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1971/06/08 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 逓信委員会 第20号
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1971/06/08 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 逓信委員会 第20号

#1
第068回国会 逓信委員会 第20号
昭和四十七年六月八日(木曜日)
   午前十時十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月七日
    辞任         補欠選任
     塩出 啓典君     山田 徹一君
 六月八日
    辞任         補欠選任
     山田 徹一君     塩出 啓典君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         杉山善太郎君
    理 事
                植竹 春彦君
                長田 裕二君
                古池 信三君
    委 員
                今泉 正二君
                郡  祐一君
                白井  勇君
                新谷寅三郎君
                西村 尚治君
                松平 勇雄君
                鈴木  強君
                松本 賢一君
                塩出 啓典君
                木島 則夫君
                青島 幸男君
                松岡 克由君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  廣瀬 正雄君
   政府委員
       内閣法制局第四
       部長       角田礼次郎君
       郵政大臣官房長  森田 行正君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   柏木 輝彦君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   牧野 康夫君
       郵政省電波監理
       局長       藤木  栄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
   説明員
       文部省社会教育
       局青少年教育課
       長        川崎  繁君
   参考人
       日本放送協会専
       務理事      松浦 隼雄君
       日本民間放送連
       盟専務理事    杉山 一男君
       新聞通信有線放
       送協議会政策委
       員会幹事     尾崎 芳雄君
       下田有線テレビ
       放送株式会社社
       長        竹河 信義君
       国際基督教大学
       教授       一瀬 智司君
       東京ケーブルビ
       ジョン池袋地区
       視聴者      松原 保広君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○有線テレビジョン放送法案(第六十五回国会内
 閣提出、第六十八回国会衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(杉山善太郎君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 本日は有線テレビジョン放送法案を議題といたします。、本日、参考人といたしまして日本放送協会専務理事、松浦隼雄君、日本民間放送連盟専務理事、杉山一男君、新聞通信有線放送協議会政策委員会幹事、尾崎芳雄君、下田有線テレビ放送株式会社社長、竹河信義君、国際基督教大学教授、一瀬智司君、東京ケーブルビジョン池袋地区視聴者松原保広君、以上の六名の方の出席を願っております。
 この際、参考人の方々に委員会を代表いたしまして一言ごあいさつを申し上げます。
 皆さんには御多忙のところ御出席いただきましてまことにありがとうございます。本日は、当委員会におきまして審査を進めております有線テレビジョン放送法案について参考人の方々の御意見を賜わり、本案審査の参考にいたしたいと存じております。何とぞ忌憚のない御意見をお述べくださいますようお願いいたします。
 なお、議事の都合上、御意見をお一人十分程度順次お述べいただき、そのあと委員からの質疑にお答えを願いたいと存じます。また、御発言の順序につきましては、かってながら委員長に御一任を願いたいと存じます。
 それでは、まず最初に松浦参考人にお願いいたします。
#3
○参考人(松浦隼雄君) 本日、有線テレビジョン放送法案の審議にあたりまして当協会の意見を申し述べる機会を与えられましたことに対し、厚くお礼申し上げます。この機会にこの法案に対する協会の基本的な要望並びに法案に対するその他の意見を申し上げたいと存じます。
 その意見を申し上げます前提といたしましてこの有線テレビジョン放送法案、特に第二条に明記してございますように、「公衆によって直接交信されることを目的とする有線電気通信の送信をいう。」と、第二項で「再送信を行なうための受信空中線その他放送の受信に必要な設備を含む。」となっておりますけれども、「有線電気通信の送信をいう。」ということで、「有線ラジオ放送以外のものをいう。」というようなことの中に、やはり幾つかの問題点を内蔵しておるというふうに存じます。しかしながら、現在のこの種の事業が、二十年前に定められました有線放送業務の運用の規正に関する法律ということを準用して届け出制によってやっておるというような点を勘案いたしますと、さらにこのケーブルの利用の将来の発展性ということもいろいろ問題を持っておりますけれども、現在が届け出制であるということから考えますと、基本的には何らかの法的措置が現在の時点において行なわれることについては、基本的に賛意を表するものであります。しかしながら、いま申し上げましたように、幾つかの問題があると思いますので、具体的意見を申し上げます前に、そのことについて触れさしていただきたいと思います。
 第一に、将来の可能性ということでございますが、たとえば双方向通信等含めた、要するに新しい情報システムとしての発展の可能性を持っているものがこの有線利用ということでございますが、現在までのいわゆる放送ということ、それから有線電気通信、この二つの基本的な概念と、この新しいものとの関係をどういうふうに規定するかというふうなことについては私どもの解釈ではここに出ております有線テレビジョン放送法案では触れておらないというふうに思うのでございますけれども、この辺をいまの時点では明らかにすると同時に、一つの法体系としては引き続きこの種の放送並びに有線放送あるいは有線電気通信という相互関連について一つの基本的な考え方をできるだけすみやかに確立する必要があるということを、この裏側の問題としてまず第一に申し上げたいと思います。
 第二の問題としては、きわめて現実的でございます。この法案がいろいろ言論的な立場から問題になる大きな問題は、いわゆる自主放送、これがほんとうの有線電気通信の送信、公衆に直接受信されることを目的とする有線電気通信の送信という意味は、主として自主放送ということにあって、いわゆる既成のテレビジョン放送の再送信という点においては、憲法並びに放送法によって言論の自由その他の問題については保障され、すでに現実にそういうものが確立しておるというふうに考えますので、この法案の中で、主として言論問題に関する問題は、自主放送と、あるいはそのほかの新しい情報手段の提供というところにあると私どもは思うのでありますが、一方ひるがえって現実を考えてみますと、現在わが国において、いわゆるケーブルを利用してやっております、私どもはテレビ共同受信施設と言っておりますけれども、この数は、概数約一万一千、それによってテレビを見ておられる方の数が約八十三万ということでございまして、その中で現実に自主放送を行なっている施設は、私どもの承知しております限りにおいて六施設でございまして、その一万に足らざるところの聴規者の方がそのことにかかわっておられるという、こういう片方の現実がございます。
 で、さらに、当協会といたしましては、国会等においても、協会の事業計画その他御審議いただく際にすでに明らかでございますけれども、全国の難視解消ということは、辺地、都市を問わず、協会としての最大責務ということになって、それについて及ばずながら、できるだけの努力をしておる現状ということとも考えあわせますと、この法案の成立によって、直接的な聴視者と協会との関係あるいはその難視解消というその事柄が阻害されるようなことがないように、適切なる御配慮をお願いしたいというのが偽らざるところでございます。
 以上、たいへん前提的に申し上げましたけれども、次に、その基本的要望として協会がお願い申し上げたいことを申し上げます。
 第一に、いまも申し上げましたけれども、NHKは、放送法に基づいて難視解消のために置局のみならず、共同受信施設の設置あるいは都市その他新幹線あるいは新しい住宅団地等における受信改善措置を進めておりますし、今後もさらに積極的な解消施策を講ずることとしておりますけれども、この有線テレビジョン放送法案の立法されるにあたりまして、このような私どものやっております難視解消のための諸施策が、聴視者の側から見て、これが円滑に行なわれるように格段の配慮をお願いしたいということでございます。
 で、それをもうちょっと具体的に申し上げますと、第一に、難視解消を目的としてテレビの再送信だけを行なっておるような共同受信施設、それがこの法案でいきますと、業務として、たとえば第三章第十三条に、受信障害区域においてテレビジョン放送を行なう放送局を開設しているすべての放送事業者のテレビジョン放送を、そのまま再送信しなければならないというふうに規定しておりますので、その辺はたいへん適切だというふうに考えますけれども、第十四条の(役務の提供条件の認可)というところで、その第二項の一、たとえば「役務の料金が業務の能率的な運営の下における原価に照らし妥当なものであること。」というふうになっておりまして、一応この有線テレビジョン施設者が、テレビの再送信ということだけをやるというような場合についても保障されておるわけでございますけれども、実態を考えてみますと、かなり問題がここにあると考えます。
 第一の点は、この法によって施設者たることを認可された施設者が、いつこの施設のサービスを実際に提供するか、それについては、期限、期間を限定しておることもこの法案の中に盛られておりますけれども、テレビジョンの難視の解消ということは現在の急務でございまして、たとえば何年か待てるというものではないという点が第一点。
 それから、これに対する現在の聴視者の負担というものは、私どもで申しますと、本年度四十七年度で申しますと、協会が、たとえば辺地におきまして三万二千円を――平均三万二千円を負担する、住民の方々は五千円を負担する、そして月々の維持料が百円であるという程度のものが、現実にいま行なわれているテレビの難視解消のための住民の負担であります。それに対して、この法によって、第十四条において確かに「原価に照らし妥当なもの」というその他の規定はございますけれども、いままでの少なくともわが国における実績並びにいろいろな諸権威の検討の結果によれば、それは、先ほど申しました数字をかなり上回るということが率直に申し上げて予想されます。たとえば、一例でございますけれども、設備に一世帯当たり五万円、それから月々の維持に少なくとも千円の声を聞く程度のものが必要ではないかというようなことも、いままでの実績に照しても、ある程度、これはいなめない事実ではなかろうかというふうに考えるわけでございます。そういう意味で、冒頭に申し上げましたように、この有線テレビジョン法案によって、新たに有線テレビジョン放送施設者ができることについては、私どもは、あとに述べるような理由で反対いたしませんけれども、この現在まで行なっております難視聴の解消ということが、最低の、受信者の負担において、消費者の負担において行なわれる点を保障する何らかの適切な措置を講じていただきたいということが、要望申し上げる第一点でございます。
 それから第二点といたしまして、この中で、このCATV法人と設置予定地域というものができると思うのでございますけれども、きわめて現実的な問題として、その中において、これはこの法によって施設者ができたんだから、そこは、そこが簡単にいって、独占するということを強くやられますと、しかも、それが直ちにサービスを開始しない、しかし、住民の方々のテレビを見たいという要望は、非常に強いというような場合におきましては、やはりその中で、いわゆる有線テレビジョン法という、施設者というよりは単なる共同受信施設の設置と再送信、難視解消のための共同受信施設の設置ということが可能であるような措置をやはりしていただくように希望いたします。
 それからこの有線テレビジョン法案によってこの施設者、あるいはこの事業の中に加入される加入者の方々も、私どもにとっては、放送法によって協会と受信契約をなされた方でございますので、この辺のことについても、御審議の中で明確にしていただきたいと思います。
 以上がこの法案とNHKとの関係について御要望申し上げる点でございますけれども、それを総括して申し上げますと、要するに、協会の場合には放送法第七条あるいは第九条四項によって、私どもは、全国あまねく受信できるような措置をしなければならないというふうに考えております。そして、この有線テレビジョン法その他の問題につきましては、その一つの手段であるというふうに考えております。したがって、現在のような置局、あるいは共同受信施設ということのほかに、新しい技術の開発、あるいは第三章によるいろいろな手段というものは、一つの手段として、やはり第七条にうたわれた全国あまねく受信できるように放送し、かつ第九条に行なわれた措置しなければならないという条項を全うすることが、われわれの責務であるというふうに考えておりますので、以上のような御要望を申し上げたわけでございます。
 それから一方、これは、現在は、先ほど申し上げましたように、きわめて微々たる数でございますけれども、現在の世の中の進展ということを考えあわせますと、自主放送というようなことについても、やはりこの法案の中で十分検討しておく必要があるだろうというふうに考えます。それを具体的に申し上げますれば、自主番組ということでございますけれども、この自主番組というものもやはり言論報道の一つであるということを考えますと、法において自主規制の原則ということのもとで立法されるということを強く要望いたします。
 以上が基本的な点でございますが、個々の問題として幾つか付け加えさしていただきますと、まず、施設に関する事項といたしまして、これのいろいろな認可にあたっての問題を、有線放送審議会というようなかっこうで有線放送審議会に諮問する、それから関係都道府県の意見を聞くということで、慎重を期するというような立法の趣旨ということについては、賛意を表しますけれども、先ほど申し上げましたような、テレビの再送信だけを行なう施設というものと、それから自主放送がらみのこの種の問題というものとを、お考えいただきまして、テレビの再送信のみを行なう施設については、その取り扱いについて十分御配慮をいただきたいと考えます。
 それから、第九条にございますように、この施設について、施設提供を義務づけたことは、言論独占排除という見地から望ましいというふうに考えます。
 それから、業務に関する事項でございますけれども、受信障害発生地域において――第十三条、第十四条でございます、受信障害発生地域において再送信を義務づけたということ並びにその再送信だけの提供について契約し得るようにした点は、先ほども言及いたしましたように、望ましいと考えますけれども、この場合の料金は、受信者保護の立場から、また、放送受信料との関係からも、できる限り低廉なものになるように希望いたします。
 それから十七条あるいは二十二条、二十五条におきまして、たとえば有線放送審議会に諮問の上三ヵ月以内の業務停止というようなことがうたわれておりますけれども、いかなる場合に違反があったとするのか、その判定というものは影響するところがきわめて大と考えますので、慎重な御検討が望ましいと考えます。
 以上のほか、先ほども申し上げましたけれども、有線放送審議会を新たに設けるという点についてはきわめて適切であると考えます。
 それから二十七条において立ち入り検査のことが規定されてございますけれども、これらの運用については慎重な配慮が望ましいというふうに考えます。
 それから最後に、附則の七項において、協会は、その業務の遂行上、必要がある場合には、収支予算等で定めるところにより、郵政大臣の認可を受け有線テレビ施設者に出資することができるとなっている点につきましては、先ほど申し上げました事由でこれは適切であるという序うに考えます。
 以上意見を申し上げましたけれども、冒頭に申し上げましたとおり、これはあくまで現在時点における必要最小限度の立法であるというふうに考えます。将来さらに検討を重ねてより総合的な一つの法体系ができるということを期待するものであります。
 どうもありがとうございました。
#4
○委員長(杉山善太郎君) ありがとうございました。
 次に、それでは杉山参考人からお願いいたします。
#5
○参考人(杉山一男君) 民放連の杉山です。
 有線テレビジョン法案の審議にあたりまして、本日、民放連に意見を述べる機会を与えていただきまして成謝いたします。
 私たちは、今国会に提案されております有線テレビジョン法案には原則的に賛成であります。なぜかといえば、有線テレビが、放送の秩序と調和を保ちながら、ともに発展して公共の福祉にこたえるためには、法的に許可制をとったほうがいいというふうに考えておるからであります。法案に盛られておる有線テレビは、再送信を主たる業務とするものでありますから、放送と切り離して考えることはできないと思います。放送は国民生活に有用なものでありますから、国は、放送が国民の福祉に適合するよう普及発展するように法律で規定されておるのであります。したがいまして、有線テレビもまた、国の方針を具現して、放送の秩序と調和をはかる必要があるのではないかと思います。有線テレビは、放送と同じように報道機関であります。したがいまして、法的規制は最小限度にしておくべきであるというふうに考えております。こういった観点から、少し条文について意見を述べさしていただきます。
 まず第二条の定義でございますが、この条文によりますと、一方向の通信のみを対象としているようになっております。しかし、同軸ケーブルを利用する有線テレビというものは、大容量の通信が可能であるばかりでなく、将来双方向通信も可能になるものでありますので、未来の情報媒体として大きな夢が託されているのではないかと思います。このような観点から、今回の法案は、ビジョンに欠けておるのではないかという見方も成り立つわけでありますが、有線テレビによる双方向通信というものは、米国においても、いまだ実験の段階でありまして、どのような方向で実用化するということについては、まだ明確になっておりません。こういう時期において、双方向通信を法案に盛るということは困難ではないかと思います。一方、都市における建築の高層化によりまして、テレビの難視地区が方々に生じております。この救済策として、再送信を主たる業務とする有線テレビ業務の開始をしたいという動きが全国的に出ております。この社会的要請にこたえて、再送信を主たる目的とする一方向の通信をまず可能にするということは、現時点では適当ではないかと思います。先ほども申しましたように、同軸ケーブルを利用する有線テレビというものは双方向通信が可能になりますので、そうした場合、非常に情報媒体としての価値は高まるわけでありますが、そういう将来性を持っておりますから、近い将来、この双方向通信が可能になるように、有線電気通信法の抜本的改正を期待しておるものであります。
 次は、第九条、施設の他人使用の条文でございますが、現在の、いままでの有線電気通信法によりますと、通信施設を他人に提供する業務というものは、電電公社のみに限られていたわけであります。今回、有線テレビに限り、他人使用の道が開けたということは、有線テレビの将来の発展を促進するものとして歓迎いたします。
 次は、第十三条の二項でございますが、ここで再送信の同意条文があるわけであります。これは既存の放送秩序を守り、その調和の上に立って、有線テレビの発展を期待するものとして、民放連はきわめて適切な条文と考えております。しかし、修正案において、再送信の同意に関し紛争を生じた場合、郵政大臣が調停、郵政大臣があっせんにつとめるということがつけ加えられたわけでありますが、これははたして適当かどうかということでございます。それは有線テレビジョン法案が成立すれば、放送も有線テレビも、ともに郵政大臣の監督下に置かれるわけであります。したがって、大臣が行政行為として有線テレビ許可を与える場合は、当然放送の秩序、あるいは放送の事業者の立場、そういったものを十分考慮しながら有線テレビの許可を与えることになると思います。そのとき、もし何らかの問題があるとすれば、行政指導で行なわれるというのが従来のやり方でございますので、条文に、はたしてつけるのがいいかどうか、この点私たちはちょっと問題ではないかと思っております。
 次は、法案の第十九条に、有線放送審議会の設置というものが修正案で付け加えられてきました。これは、行政の公正を期すということから考えまして、適切な処置ではないかと考えますが、実際の運用にあたりましては、電波監理審議会との関係で円滑な運営をされるよう期待しております。
 次は、附帯意見に、有線テレビとNHKとの関係が付け加えられておりますが、これは有線テレビ法案が成立すれば、当然有線テレビの発展を期待するものと考えますので、NHKとの協調と有線テレビジョンの業務区域内における放送、有線放送の施設とが将来混乱をするようなことのないように、十分な行政指導をしていただきたい、こういうふうに考えます。
 そのほか、この法案には政令、省令にゆだねておるところが非常に多いわけですが、これらの制定にあたりましては、われわれの意見を十分聞いて、それらが反映されるよう希望して、私の陳述を終わります。
 どうもありがとうございました。
#6
○委員長(杉山善太郎君) ありがとうございました。
 それでは尾崎参考人にお願いいたします。
#7
○参考人(尾崎芳雄君) 新聞界を代表しまして尾崎でございます。
 新聞通信各社は、全国的な組織といたしまして有線放送協議会というものを組織しております。六十数社参加しておりますが、それがその下に専門機関として、政策委員会と技術委員会の二つの委員会を持っております。政策委員会は二十五社の委員が出て組織しておるのでありますが、私はそこの幹事ということでこの問題を扱ってまいりましたので、これから私の述べる参考意見は、その政策委員会の討議の結果、最大公約数の意見であるというふうにお聞き取りを願いたいと思います。
 最初の段階で、基本的な問題、新聞界の考えている基本的な問題について述べ、そのあとで、若干、提出されている法案についての意見を申し上げます。
 基本的な考え方の第一点は、有線テレビジョン放送というものの基礎になっております同軸ケーブルというものの解釈についてであります。これは、私たちは、広帯域の周波数帯を非常に多様に活用できるキャパシティを持った、非常に未来に富んだものである、非常に多目的の利用が可能なものであるというふうに、そういう認識の上に立っております。大体、これは皆さまも御承知のことと思うのでございますが、現在若干使われております放送の再送信、地元再送信あるいは区域内再送信とございますが、それから若干の――、自主放送だけではなくて、これが将来発達してまいりますと、われわれの関心もそこにあるわけでありますが、ファクシミル電送、それからキーボードによるいわゆる双方向の対話型の使い方、あるいはテレビショッピング、医療相談とか、CAI、そういう双方向通信の非常に多種多様な使用のしかた、あるいは防犯、防災、自動検針、電子郵便と、これはとてもジャンルは全部網羅できませんけれども、たとえばそういう非常に多目的の使用ができるものである。つまりCATVというふうな表現でずっと来ておりますけれども、私どもはこれは二、三年前からBCNというふうに称しております。つまりブロードバンド・コミュニケーション・ネットワーク。最近郵政当局でいろいろ調査会などを組織しております。文字どおりのコアクサル・ケーブル・インホメーション・システム――CCIS、あるいは通産省でも地域情報というようなことで開発を検討しておりますが、同軸ケーブルというものは、そういう解釈でやるべきである。放送に準じたものだけではない。
 基本的な考え方の同軸ケーブルについての第二点は、その使用が無限であるということです。空中に電波が飛びかっておるのがこれは無線電波でございますが、まあ抽象的に言いますと、それを遮蔽したケーブルの中に圧縮して、その中は自由に電波が飛びかえる。つまりこれはそれに付属する機器とか、あるいはコストとかという問題を別にしまして、純理論的に言いますと、このケーブルを引けば、この媒体は無限に可能であるという観点に立てるかと思います。つまり、そういう無限なものは、いろいろな使い方があるわけでございますが、情報伝達の手段として見るならば、規制すべきものではないということがわれわれの原則でございます。つまりこれは情報媒体として見れば、憲法に保障されております言論、報道の自由、表現の自由ということにかかわってくるのでありまして、できるだけ民間の創意と言いますか、自由な使い方をさせるべきものである。これは、卑近なたとえを申し上げて恐縮でございますが、将来非常に大きな魚になるかもしれないような魚の卵、あるいは一部に稚魚になって泳いでいるものもあるかもしれません。それを池の中で目のこまかい網をかけてみたり、小さな金魚ばちの中に押し込んだりするということは、国民の将来の利益という立場から見て、必ずしも得策ではないのではないか。もっと広いところへ出して、どういうふうに育っていくのかということを、民間の創意を発揮させながら注目していくべきだ、育てていくべきだ。つまり規制よりも助長していく段階が、現在の同軸ケーブルというものについての考え方の基本ではなかろうか、これが私たちの判断でございます。
 以上が二つ、基本的な問題に触れたわけでございますが、この法案のいままでのたどってまいりましたいきさつについて若干お話をいたしますと、これは御承知のとおり、幾度か継続審議という形で延び延びになってきているわけでございますが、これは皆さまも御承知のとおりでございます。私どももこの団体を組織いたしましてから、法案の要綱が示された段階から、郵政当局の御意見もいろいろお伺いしたり、各界の意見も参照いたしまして、また、私たちの考えている見解をそのつどお伝えしたりしてまいりました。現在ここに提出されております法案は、ある面ではかなり進歩的といいますか、施設許可というところにウエートを置いてある点、それから業務上の規制ということがかなり自由にしてある点、進歩的だと思いますけれども、先ほど申し上げました原則に基づきますと、まだビジョンに欠けるといいますか、そういうこともあると思います。昨年のいまごろでございますが、私どもは、この法案は、やはり現在の段階では、やむを得ないんではないかという意見がかなりありました。それはCATVというものは海のものとも、山のものともわからなかったわけでございますけれども、つまり届け出制ということで、乱立といいますか、あちこちにそういう機運が濃厚でありまして、その点でわれわれも多少やむを得ないのではないかというふうに考えたことがございます。
 しかし、現在では、CATVの事業というものは、普通の民間でやる場合にしても、あるいはほかの形でやるにしても、非常にむずかしい。つまり自主放送というものは存在意義がはたしてあるものか、いつできるのかというような状態で、たいへん事業的にむずかしいということで乱立の機運はなくなってきている。また一方、私どもも協力しておりますが、郵政省でやっておられるCCIS調査会、あるいは通産省その他でもやっておられますが、官民協力の調査研究、それから実験の計画が進んでおりまして、そういう結論が出てからでも、この法案に盛り込む問題点というものは、もっと同軸ケーブルというものを大事に育てる問題が幾つか出てくるのではなかろうか、それからでもおそらくはないという判断でございます。したがいまして、今国会で必ずしもこの法案は成立させる必要がない、このような形で成立を急ぐべきではないという立場から、反対の立場に立つものでございます。
 以上に続きまして若干修正案の各条項について意見を申し上げます。
 衆議院に私どもの代表が呼ばれましたときも、若干触れましたので、重複をなるべく避けまして、本院に回ってきておりますこの修正案について、おもに申し上げます。
 この法文、準備しておりませんけれども、第十五条の自主放送についての問題で、料金規定がございます。つまり、自主放送の料金を契約約款に入れて郵政大臣に届け出ることになっておりまして、そのあとの条文で、二十四条かと思いますが、それが非常に基準に合わない場合は、郵政大臣の判断によって料金の事項の変更を命ずることができる。この点は、いろいろ修正の段階で私どもが聞いておりまするところでは、業務改善命令というようなこともございましたようでございますが、料金の問題だけがこういう形で残っておりまして、これは視聴者の保護という立場では独占的な形態になっていて、非常に高いものになってしまった場合に、見ようとしても代替物がないわけでございますから、視聴者の保護という点では非常に意味のあることかと思いますけれども、それがきっかけで、かりにまあ業務運営の内容に介入するような形になりますことを、非常におそれますので、運用についてぜひ御注意をいただきたい。むしろ料金についても、最初から規制を加えるんじゃなくて、自由にやらしてみて、そこで問題が出てきたとき、その民間の自主的な判断に間違いがあれば、それを規制していくという方向が至当ではなかろうかと思います。
 それから第四章の、これは追加された修正の内容でございますが、有線放送審議会の設置は、最初の段階から私どももこういう第三者機関を設けて大臣の諮問に当たるということは、非常に賛成でございましたので、けっこうだと思います。ただ、そのメンバーの構成、運営などについては、民間の総意をできるだけ反映するような運営のしかたを望むわけでございます。
 もう一つ申し上げますが、附帯決議というものが、衆議院からこちらに回ってくるときに四項目ありますが、最初の一、二項目は私どもの考えとほぼ一致しておりますので問題はないのでございますが、双方向通信についての項目がございますが、この同軸ケーブルの最大の魅力といいますか、一番大きな可能性は双方向通信でございます。これはこの法案が通っても、通らなくても、一般的にはできないわけでございますが、ぜひ双方向通信は、この法案には関係ないという言い方ではなくて、もっと前向きに、双方向通信というものを育てていく方向にぜひお考え願いたいと思うわけです。
 もう一つございますが、日本放送協会との問題で、これはたいへんむずかしい問題だと思いますが、都市難視聴解消策との関連で、これをどういうふうに扱うかという問題。われわれの立場から申し上げますと、難視聴に使われる同軸ケーブルの施設と、一般の民間で発展する可能性を持つ施設とが、先へいって、こんがらかるような状態では困るし、非営利、営利にかかわらず許可については、同等な扱いを受けるべきである。まあ簡単に申し上げますと、そういうことでございます。
 まあ以上が大体私の意見でございますが、最初に申し上げました原則にのっとってこの法案が動き出してから、かりに成立しまして歩み出してからでも、ぜひ将来性のある同軸ケーブルというものを、自由な発達をはかるために、その実情に即して、どしどし、法案の改正なり、前向きの方向をお考えいただくように希望するものでございます。
 当委員会の法案の審議に際しまして、参考意見を述べる機会を与えられたことを厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
#8
○委員長(杉山善太郎君) ありがとうございました。
 次に、竹河参考人にお願いいたします。
#9
○参考人(竹河信義君) 私は下田から参りました竹河でございます。ありがとうございます。
 私は、昭和三十六年から下田有線テレビの管理責任者をいたしております。それから昭和四十一年から現在まで下田有線テレビを使って自主放送を行なっております。それから、任意組合でございますが、全国七十七組合をもちまして、全国連合会を組織し、その責任者をいたしております。
 冒頭に申し上げますけれども、私は、今回の法案はやむを得ないものとして、条件つきで本案に賛成いたします。
 条件とは、本案の内容にどうも納得できない条項がありまして、この点の削除を望むものでございます。実は、私はごく最近まで、終始この法案成立反対の先頭に立ってきたわけでございます。だからといって、この有線テレビの規制を全然やらなくてもよいということではございませんでした。今回、やむを得ず賛成に変わりました理由の一つは、行政当局が、本案の成立待ちの姿勢でいるため、有線テレビの設置希望者がたくさんありましても、手続が抑止されておる、こういうことでございます。したがって、それに関連するケーブルとか、機器のメーカー等の業界も沈滞をしております。このような状態でおりますと、逆に有線テレビの将来の発展を阻止するんではないか、このように考えたからで、変わった理由の最大の一つがここにあるわけでございます。
 それからもう一つの考え方でございますが、有線テレビの公共性というものにかんがみまして、規制法案の成立と並行して、当然、助成制度であるとか、制度融資であるとか、大幅な国の予算化によって、有線テレビの育成政策が示されるに違いないと、こういうふうな判断をしたからでございます。衆議院で提案された改正案ですか、十六条を見たときに、その反対給付が、そういう措置が、政府の段階か、議員の皆さんの段階かで、当然発議されるだろうと、こういうことを期待したからであります。
 まあ、いろいろ法案の逐条、私の意見を申し上げる前に、前提の考え方を申し上げますけれども、いままでのテレビ受信行政というものは、非常に一体性を欠いて、特に地方の視聴者の存在が無視されてきたわけでございます。すなわち、関東七都県には、民放五局を許して、その他の県には、一ないし二局しか認めていない不公平が、平然として今日までまかり通ってきております。これは放送局の存在のみにとらわれて、視聴者というものを軽視してきたからではないかと、このように私は判断いたしております。
 こうした場合、かりに十万円のカラーテレビを一台購入いたしますと、関東七都県では七チャンネル見えます。一チャンネル一万四千三百円の負担ですが、地方におきましては、NHKの二局を入れましても、せいぜい四チャンネルが普通です。そうしますと、一チャンネルが二万五千円になります。七チャンネル視聴者に比べて、もうテレビセットを買った時点で、地方の視聴者は四チャンネルで十万円ですから、関東七都県の人に比べると二万一千四百円確実に損をしていると、こういうことでございます。こうした矛盾は、どこに出ておりますかと申しますと、最前、民放連の専務理事さんが申し上げました放送秩序というのを、明治初年に定められた、百年も前に定められた県域行政というものを、即放送の、いわゆる区域と定めているところに問題があり、ここらはほんとうにいま改めなければならない問題ではなかろうか。ここにおいでになります青島さんも、木島さんも、県によっては皆さんの放送は見えないんです。こんなばかな、不公平なあり方はないと、常々考えてきたわけでございます。
 経済や、文化は、必ずしもいまの百年前の行政区域と一緒にはなっておりません。これはその経済なりあるいは文化なりのブロックは、もう独自に形成されている事実をひとつ判断していただきたいと思います。テレビの放送が、今日、文化の媒体として有力なものであるという評価をされるならば、家庭の生活必需品として今日まで普及しておりますこのテレビを、経済的、文化的な後進地域にチャンネルの差別をしないように、むしろそうした地域にとにかく先行投資というような形で、むしろ東京並みにチャンネルを与えることが政治の使命であると、このように私は考えております。これはもう政治家の義務でもあり、あるいは視聴者の私たち国民としては、憲法に保障された国民平等の権利として要求しても一向差しつかえないではないかと、このように私は考えておるわけでございます。
 いま、テレビの電波の再配分を行ない、既設のテレビ局の経営統合を行なうならば、静岡も、北海道も、沖繩も、東京並みの七チャンネルのテレビが見えるわけであります。新聞は、日経新聞も、朝日新聞も伊豆の下田で読めます。ところが、こういう区域をつけますと、東京のテレビが見えないという現実を、なぜいわゆる行政措置で、そういうことをしなければならないかというところに私は問題がひそんでおると思うんです。こうした間違った制度でありますが、しかし、それはこの長い間につちかわれてきた制度であるから、とてもおまえの言うような改革は不可能であるというならば、一歩後退して、有線テレビをもってこの誤りを少しでも補うような対処をすることが私は必要ではないか、このように考えております。
 戦争中の敵国放送や、あるいはどっかの国のように、海賊放送ではあるまいし、同じ郵政大臣が免許したものを、静岡県は見ちゃいかぬよ、関東七都県で、山梨はだめです、こんな考え方がまかり通ってきているところに、私たちは素朴に考えて批判せざるを得ない、こういう気持ちでございます。
 とにかく、政府は、今後、置局を増して、無線であれ、有線であれ、全国津々浦々まで東京並みのチャンネル数を受信できるよう努力する責任があるのではなかろうか、このように私は考えております。
 有線テレビに対して、規制と同時に、育成する政策がなければ、地方の視聴者は救われることはできません。この点、どうかひとつ、まあ議員の皆様方にも地方出身の諸先生方がおられると思いますが、こういう点をひとつ特段のお考え、配慮をされて、奮起をお願いしたいと、こういうふうに考えます。
 以上のような見地から、私は、法第十三条の二項、あそこの民放は見てはいけない、ここは見てはいけないという規定は削除をしていただきたい。これが私が賛成に回った一つの条件でもありますから、その点御理解をいただきたいと思います。
 それから、また、衆議院のほうから回りました修正条項の第四条の、新たに挿入された許可をする際の関係都道府県の意見ということは、関係市町村ぐらいに、やはり市町村という行政単位の、住民に直接関係のある機関のほうがはるかにそれは効果的であり、やはりそのほうが大切ではなかろうか、このように考えます。
 自主放送の規制につきましては、非常にゆるやかになったことは認めますけれども、少なくとも届け出制でもかなりこれは規制ができるわけです。したがって、この自主放送の規制に対しては、皆さんもおっしゃっているように、憲法に保障された言論の自由を侵すおそれが十分考えられるわけでございます。ミニテレビの場合は、マステレビと違いまして、いわゆる視聴者の反応が敏感でございます。私たちの自主放送というものはいわゆる出演者即視聴者、視聴者即出演者であります。したがって視聴者それぞれの自主規制というものができるわけでございますから、その点は、そんなに神経をとがらして規制をしようとか、届け出にしようとかいう必要はないではないか、このように考えているわけでございます。
 本案に対しまして、これは賛成するにしても、反対するにしても非常に紙一重である。この本案が紙一重のところに置かれてあるというふうに私は考えまして、以上申し上げました一つの削除をお願いしたい、修正をお願いしたいという条件つきで、まあこれはやむを得ないだろうということで賛成いたします。
 失礼しました。
#10
○委員長(杉山善太郎君) ありがとうございました。
 それでは一瀬参考人にお願いいたします。
#11
○参考人(一瀬智司君) 国際基督教大学の一瀬でございます。学識者という立場で意見を述べさせていただく機会を与えられましたことを光栄に感謝するものでございます。
 初めに、この有線テレビジョン法につきまして、有線テレビジョン放送あるいはこれはCATVというようにいわれるわけですが、これらの定義というか、規定のしかたにつきまして、これは先ほど尾崎参考人がおっしゃいましたように、現在、郵政省その他におきまして調査会が持たれておりますが、この有線テレビジョンの有線という、この有線がいわゆる同軸という技術的に線を用いるわけで、その同軸ケーブルのその同軸というものの技術的な性格が、非常に技術革新というものに伴ってたいへん将来性があるということが次第にわかってきておる。したがいまして、先ほど来出ましたように、単に一方向のテレビによる放送ということから終局的将来においては、双方向というものに変わる、そういう産業、いわゆる情報産業、俗にわれわれ脱工業化社会、そして情報化社会を迎える、こういうふうにいわれるわけですが、その中の通信媒体、技術的な同軸ケーブル、それをさらに無線と有線をつなぐ、そういうことによる情報化社会というものの一つのメディアになる、そういう方向性を持ったものである。こういう認識のもとに、その最初の段階、現在時点における段階として、無線放送によらざる有線の放送の再送信、それの地域内再送信、それから区域外再送信、そして自主放送、自主放送の次に双方向という段階がくると、こういうふうに指摘されておるわけでございます。
 それに関連しまして、つい最近CCIS関係の調査団といたしまして、最近アメリカのCATV事業の状況、それに対する連邦政府あるいは地方自治体等の規制のあり方、そのCATV事業あるいは双方向をも含めましての実態というようなものを視察してこいと、こういうようなことで参りましたので、それにつきまして申し上げますと、多少日本と事情は違うわけですが、基本的な面で、たとえば非常に既存のこれはCATV事業、あるいはCCIS事業というものは全く新しい一つの産業として、情報産業というか、新規の産業として生まれてきておる。そして育っていくというか、成長していく成長型の産業である。そういう新規の産業、既存の産業でない新規の産業をどういうふうに企業として扱い、あるいは国民として、国としてもどういうふうにそれを育成していくべきであるか、こういうようなことが問題意識としてあるのじゃないかと思うのですが、その点で幾つかの印象をまず前提として要約しておきたいと思うのです。
 アメリカにおける事情の印象を要約してみますと、まず、非常にアメリカの都市におきまして、あるいは都市郊外において、CATV事業、有線テレビ放送事業というものが、民間企業としておおむね成立しておる、つまり日本の東京ケーブルビジョンあるいは阪神ビジョンのように、私企業でない公益法人というふうな形でなく、ほとんどが、まあすべてと言っていいのですが、株式会社、企業として成立しておる。採算も、自主番組をやっておるところはまだ少ないが、一応企業として成立し、採算とれる段階にある。この点が強い一つの印象でございます。
 それから、二番目に、こういったCATV事業を既存の、特に放送企業、放送会社、それから電話電信会社等の、特に放送事業と電話事業との競争的併存あるいは共存ということを国の基本方針として、FCC――連邦通信委員会あるいは連邦通信政策局においてアメリカの場合には共存できるようにという配慮を十分政策上、法律的にも財政的にもとる、こういうのが基本的方向であるということ。
 それから、三番目に、ただに国が、中央政府が強く規制する、そういうことではなくて、むしろCATVの性格から言うと、ケーブル――有線ケーブルを使うわけで、それは、ケーブルはむしろ自治体の道路に関係ある、道路の電柱、あるいは電話線、電話柱等に添架する、または地下埋設する、道路埋設する。そういう点がありますものですから、特に自治体、市とか州とかいう自治体とCATV企業が非常に密接な関係にあって、中央政府としては、あまり強く規制するとかそういう形でなく、大きなワクをはめるという程度にとどめる。
 それから、次には、したがいまして基本的には実際そういう企業が成立し、あるいはある程度サービス内容というものを、役務の内容というものを提供すると、そういうようなことが実態としてあがってきてそこにコンフリクト、紛争というか、問題が起こってきた、そういう際にそれを調整する、あるいはそれについて新しい規制なり助成なりを考えていく、そういう試行錯誤的な方向、これは比較的アメリカの場合には、ほかの産業についても、産業規制その他についても同様なことが言えるわけですが、特にこのような情報型の産業については、そういう方針でやるわけで、そういったような新規に起こってくる企業に対する扱い方というものについては、日本においても、わが国としても参考になるんじゃないだろうか、こういうふうに考えるわけです。
 それからもう一つとしては、有線と無線の組み合わせを考える、つまりマイクロウェーブを使うことを有線テレビにも認める、こういうような、つまり無線と有線をシステムとして政策的に考える。まあこれは通信政策の問題であろうかと思いますが、これらは非常に実際的にアメリカのほうで行なわれておるということからしまして、まあこれは、有線テレビ放送法だけの問題でなくって、無線、有線を通ずる一つの通信政策というものを確立するということで、そういうバックのもとに、この有線テレビジョン放送法というものを考えることが非常に必要じゃないか、こういうふうに思ったわけです。
 そういうような印象を受けたわけですが、まあそういう点から申しますと、有線テレビジョン放送について、もっと先に行って、双方向であるとか、いろいろ実態が確立してから、有線テレビジョン放送法というものを設定したらいいじゃないかというような意見にもなるかと思うんですが、現在のところ、そういった有線テレビジョン放送事業というものについて、根拠法が不在である。全く法律的にそういうような根拠法がないという状態、そういう無政府状態というか、そういうことでは困るわけで、そういう趣旨から、まあ私としては、この有線テレビジョン放送法を拝見いたしまして、特に施設と業務を分ける、まあ分けるというか、施設の面、つまりケーブル等は非常に、道路であるとか、その施設の性格上、非常に、たとえば電気、ガス、水道等の道路行政に関係がある。そういう事業であるわけでして、つまり、ケーブルを地下埋設するとか、あるいは電話線等に添架するとかというようなことが物理的に必要である。したがいまして、完全にそれを私企業、自由企業として放任する、放任企業ということは、ちょっと物理的性格上できないという面が施設の面についてあるわけなんです。
 そういう点につきまして、大体施設については現行の公益事業規制に準ずるようなあるいは類するような形になるかと思うわけで、将来かりにCCIS、情報産業ということになるとしても、施設面については、そういう物理的な側面があるということは注目しなきゃならない。したがいまして、その点については、これは何らかの規制あるいは措置、あるいはある意味ではそれらの施設を助長するような、施設が可能なような方向性を持って処理すると、しかし業務、特に番組その他については、これは完全に自由でなければならない。その意味でこの法案のたてまえが業務と施設を分け、業務については届け出制という形をとっておる。まあ多少、十四条の役務の料金については認可ということがございますけれども、これは多少公共料金的なものに将来なる可能性がございますので、この点はできるだけ、自由価格ということも考えられますけれども、役務の提供条件についてのこの十四条というのは、他の産業その他との勘案で妥当な価格ということは考えられるかと思うわけです。
 それから個々の条文の問題になりますが、第十三条の再送信の二項のところ、これは区域外再送信が多いわけですが、「放送事業者の同意」を得るということがございますが、この点著作権法あるいは著作隣接権との問題もあると思うんですが、同意というのは、放送事業者の了承を得るというような意味で、ある番組を区域外再送信することについて合意というか、了承を得るという程度の趣旨にして、絶対同意しないというようなことはちょっと問題があろうかと思います。その点でこれは衆議院における修正がございますが、「あっせんに適しない」不同意というようなことがないようにする必要があるんじゃないか、そういうふうに思うわけです。
 それから三十条の衆議院の修正のところで、施設の円滑な設置についての配慮といたしまして、抽象的ですが、「国及び地方公共団体は、第三条第一項の許可に係る有線テレビジョン放送施設の設置が円滑に行なわれるために必要な措置が講ぜられるよう配慮するものとする。」、これはいわゆる放送施設の道路使用等その他の問題であろうと思うんですが、これは放送施設の設置が、できるならば、もう少し具体的に道路使用その他、あるいは道路占用その他というような形、あるいはこの施設が円滑に設置せられるように、国及び地方公共団体としてもその新規産業の発達を抑止することにならないように配慮していく必要があるんじゃないか、そのように思うわけです。
 そういうような次第で、こういった生まれてきつつある有線テレビ放送というものが、下田の例では自主放送もやっておりますし、多摩ニュータウン、横浜のニュータウンその他におきましても、実験が行なわれつつある。そしてそれが自主放送等が可能になった場合は、視聴覚教育、教育用の放送というようなもの、あるいは自治体の行政広報用という形で、あきチャンネルを利用することができる。そういう、いわゆる都市づくり、あるいは地域開発ということに、非常に有効な情報媒体になり得るという可能性を持っておるものであるというふうに考えられますので、これらについて、この法律面、あるいはほかの関係法令、税制その他の面からその発達が阻止されることのないように、新規産業を健全な形に育成していただき、あるいはそういうことが、ひいては受信者の利益になるということを考えるわけで、まあいろいろ注文がございますが、根拠法として一応成立させておいたほうがいいんじゃないかというふうに考えて、賛成いたしたいと思う次第であります。
#12
○委員長(杉山善太郎君) ありがとうございました。
 それでは松原参考人にお願いいたします。
#13
○参考人(松原保広君) 本日、逓信委員会に一視聴者として参加さしていただきましたことを心よりお喜び申し上げる次第でございます。
 私は池袋に小ちゃなカメラ屋を営んでいる一視聴者でございます。法律とか、あるいはむずかしい問題で論議するという能力のないことをあらかじめ御了解を得たいと存じます。いろいろ諸先生からむずかしいお話がございましたので、私は、町の一視聴者としての立場からお話を申し上げようと思っておるのであります。したがって、原稿その他は一切ございません。
 私ども池袋に住んでおります住民は、商売をしながら、名司会を聞き、名落語を楽しみ、名講談を聞きながら、毎日毎日商売に励んでいる小ちゃな小ちゃな一零細企業でございます。それが、たまたま、東武デパートさんの名前を申し上げては、たいへん恐縮でございますが、東武デパートさんが昨年――おととしですか、約一年の工期を持って、東武デパートさんが十五階のビルディングを建て始めました。ところが、一階、二階、三階と、鉄筋の階数が増すごとに、名司会者の姿は見えず、名いじわるばあさんの姿は見えない。ただ聞こえるのは、そのことばだけでございました。あのすばらしい毒舌、私は、あえてすばらしいと申し上げる落語家、古典的な講談を聞くことはできても見ることはできません。下田の竹河参考人さんから、私のほうは、一チャンネル二万五千円だと申されましたけれども、私のほうは一チャンネル十万円でございます。何も見えないのです。ゼロチャンネル十万円の日を約一ヵ年過ごしたような次第でございます。
 それで、たまたま一視聴者である私が、これは一体どういうことなんだろうと、さっそくテレビ屋さんを呼んでお伺いしましたところが、わからない。これは、どうしてもわからない。テレビは何ともないのだといって、二回も、三回も来ても、一向役に立ちませんでした。これはしようがない、毎日毎日ただ音は聞こえても、何にも姿は見えない、これじゃテレビとして何の値打ちもない。私どもの裏に、映画館がございましたけれども、今日では、テレビの影響で、つい先日閉館いたしました。普通われわれ庶民の楽しみは、いまやラジオ、テレビ以外にほとんど何もございません。特殊な方の娯楽は別として、われわれ庶民にはテレビ、ラジオというものが最高の娯楽だと私は信じております。そのテレビが、声は聞こえても姿は見えず、これじゃ何かのお話になっちゃいます。
 私は、自分のうちの屋根に、十二インチのトランジスターテレビを持ち上げまして、一体この原因はどこにあるんだろうということで、約一週間にわたりまして物干しに上がったっきり、家内からはおこられます。「おとうさんお客さんなのに何しているんだよ。」と、「ちょっと待ってくれ、お客さんはおまえやってくれ。」と、まことにくだけたことばを使って、たいへん失礼とは存じますけれども、しばらく御了承願いたいと思います。そして、一週間、夜が明けると暮れるまで、屋根へ上がりまして、テレビとにらめっこ、そうしましたところが、東武さんの、だんだんだんだん鉄筋コンクリートが増すごとに――あの大きなクレーンが四台入りました、機材を積み重ねるための、クレーンが四台入りました。私は一生懸命テレビを見ておりますと、そのクレーンが動くたんびに画面が全部ずれちゃう。それが、朝の八時から夕方の五時、六時ごろまでは全然見えません。それが月とともに、だんだん六階になり、八階になり十階になりましたらば、いよいよ何にも見えない。これでは十五万円のカラーテレビは何の用にも立たない。たまたまそのときに、名前を申し上げてはたいへん失礼かと存じますが、西条凡児さんの問題が出ておりましたので、私はたいへんちゅうちょいたしました。
 これは明らかに、デパートができたために、電波公害を受けたには違いないけれども、これを相手の東武デパートさんに、一体どういうふうにお話申し上げたらばよろしいかと思って、たいへん私は、ちゅうちょいたしました。間違って東武さんのほうへ申し出た場合には、私はどういう結果になるかということを、非常に考慮いたしました。しかし、このままでは、われわれ住民は、毎日毎日十五万円のカラーテレビを前に置いて、音だけ聞いて何の姿も見えない。「いじわるばあさん」も見たい、毒舌の有名なあの方の落語も聞きたい、講談もいいじゃないかと思いながらも、何にも見ることはできない。といって、だれ一人としてそれを率先して東武さんに交渉しようとする方がなかなかお見えにならない。
 私は、たまたま商店会の副会長、渉外部長としての立場もございますので、全くその職責を離れて、東武さんへ参りまして、実は、全く私は個人の立場で参りましたと、しかし、テレビが、実はこういうわけでおたくさまの階数が増すごとに、実はこういう状態だけれども、どうかひとつ参考のために私の家の屋根まで一緒に見に来ていただけませんかと申し上げましたところが、東武さんが、非常に好意的に、そうですが、それではすぐお供いたしましょうといって、私どもの屋根に参りまして、テレビを見たところが、クレーンが動くたんびに、階層が増すたんびに、全然見えなくなってしまう。東武さんは非常に驚きました。これはたいへんだと、これは松原さん、何とかしなきゃいけません、というので、それから一ヵ月くらいたちまして、NHKさんの電波公害車と申しましょうか、何と申しましょうか、私むずかしいことはわかりませんが、それが調査に参りまして、前後四回にわたりまして、調査をしていただきましたところが、明らかにこれは、電波公害であるということが決定いたしまして、昨年の十一月に、金額ははっきりわかりませんが、東武さんは、実に数千万円の金をかけてわれわれのために、有線を引いていただきました。おかげさまで、ことしは、もう何チャンネルを回しても十五万円のカラーテレビはゼロ円にひとしいほどよく見えるような状態でございます。おかげさまで貞鳳さんの講談も非常によく見えることを感謝いたしております。
 こういうことで、公害というものは、一体どこから出てくるか、PCBも公害でありオキシダントも公害ならば、電波もこれも一つの私は公害じゃないかと思います。また、今日東京都心として高層建築を建てたら電波公害が起こる、それでは高層建築は建たないほうがいいんじゃないかという論理は通りません。これは明らかに、国なりその高層建築を建てる方の責任において、有線が引けることを私は心よりお願いするものでございます。しかし有線テレビができましてもいまだ日浅く、加入者はたいへん少のうございます。せっかくフルチャンネル見られるようになったわれわれ視聴者は、この法案が通らなければ、やがては仏つくって魂入らずになった場合に、また、音だけ聞いて、姿の見えないテレビジョンの前に、われわれはすわらなければならない。これをどうぞ諸先生方がお考えくださいまして、われわれにも、いささかの娯楽を楽しませていただくことを切にお願いしたいと思います。
 あまり才能がございませんので、むずかしいことは申し上げられません。もし御質問がございましたらば、御質問にお答えするという形で、御容赦を願いたいと思います。
 ありがとうございました。
#14
○委員長(杉山善太郎君) どうもありがとうございました。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#15
○委員長(杉山善太郎君) 速記を起こして。
 これより参考人の方々に質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
#16
○鈴木強君 一瀬先生に二点だけお尋ねしたいのでありますが、同軸ケーブルの利用価値については、尾崎参考人からも先ほどいろいろ御意見がございました。私も、この利用価値については全くそのとおりに理解をしておりますが、これとすなわちビーム線を接続してやるCATV方式等については、いろいろアメリカの御事情等も伺いました。それで、特に問題になるのは、この立法に際して、私どもは、ただ単に、この法案が、当面難視聴を解消するための一つの手段であるとか、あるいはいまCCISでいろいろと御検討いただいております双方向通信等の問題もございますし、さらに多摩ニュータウンにおきましても実験実施協議会というのがございまして、せっかく何か御検討いただいておりますし、最近また何か通産省がメーカー、銀行等とともに映像システムの開発協会というものをつくりまして、それぞれ本格的な検討を進めておると思うのであります。ですから、おっしゃるように、将来日本の放送というものが、ただ単に、難視聴の解消ということだけでなくて、有線、無線の両建てでいくような姿になる可能性というのは、私はあると思うのですね。そういう将来展望の上に立っての法案なのか、その辺は非常に問題があると思います。ですから、これは時期尚早であるので、もう少し法案についてはそういう検討が済むまでは延ばしておったらどうだと、こういう御意見もあるわけです。しかし、また一面、難視聴地域の解消だけであっても解決しなければならない問題がございます。これはNHKの古来の、固有の難視聴の解消という問題とかなり抵触してまいりまして、この点の扱いは非常に慎重に私ども考えるわけです。
 いま池袋の松原参考人からお話しありましたように、実際視聴者から見ると、国民の立場でありながら、ビルが建っちゃって、そのために大事なテレビが見えないということの迷惑を切実に訴えられました。だから、何とかしてこれをひとつ国なり、建設事業者、いわゆる加害者あたり、放送者が十分話し合いをして、そういう迷惑のかからないようにしてほしい。一市民がわざわざ東武へ行って交渉しなければならぬような、そういうばかげたことはないじゃないかということでした。ですから、これは従来の難視聴解消というNHK固有の責務の上に、都市難視聴という新しい問題が加わってまいりまして、これについては、当然加害者のわかっているところは、加害者にも負担をしていただいて、利用者の皆さま方に御不便のないようにするということで、行政姿勢、われわれの意見というものはもうまとまっておるのでございます。ですから、そういうところに、もっと早く手厚く、NHKあるいは民放等ももっと積極的に手を差し伸べて、皆さんに御不便のないようにするのが、私は責務として課されていると思うのです。それが十分いかなかったということは、非常に私は遺憾に思いますが、要するに、そういう意味においてCATVをとらえられているのですね。ところが、十五万円ですか、十万円ですか、加入料を払っている……。
#17
○参考人(松原保広君) 違います、違います。
#18
○鈴木強君 相当高い……。
#19
○参考人(松原保広君) いえ、十五万円のテレビが、何も見えないということを申し上げたのです。
#20
○鈴木強君 だから、相当何万円か知りませんけれども、あとで何でしたら教えていただきたいのですか、最高いまのところ加入料は三万円ですね。私の資料によりますと、下田さんが大体三万程度取られておるということです。いずれにしても、NHKに対して受信料は払い、その上にまたそういうものをそこの地域の人たちがかぶらなきゃならぬということに対しては、非常に矛盾が当然考えられるわけですから、それをどうして救済していくか、こういう実は都市難視聴の新しい問題が出ておりますが、それはそれなりに私どもは行政府に対して意見を述べ、積極的にそういう問題の解消に努力をいただくことにしておるんですが、たまたま都市におきましては、CATVという東京ケーブルビジョンができまして、そのほうで都市難視聴についてもやるような形になっておるわけですね。したがって、郵政省がそういう地域に許可を与えてやらしている、そういうことからして、いろいろと問題になっておるのでございます。
 東京ケーブルビジョンも非常に経営も困難のようですし、現に年間三千万円近い赤字を出しておられます。池袋のほうは昭和四十五年一月十三日にケーブルビジョンがつくられまして、初年度七千世帯、次年度八千世帯、三年度一万世帯と、こういう計画を立てておったにかかわらず、お話のように、池袋地区はわずかに二百七十四世帯程度のものしかこれは加入しておらない。これは一体どういうことかということが、疑問として出てくるわけです。この自主放送というものが一つ加わって、そうしてそこに難視聴と自主放送、二つが加わってCATV的ないわゆる性格が若干私は出てきておると思うのですね。
 ところが下田さんのほうは、自主放送については何年でしたか、おやりになっておりますね。四十一年八月に、下田のほうはすでに自主放送をやっておりますし、東武テレビという沼津の駅の近くですが、ここも四十六年十月に自主放送をやっている。ところが自主放送というのはまだ非常に少のうございまして、言うなれば、再放送的な性格でCATVも発達しておりますから、そこに非常に矛盾が出てきておるわけです。ですから、当面、CATVというものが、難視聴解消というところに重点がかかっているように思います。それと同時に、自主放送についても、やはりその加入者が喜ぶような自主放送番組をつくっていただいて、それを流すことによって、初めてCATVの性格というものが認識され、それによって判断をして加入者が入ってくるというものだと私は思うのですが、そこまではなかなかいっておらぬのでございますね。
 そこで、アメリカの御事情もお述べになりましたが、アメリカは日本と根本的にもう違うのでございまして、歴史的に見ましても、これは自由な株式、民間経営でやっておりますが、日本の場合は公共放送があり、電信電話も国有でやってきたというような、こういう中での問題でございますから、その辺は多少勉強にはなりますけれども、実態としては、私は、いまそれを直ちにこの問題と結びつけることはむずかしいと思うのです。そこで、再送信、自主放送、双方向通信と、こういうふうにするのが筋だとおっしゃいました。私もその点は一瀬先生のおっしゃるとおりだと思いますが、そこで双方向通信に対して先生は根拠法がないと、こうおっしゃいました。現在かぶってくるのは、有線電気通信法というのがございまして、双方向通信というけれども、これは通信ですね。通信に関する限りは有線放送法というものがかぶってきますから、これが一つの根拠になっておるので、いまおっしゃるように、そういうものは許されないということにいまなっていると思うのですね。しかし、当面、将来を展望すると、それらの問題がやがてクローズアップされてくると私は思うのですね。ですから、根拠法が必要だと、こうおっしゃる面で、すぐ施設面と業務面に先生話が飛びまして、これは双方向通信に対する話じゃなくて、CATVに対する配慮なんでございましょう。その辺のコネクションが少しはっきりしませんでしたから、そう私は理解をしているのですが、その双方向通信というものの将来性について、先生非常に御勉強のようでございますから、もしどういうふうな展望で双方向通信というものが日本において発達をしていくか、それに伴う産業というのはどういうふうになっていくのか、こういうふうな点がもしおわかりでしたら教えてもらいたいと思います。
 少し前置きが長くなって恐縮でしたけれども、それからもう一つは、番組編成はあくまでも自由でなければならぬ、これは私も同感でございます。ですから、われわれは、言論報道の表現の自由ということ、憲法に保障されたそれをそこなうような立法であってはまことにこれは遺憾な点でありますから、常にわれわれは放送法についてはそういう考え方で来ております。ただ、この法案の中に、現在の放送法上の番組編成に対する一つの規制がございます。これに対して先生は、どういうふうなお考え方を持っておるのか。それには無線であるからああいう番組上の規制が必要で、有線の場合は、そんな必要ないという議論もあります。したがって、その辺の使い分けは、再送信の場合には無線からきたものを有線にやるわけでして、無線の場合は規制がある、有線に入ったら規制がなくてもいいということは、なかなかこれはできないわけでして、非常に理由づけがむずかしゅうございますが、いずれにしても、私は言論、報道、表現の自由を侵害しないという原則に立って、公共の福祉とか、あるいは公序良俗ですね、そういうものを一方で考えながらやっていくのであるが、しかし基本的には私は法律によって番組を規制するということは反対なんです。
 最近もポルノ問題が出まして、この前の委員会で、私はかなり詰めた質疑を政府とやりましたけれども、なかなか規制問題などにつきましても、戦後の非常に急変した情勢と日本の法律制度というものがマッチしておらないというところに、いろいろな問題が出てまいりまして、困ったことになっておりますが、あくまでも放送事業者の自主的な判断によって番組はつくっていただく、そして法律によってこれを規制するなんということは、これは二の次、三の次でなければならない。ですから、それだけに放送事業者は大きな責任を私は課せられておると思うのでございます。国民が見てまゆをひそめるような番組を流してみたって、これは利用者は喜びませんよ。ですから、そういう意味においてはこの常識を事業者にまかせる、そしてりっぱな番組をつくって、国民の皆さんが教養的にも高まっていくというようなものにしなければならぬと思うのが基本でございますが、この辺についてのひとつ先生のお考えを伺いたいのです。
#21
○参考人(一瀬智司君) 直接御質問の趣旨にちょうど当てはまるかどうかと思いますが、最初の双方向の将来の問題につきまして、私自身技術系統のほうの専門でございませんのですが、現在いろいろな、たとえば通産省みたいなところとか、郵政省のほうでもCCIS調査会というものがございまして、その技術部会というような形で、技術面から双方向のサービスの内容、その他技術的にいつごろから可能であるかというようなことを検討中のようでございまして、そういうようなそういう技術的な発達、それからそれがコスト的にはたして採算に合うか、あるいは利用に――一般家庭その他で使用可能、利用可能になるかという段階のこともございますので、そういったことが非常にいま検討というか、されているというふうに伺っております。
 したがいまして、一般にいろいろ伝えられ、あるいはそういう関係からも言われますことでは、非常に双方向のサービス、あるいはそういうようなことが非常に豊富なチャンネルを利用して、一番私どもとして関心がございますのは、それがCAIというか、視聴覚教育という教育用に使われる。あるいは自治体の行政広報、あるいは公共団体の行政広報のサービスという形で――まあそれは放送ですが、それに対して市民が応答する。いわゆる現在でも多少リクエスト番組とかそういうものは現にあるわけですね。それを端末機を使って、そして下り方向に対して上り方向でリクエストする、あるいはそういうものをやる。そういうようなことが、そういう通信機のメーカーその他で検討されておられるようでございます。アメリカの場合だと、実験して、そしてそれについて非常に住宅都市開発庁というようなものが、それを助成をするというところまでいっておる。
 そういう技術の発達の動向、それから経済性ですね、そういうのに見合わせて、いつごろの段階、たとえば五年先であるか、あるいは七年先かというようなことを見合わせまして、法的にも、あるいは財政、税制的、その他からもいくというようなことになるのではなかろうかというふうに考えるわけで、いまからそれらを、そしてそれらについての関係既存の法令その他ございますが、それらをどういうふうにアダプトして統制していくか、適用さしていくかということの問題になろうか、こういうふうに思うわけです。したがいまして、双方向について有線テレビ放送法というか、これに一括全部入れてしまうというのは、まあ法律論的にもいろいろ問題があるというふうに考えられますし、これは私の理解では、有線テレビ放送の一種の事業法である。ちょうどたとえば電気事業法あるいはガス事業法等のような一つのそういう有線テレビ放送事業に関する根拠法といいますか、そういう事業法であって、それらについて関連法規あるいは双方向が出る段階では、それらの関連のまた法令の改正とか、あるいは新規立法というようなもの、あるいはこのテレビジョン放送に関連しても、たとえばほかの税法その他ですね。関連法令その他でまたそういうこれらの放送事業をいかに円滑にしていくかというようなことで、その全部の体系の中で考えていくということではないだろうかというふうに思うわけです。
 それからその番組というか、番組の自由というか、自主規制あるいはその言論報道というようなものについては、できるかぎりこれは日本の戦後においても非常に重要な原点、言論の自由なり報道というものは貴重なものでありますから、そういう、それは一つのフィロソフィー――哲学的な問題としてそれをいかに制度的にうまく確保していくかという観点から進んで、放送法の番組規制その他、まあ放送法については、大体そういう趣旨が守られているのじゃないかと思いますので、それを有線テレビについて、当然それはそういう基本的な認識のもとに考えていくべきことであるということじゃなかろうか。
 まあ多少とも、何か侵害とかそういうようなことがある、あるいはそれを自主規制という形で、非常に責任をもってポルノ問題その他は処理していただくということで、法律による規制なんというのはとんでもない話であるというふうに思います。
#22
○鈴木強君 第一点の双方向通信、いわゆる通信というものが将来どういう展望で進んでいくかということについては、まあ先生技術者でないから、もうそのほうはわからぬというようにおっしゃるのですけれどもね。そうしますとあれでしょうか、根拠法が必要であるかどうかの点もいまわかりました。そうしますと、青写真的なものは、いまの段階で双方向通信について先生お持ちでないと、こう理解してよろしゅうございますか。たとえば五年先、十年先の展望をここで示していただくことはできないと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#23
○参考人(一瀬智司君) これは私自身は非常に勉強中でございまして、そういう青写真とかというのはまだ、客観的に言っても、こういうふうなものが、ぴしっとこうなるんだというところまではいっていないのじゃないでしょうか。そういう非常に技術的にも発展している段階のように思うのですがね。
#24
○鈴木強君 わかりました。そこがはっきりしますと、われわれも今後非常に審議をする場合に参考になりますので伺っておきます。
 それからもう一つ、たいへん恐縮ですが、再送信の際の隣接権あるいは著作権との関係でございますがね。先生は、放送の際修正されておるが、了承を得るということに原則的にして、不同意ということはないようにしてもらいたい。これは政治論、法律論を離れて、一つの政府に対する行政指導的な面における御発言だと承ったんでございますが、この点については、民放連の杉山理事さんと、それからNHKの松浦専務にも伺いたいんですけれども、確かに隣接権、著作権というのははっきりしているわけですから、これが存在する限りは、原則的に同意を得るということは、これは私は必要になるんじゃないかと思うんですね。その際に、下田の、先輩の竹河さんが先ほど申されたように、確かに見えないところと、見えるところとおかしいじゃないか、どこにおったって、国民は同じようにテレビチャンネルが見えるようにしてほしい、これは一つの当然の権利だと思うんですがね。要望だと思いますよ。
 ですから、そういう上に立って見ますと、再送信の場合の隣接権、著作権というものは、原則的に――これは長いこと国会でも論争しました。で、それがある限りは、やはり不同意ということもあり得る、法律的にはですね。しかし、それをそうでないようにしてほしいというのが皆さんの私は強い希望だと思います。私もそれには賛成なんですね。ですから、それをどういうふうにやるかというのは、これは立法上は非常にむずかしいと思いまして、今度、同一区域内のものは、これは再送信の許可があろうが、なかろうが、いいとされておるでしょう。ところが、区域外の場合に同意を得る、こういうことになっていますね。原則としては、今後、民放なり、NHKはこの法律の精神を体して、これはもちろん各放送事業者といいますか、出演者の協力を得なければ、当然これはできないことなんですけれども、少なくとも、この法精神に基づいて、いま一瀬先生のおっしゃったような不同意ということがないように、原則的には再送信については了承を与えていくという方針かどうか、この点をひとつ。
 それから、先生のほうには、この法律上、立法上の問題として、いまの不同意はあっちゃならぬとおっしゃるんですけれども、法律論的にこの点はどうなのか、もう一度伺っておきたい。
#25
○参考人(一瀬智司君) これは「放送事業者の同意」という同意の内容ということになる。あるいはこの「同意」というのを、あるいは立法論的に別なことばを使うかというような、そういうようなことだと思うんです。結局、とこでいいますと、第三項に、何か争いがある場合にはあっせんを申し出る、あるいは第四項では、そのあっせんが、まああっせんされて、大体、妥結するということがされれば問題ないと思うわけですが、同意というか、了承を得るというのが、これが一種のテレビ事業、放送事業者として、全然、全くそういうことを、了承というか、連絡なしに、再送信――特に区域外の場合、外部区域からの再送信を受けるという場合には、地元の民放というものの利害に非常に関係がある。その辺の、結局は既存の民間放送事業者、特に地元の放送事業者と、それからCAテレビ、この有線放送事業者の利害というか、その辺にからんでくる事柄であろうと思うわけなんです。したがいまして、全く同意をはずしてもいいんだとか、こういうことまではちょっといきかねるわけなんですが、同意する場合に、あまり正当な理由がないのに、絶対同意しないと、政治的な理由か何かで同意しないということだと、非常にテレビ放送事業者としても困るし、何かその辺の利害調整の問題ではないかというふうに思うわけです。
#26
○参考人(松浦隼雄君) 著作権にかかわる問題同意の問題につきましては、協会としましては、御承知のとおり、全国放送は初めから全国を対象にしておりますので、その問題は生じないかと思います。それから、その区域内外にかかわらず、同意というかっこうになるかと思います、実際、そういう場合に。ただし、著作権法のほうでやはり同意を必要とする事項というのは、依然として残るかというふうに思います。
 それからなお、先生が先ほど冒頭におっしゃいました池袋の問題につきまして、若干実情を御報告したいと思います。
 東武デパートが建設するにあたりまして、当然ここに難視が起こるということは、協会としては予測いたしまして、いろいろ調査もしておりました。同時に、これは原因者負担主義ということで、当該原因者に対してその補償を求めてまいりました。ただし、同時に、先ほど私が意見を申し上げたのもそれでございますけれども、有線放送法というものが通りまして、第三者がそういうことをやるといった場合のことでこれを申し上げた
 一つの実例でございますので、申し上げますけれども、その場合に、東京ケーブルビジョンが、やはり池袋を事業地域に予定をいたしておりまして、同時に、先生御指摘のとおり、東京ケーブルビジョンは非常に経営困難でございます。したがって、建設費が出ていくということに対しては非常に問題がございます。ところが、NHKと東武デパートの間で、原因者負担ということで東武が負担という話がついております。同時に、東京ケーブルビジョンの事業地域でございます。したがって、NHKとしてはこれを直接やらないで、やはりNHKも支出しております、出指しております東京ケーブルビションの手でこの救済をしようということで、若干開店の日からはおくれましたけれども、去年の暮れにサービスを開始した、東京ケーブルビジョンの手でサービスを開始した。したがって聴視者の側から見ますと、負担金というのは、一万五千円は東武デパートが負担をいたしまして、各戸の引き込み金については、個々のケースで、私はつまびらかにはしておりませんけれども、その直接の障害地域が二百何十軒でございまして、そのほか隣接地域について、なおこれは東武デパートの問題ではございませんけれども、やはり難視の多いところについて、東京ケーブルビジョンとしては、今度、それを事業拡張区域としてやっておるかと思います。そういう実情でございます。つけ加えさせていただきました。
#27
○委員長(杉山善太郎君) それでは一瀬参考人には、本日は御多忙のところ御出席をいただきまして、たいへん貴重な御意見を賜わり、ありがとうございました。時間がまいりましたので、どうぞお引き取りください。
#28
○参考人(一瀬智司君) どうもありがとうございました。
#29
○委員長(杉山善太郎君) 次に、杉山参考人。
#30
○参考人(杉山一男君) 区域外の再送信についての同意の問題でございますけれども、これは私はやはりケース・バイ・ケースがいろいろ出てくるんじゃないかと考えます。たとえばいまの放送の免許のあり方を見ますと、たとえば東京に、先ほどから言われておるように、民放が五局あります。しかし、その近県は大体二局ということになっておるわけであります。そうしてその二局もできるだけ中継局をつくれということで、中継局は一応促進しておるわけですが、そういう地元の放送が見えるところに有線テレビが出て――そうしてその地元でまだ二チャンネルないし三チャンネル見えないから、そこで有線テレビをするという場合は、その地元の放送局の経営上の問題、そうしたこともやはり考慮していかなければならないんじゃないかと思います。そうして、したがって、その同意の場合、そういった場合、たとえばキー局がそれを同意するかどうかということについては、系列局のいろんな利害も参考にするであろうし、著作権法上の問題も考慮するんじゃないかと思います。したがって、先ほど一瀬先生が、お帰りになりましたけれども、一瀬先生もおっしゃったように、その地元局の経営の問題にも関連をするので、地元局との調整が十分必要じゃないかというお話がありましたように、できるだけ話し合いでうまく事が済むように処理していただいたほうがいいんじゃないか、そういうふうに考えます。著作権の隣接権で大体放送権というものは認められておりますので、これは義務づけられた放送以外は放送権というものが出てくるわけです。そのほかに権利者の著作権というものが生きてまいります。そういうことでございますので、やはりこういう有線テレビと放送とが秩序ある、調和を伴った発展をするためには、やはり話し合いが必要で、そのためには同意を残すということが適当ではないか、こういうふうに考えます。
#31
○木島則夫君 私は、経営者のお立場できょうおいでになりました竹河参考人に伺いたいと思います。
 区域外送信のメリットというものですね。どういうふうに評価をしておいでになるかということですね。それからもうひと方視聴者の立場でいらっしゃった松原参考人には、見えないものが最近よく見える、鮮明ないわゆる画面で見られるようになったという満足感でいまはいっぱいだという、さっきお話がございましたが、ただそれだけで満足でありますか。プラスアルファが、そこにやはり自主放送、そういうものをお望みであるのか。それから料金の問題について一言触れていただきたいと思います。
 以上でございます。
#32
○参考人(竹河信義君) 再送信の問題は技術上の問題もあろうと思うのです。最前も申し上げましたように、静岡県とか、山梨県とかいう行政区域は百年前につくった行政区域である。電波の到達は八十キロぐらいでございますけれども、百四十キロぐらい飛ぶわけですね。私たちのところは特例だと思うのですが、昭和三十一年に東京三局のテレビを再送信している。静岡に放送局のできたのは三十二年なんです。だからうしろのほうに、あとから来て、おまえのからだは大きいから、じゃまだ、じゃまだといっても、これはもう理論的に合わない。しかも有線テレビでテレビのチャンネルがどのくらい可能かと、これは受信機を改造すれば、二十チャンネルも三十チャンネルもとれますけれども、そのままの受信機で、いまBCNいわゆる広帯域通信で見れば十一チャンネルしか見えない。ですから、これは私たちは再送信というのは普通の段階より、より以上のものを求める場合には同意も必要でしょうし、それは料金の対象にもなると思うのですが、これは再送信して初めて、東京並みになるわけですから、むしろ同じような一体性のある電波を見せるように努力するという考え方からいけば、これは当然見せなさいというのは、これは指導当局の立場ではなかろうか、このように思うわけです。
 それともう一つ、結局いまおそらくはこれは県域とのネットの関係上、いわゆる県域放送、放送局の経営だけを考えての私は考え方ではなかろうか。より一人でも多くの視聴者がふえることのほうが放送局にとってはぼくは利益だと、こういうふうに判断しますけれども、そこにちゅうちょされているのはやはりネットの関係だ。ところが、いまの県域放送の実態は私は独自性の番組は少なくて、ほとんどいわゆるキー局からもらって、いわゆるバックリベートをもらってそれでやっておる。だから、全く自主性のないのが県域放送の実態ではないか。そういうところにやはり高い指導的な立場からこの問題を判断しなければおかしいし、幾ら再送信の同意をやるぞといっても、電波的に受けられないところはもう問題は違うわけです。ですからこの区域外再送信の問題が起きているところは隣接だけです。静岡県や山梨県、長野県。ところが、ここは文化的には関東県に入っているのですね。いま私たちが熱海の駅に立っていただければ、伊豆半島人口四十万、みんな東京に来るのですね。静岡の県庁所在地に行くのは役場のおっさんだけですよ。ほとんど七割が行き、東京関東の人が七割来ている。下田に来て東京の天気予報を知りたいという人が圧倒的に多いわけです。そういう文化的な媒体であるから文化的な判断、文化的な区域、あるいは経済的な区域で判断すべきであって、明治時代の行政区域即放送区域だというのは私は矛盾を感ずる。そして、十一チャンネルですからこれもだめ、あれもだめということになれば、やがては、じゃ別な第三の放送主――いま自分の一日を、ビデオでやれば、幾らでも流せるわけですから、そうすると、東京、大阪二百も三百も結局プロダクション等がありますから、全然既設の放送と関係ない放送を流すことも可能であります。そうしますと、かえって逆に既設の放送はそれだけ干される結果も起きてくると、こういうふうに私は考えられないでもない、こういうふうに思います。
#33
○松岡克由君 ちょっといいですか。七チャンネルはどうしてもほしい東京並みに、当然だというけれども、そうなると、お宅の商売は必要なくなってくるのじゃないですか、逆に。
#34
○参考人(竹河信義君) いや、けっこうですよ。−私たちは結局いまこの有線放送というものの考え方が、結局見えないテレビを見せるということは、結局視聴者の負担でそういうことをしているわけですね。
#35
○松岡克由君 見えればいいということですね。
#36
○参考人(竹河信義君) 私たちは、利益を対象にして経営を始めたのじゃないのです。私たちは、公益法人を郵政省に一昨年申請したけれども、いまもって保留のままです。結局借金をする、結局施設を更新するにはお金がかかる、借金するにはいわゆる任意団体ではだれも貸してくれない。ですから郵政当局に、主務大臣に公益法人の申請したけれどもいまもってまだ保留なんですよ。ですから、やむを得ず株式会社にしましたけれども、私のところの株式会社は三百六十七名の株主です。二人か三人の人が金出してこれを事業としてやろうというのじゃない、視聴者全部が金出して、営利会社というのは非常に変則的ですけれども、実は公共的なやはり東京並みのテレビを見たいということで成立しているという事実を直視していただかないと、結局この法案の綱領や何かにありますけれども、非常にいいことを書いてありますが、これから政令や省令が出てどういうふうに変化するか、要するに、羊頭を掲げて狗肉を売るような、これからの監督体制では困るのだというようなことを私は非常に心配しているわけです。最近におけるところの郵政当局の人も、ここに、会っておりますから、そんな悪い人はないということがわかったから、まあ賛成のほうに回りましたけれども、これは人によっては、とんでもない、いわゆる両方のやいばになるという危険を感じないでもない、こういうふうに思います。
#37
○参考人(松原保広君) 自主放送というお話がございましたけれども、いまのところ満足でございます。しかし、満足とは申し上げましてもこのTCVという会社が年々赤字ということを承っております。施設はいまのところまだつくったばかりですから新品でございますが、あと数年、五、六年たちますとこれがいたんでまいります。その場合に再度東武さんがこれを引き直してくれるか、これがたいへんな問題が起きております。それを望むということはちょっと私はあまりにも東武さんに対して酷ではないかと思うのであります。したがって、この自主放送をしてTCVが赤字を解消して幾らかでも利益があがってくれば、その段階において、TCVが引き直してやろうという話し合いもできるのではないかと、こういう考えで自主放送は後日の問題として残しておきたい、こういう考えでございます。
 それから、料金の問題でございますが、現在のところ、引いていただいたのは東武さんでございます。先ほどNHKさんが一万五千円というお話がございましたが、私の調べたところでは二万三千円でございます。一台目が二万三千円。二台目のテレビにつける場合にはさらに一万五千円というお金を出さなければなりません。したがって現在のところ各家庭には二台ないし三台のテレビがございます。一台は鮮明によく映るけれども、あとのもう一台、さらにもう一台をふやすためには、一万五千円ずつ三万円のお金を出さなければ引くことができません。その分までは東武さんのほうで負担をしていただいておりません。現在、二台も三台も、中には線を引いている方もございます。と同時に、料金としては毎月五百円でございます。五百円ずつ毎月現在払っております。一台について五百円払っております。そうすると、NHKさんのほうの視聴料とTCVの視聴料がわれわれ視聴者にはダブルでかかってまいります。これは大した金額ではないとおっしゃる方もあるかわりに、これはたいへんな金額だといって非常に困っている方も大勢いることを議員さんの方々も御承知おき願いたいと思います。
 以上でございます。
#38
○松岡克由君 私は、尾崎さんのおっしゃった意見に大賛成なんで、そんなにおたおたすることはないだろうということなんですね。たとえば、かりにこれが、先の話ですけれども、乱立してきて自主放送が、たとえば偏見みたいなものがかりに流れたとしても、私はそれが一つの結論になるのではないか。いまいいものと悪いものがテレビ、または新聞も含めてですが、はたしてほんとうにいいものと悪いものの区別がついているのか、実はついていないのではないか、また、これを見ている者につけさせるという、最も大事なところが、ぼくはこれをうっちゃっておくことにおいて解決するのではないか。また危険もありますね。解決しなかったならば、めちゃくちゃになる。でも、この際私はさせるのがいいのではないかと、偏見大いにけっこうではないか。たとえば例にとって言うならば、「赤旗」が出、やがて「聖教新聞」が出てくると同じような部分があって、そこで初めて見ている人たちの判断というものが養われる。たいへんいいことではないかと思うのですが、その辺の意見に対して尾崎さんはどう考えていらっしゃるか、ちょっとお伺いしたい。
#39
○参考人(尾崎芳雄君) 簡単に申し上げますが、自由の中でこそ良貨が悪貨を駆逐する。むしろ変なかきねをつけたりしますと、悪貨がのさばる可能性がある。松岡議員さんと全く同様です。ですから、放任しておいてもかまわない。そういうものは自然になくなるし、それをまた心配するあまり、つまり前向きのプラスになる社会的効果のあるものを抑制するという結果は、かえってマイナスが大きいという判断をしております。
#40
○松岡克由君 いま松原さんのところは西武が払ってくれているわけですね。
#41
○参考人(松原保広君) いや、東武でございます。
#42
○松岡克由君 あ、東武ですか、失礼しました。わずかな違い。
#43
○参考人(松原保広君) いや、たいへんな違いです、西と東ですから。
#44
○松岡克由君 東武が払ってくれている。つまり道義的に払っているわけですね、サービス屋であるから。
#45
○参考人(松原保広君) 料金ですか。
#46
○松岡克由君 ええ。
#47
○参考人(松原保広君) いえ、ちょっともっとよく聞いてください。料金は……。
#48
○松岡克由君 料金じゃない、架設費は向こうが払っているわけですね、一台目はね。
#49
○参考人(松原保広君) はい、そうです。
#50
○松岡克由君 そうすると、その辺にトラブルが起きないもんですかね、あそこは払っているじゃないかと。ほかの地域でこれ聞いたら、おれのところのマーケットの何々株式会社が電波妨害しているんだから、おまえが今度払えと。松原さんのところはうまくいっている例なんで、これが例になって、つまり道義的に払えと、東武が払っておるじゃないかと、その辺はどうなってくるんですかね。これから先ちょっと心配なんです。
#51
○参考人(松原保広君) これは、先ほども申しましたけれども、前後四回にわたりましてNHKさんが、何と申しましょうか、あれは私、専門的なことはわからないのですが、電波公害発見車とでも言うのでしょうか、そういうものが参りまして、私どもの地区で、十二ヵ所だったと思いました、私一々立ち会いました。それで、長いアンテナを自動車の上に立てまして、そこで十二ヵ所調べて歩きまして、私も画面を一生懸命見て歩きました。で、確かにゆれる地区は、これは難視聴地域であり、ちゃんと映っているところは、これは東武さんの影響がないという、そういう見解でやっていただきました。先ほど談志さん――松岡さんのお話しのようなことが現在起きております。その横にまたビルが二つできました。これがまた今日でもたいへんな問題が起きております。私のところにはジャンジャン電話がかかっております、おまえのところはどういうふうに解決したんだと。しかし、私もうこれ以上は深入りしたくないです、正直言って。たいへんな問題です。これは。
#52
○松岡克由君 自分のところがうまくいっていればいいからね。
#53
○参考人(松原保広君) 自分さえうまくいけばそれでいいという問題じゃないんです。たいへんな問題が起きてくるんです。これがただ、文句を言って引いてさえくれれば、それで事が済むという問題じゃない。毎月のこの五百円という料金が加算してまいります。先ほど申し上げましたとおり、NHKさんの料金とTCVさんの料金がダブってかかってまいりますから、この問題はたいへんなんです。私も商売しておりますので、なかなかどうも、そうまめには、そちらの会合にはお伺いはできないようなことでございます。
#54
○参考人(松浦隼雄君) いまの点ちょっと補足さしていただきますが、原因者負担主義ということを再三国会でも御審議いただき、われわれもその線でやっておりますが、いま、はしなくも出ましたように、原因者負担主義の法的根拠というものははっきりしておりません。そのために、いままさに松原先生がおっしゃったように、東武さんの場合には、最初申し上げましたように、非常にうまく話がまとまりました。そのほかの場合には、いろいろトラブルが起きております。たとえばこれはまた、地域を別にいたしまして、やはり東京ケーブルビジョンが計画地域にしておりますところにおいては、原因者がかなり多い、つまり原因者が単一でない、しかも強力でないという場合には、原因者の側にも非常な苦痛がございますね、現実問題。そういうものの話を現在のところは何とか取りまとめて、やはり原因者負担をしていただき、住民の方々も御協力をいただいて、何とかやっておるわけでございますけれども、いまのような問題が次々と出てまいると思います。その点で、たとえば有線放送法ができて、そういう施設ができる。しかし資金その他の問題で仕事が進まない、しかし住民の方は苦労されるという場合について、難視聴の解消策を円滑にできるようにしていただきたい。協会の強い要望というのもその点にあるわけでございます。
 それから五百円の問題も同じことでございます。これも、自主放送その他があって、付加的なサービスがあるならばこれはいいけれども、再送信だけの場合に、料金が単に、原価に照らし妥当であるということだけできめられた場合には、きわめて大きな問題を起こすんではないか、その点も含めまして私どもは難視聴の解消について特別の措置をお願いしたわけでございます。
#55
○参考人(杉山一男君) 先ほどの区域外再送信の同意の問題でちょっとつけ加えさしていただきますが、私たちはあくまでも現在の無線による放送の秩序というものを、これをこわすという前提に立っていないわけです。もし竹河さんのおっしゃるように、これをこわしてやるということになると、いろいろな考え方が出てくるかと思います。そういうことで、われわれ無線による放送がどういうように行なわれておるかと申しますと、たとえば広域圏の中の県域局、ここの局は、放送局開設の根本基準の中に、番組重複の規定がございます。それは三分の一以上番組は重複してはいけないという規定でございます。したがって、広域圏内の県域局は、この規定に基づいて番組編成が非常に苦しい立場にある。したがって経営もなかなかむずかしい、そういう状態にあります。ただ有線テレビだけが、その番組重複の規定からのがれていいのかどうか、ここが一つの問題点ではないかと思います。同一地区の放送局の同意というようなこと、それから系列キー局の考え、そういうことも十分考慮しなければならぬ、そしてまた特に同意が必要であるという点は、そういう面からもひとつ十分配慮していただきたいと思います。
#56
○参考人(竹河信義君) 実は数年前に、新聞の海外普及会社というところの室長さんがおいでになりまして、実は、アメリカのロスアンゼルスでは、日本語のFM放送をやっているのだけれども、日本のテレビをアメリカのニューヨークで見せたいんだが、まさかケーブルを敷くことはできないだろうが、どうだろう、こういう話がありました。私はアメリカに行ったことはありませんけれども、アメリカのケーブル会社に一チャンネル一応レンタルすれば、小さなアパート一軒借りて、日本で放送されたビデオを持っていけば、そうすれば、一日おくれか二日おくれでもって、日本のNHKでも民放でもそのまま放送ができる。日本の民間放送のテレビ番組が全部世界にいくように、日本人も海外におりますから、文化輸出ができる、こういうふうに私は考えておるわけです。
 ところが、そういう時代に、国内におきまして、日本の文化を、結局その恩恵に浴することができないなんということはとうてい考えられないし、私たちは、より以上のものを求めるのでなしに、せめて水準まで上がりたい。ですから、民間放送の放送内容はやはり文化的な事業である。これはあくまで、より一人の人でもよけいに見せることが私は、放送局の立場であり、また受信者の要望であると思う。現実には、いろいろ確かにむずかしい問題があろうかと思うのですけれども、この基本線をぜひ失わずにこの法案の処理をしていただきたいというのが私の考え方ですから、とことんまで目くじら立てて反対賛成を言うわけじゃないのですから、民間放送の皆さん方も、自分のやっていることを、いわゆる天に向かってつばを吐くようなことで、商品価値だけにこだわらずに、文化的な仕事を一応郵政大臣から免許を受けてやっているのだ、より多くの日本人に見せたい、こういうことでやっていただきたい、こういうふうに思います。
#57
○今泉正二君 私は、逓信委員に入りまして初めて関連質問さしていただきます。
 自民党というところは、なかなか順番が参りませんし、偉い方が多くて、逓信委員会は六人も大臣がいますので、政務次官と大臣とを除きますと、平は私だけという、そういう点では非常に屈辱感を持っておりますけれども、おのれの不徳のいたすところと、年数の浅いところで、これは自戒いたしておりますけれども、私ごとはさておきまして、いま聞いておりますと、みんな総理大臣になっていただきたいような方ばかりでございまして、どなたの御意見もごもっともでございますけれども、私も、松原さんのお話、それから松岡議員の関連でございますけれども、コの字型にたとえばビルが建った場合ですね。東武さんが一軒で大きければいいんですけれども、コの字型に建物が三つあって、こっち側だけに普通の家がある場合は、いままでの例だと、だれが金を出したのか。私はそういうときは、今度何階建て以上建てる人は、必ず難視聴になるということを前提として、何か供託金みたいなものを、ビルを設立するものが、見える見えないにかかわらず、原因をなすりっこしないで、供託してプールしておけば、そういうトラブルはなくなるような気がするんで――おまえのほうは指向性が悪いから、おまえのビルが建ったから、こっちが見えないというようなことになりますと、今度はけんかになりますので。そういう場合が、NHKの専務理事の松浦さんに、そういう例がいままで、三つあったような建物で、なすりっこしたような例があったかどうか、ひとつそういうことも聞いてみたいと思いますけれども、お願いします。
#58
○参考人(松浦隼雄君) 非常に都市の複雑さというものをいま先生の御質問があらわしておるかと思いますが、結論から申しますと、現在までのところ、大体原因者と考えられるものはかなり確実につかまえられて、それからそれとのお話し合いの中で御理解いただくという点も先ほど申し上げましたけれども、現在までのところではそうでございますが、今後いろいろな点で、たとえば新宿の副都心、具体的に申しますと、ここではすでに既定計画として相当高いやつがたくさん建つ、これは私どもは技術的にはその模型をつくりまして、どういう影響が出てくるかということもある程度解明しております。しかし、十分はわかっておりません。わかっておりませんというのは、一聴視者の側から見たときの非常にこまかいいろんな問題、つまりビル陰で電波が届かなくなるという問題ではございません。その問題はビル陰の日照権の問題と比べたときには二〇%ぐらいが全然電波が見えなくなっちゃうということで、電波は回り込んでまいりますから、それよりもゴーストというようなことで、前でもゴーストが出る、こういう問題もございます。それから見えないところと、たいへん複雑な状況なんで、個々の受信者一人一人の問題は解明しておりませんけれども、いわゆるマクロ的にこのくらいの影響が出そうだというようなことはかなり進めておるわけでございます。
 それから繰り返しますけれども、原因者というものが、全くぼうばくとしちゃったということはないということは断言いたしませんけれども、だんだん解明していけば、かなりわかる。これは海外の例でございますが、CATVが発達しておると言われておるアメリカのシカゴにおいて、例のシーアーズ・ローバックのピルが建っている。ちょうどテレビ塔が建っており、そのビルのそこのところへぶち当たって非常に大きなコーストができる。それに対して、ビル自身が電波を吸収する、まあ簡単に言って、電気を吸収して外へ出さない、電波として反射しないで熱に変えてしまう、こういうことをやればだいじょうぶだという議論と、それでもだめだという議論がいま行なわれているというような状況で、その辺私どももそのほうの専門の工学部の先生にお願いして、日本の建築においても、そういうことは考えられないかというようなこともやっておりますけれども、何しろ根拠法が建築基準法だけでございまして、建築基準法には、そういうことがうたわれておりませんので、これもあくまで話し合いということでございます。
 それから私どもの技術で開発しておりますアンチ・ゴーストアンテナというようなものも、そろそろ皆さんの利用に供される。つまり市販できるようなところまで到達しつつございますが、こういうものを使いましても、ある程度軽微なものならば現在より改善できる。非常に都市の問題は複雑でございます。それだけ申し上げておきます。
#59
○今泉正二君 もう一つ。私はさっきの下田の社長さんの竹河さんの御希望、たくさん見たいということは下田ばかりじゃなくて、人間全部、見ちゃいけないというものまで見たいというのが人間の特性でございます。これはそちらのまつ正面の議員の専門でございますが、節穴をのぞくなという立て札をしておくと、前よりよけいのぞいたという話がありますが、大体落語にも出てきますが、そのくらい見たいということは人間の特性でございます。ですから、どうしても、こうやって皆さまのお力でCATVを通じまして、見られない地区に、難視聴地区に見せようという努力、それはわかりますし、また、先ほどの新聞の尾崎さんのおっしゃるように、やはり新聞もたくさん見ていただいたほうがいいんです、経済さえ許せば。私は一つの新聞の論説というものだけで――よく一紙しかとってないうちがありますが、そうすると、そこの社の書いたことを死ぬまでそれを信用してずっといくわけですから、各社それぞれの意見が出て、さっき御答弁があったように、いろいろな結論を出していただくことが一番正しいほうに寄てっいくような気がいたします。ですから、病院と、新聞とテレビは、よけい見ると、かかるほうが結論が出しいいわけです。お医者さんが一つ違ったために、一軒だけでガンだと思ってあきらめて失望して、ほかへ行ったら、そうでなかったという例もありますし、また、その逆もあるんでしょうから、医者は三軒かかれ、新聞は三紙とれというのは私大体持論でございます。
 ですから、テレビ全部日本じゅうの人が見られるという努力のために、こういう委員会が開かれ、皆さまに御討論をさしていただいているということは非常に有意義ですから、政治家のほうもさっきから言っているように、明治の昔のあればかりじゃなくて、何か新しいものに切りかえていこうということで、私ども、きょうはたくさん議員がいらっしゃいますけれども、そういう意味でわれわれも政治のほうへ出てきたものですから、必ずしも政治家の全部、古い頭の人ばかりはいないということで、そういう点では御支援を賜わりながら、足りないところはまた補いますけれども、やっていきたいと思います。ですから私たちは皆さんの御議論、ごく賛成でございますから、政治家が百年前と言うんで、百年前の人もいますし、もう死にそうな政治家もいますし、まだじょうぶな人もいます。いろいろな会合があります。そのたびに、わが党の中でも、まとまらないでいろいろもめているぐらいですから、どうぞひとつ既成観念を持たないで、皆さんと同じ人もいますので、ひとつそういう意味で、そのつぼつぼの議員に御質問賜わりたいと思いますけれども、ちょっとコマーシャルを入れさせていただいたような次第で、ありがとうございました。
#60
○鈴木強君 一瀬先生以外の方は、私、まだ、しておりませんので若干伺いたいんですが、それは尾崎参考人ですけれども、あなたは新聞通信有線放送協議会の幹事さんとして御出席いただいたわけですね。で、過ぐる昭和四十七年五月二十三日の衆議院逓信委員会に、政策委員会座長の小川光男さんが参考人として御出席になっておりますが、私は、議事録を先般来、詳細に拝見をいたしておるのでありますが、その際小川参考人は、いまあなたがおっしゃったのと違うようなニュアンスにとれる、法案に対する扱い方について御発言がありますから、これは同じ協議会でございましょうから意見か分かれることはないと思いますので、ちょっと念のために伺っておきたいんですが、五月二十三日の小川参考人の御意見を速記で見ますと、この法案をどう扱うかということについての点でございます。あなたは、――ここへちょっと私自分でメモしておったものですから、あるいは私のメモの違いであるかどうわわかりませんが、法案の提案のいきさつについてお述べになりまして、ある面では非常に進歩だと思うが、最初に述べられた将来の同軸ケーブルの、広帯域の周波数帯のケーブルの利用価値等から論ずれば、まだ時期が早いんじゃないか、こういう御趣旨でございましたね。したがってビジョンに欠ける点もある。いままでやむを得ないのではないかという――この法律案を通すことについて、そういう意見だったが、乱立をするといったってそう心配はない。したがって、いまCCISその他で検討中だから、この国会の成立については反対だと、こういうふうに言われたと思うんでございますね。ところが、小川さんは「昨日もいろいろと相談いたしたのでございますが、しいてこの国会でぜひともとまではというようなニュアンスのムードが大半でございました。一部には成立しなくてもよいのではないかというような意見もございましたけれども、これはごく一部にとどまりました。」と、こういう御主張があるわけでして、この辺がどちらが正しいのか、これを明確にしていただきたいと思います。それからもう一つは、都市難視聴の対策として、これもちょっと私急いで書いてしまったものですから、御趣旨の点がそうであるかどうかわかりませんが、要するに、都市難視聴対策については、NHKとの関連も考えて、営利、非営利にかかわらず、同等に考えて許可すべきだと、こういうような御趣旨だったと思いますが、この点はこの委員会におきましても、従来から非常に問題になっている点でございまして、この放送法第七条にいう「日本放送協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように放送を行うことを目的とする。」とこうなっております。したがってこの点は私たちはNHK側に固有の難視聴解消の責務があると、こう思っておるわけです。ところが、郵政省側は有線無線の使い分けをいたしまして、有線部分についてはこれは一々郵政省が許可をして、その地域、地域の個別的な許可を与えて、NHKにやってもらっている、こういうシステムなんですね。
 ところが、これはまあこの本審査の際に、私は非常に重要ですから取り上げたいと思っているんですが、昭和四十五年一月十三日、さっき私が申し上げました、東京ケーブルビジョンほか京阪神ケーブルビジョン、名古屋ケーブルビジョン、福岡ケーブルビジョンというのは、財団法人、いわゆる公益法人として郵政省がイニシアをとって、電電公社あるいは東京でいうならば、東京電力、銀行協会、新聞協会、電子機械工業会、こういう方々が出資団体として出損団体として御加盟になって、東京における、大都市における難視聴はCATVが基本的にやっていくんだと、こういう考え方になっておりますね。これにはNHKも在京の民放五局も入っておりますね。そういうところに難視聴解消の義務づけをしたような形になっているんですね。ですから、NHKとしてはここに直接手が加えられないという一つの矛盾があるわけです。これは非常に、この法案成立に際しては、非常に問題なところですから、私は政府に向かって、もしいま郵政省考えているように、有線部分については、一々許可をしなければならぬ。これは放送法七条にいうところのNHK固有の義務でないというならば非常に問題です、これは。私はしたがって、法律改正も辞さず、こういう気持ちを実は持っておるので、さっきも松原さんがお述べになりましたように、難視聴になって困っている方々から見れば、とにかくちゃんとしてほしいんだが、しかし、本来の難視聴解消する東京ケーブルピジョンというものは三千百万円もの赤字をつくって当初見込みから見ると、全く問題にならないような現状にあるわけです。こういうものが郵政省の指導のもとにつくられているということが非常に重要なんでございます。私はこれをつくるときにも、郵政省に対してかなり強い私も意見を申し上げましたが、私たちの意見はいれられずに、今日こういうものができている。ところが、その経営内容たるや目ざす理想とは全く相反するような形になっている。これが一つのがんになっていると私は思うんです。
 いまもお話がありましたように、電々公社がいま使っておりますマイクロウェーブの場合には、電波法の改正によりまして、建物を建てて、いま通っておるマイクロウエーブの回線が障害を受けるときには、それは工事を中止させるとか、あるいは中止させない場合には、その電波が迂回をして、必ず先方に到達するというふうに義務づけられた法律を数年前に私たちはつくったわけですね。ですから、さっき松浦理事がおっしゃったように、法律根拠がない、原因者負担をしていただきたいということについては、あくまでも、これは良識的な判断としてお願いをするのであって、法律的根拠がない、だからいやだといえば、これはどうにもならぬという状況です。ですから、私はやっぱり将来は法律によって原因者が明らかにわかっている場合には、その原因者がその損害に対して補償していくという原則を貫くべきであるし、特に、公害の無過失賠償責任法案もこの国会で四点ばかり修正されて通るという段階ですから、事、電波についても、そういう公害がそのまま放置されて、そして受信者の皆さん方に御迷惑をかけるということは、私たちとしては耐えられない気持ちでおるわけです。ですから、尾崎さんがこの問題を取り上げられて、営利、非営利にかかわらず、同等に考えて許可すべきではないかというその御趣旨はよく私はわかるんでございます。しかし、その実態はそうなっておらないんですね、東京、大阪等、都市におきましては。その点についてもう一度お聞きしてみたいと思います。
#61
○参考人(尾崎芳雄君) 二つ御質問があったと思うのですが、最初の衆議院の委員会における小川座長――私の仲間でございますが、多少意見が違うではないか、それはこの委員会にはなるべく別な人が出てこいという御指摘がございましたので、同じ幹事役でございますが、古い私が出てまいったわけでございます。これは条件づき賛成という表現もあるかと思うのです。それはその人の個人の言い方でございまして、この前の小川君が出たときの委員会の集まり方は非常に緊急で、内情を申し上げますと、時間が非常にないものですから、在京委員会に二、三加えた形で結論を出した。それに基づいて小川さんが言ったわけでございますが、多少時間がありますので、今度の会議に出てくるときの私どもの討議は二十五名中二十名以上出ております。したがいまして、最大公約数というような表現を用いましたのはそのためでございます。それからはっきりものを言ったような感じで、反対という表現になっておりますが、これは私の表現の性格もあるかと思いますが、根本的には、まあ哲学的と申しますか、基本的な新聞界の考え方は先ほど申し述べたとおりで、小川幹事も同意見ということでございます。
 それから、NHKさんの問題に関連して難視聴の問題の御質問でございますが、これは私は満足な御説明をする自信がございませんけれども、一つは放送法で全国あまねく放送を見せる責任は日本放送協会が法的に持っております。これはつまり僻地その他について文化格差をなくするという趣旨でございますが、都市公害、高層ビルその他新幹線というような交通機関などの発達による都市公害というものは非常に新しい問題であって、それをこれは松原さんがいらっしゃるところで私が言ってどうかと思いますけれども、そういう問題についてまで前の法律のとおりに都市の難視、新しく出た難視聴地域についてまで法的にNHKが全面的な義務を負うのかどうかということは私はNHKさんのためにもむしろ問題である。それからこれはまあNHKとじては非常にいろいろな方法を考えておられると思うのです。私も技術はしろうとでございますけれども、CATVによるやり方と、それからたとえば誘導電波によるやり方、それから高い、たとえば東京タワーみたいなものをあっちこっちに建てる、そこから有線で放せば有線によっても解決できる。周波数をもっと高いところの周波数を使えばできるというふうにも聞いております。まあいろいろな方法を御検討だと思うのですが、この難視聴自体は先ほど今泉議員さんからも御質問があったけれども、あまり単純なものではないようでありますね。ビルの乱反射、つまりゴーストの問題とか、たとえばこの辺に大きなビルができますと、三鷹のほうにも乱反射の影響が起きないことはない。ですから、非常に広範囲にわたり複雑なものですから、原因がなかなかつかめない。ニューヨークのたとえばマンハッタンのところなんが高層ビルが乱立しておりますから乱反射に乱反射して、これは非常にケーブルの需要があるのです。
 ただ、そういう形で難視聴だけのためでやるケーブル事業というものは、CATVの例をいろいろお話が出ておりますけれども、加入者の資金計画が成り立たない、多少ちゃちな自主放送をやったくらいでは加入者が万と集まりませんから、少なくともまあわれわれの検討しているところでは五千、一万、二万ぐらいのところが五百円なら五百円、あるいは高度のものは千円ぐらいの加入金でやる、そういう状態にならないと経営的に成り立たないのではないかということをわれわれは考えているわけです。ですから、非常に高度のものが発達して多目的CATVというものができたときには、それが自然にケーブルの容量、キャパシティから申しまして、難視聴も自然に解決するわけです。大は小を兼ねるわけです。ところが、その大なるものがいつできるかという見通しがございません。難視聴問題は現在続々と都市に発達している。その間の時差的な矛盾についてはたいへん残念でございますが、私どものほうでは決定的な案というものは持ち合わせません。これはこの委員会はもちろんでございますが、もっと広い観点から官民といいますか、全体の問題として難視聴問題というのは大きな社会問題として取り上げていくことになるのではないか。こう思うわけであります。ほかにも二、三例などもございますが、要点がそれでよろしければこれで答弁終わります。
#62
○鈴木強君 これで最後にしますけれども、都市難視というのはこれは世の中が近代化してそれに従って出てきている人為的な作為的な一つの現象でございますね。この放送法なり電波法というものは相当昔つくられた法律でありましてね。これに対しても一つの改革すべき点は改革すべきであるということで、御承知のような放送法制調査会の答申もありますが、これ今日、郵政省は、そのまま煙をたからしたままにしておるわけですね。そうでなくて、現在の放送法七条におきましても、たとえば地方において山があり谷がありこれは自然の障害によって難視聴ができてきた、それも現在の七条の放送法からいうと、有線部分についてはNHKでなくて、郵政省のほうが一々地域を限って許可しているわけですね。ですから、その辺の有線、無線の解釈というのは、これと違うわけですね。最近の新しく出てきた都市難聴とは違う。私は、その解釈がいま衝突しているわけですね、郵政省とは。ですから、固有のNHKの放送をあまねく見せなきゃならぬという、その責務というのは、有線、無線を含めてそういう責務はあるんだという解釈をわれわれとっているわけです。
 そうしませんから、こちらの松原さんのように出てきたけれども、これをだれが一体やってくれるのか、非常に迷惑な問題が都市難聴の新しい現象として出てきているわけですね。ですから、法律もやはりそれに順応して、新しい時代に順応するような形でやはり改正をしていきませんと、いまいったような、たとえば原因者負担といっておりますけれども、加害者がわかればよろしゅうございますね。いまおっしゃるようにわからない場合があると思うのです。その場合に一体どうするかということの法律的根拠は何もないわけです。ですから、そういう点はちゃんと法律的に整備しておかないと問題じゃないか、こう思うのです。ですから、その辺だけの判断をちょっと最後に聞かしてほしいのです。
#63
○参考人(尾崎芳雄君) 難視聴問題については協調組合的な地元の、まあ僻地でも希望によってNHKさんが特に技術援助その他をして解決していくところがございますね。ですからあの放送法の全国あまねく放送を見せるという趣旨はいろいろな努力によって行なわれておると思うのです、NHKさんの場合については。ただこれが都会でも、たとえば赤羽のあたりに百軒ぐらいのものはあるようでございます。それから最近では、中目黒のほうに、やはりそういう形で地元の住民の希望をもとにしたものが何か町内会でやっていまできております。これはしかし七チャンネルくらいの同軸ケーブルでございます。これがいまの法案の形でも大体三百以上ですね。大きな規模になりますと、この法案のあれになりまして自由にできない。小さいものは自由にできるはずでございますね、この法案ができましても。そうしますと、われわれが常々考えているCATVというものの将来性の問題に引っかかってくる。つまり、それが二重投資になってもかまわなければいいわけですが、そういう同軸ケーブルを引いている業務区域の問題がある。つまりもっと多目的なもの、ファックスとか、いろいろサービスをやるというものが発達してきた場合、ここのところはどういうふうに、混乱状態にならないかという点で、やはり同じ線で、そういう長い目で見た許可のしかたですね――おわかりでしょうか、そういうような方向で行ってほしいということでございます。難視聴だけのために日本放送協会が自力でやるというのもたいへんでございますから、実際ひとつおれのところもやれ、おれのところもやれということになったらたいへんな数になりますからこれもたいへんでございますが、難視聴問題はもっと広い社会的な問題として扱うべきだということが第一ですね。それからCATVでやる場合でも将来性のあるものとの関連で考えていってほしい、つまり許可制においては同じ基準において許可してほしい、こういうととでございます。
#64
○参考人(竹河信義君) いまの関連で。
 ただいま鈴木先生の問題ですね、たいへん都市難聴がクローズアップされておりますけれども、実際従来のいなかにおける、辺地の難視解消、私は、四十三年ですか、全然NHKさん当時誠意がなかったものだから受信料の不払い運動をやろうかと、こういうことをかまえたところが、たいへん前向きの姿勢で取り組んでいただいて、その後辺地対策ができまして非常に精力的にやっていただいております。ですから、完ぺきではございませんけれどもまあやむを得ないということで私たちも非常に連携をとってやっております。私のところはいま四千五百世帯カバーしておりますが、実はこの中に難視世帯があるわけです。この難視世帯を株式会社でCATVを経営はしておりますけれども、この中に大体四分の一はどこの電波も入らない、置局されておりますけれども、いわゆるUHFの電波は直進しますから、山陰があるわけです、ですからこういう株式会社といえどもNHKさんは当然援助してしかるべきである、こういうふうに考えます。ですから、それは事業体が違ってもその目的によってダブった政策が行なわれてもよろしいのではないか、このように判断いたします。
 それからもう一つ、鈴木先生がさっき一瀬先生に質問した双方向の問題ですが、双方向は一体どの程度の技術水準をもって双方向とするかということに問題があろうかと思うのですが、私のところは昨年の九月からできて、もうほとんど九〇%工事が完了しております。この月の二十五日には、ただいま十五日に下田の市長選が告示になりまして、それから小学校の講堂が開票場になりますから、開票速報をする予定でおります。これは一つの双方向です。ただビデオ信号で結局バックさせまして、そしてそこから分配します。それも一つの双方向であるといえば双方向でございますが、双方向の問題は将来の結局利用メリットというのですか、いろいろビジョンとしての問題と現実的な問題とは必ずしも一致しない。だから現在においても双方向といわれる仕事をやっているわけですから、いわゆる事業の中で、この問題は事業法案としての中で包括してやはりやっていただきたい、このように考えております。
#65
○委員長(杉山善太郎君) これにて参考人の方々に対する質疑は終了いたしたものと認めたいと存じます。
 参考人の方々には御多忙のところ長時間にわたり御出席いただきまして貴重な御意見をお述べいただきましてまことにありがとうございました。お述べきいただきました御意見は今後の当委員会の審査に多大な参考になることと存じます。委員会を代表いたしましてお礼を申し上げます。
 どうも本日はありがとうございました。
 これにて、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時五十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十五分開会
#66
○委員長(杉山善太郎君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 有線テレビジョン放送法案を議題といたします。
 前回に引き続き、これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
#67
○塩出啓典君 それではCATV法案の実質に入ります前に、これは一昨日の外務委員会で社会党の田議員が総理に質問をした問題でございますが、ラジオ関東の社長が台湾独立運動に非常に力を入れているんじゃないか、そういう点についていろいろ質疑があったわけでございますが、これは電波行政にも関連をする非常に大事な問題でございますので、この際郵政大臣としてそういう内容をすでに聞かれているかどうか、どのように理解されているか、それをまずお伺いしたいと思います。
#68
○国務大臣(廣瀬正雄君) 私まだ内容は承っておりませんけれども、これに関連いたしまして御質疑がございますれば、お答え申し上げたいと思います。原則と申しますか、そういうことについて私の考えをお答えしたいと思っております。
#69
○塩出啓典君 まあ内容もどういう内容であるかということは、まだ詳細にはつかんでないということですね。これは私まあきのうも御連絡申し上げたわけですけれども、やはりほかの委員会であった問題にしても、事、電波行政に関する問題であり、総理もそれに対していろいろ対策を立てるという、そういうお話だったわけですがね。そういう点、非常に私はそういうお答えでははなはだ不満足でございますが、これはいまさら言っても始まりませんので。
 ただ、一昨日の委員会で問題になりました点は、これはいわゆる台湾独立運動という問題は、非常に微妙な問題だと思うんですね。けれども、中華人民共和国にしても、台湾――中華民国にいたしましても、中国は一つであると、そういう中で、そういう台湾独立運動というものは、やはり国際の緊張を非常に増すという、そういう大きな観点から、非常にまずいんではないかと思うんですけれども、この委員会で問題になりましたことは、やはり公共の電波を使用している、そういう放送会社の社長が、社長の立場でそういう運動に出るということはどういうことか、それともう一つは、やはりそういう会合に関する諸経費が会社の中から出されておる、そういうような問題ですね。それからまたその社員名簿にもなく、あるいは嘱託にもなっていない三名の人に嘱託料が払われて、この三名がこの独立運動の後援会の発起人になっておる。そういうふうに会社の金が、そういう一つの目的のために払われている。しかも会社は六千三百万円の赤字を出しておるというような点が問題になりまして、総理は事実であるならばそれはゆゆしいことであると、あくまで放送の表現の自由は守りたいが、実情を調べて考えたい、そういうような答弁をしているわけですね。
 そこで私が今日まで、郵政省の考え方としては、この放送法の四十四条等において放送の内容はいかにあるべきか、そういうことが規定をされておるわけでございますが、そういう放送の内容に、たとえば非常に公平でないとか、事実に反したことがあるとか、そういう放送法に書いている基準というものに反した放送をした場合には、これはまあ問題になるけれども、それ以外のことは、これはやはり郵政省としてはタッチできないと、そういうふうに私たちは、いままで郵政省の考え方は、そういうものであるような、そういう感触を受けているわけですけれども、それと、やはり一昨日の委員会における総理の答弁、これは事実であるならばゆゆしいことである。実情を調べて考えたい、そういうようなことを言っているわけなんですけれども、そういう点で私は、いずれが政府の考えなのか、非常にそのあたりに、これは非常に大事な問題ですからね、これをただしておきたい、そういうわけで質問したいわけでございます。その点はどうでしょう。
#70
○国務大臣(廣瀬正雄君) 現行法の上から申しますと、民間放送につきましては、最大の限度における自主性が認められておるのでございまして、郵政省が法律上処置できるような仕組みにはなっておりません。一般的に申し上げますと、しかしながら、民放といえども、放送事業者は、国民の共有の財産でございます電波を使用して事業をやっておりますものでございますから、その経営の責任にあたります者は、その責任を自覚していただかなくちゃならないということは当然だと考えるわけでございます。他方、国民は個人といたしましての思想の自由が保障されておるのでありまして、放送局の経営者といえども例外ではないと存じますけれども、一般放送事業者の民放は、その在立の基盤となる地域社会と密着性を持ちまして、その社会に奉仕するという放送を行なうことが期待されておりますわけでございますから、公私の別を混淆するような経費の使用がなされるといたしましたならば最も好ましくないことだと、このように考えておりますわけでございます。
#71
○塩出啓典君 これに対しては郵政省としては、いまそういう放送というものが共有の財産でございますので、そういう放送事業によってできた収益というものは、これは当然やはり大衆に還元されるというか、そういうことでなければいけない。それが非常に片寄った一つの目的に使われることは非常によろしくないという、そういった意味の大臣の御答弁だと思うんですけれども、それに対して、一昨日の外務委員会で質問のあったような、そういう台湾独立運動に金が使われているとか、そういう事実があるという話ですけれども、それに対しては郵政省としてはあるいは調査なり、総理は調査すると言っているわけですけれども、そういうやっぱり調査等をされますか、どうしますか、それは。
#72
○政府委員(藤木栄君) 郵政省といたしましては、そういう調査は現在の法令上でもできないわけでございまして、特にいたさないつもりでございます。
#73
○塩出啓典君 そうすると、総理は、そういうゆゆしい問題だから調査すると言うし、郵政省は、そういう権限がないからそういうものは手出しようがない、これじゃ非常にわれわれどちらを信じていいのか。やはり総理というのは内閣の責任者ですから、その点はひとつ郵政大臣も総理のほうに話がなければ、郵政大臣のほうから話をして、私はやはりはっきりさせていただきたいと思うのですよ。まあそういう点で、私ここで内閣法制局の方にお聞きしたいと思うのでございますが、やはり放送というものは国民に影響するところが非常に大きい。そういうわけで、やはり放送の経営者の姿勢というものは私は非常に大事だと思うのですね。けれども現在の放送法からいきますと、番組がいわゆる公平であり、番組にさえ問題がなければ、あとの問題についてはどうしようもない。そういうようなやはり郵政大臣の御答弁なんですけれども、やはり現在の放送法というものを法律的に解釈した場合、法制局としてはどういう見解を持っているのか。これをちょっとお伺いしておきたいと思う。
#74
○政府委員(角田礼次郎君) 放送法につきましてはいろいろ規定がございますけれども、ただいま御指摘のように、やはり放送事業あるいは放送の自立ということを中心としていろいろな規定が設けられているわけでございます。したがいまして、放送の内容その他につきまして若干の基準が設けられ、また、それに違反した場合にある程度是正的な措置がとられることになっておりますけれども、それ以外の点につきましては少なくとも放送法としては関知していないということが言えると思います。
#75
○塩出啓典君 放送法のたてまえから言えばそういうようなお話でございますが、ただ、私はしろうとなりに考えるわけですけれども、第一条には「放送を公共の福祉に適合するように規律し、」とあるわけですけれども、「その健全な発達を図ることを目的とする。」、公共の福祉に適合するという、これは私はやはり民間放送にも全部にかかる問題じゃないかと思うのですけれども、そうした場合にたとえば収入があった、収入があれば私はそういうのは社員の待遇をよくして、やはり社員の待遇がよくなるということは放送の内容の充実につながっていくと思うのですね。あるいはまた番組の向上にやっぱりお金を入れる。あるいはまた難視聴対策ですね。まだまだNHKの中継局の数に比べれば民間放送の中継局は非常に数少ない。そういう点でNHKが見えてもまだ民間放送が見えない。そういうところが非常に多いわけですね。そういうところにやはりお金をつぎ込んでいくのがこれは私は当然の義務ではないかと思うのですね。義務というか……、放送業者に課せられたやはり義務じゃないかと思うのですよ。
 ところが、今日まで一部においてはそういう収入が関連企業に投ぜられるとか、あるいはまた今回のように一部のそういう独立運動の資金に回されるとか、あるいは特定の政党に対する政治献金がなされるとか、そういうことはやはり私はこの第一条の趣旨からいってもこれはやはりよくないのじゃないか。これはやっぱり私はいま国家権力が放送に介入するということは、これは非常に庶民も敏感ですけれども、だからといって、公共の福祉がやはり無視されているということをいつまでも放任していくということはよくないのじゃないかと思うのですよ。そういう点でやはりそういう放送業者のやはり姿勢、いまこれは自主的にやるのが一番いいわけですけれども、そういかない場合には、やはり公共の福祉という立場で、ある程度は政府も意見は堂々と言って、そして世論がそれに対して郵政省のやり方は間違いだと、やはりあとは世論の判断にまかすべきだと思うのですね。いままでは表面はやらないけれども、裏でいろいろ圧力を加えたりで、そうでなしに、堂々とそういう公共の福祉に適した放送を実現するために、私は、郵政省としては指導する責任があるのじゃないかと思うのですけれども、そういう点は郵政大臣はどう考えていますか。
#76
○国務大臣(廣瀬正雄君) 先刻もお答え申しましたように民放、一般の放送業者といえどもきわめて公共性を持った電波、これを使用いたしましての企業でありますわけでございますから、たとえば私企業でございましてもそうした公共的な利益というものはよほど考えなければならない、中立的な態度もとるべきだと。これは道義的な問題といたしまして、法律で明記されていないわけでございますけれども、経営者はそうした自覚を持って世の指弾を受けないようにあるべきだということは言えると、かように考えておりますわけでございます。
#77
○塩出啓典君 きょうはお忙しい中を民間放送の専務理事もお越しいただいたわけでございますが、私はやはり一番いいのは、民間放送の経営者仲間は、ほんとうに自覚を持って、とやかく言われないようにやっていくのが一番いいんじゃないかと思うんですけれどもね。そういう点で、どうなんですか、皆さんの考えとして、私がいま言ったように、やっぱり放送というのは、公共の福祉か第一義だから、だから収入があっても、それはできるだけ社員の待遇をよくするとか、あるいはまた、難視聴対策に力を入れるとか、番組の向上に入れるとか、そういうことがやはり本義であって、しかも国際的にも非常に緊張を、国際関係を悪くするおそれのあるようなことに、一つの公共の電波を持つそういう放送会社が、そういうような方向に行くということは、いずれにしても、好ましくないと、私はそう思うんですけれどもね。民間放送の専務理事として、そういうのはどのように考えておられるのか、それをお伺いしておきたいと思います。
#78
○参考人(杉山一男君) いま塩出先生のお話ですが、私もその内容についてはよく存じておりません。また、ことに経費がどういうように使われているかというようなことは民放連で調査するわけにもいきませんし、今後といえども、そういうことは不可能に近いんじゃないか。ただ、われわれは民間放送連盟というものを組織して、それは一つの定款によって、定款の範囲内において仕事をしておるわけでございます。いまお話の点は、われわれ放送事業者は、それぞれ自粛自戒して、そしてお話のように、公共の福祉にこたえていくということを常々考えております。民放大会というのがございますが、今度鹿児島で催しますが、そういったときにも、そういうことを利用して、われわれが日ごろ考えておることを率直に話し合って、われわれの反省の場とするというふうにしておるわけであります。したがいまして、民放全体といたしましては、皆さんも、そういう自覚の上に立って、放送事業を経営しているというふうに私は理解しているわけであります。個々の個人的な問題になりますと、これは先ほど大臣のお話にもありましたように、憲法に保障されておる思想の自由とか、職業の自由、いろいろございまして、なかなかそういう点に関与するということは非常にむずかしい問題でありまして、われわれ民放連全体の問題としては、おっしゃるとおりの方向で、われわれはいつも努力しておるということでございます。
#79
○塩出啓典君 非常にまあそのあたりは私もお答えを聞いてなかなか釈然としないわけですけれども、確かに、そういう表現の自由ということは、当然やはりこれは認められていかなければならないわけですよね。表現の自由ということも、やっぱりあくまでも、じゃあ表現の自由だから何でもいいかというわけには……。公共の福祉ということが大前提のもとでの表現の自由でなければならないと思うのですね。民放連にしても、そういう会社の個々の内容についてはどうもしようがない、郵政省もどうしようもない。それだけやはり経営者がほんとうに自覚を持ってやってくれればいいわけですけれども、もしそういう自覚を持ってやってくれないような人がおった場合には、どうしようもないわけですね。今回、これからCATVの法案、この法案の内容では、たとえば区域内のいわゆる再送信をする場合の料金というのは、ちゃんと大臣の認可制ですか、大臣のやはり権限で、あまりもうけ過ぎしないように、いろいろそういう権限もあるわけですよね。ところが、CATVのようなこまかいものはそういうふうにやって、むしろ全国的に影響力のある現在の既存の放送については、非常に私は、言うなれば、無責任といいますかね。これでは、国民の生活に非常に影響を及ぼすそういうテレビというものが、はたしてどのような方向にいくのか、非常にわれわれもそういう点を憂えるわけですね。だからと言って、じゃあ、何でもかんでも権力介入するということは、いまの世論としてはできないわけですね。そういう点は結局はやはり民間放送におきましてもそういう点を一つ自覚をしていただいて、まあこういう形での国家権力の介入というようなことのないように、その点はひとつ要望ですけど、お願いしたいと思うのですよ。
 郵政大臣としても、放送番組の内容自体云々ということじゃありませんけれども、やはり公共の福祉に合うように、ある民間放送の経営者といろいろもっと懇談するなり、そのあたりは、電波を認可してしまえば、あとは野となれ山となれという、われわれから見ると、そういう感じですが、もう少しそういう経営者の姿勢というものに対して、積極的にいろいろ話し合いもし、また大臣としても、公共の福祉を守るために言うべきことは、私はどんどんやってもらいたいと思うのですよ。たとえばテレビの難視聴の問題にいたしましても、私こうやっていろいろ資料をいただいたわけでございますが、NHKはたくさん置局をしてますけど、NHKの置局の数と民間放送の同一県内の置局の数、そういうものを見てみますと、かなりやはり差があるわけですね。また非常に、差の、ほとんど同じぐらいいっているところもあるし、年代は古いけれども非常に差がある。こういう数字だけでは一がいに言えませんけれども、やっぱりこういうのもいろいろ研究していけば、そういう難視聴解消に対する民間放送の熱意というものがはたして正しいかどうか、そういうような問題もあると思うのですね。やっぱりそういうような問題なんかは、じゃあ、だれがそういうのを、いい方向に向いていくか、いまの段階では、これはもうわれわれ大衆はどうしようもないわけですね。大衆にかわってやはり郵政省としては目を光らして、そういう公共の福祉という大前提に合うように、経営者の姿勢を正すための努力をしてもらいたい、私はそのことを要望したいわけですけれどもね。この点どうですか、郵政大臣。
#80
○国務大臣(廣瀬正雄君) 一般放送業者の姿勢の問題でございますが、これは私は先刻来申し上げておりますように、電波は国民共有のものであると、その電波を使用いたしましての放送事業でありますわけでありますから、絶えず公共の福祉、公益というものを考えて経営に当たっていただかなくちゃならないということは、私は当然道義的は立場から言えると思うのでございまして、そういうことについては民放連が自主的にいろいろ話し合いをいたしまして、いい方向に相携えて向かっていくような空気を醸成して進んでいらっしゃるように、私ども拝察いたしておりますわけでございまして、郵政省といたしましても、そうした正しいあり方については大いに指導してまいりたいと、こういうふうに考えておりますわけでございますが、さらにまた、具体的な問題といたしまして番組向上の問題があり、また難視聴解消の問題がありますわけでございますが、番組の問題につきましては、御承知のように、放送法の大精神といたしまして、三条に番組編成の自由というのがうたわれておりますわけでございますが、さらにまた四十四条の三項に、その自由に基づきましての準則というのが列挙されておりますわけでございます。こういうことに基づいて大いに番組の向上に努力してもらわなくちゃならぬわけでございますけれども、しょせん私考えてみますれば、番組の向上というものを、あるいは行政指導でありますとか、あるいは監督の強化でありますとかいうようなことでやるということは、結局、効果の少ないものであり、またいろいろ弊害を伴う。
 現在の法制のたてまえといたしまして一番効果のあることは、このNHKを含めまして放送業者が自主的に番組の向上に努力してもらうと、その気持ちを促進することがきわめて肝要だと思うんでありまして、四十四条の三項にいろいろ準則が列挙してありますけれども、これによって直ちに電波法の七十六条に持っていくわけにはまいらないということは、すでに御承知のとおりでございまして、四十四条の三項に列挙しておりますことは、総体的な解釈をしなければならない。一つの番組に瞬間的にあるいは短時間あの準則に違反することがございましても、全編として、その編を通じまして違反することがなければ問題になりませんし、また断片的でなく、瞬間的でなく、全編を通じましてこの準則に抵触をいたしておりましても、それだけでは足らないのでありまして、何回か繰り返されるというようなことで、つまり四十四条の三項というのは、総体的に解釈しなければならぬ。全編を通じてそういうことがあり、しかもたびたび繰り返されるというような事実がなければ七十六条に持っていけない。しかもビデオテープをとるわけにはいかないことになっておりますわけでございますから、四十四条の三項にちゃんと列挙いたしておりますけれども、事実総体的にそういうようなことがございましても、何らかの証拠によって七十六条に持っていくということはできないわけでございますから、私は現在の法制の立場から申しますと、やはり放送業者が、自主的に放送番組の向上に努力なさるということ以外には方法はないと思いますが、幸いに各放送業者とも番組審議会という自主的な機関を持っておりまして、また、NHK、民間放送業者が提携いたしまして、番組向上委員会というのをつくっておりますので、こういうような自主的な機関によって、法制的でなく、自主的な機関によって番組の向上をはかっていくということ以外に私は効果的な方法はないと、このようにも考えておりますわけでございます。
 それから難視聴解消の対策といたしましても、NHKにはああした普及の義務があるということがうたわれておりますわけでございますけれども、民放には、そういうことがないのでありまして、放送法の改正にあたりましては、民放にも、電波が公共的なものだから普及の義務があるということをうたうべきだという御意見もありますが、私はこれは傾聴に値する意見だと思っておりますわけでございますけれども、現在まだそうした法制がないわけでございまして、したがいまして、ただいま御指摘のようにNHKの中継局はかなり行き届いておりますけれども、民放はNHKほどないと、これは業態から申しまして、また、法制の立場から申しまして、ある程度やむを得ないことじゃないかと思っておりますが、これまた、道義的に自主的に公共の財産である電波を使って放送事業をやっているんだということを自覚していただきまして、そうして法律にうたわれていないけれども、難視聴の地域を解消するということはわれわれの責任であるというようなお考えをいただきまして、だんだんそういう努力を重ねてやっていただくということ以外に方法はないと思っておるのでありまして、そういうことにつきましては、私ども絶えず会合がありますごとに、番組の向上でありますとか、あるいは難視聴地区の解消の問題でありますとか、ぜひひとつ御協力願いたいと、ぜひ御自覚をいただきたいということを促しておりますし、また、再免許のときにおきましては、特に、そういうことは強調いたしておりまして、御協力を願っておりますわけでございますが、法制的に、私は現在の法制では実効があがらないと思っております。無理して法制をつくりましても、結局はそれは放送番組の介入でありますとか、放送の自由の侵害でありますとかということになりますわけでございますから、これはやはり放送業者の自主的な自覚によって、放送番組の向上でございますとか、この難視聴地区の解消でありますとかいうことに御奮闘を願うということが、一番効果的であるというように私は考えておりますわけでございます。
#81
○塩出啓典君 大体ぼくらの感じは、どうも郵政省は現在の放送法にそういう規定がないから結局だめなんだと、だから、やはり放送法の改正をして、もっと民間放送に対しても義務づけなければ、できないんだと、そういうような観念が私は非常にあると思うのです。これは私に言わせるならば、ひきょうなやり方であって、そういう法律に基づいてやるというのじゃなしに、やはりこれは、法律にも、ちゃんと公共の福祉があるわけですから、公共の福祉という立場から私はもっと堂々と、変な番組の介入というのじゃなしに、公共の福祉になるような明らかなことは、やはり積極的にひとつやっていただきたいと思いますね。
 それで、総理の外務委員会における答弁の内容というものは、郵政大臣のいま言われた答弁とはだいぶ違うわけですよ。食い違いがあるわけですよ。ここに総理もおりませんからね、ここで云々と言っても、これはまた次の機会に、総理でも、この逓信委員会に来ていただいて、これはやはり真剣にやらなければならない問題と思うのですが、郵政大臣もひとつ、総理からもよくその事情を聞いて、よく説明をして、やはり放送業者の自主的に、自覚を持ってやっていただくように、さらにひとつ努力をしていただきたい、そのことを要望したいのですが。
#82
○国務大臣(廣瀬正雄君) 承知をいたしました。直ちにひとつ総理のほうと連絡をとりまして、どういう御趣旨でそういうことを答弁されたか。とにかくまあ同じ閣内のお互いでございますから、放送電波法の解釈では、私の解釈のほうが正しいと私は自信を持っておりますわけでございますけれども、総理は総理として信念を持っておっしゃったことでございますから、十分意見の交換をいたしてみたいと、こういうふうに考えております。
#83
○塩出啓典君 それで、ラジオ関東は四十六年の決算で、かなり赤字が出ておる、そういうことを聞いているわけでございますが、大体これはどうですか、ラジオ部門で、全国的に赤字を出している会社というのは、かなり多いわけですか、これはどうですか。
#84
○政府委員(藤木栄君) 現在、ラジオ単独で放送を行なっている会社と、それからテレビとラジオと両方をやっているところがございまして、兼営のところは、必ずしもラジオ部門とテレビ部門との経営の内容といいますか、その収支が明確じゃないところがございまして、どれだけ赤字を出しているかということははっきりしない面もあると思いますけれども、私どもの聞いておるところでは、ラジオというのは、一時はテレビに食われまして、あまり芳しくなかったわけですけれども、いわゆる自動車といったもの、カーラジオといったものの普及によりまして、一般的には、わりあいに経営がよろしいというふうに聞いております。ただ、もちろん社によりましては、多少赤字を出しているところもあると思いますが、ラジオ関東につきましては、私もいまちょっと手元に資料がございませんので、どれだけ赤字を出しているか知りませんけれども、私の一般的な感じでは、それほど大したことはないんだろうというふうに感じております。
#85
○塩出啓典君 会社が赤字であれば、どうしても従業員の待遇もあまりよくならないし、そうなると、どうしても士気も上がらないし、放送の内容もあまりよくならないんじゃないか。これは私も公共の福祉から考えて、マイナスじゃないかと思うんですね。そういう点はひとつ郵政大臣個人としてでもしっかり指導していただいて、よく話し合いをして、そうして、やはり公共の福祉に合う放送ができるように、それはやはり基盤は、その会社の経営者の姿勢というものが一番大事なわけですから、そういう点――免許するときの条件もやはり経営的な基盤というのをちゃんと検討して、やはり先般のこの三十キロワットに増力しているわけです。この場合だって、当然郵政省もそういうような点等も考えてやはり認可するわけですからね。それが赤字を出すなんていうのは、私は郵政省にもこれはひとつ責任があるんじゃないかと思うのですね。そういう点もひとつよく検討していただきたい。そのことをお願いしておきます。
 ひとつ、民放のほうの皆さん方もそういう点、郵政大臣が言われましたように、厳正にひとつ自粛をしていただいて、やはりわれわれの仲間の中から、放送人としてふさわしくない人が出ないように、やはりお互いが、自分だけやっておきゃ、ほかのことはどうでもいいんじゃなくて、やはり民放全体のひとつ業界の問題として、さらにその点については努力をしていただきたい、そのことを要望しておきます。
#86
○参考人(杉山一男君) 公共の福祉と、それから表現の自由の問題、先ほど出ましたので、ちょっと触れておきますが、民放連といたしましては、番組について非常に最近きびしい考え方をとってきておるわけであります。先ほど大臣からもいろいろお話がございましたように、番組向上委員会をNHKとつくって、そしてここの委員さんには、最近われわれ民放内部には、きびしく意見を出して、言ってほしい、そして数多く、経営者あるいは番組をつくる責任者と会合を持ってほしいということを希望しておりまして、おそらく、ことしは二十回以上会合を持つんじゃないかと思います。そういうように、われわれが言論や表現の自由を守るためには、われわれみずからの姿勢も正さなくちゃいけないという観点に立って努力しております。
 また、民放連の事務局の中にも、放送基準室というものを設けまして、民放連の基準審議会というもののより活発に活動できるような体制を整えており、そしていままでよりも積極的に、問題の番組があれば、その番組をレコーディングして、見ながらみんなで討議をする、そして放送基準に照らして、これがどうかということを徹底的に検討していきたい、こういうふうに努力することにしております。
 また、中継局の建設につきましても、大体二次プランについては、ほとんど完成しておるわけでありますが、ただ一、二離島で、親局の電波がまだ届かない、そういうようなところで、中継用の局までつくって、そちらへ持っていくというようなところまでは、まだいかない点がございますが、そういった点にも極力努力していきたい。また、それ以外の微小局についても努力していきたい。まあNHKさんはもう三百世帯ぐらいまで進んでおりますけれども、民放の場合なかなか経営との関係で、直ちにそこまで持っていくということは不可能でありますが、できるだけそういう点に努力していきたい。こういうふうに考えて、機会があれば会長のほうからそういう話も出されておるわけであります。
 ただ、民放は一つの私企業でございますので、簡単になかなかいきかねる点もございます。そういった点もひとつ御了承いただきまして、われわれも及ばずながら努力していきたい、ことに公共の福祉の問題については、われわれその放送事業者等の責任において努力していきたい。なお、仲間の仲間意識についても、われわれは理事会とかあるいは民放週間とか、民放大会、こういう機会をとらえて、お互いが自粛するような体制を整えておりますので、ひとつ先生方も今後とも御協力をいただきたいと思います。
#87
○木島則夫君 塩出委員の御了解をいただいて、杉山参考人に一言ちょっと関連させて質問をいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 放送事業者が、個人としての思想の自由の立場から行動を起こすことが、いまここが論議をされたわけでございますけれども、私が、マスコミ出身のこういう議員だからお尋ねをするわけではございませんけれども、この点についていかがでしょうか。マスコミ出身の議員がテレビに出演することの民放連としての見解ですね。
 それからこういうことが最近、逓信委員としての私の耳に入りました。総裁争いのトップクラスの方が、夜のゴールデンの番組に三十分、ゲストもまじえずお出になった。こういうことは、いわゆる放送番組編成上問題にならないんでしょうかと、いま非常に渦中の方であるだけに、問題にはならないんでしょうか、というようなお問い合わせがございました。一応そのまだ事実をおつかみになっていらっしゃるかどうかわかりませんけれども、たいへん大事な問題でございますから、この際ちょっと伺っておきたいと思います。
#88
○参考人(杉山一男君) 私は、先生方が番組に出られるということについては、それが、その党とか、あるいは個人的な宣伝にわたるものでなければ、これは差しつかえないんじゃないかと考えております。
 そして、いま総裁選に渦中の人たちが出たということでありますけれども、総裁選というものは、あれは自民党の問題で、国民がそれに投票するとかいうような問題でないために、選挙法に触れる問題ではないんじゃないかと思います。で、私たちは、先生方あるいは立候補を予定される人たちが、放送を通じて選挙運動にかかわるような問題が起きれば、公職選挙法の立場からお断わりをするということはありますけれども、それ以外の場合は、これは私は問題ないんじゃないかというふうに考えております。
#89
○塩出啓典君 そこで関連いたしまして、非常にテレビやラジオというのが茶の間の中に飛び込んでくるということで、われわれ国民あるいは青少年に及ぼす影響は非常に大きいものがあると思うんですね。最近いろいろ暴力の問題とか、ポルノの問題とか、そういうのが問題になっておりますが、はたしてそういうテレビというものは、どのように青少年に影響していくか、アメリカ等におきましては、大統領の特別委員会において、いろいろ何か検討した結果、暴力はないほうがいいけれども、セックスのほうはあまり影響ないんじゃないかとか、そういうようなこともアメリカでは言われているわけですね。
 それで、これは文部省に聞きたいわけですけれども、NHKの国民時間調査では、四時間くらいですね、一日、テレビを見ているわけですね。そういう点で、テレビの影響というものはどういうものであるか、また、青少年の健全な育成、世論形成の上において、やはりテレビの内容はいかにあるべきかというようなことが、私は、もっともっとあらゆる識者を集めて検討されなければならないんじゃないか、そういう点については、郵政省は全く不熱心、これは法律にないから不熱心なんでしょうけれども、全く関知してない。単なる免許ばかりしているわけで、放送内容とその青少年の影響、そういうような問題については文部省としてはそういう研究をやっているのかどうかですね。また一方においては、放送だけじゃないと、やはり家庭におけるテレビの見方というものも大事なんだと、そういう点で、やはりテレビの見方というものも大事だという意見もあるわけですよね。私はどっちがどうかわかりませんけれども、やはりテレビの見方というものに対しても国民的な合意の上に基づいて、一つの何らかのナショナル・コンセンサス的なものがなければいけないんじゃないかと思うですがね。そういう点について文部省としてはどう考えているのか、この際ちょっと承っておきたいと思うんですけれども。
#90
○説明員(川崎繁君) いま先生御指摘の問題はたいへんむずかしい問題かと思います。ただ、お話の中に、どのような影響をテレビが与えているか、これを的確に何かつかむための研究をしているかというお話がございましたが、特に文部省としてそういう研究を続けているということは現状としてないのでございます。実は先生御案内のとおり、テレビそのものの教育的な利用というものの効果はたいへん高うございますので、私どもといたしまして、青少年に与える、テレビを利用した教育的な効果を、より多く高めるための方法というものは、いろいろ研究もし、施策としても行なっております。同時にまた、いまお話がございましたように、テレビを家庭でどういうふうに見て、たとえば親が子に向かってどういう教育上の知識を持ったらいいかというようなことについては積極的に民間放送にお願いいたしまして、そして、御案内かと思いますが、「親の目・子の目」という家庭教育番組を民間放送を通しまして、全国に流しておるわけでございます。そういったふうなぐあいで、テレビの教育的利用について文部省として積極的ないろいろな施策を進めております。
 また、たまたまポルノのお話が出たわけでございますので、これに触れますと、やっぱり性的問題についてのテレビの画像から青少年に与える影響というのは、正確に、厳密にどういう影響があるかというのはちょっと的確に、研究不足で十分まだつかみ得ないところがございますけれども、関係者の論文等を拝見いたしますと、いまアメリカのお話が出ましたが、むしろ性的な問題の影響力というのは、テレビのほうが日本では大きいんではないかという論文も、私一、二見たことがありますけれども、特に俗悪な番組につきましては、われわれといたしましても、気を使っておるわけでございます。文部省というところは、いまのような問題と同時に、むしろ青少年を健全に育成をしていく、これをたてまいにいたしておりますので、青少年の団体活動というものを進める方策、あるいは、青少年教育の施設を自然の中にたくさんつくって、たとえば青年の家でございますとか、少年自然の家とかというのがございますが、そういうものを普及をして、そういった場の教育的な活動を大いに助長をする、あるいは、指導者を大いに養成していく、こういうような面で取り組んでいるところでございます。
#91
○塩出啓典君 そういう施設をつくるのはいいんですけれども、やっぱりテレビというのは、やはり好むと好まざるとにかかわらず、非常に国民の中に入り込んでいるわけですから、それはわれわれは知らず知らずの間に、いろいろな俗悪番組と言っても、これは人によって考えがありまして、これは俗悪番組ということ自体がどういうものか、やっぱりこれはもっと研究しなければならない問題だと思うんですね。頭の古い人が俗悪番組と言っても、若い人にとってはいいかもしれないけれども、私はそういうことを、もう少し文部省も真剣に――学校におけるいわゆる放送教育番組は活用されておりますが、それ以外に家庭におけるそういう番組についてやはり文部省のそういう教育的なというような立場から、もっとやはり取り組んでもらいたい。私はそのことを要望したんですけれども、郵政大臣もやっぱりただ免許すればいいんじゃない、やっぱりそういうテレビがほんとうに健全な青少年の育成に役立つように、やっぱり関係各省にひとつお願いをして、郵政大臣はもっと積極的に取り組んでもらいたい。私は文部省と郵政省に要望したいと思うんですが、その点、どうですか。
#92
○国務大臣(廣瀬正雄君) さっきは、塩出委員は、郵政省は不熱心だと言われましたけれども、この問題については、郵政省はきわめて熱心でございます。放送行政において一番重点的に力を入れてやっておりますことは、いろいろございますけれども、特に大きな重点的にやっておりますのは、放送番組の向上の問題と難視聴地区の解消の問題でございまして、先刻申し上げましたように、これは法律を改正するとか、あるいは強力な行政指導によって、内容に干渉するとかというようなことはできないわけでございます。やってみても、むしろ害多くして益なしというふうに考えておりますので、現在の方針を守りつつ、しょせん業者の自覚によってやってもらうという以外にはないわけでございますから、その自覚が機会あるごとに、これこそ強力にお願いを申しておりますわけでございまして、いろいろ業者の会合の場合とか、あるいはお目にかかったときとかというような機会をとらえて、また再免許の場合、こういうときに常にお願いをいたしておりますことなんでございまして、決して不熱心ではございません。最も重点的に力こぶを入れてやっております行政の二つの問題であるということで、さよう御了承をいただきたいと思います。しかし、御指摘のことはさらにさらに大いにやれということだと思いますから、その御趣旨に沿って十分努力してまいりたいと、こういうふうに考えておりますわけでございます。
#93
○説明員(川崎繁君) ただいまお話の向きについては、当然私どもといたしましても、前向きに取り組んでいくわけでございます。なお、先ほど具体的に申し上げませんでしたが、テレビの何といいますか、優秀な番組をたくさんひとつ流していく、こういうたてまえで、これは文部省としては、いま申し上げました「親の目・子の目」という家庭教育番組を、民間放送全国三十二局を通じまして、予算も約二億一千九百万円ぐらいでございますが、やっておりますし、また、文化庁におきましては、テレビの文化番組としまして、「美を求めて」という題名のもとに、本年度約三千万円をかけまして、作製、編成をすることになっております。さらに御案内と思いますが、毎年芸術祭がございますが、その際、優秀な民放のテレビ番組を表彰をいたしております。そういうような形で、積極的にテレビを文化的に、教育的に青少年の育成に役立つように取り組んでおるわけでございます。今後も努力してまいりたいと思います。
#94
○塩出啓典君 次に、番組審議機関、今回のCATV法案におきましても、番組審議会を置くということになっておりますが、現在までも番組審議会というのは、NHK、また民間放送にも置かれているわけでございます。現在の番組審議会については、さまざまの意見がございまして、番組審議会はあまり機能をはたしていないのじゃないか、あるいはあまりテレビを見ないようなお年寄りのところもあるとか、非常にそういうさまざまな意見があるわけでございますが、これは民放連として、正直言って、番組審議会というものは、ほんとうに十分機能を果たしていると考えておられるのか、その点どうですか、簡単にひとつお願いしたいと思います。
#95
○参考人(杉山一男君) 番組審議会は各社にございます。われわれが、この間資料を求めましたところ、番組審議会の意見によって、新しい番組ができたとか、問題の番組を廃止したとか、あるいは改正したとかというような点は相当な数にのぼっておるわけです。こういった点から見れば、番組審議会はそれなりの機能を果たしているのではないか、というふうに考えております。
 ただ、いろいろ各社には番組審議会がありますが、まだ問題の番組もなしとは言えないわけでありますが、こういう問題については、放送番組向上委員会のほうから、番組審議会の先生方とも話し合いをし、あるいは、各社の経営者とも話し合いをして、その問題点の煮詰めをやっているわけでございます。いろいろこういう問題となりますと、人それぞれによって考え方が変わっておりまして、価値観も変わるわけでございます。それでなかなか端的に結論を出すということが非常にむずかしい場合がある。そこで、そういったときに、番組向上委員会というものの作用というものが、また、価値があるじゃないか。そういう点で、総合的に検討しておりますので、私は、それなりに機能を果たしつつあるし、これからますます認識されていくのじゃないか、こういうふうに考えております。
#96
○塩出啓典君 これは私郵政大臣にも御検討をお願いしたいと思うのですが、やはり番組審議会というのは非常に大事だと思うのですね。現在の放送法では、番組審議会というものが、番組をいろいろ変えていく唯一のものだと思うのですね。そういう点で、番組審議会というのは、私は国民の代表でなければいけないと思うのですよ。アメリカでは、これは私ちょっと何かの本で読んでおったのでございますが、アメリカでは、たとえば民間放送のテレビ等では、この番組について意見があれば、どこそこに御連絡くださいとか、あるいは放送局の免許の更新が近づいてきますと、この放送局は何月何日に免許更新になるので、その免許更新に反対の人は六十日前までに、FCCに申し出てくださいとか、そういうように、放送の番組の中にそういう大衆の声を吸い上げるような、そういうのをやはりある程度義務づけている。そうして、より多くの大衆の声というものを、私は番組審議会等も大いに参考にしていくべきじゃないか。
 現在それはもちろん心ある人は、いろいろな意見を放送局にも送ってきていると思うのですけれども、正直いって、どこに送ったらいいのかということはなかなかわからない。クイズの送り先はわかっても、なかなかそういう放送に対する意見を述べる場所というのははっきりしないのじゃないか。そういう点で、テレビにおいてそういうものをある程度放送する、大衆の声をどんどん聞けるように、そういう点もやはり検討してはどうか、そういう考えはどうですか。
#97
○国務大臣(廣瀬正雄君) 先刻来申し上げておりますように、番組の内容の向上につきましては、業者が自主的にその自覚によって改善するという方法が最も効果的であろうかと思うわけでございます。したがって、各放送業者に付設いたしております番組審議会、それから民放とNHKが一緒になってつくっております番組向上委員会、こういうものを活用することが一番いいと、効果的であると私は考えておりますわけでありますが、したがって、たとえば御指摘の放送番組審議会、これが各業者の御用機関であってはならないと私は考えるのでありまして、やはり国民の声を率直に聞いて、私どもも郵政省として意見があれば、番組向上委員会でありますとか、あるいは番組審議会でありますとかというようなところに、連絡をとるというようなことにいたしまして、国民のための番組審議会、国民のための番組向上委員会というようなことでなくちゃならないと思うのでございます。
 それについては、御指摘のような方法もあろうかと思うのでございまして、やはり創意くふうによりまして、ほんとうに効果の多い、番組の内容の向上改善については、番組審議会、あるいは番組向上委員会があることによって、大いに期待でき、また、実績もあがっているのだというようなことに、皆さんから思われるような番組審議会でなくちゃならない。それについては、ただいま先生の御指摘のようなやり方も非常に効果的なことだと思うのでございます。いま具体的に御提示になりました方法につきましては、郵政省といたしましても検討してみたい、こういうように考えております。
#98
○塩出啓典君 ただいまの件につきましては、民間放送連盟においてもひとつ御検討いただいて、やっぱりアメリカなんかも非常に私、いろいろな本なんか読みますと、むしろ日本なんかよりも厳格な点もあるような気もしますし、そういう点で、郵政省に言われてやるというよりも、できれば民間放送独自に、もっと大衆の声を聞くように、すでに番組の中にも、そういう声を寄せてください、ということを、やっているところもありますけれども、そういうような点もひとつ御検討いただいて、大衆の代表の番組審議会であり、常に大衆の声をより多くキャッチできる番組審議会になるように、ひとつ御努力いただきたい。このように要望いたしたいと思いますが、その点どうですか。
#99
○参考人(杉山一男君) 民放連でも、近く、放送基準審議会の委員の方たちをアメリカあたりへ行ってもらって、そしてアメリカの放送が、どういう形で放送されておるか、それからアメリカでいま盛んにポルノの問題が出ておりますが、ポルノについてのアメリカの放送人の考え方、扱い方はどうなっているか、そういうようなことも検討してまいって、そしてわれわれの自主規制に役立てたい、こういうふうに考えていま検討中でございます。そういったことで、われわれ放送事業者みずからの自覚と意識によって、そして行動し、そして放送番組の自立をやっぱりあくまでも守っていきたい、こういうように考えております。よろしくお願いします。
#100
○塩出啓典君 それでは、映画というのは、お金を出して見に行くわけですね。だから、見たい人が見るわけですが、テレビというのは、見たくない人も見なければいけない。そういうわけで、われわれ映画よりもむしろテレビの内容のほうが非常に国民に及ぼす影響も大きいわけですから、ほんとうに厳格でなければいけないんじゃないかと思うのですね。ところが、日本では、映画は映倫という自主規制があって、もちろん映倫の自主規制も最近はいろいろ問題が言われておりますけれども、それに比べてテレビの映画、あるいは今度CATV等ができれば、かなりいわゆるビデオテープ等がたくさん出てくるんじゃないかと思うのですけれども、そういう点についての民間放送連盟としての自主規制の体制というものはどうなのか。われわれの感じでは、どうも映画のほうが非常にきびしくて、テレビの映画というのは非常に映倫より自由奔放になり過ぎているんじゃないか、そういう点どうですか。そういうことないですか。
#101
○参考人(杉山一男君) 映倫の問題がちょっといま比較の問題で出てまいりましたけれども、私は映倫よりも民放の各社の番組審議会、あるいは民放連が持っております番組向上委員会、あるいは放送基準審議会、この活動のほうがむしろ積極的に効果的に働いているんじゃないか、そういうふうに考えております。
 なぜなら、われわれ民放連では、個々に放送某準というものを持っておりまして、その放送基準に照らしてどうだということについては、われわれ仲間が十分検討し、そして経営者との間でも話し合う機会があるわけです。そしてまた、番組向上委員会からもいろいろ意見が出てまいります。その意見について放送基準審議会は審議会なりに、また基準に照らしてどうであるかということを検討しております。そしてそれが各社にフィードバックするというような形をとっておりますので、映倫は第三者機関でつくられておる自主規制機関ではありますが、むしろ放送のほうが、機能的には私は効果を上げ得る機構じゃないかというふうに考えて、その点、先生の考え方とちょっと違うわけですが、もちろん映画と放送は違います。直接茶の間に入ってまいりますから、われわれの放送基準は映画よりはきびしくなっておるはずであります。そういった点で、今後われわれがつくっておる放送基準が、守れるルールができてくるならば、十分その効果を上げ得るんじゃないか、そういうふうに私は感じております。
#102
○塩出啓典君 各社のいわゆる番組審議会の会議録、私、北海道放送を見せていただいたんですけれども、これはやはり公表して、国民のだれでも番組審議会の内容等も見せていただけると、そのようにすべきじゃないかと思うんですけれども、そうなっておれば、それでいいと思うんですが、その点どうですか。番組審議会の委員は、国民の代表ですから、国民はどういうことが番組審議会で審議されているかということを、やはり知りたい人には知らせるのが当然じゃないかと思うんです。その点はどうなっていますか。
#103
○参考人(杉山一男君) 民放連で月刊民放という雑誌がございます。そういったものに各社の番組審議会で、どういう問題を取り上げておるかというようなことは一応載せております。ですから、参考に見られることはできるのではないかと思います。
#104
○塩出啓典君 これはたとえば、私なら私が山陽放送を聞いていると、山陽放送の番組審議会が、どういうふうにやっているかということを知りたい場合は、行けば――雑誌に載っているのは、簡単にまとめて載っているわけですけれども、そういう会議録の全体というものも見せていただけるようになっておりますか。というのは、やっぱり会議録が公表されるということになれば、やっぱり番組審議会の皆さんもより真剣にやってくれるんじゃないかと、自主規制の効果を発揮するのじゃないかと、私はそういうふうに思うんですが、その点どうですかね。
#105
○参考人(杉山一男君) 番組審議会は、各社が設けておる番組審議会であって、民放連とは別に関係ない組織になっております。したがって、しかし私たちは、あくまでもそういう各社が、審議会がどういう番組を問題にしておるかとか、あるいはどういう点を指示しておるかということを、一応参考にするために、議題、そういったものは要約したものは載せるわけであります。したがって、先生方が必要があって、各社に尋ねて行った場合は、各社の経営者等とお話になれば、しかるべく見せてもらえるんではないかと私は思います。しかし、それはあくまでも民放連の組織とは別のものですから、各社の判断で処理されておるんじゃないかと、私詳しくは、それ存じておりません。
#106
○塩出啓典君 まあひとつ、各放送会社の審議機関は別かもしれませんが、また、各民間放送の経営者の方々にも視聴者から要望があれば、できるだけ見せろと、そういうふうに何かの機会に話しておいていただきたいと思うんですよ。では、どうも杉山さんありがとうございました。
 それから次に、有線放送テレビ、この法案の問題でございますが、この提案理由の一番最初に、有線テレビ放送の施設が「地域的独占の傾向におちいりやすい」と、そのように提案理由説明の中で述べているわけでございますが、これはどういう意味なのか。また、施設が地域的独占となるためにおそらく事業の面においていろいろな弊害が出てくる、それを是正するのはこの法案の目的ではないかと思うのですけれども、そうすると、地域独占の傾向におちいりやすいとはどういうことか。またそれに伴う、考えられる弊害というのは一体どういう弊害があるのかですね。それを御説明願いたい。
#107
○国務大臣(廣瀬正雄君) 御質問の独占とはどういう意味かということでございますが、これはいろいろ考えられるわけでございまして、第一には、有線テレビジョンを施設しますには、同軸ケーブルというものを布設しなくちゃならぬわけでございますが、この同軸ケーブルというのは、非常にチャンネルの収容力が大きいわけでございまして、二十数チャンネルを包容すると申しますか、というようなことになりますわけでございまして、そこで、ある地域にこの同軸ケーブルを布設いたしますと、これだけでも二十数チャンネルの包容量がありますわけでございますから、それで他にまた、そうしたケーブルを布設する余地がなくなる、そういう意味において独占的になってくるということが考えられますわけでございます。
 それから経費の面におきましても、こうした同軸ケーブルを布設するにつきましては、そして有線テレビジョンを実施するということについては、多額の経費を必要とするわけでございますので、これまた、独占的な傾向を持ってくるわけでございまして、費用の面につきましても独占性を持ってくるということが考えられますわけでございます。
 それからこうした施設をやるについては、道路を整備しなくちゃならぬ、あるいはまた、電柱にケーブルを添架しなければならないというようなことになりますわけでございまして、そこで、あるケーブルがそうしたことをやりますと、さらにほかのケーブルがやりにくくなるというようなことになりますわけでございまして、これまた独占性を帯びてくるわけでございます。
 大体この三点から考えまして、この有線テレビジョンの施設をやるについては、非常に独占的なことになるというので、独占的なことになりますわけでございますから、そうした独占性を持った施設者の選定を、もし誤りますと、たいへん大きな弊害を来たすということになりますわけでございますから、それでこの施設について許可制にいたしまして、許可に当たりましては、最も適切な技術の面からもまた、資金の面からも、すべての点において、最もその地域に適当だと思われる施設の選定をいたしまして、許可をするというようなことになりますわけでございまして、その弊害というのは、そういうふうに独占性を持っておりますわけでございますから、適正な施設者の選定を誤りますと、たいへんな弊害が起こってくるということが考えられますわけでございますから、そういうようなことで、今度の施設について許可制をとろうという趣旨の法律案を提出いたしておりますわけでございます。
#108
○塩出啓典君 それで、このいわゆる最近ビルの建設に伴う都市における難視聴地域が非常にどんどんふえているわけでございますが、大体現在そういう都市のピル陰による難視世帯というのは大体どの程度あるかですね。また、これはどの程度のスピードでふえているものか。これは郵政省でもNHKでもよろしゅうございますが、大体掌握していますか。
#109
○政府委員(藤木栄君) 現在、昭和四十六年度におきまして、いわゆる都市におきます難視聴の世帯というものは、私どもは三十三万程度と推定しております。このいわゆる都市におきます高層建築物というのは年々増加しまして、それによる難視聴というのにつきましては、年間約一〇%程度の伸びであろうということを推定しております。
#110
○塩出啓典君 このいわゆるビル陰による難視ですね。これは受信料はどうなっているのですか、これはNHKにお伺いしたいのですけれども、いままで見えておったのが、ビルができたために、テレビの画像が写りが悪くなった、そういう場合には、これは受信料を払わないのか払うのか、その点どうなんですか。
#111
○参考人(松浦隼雄君) 都市における高層建築物の受信障害は非常に複雑でございます。したがって、完全に見えないというのばかりじゃなくて、いまより映りが悪くなった、あるいはゴーストが出たというのがございます。そういうことでございますので、完全に見えないという場合には、当然契約できません。ただし、こういうケースがございます。白黒テレビジョンについては見えるけれども、カラーについては見えないという場合に、白黒契約をしていただいているというケースもございます。しかし、完全に見えない場合には、受信者の側の満足が得られないわけでございますから、契約ができないというわけでございます。したがって、われわれは難視聴の解消ということに専心努力しているわけでございます。
#112
○塩出啓典君 これはNHKのほうで、画面につきましても、たとえば一から五までランクがあって何ぼ以上のところは受信料は取らないという、そういう基準があるやに聞いておりますが、結局、辺地における難視聴の場合、いわゆる地形による難視聴の場合と、ビル陰による難視聴の場合、結局、料金を取るか取らないかというのはそれに関係なく、実際にテレビが見えるか、見えないかという原因が、ビルであろうが、自然の地形であろうが、関係なしに、その実際に映る画像の鮮明の度によって料金を取るか、取らないかをきめておる、そう判断していいわけですね。
#113
○参考人(松浦隼雄君) ちょっと事情が違いまして僻地の場合には、当初からテレビジョンが受信できないという状態でございますから、当然契約がないわけでございます。都市の場合には、当初見えたけれども、たとえば高層ビルが乱立してきて見えなくなったという場合、ちょっと事情が違うんでございますけれども、判断としては同じでございます。
#114
○塩出啓典君 それで、今回の法案で、いわゆるCATVが建設をされてそうしてその地域内の電波の再送信の場合ですね。それから地域外の電波の再送信、そういうのは契約を分けるようになってますね。この内容において分けるべきである。しかし、考えてみれば、その県の区域内の再送信というのは、これはそういうビルがなければ当然見えるべきものですね、結局。だから、そういうビルがなければ別にお金出さなくとも、アンテナ一本立てれば、当然あと五百円の、NHKの五百何十円の受信料を払えば、それで見えてたわけですね。ところが、ビルがだんだんできて難視聴になると、そうするとやっぱりどうしても、それに入らなければ、CATVに加入しなければテレビが見えないというような、そういう状態であれば、結局、庶民というのはビルのために、いままで受信料だけでよかったのが、受信料プラスアルファという両方払わなきゃならぬようになっちゃうんですね。
 そういう点で、結局、いわゆるビル陰による障害というのがあれば、当然これは原因者負担の原則からいうなれば、このビルを建設した人が――あるいはそれは特定のビルかわかりませんけれども、そういう人が当然経費を負担をしていくべきじゃないか。午前中の参考人のお話しの中では、東京ケーブルビジョンの池袋地区におきましては、ビルが建ったと、それでいままで見えるのが見えなくなってそうして結局ビルの会社が最初の加入料はちゃんと見てくれたわけですけれども、あと五百円毎月払わなければいけないわけですね。そういうお話しが午前中あったそうでございますが、そうすると千円出さなければならないわけですね。私はそれは非常に納得ができないわけでしてそういう場合に、NHKの受信料五百円は払うにしても、あと毎月の維持費の料金というのは、そういう普通のアンテナを買った場合、アンテナはもちろん金がかかるし、これはもちろん何年かの寿命があるわけですからね。少なくともそれに見合うそれ以下の金額で見えるようにしなければ、もちろん区域外放送あるいは自主放送の分、これは別ですよ。これは希望する人が見ればいいわけですからね。
 そういう点で、区域内の再送信の料金というものは、あくまでもこれは聴視者から取るのはアンテナを立てたときの経費、それを毎月に計算したその経費より以下にしなければ、私は非常におかしいんじゃないかと思うのですがね。結局そういうたくさんのビルを建てた加害者である人たちの責任が、うやむやにされているようなかっこうになるのじゃないかと思いますが、そういう点どうですか。
#115
○政府委員(藤木栄君) いわゆるビル陰によりまして有線テレビジョン放送施設をつくってそ、れによって見なきゃならないという場合には、おっしゃいますように、毎月の使用料、これはいわゆる同軸ケーブルの維持運用のための費用でございます。したがいましてこれまでも原因者負担ということにするかどうかという問題だと思いますけれども、私どものいまの立場としますると、原因者負担という観念をPRいたしましてそれを納得してもらうのが実は精一ぱいである。これは当然といえば当然なわけでございますけれども、けさほどの公聴会で池袋地区の方がおっしゃいましたような例が、常態でございますればよろしいわけでございますけれども、現在、これは何も法律に基づいてその原因者負担ということでお願いしているわけじゃないので、あくまでも建築主の道義的な立場からそういうことを理解していただいて費用を出していただいているということになっておるわけでございまして原因者負担といいましても、なかなか出していただけないという例もあるわけでございます。したがいまして私どもとしましては、現段階では、原因者負担といいましても、初めの同軸ケーブルの施設費を出してもらうのが精一ばいではなかろうかと、したがいましてそれの維持運用費といいますか、それは当然幾らかかかるわけでございまして特に都市におきましてはケーブルの施設自体が非常に複雑なものでございますから、現在、たとえば東京ケーブルビジョンでは約五百円という料金を出していただいておるということでございまして先生のおっしゃいますように、NHKの受信料プラス毎月の使用料ということになりますと、確かに人によってはそれだけ異常な負担であるということも十分理解できるわけでございますが、いまの状態からいいますと、しかたがないのじゃなかろうかと、そういったわけで、今回の法律案におきましても、役務の提供条件の認可ということで、これが高額なものにならないように、一定の基準を法律で掲げておりましてそれに適合している区域と認めるときは、郵政大臣は認可を与えなければならぬという仕組みになっておるわけでございましてできるだけ私どもとしては、この認可条件というものによりまして低廉な契約ということになるように考えておるわけでございます。ただ、将来もこれで原因者負担ということが現在のままでいいかどうかということは、確かに問題があるわけでございまして私どもとしましては何らかのかっこうでこれを法律的にはっきりさしまして立法処置をいたしましてさらに強力にそういった発展を推進したいと、こういう考えは非常に強く持っておるわけでございます。また、その点につきまして検討を進めておるという状態でございます。
#116
○塩出啓典君 これは先般の委員会で西村委員よりも質問のあった問題でございますが、やはり公害についても、いま国連の環境会議等においてもPPPの原則と、やはり原因者が必ずそれを負担すると、これが経済の原則だと思うんですね。だから、ビルを建てればそれに伴うビル陰障害の電波対策の費用も当然ビルをつくる人が持つべきだ。そうすれば、やはりそういう金も計算に入れた上でビルは高いほうがいいか、あるいは低いほうがいいか、あるいはいなかのほうがいいか、そういうことが私当然きまってくるんじゃないかと思うんですね。いまの法体系においては、そういうピルのために電波障害が起きても、それに対する法的な義務はない。だから、結局弱いものは泣き寝入りをしなければいけない。これでは、非常にいけないと思うんですね。
 もちろん非常に複雑な電波ですから、このビルがはっきり原因だとわからない場合もそれはある。その場合には、この前、西村先生おっしゃったように、ある一定以上のビルについては、そのビルの体積に応じて負担金をかけるとか、そういう形でやはりそういう問題は、すみやかに私は立法化をすべきじゃないかと、早くやっぱりやるべきじゃないかと思うんですね。それをきちっとやっていくことが、私はむしろここでいわれている地域的独占の傾向というけれども、そういう対策がちゃんとあれば、何もCATVに入らなくても、テレビの見える道がちゃんとあれば、何も独占の傾向にならないんであってむしろこういう法案をつくるよりも、そういう面での視聴者の救済を先にするのが当然じゃないか。そういう点で、私は郵政省としても、ひとつすみやかに――これはもう先国会の委員会、あるいはこの前の委員会からの問題になっていることですからね。それがいまだに検討検討では、非常によくないんじゃないかと思うんですけれども、これは私は郵政大臣としても早急にひとつ検討して次国会あたりにやはり提出すべきではないか、私はそのように思うわけですけれども、その点どうですか郵政大臣。
#117
○国務大臣(廣瀬正雄君) 御指摘のようにできるだけすみやかに検討いたしたいと思っております。
#118
○塩出啓典君 では最後でございますが、それでこのいわゆるCATVの一つの区域ができた場合に、その区域はCATVの会社がやるべきですね。けれども、たとえば、そこにビルがあって、その近所は難視聴だと、そういう場合は、そのビルの経営者が原因者ですからね。それが負担をして、そうしてNHKに頼んで共聴アンテナをつくると。おそらく、CATVよりも、共聴アンテナなんかのほうが、経費が安いと思うんですね、そこだけ。そのかわり自主放送もなければ、あるいは区域外再送信というものもないかもしれないけれども、地元の住民が、やはりそういうことを望むならば、そこのまた、ビルの経営者が原因者として費用を出して、そして、そういうことをする場合には、これはもう自由にできるのかどうかですね。これが、もしこの法律によって、このCATVの認可を受けた業者しかできないということであれば、これはあまりにも私は納得できないと思うんです。その点は、この法律の内容によって、どうなっていますか。
#119
○政府委員(藤木栄君) 法律的には、特にそういった場合の規定はございませんけれども、事実問題としまして、ある一つのCATVの施設の許可を受けてCATVの事業者が、建設をするという場合に、ある程度以上の大きな規模でございますと、一ぺんにやっちゃうわけにはいかない。しかし、その施設区域の中でおっしゃいますような例が出た場合には、これは、私どもとしましては、当然そういったものは、やっていただいてけっこうだと思いますし、NHKがその難視聴解消という重要な責務から、そういうものを指導して建設するということは、たいへんけっこうだと思っております。
 おそらくそういった場合、まあその共聴アンテナというものを布設しましても、あとで、この布設者がだんだんと、そこら辺にも布設するということになろうと思いますが、そういった場合には、場合によっては、NHKが指導した施設と、あとから出てきた施設を連結をしまして、その一環としてやるということも、考えられると思います。いろいろなケースがあると思います。
#120
○塩出啓典君 これはだから結局住民の皆さんが、やはりいま言ったように、CATVの同軸ケーブルを引いちゃって、非常にお金も高いわけですね。私の家は、別にそんなに自主放送も要らないし、あるいは区域外再送信も、そんな金出してまでCATVのほうに入らなくて――それは、頼めばすぐやってくれても、やはりその地域住民が、あるいは私たちはもっと安い値段でいわゆる共聴アンテナでいいんだ。そういう場合には、これはいま電波監理局長がそれはいいと言っても、この法律的にはそういうのは制限はされてないわけですね。そのときになって――これが五年、十年後には、この法律しか残らぬわけですからね。そのときになって、その区域内で、NHKの指導のもとに、共聴アンテナをつくっちゃいかんと、そういうことになったんじゃこれは困るわけですけれども、そういうことは、法律の上では自由にやってもいい、これはもう郵政大臣としても、そういう方針は、郵政大臣がかわったあとまでも、その方針は貫くと、そのように考えていいわけですね。
#121
○国務大臣(廣瀬正雄君) さようでございます。
#122
○委員長(杉山善太郎君) それでは次に木島君の発言を許します。木島君。
#123
○木島則夫君 まずCATVの位置づけの問題についてお伺いをしたいと思うのです。
 おとといの郵政省の御説明ですと、CATVというものは、技術の進歩によって、テレビの再送信、自主放送はもとより、テレビ電話、それから電送新聞、さらには、コンピューターとの結合によって、ガス、水道の自動検針、テレビショッピングなど、多面的な利用が期待をされていて、今後の情報化社会に、中核的な役割りをになうに至るであろう。そこで、せっかくCCIS調査会を設置をして、検討中であるが、現在のところ、まだ技術的にも、また経済性、ニーズの点でも、見通しが定かではないので、さしあたって、放送に限定をして、発足をさせたい。大体こういう御趣旨であったと思います。私は、CATVの位置づけいかんというものが、この本法案に盛り込まれる技術基準、許可方針というものと、切っても切れない、これは関係にあると思われますので、この位置づけについて少し伺いたいと思うのです。
 かりに、有線テレビジョン放送だけを対象とした法案の作成でありましても、私は、その中に、未来を指向するというか、きちっと先取りをした観点が盛り込まれて、非常に豊かな可能性の開発意欲に、道を開くようなものでなければいけないと、こういうふうに考えているんです。そのためには、放送だけではなくて、国内の総合通信網の未来像についての、はっきりした見通しに基づいて、法案を準備する必要があったんではないだろうか、双方向通信などについては、現在の時点では、利用形態、あるいはその実用化の見通しが明らかではないから、法案には盛らないで、今後引き続いて検討を進めたいというのが郵政省当局の御見解であろうと思いますが、しかし、このような、将来最も重要と予想されている分野が、はっきり見通せないのに、現在のワク組みで、規制の網を張ると、つけるということは、基本的には、私は賛成しかねるんです。
 しかし、現実面では、先ほど、午前中の参考人のお話にもありましたように、法律ができなければ、ぐあいが悪いという必要も起こってくる。ですから、将来のビジョンと現実の問題というのは、何か相反するような問題もそこに包蔵をしながら、やはりこの問題をきちっとしていかなければいけない。どうでしょうか、郵政省は、この技術面とか、あるいはニーズの点などの見通しがつきますなれば、このCATVに多角的な機能、つまり双方向性通信も認めていく方針であるのかどうか、いままでの御説明ですと、公衆通信サービスの公社独占、つまり、通信政策の見地からのお話は出ておりませんですね。ですから、こういった点も含めて、政府の態度をこの際伺っておきたい。
 全体をはっきり掌握をした中のCATVの位置づけというものがない限り、私は、これから伺う許可基準にしても、それから技術基準にしましても、許可方針にしても、何か非常に適格性を欠くように思いますので、その辺の見通し、その中でのCATVの位置づけ、これは、日本の総合通信政策の中で、たいへん大事な私は問題でございますので、あえて、原則論ではございますけれども、まず伺っておきたいと思います。
#124
○国務大臣(廣瀬正雄君) まずい御答弁になるかもしれませんけれども、職責上、私が一番にお答えをいたしまして、足らないところは専門家、技術屋からお答えさせるようにいたしたいと思います。
 CATVの将来性と申しますか、まあ技術的にどういう可能性があるかという問題、それから社会的にどういうニーズ――需要性があるかという問題、さらにまた、はたしてそういうことが経済のベースに乗るかという、経済的な価値性の問題、そういうような問題をいろいろ包蔵いたしておるかと思うんでございますけれども、とにかく、ただいまいろいろ御指摘になりましたように、CATVは非常に多角的な、多面的な機能を持っておるということが予想されますわけでございまして、したがって、通信政策あるいは放送政策の点から申しまして、非常に重要な位置づけをされるメディアであると、こういうように考えられるわけでございます。
 そこで、いま御質問の中にありましたように、まだまだ未知の分野が非常にたくさんありますわけでございますから、そういうものを、将来開発するための研究調査をいたしたいということで、郵政省の中に、昨年から、いまのお話のございましたCCIS――同軸ケーブル情報システムということばの略語でございますが、というものを置いている。ということは、同軸ケーブルは、単なる再送信の具ではない、非常にチャンネルもたくさん放流をいたしておりますわけでございまして、そういうようなことでございますから、非常に多様性、多角性を持っておりますので、そうなりますと、CATVだけではなくて、CCISという範疇に属することになるということで、あえて、そういうことばを使って調査会を置き、各方面の専門家の御参加を願って、研究を進めていこうということにいたしておりますわけでございますが、それとともに、御承知のように、さらに適当な時期には、多摩ニュータウンで実験をいたしたい、実験の結果に基づいてまた、さらに机上に取り戻して、CCIS調査会で調査研究を進めていこう、両々相まってやっていきたい。
 これについては、電電公社の協力をいただきましく多摩ニュータウンに、ケーブルの布設をやりますわけでございますが、そういうようなことをやりたいと思いますことは、将来CATVが非常に望ましき放送メディアであり、また、公衆通信のメディアであるというような予想が持てますので、そういうこともあえてやりたいといたしておりますわけでございますが、しからば、そういうようなことを、具体的に申し上げますと、再送信あるいは自主送信ばかりでなく、相互通信をも含めて法律案をつくっちゃどうか、また、さらに範囲の広い法律案にしてはどうかというようなおことばのようでもございますけれども、ただ、相互通信については、まだはっきりした見通しがついていないということであります、とともに、他面におきましては、いまおことばにもございましたように、さしあたり都市の難視聴の解消のためには、このCATVが唯一の方便であり、手段である。これは、急がなくちゃならないという問題が一つございます。
 これは、再送信の問題になってくるわけでございますが、これは、都市高層ビルによる難視聴の解消でございますけれども、しかし、難視聴地区でなくても、自主送信にCATVを利用いたしたいという欲求が多方面にありますわけでございます。つまり、有線テレビジョン都市と申しますか、そういうような文化都市を、自主送信を利用いたしまして、建設いたしたいというような欲求も強いわけでございますから、こういう程度を含めて今度の法律案を策定いたしまして、御審議を願うということになったわけでございますが、ただ、お話のように、放送政策あるいは通信政策をひっくるめました総合的な通信政策といたしましての、将来の重要性と申しますか、可能性と申しますか、そういうことについてのCATVの役割りは大きいとは思いますけれども、まだはっきりした見通しができておりませんので、さしあたり、こういう程度で法案を作成いたしまして、御審議を願うということにいたしたわけでございます。
 したがって、将来の通信政策あるいは放送政策ひっくるめましての、総合通信のビジョンにおけるCATVの位置づけ、こういうことについては、私は、まだはっきり郵政省で把握いたしていない。そういうようなわけでございますから、CCISという調査会もつくって検討したいという段階ではないかと、こういうように考えておりますわけでございますけれども、さらに、こういう程度の御答弁では御不満かと思いますので、事務当局から満足的にお答えさせたいと思います。
#125
○木島則夫君 私が一番伺いたかったことは、一体、郵政省が技術面やニーズの点などでの見通しがつけば、このCATVに多面的な機能、つまり双方向性通信も認めていく方針なのか、そこが一番大きなポイントなんです。ですから、CATVに対して非常に現象面的な、追っかけ的な法案をつくって――将来大きな日本の通信政策というか、総合通信政策というビジョンを書いた中で、とりあえずの形で、こういう法律をつくってしまうと、それがむしろ私は、手かせ足かせになって、大きな発展性のあるものも、午前中の参考人のおことばをかりれば、大きく育っていく魚を、小さい池に入れて、しかも、網の目の小さい網で囲ってしまうことによって可能性が萎縮してしまう、そういう役割りも、片方で果たすおそれがあるんじゃないだろうか。ですから、ひとつ藤木電監局長には、将来そういうことが開放されるのかどうか、認められるのかどうか、その辺に重点を置いてお話をいただきたい。
#126
○政府委員(柏木輝彦君) まず、私のほうから簡単にお答え申し上げますが、このCATV法案の当初提案されましたころに、やはり映像以外の次の世代の多目的の通信手段として、これをどういうふうに考えるのかと、そこをはっきりしなければ、やはりこの法案としては適当じゃないんじゃないかという御意見があったわけでございます。それで、その辺のことをその後十分考えておりまして、いろいろこれにつきましての基本的な問題点の検討にかかっているわけでございまして、さらに、それも一歩進めまして、CCIS調査会というような形で目下この検討を進めております。この調査会は、技術的な面だけでなく、経済的な面あるいは制度的な面につきましても、各方面の専門の方々に広くお集まりいただきまして、その知識を集約いたしまして、今後の有効な情報手段として、新しい技術に基づいて、今後、これが新しい制度のもとに利用ができるということをひとつ目標に置きまして、その観点からいろいろな問題の検討、整理を進めているということでございますので、決して、先ほどお話しのように、現在の古い法律制度に、これを、今度、改正した以外の点は、将来とも閉じ込めておくんだ、というような考え方ではないと考えております。
#127
○政府委員(藤木栄君) 多少、技術的な面を補足さしていただきますと、現在の同軸ケーブルというのは、御存じのように、非常に広帯域の通信ができるというわけでございまして、この法律案に盛られております一方向的な、放送的な使用ということのほかに、たとえば同軸ケーブル自体は変えるわけじゃございませんけれども、増幅器というのがところどころ入っておりまして、それで減衰を防いでいるわけでございますが、それを双方向にするということも、これは技術的には、そうむずかしいことではございませんで、そういうことをいたしますと、ほかにも多少手を加えますれば、将来、いまの一方向的なものを双方向的に変更するということは、そうむずかしい問題ではございません。
#128
○木島則夫君 そうしますと、一応、確認的な意味で、技術面やニーズの点などの見通しがつけば、双方向性通信も認めていくんだというふうに解釈してよろしゅうございますね。
#129
○政府委員(柏木輝彦君) 今後、このような地域的な総合的な通信手段が健全な発展をするためには、どのような法律制度が適当であるかという観点で、ただいま検討を進めておりますので、その趣旨は、いま御指摘のような趣旨に十分沿うものと考えております。
#130
○木島則夫君 次のお尋ねは、いま検討中であるということでございますので、もしという、イフという仮定がついてももちろんけっこうでございます。認めていくとした場合に、どういう種類のものをどの程度の規模でお許しになるんでしょうか。その辺のビジョンはまだお持ちじゃございませんか。やっぱり私どもとしては、その辺を十分伺いたいんですよ。そういうものがはっきりしていませんと、さっき言ったCATVの位置づけというものがなかなかできかねる。これは御無理かもしれません。もしお答えできなければ、お答えできないということでけっこうでございます。
#131
○政府委員(牧野康夫君) 有線電気通信設備といたしましての同軸ケーブルと申しますのは、先ほど電波監理局長が申し上げましたように、これは一種の導線でございます。でございますが、非常に同波数の幅の広い信号を伝送できる性質を持っております。ですから、電話線のようなものでももちろん送れるんでございますが、世の中のいろいろな物理現象の中で、周波数の広いものと狭いものといろいろございます。人間のことばで申しますれば、大体三百サイクル、このごろヘルツというんでございますが、三百ヘルツから三千四百ヘルツの幅のものがあれば通る。テレビジョンの信号になりますと、これが大体四百万ヘルツぐらいの幅がないと通らない、こういうことになるわけでございます。したがって、同軸ケーブルはもっともっと高い、大体一億五千万ヘルツぐらいまで通すことができます。そうなりますると、非常に多重な使用方法ができる。非常に多様なと申しますか、いろいろなものができるという夢がそこに出てくるわけでございます。現在、われわれが日常生活において使っておりますところのものというのは、そう広いものはまだございません。
 したがって、将来どういうものができるかと申し上げれば、テレビジョン以上のものができるかというと、そこのところは、まだ疑問はございます。あるいはデータ通信、コンピューターを使いますところのいろんな問題になりますると、あるいは将来においてもっと高い周波数まで通すこと、が必要になってくるかもしれません。いずれにいたしましても、将来の形というものは、具体的に言いますならば、われわれのところのテレビジョンという画像通信と申しますか、映像通信、これは静止と動くものと二つございますが、そういう二つございます動くほうの映像というものを送るということにたいへん適しておるという原理までが、現在考えられておる程度でございます。
 先ほどおっしゃいましたいろんなガスのメートリングするとか、あるいは水道のメートリングするとかということは、そう広い幅が要るものではございません。これを使ってももちろんできます、電話線を使ってもできます、あるいは電灯線を使ってもできる。いろいろな多様なことがございます。ここいらは一にかかってこれからの技術の進歩によるわけでございます。技術の進歩によるということは、それが経済的にどちらがより有利であって、国民のためになるかということによって決定されるかと存じますので、これのみがその決定手段ではないかと、そういうふうに考えておる次第でございます。
#132
○木島則夫君 私、そういう原則論にわりあいこだわりましたのは、ある程度の位置づけをきちっと固めておきませんと、本法案でいう技術基準であるとか、あるいは許可方針というものをきめかねるんじゃないかと、そういう意味から私は原則論にこだわったわけです。それはCATVの施設規模と申しますか、一施設が持てるサービスエリアをどうするのか。もし、このエリアが小さいとするならば、その欠点を補うためにも、これはもう当然施設と施設の接続とかあるいは公社線によってこれを中継をしなければいかぬというような問題が出てくると思いますね。また、許可基準とか技術基準をどうするのかということもここで当然関連をしてくると思いますので、伺ったわけでございます。この辺はいかがでございますか。
#133
○政府委員(藤木栄君) おっしゃいましたようないろいろな場合があると思います。一つの施設と他の施設を公社線をもって接続するとか、あるいはこれはまだはっきりしておりませんけれども、アメリカあたりではその接続をマイクロ電波を使って接続をするという例もあるわけでございまして、いろいろなケースがあると思いますが、この法案自体につきましては、省令になりますけれども、技術的な基準もそこで定めるようになっておりまして、そういった場合におきましても、この技術的な限度はございますけれども、たとえば施設、区域といっても無限大に広がるという問題ではございませんで、現在の技術基準から、だんだんと絵を増幅していきますと、末端におきましては絵の質が悪くなるということでは困りますので、ある程度技術的な限界があります。したがいまして、一つの施設、区域といっても日本国じゅうを全部カバーするというわけにはいかないわけでございまして、たとえば東京でございますれば、せいぜい四つか五つの施設、区域ぐらいが適当じゃなかろうかと私どもは考えておるわけでございますが、いずれにしましても、そういったような問題につきまして、まあ具体的な処理のしかたにつきましては、将来、省令の段階において措置をしたい、そういうように考えておるわけでございます。
#134
○木島則夫君 せんだって、この委員会で森委員も御指摘をされたんですけれど、許可基準について、やはり私もひっかかるものがあるんですね。特に第四条第一項第四号ですか、この四号の「必要であり、かつ、適切」の判断の点なんですけれど、この辺の運用についてはどうなんでしょうか。大臣の自由裁量の中で処理をされやしないだろうかという、幅があまりにもあり過ぎる、そういう感じを私持つんです。この規定の運用いかんでは、これはおととい森委員が御指摘なさいましたように、郵政大臣の胸三寸で許可、不許可がきまってしまうんじゃないだろうか。それはひいては情報化社会での言論その他の表現活動が、政府の都合によって大きく制約を受けかねない。したがって、私は、大臣がこれはかわるたんびに方針が変更されることを防ぐ意味からも、その細目というものを省令で明確にすることを希望するものなんですけれども、この辺は、郵政省はどういうふうにお考えでしょうか。
#135
○政府委員(藤木栄君) この法律の第四条に、許可の基準、こういう点で第一項の第四号にございまする「その他その有線テレビジョン放送施設を設置することがその地域における自然的社会的文化的諸事情に照らし必要であり、かつ適切なものであること。」と書いてある。この意味合いにつきましては、この前の委員会でも御説明申し上げましたように、この「自然的社会的文化的諸事情」というのが非常にわかりにくいということでございましたが、私どもとしましては、具体的にはこのいわゆる省令の段階でこの申請をするわけでございますが、その申請様式の場合に、いろいろな項目をあげまして、それに書き込んでいただいて、こういった第四号の基準が適用されるかどうかということを判定したいと思っておるわけでございまして、この内容といたしましては、まだきちっとしたものはできてないと思いますけれども、大体におきましては、その地域におきます地形の状況であるとか、いわゆる受信障害の状況でございまするとか、あるいは受信者の分布でございまするとか、あるいはその地域におきまする需要の動向であるとか、あるいは他の施設との関係、あるいは他の申請者との関係、そういったようなものも総合的に判断を下すということで、そういった個々の項目をあげまして、四号の基準というものにつきまして審査をいたしたい。そういうふうに考えておるわけでございます。
#136
○木島則夫君 これは、廣瀬郵政大臣、たいへん民主的なお考えの持ち主でありますから、問題はないと思います。大臣がほんとうに、おかわりになることによって、自由裁量の幅が大きくなったり、小さくなったりというのでは、これはやっぱり私はたいへん言論の統制にもつながる大きな問題だろうと思います。その辺は、ほんとうに慎重に私はやっていただきたい、ということだけを申し上げます。
 それから、郵政省の指導によって設置されたケーブルビジョンの運営状況というものは、この間からずっとお話が出ておりますように、どうもあまりはかばかしくいっていない。所期の目的を遂げておりません。こういう話を聞きまして、都市難視の改善が現在の方式でいいのかということに若干の疑問を持つ一人なんでございます。私は、CATVが何か伸び悩んでいる、呻吟をしているというか、最大の理由は、これは、単なる再送信だけでは、料金が高い割合に、あまり好ましくない、メリットがない、だから、悪い映像でもがまんをしてしまおう、というようなことが、きっと受け手の側に、私はあるんじゃないかと思います。もしそうだとすれば、今後も業務区域内の役務提供義務を課しても、何か根本的な解決にはなっていかないように私は思うんです。
 私はもう現代では、テレビはもう世帯のテレビからカスタムというか、個人のテレビに変わってきている、いまやほんとうにカスタムコミュニケーション時代を迎えたと言ってよろしいんではないかと思います。したがって、その放送番組、こういうものに応じたものが必要でしょうけれども、電波事情で、これが許されなくなる。CATVでのリクエスト番組を行ない得るようにさせるべきだと思います。したがって、義務再送信の利用料金を安く押えて、多目的活用による収益で、その穴埋めをしていくというような方法も私はあるのではないかと思います。とにかく、国民の指向するサービスの提供をさせるべきではないかと思うのですけれども、この辺はいかがでしょうか。
 要するに、再送信だけではおもしろくないのだと、だから、少々画像は悪くても、がまんをしてしまうというような私は気持ちが受け手の側にも、さっき言ったようにあるように思います。そういう意味でもモデルは多目的なものを積極的に開花させていくことが、採算ベースにも私は乗らせる一番大きな要素だと、こんなようにも思うのですけれども、その辺はどうなんですかね。
#137
○政府委員(藤木栄君) 同軸ケーブル自体は先ほど来御説明を申し上げましておるように、非常にチャンネルがたくさん取れるというところがございまして、それが先生のおっしゃる多目的な利用にもつながるわけでございまして、おっしゃいますようなリクエスト番組とか、そういったものも当然将来は考えられるわけでございます。また、御存じのように、この法案自体は再送信以外のチャンネルがたくさんあるわけでございますから、そういったものをほかの人が要求すれば貸さなければならないという規定がございまして、自分でチャンネルを借りて、新規の魅力のある放送をやりたいという人には道が開かれておるわけでございまして、おっしゃるような方向で今後進むのではないかと思います。
#138
○木島則夫君 それに関連いたしまして、郵政省の行政指導によって確立されましたケーブルビジョンは、NHKとか、民放、電電公社、新聞協会、民放協会、あるいはメーカー、東京電力、日本ケーブルビジョン等、八社の均等出資ということになっておりますね。このことは、私は再放送以外の自主放送であるとか、さっきからこだわっておりますけれども、双方向性通信を期待してのて証拠ではないかと思うのですけれども、この辺はいかがですか。
#139
○政府委員(藤木栄君) 東京ケーブルビジョンが設立されましたのは、昭和四十五年の一月十三日でございまして、これは四十四年からいろいろの計画がございまして、郵政省も中に入りまして、この東京ケーブルビジョンというものが誕生したわけでございますが、その当時は三年ぐらい前の話で、必ずしもはっきりした、先ほど先生がおっしゃいましたように、将来のビジョンというものも必ずしも明確ではなかった、とおっしゃいますように、同軸ケーブルという非常にアウトバンドの媒体というものの魅力に引かれて、というと、多少誤弊があるかもしれませんけれども、そういった将来の可能性というものも、各、いまおっしゃいましたような団体にアピールいたしまして、そういったところが一緒になって、東京ケーブルビジョンというのができたというのが経緯でございまして、おっしゃいますようなことは十分にあったわけでございます。
#140
○木島則夫君 まあ午前中下田ケーブルビジョンですか――の経営者の方から、つまり広域圏放送の隣接地域では、とにかく、域外放送を見ようという希望もたくさんあるんだと、東京で見えて、なぜ静岡、熱海に行くと、見えなくなっちゃうのか、これは不公平じゃないかと、つまり放送の地域格差をこのままにしておけば、私は広域圏放送の周辺地域、つまり隣接の地区では、当然番組の多様化ということから、区域間再送信のトラブルが起こってくると思いますね。これは必然だと思います。そういう場合、郵政大臣はもちろん、地域住民の利益保護という見地から、あっせんをして下さるのだろうと、私はむしろ確認の意味なんです。要するに、トラブルが起こったとき、郵政大臣がどっち側を向いてくれるのだろうか、というのが心配なんですね。これは確認の意味で、あるいはこういうことを廣瀬郵政大臣に伺うのは失礼かと思いますけれども、ひとつ確認の意味で、だいじょうぶだとおっしゃっていただきたい。
#141
○国務大臣(廣瀬正雄君) 御意見のように、受信者の利益を尊重いたしまして判断を下すと、あっせんをするということになるわけでございます。
#142
○木島則夫君 塩出委員からもいろいろな角度から御指摘がございましたが、難視聴の問題にからみまして、その施設者が事業区域内で独占をするおそれが出てくる。こうなると、NHKが難視を解消するための対策を進めにくいような場合も当然起こってくるのじゃないかという御指摘は、私も全くそのとおりだろうと思います。結局、その施設者がそこで施設をつくって、でき上がるまでに、やはり何年か年数が要りますね。早くできれば、これにこしたことはありませんけれども、なかなかそういうわけにもいかないでしょう。その間にも、どんどん難視の状態というものはふえていく。しかし、そこが独占的な地域になるということで、なかなかNHKが対策を立てにくいというようなことになると、困るのはやはり私は国民というか視聴者だろうというふうに思います。そうなってまいりますと、NHKに対する不払いなんかの問題にも私は波及してくるだろうと思うし、なかなかむずかしい問題がそこに出てくるので、これは塩出委員からも御指摘がございましてお答えがございましたので、確認の意味で私申し上げたいのでありますけれども、要するに、その辺の配慮というものは十分にやっていただけるのでしょうねと、むしろ確認の意味でこれは伺っておきたい。
#143
○政府委員(藤木栄君) 先ほどもお答え申し上げたわけでございますけれども、十分にやりたいと思います。
#144
○木島則夫君 それから、先ほどCATVをごらんになっている加入者の立場で、きょうここへ午前中参考人としておいでになりました方から、ビルが建って見えなくなってしまった、しかし、いいあんばいに現在は見えるようになって、たいへん楽しいというお話がございましたけれども、ただ楽しいとは言えないので、受信者の立場とすると、高い加入料もこれは払わなければいけない、しかも利用料と申しますか、それも払う、月々これは五百円か何がしか払っている。その上にNHKの受信料も当然払わなければいけないということなんですけれども、一般の方々は利用料の中にもNHKの料金が含まれているのじゃないかというふうに思う方もずいぶんいると思うのですよ、実際に。そうじゃないのだというふうに御説明すると、え、その上にまた受信料も払うのということで二の足を踏むというか、びっくりされる。CATV見ていて、自分はNHK見ていないのだよと、こういう感覚なんですね。当然そこから私はさっき言ったように、NHKの受信料に対する不払いというのでしょうか、そういうものの疑念というものもここへ当然わいてくる。
 だから、いろいろなむずかしい問題はあると思いますけれども、こういう高額の負担をなるべくさせないように経済面でやはり救済をどうしていくのか。それと同時に、NHKの面、いわゆるNHKの立場もございますね。片方にそういう面との調整をどういうふうにしていったらいいのだろうか、あるいは利用料のほかにも受信料が要るということなので、委託集金なんかを今後やっぱりやっていかなければならないような問題だって、私は、たいへんこまかいことかもしれませんけれども、やはり考える必要がある。この辺はどういうふうに、たいへん現実的な問題です、とらえていらっしゃるか。
#145
○政府委員(藤木栄君) 初めのほうの御質問につきましては、先ほど塩出先生にもお答え申し上げたわけでございますが、いまのところ、このNHKの受信料以外に、毎月の利用料といいますか、使用料といいますか、これを取らざるを得ないことになっておるのでございまして、その点につきましては、さらに積極的に検討するというわけでございますが、NHKの受信料と、この毎月の利用料といいますか、使用料といいますか、それにつきましては、現在、たとえば東京ケーブルビジョンができましたときもNHKからその点について強い要望がございまして、別々に取るのでは非常に取りにくい点もあるということで、東京ケーブルビジョンにおきましては、この利用料と一緒にNHKの受信料も集金をするということになっておりまして、ほかの財団法人、東京以外に大阪、名古屋、福岡というふうにございますけれども、そういったところでは、いずれもそういうふうにやっておるはずでございます。
#146
○木島則夫君 それから、いわゆる有線放送審議会というのができる。これはたいへんけっこうだと思いますけれども、問題はやはり私はその構成メンバーだろうと思います。ほんとうに国民の意思というものを伝え得る、やはり公正中立なメンバーをもってこれを構成していただきたいということと、権能を高からしめる意味でほんとうならば両院の同意ぐらい得るようなものにしたいのですが、こうなると郵政審議会とのバランスがありまして、そうはできないと思います。まず、そのくらいのものをやっぱり将来目ざしてもらいたいということを申し上げたいと思うのです、いかがでしょうか。
#147
○政府委員(藤木栄君) 有線放送審議会の委員はこの法律にございますように、「学識経験を有する者のうちから、郵政大臣が任命する。」ということになっているわけでございまして、私どもとしましては当然先生のおっしゃいますように、十分に学識あり有線放送というものを認識されてこの適正な発展をはかるためにも非常に重要な役割りをされるわけでございますから、おっしゃいましたような優秀な方を御任命するということになろうかと思いますし、将来の問題としまして、電波監理審議会の委員がそうでありますように、両院の同意を得て内閣が任命するというようなことにも考えたいと思っております。
#148
○木島則夫君 以上で私は質問を終わりますけれども、要するにさっきから基本的な考え方として同軸ケーブルというものは非常に多目的なもので大きな可能性を持ったものなのだ、無限の可能性を持ったこの情報媒体というならば、本来これはほんとうは非常に私は規制をすべきものじゃないというのが私の基本的な考え方です。むしろ民間の総意によってこれを育成をしていくのだというのが私の基本的な考えです。ですから、この法律が成立したとしましても、やっぱり将来の可能性をこの法律が拘束をしてしまう、がんじがらめに手かせ足かせになってしまったりあるいは抑制をするということのないように柔軟な姿勢で将来の総合通信政策というものをひとつ考えていただきたい。この点を最後に私希望いたしまして質問を終わりたいと思います。
#149
○委員長(杉山善太郎君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 次回は、来たる十二日午前十時より開会することにいたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後三時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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