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1971/05/11 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 逓信委員会 第13号
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1971/05/11 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 逓信委員会 第13号

#1
第068回国会 逓信委員会 第13号
昭和四十七年五月十一日(木曜日)
   午後一時二十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十日
    辞任         補欠選任
     塩出 啓典君     山田 徹一君
     山田  勇君     青島 幸男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         杉山善太郎君
    理 事
                長田 裕二君
                古池 信三君
                森  勝治君
    委 員
                郡  祐一君
                新谷寅三郎君
                西村 尚治君
                松平 勇雄君
                鈴木  強君
                松本 賢一君
                木島 則夫君
                青島 幸男君
                松岡 克由君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  廣瀬 正雄君
   政府委員
       郵政大臣官房長  森田 行正君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   柏木 輝彦君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   牧野 康夫君
       郵政省郵務局長  溝呂木 繁君
       郵政省人事局長  北 雄一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
   説明員
       日本電信電話公
       社総裁      米澤  滋君
       日本電信電話公
       社総務理事    山本 正司君
       日本電信電話公
       社営業局長    遠藤 正介君
       日本電信電話公
       社計画局長    清水 通隆君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する
 法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(杉山善太郎君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 昨十日、山田勇君及び塩出啓典君が委員を辞任され、その補欠として青島幸男君及び山田徹一君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(杉山善太郎君) それでは電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。廣瀬郵政大臣。
#4
○国務大臣(廣瀬正雄君) 電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 電信電話等に対する国民の依然として旺盛な需要を充足するため、電信電話債券の引き受け制度等、加入電話などの拡充に必要な諸制度の存続をはかるとともに、所要の整備を行なおうとするものであります。
 この法律案のおもな内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、加入電話加入申し込み者等による電信電話債券の引き受け制度、電話交換方式の自動化の実施に伴い、一時に過剰となる多数の電話交換要員の退職につき特別の給付金を支給する制度及び電話加入権に質権を設定することができる制度の存続をはかるため、電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律、電話設備の拡充に係る電話交換方式の自動化の実施に伴い退職する者に対する特別措置に関する法律及び電話加入権質に関する臨時特例法に定めるこれらの制度の期限を十年間延長することとしております。
 第二に、電信電話債券の引き受け制度の整備をはかるため、公衆通信回線使用契約または公衆通信回線を使用するデータ通信設備使用契約の申し込み者は加入電話加入申し込みまたは加入電信加入申し込みの場合の例により債券の引き受けを要することとするとともに、電話取り扱い局の債券払い込み額を定めるための級局区分を電話使用料の級局区分と同一とする等所要の整備をすることとしております。
 なお、この法律案の施行期日でありますが、第一の制度の存続に関する規定については公布の日から、第二の電信電話債券の引き受け制度の整備に関する規定のうち、公衆通信回線使用契約等にかかるものについては公衆電気通信法の一部を改正する法律の電話料金に関する広域時分制に関する規定の施行の日から、その他のものについては昭和四十八年四月一日から施行することとしております。
 さらに、昭和四十八年四月一日までに電話料金に関する広域時分制をとっていない電話取り扱い局にかかる電信電話債券の引き受けについては、その電話取り扱い局につき電話料金に関する広域時分制を実施するまではなお従前の例によることとする等必要な経過措置を設けております。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(杉山善太郎君) これより質疑に入ります。質疑のある方は御発言を願います。
#6
○長田裕二君 ただいま御説明のありました電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして若干御質問をいたします。
 このたびの改正案は、三つの法案、電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律、それから電話設備の拡充に係る電話交換方式の自動化の実施に伴い退職する者に対する特別措置に関する法律、それから電話加入権質に関する臨時特例法、この三つの法案の改正を一本の法律でやろうとしておるのでございまして、その理由として「電信電話等に対する国民の依然としておう盛な需要を充足するため日本電信電話公社が公衆電気通信設備を一層急速かつ計画的に拡充する必要がある実情にかんがみ」というふうに、理由をこの資料でも言っておられるわけでございますが、これら沿革も内容も異にしております三つの法の改正を一つの法律で行なおうという理由、先ほど私がちょっと読みましたようなことが書いてありますが、もう少し詳細な理由、それから三法の関連性等につきまして、もう少し突っ込んだ御説明を伺いたいと思います。
#7
○国務大臣(廣瀬正雄君) ただいま長田委員御指摘のように、いわゆる拡充法、特退法、質権法、この三つの法律案は一見、ただいまお話しがありましたように、全くつながりのない三法律案を、無理に一括いたしまして提出したというようなことに、お考えになろうかと思いますわけでございますが、これは、ただいまも簡単に御説明いたしましたように、この三つの法律案の背景をなすものは、全く共通のものがただ一つありますわけでございます。それは何であるかと申しますと、依然として国民の電話に対する需要が熾烈であること、したがって、その急速な充足、供給をつとめてはからなければならぬというような事態、そういうようなことに伴ういろいろな問題に対しまして、その対策を講ずる必要がありますので、臨時法でありますとか、特例法でありますとかというようなものをつくろうというわけでございますし、しかもいずれもこれは時限法でございます。ただいま申しましたように、そういうような電話の需給関係が不均衡である、しかもその需要がここしばらくはきわめて旺盛である。その見通しは十カ年ということにいたしておりますわけでございますけれども、そういうような背景に共通のものがあるということが一つであります、とともに、いま一つは、いずれもこの三法は昭和四十八年三月までという終期を一にいたしておりますわけでございまして、これを三法とも十カ年間延ばしていこうというので、こうしたほうが御審議に便宜であろうというようなことで一括提案することになったわけでございます。
 具体的に申しますと、七カ年計画の最終年度であります昭和五十二年度の終わり、これまでには、もう申し込めばすぐに取り付けられるようなことが五十三年度から始まる。つまり積滞というものを、五十二年度末までには全然なくしてしまうという目標、それはそのとおりに実行できると思っておりますわけでございますけれども、しかし、昭和五十三年度以降の五カ年間におきましても、きわめて需要は旺盛でございますから、相当資金をたくさんかけまして、その需要を満たしていかなければ、また新しい積滞が昭和五十三年度以降においてもできてくる。それを防ぐためには、たくさんな電話の架設をしなければならぬ。それには多額な資金を必要とするので、あと五カ年間はぜひ御協力を願いたいと。これを五十七年度まで続けますと、つまり四十八年度から十カ年後の五十七年度まで、加入者の債券御負担による御協力を続けていただきますと、資金の獲得が助かるということになりまして、そしてスムーズに電話の架設が進捗するというように考えておりますわけでございます。五十三年度以降五十七年度までは、非常にたくさんな積滞はございませんけれども、それをさらに新しい積滞をつくらないために相当たくさんな架設をしなければならない、それに多額の資金を必要とするというわけのものでございます。五十七年度末になりますと、もう大体普及の状態も百世帯に対しまして九十五個という程度になりますから、これはまあ現在のアメリカ並みになりますわけでございます。そうなりますと、その後新規に需要がございましても、その架設にはたくさんな資金を必要としないということが考えられますわけでございますから、そうなれば特別に御協力をいただく必要はないというような見通しをつけておりますわけでございます。
 これに関連いたしまして、特退法は、そういうふうにどんどん電話の架設を続けてまいりますと、したがって自動化ということも進んでくるわけでございまして、それに伴う退職者の特別給付金も差し上げなくちゃならないということになってくるわけでございますから、これを特退法によって救済しようということで、非常に関係を持ってくるわけでございます。
 また、質権法でございますが、これも五十七年度末までは、そういう状態が、需給充足の状態が、不均衡な状態が続きますわけでございますから、電話の加入権が市価を生み、したがって質権法というものも存続が必要であるというように考えて、このような提案をいたしておりますわけでございます。
#8
○長田裕二君 ただいまのお答えの中に、非常に将来の展望なども含まれておりましたのですが、さらにもう少しお聞きをしたいと思いますが、公社は現在昭和五十年度までの電信電話拡充七カ年計画を実施中であるわけですが、何か、その建設投資額も八兆五千億、また計画期間中に加入電話を千九百七十万増設しようとしておられるようなことも伺っているわけですが、それに引き続きます五十三年度以降五十七年度まで、ただいま大臣も若干お触れになりましたけれども、その五カ年間の拡充の構想、投資規模、資金調達等につきましても、総裁からさらに少しまた詳しく、いまの大臣のお話より詳しくお答えを願いたいと思います。あるいは他の説明員の方でもけっこうでございます。
#9
○説明員(米澤滋君) お答えいたします。
 電電公社といたしましては、一昨年、七カ年計画をつくりましたが、ちょうど第四次五カ年計画の二年と、それから昭和四十八年から五十二年に至る五カ年間をつなぎ合わせました七カ年計画をつくりました。この中で一番最大の眼目といたしますのは、七カ年計画末の昭和五十二年度において、いわゆる全国的規模において積滞をなくなすということにしておるのであります。この間の建設投資額は八兆五千億円というふうになっておりますし、また、債務償還額は一兆六千六百七十億円ということでございます。ところで、この七カ年計画が済んだ時点におきまして、今後ずっと全国的規模において積滞をなくなすということを継続しなければならないのでありまして、五十三年から五十七年にいく五カ年において、それがどうなるかということをいろいろ詳しく検討いたしました。その結果、先ほど大臣のお答えにもありましたように、一度なくなった積滞というものが、またふえてくるということでは、公社が国民に対しまして、電信電話のサービスを提供するという面から責任を果たすことにならないのでありまして、どうしても、やはり一ぺんなくなった積滞というものをずっと維持して、積滞なしという状態を持続しなければならないというふうに考えております。
 それで、その間の需要を考えてみますと、千三百万個の加入電話の需要が昭和五十三年から五十七年にわたって出てくると。毎年二百五十万、正確に言いますと二百六十万の数が出てくるということであります。この数というものは、拡充法の延長を政府並びに国会にお願いいたしました昭和三十四年という時点におきまして、第二次五カ年計画を改定いたしたのでありますが、そのときの五カ年間に全体の電話の架設が二百二十万であったと。それに対しまして、昭和五十三年から五十七年というのは、この五カ年間で千三百万と非常に数が多いのでありまして、したがって、これに対します建設投資も、データ通信その他も含めて九兆円というふうに考えております。もっとも、加入電話の加入者債券をもってデータ通信等に回わすことは考えていないのでありますが、そのようなわけで――なお、詳しくは数字をまた申し上げてもいいんでありますが、この昭和五十三年から五十七年にわたっての投資というものを考えてみた場合に、やはり加入電話債券というものをぜひ継続してやっていただくと。そして五十八年になりますと、現在のアメリカ合衆国の電話器におきます普及率――十年おくれということになるわけでありますが、それとほぼ同じになりますし、それからまた、百世帯当たりの加入電話の普及率も大体九五%になる。ここまでいきますと相当新規需要というものは低下するというふうに思います。したがって、昭和五十三年から五十七年の投資計画その他を見まして、ぜひ、十年間の拡充法の延長をお願いしたいと、こういうことでございます。
#10
○長田裕二君 ただいま御説明のありました七カ年計画、あるいはその後に続く五十七年までの計画ですが、現在実施中のこの七カ年計画をとってみましても、現在の新経済社会発展計画、これを前提にしてつくられたのではないかというふうに私思いますが、この新経済社会発展計画自体が、初年度の昭和四十五年の後半以来くずれてきている。で、これは一時的な現象かもわからぬが、四十六年度の半ばから立ち直って、長い目で見ればあの計画どおりにいくという見方も一時あったんですけれども、昨年の半ばに、御承知のニクソンによるドル防衛対策という一連の施策がとられた結果だという見方もありますが、しかし、あの防衛策自体が、実は、アメリカ経済にかなり内在している体質的な問題から、とられたということを考えますと、この新経済社会発展計画自体が、国際経済、世界経済というものを若干見誤ってつくられたのではないかということから、成長率などにつきましても、従来ほど高い成長率は今後出ない、――まだ、はっきりとした、固まったものは出ませんけれども、七%ないし八%平均ぐらいにいくのじゃないかという見方が最近かなり強くなってきているわけでありますけれども、そうしますと、これを前提としてつくられました七カ年計画というものがある程度変わっていくのじゃないかというようなことも考えられるわけでございます。
 で、もっとも、この一般の経済成長率そのものは大いに変わる、あのころ予想されたよりも下がるとしても、電信電話その他の通信関係だけでは別だと。脱工業社会でこれから情報化社会になっていくのだ、その中心的な機能を果たすこの電気通信だけは別だという見方も、これは十分成り立ち得ると思いますけれども、そこらの点につきましてどういうふうにお考えでありますか。やはりあの七カ年計画、私どもから考えると、若干その前提となる計画にすでに狂いの生じている七カ年計画の今後についてどういう見通しを持っておられるのか。あの内容になっておる数字、数値などについて少し見直してみる必要はないかどうか。そこら辺につきまして、どういうお考えを持っておられるかを伺いたいと思います。
#11
○説明員(米澤滋君) お答えいたします。
 七カ年計画をつくりました時点におきましては、新経済社会発展計画並びに新全国総合開発計画、こういうものを十分参考に取り入れております。ただ、この新経済社会発展計画等におきましても、基本的な考え方は、マクロ的に十分この七カ年計画を受けておるわけでありまして、これは結局電話の普及を大いにするということ、それから全国を自動化するということ、それから新しい情報化社会に対しまして特にデータ通信等の普及をはかる、これは新全総の中にもそういう基本的な考え方は入っておるわけであります。
 ただ、いま私はこの全体の拡充計画を考えてみた場合に、七カ年計画において約二千万個の加入電話をつける、そしてこれを積滞なしの状態においてみるということ。それからまた、五十三年から五十七年に千三百万という加入電話の新規の需要が起こるということは、この電話というものが、必ずしもGNPそのものによるというふうにだけは考えられないのでありまして、一つは、国民生活の充実ということ、それからもう一つは、いわゆる核家族化、だんだん大家族が今度は核に分かれていくと、電話がいわゆる必需品化してくる。こういう過程が入っておると思うわけでありまして、そのために、アメリカ合衆国等の状態を見て、この七カ年計画末、さらにそれにプラスされまして昭和五十七年度末において、十年先、日本がアメリカに十年おくれてこの電話の需要が出るということ。
 それから電話の普及でも大体百世帯当たり九五%ぐらいまでいくという、この辺の見通しというものは私は今後新経済社会発展計画がさらに新しくできる計画に変わっても、マクロ的にはそう変わりないのじゃないか。いろいろミクロ的な内容においては変わるかもしれませんが、マクロ的には変わらないのじゃないかというふうに考えておるわけでございまして、ただいま御指摘がございましたように、確かに新経済社会発展計画をつくりました、昭和五十年末という時点における、たとえばGNPの数字等は、確かにスローダウンするのではないかと思いますけれども、しかし電話の需要そのものはマクロ的には大きく変わらないのじゃないかと、こういうふうに考えております。
#12
○長田裕二君 先ほどもちょっとお触れになった点ですが、五十二年度末までは一応積滞は全部解消できる、そのあとは、年々の申し込みを、即座につけていくというかまえができるということでございますが、先ほど御質問したような情勢の変動とか、あるいはそこで積滞もまず解消できる見込みということを考えまして、五年後、五年たったそのあとのことは、そこの時点で改めて考えることにして、今度の法律の期間延長は、五年程度にとどめたらいいではないかという意見もあるように聞いておるのでありますが、それにつきましての御意見を郵政省側あるいは公社側どちら側でもけっこうですが、ひとつあらためて伺いたいと思います。
#13
○政府委員(柏木輝彦君) ただいま御指摘のような問題は、実は郵政省のほうにおきましても、この法案立案の過程におきまして検討をいたしたところでございます。すなわち公社の七カ年計画の終了の五十二年度末における状態においては、確かに需給均衡という問題が一応実現できるといたしまして、その後の状態は一体どうなるかという点を、一つは今後の全体的な需要の動向、一つはそれに対します公社の供給計画、特に資金問題、この中には、すでに七カ年計画中に見込まれました相当多量な加入者債等の償還あるいは利子の問題も含まれるわけでございますが、これらを含めました七カ年計画以降の見込まれ得る要素を十分この際考えるべきではないかということで検討をいたしました結果、先ほど大臣並びに公社総裁からお話がありましたように、大体五十二年以降の五カ年の需要見込みが一千三百万加入、これに対します資金需要が償還債務償還を含めまして十一兆八千億程度になるであろうという公社の見通しが出てきたわけでございます。
 これに対しましてはもちろん現在の加入者債券ではなくて、ことしから新しく政府保証のものを債券、特別債と申しますか、そういうものも今後成長を期待しまして、資金需要の一環をになってもらうということも重要なことだと思いますが、それにいたしましても、これは七カ年計画以降の需給に対する供給体制、これと資金計画というものからいたしますと、やはりこの際、七カ年計画終了と同時に、この加入者債というものを廃止するということは適当ではないのではないかという結論になりまして、一応十カ年というめどを立てたわけでございます。
#14
○長田裕二君 将来を考える参考に、一応過去のことを考えて、という意味合いにおきまして、ちょっとお尋ねしたいのですが、拡充法は、昭和三十五年当時の提案理由の説明によりますと、積滞解消が見込まれる四十七年度までの期間ということになっていたわけですが、当時、予想したような、四十七年度末までの積滞解消ということはできなくて、相当増高している。もっともピークを越したようにも見えるわけですけれども、だいぶ見通しが違った。それらにつきましても、これは将来を考える参考というような意味合いにおきまして、当時どういう想定をし、どういう事情があったために、これだけの積滞というものが今日あるのだ、ということにつきまして、ひとつお答えを願いたいと思います。
#15
○政府委員(柏木輝彦君) この昭和四十七年度末の需給均衡を、一応目標にいたしました昭和三十五年当時の見通しといたしましては、需給均衡は、一応人口あたり加入の普及率が十程度になれば、この均衡点に達するのではないかというような意味からいえば、たいへん電話の低い均衡点でいける点を考えたわけでございます。事実は、その後の公社の供給実績はこれをはるかに上回りまして、ただいま四十七年度末でまいりますと、この倍に相当いたします人口百人当たり二十という線に落ちついてきておるのでございますが、これは一方から見れば、当時の供給に対する見通しが甘かったのではないかという御批判もあるかと思います。しかし電電公社は、それらの実情に合うように非常に努力をしてここまで持ってきた。
 しかしまた、百分の二十という当初の倍に需給均衡点を高く考えても、まだ現在二百数十万の積帯をかかえているという状態でございますので、これは一つは電話に対します国民的な需要、あるいは経済成長の当時からの見通しの狂いというようなものもあったと思いますが、基本的には電話というものの社会的な役割りというものが電話の普及とともにこの間、特に変わってきている。いわば今後ともシビルミニマムというような性格を持つものじゃないかという見直しもこの際必要じゃないかというように考えている次第でございます。
#16
○長田裕二君 加入者債券を負担してもらう金額の区分が、従来、電話使用料をきめる級別区分と一致しておったのですが、四十四年にこれが改定されましてから、まあいわば加入者債券の負担すべき金額を決定する区分、級別区分とそれから使用料決定の区分とが食い違ってきたわけです。あの際に――別の根拠があれば別ですが、今度一致させようというようなことになっておりますが、あの際に合わせておくのが妥当であったんじゃないかという気がしますけれども、あの際は見送り、今度来年の四月一日からやろうということになりましたことにつきまして、ひとつ御説明願いたいと思います。
#17
○説明員(遠藤正介君) お答えいたします。
 ただいま先生おっしゃいましたように、昭和四十四年だったかと思いますが、基本料の改定のときに、基本料の級別区分とこの債券の区分がちぐはぐになりまして、もっともそのときには、現在の拡充法が進行中でございまして、それほどの不便を感じなかったのでございますが、御存じのように、昨年の公衆法の改正で、もう一つこれに加わりまして、単位料金区域内の加入数を合算するという制度が、基本料について新たに実施をされることになりました。そういたしますと、二つの面で基本料の区分と債券の区分のアンバラというものが出てまいる。したがいまして、四十八年以降十年間再延長していただきますときには、その点をあわせて調整をいたしたいというのが私どもの今回のお願いでございます。それまでの間は一応現行のままでいきますが、その後の十年についてはこの二点を調整いたしたい、こういうつもりでおります。
#18
○長田裕二君 内容を少し変えまして、自動化の実施に伴い退職する者に対する特別措置に関する法律についてでありますが、施行以来、電話の自動化に伴って発生した過員の解消に、どのような役割りを果たしてまいったか。
#19
○政府委員(北雄一郎君) 三十九年にこの法律が制定されたわけでございますが、この法律施行前におきましては、過剰人員の退職率がおおむね一〇%前後であり、この法律の施行後、この率はずっと向上いたしまして、最近におきましては三〇%をこえておる、こういう効果をあげておるわけでございます。いま少し具体的に申しますと、法施行前の三年間すなわち昭和三十六年度から八年度に至る問を見ますと、合計約四千三百名の過員が発生いたしております。うち四百九十名が退職したわけでありますが、四十四年から四十六年に至る三年間を見ますと、発生過員が一万六百人で、退職いたしました者が三千三百名、こういうことでございます。したがいまして、この特別措置は、過剰となりました電話の交換要員の退職の円滑化に多大の役割りを演じている、かように存じております。
#20
○長田裕二君 電電公社のほうの関係は、ほとんど、この法律は要らなくなったと考えてよろしいわけですか。自動化がほとんど済んでしまったものと考えてよろしいですか。
#21
○説明員(山本正司君) 今後におきましても、委託局の関係の未改式が四十七年度末におきまして約二千七百局ほど残っております。この改式に関連いたしまして私どものほうの職員の退職を円滑にやりますために、この特退法の期限を延長する必要があるというように考えております。
#22
○長田裕二君 この磁石式局を全部改式にしてしまうのはいつごろになりますか。あるいはそれが完全になくならない状態というものがまだ非常に続くなら、どういう状態でこの改式がなされていくか、そこのところをもう少し詳しくお答え願います。
#23
○説明員(清水通隆君) お答え申し上げます。
 郵政省と十分お打ち合わせいたしながら自動化を考えてまいるわけでありますが、四十八年度以降二千七百局ほどが自動化の必要があるわけでございます。それらにつきまして鋭意自動化を進めるわけでございますが、いまのところの計画によりますと、五十二年末でも、なお約四百局ほどの手動局が残りそうである。こういうような計画になっておるわけでございます。
#24
○長田裕二君 それによる過員発生見込みはどれくらいになりますか。これは郵政省ですが……。
#25
○政府委員(北雄一郎君) 本年度におきまして約三千百九名、来年度以降におきまして約二万四千三百名ということに見込んでおります。
#26
○説明員(山本正司君) 電電公社関係におきまして、四十八年度以降発生いたします過員数は、約七千二百名でございます。
#27
○長田裕二君 電電公社の関係で発生する過員というのは、まだこの法律の適用を受けるものが残っておりましたから、広い意味では、電電公社ということが言えるわけですが、一応郵政職員になっているもので、対象になるものを別にした場合にも、七千人あまり残っているとおっしゃるのはどういう部門ですか、ちょっとお聞きしたいと思います。
#28
○説明員(山本正司君) 郵政委託局の自動化に伴いまして――公社関係の市外通話等の自動化に伴って公社関係の交換要員が少なくて済むとか、そういった関連で、これはいま七千二百名が過員として発生いたすわけでございます。
#29
○長田裕二君 わかりました。
 それからこれは直接この法律そのものの関係じゃありませんが、従来磁石式局への加入電話の増設の割り当てがかなり少ないことが続きました。これは、郵政側との関係などもいろいろあるのかもわかりませんが、主として要員措置のことを考慮して、あまり磁石式局に電話をふやさぬほうがいいというような考え方、そういうものがあったかと思うわけですが、すぐに一両年中ぐらいに改式される場合は別として、四年も五年も先に改式される場合に、そのことを考えても、当面なかなか電話がふえないということになりますと、日本の社会での一つの大きな問題であります。過密、過疎の問題、テレビが見えないから、先祖伝来の土地を引っ越して、テレビの見える土地へ越したいとか、あるいは電話がつかないからもう事業もやっていけないからよそへ移っちゃう。工場なんかを導入しようと思っても、電話がつかないから――ここは適地として認められないということでつかない。そのために、また生活の問題がからんで、過疎現象が激しくなるというようなことも、しばらく前に見られたようですけれども、今年度あたりの、四十七年度の特に磁石式の加入者の増設はどのくらいになっておりますか。
#30
○政府委員(北雄一郎君) 本年度、全国で五万加入の増設を電電公社の計画でいたす予定であります。伴いまして、これに要する定員というものも確保してございます。
#31
○長田裕二君 いまのそのお答えに関連して、積滞解消率といいますか、どういうことになりますか。
#32
○説明員(遠藤正介君) ちょっといま手元に数字がございませんのですけれども、昨年公衆法の改正の御審議をいただきましたときに、本院の附帯決議でその問題が出ました。私どものほうといたしましては、あの当時もお答えいたしました、実際問題といたしまして、マグネット式の局でも、事務用では最長二年、それから、住宅用で最長三年ということを一応線を引きまして、いろいろそれに見合うような努力を現在いたしております。したがいまして、その初年度の、ことしの積滞解消率につきましては、ちょっと数字は判然といたしませんが、そういう方針でいろいろな手を打っております。
 なおそのもう少し先の長期の計画になりますとすれば、計画局のほうからお答えをいたしたいと思います。
#33
○説明員(清水通隆君) 少し補足さしていただきますが、ただいま御説明のございました四十七年度の五万の増設でございますが、これも七カ年計画当時では、実は四万四千ほど計画をいたしておったわけでございますが、いろいろと昨年の国会の御審議等もございましたわけで、これを五万までふやしたというようなことでございます。
 なお、今後の問題でございますが、大体四十七年度末で磁石局と申します加入者が、大体四十五、六万ぐらいではないかというふうに考えておるわけでございますが、それらに対しまして、四十八年以降、五年間で大体十万程度の手動式のままで電話をおつけしたい、こういうようなふうに考えておるわけでございます。そういうふうにいたしますと大体需給はとれるのではなかろうか。ただいま営業局長も、さっき申し上げましたような点でまいりまして、逐次改善してまいりますと、やはりこれらの手動局におきましても、たとえ手動局が残りましても、積滞は大体ゼロにしたい、こういうようなことでございます。ただ、まあ抜本的な改善ということになりますと、どうしても自動化を完了いたしませんと、根本的には解決できない、このようなことだと思います。
#34
○長田裕二君 確かに自動化することがはっきりしておりながら、磁石式をふやして、また要員もつける。それからまた自動化があるということは、一種の事業の合理性追求といいますか、そういうような面から見ると、避けたいという感じも非常によくわかるわけでございますけれども、まあそれらに関連しまして数年前――三、四年前に年間増設四万というようなこともあったと記憶しておりますが、磁石式局が年々減少して、相当減少している今日、五万の増設をされるということについては私は非常にその関係の皆さん方の御努力に対して敬意を表する次第でございます。なお今後もそういう問題があることは十分承知しておりますけれども、一方、過疎問題も、たいへん日本の社会として大きな問題でもございますので、一そうの御留意をお願いしたいと思います。
 その問題はもう終わりまして、次に、電話加入権の、電話の質権の問題でございます。公社のこの建設資金をどういうふうにまかなっていくべきか。たとえば減価償却は、これは必然的に出てくるものであるわけですが、料金関係でどの程度やるか。結局、損益勘定からの受け入れの問題、それから設備料をどの程度にしていくか。これは年々ふえて、ただいまのところ五万までなったわけですが、それとその他の債権、借り入れ金などの関係、債権の内訳でも、どういうものを組み合わせ、どういうものをどの程度の比重で組み合わせるべきかというようなことについては、いろいろ御検討もしておられましょうし、あるいはあるべき姿、望ましい姿というものをここでお尋ねしたい気持ちもいたしますけれども、まあしかし四十七年度にきまりました予算と全く別なものを答えるということも、答えにくい点もあろうかと思いますので、その問題はまあ研究問題ということで御質問はいたさぬことにいたすわけですが、ただ、設備料につきまして、まあ年年上がってきている。私は、この設備料につきましても、これを将来なくしてしまうというような方向にはいかないのじゃないか、あるいはいく必要もないのではないかというような感じがするのでございますが、まあそういうことにもしなりますと、電話需要が異常に高いので、積滞が多いという事情が解消したあとでも、設備料が相当の金額で残るということになりますと、電話の質権設定の必要というものは、かなり今後、長く残るのじゃないかというような気持ちもするわけで、当面十年間の延伸ということになっておりますけれども、むしろこれは現在どうするか、必ずこういうふうに変えたらいいということではありません。当面十年ぐらいで模様を見るというのが、妥当な線ではないかという感じはしますが、基本的に考えますと恒久化される可能性がある。あるいは恒久化されてもいいようなものではないかという感じもしますが、この電話の質権についての基本的なお考え方を、この際承っておきたいと思います。
#35
○国務大臣(廣瀬正雄君) 基本的な問題でございますから私からお答え申し上げます。
 質権の必要性が起こっております理由は、大体二つじゃないかと思っておりますわけでございますが、一つは、先刻来申し上げておりますように、電話の需給関係がアンバランスである。需要に対して供給が十分でないというようなことによって起こってくるという原因が一つあると思いますが、いま一つは、ただいま御指摘になりました設備費が依然として五万円するということであれば、そのことについての質権の必要も存続するということになりますわけでございますが、そこで、今度は十カ年ということに見当をつけまして法律案を出しておりますわけでございますけれども、ということは、二つの原因の一つの需給関係は、十カ年の後にはバランスがとれてくると思いますので、これはなくなるかと思います。で、ただいまお話しの設備費の問題、設備上の問題でございますが、これはまあ依然として残るわけでございますけれども、十カ年後の時点において、はたしてこの質権法というものが続けて存続させる必要があるかないかということについては、そのときの電話の需要の、市価の関係でありますとか、また、需要の状態でありますとか、さらにまた経済全般の状態でありますとか、そういうことを勘案いたしまして、この問題については十カ年の後には、またひとつ検討してみなくちゃならないという時期がやってくるんじゃないだろうかということを、私は考えておりますわけでございます。
#36
○長田裕二君 私はこれで大体質問を終わりたいと思いますが、今日、日本の社会の進歩といいますか変化といいますか、そういうものに、関係者の非常な努力の結果おくれをとらない、むしろ、社会を大いに先に立って引っ張ってまいるような結果になっていることについて、皆さん方の御努力を多といたしたいと思うわけでございます。技術の進歩その他既存のサービスの充実に、さらに一そう御奮闘なさることを希望して質問を終わります。
#37
○委員長(杉山善太郎君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれで散会いたします。
   午後二時十二分散会
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ソース: 国立国会図書館
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