くにさくロゴ
1971/06/06 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 逓信委員会 第19号
姉妹サイト
 
1971/06/06 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 逓信委員会 第19号

#1
第068回国会 逓信委員会 第19号
昭和四十七年六月六日(火曜日)
   午前十時二十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月六日
    辞任         補欠選任
     野上  元君     成瀬 幡治君
     山田 徹一君     塩出 啓典君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         杉山善太郎君
    理 事
                植竹 春彦君
                長田 裕二君
                森  勝治君
    委 員
                今泉 正二君
                白井  勇君
                新谷寅三郎君
                西村 尚治君
                鈴木  強君
                成瀬 幡治君
                松本 賢一君
                塩出 啓典君
                木島 則夫君
                松岡 克由君
   衆議院議員
       修正案提出者   水野  清君
       修正案提出者   左藤  恵君
       修正案提出者   林  義郎君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  廣瀬 正雄君
   政府委員
       郵政大臣官房長  森田 行正君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   柏木 輝彦君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   牧野 康夫君
       郵政省簡易保険
       局長       野田誠二郎君
       郵政省電波監理
       局長       藤木  栄君
       郵政省人事局長  北 雄一郎君
       郵政省経理局長  浅見 喜作君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○有線テレビジョン放送法案(第六十五回国会内
 閣提出、第六十八回国会衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(杉山善太郎君) それではただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、野上元君及び山田徹一君が委員を辞任され、その補欠として成瀬幡治君及び塩出啓典君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(杉山善太郎君) 有線テレビジョン放送法案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。廣瀬郵政大臣。
#4
○国務大臣(廣瀬正雄君) 有線テレビジョン放送法案につきまして提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 最近、各地において同軸ケーブルを用いた有線電気通信設備により有線テレビジョン放送を行なう事業が活発に計画されておりますが、有線テレビジョン放送は、国民の文化的日常生活にとってきわめて有用なものとなりつつあり、また、その施設は地域的独占の傾向におちいりやすいものであります。
 このような事情にかんがみ、その施設の設置を許可制とすること等により施設の設置及び業務の運営を適正ならしめることによって受信者の利益を保護するとともに有線テレビジョン放送の健全な発達をはかるため、この際有線テレビジョン放送法を制定しようとするものであります。
 次に法律案の要旨を御説明申し上げます。
 まず、有線テレビジョン放送施設を設置して有線テレビジョン放送の業務を行なおうとする者は、その施設の設置について郵政大臣の許可を受けなければならないことといたしております。郵政大臣は、その施設計画の合理性、確実性、施設の技術基準の適合性、その他その施設をその地域に設置することの必要性等について審査の上許可することといたしております。
 次に、許可を受けた施設者は、有線放送業務を行なおうとする者からその施設の使用の申し込みを受けたときは、原則としてこれを承諾しなければならないものとし、また、この場合の使用条件は郵政省令で定める基準に適合するものでなければならないことといたしております。
 次に、許可を受けた施設者は、郵政大臣が指定した受信障害発生区域内においては、その施設を設置する区域の所在する都道府県内にある放送局の行なうテレビジョン放送をすべてそのまま同時再送信しなければならないことといたしております。
 次に、このような義務としての再送信を行なう施設者は、その再送信の料金その他の役務の提供条件に関する契約約款について郵政大臣の認可を受けなければならないことといたしております。
 次に、郵政大臣は、施設の運用または義務としての再送信の業務の運営が適正でないために受信者の利益を阻害していると認めるときは、施設者に対し一定事項について改善を命ずることができることとすることその他業務の届け出、自主的に放送番組の適正をはかるための番組審議機関の設置等について所要の規定を設けまして施設の運用及び業務の運営の適正をはかることといたしております。
 最後に、この法律の施行期日は、この法律の公布後六カ月を経過した日といたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(杉山善太郎君) 本案は、衆議院において修正議決されておりますので、この際、衆議院における修正部分について、修正案提出者、衆議院議員水野清君から説明を聴取することにいたします。水野清君。
#6
○衆議院議員(水野清君) ただいま郵政大臣から提案理由の説明がありました有線テレビジョン放送法案に対する衆議院の修正についてその趣旨を御説明申し上げます。有線テレビジョン放送は、国民の文化的日常生活にとってきわめて有用なものでありますが、事実上地域独占になる傾向があるものと思われます。
 政府原案では、この独占の弊害を防止し、視聴者の利益を保護する点において必ずしも十分でない点があると思われますので、その徹底を期するとともに、あわせて有線テレビジョン放送の健全な発達をはかるため、これに所要の修正を加える必要を認め、修正することとした次第でございます。
 次に、修正点の内容につきまして御説明申し上げます。
 まず、受信者の利益を一そう保護するとともに、独占の弊害を排除するため、有線テレビジョン放送事業者にその業務区域内における視聴者への役務の提供を義務づけること。
 有線テレビジョン放送に地域住民の意向が、十分に反映されるようにするため番組審議機関に地域代表を参加せしめるとともに、郵政大臣は施設の設置にかかる処分をしようとするときは、関係都道府県の意見を徴するものとすること。
 義務再送信以外の有線テレビジョン放送の料金を視聴者から徴収する場合は、その料金に関する事項を郵政大臣に届け出るものとし、視聴者の利益がそこなわれないよう料金の適正を確保するため、郵政大臣は有線放送審議会に諮問して、料金に関する事項の変更を命ずることができるものとすること、といたしております。
 義務再送信以外の有線テレビジョン放送につきましては、この種の事業が事実上独占におちいる傾向があり、その結果不当に高額の料金となったり、またその利益を視聴者に還元することなく、他の事業に投資したりすることなどにより視聴者の利益を害するおそれもありますので、このようなことがないように、料金に関する事項についてのみ届け出制とする等の規律を行なうことといたしたのでありまして、これは決して言論の自由を侵害するものでないことは言うまでもありません。
 次に、有線テレビジョン放送の健全な発達をはかるため、有線放送事業者の立場をも考慮して、再送信の同意について当事者間に争いがあるときは、郵政大臣は当事者の申請によりあっせんする責務を有することとすること、並びに、国及び地方公共団体は有線テレビジョン放送施設の設置が円滑に行なわれることを確保するため必要な措置が講ぜられるよう配慮しなければならないことといたしております。
 最後に、有線放送行政の公正を確保するため、有線放送審議会を設置するものとし、郵政大臣は、許可等の処分並びに省令の制定その他の重要事項の実施にあたってはこの審議会に諮問しなければならないことといたしております。
 以上修正の趣旨について概略御説明申し上げましたが、何とぞ十分御審議の上、御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#7
○委員長(杉山善太郎君) この際、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 有線テレビジョン放送法案の審査のための参考人として、日本放送協会専務理事、松浦隼雄君、日本民間放送連盟専務理事、杉山一男君、新聞通信有線放送協議会政策委員会幹事、尾崎芳雄君、下田有線テレビ放送株式会社社長、竹河信義君、国際基督教大学教授一瀬智司君、東京ケーブルビジョン池袋地区視聴者松原保広君、以上の六名を、明後八日、午前十時に委員会に出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(杉山善太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#9
○委員長(杉山善太郎君) それでは、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
#10
○西村尚治君 それでは私から数点お伺い申し上げたいと思いますが、その前に、衆議院の先生に、ただいま衆議院段階における修正点につきましての御説明があったわけですが、その衆議院段階における修正点は、私も十分その趣旨は了承できまして、特別にこれについてお尋ねすることもございませんから――まあ先生方もお忙しいでしょう。私の質問時間に関する限りお引き取りになってけっこうでございますから、どうぞ御自由に……。
 そこで郵政省のほうにお尋ねいたしたいと思いますが、有線テレビジョン放送――簡単に言いますと、CATV、これは将来性というものがかなり期待されておるものであるわけでございますが、その同軸ケーブルの持つ情報伝達としての能力、そういったことからしまして多面的な利用が検討されておる、各方面で検討されておるということを聞いております。郵政省のCCIS調査会でも、いろいろと研究が進められておるということでございまして、これからの情報化社会における情報のにない手、有力なにない手としてたいへんな期待がかけられておる、そういう性質のものだというふうに聞いておるわけでございまして、そういった点から見ますと、今回のこの法律案というものは、有線テレビジョン放送だけに限定しておる。その点がCATVの将来性というものを見た、長期的視野に立って考えたときに、この法律案は、有線テレビジョン法案というものは、どういうふうな、どういう位置づけを持って把握されておるのか、その点をまず郵政省のほうからお聞きしたい。いや大臣でなくてもけっこうです。
#11
○国務大臣(廣瀬正雄君) たいへん大きな問題でございますから責任のある私から一応御答弁申し上げまして、足りないところは事務当局から補足させたいと思います。
 私も全く西村委員と、将来の情報化社会におきましてCATVの占める役割り、重要性は非常に大きいと思いますわけでございまして、そこで、いま御質問の中にございましたように、CATVは、単に、ただいま御審議願っております有線テレビジョン放送法案の中に考えております再送信、自主送信等のほかに、双方向通信というような機能を持っておりますことも考えられておりますわけでございますが、そこでいま多面的だというおことばをお使いになったわけでございますが、私もCATVの将来性というのは、そういうふうな性格、機能を持っておるものだと確信いたしております。そこで将来の情報化社会の中核的な役割りをになうべき使命を持っております郵政省、この郵政省が率先してそうした検討を続けるということは当然の責務だと思います。
 そこで、昨年の秋に、CATVの将来の技術的な可能性、どういうような機能が開かれていくかというような可能性、それから社会的な需要、どういうようなことで社会の需要が進んでくるか、CATVに対しまして。そういう社会的な重要性、さらにそういうCATVの仕事、役割り、機能というものがはたしてそろばんに乗るかという経済的な研究も必要でございまして、経済的な価値性、そういうものを総合いたしまして、多面性を持っておりますと思われますCATVの研究調査をしようということで、そういう多面性ということになりますと、もうすでにCATVでなくて、CCIS――同軸ケーブル情報システムというようなことばが妥当であろうということになりまして、CCISということばをあえて使って、CCIS調査会というものを郵政省の中に設置をいたすことになったわけでございます。そういうような各方面からの総合的な研究をこの場でやる。そうしてこれは机上研究ということになりますわけでございますけれども、それを実地に移しまして実験をいたしたいということで、多摩ニュータウンにそのような実地の試験をやってみたい、多摩ニュータウンを実験の場所にいたしたいということで考えておりますわけでありまして、机上の研究とともに実地の研究もする、実地の研究につれてさらに机上の研究を進めていく、両々相まってCATVというものをきわめていく姿勢をつくっておりますわけでございます。
 今度の法律案との関係でございますが、CATVの双方向通信ということにつきましては、まだ未知の分野が非常に大きいわけでございます。さしあたり再送信と自主送信を含めての法律案にしようということで、今回有線テレビジョン放送法案というものを提出して御審議を願うということにいたしたわけでございます。なお御必要とあらば事務当局からふえんして詳しく説明いたしたいと思います。
#12
○西村尚治君 いまお触れになりました都下の多摩ニュータウン、それから三井不動産ですかどこですか、上尾団地、埼玉県だろうと思いますが。ああいったところにも、かなり大がかりな有線都市構想というものが計画されておるということも聞いております。それから通産省のほうでは、ニュータウンCATV方式の実験ということで、予算もとれておるということも聞いておるわけですが、そういったものの進捗状況といいますか、いつになったらこれが実際に実用化する見通しであるのか、その辺事務当局でけっこうですが、おわかりになっておったらお聞きしたいと思います。
#13
○政府委員(柏木輝彦君) 多摩ニュータウンの実験につきましては、現在ニュータウン地区の都市機能サービスを行なうことになっております会社がございまして、公団あるいは都で建てました団地につきましての都市機能を総合的に付与するための会社がございます。ここの会社が中心になりまして、その他に放送会社、NHKあるいはメーカー、新聞社関係の方々にお寄りいただきまして、ただいま具体的に、その経費の点あるいは実験内容というものを取り上げていくかというような打ち合わせをいたしておるところでございまして、問もなく、そういうようなはっきりした共同実験の形ができ上がるかと思っております。
 一方、電電公社のほうでは本年度に約一億の予算を成立しておりますので、さしあたりその範囲内でこの実験の幹線施設を建設するとともに、双方向実験施設についてある程度の端末数も公社のほうで設置する。これに協力して実験の措置を進めていきたいというような話し合いを進めているわけであります。この実験の施設は本年度内にはもちろんでき上がりませんのでございます。それの成果を得られるまでには、もう二、三年はかかるかもしれませんですが、そのようなことで、とにかく多摩地区という、都市周辺、ベッドタウンのあのようなニュータウンの住民に定着するような双方向を一部含めたCATVシステムのニーズが、一体どういうようなふうに定着していくかというところを見定めまして、その上で、法制、制度の材料をその中から広く求めていくという考え方をしております。
 それから通産省につきましては、これは、もう少し先の映像化社会というようなビジョンを持ちまして、さらにそれに必要な機器の開発、 コンピューターを含めましたかなり高価なものになるわけでございますが、実際の多摩の住民の現実のニーズということを、もう少し先にいったものについての機器開発ということを、当面目標にしているというふうに聞いておりますので、これのシステムができ上がりまして、実験にかかるのがなおさらに数年かかるかと思います。この件につきましても、通産省といろいろ事務的な連絡もとりながら郵政省としても進めたいと思っております。
#14
○西村尚治君 そうすると、その再送信放送の、再送信以外に、たとえば買いもの情報だとか、市況案内だとか、いろいろニュータウンなどで練られておる構想、そういったようなものが実用化するというのは二、三年もかかるというのですか、さらにそれよりもっと映像が何というんですが、ファクシミリのほかにテレビ電話とか、要するに、広帯域通信網としての役割りを果たす、そういう時期は、これからどれくらい要する見通しとお考えになっておりますか。
#15
○政府委員(柏木輝彦君) ただいまお話のような広帯域通信、たとえばテレビ電話というようなものを含めまして、これは現在技術的には開発がかなり進んでおるわけでございますが、これの経済的などういう裏づけがあって、さらにほんとうに住民のニーズにどうかみ合っていくかというところが実は問題でございまして、いろいろ双方向を含めましての広帯域通信ということは実験的、あるいは技術的には相当なものができておるわけでございます。ただし、相当これは高額の端末施設も必要でありますし、一般のニーズというものにはなかなか当分かみ合ってこないだろう。ただ、双方向通信と広く言われている中におきましても、かなり簡易な方法でできるようなものもありますし、それから、多摩ニュータウンにおきましては、この双方向を一部いたしますが、そのほかに、やはり自主放送としまして、あのような住宅地域に定着するような自主放送、一方送りのソフトの面についてもいろいろ問題があると思いますので、その点もこの際合わせた実験をするということでございます。
#16
○西村尚治君 それでは法案の内容に入っていきたいと思いますが、第三条、「有線テレビジョン放送施設を設置し、」その「放送の業務を行なおうとする者は、」郵政大臣の許可を得なければならないとなっているわけですが、「ただし、その規模が郵政省令で定める基準をこえない」ものについては、この限りではないとあります。その「郵政省令で定める基準」というのはどういうものですか。
#17
○政府委員(藤木栄君) 郵政省令で定めます基準というものは、現在のところ、三百という規模を想定しておるわけでございます。
#18
○西村尚治君 三百ということになりますと、山の、山間僻地の小規模な共聴施設、こういうものは含まれていないことになるだろうと思います。いま全国でどれくらいありますか。四十五年度のNHKの調査では、たしか共聴施設が一万一千とかというように記憶しておりますが、その一万一千――いまではもっと多くなっているんじゃないかと思われるのですが、その中で三百加入以上ということになりますとどれくらいあるものでしょうか。
#19
○政府委員(藤木栄君) 私どものほうに届け出がございまする共聴施設というものは、四十六年度末、すなわち四十七年の三月末で約九千五百でございます。そのうち三百以上の施設というのは約二百という数字が出ておるわけでございます。
#20
○西村尚治君 二百ですか、案外少ないですね。その二百というものは、この法律が適用されると同時に、郵政大臣の許可を申請しなきゃいかぬわけですね。その際に許可の基準というものも、またいろいろあるわけですけれども、この郵政省令、法律にある許可の基準に照らして合格するものがもう大部分だろうと思いますけれども、不許可になるおそれのあるものは、これは実態調査まだなさっていないから、十分的確に答弁できないと思いますけれども、どの程度ある見込みですか、それをちょっと教えてください。
#21
○政府委員(藤木栄君) 約二百の施設につきまして、まだ私どもも一々検討しておりませんので、具体的なことはわかりませんけれども、私どもといたしましては、現在の法律に掲げておりまする基準というものに照らしまして、あるいは不適当なものがあるかと思いますが、そういったものにつきましては、申請が出てきた時点におきまして、十分技術指導できるものは、できるだけいたしまして、できるだけ不許可にしないように、十分現在までやってきておるわけでございますから、それが不許可になりまして、中断されるということは、必ずしも好ましいことではないと思いますので、十分技術指導した上で許可にするようにしたい、そういうふうに考えておるわけでございます。
#22
○西村尚治君 その点私もお願いしたいと思ったんですけれども、二百の中には、あるいは不適格なものができるかもしれない。その際に、許可の基準に適しないからということで、ばっさり切ることのないように、せっかくいままでに、みんなが見ておった施設ですから、何とか、そこは技術面で行政指導なさって、経過措置をおくなり何なりして、いたずらに、摩擦や混乱を引き起こさないようにひとつ親切な措置をお願いをいたしておきたいと思います。
 それから第六条ですけれども、施設の設置期限というものが規定してあります。施設の設置期限は、規定してあるのですけれども、この法律どこを見ましても、その施設の区域というものの規定がないわけですね。地方の都市、あるいは山間僻地については、そういうことが必要ないと思いまするけれども、大都市――東京や大阪のような膨大な大都市におきましては、その大都市全体身ひっくるめて一つの施設区域にするのかどうか、そういうことではおそらくなかろうと思いますが、どういう程度に区切るなら区切る予定でありますか。そういったものについての青写真ができておるのかどうか。たとえば、東京や大阪は幾つぐらいのブロックに、地方都市はどうだといったような点につきましてのお話を伺いたい。
#23
○政府委員(藤木栄君) この法律案自体につきましては、おっしゃいますような施設の区域というものは何ら定めてないわけでございます。しかしどういう形で施設ができるかにもよりますけれども、たとえば現在東京ケーブルビジョンというものがございまして、東京におきまする難視聴の解消というものを第一目標として設置され、現在その線に沿って難視聴の解消をはかっているわけでございますが、まあ何せ非常に経費がかかる。またこの施設を設置する上におきまして、すでにつくられておる都市の中で施設をするということになりますと、道路の横断にしましても、あるいは電柱の共架にしましても、いろいろ問題が出てくるということで、まあケーブルビジョン自体は非常に苦労しているわけでございます。
 一方、ほかにも東京都という中におきまして有線テレビジョン放送施設をつくりたいというものもあるようでございますし、その点につきましては、今後の問題になろうかと思いますが、一般的に申しますと、あまり小さな施設では、その経営的にも問題があろうかと思うので、ある程度その施設の規模というのは大きくないと困るのじゃなかろうかということ。それから技術的に、この施設をつくる場合、この線路には増幅機を置きまして、明瞭な画像が送れるようにしなければならぬわけでございますが、その技術的な現在のレベルというものからしますと、あまり延長を長くするということもできないというようなこともございまして、まあ私どもとしましての青写真的なものでございますけれども、大体東京都というものを考えますと、まあ四つないし五つぐらいの施設者が有線テレビジョンの放送施設をつくればよろしいのじゃなかろうか、そのほかのところになりますと、東京ほど大きくないわけでございますので、まあせいぜい大阪でございますれば二つぐらいでよろしいのではなかろうか、あるいはそのほかの都市になりますと、一つの施設者がやればよろしいのではなかろうか、そういうふうに考えておるわけでございます。
 まあしかし、その中におきましても、一つの建物によりまして、現在でも東京にもいろいろございますけれども、難視聴が生じたという、非常に小さな規模のものはこれは随所にできるということもあろうかと思っておるわけでございます。
#24
○西村尚治君 東京が大体四つか五つといういまのお話ですが、いま新宿副都心では、お話のような東京ケーブルビジョンがやっておるわけですね。しかし、あそこだけで十分なわけじゃありませんで、おそらく将来東京都内全域にわたってビル陰障害というものが生じてくるのではないかと思われるわけでございます。新宿副都心、あそこにプラザホテルというのがございます。あのプラザホテルの並びにまだまだ相当な高層建築物が今後続々とできるというふうに聞いておるわけです。そうなりますと、中野、杉並といったような比較的高層建築のないところも、その影響を受けて見えなくなるということも考えられる。そういうことで、全域にわたってこのCATVでカバーするという時期が早晩くるだろうと思われるわけでありますけれども、これはなかなかたいへんな資金を要することですし、時期的にもかなり時間がかかると思われるわけですが、しかし、だからといってそれを待っておるわけにもいかない。
 あっちこっちでもうすでに見えないで困る。何とかしてくれというところもあるわけですから、そういうところをCATVが全部カバーできるまでほうっておけるかというと、そういうわけにはいかない。そこで、NHKは、全国あまねくテレビが見えるようにする義務が、法律的に義務づけられているが、これについては、若干異論の向きがあるところですけれども、少なくとも道義的には責任がある。いま鋭意NHKでもやっておるところですけれども、その施設区域を設定し、また業務区域を設定して、将来CATVがこれをやるんだからということで、NHKがやるという問題を拒否するというようなことはもちろんあり得ないと思うのですが、その点はやっぱりNHKはNHKに、従来どおり地元の要望の切なるところはやらせるというたてまえでしょうな、これは。
#25
○政府委員(藤木栄君) おっしゃいますように、この施設区域は一つの事業者がやるということできまっておりましても、まあある程度年数もかかるわけでございますし、先ほど御引用されました六条にも、「施設を設置する区域を区分して」大臣が指定するということにもなっておりまして、まあ一度にできないということもあろうかと思います。そういった場合、先ほど申しましたような一つの建物ができまして、そこが急に難視聴になったというときに、いつまでもほっとかれるということではたいへん困るわけでございまして、その場合NHKが従来のように、いろいろ受信相談あるいは技術指導ということをしまして、難視聴を解消するということはたいへん好ましいことでございますし、私どももそれにつきましては十分に配慮したいと考えておるわけでございます。
#26
○西村尚治君 その際に、まあNHKに当分やってもらわなきゃいかぬ。現に中目黒だとかあるいは台東区ですか、花川戸、相当大がかりなNHKの指導による施設ができておるわけです。それに準じて、今後あちこちにできる。そのできる際に、いまおっしゃったかと思うんですけれども、技術的な基準ですね。ここにもありますように、この技術的な基準、品位、規格、これにマッチしたものでやってもらって、将来このCATVが全域をカバーする段階になりますれば、それをひとつ接続して吸収するということのできるような、ひとつ指導をやってもらう。きょうはNHKの方に来てもらう手配をしておりませんで、私はあれですけれども、そういうことでNHKと相談しながらやってもらいたいと思うわけです。それは問題ないでしょう。
#27
○政府委員(藤木栄君) おっしゃるような場合も出てくると思いますので、私ども十分NHKを指導しまして、将来問題がないように配慮したいと思います。
#28
○西村尚治君 それから十三条にまいりますと、十三条の二項ですけれども、「有線テレビジョン放送事業者は、放送事業者の同意を得なければ、そのテレビジョン放送を受信し、これを再送信してはならない。」となっておるわけです。「放送事業者の同意を得なければ、」ということは、これはどういった点の配慮に基づくものなのか。著作権使用料の問題もございますね。そういった点なのか、それとも郵政省のほうの行政指導で、それぞれ民間放送事業者に対しては、放送区域、業務区域というものが設定してあります。いわゆる現行の放送秩序というものが一応立てられております。その放送秩序を乱してはいかぬからという配慮からなのか、どこに重点があって、この同意を得なければならぬという規定が設けられたのか、その辺のところをちょっと教えてください。
#29
○政府委員(藤木栄君) この同意の条項でございますが、これは現在の放送法にもそういったことがございますし、現在、有線放送業務の運用の規正に関する法律という現行法にも同意の条項がございます。まあ今回も、それと同じ同意の条項を入れたわけでございますが、それにつきましては、おっしゃいますように、著作権と、まあ放送の場合ですと、隣接著作権といいますか、そういったものに関係するわけでございます。それが主体でございますが、実際個々の場合になりますと、いろいろおっしゃいましたような放送秩序の問題もございますので、まあそういったことも含めて私どもとしては考えておるわけでございます。
#30
○西村尚治君 そこで、その同じ十三条の三項ですけれども、三項に「前項本文の同意に関し当事者間に争いがあるときは、当事者の双方又は一方は、郵政大臣に対し、その争いの解決を図るため、あっせんの申請をすることができる。」それから第四項には、「郵政大臣は、前項の申請があったときは、当該申請に係る争いがあっせんに適しないと認める場合を除き、あっせんに努めなければならない。」という条文が、これは修正で設けられたわけでしょう。
 そこで大臣にお尋ねしたいわけですけれども、そのあっせんに持ち込まれたときの大臣の考え方、基本的な姿勢ですね。何とか同意を取りつけてあげるようになさるというのか、それとも、できるだけそうでないようになだめようとなさるのか、その辺についてちょっとお聞きしたいんですが、同時に、あと時間がありますれば触れたいと思いまするけれども、どうもCATVというものは、大都市においてはなかなか経営が思うようにいかないと、アメリカなんかの例を見ましても、ニューヨークだとか、その他大都市におきまして単なる義務再送信をやるところは、チャンネルが要するに、豊富なところではあまりCATVが成り立たない。地方都市においてチャンネルの数が少ない、だからよその放送を持ってきて聞きたいというようなところになって初めて、CATVというものの加入者も多く、またCATV業者もペイするんだという実態があるわけです。
 まあ日本も、どうも東京ケーブルビジョンの例を見ましても、どうもそういうようなことで、大都市と地方都市とチャンネルの数においていわゆる地域格差というものがあるわけです。日本でも、地方の人々は、東京のように七チャンネルも見たいと、せいぜい四チャンネルぐらいしかないわけですから。何とか東京や大阪のテレビが見たい、聞きたいという気持ちは、これは切なるものがあると思うんです。そこで、CATVが地元にできたときに、東京のキー局に同意を得たいと言うて、それがどうも思うようにいかぬといったような事態が発生した場合に、それがあっせんに持ち込まれたときに、大臣としては、できるだけチャンネル数における地域格差の解消をすると、地元民の要望にこたえるという方向で同意を取りつけられるように、これはあっせんをしていただきたいものだというふうに考えるわけですが、もちろんキー局、民放自体、利害関係いろいろあろうかと思いますけれども、大きな方向としては、そういう方向でやってもらうべきじゃないかというふうに考えるのでございますけれども、大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
#31
○国務大臣(廣瀬正雄君) 今度の修正案で、ただいま御指摘のような問題が起こってきたわけでございますが、まあそういう条項が入ってきたわけでございまして、これにつきましては、まあ私どもあっせんするについては、ケース・バイ・ケースで考えていかなくちゃならないということは、先ほど電波監理局長から申し上げたとおりでございますが、ただ、まあ基本的な姿勢といたしましては、視聴者の利益に重点を置きまして、その利益を考えてあっせんの努力をするということと、先刻からいろいろお話があっておりますが、放送秩序を乱してはならないという、こういうことも念頭に置いてあっせんをしなければならない、こういうように考えておりますわけでございます。
 それから区域外の乗り入れの問題でございますが、私、解釈が違っておるかもしれませんけれども、そういうことについては、なるほど地方におきましてなるべくたくさんな電波を受信したい、テレビを見たいという気持ちは十分わかるわけでございまして、その辺は十分尊重しなくちゃならぬと思いますけれども、そのようなことによって、またローカルの放送業者を圧迫するというようなことになってはならないと思うわけでございまして、これまたよほど彼我いろいろ考え合わせまして措置するというようなことでなくちゃならないと思うのでございまして、現在、私どもといたしましては、そういうふうな方向で考えておりますわけでございます。
#32
○西村尚治君 わかりました。
 次に、十四条ですけれども、「(役務の提供条件の認可)」、「当該再送信の役務の料金その他の提供条件について契約約款を定め、郵政大臣の認可を受けなければならない。」、この役務の料金についての認可ですけれども、これは、電気事業法とか、ガス事業法でいう適正な、一定のコストに対するプラス適正な利潤といったようなことを基準に考えて許可をなさる御方針でしょうね。当然のことだと思いますが、一応伺っておきます。
#33
○政府委員(藤木栄君) おっしゃいますように、当然この財団法人だけじゃなくて、いろいろな会社というものも、営利法人が事業を始めるわけでございますので、やはりおっしゃいますような一定の利潤というものも、当然考えなければならないというふうに考えておるわけでございます。
#34
○西村尚治君 まあ原則としては当然のことだと思いますが、ただですね、ただCATVの場合問題なのは、大都市のCATVでございますと、東京なんかの実際の例で、これはまあ非常に設備費が私どもの想像以上に高い。それで東京ケーブルビジョンに実際を聞きますと、メーカーに出血サービスして協力をしてもらっても、一加入者当たり大体三万円程度かかる。郵政省のCCIS調査会で調査したところによりますと、たしか一加入当たり四万円から六万円程度普通ならかかるというようなこともいわれておるやに聞きます。それを東京ケーブルビジョンでは加入料が一万五千円――実際には三万円かかるのを加入者一万五千円、そうして月々の聴視料が五百円でやっておるということですけれども、それでも非常に経営がつらいと、赤字だというわけですが、ですから、ぺイするためには、東京ケーブルビジョンも月々の聴視料を千五百円から二千円取らなければとてもやっていけないというのが実態のようです。
 ところが、他方、電気通信総合研究所、ここで「CATVの現状と将来」というのを最近出しておりますが、これを見ますと、ここで調査をした、国民に対してアンケートをとったものが載っておりますが、これによりますと、加入料はせいぜい二万円未満にしてほしい、そういう希望が六四%、それから月額の聴視料は三百円未満にしてほしい――そのほかにNHKの聴視料は取られるわけですからね。そうでなくてCATVの聴視料は三百円未満にしてもらいたいというのが四六・二%ある。大部分の人が、ですから、非常に安い料金、加入料なり聴視料なりを希望をしておる。それ以上なら入れないという人が、だいぶ多いわけです。それに対して、東京ケーブルビジョンは、一万五千円と五百円ということですから、まあ加入者がふえる、どうも道理がないわけですね。
 こういった点から見ますと、大都市のCATVの経営というものは、株式会社にしょうが、公益法人にしょうが、非常にむずかしい実態だということがよくわかるわけです。まあ大都市、東京や大阪のように、チャンネルの数の多い義務再送信だけのところでない、地方の小都市は、ほかの地域から別な、本来なら見れない放送を持ってきて見れます。それを見たいという需要――ニーズがありますから、それは、それである程度成り立つんですけれども、問題は大都市のCATVだというふうに思うわけです。非常にむずかしい。しかし、だからといって、これをNHKにやってくださいということ、NHKの施設だけに依存するというわけにも、これはいかないと思いますが、たいへん膨大な予算を食いますから。NHKはNHKでできるだけやってもらわなければいけませんけれども、いずれは、これはCATVでカバーしていかなければならぬわけですが、それをどういうふうにやるかですけれども、いま東京ケーブルビジョンは、いろいろな方面からの基金を集めて、まあ財団法人でやっておるということですけれども、あれもどうも赤字赤字で基金を食いつぶしているようなかっこうのようです。このまま私は放置することは許されないという気がするんです。だからといって、採算線に乗るだけの高い料金を取っていいかというと、先ほど申し述べましたように、そういうことでは加入者がつかない。
 そこで、私は、この大都市のビル陰障害、難視聴というものは、いわば一種の都市公害だと思うわけです。都市公害だから、見えなくなったからといって、それを居住者に負担を課することはちょっと酷じゃないか。これはやはり国が乗り出して、見えるように措置してあげる、救済してあげる必要があるであろうというふうに考えるわけですが、それじゃどういうふうに救済するかとなりますると、国の財政支出ということになりますけれども、国の財政補助ということも、これはできれば、それに越したことはありませんけれども、なかなか困難であろうと。そこで、考えられますことは、このビル陰障害を来たしておる原因は、何といいましても高層建築物ですから、高層建築物で、はっきりこの建物がここに影響しておるというふうに、原因者がはっきりしておるところでは、NHKなども指導して、現に中目黒その他でも、そこに建設費等、援助さしておりますが、しかし、なかなか原因者がはっきりしない、あちらこちらの林立したビルが総合してそういう難視聴という現象を起こしておる、そういうようなものについては、個々の原因者を突きとめることはできないけれども、たとえば四階以上の建物にはこの難視聴地域解消のための負担金とか、何かそういったようなものを分担させる――最近、自動車には、聞きますと、雑音防止器というものが普及しておりまして、かなりこれが効果があるということですが、自動車などにも雑音防止器というものをつけることを強制する、義務づける。これもほんとうは大事だと思いますけれども、同時に、四階とか五階とか、一定の規模以上の高層建築物には、ビル陰障害救済のための負担金を分担させるというようなことを、思い切って国が指導して措置をする必要があるのではないか。そして、その拠出されたもので基金をつくって、それを個々の事業体に交付して財政的に援助してあげる。そして加入者に対しては比較的安い料金で、加入料で見られまた入れるようにするというふうに、これだけ障害が広範囲にわたってきますと、この際、郵政省としても、これは郵政省だけじゃできないと思いまするけれども、関係各省にかけ合って思い切った手を打っていただきたい。そのための特別立法でもやるくらいな、かまえで、これは対処していただきたいと思うわけですけれども、大臣、いかがでございましょう。
#35
○国務大臣(廣瀬正雄君) 最近の都市における高層ビルの建築は非常にたくましくどんどん進んでおりますわけでございまして、したがって、原因者負担ということだけでは追っつかない、と申しますか、はっきりしないという、――先ほど西村委員は公害に類するということばをお使いになったわけでございますけれども、まさに、そういうような状態になってしまっておりますわけでございます。したがって、将来、そういう事象がますます強くなっていくということが予想されますわけでございまして、したがって、難視聴解消の対策といたしましては、やっぱり何らかそうした資金の源泉と申しますか、というものが必要な段階になっておるやに私自身も考えておりますわけでございまして、いわゆる目的税と申しますか、そういうものを検討する時期に、はやなっておるんじゃないかというようなことをひそかに考えておりますわけでございますが、西村委員の御質問は、まさにこれに類する御見解であろうかと思うのでございまして、こういう目的税等については、将来、ひとつ、積極的に検討してみたいと、こういうふうに考えておりますわけでございます。
#36
○西村尚治君 ぜひひとつ、お願いをいたします。
 私の質問はこれで終わります。
#37
○委員長(杉山善太郎君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#38
○委員長(杉山善太郎君) それでは速記を起こして。
#39
○森勝治君 時間の関係がありまして、私の質問は、衆議院の皆さんが修正された点について先ず質問をさせていただきます。
 ただいま修正案についての提案の趣旨説明がありましたが、この点について約五点御質問をしてみたいと思うのです。
 まず第一点は、有線テレビジョン放送事業者に対しまして役務提供を義務づけておるわけですが、この役務提供を義務づけた理由は何かということです。
#40
○衆議院議員(林義郎君) 有線テレビジョン放送というのは、非常に地域住民に大切な問題になるだろう、将来としては非常に必要不可欠なものになるのではないかということが考えられますし、現在におきましても、すでにできておるところは、そういうふうな状況がございます。ところが、そういった事業は、どうしても地域的な独占性というものを持つことになるのではないか。その地域において一つだというような事態というものが、当然予想されるわけでありますので、一つつくりますと、どうしても虫食い的な状況が生ずる。例えて申し上げるならば、この委員会の部屋が一つの地域といたしますと、この奥のほうは、実は有線テレビジョンを送らない、こちらのほうに送りまして、またそちらのすみ、その辺では送らないところがあるというような場合が出てまいると、非常に困ることになるのではないか、やはり独占的な事業でありますから、そういったものに対しましては、地域住民あまねくやはりその恩恵が受けられるようにしなければならない。そういったのが、今回の有線テレビジョン放送の役務提供を義務づけたところの理由であります。
#41
○森勝治君 この役務提供ということを業者に義務づけましたが、片や受像者側に対しては選択は自由なんでしょう。
#42
○衆議院議員(林義郎君) そのとおりであります。
#43
○森勝治君 それでは、その役務提供の義務づけということでありますが、その義務の確保、義務づけの確保については、どういう規制措置といいましょうか、規律が必要なのか、その辺の、とられようとする措置の問題についてお伺いをしたいのです。
#44
○衆議院議員(林義郎君) 修正案におきまして、そういった役務提供義務に違反したような事業者に対しましては、業務の停止を郵政大臣が命ずることができるようにしてあります。また、郵政大臣がさらに業務の停止命令に違反したものに対しては制裁を加える、そういった意味で罰則も設けることにしております。
#45
○森勝治君 再送信の同意に関する条項を修正をされたわけでありますが、その理由について承っておきたいと思います。
#46
○衆議院議員(左藤恵君) 義務再送信につきまして――再送信の問題につきましては、いろいろと、再送信は必ず義務づけておるわけでありますが、再送信以外の有線テレビジョンにつきましては、いろいろと地域的な問題につきまして、トラブルが生ずるだろうというふうなことを予想いたしまして、その点について修正案におきましては、郵政大臣がそのトラブルにつきまして、そういった申し出があれば、調整をはかろうということで、中に入ってあっせんをしよう、そうしてまあ解決をはかっていきたい。こういう趣旨で衆議院におきまして修正した次第でございます。
#47
○森勝治君 そうすると、いまの御説明だと、トラブルを避けるというのが、優先された考え方で、修正されたとこういうことですね。
#48
○衆議院議員(左藤恵君) 地域住民のテレビジョン放送に対しまして、それを受信したいという要望を、一方で何とか満たしてあげたいという、そういうことがあります。それから一つの再送信の同意を与えるかということにつきましては、これはやはり、放送事業者が、一つの権利というふうなものも持っておるわけであります。その間につきましては、非常に両方の問題についての調整というものがむずかしいと思います。しかしお互いにいろいろと話し合う、そういう機会を与えて、そうして争いを解決していくということが一番いいんじゃないか。それに郵政大臣がまん中に立って、あっせんの申請があったときに、両者の話し合いのまん中に立って、その解決をはかっていこうという、そういう趣旨であろうと思います。
#49
○森勝治君 郵政大臣がCAテレビの施設の許可、あるいはまた不許可の処分をする場合に、関係都道府県の考え方、すなわち意見を聞かなければならないというふうにされたもようでありますが、こうされた理由はどういうことでしょうか。
#50
○衆議院議員(林義郎君) 先ほど御説明いたしましたように、有線テレビジョン放送というのは、やはり地域的な、地域社会の問題であります。で、その地域の発展に非常に貢献する。特に義務的な再送信、いわゆるNHKであるとか、民放とか、その地域に流れておりますが、それ以外の自主的な放送をやる、あるいはほかの地域で流しておるところのテレビを持ってきて、それを再送信するというふうな場合になりますと、やはりその地域住民の意向というものをやっぱり十分に尊重しなければならない。そういった意味におきまして、都道府県知事の意見を聞くということは、こういった住民自治の観点、また、民主主義の観点からして、非常に適切なことではないか、こういうことでこの修正案を出した次第でございます。
#51
○森勝治君 こういう解釈をしてよろしいんでしょうか、取り締まりを強化するという立場ではなくして、民意をくみ上げるという立場で、関係都道府県の考え方を聞かなければならないと、こう修正されたと、こういうふうに承ってよろしんでしょうか。
#52
○衆議院議員(林義郎君) お説のとおりでありまして、実は衆議院の段階でいろいろと法案を練りましたときに、どうしようかという話がありました。現在の電波行政、そういったものは、地方に郵政省の支分部局があります。いわゆる電波行政の問題というのは、非常に技術的な問題がたくさんございます。したがって、その技術的な問題でいろいろとコントロールしている。ところが、そういったコントロールをすることにつきましては、やはり相当技術的な知識も必要であります。そういったことをわざわざ都道府県知事のほうでやってもらうということになれば、また人もたくさん要りますし、非常に不便である――で、やはりかたがた都道府県知事を経由して意見を聞くということにすれば、全くその地域住民の意向を十分反映させる、もっぱらその利益擁護のためであるという観点でありますから、ごらんのような、修正案のような条文にした次第でございまして、御質問の趣旨のとおりであります。
#53
○森勝治君 このCAテレビジョンの設置にあたりまして、国または地方公共団体のいわゆる配慮義務を設けた理由はどういうところからきておるのでしょうか。
#54
○衆議院議員(左藤恵君) 有線テレビジョン施設を設置する場合におきまして、たとえば東京ケーブルビジョンの例を考えた場合でも明らかだと思いますが、ケーブルを引きますのに、道路を占用するとか、あるいは電柱を使用するというふうな、いろいろまあ建設を促進していきます上に、協力を願わなければ、うまくいかないことになるだろうと予想される幾つかの点があろうと思います。こういったことを、その設置を円滑にするために、国及び地方公共団体の配慮義務というものの規定を設けることによりまして、これは、ある意味でいえば、精神的な規定だと言われるかもしれませんけれども、しかし、そういった配慮をしていただくということによって、建設が促進し、有線テレビジョン放送施設が円滑に設置できるということを期待して設けた規定だと、このように私は理解いたしております。
#55
○森勝治君 いまおことばの中に、精神規定というような表現のおことばがあったように承ったのでありますが、しかし、その反面、電柱などの、という表現も用いられておりますから、これはむしろ最も端的な具体的な表現のあらわれだと思うのでありますが、そうなりますと、電柱というような、具体的に、某個所に設置するという具体的なお話があるけれども、お話の中では、精神規定とおっしゃるものですから、どうも血のめぐりの悪い私には、ちょっとその点が、両者の現実面を申されて、片方は精神規定とおっしゃるから、その辺のかね合いがちょっとわかりかねるのですが、もう少し詳しくお聞かせ願えませんか。
#56
○衆議院議員(左藤恵君) これは、実は、私申し上げましたのは、罰則規定がないわけでございまして、そういった意味で、それの何といいますか、地方公共団体がこういうことをしなければという、そういう意味の罰則規定なり、もっと積極的な意味の協力と申しますか、配慮というものの義務規定的なものが、そういう表明になっていないのは、まあこの点なかなか調整といいますか、たとえば道路を占用してまいります上において、あるいは電柱を使用いたします上において、現在の法律あるいは地方の条例というものとの関連がございまして、その辺をこの有線テレビジョン放送法で修正するということは非常に困難でございますので、しかし、国及び地方公共団体に対してそういったものを強く期待していこうという趣旨で、こういう修正をしたわけでございまして、そういった意味で、私が申し上げました趣旨は、罰則とか、そういうようなものがないというふうな意味で申し上げた次第でございます。
#57
○森勝治君 再々質問して恐縮でありますが、ちょっといまの御説明の中で気になる――私をもって言わしむるならば、気になる御説明があるのです。それぞれの地方公共団体等については特色があることは私も認めます。そのとおりであります。ただ、そのおことばの中に、たとえば条例という表現を用いられました。条例があるから、この法律の適用が云々ということばがありましたが、この点は、これはもうおのずから条例は法にさからうことはできませんから、両者択一となればこれは当然法が優先するたてまえですから、この点ちょっと気になるものですから、その点をもう少し補足説明をいただきたいのです。
#58
○衆議院議員(左藤恵君) 私の説明がまずかったと思いますが、条例の根拠になります法律というものに、当然その法律そのものを修正するということは非常に複雑にもなりますし、現段階におきまして非常に困難でありますので、この点について先ほど申しましたような規定でとどめた、こういう御理解をいただきたいと思います。
#59
○森勝治君 そういたしますと、この点は、これは国と地方公共団体の善意の協力にまつという以外一歩もその域を出ない、こういうことですか。
#60
○衆議院議員(左藤恵君) そういうふうに御理解いただいていいと思います。
#61
○委員長(杉山善太郎君) たいへんどうもお忙しいところありがとうございました。お帰りいただいてけっこうです。
 森君の質疑の途中ですが、午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十八分開会
#62
○委員長(杉山善太郎君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 有線テレビジョン放送法案を議題といたします。
 休憩前に引き続き質疑を行ないます。
#63
○森勝治君 午前に引き続き質問をしてみたいと考えます。
 本案は、さきの六十一国会に提案された有線放送業務の運用の規正に関する法律の一部を改正する法律案に比べますと、いわゆる事業免許制を施設許可制とし、しかも施設者にあきチャンネルの開放義務を課した。そうして有線放送業務は届け出で足れりとするなど、相当改善をされたように理解をすることができますけれども、その反面許可基準に公益条項的なものを設けたり、命令委任事項ですか、そういうものを大きくしてある関係上、政府の方針というものが明確になっておらぬような気がするんです。
 そこで私は、まず資料としてひとつ御提出をお願いしたいのは、命令委任事項の大綱ができておりましたならば、これをひとつ提出をいただきたい。このことをひとつお願いしておきます。
#64
○政府委員(藤木栄君) まだ完全なものではございませんけれども、ある程度できておりますので、御提出いたしたいと思います。
#65
○森勝治君 じゃあ直ちに出してください。出してくださるというお約束でしょう。
#66
○政府委員(藤木栄君) いまですか。
#67
○森勝治君 はい。それは直ちに出しますということなら、直ちにいただきたい。くださるものなら即刻もう……。
 それでは、最初に基本的な事項を二、三お伺いしておきたいんです。もしかりに、このいま提案されている法律が、実施の段階に移されるときに、都市難視というものは放送事業者の責任ではないということが制度的に確立したもの、私はこういうふうに受け取るわけです。したがって、この際NHKの都市難視に対する責任放送の全国普及の義務等との関係を明確にしておく必要があると思うのです。この点についての明快な見解をお示しを願いたい。
#68
○国務大臣(廣瀬正雄君) 都市におきましては、通常の状況のもとでは良好な受信が十分できるような電波が発射されておるわけでございます。ところが、近年、高層建築物が人為的な原因によりましてふえておる。そのために受信の障害が発生しておりますわけでございますが、NHKといたしましては、御承知のように、法律によりまして、こうした受信障害を解消しなければならないという責任を負っておるものだと考えておりますわけでございますが、必ずしもそういう意味のものじゃないかもしれませんけれども、私どもはそういうように解釈いたしておりますが、またNHKはあまねく放送を全国で受信できますような状況に置かなくちゃならない、そういうような責任の放送法の精神の上からあるものだというふうに解釈をいたしているわけでございます。
 ところが、今度有線テレビジョン放送の実施ということになりますと、それとの関係はどうかということになりますわけでございまして、その点についてのお尋ねでありましたわけでございますが、NHKが単独で有線テレビジョン放送の施設をやるということは、NHKの財政と申しますか、資金的に申しまして、それはたいへん全国的な問題でございますから、困難なことでございますし、さらにまた、有線テレビジョン放送は、NHKばかりではなく、他の放送業者がこれを利用と申しますか、その再送信もやりますわけでございます。そういうようなことで、有線テレビジョン放送を、すべてNHKがその施設をやる、そういう施設を通じて放送をやるということは、これはとうてい実行のできることではないのでございます。そこでNHKは、NHKといたしまして、その立場から、きょうの午前中に電波監理局長から御答弁申し上げましたように、従来から行なっております受信相談でありますとか、あるいは受信技術の指導でありますとか、また、電波障害の防止協議会の一員といたしまして活動をするということ、さらにまた、今度の有線テレビジョン放送の施設に対しまして出資ができると、こういうことを通じまして、受信障害の解消に努力するというような姿になりますわけでございまして、有線テレビジョン放送とNHKとの関係は、そのように私どもは考えておりますわけでございます。
#69
○森勝治君 私は放送法第七条に関連して大臣に質問を申し上げたわけです。したがって、その第七条を受けての御答弁だと考えますが、放送法第七条によれば「公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように放送を行うことを目的とする。」というのが第七条であります。ところが、いま大臣はこれの狭義の解釈をされました。このことを私なりに、お答えを理解いたしますならば、放送法第七条には、いま私が申し上げたようなことが明記されてあるけれども、実際には、全国あまねく難視聴を解消することはもう現在ではNHKは困難だと。したがってその代行的な意味で、私営テレビというようなものにも一部NHKの資本等を投下をしてやるんだというふうなお答えと思うわけです。そうなれば私が申し上げたように、この法律が今度は実施になりますと、もう難視聴の解消ということは、放送事業者の責任ではないということが制度的に確立されたものになりますね、と申し上げたんです。ですから、このことを否定されずに、今日のNHKをもってしては全国の難視聴解消は無理ですというお答えになったと思うんです。この点は明確に大臣、そういうことでお答えをされたというふうに理解していいですね。ならば、第七条の問題を、これは修正を加えるかどうかせぬと、いまのお答えと法律との谷間にある問題について、私どもが理解に苦しむことになりますので、その点はひとつ明確にしていただきたいのです。
#70
○国務大臣(廣瀬正雄君) 私の答弁が、この点明確を欠いたことがございまして恐縮に存じておりますわけでございますが、都市の難視聴につきましては、高層建築物等の障害、いわゆる公害に属するものだと考えるわけでございまして、したがって、公害になります前の原因者負担で解決のできます場合は、それによりますわけでございますけれども、公害ということになりますれば、それによるわけにまいりませんので、そのような受信の障害ということにつきましては、これは必ずしもNHKが解消するという責任は私は一応ないものだと、こういうように解釈をいたしますわけでございます。
 ただ、一面におきまして、あまねく放送が受信できるような状態におかなくちゃならないという、いわば道義的な責任があるわけでございますから、これにのっとった方向でNHKが努力するということは必要であると、こういうように私も申し上げたわけでございます。
#71
○森勝治君 私は、もう前大臣のときだと思うのでありますが、このCAテレビの問題に端を発しました質問について、こういうお答えを得ているような気がするのです。たとえば新宿のCAテレビの放送会社ができましたね。NHKが若干資本金を負担したと、そういうものに関連した問題でございましたが、当時これをもって都市における難視聴というものは、その会社がNHKの肩がわりをするというお話しだから、NHKが今後都市の難視聴についての責任はありませんねと言ったら、それとは別にNHKがやるんだというお答えを得たように記憶をいたしておるんです。ところが、いまのお答えですと、もう都市難視聴は公害的な動きがあるから、これはNHKの責任に帰するのはちょっと無理ではないかと、私の解釈からすれば、大臣のお答えをそういうように私は受け取ったんでありますが、もしそうだとすれば、いま申し上げたように、前は義務的なという発言です。当然これはそういうCAテレビをつくっても、そこでNHKの都市難視聴の解消の責任が終わったことではないんですという、当時はお答えをいただいたわけでありますが、いまのお答えだと、もうNHKはいいんだと、ただ道義的な責任のみがあるんだというお答えになりますから、そうなりますと、当然この放送法第七条をもっと明確にしておかなければ、後日論議の種になりますから、この点をひとつもう少し明確な見解をお答えいただきたい。
#72
○政府委員(藤木栄君) 第七条の解釈につきましてちょっと私ども事務当局から申し上げます。
 第七条はNHKは「あまねく日本全国において受信できるように放送を行なうことを目的とする」ということでございまして、この放送という意味は第二条に定義がございまして、「「放送」とは、公衆によって直接受信されることを目的とする無線通信の送信をいう。」ということになっているわけでございますから、第七条の意味は、あくまでも電波による放送と、無線通信の送信ということによって、あまねく日本全国において受信できるようにするんだということでございます。したがいまして、都市におきましてもあるいは辺地におきましても、現在まあ特にNHKは辺地におきましては、幹線部分の経費をNHKが負担しまして、いわゆる辺地共聴ということを実施しているわけでございますが、これは放送法第七条でいう放送ではございませんで、このNHKの、第九条に掲げてございまする業務の中の第二項の第十号の「放送及びその受信の進歩発達に関し特に必要と認められる業務で郵政大臣の認可を受けたもの」として行なっているわけでございます。
 都市におきましてもNHKは新しい電波を出しておるわけでございますが、高層建築物等によりまして、それが受信できないという状況でございますので、それをNHKが全面的にその解消に責任があるということは第七条の目的からも出てこないわけでございますが、しかし、先ほどの放送法の「放送及びその受信の進歩発達」というようなところからNHKも当然道義的にはそういう責任を持つわけでございまして、現在都市におきましては、たとえば東京でございますと東京ケーブルビジョンといったところに加入いたしまして、その解消をはかっていると、それから場合によりましては、NHK自体が相当強力に指導しまして、いわゆる原因者というものがはっきりしたような場合は、CATVの施設をつくることを指導しまして、実際にそういった施設もNHK自体が全面的に金を出すわけじゃございませんで、その原因者のほうから金を出してもらっているわけでございますけれども、技術指導しているという例はたくさんあるわけでございまして、この法律が成立いたしましてもそういう点は変わらないと、また特に今度の法律で出資もできるということになるわけでございますので、さらに積極的にNHKはそういった難視聴の解消を行なうことができるということになるわけでございまして、まあ私どもとしましては、この法律的な意味の責任を全部NHKにかぶすということはいかがかと思うわけでございますが、しかしいずれにしましても、難視聴の解消ということは、当然NHKの業務として積極的に行なっていかなきゃならないと、そういうふうに考えておるわけでございます。
#73
○森勝治君 大臣も道義的という表現を用いたわけです。担当局長がいまそういうふうに付言をされました。従来はそういうことばは一つもいただきませんでした。何かいまのによると、NHKは放送すれぱ事足りるというようなお話で、あとは難視聴解消は道義的なものだというふうに最近すりかえられたそうです。道義的なものじゃないでしょう。「あまねく日本全国において受信できるように」、いいですか、「あまねく日本全国において受信できるように放送を行うことを目的とする。」というんでしょう。受信できるというのは視聴者ですから、国民ですから。受信できるというのは正常な受信をできるということですから、電波の妨害や山陰、ビル陰等によっての難視聴解消はやっぱり当然これはNHKが果たさなきゃならぬ責務でしょう、道義的なんてなまやさしいものではないでしょう、従来は。ただ、私の質問の設定の趣旨は、本法が実施された場合には、都市難視聴の解消については、NHKのいわゆる責任ではないということが、制度的に明確になるということではないかという質問を申し上げている。
 いいですか、あなた方の場合は現行の法令に基づいて、現行のこの第七条の精神からいっても道義的で事足りると、こう申されていることは、従来のお答えから非常に飛躍されているんですよ。NHKも難視聴の解消は当協会の責務と言っているんですよ。道義的責任などということばは初めて聞くんです。それはどういうことですか、一体。この法律が実施の暁には道義的だとおっしゃるなら、なるほどこれはわかりますけれども、現行の法令のどこをひもといても道義的なんということはありはせぬでしょう。「あまねく日本全国において受信できる」ということは正常な受信をできるということですから、この正常な放映ができなければ、これはいかぬことですから。その辺がどうなっているんですか。だいぶあいまいもことしていますよ、これでは。ですから私は第七条を明確にしてくださいと申し上げているのです。
#74
○政府委員(藤木栄君) 大臣のお答えになりました道義的ということばは確かにいままではなかったかと思います。そういう意味におきましては、その道義的よりももう少し進んだ意味におきまして、先生のおっしゃいますように、難視聴の解消ということは、これはもう当然NHKとして、やらなきゃならないことであろうと私ども考えておりますし、またそのように指導してきておるというわけでございます。
 ただ、都市におきます難視聴解消が全面的にNHKだけの責任かどうかということになりますと、この第七条の解釈からいきますと、多少問題があろうかと思うわけでございまして、この法律が成立いたしましても、先ほど申しましたような出資をするとか、あるいは受信相談、あるいは技術指導ということは、従来ともやっておるわけでございまして、これはもう当然NHKも積極的にやってもらわなければならない。ただ経費の面を全部負担するかということになりますと、これには確かに問題がございますわけでございまして、あくまでも私どもとしましては、その原因者負担というところから経費を分担してもらわなければならぬと考えるわけでございますが、ただその原因者がなかなか特定できないということになりますと、これはまた問題があるわけでございまして、けさほど大臣もお答え申しましたように、建築主から何らかの形でその経費を分担してもらうという、これは法的な措置が必要でございますが、これは将来の問題としてそういうことも検討しているわけでございますが、いまのところは、そこまでできないわけでございますので、現在はNHKとしてもいろんな点で、先ほど申しましたような受信相談、あるいは技術指導、あるいはまた経費の一部分担というようなことで、その難視聴の解消をはかっているというのが現状でございますし、また、今後もそういうことで努力をすべきであろうかと思うわけでございます。
#75
○森勝治君 私は、何も難視聴の原因があたかもNHKに帰するがごとき発言は毛頭しておりません。しかし、現実に難視聴の地域のあることはもう事実でございますから、この難視聴地域の解消に当たる責任はあるだろう、こう思っているんですよ、この点は。ですから、いまあなたのほうで道義的ということばを修正された模様ですから、次に移りたいと思うのでありますけれども、その点は、これはもうそういうことになれば、今度はNHKの守備範囲というものもおのずからさだかになってくるわけですから、今後当然その辺で、法律等の改正と申しますか、修正と申しましょうか、そういう点にもひとつ検討のメスを加えるべき時期がくるのではないか。この法案が実施の暁の話ですよ、私が申し上げているのは。
 そこでお伺いしたいのは、いまも局長が言われた加害者負担ですね。これは政府やNHKが、人為的な難視聴の場合には、原因者負担、すなわち加害者負担的な態度をとってきたわけでありますし、加害者に責任をとらせる、こういった方法でやってきたわけであります。いまの発言でもいみじくもこれが立証されたわけでありますが、ところが今度は、放送事業者と別個のCATV事業者によって難視聴の解消をはかられると、こうした場合、一体従来NHKや政府がやってきた、ビルの建築主にそれらの難視聴解消に要する費用等を負担させるということが、はたしてそういうことができるかどうか、可能なのかどうか、逆に私はそういう面でも疑問を持つんです。その点はどう思われますか。
#76
○政府委員(藤木栄君) 現在は、原因者負担と申しましても、あくまでも話し合いで、原因者である建築主と話し合いの上で負担をしてもらっているというケースが大部分でございまして、話し合いがうまくいけばよろしいわけですけれども、話し合いがうまくいかないとなかなかこの負担をしてもらえないという状況でございます。したがいまして、これをもう少し法的にもはっきりさせる必要があろうかと思っておるわけでございます。建築物というものは、御存じのように、地上権という権利の上に建っているわけでございますので、この点なかなか簡単には解決できない問題であろうかと思いますが、私どもとしましては、やはりビルあるいは高層建築物といったものが原因者であることはもう明らかでございますので、そういった点をさらに詰めまして検討を進めてみたいと思っているわけでございます。
#77
○森勝治君 御承知のように、従来は、ビルの谷間等の難視聴については、NHKが全面的にその衝に当たって指導してきましたね。いわゆる被害者という表現は適切かどうか知りませんが、まあ通俗に被害者ということばでいっておりますので、私はそういう表現を用いますが、この被害者とビル建築主との間に立ってあっせんの労を従来はとってきたわけです。ところが、いま申し上げたように、この法案が実施になれば、少なくとも都市難視聴に対する問題は、当然大局的見地に立ちましてNHKにやはり依然として責任はありますが、小なるものをつかまえれば、もうCATV事業者が第一線に立ってそれをおやりになるわけですから、そこで今後はCATV事業者とこれらのビル建築主との間の論争が起こるようになるのか、これは全然無関係なのか。無関係だとすれば、従来NHKが主導的役割りを果たしてきたけれども、これはそういうことから解放されて、都市難視聴に関する限り、CATV事業者が営業しておる区域内においては、それらの皆さんがやってくださることになるとすれば、それだけNHKはややほっとしたということになるのでしょうが、そうすれば、NHKはそこで、あそこはCATV事業者がおやりになっておるから、難視聴はあの方々にまかしておきましょうということで、従来以上に慎重にかまえて、これら住民といわゆる加害者との間に立って奔走してきたNHKだったけれども、今度はそれをやや――ややというか、相当遠い距離からそれらの事態をNHKがながめることになりますから、NHKの立場はそうなってしまうのですが、そういうことの紛争や何かはどうなるのか。
 今度はCATV事業者が新しいビル建築業者にかけ合うことを許すのですか。いろいろ問題が出てまいりますね。NHKならば、放送法というたてまえから主導的役割りを果たすことができましたが、CATV事業者が、おたくのビルのおかげで周辺の者はみんな被害者になってしまった、じゃアンテナを出すから金を出しなさい、それはうちの有線放送事業者が立てますからと、あるいは言うかもしれないですね。あるいはそうなれば、法的な規制その他から見て、これはいろいろトラブルが起こってくるでしょう。そういう権限をCATV事業者に郵政省は委任しようとは考えていないはずでしょう。そうでしょう。そうなれば、皆さんが従来言ってきた加害者負担とする方法は方向転換をせざるを得ないではないか、私はこんな気がするのですが、 この点はどうですか。
#78
○政府委員(藤木栄君) NHKは、おっしゃいますように、従来もそういった技術指導もやっておりましたし、そういった加害者負担という意味から、その建築主とも、かけ合って、実際上あっせんもしてきたわけでありまして、そういったことにつきましては、私どもとしては、この法律が成立いたしましても、やはり積極的にやってもらいたいし、NHKもおそらく積極的にやられるだろうと思います。
 ただ具体的なケースによりましては、このいわゆる有線テレビジョン放送施設者がみずからやる場合もあるかもわかりません。しかしあくまでも、先生が先ほど来おっしゃっていますように、NHKとすれば、難視聴の解消ということにつきましては非常な熱意を持っているわけでございますし、私どももその方向で応援しているわけでございますので、この法律によりまして、有線テレビジョン放送施設者がやるからといって、ほうっておけということにはならないと思います。特に施設者が、広い施設、区域をもちまして、有線テレビジョン放送施設を建設するという場合におきましても、一挙に全施設を建設することができない場合もあろうかと思いますし、そういった中におきまして、一つの建物によりまして難視聴ができたというような問題ができたときは、NHKが率先して難視聴の解消のために、その建築主と交渉しまして、そこだけでも、場合によっては、臨時的な施設をつくるということもあろうかと思います。そして将来、その施設業者の施設と統合するということも、場合によっては、あろうかと存じておるわけでございます。
#79
○森勝治君 重大な発言をされましたね。CAテレビ業者は将来NHKと統合するんですか、そういう構想があなた方の心のどこかでうずいているんですか、そういう前提のもとに今度のCAテレビ法案というのを提案されているんですか。「統合」ということばがありましたけれども、どういう意味でそういうことをおっしゃるんですか。
#80
○政府委員(藤木栄君) これは一つの例として申し上げたわけでございまして、広い施設、区域を持った有線テレビジョン放送施設者が施設をする場合に、一挙に施設をできればよろしいわけですが、経費もかかることですし、順番にやっていくという場合もあろうかと思います。そういった場合に、その施設、区域の中で特定の建物が建ちまして、急にそこが難視聴になったというような場合に、その施設業者がすぐにやってくれればよろしいわけですけれども、来年とか、再来年というようなことになった場合に、計画的に建設するでございましょうから、そういった場合には、場合によっては、NHKが臨時的に、その建築主とかけ合って、難視聴の解消をはかるということも予想されるわけでございまして、そういった施設は、おそらくそう大きな施設ではございませんと思いますので、その周囲が全部初めの放送施設者の施設ができたような場合は、場合によってはNHKが指導し、これはNHKがつくったというよりは、NHKが指導した施設と一緒になるということも考えられるのではなかろうかということを申し上げたわけです。
#81
○森勝治君 それはNHK自体が施設したものとの統合ではないんですね。この話は先ほど何か私の印象では、CAテレビ業者を全国的につくらせて、それが完備を待ってNHKと統合するんだと、そんな意味に受け取れたんですよ、あなたの言われたのは。だから、それは重大な発言ではないかと言ったんですが、そうじゃないんですね。この点明確にしてくれませんかな。
#82
○政府委員(藤木栄君) 私が申し上げましたのは、NHK自体が現在一つのビルの難視聴のために技術的な指導をいたしまして施設をつくっているという例は多々あるわけでございます。それはしかし、NHK自体の持ちものではなくて、その建物の建築主が金を出して、現在のところは組合組織をつくって、そこが管理しているという状態でございます。したがいまして、NHK自体の所有物ではないわけでございまして、そういったものが暫定的につくられまして、初めの施設者の施設と一緒になるということはあろうかということでございます。
#83
○森勝治君 つかぬことを伺いますがね、この点はひとつ明快にしていただきたいんです。CAテレビ業者というものはNHKの代行なのか、NHKがCAテレビ事業者の代行なのか、難視聴解消の時点に立って、ひとつお答えいただけませんかな。どうもその点が私は、頭が悪いんでしょうな、理解できないんですよ。もう少しわかるように言ってくれませんか。
#84
○政府委員(藤木栄君) NHKは先ほど来申し上げておりますように、都市におきまする難視聴というものの解消のためにもちろん大いに努力はするわけでございますけれども、それを全面的に経費も全部自分で負担して解消するというところまでの責任はないと、そういうふうに私どもは考えるわけでございます。しかし、もちろんこの難視聴の解消という大きな使命は持っているわけでございますから、先ほど来申し上げておりますように、この技術指導、あるいは受信相談、あるいは今度の法律で、出資もしまして解消をはかるということになるわけでございますので、このCAテレビ業者が、NHKの代行そのものであるというわけにはいかないんじゃないかと、申しますのは、このCAテレビ事業者が、再送信ということだけをやりましても、NHKの放送だけを再送信するんじゃなくて、これはもう当然民間放送もございますから、それも一緒になって再送信すると、場合によりましては、将来は自主放送ということも考えられるわけでございまして、NHKの代行をするというそのままの意味の代行ではない、かと思います。もちろんNHKの放送を流すという意味におきましては、そういう意味におきましては、NHKの代行ということは言えるかもしれませんけれども、全体ということを考えますと、NHKだけの代行ということにはならないと思っております。
#85
○森勝治君 それでは角度を変えた御質問を申し上げますが、この法案が実施された暁に、この有線テレビ業者の行なう有線放送に加盟というか、参加する視聴者は別といたしまして、金がかかるからいやだということで、あるいはいろいろ感情的な問題で有線放送の便宜の供与を受けないNHKの視聴者がおりますね。先ほどもちょっと違った角度で表現しましたが、NHKの使命は、正常な放送をし、国民が正常な受像をできるようにテレビ放送をするわけですから、ところが、都会の谷間にあえいでいる国民の中で、有線放送で難視聴を解消できる人はいいが、いま言ったような感情的なもつれ、そのほかによって、ここに加盟しない皆さんは、これは依然として難視聴の被害をこうむるわけですね。そうなれば正常な絵――正常な受信と言ったほうがいいかもしれませんが、国民が正常な受信ができないんですから、受信料の問題は低減あるいは免ですね。ですから低減もしくは減免、こういう問題が当然そこに起こってまいりますけれども、これはもうほほかむりですか。
#86
○政府委員(藤木栄君) このいわゆる有線テレビジョン放送施設を利用しない受信者ということも当然考えられるわけでございまして、そういった方々につきましては、現在NHKはあくまでも受信指導ということでアンテナの位置を変えたり、あるいは高さをかげんするというような方向で、いろいろ指導して、少しでも受信できるように、いい絵が見えるように現在努力をしているという状態でございます。しかしそれでもいい絵が見えないというところもあろうかと思います。そういうところにつきましては、確かに、おっしゃったようなNHKの受信料の問題が出てくるかと思いますけれども、現在の法律の立場から申しますと、NHKの放送を受信することができる受信機を設置してある者というのは、受信料を払わなければならないということになっておるわけでございまして、その画質がどれだけかということは、法律的にははっきりしておりませんけれども、あまりこれは実際上できないということになれば、当然そういった免除と申しますか、というようなことも検討しなければならぬことじゃなかろうかと思います。
#87
○森勝治君 その点はひとつ検討してくださるお約束を願えますか。所管大臣としてひとつお答えいただきたい。
#88
○国務大臣(廣瀬正雄君) これは衆議院の段階でもその点、御質問がございましたわけでございますが、私どもは、そういう問題については、具体的な事例に対処いたしまして検討しなければならないというふうに考えておるわけでございます。
#89
○森勝治君 そこで、それに関連して問題が一つあるわけです。これはNHKの予算に関連して私も質問したところでありますが、難視聴解消のために国民からいただいた受信料金というものは、国民に還元するという約束を、NHKはしておるわけだが、ところが、いま都市難視聴を解消するために、CATV業者にNHKは、そちらには資金を投下するけれども、CATV業者が営業する区域の中に、いわゆるCATVの、その放送を受けることをいさぎよしとしない市民、国民の皆さんは――このNHKが、国民の福祉のために、料金を国民に還元するという問題については、何ら恩恵、恩恵というとことばはおかしいですが、恩恵に浴さないことになるのですね。したがって、ここにそういう問題をまだはらんでまいりますから、その一つの事例として、私は、いまの減免という問題が検討されるべきじゃないか、そういうたてまえで申し上げたわけです。ですから、当然これはNHKの受信料その他は国民に還元すると、しばしば会長以下声を大にしてお答えになっているわけですから、そう言っておりながら、このCATV業者が誕生をしますと、加盟しない人はらち外でありますから、たいへんな問題が出てきますので、そういう問題も当然、考慮に入れて、この法案は提案されたのでしょうね。
#90
○政府委員(藤木栄君) 先ほど大臣からもお答え申しましたように、受信料の問題につきましては、これはこの法案自体とは別にまた、放送法自体の問題として、私ども十分に検討さしていただきたいと思っておるわけでございます。
#91
○森勝治君 今度の提案の理由の中で、有線テレビは、国民の文化的日常生活にとってきわめて有用なものとなりつつある。こう述べておるわけでありますが、このことはCATVが、今日的段階においては、情報伝達の媒介体として、非常に多様の機能を発揮するようになったという認識にお立ちになって、そういうことをおっしゃっておるのかどうか、ですね。もしそういう認識に立ってこの、本法で言う放送、つまり一方向の通信のみに制限するのは、そうなれば、趣旨が一貫していないような気がするわけです。したがって、郵政省としては、このCATVの双方向の通信も認めていこうとされるのかどうか。その位置づけについてひとつお答えをいただきたい。
#92
○政府委員(柏木輝彦君) 御指摘のように、このCATVというものが、映像の一方送りだけじゃなくて、将来いろいろ通信機能を潜在するものであるという点については、郵政省関係でも十分これを認識しております。ただ技術的、機械的な方法が開発されていくということと、それが実際に実用化されるという点につきましては、かなりまだ隔たりのある問題かと思います。したがいまして、映像の一方送り、あるいは双方向というと、これはまた、いろいろ非常にそこは幅の広いものでございますが、映像の逆送り等ができる場合も含めまして、この程度のものにつきましてのCATVの設置設備というものは、現在でも実用化されようとしておりますが、それ以外の双方向、たとえばこの中には、テレビ電話というような、きわめて高価な施設を要するものも将来考えるわけでございますが、こういうものとの間に、かなりまだ実用化の過程としては、時間的な距離があるというふうに考えておりまして、さしあたり、このCATVの放送機能を持ったものにつきまして、この際法定をする。その次の段階のものにつきましては、いろいろ今後検討を続けまして、これを法制化するという問題として考えたほうが適当ではないか、というふうに考えておりまして、ただいまそのために、これを総合的にCCIS調査会というようなところで、この内容の調査をしているという段階でございます。
#93
○森勝治君 CATVというものは、さしむき再送信が主眼である、こういう御説明のように私は承っているのですが、そういうように承っていいのですね。
#94
○政府委員(柏木輝彦君) ただいま申し上げました内容としては、再放送だけではなくて、自主放送も含めたいわゆるテレビの送信、有線放送の一つの形態というふうに考えております。
#95
○森勝治君 いま郵政省の指導によって、全国各地に設置されているケーブルビジョンの運営状況をひとつお聞かせ願いたい。どうなっているか、ひとつお聞かせ願いたい。
#96
○政府委員(藤木栄君) 御存じのように、現在この財団法人は四つございまして、そのうちの一つであります東京ケーブルビジョンというものにつきましては、御承知のように、昭和四十五年の一月に発足したわけでございますが、これが新宿地区からスタートしたということも原因だと思いますけれども、現在必ずしも最初の予定どおりには成長しておりませんで、現在のところ加入者の端子として約千九百ございまして、千九百の内訳は新宿地区が千六百端子、それから池袋でも最近始めたわけでございますが、池袋地区で三百二十端子ということでございますが、実際のその加入している世帯数は約六百二十ということでございます。これは新宿地区は四百十二世帯、池袋地区が二百十世帯ということで、これに対してサービスを行なっているわけでございますが、今年度につきましては、この新宿及び池袋地区の増設を計画いたしておりまして、現在施工中でございます。年度末までには、新宿地区では二千二百四、池袋地区では五百二十の端子を、合計約二千七百端子でございますが、それから、それに対する加入者の世帯数は約千二百五十と、こういうことを予定して工事を進めているという状態でございます。
 京阪神ケーブルビジョン、これは大阪にあるわけでございますが、これは新宿よりも少しおくれまして、昭和四十五年の五月に発足しておりまして、現在、加入者端子としましては二千八百でございます。二千八百の内訳としましては、大阪市内に御津地区が約四百、それから鈴蘭台というところが約二千四百の端子の規模の施設を建設しておりまして、それに対する加入者の世帯数は千六百五十世帯ということになっているわけでございます。今年度では、さらに増設を計画しておりまして、年度末までには、加入者端子を約四千八百五十という規模まで増加し、そのうち加入者の世帯数としては約三千三十というものを予定しているという状態でございます。
 それから、名古屋のケーブルビジョンでございますが、これは四十五年の十二月に発足したということでございますが、現在、名古屋市内の中村区で、加入者端子四百を実験的に施設いたしまして、まあその加入世帯は非常に少なくて、二十七世帯ということでございますが、サービスを提供しておりまして、今年度では、この地区での増設を計画いたしまして、年度末までには加入者の端子を約二百四十まで増加しようと。加入者もさらに八十世帯程度を予定しておるわけでございます。
 最後に発足いたしました福岡ケーブルビジョンは、四十六年の二月に発足したわけでございまして、現在、福岡市の中心部で、加入者端子約五百四十規模の施設を建設しておりまして、約百世帯に対しましてサービスを提供しているということでございます。今年度におきましては、福岡の地区での増設、それから北九州地区での新設というものを計画しておりまして、年度末には、加入者端子約二千六百という規模で、それに対する実際の加入者の世帯数は約六百三十というものを予定しておるわけでございます。
 以上でございます。
#97
○森勝治君 いまお話のあった代表的なCAテレビの利用者、いま全国で四カ所の説明があったわけでありますが、私どもが、かねてから聞いておった当初の計画より、非常に、いずこの事業者も、事業形態も、計画が後退している。これは、私の感じとしてもそうだし、現実には、まだ後退している模様であります。だいぶ、当時私が説明聞いた、たとえば東京ケーブルビジョンの説明等も、非常にはなばなしい御説明いただいたことを、いま記憶を新たにするものでありますけれども、それをもっていたしますと、たとえば、四十五年では五千万円も欠損だということでありますね。それから加入者の数も、当時の展望の説明の中では、もっと広範に利用者が多いということでありましたが、それもさっぱり――いま担当局長うなずいておられますが、さっぱり伸びてないというこの姿、これらを勘案しますと、一体受信障害の程度が少ないのかという一つの疑問が出てまいります。それからもう一点は、利用料金というものが高過ぎるという問題があるのかないのかということが一点出てくるのでございます。さらに、第三点としては、建設資金の調達が十分でないために、いわゆるワクというか、利用者に呼びかける範囲が狭まりてしまったのかどうかという問題が一つであります。それから、第四点としては、東京ケーブルビジョンのときでも、四十五年度だけ見ても、五千万円も赤字だということになりますと、あるいは経営形態に問題があるのではないかということであります。
 以上列挙しただけでも、四点にわたっての疑問がここで生まれてまいりますね。ですから、これらのふるわない原因、これは那辺にあるのか。郵政省の立場でひとつ御説明がいただければ説明をしていただきたい。
#98
○政府委員(藤木栄君) おっしゃいますように、初めの計画よりは確かに後退しているわけでございまして、この点、私ども監督にある立場としまして、はなはだ残念であると思っているわけでございますが、まあ、ただ、都市におきまするケーブルビジョンというものは、この東京ケーブルビジョンが一番先でございますが、初めての計画でございまして、従来小規模でやっていたのとは異なりまして、本格的ないわゆる都市のケーブルビジョンというものがスタートしたわけでございますが、ケーブルを都市の中に引くにしましても、道路の占有の問題であるとか、あるいはまた電柱の共架という問題であるとか、あるいは、新宿地区あたりでは特に東京タワーからの電波の強さが相当強いということのために、受信機の中にいきなり飛び込んでくる電波と、ケーブルを伝わってくる電波が一緒に入ってくるというようなことで、画像の質が落ちるというようなこともありまして、技術的にも未経験であるというようなこともありまして、また、そのほか、そのPRもしなければならないという問題、それから、先ほどおっしゃったような、料金もあるいはまあ人によっては高いと感じておられる人もあったかもしれませんし、受信障害自体も、この程度ならと、入らなくてもいいというような人もあったようでございまして、いろいろな社会的、経済的あるいは技術的な原因というものが重なりまして、なかなか建設あるいは加入というものも進まなかったと私どもは考えておるわけでございまして、最近はだんだんとそういった点につきましても一つ一つ解明しているわけでございますので、初めほどは、どんどん進まないかもしれませんけれども、ことしの計画も、先ほど申しましたように、ことしの末には、東京ケーブルビジョンだけでもある程度の規模が達成できるのではないかと、そういうふうに考えているわけでございます。
#99
○森勝治君 いまのお話でもうなずけますように、東京ケーブルビジョンの問題についても、当初の計画をはるかに下回っているわけです。私どもが東京ケーブルビジョンの現場を他の諸君とともに視察をいたした場合の説明でも、これは非常に展望は明るいという説明がされたわけですね。これが一番大きな規模になるだろうといわれた東京ケーブルビジョンでさえも、このていたらくですから、何かいまのお話だと、ことしの後半になってよくなるような、何かそういうふうなお答えをいただいたような気がするわけでありますが、東京ケーブルビジョンでさえ、このていたらくならば、これは失敬でありますが、京阪神の成績はよさそうですね。京阪神のほうがいいといっても、四十五年度は千百十八万の赤字をしょっておるということがあるわけです。だから、これは推して知るべしという表現は、あるいは適切でないかもしれませんけれども、そう指摘をせざるを得ないわけです。
 したがって、これらの問題、これは電電公社が入り、NHKが入り、その他の電子工業会等が入って、このつくられたものが、あるいはこの運用とかそういうものは、一部のものに片寄った運営がなされておったのではないか。これはもちろん、それらの団体が自主運営されるんですから、私たちは運営の中身について、こまかく触れようとはいたしませんけれども、一体どういう御努力をされておるのか、私どもに説明されたのは、いまだに夏と秋が一度に消えて、この恩恵を受ける地域は、バラ色以上の快適な生活ができるような錯覚を持たされるような、はなばなしい説明を私ども受けた者の一人としては、もう奇異の感に打たれざるを得ないんですね。ですから、たとえば東京ケーブルビジョンにしても、これからどうされるのか、難視聴は依然として解消されないと現地の諸君は言っている。NHKは手を引いてしまったと言っておる。そうなれば、東京の特に、この新宿地域は、最近は、銀座にかわって繁華街といわれている、この地域では、さらにこの難視聴の問題が、これはもう他に広がっていくような気がするんですね。東京の一分野をとっても、この始末ですから、今度は、CAテレビ業者が全国に広がって、こういうものが、次から次へと名のりをあげていくようですから、これらの業者にまかしてしまうということになれば、一体この都会における難視聴の解消なんということはどうなるか、私は、いまはらはらして見守っているところです。
 だから、私どもはもちろん、この都市難視聴の解消をはかるということは、これはもうかねてからわれわれは発言をしておりますように、もろ手をあげてこれは賛成でございます。この点は大賛成でございますが、いまこの都市難視聴の解消だといって、鳴りもの入りで旗上げした東京ケーブルビジョンの運営形態が、これでありますから、この法案が通って、CAテレビ業者というものが出てきて、これらの諸君に、都市の難視聴の当面の衝に当たらせる、こういうことになるならば、いま鳴りもの入りでモデルケースとして打ち出されたものでさえ、失敬でありますが、私の目から見れば、あえてもたもたという表現を用いますが、どうももたもたしている状況なんです。それならば、これからどんどんどんどん輩出するであろうところの、これらのCAテレビ業者の営業の区域の中の難視聴なんというものは、NHKが努力しているところよりも、なおかつこの難視聴の解消のテンポがおくればせぬか、私はこの懸念を持つのです。
 しかも、このNHKの受信料よりもはるかに上回る負担の、加入料金ですか、そういうものがふえてくるわけですから、そうなりますと、まあ負担能力がたくさんある者はけっこうでありますが、加入したくてもできない者の救済という問題が懸念されるわけです。したがって、先ほどは、金はあるけれども、これらのCAテレビ業者に加盟するのはいやだという感情的な問題の人々についての難視聴の問題について御質問をしたわけですが、このままでまいりますと、負担金をもっとふやさなければ、やっていけないように当然なってくるだろうと思うんです。そうなれば、かてて加えて生活難にあえいでいる、このビルの谷間の陰に泣く低所得の皆さんの問題が一体どうなるんだろうか。貧乏人は、テレビなど見なくてもいい、という思想にややもすると、CATV業者のこの今度の法案が通過すると、そんなことになりはせぬかという、よけいな私は憂いを持つものの一人であります。
 したがって、この低所得のいわゆるボーダーライン以下の諸君ですか、あるいは生活保護を受けているものが、大体六十万世帯などといわれている現今におきまして、特にこの低所得の要保護世帯というのは、農村よりもむしろ最近は、都会に多くなってきている現状から見るならば、当然いま言われたような、ビルの谷間の陰に泣く、これら低所得の諸君には、負担過重になってくるわけです。そこでそうなれば、これらの諸君を救済するということになるならば、先ほど金があっても入らぬ人の問題については――あるいは難視聴の場合にはその他低減、減免、そういう措置の問題についての御検討を願えることにお約束はしていただきましたけれども、これらのこの低所得の諸君にはこれは減免措置ということも、厚生省と相談をして、そういう点にも、郵政大臣の言われる愛情の手を差し伸べることができるのかどうか。貯金が国民の貯金であるように、郵便が国民の郵便であるように、いわゆる逓信事業というものは、国民のものでありますから、この逓信事業の流れをくむと言っては語弊がありますが、こういう問題で、電波関係の問題につきましても、当然そういうあたたかい配慮があってしかるべきものと私は考えるのでありますが、この点についてもどうなっておるのか、その点。
 それからあわせて質問をいたしますが、これらのたとえば先ほど東京、名古屋、京阪神、福岡というふうに、四つのCAテレビ業者の概要を説明されましたが、これらの利用者の実際上の利用価格はどうなっておるのか、そのことについてお伺いしたい。それから他にもあるわけですね――これはまあ公益法人としては、四社の説明がありましたが、他にもある模様ですから、そういう方の料金等の概略についてもお答えを願えたらあわせて答えていただきたい。
#100
○国務大臣(廣瀬正雄君) ただいまはCATVの根本義と申しますか、たいへん重大な御質問であったわけでございますが、既存の四つの業態と申しますか、これが非常に思わしくない。こういう状態であれば、将来CATVを施設してまいっても、それが受信者の福祉増進にはならない、受信者のメリットにはならないんじゃないかというお尋ねであったわけでございますが、既存の四つの施設が、あまり芳しくない成績であることは、先刻電波監理局長から御説明したとおりでございまして、この点も、私どもの指導が十分でないことを恥ずかしく思っておるわけでございますが、私はさっきもお答えいたしましたように、何と申しましても、この四つは創業の、何と申しますか新しくこういうような仕事を開拓して仕事を始めたというような事実もございまして、戸惑いしたというような点もいささかあるんじゃないかと思いますけれども、やっぱり特にこの東京のごときは、せんじ詰めて申しますと、先般、出資の関係持っております新聞業者のほうから陳情、進言もいただいたわけでございまして、何かやっぱり私は、人の構成と申しますか、人的方面に大きな原因があるんじゃないかということを、心配いたしておるわけでございまして、まあ人が多過ぎるということもございましょうし、あるいはまた適正に育ってないというようなこともございましょうし、またさらに積極的な努力が足らないというような点もあろうかと思うわけでございます。まあ東京のごときは最も成績がふるっておりませんわけでございますから、これについては、新しい年度の事業計画等も十分検討いたしまして、郵政省といたしましては最善の指導をいたしまして再建を促進したい、こういうように考えておりますわけでございます。
 いずれにしましても、この四つがうまくいっていないと将来のCATVのあり方についても、非常に心配のあることは御指摘のとおりでございまして、たびたびお触れになりましたように、庶民の、国民の受信について便益を与えるということがねらいでありますわけでございますから、それについては、やはり業態がしっかりしていなければならないということが、前提となることは当然だと思うわけでございまして、こういう点については、さらに十分努力を重ねてまいりたい、こういうふうに考えております。
 まあ今後は、この法律が実施されていくということになりますれば、そういう前轍を十分考えまして、そうした過失を、失態を繰り返さないように格別な配慮を必要とするかと、こういうように思っておりますわけでございます。
 なお料金等につきましては、これは郵政大臣の認可ということになっておりますわけでございますから、これは最も低廉でというたてまえで臨んでまいりたいと思っておりますわけでございますが、なお、先刻、午前中に御答弁申し上げましたような目的税の創設というようなことについても、これはなかなか容易の問題でないと思いますけれども、そういうようなこともいろいろ勘案いたしまして、難視聴地区の解消ということが最も効果的に、しかも経費少なくできますようなことを、さらに掘り下げて考えなくちゃならないのじゃないか、こういうように思っておりますわけでございます。
 その他の現在あります施設の料金等については、電波監理局長から御答弁申し上げることにいたしたいと思います。
#101
○政府委員(藤木栄君) 料金の現状について申し上げます。
 東京ケーブルビジョンその他のケーブルビジョンでは、現在加入料が一万五千円、それから月額の使用料は五百円でございます。
 それからまあ営利的に行なわれているものといたしまして、たとえば甲府市に日本ネットワークサービスという会社がございますが、ここでは加入料が二万五千円、月額使用料は五百円。それから下田のCATVでは加入料が三万円、月額使用料は六百円ということになっておるわけでございます。
 なお、NHKが辺地共聴施設として指導しておりますものにつきましては、設置時におきまする加入者の負担分は、一世帯当たり全国平均で約七千円、月額の施設維持費というものは百円から百五十円という程度でございます。
#102
○森勝治君 一つお答えがないのです。私の質問がやや抽象的な傾きでありましたから、あるいはもう触れておられると、こうお思いかもしれませんけれども、私が、ちょっと考えてみたらどうですか、と申し上げたのに、お答えが願えない点は、生活保護世帯に対する思いやりの点であります。この点ひとつお答えをいただきたい。
#103
○国務大臣(廣瀬正雄君) 協議に時間をとりまして、失礼いたしました。
 放送の受信料につきまして、御承知のように、保護世帯に特別な配慮をいたしておりますわけでございますが、御質問は、CATVの使用料の問題でありますわけでございますので、ダブらしてそういうようなことをやることが妥当であるかどうか――しかしこれは非常に貴重な御意見であるかと思いますので、前向きでひとつ検討してみたい、かように考えております。
#104
○森勝治君 ぜひそれはひとつ庶民金融の場合でも、閣議等で大臣が力説されている点は、いま私が言いましたこの生活保護世帯の、こういう点についても、配慮をしてあげてやることと同じ気持ちだろう。大臣が、いますぐお答えになれば、それはただにしてあげてもいいでしょうという説になるだろうと思うのです。しかし、事はなかなかほかの問題にも関連しますから、閣議で主張された大臣にしては慎重な御発言だと思うのでありますが、この点については唐突な私の発言でありますから、まあ十分御勘考願うことにして、次の問題に移りたいと思うのであります。
 これは柏木さんにちょっと伺っておきたいのでありますが、先ほどもちょっと触れてお答えになった模様でありますが、現在運用中または計画中のCATVの施設の中に、双方向性のものがあると聞いておるわけでありますが、もしあればその実態と対策をお聞かせ願いたい。
#105
○政府委員(柏木輝彦君) ただいま申し上げましたように、双方向性というものの内容は相当幅が広くございまして、一体今後どういうようなものが実用化されていくかということにつきまして、CCIS調査会のほうで検討し、なおアンケート調査等もあわせて行なっているわけでございます。
 それで、ただいま運用中あるいは近く運用の計画があるというものに限って申しますと、一つは、ただいま千葉県の館山で教育委員会が地元の小中学校、それに公民館等を含めました教室等に受像機を置きまして、それぞれの学校から放送ができる施設を建設いたしまして、これは電信電話公社のほうの線の設備を使うということで、これも問もなく運用を始めるような段取りになっております。これは双方向と申しましょうか、つまり放送センターから各教室に一方的な映像の送りができるわけでございますが、それとあわせてあきチャンネルでこのセンターと各教室――この放送を行なうような教室の間に、線の設備を合わせて同軸ケーブルの中で使用いたしますので、一つの教室だけでなくて幾つかの教室、端末の教室に同時に授業の模様が放映されるというようなことでございます。したがいまして、一本のケーブルで行きだけでなくて、それと逆送りのほうの機能も一部果たしているという意味で、ごく限られた意味での双方向性ということがいえるかと思います。このような施設は、ほかの学校関係のところでも、幾つか現在計画をしているというふうに聞いております。
#106
○森勝治君 いま柏木さんの御説明の中でありました館山の教育委員会で、CAテレビを使った教育放送ということで、新聞にも報道された中身でありますが、この館山の問題は、館山の教育委員会が文部省の補助金をもらって、それで幼稚園、小学校、中学校や公民館を結ぶ教育用のCAテレビを今月から放送を開始する。こういうふうに新聞にも報ぜられておるところでありますが、これはいまおっしゃるとおり、施設は双方向性用のものだということであります。そこでお伺いしたいのでありますが、これは公社の線を専用しておるそうでありますが、こうした施設というものは、もしCAテレビのこの法律を適用した場合、実施になった場合には、一体有線テレビジョン施設たる放送事業者に該当するのか、それとも単に放送事業者となるのか、そのいずれかひとつお聞かせ願いたい。
#107
○政府委員(柏木輝彦君) 線路施設につきましては、これは公社のものを専用するわけでございますが、端末施設あるいは放送施設、これはこの教育委員会が所有、管理、運営するわけでございます。したがいまして、線路と端末をあわせまして放送施設として設置者になり、また、この施設によりまして有線放送業務を行なうのが教育委員会でございますので、この新しい法律が施行になればその適用を受けるということになるわけでございます。
#108
○森勝治君 そういたしますと、館山の例ですが、この館山の教育委員会は番組審議機関の設置も必要になってくるんですね。
#109
○政府委員(藤木栄君) 法律が適用になるということになれば、当然この法律によりまして番組の審議機関というものが必要になるわけでございます。
#110
○森勝治君 これはいわば公共放送ですね、学校の教育用ですから。教育用の場合でも、たとえば東京ケーブルビジョンというような場合でも、これは同じだということですね、対象は。
#111
○政府委員(藤木栄君) 対象としては同じわけでございます。
#112
○森勝治君 この十四条を見れば、役務の提供条件という問題が出てくるわけですが、この役務の提供条件として再送信のみが契約できるようにというふうに配慮されているわけです。この場合、契約に応じたサービスの提供が可能となるのか、つまり再送信だけの契約者には、自主放送は聴取できないような仕組みになっているのかどうか、この点ひとつお聞かせ願いたい。
#113
○政府委員(藤木栄君) この第十四条の趣旨は、おっしゃるように、再送信の役務の料金とその他の提供条件について契約約款を定めるわけでございますから、自主放送は見たくないという方は、この再送信だけの契約をすればよろしいわけでございまして、これは技術的にも可能なわけでございまして、一種のコンバーターと申しますか、そういうものを取り付けることによりまして自主放送も見れるということができますので、コンバーターを取り付けなければ、再送信だけしか見れないということになるわけでございます。
#114
○森勝治君 CAテレビ業者からあきチャンネルの提供を受けてCAテレビの事業を行なう場合、これはどうなんですか。
#115
○政府委員(藤木栄君) CATV事業者からあきチャンネルの提供を受けまして事業を行なうということも考えられるわけでございますが、その際も、それに応じまして契約をするということでございまして、先ほども申しましたように、技術的にも、そのチャンネルだけ見えるという技術的な手段もあるわけでございます。
#116
○森勝治君 契約に応じたサービスを提供することが技術的に可能ではあるが、実際はやらない。こういうことでありますけれども、反面、業者や事業者等は先ほど私が指摘いたしましたように、採算がとれないという問題が出てまいります。そうなれば、この多様の番組の提供や独占による弊害等を防止するというような問題、これはそういう趣旨は事実上没却されてしまうのではないか、私はその点懸念するのですけれども、そういう憂いはございませんか。
#117
○政府委員(藤木栄君) 私どもといたしましては、チャンネルを貸すことができるわけでございますので、いろいろな事業者がチャンネルを借りまして、多様な放送が可能になる、そういうふうに考えておるわけでございまして、この独占による弊害はそれによって排除される、そういうように考えるわけでございます。
#118
○森勝治君 先ほども柏木さん若干触れておられましたが、CCISの調査等をみましても、テレビチャンネルの少ない中都市におけるCAテレビの需要が非常に多いことがわかります。このことは、国民大衆がテレビサービスの増加を希望しておるということになるだろうと思うんです。そうなりますれば、郵政省では、今後中都市におけるテレビ放送、民放のテレビ放送局をいわゆる小林さんのときに盛んに言いましたけれども、そのことはさておきまして、免許をしていくのかどうか、中都市におけるテレビ放送局の免許を、これからもどんどんしていく気なのかどうか、この点お伺いしたい。
#119
○国務大臣(廣瀬正雄君) 御承知のように、昭和四十二年に郵政省の方針を定めまして、各県とも少なくとも民放が二つは見えるように、こういうようなことにいたしまして現在に及んでおりますわけでございますが、その二つだけという県は、まあ大体中都市以下の県でありますわけでございますが、そういう県、都市からさらにもう一つテレビを見たいので免許してもらいたいという要請が各地からあがっておりますことは、御指摘のとおりでございまして、そこで、これにいかにこたえるかということが問題になってくるわけでございますが、この問題につきましては、全国的な視野に立って、UHFのテレビを、いかにさらにふやしていくかということを、ひとつ計画的に検討してみる必要があるということを、最近特に痛切に感じまして、いま事務当局に命じまして、そういう作業を進めておりますわけでございまして、その全国的な計画が立った上で措置を講じたい、こういうふうに考えておりますわけでございます。
#120
○森勝治君 ですから三社を大都市並みに四社まで許していくつもりですか。
#121
○国務大臣(廣瀬正雄君) 電波はなるべく国民に利用してもらうべきものだと考えておりますので、そういう考えも一方にありますわけでございますけれども、筋の通った合理的な免許をすることが、放送行政といたしましては、最も肝要なことでございますから、従来も一応の方針はあったわけでございますけれども、さらにこの段階におきまして、ただいま御指摘のような要請、希望が各地にありますわけでございますから、それをひっくるめて、ひとつ全国的に、もう一回再検討いたしまして、計画を立ててみようという考えでございまして、いまの二つを三つにふやすとか、四つにふやすとかいうことは、はっきりまだ申し上げる段階ではございませんわけでございまして、なるべくふやしていきたいという方針は、持っておりますわけでございます。
#122
○森勝治君 私が質問した問題については、今後御検討をわずらわす、全国的な視野に立って御検討をわずらわすということでありますが、テレビ局の増置ということが困難になってきた場合、もしそうとするならば、少なくともCATVによる区域外再送信というものが、いまCATV業者のほうから盛んに希望されている問題でありますが、それなら、これらの業者の希望どおり、実施するような方法を講ずべきではないかと私は考えておりますが、この点は郵政省はどういう考え方をお持ちですか。
#123
○国務大臣(廣瀬正雄君) この問題につきましては国民の要請から申しますと、ただいま森委員おっしゃったとおりであるかと思いますけれども、なるべくたくさんなチャンネルによって放送を見たい、聞きたいというわけでございますが、そういうような国民の欲求と申しますか、これは私は一応うなずける点がありますわけでございまして、そういう意味におきましては、区域外の放送も認むべきであるということになりますわけでございますけれども、しかし、各地には、おのおのローカル放送というものもありますわけでございまして、その事業を進捗するということもまた考えなくちゃならない一つの問題でありますわけでございますから、各地の状況に応じまして、そして国民の、その地域住民の欲求を勘案いたしまして、そしてケース・バイ・ケースで検討し、対処していく、しかも、それは国民の利益ということに立って考慮をしていくべきであると、こういうように考えておりますわけでございます。
#124
○森勝治君 衆議院の修正を見れば、再送信に関する両者の協議がととのわない場合には、郵政大臣のあっせん――あっせん義務を負わされることになったわけであります。私は、そうなったときには、郵政大臣は、当然、国民大衆の心を心とするあっせんを、そういう立場でおやりになるだろうと、期待をしたいところでありますけれども、この点明快に心配りのほどをひとつお聞かせを願っておきたい。
#125
○国務大臣(廣瀬正雄君) ケースによっていろいろ事態が違うかと思いますわけでございますけれども、根本的な姿勢は、ただいま森委員がおっしゃったとおりでございまして、先生の御指摘のような気持ち、そういう姿勢で、国民の利益、国民のメリットということを基調として主張してまいりたい、こういうふうに考えておりますわけでございます。
#126
○森勝治君 私は、最初にも申し上げましたように、今回の法案は、前回出されたものと違って相当改善のあとが見られる。これは認めたいと思うのでありますが、ただ許可基準については不明確な点がたくさんあります。しかも何と申しますか、命令委任というものが多くなりましたから、それは、すなわち行政裁量の余地が大きいなどという批判が生まれてきております。ですから、こういう大臣裁量ですね、が多いなどという、行政裁量が多いなどということは、必ずしも国民の立場から見ますと、歓迎すべき事柄でない場合も間々あるわけですから、私はここで明快にお答えいただきたいのは、許可基準の条項というものを、この際明らかにしていただきたい。
#127
○政府委員(藤木栄君) 法律の第四条にございまする許可の基準というのは四点あるわけでございますが、それにつきまして御説明を申し上げます。
 第一項にございまする「テレビジョン放送施設の施設計画が合理的であり」、「その実施が確実なものであること。」というものにつきましては、この施設を設置する区域、施設の設置場所、施設のいわゆる布設計画といったものにつきましての合理性、こういうことが問題であろうかと思いますが、これは一般的に判断基準ということを、具体的にあらわすことはむずかしいかと思いますが、いずれにしましても、この施設を設置する区域というものにつきましては、現在の技術水準におきまする有線テレビジョン放送の信号を、その端末の部分におきまして、良好に聴視できるような施設というものは、ケーブルとか、増幅器というものの性能などの点から、技術的、経済的に一定の規模以下に制限されるということになると考えられますが、この申請にかかわりまする施設というものを設置する区域の広さ、形態及び位置といったものが、その問題となっております地域で、予測される需要に応じ得る必要なサービスを提供するために、最も適切なものであるかどうかという点が一点でございます。
 また、施設の設置場所という点につきましては、施設を設置する区域内におきまして、あまねく必要なサービスを提供するために、送信の施設、幹線、分配線といったものの、いわゆる主要な施設の設置場所が適当であるかどうかという点を審査するわけでございます。
 それから最後の、この施設の布設計画というものにつきましては、その設置しようとする区域内において、地区別あるいは時期別に、段階的に設置するという場合、その地区の区域内の地況と申しますか、地域的な状態、集落、需要というものから見まして布設計画が妥当であるかどうかというものを検討するわけでございます。それが第一号でございます。
 それから第二号の施設計画は、郵政省令で定める技術上の基準に合致するものであるということが第二号でございますが、これにつきましては、有線テレビジョン放送施設により伝送いたしまする信号の電圧、あるいは信号の質というものに関する条件、たとえば加入者端子におきます信号の電圧の最低値であるとか、あるいは周波数特性であるとか、信号対雑音比という信号の質などの条件のほかに、放射する電波の電界強度の最大許容値に関する条件というようなものにつきまして、基準を設けるということにしたいと考えているわけでございます。
 それから第三号の、「テレビジョン放送施設を確実に設置し、かつ、適確に運用するに足りる経理的基礎及び技術的能力」というものを要求しておるわけでございますが、これにつきましては、この施設が確実に設置され、長期間に安定した運用がなされる必要があるということから、その経理的な基礎の程度、技術的の能力というものの程度を、「施設を確実に設置し、かつ、適確に運用するに足りる」ということで表現したわけでございまして、経理的な基礎というものは、施設を設置して運用するための経理面、すなわち設備資金といったものの調達方法であるとか、借り入れ金の返済計画、あるいは収支計画といったものをさすわけでございまして、技術的能力というものは、施設を設置して運用するために必要な能力を有する技術的な専門職員の配置であるとか、測定機器等の備えつけ、保守体制といったものを考えているわけでございます。
 最後に、この第四号にございまする、「有線テレビジョン放送施設を設置することがその地域における自然的社会的文化的諸事情に照らし必要であり、かつ、適切なものである」ということにつきまして、その地域におきます自然的と申しますのは、いわゆる地域の状況、受信障害の状況であるとか、あるいは受信者の分布状況、あるいは需要の動向というものに照らしまして、真に必要であり、かつ適切なものであること、あるいはまたさらにすでに設置されている他の有線テレビジョン放送施設との関係、あるいは他の許可申請というものとの関係もあわせて総合的に判断して、最も適切な施設でなければならないということでございまして、まあこの四つの条件を、そのように私どもは考えておるわけでございまして、適切な審査をしたいと、そういうふうに考えているわけでございます。
#128
○森勝治君 いま適切なということで適切なお答えをされた模様でございますが、私どもの立場から申し上げますと、どうも不適切な御説明がなされたような気がするのです。あなたもおっしゃいましたように、この第四条の四号がどうも私どもは心にかかるのです。その第四条は、ちょっと読み上げますと、「その他その有線テレビジョン放送施設を設置することがその地域における自然的社会的文化的諸事情に照らし必要であり、かつ、適切なものであること。」と、こういう美辞麗句をもっていたしておりますが、一向に適切でない、私はこう指摘をせざるを得ないのであります。「自然的社会的文化的」と、同じテキでも、ビフテキのほうが、まだいけると思うのだが、ですから、許可基準のこの四号が問題になると思うのです。
 これは廣瀬郵政大臣がしばしば指摘されている、おそれが、この四条の四号に盛られているような気がするのです。すなわち、郵政大臣の胸三寸で許可、不許可がこれはきまってしまう、この四条四号で。もしそういうことになれば、情報化社会での言論その他の表現活動が、時の政府の御都合主義によって、制約を受けることになりかねないということを私は最もおそれるものの一人であります。したがって、この規定の運用は、一そう明確にしていかなければならないし、いやしくも、政治介入のおそれがあるのだというそしりは、どうしても受けないように配慮すべきではないか、私は、こう思うのです。
 廣瀬さんは、その点は非常に清廉潔白な人でありますから、ただいま大臣が、どうも私情にからんだというような批判を受けた場合には、郵政大臣はその点を正直に受け取って、今後そういうことのないようにというふうな一大決意を発表される大臣でありますから、廣瀬さんが、佐藤さんよりも長く郵政大臣をやっておられれば、そういう問題は杞憂にすぎないのでありますが、人というものは、やっぱり時と所、必ずしも流水のごとしで、一致をいたしませんから、あなたが大臣をおやめになったあとに、またかわった人が、あなたと同じ考えの人が、いすにおすわりになればけっこうでありますけれども、あなたが指摘されたような問題が、だれかが、それと同じような人が、また再びあなたの後塵を拝することになりますと、時の郵政大臣、廣瀬さんが天下に言明したことが違ってまいりますから、私はそれではいかぬと思うのですね。したがって、大臣、この点を私どもの立場をもって言わしめるならば、この第四条第四号というのは、非常に問題点がある、こんな気がしてなりませんので、いやしくも、批判、指弾等を受けないような明確な措置をしていただきたいのであります。
#129
○国務大臣(廣瀬正雄君) 放送業者にとりまして、最も基本的な、一番大切な、特に配慮しなければならない重要な点の御指摘があったわけでございまして、今度の有線テレビジョン放送法の考え方といたしましては、条文にも明記いたしておりますように、放送法を準用するということになっておりますので、放送番組の編成、これは絶対自由でなくちゃならない、そうしてその準則は、放送法の四十四条の三項にうたっておりますあの各項目を基準にしなければならない、準則にしなければならないという、そのことがそのままこの法律にも準用されますわけでございますが、ただいま御指摘の許可の基準の問題、これまた放送番組の内容と同様にいま非常に重大な条文でございまして、いま御質問にございましたように、時の許認権を持っております郵政大臣の恣意によって、片寄った見解のもとに許可を左右するということになりますと、これはたいへんなことだと思っておりますわけでございます。
 で、これにつきましては、さっき電波監理局長。が御説明いたしましたように、「自然的社会的文化的諸事情に照らし必要であり、かつ、適切なものであること。」と、最初の案はもう少し抽象的に文章がなっておったのでございますけれども、それをかなり具体的にこうして書き改めたわけでございますけれども、それにしましても、ただいま森委員御指摘のような心配が、必ずしもなきにしもあらずということで、その点、衆議院の段階で有線放送審議会を設置すべきだという案が出ましたときに、あわして都道府県の意見も聞くということになりましたわけでございます。つまり、都道府県の意見を聞くとともに、有線放送審議会に諮問するという、原案に比べますと二段の手続をさらに加えることにいたしましたわけでございまして、まあこういうわけで、さらに衆議院の御意見によって一そう慎重を期してまいったわけでございますけれども、運営につきましては、きわめて重要なポイントであると思いますので、万遺憾なきを期してまいりたい。
 これはだれが郵政大臣になられましても、放送行政の精神というものは、そういうものでなくちゃならないということは、これはまあ当然の理でございますから、そういうふうに具体的な局にあたりましては対処すべきであると、私はかたく確信をいたしておりますわけでございます。
#130
○森勝治君 大臣の誠意のほどはわかりました。しかし、先ほど私は水の流れにたとえて、大臣の任期の点について触れながら申し上げたわけでありますが、理解のある郵政大臣が、いつまでも同じ人が、あなたがいつまでも、そのポストにすわることはできないと思うので、したがって、あなたのあとにすわる方が、この四号をもって、おれの独断専行ができると思い違いされては、たいへんでありますから、私は以上の質問を申し上げたところであります。
 それで担当局長にちょっとお伺いしたいのは、この「自然的社会的文化的諸事情」というのは、どうも私どもの頭では、まあ私どもというより、私の頭では理解ができないんですよ。ですから、これをもっとわかりやすく表現すればどういうことになるんでしょうか。かりに、私がこの事業をやりたいと思って申請しようと思ったら、第四条第四号で「自然的社会的文化的」なんていうんじゃ、一体これはどういうことなのか、どうも判読しがたいんであります。ですから、文章はなるほど「自然的社会的文化的」という表現であるが、これ左解釈すれば、よってくだんのごとしというような理解に、平易なことばでひとつお聞かせ願えませんか。
#131
○政府委員(藤木栄君) この「自然的社会的文化的諸事情」というのは、これは、総合的に、そういう「自然的社会的文化的諸事情に照らして」考えるというわけでございまして、まあ要するに、有線テレビジョン放送施設を設置することが、その地域におきまする地況といいますか、まあ大きくいえば、地勢と申しますか、でこぼこがあったりなんかするような自然的な条件、あるいは電波障害の発生している状況であるとか、それからそれを、テレビを受信する受信者の分布状況であるとか、また、そういった需要というものがどういうふうにあるかとか、あるいは先ほど申し上げましたような他の有線テレビジョン放送施設との関係はどうなっているか、あるいはまた、ほかの申請との関係はどうなっているのか、そういったようなことを総合的に検討して判断をすると、まあそういうふうに私どもは理解しておるわけでございます。
#132
○森勝治君 そうしますと、このものさしというのは、どういうものさしですか。いま、おっしゃられたこと、さっぱりのみ込めないんですよ。判定の基準というものが当然出てくるわけですから、おっしゃったようなことでやられれば、私が質問したように、どうも時の権限を持つ大臣によって、どうにでも解釈されるということになって、どうもあいまいもこでありますから、この点は、先ほど私が、若干やゆ的な表現を用いて――恐縮でございますが、適切な御説明でなかったですね、と申し上げましたのは、そういうところなのですから、もう少し具体的に、そういう抽象的じゃなくて、具体的にひとつお答え願えないでしょうか。どうも私はこれはわからないんです、この意味は。
#133
○政府委員(藤木栄君) どうも私の説明のほうがまずいかもしれませんけれども、要するに、第四号というのは――前三号、三つの基準があるわけでございますが、それのほか、技術的な基準にも合致しなきゃならないし、経理的な、あるいは技術的な能力も持っていなきゃならないし、施設計画も持っていなきゃならないわけでございますが、それ以外に、そのテレビジョン放送施設を設置することがその地域とのかかわり合いがどうであるかと、設置することがその地域に対してどういうかかわり合いを持っているかということを「自然的社会的文化的諸事情」という表現であらわしたわけでございまして、具体的には、先ほど来申し上げておりますように、受信状況、受信障害の状況であるとか、受信者の分布状況であるとか、あるいはまた、そういったものに対する需要の動向であるとか、他の施設との関係はどうであるかとか、あるいは他の申請との関係はどうであるかといったようなものを、総合的に検討いたしまして、有線テレビジョン放送施設を設置することが、その地域に対して必要であるかどうか、かつ適切であるかどうかということを判断しようとするわけでございまして、どうも、これ以上ずっと具体的と申しましても、非常にむずかしいかと思いますが、そういったような意味で、この四号の基準を設けたというわけでございます。
 これは普通の法律の案文でございますと、たとえば俗にいわれます公益条項というのがあるわけでございまして、まあ公益的に必要であるというような文もあるわけでございますが、公益的と申しましても、これはまた非常にあいまいでございまして、それよりも有線テレビジョン放送施設というものは、その地域との密着性ということが一番大事なわけでございますので、「自然的社会的文化的諸事情」ということで総合的に判断していこうというわけでございます。
#134
○森勝治君 先ほど衆議院の皆さんに質問をしたところでありますが、衆議院の修正によって、許可処分は当該都道府県の意見を聞いたり、有線放送審議会に諮問をするという一応民主的な形が整ったとはいわれながらも、この審議会の構成、機能などというものは、必ずしも十分だというふうには私どもは伺っておらないんです。私どもとしては、この審議会の構成を強化をして、特に不服申し立ての処理機能までも付与する、そういうものを付与するに値するようなものとすることを私どもは希望するわけでありますけれども、この点、省側としてはどういうお考えなのか、その点ひとつ御説明をいただきたい。
#135
○政府委員(藤木栄君) その審議会の機能につきましては、法律のほうに規定してあるわけでございますが、私どもの政府原案としましては、実は許認可、許可の処分であるとか、省令の制定といったものにつきましては、現在ございまする電波監理審議会に諮問するということを考えていたわけでございますが、衆議院の段階で御修正になりましたかっこうで、新しくこの有線放送審議会というものが設置されることになったわけでございますが、したがいまして、この有線放送審議会は、先ほども大臣からお答えありましたように、許可処分といったもの、あるいは省令の制定、その他一定の重要事項の実施にあたりましては、この審議会に必ず諮問しなければならないということになっているわけでございますが、いわゆる異議の申し立てというものにつきましては、これはすでに現在でも電波法で異議の申し立て及び訴訟の処理というものにつきましては、電波監理審議会で一元的に処理することができるようになっておりますので、私どもとしましては、この電波監理審議会が従来いろいろやってきた専門的な経験もあるわけでございますので、この法律案におきましては異議の申し立て及び訴訟の処理というものにつきましては、電波監理審議会にお願いすることが適当であろう、一元的に処理をお願いすることが適当であろうと、そういうふうに考えて、この法律ができているという状態でございます。
#136
○森勝治君 いまのお話は、電波監理審議会のほうで全部やっちゃうという意味ですか。私のほうで聞いているのは、有線放送審議会に諮問するという、もっと強化をして、特に不服申し立て等についても、それを扱うに値するような機関にしたらどうか、ということを申し上げているわけですから、あなたのほうは、いやそれは電波監理審議会でみんなやっちゃうのだ、こういうお答えだったように受け取るものですから――私のいまの質問はちょっと説明と違いますか。私のほうが、いまのあなたのお答えを早とちりしての再質問になったのですか。その点ちょっとお聞かせ願いたい。
#137
○政府委員(藤木栄君) 私がちょっと説明がまずかったかと思いますが、この衆議院の段階で御修正をしていただきました有線放送審議会というものの機能の中には、先生がおっしゃったような異議の申し立てといったものを処理するようにはなっておりませんで、現在の電波監理審議会のほうで、そういったものは取り扱うように、法律的にはなっている、そういうことを申し上げたのであります。
#138
○森勝治君 ですから、この審議会に――そういう不服申し立てを処理するに値するような審議会に強化をしてもらいたいという、そういう提案を私は出したわけですから、それに対して、強化する必要はない、審議会でやるというお答えなのか、検討してみるというお答えなのか、この点が、私の受け取り方が、明確にお答えがないからわからないのです。ですから、その点を明確にお聞かせ願いたい。こういうことなんです。
#139
○政府要員(藤木栄君) 私どもは、衆議院でこういう御修正をされたわけでございますので、私どもが現段階で、これをすぐに強化するとか言う立場にはないわけでございますが、それでまた、先ほど御説明申し上げましたように、この法律のたてまえから申しますと、電波監理審議会のほうで異議の申し立てを処理するというたてまえになっているわけでございますが、この法律が成立した暁、実際に行政をやりまして、やはり電波監理審議会ではなく、有線放送審議会のほうでやったほうがいいというようなことになれば、今後の問題として検討していきたい、そういうふうに考えておるわけでございます。
#140
○森勝治君 「なれば」じゃなくて、積極的に、私がいま提案めいた、提案というか要望的な、希望的な発言をしているわけですから、「なれば」じゃなくて、そういうのはどうですか、そういうふうな取り上げ方をしてくれませんですか、と申し上げているんですから、そのことにひとつ限ってお答えをいただけないと、私は次に進めないんです。私の質問の設定が、あるいはまずいのかもしれませんけれども、もう一度ちょっと親切にお答えいただきたい。
#141
○政府委員(藤木栄君) 現在の法律で、修正をいただきました個所は、衆議院で御修正になったわけでございますので、これは国会で御修正になった法律に基づきまして私どもは行政をやるということになるわけでございますので、現段階で、有線放送審議会でやったほうがいいかどうかという点につきましては、私どもとしてはちょっと意見を申し上げる段階ではないんじゃなかろうかと申しているわけでございますので、あまり先生の御質問にはっきりしないかもしれませんが、この法律をいろいろ運用してみました段階で、また検討をしてみたい、そいうように申し上げたいと思います。
#142
○森勝治君 そういたしますと、有線放送審議会については、郵政省は意見も何も言わない、こういうことですね。
#143
○政府委員(藤木栄君) これは衆議院の逓信委員会で御修正になったわけでございますので、私どもとしては、国会で御制定になりました法律に基づきまして行政を進めるということになろうかと思いますので、いまの段階ではあくまでも、これに従って行政を進める、そういうことを申し上げるしかないんじゃなかろうかと思います。
#144
○森勝治君 どうもこれは私の早とちりでしょうか、邪推でしょうか。国会で修正したんだからどうぞおやりください、私たちは言われたままやりますと、こういうことなのでしょうか。いまだかつて――私は、郵政省の他の部門の問題につきましても、私が受けた印象を言えば非常に消極的な印象を受けたのでありますが、そういう消極的な印象を受けたお答えはいまだかつて私は一度も受けたことがないんです。国会でどう修正されようとも、その線に従って熱心におやりになるはずだと私は思うんだが、何だかしらぬが、いまのお答えは、他人行儀のようなお答えにしか受け取れない。だから私は執拗に再三再四質問しているんです。国会できまったんだからと――しかし有線放送審議会というものの中身の運営や何か、その衝に皆さんが当たるんでしょう。ですから、その有線放送審議会の機能を強化する、そういう意味で不服申し立て等についても、それを処理できるのに値するような、審議会の運営をそういうふうに持っていったらどうかという話、当然あなた方はそれは好ましいとか、好しくないとかという意見が、開陳されてしかるべきなのに、それは避けて通られて、国会が修正されたんだから、それに従ってやりますと、きまればそのとおりやりますと、こういうお答えがはね返ってまいりましたから……。これでは、自分たちが提案したのと違うから、それなら、出されたとおり、どうぞひとつ自由におやりくださいと言う。私の立場をもって言わしめるならば、投げやり的なお答えとしか受け取りようがないのです。だから三回も四度も同じ問題をめぐって私は――あなた方から見れば、森のやつ質問をねちねちやってと、お思いかしれませんけれども、私はこの点どうもわれとわが心に聞かせて、私の質問に明快なお答えをいただけないから、もう少し解明をしていただきたく、こうやって再三再四質問をしているわけです。この点ひとつ大臣のほうからお答えをいただきたい。
#145
○国務大臣(廣瀬正雄君) 衆議院の段階の修正でございますけれども、そのような修正が衆議院で行なわれたことは事実でございまして、それはけっこうでございますと、私どもも了承してお答えを申し上げているわけでございますから、しかもそういうような法律案に変わっていま参議院の段階で御審議を願っております。でございますから、この有線放送審議会は、私ども政府の案としていま御審を願わなければならないということは当然だと思うわけでございます。
 ただ、まあ電波監理局長が答弁いたしましたのは、せっかく有線放送審議会というものを設置すべきだという、きわめて有効な、ごりっぱな御意見が出ておりましたわけでございまして、これは最もこの機関というものは尊重して、最も効率の高い審議会として利用さしてもらわなくちゃならぬわけでございますが、ただ、異議の申し立てと、訴訟の処理については、電波監理審議会のほうが専門家もおりますし、仕事もなれておるから、そちらのほうが、よくはないだろうかという意見でございましたけれど、そのような意味でお答えいたしたわけでございますが、しかし、せっかくできた有線放送審議会でございますから、いま森先生のおっしゃられましたように、そういう問題も有線放送審議会で審議してもらうということが、かえって有効ではないかと、かように考えるわけでございますから、ただいま局長からお答えをいたしておりますように、前向きでその問題をひとつ検討してみたいと、こういうふうに考えております。
#146
○森勝治君 郵政大臣の改善命令ですね。この改善命令につきましては、視聴者保護に名をかりた監督権限の強化をはかったものであると、こういうふうに言う方々もおるわけです。なるほど監督権限が強化されたわけですからそういうこともありますし、特に、この衆議院修正にかかわるあきチャンネルの利用、このあきチャンネルの利用者の利用金ですね。料金までタッチするということは、これはもう番組介入のおそれがあるのではないか、こういう声もまた伝え聞くところです。したがって、こうした批判というものは当然これはもう払拭していかなければならない。私はこう思うんでありますが、この際、この改善命令の対象とされた限度、方針等についてひとつお聞かせをいただきたい。
#147
○国務大臣(廣瀬正雄君) これは私承ったところによりますと、最初の修正案は、料金のほかに、その他というような文句がございまして、誤解を招くような節もあったように聞いておりますわけでございますけれども、そういうようなことでは、いま森委員御指摘のような誤解を招くおそれがありますので、ということで、料金だけに特に限定をいたしまして、条文を変えたわけでございまして、料金以外の広い意味における改善命令を出すということは全くできないと、こういうふうに解釈いたしておりますわけでございます。
#148
○政府委員(藤木栄君) この改善命令の第二十四条の第三項ですかの、いま大臣がお答えになりました以外のものにつきまして申し上げます。
 この第二十四条の初めの項は、いわゆる改善命令の対象といたしまして、有線テレビジョン放送施設者に対して、施設計画の変更であるとか使用する周波数の変更、それから使用条件の変更といったようなものにつきまして改善を命ずることはできる。それから第二番目の項としましては、いわゆる再送信を行なう有線テレビジョン放送事業者に対しまして、この役務の提供条件の変更、その他その事業方法の改善といったことにつきまして命令を発するわけでございますが、この改善命令の限度というものにつきましては、この制度を設けました趣旨に照らしまして、必要不可欠な限度におきまして改善命令を出すということでございまして、この第三項も含めまして、この有線テレビジョン放送番組の規制というような、言論活動に関する統制というものにつきましては、もちろん行なおうとするものではないわけでございまして、あくまでも業務の面、あるいはこの料金の面、あるいは技術的な面だけを対象としておるというわけでございます。
#149
○森勝治君 現在、届け出によってCAテレビを営んでいる者が、本法の許可対象となる施設は、どの程度あるのか、また、その施設に技術水準というものを適用した場合、一体どうなる見通しかお伺いをしておきたい。
#150
○政府委員(藤木栄君) 現在届け出を出しておる、こういった有線テレビジョン放送施設は約九千五百あるわけでございますが、そのうちこの法律の対象になるのは約二百と私どもは推定しておるわけでございます。その個々の施設につきましてまだ十分に検討しておるわけではございませんので、はっきりしたことは申し上げるわけにいきませんけれども、いまおっしゃいましたような技術基準その他に照らしまして確かに問題がある施設もあろうかと思います。しかし、現在まですでに長年この施設を運用しておるわけでございますので、それが不許可になって停止するということは好ましいことではございませんので、私どもとしましては、この法律案が成立しました暁におきましては、この申請が出てくるわけでございますので、その申請を見まして、問題があるような場合は、十分に行政指導いたしまして、実際に不許可にならないように十分に配慮したいと、そういうふうに考えるわけでございます。
#151
○森勝治君 それは現実に可能ですか、国が一定の基準を設け、法律制定の暁に、この基準に合致しない業者の存在を善導することはわかりますけれども、特に、この報道関係ですから、基準に合致しないものを、そのままやむを得ないということで、放任しておくことがいいでしょうか、その辺はどうでしょう。私は、その辺は郵政省が最善の努力をし、指導育成をして、この法の制定の暁には、この法律に照らしても、堂々と歩いていける、そういう事業者として、これはもう保護ということばは悪いですが、育成指導することが最も大切ではないかと思うのですが、どうですか、この点は。
#152
○政府委員(藤木栄君) おっしゃいますように、私どもとしましては十分に行政指導いたしまして、不合格のためにその運用が停止されるということのないようにいたしたいと思います。
 なお、実際に、たとえば技術的な施設が技術基準に適合しないということもあろうかと思いますが、省令の段階で、いわゆる経過措置を設けまして、すぐに、この技術基準に適合しないからといって停止するというようなことのないように、私どもも、先ほど来申し上げましたように、十分に指導しまして、りっぱな施設にしてもらって正式の許可をするようにいたしたいと、そういうふうに考えている次第でございます。
#153
○森勝治君 この法律が実施されれば、従来は、届け出で足りたものが、許可制になるわけですから、しかも、この法律の志向するところは、民主的な行政を目指しておるわけですから、事務量も当然これはふえてくるわけです。したがって、そうなれば現行の職員でまかない切れないような気がするわけですが、この点はもう法改正に備えて、いま政府が提案をされているわけですから、そういう事務職員の分担等についても十分配慮をしておられるのですか。これからどう対処されようとしておられるのですか。いずれか一つお答えをいただきたい。
#154
○政府委員(藤木栄君) この法律案の施行によりまして増加することが予想されまする事務量につきまして、いわゆる予算要求をいたしておりまして、今年度すでに認められているわけでございますが、わずかではございますけれども二名という増員が認められておりますので、その増員及び現在員の活用によりまして、当面対処するという考えでございます。
 なお、来年度につきましては、あらためて必要な増員要求を行ないたいと、そういうふうに考えているわけでございます。
#155
○森勝治君 あらためて定員要求をされてみるとおっしゃいましたが、二名ということは最初要求された数字とだいぶ違いますね。この点をひとつこの席上で明らかにしてくれませんか。
#156
○政府委員(藤木栄君) 私どもこの予算要求の段階では、本省に七名、地方の電波監理局に十五名という人間を要求したわけでございますが、残念ながら認められた増員数は、本省が二名だけでございまして、地方の電波監理局はゼロと、そういうことでございますので、また来年はさらにその要求をいたしたいということでございます。
#157
○森勝治君 ことしだめだから来年、将来に希望をつなぐ遠大なお答えをいただいたわけでありますが、それではこの仕事を扱う職員はたまったものじゃないと思うのですね。大臣、これどう考えますか。こういうことこそ、私は回会でこれだけ大ぜいの皆さんが長年にわたってこの問題を審議してきて、ようやく日の目を見ようとするこの段階で、二十二名定員を要求して、郵政省が水増しをしたというなら別だが、二十二名要求して、普通なら頭のほうの分二十名を採用するかと思ったら、しっぽのほうの二名だけくっつけたというのですね。これで国民の有線放送の電波を一手にここで扱う、これは無理なことだと私は思うのです。したがって、予算は通ったと言いながら、現実に二十二名要求して二名ではやっていけないと私は思う。もし向こう一年間完全にやれるとするならば、郵政省は二十二名、それは、サバを読んだ要求だとわれわれは断定しますよ、 いいですか。二十二名要求して二名で向こう一年間やっていくとするならば、これはサバ読み要求で、郵政省の予算要求なんていうものは、定員要求なんていうものは、絵そらごとだと、信用するにあたらぬと、私は一年後に言いますよ、もしそのとおりやれたら。
 それはひとつしっかりやって下さいよ。その点は特に大臣というよりも、これは実際事務を扱っている電監局長以下の職員はお困りなんですから、二十二名要求して二名でやっていきます、また来年要求します、それでできるならおやりなさい。二名で向こう一年間できたら――郵政省の少なくとも電波行政に関する定員増の要求なんていうのは、われわれは、いま電波の話ですから、雲をつかむような話をしているわけです。電波ですから、あなた方の定員要求も、雲をつかんだような定員要求だったと言いますよ。しかし、職員は、かすみを食っては仕事できないでしょう。その点はたいへんな量が、重圧が職員にかかってくるでしょう。特に、法制定して、これから一つ一つみんなピックアップしていくんでしょう、たいへんなことじゃないですか。もし定員がだめならば、これはあまり適切な方法ではないが、臨時の職員をもって充てるとか、他の応援部隊でもって充てるとかしなくては、やっていけないのではないでしょうか、その点どう考えておられますか。
#158
○国務大臣(廣瀬正雄君) これ全く私の非力の結果でございまして、決して郵政省が増員を要求いたします場合は、この問題についても同様でございましたけれども、決してサバを読んで過当な大きな数字を要求したわけではないので、実態に即した最少人員を要求いたしておったわけでございますけれども、定員の問題については、予算折衝のたびごとに、ほんとうにむずかしいということを痛感いたしておりますわけでございまして、今度政府の、省の責任者として、予算問題にタッチしましたのが初めてでございますけれども、党におりましたときにも、各省の予算の問題には、関係させられて、毎年ずいぶん、ねばって奮闘しておりましたわけでございますけれども、政府としましては、行政の簡素化、整理というようなことで、だんだん、頭から何%減員するようにというような要求が強く出ておりますわけでございまして、これに対して、増員ということは、非常に難事中の難事でありますわけでありますが、しかし、最も大切なことは、仕事がふえたからといって、不当な労働過重と申しますか、労働強化になってはならないということが、私どもの最も真剣に考えなくちゃならない問題でありますわけでございますので、二十数名、中央と地方を合わせまして要求したうち、わずか中央だけ二名しか認められなかったということは、いかにも残念でございます。
 ほんとうに、どうしたらいいかというような気持ちがいたしておりますわけでございますけれども、まあ現在員を活用いたしまして、できるだけの差し繰りというようなことも、これも全く私は余裕はないと思いますけれども、あらゆるくふうをこらしまして、そういうような方法も講じなければならぬと思いますし、また、定員の獲得ができるまでは、賃金をもって報いるという努力もしなければならないと思うわけでありまして、しかし、御指摘は、まさに私はそのとおりだと思うのでありまして、今後とも、と申し上げましても、単に言いのがれにお聞きとりになるかもしれませんけれども、これはほんとうに、努力しなければならない大きな、私どもの責任者といたしましての責任であり、努力の目標でありますことは、間違いないわけでありまして、本年度の予算の編成にあたりましても、ずいぶんがんばったのでありますけれども、とうとう目的を達することができなかったわけでありますが、こうした努力を毎年繰り返してまいりまして、支障のない事業の運用ができますように、さらにみずからを鞭撻いたしまして、また、私がやめました後も、関係者がおりますわけでございますから、御指摘の方向について十分努力を重ねてまいりたい、こういうように考えております。定員の問題については、ほんとうに言いのがれの、抗弁の余地はないわけでございまして、この点ほんとうに残念に思っておりますけれども、今後の努力にひとつ待っていただきたいとこういうように考えております。
#159
○森勝治君 私の質問はこれで終わりますが、終わりにあたって、私は大臣に一言聞いてもらっておきたいと思うのです。
 それは、私は質問の中でもしばしば申し上げましたように、この法律が、かりそめにも、言論統制を強化したという、そしりなどを受けないように、配慮していただかなければならぬと思うのです。いわゆる官僚統制などということばが出てこないように、民主的な運営を心がけていただかなくちゃならぬと思うのです。
 それから、先ほどの質疑応答でも明らかになりましたように、第四条のうちの、なかんずく第四号の、問題の大臣裁量の問題につきましては、郵政省はすでにもうもとの大臣が世の指弾を受けたものでありますから、そういう点はひとつ十分配慮をしていただいて、時の大臣の、あるいはまた時の政府の意のままに免許がおりるというようなことのないように、この運営等に当たりましては十分ひとつ配慮をしていただきたいと思うのです。
 さらに、この有線放送に端を発しましてこの法律等ができますならば、これは実施の段階には、当然有線放送審議会というものが誕生することに相なるでありましょう。そういうときには、従来のような審議委員等の委嘱等の問題につきましても、一方的なものでなくして、各界各層の学者、学識経験者等を含んで、その点はやはり国民的視野に立った、いわゆる消費者保護と申しましょうか、国民の福祉を増進するというたてまえの運営のできるような委員の選び方等もしていただきたいと思うのであります。
 その他たくさんあるのでありますが、私が言わんとする問題につきましては、私が質疑の中で断片的に私の意見をまじえてお話し申し上げておりますから、そういう点を十分ひとつくみ取っていただいて、この法が制定の暁には、ひとつ国民の期待に十分こたえるように御努力をいただきたいことをお願いをして私の質問を終わります。
#160
○委員長(杉山善太郎君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#161
○委員長(杉山善太郎君) 成瀬幡治君から発言を求められておりますので、この際発言を許すことにいたします。
#162
○成瀬幡治君 ちょっと資料をお願いしたいのですが、保険関係のことで。岐阜郵便局でございますが、簡易保険の超過契約の疑いがありますから、この点についてどうなっておるかの点がひとつ資料としていただきたいのが第一。
 それから第二の問題は、会計と申しますか、経理関係のことでちょっとお願いしておきたいのですが、昭和四十六年十一月十五日、静岡市の木材町の魚勝というところに経費が支払われておりますが、これはどういうことか。その内訳をしっかり聞かしてもらいたいと思います。二番目は、それと同じようなことでございますが、伊勢局のことでございますが、伊勢局で昭和四十六年一月から昭和四十六年三月までの間に、伊勢市の八百正というところに十一件ほど金が支払われております。これは、この二点について特に申し上げておきたい点は、少なくとも支払われた額が千円単位になっておる。たとえば五万三千円払ったとか、二万九千円払ったとか、これはもうこれだけ申し上げたらおわかりになると思いますが、少なくとも料理屋に払われておる金がそんなふうになっているのは少しおかしいと思います。ですから、そういう点はどういうわけか、その内訳をしっかり聞せてもらいたいと思います。税金はたとえばどのくらいあったのか、こまかく内訳が聞きたいと思います。それから第三番目は、経理関係でお尋ねしておきたい点は、静岡県の袋井局で非常勤の職員の経費関係について、少なくとも架空の額がつくられて支払われていやしないかどうか、その疑いがありますがその点。
 経理関係はこの以上三点です。
 それから三番目に、人事の問題でお尋ねしておきますが、資料提出を要求するわけですが、昭和四十五年四月から昭和四十六年三月末までの名古屋郵政局管内で、普通局で課長代理、主事、主任の昇任名簿を出してもらいたい。しかもそれは一組と二組の色分けをはっきりしてもらいたい。その員数で何人昇格したというようなことじゃなくて、色分けのほうに主点があるわけですから、色分けを出していただきたい。そして、しかもそれはこの八日までの次の委員会までに出してもらいたいと思います。
#163
○委員長(杉山善太郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#164
○委員長(杉山善太郎君) 速記を起こして。
 委員長から特に申し上げますが、ただいま成瀬幡治君からの資料要求に対しまして、経理関係は浅見経理局長、それから保険局関係は野田簡易保険局長、人事関係は北人事局長から、来たる八日まで、若干時間もありますけれども、非常に重要な案件だと思いますので、親切丁寧な資料を提出することを特に委員長から要望申し上げておきます。
#165
○国務大臣(廣瀬正雄君) 成瀬委員並びに委員長から御要請のありました資料につきましては、早急に整えまして提出することにいたしたいと思っております。
#166
○委員長(杉山善太郎君) それでは、本日はこれにて散会をすることにいたします。
   午後三時五十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト