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1971/04/25 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 逓信委員会 第11号
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1971/04/25 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 逓信委員会 第11号

#1
第068回国会 逓信委員会 第11号
昭和四十七年四月二十五日(火曜日)
   午後一時二十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     山崎  昇君     鈴木  強君
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     長田 裕二君     重宗 雄三君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     重宗 雄二君     長田 裕二君
     鈴木  強君     山崎  昇君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     山崎  昇君     鈴木  強君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         杉山善太郎君
    理 事
                植竹 春彦君
                長田 裕二君
                古池 信三君
                森  勝治君
    委 員
                今泉 正二君
                新谷寅三郎君
                西村 尚治君
                松平 勇雄君
                鈴木  強君
                松本 賢一君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  廣瀬 正雄君
   政府委員
       郵政大臣官房長  森田 行正君
       郵政省簡易保険
       局長       野田誠二郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
   説明員
       大蔵省理財局資
       金課長      福島 量一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(杉山善太郎君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 この際、理事の補欠選任の件についておはかりいたします。
 長田裕二君の委員異動に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(杉山善太郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは理事に長田裕二君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(杉山善太郎君) それでは簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き、これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。森君。
#5
○森勝治君 これから簡易保険の質問をしたいと思うのでありますが、その前に、ちょっと大臣に、緊急の問題について、一言だけ所見をただしにおきたいと思うのです。
 それは御承知のように、三公社五現業の給与の改善と申しましょうか、職員側が、給与の、いわゆる賃上げ要求の種々の行動に入っておりますが、このことについて、電電、郵政の現場をお持ちの所管の大臣として、今日のように、物価高のおりから、当然これは、職員がおのれの生活、そしてまた、家族の生活をささえるために、さらにまた、広い見地から立ちますならば、自分たちが、職を奉じております逓信事業に献身するためにも、為政者としては、当然、彼らの生計を維持するに足る生活の保障をしてやらなければなりません。ですから、私は郵政省、電電公社の職員が、もろもろの要求を出しておることは、これは、もう状況を了とする一人でございますが、さて、所管の長として、この問題について、春闘に結集しておるこれらの組合の職員の要求を、いかに実現されようとしておるのか、予算委員会等でも、所見をただされた模様でありますが、当委員会でも、ぜしとも郵政大臣としての考え方を、この際、ぜひともお聞かせを願っておきたい。
#6
○国務大臣(廣瀬正雄君) 三公社五現業の中におきましても、その大宗とも言うべき、非常に多数の従業員を擁しております郵政事業並びに電電公社をかかえております私といたしましては、ただいま森先生の御指摘の問題は、きわめて重大な課題でありますわけでございまして、この問題につきましては、せんだって、森委員が、事業のことにたいへん御心配くださって、有額回答をなるべくすみやかにやってもらうように努力してもらいたい――これは、もちろん政府の方針がきまらなければそういうことはできないわけでございますが、その間のあっせんを努力するようにという強い御要望をいただいたわけでございますが、と申しますのは、この有額回答は運賃の動向も見なければならない、また、予算の成立を前提とするというようなことになっておりますわけでございますが、そういうようなことはあるけれども、事業を愛し、従業員を思うという立場に立って、そういう条件が十分満たされないにいたしましても、ひとつすみやかに回答できるような努力をしてもらいたいという御要望をいただいたわけでございまして、私もおっしゃる点、感を同じくする点がございますので、及ばずながら、あっせんの努力をいたしたつもりでございます。
 そういうことも幾らかお役に立ったかと思いますけれども、御承知のように、昨日、関係閣僚の見解を統一いたしまして、三公社五現業――もっとも国鉄だけは除外いたしておりますわけでございますけれども、有額回答を、予算成立を前提としてという条件はついておりましたけれども、いたしましたわけでございます。その金額は、今回のベース・アップ並びに定期昇給を合わせまして、昨年の第一回と全く同じ金額ということにいたしましたわけでございます。そういたしますと、ベ・アそのものは、定期昇給の金額が、昨年より多くなりますわけでございますから、いささか減る、百四、五十円減るということになりますわけでございまして、そういうことを存じながら、定期昇給を合わせまして同額という金額の回答をいたしたわけでございます。それに基づきまして、全逓にいたしましても、また、全郵政、他方、全電通というような組合が、それぞれいろいろ動きをいたしておりますことは、御承知のとおりでございます。
 しかし、今後残された問題もあるわけでございますから、私は森先生の御意図、御希望はよくわかっておるわけでございまして、そういうことを郵政大臣といたしまして、郵政従業員、電電従業員に関係のある立場で、大いに善処し、努力してまいりたいと、こういうように考えておるわけでございます。
#7
○森勝治君 きょうは簡保の質問ですかち、いまのお答えに関連する問題についてはあまり触れません。ただ、この際ひとつ大臣に御再考をわずらわしたいと思いますことは、何と申しましても、国民の生活に必要欠くべからざる逓信事業でありますから、従業員が、生産線の第一線に勇んで立つことができるような待遇改善を、ぜひとも早急にはかっていただきたい。このことを大臣にお願いをしながら、本題であります簡保の質問に移りたいと思うのであります。
 御承知のように、この簡易保険事業は、大正五年ですか、創立以来、小口、無審査、月掛け集金というような特色のもとに行なわれてきたわけでありますが、今日では、こうした特徴はすでに失われてきました。かてて加えて、都市部においては、民保、農村部におきましては、農協の生命共済、こういうものなどに食われてきた――表現はどうかと思うのでありますが、そういう問題は脅かされ、いまのところは、わずか簡易保険事業は国営であるという、いわゆる信用と称するものをバックに運営されておるわけであります。そうなりますと、これからのこの簡保事業というものは、その事業を発展させ、国民の期待にこたえ得るように躍進させるためには、新時代に対応する施策がなければなりません。したがいまして、この国民の期待にこたえる簡易保険事業として、さらに未来に向かって大をなすためには、いかにあるべきか、こういう問題について大臣からひとつその御所見をいただきたいと思います。
#8
○国務大臣(廣瀬正雄君) 簡易保険の将来のあるべき姿と申しますか、ビジョンと申しますか、そういうことについてのお尋ねだと思いますけれども、この簡易保険が国営保険として、しかも、庶民から喜ばれる簡易な保険といたしましての本領を発揮いたしますためには、いろいろな改善しなければならない課題があるかと思うのでございまして、たとえば、保険金額、これの増額、これは従来の二百万円から今回は三百万円に増額いたしたいと、御審議願って御協賛を賜わりたいということで、ただいま提案いたしておるわけでございますが、そういう保険金額増額の問題もあろうかと思いますし、また、新種保険を開発していくという問題もあろうかと思います。さらに保険料額をつとめて低廉にする。これは、積み立て金あるいは余裕金の運用に関する問題に関連を持ってくるわけでございますけれども、そういうような面にできるだけの改善を加えまして、そうして、保険料額というものを引き下げていくというようなことに努力しなければならないという課題も、大きな課題としてあろうかと思うわけでございます。それから、さらにまた、加入者の厚生福祉の施設を拡充整備していくという問題、こういうような問題もあろうかと思うのでございます。幸いに簡易保険は、全国にネットワーク持っております郵便局の手によって、あまねく国民に勧奨普及させることができるという、有利な立場にあるわけでありますから、そういう点を十分自覚いたしまして、簡易保険といたしましての、重要な使命を達成するように、ただいま申しましたように、諸種の点の改善を加えて進んでいくということがきわめて肝要ではないか。まだまだ残された問題がたくさんあるということを、私どもは、痛切に感じておるわけでございます。
#9
○森勝治君 いま大臣が言われましたように、今回の改正は、四十四年の六月に二百万改正になって、三年たった今日、三百万ということであります。今日、十三兆円という契約額の多きを数えるに至りました。その裏には、これに従事する職員の、なみなみならぬ努力が隠されておるわけでありますが、先ほど、私が、冒頭にことあげいたしましたように、迫りくる時代に対応する施策としては、必ずしも新鮮味を持ったようなものがないような気がするのです。もちろん、今回御提案になっておりますところの二百万から三百万という改善も、これは確かに改善ということばに当てはまるだろうが、簡保事業の全般的な視野に立つときには、これをもって事足れりとすることであってはならぬと思うのです。したがって、そういう観点からいたしますならば、今回のこの国民の期待にこたえるという態勢からいたしますならば、これがすべてではなく、これはごく一部の部分に限られておるような気がするのです。
 そこで、私は、まずお伺いしたいのでありますが、正味保険料は、いわゆる民保と比較して、どのくらいの開きがあるのか、このことについて保険局長から御説明をいただきたい。
#10
○政府委員(野田誠二郎君) お答え申し上げます。
 保険の保険料額につきまして、ただいまの御質問は、正味保険料の問題でございます。まず正味保険料に入ります前に営業保険料と申しますか、われわれ簡易保険のほうでは、表定保険料と申しておるのでございます。簡易保険の保険料と民間生命保険、これは各種ございますので、一応標準的なものを申し上げるのでございますが、また、保険種類によって多少の差がございますが、一般的に申し上げまして、大体、表定の保険料は、同水準、あるいは若干簡易保険のほうが低くなっておるのが現状でございます。しかしながら、御指摘の正味保険料につきましては、遺憾ながら、簡易保険のほうが、やや割高になっております。配当方法その他いろいろ違いますので、一がいに申し上げられないかと思いますが、一例を申し上げますと、保険金額十万円、加入年齢三十歳、十五年養老の保険について申し上げますと、簡易保険の場合、正味保険料といたしまして七万一千三百九十五円になります。民間保険の場合におきましては、これは一応の計算のやり方があるわけでございますが、六万八千百九十円、そのほか、計算のしかたによりまして六万八千百九十円というのが、もう少し低くなるというような出し方もあろうかと思いますが、いずれにいたしましても、大略の場合、ややこれが高目になっておるということが言えようかと思います。
#11
○森勝治君 正味保険料は、資金の運用上の問題が、相当大きく影響してるんではないかと、こう思うわけですが、さて、それでは、現在の運用利回りは、簡易保険と民間保険とはどうなっているのか、その差異についてお伺いをしたい。
#12
○政府委員(野田誠二郎君) 最近におきます簡易保険と民間保険の運用利回りの比較を申し上げたいと思いますが、昭和四十二年度、これ一が番、簡保と民保の最近におきます格差が少なかった年度でございますが、簡易保険が六・五八%、民間保険が七・五六%で、最近におきまして、初めてその差一%を割ったのでございますが、この年度におきます格差は〇・九八%でございます。それ以降また逐次格差が開きまして、四十三年度は一・一三%の差がございます。四十四年度は一・二一%の差がございます。四十五年度におきましては、簡易保険が六・五八%の利回りでございます。民間保険は八%の利回りでございまして、四十五年度は一・四二%の差が出ておる。こういう現状でございます。
#13
○森勝治君 さらにお伺いしたいんでありますが、御承知のように、簡易保険は、安い保険料で、簡易に国民が利用できるという生命保険を提供し、国民の経済生活の安定をはかることが目的であります。これは、もう皆さん御承知のとおりであります。したがって、財投の原資確保が目的ではないはずであります。そこでお伺いしたいんでありますが、いま私が御質問申し上げておりますところの正味保険料の引き下げについて、一体郵政省は従来どういう努力を払ってこられたのか、このことについてお伺いをしたい。
#14
○政府委員(野田誠二郎君) 正味保険料の引き下げにつきまして努力をいたしました点につきまして、概略申し上げたいと思うのでございますが、簡易保険におきましては、契約と同時に利率六%までの配当を保証しておるわけでございますけれども、さらに、毎年の剰余金から、でき得る限りの上乗せの増配をすることにいたしまして、先ほど先生から御指摘ございましたように、民間保険と簡易保険の資金の運用利回りの差からきますその差をできるだけ埋めるように、いま申しました上乗せ増配をすることによりまして、正味保険料の引き下げにつとめておるわけでございます。幸いにいたしまして、一応最近におきます業績が順調に進展をいたしております関係上、四十五年度におきましては二百八十一億、それから四十六年度におきましては三百十四億、四十七年度におきましては、四百三十六億円の剰余金を積み増しをいたしまして、これらの分を増配の分に回わすと、こういうことを行なったのでございます。
 しかしながら、なお基本的な問題としまして、保険料の引き下げに一番大きな影響を及ぼしますところの資金の運用の問題につきましては、その確実性及び公共の福祉に役立つという面におきましては、おおむね、その機能を果たしておるというふうにわれわれ考えておるのでございますがもう一つの要請であります資金運用の有利性という点につきましては、御指摘のように、はなはだ不十分な点が多かろうと思います。いろいろ努力をいたしておるのでございますが、いまだ見るべき効果をあげていないというのが現状でございまして、ただいままでにいたしました努力といたしましてはいま申し述べた程度でございます。
#15
○森勝治君 そもそも資金の運用は、事業の経営や、加入者利益の保護、そうしてその保護増進の根幹をなすものであろうと私は考えています。したがって、それらの資金の運用に当たっては、まず自主運用の実をあげて、利回りの向上をはかること、これが郵政当局に課せられた使命であろうと、こう考えております。なるほど、簡易保険事業は国営でありますから、各種の制約があります。しかし、それらの制約があろうとも、この事業本来の目的を基本として、なお運用がなされなければ私は、ならぬのではないか、こう考えます。いま若干告白といっては失礼でありますが、率直な御意見を吐かれたのでありますが、郵政省は、この運用については、私がいまことあげしたような線に沿って、おやりになっているのだろうか、いわゆる目的にかなったやり方をされておるのだろうか、どうだろうか、私はこの辺に多大の疑問を持つものでありますので、率直にお伺いしたわけでありますが、その点について明快にひとつお答えをいただきたい。
#16
○国務大臣(廣瀬正雄君) ただいま御指摘の運用の問題は、今後、しかも当面いたしております簡易保険にとりましては、一番大きな問題ではないかと、私は、森先生と同じ考えを持っておりますわけでございまして、御承知のように、ただいま積み立て金は、契約者の個人貸し付けに使っておりますほかは、ことごとくあげて、財投の原資になっておりますわけでございまして、財投の原資は、申すまでもなく、住宅でありますとか、道路でありますとか、学校でありますとか、中小企業でありますとか、きわめて公共性を持った事業に利用されておりますわけでございまして、それはそれなりに、一つの役割りを、私は、果たしておるかと思うのでございますけれども、しかし、他面簡易保険の本質といたしまして、保険の加入者の利益ということをはかることに、非常に大きな重点を置かなくちゃならぬということは、ただいま御指摘のとおりだと思いますわけでございます。
 だということになれば、積み立て金並びに余裕金の運用ということになってきますわけでございまして、積み立て金といたしましては、現在法律で許されております範囲でも、私は運用にもう少し新機軸を開くという道があるように考えておるのでありまして、具体的に申しますと、ただいまおかげさまで、企業債とか、あるいは電力債に利用することができるようになっておりますけれども、その長期のものは法律で許されながら投資いたしておりません。そういうようなことで、法律の範囲内でも改善すべき点はあろうかと思いますし、さらに、積極的に法律の改正をいたしまして、ひとり電力債ばかりでなく、他の公共事業、公益事業、たとえば、ガスでありますとか、あるいは交通でありますとかいうような面にも投資ができるというような道を開きましたり、さらに進んで一般事業の社債あるいは株式あるいは企業に対する金銭貸し付けでありますとか、また、不動産投資でありますとかいうような、こういうような問題になりますと、かなり大きな問題になってきますわけでありますけれども、これは、法律を改正すればできないわけではないわけでございまして、そういう点で、つまり積み立て金の運用ということにつきましても、法律の範囲内でできますこともあれば、あるいは法律を改正してやらなくちゃならないという面もあろうかと思います。また、余裕金につきましては、ただいま先生御指摘になりましたように、ただいまは資金運用部の資金といたしまして、すべて大蔵省が、運用を掌握いたしておりますわけでありますけれども、御承知のように、この余裕金のうちでも、戦争前は、郵便年金だけは、運用権が郵政省、郵政大臣にあったわけでございますが、そういうことも考慮に入れて、まあこれは、法律を必要とするわけでございますけれども、法律の改正によって余裕金は直接郵政省のほうが運用するという道を開くということも努力の目標としてあり得ないことではないと、私はかように考えております。
 しかし、いずれもきわめて大きな変革的な問題でございますから、すべて一挙にこのような改善はできないかと思っておりますけれども、逐次簡易保険の加入者の立場を考え、保険料を下げるという努力をずっと継続していくべきではないかと思っておるのでございまして、私ひそかに考えておりますが、本年は幸いに郵便貯金の面で、預金利子の引き下げに反対いたしましたり、あるいは庶民金融の提唱をいたしましたりいたしておりましたわけでございますが、この次は、同じ郵政事業であります簡易保険の面において、ただいま申し上げましたような運用の面に新機軸を開くように努力すべきことが、郵政省としてやるべき課題ではないかと、こういうふうに私は考えておるのであります。非常に大きなむずかしい問題でございますけれども、それと取り組んで逐次実現をはかっていくというようなことに努力することが、庶民のための簡易保険――庶民のための郵便貯金でありましたように、庶民のための簡易保険というような理念から申しますと、そういった努力を重ねなくちゃならないということを、私は、強く考えておるわけでございます。
#17
○森勝治君 昭和四十年の八月に、郵政審議会から答申のあった「簡易生命保険および郵便年金事業の近代化に関する答申」この中の一四ページ以降「資金運用制度の改善」や、積み立て金等の問題について、その改善方を答申をしております。いまの私が二、三質問したのを見てもわかりますように、これらの答申が、事業の上で、ほとんど生かされないというこの現状は、那辺にあるのか、ひとつお聞かせを願いたい。
#18
○政府委員(野田誠二郎君) ただいま御指摘の昭和四十年の郵政審議会の郵政大臣に対する答申の中で、資金運用の本来のあり方といたしまして、完全な自主運用体制を確立することの必要性を、まず第一に強調いたしておるのでございますが、さしむきの問題といたしまして、運用範囲の拡大、第二点としまして、運用条件の改善、第三点といたしまして、余裕金運用の改善、この三つの措置を講ずべきであるという旨の答申がなされておるのでございます。この答申を受けまして、郵政省としましては、積み立て金の運用につきまして、公益事業社債への運用範囲の拡大及び余裕金の直接運用等法律改正を要する事項につきまして、いろいろ関係の向きと相当の期間にわたりまして、折衝を続けてまいったのでございますが、ただいま御指摘のように、諸般の事情から、まだ実現を見ていないのでございます。
 ただ申し上げたいことは、この第二の項目にございます融通条件の改善につきましては、これはわずかなことでございまして、たとえば、国鉄なり住宅公団への貸し付けにつきまして、四十三年から、たとえば六・五%で融資をいたしておりましたのを、七%に上げた、あるいは電力債の運用につきまして、いろいろ制約がございましたのを、たとえば運用のワクを、百億というワクをなくしたということとか、あるいは日銀からの借り入れを、市中借り入れというふうに改正をいたしたというふうに、まあいいますならば、大きな点での改善は、まだ実現を見ていないのでございますが、法律改正を要しません融通条件の改善等につきましては、一応鋭意努力をしているということは申し上げてよかろうかと思います。
 それで御質問になりました、なぜ、この大きな問題の運用範囲の拡大なり、あるいは余裕金の改善というような、大きな問題につきまして、その実現を見ないかという問題点であろうかと思うのでありますが、簡保の資金が、簡保加入者の共同準備財産であるということは、これはもう隠れもない事実であるわけでございますが、他の一面、やはり政府が運用をいたしておる国営事業であるという点から、一応この資金が、政府資金の性格をも兼ねて持っておる。こういう観点から、日本経済の置かれております現状といいますか、たとえば、社会公共資本の充実が、まだ不十分、あるいは財政資金需要が非常に強いという、わが国の現状にかんがみまして、必ずしも――この簡易保険加入者の共同準備財産であるというところから、加入者の利益を非常に強く主張する、あるいはこれを追究するということから、やはり少なくもいままでの実情からは、そういう二面性の一面が非常に強く取り上げられ、簡易保険としても、財政投融資に協力をしてきたと、そのことが一番大きな理由かと、かように考えておるわけであります。
#19
○森勝治君 簡易保険会計の余裕金というものは、現在もすべて資金運用部以外は預託をすることができない。したがって、郵政省にこれの運用権がない、こうなっています。この余裕金の性格について郵政省――きょうは大蔵省から福島資金課長が来ておりますが、大蔵省はどう考えておられるか、ひとつ両省からお伺いをしたいと思います。
#20
○政府委員(野田誠二郎君) まず私どものほうからお答えをいたします。
 余裕金とは、一般的に会計経理上生じました現金支払い上の余裕であると、こういうようにされております。したがって、これを発生原因からいいますと、ただ、歳入と歳出の時期的なズレから生ずるというものが、本来的な余裕金であろうか、かように考えておるわけでございます。したがいまして、簡易保険事業特利会計におきますような、積み立てられるために受け入れた資金の性格を持つものというものは、ここでいいますところの資金運用部資金法では、全部特別会計の余裕金ということで、簡保会計の余裕金も一緒になっておりまするけれども、性格的には分けることができるものではないかと、このように考えております。
#21
○説明員(福島量一君) 余裕金の運用部預託の問題でございますが、ただいま郵政省のほうからもお話がございましたように、特別会計のほうの積み立て金、余裕金等は、あげて運用部に集中いたしまして、これを統合管理して、統一的かつ効率的な運用をはかるということになっておるわけでございますが、いま問題になっております簡保の積み立て金だけは、実は、その唯一の例外でございまして、まあ保険事業の特性というものに着目し、かつ戦前もそうであったという沿革的な理由もございまして、唯一の例外として、郵政省の扱いになっておるという状況であろうかと思うのでございます。
 で、余裕金につきましては、確かに、ただいま郵政省のほうから御説明がございましたように、いずれは、積み立て金に転化していくべき性格のものではございますが、その当該年度間におきましては、まさに一般の特別会計の場合と同様な余裕金であって、計数的にも確定いたしませんし、そういったことで、その間は運用部のほうに一般の例にならって預託させていただいておる。これは戦前でもそうだったわけです。ただ、そうはいいましても、保険事業の特性というものについて、われわれもできるだけの協力をするという意味で、御承知かと思いますが、資金運用部資金法の附則で、通常の場合ですと、一年以上の預託に付します利率は、四・五%でございますが、簡保の余裕金に限って特に六%にするということで、利回り採算の面でも、それ相応の配慮はしておるということがいえるのではないかと思っております。
#22
○森勝治君 この場合におけるこの余裕金というものは御説明がありましたが、他の特別会計の余裕金とは、これは、本質的にその性格を異にする、こういうことでありますね。これは、将来の契約義務の履行のために積み立てるべき責任準備金である。私は、こう解釈をしておるし、郵政審議会の、この四十年の答申を見ても、この点明らかに指摘をしているところであります。そうなりますならば、当然郵政省がこれを管理運用すべきが至当ではないかと思うのだが、それがなぜできないのか。
 ただ、なるほど規則といいましょうか、簡易生命保険及び郵便年金特別会計の余裕金は云々と、こうあるから、できないとおっしゃるのかもしらぬけれども、その余裕金の性格が違うわけですから、使い残しと違うわけですからですね。当然これは、画然として、明らかなものでありますからね。余ったもの、残りものを扱うような措置であってはならないと思うのです。したがって、なぜ、この点、郵政省は、大蔵省に強硬に主張をしないのか、この点をお伺いしたい。
#23
○政府委員(野田誠二郎君) 常々主張をいたしておるところでございますが、遺憾ながらわれわれの力の不足という、これは率直にそういう点を認めざるを得ないと思うわけでございます。先ほど来、大臣も御答弁申し上げておりますように、年金につきましては、余裕金の運用が逓信大臣に認められておった――郵政大臣に認められておった時代があるのでございますが、先ほど、大蔵省のほうからも答弁のございました国庫余裕金の統一運用の原則といいますか、こういう点が大蔵省の主張される点であろうと、かように思うのであります。いずれにいたしましても、われわれといたしましても、一般的な特別会計におきます余裕金と、それから保険事業特別会計におきますところの余裕金というのは、本来的に、性格的に性質が異なるものであって、本来的には、余裕金の運用権は、その事業所管庁、あるいは事業主体に帰するのが、当然であろうという考えを持っておりますし、また、そのことを常々主張しておるのでありますが、冒頭申し上げましたように、私どもの努力の不足、あるいは力の不足、こういうことに帰せようかと思います。今後とも努力をしていきたい、かように思います。
#24
○森勝治君 大蔵省の福島課長にお伺いしたいのですが、郵政省側では、いま、あなたが、おっしゃるようなことを言っておられるのです。力不足だと言っています。力不足というのは、理論の外にあるものです。郵政省は、私が発言したような内容で、郵政省みずからが、――この種の、一般の余剰金ではありませんよ。簡易保険の場合には、余裕金という名をもって受けておる。この扱いについては、郵政省が、自主運用すべきものであるという主張を明快に、いまもこの場でされておるわけです。しかし、力不足という表現を用いておるのならば、これは、私は理論の外にあるものであって、いわば大蔵省が、郵政省を押えておるのではないかという印象を強く受けたのであります。
 そこで、あなたにお伺いするんでありますが、私が、主張した点ですね。郵政省が、自主運用すべきであるというこの点は、郵政省認めておられるんです。この点について、あなたは認められるのか、違った御意見があるのか、郵政省側の主張あるいは郵政審議会の答申は是としつつも、いまの官庁機構の中では、やむを得ないとおっしゃるのか、あるいはまた、この問題については、郵政省の希望の線に沿って改善をはかろうとされておるのか、保険局長が、いみじくも言った、力不足ということは、ことばを返しますならば、大蔵省の力で押えられておるのだという告白にもひとしいことばと私は受け取ったんであります。したがって、いまあなたに三点について、違った角度からの御質問を申し上げたものですが、それについて、ひとつお答えをいただければよろしいと思います。
#25
○説明員(福島量一君) 力不足ということが、大蔵省が腕力をきかして、無理やり押え込んでおるというふうに受け取れるという、先生のお話でございますけれども、私どもとしては、いわば理論外の力でもって郵政省に対抗しておるというつもりは、実は、ないのであります。これは、いまさら申し上げるのも釈迦に説法かと思いますが、そもそも資金運用部という機構が設けられたゆえんというものは、何かというところから、やはり議論は進められなければならないと思うのでありますが、まあ御承知のように、郵便貯金もそうでございますし、あるいは厚生年金、国民年金等の資金もそうでございますが、こういったような国の制度なり、信用を通じて集まってきた資金を、統合管理し、統一的かつ効率的に運用するということのために、資金運用部が設けられておるわけでございますが、この場合の統合管理なり、あるいは統一運用という考え方の基本は、やはりこういった財政的、広義の財政資金に属すると思うのでございますが、こういったものについて、公共性の原則を踏まえつつ、財政政策なり、金融政策との斉合性も十分保ちながら、全体として効率的な資金の運用なり配分を心がけるというのが、一番基本的な理念であろうかと思うわけであります。
 で、各機関が個々ばらばらに、その運営を分担させるということになりますと、たとえば、二重投資といいますか、そういったような問題とか、あるいは資金配分の適用という問題、そういったような問題も出てきているし、さらには、相当まとまった資金量でございますから、これが随時随所に市中に出動するということになりますと、金融市場なりあるいは資本市場等に不測の悪影響をもたらすということもあるわけでございまして、そういった観点から、広義の国庫資金として運用部が統合管理する、こういう原則ができておるものと理解しておるわけです。先ほど来申し上げましたように、そうは言いましても、簡保の積み立て金につきましては、戦前からの沿革なり、あるいは保険事業の特殊性ということに着目いたしまして、戦後、一時統一運用をしておったのを分離しまして、郵政省が自主運用するという形に現在なっておるわけでございますが、しからば、いわば将来の準備資産となるべき余裕金についても、当然そうすべきであるかどうかということになりますと、これは先ほど来、申し上げております基本原則と申しますか、そういったこととのかみ合わせで、十分慎重に検討する必要がある。
 ただ、郵政省当局が、余裕金の自主運用ということを、年来主張されておられるということは、私どもも十分承知しておりますし、また、その立場は違いますけれども、主張されている御趣旨も十分理解はできます。だからといって、直ちに、その簡保の余裕金について、これは、当然自主運用すべきだということについては、まだわれわれとしても十分検討したい。そういう方向で、この問題を処理するということは、現段階では、まだ申し上げられないというのが、私どもの立場でございます。
#26
○森勝治君 ちょっと最後のことばね。十分に検討すると明快におっしゃったのか、十分に検討するということは明快に申し上げることができないとおっしゃったのか、その点がちょっと明らかでないので……。
#27
○説明員(福島量一君) 十分検討に値する問題であるというふうには理解しておりますけれども、先生最後にお述べになりましたように、前向きと申しますか、郵政省の主張に即する方向で答えを出すということを、今日の段階では、にわかに申し上げるわけにはまいらないと。検討に値する問題であるけれども結論が何と申しますか、前向きと申しますか、郵政省の主張されるような方向に、当然結論が出てくるであろうということは、今日の段階では申し上げられない、こういうことでございます。
#28
○森勝治君 どうも、げすな人間ですから、げすな勘ぐりで恐縮だが、こういうことばになるわけですね。お前の話はよくわかったがだめだと、こういうことですね。郵政省の話はわかったがだめだと、こういう意味でしょう。
#29
○説明員(福島量一君) だめだというふうにも今日ただいま申し上げる段階ではない。ただ、従来、大蔵省として考えてまいりました路線をそのまま進めれば、ノーという答えが出てくるということです。
#30
○新谷寅三郎君 ちょっと関連で。ちょうどいい機会ですから、同じことですけれども一つ聞きたいのは、これは、御承知のように、戦前はこんなことじゃなかったんです。郵政省には、簡保資金の運用の審議会というのがありまして、すべてそこで、どこに、どういうふうに貸しつけたらいいか、これは公共団体が多いんですが、やっておったのです。戦争中に、いまあなたが言っておられた、一本にすればいい、一本にしたいというので、それで統一されたんですよ。戦争が済んで、また本来の元の形に直そうという、その当時、次官同士の覚え書きがあるのです。これはあなたが入っておられないときですが。それにもかかわらず、とうとうそのままで、ほおかむりでやっちゃったのが今日の姿で、それで、終戦後、私は、一ぺん大蔵省関係の次官や局長を呼んで――緑風会のときです。これじゃ困るというので、だいぶ強い意見を出したことがあるのです。それはもっともだということで、順次、還元しましょうということになったのですけれども、ここはいまでも残っていると思います。三省の次官の覚え書きを秘密でやっちゃった。三省次官の覚え書きを秘密でやった、大蔵、自治、郵政の。
 当時の郵政次官が、非常に、さっきの森委員の発言のように、腰が弱くて、とうとうちゃんとやりますと言っているのに、やっぱり資金部の運用委員会か何かにかけてやるということにしちゃったわけですよ。それで今日までずるずる来ているわけです。それで、私が言うまでもないが、貯金の金と保険の金は違うわけです、本来、性質が違います。いまでも同じように大蔵省考えているなら、それを一ぺん論文か何かで出してもらうといいと思うのです。保険というのは、保険の金は、やっぱり保険会社でもみんなやっています。被保険者に、何とかして、利益を還元しようというのが、保険事業者としての当然の責務です。これは、公の保険事業者であっても、民間の保険事業者でもみんなそうでしょう。われわれの習った保険事業というものは、そういうものです。いまでもそういうものだと思いますよ。ところが、それを貯金の金も保険の金もみんな一緒にして、どこでどうなるのかわからぬようなかっこうです。それは、目的は、公ですけれども、保険の金が、電源会社に行ったり、いろいろなところに行くわけです。
 だから、私は、保険の制度から言いますと、いまの森委員の質問にもう少しふえんすると、大蔵省の、いままでのやり方というものは、変えられたほうが、保険制度の本旨から言って、このほうが合うのじゃないか。私は、前から、そういうことを主張しているのですけれども、郵政省が、いろいろ主張されるけれども、なかなかうまくいかないので、今日なっているわけです。これは、あなたから、御答弁をいただこうとは思わない。ですけれども、将来の問題として、これは簡易保険がこうなれば、厚生年金だってみんなそうなります。ある程度これは程度問題です。むしろ逆に、余裕金があったら、これは資金部で運用されるのが当然だと思います。本来、各市町村から、保険とかいろいろな金で、いろいろな目的で集まってくるわけでしょう。保険の目的に従って集まってくる金がある。それを本来この市町村がこういったところに、こういう金が要るのだということになれば、これは、当然それを第一順位で運用できるような制度を、早く実現されることが、保険の制度から言えば、当然のことだと私は思うのですね。答えてもらおうとは思わないけれども、よくこれはお考えになったほうがいいですよ。
#31
○説明員(福島量一君) 新谷先生の御意見はよくわかります。ただいまお話しの中で、たとえば、電源開発にいっておるという御指摘がございましたが、もちろん簡保資金は自主運用ということでざいますから、郵政省がやるわけですが、ただ、財投計画策定の際においては、御協力願って、全体としての資金配分のしかたを考えていくということで、その中には、簡保資金が入りますが、運用自体は郵政省の判断でやる。ただ、その場合に、いわゆる同じ貸し付け先でございましても、先ほどもちょっとお答えがございましたが、たとえば、われわれ運用部の場合は、国鉄に対しては六分五厘で貸している、住宅公団もしかりです。しかし、簡保の場合は七分とか、そういうことで、たとえば、比較的有利な運用になるような、相手先に、簡保の御意向を尊重しながら、むしろ配分しておるということなんで、電源開発の場合は、確かに、有利のほうに玉を選んでいるのではないかということでございます。
 いわば余談でございますが、簡保資金の場合は、第一義的に郵政特会に行き、それから地方債に行き、それからそれ以外は、たとえば、同じ対象でも、債券の引き受けということで有利に回すというような配慮は十分いたしておりまして、そうやった残りをむしろ運用部が低い利回りのところを追ってつけていく、こういう形になりますから、そのことに関しましては、少なくとも、郵政省当局とわれわれとの間に意思のそごはないんだというふうに考えております。
 それから戦前というお話ございましたが、戦前これは御承知のように、財投計画というものはございませんし、運用部資金もほとんど国債、地方債だけに限られておる。まあ戦後、財政の比重が高まると同時に、現在行なわれておりますような財政投融資活動というものが、幅広く展開されてきたわけでございまして、まあそういうことで、その今日の経済政策の中に占める財政投融資活動の意味は、戦前の場合とおのずからまた価値評価は違ってくると思います。ただ、おっしゃるように、保険制度の本旨というものは、確かに、有利な利回り採算をあげて、それを加入者に還元するというところにあることは御指摘のとおりだと思いますが、先ほども郵政省のほうからも御答弁ございました、一方で、やはり国営であり財政資金であるという公共性の原則というのは、これは全く無視するわけにはいきませんし、そういったわけで、有利運用といいましても、たとえば、民間会社が適宜に有利運用するというものとは、ある程度どうしても制約がかぶってくるということはやむを得ないんではないかと、かように考えております。
#32
○委員長(杉山善太郎君) 慣行のあるなしにかかわらずですね。いま新谷先生があなたに、直接答えなくてもいいというかっこうで、まあ一応お答えになってるはずですが、ぼくもですね、大体、腹に据えかねておるのは、資金運用部資金のあり方と、国全体の金融構造の位置づけという問題について、今回の庶民金融などの問題に関連して私は案ずるに、やはりこの財投、それから運用部資金の位置づけ、あり方という問題について腹に据えかねておる点がありますので、次元が違いますから――ことに委員長の立場にありますので多く発言はいたしませんけれども、前半、いま森君が一体検討に値するのか、検討には値しなくて、反対だというのかという、ずばりのその辺の問題を、これはいま課長は、実際、事務的な関連の中で、資金運用部のその渦の中におありと思いますので、よけいな次元でありまするけれども、深刻に国民の立場から、資本の倫理一辺倒で、そういう慣行と制度があるからということだけで、割り切られちゃ迷惑千万な話しだと、これは流れに沿うて漸次やはり、慣行は慣行として、段階的に、本質的なものを再検討いただくということが必要じゃないかということで、これも、あなたから、御回答いただく必要ないんでありますけれども、まあ慣例がないから、委員長は、しゃべらぬことが一番いいんだそうでありますけれども、一応これはしゃべらしておいていただいて。森君。
#33
○森勝治君 資金課長にお伺いしたいんですが、私が申し上げたような点、郵政省がかねがね大蔵省に主張してる点については、検討に値するわけですね。
#34
○説明員(福島量一君) そのとおりでございます。
#35
○森勝治君 検討に値するということは、私流に解釈いたしますと、貴重な発言であるという評価が一つあります、趣旨もっともであるという受け取り方が一つあります、即刻それを採用いたしましょう、こういう場合があります。大体検討に値するというのは、あなたもちょっと触れましたが、前向きに答える場合に、検討に値するという表現を用いることだろうと、私なりに理解をいたしております。そうなりますと、従来の、私どもから見れば、かたくななと、こう言われがちでありました大蔵省の態度が、いまちょうど春たけなわでありますから、春とともに雪解けムードになって、新時代に対応するために検討してみよう、考えてみよう、いろいろあるいは調べてみよう、こういう――協議というよりもむしろ、あなたのことばをそんたくしても、あなたは大事をとって発言されておるでしょうから、私も、そういうあなたのことばを追い詰めるという表現のことばは使いませんが、この前向きの姿勢で、これを従来のかたくなな姿勢をくずすというか、改めるなんというと、大蔵省は、また、あらためて発言があるかもしれぬが、その辺のところは、新時代に対応するために検討をしましょうという、お約束の検討に値するという発言であると、こういうふうに受け取ってよろしいですね。
#36
○説明員(福島量一君) 前向きに検討さしていただきたいと思います。ただ、少しまた余談になりますが、いわゆる国庫金の統合運用の原則というか、ございますので、それがどういう形になるのか、ほかにどう波及するか、万般の問題もやはり考慮に入れなければならないので、そういうことを前提として検討してまいりたい、こういうことであります。
#37
○森勝治君 大体それは私は善意に受け取ります。
 きょうは、特にあなたは、局長の代理でございますから、そういう立場で、大蔵省を動かす立場の発言と承って、私は次の問題に移りたいのでありますが、四十年八月の郵政審議会の答申の中でも指摘されておりました、簡保積み立て金の新規運用原資も、少なくとも三割は、簡保資金の運用に適する一般事業債、あるいは株式等へ投資といいましょうか、運用に充てたらどうかという答申が出されておりますが、これは当然資金の有利な運用を確保するという見地から、審議会は出されたであろうと思うのでありますが、この四十年の八月に出された、いま申し上げたような問題については、一向にこれもはかばかしくない。むしろこれは聞きおく程度になったのか、あるいはどうしても、その審議会の答申の趣旨は了としつつも、大蔵省と郵政省との関係という問題からして、これができないのか、努力をされないのか、この点をひとつ明らかにされたい。
#38
○政府委員(野田誠二郎君) この、四十年の郵政審議会の郵政大臣に対します答申の基本的な立場は、民間生命保険と簡易保険の保険料の比較等から、基本的な立場としては、運用利回りの格差を〇・五%にするためには、どういうふうな改善策、具体的な対策があるかということから、このような基本的な立場に立っての答申が出されたと、このようにわれわれ理解をいたしておるのでございますが、御指摘の、当面の簡易保険の積み立て金の新規運用原資の、少なくも三割は簡保資金の運用に適する一般事業債、株式等への運用に充てるべきであるという趣旨の答申でございますけれども、簡易保険局といたしましては、これの前段をなします一般事業社債及び株式等よりも、まだその前の公益事業債等への進出についてすら、打開ができていないわけでございますので、遺憾ながら、いま御指摘のこの答申の一般事業債あるいは株式等への運用範囲の拡大等につきましては、手がついていない、こういう現状でございます。
#39
○森勝治君 私はいま余裕金と申し上げた、新規運用資金の問題について申し上げましたが、この二点は、いずれも法律を改正をしなければならぬのではないか。すなわち、法改正を必要とするものだと思うのでありますが、すでに法律上の措置がとられているものの運用状況というものは、どうなっておるのか。たとえば金融債は積み立て金総額の一〇%、電力債は五%まで運用できることになっておりますが、実際はどのような運用をされておられるのか、この点についてお答えをいただきたい。
#40
○政府委員(野田誠二郎君) ただいま御指摘の電力債への運用につきましては、運用法によりまして資金総額の五%、それから金融債につきましては、百分の十でございますから一割という制約が運用法第三条第2項、この一号、二号にそれぞれあるのでございまして、現実といたしましては、電力債につきましては、電力債の保有は本年の三月末でわずか五億にすぎません。それから金融債につきましては、現在一千九百億でございまして、資金総額は約三兆ございますので六・七、八%だと思いますが、いずれにいたしましても、その上限でございます一〇%までには至っていない、こういう現状でございます。
#41
○森勝治君 いまのお答えは、許される範囲までの活用がなされていないということでありますが、なぜこの定められたとおりの運用がなされないのか。これも、努力をしないのか、努力をしてもできないのか、この辺が問題点だろうと思うのでありますが、その点お答えをいただきたい。
#42
○政府委員(野田誠二郎君) まず、電力債のほうからお答えをいたしたいと思うのでございますが、電力債は、現状といいますか、現在の時点におきましては、短期運用に限るということになっておるわけであります。と申しますのは――というふうな関係が一つと、それから最近におきましての、この電力債の購入が非常に困難になってきておるわけでありまして、と申しますのは、なかなか、簡易保険の資金の現状からいたしますと、この電力債の購入について、これは市中から買います場合も、これは技術的になりますけれども、額面より高く買わなければいかぬというようなことから、なかなか入手が困難である。したがって、電力債を購入といいますか、この法律の趣旨に従って保有するためには、どうしても長期の電力債を保有するという方向に進出をしなければいかぬわけでございますけれども、現在の時点におきましては、この電力債というものが財投計画の対象外になっておるというような関係から、わずか五億というものを保有しておるにすぎない、こういうことでございます。
 次に、金融債につきましては、法定限度の一〇%まで保有されておりません理由は、この長期運用の対象というものが、現在では商工債券だけに限定をされておるわけでございまして、その他の金融債につきましては、財政投融資計画に計上されていない。したがって短期運用に限られるという制約があるわけでございまして、そのような観点からなかなか法定限度の一〇%まで保有するに至らない、こういうことでございます。
#43
○森勝治君 保険局長、それはあなた方の能力では、これ以上、力の出しようがないという、明快なお答えと承ってよろしいですか。
#44
○政府委員(野田誠二郎君) 何といいますか、金融債につきましての問題につきまして、財投のワク外運用、これは、別に法律改正その他要らないわけでございまして、簡保資金の運用法に、運用対象として規定されておるわけでございますので、特段の法律の改正を必要としないわけでございますが、ただ、現在の時点におきます簡保資金の運用につきまして、先ほど来、話が出ておりますように、全面的に財投協力、こういうことになっております。したがいまして、財投のワク外に出るということは非常に困難、したがいまして、これらの、たとえば金融債及び電力債につきましても、この法律の規定にありますアッパーリミットまでいきますためには、財投のワク外運用ということが必要である。財投のワク外運用を実現するという点につきましては、あるいは先生の言われました力が足りないといいますか、少なくとも努力が足りなかったということは申し上げられるかと思います。
#45
○森勝治君 郵政省と大蔵省では、電力債の運用についての覚え書きを交換しておりますね。覚え書きを交換しておりますならば、その内容と、この覚え書きを交換するまでに至った当時のいきさつについてお答えをいただきたい。
#46
○政府委員(野田誠二郎君) 昭和三十八年の七月に、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部改正がなされまして、運用範囲に電力債が新しく加えられたのであります。これは資金運用部資金法の運用対象から――運用対象といいますか、運用範囲から一歩踏み出した、いうところの財政投融資という点から考えますと、ある意味で創設的なものであったと、かように考えられるのでありますが、その時点におきまして、諮問機関であります運用審議会から――運用審議会からといいますか、運用審議会で決議がなされております。その内容は、電力債への運用は短期運用に限る。日本銀行が保有するものに限る。次は、一年以内の売り戻し条件が付されたものに限る。この三つの条件といいますかが、付されて、決議がされておるのでございますが、このような情勢下におきまして、大蔵・郵政、両省間で三十八年の五月二十三日に覚え書きが締結をせられておりますが、大体資金運用審議会の決議と同様な内容でありまして、第一点の短期運用は、九電力会社社債に対する短期運用、運用の方法につきましては、間接運用ということで、日銀保有の電力債を買い入れるものとし、かつ日銀の行なう金融調整に支障を来たさないような配慮になっております。第三点としましては、額の規制といいますか、そういう覚え書きでありますが、「積立金の額は、おおむね一〇〇億円程度とし、かつ、特定の電力会社の発行する電力債」に片寄らないように配意する。
 まあこういう趣旨の覚え書きがかわされ、これによって現実の問題としてこの電力債の購入がスタートをした。冒頭申し上げましたように、資金運用部資金法の対象にない。まあ言うならば、新しい方面への進出ということで、こういう配慮がなされた、こういうふうに理解しております。
#47
○森勝治君 いまのお答えにありましたように、電力債の運用を短期に限ることとするということ、しかも百億程度、もちろんこの百億というのは、四十一年に何か改定をしておるようでありますが、百億程度に押えること、としているのは、どういうわけなのか、この点をお伺いしたい。
#48
○政府委員(野田誠二郎君) 一応、三十八年当時におきます金融財政事情というものを考慮しまして、法律で許されました範囲内での実行上の措置として、こういう方策がとられた、こうように考えているわけでございます。
#49
○森勝治君 財投計画に計上されないからというのがどうもお答えらしいんでありますが、簡保資金の運用というものは、この運用法と財投計画とどちらを先に、いわゆる優先をされるのか、優先をすべきものなのか。この点をひとつ明快にお答えいただきたい。
#50
○政府委員(野田誠二郎君) 御承知のように、簡易保険の資金の運用は、簡保年金積立金運用法に基づいて行なわれておるのでありますが、運用法の一条によりますと、確実、有利及び公共の利益ということを目的として郵政大臣が管理運用することになっているわけでございます。しかし、実際の運用の面におきましては、国の財政投融資活動を統一するという観点から、財投計画が立てられます。現在の時点におきましては、簡保資金も全面的にこれに協力するという形で運用しているわけであります。
 したがって、その第一の課題としての確実及び公共の利益の目的には、私は、現在の運用のやり方というものが、一応合致をしておるというふうに考えても差しつかえはないのではないかというふうに考えるのでございますが、有利性の面というものを取り上げますと、必ずしも十分でない、というよりも、むしろ、最近は、非常に不十分になってきているわけでありまして、先ほど来申し上げておりますように、民間保険との間には一・四二%の利回り格差が生じております。そういう点からいたしましても、さらに財投ワク外運用というようなものを行なうというような方法によりまして、いまの制度の中でも、ひとつ運用利回りの向上ということに努力をしてまいりたいと、このように感じておるわけであります。
#51
○森勝治君 覚え書きでは、いま御説明があったように、短期運用に限るというふうになっておりますが、法律上は短期運用に限るということは何ら明記されておらないわけですから、何を根拠に両省でこういう制限を設けられたのか、この点、ひとつお伺いをしたい。
#52
○国務大臣(廣瀬正雄君) これは非常に重要なポイントでございますから、私からお答えをしたいと思うのでございますが、そのことは、ただいま簡易保険局長から御答弁申し上げましたように、資金運用審議会の決議があり、また、それに基づいて郵政、大蔵両省で覚え書きを取りかわしておるということに基づいて、法律で禁止されてないことまでやらなくちゃならぬということになっておるわけでございますので、これについては、ただいま局長が答弁いたしましたように、簡易保険加入者の利益を増進する、保険料を引き下げていくというような立場から、今後、政治的に打開していかなくちゃならない課題であろうかと思うのでありまして、これはただいまお答えいたしましたように、今後の有利な運用をはかっていくという将来の努力目標として、十分、郵政省は考えなくちゃならないことであろうと、かように考えておるわけであります。
#53
○委員長(杉山善太郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#54
○委員長(杉山善太郎君) 速記を起こして。
 それでは十分間程度休憩いたします。
   午後二時四十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時二分開会
#55
○委員長(杉山善太郎君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 森君の質疑を続けます。森君。
#56
○森勝治君 大蔵省と郵政省が結んだという、この覚え書きは、いつ結ばれたのですか。
#57
○政府委員(野田誠二郎君) 三十八年の五月二十三日でございます。
#58
○森勝治君 それでは、電力債を運用範囲に加えるための法律改正はいつでしたか。
#59
○政府委員(野田誠二郎君) 昭和三十八年の七月八日でございます。
#60
○森勝治君 そこで、お伺いをするんでありますが、五%という範囲内で運用できるという法律を提案をしておりながら、その陰で、その法律と全く趣旨の違う、すなわちその趣旨を殺すような覚え書きを締結するということは、一体どういうことなのか。
 このいまの話ですと、覚え書きが三十八年の五月、それから、法改正は、電力債を適用範囲に加えるというのは、三十八年七月八日ということならば、もう法律を改正する前に覚え書きをしておったわけです、そうですね。そうなれば、覚え書きのほうが前で、法改正があとですから、この覚え書きは無効になるのか。しかし、現実には、この覚え書きを有効として、両省で守っているということになるならば、三十八年七月八日に改正した法律ういうのは、一体、有名無実と言われてもやむを得ないだろうと思うのですが、その辺のかね合いはどういうことなんですか、これは。
#61
○政府委員(野田誠二郎君) 三十八年五月二十三日の覚え書きにつきましては、これは当然に法律改正の成立が前提になっておると思うのであります。この法律改正がうまくいきました場合には、実際の運用はこのようにやるということについて、事務当局間で了解事項として覚え書きを締結したということでございまして、この法律の百分の五といいますのは、法律で規定してあります部分は、電力債に運用できる上限を規定をいたすということで、その上限の範囲内での実行上の措置として、このように運営をしていこう。こういう趣旨の覚え書きであろうと、このように考えておるのであります。
#62
○森勝治君 矛盾をしているとは考えませんか。
#63
○政府委員(野田誠二郎君) 先ほどもちょっと御答弁申し上げましたように、資金運用審議会の決議が、実は、この覚え書きの前になされておりまするので、これに引き続いてこのような覚え書きが結ばれて、この決議にこたえたといいますか、決議の線に沿って、こういう方向で法律が成立した暁には運用をしていこうと、こういうことで、まあ私どもとして、一応、先生御指摘のような、矛盾というふうには考えていないわけでございます。
#64
○森勝治君 しかし、局長、法律というものを提案したならば、その提案した法律が法制化されたならば、その法律が十分、すなわち一〇〇%生かされるように努力するのが、正しい行政のあり方ではないのですか。いまのお話だと、法律制定を目途として提案した法律をみずから縛るがごとき覚え書きを、その三月前にかわしたということになると、私は、疑問を差しはさまざるを得ないのです。すなわち、いまあなたのお答えのようなことだと、行政権が立法権を侵害して――国民を欺瞞するとまでは申し上げませんが、どうもその辺が国民不在の、国民をないがしろにする姿がここに露呈されたものと、私は、残念ながらそういう感じを受けたのであります。したがって、これは非常に大事なことでありますから、所管の大臣から、この点についてお答えをいただきたい。
#65
○国務大臣(廣瀬正雄君) これは、さっき簡易保険局長が御答弁申し上げましたように、前もって資金運用審議会でそういう決議をした、それに基づいてそういう覚え書きを取りかわした、そうしてその後に法律ができたというようなことになりますわけですけれども、電力債を加えるということについては、かねがね、資金運用審議会あるいは大蔵省のほうに郵政省のほうから折衝いたしまして、そういうことでやりたい。やりたいについては、こういうことをやってもらいたいというようなことで、そういう決議が行なわれ、また、覚え書きが取りかわされたんじゃないかというように考えられますわけでございまして、法律の制定は時期的にはなるほど後日になっておりますわけでございますけれども、これに関連いたしまして、そのような法律の改正をするならば、実行においてはこういうことをやってもらいたいということで、実質的に法律を拘束するような覚え書きを取りかわしたということが真実ではないかと私は想像いたしておりますわけでございますが、まあその効果論から申しますと、ただいま森委員の御指摘のこともうなずけるわけでございますけれども、この改正に伴って、前もって、そういうことが前提条件となって法律の制定に同調したというようなことではなかったかと思うのでございまして、そうなりますれば、やっぱりこの電力債の問題に関連いたしまして、その覚え書きが効力を持ってくるというようなことになることが正しいのじゃないかと、こういうふうに考えておりますわけでございます。
#66
○森勝治君 郵政省は、先ほど担当局長は、力の不足をかこったような、嘆いたようなお答えをいただいたわけだが、法律で、明らかにこうして明記されたものを、なぜみずからを縛るようなことを、みずからの行動半径を縮めるようなことに同意をしておるんですか。私は、この際、この覚え書きが、三十八年の七月八日の、この法改正の以前にできたということであるならば、この覚え書きは、即時撤廃をして、法律の趣旨に沿って、十分この法運営が行なわれるようにするのが、正しいあり方だと思うのです。本来、覚え書きなどというのは、釈迦に説法で恐縮でありますが、法律の趣旨が十分生かされるという、その目的のもとに、覚え書きその他がかわされるわけですから、法律をみずから制約するがごとき覚え書きというものは、行政関係に携わる者のとるべき措置でないし、いずれが優先するかということになれば、それはもうおのずから明らかでありますから、どうぞひとつ改めていただきたい。
#67
○国務大臣(廣瀬正雄君) 効力の点につきましては、先刻私がお答えしたとおりでございますわけでございますけれども、今後の積み立て金運用の改善という理念から申しますと、私は全く森委員と同感でございまして、その効力がどうありましょうと、今後私どもの努力目標といたしまして、実際の運用は、金融債にいたしましても、電力債にいたしましても、長期もできるというようなふうに持っていける努力を、郵政省としては、最善にしなければならない、そういうように考えて進めたいと思っております。
#68
○森勝治君 いまの大臣のお話は、運用の適用範囲を拡大して、利用者の、いわば加入者の利益向上のために努力をする、こういう前向きのお答えと私は承りました。そういうふうに理解してよろしいですね。
#69
○国務大臣(廣瀬正雄君) そのとおりでございます。
#70
○森勝治君 そこで、大蔵省に聞きますが――いま郵政大臣のお答えが明確になりました。そこで、大蔵省の所見をただしたいのでありますが、いま郵政大臣が言われたように、今後、運用範囲の拡大をはかり、加入者の利益向上の方途を発見するということになりますならば、いま私が、るる述べました覚え書きの効力等の問題についても、再考あってしかるべきもの、こう考えます。したがって、この点についてお答えをいただきたい。
#71
○説明員(福島量一君) いま覚え書きの問題は、電力債の短期運用に限ったことが現在有効になっておるわけでございますが、いまさら申し上げるまでもございませんが、結局利回り採算の向上という点で電力債に運用するということになったわけでございますが、その際、長期運用と申しますか、端的に言いますと、これは電力債の引き受けという行為になろうかと思うのですが、新発債を引き受けるということに、もしなりますと、電力会社に対しまして、特定の私企業に対しまして財政資金が流れるという、こういうことになると思うのです。それは、その資金の公共性等の観点からいかがかということの配慮もありまして、間接運用に限るということに、つまり、市中の既発債の買い入れということによって、利回り採算の向上をはかるという趣旨であったかと推測するわけですが、その事情は、実は、今日でもなお変わらないと私どもは実は考えております。で、やはり財政資金であります関係上、もちろん簡保の事業というものから、運用利回りを向上するということの必要性は、先ほど来、申し上げておりますように認められますけれども、一方、財政資金という制約は当然どうしても働くわけでございますから、したがいまして、その公共性の原則に立った中での資金運用ということにならざるを得ないわけでございます。その上で、特に、新発債の引き受けというようなことになりますと、財政資金が、たとえば七年なら七年という長期間にわたって、私企業である電力会社に供給されるということにもなるわけでございまして、運用による利回り採算の向上という面だけ見れば、それはそれとしてよろしいでしょうが、逆に一方で、限られた財政資金が、そういうことに流れるのが一体適当かどうか、そういう電力会社のほうに資金の供給をすることが、適当かどうかという判断もやはりなくてはならないので、したがって、そういったものとのかね合いの上で、短期のいわば既発債の市中買い入れということで利回り採算の向上をはかっていくということにしたものと思います。
 で、まあ先ほどの御答弁で、まあ現在五億円というようなことでございますが、御案内のような、いまの金融情勢で、わが国の公社債市場というのは、まだまだ未成熟、未整理の段階でございますから、公社債の実質利回りというものも、事実上は、短期金利の動向にかかわらず大きく緩和される。あるいは金融が緩和されますと非常に利回り採算が落ちる。額面をこえたものでなくちゃ手に入らぬというような状況であります。逆に、金融が非常にタイトになってまいりますと、資金がそちらに流れませんから、したがって、利回りは向上するというような、いろいろな動きもあるわけでございまして、そういうことの中で、短期的な運用をはかりつつ利回り採算の向上をはかるということが運用のあり方として不可能ではないのじゃないかということで、短期運用に限っておるから当然利回り採算の向上なり、あるいは電力債の購入ができないのだということではないので、むしろその以前の金融環境、金融情勢といったものによって、その利回り採算の向上に資するような、資金の運用ができないということにむしろ問題があるのじゃないか。長期ということ、すなわち新発債の公募引き受けという問題は、先ほど申し上げたような意味で問題があるわけですから、国全体としての金融状況をにらみ合わせつつ、有価証券でございますから、金利はクーポンレートで支払われるわけでございますから、そういったことで運用していただけば、短期運用でも、利回り採算の向上をはかれるのではないか、こういうふうに考えます。
#72
○国務大臣(廣瀬正雄君) いま大蔵省のほうから御答弁ございましたけれども、まあ私どもといたしましては、この簡易保険の積み立て金は、すべて財政資金であるかどうか、ここに非常にまあ疑問があると思うのでございまして、財政資金として活用を願いますとともに、やはり簡易保険の加入者の利益を増進するということは、私どもといたしましては考えなくちゃならぬということで、いまの電力債の問題も起こってまいりますし、さらにワクを――これは法律の改正を必要とするわけでございますけれども――拡大いたしまして、一般事業の社債でありますとか、あるいは株式でありますとか、不動産でありますとか、そういうようなことにまで取り組みたいというような希望もありますわけでございまして、そういう段階でありますと、積み立て金利は、財政資金であるということでは、そういう前進ができないわけでございまして、まあ財政資金であるかないか、すべてがこういうことについては、十分研究論議して結論を得なくちゃならぬと思います。ただいま、大蔵省のおっしゃることも非常にうなずける点もございますけれども、私どもの立場といたしましては、すなわち短期が全部財政資金と考えておりますと、これ以上前進しないということになろうかと思っておりますわけでございます。郵政省の立場を一言申し上げておきます。
#73
○森勝治君 まあそれぞれ立場立場の御意見をいただいたのでありますが、大蔵省も、このことについては、前向きに検討するというお約束をいただいたところでございますから、今後とも、その点については、郵政省も大蔵省と接触を深めて、ひとつ加入者の利益を守るために、御努力を願いたいと思うのであります。
 そこで、この際でありますから大臣にひとつ関連してお伺いをしたいのでありますが、簡易保険とともに、国民に親しまれている貯金の問題について、ちょっと質問をしたいのであります。郵政大臣が、庶民金融ということで、貯金の貸し付けの問題を提起しましたところ、圧倒的な国民の支持が、ちまたにわいています。しかるに昨夜、漏れ承ると、どうも大臣が当初発言された真意と違って、何か政府というか、大蔵省関係の圧力で、国民が願っているこの庶民金融への道が閉ざされるやに承っており、特に、農民や零細企業、そしてまた、労働者は若干不満と申しましょうか、どうもけげんな面持ちで、しばしば私どもに、一体、庶民金融はどうなるんですかという、問いがあるわけであります。私どもは、郵政大臣が、この案を発表いたしましたときに、もろ手をあげて賛成した一人といたしまして、ぜひとも、これは実現してもらいたいのであります。
 郵政事業が、国民の生活を守る一端を引き受けているというのが、簡易保険事業であり、貯金事業であるわけでありますから、そういう観点からいたしましてもこのことについての実現方を、ぜひともはかってもらいたいのであります。特に、私どもが、解せないのは、自分が、郵便局に積んだものの中から借りるということすらもできないと、ほかでは、全部、金融関係は、自分で積んだものは、その範囲なら幾らでも借りることができるのであります。そういう危急の場合に、利用できないなどということは、ほんとうにいまの事態に沿わない。したがって、新時代に対応するということで、大臣がそういう新機軸と申しましょうか、新しい国民の拍手かっさいを受けるような方法を思いつかれたんだろうと思うんでありますが、先ほど申し上げましたように、最近これがどうもかんばしくないような、やっと花が咲きかけて――いま花の盛りであります、四月の半ばですから。人呼んでこれを花の季節と申しますが、その花の季節でありながら、自然の花には、そむいて、この庶民金融の貯金の貸し付け制度の花は開きかけて、また、しぼむようなかっこうで、何となくわれわれは見るにたえないような気がするんでありますが、このことについての見通しと、これから実現のために、どう大臣は御努力されようとしておるのか、この点、この際で、簡易保険の問題で貯金のこと聞いて恐縮でありますが、これまた、国民の生活を守る一端としての貯金事業でありますから、この際、大臣にひとつこの問題についての所見を伺っておきたいと思います。
#74
○国務大臣(廣瀬正雄君) ただいま私ども郵政省において考えておりますいわゆる庶民金融、正確に申しますと郵便貯金の預入者貸し付けということにつきまして御激励のことばをちょうだいいたしまして、まことにうれしく感激いたしておりますわけでございます。幸いに、きょうは、御所管は違いますけれども、大蔵省の幹部の方もおい出でございますから、私どもの所信をお聞き取り願えますならば幸いと思うわけでございますが、私どもが考えておりますのは、ただいま御指摘になられましたように、郵便貯金の預入者が生活上の不時の入費、病気をしたり、子供が学校に行くとか、ちょっとした家の修理をしなくちゃならぬとかということで、生活のための突然の入費が起こってまいりまして、郵便貯金の預入者でございますから、郵便貯金を出そうというような場合に、お待ちなさいと、郵便貯金というのは、長く預けておけばおくほどあなたのために有利でございますから、それではお立てかえいたしましょう、引き出すのをやめてくださいと、いわば、郵便貯金立てかえと申しますか、引き出し防止と申しますか、そういう趣旨で発足したわけでございますが、できますことならば、今度の国会に、政府提案として出したいということで、ずっと努力を続けてまいりました。
 非常に、郵便局で、そういう貸し出しをやるということは、ふなれな仕事で、あぶないようにお考えの向きもございますけれども、簡易保険の加入者は――きょう問題になっております簡易保険の加入者は、五十年前から契約者の個人貸し付けというのをやっておりますのでございまして、そういう貸し付けには習熟をいたしておりますわけでございます。また、外国の例をとりましても、郵便貯金をやっております国は、大多数の国が貸し付けをいたしておりますし、また、営利じゃなくて、公共的に貯蓄銀行を営んでおります国、そういう貯蓄銀行でも、個人貸し付けをやっております例が非常に多いわけでございますが、また、国会でも、四回にわたりまして、本会議で、こういう制度は創設すべきだという、御激励の決議も賜わっておりますわけでございます。
 ぜひこの機会に実現さしたいと思いますことは、ちょうどいま産業よりも人間、経済よりも個人というような、福祉というような時期でございますから、私は、時勢的に、いま非常に国民から喜ばれる制度だというように考えておりますわけでございますが、ところが、どうも政府間で、まだ意見の統一ができませんで、一番関係のあるのは大蔵省でございますけれども、大蔵省のおっしゃるのは、こういうことやると、財投に影響があるのじゃないかということを言われるわけでございますけれども、もっとも財投の三割八分を郵便貯金で背負っておるわけでございますが、しかし、趣旨がもともと森先生も言われましたように、こういう制度がなければ貯金の引き出しをやると、それを引き出しをやっちゃ、あなたのために不利でございますから、立てかえいたしましょう、お貸しいたしましょうという趣旨でございますから、こういうことから申しますと、当然引き出すべきところを立てかえるというわけでございますから、財投には全然関係ないと思っておりますし、また、多少関係があるといたしましても、こういう制度を始めることによって、郵便貯金がふえてくるということも考えられますわけでございます。
 したがって、財投には全然関係ない。私どもが考えております、また、野党のほうでもお考えいただいておりますその限度は一千億ということにいたしましても、毎年の財投に郵便局から納めております金が二兆円でございますから、二兆円の一千億ということになればわずかに五%でございまます。九五%は従来どおりに財投に納めるわけでございして、その金額も、先ほども述べましたように、ほとんど変わりはない。むしろふえるぐらいじゃないかと実は考えております。したがって、財投には全く影響ないということを私は確信いたしております。それからまた、郵便局というのは、もともとお金を預かるための機関である、預入するための機関である。それを貸し付けという制度を始めることは、郵便局の制度のたいへんな変革であるというふうにおっしゃいますけれども、この郵政貯金というのは、何も神様がつくった制度でございませんで、今日、福祉を増進しなければならないという時勢にあたりまして、庶民のために貸し付けをするという道を開く、そういう制度の変革をするということは、むしろ私は望ましいことじゃないかと、こういうふうに考えておりますわけでございます。これまた反対の理由は成り立たない、こういうふうに思っております。
 それから郵便貯金は貯金だけをするために、特に税制の面においても優遇しておるじゃないかということをおっしゃいます。もっとも郵便貯金の最高制限額は百五十万でございますから、その範囲においては無税でございますけれども、これはまあ銀行預金だって百五十万円まで無税ということになっておりますので、郵便貯金と銀行預金というのはまるっきり税制の差等はないわけでございます。
 それとまた、特におっしゃいますことは、銀行業者が、民業の圧迫だということを言っておるというふうにおっしゃいますけれども、これは、私も往々に苦い経験が何度かありますけれども、銀行は、私どもが生活の資金を借りにまいりましても絶対に借さない。五万、十万、二十万、三十万という少額のお金を借りにまいりましても、そういう金は貸せない、生活資金は貸せない、産業資金であれば考えるがということを申しまして、不動産を担保に持ってこいとか、有力な保証人を立てよというようなことをおっしゃって、なかなか金を貸してくれない。そこで、私は、そういうことで融資、金融に困っております庶民を救済したいということ、つまり銀行業者がおやりにならない、やらなくちゃならない面でありながらやらないという、そのブランクを郵便貯金の貸し出しで埋めたい。まあしかし郵政省のこういう提唱に大いに銀行業者も目ざめまして、最近は庶民ローンということを申しておりますけれども、向こうがおやりになることはおやりになってけっこうでありますし、それで郵便局がやるということになれば、両々相まって庶民の福祉を増進するということになるわけでありますから、これまた私は、反対の理由にならないと考えておるわけでございます。
 そういうわけで、私は理論的に絶対正しいと、――先ほどの農協の関係でありますけれども、これは、農協のうちでも、信用の業務をやってらっしゃる方は反対のようでありますけれども、農民自体は、現に私の選挙区――は選挙区のことを申して恐縮でございますが、ほとんど、ことごとくは農民と言っても差しつかえございませんが、この間連休にちょっと帰りまして、四、五十人の農民に一々当たったのでございますけれども、農民自体は、こういう制度ができることは非常に喜んでおりまして、農協から金を借りられる、また、郵便局からも金が借りられるということになれば、非常にけっこうだということを農民は申しておりますし、また、最近は、農協の融資のレベルも非常に上がってまいりまして、なかなかまとまった金でないと喜ばないということになっておるようでございまして、これは、私の錯覚かもしれませんけれども、とにかく農民が郵便局の庶民金融を喜んでおりますことは、これはまさに事実でございます。五十人が五十人とも喜んでおるわけでございます。
 こういうわけで、私の提唱、構想は理論的に申しましてどうも正しいのじゃないか、全く間違いない主張じゃないかと思っておったわけでございますけれども、やっぱり関係の省、いろいろなお立場もございましょうし、なかなかうまく話が進まずにおります。幸いに、せんだって、私と大蔵大臣とやっと会見いたしました。ずいぶん前から私は会見を申し込んでおったのでございますけれども、まあ大蔵大臣も、予算の国会でございますから、特に御多忙のようでございまして、やっとこの問、会談をする機会を得まして、それからまた、事務的に発足しようじゃないかというようなことに更新されまして、――実は郵政省としましては、すべての資料を大蔵省銀行当局に提出しておりまして、御審議を願っておったと思っておったわけでございますけれども、新規巻き直しで、事務段階から始めていこうじゃないかということで、今月の二十日に、やっと第一回の会見をいたしたようなことでございます。しかし、大蔵大臣が参議院の大蔵委員会で御答弁をされたことから考え、また、第一回の事務ベースの会談から考えましても、どうも大蔵省は非常にのんきにお考えになっていらっしゃるようで、どうせ金融制度調査会にもかけなければならない、というようなことを言っておるようでございまして、そうだとすれば、半年か一年か、結論が出るのはわからないわけでございまして、とてもそういうことでは、これは、今国会には、政府提案には間に合わないということを私は心痛いたしておるわけでございます。微力を尽くしてまいりましたけれども、微力としては最善の努力をしたつもりでございますけれども、政府段階におきましては、そういうていたらくでございまして、まことに申しわけないと思っておりまして、非常に気持だけはあせっておりますが、今度の国会に、政府提案として出すということは、非常におぼつかない気持ちがございますけれども、最後まで、私は希望を捨てないで、努力をいたしたいと思っておりますが、幸いに与野党を通じまして、議員提案でいこうじゃないかという動きが、非常に活発のようでございまして、私は、こういうことを政府当路から申しましてはどうかと思いますけれども、とにかく私といたしましては、こういう制度が開かれて、庶民の福祉が増進されるということになれば、郵政省がやろうと、議員さんがおやりになろうと、いずれでもけっこうだという心境に、最近はなっておるわけでございまして、私自身、政府提案とすることを希望を捨てないで努力いたしますけれども、実際の問題といたしまして、私は、議員提案で、この制度を新しく創設していただくということのほうが早いのではないかというように、ひそかに考えて、期待をいたしておりますようなわけでございます。私、政府提案でできなくて、最初は脱兎のごとく、現在は処女のごとしというような状態でございまして、ほんとうに、提唱いたしました私、郵政省といたしましては、まことに申し訳ないと思っておりますが、最後まで努力は続けたいと思いますし、他面、大きな期待を議員提案に持っているということが実情でございますから、さよう御理解をたまわりたいと、重ねてひとつ御激励のことをお礼申し上げ、今後の御協力を切にお願いを申し上げたいと思います。
#75
○森勝治君 それでは次に、移ります。
 傷害特約制度が四十四年から始まったのでありますが、その支払い状況はどの程度になっておるか、それをお聞かせ願いたい。
#76
○政府委員(野田誠二郎君) 傷害特約につきましては、昭和四十四年の九月から発売いたしたのでございますが、幸いにいたしまして、加入者の皆さま方から非常な好評をもって迎えられておるのでございます。四十五年の成績から申し上げますと、保険料収入が六十二億六千二百万円でございます。これに対しまして傷害事故発生等によります保険金等の支払いは二十八億四千二百万円でございます。四十六年度につきましては、ただいま集計中でございますが、一応の見通しといたしましては、収入保険料百二十億円、これに対しまして、支払い額は五十五億円程度になろうか、このように見込まれております。収入及び支払いにつきましては、以上のとおりでございます。
#77
○森勝治君 そういたしますと、これは黒字ということですね。
#78
○政府委員(野田誠二郎君) お説のとおりでございます。
#79
○森勝治君 それでは、利用者に対する利益の還元方策をどう考えなさっておられるのか。この傷害特約というものは、単年度決算主義をとっておるわけですから、生命保険とは事違い、当然料金の引き下げ、給付内容の改善をはかるのが妥当というか、至当というか、当然かくあらねばならぬと思うのでありますが、その点はどう考えておられるでしょうか。
#80
○政府委員(野田誠二郎君) 先ほども申し上げましたように、四十四年の九月に発売をしておるのでございまして、なお発売いたしましてから、まだ日も浅く、言うなれば、どの程度の実績を示すか、この傷害保険は、御承知のように、入院保険金の支払い、傷害保険金の支払い及び死亡保険金の支払いと、このように三つに分かれておりまして、必ずしも単年度あるいは両三年の経験だけでは、なかなか、にわかにその将来の予測も立てにくい。言うなれば、まだ安定状態に達していない、このように考えているわけでございます。しかしながら御指摘のように、これ自体は、単年度で処理をしていくべき保険の本来の姿からいえば、そういうものであろうと、かように思うわけであります。あと二年ぐらいたちました後には、一応これらの支払い率といいますか、こういうものが安定状態になるだろう、こういうふうに予測をされております。その後におきましては、お説のように、まず給付内容の改善というようなものを第一に着手いたしたいと思います。さらには、保険料率の引き下げというようなことも当然考えて、その利益を加入者に還元していく、かように考えます。
 なお、先ほどの収支差額が全部利益といいますか、こういうものではございませんけれども、この差額に近い部分は責任準備金というようなもので積み立てているわけでございます。
#81
○森勝治君 昨年度から始まった学資保険、それから特別終身保険の募集状況を聞かせてください。
#82
○政府委員(野田誠二郎君) ただいま御質問の学資保険及び特別終身保険につきましては、昨年の九月一日から発売をいたしたのでございますが、先ほど申し上げました災害特約と同じように、幸いにしまして国民から非常な好評をいただいております。いずれにいたしましても、昨年の九月一日からでございますので、非常に短時間の実績しか出ておりませんけれども、四十七年三月までの七カ月間の実績を申し上げますと、学資保険では八十二万件、特別終身保険では二十八万件でございます。両者を合わせますと百十万件の件数を教えております。なお、この七カ月間に簡易保険といたしまして募集いたしました総件数は二百八十五万件でございまして、これが中で占めております。パーセンテージを申し上げますと、学資保険が二八・九%、それから特別終身保険が九・七%でございまして、両者を合わせますと三八・六%ということになっております。なおこれらをそれぞれ、学資保険は養老保険の一種でございますし、特別終身保険は御承知のように終身保険の一種でございますが、養老保険の全体の中で占めます学資保険は大体三六%でございます。特別終身保険は実に終身保険の総体の中の七七・三%を占めておるということで、非常に好調な売れ行きを示しておるわけでございます。
#83
○森勝治君 今度のこの保険金の最高制限引き上げに関して、何か市場調査をおやりになったという話ですが、その概況がおわかりならばお知らせ願いたい。
#84
○政府委員(野田誠二郎君) 保険金の最高制限額をどうすべきかにつきまして、簡易保険局としては常々関心を持っておりまして、大体二年に一ぺんぐらい簡易保険に関します市場調査をいたします。悉皆調査というわけにまいりませんので、一応無作為抽出、層化無作為多段階抽出法ということで、一応一万世帯弱ぐらいの世帯を抽出いたしまして調査いたします。最高制限額の引き上げにつきましては、加入者の意向調査ということで、万一の場合に保険金としてはどのくらい必要であるか、あるいは老後の生活でどのくらい必要であるかというようなことにつきまして、調査を行なうのでございますが、一番新しい調査は、四十五年の八月に行なっておるのでございますが、これによりますと、総平均的に申し上げますと、一世帯といたしまして簡易保険、生命保険に期待いたします保険金額としては、六百万円という数字が出てきております。
#85
○森勝治君 今度もしこの三百万ということが実現するとするならば、大正五年十一月この保険創始以来、二十回保険金の引き上げがなされるわけです。
 そこで、私はお伺いしたいんでありますが、何かこう物価にスライドする方法はとれないものだろうか、こう素朴に考えるのですが、この点は郵政省で御研究なさったことがあるのか、将来はそういう方向を目ざして進もうとされておるのか、全く考えが及びつかないということなのか、その辺のことについてお答えをいただければと思うんです。
#86
○政府委員(野田誠二郎君) ただいまの御質問は、簡易生命保険の被保険者一人当たりの保険金の最高制限額について、これを物価にスライドする方策を考えるかどうかという御質問だと思うのでありますが、戦前、簡易保険が独占時代の話は別にいたしまして、昭和二十一年に簡易生命保険が独占を撤廃いたしましてから後におきましての考え方は、確かにいま先生御指摘の、物価騰貴にある程度スライドをさして、最高制限額の改定を要求したというような時代もございます。あるいは現在いろいろ――先ほど調査のところの答弁で申し上げましたように、万一の場合の遺族の当座の生計費というものを基準にしてみたり、いろいろしたのでございますが、現在われわれ考えておりますのは、必ずしも物価にスライドをして制限額を上げるというふうなものでなく、その他いろんな要素、たとえば、いま申し上げました当座の遺族の生計費である、あるいは老後の生計費の安定、あるいは民間の無審査保険の限度額の動き、あるいは、これが一番大事なことかと思うのでございますが、一般国民の保険に対します需要が非常に多様化してきておる、あるいは複雑化してきておるというような点、そういう諸要素を考えまして、最高制限額をいろいろ検討をしていきたい、このように考えております。
#87
○森勝治君 今度改定は、郵政省は何か四百万円を大蔵省に提示されたそうだが、この大蔵省と郵政省の話し合いの中で、三百万という線に落ち着いたと聞きますが、この辺の大蔵省と郵政省の考え方の違いというのはどの辺にあったのでしょう。
#88
○政府委員(野田誠二郎君) 先ほど御答弁申し上げましたように、市場調査によります結果は一応六百万円程度の保険金を必要とするというふうに、われわれ国民一般の世帯が希望しておるというふうに掌握をいたしておるのでございますが、まあ最高制限額をどのようにすべきかということを考えます場合に、いろんな要素があろうかと思いますが、第一にやはり国民の需要という点、もう一つは一般的に、国民といいますか、一世帯でどの程度の保険料を負担し得るかどうかという問題、それから第三としまして、保険業界において、特に終戦後といいますか、戦後、民間生命保険におきましても、簡易保険と同じような無審査保険を発売いたしておりますが、その限度額がどのようになっておるか、このようなことが考慮の要素になるわけでございます。
 最後の点について申し上げますと、農協の生命共済につきましてはすでに三百万に上がっておりまして、ところが、一般の民間保険会社の無審査保険の最高制限額につきましては、二百万から二百五十万の間と、こういうことでございました。したがいまして、われわれは、第一の要素の、一般国民が六百万を要求しておる点から申し上げますと、四百万円程度はぜひとも必要とするということで要求をいたしたのでございますが、民間保険の実勢等々というようなものをも考慮いたした場合に、やはり一応そのバランス論というような点からいきまして三百万というようなことで、まあ言うなれば妥協といいますか、そういうところでまあまあ簡易保険としてもやっていける、の需要に対してもひとまずこたえていけるという、そういう判断に立ちまして三百万ということで決着を見たと、こういうことでございます。
#89
○森勝治君 ごく簡単におっしゃるから、これ以上聞きたいとは思わないけれども、郵政省が、いまの市場調査で六百万程度というのが妥当な線だとおっしゃって、さりとて急激にはというところで四百万を出された。それが四百万を出された以上は、相当ディスカッションが理論的になされたものと私は理解をするんです。そう簡単に、しゃんしゃんというわけにはいかぬだろうと思うから、その辺の大蔵省との食い違いはどこにあったのか、それを聞きたいんですよ。
 あなたは、自分のほうが妥協した話だけしかされてないので、これは大蔵省がおればいいんですが、大蔵省は、大蔵委員会か何か用があった模様ですから、私のほうも質問を割愛したところでありますけれども、その辺のところが、あちらとの話し合いの食い違いが当然そこにあるんですから、これが満場一致なんということはあり得ない。従来の保険、貯金の問題については、郵政省、大蔵省はある面では、さっきの運用の問題についても方針が違うんですから、相対立はやむを得ない。だから、そういう観点で、その点が、最終的には、三百万になったということはわかりますけれども、相当これ議論されたんだろうと思う。議論もなしに、さっときめた問題ではなかろうと思うので、その辺のところを、大蔵省はこう言った、うちのほうはこう言った、その違いを浮き彫りにしていただきたいんです。
#90
○政府委員(野田誠二郎君) どうも結論だけ申し上げて失礼をいたしました。
 まず基本論としまして、大蔵省といいますか、民間生命保険会社を監督をいたしております当局としては、国営の簡易生命保険事業は民間生命保険の補完であると、こういう考え方を基本的にとっております。われわれは簡易生命保険事業は、その発生史的な問題は別にしまして、現在の時点に立ちましても、決して民間生命保険事業の補完的な機能だけを果たす事業だとは考えておりません。むしろ社会保険の、あるいは社会保障の至らざるところを補う、こういうものが生命保険だろうと考えますし、その生命保険の中でも、簡易生命保険事業は、国営の事業として先頭に立って、そういう保険事業の公共性というものを守っていく、第一線に立っておると、かように認識をいたしておるのでございますが、そういう点から、戦後無審査保険の独占が撤廃されました後におきましては、基本的には民間生保と簡易保険の競合論というのが根底にあるわけでございまして、大蔵省当局としては、簡易保険の限度額の引き上げに対しましては、常にといいますか、否定的――常に否定的というと語弊があるわけでありますが、まず民間の立場を考えるという考え方が常に先に立っておるようにわれわれとしては見受けるのであります。
 先ほど市場調査の六百万という数字を申し上げたのでございますが、この数字は、これは簡易生命保険に期待する数字ではございませんで、生命保険としてどのくらいの金額を必要とするかということでございますが、これを全部簡易保険で保障する必要はないじゃないかという一つの論拠がございます。それから、現在の民間保険の経営の事情なり、先ほど申し上げました無審査保険の限度額という問題が、現実の問題としては、双方盛んに主張し、意見が食い違う、あるいは、すれ違う、こういうことでありますが、基本論といたしましては、いま申し上げました簡易保険事業に対する基本的な認識の違い、それから何といいますか、現在のような資本主義経済下におきます民業と官業のあり方論、こういうふうな基本論の問題、もう一つは競合の問題、こういうところに一つの大きな理由があるわけでございます。また、現実にいろいろやりとりをしました中身といいますのは、いま申し上げましたようなことが何回も繰り返された、こういうことであります。
#91
○森勝治君 このままでまいりますと、また一両年を出ずして、最高限度額の引き上げということになりかねないような気がするんですが、その辺の将来に対する展望の問題については、大蔵省とどういう議論をされたんですか。
#92
○政府委員(野田誠二郎君) 結論的に申し上げますと、先ほど来申し上げておりますように、民間保険の無審査保険の限度がどう動くか、あるいは農協の生命共済の無審査の共済がどう動くか、これはそういうことが一つのめどであろうかと思います。もう一つは国民経済の伸びといいますか、所得の伸びというようなものがどのように動くか、これはまあいろいろな数字が出てまいるわけでございますが、それがまた一つの大きな要素、結局そういうものを見ながら、もう一ぺん相談しよう、次回の引き上げにつきましてはそういうことでもう一ぺん相談をしよう、こういうことになっておりますが、過去の実例からいたしまして、大体最高制限額の引き上げは三年ないしは四年に一回という、まあ歴史的な関係からいくと、そのようなかっこうになっておろうかと思います。
#93
○森勝治君 反対給付が三百万ということになるならば、毎月の掛け金が案外ばかにはならなくなりますね。そうなると、先ほど、私は、冒頭に触れました職員団体の賃上げの春闘の要求さなかでありますけれども、一般のサラリーマンでは、なかなか掛け金も十分捻出できないようなことになりはせぬかと思うんですね、このまま物価が上がってまいりますと。ですから、郵政省の考えている簡易保険というものの理想は、先ほどの話は、六百万程度がいいだろうという、市場調査の結果言われたんだろうが、大蔵省との政治折衝といいますか、行政の中で、折衝の中で三百万と落ちついたが、ほんとうにいまの段階で、どのくらいが、郵政省が考える――いま言った国民の福祉につながるこの簡易保険の反対給付の最高額は、これはもちろん経営という関係もあるから無制限に上げることはできませんことは当然でありますが、どの程度の額が一番理想とされるんでしょうか。現実は三百万ですよ。現実は三百万。大蔵折衝の結果、おそらく郵政省の意に反して出されたんでしょう。さりとて郵政省が出した四百万でも、これは郵政省の意に満たないものだと聞いておるから、だから、それならば、先ほどの調査か何かで、六百万というお話があるものだから、私は、こういう質問をするわけだが、現状で郵政省が大蔵省の制約を受けずに郵政省の立場で、国民の健康と暮らしを守る程度の立場で考えた場合の理想案というか、理想的な反対給付のいわゆる最高額というのはどの程度がよいのか、この点ひとつお聞かせ願いたい。
#94
○政府委員(野田誠二郎君) ただいまの御質問の、簡易保険の理想的な最高制限額というものに、われわれ正面で取っ組んだことは実はないわけでございます。まさに生命保険が与える保障としては、これは多々ますます弁ずる形だろうと思います。
 もう一つ、簡易生命保険事業につきましては、御承知のように、すでに四千五百万件というような大量の契約量を持っておりますし、保険金額にしますと十三兆、資金総量としましては三兆以上の資金量を持っております。
 さらに、事務組織も相当完備をいたしておる。特に、他の民間会社に類を見ないほど私は、外野組織というようなものは整備をしておると、このように考えます。したがいまして、純粋に保険数理の計算からいきますと、無審査保険ではありますけれども、最高限度額は相当程度まで、これは何千万という程度まで上げても、その事務の逆選択からきます危険というものは回避できると、そういうふうに考えられます。これは理論上の数字としては、相当高度の限度額まで引き上げられると思うのであります。そういうふうに引き上げられたといたしますと、確かに、募集もしやすくなります。状況によっては、非常に経営内容もあるいはよくなるかもしれませんけれども、そこまでは、実は、理論的に詰めたことはございませんし、また、先ほど来、申しております、対民間保険とのバランスの問題。もう一つは先ほどもちょっと申し上げましたけれども、一般国民がどのくらいの保険料の負担に耐え得るか、保険負担能力でございますが、これは、昭和四十五年に、生命保険協会が調べました一世帯当たりの平均の負担能力という数字が出ておりますが、これが七千円弱でございます。これは、一世帯平均の可処分所得の中に締めます保険料の負担部分というのが六・七%ということになっております。
 さらに、先ほど申し上げました簡易保険が、昭和四十五年に、市場調査をいたしました一世帯当たりの保険料の支払い限度額というものを平均いたしますと、七千三百円ということになるわけでございまして、こういう保険料支払い能力というものを考えました場合には、観念的に考えております簡易保険の最高限度額というものは必ずしも国民総体的に申しまして、要望しておるものでもなかろうかと、こういう配慮も当然しなければならないわけでありまして、いま申し上げました七千三百円なり、あるいは七千円弱という程度の月額保険料といたしますと、現在の保険金三百万、現在といいますか、今度法律が改正せられました場合にも、なかなかその三百万の契約までは入りにくい保険料額ではなかろうかと、このように考えるわけでございます。
 具体的にこれは二百万で申し上げますと、十五年養老で三十歳加入、二百万円までの限度額まで入りますと、月額保険料は一万五百円になります。特別養老保険といいまして、死亡の場合には、満期の場合の二倍を支払うという、そういう保険種類。これもやはり十五年特別養老三十歳加入というのを、これは死亡の場合には二百万で、満期の場合は百万でございますが、これは五千六百五十円、こういう保険料でございますので、そういう点も当然考慮しなければいけないということでございまして、理想的な保険金額というようなものを考えますと、やはり今回保険の改正としてお願いをいたしております三百万からそう何倍も上だというような数字にはならないのではないかと、まあ一応こういうふうに考えておるわけでございます。
#95
○森勝治君 沖繩が間もなく帰ってくるわけですが、沖繩における保険募集の準備状況、計画はどうなっていますか。
#96
○政府委員(野田誠二郎君) 御承知のとおり、沖繩におきます簡易保険事業は、郵便事業及び郵便貯金事業と異なりまして、戦後二十七年間簡易保険事業が実施をされておりません。したがいまして、来月十五日に、沖繩が復帰いたしました後におきます簡易保険事業は、全然、新規の事業として開始をされる、こういうことでございます。われわれが考えております簡易保険のやり方といたしまして、まず、いま申し上げましたような点から、職員が簡易保険につきましては全然の新人であるということから、復帰前に本土の職員を現地に派遣いたしまして、現地の郵便局の職員、これはたぶん簡易保険事業に従事するであろうと思われます、予定されております職員に対しまして、講習会を実施いたしまして、まず職員に対する指導というものを、これもほんとうに新規の指導でございますが、これを行なっております。行ないました。復帰後におきましても、この業務取り扱いに万全を期する意味から、できるだけ早い機会に、各種の講習会、研究会を開催して、その職員の養成訓練ということをまず第一にいたしたいと考えております。
 そのほかに、業務の開始に必要な備品、式紙等につきましてはすでに発送をいたしております。
 そのほかにもう一つは、沖繩県の人たちにつきましては、簡易生命保険につきましては、これは新規の仕事になるわけでございますので、まず沖繩県民に対します簡易保険の周知宣伝、保険思想の涵養というようなことについて、まず、これを第一義にやっていきたい。募集成績をあげる、あるいは沖繩におきまして何といいますか、成績を競う、そういうことじゃなく、まず第一義的には、沖繩県の人たちに対します簡易保険思想の普及といいますか、これを第一義的に考えたい、こういうふうに思っております。
#97
○森勝治君 こまかい話で二、三聞きたいのですが、一例は、職員が、保険募集の際に携行するかばんですね、かばんをもう少し近代的と申しましょうかな、スマートなものにはならぬのですか。
#98
○政府委員(野田誠二郎君) これはまだ決定をしていないと思いますが、ここ二年ばかし現実に試験局を選びまして、また、試験に供するかばんを、相当数の外勤の人たちに使ってもらいまして研究を重ねておりまして、近々に、この各種の、たとえば、とめ金の、ホックといいますか、これがどうであるとか、あるいは取っ手のところが非常に離れやすいとか、帯皮がどうだというような意見も、私ちょっと聞きましたけれども、近々に結論が出るように聞いております。そういう意味で、実際に使っておる従業員の人たちの意見を十分に取り入れまして、これは保険局も協力をいたしまして、資材部で、現実にそういう取り運びをいたしておるように聞いております。
#99
○森勝治君 最近は、いずこも機動力が幅を利かしておる時代でありますが、失敬でありますが、なかなかくるくる回る赤い自転車ということになりますと、なるほど伝統を生かしておることはけっこうですが、保険募集等についても、そういうところにも、やはり近代的な要素を取り入れてしかるべきものと私は思うのですが、この辺の、たとえば自転車と、自転車にかわるべきもの、こういうものはどうされようとしていますか。
#100
○政府委員(野田誠二郎君) 実は正確な数字を持ってきておりませんので、あるいはお答えにならないかと思いますが、一応五カ年計画をもちまして現在の自転車を大多数機動車にかえていこう、こういう計画を持っております。
 現在、保有いたしております機動車の数、これは、御承知のように、簡易保険の外勤の人たちが乗る自動車でございますので、小包の集配とか、そういうものよりはずっと小型で、性能からいいますと低いあれですが、いずれにいたしましても、自転車じゃございません。自動車でございますが、四十六年度におきまして一種、これが六千七百一両、二種が千三百十五両でございます。保険の集金、それから募集、両方の外務合わせまして約二万七千名でありますから、四十六年におきまして約八千台の機動車が配備をされております。なお、四十七年の予算といたしまして二千五百六十両の機動車の予算がついたかと記憶いたしております。さらに、あと三カ年計画で、いま申し上げました程度の数字の機動車を逐次配備をいたしていきまして、赤自転車と更改といいますか、赤自転車のかわりに機動車を配備する、こういう計画になっております。
#101
○森勝治君 まあこれは、釈迦に説法で恐縮でありますが、保険募集に、午前八時から――八時半ですか、午後五時という、いわば勤務時間はありますけれども、相手の出方というか、によって、六時に来てくれ、主人が帰ったら、女房が帰ったら、妻が帰ってきたらということで、八時、九時というふうに言われますね。そうすると、これらの熱心な方は、退庁後といえども、行かれる模様ですね。現在のように、機動力の問題――自転車その他について厳重な使用規則と申しましょうか、がんじがらめなことをするならば、それは熱心な方は、タクシーで行くとか、よその機動力を用いなければならぬようなことがある模様ですが、これは、時間外勤務手当との関係は、そういう場合どうなるか。私、ちょっとこまかいことを知りませんが、そういう場合には、こういう機動車を使わしてもよかろう。
 もう一つ、そういう場合には、自宅保管の――あまりルーズになってはなりませんが、これらのものは自宅保管をさせても、ときには、よいだろうと思うのだが、この点、なかなか労使関係がうまくいかないせいか、ちょっとでも職員が五分間でもおくれると、局長が時計を持っていて、何か見るとか、見ないとかいうこともあるから、私は、心配のあまり、こういうことを言うのだが、その辺の機動力を持たれる場合に、いま申し上げたように、自宅保管というような弾力的な、思いやりのある措置をしてもよいのではないか、私は、こう思うのだけれども、規則一点張りで今後もおやりになるのかどうか。この点はこまかいことでありますけれども、担当の諸君にとっては大事なことではなかろうか、毎日のことでありますから。その辺のことの兼ね合いもひとつ聞かしていただきたい。
#102
○政府委員(野田誠二郎君) 非常に簡易保険の募集の実態に即したお話でございまして、なかなかむずかしい点もあろうかと思うのでございますが、基本的には、これは対組合との関係で、所定の勤務時間外には、募集活動は行なわない、こういうことになっております。御指摘のような、見込み客あるいは加入しております契約者から要望がありました際には、超過勤務を命令して行く、こういう形をとっております。
 それから機動車の利用につきましては、権限を持っております者の許可をとって、自宅保管ということの制度がございます。が、原則的には、先ほどと同じように、やはり勤務時間外には、機動車の利用はさせない、こういう仕組みになっておるようでございます。
 なお、詳細につきましては……。実はあまり詳しく承知いたしておりませんので、大体本筋といいますか、荒筋は、いま申し上げたとおりでございます。
#103
○森勝治君 その自転車その他、機動力の自宅保管の点は、しばしば職場で問題を起こしておりますね。特に、労使紛争の中で、これがときどき指摘されるわけです。したがって、この問題は、運用の妙を発揮しなければならぬと思うのです。ですから、あながちそれも、どん詰まりで、できない場合もあるかもしれないけれども、やはり職員が熱心に事業に参画しよう、力を注ごうというのですから、そういうことについては、あまり目くじらを立てたやり方をしないほうが、また、私は、事業の伸展に寄与するだろうと思うのです。ただし、放らつは許されませんけれども、あまりにもしゃくし定木で一分間おくれた、ああ、だれそれは出てこないからというような調子では、今後やるべきではないと思うのですけれども、これは、郵便関係の問題にも関連しますけれども、保険の場合でもそうだろうと思うのです。だから、一事が万事といいますけれども、一から直していかなければなりませんから、保険の部門から、そういう点については、ひとつ直していただけないものかと私は思うのです。
#104
○政府委員(野田誠二郎君) いま先生御指摘の、いろんな実際の問題につきましては、まさに基本的な労使関係のあり方だろう、かように考えるのでありますが、問題は、いささか実はいろいろトラブルが起きる、あるいは紛争状態というような場合に、権利義務というようなかっこうになりますと、なかなかやはりあとあと、やっかいな問題が残ります。たとえば、機動車の利用にいたしましても、交通事故というような問題、また、これが公務上傷害にあたるかどうかの認定の問題等にも、いろいろからんでこようかと思うのですが、基本的には、先生がおっしゃいましたように、これは、当該局におきます労使関係が、どうであるかということに帰するだろうと思うのでありますが、できるだけ労使関係が前向きに、仕事を非常にしやすい、明るい職場であるように、われわれ希望するわけでありますが、これは、ひとり簡易保険事業だけで右行け、左行けというふうに、なかなかできかねるかと思うのでございます。先生御指摘の趣旨、方向に沿って努力をいたしたい、このように考えます。
#105
○森勝治君 私はこう思うのです。これは自転車等の自宅保管というのは、なるほど原則として局において置くのが一番正しいでしょう。しかし、今日、御存じのような、都市化の様相がものすごい、ダイレクトメールがはんらんする、局内においては、こういうものを保管する場所すらもない。御存じのように、拡張に次ぐ拡張をしても、なおかつ郵便局は手狭を嘆いているわけですから、したがって、そういうたてまえからいたしましても、この自宅保管をして、事業に協力するというふうにさしたほうが、私は、むしろなごやかになってよろしかろうと思うのですよ。通勤に赤自転車を使ったら、このやろう、けしからぬということになれば、それは、なるほど問題でありましょうけれども、役所の敷地が狭隘でどうにもならぬから、毎日使う車だから、自転車だから、わが家で責任を持って保管する、こういうたてまえをぜひ、とる。これはすべてがこうだと言いませんよ。一つ一つのそういう立場をとるようにすれば、私は、これがすべてとは言わないが、労使紛争が平和への兆に向かう一つのやはり道のりのような、一つの方便のような気がする。あえて方便というのが適切であるかどうかしりませんけれども、それも一つの手近な道ではないかと思うので、その辺のこともこれは考えてやってほしいのです。手紙一本、はがき一枚、従業員はただで出せないわけですから。局が狭くて局舎の陰に雨ざらしに自転車を置いておくならば、自宅に保管をさせたほうが自転車の耐久力を増す意味でもよかろう、私はこう思うのです。
 非常に、きょうは、終わりのころになって、こまかい話になって恐縮でございますが、現場にとっては、いま私が二、三ことあげした問題は、一つとしてなおざりにできない問題ですから、私はあえてきょうは、こまかい問題だと断わって質問をしているわけです。
#106
○政府委員(野田誠二郎君) 実は、簡易保険事業自体としまして、私、いま先生御指摘の自転車あるいは機動車を自宅に持ち帰る問題が、保険事業の運営に関しましていろいろ問題になっておるということを、実はあまり聞いておりませんでしたので、私のほうでは、たぶん人事局なり、あるいは資材部ですか、経理局ですか、こういうところと十分協議いたしまして、失礼ですけれども、後ほど、正確なお答えを申し上げたいと、このように考えます。
#107
○森勝治君 私は、この前にも質問をいたしましたが、最近は郵便局の中における強盗とか不祥事が非常に多いですね。局員みずから起こす不祥事でなくて、外の力によって引き起こされる。いわば局員が迷惑する問題がたくさんあります。埼玉でも、最近は、非常に多くなりました。これは風潮とは申せ、時の流れとでも申しましょうか、時代相の一つの反映で、残念な姿でありますけれども、このまま放置しておきますと、ゆゆしき大事が招来すると思うのです。特に保険の集金等に関して、先ほど私は、かばんの問題に触れたのはそのことなんです。いまのままですと、いわゆる何と申しましょうかな、かっぱらいと申しましょうか、かどから、ふっと待ち伏せして、いまのようなああいうかばんだと、取られる懸念がある。だから、そこで機動力の問題も私は出したので、まだ集金の諸君が強盗にあった、ひったくりにあったというのはあまり聞きませんが、埼玉県の事例ですと、白昼、堂々と、郵便局に強盗が迫る。もう残念ながら、そういう時代になりましたから、今度、簡保で三百万ということになって、これが実施になるとするならば、勢い個々の掛け金が多くなる、集金の額が多くなる、これを待ち伏せする、こういうことが起きては困ると私は思いますから――まだあまりそういうのは聞きませんから、これは幸いでありますが、どうも埼玉の各局のそういう被害状況を見ると、そういう方面にも魔の手が伸びるのではないかと私は懸念するのです。
 これは、通勤の方々が、やはり手さげかばんだの、そういうのを埼玉でも、ときどきやられますから、これが郵便局の集金の諸君に、この魔の手が及んだら、これはたいへんなことになると思う。これは、あながち私の杞憂で終われば、非常に幸いですが、杞憂が現実になったときに、そのときに、あっと言っても、これは間に合いませんから、私は先を思いはかってこういう質問をしているわけなんでありますが、担当局長もこの点については、もちろんこれは貯金その他もありますよ、あるいは書留の配達等ももちろんありますが、何と言っても、保険が現金を一番扱っているかっこうになりますから、いま。この点についてひとつ十分配慮されたい、と同時に、そういう問題の事故発生防止の通達と申しましょうか、指導はどうされておられるのか。それから、これから、いま私が指摘したような問題についてどう対処されようとしているのか。これをやっていただかなければ、職員が安心して勧誘にも、集金にも出かけられませんから、この点はひとつ明確にお答えをいただきたい。もし適確な体制がないとするならば、至急会議を開いて、この方針を早急に決定していただきたい。
#108
○政府委員(野田誠二郎君) 局舎侵入の問題等につきましては、郵政省としまして、最近御指摘のようにひんぴんとして、いろいろ事例が起こっておりますし、省としましても、重大事案としまして、これは直接大臣からの指示に基づきまして関係部局に総点検、あるいはその防止対策等につきまして詳細にわたって通達を発し、かつ郵政局におきましてもこれを督励する、あるいは地方監察局でも十分点検をしておるはずでありまして、これにつきましては、そういう意味からの対策というものは一応立てられ、かつ実行に移されておると、このように考えております。
 もう一つ先生が御指摘の、保険契約も非常に大型化し、かつ保険料も相当高額になってきている。その他交通の渋滞、いろいろあろうかと思いますが、御指摘のように、直接保険の集金員が危害を加えられて集金しました保険料を、多額にわたっての保険料を強奪されたというような例は、私ども実は聞いておりません。しかし、ちょっとしたすきに、集金かばんをかけておったところが、それが持ち去られたというような事例はあるやに聞いておりますが、確かに、御指摘のような懸念も、今後において、あるいは多発することも予想せられるわけでありますので、まず何といいましても、集金をする人たちに危害が加えられるというようなことですと、非常に問題がございますので、まずそういうことの防止、次には、集金しました保険料等の保全と申しますか、そういうことにつきまして、現在どうしておるということでなくて、今後ひとつ万全の措置を講じていきたいと、このように考えております。
#109
○森勝治君 一つの方法としてですね、たとえばそういうことでかばんを取られてしまったということになれば、それらに対する保険とか、何かそういうことの制度をつくるか、あるいはそのしろものに入って、集金をする諸君に安心をさせて事業に精励できるような方法もあるだろうと思うんですね、一つの方法として。ですから、そういう具体的なことをぜひともひとつ考えていただきたい。
 そこで、時間もだいぶたちましたから、私は以上で本件についての質問を終わりますが、最後に、大臣の所見をただしておきたいと思うのです。
 御承知のように、簡保事業の健全な運営をはかるためには、何といっても、国民の信用を得ることが第一だろうと思うのであります。これが、いわゆる国営としての簡保事業の一番これが旗じるしだろうと思うのでありますから、そういうためにはまずこの、先ほども私は、具体的に指摘いたしました運用の利回り等につきましても、大蔵省とも折衝をいたしまして、なお自主運用ができるように、御努力を願うことは当然でありますが、そうして加入者の利益の向上をはかり、そうしてまた、国民の福祉増進に寄与しなければならぬと思うのです。しかし、そういう反面、いわゆる民間でも保険の募集は競争が激甚化し、これにややもすれば押されがちな、この簡保の問題でありますけれども、職員の諸君が、私が先ほど申し上げたような、いわゆる身の危険等を感ずることのない、安心して、喜んで国民に親しまれる簡保事業を推進することができるような、職場環境をつくってやらなければならぬと思うのです。この辺が非常に大切なことで、生産への意欲がややともすればそがれがちなのは、この点だろうと思うのです。これは、ことばをかえますならば、いま起こっておりますマル生の問題と関係があるわけでございますが、職場に労使の信頼を取り戻す運動を巻き起こしていかなければならぬのです。これは、運動という表現は、非常にあるいは大げさかもしれませんが、そういう気風をぜひともつくっていただくことによって、従業員が安心して、それぞれの持ち場持ち場を分担することができるだろうと、私はこう考えます。
 したがって、職員の労働条件からいたしましても、決して過重な負担をかけるような、そういう募集方法等は厳に戒めてもらいたい、慎んでいただきたいと思うのです。そのためには、快適な職場たらしめるための適切な措置をとっていただかなきゃならぬと思うのです。具体的な一つの危害防止として、一、二の問題を私はお伺いをしたところでありますけれども、そういうことの万全な措置が講ぜられてこそ、初めて国民に期待され、信用を博する簡保事業として、さらにあすへの飛躍の道が開けてくるものと私は考えております。したがって、今後とも、そういう観点から、国民の信頼をかちとることができるような事業運行を行なっていただくとともに、重ねて申しますけれども、加入者のこの福祉増進のために、より一そうひとつ近代的な経営をめざして、脱皮していただきたい。このことを大臣に希望として、私の希望ですから、あるいは答弁は要らぬではないか、こういうことにもなるだろうと思うのでありますが、いま私が端的に申し上げた中身というのは、非常に重要な要素を内蔵いたしておりますので、この点について、大臣の腹蔵のない、これからの簡保事業に取り組む姿勢の問題について、お答えをいただければ幸いだと思います。
 私の質問は、きょうはこれで終わります。
#110
○国務大臣(廣瀬正雄君) 私、全く同感でございまして、簡易保険の将来のあり方、ビジョンについては、先刻私からお答えしたところでございますが、具体的に、ただいま御指摘いただきました簡保加入者の有利になるように、つまり保険料の問題等もございますし、また、加入者の福祉施設等もありますわけでございますが、これについては、先刻来いろいろ御教授賜りました簡易保険の積み立て金、あるいは余裕金の運用等について、まだまだ配慮しなければならない、努力をしなければならない点が多々残されておりますことを、きょうの御質問によってよく理解をいたしましたので、そういう方向に向かって、かなりむずかしい問題だと思いますけれども、努力を重ねてまいりたいと、こういうように強く信念をいたしましたわけでございます。
 先生お話しのように、職場を明朗に――明るくいたしまして、みんなが楽しんで仕事ができるということが、結局国営保険といたしましての職責を全うし、信用を保つ、また、能率をあげるということになろうと思いますわけでございまして、いわば、労務対策というようなことに非常に重点がありますわけで、これはひとり簡易保険の問題ばかりでなく、郵政省の仕事は、万般、人手に依存することが非常に多いわけでございますから、人の問題が、非常に大きな課題でありますことは、当然だと思いますわけで、私どもそういうことについては、一昨年、十二月十四日に労使熟議いたしまして、確認事項をつくっておりますわけでございますが、そういうことを十分、末端に徹底いたしますとともに、最近起こりましたいろいろな事案等も、十分考慮いたしまして、実は先日来、皆さん方御存じのように、郵政・電電の顧問団と申しまするか、議員団と申しますか、そういう方々と、具体的に、いろいろな問題を列挙いたしまして、そういうことについて、誠意をもって解決するというようなことで、きのうもその話し合いを何人かといたしたわけでございますが、もうお聞き及びかと思いますけれども、そういうように、具体的に一つずつ取り上げてまいりまして、ほがらかな職場をつくる。労使がお互いに信頼をもって、誠意をもって対処できるような明朗な職場をつくるということが、何といったって前提条件であろうと思いますわけでございます。
 そういうことについては、私はよく内情を最近、知ることができておりますので、そういう問題の解決をし、そして働きやすい気持ちのよい職場を造成するということに努力をいたしまして、みんなが愉快な気持ちで臨んでいただく。何も私はマル生運動をやっておりません。労働強化をしいるなんということは絶対に考えていないわけでございまして、しかし、御趣旨のほどはよくわかりましたので、そういう方向に向かって努力をいたしてまいりたいと強く私は考えておりますわけでございます。
#111
○委員長(杉山善太郎君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。
#112
○委員長(杉山善太郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、山崎昇君が委員を辞任され、その補欠として鈴木強君が選任されました。
 それでは本日はこれで散会いたします。
   午後四時三十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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