くにさくロゴ
1971/05/23 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 運輸委員会 第10号
姉妹サイト
 
1971/05/23 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 運輸委員会 第10号

#1
第068回国会 運輸委員会 第10号
昭和四十七年五月二十三日(火曜日)
   午前十時四十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十三日
    辞任         補欠選任
     平島 敏夫君     稲嶺 一郎君
     山崎 竜男君     矢野  登君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         木村 睦男君
    理 事
                鬼丸 勝之君
                江藤  智君
                佐田 一郎君
                山崎 竜男君
                森中 守義君
    委 員
                稲嶺 一郎君
                岩本 政一君
                岡本  悟君
                菅野 儀作君
                橘  直治君
                若林 正武君
                伊部  真君
                小柳  勇君
                瀬谷 英行君
                藤田  進君
                田代富士男君
                三木 忠雄君
                田渕 哲也君
                山田  勇君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  丹羽喬四郎君
   政府委員
       運輸大臣官房長  高林 康一君
       運輸省鉄道監督
       局長       山口 真弘君
       運輸省鉄道監督
       局民営鉄道部長  中村 大造君
       運輸省自動車局
       長        野村 一彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   説明員
       日本国有鉄道総
       裁        磯崎  叡君
       日本国有鉄道副
       総裁       山田 明吉君
   参考人
       日本鉄道建設公
       団総裁      篠原 武司君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○本委員会の運営に関する件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○日本鉄道建設公団法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(木村睦男君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 この際、理事の辞任についておはかりいたします。
 山崎竜男君から、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(木村睦男君) 御異議ないと認め……(「いまの採決。なっていませんな、御異議ありませんかと言ってそれをずっと棒読みにしているが、それじゃ……」「異議あり、異議あり」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)速記をとめて。
  〔速記中止〕
#4
○委員長(木村睦男君) 速記起こして。
 暫時休憩いたします。
   午前十時五十四分休憩
     ―――――・―――――
  、午後二時開会
#5
○委員長(木村睦男君) 委員会を再開いたします。
 なお、この際、委員長から申し上げます。
 自後、委員会の運営は慣行を尊重いたしますので、何とぞ御了承願います。
#6
○藤田進君 午前壁頭の開会について、慣行等による運営に照らして遺憾な点があったように思います。それは、開会前に必ず理事会を前置されて、そしてその中できまった方向で委員長は議事を運ばれることになるわけでありますが、私は、いま委員長の今後運営にあたっての信条を申されましたが、慣行を尊重するという、単にそれだけでそのまま了承をするについては若干疑義がございます、ので、これを委員長にただしておきたいと思います。
 で、問題は、ことに会期末になると与党はいたずらに議案の議了をのみはかって、非常な無理な委員会の運営をされようとする。これは今国会に限りませんが、私は、木村委員長は隣の岡山ですから、人となりはよく知っております。まだ大正二年七月の生まれとしては頭もぼけていなければ、これは相当な品物――と言っちゃ悪いが、人間だと、こう思っておりましたが、しかし、その期待する委員長、これは院の役員ですから、あまり各党、各会派に偏した運営というものは、これは許されないのです。だから、これを補佐する意味においても理事会というものがちゃんと法定されていて、運営されてきたんであります。しかるところ、前々国会でしたか、例の自衛隊機が動機となって、不幸に多数の死者が出た、雫石に墜落したあのときの委員会運営についても、理事会はもとより、委員会全体として総理大臣の出席等を求めて緊急質問等が行なわれようとしたんです。そのときに、これはいいとしても、総理は日程もあるだろうし、したがって急に来れない場合には時間を切って、まあ三時間ぐらい総理に出席を促して、それが実現の見通しがないということになれば、委員長は委員会を再開して、そして各党の委員の質問に運輸大臣をもって充てなさい、運輸大臣は現地へ行くことを急ぐだろうから、行かれるとすれば、そのあとはしかるべき人によってやはり国民にかわってこの事態を明らかにしながら、犠牲者を含む即刻の手配を、議会としての意思を表明したいということで要請して、さよういたしましょうということであったが、田代委員もあのときに賛成演説されたが、一向に委員会の要望なんということはその場限りになってきて、この人にしてかようなことはあるべきはずがないと思いつつ今日まできたところですよ。
 昭和四十七年五月十八日木曜日、かなり夜おそくなって、私は宿舎で、あすは職権で開きますから委員会に出席してもらいたい、こういう連絡がありました。突如として職権、こう二度重なってきて、今朝まあ強引に人事案件に入ろうとされるから、これで三度目です。これもやっぱり仏の顔も二度三度と言いますが、ですから、単に尊重いたしますと言われても、あなた御自身が自主的に自律的にこの委員会の運営をもうできないような状態に、背後にだれか、あるいは何かが職権で開け、どうしろというようなことが間々あるのじゃないだろうか。そのようなことを黙認しながら重大なこの法案審議に入るわけですけれども、これではどうもわれわれとしては黙過するわけにいきませんので、この間、十九日金曜日に午前十時三十分から十一委員会室で委員会を開くという公報百一号については、これはどういういきさつで委員長をしてあああらしめたのか。私は、あなた自身が理事会できまっていないことを突如公報に出して職権というようなことをおやりになるような人柄でないと信じ、雫石でやや疑問を抱いていたやさきだけに、私は、今後の尊重がきょうこの場における単なる言いのがれというふうに言う人があっても、これまた過言でないようにも思うので、十九日における経過というものがあなた御自身がおやりになったのか、形式的にはそうですけれども、そういかなかった、どこかからそれを強要されたのか。わからなければまだ長く説明しますが、まず十九日の事態というのはどうだったんでしょうか。国対委員長会議で正常化することになったというので、あなたが出られて、自今さようなことはございませんし、どうか安心してくれというような釈明は、この席ではなかったように聞いております。本席、本委員会の議長として委員長をつとめられるわけですから、まず、この間の十九日、この間のいきさつをお聞かせいただきたいと思います。
#7
○委員長(木村睦男君) 藤田君にお答えいたします。
 十九日の件につきましては、きょうの委員会で適当な機会に私、発言をさしていただいて釈明をいたしたいと、かように考えておったのでございますが、ただいまそのことについて私にお尋ねがございましたので申し上げます。
 実は、国会がだいぶ会期末が近づきまして、審議の日数も非常に少なくなってまいりましたので、委員長といたしましては、精力的に審議に入って、そうして国民に対する負託にこたえたいという考えから、定例日でありません十九日の日にも委員会を開きたいということで理事に御相談をいたし、理事間でいろいろ協議をしていただいたのでございますけれども、十八日の午後七時半ごろだったと思いますが、再度、理事懇談会を開きましたわけですけれども、理事間でどうしても意見の一致が得られなかった、そういう段階に立ちましたので、私はぜひ翌日の十九日に委員会を開いて審議をしていただきたいという気持ちから、その委員会が開き得る措置といたしまして、公報掲載を私の職権でやったわけでございまして、その点につきましては、その結果、委員の皆さんにたいへん御迷惑をおかけいたしました。もとより、私の気持ちは先ほど申し上げましたような気持ちから出たものでございますけれども、結果が皆さんに御迷惑をおかけいたしましたので、まことに遺憾に存じておるわけでございます。
 今後、委員会の運営につきましては、慣行を尊重しながら、皆さんの御協力を得まして円満に、また公正に委員長としてこの運営に当たりたいと思いますので、よろしく御了解を願いたいと思います。
#8
○藤田進君 その際に与党の理事は、委員長の言う十九日開会、これを強く押されたように聞いております。しかし、野党の森中理事は、会期延長がすでに問題になっているじゃないか、したがって、会期延長はないんだということになれば、これは二十六日までの会期であるから、これは考え直しましょう。会期延長のあるなしについて種々確かめられた結果、会期延長はしないという確証なり発言は何も与党からもなかった、そういう状態であったように私は思います。かりに会期延長がないとしても、職権で開いて、最後には、あなたの、そのいまの御発言は、与党を背景に、委員長としては数で勝負をつければいいんだという思想につながっております。法案の賛否はいずれにいたしましても、質問をする者としては、なれ合いの質問でも何でもない、国民にかわって国民の聞きたいところを聞き、言いたいところを言うわけでありますから、したがって週七日あっても、その間、定例日というものが設定されて、これはみんなが合意した定例日――本委員会は火、木でございますから、その間、質問をするわれわれ委員としては、漫然と野球を見たり、競輪に行ったり、寝ていたりするんじゃない。イロハのイからここで質問をしていたのでは際限がありませんから、その間にいろいろ調査をする。質問についてやはり要約した形で、できるだけ調査は自分自身でやって、そうして委員会の審議が促進されるように、さらに深められた議論ができるようにということで――私自身もそうです。新幹線岡山の駅をずいぶん調べてきました。これは国鉄総裁にまだ言ってないと思いますが、なっちゃいないです。新幹線の列車の構造自身がどうなっているか調べた上で――それ調べなきゃ岡山に一度調査に行きましょう、委員会で、そんなことを際限なく言い出したらどうしようもないから、したがって火、木と二日の定例日を円満にきめ、その間、質問者はできるだけその委員会の休みの間に調査して、それらの範囲のものについて質疑を繰り返し、新憲法のもとでは与野党対立のうちに議会政治が進んでいくんです。その野党が最近は主として質問をするという結果になっております。でありますから、会期、間もないことであるから、とにかく職権で開く。何回開いたということで押し切れる。あるいは一通り質問が済んだというようなことだけを目当てに委員長は会議を進められて、最終的には、いよいよもうまとまらないままに強行採決とかいうようなことになり、あるいは本会議にいく。本会議はまた何日か、ぶっ通しでやる。そんなようなことは繰り返したくない。物理的な抵抗はわれわれもしないように、また、そのような原因をつくらないようにということが河野新議長のやはり趣旨でもあるし、こういう線に沿ってわれわれは進めてきつつあったわけです。
 そこでお伺いしますが、先ほどの、あなた御自身の判断で職権という方法を発議され、事務局に対して百一号と公報がなったのか、その点が触れられていなかったように思います。いかがですか。
#9
○委員長(木村睦男君) お答えいたします。
 これは委員長の私として発議をして公報に載せたわけでございます。
 それから国会の延長の問題についてお話がございましたが、当時の私の判断では、国会が延長になるものやらならないものやら、その点は全くはっきりしておりません段階でございましたので、今会期末までの残された日にちを精力的に、とにかく法案審議に徹したいという私の気持ちでああいう措置をとったものでございまして、あれによって強行採決をするとか、そういうふうな考えは毛頭持っておらないことも申し上げておきたいと思います。
#10
○藤田進君 とすれば、各会派の情勢というものは御存じだったですか。当時十九日の前日、十八日木曜日、職権ででもこれを開会しなければならないという、そういう情勢というものは各会派にはあったのかなかったのか。その判断はいかがですか。
#11
○委員長(木村睦男君) その点については理事間でこの問題をおはかりを願いましたので、いろいろと議論をしていただきまして、まあ、その理事懇談会の中でいろいろとおそらく意見の交換があって、各会派の意向等も出ておるわけでございますが、最後に平行線のままで妥結を見なかったために、委員長としては何とか翌日の、定例日ではありませんけれども、委員会を開いて、できれば審議をしていただきたいという意味でその手続をとったのでございまして、私としては、その後の期待をいたしておりますのは、各党国対等の間でお話を願って審議をやっていただきたい、こういう気持ちから、手続的に委員会が開けるだけの準備をしたというのが私の真意でございます。
#12
○藤田進君 ですから理事会ではおそらく、ここに五会派があって、自由民主党という会派だけが、定例日ではないが十九日に開いてくれということだったと思います。それはそうなんでしょう。どうですか。
#13
○委員長(木村睦男君) 理事会の結果はさようでございます。
#14
○藤田進君 そこで、言われるように、あなたは予定のコースで委員長の職権をもって公報に掲載し、これを開くという意思のもとに措置された。と同時に、いま聞きますと、そのあと期待されていたのは、国対委員会の場が開かれ、そこで正常化され二十四日と――ころんでも砂でもつかんで起きれるわいということにねらいがあったんですね、いまの話を聞きますと。それは間違いじゃないですか。委員長が運輸委員会を主宰されるについて、その次は国対委員会が開かれてどうのこうのということを予定されて、そして公報に出すという、これは間違いじゃありませんか。
#15
○委員長(木村睦男君) 二十四日のことは全然考えておりません。十九日の日の委員会を何とか開きたいという点で、やはりこれは国対間の問題でもございますので、国対間の協力も得て何とか委員会を開いていただきたい、こういうつもりで申し上げたわけです。
#16
○藤田進君 委員長、それは違うんじゃないでしょうか。委員長が――各党の理事がとう言うか、それはそれぞれの考えもございましょう。対応する方策もあるでしょう。委員長とされては、十九日にこういう公報を出し、あとはもう自分の知ったことじゃない、これは各党の国対で開く開かないは相談されるべきものだと、それは委員長のとるべきセンスじゃないんじゃありませんか。今後、じゃあ、きょうここでごたごたしていますが、あなた、国対開いてもらいましょうか、そうなら。
#17
○委員長(木村睦男君) これはそういう事態になりましたので、私としては国対間の折衝等に期待をしておったわけでございまして、やはり従来とも話がつかない場合には、終局的には国対等で調整に入ってもらうというのが慣例でございますので、それを期待して申し上げたわけでございます。
#18
○藤田進君 そうではなくて、いろいろ各党間に意見の相違はある。これは委員長が主宰して、そのために理事会というものが法定されておる、運営もされてきた。これが委員長の使われるところの機関じゃないんですか。もし、あなたがそれを言い張られるならば、これから幾たびかやはり与野党間に意見の対立はあるでしょう、そうすれば、そのまま国対依存主義で行っていいということなら、それだけ確かめておきます、それならば。
#19
○委員長(木村睦男君) もちろん、国対に一切上げて知らぬ顔ということじゃございません。最後に意見がどうしても合いませんので、それでは委員長が職権で開会の手続をとりますと、こう言ってその措置をとったわけでございますが、その後も引き続き理事会あるいは理事間の交渉を持ちたい、こう思って努力はいたしましたけれども、事態がそういうことになりましたので手を尽くす余地もなかったというのが実情でございますので、何でもかんでも委員長ができるところまでやって、あとはもう国対まかせだという考えではございませんので、その点は誤解のないように御理解をいただきたいと思います。
#20
○藤田進君 そういう、いずれにしても原則を示していただきたい、委員長として。法や慣行、これはもう守るべきでありますが、それにはかなり、千も二千も慣行の先例集に、記録に出ているわけじゃありません。それじゃ便宜主義――便宜のいいときは国対に上げるというような作戦的なものがあまり委員長にはあってほしくないんです、各党理事にはそれぞれの立場があるでしょうから。これをやはり調整をとる、いずれにも偏しないでとっていくのが、これが委員長の役目だと思うんです。私も委員長二度やりました。内閣委員長、これはたいへん問題があった。これは私が所属する社会党も必ずしも賛成のできないやはり法案があっても、大勢としてまとまれば、その意向をよく調整して円滑に持っていくために努力してきましたよ、記録がありますから……。それがやっぱり委員長のとるべきことであって、あなたが御自身非常に人柄もいいし、すなおなものだから、そのすなおなのが与党のほうの圧力に屈しやすいんですね、見ていると。そのように私は受け取る。ですから便宜主義になりがちなんです。それがかえって委員会の運営を円滑にならしめていない結果にもなっているように思うのです。
 そこで、いま所信が表明され、釈明されましたが、自後、委員会の運営は慣行を尊重いたしますので何とぞ御了承願いますという趣旨ですが、この意味は、過去、職権開会ということを意図された、これは開会に至りませんでしたが、今後は少なくとも、まず第一に委員会の運営については理事会の議を経、理事会でまとまったものについて委員長は会議を開き議事を進めていく、法案の質疑終了なりあるいは法案自体の採決なりを含めて、今後やはり理事会前置主義で、理事会は採決をしないことになっておりますから、採決をしないまでも円満にまとめ上げて今後は委員会の運営をはかっていく、これが慣行ですから、その慣行を尊重いたしますというあなたの声明と受け取ってよろしゅうございますか。
#21
○委員長(木村睦男君) 二回にわたって委員長をつとめられた藤田委員からの非常に御親切なお話で、ふなれな私としましても十分に肝に銘じるわけでございますが、全くいまお話しのように、今後、委員会の運営は理事間の交渉によりまして円満に進めていきたい、また従来の慣行等も極力尊重をいたしまして、円満な運営をはかって審議の促進をはかりたい、かように思っておりますので、今後ともよろしく御指導、御協力をお願いしたいと思います。
#22
○藤田進君 ことばじりをではないのですが、二律背反のことばがちょっとありますので……。これは記録にも残るわけです。前段は、理事会を前置し、かつ、この円満な結論に基づいて運営をいたしたいと、これだけならばぼくはけっこうだと思うのです。それ以上のものを求めることは無理だと思うのですが、そういうことで促進をはかりますとあなた言いましたね。よほど考えて言ったことばだと思うんだが、促進にウエートがあり過ぎるんですよ、いままで。そうじゃありませんか。促進はされるんです、円満に理事会で。あなたの前段の、運営をおはかりになりますと――ですから、促進をはかるか促進をはからないか、これは委員会全体がきめる問題じゃないでしょうか。質疑打ち切りにつながるんじゃないんですか。この促進ということば、これ気に入りませんね。
#23
○委員長(木村睦男君) そういう意味で申し上げたんじゃございません。藤田委員のおっしゃるとおりの線に従って、委員長のつとめとして審議を促進していくという意味でございますので、よろしくどうぞお願いします。
#24
○藤田進君 与党筆頭理事にも異議はございませんか、この点。委員長、それは、おれは違うんだと言うんじゃ……。
#25
○鬼丸勝之君 ただいま木村委員長から弁明されました点につきましては、異議はございません。
#26
○藤田進君 なおいろいろ詰めたいこともありますが、実は他の会派からもいろいろ御意見があるやに伺っておりますから、時間の関係もあり、一応この程度にしまして、時間があればまた引き続きあとお願いしたいと思います。
#27
○田代富士男君 ただいま藤田委員からもいろいろ御質問がありまして、また委員長からもお答えになりました。また冒頭、委員長が今後の委員会の姿勢についてもお話しなされました。たびたび、今後は慣行を尊重して理事間の交渉で円満に進めていくと、これはいまからあらためておやりになるのじゃなくて、いままでもこの姿勢でやっておいでになったと思うのですが、その点はどうでしょうか。
#28
○委員長(木村睦男君) そのとおりでございます。
#29
○田代富士男君 委員長もそのとおりだとおっしゃるし、私もそのように信じ、運輸委員の一人として、この木村委員長のもとの委員会に出席して審議を尽くしてまいりました。そこで私がお尋ねしたいことは、ちょうどいま鉄建公団の法案がかかっておりますが、この前に、北海道開発に伴いまして港湾関係の一部改正法案が審議されていた、その時点での話でございますが、今後の委員会の持ち方については、定例日以外は審議をしない、その定例日も毎日十時半開会、そして午前中は十二時半まで審議をして、一時間休憩をしまして、午後の委員会は一時三十分から、そして午後の終了見通しは五時半までである、この時間は火曜日と木曜日、このようにして進んでいきたい、そして、法案の審議も大事であるけれども、運輸全般の問題といたしましてやはり調査すべき問題もありますし、そういう調査案件等の審議もしなくてはならないんだから、特に火曜日の午後は法案の審議でなくして、きょうも火曜日の午後でございますが、法案の審議でなくして調査案件の審議をしよう、そういうことで森中理事から三名の自民党の理事にもこのお話がなされたと、そして一応その話を了解されたやに私は承っております。委員長も、私がこういうことをもう言うまでもございませんが、理事会できまったことは委員会の冒頭におきまして、今日の理事会ではこういうしかじかのものが検討されまして決定いたしますということを、委員長として全員に通知をし、また、それを提案する責任というものが私は委員長にあるんじゃないかと思います。なぜなれば、理事を持っている会派はその理事から聞くでしょう、しかし、理事がない会派というものは、理事会に出席してなかったならば、ただ、この委員会が運営されている、この運営それのみしか知ることができない。たまたま私は森中理事からこういうことになったということを聞いておりました。それが委員会の冒頭にも正式にこれは発表されておりません。
 で、私は、いま藤田委員からも話がありましたとおりに、もの忘れされるような委員長じゃないと思います。いつ、そのことが全員に対して徹底されるだろうかと私は待ち望んでいた委員の一人でございます。そういう点から、そういう取りきめがなされたことを委員会ではかられなかった、その点の理由をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#30
○委員長(木村睦男君) 私のふなれのために、そういった連絡等不十分な点が多々あったことは心からおわびを申し上げます。理事会できまった事項につきましては、それぞれの理事を通じまして委員の各位にもあるいは連絡をしていただいたと、こういうふうにも思い過ごした点もございました。したがって、この点は御意見を十分しんしゃくいたしまして、今後そういうことのないように努力いたします。
#31
○田代富士男君 それからもう一つお聞きいたしますが、じゃあ私がたまたま森中理事からお聞きいたしました、この委員会の運営につきまして、定例日は午前十時半から五時半まで、そして火曜日の午後は調査案件を審議するということについては、現時点におきましてもそのような姿勢で臨んでいってよろしいでしょうか。その点いかがでしょうか。
#32
○委員長(木村睦男君) 定例日の開始が十時半、終了がおおむね五時半というのを一応の目途としてやろうということは与野党の理事の間で話ができております。火曜日の午後の問題につきましては、話は出ておりましたけれども、この点は最後まで理事会の間で詰めて結論が出て決定したとは、私は聞いておりません。この点は、したがって今後さらに理事会で煮詰めていただきたいと、かように思います。
#33
○田代富士男君 じゃあ、その点、森中先生に、たまたま私お聞きいたしました森中先生からちょっとお願いいたしたいと思います。
#34
○森中守義君 これはすでにもうかれこれ三週間以上になりましょうか、あるいは四週間ぐらいになるかもしれません。正規な委員長・理事打ち合わせ会という、そういうものではございませんでした、与党の筆頭理事と私との間で取りかわした内容ですから。私は、いま田代委員の言われるようなことはいまなお存続し、将来もそれを当然行なっていくものである、こういうふうに認識をしております。
#35
○鬼丸勝之君 ただいまの点について申し上げますと、確かに森中理事から五月の上旬のある日、九日か十一日だったと思いますが、まあ正式の理事会でなくて懇談会で確かにそういう御要望がありまして、そこで理事会としましては、開会時間と閉会時間、それから昼の休憩時間、これは原則としてそういうふうにひとつやりましょうという合意に達しました。そこで、いまの、火曜日の午後、調査案件に充てるという件は、じゃあ五月の十六日ですか、あの日の火曜日に限ってそういたしましょうと――あの火曜日と申しますのは、かねて四月の末から、定例日以外に何とかひとつ委員会を開いて審議をして促進していただきたいということを、われわれは強くお願いをしておったんです。しかし、この定例日以外の開会につきましては、森中理事もなかなか了承されない。そこで、火曜日の五月十六日の日に限って午後は調査案件にいたしましょうと、火曜日の日程として詰めたわけでございます。
#36
○森中守義君 これは鬼丸君のせっかくのそういう御意見ですが、私はそういう意味じゃない。つまり火曜、木曜の開会及び閉会の時間、あるいはまた午前中、午後の問題、もうすべてワンセットとして将来にわたる運営の方式の提案、おそらく鬼丸君もそういう趣旨で了承されたものであろうし、私は十時半及び五時半ということは、これは将来の運営の原則だと、こう言っているのですよ。したがって、確かに、定例日以外に幾日かの追加の強い要望があったのは事実です。それはもう断わっております。その際に、火曜、木曜の開会、閉会の時間を明らかにする段階で、それじゃあ火曜日は何をやろう、木曜日は何をやろう、つまり、いまお話があったように、火曜の午前中は法案、午後は調査案件、木曜日は法案プロパーでいこう、こういうことの確認を求めたのは、少なくとも十六日に限るということではなかった。あのときの理事懇のいきさつからしても、当然理解されておるものと私は認識しているのですよ。それを何がゆえに十六日だけ午前中、午後と分けたか、そんなことは考えられない。それは明らかに鬼丸理事の認識の違いであって、私はそういう意味で確認をとったんじゃない。したがって、野党の諸君にも、そういうことで与党の了解を得たと、こういう説明をしている。
#37
○田代富士男君 まあ、これは私たちが、いまここで、森中理事と鬼丸理事のこのいきさつにつきましては、もっと聞きたいと思えば聞くことができましょうけれども、時間の関係もございますから、これは火曜日の午後を調査案件にする、しないということも大事ですが、このことは話し合いが結論が出た、出ないよりも、一応これはおくといたしまして、要するに、週間体制でこの運輸委員会を見た場合には、火曜日と木曜日の委員会はやる、これはお互いに合意に達していらっしゃったと思うのです。いまのお話のやりとり、委員長の話の中からそのように私も信じ、そのサイクルに合わせまして、それぞれの法案に対する準備を進めてきたわけです。ところが、ただいまもお話ありましたとおりに、十九日の日に職権で委員会を開く。私への正式な連絡は――宿舎へ私は帰りました。そうしましたら、宿舎の入り口に、参議院のこのメモ用紙でございますが、これに職権開会で開かれますが御出席くださいと書いてある紙がぱっと張ってあっただけです。これで職権開会がやられるのかと。で、私がちょっと外へ出たおりに事務所の事務員の方から、先生お留守だったですから、張り紙しておきましたけれどもと、あらためてそこでその晩に私は開いた次第なんです。いままでの慣行を尊重すると、いろいろ申していらっしゃる。そのたてまえからいえば、藤田委員も申されましたように、少なくとも私たちが出てまいりました運輸委員会で、職権をもって開かれねばならないような緊急事態にはまだ運輸委員会自身はいってなかったと思います、私の出席した範囲内の委員会におきまして。そうして、いまもお互いにお話し合いされましたとおりに、火曜日と木曜日以外は開かないと、そういうたてまえできていらっしゃるし、私自身も、そういう緊急な委員会の様子でもないのにかかわらず、どうしてそういう職権で開かれなくてはならなかったのか。いま審議日程が足らないから、会期末を控えてという委員長からのお話もありましたけれども、だから私は、こうやってまいりますと、お互いに確認し合ったことが正式のこの委員会で発言されてないために、これは正式なお互いの取りきめじゃない、理事懇とか、そういうことで逃げ込まれたならば、一面では拘束され、一面では拘束されてないと、こういうところの不手ぎわという点を今度どう改めてもらえるのか、それがはっきりしなければ、きょう聞きましても私、納得できないと思うのです、委員長どうでしょう。
#38
○委員長(木村睦男君) 御意見は全く私よくわかります。したがって今後の問題でございますけれども、理事会できまりましたことは理事を通じてそれぞれ御連絡をいただくと同時に、委員会開会の冒頭において、理事会できまったことは皆さんに御報告申し上げたいと思います。
#39
○田代富士男君 それで私お聞きしたいのは――昨年、参議院は河野新議長が誕生いたしました。河野新議長が誕生いたしまして、現在、運輸委員会自身の問題を取り上げておりますけれども、運輸委員会を含みました参議院の運営自身に対しましていろいろな問題点が多々ございます。その問題点をいままではなかなか解決できなかった。ちょうど私が国対委員長を約二年余りやりました、そのときに、藤田委員もその当時社会党の国対委員長でございました。その時点でも、党籍離党の問題の申し合わせ書だけでも、私が国対委員長のときに三枚書きました。三枚、申し合わせ事項をつくりまして、河野新議長になりまして、やっと党籍離脱が誕生したわけなんです。この党籍離脱を初めとしまして、いろいろ問題になりました最大の問題は、強行採決の問題じゃないかと思うのです。特に四十四年の八月でございますか、大学法案が一切の審議もされずに強行採決をされた。これは一番最近におきますところの暴挙というか、許しがたい行為でございました。
 そこで、どうして強行採決されるか、その原因を探求していきますと、それはいろいろな理由もありましょうが、端的に申し上げるならば、審議する日にちというものが少ないのだ、それはどこに原因があるか。すべて衆議院から参議院へ回ってくるときにおきまして、会期末の日にちがいないときにそういうものが回ってくる。審議せずに強行採決されてはならぬ、審議日程がない、どうしても野党の議員の立場とするならば審議を尽くさなければならないというところで、やはり与党のほうから見るならば引き延ばすと、そういう目で見られるかわかりませんが、そういうお互いに与野党の委員会におけるところの、そういうものができ上がってくる。そういう悪循環のもとに、今日の参議院本来の良識の府としての使命というものが現在果たされておりません。そういうところから、こういう審議日程につきましても何とかしなくてはならない。河野新議長が誕生いたしまして、そして参議院の問題に関しまして参議院問題懇談会なるものが議長の諮問機関として誕生いたしました。別名、八人委員会とも称せられております。ここでいろいろ参議院の運営のことについて詳しい、そういう経験者の皆さん方の意見等も用いまして、この参議院問題懇談会におきまして、審議期間の確保というものは、通常国会では、たとえば最低二十日間を確保、これに満たない場合には原則として継続審議か、廃案にする、これはまだ結論を見ておりませんけれども、こういう答申も出されております。そして、そういうような意見に対しまして河野新議長は、個人的意見であるかわかりませんが、おもにこれと同じような意見を持って、参議院の責任者としていまや運営をされております。この空気というものは、河野新議長が誕生されまして、参議院の各委員会におきまして尊重し始められてきております。そういう新しい芽が出てきております。その場合に、今国会の終了日が何日ということはわかっております。少なくとも、いま木村委員長も申されるとおりに、審議日程が少ないと申されるならば、いままでの、われわれが北海道の、いま申し上げました港湾関係の法案をやっている時点において、あるいはその以前におきまして、衆議院に対しまして、このような法案を早く送ってくれというようなことに対しまして委員長として積極的に働きかけられた事実があるかどうか、どうでしょうか。
#40
○委員長(木村睦男君) 運輸関係の法案につきましては、衆議院の運輸委員長と常に連絡をとりまして、いまお説のような趣旨で私は促進方を述べ、ずっとお願いを申し上げてまいりました。しかし結果的には、会期末になってこちらに回ってくるというふうなことになりましたのは非常に遺憾でございますが、それはそれとして、こちらで引き受けました法案についてはやはり精力的に審議を尽くしていきたいという気持ちでやっておりますので、御了承願いたいと思います。
#41
○田代富士男君 いま御了承を願いたいとおっしゃる。私がもしも委員長の立場であるならば、いま委員長が申されたようなことをおそらく私も答えると思います。しかし今回はちょっと事情が違うわけなんです。要するに火曜日と木曜日以外はやらないということ、正式委員会の議事録に載っているわけじゃありませんけれども、内々それできまってきているわけなんです。これを十九日の日に強硬に委員会を開いていらっしゃらなかったならば、おそらくきょうはもう、いまの時点で鉄建公団の法案は上がっているかもしれません。これは私がきめるわけにはいきませんが、朝から委員会はスムーズに、こういう人事案件でもめる必要なくて上がっているかもわからない。十九日のそのようなことがあったために、こういうことがなされた、私はその点を遺憾に思います。
 もう一つあることは、この十九日に職権で開かれた、それで国対へ上げられて、国対の話し合いの段階で一応二十三日から正常化するというふうにきめられましたということは、考えてみるならば国対の段階できまったことは、二十三日から二十六日までの間に定例日以外に一日審議の日程をとる、それから二十三日の日に国鉄法案の趣旨説明を何としてでもお願いするという、これは強い申し入れと要望があった。そういう二点あると聞いております。だから、こういう強硬な職権の委員会を開いて国対に上げて、そして、そういう一日日程を追加すると、そういうようなやり方でなくて、もっと理事の間でこの問題を練っていくならば、こういうようなことにならなくて済んだと思うんです。その証拠がきょうの二十三日の委員会の、朝の委員会です。二十三日から正常化になった。しかし確かにそれは参議院全体とすれば他の委員会も正常化されたんでしょう。しかし、その原因を起こしたのは運輸委員会です。運輸委員会で、もう正常化されたのだから、十九日職権で開いた委員会もこれは何にも関係ない、さあすぐに開きましょう、こういうわけには私はいかぬと思う、筋道から言っても、筋論からいきましても。やはり冒頭におきまして、十九日の職権で開いた、いろいろ理由がありましょうけれども、委員長の立場としてその理由なりを説明して入るならば、これは話聞けないわけでもありません、その姿勢があるならば。しかし冒頭において、今度理事を交代いたします、これは党内事情、それはもちろん党内事情ということは、われわれが内政干渉するわけにはまいりません。しかし、もしか党内事情であったとしても、そこは与党の理事として、ほかの委員会と違って当運輸委員会は、十九日職権開会をやって再開する委員会であるから慎重な上に慎重、そういういろいろなわだかまりを残すような、問題になるようなものは一日待ったならば、あすあるいは次の二十五日でも委員会が開かれます。そのときに委員長、交代できないのか。そういうところの配慮すらもされなくて、私どもはもう正常化されたのだから理事交代してやろうじゃないか。それじゃ、こういうときでございますから、何でもないときであるならば、平常であるならばそれもよかろう。しかし、これだけ約束されていたにもかかわらず、職権で委員会をやられたあとで今度は理事が交代、何かあるんじゃなかろうか、こういう目で見たならば全部つながってくるわけなんです。平常でしたならばそういうことは考えませんけれども、何で交代しなくちゃならぬか。そうなりますと、少なくとも、前回の国鉄運賃法案のときにいろいろごたごたがありました。これは江藤委員いらっしゃるところで申しわけないけれども、あのときにも途中で江藤委員が理事に交代されてからごたごたした。またこれはごたごたの始まりじゃなかろうかと、私はそう思いますよ。だから、何でこういうときに前のイメージを再び思い起こすか、夢よもう一度の反対のことです。何でこういうところに慎重な態度がとられないのか。私はその点、与党の理事の皆さんたちも、野党はどうでもなるのだと、またもめたならば国対に上げれば一歩前進、もめたならば会長会議に上げて二歩前進、こういうふうな姿でやられたから私は遺憾だと思います。そのことは、さっき申されましたとおり、理事会できめられたことが――私の不徳のいたすところでございますと委員長申されましたから繰り返すわけじゃないけれども、逐次報告してもらうことが、これがあたりまえのことです。それがされていない。そういう姿勢を私は遺憾に思いますけれども、まず私は、与党の理事の代表の方でもけっこうですけれども、きょうの冒頭におけるところの人事案件の問題に対してどうでしょうか、どういうお考えでしょうか。
#42
○鬼丸勝之君 きょうの冒頭における人事案件を委員長がおはかりいたしましたにつきましては、その前の理事懇談会、それからここで理事会を開かせていただきまして、人事案件をまずはかっていただいて、そして十九日の職権開会の指揮をとったことにつきまして野党の委員の方々から御発言があるということで、御発言があった後に委員長から釈明をいたしまして、それから公団法の質疑に入るという議事の段取りを理事懇談会で森中理事と相当話を煮詰めまして、理事会で御相談したようなわけでございます。
#43
○森中守義君 これは田代先生、いま鬼丸理事のけさの理事会の経緯はそのとおり、ところが問題になったのはそうじゃないんですよ。つまり、職権開会という慣行を踏みはずしたことをやっているじゃないか、しかるに人事案件としての理事の選任について慣行を踏襲してやるというのは適当でない、こういう新たな議論が生まれてきた。それならばそれで与党の諸君少なかったから、職権開会をしているんだから、在来、理事の選任等は慣例に従えば多数で異議なしと、こういうようなきめ方なんだけれども、この際は慣行を与党が破っているんだから、何も人事案件に限って慣行を押しつけるのはおかしいじゃないか、こういう意見が出て理事会になった。そこまで理事会では煮詰めておりません。したがって、新たな問題を提起されたのはけだし妥当であるという意味で理事会が開会になった、このように御了承願います。
#44
○田代富士男君 それでは、私は過ぎ去ったことをここで言っても取り戻すことはできません。だから、現在からどう持っていくかという点でございます。そこで、いま与党の理事、野党代表の理事のお方からもお話を聞きましても何となしに私はしっくりいかない面があるんです。そこで今後定例日以外は開かない、慣行を尊重する、理事間の交渉で円満に進めていくというお話でございますが、けさの問題一つにいたしましても合意に達していない。また、いま私が簡単に、経過上の中でお互いの立場を聞きました点も納得できない問題がありますから、私は正式にもう一回、私が理事会を招集するわけにはいきませんから、委員長にお願いして、委員長のもとで理事会を持って、今後この運輸委員会をどう持っていくかということの決定版ともいうべき、そういうものを出していただいてやっていただかないことには、私はいまのままでは、けさの問題一つが平行線をたどっているようでは納得できないと思うんです。その点、委員長いかがですか、私はそう思うんです。
#45
○委員長(木村睦男君) たいへん貴重な御意見を拝聴いたしましたのですが、今後とも理事会はたびたび開きますので、そこの問題の点を理事会にはかりまして十分善処いたしたいと思います。
#46
○田代富士男君 たびたびと言うんですけれども、そのたびたび開かれた理事会で合意に達しないままできておりますけれども、けさはこのことで、現在も議事進行についてで、質疑に、実質審議に入っておりません。だから、このままで引き続いていった場合、われわれは何となく、そのように言っているけれども、あのときはこうだったんだ、こうだったんだと逃げられたんでは、これは委員の一人としてはっきりできません。そういう意味におきまして、私はこれはお願いですけれども、すっきりと合意に達したという――いまお互いのまだ合意に達していらっしゃらないんですから、私はその点を委員長に強く要望したいのですが、まだほかの委員の方もいらっしゃると思いますから、私はこの程度で終わっておきます。
#47
○委員長(木村睦男君) わかりました。理事の皆さんも田代委員のいまの御意見を聞いておられますので、善処いたしたいと思います。
#48
○田渕哲也君 すでに藤田委員、田代委員がるる述べられましたので、私の言わんとするところはほとんど言い尽くされておるわけでありますけれども、できるだけ重複を避けて私の意見を申し上げ、答弁をいただきたいと思います。
 五月十九日の職権開会につきましては、先ほどからの発言のように、私どもとしては非常に唐突な感じを受けました。なぜかというと、それまでの委員会の運営というものは、与野党の理事の協議に従って正常に進められておったと思います。特に異常な事態とか緊迫した状態というものはなかったのではないか。確かに会期末を控えて、残り日数が少なくなってまいりましたけれども、その問題が委員会においてわれわれもまじえて討議されたことはありませんでした。こういうときに突如として職権開会をされたのは何としても穏当を欠くのではないかと思います。したがって、まず、この点について委員長に抗議をしたいと思います。
 しかし職権開会がなぜなされたかという背景をもう少し考えてみますと、私はいままでの国会の審議のあり方というのは、特に重要法案――今回の運輸委員会はたくさんの重要法案を持っておりますし、また近い将来、運賃値上げ法案というきわめて重要な法案をかかえております。この重要法案であればあるほど、その審議というものは私は物理的な要素が高くなってくると思います。与党の方は、とにかくこれだけの時間をかけなければならない、時間をかけて審議を尽くして採決をする、あるいは野党が応じなければ数で押し切ろう、こういうような考え方でいままでやってこられたと思います。ただいま委員長が慣行を尊重すると言われましたけれども、この慣行の意味も、過去の悪い慣行というものを尊重してもらっても困るわけでありまして、やはり新しい参議院のあり方を求める中で、よき慣行というものをつくっていただきたいと思います。今回、職権開会をされたのも、私は、言うなれば悪い慣行、過去の悪い一つの考え方というものがあらわれたのではないか、こういう危惧を禁じ得ないのであります。よく参議院無用論というのが出ますけれども、衆議院は数の衆議院、参議院は理の参議院でなければならないといわれますけれども、この職権開会に見られた態度というのは、あくまでやはり数で重要法案を押し切ってしまおうという姿勢があらわれたと思うけれども、まず、この点について委員長の御見解を承りたいと思います。
#49
○委員長(木村睦男君) 先ほど来申し上げておりますように、私は数でどうこうというふうな考えから十九日の職権による公報掲示をやったのではございませんで、委員長として、会期のあとが少ない、審議に精力的に取り組まなければならない、これがわれわれ国民から負託されたそれに対する義務だという感じから、定例日以外の日にも審議を開かなければとうてい十分な審議ができない、こう判断してやったわけでございます。その点は了解いただきたいと思いますが、その結果が、先ほど来申し上げておりますように、たいへん皆さんに御迷惑をおかけいたしましたことは非常に遺憾だと存じます。
#50
○田渕哲也君 さらに私は意見を申し上げたいのでありますけれども、やはり参議院の価値というものを高からしめるとするならば、いままでの審議のあり方というものについて反省をする必要がある。これはわれわれみんなを含めてだと思いますけれども、いまの国会というものは、やはり極端に言うなれば、行政府の下請に成り下がっている。政府が必要な法案をどんどん出してくれば、与党のほうは何としてもこれを通そうとする。立法府と行政府は別ですから、極端に言うならば、会期中に審議が尽くせないような問題は通さなくていいんじゃないかと、このように思うわけであります。しかし、国民生活に関係のある法案もあります。だから、必要な場合には定例日以外の審議も必要でしょうし、会期の延長というものも必要だと思いますが、しかし、ただ単に政府の都合で出された法案を何も立法府が――与党は無理しても通そうとする、またそういう姿勢があるからこそ野党は引き延ばしをやってでも反対しようとする、こういうようなことを繰り返しておったのでは、私は参議院の価値というものはないと思います。
 したがいまして、この運輸委員会は国鉄の運賃値上げ法案という重大な法案をかかえておりますけれども、特に委員長並びに与党の理事、委員の方々にお願いしたいことは、これは何としてもしゃにむに通すんだと、こういう姿勢で臨まれるならば、私は運輸委員会の運営というものは正常にはいかないのではないか、このような気がします。したがいまして、委員長にお願いしたいことは、今後、職権開会のような強硬措置はとらない、やっぱり十分に審議を尽くして、野党の委員の意見も組み入れるべきものは組み入れる、そういう姿勢はあくまで持っていただきたい、この点を要望しまして、私の発言を終わりたいと思います。
#51
○委員長(木村睦男君) 田渕委員のお説のとおりでございます。私も一生懸命になって円満な運営のために努力いたしますので、ひとつ御協力のほどをお願い申し上げます。
#52
○山田勇君 各党からいろんな貴重な御発言もありましたので、私も田渕議員同様、重複を避けて、一、二問質問さしていただきたいと思います。
 いままでの委員会の運営を見ましても、われわれ小会派と申しますか、無所属に属します運輸委員といたしましては、与野党間の理事懇の話し合いは、すべて野党のほうの森中理事のほうからのみの伝達でございました。そういう点たいへん日ごろ遺憾に思っておりまして、たまたまこういう席で何でございますが、山崎理事とは個人的に親しいものですから、山崎理事から理事会の進行等につきましてたまたまお聞きすることもございましたが、大半は森中理事並びに各政党の委員の皆さんから聞くような状態でございました。これを一つの契機といたしまして、その理事の中に入るということは、いろいろな国会の、それこそ慣例上の問題がございしょう。理事会のオブザーバーとしての出席を今後とも認めていただきますよう委員長の御配慮を特にお願いいたしたいと思います。
 それと同時に、いままでの委員会が円滑にここまで持ってこられましたと申しますのは、委員長の人柄また人格者ということで、非常に私は尊敬をいたしております委員長が、このたび、どういう形であろうと職権委員会の開会ということを打ち出されたことは、非常に私は遺憾に思っております。このようなことが、かかるようなことが二度とないように強く委員長に要望いたしまして、私の発言を終わらせていただきます。
#53
○委員長(木村睦男君) 御懇篤な御意見身にしみて拝聴いたしました。
 オブザーバーとして理事会に出席の件は、理事会でもってその案件を相談をいたしまして決定をいたしたいと思いますので、御了承をいただきたいと思います。
    ―――――――――――――
#54
○委員長(木村睦男君) この際、確認をいたしますが、休憩前におはかりいたしましたとおり、山崎竜男君の理事辞任を許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#55
○委員長(木村睦男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 それでは、理事の補欠選任を行ないます。理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#56
○委員長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に江藤智君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#57
○委員長(木村睦男君) 委員の異動について御報告いたします。
 去る十八日、稲嶺一郎君が委員を辞任され、その補欠として若林正武君が選任されました。
 また、本日、平島敏夫君が委員を辞任され、その補欠として稲嶺一郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#58
○委員長(木村睦男君) 日本鉄道建設公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
#59
○小柳勇君 この前、時間が制限されておりまして、具体的な問題を質問いたしました。きょうも直接関係する具体的な問題もありますが、もっと根本的に鉄道建設のあり方、あるいは現在、鉄道敷設法がいいかどうか、私はこれをあとで理由をあげて鉄道敷設法の廃止を検討してもらいたいという提案をいたしますけれども、そういう基本的な問題を、きょうは時間の許す限り質問さしていただきたいと存じます。まず、前回残しました具体的な問題から少しただしていきたいと思います。そのあと時間を見計らって根本的な問題を質問し、かつ、私の提案をしていきたいと思います。
 まず第一は、この前、質問の段階で明らかになりましたが、とりあえずニュータウン、大都市から中心都市への交通混雑を緩和し、かつ、国民の足を守るために急速に増設なりあるいは新設しなきゃならぬ線路が民鉄だけで約一千億に相当する額がある、しかしながら、予算がないから百二十五億だけ今年度の予算に入れてこれに着工いたします。しかし、これが完成するのはこれから五年先だ、こういうお話でございました。しからば一体、いまできつつあります大住宅団地から通わんとする国民は何にたよるのか。まず冒頭に、早急にそういういわゆる高速鉄道ができなければ、高速バスなりその他モノレールなり足を守る対策を立てなきゃならぬのではないか、これに対して運輸省はどういう対策をとっておられるか質問いたします。
#60
○政府委員(山口真弘君) 前回御審議願いましたときの問題といたしまして、一応考えられている線につきましての工事費が約一千億ぐらいかかるだろうということを申し上げ、さらに今年度の予算は百二十五億ということを申し上げました。それで、その各線区におきまする具体的な工事の実施でございますが、これは各線区によりまして別途おのずから違ってくるわけでございます。前回にも申し上げましたが、たとえば多摩ニュータウンにまいりまするところの新線建設でございますが、これはニュータウンの建設のスピードというものをも考えますと、どうしても昭和四十九年には鉄道輸送を完成しなければ間に合わない、これはバスではとても輸送できる数量ではございません。どうしても昭和四十九年には完成をしなければいけないという意味におきまして、そういう計画に従ってやっていかなければならぬ。それから、たとえば複々線、線増工事につきましては、どの線につきましては何年ごろまでというような一応の計画を立てておりまして、そういう計画で鉄道の必要なものにつきましては足の支障のないような建設を進めていかなければならぬと考えております。
 なお、ニュータウン等につきましては、それまでの間は当然バス等によりまして運営をいたしまして、多摩ニュータウンにつきましては、主として京王線の聖蹟桜ケ丘までのバス輸送というものを中核として整備をしていくということでございます。
#61
○小柳勇君 そこで、バス対策をまず聞いておきたいと思うのですが、先般、千葉県の成田空港付近の住宅公団の団地ができました。これに私の知人二、三申し込んで、入ることになったのでありますが、行ってみたところが、バスの足が、地元の人の話では一カ月ぐらい足が確保できないということのようであります。したがいまして、団地は完成しているけれども入れない。これは千葉のこの団地だけではなくて、方々にこのような現象があるようです。せっかく公団の住宅ができたけれども、足の確保がないために入れない、こういうのは、住宅公団の理事からも話を聞きましたが、これは住宅公団だけの責任ではなくて、その足を確保する運輸省の責任もあるのじゃないか。したがいまして、まずその前提にくるのは、住宅団地を住宅公団がつくる場合に、運輸省なり国鉄に事前協議をするのかどうか。私の団地が、これだけの団地ができます、ここに一万人の人が何月何日には入ることになりますが、バスはどうでしょうか、高速鉄道はどうでしょうかという事前協議の体制があるのかないのか、まず運輸省からお伺いいたします。
#62
○政府委員(野村一彦君) お答えいたします。
 現在の段階におきましては、先生御指摘のように、東京、大阪、名古屋等を中心といたします都市圏におきまして住宅の造成が非常に急速に進んでおります。したがいまして、足の確保ということが大きな問題になっておりまして、従来、ともすれば交通政策が都市政策、住宅政策におくれるという傾向がずっと続いておったわけでございますが、私ども、先般、建設省あるいは住宅公団等に申し入れをいたしまして、現段階におきましては、国のそういう住宅の造成計画が大体確立される過程において私どものほうに話があるというようになっております。これはもちろん都市とか、その他の団体についてもこれを及ぼさなければならないと思いますが、現在はそういう相当大きな住宅団地の計画が大体きまる過程において連絡を受けておる状態でございます。
#63
○小柳勇君 その場合、協議された場合に、バス会社に対しまして特別に路線を許可するとか、あらかじめ、その団地に入居する前に運行を要請するとか、特別の手配をするように対策を考えてあるのかどうか。
#64
○政府委員(野村一彦君) 現在、私どもが考えておりますのは、まず四十七年度、すなわち本年度から各都道府県ごとにバス対策協議会というものを置きまして、これは過疎地域だけではなくて、こういう過密地域におきましてもそういうものを置きまして、そこで地元の地方公共団体あるいはそういう住宅公団等々と協議をいたしまして、そして、その計画のすり合わせをするということを実施することにいたしております。
 それから基本的には、先生おっしゃいましたように、大体住宅が供用をされるようになった場合に、すぐ足の確保ができるようにということを当然考えるわけでございますが、実は、私ども本年の、四十七年度の予算編成の過程におきまして、政府原案を作成する過程におきましていろいろ検討いたしますと、大体私どもの当時の調査では、三大都市圏の周辺で、何といいますか、非常に居住者の多い団地、まあ、これは必ずしも団地ばかりではございませんが、団地を主とする地域で調べてみますと、相当な数にのぼります。そこの採算を、いろいろ前提を設けてやってみますと、なかなか普通の商業採算ベースには乗らないということでございます。したがいまして、これをどうするかということについていま考えておりますが、私どもが現在まで検討しておりますのは、一つは、住宅公団等あるいは地方の住宅供給公社あるいは民間のデベロッパー、そういうものが住宅団地等を開発する場合には、たとえばバスの停留所とか、あるいは折り返し地点とか、それから特に住宅公団等につきましては、バスの車両そのものの一部、そういうものを何か現物負担で出してもらうというようなことを考えたらどうかということで、現在、住宅公団につきましては、すでに建設省と私どもの三者の間で、そういう応分の住宅公団等に負担をしてもらうというようなことを相談をいたしております。
 それから一般論といたしましては、これもなかなかむずかしいわけでございまして、予算の案をつくります過程におきまして、こたはとうとう実りませんでしたけれども、私どもは命令路線という制度をつくりまして、先ほど申し上げましたように、商業採算ベースに乗らないと、そうかといって、そこに住んでおられる方の通勤、通学その他の足を確保するためには、しても必要最小限のバス路線を設けて、その赤字の部分をどうやって補てんをするか、これは運輸大臣が命令をし、そして、その赤字の部分というものについて、その当該都道府県と国とが半分ずつ赤字を折半して補償をするというような制度を考えたらどうかということでいろいろ検討したわけでございますが、まあ四十七年度では、ついにこれが実りませんでしたけれども、私どもいままでやりかけたことでございますので、さらに昨年の予算編成前に、つまり今年度の予算編成の前にいろいろ検討いたしました。ただいま私が申し上げました考え方をたたき台にして、さらに検討して、そして次の機会に備えるように勉強していきたい、かように考えております。
#65
○小柳勇君 せっかく鉄建公団法の改正法案を論議いたしております。ところが、これがほんとうに魂が入るのは五年先ですね。ただ、どんどん住宅がふえる、しかも団地が造成される。ここに住む人たちの足を守るということは国の責任です。したがいまして鉄道建設公団に対する予算の獲得も、この前申し上げましたように、一千億が必要なら一千億出すべきですよ。百二十五億で押えて、そして、あとはまた来年いたしましょうなんということでは、私はこの法律を出すべきじゃないと思う。一千億の予算を取りましたからこの法律を通してくださいと、そのぐらいやらなければ、私はほんとうに運輸省としての責任は果たしておらぬと思う。もし、それができないとするならば、いま自動車局長が言ったような、バスでとりあえず五年間は足を確保しましょう、これは次善の策としてとるべき措置である。その対策はまだ実を結んでいませんね。過疎地域などにおけるバス路線維持費に対する補助は、ここに、ことし予算は通りました。これと同様、これ以上にニュータウンから都心への国民の足を守るバス対策というものは緊急かつ必要ですね。したがいまして、これはいま自動車局長、もうたたき台を出したとおっしゃる、そういうたたき台が通らないところに、いま、交通の貧困、交通の混雑の原因がありやしないかと思うのですね。したがいまして、そういうのはもっと大臣、運輸省が一体となって予算を確保するように、自民党の議員、みんな運輸部会の委員がこんなにたくさんおられるんだから、総動員をして、緊急に国民の足を守るような対策を立ててもらいたいと思います。
 具体的に、いま私、口に出しましたから聞きますが、千葉県の成田空港付近のあの団地の住民の足を守るバス対策はいつできますか。
#66
○政府委員(野村一彦君) 先ほど、先生から本件についての御質疑があるということで、私ども、いま調査をいたしておりますが、ただ、私の手元にまだその具体的な資料がございません、実は。ただ、問題は、あの辺につきましては、非常に住宅地域として伸びるところでありますし、あの辺を輸送分野とする会社につきましては、かねてから新しい路線網の再検討というようなことを命じておりますので、私ども、郊外の住宅団地の足の確保については、終バス、終便の延長とか、あるいは増便というようなことをやっておりまするので、これはただいまちょっとこの席でいつまでかということははっきりとお答えできませんけれども、できるだけすみやかにやるように、さらに督励をしたいと思います。
#67
○小柳勇君 国鉄総裁に質問いたしますが、ある県の住宅供給公社が一万名ぐらい入る団地をつくりました、もう六年ぐらい前の話です。そのときに、募集広告に、これが完成しますと同時に、この何々線の、すぐ近所に駅ができますと、したがいまして、ここに入った人は直ちに都心部に三十分以内で通勤できますという、正式に県の住宅公社の募集要項の中に入っているわけです。ところが、六年になりましてもそれが実現されないから、いま地元の人がおこりまして、私も帰るたびに陳情を受けておるのでありますが、駅設置の、これは国鉄に現地のほうで陳情をいたしますと、新幹線が開通いたします、その時期には現在の本線に二つ、三つぐらい駅が増設できましょうから、そのときに何とか考えましょうという程度です。これがいまから三年先の話ですね。その間どうするかといいますと、住民はバスを使って、三カ月で七千六百円と言っておりました。そのバスの料金を払いながら都心部へ通って仕事をしているわけです。詐欺ですね、言うならば。ところが、それは、その県だけではないような気がいたします。県営住宅をつくるとき募集要項の中に、駅はここにありませんけれども、これができましたら駅ができますよと、そういうようなことがあるようでありますが、国鉄に対して、県の住宅供給公社あるいは住宅公団が大きな団地をつくるときに、駅設置あるいは停留所設置などで事前協議をすることがあるのか、ないのか。もし、あるとすれば、それをどう処理されるか。なくて、いま申し上げたようなできたやつの陳情が方々からあるのではないか、それに対してどう処置されているか、及びこれからどうしようとされておるか、その三つの点で御答弁を願います。
#68
○説明員(磯崎叡君) 実はいまの御質問、非常に私どものほうでも困っておることの一つです。ことに、最近は少しまくなりましたけれども、以前はほとんど連絡なしにある程度できてしまってから何とかしろと、こういうふうな話を、私の記憶でも、たしか総武線だったと思いますが、ある程度の団地ができた、駅だけつくっても、結局、変電所がなければ電車が入らないというような事情がございました。いままでせいぜい万の小さいオーダーの団地でございますから、どうやらこうやらやれたにいたしましても、これからは二けたの万のオーダーの住宅団地ができますと、やはり私どものほうの通勤輸送から申しますと、とても二本や三本の電車を入れても間に合わない。どうしても五本ないし十本の電車を入れなければならない。しかも、ラッシュに入れなければならない。たまたま、きのうのある新聞の夕刊に出ておりました。先生ごらんになったかと思いますが、いま房総東線を電化いたしまして、あそこの大網の近所にデベロッパーがたいへんな土地の開発をやっておるということが出ておりました。このごろは、十数万のオーダーのデベロップがされるわけでございますが、ただ、もしあの辺に十数万のものができますと、千葉−津田沼の間を複々線にしなければやっていけない。単に駅をつくるだけの問題ではないというふうな、根本的な輸送問題が起きてまいります。
 ですから、ああいう問題につきましては、実はそれほどあの地域が開発されるということは存じませんでしたけれども、やはり県その他で十分コントロールされた上で、事前に私のほうに話をしていただきませんと、つくっちゃってから何とかしろとおっしゃっても、実際、輸送力がなければできないというふうなことでございますので、その点こちらからも御用聞きには参上いたしますけれども、やはりつくるサイドのほうで、どちらかと申しますと、住宅を供給される側のほうで、十分私どものほうの輸送の事情も検討し、また相談された上でやってほしいということを申し上げておりますが、ときどき、つい最近の民間のデベロッパーのやられることは、非常にスケールが大きくて、向こうは一年か二年あれば住宅はできてしまう。ところが、こちらは、横浜新線の際も七、八年かかってもまだできないというふうな、非常にテンポが違います。したがって、よほど足の問題と住宅の問題はほんとうに、一緒にすると申しますか、むしろ足を先に考えてもらいたいということをお願いしておるわけでございます。しかし、実際できてしまいますと、しようがなしに、駅をつくるということもございますけれども、そのために全体としての輸送力が落ちて、また非常にべらぼうな金がかかるということになりましても困りますので、やはり政府部内で、あるいは建設省とデベロッパーと、あるいはデベロッパーと私どもの現地ということの相互の関係を密接にする以外にない、こういうふうに思いますので、いままではどちらかと申しますと、できたあとしょい込むようなかっこうになって非常に困っておるような例がたくさんございます。簡単に駅ができるというふうにすぐ考えられるのでございますけれども、全体の線路容量の問題にかかってきますので、そう簡単にできないということを申し上げておりますが、結局は関係機関の中で連絡をよくして、事前にこちらの事情も知ってもらいたいと言う以外には方法はないというふうに考えております。
#69
○小柳勇君 この改正法案の提案理由など見てみましても、追っかけ追っかけ、あとを追っかけていって、何か少しずつメンツを保つために対策をやっておるという、そういう印象しか持てないんです。いま国鉄総裁の言われたような、住宅のできる前に足をちゃんと計画をして、そこに住宅を建てるというのが常識でなければならぬと思います、都市計画の。にもかかわりませず、大きな団地、一万も二方も住む団地ができた、しかるに、まだバスの計画もない、もちろん高速鉄道の計画もないというのが現状でございます。したがいまして、大臣も御多用ですから、私は近い次の機会に経済企画庁も呼んで、根本的に、これから十年先の都市づくり、その中で足は一体どう確保するか、輸送計画はどう配置するかということは論議したいと思っておりますけれども、きょうは具体的な問題ですから、ということで意見は言いませんが、そこで具体的にもう一つ聞いてまいりますが、地方自治体との協議はととのっているのであろうか。この法改正するにつきまして、たとえば東京都あるいは愛知県あるいは大阪府など、地方自治体との協議はととのっておるのかどうか。ととのっておるとするならば、これから民鉄をつくろうとする皆さんの、あるいは特別債の負担でも、あるいは用地に対する買収の協力でも、積極的に地方自治体がもう少しやらなければならぬと思うわけです。したがいまして、地方自治体に対して、この法律をつくる前にどのように協議をなされているか、お聞きをいたします。
#70
○政府委員(山口真弘君) 地方自治体並びに住宅側でございますが、いずれにいたしましても、この法律によりまして鉄道が整備されるということになりますと、その地域に及ぼす利益は非常に大きいわけでございます。したがいまして、私ども地方自治体なりあるいは住宅側には、十分な応援と申しますか御協力をお願いをしておるわけでございますが、そこで一つの問題は、先ほど先生がお触れになりましたように、計画の段階におきまするところの調整の問題でございまして、そういう問題につきましては、この法律によりましても、市街地開発事業だとか土地区画整理事業というようなものとの施行の調整というようなことで、建設側との意見の調整ということをいたしまして、一方、高速鉄道に関します都市計画事業というものを認可する場合には、運輸大臣との協議制というようなこと、あるいは都市高速鉄道の整備が必要となるような大都市住宅開発の都市計画につきましての運輸大臣との協議制というようなことで、法的なつながりも一応つけております。ただ、そういったようなものだけじゃなくて、具体的に地方公共団体側あるいは住宅側というようなものとの密接な連絡調整というものが必要でございまして、そういうことでやっておるわけでございます。
 なお、具体的な問題としまして、この法律の適用が、東京都、大阪市、名古屋市及びその周辺というのをとりあえずの対象地域といたしておりますために、その関係でいろいろと連絡調整等をいたしておるわけでございますが、たとえば東京都の場合におきましては、どこの地域についての建設を進めていくかどうかということで東京都等の要望も十分承りつつやっておるわけでございます。たとえば多摩ニュータウンについての新線建設というものにつきましては、東京都が考えておりまするような入居計画との調整というようなものもはかりまして、先ほど申しました四十九年度にはぜひつくってもらいたいというような話も、そういう調整の上で出てきておるわけでございます。
 なお、それに関連いたしまするところの助成の問題につきましても、いろいろと話を進めておりまして、これはまだ完全には詰まっておりませんが、基本的には、原則的了承を得ておりまして、したがって、その意味の協力を得るということが可能である、このように考えております。
#71
○小柳勇君 いま具体的に質問いたしましたが、特別債などに対する地方自治体の協力はどうなんですか。あるのか、ないのか。
#72
○政府委員(山口真弘君) 今回の、この鉄道建設公団によるところの建設でございますが、この金の出どころといたしましては、これは財政投融資、資金運用部資金からの借り入れというものと、それから特別債の借り入れということが原則でございまして、その特別債につきましては、鉄道建設公団がこれをまかなうということにいたしております。その点では地方公共団体の協力ということはないわけでございますが、ただ、これに対しまするところのある程度の利子補給の問題だとか、あるいは住宅側につきまして、特にニュータウンでございますが、ニュータウンの場合につきましては、土地買収あるいは施工基面以下の建設費につきましての負担というような問題につきまして、住宅側の応援を受ける、協力を受けるということで話が進められております。
#73
○小柳勇君 後日、鉄道運賃との関連で詳細には論争いたしますが、この前も言いましたように、路盤からレールぐらいまで、あるいは信号といいましょうか、そのくらいまでは国や地方自治体がもっと責任を持って、国鉄に対しても地方鉄道に対しましても責任を持つべきであると、私はそういう考えを持っておるものであります。したがいまして、鉄道は運輸省あるいは国鉄だと、そういうような観念でありますと、たとえば新線建設に対しましても東京都も千葉県も反対するという現象が起こってまいります。国全体の足を確保し、これから十年、二十年先の国土の開発を考えまして、鉄道の建設あるいは私鉄の建設をないがしろにして一体どうして客貨の流れを守ることができましょうか。したがいまして、こういう法律をつくるときに、もう少し根本的に地方自治体ともひざを交えてちゃんとよく話し合って、今度こういう改正法が出るのだ、これによって民鉄がこのようになるのだと、したがって、あなたのほうではこれこれを協力してくださいよと、そのくらいの話ができたあと国会にちゃんと法律を出すと、それが私は順序ではないかと思うのですね。ただ相談して、おれたちはつくるんだから、あとはひとつ東京都もついてこい、愛知県も大阪府もついてこいでは、あるいは民鉄がつくったものを使えばよろしいという考えでは、法律はもうほんとうに死んでしまうのじゃないかと思うのです。だからそう言っているわけでありまして、地方自治体の協力に対して運輸大臣からもう一回見解を聞いておきたいのです。
#74
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま御指摘いただきましたとおりでございまして、こういったような公共事業をいたします場合におきましては、地方団体の協力を得なくてはこれは絶対できない次第でございます。したがいまして、今回、規模の点は別といたしましても、実はこれらのものの法案をつくるにつきまして、これを将来運営をする私鉄はもとより、それから、それを一応予定をしております地方公共団体につきましても、それらの方向でもって私鉄を助成して、そしてまた御指摘のように足らざる点は多々ございますが、その第一歩といたしまして、これらの計画をやりたい、それについての協力を得たいということも十分話し合った次第でございます。また自治省を通じましても、それらの点につきまして、利子補給の問題その他の点を話し合ってやった次第でございまして、将来とも、いまお話がございましたとおり、地方公共団体との連携、協力というものは何よりも必要である、こういうふうに考えて、その線に向かって仕事を進めてまいらしたい、こういうふうに思っております。
#75
○小柳勇君 次は、民鉄協会との話し合いについてですね、綿密になされたと思うけれども、たとえば線区の割り振りなり、予算の割り振りなり、あるいは公団との関係なりいろいろ御協議はあったと思うが、先般もちょっと答弁ありましたけれども、もう一回、民鉄協会との話し合いはどのようになされたか、お聞きいたします。
#76
○政府委員(山口真弘君) これは民鉄協会はいわば事業者の団体でございます。地方鉄道事業によりまして国民の便益を促進するということを目的とした団体でございますが、一応、事業者の団体でございます。したがいまして、具体的な、どの線についてどうというような民鉄協会との直接的な話はございません。ただ、基本的に、現在の地方鉄道業者が置かれておるところの地位、それから今後の輸送力増強の必要性というようなものにつきまして、いろいろ話し合いをいたしました。そして今回のこの公団構想というもので、役所側としてはこれを進めまして、そして輸送力増強の工事を進めていくということにいたしまして、それにつきまして、協会とも十分に意見の一致を見ておりまして、進めておるわけでございます。さらに民鉄協会からいろいろ希望もございます。たとえば、この工事のしかたはどういうふうにしてもらいたいとか、たとえば管理費をできるだけ安くして、そして安いコストでの譲渡というものをお願いしたいとか、あるいはその譲渡に関連いたしますところの年賦の支払いというものはできるだけ長期にしていただきたいとか、そのような各種の要望等がございます。そういったような点を十分に参酌いたしまして、法律並びに今後の運営をやってまいりたいというふうに考えております。
#77
○小柳勇君 私も、その後二、三回民鉄の代表と会いまして、いろいろ懇談をいたしました。私はこれから二、三質問いたします。これは民鉄の要求そのままではない、私の責任で質問をするのでありますから、そのようにとっていただきたいと思います。
 まず第一は、鉄道建設公団の組織はできるだけ簡素なものにして、そして事務の能率化と経費の節減をはかってもらいたい、それは自分たちの間接の節減にもつながるからだ、こういうお話がありました。この点に対して建設公団総裁から御意見をお聞きしたいと思います。
#78
○参考人(篠原武司君) お説のとおり、私どもも工事経費が管理費その他でふくらまないように極力やっていきたいと思っております。したがいまして、機構その他も非常に簡素にいたしまして、要員の増も非常に押えて少ない人間でやっていきたい。特に仕事のやり方といたしまして、私鉄の力を十分に活用するような方向でもっていきまして、私どものほうでも責任のとれる範囲で最小限の人間にしたいということで、ほんのわずか、二、三十人くらいの人間の増加でいいんじゃないかと思いますが、そういうようなことで処理してまいりたいというふうに考えております。
#79
○小柳勇君 言うまでもないことでありまして、国鉄にいたしましても、私鉄にいたしましても、出る金は国費ですから十分御配慮願って、私鉄の皆さんが、建設公団に頼んだから高くつくんだというようなそういうそしりがありませんように、ひとつ十分御配慮願いたいと思います。
 次に、私鉄と国鉄との工事は現在まで少し違っておった、私鉄はなるべく安くつくように設計し運営をしておる、今回、鉄道建設公団にお願いして国鉄並みにつくってもらって、そして非常にコストが高い鉄道ができるのではないか、こういう御心配がありますが、この点について総裁から御意見を聞かしていただきたい。
#80
○参考人(篠原武司君) 国鉄の場合にコストが非常に高いというような御批判を受けましたのですが、私どもといたしましては、これも極力切り詰めた要員で仕事をやっておりまして、そう高いとは思っておりませんが、しかし、私鉄の場合は、先ほど申し上げましたように、私鉄の力を十分活用するという方向で考えまして、たとえば国鉄で工事をやる場合に、公団の人間が一人当たりで二千万円くらいの工事費を処理していると思いますが、私鉄の場合には、三億とか四億とかあるいは五億ぐらいの消化をする程度に考えておりますので、非常に大幅な負担はしないで済むのじゃないか。そこの違いは、何といいましても国鉄の場合には、公団が直接自分で全部やるという立場を一応とっております。現在線に関係する部分は国鉄に委託するという場合もございますが、しかし、私鉄の場合はそうじゃなくて、私鉄の力を十分に利用するという方向で考えていきますので、そういうことにはならぬと思っております。
#81
○小柳勇君 このような心配がありますので、これは国鉄にも聞かなければなりませんが、国鉄が直轄工事をやっておるものと、あるいは公団がやっておるものと差があるのかどうか、この点については総裁はどう考えますか。
#82
○参考人(篠原武司君) これは国鉄で仕事をする場合と、公団で国鉄の仕事をする場合との違いというように理解してよろしゅうございますか。――そういうふうなお話と受け取りますと、公団では何と申しましても技術陣その他要員がわりあい少のうございまして、どうして与えられた仕事を完成するかということで、非常に苦労しております。したがいまして、これを遂行するのにはどうしても民間の力も相当かりなければならぬ。たとえば設計とか見積もりなんかする場合につきましても、ある程度民間のコンサルタントの力をかりるというような方法もとりましたり、いろいろ苦心惨たんしておりまして、要員の面でも、国鉄よりも少ない人間でよけい工事を担当しているわけでございます。はっきり幾らということを、いまちょっと数字を持っておりませんけれども、国鉄よりは割り安になっているというふうに理解しております。
#83
○小柳勇君 国鉄の副総裁見えているけれども、鉄道建設公団で鉄道をつくるのと国鉄直接でつくるのと差があるのではないかという話があるんですが、いかがですか。
#84
○説明員(山田明吉君) 鉄建公団でつくる線路は国鉄に譲渡になるか貸与になるかするわけでありますが、鉄建公団も国鉄も一応、準拠規定として建設規程というものがございます。これは共通でございます。したがいまして、その間に差異はないと考えております。
#85
○小柳勇君 それはどうせ公団でつくったものは国鉄に貸し付けなり譲渡されるんですから、その差というものは出ないでしょうが、民鉄のほうは、国鉄でつくっているのといままで私鉄がつくってきたのは相当の差があるだから、今度は国鉄並みにつくられるから高くついて償還金が高いんだと、こういうような心配があるようでありますから、この点はまた具体的にいろいろ後日御説明を求めたいと思います。
 そこでもう一つは、公団ぎおつくりになりましたその民鉄の鉄道を譲渡する価額をできるだけ安くしてくれないか、こういうふうな要求がありますが、この民鉄に対する譲渡の価額については、あらかじめこういう法律をつくるときにきめておかないでもよいのであろうか、でき上がったものを、さあひとついままで決算したらこうなりますというようなことで譲渡してまいるのか、あるいは貸し付けの場合もありましょうから、これに対して運輸省はどういう考えであるかお伺いいたします。
#86
○政府委員(山口真弘君) 鉄道建設公団がつくります施設は、完成の暁におきましては、当然これは当該鉄道事業者に譲渡あるいは引き渡しをするということになるわけでございます。その場合に、この価額でございまするが、これは鉄道建設公団は国の機関でございまするから、公団でございまするから、したがって利益を得る必要は全然ないわけでございます。利益は必要でございませんが、建設に要した費用というものは、これは全部やはり回収する必要がございます。したがいまして、その譲渡価額の基準というものは、当然、法律によりますところの政令で其準をはっきり定めておく必要がございます。それで、いま私どもその政令におきまして考えておりまするのは、鉄道の建設に要した建設費というものと、それからその建設費に対しまするところの利子の支払い、それからさらに、それに対しまする管理費等でございます。こういったようなものが建設にかかった全体の費用でございまして、これを譲渡の価額とする、こういうふうにいたすわけでございます。それで、あと、その具体的な建設の費用がさらにこまかくどういうふうになるかという問題につきましては、これは各事業者が申し出をいたしまして、そして申し出に基づきまして運輸大臣がこの建設を指示するわけでございますが、その段階におきまして、これは地方鉄道法によりまするところの工事施行の認可というものにマッチした工事実施方法の決定というものをいたします。したがいまして、その限りにおきまして設計の大ワク等はきまってまいるわけでございます。そういうわけで、その面でおのずから建設に要する費用というものはきまってくるという形に相なるわけでございます。
#87
○小柳勇君 この法律ができまして、これから着工になるわけでありますが、もちろん五年間の間には物価の上昇もありましょう、それから人件費の上昇もありましょう、いろいろ条件が変わってまいりましょうが、政令を定めて譲渡価額をきめるときに、譲渡を受ける民鉄の代表なりあるいは私鉄の代表の意見も入ってその政令ができるのかどうか、お聞きしておきたいと思います。
#88
○政府委員(山口真弘君) 政令の段階でございますが、これは先ほど申しましたようにもうける必要は全然ございませんが、しかしながら国の金をかけた施設でございますから、それを全額回収する必要があるわけでございます。したがいまして、先ほど申しましたような基準で政令を書くことにいたしまして、この限りにおきましては、私鉄の意見はもちろんいままでも聞いておりますが、具体的な問題といたしまして当該施設の譲渡価額は幾らかというようなことにつきましては、これは意見を聞くということはございません。
#89
○小柳勇君 民鉄の代表は、この譲渡価額については民鉄の意向も聞けとおっしゃっておりますが、こういうことを漏らしておられますが、その点いかがですか。
#90
○政府委員(山口真弘君) 民鉄の代表の方がどうおっしゃいましたか私どもわからないのでございますが、譲渡価額のきめ方の基準というものにつきましては、いままでも民鉄協からも意見を聞いております。聞いておりますが、もちろん、先ほど申しましたような原則によりまして、公団としても、かかった費用並びにこれに対する利子、管理費というようなものは全部回収するということが必要でございますので、先ほど申しましたような政令の形にいたしたい、このように考えております。
#91
○小柳勇君 それから、四十八年度以降にさらに資金コストを引き下げてもらいたい、こういう話もありました。それは、さっきからの話にさかのぼりますが、鉄道建設公団につくってもらうと自分たちがつくっておった経費よりもよけいにかかるのではないかという心配が一つあるようです。資金コストなどのコストも安いので、二十五年均等返還で返していく場合において、みずから借金して返すよりも今度はかえって負担が大きいのではないか、こういう懸念もあるようでございまして、譲渡価額にしましてもひとつなるべく安くしてくれ、それで自分たちの苦衷を、不平を言いたいようです。したがいまして、政令できめる譲渡価額を幾らとおきめになるというときには、あらかじめこれは鉄道を運営する側の、私鉄の意向も十分聞いてもらいたいと思いますが、くどいようですけれども、もう一ぺん見解を伺いたいと思います。
#92
○政府委員(山口真弘君) ただいま先生御指摘のように、基準につきましては、先ほど私から申し上げましたように政令でぴしっときめてしまうわけでございますが、その基準に基づきまして、具体的な工事のしかたあるいは設計のしかたそれから譲渡なり引き渡しの方法とか、そういったようなものにつきましては鉄道建設公団と当該私鉄事業者が協議をすることになっております。そういう段階で、たとえば設計については大ワクとして先ほど申し上げました工事施行の認可できまってまいるわけでございますが、それに対する細部的設計によりまして、それがぜいたくな設計になるというようなことのないように、これは鉄道建設公団と当該私鉄事業者の間で協議をするというようなことに相なります。その意味では事業者の意見というものは十分反映される形になっております。
 それからいま一つは、もっとさかのぼりまして、根本的に、私鉄事業者がやるよりも高くなるのではないかという心配でございますが、これはもうごもっともな心配でございまして、何といっても、この工事のしかたその他が親方日の丸的な仕事ではいけないわけでございまして、どうしてもやはり経済的なものをつくりまして、そうして、それによりまして鉄道輸送の増強をしなければ結局この事業全体がうまくいかないわけでございますので、それは十分に努力しなければならないと思いますが、基本的には、今回の措置というものが、一つには、私鉄事業者の手に余るところの資金調達能力というものを補って、鉄道建設公団が公的な資金の調達等によりましてこれを建設をするというようなこと、それからいま一つは、鉄道建設公団の行ないます資金のコストというものは、一つは財政資金――資金運用部資金が五分五厘、それからその他の特別債につきましては利子補給ということによりまして、従来の開発銀行及び市中借り入れによるところの私鉄の資金コストというものよりは有利であるというような観点、それからいま一つは、これに対する建設後の譲渡のしかたでございますが、これが長期分割の償還の方法をとっております。二十五年元利均等償還というような形になっております。その間におきます私鉄の資金繰りという面におけるところの有利さというようなところがございまして、そういう面から考えまして、私鉄がつくったほうがこれよりもいいんだというようなことではやはりないのじゃないか、相当、この公団方式による建設によりまして輸送力増強工事の促進がはかられるというように私ども考えております。
#93
○小柳勇君 次に、赤字線の補助の話でありますが、たとえば複々線工事とか都心乗り入れ新線建設につきましては、その部分が黒字か赤字か、なかなか計算が困難かと思います。ただ、ニュータウンができまして、その新線につきましては黒か赤かは計算できないことはないと思うのですが、赤字になりました場合に、地方鉄道軌道整備法の第八条の政府補助というものは、鉄道建設公団がつくって譲渡したものでも適用されるのかどうか、お聞きしておきたいと思います。
#94
○政府委員(山口真弘君) 現在の地方鉄道軌道整備法上は、先生御指摘のように、新線補助、それから改良補助、それから災害の補助、それから欠損補助、この四つがあるわけでございます。まあ大体におきまして、この補助のやり方というのは、私鉄の事業者が自分でその工事をやったり、自分で維持したりというようなことを目的とする、ところの補助でございますが、したがいまして、鉄道建設公団自体が行なって建設をするところの工事につきましては、直接には適用がない場合が多いわけでございます。たとえば一号の新線補助につきましては、これは鉄道建設公団が行なう場合にはもちろん適用がないと思いますし、二号の改良補助につきましても適用がないのじゃないかと思います。ただ、三号の場合でございますが、これは欠損補助でございますが、これは非常に老朽化したところの地方鉄道で、そして、それができなければ地方の住民の足が確保できないというような、いわば過疎地帯等におきますものでございますから、これも適用がないのじゃないかと思います。ただ、四号の災害復旧に対する補助でございますが、これは建設公団がっくりまして私鉄に渡しまして、その後に当該私鉄につきまして大きな災害が起きるというような場合につきましては、当然この規定の適用があるような場合もあり得るのじゃないか、このように一応考えております。
#95
○小柳勇君 災害補助につきましては、それはわかりますが、営業欠損の補助につきまして、みずからつくった鉄道では補助してもらえるけれども、鉄道建設公団がつくって譲渡されたものだから補助がないというのも少し問題があると思います。私も。したがいまして、これは省議できまっておるかどうかわかりませんが、もう一回、局長の見解を聞いておきたい。
#96
○政府委員(山口真弘君) おっしゃるとおりだと思います。ただ現在、欠損補助として考えておりまする三号でございますが、これは非常にいなかといいますか、むしろ過疎地帯におきます老朽化したところの地方鉄道であり、本来ならもうやめたい、しかしながら、そこには道路輸送がない、そういうような線区がございまして、これをやめてしまえば当該山村の足がなくなってしまうというようなものを主として対象としているのが欠損補助でございまして、今回の、この公団が建設いたしまするところの、大都市のための鉄道線路と少し性格がやはり違うようでございます。もちろん、この三号の条件に当てはまることになれば、欠損補助の可能性というものはないわけじゃございませんです。今回の工事によりまするところの鉄道というものは、大体これに当てはまらないのではないかというように考えております。
#97
○小柳勇君 具体的には、私いまニュータウン新線と言ったから少し話が固定してまいりましたが、先日も質問しましたように将来、地方における都市間の高速鉄道もこの法律を適用してもらうことがありましょうと言ったら、政令でこれはつけ加えてまいります、拡充してまいりますという答弁がありました。したかいまして、将来各地方における高速鉄道の建設を鉄道建設公団がやって営業する場合、必ずしも黒字だとは言い切れないと思います。そういうものも予想いたしますと、いまここで、この法律改正のときに、ただいまの局長のような答弁を速記録に残しておきますと、少し問題ではないかと思うのですが、将来においては、その営業成績などを見て、みずからつくった線路であろうとあるいは鉄道建設公団がつくりて譲渡したものであろうと、この地方鉄道軌道整備法が生きている間は、やはり同質なものとして考えていかなければならぬのではないかと思うのですよ。この点について、さっきの答弁だけを速記録に残しますと非常に問題が大きいから、もう一回、見解を聞きます。
#98
○政府委員(山口真弘君) その点はおっしゃるとおりでございます。私が先日申し上げました、適用範囲の拡大があり得るということを申し上げましたのは、この法律の目的が大都市の通勤通学輸送等の輸送の足を確保するというところに中心があるわけでございますから、そのような必要が生ずるような大都市というものにつきましては拡大をしていく可能性があるということを申し上げたわけでございますが、しかしながら、先生御指摘のように、そういったような鉄道につきまして、この地方鉄道軌道整備法を適用するような事態が生じてくるとなれば、これは当然もうこの法律によりましてさらに補助をするということも考えられるわけでございます。
#99
○小柳勇君 いま私が質問しましたようなのが民鉄協会の代表の、こもごもの意見――私は集約いたしました。まだ具体的にはありますけれども、これはもう皆さん御存じだと思いますから省略いたしますが、民鉄としても、現在工事を待っているものもあるようです。この法律案が一日も早く成立をして、実施してもらいたいという要求もありましたから、これをつけ加えておきたいと思いますが、私どもこの法律が反対でありませんので、一歩前進だとは思います。しかし、根本的に一体、鉄道建設というものはどうか、この問題についてはこれから意見を少し聞いてまいりたいと思います。
 冒頭に申し上げましたように、高速鉄道をつくってまいるこの法律があと追いをしている、住宅団地形成後に何年かたって、こういうものを追っかけてまいる、これでは、せっかくできました法律も、その目的の何分の一しか達成されない。で、これから新全総によります国土開発がいろいろ計画されましょう。大まかな都市計画なり、それから工場配置ができましたならば、それに先がけて、国鉄なり民鉄なりの建設を計画し、予算を確保して工事をしなければならぬのではないか。道路は五カ年計画なりあるいは将来計画もあります。道路がそうでありますように、鉄道も、国有鉄道も民鉄もそのような計画がなければならぬと思います。とにかく住宅団地ができる前に足を確保する、しかもそれは政府と地方自治体が責任を持ってやらなければならぬ、こう私は考えるのでありますが、運輸大臣の見解をお聞きしたいと思います。
#100
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 先ほどからいろいろ御質問、御指摘をいただいておりまして、私は率直に申し上げまして、先生が御指摘になったとおりと思う次第でございます。運輸行政といたしましても、やはりどうも率直に言って、あとからあとから追っかけていくという面が非常に私は強い、まことに遺憾と思っておる次第でございます。これを早く直していかなきゃならぬ、こういうふうに思っておる次第でございます。
 御承知の、ただいま施行されております新都市計画法、あれをつくる場合におきまして、論議の的は、鉄道なり高速道路なり、それと都市計画とどういうふうにしてマッチするか、まず国の方針は、鉄道、高速道路、それと合わして都市計画をつくるべきではないかという議論も再三された次第でございます。やはりこれは、必ずしも私はここで論議をしませんが、そういったような点につきまして、両方関連をいたしまして都市計画ができなければ、私は絶対にこの国土のほんとうの均衡ある発展も、そして実際住民の日常生活におけるところの足の確保もできない、こういうふうに思っておる次第でございまして、それらの点につきまして、これからも一そう連絡を密にいたしまして、そうしてやはりこの新しき都市計画、そうして新しき輸送網の確立というものを一体に考えていかなければならない、こう思っておる次第でございます。いろいろ御指摘をいただきましたが、ほんとうに、いまの大都市の通勤通学の点につきましてはいろいろ隘路がございます。今回は、そのまず第一歩といたしまして、この公団法の一部改正を御審議願っておる次第でございますが、先ほど自動車局長からお話し申しましたとおり、やはりバスにおきましても、いわゆる命令路線、海上運送法におけるような命令航路というようなものも必要になってきているんじゃないかということも、私も強く感じまして、今回予算折衝をさした次第でございますが、まだ私の力が足りませんで、その点が日の目を見るに至りませんでしたが、ぜひ来年は必ずこれをひとつ具体的に、予算面におきましても、また計画面におきましても実現を見まして、御審議を願っていきたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
 また、いまお話がございました、確かに百二十五億円、非常にまだいまの規模からいいまして少額でございまして、これは財政規模の拡大に伴いまして、諸先生の御鞭撻と御指導をいただきまして、大きく工事規模も拡大をいたしてまいりまして、早急にやはりそういったような整備拡充につとめてまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
#101
○小柳勇君 ただいま運輸大臣がおっしゃいましたような鉄道建設というものを頭に入れまして、鉄道の関係の法律を読んでみますと、どこにも書いてない、そういうことは。道路法には、これはいま運輸大臣がおっしゃったようなことを第一条に、目的に書いてあります。道路法の第一条は「この法律は、道路網の整備を図るため、道路に関して、路線の指定及び認定、管理、構造、保全、費用の負担区分等に関する事項を定め、もって交通の発達に寄与し、公共の福祉を増進することを目的とする。」と、こう書いてあります。いま運輸大臣がおっしゃったようなことで、目的で道路をつくることと、そして、この国道から県道、市町村道まで詳しく書いてあります。管理から費用負担まで書いてあります。ところが、鉄道に関しましては、これだけ法律を読んでみましても、どこにもそういうことを書いてないんです。鉄道建設公団法の第一条にこういうことが書いてあります。この目的として、「日本鉄道建設公団は、鉄道新線の建設を推進することにより、鉄道交通網の整備を図り、もって経済基盤の強化と地域格差の是正に寄与することを目的とする。」、国全体の国土開発などということは書いてないです。ただ、どんどんどんどん鉄道を、交通網を発達さして地域格差をなくす、それが鉄道建設公団だと書いてあります。それから大正十一年にできました鉄道敷設法、これはその第一条、目的も何もございません。第一条は「予定鉄道線路」と書いてあります。「本邦ニ必要ナル鉄道ヲ完成スル為日本国有鉄道ノ敷設スヘキ予定鉄道線路ハ幹線鉄道整備法ノ規定二依リ建設スヘキモノノ外別表ニ掲クル所ニ依ル」と、こういう予定線を書いて、これが鉄道敷設法、大正十一年にできました。
 いま運輸大臣がおっしゃいました、私がさっきから申し上げておりまする国土開発、大まかにでもいいが国土開発の計画ができたならば、それに先んじて鉄道を建設し、道路をつくり、あるいは港湾を整備する、そうしなければ、もう人の流れは安全でありませんと言いましたね。運輸大臣もそのとおりだとおっしゃる。では一体、どういう法律で鉄道を建設してまいるのか、運輸大臣の見解をお聞きしたい。
#102
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 鉄道建設公団法、また鉄道敷設法にそういうような目的が書いてないということでございますが、これはもういま道路法で書いてございましたように、私はもう輸送体系の大前提と思っておる。あまり大前提としてはっきりしているから書かない、こういうふうにも思っておる次第でございます。あくまでもやはりそこが私は大前提だ、こう思っておる次第で、それから具体的な問題、新線をどこにするかというふうなものが載ってくる、私はそういうふうに解釈をしておる次第でございます。
#103
○小柳勇君 鉄監局長、私、何回も繰り返しませんがね、いま理想像は運輸大臣が申されました。ただし、法治国家ですから、どこかに準拠する法律がないと、ただ理想像だけあっても鉄道はできませんね。どういう法律を基礎にして、これからの、将来のですよ、過去は問いません、将来の鉄道建設をしようとされるのか、お聞きいたします。
#104
○政府委員(山口真弘君) 実は鉄道敷設法でございますが、これは大正十一年に制定されたものでございますが、この大正十一年制定の鉄道敷設法は、さらにそれよりも前の明治二十五年の鉄道敷設法とか、北海道鉄道敷設法とかございまして、そういったものをやめまして、そうして大正十一年に新しい鉄道敷設法に集約をしたという法律でございます。それで、当時の法律でございますから、したがいまして、法文の形態等も非常に簡素化されておりまして、現在の、終戦後の法律に書いておりまするような、いわゆる法律の目的規定等というようなものがございません。そうして、ただ、そのものずばりということで、「本邦ニ必要ナル鉄道ヲ完成スル為日本国有鉄道ノ敷設スヘキ予定鉄道線路ハ幹線鉄道整備法ノ規定ニ依リ建設スヘキモノノ外別表ニ掲クル所ニ依ル」と、こういうふうな書き方になっておるわけでございます。
 その考え方というのは、本来、当時の考え方といたしますれば、鉄道敷設の路線というものは、本来、いわゆる旧憲法下における法律事項ではなかったわけでございますが、しかしながら、これの路線を確定するということは、一つの行政上の大きな指針として非常にこれは意味があるということで、立法としてこれを定め、そうして、その予定鉄道路線というものを掲げたというふうに私ども聞いておるわけでございます。そういう形で大正十一年の別表が定められておるわけでございます。この別表につきまして、具体的に、これが現在の鉄道のあるべき姿というものにマッチしておるかどうかという問題は、次にやはり考えなければならない問題じゃないかと思います。
 それで、次に、鉄道敷設法以外におきましては、新幹線鉄道整備法があるわけでございますが、新幹線鉄道整備法は、これは最近の立法でもございますし、まさに先生御指摘のような、全国的な交通体系の中における新幹線の位置づけというものを踏まえた上で新幹線鉄道整備法は規定をされておるわけでございまして、その意味では、高速鉄道の体系が国土の総合的かつ普遍的な開発に果たす役割りの重要性にかんがみ、新幹線鉄道による全国的な鉄道網の整備をはかり、もって国民経済の発展と国民生活領域の拡大に資することを目的とすると、こういういわば目的なり建設の方向なりというものがはっきり定められておるわけでございます。そこで、その新幹線鉄道整備法から振り返って鉄道敷設法を考えてみると、鉄道敷設法の目的というものは、やはり時代によって若干動いてきつつあるというように私ども考えるわけでございまして、大正十一年時点では、全国津々浦々鉄道網を整備するという趣旨で鉄道敷設法が書かれていたに違いないわけでございますが、今日の段階におきましては、道路交通の発達というようなことも考えあわせて、鉄道敷設法の運用というものはやはりやってまいらなければならぬのじゃないかと、このように考えております。いま予定鉄道線路の中におきましても、まだ建設に着手していない線路がかなりあるわけでございますが、やはりそういう配慮のもとに法律の運用がなされておる、こういうふうに考えております。
#105
○小柳勇君 そうしますと、鉄監局長は、さっき運輸大臣が言われました鉄道建設の方向は、新幹線鉄道整備法と鉄道敷設法、これで十分であるという見解ですか。
#106
○政府委員(山口真弘君) 先ほど大臣が申しました鉄道建設の意義ということにつきましては、大臣の申しましたとおりでございます。その一つは、新幹線鉄道整備法にはやはりあらわれているわけでございます。それから鉄道敷設法につきましては、十一年の法律でございますから、そういうことが実際の法文上にはあらわれていないということが言えるわけでございまして、したがって、法文上にあらわれていない鉄道敷設法の運用といたしましては、先ほど大臣が申し上げましたような、基本的な鉄道の考え方、こういうものに従ってこれを運用をしていくということが必要であろうというふうに考えるものであります。
#107
○小柳勇君 私、議会制度七十年史をずっと読んでみまして、大正十一年前後の政治情勢なり経済情勢を分析いたしました。なぜこのような形で鉄道敷設がなされたか。ちょうど軍備縮小が国会にかかった前後です。そのころ不況で失業者が相次ぎ、官業労働者のストライキもあり、たいへんな不況時代。しかも、軍備縮小によりまして海軍も陸軍も退役者がどんどん出るという時代。そのとき憲政会、政友会の二大政党の対立がありまして、お互いに政権を譲り合った時代ですね。で、当時の情勢から推しはかりますと、この鉄道敷設法ができました背景は、まず第一は、その不況克服のために失業者を救済しなければならないのじゃないかということが一つ。それから鉄道建設審議会の中に、参議院、衆議院、そのころの貴族院及び代議士を入れました。そういういきさつも、政治的におのおの二大政党の対立を融和するという面もあったでしょう。言うならば、そのときの政治情勢をそのまま法三章であらわしておるのではないか。
 いまこの第一条別表が一から百五十まで路線があります。ここに予定路線というものがあります。これをいま見てみますと、ほとんど、これができましたらもう赤字線だけではないかというような予定線です。で、営業係数は、おそらくこれは五〇〇あるいは七〇〇くらい――只見線が七二六になっておりますね、これが完成いたしましたらおそらくそうなるであろう。しかし、そのときのバランス・オブ・パワー、その政治権力のバランスをとるためにこのような表を掲げざるを得なかったのではないかという気がするわけです。それが連綿と今日まで続いています。五十年、このような古色蒼然としたこの鉄道敷設法があるために、これを建設するために国有鉄道が昭和三十九年まで金を使って建設してまいりました。しかし、国有鉄道がどんどん赤字がふえてまいりますと、もうそこに手が出ない。そこで鉄道建設公団をつくって外部から資金をつくって、とにかくこの中から拾い上げていま建設を急いでいる。しかしながら、その建設は遅々として進まないわけですよ。百五十線のうちいま着工しているのは現在四十一線です。パーセンテージでいいますと二七%の着工です。そうして、その進捗状態、四十一線の中の工事の進捗状態はわずかに二五・四%です。昭和三十九年に建設公団ができました。それからもう八年ですね。八年の間かかりまして、百五十線の、その別表の中でわずか六・八%しか完成していない。それに使いました金が九百二十六億円です。しかも、これが完成するためには、いまの調子で計算いたしますと、これからあと二十.一年間を要します。現在までの工事の進捗状態でいきますと、あと二十一年間を要します。これから二十一年間かけてこの別表を完成して、そのとき一体、日本の姿というものはどうなりましょうか。こういうようなものを真剣に検討し分析され、これからの国土開発の、いわゆる新全総などに照らし合わせて、鉄道敷設法をどういうふうに読んでこられたか、運輸大臣の見解を聞いたいと思います。
#108
○政府委員(山口真弘君) 先にちょっと。鉄道敷設法が当時できまして、それによりまして、別表によりまして具体的な線名がずっと書かれたわけでございますが、この考え方というのは、先ほども申し上げましたように、当時としては全国的な鉄道網を津々浦々まで整備するという考え方に基づいているものだろうかと思います。それで、その後の時代の変遷、特に現在の時代の要請から見まして、これをそのまま踏襲をして建設をしていくということにつきましては、相当な問題があるわけでございまして、その点につきましては、先生御指摘のように、現在のようにこれをまんべんなく各線につきまして建設をするということは、資金の効率的な利用という点からも非常に問題があるわけでございます。そこで、先ほど大臣が申しましたような基本的な考え方に従って、この建設すべき路線についてはこれをどうしても重点化をしていかなければならぬ。法律にはぴしっと書いてございませんが、先ほど申しましたような理念によりまして、これを重点化していかなければならない、このように考えておるところでございます。
#109
○小柳勇君 ちょっと雑音が入りまして、中身をよく、まん中の部分を聞いていなかったのですが、まことに申しわけないが、これは大事な問題ですから、私は、とにかくきょうは、鉄道敷設法廃止の方向であなた方が検討すると言うところまで質問を続けますから、もう一回言ってみてください。
#110
○政府委員(山口真弘君) ただいま申し上げましたのは、鉄道敷設法が大正十一年にできまして、それで、当時としては全国津々浦々に鉄道網を建設するという基本的な形に従ってこれの別表が掲げられたものと考えるわけでございますが、その後やはり社会情勢の変化、経済情勢の変化というようなことによりまして、現在の情勢からいきますと、必ずしもこれをそのまま踏襲するということにはいろいろ問題があるわけでございます。したがいまして、現在でも、この中の予定路線の中でも全然手をつけていない、工事に着手していない線も相当多数あるわけでございますし、また、先生御指摘のように、工事に着手いたしましても、まだほんの少ししか工事ができていないで、完成には非常に長年月を要するものもあるということでございます。したがいまして、それを今日の段階におきましてどうするかという問題につきましては、法律の表現といたしましてはこういうふうに書いてございますが、これはやはり現在の考え方、現在の状態に照らした運用というものをしなければならない。先ほど大臣から申し上げましたような基本的な考え方に従って、現在的な意味におきましてこれを運用をしていく。したがって、この建設につきましては重点的な建設というふうに持っていかなければいかぬものだと私ども考えておるところでございます。
#111
○小柳勇君 ことばじりをとるわけではありませんが、重点的な建設というのをもう少しくだいて話してもらいたいのですが、別表に百五十書いてあります。どこどこ区間と書いてあります。で、鉄道建設公団が仕事をするのは、その中のどの区間かを引き抜いて建設審議会がこれをやろうと、調査線、それから着工をするわけですね。で、それ以外にはしないわけでしょう。それ以外には建設しない。そこで、ことしの予算を見ますと、いわゆるローカル線、これは完成したら赤字になるだろうと予想されるその線のために予算を二百億取ってあります。きのうも鉄建公団の諸君といろいろ話をしておりまして、三百七十億ありますと十年間で完成する予定でございましたと、ところが年々その完全な予算が取れないために延び延びになっている面もありましょうという答弁もありました。で、AB線に対して二百億、あとC線に対して二百億円だが、C線については直接言いません。このような別表があるために、やはり鉄建公団としては、これから、この中からずっとやらなければならない。完成いたしましたのを、今度は貸し付けなり譲渡して国鉄が営業いたしますと、国鉄としては営業係数六〇〇から七〇〇、百円もうけるのに七百円かかるという、そういう線路でしょう。それをなお残しておく意味があるかということです。意味ないでしょう。ないならば、この際、この鉄道敷設法というのは廃止をして、新たに鉄道建設基本法あるいは鉄道建設法とか、そういう基本的な、道路法に匹敵するようなものを、法律をつくって、一切、鉄道建設公団などの法をまとめて、新幹線建設あるいは主要幹線建設、主要地方線建設、その費用の分担から管理、営業まで一切まとめて道路法みたいなものをつくって、近代的な国家にふさわしい鉄道建設をやるべきではないか、そう考えるわけです。
 この鉄道敷設法につきましては、予算委員会でも再々論議されておる。本会議でも論議されておる。それがなおも古色蒼然としてこの法律が残っておるところに矛盾があるのではないか。赤字線廃止を皆さんはいま提案しております。これは近くまた論議することになりましょう。国鉄再建法で三千四百キロ廃止したいといっておる。その片一方では、この別表百五十の中からどれかを選んできて赤字線をつくっておる。そういう矛盾を解消しないでこの国会の意味があるかということですよ。何回も論議されたことを、またことしもつらをぬぐって答弁している。そんななら、こんな委員会など無意味です。矛盾を発見したならば、どうしてこれを解消するかということをお互いに力を出し合って、知恵を出し合って解消する方向に努力しなければならないでしょう。与党の諸君だってこれだけおりますよ。野党だけではないでしょう。矛盾を発見したならば、その矛盾を解消するために努力することが国会の任務ではないか、それが国民にこたえる大きな任務ではないか。だから国鉄運賃値上げを幾ら太鼓をたたいても、片一方で赤字線をつくっておる、片一方では赤字線だから廃止しようとしておる。それが隣同士でしょう。そうした場合の矛盾があるでしょう。そんな矛盾を目の前に置いて、国民が国鉄運賃値上げに賛成しましょうか。そういう矛盾をなぜ解消しないか。それこそ、こんな鉄道建設公団法の一部改正法案などよりももっと緊急な問題ではないか。すぐ目の前にもう団地ができた。国民はどうしようもないから、さあひとつ鉄道建設公団で金をつくってやってくれ。しかも、これから五年間ではないか。そんな、ほんとうに矛盾に満ちた法案を審議する時間がもったいないです、ぼくらは。運輸大臣、ほんとうにその決意を新たにして、この鉄道敷設法などを廃止して、新たに鉄道建設法をつくりますとか、検討しますとかいう、その決心をしてもらいたいと思う。私はきょうの大臣の答弁いかんで、この次また、中曾根総務会長が建設審議会の会長のようでありますから、この次来てもらいます。もちろん総理にも来てもらいます。そうして本国会の間に一つの方向を見出したいと思っておりますが、きょうは運輸大臣の御意見を聞いておきたい。
#112
○政府委員(山口真弘君) 鉄道敷設法によりますところの予定線路というのはまだ非常によけいございまして、総延長では一万七千キロくらいもございます。したがいまして、その中での未開業の路線も非常に多いわけで、その未開業の中でも工事をしていないような路線も非常に多いわけです。こういう事態が今日の情勢にマッチしていないということは、これはお説のとおりでございまして、その意味合いにおきましては、別表の路線というものは再検討を迫られているということは、もう言うまでもないところでございます。で、これにつきましては、そういうたようなものを、この敷設法自体を全部やめて、新しい法律をつくるか、あるいは敷設法自体を改正して、別表を改正していくか、いろいろな問題があるわけでございますが、これにつきましては、どうしても基礎的な考え方に従った改定というものが必要であろうかと思うわけでございますので、今後十分検討する覚悟でございます。
#113
○国務大臣(丹羽喬四郎君) いま局長から御答弁いたさせましたとおりに尽きる次第でございますが、私は、鉄道の敷設というもの、それから閑散線の廃止というもの、あくまでもやはり鉄道の特性が生きているか、生きていないかということにやはり私は重点を置いていかなければならない、こういうように思っている次第でございます。鉄道は現時点におきまして、また将来に向かいまして、国民の大量輸送機関としての特性が生かし得るかどうか、あるいはまた人口が寡少でございまして、むしろ代替輸送機関でもって十分であるかどうかということをやはり国民経済的に考えまして、そうして、やはり勇敢に、国の、国民のとうとい資金を使う次第でございますから、持っていかなければならない、こういうように思う次第でございます。したがいまして、ただいま御指摘になりました鉄道敷設法におきまして盛られている内容につきましては、もうすでに相当年月も、いま御指摘のとおりたっている次第でございます。私どもいま再検討するということを前の委員会でも申しましたのは、新しいこの新線につきましても、新線をやろうといって始めましたものにつきまして、あるいはその後の産業構造の変革によりまして、たとえば廃鉱になった、廃鉱が決定して貨物輸送の点で全然必要がなくなった、大量輸送の必要がなくなったというようなものは、やはり計画を変更しなければいかぬのじゃないか。その点ではたいへん見込み違いがあった。過去にあったと御指摘を受けるかもしれませんが、将来においても、そのあやまちを続ける必要はないのじゃないかというようなものもございますし、また現時点におきまして、それはいまお話しのごとく、赤字線でございましても、将来は、これは新全総からいたしましても、国土の均衡ある発展からいたしましても、やはりどうしても大量輸送機関が必要である、そうして必ずそれが国民の需要に適合するというようなものは、やはり新線としてつくらなければならない。そこにやはり尺度を置いてやっていかなければならないと思っておる次第でございまして、そういう点と、それからいまお話のございました目的の点につきまして、ややともすると、やはりそういったような、私がさっき申し述べましたような近代的と申しますか、今日の輸送機関が占める、国民の負託にこたえるような目的、大前提が欠けているというような点、その他の点につきましても、ただいま御指摘になりました点を十分踏まえまして検討いたしたい、こう思っている次第でございます。
#114
○小柳勇君 国鉄の副総裁に質問いたしますけれども、いま鉄道の任務なり、あるいは鉄道建設に対する考えは、さっき私が申し上げたとおりですが、国鉄にしても、ただ赤字を黒字にするというだけではなくて、日本の人と物との流れを安全に快的に、早く目的地に着かせるということに努力しておられると思う。これから、たとえば昭和六十年を一つの目標にしまして、そのときの都市構造なり、あるいは産業配置なり、いろいろプランを立てて、それにいまの国有鉄道をどうマッチさせるかということを検討されていると思う。ところが、諮問委員会の答申によりまして、まず八十三線くらいを一応売字線廃止の予定線として、着々廃止の方向に腹を固めておる、片や鉄道建設公団は、さっき申し上げたとおり、建設をやっている、その建設をしたものがまた国鉄に営業がまかされてまいります。そういう矛盾を持っておるわけでありますが、道路の建設も一つのリミットがあります、限度がありますね。港湾運送、内航海運の輸送についても限度があります。もちろん私鉄の輸送も限度がありましょう。そういうときに日本国有鉄道の責任者として、一体これを将来、これから十二年先、昭和六十年を目途にしてどうしようとされておるか、いろいろ計画あろうと思うが、いままでの、たとえば運輸省が出しておる国鉄再建計画へあと追いの姿勢でいいのかどうか、もっと前向きにどうしてもらいたいという、運輸省さん頼みますとか、鉄建公団さん頼みますとか、そういう前向きの積極的な鉄道建設なり、鉄道営業をする抱負があろうと思いますが、お聞かせ願いたいと思います。
#115
○説明員(山田明吉君) 先ほどからの御意見拝聴してまいりまして、将来の方向づけについての非常に有益な御意見かと拝聴いたしておりましたが、それで現在の国鉄の鉄道網は、御承知のように、明治以来、具体的には現在ございます鉄道敷設法が中心になって建設されてきたものでございます。その当時、鉄道側から申し上げるのは非常に口幅ったいのでございますが、唯一とは申しませんけれども、ほとんど鉄道以外にはよるべき交通機関がなかった時代からの鉄道網が現在ございます。その後、非常にほかの交通機関、なかんずく自動車、あるいは航空機あるいは内航海運が非常な発達をしてまいりました。それで現在、最近政府でも非常に強く強調されておられるのが総合交通体系という考えでございます。それで、そういう総合交通体系の中で、国鉄として、鉄道としてどういう位置づけをすべきかというようなことで、私どもも研究を重ねているわけでございますが、ただいま御指摘になりました赤字線の廃止、私ども赤字だから廃止するという考えではございませんで、総合交通体系の中で、残念ながら国鉄としては、自動車なりそのほかの交通機関に道を譲るべきだというものが出てきているのが事実でございます。そういうものは、やはり国民経済的に見て、新しいと申しますか、もっと能率のいい交通機関に道を譲るのが、これからのやはり国鉄の一つの姿ではないかと考えております。
 それから将来の問題といたしましては、政府でも、あるいは経済社会発展計画、これはつくり直されるようなふうに聞いておりますが、あるいは新全総というような計画がすでに発表されておりまして、それらの資料に基づきまして、私ども昭和六十年あるいは昭和五十年代、大体五十五年を前後とした輸送量、それにマッチする鉄道網、これが総合交通体系の中の位置されるべき鉄道網としての考えでございまして、そういうものを考えまして、現在手元に持ち合わせておりますのが、たまたま御審議願っております再建措置法に関連いたしまして、今後十年の間に、新幹線を含めまして、大体七兆円程度の投資をしていけば、将来伸びる旅客、貨物輸送で、国鉄がその輸送の責任を果たす分野についての大体の見通しはつく、そういうような考えでいま作業をやっているところでございます。
#116
○小柳勇君 鉄建公団総裁に。さっきから申し上げておりますように、鉄道敷設法の別表に百五十線区ありますが、その中で三十九年以降今日まで四十一線の着工であります。これを率にしますと二七%ですね。今日までの工事の進捗状態が二四・五%でありますから、予定する別表に対しましては、わずかに六・八%、しかも、それは五十年前からの別表によって工事をやっているが、これに矛盾を感じられないかと思うんです。これは運輸省からの命令、あるいは国鉄からの協議の結果建設をされるけれども、そのつくりましたものは翌日から赤字経営だから国鉄は喜ばぬ。今後の、この民鉄の場合も、あるいはそういう線区ができるかもしれませんね。朝夕だけ乗って、お昼は閑散で、全体的に赤字だという線ができるかもしれません。そういうものを建設されて、ほんとうに今度は譲渡された会社が喜んで鉄建公団ありがとうと言えばまたうれしいが、つくったけれども赤字で、しかも譲渡してもらったからやらなければならぬということでありますと、矛盾を感じられるであろうし、また、たとえばさっき申し上げましたように、ABC線、現在まで九百二十六億円使っておりますね。これから完成するまでには二十一年間かかる。しかも相当の、これの四倍くらいの金をかけぬとそれは完成しないでしょう。それをやらなければならない鉄建公団総裁は矛盾を感じられないか。したがいまして、もう少し結論を急ぎますならば、全般的な、将来、たとえば十年なり十五年先の国土開発計画にマッチして現在のこの鉄道、新幹線をつくっておりますように、そういう非常な夢がありますと、おたくの職員だってもっと張り合いがあるのじゃないかと思うわけですが、その点に対し、たとえば予算の問題なり、あるいはそういうふうな計画の問題なり、ひとつ平素のお考えでもあればお聞かせを願いたいと思います。
#117
○参考人(篠原武司君) このAB線、つまり地方開発線でございますが、それ以外の線区でもそうですが、公団で仕事をしております線は、公団ができ上がりますときの国鉄で調査線または工事線になった線だけでございまして、中に例外は一線くらいございますけれども、これはもう国鉄の都合で、たとえば落合線というのがございますが、早急に災害復旧のために新しくやれということで取り上げた問題でございますが、それ以外は全部国鉄から引き継いだ線でいままで工事をやってきたわけでございます。しかし、最近国鉄の経営の悪化に伴いまして、いろいろこういう地方のローカル線の廃止の問題が出ております。それで、私としても、公団としては一応、運輸省からの命令をいただいたものをやればいいということでございますが、私なりにいろいろ考えておりまして、たとえば、幹線の近代化したものが新幹線である、ローカル線はいなかの人のためだから、これはもうほったらかしていいかというと、必ずしもそうじゃない。やはりいなかの人の足も確保しなければならない。これはバスであろうが、鉄道であろうが、それはかまわないと思いますけれども、やはりできるだけ努力して近代化し、合理化する、そういうような線で将来やっていくということが非常に大事な問題じゃないか。そういうふうな意味でローカル線ももちろん近代化していかなければならないのじゃないか。たとえばバスにしましても、高知県交通というのがございます。これはワンマンバスじゃございません。これはつぶれました。なぜつぶれたかといいますと、なぜワンマンバスにしないのかと言ったところが、これは経営を合理化してワンマンにするだけの資金の手当てができない、こんなことを言っております。そういうように、やはりローカル線についてももっと真剣に考えなければいけないのじゃないか、バスであろうが、鉄道であろうが、いいからもっと近代化して、地方の人のためにやっていこうという姿が必要じゃないかというふうに考えるわけでございます。
 それからもう一つの点では、将来はやはり新幹線で全国のネットをつくる、そのネットにすみやかに結びつくような現在線の再編成をしていかなければならぬのじゃないか、それがあすへの鉄道の大事な任務じゃないかというふうに私どもは考えておりまして、そういうような線で、いろいろ新幹線の構想なり、そういうふうな問題についても国鉄にもいろいろ相談をしているわけでございますが、そういうふうな線で、また諸先生方にもいろいろ御指導いただいて、今後の方向をはっきりさしていただきたいというふうに考えるわけでございます。
#118
○小柳勇君 与えられた時間がまいりましたので、これで質問を終わりますが、鉄道建設に対する負担、あるいは鉄道運賃というものは一体どういうようなものか、また、そういう基本的な問題については後日御意見を聞きたいと思いますが、鉄道建設公団法の一部改正については私どもも賛成でありまして、スムーズにこの法律が生きて、そして民鉄の皆さんが安心して経営ができ、しかも都市に住む国民の皆さんが快適に通勤できますように念願をいたして、私の質問を終わります。
#119
○委員長(木村睦男君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#120
○委員長(木村睦男君) 速記起こして。
#121
○田代富士男君 きょうは、正常の委員会であるならばもうおそらく私の質疑も終わっていたかと思いますが、御承知のとおりの委員会の経過を経てまいりまして、大臣も午前中は眼帯をはめていらっしゃらなかったのに眼帯をはめていらっしゃいまして、目が悪いようでございまして、目が悪いというのは非常に気分が悪いものです、私も目を悪くしたことがありますが。
  〔委員長退席、理事江藤智君着席〕
 時間もずいぶん経過しておりますけれども、私も若干質問をしていきたいと思いますから、よろしくお願いいたします。
 いま審議されております法案は、運輸省といたしまして、四十七年度の予算の中で大都市輸送施設整備事業団として一応提出されたと思うんですが、それがいろいろ折衝、検討されました結果、ただいま提出されてあるような鉄建公団の一部門といたしまして新しく仕事を開始しよう、そういうようなことになっておりますが、どうしてそのような経過をたどってそこに至ったかということを簡単に御説明願いたいと思います。
#122
○政府委員(山口真弘君) 東京、大阪、名古屋並びにその周辺等におきまする大都市におきまするところの通勤輸送の混雑は非常なものでございます。これは都市におけるところの業務の集中、管理機能の集中、あるいは周辺地域におきまするところの住宅の増強というようなことに原因するところの都市集中から通勤通学輸送が非常に膨張いたしております。それで、そういったような通勤通学輸送のために、あるいは線路を複々線化するとか、あるいは都心におきまするところの地下鉄に直通するような鉄道線路を建設するとか、あるいは大規模なニュータウンが最近できてきたわけですが、そういった大規模ニュータウンの足を確保するとか、こういうふうな必要性に非常に迫られているわけでございます。ところが、私鉄事業者、特に大都市の周辺部を主として担当いたしまするところの私鉄の事業者の建設の力というものではなかなか建設ができないということでございます。ということは、この建設につきましては何と申しましてもばく大な資金が要る、そして、そのばく大な資金は――現在の私鉄事業というのは、御存じのとおり、全業としては利益をあげて配当しておりますが、鉄道事業だけでは赤字であるというような鉄道事業の現状から見まして、このばく大な建設資金をまかなっていく資金調達能力というような面からもなかなか問題があるし、また、ばく大な投資によるところの施設費の増加ということが私鉄事業の収支を非常に圧迫をするということがございまして、現在の私鉄事業者の力に待っていたのではなかなかこれが促進されないというのが実態でございます。そのために、たとえば多摩ニュータウン問題においてあらわれまするように、住宅団地ができたけれども足がさっぱり進まないというような事態が各地に見られるようになったわけでございまして、これに対しまして、国といたしましても何とかして私鉄の鉄道建設、鉄道の整備というものを助力をいたしまして、これを促進しなければならぬ、このように考えられるわけでございます。
 そこで、実は四十七年度の予算の折衝の段階におきましては、ただいま申しましたような必要性から新たなやはり事業団というものをつくりまして、この事業団に建設をさすということによりまして飛躍的な輸送力増強をはかろうということを考えて折衝をしてまいったわけでございますが、予算折衝の段階におきまして、新たな法人をつくるということは行政簡素化という趣旨にも合わないということで事業団の設置が取りやめになりました。そして、従来、国鉄の施設でございますところの鉄道建設を担当しておりますところの鉄道建設公団が、私鉄部門につきましてもこれをやったらいいではないかということで、鉄道建設公団がこれを担当する、それによりまして、私鉄によるところの輸送力増強というものを今後促進してまいろうというふうな運びになったわけでございます。
#123
○田代富士男君 いまの御説明でも理解いたしますけれども、もちろん私鉄は赤字である、しかし企業全体から考えていくならば黒字実績――私は、きょうは、ここでそこまでは論じませんけれども、いろいろそれに反論すべきものはあると思うんです。もちろん、大都市通勤通学輸送の増加に伴って、こういう社会情勢の上からも勘案してのことでございますから、その面で私は理解していきたいと思いますが、こういう大手十四社に対する一まあ一応対象がそうされると思います。今後いろいろ仕事はされていくと思いますけれどもこれによりまして私鉄がそういう優遇措置といいますか、こういうことによりまして安易にいろいろ考えていった場合には、このような措置があだになる場合もあるんじゃなかろうかと、私は危惧の念を持っている次第でございます。しかし今回の予算は、この法案にも明記されておりますとおり百二十五億でございますが、当初百二十五億円の予算でどういう工事をやっていこうとしていらっしゃるのか、限られた予算でございますからいろいろ検討もされると思いますけれども、優先順位と申しますか、どのように考えていらっしやるのか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
#124
○政府委員(山口真弘君) 私鉄事業者が、この国の助成によるところの鉄建公団の工事がございますからといって安易な経営態度をとることが許されないということは先生御指摘のとおりでございまして、何といたしましても、本来の公益事業を担当している者の使命というものに立脚いたしました建設並びに運営をやってもらわなければならぬものだと考えております。
 そこで、今年度の予算でございますが、百二十五億円でございまして、実は非常に少ない額でございます。私ども一応考えておりまするのは、おもにニュータウン等への新線建設工事、それから従来複線でございましたものの複々線化の工事、それから地下鉄直通の都心乗り入れ工事、こういったようなものを一応の工事の対象といたしております。具体的な工事件名につきましてはまだ決定はいたしておりません。ただ、いま一応考えておりまする候補といたしましては、先ほど申しましたニュータウンの新線といたしましては、京王帝都電鉄の多摩ニュータウンに対する線路、小田急電鉄のやはり多摩ニュータウンに対する線路、それから複々線の線増といたしましてやはり京王電鉄の京王線、小田急電鉄の小田急線、それから東武鉄道の伊勢崎線、それから京成電鉄の京成線でございます。それから京阪電鉄の京阪線でございます。それから地下鉄直通の工事といたしましては、西武鉄道の八号線への乗り入れの工事、それから東京急行電鉄の新玉川線、こういったようなところを対象といたしまして、候補として選びまして、この中から建設をすべき線路を選んでまいりたいと、このように考えております。
#125
○田代富士男君 まだ現在、計画の段階でございますから、それをどうこうという、私はここで結論を出せというわけじゃございませんが、いま局長申されましたように、大都市の通勤通学の問題をどうするか、これを解消しようというところから、そもそもの、この事業団から、今回のこの鉄建公団によって仕事をやるというところへ進んでおるというお話がございました。それで、いま事業計画をお聞きいたしましたら、ニュータウンヘの新線の設置、それから複々線化、あるいは都心への地下線による乗り入れ。それで東京の京王、小田急、それから東武、京成、西武、このように東京中心の私鉄というものが大部分を占めまして、いま局長からお話があったのでは、東京以外の私鉄では大阪の京阪電車一社だけです。そうしました場合に、じゃ、東京がそれだけ混雑しておるのか。東京と大阪すべていろんな面で対照されますけれども、私がいまここに持っておりますのは、昭和四十五年の国勢調査の「通勤、通学集計結果速報」という四十七年の五月に出されました総理府統計局の資料を持っております。それで、この資料の中を私は目を通しましたところが、いま局長のお話の段階では、東京がこれだけ私鉄に対して仕事をやろうとしておる、また今後はそれは変わっていくかもしれませんが、現時点においてそういう改革をいたしますが、この総理府の統計局の資料で、いま主題になっております通勤通学者の流れというものを見てみますと、流入率、流出率を調べてみますと、ここに、こう書いてあります。「東京都区部に常住する就業者・通学者総数に占める流入通勤・通学者の割合は三六・二%であるのに対して、」まあ流出率は五・九%である、東京の場合は。大阪市におきましては流入率が六四・九%、流出率が二・九%で、東京都に比べてかなり高い、こういう数字が出ておるのです。東京よりも大阪のほうが著しい上昇を続けておる。それに、こういうようないまの計画を見ますと東京が中心になっておる。実際こういうような通勤通学の混雑というのは、大阪が、こういう総理府統計の上で出ておるわけです。こういうところで、私は最初の出発でございますから結論的なことは言えないけれども、ほんとうに通勤通学の一番混雑しておるところを解消していくという姿であるならば、混雑しているところから手をかけるべきじゃないかと思いますが、大臣、ここらあたりどうでしょうか。これは運輸省の資料じゃございませんが、総理府統計局の資料です。いまの局長のお話でしたら東京が主体になっておりますけれども、この点どうでしょう。
#126
○政府委員(山口真弘君) ただいま先生御指摘の資料は、総理府統計局がこの五月に出しました四十五年国勢調査「通勤、通学集計結果速報」であろうと思います。それで、との内容でございますが、この内容につきましては、大都市周辺におきまするところの通勤通学輸送というものが、ほかに比べて圧倒的に大きい、その中で東京都と大阪市がこれはまた圧倒的に大きいということでございます。なお、流入人口、流入率、流出率に関しては、ただいま先生御指摘のように、大阪市の流入率は非常に大きいわけでございまして、その意味では通勤通学輸送の混雑というものが激しいわけでございます。これは全く先生御指摘のとおりでございまして、大阪市におきまするところの通勤輸送の改善ということは急務でございます。これにつきましては、実は私どもの運輸省に都市交通審議会というのがございまして、都市交通審議会の大阪圏部会というのがございます。その大阪圏部会で一もちろん、ただいまごらんになっておられました統計局の数字より前の数字でございますが、この数字でも、基本的には大阪市並びにその周辺におけるところの鉄道網の整備というものが緊急の課題であるということをいろいろ言っておりまして、その中には、既設線の線増なり新線建設なりということをいろいろ考えております。
 それで、その中で二つ、国鉄問題と私鉄問題とございまして、まず、国鉄問題でございますが、これは国鉄におきまするところの輸送力増強、特に通勤通学輸送の増強工事でございますが、東京では実は五方面作戦と称しまして、東京を中心とする五方面の鉄道輸送力の増強をこの数年末非常な力を入れてやってまいったわけでございます。この七月の中旬には総武線の複々線化もできるわけでございますが、非常に力を入れてまいったわけであります。それで、その間、大阪におきまするところの通勤輸送の増強、確かに国鉄としては少し手が抜けた感じがいたします。それで、これにつきましては、やはりどうしても今後の再建計画の中での通勤輸送の重点というものを大阪地区に置いていかなければならぬものと私ども考えておるところでございます。
 それから私鉄につきましてでございますが、これにつきましては、この都市交通審議会の答申の中で、私鉄の線路の増強あるいは新線建設をいろいろと書いてございまして、この計画に従って、私ども昭和六十年時点というものを目標といたしまして、混雑率一五〇%というように整備するべくつとめてまいる所存でございます。そのやり方といたしましては、今回の鉄道建設公団のものもございますし、私鉄事業者が直接にやるものもございます。あるいは大阪府等が出資をしたところの、半官半民の株式会社といったようなものがこれをやるというようなものもございます。たまたま、今回の、ただいま取り上げております鉄道建設公団の工事が予想されるものといたしましては、いまの京阪一社でございますが、これにつきましては、今後の、地元の鉄道事業者の要望等も十分に反映させまして、そして大阪地区の輸送力増強につとめてまいりたいと思います。
#127
○田代富士男君 いま局長からお話をお聞きいたしましたけれども、これはまだ先の話で、また途中で変更になるかもわかりませんが、まず取り組む姿勢というものは、これはこういう計画でありますと言われますけれども、問題は通勤通学輸送の混雑を緩和するというところが一つの原点というべきものじゃないかと私は思います。それを、いま一応数字の上から示しまして、もう簡単に東京よりも大阪の混雑率は高いじゃないか、にもかかわらず東京中心である、その姿勢というものはすべて東京中心だということじゃなくて、そういうところの原点に立った姿勢というところに問題があると思いますが、その点、大臣どうでございましょうか。
#128
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま御指摘をいただきましてはなはだ恐縮でございますが、必ずしも東京中心と私ども考えておる次第でございません。数字でははっきりしているじゃないか、大阪の通勤通学の流入率が高いという御指摘でございました、その点は私も承知しておるつもりでございます。ただ、いま御答弁をいたさせましたとおり、国鉄がややもすると通勤通学の点につきましては東京をいままで重点にしておりまして、大阪を中心とするほうが非常におくれておりましたもので、今回はぜひ大阪を中心とした通勤通学に力を入れたいという計画と承知しております。そういうような点を勘案いたしまするとともに、何といたしましても、率直に申しまして、まだごく僅少の百二十五億でございますので、いま局長が御答弁をいたしましたけれども、東京におきまして、それらの都市におきまして、ともかく、もしこれが御可決いただきましても、いま申しました大手の六社とか七社、とても回るものじゃございませんと思う次第でございまして、これらやはり均衡のある――そういう東京を中心ということじゃなく、東京、大阪を勘案いたしまして、慎重に、具体的路線につきましては、比率も十分に考えまして、それで工事実施計画を命ずるつもりでございます。
#129
○田代富士男君 いま大臣が、今後取り組む姿勢についてお話いただきましたが、ぜひともそういう姿勢でお願いしたいと思いますが、いま大臣も申されましたとおりに、今年度の予算は、初めてでもありますし、僅少の予算であると、このようにお話しになったとおりで、私もそうだと思うのです。それで、四十八年度以降につきましては、予算の面におきましても、明確なそういう裏づけというものが現在されておりません。しかし、今後こういう措置が講じられますと、いろいろ私鉄のほうからも申請がなされる、そういう仕事量もふえてくる。それに対しまして、十二分にそういう予算面で対応をしていかなきゃならないと、そういう点で、今後、四十八年度以降におきましても、ひとついま申されるような積極的な面で取り組んでいただきたいと思いますが、大臣、やはりこれだけの計画をお立てになると、いま申すとおりに、事業団として発足したいという、そういう運輸省で計画を立てられたんですから、事業団として発足されようとしたときの青写真というものがあると思いますが、そういう面で、四十七年度、四十八年度、四十九年度と、第一次、第二次、第三次とあると思いますけれども、どのくらい予算を獲得してやっていきたいと、事業団を設置する場合、お考えであったのか。それをやはり根本といたしていかなくちゃならないと思いますが、いかがでございましょうか、四十八年度以降におきまして。
  〔理事江藤智君退席、委員長着席〕
#130
○政府委員(山口真弘君) 事業団構想のときにおきまする四十七年度の予算要求は、実は二百億の工事費の要求をいたしておりまして、四十八年度は三百億、四十九年度はさらに三百五十億というように、漸増する考え方で進んでおったわけでございます。それで、実は事業団構想のときよりも公団構想のときのほうが仕事の範囲が広がっておりますので、私ども事業団構想のときの来年度三百億程度ではまだ不十分ではないかというふうに考えておるわけでございまして、そういったような構想も踏まえて、来年度は大臣にうんとがんばってもらいまして、予算の獲得につとめてまいりたいと考えております。
#131
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま局長から御答弁をいたさせましたが、まず何と申しましても、初年度というのは、大蔵省非常にあれをいたしまして、私ども微力でございましたので、申しわけない、僅少でございますが、来年度、再来年度は、先ほど来のいろいろ御指摘もございましたが、いまの大都市交通事情にかんがみまし三非常にやはり緊急性を持っておりますので、もちろん来年、再来年も公共事業の投資というものは相当大幅に拡大をするというふうにも私ども思っております。財政規模も拡大すると思っておりますので、諸先生の御鞭撻、御協力を得まして、できるだけ多く予算を取りまして、そして事業の早急、それに合わせてまいりたい、こういうふうに思います。
#132
○田代富士男君 積極的な大臣の御発言でございますが、今回の百二十九億円の内訳は、財投で五十億で、特別債で七十五億、利子補給が三千万円、こういうことになっておりますけれども、利子補給にとどまらず、政府が財源を見るようなところまで、ひとつ大臣にがんばっていただきたいと思います。いま局長から、四十七年度が二百億、四十八年三百億、四十九年三百五十億と、事業団の場合やっていらっしゃったというのですが、これだけでも需要には追っつかないんじゃないかと思うわけなんです。そういう意味から、ぜひともひとつ、この点につきましては、大都市の通勤通学輸送緩和のために、また社会開発のためにも、がんばっていただきたいと、これは希望意見として述べておきたいと思います。
 次に私申し述べたいことは、いま通勤通学輸送ということが問題になっておりますが、この輸送の、交通機関の五〇%が私企業によってまかなわれているということがあるんじゃないかと思うわけなんです。それで、今回のこの内容を調べてみますと、この二十二条にずっといろいろ内容が出されておりますけれども、この鉄建公団の工事につきましては、申請をして仕事をやる、そういう申し出方式のような形態がとられておるわけなんです。ここが非常に問題になると思いますが、輸送需要と既設の鉄道との関係から、当然ここには私鉄の線路を引きたいというようなことも出てくるでしょう。しかし、そこから鉄道を引く場合に、今度は、譲渡されたあとを引き継いでいくのは当事者である私鉄でございますから、やはりどうしても採算ということを基盤に置きまして、その上で考えた場合、それは工事をやっていただくのはありがたいけれども、それが小船に大石になって、かえって経営が悪化する。しかし、地域開発、そういう面からいくならばどうしても必要だという、そういう面も、多々、いろいろな面があると思うんです。そうした場合に、大都市政策の立場から、あるいは運輸交通政策の立場から、そういう問題に対しまして、政府の政策上の要請といいますか、そういう面を私鉄経営の上にどのように反映さしていったらよいか、これは非常にちょっとむずかしい面もあるかと思いますが、じゃあ具体的な問題が出てからでなくては努力できないということも考えられますけれども、やはりこういうことが起きてくることは間違いないと思うんですが、こういう点に対してどのように対処していくか、やはりいまから考えていく必要があるのじゃないかと思いますが、この点いかがでございましょうか。
#133
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま御指摘がございましたが、先ほど先生からお話がございましたが、必ずしも私鉄はそう赤字ばかりじゃないというようなお話もございます。これは国有鉄道と違っておりまするところは、やはり開発利益の還元ということを営業的に相当やっております。そういう面で、国有鉄道の、具体的に、その事業範囲等、非常に急速にされているのと違いまして、そういう点で、鉄道自体としては、あるいは赤字、とんとんかもわからぬけれども、開発利益のほうで相当償っておる。それらを彼此勘案をいたしまして、黒字になっているという面も相当ある、その他の事業におきましても相当成功しておる、こういうようなことが非常に、相当多いと思います。こういう点ございますが、ただ最近の私鉄事業は、新しき路線につきましては企業意欲が非常に欠けてきているということは、御承知のとおりだと思う次第でございます。この企業意欲を、いかにして国民の利用にマッチさせるかということが、やはり一つの大きなねらいであろう、私はこういうふうに思っておる次第でございます。それには、やはり私鉄でございますから、あくまで私鉄の意思というものを尊重をいたしまして、そうして私鉄から一応の案を出させ、これが国家目的と適合するように、私どものほうと十分協議をしていくというふうな方式をとることが、いまの現時点におきましては、一番望ましいんではないかということで、今日勘案をした次第でございまして、先ほど私が申しましたように、あるいは命令路線にしたほうがそれがはっきりするのじゃないかと――これは確かに、国家目的から申しますと、その点ははっきりいたします。が、そうなってまいりますると、それじゃその赤字に対しては、やはり損失を補償しなくちゃいけない、こういうような問題。そうしますと、総合的な利益計算から申しまして、そこまでしたほうがいいか、あるいはまた、それらの国民の資金というものを、あるいは国鉄、あるいはその他の過疎路線というほうに投入したほうがいいか、いろいろ問題がございまして、現時点におきましては、ここはやはり政府の、これが適当な問題じゃないかと。利子の問題や何かにつきましては、またいろいろ利子の低減その他の問題もございます。それらの点はまた別の問題、それから助成の問題はまた別の問題でございますが、ただいまの、現時点といたしまして、国といたしまして、私鉄に新しき国民の需要に合うような路線をつくらせるということでは、いまの程度のことを一応やってみたらどうか、こういうふうな考えで進んだ次第でございます。
#134
○田代富士男君 いま大臣が申されたとおりに、今後そういう問題が起きてくると思うんです。意欲をどう高めていくかということも問題である。これはやはり運輸当局といたしまして大事な問題と思いますが、どうしてそのようにいやがるかといえば、やはり路線をつくるにいたしましても、土地を購入する、その土地の高騰といいますか、そういう点も大きな問題になっていると思うんです。今回、鉄道公団法の改正案が詰めの段階に入りましたおりに、大蔵省が運輸省に示された五つの条件があると思いますが、その五つの条件のうちの四番目に、用地購入費については利子補給を行なわないと、このように言われておるわけなんですが、この四番目に大蔵省から運輸省に条件をつけられております用地の問題は、鉄道に限らず、これは住宅建設においても同じことじゃないかと思うんです。そうしますと、やはり土地の高騰ということが最後は運賃にはね返ってくるんじゃなかろうかと、そのように私も思うわけなんですが、そういう意味から、この資金の面というのも大事でありましょうし、ここらあたりが今後指導し意欲を持たしていく場合でも大きな問題になると思いますけれども、ただ単に――大蔵省からこのような条件をつけられておりますけれども、運輸省としてこれを受けてどのように対処しておゆきになるのか、この点ひとつ私はお願いしたいと思うんです。これはまた全然別個でございますけれども、これはまた次の運輸委員会あたりでも問題になると思いますが、国鉄の場合には、未利用地、あるいは私が先日の本会議でも質問いたしました、そういう放置されている、こういう点で、何か一貫しない面を感じるわけなんです。こういう点は、やはり運輸当局として、運輸大臣としててきぱきと対策を講じてもらいたいと思いますが、その点いかがでしょうか。
#135
○政府委員(山口真弘君) 先生御指摘のように、用地の取得がいま鉄道建設におきまする大きな問題であることは、もう御指摘のとおりでございます。したがいまして、その用地につきましても、利子補給の制度というものを設けるということになれば、これはまあ非常に適当なわけでございますが、今回の制度におきましては、一応工事費の中に入れまして、そして長期の分割の支払いの内容というものにはいたしたわけでございますが、用地自体が、何といいますか、永久に私鉄の所有になるというような、非償却資産であるというような点にかんがみまして、その他の鉄道施設と異なった取り扱いになったわけでございます。なお、ニュータウン等の用地につきましては、これは若干取り扱いを実は異にいたすことにいたしまして、ニュータウンの区域内の用地につきましては、その素地価格で住宅建設側から譲渡を受けるというような取りきめがいまなされておりまして、したがいまして、その意味では、非常に安い土地を購入することができるかと思います。いずれにいたしましても、そんなような方法によりまして用地の価格の低下というものをはかりまして、なるべく安い施設を建設するようにつとめてまいりたいと考えております。
#136
○田代富士男君 いま申されておるように、安い土地を購入をしたいと、これはまあ切なる願いです。ところが、そういう安い土地が大都市の近郊にありません。だから、ニュータウンの例をとりましても、土地の安いところに――安いとなりますと、不便なところほど安くなっておりますから、そちらにどんどん住宅は建てていく。しかし、こういう交通網との関係なんかで建てていく、そのような場合、何とかなるだろうと、そういうようなことが今日の行き詰まった問題を引き起こしたんじゃないかと思うんです。だから、こういう住宅問題と都市再開発の問題とは切っても切れない関係じゃないかと思うんですね。そういうところから考えますと、今回の法案の中にも、運輸省の考えによりますと、この法律によりまして協議するというところがあちらこちら出ておりますが、これは運輸大臣が建設省に対する場合をさしておるところもありますし、今度は逆に新住宅市街地開発法、土地区画整理法等を行なう場合、協議は建設大臣のほうから協議するとした、そういうようなたてまえになっておるかと私は理解しておりますけれども、お互いに協議し合うという、それもけっこうでございますけれども、これを一歩前進しまして前向きに、もっとそういう前向きの形で、いま新全総自身ももう一度練り直そうというときでございますから、そういうものとあわせまして、ニュータウンの計画も、交通政策、土地問題、そういうものを合体したような、そうした大きい立場での協議をもってこういう行き詰まらないように検討すべきだと思うんですが、大臣いかがでございましょうか。
#137
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 先ほども私、その点でお答えをしたつもりでございますが、私もそのとおりだと思う次第でございます。少なくとも住宅計画、それから輸送計画というものは常に一体になっておりませんと、これはほんとうの意味におきます住民の生活の便益に供するということは言えないと思う次第でございます。まあ、いまだんだん遠くなるということでございまして、現実にそうでございますが、最近は職住近接ということも言われております。職住近接の方向をどういうふうにしてとっていくかということも、私は大きな一つの課題ではないか。実は、国鉄におきましても、私はいまぜひ検討を早くして早急に実現ができるようにというのは、近郊の駅におきまして、駅地を利用しまして住宅建設をするということによりまして職住近接ができないかどうかというような問題等も検討している次第でございます。ヨーロッパの都市あたりにおきますると、御承知のとおり、下は商店街、上のほうはずっとアパート、こういうのが相当ある次第でございます。日本にはそれが非常にに少ない。こういったような生活様式、日本にはあまりこれは適さないかもしれませんけれども、そういったような点につきましても、やはりこれからはひとつ大いに考えていかなくちゃならない問題だろうと思います。いたずらに生活圏だけを広げてまいりましていくことだけが、必ずしも今日都市計画として理想像であるかどうかというような点も、やはり勘案していかなくちゃならない。それらの点につきましても、私どものほうと、それから建設省、あるいはまた具体的な道路のほうをやっております公安委員会等とも十分連絡をとりまして、それらが一体化をいたしまして、受ける住民は単位はただ一つでございますから、それらの皆さまに御迷惑をかけないように、総合的の連絡をとることが必要であろうと思っている次第でございます。それを早急に具現化をいたしたい、こういうふうに思っております。
#138
○田代富士男君 いま大臣もお話しになっていらっしゃるとおりに、終戦後考えてみますと、衣食住の中で、衣食ということは、まだ満足とは言えませんけれども、一応解決して、住の問題をどう解決するかというのが、いまわれわれの立場といたしましても大きな問題だと思うんです。そこで、私鉄は私鉄なりに、私鉄の資本でそういう安い土地を買いつけ、団地造成をしたり、分譲したり、いろいろやっております。今回、こういう法律ができますと、いままで独自でやっていこうとしていた私鉄の、そのあとの仕事を引き継ぐようなことになります。中には、もう土地を全部買い終わったところもあるでしょうし、あるいは工事に一部かかった地域もあるでしょうし、そういうところを今度建設公団が工事を引き継ぐことになるわけなんですけれども、そうした場合に、どのようにして具体的に引き継ぐのか。何もないところから、ここに一つ新線を引きますよとやった場合には、いろいろ問題は――少ないと思いますけれども、土地は購入済みである、建設はここまで進んでいるとした場合に、どのように引き継ぎをし、どのように今後運営していかれるのか、その点公団の立場としてどういうお考えであるのか、ひとつ。
#139
○政府委員(山口真弘君) 現在、私鉄事業者がすでに工事を相当やっておるようなところが相当ございます。それで、そういったようなものにつきまして、今度鉄道建設公団がこれを引き継いで工事をするかどうかという問題になると思いますが、それにつきましては、まあケース・バイ・ケースによりまして若干違ってくると思います。すでに私鉄が取得しているような部分、建設してしまった部分というようなものは、これは引き継ぐ必要はないわけでございますが、一部分私鉄が建設をしておるというようなものにつきまして、これを公団が引き継いで、そして公団がこれを完成をさして、そして私鉄にさらに譲渡をするというようなこともあり得ると思います。それで、まあ問題は、そういう場合には具体的な財産の引き継ぎのしかたはどうしたらよいかというようなこと、それから同時にその場合の譲渡価額のきめ方はどうしたらよいのかというような問題、そういう技術的な問題が非常にございます。それで、これに対しましては、私どもも基本的には、公団は何といいましても営利法人じゃございませんで、国のいわば機関たる公団でございますから、したがいまして、これは利益をあげる必要はないわけでございます。しかしながら、同時に、公団はそのかかった費用というものはこれは全部やはり回収をしなければならぬわけでございますから、そういうただいま先生御指摘のような具体的な引き継ぎ問題というのは、こまかいルールをつくりまして、そしてこういう引き継ぎはこういうかっこうにするとかいうふうなことをきめまして、そして実際の工事がそれによって支障がないようなことにしなければならぬと思います。
 なお、もう一つつけ加えさしていただきますと、私鉄がすでに建設に着手しています場合に、公団に引き継ぐことによってその経過的な問題のために非常に工事がおくれるというようなことがあってはこれまたいかぬ問題でございますので、こういったことのないような具体的なやり方というものも勘案していかなければならぬというふうに考えて、ただいま立案中でございます。
#140
○田代富士男君 それでは、同じようなことになりますけれども、私鉄独自で工事を進める場合には、やはりコストが高くならないようにと、あらゆる面でやはり自己資本でやりますからそれは勘案してまいると思いますが、いま鉄建公団は目に見えないところでいろいろ社会開発のために貢献していらっしゃる、その功績は私は認めますけれども、いま申されるとおりに、たとえば赤字が出ても要っただけは要るのだと、それはお金いただかなくちゃだめだと、極端なことを言いますと。ところが、私鉄の場合は、そういう赤字が出た場合はそれだけ私鉄が負担しなくちゃならない。どちらかといえば、公団の場合は世間一般で申しますところのお役所仕事という面があるわけなんです。極端な一言で申し上げますと。そういう面はございませんとおそらく総裁はおっしゃるでしょうけれども、世間でそう見られてもしかたがないと思う。それに対して、私鉄の場合は、やはりそういうコストの面からというわけで、技術開発等にも力を入れている。まあ公団のほうは、技術は私のほうが上ですよとおっしゃるかもわからないけれども、要するに相いれない面もあるんじゃないか。また、公団には公団の特徴があるかわかりませんし、私鉄には私鉄の特徴があるかわからないけれども、こういう点をどのように調整していくのか、これはむずかしい面じゃないかと思うんです。また、公団の現在の仕事というのは、新線となれば、どちらかといえば、大都市でなくて平面におけるところの建設事業というのが主体だったと思いますが、大都市の通勤通学輸送となりますと、これは大都市の中におけるところの、平面から――横の仕事から縦の仕事という、そういう仕事にもなってくるんじゃないかと思います。そういう面の調整というものに対してどのように配慮していかれるのか。いま局長から、そういう工事の問題についても具体的なやり方をひとつ考えているんだと、そういうことでございますけれども、もちろん局長のもとで監督されながらやっていかれると思いますけれども、総裁もおいでいただいておりますから、総裁、この点どのように調整しておゆきになるのか、ひとつ御答弁をお願いいたします。
#141
○参考人(篠原武司君) ただいまお話の出ました私鉄に関する問題につきましては、もちろん私鉄の意向というのは十分に聞いて、それで私鉄が実際問題として大部分の仕事をやるというような問題も起こってくると思いますので、そういうお役所仕事というようなことでコストが非常に高くかかるというようなことは、私は絶対に起こらないというふうに確信しておるわけでございます。特に、公団としましては地方の線区が非常に多いのでございますけれども、金額にいたしますと、東京外環状線とか湖西線というような大都市交通線を持っておりますし、都会の仕事もやはりなれておりますし、この私鉄の仕事は今回初めてでございますが、いわゆるコスト高にならぬように、また私鉄のいいところを十分生かすようにしてまいることをここでお約束してもいいと思います。
#142
○田代富士男君 まあこれは、御決意はわかりますけれども、おやりになった段階で思わないことも出てくるのじゃないかと思いますから、十二分にこれはひとつ配慮していただきましてやっていただきたいと、これは私の希望でございますけれども、そういう立場でひとつ運輸省としましても指導をやっていただきたいと思います。
 それから、この工事をやっていきますおりに、私鉄の負担を軽減するためにというたてまえでこういう措置が講じられておりますが、その一環としまして地方公共団体の協力というものも考えられております。それにつきましては、地方公共団体に還元される利益との関係もあると思いますが、実際地方公共団体に還元される利益というものはずいぶん先のことになるのじゃないかと思うんですね。それにつきましては、当面利子補給というようなことも考えられておりますが、それぞれ地方によりましてはいろいろ事情が違うと思うのです。だから、この法律で一律にきめられたといたしましても、それが適応するところと適応しないところとあると思うのですが、この点につきましてはどのようにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
#143
○政府委員(山口真弘君) 今回のこの公団構想によりますところの建設によりまして、非常に地方に便益を与える、あるいはニュータウンの場合のごときは、この鉄道がなければニュータウンとしての存在価値というものがなくなってしまうというようなものさえあるわけでございますから、それにつきましての御協力はぜひお願いしたいということで、地方とも十分に打ち合わせをし、また協力を得ておるわけでございます。そして、財政的な面としましては、先生御指摘のような利子補給の問題などもございますし、あるいはニュータウンの施設者から、先ほどちょっと申し上げました用地の素地価格での提供だとか、あるいは施工基面以下の工事費に対する分担だとかというようなことも受けてやることになるわけであります。いずれにいたしましても、その問題につきましては、地方公共団体と具体的な折衝を持ちまして、そして地方公共団体の納得を得た上で工事をしなければならぬわけでございます。地方公共団体の納得なしにスタートいたしましても、そういった助成は受けられないわけでございますが、その点につきましては、各地各地につきまして十分に御相談申し上げて工事を進めてまいるというふうにいたしたいと思います。
#144
○田代富士男君 いま局長から、やはり地方公共団体の納得のいく上で工事を進めていかなくちゃならないと、これが基本原則だと思うのです。私もそのように理解したいと思います。その立場で、いまさっき、どういうところを工事されるのかと当初にお尋ねいたしましたら、おもに東京中心、多摩ニュータウンをはじめとした東京の私鉄。大阪の私鉄が京阪電車の一社のみでございました。それで、京阪電車の関係の現地を私なりに、まだ深くは調べておりませんが、一応調べてみました。そうしましたら、この地方公共団体の納得の上で工事を進めるとおっしゃいましたいまの局長の基本線からいくならば、ほど遠いような実情にあるというのが現実です。
 私いま簡単に申し上げますと、御承知のとおりに、京阪電車が淀屋橋から京都に向かって走っておりますが、京橋を過ぎまして守口までが現在複々線になっております。その守口から京都までの問が現在複線になっておりますが、京阪電車では、その守口から寝屋川までも複々線にしたい。ところが、この守口の駅のすぐそばにあります踏み切りが路面のために、守口市の交通といいますか、都市発展に非常な妨げを来たしている。そこで、守口の一つ大阪寄りにあります土居駅から高架にしてもらいたいと。土居駅から寝屋川までの高架と、それから守口から寝屋川までの複々線というものが、いま京阪電車並びに地元で検討されているのは、御承知のとおりだと思います。そこで、この土居駅から寝屋川駅までの間における都市は、大阪、守口市、門真市、寝屋川市と、このようにまたがっております。
 そこで、守口市の例を引いてみますと、まあ守口市におきましては、四十六年度の予算を見てますと、一般会計が百四十億円が守口市の実情でございます。そして、今度守口市が、この京阪電車を、そういうような複々線、高架、そういうふうにやるに従って負担しなくちゃならない金額が、二十億円ぐらい負担しなくちゃならない、そのように聞いているわけなんです。それで、守口市としましても、一昨年調査費を出しまして、いろいろ調査をしたそうです。その調査が一週間ほど前にまとまったということもちょっと聞いておりますけれども、まあそうした場合に、非常に負担が重いと、守口市としましては。また、守口、門真、寝屋川の三市の中では、守口市が苦しい中でもわりと余裕のある市でございます。それでなおかっこのような実情なんです。そこで、どうするか。京阪電車は受益者負担ということを主張しているそうでございますけれども、たいへんだと。まあそういうわけで、現在はまだ話が進んでおりません。それで、局長御承知のとおりに、守口の駅のそばに京阪電車の車庫があります。それで、この車庫を取り除いて、このあと地に十階建てぐらいの団地を四棟ぐらい建てて、そこに、いまさっき大臣言われたように、下に商店街等をつくって、都市計画事業として、そういうことでやったらどうだろうか。そういうさまざまな話がされているわけなんですが、いま申すように、非帯に苦しい、こういう実情を守口のほうは訴えているわけなんです。それで、地元では、四十七年度着工、五十年完成だということが――まだ法案は通ってないのに、そういうことがもうまことしやかにずっと流れているというのが実情でございます。
 それから門真市でございますが、御承知のとおりに、この門真市は町から市に昇格いたしまして日も浅いところでございます。非常に財源も乏しい都市でございます。いまこのように京阪電車が複々線化をしなくてはならないという裏づけの一つには、こういう門真市方面が急激に人口が伸びた。そういう意味におきまして、現在門真市で一番の、最大の問題点になっているのは、学校を建てるのに精一ぱい。学校の校舎を建てる費用だけでも年間予算の三五%をとられている。要するに、急激な人口増のために、学校を建てるだけで三五%をとられている。そういうことでございますから、下水道等はもうほとんど完備しておりません。そういうような、京阪電車の負担をすることよりも、学校の建設だけでもたいへんだと、下水道一つやってないんだと、こういうことで、この門真市の負担を聞きましたら、七%が京阪電車の負担で、残りの九三%、そのうちの三分の二が国で負担して、あとの三分の一、残りましたその三分の一の内訳は、三分の二を府が負担し、三分の一を門真市が負担するようになる。それでもこれはたいへんである。電車が便利になるのはありがたいけれども、それ以前の問題が横たわっている。こういう意見が出されております。
 また、寝屋川市の場合でございますが、寝屋川の近くに萱島といって、京阪電車の大きな車庫があります。それで、この寝屋川市の場合は、その萱島の車庫の近くまで高架で参りまして、それから寝屋川市に入るわけです。寝屋川市に関係あるのは四百メートルから五百メートルくらいです。ところが、通勤通学は、いま申すとおり、門真、寝屋川沿線はもう急激に伸びまして、朝七時から八時半くらいはたいへんな混雑です。これはもう現地を見たらたいへんな様相でございますが、これと同時に、寝屋川におきましては、同じ寝屋川市のもう一つ向こうに香里園という駅があります。この寝屋川市の通勤通学の乗降、香里園の通勤通学の乗降、ほとんど同じくらいではないか。それが、現在は寝屋川市までこういう計画がされている。寝屋川の地元では、香里園まで高架にすべきであるという意向が圧倒的に強いわけなんです。してもらうならば。そこで、いま寝屋川市の駅のそばに市道が走っておりますが、その市道が路面で交差しておりましたところを、そこを交通面から、事故も多いし、また電車の数も多いために、これを高架にしようというわけで、その市道の上だけ現在高架の建設をやっております。市道の上に高架の施設をやるだけで七億五千万円ほどかかっております。これに対しては、市としては財源もないけれども、将来香里園まで高架を伸ばしてもらいたいという強い要望もあるでしょうから、この中で市は二億三千万円ほど負担して、この市道の上に高架をつくっている。
 こういうわけで、私はこれざっと調べただけでも、いま申し上げました関連のあります守口市、門真市、寝屋川市、こういう事情がございまして、いま局長がお話しになりましたとおりに、地方公共団体の納得のいく上で工事を進めるということでございますが、守口の場合、門真の場合、寝屋川の場合、これはもうすべてですね、状況が違います。まあそうした場合に、状況が違うからといってこれは放置するわけにいきませんけれども、通勤通学の緩和という点につきましては、もういま当局の予定に入っておりますが、こういう実情を踏まえて、今後どのように取り組んでいかれるのか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#145
○政府委員(山口真弘君) この大阪周辺におきまして、京阪線の輸送需要の伸びが非常に多いということは、私も十分に承知をいたしております。それで、したがいまして、この京阪線の輸送需要の伸びに対応いたしますところの複々線等の輸送力増強工事はどうしてもしなければならぬわけでございますが、一方、ただいま先生御指摘のような、これによりますところの地元の負担を、高架になります関係もございまして、地元の負担が非常に多いということも事実でございます。具体的な各駅あるいは各市の事情というものとの関係でございますので、そういったような具体的な事情につきまして、十分に会社とそれから地元の公共団体と相談をさせまして、そして地元にも納得を得ていただきまして、この建設を大いに促進をしなきゃいかぬ、このように考えております。
#146
○田代富士男君 局長さんのお話は、いまさっきの御答弁と大体同じような答弁で、私は一歩も前進してないと受け取りましたんですけれども、なかなかこれは局長の立場としてむずかしいと思います。私も、こういうようないろいろな事情がありますし、これを一つ一つ解決するには並みたいていのことではないと思いますけれども、地方公共団体の実情というものを考えた場合には、そこらあたりを何とかもっと考える必要があるんじゃないかと思います。その点、大臣どうでしょうか。
#147
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまのお話でございますが、地方負担の府と市の分担、これが大阪府と市の分担関係、私も最近の実情はつまびらかにしておりませんが、たしか大阪府は不交付団体、あとのところは、守口はいかがか知りませんが、あとは大体交付団体じゃないかというふうに思う次第でございます。そういうような点で、まだ具体的には私聞いておりませんし、詰めさしておりませんが、大阪市は、御承知のとおり、あれだけの市でも交付団体でございますから、その場合に、交付税の基準財政需要額の算定に編入してくれるかどうか、こういう問題もあると思います。その場合、普通、私企業の負担金ではあれでございますが、都市計画の一環として、その市がこういったものの負担金を出すというようなことになるのかどうかというような問題もあるかと思います。そういうものが具体的になりました場合には、事務当局と、それから自治省の財政当局とも十分勘案をさせまして、できるだけ負担軽減のほうに検討さしてもらいたい、こういうふうに思うのです。
#148
○田代富士男君 いま申し上げましたんですが、結論は、この事業団方式でいくか、鉄建公団のその仕事でいくか、これはいずれでもこれをやっていかなくちゃならないのですが、問題は当初から出ています通勤通学の緩和という点で、運輸省といたしまして、第一次が三十六年から三十八年の三カ年、第二次が三十九年から四十一年の三カ年、第三次が四十二年から四十六年の五カ年計画で、第三次を終わったところでございますが、これでなおかつ現在は行き詰まりの状態でありますから、これ第四次も運輸省として考えていらっしゃいますけれども、いまもいろいろ説明された中でもわからないことはないんですけれども、第四次の計画といたしまして、何を重点にし、第三次までの中を反省し、それをどのように生かしていこうとしていらっしゃるのか、これをやっていかなくては根本的な解決にならぬと思いますが、どうですか。
#149
○政府委員(山口真弘君) 従来の私鉄の設備投資でございますが、第一次から第三次までの設備投資の重点ということを申し上げてみますと、やはり従来は、とにかくまず車両をふやしていく、そして車両をふやすことによりまして、連結両数をふやしていく、あるいは列車の回数をふやしていくというようなことにする。ところが、その場合に、車両だけでは済みませんので、たとえばホームの長さ――有効長を伸ばしていくというようなことにする、それから信号機の数をふやしていく、それにたとえば車両輸送力増強に必要な変電所をふやしていくというような形の、いわば何と申しますか、可動的な施設を中心としたところの輸送力増強というのが、いままでにやってきた段階でございます。それといま一つは、踏切の立体交差、それから踏切保安設備の整備ということを中心とするところの運転保安工事、この二つの輸送力増強と運転保安工事を中心としてやったわけでございます。それで、今度の私鉄の輸送力増強の基本的な方向でございますが、いままでのやり方ではやはり基本的な、抜本的な輸送力増強にはならないということで、今回の鉄建公団法の改正がねらっているところの基礎的な施設につきましては、鉄建公団でもこれを応援しようという体制になったわけでございます。しかしながら、私鉄事業者についても、この面は大いにやってもらわなければいかぬということになりまして、私どもといたしましては、そういう基礎的な輸送力増強の方向、それから従来からやっておりました、あるいは変電所その他の増強、あるいはホーム有効長延伸、停車場改良、あるいは車両の増備、改良、車庫の増強というような、設備の増強というものを含めた工事というものを今後も続けてやる、それを公団の工事というものとあわせまして、私鉄の輸送力を飛躍的に増大する、こういうふうに考えておるわけでございまして、今後の輸送力増強工事はいま策定中でございますが、そういう方向で飛躍的な増強をやってまいりたいと思います。
#150
○田代富士男君 まあ具体的な面におきましては、今後また出されてくると思いますが、心配される点が一つあるわけなんですけれども、それが、いまこれいただきました資料ですが、民鉄協会の「民営鉄道の活用方策について」というこの。パンフレットいただいておりますが、この中のいろいろな提示されている資料を見ていきますと、確かに今回、鉄建公団の工事によりまして、大手十四社の場合はいろいろな面で援助を受けていくことになりますが、そして通勤通学輸送の緩和をはかっていきたいという趣旨はもっともなことでありますが、その中に、四年ごとに運賃を二〇%アップしていかなければ、複々線化した場合でもなかなかこれが営業成績もあがらない、こういう計画を立てたのは、四年ごとに運賃二〇%アップという一つの条件といいますか、こういうものをも含んでいるのだ、そういうふうに受け取られる、こういうデータがあるわけなんです。こういう点につきまして、四年ごとにもう運賃二〇%も上げていくようなこういう計画のもとに今後の第四次計画も練られていくのかどうか、あるいはこれはただ単なる民鉄側の意向であるのか、その点の見解を明確にしてもらいたいと思うのですが……。
#151
○政府委員(山口真弘君) ただいま先生御指摘のパンフレットによりますと、私鉄側の一応の考え方といたしまして、四年ごとの運賃アップというようなことで収支試算を考えておるようでございます。ただこれにつきましては、私ども運輸省といたしましては、私鉄の運賃といたしましては、当該工事だけでなくして、全体としての私鉄の収支というものを踏まえてこれをいろいろ考えていかなければならぬ問題でございますから、ただいまのところ、私どもとしてはそういうような計画は全然持っておりません。具体的なそういう事案が出てまいりました場合に、これを十分にどうするかということを考えていきたいというふうに考えております。
#152
○田代富士男君 いま局長から、そういう四年ごとに運賃二〇%アップの計画等は考えてない――今回の計画にそういうものは一切考えておりません、そういうお立場であると理解してよろしいでしょうか。
#153
○政府委員(山口真弘君) 今度の公団方式の建設でございますが、これは、何といいますか、いわば、たとえば複々線線増工事をやるという場合に、その複々線線増工事を公団が私鉄にかわって建設をする、それによるところの資金コストを安くし、そしてその建設を促進しようということでございます。したがいまして、私鉄の運賃の改定というのは当該部分というものとは直接関係がないわけでございまして、いわゆる私鉄全体としての収支を見まして、その収支の上から見て運賃改定が必要かどうかというふうに考えるわけでございますから、したがって一応今回のこの公団構想とは別個のものだというふうに考えております。
#154
○田代富士男君 いま私、重ねて局長にお尋ねしたのは、多摩ニュータウンのことも私一応調べてみました。御承知のとおりに将来四十万の人口をかかえようとしております多摩ニュータウンですか、四十七年二月末で約二千五百戸、一万二千人の人が現在入居しているのじゃないかと思うんです。現状は、御承知のとおりにすべてバス輸送にたよって、早く鉄道をという声があがっておりますけれども、話し合いが難航しまして工事は一時暗礁に乗り上げているというようなのが実情じゃないかと思うんです。そこで京王帝都は四十六年の四月に京王多摩川から読売ランド前まで開通しております。御承知のとおりだと思います。小田急もほとんど用地の買収を済ませまして、多摩線の建設に一部着工しているというのが実情じゃないかと思うんです。今度計画されているのは京王帝都が京王相模原線を読売ランドから稲城中央、若葉台、永山、それから多摩中央センター、そこまでの一〇・一キロ、小田急が多摩線の新百合ケ丘、黒川、多摩中央までの九・二キロメートル延ばしたいと、こういう計画でいま進められまして、小田急、京王ともに総工費が大体二百三十五億ぐらいかかる、このように私はお聞きしておりますが、このうち鉄建公団で百九十億、そして小田急、京王で四十五億と、そのように負担をしていこうというように進められているそうでございますが、その鉄建公団百九十億の内訳を見ますと開発者で五十億、特別債で八十四億、財投で五十六億、私の調べた範囲内でこのような数字が出ております。この開発者の五十億を調べてみますと、この五十億のうち東京都が三四.三%、住宅公団が六二・一%、東京都の住宅供給公社が三・六%、このぐらいの負担で、いまこれは決定じゃないそうですが、これで話し合いがされているということを聞いておりますけれども、それにつきまして東京都といたしまして四十七年、四十八年の二カ年間で予算を組もうとしまして四十七年度の予算では九億五千五百万円計上されているそうでございます。それで問題は、東京都がこれだけの負担をしますけれども、これも検討の段階だそうでございますが、東京都の考え方はあくまで受益者負担を考えている。やはりこれだけのお金が計上されます以上、これを受益者負担として今後考えていきたいというわけで、すでに入居をしている人、あるいはいまから入居する人、立場は違いますけれども、家賃を幾らか高くしてこれに充てよう、家賃を幾らか高くする以外にないじゃないか、受益者負担という立場で。こういう考え方がされているのが一つであります。
 それと今度は、鉄道利用者に負担してもらおう、そういうわけで鉄道運賃値上げということも検討されている。これは決定じゃありませんが、二つのことが検討されておりますが、やはり東京都の立場として受益者負担というのには抵抗がある、こういう点を国で負担してもらうべきじゃなかろうか、そういう意見が出ているわけなんです。それで私がただいま質問いたしましたのは、こういうことが運賃値上げ、あるいは他の物価値上げに影響を与えるのじゃなかろうか。民鉄協会の中で四年ごとに二〇%アップするということがすでにこのように出されておりますし、そういう計画等はございませんと言われても、東京都におきましても、結論じゃありませんが、受益者負担の原則に沿って家賃の値上げ、運賃値上げということを検討中でありますけれども、検討されているというこの事実は、いま局長が答弁されましたとおりにすなおに受け取るわけにはいかない。まして四年ごとに二〇%アップするということを民鉄協会のほうでも言っているんですから、この点に対しまして私はいま質問をしてわけなんです。そういう点からいうならばもっと私は突っ込んでもらいたいと思うのです。この点、運輸大臣いかがでございましょうか。これはありのままの実情を私は提起いたしましたのですから、そういうことがないとおっしゃったけれども、そういうことはある。危険性があるということを、ありのままの実情を申し上げたのです。
#155
○政府委員(山口真弘君) ニュータウンにつきまする線路につきましては、先ほども申し上げましたように、国と地方公共団体からこれについての応援をするわけでございますが、さらに住宅側といいますか、住宅側たる東京都その他といたしましては、これに対する応援ということで、先ほど申し上げましたように、用地の素地価格への影響だとか、あるいは施工基面以下の建設費についての分担というようなことを考えていただいておるわけでございますが、そういうことによりましてとにかくもニュータウンにおけるところの鉄道建設というものを促進しようということで進んでおるわけでございます。
 ところで、それによるところの運賃でございますが、先ほども申し上げましたように、ニュータウン新線自体につきましての運賃の改定ということを私ども考えておるわけではございません。これは運賃の改定ということになりますれば、当然当該鉄道事業者の何といいますか、全体としての収支というものによりまして運賃改正が必要かどうかということを検討するということに相なるわけでございまして、そういう意味におきまして全体としての運賃改正の申請というものが東京に関してまだございません。今後それが出た場合にどうするかという問題につきましては、今後の問題として検討しなければならぬ問題だと考えております。
#156
○田代富士男君 いま局長のおっしゃるとおりに、もちろんこのニュータウン、この一つを取り上げてじゃありませんけれども、運賃値上げの大きな要因の一つになる一これ自身が運賃値上げ問題にも波及してくることは間違いないと思うんです。これは家賃の問題を局長に聞くわけにはいきませんけれども、こういう意味におきましてそういうことのないように、こういう面はやはり大臣にがんばっていただく以外にないと思うんですが、大臣どうでしょう。
#157
○国務大臣(丹羽喬四郎君) できるだけ値上げは抑制するという方針でつとめてまいりたいと思う次第でございますが、何と申しましても物価が上がってくる、人件費も上がってくるというようなことになりますと、ある程度の適正価格というものは将来においてはやむを得ぬのじゃないか。いま現在のところは局長から話がございましたとおりに、全然申請もございません。しかし私どもといたしましては、新線計画によりますそういったような設備投資の点でそういうような値上がりをもたらすんじゃないかという先生の御質問でございますが、その点は極力避けるような措置をとってまいりたい、こういうふうに思っている次第でございます。
#158
○田代富士男君 運賃値上げの問題はこの程度にとどめておきまして、また次の機会に譲りたいと思いますが、私鉄は今回の助成によりまして複々線あるいは高架化が進められていくと思います。そうした場合に起きてくる問題が何かと言えば、地域住民が一様に唱えることはいろいろな障害じゃないかと思うのです。騒音あるいは振動、電波障害、こういうような公害問題が起きてきた場合に、これはどうするのか、それを工事をしました公団がそういう問題を取り扱うのか、あるいはその電鉄会社がその問題に対処するのか、あるいは地方公共団体がそれに当たっていくのか、その辺の点をはっきりし、こういう公害に対しましてどのように対処されていくのか、これをお尋ねしたいと思うのです。現在、山陽新幹線等におきましてはそういうことが非常に検討されまして、対処されている技術を今後生かしていこうという面もあるかわかりませんけれども、それでもなおかつ、いろいろな障害問題が訴えられております。建設されるのには賛成ですけれども、いまそういう問題が現実に起こっている。この問題点につきまして、またいずれの人が責任を持って対処するのか、その点を明確にしていただきたいと思います。
#159
○政府委員(山口真弘君) まず、先生御指摘の問題は二つであろうかと思います。一つは工事中の騒音の問題、それからもう一つは建設されましてからの、運営によりますところの騒音等の問題でございます。それで、工事中の騒音でございますが、これはまあ何といいましても、前は、たとえばくい打ち機その他で非常に大きな騒音を発生いたしまして、そのために地下鉄工事等におきましてもかなり問題が生じたことがございます。やはりこういう問題につきましては、たとえば工法の問題等におきましてやはり研究をしなくちゃいかぬということで、まあ私どもも建設に当たってはくい打ち機を使用しないで、あるいはアースドリルを使用するというようなことによりまして騒音、振動を少なくする。あるいは工事時間というようなものにつきまして地元と十分話し合いをいたしまして、なるべく夜間の作業は中止をするというようなことにするということでやってまいりたい。この工事中の騒音につきましては、これはもちろん建設公団が建設をするわけでございますから、当然建設公団が責任者といたしまして地元と折衝するということに相なるわけでございます。
 それから、完成いたしました後の運営の問題でございますが、これは当然工事のしかたとの関係がございます。工事のしかたとの関係があるわけでございまして、結局東海道新幹線のときには、これは正直なところ騒音問題というものにつきまして、あまり大きな関心を払わなかったということは事実でございます。その後若干、関心を払っていろんな設備をいたしておりますが、あれほどのものとは思っていないということで、かなりの問題が起きたわけでございますが、山陽新幹線のときには、その東海道新幹線の経験にかんがみまして、たとえばレールにつきましては、ロングレールを採用するとか、あるいはレールの締結装置につきまして弾性締結装置というようなものを使いますとか、あるいは橋梁でございますが、これが鉄げた橋の場合に非常に大きな騒音を出しますために、コンクリートの有道床橋にするとか、あるいは車両につきましてのスカートと申しますか、そういうものによりまして騒音の発生自体を防止するとか、あるいは騒音の防止のための防音壁というようなものを設置をいたしまして、騒音の防止をはかるとかというようないろいろな技術的な点もいろいろ改良いたしまして、山陽新幹線につきましてはこれは対処しているわけでございます。このニュータウン線、あるいは複々線工事、その他都市鉄道につきましても同様の考え方を十分取り入れまして騒音の防止につとめていかなければいかぬと考えております。
 電波障害につきましても同様でございまして、電波障害が現実にございました場合にはNHKとも相談しながら、あるいは受信機のアンテナの改造その他によりましてこれに対処していきたいというふうに考えております。
#160
○田代富士男君 これは現時点におきましては、いま京阪電車に例をとりましたけれども、一番最後に局長が説明をされました電波障害の問題です。この訴えが非常に多いのです。それは電車が通るたびごとにたいへんなことになっております。特に京阪電車は、御承知のとおりに電車自身にテレビがついておりますけれども、そのテレビを見ながら京都――大阪を往復できるようになっていますが、その電車の中におけるテレビ自身がまともに見られる区間というのはちょっとしかない。ほとんど見られない。電車の中ですらそういう状況です。その付近に至りましては、私はここでその資料は出しませんけれども、いろいろ苦情が来ております。いわゆる電波障害の問題、これは今後――いたただ単にNHKといろいろ協議してとおっしゃいますが、それでは解決できないことを私は申し上げておきます。それをいまここでどうこう言うのではありませんが、建設するに当たりましては、そこまで配慮していかなければ今後は済まされないと、私はそのように思いますものですから、これは最後に一言つけ加えておきたいと思います。
 いま私が申し上げてまいりましたのは、おもに大都市周、辺の大手の私鉄でございます。まあ大手の私鉄につきましては、経営が悪いといいましても、実情からいくならばまだまだ余裕のある経営でございますが、御承知のとおり、私が言うまでもなく、全国で中小私鉄は大体九十五社あると思うのです。全国のこの九十五社の中で黒字の会社は大体十八社ぐらいだと、私はそのように聞いております。そのために四十年から四十六年の六年間の間に一部廃線とか、全部廃線と、そういう申請のありました私鉄が四十八社ある。四十七年度に入りましても一部あるいは全部廃線を申請されたのが六社ある。こうした場合に、運輸当局といたしまして、その私鉄にかわるべき、まあかわりのバス路線だとか、あるいは国鉄路線、そういうものがあった場合にはそういう申請を受理されておりますけれども、それがない場合には、私が言うまでもなく、地方鉄道軌道整備法によりまして補助金でもってそれを補っていらっしゃいますが、その補助金が四十六年度では八百七十万円だったと思うのです。このくらいではとうていこれはまかない切れるものじゃないと思うのです。だから大都市周辺の私鉄に対しましては、工事費等でこのように厚く優遇されますけれども、問題はやはり交通全体の視野から考えまして、こういう地方の中小私鉄に対しても私は考えていかなくちゃならないんじゃないかと思うのです。現在、中小私鉄の廃線が続いておりますけれども、こういう中小私鉄を廃線する、しないということよりも、まあこれは総合交通体系の中でも――私は先日も本会議でちょっと質問しておきましたけれども、これは大きな問題として考えるべきじゃないかと思いますが、その点につきまして大臣いかがでございましょうか。
#161
○政府委員(山口真弘君) 中小私鉄問題これは非常に実はむずかしい問題でございまして、まあ沿線の人口の減少、あるいは自家用車の発達ということによりまして、中小私鉄の収入は伸び悩んでおりますし、一方、人件費等が非常に膨張いたしまして、経営内容が急速に悪化をしておるわけでございます。
 そこで、これに対する基本的な考え方でございますが、やはりただいま先生のおっしゃいましたような総合交通体系的なものの考え方をしていかなければならない。鉄道の本質はやはり大量輸送に適しておるわけでございますから、そういう大量輸送に適したところの鉄道の本質というものを発揮できるような性格のものというものと、そうでないものと分けて、やはりわれわれ考えていかなければならないことでございまして、実はそういう考え方に立ちまして、大量輸送の効果が発揮できるんだけれども、しかしながら当該鉄道が非常に苦しい。苦しいために、たとえば設備の投資が不十分である、近代化投資が不十分であるというようなものにつきましては、これは積極的に近代化投資をすることによりまして、そしてたとえ赤字であっても、これに対するてこ入れをすることによりまして、鉄道としての使命を達成させていくというような方策はとらなければいかぬということでございます。したがいまして、そういう観点に立ちましたところの助成といたしまして、地方鉄道軌道近代化設備整備費補助というかっこうにいたしまして、近代化設備資金の一割というようなものにつきまして国が直接助成をするというようなやり方で補助をいたしております。
 それから、その次に問題になりますのは、輸送量が非常に減ってきてしまいまして、そして鉄道としてはとてもやっていけないというようなところであって、しかも輸送量が減ってしまいますから、将来は自動車に転換をすべき性格のものであるというようなものでございますが、それにつきましては代替道路等がございます場合には、これは自動車に転換をするよりやはりしおうがないことじゃないかと思います。しかしながら、そういうような線であっても、たとえば代替的な交通機関もなく、その鉄道をとってしまったら地方の住民が非常にお困りになるというところにつきましては、これは補助をしなきゃいかぬということで、これにつきましては欠損補助というような性格のものでまあ補助をいたしておるわけでございます。非常に微々たるものでございます――先生御指摘のように微々たるものでございます。しかしながら、そういう考え方によりましてやはり鉄道の性格を見きわめた姿の助成方策というものをとってまいらなければいかぬものと考えております。今後とも努力したいと思います。
#162
○田代富士男君 それでは私はいまも申しましたとおりに、大都市の大手の私鉄に対してはこういう優遇措置が講じられるけれども中小私鉄に対しては薄いということを端的に申し上げた次第でございますが、いろいろ措置を講じておるとおっしゃいますけれども、まだまだこれは薄いんじゃないかと思うんですね。その証拠にいろいろこの私鉄の大き事故が――私きょう時間が許されればこの事故の一つ一つを取り上げたいと思いましたが、この事故は、四十六年から四十七年に起きております大きな事故だけでもずいぶんの数の事故が起きております。私もあらためてこれだけ大きな事故――これは重大事故ですが、出ておりますけれども、やはり運輸の問題で一番大事なことは交通安全ということが一番です。いつも大臣が一番先に申される安全交通というところが一番じゃないかと思うんです。それと人命尊重ということが基盤になくちゃならぬと思うんです。そういう点から考えれば、いま大都市周辺の大手私鉄よりも中小私鉄の地方へ行けば行くほど、また盲点として大都市周辺の大手私鉄におきましても踏切とか、そういうものに対するこの総点検というものがあまりにされなくて、そういう踏切事故というのは非常に多い。これはずっと前に近鉄事故が起きましたおりにも私はこの問題を大きく取り上げたわけなんです。それでまあ大都市周辺の大手の私鉄に対しましてこういう助成をしたならば、この中小私鉄に対しても人命尊重、安全交通というたてまえから、踏切道改良促進法を改正するかあるいは何かして、まあ今回は事業団の形態で――鉄建公団によってこういう大手の建設をやると言われましたと思うんですけれども、総点検をですね、こういうことをやりまして――事故によるところの補償金等を累計するならばそのくらいの金額は出てくると思うんです。そういう点に対しまして、中小私鉄に対しましてもまた――私鉄の事故があまりにも多い、踏切事故が。そういう点に対しましても検討する余地があるんじゃないかと思いまするが、大臣、いかがでございましょうか。
#163
○政府委員(山口真弘君) 私から事務的なことをまず申し上げます。
 まず踏切事故でございますが、これは先生御指摘のように、まあ鉄道の事故でいろいろの努力にもかかわりませずなかなか減りませんのが踏切事故でございます。それで、しかも最近はダンプカーその他によるところの大きな事故が発生いたしまして多くの被害者を出したというようなことも少なくないわけでございまして、何とか踏切事故を防止しなきゃいかぬということでございまして、実は政府といたしましても昨年におきましては踏切道総合対策というものを立てまして、そうして運輸省だけでなくして警察庁、建設省あるいは総理府と一体となった踏切の改良、それから踏切事故の防止をはかって、いまその踏切道改良促進緊急対策に基づくところの対策を練って実施をいたしておる段階でございます。そういうことに基づきまして実際の踏切関係の助成といたしましても、今年度は踏切道改良促進法の施行令の一部を改正いたしまして、そうしてその補助をする鉄道業者の範囲というものを拡大をいたしまして、特に中小私鉄を中心とするところの踏切対策というものの助成を高めていくということでございます。今後ともこの面は努力をしてまいらなければならぬ。大臣もこの点は非常に関心がございまして、しょっちゅう踏切事故の防止につきましては大臣からもお話があるところでございます。
 それから地方中小私鉄の問題につきましては、これも先生御指摘のとおり、毎年の予算の努力のときでもなかなかこれが認められませんで、先生御指摘のように確かに手薄いということは私どもも認めざるを得ないと思います。これにつきましては今後とも努力をいたしてまいりたいと思います。
#164
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの交通の安全対策でございますが、何と申しましても幾ら快適、またスピード化がはかられましても、交通の安全を守ることができませんでは、これはほんとうにいろいろの輸送サービスも完全にゼロどころか、マイナスになってしまう次第でございまして、安全対策に力を入れることが一番大切なことで、いろいろの事故が起こりまして申しわけなかった次第でございますが、終始一貫その点を強調してまいった次第でございまして、今回の予算措置につきましても額はそれほど多くありませんですが、まず安全の面につきましては一番重点を入れて、そうして予算獲得をするということを命令いたしました。ある程度は充実をしてきたと思う次第でございますが、いま申しました踏切対策、これも幾ぶんは増額をしてまいりましたが、何と申しましてもいま、ことに地方私鉄の事故は、この間近鉄の追突がございましたけれども、そういったものを除きますると大体踏切におきますトラックとの衝突事故というものが非常に多い。これはやはり踏切を安全にする、あるいはほんとうは、できますれば立体交差にするということが一番望ましいことでございまして、その方面につきましては私どももこれからも努力いたしまして、また立体交差につきましては建設省との関係が非常にございますので、建設省方面にもその点を十分努力をしてもらいまして、近く私どもあらゆるそういった面も含めまして、建設省、また自動車の取り締まりに当たる公安委員会、私どもというものに緊密な連絡をとらしまして、そういう方面の対策の整備をはかりたい、こういうふうに思っておる次第であります。
#165
○田代富士男君 そこで、私がいま申し上げたのは、あくまで人命尊重という立場でそういう踏切の問題を取り上げましたが、これは路面でございますが、いま審議しておりますこの法案が通過いたしますと、今度は高架あるいは地下へもぐった工事になります。これで、私心配しているのは、先日新幹線で静岡におきまして架線が切れたために八時間ほど立ち往生された。ちょうど参議院の同僚議員が大阪の千日デパートの火災のために、災害委員会を中心といたしましてそれぞれの関係の委員会から一、二名の方が視察に行きました。その災害視察に行って東京へ帰ってくるおりにその新幹線の事故にあいまして、浜松の駅で八時間待たされて東京に帰ってきた同僚議員の話を聞きましたが、これは高架で事故が起きた場合には手のつけようがないぞ、あのときの国鉄の手の打ち方というのはなってなかったと、こう言って義憤の念を、私が運輸委員だものですから、これはとんでもないと、こういう話を私打ち明けられました。実際、今度高架にされる、あるいは地下にもぐる、これも確かに現時点におきましてはそういう方向に進んでいく以外にないと思いますけれども、ただ単に工事をするというのじゃなくて、あらゆる最悪の場合の、そういう事故が起きた場合はどのようにして対処するかと、そういうことも考慮に入れ、それも基本設計の段階でこれを入れておかなければ、これは大量事故を起こすことになるんじゃないかと思うのです。特に私は千日デパートの火災からいろいろ教訓を得ております。ちょうど千日デパートの火災のおりには、土曜日の関係で私大阪におりまして、人たちが飛びおりたその直後に行きまして、現場を見てきておりますけれども、われわれの想像できないようないろいろな問題点が多いのです。だから、そういう点で、鉄建公団で工事をされると思いますが、高架の場合のそういう事故対策、地下に入った場合はなおさらまた――事故が起きておりませんけれども、大阪の千日デパートの火災から思いますれば、地下でターミナルになった場合の火災対策というのは、これはたいへんじゃないかと思うんです。そういう意味から私がもう一番に心配しているのは、さっき局長が申されました、総武線が地下へ乗り入れる、東京駅前が地下四階から五階になる、こういう計画をされておりますけれども、こういう場合に、こういう防災に対する対策というものをどのように考えていらっしゃるのか。これはもう国鉄にお尋ねしたいと思いますし、今後そういう高架並びに地下鉄都心乗り入れの工事をされます鉄建公団として、そういう防災に対する考え方を加味して、基本設計にどのように組み入れていくのか、その点についてちょっとお尋ねしたいと思います。
#166
○政府委員(山口真弘君) これはもう防災の問題は、先生おっしゃるとおり、何としても私ども、設計その他につきまして常に考えていかなければならぬ問題だと思います。
 そこでまず、地下の問題、高架の問題ともにございますが、火災の問題、これが一番こわい問題の一つでございます。特に、地下の場合におきましては、車両の火災が起きました場合には、非常に危険なことになるわけでございまして、したがって、車両の火災の防止というものをまず考えていかなければならぬというように思っております。実は、数年前、地下鉄で火災事故がございました。それで、私ども非常なショックを受けたのでございます。従来、地下鉄というのは燃えないということを私ども考えておりまして、昭和二年ごろの創設以来まだ地下鉄の火事というのはなかったのでございます。それが、数年前、地下鉄の火事がございました。そこで、私ども、車両自体の問題で、どうしたら燃えなくすることができるかということをいろいろ研究いたしました。特に、現車試験等をやりまして、実際の車両を燃したりなんかいたしまして試験をいたしました。そして地下鉄の燃えない車両というものを考えていくということでございます。
 その結果といたしまして、まず、火災の出るモーターその他の対策、それから、出た火が床下等に伝達しないところの対策、それから、かりに床下から火が出た場合におきまして、それがシートその他の燃えつかないような遮蔽の対策、それから車両全体としての対策というような、いろいろな面での対策を講じまして、そうして、これの基準をつくりまして、従来の不燃化の基準というものを上回るところる、地下鉄のAA基準というものをつくりまして、地下乗り入れをするところの地下鉄並びに国鉄車両あるいは私鉄の車両というものは、全部このAA基準によることを求めることにいたしまして、そうして現在実施中でございます。なお、新幹線はこれ以上の構造になっております。
 それで、火災問題は、地下鉄を中心といたしましてまずそれをやりましたが、その他、AA基準よりやや劣るまあA基準その他のことによりまして、国鉄の長距離列車その他をまかなっております。いずれにいたしましても、そういうようなまず車両自体の安全性を確保しなければならぬということで、いろいろ基準をつくっております。
 それから、その次に、私ども、火災の問題につきましては駅の問題がございまして、ただいま先生御指摘のように、駅の問題は、基本的には、これは、消防法等によりまするところの駅の防火対策というものを一応考えておりまして、そうしてこれは、現実の訓練、駅員その他の訓練とともに、設計上におきましても、火災の防止のための消火器の設置その他を考えておるということでございます。
 それから、その次に、防災問題といたしまして、私ども、先般ロサンゼルスの地震等がございまして、地震に対する対策というものも相当考えていかなければならぬ。特に、地下鉄等におきまする場合の地震対策はどうしたらいいかというようなことも、いろいろと検討をいたしました。国鉄あるいは営団等におきまして、これの検討をいたして、地震に対する対策も練っております。まあ、いまの私どもの見当では、関東大震災程度の地震ならば、いまの新幹線、地下鉄ともに、十分に耐えられるというような一応の計算が出ておりますが、そういったような面も十分に考えております。
 それから、さらに、地震等におきましては、新幹線につきましては、たとえば一定の震度以上の地震が起きました場合には、これは自動的に列車が停止をするというようなことにいたしております。
 その他風水害等の対策、これは国鉄が主としてこの方向の検討なり対策を練っておりますが、現実の現場の施設の職員その他によりまして十分の点検、見張り等をするとともに、施設的にもそういったものに耐えられるようなものにするというふうに考えております。
 それから、高架等で起きました事故の場合の救出の方法、あるいは地下で起きました事故の救出の方法でございますが、これも地下鉄車両の火災の経験にかんがみまして、地下の場合にはどういう救出をするかということを一応検討いたしております。そして、それの誘導方法というものもきめてございます。高架の場合にも同様でございまして、これは地下鉄それから高架線、それからモノレールにも同様な問題がございまして、高架で簡単に外へ脱出できないということがございますので、その場合の脱出方法等も設計の中で検討いたしておりまして、その方法でやっていくというふうにいたしております。いずれにいたしましても、今回の国鉄の事故にかんがみまして、私どもこの方面の防災体制並びに災害のあった場合の救出体制というものをさらに一そう勉強し、その方面の努力を進めてまいらなければならぬと思います。
#167
○説明員(山田明吉君) いま鉄監局長から一般的なお話がございました。特に先生御指摘の東京の今度の地下駅の問題につきまして、二重、三重に防災の設備は施してございますが、たとえば、まず車両につきましては、鉄監局長がお述べになりましたように、地下へもぐる車両でございますので、徹底的な不燃化をはかる手はずになっておりますし、それから駅そのものからの火災の問題につきましては、火災が発生したときには一斉にスプリンクラーから水が出るような仕組みになっております。それから、おそらく数千人の乗客が、あの駅は大体地下五階になりますのでラッシュ時には数千人のお客がその地下駅に入っておられると思います。それにつきましての脱出口、非常口でございます。これは通常の通路のほかに十数カ所設けてございます。これは通常の場合に電気で作動するような手配になっておりますが、万一の場合には電気もとまるであろうと考えまして、予備電源を三台、これは自動的に、普通の電気が消えた場合には自動的に切りかわるような設備もいたしました。しかしまた、それが故障する場合も考えられます。このときには手動でやるようなことも考えております。それで、先日の千日ビルの火災で私どももあの死者の方が、大部分が煙で窒息されたことを知りまして、あの教訓をできるだけ生かすつもりで、さらに念には念を入れるつもりで、ちょうど開業がこの夏の予定でございますので、それまでに実際の実設訓練も行なってみたいと考えております。
 また、先日の新幹線事故で各方面にたいへん御迷惑をおかけいたしましておわびをする次第でございますが、高架線の事故は、あの前に船橋でやはり事故が起こりました。高架線の場合の事故についても、幸いあの当時死傷者はございませんでしたけれども、大体ああいう事故を絶対起こさないようにするのが第一でございますけれども、事故の復旧に非常に手間どりまして、これもおわびを申し上げる次第でございます。大臣からも非常に強い御注意を受けまして、今後その対策をさらに徹底化するように研究中でございます。
#168
○田代富士男君 時間も定例日は五時半ということになっておりまして、一時間超過しておりますからこれで終わりますが、いま防災のことを、私はどうしてこのように申し上げるかといえば、千日デパートのなまなましい姿をこの目で見ております。先日も地行の委員会に出向きまして、この問題で私は実情、問題点をるる申し上げましたが、特に千日デパートの場合は、煙によるところの、新建材よりも繊維の煙によりまして、あれだけの百十数名の死亡者が出ておりますが、その中でも私はあれは屋外でございましたから、あれだけの死亡者の中で消防署のはしご車によりまして五十三名は助かっておるわけなんです。このときに私は直観的に考えました。新東京駅の地下街が四階――いま副総裁が申された五階となりますと、地上であれば煙が舞い上った場合でも五十三名は助け出すことができた、はしご車で。地下の場合ははしご車も何もいうことをきかない。それから今度は千日デパートの一番の致命傷は電源が切られてまっ暗になった。そしてスプリンクラーなんかも設置されていたけれども、それは作動してないわけなんです。それでいま国鉄の場合は、電源が二重になっておる。それはそれでありましょうけれども、そこで煙が起きた場合に、そういう誘導をするところは消防法からいきましても検討するようになっておりますけれども、最悪の場合に、千日デパートの場合は、このビルの管理者が大もとの電源を切ったために、そういうような予備の電気すらついてない。それがついていたならば、ある程度の人は助かったでしょう。しかし、今回の四階、五階と下にいきまして、まっくらやみになりましたら、避難路は十何カ所設けてありましてもその避難路すらもわからない。まっくらにした状態ではたしてこういう人たちがどこへ避難するか、一回訓練をやったらおわかりだと思うのです。そうした場合に、今度は煙が舞い上がってくる。千日デパートの場合、煙が舞い上がった原因はエスカレーターのところが各階ともあいておりまして、これが要するに、煙が舞い上がっていくところの煙突の役目をしておるのです。今回、東京駅の場合もエスカレーターでこのように下へおりていくことになっておる。五階、四階で事故が起きた場合に、それが一度に舞い上がっていく。地下二階あるいは三階は何ともなくてもその煙は全部にいってしまいます。だからアッという間です、全部いかれてしまう。あの千日デパートの死んだ場所へ行ってみなさい、あのアル・サロのオードブルだとかビールびんはそのままです。どこに火事があったかといわんばかりの姿です、そのままです。煙でやられてしまった。私は、だから東京駅の場合は、そういう避難道路よりも煙が起きた場合に、煙をどのように外へ排出するかという一いまのお話の中にもそれがない。私はこれが心配でしかたがないのです。起きるかどうかわからないのに、私がこういうことをいっちゃ申しわけございませんですが、千日デパートの教訓があります。
 それから私は、高架の場合の注意というものは、事故が起きた、架線の火災でちょっと火を見たら一斉に乗っている人は手動で戸をあけて外へ出るでしょう。出た場合に――飛びおりた場合に、千日デパートの場合はおっこった人のうちほとんどが死んでおります、まあ悲惨です。アーケードのところへ飛びおりた人なんか悲惨ですよ、この時計なんか、中身がないんです。そこへ女のヘヤピースなんかが散らばって、もう直接アーケードに落ちずに、地下街におりるところに落ちた人はカエルと同じです。一時は、見られないような状況でした。それで消防署の人に聞きましたら、普通のビルの四階から飛びおりたらもう死ぬと思ってください。そうしますと、私鉄の高架が京阪電車でいきますと、京阪電車の京橋の駅あたりは多分あれはビルの四階か五階ぐらいに電車の高架がつながっておる。あの高さでいかれてみなさいよ、全部が道路へおりるわ、線路へおりるわ、横へ走っていけばいいものを、そのまま飛び降りた場合に、ビルの四階以上の高さの所から飛びおりるので全部死亡する。そうした場合にどうするか、私は今回のことはゆるがせにするわけにいかぬと思うんです。そういう意味で高架の場合はどうします、地下の場合はどうします、こういう対策を講じてやるのと、やらないのとでは、未然に事故を防ぐかどうか、人命尊重の上からたいへんだと思うんです。そういうことになりますと、ただ単に通勤通学の輸送緩和という立場でなくして、やはりこれは建設省との関係もありますし、消防庁との関係もありますし、やはり都市再開発の問題もありますし、そういう意味で私はこういう総合的な対策の上から、今回のこういう対策はせめて講じていこうと、しなくちゃならないと、私はこのことを力説しております。きょうは時間も来たようでありますから、そのようにひとつ取り組んでいただきたいということを私はお願いするんですけれども、大臣、いま私が申し上げました点についてどのように取り組んでいただけますか、これを最後にして私の質問を終わりたいと思います。
#169
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 最近におきまして、いま千日前の惨事をはじめといたしまして、運輸方面におきましても幸いにして大惨事には至りませんでしたけれども、あるいは日航機の羽田におきますところの爆発、また新幹線の架線事故、その他いろいろ事故が起こっております。非常に憂慮をいたしまして、実は二十日の日、土曜日でございましたけれども、運輸省におきまして私が主宰いたしまして全体会議を開きまして、各局長全部を集めまして事故対策をあらためて総点検をする、しかし総点検の重点をいままでのただの重点でなくて、いまの事態に、いまお話がございましたような点も踏まえまして、重点をどこに置くかということも再検討してやるということを命じました。各関係局長からも活発な意見が出ました。それをまとめましてたぶん明日ごろ結論が出ると思うし、その時点をもちましてわれわれの運輸省内部の機関はもちろんでございます、関係各国鉄をはじめといたしまして、各運輸機関にこれを指示をいたしまして、そうして期間を区切って総点検を実施いたしまして、それによってまたわれわれ検討して、それらの安全対策をさらに推進してまいりたい、こういうふうに思ってせっかくいま一生懸命やっておる次第でございます。まだいろいろその至らぬ点につきましては御指導いただきたい、さように考えます。
#170
○委員長(木村睦男君) 本案につきましては、本日はこの程度といたし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時三十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト