後計画とともに水路をあけていかなければならないか。それと辺野古崎のいわゆる軍用地の問題、これら等も含めて東海岸においての開発の可能性は大浦湾にあると思います。
 さらに、西のほうでは本部半島が海洋博の会場になりますから、この問題は別として、本部に最近相当な伏流水があるということが言われ始めましたので、この調査を急ぎたいと思います。
 さらに、全体の北部は山岳地帯でありまして、わりと村の数も少なく人口も少のうございますが、それだけにまた道路等に対する要望がきわめて強うございます。したがって、辺戸から大浦湾までおりてまいります東側の道路については、これについて全額十分の十の復帰記念道路を開通させますので、これは来年度予算で完全に終了いたしますから、これを終了させて後は、やはり国道編入等の問題も考えて、国がめんどうを見ていく道路にしたいと考えます。
 さらに、池間鳥と宮古本局との間の問題は、四十七年度予算から国の十分の十補助で海底送水管の建設にかかりますので、地元負担もなくなりますし、急速に池間島の水地獄はもう解消されるというふうに考えております。
#220
○矢追秀彦君 いまの池間島の完成は大体いつごろになりますか。
#221
○国務大臣(山中貞則君) ことしの夏を目ざして工事いたしております。
#222
○矢追秀彦君 いまの海底パイプライン。池間島と宮古本島。
#223
○政府委員(岡田純夫君) 池間島の関係につきましては、全体事業費、ただいま大臣言われました一億一千六百万円ですが、そのうち国庫補助と申しますか、四十六年度は復帰対策としてやっておりましたから、三分の二でございました。七千七百万円。で、裏負担づきではございますけれども、裏負担のうち市町村負担につきましては地方債を七五%、すなわち四分の三、地方債をつけるということにいたしておりますので、財政負担はほとんどないこともないと考えるが、きわめて少ないものと考えております。
#224
○矢追秀彦君 いや、完成の時期です。
#225
○政府委員(岡田純夫君) 完成の時期は、先ほど大臣の言われましたように、この夏を……。
#226
○矢追秀彦君 次に、もう一つ、細かい問題になりますけれども、那覇にございました英語センター、これが現在閉鎖されましたが、その間の経緯と理由をお伺いしたい。
#227
○国務大臣(山中貞則君) これは大蔵、外務のアメリカとの折衝によって日本側が引き継ぎました。したがって、これは国有になるわけでありますが、国はこれを持つ必要もまた理由もありませんので、沖繩県なりあるいは地元那覇市なり、そういうところの御希望がありますれば無償譲渡をしたいと考えております。
#228
○矢追秀彦君 現在、もうすでに琉球政府のものになってそれで解消されたと、こういうように承知をしておるのですが、いまの答弁と少し違うように思いますが、どうでしょうか。
#229
○政府委員(田辺博通君) これはすでに琉球政府のものになっているというわけではございませんで、この運営費等につきまして、昨年からアメリカのほうで、もうやめたいというようなことを申しまして、それで、ことしの春まで一応琉球政府に運営をさせていただく。ただ正式には、正式と申しますか、所有権というような問題から申しますと、復帰とともにわが国が資産を引き継ぐべきものの中の一つに入っておりますが、これは国有財産になるわけでございますけれども、それは県がいま意向があるようでございますが、復帰後も引き続き同様の運営をしたいということであれば、当然県に引き渡しをする、こういう予定でございます。
#230
○矢追秀彦君 非常に存続を希望する方も、ある程度ございまして、その辺をよく、ただ財政が負担であるからなくする――最初は昨年の四月十三日に米民政府からは財政上の理由によって六月で打ち切る、こういうふうなことを言われて、それで琉球政府に、いま言われたように運営が引き継がれたと思うのですが、結局、今年の三月三十一日の時点でこの英語研修分室を廃止をして、非常勤の職員も全部解雇した、こうなっているのですが、非常に存続の希望もありますので、今後、復帰になったあと県と話し合いをして、存続するかしないか、現地の意向を中心としてもう一回再検討していただきたいと思うのですが、その点はいかがですか。
#231
○国務大臣(山中貞則君) 私も、英語センターの教官と申しますか、そういう人たちと一緒にいろいろと意見を交換いたしました。その際、やはり地域の方々が、非常に沖繩県内において希望者がある。琉球政府は、しかしそういう運用をする気があるかないかについてはまだわからないということでありまして、したがって、もしそういう希望者の方々が何か法人組織でもおつくりになって、そして自分たちで運営したいということでありますれば、現在の施設設備はそのまま無償で沖繩県を経由して貸与することはできると思いますから、そういうことを基盤にして、いかようにでも地元の御希望に沿うようにいたしたいと存じます。
#232
○矢追秀彦君 もう時間が終わりですから、最後に、官房長官がおられれば、よかったのですが、お伺いしたいのですが、実は恩赦の問題でありますが、現在、官房長官と法務省との間に協議をされている沖繩恩赦ですね、御承知のように参議院では野党が、選挙違反を除けと、こういう決議案を土曜日に提出をしたわけでありますが、総務長官は沖繩のことは非常によく御存じでありますので、沖繩県民の気持ちとして、はたして本土の人も対象にするのがいいと思っているのかどうか。それからもう一つは、選挙違反。この二つの段階で考えるべきであると思うのですけれども、その点についてはいかがですか。また、今後閣議等で総務長官としてはどういうふうな態度、御意見で臨まれるのか、それをお伺いして終わりたいと思います。
#233
○国務大臣(山中貞則君) これは、国家的な慶祝すべき行事であるかどうかの判断を、沖繩県民がどう受け上取っておるかに前提を置くことは、たいへん必要だと思います。しかし、いろいろの立場の表現の違いはありましても、では異民族支配のままで今後もおっていいかという問題については、ひとしくノーであることは大体間違いのない県民世論であると私は思っておりますので、いろんな問題があって、すなおに喜ぶ気になれないという沖繩県民の気持ちは、大事にしなければならないと思います。しかし、これが国家的なお祝いの行事ではないかと言われますと、またこれも、これは国家的な喜びではないと言うのは少し即断に過ぎるような気もいたします。
 ただし、それに対して恩赦、復権等の、どのようなことをやるのか。政令恩赦をやるのか、あるいは本土を含めるのか、沖繩だけやるのか、沖繩の場合には、公務員等の懲戒免除等に関する法律等を沖繩の公務員だけにやるのか、こういうような問題等については、まだ私は全然相談もあずかっておりませんし、また、私が積極的にその問題で主導権をとるべき問題にないと判断をいたしておりますので、私としては目下その推移を見守っておるというところであります。
#234
○栗林卓司君 総理府の予算の中を見ますと、新生活運動助成費、統計調査費、青少年健全育成対策費あるいは日本学術会議の費用、こういったものがございます。それぞれ意見を交えながら御見解を伺いたいと思います。あわせて、行政管理庁関係になりますが、省庁の削減あるいは定員の削減の問題について御見解を承ってまいりたいと思います。
 まず最初は新生活運動でございますけれども、この協会ができたのは、御承知のように昭和三十年八月、鳩山内閣の時代でございます。目的は、ということで見てまいりますと、国民みずからの創意と良識により物心両面にわたって日常生活をより民主的、合理的、文化的に高あることをめざして行なう新生活運動であって、全国的な規模において総合的、有機的、継続的に盛り上げて、健康で住みよい新日本の建設に寄与していきたい、こういうことの趣旨、私も賛成でございますし、これまでの関係者の御苦労には敬意を表したいと思います。
 ただ問題は、この助成費として三億二千二百万円が計上されておりますけれども、この運動というのは本来民間の運動なんだろうか、それとも政府が指導する運動なんだろうか、この点の御見解はいかがでしょうか。
#235
○国務大臣(山中貞則君) 私は就任いたしまして、総理府にはまことにたくさんのいろいろな分野があるのでありますから、一説には掃除夫雑務長官というあだ名があるくらいです。
 そこで、いろいろ目を通しているうちに、新生活運動が、いまおっしゃったような時期に鳩山内閣において、新生活運動としての国の施策というものを踏まえて、しかしこういう運動は国が直接やるべきものではない、そこで民間の人たちにこれをやっていただく、しかしながら、それに対して、民間だけでは無理だろうから、それらの事務職員等について、当初二十八名でありましたものをいまは減らしまして二十四名にいたしておりますが、これについて国費で補助をするというような措置をとって、まあ半官半民みたいな形になっていると思うのです。しかし本質は、おっしゃるとおり民間がみずから行なうべき運動というのが私は本質だと思います。
 したがって、それらの点を疑念に思いましたから、私としては、必要のないものである、そういう結論がもし出るならば新生活運動補助を打ち切ろうと思いまして、新生活運動の過去の十数年にわたるあり方を全部検討いたしてみました。なるほど、悪いことは一つもしておりません。全部いいことばかりであります。しかし、新生活運動協会というものがなかったら日本はまっくらやみになるかといえば、どうもそうでもなさそうな、私としては、はっきり申し上げて惰性に流れた運動を続けておるように見えました。
 そこで、今日の時代において、国家的に新生活運動というものをやっていただくにふさわしい内容に変えてもらいたい、それができないような体質であるならば廃止したい、こういうことを考えまして、高橋雄豺先生をはじめりっぱな方がそろっておりますので、私の部屋で激論を相当いたしました。その結果、たとえば、その後大きな問題としては、交通問題というのは平和日本において「戦争」という名前をつけてみんな呼んでいるほどの大問題である。そういう場合に飲酒運転の禁止あるいは、やめましょうというような運動がまず民間から起こるとすれば、ここらあたりから起こしてもらわなくちゃいかぬのじゃないかというようなこと等で、全面的に体質改善をして、国の施策あるいは国民の要望する施策に沿った、先取り新生活というものができるように、大体において意見が一致いたしましたので、それから私も、しからば予算措置をいたしましょう、こういうことにして、出発いたしましてから十何年たって、初めて新生活運動も一体これでいいのかという反省をする機会を得たと思いますが、いまは非常に役に立つ組織になっておると考えます。
 しかしまた、これを監視の目を離しますと、惰性で予算だけをもらって、悪いことはしないが、そう国がどうしても必要だということかどうかわからない、いいことをやっているという程度の団体に陥る可能がありますから、それはやはり常時、その存廃も含めて検討していくべき問題だと思っております。
#236
○栗林卓司君 いま長官から、半官半民の性格のものであるというお答えがございましたけれども、予算的に見ますと、半官半民ではなくて全部国まるがかえの団体だ。当然、民間の有識者の方々の、忙しい中での御参加という意味で御労苦はあるわけですけれども、半官半民という限りでは、少なくもその予算面でも、ぎりぎり目一ぱい譲っても半々だという、これは常識論だと思います。その意味で、いろいろ御検討されたお話はわからないわけではございませんけれども、まるまる国がまるがかえでやる運動が、この種道徳運動としてなじむのだろうか。たとえば宗教と政府というのは、厳格に分けております。これはやはり政治のたてまえの問題だと思います。その意味で、こういうたいへんりっぱな道徳運動も、民間の中から、しかも民間の浄財をもって、ほうはいとしてわき起こってくることはこれは歓迎するにやぶさかではございませんけれども、まるまる税金でということになると、やはり穏当を欠くのではなかろうか。
 いま、たとえば酒酔い運転の防止等々ということばがございました。それは十数年の歴史を踏まえながら、何とかいまの状況に対応した課題を追ってということだとは思いますけれども、じゃ、そういう交通安全の問題について、国として機関を持っていない、あるいはその種に関する半官半民の団体がないかというと、これは厳然とあって、それぞれ努力をされているわけです。その意味ではいろいろ御苦労があったとは思いますけれども、やはりここで思い切ってまずやめてしまう、これが全額国まるがかえである以上は、一番わかる結論ではないかと思うのですが、重ねてお伺いいたします。
#237
○政府委員(吉岡邦夫君) ただいまの御質問の中で、国まるがかえという御質問がございました。
 確かに新生活運動助成費そのものは、約三億に近いお金でございますが、数年にわたりまして全額国から出しておるという形になっております。しかし、これは新生活運動協会から地方に再び流れまして、地方に設けられておりまする地方協会あるいは地方協議会を通じてそれぞれの末端に流れるわけでございます。また一部は中央協会の直轄事業として運動をやっておるわけでございますが、地方に流れた経費のうち、大体それに見合う経費、概算いたしますと一億六、七千万円の経費でございますが、これは都道府県がそれぞれ独自に、新生活運動に共鳴する運動について経費を上積みする、あるいは地方協議会、地方協会が自分たちで会費とかあるいは寄付金等を集めまして、大体一億六、七千万円の金をこれに上積みしているわけでございます。
 ただ中央協会で使う経費、先ほどの人件費、事務費等あるいは交通費等でございますが、これにつきましては、いままで自分みずから経費をかちとるという方向が打ち出されていませんでしたが、昨年来中央協会も、国の助成金だけにたよらないで自分で経費を集めるというほうに運動を変えつつございます。将来、国の補助金だけにたよらずして、むしろ地方経費あるいは協会独自で集めた経費のほうが多くなるのではなかろうかと思うわけでございます。
#238
○政府委員(山中貞則君) まあ予算の内容については話をいたしましたが、それでもやはり予算的な仕組みを見ますと、上意下達みたいなふうになるのですね。
 それで、国としてはやはりいまの、これは私の考えですが、世の中の一般社会通念的な意味における社会連帯意識、あるいは核家族化ということばの裏にひそむ一人一人の年寄りなりあるいは子供たちなりの孤独な社会、こういうものが、社会奉仕とか地域への奉仕、国家への奉仕とかという気持ちと非常に離れていくようなものであると私は見ております。そこで、新しく下から盛り上がるようなものとして何があるか。やはり学校の校長先生など長いことしてやめられて、そうして地元では公民館長とかいろんなことをしておられる方であって、人目につかないで、自分の意思でもって近くの公園の清掃をやったり、目に見えるものとしては共同募金等に学生たちと出たり、いろんなことが世の中には、実は探せばあるわけなんです。しかし、これをばらばらでやっておりましては、それはその人だけに埋没された行為として、ときに新聞等で報道されて人々の目に触れることはありましても、有機的な国家の中の社会人意識の啓蒙、涵養には役立ちません。
 そこで、私としてはいろいろ考えましたけれども、それらの人たちを、社会奉仕員というような考え方のものにならないだろうかということで、ずっと学生時代の募金活動から、そういう公のために尽くした時間を記入する手帳を持たせまして、そうして一生に千時間、あるいは五千時間、一万時間というふうになった場合に、銅メダル、銀メダル、あるいは金メダルというふうに、その人の、人目につかない、しかも地域に対する黙々とした人間の美しさというものに対する、追っかけたことではありますが、追っかけ仕事であっても、それをだれかが国家的に気がついているというような組織にしたいと思って、いまその具体的な展開をしておるところであります。
#239
○栗林卓司君 あえて念のためにお伺いしておきますけれども、いま言われた、たとえば核家族の問題、奉仕のことも当然入ってまいりますし、それから、公民館長としてあるいは公民館の業務を通じて努力をされている方々、こういったものを、政府としてどこが一番主管しているのだということになると、これは文部省ということになり、文部省というのは学校教育と社会教育と二つの柱がありまして、どちらかというと学校教育に片寄っている面はありますけれども、あるべき姿からいうと、成人教育ということを根幹にした社会教育をこれからどんどんやっていかなければいかぬ。また、先ほどの酒酔い運転の問題にしても、交通安全運動の一環として、当然これは警察庁を中核にして取り組んでいかなければいけない。
 そういったものの中で、総理府の立つ立場が、いわばかなめ的な立場に立つからということかもしれませんけれども、結果として昔から続いてきたのだから、それをここで生かしてということになると、屋上屋になりはすまいか。趣旨はたいへんけっこうなことなんです、このせちがらい世の中で無償の奉仕をしていこうということですから。何らか社会として、それは気がついている、また、ささえてやらなければいかぬ。とはいうものの、やっぱりそれが国費を使って、しかも、いろいろ一部は一億何千万とかお話がありましたけれども、相当部分はやっぱり都道市県の、地方公共団体の予算支出ということでしょうから、大きく見れば全部公費まるがかえ。それでいいのだろうか。
 なぜこんなことくどくど申し上げるかといいますと、別にひねくれて見ているわけじゃありませんけれども、四十六年度の活動方針を拝見いたしますと、たとえば生活学校運動というのがあります。何をやるかというと、過大包装や、ごみ処理問題に対して住民が気をつけよう、これはほんとうはいまの政策課題からいうと、住民が気をつける前に、やるべき政府の課題があるんだろうと思うのです。また、新しい町づくりということがうたってございます。何をやるのかというと、コミュニティをつくりたい、じゃ、それではいまの三割自治の姿はいいのか、あるいは過密過疎が進んでいる現状はいいのか、そこらのほうが、よりすぐれて政府が取り組むべき課題だと思いますし、同じ論でいけば、明るい職場づくりということも、じゃ中小企業の経営環境をどうやってよくしていくのか、あるいは雇用関係をどうしていくのか、それぞれの所轄する官庁が当然取り組まなければいけない、政策課題でやっていかなきゃいけない――以下、るる申し上げません。結局そういったことを、政府がやるべきことをやらないしりぬぐいを、国民に押しつける運動になりかねない。しかも全部これが、もとはといえば国・地方を問わず税金である。やっぱり抜本的な再検討の必要は私はあると思うんです。
 そういう観点から一つお伺いしたいのは、目的にさかのぼってまいりますと、この新生活運動そのものが、新日本の建設に寄与するとあります。この新日本というものの背骨になる部分は何だろうかといいますと、私の意見のほうから申し上げてしまえば、日本国憲法だと思います。ほんとうは、道徳運動というのは民間にまかせるべきであって、政府がやるべきことは、集会結社の自由あるいは表現の自由といった、日本国憲法そのものの具体化をどうやってはかるか、その意味で憲法の啓蒙活動というのは、これこそ全部税金を使ってでも政府が当然やるべきことだ。じゃ、そういうことに予算がさかれているかというと、私が拝見した限りでは全然ない。その意味でまことにちぐはぐな、さか立ちした印象を受けてならないのですけれども、いかがでしょう。
#240
○国務大臣(山中貞則君) 憲法の問題は別として、これは文部省の仕事であるといわれればそういう分野もありますが、この法人は、文部省と共管の法人でもあります。そういうことばは、逃げことばという意味で使ったわけじゃなくして、実体がそうだということであります。
 私は日本の津々浦々、やはり善意の、そして昔の滅私奉公みたいなものじゃなくて、人間として自分は地域あるいは隣人に尽くしたいというような人たちもいらっしゃると思うんです。ただ、それらを、いらっしゃるからといって全然国のレベルでどこも見てない。公民館長としての活動はわかっても、その人が毎朝都市公園を清掃しておられる姿までは、文部省行政としては見ていないだろうと思うのです。自分の家の前をこのごろ掃く人もいないでしょうが、だれかが自分の家の前を毎朝ほうきで掃いていたら、おそらく一カ月たったら、どういうわけだろうという疑問を、家の前を掃除してもらっている人は必ず持つだろうと思うのですが、いま、そういう風景があまり見られない。清掃は町村の固有事務だという紋切り型の話になるんでしょう。しかし、それでは私たちの生活はあまりにもかさかさしているのではなかろうかと私は思います。
 そこで、いまおっしゃったような形で国がしなければならないかどうかの問題は、私も一ぺん新生活運動は廃止しようと思って、この内容の検討に取りかかったわけです。当時の保利官房長官に、場合によっては新生活運動を廃止いたすかもしれませんから、反対運動があると思いますが、はねつけてくださいということまで連絡したつもりであります。しかし、その後検討して、しかも高橋先生はじめ、そういう熱心にやってくださる人たちと話をしてみますと、まあ小さな親切運動とかいろいろございます。やっぱり、何かがどこかで社会連帯的につながっている行為があったほうがいい。それに対して国が全く援助をしないということも、これは収益法人ではありませんから、金が入ってこようにも寄付以外にないわけですから、なかなかみんな金を出さぬと思います。そういうことから考えて、私としてもなるべく少数な人間にとどめるように、人間も減らしていくようにと言ってありますが、そういう意味において時代に即応した、日本国民の中で善意の芽があるから育てていくというようなよすがになれば、私はこれは金額の問題ではなくて、日本にとって必要なものであろうと考えております。しかし、新生活運動を、いつまでもこのままの団体で、このままの補助の形でやらしていっていいのかという問題には、なおかつ私自身も割り切れない点も少し持っております。
#241
○栗林卓司君 それでは、また引き続いて御検討お願いするということで論議を打ち切りますけれども、ただ確かに、いまの数字のことで私も全国へ参りまして感ずることは、歴史のある地方の町に行くと、たいへんきれいなんです。やっぱり自分の町だから掃こうという気になるんでしょうし、それから、最近人口がふえた都会地にくると、とてもそんな心のつながりは持てない。そういったところから、善意を育てていこうというこの活動の価値は決して否定いたしません。ただ、そのためには、いまの都市問題なりあるいは、じゃあ、きれいであった町がどうかといいますと、一歩入れば、出稼ぎということを背景にして家庭の荒廃の問題もございますし、より重要な政策課題があるのであって、それがやられたあとのもう一つの仕事だという位置づけをぜひしながら、再検討をしていただきたいと思います。
 そこで、先ほどちょっと申し上げたことでひとつ伺いたいのは、憲法の啓蒙ということについては、これは総理府としてはどうお考えになりますか。
#242
○国務大臣(山中貞則君) これはまあ内閣全体の問題で、時の総理府総務長官がこうだからといってきめるべき問題ではないと思います。いまの内閣が憲法に対して祝賀式を国家としてやらないとか、そういうような祝日にはただなっているだけだとかいうような姿勢については国民が批判をするだろうと思いますが、それは国民自身の判断によってきまることであって、いまの憲法が私どもは押しつけ憲法だと思っております。文章も決して日本人のつくった文章ではないと思っております。しかし、それはといって、その憲法の流れというものは国民の中に定着をして、しかも、大体好ましい方向に定着をしつつあると思っておりますので、いまの政府の姿勢を私自身がどう変えるということは、立場にございませんが、その問題に対する政府の見解となりますと、これ、統一見解を事前につくっておきませんと、あしたさっそく憲法に対する山中の態度というので問題になりますから、私はその統一見解をまだ持っておりませんので、私からの答弁は私自身の所感というような意味でお話をしたいと思います。
#243
○栗林卓司君 いま憲法のことをお伺いした気持ちというのは、憲法の内容についていろいろ議論、これはあっていいと思います。ただ、それが手続として、今日日本国の憲法としての柱になる、それを中心にしてものごとが動いていくわけですから、国民が知らなくていいということには決してなりません。
 そこで、いまの憲法を少しでも読んだことがある人が一体何%いるのか、全然知らないのが何%いるのか――いや、お調べいただかなくてけっこうです。総理府の世論調査がございます。申し上げますと、少しでも読んだことがあるという人が四一%、全然読んだことないという人が二六%。これでいいんだろうかと、やっぱり政府としても考えていただかないと困る。戦後二十数年たったから大体知っているはずだ、ではないんです。
 それからもう一つ申し上げておきたいのは、いまお話があったように、日本国憲法というのは、かつての戦争と密接に結びついたかっこうで生まれてまいりました。その憲法を日本がどう扱っていくのかということは、単に日本国内の問題ではなくて、世界が日本を見つめた場合、とりわけ近隣アジア諸国が日本を見つめるときの一つの尺度に、いやでもなってまいります。その意味で、憲法はいろいろ議論がある、では済まされないし、それは自民党の中でおやりになるのはかまいません、政府としては、あくまでもこの憲法の周知啓蒙ということを常にやらなければいけないはずですし、その意味でこれは当然やるべきだというお答えしか出ないわけですから、重ねてお伺いしておきます。
#244
○国務大臣(山中貞則君) 私の答弁する範囲であるかどうかは疑問に思いながら答弁をいたしますが、ドイツは、敗戦国として憲法を新しくつくる立場に立ったときに、この憲法は独立後見直すべきであるということを、憲法の中に入れておると私は思っております。また、一方、最近スイスにおいては、この美しいスイスの国土風景を守るために、公害に対するスイスの立場というものを憲法に入れました。このように憲法にもいろいろと、国民全体の血液そのものになって、みんなが憲法自体を自分たちの法律の一番の根源であると考えておる国と、憲法というものがすべての法律の根源であることはばく然と知ってても、それがすべて自分たちの日常生活をすぐに制肘し、束縛し、干渉する法律そのものではないということから、比較的それをあまり読まない国民と、いろいろあると思うんですが、私も総理府の調査の数字をちょっといま聞こうとしたんですが、それを調査の結果、一々目を通しておりますから、憲法について案外に読んでいないということは、私もそのときに感じた疑問であります。それに対して政府がどういう姿勢をとるべきかという問題は、政府全体の問題として、一国務大臣の答弁の限界外であると思います。
#245
○栗林卓司君 それでは次の検討に譲って、次の問題にいきたいと思います。
 ただいまの世論調査ですけれども、総理府でいろいろ世論調査をなさっていますけれども、民間機関でやる世論調査と、政府がやる世論調査というのは、おのずから違うと思います。その違いというのはどこにあるとお考えになっておりますか、お伺いいたします。
#246
○国務大臣(山中貞則君) 民間の調査というものは、目的はもちろんあると思いますが、何らかの時点において何らかの問題点を国民がどの程度、どういうふうに受け取っておるかを知るということだと思うんです。あるいは、そのことを国民にまた知らせるという目的を持っておるかもしれません。
 政府の場合は二つあると思います。一つは、国民が、政府のとる施策あるいは現在の国内情勢、国際情勢等についてどのようなふうに見ておるのか、認識しておるのかということを知りながら政治というものは行なわれなければならないということ、それから行政の分野でありますが、各省庁で行なっておる行政で、それがどの程度国民に理解され、支持され、あるいは認識をされておるかの実態に立って、その実態をよく知っておること、あるいはまた、今後とるべき行政にどのように反映させるような結果が出たかについて、検討を加えて分析し、やっていかなければならない、この二つに分かれると思います。したがって、この政府の調査も、政府自身が欲する調査と、各省庁が施策の参考に資すべきものとして自分たちのやった施策あるいはやろうとする施策というものの参考に具体的に役立てるための調査と、それぞれ総理府の広報室において分析検討をして、集約整理をして、それぞれの項目によって調査をするもの、この二通りあると思います。
#247
○栗林卓司君 ただいまお答えのとおりだと思います。それを言い直してまいりますと、これまで物価の問題、あるいは失業率、鉱工業生産指数等々、経済指標については政策と結びついた目標性が与えられてまいりました。同じように、この世論調査にしても、ものごとは国民の感じとり方というたいへん抽象的なものであったとしても、それによって政策が選択され、効果が判定されていくわけですから、経済指標ほどの厳格な意味であるかどうかは別にして、やはり政策の目標性が与えられなければならないということになると思います。この点は、念のためですけれども、そう理解してよろしいでしょうか。
#248
○国務大臣(山中貞則君) そのとおりであります。
 したがって昨年は、ちょっと冒険かなと思いましたけれども、青少年のセックス意識の調査というのもやってみたわけです。これもやはり今後日本が、そういうような教育の問題から始まる、社会構造というようなものにまで発展さしていく政策の基礎にしなければならぬというようなものが、やはり生まれてくると思います。また最近は、先日発表いたしましたが、公害に対する意識等の調査をやりますと、意外に多かったのは、裁判にいっても長引く、あるいは相談をしようにも相談の相手がわからない。話し合いで解決したい、そして政府の、たとえばいままでありました中央公害審査委員会、いま法律で三条機関に移行して裁定権を与えようとしておりますが、そういうものがあれば、そこに自分たちが相談して話し合いで解決したい、そのために国が力をかしてくれというようなことが意外に高いパーセンテージを占めておることなどを知りまして、これなどはやはり施策に具体的に反映させられるというようなことで、最近はそういうような国民の心の問題とか、モラルの問題とか、そういうような問題もつとめて重点的な調査事項に取り上げていく努力をしております。
#249
○栗林卓司君 それでは、そういう御意見を踏まえて、最近の総理府の世論調査の数字から、これをどうやって総理府として各省庁に、あるいは内閣全体として働きかけておいでになるのかをお伺いしたいと思うんです。
 一番最近いただいた雑誌の中で、たまたま老人問題が入っておりましたので、そこの中から二、三数字を申し上げたいと思います。その前に、こういう指標も政策目的にからめるべきだと感じた理由として申し上げますと、老後の生活に不安を感ずるかという質問に対して、これはいろいろ各年でやられております。三十五年、三十六年、三十七年、ずっとやられてまいりまして、三十九年、これが老後の生活に不安だとおっしゃる人が二八%と出ておりました。四十七年、今回の調査でどうかといいますと三六%、約一倍半にふえている。これは決して見のがすべき数字ではないと思います。一方、その調査を拝見しますと、老後もからだがじょうぶなら働きたいと思うかという質問に対して、思うと答えた人が八四%。私はごもっともだと思います。老人対策というのは、何も金くれてやるから生きていろということではないはずですし、どうやって働く場所をつくっていくかということが、老人の生きがいの問題も含めて大きな課題だと思いますし、そんな意味で、からだがじょうぶなら働きたいと思うかの答えが八四%ということは、政府として真剣に考えるべき問題だと思います。
 じゃ今度は、年をとってから同居をどう思うかといいますと、すぐ近くに住みたいという人を含めて、子供と一緒にいたいという人が六九%。まずもってほとんど全部に近い数字です。老人ホームは入りたくない、当然のこととして、その裏返しの数字が入りたくないのであります。じゃ子供のほうはどう感じているかといいますと、親を老人ホームに入れたくないが六六%、親の世話は子供が見るべきだという答えが、この場合に配偶者も入りますけれども、見るべきだという答えが八八%、いかに健全な日本的なものがいまだに生きているかということですけれども、それと、いまの住宅政策、あるいは自分の勤務地と住んでいるところの通勤時間というものを考えますと、あまりにもこの願いと実情が隔たりが大きい。そこで、これを総理府として、このせっかくの数字をどうやって生かしておいでになりますか、お伺いします。
#250
○国務大臣(山中貞則君) 私どものそういう調査は、考人問題に関係のある各省庁から、それぞれの自分たちプロパーで必要な調査項目としてテーマを持ってまいります。それを、大体老人問題であればたばねて、文部とかあるいは建設とか、厚生とかあるいは労働とか、そういうふうに全部を集約して、大体各省の希望するものが問いかけの項目の中で消化されるように、でないと、あんまりたくさん注文がありますので、予算の限りがありますからそういう交通整理をしておりますが、そういうものの結果は、それぞれの要請した官庁のほうに参考になるデータとして流します。
 したがって住宅等においても、親と別々にやむなく生活するということがないように、そういう健全なものが必要とする場合において、公団住宅等でも年寄りと一緒に住めるような設計をするようになってきましたし、あるいは老人医療等の無料化、年とってから一番心配なのはやはり病気だというようなもの等も、まあ、それで足る足らないの議論はありましょうが、その緒につきつつある。あるいはまた、中高年齢層の就職の問題等について立法をして、そういうものに取り組みつつある。具体的にやはり施策の展開は、それに伴って少しずつでありますけれども前進を見ておると、私は思っておる次第であります。
#251
○栗林卓司君 今後の、しかも緊急な課題ですから、ぜひ御努力をお願いしたいと思います。老人問題というとたいへん大きな問題に見えて、それぞれの各実施官庁に参りますと、目先の土木工事のほうが先に出てくるということになりますから、そこでまん中に立つ総理府として、せっかくいろいろ世論調査をやるわけですから、政策の斉合性を持たせながら、早く実現できるように御努力いただきたいと思います。
 次の質問にまいります。
 先ほどの新生活運動と同じ趣旨もあるのですけれども、青少年育成国民会議というものがございます。これの予算的な背景をまず教えていただきたいと思います。
#252
○政府委員(清水成之君) 現状から申しますと、四十七年度予算案におきましては、国庫補助が全体事業量の約八三%でございます。
 で、沿革的に申しますと、御承知のとおり昭和三十九年のオリンピック前後から、青少年に心身ともに強くたくましいという成長性、こういう機運が一般的に出てまいりました。たまたま三十九年、四十年度という時点が、青少年の非行問題が非常にクローズアップされた時点でございます。したがいまして、四十年におきまして、内閣提唱のもとに国民運動を展開してはどうか、こういう機運があったのでございます。一方、民間団体からもそういう機運がございまして、そういうバックグラウンドのもとに育成国民会議が発足をいたしました。発足いたしました四十一年度の時点におきましては、国庫補助が全体事業量の約九五%を占めております。その後、年々自主財源の変動はございますが、国庫補助の割合が六三%の限度から大体最近では八三%、こういうような財政的な背景と沿革を持っております。
#253
○栗林卓司君 先ほどの新生活運動と同じことなんですけれども、半官半民とはいいながら、ねらいそのものは、民間運動を期待してそれに対する一部の助成ということですから、現在の予算の中身というのは決して満足すべきものではないと思います。この辺について、これは将来、たとえばこの種運動については国がどのぐらい見たらいいとお考えになっているのでしょうか。あるいはまた、この運動もまた新生活運動と同じように再検討の対象になると考えられるのでしょうか。ひとつ数字を御参考に申し上げますと、育成国民会議でやっている大きな活動の一つが、青少年のグループ活動の促進ということです。ところが総理府が出した最近の青少年白書を見ますと、グループに加入している割合というのは逐年落ちております。たとえば昭和三十七年の場合が三七%、四十五年が三五%。ふえるどころか落ちておりますし、ごく大ざっぱににらんでしまえば、横ばいということになります。理由を聞きますと、最大の理由は時間がない。結局、グループ活動するような環境整備がいまだに整っていないということだと思うんですけれども、そういう中で、とにかく仲間の輪を広げてということは、発想なり努力目標としてはけっこうですけれども、そこに国が八十数%の予算を入れてやっていく時期、ねらい、内容になるのだろうか、この点、御意見を伺いたいと思います。
#254
○国務大臣(山中貞則君) この問題は、私も気がついておりまして、したがって、この問題を、まあ、「ひりぽっちよさようなら」というような、これは私自身がつくったことばで呼びかけることにしたんですが、学生運動を見ておりましても、青少年の非行その他へ走った動機等を見ておりましても、大都会のアスファルトジャングルの中の孤独、しかし、職場とか学校とか、そういうところの場合には何ら連帯感がある。時には警官の規制があってもデモすら楽しい時間だというぐらいの、私はそういう都会の孤独があると思って見ております。そこで、やはりいろいろその前に調査してみますと、自分たちが一緒にスポーツとか趣味とか、そういうものでグループ活動をしたいと思っても、そういうグループの存在を知らないというものが相当おりました。そこで、やはり、こういう運動があります、こういう団体があります、こういう活動グループがおります、そういうようなことで、全部団体が、グループも門戸を開くと同時に、そういうことをあらゆる職場とかその他の青少年に知らせることによって、文字どおり「ひとりぽっちよさようなら」という気になって、自分たちにも友だちがおる、同じ境遇の者がおる、同じ悲しみを打ち明け合う友だちがおる、そういうことで目に見えないところで心の輪をつないでいくのではなかろうかと考えて、実は四十六年度の予算から始めたわけであります。これは、私はぜひ成功してもらいたいと思うことであります。これは新生活運動と同じですが、だからといって、国がまるがかえでめんどうを見なければならぬのかという問題は、これは定着していくに従って、やはり逐次みんなが、自分たちも少しずつこの運動に出そうというような気持ちになってくれれば、これはもう、ほんとうにありがたいことだという気持ちでおりますから、そういうふうな、定着することを願いつつ、その間は私どもが力をかしていく必要がある分野ではなかろうかと思っております。
#255
○栗林卓司君 いま、四十六年度というお答えがありましたけれども、国民会議そのものは……。
#256
○国務大臣(山中貞則君) そうじゃないのです。団体加入促進運動というのを始めたのが……。
#257
○栗林卓司君 わかりました。これも先ほどの新生活運動と同じで、趣旨はたいへんけっこうなんですが、国費の使い方との見合いで、妥当かどうかという見方をしょっちゅうしていかなければいけない。その一つの例で――これはほんとうに一つの例です。申し上げますと、いま国民会議でやっている運動の一つに、マスコミ対策というのがあります。低俗なマスコミを排除するために自主規制運動を促進させていきたい、そういうことがあります。それで、低俗なマスコミがいいかどうかということは、これは議論があっていいと思いますけれども、そういうマスコミの自主規制ということについて、民間団体である、名実ともに民間団体である国民会議が入っていくことは、これは民主社会形成の正しい姿ですから、かまいません。ただし、そのほとんど大半が国費ということになると、やっぱりぎくしゃくした形が出てまいります。そんなことも含めて、ぜひ見直しをしながら、どうせやるんなら効果に結びつくやり方をぜひ進めていただきたいと思います。
#258
○国務大臣(山中貞則君) ちょっと、マスコミという表現を使うと、何か、いまの報道弾圧みたいなふうに取られて困るのですが、そうじゃなくて、低俗な、みんなが困るような――たとえば典型的な例が、この問題が端緒になったのは、例の街頭の成人向け映画の、べたべた張りめぐらされたあれは、何ともこれは、子供たちがその前で立ちどまっているのはどうだろうか、たとえ映倫を通ったものでありましても。そういうようなもの等がだいぶ問題になりまして、したがって、やはりそういうものはどこかでみんなが相談し合って、それぞれの人たちにぜひそんなひどいものはやめてくれませんかということを訴えていこうじゃないかということで、最近はどうも私も、きょろきょろして見て回るひまはありませんが、その効果があって、きわめてどぎついそういうポスター類等はだんだん少なくなっていくように思います。
#259
○栗林卓司君 いまのお話でも、やはり一つ申し上げておきたい気がしますのは、おっしゃるように、そういう看板は決していいとは思いません。また、その看板に含まれるいわゆる諸営業が、実は住宅地の中で、あるいは町のほんとうに普通の買い物客が通る目抜きの中で、やっぱりやるわけです。そういったものを排除するために、今国会で、学校から何メートル以内は云々という新しい法律も検討中だと伺いましたけれども、質疑の過程で聞きますと、いや、そんな法律がなくったって地方公共団体がやろうと思えばできるんですということでもありましたから、この種民間に依存して効果をあげる前に、やっぱりやるべきことが、政府なり――当然これには地方公共団体も含まれますけれども、あると思います。そのことはぜひ念頭に置いて、この青少年運動のあり方についても常時再検討をしながら進めていただきたいと思います。
 そこで、時間がありませんので、結論的な感じを申し上げますと、現在、青少年対策ということでいろいろな対策がそれぞれにとられております。しかし、どちらにしても、青年をほんとうに育成する環境づくりということは、正義感が貫けるような社会をどうやってつくっていくかということだと思いますし、その意味で、中途はんぱな取り組みではなくて、腰を据えた、総理府を含めた取り組みをぜひお願いしたいと思います。
#260
○細川護熙君 関連をして一点だけ、ちょっと総務長官に伺っておきたいと思うのですけれども、現在、青少年の行政というのは、御承知のように、文部省あるいは総理府、厚生省といったぐあいに、非常に多岐にわたっておるわけですけれども、十一省庁ですか、にわたっておるわけですけれども、いろいろな点で非常にやりにくい面があるんじゃないかと思うのです。たとえば、労働省で勤労青少年ホームというのがありますし、文部省ではまた青年の家という、同じような趣旨のものがある。建設省で児童公園というのがあるかと思うと、厚生省でも児童遊園というのがある。いろいろ同じようなものが、まあすぐ隣合わせにあるというようなことはないと思いますけれども、これは行政のあり方として私は問題があるんじゃないかと思うのです。ほかの、たとえばフランスとかヨーロッパの国がやっているように、青少年省ですか、そういったようなものは、いま急にできないにしても、何か、もう少し総理府の調整機能というものを具体的に高める方向で検討ができないものだろうかということを思うわけですけれども、ここにある青少年問題審議会の「青少年に関する行政施策の基本的な考え方について」という中間発表がありますけれども、この中でも、総合的な調整機能を高めようということが書いてありますけれども、何か具体的にそういうふうな方向で今後検討をされるというお考えがあるかどうか、その一点だけ、関連質問ですので、簡単に伺いたいと思います。
#261
○国務大臣(山中貞則君) これは、そういうことに着目して、総理が本部長となって青少年対策本部をつくっておるわけなんです。ただ、それぞれの事業になりますと、各省庁のように手足を持って、それぞれの都道府県のそれぞれの各部、各課を持って一貫した末端までの仕事は総理府はできませんので、頭だけの、手足のない官庁でありますから、それにはおのずと限度があると思います。しかし、総理府の青少年問題審議会において、そのあらゆる各省の問題の整合性、あるいは国家としてそれをばらばらにしておいてはならない問題に対する問題点の究明と、その解除の方策、そういうようなものとを審議いたすわけですが、私が就任したときに出席をしてみて、青少年のことが、審議会において、聞いたとか見たとか、そういう話があるとか、ということで審議会で語られていたということは、平均年齢が六十歳以上という審議会でありましたから、これはたいへんやめてもらった人には気の毒でありましたけれども、全員御退任を願いまして、そうして総理大臣の辞令をもらうものとしては異例の、二十歳代の男女三名を含めて、三十代、四十代ということで、平均年齢四十歳に若返らせました。その結果、青少年問題審議会の議論は非常に、私たちはかく主張する、青年はかく要求するという議論が非常に活発になりまして、これらのいまの審議会の運営が非常によくいっておりますので、これを吸い上げながら、ただいまの細川君のおっしゃったような国の行政機構のおちいりがちなセクショナリズム、これが、本来のあるべき、国民の目ざす方向を、かえって場合によってじゃますることがあるという問題については十分反省をしつつ、今後そのような方向へ、できるものならば統合していけるところは統合していきたい、少なくとも総理を頂点とする青少年対策本部というものは、だてや酔狂で置いているわけじゃないわけでありますから、総理にもお願いをして審議会にも出席をしてもらっておりますので、やはり総理の考え方というものを、各省庁がそれを受けて、行政行為が伴うように、さらに検討を重ねていきましょう。
#262
○栗林卓司君 それでは、次の問題でお伺いしたいんですが、行政管理庁の関係ですが、三点お伺いします。これは簡潔なお答えでけっこうです。
 実は、この間ある公害関係の政府系の研究所に参りましたら、公害関係ですから、これから人手がもう要って要ってしかたがないんだと、ところが、定員の削減ということで切られて、たいへん困っているんだと言っておりました。ただし、これは仕事の中身を私がつまびらかに知っているわけではありませんから、困っているのかどうか、それはまた別の議論があってけっこうだと思います。ただ、お伺いしたいのは、いまのは一つの例なんですが、総定員として、なるべく安い政府をつくっていくんだ、減らしていくんだということは、私は異論がないどころか、積極的に進めるべきだろうと思います。ただ、その中で、要るところにはふやし、要らないところは減らすという、中の組みかえが当然のこととして必要だと思います。そういうことが、今日まで見聞する限りでは、なかなかむずかしくて、できなかったように見受けられますけれども、その一番大きな原因は何だったんでしょうか。
#263
○国務大臣(中村寅太君) 行政機構の改革は、栗林委員の御指摘のように、行政需要の非常に要求の強くなってきておる面には人員をできるだけふやしていく、需要が薄くなってきておるところには減らしていくというのが、これは原則でございまして、大体管理庁の基本的な方針はそういうことでやっておるのであります。その際、これは非常に抽象的なことばになりますが、なかなか各役所とも、御承知のように、ふやすほうは非常に好みますけれども、減らすほうにはなかなか抵抗を感ずる、そういうことで非常にむずかしさもありますが、しかし、私は行政管理庁長官に去年なりましてから、いまおっしゃるような、基本的には、需要の増すところにはふやす、薄くなったところは減らすという方針、同時に、役所が必ずやらなければならぬという仕事と、民間に移していい仕事と私はあると思うんです。いままで、やはり一ぺん握ったらなかなか放さないというのが、これは人をとやかく言うわけじゃございませんが、官僚機構の持っておるやはり一つの弊害だと思うんです。そういうことで非常にむずかしさがありますけれども、基本的には各省庁とも、御承知のように五%、三年計画で人員を減らしていくという方法をとりながら、一方には、行政需要の厚くなってきたところはふやしていく、薄くなったところは減らしていくと、こういうことを各省庁と打ち合わせながら、できるだけ最小限度の増加、最大限度の減少というようなことでやっておるわけでございます。御指摘のように、非常にむずかしいことではございますが、今後はやはりそういう方向で、二本立てで、役所がやらなくていい仕事はできるだけ民間に移していくという基本体制を土台に据えながらやってまいる、こういう方向でいま進めておるところでございます。
#264
○栗林卓司君 あわせて、もう一つ御見解を伺いたいんですけれども、省庁の削減ということが方針としてよく新聞紙上で拝見をいたします。ところが、省庁についても、ふやすべき省庁と減らすべき省庁と、おのずからあるというような気がいたしますし、まあ山中長官もおいでになるのですけれども、去年このかた国民から見て評判のよかった庁はどこかといいますと、沖繩北方庁と環境庁だと。なぜかといいますと、それは長官それぞれの御努力も当然のことですけれども、もう一つの理由は、縦割り行政のマイナスということがその二つの庁に限っては非常に少ない、全部集めてしまってありますから。そういう意味で、総合性、機動性を持った庁だということが、国民から見てわかりやすい政治の運営になったんだろうと思います。同じ意味で、たとえば、いまの物価の問題にしても、あるいは交通の問題にしても、その他の問題にしても、いまの縦割り行政の欠陥を補うために、それぞれの機能を各省庁から抜き出して、新しい省もしくは庁をつくったらどうかという、そういう御議論もいろいろ聞きますし、私も同感な面が多々あります。そういう意味で、省庁の削減ということについては弾力的な見方をされておいでになりますかどうか、先ほどのお答えとあわせて御見解を伺いたいと思います。
#265
○国務大臣(中村寅太君) 私は、いま御指摘になりました省庁の機構全体の問題に手をつけていくということ、これはやはり長い目で見れば必要なことだと思うんです。縦割り行政の弊害というものをなくすために、環境庁というものができて、いまわりあいにうまくいっておると、おほめのおことばがありましたように、これはやはり総合性がそこに機能を発揮しておることだと思うんです。まあ、そのほかに、物価の問題にしましても、あるいは交通問題にしましても、やはり総合的な力強い推進行政が需要され、要求されておるんですが、いろいろむずかしさがあって、現在では総理府に物価対策協議会とか、あるいは交通対策協議会、こういうものでやっておりますが、私は、これはやはり検討に検討を加えて機構にまで前進していくべきじゃないか、そういうことを考えておりまして、ことしは新しい行政監理委員会も出発いたしましたので、委員等のこういう問題に対する御意見等十分練っていただいて方向をきめてまいりたいと、かように考えておりますが、大体の方向としてはそういう方向を見つめながらやってまいりたいと思っております。
#266
○栗林卓司君 ぜひ早期にそれが煮詰まった形になるように御努力をお願いしたいと思うんですが、そういったことを進めるにつけても、気がついた点二つ、どうなんでしょうかということでお伺いしますと、一つは、これは今国会に提案されている労働保険の徴収一本化という法案であります。これは、労働保険――失業保険、労災保険ですけれども、その対象事業、これまでは五人以上の事業所だったものが、五人未満、厳格に言うと一人までに及ぼしていく、そうなると、たいへんな徴収工数と給付工数がかかります。それについて労働省はどうかといいますと、いやもう、すでに法律で線路が引っぱられているんで努力するしかありませんと、こういうお答えでございました。ただ、それじゃその工数をどこから持ってくるんだということになりますと、それは保険なのか、あるいは税と一緒に取ったほうがいいのか云々という、その労働省という縦割り区分から離れた別な議論というものがなければいけません。する場所がなければいけません。そういったものも含めて、というのは、各省の仕事の中身にたいへん立ち入る話ですけれども、行政管理庁として業務の一環として今後進めておいでになるかどうか、これが一つ。
 それからもう一つは、縦割り行政とか官庁のセクトということがよく言われますけれども、それぞれは各省の中では一生懸命に仕事をしているわけですから、なかなか、はたでとやかく言うようなわけにはまいりません。そこで、一つの思いつきみたいなことで申し上げてみますと、新しい国家公務員が入ってまいります。それを将来育てていく過程で、いまは一つの省に入ったら終わりまで入りっぱなしというのが原則の姿ですけれども、最初十年なり何年なりは各省を回していくというような人の育て方ということも考えていかないと、なかなかもってセクトというのは抜けてこないんじゃないか。何も好きこのんでセクトをやっているのじゃなくて、それぞれが自分の主張が正しいと思っているからこのセクトがなかなか解決できない、ということは、理解の幅を広げていく、そういう教育をすることだと思いますけれども、以上二点について、行政管理局長としての御見解と今後の方針を伺いたいと思います。
#267
○政府委員(平井廸郎君) 先ほど労働省の保険料徴収一元化について問題がございましたので、簡単に御説明申し上げます。
 御承知のように、社会保険料の徴収事務の一元化につきましては、第二次行政改革計画においても取り上げられまして、その一環として、まず労働省の失業保険と労災保険の徴収一元化がはかられまして、今回、今年度、四十七年度におきまして会計法の改正によりましてそれを実現するということになったわけでございます。で、その過程におきましては、労働省の保険だけでなしに、厚生省の所管いたします健康保険なり、あるいは年金関係の保険の徴収の一元化をもはかるべきであり、さらに非常に長期的な視野に立てば税金との関係をどうするかという問題も出てまいるわけでございますが、とりあえずは、まず労働関係の保険の徴収一元化ということで踏み切ったわけでございます。その場合におきまして、人的な関係がどうなるのかという御質問もあったわけでございますが、これは、率直に申しますと、従来、失業保険料なり、あるいは労災保険料を別々に取っておりますことによります労働力の重複ということもございまして、そういった徴収の二元的なものを一元化することによって浮いてまいりました人員を五人未満事業所の関係に充てるというような形で処理いたしておるわけでございまして、十分ではないかもしれませんけれども、そういう形で運営されていくということを御理解いただきたいと思います。また、そういうことをやることによって初めて徴収事務の一元化という意味が国民的な立場から見て負担の増加なしに実現していくものであると私ども考えている次第であります。
 一応、前段の関係を御説明申し上げておきます。
#268
○国務大臣(山中貞則君) 第二点は私がお答えいたします。国家公務員の所管大臣としてお答えいたします。
 この問題は、確かに一つの示唆を与えるものと私は思うんです。ということは、上級職試験の合格者の間にも、やっぱり人気のある、いわゆる希望殺到する官庁と、まあそうでもない官庁というような、あまりにも劣るというわけではありませんが、そういう感触がきわめて歴然と出ます。これは国家公務員になる第一歩からなんです。そして途中では、今度は、よくも悪くも関係業界と長いこと同じ道を歩いておりますと、癒着の問題等を起こしやすい、そして最後に役人よさらばというときに、例の天下りの問題を起こしやすい。これはおそらくエンドレスで続いていく問題じゃないかと思っております。私は、したがって、国家公務員の諸君が採用されました各省庁全員が一応私どもの人事局で最初研修をやりますが、そのときに行ってあいさつもしますけれども、しかし、いまの機構の中でそのまま入りますと、もうそのようにして集まるのは一回だけであって、あとはもう、よその省は全く関係がなくなって、そして自分の入った役所一筋の道をいくという道がきまっているわけです。そこで、いまおっしゃったような、十年たったら今度はよその役所に移すということも、国家公務員の場合には、私は、一つの考えられる手段として、ちょっと乱暴だと思うんですけれども、能率がはたしてそれで向上するのかどうか、逆に停とんするのではないかという疑問もありますが、しかし、そういうような手段を講じてでも、いまのマンネリズムにおちいりつつある行政機構、しかも、いつまでたってもこれは直りそうにない状態というものを打破するために、何らかの手段というものが行使されなければならないであろう、この点は私も感じているところであります。したがって、こういう問題は、いまおっしゃったように、十年たったらよその役所にやってみるという一つのヒントは受け取らしていただきますけれども、すぐこここでどういうことにしたいというお答えを申し上げるのには、もう少しやはり、為政者たる者、政府全体として考えてみる価値のある問題だと思いますから、十分御意見を承っておきます。
#269
○栗林卓司君 大きな問題ですから、御検討いただければけっこうです。
 それから、先ほどお答えがありました労働保険の関係ですけれども、私が申し上げたのは、五人未満におろしてまいりますと、雇用関係もさだかじゃない、いわゆる零細企業なんです。そこで、保険関係の発生をどうやって立証するのか、給付事由の発生をだれがどうやって立証するのか、これは想像しただけで、まずお察しがつくたいへんな事務工数になります。今日、保険組合という形で一部還付金を出してまかなっておりますあのやり方で、はたしていいのだろうか。その意味で、確かに徴収一元化ということの効率をねらったことには間違いありませんけれども、さらに五人未満におろしていくということは、従来の保険の姿というものを国民皆保険という形に一変させてしまうのだということをひとつ頭に置かれて御検討いただきたいと思います。そういうような性格の問題だと私は思います。
 それで、時間になってしまいましたけれども、せっかくお呼びしておりますので、学術会議の方に一点だけお伺いしたいと思います。
 存在の意味についてくだくだしく申し上げません。ただいまの公害対策ということを考えてまいりますと、これからの科学者の育成ということで――従来は科学者の世界もまたそれぞれの専門分野の中で育ってきた経緯だったと思うのです。ところが、御案内のように、学際研究ということが叫ばれておりますし、そういう中でどういう科学者の育成をしていくのか、また、どういう学際研究の可能な研究組織を政府としてつくらせていくのか、それに対する監督の立場にあるわけですから、いまの公害技術という新しい技術分野の開発が迫られている現状に照らして、学術会議としてどういう御抱負をお持ちになっているのか、お伺いしたいと思います。
 あわせて、これは実は研究所の人たちからいつも言われているのですけれども、やはり国際的な形で研究交流をしたい、せっかく研究したのだから、外国の学者がどうなっているのか、学会にも出てみたいのだ、ところが学会に出るに十分な予算がないのだということを言われます。それが要望を満たすと一体幾らくらいになるのか私はわかりませんけれども、今日公害対策ということで叫ばれている重要性にかんがみて、これは文部省、科学技術庁、そうして学術会議と、予算的には三つに分かれておりますけれども、法律のたてまえでは、日本の科学者を代表する、内外にわたって代表する組織が学術会議ということですから、この海外派遣、海外学会との交流ということについての御抱負もあわせてお伺いして質問を終わりたいと思います。
#270
○政府委員(高富味津雄君) 最初の公害問題でございますが、公害問題に関しましては、学術会議も、昨年と申しますか、八期学術会議でございますが、そのときの、七〇年代以降の科学技術についての小委員会というのを持ちまして、その中で公害問題を大いに検討したわけでございますが、それを引き続いて第九期、ことしの一月からでございますが、第九期の国際学術会議でも、あしたからの総会でこれを議論することになりますが、環境保全の特別委員会というのをつくって、そこで公害問題について検討することになっております。その内容は、公害問題の検討は学際的でなければいかぬ、国際的なものでなければいかぬ、これはグローバルなもので、全地球的なものでなければいかぬ、それと、もう一つ、研究組織をどうしたらいいかということもここで検討するというので、先生御指摘のような公害問題の特別のエキスパートの養成なども、研究組織のことに関して検討されるだろうと思っております。
 それから国際会議への派遣のことでございますが、学術会議も国際会議に派遣しておりますが、学術会議の国際会議もしくは国際学会への派遣は、第一は、学術会議が加入している国際学術団体の総会理事会等に代表者を派遣するというのが第一の順位でございます。その他、研究発表する国際会議にも出ていただくということになっております。もちろん、官庁の技術者の方も学会のほうから推薦いただきますれば出ていただけるということになっておりますが、先生御指摘のように、文部省や科学技術庁にも同じようなものがございまして、むしろ官庁の技術者ですと、科学技術庁から出る国際研究集会派遣費というものが一番なじみやすいんではないかと存じております。
#271
○栗林卓司君 それでけっこうなんですが、ただ、学術会議法、その基礎になる総理府設置法を見ますと、学術会議というものは内外にわたって日本の科学者を代表するとありますから、官庁、研究機関の技術者も含めて当然諮問される立場にあります。これは科学技術庁のほうで持っているんだということでは済まないので、これに対して不足ならば当然学術会議としても意見を言い、実効をあげていくべきだということでお伺いしましたので、その点についての御見解だけ補足しておいてください。
#272
○政府委員(高富味津雄君) そのとおりでございまして、ただ、国際会議の派遣につきましては、学術会議のほうからも十分出せるわけでございます。また、文部省のほうからも、これは国立の先生が主でございますが、出せるわけでございます。科学技術庁のほうからも出せるわけでございまして、その他、専門の各省庁からも事情によっては十分出せるわけでございます。そういうものの経費が増加して、多くの学者が出せるということは、もちろん学術会議として望んでいるところでございます。
    ―――――――――――――
#273
○主査(平島敏夫君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。
 ただいま白井勇君及び和田静夫君が分科担当委員を辞任され、その補欠として山崎竜男君及び羽生三七君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#274
○主査(平島敏夫君) 他に御発言もなければ、内閣及び総理府所管に関する質疑は終了したものと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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