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1947/08/05 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第4号
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1947/08/05 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第4号

#1
第001回国会 厚生委員会 第4号
  付託事件
○教員の恩給増額に関する請願(第六
 号)
○食肉統制價格撤廃に関する陳情(第
 二号)
○聖霊生命眞理療法保護法規の制定及
 び名誉恢復に関する陳情(第四号)
○兒童の福祉増進に関する法令制定の
 陳情(第七号)
○恩給法の改正に関する陳情(第十二
 号)
○都市官公廳職員の生活安定に関する
 陳情(第三十八号)
○戰死戰災遣家族並びに傷病者の更生
 に関する陳情(第五十号)
○恩給法の改正に関する陳情(第六十
 四号)
○國民健康保險組合制度を改革するこ
 とに関する陳情(第六十六号)
○傳染病予防法等の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
○保健所法を改正する法律案(内閣送
 付)
○國民健康保險金に対する國庫補助金
 の増額等に関する陳情(第九十八
 号)
○青少年禁酒法案(小杉イ子君発議)
○恩給増額に関する請願(第三十九
 号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年八月五日(火曜日)
   午前十時十七分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○保健所法を改正する法律案
  ―――――――――――――
   午前十時十七分開会
#2
○委員長(塚本重藏君) これより委員会を開会いたします。厚生大臣本日も午前中は閣議に出席しておられますので、御出席は不可能とのことであります。前囘に引続き保健所法案の質疑を続行したいと思います。
#3
○藤森眞治君 この保健所改正案によりまして、地方の公衆衞生の向上増進こういうことをお図りになるのは非常に結構なことだと存じます。就きまして各條に亙つて逐條的にお伺いしたいのでありますが、先づ最初に概括的に二、三の点をお伺いしたいと存じます。第一に從來、保健所は保健指導ということを目的として、診療ということはやつておられなかつたようであります。殊にこの戰爭中地方におきまして非常に医療施設のなくなりました際でさえ、尚この方針を変えずに、診療には從事せず、專ら保健指導という面ばかりお進めになつたようでありますが、現在におきましては、御承知のように地方におきましても、戰災或は引揚、復員その他の関係によりまして、開業医というものは寧ろ過剩の状態にある程殖えて参りました。この際に尚今日この保健所がこれまでの方針を変えて診療を担当しよう、診療方面に進もうということになりましたのはどんな理由か、或は又國内的にそうしなければならない事情があるかということを先ずお伺いしたいのであります。
 それから第二に、我が國の医療制度と言いますものは現在誠に面倒な状態でございます。そのために政府においても、又医師会方面におきましても医療制度審議会というものを開いて着々これの審議をして適当なる医療制度の確立を図つておられます。併しまだ現在においては政府においても、又医師会方面におきましてもこれならいいという的確なる結論には到達しておりません。こういう状態であります。ここに新らしく保健所において診療所が設けられて、そうして診療方面に進まれるということは医療制度を益益復雜にするものではないか、こういう点が案じられるのでありますが、これに対する御所見を承りたい。
 それから第三に、現在の保健所は少くも我々の地方において見ましても、又委員諸君の地方において御覧になつてもそうだろうと存じまするが、その施設内容に至りましては殆ど医療関係者がこれを利用して、そうして保健衞生の向上を図るという程の十分なる施設内容を持つておる保健所は殆どない状態であります。
 而も一方には先程申しましたような戰災或いは復員、或いは引揚等によつて、非常に優秀な技倆を持つておる開業医が沢山おります。而もこれらがそういう原因によりまして、自分の手腕を発輝するだけの施設を持つておりません。こういう人達に今保健所が十分完備した施設を以ちまして、そうしてこれらの医師が保健所と一体となつて公衆衞生の向上、或いは増進をはかりますなれば、その結果は期して待つべきものがあるであろうと考えるのであります。それで、この法案にありますように、診療と保健指導と、この二本建よりもむしろ設備内容を良くして、そうして医療関係者に十分これを利用させる。いわゆるヘルスセンターとして進むのが保健所としての本來の性格ではないか、こういうように考えられまするので、これに対する御所見を承りたいと思います。
 それから第四ではございますが、從來我が國の医学教育におきましては、御承知の通り公衆衞生方面におきましての教育というものは、比較的等閑視された傾きがございます。聞くところによりますると、厚生省においては保健所の医者の補習教育ということによつて、これを補うということにされておるというふうに承つておりまするが、過日の厚生大臣の提案理由の説明に承りますると、新らしく六百七十五の沢山の保健所を作ろうということのように伺いました。果して只今のような状態で適当な技術者を得ることができるかどうか、この辺にどういう確信をお持ちであろうかということと、尚保健指導、治療を行う、この二本建であることが、他の一方においては保健所の内容施設が十分でないという半面を考えまして、ややもすれば保健指導よりも治療方面の方に保健所が傾いて行くことがないかということを慮るのでありまして、これに対する所見を承りたい。
 かように考えまするというと、最後にわれわれは考えまするのは、こういうことであります。この法案をもつと掘り下げて見まするというと、窮極の底に医療國営というようなことが企図されているのではないか。こういうことが考えられるのでありますが、この点については明確な御答弁を承りたいかように存じます。
 これを総括的の質問といたしまして又改めて逐條的にお尋ねするつもりでおります。
#4
○政府委員(濱野規矩雄君) ちよつと速記を止めて載きます。
#5
○委員長(塚本重藏君) 速記を止めて……
#6
○政府委員(三木行治君) 只今保健所が治療を開始いたしますことに関する利便の詳細の事情につきましては、予防局長からお聽き取りの通りであります。私共といたしましては、このようなサゼッションに加うるに保健制度を徹底するために治療をするということも必要であるという点、及び現下氾濫いたしております結核、松柳病に対しまして、ともかく集團險診をやり、あそこで見つけ出した人に対してともかく保健所においてできます治療をして行くということが、保健制度の徹底のためにも、又結核、花柳病の対策としても必要であるという、要は保健制度徹底のためであると、かように御解釋願いたいと思うのであります。
 次に医療制度に関する諸般の論議があつて、而も帰一するところを知らないときにおいて、治療を開始するということは、徒らに我が國医療制度を粉乱せしめるものでないかという御意見でありますが、以上申し上げましたごとくに、私共はこの保健所の治療の開始を以て、医療機関を新たに作つたという程に考えておらないのであります。併しながらもし必要がございまするならば、我が國における医療制度の根本方針が決まりました場合、必要なる調整を加えることは勿論やらなければならないとかように考えておる次第であります。
 次に保健所の施設があまり十分ではないか、而も一面においては戰災或は引揚げ等によつて非常に優秀なお医者さんが帰つておるのであるから、これらのためにこの施設を利用せしめる、いわゆるオープン・システムと申しますか、そういうふうなことをやつた方が治療をやるよりもいいぢやないかという御意見であります。御指摘の通りに保健所には戰災を受けたものも相当ございまするし、又その設備におきましては、今日御審議を願つております保健所法案で期待いたす程のものを全部やれるというわけには参つておりません。又追加予算によりましてこれを整備するといたしましても、六百七十五ケ所全部に亙つてさような機能を持つことはできないのであります。併しながらこれらは是非とも急速に整備をいたしまして、そうしてできる限りの内容を充実いたしまして、開業しておられまする方々が御利用を頂けまするように開放をいたしたい。そうして医療費の低減のために、又診療内容の向上のために御協力を申し上げたいと、かように考えておるのであります。
 次に適当なる職員が得られるかどうかという問題であります。御指摘になりましたように我が國の医学教育制度は、從來公衆衞生というものを主眼視した嫌いがあるのであります。併しながら御存じのように、この度医学教育というものは大いに刷新せられることになり、又現に本年度の卒業生におきましても、保健所におきまして公衆衞生の実地訓練を二ケ月間に亙つて受けております。又國家試驗におきましても、公衆衞生の試驗を受けておるのであります。而もこれらによりまして公衆衞生に関する新卒業生の関心、或いは在学生の関心が殖えますと共に、保健所等に就職を希望する者も相当殖えております。尚私共といたしましても地方廳及び本省を通じて医育機関等に働きかけまして、優秀なる人材を得るように努力いたしておる次第であります。只今自信があるかとお聽きになりまするというと、満々たる自信を以てお答えするわけには参らんのでありますけれども、是非ともこれは集めなければならないし、又何とかなるであろうというように考えておる次第であります。尚その際には保健指導と治療とこれを両方やるということは、結局治療方面に傾く嫌いがあるのではないかという御意見でありますが、この点につきましては、私共が最も戒心をいたしておるところでありまして、申すまでもなく学校教育におきましては、臨床医学ということを主として学んでおるのでありまして、この臨床医学を自由に駒使することが一番樂である。保健指導はその個人を対象とするのみならず、家族を対象といたしまして、あらゆる生活環境を考慮に入れて指導いたさなければならんのでありますからして非常にむづかしい。從いましてそういう傾向は十分に自戒しなければならんと考えておる次第であります。從いまして私共といたしましては保健指導を担当する医者と治療を担当する医者とは、ここに区別をいたしまして、おのおの專門別にこれらの仕事に当らすことにいたしまして、このような弊害を除くという処置を執りたいと考えておる次第であります。
 尚最後にこの法案を掘り下げて行くというと、窮極においては医療國営をやるのではないかという御意見でありますが、当局といたしましては先程予防局長からお答えいたしましたごとくに、毛頭さような考えはございません。先般申し上げましたような事情及び今日保健所をめぐる客観的諸情勢、それらに從いまして、我が國におきまして最も欠如いたしておりまするところの保健指導機関を拡充強化して、そうしてその保健指導機関の拡充強化の実質を収めるために、若干の治療をやる必要があるというのが私共の僞らざる心情でありますから、この点につきましては何卒御了承を賜りたいと存ずる次第であります。
#7
○小川友三君 今の保健所法の目的ですが、今医師会の御意見が出ましたので、誠に御尤もな話で、敬意を表する次第であります。又政府当局のお方のお話もございまして、日本の國際的環境から保健所はそうした動きをするのだということで、これも御尤もな話であります。先程の政府委員のお話ですと、保健所を医療機関として非常に弱体化した、骨拔きになつたようなものにして、医師会に極めて遠慮したようなお話がありましたが、保健所をつくりましてもそのような保健所ではどうすることもできないのでありまして、我々委員が参画してつくつた保健所はそんな幽霊的保健所でないようにお願いするのであります。それから又保健所の医者は、保健指導の医者と、治療担当の医者と二人を置くという御説明がありましたが、ここに大きな喰い違いがありますのでお伺をいたします。保健所に医者が一人しかいない所が百三十二ケ所ございます。そうするとこれは一人しか医者がいないのは二人分をやるのであるかということになるのでありますが、一人づつ別々にやるというお話ですから、ここには医者を百三十二名、一ケ所に一名づつ追加をして頂きたいのであります。そうして万全をつくして頂くということにお願いしたいと思つておりますが、政府委員のお話では、この数を一人しか医者のいない所が百三十二ケ所もあるのをお忘れになりまして、天馬空を征くがごとく御説明がありましたが、どうぞ御修正を願いたいのであります。それから五百四十三ケ所の保健所には、医師が二人づつおりますので、ここに合計一千八十六名の医師が担当せられておる訳であります。併し大きな規模の保健所ですから、もう少し医師を採用して頂いて、この二倍ぐらいをお使いになりたいと思つております。それから藥剤師が五百四十三ケ所の大きな保健所には一名づつ、婦人の藥剤師か男子の藥剤師かが採用されておりますが、小さな保健所と称せられる百三十二ケ所の保健所には薬剤師は一人もおりません。御承知の通り、医師は医学を專攻した者でありまして、藥剤師は藥学を專攻した者でありまして、百三十二ケ所の保健所には藥剤師が一人もいないというような片手落の所で治療をすると大言壯語せられましても、やはり藥学は專門の者が担当しておりませんと、立派な医師の処方を生かして、公衆の最大多数の幸福を図るという便宜が図れないのであります。そうした重要観点から見まして政府は百三十二ケ所の藥剤師のいない不完全極まるところの保健所に藥剤師を置いて完全なものにして頂きたいということと、百三十二ケ所の医師が一人しかいない保健所に二人を最小限度採用して頂きたいのであります。そうして完璧を期して頂きたいのであります。御承知の通り、この保健所は警察医師を指導するという大きな看板を掲げておるのでありますが、警察の数は幾つあるのか御承知でしようか。保健所の数は僅かに六百三十とか、警察の数は一千三百ケ所前後あるのでありまして、少くとも警察の数だけは警察医師を指導するという建前ならば、警察の数だけは最小限度保健所を作らなければ完璧を期するわけにはいかないのでありまして、又國際的な立場にある日本を、結核予防或いは花柳病を予防するという能率を挙げるわけにはいかないと私は信じておりますので、少なくとも警察数だけの保健所を作るということを主張するのでありまして、政府委員の方の御答弁を願いたいのであります。
 それから学校衞生を指導するということを保健所が言い、又やつておるのですが、学校の数は非常に多いのであるますが、取敢ずその三百ケ所程度の保健所にしまして、学校衞生方面にも十分力を入れて頂きたいのであります。殊に世界一多いと言われる結核の予防、早くこれを発見をする、そうして治療するという点が極めて重要であります。又花柳病の点につきましても今は非常に環境が惡いので、花柳病は非常に多くなつておる筈でありましてこの点に十分力を盡す爲に我々委員も骨折ります。政府もこんなしみつたれた小さい予算でなく、もう少し増加を要求しますから、僅か二千八百三十五万くらいの目腐れ金で大計画を立てておりますけれども、少くとも数億円の予算を計上してやつて貰いたいのであります。政府の御意見をお伺いいたします。
#8
○政府委員(濱野規矩雄君) ちよつと今の三木局長とよく連絡しておりませんので、私共関係の仕事でありますので、若干この際補足して置きたいと思いますが、大きな保健所になりますれば、仕事の関係上治療する人が、專門の人があつた方が便利になるかもしれませんが、大体予防する人が治療しなければいかん、治療する人が予防しなければいかん、こういうことにおいて保健所は本当に働いて行くと思います。自分の持ち廻つております結核の予防地区の患者さんを診まして、その人がよく診察しまして、その人が人工氣胸その他をよく処置したり、乃至はあなたは病院へいらつしやい、サナトリユームにいらつしやい、又帰つて來たらまあよくなりました、もう少し治療したらよいでしよう、もう人工氣胸を一年か二年ぐらいやつてもよろしい、そういうことは奬めます。それは技術がなければ予防処置はできません。ですからそれだけできる人が指導し又治療もいたします。ただ大きな保健所になりますれば、これは若干分業になつてもそれはそれだけ能率が挙るのじやないか、併しながらその人はやはり自分は治療をするだけの技術を持つて貰いたい、こうしなければお説の通り保健所を作つても形成的に終るのじやないか。この点は十分努力いたします。正式にして進めて行きたい。尚今お話の警察が一千二百幾つあります。保健所も私達はいつも夢のように見るのでありますが、保健所の数も警察の数程あればよいのじやないか、そうすればお互いに便利になります。これが治療するとか何とかいう問題でなく、そういういろいろと面倒を見たり、又指導をしたり、眼をつむつて見れば、警察の数でもまだ不便じやないかという氣がする。併しながら一つ警察の数程欲しい。今三木局長が言つた五百幾つかというのは、現在燒け残りましてその使えるのもを指しておるのであります。もう少し將來になりますれば、我々の希望は警察の数程巡査派出所がある、巡査の出張所がある。それが村における保健婦の出張所である。そうして行くことが又國民全体の要望でだんだんそうなつてくれることを希望いたします。又その土地の人、その町の人の尊い寄附によつて保健所ができるようにする、保健所がどうしても政府の金、縣の金においてできないのであれば、又そういうことを要望されてできますことも、それは文化文明日本としての一つのやり方であります。ただ余りに外國の翻訳ものであるとか、ああいう式の保健所でないということを率直に申上げまして、一番苦心をし、その所において一番こういうあり方でよいということで進めて行くのがよいのじやないか。昔昭和六年にできました大塚の健康相談所は石をぶつけられたのです。又昭和八年にできました下谷の健康相談所も莚旗を立てられた。昭和六年に建てられた大塚の健康相談所は今度は東京都の細菌研究所に生れ変りまして、その燒け跡を私この間見に行つた時に今昔の感に堪えなかつた。私行きました頃は、そば屋がそばを持つて來て呉れなかつた。晝飯を今のように持つて行つたものです。その所長の寺尾先生が非常によくやられまして、今度は門前一杯で毎期々々客が詰めかけて八時頃には八十人も新らしい患者が來ます。まあそういう意味におきまして保健所の数も段々できることを希望いたしますが、今は何分こういう事情でありますので、こういうことを三木局長が簡潔に申しております。要は保健所で治療でありますとか、そういう大きな仕事をするのに一人きり医者がいないのは困るので急性傳染病の方で縣に相当数の医者を派遣いたしたい。これは急性傳染病はは國家の事務でありますが、今度は各縣あるいは市にそれぞれ委任事項が法律にありますので、その爲に縣や市がいたしますが、日本挙つて傳染病を少くするために、國費の医師をそれぞれ縣に派遣したり、少い所で四、五名、多い所で十名以上、東京あたり大変であります。そういう方々が一部保健所へ勤務いたします。この頃保健所が評判が惡いが、これも私の罪でありまして、急性傳染病に全部今保健所が掛かつておる訳であります。それで進駐車も参りまして、東京で傳染病が物凄く下つております。併しまだ戰爭前よりは減つておりません。終戰後は大変な減り方であります併しながら天然痘、発疹チフス等はまだぼつぼつ出ておりますことは日本では非常な屈辱であります。昔は一つもなかつた。それに保健所が大半飛び廻つております。この点も一つ諒として頂きたい。これはまだ傳染病に職員がはつきり出ておりませんで、保健所の仕事か開店休業に表は見えますけれども、國民の福祉に大変な働きをしておりまして、傳染病が誠に少くなつたというお褒めの言葉を頂きたい。私も感謝しております。それで唯急性傳染病だけが治つたらいいか。実際問題として結核でありますとか、花柳病でありますとか、又小兒の栄養問題等は殆ど開店休業の状態であることは御指摘の通りで、これに対して若干の予算を貰いまして進んで行きたい。又お話の通り医者の数が足らん。これに対しても私は数次に亙つて関係官と折衝いたしております。早い話が軍医に志願された方は、これは永久にパージであります。こういう若い軍医の方々が再教育されましてこういうところへ伸びて行く、そうして保健所で一人前の医者になつて、國を思われたお氣持で保健所において國を思つて頂く、こういう方々か相当の年輩になつて開業されて少くともこういう予防衞生に目醒めた方の御努力によつて傳染病が減りまして、文化國家に相應わしくなる。是非こういう保健所も何とか使うように、又それに参加して頂くように努力しておりますが、併しながらそれは大きな砦がありますので、先程三木局長が申しました通り極力やつて行きますが、そういう方々に向いましてもたゆまず努力いたしまして、こういう方々も糾合いたしまして、保健所に立派な方が集まつて、日本の保健がうまく行きますように努力して行きたい。それには少くとも保健所というものをよく理解して頂いて、皆様方の御援助を得られることを希望するのであります。これは参議院、衆議院、國会の御努力に俟つところ多いと思います。結核の病氣又花柳病も大変なものであります。これを如何にして治すか。この前、欧洲戰爭の時は、ドイツは数年にして結核を治してしまいました。ずつと少くしてそうして今度の戰爭に入つたのであります。こういう点において、ドイツ國民に対して偉大なる尊敬が拂われているのだと思うのであります。私たちは文明とか平和國家とか申しますが、少くともこういうことに関係しております者としては、それに向つて極力努力をして、五百幾つでは足りません。同時に自分の背中に火がついている。ことであります。結核にしても、花柳病にしても、背中に火がついている、自分の子孫にまで火がついている。これに対しましては仰せの通りに、警察の数以上にする、外國では結核については、人口五萬に対して結核の技師が一人要る、二萬五千人に一人の保健婦が必要だ、こういう色々な法則がございますが、我々は無論それを遵法いたしますが、一つ、日本はそれ以上の貧困の國であります。数が少ないのですが、十分に皆が協力し合いまして努力して行きたい、こういうことに外ならないのであります。どうか御庇護願いまして進んで行きたいと思います。そういう点を特に申上げたわけであります。御理解願います。
#9
○草葉隆圓君 前囘から、改正されます保健所の問題について色々質疑が取交わされておりますが、今後十分でないと存じます点、以下数項について伺いたいと思います。第一は、從來の保健所と今度改正になります保健所との根本の観念についてどういう相違があるか。これは從來の保健所は或いは人口政策確立要綱に基いた人口増加の一つの重要なる体系の中に織込まれたり或いは又体力管理の中心機関となつたり、結局言葉を換えて申しますと、日華事変以來太平洋戰爭に至りますまでの富國強兵の一つの保健行政の中心機関となつて來たと存じます。今囘新らしく憲法が制定されまして、いわゆる憲法の根本義に基いて、國民の健康にして明朗なる旗幟を目標として参ることと存じまするが、その根本的観念の相違において、從來の保健所をどういうふうに指導し、或いは持つて行こうとしておられるか、この点について第一に承りたいと思います。
 第二には、この法案を通じまして、政府の保健行政についての一貫したる方針が私共は見失われておるような感がいたすのであります。改正法案の第二條によりますと、色々と指導の或いは事業のことについて竝べておりまするが、どうも一種の百貨店式な、デパートのような感が深くいたすのであります。而もその從來からの御説明を綜合して考えますと、その百貨店たるやむしろ裏町における第三流か四流の百貨店のような感が強くするのであります。それについて第一に、保健行政においてその組織体系をどういうふうに今後考えて行かれるか、或いは保健所の一つの問題だけを中心に考えましても、現在は六百有余であるが、將來はかくかくかようにして保健は中心の保健所を置いてこういうふうにして行く、第一次殴洲戰爭後のドイツではこうであつたが、結核については、何年後には僕滅する方針だ、或いは乳兒死亡は何年後にはこの程度にまで行く予定だというような、何か根本的な一つ目標と方針とをお持ちになつてお進みになつておるかどうか、この点について余りくどくど申上げることは却つて時間を要しまするから、第二の点は以上のことについてお尋ねを申上げます。
 第三は、以上の二つの大体の大きな立場から更に少し細かに掘下げて考えて参りますると、今囘の改正保健所の内容から申しますと、むしろ私は保健所という名称は妥当ではないのではないか、不適当ではないか、衞生行政の中心機関であり、中心行政廳として、おやりになりまするならば、むしろ公衆衞生事務所という名称とか、或いは保健事務所という名称の方が妥当ではないか、どうしても保健所という名称で、又それを中心の看板として行きまするなら、今囘の改正はむしろ保健所としての墮落ではないかとさえ私共は考えるのであります。これは日本國民の將來の保健という問題から私は眞劍に考えて申し上げておりまするから、ただ單に色々と業務上で申し上げるより根本的なことを考えて行かねばならんのではないかと思います。併しどうしてもこれはそういうことでは具合が惡いのだ、覚書にこういうふうにしてあるから、この線で行かないと具合が惡いということでありまするならば、これは覚書が來るまでに政府が折衝された折衝に不十分な点があつたのではないか、こうさえ考えられるのであります。
 そういう点について何かお洩らし得るものがありましたら承りたいと存じます。
 第四番目に、政府の資料として御提出になつております覚書の訳文が誤りのない、これが妥当であると考えて読んで参りますと、A項の「公衆衞生看護事業」ということが謳われておりまするが、これはどういうふうにお取扱いになる予定であるのでありますか。又覚書には「医療社会事業」とありまするが、改正法には「公共医療事業の向上及び増進に関する事項」となつておりますが、この二つは、同一の意味であるか、或いは変つておるものであるか、変つておるならどう変つておるのであるか。殊に本改正法における「公共医療事業の向上及び増進」という意味は、一体どういう点を指して言われておるのであるか。そういう点を一つ拜聽いたしたいと存じます。
 次には殊に保健行政の上には、都市と農村とはすつかり考え方が違つて來る部面が多いと思うのです。今後の保健所の行政面においてのやり方について、農村と都会とどういうふうにお取扱いになろうとしているか、その点を承りたい。そうしてこれだけの内容を持つた仕事をやり、而も覚え書のように、その実施に必要な予算、施設、人員、機構の整備をなすべきだということを前提としての内容を言われておりまするが、然らば一体政府でお考えになつておりまする予算、施設、人員、機構の整備というのは、どういう程度までのことを計画としてお持ちになつておりますか。この点も承りたいと思います。
 第六に、この改正法の第四條には、厚生大臣の指定する疾病については治療を行うことができるとありまするが指定する疾病というのはどの程度までを指しますか、殊に先程來段々とお話が出ておりまするが、私は結核について、むしろ從來の國立療養所との関係或いはその他從來の私設機関との関係について、殊に國立療養所との関係について、どういうふうに、何か関連性を持たせようとしておられるかどうか。もう一歩突込んで申しますと、一方におきましては、保健所法を改正して、そうしてこういう方面の治療までやつて行こう。どうせ今からそれぞれの方法を以てやりますると考えましたならば、なかなか完備したやり方というものは、現実として困難な場合が多いことを予想されております。ところが一方同じ國家の結核治療の機関として、國立療養所があつて、それは八月一日から有料になり、從來ですら何割かの空床があり、殊に有料になつた後における相当の空床を予想される状態で、一方は結核の治療のために保健所を十分拡張をして治療をして、一方現在において十分の治療の機関を持ちながら、最後には有料にして行つて、むしろ縮小して行くような点を考えますと、この二つは矛盾している、政府の政策ではないかと考えられると思うのであります。そういう点についてどういう関連性を持たせようとしておいでになるか。更にこの中には、政府は保健所に対する方針としては、大体この治療の場合、その他の場合に無料を方針としておられるやに見受けられる。有料の場合には、いろいろこの條文にあります通りでありまするが、無料を根本方針としておいでになる予定であるか、極く例外的なものにだけ有料を以て行くか、その有料を以て行くときには、如何なる程度の有料を以て行こうとされるか、それも承りたいと思います。
 最後に、第二條の各項につきましていろいろ伺う煩を避けまして、その中の一二の点について、特に伺つておきたいと思います。それは第三項に「栄養の改善」とありますが、これは從來の保健所の規定にも、第二條に確か謳つてあつたと存じます。而もそれは保健所としては最も大きいものの一つであつたと存じます、而もそれは戰爭中において、國民の栄養の改善という大きい問題を保健所が取扱つて行くべきものである。……これはちよつと速記をお止め願います。
#10
○委員長(塚本重藏君) 速記中止…。
#11
○委員長(塚本重藏君) 速記開始…。
#12
○草葉隆圓君 戰爭中においてすら、保健所が栄養の改善という点については、最も眞劍に考えるべきものであつたが、不幸にして我々國民の一人といたしましては、保健所が栄養の改善に向つてこれこれの指示をし指導をしたということは、殆んど聞かないのであります。今度の改正において、栄養改政ということは、一体どの程度のことをしようとするのであるか。殊に現在の困窮した食生活におきましては、私共の最も望んでおる点であります。現在の配給量と配給の品物とで、こういうふうにして食つて生きよ、そうしたならば十分にカロリーが攝られるという指導さえしてもらつたら結構であります。それをむしろ私共は保健所に強く願つており、それが食生活の或部分の解決の一端になろうと存じますが、一体保健所法の改正に当つて、本当に眞劍にそういう点についてお考えになり方針をお持ちになつてやろうとしておるかどうか。これは眞劍に一つお答えを願いたいと思います。又具体的になにかありましたらお聞かせを願います。
 又前会も議員からの質問にありましたが、乳幼兒の栄養ということは、殊に乳兒の栄養という場合においては、母乳以外を考えると、牛乳が絶対であり中心であろうとさえ考えられる。その牛乳が乳兒についての絶対必要なものであり、それの取扱い方というものが乳兒を生かすか殺すかという問題にさえ及ぶというようなものが、農林行政の上で取扱われておる。これは、保健所法が改正になつてこれが実施されるならば、むしろ最も重要なる牛乳というものは、取扱いの省及び局において正しくやられなければ、乳兒の問題というものについては蹉跌を來たすものが沢山ありはしないかと思います。これは今後いろいろな乳幼兒の問題についての一つの根本になろうと存じますから、この点につきまして、是非とも我々はそれを願望いたしておりまするが、そういう点についての何か御腹案等があり、或いは御方針等があるならば、承つて置きたいと存じます。
#13
○政府委員(三木行治君) 御答えいたします。從來の保健所と今囘の保健所と、性格において如何なる相違があるかという点でありますが、先ず第一は保健所の目的でありますが、改正案第一條におきましても保健所の目的を謳つておるわけでありますが、只今御指摘になりましたごとく、現行の保健所法におきましては、地方にありて國民体位の向上に盡すということが目的であります。又先程御指摘になりましたごとくに人口政策確立要綱、或いは体力要綱等におきまして、保健所は一般保險行政と共に、労働力及び兵力を育成培養するという意味合におきまして戰爭直前、戰時中に運営せられたことは、御指摘の通りであります。從いまして、今囘におきましてはその目的を改正案第一條に明らかに謳つておりますごとくに、公衆衞生の向上及び進歩ということのために、保健所は目的をそこに持つて行くということになつておるのでありまして、即ち憲法第二十五條において高らかに言われておりますところの、國民の保健及び文化、そういう面に対する國の義務をこの保健所が担当してやつて行こうというのが、この保健所の新らしい目的でありまして、これは從來の保健所と今囘の保健所の性格の相違の、重要な点の一つであると存ずるのであります。
 又運営に当りましても、從來の保健所は先般も御説明申し上げましたごとくに、保健國策の末端滲透の下部機構として、つまり中央集権的な從來の行政組織の末端第一線における、國策滲透の下部機構という性格を持つておつたのでありまするが、今囘におきましては、これは國家事務ではあるが、併し地方における必要な委任事務といたしましては、その地区の住民の方々の健康をただその侭に率直に、公衆衞生の地区の公衆衞生の向上のために働くということに重点をおいて施行いたしておるのであります。從いまして運営の具体的な行き方といたしましては、從來の保健指導というものが保健指導を根幹とはするけとども、併しながらそこに必要なるところの予防的措置であるとか、或いは若干の行政事務を持つて行くというような、この事務を加えまして、そうして地方の住民の方々の間の納得の行くような委員会というふうなものによりまして、意向を反映するような運営の仕方をやつて行こうつまり保健行政の民主化を図つて行くという行き方をするという点は、今囘の改正の重要な第二の点であると考えるのであります。
 以上大体が從來の保健所と今囘の保康所との相違しておる点であります。
 次に政府は保健行政の一貫した方針が見落されておるではないか、指導面を徒らな羅列主義であつて垢抜けがしていないではないかという御意見でありました。その点につきましては、私共も遺憾な点を感ずるのでありますがともかく保健所といたしましては、これが都鄙おのおの特長のある地域を持つて参ります関係上、例えば農村地区におきましては今日上下水道というものはないのでありますが、併しながら都市地域には上下水道というようなものも謳わなければならないというように、最小公倍数を取りましたために、やや羅列的になつておるのは御容捨を願いたいと思うのであります。
 尚保健行政の組織体系をどう考えておるかということでありますが、これは地方の第一線におきましては、市町村並びに市町村に駐在しておりますところの保健婦及び防疫要員、或いは飲食物衞生の監視員、そうして健康保險組合というような第一線にありまするところの機関それの上にこの保健所という組織がある。そうしてその保康所の上に縣衞生部若しくは衞生官、次に本省というような組織を以ちまして、國が義務といたしまするところの健康にして、文化的なる最低の生活を保障する、國の義務をこれらの機関によつて遂行して行く、將又地方の住民の方方がみずから欲する形態の保健組織を運営して行くというような行き方にいたしたいと考えておるのであります。尚この場合におきまして一体何年ぐらい経つたらどうするというような一つの目的があるかというような点につきましては、予防局長からお答えを申上げたいと思います。
 第三番目に保健所という名称は妥当ではない、むしろ公衆衞生事務所と言つた方がいいではないか、妥当ではないかという御意見であります。この点につきましては私共も或点において誠に左様であると存じ、又非常にこれは一同苦慮をいたした点であります。率直に申しまするならば、保健指導機関というものが保健指導をやれば足るのでありまして、かくのごとき事務を行い、或いは治療を行うということは或意味において墮落である。併しながら私共といたしましては、先程予防局長から申し上げました裏面の事情のみならず、又我々が自主的に考えました場合におきましても、我が國の公衆衞生地域の現状におきましては、やはり忙がしいのに集まつて來て頂いた人々そういう人々に対して保健所でできる程度の治療をして行くということは、やはり保健指導事業に対して一般の方方の関心を持つ所以であります。邪道と言えば邪道でありますが、併しながら今日我が國に氾濫いたしておりますところの結核、花柳病というようなものに対する予防的措置としてはこれは妥当ではないというようなことを苦慮いたしました結果、こうすることも止むなし、こういうことも必要であろうという結論に到達いたしましたので、その点一つ御了承を願いたいと存ずるのであります。
 尚事務を執るということにつきましては、これは保健所が最も親しまれ易い保健所でなければならん。我らの保健所だという関係を持たなければならん、のにも拘らず、権限行爲をやるというようなことにつきましては、これ亦非常に困つた問題でありまするが、併しながら警察署というものがなくなるという場合におきまして、ともかく保健衞生の仕事をやつて行く保健所がそこにでて來る、その仕事を持つ。そうして從來の警察、行政と違つて納得の行く民主的な親しみの持てる、そうしてその機会において保健所を訪問することができる、つまり保健所を親しまれる保健所といたし、愛される保健所といたして、しばしばそこに訪問の機会を多くすることも一つの行き方ではないかというようなことで、これもやるということに相成つた次第であります。この点につきましては御了承をたまわりたいと存ずるのであります。警察同様の取締り行政をやろうなどとは毛頭考えておらないのであります。
 次に公衆衞生、看護事業とは何をやるかということでありますが、これは御存じの通り保健婦というものは、我が國におきまする保健行政におきましては、非常に大きい役割を演じております。從いまして我々といたしましてはこの保健所活動というものに伴いまして、保健婦の活動というものを見落すわけに行かない。而も保健婦は御存じの通り市町村駐在の保健婦もありますれば、最も大きく占めるものは農業会、或いは國民健康保險組合の保健婦であります。約三千ばかりが保健所の勤務をしているという実情であります。從いましてそれぞれの命令系統、所属を異にしている保健婦、保健区内における保健婦は成るべく同一歩調をもつて同一目的に向つて足並を揃えていけまするように技術的な指導、或いは調整を加えるということがこの公衆衞生事業の仕事の内容であります。
 又公共医療事業とはなんぞということでありますが、我が國におきまする生活保護法、或いは健康保險等の医療費に関する仕事をやつておりまする各種の施設、或いは医療施設というものそういう事業を保健所の立場からいたしましてこれらの事業を紹介し、その利用を斡旋し、或いは場合によりましては保健所みずからがそれらの事業の医療機関と申しますか、そういう役割を演じて、これらの我が國におきまする公共医療事業が円滑にやつていけますように保健所が協力してやつていくこういう所存でここに記載しておる次第であります。
 次に第四番目、都市と農村とはやり方が違うはずであるが、どういうふうにやるのであるか、この問題は相当複雑多岐な問題であります。一言にして申しますならば、從來我々が考えておりました保健所創設当時におきましても、劣惡なる我が國の農村保健の問題を解決するために保健所を設置したい十年前はそういう状態であつたのでありますが、今日におきましては、都市における保健衞生の諸問題は山積いたしておる。不良なる生活環境が、うじやうじやいたしているわけであります。從いまして都市におきまする衞生問題は非常に沢山ある。併しながら農村におきましてもやはり栄養の、量は豊富であるけれども、その質は不良であるというような問題もある。從いましてそのどちらに重点を置くか。それは異る性格のものでありますから、いずれにいたしましても農村における住民の方々が必要なる衞生的保護を加えられなくてもよいという理由はないのでありますからして、それぞれの特性に從つて共に努力を傾むけてゆき、現状を通じて努力していきたいと考えている次第であります。
 次に予算、人員、施設、機構の整備でございまするが、いずれこの問題につきましても……、非常に長くなりますので、この次に資料をお渡し申上げまして御説明申上げたいと存じます。
 次に第六番目の、第四條に厚生大臣の指定する疾病ということがあるが、一体これはどういうことであるかという御質問でありますが、保健所といたしましてはたびたび申上げますごとくに、公衆衞生の向上のために、治療を行うのであります。從いまして結核、花柳病及び歯科疾患についてこれを行うのが原則であります。併しながら若し例えば青森縣におけるトラホームであるとか山梨縣における日本住血吸虫病であるとか、かくのごとき地方病がございますときには、一つ厚生大臣の指定する疾病ということにおいて治療をなすの途を残しておきたいという、かような趣旨であります。決してこれをもつて一般疾病を治療しよう、或いは胃加答兒の治療をやろうというような考えは毛頭もつておりません。
 次に料金の問題でありますが、改正法案によれば保健所の手数料、使用料等は無料を方針とするがごとく見られるが、どんなものを有料なものにするかという御質問でありますが、御説のごとくに保健所は保健指導を第一の目的といたしまするが故に、これは無料を建前といたしております。併し若し治療を行い、或いは試験、檢査等をなした場合におきましては、支拂能力のある方々には適切なる手数料、使用料を拂つて頂くことが妥当である。かように考えましてその場合は政令によつて料金を取り得ることにいたしたのであります。その料金、金額は治療料につきましては社会保險診療報酬規程を基準といたしまして、一つの枠の中で地方における委員会等におきまして決められた額をもつて決めていきたい。著じるしき凸凹等のございませんように、その際は、厚生大臣がこれを認可するというようないき方にいたしたいと考えておるのであります。
 次に栄養改善の問題であります。御指摘になりましたごとくに戰時中及び今日、今こそ栄養指導をなさなければならない重大なるときであります。而も戰時中になにもしなかつたではないかという御意見でありまして、その点は私共その局にある者といたしまして誠に申訳ないことに存じておるのであります。栄養の指導といたしましては本省においては、私共の局において地方においては衞生部において、現場においては保康所においてそれをやることに相成つておるのであります。その方針とするところは、栄養効率を増進すること、食つた物は皆身につけるように、或いはよく咀嚼するとか、無駄なく料理をするとか、その調理の配分を最も効果的にやるとか、とにかく栄養効率を増進するということを主眼といたしまして、家庭菜園等における栄養資材の絶対値の増加ということを目標にいたして、そうして指導をやつて來たつもりでありますが、併しながらにしろそれらに必要なる人員が不足しておるというような、或いはパンフレツト、リーフレツト等が十分でなかつたということのために、その当時のキヤパシテイといたしましては、相当にそれぞれ活動いたしたというような報告を受け、私共も見ておるのでありますが、而もこれが台所の末端まで到達したかという点におきまして甚だ不十分であるということは私共率直に遺憾に存じておるのであります。又今日の情勢におきましても、今こそ栄養をとることに努力しなければならないのであります。從いまして私共としては大藏当局に対して非常な努力をいたしまして、ようやく保健所に対して一人ずつの栄養士の配置を受けることに相成つたものであります。從いましてこれらの機関を十分に動員し、殊に專門家だけが一人占めをするというのでなく、指導をするというおこがましい態度でなく、末端におきまして眞に住民の方々の協力と共感とを贏ち得るような、盛り上る指導の方式を採用いたしまして、是非十分なる成果を挙げるように努力をしていきたい。そのために或いはパンフレツトを作り、或いはテキストを作りまして、おのずからその末端活動に遺憾なきを期しておるのでありますが、更にラジオ、これは主婦の時間においては殆ど毎日輸入食糧、その他に関する放送をいたしております。又土曜、日曜を除く週五囘のラジオの放送の時間におきましては、公衆衞生の時間をとつております。その時間においてもそのことを説明し、或は講話をいたしておるのであります。というようにあらゆる機会におきまして……更にもう一例を附け加えますならば、輸入罐詰の場合におきましてはその使用法を貼付する。或いは配給所の前にその使用方法を掲載して置く、新聞にできるだけ各種の栄養知識の普及の記事を掲載して貰うというように、いろいろと努力をいたしておる次第であります。保健所におきまする重要な仕事といたしまして、殊に今囘は僅かではありまするが、それらの人員を得ました次第でもありまするからして、眞に盛り上る方式を採用いたしまして、十分努力をいたしまして御期待に副うように努めたいと、かように考えておる次第であります。
 最後に乳兒の栄養の問題でありますが、この問題は戰爭中も或いはそれ以前からもあつた問題でありまして、厚生省といたしましては、乳兒の保健を主掌する省といたしまして、乳兒の栄養を要求し、乳兒栄養の指導をやるのでありますけれども、乳兒の牛乳の生産は農林省に属しております。そのために適切を欠く場合がしばしばあることは御指摘の通りであります。併しながらこの牛乳の問題は動物の飼料、動物の飼育その他の問題とも関連がございまして、單に厚生省へ牛の問題だけを持つて來るというようなことにはなかなかの問題があるのであります。両省で話合つたこともあるのでありますけれども、尚未解決のままになつておる次第であります。一つ又いろいろと関係方面とも相談をいたしまして、御期待に副いまするように改善を図つて行きたいと考えております。尚國立療養所との関係等につきましては、予防局長から御説明を申上げることにいたします。
#14
○政府委員(濱野規矩雄君) 先程お話の結核に対するとか又性病に対しまする何か確たる方針を持つておるか、平たく言えば結核の國策如何、性病予防の國策如何という問題でありますが、これは何れ又機会を見まして……今日は時間がありませんから簡單に申上げます。結核は御承知の通りお手許に差上げて置きましたような数字でございますが、終戰後世界始つて以來一番でございましよう。二十八という数でありますが、この前の第一次欧洲戰爭が始まりまして、スペイン風邪がはやりましたときに二十五、負けたドイツが二十三、今度日本は人口一万に対して二十八という推定をしております。第一次の戰爭が終りましたときの元の数に返すというのが私たちの第一の目標でございます。結核の予防は、御承知の通り今問題になつております保健所と、それからサナトリウム、それを通じていたします教育というもの、この三つがよく揃いましても、連絡を取らなければうまく行かんのであります。この前のドイツは、戰爭が済みました後の講和会議の席上で、ドルトウイツチという人が、ドイツ國民の苦衷を訴えられまして、賠償金の中から免除されまして、その金で結核予防に乘り出されたのでありまするが、この人は予防の教育というものに非常に努力されたのであります。今日は大いにこれが確立されなければならない時に向つて私たちも極力努力をして行きたい。この点につきましては六・三・三の三に向つて、私は大いに結核予防婦人会であるとか、乃至は結核予防委員会のような形におきまして協力して頂きたい。こう考えております。保健所を通じましてそういう教育を徹底的にやつて行きたい。これが非常に將來におきますところの効果のありますことは申すまでもないことであります。
 尚その次に結核のベットでありますが、これは昔から……日華事変前は結核死亡百に対して百個のベットがあるベきに対しまして、僅かに十個内外であります。同時に先般申上げましたように、國民一人に対して約一円の費用がかからなければならんのに、それが四銭三厘九毛ということになつております。これを各國の例に繙いて見ますと、ベットが殖えたときには患者の数が減つております。イギリスが一九一三年頃において結核が増加しました際におきましては、いろいろな努力をしてベットが殖えた。ベットが殖えれば殖えただけ、それだけ患者の数は減つておる。一万何千殖えれば一万何千だけ死亡者が減つております。こういうような各國の実例から見ますれば、今度はいろいろの施設を政府が纒めまして、國立結核療養所、昔ありました傷痍軍人療養所、これは私極力やつておつたのでありますが、傷痍軍人療養所を初め、医療團の療養所を合せまして四万何千でありますが、私は約五万と踏んでおります。これが若し一杯になりますれば、在來ありましたものよりも、そこに何万床か殖えておりますから、一年か二年足らずして何万人か減らなければならん。それを今草葉議員からお示しの通り空いております。昨日衆議院の方のお話では七割近くまでと見ております。その一番の原因は、これは何を申しても食糧関係であることは否めません。これはこの前の衞生局長時代から私の時代まで入りまして極力、農林省と交渉いたしまして、今各療養所へ百四十グラムずつの加配米が行つております。私をして言わしむるならば、昔の疎開学童、それから療養所におります患者、これは闇買いのできない氣の毒な人たちであります。これに対しましては何とか私は考えて貰わなければならん。これは私頭から何時も消えないのであります。疎開学童がやかましい時代におきましてこの観念が強い。又沢山の傷痍軍人を扱つてその感を深くしたのでありますが、加配米を要求しておる。又加配米をやらなければ患者さんは自炊をいたします。自炊ということは患者の安靜ということと逆の結果になります。これは肉体的の安靜でなくて精神的な安靜を阻害いたします。これにつきましては前局長並びに私におきまして、百四十グラムずつの加配米が行くようになりましたが、或る縣におきましては少いところもありました。十分ではないようでありますが、併しながらこの加配米がありまして、各療養所からいろいろと喜んだ手紙を貰つております。これは何とか殖やしてやりたい。入りましたならば正しき医療を受け、正しき治療を受けまして、そうして正しき食べ方をいたしまして、そうしてよく休み、よく動く。要するに活動と休息をよく理解いたしますれば、そこで結核の減つて行く自信を持ちます。又それによつて十分自信を得ましたならば表え帰る。又次の人が入つて來るというふうにいたしまして、少いながらベットの運轉をいたして行くことが望ましいのである。かようにいたしまして五万のベットが一杯になりますれば、今結核死亡二十万に対して五万であるといたしますと、要するに四分の一ベットである。結核死亡百に対して二十五のベットを以て古來結核予防に成功した國ありや、これは私は繙いて見ますと、とてもないのであります。どうしてももつとベットがなければならん。兵舎を改良して、六人入るところへ八人入るとか、友愛によりまして段々そういうことが改善されれば八万床まではできるのじやないかと思います。八万床でありますれば数万床殖えますから、若干死亡者は減つて参ります。そういう式になりますれば、少くとも結核死亡二十万に対しまして八万床でありますれば、四〇%近いものになります。四〇%から五〇%ぐらいのベットを持つてやつた國、これは若干成功しておる國はあります。この線を突破いたしまして、片方では減り、片方では保健と療養と相俟つて協力をいたして行きますれば、これは私たち將來において相当の成績を挙げるのじやないかと思います。これは各國の例を採りましてもそうでありますが、これは私たち公僕としては誠に残念でありますがこれがより以上に活動いたしますときに、只今御質問でありました療養所と保健所その他の機関とも相関連して活躍するときには、私は大きなる重点があると思うのであります。又國民がそれについて安心してついて來られるときに大きなる私は線があると思つております。又それに向つて只今努力いたしております。一例を挙げますれば、療養所の医官が、或る保健所、例えば東京で申しますと、東京の或る療養所の或る医官が、下谷なら下谷の保健所に毎週一遍來るとか、乃至月に二遍來るとか、自分の病床には下谷の区民の方を收容しますとか、そういう式にいたしますれば、下谷区民とその先生との間における安心感というものが持てます。又本人が保健所に参りますればその時には、その家族の方が家族の病体を尋ねに來られる。親しみも出て参ります。そういう点におきまして、結核に対する観念はますます深くなる。結核に罹つた人は、あの先生がおるから安心して療養所に行かれる。又先生も月に二、三囘出て行つて、家族感染を防ぐこともできる。そういう労少くして効多きことがある。そういうようなことも考えられます。この間小田原で神奈川の療養所でございますが、一病棟を小田原市民が全部占拠しております。こういう食糧事情でありますので小田原で取れました「ぶり」をその病棟に送つた……。
#15
○千田正君 質問の時間を與へて下さい。もう少し結論的に話して下さい。
#16
○政府委員(濱野規矩雄君) そういうふうな関係で非常に連絡がうまく行きましてよく参りました。そんな意味におきまして、國立療養所と保健所の関連性ということは、私は完全にやつて行けると思うのであります。尚この中でもう一つ問題になりますものは、いろいろと問題になつておりますが、ベットに入られます患者さん達の費用の問題であります。これが相当に費用が嵩みますならば、同樣に結核の対策としてこれは非常な障碍になるのであります。併しながら私は出せるだけはお出しになつたが宜いのじやないかと思います。例へば極く僅少の金をお納めになりましても、そこにおいて感謝の念が出て参ります。こういうような点におきまして、結核の問題は明るく進んで行くのではないかと、こう私たちは考えております。これは結核の問題でありますが、性病はまだいろいろと複雑な問題が多々ありますが、要点は藥の問題であります。只今性病の蔓延の度はどのくらいであるかということにつきましては調査不可能であります。併しながら私たちがお手許にお配りいたしました資料の約五倍とお考え下されば結構だと思います。そのくらいの患者が現在おる。傳染の廣れある者が現在おる。その患者に対しまする治療ということについては、とても日本の藥では間に合いませんので、米國その他から輸入しなければなりませんが、その金高でも五億内外かかる。それをいろいろ交渉いたしますが、この藥さえありまして……。先般もお話のように保健所その他におきまして屆出をいたしまして、その患者を徹底的に治療する、乃至予防教育を必要があればこれもする。同時にこの傳染して來た傳染源を保健所その他を通じまして見付けて行く。こういう点におきまして、花柳病は藥と、そういう方法をとれば急速に減つて行くのではないか、但し日本におきましては、花柳病は非常にいやしい病氣で、罹つた人も隱すこの風習がなかなか拔け切れない。アメリカをして言わせますれば、花柳病は傳染病である。恥しくない。チブスや腸チブスに罹つたと同じような観念であります。この観念に日本人が切り替りまして、同時に徹底的な治療が行われるならば、花柳病の撲減は割合に簡單に行くのじやないか。根幹は急性傳染病と結核であると思います。
#17
○委員長(塚本重藏君) ちよつとお諮りいたしますが、三木公衆保險局長が衆議院の文化委員会からしきりに出席を求められておるのですが、丁度十二時前でありますし、残余の質疑を次囘に譲つて本日は保健所に関する……。
#18
○千田正君 厚生委員会は重要なる問題であると同時に、各般のあらゆる問題について研究しなければならんので私は小委員会を開いて頂きたいことの動議を提出いたします。こういう大勢が集まつていても、質問もできないし御答弁も十分でないということは、委員会が効果的な運営になつて行かんと思いますから、保健所なら保健所をやるというなら、それに対しての小委員会を開いて十分討議して頂きたい。
#19
○委員長(塚本重藏君) 尚そのことにつきまして、機会があれば、國立療養所並びに保健所等を視察などもして頂いて、そうして更にもう一囘質疑を重ねて、愼重な審議を遂げて結論に入りたいと思います。かように考えているわけであります。そのことに関して小委員会を設けていいかどうかということも、今、千田さんから動議があつたのでありますが、如何いたしましよか。
#20
○委員長(塚本重藏君) それじやこのまま続けることにします。速記を止めて。
#21
○委員長(塚本重藏君) 速記を始めて保健所法に関しましては、残余の質疑を次囘に譲つて、本日はこの程度にいたします。
 この機会に、さきの委員会で山下委員から質問になつておりました國立療養所の有料問題に関する質疑に対して、医務局長の御答弁をお願いいたします。
#22
○政府委員(東龍太郎君) 國立療養所及び國立病院の患者のいわゆる有料問題につきましては、各方面からいろいろと御質問等を受けております。この際一應簡單に國立病院、國立療養所というものの現状をお話し申上げましてそうしてこの有料問題に対して厚生省が如何なることを考えておりますかを御了解願いたいと存じます。言葉が國立病院、國立療養所二つございますので、これを一々繰返しますことは、正確でありますが煩雜でありますので、仮に國立療養所という言葉で全部を包含しているものと御了承願います。國立療養所と申しますのは、元、傷痍軍人療養所と申しておりますものがその主体でございます。全國に五十四ケ所、その中三十六が結核療養所でありまして、これが昭和二十年の十二月一日付を以ちまして、元の厚生省医療局の所管の相成りまして、國立療養所というものに相成つたのであります。その後結核の施設は、本年の四月一日に日本医療團の施設を統合いたしましたために、そうして又一部國立病院の方の一般療養施設から結核療養所に轉換いたしましたために、現在では合計百四十二の結核療養所を持つております。その他の療養所といたしましては、精神病が二、それから頭の戰傷、頭部戰傷と申しますが、それが一、脊髄の障害が一、温泉療養所が四、癌療養所が十一ケ所、合計百六十一が國立療養所と申しますものでありまして、それが医務局の療養課の所管になつております。國立病院の方は、旧陸海軍の病院並びにその医療施設がその主体をなしております。これも同じく昭和二十年の十二月一日を以ちまして医療局の所管に相成りました。全國確か百十五ケ所と記憶いたしますが、百十五ケ所の施設を持つております。その後二十一年の十一月、厚生省の機構の改革と共に、医療局からの現在の医務局の病院課と申しますものに移りまして、施設の数もいろいろとその後変化がありまして、只今では九十七ケ所に相成つております。これが療養所と病院のまあ現在の施設の全貌でありますが、國立の療養所に入所いたします入所規定と申すものがございまして、この昭和二十年十二月一日から行われておりました入所規定によりますというと、これらの國立の医療機関に入院して治療を受け得られる者は、國において医療をなすを要する者という言葉で表されております。國において医療をなすを要する者の内訳といたしましては、第一がいわゆる傷痍軍人であります。特別の公務又は服務に関連して疾病に罹つた者、即ち傷痍軍人その外に戰災者、引揚者、戰時中の徴用労務者という者を含みまして、これらの者がいわゆる國において医療をなすを要する者、これらの人々が國立の療養所には当然に入所る人でありまして、若しも療養所において取扱の余裕があります場合に限つて、一般患者の入所をも許して來た。これが在來の規定でございます。併しながらこの旧規定によりましても、入所費は有料を建前とする。これはその当時も有料を建前といたしております。但し國において医療を要する者につきましては、これを免除することになつておつたのであります。今囘この入時規定を改正いたす必要に迫られまして、これはすべての國民に対して平等に扱うという立場から、特定の特権というものをば、療養所における入院患者にも施してはならないということからいたしまして、國立療養所におきましては、一般の療養所としてこれを開放するということに相成りましたので、この入所規定の第一條から國において医療を要する者という言葉を省いてしまつたのであります。その際にも有料規定はその侭に保存しておいたのでありますが、ただこの有料規定の扱いの上におきまして多少考の上に変化がありましことが、今囘の有料問題と俗に称せられまして、一部新聞紙上にまで傳えられるように相成つたのでありまして、決して今まで無料であつた規定を突如として有料に直したというのではないのでありまして、規定は同じでありますが、その扱いの上において、有料が建前であることがあまりにも明らかにせられたという点に問題が起きたのであろうと存じますで療養所について申しますというと、現在核核療養所といたしましては、もはや國の結核療養施設の八十%ま、八割を國家で運営しておることになつておるのでありまして、從つてこれらの施設を全國民に開放するといたしましても、先程もお話がありましたが、甚だ結核施設としては不十分でありますが、併しながら不十分の中の大部分が國にあるということで、この療養所をば一〇〇%にまで、或いは一二〇%にまでこれをば活用いたしたいというつもりでおるのでありますが、只今のところ全部の結核療養所を通算いたしまして、約七割の入院患者を持つております。尚三割の空床がございます。併しながらこれは漸次入院患者が殖えておりますので、遠からざる將來に一〇〇%になるものと期待はいたしております。でこの入所費の負担につきましては有料を建前とはいたしておりますが、入所者の生活状況を考慮いたしまして減免を行うことを得る。これも元からある規定でありまして、減額若しくは免除を行い得る。又たとえ有料と申しましても、その入所者個人の財憂から直ちに支拂う有料の外に、いわゆる社会保險制度を利用いたします方法或いは生活保護を受けられる向においては、その医療保護によつて入所費が支拂われる。これもすべて有料の中に入つておるのでありますが、尚一部免除、全額免除の取扱をも行い得ることになつております。で療養所におきましては、入院の費用は、いわゆる保險診療單價、保險診療費の八割を入院料といたしております。保險診療費の八割、それがつまり全額負担の場合の入院料でありまして、これを減免いたします場合には、それの二分の一、及びそれの四分の一、正確に申しますというと、社会保險診療費の八割か四割か二割か、この三段階の有料と、それからして全然の免除と、この四段階の取扱があるわけでありまして、厚生省の現在の目標といたしましては、そうして又財務当局との話合によりまして、國立療養所の收入予定の点と睨み合せまして、その見込としたしておりますところは、入所者の半数、五〇%を全然無料と扱いましても宜しいような、それだけの余裕は残してあるつもりであります。半数は何らかの形における有料、全額負担の有料もありますれば今のように安い費用の有料もありますが、何れにしても半数有料、半数無料ということを大体の目途といたしまして、そうして全療養所を運営して行くという方針で指導をいたしておるのであります。併しながらこの経費の問題は何れにいたしましても、患者に取りましては非常に大きな負担であり、又非常に大きなシヨツクであつたと存じます。当方におきましては、決して入所費が得られないから入所させない。左樣なことを考えたこともございませんし、指導いたしたこともないのでありまして、入所費がないために今まで入院しておつた者が退院をしなければならん、療養を捨ててしまわなければならんと、左樣な不幸の結果になることは、これを絶対に避けたいというのが私共の考でありまして、でき得る患者の方からは、その経済負担の能力に應じて、然るべく、有料の建前の通りに支拂を受けますが、いかなる途からも入所費の賄えないという方々に対しまいては、從來通り免除の規定をそのまま適用して差支はないのでありまして、又日本全國の多数の療養所におきましては、この規定の改正前後におきまして、その間何らの不安もなく、そのまま平穩に運営せられておるところもあるのでありますが、所によりましては非常な動搖を來したことも事実でありまして、私共としては誠に遺憾に存じております。これらのことにつきましては、事務上の手続の上にも多少の難がございます。又未だ外部に向つて十分にこれを知らしめるまでに至つていない未熟の案のままが、不幸にして病院長よりも、病院当局よりも、場合によりますと、医務当局それ自身よりも早く患者の或る方面にニユースが入りましたと申しますか、そうして途端に在來無料であつた者がく厚生省が策動しておるかのごとき印象を與えるような言動がありましたことは、私共として誠に申し訳ないとともに誠に遺憾であります。併しながらこの問題は私共といたしましては、患者の療養についても十分な考慮をいたしておるつもりであります。又財務当局ともできる限りの折衝はいたしたつもりであります。從つて後はこれによつて患者が徒らなる心身の動搖け受けて、療養生活に重大な支障を來たすことのないように、安心して療養して頂きたいという工合に末端を指導いたしております。尚この指導が不十分であり、不徹底でありその結果として最近までしばしば地方において問題がありましたことは、私も存じておりますが、この点につきましては、今後とも一層の指導を十分にするべくあらゆる機会を利用いたすつもりでおります。要するに今まで無料でそうして安んじて療養しておつた患者、特に戰傷病者がこの規定の改正によつて突如として療養所から街頭に放り出されるというような事柄は、これは絶対にあり得べからざることでありまして、私共といたしましては、左樣なことは夢想もいたしておりませんでしたことをこの機会に申上げておきます。
#23
○千田正君 只今の御説明で大分分りましたが、大体國立療養所及び國立病院におる者は、今度の誤つたる戰爭の尊い犠牲者であると同時に、最も不幸な人たちが大半以上、殆ど一〇〇%まで占めておるということを、我々は常に念頭におかねばならないと思うのであります。この意味において有料、無料ということが非常に精神的に患者に響いて來たということは誠に残念だと思います。先程もおつしやられたように、末端の事務当局に至るまでその点十分に御注意願いたいと思います。私は岩手縣でありますが、岩手縣の國立病院の患者の中には非常に興奮をして逆に病状が募つていつた、そういう面もあります。それから先程の加配米の点においては非常に感謝しておりますが、昨年度におきましては米を事務局員が横流しをした、而も患者の口に入るべき米が一粒も患者の口に入らずに医務当局と事務当局が握飯を作つて各自の家に持ち帰つて、遂に患者の口に米が入らなかつたという事情もあります。そういう面もありますので、十分に國立病院の運営に対しましては、我我は勿論御協力申し上げなければならんと同時に、御当局から十分に御注意を願いたいということをこの際申し上げておきます。
#24
○小川友三君 今有料問題に対して山下君が留守中を頼むと言われて帰られましたが、七日まで帰つて來られませんので、その点についてちよつとお伺い申し上げます。國において医療をなすを要するものというような條項を削られましたが、これは何月何日にお削りになつたのでありましようか、それをお話し願いたいのであります。それからこれは厚生省が國会に諮らないで黙つて削れるものか、その権限がどこにありますか、はつきりして頂きたいのであります。國会開会中に國会に諮らないで、國家に相当功労があつた人の患者の生活を脅かし、病氣を重くするというようなことをなぜ起したか、それから昨日熱海の國立病院の樣子を調べますと、七十何名入つておりまして、殆んど一月ぐらい食糧品の配給がないから、我々は日干しになつちやうというので、東京に買出しにやつて來たという患者と行き遇いましたか、監獄じや三合五勺ずつ司法省の行刑局の局長さんを中心として、農林省と猛烈に折衝して、全國の刑務所の七万三千五百人一遍も遅配欠配したことがないという政府があり、一方には足が無くて歩けないという病人に、一月近く何も配給しないという厚生省御当局がある、これは正に雲泥の不深切の差があるのであります。全國に今発表せられましたところの、沢山の國立病院並びに療養所に、どこの病院に幾日何日から遅配しておるか、どこの病院に何日から欠配しておるかどこの病院に欠配がないという事情を、厚生委員会に報告していただきたいのであります。昨日会つた病人の工合は二人とも片足が無い、新橋の駅に降りますと、片足無くて何しておるかというと、実は買出しに來たという、何か買えたかというと、何も買えませんという、昨日の状況であります。熱海では殆ど一月近く全然配給がないということを聞いておりますが、今日の委員会で厚生省御当局のやり方と、司法省の行刑局の局長さん竝に課員の、一遍も七万三千人遅配欠配したことがないという努力と、どうしてこれだけの差をつけておるかという実情を、今直ぐでなくても結構ですから、詳細に亙つて全國の國立病院、療養所の遅配欠配の状態を御報告を願い。その責任者であるところの人の御來場を願つて、厚生委員会で御答弁を願いたいのであります。
#25
○政府委員(東龍太郎君) 國立病院の入所規定は、これは法律ではないのでありまして、厚生大臣の権限において変更できるものと存じております。只今の入所規定は、昭和二十二年七月十一日、告示第四十七号を以て新らしい入所規定に相成りましたのであります。それから只今の病院、療養所に対する欠配遅配の問題でありまするが、御想像の通り私の手許には全國の総ての食糧事情が逐一入つてはおりませんが併し総括的に担当の事務当局から聞いておりますところでは、國立療養所並びに國立病院に対する食糧の配給は他の一般の我々よりは遥かによろしいのだそうであります。全体として申しまして、欠配遅配という形のものは余りない、但し主食が米とか米麦というもので來ずに、代用物で來るということは勿論でございますが、量におけるいわゆる遅配、欠配というものはこれらの病院、療養所は一般庶民の生活よりは遥かに宜しくなつておるということを実際聞いておりますので、詳細につきましては全事実について資料を得ました上で申し上げたいと思います。
#26
○草葉隆圓君 國立療養所の有料の問題についていろいろ御説明を伺いましたが、尚一、二の点御質問申し上げたいと思います。只今の御説明では、七月十一日の改正によつて多分療養所の方が八月一日からいわゆる現行によつてやるようになるという御意見だと思いますが、いわゆる國立病院の方が六月一日からの実施じやなかつたか、而もその実施は期日を遡つて、期日はその後にあつて遡つて御実施になつておるのではないか。それからこの実施は先程ちよつと明暸を欠いた御説明によつて実施になつたということでありますが、本年度の予算においてはこのような実施を見込んで予算を計上しておいでになるのか、いわゆる收入において支出において、当初からこの計画でおやりになつたか、途中からかように予算を御変更になる御予定であるか、これも伺つて置きたい。それから入所者の約五〇%が予算において無料であるから大体宜かろうというお話でありまするが、併し從來の結核療養所が府縣が経営いたしておりました場合は殆ど全部が無料であります。結核療養所において有料無料というものの金額はどうするかということは、先程の保健所の問題と同じように治療上の関係は別といたしまして、殆どは無料であつたのでありまするから、而も今までの、國立療養所になりましてからも大体無料でありましたようなために、現在たとえ五〇%有料に予算上においてなさるにしても、これは相当大きな変革ではないかと思うのであります。或いは戰爭犠牲者であるから特別の取扱をする、せんという問題以外の示談においてすら、結核患者に対しましては無料を多く取扱つておつた実情であろあうと存じます。だから結核の場合において具体的に申し上げますと。或いは外地引揚者或いは戰災者或いは傷痍軍人という、いわゆる最も戰爭犠牲の甚はだしい者であり、只つ健康を失つておる者に対しての治療は、平素從來國立療養所等でお話になつておりまするように医療的治療の外に精神治療というものが相当大きな部面を持つておるわけでありまするから、その精神的治療というものにこの今度の取扱が大変大きく響いておるのではないか、でありまするから、普通の結核療養の立場においても、五〇%の有料を予算の上に見込むことは過大過ぎはしないか、從來の府縣立療養所の場合においても左様な予算を組んだことは恐らくないのじやないか、斯樣に存じます。今後のことにつきましては、根本方針としては心配のないようにするということでありまするから、私共も大変喜んでおります。併し多数の結核入院患者におきましては、相当尚不安を懷いておると思います。現に一昨々日も地方から上京いたしまして、衆議院及び参議院にそれぞれ強い陳情をいたしておる状態であります。それで有料になつた、現在の或いは局長さんなり、或いは係の方なり、療養所長の時には、温情的に無料にしてくれるだろうけれども、併し根本が有料であるから、人が変つたら温情がなくなつて、段々と有料に強く打ち変つて來ることは、これは当然だという不安ですね。持つておる、そういう点についていろいろ御苦心の点もあるかと存じますが、一方入つている人たちの安心して治療ができ、且つ先程來の保險の問題と同樣に國家の國策の上からも、結核治療のように、十分治療ができ得るように、両々相俟つた方法においてやつて頂かないと、なかなか釋然とした心持にはなれないのではないか、こういう点について……。
#27
○政府委員(東龍太郎君) 新らしい規則の実施の八月一日の問題は、これは國立療養所も病院も通じて同日でございます。八月一日からということになつている。六月一日のお話がありましたが、これはあらかじめ規定の改正を病院長会議、療養所長会議等に付しまして、審議いたしまして、それが確か病院長会議は五月であります。その時の院長の話で、いろいろな予算に関することは四月一日からやることになるだろうが、今はもう既に五月だと、今から四月に返るわけに行かんだろうから、六月頃からやろうかなという話合が、先程申しましたように速かにブロード・カストされたように、六月一日と、私の方から六月一日ということは申し上げておりませんので、先程申しました通り、規定の改正が公式に済みましたのがここに七月でありますから、それで八月一日が両方共実施期日になつております。
 それから今の結核療養所の有料無料の半々ずつと、無料が少な過ぎるというお話、このことにつきましては、結核という病氣を國が如何扱うかという根本の問題に触れるのでありまして、若しも結核という病氣に悩む人が全部國費を以て治療をせられるというこの時代を考えまするならば、私共誠に明るい思いをいたすのでありますが、現在の何と申しますか。國家の財政状況に或る程度大いなる制約を受けていることも事実であります。但し予算は当初から、この改正規定によりますような予算を立てて進んで参りました。それで府縣においても大部分が無料であつたではないかと、私実は詳しくは存じません。恐らくその通りと存じます。恐らく三分の一ぐらいが有料でありまして、三分の二は無料であつたのだと思います。今度の有料、五〇%無料と申しましたが、その有料の中に、こちらが予定しておりますような社会保險と、生活保護法というものを適用いたしますものをそれぞれ一〇%と見込んでおりますが、そういたしますと七〇%ぐらいがいわゆる嚴格な意味の有料ではない患者になるのではなかろうか。これで決して無料の患者の数がそれだけで十分だという意味で申上げるのではありませんけれども、斯樣な予定から以前の府縣営の場合よりも尚一層支拂能力のない方々に氣の毒な思いをさせているんではないんだというようなふうに我々は考えて、辛うじてみずから慰めている次第であります。
#28
○服部教一君 丁度今の問題についてお尋ねしたいのでありますが、私の聞いているところによれば、この無料患者の食物が非常に惡い。とてもそれによつて療養の目的を達することができない。一体食物に充ててある予算は幾らになつておるのですか。それから今日この食物が非常に高くなつて來ておりますが、果して栄養分を與えるだけの予算をみておるのでありますか、この点を一つお尋したいのであります。
委員長(塚本重藏君) ちよつと食費のお答を願いますに合せて、無料と言つている中には入院料、治療費、それから食費、手術、注射、藥價等のもののうち、どれ程のものが有料の中に入りどれどれのものは入院者の個人負担になつておるかということも合せてお答え願いたい。
#29
○政府委員(東龍太郎君) 患者の食費は現在は七円ということになつております。いわゆる賄費が七円でありまして、その材料、調理等に要する人件費が一円十七銭、使います薪炭費が一円六十銭、計十円三十一銭……現在と申しましたのは思い違いでありまして、四月、五月が七円でございます。六月が九円でございます。七月が十円、八月からは十八円六十二銭七厘これが患者の食費の材料費で、資材の費用でありまして、それに先程のように人件費や薪炭費を加えますと、一人一日当りが二十三円八十銭弱に相成ります。これだけの費用をもちましても栄養の質並びに量において患者の必要とするものを十分に與え得るものとは考えにくいのであります。又無料の患者について特に食物が惡かつたという御印象のようでありますが、病院において支給いたしておりまする食物は有料無料を通じまして一樣であります。成る程その質の惡いものがあつたということは私も実物を見て存じておりますが、決してこれは無料に対する差別待遇ではないのでございまして、すべての患者について一樣な給食をいたしております。尚これは御質問の点を外れて恐縮でございますが、実は病院、療養所の患者諸君の給食の問題につきましては目下他の関係局と連絡いたしまして、患者給食制度を考案中でございます。それにつきましては今御指摘のごとく病人に対する食物の質及び量の不足を補うために、特別の食物の配慮を戴き得る予定の下に、それらを最も有效適切に患者の栄養として與え得ますように、よき給食制度を作る。そういうものの確立を見まして、そうしてそれがこれならば十分であるという見透しがつきましたならば、特別に他の日本人の食糧に食い込むことはなくして、患者のためにエキストラの栄養が我々に與えられる明るい望みをもつて只今考案中でございます。
#30
○服部教一君 私のお尋ねいたしましたのは有料と無料との差別をされているということは聞かなかつたのでありますから、この点はそういう意味ではなかつたのであります。ただ無料で入つている者の食物が如何にも惡いということはしばしば聞いておるのであります。今日卵一箇が十二、三円するのでありますから、それで大体食物はどうであるかということが分るのであります。私は必ずしも非常な良いものを食べさせにやいかんということは言わないのでありますが、併し栄養食を與えるということの基礎をしつかりと保つて、この物價のインフレで騰ると共に、その点を厚生省といたしましては、特に注意をして貰いたいと思います。予算の問題もありまして厚生省の人の考え通りに予算をとることはできないでしようけれども、それは又我々も共に力を入れまして、大藏省の方に戰爭のために傷ついておる者に対して甚だしい、誰が見ても栄養分が足らないというようなものを與えて置くということは、これは甚だ間違つたことだと思うのです。大藏省がきいて呉れんからというようなことではいけないと思いますから、そういう場合にはともども一つ力を入れて適当なるものをやるように、始終御注意をお願いしたいと思います。
#31
○政府委員(東龍太郎君) 食事のことを先程申し上げましたが、申す迄もなくこれは政府の支拂でありますので、公定價でございます。公定で物が入るかというお尋ねがございましようが、只今までのところ國立病院、療養所等ではその施設は苦心と努力によりまして、道府縣町村等の絶大の支持によりまして、兎に角公定價で食糧品は確保いたしております。そのために十円と申しましても我々がその辺で買います十円よりは良い物が入つておる筈でありまして、カロリーの計算は大体主食で千八百カロリーぐらいが確保せられておるのではないかと考えております。全部で千九百、二千というのが最も多く療養所の報告でございます。但しこれは各療養所、病院の運営如何によりまして、全國的に相当の差があるようであります。この点は各方面からの御指摘を俟つまでもなく明瞭なことでありますが、或るところでは二千四百カロリーを樂々と與えており、尚攝ろうとすれば二千八百まで攝り得るという自信を漏らしたところもあるのでございますし、又場所によりますと千三百カロリー攝るに非常に困難をしている。併しながら何とかしてそれを千八百まで漕ぎつけているという所もあります。これは全部三百に及びます療養所、病院が一樣とは申しませんが病院の工夫と努力によりまして、相当の成果を挙げておるところも多々あるように存じますが、尚この点につきましては今の栄養の給食の問題について將來もつとしつかりした方法を見出したいものと存じております。
#32
○服部教一君 私のは噂を聞いておるのではないので、実地について朝は何を食わす。晝は何を食わすということまで知つておる。非常に惡い。それは全國全部とは聞いておりませんけれども、非常に惡い実例があるのです。それですからどうぞ一つ宜しくお調べ下さいまして、患者の相当のところ迄やつて頂きたいと思うのであります。
#33
○草葉隆圓君 極く簡單でございますから……段々と有料の問題は御説明を伺いまして大体分つたような氣もいたしますが、そうしますと斯樣に解釋して宜しうございますか、現在入つておる者は別に心配は要らない。現在のままで大体よいのだという解釋をして、病院の方から事務的に各個人にお前の家は出せるかどうか、出せん場合には民生委員の生活保護の医療を受ける手続をせよというようなことはないのでございますね。その点を一つ念のために申し上げておきたい。
#34
○政府委員(東龍太郎君) 只今仰せになりました通り、私としてここで明らかに申し上げられますことは、決して今まで無料であつたものを、途端に有料にして療養生活に影響するようなことはしないのだ、我々のなんと申しますか親心のあるところを一つ汲んで頂きたい。又病院当局はよくこちらの趣旨に対して口に言えないこともありますので、腹で一つ円満にやつて貰いたいというように指導いたしたのでありますが、それが不徹底な嫌いがありましたことは、私先程申し上げましたように甚だ遺憾に存じております。又実例といたしまして只今御指摘になりましたような事実がなかつたかと申しますと、なかつたとは申し上げかねますそういうような事実があつたればこそかような問題が起きたのであります。かようなことは本旨ではございませんから今後徹底いたします。
#35
○委員長(塚本重藏君) 大体今の当局の説明で我々の心配しておつた点もその不安が解消したかのごとくに考えられますから……、外に御質疑がありますか。
#36
○穗積眞六郎君 今のお話で大体分りましたが、ただ予算を組んで收入の途を得られるのじやないかと思います。そうしますと親心はおありになつても今度はその予算の收入という点から大藏省に非常に迫られた場合には、厚生省は必らずそれに向つて歩まざるを得ない。こういうお立場ができやしないかと思う。その点いかがでしようか。そうなりますというと、心だけあつても事実はやはり元と同じことになる。この点を途程御考慮願つて、予算を組まれるときから、成るべく少く收入を組んで頂く、これができませんでは、ただ見込でやる積りだということでは駄目だと思います。
#37
○政府委員(東龍太郎君) 成る程予算というものに一方制約を受けております。ただ療養所につきましては全部の療養所をプールいたしまして、收入を支出の約三分の一程度にというところを目標にいたしております。從つてこれは各施設ごとにつきましては左樣な收入は到底挙げ得ないし、又挙げるなどと考えることのできないようなものもございますが、それ以上のものが今まで通りで樂々と挙げておるところもございますので、全國全部をプールいたしますと、三分の一という目標は決して困難ではない、從つて收入を挙げるために療養の面において大きな影響なくしてやれるという見込でさしておるのであります。
#38
○中平常太郎君 保健所の問題はまだまだ質問者が大分ありますからなんでございますが、要するに救療、医療という問題などは大変國民の思想に及ぼす影響が大きいのでありますから、私は厚生委員会におきましては國立療養所或いは保健所などをやはり調査して実体を把握する必要があると思います。ですからこの会においては調査班を出すというふうに考えを進めるべきであると存じますから、この点を提案いたしておきます。
#39
○委員長(塚本重藏君) 明日は午前十時から開きます。本日はこれで散会いたします。
   午後零時三十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     塚本 重藏君
   理事
           谷口弥三郎君
           宮城タマヨ君
   委員
           内村 清次君
           中平常太郎君
           三木 治朗君
           草葉 隆圓君
           中山 壽彦君
           安達 良助君
           小林 勝馬君
           藤森 眞治君
           井上なつゑ君
           小川 友三君
           小杉 イ子君
           波田野林一君
           服部 教一君
           姫井 伊介君
           穗積眞六郎君
           米倉 龍也君
           千田  正君
  政府委員
   厚 生 技 官
   (公衆保險局
   長)      三木 行治君
   厚 生 技 官
   (医務局長)  東 龍太郎君
   厚 生 技 官
   (予防局長)  濱野規矩雄君
ソース: 国立国会図書館
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