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1971/03/14 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 建設委員会 第4号
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1971/03/14 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 建設委員会 第4号

#1
第068回国会 建設委員会 第4号
昭和四十七年三月十四日(火曜日)
   午前十時三十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月九日
    辞任         補欠選任
     野末 和彦君     喜屋武眞榮君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    理 事
                中津井 真君
                山内 一郎君
               茜ケ久保重光君
    委 員
                熊谷太三郎君
                古賀雷四郎君
                竹内 藤男君
                中村 禎二君
                米田 正文君
                沢田 政治君
                田中  一君
                松本 英一君
                二宮 文造君
                村尾 重雄君
                春日 正一君
   国務大臣
       建 設 大 臣  西村 英一君
   政府委員
       建設政務次官   藤尾 正行君
       建設大臣官房長  大津留 温君
       建設省計画局長  高橋 弘篤君
       建設省都市局長  吉兼 三郎君
       建設省河川局長  川崎 精一君
       建設省河川局次
       長        川田 陽吉君
       自治大臣官房参
       事官       森岡  敞君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   説明員
       農林省農政局農
       業協同組合課長  鶴  哲夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
○建設事業並びに建設諸計画に関する調査
 (昭和四十七年度の建設省、北海道開発庁、首
 都圏整備委員会近畿圏整備本部及び中部圏開発
 整備本部の基本施策並びに予算に関する件)
    ―――――――――――――
  〔理事茜ケ久保重光君委員長席に着く〕
#2
○理事(茜ケ久保重光君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。西村建設大臣。
#3
○国務大臣(西村英一君) ただいま議題となりました治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 政府におきましては、現行の治山治水緊急措置法に基づき、昭和四十三年度を初年度とする治山事業五カ年計画及び治水事業五カ年計画を策定し、これにより治山治水事業の計画的な実施を進めてまいりました。
 しかしながら、この間、国土の利用開発が著しく進展しました結果、山地及び大河川における災害の被害がきわめて深刻なものになるおそれが生じ、また都市近郊の山地及び中小河川の災害が頻発し、さらに各種用水需要が急激に増大しております。
 このような情勢に対処するために、現行五カ年計画を改定し、新たな治山事業五カ年計画及び治水事業五カ年計画を策定することにより、これらの事業を緊急、かつ、計画的に実施して国土の保全と開発をはかる必要があります。
 以上が、この法律案を提出した理由でありますが、次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。
 第一に、ただいま申し上げましたとおり、現行の治山事業五カ年計画及び治水事業五カ年計画を改定して、新たに昭和四十七年度を初年度とする治山事業五カ年計画及び治水事業五カ年計画を策定することといたしました。
 第二に、新たに治山事業五ヵ年計画及び治水事業五カ年計画が策定されることとなるのに伴い、国有林野事業特別会計法及び治水特別会計法の所要の改正をすることといたしました。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
#4
○理事(茜ケ久保重光君) 本案につきましては、本日は以上の趣旨説明の聴取にとどめ、質疑は後日に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#5
○理事(茜ケ久保重光君) 次に建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、昭和四十七年度の建設省、北海道開発庁、首都圏整備委員会、近畿圏整備本部及び中部圏開発整備本部の基本施策並びに予算に関する件について質疑を行ないます。
 質疑のある方は、御発言を願います。
#6
○田中一君 先日、建設大臣から本年度の予算執行に当たる抱負を伺いました。最近、この国会が持たれて以来というものは、まことに残念ながら、遅々として国会の論議が進んでおりません。もはや衆議院における予算委員会にいたしましても、まだ結論がいつごろ出るかということは予見できないような状態であります。その中にあって大臣が、あちらの委員会予算委員会と右往左往される姿はまことにいじらしいものがございまして、私、きょうこれから質問申し上げる問題は、西村建設大臣に対して強い要請をするとともに、あなたの周辺を取り巻いている局長諸君に、ほんとうに政治家としての建設大臣の補佐を完全にしているかどうかという点を強く指摘したいのであります。これは長い間の官僚政治というこの弊が与党自民党の力が落ちているという現時点から、あなた自身をなめ切っているのではないかというような気持ちすらするわけであります。それがいままでの行政の面において多々見られます。単に建設省と他の大臣所管の分野のみならず、建設省そのものの中におきましても競合された行政とかあるいは同じようなものを、あなたの率いるところの各局が重複してそれに触れ合っているという点など、奇々怪々なものが残っております。この点につきまして、かつて私は思い起こしますと、都市問題の一つの例として、建築街区の整備の法律を住宅局が提案すると、都市局が駅前広場等市街地の改造、再開発を目的とする単行法を別につくるとか、国民としてはまことに迷惑しごくな、同じ建設大臣の守備の中にあって、同じような行為をする。市民の前に露呈される現象というものは同一のものであるにかかわらず、まだ各局がそれぞれの守備範囲を広げるためにあるいは現有の職員を、しいて申しますならば養うためにそうした行政を行なっているという点は、いまこそ強く指摘しなきゃならぬ問題であります。一つの例を申しますと、かつて街区と市街地改造法、この二つの法律を一つにしてつくられた市街地再開発事業にいたしましても、いまだに住宅局は組合施行並びに公団施行等の――公団とは住宅公団でありますよ。これがそのものを所管する。同時に、都市局が各地方公共団体の行なうところの同じような再開発事業を分担しておるわけです。これは分担ということは美しそうに聞こえますけれども、そうではない。同一のものをやっている。同時に、区画整理事業を取り上げてみましても、住宅局の宅地開発課は新市街地の造成をするという目的で区画整理を行なうことを専管する、同時に、一般の地方公共団体で行なうところの区画整理事業は都市局が分担する、区画整理法という法律のもとにおいて一体どこに差異がある。こうした面の行政上の繁雑さ、これらが国民に与える認識の狂いを生ずるのであります。したがって、同じ市街地再開発とかあるいは宅地造成とかあるいは大きくは都市問題そのものに対して混乱と混迷を印象づけるというのが、今日の行政上の現状であります。これから時間のある限りまず都市問題で建設大臣にお伺いしたいと思いますけれども、いま述べましたように、一つの現実、一つの現象、これをあなたの所管する都市局と住宅局が同じ形のものをなぜ行なわせているのか、この点について率直に建設大臣の御答弁を伺います。そうしてこれに対して善処しなければならぬ、はっきりとした態度を表明しなければならぬと思うのです。各地であらわれておりますところのいろいろな混迷というものは、このようなところにもとをなすのではなかろうかと私は思うのであります。だれか官房長あたりから、その点、大臣が的確にこの現状というものを自分で知るまでよく説明を願って、ことばでなくして現実に行なっているというこの現実から見て正しい答弁を求めます。したがって、御勉強なすっていらっしゃると思いますけれども、その事実が曲げてあなたの耳に入っておりますと、答弁も的確なものになりません。したがって、よくおわかりでしょうけれども、わからぬ点があるといけませんから、官房長と御相談願って御答弁願いたいと思います。
#7
○国務大臣(西村英一君) いま田中委員から建設行政についてのもろもろのお話がございました。実は端的にいま申しましたこの都市開発についての都市局と住宅局とのそれぞれの、一方公共団体がやっているものは都市局がやっているし、同じことを今度は組合方式のものは住宅局がやっている。これは私がいろいろ説明を聞いておる上におきまして、私も実はびっくりしたわけです。もう二、三カ月前から相当びっくりしたわけです。どういうふうにしてこうなっているのだろうかということでございますが、何さまこういう申しわけをしてはいけませんが、多忙でさらに突きとめてこれを解決するというようなことにはならなかったわけでございます。感じは私もあなたと一緒のような感じを持っておったわけでございます。きょう御質問があるということでその経過を聞きますと、これはおのおの発達の歴史があって、そうなっているのだということでございまするが、これはいずれにしても課のために費用や事業があるのではございません。したがって、これは改正をしたい、かように思っておる次第でございます。これは端的な私の気持ちでございます。機会を見てこれは改正したいと思っております。それからもう一つ、やはり何と申しますか、この開発のみならず、たとえば土地問題にいたしましても、これはもう非常に各局で関係を持つようになっておるのでございます。これらの問題につきましてもやはり整理統合して、中心はどこに置くかということを考えなければならぬと思っております。しかし、それは建設行政のみでは私はないと思います。もう田中委員十分おわかりのことでしょうが、社会の問題が非常に複雑細微になりますと、したがってもうあることすべてが総合性で、同じことでも各省が関係を持つというようなことが最近たくさん起こっております。交通問題一つとりましても、総合交通といい、どこもここも関係するというような問題が、非常に、これは社会形態が複雑になった、社会構造が複雑になったという結果じゃなかろうかと思っておるわけでございます。私も実は官僚を二十五年もやったんですが、やはり何と申しますか一番弱点は、全部統合するといいましてもそれは膨大な量になりますから、統合することのよしあしはありますが、どうしても行政には継ぎ目ができると私は思うんです。事柄には継ぎ目ができませんけれども、行政には継ぎ目ができます。その継ぎ目のウイークポイント、継ぎ目が一番行政でも弱点になって、どっちが責任を持ち、どっちが管理しておるかわからぬようなところがたくさんあるのでございます。これは私の長い間の経験でございまするが、ことにいまは私たちの官僚をやっておった時代と違いまして非常に複雑性を持っておるから、各省がそれぞれ関係しておる。土地問題にいたしましても、私のほうで、計画局も関係しておる、それから都市局も関係しておる、住宅局はもちろんのこと、いろいろなところで関係しておるようなのが現状でございまするけれども、それはあなたのおっしゃりまするように、つとめてこれを整理して責任を持ったところをつくっていくと、こういうふうに心がけなければならぬと、私はかように思う次第でございます。回答になったかならぬか知らぬが、率直に御答弁申し上げた次第でございます。
#8
○田中一君 まあ、あなたのお人柄からいってよくそれだけの答弁したと思う。けっこうですよ。ただ、社会が複雑になったから、同じ問題でも三人も五人も別の面から、あるいは側面から、背面からそれをいじらなきゃならぬのだというようなものではないということです。これは結局佐藤政権の弱体化からそれが推進されたのであります。強い夢と申しますか、ビジョンというものを掲げながらそれに集中することの努力というものは、あなたの部下の官僚諸君は非常に熱心であり、かつまた情熱を燃やして戦うものであります。そのために働くものであります。法律によって、国家公務員は忠実にそれを守って動いております。しかし、これがまた習性であります。国家公務員の習性というものはそういうものです。これは当然なものでありますけれども、私はこれは一つの、こういう混迷した社会ですと美徳だと思うんです。よく訓練されている日本の官僚群です。しかしながら、法律が一つになっているにかかわらず、相変わらずあなたの所管する中においてそうした分裂が行なわれている。ちょっとしたすれ違いといいますか、そういうものを一つの仕事をする部署をつくって行なわしているということになりますと、あなたの威令が行なわれないと思います。これはひいては、佐藤内閣そのものが弱体化して一歩も前進できないような姿ではなかろうかと思う。いまの答弁はあなたの答弁として受けとめますけれども、まあ、いつ佐藤内閣が退陣なさるかわからぬので、あなたにやってくれとはいまここでは申しません。しかし建設行政というものは国民にしあわせをもたらすためにあるものであります。そこに人を縛ったり人をいじめたりするものは一つもないのであります。国民のしあわせをあなたの守備範囲において築き上げようという仕事なんであります。でありますから、せめて、これらの問題を、ただ行政管理庁にまかせるのじゃなくして、あなたの部内でそうした検討を建設大臣直属の何かの形をもって検討させる方法を、これは問題なくあなたの決意一つで可能だと思う。そうしてその中に、この建設行政に利害を持っている方々もあなたの諮問機関の一員として――諮問機関をつくってもつくらぬでもかまいません。個人的なものでもかまわないわけですが、そこでまともに法律の精神を生かそうという善良な官僚諸君の意欲を結集して、それらの方々に相談をするというような機関をおつくりになることを約束していただきたいと思う。これは法制上の問題でも何でもありません。あるいは設置法の問題でもない。あなた自身がそうした意欲的な方向を求めようとする形を残すことである。あなたの後任者も必ずそれを継承してそれらの問題を解決するようにすると思うのです。
 かつて、同僚の松本英一君が政府並びに政府関係機関、ことに、建設省の機関の、いま会計法の制度が指名競争入札になっておりますから、指名願いを出そうという場合に、あなたの所管している発注官庁ですから、かって気ままなホームの指名願いを要求するそうであります。これは松本君が何年か前にそうした質問をされているのを聞いて、なるほど、まだそんなものが残っているのかと思ったのですが、松本君はそういう指名を受けるほうの側ですからそういうことに気がつくのでしょうが、そんなことがあっちゃならぬ。あなたの守備範囲の中で、あなたの担当する中でたくさんの問題あります。物質的にも精神的にもおびやかされる問題たくさんあります。ましてや、国民大衆が、あなた方の部下が指導する面の複雑さ、それから多岐多様な積み重ねの中で全く迷惑しているわけです。
 いま申し上げた私の提案をオーケーして、部局内でそれらの方向に一歩踏み出すかどうか。これだけは、いま、西村さんのお話を聞くと、その意欲的な面がうかがわれますが、二十五年の官僚生活の中の一番悪いところを……その芽だけでもまいていこうという――まだおやめになりませんけれども、おやめになるのが近いと思うのですが、これだけはお願いしたいと思います。それだけ御答弁願います。
#9
○国務大臣(西村英一君) まだ、そう急にやめるわけじゃございませんから……。(笑声)この、いま問題になっておる都市の開発についての建設省内における複雑な点は、これはだれに相談する必要もない。とりあえず、業務の分担を建設大臣みずからがきめられると思います。研究をいたしまして、私として、私自身があまり納得していないのですから、これは早急に――いずれにいたしましても、どの課をつぶすとかどうかということでなしに改善したいと、かように思っておる次第でございます。
 その他、いまお話のございました建設行政といいましても、私たちやはりある役に携わる部なり、ことに管理の方々は管理というそのワクに立てこもっているわけでございまするから、やはり何と申しますか、世間知らず、世の中の変化に応じない、こういうような面も多々あろうと思います。したがって、それらの行政につきましては、それぞれ適当な委員会、審議会、こういうようなものをつくって民間の意思を収集してこれからもやっていきたい、かように思っていますが、さしあたりいまの問題は私は善処したいと、かように思っておる次第でございます。
#10
○田中一君 土地区画整理法の二元的な行政をやっておりますから、これもいまの中に、対象の中に入れていただきたいんです。それからそういう形の面でまだあなたの部内に、省内に相当そういう競合があるように思いますので、われわれの目につかない面も拾い上げましてこれも対象にしていただきたいと思うんです。
 そこで次に、それを前提としまして土地問題について質問するわけでありますが、これは土地問題といってもなかなか非常に広いものでありますから、そしていまあなたが指摘しているように、どの省もそれに何らかの触れ合いを持っておるわけです。そうすると、やはり今日の官僚政治の弊というものが生まれまして、各省は各省として自分の触れ合っている、接触する面の法律をつくったり、行政指導をやったり、あるいはもっとひどいところは何も根拠なしにその方向を模索するというようなことを行なっております。これは結局こうした動きは決して地価を下げるものじゃなくして地価を上げるものなんです。やはり、一元的にどこかでこれをチェックする、統一した発想が生まれてくるというところに地価の安定というものは求められるわけです。たとえば住宅金融公庫ができる、住宅公団ができる、何々公団ができる、何ができるということになりますと、住宅を建てようという場合には宅地がなくちゃならない。住宅金融公庫がいよいよ融資の受付をする場合には、かりに五千戸というものを対象にしているのに、何倍きた、百倍きたと喜んでいる。百倍くることはそれだけ宅地の地価が上がるということなんです。住宅公団にいたしましても、どこそこには何倍きた、何十倍きたといって喜んでいる。これではいけないんです。住宅金融公庫の貸し付けを受ける人たちは仮の需要として一つの目標をきめて、当たったらこの土地は買おうというようなことをして引き合いをするわけです。そのために土地は上がっているわけです。融資をしようとかということが各所でふえますと、地価は上がるんです。これは需要供給の原則です。したがって強力な手が打てないという現状から見ますと、建設大臣としてしなければならぬことはたくさんあります。この昨年の国会の末期におきまして、農住法という法律を前任者の建設大臣根本君から出しました。農住法とは何かというと、市街化区域内における水田を宅地にして住宅を建てようというところからきている。これにはこういう制度とこういう利子補給をして農協の金を使いなさいという法律なんです。これもずいぶん私も毒づきました。これも対象的に農林省の農地局が昨年、一昨年かな、昨年はその詳細を聞きましたけれども、六万坪を一単位としてそこに新しい土地づくりをしようという構想を発表してこれを指導しております。相当な調査費を出して指導しております。農住法ではたしか六千坪だったかな、一単位が、ちょっといま調べがわからんですけれども、六千坪だったかな、こうしたことがあちらでもこちらでも出てくることによって地価を上げているわけなんです。鉄道の新線とか道路公団の高速道路の計画が出るとすぐにブローカーがみんなその土地を買い占める、大資本家、土地会社が買い占めるというようなことをやっておりますけれども、結局需要があるところに物価が上がるのはこれは当然です。ましてや政府が一面片棒をかついで物価の上がるような方策をとっているからなるわけです。そこでこれは建設大臣もよく知っていただきたいために申し上げますが、四十五年七月二十五日付で、農林事務次官から通達の、「農村住宅団地建設計画の推進に関する調査研究等実施要領」、こういうものを一昨年の七月二十五日に出しております。このいままでの経過並びに実績それから現時点におけるところの対象がどこにあるか、どうなっているかという点をひとつ詳細に御報告願いたいのと、それからその資料ができ上がりましたらば、きょうは答弁伺って、その資料はこちらに配付をしていただきたい、これだけ要求いたします。
#11
○説明員(鶴哲夫君) 昨年の当委員会におきまして、私の前任者の課長が御答弁をいたしておりますわけでございますが、「農村住宅団地建設計画の推進に関する調査研究等実施要領」というものを四十五年七月二十五日に出しました。いわゆる農住都市の建設の促進を農協の側からやるということをやっておるわけでございます。ただ、これは昨年も御答弁いたしておりますように、あくまでモデル的に開発手法等を検討するということでございまして、そのために昨年御説明をいたしましたときは初年目でございましたので、農住計画の推進地域の選定と基本計画の策定について御説明をしたと思いますが、その後四十六年度は第二年目に入りましたので、さらに基本計画が策定された地域につきまして、その土地の権利者の調整を行ないますための権利者の状況あるいは土地の評価等に関する基礎資料を得るための調査を行なう、いわゆる権利調整調査を実施いたしますとともに、宅地造成施行のための計画の策定に必要な基礎資料を得ますために、宅地造成の方法等に関する調査いわゆる施行計画調査というのをあわせて実施するということにいたした次第でございます。この計画の策定あるいは調査の実施状況は次のとおりでございます。
 四十五年度に基本計画を樹立いたしました地域が二十地域でございます。そのうち十九の地域については権利調整の調査をあわせて四十六年度に実施をいたしました。さらにその十九地域のうち十三地域につきましては、四十六年度中に施行計画調査もあわせて実施をいたしましたわけでございます。したがって、もう一度申し上げますと、四十五年度の基本計画策定地域二十地域のうち権利調整調査と施行計画調査をあわせて行なった地域が十三地域、権利調整調査だけを行なった地域が六地域でございまして、この六地域は四十七年度に施行調査計画を行なうということになるわけでございます。四十六年度に基本計画を策定、現在いたしております地域が六地域ございまして、この六地域は四十七年度に権利調整調査と施行計画調査を実施するという予定にいたしております。一地区当たり基本計画調査が、補助金にいたしまして百万六千円、権利調整調査が三十九万二千円、施行計画調査が百四十一万四千円、計一地区当たり二百八十一万二千円の補助金を出しております。以上でございます。
#12
○田中一君 二年目でまだほんとうに実っておらぬと思いますが、その調査はいいですが、これは建設省あたりに連絡をとってやっているのですか。これは大体において方針としては、市街化区域内における問題を取り扱うということになっておりますね。そういたしますと、建設省も農住法という法律をつくって市街化区域内における宅地化というものを考えておられる。でき上がるものは大体同じものになるんじゃないかと思うんです。この調査が完成して一つの見込みが立つと、これはおそらく農住法で行なっておるところの利子補給等の問題も考えながら、あるいは農住法よりももっとよりよい方途を考えながら推進するのではなかろうかと思うのです。こういう点について建設大臣、こうした事実というものを、現に同じような市街化区域内で行なおうとする計画が、マスタープランをつくろうというわけですが、それを見守りながらすぐに農住法を出そうというようなことはおかしいと思うのです。これならばほんとうに一緒になって水田の宅地化の問題について、一緒になってこれらの仕事をしなければならぬと思う。宅地造成の方法等も指導したといいますけれども、これは全く建設省でもって行なっておる法律に基づいて宅地造成の指導をやっておるわけですから、それならばそうした問題を農協というあなたの守備範囲の中の団体でありますが、建設省も同じように農協を相手にしているわけですから、これは農協そのものの団体というよりも、農協そのものの持っている金を相手にしている。ちょっとそこのところのニュアンスが違うかもしれません。そこのところの違い方でもって途中でいくのでしょうけれども、何か割り切れないものを感ずるわけなんです。一緒になってやればよりよいものができるのではないかと思うのですが、建設大臣のお考えを伺いたいと思います。
#13
○国務大臣(西村英一君) 住宅行政を主としてあずかっておる建設省としては、この趣旨はけっこうだと思う。けっこうだと思いますけれども、この住宅をつくって、そして農家の方々にりっぱな居住地を与え、かたがた農業を営んでいこうという、こういう趣旨はけっこうですが、そういうことを農林省がやる場合も、いま住宅の主官庁である建設省と合議をしないというようなことは、最も悪い例です。こういうことが、連絡をできないというのがいま官庁間で行なわれているということが、各省間にいま起こっております。したがいまして農林省の考える事柄は住宅行政をやっておる建設省としては、これはりっぱなことですが、その間の実に連絡が悪いのです。もともとこれは市街地のみじゃないと思う。市街地以外もおそらくそういうことを計画しておると思うのです。そうでなくちゃならないはずです。私はよく知りませんけれども、これは農林省の方に尋ねて……、市街地ばかりでない、市街地及び市街地の近郊、市街化区域ばかりでないと思う。そこで建設省がやっておる、せっかく皆さん方の御協力によってできました例のこの農地所有者からの賃貸住宅ですね、こういうことと、やはり目的は同じなんです。しかし条件等が全然違うのです。一方は補助金、一方は補助金なんかありません。補助金と申しますか、利子の補給だとかいうようなことです。したがいまして、私は総体的に住宅行政をあずかっておる建設省としては、農林省もそういうことをやってくださるのはけっこうでありまするけれども、一方、建設省でもそういう制度がございまするから、農林省、建設省、十分打ち合わせをしてこれは進みたい、かように考えておるのでございまして、いまいろいろ団地を計画しておるようですが、そのうちで建設省の農地所有者の賃貸住宅に当てはまらないようなところもたくさんあると思います。せっかくこういう制度ができましてもその恩典を受けない、農林省は農林省のほうでおれのほうはかってにやるのだ、こういう行政は私は慎まなければならぬ、かように思っておる次第でございます。
#14
○田中一君 これは西村さんね、四十五年に通牒出しているのですよ。建設省はこれを小耳にはさんで、これはいけないぞというので、農住法を出したように、私は時間的な差がありますから、どうも農林省は大体建設省のほうに相談しないでやったということは、これはあなたがた閣内の問題ですから何とも言いません。ただこれはおそらく当時の農林大臣、倉石君だったかだれだったかな、だれかがやったというのじゃなくて、やはり官僚、官僚ということば、いいかどうかわからぬけれども、国家公務員の上級職の人たちが考えることだと思うのです。これは四十五年にこの発想はきまって通牒を出している。これはむろんそうした調査をさせている段階でありますが、全国的な水田の宅地化の方途を探るためにやったことだと思うのです。これが相当進展してくると、ちょうど新都市計画法が成立いたしまして、市街化区域も大体決定した段階で、とんでもない、これはおれのほうの守備範囲を侵されるというので、建設省は今度は農住法という法律を追っかけ出したのではなかろうかと推測するわけです。だからどちらがけしかるか、けしからぬか知らぬけれども、少なくとも農林省でそうした考え方を持ったならば、建設大臣と相談して一緒にやるということにならなければ、いま大臣がおっしゃるように健全な都市政策にならないと思う。でありますから、そうした現象というものは、もう数ある、それらがみな地価を上げるという方向にだけいっているわけなんですよ。いま建設大臣がだいぶ気にしている市街化区域以外の調整区域も伸びるのだ、こう言っておりますが、その答弁を先に伺います。
#15
○説明員(鶴哲夫君) 私どもがやっております農住建設計画の調査は、市街化区域だけに原則としてとどめております。市街化区域として現在指定されてなくても、指定されることが確実である等の理由がある地域に限るということにいたしております。なお、先ほど私おしかりをいただいたわけでございますが、今後とも建設省とは十分御連絡あるいは御協議をいたしたいと思いますが、ただ、まあこの当時もおそらくいろいろ若干の御協議はしたんじゃないかと思いますけれども、なお、県の段階でこの計画あるいは調査をやっておるわけでございますが、県の段階では土木部あるいはその他の土木関係の技術者等の方々も入っていただいていろいろ構想を練っておる、また、この補助金の対象になっております調査とかあるいは研究紙等も、すべてそういう人たちを入れるようにというふうに通達をいたしておりますので、末端において特に意見のそごを来たしておるということはないんではないか、というふうに考えております。
 なお、この私どもがやっております計画あるいは調査は、あくまで、従来の都市化の進行が往々無計画無秩序な農地の壊廃が行なわれる場合があるというようなことから、農協の発想で、農業者による農業面からの土地の効率的な利用をも配慮して、農協が土地造成あるいは宅地建設等をやったらどうかというふうな意見が出てまいりまして、そのためのモデル的な開発手法の調査をやってみるということでございまして、それ以上に農林省が建設行政に口を出すというつもりは毛頭ございませんし、したがって、ここで調査をいたしました結果、その事業の実施等についてはすべて建設省のほうにお願いをするということにいたしておる次第でございます。
#16
○田中一君 西村さん、こういう答弁ですから、調整区域にはいかないらしいんです、その点は御承知になってると思いますが。
 そこでですね、いま、末端においては主として豊地部長と土木部長が相談してやるから、都道府県段階においては一緒に話し合ってやってるんだというお話がございましたが、そのために困るのはいまの、去年成立したところの農住法です。片方じゃそういう構想を持って相当大規模な都市の整備というか、団地計画を持ってる。片方は六千坪程度のものだ、六万坪の一割です、そうしたものを法律ができたらしなきゃならぬ。さあおまえのほうやらぬかと言って、相当住宅局のほうで手を打ってると思うんです。これかこれかどっちなんだろう、農林省の計画してるこれは、自分たちは自分たちとして都道府県段階で一つの大きな構想を持ってる、それ一つにこれはばめればいいのか、また別に求めるのか、そうした混迷が当然都道府県段階では起こるわけなんです。これは困るというわけなんですね。したがって、これは一つの例を申し上げたにすぎないんですが、まだまだたくさんあります。そういう問題がすべて地価にはね返ってくるという現実を知らなきゃならない。だれかが触れれば触れるだけ地価が上がるものなんです。自分の計画の範疇にそれを入れようとすると上がるものなんです。なるほど今回自治省と建設省と共管で提案されようとする公有地拡大の推進法案等も一面、これはその法案が出たときに詳しく審議をいたしますけれども、地価公示法による評価を中心にしてこれを買うんだということを言われております、あの法案の中では。しかし、公示法によるところの評価というものが一方的なものであって、絶対ではないということは、おわかりだと思う。われわれの国家社会は自由経済の社会であります。需要と供給によって価値が変動することは事実であります。売り手と買い手によってその価値がむろん格差があることも事実であります。こうした現状から土地という問題を考えてみますと、一方的に政府が金を出して、政府が、今日は私有財産になっておりますから、私有権を持っているところの他人の財産をかってに評価する。これは法律がつくっているのですから、国がその評価をしなさいよということになっているのですね、公示法。それで公示しなさいよと、こうなっている。国という権力を持って他人の財産価値――利用とか環境とかの価値づけのファクターは相当持っていると思いますが、合理的に持っていると思いますが、それらをかってに公示して、この値段が標準だと、これで買うんだなんということは、今日の自由経済の社会においては妥当ではないんではないかと思うのです。われわれが政権とれば別の考え方をします。もっとはっきりした基本的な態度で土地に対応します。しかし、今日の社会はそうではない現在時点から、これは相当大きな問題になるはずであります。したがって、地価を抑制すると、高くなるのを抑制するのだというようなものは一つもない。相当公明党でも共産党でもいろいろ指摘するように、何かの公共施設ができるのだとなると、そこに地主が、大資本家がそれを買いあさるということがよく指摘されております、衆議院においても参議院においても。そうして、その裏にだれがいるかわかりません。少なくとも日本の、わが国の中央官庁における法律を守る、法律を守ろうとする上級公務員諸君にはないと思います。どこかでにおいをかいでそういう先行投資を行なう者がいるのだと思う。地価を上げるという政策をとっているのは政府ではないか、というような懸念すらするわけです。私は、この全体の問題を時間が非常に制約されているから的確に言えないのですが、地価を安定させる――われわれは安いものがほしいのでありますが、国民は安いものがほしいのでありますが、安くというよりも安定する地価がほしいということなんです。御承知のように、国民所得は伸びたと言いながらも、銀行ではいま金がだぶついちゃって、何でも貸しますよということになっている。それが一面高度成長政策の成果であるという評価をなさるかもしれませんが、そうではなくて、逆に大石環境庁長官が盛んにあばれ回っていると同じように、国民の生命、ことに国民の金銭的な財産の価値を下げる――これはいわゆる物価が上がることであります。こうした政策で、いまはどうかというと、どの土地会社でも分割払いでローンをつけますよ、だれでもいいですよ、そのかわりあなたはもし一千万なら一千万貸しますが、一千万あるいは一千二百万の生命保険をつけてくださいよと、こうやっている。なるほど生命保険をつけてれば、死んだらちゃんとそれを初めの契約でもって、死んだときには――これを払わない場合には差金はこの生命保険が払うのだというのなら安全です。こうしたあらゆる経済機構、からくりの中で利用しながら購買力をさらに増そうとしている。土地というものも建物というものも、これ逃げませんから、足がないから逃げないから、これは安全なんです。そうして地価を上げよう上げようとしている政策をとっているということなんです。公有地の拡大を推進するという法律は、一面から見た場合にはしごくもっともであります。私は地価がどうしても上がっていくんだという前提に立つ場合には、もう一ぺん考慮しなければならぬと思うんです。これは法案的にいろいろ審議をいたしますけれども、西村さん、あなたは土地をどうして安定させるかということは、むろん毎日毎日のように心痛なすっていらっしゃるだろうと思うんです。しかし現在あるところの立法、行政指導、あるいは社会全体のいろんな機関のからくりからくると、上がらざるを得ないという方向に向かっているという事実をどうお考えになりますか。これに対処してどうしようとしているのか、むずかしい問題でありますけれども、御見解を伺っておきます。
#17
○国務大臣(西村英一君) まあ土地問題は地価問題でございますが、いまあなたのおっしゃったとおり、なかなか容易にこれを安定させることができないのは御承知のとおりでございまするが、政府がいままでとってきたいわゆる土地政策等、たくさんな法律がございまするが、その一々みな地価の安定を目ざした法律でございます。しかし、それかといってあまり効果はあがっていないということでございます。で、私も地価を安定させなければならぬ責任がございまするが、いまお話のございました地価公示制度、これはちょっと田中さんは比較的何と申しますか、たいしたことはなかろうと考えておるようでございますが、私は実はこれに期待をいたしておるのでございます。まあそれは自由な立場で一方的に評価するといいまするけれども、これはやっぱり土地鑑定士、十分な知識を持った鑑定士が諸般の事情を考慮してやっぱりその土地の地価の公示をやるのですから、したがってこれはある程度の目標になるのではないかと思うのでございます。しかし目標になるだけではいかぬので、この地価公示制度を将来に向かって活用しなければならぬ、私はそう思っております。しかし、御案内のとおりまだ地価公示制度は全般的に行き届いておりません。行き届いておりませんから、これが完成した暁には、あるいは完成に近づけば、さらにこの地価公示制度も活用して、地価の高騰を押えるということは、これは一つの重要な方法であろうと思います。もしそれがなければ、地価公示制度というものはこれは意味がないということになりまするから、この地価公示制度の完成と相まってこれを活用したいということが一つでございます。
 それから、もう私が言うまでもなしに、地価、土地というのは需要供給の関係だと。宅地をたくさんつくれば地価は安くなるんだと。これは需要供給の関係でございますが、宅地をつくるということは、日本の地形のような現状ではそう簡単にやすやすとできるととじゃございません。もちろん宅地の大量供給ということは一方で必要なことでしょうが、やっぱりそれは地価の上昇には追っつかないと思います。したがって、私は地価を押える端的なやっぱり方策は、税制によってこれを押える、これ以外に方法はないと思うのです。不当な利益をした人は、これは税の面でもってこれを押えるという方法ができるはずです。ところが、これはざっくばらんに申しますと、私たちの立場と大蔵省の立場がちょっと違うのです。大蔵省はなかなかそれにふん切りがつかないんです。この辺は意見のなかなか分かれるところで違うんですが、私はやっぱり端的には税制で押えるということは、相当な効果が出ると思うのです。今日金融はゆるんでおります。やはり企業会社は金がだぶつきますから、高速道路をつくればあそこにインターチェンジができるんだ、あそこの付近を買っておこう、これはあたりまえの常識ですから、金を持っている人は。そうすると地価は一。へんに上がりますから、上がることは上がっても、やはりその公示制度を生かして、公示制度以上の所得、それでもってもうけた者はやっぱり税制で対処するという方法は、絶対に私は必要だと思っております。したがいまして、今年度の予算の折衝のときにも、法人税、譲渡所得に税金をかけなさいということは、建設省相当にがんばりましたんですが、力及ばず、これは将来の研究課題に残そうということで、とうとう今年は日の目を見ることができませんでした。そこで、もろもろの政策を進めていくことは、もうもちろんでございます。国土を全般的に使うとか、いろいろなことをやっていくこと、もちろんでございまするが、建設省として私たちが考えておるのは、公共地価公示制度の活用をはかるということと、それから税制によって不当所得に対処するということを強力にやったらどうかということだけを申し上げるんでありまして、そのほかのことは、私もあまりいい知恵がないんでございまするから、ひとつせっかく御教示をお願い申し上げたいと思います。
#18
○田中一君 土地の価値というものは何でありましょうか。土地の価値というものは、土地という物質を持っていれば、これは値打ちがあるんだと、金銀銅が生まれるわけじゃございません。金銀銅は鉱山へ行って、それは、それらが含まれているというところにあるのです。この地下には石油がある、これは土地の価値じゃなくて、深層部に石油があるんだということで価値がある。土地の価値じゃございません。そこで、土地の価値というものは何かといえば、利用の価値です。たとえばあなたが言っているように近くにインターチェンジができるんだ、あそこにできると、どうもあの辺ならばあそこに何かできるだろうから買っとこうじゃないかということで買った。買ったのは不当な利得ということにはならないんですよ。インターチェンジにしなきゃいい。インターチェンジにしなかったらもとのもくあみの荒廃地です。ですからそれはインターチェンジができるんだといって予想して買った。しかしそれはできなかったということで損です。不当にもうけがあった場合には、これはもう税金を取ってやるんだということは、かつての古い社会にはあったんです。歴史の上にもありました。しかし、利用の価値があるからこそ価値が高まるということは事実ですよ。そうすると所有の価値じゃないことは明らかです。持っているから値段が上がるんじゃないんです。そうなるともっと深くお考えになるべきだと思うんです。したがって、土地の価値というものは、その土地の利用の価値にすぎません。というよりも、利用の価値だけだと言ってもいいぐらいです。利用されない土地は何のプラスになりましょう。何の利潤を生むでありましょう。固定資産税取られる、かりに、金を借りて買った場合には金利がかさむ、それが利用する段階でない場合には価値がないわけであります。今日の資本主義社会におきましては、非常にじょうずに先の目を、次の次の段階のものを見て、そうしてこれはもうかるであろうといって買って、事実もうけたのが成功者と言っているんです。金もうけたのが成功者と言っているんです。また相当な安いコストのものを二重三重の重層の商人の手を経て需要者に渡す場合のこういうからくりをつくる、二重価格三重価格をつくった場合には、これは成功者であり、番付面で所得一位、二位なんていうことがいわれているのです。私は端的に、土地というものは、そうしたからくりよりも利用の価値、用益権が存在するだけだと言いたいくらいなんです。そうなってくると、まず第一に、国民に対して、土地というものは売れるであろうという予想のもとに買って、高く売れた場合にはもうけたという、違った立場から国民に土地というものの価値というものをはっきりと知るような方途をまず教育すべきだと思うのです。根本にさかのぼって、そして土地問題と取り組まなければ、現象だけでとらえて税金を取ろう、十万円で買ったものが百万円で売れたから九十万円取ってやろうというなら、だれも買う者はいなくなってしまう。そうすれば安定するであろうなんていうことは、全くの聖書にあるみつぎ取りの姿です。こういう政治はよい政治とは言えないのです。そうして九十万円取り上げた金は、あなた方が、いまの政府が使い方を知っているならば認める場合もあります。命も取られた時代があるのですから。四次防、五次防で人殺しの道具をつくったり人殺しを養成したりというような形のものに持っていくとか、いわゆる大消費に持っていこうとするとか、あるいは大資本家に対して無制限な融資をしたり、あるいは相当伸びている事業に対して利子の補給とか、あらゆる面で片寄って還元される、政府への利益のものにしきゃ使っておらぬのが現状じゃありませんか。完全に社会保障制度を徹底する、医療は全部無料にする、ただにするのだ、日本国民、一億の国民の生命は国が全部保障するんだというところに使うならば、その方法もいいでしょう。それは決して地価の安定に通ずるものじゃないのであります。
 いまここでこうした論議をあなたとしてもしようがありません。私はいまあなたがおっしゃったことについては一つ一つ反発します。公示法そのものが、地価公示法の不動産鑑定士が持つその評価というものは、その評価の条件というものを明らかにしてほしい。これも今度の公共用地の問題のときに資料をとるつもりでありますが、これは明らかにしてほしいのです。問題は主観的な利用されるであろうという価値づけ、これは最後のものなんです。
 たとえば、私の地元は三軒茶屋であります、世田谷の。あそこに高速道路ができたために、高速道路下の、これも二百四十六号線の地価は下がっております。住む者はいなくなったんです。いいですか。かつては四十八万とか五十万とかいっておりました、あの二百四十六号線をつくるときには。しかし高架道路ができたためにあき地がございます。商店が逃げております。何か公害という、公共団体の事業のために価値が、利用の価値が下がったことなんです。こうした社会の、ことに都市生活、都市におけるところの地価の人為的な変動、これは損とか得とかいうものではないんであります。それは都市生活のからくりなんです。そこに犠牲者ができる。また幸いにしてその土地を得られなかったという人は、平和な比較的その環境よりよりよいものを持っておったということになる。今度はそこの価値が上がってくる。いままで何にもなかった、値打ちのなかったところが上がってくる。これは人為的なものです。しかしその反面、裏には政治的なものが強く影響しているという事実を知らなければならない。私は端的に言うと、土地は国のものだと、われわれ民族の共有の領地である。共有のものであるという前提に立たなければ、土地問題は解決されないと思うのです。われわれの領土にすぎません。すぎませんというと変に聞こえるけれども、われわれが、平和で安定した生活を営めるわれわれの領土なんです。われわれの領土なんです。だれのものでもないのです。われわれの領土です。日本民族全部の領土なんです。この領土をいかに利用するか、いかに高度に利用して、平和と安定を求めるかというところに、土地の価値を発見しなければならないのであります。
 こういうことを申し上げても平行線では困りますから、もう少し一つの問題を申しますが、新都市計画法が成立いたしました。一番問題になったのは東京です。大都市です。この中でも、なぜ一日も早く八つに指定したところの用途地域の決定をしないのですかということなんです。現在持っているところの日照権の問題、公害のいろいろな問題等は、政府の怠慢によってトラブルが起きているのです。新市街化区域などは自由にできるでありましょう。これですら行なっておりません、できておりません。しかし既成市街地におけるところの、法律によるところの指定は当然すべきであります。一番混乱し、一番そこにあらゆる社会悪を発生しているところの環境、これを正しく割り切るのが当面建設大臣の持っている一番大きな責務です。したがって、これについて、現在の作業、方向等はどういう程度に進んでいるか、これを詳しく説明願いたい。建設大臣、局長に言いつけて答弁させてください。
#19
○国務大臣(西村英一君) 土地問題につきまして、田中先生の所見をいろいろ伺いましたが、それは伺ったということで、それに一々私のまた考えを申し述べることもなかろうと思います。しかしさしあたっての問題、先般来、市街化区域を含めて、そうして用途地域をきめるということになっておりまして、相当進んではおると思いますが、実際的具体案については都市局長から御説明を申し上げます。
#20
○政府委員(吉兼三郎君) 前段の市街化区域の設定につきましては、御案内のとおり、大体のめどがついてまいりまして、現在のところでは当初政令でいわゆる線引きをやるという対象の都市の九三%までが線引きを完了いたしております。そこでお尋ねの新用途地域の問題でございますが、これまた御案内のとおり新建築基準法発足いたしまして、新しい用途地域の編成変えは四十八年末というふうに法律上で義務づけをいたしております。現在のところこの期限内におきまして極力早期に用途地域の編成変えが行なわれますように関係の都市に対して督励をいたしておる状況でございます。全国的なことを申し上げますならば、現在の時点ではすでに新しい用途地域が決定を見ておりますのが十三都市計画区域二十市町村に至っております。今後の見通しでございますが、大多数の地域が本年の秋ごろにその決定を完了するんじゃないかというふうに私どもは見ております。
 お尋ねの東京につきましては非常に大都市地域でございますし、いろいろこれ他の地方都市と違いまして問題がございます。慎重に東京都の担当部局において準備を進めておるわけでございまして、私どもが現在承知いたしておるところによりますと、東京都の事務当局の一応の素案というものがまとまりまして、これからそれを各二十三区等の地域に示しましていろいろこの素案についての意見調整をはかっていこうというふうな段階と承っております。今後の見通しでございますが、こういうスケジュールからまいりますと、東京都の関係の新用途地域の編成変えが終わりますのは来年になるんじゃないかというふうに私どもは含んでおります。概況は以上のようでございます。
#21
○田中一君 西村さん、これすらきまってないんですね。一体先行取得して損した場合には補償してやりますか。税金税金といって、人為的に価値が変わるということを知らなきゃならないんですよ。この指定によってたいへんな混乱が起こる。いわゆる資産の変動があるんです、土地に対する。それもたいへんな変動があるかもしれません。ゼロ地帯なんか生まれるかもわからない。したがって土地の問題の根本的な解決というものは何に求めるか。人為的に変動する、損もすれば得もするんです。不当なる利益ということでもって税金を取るということなら、正当なる損失は国家が補償しますか。これはできませんね。そうなるとそうした安易なものでないということを知らなきゃならない。ことにいまの八用途指定というものが行なわれた場合にこれによって大きな変動があるということはもう必至です。少なくとも――まあ農地のことは別にしますけれども、市街化区域のうちの既成市街地というものの地価の変動、これが現在まで東京、大阪、名古屋はもう昨年もずっと地価公示をやっておりました。直ちにこれは修正しなきゃなりません。私はあえて申しますと、今日高速道路もどんどん伸びている、もう一ぺん東京ならば毎年毎年反復して公示をしなきゃならぬような現状だと思うんです。不動産鑑定士、これはもう一方的に依頼者に対して忠誠を尽くすのがこれは義務であります。あと判定を下すのはこれは裁判官であります。司法権であります。地価も同じです。不動産鑑定士は判事さんではございません。判事さんというのは絶対ということを言っておるんですよ。この不動産鑑定士にもしそれまでの権能を与えるならば別の面でしなきゃならぬでしょう。これは方途がありますか。したがって地価公示法による地価公示というものは、これは依頼者に忠誠を尽くすのは当然私契約でありましょうが、そういうことを盛り込んである契約によって行なわれるのは当然であります。これは絶対でないということを知らなきゃならないのです。それがただ法律でこうきめたからといってそれが正しいんだということにならないということを指摘するわけなんです。むろんあなたがおっしゃっているよさもあります。一つの目安になるんだということもいいでしょう、それは。ただ目安にすぎない。ただ依頼者によって、かりに売買の場合には売り手、買い手でもって価格が違うということは事実です。またそれを、一番眼目が置かれている地位、置かれている地域というものが常に人為的に行政的に変動するんだという事実を知らなきゃならない。鉄道は地下鉄が敷けた場合と敷けない場合とではもう直ちに違ってくる。道路が舗装してある、舗装してない、これも違ってくる。下水道が完備している、完備していない、これも違ってくる。そういったファクターというものがすべてときによる強制される価値、あるいは公共施設によって受ける利益、こういうものもその内容にはあるわけであります。いま伺うと四十八年ごろには大体いいんじゃなかろうかといっておりますが、東京などは。これはおそらく美濃部知事が大体を決定するんでしょうと思いますけれども、現に、いつでしたか東京都の発表している「地域地区指定基準案」というものが出ておりますが、これなども東京都から出したんでありますけれども、こういったものがやはり何かのよりどころになるかもわかりません。ただ今日、一面から見れば建設業者あるいは行政面、あるいは建築基準法という法律の面から見ても消費者過保護的なものが現在見られます。私なんかも住民の側に立つ立場にいながらもこれはちょっとひどいんじゃないかと思うようなものもあります。二、三の裁判所の判決も知っております。そういう面はどうです。やはりそうしたものに対する怠慢さが今日の社会に一つの大きな混乱を招いている事実もこれは知らなきゃならない。当然これは政府がいち早くしなきゃならないのじゃないか。むろんこれには住民との対話というものを通じてよりよいものを求めるということにしなきゃならない。しかしいま申し上げたように、はたして東京都がこうして一つの基準案をつくったという、これによって大東京都というこの行政区域内における住民がしあわせになるかどうかということを考えますと、これは単なる東京都という行政区域の問題でなくして、一億一千万に近いという、これはわれわれ国民全体の問題であります。したがって、早くやってまずいものをつくれと言うんじゃございませんが、国民に理解を深めるというPRが必要であります。これが欠けております。高級公務員は、それぞれの立場における責任だけを持っておるんであって――そうだろう、都市局長やめたら何も関係ねえやね、都市局長の責任というものは。まあ政治家はこれは選挙という審判でものはきまるけれども、ここに私は行政面の責任性というものを明確にしなけりゃならぬと思うんです。これは、建設大臣の役目というものはたいへんなもんです。どうとも、生命、財産を脅かされるということができるんです。ことに財産の変動、財産それこそもう、住宅なぞは、サラリーマンは一生に一つの家をつくればもうおしまいになるというような苛烈なものです。三十坪の土地を得るためには一生をかけているという人もおります。退職手当を全部先がけして、利子を払いながら先がけして、そうして土地を得たという、その土地が公共事業だからといって家を追い出される。それに対する完全補償、代替地をくれるんじゃなくして。おとなしく補償金をもらってもこれじゃ買えないというような現象が常に東京都内――東京都ばかりじゃございませんよ、あっちでもこっちでも起きてるんです。したがって、部分的な行政区域、その部分も地域行政区域だけの問題じゃなくして、全国民的なものであることを建設大臣ははっきりと認識しなけりゃならぬです。ケース・バイ・ケースで一つ一つ解決すればいいんだ、たくさんの住民が反対する、
 一人一人つぶしていけばいいんだ、こういう考え方が行政官庁の担当の人たちにはあるんです。なくてはならないんです。しかし、これは政治家であり三百名の大政党を衆議院に持っておるところ
 のあなた方がもっと真剣に、せめて良心を持つ西村建設大臣が考えていただきたいんです。現象の問題ばかりじゃございません。その辺には大きな国土経営というものがその背景になくてはならな
 い。大きなビジョンがなくてはならない。地価安定の根本的な精神がなくてはならない、意欲がなくちゃならない。この点についてこの用途地域すらきまらない。この用途地域が東京都は四十八年ごろと言うが、四十八年ごろにおそらく各地の抵抗がありなかなかできない。できないから放置する、これじゃ困る。そこで、これも建設大臣、あなたのもうちょっと――短命だと思うものだからあなたのあと、あとと言いますが、これは気にしないでください。あなたのあとに来る担当者に対しても種だけは植えておいていただきたいと思うんです。あなたの意欲的なものを残しておいていただきたいんです。そしてこうした用途地域の指定というものは既成市街地、ほんとうに大都市における既成市街地の用途地域に対してはこの条件というものを国民に知らしめるということ。そして将来への展望。ここには将来地下鉄がくるぞと、ここには高速鉄道がくるのだぞ、道路はこうなるのだぞという前提で、大きな計画のもとに開発計画というものを、あるいは再開発、そういったものを考えながらこの用途指示をしなければならぬと思う。現象だけとらえて、ここはこうすればいい、ああすればいい、これじゃないです。根本的に、大東京都のあり方というものを描きながら決定しなければならぬというように考えます。これはひとつ建設大臣の考え方と意欲的な答弁を願いたいと思います。
#22
○国務大臣(西村英一君) 用途指定地域を細分したということは、それなりに、国民大衆が利益を受けるであろうということを期待してやったのでございます。工業地域にしても、やはり公害が起こるから、やはり十分工業地域というものをつくり、いろいろ、それからこの住宅地域にしても、分けたのはやっぱり国民大衆が困らないようにしようということのために細分するわけでございます。しかし、そのために多少の不利益をこうむる人もあるかもしれません。しかし、それはやはり多くの人々の公共のためにということでがまんをしていただかなければならぬということもあり得ると思います。しかし、目的はわれわれは大衆の多くの方々の住生活の改善をはかるためにやった制度でございます。いま御指摘になりました、それにしては東京のごときは少しPRが足らぬじゃないかということでございます。ごもっともでございます。多少のPRはやっております。パンフレットをつくってやっておりますが、あなたのいまおっしゃるようなほんとうの行き届いたこのPRは私は不足だと思います。自分の位置するところがどういう地域になるのか、どういうことが将来行なわれるのかというような、この非常な皆さま方に行き届いた指導は、これは私は少し足らないんじゃないかと思っております。したがいまして、多少のPRはやっておりまするが、これをきめる上におきましてはさらに建設省としても力を尽くしたい、かように思っております。いずれにいたしましても、こういう制度ができましたから皆さま方に自分の立場はどういう状態になっておるのかということに対して十分な知識を与えたい、かようにせっかくいま努力中でございます。具体的な問題がございましたら都市局長からひとつ……。私は、パンフレットをつくってというようなことを、それはどういう方向にどれだけ配られたのかわかりませんが、多少はやっておるわけでございまするが、今後も十分気をつけてまいりたい、かように思っております。
#23
○田中一君 私は、ちょうどいまごろ、もうドルも余りに余って、また円が切り上げしなけりゃならぬのじゃなかろうかというようなうわさが民間では外国商社筋も相当金が余った。何か換物しなかったらドルの値打ちが下がるぞ、何かものにしちまえといま言ってやっております。これはあなたの言っておる高度の税金をかけていい連中がそうやっておる。これは一つの方法で、あなた方どう考えるか知りませんが、非常に意欲的にものにかえてせめて利潤とかいうのがいまのそういう連中の生き方です。だから再開発に対して相当それらを担当さしてやるというような、これは民間がやったんじゃなかなか聞きませんから、大きな力を結集して金をどんどん出さすんです。ということなんかどうであろうか。銀行は銀行でまあ前代未聞の金利を下げようなんていうことを考えておりますし、金はあるんですから、その金をいかに国民に還元するか、いわゆる現象面に還元するかというような形をとれないものであろうかと考えるわけなんです。そうして先ほどあなたが言っているように、公共のほうでここにインターチェンジができるんじゃなかろうかというようなことでこれに先行投資をするというようなことはもうやめさして、堅実にペイできるんだ、一定の利潤は得るんだという民間の力の活用ですね、こんなことはどうなのかしらと思っているわけです。そしてやたらにどこでもここでもかってに大きなマンションをつくって、建築基準法から見れば当然許可しなきゃならぬからといって許可するというような形じゃなくして、納得ずくのものでやらすような指導はできないものであろうか。もう相当の企業が全部やっているボーリング場なんていうのは飽和状態でしょうし、ゴルフ場ももう飽和状態でしょう。レジャー文化で相当もうかるぞと人が言うとすぐに飛びつくのが資本家なんです。そうして多角的な経営をやっておるんです。これは何とかそういう方法で、いわゆる国民の生活に直結する還元――当然国民からもうけたのでありましょうから、それを還元さすというような方向をとらなきゃならぬのじゃなかろうかと思うんです。これなんかも一つの、どうやったらいいかちょっとわかりませんけれども、それは政府という力でもって説得すればできないものじゃなかろうと、こうも考えているわけであります。ただこのままで推移したんでは地価は上がるばかりでございます。決して地価は下がりません。こういう点について何かお考えがあれば伺っておきたいと思います。
#24
○国務大臣(西村英一君) 今後もますます社会資本へ力を入れていかなければならぬときに、やはりわれわれは公共投資をするにしても能率よくやらなけりゃならぬし、かてて加えて、民間はあまり投資はない、エネルギーは余っておる。経営能力もある。したがいまして、私が言うまでもなしに、民間のこの何と申しますか能力と申しますかエネルギーと申しますか、それを、あるいは資金を、ひとつそういうような社会資本の拡充のために使っていく、協力してもらうということは当然です。その方法論でございます。いわゆる民間デベロッパーと、こう一口に言いまするが、実は正直なところ、そういうことを言いましてもそれに対する確固たるやはり考え方がまだ定まっておらないと思います。建設省で登録してあるものはいわゆる不動産業者、これもピンからキリでございまして、この社会資本を有効に伸ばしていこうということには、もっといわゆる民間デベロッパーの育成、組織化、こういうものについて建設省としては非常に力をいたしておかなければならぬ、指導をしなければならぬと、かように考えております。いま田中さんからおっしゃいましたように、私も具体的な案は持っておりませんが、この民間デベロッパー、あるいはわれわれの役所の仕事を助けるためにはいろいろの民間の能力があると思います。設計一つにしても、いろいろコンサルタントの育成――コンサルタントのようなことはアメリカでは非常に発達しておるが、私が申すまでもなしに、このコンサルタントというものは日本あたりでは非常に立ち行かないんです。それはやっぱり政府の応援が悪いからなんです。したがいまして、この民間デベロッパーの組織化、育成、こういうようなものについて私も非常に注意をいたしておるのでございまするが、どうか皆さま方におきましてもいい方法があればひとつ御教示を願いたいとともに、今後ひまを見てそういう民間デベロッパーの方々にも接触をいたしたい、かようにいま思っておるような次第でございます。
#25
○田中一君 私は、まだ、住宅の問題それから水の問題等も伺いたいのですが、時間が時間ですから次回に譲りますけれども、一つだけ、最後に伺っておきたいのは、せんだって、沖繩国会で――沖繩県は、琉球政府の布令で土地の売買――他国・外国人に土地を売ることを禁止しておる。こういう布令ができております。今度、五月にいよいよ返還されますと、すべて国内法によってこれが開放されるということになります。これについて、あなた御承知のとおり、佐藤総理に質問いたしましたらば、その布令の精神を生かしてそのように善処する、こういう答弁を私は聞いたのでありますが、もはや、沖繩には相当大きく、あなたがさつき言っておるように、不当なる先行投資というよりも一もうけするために、異民族に占領された被占領沖繩県民が安い金で土地を取られているのです。むろん、これは、表面は外国人は売れませんからそのままになっておりますけれども、日本に返還されたらすぐに国内法に切りかえますから、すぐにそのまま土地の権利が譲渡されることになるわけです。これが非常に危険なことなんです。たいへんです。五十年に海洋博が開かれる、これに対する用地は当然国が確保しなきゃならぬ。しかしいままで、そうしてやみで私契約を結んでおる地主と日本の投資家。――参議院議員でもいるそうですよ、自民党のだれかここにはいないな――いるそうですよ。相当な、何千坪と持っているようなタレント議員がいるそうです。これがぱっと出てまいります。そうしたら、もう沖繩県というものは全く混乱におちいる。私は、沖繩国会で、沖繩県は日本の民族全部のための保養地にしてくれ、観光地もいけません、第一次産業、農業もだめです、水もございません、第二次産業、工業はまっぴらごめんです。第三次産業はよろしいから、民族の保養地として長期的に、日本の労働者が一年に一週間なら一週間、二週間なら二週間行く。ヨーロッパのわりあい古い国でも四週間は休暇をとっております。一カ月は十分にとっております。そのうちの二週間なら二週間行く。そして自然に自分のからだをさらして精神も肉体も回復させるというような方法に使ってくれよ、こういうことを総理に要求しました。総理もその点よく考えましょう、国会が終わったらゆっくり一ぺん相談しましょうと言っておりました。その場合に、いま九十余万人口ございますが、それをせめて六十万程度に押えなさいよ。そのあとの三十何万は日本が受け入れる。日本の人民と一緒になって、溶け込んで、――かつて日本が持っておった沖繩県というものに対して、ここにおられるところの沖繩県民以外の方々が沖繩県の県民に対して戦前どういう感覚を持っておったかは、私はほぼ知ることができると思うのです。こういうものじゃいけません。全部溶け込んでやりましょう、こういう一つの意見を申し上げたのです。土地、これが琉球布令で押えておるところのこの精神を生かして、外国人に売らない。とにかく、沖繩県民のしあわせを考え、日本一億の国民のしあわせを考えるならば、そして土地がそのまま返還と同時に第三者の手に渡ってしまうというような形をとらないように、西村さん、あなたは、これは登記の問題、法務省の問題、権利の問題になりますけれども、現に布令があるんですからこれを生かして、そうしたことにならないようにしていただけますか。総理はそういう答弁しておりました。あなたもお聞きだろうと思いますが、その点ひとつここで最後に確固たる信念で、日本の民族のために、沖繩県民のために御答弁をいただきたい。
#26
○国務大臣(西村英一君) いまお話しの点は、私も沖繩国会のあなたの御質問で聞きました。全部が全部その第一次産業だけをやってほかの産業はというようなことについては、私も多少はあなたと所見が違うところもありまするが、土地に関する限りにおいては全く同感でございます。総理がその精神を生かす、布令の精神を生かすと言ったのは、布令そのものはどうすることもできないけれども、精神を生かすということをおっしゃったのでございます。私は全く同意見でございまして、もう非常にこの点は心配をいたしておりまするから、過去二回にわたって屋良主席にはこの布令はたいへんいい布令だ。もし、これが自由放題に土地を買われれば、いかにこの沖繩に公共投資をつぎ込んでよくしてやろうとしても、土地が上がり、物価が上がれば元も子もなくなるんです。かりに布令が廃止になっても沖繩の主席としては何かの手がありそうなものですが、一ぺんこの点について屋良さん十分考えてくれませんかということを、私は二へん申し上げました。しかし、私はそういうふうに思っておりまするけれども、布令がなくなれば、さてこの沖繩の主席として、沖繩県知事としてどういう手が打てるか、ここまでは私はまだ突き詰めておりませんが、あなたのおっしゃるとおり、これはたいへん重要な問題でございまするから、今後私どもはできるだけひとつその点については関心を持っていきたい、かように思っておる次第でございます。
#27
○田中一君 もっとあったので、大ぜいの人に出席してもらっておるんですが、たいへん失礼しました。これでもって時間がきましたのでやめます。次回に譲りたいと思います。まだ問題が残っておりますから、委員長、理事のほうでこの機会を与えてもらうことをお願いいたします。これで終わります。
#28
○理事(茜ケ久保重光君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後零時二十三分散会
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ソース: 国立国会図書館
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