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1971/06/16 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 逓信委員会 第22号
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1971/06/16 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 逓信委員会 第22号

#1
第068回国会 逓信委員会 第22号
昭和四十七年六月十六日(金曜日)
   午後一時四十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月十六日
    辞任         補欠選任
     鈴木  強君     横川 正市君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         杉山善太郎君
    理 事
                植竹 春彦君
                長田 裕二君
                古池 信三君
                森  勝治君
    委 員
                今泉 正二君
                郡  祐一君
                迫水 久常君
                白井  勇君
                新谷寅三郎君
                西村 尚治君
                松平 勇雄君
                成瀬 幡治君
                松本 賢一君
                横川 正市君
                塩出 啓典君
                木島 則夫君
                青島 幸男君
                松岡 克由君
   衆議院議員
       発  議  者  小渕 恵三君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  廣瀬 正雄君
   政府委員
       内閣総理大臣官
       房管理室長    佐々 成美君
       郵政政務次官   松山千恵子君
       郵政大臣官房長  森田 行正君
       郵政省郵務局長  溝呂木 繁君
       郵政省貯金局長  石井多加三君
       郵政省人事局長  北 雄一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
   説明員
       文化庁文化財保
       護部長      高橋 恒三君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に
 関する調査(郵政省における労使関係の正常化
 に関する件)
○郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○飛鳥地方における歴史的風土及び文化財の保存
 等に必要な資金に充てるための寄附金つき郵便
 葉書等の発行の特例に関する法律案(衆議院提
 出)
○閉会中の委員派遣に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(杉山善太郎君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
 成瀬君より質疑の申し出がございますので、これを許すことにいたします。成瀬君。
#3
○成瀬幡治君 過般は、資料どうもありがとうございました。
 過般、大臣も新聞をごらんになったと思うんですが、郵政省のマル生運動についての記事が出ております。そのことについて、何か郵政当局側に行き過ぎがあったんではなかろうか。これは、いろいろとお考えになっておると存じますが、もし、不当労働行為や不正行為があった場合には、厳重な処分をおやりになるかどうか、大臣の決意を伺いたいと思います。
#4
○国務大臣(廣瀬正雄君) 管理者の数が多いことでもあり、行き過ぎが一切ないとは、言い切れないことにつきましては、私は、まことに遺憾に思っておりますような次第でございます。不当労働行為や不正行為につきましては、今後一切そのようなことのないように厳重に注意していきたいと存じております。なお、御指摘のように、もし不当労働行為がありましたときは、処分を含む厳正な措置をいたします。
#5
○委員長(杉山善太郎君) それでは、成瀬君の質疑は、この程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(杉山善太郎君) 郵便貯金法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き、これより質疑を行ないます。
#7
○松本賢一君 この前質問いたしましたときにも、この問題にちょっと触れて、大臣にお話を伺ったんですが、その後、ほかの方の質問の中で、いろいろと大臣の話を聞きましたので、大体この法案のできた事情はわかりましたが、内容について少しお尋ねしたいと思います。私は、何にも知りませんから、ほんとうに知らないで、ものを聞いておりますから、しろうとによくわかるようにひとつお答えを願いたいと思います。大臣で何のときには、事務当局のほうでひとつ御説明いただきたいと思います。
 まず、お伺いしたいのは、郵便貯金というのは、資金運用部というものに預託するわけですね。一体、郵便貯金というものは総額どのくらいあって、そして、資金運用部にどのくらい預託をなさっているものか、そんなようなことを、大づかみでお承って、また、もう一ぺんお伺いするかもしれませんが、お聞かせいただきたい。
#8
○国務大臣(廣瀬正雄君) 郵便貯金はことごとく財投の資金に預託をいたしますわけでございますが、その年間に郵便貯金として預入されます金額は、年によって違いますわけでございますけれども、大体一兆七、八千億から二兆円というようなことが、本年度のごときは予想されますわけでございまして、その金額ことごとく財投に預託するということになっておりまして、全体の財投の中におきましては、この郵便貯金の預託の金は、大体三八%程度を占めているというのが実情であろうかと思っております。
#9
○松本賢一君 三八%というのは、集った総貯金額の三八%くらいということですか。
#10
○国務大臣(廣瀬正雄君) 私の説明が足らなかったかと思いますけれども、全体の財政投融資――国の財政投融資の中の三八%程度でございまして、郵便貯金はことごとくその財投の金に入れるのです。
#11
○松本賢一君 それで、ついでにあれですが、貯金の内訳と、それからそれに対する利子ですね。年何分ぐらいにつくのか、ということを、ちょっと聞かしていただきたいと思います。
#12
○政府委員(石井多加三君) お答えをいたします。
 郵便貯金の種類はまず四種類であると申し上げてよろしいかと思いますが、通常貯金というのがございまして、これは出し入れ自由の貯金でございます。その前に、郵便貯金全体の現在預金残高が大体十兆円と申し上げてよろしいかと思います。十兆円のうちの、大体二六%ぐらいが、いま申し上げました通常貯金でございます。これは利率は年三分六厘でございます。それから定額貯金というのがございまして、これは全体の約七割を占めております。これは最初の半年間は据え置き期間ということになっておりますけれども、その半年過ぎますと、いつでも出すことができるわけでございます。ただ、半年過ぎまして、そこのところで四・二五%の利子がつくわけでございます。それ以降半年ごとに利率がだんだん上がってまいりまして、二年半になりますと、六%ということになるわけでございます。それから定期貯金というのがございます。これは一年間の定期でございまして、民間の定期預金と同じでございますが、これは利率は五・五〇%でございます。これは一年間の据え置き期間でございますので、民間の場合は同一のものを見ますと五・七五%になっているかと思います。もう一つ積み立て貯金というのがございます。これは、郵政省だけがやっている貯金でございまして、毎月集金に参りまして、二年間集金に行くわけでございますが、その二年間の据え置き期間後払い出せるというわけでございます。利率は年四・〇八%でございます。最後に申し上げました積み立て貯金が、全体の二・六%ぐらいを占めております。それから定期預金――先ほど申し上げました定期預金はわずか〇・四%ぐらいでございます。全体の中では非常にウエートは低い貯金でございます。
 以上でございます。
#13
○松本賢一君 そうすると一番多いのが定額ですか。
#14
○政府委員(石井多加三君) そうでございます。
#15
○松本賢一君 普通というのが二六%、それから定額貯金というのが一番多いわけですが、それは何%ぐらいですか。
#16
○政府委員(石井多加三君) 七〇%でございます。
#17
○松本賢一君 ちょっとさっき大臣の言われた金額、一兆七、八千億と聞いたのですが、十兆だったのですか。
#18
○国務大臣(廣瀬正雄君) いやそうじゃございません。その関係をちょっと申し上げようと思っておりましたところですが、一兆七、八千億と申し上げましたのは、最近における一年間の貯金高でございまして、十兆円と申しましたのは、ずっといままで累積しました金額が、という意味でございます。
#19
○松本賢一君 そうすると、残高は、預金の総額と常に見合っているわけですか、預託金のほうは。――わかりました。それで預託金のほうは、利子が、短いのや長いのが、二分から六分と聞いておりますが、そのほうはどういうことになっておりますか。その内訳というか、二分で預けているものもあるし、六分で預けているものもあるということですか。それとも、預かった金額によって、長いものはだんだん利子が高くなっていくというようなことですか。どうもそこのところがよくわからない。
#20
○政府委員(石井多加三君) いまお尋ねの件は、私たちのほうが、十兆円の預金残高を大蔵省の資金運用部へ預託いたしておりますその十兆円に対して、大蔵省から郵政省のほうへもらう利率のことかと思います。これは全部六・五%でございます。つまり十兆円に対して六・五%でございますので、六千五百億円、これが一年間の郵便貯金の運営のための一切の経費でございます。その中には、預金者に対して支払う利子もありますし、郵便貯金を集める一切の人件費、物件費、全部を含んでおるわけでございます。
#21
○松本賢一君 そうすると、期間が長いとか短いということでなしに、全部に対して六・五%ということですね。そうすると、それがどのくらいの金額になりますか。大体十兆円の六・五だから六千五百億円ですか、年間。そこで、今度貸しつけをなさる総ワクが一千億ということですね。それで、その一千億というものは、これは、まだ利子がほんとうにきまっていないというように聞いておりますけれども、大体どのくらいの利子がつくわけですか、年間の残高が平均一千億とすると。
#22
○政府委員(石井多加三君) 一千億の金を預金者にお貸しするわけでございますけれども、その場合の貸し付け利率を幾らにするかということは、政令で定めることになっております。まあ郵政審議会に諮問いたしまして、その答申を得て、政令で定めるということになるわけでございますが、現在のところ、われわれの検討いたしましたところでは、六%程度でお貸しすればいいのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。したがって一千億の金を六%ということでございますので、それによって郵政省に入ってきます金は六十億になるかと思います。これが、今度の貸し付け制度によって郵政省のほうへ新たに雑収入として入ってくる金額でございます。
#23
○松本賢一君 そうすると、十兆円というものの中の一千億というものを貸すわけですね。そうすると十兆円に対しては六分五厘の利子がつく、それから一千億に対しては六分の利子がつくということになると、貸し出しをしないでじっと預けておくほうが得だということになるわけですね。
#24
○政府委員(石井多加三君) ただいまの御質問でございますが、実は、今度一千億円を預金者貸し付け制度に回そうと考えておりますけれども、この一千億円は、財政投融資の原資として大蔵省の資金運用部へ預託する金の中から一千億円をこちらへ回すというものではございません。と申しますのは、従来こういった預金者貸し付け制度がございませんでしたので、郵便貯金を預金しておられる方は、お金が必要なときには貯金をおろしておられたわけでございます。そのおろしておられた方が、今度はこの貸し付け制度によっておろさなくなるわけでございますので、従来はその一千億は払い戻しのほうへ回されておった金でございます。したがいまして、財政投融資に回す金は、その払い戻しと新しく貯金をしたものとの相殺した残り、たとえば四十七年度予算で申しますと、一年間に新しく貯金をなさる方が八兆三千億ございます。それから貯金をおろされる方が六兆六千億ございます。その差額の一兆七千億、これが先ほど大臣の申されました大蔵省の資金運用部へ預託する金でございます。純増と申しますか、その金の中から一千億を回すんではなくて、その一兆七千億からではございませんで、六兆六千億払い戻す金がございます、その中の一千億、これが貸し出しのほうへ回るわけでございますので、それだけ払い戻しが減るだけでございまして、大蔵省の運用部のほうへ預託する金は一文も手をつけないでこの金はまかなえるということでございます。したがいまして、先ほど御質問のございましたように、預託すれば六分五厘、預託利子がもらえるわけでございますけれども、もともとそういうほうへ回る金じゃございませんので、むしろ六分というのは郵政省にとりましてはできるだけ安く、預金者の利益のために安くして差し上げていいんじゃないかというふうに考えるわけでございます。
#25
○松本賢一君 私は預託金がそれだけ減るんだと思ったから、預託金が六分五厘の利息をもらえるのに、預託金を減らして六分で貸し付けするというから、慈善事業みたいなものだなと思ったんで、ちょっと聞いてみたんですがね、そうじゃないわけですね。そうすると、さっき言ったような、三分六厘の利子をつける預金が二六%とか、それから定額の最高六%でしたね。こういう預金が十兆円として、全部では十兆円以上あるわけですね。預託してあるのが十兆円で、いつも手持ちにしてあるのがどのくらいあるんですか。ということは、払い戻しなんかに必要な、つまり預託しないで局に置いておく金というものは。それの増減なしに貸し出しができるという見通しになっているわけなんでしょう。
#26
○政府委員(石井多加三君) ただいまのお尋ねの、日常、郵便局で、お客さんに、いつでも貯金を払い戻しにおいでになる方のために、用意する金といたしましては、大体七百億程度を用意しておるわけでございます。
#27
○松本賢一君 そうすると、一千億の平均残高で貸し出しをするのには、それでは足りないわけですね。
#28
○政府委員(石井多加三君) 私の説明が足りませんで。毎日七百億でございます。一日七百億円の金が要るわけでございます。
#29
○松本賢一君 そうすると、ちょっと待ってくださいよ。私聞きたいのは、預託金というものは、いままでどおり預託はできて、そうしてしかも貸し出しができると、その金はどこにあるかといえば、払い戻し用に準備してある金を、払い戻すかわりに貸し出しをすればできるんだと、こういうふうに説明を聞いておるんですが、その準備金というものは、一体どのくらい平均残高があるものかということをちょっとお伺いしたいんです。いまの七百億とおっしゃったのは毎日出る金でしょう、払い戻しに。それとは違うのか。
#30
○政府委員(石井多加三君) どうも説明が足りませんで、七百億と申しますのは、毎日払うだけじゃございませんで、同時に郵便局でたくさんのお金を預かるわけでございます。それらを合わせまして七百億ばかりの金が要るというわけでございます。
#31
○松本賢一君 いや、だから、その七百億の説明はそれでいいんですけれども、いま私の聞いていることに対してはまだお返事を伺っておらぬわけだ。
#32
○政府委員(石井多加三君) ちょっと恐縮でございますが、もう一度。
#33
○松本賢一君 どうなのか、私の頭が悪いから、おかしなことを聞いてるのかしらぬけれどもね。総額の中から、運用部へ預託した残りが局にあるわけでしょう。それが一体年間平均どのくらいあるかということです。
#34
○政府委員(石井多加三君) 毎日の預払いに必要な現金として、大体七百億程度保有しておると申し上げたわけでございますけれども、それは毎日同時に郵便局でお金を受けるものもあります。いまのようにおろされる方もありまして、まず毎日、次の日の払いに必要なお金を七百億とっときまして、その残りと申しますか、それを大蔵省、資金運用部へ預託するということになるわけでございます。大体七百億ぐらいが、日常の資金として必要であるということでございます。
#35
○松本賢一君 そうすると、それが平均残高ということになりませんか。その七百億というものは、払い戻し準備金としての。
#36
○政府委員(石井多加三君) 七百億は毎日、財投のほうへ持っていかないで、まあ残高と申しますか、郵便局のほうへ置いておく金、そういう御質問でございましたら、そのとおりでございます。
#37
○松本賢一君 そうですね。それと、一千億の貸し出しの平均残高と、どういう関係になるかということは、ちょっと正直なところ、ほんとうにわからないから聞いておるんです。
#38
○政府委員(石井多加三君) 今度の法律の改正で、郵便貯金法の附則で資金運用部資金法の一部改正を行なうことになっております。これは、資金運用部資金法の中の第二条でございますが「郵便貯金として受け入れた資金は、郵便貯金の日常の払いもどし及び郵便貯金法の規定に基づく貸付けに必要な資金を除く外、資金運用部に預託しなければならない。」ということになるわけでございますが、いま申し上げました「貸付けに必要な資金」この貸し付けのことは今度初めて出てきたわけでございます。従来は、郵便貯金の日常の払い戻しに必要な金、それだけを保有して、残りを資金運用部に預託する、こういうふうなたてまえになっておったわけでございます。それを今度は、新しくこの貸し付け制度ができましたので、貸し付けに必要な資金も、これは残して、それの残りを資金運用部へ預託するということでございますので、従来でございましたら、七百億ばかりの毎日の資金手当てのために必要な金だけでございましたが、そのほかに、この貸し付けの一千億円、これが半年でかりに貸し付け期間を認めますと、年に二回転するわけでございますが、その二回転する一千億円については、その金も貸し付けのほうへ回さなければならない。郵政省としては、この一千億円も、残高と申しますか、計算としては資産として残ることになろうかと思います。いずれにいたしましても、預託するその金のほうには回せない金でございます。
#39
○松本賢一君 そうすると、ほんとによくわからないんですが、一千億というものは、平均残高というか、常に一千億の貸し出しをしておるということではなくて、累積したものが半年の間に一千億になるということですか。私がこんなことを聞いているのは、こういうことをちょっと知りたいのですよ。この貸し出しをするために利子が六分という見通しだということを聞いたもんだから、六分の利子で、六分五厘の預託金というものを減らして苦労して貸すということは、たちまち赤字が出るということになるじゃないか。そういうところが、ちょっとさっきの話を聞くと、預託金を減らすわけじゃないんだというお話なんで、そこらのところのそろばん勘定がどういう見通しになるのか、それがお聞きしたいと思うのですよ。初めての試みだから、はっきりしたことはわかるわけはないと思うけれども、皆さん方くろうとなんだから、大体の見通しを持ってそろばん勘定していられると思うから、そこを聞きたいと思うのですよ。
#40
○政府委員(石井多加三君) 一千億円の金でございますが、これをかりに法律どおり来年の一月一日から実施いたしますと、年度内三カ月でございますので、約百日と計算いたしますと、一日十億円という金になろうかと思います。私が申し上げました七百億円というのは、毎日の金として七百億円ぐらいを郵便局の預払いのために用意をしておると申し上げました。そのほかに、厳密に申し上げれば、十億円がなおよけい要ると、七百十億円ということになろうかと思いますが、そういったことでございまして、いずれにしても、これは運用部へ行く金とは関係のない金でございます。
#41
○松本賢一君 そうすると、一応のそろばん勘定は、預金の利子との差額というか、そういうものが、多少の収入はプラスになってくる。しかし、それにはいろいろと手数がかかるだろうから、手数料もかかるというようなことで、どうなんですか、これをやるために郵政省としては、局としては、プラスになるのかマイナスになるのか。
#42
○政府委員(石井多加三君) いまお尋ねの件は、今度の一千億円の金の貸し付け利率を幾らにするかという問題と関係があるわけでございますが、先ほどお答えいたしましたように、これは郵政審議会に諮問して政令できめてもらうわけでございますが、その際の私たちの考え方として、大体六%ならコスト割れにはならないであろうという判断をしておるわけでございます。
 若干御説明を要するかと思いますが、現在郵便貯金のコストを計算いたしますと、昭和四十五年度の決算の数字で申しまして六・二七%という数字になっておるわけでございます。それは、郵便貯金を集めるための一切の金を残高で割ることになるわけでございますが、その数字が、六・二七ということが四十五年度の決算で出ておるわけでございます。この六・二七を六%で貸すということになれば、預金コストから言って逆ざやになるのじゃないかというような御議論がいろいろいままで出たわけでございます。私たちは決して逆ざやにならないというふうに思うわけでございますが、その理由は郵便貯金、先ほど冒頭に申し上げましたように種類がたくさんございますけれども、今度貸し付けの対象、担保の対象と考えておらないものに通常貯金がございます。これは御承知のように、毎日出し入れ自由でございまして、少額のお金を出したり入れたりいたしますので、非常にコスト届になっております。この通常貯金を最初から除外いたしますと、大体六%見当で、つまり定額貯金あるいは積み立て貯金、定期貯金は十分コスト内でやれるということでございます。
 なおこの一千億円の金を、かりにこういった貸し付け制度がない場合は、もし一千億円の金を新規に集めようといたしますと、これには預金吸収の経費が要るわけでございますけれども、今度はこの貸し付け制度ができることによりまして、その貯金そのものはずっと継続するわけでございますので、新しく預金吸収のコストをかける必要がない。そのような観点からも六%よりあるいはもっと低い利率でお貸ししてもいいんじゃないかという議論も考えられるわけでございますが、まあそれこれ勘案いたしまして大体六%ということを考えておるわけでございます。同時にまた、これは民間の金融機関等の同じような定額貯金、定期貯金担保、いわゆる預金担保貸し付けという制度がございますが、大体民間の例を見ましても六%というのが、一般的に行なわれておるというようなことも考えたわけでございます。
#43
○松本賢一君 ちょっと、大臣がいないとこれからの質問がしにくいですが……。
#44
○委員長(杉山善太郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#45
○委員長(杉山善太郎君) 速記を起こして。
#46
○松本賢一君 大臣のお留守中にいろいろ伺って――いろいろと言っても、預金の金額とか、利子とか、預託金の問題とか、そんなことでいろいろ伺った結果、私が感じたのは――感じたのか、わかったのか、この今度の貸し付けは非常にいいことだと思いますけれども、あまりにも事柄が小さ過ぎるという感じがするわけなんです。私は、初め預託金の十兆円というものですか、そういうものの中から千億削って、そしてそれを貸して、多少犠牲を払ってやるんだから、あまり大きな金額はできないというようなことじゃないかと思っていたら、そうじゃなくて、犠牲を払うわけじゃないんだということで、いろいろ聞いてまあ郵便貯金の中で占める一千億のワクというものは、非常に小さなものだという感じを持ったわけです。
 それで大臣にお伺いしたいのですけれどもね。一千億ということを、どうしてその辺で押えたことになったんですか。これは非常に大臣が留守をされたのをとやかく言うんじゃないですけれども、私、一時間の約束で質問をしておりますので、ひとつあまりオーバーしたくないんで、大臣なるべく簡潔に御答弁いただきたいと思います。
#47
○国務大臣(廣瀬正雄君) 貯金局長からも御答弁申し上げたと思いますけれども、ただいま先生お話のように、総額一千億といたしておりますが、これは財投には全然関係ないものだと思っております。郵便貯金を引き出すべくして引き出せないことをおすすめして、立てかえを一方においてやる、それがいわゆる今度の庶民金融と申しますか、預金貸し付けということになっておりますので、財投には関係ないというふうに考えておりますが、ただ、当初のことでございまして、ほんとうの実情がよくわからないわけでございまして、貸し付け一人当たりの金額十万円に押えたということにも、また問題があろうかと思いますが、これは定額貯金の全国の一人平均が十四万円ということになっておりますので、預金金額の九〇%範囲内という、一つのワクがあるわけでございますから、その十四万円の範囲内で、しかも、御承知のいま流行いたしておりますサラリーマン金融という、これの実態を見たり、また、たとえば、郵政省で行なっております簡易保険の契約者貸し付け、これも実際貸し付けております金額が四、五万円程度じゃないかと聞いておりますが、そういうような生活上の不時の入費に必要な金だということになりますと、平均は比較的小さいという実情でございますが、それで一応十万円で足りるんじゃないか、ということにいたしております。
 十万円ということにいたしておりましても、実際利用します平均は、あるいる五、六万円でおさまるんじゃないかという気がいたしますが、こういう点も実際にやってみませんと、わからないことでございまして、それで実際やってみまして、私どもはその十万円を最初は主十万円に考えておったわけですが、いろいろ各方面の御意見も承り、また、そうした数字を調査しました結果が、十万円ということにいたしておるわけでございますが、これにつきましては、実際にやってみまして、そして十万円では足らない、もう少しふやさなきゃならないというようなことがわかりましたならば、これは一人の制限額が法定事項になっておりまして、法律の改正を必要としますが、そういうことについては、実情が必要だということになれば、国会議員の方々の了承を賜われると思うわけでございまして、法律の改正をするということにいたしたいと考えておりますし、それから、全体の総額一千億円ということにつきましては、これは関係各省の協議事項ということになっておりますから、大蔵省と協議をいたしまして、実際上、財投に何にも関係ないということを、私どもは主張しておりますし、大蔵省は、これは実際によって納得していただけると思っておりますので、この総額も漸次必要ならばふやしてまいりたい、こういうように考えておるわけでございます。
#48
○松本賢一君 これはいろいろ事情があるんだろうと思うんですが、一日に七、八百億円という金が必要だという中で、そのために約十億円ぐらい、これのために要るというお話をいま伺ったんですがね。あまりにも話が小さ過ざる。せっかく非常に国民期待していることなんです。一千億の金を一人十万円というと、満ぱいにしても百万人ということですね。しかも、一人がたった十万円ということになるんで、いかにも話がみみっちいような気がするんですよ。こういうふうにきまったんでしょうけれども、どうですか大臣、将来は、郵政省としてはぜひもっと大幅にこれをふやしていくというようなことは考えておられるわけでしょうか。
#49
○国務大臣(廣瀬正雄君) 庶民金融という大げさな名称にいたしましたのは、郵政省といたしましては、いま松本先生御指摘のように、ちゃちじゃないか、あまりにも小規模じゃないかという御指摘もよくわかるわけでございますが、先刻来御答弁申し上げておりますように、将来実情に応じまして、全体の総額のワクも、それから一人あたりの貸し付け金額もいずれも増額してもらいたい、こういうように考えております。
#50
○松本賢一君 これはね、こういう話を私聞いているんですよ。いま貯金の頭が百万円ですか。
#51
○政府委員(石井多加三君) 百五十万円でございます。
#52
○松本賢一君 ところが、それがはるかに大きな金額になっていると、実際にははるかに大きな金額を預けている人がたくさんあるというのですが、そういうことはあるのですか。
#53
○国務大臣(廣瀬正雄君) それは大蔵省とか、銀行サイドあたりから、よく郵便貯金を冷厳に批判する場合に、そういうようなことをおっしゃるわけでございますけれども、実際私どもは名寄せをやっておりますから、各貯金局で、また、全国でもやっているようでございますし、将来はコンピューターでも使わなければいかぬと思っておりますけれども、ほとんど、百五十万円までは免税でございますから、そういう百五十万以上預けているということは、脱税のためにやっている。こういうふうに指摘をされるわけでございますけれども、ほとんど私はそういうことはないと思います。私どもから言わせますと、銀行預金だって匿名の預金もございますし、無記名の預金もございますわけでございますから、私どもはむしろ堂々と名前を書いてありますわけでございまして、そういうような批判は私は当たらない、こういうように確信をいたしておりますけれども、しかし、そういう点は絶無ということは言えないと思いますから、十分心がけて、ほんとうに絶無に持っていきたい、こういうふうに思っておりますわけでございます。
#54
○松本賢一君 そこで、貯金のほうが、実情はそういうところにあって、そうして貸し出しのほうもこうやって、法律では十万円というようなことをきめてあっても、実際何かじょうずにやる人は、何倍もの貸し出しができるのじゃないかというようなことを、私よりはるかにくろうと筋の人が言うわけなんですね。ということは、そういうことが実際に行なわれる可能性が大いにあるのではないかということなんですが、どうなんです、その辺のところは。
#55
○国務大臣(廣瀬正雄君) 私は、さっき申しましたように、百五十万円を限度として、脱税のためにうそ偽って、同一人がそれ以上たくさん預入しているということは、実際ないと確信いたしております。まあしかし絶無であるとは言えないので、将来十分検査を厳正にいたしたいと思っておりますけれども、そういう点は、実際百五十万円以上の預金がないということでございますれば、通帳を持ってこなければ貸さないわけでございますから、通帳が正確でございますれば、一人一口というものを乱用されまして、二口も三口も貸すということはないと思います。
 ただ、家族的に申しますと、御主人が定額貯金に預入していると、それから奥さんがまた定額貯金に預入しているというようなことでございますれば、御主人も借りられる、奥さんも借りられるというようなことはありますけれども、同一人が貯金通帳を乱用して、十万円以上借りるということは、貯金通帳がそういうようなことになっておりません、ということを前提といたしますれば、私はあり得ないと、こういうように考えておりますわけでございます。
#56
○松本賢一君 私がこんなことを聞いておりますのは、結局こうやって法律ではきめておいても、それを比較的簡単に、りこうな人というか、ずるい人というのは破れる。そうすると、結局正直者がばかをみるというようなことがあるわけなんですね。だから、正直者は十万円ときめられたら、十万円以上のことは考えもしないんですよ、実は。だから、そこで、やっぱり法律をつくるときに、あまりやかましい法律をつくらないで、そうして、あまりみみっちいことを法律にしないでやっておいて、そうして、正直者がばかをみないような法律をつくったほうがいいんじゃないかと、こういうふうに思うわけですよ、それは大臣どうですか。
#57
○国務大臣(廣瀬正雄君) 先生の御趣旨は、つまり一人あたりの制限金額もなるべくゆるやかになるように、また、総額も一千億というようなことでなくて、もう少し大きくやれというような御趣旨だと思いますが、まあ法律に制定されておりますことは、これは固く守ってもらわなければならないわけでございますけれども、しかし、その法律の内容をもう少し豊かに、規模を大きくするということは、私は実情に応じてあろうかと思っておりまするが、それは御趣旨を体して今後善処してまいりたいと思っておりますわけでございます。
#58
○松本賢一君 十万円の金が、ほんとうにありがたいと思う人たちでない人がうまくやって、もっと大きな金額を貸し出しをするような――預金でもそうなんですよ。金のうんとあるようなやつのほうがうまいことあれして、郵便貯金でもたくさんやって、条件のいいところで金を使おうとする。そういうようなことを、やっぱり、できるだけ正直者がばかを見ないようにやっていかなければならぬと思うわけなんでね。それで、そういう点のところをどういうふうに考えておられるか。
#59
○政府委員(石井多加三君) お答えいたします。
 今度の貸し付け金の限度額の監査でございますけれども、現在郵便貯金の利用者の方々の実態を調べてみますと、九六%までは利用される郵便局が一カ所に集中しておるようでございます。そこで、その郵便局では、預金者から貸し付けの申し込みがありましたときには、自分の局に備えております貸し付け帳簿によって調査して、超過したものをチェックすることができるかと思います。また、後方部隊といたしまして地方貯金局というところがございますが、そこにおきまして、これは預金額の総額が百五十万をオーバーしておるかどうかということと同様に、今度の貸し付けを十万円を一人の個人が超過しておるかどうかということをチェックすることにいたしております。
 なお、そういったような方法によってチェックいたしますけれども、現実にチェックした場合に、十万円をオーバーしていることがわかりました場合、これは、今度の法律の第六十五条の第二項以下に、その場合の措置について詳細に規定いたしておりまして、十万円になるように、残りのオーバーしたものについては、貯金額を差し引いて相殺するというふうな規定によって、その厳守をはかりたい、さように考えておるわけでございます。
#60
○松本賢一君 それからもう一つ聞いておきたいのは、一千億のワクで、これはそんなしゃくし定木にやるわけじゃないのでしょう。もうあと三万五千しか一千億のワク内に残りがないから、きょうは三万五千しか貸せないのだといったような、そんなことをやるわけじゃないんでしょう。どうなんですか。
#61
○政府委員(石井多加三君) 私たちのほうでは、毎日全国の郵便局からのそういった現金の出納の日報をとっておりまして、今度の貸し付けの金額も絶えずそれによってチェックすることにいたしております。現実に、いまおっしゃいましたような精密な、三万がどうこうということになりますと、なかなかむずかしい点もあろうかと思いますけれども、やはりワクをきめました以上、それをオーバーしないように厳重な監査をしなければならぬと考えておるわけでございます。
#62
○松本賢一君 そうすると、私はこれは初めは借りる人が来るかどうかは私どもはよくわかりませんけれども、かりに、ばたばたっと来るとすると、みんな六カ月というもの、それを借りるわけですから、初めにばっばっばっばっと来てしまうと、あと何ヵ月間かの間はもう貸す金はないということになりはしませんか。
#63
○政府委員(石井多加三君) これは需要予測でございますので、いろいろの見方があろうかと思いますけれども、先ほど大臣も言われましたように、現実に町のサラリーマン金融の実情等をわれわれも相当詳細に調べたわけでございますが、三万から五万くらいが一番多いように思います。十万程度というのもありますけれども、その程度の需要が一番多いように思うわけでございます。また、金額に関連して貸し付け期間の問題もあるわけでございますけれども、やはり貸し付け利子もいただくわけでございまして、利用者の方々から見ますと、先ほど申し上げましたように、預金利子のほうでは五%程度しかとれない預金がたくさんあるわけでございまして、片方の六%の貸し付け利子を払うということになりますと、そういった一時的な計算からいくと逆ざやになるわけでございます。一番上手な利用のしかたということになりますと、ほんとうに一時しのぎの金を突発的な不時の出費にその貸し付けを受けて、できるだけ早目に返済をするということが普通になるのじゃなかろうかと思います。
 そのようなことを考えまして、実際の総ワクは一千億円でございますけれども、大体半年フルにお借りになるということはなかろう。大体半分ぐらいと見まして、三カ月ごとというふうに計算しますと、年に四回転、約四千億円の金を、かりに五万円の平均でお借りになるとすれば、八百万件の需要に応じられる。そうしますと、大体二万の郵便局でございますので、一局平均年間で四百件ばかりをお貸しできるというふうな計算をしておるわけでございます。まあ極端に申せば、いまおっしゃるように、十万円ばかりでしかも六カ月ということになりますと、おっしゃるように非常に需要に応じられる度合いは薄くなるということになろうかと思います。
#64
○松本賢一君 それは、くろうとでないから、そうおっしゃられると、それに反駁する根拠はないけれども、ただそういう心配があるわけですよ。非常に窮屈なことになりやしないか、一千億のワクなんというものをきめておくと。一口十万円というほうをきめるのは、どっかできめなければならぬと思うけれども、一千億のワクというものは、いかにもどうも窮屈なような気がしてね。私は十万円という一口の金額よりも、一千億のワクのほうがどうも何か納得がいかないような気がするんですよ。これは幾ら言ってみたところで、あなたのほうで大体の見込みはだいじょうぶだとおっしゃれば、もうしようがないですよ。これ以上言うてみたところで、水かけ論というよりも、論にもならない、こっちはよく知らないのだから。
 最後に大臣にお伺いしたいんですが、時間がちょっとオーバーしましたので、皆さんに申しわけないですけれども、貯金の利子の問題ですね、これはどうしても下げなければいかぬですか。
#65
○国務大臣(廣瀬正雄君) 郵便貯金の利率引き下げの問題につきましては、私たびたびお答え申し上げておりますように、公定歩合の引き下げに伴って銀行預金は連動的に引き下げるということはございましても、郵便貯金は銀行預金を本質が違う、これは信念として固く考えておりますわけでございまして、したがって、そういう考えにおきまして、昨年の暮れの公定歩合の引き下げに対しましても、郵便貯金は断じて引き下げないという信念で貫いて今日までまいっておりますわけでございますが、私は、銀行預金を郵便貯金は本質が違うということを前提といたしまして、重大な決意をもってこの金利引き下げの問題には対処してまいりたいと、こういうように考えておりますわけでございます。
#66
○松本賢一君 ほんとうに重大な決意でやるとおっしゃるのは、大臣の御性格として私は口だけじゃないと思うのですけれども、非常に圧力の強い相手ですから、これはむずかしいことだろうと思いますけれども、そこらは何とか、大衆の声といいますか、そういうものをバックにして、ひとつぜひやっていただきたいと思うのです。いま、貸し出しをしてもらうのでありがたいという気持ちよりも、利子が下がるのでつまらぬじゃないかという気持ちのほうが、私は、大衆としては強いんじゃないかと思うのですよ。そういう点は、政治家の大臣のことですから、よく察知しておられるだろうと思いますけれども、この辺ひとつよろしくお願いしたい。郵政省の皆さんにも、ぜひそいつは一番重大な問題だというふうに御認識をいただきたいと思うわけでございます。
 時間も来ましたので、この辺で。
#67
○委員長(杉山善太郎君) 関連さしてもらって特に委員長に発言さしてもらいますけれども、一口に言って郵便貯金の主権者は貯金者、庶民大衆だと思う。その貯金者の生活利益に反するような点については、特に大臣も、いずれにしても、今会期は百七十一日できょう終わっちまうわけですから、あとで利率の問題が問題になってくるでありましょうけれども、何といったって主権者は庶民、預金者ですから、この利益に反しないように、いま松本委員が特に要望しておられるように、それに関連して特に委員長の私も強く郵政大臣に要望しておきますから、どうかその点は、ひとつ、あのときはああであったけれども、しようがなかったということにならないように、特に留意をされるように要望しておきます。
#68
○国務大臣(廣瀬正雄君) ただいまの委員長のおことば、またさっきの松本委員のおことば、十分御趣旨を体しまして重大な決意で善処してまいりたいと、こういうように考えておりますわけでございます。
#69
○塩出啓典君 いま一千億の限度の話が出ましたが、別にこの法律の中には、一千億越したら貸し出しちゃいかぬというのはないわけですね、この中には。だから、いまさっき一千億あれば十分だというけれども、これはやってみなければわからぬわけです。一千億オーバーしても、これはやっぱりあれでしょう、貸し出していいわけです。別に法律違反でもないわけですし、いま、ほかの大蔵省に気がねして一千億ということに一応しておるけれども、しかし、実際に一千億以上需要があれば、やはりそれは法律でちゃんと貸し出すようになっておるから――、この中には、一千億オーバーしたら貸し出し停止するという条文がありますか。
#70
○国務大臣(廣瀬正雄君) 一人の制限額十万円ということは法定いたしますけれども、総額の点につきましては、御指摘のように、これは法定いたしておりません。しかも、私どもは、この預金者貸し付けは財投には影響ないというたてまえで考えておりますわけでございますから、しかし、法律事項じゃございませんけれども、大蔵省との話し合い、協議に基づきまして、一千億ということがきまることによって、この法律を運営していくわけでございますから、いわゆる信義の問題ということはありますわけでございますけれども、まあその辺は信義でございまするから、重んじなければならぬということは当然だと思いますけれども、実情によってまた協議をいたす、大蔵省と協議をするということはできるわけでございますから、実情に応じて十分そのように考えてまいりたいというのが現在の考え方でございます。
#71
○塩出啓典君 おそらく最初そういう資金計画というのがあって、一応一千億はこっちへ回す、そういうことで、きまるわけですけれども、やはり景気の動向によって、そういうようないろいろの最初に立てた計画が、そのとおりいかない場合は、当然やはりその実情に応じて変更して差しつかえないと思いますが、そのぐらいは可能なわけでしょう。だから、私が聞きたいのは、結局、一千億となっちゃったから、もうあなたには貸し出しできませんよと、そういうようなことは絶対あり得ないと、そう国民の立場から確信をしていいわけですか、その点、どうですか。
#72
○政府委員(石井多加三君) ただいまの問題でございますが、この法律の実施時期を来年の一月から予定いたしております。この実施の前には、もちろんいまの一千億円ということについての郵政省と大蔵省、その他との協議をしてきめるわけでございますけれども、大体一千億円をめどにしようということになっておるわけでございます。また実施の上で――一月、二月、三月とやってみれば、大体国民の皆さんの御要望がどの程度多いものかといったような推測も立つと思いますので、その実績を見ました上で、次の年度の総ワクを幾らにするか、まあ大体の最初の話では、一千億にプラスして、次の年度の貯金の純増額がかりに約二兆円と見ますと、その一%程度出していこうじゃないかというような話をいたしておりますが、それはまた実際の三カ月の実績を見た上で、十分協議して皆さん方の御要望に応じられるような体制に持っていきたいと考えておるわけでございます。
#73
○塩出啓典君 せっかくこういう法律が、郵政大臣をはじめとする郵政省幹部の皆さんの御努力でできたのですから、できた以上は、やはりうんとPRしていただいて、あまり町の高利貸しなんかから借りぬでもいいように、やはり遠慮なく私はPRをして、それでやはり国民の需要があれば、それを、世論をバックにまた、大蔵省との話し合いもできるわけですから、ぼくはあまり一千億といって、それは法案を通すときに一千億でうまいぐあいに言っておけばいいのであって、通ってしまえば、あとはひとつ国民の立場になってやってもらいたいと思うのですよ。その点をひとつ要望いたしたいと思います。
 それからいま局長が、毎日集計をとると一いまあれですか、全国の郵便局の貸し出しとか預金とか、また、この法案が実施になると、この法律に基づいて何ぼ貸し出したと、そういうようなのが毎日集まるようになっているのですか。そんなに機械化されているのですか、いま。
#74
○政府委員(石井多加三君) その日の全体がわかるという体制ではございませんけれども、若干時間はかかりましても、いつの現在で、どうであるということは、わかりますから、一千億円の大台に近づいてきておるということになれば、おのずからそこである程度の注意といいますか、を喚起しなければならぬというふうに考えるわけでございます。
#75
○塩出啓典君 昭和四十年十月に、郵政審議会がいわゆる為替貯金事業の近代化に関する答申、そういうのを出して、事務の機械化の推進が非常に必要だと、また、四十二年九月行政管理庁の勧告においても、同趣旨の勧告がなされているわけでございますが、この勧告によりますと、非常にこういう為替貯金事業等における、いろいろな近代化がほかの企業等にかなりおくれているのじゃないか。やはり庶民の要望にこたえていくためには、それを強力にやっていかなければいけない、そういう勧告がなされておるわけでございますが、それから以後もうすでに五年ぐらいたっているわけですけれども、そういう機械化の実施状況というのは、これは大体でいいと思うのですけれども、かなり民間の銀行とかそういうのに比べて、機械化の差というものは縮まっているのか、あるいは拡大しているのか、その点はどうですかね。
#76
○政府委員(石井多加三君) 郵政審議会の答申におきまして、郵政事業の近代化の一環として郵便貯金の機械化を早急に取り上げるようにという勧告をいただいておりますし、また、行政管理庁からも、同趣旨の働告が行なわれたことは、ただいまお話のとおりでございます。
 その勧告あるいは答申を受けまして、われわれ郵政省といたしましても、為替貯金事業全体の機械化ということをできるだけ早くということで推進してまいっておることはございますけれども、何ぶん全国の郵便局、それから後方部隊であります地方貯金局、それから地方の統括局の調査課といった、いろいろな関連する機構を、一挙に機械化するということができませんで、現在まで第一には、郵便局の窓口事務の機械化ということで、これは昭和四十二年三月に神奈川県の郵便局から始まりまして、昭和四十五年度までに、全国の郵便局の為替貯金窓口会計機というものを配備いたしまして、これは現在完了いたしたわけでございます。それから、後方部隊の貯金局の事務の機械化でございますけれども、これは地方貯金局の事務の中で大体七割ぐらいを占めますのは、簡易郵便局貯金の原簿事務でございます。その通常貯金の原簿事務から機械化していこうということで、すでに横浜、一大阪、福岡、長野、それから名古屋という、五つの貯金局に電子計算機を導入いたしておるわけでございます。
 なお、昭和四十七年度の予定といたしましては、金沢、広島、徳島、甲府といったような各貯金局も電子計算機を導入しようということで、鋭意やっているつもりではございますが、何ぶん確かに御指摘のとおり、スタートが民間よりだいぶおくれておりますので、現在の時点でも、民間の金融機関等のこういった面での機械化と比べますと、いまだに相当遜色があるというふうに、私どもも認めざるを得ない状況でございます。
#77
○塩出啓典君 それで、郵政審議会の答申によりますと、いわゆる「郵便局窓口事務の機械化をすみやかに行なうとともに、あわせて郵便局、調査局および地方貯金局を含む総合的な機械化の長期計画をも樹立しておくことが要望される。」と、このように書いておるわけでありますが、また、行管の勧告等では、地方貯金局の再編成、現在、保険局は全国七カ所ですけれども、貯金局は二十八局あるそうでございますが、やはりそういう機械化の推進においては、そういう地方貯金局の再編成、そういうような点も考えていかなければならない。しかし、一方においては、そうすると、やっぱり職場、そこに働いている人の問題もあるわけで、したがって、こういう問題は、かなり長期的な計画のもとにいかなければいけないと思うのですが、そういう長期的な機械化計画というものはちゃんとできているのかどうか。
 それと、もう一つ、いま、前の質問で、私が、差が縮まっているのか、広がっているのかということについて、何も答弁がなかったのですが、その辺どうですか。
#78
○政府委員(石井多加三君) 地方の貯金局の数は、御指摘のとおり二十八あるわけでございますが、これは、いろいろ過去の沿革もございまして、特に、戦争中の原簿の分散というようなこともありましたために、現在の二十八局の配置は、必ずしも地域的にバランスがとれておると言えないような状況でございます。一例をあげますと、たとえば、東北六県の中で、青森県以外の五県には、それぞれ地方貯金局がございますけれども、東海地方では、名古屋貯金局が一局あるだけでございまして、他の静岡、岐阜、三重といったようなところには、貯金局がないというようなこともございます。いろいろな意味で、現在の配置が地理的にバランスがとれていないということが、非常にむずかしい問題になっておるわけでございます。今後、御指摘のとおり郵便局、地方貯金局、それから郵便局、調査局等を含めた全体の機械化、合理化の長期計画を立てなきゃならぬわけでございますけれども、ただいまのお話のありましたように、労働問題、要員問題をかかえますことでもありますので、非常に長期計画の策定には、鋭意努力しているわけでございますが、現在の時点で、もう確定的なものが出ておるかというお尋ねでございますと、まだ、できていないというふうにお答え申し上げるよりほかないわけでございます。
 特に、非常に困っておりますことは、東京とか、大阪とかいったような、大貯金局のほうは、一年間に非常にたくさんの職員の自然退職がございまして、かなりの新陳代謝があるわけでございます。むしろ、そのあと補充に苦労するというようなこともございますけれども、一方、地方の貯金局は、一年間に一人やめるか、やめないかといったような局もたくさんありまして、まあどちらかといいますと、事務の非常に繁忙なところは人が足りない。逆に、比較的仕事の面でゆるやかなところは、退職者が出てこないというようなこともありまして、まあそういった長期計画の策定をいたしましても、現実に、それが、そこの人の問題で、強制的な配置転換といったようなこともできないわけでございますし、いろいろなそういった配置転換等の問題もございますので、もう少し時間をかしていただければ、長期計画というものもできるかと思いますけれども、現在のところ、そこまで立ち至っていないということが実情でございます。
 それから、なお機械化をいたします場合には、いま原簿事務を中心に進めておりますけれども、今後は郵便振替でございますとか、あるいは郵便為替の事務、あるいは恩給その他の国庫金等の仕事でございますとか、地方の貯金局で分担しております他の一般事務もございますので、これらを、どういうふうに取り扱うかといったようなこともあろうかと思います。それらを総合しての機械化ということで鋭意いま検討をしておるところでございます。
 なお、最後に御質問のありました、民間との格差が縮まっておるかどうかということにつきましては、実は、私ども的確にいまお答えを申し上げる資料がございませんが、民間と比べまして相当立ちおくれておる、まだEDPSの導入も全国で九局でございますが、まだこれからたくさんの局をEDPS化しなければならぬという状況でございます。また、郵便局の窓口や、そういった後方部隊との、いわゆるオンライン化という問題等につきましては、まだ進んでおりませんので、現在郵便でこれを送っておるというようなこともございます。いろんな面で非常に立ちおくれているというふうに考えるわけでございます。
#79
○塩出啓典君 非常に、そういう民間の都市銀行等におくれているというのは、たとえばこれは、国内金融機関の全送金需要量を口数で見た場合に、昭和三十二年におきましては、全国の六一%が郵政省がそれを行なっておる。ところが、昭和四十四年におきましては、三六・三%、いま非常に六割ぐらい下っちゃっているわけですね。都市銀行は、三十二年は二〇%だったのが、いま四〇%ですから、倍になっている。その分だけは非常に郵政省のほうが滅っているわけで、やはり、そういうようなところに、機械化のねらいというものが、実際の業務の上にあらわれているわけでございまして、そういう点で、いまお話がありましたように、事務機械化の長期計画を立てるということは、いろいろ人員の点において問題のあることもわかりますし、だからこそ、私はやっぱり長期計画を立てて、急にどうのこうのはできないわけでございますから、やっぱり長い目で見ていかなければ、ある時期においては、どんどん人員がふえて多過ぎても、また、長い目から見れば、プラスであればいいわけですから、そういう点においても、いろいろ郵政大臣としても、答申では、ちゃんと事務機械化の長期計画をつくれ、そういうことを答申しているわけですから、そういう趣旨に沿って力を入れていただきたい。このことを要望いたしたいと思います。
#80
○国務大臣(廣瀬正雄君) そういう御答申をいただいておりますし、そういう趣旨に沿わなければならないということは、私どもの責任でありますわけでございますが、また、御質問のおことばのうちにもございましたように、従業員組合等の関係もございまして、何と申しましても、郵政事業は、従業員が三十二万おりますけれども、根幹をなしておりますわけでございまして、組合とも、十分話し合いをしていかなければならないということは、当然のことだと思っておりますので、そういう努力を重ねまして御趣旨を体してひとつ進めたい、こういうふうに考えております。
#81
○塩出啓典君 先日も、ある新聞に、郵便貯金は、千数百億円の余剰金を持って、もうけ過ぎている。そういったような記事があったわけでございますが、そんなに余剰が出ているのかどうか、そういう内容はいかがでございますか。
#82
○政府委員(石井多加三君) 郵便貯金の特別会計の剰余金は、昭和四十六年度の決算見込みでございますが、数字的に千三百五十四億というふうな剰余金が出ることになっております。ただ、この剰余金と申しますと、ほんとうの利益金と考えられがちでございますけれども、これは郵貯会計の特別の仕組みがございまして、この中には、本来、昭和四十六年度の中で支払わなければならない郵便貯金の利子の一部が、これも先ほど塩出先生の御指摘のような、私たちのほうの事務の機械化ができてないこととも関連いたしまして、利子の一部千二十四億円、これだけのものは当然四十六年度の会計で――支出に充てるべきものが会計的に、一年おくれて決算されるということになっておるためでございます。したがいまして、それを差っ引きました残りの三百三十億円というものが、実際の純剰余金でございます。
#83
○塩出啓典君 それで、この答申の中には、いわゆる「利子付与方法の改善」といたしまして、普通の民間の銀行等においては、利子は預け入れた日から払い戻しの日の前日までの利子がつく日歩計算によっている。ところが、郵便貯金の場合は、月割り計算の方法を採用して、十五日までの預入金には当月から、十六日以後のものには翌月から、そういうことで、本来の性格からいえば、やはり日数に応じて利子をつけるのが最も合理的である。そういう点で、現在の郵政省の貯金の利子の付与のあり方は、非常に、制度としては、すぐれたものとは言いがたい、こういうことが書いてあるわけですが、これはやはり現在もそのとおりになっておるわけですか。
#84
○政府委員(石井多加三君) 現在もこのとおりでございます。もちろん、この答申に出ておりますように、本来利子のつけ方といたしましては、ただいま塩出先生の御指摘のように、日割り計算ということが最も合理的であるということは当然でございます。これは、もう現在、私たちのほうの地方貯金局の事務が、ほとんど手作業で利子を計算いたしておりますために、日割り計算ということが、事実上きわめてむずかしいというようなことで、やむを得ず、月割りの計画にいたしておりますために、たとえば十五日より前に預けますと、その月の利子は払いますけれども、十六日以降になれば払わない。あるいはまた出される場合も、その出される月は利子を計算しないといったような問題も、そこで出てくるわけでございます。これは先ほどお話にありました機械化が終了いたしましたら、すべて日割り計算に当然なるわけでございます。
 また、先ほどちょっと申し上げましたような年度の決算の関係で、郵貯会計では三月分の支払いの利子が当該年度に計上できないというのも、いまと同じような事情によるわけでございます。
#85
○塩出啓典君 ただ、そういうのが、すべて機械化のおくれというところに結局原因があるわけですね。また、郵便貯金というのは、必ずしも預けたり、出したりするだけではなしに、為替とか、振替とか、そういう送金決済の手段の提供も非常に大事だと思うんです。特に、現金書留で送るというのは犯罪の危険性もありますし、できれば為替とか、振替を、全国に二万の郵便局がある――こういうのは、日本中のどの金融機関よりも一番数が多いわけで、そういうのがやはりフルに活用できるようになれば、国民に対しても非常に大きな利便を提供していくと思うんです。そういう点からも、機械化というものをやはり時代の趨勢に応じて、郵政省もあまりおくれをとったんではこれはまずいと思いますので、そういう点にひとつ力を入れていただきたい、そのことを要望いたします。
 それから「適正利率の検討」で、これはもう改善されたのかどうか、ちょっとぼく詳しくわかりませんが、この四十年の郵政審議会の答申では、非常に郵便貯金の利率というのは、全般的には民間の金融機関に比べて遜色はなく、全体として均衡は保たれているけれども、いわゆる「零細貯金保護の見地からいえば、短期の貯金利率についても、民間金融機関との均衡を考慮し、実勢金利においても、全般的に遜色のないものとするよう、利率改正の際になお検討する必要がある。」これは全体としては、民間の金融機関に比べて遜色がないけれども、短期のそういうのが利率を低い。そういうことで、やはり零細貯金保護の見地からいえば、そういう短期の貯金利率も、民間金融機関に劣らないようにしていかなければいかぬ。こういうことがここにいわれているわけでございますが、現在金利の面からいえば、そういう点はもう改善されたのかどうか、この点どうですか。
#86
○政府委員(石井多加三君) この答申の中で申しております「適正利率の検討」の中で指摘しておりますのは、現在の郵便貯金と銀行預金との一般的な比較だけではない、特殊な定期性の貯金についての問題であろうかと思うわけでございます。
 現在、通常貯金と銀行の普通預金では、御案内と思いますが、私たちのほうは三・六%の利率をつけておるのに対しまして、銀行のほうは二・五%でございまして、これは明らかに郵便貯金のほうが、いわゆる通常貯金、出し入れ自由の貯金のほうが有利になっておるわけであります。これは、もちろん滞留期間が郵便貯金のほうが非常に長くて、通常貯金といえども、七カ月ぐらいの滞留期間があるのに対しまして、民間の通常貯金、普通預金は大体〇・四カ月ぐらいしか滞留期間がないといったような、その本質的な相違にもよるわけでありますが、そういった点はもうすでに、この答申に論ぜられる問題以前に解決しているわけであります。
 ここに申しておりますのは、おそらく定期性の貯金ということでございますから、現在の郵政省で言いますと、定額貯金と民間の定期預金との比較であろうかと思います。これは、表を見ていただければ、よくおわかりいただけるわけでありますけれども、大体定額貯金のほうは、最初のほうは民間の定期預金よりも不利でございます。大体半年たちましたところで四・二五%というのが定額貯金の利率でございますけれども、銀行のほうの普通預金は、半年もので言いますと、四・七五%だったかと思いますが、これは向こうのほうがはるかに有利になっておりますし、大体一年半ぐらいまでは民間の定期預金のほうが郵便局の定額貯金よりも有利になっておるわけであります。まあそういったことをここで指摘しているのだろうと思いますけれども、この点につきましては、従来も現在も同様でございまして、定額貯金のほうはそのかわり、先になればなるほどだんだん有利になっていくということでございます。と申しますのは、私たちのほうは、十年間それが預託できるということもございますし、半年複利でございます。したがいまして、二年半たちますと六%の利率になりますけれども、その六%は最初のときから適用されるわけでございますので、半年複利という計算でいきますと、実際には二年半の場合は、利回りからいきますと、六・四一%になると思います。そういった点で、定額貯金と定期預金の比較は、初めのほうは銀行のほうが有利で、後半になると郵便貯金のほうが有利だというふうな現在の体系になっております。これらを総じて、長期の預金は、定額と定期でそれぞれまあバランスがとれておると従来見ておったわけでありまして、ここの趣旨で言っておりますように、初めのほうを、もし民間並みに上げるといたしますと、ちょっと後半のほうも現在同様ということが少しむずかしくなるのじゃないかと思います。全体のバランス論の関係もございますので、いままでのところはこのような、ここに指摘してあるとおりでまいっておるわけであります。
 まあ、よけいなことかと思いますが、今度の預金者貸付制度も、こういった初めのほうで早く出される方、大体二年ぐらいまででお出しになる方は、銀行よりも不利になっており、そういう方々が預金者貸付制度をお受けになり、貯金を継続化され、長期化されることによって有利になるといったようなこともねらっておるわけでございますが、この答申に申しておることは、そういう意味では現在もそのままであるということを申し上げます。
#87
○塩出啓典君 最後に、郵政大臣に要望しておきたいのでございますが、今回の郵便貯金法の一部を改正する法律案、いわゆる庶民金融の問題について、これは、まあかなり民業圧迫だ、そういう意見もいろいろ出たわけですけれども、しかし、私はもちろん民業圧迫ということもそれは大事かもしれないけれども、貯金はやはり国民全体の郵便事業ですからね、一部の民業よりも国民全体のことが優先されていかなければならぬわけです。民業圧迫ということで、そのために、もちろん限度はあるといいますけれども、そういうことで、こういう国民全体の郵便事業というものが犠牲になって、そして一部の金融機関のために奉仕するというのは、これはやはり民主主義の原理、いわゆる最大多数の人のために奉仕するという原理からいってよろしくないと思います。そういう点で今回、先ほど御質問がありましたように、郵便貯金の利子を下げる云々というそういう問題もありますが、私はやはりあくまでも、国民の立場に立って、ひとつ郵政省、郵政大臣としても断固たる態度をもって、内閣の大臣いろいろおるけれども、やっぱり郵政大臣だけは庶民の味方だと、そういうように国民から非常な好感の目をもって、歴代の郵政大臣は人気投票をすれば常に一位だと、そうなるようにひとつ今後もがんばってもらいたい、そのことを要望して終わりたいと思います。
#88
○国務大臣(廣瀬正雄君) 私は、御趣旨は非常によくわかるわけでございまして、私ももとより同感でございますので、そういう御趣旨を体して大いに御期待に沿うように努力いたしたいと思っております。
#89
○木島則夫君 私も二、三の点について質問させていただきますが、ほかの委員の方の御質問を避ける意味で私も簡潔に質問をいたしますので、どうか簡潔にお答えをしていただきたいと思います。財投資金に穴があくということで原資が一千億円に押えられましたけれど、全国二万局に及ぶ地方郵便局に振り分けられますので、一体限度額を維持する調査、管理というものが徹底してできるのか、そういう事務的な機能というか機構というものが完備されているのか。塩出委員の御質問にもございました、それともう一つ付随をいたしまして、そういうことをやることは非常にたいへんな私は作業だと思います。それが、現場の職員にしわ寄せがかかっていかないか、受け入れ態勢というものが現在どういうふうに進んでいるか、その辺もあわせてお答えをいただきたい。
#90
○政府委員(石井多加三君) 一千億円の金を各郵政局に、実際には、やはり配分をしなければならぬと思いますけれども、また、それを各郵政局ごとに、郵便局ごとの割り振りをして、大体各局の一つのシェアというものを、まだ作業をいたしておりませんが、きめなければならぬと思っております。それから、その作業自体が職員に負担をかけるということ、特に割り振りの問題は、そういったむずかしいことはないのではなかろうかと思っております。
#91
○木島則夫君 とにかくその実情というか、実際頭の中で青写真をいまいろいろつくられていると思いますけれど、実際現場でそれを実行した段階と、私いろんな意味で食い違いがあると思います。そういう点は、さっき大臣がおっしゃいましたように、やはり実情を見てうまく適応させていっていただきたい。これはお答えはけっこうでございます。
 政府は最初、この郵政当局の構想が出されますと猛然と反対をした。私も、予算委員会で、どうして庶民にアピールをし、庶民にすばらしいプレゼントであるこの庶民金融に反対をするのかということで、ただしたことがございます。しかし、ここで政府案が提出された背景といたしまして、郵便貯金金利の引き下げを実施をされて、その条件として法案の提出を認めた可能性がきわめて強いのじゃないか、私はいわゆる庶民と接触すると圧倒的にそういう声が出るんですね。たいへん残念なことだと思います。その点についてもう一度確認の意味で、いやそうじゃないんだという大臣の力強い御決意のほどを私はきょう伺っておきたいと思う。
#92
○国務大臣(廣瀬正雄君) ただいま御質問の点につきましては、何度かお答え申し上げたのでございますが、重ねて明確に御答弁申し上げておきたいと思うのでございますが、決して郵便貯金の金利の引き下げに応じて、そのかわりにいわゆる庶民金融を認めさせたというようなやみ取り引き、俗なことばでございますけれども、そのような事実は全くないのでございまして、庶民金融の私どもの主張は、ことしの二月ごろから打ち出したわけでございますけれども、なかなかうまく進まなかったわけでございます。だんだんおくれてまいりましたが、たまたま公定歩合の問題と連動しまして預金金利の引き下げ問題と時期が一緒になりまして、いろいろ疑惑を招いておるのではないかとおそれておるわけでございますが、決してそのようなやみ取り引きをいたしておるわけではないので、これは、今後の私の郵便貯金金利の引き下げに対する態度によっても証明していきたいというふうに考えておるわけでございます。
#93
○木島則夫君 大臣の力強い御答弁を伺って私もたいへん安心をいたしました。いかがでしょうか、庶民金融本来の姿というのは私はこういうふうなものじゃないかと思うんです。たとえば予約貯金を新しく設けまして、その証書があればだれにでも貸し付けができる制度、こういうものが何か庶民金融ということばからすぐに連想される制度ではないかというふうに思うのですけれど、これは飛躍にすぎるんでしょうか、将来の問題としてもひとつお答えいただきたい。
 それから付け加えまして、貸し付け限度額と貸し付け期間が妥当かどうか、もちろんこれが妥当であるというふうには私は思わないのですけれど、たとえば一人二十万円、一年間、年二回払いというようなことだってあり得ると思うのですがいかがでしょうか。その辺は多少現在の法案の中での条項からは多少ずれた問題になるかもしれませんけれど、しかし、実情を見ていろいろな形で、これが庶民の要望に対応していかなければいけない、こういうことをさっきおっしゃった意味で私は伺ったわけです。
#94
○政府委員(石井多加三君) お答えいたします。
 ほんとうの意味の庶民金融でございましたら、もちろん現在の預金を担保にして貸し付けるというものとは関係がなく、いま御指摘のように、予約貯金というようなものもひとつの構想になろうかと思うわけでございまして、その点私も同感でございます。今度の貸し付け制度は、あくまで郵便貯金の預金者の預金者保護というか、貯蓄の一環としての制度でございますので、限られた目的を持ったものと私は理解いたしております。
 それからもう一点の一人十万円という限度、また半年という限度を、二十万、一年というような考え方も、もちろんいろいろ考えられるわけでございますけれども、先ほどもちょっと申し上げましたように、十万円というのはできるだけ広くたくさんの方に利用していただくということで、そのようなことから、また実際の町の金融機関の利用の実態等から考えあわせまして、普通の生活資金というのであれば、大体十万円で事足りるのではなかろうかというふうに、まあ一人の場合はそういうことができるのではないか。ただし、貯金を家族で分散をしてあれば、それぞれの人で一人十万円でございますので、五人家族であれば五十万円ということになろうかと思いますけれども、期間という問題は、また十万円という金額とのかね合いもあろうかと思います。一般の勤労者階級の所得の実情からみますと、大体年二回のボーナスというのが常識であろうと思います。農家等におきましても、季節ごとの収入あるいはまた兼業収入というようなものもありまして、半年であれば、そういったわりあい大きな収入の入るとき一回は必ずぶち当たるだろう、その場合に返済をしていただけるのではないだろうか、というふうなことで考えたわけでございます。
#95
○国務大臣(廣瀬正雄君) ただいま木島先生お尋ねの前段の問題でございますが、これは当初、御指摘のように庶民金融というきわめて魅力的なことばで打ち出したわけでございまして、そういうようなことで、国民のほとんど全部の御共感をいただいたんじゃないかということを考えまして、その実質は郵便貯金の預金者貸し付けにすぎなかったということについて非常に責任を実は感じておるわけでございますけれども、しかし、郵便局が庶民大衆の機関である、これは、郵便にいたしましても、簡易保険にいたしましても、郵便貯金にいたしましても、そういうことがはっきり言えるということを大いに私は誇りにいたしておりますわけでございますが、したがって、今回の金融のあり方につきましても、貸し出しのあり方につきましても、ただいま先生御指摘のようなことも私は将来の課題として考えなくちゃならぬのじゃないかというふうにひそかに思っておりますわけでございまして、そういうことについては、ひとつ御趣旨を体して十分勉強さしていただきたいと、こういうように考えております。
 なお、後段につきましては、ただいま貯金局長からお答えしたとおりでございます。
#96
○木島則夫君 これで個々の質問は終わります。
 最後に、私の感想を一言言わしていただきます。とにかく、この制度はあくまで小口のつなぎ資金にすぎないと思います。しかし、ほかの金融機関ではコストそのほかの面からしまして、こういうような貸し出し業務を実施する条件はなかなか整っていないですから、これはもう大いに推進をしていただきたいということを、まずもって申し上げたいと思います。
 当初この構想が出ましたときに三十万、期間六ヵ月、これはやっぱり大衆に非常にアピールしましたよ。しかし、何かこう、おいしいごちそうを目の前に出されたけれども、だんだん大蔵省から言われ、農林省からこずかれて、おいしいごちそうが何かウインドーの中のメニューだけに終わってしまった感じがなきにしもあらずで、しかし大臣非常に御努力をなさいました。われわれも側面から微力ではありますけれどバックアップいたしました。しかし、まあ残念ではありますけれど、十万円六カ月以内、いわゆるワクが一千億ですか、これはたいへん私、不十分ではありますけれど、こういう構想が出てから金融機関の態度が変わりましたね、がらっと。いままで個人に対しては非常に辛かった、なかなか貸してくれない。しかし、この制度ができてから、がらっと変わりました。
 しかし、これとても、がらっと変わっても、いま私は全面的にそれを認めるわけにはいかない。やっぱり金融緩和ですから、これが一時的な方便なのかどうか、この辺は私はこれから監視しなければいけないと思いますけれども、とにかくこの制度ができたということで、いろんな意味で金融機関に刺激を与えた。言うならば、私は所期の目的を大いに達成できたということです。そういう意味で、橋頭堡としての意義がきわめて私は大きいものがあったと思います。ですから、庶民金融というのは、もうこれで終わりじゃないのだ、これを足場にして庶民金融をもっともっと充実をしていかなければいけない、その橋頭堡としてやっとこの法案がきょうここで成立をする運びになるのだという、とらえ方を私はしたいんです。そういう意味でいかがでしょうか。将来も含めてこの庶民金融をいろんな意味で充実をしていく、将来の展望もあわせて伺いながら、郵政大臣の御決意を私伺ってきょうの質問を終わりたいと思います。
#97
○国務大臣(廣瀬正雄君) まさに御指摘のとおりでございまして、この内容そのものをさらに拡充していく、豊かな内容づけをするということが必要でありますとともに、また、先刻お尋ねのございました現在の郵便貯金は、預金者ばかりじゃなく、もう少し範囲を広げていくというような考え方も私は必要ではないかと思っておるのでありまして、そういうことについては、いろいろ将来くふうをこらしてまいりたいと、こういうように考えておりますわけでございます。
#98
○委員長(杉山善太郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#99
○委員長(杉山善太郎君) 速記を起こして。
 ほかに御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#100
○委員長(杉山善太郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ・討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#101
○委員長(杉山善太郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 郵便貯金法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#102
○委員長(杉山善太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 松本君から発言を求められておりますので、これを許すことにいたします。松本君。
#103
○松本賢一君 私は、この際、各会派共同提案にかかる本法律案に対する附帯決議を提案いたします。
 まず、案文を朗読いたします。
   郵便貯金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、この法律の施行にあたり、次の各項の実施につとめるべきである。
 一、国民生活の実態等を勘案して、貸付限度額の引上げについてさらに検討を加えること。
   なお、貸付資金総額については、すべての需要に応じられるよう措置すること。
 一、貸付利率および貸付期間の決定にあたつては、低利の生活資金の貸付を目的とする本制度の趣旨にそうよう配意すること。
 一、国民大衆の生活保障貯蓄である郵便貯金の特殊性にかんがみ、預金利率については預金者の利益保護を第一義として慎重に配慮するとともに、預入限度額の引上げについても検討すること。
 右決議する。
 この案文の趣旨につきましては、あらためて御説明申し上げるまでもなく、各委員の御了解をいただけることと存じますので、特に説明は省略させていただきますが、何とぞ各委員の御賛同をいただき、全会一致をもって御可決くださいますようお願い申し上げます。
#104
○委員長(杉山善太郎君) おはかりいたします。
 ただいま松本君から提出されました附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#105
○委員長(杉山善太郎君) 全会一致と認めます。よって、松本君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対して郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。廣瀬郵政大臣。
#106
○国務大臣(廣瀬正雄君) このたびはたいへん御熱心な御審議をいただきまして、ただいま郵便貯金法一部を改正する法律案の御可決をいただきましたことをあつく御礼申し上げます。
 当委員会の御審議を通じまして承りました御意見、御論議されました点は、ことごとく私どもも深くお教えとして拝聴いたしました。また、ただいまの附帯決議につきましては、政府といたしましても、今後郵便貯金事業を進めていく上におきまして、その御趣旨を十分尊重してまいりたい所存でございます。まことにありがとうございました。(拍手)
#107
○委員長(杉山善太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#108
○委員長(杉山善太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 暫時休憩をいたします。
   午後三時五十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後四時二十六分開会
#109
○委員長(杉山善太郎君) ただいまから逓信委員会を再会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、鈴木強君が委員を辞任され、その補欠として横川正市君が選任されました。
    ―――――――――――――
#110
○委員長(杉山善太郎君) 再び郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
 横川君より質疑の申し出がございますので、これを許すことにいたします。横川君
#111
○横川正市君 まあこの逓信委員会でお互いが知り尽くしている問題をあらためて質問するというのはちょっと面はゆい思いがするのですが、事は重大でありますので、二、三大臣に所信をただしておきたいと思います。
 最近私どもこの郵政事業の安定運営といいますが、あるいは経営といいますか、そういう業務についての問題を見ますときに、労使間の問題で、どうかすると阻害行為が、業務を阻害するような、そういう事態が発生しているのではないか。その根底というのをたぐっていきますと、やはり労使間における不信感が依然として除去されておらないという問題にたびたびぶつかるわけであります。このようなことは、さきに労使間で相当激烈な論議があり、あるいは行動が伴って、その中からお互いに良識の解決の線を見出しながら、ここ数年間たび重ねてのいわば峠を越えてきたように思うわけであります。そういう峠が何回かありまして、これでおそらく業務運営のために労使がお互いに共存路線というものを維持していくことができるのではないかと期待をいたしておりますけれども、その期待感がたびたび裏切られるということで、やはり同じようなことを繰り返していく、こういう結果が招来をいたしておると思うのであります。こういう業務の正常な形の運営に必要だと思われる労使間の不信感を除去された、いわば安定した関係というものがどうして生まれないのかと私どもたいへんふしぎに思うわけであります。
 これに対して労使間の正常化のために、郵政省としては一体どういうことを行なっておられるのか、さらにまた、それがどれだけ実績が積まれてきておるのか、あるいは私どもが考えられるように、いまもって不信感が相当根強く残っていると思われる節について、一体原因は何なのか。この際ひとつ大臣から明らかにしていただきたい。もちろん郵政大臣就任以来、この問題については十分意を用いてこられた熱意については私ども十分了といたしますけれども、さらにこれを進める意味で、郵政大臣の決意のほどをまずもってお聞きをいたしたい、こう思います。
#112
○国務大臣(廣瀬正雄君) 先生御指摘のように、郵政事業といたしましては、三十二万の従業員を擁しております。その仕事の本質から申しまして、労務対策、これに遺憾があってはならないということが、最大の課題でなくちゃならないと、かように考えておりますわけでございまして、そのまた根幹をなしますものは、何と申しましても、ただいま御指摘のように労使間に不信感があってはならないということだと、私は考えておりますわけでございまして、御承知のように、一昨年、たいへん深刻な、いわゆる労変闘争があったわけでありまして、この厳粛な教訓に基づきまして、一昨年暮れ、十二月十四日に労使間で十分話し合いをいたしたことに基づきまして、十二月十四日、いわゆる一二・一四の確認事項ということを取りかわしたわけでございます。
 これは私は、労使間の安定的な事項についての、最も大切なよりどころと思っておりますわけでございますが、この趣旨の徹底ということが、最も肝要になってくるわけでございまして、そういうような考えのもとに、その後二回にわたりまして、末端に徹底するような通達をいたしておりますし、その後関連いたしまして、いろいろの問題がございましましたときにも、そのつど、これまた、通達なんかいたしておりますわけでございますが、これはしょせん一二・一四の確認事項を徹底するようにということでございまして、この確認事項の中心的な考え方をなすものは、ただいまお話しのように、不信感があってはならないということであります。お互いに、誠意を持って、信頼感を持って対処すべきであるということでありますわけでございますが、私どもはそういうように書面で、あるいはまた三局長会議、その他の、人事の部長会議というような機会をとらえて、常にその徹底をはかっておるわけでございます。
 私が大臣になりましても、そうした最大の努力をいたしておるにかかわりませず、いろいろ先生方から御指摘いただくような、忌まわしい問題があとを断たない現状でございまして、まことに私は恥ずかしく思っております。まことに遺憾に思っておりますわけでございます。御承知のように、従業員は、全逓もあれば、全郵政もありますわけでございますけれども、私ども管理者の立場から申しまして、いずれがいいとか、いずれが悪いとか、そんなことは毛頭考えてないのでございまして、横川先生が常にお使いになりますような、二つの組合がありましても、平和共存ができるのじゃないかと、これは私は最も適切なことばだと思っておりますわけでございまして、そういうようなごとばを承って、私どもは自信を持ってそのようなことばを使って、そういう指導方針でやっておりますわけでございます。が、いまなお、ただいま申しましたように、そうした忌まわしい事件が起こっているということは、ほんとうにざんき千万に思っております。全体の責任者の私の力が足らないことを、非常に恥ずかしく思っておりますわけでございます。
 何と申しましても、非常にたくさんな従業員を擁しております事業でございますから、その一二・一四の確認事項を徹底させるという、いささかも管理者の側において不当労働行為に類するような行為のないようにということを戒めてまいりたいと思っておりますわけでございまして、もし、そういうようなことがございましたならば、私どもといたしましては、厳固たる態度で措置をするという決意を強く持っておりますわけでございまして、労務問題は人事問題にも関連をいたしておると私は考えておりますわけでございますが、そういう点については、最も厳正に対処いたしまして、遺憾なきを期してまいりたいと、こういうように考えております。要は、一二・一四の精神を末端まで十分徹底させるということにあるかと、かように考えておりますわけでございます。
#113
○横川正市君 実はこの質問の要点の中で、私どもの主張を強く取り上げていきたいと思うのは、その不信感という無形の形のものですね。しかし、無形の形を形成する背景というのは、非常に複雑多岐だと思うのです。それで、顔がどうなっているから、どうもあいつはきらいだというような、そんな簡単なものでなしに、不信感を形成する背景というのは、これはもう容易でない事情というものがあると私どもは思います。ですから、大臣が文書あるいは国会の速記録にとどめるような方法をとりまして、除去するために勇断を持って当たられるという、このことは非常に、私どもすなおに受けたいわけですが、それにしてはあまりにもたび重ねてきておって、そのたび重ねられたものが、なかなか除去されるという結果になってあらわれてこないという、そこに非常に根強い不信感が生まれてくる、こういう因果関係が実は不信感の中にあるわけであります。
 いま、大臣のお答えになられましたことを、実は私ども非常にすなおに受け取って、そうして当局の努力にまつべきだと思いますが、一つ、これに付随して質問をいたしておきたいと思うのは、以上のような問題からの内容です。
 そこで、まず第一には、労使間の安定が、業務に必要であるということだけについての認識のしかたの問題なんですが、労使間の安定のために、一体何をなすべきかという問題については、大臣、どのようにお考えになっておられるのでしょうか。安定ということを私ども口にいたしますときには、言ってみれば、労使協調などというようなことばに取られそうでありますけれども、そうではなしに、お互いやはり言うべきことを言い、そうして尽くしたら、その点に妥協を求めて、決定したらそれに従って、お互いが誠実に業務に従事するという労使間の慣行が生まれてくることが安定ではないか、こう私は思うのです。そのためには、もう少し労使間で話し合いをする場所を、たとえば本省と本部間、あるいは郵政局と地本間、あるいは郵便局と支部間、あるいは分会と分会の責任者、そういうところで、それぞれコミュニケーションを、制限なしにと言えば、これは語弊がありますけれども、ある程度幅を持たせた話し合いの場所をつくらしてやると、こういうことが必要なんではないかと。そうして、その話し合いの場所の集約が、もしもどうしても妥結をしないものは、すでにつくられている六人委員会に上げてきて、六人委員会が最終的に結論をつける。その結論には両者が当然に従ってくるというルールが確立されるべきではないか。これが一つの安定への道筋ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#114
○政府委員(北雄一郎君) 先生の仰せになりましたこと、私どももよくわかるわけでございます。やはり、労使間の安定をもたらすには、まず、現在する不信感を除去しなければいかぬ。そのためにいろんな方策がございますけれども、中心は、やはり先生のおっしゃったところにあると思います。実は、そういった不信感を醸成するもろもろのものがありますけれども、たとえば、一つの問題についての解釈、あるいは事実の認識、こういったものの隔たりというようなことが一方にあるわけでありますが、それはそれなりに、なるべくその幅を縮めるように、従来も努力をしておりましたし、今後も努力をしていかなければならぬところだと思います。と同時に、先生がダイレクトにお示しになりました両者間の話し合いの場という問題でございますが、これも非常に重要な問題であると存じております。
 したがいまして先ほど大臣がお答えいたしました一二・一四のときにも、そういった場というものを一つのルールとしてつくっていこうじゃないかということが実は盛り込まれておったわけであります。それが現在折衝ルールという名のもとに、一応組合との間でもほぼ整理がついた段階にございます。結局そういった一つの場というもの、これは従来あるいは現在団体交渉とかいうようなことにつきましてはちゃんと協約もございます。団体交渉をどのようにやっていくかということについてちゃんと協約があるわけでありますが、それ以外のことにつきましては、いわゆる話し合いということばに包括される意思疎通の場があるわけでありますから、話し合いというだけでありまして、実はそこに特段のルールがない。いわばケース・バイ・ケースでこれに処していくと、こういうことであるわけであります。
 そういたしますと、どういう問題をどういう時点にどういうふうに話すかということについて、えてして力関係というものが表へ出てくるわけであります。それが一つのトラブルの種になるという事態を、できるだけ整理をしようというところから、ただいま申しました折衝ルールというものを考えておるわけであります。これはそういった相当多数の事項につきまして、そういう問題提起があれば、そういう事項に属するいろいろな問題提起、あるいは意見交換の必要というものが出てきた場合には、これは必ずそれに応じて各団体で話し合いをすると、こういうことであります。いわば力関係にゆだねられておるケース・バイ・ケースの話し合いというものをルール化してまいろう、こういうことで一つの案を持ちつつあるわけであります。これを早急に両者間において実施をするということが問題解決の具体的な大きな前進であるというふうに私信じております。そういう方向でまず努力をしてみたい、こう考えておる次第であります。
#115
○国務大臣(廣瀬正雄君) 横川委員の前回のお尋ね並びに重ねてのお尋ねにつきまして、私の労務対策につきましての根本的な姿勢をこの際はっきり申し上げまして、記録にとどめておいていただきたいと思いますので、重ねて申し上げたいと思うのでございますが、労使関係の改善及び安定が郵政事業を円滑に運営する基盤を形成するものであり、そのためには労使相互の不信感を除去することが基本であります。郵政省といたしましても、この課題に真剣に取り組んでおり、率直に申し上げまして、全国的に見た場合、労使関係改善の効果は少なからずあがってきていると分析しておりますが、一部においてまだ御批判を受けておる事態にありますことはまことに遺憾に思います。
 私といたしましては、就任以来労使関係安定のために努力を続けてきたところでありますが、なお一そう一二・一四確認を下部末端まで定着浸透させますとともに、万一労使関係の上で行き過ぎがある場合には、厳正な措置を講ずるなどいたしまして、管理者の姿勢を正すことにつとめたいと存じております。繰り返しますが、労使関係の不信感を除去し、労使関係を正常化するため、私といたしましてかたい信念と決意を持って対処していきたいと、かように考えております。
#116
○横川正市君 郵政大臣の所信は私どももたび重ねてお聞きをいたしておりますし、いままあ表明がありましたので、それを了といたしております。でありますが、一、二ぜひこれは具体的な実施段階で考えてもらいたいということを要望としてつけ加えておきます。
 その第一点は、これは最近、私、地方へ参りまして、しみじみと感ずることなんですけれども、労使間の不信感を醸成するような原因になったものが、これが依然として存続されておりまして、そうして正規な一二・一四確認に基づいて、具体的な労使安定への一つの方針が出されたにもかかわらず、それを、すなおに吸収して、姿勢を直そうとしない、こういう事態が下部に相当残っておるという事実です。この事実はどういう理由で残っているのか。それからなぜ残っているのか、将来この残っていることによって、業務にどういう影響があるのかという点については、ぜひひとつつまびらかにしながら解決に努力をしていただきたい、これが第一であります。
 それから、第二の問題は、不信感を生む最大の原因というのは、人事に対する差別の問題であります。いままで、何年か累積されてきた人事問題を差別をし、されたと考えている被害者意識、これは、組合側が非常に強く持っておりますから、それは荒唐無稽な被害意識なのか、事実上の被害があったのか、その差別が事実であったかどうか、この点については、人事運営上、十分ひとつ考えて対処していただきたい。
 それから三つ目の問題は、これは、一組、二組があるから、どうだということではありません。しかし、一組の者が、いつでも聞かされているものは、二組に行けば、人事上優遇されるということを、二組の者から聞かされる、こういう事態が組織の中にあるわけであります。すなわち、人事権を持なない者が、あたかも人事を壟断ずるがごとくに、二組に行けば、優遇されるぞ、ということが宣伝されるような事態があるという点、これは非常にいかがわしいことだと思いますけれども、そういうことが、大手を振って動いているという事実、これが第三点です。
 それから、四点目は、特定局における職員の人事について、少なくとも私は、固定した手法ではなしに、相当融通性のある調査とか、あるいは経験とかを参考にされて、人事をやっていただきたい。なぜならば、ある特定の者が、自分の管轄内についての発言力を持つということは、人事権のない者が、人事を行なうことになぞらえる危険性がありますから、その点について十分注意していただきたい。
 以上四点について、私は、当面の大臣の所信に合わせて、なお、これから具体的に起こった問題に対処する方法として、要望いにしておきたいと思います。
#117
○国務大臣(廣瀬正雄君) ただいま先生御指摘の四つの点でございますが、これは、郵政省の労務対策の上において、きわめて重要な点だと思うのでございますので、調査し、究明すべきところは、十分究明いたしまして、今後の指導において遺憾なきを期してまいりたい、かように考えております。
#118
○横川正市君 大臣の予定が、次にすぐ詰まっておるようでありますので、私は、以上で質問を終わります。
 十分ひとつ意思疎通をつけて、不信感を取り除くための、一そうの努力をひとつ願いたいと思います。
#119
○委員長(杉山善太郎君) それでは、本日の調査は、この程度にとどめます。
 暫時休憩いたします。
   午後四時五十分休憩
     ―――――・―――――
   午後九時三十分開会
#120
○委員長(杉山善太郎君) ただいまから逓信委員会を再会いたします。
 飛鳥地方における歴史的風土及び文化財の保存等に必要な資金に充てるための寄附金につき郵便葉書等の発行の特例に関する法律案を議題といたします。
 まず、発議者衆議院議員小渕恵三君から趣旨説明を聴取いたします。衆議院議員小渕恵三君。
#121
○衆議院議員(小渕恵三君) ただいま議題となりました飛鳥地方における歴史的風土及び文化財の保存等に必要な資金に充てるための寄付金つき郵便葉書等の発行の特例に関する法律案について提案の理由を御説明申し上げます。
 この法律案は、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党共同提案によるものであります。
 本案は、飛鳥地方における歴史的風土及び文化財がわが国古代の貴重な歴史的遺産であることにかんがみ、その保存等に関する事業の円滑な実施をはかるため、この事業を行なっている飛鳥保存財団が必要とする資金の一部に充てることを寄付目的として寄付金つき郵便切手を発行することができるようにしようとするものであります。
 すでに御承知のとおり、政府は昭和四十五年十二月、飛鳥地方における歴史的風土及び文化財の保存等に関する方策について閣議決定し、自来、その施策を講じているところであります。
 飛鳥地方における歴史的風土及び文化財を保存し、地元住民の生活向上をはかるためには、国、地方公共団体及び民間の一体的協力が必要でありまして、このため民間においては、昭和四十六年四月飛鳥保存財団を設立し、政府の飛鳥藤原地域保存整備計画の一翼をにない、その保存等に関する事業を遂行しているところでありますが、なお一そうの事業の円滑な実施が喫緊の急務とされております。
 また、本年三月、高松塚古墳の壁画が発掘され、これを契機に飛鳥地方を見直し、これが保存への国民的関心は高まっております。
 わが国考古学界にとって、画期的発見といわれる極彩色壁画「婦人像」等を題材とする寄付金つき郵便切手を発行することは、国家的文化財保存の総合的施策に即応するとともに、国民感情にもかなうものでありましてきわめて時宜に適し意義深いものであると存ずるのでありまして、この法律案を提出いたした次第であります。
 以上、法律案の趣旨について概略御説明申し上げましたが、何とぞ御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願いいたします。
#122
○委員長(杉山善太郎君) それではこれより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
#123
○森勝治君 どうも、どろぼうをつかまえてなわをなうということわざがありますが、それのたぐいに似たような質問で恐縮でありますが、二、三質問をしたいと思うのです。
 この寄付金つきの切手によって調達を期待している額ですか、それは一体どのくらいなのでしょうか。
#124
○衆議院議員(小渕恵三君) この古都に関しましては、受け入れ側でございます飛鳥保存財団といたしましては、最近発掘されました高松塚古墳が、これが、おそらく一般大衆に公開されることがあり得ないだろうという立場で、同型のものをその付近に設置をし、それを国民に広く公開しようという趣旨で、その建設に資するために、その資金を充当させたいという意向のようであります。その資金が、いかほどになるかということは、その中に書かれます複製の壁画が、一体どのくらいの費用を要するかということが現時点においてきわめて算定しにくいこともございますし、一応財団といたしましては、その建設費並びに付近の駐車場等の整備を含めまして約二億円程度と期待をいたしております。
#125
○森勝治君 郵政省に聞きたいのでありますが、この種の記念切手等、いままでいわゆる寄付金つき切手ですか、これは何種類ぐらい発行してきましたか、種類と総額がわかりましたらひとつお聞かせ願いたい。
#126
○政府委員(溝呂木繁君) 寄付金つき切手の発行について、いわゆる単独立法でございましたものは、過去において、まず東京オリンピック、これは昭和三十六年の十月から切手を発行したわけでございますが、これは二十種類で、発行枚数は二億一千百万枚で、寄付金総額は十億五千五百万円になっております。次が日本万国博覧会でして、これは四十四年の三月に発行いたしまして、二種類発行いたしまして、売りさばき枚数は二千二百五十万枚で、寄付金総額は一億五千万円でございます。それから、過般のサッポロオリンピックにつきましては、四十六年二月に発行いたしまして、二種類で売りさばき枚数は四千万枚発行いたしましたが一千枚売り残しましたので三千九百九十九万九千枚売りさばきまして、寄付金総額一億九千九百万円、それから最近まだ発行いたしておりませんが、沖繩海洋博覧会の関係でこれも法律で発行することになっておりますが、まだ現実に発行しておりません。
#127
○森勝治君 寄付金をつけた切手の売れ行きと、つけなかった切手の売りさばきの状況ですね。売れ行きがいいか、悪いか比較した場合は、どちらがいいかという点についてお聞かせ願いたい。
#128
○政府委員(溝呂木繁君) 私どもといたしましては、やはり寄付金がつきましたものは、それだけ購入する方の負担がふえますので、従来寄付金付きのものにつきましては、一般の寄付金のつかない記念切手に対して発行枚数を少し減らしております。そのために、おおむね売れ行きはよいわけでございますが、先ほど言いましたように、札幌オリンピックでは一千枚の売れ残りがございました。一般の記念切手でございますと、大体最近では三千万枚くらい発行しておりますが、おおむね売れ行きはよいということを勘案いたしますと、やはり寄付金のついたものは、寄付金のつかないものよりは、どうしても売れ行きが少し落ちるというふうに考えております。
#129
○森勝治君 そうしますと、従来そういう統計というか、調査の結果明らかですから、寄付金のついたものを発行枚数で、額はいろいろ各種類あるでしょうが、発行枚数でかげんをされるわけですね。
#130
○政府委員(溝呂木繁君) 過去におきましては、そういう発行の時期、それからその行事、いわゆる非常に国民にアピールしている行事、あるいはアピールのしかたが少ない、そういったものを勘案しながら、一般の記念切手より、やや少なめのものを発行しているというのが実情でございます。
#131
○森勝治君 この塚の発見というか、発掘というものは、これはもうなかなか各方面で注目されたようです。郵政省は、従来の筆法をもってするならば、そういう特徴的なもの、あるいは国民的行事等については、いわゆるこれを記念するということに従来は、オリンピックもその例、国体もその例ですね。そういうことで、従来郵政省自体が、この種のものを取り上げて、記念切手を発行してきた過去の実績がありますね。したがって、今度の場合は、郵政省みずからがこれを発行しようとする意思があったかどうか、この点ひとつお伺いいたします。
#132
○政府委員(溝呂木繁君) 実はいままででも、オリンピックの場合、あるいは万博の場合でも、その方面からの要望がありまして、そして寄付金つきをそれの援助といいますか、補助という形で私どもやってまいりました。したがいまして、政府として、この飛鳥問題について、全面的ないろいろの動きがあって、その上でお話があるかと思ったんですが、それはありませんでした。そのうち、いろいろの事情でほうっておけないということのようでありまして、議員立法ということになったわけでございます。したがいまして、私どもは飛鳥保存ということについては、もう非常に異議がございませんので、この法案が成立し次第、協力的に発行してみたいというふうに思っています。
#133
○森勝治君 従来ですと、記念切手等の発行については、年度当初、大蔵省に予算を提案するときに、計画というのは大綱がわかるわけですね。したがって、そうなりますと、ことしの発行総額については、すでにもう計画済みでありますね。いまこれが、もし実施ということになると、郵政省の年度計画の変更ということになりますか。この点は、従来の計画を、どこかはぶいて、総額においてたとえば、これが、まあ三千万枚発行するとするならば、他の計画をどれかはぶいて、これを入れるのか、従来の計画の上にこれを上のせするのか、その辺はどうされようとしておりますか。
#134
○政府委員(溝呂木繁君) 従来とも、年度当初に一応の計画を立てますが、いろいろ非常に国民的行事が途中において追加されたような場合は、それに追加してきたというのが実情でございます。したがいまして、今回も一応年度当初に予定しておりましたが、そのときにも、年度途中において、国民的行事が急に起これば、それに伴う記念切手の発行ということは、ある程度予備的には予定しておりますので、したがいまして、今回これが出てまいりましても、従来の計画を変更することなく進めてみたいというふうに考えております。
#135
○森勝治君 そうしますと、これを上のせするということは、それだけ郵政省としては、切手の売りさばきの収入がふえるということですね。
#136
○政府委員(溝呂木繁君) おっしゃるとおりでございます。
#137
○森勝治君 年間の、特にこの記念切手等の発行を計画するときに、先ほど札幌オリンピックで一千枚売れ残ったそうですが、消化ができるかどうかということが、計画の消長を意味するだろうと思うんですね。増発するか、あるいは削減するかという分れ道になるだろうけれども、だから、したがって、それは切手マニアも多々あることだとは思うけれども、やはり国民の消化能力ということも当然これは念頭に置かれて計画されるものだと思うのです。
 したがって、そうなると、いま発行は、今回は議員提出ということで、国会のこの論議を経て、審議を経て、これを発行するということになった場合、郵政省の、国民の消化能力の上にいま何千万枚か上積みということになるならば、あるいはこの切手は珍しいので、売れるかもしれませんけれども、他の計画するものについて影響が出はせぬかと私は思うのだが、この辺は影響なんていうのは、何ら顧慮しないでよいということですか。
#138
○政府委員(溝呂木繁君) 問題は、他の記念切手発行の時期に、これが、だぶってくるかどうかということの問題等も関連してくると思います。当然この法案が通りました暁には、やはり国民的な関心の的の切手でございますので、要すれば、凹版等でやりたいとか、いろいろなことを、これを技術的に申し上げますと、どうしても来年に入ってから――来年いわゆる一月、二月ごろになる可能性が強いわけでございますが、その辺につきましては、いまのところ大きな記念切手の発行計画を持っておりませんので、そう全体の計画に大きな影響を与えずに済むのではないか、こういうふうに考えております。
#139
○森勝治君 私は、切手というものは、郵便の用に供される目的を持って切手というものが発行されるというふうに、素朴に理解をしておるのです。他方、切手の問題については、当委員会でしばしば、機会あるごとに、私どもは論議を重ねてまいりましたが、最近の切手ブームによって、むしろただ郵便物に貼付するという郵便本来の用途でなくして、いわゆるマニアとか収集ということで、いわゆる保存をするということで、本来の目的をややもすれば逸脱するような、そういう傾向がなきにしもあらずであります。
 したがって、切手ブーム等はあまり加熱すると、いろいろ問題が起こるので、郵政省もしばしば警告をされている模様ですが、この種のものが発行されたときに、これはいま言ったような形で、本来の郵便の用に供されることなく、箱詰めになるような傾向がありはせぬかと思うのでありますが、そうなると、これは、収集家のための発行ということになりかねないのであります。だとすれば、私がいま質問している中で最初に申し上げた、この本来郵便の用務に供するという目的から、相当離れた形というものが、発売された後に起こりかねないと思うのでありますが、こういう点について、どう考えておられますか、これが好ましいのか、好ましくないかということは、当然これは聞くまでもありませんが、そういう傾向をあなた方はどう受けとめようと、もし私が懸念したようなことがあるとすれば、郵便の本来の用務に使用されない。そういうことになった場合には、――もしあるとすれば、どうされようとしますか。
#140
○政府委員(溝呂木繁君) 私どもといたしましては、切手の本来の目的に沿うように切手を発行するのほお説のとおりであります。ただ、どうせ切手を発行するならば、国民的行事があるときに、その国民的行事をことほぐという意味におきまして、それにちなんだ切手を発行して、少しでも切手を発行する以上は、やはり切手として皆さんに喜んでもらえるものを発行するという意味で、記念切手を発行しているわけでございます。しかし、あくまでも記念切手といえども、切手本来の目的は、郵便の送達の料金の先納としてのものでございますので、その趣旨にそぐえる限度において、乱発しないようにという考え方でいるわけでございます。
#141
○森勝治君 そういたしますと、この法案がかりに通った暁に、当然これは計画で発行されますね、郵政省が発行いたしますね。そうすると、従来の、まあ何々会ということで、郵政省と特に話し合いをして、郵便局の窓口以外で相当売られる傾向がありますね。この団体に申し込めば、切手は自由に買えますよというようなことで、よく広告等を見受けるわけです。それで、小草生や一般の人は郵便局に並んでいても、なかなか買えないという現象が、これは新聞で指摘されるわけです。したがって、今後は、そういう特殊な、どういう団体か知りませんけれども、そういう団体には、私は横流しということばは使いたくないけれども、そういうことでなく、正常な姿で郵便局の窓口でもって国民に販売する、利用していただく、こういうことに、このものはなりますね。それとも、これは特殊なものだから、たとえば、この財団の皆さん方に売りさばきを依頼するとか――そういういま言った郵便本来の使命というものに目ざめて、その線に沿っておやりになるというならば、その線に沿って、このマニアの収集という気持ちをそそるような売り方はしませんね。その点どうですか、お約束できますか。
#142
○政府委員(溝呂木繁君) 私どもも、いままででも郵便切手は、郵便局の窓口、または売りさばき所以外においては、これは売れないようになっておりますので、問題は要するに、窓口にたくさん並んで、大口の者が買っていくとか、そういう問題があろうかと思いますが、従来とも、なるべく一人の者で多く買わないように、何回も並んでもらうこともありますが、なるべく一人の者が多く買わないということで指導していきたいというふうに考えております。
#143
○森勝治君 しかし、従来、特定の者が、金を積んで申し込めば、申し込んだ分だけ買えるようになっているんじゃないですか。
#144
○政府委員(溝呂木繁君) ただいまのお話は、通信販売かと思いますが、これはやはり、東京中央郵便局の窓口に並ばないで、前もって予約しておいていただく通信予約販売制度というものがございますが、これはやはり、この切手につきましても、そういった方の一般の予約販売といいますか、そういったもののためには、やはりやらなければならないというふうに考えておるわけでございます。
#145
○森勝治君 それじゃ、おかしいじゃないですか。正規な発売の日を待って、国民が買いに行こうとすれば、制限して売らない。特定なそういう方々は、金を前納しておけば、幾らでも売る。これでは、公平に行き渡らないんじゃないですか。だから、その辺は慎みますか、そういうことは。
#146
○政府委員(溝呂木繁君) 通信販売制度は、一人百枚に限って、いわゆる予約を受けているわけでございます。
#147
○森勝治君 それは審査も何もないでしょう。百枚について前納すれば、同一人が別名を使って、どんどんやれるのじゃないですか。片方で、どんどんそういうことをやっておって、片方では、二枚か、三枚買うために、窓口へ行って大騒ぎしている。こういう片ちんばな姿は、是正しなさいと言っているんですよ。
 予約販売は、一人百枚ということになっているのだけれども、それを審査したことないでしょう。口では、局長はそういうことを言っているが、予約のものは、全部受け付けちゃって、余ったものを郵便局の窓口で売る。私は、そこまで邪推はしたくないけれども、買えない人は、そう言っているんですよ。窓口で三枚か五枚がやっと、片や一月も二月も前に申し込んでおけば、別名使えば、五百枚でも、千枚でも買えるじゃないですか。どこに規制があるのですか。それが特定な業者に入って、これがまた、子供たちが買えなくなるから、そういう業者の窓口に、すっ飛んでいくという形になるんですよ。いままで、そういう実態調査したことあるんですか。ないんじゃないですか。
 私は、機会があれば言おうと思っていたんですが、きょう、時間がないので、言うのは恐縮だけれども、そういうところを、もっと改めていただかないと、ますますこれは問題が起こるんじゃないですか。郵政事業に対して不信感を、記念切手を発行するたびに植えつけていくんじゃないですか。それは直しなさいよ。
#148
○政府委員(溝呂木繁君) 通信販売制度は、相当の全国の人たちに、ある意味においては窓口に並ばずに済む制度として、非常に私どもいい制度だと思っておりますが、ただいま先生のおっしゃるように、それを悪用して、もし一人の者が、何人もの名前を書いてやるというような弊害が生じているということであれば――なかなか現実にその一人一人をつかまえるのはむずかしいと思いますが、できる限りそういう、何といいますか悪徳といいますか、悪いやり方で通信販売制度を利用しようとする者については、できる限りの規制をしたいというふうに考えます。
#149
○森勝治君 時間がございませんから、はしょります。文化庁高橋部長さんおいでですね。――文化庁に一点お伺いしたいのでありますが、飛鳥・藤原地域保存整備計画について、内容を、時間がありませんから、概略でけっこうですから、お聞かせをいただきたい。
#150
○説明員(高橋恒三君) 四十五年の閣議決定におきまして、文化庁といたしましては、藤原・飛鳥地区の指定地域を国費で公有化するということでございまして、藤原宮と、それから飛鳥地域の飛鳥手、川原寺等の地域の買い上げと、それから飛鳥の奥山に歴史資料館をつくるということで、現在土地買収も終わりまして、設計も終わり建築にかかるというところでございます。
#151
○森勝治君 高橋さんにお伺いしますが、私どもが概略一般から聞いても非常にこれは大切なことですね、こういうことは。ところが、皆さんがせっかく御努力されても、皆さんの守備範囲におけるそうした維持費とか、あるいは研究費、調査費というのは非常に微々たるものですね。私は、こういう切手等を発売して資金を、この種のものにかけるというこの姿は、政府の政策の貧困ということから、非常にさびしい思いをしているわけです。なぜ、もっと皆さんは、御努力されているのだろうが、声を大にして国民に訴え、政府を動かすような方途を講じられないのか。学者も、少部分のいわゆる研究の機関にまかしているような気がするんですね。
 この種のものは、売るために次から次へと記念切手をやって資金調達しましょうなんということは、本来あるべき姿じゃないんです。特にこの提案されましたこの種のものは、政府のこの種の文化財保護等についての貧困を物語る尤たるもので、政治の端くれに属する私としては、いま恥ずかしい思いをしながら質問をしているんです。まことに残念ですね、このことは。したがって、皆さんは大蔵省との折衝において、こういう問題について、従来どういう主張をされておられるのか、この点をひとつお聞かせ願います。
#152
○説明員(高橋恒三君) 奈良につきましては、平城宮をはじめ飛鳥・藤原の史跡につきまして、できるだけ早くこの史跡の買い上げを完了し、かつ土地の整備につきましても逐次やってまいろうということで、ほぼ平城宮につきましては西のほうは買い上げを終わりまして、東院のほうに進んでいるわけでございまして、逐次先生のおっしゃるような方向で藤原・飛鳥のほうにも、これから漸次努力をしてまいりたいと、こういうことでございます。
#153
○森勝治君 これは、これが実施になったときの所管はどこになるんですか。郵政大臣、郵政省は金さえ集めれば、あとはもうすっと文化庁のほうへ出しちゃって、知らぬ顔の半兵衛をきめ込むんですか。この辺はどうなるんですか、この種のものは。
#154
○国務大臣(廣瀬正雄君) 切手の製造、発行はもちろん郵政省の責任でやるわけでございますが、お金は財団に寄付するということになっております。
#155
○森勝治君 そうしますと、財団に寄付しますから、郵政省も文化庁も、寄付した以上は、これについての発言は全然しないんですか、それとも希望的条件をつけるんですか。
#156
○政府委員(溝呂木繁君) これは当然この立法に基づきまして、お年玉つき郵便葉書及び寄付金つき郵便葉書等の発売並びに寄付金の処理に関する法律に戻ってまいりまして、当然それには寄付目的も明らかにしますし、私どもがそこに寄付する場合にも、どういう事業計画の、どういう部分に寄付すると、したがって、そのものがちゃんとできるか、できないか、そういう監査までやることになります。
#157
○森勝治君 それでは、重ねてお伺いいたしますが、何と言っても、私どもの国土は、大陸文化の影響を受けていますね。特に顕著に受けていますし、したがって、先般も話題になりました北朝鮮等のこの種のものについて、やや類似したものが出てくるという話がありますね。これは、もうわれわれの先祖が非常に大陸文化の影響を顕著に受けたという一つの事例を示すものです。したがって、この種の調査、研究等については、わが国だけで、これはやはり独占管理するものではなくて、広くやはり世界に公開し、世界の学者の調査の助けになるような、そういう立場をとるべきだと思うのです。
 したがって、そういう観点からいたしますならば、北朝鮮等の学者、文化人の派遣というような話もちらほら聞くわけですから、そういう場合の皆さんが、たとえばこちらへ派遣されてくる、そういう調査の費用の一部にも――この切手の使途が、もちろん、飛鳥の保存、あるいはまた模擬ですか、絵画というものもおつくりになるという、ちらっと先ほどもお聞きしましたけれども、広くそういう面にもこの調達された資金が、有効かつ適切に私は使われるべきだと思うんですが、この点、これはもし、いま郵務局長がおっしゃったようなことになるならば、当然郵政省が、そういう発言をされてしかるべきだと、私あなたの発言したとおりならば、しかるべきだということを一つと、それから文化庁の立場として、私がいま申し上げたようなことも、当然、主張されてしかるべきだと思うのですが、この点について両者からひとつ御意見をいただきたい。
#158
○政府委員(溝呂木繁君) 先ほど私申し上げましたのは、少し説明が不足したかと思いますが、いままでの寄付金につきましては、そういう目的をきめると同時に、これが国民の寄付だということがはっきりわかるように具象化する。要するに、建物とか、そういうものに使っていただいて、いわゆる運営費といったもので、その形がはっきりあらわれないようなものには使われてほしくないということが、私どもとしましては、これが国民の寄付によってできたものだという具象化された、そういうものにあてがいたいというふうに考えているわけでございます。
#159
○説明員(高橋恒三君) 私どもといたしましては、この高松塚について申し上げますと、壁画等が非常に貴重なものでございますので、まず保存をするということが第一でございます。先生も御承知のように、非常に狭いところでございまして、もちろんおっしゃいますように、学術研究等の資料として役立たせることは申すまでもないわけでございますが、非常に保存がしにくいような状態にございますので、現在、応急保存対策調査会というものを設けまして、どの程度のそういった資料に提供できるかということを、目下研究中でございます。
#160
○森勝治君 これで終わります。時間がありませんから、一つだけ注文というか、お願いがあります。
 かつて、貧しい人々のためということで、赤い羽募金を、長い間厚生省が先導して、この募金運動を続けてまいりましたが、残念ながら、各都道府県の中には、その募金を、募金された額を、本来の目的に供することなく、たとえば、募金会の会館を建てる建築資金に回してみたり、あるいは役員の何がしかのものにばけてみたり、これは厚生省が注意するまで、世間で話題をにぎわした問題が過去たくさんあるのです。したがって、今度のものについては、かりそめにも、そういう風評を買うようなことは厳に慎しむように、これは指導をしてもらわなきゃならない。したがって、本来あるべき姿で運用をしてもらわなきゃなりませんから、この点はきつく私のほうはお願いというか、注文というか、ひとつ郵政省のほうにも、あわせて文化庁のほうにも、この点は申し添えておきたいのです。これは、お約束できますか。
#161
○政府委員(溝呂木繁君) 十分御趣旨に沿うよう努力いたします。
#162
○説明員(高橋恒三君) ただいま郵政省のほうからお話がございましたようなことで、御協力したいと思っております。
#163
○政府委員(佐々成美君) 飛鳥の文化財を管理監督している立場の、総理府の所管の室長でございますが、御趣旨を体しまして、十分管理、監督したいと思っております。
#164
○塩出啓典君 これは、最近、新聞では郵政省は、この切手の発行に、あまり喜んでない、そういう記事があったわけでございますが、おそらく、私は、これは間違いじゃないかと思うわけですけれどもね。もし、郵政省が喜んでない法案を、議員立法で通したとなると、これは申しわけないわけですが、おそらく、それは事情の説明不十分等が理由であって、現在においては、郵政省としては、この法案の通ることを非常に喜んでおると、私は、そう確信したいわけですけれども、郵政大臣、代表して一言。
#165
○国務大臣(廣瀬正雄君) この法律案を作成するにつきまして、その推進をやっておられました国会議員と郵政省との間に、いろいろ意見の交換をいたしましたけれども、現在では、いささかも不賛成だという気持ちを持っていないのであります。まことにけっこうだと、かように思っておる次第でございます。
#166
○塩出啓典君 それで、いわゆる、いままで切手の発行は、大体、まあ、いろいろ関係省庁の希望を聞いたり、あるいは郵政審議会の意見等も聞いて決定しておると聞いておるわけですが、今回は、この法案で時間がなかったから、おそらく郵政審議会の答申は得てないと思うわけですが、当然、この具体的な発行段階については、郵政審議会等のやはり意見を尊重して一やはり、現在までの記念切手のルールというものが、乱れてはまずいと思いますがね。そういう点はどうですか。
#167
○政府委員(溝呂木繁君) 当然、この法律を受けまして、私のほうで、関係者と相談して、発行枚数をある程度特定した場合は、郵政審議会にかけたいというふうに考えております。
#168
○塩出啓典君 それで、古墳は飛鳥地方だけではない。全国各地にあるわけでして、そういう点で、やはり今後そういう希望も出てくるんじゃないかと思うのです。しかし、いずれにしても、私は、文化庁の見解としては、この高松塚古墳というものは、これは、日本のどこにでもある古墳とは違って、最高のものであると、そういう意図で、この法案を出されたと思うのですけれどもね。そういうようにはっきり言えるのかどうか、これは文化庁にお願いしたいと思うのです。
 それと、もう一つは、この高松塚古噴は、まだ重要文化財にも指定されていない、そう聞いておるわけです。これはおそらく事務的な点で、まだ指定になっていないとすれば、当然、これはそういう日本で最も重要な文化財であるならば、これは最高の重要文化財に指定すべきであると思うのです。これはいつごろ指定になるのか、その点。
#169
○説明員(高橋恒三君) 高松塚古墳は、御承知のように、奈良県の明日香村にあるわけですけれども、この古噴から発見されました石室の壁画というものは、わが国の絵画史上、重重な新資料になるというだけでなく、わが国の歴史上にも大きな意義を持っておりまして、古代史におきます飛鳥地域の持つ重要性を再認識させるものでございます。そういう意味で、きわめて重要な遺跡と考えているわけでございますが、とりあえず、この古噴は国有地でございますが、その国有地を含めて周辺五メートル幅のところを史跡にまず指定をして、そして、明日、官報に告示になる予定でございまするけれども、ただし、壁画につきまして、さらに詳細にその調査をする必要がございますので、まず保存上の対策を講じた上で、じっくり研究に取り組みたいと、こういうふうな手順で考えております。したがいまして、先生のおっしゃいますような、いわゆる壁画そのものの指定というものは、その後の段階になるわけでございます。
#170
○塩出啓典君 この法案は、本来から言えば、重要文化財に指定して、それからというのが順序じゃないかと思うんですが、これは、非常に緊急のことで通るわけでございますが、文化財のほうも、早くやっぱり指定していただいたほうがいいんじゃないかと思うんですがね、その点を一つ要望したいと思います。
 それから、これは、切手とそれからはがきとなっておりますが、これは、記念切手だけじゃなしに、記念はがきというものも出すわけなんですか。――これには「郵便葉書等の発行の特例に関する法律」というわけで……。
#171
○衆議院議員(小渕恵三君) この法律は、お年玉つき郵便葉書及び寄附金つき郵便葉書等の発売並びに寄附金の処理に関する法律、この法律にかかってまいりますので、この名前は「郵便葉書等」となっておりますが、切手だけに、現時点では考えておるわけでございます。
  〔委員長退席、理事森勝治君着席〕
#172
○塩出啓典君 それは、いろいろ壁画はたくさんあるが、一種類だけですか、いまのところ予定は。
#173
○政府委員(溝呂木繁君) その点につきましては、いろいろこれを議員提案されたほう及び文化庁、そういうところと相談しまして、やはり私どものほうは、切手はやはり図案になり得る限度がございます。非常にこの壁画につきましては、鮮明な部分と非常に荒れている部分がございますので、それらをこれから技術的に検討いたしまして、何種類出すか、それから、先ほどの幾らぐらいにするかというようなことは、これからの検討にさせていただきたいと思っております。
#174
○塩出啓典君 それから、最後に、やはりこういう国民の寄付――お金によってそういう、特に切手マニア、小さい子供たちの、ほんとうにわずかな、真心の金が集まって、この財団に寄付されるわけでございますので、そういうお金の使途等において、疑惑等の起こらないように、これは、先ほどの質問にも御答弁がありましたけれども、そういう点は、ほんとうに文化の、遺跡の保護に、十分貢献するように、その財団の用途についても、十分な監督をしていただきたい、そのことを要望して終わります。
#175
○政府委員(溝呂木繁君) 十分御趣旨に沿うよういたしたいと思っております。
#176
○政府委員(佐々成美君) 十分御趣旨に沿うように監督していきたいと思っております。
#177
○説明員(高橋恒三君) その趣旨に沿いたいと思います。
#178
○松岡克由君 手短にいきます。
 議員立法で、本法案を立案になったまでの経過というんですかね、それを具体的にわかりやすく手短にひとつ聞かせてください。
#179
○衆議院議員(小渕恵三君) 先ほど提案理由の中でも申し上げましたが、飛鳥古京保存のために政府といたしましても非常な努力をしておるわけでございますが、しかし、その政府の施策と相まって飛鳥保存財団が、それ自体機能しておるわけですが、まだ、その力が、資金的な面で足らない点もございますので、今回、切手を発行することによって、飛鳥の保存と同時に、新たに発掘されました高松塚古噴の保存のために、それが活用されることがあれば、きわめて意義深いことであるという立場で、立法をお願いしておるわけであります。
#180
○松岡克由君 聞きたいことはねえ、頼まれてやったのか、見るに見かねてやったのか、どっちでしょう。両方の部分がありますからね。頼まれてやったんでしょう。
#181
○衆議院議員(小渕恵三君) これは、あくまでも提案者になりました衆議院の議員が、率先して提案をいたしたわけでございますが、先ほど来、森先生からも御指摘がありましたが、筋道といたしましては、その保存のために、政府がしかるべき処置を講ずることは当然のことだろうと思います。しかしながら、同時に、反面やはりこういった切手を発行し、国民の多くの方々から、たとえ浄財、幾らになるかわかりませんが、一つの切手に何円かの寄付金を出して、そうして日本の古い文化を守っていこうということを考えて、国民の皆さんが協力されるということも、これまた必要なことであろうかと考え、政府で行なうことと同時に、また、議員、すなわち国民のサイドから、こういうものを取り上げることも必要ではないか、こういう立場で立法をお願いしておるわけであります。
#182
○松岡克由君 こっちの想像で判断することにいたしますけれども。
 これが議決によって見込まれる資金、ざっくばらんに言うと、幾ら足らなくて、これによって幾ら入って、どれだけ潤うか、というのは、いまできますか、できるなら教えてください、ざっとでいいです。
#183
○衆議院議員(小渕恵三君) 冒頭森先生の御質問にもお答えしましたが……。一応この財団として計画いたしておりますのは、この高松塚の切手にちなんでおりますから、やはり高松塚に関するものに、これが活用されることが望ましいということで、一応財団としては、同型のモデルをつくりまして、国民に開放のできるような施設費に、これが利用されることを期待しているわけです。しかしながら、その中の壁画を複製をいたす場合にも、その作者――複製者なり、あるいはその方法なりによりまして、金額等が算定できない点もございますので、これは、今後財団等がしっかり算定の上、郵政審議会で、切手が発行される段階において、一体何枚で、かつ幾らの資金が得られればいいかということを計算して、お話し合いを進めていきたいと思っております。
#184
○松岡克由君 形容詞要りませんから。要するに足りるのか、足りないのかということを聞いているのです。なぜならば、あれには、もし足らない場合、一回と言わず、期間をおいて、二回も、三回も、違うところでなくて、同じ場所を守るということでもって、切手を発行する可能性といいますか、することもできるということになりますね。一発である程度足らない部分といいますか、一回の切手、はがきを販売するという行為で、おおよその目安といいますか、議員立法を考えたことが、満足するような状態になると思ってやったことなんですか、また、なるとお思いになりますか。
#185
○衆議院議員(小渕恵三君) これが成立いたしまして、政府が切手を発行し、それで資金が得られれば、財団としては、きわめて大きな仕事ができるものだというふうに確信しております。
#186
○松岡克由君 そうですか。二度、三度同じ行為はないということを私としては願いたいのです。ですから、これは私の個人的な希望なんですがね。
 そうしてみると、まだ実際には記念切手、つまり七円プラス一円とか、まだこういうのは――頭を横に振るでも縦に振るでもいいですから、まだできてないですね。――はい、わかりました。
 私、伺いたいことは、やはり再三出ておりますけれども、いまの記念切手ブームというのは、一つの投機の対象とか、御存じのとおり、あとは好奇心ですわね。子供さんたちが非常に多いということなんですね。森先生もさっき怒っていましたね。そこへ、国のあれを持っていくというのは、子供をだまして、わかりやすく言うと、何だかわからない、出れば子供はほしいんだ、なぜほしいかというと、ほしいものに理由は要らない、ほしいですからね、みんなが持っていればほしい。この子供のほしいところに、つけ込むというのは、あきんどならともかく、国のやるこっちゃないような気がするのだけれども。それが記念切手の宿命というんなら、いたし方がないけれども、私は、何かあきんどのやることみたいな気がする。それも悪徳商人のやることのような気がするんだけれども。弁解して下さい、そうでないとするならば。
#187
○政府委員(溝呂木繁君) いま先生のおっしゃった問題は二つあろうかと思います。一つは、記念切手を発行することの問題点と、それに寄付金をつけることの問題点だと思います。
 まず、記念切手を発行するということは、先ほど森委員の御指摘になりましたように、やはり国家的、国民的記念行事というものがあったときに、われわれ本来、郵便に使う切手ではございますが、それにいろいろタイミングというか、いろいろなものを合わせまして、やはり国民にも喜んでいただこうと、やはり図案として国民に喜んでいただけるものを、その行事にひっからめて発行したいというのが、記念切手の考え方でございます。
 それから寄付金につきましても、これもわざわざ法律事項にゆだねた理由も、乱発しない……。やはり国会の議を経て――これは寄付金をつけるにふさわしいというもので、国会の承認を得て、われわれが寄付金をつけていくということでございまして、私どもといたしましては、結果的に、その寄付金つきの切手が、ある程度、何といいますか、まあ切手ブーム等によって、本来の目的以外にいく場合もあろうかと思いますが、しかし、本質的には、やはり寄付金をつけるということは、それなりの文化事業なり、福祉事業なりに、いいということで、国会の承認を得て行なっているので、そういった悪い弊害はないんじゃないか、というふうに考えているわけでございます。
#188
○松岡克由君 いいだろうということは、たいへんに、これはまた、いろいろと見解によって違ってきますんでね。これがいいというならば、それじゃもっと、公害のほうの切手を出したっていいだろうという――ある一部のやつは、プロ野球の切手だって、出したらいいというやつも出るかもしれない。いま、このプロ野球のブームですからね。そのいいという理由が、私どもとしてはっきりしない。悪いと言うのじゃありませんけれども、飛び抜けていいという理由がはっきりしないので、質問しますけれども。まあ本法の提案理由に、ひとつ官民一体の協力が必要といいますが、国がやっぱりまず、それだけの処置をとりまして、その足らない部分というものを、国民が協力をするというんならわかるけれども。それが一つ。
 それから、もう一つは、寄付というのは、その行為がわかって、寄付をするんだけれども、今回の場合は、ばたばた来ましたから、しようがないけれども。かわいそうだから寄付しますというのは、まして子供が対象だから、あまりわからないではないがということ。それからぼくは、早い話が、助けてくれと言っているんだよね。飛鳥の古墳なり遺跡なりを助けてくれと言っているのを、記念行事ということに、すりかえているような気がするんだ。なら、もっとすなおに、助けてくれと言ったほうがフェアだな。そんな気がします。これ、ちょっと答えてください。
#189
○衆議院議員(小渕恵三君) まあ助けてくれというのは、どういう方がそう言うかわかりませんが、少なくとも、この財団というものが、その保存のために一つの機能を果たしておるわけですが、その財団としても、期待をしておることは事実なんであって、ことばを言いかえれば、助けてくれということかもしれませんが。こういうことを議会の場において御決定いただいて、それが財団を助け、同時に、財団が飛鳥古墳を守るということになりますれば、きわめて望ましい事態が生じてくるのではないかと、こういうことだと思います。
#190
○松岡克由君 前のほうはどうですか。いま言った、まず国のほうからやって――いきなり国民が全部やるということは……。これは、森先生に対する答えと同じになるかと思いますけれども、軽く、ひとつ短く聞かせください。
#191
○衆議院議員(小渕恵三君) 先ほどもちょっと御答弁申し上げましたが、筋論としては御説だろうということもわかります。しかし、同時にまた、すべて政府がなすべきことかということになってまいりますと、先ほど赤い羽根の問題が出ておりましたが、福祉厚生の問題を、政府がやれということにもつながるわけでございまして、やはり政府で、現在いろいろ文化庁を通じて、この財団に補助金等が出ておりますが、年間九千万あるいは五千万という単位でございまして、それですべてをまかなうことができませんので、資金的にもお願いしたいということでありますが、同時に、こういう切手を発行し、それが国民一人に一枚ずつ渡りはしないと思いますけれども、国民の多くの方が、これをもって飛鳥の問題について世論が――これによって世論が喚起されるというようなことになりますれば、そのことも今回の立法の趣旨にかなうのではないか、こういうふうに考えております。
#192
○松岡克由君 まあ政府が、いままでほうっておいたのは、必要がないのか、金がないのか知らぬけれども、いずれにしても、政府のやり方の貧困であるという結論にならざるを得ない、私はこう思います。
 そして一つ抜けたんですけれども、お年玉はがきにするのですね。お年玉はがきでこれやるのですか。――やらない。はい、わかりました。
 まあそこへ戻ってくるのでございますけれども、とにかく私は、こういった行為を、助けてくれという素朴な行為を――私は、記念切手というと、まあこうでもしなかったら成り立たないという、一つの議会の取りきめといいますか、世の中のルールみたいなものであるので、私はこう言っているんだろうと思うんだけれども、何かすりかわっておるような気がするので、たいへん疑問なんです。
 私は、記念切手ということだけで、寄付行為というものをはずすということを考えなかったんですか。これを最後にひとつ聞いておきたい。
#193
○衆議院議員(小渕恵三君) この法律によって基金をお願いしておるわけでございますが、今回はそのことを含めてこの法律にうたっておるわけでございますので、お説のようなことは考えておりません。
#194
○松岡克由君 ということは、寄付をしなければだめで、記念切手を売り出しただけでは、金がだめなんですか。−だめなんですね。
#195
○政府委員(溝呂木繁君) 御承知のように、寄付金がつかない場合は、郵便の収入になってしまいますので、どうしても、そういう財団に資金を回すとなれば、法律で寄付金つきの法律を出していただくということになります。
#196
○松岡克由君 最後に。大体十分−十二分ぐらいで。テレビの落語の時間が十五分ぐらいですから、そのくらいの、これも高座並みの時間で。お眠りの方もいらっしゃるようですから。
 またやるのか、やらないのかということを、ひとつ約束できるのか、できないのか、明快に言っていただきたいことと、やはり私も納得できるように、できる線は何だというと、またこういうことがあり得るのか、その辺を答えていただいて私の質問を終わりたいと思います。
#197
○衆議院議員(小渕恵三君) またというのが、このような古墳に関してということであるのか、あるいは寄付金つきの切手を発行するかどうかということでございますか。
#198
○松岡克由君 議員立法におけるということです。
#199
○衆議院議員(小渕恵三君) それは、たいへん恐縮ですが、古墳に関してですか、それとも議員立法で他の問題についてこれをやるかということですか。
#200
○松岡克由君 古墳と断わらなくてもいいです。議員立法においてこういうことがまた……。
#201
○衆議院議員(小渕恵三君) このことにつきましては、衆議院で私の提案理由に対します補足説明として、今後こういうことはみだりに発行させないようにということで、補足説明がありましたが、これは議員の中から、どうしても発行しなければならないということで、寄付金つきの記念切手を発行することを頼むとすれば、その時点でやはり考えるべきことではなかろうかと思います。
#202
○松岡克由君 どうもありがとうございました。
#203
○理事(森勝治君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#204
○理事(森勝治君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#205
○理事(森勝治君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれより採決に入ります。
 飛鳥地方における歴史的風土及び文化財の保存等に必要な資金に充てるための寄附金つき郵便葉書等の発行の特例に関する法律案を問題に供します。
 本案に御賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#206
○理事(森勝治君) 多数と認めます。よって本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#207
○理事(森勝治君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#208
○理事(森勝治君) 閉会中の委員派遣についておはかりいたします。
 今期国会閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#209
○理事(森勝治君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後十時三十分散会
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ソース: 国立国会図書館
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