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1971/06/12 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 逓信委員会 第21号
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1971/06/12 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 逓信委員会 第21号

#1
第068回国会 逓信委員会 第21号
昭和四十七年六月十二日(月曜日)
   午前十時三十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月九日
   辞任          補欠選任
    塩出 啓典君      山田 徹一君
 六月十二日
   辞任          補欠選任
    山田 徹一君      塩出 啓典君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         杉山善太郎君
    理 事
                植竹 春彦君
                長田 裕二君
                古池 信三君
    委 員
                今泉 正二君
                郡  祐一君
                白井  勇君
                新谷寅三郎君
                西村 尚治君
                松平 勇雄君
                鈴木  強君
                松本 賢一君
                塩出 啓典君
                木島 則夫君
                青島 幸男君
                松岡 克由君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  廣瀬 正雄君
   政府委員
       郵政大臣官房長  森田 行正君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   柏木 輝彦君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   牧野 康夫君
       郵政省郵務局長  溝呂木 繁君
       郵政省貯金局長  石井多加三君
       郵政省電波監理
       局長       藤木  栄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
   説明員
       文化庁文化部著
       作権課長     加戸 守行君
       郵政省電波監理
       局放送部長    江上 貞利君
   参考人
       日本放送協会副
       会長       小野 吉郎君
       日本放送協会専
       務理事      松浦 隼雄君
       株式会社日本教
       育テレビ常務取
       締役       泉  毅一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○有線テレビジョン放送法案(第六十五回国会内
 閣提出、第六十八回国会衆議院送付)
○郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(杉山善太郎君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 有線テレビジョン放送法案の審査のため、日本放送協会副会長、小野吉郎君、同専務理事、松浦隼雄君及び株式会社日本教育テレビ常務取締役、泉毅一君、以上三名の方々を参考人として本日の委員会に出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(杉山善太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(杉山善太郎君) それでは有線テレビジョン放送法案を議題といたします。
 前回に引き続き、これより質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○青島幸男君 議題になっております有線テレビ放送の法案につきまして二、三質問をさしていただくわけですけれども、この法案が提出されました基本的なものは、有線放送が適正に運営が行なわれることによって、国民の福祉、あるいは健全な発展、あるいは増進に寄与したいということでしょうけれども、有線テレビ放送とは、「有線放送(公衆によって直接受信されることを目的とする……)」とございますけれども、この「公衆」ということばの解釈、これが、ここの「公衆」が、不特定多数を意味するのか、あるいは特定多数を意味するのかということが、この法案の賛否の基本的な一つの問題になっているように私は感じるんですけれども、どうもこの法案を作成された方々のつもりでは、この「公衆」というのは不特定多数であるということを前提となさっているように、私は感じるんですけれどもね。その点をまず明らかにしていただきたいと思います。
#6
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。
 この有線テレビジョン放送におきまする有線放送の定義でございますが、「公衆によって直接受信される」という「公衆」は、おっしゃいますように、不特定多数というふうに私どもは解釈しております。
#7
○青島幸男君 いずれにしましても、この有線放送は電波と違いまして、私は、前回、藤木さんとこの問題で話し合いをしたことがございますけれども、たとえば、アンテナから送信される電波を雨とするならば、この有線放送によって受信するのは水道の水のようなもの。同じように、雨はあまねくその地域一帯に降るんだけれども、同じ水だけれども、水道管を引っぱって水道の水として使用することはできないんだということから、水道の水を使っている方は、水道局との契約の上に成り立っているわけだから、これを特定多数と考えるべきではなかろうか、というふうに私は申し上げました。その点では、一つの新しいメディアというふうに考えるべきではなかろうか、というお答えをいただいているわけですけれども、その辺が、この法案の解釈の基本的な問題になるだろうと思うんです。
 いずれにしましても、線をそのうちまで引きまして見るわけですから、これを、特定多数と考えるべきだと私は考えるんですけれども、その辺をもう一度確認しておきたいと思います。
#8
○政府委員(藤木栄君) おっしゃいますように、確かに、この有線で結ばれているということなりますと、その範囲というのがきまるわけでございますので、その範囲の中の特定ということも考えられるかもしれませんけれども、一方、この加入契約するということから申しますと、これは、何人でも契約ができるということもございまして、この加入契約を締結して、その利用関係に入り得るという意味では、まあ不特定多数というふうに言われるのではなかろうかというふうに、私どもは考えているわけでございます。
#9
○青島幸男君 この雑誌を購読したり、新聞を購読したりするのと同じように、ただその新聞が投げ込まれるわけではなくて、購読契約があるからこそ、その新聞が配達されるわけですから、その辺が無線と大幅に違うところだと私は思うわけです。この法案によって考えられておりますように、料金を規定したり、あるいは番組審議会を設けるように指導したり、それから施設のあいている部分の提供というふうなことを考えるから、それがたいへんに最大公約数的な一般的なものになりがちだと。もっと趣味性の高い、あるいは地域性の高いものであるべきだ。そうなりますと、たとえば百、二百という受信者を対象にして行なっても差しつかえないわけです。そうなりますと、百、二百というのは特定多数であって、不特定多数ではないと私は考えます。そういう特性を持っているものも、すべて不特定多数なんだという考え方で、ひっくるめて規制してしまうということが、この有線の持っております可能性を、大きく削減するのではなかろうかというふうな考え方に立っております。その辺については、百あるいは二百という受信者しかいないというような状態で言えば、これは特定多数であると考えるのが当然常識的な判断だと思いますけれども、その辺どうお考えになりますか。
#10
○政府委員(藤木栄君) この法律で、この「(施設の許可)」という条項、――第三条でございますが、その中で「その規模が郵政省令で定める基準をこえない有線テレビジョン放送施設については、この限りでない。」ということで、ある一定の規模以下のものは、この許可の対象に実はしておりません。この一定の規模というのは、私どもの省令でこれから定めるわけでございますが、私どもの考え方では、約三百という線を引けばよろしいのではなかろうかと思っております。したがいまして、この百とか、二百というのは、許可の対象にはしないというふうに考えているわけでございます。
 それからまた、一方、無線におきまする場合におきましても、これは先生よく御存じのように、地方では小さな放送局、中継局がございまして、ある一定のところをカバーしているわけでございますが、これなんかも現在、まあ何といいますか、その放送区域の中の世帯数ということになりますと、まあ数百あるいは千というところもございますわけでございまして、そういうところになりますと、私どものいまこの有線テレビジョン放送施設というものとは、本質的には特に変わらないというふうに考えるわけでございます。
#11
○青島幸男君 三百以下が特定多数で、三百以上は不特定多数だというような考え方ではなくて、三百であろうが、五百であろうが、相手は限られているということを考えたら、特定多数というような状態もあり得るということはお認めになるわけですね。ですから、その特定多数であれば、非常に趣味性の勝った、あるいは平たく申しますと、スポーツならスポーツの放送が、私はたいへんよく見たいんだという趣味、御希望を持つ方もおいででしょうし、あるいは経済面の事情に通じたいという方もおいででしょうし、そういうさまざまな可能性が、もっとより専門的な内容を盛ったものが考えられるはずなのに、それをも抹殺してしまうのではなかろうか。
 すべて最大公約数的に、大多数の方の御希望に従うようにしかできない、というふうにしてしまうのではなかろうか、という懸念が私はありまして、この特定多数と不特定多数の問題をこうしてお話し合いしているわけですけれども、そうしますと、せっかくこの有線テレビの持っております、この専門的に深く追求したいというような欲求を無視して、一般的な平らなものに、最大公約数的なものにしてしまうということは、このケーブルの持つ可能性を大いに削減してしまう。そういうところで、この「公衆によって直接受信される」というあいまいな言い方で、そのケーブルの特性までも、可能性までも削減してしまうというような考え方が、私は間違いなんじゃなかろうかということを申し上げておるわけです。
#12
○政府委員(藤木栄君) 私どもも先生のおっしゃる意味は十分理解できるところでございまして、そういった意味からも、実はこの法律案におきましては、この中で、御存じのように、同軸ケーブルというのはチャンネルがたくさんとれるわけでございます。まあ現在の施設からいいますと、簡単に二十チャンネル以上はとれるということでございますので、この同軸ケーブルの施設者が、そのチャンネル全部を独占してしまうということになりますと、先生のおっしゃるような懸念も出てくるというわけでございますので、この法律案におきましては、これが非常に私どもとしては特徴だと思っておるわけでございますが、そのチャンネルを他の人に貸す、貸さなきゃならないという規定を設けまして、独占性を排除し、いろいろな方の利用に供するということを実はこの法律案の中に盛っておると、そういうことでございます。
#13
○青島幸男君 その辺がきわめて根本的に違うところでして、私と見解を異にするんで、あいてる施設を、よそに貸さなきゃいけないということの基本的な問題は、一本線を引けば、それには、かなりたくさんの可能性があるんだから、重複して何本も引くことはないじゃないか、だから、あいている部分はよそへ貸しなさいということだと思うんですね。だからこそ、その特性が失われるのだということを私は申し上げている。そういう基本的な考え方を一つ置いておきまして、私はこれから議論を進めてまいりたいと思うんですけれども、有線テレビ放送の持つ機能というものはたくさんあるわけです。このたくさんある機能を、あまりにもこの可能性が多いものですから、これに幻惑されていて、なかなかいままで郵政省のほうも態度がきまらなかったと私は実は思うんですけれども、まず、大別いたしますと、難視聴対策というものがあると思うんです。もともとこのCATVはこの要請から発明といいますか、利用に供されるようになったと思いますが、難視聴対策というのは実に物理的な問題でして、空中を飛んでおります電波が何らかの障害によってうまく受像できない、受信できない。そのために空中の電波を補助する、補佐する機関として考えてしかるべきも一のですね。
 それからもう一つは区域外再送信。これは、よそが見えるものがおれたちが見えないのはどうも不都合だ、これをもっと見たいという文化的な欲求によるものですね。これは本質的に問題を異にしておるわけです。見えないものを見えるようにただするための補助的な機関として第一にある。
 第二に考えられますのは、区域外再送信であるとか、あるいは自主放送であるとか、そういうものを見たいんだというような文化的な欲求があるわけですね。それを満たすものとして可能性があるわけです。
 それからファクシミリとか、あるいは双方向通信などというように、いま予測できる将来的な展望に基づく可能性のあるもの、それからいまのところ、この有線テレビのケーブルが発明されましてからまだそう日もたっておりませんし、これからエレクトロニクスの部面におきましては、どんなことが考えられるかわかりません。ですから、それ以外の無限の可能性というふうに分ければ、おおむね四つぐらいに分けられると思うんです。この四つの可能性を一つのものというふうに考えて規制をし、あるいは法的にくくろうとするから、きわめて問題が錯綜してくるんだと私は考えるわけでして、この難視聴対策のための補助機能と、それからそれ以外のものは全く別なんだということの話し合いを、前回の委員会で、藤木さんといたしまして、四十五年の三月五日の当委員会のことでしたが。難視聴対策のためのケーブルの機能、それ以外のものは新しい媒体を考えるほうが適切だというお答えを私は実はいただいているわけです。それを一緒くたにしてしまうんで、問題がなかなか解決しないという気がするんですが、難視聴対策といたしましてテレビ放送の補助機関、これは全く別に切り離して考えられるべきなのが妥当だと思うわけです。
 と申しますのは、最近たいへんやかましくなってまいりました日照権の問題がありますけれども、国民は健康にして文化的な生活を営む権利がある、というふうに憲法で保障されている。いままで何も障害のなかった、ささやかな庭があって、四季の花も絶やさないようにしていた人が、突如、前にビルが建ったために、日がささなくなった。これを何とかしてもらいたい、これは病気になっちゃうから、どこかに日光浴にいきたい。そのための費用を出してほしいということが基本になりまして、日照権の問題がたいへんむずかしくなってまいりました。一方、ビルを建てるほうでは、その許可基準にも合致しておりますし、何ら法的な問題はないということになりますと、相互の権利義務の非常にむずかしい問題になりまして、いまやかましい問題になっておりますけれども、これが解決される方法は、やはり人の健康を害しあるいは日照をさえぎることだから、さえぎった人が補償すべきであるという考え方でまとめられようとしつつありますね。それは私は妥当な考え方だと思う。
 それと同様に、ここでこのことばを使うのが適当であるかどうかわかりませんけれども、電波権あるいは受信権というものがあまねく国民にはあるのだ、きのうまで見えていたテレビが、一つビルが建ったために見えなくなる。そうすると日光をさえぎられたと同じように考えられる。ところが、日光のように原因と結果が明瞭に出ない。電波の場合は、かなり遠隔の地に建ったものがゴーストを生んだりといった、さまざまな複合した効果によって受信が不可能になる可能性が大きいので、原因と結果がさだかでないので、あいまいのまま残された問題がある。その受信権を侵すという可能性は、ビルを建てる側にはだれにもあるわけですね。ですから、受信権を侵す可能性があるであろう、電波権を侵す可能性があるであろうという予測のもとに、なお一定の高さ以上のビルを建てるものは、すべてその電波権を侵したことを補うための積み立てをしなければならないというふうなかっこうで、金をプールしまして、これをNHKに、その金によってNHKがあまねく国民に見せなければならないという義務を遂行するというふうに考えるべきだと私は思うのです。
 しかも、何か別のケーブル会社ができて、NHKの受信料のほかに、そのケーブル会社にまた料金を払わなければならない、一部の人は二重の支払いを強いられるわけですね、そうなることは、あまねく日本中の人が電波を見られるようにしなければならないという放送法の考え方からいくと、はなはだしく公平を欠くことになりますね。ですから、もし私の言うようなことが実行されて可能ならば、難視聴対策の一切の責任はNHKが負うわけです、施設としては。そしてその金は一定の高さ以上のビルをつくった人が出し合うわけですね。そういうかっこうにすればこそ、一般の国民が同じ条件でNHKの電波に接することができることになるので、この難視聴対策というものは、ほかの可能性と全く別個に考えなければならないのではなかろうか。その別個に考えれば、たいへん公平に、しかもわかりやすく国民にも納得してもらえるのではないか。しかも一本引きましたケーブルが、ほかの可能性を持っている、持っているのだったら使おうじゃないかという、けちな考え方が問題を錯綜させているんじゃないか。
 確かに私ども生活しておりますし、水道管も引いてありますし、ガス管も引いてあります。しかしガスの管で水道を引こうとする人はおりませんね。ガスの管と水道の管が二木あることに何の疑問も持ちませんね。それと全く同じような考え方をしていかなければ、いたずらに問題を錯綜させるばかりだと私は思いますけれども、その辺はどういうふうにお考えになりますか。
#14
○国務大臣(廣瀬正雄君) 私から一応御答弁申し上げまして、不備の点は事務から補足させていただきたいと存じます。
 たいへん御示唆に富んだ御意見と存じますが、CATVの持っております機能、役割、そのうちで難視聴の解消ということが一番大きな使命でありますことは、私も同感でありますわけでございますが、これを切り離して、これだけ単純にやったらどうかと。そうすると、全国あまねく放送をしなければならないという責任を持っておりますNHKは、そうした難視聴地区を生じた原因者に出費してもらって、NHKの施設としてやるべきじゃないかという、きわめて筋の通った御意見でありますわけでございますが、CATVの非常に大きな機能として、難視聴地区の解消、再送信ということにありますわけでございますけれども、たびたび申し上げておりますように、そのような施設をやるには、同軸ケーブルを布設しなければならない。その同軸ケーブルは、放送という点から申しますれば、きわめてたくさんな容量を持った、チャンネルを持った、二十以上も考えられます機能を持っておる。
 そういうことであれば、再送信ばかりでなく、自主送信もやりたい。また、将来は総合通信も考えられると、ファクシミリも可能であるというような、将来に対する魅力と申しますか、ビジョン、そういうことを考えまして、まあ各地区で難視聴の解消ばかりでなく、むしろ最近の傾向としまして、よく見える地域でありましても、自主送信でありますとか、あるいは、これは今度の法律案で許されておりませんけれども、総合通信、そういうような、非常に幅の広い同軸ケーブルの能力を考えまして、有線放送都市と申しますか、そういうものをつくりたいという熾烈な要望が各地にありますわけでございまして、そういう同軸ケーブルによって文化生活、これを享受したいというための計画とか、構想が各地でありますわけでございます。
 そこで、今度はそういうことを考え合わせまして、さしあたり再送信と自主送信、これを主たる目的といたしまして、有線テレビジョン放送を許すことにしよう。許すことにしようというのは、施設についてでございますが、施設について許可制にしよう。いままで、御承知のように、CATVにつきましては、施設の面は「公衆電気通信法」でございますか、という法律がございますし、それから業務の面におきましては「有線放送業務の運用の規正に関する法律」でございますか、というようなことで、二つ法律があったのでございますけれども、これはいずれも届け出制でございまして、届け出制でございますから、まあ行政指導をやっておったのでございますけれども、行政指導にもおのずから限度があるということで、今度このように単独法で施設だけに許可制にしよう、そうして受信者のこれは保護ということでございますが、今後だんだんそういった施設が拡充と申しますか、至るところにできる。至るところにできるということになれば、受信者が不当の不利益をこうむっちゃなりませんので、その立場を考えれば、施設の許可制にすることが妥当ではないか。許可制にして適正な業者、施設者を選定する。そうして不当な不利益を受信者にかけないようなことにする。施設者の選択を法律によってやることが必要であるということで、許可制にしようといっていま御審議を願っておりますわけでございます。
 そういうわけで、どうせ同軸ケーブルを布設するならば、自主送信もやりたい。たくさんのチャンネルがとれるわけですから、腹一ぱいの機能を働かせたいというのが、これは人間おのずからの欲求であると思いますが、そういうことになれば、そういうことを調和的に総合的に考えざるを得ないと考えたほうが、国家社会のために、国民のために有効であるということで、再送信だけを切り離して考えずに自主送信も入れて考慮するということにいたしましたわけでございます。しかし、NHKの普及義務につきましてはいろいろあるわけでございまして、そういうような施設を、CATVの施設をやりましても、NHKは技術の指導でありますとか、その他いろいろ在来やっておりましたようなことをやり続けてまいりますわけでございますが、さらにCATVをどんどん指導してやっていくということについては、NHKに新たにそういう施設に出資ができるという道を開きまして、それを通じてNHKの役割りを果たさせていくというようなことが、きわめて必要だというふうに考えておりますわけであります。
 ただ、そうした都市における、これは全く山間僻地と違った、自然的なあるいは地理的な条件でなくて、人為的な高層ビルの建設ということによって生じた難視聴地区でございますから、原因者責任主義というものを徹底させまして、将来は原因のはっきりわかっております高層建築の責任者はもちろんでございますけれども、あるいはまた、原因はだれということがわからなくても、まとまった高層建築物の一群、まあこういうものを対象としまして、ある程度の御負担を願って、そうしてこれを財政的に使わせていただくことにしまして、CATVの施設を通じて難視聴地区を解消するという方向についての費用の一部に充てるというようなことについては、将来まさに私は検討事項じゃないかと、こういうように考えているわけでございます。
 それからいま一つ、冒頭に申されました特定多数であるか、不特定多数であるかという御意見でございますが、これは、私は施設のたてまえとしましては、不特定多数でなくてはならない。公共性というのはそこに非常に大きな意味があると思うのでございますが、ただ使用する、加入する、契約するということになりますと、それはその場合におきましては、特定多数ということになるわけでございます。これは水道事業にいたしましても、あるいはいろいろ例があるかと思いますけれども、不特定多数ということを前提にはいたしておりますけれども、実施の面におきましては、実際の面におきましては、契約するだけのものに限られますのでございますから、その段階では特定多数ということにおのずからならざるを得ないわけでありまして、私どもはCATVのたてまえといたしましては、不特定多数というように考えているわけであります。
#15
○青島幸男君 ですから、大臣がお考えになっておるのと、私が考えているのとはそこが基本的に違うわけでして、このケーブルの持っております可能性で、いま一番問題になっておりますのは、とにかく難視聴対策だ、あとのものは、海のものとも山のものともわからない、その部分が多い。とにかく、海に泳いでいる魚に値をつけるというかっこうで考えておられる。河岸にあがれば、その魚は幾らに売ったらいいかわかるけれども、実際にそこにいるのはわかっておりますけれども。――海の中にいる魚に値をつけるというかっこうで、わからないものを引っくるめて考えているから、問題が起こるのではないか、ということを申し上げているのと、それからもう一つ、どうも郵政当局、あるいは大臣の考えておられるCATVというものは、とにかく各戸に配線されましたケーブルが、集約的に大きく一本にまとまっておる結果、そうなるわけですね。この法案によりますと、あいている部分をほかに貸していいということになります。そうなりますと、あまねく一般家庭の人々が、大体同じような放送内容のものを見るのだという見解に立っていらっしゃるので、私と、はなはだしく見解が違っているのだと思うのですけれども。私は、何本引いてもいいじゃないかという考えに立っているわけです。一本とにかく家庭に引いて、そうしたら、それで事が済むのだという、けちな考え方がこの問題を錯綜させているわけです。一本しか引かないから、あいている部分を、よそに貸さなければいけないのだ。よそに貸すことになりますと、ますます多くのネットワークと申しますか、各家庭に入ってまいりますのは、どれもこれも集約的に入ってまいりますね。集約的に入ってくるからこそ、最大公約数的なものになってくるんだと。
 ですから、極端な話を申しますと、難視聴対策用に引いてあるケーブルが一本ある。これはNHKが見られるんだと。いま自分のうちの区域に放送されている放送が、明瞭に見られるようになるためだけの補助対策として、一本ケーブルを持っておる。それからもう一つは、スポーツの放送を重点的に、専門的にやるCATV放送局があったら、そこと契約をして、一本ケーブルを入れて、それで、より専門的にスポーツの実況なり何なりを見る。あるいは家族の中に、経済にたいへん関心の深い人がいたら、経済のことだけ、株式市場のことなんかを割合専門的にやるケーブルの会社と契約をして、あともう一本入れて、違った受信機を持つというふうな特性があるわけですよ、このCATVには。ところが、何もかも一緒くたにつないでしまうから公共性があるんだ、だから、番組の審査もしなければならないのだ、料金も画一化しなければならぬのだという結果になるわけで、何でもかんでも一家庭に一本引いてあったら、それで事が足りるんだという考え方が、基本的に違うわけで、その辺から話が変わってくると思うのですね。その辺をどうお考えになりますか。
#16
○国務大臣(廣瀬正雄君) いまちょっと監理局長と私語して、打ち合わせしたのでございますけれども、これは決して複数を許可してならないというたてまえじゃないようでございまして、ただ、CATVを引くということは非常にその収容力が大きいので、チャンネルがたくさんできますから、それだけでもいろいろなことができるというので、そういう意味において特性を持っている。それから相当費用がかかるそうでありまして、これまた独占的な性格を持っていますね。それから道路の占用をしなければならない、電柱に添架しなければならないというようなことがございますから、一つケーブルを引きますと、あとがなかなか布設しにくいというような関係で、これまた独占性を帯びてくる。ですから、複数はなかなかできにくいだろうという性格と私どもは考えておりますものですから、そうだということになれば、その選定はよほど間違いのないようなことにしなければ、公衆の方、受信者の方に御迷惑をかけるということで、施設許可制になっておるわけでございますが、そういう事情にかかわらず、あえて二つも三つもほかの方がCATVの申請をされる。幾ら経費がかかってもいいという、またそろばんに乗らなくてもいいというようなことで、申請をいたしてこられますれば、それを禁じておるというわけのものじゃないようでございまして、場合によっては、複数許可制ということも、施設の許可でございますが、あり得るというように考えております。
#17
○政府委員(藤木栄君) 大臣の申し上げたことを少し補足いたしますと、私ども、御審議いただいています法案は、さっき先生がおっしゃいました難視聴の解消、それから区域外再送信とか、あるいは自主放送、あるいはそのほかの双方向ということも考えられるわけでございますけれども、私どものいま考えておりますのは、いわゆる一方向的な放送ということをとらえているわけでございまして、双方向というのはこの法案では触れておらないわけでございます。これは、現在ありまする有線電気通信法のほうにまかす。現在この法案の中身は、要するに、初めの三つといいますか、難視聴対策と区域外ということも含めました自主放送というものでございまして、それに関する限りにおきましては、先ほども大臣から申し上げましたように、非常に多くのチャンネルがとれるというわけでございまして、たとえば東京の中で考えてみますと、東京には七つのチャンネルがあるわけでございますが、同軸ケーブルを引きますと、その七つのチャンネルの再送信ということはもちろんでございますが、それ以外に、おそらく十数チャンネル、技術的にはとれるというわけでございまして、そういう多くのチャンネルを、ほかの人が借りることができるわけでございますから、それによりまして、先生がおっしゃいましたようなスポーツの放送、専門的な放送ももちろんできますし、そのほかの種々雑多な、多彩な放送番組を、この同軸ケーブルを利用いたしまして、その一般の人に流すことができる、そういう点が、私どもとしては、好ましいのではないかと、もちろん大臣のおっしゃいましたように、もう一本引けないことはないわけでございますが、実際問題としますと、なかなか経費もかかるし、道路の横断、電柱の共架その他を考えまして、非常にむずかしいということで、別にそれを否定しているわけじゃございませんけれども、現在の一本の同軸ケーブル、有線テレビジョン放送施設で、そういうものは十分である。また、それによって、一つのものが、たくさんのチャンネルを独占するということは好ましくないので、先ほど来申し上げておりますように、そのチャンネルを貸すことが――貸さなければならないということで、多くの人に、放送しようとする人に、門戸を開放しているという状態でございます。
#18
○青島幸男君 何と申し上げたら、私の考えていることを御理解していただけるか、たいへん困っているのですけれども、施設の余っている部分を、提供しなければならないと、きめてあるから、番組が一般化してしまうのだということを、私は申し上げているわけでして、元来たとえば、こうしましょう、聴視者の利益を守るとおっしゃいました。聴視者は多額の金を払ってケーブルを引くわけですから、ケーブル会社ができた、金は払ってケーブルはもらった、二、三日放送は続いたけれどもつぶれてしまった、さてどうしてくれるのだということで、迷惑を及ぼすこともあるだろうし、それから、引くぞといって詐欺行為を起こすこともありますね。それは一つ有線放送に限らず、マンションを建てるといって、頭金を徴収して、実際そのマンションは建たなかったというケースがありますね。それはマンションに限らず、さまざまのことがあるわけですけれども、そのことで、建設省に文句を言っていきませんわね、一般の人は。これは刑法上、あるいは民法上の問題になるわけです。そこまで郵政省が有線放送で放送を見ようとする方々の権利を、あるいはその事業者の責任を、めんどう見る必要はないのじゃないか。それは刑法上あるいは民法上の問題であって、たまたま許可制なんかにするから、許可したおまえが悪いのだという責任をとらされるわけですね。そこまでおもんばかる必要はないのじゃないかという気がするのですけれどもね。
 それから、幾ら高かろうとも、たとえば、ちょっと常識では考えられないくらい高い入会金を払って、ゴルフをしている人もいるわけですね。しかし、その人は、何百万かの金を払って、おれは、ここにクラブのメンバーとしているのだという誇りと喜びがあるわけです。また、これはその人の人間の尊厳にかかわるものであるから、その人の経済事情が許す限り、何をしようとかまわないということになっておりますね。そういう趣味性と、人間本来の考え方を著しく阻害してしまうのではないかという気がするわけです。
 お金を払いさえすれば、私は何百局であろうと、何百世帯ぐらいしかカバーしない放送局であろうと、それはたいへん専門的な、たとえば美術問題を流す、一般の人には関心のないことかもしれません。しかし、私は美術に関心があるし、この放送局は、いいことをやってくれている、高いお金を払っても、それに値するものは、私は取得しているということになれば、しかも、そういう趣味を持った方が、何本も家庭にケーブルを引いていても、一向にかまわないことであって、しかも、あいている部分を、ほかに貸さなければならないということになりますから、どれもこれも一緒になってしまって、それこそ、一般大衆のものになって、最大公約数的なものになって、個人の趣味性とか、一つのものごとに対する欲求を阻害する結果になる。これが、法案で一番最初にうたっておりますところの、公共の福祉の増進には結びつかないのだ、ということを申し上げたわけでして、その辺はどうお考えになります。
#19
○政府委員(藤木栄君) 先ほど来申し上げていることを、また繰り返すかもしれませんけれども、私どもは、先生のおっしゃいますように、非常に数は少なくても、特別の番組を見たいという方もいらっしゃいますでしょうし、あるいはまた、音楽専門の放送を聞きたいという方もおられるでしょうし、そういった、いろんな多様なものが、同軸ケーブルを用いた有線テレビジョン放送施設によって可能になると、そういうふうに、実は理解しているわけでございまして、その点がどうも先生のおっしゃいますこととちょっと食い違いがあるんじゃないかと思いますけれども、おっしゃいました、けちな考え方ということが、一番の問題の分かれ目じゃなかろうかと思いますが、私どもとしましては、けちかもしれませんけれども、同軸ケーブルを一本引くことによりまして、相当なチャンネルがとれる。そのいわゆる再送信以外に、たとえば、テレビのいまチャンネルは十二ございますけれども、それ以外にも、チャンネルを物理的にはとることができる。技術的には可能でございますので、先生のおっしゃいますような、いろんな多様な放送がこれによって可能である。
 したがいまして、一本引けば、それで十分である。それは、もちろんそれでもう満ぱいでございまして、さらにその要求があって、もっと引かなきゃならないというときは、それは、引くということも考えられると思いますけれども、私どもとしましては、一本の同軸ケーブルによりまして、相当な多彩な放送が可能であると、そういうふうに考えているわけでございまして、けちかもしれないんでございますけれども、相当、施設自体については、経費もかかるわけでございまして、また、実際に、その施設をするときは、都市の中におきまして施設をするときは、非常な工事上の困難もあるということから、そう簡単に何本も引けるというものではない。したがいまして、そういうような貸すことができる、貸さなきゃならないという条項を設けまして、多彩な放送ができることを期待して法案をつくったということでございます。
#20
○青島幸男君 三十数チャンネルもとれる、これだけ多彩なら、それでいいじゃないかというお考えですね。あいているものをよそにも貸すんだから、一本あればだいじょうぶだと。貸すという考え方が、何と申しましょうか、たとえば五百なら五百の特定少数と――特定多数とは申せませんね、五百だと。まあ特定多数としてもけっこうです。特定の契約者にたいへん高尚な美術の番組を流したいという事業者がいたとします。その方は、たいへんに費用もかかるので、一般のテレビの再送信などに支払われる金額よりも、もっとずっと大きな額を払わなきゃならぬ。それでもいいんだということで、一ケーブル当たり何十万円、あるいは何百万円という費用がかかる。それだけの受信料を払わなきゃならないと、採算が合わないんだという形態ができたとしますね。しかし、そこは独自のケーブルを引いて、その特定の契約者だけに流すということが本来の目的であるし、本来の契約関係であるはずですけれども、あいてるチャンネルを、よそにも貸さなきゃならないということになりますとね、その特定の契約者以外でも見ることも可能だし、あるいは見せなきゃならなくなっちゃうわけですね。そうなりますと、その固有な放送をしようとする、そのユニークな発想に基づいて発足した有線テレビ会社の業務は、成り立たないわけですよ、ほかに供与するわけですから。そうでしょう。そうなりますと、そこら辺にある書籍だけでおまえら十分あるじゃないか。毎年四億冊の本が出ているんだからそれで十分だ、特定豪華本とか、きわめて専門的な本は読まなくていいんだ、ということと同じことになりゃしませんか。
 施設の供与ということが、一見多くの人々に利益をもたらすかに見えるわけです。確かに一本引けば、ほかの局が乱立しても、それを、あいている分を貸さなきゃならないというのだから、お金をかけて引いた一本も、非常に有効になるわけですね。しかし、有効になると同時に、たいへん一般的なものになってしまう。だから、料金についても、何かそういう特定のことを考えなきゃならないだろうし、あるいは番組審議会も設けなきゃならないだろうしという発想があるわけですね。ところが、その施設の供与をしてはいけないという法律がもしあれば、雑多な放送局が乱立するわけですね、それぞれの専門については。そういうあり方のほうが私は正しいのではないかということを申し上げているわけです。
#21
○政府委員(藤木栄君) 私のどうも説明がまずいと思うのでございますが、実はこの法案は、再送信の場合と、そのほかのまあ自主放送的なものでは区別をいたしまして契約することになるわけでございます。したがいまして、先生のおっしゃる特定のまあ美術なら美術関係の放送をするという場合は、もちろんそれを何も一般の人に押しつけるということじゃございませんで、それを見たい人だけが、そのチャンネルを利用して契約をする――そういった特定の放送をやる放送事業者がチャンネルを借りまして、それでそれを見たい人だけが、その放送事業者と契約をして、特別なその美術なら美術の番組を享受するということができるというわけでございまして、これ自体は、一般の人に、何でもかんでも見せなきゃならないということではございませんで、これはもう契約によりまして、その自主番組を放送することができるわけでございますから、おっしゃるような、その心配というものは、私は、ないのじゃないかと、そういうふうに考えておるわけでございます。
#22
○青島幸男君 ですから、何でもかんでも見せちまえということじゃなくて、たとえば受信機の高度なものを、微細に周波数の分離ができるような受像機をつくれば、どこもかしこも、ネットワークとしてワイヤーはつながっておるわけですから、ケーブルは。ですから、そういう受信機を持っておれば、特別な契約をしなくても見ることも可能だということ、逆に言えばですね。それでは、経営が成り立たないではないかということなんですよ。ですから、本来地域性と趣味性を持った可能性があるものに、施設の供与ということと一般につなげてしまって、一本で、何でもかんでも見える、これだけ可能性があれば、それでいいじゃないか、という考え方のもとに、これは成り立っているのが、私は、基本的に間違っているのではなかろうかという気がするのですよ。これはまあ後々わかっていただけると思うのですけれども。あるいは許可制にするほうが地域独占を防ぐことになりはしないか――地域独占というのは、許可制にしようが、届け出制にしようが、これは当然起こるべきこととして、フリーに競合させるよりも、新しい技術開発なんかを生むのではないかという気がしますけれども、その辺はどうお考えになりますか。
#23
○説明員(江上貞利君) 特殊な非常に、たとえばただいま御指摘いただきましたような美術愛好家のための放送であるとか、あるいはまあ先ほどちょっとお話出ましたが、ゴルフ、これはまあゴルフ場ということでお話をいただいたかと思いますけれども、そういう特殊な愛好家のための放送というものが、普遍化されることによって、かえって、その特殊な趣味をお持ちの方に対しての放送というものが、阻害されるのではないかという御疑問でございますが、これは当然自主放送ということに相なろうかと思います。自主放送をいたします場合には、現在の技術でございますと、コンバーターをつけまして、それに専用の装置をつけなければ見えないわけでございます。したがいまして、元から送ります場合に、たとえばCATVの施設がございまして、一万戸の加入者があったら、その中で、ただいま先生御指摘のような方が十人おられたという場合には、その十人のところに、そのような装置をつけまして、そのような特殊なサービスをすることが可能でございます。
 それでは、相当広範囲な地域にわたりまして、十人の方々が散在をしておられるという場合に、そのために非常に長い線を引くということが、はたして妥当かどうか。その施設にあきチャンネルがある場合には、それを御利用いただいたほうがいいという場合も当然起こり得ると思います。したがいまして、私どもは逆に、先生御指摘のような場合であっても、特殊な方の趣味を充足し得ないとは思いませんし、かえって、そのような方の御趣味を入れ得ないのだということにしておくことのほうが、普及しにくいのではないかと思います。と申しますのは、非常に、相当広範囲な地域にわたりまして、ぽつぽつと御要求があるという場合には、私はやり方が二通りあると思います。一つは、特殊なビデオのようなものを使いまして、有線でなくて、個々にごらんになるという場合もございましょうし、それから、たまたまチャンネルがあいておるので、それを御利用いただくという場合もあろうかと思います。経済性ということから考えてみますと、もし有線を御利用になるということならば、現在あいているチャンネルを御利用いただいたほうが安くなるだろうというふうに思います。
 ただ、問題は、非常に多くのチャンネルがとられます場合に、残りのチャンネル数が非常に少ないという場合には、十人を対象とするものよりも、より多くの方を対象とすることが優先するだろうということは、もう当然でございますけれども、したがいまして、ただいま先生御指摘のような、特殊な文化的価値のあるもの、特殊な趣味をお持ちになるもの、趣味をお持ちになっている方の御要求を阻害するということにはならないというふうに思います。
#24
○青島幸男君 ですからね、そうなりますと、その受像機におけるコンバーターさえあれば、契約しなくても見れるのじゃないかということも逆に言えるわけですね。そうなりますと、その経営者の経営が危うくなるのではなかろうかという考え方もあるわけですけれども、いかがですか。
#25
○説明員(江上貞利君) ただのコンバーターではなくて、それに特殊な装置をさらに付加するということによりまして、ただいま先生の御指摘のような問題が可能でございます。経営を危うくするということは、その自主放送なさる放送事業者であるのか、あるいは施設を持っている方であるのかという問題がありますけれども、ただいま先生御指摘の点は、その施設を持って、自主放送をする人だということだと思いますけれども、非常に特殊な要求を持っておる方の欲望を充足させるということであれば、先ほど、ゴルフ場の例を引いてお話いただきましたような料金の設定というものは、私は可能であると存じます。
#26
○青島幸男君 ですからね、この法案にあるのは、料金を何とか考えていかなければならないというようなことを言っておりますし、それから、番組の審議機関というようなものも設けていかなければならぬということになりますと、ますます、一見、一般視聴者の利益を守るようなかっこうをしておりながら、実は、そういう特殊な趣味性を持った方々、あるいは本来そうあるべき可能性があるわけですね、CATVは。その可能性をも阻害してしまうのではないかという懸念があるということを、私は申し上げておるわけであります。
#27
○説明員(江上貞利君) 特殊な趣味性というおことばを、いまお使いになったわけでございますが、特殊な趣味性を持っておられる方であれば、それを補うだけの費用というものは、私は御負担なさってもよろしいのじゃなかろうかと思います。
#28
○青島幸男君 いずれにしましても、その施設の提供ということがあれば、一つのネットワークに結ばれているのだという考え方から、番組の審議機関というようなものも設けられてきますし、そうなりますと、そういう特殊な美術関係のものをやりたいのだという意見を持った人にまで、言わずもがな、あるいはみずから自主規制するような、何かそういう圧力みたいなものも加えてしまうかもしれないし、自由な発展を阻害する傾向になるということはお認めになれると思いますけれどもね。
#29
○説明員(江上貞利君) 自由な発展を阻害するというただいまの御指摘でございますけれども、自主放送につきましては届け出制ということになっておりますので、必ずしも自由な発展を阻害するというふうには考えておりません。
 それから第二といたしまして、将来、先生ただいま御指摘のような事態というものが起こってき得るということは、当然考えられると思いますけれども、法律というものは不動のものではございませんし、そのような要求が起こった場合に、私どもといたしましては、この法律案で処理できると思いますが、かりに、非常に不自由があるという場合には、さらに弾力的に扱い方を考えるということも当然あってしかるべきだというふうに考えます。
#30
○青島幸男君 いつの場合でも、この提出されました法律は、提出者のほうでも、これで完全無欠だと、未来永劫にわたって誤りはないんだという確信を持って法律をつくられる方もございませんし、また、その事情の変化によりまして、かつて正しかったことがそうでないということもありますから、お説ごもっともでございますけれでも、ただし、そういうさまざまな可能性を持っているものも、十分な考察なく、あるいは明日にもこのCAケーブルの、ケーブルにかわるもっと簡便なものが、あるいは発明されるかもしれませんね。それは、あなたにも、私にも予見できないことです。ですから、そういう、いまあるものと、それからいま困っている問題と、将来起こるであろうということ、それを一緒くたに考えて、くくってしまおうという考え方に、きわめて私は不満を感ずるわけです。だから、ケーブルを何本引いたっていいじゃないか。けちなことを言うな。あいているものは貸せばいい。もっと広帯域にわたって、もっと安価なものができるかもしれません。そういうことも考え合わせなければいけないと思います。
 そうなりますと、番組の低俗化を防ぐということで、番組審議会を設けて、自主規制を行ないなさいということをいたしましても、何をもって低俗とするか、何をもって高尚とするかは、これはたいへんむずかしい問題ですね。それを郵政省で指導するということになりますと、廣瀬さんのように、話のわかる方が長としておられれば、また、たいへんにいいかもしれませんけれども、その方の判断でかなり大きく影響を持ってくると思いますね。そうなりますと、どうしても番組の画一化とか、あるいは系統化とかいうことによりまして、多様化を阻止して、これが世上よくいわれておりますところの言論統制というようなかっこうにつながりはしないかという不満を、あるいは不安につながっているわけですね。ですから、その辺のところを明確に区別して考えていかなければいけないのではないかというのが、私のこの法案に対する不安なんです。
 先ほど申しましたように、海に泳いでいる魚に値をつけるというかっこうで、いたずらに、拙速のあまり、CATVが持っているであろうあらゆる可能性を、進歩発展の方向に向けるのではなくて、どうにも、ほうっておいたんでは整理がつかないのだ。それで手をこまねいていて郵政省はいいんだろうかという不安から、この法案ができたのだろうと思いますし、そういう郵政省の面目だとか、あるいは不安だとかいうようなものから、私はこの法案ができていくということは、このCATVのもつあらゆる可能性に大きく悪影響を及ぼしていくというかっこうであれば、とても納得ができないという考え方を持っているわけです。先ほどから論議がいろいろ出まして、どうもお互いによく理解し得ない部分的なものもあったように思いますけれども、いまのお話しを聞いておりまして、大臣、私が言っていることについて、どういうふうにお考えになりますか。
#31
○国務大臣(廣瀬正雄君) 青島委員のおっしゃることも、私よく理解できました。しかし、いま、江上放送部長から御答弁申し上げた趣旨もおわかりだと思うのでございますが、ただ、いま御指摘になりました放送番組に郵政省が指導するというようなことがありはせぬか、そうすれば、そういうことになれば、郵政省の責任者の恣意によっていろいろ方針が変わってくるというような御心配のようでございますけれども、これは放送行政、放送事業で一番戒めなくちゃならない点でございまして、そういうような審議会ができましても、これはもちろん自主的なその地域の受信者、あるいは公衆の利害を代表すると申しますか、意向に沿っての代弁機関でありますわけでございまして、郵政省は全くノータッチでまいりたいと考えておりますわけでございます。その番組審議会で御審議を願わなくちゃならない根本理念、これは申すまでもなく、放送法の精神にのっとってやっていただきたいということなんでございまして、放送法は、大前提といたしまして放送番組の自由ということをうたっておりますわけでございますから、この方針にのっとってやっていただければけっこうなんでございまして、何ら郵政省は行政的な指導する、干渉するなんという意思は全然持っていないということを、はっきり申し上げて差しつかえないと思っております。
#32
○青島幸男君 ですから、結論として申しますのは、当面問題になっております難視聴対策ということを別個に考えて、しかもNHKの放送上の使命もありますから、その一本のワイヤーで事が足りるんだから、将来の展望についても、その一本のワイヤーがかなりの可能性を持っているんだ。ただ、難視聴対策のためにできたんではもったいないという考え方が、この問題を錯綜さしているので、NHKの放送上の使命と受信者の権利というものの対比の上から考えますと、難視聴対策のために別個に難視聴対策用の電波障害処理法とでもいうべきものをつくって、NHKの放送がよく見えないということを解消するためには、そういう手だてで、この法案とは別個に将来の可能性とか、総合通信とか、区域外通信とかいう問題は別個に考えて、それだけ独立に電波障害を処理するための、別個の法案を考えていくのが、私は一番妥当なやり方で、しかも、すっきりする、どなたからも理解が得られるというふうに考える。
 それから、地域独占を防ぐとか、あるいは視聴者の利益を守るとか、あるいは番組の低俗化を防ぐとかいうようなことで、さまざまな手だてがありますけれども、これが先ほど来申し上げておりますとおり、一々について疑念が私はあります。そういう疑念を、さまざまなものを持っておると思います。ですから、そういう疑念を全く解消すべく努力がもう少しあってしかるべきなんではなかろうか。ですから、いまいたずらに、この立法を急いでやる必要はないんじゃないかというのが私の結論なんですけれども、どうもこの法案のにおいからいたしますと、結果的には、特定のCATV業者に利益を与える、結果、思想統一をはかるようなことにしかならないんじゃないかという懸念があるということを申し上げまして、私は質問終わりたいと思いますけれども、大臣、たとえば私は、こういう反対をしておりましても、おそらく通るかもしれませんけれども、通りましても、この問題は、これでいいんだ、この法律はこれでいいんだというようなお考えを持たずに、いつも完ぺきな、完全無欠なものはないわけですから、これもよくできているとは思います、一面。しかし、これにのっとってやれば、何もかも処理できるというようなお考えをお持ちにならないで、私きょう申しましたつたない話も御参考にされまして、将来のこの可能性というようなものが、ほんとうの意味で国民の福祉の増通に寄与するように、おはかりいただくようにお考えいただかないと、一般の国民たちも、たいへん不安に思うのではないかということを申し上げまして、時間でございますので、質問終わらしていただきます。
#33
○国務大臣(廣瀬正雄君) 青島委員のおっしゃっていることは非常によくわかるのでございまして、ぜひ青島先生も御賛成いただきまして、一日もすみやかにこの法律案を通していただきまして、運営に当たりましては、御趣旨を体して万遺憾なきを期してまいりたい。非常に大切な放送行政の要点でありますわけでございますから、十分その辺をわきまえて運営に当たりたいと考えておりますので、今後の運営について、何かとまた実際上、いろいろな御趣旨に反するようなことがございましたならば、そのつど御指摘いただきまして、十分りっぱな運営をやっていきたい、こういうふうに考えておりますわけでございます。
#34
○鈴木強君 私も若干の質疑をしたいと思いますが、まず最初に、法案を提案された郵政省の基本的なお考え方と、それからこの法案については、御承知のように、衆議院で自社公民の四党共同修正案が可決されて、政府提案、修正で、こちらに送付されているわけです。従来、有線放送業務の運用の規正に関する法律という法律によって、CATVは届け出によって運用ができた、こういうことでございましたね。それを今回許可制へと切りかえていく。こういうことになりますと、いま青島委員からお話がありましたような、これが言論の立法であるという観点に立つと、どうしても、憲法上の言論、放送、表現の自由というものが、これによって侵害されるのではないだろうかという意見があるわけですね。もともと無線にはある程度、番組に対する規制があってもよろしいが、有線の場合は、全く規制をするのは間違いだという意見も一部にあるわけですね。これは、私はにわかにとらないところでございますが、要は、言論、報道の自由、表現の自由が、この法律によって、いささかたりとも侵害されるかどうかという基本の問題が一つ、中に含まれておると思うのです。そういう点は一体どうなのか。
 それから衆議院である程度基本的な問題についても修正がされておりますがね。提案をされた郵政省の立場からすれば、どうもおもしろくないといまでも思っておるのですか、それとも皆さんの研究が足りなくて、国会でいろいろといい意見が出て、それを修正していただいたからありがたいと思っているのか、その辺の受けとめ方について聞いておきませんと、いま青島委員のおっしゃったように、今後のこの運営の中で、郵政省がほんとうにわれわれ国会の意思をそんたくをして、いま私が申し上げましたような、少なくとも言論立法である限りにおいては、そういう憲法上の疑義をいささかも持たないような、配意をしていただくことができるかどうかと思いまして、そういう意味で若干お聞きするわけですけれども。
#35
○国務大臣(廣瀬正雄君) 今度、こういう法律案を出しました趣旨につきましては、先刻青島委員にもお答えいたしたところでございますが、CATVの要請が非常に各方面に強いという現在の情勢、これは難視聴の解消という点から申しましても、従来は山村僻地の問題ばかりでございましたけれども、これについてもCATVを使っておりますし、最近は都市の高層建築物による難視聴の解消、これについては、CATVが唯一の難視聴解消のための方便であろうというふうに考えております。また、将来こういうような難視聴解消のための再送信ばかりでなく、自主送信の要求も非常に強いわけでございます。
 こういうような各方面の需要に応じまして、有線CATVというものを御利用願いたいということに考えておりますわけでございますけれども、その御利用願うということについては、たびたび申し上げておりますように、その施設の独占性、つまり電送の容量が非常に大きい、二十チャンネル以上も放送しておるというようなこと、さらにまた経費の点から申しましても、独占性が強い、さらに道路の制限、あるいは電線の添架という点から申しましても、独占性が強い、こういう独占性が強いCATVでございますから、一たび許可いたしますと、それが非常に悪弊を流すというようなものであれば、取り返しがつかないということになりますわけでございますから、受信者、聴視者の立場を考えまして、りっぱな施設の選定をしなければならないということで、在来、御承知のように、施設につきましては、有線電気通信法、それからまた業務につきましては、有線放送の運営に関する規正に関する法律があったわけでございます。
 しかしこの二つの法律とも届け出制でございまして、これに対しては、いろいろ行政指導もやってまいりましたけれども、やはり法制をもってやらなければおのずから限度があるわけでございますから、届け出制では足らない。受信者の立場、受信者の利益を考えますと、施設を許可制にすることが肝要であるという観点に立って、今回そういうような趣旨の単独法の御審議を願うことにいたしましたわけでございまして、まあ国民の要請に基づきましてCATVの施設を御利用願う。御利用願うということになれば、許可制でなければ国民の利益を損傷するというようなことがございましたから、そういうことのないように、施設の許可制ということで単独法案をつくりまして提出いたしておりますわけでございまして、まあこれが提出の趣旨でございます。
 また、第二の、こういうような施設を許可制にしたからといって、放送番組の内容について言論統制的な干渉をする心配がなきにしもあらずという御指摘でございますけれども、これは、もう放送事業の一番大切な要点でございまして、申すまでもなく、表現の自由は憲法でも保障されておりますし、さらに番組編成の自由については、放送法の大精神になっておりますわけでございますから、今度の法律案は、ごらんのとおり放送法を準用するということになっておりますので、そういうことについては、放送法の原則、原理、これは、あくまでも私どもは最大限に尊重いたしまして、放送番組編成の自由というものを、いささかたりとも侵害されることのないような法律案になっておりますことは、御承知おき願いたいと思っておりますわけでございますが、なお、衆議院段階における修正は、私はいずれもけっこうだと思うのでございまして、私どもの気のつかなかった点をよくも御教示賜わったわけでございまして、十分修正点につきましては尊重いたしておりますわけでございます。
#36
○鈴木強君 いまの修正の部分については率直に反省をされて、謙虚に御発言がございましたから、それはそれなりに私も評価をいたします。
 で第二点の、言論、報道の表現の自由の侵害になるか、ならないかという問題の中に、世間で、有線と無線というものを分離して、ものを考え、無線の場合には、ある程度周波数というものも限られているし、それが不特定多数ではあるけれども、電波の伝達というものが、CATVの加入者とは違って、また、加入者というのは、ある程度制限されているわけです。ということだと思いますけれども、そういう意味からして、無線の放送を、要するに、放送法が無線を基準にしてやっておりますから、放送法上の番組に対するいろいろな制約というものは、有線の場合は御無用だという意見があるわけですね、その辺についてはどうお考えになりますか。
#37
○政府委員(藤木栄君) この無線の場合におきましても、有線の場合におきましても、実際このCATVを家庭で見られるということになりますと、これは全然変わりないわけでございまして、チャンネルをひねれば、再送信も見れるわけでございますし、また、自主放送的なものも見ることができるというわけで、一般の方々にとりましては、無線であろうが、有線であろうが、全くその受ける立場からいいますと、変わりないという点が、私ども一番の基本的に考えまして、先ほど大臣がお触れになりました現在の特性でございます。で、有線放送業務の運用の規正に関する法律におきましても、これは御存じのように、放送法を準用しているわけでございまして、番組につきましては放送法を準用しているわけでございまして、今回の有線テレビジョン放送法につきましても、同じように放送法を準用いたしましているわけでございまして、したがいまして、私どもとしましては、単なる電波の有限性ということが無線のほうはあるわけでございますが、有線のほうにつきましても、放送の持ちます機能あるいは影響力というものは全く同じであると、そういうふうに考えているわけでございます。
#38
○鈴木強君 それは、そういうふうな見方をする人たちもございますから、私は念のために伺ったのですが、この精神ですね。今度の有線テレビジョン放送法案の精神というのは、少なくとも、現在の放送法上、いまNHKなり、民放なりに課せられている放送番組に対するいろいろの注文がございますね。こういうものと全く同じ精神であって、それよりも一歩も少なくとも規正を強くしようとか、というようなことはないというふうに、はっきり言えますか。
#39
○国務大臣(廣瀬正雄君) 全くそのとおりでございまして、規正を強化しようなんという考えは毛頭ございません。
#40
○鈴木強君 それで私は念のために申し上げておくのですが、これは基本のことですから、大臣からお答えいただきたいのですが、私はかねがねこの放送番組については、法律によって規正を加えるということは、これはやっぱり間違いであって、基本的にはやはりその放送事業者の自主的な判断によっておやりになる、それがすなわち国民の支持を得るようなものであってほしい、これが大原則だと思いますね。したがって、まあやむを得ない場合、一つの規正ということも考えられるでしょうけれども、基本的なものの考え方というのは、やはりいま申し上げたような自主的に番組をつくっていただくというところにおいていくという、この考え方は、何回も私聞いておりますけれども、もう一度ひとつ大臣から伺っておきたい。そういう精神でこれを運用してもらわなければ困ると思うのですがね。
#41
○国務大臣(廣瀬正雄君) その点も私全く鈴木委員と同じ見解でございまして、具体的に申しますと、放送法の第三条に、放送番組編集の自由ということが、大原則としてうたわれておりますわけでございまして、さらにまた、番組の内容につきましては、四十四条の三項に準則が列挙されておりますわけでございまして、実は私は郵政大臣になりました当初は、どうも暴力事件が非常に多い、また、放送の内容が卑わいなわいせつな面が非常に多いというような感じがいたしましたので、これは放送法の改正、これはもっとほかの点でいろいろ改正をしなくちゃならぬ事柄があるように考えておりますが、番組の内容につきましても、四十四条の三項に暴力を排除するとか、あるいはわいせつ行為を排除するとかというようなことをうたりてはどうかというような感じが強く一時したことがございますけれども、いろいろ考えてみますと、あの四十四条三項はどうも道徳的な規定のように考えられるのでございまして、ということはビデオテープなんか全然とっちゃならない、とらないことになっておりますわけでございます。
 これは、まあたてまえとしては、当然だと思っておりますわけでございますが、それとあの準則に違反するということになりましても、一つの放送の一部にそういうような事実がございましても、それだけじゃだめなんでございまして、全編を通じまして、あの準則に違反するものでなくちゃならない、全編を通じてそうした事実がなければならない。さらにまた、全編を通じてそういうことがございましても、一回限りではだめでございまして、何度かそういうことが繰り返されて、その放送の習性と申しますか、性格と申しますか、というものが、そういうものだというような事実がなくちゃだめなんでございまして、つまり、総体的に判断をすると。短時間ではだめ、しかも、全編を通じて、やっちゃならぬことが、繰り返されなくちゃならないというようなことを考えますと、なかなかあの準則で違反を捕捉するということは、これは不可能に近い、不可能といっても差しつかえないと思っておりますわけでございます。
 しかも、ビデオテープをとっておりませんのでございますから、そういう証拠によって、電波法の七十六条に持っていくということもできないわけでございまして、したがって、結局、しょせん、せんじ詰めれば、そういう番組を改善するとか、向上するという問題は、ただいま鈴木委員御指摘のように、放送事業者も自主的に自覚をされて、各業者において付設いたしております放送番組審議会等の御意見を聞いて、改善することがあれば改善する、また、幸いにNHKと民放が一緒になりまして、放送番組向上委員会というものをつくっておられるわけでございますから、そういうような機関の御意見を承って、これを尊重して放送番組の向上に資するという以外に、方法はないという、私は、現在結論に達しておりますわけでございまして、私の見解は、ただいま鈴木委員の御指摘のとおりだと、こういうように思っております。
#42
○鈴木強君 わかりました。各民放におきましても、NHKにおきましても、番組審議会というものを、自主的に活動させておりますから、それで、いろいろ番組作成に対する一つの基準をおきめになってやられているわけです。ですから、その基準に照らして、実際に作成されたものがどうかというところに、やはり一つの問題点として、ポルノの問題やなんかが常に出てきていると思うのですね。ですから、それはあくまでも放送事業者の常識に訴え、国民のためになる放送という一点に集中してやっていただくという原則が貫かれれば、私は、この法規制ということはおのずからなくなってくると、逆にいえばこう考えるわけです。
 ですから、そういう意味において、何回もやっておりますけれども、取り上げておりますけれども、それで、ちょうど前回の私の質疑のときに、ポルノ問題を取り上げた際に、電波法百八条のわいせつな通信の罪というのは、一体どういうことなのか、これが刑法百七十五条のわいせつ文書の頒布等の罪との関連は一体どうなるかということを、私は質問いたしましたが、そのときに、解釈が統一したものがお答えできなかったわけですね。したがって、これは、後日研究をして私に答えることになっておりますが、この機会に、この点だけはひとつ番組問題と関連してお答えをしていただけますか。
#43
○政府委員(藤木栄君) この前はどうも失礼申し上げました。私ども検討いたしたわけでございますが、この刑法の百七十五条というものは、一般的なわいせつ文書の頒布等の罪ということを規定しているわけでございますが、電波法の百八条は、これは刑法の特別な場合と申しますか、電波による「わいせつな通信を発した者は、二年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」ということでございまして、この特別な場合というふうに理解するわけでございますが、刑法におきまする「猥褻ノ文書、図画其他ノ物」というものと、電波法の「わいせつな通信を発した」ということと、どこがどういうふうに関係するかということが問題だろうと思いますが、刑法の場合は、電波のほうまで完全にカバーしない場合も考えられると、電波は、まあその「物」というものではございませんので、テレビあたりでわいせつな画像が出たということであれば、直接刑法にも関連するかと思いますが、このわいせつな通信を発したということになりますと、それがそのまま刑法の百七十五条によって全部カバーできない場合もあろうかということで、この百八条の規定を特に設けまして、電波による問題をそこで規定したと、そういうふうに解釈しているわけでございまして、もちろん、このわいせつの意味につきましては、刑法も電波法も同じであると、そういうふうに理解しているわけでございます。
#44
○鈴木強君 そうすると、具体的にテレビに放送された放送番組の中におけるわいせつ的な通信ですね。これはまあ放送は通信の中に入っていますね。したがって、それは刑法百七十五条によるわいせつ罪というものと、それから電波法上のわいせつな通信というものの判断ですね。そういうものが何か両方、これ、ひっかかってくるわけですか、両方。そうすると、なぜ電波法と、それからもう一つは刑法でそこだけ変わらなきゃならないのか、それはあなたもおっしゃるように、具体的に電波もラジオもそうでしょうね、音の場合、映像の場合、いろいろあるでしょうけれども。そういうものが刑法上の「猥褻ノ文書、図画其他ノ物」、その「図画」にはならないのかどうかですね。そういう厳密な刑法上の適用条項というものはやっぱり問題になると思いますね。ですから、それならそれで刑法で済むんじゃないですか。
 ところが電波にそれとまた同じようなウエートで、同じわいせつ罪に対して両方の法律が働いてくるということになると、どうしてそれを二つやらなきゃならなかったか、また、その判決がどういうふうになるか、かりに、違ったものが出たような場合、その結果、その場合は一体どうなるか、そういったいろいろなやっぱり問題があると思いますが、もう一つ私はその解釈について納得できない点があるんですが……。
#45
○政府委員(藤木栄君) 先ほども私申しましたように、テレビの場合ですと、わりあいにわいせつということが画像で出てまいりますから、はっきりするかもしれませんけれども、百八条は、テレビだけではなくて、そのほかの一般通信の場合も入るわけでございまして、ラジオももちろん入るというわけでございますから、この刑法の百七十五条ではカバーできない点がどうしても出てくるという意味で、この電波という貴重な国民の共通の財産をつかったということで、特に百八条を規定しておると、そういうふうに私ども解釈しているわけでございますが、先生のおっしゃいます特別にテレビの番組で、そういった場面が出てきた場合、おっしゃいますように、百七十五条を、刑法を適用される場合もあろうかと思います。その場合は、刑法百七十五条と電波法百八条の両方にかかる場合もあろうかと思いますが、この場合、おっしゃいますような両方の罪が一応競合するようなかっこうになろうかと思いますが、実際におきましては、裁判所ではその最も重い刑をもって処断されると、そういうふうに私どもは理解しているわけでございます。
#46
○鈴木強君 そうすると、刑法百七十五条の「猥褻ノ文書、図画其他ノ物」という「其他ノ物」という中には、電波の中の、いまあなたがおっしゃるようなテレビの画面以外のものは入らぬと、「其他ノ物」というのは、そういうふうにはっきりとお答えできますか。
#47
○政府委員(藤木栄君) その「猥褻ノ文書、図画其他ノ物」というものが電波法でいう「わいせつな通信」とどういう関係があるかということでございますけれども、これは私どもとしましては、その「猥褻」のものというものには、電波というものは直接入らないのではなかろうかと思っております。
#48
○鈴木強君 そうすると「図画」のほうは、テレビの画面だから入ると、そうすると、もう電波法第百八条による「わいせつな通信」というもののこの規定は、非常に局限されている、きわめて限定された電波上の問題である。こういうふうに概念的には考えていいわけですね。
#49
○政府委員(藤木栄君) おっしゃるとおりでございます。
#50
○鈴木強君 これはさっき、この前の問題の付録みたいなものだけれども、まあ放送に対するいろんな問題、言論、報道抑圧の問題からこれは出てきたわけで、そのことがないようにということで、私が指摘したわけです。
 そこで、具体的な問題をちょっと伺いますが、いまCATVという範疇に入るものが全国で幾つあるか。それから実際に自主放送をしているのは幾つぐらいその中でありますか。わかりますか。
#51
○政府委員(藤木栄君) 現在この有線放送業務の運用の規正に関する法律というものによりまして、届け出をしております施設は、全国で約九千五百、私どものほうに届け出がございます。そのうち、いわゆる再送信のほかに自主放送もやっておるというところは、三施設だけでございます。
#52
○鈴木強君 それで、有線放送の業務の運用の規正に関する法律というのは、文字どおり、今度はラジオ放送の場合を有線で流すという、あるいはそういうことになると思うのですね。もっとも、音楽放送なんかもありますけれども、再放送の場合では、ラジオだけでございますね。なぜ、ラジオだけを残して、テレビを今度こういうふうに別の法律として出したかという、そこのところは、私はあとからいろいろ再放送の問題で――著作権の問題がありますから、文化庁からも来ていただいておりますからね。そういうものとの関連で非常に矛盾があるのです、テレビの場合ですね。同じ大臣が指定をした区域においても、ラジオのほうには、そういうことが義務づけられない。テレビだけが今度はその指定された区域ですね。その区域内における電波は全部義務的に再送信しろと規定づけられている。ラジオのほうはそれをしてない、それは一つの例ですけれども。概してテレビ、ラジオを区切って、そして、ラジオのほうだけはいいけれども、テレビのほうだけを許可制にしたという、そこのところがちょっとわからぬのですね。
#53
○政府委員(藤木栄君) ラジオの場合は御存じのように、施設自体がテレビの場合と違いまして、簡単でございます。これはテレビのような同軸ケーブルというものではなくて、普通の電話線あるいはそれよりも少し高級なものでございますれば、送れるわけでございますので、そういった施設の面から見ましても異なるわけでございます。
 一方、テレビのほうは、先ほど大臣も申し上げましたように、非常にチャンネルをたくさんとれるという意味から、どうしても独占性というものが出てくるわけでございますが、ラジオの場合は、簡単に線が引けるわけでございますから、だれでも引こうと思えばそう問題はない。電柱の強度にしましても、テレビの同軸ケーブルというような、非常に重たいものをかけるよりも、電話線程度のものでございましたら、特に問題ないわけでございまして、そういった独占性、こういうこともございませんし、物理的に、電柱等の道路占有といった問題もあまりない。したがいまして、地域的な独占ということから考えますと、ラジオの場合は、非常に簡単であって、問題が少ないという点で、私どもとしましては、この有線テレビジョン放送の趣旨にございますような、地域的な独占性ということ、それに伴う弊害というものはあまりないのではないかということで、従来のとおりの届け出だけでよろしいのではないか、そういうふうに考えたわけでございます。
#54
○鈴木強君 まあ、施設の地域的独占ということにあなただいぶ力を入れるんだけれども、そこにもやっぱり青島委員が言われたような趣旨があるわけですね。私も青島委員の意見に賛成なんですね。地域的独占というのは確かに一つの弊害を生むかもしれない。だからといって、それを、まま子扱いにして最初から押えるという考え方がいけないので、番組の問題と同じですよ。やっぱり自由経済を志向する自民党内閣であれば、幾つものものがあって競合して、りっぱなものができるなら、それでいいじゃないですか。それができる可能性のあるところを一つに押えていくという、そういう考え方がぼくらは気に食わぬと言っているのです。だから、必ずしも独占でいく場合のほうがいい場合もあるでしょう。それから二つなり三つなりそこに施設を免許してやったほうがいい場合だってあると思うのです。東京などはエリアをどういうふうに分けるか、それによって限りがあると思いますけれども、そういうふうな点から考えてみると、独占の弊害、独占の弊害といって弊害だけが、独占をやれば出てくると考えるのは、これはものの考え方としては片寄り過ぎると思います。その点を青島委員は突いておったと私は思う。私もそういう点は賛成なんです。
 あなた方の見解は、それはそれとして聞いておきますが、そうすると、いまおっしゃったような、地域的独占の弊害とか、あるいは施設が非常に簡単にラジオのほうはできる、テレビのほうはそうはいかぬというので、テレビとラジオを分離したということなんですが、これは、また再放送の問題とからみますから、あとから聞きますが、それでは、この法律の精神は、CATVずばりのものに対して、基本法としてつくったものであるかどうか、ちょっと疑義があるんですけれどもね。
 それでもってまず私は、この点をさっき青島委員言っておられましたけれども、全国で九千五百の施設があって、自主放送をしているのは、三施設であるというならば、この法案は自主放送をしている三施設よりも、九千五百のうちの九千四百九十七というものは、すなわち再放送をしているわけです。だからして、この法律がおもにかかってくるのは、再放送の施設であって、自主放送の面ではいろいろ書いてあるけれども、いま直ちに、これが適用されるのは再放送しかないのですね。ですから、その点については、やはり再放送に対する規正をするならするということで立法をして、さらに自主放送を含め、将来テレビ電話や双方向的ないろんな通信需要が進んで、CCISの需要というものが相当多くなってくるわけだから――したがって、この法律は少し先ばしっているんじゃないかという、そういう懸念が出てくるのも、私は、当然考えられる。
 だから、もう少し、この自主放送がなぜ九千五百のうち三つしかないのか、そこのところはどうなんですか。これはもう参考人の意見を聞きましても、確かに難視聴というものに対する対策がおくれているんですよ、難視聴が。全国あまねくどこでも見られるという放送法七条の精神というものが、あなた方が解釈するように、無線だけであって、有線は例外であるという、そんな解釈は、私どもはあなた方と基本的に解釈が違っているわけですよ。それで地方のほうに行きましても、共聴施設等によってある程度聴視者が金を出し、また、NHKがこれを補助をして、ある地域においては、郵政大臣の認可を得てやるような方法をとってきている。現在でもCATVのないところはそういう方法をとっているでしょう。
 ところが、東京の都市部におきましては、四つの財団法人をつくって、NHKも中に引きずり込み、民放も引きずり込み、そのほか電電公社等みんな入れて、そして、再送信を含めた自主放送というような形のものをつくっておるわけですね。ところが、これがなかなか経過がございまして、前に私も大臣にかなりしつこく質問をいたしまして、大臣なかなか、わかってもらえない点もあったんだが、あれは東京ケーブルビジョンの渕野さんという方が、オリンピックのときに、暫定的に見れるということで、現在の業務の運用の規正に関する法律で、届け出さえすればいい、短期間的なものは、臨時的なものは、再送信の承諾を受けることなくやれる。そういうことで、やってみたけれども、なかなか加入者がふえない。結局は、再放送的な難視解消的な立場に立って、あれは運用されてきた。それで結局、施設の金も払えないということで、あっぷあっぷしている。そのうち、再送信は、民放も、NHKも協力しないということになった。そこで、やむを得ず、ああいう組織をつくって、そして、民放や、NHKを納得さして、そして、それぞれスタートしてみた。東京、大阪、福岡、名古屋、四つはそういうものができてきたわけです。ところが、そのものが、それぞれ三千万なり三千五百万なりの赤字をかかえて、あっぷあっぷしておるわけです。当初計画した加入者というものは、会員が集らないで今日弱っている。
 そういうふうな皆さんの、いままで、今日までやってきた電波行政の中で、あやまちがあるんです。これは、あやまちというと、たいへん失札かもしらないけれども、見通しをあやまっているんです。そういうものをお立てになって、それが本来的なCATVとして、あなた方が考えるような方向に発展していくならいざ知らず、そうではないでしょう。そういうものを厳粛に私は自己批判をして、そして、何か都市部も、地方もなべて七条というものは、NHKに、あまねく受信できるように放送するという責務がないがごとき考え方から、ものの判断をして、――これは、立法上の解釈の相違ですから、私は少なくとも都市難視地区というものは新しい原因者――不明のものもあるでしょう、原因者があっても、ビルも多いし、そのために、電波障害を受けるという事態が起きてきたのでありますから、それに対しては、現行法がもし不備であれば、それを直してやることも必要です。もっと早く原因者がかりにわかっても、その人たちに道義的な御協力を得るというだけでなくて、法律的に義務づけて、その人たちが責任を持って、そういう場合には、その償いをする。それから原因者が不明の場合には、公害の無過失賠償責任と同じように、その場合にどうするかという、そこまで突き進んでお考えをいただいて、そして、立法措置が必要であるならば、すみやかに国会へ出すべきである、われわれはこういうことを、いままでも言ってきているわけです。
 ところが、そういう大事な点が、いままで制限をされて今日にきておる。そして、行きあたりばったりのような、あなた方の解釈でもって、都市難視聴に関する限りは、NHKでは難視を解消する義務はない、すべて四つの財団法人、ケーブルビジョン会社がやるんだということにきめつけておる。そして、新宿で受信者が、何だ、NHKに行ってもめんどうを見てくれないじゃないかと、ところが、NHKは、そういう会社に拘束されて、みずから公にやるということは、なかなかむずかしい、運用上。相談には乗るでしょうけれども、ケーブルビジョンがあるからやりにくい。そういうことによって、迷惑を受けているのは、新宿の視聴者じゃないか、こういう不満を言っておられました。
 私は、そういういろんなことを考えた場合に、この法律というものは、どれもこれも欲をかいて、将来の方向までだき込んでいるんだけれども、当面は難視解消しかない。難視解消であるなら、もう一歩私は、その基本問題について郵政省は再検討して、そして、こうあるべきだという姿で出していただかないと、いろいろ従来いろんなケースが現実に起きてきて、それに法律がついていけない。そういう点はわれわれはわかります。わかりますけれども、それならそれで、もう少し根本的な問題までえぐって、そして個々に立法すべきではないか、こう思うのです。これはすでに各党修正で来ておりますから、私はそういう強い希望をここで申し述べると同時に、この法律というものは、むしろ再送信に重点を置いて、当分は運営されていく。その再送信については、従来のあなた方の考えであったら、またあやまちをおかしますよ。もう一回過去を反省して正しい道を歩んでいただくようなことを、皆さんが英知を集めてやってほしいということを申し上げたいために言っておるわけです。
#55
○国務大臣(廣瀬正雄君) 御意見のございました四つの財団法人のあり方につきましては、非常に反省をなされる点が多いわけでございまして、特に、東京ケーブルビジョンのごときは、気息えんえんとした状況でありますけれども、そういうようなことを指導いたしまして、郵政省といたしましては、恥ずかしく思っておるわけでありますが、最近、再建策につきまして、東京ケーブルビジョン自体が真剣に取り組んでおりますようでございまして、その実のあがりますことを、私ども大いに期待をいたしておりますところでございます。
 なお、再送信について都市難視地区では、高層ビルの建築、それが大きな原因をなしておりますので、原因者責任主義というのを貫くべきであるということは、私ども全く同感でございますが、何となく、どこからその原因が出てきたかわからないような高層建築物の一群と申しますか、そういう集団的な高層建築物の把握につきましても、ただいま先生御指摘のようなことがきわめて私は必要だと思うのでございまして、そうした人に、ある程度の御負担を願って、そういうことを財源として、都市の難視聴の解消に拍車をかけるということ、これはまさに私は検討題目である。こういうふうに考えて全く同感でございますので、これは、なるべくすみやかに課題として郵政省でひとつ検討を加えたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#56
○鈴木強君 それで、こういう検討を加えて、法律改正するものは法律改正をし、従来の難視聴に対する郵政省の態度の中で、再検討すべきものは再検討して、一つの結論を出してやってもらいたいと思うのですが、いずれにしても、その間、具体的に問題が出てくると思うのですね。たとえばいまの形でいきますと、非営利的な施設をつくって、それが再送信をやろうとしても、この法律にひっかかっちゃってできないというものが具体的に出てくると思うのです。こういう場合には、私は、やはりいま申し上げたような基本問題が解決するということが前提になりますけれども、するまでは、過渡的には、そういうものが、ある程度実情によってはやってもらわなければむしろ困ると思うのですね。それを一がいにだめだと、こういうことでなくて、やはりそういうものがある程度は、ときどきにおいては配慮していくという方法をとってもらいたいと思うのです。これはいいですね。
#57
○政府委員(藤木栄君) 御趣旨の点は十分わかるわけでございますので、弾力的に、この法律成立の暁には、運用していきたいとそういうふうに考えます。
#58
○鈴木強君 もう一つ、これは特にNHKの関係になると思いますが、CATVに加入した加入者が、NHKのテレビを見ることになると、当然受信契約をやらなければなりませんね。その点はっきりしてもらいたい。そうすると、そのCATVに入った人たちは、放送法上のNHKとの受信契約義務ということは、いささかも変わらないのですね放送法上は。そういうことははっきりできますね。
#59
○政府委員(藤木栄君) おっしゃいますように、法律的にもNHKと契約しなければならないと、そういうことになるわけでございます。
#60
○鈴木強君 これはちょっと大臣に私はお願いをしておきたいのでございますが、いま申し上げましたように、当面は、この法律は、おもに再送信に重点を向けて運用せられると思います。将来、自主放送、さらには双方向通信といいますか、そういうものまで含めてかなり大きな事業というものが予想されると思います。そこで、まあそれをどういうふうに政府として統一して検討を加え、結論を得、それに対策を出していくかということが、現在郵政省に課せられた大きな責務だと私は思うんです。
 いま、私たちが、政府がやっていることをちょっと拝見してみますと、郵政省の中には、通信問題懇談会というのが一つあります、CCIS調査会というのがございます、行政情報通信懇話会というのがございます、情報処理基本法調査会というのが一つございます。そのほかに、多摩ニュータウンCCIS実験準備委員会というのが発足をいたしております。こういうふうに、幾つかの調査会や懇話会をつくって、郵政省としてはいろいろ努力をされて、特に、CCISについては、当初は、ことしの六月ごろでございますが、そろそろ結論が出る予定になっていましたね。これは、いろいろ聞いてみると、十月ごろになるとか、十一月ごろになるとか延びておるようですけれども、いずれにしても、そういう調査会がございます。
 ところが、最近、私はちょっと気になるのは、先だって通産省の呼びかけで、財団法人映像システム開発協会というのが、この前も指摘をしましたけれども、五月十一日に発足しておる。この構成を見ますと、国産のコンピューターメーカー六社、日立、東芝、富士通、日電、それに沖、三菱、松下、これが加わりまして合計七社、それから古河電工など電線メーカーが三社、第一勧業銀行、都市銀行七行。そのほかに、日本興業銀行と日本長期信用銀行、これを加えて大体十九社が、この開発協会のメンバーになっております。基金は、十九社の拠出で約三億円、日本自動車振興会から、われわれが反対しているギャンブルから、寄付を一億五千万円入っている。合計四億五千万円の基金です。それから本年度の事業費を見ますと八千万円です。そのうち、政府から三千万円の調査費というものが充当されております。これは、私は、どこから予算を出してきたのか。これは通産のほうから少し聞きたいと思っておりますけれども、そういうことがやられておる。
 これが何をするかということは、ちょっと私は私なりに検討してみますと、この協会が、設計をして開発をする映像システムというのは、いわゆる同軸ケーブル、CCISによるCATVとコンピューターを直結して、日常必要とするきめこまかい生活に関連した情報を、テレビで受像する。具体的には、CCISでいま検討されているような課題と、これは競合しちゃっているのです。同じテーマなんです。これはCAIというのがあります。これはコンピューターを使って個別自動学習システムというのです。それから電気、ガスなどのテレメーター、これは自動検針できるものです。それから、防犯、防災システム、新聞ファクシミリなどの映像情報サービスを提供する仕組みです。これは、郵政省の映像情報システム、こういうようなものになっておりまして、郵政省がいま考えている調査会や懇談会、この数だけは多いけれども、どういうメンバーがどのくらいの予算をもってやっておられるか、私はわかりませんけれども、おそらくほとんど裏づけのないような資金――資金というか、運営費の裏づけのないようなもので進んでおられると思う。こうなると、この財団法人映像システム開発協会には、とても、太刀打ちというと語弊がありますけれども、対等に研究調査はできないと私は思う。なぜですね、こういうものが別個にスタートしなければならなかったのか、これらの問題についてわれわれは了解できない。
 私が申し上げました内容については、多少、もし違ったところがあったら、指摘をしておいていただきたいのですが、いま私が検討してみますと、こういうような内容で通産が音頭をとってやっておられる。かつて回線開放のときにも、通産省がそういう態度に出たことは事実であります。私はずいぶんかれらと言い合いましたけれども、これを何もやっちゃいかぬということは言わない。政府レベルで統一して、そうして開発、研究したほうが、よほど効率的、能率的であって、陣容の面におきましても、経営の面におきましても、なぜそれをそれぞれの省がやらなければならぬのか、それに対して国民は納得できない。だから、大臣として、これはひとつ閣議にも持ち出して、そうして、もっと政府レベルにおける統一した調査、研究をしてほしいと思うのです。何か、もうすでに閣議でそういう話をなされているように聞いておりますけれども、その点、大臣からもひとつよく伺って、これは私の強い希望として、要望として大臣にお願いしておきたいんです。
#61
○国務大臣(廣瀬正雄君) CATVの相互交通通信の問題につきましては、これは将来の可能性がきわめられているというわけでもございませんので、これは、ただいまおあげになりましたような機関、主としてCCIS調査会の大きな題目といたしまして、調査、検討を続けておりますわけでございますが、と申しますのは、相互通信、現在行なわれておりますものは非交換性のものであって、地域も狭い、限定されておるというようなことではございますけれども、将来の通信ということに発展する可能性は非常に大きいわけでございますので、ということになれば、日本電信電話公社が、国内において通信業務を独占しておるという、その日本の方針にそこを来たすというようなことになりますきわめて重大な問題でございますから、これは、いささかたりとも研究をゆるがせにできない大きな課題でありますわけでございますので、そうした将来の日本の通信業務に合うように、支障を来たさないような考えで、今後とも研究を続けてまいりたいと思っておりますわけでございます。
 まあ、郵政省は郵政省でそうした調査研究の機関を持ち、また、通産省はただいま御指摘の開発協会でございますか、というものをつくっておりますわけでございますが、実は、まあこうした機関は、関係省庁で一緒になりましてやると、いいということで、私ども最初、少なくとも通産省とは一緒にやりたいということで主張いたしておったわけでございますが、まあ、御承知のように、通産省は、将来の情報化社会を目ざしての調査、研究でありますわけでございますけれども、これは情報化社会の資材、機器と申しますか、通信のそうした機器に重点を置いての研究であり、私どもの研究は、運営に重点があるということを、おのずから言えないことはないわけでございまして、まあこういうことを主張して、いま別個の調査機関になっているわけでございますが、しかし、たえず連絡はとっておるのでございまして、たとえば郵政省のCCIS調査会においては、通産省の側からも参加いたして、一緒に研究しているということになっております。向こうの開発協議会には、こちらのほうがやはり入っておるかどうか、まだ聞いておりませんが、――入っていないようでございますが、しかしまあ連絡はたえずとるように、私は、強く特に要請をいたしておるので、たえず連絡をとって、協調して研究を進めておるかと思いますが、まあ、御指摘は私はよくわかるのでございますが、研究する題目が多少違う。一方は運営であり、一方は機材であるというところがあるということは事実でございますので、将来の情報化社会に対処して、あやまちなき調査、準備を進めていきたいという、その考え方は同じでございます。
 まあ、たびたび私申し上げることでございますけれども、同じ高ねの月をながめながら、分け入る道は違っておりますわけでございますけれども、しょせん目的は同じでございますから、今後とも十分そういうことについては配慮いたしまして、大臣相互間で連絡の必要があるということになれば、その点は遺憾なきを期してまいりたいと、こういうふうに考えております。
 御承知のように、政府から三千万円出ておるということでございましたが、私どものCATVのほうに対しましても、調査費は三千万円、本年度の予算でついておるわけでございます。その同額がCATVの調査研究として通産省についておるということを聞いておりますわけでございます。おそらくその金ではないかと思っておりますわけでございまして、まあそういうことでお互いに進んでおりますが、御指摘はまさに私はそのとおりだと思いますから、十分連絡協調してまいりまして、所期の目的を遺憾なく達成するように努力を重ねてまいりたいと、こういうふうに考えておりますわけでございます。
#62
○委員長(杉山善太郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#63
○委員長(杉山善太郎君) 速記を起こして。
#64
○鈴木強君 大臣のいまのお話も私もわからぬことはございませんけれども、それは機械の開発はそうでしょう。同時に、それをどう運用していくかということは、これは密接不可分の関係になるわけなんですね。ですから、基本的には、私は、やはり共同で同じように三千万円使うなら、六千万円入れて、両省でやるべきですよ。それを何か、われわれから見ると、なわ張り争い的に見えるような節がないでもないですよ。ですから、そういう点を私は強く指摘したわけですから、大臣も、何かこうやむを得ないんだという考え方が先行されると困りますから、もう少し強腰で統一してやろうということについて、あらゆる機会に、その意見を出していただきたい、それをお願いしておきます。いいですね。
#65
○国務大臣(廣瀬正雄君) 承知をいたしました。
#66
○鈴木強君 それからこの法律案は、いわゆる双方向性通信といわれる通信ですが、これには、適用は除外されているわけですね。
#67
○政府委員(藤木栄君) おっしゃるとおりでございます。いわゆる一方向的な放送というものだけを対象にしているというわけでございます。
#68
○鈴木強君 そこでちょっと伺っておきたいのですが、千葉県の館山市で、幼稚園が九つ、小学校が十二校、中学校が七校、公民館が十館、これを統一して、館山市が、何か教育用CATVを建設して、目下テスト放送しているということを聞いております。これは、市の教育委員会が中心になって始められているようですけれども、この内容は把握されておりますか。
#69
○政府委員(藤木栄君) 館山市で教育委員会が小学校、中学校あるいは公民館を対象としてこのCATV施設をつくっているということは私ども存じております。ただ、あまり詳しい細目についてはまだ存じておりませんが、大体はわかっております。
#70
○鈴木強君 大体を教えてください、大体でよろしいですから。
#71
○政府委員(藤木栄君) 私どもの理解しておるところでは、このいわゆるCATV施設の幹線部分は電電公社が引きまして、引き込み線、端末装置は教育委員会がみずから施設し、そのほか、スタジオであるとか、その他の放送施設も教育委員会がもちまして、小学校、中学校、あるいは公民館を対象として教育放送をする。それからなお、これはいわゆる一方向的な機能だけではなくて、双方向の機能も一部持っておる。たとえば、これはまあある一つの教室で授業をするとき、それを逆送りにセンター方面に、それを送りまして、それから全体の施設に送る、そういうこともできるというふうに聞いております。
#72
○鈴木強君 まあ施設の内容を私なりに検討してみましたが、これは教育放送センターというものを市がつくっておりますね。このセンターから幼稚園、公民館、学校、全部を、電線でつなぐわけですね。これは幹線は、おっしゃるように電電公社が施設をしているものですね。そうして、約二十チャンネルのテレビが送られるような性能でして、総延長が四十五キロになっている。三百十九のすべての教室に――場所は違いますよ、地域が違いますから。それに放送できるようになっている。で費用は、建設費が八千九百万円で、そのうち五千万円は文部省から補助が出ております。放送時間は一日三時間。ところが、これが、いま私が伺ったCATVの従来の学校放送等から見ますと、根本的に違っている点がある。それは、各教室に、質問用のマイクがつけられておって、放送の終わったあと、子供たちから質問がどんどん受けられるようになっているのです。いわゆる双方向性通信システムといいますか、そういうものの内容のように聞いているのです。だからして、放送を一方的に送るわけではなくして、それに対してまた答えが返ってくるような、いわゆる双方向通信と言われると私は思いますけれども、そういう範疇に入るのではないかと思うのですよ。
 それからもう一つ、テレビ回線には、別に連絡用の即時通話回線というものがつけられている。そうして、放送している間に、この放送については、こうしたらいいとか、ああしたらいいとかいう、いろいろ注文を同時につけられるようになっているのですね。ですから、私は、この施設をちょっと見まして、おそらく電電公社のいわゆる回線を、専用線として借りて、それを電話なんかにも使っておりますが、そういうふうなものなのかどうなのか、という点がちょっとよくわからないのですよ。CATV法案からいうと、これははみ出るでしょうし、それから有線電気通信法の設備の共同施設というやつを調べてみましたけれども、これは確かに、相互に緊密な関係を有する業務に必要な通信を行なうときには大臣が認可すればできる。有線電気通信法第十条の「他人の通信の用に供することの制限」ということの例外がございますが、それの十条ただし書きの十号でも改正されなければ――ちょうど十号がありますけれども、それに該当するのかどうなのか、その辺もちょっとわからないものですから、この際明確にしておいていただきたい。
 せっかくつくたものが法律上不適格であって、許可ができないということになったらお気の毒なんだが、そうかといりて、双方向通信ということになれば、この法律では適用できないわけですから、まあしいて言えば、電電公社の専用回線というものを使ってやるということで、さっき言った有線法とそれから公衆電気通信法の適用除外の中でやれるのかどうなのか、その辺ちょっとわかりませんから明確にしておいていただきたい。
#73
○政府委員(柏木輝彦君) この施設は新しい、かなり世間の注目をあびている施設でございますし、また、ただいま御指摘になりました有線電気通信法上の運用の問題もございますので、先週私のほうからも実地の調査に出かけてまいりました。
 おっしゃいますように、館山市の有線放送は、教育委員会で設置する同軸ケーブルのほかに、地元の電話局で設置いたします電信電話の回線を電電公社の専用回線として提供いたしまして、それからただいま申されましたような質問をするというような機能を付与しているということでございます。これは電信電話公社が、単独あるいは共同使用として教育委員会のほう、あるいは公民館等も含む場合もあると思いますので、その辺は、現在の法規でも、公衆電気通信法の中で措置ができるように取り運んでおると聞いております。
#74
○鈴木強君 私も、ちょっとあとのほうで申し上げたような点で、おそらくカバーするしか方法がないだろうという感じを持っているのですが、これは大臣の、いずれにしても、認可というか、許可というか、そういうものにかかってきますね。柏木さん、どうですか、その辺は。
#75
○政府委員(柏木輝彦君) 大部分の施設は、電電公社の提供する公衆電気通信法に基づく専用回線ということで始末がつくかと思います。
#76
○鈴木強君 わかりました。大臣認可になると、またこれいろいろな問題が出てきますから、有線法なり、あるいは有線電気通信設備の共同設置というもの、こういう中で処置できるならば、それでけっこうですから、まあ、せっかくテストもやっておるのですから、実際に放送ができるように早くしてやってほしいと思いますが、これはお願いしておきます。
 それで、ひとつ文化庁から来ていただいているので、これは午後に私の質問はわたると思いますから、恐縮ですけれども。
 ここで再放送の問題について、著作権、隣接権との関連でちょっと伺っておきたいのですが、提案されている法律第十三条を見ますと、今度は有線テレビジョン放送施設者たる有線テレビジョン放送事業者というものは、大臣から許可を受けて施設を設置しますが、その設置する区域の全部または一部が、テレビジョン放送、この法律の第九条一項一号ハに規定するテレビジョン放送、この一項のハに規定されている規定によって、その区域で、受信の障害が相当範囲にわたり発生する場合と、これは相当範囲にわたり発生するというのは、受信障害が、一体どういう規模をさしているのか。それから、または発生するおそれがあるものとして郵政大臣が指定した区域内、その区域内においては、要するに、簡単に言えば、その区域内にあるテレビジョン放送は全部放送しなさいと、これは義務づけていますね、法律によって。
 それから第二項では、「有線テレビジョン放送事業者は、放送事業者の同意を得なければ、そのテレビジョン放送を受信し、これを再送信してはならない。」、これが原則なんです。ところが、第一号によって例外規定が設けられているわけですね。これは著作権、隣接権からいうならば、区域内であろうと、区域外であろうと、再送信の場合であろうと何であろうと、やっぱり私は著作権、隣接権というものが生きていると思うのです。ところが、この法律では、そういう区域に限っては、郵政大臣が指定した区域に限っては、この著作権と隣接権は、死んでしまうわけだね、これによって。この辺が著作権法によるところの法律との関係はどうなっていくのかということが一つ疑問なんです。
 この点、ラジオの場合ですと、そういうことがないわけですね。ですから、有線放送業務運用の規正に関する法律でいえば、ラジオのほうは、何もそういうことは、再放送ですから、全部が承諾を得なければならないのです。ところが、これは、この区域に限っては承諾が必要ないということになると、著作権法との関係はどうなっていくのか。著作権法との衝突が出てくると思いますが、この辺はどういうふうに考えているのか。これは郵政省のほうから先に聞いておきたい。
 それから文化庁のほうにも聞きたい。
 この法律を提案したのはどういう趣旨ですか。
#77
○政府委員(藤木栄君) この義務再送信と申しますか、いわゆる大臣が指定した区域内におきまする義務再送信というものにつきましては、まあこれはあとから文化庁のほうで御説明あると思いますけれども、私どもとしましては、この著作権法は放送事業者の権利、いわゆる隣接著作権と申しますか、これはその放送を受信して、これを再放送し、または有線放送する権利を有するということになっているわけでございますが、ただ、放送を受信して有線放送を行なうものが、法令の規定により行なわなければならない有線放送については、この規定の適用が除外ということになっているわけでございまして、この第十三条の法律によって、義務再送信を義務づけられているという点が、これによって除外されるということになるわけでございます。これは、このような義務再送信を行なわなければならない地域というものにつきましては、この有線テレビジョン放送を利用するということが唯一の難視聴解消の手段であるということからしまして、その地域におきまして、円滑に有線テレビジョン業務が行なわれるようにするとともに、その地域住民の利益を確保するということのために、著作権法上、特定の措置が講ぜられたものと、そういうふうに私どもは解釈しているわけでございます。
#78
○説明員(加戸守行君) 有線テレビジョン放送法案の十三条一項あるいは二項の問題につきましては、私ども電波監理上の観点からの公法的な規制をしたものと了解いたしております。で、一方、著作権法の上におきましては、放送事業者が行ないます放送につきまして、著作、隣接権制度では保護いたしておりますけれども、これは、いうならば、私権という形で放送事業者に権利を付与したものでございまして、そもそも本来予定しております法の領域が違っております。しかしながら、公法的な領域におきまして一定の再送信を義務づけております場合には、公法的にはそれが義務づけられ、私権的には、放送事業者の権利が動いて、同意を得なければ再送信ができないという矛盾が生じますので、そういった観点の問題につきましては、本来の法体系は違いますけれども、公法的な規定によって義務づけられているものにつきましては、私法的な権利も規制する、そういう方針をとりまして、この有線テレビジョン放送法案ができます以前に、著作権法の全面改正を行ないました際に、九十九条の二項に、ただいま電波監理局長が申し上げましたような法令の規定によって、再送信が義務づけられています場合におきましては、放送事業者の私権でございますが、著作、隣接権を制限するという考え方をとったわけでございます。
 その理由といたしますところは、電波監理局長がおっしゃいましたように、難視聴地域の解消という観点から、公益的な必要性という観点から、私の権利を制限する、そういう措置に出でたものでございます。
#79
○鈴木強君 法律的な解釈についてはわかりましたが、あなた方のほうでもう少しその実態を理解してもらわないと困るんですよ。たとえば、この十三条にある「受信の障害が相当範囲にわたり発生し、又は発生するおそれがある」ということは、これは郵政大臣がその判断をして指定する区域になる。本来電波というのは、無線でいくわけですから、そこに装備電力というものをつくって無線でやれば、有線の必要はなくなる。将来、宇宙衛星が上がって、それが放送に使えれば、一つ上げれば、日本じゅうどこでも難視聴がなくなってしまう。そのときには、CATVの再放送というものは要らなくなる。
 だから、あくまでも、これは私権であっても、個人の著作権を守るという精神は、これは公法だから消してしまうなんという、それは私は少し問題があると思うんですよ。ですから、それは、争いは争いにしても、裁判でまた争う場合もあるかもしれないけれども、いずれにしても、そういう判断が一方的であり、また、技術的に開発をし、実際にやれば、その障害地区というものがなくなる方法があるわけですね。そういう手段、方法をもっと、ちゃんとやるということを前提に、規定しておいて、どうしてもそうやらざるを得ないという場合に限って、これが発動するというならわかりますが、あなた方もそういう実態を、著作権課長さんですから、勉強されていると思うけれども、もう少し今後の運営についても、そういう点を勉強しておいてもらいたいと思う。
 抽象的でわからないから、「受信の障害が相当範囲にわたり発生し、又は発生するおそれ」、光化学スモッグじゃないけれども。(笑声)そういう何か抽象的で、どこまでも、これが範囲ができるように思うし、これは大臣権限で大臣がきめることだから、相当基準をつくってもらわないと、何かでっかい範囲ができてしまって、そして、そこにCATVができてしまったら、そこに著作権者がやる場合には、全く私権を無視されてしまう、こういう問題が出てくるわけです。これは重大問題だと思いまして一つ取り上げたわけですけれども、文化庁のほうの課長さんの法律的解釈は、制定の趣旨その他については、一応その点はあなたの考え方としては聞いておきますけれども、これはかなり問題が方々出ますから、ひとつ留意しておいてもらいたい。
 それから、いまの受信の障害が、相当範囲に発生しまたはおそれがあるというものですが、これは一体どうなんですかね。それから、これは、たとえばいま言った装備電力によってサテライト局とか、何かそういったものによって、カバーできるところはどんどんやって、そして、できないところに限って、こういうことをやるという、さっき私が申し上げたような趣旨は、その前提にあるんですか、どうですか。
#80
○政府委員(藤木栄君) この郵政大臣が指定する区域というものは、私どもとしましては、いわゆる都市におきまして、高層建築物がどんどんできるという現状からしまして、これは、やはり現在すでにそれによって発生しておりますし、また、さらに高層建築物ができまして、また受信障害が発生するということで考えているわけでございまして、大体私どもの考えているところは、行政区域を単位として考えているわけでございまして、たとえば東京都特別区の区域でございますとか、あるいは大阪市というようなものを考えているわけでございます。この第二段目の、電波によって受信障害が解消できないかということでございますが、これは、理論的にはもちろん可能でございます。ただ、高層建築物がどんどんとできているという状態から考えますと、ある一カ所は、それによりまして解消できるかもしれませんけれども、また高層建築物ができますと、障害になるというようなことも考えられるわけでございまして、なかなか現段階におきましては電波の波の有限性ということから考えましても、そういった都市の高層建築物の建築が進んでいるという状況から考えましても、非常にむずかしいとは思いますけれども、その点は、さらに私どもとしましては、何らかの方法を見出すべく検討を進めたいと思っているわけでございます。
#81
○鈴木強君 あなたは、都市難視ということを非常に重点を置いて考えておられますけれども、そうでなくて、やっぱり地方にも、そういうところが出てくると思いますがね。ですから、まあ時間の関係で――現在の全国に都市難視的なものがどのくらいあって、どのくらいの世帯になっているのか、それで、現在どういうかっこうでカバーがされているか。これは、いろいろ資料を持たないと、いまここで聞いても、まずいんですけれども、時間がないから、私そこは省略して、あとでまた資料等出していただきたいんですが。
 やっぱり地方にもかなりそういうところがあると思いますね。ですから、との受信障害が相当範囲にわたり発生するということは、都市だけでなくて、地方の場合にもあり得るということですね。こういうことも含めて私は聞いているんです。ですから、できるだけ、これから電波の技術も進んでいくんですから、レーザー通信なんかが実用化されてくれば、もっといい周波数が使えるかもしれない、開発されるかもしれない。いろいろなことを考えまして、将来電波というものは、やっぱり予想しておかなきゃなりませんし、あなたがいうように、これは当面の法律だから、そのときはそのときで考えますと、それならこれでもいいと思うけれども、そういう、少なくとも将来展望に立って、原則的に電波によってこれを解消していくというのが、基本にすわらなければいけないと思うんです、私は。
 それは限られた周波数ですから、使いたいと思ったって、なかなかない場合は、これはやむを得ません。しかし、やがて中華人民共和国が国連に入り、ITUにも入ってくるというようなことになってくれば、また、いま中国が使っている電波も再編成して、ネットエリアの電波も、もう一回吟味する必要もあるでしょう。そういうことも含めて、もう少し電波で、少なくともその受信障害というものを基本的に解消していくんだと、そういう考え方を根底において考えていただきたいと思います。これはどうでしょう。
#82
○政府委員(藤木栄君) そういった点につきましては、さらに私どもも前向きで検討を進めていきたいというふうに考えます。
#83
○鈴木強君 「ただし、郵政省令で定める場合は、この限りでない。」というのが書いてありますね、十三条に。これは郵政省令とか、政令とか、たくさんこの中にありますからね。この資料を幸い出していただきました。これは従来なかなか言わなければ出さぬようだけれども、これは郵政省、非常によろしいです、こういうふうに早目に出してくるのは。これは、電波行政の中では、最近、私がほめるのは、これだけだ。そういうわけで、これは非常に便利でしたが、この中を見ると大体わかりますけれども、実際に電波監理局長、こういう遠くから放送されてちっとも聞こえないとかなんとかいうようなこと、これはあるのかね。実際にどこらをさしているのですか、これは。「ある放送事業者の放送局の放送区域から非常に遠く離れている場合であって、当該放送を受信して再送信を行なうことが技術的にきわめて困難である場合における当該放送事業者の放送」、二つ目に「放送の受信による再送信以外の方法である放送事業者のすべての放送番組が同時に有線放送されている場合における当該放送事業者の放送等を予定している。」、こう一応あなた方の省令の内容についてここに示されているわけです。具体的に、こういうものはありますかね、事例、予想されますか。
#84
○政府委員(藤木栄君) 現段階では、あまりないんじゃないかと思いますけれども、たとえば最近のUHFの周波数を使っているテレビ局というような場合は、その放送区域から相当遠く離れている場合がございまして、再送信を行なうということが技術的に困難であるという場合もあるのじゃなかろうかと思っているわけでございます。
#85
○説明員(江上貞利君) ただいまの先生の御質問でございますが、電波監理局長からお答え申し上げましたように、近接の局などございまして、通信が十分行き届いていないという場合もございます。それから届くはずではあるけれども、多少障害の模様によっては、受信機に入らないというような場合もございます。
#86
○鈴木強君 それはわかりました。これからやってみないとわからぬ点もあるでしょうがね。CATVの加入者が聞けないようなものは再送信できない。だから、できないものは、この中に掲げてないのはあたりまえです。そういう意味では、過渡的に局が発足してみて、まあそれに該当するようなことは私はあまりないだろうと思うのですけれども、まあそういうふうに理解しておきましょう。
 それからさっき私、意見の中で述べたと思いますが、再確認の意味で大臣から伺いたいんですが、都市難視を早期に解消しようということについて、非常にいままで御苦労いただいておりますが、特に、原因者がはっきりした場合には、原因者に御協力いただいておりますが、原因者が不明の場合には、どうしようもないわけですね、いまのところ。したがって、これらの問題も公害の無過失賠償責任制度の問題と同じように、今度衆議院のほうで内容を修正されて、政府提案を撤回しちゃったもので、そこまでいかなかったけれども、一応各党と相談して修正した中にもあるんですけれども、そういうものについても法律規制をして、そして今後原因者不明の場合、あるいは原因者がわかる場合に、法律の裏づけを持って、その者に対して責任を負わさせる、こういうことをぜひとも検討してもらいたいと思うのですよ。これはもう一回大臣から伺って午前中これで終わります。
#87
○国務大臣(廣瀬正雄君) さっきお答えいたしましたうちにも、そういうことを含めての意味でございまして、十分検討いたしたいと、かように考えております。
#88
○委員長(杉山善太郎君) 鈴木君の質疑の途中ですが、午前の質疑はこの程度にとどめます。
 午後二時まで休憩いたします。
   午後零時五十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時十九分開会
#89
○委員長(杉山善太郎君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 有線テレビジョン放送法案を議題といたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行ないます。鈴木君の質疑を続けるところですが、都合により、新谷君から質疑をお願いすることといたします。
#90
○新谷寅三郎君 大体同僚の委員からおもなことは質問がありましたので、ごく小さな問題かもしれませんが、二、三の問題について御意見を伺っておきたいと思います。
 一つの問題は、けさほど青島委員からも質問がありましたが、この法律案は、文字どおり有線テレビジョン放送法ですから、テレビジョン放送を対象にして立案をされ、計画されたものと考えるのですが、先般来他の委員からも、しばしばこういう質疑が出ておりましたが、そのCATVの施設を利用して、将来、たとえばよく言われているデータ通信に利用するとか、あるいはその他の通信に利用するとかというようなことは、これは当然考えられるわけですね。しかし、この問題は、まあ私どもそういうふうに考えるのですが、いずれも将来の問題にかかってくると思うんですね。いま現に、そういったのは考え方があっても、具体化がされてない。
 したがって、社会事情がこれから変わってくる、それに応じて、やはり一応テレビジョン放送を対象にして、こういう法律案を出されたけれども、同じ郵政省の管轄内の仕事で電気通信関係、その他将来の日本の社会の発展に対して援助をするとか、あるいは規制をするとか、いろいろな必要性が、法的な必要性がこれから出てくると思うのですね。ところが、これは悪いことばで言えば、役所というものは、一つ法律を出しますと、なかなか三年や五年変えたがらない。しかし、それでは社会の進展に合わないということだろうと思うのです。
 そこで、大臣に伺っておきたいのですが、この法律案が、かりに、この国会で通過することになりましても、社会の情勢というのは、どんどん、毎日のように変わってきておりますから、ことにこういう施設を利用して、いわゆる情報化社会というようなものに向かって進もうとする機運が非常に強いと思いますので、この法律案だけじゃなしに、「有線電気通信法」あるいは「公衆電気通信法」等も含めまして、そういう必要が起こってくれば、すぐに法律制度の改革をおやりになりまして、それで社会の進み方に、むしろ足を引っぱるようなことのないように、これは相当積極的な姿勢で取り組んでもらわないといけないと思うわけです。これは、衆議院のほうの附帯決議に、それに関連する一項目がありますけれども、それは、この際、そのとおりですということは、この法律案からは出てこないと思いますけれども、しかし、そういうふうに世の中が進んでいくわけですから、郵政大臣としては、こういう問題について、相当積極的な姿勢をお持ちになることがどうしても必要だと思います。いかがでしょうかね。
#91
○国務大臣(廣瀬正雄君) 私も全く同じ見解を持っておりますわけでございまして、私は、これは、いつの時代だってそうかもしれませんけれども、特に、当今は、通信事業の曲がりかどと申しますか、転換期に直面いたしているような感じがいたしておるのでございまして、したがって、昨年郵政大臣になりまして以来、特にそういう観点のもとに、ひとつじっくり根本的に放送政策、あるいは通信政策を引っくるめての総合的な通信政策、これを考え直してみようじゃないかということで、また、たまたま省内に、若い連中の通信政策の展望というような資料もできてまいったわけでございますが、私は、その内容は必ずしもすべてが賛成ではございません。しかし、また、卓見と思われる点も多々あることは認めるわけでございます。そういうようなわけで、いま言えることは、いま先生御指摘のように、まさに、そういうような時期に遭遇しているような感じがしますわけでございますから、通信問題の懇談会というのをつくり、調査いたしましたし、また、そうした通信政策、また、将来の情報化社会の展望というような点から申しましても、いま問題になっておりますCATV、これの将来性、こういうことについて、CATVの多様性にかんがみまして、名前もCCISというような名称の調査会をつくっておりますわけでございますが、まあそういうようなこと、その他いろいろ二、三ございますが、そういうことをつくりまして、衆知を集めて、あるいは経験者、あるいは学識者の知恵もいただきまして、ひとつこれには郵便も含めて考えておるわけでございますけれども、将来の通信政策について、ひとつ真剣に取り組んでみたいと。そうして何らかの結論を得たい。新しいメディアがどんどん開発されておりますことでありますから、こういうことも十分考慮に入れなければならないということで、いま真剣に取り組んでおりますわけで、私は将来の情報化社会に対処するには、通信事業ば非常に大きな役割りと使命をになっておるものだと確信いたしておるわけでございます。
 そういうような立場であります私どもでございますから、将来の通信政策について真剣に取り組む、将来の構想、ビジョンというものをはっきり描いておくということはきわめて大切であり、私どもの責務であるかと、こういうように考えておるわけでございます。したがって、ただいま御審議いただいておりますCATV法案にいたしましても、今回はとりあえず再送信あるいは自主送信だけを取り上げておりますわけでございますけれども、将来の総合通信という可能性もあるわけでございますから、そういうようなことを考えますと、CATVだけにつきましても、弾力的に考えてまいると申しますか、足らないところは補っていくと、また新しい分野の開発もせなければならないと、こういうように考えておるのでございまして、御指摘の趣旨と合致しているかどうか存じませんけれども、私は新谷委員の御所見はいまのように拝承しましたわけでございますから、同感の意を持っているということを申し上げてお答えにかえたいと思います。
#92
○新谷寅三郎君 それでけっこうなんですがね。これは大臣に少し失礼かもしれませんが、法律制度をつくる、こういうときには、いろいろ社会事情が変わってきて、それに対応してその法律制度を整備していくというやり方もありましょう、ものによってはですね。しかし、事項によっては、むしろ法律制度であるいは規制をしたり、制限をしたりするような場合には、社会情勢が変わろうとする場合には、よほど先を見て、むしろテレビというものがパイオニアのようになって、社会のそういう進展というものをある程度引っぱっていくようなかっこうでないと、これはどうにもならぬというような事項もあるわけですね。私は、この種の問題は、そのあとのほうの部類に属すると思うのです。ただ、制限をしたり規制をしたりしていたんじゃ進みようがないわけです。ですから、こういった問題については、むしろ世界事情もお調べになる必要があるし、それから日本の国内の持っているものをよほど調査を、十分な調査をされまして、そして、むしろ政府が先頭に立つというような、そういう考え方で進んでいかれないと、むしろこういう法律制度をこしらえましても、それによってかえって、逆に足を引っ張るという結果にしかならないんじゃないかということを、心配したから言うわけなんです。これは御返事なければそれでもけっこうでございます。
 ただ、御参考に言っておきますと、先般アメリカのランドコーポレーションの、前の社長をしていた方が、日本に見えまして、一時間あまり懇談する機会がございました。いろいろ話を聞いてみますと、アメリカにおけるCATVというものは、三年ほど前に、ずっと調べたときには三百万ですか、がいま六百万になっているんです。主として、やはり都心部にいっておりますね。この内容を聞きますと、やはり、これと同じように対象はカラーテレビだといっておりますね。それがデータ通信なんかにどこまで活用されているかということを聞きましたが、これはまだそこまで進んでない。設備のほうも、技術的にも、そこまで進んでないんだという話をしておられましたが、私も、半分は、いま言ったようなことは、すぐには起こってこないと思いますけれども、ただ、日本は、むしろ進み出すと、アメリカよりもずっとスピードが早いですから、私は、だからこの法律案をかりに通過させた、通過した場合にも、ここで安住しないで、毎日毎日の、やっぱりどんどん進んでいきますから、それを念頭に十分置いて、先達になるようなつもりで、郵政省がお考えになる必要があるということを特に申し上げておきます。
#93
○国務大臣(廣瀬正雄君) 御鞭撻、御激励を賜わりまして、まことにありがとうございますが、私ども、以前から通信事業というのは、文化の先達となり、また、国民生活の先達者となるべきだという信念を持ってまいっておりますけれども、そういうような役割りが、私どものほうにあるということを、自負いたしておるわけでございますが、仰せのように、自覚いたして責任を果たしてまいりたい。世の中におくれないように、世の先導者になりますようにというような気持ちで、勉強してまいりたい。こういうふうに考えておるわけでございます。
#94
○新谷寅三郎君 他の問題に移りますが、これは実は、昭和四十六年度のNHKの予算を、この委員会で審議しました際に、郵政当局、それからNHK、両方から意見を聞いたんですが、十分な御答弁がなかったのです。まあこれは、CATVの法律案もいま出ておりますし、それを審議をする際にいたしましょうということで、いわば宿題にして、おあずけしているんです。で、今度この法律案をお出しになることについて、この点について、NHKとどういうふうに打ち合わせをし、どういう結論を得られたのか、それを伺いたいと思うのです。
 一言でいいますと、この前のときでしたか、委員会で塩出委員から御質問がありましたのに関連するわけですけれども、放送法第三十二条によってNHKは受信料を法律によって取っている。ところが、いろいろな原因によりまして――国民から言うと国民の知ったことじゃないです。いろいろな原因によって、どうしても絵が見えない、波が届かないというようなことが起こっておるので、これをお出しになっているわけなんですけれども、そういう場合に、一方では受信料取っている。しかし、国民の側から言いますと、そういうCATVに参加する場合に、いままでの方式によるとすると、そこに加入者として入る場合に、加入の料金を納めるようですね。それから、さらに毎月ですか、毎年かしれませんが、とにかく維持費のようなもの、これを国民は払わなければならないということになるわけですね。国民の側から言いますと、私は放送法のたてまえから言うと、NHKはとにかく、受信料何百円か取っている、国民から。平等に取っている。それを取っておれば、原因者との関係はともあれ、とにかくNHKは、国民に電波を届ける義務がある、絵を見せる義務がある、こういうふうに単純には解釈できるわけです。
 もし、そうだとすると、国民の側から言うと、まあCATVに入るのに、加入料と、それから、毎月毎月の維持費みたいなものを出さないとカラーテレビが見られない。こういうことは非常にいまの放送法の精神からいうと、どっかに間違っているところがある。あるいは法律がそのものがいけないのだというならば、こういう機会に、法律のほうを、七条なり三十二条の改正案でもお出しになってしかるべきだ、こう思うのです。この点について、これはむずかしい問題です。だから、なかなか両方で相談されても結論を得にくいのか知りませんが、去年から一年経っておりますから、その一年くらいの閥に両方でどんな相談をされて、どういう結論になったのか御報告をいただきたい。両方から御報告いただきたい。
#95
○政府委員(藤木栄君) NHKの受信料と難視聴との関係でございますが、私どもNHKともいろいろ相談をしているわけでございますけれども、まだそのはっきりした結論と言いますかは、実は得られてないわけでございまして、まことに申しわけない次第でございますが、まあ、しかし都市の難視聴というものが現在のように高層建築物がふえるということによりまして進行している、その解消のためにはいろいろな方法があるわけでございますが、その他NHKはいろいろ受信指導あるいは技術指導いたしまして、アンテナの高さを変えるとか、位置を変えるとかということでも、ある程度カバーできるわけでございますが、まあ、やはりどうしてもそういうことによりましてもできないという場合は、この有線テレビジョン放送施設、俗に言うCATVによらないと解消はできないという現実があるわけでございまして、これにつきましては、おっしゃいましたような原因者負担ということで、現在私どももその方向で指導しておりまして、明らかに原因者が特定できる場合は、高層建築物あるいは新幹線という場合もあるわけでございまして、そういう場合は、その原因者からその経費を御負担願って、そうしてCATV施設をつくるということになるわけでございまして、その場合は初めの施設のための経費は要らないわけでございますが、やはりそれの維持運営をするためには、毎月何がしかの経費が必要になる。また、そういう原因者がはっきりしない場合は、これはどうにもしようがないわけでございまして、先ほど午前中も大臣からお答えございましたように、今後は私どものいま検討しているところでは、建築、特定の建築物だけではなくても、ある一つの建築群というものを考えて、それが明らかに原因になっているということがわかるわけでございますので、そういったものにつきまして何らかの方法で経費の負担をしてもらうような立法措置を考えざるを得ないということで、いま検討しているわけでございまして、まだ実はその具体的なところまでいっていないわけでございます。
 しかし、おっしゃいますように受信する側からは、そのNHKの受信料も払わなければならないし、CATVの経費も負担しなければならないということでございまして、確かに割り切れないころはあろうかと思いますので、さっきのようなことで、さらに積極的に検討を進める、こういうことでございます。この法律自体につきましては、放送法自体につきましては、おっしゃいますように、こういった関係で、もう少し改正するということがあるかもしれませんけれども、私どもとしましては、やはり現在電波法、放送法の改正ということが大きな宿題になっているわけでございますので、それに合わせまして必要な改正を行ないたいと、そういうふうに考えているわけでございます。
#96
○参考人(小野吉郎君) ただいま電波監理局長から御答弁のとおり、宿題になっております見解の統一につきましては、そのつどお話し合いをいたしてまいったわけでございますけれども、いわゆる法律解釈の問題についてのそれは、まだ結論に到達いたしておりません。NHKといたしましては、数度、そのつど法律上これはNHKに責任があるんだと、こういうように申しております。郵政省の御見解では、自然現象によるへんぴのそれは、これはNHKに責任があるであろうけれども、都市の新しい、こういったビル陰の問題による難視聴については、ここまでNHKに義務を負わしておる現行法ではないと、こういう解釈の立場をとっておられます。この法律の解釈をどうこうということは、これは非常な抽象論にもなりましょう。
 私どもが、NHKの責務だと考えますのは、まあ新谷先生も御指摘のように、NHKは聴視料を取っております。しかも、その聴視料を払いながら、よく見えない、これは、いわゆる聴視者感情からいっても、どうもここに責任がないというのは、おそらく納得を得られぬことでありましょうし、そういう面から言えば、法律の解釈いかんにかかわらず、条理から申しますと、まことに不都合、不合理な事態に相なるわけでございます。私どもが、これを法律上やはり責務があるんだと考えますのは、第七条の、いわゆるNHKのこれは「(目的)」でございます。これは全国どこでも見えるように放送をしよう。その放送は電波法の規定によりますと、いわゆる無線による放送だと、こう定義はしてありますけれども、全国あまねくどこでも、だれでも受信できるように放送しなければならない。これを受けまして、第九条はNHKの責務を果たすための業務といたしまして、そのNHKの第七条の目的を達成するために、全国どこでも受信できるように措置をしなければならないと、こういう規定がございます。この「措置をしなければならない。」ということは、七条からは、これは出てまいりませんけれども、七条を具体的に実現をいたします上において、九条の四項は明らかに全国で受信できるように措置しなければならない。これは第七条の無線による放送をやっておればそれでいいと、こういうものではないと考えます。
 もちろん、立法当時には、今日のような事態は想像されなかったと思いますので、そういうような事態を踏まえて解釈をいたしますと、当時法律は予見をしておらなかったんだと、したがって、規律の対象になっておらぬと言えばそれまででありますけれども、法はやはり変遷してやまない現実の事態に沿い得るように、解釈によってやはり可能であれば、そのように解釈すべきでありましょうし、解釈がそうできないような、行き詰まったときに、法律を改正する必要もあろうかと思います。まあ私どもは、そういうような立場をとっております。これを、ただいまくだくだ申し上げましても、何ら答弁にはならないと思います。
 ただ、具体的に今回の法案御提出によりまして、問題は法律解釈の抽象論でなしに、これを、一体具体的に今後どう扱うかという問題にやはり逢着せざるを得ません。こういう面については、難視聴解消のためにできる主として当面の目的といたしましては、この有線テレビジョン法案なるものは、放送法案なるものは、やはり再送信の面を重視しなければならないと思います。そういう面について、NHKは、その法律解釈の立場を貫いて、NHKは全然手を下してはならないとは郵政省もおっしゃってはおりません。衆議院でも附帯決議がついたようでございますけれども、そういう実情も勘案いたしまして、有線テレビジョン法案による申請者の難視解消の努力と並行して、NHKもその区域内であっても、これは業務を行ない得るということは大体郵政御当局も御答弁になっているようでございますし、こういう面から言えば、完全ではないかもしれませんが、ある程度そういう聴視者の感情から見た情理上の必要にこたえておられるようにも思いますし、そういう面から言えば、見解は離れておらないと、こういうことも言えましょう。
 ただ、それにはいろいろな、これから政令になりますか、省令になりますか、いろいろなそういった場合の規定が行なわれるようでありますけれども、そういった面を具体的にいろいろ煮詰めますことによって、先生の御要望になりますような事態は達成できるのではないだろうか。法律解釈は別といたしまして、住民の要望にこたえ得る措置が、片や法案の運用により、片やNHKの対受信者との関係における難視解消の責務の遂行、こういう面をあわせて実現可能ではないかと、かように考えております。
#97
○新谷寅三郎君 お願いしておきますけれども、両方ともひとつ答弁簡単に願いたいですね、時間があまりないから。きょうあと、またいろいろ御予定があるようですから。私、そんなむずかしいことを聞いているわけじゃないので、この前の続きで、宿題はどうなったかということを聞いているんです。
 そこで、簡単にお願いすることにして、郵政省に聞きますけれども、いま小野君の言われたような解釈をあなた方とっているんですか。小野君の言われた、郵政省とNHKとこういうふうに法律の解釈が違いますと言っていますね。あなた方は、法の七条もあり三十二条もあるけれどもと言う、自然現象によって電波障害があった場合はこれは別だと。これはまた別だけれども、人為的に建物ができたり、いろいろな障害ができて電波が届かないというようなことは、それはNHKで、そこまでカバーする必要はないのだということをあなた方解釈としてとっておられるわけですか。もしそうだとすると、法律のどの条文で、どういう根拠でそういう解釈をおとりになったのか。私は、いま聞いておりますと、NHKの小野君の言われる解釈のほうが正しいと思っているんです、私自身は。結論だけ言いますが。あなたが、郵政省として一応の有権解釈をするのはあなた方ですから、そういうふうに、非常に法律の解釈をかってに――私から言うと、かってなわけです。かってに曲げて解釈するようなことを、もしほんとうにやっておられるなら、根拠を示してください、どんなことですか。あるいは小野君の言ったことは言い過ぎなのか、どっちなんです。
#98
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。
 放送法の第七条で、先ほど小野副会長から言われました、「あまねく日本全国において受信できるように放送を行う」という意味は、この放送というものはあくまでも、この放送法にもございますように、無線の、いわゆる「無線通信の送信」ということになっているわけでございますので、まあ私どもの解釈としましては、あくまでもNHKの本来の使命としては、無線によって放送を行なうというふうにまあ解釈しているわけでございますが、おっしゃいますような僻地の場合は、これは無線によるよりも、この辺地共聴によったほうが能率的であるということから、私どもとしましては、この第九条の第二項十号にあります大臣の認可事項としまして、そういう視聴制を認め、また、そのほうが能率的であるということから、辺地の場合は、それを認めているわけでございますが、都心の難視聴は、先ほどもお話がありましたように、この原因者がいて、それが、NHKが正しい電波を出しているのに、その高層建築物、あるいは新幹線もあるでしょうけれども、そういったものによりまして、受信障害を起こしているということでございますので、その受信障害を解消するのが、NHKだけの義務であるというふうには解釈できない。
 これは御存じのように、受信者は、NHKだけの電波を受けているわけでもございませんで、民間放送の電波も受けているというわけでございますし、したがいまして、これの共同受信施設をつくりまして受信するといった場合、受信者のほうは単にNHKだけじゃなくて、民放の電波も受信する、場合によりましては、自主放送もあるということからなりますと、その共同受信施設、あるいはCATV施設をNHKの義務としてつくらなければならないというふうには、私どもは解釈していない、こういうことでございます。もちろん、しかしNHKは難視聴の解消という一般的な義務がございますから、それに大いに協力していただくということは、たいへん好ましいことでございますし、また、この法案にもございますように、出資ということを通じましてNHKもそれに参加するというふうに私どもは解釈しております。
#99
○新谷寅三郎君 あのね、非常に答弁が混迷しているんですよ、あなたのね。民放も見えないんだから民放と一緒になって見せる必要がある、国民の要望だから、ということは、費用の負担をどうするかという問題に関連してくるので。民放も見えないんだから、NHKだけで見せる必要はないんだと、NHKも単独で見せる必要はないんだなんでいうことが七条や何かでは、出てきませんよ。民放を離れまして、NHKが一方で受信料を取るんだと、そのかわりに国民全体に波を送る義務があるんだと、こういうことが書いてある。だから、民放なんてこれは関係ない。それは具体的にどう処理するかという方法論の問題です。あなたの答弁はそういう非常に混迷しているわけだ。
 だから、そういうことでいまのような解釈をとっておられるとすれば、もう一ペん省議でも開いて、あなた方は元締めなんだからね、放送法の解釈ぐらいはちゃんとしといてくださいよ。そんなこと言っていると、無線で何とかいうようなことを育っていると、NHKはいまやっている共聴施設ですね、共聴施設をさんざんやっているわけですね。やってますが、この共聴施設では、無線によってじかに波が届かない、したがって、無線によって波をやっぱり併行的にNHKは出す、そして届ける義務があるんだと、こういうことまで言わなければならぬことになりますよ。だからね、あなた方の言っている放送法についての解釈は、それは、この前も私はさんざん言ったんだけれども、依然として混迷の域を脱しない。これは、もっと大臣を中心にして内部で相談をされて、もう少しいまの放送法の精神を受けて実態に合うような解釈をしていかないと、あなたの言っていることそれ自身も、もう混迷しちゃって、矛盾とまで言うと失礼かもしれませんけれども、私にはわからない、法律問題としてはですよ。まあこれはいまここでやると一時間ぐらいかかりますからやめましょう。よくそれは研究してください。
 それから、結論を急ぎますが、私はNHKに関する部分だけですよ。それは民放もあるんだから、CATVが入って民放の波が届かぬところも、やっぱりそれをテレビの番組見たいんだと、これは国民の方はそうでしょうね。ですから、それをNHKと一緒になってやる場合に、国民に対する関係においてどうするかという問題は、これは方法論としていろいろ考えなければならぬと思います。しかし、国民に対してNHKが一方で聴視料を取る、受信料を取る、そうしてNHKに関する限り、やっぱり民放と同じように維持費も取っていくんだというたてまえをとろうとするのなら、これはおかしいじゃないかということをさっきから言っているんですよ。わかりますか。そういうことなんです。
 だからね、かえってこれはもう非常にシンプルな解決のしかたですけれども、たとえばCATVに加盟している家庭に対しては、これはもうNHKは受信料取りませんと、そのかわりに一方で維持費のような、毎月毎月払う、何百円か知りませんが、そういうものだけいただきますと、みんなでいただきますというのも一つの方法でしょうね。それから受信料取りますというなら、そのうちの民放とNHKとに分けますと、何分の一かはNHKかもしれませんね。そうすると、その何分の一かの分は受信料を一方取っているのだから、あとは共同施設なんですから、受信料のほかに出させることをやめるために、NHKに関する部分において、たとえば毎月五百円ずつ払っていますというなら、そのうちの幾らかはNHKで負担しましょう、これも一つの方法でしょうね。私はいずれにしても、まあわずかな金だから、こういう制度をつくったら、黙って国民は出すだろうということで、あなた方がおおようにやっておられると、この法律のたてまえからいうと説明のできぬことになりますよ、ということで、この前からさんざん言っているんですよ。一年たってもできないというような、いまのような考え方ではできないだろうね。
#100
○国務大臣(廣瀬正雄君) NHKの監督官庁であります郵政省が、放送法七条の解釈におきまして、どうもはっきりしていないというようなことは、きわめて重大でございますので、これはひとつ急いで統一見解をとるというようなことにいたしたいし、また、CATVの使用料と申しますか、参加料と申しますか、それとNHKの受信料の関係、これまた受信者の立場をよく踏まえまして、いろいろ考えてまいっておりますようでございますけれども、さらにひとつ一そう熱を込めて検討するというふうにいたしたいと思っております。
#101
○新谷寅三郎君 また一年延びることになりそうですね。しかしやむを得ませんから、これはたてまえの問題ですから。これは郵政省とNHKの両方に希望しておきますけれども、この法律が施行されたらもうすぐにそれが必要になってくるわけです。もう時間的な余裕はないんですよ。一年もほっとかれたらたまったものではない。だからこれは至急にいま申し上げたようなことをよくお考えになって、まあ国民に対して説明のつくような方法をとっていただきたい、具体的にですよ。理屈じゃないんですよ、今度は。具体的な措置としてとっていただきたいということを――これは私附帯決議につけろとは言いませんけれども、しかしこれは、国民の立場から言いまして、非常に不幸だと思うのでぜひ考えていただきたい。その措置を至急におとりになることを希望しておきます。
 それからこの前の、去年のときにも、前田会長の答弁をここでもらってありますけれども、今度は、NHKにCATVに対する出資条項を入れましたね。しかし、NHKが出資するというのは、出資は原則として禁止されているんですね。ですから、禁止されているので、一緒にこういうことをやろうとしても、出資ができない、協力はできない、経済的に協力はできないということから、出資条項というのを入れているわけです。NHKが出資したから、それで、非常に経済的に、配当金をもらってNHKの経済を助けるようなことをしようという意味じゃ出資条項はないわけです。一般の解釈と、出資条項を設けた意味は違うわけでしょう。
 ですから、私は、出資をしたCATVがかりに公益法人でなくて、会社組織の場合だと、これは会社組織でもいいということになりますね。株式会社組織の場合、配当がきた、その配当をどうするかということですね。こまかい問題のようですけれども、政策問題としては、やはり考えておく必要があると思うのです。これは、配当がきたからNHKの一般会計の収入に入れるのだ、こういうことではいけないと思います。前に、前田会長は、それは何とかして加入者のほうにプラスになるように使いますと、こうおっしゃるんですけれども、そういう抽象論じゃこれはまかなえないでしょうね。一方じゃ具体的に受信料払って、具体的に毎月毎月の維持費を出している加入者がいるわけです。だから、配当でもわずかな配当かもしれません。なかなか配当はないかもしれないけれども、あった場合の話です。あった場合に、これはしかし、もうもらったんだから、出資しているのだから配当はあるのはあたりまえ。したがって、一般会計に入れますというので、千何百億の収入の中に、それを突っ込んでしまわれると、せっかくここで出資条項をきめた趣旨からだいぶ離れてくると私は思うんです。だから、これなんかは、あった場合には、わずかなものではあっても、私は受信料を取ってる加入者のほうに、具体的に還元したほうがいいと思いますがね。NHK、何かお考えありますか。
#102
○参考人(小野吉郎君) 御説ごもっとものようにも思います。ただ、NHKはやはり受信者に対しまして公平にサービスをいたすことが第一義の使命であろうと思いますし、責務であろうと思います。そういう意味合いから、前田会長も前回の御質問に対しまして、これは受信者の利益に還元されるんだと、利益追求のために出資をするのではないと、したがって、その配当を受けることは究極には国民と申しますか、受信者の利益に還元されるもので、これは、NHKとして、配当を受けることは支障はないと、このように御答弁を申し上げたと思います。
 ただいまの新谷先生のそれは、当該地域の、いわゆるCATVによる難視解消地域、そういう方面に還元をしたらどうかと、こういう御意見のようにも拝聴できますが、難視の解消にもいろんな形態がございます。そういうような面からNHKの第一義的義務――受信者に公平にサービスするということであれば、いまのような新谷先生のそれも重要な参考意見として、それも含めまして検討問題であろうと思います。
#103
○新谷寅三郎君 郵政省、いまの小野君の答弁ですけどね。もうこれ問答してる時間がないから、結論のようなものを言いますと、NHKは公平にしなきゃならぬ、それはもちろんそうです。しかし、この配当金が出てきたのはどこから出てきたかということですね。CATVでしょう。CATVに、加入者であるものと、全然加入してない、いなかの人と同じようにするのは不公平だと思いません。だから、そういったCATVのほうから、もしかりに配当金でもあった場合は、その加入をしてる人たちに還元するのが、もうこれは当然のことであって、そこに公平だとか、不公平なんということは考える余地はない、私はそう思う。
 それで郵政軒ね、NHKといろんな問題についてこれから至急に相談をされるでしょうね。そのときに――あるいはそんなことは先の話かもしれませんがね、このCATVというのはもう少し発展をして、あるいは会社組織になって、アメリカのようにですよ。会社組織になったりするようなことを考えると、いまのようなことをあなた方も方針としてきめておかれることは、これは決してむだでないと思うんですね。ですから、それも一緒にしてNHKとの間に至急に方針をきめるようにしてもらいたい。ちょっと小野君の言われるのは私は、いまのこの段階で私の言った質問の趣旨からだいぶ離れているように思いますけどね。もしそうでないとすると賛成はしがたいのです。だから、具体的にそういう措置を講じるために両方で、これも両方の協議事項にまかしておきますからね、十分その点を考えてやっていただきたい。
 それからもう一つ、これはこまかいことですが、これはまあ当然のことと言えば当然のことで、さっきも言われたし、あるいは塩出さんもそういう話をしておられたんで、あたりまえのことかもしれませんが、特別の区域を決定されますね、CATVの。そこに、かりにNHKでもいいんです、民放でもいいんですよ、自分のテレビの番組を届けるために、そういうCATVというような共同体じゃなしに、ここに共聴施設のような施設をしようという場合には、郵政省はこれはもう当然差しつかえないという決定をされてしかるべきだと思うんですけどね。この点は大体私はそういうふうに理解をしておるんですけれども、それでいいでしょうね。
#104
○政府委員(藤木栄君) おっしゃるとおりでございます。
#105
○松岡克由君 質問に入る前に、さっき新谷先生もおっしゃっていましたけれども、少し答弁が長過ぎるので、なろうことなら、ぴしっぴしっと、イエスかノーか、言える範囲でいい、悪いと、最終的には、われわれは賛成か、反対かしいられる立場にいるのですからね。そろいったものを加味してひとつ答えてください。しゃべり方が非常にむだがあって、だらだらしているからむだがあるのです。だから、大臣が寝ちゃうのです。寝るのはかまわないけれども、居眠りをしながら法律をきめられちゃ、国民はいいつらの皮ですから。大臣あまり御飯食べないで、野菜をとると居眠りをしなくなるから、血液がアルカリになりますから。一言お教えしておきます。テレビで選ばれた関係上、これを全部寄席や舞台でしゃべるあれがありますので、なるべくひとつわかりやすく、むだのないように答えていただきたい。
 その前に、ちょっと委員長に御了解を得て短かく――たしかお願いして了解を得てあるのですが、すなわち郵政省に、過日こういう通信物を出しましたところが、セロテープで一端をとめてあるわけですね。これ四十円の超過料金を取られたのです。庶民のやはり最も必要なところから伺っていきますので、タレント議員としては。これをどうして四十円超過になったのか、ちょっと説明してほしいのです。
#106
○政府委員(溝呂木繁君) お尋ねの件は、一種定型としてならば二十円で済んだものが、そういった形態で出したために定型外の料金をいただく、それが四十円。したがいまして、四十円と二十円の差額の二倍、四十円をいただくことになったということかと思います。
#107
○松岡克由君 わかりやすく言うと、つまりこれは開封と認めるということですか。
#108
○政府委員(溝呂木繁君) お説のとおり、定型は全部封をして出してくださいということになっておりますので、その定型の条件を満たさなかった関係で、定型外としての料金をいただくことになったと、こういうことでございます。
#109
○松岡克由君 昔は、開封のほうが安かったのですよ。まだそういうイメージがぼくらにあります。早い話が、全部密封しなければだめということですね。
#110
○政府委員(溝呂木繁君) 一応定型の条件としましては、全部封をするようにということになっておりますが、いろいろ、これは先生御承知のとおり、全部封をすることにいたしましたのは、最近機械処理をしなければならない。したがって、そのあいたところに他の郵便物が入ってしまう。それから、そのほか機械処理の過程で、それがゆるむために機械のほうで十分作動しないという問題がございまして、昭和四十一年の法律改正のときにそれを定型の条件といたしたわけでございます。しかし、それをあまり強く言いますと、機械にかかってない、現に機械を使ってないところもございますので、ある程度、全部が全部じゃなくても、その形状を見て、郵便局でもって常識ある判断をしなさいという通達は出してございますが、規則上は一応全部密封するようにということになっております。
#111
○松岡克由君 一般庶民の判断で、密封というのはつまり相手のために、郵政省のことを考えてやるのじゃなしに、自分自身のために、つまりこの中に大事なものが入っていると、落ちちゃ困ると、落ちちゃ困るから密封にするのだ。こういう見方というのはそっちに対しては非常によくないのですか。こういうごく庶民的な発想というのは何か。密封の考え方の違いだ。つまり、とめてあることをわれわれは密封と言うのですけれども、全くそういうのは頭の中にありませんか。
#112
○政府委員(溝呂木繁君) 一般的に封をするということは、当然郵便の内容物が外に出ないようにということであります。そのことはまた郵便を取り扱っている過程においても、郵便局の中の作業の過程においても、そういうことは必要かと思います。それで、しかし一方、郵便物というものは、最近機械化するようになりましたので、当然その機械処理に適したものでなければならない。特に定型につきましては、安くしてあります理由は、いわゆる機械処理をするといったようなことも考えて、まあ大きさとか、その他の条件を付したわけでございます。
#113
○松岡克由君 わかりました。その辺の答えはこっちもおそらくそう言うだろうと思っていたんですが、徹底していないでしょうが。その辺についてちょっと。
#114
○政府委員(溝呂木繁君) 昭和四十一年当時、各家庭に、いわゆる定形外という制度を取り入れたときに、全部PRしたつもりでございます。それから郵便番号簿家庭版のところに、全部「定形郵便物とは」ということで、必ず封をしていただくように挿入しておりますので、一応全家庭には行っているものと思いますが、はたしてその番号簿の中の部分を全部、国民の皆さんの、全部の目に入るかどうかということになりますと、まあ少しその辺問題があろうかと思いますが、一応私どもといたしましては、各家庭に行っている番号簿に全部載せております。
#115
○松岡克由君 目に入るか入らないかわからないというのじゃ、これじゃものごと進展しないんだ。入らなきゃしようがないんだ。やったけれども、向こうがいなかった、電話かけたけれども、つながらなかったということと全く同じ。要するに、いいや、これは出した者が悪いということで、こっちのほうに、取られるだけのことがあった、ということですね、そうですね。
#116
○政府委員(溝呂木繁君) 一応その条件に達しておりませんので、その不足料金をいただくということになるわけでございます。
#117
○松岡克由君 とね、――これもあるわけですよ。同じ状態で届いておるんですよ、ちゃんと。こっちは大企業ですよ。大きな会社のダイレクトメール。大きな会社がわかっていないんですね。したがいまして、個人がわかりっこないでしょう。なぜこういうことを聞くかというと、これは、この人にとって死活問題だったんですよ。というのは、自分で新しいのを発表しようと思って、自分の研究資料を出して聞いてもらおうと急いで出したのです、先輩たちに。もらったものは、それは招待されたと同じですよ。それが四十円向こうで払わされた。これはこの人にとってみれば、まあ場が悪かったといえばそれっきりだけれども、迷惑をこうむって、致命的なものだったのですよ。現にこれ届いているわけでしょう。ということは、あなた方の下の組織まで、徹底していないということだな。自分たちの子分どもがわからないで、どうして庶民がわかるか。そんなばかなことがあるかい。
#118
○政府委員(溝呂木繁君) 郵便というものは、非常に全国津々浦々の郵便局で扱っておりますので画一性を必要といたします。したがいまして、私どもの通達では、全部封をするように、ただし、機械処理に必要な限度においてある程度許容してもいいということになっております。
 そこでお尋ねの件につきましては、その、セロテープで封をしてあるほうは、まあ現場の判断で、だいじょうぶだと判断したものだと思います。それから、もう一つのほうは、シールが張ってあったんじゃないかといわれているわけでございますけれども、その辺はっきり私ども聞いておりません。しかし、現在の機械処理の段階で、その先生持っているこちらのほうは、まず問題なしに通っているという感じがいたしますが、もう一つのほうも、もし機械にかけても、これは通ったことは通ったんじゃないかというふうに思っております。しかし、現場の第一線においてそれを発見した人が、一応この通達に基づいて、これは定形としての条件に十分でないというふうに判断したわけでございます。したがいまして、通った場合、通らない場合、明らかにその形状は全く同じものであったとすると、その間に、不公平が生じたということであり、私ども、そのことをお聞きしまして、なお、現場にそういったこまかい通達を、もう一回再出すべく、いま検討中でございますが、そういったような事情はあろうかと思います。
#119
○松岡克由君 じゃ、――これはいいんですか。これはいかぬのですな。これはいいんですね、この程度はいいんですね。これはいけないんですね。ちょっとそれだけ聞かして――これでやめますから。
#120
○政府委員(溝呂木繁君) その封のところが三分の一、三分の一以上に――三分の一がちょっとこんがらがりましたが、ふさがっているところが三分の二以上であるならば、いいということでございます。
#121
○松岡克由君 なるほど。要するに、まあ失敗しているわけだ。ということは、徹底していないということだ。それをやっぱり徹底するように、この際もう一度、私もおくればせながら、寄席の高座でなるべくみんなにわかるように言いますから、ひとつあなた方も、そちらのほうからやってくださるということを約束してくださいな。
#122
○政府委員(溝呂木繁君) まず国民の皆さんに十分徹底すると同時に、現場の第一線の諸君が、国民の皆さんに迷惑かからないような指導を十分いたしたいと思います。
#123
○松岡克由君 非常に意見が合ったわけですね。これでこの件はけっこうでございます。
 NHKとNETの方、わざわざありがとうございました。民放の問題にちょっと触れたい。ということは、やっぱりCATVに流れるものが、そのテレビ番組なんですけれども、ちょっと私あれしたいんですけれども、視聴率ということをどこまで信頼しているのか。番組編成上ちょっとその辺を民放、NHK、簡単に聞かせてください。
#124
○参考人(小野吉郎君) NHKは視聴率のみによって番組の選択をいたしておるわけではありません。ただ、一応視聴率も一つの動向を察知する一つの材料として調査はいたしております。
#125
○参考人(泉毅一君) 民放から出ました泉でございます。
 いまの視聴率の問題でございますが、視聴率の調査の方法その他についていろいろ問題があろうと思いますし、私らもある程度の疑問は持っております。しかし、ただ視聴率というものは、視聴者の番組に対する嗜好の大づかみな傾向を示す一つの指針であるというふうに考えておりまして、これを非常に大事なものだとは考えておりますが、だからといって、この視聴率のみに振り回されていることはなく、内容に十分気をつけているつもりでございます。
#126
○松岡克由君 うそなんだ、そんなことは。実際に現場に働いているわれわれにとっては、視聴率、一にも二にも視聴率、三、四がなくて五にも視聴率なんです。それくらい視聴率のいかんによって、有能な人間が不幸になったり、つまらぬ番組にうんと金が出たり……。この現状を見ている人間にとって、非常にその上っつらなお答えでは納得できませんから、もう一度お答えください。同じですか。
#127
○参考人(小野吉郎君) 先ほどのお答えの内容と同様でございます。
#128
○松岡克由君 同様でございますね。したがって、その同様ということは、弊害がないということですね、視聴率ということに右往左往することにおける。また、つくるほう、また、それに参加するわれわれ出演者側というものに弊害はないとお考えになりますか。
#129
○参考人(小野吉郎君) 視聴率に一〇〇%依存をしておらないということでございまして、視聴率は、大体における要望の動向を察知する、一つの参考資料として調査をしておるということであって、視聴率に一〇〇%依存すれば、あるいはいろいろな影響が出るかもわかりません。そのような運用をしておらない、こういうことであります。
#130
○松岡克由君 民放のほうもひとつ。
#131
○参考人(泉毅一君) 視聴率は大事にはしておりますけれども、その視聴率によって人間をどう評価するなんということはやっておりません。現に、視聴率が必ずしも高くない番組も大事にしてやっておるという事実もございますから、そんなことはないつもりでございます。
#132
○松岡克由君 現に私なんか視聴率が悪いために、何回番組からおろされているかわからないんですよ。たとえば、NETのぼくと円鏡とやっている番組、視聴率が悪くておろされているわけです。この辺ちょっと、これは、自分のことなので、なんですが、NETの方としてちょっと御説明を。
#133
○参考人(泉毅一君) ここで、円鏡と松岡議員――あなたの番組をおろしたのはどうだ、こうだという、そういうことを議論をしても始まりません。これは編成の担当責任者として、そういうことはないつもりでおります。
#134
○松岡克由君 とね、それはいいんですがね、用はないんだが、実際にあるのです。向こうがないといっても、あるのだからしようがない。あるものはある。これは身をもって知っているのです、われわれは。そのときに、いまの状態ですと、出演料というのが、ほとんど契約のときが口約束で民放の場合は始まっておるのです。なぜならば、わりと親しくなっておりますね、出演者とディレクターとは。ワンクール頼むよと、いいよ――悪いと、悪かったらだめというので、出演料というものがどうなっているかというと、全く払われてないというこれが現状、事実ですね。
 ないと言うんならやめますけれども、あるということを認めた上で意見を言ってほしいと思うんです。あるんですよ。その場合は、出演料あるいは契約制度はどういうふうに処理されているか。これまた、ひとつ手短かに泉さんお願いします。
#135
○参考人(泉毅一君) 出演料を払わなかったことがあるということを認めろとおっしゃいましても、それは認めるわけにはいきません。出演料を払わないでも出てくれるような奇特な人がおるとは思いません。出演料は払っております。払っておりますが、それが具体的にどうなっているかということは、個々の人によって異なっておりますので、一般的にどうなっているかということは、ここで申し上げることはできませんし、また、個人とテレビ局との契約の問題というのは、ある意味においては、個人的な問題の秘密でございますので、公にすべきものではないと思っております。
#136
○松岡克由君 これはこだわるようですけれども、それが芸人にとって一番大事なことなんです。実際には、契約のときに、それほどの契約をしてないという事実があるんです。ちゃんとした契約書を取りかわすと、おまえ芸人のくせにぐずぐず言うなというようなことがありまして、途中でだめになった場合には、キャンセル料とか、あとの補償をどうのこうのというような、そういう制度は民放の場合確立しているとあなた自身はお思いになりますか。
#137
○参考人(泉毅一君) 契約の問題に関しては、出演者との契約を含めまして民放――これは民放全体を言いますと、たいへんほかの局にも影響がございますけれども、そういういまの近代的な契約事務というものが必ずしも完全だとは思っておりません。しかし、契約は全くなしということはないわけでございまして、じゃ、それが完全なのかどうか、完全だと思っているかどうかと言われるならば、私はまだまだ不十分な点はあると思っております。
#138
○松岡克由君 結論を言います。完全でないんです、ほとんど完全でない。頼むよ、オーケー、電話一本で契約がなされ、だめなときは、それでおしまいという現場の事実を、ひとつ泉さんも頭の中に入れておいていただきたい、こう思います。これに一言ありますか、あったらどうぞ。
#139
○参考人(泉毅一君) 頭の中に入れておけということでございましたら、入れておくことにやぶさかではございません。しかし、やはりちゃんとした契約でやっております。契約がありましたことは、ここにいらっしゃる方の中にも御存じの方がいらっしゃいます。それはだから、全くないなどと言うことは、たいへん民放に対するある意味では侮辱であろうかと思います。
#140
○松岡克由君 それはあなたのことばの取り違えだ。「全く」ということは、われわれに対して全くなかった事実があるということを言ったんで、そういうふうに意識的に間違えられると、たいへんこっちも迷惑するんです。そういう事実があるんだから、そこまでひとつ気を配ってくださいということに対して、ぼくの語気が鋭かったせいか、少し反発的なお答えになって、ぼくもおもしろくないですから、ひとつすなおにこっちも言いますから……。
 そういう事実があるんです。現に私自身にもあるんですよ。じゃ、どうしたらいいんだ。今度ちゃんと契約したらどうだ、それができないという芸人の弱さ。そういったものを頭の中にひとつ入れてほしいということを言ったんで、それはそれでいいです。
 民放が近ごろほかの事業にずいぶん手を出している。放送一本では持たないのか、それとも欲が深いのか、その辺はっきりしないんですが、いまどのくらいありますか。――民放連の方は来ていらっしゃらないですか。NETはあまりないんですが、それはいま答えられますか。――郵政省のほうからそれに何かちょっとありますか。
#141
○説明員(江上貞利君) 資料が若干古うございますが、昭和四十五年十一月に郵政省が再免許いたしました際の資料で申し上げます。
 放送事業以外の事業を兼業いたしております一般放送事業者は、延べ二十一社でございます。内容といたしまして、おもなものといたしましては、不動産業、音楽テープ等の制作・販売、出版・著作権業務、教育文化事業等となっております。
 次に、一般放送事業者の出資状況でございますが、出資状況と申しますのは、直接やっております場合と、投資している場合と両方ございますので、その場合の出資状況を申し上げますが、出資先会社の資本金の一〇%以上出資しているものについて見ますと、出資先会社数は二百十九社でございます。これに出資いたしております一般放送事業者数は延べ百九十社でございます。
#142
○松岡克由君 ちょっといま一つ飛んだので、前のほうに戻らせていただきますが、これは民放連が来ておらないので何ですが、毎日テレビですね。実際タレント議員を使わないというふうにきめているのですが、そういうことはどうなっているのか、ちょっと教えていただきたい、ほんとうなんですか。
#143
○説明員(江上貞利君) ただいまの御質問につきましては、番組編集の自由に関することでございますので、郵政省といたしましては存じておりません。
#144
○松岡克由君 存じていない。
 これは言論統制のことにつながるわけですが、私の兄弟弟子の柳家つばめという男が「佐藤榮作伝」をやったのです。それでNETを首になってしまった。その首になったのはそれはそれで問題があったのでしょう、プライバシー侵害の。そのうち、ぼくはぼくの番組に対して幾らか発言力を持っておりまして、違うものでつばめさんを呼んでくれといったら、それは使えないというのですね。そのことをぼくは佐藤さんに言ったのです、佐藤さんというのは、総理府のほうへですね。そうしたら、こっちはわれ関知しないと言うんです。そういう使えないということは内容的なものですが、現にあったわけです。そういうことというのはあるんですか。ちょっとNHKと民放両方のほうから簡単に聞かしてください、芸人を使えないということ、使わないということ。
#145
○参考人(小野吉郎君) 使えないということはないと思います。
#146
○松岡克由君 そうですね。民放は。
#147
○参考人(泉毅一君) 民放といっても……。
#148
○松岡克由君 NETということで。
#149
○参考人(泉毅一君) NETということでお答えいたしますが、使えないということはございません。
#150
○松岡克由君 それがだめだからだめになっちゃったというのだな。これはぼくの調べたところですが、やっぱり上のほうから、これは使ってはいけないということから、現場では使えないということになっている。この辺はどうですか。
#151
○参考人(泉毅一君) いまの松岡議員の御発言は、NETの問題だと思いますのでお答えいたしますが、それはどういうことで使えないと、上から言われて、使わないと言ったかどうか存じませんけれども、ある議員に関して使ってはいかぬとか、使えないとか、使わぬようにしろということは言っておりません。やっぱりそれは、ちゃんと現場の責任を持っておるプロデューサーとか、ディレクターが、自分の考えにおいてやるわけでありますから、それはもちろん問題のあるときには上に相談することもございますが、一般的にどの議員は使っちゃいかぬとか、だれを使っちゃいかぬとか、それは何も――先ほど松岡議員はタレント議員というおことばを使っておりますが、そういうことばが必ずしも適当だとは思いませんけれども、そういう方に限らないで、どういう人は使っていかぬとか、いいとかということはきめておりません。
#152
○松岡克由君 小さいことで申しわけないですが、それでは、つばめさんは必要があれば使っていただけますね、NET。
#153
○参考人(泉毅一君) 必要があれば、もちろん使います。
#154
○松岡克由君 ありがとうございました。じゃ使えるということですね。これはやっぱりつばめさんには、いろいろ選挙で応援してもらっているから……。
 さて、民放のことに、企業のことに戻るのですが、昭和四十四年七月十五日の当委員会におきまして、おなじみの森先生が当時の河本郵政大臣にそのことを言っているわけです。はなはだ遺憾であるというようなことで、以後強力な処置というのですか、指導してくださると答えているのですけれども、その後どのような指導を民放の私企業に対してしているのでしょうか、ひとつ大臣から。
#155
○国務大臣(廣瀬正雄君) 私の考えは、民放でございましても、私企業でございますから、営業は自由でございまして、投資をしたり、兼業したりすることは差しつかえないと思います。ただ、国民共有の電波である貴重な波を使って放送事業をやっておるわけでございますから、民放に他の兼業に専念いたすあまり、放送業務がおろそかになるというようなことであっては、絶対にならないと思うわけでございます。また、もし、兼業あるいは投資で利益が上がったということでございますれば、本来の仕事であります放送番組の改善でありますとか、あるいは難視聴地区の解消でありますとか、そういった方面に大いにその利益を利用すべきだと、こういうように考えております。
#156
○松岡克由君 全くそのとおりでございましてね。具体的には、そういったものの利益をむしろ追求する前に、いま大臣の言ったとおりに、難視聴地域、そっちのほうへいくのが先決だと。それは大臣、全くそのとおりだとお思いになるなら、具体的には、それをやるようにと言ったけれども、やっているとお思いになりますか、どうですか。
#157
○国務大臣(廣瀬正雄君) 兼業とか、投資については、一々詳しく調べておりませんけれども、私並びに郵政省といたしましては、放送番組の向上、あるいは難視聴地区の解消には大いに努力すべきだということは常に強調いたしております。
#158
○松岡克由君 けっこうでございます。
 そうすると、異なことを承りますが、NHKさんですけれども、国会中継というのをやっていますね、本会議とか、予算委員会等で。ならば、NHKの一年の予算、決算をきめるこの会場から、テレビ中継で、全国にやる一つの義務があるような気がするのですけれども、この委員会から、なぜテレビ中継を全国にしないかという、このアイデアはいかがでしょう。
#159
○参考人(小野吉郎君) 国会中継にも、いろいろな段階があります。現在中継をいたしておりますのは、広くあらゆる問題について、国民生活に非常に関係のある本会議とか、あるいは予算委員会、そういうところの中継をやっております。また、各委員会でも、非常に国民生活に重要な関係のあるものについては、やっておりますけれども、あらゆる委員会をすべてやるということは、これは、そこまではいき得ないと思います。
#160
○松岡克由君 あらゆるとは言っていないので、NHKなんですから、みんなに実情を知らせる義務があるのですから、当然。ならば、この最も必要なNHKの問題を考え、検討する、この委員会の、NHKの決算でもいいです、予算でもいいです。そのときになぜやらないのか。なぜですか。
#161
○参考人(小野吉郎君) なぜといって、別段の理由はありませんけれども、おそらく逓信委員会のそれをやれば、各委員会から非常に要望が強いと思うのです。これは、そういったことを全部網羅できればけっこうでありますけれども、なかなか、そうもいきかねるので、重要な部分は、これは放送をいたしておりますけれども、なまの中継は、いままでもやっておりませんし、今後も無理であろうと思います。
#162
○松岡克由君 残念でございますね。ほかのほうの締めつけで、そういうのがなくなるというのは。私は義務のような気がしてしようがない。これは意見ではなく、ぐちでございます。
 まあ、あと、新谷先生も言っていらしたのですけれども、この法案が通ると、つまりNHKも有線放送に投資できるということになりますね。そうすると、さっきもやったのですが、配当というところまでいかないかもしれませんが、くると、そうなりますね。それこそほんとうに配当をもらって、また取るという二重取りということがひっかかるのですけれども――同じ質問なんですけれども、ダブって申しわけないですけれども、もっと素朴に、配当が入り、また視聴料も入る、その辺をちょっと……。
#163
○参考人(小野吉郎君) かりに、業績が非常によければ、配当ということもあろうかと思います。なかなか、そこまではいき得ないと思いますけれども、まあ配当が入れば、受信料も取り、配当も入るということになっておりますけれども、配当に対しては、別途かなりの額の金の出資があるわけでありまして、その配当は、やはり受信者の利益に還元という見地から考えるべきではないか、かように考えております。
#164
○松岡克由君 まあ俗にだれでも考えることなんですけれども、NHKが見えないから有線に変えるというケースが当然出てくる。したがって、受信料は払わない、再三再四話題になっていることなんですけれども。それで、NHKは鮮明な電波を出していらっしゃるという、一つの仕事をやっている、こういう点はあるでしょうけれども、見えないものは払いたくないという庶民の意見があるのですね。この辺の、NHKのためにこれは思うのですが、解決策をお持ちですか。
#165
○参考人(小野吉郎君) 支払う側から見れば、見えないのに払うのはまことに馬鹿らしい、そのとおりだと思います。人情の一つの方向だろうと思います。NHKといたしましては、やはり全受信者から公平に漏れなく負担を受けて、公平にやはり料金を徴収し、公平なサービスをしなければならないと思いますので、そういう事態にならないように、かりに、それが難視聴が原因であれば難視聴を解消する、こういう努力をまず先決問題としてやるべきであろう、かように考えます。
#166
○松岡克由君 何か問題が起きそうな気がして、私は、NHKのためにも危惧するものなんですが。
 過日、参考人を呼んでいろいろ公聴会を開いたときに、貞鳳さん――今泉議員のほうからも出たのですが、参考人として呼ばれた一人の方は、池袋のほうで、東武デパートのために、見えなくなっちゃった。一応、東武が払ったから解決しましたけれども、これは東武デパートが、わりと、デパート業というのは、サービスが第一だから、一つの美談としてやったのかもしれませんけれども、当然、中にはやらないのも出てくるでしょうし、もっと、今泉さんの言ったように、相手が二軒、三軒、四軒、五軒になってくるような場合も当然出てくる。その辺のあれは、はっきりしようとする法律は、いまのところないでしょう。これからどうお思いですか。藤木さんに伺いましょう。
#167
○政府委員(藤木栄君) おっしゃいますように、現在そういうものに対する法律はございません。したがいまして、私どもは、現在各方面に、特に建築主等に働きかけまして、できるだけ払っていただくようにしているわけでございますけれども、法律がないわけでございますので、あくまでも建築主の道義的な責任において、いただいているというのが現状であります。したがいまして、私どもとしましては、先ほども申し上げたわけでございますけれども、そういう原因がはっきりしているにいたしましても、あるいははっきりしたい場合であっても、高層建築によるということは、大都市におきましては、はっきりしているわけでございますから、そういったものに対して、その建築主から何らかの方法で負担をいただくということにつきまして、立法措置について鋭意検討している、そういう状態でございます。
#168
○松岡克由君 いつごろまでに片づきますか、予想でけっこうです。
#169
○政府委員(藤木栄君) この問題は、非常にむずかしい問題でございまして、地上権という権利が非常に高いわけでございまして、それと電波を受ける権利とがぶつかるわけでございます。私どもとしては、できる限りの努力をいたしたいと思いますが、いつごろまでと言いますと、現段階では、はっきり申し上げる段階でございません。
#170
○松岡克由君 そうすると、困ったことですね。一年、五年、十年としたら、どれをおとりになりますか。
#171
○政府委員(藤木栄君) 一年といいますと、もうすぐでございますので、これはちょっと無理かと思いますけれども、少なくとも五年もかからない、もっと一年少しくらいの時期を目ざして鋭意努力をいたしたいと思っております。
#172
○松岡克由君 あなたの予想でいいです。一応個人的な意見で。
#173
○政府委員(藤木栄君) 個人的と申しましても、これはやはり立法しなければならぬということでございますので、一年と五年との間くらいと――たいへん恐縮でございますが……。
#174
○松岡克由君 けっこうでございます。答えにくいことをありがとうございました。
 有線テレビジョンというのは、従来から届け出制にしていたけれども、今度は許可制にしたというのですね。その理由はさんざっぱら皆さんお聞きになっていますが、要するに、いろいろな弊害が予想される、そういうふうなことですか、そうなんですか。
#175
○政府委員(藤木栄君) これは、先般来申し上げております独占的になるという、その弊害を除くというために、許可制にしまして、その施設も、十分しっかりしたものをつくりていただくし、また、先ほども申し上げましたような、独占の弊害を除くために、あきチャンネルを貸せるという制度をつくったわけでございます。
#176
○松岡克由君 先ほど鈴木委員が聞いたときに、ラジオは届け出制でいいのに、有線テレビは、それは許可制になるということ、その答えに、テレビ局は、要するにつくるのに、たいへんである、規模が大きくなる。ラジオは簡単である。題で、たしかお答えになりました。それだけですか、質の問題というのは、一切頭の中にありませんか。
#177
○政府委員(藤木栄君) 私は、先ほどお答え申し上げましたのは、量とか質とかいうことよりも、施設自体が非常に大がかりになる。同軸ケーブルを引きます有線テレビジョンの施設というものと、ラジオだけを流す簡単な電話線程度のものということで、非常に差があるということを申し上げたわけでございます。
#178
○松岡克由君 それがちょっと納得できない。小さいからいい、大きいからといって流れるものはほとんど以たような状態ですよ、電波を利用するということにおいては。どうもちょっと合点がいきませんが、納得いけるように説明してくれませんか。
#179
○政府委員(藤木栄君) もちろん、ラジオの場合は、簡単に許可できますし、簡単に線が引っ張れるわけでございますけれども、有線テレビジョンにおきましては、同軸ケーブルを電柱に共架するということは、なかなかたいへんなことでございます。また、それの施設自体に、たいへんばく大な準備が要るということもあるわけでございます。そのほか、テレビとラジオとの影響力ということになりますと、おそらくテレビのほうがより強烈な影響を与えるんじゃないか、ということも、頭の中には考えているわけでございます。
#180
○松岡克由君 私は、そういうこともあるでしょうけれども、これは大臣に伺いますが、根底は、やはり変な番組を流されては困るというのが、ぼくは、あると思うのです。いわく暴力番組、いわく政府を倒そうなんという、電波ジャックみたいなものが出る可能性もあるだろうし、それからポルノ、そういうものを流されては困る、そういうことの判断は、そちらのほうが多いんじゃないですか、大臣ちょっと。
#181
○国務大臣(廣瀬正雄君) そういう放送番組の内容には全然関係ございません。テレビも放送法の適用を受けますわけでございますから、番組の内容によって、甲乙をつけたわけでは全然ないのでありまして、たびたび電監局長が申しますように、有線テレビジョン放送のほうは施設が独占的であるということで、一つできますとあとができにくい。ところがラジオのほうは、簡単な電線ぐらいでできますわけでございますから、一人でなくてたくさん可能性がありますわけで、そこに区別があるのでございます。内容については、全然甲乙がないわけでございます。
#182
○松岡克由君 ということは、やがて自主制作ができるようになったときに、内容が気に入らない番組が出てきても、それに対しては規制はしないということでございますか。
#183
○国務大臣(廣瀬正雄君) それはたびたび申し上げますように、放送法を準用するわけでございますから、大体放送法の運営と全く同じ態度で臨むわけでございまして、全然さようなことはございません。
#184
○松岡克由君 その基準をきめる放送審議委員会というのがありますね。あれは、ほんとうに、あってもなきがごときものみたいな気がするんですね。あれは、ちょっと、てこを入れる必要があると思うのです。どういうてこ入れかというと、もう少し若い世代を入れていくとか、それに対する考え方はございませんか。審議会に対してあのままでいいとおっしゃいますか。
#185
○国務大臣(廣瀬正雄君) 放送番組審議会のことだと思いますが、これは、放送業者で自主的に人選をいたしまして、そういう機関をつくっておるわけでございまして、私どものほうから何とも申し上げにくいのでございます。
#186
○松岡克由君 いまのNHKを除いて東京の民放というのは、エリアは一応関東地方ということになります。やがてこれは、難視聴が解消ということで、いろいろな目的があるでしょうけれども、地方において、東京と同じようにVが見られるようになるわけですね。現在のテレビが見られるようになるわけですね、全部、一、三、四と現在放送している。
#187
○政府委員(藤木栄君) おっしゃる意味は、東京と同じだけのチャンネルが地方で見られるかどうかといをことであるといたしますると、これは電波の有限性という点からいたしまして、テレビのチャンネルというのは、現在きまっておるわけでございますので、それをもっていたしますると、東京と同じ放送局の数をほかのほうでも全部置くということは不可能であると思います。
#188
○松岡克由君 たとえば、との間の下田、あのあたりは全部見えるという答えがありました。静岡あたりでしたら見ることが大体可能だと私は思うのでございますけれども、そうすると、地方における今度Uですよ、U局の開設方針と矛盾することになりませんか。
#189
○政府委員(藤木栄君) 下田であるとか、静岡の一部あるいは山梨といったところで、東京の電波がたまたま受かるというために、いわゆる有線テレビジョン放送施設を設置しまして、現在運営されているわけでございますが、これはほんとうのいわゆるローカル的な地域だけのものでございまして、私どものチャンネルプランといいますのは、全域、全体あるいは広い範囲を対象といたしておりまして、その対象が格段の相違があるということから、私どもとしましてはチャンネルプランというものとは何ら矛盾はしていない、また問題はないだろうと考えております。
#190
○松岡克由君 CATVが映写を実はやっておりますが、始まると――出演者の場合ですよ、たとえば東京のテレビが、かりに甲府なら甲府で見られます。フジテレビが必死でやっております、見られます。東京の民間放送というのは、御存じ丸いかもしれないですけれども、関東エリアというところでギャランティをもらうわけなんです。これは、出演者団体にいわせますと、見えないところに見せるならいい、これならいいだろう。たとえば二、三日おくれたりする、週おくれになる場合があり得るわけです。その場合の出演料というのは、どう保障されるか。これは著作権のほうになるのですか、どなたかわかる方、文化庁の方、お見えになっていらっしゃいますか。
#191
○説明員(加戸守行君) 現在、実演家のテレビに出演いたしました際の契約といたしましては、一般的には現在全国四十七都道府県に流れている場合におきまして、料金を込みにした形で当初の出演料が払われるような取りきめでございます。したがって年数を経過いたしまして再放送されるという場合につきましては、当初出演料の何%という追加報酬を支払うという基本契約が、日本芸能実演家団体協議会が、NHKと民放連との間に締結されております。
#192
○松岡克由君 それにCATVは入っていないでしょう。
#193
○説明員(加戸守行君) 入っておりません。
#194
○松岡克由君 おりませんね。そうすると、その団体のほうから文化庁に聞いたときに、そのときは、なるべく払えるようにそこから、中継局ですよ、やるという約束を取りつけたということを、私は聞いているけれども、今後、永久にその約束だけで、法律的には、CATVに幾ら流れても、出演者のギャランティはそれでストップということですか。
#195
○説明員(加戸守行君) 実は著作権法の上で、実演家には、その実演の放送権及び有線放送権が規定されておりますが、実は、有線放送につきましては、生番組の有線放送権は動きますけれども、放送された番組をそのまま受けて再放送するCATVの場合につきましては、法律上その権利の内容からはずしております。ということは、立法しました段階で、実演家は、出演の際の放送契約を結ぶ際のワン・チャンス、一回だけの機会を与える。したがいまして、それが、将来、有線放送等へ流れていくという問題については、出演契約をした放送事業者を通じてその権利を担保するよりしか道がないということでございまして、出演する際に、これは有線に流れていくだろうということが予想される場合には、その出演の際に、その分の契約を放送事業者間の契約によってカバーする、そういうシステムをとっております。したがいまして、法律的には、実演家はCATVの再送信に際してはものが言えない。ただ、放送申請に対してCATVにライセンスを出すときには、実演家に対して何ぶんの補償をしろというような主張は事実上可能だと思います。
#196
○松岡克由君 ということは、大事なことなんで、われわれの死活問題ですから。取れないということになりますな、黙っていた日には。そう言ってよろしいですか。出演者にあきらめろと、国会でこう聞いたら、こう言われたからと。
#197
○説明員(加戸守行君) 法律的にはそのとおりでございます。事実上は、放送事業者間との契約において、もちろんCATVがテレビジョン放送を流します場合に、このようなたとえば再送信が義務づけられて、放送事業者の権利が飛んでしまっている場合にはどうしようもない。ただ、その放送事業者は、CATVに対してうちの放送をワイヤーで、有線ケーブルで流してよろしいという許可を出すわけでございますから、その権限を持っている放送事業者に対して、実演家が事実上の要求をするということによって、ある程度権利をカバーすることは不可能ではないと考えます。
#198
○松岡克由君 けっこうでございます。どうぞ、もう私のところはけっこうでございますから、お引き取り願います。
 有限な電波というものを使用するものの中から許可を与えるというならわかるんですけれども、結局、資本さえ出せば無限なチャンネルを産み出す。こういう無限なものに使える、コンピューターにも使える、いろいろなものに使える。これを許可制にするということは、ちょっと変な例かもしれませんが、新聞・雑誌類の許可制と同じようなことになる気がしてならないのですね。どなたかからもうお聞きになったかもしれませんが、やっぱり、有線はどうも小規模で、新聞のほうがはるかに大規模であるというふうな、いろいろな意見はあるでしょうけれども、新聞に許可するのと同じような気がするのですが、どうでしょう。
#199
○政府委員(藤木栄君) この法律案は施設を許可にするわけでございまして、この中身につきましては、これは、現在でも届け出でございますけれども、業務のほうは、この法律案によりましても単なる届け出だけでございます。したがいまして、新聞の許可制というのをどういう意味に言っていらっしゃるか、ちょっとわかりませんけれども、少なくとも、この中身につきましては許可制ではないということでございます。
#200
○松岡克由君 そうすると、ぼくは、やっぱり法律をつくる以上は、これがこうなってこうなるから、こうなるといけないからこうしようということですよね。だったら、ちょっと、短くてけっこうですから……。つまり、この法案が通ると、こういうのが頼みに来る。架空ですよ、頼みに来る。つまり、それで、どういうことにしろ、いろいろ、いま、ありますよ。それでこうなる、ああなるというのを、仮説の上に成り立った法案ですからね。すべて、これから先のことですからね。ちょっと一席やってくれませんか。二、三分でけっこうですから。それがわからないと、全く、議論しても要するに、むだなんだ。ね。どうぞ……。
#201
○政府委員(藤木栄君) この法案が通りますと、現在すでに届け出て施設をしているところもございます。たとえば東京ケーブルビションといったもの、あるいは下田のテレビ協会といいますか、あるいは甲府にもございますけれども、そういったものと、それから新しく施設をするというところとあるわけでございますが、いずれにしましても、この法律によりまして、施設については、許可を受けなければなりませんから、この法律にありまする許可の基準というのが、第四条にございますが、そういったもの、あるいは第五条の欠格事由、その他の問題がございますので、申請を出すわけでございまして、その申請によりまして、郵政省は審査いたしまして、この法律の許可の内容に合致しておれば、それを許可する。ただ、その許可する場合は、大臣の一存じゃございませんで、衆議院で御修正になりました有線放送審議会というものに諮問しまして、また、さらにこの法案にございまする地方の意見、その他の意見も徴しまして許可する、そういうことになるわけであります。
#202
○松岡克由君 けっこうでございます。非常に官僚的な答えで、具体策が一つもないということはたいへんけっこうなお答えであります。本法案の、私思うに最も欠陥というのは、予測の上から成り立っていることですね、すべて。そういうことなんですね。成り立つことはいいけれども、あまりにも弊害面からばかり考えているような気がしてならないのですけれどもね。ということは、弊害面を考えることもいいけれども、無限の可能性を持っているこういったもの、それの発展の何か芽をつみ取るような気がしてならないわけですけれどもも。もっとオーバーに言うと、要するに、みんないまマスコミが心配している、つまり憲法で保障された言論、表現の自由を侵害することになると、ここにくるわけですけれども、おそらくその辺は、審議会がうまくやるだろうと言うけれども、はたしてその審議会がどうのこうのということにまでなってくるのですけれども。どうなんですが、弊害面ばかり考えているというのは、ぼくの思い過ぎでしょうかね。
#203
○政府委員(藤木栄君) 私どもは、もちろん弊害面も考えまして、それの独占による弊害というものがなくなるように、この法律によりまして処理をしようと、それとともに、健全な発達をはかるということも考えておるわけでありまして、単なる規制だけではございませんで、この弊害の除去ということにも、うらはらになるわけでございますが、あきチャンネルは要求があれば、貸さなければならないということで、同軸ケーブルによる有線テレビジョン放送施設というものを、十分利用できて、多彩な放送が行なわれるよう配慮しているつもりであります。
#204
○松岡克由君 そろそろ時間もあと十一分なんで、そろそろしますけれども、いまの世の中というのは、あなた方、内容については、とやこう言わないと言ってらっしゃいますけれども、これは絶対にうそなんで、テレビというのは、内容が勝負なんですよ。いまの段階において、内容のことを言わぬと言っておるけれども、問題は、内容なんだ。いま建てるために、どうのこうのと言っているけれども、どうも、それは内容に対するすりかえにしかすぎないような気がするのです。私はそう思うのですよ。これは私が思うのですから、心配なく。――ほんとうは心配してほしいのですけれどもね。ただ、そうなってくると、私は、もっともっとだれでもかまわない。自由にやらしてみて、つまり、いまのような与えられる時代でないということですよ。ぼくは、やっぱり、発想の転換ということばを、どなたか使って、マスコミをにぎわしましたけれども、すべての考え方の根底が、与えてやるものであるという気がする。ことばの上からでは、内容についてはとやかく言わないと言うけれども、何でも好きなものを持っていっても、おそらく通してくれないし、それをやらしてくれる状態におそらくないでしょう。いまの審議会云々みたいなものが、たとえばの一席を伺っておりますと、だれでも自由にこれをやって――自由にったって金がかかりますから、そう簡単に庶民というわけにはいかないでしょうけれども、できれば、みんなが出し合って、自分たちの自主放送を頼みにいって、そこでやらしてくれる。あるときはポルノをやるやつもいるかもしれない。そんなものは現行のあれで取り締まれますからね。あるものはそんなものをやるでしょう。下田では、実際そういったことを、営利のほうでやっておるということを、あれは変則的だと、この間言って帰ったのでありますが、それはうそなんで、私は常に大衆の創意くふうというものがこれでは入ることができないのじゃないかというふうな気がする。入る余地がないとお思いになりませんか、これでも。どうです。
#205
○政府委員(藤木栄君) おっしゃいますように、だれでも放送できるということではないかと思いますけれども、しかし、先ほども申しましたように、放送施設自体は二十チャンネル、三十チャンネルの放送を流すことができるわけでございますから、あるグループが集まりましてチャンネルを買いまして、放送をやるということは、これは不可能ではないというふうに考えております。
#206
○松岡克由君 まあ規模が大きくなればと言うのだけれども、私はそう――大きさの基準というのは人によって違うのですけれども、そんなに大きいとは思っていないわけなんで、むしろいまのテレビに比べれば、ずっと小規模のものになるし、エリアも小さいのですから、ぼくはもっと気軽に考えて――気軽と言うとたいへんあいまいなことばなんですが、そこまで深く考えないで、ましてそれに違反すると一年以下の懲役ですか、その他いろいろありますわね。ぼくは非常に何か官僚的な統制みたいのものを感じたのですけれどもね。CATVが不必要だとは言いませんが、この法案は要るのですけれども、青島さんも言っておりましたけれども、早いというのが少なくもぼくを取り巻くマスコミの目であり、ぼくを送ってくれた連中の意見なんでございますよね。だから、もっともっと技術革新という恩恵を国民大衆に与えていいのではないか、もっと大衆を信頼して自由にやらしていいと思うんですが、最後に、大臣、いかがでしょうか。
#207
○国務大臣(廣瀬正雄君) CATVの施設が、だれでも自由に競争ができるというようなことであれば、お説のようなことが妥当だと思うのでございますけれども、たびたび申し上げておりますように、このCATVの施設というのは、非常に独占性を持っている、経費もかかりますし、それから伝送の容量もチャンネルが非常に多くて、二十チャンネル以上だということも言われておりますし、また、架設するにいたしましても、道路を占用したり、あるいは電柱を占用したりいたしますわけでございますから、なかなか二つ、三つという競争ができにくいような性質のものでございますね。ですから、どうせ、そういうような独占性を持ったCATVの施設でありますならば、いろいろ希望者がありますうちの最適のものを選んで、そうして受信者に迷惑をかけないようにすることが賢明ではなかろうかと――競争して悪いという意味では全然ないのでございますが、ただ、CATVの考えられております施設の性質から申しまして、実際上なかなか競争がやりにくい独占的なものだから、そうなれば、最初からいろいろな基準に照らして、最も堅実な適正な、受信者に何らの損失も与えないようなことをやりたいということに、ねらいがありますわけでございます。
 しかし、放送につきましては、先刻来申し上げておりますように、チャンネルが非常に多いわけでございますから、自主送信のほうでは幾つもできるわけでございますから、それで競争ができるということがあり得るわけでございます。ただ、施設そのものは、なかなか競争できるようなものでなくて、独占性を持ったものだから、特に最初から適正なものを選ぶことが必要じゃなかろうかというようなことでございまして、放送の内容について、規制するとか、独占性を与えるとか、そういうことでは全然ないのでございます。その点は、ぜひ業務と施設を混同されないようにお願い申し上げたいと思うのでございます。
#208
○松岡克由君 最後にします。
 混同しないようにという御注意があったんですけれども、私は混同してしまうような――混同しないようにしていると思うのはそちらの思惑であって、ぼくらにとっては混同しなければ、こっちの言いたいことが言えないわけです。これは絶対違うんだからと言われて建てられた日には、あとどうしようもなくなってしまうんじゃないか。だから、何とか混同さして、幾らでもポルノは弊害があるだろう、内容的なことがあるだろうと言っているのに、あくまでも違うんだと言っていらっしゃるその姿勢は、よくわかりましたので、それをぜひ貫いていただいて、だれやらが、楽しい番組を持ってきた場合には、だれやらが、少しぐらいきびしいものを持ってきたのであっても、それはやはり大衆の知恵ということにおいて、ぜひぜひそれは審議委員にアドバイスするぐらいの、おおらかな自由な姿勢でやっていただきたいと思うのでありますけれども。全般的に考えますと、まだまだこの法案は早いような気がいたしますので、今回は反対に回るということを報告して、小生の質問を終わりたいと思います。
#209
○委員長(杉山善太郎君) 速記をちょっととめて。
  〔速記中止〕
#210
○委員長(杉山善太郎君) それじゃ速記を始めて。
#211
○塩出啓典君 ちょっとここで郵政大臣にもう一ぺん確認しておきたいと思うのでございますが、新谷先生からもさっき質問がありましたように、いわゆるビル陰とか、それから新幹線、そういうようないわゆる都市難視というのは、あくまでも原因者が負担するというのが原則です。ところが、この法案によりますと、実際そういう都市難視の場所は、結局CATVに入らなければ――テレビの見えない場所があると思うんですね。そうすると、結局その都市難視の解消というのは、そういうCATVによってなされていくのはいいわけなんですけれども、問題は、負担が結局、いま新宿にあるいわゆる日本ケーブルビジョン等を見ましても、非常に経理的に苦しいと、そういう点から考えて、かなりたくさんの負担のもとで行なわれるとするならば、これは非常に私はよろしくないと思うんですよ。
 そういうわけで、そのあたりの地域内の再送信の料金というものは、これは郵政大臣のいわゆる認可になっておりますね。そういう点で郵政省が大体どの程度の料金を考えているのか。本来これは原因者が負担すべきものであって、視聴者は少なくも負担するとしても、普通のテレビアンテナを購入するときの、もちろんそういうテレビアンテナも寿命があるわけですから、そういう原価計算を考えに入れて、その程度の料金以下に押えるようにしなければ、非常に矛盾があると思うんです。結局テレビが見えないから、しかたなしにケーブル、CATVへ入らなければならない。そうなると、非常な料金がかかる、それは、本来は原因者が負担すべきものだ、それをやはり視聴者が入らざるを得ないというようになったのでは、これは非常に私はよくないと思うんです。そういう点で、原因者負担の立法化ということを考えていらっしゃるようですけれども、これもすぐにできるものではない。それまでの期間、やはり郵政大臣の行政指導によって、視聴者の負担が過重にならないようにすべきではないかと思うんですが、そのあたりどういう方針を持っておられるのか、それをちょっと伺っておきたいと思います。
#212
○政府委員(藤木栄君) この法案には第十四条に「役務の提供条件の認可」ということがございまして、そういった料金につきましては大臣が認可することになっておりまして、そこの認可には第十四条二項にございますように、たとえば「役務の料金が業務の能率的な運営の下における原価に照らし妥当なものであること。」とかその他三項目ばかりございますように、政府といたしましては、そういった法律の条項に照らしましてできるだけ安い料金で、しかもまた、この料金は大臣だけがきめるわけではございませんで、いわゆる有線放送審議会にはかってきめるということで、できるだけ低廉な料金にしなければならないということは私ども考えているわけでございます。
#213
○国務大臣(廣瀬正雄君) いま局長がお答えしましたように一応基準がございまして、そいつに照らすわけでございますけれども、要は、最も安い料金が出てくるようなことにしなくちゃならぬというように思っておりますわけでございまして、しかし、この問題につきましては、先刻来鈴木委員にも新谷委員にもお答えしましたように、原因者がはっきり捕捉できれば責任を負ってもらいますわけでございますけれども、できないにいたしましても、やはり高層建築群というようなものをとらえまして、これに負担してもらうというような法的措置を講ずるということを検討して急がなくちゃならぬというふうに思っておりますわけでございますが、それも結局はやはり加入者と申しますか、使用者と申しますか、そういう方々の負担をつとめて安くするという見地に立っての考え方なんでございまして、これも急ぎたいと思っておりますが、それまでのところはただいま局長が申したとおりでございます。
#214
○塩出啓典君 だから、できるだけ低廉なというのは法案にもあるわけですけれども、そこの考え方なんですけれども、先般参考人のお話によりますと、新宿等においては建設費は、はっきり特定のビルが原因者ということは明らかであるためにそれは負担をしておるけれども、あと五百円毎月加入者というのは全部払っているわけですね。それは五百円がいいかどうかということは別としても、少なくともそういう普通のアンテナを――まあビルがなくてもやはりアンテナは必要なわけですから、アンテナも三千円とかあるいは一万円、それも何年かに取りかえなければいけないわけですからね。そういうものを計算した場合に、それとほぼひとしいか、それ以下の料金でなければ視聴者はそういう犠牲になってしまうと思うんですね。これは、やはり郵政大臣の言われる原因者負担の主義からいえば、そういうことになってはならないと思うわけですけれども、その低廉な料金というのはいま言った普通のアンテナの料金に匹敵する程度の料金である、そのあたりをはっきりしておいてもらわないと、われわれも賛成できないわけなんですけれどもね。これをできるだけ低廉なということだけれども、じゃ千円でも低廉だと、ほんとうは一万円もかかるんだと、原価計算からいけば。そんなことは視聴者には関係ないことであって、その点はいわゆる普通のアンテナ程度の料金である、それ以上にならないということをはっきりここで言明しておいてもらいたいと思うんですが、その点はどうなんですか。
#215
○政府委員(藤木栄君) おっしゃることは十分よくわかるわけでございますけれども、具体的な場合になりますといろいろなケースがあると思います。先生のおっしゃいますアンテナ自体につきましても、これはやはり東京都内でも室内アンテナで見えるところもございますし、屋根の上に相当高いしっかりしたアンテナをつくらなければ見えないところもあるわけでございまして、ケース・バイ・ケースでいろいろな場合があるわけでございますので、アンテナよりも低廉だということをはっきり明言するということは実は非常にむずかしいと思います。しかし、私どもとしましてはあくまでこの法律の趣旨ができるだけ低廉だ、しかも大臣だけでかってにできないように、この条項、いわゆる契約約款に対する大臣の基準というか、大臣の認める場合に、基準というものまで掲げておるわけでございます。しかもまた、先ほど申し上げました有線放送審議会というものまでに諮問いたしまして決定するということになっておりますので、私どものいま申し上げることができますことは、先ほど来申し上げましたように、できるだけ低廉だということを申し上げるほかないのではなかろうかと考えております。
#216
○塩出啓典君 わが党もこの法案には衆議院で賛成をしておりますし、参議院でも賛成するわけでございますが、ただいま申し上げましたように、やはり難視聴に対する原因者主義というのはあいまいにされて、その救済としてこういう法案ができたわけですが、その結果、視聴者に非常な過重な負担がかかるようになってはいけないので、本来からいえば、そういうはっきりとした制度化をして、しかる後に、こう持っていくべきではないかと思うんですが、それについては、郵政大臣、電波監理局長は早急にそういう制度をはかるというんですが、そういう制度ができるまでは、郵政大臣の行政指導によって、この法案の中でも料金についても認可できるわけですから、そういういま申し上げた趣旨に沿ってやっていただく、そういうことをひとつ前提条件にしまして賛成をしたい、そう思いますので、そういう点はひとつよく早急に検討をしていただきまして実施していただきたい。
 自主放送とか、あるいは区域外再送信、そういうものは少々高くても、これは高ければ、自分が入らなければいいわけですから、これは高くともいいんです。けれども、区域内再送信は国民のやっぱり権利としてあるわけですから、それがある一定以上の料金を払わなければ見られないということでは、これでは、やはり放送法の精神に反すると思うんです。そういう点について、ひとつ今後とも早急に原因者についても立法化、きちっとした制度化をして、法律のもとにやはり庶民が保障できるように早急にやっていただきたい。このことを郵政大臣に要望いたしまして、これは郵政大臣がかわられても、ひとつ次の郵政大臣にしっかり引き継いでいただいて、そのことをひとつお願いしたいと思いますので、その点について。
#217
○国務大臣(廣瀬正雄君) 御趣旨よくわかりましたのでございますので、かわりましてもそういう御趣旨はお伝え申し上げます。
#218
○今泉正二君 塩出さんのお話たいへん賛成で、関連でございますが、鈴木先生がまだ見えませんので時間つなぎにひとつ。
 私はいまの説に全面的に賛成です。ということは諸先輩もおりますけれども、いまに大問題になると思うんです。建物が地べたにどんどんもぐっていくのは地下鉄だけでして、あとは上に伸びていくわけです。伸びるから躍進で、へこんでいけば躍進ではないんです。だから、大国にますます進んで公害を防いでいくということで、御承知のように、私は受け売りした場合は出典を明らかにいたしますし、今日出海文化庁長官のお話によりますと、イタリアの世界的タイプライターのメーカーのオリベッティが、五十年前に、企業をいわゆる発足いたしますときに、もう売れるか売れないかわからないタイプライターの工場をつくったにもかかわらず、隣で同じような敷地、もっと大きいかもしれない敷地に、その企業が出すであろう公害を予知して、その処理工場をともにつくって創業としたということを、私たちは聞きまして、これからの政治家も、企業家も、そういうところに、五十年、百年先を、スタートのときから見なくちゃいけないということを考えますと、塩出委員のおっしゃったように、これから必ずビルというものが幾つも建ちますから、これは議員立法かなんかで、西村先生もおっしゃっていますように、私どもいまのうちにやっておきませんと――だれが、そういうところに手をつけたかということは歴史に残ります。いまあっちがつけた、こっちがつけた、私は間もなくやめます、課長は部長になります、局長はまた上へ出世します、そのうちだれか死んだらどうする。選挙で落ちた、入った、そんなことを言っているうちに、めちゃくちゃになって、何でもないやつだけがテレビでおどおどしているだけで終わっちゃうのです。
 ですから、私は超党派で自分たちもうちへ帰ればテレビ見るのですから、隣がカンカンカンカン音がする。何だろうと思ったら、隣のうちで十八階建てが建たないとも限らないのです、回りは金持ちが多いですからね。貧乏人はこういうことだけで問題を起こしていますが、いまのうちからお役所に言うだけでなくて、私自身も、自戒を込めまして、高いものを建てるやつは金持っているんですから……。何階建てにつき幾ら、一階幾らということで、大体階数は一階幾らというのです、何のときでも、(笑声)ですから、一階幾ら、字は違いますが、日本語というのは非常にいい発音で一回で済みます。いま一階で幾ら、百階なら百階、そういうふうにしてそれを還元をいたしませんと、これは何党がやるという問題じゃなくて、党ということを超越して私はやっていかないと、これはもうえらいことになるということを、その大事な話のいまスタートが、これでブスブスいま火がついてきたところです、燎原の火のごとく。私はたいへんいいお話の場合は、自民党だからなんだ、そんなことを言ってない。党なんかどこでもいい。私は自民党から選挙に出た。何で自民党から出たか、自民党からいまのところ総理大臣が出ている、これが選挙に出た理由でございます。
 私は政権というものは絶えず禅譲し、移動するということ、すばらしいと思っておりますから、今度また向こうのほうが、そのうち政権をとるかもしれませんから、私はいいことはいいと認める、今回の意見も含めまして。われわれの心意気と、皆さま方の――建設省いまいきなり言えば、建設省は、建設業界のほうを保護しますから、これはどうしようもないのです。いやそんなことを言ったって、また向こうのほうでうやむやになっちゃうから、そういうことなしにやりたいと思いますので、御協力いただきたいと思います。大臣もこれから、おやめになったとしても、まだ政治生活お長いので――総理も同じです。
 私は総理に、立川談志君が賞をもらったというので、そのあと行ったわけじゃないのですが、私、申し込んでおいた。返答はだんだんおそくなって、あとになって行きましたら、ぼくも近々やめるけれども、議員としてまだ七十代で働き盛りだから、やるからひとつ元気でいこうなんということで、十五分ばかり――ああいう忙がしい方ですから忙しい方でもあいてることがあるのですね、忙中閑で。秘書の方はいやがっておりましたけれども。仲間同士会ってもしようがない、上と下と、そんな忙しいときに会ってもしようがないが、私、強引に割り込んで質問しましたけれども、大臣はやめても議員としてともに一緒にやっていとうということをおっしゃっておりましたが、廣瀬郵政大臣にも同じことをお願いして――いまは廊下ですれ違っても、大臣やめたら、ちょっと気がゆるんで出席なんか悪くなりがちでございますから、そういうことのないようにひとつよろしくお願いいたします。ちょっと蛇足でございますけれども。
#219
○木島則夫君 この間、私、委員会でも申し上げたのですけれども、同軸ケーブルの持つ非常に大容量というか、可能性というものは、これはほんとうに無限なものだと私は言っていいと思います。しかしそういう大きな日本の総合通信政策とかいわゆる電気通信政策というものにのっとらないで、現象面だけに追随したような今度の法案というものは、私個人的な立場で言うと、やはりこれはちょっと賛成しかねる面があります。しかし、現実的にやはり法律をつくらなければならないという必要性も一方では私の中に、はっきりございます。
 ですから、これはひとつ確認をさせていただきたいことなんでありますけれども、午前の質疑の中で、青島委員も言われておりまして、完ぺきな法律ではないと思います。ですから、どんどんこれからいわゆる進歩発展がある中で、いつでもそれに対応できて必要とあれば、法律も改正をしていくのだ、そのくらいにして対応をしていかないと、この情報化の社会におくれをとるおそれがある。結局、大きな発展性と可能性があるものを、一部縛ることによって、それが成長発展を見ないとするならば、私はやはり国民的立場に立って、これはたいへん大きな損失だという意味で、柔軟な受けとめ方を持っていらっしゃるのでしょうね、ということを、この際確認の意味でお尋ねをしたいと思います。
#220
○国務大臣(廣瀬正雄君) そのことは青島委員にも、また先刻は新谷委員にもお答えいたしたとおりでございまして、全く同感でございます。そういうようなことで、今後この法律が成立すれば、いい運営をやっていきたい。私といたしましてもまた必要とあらば法律の改正もしなくちゃならぬ、こういうふうに考えておりますわけでございます。
#221
○委員長(杉山善太郎君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#222
○委員長(杉山善太郎君) 速記を起こして。
#223
○鈴木強君 文化庁の著作権課長さんどうも相済みません。
 実は午前中、私は、再送信のところでお尋ねをしたことに対してお答えがございましたけれども、私の設問も多少抽象的でしたから、お答えをよくかみしめてみますと、ちょっと理解ができないものですから、もう一度来ていただいたんですけれども、この十三条による各放送局の再放送については、著作権法上の著作権、あるいは隣接権というものは、放送事業者に限っては、これは義務放送になりますから及ばないということでございましたね。私のもう一つ聞いているのは――それはわかりましたけれども、もう一つ実際に個人の著作権なり隣接権というものは、そのことによって消滅しないと思うんですよ。ですから、その辺はその点を含めて著作権法とこのテレビジョン法との関係は、どうなるかということですね、実は伺いたかったわけです。
#224
○説明員(加戸守行君) 午前中お答え申し上げました点は、先生御指摘のように、放送事業者が持っております放送の著作、隣接権に関しましてお答え申し上げたわけでございまして、したがいまして、先生ただいまお話ございました個人の著作権がどうなるかという問題は、たとえば文芸、音楽等のような著作物に関しましては、著作権法の二十三条で、その著作物を放送しあるいは有線放送する権利というものを著作者が持っているわけでございます。この権利はただいま問題になっておりますCATV法案とは全く無関係の問題でございまして、したがって、権利はそのまま生きているわけでございます。ただし、著作権法の三十八条で権利制限規定がございまして、営利を目的としないでかつ著作物の対価といいますか、入場料相当のようなもの、たとえばCATVで申すと、施設維持費以外の形でお金を取らない場合、非営利でかつ著作物の対価を徴収しない場合につきましては、有線放送を行なう場合は自由とされております。ということは、逆に申し上げますと、営利を目的とするCATV事業者、あるいは施設維持費を越えてお金を取っているCATV事業者に関しましては、著作権が動くということでございます。なお、実演の関係につきましては、先ほど松岡先生から御指摘がございましてお答え申し上げましたけれども、法律の上では実演の有線放送権はございますけれども、単純な放送の再送信でございますCATVに関しましては、権利の内容とはされておりません。
 もう一つ著作隣接権といたしまして、レコード制作者のレコードに関する権利がございますけれども、これは複製だけの権利でございまして、有線放送に関する権利はございません。一応著作権に関連いたします問題はそのようなことでございます。
#225
○鈴木強君 よくわかりました。
 そこで大臣、テレビジョン放送法によりますと、十四条二項の一に、役務の料金ですね、それから同時にまた、再送信の料金等については、これは大臣の認可条件になっているように思うのですけれども、この点はいかがですか、これは電波監理局長でもいいですが。
#226
○政府委員(藤木栄君) おっしゃるとおり、大臣の認可になっているわけでございまして、ただ、大臣の認可する場合に、有線放送審議会に諮問した上で認可することになっております。
#227
○鈴木強君 そうすると、いまの著作権ないし隣接権については、非営利的なものに対して使用する場合に、義務として放送されるということでこちらが優先する、こういうことですね、そうじゃないですか。
#228
○説明員(加戸守行君) 一つは営利的であろうと、非営利的でございましょうと、再送信義務がかぶった場合には、放送事業者の権利は制限されます。しかし、著作権に関しましては、それと全く無関係に、再送信義務があろうと、なかろうと、その行ないます業務内容が非営利的なものであれば自由に使える。それから内容が営利的なものであれば、再送信義務があっても著作権が動くということでございます。つまり、CATV法案で申しております再送信義務とは無関係な著作権プロパーで考えて、非営利的な再送信の場合には著作権は動かない。ただし、営利的な再送信であれば著作権は動く、そういうことでございます。
#229
○鈴木強君 そうすると、具体的に、大臣が再送信の料金を認可しようとしているのですが、その料金については、いま文化庁の著作権課長が言われたような、そういう著作権なり隣接権との関連において、再送信料金というものをどうきめるかによって、プロパーのものと、そうでないものとの動く、動かないが出てくると思うのです。その辺は再送信の料金というものは原則して取らないというのか、あるいは取るというのか、大臣認可の方針ですよ。
#230
○政府委員(藤木栄君) これは第十四条の二項にございます認可の条件でございますけれども、これはあくまでも第十四条は、十三条に掲げてあります受信障害の発生する区域内におきまする再送信、これは義務づけられているわけでございますが、その義務づけられている再送信に対する契約約款の認可でございまして、これは先ほど文化庁のほうからもおことばがありましたように、隣接著作権というのはかからないわけでございますから、これはこの中にはそういったものは含まれていないというわけでございます。
#231
○鈴木強君 再送信料というものを具体的に聞きますがね。要するに第十三条の郵政大臣が「受信の障害が相当範囲にわたり発生し、又は発生するおそれがある」ということで、ある区域を指定しますね。その指定された区域内において放送を行なっている全放送局の番組をここに「受信し、そのすべての放送番組に変更を加えないで同時にこれを再送信しなければならない。」という、こういう義務が課せられているわけですね。したがって、この際、そういう施設区域内におけるテレビジョン放送事業者に対して、具体的に、再送信料というのは取るのか取らないのか、こう聞いたほうがいいですね。再送信料というのは取らないのですか、十三条のこの場合は。それからそうでなくて区域外の場合ですね。その場合はどうなのか。
#232
○政府委員(藤木栄君) その場合は、もちろん料金というものは、ここに、十四条に書かれておりますように取るわけでございまして、それの認可を大臣がするということになるわけでございます。ただ、いわゆる隣接権そのものは、先ほど来説明がございますように成立しないわけでございますから、それは無関係でございます。
#233
○鈴木強君 しかし営利を目的とするものについて、営利か非営利かによって著作権が動くか動かぬかということを言われているわけですね。ですから、放送事業者の場合には、営利であろうと営利でなかろうと、その著作権というものは、一応こっちに義務づけられれば動かない――動かないですね。ところが個人の場合の著作権、隣接権というのは、やはり――いや待ってください。これは動かないわけだ、やはり。個人の場合は、やはり著作権を認められるわけでしょう。認められるわけですね。ですから、もし再送信料を取って、これが営利であるということになった場合、その場合に放送事業者には、いまの著作権というものが、どうなるのですか。もう一回ひとつ教えてもらいたいのですが、それは動くのですか、動かないのですか。さっきの話だとちょっと動くようにに――動くのだ、動くのだ。
#234
○説明員(加戸守行君) ちょっと著作権関係少し複雑でございますが、著作物を放送いたしますときには、放送の使用料は著作者の了解をとって、放送事業者がお金を払うシステムでございます。そしてそれが次にCATVに流れていく。その段階で、またもう一度有線放送権というのが動くわけでございます、これは文芸、音楽、写真という個人の著作物につきまして。したがって、その場合著作権が制限されるケースといたしまして、有線放送の場合には、非営利の場合、あるいは著作物の利用対価を取らない場合に関しましては、著作権が制限される、つまり著作権が動かない。それが営利目的で再送信が、有線放送が行なわれる場合には、有線放送権が動きますから、著作者の了解なしに、あるいはお金を払わないでは利用できない、こういう関係になるわけでございます。あくまでも行ないます有線放送、再送信の業務でございますところのCATVが、営利目的で行なわれているかどうか、著作物利用対価を取っているかどうか、そういう観点から著作権が動くか動かないかが分かれるわけでございます。
#235
○鈴木強君 非営利の場合は動かない、そうですね。それから営利の場合は動くと、こういうことでしょう。だからこのCATVというのは営利なんです。営利なんですよ。これは公益、非営利ではないですよ。これは、ですからそこに問題がある。と同時に、その指定された区域内に放送するという場合、再送信料を取るというのです。取らないなら、まだ話はわかる。取るのですね。そうなってくると、著作権というものは当然動いていくということになるものですか。
#236
○説明員(加戸守行君) 先生ただいま御指摘をなさいました再送信料なるものが、単なる施設維持費的なものであるかどうか、その実体によりまして変わると思います。著作権法第三十八条では、著作物利用の対価という規定のしかたをしておりまして、もちろん名義のいかんを問わずというカッコ書きでございますが、著作物を提供していることに対する対価であるかどうかという判断でございます。したがいまして、たとえばケーブルを引き物理的な保守をする、そういう維持費的な意味で取られるお金は、実費相当なものである限りは、著作物利用の対価にはならない。したがって、名義が何であるかということでなくして、現実にかかる費用以上に、著作物を提供するについての対価を取っているかどうか、その辺がきめ手になるだろうと思います。
#237
○鈴木強君 電波監理局長、聞いたとおりでありまして、私が伺いたいのは、いまお話のようにCATVが、この十四条によって「役務の料金」とありますですね。「役務の料金が業務の能率的な運営の下における原価に照らし妥当なものであること。」こうあるのでありますが、この中におそらく、前の十四条の一項にあるように「放送を再送信するときは、あらかじめ、当該再送信の役務の料金その他の提供条件について契約約款を定め、郵政大臣の認可を受けなければならない。」こうなっておりますですね。ですからこの再送信料というものは、十四条の二項にある「役務の料金」という中に入って、いま著作権課長が言うように、たとえば設備の費用として、再送信料というものを含めて、そして役務の料金というものが「業務の能率的な運営の下における原価に照らし妥当なものである」かどうかという判断をするというのが一つありますですね。これと十四条の本文の再送信の役務の料金というものがもし完全に分れておって、施設をまかなう役務の料金というのはちゃんとあって、再送信だけの料金を取ってやるということになったら、これはいま言った、文化庁が言う著作権、隣接権は動くということになる。だから、そういう場合に再送信料というものを取るとすれば、いま言ったような著作権の問題にからんでくるのではないかと言っている。
#238
○政府委員(藤木栄君) 十四条の一項あるいは二項にあります契約約款というのは、あくまでも再送信をこれは自動的に同時にやらなければならないのでございますから、義務づけられているわけでございますから、その中には、いわゆる初めの著作権というものはここでは入っていないわけでございます。あくまでも、これは再送信するための施設の維持費、運用のための維持費ということがあるわけでございまして、この法律の十四条一項、二項にございます契約約款、大臣が認可するもの、そういうものには私ども考えていないということでございます。
#239
○鈴木強君 わからない。もう一回言ってください。
#240
○政府委員(藤木栄君) 私の言い方が悪かったかもしれませんけれども、十四条の契約約款というものは、あくまでもこれは、自動的に再送信するわけでございますから、それに必要なその運用、保守の経費というものが、この契約約款の中に入っているわけでございます。それにはさきの十四条二項にありますような基準がございまして、それに従って大臣が認可をするわけでございます。その再送信するための契約約款の中には、先ほど文化庁が言われるような営利でなく、あるいは非営利できまるような、初めの著作権というものは、この中には入っていないというわけでございます。
#241
○鈴木強君 いや、あなた何を聞いておられたんだかね。お答えがぼくにはわからないわけです。本体をつかんでいないですよ。いま私の言っているのは、文化庁が言われているように、少なくとも放送事業者がこの放送する場合に、再送信料というものを取ってやる場合には、これは著作権というものは動くということでしょう。そうじゃなくて、非営利の場合だったら動かないと、こういうふうにはっきり言っているんだから、そうなれば、再送信料を取れば、著作権というものは動いてしまって問題にならぬじゃないかと、こういうふうに聞いているわけです。だから、そこのところだけはっきりしてください。
#242
○説明員(加戸守行君) ちょっと問題の点だけ少し明らかにさしていただきたいと思いますが、放送事業者が、CATV事業者からお金を取るかどうかという問題と、個人の著作権が動くかどうかということは無関係でございます。で、放送されましたものを、有線放送でCATVが流します際に、CATV事業者が、個々の加入者からお金を取っているかどうか。取っているお金が、施設維持費を越えた料金であるかどうかによって、著作権が動くかどうかがきまるということでございます。
#243
○鈴木強君 それですよ。ぼくが言っているのはそういうことですよ。それをずばり答えてくれりゃいいんですよ。再送信料というものが、別に取られるということになると、これは著作権が動くということです。取れば、そうです。
#244
○政府委員(藤木栄君) どうも失礼申し上げました。
 結局、この役務の内容ということになろうかと思います。この役務の内容で、そういった著作権というものもある程度含めて取るということも考えられると思います。したがいまして、この契約約款を定めるときには、こういった基準でやりますけれども、この役務の内容いかんによりましては、そういったものも入る場合もあろうかと思います。たいへん失礼しました。
#245
○鈴木強君 だから、そういうものが入れば、著作権というのは動くというんでしょう、そうでしょう。その点をあなた方は、はっきり認識しておかないといけないから、私は申し上げているんですよ。これは非常に大事なところですからね。それはそのとおりですか。
#246
○政府委員(藤木栄君) おっしゃるとおりでございまして、この役務の内容いかんによっては、そういうものも入り得ると考えるわけでございます。
#247
○鈴木強君 そうすると――認められましたから、そうすると、十三条の再送信の場合、放送事業者のやはり内諾といいますかね、同意を得るということが必要になってくるわね。
#248
○政府委員(藤木栄君) この同意につきましては、この義務再送信の場合は、同意を必要としないというわけでございまして、また同時に、先ほど文化庁からもお話がありました隣接著作権もかからないというわけでございます。ただし、先ほど来申し上げておりますような、役務の料金というものには、この原著作権というものは考えられるというわけでございます。
#249
○鈴木強君 そんなことないですよ、あなた。再送信をやるということは、放送事業者の、著作権なりあるいは隣接権によって内諾を得なければ、同意を得なければ、原則的にできないわけだから、第二項にあるように。ところが、第一項は特別の障害の地区について、大臣が指定をしておるその区域については、問答無用で、同意も何も要らなくて、そのまま放送すると書いてある。その場合、いま言ったように、再送信料を取っていくということになると、この同意を得るということは当然必要になるじゃないですか。もし、おれはこれをやるのはいやだという人が出てきたら、それはできないことになるじゃないですか。そんなことは、テレビ放送事業者がかってにやれないということになる。やっぱり内諾を、同意を得るということにならなきゃおかしいじゃないですか。
#250
○説明員(加戸守行君) ちょっと著作権との関係が錯綜しているようでございますが、放送事業者が――著作権法の上で、著作者である個人、著作者が持っている権利が著作権でございます。放送事業者が持っている権利が著作隣接権でございます。そうして、著作隣接権はこの十三条一項によって再送信が義務づけられている場合には動かなくなります。つまり、ということは、放送事業者に対する限りは同意が要らなくなる。ただし、著作者についてはあくまでも権利が残っているが、いまの営利目的の場合でございますと権利が残っているから同意が必要である。したがって、その場合は放送事業者の同意は必要ないけれども、現実にテレビジョン番組を流そうとすると、中に著作物がある場合には、著作権が動くから、それは放送事業者にあいさつしなくてもいいけれども、著作者のほうへあいさつをしないとだめだと、そういう関係でございます。
#251
○鈴木強君 それはねわかっているのですよ。だから、その場合に、やっかいな問題が起きてくるんじゃないですか。これはあなた著作権法隣接権違反だって訴訟起こすことできるわけです。簡単に十三条というのを考えておったら、たいへんな問題を起こすということを私は言っておきたいのです。こんなことによって、本来の著作権なり隣接権というものを消滅するなんということは、これはとんでもないし、著作権法の侵害であり、その著作権を持っている方からすれば、とんでもない法律である、こう憤慨しているわけですよ。だからね、いとも簡単にあなた方は義務放送だから、これはよろしいのだという、そういう解釈でおったら、これはとんでもない話になる。これはひとつね、そういう問題をあまり、検討したのだか、しないのだかしらぬが、あいまいにして、この法案を通そうとすると、そうはいかぬですよ。これは大臣ね、立法段階において相当問題がある法律ですよ。
 ですからね、再送信料をきめるときに、要するに、二項との関係で、役務としていろいろな設備であるとか、回線部だとか、引き込み線だとか、いろいろありますから、そういうものを総合して役務をきめられるわけでしょう。役務の中に再送信料というものが入ってきたときには、いま言ったような問題が起きてくる。その辺の扱い方については、役務の料金というこの中の幅の解釈になると思うのですからね。ですから、その際に、この区域は少なくとも再送信料というものは取らないでいくのだと、こういう考え方に立ってあなたが認可をすれば、いま言った隣接権、著作権の問題は起きてこない、そういうわけだね。そういうことになるわけだ。その辺をひとつ留意して、認可するときにはやっていただきたい。問題はあとに残さない。このために、せっかくやったものが一々著作権者から異議が出て、告発されておったら、これは商売にならないですよ。いいですか。その辺を十分考えて、認可するときにやっていただきたい。
#252
○政府委員(藤木栄君) 大臣がお答え申し上げます前にちょっと一言だけ。
 いわゆるこの受信障害が発生する区域というものは、本来なればこれは放送区域の中でございまして、電波による放送が十分にカバーしているところでございまして、それがたまたま高層建築物等によりまして障害になりまして、そこが受信障害になっていると、したがいまして、この法律ではそういう場所はそこでCATVをやる場合には、放送事業者の同意は要らないということになるわけでございまして、本来電波がカバーしているところでございまして、その原著作権者も十分そこは認識しているだろうと思います。まあそういうことだけ一つ。
#253
○国務大臣(廣瀬正雄君) 再送信の料金の認定にあたりましては、これも非常に重要な問題でございますけれども、まあ運営の実費と申しますか、いろいろ施設の損耗費、減価償却費、人件費というような実費をいただくということであれば、著作権の料金という問題は起こらないというように考えておりますわけでございます。そういうまあ最低をいただくということに私ども考えておりますわけでございます。
#254
○鈴木強君 電監局長のお答えは、私は、法律学者だかどうだか知りませんがね、いまね立法論的に、法律論的に論じているんですよ。これはだから、あなたの言っていることは実態としてはわかるんですよ。しかし、現実には、そういう部分があっても、法律的には、著作権なり隣接権というのは関係してくるわけですからね。いま私が大臣に申し上げたような配意してもらわないと、せっかくやっても、一つ一つ異議がついて仕事になりませんよ。大臣は、その点は十分わかったということで、やるというから、私はここで、おきますけど、本来ならば、もう一回手直ししてやらなければならぬところだったと私は思うんです。ですから、今後問題が起きないためには、文化庁の著作権課長がおっしゃるような、法律論的にも、立法論的にも問題のないように、今後の運営の中で考えなければならないわけですから、再送信料については、ひとつ十分に配意して、少なくとも、再送信料というものがプロパーで入るような、そういうようなことだけは最小限やめておくべきだということを私は申し上げておきます。
#255
○国務大臣(廣瀬正雄君) そういう趣旨でやるつもりでございます。
#256
○説明員(加戸守行君) ただいま先生運用の問題でおっしゃいましたが、有線CATVに関しましては、たとえば難視聴区域解消のための農村有線放送のようなものもございますし、いわゆる商売としておやりになる場合も考えられます。
 そこで、現在原作者側、著作権者側と、営利目的でやっていらっしゃるCATV業者との間でどのような料金でやったほうがいいかという話し合いを、現在進めているわけでございますが、その際、営利目的の場合もスムーズに運営ができるように文化庁としても期待しておるわけでございます。
#257
○鈴木強君 なかなかいい答弁ですね。それはそうしていただきたいと思います。
 いま前段でおっしゃいました共聴、あるいは難視聴解消のための共聴施設とか、そういうものは大体非営利的なものが非常に多いんです。ただ、これからこの法案が成立いたしますと、再放送を含めた営利的なものも多く出てくるわけです。したがって、その場合に、いま私が後段で申し上げた点を、あなた方もよく理解して、問題のないようにしていただくということですから、これはきわめて適切な行政指導の一つとして私は推賞しておきますからね。今後ここでまた問題が起こらないように運用の中でしっかりやっていただきたい。
 それから、実は政令とか、省令の問題について、事前にいただきましたように、非常に参考になっているこの内容も、もう少し詰めたかったんですけれども、それは、きょう時間の関係で割愛しておきます。
 それでもう一つ、最初に私が申し上げました現行法の「有線放送業務の運用の規正に関する法律」ですね。これの中で、ちょっと私も前に、午前中ちょっと触れたんですけれども、第五条の再送信ということはですね。ラジオに関する関りは全く変更改正をされてないわけですね。これは午前中若干伺いましたけれども、もう一回――テレビの場合には、ある区域については、これを放送事業者の同意を得なくてもよろしいということになっているんですがね、テレビのほうは十三条でいいわけですね。ところが、この現行法の規正に関する法律では、その点は依然として同意を得なければならぬとなっているんです。
 私は山梨県ですけれども、山梨県の静岡県に近いところでして、あの辺に行きますと、ラジオでもラジオ山梨というのがあります。それからNHKの第一、第二とありますけれども、これはなかなか難視区域でありまして、よく聞こえないんですね。こういう部面がありますからね。こういうところをなぜ大臣が指定をして、その区域においては、そういうものは、テレビと同じようにやれるような方法をお取りにならないんでしょうか。こういう地域が、私は全国的にまだあると思いますけれども、それはパワーをかなり上げましても、山に囲まれた地域などは、なかなかこれは解消しないところがあるんですね。そういう実態が全国的にどうなっているのか、また、具体的にそれに対するテレビと同じ措置が取れなかったのか伺っておきたいんです。
#258
○政府委員(藤木栄君) ラジオの場合の難聴ということになりますと、このテレビのような建築物等によりまして難視になるということではなくて、ラジオの電波が弱いためにその遠隔の地においては、山の陰とか何とかいうところでは、よく聞こえないというところでございまして、このテレビの建築物による難視とは、この難視の種類が違うわけでございまして、これはCATVというような施設で解消するということではございませんで、そういったところには、中継局を設置すれば、解消できるということになるわけでございますので、これは現在の法律のたてまえから申しましても、NHKはあまねく放送しなければなりませんけれども、民放は、そこまで要請されていないわけでございますので、この点につきましては、私どももおっしゃることは十分によくわかるわけでございますし、ラジオを聞きたいという要求もあるわけでございますので、放送法の改正ということともからんで検討していきたいと考えておるわけでございます。
#259
○鈴木強君 まあよくわからないんですけれどもね、いいでしょう。これはあらためてやりたいと思います。
 それで、最後に、第六条の「大臣が施設を設置する区域を区分して指定する」ということになっていますがね。これは、けさ東京などのちょっとお話がありましたけれども、現在郵政省が考えておるこの区域の区分の指定のしかたですね、これを大まかでもいいですから、この際はっきりしておいてもらいたいと思うんです。
#260
○政府委員(藤木栄君) 第六条にあります「区域を区分して」という意味は、この施設者が施設をする場合に、規模によりましては、相当大規模なものを考えておる場合もあろうかと思います。そういった場合に、一年前に全部工事を完了するということもむずかしい場合があろうかと思うわけでございますので、その施設、区域を二つとか三つに分けまして、第一年度はこの施設、第二年度はこの施設、そういうふうに施設を区分しまして、指定する期間内にしなければならないということがあろうかと思うわけでございますので、この第六条の施設の設置期限ということで施設を区分して、ということばを入れたわけでございます。そのいわゆる何と申しますか、東京に幾つそういった施設ができるかというものとは、これは、別の問題でございます。
#261
○鈴木強君 抽象論でなくて具体的に、たとえば東京とか、大阪とか、まあ大都市、中都市に、あるいはこれは地方にまいりまして中小都市の場合もあると思いますが、そういうものの中に、大まかにどういうふうに区分するか、その辺を具体的に教えてもらいたいのです。
#262
○政府委員(藤木栄君) 大都市あるいは地方都市におきましてこういったCATVの施設の施設、区域と申しますか、その一つ一つの事業者が行なう施設、区域というものが、どの程度あるのかということでございますが、私ども考えておりますのは、現在の技術的なレベルから申しまして、この一つの施設が相当広範囲に、一つの施設だけで広範囲にカバーするということはむずかしいかと思います。したがいまして、一つの事業者が、そういった物理的な区域を二つ三つ集めまして一つの事業区域とする場合もあろうかと思いますので、大体私どもの頭にあるのは、結局、各放送施設者の申請によってきまってくるわけでございますが、私どもとしましては、東京に四つか五つ程度の施設があればよろしい、それから大阪はせいぜい一つか二つくらいであろう。その他の都市になりますれば、まあ一つの施設で十分であろうと、そういうふうに考えているわけでございます。
#263
○鈴木強君 大臣、いまの電監局長のお話ですと、東京は四つないし五つと、大阪が二つぐらい、名古屋は一つぐらいで済むだろう。福岡などもありますが、それは地域独占の問題と関連が出てきて、けさの論議に若干戻るのですけれども、少なくともいまここで観念的に大阪二つとか、名古屋一つとか言われると、われわれは同意できない。ですから、そういう郵政省の考え方であれば、私は注文つけておきたいのです。これはもう少し区域については慎重な配慮をしてほしいと思うのですよ。そして、その地域独占の非難を受けないような形にやっぱり持っていっていただきたい。
 それから私が申し上げるのは、何も頭から、地域独占ということが弊害ばかりあってだめだというような考え方に立たないで、りっぱなものがあって経営的に成り立ち、大衆もそれを歓迎するならば、私は同じところに二つあったっていいと思うのです。そしてむしろ競争して、よりみんなのためになるようなものができればいいと思うのです。これはテレビ局を小さい県につくる場合にも、私たちは逆に申し上げたことがあります。一つでいいところに二つつくったら、むしろスポンサーも限っておるから、番組の上に悪い影響が出てくるようになっては困るということで、そういう注文をつけました。しかし、それもほんとうにお互いに切磋琢磨して、より県民のためにりっぱな番組が流れていくなら、二つあったってけっこうです。ですから、そういう論理と裏返しになることですけれども、この場合、大臣も、この考え方を持っていただいて、ただ単に、独占が弊害ありという考え方でなくてやってほしいということを、私は考えておるものですから、これについては、大阪二つというけれども、大阪二つでいいか、三つがいいのか、四つがいいのか、もう少し検討する価値があると思います。名古屋についてもそうですから、その点を大臣として十分考慮していただけるように、これは注文をつけてお願いしておきたい、いかがでしょうか。
#264
○国務大臣(廣瀬正雄君) いま局長は、非常にマクロ的に申したわけでありまして、やっぱり御指摘の点は非常に貴重だと思いますので、そういう趣旨に沿って実情に応じて十分検討してまいりたい、このように考えております。
#265
○鈴木強君 それじゃ、私これで、まだたくさんございますけれども、時間の関係で終わります。
#266
○委員長(杉山善太郎君) ほかに御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#267
○委員長(杉山善太郎君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#268
○青島幸男君 私は、有線テレビジョン法案に対して反対の立場から討論を行ないたいと思います。
 この法案は、有線テレビの健全なる発展を目的として提出されたものでありますが、有線テレビに不可欠である同軸ケーブルの持つ機能については、何ら基本的認識と考察がなされていないのではないかと、はなはだ疑問に思います。
 まず、難視聴解消のために使用される場合は、形態は有線テレビ放送であっても、本質的には、テレビ放送の補助的手段として同軸ケーブルが使用されるのであって、あくまでもテレビ放送の補助機能としての役割りしか持ち得ないわけであります。一方、区域外再送信、自主放送、双方向等の同時再送信以外に使われるとき、それは従来全くなかった新しい媒体としての機能を持つものであります。
 このように全く異った機能を持つ有線テレビ放送を分離して考えることなく、同軸ケーブルが使用されるということのみで一律に法律がつくられることは、私の理解に苦しむところであります。
 また、難視聴は、電波受信権を持つ国民にとって電波受信公害とも言えるべきものであり、これを視聴者負担の有料有線テレビによって解消しようという発想は、国民の福祉に反するものであることは論をまたないところであります。電波受信権は、いまや当事者責任を明らかにし、障害を起こした者が、その責任において償うという別個の法律によって守られることこそ、国民の真に望むところであります。
 そしてまた、新しい電波媒体として無限の可能性を有する有線テレビは、多様的に使用されることで、文化の発展、公共の福祉に寄与することができ得ると私は信ずるものでありますが、本法案においては、従来の電波媒体と同様の認識から、その多様的使用が著しく制限されており、番組の画一化、ひいては言論、情報の統制化がはかられているように思われます。
 事態への対処を急ぐあまり、十分なる考察と認識に基づくことなく、浅薄、狭隘、頑迷なる予測と認識に基づいて、さまざまの基本的な混乱を残したまま、かかる法案を強行推進しようとすることは、将来のわが国の文化発展を著しく阻害することになるでありましょう。
 願わくば、この際、当局は本法案を撤回され、国民各階層の英知を結集して再検討し、多くの国民の理解と共感の得られる法律に整備し直しをされることを切望して私の反対討論といたします。
#269
○長田裕二君 私は、本法案に賛成の各党を代表して、ただいま議題となっております有線テレビジョン放送法案に対し、賛成の意を表明するものであります。
 最近大都市をはじめ各地において活発に計画されております有線テレビは、国民の文化的日常生活にとってきわめて有用なものとなりつつあります。また、この施設は同軸ケーブルを用いますので大容量の情報の伝送が可能であり、その建設にも膨大な経費を要するところから、事実上地域的独占になるものと思われます。しかもこの施設がビル陰等によるテレビの受信障害の解決には欠くことのできないものとなっておりますことも御承知のとおりであります。
 したがいまして、受信者の利益を保護するとともに有線テレビジョン放送の健全な発達をはかろうとする本案は、まことに時宜に適したものであると考えられますし、また本案では言論その他の表現活動がそこなわれないよう十分な配慮がなされているものと判断されるのであります。このような見地にたって、本案に賛成いたすものであります。
 しかしながら、この際政府に若干要望を申し上げておきたいと存じます。
 まずその一は、施設許可基準の運用方針についてであります。
 有線テレビジョンは、これからの情報伝達媒体として多様の機能を発揮し得るものとして、国民各層からその普及発展が期待されておるわけであります。したがいまして、いやしくも政府の自由裁量によって施設設置の許可が公正を欠くなどというそしりを招くことのないよう、許可基準の運用の適正を期せられたいということであります。
 次は、有線放送審議会の構成に関してであります。
 有線放送行政の重要性にかんがみまして、審議会を設けることになったわけでありますから、政府におかれましてもこの有線放送審議会がその機能を十分に発揮できるよう、委員の選定等に慎重な配慮をお願いするものであります。
 第三は、再送信の同意に関するあっせんについてであります。郵政大臣は、再送信の同意について当事者間に争いがあるとき、あっせんの義務を負うことになりましたが、そのあっせんにあたっては、地域住民の番組の多様化についての要望や有線放送事業者の立場をも十分考慮されて、適切な措置をされたいということであります。
 最後は、難視聴の解消施策についてであります。
 関係者の努力にもかかわらず都市構造の変化に伴い大都市ではビル陰などによる難視聴が急増する一方でありますし、また、辺地におきます難視聴解消も必らずしも十分とは申し得ない実状にあります。
 したがいまして、難視聴の早期かつ確実な解消をはかることはきわめて重要でありまして、それには抜本的な施策が必要であると考えられます。
 特に都市難視聴の対策は、視聴者の負担とせず、あくまでも電波障害原因者の負担のもとに行なわれるべきであり、政府におかれましては原因者責任主義の制度化を前向きに検討し、また、制度化に至るまでにおいても、行政指導により視聴者に過重の負担がかからないよう万全の措置をとられると同時に、辺地に対しても簡易低廉な共聴施設等の研究開発など総合的な難視聴解消施策の推進を強く要望しておくものであります。
 以上をもちまして、私の賛成討論とします。
#270
○委員長(杉山善太郎君) ほかに御意見もなければ、討論は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#271
○委員長(杉山善太郎君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。
 有線テレビジョン放送法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#272
○委員長(杉山善太郎君) 多数と認めます。よって本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 鈴木君から発言を求められておりますので、これを許すことにいたします。鈴木君。
#273
○鈴木強君 私はこの際、有線テレビジョン放送法案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党及び各派を代表して次の決議を付することを提案いたします。
 まず案文を朗読いたします。
   有線テレビジョン放送法案に対する附帯決
   議(案)
  政府は、本法の施行にあたり、次の事項に留
 意すべきである。
 一、憲法および放送法に規定する表現の自由お
  よび政治的中立の確保ならびに有線テレビ
  ジョン放送施設の地域的独占による弊害の防
  止に万全を期すること。
 一、難視聴の早期かつ確実な解消および受信者
  の負担軽減をはかるため、原因者責任主義の
  制度化の検討その他適切有効な施策を推進す
  ること。
 一、放送の全国普及義務を有する日本放送協会
  の使命にかんがみ、主として都市難視聴を解
  消するための協会による有線テレビジョン放
  送施設の設置が、他の有線テレビジョン放送
  事業によって阻害されることなく円滑に行な
  われるよう十分に配意すること。
 一、有線放送審議会の構成にあたっては、中立
  的かつ民主的に運営できるよう配慮するこ
  と。
 一、本法は、今後開発される双方向性通信につ
  いては適用するものでないこと。
   右決議する。
 以上であります。
 これは、先般からの本委員会における審議の経過や、ただいま長田委員からお述べになりました賛成討論の内容等を参酌して起草したものでございますので、委員各位におかれましては、その内容は十分御了承のことと存じます。したがいまして、ここであらためての提案趣旨の御説明をすることは省略さしていただきますが、何とぞ皆さまの御賛成をいただき、満場一致御決定いただきますようお願い申し上げます。
#274
○委員長(杉山善太郎君) この際おはかりいたします。
 ただいま鈴木君から提出されました附帯決議案に賛成の方の挙手をお願いいたします。
  〔賛成者挙手〕
#275
○委員長(杉山善太郎君) 全会一致と認めます。よって鈴木君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、廣瀬郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許すことにいたします。廣瀬郵政大臣。
#276
○国務大臣(廣瀬正雄君) ただいま有線テレビジョン放送法案を御可決くださいまして、まことにありがとうございました。この委員会におきまして、たいへん御熱心に御審議いただき、また、ただいまの貴重な御意見を賜わりましたことを、厚く御礼申し上げます。
 本法案成立の暁には、この法案に対し附帯決議とされました事項につきまして、今後、有線放送行政を進めていく上におきまして、御趣旨にのっとり、遺漏なきを期したい所存でございます。今後とも一そう御指導、御鞭撻を賜わりますようお願いを申し上げまして、お礼のことばにかえさせていただきます。
#277
○委員長(杉山善太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任いただきたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#278
○委員長(杉山善太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 それでは速記をとめて。
  〔速記中止〕
#279
○委員長(杉山善太郎君) 速記を起こして。
    ―――――――――――――
#280
○委員長(杉山善太郎君) それでは、次に、郵便貯金法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。廣瀬郵政大臣。
#281
○国務大臣(廣瀬正雄君) 郵便貯金法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明申し上げます。
 郵便貯金は、簡易で確実な貯蓄の制度として、一世紀にわたり国民大衆に親しまれ、利用されて今日に及んでおります。総貯金額は十兆円という膨大な金額となっておりますが、これもすべて国民の零細な貯金の積み重ねであり、しかもこの資金は全部財政投融資のための原資として社会公共資本の充実に寄与しているのであります。
 ところで、一般国民が、ふだん入院、結婚などでまとまった資金が必要になった場合でも手軽に貸し付けを受ける道はほとんど閉ざされておりまして、せっかくのたくわえを不利な条件で払い戻す預金者が少なくありません。
 わが国の個人向けの金融は諸外国に比べてきわめて不十分であります。特に小口の生活資金の貸し付けば採算ベースに乗りにくいといったような事情もあり、超金融緩和期の今日にあってもなお国民の要望にこたえるまでに至っていない実情にあります。
 郵便貯金が預金者に小口の資金の貸し付けを行なうことは、一時の出費のために預金をおろすことなく安心して貯蓄を続けることができることとなり、ひいては、国民の健全な資産づくりに役立つものでありまして、郵便貯金にとって欠くべからざる制度であります。また、同時に国民の福祉増進を第一義とする国の施策に沿うものであると考えます。
 このような意味におきまして、本制度の創設につきましては、かねてから預金者はもちろん、各方面から熱心に要望されており、特に衆・参両院におきましても、昭和三十七年以降四回にわたってこの趣旨の決議が行なわれております。
 預金者貸付制度は、諸外国においても、郵便貯金でフランス、スエーデンなど多数の国において行なわれており、また、西ドイツ、イタリアなど欧米のほとんどの国では公共団体等が営む貯蓄銀行で行なわれております。
 わが国の郵便貯金のようにただ預かるだけというのは、むしろ例外といえましょう。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一は、郵便貯金の預金者に対して、積立郵便貯金、定額郵便貯金または定期郵便貯金を担保として貸し付けを行なうこととしております。
 第二は、貸し付金額は、担保とした貯金の貸し付申込みの日における現在高の九〇パーセント相当額の範囲内で、その総額は預金者一人につき十万円を限度とすることとしております。
 なお、貸付期間及び貸し付利率は郵政審議会に諮問した上政令で定めることとしております。
 第三は、貸付金の弁済がないときは、担保とした貯金をもって貸し付金の弁済に充当することとしております。
 第四は、この貸し付制度の新設に伴い、資金運用部資金法及び郵便貯金特別会計法について所要の改正を行なうこととしております。
 なお、この法律案の施行期日は、昭和四十八年一月一日といたしております。
 以上がこの法律案の提案の理由であります。
 何とぞ十分に御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#282
○委員長(杉山善太郎君) これより質疑に入ります。質疑のある方は御発言を願います。
#283
○今泉正二君 郵便貯金の預金者貸しつけ制度につきまして、このたびようやく実現の運びに至りましたことは、まことに御同慶にたえません。私どもが子供のときには両親から、古い話でありますけれども、一銭を笑うものは一銭に泣くといって、貯蓄を親から教わったものでございます。そのわりに現在私個人はあまりありませんけれども、しかし、日本の全世帯の六割を上回ります郵便貯金の中で、その恩典制度とも言うべきこのたびの貸し付け制度の実現ということは、もう超派閥、与野党を通じ、マスコミを通じ、国民全体が支援をいたしておりますたいへんな壮挙でございます。これは大分県選出――祖父は、私どもお名前を存じております廣瀬淡窓氏、おじいさま、そうしておとうさん、御自分と三代にわたりまして、郵政事業に尽瘁されました廣瀬現郵政大臣のクリーンヒットになるというものでございます。
 ただいまの提案の理由の中にもございました、昭和三十七年から、この衆、参両院の逓信委員会におきまして、過去四回にわたって、この問題を提起されながら、いろいろな理由はありましょうが、このたびまで延びてきました。そういう内容は、どういう点が隘路になって今日まで、廣瀬郵政大臣が手をつけられるまで持ち越してきたのか、その辺から伺いたいと思います。
#284
○国務大臣(廣瀬正雄君) 今回、創設をお認めをいただかんといたしております郵便貯金の預金者貸し付け、軽便に、簡便に庶民金融と申しておりますわけでございますが、これにつきましては、たいへんな御賛辞を賜わりまして、まことに感謝にたえないところでございます。ところが、国会で四回も御決議をいただきながら、今日のこうした法律案を作成するにつきまして、たいへんな難渋、紆余曲折があったわけでございまして、第一に反対をいたしましたのは民間の銀行業者、こういう方々がこういうような庶民金融制度を創設するということは、民業を圧迫するんだというようなことをおっしゃったのでございまして、私どもは、さようには全く考えていないわけでございまして、というのは、銀行業者は、庶民の五方、十万、二十万、三十万というような生活資金の道は、従来ほとんど閉ざしておったわけでございまして、なかなか貸してくれない。借りにまいりますと、産業資金であれば貸すけれども、生活資金は貸さないとか、あるいは何か確実な担保を持ってこいとか、しからずんば有力な保証人を立てよというようなことで、全く貸してくれないということは、先生方御承知の事実でありますわけでございます。
 でございますから、私どもといたしましては、そういうような民間の金融業者が貸すべくして貸さなかった、そのブランクを補う、充足させるという意味でございますから、民間の銀行業者の圧迫には全然ならない。むしろ足らないところを郵便局のほうで、庶民金融という制度で補って差し上げるという意味でございますので、民業圧迫なんということは、毛頭ないということを主張してまいったのでございますが、まあこういうことに覚せいいたしましたせいか、その後銀行業者も庶民金融ということに着眼いたしまして、そういうような新規の方途を講ずることになったようでございますが、私はそれだけでも非常に大きな効果があったということを喜んでおりますわけでございますが、しかしまあ、銀行業者がそういう制度を創設いたしましても、銀行は銀行でおやりになり、郵便局は郵便局でやりまして、そうして相ともに携えて補完し合って、そうして国民の福祉を増進させるというようなことでいけばいいというように考えておりますわけでございます。
 それから大蔵省サイドで特に主張いたしましたのは、従来郵便貯金の制度は預かるだけが専門である、そういう機関であり、そういう制度である。それに今度新規貸し付けという制度を創設するということは、これは郵便貯金制度の非常な変革であるということで、非常に強く抵抗してまいったわけでございますけれども、私どもといたしましては、なるほど従来は、そういうことであったわけでございますけれども、いまや国民福祉の増進というおりがらでございまして、そうして国民が郵便貯金通帳一つでそれだけの担保で、これを郵便局に持って行けば、即座に金を貸してくれるというような制度を開くということは、国民のしあわせにきわめて有効であり、マッチしておるのじゃないかと、従来預入だけが専門であって、こういう時節に、その制度の変革を実施いたしまして、新しく貸し付けの方法を講じて、そういう制度をつくるということは、こういう際にこそ、きわめて必要じゃございませんかということを主張いたしてまいったわけでございます。
 さらに、ただいま提案理由の説明にも申しましたように、郵便貯金は、そのままそっくり国の財投資金になりますわけでございまして、財投資金総額の三八%を郵便貯金で担当いたしておりますわけでございますが、この財投資金、非常に有力な財投資金のお金から貸し出しをやる、資金貸し付けをやるということになれば、財投資金に非常に大きな欠陥を生ずることになるのじゃないかというように申したわけでございますが、しかし、御承知のように、また、ただいま御説明申し上げましたように、庶民が生活上不時の入費に、あるいは結婚でありますとか、あるいは病気の治療費でありますとか、あるいはお子さんの入学費でありますとかというような、思わざる入費が必要になってまいりまして、しからば郵便貯金にお金を預けているので、これを引き出そうといろことをいたしますわけでございますが、ところが、郵便貯金は定額貯金がその大宗でございますけれども、これは利率の関係から申しまして、長く預けておけばおくほど有利でございます。途中で引き出しますと、長期預入いたしておるという、その利率の継続性というものが中断されるわけでございますから、これではいかにも郵便貯金の預入者に気の毒であるという見地から、郵便貯金を引き出すことをやめなさい、そのかわりに、別途立てかえをいたしましょう、貸し付けをいたしましょうというのが、庶民金融の本旨でありますわけでございまして、したがって、財投の立場から申しましても、こういう庶民金融の立てかえの貸し付けという制度がなければ、郵便貯金を引き出すべきところを、別にお貸し付けをするというわけでございますから、プラス・マイナス・ゼロということになりまして、財投にはいささかも関係しないということを主張してまったのでございます。これまた、大蔵省がただいまでは了承してくれておりますようでございます。
 さらにまた、農協方面からも強い反対がございまして、これは農協で御承知のように、やっております信用業務、お金の預入と貸し付け、この信用業務に非常に大きな支障があるということで反対をされたのでございますけれども、当時から私どもよくわかっておりましたことは、農協のそうした役員の方が反対されておるけれども、農民自体は、農協からも金が借りられ、また、他面、新しく郵便局からも金が借りられるということになれば、双方から金が借りられるということで、非常に便利が増進するということで、農民自体は、農協の信用業務をやっておられる方々とは違いまして、当初から非常に喜んでおったわけでございます。
 しかし、今度、党のほうで農協との間を調整されまして、庶民金融の法律案を作成することを、農林省あるいは農協方面で認めたにつきましては、この農協の貯金業務に対しまして、保険制度を創設するという新しい道を開いてあげることになっておりますし、また、さらに、農協が従来取り扱わなかった国庫金の取り扱いでありますとか、あるいは為替業務を始めるというようなことを約束をいたしておりますわけでございますが、むしろ、こういう点は、農協としては非常に意味合いの大きなものであったかと考えておるわけでありまして、私は農協のために喜んでおるわけでありますけれども、しかし、こういう点は、実は、特定局長方面にはかなり強い反発がございまして、そういうことまで譲ったかというようなおしかりを受けておるようなわけでございますけれども、しかし、大きな庶民金融を成立させるについては、そうした譲歩もやむを得なかったかと私は思っておりますわけでございます。
 こういうわけで、農協方面もかなり強い抵抗をいたしましたけれども、現在では、十分話し合いができまして、今日に至っておりますわけでございますが、実は、この問題につきましては、ただいま先生おっしゃったように、各党党派を越えて、庶民金融の制度の創設は大賛成であるというような、たいへん強い御支持、御推進をいただいたことを非常に感謝いたしておるのでございまして、むしろ、私どもから申しますと、野党の方々が結束して、これを御支持くださったということが、事を今日に取り運ぶことができた、その大きな原動力になったということを私はよく存じあげておりますわけでございます。
 まあそういう意味から申しますと、今度の庶民金融の法律案の推進につきましては、政府でなくて、国会議員の与野党共同の提案というようなことがいいじゃないかということを私は与党の場におきまして、大いに主張してまいったのでございますけれども、党としては、野党のそうした御共鳴、御賛同はよくわかっておるけれども、庶民金融という従来百年の歴史を持っております郵便貯金制度の大変革である新しい貸し付けの制度を創設することで、内容がきわめて重大であるので、政府提案の形をとったほうがよかろうというようなことになったわけでございまして、この点はひとつ御了承を賜わりたいと思っておりますわけでございます。が、非常に長年の懸案、この懸案が事ここにまいりましたことは、全く皆さん方の御支援、御賛同のたまものでありますことを感謝申し上げておるわけでございまして、ぜひ今度の国会中に成立させていただきたいという心からなる悲願を込めてお願いを申し上げる次第でございます。
 ほんとうに、いまから考えますと、二月の初めに、この構想を打ち出しまして以来、やっと今日になって、こういう状況にこぎつけ得たわけでございまして、その間、いろいろな経緯がありましたわけでございますけれども、絶えず皆さま方の御協力に一るの希望をつないで今日にまいりましたことが、ついに結実したということになったわけでございまして、ぜひとも参議院の段階におかれましても御賛同を賜わりますように、そうし成立さしていただきますように、切にお願いを申し上げましてお答えといたしたいと思うわけでございます。
#285
○今泉正二君 たいへん御懇篤な長い間の御苦労がその端々に出ております御答弁を賜わりまして……。以後は、時間が限られておりますので、先ほどの松岡議員のときの御答弁のように、的確に、短か目にひとつ、あと、局長にもお願いいたしたいと思います。
 先進国が郵便貯金の貸し付け制度をもうすでに実行しておりますことは御承知のとおりで、日本は明年の一月一日から、この法案が通りますれば実行されるわけでございますが、諸外国の現在の状態を、全部はたいへんでございますから、一、二の代表的な国――と言ってはなんでございますけれども、大国の様子を一、二、簡単でけっこうですから、お知らせをいただきたいと思います。
#286
○政府委員(石井多加三君) お答えいたします。
 世界各国の中で郵便貯金をわが国と同様に国でやっております国が五十六カ国ございます。多数の国があるわけでございますが、その中で、フランス、スペイン、ベルギー、スエーデン、フインランド、ノルウェー、多数の国が今度私たちがやろうとしていると同じような預金者貸し付け制度を、もうすでにやっておるわけでありますが、代表的な例として、フランスをちょっと申し上げておきたいと思いますが、フランスの場合は、いわゆる預金者貸し付けと申しましても、いわゆる住宅貸し付けと申しまして、限度額も、邦貨に直しまして六百万円ばかり貸せるようになっております。この制度は、一九六五年からすでに実施しておるわけでございます。それから現在利用されております状況は、五億フランでございますので、約三百億円ばかりがこの方面に融資されておるようでございます。それからスペインでございますが、スペインは農業貸し付けとか、住宅貸し付け、事業貸し付け、あるいは一般貸し付けという、いろんな種類がございますが、わが国と同じような一般貸し付けと申しますのは、金額でいいますと、約百二十万円まででございます。実施されました時期は一九六〇年からでございます。現在利用されておりますのは、約年間で二百六十億円ばかりがこのほうへ回されておるのでございます。次にスエーデンでございますが、これはやはり住宅貸し付けと、それから普通の貸し付けと両方ございますけれども、実際実施されましたのは一九六九年からでございます。両方合わせまして、一九七〇年現在で六千五十七億円の金額がこのほうに融資されておるようでございます。その他の国も、たくさん実施いたしておりますが、こまかくなりますので省略さしていただきます。
#287
○今泉正二君 私の自分の心配だと思うのですけれども、庶民金融という名前が、何か金融というので、高利貸しみたいな感じがして、これでだいぶ方々から反対をした方たちに――金融機関という点だけで、本来の郵便業務の延長になります、貯蓄機関としての郵便貯金の性格というものが少しも私は変わってないと思うのですが、この名前でだいぶ誤解を招いているようなところがありますが、その点、大臣いかがでしょう。
#288
○国務大臣(廣瀬正雄君) これは私の構想で打ち出した名称でございますけれども、一面庶民金融ということで、国民の共鳴を得たということにもなったかと思うのでございますけれども、しかし、その後いろいろ反省、考究いたしまして、どうもやっぱり実質は郵便貯金の預金者貸し付けということがふさわしいというように考えまして、ただいまでは、つとめて庶民金融ということばを使わなくて、郵便貯金の預金者貸し付けという実質に基づいた名称を使っておりますけれども、通常わかりやすいのは庶民金融ということばでございますから、簡便にはそういうことばを使っておりますけれども、正確にはただいま申したことがほんとうでございます。
#289
○今泉正二君 最初お話しを聞きましたときは、ある新聞なんかによりますと、百万円ぐらい貸すんじゃないかというので喜んだ人がありますが、大臣に最初お話しを伺ったときは三十万円くらいの貸し出しをしてくださるということが、いろいろ銀行その他の金融機関のほうをいろいろおもんばかりまして、十万円に減額修正されました。そのかわり、貸し付け原資の原案が二百億円だったのを、一千億円にしたというようなことで、借りる方が多数いらっしゃった場合の需要に応じられるような形に置きかえたということは存じておりますけれども、大蔵省が、たいへんまたいろんな意味でのガンになったというようなことは、郵政大臣のいままでの速記を私たちも読みますれば、わかりますし、また、何度も聞きましたけれども、御熱心にもかかわらず、やはり国の財政を預かっている番頭さんとしての大蔵省が、何かにつけて、この浅野内匠頭と吉良上野介というほどじゃないでしょうけれども、殿中松の廊下ぐらいのところぐらいの、迫力があったような気がいたしますが、今後、大蔵省と、どういうふうな――郵政省としてうまくずっとこのままの形でいけますか。また、将来何かのときに、またパッパと火花が出る。先の予想でまことに恐縮ですけれども、郵政省と大蔵省との位置づけみたいなもの、この問題に関して平行線になるか、あるいはわりと場合によっては、仲よくしていく、場合によっては、仲悪くなるというようなことですね。
 これはなぜ、そういうことを伺うかというと、十万円貸し付けだけでいいと思わないものですから、私は。ですから、十万円のときは、仲よかったけれども、これは、この金額が上がってくると、また何か言うんじゃないかという気がいたしますので、そういうことを伺ってみたいと思います。
#290
○国務大臣(廣瀬正雄君) 御指摘のように、当初の案は一人の貸し付けの限度を三十万と考え、また、総額を二百億円というように考えたのでございますけれども、全国約二万の郵便局がありますわけでございまして、この局が、どの局も国民の要請に応じまして、ある程度の貸し付けの口数を持つということになりますと、三十万と二百億では、その口数というものが非常に少なくなるわけでございまして、郵便局に借りにまいりましたけれども、もうすでに貸し付けの限度がなくなってしまって、借り入れができなかったというようなことになりましては、たいへんでございますから、金額は三十万から十万になりまして、少なくなりましたけれども、これは、各方面の意見を聞いて、そういうことにいたしたわけでございまして、ということは、結局、乏しきを憂えずに、ひとしからざるを憂うと、借りられる人と、借りられない人との区別があってはならないので、金額は小さくても、あまねく希望の方には、貸し付けるというようなことをすることが、むしろ大切であろうというようなことで、一人の金額を少なくし、また、総額を多くしたということにいたしたわけでございます。
 これであれば、大体順調にいくんじゃないかと思っておりますけれども、しかし、将来の懸案といたしまして、十万円が――これはまあいろいろな根拠に基づいて十万円ということにいたしたわけでございまして、まあ実際少ないということであれば、漸次、大蔵省の了解を取りつけて、ふやしていくということにしなければならないわけでございますが、一人当たりの金額の十万円というのは、法定事項でございますから、これをふやすということになれば、法律の改正をしなくちゃならぬということになるわけでございまして、その了解を得ることは、かなり困難であろうかと思いますけれども、国民の要請が強いということであれば、実情に応じて、そのような努力をしなければならないということは当然でございまして、これも将来の懸案にいたしたいと思っております。
 法律案の策定につきましては、大蔵省と農林省といろいろと折衝が重ねられたわけでございまして、何度か暗礁に乗り上げて、どうなるかと思うようなことがあったのでございますけれども、やっと了解を取りつけたわけでございますが、現在となりましては、大蔵省も、農林省も、関係の省庁が心から賛意を表してくれておりますので、今後円滑に運営ができると、このように確信をいたしております。
#291
○今泉正二君 最後の質問でございますが、時間に正確で私は有名な男でございますから、もうこれで終わりますけれども、御答弁のほうも六時きっかりにやめていただきたいと思いますが、皆様の、これはまたひとしく国民の熱望している、ここにいる国民の熱望していることでございますが、いま一番心配しておりますのは、貸し付け制度実施については大賛成でございますけれども、この法案が通りまして実行に移りますと同時にといいますか、また、戦後どのくらいあるか知りませんが、郵便貯金の利子引き下げと相殺するような感じを持つ人も、一億人以上おる中には、おりますので、そういう者があった場合、大臣の志と違って、そんなことももしあった場合なら、この制度はないほうがいいと極言する人が出てくる始末でございますので、そういう点は、廣瀬郵政大臣のお人柄とはまた違って、大蔵省のほうの見解もあろうと思いますので、その辺のきめつけというものを、ひとつ手きびしく、一札とっておくような形というものを、押しつけておきませんと、あれは前任者の大臣のときのことだと言われますので。われわれは、またその問題の結果を見続けていきたいと思いますし、それが大成されることでほんとうに花が咲くわけでございますから、いまつぼみがもう開こうとしておるところでございます。私、そういう点で締めくくりにいたしたいと思います。お願いいたします。
#292
○国務大臣(廣瀬正雄君) きわめて重大な問題でございますが、大蔵省あるいは日銀は公定歩合の引き下げをやりたい。それに伴って連動的に預貯金の利率を〇・五%引き下げてもらいたいという強い要請がありますことを承っておりますわけでございますけれども、まだ具体的な協議折衝というものは全くないわけでございます。しかし、私は昨年の暮れの公定歩合の引き下げに伴って預貯金の利率の引き下げを強く要請されましたときにも、郵便貯金の本質が銀行の預金と全く違うと――その本質が違うゆえんをまあ御説明すれば、御納得いただけると思いますけれども、六時までという時間の制限をいただいておりますから、申し上げにくいのでございますが、全く違うという、これは信念として考えておりますわけでございます。
 そこで、昨年の暮れと、現在の経済金融の状況は、非常に違うじゃないか、銀行の預金と同様に、郵便貯金も金利を下ぐべきだという主張であろうと思いますわけでございますけれども、私はさようには考えておりません。郵便貯金の本質は、銀行預金と全く違うものであるという強い信念を、確信を持っておりますわけでございまして、これについては学者先生間に異論もあるようでございますけれども、私は、実務を担当いたしております郵政大臣といたしまして、そのように強く信じておりますわけでございますから、したがって、郵便貯金の金利の引き下げにりきましては、重大な決意をもって対処するということだけを、はっきり申し上げておきたいと思うのでございます。
#293
○今泉正二君 たいへん心強い締めくくりをいただいて一きわボリュームが上がって、私ども腹にこたえたところでございます。私たちも、庶民の一人として選ばれました以上、そういう趣旨で、自民党の善政の中の一つとして、そうしてまた、よいものは、お互いに党派を越えて応援するという野党の方々のお力とともに、この実現を文字どおり最初の目的どおり、満開の花を咲かせることをお祈りいたしまして私の質問を終わります。ありがとうございました。
#294
○委員長(杉山善太郎君) それでは本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれで散会いたします。
   午後五時五十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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