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1971/05/25 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 運輸委員会 第12号
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1971/05/25 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 運輸委員会 第12号

#1
第068回国会 運輸委員会 第12号
昭和四十七年五月二十五日(木曜日)
   午前十一時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     矢野  登君     山崎 竜男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         木村 睦男君
    理 事
                鬼丸 勝之君
                江藤  智君
                佐田 一郎君
                森中 守義君
    委 員
                稲嶺 一郎君
                岩本 政一君
                岡本  悟君
                菅野 儀作君
                橘  直治君
                山崎 竜男君
                若林 正武君
                伊部  真君
                小柳  勇君
                瀬谷 英行君
                藤田  進君
                田代富士男君
                三木 忠雄君
                田渕 哲也君
                山田  勇君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  丹羽喬四郎君
   政府委員
       運輸政務次官   佐藤 孝行君
       運輸大臣官房長  高林 康一君
       運輸省自動車局
       長        野村 一彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   説明員
       環境庁大気保全
       局自動車公害課
       長        小林 育夫君
       通商産業省重工
       業局自動車課長  中村 泰男君
       運輸省自動車局
       整備部長     隅田  豊君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○道路運送車両法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(木村睦男君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 昨日に引き続き審査を進めます。質疑のおありの方は順次御発言願います。
#3
○伊部真君 昨日、この法案審議の前に、西武バスの間引き運転にからんで、最近の、今月の、これは十七日ですか、に乗客が電話をしてきたということに端を発しまして、このような運転手に対する調査、取り調べというのは今回が初めてではなしに、十一月の二十七日に斉藤忠という運転手に同じような取り調べを行ない、結果として本人が自殺をするというところに追い込まれたという事件であります。これについては昨日、この内容について十分、運輸省のほうで承知をしていないので、調査をしてあらためて報告をするということでありました。内容についてひとつ報告をいただきたいと思います。
#4
○政府委員(野村一彦君) 西武バスの運転手の問題でございますが、昭和四十六年十一月二十七日、西武バスの大宮営業所に所属しておりますところの運転手、斉藤忠といわれる方でございますが、この人が西遊馬地点で料金をチャージしているというのを、この路線を巡視中でありました大宮営業所の次長が見つけて、そして、それをただしましたところ、同人は七百十円をチャージしたということを認めて、念書を取ったという、こういうことでございます。会社側は同日、大宮警察署に対して被害届けを出しますとともに、同人を予告解雇処分に付したということでございます。大宮警察署は、会社側の被害届けが出されましたので、会社側に対して同人を二十九日に出頭させるよう連絡をし、会社はこの旨を同人に伝えたわけであります。二十九日、この斉藤さんは警察に出頭されませんでしたが、三十日に、斉藤さんの妹さんから会社側に連絡がありまして、二十九日に警察に出頭すると言って家を出ていかれたまま消息を断ったという連絡があり、翌十二月一日に、今度は斉藤さんのおねえさんから会社に対して斉藤さんが自殺をされたという旨の連絡があったというのが、私ども会社から聴取いたしました事実関係でございます。したがいまして、昨日先生がおっしゃいましたように、斉藤さんという方の事件が起こりました月日、それから斉藤さんがそういうチャージをして、それを会社側が見つけて、そして警察に被害届けを出し、警察がこれを調べて、斉藤さんは自殺をされたという事実関係については、伊部先生のおっしゃった、御調査になった内容と大筋においては一致しておる、こういう状況でございます。
#5
○伊部真君 これはもう少し調べてもらわなければいかぬと思いますのは、私はきのう、所は言いませんでしたけれども、西遊馬というところだそうですね、のところの折り返し地点の近くに西武バスの修理工場がある。その修理工場の二階から、本社の係員と営業所長と次長、この三名が双眼鏡を持って、そうして運転手を監視をしておった。そうして、それをつかまえて調査をして、いま私は金額を初めて聞いたんですけれども、七百十円、これで警察へ被害届けを出して、そうして警察へ出頭さした。いま私が警察庁から聞いたら、会社の連中が一緒に警察へ行ったそうです。そういう扱いがあるか。これは普通の労使問題として、あるいは従業員に対する態度としてどうなんでしょうか。私は、これは見のがしてならぬ人権問題だと思うのですがね、少なくとも七百十円を横領した、そういうことがあったといっても。しかも、それに調査のしかたも、望遠鏡でのぞいておって、そうして、たまたまひっかかったのを、それをつかまえて身体検査をし、そうして警察へ出頭さして、本人が奥さんと子供まで実家に帰して、覚悟の自殺ですよ、これは。そんな事件を起こしておいて、またしても今度、電話がお客さんのほうからあったといって、上半身裸にしてまで調査をするというような無神経さです。私は西武バスの幹部のやり方に対して、しかも、きょう、私、電話して聞いてみたら、この問題は、団体交渉していたら、会社のほうの就業規則によってやっていることだ、したがって組合から言われることはありませんと拒否しているそうです。なお私は、これは労使関係というよりも、私ども常識以前の問題じゃないかと思うのです。これはどうお考えになりますか、そうしてどう措置をされるつもりでありますか、私は見解をお聞きしたいと思います。
#6
○政府委員(野村一彦君) 私どもいま申し上げましたような調査内容でございますが、この調査をいたしまして感じますのは、いま先生がおっしゃいましたが、会社の従業員というものにそういう不都合な行為があったということで被害届けを直ちに警察に出したというのは、これはやはり金額は小なりといえども窃盗事件には違いないと思いますけれども、やはりもっと処遇の、取り扱いの方法については人間的なと申しますか、自分の会社の従業員の善導という意味から、もっとほかに――直ちにそういう被害届けを出して警察ざたにする、いずれそれは警察に行ったんですから、窃盗容疑ですから、なるとは思いますけれども、この方法については穏当でなかったというふうに私は考えますので、現在、昨日来の先生の御質問に対しまして私どもとしてとり得る措置につきましては、大臣も昨日来この問題をお聞きになっておられますので、私が大臣の意を体しまして、そして、この西武バスの社長を呼びまして、今後こういうような問題を起こさないように、また、その根本は、先生もおっしゃいましたような人間関係の、もっと何といいますか、これはもうきのうも申し上げましたように交通行政以前の人間関係、人権問題でございますので、そういう点について基本的な会社の経営の姿勢といいますか、労使関係の姿勢というものを改善するように十分要望をし、また改めるべき点は改めるように、きびしい、まあ何といいますか補正処置をするように要請をしたい、こういうふうに考えております。なお、細部の点につきましては、大筋の点は先生の御調査の点とほぼ同じでございますけれども、細部の点について違いますので、これはよくまた係を呼んで細部を調べたいと思います。大筋の点におきましては、いま言いましたような厳重な措置を講ずるように、私が大臣の意を体してバス会社の社長を呼ぶというふうに考えておるわけでございます。
#7
○伊部真君 いま局長は、大筋についてはまあ間違いないけれども細部については違いがあると言われましたが、どこが違いますか。
#8
○政府委員(野村一彦君) この斉藤さんの事件について申し上げますと、これはまだその点、直接現場にいた職員に聞いておりませんのでわかりませんが、たとえば、どこかの小屋に隠れておって双眼鏡で見たというような点については、私どもまだ確認いたしておりません。その点が第一点と、それから自殺をされた場所が自動車の中であるというふうには、まだはっきりしたのをつかんでおりません。
 それからなお、先ほどちょっと申しませんでしたが、これもはっきりしないのですけれども、何か本人のねえさんですか、そういう方から会社には自殺というようなことを言わないでほしいというふうに言われたというのですけれども、これは未確認でございます。こういう点についてまだはっきりしない点がございます。日にちとか、そういう関係につきましては、大体の大要は先生のおっしゃったとおりでございます。
#9
○伊部真君 それは違いじゃなくて、確かめてないということだろうと思いますがね。これは相違点というよりもむしろ、そのこまかい点は聞いてなかったということだと思うんですが、私が言っているのは、双眼鏡で見たということでありますが、たまたまその西遊馬の修理工場があったので、そこから会社の幹部が見た、これは確認したかしないかということでございまして、それから車の中で死んでおったということは、これは客観的なことでございまして、これはまあたいした問題じゃない。車の中でなくなられようと、どこでなくなられようとたいした問題じゃない。それから、ねえさんがどう言った、こう言ったというのは私は問題点じゃないと思う。ただ私が一番問題なのは、やはり従業員に対してそういう調べ方をするということですね。私は、双眼鏡を持って二、三人で、そして、どろぼうをつかまえるようなやり方をするということ、それからもう一つは、七百十円で自殺に追い込むような形というのは、やはりたどっていかなければいかぬと思うんです、何が原因でそういうふうになったのか。ただ本人が気が弱くて、それはそういうことで非常に神経質に考えたということで片づけてしまえば問題は別ですよ。しかし、私はやはりそういうふうに片づけてはいかぬと思うんです。気が弱かったのか強かったのか、これはなくなった方だからよくわかりませんけれども、しかし七百十円の問題で、そうして自殺をせざるを得ないような状態に追い込んだというような、その取り調べ方がどうだったのか。今夏の場合なんか明らかに想像されることは、今度の場合は本人が言ったのは、田口昭之助という人、この人が受けた扱いなんです。この場合には乗客から電話があり、五月十七日ですか、乗客から電話があって、そのために会社は、これをある部屋かどこかへ連れていって、しかし、そのときには目撃者は、検査の修理工場の人だとかあるいは車内の清掃人の人がやっぱり見ているわけですから、人に見られるような状態のところで上半身を裸にしたと、こう言うのですね。そういうこととつなげてみると、私はやっぱり会社の態度というのはけしからぬことだと思うのですよ。したがって、その内容を直ちに、いま言った調査のやり方ですね、その調査を願って、そして具体的に会社としてはどう考えておるのか、遺族の方はこの問題についてそのまま泣き寝入りの形になっているようでありますけれども、遺族の方に対してはどう処置をしたのか、その辺の事情をやっぱり明らかにしてもらって、そして運輸省としてのとるべき処置というものは考えてもらわなきゃいかぬと、こう思うわけです。これはいま言われて、調べますということでありますけれども、いつ社長を呼んで、具体的にどういうふうに行なわれますか、この点をお聞きしたいと思います。
#10
○政府委員(野村一彦君) ただいま先生おっしゃいましたように、私は会社の態度というものは、私自身まことにけしからぬことだと思っております。したがいまして、こういう会社に対して、再三申し上げますように、実は私も、これだけの大きな会社で、株式会社のしっかりした会社がこういうような問題を起こしたということについては、私自身全く予期しない――予期しないということは常識的に考えられないことであって、これは運輸行政について監督をするという以前の問題であると思いますし、これはもう私ども全く何といいますか、常識をはずれた措置であろうと思っております。で、この会社につきましては、これはもう私の手のすき次第社長を呼んで糾明をする。ただ、細部の点は、先ほど先生がおっしゃいましたように営業所長を呼んで、大宮営業所の所長ですか、その人を呼んで聞きませんと、これは望遠鏡で見たか、あるいはそうでないのかという、そういう点は、ちょっと社長に聞いてもおそらく私はわからぬと思いますので、それはそれぞれの担当から、そういう直接の現場の責任者あるいはそれを目撃した人、本人に直接接した人、そういう人を呼ばないとわかりませんが、それは別といたしまして、とにかく私は手のあき次第に社長を呼んで、さっそく処置をするということはお約束いたします。
#11
○伊部真君 私は、まあきのりまでは、調査のやり方、一番問題なのは、もともとから、犯人扱いをして修理工場でそういうふうなことをやるということ、それからどんな調べ方をしたのかというととが非常に気になっておったのです。きょう局長からの報告で、もう一つ私は非常に憤りを感ずるのは、金額的には七百十円、しかも解雇予告を直ちにしているということですね。これはその事件で警察のところへ被害届を出して解雇予告をしたというのは、全く私は冷淡きわまりないと思う。女房子供をかかえて、七百十円のために警察からは出頭命令が出たし、そして会社からは解雇されるというふうなことになれば、やっぱり前途に対して非常な心配もしたんだろうと私は思うのですね。そういう問題を見ると、私は、この事件は単にミスとして、あるいは単に謝罪をしたぐらいでは済まされぬような気がします。この点については、やはり早急に明らかにして、この委員会でその経過を発表してもらわなければ困ると思う。私が申し上げているのは、具体的にいつ、どういうふうにされるのかですね、その点をひとつ、もう一ぺん聞かしてください。
#12
○政府委員(野村一彦君) この問題は非常に基本的な問題であると思いますので、この社長を呼んで事情を聴取して、そして厳重に改善といいますか、将来にわたる改善等についてただすということは、私がいま申し上げましたように、これはもう私の手のあき次第即刻やりたいと思っております。ただ、いま先主の御指摘の正常な労使関係の樹立とか、あるいはそういう何といいますか、就業規則の問題とか、これは私どもだけで処理できない労働関係の問題もございましょうし、そういう点について、まあこれは改善すべき点は、私は当然改善しなければならないと思いますが、運輸省としてやるべき措置につきましては、すみやかに社長を呼んで事情をただしますとともに、あとは具体的な、そういう会社の内部の運輸関係の服務規則とか、あるいは運転者等に対する会社側の監督のあり方とか、そういう問題については、これはできるだけすみやかに現在の制度の改善すべき点等を研究をして、そして、できるだけすみやかにやる、これはいつまでということは、ちょっとその点、調査をなお要しますし、細部の点でもございますので、この席では申しかねますが、できるだけすみやかにやりたい、基本的な問題についての社長に対する警告と申しますか、そういう点はできるだけ早くやりたいということでございます。
#13
○伊部真君 この問題については、昨日私が警察庁にも調査をしてもらうように――埼玉県警から出頭命令出しているわけですから、これはそれなりの調査が出たと思います。その辺の事情もひとつお聞きを願いたいということ、それから会社のほうの事情については、やはりきょうじゅうに呼んでいただいて、そして調査をしていただきたい、そしてこの委員会に報告願いたい、こう思います。私は、事件としてはそんなに複雑なことではなしに、調査のしかた、それから解雇予告をいつ、どういうようにやったのか、そうして今度の新しいいわゆる五月十七日の田口昭之助さんの調査のやり方、これらも調査をしていただきたい。そんなに私は時間がなかったとは思いません。直ちに調査をしていただきたいと思います。そのために、委員会の審議等の関係が出てまいりますから、具体的な、きょういつごろにどうするという問題は、委員会の運営との関係がありますので、理事会のほうで御相談いただいて、そうして報告願いたい、こう思います。よろしいですね。
#14
○政府委員(野村一彦君) 理事会の御指示に従ってやります。
#15
○伊部真君 それでは、一応、西武バスの問題については、後ほど内容を聞かしていただいて、その上でまた質問をすることにいたします。
 昨日に引き続きまして、道路運送車両法の一部を改正する法律案の質問に入ります。この検査協会をつくるということについて、私はどうも疑問がありますのは、こういう検査協会をつくらなくても、いま現実に全国で五十三カ所ですか、陸運事務所を通じて検認をしたり、検査をしたり、あるいは指定工場の適合証を交付したり、それを認定したり、この協会と同じ任務をいまやっているわけですね、そうしますと、土地も設備も管理機構もあるわけですからね、新しい協会をつくられますと――それは東京、大阪、名古屋というところは、私聞いたところでも、これはもういまの陸運事務所でも設備というものは拡大をしていかないと、あるいは何とか方法を考えないとどうにもならぬような状態ですから、これはまあ本来、検査協会でなくてもこの設備は要ることだと思います。しかし、ほかのところでは、やはり新しい設備、それから管理機構というものをつくれば、余分に要るのじゃないか。したがって、検査協会をつくるというよりも陸運局の人員を増加をする、あるいはそこでむしろ新しい軽自動車の検査体制をつくっていくという方法のほうが合理性があるし、かつまた費用の面からいっても十分ではないのか、私はそういうふうに思います。そうでない、それはどうしても検査協会でなければならぬというのは、どうも理解できないわけでありますが、それはおもんばかったというならば、定員だとかあるいは予算上に非常に問題があるので、したがって、こういう形で民間のほうの組織、法人というものをつくっていくというふうに思われてならぬわけでありますけれども、その点はいかがですか。
#16
○政府委員(野村一彦君) その点につきましては、昨日来、先生からいろいろ御質問がございました。弘がそのときに申し上げましたように、現在、陸運事務所というもので車検をやっておるわけでございますが、これの施設を拡大し、あるいは人員を増員するということにつきまして、私どももいろいろと昨年来の予算要求の過程において検討したわけでございます。ただ問題は、たとえば施設について申し上げますと、これは必ずしも大は小を兼ねるということにはならないわけでございます。現在の、普通の自動車についての検査のいろいろな器具、機械、そういうものはもちろん中には一部軽自動車に使えるものもございますけれども、これはまた新たにコースをつくって、コースの幅、長さ、それからそれに設置いたします検査の機械等については、大部分のものは新たに機械をつくらなければならないという実情でございます。それから人員につきましても、これは検査官の増員ということを要するわけでございますけれども、軽自動車が普通車の三分の一くらいの数になっております。これを検査していくのについて、平年度の状態を考えますと、やはり相当の検査官というものを動員しなければならない。そうすると、結局は第二陸運事務所ともいうべきものを、現在の陸運事務所とこれは人数、設備等は多少違いましても、そういうものをまたつくらないと、ただ、現在の設備をそのまま使って、現在の職員を多少増員するというだけでは事円滑にいかないということを考えまして、昨日、岡本先生でしたか、御質問ございましたが、私どもいろいろ検討いたしました結果、他の部門におきまして検査、検定等の業務の代行機関ということでやっておる例がございますので、これを弾力性があると申しますか、その施設とか予算あるいは人員等の面についてもっと弾力性のある措置が講じ得るような方法として、こういう全額出資の認可法人という方法を考えたわけでございます。おっしゃるように、もちろん国が検査をするということは、この検査の最終的な責任は国にあるわけですから最も望ましいことではございますが、そういう定員とか施設、そういうものの拡充等の弾力的な措置というようなことも一つの大きな要素になると思います。そういう意味から、比較的合理的、効率的な検査体制ということからこういう協会をつくるという方法を考えたわけでございます。
#17
○伊部真君 検査協会が出発にあたりまして、やはり実務になれていない人ばかりではどうにもならぬと思いますね。そういう意味では、いまの陸運事務所から実務に練達の者を派遣するという形というのがあるものか。これはもちろん役員なんかでは、かなりいままでの実績からいっても、派遣をされるということは大体想像がつくわけですけれども、それ以外にも出すのか、その辺の人事問題、人間の確保の問題については、これからどういうふうにやられるつもりなのかどうか。それから新しい人員については公募という形になるのか、その辺の人選なり労働力の確保という点についてお聞きしたい。
#18
○政府委員(野村一彦君) お答えいたします。
 役員及び幹部の職員につきましては、これは先生御案内のように、この法案で、これは職員全体についてでございますが、関連事業あるいは事業団体との兼職の禁止ということがうたってございます。したがいまして、ここに行かれる方は、ここの業務に専念をするという形で行かれるわけになるたてまえでございます。したがいまして、現在、理事等の幹部の人選については白紙でございます。それから一般職員につきましては、これは私は、業務に支障のない範囲内において、関係の民間の会社、団体等から来られることも期待いたします。特に、この実際の現場業務の中心になります検査要員につきましては、全国で二百六十名ほどを考えております。その中で、特に中心となりますいわゆる軽自動車検査員、一定の資格を持った技術者、これは百二、三十人と考えております。したがいまして、百二、三十人につきましては、民間の関係の会社、団体等で適任者があれば、そういう人々をお迎えするということも考えます。また、役所の検査官の中にも、家庭の事情等から、たとえば、役所にこのままおれば各県を転勤して回らなければならない、そういうことより、この際、検査協会に行きたいという希望者も間々あるように聞いておりますので、そういう方はこの検査協会の検査員として転勤をするというようなことも考えます。いずれにしろ、この中心となるべき現場の百二、三十人の技術者につきましては、官側とそれから民間側から、それぞれの業務に支障を来たさないように、本人の希望等をしんしゃくして採用いたしたい、かように考えます。
#19
○伊部真君 具体的に、幹部の場合、白紙と言われましたけれども、人員的にはどのくらい考えておられるのか。それからもう一つは、検査員以外の方は役所から行かれるのか、あるいは募集されるというようなことはあるのかないのか、その点をお伺いします。
#20
○政府委員(野村一彦君) 現在考えております人員の配置でございますが、役員及び職員を合わせまして、全国で約五百四十名ほどを考えております。そのうち、役員につきましては、法案に書いてございますように、理事長以下、監事を含めまして六人でございます。それからその他の部課長といいますか、そういう者につきましては、極力人員を節減するということで、中央は部長が四人、四部制というようなことでございますし、地方は支所長のもとに二課、管理課と検査課、そういう者がいわゆる幹部になると思います。そういたしますと、先ほど申し上げました本部を除きますと全国に約五百名、その五百名の中の二百六十名ぐらいが、いわゆる直接検査をする検査員及びその補助者、あとの二百四十名程度がいわゆる管理事務、庶務、会計等をやる職員でございます。で、これにつきましては、民間からも適任者があれば採りますし、それから部内の職員からも、それに適任者があって、本人が希望をすると申しますか、そういう者があればこれは採りたいということで考えておるわけでございます。
#21
○伊部真君 大体わかりましたが、一つ気になりますのは、やはりこの部内の職員の問題のときには、やはりこれは人事問題ですから、いまの組合関係その他の点についてもひとつ十分に配慮をしてもらわなけりゃいかぬというふうに思います、まあこの法案が通る通らぬは別にいたしましてもですね。
 それからもう一つは、やはりこの協会というものをつくるのに私はいろいろ見方があると思います。私は必ずしもそうだとは思いませんけれども、一般的にいわれますことは、やはりこれは官僚機構の中に、人事の一つのたまりといいますか、天下り組織をつくるというつもりででもあるんではないかというふうな見方をされる人もあるようでありますから、その点についての見解をまず聞かしていただきたい。
#22
○政府委員(野村一彦君) 私ども、この協会をつくるように考えましたのは、先ほど申し上げましたように、国にかわる代行機関として検査業務を厳正かつ公平にやるための組織ということで考えたわけでございます。したがいまして、役員等につきましても、特にそういう責任を遂行するにふさわしい人を選ばなければなりません。事柄は、自動車の検査という安全、公害につながるところの非常に技術的な問題でございますので、そういうのに適合した適任の方々を選ぶということでございます。私ども事務当局といたしましても、そういういわゆる天下りの機関と世間でいわれておるような機関にはしたくないし、そういうふうになるべきではないと。これは、官出身であると民間出身であるとを問わず、こういう業務に適任な方を選ぶべきだということで、先ほど申し上げましたように、現在白紙でございますが、そういう観点からいろいろと事務を進めておるという状況でございまして、決して天下りのための機関あるいは結果としてそういうふうになるというようなことにはしたくないと、また、するべきではないというふうに考えております。
#23
○伊部真君 それからもう一つは、この検査協会の出発にあたっての予算を見ますと、大体、二年間で二十億から三十億程度の資金でもって設備をやられる、大まかに言ってそういうことだと思います。そうしますと、この金額を五十三カ所で割りますと――東京、大阪、名古屋というのは、当然、地価が全然違いますから、そこは相当費用がかかるだろうと思います。しかし、ここは、二十数億円の予算の計上といいますか、設備資金というものを考えた場合には、やはりある程度根拠があると思います。たとえば、土地の購入のためには、あるいは東京では建物をつくるのにはどの程度、あるいは各地方では一カ所どの程度というふうなことは、やはり基礎があってこの金額が出たと思いますから、東京、大阪、名古屋の坪当たり単価、それから建物、それから各府県の一カ所の費用について、その根拠となった内容についてお知らせを願いたいと思います。
#24
○説明員(隅田豊君) 先生御指摘の単価でございますが、現在は、個々の東京、大阪、名古屋というようなところの具体的な土地がまだ固まっておるわけじゃございませんので、一応、全国的な平均単価を想定いたしまして、それで試算をやっております。で、そうなりますと、実際問題といたしましては、たとえば、北海道の七カ所とか非常に単価の安いところもございますので、この試算におきましては、たとえば、用地の場合には坪当たり五万円というのを一つのめどにして計算しております。それから検査上屋、この場合には建設費でございますが、平米当たりで三万三千円を見当といたしております。それから事務所のほうになりますと、平米当たり四万八千円というものをめどにして計算しております。
#25
○伊部真君 全国平均とはいいながら坪当たり五万円で買えるかどうかというのは、これはたいへん問題ですね。東京なんかでは、都心から一時間かかるところでももう二十万こえていますからね。大体、一カ所つくるのに土地の広さはどのくらい要るんですか。
#26
○説明員(隅田豊君) 検査場の規模によりまして若干違いますけれども、大部分の検査場が、おそらく、一コースでまかなえるだろうと考えております。一コースといたしますと、面積は千平米あたりで十分でございます。大ざっぱに申しまして約三百坪程度あればいけるんではないかと思います。もし、東京になりますと三コースぐらいあるいは要るようになるかもしれませんが、その場合でも二千八百平米あればいけるというふうに考えております。
#27
○伊部真君 そうすると、東京で、最低、土地だけでも、二十万のところはちょっと手に入らぬと思いますが、やはり三十万ぐらいと見るとすると、大体、土地だけで何億ですか、建物を建てると、これ相当な金額になりますね、東京、大阪、名古屋になりますと。大阪、名古屋でも三十万からちょっと安いとしても二十万ということになりますと、これ平均五万円だというけれども、北海道でも、もう浜頓別のところまで行けば別だけれども、車検場へ持ってこなければならないようなユーザーとして、ある程度使えるようなところを買うのに五万円じゃとてもまかなえないんじゃないですか。私はどうも、平均ではありますけれども、東京、大阪、名古屋で、軽自動車でユーザーが持っていったり、認証の場合はほとんどユーザーが持っていくのでなしに認証工場の人が持っていくようでありますけれども、認証工場の人が持っていくにしても、まあ持っていったために費用がさほどかからぬという状態を考えますと、やはりユーザーのほうから相当文句が出るだろうと思うのですが、そうすると、この金額は坪当たり五万円で、全体で二十億か三十億という金は、私は非常に無理があると思いますが、この点はどうですか。
#28
○説明員(隅田豊君) この試算をいたしますときに、私たちも専門家を呼びまして一応の、こういう単価についての相談をいたしまして出した単価でございます。そういう意味では、ある程度いけるものだと考えております。ただ御承知のとおり、現実の土地を入手すること自体は金だけの問題ではむずかしいことはそのとおりでございまして、たとえば現在、ちょっと一つの具体的な例を申し上げますと、名古屋を例にとりますと、名古屋の場合には現在、国の車検場ですが、実は移転計画がございます。そうしますと、前の、国が保有している土地があいてくる場合がございます。従来でございますと、特別会計でございますので、売却分は当然、特別会計の歳入として入れてきたわけでございますが、一応、大蔵省ともある程度話をつけているのでございますが、こういうものを、たとえば貸し付けるというような形で、全部必ずしも買収をしないでも安く使える土地があれば使っていく、こういうことも考えております。
#29
○伊部真君 その辺を考えますと、やはり現行の施設の活用というものも、私は現行の陸運事務所が使っているのが余裕があるとは思いませんけれども、特に東京なんか手が一ぱいだということでありますから、これはこれで将来ともに考えなければならぬと思います。これは軽の問題だけでなしに、普通の場合でも手が一ぱいじゃないか。これは車がふえていけば、きのうも私が年々ふえていって三年ぐらいたったら倍になるということを申し上げたのですが、これは整備部長の話では、この分に対しては必ずしもそうではありませんね。確かに二年間ですから、割っていくわけですから。ですから、それだけではなしに、ちょっとふえていくような気がしますけれども、しかし、ずっと長い目で見れば、やっぱり車がふえた分だけはふえていくことは間違いない。これが三倍になるか、二・五倍になるか別にいたしましても、生産台数に見合った状態になっていくんじゃないか、影響があるという気がするわけですが、いずれにしても、かなり車の台数がふえてくるとこれもふえていかなきゃならぬという点はわかるわけです。しかし問題は、軽の場合特に私は神経を使うのは、かなり遠いところに持っていくということは一費用の点でもあるいは車の性能の点でもちょっと無理が起きやせぬだろうか、大体一つの県に一カ所というのはもともと無理じゃないかという気がするのですね。東京のように便利のいいところもありましょうけれども、かなり広い地域では。いずれにしても、軽にしても普通にしても一県に一カ所というのは無理があるんではないか。加えまして、軽のように車の性能の非常に弱いものについて、そこへ持っていくということはたいへんな負担になりはしないだろうかというふうに思いますが、その点はいかがですか。
#30
○政府委員(野村一彦君) 発足当初は全国五十三ケ所でございまして、北海道以外は一県に一つという予定でございます。しかしながら、現在の普通自動車の検査の状態、あるいは現在の陸運事務所の支所というものが大都市等の陸運事務所にはございますように、検査の需要というものはだんだんとふえてくると思いますので、発足当時は一県に一カ所という原則でございますが、あとは実情に応じて支所または出先と申しますか、検査施設をつくるということは、これは当然考えなければならない問題だと思います。なお、出張検査と申しますか、支所の所在地を離れまして一定の時期に一定の場所で検査需要というものがありまして、それがまとまれば、そこに検査員が出かけていって検査をするという出張検査の方法も当然考えなければならない、そういうことでいろいろ複雑多岐にわたる検査の需要というものに応ずるように弾力的に考えていきたい、かように考えております。
#31
○伊部真君 しかし、それは軽によらずそういうことだと思うのですね。しかし、現実にいままで、これだけ長いことやっている間に一県に一つしか置いておかないで、これからはそれをふやしていきますということは、ちょっとどうもその場のがれのような感じがいたしますが、これはいま五十三カ所、北海道以外はやっぱり現状そうなんでしょう。
#32
○政府委員(野村一彦君) いえ、現在の普通自動車についてやっておりますのは支所がございます。東京も、御案内のように、品川がいわゆる本所でございますけれども、東京陸運事務所の支所が三カ所ございまして、合計四カ所で検査と登録をやっております。それから大阪、名古屋につきましても支所がございます。福岡は北九州市に支所がございます。というふうに大体自動車のユーザーの非常に分布の多いところは、現在の普通車につきましても支所を設けておりますし、それから、先ほど言いました出張検査場というのがそのほかにございまして、一県一カ所ではございません。普通自動車につきましてそれとほぼ同じような体制は、これは軽についてもとらざるを得ないというふうに考えておるわけでございます。
#33
○伊部真君 大体、そうすると陸運事務所以外に、五十三カ所以外に支所というのは普通の場合は何カ所あるのですか。
#34
○説明員(隅田豊君) 現在の国のやっております検査の場合には、陸運事務所五十三カ所でございますが、全国でそれ以外に支所というものが十三カ所、それから出張所が二カ所、それから沖繩に今度新しく支所が二カ所ふえております。
#35
○伊部真君 そうすると、東京に支所四カ所ということになると、差し引きしたら東京、大阪、名古屋ぐらいじゃないですか。あるのは。私が申し上げているのは、非常に県が広くて、そうしてユーザーとして非常に不便になるのではないか、こういうことを申し上げているので、十三カ所支所があって、そのうち東京に三カ所、名古屋が何カ所ということになると、ほとんど地方はないじゃないですか。
#36
○説明員(隅田豊君) 支所と申しますのは、恒久的な組織で、その場所において仕事をするだけの業務量があるところだけが支所があるわけでございますから、御説のとおり、ただへんぴだというだけでは支所は設けておりません。これはわれわれのほうといたしましても、行政能率から言っても、ちょっと不可能でございます。そういうものをカバーするために、先ほど局長御説明いたしましたが、出張車検ということをやっているわけでございます。たとえば離島だとか島になりますと、これはもう完全に物理的に検査場まで車を持ってくることは不可能でございますから、この場合は島へ行って車を集めてやる。その場合の出張検査のやり方と申しますのは、車の集まるところの数その他によりまして、非常に少ない場合は年一回しか行かない場合もありますが、また、ある程度の量があるところであれば一週間に一回とというようなところも出てくるわけでございます。
#37
○伊部真君 それから少し話を変えまして、この間、保安基準を変えましたですね。このことについて、一つ関係が出てまいりますのでお伺いいたしますが、高さを、三・五を三・八メートルにするということでありますが、これはいわば安全性の面からいっても少し気になります。これを修正した理由について、ひとつ御説明願いたいと思います。
#38
○説明員(隅田豊君) 保安基準の中で、車の長さと申しますか、大きさに関する基準がございまして、先ごろこれを改定いたしまして、三・五メートルを三・八メートルにまで高くしてもいいということにいたしました。これは、まず基本的に申し上げますと、車の大きさの基準には国際道路条約というのがございます。この中で、大体国際的に車の大きさをこのくらいに押えておこうということを条約としてきめております。これが三・八メートルでございます。従来三・五メートルであったのを、この条約の基準に合わせるということがまず一つの考え方でございます。それからもう一つ、なぜ条約の基準がそういうふうになったか。条約の審議にはわが国も参加しておるわけでございますけれども、最近たとえば海上コンテナがふえてまいりまして、国際的にいろいろ車の大きさを統一しておかないと非常にむずかしい問題が出てまいりまして、こういうふうなコンテナを積んだ状態というものを国際的に三・八メートルに押えてきた。やはり高速道路その他の発達から、輸送効率をあげる上からいいましても、なるたけ安全を守る範囲内で車を大きくしたいという要望があるわけでございます。ただ、安全を守る範囲内と申し上げたのですけれども、この安全にいたしましても、こんな保安基準の問題だけではございませんで、警察庁所管の道路交通法の問題がございます。それから建設省所管の道路法の問題がございます。この道路法のほうのそれと申しますのは、道路通行制限がございます。これは、それぞれにそういう関連をいたしておりますその三省が相談して、それぞれの関係の法令を変えた。それが、運輸省担当のものが保安基準で、省令の改正をことしの四十七年の三月三十一日にきめた、こういうことでございます。
#39
○伊部真君 それで、私が聞きたいのは、私も大体そういうことは知っているわけですが、いままでコンテナを積んで走っておること自体が基準に抵触をしているというふうなことで、これはやはりこうせざるを得ないだろうというふうなことを聞いているわけですが、それは間違いですか。いまの海上コンテナなり、あるいは陸上の十トンコンテナ、これを車に載せた場合には、高さから見て、この基準では、いまは抵触するというふうに聞いているのですが、それはそうなのですか。
#40
○説明員(隅田豊君) この車の高さについては、実は二種類に分かれている問題がございまして、いま先生お話しのように、車に積んだ荷物の高さという問題がございます。これは道路交通法の問題でございます。それから車の構造そのものの高さ、それは保安基準。その数字が違っているのはおかしいというので、三・八メートルという同じ数字をきめているわけでございます。というのは、従来まで、この改正の行なわれる前に、確かに一部の車が、たとえば海上コンテナの輸送ということもすでにやっていたわけでございますが、これはすべて特別許可でやっていたわけでございます。結局、現在までも、たとえば車の大きさを一応押えたといたしましても、非常に大きな分割できない荷物を運ぶとか、そういうものにつきましては、これは実際上何らかの安全の方法を講じて通行を許すということがございます。こういう場合には警察の特別許可というものがございます。それから車の構造のほうで申しましても、特別な建設用機械が建設現場から建設現場まで、それも安全上の十分の措置を講じた上で移動するというようなことだけで使われる場合も、これも保安基準の特別許可という形でまた特に行なわれていたことでございます。いままでの海上コンテナ、これはおそらく警察関係の特別許可を受けて運ばれていたものと考えます。
#41
○伊部真君 そこで、私は十分この点は調査をしていないのでありますけれども、しろうと考えで、高さだけを認めたら、高さだけを高くしたのでは、車の安定上に問題かありはしないだろうか。したがって、まあ、これからの車の構造を根本からそういうふうに合わしていくということは問題がないと思いますけれども、いま現行にあるものをもって、その高さだけを認めるというのは、安全上問題がありはしないだろうかという気がいたします。この点はどうですか。
#42
○説明員(隅田豊君) 運輸省の担当の分でちょっと御説明をさしていただきますと、車の構造の場合には、安定性につきましては別個に保安基準がございます。この規定は、高さを変えてもこれを変えているわけではございません。数字で申し上げますと、転覆の角度は三十五度を切ってはいけないことになっております。ですから、高さを高くしてもこの三十五度の規定は相変わらずございますので、その点は構造的には問題がないと思います。
#43
○伊部真君 それからもう一つ。私は、車を改造するといいますか、よく聞くのでありますが、過積みをするのに耐えられるようにスプリングに角型の工具を入れて、そうして補強をするというふうなことをやっている、あるいはメーカーのほうで、むしろ十トンなら十トンの車に二十トン載せてもだいじょうぶな車の構造にすれば売れ口がよくなるので、そういうようなものがつくられるというようなことも実は聞いておるわけですけれども、こういう場合は私は非常に疑問だと思う。十トンの車に二十トン載せてもだいじょうぶにするというのは、むしろ構造上からいって非常に堅牢になるわけでけっこうなことじゃないかというふうな見方になればそうなっちゃうわけでありますが、見方によればここら辺が盲点であって、過積みをすることについて何らここでチェックされるという状態ではないということになると、もう盲点続きで、過積み問題とか、白トラ問題――白トラ問題はきょうの話には予定になかったけれども、やはり過積み問題について肯定できないような気がするのですが、この点はいかがですか。
#44
○説明員(隅田豊君) 貨物自動車の最大積載量と申しますか、いろいろなところにひっかかってまいります。現在、構造的に最大の問題になっておりますのは、おそらくタイヤにかかってくる荷重を計算した場合、これが保安基準の最大限度で許されているかどうかというところでひっかかって制限されてしまうということだと思います。その場合に、ほかの、たとえばフレームとか、そういうものがじょうぶ過ぎてはいけないというのは、ちょっと保安基準のたてまえ、あるいは私どもの承知いたしております検査のたてまえから申しますと、全部同じようなことにしておかなければ非常にむずかしい。ことに車というものは、たとえば悪路を走る場合と高速道路を走る場合と荷重状況が全然違ってまいります。当然フレームは、悪路は悪路で高速は高速で、相当両方の試験をした場合でも耐え得るようにしなければならぬことは当然でございます。そうしますと、必ずしも何と申しますか、じょうぶ過ぎるからいけないというのは、どうしても保安基準上では、これはちょっと見ることは不可能であろうと思います。それと、構造的にそれじゃ過積みをどういうふうに押えるかということは、現在私たちがとっております手段といたしましては、たとえばダンプを例に申し上げますと、ダンプという車は、あれはちょうど入れもののように荷台がなっているわけでございます。私たちが最大積載量を計算いたしますときに、たとえば砂利なら砂利を運ぶダンプの場合には、砂利の比重というものを一応計算いたしまして、そのダンプの箱の容積、この容積を計算して比重をかけて、それより箱を大きくしてはいけないということはやっております。実際問題として、お使いになる方々がこれに山形に積むとか、今度はそういう問題が出ておりますし、構造的にちょっと、山形に積むのを押えるという構造というのは、基準はできない。それに対しての警察の取り締まりにまかさざるを得ないだろうと思います。
#45
○伊部真君 レミコンなんかは、これは非常にむずかしいと思うのですが、私が行った職場では、一立米くらいの過積みは平気でやっている。一立米大体二千三百キロですか、しかし、これは外からなかなか見えませんですね。これは普通のものなら、先ほどおっしゃったように、ダンプなどなら過積みらしいなという感じがして、そこで手を入れるということはありますけれども、いまレミコンなんかの場合には、一立米よけいに入っておったからといって、たいへんにむずかしい問題です。で、たいていの生コンの輸送はトン当たりの契約が多いわけですから、どうしてもリース、被用者と経営者との関係もリースというか、トン当たりでの契約というのがたいへん多い。そういう場合に、一番どうも私はしろうとで考えられるのは、二立米よけい積めるような車の構造をつくっておいて、たとえば三立米、七千三百キロから七千五百キロの表示がしてあって、それには五立米積める、そういうところに問題があるんじゃないか。私は、もちろんある程度の余裕がなければ、回転の問題があるから、全然余裕がないということは、それは問題だと思いますけれども、あのレミコンのように非常に重心が上に寄って、非常に危険な状態で、しかも、もっと言い方をかえれば、あれは運転台はダンプと一緒でしょう。高くて、車が衝突したら運転手は絶対安全なんです。ほとんどペチャンコになるのは小さい車でしょう。だから、どうしても構造上の問題からもあるんですけれども、そういう構造を許しているというところにも私はどうも問題があるような気がするんです。これ抜本的に解決する方法があるのかどうかということは私もよくわかりませんが、これはやっぱり私は何らかの形でこの点についての牽制なり調査、あるいは車の構造についての方法を考えないといかぬのではないかというふうに思いますが、この点はどうですか。
#46
○説明員(隅田豊君) コンクリートミキサーの車のことだと思いますが、これは確かに容器でございますので、容器の計算をして、先ほどちょうどダンプの例で申し上げたのと同じようなことをわれわれのほうの最大積載量を計算する場合にはやっておるんでございます。ただ、ここら辺になると、私ちょっとコンクリートの専門家ではございませんので、聞きかじりでございますが、比重その他を計算する場合に、やはりかなり現物のコンクリートにおきまして相当の開きが出てしまう。それをわれわれは一応専門家の意見を尊重した線で押えていって、この程度の入れものでこういう比重のものを運んでもらわないとまともなコンクリートはできないんだから、そういう容器にしておいてもらわないとコンクリートそのものの質の問題で非常に困るんだということを、われわれはコンクリートの専門家のほうから要求されるわけですから、その専門家の御意見をいれて、それで比重を計算してあの容積を押えておりますが、どうも実態として運んでおるものがだいぶ違うという現象があるように最近私たちも気がついてまいりました。これはどうも車の構造から押えるべき問題なのか、建設資材の問題として押えるべきなのか、私たちもちょっとここら辺いま判断がつきかねておりますので、少し専門家のほうと相談しながら、構造のほうでもっと余裕を少なくしてもいいんじゃないかということで踏み切れるならば、そういう方向も考えてみたいと思いますが、ちょっと私たち車屋だけでは解決できない問題でございますので、時間をかしていただきたいと思います。
#47
○伊部真君 この点はぜひひとつ――いまの契約事項がそんな関係がございまして、どうも常識的になっているようです。何ぼかは過積みをすることは、一立米ぐらいは当然のことだぞというふうなことに私は聞いております。したがって、これは車の構造の面から何とかならぬかどうかということも含めてぜひひとつ検討していただきたいと思います。
 それからもう一つは、これはぜひ大臣のほうにお願いをしたいわけでありますけれども、たまたま、また過積みの問題が出ましたが、どうも局長私の顔を見ると過積みのことを言うと言われるのでありますけれども、過積み問題というのは、この間、私はたまたま北海道の港湾工事のときにも港湾局長にお願いして、いわゆるフェリーの基地なんかには計量器をつけるようにということをお願いしました。それで、そういうことに極力しましょうと。この間、その後あの法案の審議のときのほかの先生方の応答を聞いておりますと、やはりここで問題になるのは、海運局長の答弁でありましたけれども、静止してフェリーの上に乗っておる車はとまっておるわけです。とまっておる車に過積みがされておってもこれは問題にならないという話がありましたね。そういうことで法律的には、これは問題にするのはちょっとむずかしいという話がありました。しかし、現実にその船に乗るのには動いてきているわけですから、動かないでそこへ行くわけではないわけですから、そうすると、海運のほうではこれを見のがしていくということになりますと、こういうそれぞれのところでそれぞれの見解を立てて、そしてやっていったのではどうにもならぬと思うんですね。ですから、やっぱりこれは高速道路をつくったらインターチェンジならインターチェンジのところに計量器をつけるとか、それからフェリーボートのところにはちゃんとそれはつける。あるいは、今度は大きな設備のターミナルができたら、運輸省は少なくとも運輸省の管轄のところでできる範囲内のことからすぐやる。建設省のほうにもすぐそれを申し入れして、やっぱり総合的に、ここのところだけやるというんじゃなくて、総合的にやはり各省がこの問題について一斉に設備をしていくということでなければ、これはどこかだけ、海運なら海運だけやったってどうにもならぬと思う。道路の状況もやっぱりそうでなければ、これは非常にいたみがきますよ。これはいまも問題になっていると思いますが、海上コンテナでも二十トンから二十トン以上のものをどんどん運ぶということになりますと、道路のいたみの問題とか道路の負担の問題とかからんでくるでしょう。だから総合的に各省で、この過積み問題を含めて、行政がほんとうに過積みをなくしていくというふうな体制をやっぱりとっていただかないといかぬのではないか。そういう点はぜひひとつ大臣のほうから各省にも話をつけていただいて、私はこの前、交通安全の委員会のメンバーでおりました、そのときにも要望しておったのでありますけれども、どうもこの問題の進捗が不十分に思えてなりません。大臣の所見をいただきたいと思います。
#48
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 過積みの問題は、先般来当委員会におきましてもいろいろ御論議をいただいておる次第でございますが、やはり合理的な積載量で運行するという基本、これはやはり守っていかなければならぬと思っておる次第でございます。御論議を通じて聞いておりますると、計量器の問題、計量器におきましてもまた誤差が非常に多過ぎるとかいろいろの話がございまして、実行が非常におくれているということを私も痛感をしておる次第でございます。
 ただいままた、コンテナ船に移した場合の過積みは黙認をされるとか、こういったようなこと、そういったような問題につきましていろいろとまた私どものほうにおきましても調整をする面がおくれているという点は相当多いと私も感じている次第でございまして、これらはいま先般来いろいろ御論議を呼んでおりますイコールフッティングの点からいたしましても、また一般の公正なる運輸形態の点からいたしましても、そういったような容量違反の点につきましては、いままで政府としては御答弁を申しております。いままでの重量制限から車体制限に変えたというようなことで、私どもこれで済まされるものじゃない、こういうふうに思っている次第でございまして、御趣旨を体しまして早急に調整をいたしまして、具体的に実施のできるものから実施をしてまいりたい、各省に対しましても積極的に私のほうから連絡をとりまして、それらのほうの不合理の是正に当たってまいりたいと、こういうように存じておる次第でございます。
#49
○伊部真君 そこで大臣にもう一つお聞きをしておきますが、きのうも私質問をいたしましたが、茨城それから埼玉――今度新しく埼玉なり東京なりで監査がございましたね。ひとつ監査の内容についてよく精査をしていただきまして、そして特に私資料を渡しましたのですが、監査の結果については私は明確にしておいてもらいたいと思う。これはただ聞きっぱなしということじゃなしに、見解はやっぱりはっきり出していただきたい。そうでないと、たとえばきのうの一つの問題点でありますけれども、ユーザーがつける定期点検記録簿という問題につきましても、これはただ思いつきで、これがやってないのじゃないか。陸運事務所はけしからぬ、ああいうふうに報告を出されるということは、私は点検をしたりチェックをしたり整備をするのにここまででいいということはないと思うのです。それはやるにこしたことはない。だから、そういう意見でやられるのはわかるんでありますけれども、ただやはり監察局からそういう話が出たからお茶を濁した、あまり当たりさわりのない答弁をしていくということじゃなしに、やっぱりその点は、はっきりこの点はまずかったと、で、今後こういうふうに改めると、しかしこの点は法律的にも問題だし、かつまた、これは運輸省としての業務の範囲というものはここではっきりしてるんだということをやっぱりはっきりしていかないと、現場に働いている人たちは、言われたら上の人があやまって済ましてしまうということでは、私はたまったものじゃないと思う。その点はやっぱりきちっと運輸省としてやるべきことだ。
 それから、この点は監察局のほうの実務の見方が――まあ全部、監察局の方が運輸行政あるいは運輸の各法令に対して精通されているとは私は思いません。その点は明確にしてやっていただかなきゃいかぬのじゃないか。特に今度、東京や大阪や九州や方々でこれやられているわけですね。何カ所ですか、大体六カ所か七カ所やっているわけだ。その点は明確にしていただきたいと思うんでありますが、その点はいかがですか。
#50
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 確かに伊部先生の御指摘いただきました私もそのとおりと考える次第でございます。先般の茨城の行政監察局の指摘、査察の結果の指摘にいたしましても、確かに運輸行政の遂行上この点は現時点ではそういうわけにはいかぬというような点も相当あったように私もあとから聞いた次第でございます。そういう点はやはり明確にいたしまして、せっかく陸運局、またいろいろの検査場、民間の整備工場等におきまして相当誠意を持ってやっているところにおきましては、やはり誠意を十分にくみ取るようにやはりわれわれとしても態度をとらなくちゃいかぬ。しかしながら、それが怠慢により、あるいは故意にそういった安全性のチェックを怠ったというものにつきましては厳重にこれを指導していくということが必要でございまして、いまお話がございましたとおり、そういう点につきましては、さらに向こうの行政監察局からそういったような勧告があった、そういったような査察報告があったということをただうのみにするだけでなくて、運輸行政といたしまして、この点は、現時点におきましてはここまででやむを得ぬじゃないか、この点はもっと改良すべきであるということを明確にいたしまして、それをやはり各陸運局にも通じて、また行政管理庁につきましても正しいところは正しく堂々と主張いたしまして、そうして円滑なる遂行をしていかなくちゃいかぬ、こういうふうに考えている次第でございまして、ただいま御指摘のとおりと思っておる次第でございますので、今後そういうふうに必ずやらせるように指導してまいりたい、こう思っておる次第でございます。
#51
○伊部真君 まあ、この法案について私は全段で感じますことをひとつ申し上げて回答を得たいと思うんでありますが、一つは、民間と国との比率というものを考えましたときにまだどうもしっくりいかないのは、どういうところに重点を置くのかということがしっくりこないわけです。きのうの答弁でいきますと、大体民間がいま四〇%ぐらいになっておるということでありますが、もしも、前に言われたように、七〇%ぐらいにしていいのではないかと言われるなら、やはり協会じゃなしに直接陸運事務所が担当して、そうして指定工場の整備をはかって、その辺の内容充実をはかっていくという指導のしかたをすべきではないかというふうに思うわけでありますが、まあ、いずれにいたしましても、この問題につきましては、私は、そういうことになっても、これからの指定工場の育成については十分ひとつ考慮をいただきたいということであります。
 それからもう一つは、検査員が非常に不足をしておるようであります。これを具体的にどう育成していくのかというのがたいへん課題ではなかろうかと思うのでありますけれども、その点についてひとつお答えをいただきたいと思います。
#52
○政府委員(野村一彦君) 検査員の養成確保でございますが、これはやはり相当の技術者の確保でございますので、現在の労働力不足と申しますか、求人難のおりから、これはやはり例外ではないというふうに考えます。しかしながら、幸いにしてと申しますか、年々、自動車整備士の技能検定試験を合格している方、これを見ますと十万人ほどの人が合格をしておるわけでございます。もちろん、これが全部自動車の整備会社に行くというふうには限っておりませんけれども、ユーザーサイドに行ったり、整備会社に行ったり、メーカーに行ったり、いろいろされると思います。しかし、ソースとしては毎年十万人ほどの合格者があるわけでございますので、こういう方が民間の整備工場、特に指定整備工場等に行くように、行って定着しやすいように、それには整備工場の企業基盤を強化して労働条件等の改善をはかって、そういう人たちにとって魅力ある職場にするというようなことにしなければならないと思います。しかし、ソースとしてはいま申し上げました年間十万人ほどの人が整備士の試験に合格しているわけですから、それに必要な教育訓練をして、そうして、そういう職場への就職の条件といいますか、定着の条件というものをもっと努力をして改善をしていくというふうな方法を根気強く続けていきたいということで、私ども今後さらにそういう面の促進をはかりたいということを考えております。
#53
○伊部真君 それからもう一つは、軽自動車の検査をやるにあたりましてどうも心配になります点は――検査料というのは、これはたいした金額じゃありませんね。普通車から比較いたしましても百円の違いか二百円の違いのようでありますけれども、しかし問題は整備費がかなりかかるということですね。きのうの話では大体三万円ぐらい、それが軽になりましても二万円から二万五千円ぐらいじゃないかと思うのでありますけれども、そう考えますと、普通車の場合と軽の場合とはだいぶ格差が負担能力の点では強くなってくるような気がしてならぬわけですけれども、大体、軽の場合の整備費というのはどの程度になっておりますか。
#54
○説明員(隅田豊君) 普通の車と比べまして大体やはり七掛け程度になるのではないかと推定しておりますが、だから、いまの金額で大体正しいのではないかと思います。
#55
○伊部真君 そうしますと、結局、私はこの点が非常にいろいろな点に影響していると思うんです。というのは、軽を使う人たちの層を見ますと、普通の大型車を使う人とはだいぶ負担能力の点でも問題があるだろう。それからもう一つは、金額を二万円から二万五千円、片っ方は三万円ぐらいといたしますと、車に対するかけ方ですね、お金のかけ方というのはかなり負担が変わってまいりますね。そういう意味で、どうも軽に対する一般の人の魅力というんですか、これが離れてきているのではないか。そういう意味で、私が聞くところによると、軽自動車の販売というのはかなり落ちてきたというふうに言われているわけです。これは何もメーカーのほうのことを考える必要はないわけでありますが、しかし、同じような負担をかけるということになると、かなり利用者にとっても、ユーザーにとってもたいへん問題なんじゃないかと思いますので、販売量その他の傾向についてひとつお答えをいただきたいと思います。
#56
○説明員(隅田豊君) ただいま大体七掛け程度、二万五千円ぐらいということを申し上げましたですが、これは現在の日本の普通の車というものは車検整備というものをするのが一つのたてまえといいますか、普通の使い方になっておりますものですから、普通の車が三万円ぐらいかかる、それと同じことをユーザーがやっていれば、そのぐらいかかるだろうということでございます。私だち定期点検整備というものをユーザーにいろいろ、罰則がございませんが、義務づけながら指導している最大の目的の一つといたしましては、定期的に点検整備を守っていけば、検査の直前にそんなに大修理をしないでも、一ぺんにたくさん金をかけないでも検査を合格させることはもっと可能なはずなんでございます。そういうことを考えまして、ユーザーのメリットのためにも定期点検整備ということをやっておるわけでありますが、軽自動車の場合には、従来、車検制度というものがないために、ユーザーの中には検査のときに一ぺんに金をかけようという習慣はないわけでございます。従来の定期点検整備だけでありまして、私たちの指導といたしましては、とにかく定期点検整備を強化してやっていきながら、検査のときに金を一ぺんに払う――確かに御指摘のとおり、軽自動車の使い道は、特にライトバンは中小企業の方々でございます。そういう意味で、一ぺんに金をかけることは確かに負担はかかるだろうと思います。そういうような指導をしていけば、先ほど言われましたように、一ぺんにお金をかけるということはある程度避けられるんじゃないか、そういう指導をあわせてやっていきたいと思います。
#57
○伊部真君 もう一つ、これは大臣からお答えをいただきたいのでありますが、こういう協会制度を出発させるということについて、私はきのうからも断片的には申し上げておるわけでありますが、これからの検査制度の方針について、これをやはりはっきりさしていただきたいと思うのであります。ということは、やはり現場で働いている陸運事務所の人たちにとっても、これからはだんだんそういうようなことで民間のほうに切りかえていくんではなかろうか、現場に働いておる、実務をやっておる人たちにとっては、やはりこれからのわれわれの仕事はどうなっていくんだろうかという心配は、私は確かにあると思うのであります。したがって、こういう検査制度はいろんな事情がありましょう。先ほど私が端的に言って、局長もわりあい正直に言われたと思うのでありますが、人員の問題、予算上の問題もないことはないというお話であります。そういうことで、どんどん予算上の問題、人員の問題で苦労が出てくると、往往にして、そちらのほうに逃げ込むというようなやり方になりはしないかというような心配をいたします。したがって、どちらがいいかどうかということは議論があると思いますが、私は、現状の管理機構と設備というものを持っておる状態では、私は、いまの陸運事務所のやり方を強化していくというのが正しいと思うのでありますけれども、しかし、いずれにしても、この軽の協会を出してきたわけでありますから、これからの検査制度、あるいはこの面の行政についての方針を明確にしていただきたいと思います。
#58
○国務大臣(丹羽喬四郎君) いまお話がございましたが、従来の普通車の点につきましては、ますます検査車両数はどんどんふえていく、こういうふうに思う次第でございます。現在の陸運局で取り扱っております検査に従事する公務員、これらが削減をする、それらが移転をするということは絶対に考えられない次第でございまして、それらの陸運局の機構、検査制度もますます拡大をする傾向にあると、私はこういうふうに思う次第でございます。今日の軽自動車の検査制度を民間にやらせる、協会にやらせるということは――やはりこれからのそういったような安全体制に対する検査、チェックというものは非常にふえてまいります。これはただに自動車だけでなく、あるいは電気、ガスその他の点におきましても、安全性の確保のためのいろいろの検査制度というものはふえてまいります。これを公務員に全部をまかせきれるかどうか、こういう問題が出てきて、もう現在でも出てきておりまして、将来ますますそういった問題が出てくると思う次第でありまして、検査を受ける者、そうしてまた検査をする者というものを、一般民間と公務員というふうにはたして分けることが妥当であるかどうかという問題も、将来必ず起こってくる問題だと思う次第でありまして、そういうときには、やはり一般の民間の人におきましても、安全度を高めるための検査を実施するときに、それ相当な技術を持っている人がその方面におきましても協力をするという体制が、これからどうしても好むと好まざるとにかかわらず必要になってくる。また、それによりまして、社会の安全に対する連帯性というものも高まってくるのじゃないかと私は思っておる次第でございまして、一がいに、民間のそういったような検査に移行するということが好ましくないと、そうは私は言えないと思う次第でございます。
 ただ、現実の問題といたしましては、いまの陸運局で取り扱っておりますところの制度が民間のほうにどんどん移行するということは絶対にあり得ないことでございます。また、そうもでき得ないことでございまして、やはりその機構も強化する、人員も漸次強化する、こういうふうに思っておる次第でございます。
#59
○伊部真君 まあ、方針としては、どうも十分に現場の人たちが安心するというような感じはいたしませんけれども、一応そういうことで了解をいたします。
 私は、けさほどからの西部バスの問題もありますので、この問題を含めて、また午後からお聞きをしなければならぬのでありますが、一応、質問を終わります。
#60
○委員長(木村睦男君) 午前中はこの程度とし、午後は一時三十分に再開いたします。
 これにて休憩いたします。
   午後零時二十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十七分開会
#61
○委員長(木村睦男君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 午前に引き続き審査を進めます。質疑のおありの方は順次御発言願います。
#62
○伊部真君 西武バスのその後の状況わかりましたらひとつ。
#63
○政府委員(野村一彦君) 午前中お答えいたしましたように、大筋の問題につきまして大体先生の御調査と私どもの調べたのと合っておりますけれども、まず事情を聴取するために、私こちらへ来てあれでございますので、私のほうの業務部長に連絡をいま昼休みとりまして、業務部長が所長を呼んでまず事情を聴取するということをやるように手配をするとともに、現場の責任者等につきましては東京陸運局のほうで連絡をして呼ぶということになると思いますが、そういう手配を先ほどやったところでございます。
#64
○伊部真君 私はそのことについてだけ内容なり調査の経過というものを知りたいので、いつごろになりますか。
#65
○政府委員(野村一彦君) この最高責任者からその事情を聴取するということはいま始めたばかりでございます。細部の事情につきましては私のほうの担当者がそれぞれの運行の現場の責任者に事情を聞くわけでございますから、これはちょっといまの段階でいつごろということは申し上げかねますけれども、まあ事柄の性質上、できるだけ早く調べて御報告するようにしたいと思います。
#66
○委員長(木村睦男君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#67
○委員長(木村睦男君) 速記を起こして。
#68
○三木忠雄君 それでは最初に、今回の軽自動車の車検に関する問題の前に、昭和五十年を一つの時点と考えた場合に、四十八年の十月一日から軽自動車車検をやる、この問題と関連をして、自動車の増加数を見込んだ――三千万台になるか、あるいは四千万台ともいわれている予想に対して、整備の関係はどういう体制で進めていくようになっているのか、この点についてまずお伺いをしたいと思います。
#69
○政府委員(野村一彦君) ただいまの先生の御質問、非常に広範な問題を含んでおると思いますが、昭和五十年ということになりますと、私どもの想定では、自動車の伸びが、普通車及び軽自動車を合わせました自動車の数でございますが、二千七百八十万台程度になるであろうということが考えられます。そういたしますと、この自動車の整備ということになりますと、まずこれに対する検査というものがあるわけでございます。検査につきましては、いろいろの機会に各先生から御質問がございますように、まず普通自動車については、現在の国の検査というものの体制を拡充をしていき、また要員の確保をはかっていって検査をやる。これは、昨日大臣の御答弁もございましたが、私どもとしては、だんだんと民間の能力を活用して、現在は四〇%ぐらいが民間でございますが、できればもっと民間の力を活用して、五十年ぐらいになれば七〇%ぐらいを民間の検査に期待をしたいということを考えております。この率に、昨日大臣の答弁にもございましたように、固執をするといいますか、そういうつもりはございません。しかし、相当民間の検査能力を活用したいということを考えております。もちろん、それには民間の指定整備事業の拡大ということが必要になってまいるわけでございます。これにつきましては、またいろいろと後ほど先生から御質問も出るかと思いますが、私どもとしましては、整備事業者の経営基盤の強化ということをはからなければならない、そういう指導を強力にやっていきたいと考えます。それから、それに関連しまして、当然、技術者でありますところの整備士の養成というようなことを従来いろいろとやってまいりましたが、さらにこれを強力に進めていくということをやりたいと思います。
 それから、現在御審議をお願いしております軽自動車につきましては、今後の問題でございますが、先生御案内のように、軽自動車については、ただいま御審議をお願いしております法案によって、国にかわる代行機関としての軽自動車検査協会というものが軽自動車の検査をやるとともに、あわせて民間の自動車整備制度を軽自動車にも適用していきまして、そういうことで、軽自動車の場合におきまして国の代行機関と民間とがどのくらいになるかということは、私ども現在のところ一応のめどとして半々というふうなことを考えておりますが、これもその後の条件のいかんによると思います。要するに、自動車の整備という問題は非常にむずかしゅうございまして、まず企業の育成強化、それには設備の改良を含めた基盤の強化をはかる、それから人間の養成をはかっていくというようなこと、これが物の面、人の面、それから国自身の体制の整備、こういうものがそろって、何といいますか、均衡を保ちながら充実していくということが必要であろうと思いますので、そういう方向で今後とも計画的に増強をはかっていきたいと考えております。
#70
○三木忠雄君 そうしますと、これは将来の問題としまして、車検制度、その問題自身はどういうふうに運輸省で考えているのか。車検制度はこのままの体制で――あるいは軽自動車車検もやりますけれども、車検制度を改めるという考え方は毛頭ないと、こういうぐあいに考えてよろしいですか。
#71
○政府委員(野村一彦君) ただいま先生の御質問の車検制度の意味ということでございますが、私どもの現在の道路運送車両法に規定されておりますところの軽自動車を含めまして一定の自動車について広い意味では型式指定をいたします。それから、新規検査をやるほかに、なお一定の期間ごとの継続検査をやっております。こういうような検査を国がみずからやりますとともに、国の監督のもとに民間の一定の資格を持っておる事業者にやらせる、こういう検査の基本的な考え方というものは、私は変える必要はないと思いますし、また変えるべきではない。ただ、個々の検査のやり方、あるいは保安基準の内容等につきましては、これはもちろん時勢の進展に応じて検討をしていかなければならないと思いますが、制度そのものにつきましては、大筋、現在の制度をさらに拡充改良をしていく、こういう態勢であろうと思います。
#72
○三木忠雄君 この道路運送車両法は、できた背景を何か私いろいろ聞きますと、五百万台から七百万台ごろの時点におけるところの道路運送車両法ですね、その時点から考えまして、これから五年先、十年先を考えた場合に、車検制度をそのまま同じような体制で続けていくか、あるいは車種によって、もう少し自動化とかいろんな点、考えられる点が数多くあるのではないかと思うんですね。この面を考えた場合に、運輸行政として、この道路運送車両法に基づく車検のやり方というか、こういう問題を検討し直すべき段階にも将来は到達するんじゃないかと思うんですね。この点についてどうですか。
#73
○政府委員(野村一彦君) ただいま先生御指摘になりましたように、道路運送車両法は昭和二十七年にできまして今日に及んでおるわけでございます。ただいま先生が言及されましたような車検のやり方という問題につきましては、これは当然私ども検討をいたしてまいりましたし、今後も研究しなければならないと思います。
 第一番に、いま私どもは、検査の合理化、能率化という意味から、たとえばよくいわれておりますところのコースの自動化というようなことは、これは検査員の省力化の問題と関連をしておるわけでございます。
 それから、検査項目として追加すべき項目、これはたとえば公害問題を含めまして追加すべき項目は追加をしていくというようなことでございます。したがいまして、何といいますか、いつまでも旧態依然たる検査方法、チェックの項目、あるいは審査の基準というようなことであってはならないと思いまして、その点につきましては、その検査の内容をなしておりますところの保安基準、これはほとんど二十七年の制定以来、毎年一回、多い場合は二回くらい改正をして、そのチェックの内容についてはいろいろと時勢におくれないような内容の保安基準の改正をいたしておるわけでございます。ただ、最近におきましては、これにつきましても運輸技術審議会の自動車部会におはかりをしまして、安全ルールの全般的な見直しということでだいぶ審議も進んでおります。このためには、アメリカのいわゆる何といいますか、いろいろな実験安全車の研究の結果等も将来は取り入れるというようなことも念頭に置きまして、アメリカの現在の安全基準の長所である、たとえば運転者の安全確保の問題とか、そういうような問題についてもいろいろと研究をいたしておりますが、いずれにしろ、内容、それから検査のやり方という問題については、これは今後も大いに研究改善の余地があろうと思います。なお、この点につきまして、もし必要があればまた専門家の整備部長から説明させますが、考え方としましては、いつまでもその旧態依然たるルールによる検査ということはあってはなりませんので、絶えず見直しをして必要に応じて改正しておるということでございますが、さらにまた今後ともいろんな御教示を得て、直すべき点、方法につきましても、具体的な内容につきましても、研究を進めてまいりたいと思っております。
#74
○三木忠雄君 あとで具体的な問題は詰めたいと思いますけれども、現実に五十年に二千七百八十万台を推定されてるわけですね。そうしますと、いま現実に検査要員を調べてみましても、車検の検査要員、この確保の問題、あるいは公務員の定員制の問題とからみ合わすと、非常に無理な問題が出てくるんではないかと思うんですね。いわんや民間車検を七〇%まで五十年までに持っていくという、この問題自体もあとでこまかく検討したいと思っておりまするけれども、この民間車検の七〇%の到達ということは、企業基盤の問題から考えても、私は非常に困難な問題ではないかと思うんです。そうすれば、当然、この保安基準、いろんな問題点を考え、自動化の問題、あるいは車検のやり方等についても、まあ自動車産業界の発展と合わしてもっと私は抜本的に改革をし直していかなければならないのではないかという点を強く感ずるわけなんですけれどね。この点については、やはりもっと運輸省は私は積極的な検討を加えていかないと、しわ寄せは検査要員と、あるいはあとで述べますけれども、部外職員を使って何とかその穴埋めをしなければならないという結果になってくるんではないか、ひいては整備業界に全部そのしわ寄せがくるような結果を五十年代あるいは六十年代には迎えなければならない、そういう事態に追い込まれるんではないかと、こう思うんですけれども、それに対する考え方を聞いておきたい。
#75
○政府委員(野村一彦君) まず第一番は、国でやります検査についての要員の確保でございます。これにつきましては、私ども毎年相当の要員の確保をはかっておるわけでございますが、必ずしも意のごとくなっておりません。しかし、この点につきましては、さらに今後とも十分努力をして、必要な要員の確保にいま以上一そう努力をしたいと思います。
 それから検査の方法についてでございますが、これは先生もいまおっしゃいましたように、できるだけその検査方法の合理化、機械化というようなことをして、なるべく、何と言いますか、その省力化の目的にかなった、しかも目的を達するような検査方法、これは部内でもいろいろ研究しておりまして、いわゆる検査の能率をあげるという方向でさらに努力をしたいということでございます。
#76
○三木忠雄君 そうしますと、具体的にこの合理化あるいは自動化についての、あるいはその検査体制の問題についての何か運輸省で特別な研究――システム化あるいはそういう具体的な方途は考えているのかどうか。
#77
○説明員(隅田豊君) 検査機関の合理化につきましては、これはもうすでに先生御案内と思いますが、検査のいろいろ新しい開発をわれわれも一緒になりましてやっておりまして、このもう十年ぐらい前から着手いたしております。で、現在では、新しい機械を入れる場合には、いわゆる自動化機械というものを入れられるようになるたけ処置をいたしております。これを例で申し上げますと、なるたけ人が自分でもって測定をしたりすることを機械にやらせて、検査官は一定の場所をあまり動かないで、ボタン操作とか、そういう形で合格不合格の判定ができるようにするということでございまして、かなりの省力化がはかられると考えております。ただ、車両検査の立場から見ますと、どうしても自動化のできない部分というのは、やはり人間の目で現実に、亀裂だとか、あるいはナットのゆるみだとか、こういう目で現実に確かめなければならない、測定の機械にかけることのできない部分がございます。これだけはどうしても人間を省略するというわけにはまいりません。
#78
○三木忠雄君 まあこのあと具体的な問題に入りたいと思いますけれども、将来の問題についての運輸省の研究体制といいますかね、この点いつも非常に私はおくれてると思うんですね。この検査要員の確保の問題にしたって、現実的にはしわ寄せは、検査要員とか民間の整備業者のほうにしわ寄せがいくわけです。当然もうふえることはわかってるわけですね、あるいは整備事業自体がたいへんなことはわかっておりながら、研究体制というが、そういうシステム化というか、この問題に対する将来の見越しというのは非常に私は甘いように思うんですけれどね。具体的に言えば、この車自身が相当合理化されているにもかかわらず、同じような体制で、なかなか検査要領は、一車両を検査するにしてもペーパー十枚ぐらいの紙をつぎ込まなければ検査ができないようなシステムになっているわけですね。これは運輸省だけじゃないけれども、納税証明とか重量税、いろいろな形を全部そこにしわ寄せしながら一車両を検査するという形になってきているわけです。こういうシステム一つにしても、やはりもっと合理化していかなければならない問題が私は数多く残されていると思う。こういう点について、やはりもっと具体的な研究体制を運輸省では組むべきじゃないかと思うのです。この点についていかがですか。
#79
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま三木先生から御指摘がございましたが、確かに、率直に申しまして、いまの民間のいろいろの発展に伴いまして、そういう方面でおくれていることは、残念ながら事実と認めざるを得ないような状況でございます。ことに検査要員――私ども非常に心配しておりますが、そういう技術者の確保ということをこれからいかにしていくかということが一番の私は大きな問題――これはまあ、いま自動車の問題でございますが、将来沖繩も返還になりまして、そうして航空管制官の問題、また通信官の問題、また通信補助員の問題、そういったような面におきまする確保ということが非常に私は問題でございまして、せっかくいま苦労いたしましてあらゆる方策を講じさしておる次第でございますが、それらの点をいかにしてこれから確保するかということを持ってまいりませんと、幾ら定員を増していただきましても、国会におきましていろいろの施策を講じていただきましても、ほんとうの国民の需要に適合することができない問題であると思っておる次第でございまして、そのためには、私どもいかにしてこれからそういったような検査要員――これは民間だけでございません、公務員といたしましてもこれを確保し、先ほども私申しましたけれども、さらに、これ公務員だけで足らないので、今回は民間の協力を求めるということを趣旨といたしましてこういった半官半民の協会をつくりましたが、現在の車両を対象にいたしましても、必ずこれは増大することは当然でございまして、そのためには現機構も拡大していかなければならない、人員もふやしていかなければならない。その場合の検査員をどういうふうにして確保していくかということが問題でございまして、またいま御指摘の、そういう点で検査員の能力を合理的に使うために検査方法について改善を要するということも、確かにお話のとおりでございまして、ややもすると役所仕事というものはおくれがちになるということは事実でございますので、そういう方面に力を入れまして、これから早急にそういったような合理的に時代の進展に即応したような体制をいかにつくるかということにつとめてまいらなくちゃならない、その方向に向かいまして私どもも努力をするつもりでございますので、一そうの御指導と御鞭撻をお願いする次第でございます。
#80
○三木忠雄君 確かに、いま大臣の答弁のとおり、自動車局長自身の問題じゃなしに、これは自動車自体の問題というのは非常にこまかな問題――運輸省の各局と比べてみれば、海運とか航空と比べてみれば、非常に具体的にこまかな問題を取り扱っている局だと私は思うのです。非常にその面では御苦労なさっていると思うのですけれども、やはりもう少し近代的な面を取り入れていかないと、いつも時代おくれになるのが自動車局じゃないかと、こういう悪いイメージが――いわんや許認可の問題等が非常に多いと、こういう問題からいろいろな問題が起きているという体質を、もう一ぺん運輸省で改めていかなければならない点を私は強く要望しておきたいと思います。
 それで、軽自動車の検査協会の問題に具体的に入りたいと思うのですけれども、いよいよ四十八年の十月一日からこの検査協会が実施されるわけでありますけれども、現実に十月一日にこの検査協会を発足するとして、これからですな、わずか限られた日程ではたしてこの検査協会が発足に至る準備体制が整うのかどうか。これはいろいろ質問があったと思いますけれども、私はその点が非常に心配だと思うのです。この点についてお答え願いたいと思います。
#81
○政府委員(野村一彦君) まず、この法律をお認めいただきましたならば、直ちにこの法律に基づきまして協会の設立ということは法的に可能になるわけでございますから、まず何よりも協会の設立の手続を急ぐということで、極力早い機会に協会を設立するようにいたしたいと思います。この点につきましては、二、三年前から軽自動車の検査をやるべしということが国会はじめ世の識者から論議されまして、そういう態勢になってまいりまして、民間のほうでも受け入れ態勢というものはいろいろできております。そういう協会の設立をしたがって早くして準備をするということが一つと、それからもう一つは物的施設の問題でございます。物的施設の問題につきましては、先ほどもどの先生かの御質問にお答えいたしましたようなわけでございますが、かねて私どもは、現在の陸運事務所の検査場の拡充というようなことについてもいろいろ検討しておるわけでございますので、それとの関連におきまして、必要な施設の所在地の、何といいますか、下検分といいますか、そういうことも内々役所でやっておる個所もかなりございます。そういう意味で、施設の獲得を急ぐ。それから人員の充足でございますが、これも大体年々十万人ほどの人が整備士の技能検定試験に合格をいたしております。で、こういう人々を中心にして、民間及び国の検査関係の要員の中で希望する人、そういう人々については、内々希望も調査しておるというような事情もございますし、そういうことから、民間及び国の現在の検査業務に支障を来たさない範囲で中心となるべき人を集めるということも早急にやりたいと思います。それはもちろん一年くらいの期間を見込んでおるわけでございますが、そういう努力をいたしまして、十月一日から検査業務に支障がないようにやりたい、また私どもやれるものと考えております。
#82
○三木忠雄君 そうしますと、具体的に、たとえば東京で軽自動車の検査協会をつくる、これは一カ所ですね。そうしますと、具体的にどれくらいの面積で、どのくらいの車両を扱わなければならないかという体制のもとに、用地の確保あるいは人員の確保を考えているのですか、これをちょっと。
#83
○説明員(隅田豊君) 具体的に東京という形で、現在東京のどこにどういうものをつくるというような計画はまだ立てておりませんが、計画といたしましては、平均的に見まして、国全体に軽自動車の検査場をつくっていく、各県一カ所ずつ、それに北海道の場合には七カ所、これを支所という形でつくりまして、それでもって検査をやっていこう、こういうように考えております。
#84
○三木忠雄君 だから具体的に――東京で保有台数大体わかっているわけですね。それで、この検査協会を東京につくった場合に、たとえばどれくらいの面積、あるいはどれくらいの要員を確保しなければならないかと、こういう問題については、私は見当、荒筋はできているのじゃないかと思うのですが、これはどうですか。
#85
○説明員(隅田豊君) 具体的な東京という場所につきましての計算はまだやっていませんが、大体標準的な考え方で申しますと、ほとんどの支所におきましては、一コースの検査場があればまかなえるだろうと考えます。そういたしますと、一コースの場合には、大体用地面積としては千平方メートル――千平米の用地というものを大体確保したい、こういうふうに考えております。全国でこれを計算いたしますと、コース数にすると六十数コースぐらいになってまいると思いますが、東京あたりはあるいは三コースくらいの検査場が要るのではないかと考えます。
#86
○三木忠雄君 そうしますと、具体的に政府から一億五千万出資、あるいは十億円の借り入れ金、こういうような資金をもとに東京あるいは全国にこの六十数コースをつくるとなれば、これは一年間に確かに組織が簡単にできるようなお考えでしょうけれども、検査の要員の確保と、それからこの用地の取得という問題について、いまの陸事ですね、車検場を新しくつくったときに、運輸省が民間から現実に用地を――民間自動車振興会、あるいは整備振興会、そういうところから土地を提供させた、過去にいやな例があった。今回の問題についても、民間からこういうような提供を受けたり、あるいは民間に前もって出資させたりして民間業界を圧迫するようなことは、車検協会に対してはないかどうか、この点についてお伺いしたい。
#87
○政府委員(野村一彦君) 今後、協会をつくるにあたりましては、協会が、何といいますか、政府から受けた出資金、あるいはみずからの借り入れ金、これをもって用地の取得に当たるということを考えております。したがいまして、先生がいま御指摘なりましたように、民間の整備振興会、あるいは自動車の会議所、そういうところに無理じいで用地を確保させるというようなことは考えておりません。ただ、そういうところを問わず、民間に適当な土地があれば、それを正当な価格で賃貸借等によって確保するということは、これは当然あるわけでございます。また、午前中のどなたかの、先生の御質問と関連して整備部長が答えましたように、現在国が持っている検査場の土地、それを交換分合して浮いた土地等を借り受けるというようなことはあると思いますが、いずれにしろその場合は、普通の民法上の契約によって土地を借りるというようなことをやるわけでございまして、協会自体が寄付を受けたりどうというようなことは考えておりませんので、協会のその資金及び借り入れ金によりてこれを買収するか、あるいは賃貸借をするか、そういう方法で確保するというつもりでございます。
#88
○三木忠雄君 そうしますと、今日まで、軽自動車車検の検査協会十月一日から発足しますけれども、軽自動車の車検を進めるにあたっては、いろいろ各府県に調査を委託して今日まで進めてきたと思うのですね。聞くところによると、非常に調査費等が不足で、非常に苦しんだという声も私聞いておりますけれども、こういう点はありませんか。
#89
○政府委員(野村一彦君) 私ども、昨年のこの予算編成、政府原案ができますときに、つまりこの法案が固まりました時点におきましては、部内の整備部長会議をやりまして、各陸運局の整備部長、これを中心にいたしまして、この検査協会のいわば産婆役ともいうべき役割りをやらせるように、いろいろと指示いたしてございます。その段階におきまして、この検査協会の考え方、それからその組織の概要、それからどういう施設を考えるか、それから人員の確保をどうやるかというようなことにつきまして、本省の意見を伝えますとともに、現地の意見を聞いております。そうして、それぞれの陸運局の管内において、そういう土地の物色とかあるいは人間の確保の問題について、各整備部長が中心になって、協会ができるまではいろいろ下準備をするように指示いたしておりまして、そういう意味で私どもの準備はある程度進んでいる、かように考えるわけでございます。
#90
○三木忠雄君 私は、協力したりいろいろすることは当然だと思いますけれども、現実に今日に至るまで、現地の民間業者に、いろいろこの調査費、委託費が、国の財政が少なくて民間の業者に圧迫を加えたり、あるいは協力を求めるという形態のこの習慣というものは、なかなか現地では抜け切れないわけですね。これは結局、民間業者の不平不満の一つの種になっているわけです。あとで論じたいと思いますが、重量税一つにしても、その重量税を集める役を整備業者に現実的にはやらせておるわけですよ。そういう形態をとらざるを得ないシステムになってきているわけです。そういう観点から考えましても、国の施策に対しては特に整備業者は協力している。しかしながら、国の予算は、こういう問題のときにも、なかなか調査費が、ほんの涙金しか各県にいっていない。それで、あとは、その負担分というものは、何か民間の協力を得なければこういう事業は進んでいかないということを私は数多く聞くわけです。こういう点は、今後の用地の取得の問題にしても、あるいは要員の確保の問題にしても、軽自動車の検査協会のいろいろな運営の問題にいたしましても、そういう援助を受けなければできないというシステムを早く断ち切らなければならないと思うのです。これは過去からの悪いくされ縁だと思うんです。こういう点は、やはり整備業界からのいろんな反発を感じているんじゃないかと思うんです。こういう点は、今回の検査協会発足にあたって明確にしていただきたいと思うんです。この点はいかがですか。
#91
○政府委員(野村一彦君) 従来役所では、いろいろな業務をやりますにあたりまして、特に車検特会がまだ特会として成立いたします前までにおきましては、確かに、先生がおっしゃいましたように、民間の事業者団体等に、極端に言いますれば、下請作業的なことを相当やらしておったという事実があったことは、遺憾ながら事実でございます。しかしながら、おかげをもちまして、この車検特会ができましてからは、そういう意味では、一般会計の他の部門に比べまして、調査費とか、あるいは物件費等につきましても、一般の会計よりもやや潤沢になってまいっております。したがいまして、国としても、そういうようなことは、現在、外部にも迷惑をおかけするというようなことは、私はあまりやっていないと思います。
 今度は、検査協会ができます場合に、これは先ほど申し上げましたように、協会の収入をもって協会の支出に充てるということをやりますし、その協会の資金というものをなるべく資金コストの安い金にするために、政府の車検特会からの出資を大幅に期待したいということでございますので、私ども、協会で必要なことをやる場合には、当然協会のその予算をもってこれをまかなうということであって、協会がさらに他の部外団体にいろいろ費用の負担をかけるというようなことをやらせるべきものではございませんし、やらせないようにするつもりでございます。
 なお、先ほど先生の御質問にございました、今度の検査のための調査をいろいろ民間の団体に頼んでわずかの費用しか出していないんではないかという御指摘でございますが、私ども本件に関して民間の団体に調査を依頼をしたということはちょっと思い当たりませんが、その点につきましてはさらに調べますけれども、今度のために特に民間に予算的な負担をかけて調査をしたということはないと考えております。
#92
○三木忠雄君 これは現実に、そういう自動車の検査協会をつくるいろんな手始めの準備として、調査委託費というのが各県で、直接はもらっていないかもしらぬ、だけど、そういう手順を、現地の陸事、あるいは現地の車検の検査協会をつくるにあたっての準備として、いろんな手はずは整えてきたわけです。そういう面で、いろいろ民間に負担がかかっているということを私は申し上げたい。具体的にあればまたあとで申し上げますけれども、現実にこういう点が数多く今後――いま調査の段階でもそういう点にやはりいやな感じを受けるような問題が出てきているということは、今後のこの検査協会発足にあたって、そういうふうな非常に危険感といいますかね、民間がいやな感じを持ってこの検査協会の設立を迎えるというような形であっては、私は非常にまずいと思うんです。そういう点で、私はいまこの問題を申し上げたわけですけれども、現地のいろんな陸事の仕事をやっていただけば具体的な問題いろいろおわかりになるんじゃないかと思うですが、今後この軽自動車検査協会と軽自動車専門の整備業者との比率は、これをつくる関係を考えてみますと、大体五、五の比率で軽自動車の検査をやるという形になりますか。先ほどは五割程度と言われたんですが、この数字は間違いない数字でございますか。
#93
○政府委員(野村一彦君) 軽自動車を検査の対象に取り入れるにつきまして、国の代行機関として今度の検査協会というものが大体所要の検査の半分くらいを受け持つと、そして残りの半分くらいを民間の指定整備事業者に受け持っていただくということを一応のめどにいたしているわけでございます。しかし、これは、何といいますか、全く固まった動かしがたいパーセンテージとして固定的に考えているわけではございません。
#94
○三木忠雄君 そうしますと、この軽自動車の指定整備事業者、現実にいままでの民間事業者の民間車検場、これも併用されると思いますけれども、この軽自動車専門の民間整備事業者というのは大体どの程度つくり上げるというお考えですか。
#95
○説明員(隅田豊君) 軽自動車専門の民間の整備工場というものは、おそらくそうたくさんの数はできてこないんじゃないだろうか、あまり期待ができないんじゃないかというふうに率直に言って考えております。で、現在の受け入れ態勢を考えますと、普通の小型自動車、現在の大衆車とでも申しましょうか、そういう車の一般整備を受けております工場は、おそらくほとんどのところが軽自動車の受け入れば可能であろうかと思います。専門のところと申しますと、採算性その他もございますので、もちろんメーカー系列のディーラーなどにおいてはそういうことも考えられるわけでございますが、一般的においてはあまり期待ができないのではないかと考えております。
#96
○三木忠雄君 これは私ちょっと納得できないのですよね。最初から軽自動車の専門の指定業者をつくらないという運輸省の方針みたいな感じなんですよ。現実的にはできないという想定のもとでこの事業を進めているというこの運輸省の姿勢というのは、私は決してよくないと思うのです。やはり軽自動車専門の民間車検をやろうという業者も数多くいるということを知ってもらいたい。六万軒あるんですよ、整備業者が。実際にいままでの自動車の民間車検は七〇%までしようという努力はされているかもしれませんけれども、軽自動車専門のやはり車検をとろうという、その民間整備事業の資格をとろうという人たちも数多く私はいると思うのですよ。その規定が明確でないから、あるいはどういう方法で軽自動車専門の民間車検の資格をとれるのかどうかということが明確でないから現実に浮かび上がってこないだけであって、それを運輸省は早く発表しないわけです。まあ広範なこれいろいろな問題点があるから、なかなか発表できない段階かもしれませんが、この数字で、大体この程度の規模で軽自動車専門の民間車検場をつくるのだという見本が示されれば、私はそれに対する企業努力がされると思うのです。その点いかがですか。
#97
○説明員(隅田豊君) 先ほどちょっとことばが足りなかったかと思いますが、軽自動車専門のほうが期待できないという意味は、私としては、そういうものにあまり過大な期待をかけることによって全国の協会の検査能力を小さくしてしまいますと、万一の場合問題が起きますので、そういう意味でお答えしたわけでございます。実際問題といたしましては、軽自動車そのものの現在の制度の中で、認証制度の中で、軽自動車を対象にした制度というものは制度としてはございます。しかし、現在のところではまだこの軽認証をとった工場というのが非常に少のうございまして、二千軒ぐらいしかございません。これは車検がなかったということもございますが、ほとんどのものが結局小型認証を受けることによって軽をやっているというのが実態だからでございます。
 先生先ほどの指定制度のお話は、まだこの基準ができていないというのは、軽を対象にした指定整備の問題だと思います。この点になりますと、若干問題が変わってまいります。御承知のとおり、軽を対象にした指定整備の基準は、まだ明確なこれ基準ができておりませんで、いろいろと業界でまだ迷っているということは、われわれも承知いたしておりまして、法案成立次第できるだけ早い機会に出したいと思いますが、ついでに若干言及いたしますと、おそらく個々の機械につきましては、たとえばブレーキテスターというようなもので考えますと、軽自動車だからといってブレーキテスターが要らないというようなことにはならないわけでございます。その施設基準の省令の文言の上からいって、ほとんど変わらない姿になっております。用地面積は、これは軽は小そうございますので若干考慮の余地があると考えております。ただ、今度はその軽自動車を専門に扱う機械となりますと、機械の種類は同じであっても、価格とかそういう点になると、ちょっとやはり比較的割り安なものになって、全体経費が安くてもできるようになるだろう、こういうふうに想像いたします。
#98
○三木忠雄君 その問題、まあ省令できめられるわけですけれども、これはやはり、いつごろまでに、どういうふうな、審議会といいますか、どういうふうに意見を聞いた上で、運輸省はこの軽自動車専門の車検場を――民間車検場ですね、これをつくろうと考えているのかどうか。聞くところによると、一部のディーラーの声を聞いて、それを基準にして何かきめていくという、こういうふうな話も聞いておりますけれども、こういう実際に整備事業に携わって軽自動車の車検をとろうという、車検場を持とうという、そういう意見もやはり加味して運輸省は考えるべきじゃないかと思うのですね。その点いかがですか。
#99
○説明員(隅田豊君) お説のとおりでございまして、われわれといたしましても、こういう基準をつくりますときに、一部のディーラーの声だけを聞いてつくるつもりは毛頭ございません。整備の問題といたしましては、日本自動車整備振興会というのがございます。これは、もちろんディーラーは入っておりますが、整備業者も含めた、非常に技能検定その他いろいろな活動をしている活発な整備事業の団体でございます。ここの場を十分活用いたしまして、特に軽自動車の問題といたしましては、零細な非常に小さい方々でございます。この小さい方々が、必ずしも理事とかそういう役員で、全国まで必ずしも出てきておられません。できるだけそういう零細な方々の声もすくい上げながら基準をきめるということを、現在までいろいろ御意見は伺っておるつもりでございますが、さらに伺って、できるだけ早く省令をきめたいと思います。
#100
○三木忠雄君 これは運輸大臣に要望を兼ねた質問ですけれども、現実に十月一日からそういう検査協会が発足する。この省令がでるのは、今回は私早くすると思うんですけれども、何回もうるさく言っていますから。ところが、現実にこの省令を出すのが非常におそいんですよ、いままで。十月一日が発足であればいい例になるかもしれませんけれども、たとえば来年の五月なら五月に省令をきめたって企業努力はできないわけですけれども、この範囲にすれば、民間車検は資格がとれると思ってもなかなかとれず、それだけの企業努力をしても、そこまでとろうと思っても、結局国が行なう施策に協力しようという整備業者の努力も無にしてしまうような結果になってくるわけです。その点で、やはり省令を、いつまでにこの基準――これは全部が全部すくい上げる基準ではないと思いますけれども、この範囲までの資格というと、基準を、十月なら、おそくとも本年の十月、すなわち一年前までに発表するという運輸省の立場、明確な方針を示さない限り、整備業者が戸惑っていると思います。この点は、いつごろまでに発表するのか、あるいはどういう基準になるのか、この点をもう少し明確にしておいていただきたいと思います。
#101
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま御質問いただきました点は、御説のとおりに思う次第でございまして、できるだけ早く政令を発表しまして、その基準をきめまして、それに合わせるように整備業者その他の御協力を願うということは、これは当然だということでございます。幸いにいたしまして、今回御審議をいただきまして、御決定をいただきましたならば、相当時間もございますから、一年前には必ず政令を出すように努力させるつもりでございますので、御了承願います。
#102
○三木忠雄君 そういうふうに明確に、日程を一年前なら一年前に、いつごろまでに発表できるといり、それでこの程度まで企業努力してもらいたいという、そういうやはり明確な路線をはっきり示さなければ、やりようがないと思うんですね。この点は、はっきりさせていただきたいと思います。
 それから、この軽自動車の検査協会の要員の問題です。現実に私は、これはなかなか要員が確保できないのではないかと思うんです。この点に対して、この要員が確保できないからといって、現実にいま部外職員を使っているわけですね。現在陸事でも、応援を得て、民間から部外職員を得て、このいろいろな民間の車検のスムーズな運営をせざるを得ない状態に追い込まれているということは、局長も御存じのとおりだと思うんですけれども、こういう点が、この自動車検査協会の要員確保とからんで、軽自動車検査協会が要員が確保できないので、民間からの要員確保、あるいは振興会等からこの要員の応援を得るという形態が再び出てくるのではないかという心配があるのです。これはないとはっきり、きっぱり言えますか。
#103
○政府委員(野村一彦君) 軽自動車検査協会は認可法人でございまして、先ほど申し上げました予算の運用等につきましては、国の機関よりも弾力性のある運用ができるわけでございますから、そういう意味で、もし人が必要であれば、この軽自動車検査協会そのものが人を雇って確保するということでございます。技術者の確保が中心になると思いますが、これについては、一年以上の準備期間がございますので、先ほど申し上げましたようなことは、その官民の業務に支障がない範囲で各方面の御協力を得たいと思いますし、一般の事務職員につきましては、その協会自身が外部の団体に援助を求めるというようなことはございませんので、私ども監督の立場にある者は、そういうことを万一にもしないように、協会自身の費用において人を雇うということはぜひ実施させたいと、このように思います。
#104
○三木忠雄君 そうしますと、私は、一昨年ですかね、この部外職員の問題で質問をした、当時の橋本運輸大臣に申し上げたことがあるんです。それ以後において、部外職員をどういうぐあいに指導され、なくなってきたのか、この点についてお伺いしたい。
#105
○政府委員(野村一彦君) 従前、陸運事務所におきまして、陸運事務所の業務の一部等を関係の民間団体の職員の協力を得てやっておったという事例がありましたことは、遺憾ながら事実でございます。先生も御指摘になりましたし、そういうことにつきまして、私どもさっそくこれは廃止するべくいろいろと手配をいたしまして、昨年――四十六年の四月以降これを完全に廃止するように指示をいたしておりまして、現在ではいわゆる部外協力職員というものはございません。したがいまして、臨時に業務が必要な場合は、これは予算の庁費の中から、期間を限った、何といいますか、賃金職員というものをとってやるということは一部やっておりますけれども、いわゆる部外の団体の人を、具体的な人間を供出させてやるという部外協力というものは、現在やめさしております。
#106
○三木忠雄君 これは、いま変な声が聞こえていますけれども、自主的にということじゃないんです。強制的に出さされておるんです。自主的に出す人なんか全然ありませんよ。それを自主的に出させるような仕組みにしておるところに問題があると思うんです。現実に、いま局長が全然しないという答弁ですけれども、これは事実として信じてよろしいでしょうか。
#107
○政府委員(野村一彦君) いわゆる陸運事務所がその職責上当然やらなければならない業務を、部外の団体等の職員がその陸運事務所に来て、そこで陸運事務所の手伝いをしておる職員はないものと私は確信いたしております。ただ、外部にこういう誤解があるのではないかと思います。それはつまり、民間の事業者団体等が統計その他の調査の関係で、自分のところの職員をその陸運事務所に派遣をして、そうしてたとえば売れた自動車の販売の件数を日報として調査したいために――これは陸運事務所の仕事ではございません、陸運事務所はそこまでの調査の仕事は扱わないわけでございます――そういうことを民間の団体がやっておられることはあるかと思いますけれども、それは陸運事務所の職員ではございません。それから、市町村税等の徴収のために市町村の職員が陸運事務所の一角におることがございます。これも、この部外協力の問題がございました当時に区画をはっきりといたしまして、そして市町村の役場から場所の借り賃を取りまして、そうしてちゃんと貸借の契約をはっきりして、そこに市町村の税務関係の職員がおるということはございます。これはいわゆる部外協力ではございませんで、そういった意味の陸運事務所の仕事を部外の人に事実上手伝わさしておるという、いわゆるほんとうの意味での部外協力というものは、私はないものと確信いたしております。
#108
○三木忠雄君 これ一つずつ具体例は、あげればきりがありませんので、現実に局長のないという言明を私は信じます。しかしながら、もっともっと具体的に現地の陸運事務所、あるいは現地のいろいろな実態をもっとよく知っていただきたいと思うのです。そういうような形はないように思われるんですけれども、現実にはまだ何件かあるということ、この点はよく私も調査して知っております。この点は、具体的に今後そういう問題が解消される方向に持っていっていただきたいと思うのです。これはやはり業者のほうからそういう問題で泣きつかれるいろいろな問題があると思う。この点が、もっともっと陸運局として、そういう体制を、検査要員が確保できないために、あるいは陸事の職員が足りないために、何かその手を補わそうとしていろいろな点で協力をさしておるという点はあるのです。それが結局、そのしわ寄せはどこにくるかといえば、整備業者にいろいろな点でしわ寄せがきておるということは、これは免れない事実だと思います。この点は、もっと私は具体的に検討していただきたい。このことは要望しておきたいと思うんです。
 それから、民間車検を、これは軽自動車を含めて現実に五十年までに七〇%まで民間車検を持っていくという、こういう構想ですけれども、現実にいまどの程度進んでおるのか、それから五十年までにこの達成率は可能になるかどうか、この点についてお伺いしたい。
#109
○政府委員(野村一彦君) 先般来の国会におきまして、五十年までに民間車検の指定整備率を七〇%まで持っていきたいということを申し上げたわけでございます。しかし、その後いろいろと、何といいますか、思わざる支障といいますか、そういう点もございましたし、また事情の変化等もございまして、現在、四十六年におきましては、民間が四〇%、国が六〇%になっておるということでございます。私どもの一応事務的なめどといたしましては、五十年に逆に民間を六六%程度、それから官を三四%程度に持っていきたいという事務的な現在の希望でございます。ただ、この件につきましては、昨日のどなたか先生の御質問に対して、大臣が、事務的な見解は別として、自分としてはそういうことを無理にあらかじめ計画的にしゃにむに持っていくべきものではないという大臣の御方針の御明示がございましたので、私どもはその線に沿って努力をしたいということで、そういう七〇%か三〇%かという数字にこだわる――こだわるというとおかしいのですけれども、そういうことをしゃにむにやるということはございませんので、ひとつその点につきましてさよう御了解いただきたいと思います。
#110
○三木忠雄君 私もその意見賛成だと思う、大臣の言う意見に。民間車検七〇%といっても、これは非常に無理だと思うのです。無理な当初からの計画を私たちもわかっておりました。現実に、いま民間車検四〇%になっているが、仕事の内容を調べましても、一日に平均悪いところで一台ぐらいしかないというところもデータとしては出ておるわけです。民間車検の設備、あるいはそういう投資のために相当な金額を使い、現実に民間車検の資格はとった、国の施策の方針に向かって努力したけれども、現実には仕事がないという実態があるのです。こういう問題に対する、いま経営不振でだいぶ整備業者が苦しんでいるという問題があると思うのですけれども、この実態どういうふうに把握されていますか。
#111
○説明員(隅田豊君) 現在整備工場が経営不振というようなデータは、私たちのほうの手元では現在は集まっておりません。ただ、全体に自動車数の伸びが鈍化してまいりましたので、おそらく各事業者方面みんなそうだと思いますが、計画した伸びは下がってきているだろうと思います。そういう意味で、若干あるいは事業者の立場から見れば経営がむずかしくなったという感じが出ているのではないかと思います。
#112
○三木忠雄君 それで、具体的にやはり、これが車検の設備資金とあるいは実際の仕事量においてずいぶんマイナス面が出てきているわけですね。設備投資して、その分の融資を受け、あるいは市中銀行から借りて、こういう整備事業を国の方針に従ってやったといえばやったわけですね、これに協力した。こういう面についての、現実に倒産は少ないかもしれませんけれども、非常に困っている例が数多くあるのではないかと思うのです。こういう面に対する融資制度というか、あるいはこういう事業対策というか、こういう面はお考えになっておりますか。
#113
○説明員(隅田豊君) 確かに、これから先の問題として、そういう危機感を持っているということは事実だろうと思います。それからもう一つは、いままで指定整備工場になられた方はまだいいほうだと思いますけれども、六万軒からございます零細な普通の整備工場、これをどういうぐあいにして質的なレベルを上げさせるかというのが最大の問題であると思います。それにつきましては、すでに先生御承知のことと思いますが、中小企業近代化促進法に基づきましての近代化計画というものをもう数年前から始めております。現在では、四十六年の六月に第二段階の近代化といたしまして構造改善業種としての指定を受けております。これによりまして、中小企業近代化促進法によるところのいろいろな融資、これをあっせんできるというのがわれわれの最大の目標でございます。
#114
○三木忠雄君 構造改善事業に入ったので、構造改善事業でもう少し関連して申し上げますけれども、この構造改善事業の現状を運輸省はどういうふうに認識しておりますかね。四十六年にたとえば六月から構造改善事業が認可になったけれども、実際に申請してから借り受けるまでに約二年ないし三年かかるという、こういう事実ですね。この問題をもう少し運輸省として私は中小企業庁に積極的に申し入れをすべきではないかと思うのです。申請は四十六年にしたけれども、実際に融資できるのは四十八年、四十九年と、時代の推移というものを考えたときに、ただもう二年先、三年先では、一生懸命企業努力して構造改善やろうとしても、二年後、三年後では、これはちょっと時期はずれではないかというような感じも受けるのです。この点についてはどういうふうにお考えになりますか。
#115
○説明員(隅田豊君) ただいまの御指摘の問題は、構造改善事業の中の高度化資金の融資が条件として非常に有利な貸し付けなんですが、時間がかかるという御指摘だと思います。われわれは、
 これに実は取り組んで、始めてから実際に金を借りるのに時間がかかるので、びっくりした状態でございます。これにつきましては、中小企業庁と現在いろいろ折衝中でございまして、向こうもいろいろ前向きに検討してくれております。その原則はなかなか曲げられない理由がございますので、その原則をちょっと御説明いたしますと、要するに、前年度の七月までに貸し付けが可能であるという診断が終了いたしませんと、診断終了後の次年度の貸し付けが借りられないという問題がございます。これは先生お話しのようにやろうと思って計画をして、それから申請を出して診断が終わったというのに小一年かかるといたしますれば、確かに二年以上かからないと金が借りられないという事実になります。これは非常に問題になりますので、われわれいろいろ中小企業庁と努力しておりまして、たとえばつなぎ資金というような形で県等の御了解が得られますれば、診断が終了したら、現実の貸し付けの金が出る前につなぎ資金として何らかの方法で金を出すと、こういうような方法をいま目下検討中でございまして、かなり実現の可能性がありそうだというふうに見ております。
#116
○三木忠雄君 これは運輸大臣、やはり大蔵省あるいは中小企業庁とこの問題はもう一歩私は積極的に進めていただきたいと思うのです。申請してから二年間たってから借り受けるのでは、何にもならないと思うのです。こういう計画をやろうと、こういうふうな構造改善事業になっておるけれども、現実には、毎年調べてみれば、大体どの程度申請があるかということはおおよそのめどはつくのではないかと思うのです。整備業界いままでずっと見てきておるのですから、この点で二年も三年も待たなければ融資できないような態勢では、これは構造改善事業は進まないのではないかと思うのです。この点、運輸大臣の強い私は決意を伺っておきたいと思います。
#117
○国務大臣(丹羽喬四郎君) とかく融資あるいは助成の問題につきまして、そういった点で非常に慎重を期する結果、そういったような時期がおくれるということは非常に間々あることでございまして、これは役所の段階ではある程度やむを得ぬことかもわかりませんが、われわれといたしましては、そういうことでせっかくの構造改善をしようという民間の機運をそこなうということがあってはならぬと思うわけでございまして、そういう時間の短縮、そうして迅速化ということによりまして、せっかくの御協賛をいただきまして、国家のそういったような融資政策あるいは助成政策というものが実情に適さないようなことになることは最も遺憾なことでございますので、そういう方面には、私のほうといたしましても、あるいは大蔵省、通産省、中小企業庁とも連絡をとりまして、具体的にそれらの簡素化と申しますか、迅速化と申しますか――というものをはかってまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
#118
○三木忠雄君 それからもう一つ、さっきの民間車検で、実施に踏み切って、民間車検場をつくったり設備投資をし、先ほど申し上げた、その問題に対して、いま現実に仕事がない、この点で非常に困っている例が、倒産した例は少ないと言われておるわけですけれども、一、二年の間問に相当そういう事業者が、金融面、あるいは投資をした回収の問題等考えても、非常に危機感に私は立ってくるのではないかと思うのです。一日一台くらいの車検をやっているような状態では、うまくいかないと思うのです。これは、国の施策に従ってやった民間車検の問題に対して、せめてもう少し融資制度か何か、そういう問題に対する金融の、あるいは助成の措置をいろいろこれは考える方向をもう一歩検討したらどうかと思いますが、いかがでございますか。
#119
○説明員(隅田豊君) 融資その他の問題につきましては、この構造改善事業あるいは近代化計画を一〇〇%利用して、そういうものに対する検討をはかってまいりたいと思います。
 それから同時に、ただいま先生御指摘のように、指定整備事業の指定を受けてもなかなか業務量が伴わないで苦しいという実態をそれぞれ調べまして、その上で個々の行政指導はやっていきたい。能力があって仕事がこないのか、あるいはやはり経営上いろいろ問題があるのか、これは整備事業いろいろ千差万別だと思います。これはそれなりの行政指導はやってまいりたいと思います。
#120
○三木忠雄君 それから、まあ現実に能力があって、やる能力はあるけれども、現実にできないという実態が多いと思うんです。この点は、詳細に私はよく検討していただきたいと思うんです。そのほかに、民間車検場を監督する運輸省の検査監督官というのは、大体どの程度いますか。
#121
○説明員(隅田豊君) 指定整備工場の監督要員は、四十七年度で八十四名おります。
#122
○三木忠雄君 八十四名で何台を指定整備事業場で車検をやっているのか、その比率は大体どのくらいになりますか。
#123
○説明員(隅田豊君) 私どもは、工場数で、一人当たり何工場になるかという見方をいたしておるのでございます。八十四名で、現在の工場数が約七千でございます。そういたしますと、約一人当たりで七十工場――八十工場ぐらいということでございます。
#124
○三木忠雄君 この民間車検場の検査監督官ですね、これは大体どういうふうな点をチェックし、どういうふうな要領でこの八十工場を監査しているのか。
#125
○説明員(隅田豊君) 事業場に立ち入りまして、関係の帳簿類その他を全部突き合わせるということと、それからそこに立ち入った日にたまたま入っております指定整備の車がございましたらこれを綿密に検査をしてみるということと、両方あわせ行なっております。もちろん、その監査にはいろいろやり方があるようでございますので、そのつどそのつど重点を置きながらやっていく必要がございます。
#126
○三木忠雄君 最近、民間車検で整備をした車の事故が多いと、こういう話を私はよく聞くわけです。これは中には、監督官が民間車検場の監督の不十分というか、こういう点が最近うわさをされている例が非常に多いのですね。この点について、やはり運輸省の民間車検場の検査監督官に対する監督というか、これが、ちょっと手ぬるいのではないかと、こう思うんですけれども、これはいかがですか。
#127
○説明員(隅田豊君) ただいま監督官と言われたのは、おそらく指定整備工場側にいるところの検査員の……。
#128
○三木忠雄君 そうじゃない、運輸省から行くほうの。
#129
○説明員(隅田豊君) 運輸省の監督官の質の問題ですか――運輸省の監督官が手抜きをしたためにそういうことが起きたというのは、まだ実際私たちは実例としては聞いていないのでございますが、指定整備工場に通ったにもかかわらず事故を起こしたというのは、ちょっと実例を手元に持っておりませんが、聞いたことがございません。こういうものに対しては、指定整備工場の検査員は研修という形で教育をできるだけやるということがやはり最大の問題としてわれわれはやっております。
#130
○三木忠雄君 それから、府県別の自動車の数と検査要員の比率というのは、運輸省から派遣している、運輸省の民間の検査要員ですね、これとの対比は大体どの程度になっておりますか。各府県によってはいろいろ検査要員の数がアンバランスになっておりますけれども、この点はいかがですか。
#131
○政府委員(野村一彦君) 陸運事務所ごとの検査要員の数と、それから自動車の台数でございますが、ただいまちょっと手元にございませんので、至急つくりまして後ほど御報告いたしたいと思います。
#132
○三木忠雄君 これは何か、こまかな資料はあとでけっこうですけれども、具体的に、四十五年度の資料しかいま手元に持っておりませんけれども、この自動車の台数と検査要員の数がアンバランスなところが各県に出ているのですね。これはいろいろな関係があるとは思いますけれども、現実に何か基準といいますか、自動車の台数に対して何名の検査要員とか、こういう基準が運輸省できめられているのかどうか、あるいは何を基準にしての検査要員の派遣数になっているのか、これは関係が何にもないのですか。
#133
○説明員(隅田豊君) 現実のおそらく検査も、府県別に台数を全部出しますと、かなりアンバランスが出ているケースはあると思います。これは、たとえば過去の、昔は車両が多かったけれども、現在は伸びが少ないという地域もございます。伸びが激しいために増員をやったぐらいではなかなか人数が足りない、しかしよそのほうから強引に人を減らして持ってくることもできませんというようなことがございまして、若干のアンバランスが出ておることは事実でございます。そういうものは、増員のたびに、われわれは全国を比較しながら、少ないところを上積みし、多いところは減らすということを考え考えやっておるところでございます。それから、車両数だけで議論ができませんのは、やはり県の面積、こういうものが非常にきいてまいります。ですから、実態といたしましても、たとえば東京、大阪、愛知というようなところと、それから北海道というようなところと比べた場合には、これはけた違いに陸運事務所の人員当たりの台数が変わってくるのはやむを得ないと思います。
#134
○三木忠雄君 それにしましても、ずいぶん検査要員のアンバランスが目立つのです。これはやはり、増員をなかなかできないという点もいろいろ考え方にはあると思いますけれども、あまりにもアンバランスがあるんじゃないか。ですから、現地の陸運事務所をいろいろ訪問しましても、かぜを引いても休めないという、そういうところもあるわけです。片一方では比較的楽だとは言いませんけれども、陸運事務所に働いておる人たちは、現在みんなが手一ぱいの現状に悩んでいるのじゃないかと思います。場合によっては所長までが検査要員にかり出されなければ休暇もとれないというふうな、そういうふうな実態が私は愛知県とか東京の何カ所かの車検場で考えられるわけです。これはやはり、自動車の増加見込みとか、あるいはいろいろな点の勘案が全然されないで――全然されないというのは語弊があるかもしれませんけれども、あまりにもこういう点に微に入った車検が行なわれてないで、現場主任にまかしておるのじゃないかという、こういう点が考えられるのですけれども、これは改めてもらいたいと思う。あまりにも要員のアンバランスが目立ち過ぎる。この点についての検討を願いたいと思いますけれども、いかがですか。
#135
○政府委員(野村一彦君) 自動車の台数、それからそれに応ずる人員の再配置というものにつきましては、確かに、自動車の台数だけでなくて、県の面積とかいろいろな事情があると思いますけれども、ともかく相当のアンバランスが現在あるという先生の御指摘、私どももこれはまあそういう個所が何カ所かあるということは承知いたしております。したがいまして、今後増員を行ないますときに、前に申し上げましたような、何と申しますか、もう今後増員を当分やらないで済むところと、それから趨勢に応じて人員をふやさなければならないというところを、一定の計画的な方針を立てましてやっていく、そしてアンバランスをなるべく早い機会に是正するようにいたしたい、かように思いますので、よろしく御了解いただきたいと思います。
#136
○三木忠雄君 たとえば、本年度運輸省として何名この検査要員を要望し、何人採用になったのか、この点について。
#137
○説明員(隅田豊君) 今年度予算要求の場合には、検査といたしましては、八十六名要求いたしまして、成立いたしましたのが三十二名でございます。
#138
○三木忠雄君 この八十六名という基準ですね、これは、八十六名大体充たせば、この自動車の検査要員としては十分なんですか、運輸省としては。
#139
○説明員(隅田豊君) 予算要求でございますので、常識的な計算をやっておるわけでございますが、もちろん八十六名がもらえれば十分にやれる。この場合の検査要員と申しますのは、実は計算の基礎にはいろいろなものが入っておりまして、たとえば街頭検査をやるというようなことも今後の問題としては考えなければいけないのじゃないかと、そういうような検査場の現場ばかりでない検査のことも要求には入れてございます。そういう意味で八十六という数字も出ておるわけでございます。
#140
○三木忠雄君 これは運輸大臣に、毎年毎年いろいろ検討はされておると思うのですけれども、検査要員、やはり現場で働くこういう検査要員をもう少し拡充できるようなことをしっかりしていかないと、事務官と現場で働いておる検査官との間にはずいぶん違いがある、こういうように私は考えるのですね。この点は、やはり運輸省の現場で働いているこの検査要員あるいは技術者等の増員計画についてもっと私は積極的に考えるべきではないかと思うのですけれども、いかがでございますか。
#141
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの御質問でございますが、私も常々それを考えておる次第でございまして、そういう技術要員の確保ということがこれからの運輸行政の一番の重点になっていくんじゃないか、こう思っておる次第でございます。これは、要員の確保というのは、待遇の問題も私はあると思う次第でございまして、それぞれの機関に対しまして、それらの人々の待遇の改善につきましても、人事院あるいは総理府に私からも要請をしておる次第でございます。ことにまた、今回の軽自動車等の問題になりますと、もとのほうの陸運局のやはり技術要員の方面におきましても相当むしろ充足していらっしゃるというような面もございまして、その他一般の運輸行政全体につきましてこういったような技術要員の拡充ということが一番の重点でございますので、私、就任以来、はなはだ微力でございますが、それらの拡充につとめたつもりでございますが、いまだ実際の需要を充足するのに何かまだほど遠いものがございますので、量並びに待遇両方面からそれらの問題の解決に当たってまいりいたい。また、将来におきまして、それらの方々が将来また必ずしも昇進を望むことがないかもわかりませんが、やはり適当なときにそれ相当の地位が与えられるというような運営の面とも相まってあると思う次第でございます。それら三者をかね合わせまして、具体的の充足を考えてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#142
○三木忠雄君 それでは次に、軽自動車の検査協会ができますと、納税証明書とか、この問題に対して非常に地方行政との関係があると思いますから……。何か車検場で納税証明書を必要とされる。この場合に、いままでの自動車ですと都道府県で証明書を発行した。ところが、軽自動車になりますと、納税証明書というのは市町村ですか。これがないと車検申請が受けられないということで、納税証明書をとるのに整備業者は非常に苦労しているということがあるわけです。現実には、愛知県では、この納税証明書をどこでも自由に出せるようなシステムに、県議会で許可をとって、やれる状態に切りかえた。愛知県が全国で初めてです。しかしながら、軽自動車検査協会ができますと、軽自動車の納税証明書をとるのに市町村役場にずっと行かなければならないということで、非常に整備業者はこの問題に頭を悩めている、こういう実例があるんですね。この問題について、やはり納税証明書の交付のしかた、こういう問題に対して自治省との間にいろいろ見解はあると思うのですけれども、運輸省としてこの問題をもっと合理的にやれる方法はないものかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
#143
○政府委員(野村一彦君) ただいま御質問のように、市町村税の軽自動車に対する納付という問題について、いろいろ地域的な問題があって納税者から不便があるというお話、私どももそういうことはあろうかと実は思っておるわけでございます。このユーザーの便利のために、納税事務をなるべく手数をかけないで、時間的また距離的にめんどうをかけないでやるという方法につきまして、私ども何らかくふうができれば――そういう一々のユーザーの方が遠い道のりを時間をかけて来るということでなくて、何らかの方法が講じられれば、これはそういう手続を簡素化するということはまさに行政の現在の方向でございますから、自治省あたりとも相談をいたしまして、何かそういう具体的な方法があるかどうか、その辺の道があるかどうか、これは至急検討してやるようにいたしたいと思います。
#144
○三木忠雄君 これは、車検をするときに必ずそういうシステムを通らなきゃならないように、車検場で全部そういう重量税、あるいは市町村民税ですか、市町村等の税金も車検が一つの切り窓になっているわけですね。そこで、整備会社が委託を受けてやるためにいろんな証明をとってこなければならない。そこに全部しわ寄せがくるということで、本来の整備業者自身の仕事が、そういう納税証明とかいろんな書類をそろえることによって業務が非常に繁雑化されているという点は、もっと合理化しなければならない。そのために、行ったり来たりしながら一台の車検の整備を行なうことが、非常に、そういう証明書をとるための連絡員とか、いろいろな点で要員を確保しなければならないような事態になってきておる。こういう点をもう少し、行政の簡素化とあわせて、運輸省と自治省が話し合いをもっと合理的にできる方法はないだろうか、こういう要望は非常に強いわけですよ。この点について私は積極的に考えてもらいたい、もう一度お願いします。
#145
○政府委員(野村一彦君) 市町村という点であれば、職員の数も少うございますので、そういう点で、県の税務職員がそこの事務に常駐するということができるわけでございますが、市町村といいますと非常に数がございます。しかし、市町村の連合会といいますか、そういう横の団体があるということも私どもは聞いておりますが、そういうものが適当かどうかわかりませんが、その辺、自治省とも連絡いたしまして、市町村の連合会みたいなものがそういうことをやり得るのかどうか、またもしやるとすればどういう簡便な方法があるのか、その点につきましては至急検討して、現実に事務が開始するまでは、そういう手数をできるだけ省くような体制をとりたいと考えております。
#146
○三木忠雄君 環境庁、通産省、お願いします。この軽自動車の車検をやるときの一つの目的の中に、やはり公害の問題があると思うのです。きょうはマスキー法の問題と国内におけるいろいろな排気ガス等の問題について若干質問したいと思うのです。アメリカの環境局で排気ガスの大幅な規制が予定どおり一九七五年から実施されるようになった、このことについて、日本の国自体としてもこういう問題は考えなければならない重大な問題ではないかと思うのですけれども、この問題について、各省、特に環境庁、あるいは通産省、運輸省はどういうふうな受け方をしているか、この七五年からマスキー法が適用される、この問題に対してどう取り組んでいこうとされているかどうか、この点について各省から伺いたい。
#147
○説明員(小林育夫君) ただいまの先生の御質問で、一九七〇年のいわゆるマスキー法が、一年延期が拒否されて、事実上七五年から実施されるというお話でございますけれども、実はこの問題は、この間の決定は、アメリカの環境保護庁に対しましてフォード外五社の申請が出たわけでございます。それらの申請につきまして、米国の環境保護庁が一年間の延期を拒否したということでございまして、アメリカ政府の全般的な一年延期の拒否という決定ではないわけでございまして、そういうことは別にいたしまして、環境庁といたしましては、このアメリカのマスキー法が一九七〇年に成立をいたしました――四十五年でございますけれども、それに対応いたしまして、昨年私ども環境庁が発足いたしましてから、このマスキー法に対応する日本の長期的なと申しますか、具体的に申しますと、一九七五年――昭和五十年以降の規制はどうあるべきかという問題につきまして、昨年の九月の十八日に私どもの諮問機関でございますところの中央公害対策審議会のほうへ環境庁長官からその問題について諮問をいたしたわけでございます。で、対策審議会といたしましては、大気部会の中に自動車公害対策専門委員会という委員会を設けまして、ただいままでに十二回の審議を行なっております。そうして近く――具体的に何月ということは申し上げられませんけれども、近くその結論が出るということになっておりますので、これに対しまして所要の措置をとってまいりたい、そういうふうに考えております。
 それから、ただいま申し上げましたのは昭和五十年以降の問題でございまして、五十年までの対策はどうするかという問題がもう一つあるわけでございます。その問題につきましては、従来この規制を環境庁になります以前は運輸省がやっておりました。運輸省におきまして、運輸技術審議会というところで、昭和四十五年にやはり四十八年度と五十年度の規制についての答申が出ております。当面これは、メーカーに対する技術的開発の可能性といいますか、猶予と申しますか、そういう意味で、とりあえず四十八年度につきましては、それをそのまま移行するという基本的な考え方に基づきまして環境庁としては処理をしていく方針でございますけれども、昭和四十八年度実施分の一部につきましては、ことしの三月二十九日でございましたか、告示をもちまして、その一部については先取りというような形ですでに実施に移しているものもございます。
#148
○三木忠雄君 通産省……、運輸省かな。
#149
○政府委員(野村一彦君) 自動車の排出ガスの規制問題につきましては、ただいま環境庁からお話がございましたように、運輸省といたしましても、四十五年の七月に運技審の答申を受けた排出ガスの規制の強化措置をやっているところでございます。マスキー法案につきましても、昨年来、米国議会における、何といいますか、審査の状況に非常に強い関心を持っているわけでございます。したがいまして、私どもとしても、運輸技術審議会の答申の趣旨に沿うものでもありますので、このマスキー法案について、これからどういうふうに日本として受け入れるか、ただいま環境庁から御説明がございましたが、私どもは、環境庁においていろいろ御審議の結果出されますところの許容限度の問題を念頭に置きながら、それを実現するための具体的な措置ということを私どものほうの道路運送車両法の保安基準の中に取り入れていくということで、この問題につきましては、運輸省としては、技術的に可能な限り、シビアといいますか、きびしい規制を行なって、所期の目的を達成するような所要の規制を行ないたい、かように考えておるわけでございます。
#150
○説明員(中村泰男君) お答え申し上げます。
 マスキー法案に関連いたします全般の問題につきましては、環境庁からお話しのとおりでございますが、若干補足さしていただきますと、今回のいわゆる延期申請却下は、本邦及びアメリカの数社、GM、フォード、クライスラーの有力企業を含んでおりまして、それに対する延期の却下でございます。申請を拒否しておるわけでございますが、内容的には、ある一定の期間をおいての再申請の道はあるということを、示唆といいますか、示しております。したがいまして、今後EPA――米国環境庁が最終的にどういう判断をするかということは、いろいろな見方があるところかと思いますが、いずれにいたしましても、非常にきびしい線が出てきたわけでございます。日本のメーカーといたしましては、昨日も御答弁申し上げましたが、アメリカに対する輸出もかなりのウエートを占めておりますので、七五年のマスキー規制というものに対しましては、非常に積極的に取り組む姿勢を示しておりますが、残念なことに、現状におきましては、これを充足する見通しを現在のところは持っておられない、こういうことでございますので、いままでの態度といたしましては、いずれかの時期におきまして延期の申請をせざるを得ないのではないかというポジションにいたわけでございますが、EPAの新しい裁決と申しますか、出まして、これにどう対応するかということは現在検討しているところでございます。私どもといたしましては、この日本の中での規制のあり方、規制の基準そのものにつきましては、環境庁の中央公害対策審議会で御議論していらっしゃるところでございますので、これが具体的になる場合には、運輸省の保安基準というような形になるわけでございます。いずれの問題につきましても、輸出の問題のみならず、国内の問題につきましても、できるだけ技術開発を急ぎ、また私ども通産省としても、これを支援すべきものは支援して、早く基準に到達できるように技術開発を進めなければならないと考えておりますし、また指導もしている次第でございます。
#151
○三木忠雄君 そうしますと、マスキー法は七五年に適用されるとしますと、輸出している約百万台ですね、こういう車は非常に問題になってくると思うんですね。そうすると、同じような製造過程で日本にも販売しなければならない、おそらく環境基準もそれに準ずるような環境基準になってくるのじゃないかと思いますが、どういう答申が出るか今後の問題でしょうけれども、そうした場合に、いまの開発体制からいって、七五年をめどにした場合、こういう低公害車といいますか、そういう車の開発の準備体制は十分にできる――いま非常に不安のようなお話ですけれども、現実にどうい今ふうな姿になってくるのか、この点についてもう一度御答弁願いたい。
#152
○説明員(中村泰男君) お答え申し上げます。七五年の規制ということになりますと、部分的なと申しますか、若干の規制強化でございましたら別でございますが、マスキー法の規制は御案内のとおり非常にきびしい規制でございますので、従来のエンジンそのままではできない。エンジンあるいはそのまわりの車の部品その他を変えていくという問題がございます。したがいまして、七五年と申しますと、だいぶ先のことのようでございますけれども、アメリカ輸出ということになりますと、七四年にはもう向こうの型式認定を受けなければならない。そうなりますと、七三年にはもう型式がきまっていなければならないし、部品その他を含めまして、もうこの辺である程度はっきり見通しを立てなければならない。しかしながら、現在の研究開発の状況でございますと、マスキー法の規制値を実験的にある程度出すことはできるわけでございますが、マスキー法の前提としておりますような五万マイル走行でも規制値を出せるというようなこと、あるいは試験結果のばらつきというような点、そういう点にまだ不安がかなりあるということでございます。したがいまして、いま先生御質問の点を率直にお答えいたしますれば、現在の状況でマスキー法がそのままいった場合に対米輸出がどうなるかという点につきましては、現在ではだいじょうぶですということを申し上げる段階ではございませんが、しかし、もちろんこれは日本のメーカーといたしましても、私どもといたしましても、EPAのこの一つの方針が出てまいっている段階でございますから、もうそれだからといって座視するわけにいかない問題でございます。日本の中の環境保護と申しますか、基準の強化という問題もございますので、技術開発の点に精を出していく、また私どもも十分指導もしていくということで対処してまいりたいと思います。
#153
○三木忠雄君 これはメーカーのほうでもいろいろ検討されていると思うのです。通産省は、この問題に対する取り組み方、私はちょっとおくれているような感じもするのですがね。技術開発の問題で、具体的に国としてこういう問題を指導し、あるいは具体的な研究機関といいますか、この問題に対する討議はどういうふうな形で行なわれているのかどうか、この点についてお伺いしたい。
#154
○説明員(中村泰男君) 安全公害の問題につきましては、昨日も御答弁申し上げましたが、通産省の試験研究機関におきましても試験研究をしておりますし、また部品の組み合わせという問題も多うございますので、部品メーカーの共同研究に対する助成、そういうこともしておりますが、また新しい方式という問題で、電気自動車の開発を大型プロジェクトで開発するという形で、公害問題については私どもも積極的に取り組んでいるわけでございますが、さしあたっての七五年規制に対応する自動車、それをどうするかということになりますと、基礎的な技術研究と申しますよりも、もう実際の自動車をつくっていくという段階でございますので、その計画につきましては、率直に申しまして、メーカーが中心になって真剣に取り組んでいるということでございます。決して私ども、放置しておるとか、力を抜いていることではございませんが、七五年の自動車ということになりますと、もうほんとうにすぐつくり出していくというような段階にきておりますので、現在ではメーカーがその点については中心になっているというふうに御了解願いたいと思います。
#155
○三木忠雄君 環境庁に伺いますが、やはり五十年にこういうマスキー法と同じ内容、いわゆるこういう運輸技術審議会でいろいろ検討はされていると思うのですが、いろんなむずかしい問題が私はあると思うのですね。この問題については答申がいつごろ出るのか、あるいは国で夏ごろまでには大体決定される見通しなのかどうなのか、この点について。
#156
○説明員(小林育夫君) ただいま審議会の先生方に御審議を願っております段階で、いっその審議が終わるということはちょっと申し上げにくいわけでございますけれども、私どもといたしましては、できるだけ早く、少なくとも夏の終わりか秋の初めくらいまでには御答申をいただきたいということでお願いはいたしております。ただ、いま先生から御指摘がございましたように、あるいは通産のほうからも御説明がございましたように、技術的な問題につきましては、非常に困難であるということがわかっております。そういう理由から、先ほど申し上げましたように、十二回も審議をしているということは、とりもなおさず非常にこの審議が難航していると申しますか、そういう面の技術的な見通しの評価というものが非常にむずかしいということを反映しているのではないかと思われるわけでございまして、十分そういう点を御勘案の上、先生方の結論が出るものと思われますので、私どもはその結論が出た段階において所要の措置をしてまいりたい。先ほど申し上げましたように、具体的にいつということは申し上げられませんけれども、私どもといたしましては、一応、夏ごろをメドにして、そういう御答申をいただきたい、そのように考えております。
#157
○三木忠雄君 これは先の心配かもしれません、憶測かもしれませんけれども、やはりこういう環境基準が、メーカーのいろんな圧力によって環境基準が甘くなるというようなことがないように私たちも強く要望するわけなんです。やはり審議会が答申を夏ごろまでに出すといっても、なかなかいまの状況では相当おくれるような見通しというか、そういう話も私は聞いているわけです。環境庁としての取り組み方の姿勢というのが、私はやはり一番大事な問題になってくるんじゃないかと思うんです。確かに審議会の答申というものが一つありますけれども、やはり環境庁がほんとうに、排気ガスの問題この自動車公害の問題に対してどういうふうな姿勢で取り組んでいくかどうかという、その姿勢に尽きてくるんじゃないかと思うんです。この点については、やはり積極的にこの排気ガス、特にマスキー法の問題を、やはり業界のきびしい状況もいろいろあるかもしれませんが、もっと積極的に、国民の健康という、あるいは公害という、こういうふうな問題を――あるいは突き詰めてみれば、光化学スモッグの問題も、最終的にはまだはっきりしておりませんけれども、こういう排気ガスの問題が大きな要素に入れられているわけです。この点から考えたらば、やはりこの答申を待つという点も大事でありますけれども、やはり環境庁の取り組み方ということが最も私は大事じゃないかと思うんです。この点について、早くやはりこういう基準を出して、シビアであればそれに対する業界の指導をしていく、こういう強い姿勢で臨むことが大事だと思うんです。この点をもう一度お伺いしたいと思います。
#158
○説明員(小林育夫君) 確かに、御指摘のとおり、基本的な環境庁の姿勢に、つきましては先生のおっしゃるとおりだと思います。
 ただ、私どものいわゆる環境保全の考え方の基本的な問題を申し上げますと、私ども従来行なっておりますのは、まず環境基準というものを定める、その環境基準といいますのは、一応、行政上の目標値ということになっておりまして、そういう環境の中に生活しておれば病気等にならないということできめられているわけでございますけれども、これはいろいろ非常にむずかしい問題もございますけれども、ただいままでにきまっておりますのは、自動車に関連するものとしては、一酸化炭素だけしかきまっておらないわけでございます。炭化水素とか窒素酸化物――窒素酸化物は近くきまる予定でございますけれども、そういうものをきめることがまず先決でございまして、この環境基準をいかに守るかということで、発生源たる工場なり、自動車の実際の発生源の規制を行なっていくというのが基本的な姿勢でございます。
 ところが、このマスキー法の思想というのは多少違っておりまして、技術的に可能なところまでともかく減らしてしまえ、それがどのように環境に影響があるかということは二の次にして、少なければ少ないほどいいというような思想もあるわけでございまして、そういう点に、マスキー法の特異性といいますか、そういうものがあるわけでございまして、私どもがこれに対応します場合に、先ほどお話し申し上げましたように、本来ならば環境基準というものを定めて、それを守れるような規制基準をつくっていくというのが順序でございますけれども、それができずに、一足飛びに技術的な可能性の限界までも見きわめていかなければならないということで、あるいは先生御指摘のように、非常に姿勢が甘いんじゃないかというような御指摘があるかと思いますけれども、基本的には、決して私どもはそういうふうに考えておりませんので、その点は今後も十分きびしい姿勢で臨むようにしていくつもりでございます。
#159
○三木忠雄君 次に、排気ガス問題で運輸省に聞きたいのですけれども、具体的な排気ガス対策として、これは新聞に出ておった記事ですけれども、排気ガスを無料測定している中央区の自動車整備工場があるというんですね。これはお聞きになっていると思うのですが、こういうシステムも私は非常にけっこうだと思う。これには整備振興会も相当な犠牲をある程度払っているのじゃないかと思うのです。そういうサービスを兼ねてのいろいろの排気ガス無料測定をやっているわけでありますけれども、こういう問題については運輸省はどういうような姿勢で取り組んでいくわけですか。
#160
○説明員(隅田豊君) 先ほどの新聞記事、私たちも拝見いたしました。これは特に運輸省に相談があってやったことではありませんで、業界団体が自主的に独自でやったものでありまして、私たちとしては無料測定ということを奨励するということはちょっと問題があると思いますけれども、やはりチャンスをつかんでユーザの車の排気ガスのデータを測定しながらユーザーを指導するということは、これは整備工場の大きな任務でございますので、整備振興会等を通じて整備工場等に行政指導をやってまいりたいと考えております。
#161
○三木忠雄君 このデータによりますと、東京都内で走っている、中央、築地署など区内四署で調べた約千九十六台の車ですか、そのうち保安基準に満たない車は二百八十六台ある。四台に一台が道交法の保安基準をこえる一酸化炭素を排出している。だから、現実に光化学スモッグとかいろいろな原因は排気ガスだといわれても、これは具体的な事実だと思うのですね。こういう問題について、自動車整備振興会が積極的に排気ガスを無料測定しているということはもっともっと応援すべきじゃないかと思うのですが、この点については、経費がかさんでくるとかいろいろな点で問題があると思うのですけれども、やはり運輸行政としては、この排気ガス、あるいは国民の健康を守るこういう問題から考えたならば、こういう問題こそもっと積極的に取り上げていかなければならないのじゃないかと思うのですけれども、どうですか、取り組む姿勢について。
#162
○説明員(隅田豊君) まことにお説のとおりでございまして、排気ガス問題の中で、特に最近規制になっております一酸化炭素のアイドリング規制、これにつきましてはユーザーの自覚というものが非常に大きい影響を持つわけでありますので、ユーザーの自覚をどうやって促すかということが問題で、そのためには定期点検整備の励行とかということになってくるわけでございまして、そういうことをやる。ユーザーと申しましても、個々の、一人一人の、まあ商売人でない、普通の人たちでございますので、整備工場を通じて定期点検整備等、そういうことの指導をユーザーに対してやりたい。一方で、定期点検整備普及運動を私たちも一緒になってやっておりますので、こういうようなことを通じて、整備工場自体としておやりになることは悪いことではないと思いますので、将来はそういうことを含めましてユーザーの指導をしていくということをやってまいりたいと思います。
#163
○三木忠雄君 個々の指導はやっておると思うのですけれども、やはり中央区でのこういう例はいいですね。非常にけっこうな例だと思うのですが、こういう例はもう少し促進してほしいと思います。いろいろな費用の点とかあると思うのですが、口を出す以上、金も運輸省で出すぐらい、自動車の車検の特別会計がそれだけ余っているのであれば、こういう点にこそもっとサービスすべきじゃないかと思うのです。この排気ガス無料測定であるとか、こういう点はやはりもっと全国的な運動として積極的にやっていけば、この排気ガス問題も幾ぶんなりとも緩和されてくるのじゃないかと思うのです。特に、地方ではそれほど必要ないわけですけれども、六大都市とか、そういう主要都市においてこういうもののPR月間をつくるとか、いろいろな点をもっと積極的に進めれば、運輸省としても非常に好感を持たれるのじゃないかと思うから、運輸省はそういうところのサービス改善とか、あるいはそういうところに手を出し、国民の健康を守る一面にもやはり協力していくべきじゃないかと思うのです。これは運輸大臣、助成措置も考えながらもっと積極的に取り組んだらどうですか。
#164
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま御指摘をいただきまして、まことに奇特というと恐縮ですけれども、民間の整備工場が公害防止のためにそこまで積極的にサービスをしていただくということは非常に望ましいことでございまして、積極的に奨励することにつきまして具体的に検討していきたい、こう思っている次第でございます。
#165
○三木忠雄君 それでは次に、沖繩が返ってきまして、沖繩の復帰に伴って、やはり沖繩の整備業界が非常にまだ体質も弱いと思いますが、軍人、軍属の所有している車両ですね、これは現実に日本の道路運送車両法の適用を受ける、これは本土の米軍の軍人軍属の問題と同じだと思うんですけれども、この車両整備あるいは登録事務の具体的なやり方についてどういうふうに徹底されているんですか。
#166
○政府委員(野村一彦君) 沖繩の復帰に伴いまして、従来、沖繩において使用されておりました米軍の軍人、軍属の車両、これにつきましては当然、道路運送車両法が適用になるわけでございます。ただ、具体的の登録及び検査の事務をやりますのには、復帰後一年間という余裕をつけてございまして、その一年間の余裕期間の以内に、新たに登録を受け、そして検査を受ける体制を整えるということで、端的に申しますと、一年間の余裕つきの何といいますか、本土における米軍の軍人、軍属と同じような検査、登録の対象になる、こういう法の適用になっております。
#167
○三木忠雄君 そうしますと、沖繩の現在の整備事業、いままで琉球政府が単独でやっておったんですけれども、日本に復帰になって運輸省の管轄になりますと、特に軍人、軍属の車というのは非常に多いと思いますね、各他府県に比べてみれば、沖繩県の場合には。この車検登録あるいは整備事業と、沖繩県民の所有している自動車の車検業務、これとあわせて整備事業は私は相当拡大してくると思うんです。こういう問題について、やはり沖繩の整備事業と日本の整備事業の体質とは幾ぶん違っておるとは思いますけれども、どういう体制のもとに指導、育成強化をはかっていくのかどうか、この点についてお伺いいたします。
#168
○政府委員(野村一彦君) 沖繩の復帰に伴いますところの自動車の整備、またそれに関連する車検の問題は次のような制度になっております。
 まず第一に、沖繩の国の行ないます車検といたしましては、沖繩県陸運事務所というのが沖繩復帰と直時に発足をいたしまして、そして沖繩県陸運事務所におきまして検査をやるということで、いまもうすでに検査業務を開始する体制になっております。これにつきましては、琉球政府当時に検査関係の職員を三回ほど私どものほうに集めまして、そして講習及び研修をやって本土と同じような検査をやれるような準備をしてやりました。それが第一点でございます。
 それから第二点につきましては、沖繩にも指定整備事業というものが適用になるわけでございます。しかし、これが具体的に適用になり、実際に具体的な工場が指定されて民間車検を行なえるようになるのには、これはまだ若干日にちがかかると思いますけれども、体制としては指定整備事業の適用になっておるということでございます。
 それから第三番目は、従来、指定検査人として沖繩の琉球政府時代にやっておりました指定検査人が、六人の人がおります。この人は、復帰後二年間は暫定的に指定検査人の資格のままで継続検査について保安基準適合証を発行できるという制度になっておりますので、二年間はこの方々がやるということで、国の検査とそれから民間の指定整備事業と、それから指定検査人による検査と、こういう検査体制は三つの種類のものができてくるということで、二年後は本土と全く同じ、国とそれから指定整備事業者という制度になる、こういう体制になっております。
#169
○三木忠雄君 そうすると、整備業者に整備士ですね、この問題は二年後には――現実には整備業者は長年ずっとやっておりまして、整備士の資格を持ってない。長年ずっと左のハンドルばかりを整備しておった関係で、あるいは長年そういう教育といいますかね、技術専門で、確かに技術の面ではだれにも負けないけれども、そういう資格試験という問題になってくると非常にむずかしい、こういう問題で整備業者自身が困るような問題があるんじゃないかと思いますが、この問題についてどういう対策をとっておりますか。
#170
○政府委員(野村一彦君) 整備士につきましては、琉球政府当時、日本の道路運送車両法とほとんど同じような琉球の道路運送車両法がございまして、そして、その中にも、やはり整備士は二級整備士、三級整備士というランキングの制度があったわけであります。それで、琉球政府当時に、この二級及び三級の整備士の資格を持っておった方は、そのまま別段の措置を要せずに、本土復帰後、本土の道路運送車両法に基づく整備士に、それぞれ対応するランキングの整備士に相なるというみなす規定になっております。ただ、具体的に整備の技術等につきましては、いま先生がおっしゃいましたような左ハンドル、右ハンドルといったような、本土と沖繩との交通事情、車両の構造上の違いということがありますので、今後できるだけ研修、教習というようなことをやって、本土と同じような習熟度にしなければならないと思いますが、制度的には、琉球政府当時の資格というものは、そのまま、復帰後も、本土の同じような資格をみな与えられるということに考えております。
#171
○三木忠雄君 各県にある陸運事務所と同じような形態が沖繩にもできるわけでありますけれども、車検場の設置問題とか、あるいは他府県と違って軍人軍属の車が相当多いという、こういう実態を踏まえますと、検査要員も非常に少ない、あるいはまた民間の指定事業者の企業体質からいっても、非常に私は沖繩自身が民間の車検場をとるとしてもなかなか困難な問題でないかと思うのです。そういう面において、やはり各県にある車検場ですね、これやはり充実強化を、各県よりももっと充実させなければならないのではないか、あるいは検査要員を、各県よりも技術的にいってももっと多く派遣をしなければならない、あるいは任命しなければならぬのではないかと思いますが、この対策はいかがですか。
#172
○政府委員(野村一彦君) 現地の検査体制につきましては、いま申し上げましたように、沖繩県陸運事務所というところで車検をやるわけでございます。で、これは支所が二カ所できておる、八重山と宮古、支所が二カ所あるわけでございますが、なお沖繩総合事務局――現地の沖繩の総合出先機関の事務所であります。――その中に運輸部というのがありまして、その中に陸運一課、二課というのがございまして、二課というものは車検登録関係の指導をすることになっております。そこのスタッフには本土からも、総合事務局の運輸部長以下ある程度の人材をしぼって送り込んでおりまして、これらが現地の沖繩で採用の人と連絡を密接にとりながらやっていくということであります。また私ども必要に応じて、今後その技術者の研修、教習を中央でやるというときに、そういう現地の人々を迎えて指導したいということで、おかげさまで定員等も、全体で沖繩県陸運事務所が三十五人でございます。そのうち検査課が十二人、それから宮古支所が三名、石垣支所が三名ということで、他の陸運事務所に比べますと私は若干多目ではなかろうかというふうに考えます。
#173
○三木忠雄君 それから、これは警察庁のほうに関係のある問題かもしれませんけれども、運輸大臣にも関連した問題です。特に本土に復帰してから、いままで左ハンドルだったわけですね、今度、右移行になった場合に、やはり車の改善をある時点で――三年ですか、経過措置は。その後において構造改善しなければいけない。そうしますと、沖繩県民がいままで持っておった車というものは、その時点において非常に改善をしなければならないとか、いろいろな経費負担あるいは個人の財産の問題がいろいろからんでくるわけですね。こういう問題については、たとえばタクシーであれば営業車の構造改善とかいろんなことをしなきゃならない、そのために収入減ということは考えられるわけですね。沖繩現地の県民の声を聞けば、これはもういまの通行法規のほうが安全なんだと、これは確かに言われることはごもっともだと思います。しかしながら、日本に復帰した以上一つにしてしまうと、こういう国の施策である以上、それに従っているわけでありますけれども、この車の構造を改善するとか、あるいはいろいろ整備するとかという点につきましての個人の負担というものは非常にはく大な金額になってくる人もいると思います。この点については全然ノータッチと、こういういまの姿勢だろうと思うんですけれども、これは運輸省あるいはまた警察庁の問題にも関連してきますけれども、運輸大臣としてどういう見解をお持ちになっているか。
#174
○政府委員(野村一彦君) 通行区分帯の問題でございますが、これは警察の道路交通法の規定によって、そういう区分がなされるわけでございますが、先生御指摘のように、三年後必要な機会に通行区分帯を変えるということでございます。それに伴ってハンドル及び乗降口が切りかえられなければならないということは、そのとおりでございます。ただ、その中で私ども特に市民の日常生活と関係の深いバス、これが現在八百台ほどのバスがございます。そのバスは、実はいずれも非常に老朽バスでございまして、平均の車齢がたしか八・四年ということでございますので、このハンドルの切りかえがなくても、これはもうすでに老朽で、非常に塩害をこうむったバスでございますので切りかえなきゃならぬということで、私ども現在までのところは、これを三回ぐらいに分けまして、まあバスも企業の集約統合によって台数も減らさなければなりませんし、まあ大体六百台足らずのバスになるかと思いますが、それを一応三回ぐらいに分けまして、そして、その切りかえのことがなくてももう老齢車ですから、これを代替更新しなければならない。それに、今度できました振興何といいますか、振興開発公庫と申しますか、沖繩の特殊金融機関、これから長期低利の融資を得まして、そして、その代替更新をする。それに合わせて、その際を利用して、そのハンドルの切りかえをどういうふうにやるかということについて、いま検討を進めておりますが、大体は三年計画ぐらいで三回に分けて、そして、その車の代替をはかっていく、こういうようにしたいと。ただ最近、まあこれは情報でございますが、沖繩海洋博の関係で、その時期を繰り上げなければならないんじゃないかというのが情報として入っておりますので、さらにこの点につきましては、その計画を練り直して、そうして長期低利の融資等によって車の代替をやるというようなことを具体的に検討していきたいと思います。
#175
○三木忠雄君 まあバス会社等については問題ないんですけれども、個人の問題についてはそうはいかないと思うんですけれどもね。バス会社の場合は老朽車がいろいろあって、それを三年に一回代替するというようなことはできますけれども、個人の問題については、これはどうにもならない。問題がいろいろな点があると思うんですけれどもね。現実に海洋博、あるいは将来フェリーボートとか何か考えられているというような話も聞いているわけですね。そうしますと、海洋博あるいは沖繩国体等を考えた場合に、やはりこの自動車の利用というのは非常に有望視されてきておりますので、そういう問題が非常に話題になってきているわけですけれども、この営業車の改造のみならず、個人の所有している車、この問題については運輸省はノータッチと、こういう見解でございますか。
#176
○政府委員(野村一彦君) 自家用車のその更新につきまして、ことに通行区分帯の変更に伴う更新につきましては、運輸省としては、私ども道路運送事業の監督をしておるわけでございますので、その点は自家用車までは私どもちょっとこれは特別の措置は講じかねるというふうに考えております。
#177
○三木忠雄君 まあ、これは虫のいい話かもしれませんけれども、しかしながら国がかってに、この沖繩県民の声、われわれのほうは右を通りたいのだと、それを左に変えたんだからと、こういうふうな見解が非常に沖繩の県民の声の中に強いわけですね。したがって、この自動車の整備あるいは今後の構造改善といいますか、整備業者だけではなしに、やはり自動車の所有者に対する免税措置とか、いろんな優遇措置を考えながら、やはりそういう点も考慮したんだという姿勢は示していいんではないかと思うんですけれどもね。ただ、もう何もかもきょうから右だ、きょうから左だというような割り切った問題ではなしに、やはり沖繩県民が長年そういう問題で苦しんできた、この問題にもっと温情ある政策をとるべきではないか、運輸省は道路運送車両関係だけだからということではなしに、やはりそういう面から、運輸省としてもう少しこの自動車所有者に対する手厚い保護といいますかね、税金の問題とか、あるいは取得税の問題とかいろいろな点で考慮するとか、そういう点は考えられないかどうか、この点について。
#178
○政府委員(野村一彦君) その件につきましては、沖繩国会のとき沖繩関係の諸法案ができるときに、また当時の沖繩・北方対策庁あるいは総理府で議論がなされたようでございまして、私どもそれに関連する分については論議に参加したこともございますが、自家用車を含みます全般の自動車税制の問題あるいは自動車の構造変更の問題、こういう問題につきましては、やはりこれは沖繩開発庁と申しますか、そういうところの全般的な問題として取り上げていただきたいというふうに思います。私どもはいわゆる道路運送事業の監督という立場で、運輸省としては問題を検討していきたい、かように考えております。
#179
○三木忠雄君 それでは最後に、欠陥車の問題ですね、資料としていただいたんですけれども、まあ四十五年に欠陥車の届け出が三十四件、回収率が八八・二%、四十六年度の欠陥車の届け出件数が十八件で、回収率が約三六%と、こういうようになっておりますけれども、特に四十六年度に回収率が悪いという理由は何か根拠があるのかどうか。
#180
○説明員(隅田豊君) これは四十六年全体を足し算いたしますと、こうなったということでございます。この理由は、四十六年度の数字でございますから、たとえば四十六年十二月で締め切りますと、この回収率が八十何%かに上がります。と申しますのは、二月、三月に非常に台数の多い車の売り込みがあったんです。まだちょっと二カ月、三カ月というところなんです。これの回収率が非常に悪いもんですから、平均数字が非常に下がってしまった、こういうことでございます。
#181
○三木忠雄君 この欠陥車の回収の問題については、いろいろ新聞紙面等で公表されておりますけれども、運輸省として具体的にこの業界に対する指導、これは特に通産省の問題とも関連してくるのですけれども、特にメーカーについての、回収の悪いいろいろな欠陥部門があると思うのですね。こういうものについての具体的な資料はどういうふうにあがっておりますか。
#182
○説明員(隅田豊君) メーカーにはそれぞれの顧客名簿と申しますか、全国のディーラーのお客の名簿をほとんどのものが持っておりますので、そういうものを一〇〇%活用させながら、自宅訪問その他を含めまして回収の率を上げるような指導を実際にやっております。最終的には車両検査というものがございますので、車両検査の際に回収をすべき車が来ないようにということの注意を、これは整備事業者の関係でございますが、整備事業者を通じながら指導をやっております。
#183
○三木忠雄君 特に交通事故等の問題を、いろいろ警察庁のデータを調べましても、やはり軽自動車とそれから四輪車の問題とをいろいろ分析しますと、軽自動車は幾分少なくなってきていることはデータでは出るんですけれどもね。ただ、やはり交通事故の内容を分析すると、欠陥車の多いメーカー、そういう車の交通事故比率が非常に高い、これは常識的な問題だと思うのですけれども、これに対する指導というものが非常に甘やかされているのではないかどうか、そういう点が感じられるわけです。たとえば整備事業者のいろいろな声を聞きましても、この欠陥車の回収率というか、こういう点が非常に指導が手ぬるい、あるいは甘い、こういう点を私たち耳にしますけれども、やはり整備業者を通しあるいはメーカーに対する指導というものがこの欠陥車の問題に対する行政指導というものが相当手ぬるいのではないかと思うのですね。これはもっと積極的に私はやっていただきたいと、こう思うのです。いかがでございますか。
#184
○説明員(隅田豊君) お説のとおりでございまして、この欠陥車問題は、われわれとしてどんなシビアな態度をとってもシビア過ぎることのない問題であろうと考えておりまして、今後も、先生のお説を十分身にしみまして、厳重な監督をしてまいりたいと思います。
#185
○瀬谷英行君 いま欠陥車の問題が出ましたけれども、今回提案された法律の改正案は、軽自動車に主眼が置かれているようですけれども、こういったような検査協会の検査でもって欠陥車の発見というものはできるのかどうか、その点お伺いしたいと思うのです。
#186
○説明員(隅田豊君) 俗にいう現在話題になっておりますところの欠陥車と申しますのは、どちらかと申しますと、外観検査ぐらいではなかなか見つからない、ユーザーの使用段階に至って初めて欠陥が見つかってくるというケースがほとんどでございます。そういう意味では、この検査協会の検査におきましても、あるいは国の車両検査におきましても、検査の結果、これは欠陥車であるから回収しなければならないということを見つけることは非常に技術的にむずかしいであろうと思います。
#187
○瀬谷英行君 しかし、この欠陥車の問題は、やはり運悪く欠陥車が不測の事故にぶつかったりすると命をとられるということにもなりかねない。それで、欠陥車を発見をするために役所としても積極的な対策を講ずる必要があるんじゃないかと思うのですけれども、どうも欠陥車の問題はとかくうやむやに済まされてきたような感じがするわけであります。これをうやむやに済まさずに、欠陥車があったならば、これは欠陥車がどこの会社であろうとしかたがないんだから、これは思い切って明るみに出して、徹底的に点検をして、欠陥車を再び生じさせないようにするということのほうが行政指導としては正しいのではないかと思うし、当然そうなければならないような気がするのでありますが、その対策というのはどうもばく然としておってはっきりしないような気がするんですが、その点はどうですか。
#188
○説明員(隅田豊君) 欠陥車対策の姿勢が運輸省として消極的であるという御指摘であろうかと思いますが、われわれといたしましては、整備工場の整備結果その他のデータによるところの情報、あるいは一般の民間の市民、要するに自動車ユーザーからの情報、こういうものをフルに活用しまして、現実に世の中に売られている車についての疑問点というものを入手しております。こういうものを入手次第、メーカーの技術面と折衝しながら、これが欠陥車として全国的に回収をはかり、改善をすべき車かどうかという判断を下しております。それで実際問題としましては、情報は無数にございますが、これが確かに、明らかに設計あるいは製作のミスによる欠陥車であって、全国の車に手配して、これを回収させ、構造変更させなければならないというケースは、率で申しますと非常に少ないものではございます。しかし、やはりそういう情報を積極的に集めることが欠陥車というものを発見できる唯一の道でございまして、われわれとしても今後ともこの方向で進みたいと思います。その結果をわれわれも入手しまして欠陥車対策を行ない、全国に売られている車に対しての回収をし、部品交換なら部品交換、整備をするなら整備をするという手を打たせるということをやった姿が、先ほど三木先生にも御報告いたしましたような、たとえば四十六年度におきますと十八件、四十五年におきますと三十四件、こういう数字でございます。
#189
○瀬谷英行君 ユーザーの活用ということを言われたけれども、それは組織的にあるいは計画的にユーザーの活用によって欠陥車の発見といいますか、摘発、点検といったようなことが行なわれるような仕組みになっているのかどうか。それは運輸省としてどういうところが担当をして、たとえば、どういう形でこのユーザとの連絡をとって行なっているのか、その点お伺いしたいと思います。
#190
○説明員(隅田豊君) 営業車の場合には、これは一応、営業車というユーザーがはっきりしておりますので、接触ということは比較的簡単でございます。しかし、問題になりますのはほとんど普通の自家用車でございます。この場合にはユーザー自身が組織されているとは考えにくいものでございますから、われわれとしては一応、情報を待つという形になっておりますが、幸いにしてわりあいにこういう情報と申しますか、そういうものは提供してくれる方があるものでございまして、案外その件数が入っております。
#191
○瀬谷英行君 いま件数をあげられましたけれども、これはこの機会に、どういう車が該当したのか、どういう内容だったのか、報告してくれませんか。
#192
○説明員(隅田豊君) 手元にございますのが、四十六年度における欠陥車として回収された車について御説明いたしますと、四十六年度は日産自動車が五件ございまして、車はダットサンが三回、それからニッサンという車が二回でございます。それから本田技研のものが二件ございます。これは両方ともオートバイでございます。それから三菱のコルトが一回、それから東洋工業のマツダが一回、それからダイハツが一回でございます。これは、そういいますと、具体的な名前をあげますとトヨタが入っておりませんですが、たまたまこの年度に入っていなかったというだけで、決してトヨタだけが回収欠陥車が少ないということではございません。われわれ見ておりますと、大体平均しております。それからただいまの合計は、これは十件になりますが、これは国産車だけでございまして、あと、先ほど申しました、十八件と申しましたが、八件は、これは外車でございます。ちょっと外車の資料は手元に持っておりません。
#193
○瀬谷英行君 外車も、わかったら言ってください。
#194
○説明員(隅田豊君) ちょっと外車の資料を手元に持っておりません。件数といたしましては八件でございます。外車の場合は台数は非常に少なくなります。
#195
○瀬谷英行君 四十五年度の分もわかりますか。
#196
○説明員(隅田豊君) 四十五年度の詳細は、ちょっとまだ手元に持っておりませんが、もし御必要ならば後ほどお答えさせていただきたいと思います。
#197
○瀬谷英行君 それではいいです。
 これによるたとえば死傷事故といったような問題は出ているのかどうか。それから、それがたとえば訴訟問題になっているというような例があるのかどうか、その点もお伺いしたいと思うのです。
#198
○説明員(隅田豊君) 事故から出てきたというケースのものは非常に少のうございまして、その中で二件だけが、自動車事故がメーカーに上がってまいりまして、メーカーがその事故の結果を調べたので出てきた、それでメーカーが自主的にわれわれのほうに届け出たというものでございます。訴訟になっているかどうかにつきましてはちょっとわかりません。
#199
○瀬谷英行君 この法律案の提案の目的は二つの面があるわけです。一つは、安全性の確保であり、もう一つは、公害防止ということになっております。ただ、安全性の確保といい、あるいは公害防止といっても、対象を軽自動車ということだけに限定したのでは片手落ちになると思うのですね。もういまや車の安全性の確保という問題は、単に軽自動車だけに限らないわけです。
 まず、その安全性の問題からお伺いしたいと思うのでありますけれども、これは先般も、新幹線にもああいう事故がありましたし、東西線にも事故がありました。それからバスの爆発事故なんというのもありました。乗りもの恐怖時代などというふうに新聞に書かれているわけなんですけれども、たまたま不幸な死傷者がなかったというだけで、まかり間違えばとんでもないことになるわけです。それだけに、安全性の面からいうと積極的に取り組む必要があると思うのです。ただ、この法律案のように、点検整備ということに主眼を置くと、やり方としては消極的になると思うのですね。こういう消極的な面ではなくて、むしろ積極的な面から、安全性の問題に取り組む必要があるんじゃないかという気がいたしますね。そうしてみると、たとえば、運輸省自身がこの安全性を十分に具備した車を開発をするといったようなことをやってもいいような気がする。いままで、車なんというものは全部メーカーまかせ、それぞれのメーカーがせっせと競争するだけで、それで広告には時速百何十キロなんてことが出ているわけです。日本の道路は時速百何十キロで遠慮なく走れるような道路というものはあまりないわけだな。ところが一方では、実際には百何十キロというスピードを売りものにして、大いに売らんかなの商魂たくましく、自動車を普及さしているわけです。こういう点は野放しにしていっていいものかどうか、疑問に思うんですよ。日本の国土の実情に合うように、スピードの規制もしなければならないし、安全性ということを特に慎重に考えた車を開発する必要が私はあるのじゃないかと思うのですが、そういう点で、たとえばスピードの面をもう少し制約をするとか、あるいは衝撃にたえるとか、あるいは設計の面でも十分な配慮を加えて、安全面を考慮するとか、そういう一つのモデル車両といったようなものを運輸省自身が指導をして開発をするといったような努力が行なわれてもいいじゃないかという気がいたしますけれども、その辺のところはどうですか。大臣に御意見を伺いたいと思うんですが……。
#200
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 安全車の問題につきましては、まあ交通・輸送機関の安全確保ということにつきましては、それを操縦する人的の面、そうしてまた構造の面、保安施設の面、いろいろございます。それらをみんな合わせまして安全対策をしなくちゃいけない。いま御指摘がございましたように、先般来の事故は幸いにいたしまして大惨事になりませんでしたが、これは一歩間違いますれば大惨事にもつながる。こういうようなことでございますので、先般、両次官以下運輸省の幹部を集めまして、安全対策につきまして、陸・海・空全体にわたりまして、新しい角度によって総点検をするということをきめました。ただいま要綱を作成をいたしまして、それぞれの機関に渡すとともに、私の気持ちを――運輸省の皆さまに十分安全の確保についてわかっていただくように、特別に私の気持ちを伝える訓令と申しますか――をつくりまして、ただいま運輸省の皆さまに十分その趣旨を徹底するというつもりでやっている次第でございます。
 いまの自動車の安全車の問題でございますが、実は、昨年、私ども日米経済貿易会議に出席をいたしまして、向こうのボルピ運輸長官と私と会議を持った次第でございますが、その点におきましても、お互いに安全車の開発ということで協議の一致をみた次第でございました。日本といたしましては、ただいま安全車の開発をトヨタまた日産、それから小型車につきましてはさらに本田に命じまして、せっかく安全車の開発を、いま試作をさせている次第でございます。実は、この六月にアメリカ運輸省の主催で運輸博覧会が開かれますので、それまでにぜひ間に合わしたいということで、向こうでもそれを望んでおりますし、私どもも強くそれを要請した次第でございますが、なかなか研究に手間どりまして、来年の末までにはトヨタ、日産のほうはできる、本田のほうは再来年になる。こういうようなことで進んでおる次第でございまして、いまおっしゃいましたように、安全車の開発ということが一番の問題――先ほど来の当委員会、また昨日からの御指摘もございましたが、やはり一番もとの構造上におきまして欠陥がございまして、いたずらに検査機関に負担ばかりを加重するという点にもなりまするし、何と申しましても、もとが大切でございますので、そういったような欠陥車のないよう、さらに進めまして、いまお話しのございましたスピードの制限であるとか、あるいはまたそれの衝突の防止のための装置であるとか、エンジンの面からも、あらゆる面におきまするところの安全車の開発にせっかくつとめておる次第でございます。
#201
○瀬谷英行君 いま大臣の御答弁で、トヨタ、日産、あるいは本田等に安全車の開発を命じているということでありますけれども、展覧会用に一台、二台展示をされるというだけで終わってしまったんじゃあまり意味がないと思います。つくるならば、これがやはり普及するような安全車でなければならぬと思うのですね。自動車展覧会でもの珍しく眺められるというだけに終わってしまったんでは意味がないだろうと、こう思います。そこで問題は価格の点になると思うのです。価格の点でコストを安くして、大量生産できるといった形にならないと普及はすまい。ドイツのフォルクスワーゲンという車は――国民車という意味だろうと思うのでありますが、あれがはたして安全という面でいいかどうかわかりませんけれども、国民車という形でもって普及をしているということは、価格、性能の点で何かやはり国民に受け入れられるものがあったような気がします。いまの日本の車は、価格なり性能ではなくて、もっぱらPR、広告合戦でもって、売り込み競争でもって、売り上げを増しているという状況であって、必ずしも利用者が、その車を十分検討をした上でよろしいということになって、購入しているとばかりは言い切れないような気がいたします。そこで特に安全の面からいうならば、事故の原因は一体何が一番多いだろうかということをまず調べてみる必要がある。その調査の結果に基づいて安全対策ということを考えられるべきだと思うのであります。たとえば最近の一番新しい例はわからないかもしれませんけれども、わかり得る範囲内で、事故の原因というのはどういうことが一番多いのかということは、統計的にもわかっておるのじゃないかと思いますので、その点をお伺いしたいと思います。
#202
○説明員(隅田豊君) ただいまの先生の御説は、事故の原因と申しましても、おそらく車の構造に基因するという意味でございましょうと思います。そうでございませんと、車の事故の原因の大部分は、やはり何と申しましてもドライバーの原因になってまいります。車の構造というのが直接的に事故の原因になる場合よりも、やはりちょうど人間の健康状態のようなものでございまして、全体に車の調子がどこか悪い。たとえばブレーキが甘いとか、そういうようなことがいろいろな事故を誘発するというような意味で、車の性能等も整備状況というものできいてくるわけであります。統計上の処理から、こういう原因で事故が多いということはちょっとむずかしいかと思います。
#203
○瀬谷英行君 警察庁の分野になるかもしれませんけれども、そうすると車の調子のほかに、いわゆる年間の事故件数から見て、どういうことが原因になっておるかということはわかりませんか。
#204
○説明員(隅田豊君) いま申し上げましたように、車の構造のあれですと、たとえばブレーキがきかないから事故が起きたとか、こういうようなことというのは非常にまれなケースでございまして、必ずしも多くないわけでございます。それで、たとえばヘッドライトが消えていたといっても、そのために事故に必ずしもならないものでございますから、車の構造と事故とを統計的に直接結びつけるのは比較的むずかしゅうございます。
#205
○瀬谷英行君 たとえば飲酒運転だとか、あるいはよそ見だとか、あるいはスピードの出し過ぎだとか、そういうようないろんな問題があると思うんですけれども、そういう人為的な事故件数から申しますというと、どういうことが多くなっているわけですか。
#206
○説明員(隅田豊君) 人為的な原因によります事故は警察統計になりますので、ちょっと私記憶で申し上げさしていただきますと、かなり多い。上位を占めておりますものは速度違反と、それからわき見運転と飲酒運転というふうに聞いております。これはちょっと正確ではないかもしれません。大体警察のほうで多いというのはそういうものだそうでございます。
#207
○瀬谷英行君 そうなると、結局まあ速い車というのは、あるいはスピードを出した場合の車というのは事故の率が高いということになるわけですね、結局は。だから、スピードがのろければのろいほど事故の割合が少なくなる。人力車だとかかごの時代は、したがってあまり事故がなかったということになるだろうと思いますがね。そこで、そうすると、今度はスピードが元凶ということになるんでしょうけれども、それでは事故を防止するためにスピードの出ないような車の構造というものを考えたらどうかという気がするんです。たとえば万博なんかで会場をゆっくり走っている車がありましたね。あれでも事故を起こした例はあったらしいけれども、あんまりスピードが出なければ、事故の割合も、あるいはぶつかったけがの状態もわりあいと軽く済むんじゃないかという気がする。だから、たとえばある程度のスピード規制を構造上行なっちまう、そういうようなことはできないのかどうかですね。もっとも、あんまりゆっくりしてても役に立たぬから、そうかと言って私は百何十キロもスピードは必要ないと思うんですよ。急行電車だって百キロそこそこですからね。何で込み合う道路を百キロで走らなきゃならないんだと。走れるから走るんだと、こういうやつが出てくるんです。山があるから登るんだという話がありますけれども、スピードが出るから走るんだと、こういうやつが出てきますね。出したくてもスピードが出なければ、それだけ安全度が高まると思います。たとえば五十キロなら五十キロ、四十キロなら四十キロぐらいにスピードを押えられちまって、それ以上はどんなにアクセルを踏んでもスピードが出ないといった車をつくって、これは一つの安全モデル車であるというふうにして、そういう車をたとえばわりあいと安く売るようにすると、こういう方法は考えられないものかどうかですね、この点はどうですか。
#208
○説明員(隅田豊君) 基本的なものの考え方といたしまして、スピードが高いほど人間の反応はやはりむずかしくなりますし、衝突した場合のエネルギーは大きくなりますし、やはり事故の結果も大きくなる、これはもうお説のとおりであります。現在までの世界的な傾向といたしましては、自動車のスピードは高くなる一方でございます。しかし、最近になりまして、これはもう自動車関係の技術屋の中で自動車のスピードというものが野放しにどこまでも高い方向に行くことがいいかどうかという反省が行なわれ始めております。そういう意味では先生のお説は非常に将来に向けての一つの御意見だと思います。
 ただいまの最後の先生の一つの御提案で言われました非常に低速、四十キロなら四十キロぐらいの車をつくって、これを特に優遇するというようなことを考えてまいりますと、もう一つの問題は、スピードの速いものとおそいものが混在するということは、これは非常に望ましいことではございません。やはりできれば同じスピードでみんな走らせるということ、これが一番必要なことでございます。そういう意味で考えますと、やはりそういうものを優遇してとか何とかいうことよりも、ある一定の速度範囲内に車を押えつけていく、そうしてその範囲内で技術の知恵をしぼって安全な性能を持った車をつくっていくというのがやはり一つの行き方だろうと思います。現在そういう意味で自動車の最高速度というものは反省期に入ってきておるということは事実でございます。
#209
○瀬谷英行君 そうすると、通行区分も考えてみる必要が出てくると思うんですね。市街化区域と調整区域というのがありますけれども、自動車の走行区分もスピード区域とゆっくり区域をつくって、それで町中は三十キロなり四十キロ以上は出さぬ。どっちみち、いまのように渋滞していればバスなんかの平均スピードは十何キロでしょう、十キロそこそこです。あれじゃマラソンのほうが速いです。これじゃいけないと思うんですよ。だから同じぐらいなら、同じスピードが出ないならば、町中は全部スピードを押えてしまう。そうすれば平均速度がちょっと上がるのじゃないかと思うんですね。バスだって少しはましに走るよなことになるのじゃないですか。まあ高速道路のほうは高速道路で、これは百キロでもよろしいと、こういうふうに区分してしまう。高速道路でまあ百キロ以上出して事故を起こすのは、これは自業自得だと、こういうふうにするほかないと思うんです。で、こういうような一つの通行区分等も考え、それに合わせるように車両も製造すると、こういう方法でもって事故防止というものはできないのかどうか。そういうくふうを車両メーカーにやらせようったって、のろい車をつくって売れないのじゃしょうがないと思うから、つくりませんわね。これは、だから、やはりちゃんと入れものをつくっておいて、そうして用意してやるというふうにしなければならないから、まず制度そのものを考えて、そうして運輸省のほうで車両メーカーに対する指導を厳格に行なうという方法で安全性を確保するということができないのかどうか、これはまあ私の構想なんだけれども、こういう方法がとれないものかどうか、これも大臣にお伺いしたいと思います。
#210
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 自動車のスピード制限、これを区域によって差別をする、確かにそのとおりでございます。もうすでにこれもスピード制限は警察庁、公安委員会でやっている仕事でございますが、さらに具体的には禁止あるいは制限している次第でございます。これを機械化によってやれと、こういう御趣旨だと思う次第でございまして、私も確かに市街化地域の非常に自動車の多いところで――先ほどから御指摘がございましたが、無公害車の場合におきましても、郊外を走っている場合より、もう車がふくそういたします大都市を走るときが非常に多い――排気ガスのいろいろの有害物質の分量も非常に違ってくる、こういうふうに思う次第でございまして、それゆえにいま通産省で開発をあれしているといっておりますが、電気自動車の構想というのも、都会地におきまする一つの安全無公害のモデルとしてはやはりこれから適当な問題が提起されるのじゃないか、こういうふうに思っておる次第でございます。ただいまの問題は、そういったような構造上の点につきましては、たとえば六十キロ以上、七十キロ以上になった場合には音が非常にするというような車に私も乗ったことがございます。たしかそういう車もございますが、これはまあはっきり法律上規制をしているかどうかという問題がございますが、すでにそういったような車が市販されております。おりますけれども、それを法的に規制するかどうかという問題、これはやはり全体のスピードがどのくらいが安全であるかどうかということは、もっぱら警察庁、公安委員会の問題でございますが、私どもも連絡をとりまして、それらの点で法的規制が必要かどうかということも検討してまいりたい、こういうふうに思っております。
#211
○瀬谷英行君 警察のほうに規制をゆだねるということになると、やはり限界があると思うのです。これは実情がよく証明をしておると思うのですよ。やはりもとのほうで、たとえば車というものがまるっきりなくなってしまえば――まるっきりなくなるというのは極端ですけれども、そうなれば事故が起きなくなるわけだけれども、そうはいかないので、車の大きさを制限する、あるいはスピードを殺す。こういう方法でもって、用途別に考えてみたらどうかという気がするのです。いまこの周辺で――都心でもって特に渋滞をする時間帯になりますと、車なんていうものは全く歯がゆい乗り物になるわけです。走っていくのと大差がないようで時間の浪費ですね。それだってガソリンを使わないわけじゃないのですね。ガソリンを使いながら待たされておるだけでしょう、排気ガスをまき散らす。公害のもとになるというだけなんです。だから、たとえばタクシーならタクシーというのは、統計をとってみて、一体何人のお客が乗るのか調べてみたらいいと思うのです。私は、三人、四人、五人と乗るというのはあまりないと思うのです。見ているとたいがい一人か二人です。一人か二人乗るのに幅二メートルぐらい、長さ四メートルぐらいの鋼鉄の乗り物が走り回るということになるのです。ですからこれは道がふさがるのが当然なんですよ。道路のほうをかってに広げるということができないということになれば、しかたがないから入れものを小さくするということを考えるほうがいいんじゃないか。ふしぎなことに軽自動車、ここでは軽自動車が問題になっておりますけれども、軽自動車のタクシーというのはないのですね。あまり見たことがない。タクシーなんかは軽自動車で間に合う、大きさからいうと。昔はせいぜい人力車だったんです。人力車で間に合ったわけです、明治時代は。だからそういうことを考えてみると、人力車並みのあれじゃちょっと狭いかもしらぬけれども、あのくらいの幅でもってしかもスピードもそんなに出ないといったような車両をつくれば、騒音もなければガソリンの消費量も少ない、それで二人ぐらい乗せる。そういったタクシー、東南アジアなんかによくそういった類似の車が走っておりますが、ああいったようなもので間に合うんじゃないかなという気がする。いたずらにみえを張って、大きな車に一人か二人しか乗らないで走るというのは、考えようによっちゃもったいないです。そこにむだがあるような気がするのです。これは結局、自由競争でもって自動車メーカーにまかせておけばむだがあろうと何であろうと、大きな車は乗り心地がいい、スピードが速いということでもって、いまのような車が普及することにならざるを得ない。だからそういう点をもう少し検討して、小型で乗り心地がよくて静かで、公害の点も十分に考えて、排気ガスもあまりまき散らさないといったようなモデルカーをつくると、こういうことが行なわれてしかるべきじゃないかという気がいたします。これは社会主義社会であろうと資本主義社会であろうと、このむだを排除するという点では、これは別に分け隔てする必要はないと思うんでありますけれども、そういったことを考える必要がないかどうか、その点をお伺いしたいと思うのです。
#212
○政府委員(野村一彦君) ただいま瀬谷先生の御質問でございますが、実は、私ども運輸省におきましても、特に都市交通の最も安全で、無公害で、そして合理的、効率的なあり方というものについて研究をいたしておるわけでございますが、これは官房が中心になり関係各省が協力をしてやっておりまして、その中で通産省のほうでもそういうことで検討しておりますが、新交通システムの開発研究という題目でございまして、その中で運輸省の関係部局が寄り集まって新しい研究開発をやっております。それは民間におきましても、たとえばCVSといわれておりますコンピューターコントロールビークルシステムといわれておりまして、これは一人ないし二人が乗るくらいな、かごを大きくしたような程度の小さな車でございまして、これが一つの何といいますか、まあいわばレールのようなものを網の目のように都市の中に走らせて、これをコンピューターで全体として操作させて、そして個々の車に一人あるいはせいぜい二人くらいの人が乗って、レールの上を走っていくというようなシステムでございます。これはまだ研究段階でございまして、一部はミニチュアをつくって実験をしておるというようなものもございますが、ただいま先生がおっしゃいましたような思想を取り入れて、新都市交通開発システムというようなものの研究を総合的にやっておるものでございまして、そういう意味でまだまだこれが実際化するのには、技術的にも、コストの面でもいろいろ問題があろうかと思います。研究の方向としては、運輸省としても、組織的にそういう問題を取り上げております。また民間の団体等にも研究を委嘱しておるということでございまして、そういう方向の研究開発を今後さらに進めて、これが実用化されるようになることを私どもも期待をしておる次第でございます。
#213
○瀬谷英行君 この提案理由の中に安全の問題と公害の問題があるんです。公害の問題は、これは三木委員もだいぶこの点をついておられましたけれども、排気ガス、もちろんこれは重要だと思うのです。これを規制しなければならぬということは、東京のように空気の濁っているところについては緊急な問題だと思うのです。排気ガスの問題については先ほど相当触れられましたので省略いたしまして、騒音の問題にちょっと触れてみたいと思うのですが、軽自動車だけではなくて、たとえばオートバイだとかバイクなんかでも相当やかましいのが多いわけですよ。そのやかましいのを深夜に乗り回すなんというのは迷惑千万な話ですね。ところが、ああいうものを取り締まるといっても相手が早いわけですし、特に夜なんかやかましくてもつかまえようがないわけですよ。だからやはり車両の構造を根本的に考えて、音の出ないような、全然出ないというわけにいかないだろうけれども、あんな機関銃のような音は間違っても出せないような車でなければ売れない、売っちゃならぬというふうにしたらいいじゃないかというような気がするんです。この点は軽自動車であろうと、特にダンプカーであろうと、二輪車であろうと共通の問題なんですけれども、音の規制というものをもう少し政策の面で、メーカーの段階でもっと規制をするということができないのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
#214
○説明員(隅田豊君) 昨日も小柳先生から二輪車のことについていろいろと御質問があったのでございますが、一応規制といたしましては、道路運送車両法の保安基準なり省令でもって騒音に関しての規制がいろいろございます。その中で二輪車については普通に走っている状態で七十四ホン、加速状態でございますと八十六ホンないし八十四ホン、こういう数字で押えております。そうしますと、この加速状態の数字というのはそんなに低い数字じゃございません。確かに深夜住宅地でもし急加速しながらオートバイが走り回るといたしますと、家屋構造その他の事情があると思いますけれどもかなりな騒音になるだろうと思います。道路条件その他を勘定いたしますと、環境基準にはなかなか合わない数字ではないだろうかと思います。これをそれじゃどこまで下げられるかと申しますと、率直に申しまして現在のような二輪車を許す限りは、まず一番下げてこの程度。われわれといたしましては、ただ問題になっておりますのは、ユーザーがオートバイのマフラー、消音器というものがついておりますが、これを改造したり、あるいはかってに取りはずして音がかえって出るようにするということで、音の出ることに快感を味わうということがオートバイを使うユーザー側に非常に多うございます。こういう状態になりますと、メーカー段階で幾らちゃんとしたものをつくっても、やはり取り締まり面でユーザーをある程度押えていかなければ、何ともならないという問題がございます。将来、技術的に、もしこれが下げられるようになれば、われわれはどんどん基準は下げていこうと考えております。
#215
○瀬谷英行君 マフラーをはずして、わざと音を出すというやつは、これはたちが悪いと思うのですよ。しかし、こういう連中を甘やかす必要はないと思うのですね。大きな音を出して快感を味わうというのは、近所迷惑もいいところですからね。だから、そんな連中は車を没収して懲役何年というくらいの厳罰主義をとったらいいんじゃないかと思うのですが、ところが、いつだったか、公害の委員会で私そういうことを言ったら、山中長官が、なかなかそこまではどうもと、口をにごしてしまったわけです。何でそういう点について、もっと勇気を出せないのか、私はふしぎに思うのですね。これは運輸省の所管でないかもしれないけれども、やはりマフラーを故意にはずすという場合には、そういう者に対して、警察のほうで、微々たる、力の及ばない取り締まりで何とかするということではなくて、根本的には、そういうことをやった者に対しては厳罰主義をもって臨むという、法律面での対策というものが必要じゃないかという気がいたしますが、それはどうですか。
#216
○政府委員(野村一彦君) 確かに先生のいまおっしゃいますように、現在の保安基準というものは、その基準に合わなければ車を動かしてはいけないというだけでございまして、そいつに刑罰を科する、あるいは罰金を科するということにはなっておりません。しかしながら、現在の騒音の非常な激しさ、それが安眠その他の妨害になり、あるいは病人にとって非常な悪影響を及ぼすというようなことからかんがみて、これの規制をきびしくするということは私どもも賛成でございます。ただ、具体的にどういう刑罰ないし罰金等の制裁の方法がいいのか。これはまた私ども、意のあるところを――先生の御意思を警察等に伝えまして、そして取り締まり面からの強化ということと、それから構造面の強化――これは私どもと通産省で検討すべきことだと思いますが、そういう点を総合的な立場から検討していくように、よく警察その他にも伝えて、そして一緒に研究していきたい、かように思います。
#217
○瀬谷英行君 この、いまの問題はどうもふしぎでならないのだけれども、こういう、不注意でもって音を出したというのとわけが違う。自分でもってわざわざマフラーをはずすんだから、これは完全に故意でやっておるわけです。故意で大きな音を出して、かってに喜んでいるわけですから、こんな者は情状酌量の余地がないのだから、車を没収して懲役刑にしても――かなりの厳罰を科しても、これは行き過ぎということにはならぬと思うのです。だから、そういう問題については、私はもっと厳然たる態度をとってしかるべきじゃないかと思います。運輸省みずからが、そういう違反者に対して――騒音公害をまき散らす者に対して厳罰主義というものをとって、法による規制をやるという状態を示すべきじゃないかという気がするんです。これは警察庁にまかしておいても、警察庁の分野の問題だけではないという気がするんですね。もし、私の意見が行き過ぎだというなら、これは大臣からも御指摘願いたいと思うんですけれども、大臣としてはどう思われるか。もしそういう、私の言っていることが正しいと思われるならば、これは思い切ってその騒音公害を防止するための一つの政策として、断行すべきじゃないかと思うんですが、どうですか。
#218
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまのお話は、道交法の運用の問題になってまいります。また、道交法の内容の問題であると、こう思う次第でございます。御趣旨は十分了解をいたします。それらの御趣旨を踏まえまして、公安委員会とも連絡をいたしていきたいと、こう思っておる次第でございます。
#219
○瀬谷英行君 それから、先ほどちょっとお話がありましたが、沖繩の右側通行ですね。これを左側にする問題がありましたけれども、外国では比較的右側通行のところが多いようですね。イギリスは左側通行だということですが、ヨーロッパのどこだったかが、左側通行を右側通行に変えちまったとかいうところがあったわけですが、日本の場合は、沖繩と本土でもって、左側と右側で違っているのは、間に海があるから何とかなるかもしれませんけれども、陸続きだったら、やっかいなことになるわけですね。これまた、こういうふうに区分がまちまちだと、事故のもとにもなるような気がするので、こういう問題は統一しなきゃならぬと思うのでありますが、沖繩を日本本土に右へならえさして左側に――右へならえさして左側通行というのはおかしいけれども、左側通行ということで日本は統一をしていくのかどうかですね。たとえばヨーロッパにならって、将来右側通行に変えるといったようなことを考える必要があるのかどうか。左側通行なら左側通行で、あくまでも通していくということなのか。これは右、左――別にイデオロギーの問題じゃないと思うんですが、その点はどうでしょうか。
#220
○政府委員(野村一彦君) ただいま先生の御質問の件、実は、これは警察の問題でございまして、したがいまして、私どもはちょっと、責任ある立場から、明確なお答えはできかねるわけでございますが、私の知っている範囲のことを申し上げますと、今度の沖繩関係の法案をつくります際に、日本が国際道路交通条約を批准をして、これを実施しておる関係から、国内に二つの通行区分があってはいけないということから、沖繩が本土にならうということになったと聞いております。ただし、それを一ぺんにやるということには種々の点で支障があるから、一応三年をめどとして、三年後のある時期にということで、沖繩も本土並み、通行区分も本土と同じように左側通行に統一されるということになったと聞いております。したがいまして、現在の沖繩の復帰に伴う関係法令の調整におきましては、三年後、政令で定める日に、沖繩が本土並みの通行区分になるということが、法律上確定をしているわけでございます。そういうふうに私どもは承知いたしております。
#221
○瀬谷英行君 左側通行と右側通行と、一体どっちのほうがぐあいがいいのかですね。これは一よくても悪くても、簡単に変えることのできない問題ではありますけれども、国によってまちまちだし、われわれも、右側通行の国へ行くとまごつくわけなんですけれども、地続きの国なんかでは、隣の国と違っておるというのは、まことにまずかろうという気もいたします。日本のように、海に囲まれておりますと、隣のソビエトがどうだろうと、中国がどうだろうと、朝鮮がどうだろうと、あまり関係はないかもしれませんが、根本的には、右側と左側と、どっち側の通行が便利がいいのか。特に、これはどっちでもたいした差はないものかどうか。その点、研究をされているかどうかわかりませんが、参考までにお伺いしたいと思うのですが。
#222
○説明員(隅田豊君) 道路交通関係の問題は、どうも、専門じゃございませんので、責任をもって答えられるかどうかでございますが、一応、聞いておるところを申し上げますと、私がいままで警察関係の専門家の方に聞いた限りでは、きめ方であって、あまり問題はないのだというふうに聞いております。
#223
○瀬谷英行君 これは沖繩の問題に関連して聞いたんですけれども、左側通行と右側通行の問題なんですが、これは車だけじゃなくて鉄道なんかの場合も、日本の場合は左側通行になっておるわけです。将来これを右側に変えるということになると、これはたいへんなことになるんじゃないかなと、よけいな心配をしたからお聞きをしたわけなんでありますけれども、もし世界的にこういうものを統一するという必要が出てくるということになれば、日本だってそれにならわなければならぬという気がいたします。それでお伺いをしたわけでありますが、この問題は運輸省ではちょっとそこまで心理的に研究をされたわけでもないようでありますから、その点は省いておきまして、最後に総合交通体系の中で考えなきゃならぬ問題について大臣にお伺いしたいと思うんです。先ほども私がお伺いしたのは、たとえばタクシーなんかの場合は大体そんなに大ぜい乗ることがない。あれは小人数で乗る乗りものなんですね。ところがバスの場合はある程度の人数を運ぶものです。交通手段としては、大量に高速に運ぶ鉄道だとかあるいはバスだとか電車だとか、そういうものと、それから小人数を運ぶハイヤー、タクシー、こういうふうに区分されると思うんですよ。ところがいまでは道路事情がちっともよくならないのに、いたずらに相当大型の車がタクシーとして、ハイヤーとして使われておる。これは小さな車にかえようとしても実際問題として、どういうわけだか知らぬけれども、小さな車にかわらない。だから交通体系を考えるならばバスならバスの運行を確保する必要がある、都市交通では。ところがワンマンバスなんかの場合は人手が足りないからワンマンになった、そういうことになって、しかもいろんな労働条件の悪い問題と危険の問題が出てきているわけですね。だから相当スムーズにバスが、あるいは電車が走れるようになれば無理にマイカーを使ったり、あるいはタクシーを使わなくともそういう公共の乗りものを利用する人は多くなる。ところが、現在ではそういう公共の乗りものが間に合わない、役に立たないからマイカーがふえる。マイカーがふえればますますバスや電車のほうが走れなくなる、こういう悪循環を繰り返している。だからその悪循環を断つためには、そういう乗りものの利用区分というものをはっきりさして、そしてバスならバスを優先的に走らせる――これは道路行政の面で考える。それから車の場合――小人数で済む場合はむしろ規制をしてしまう。たとえばタクシーの場合は軽自動車より大きなものは許可しないといったような形で規制してしまう、あるいはさっき私が申し上げたように、全然新しいごく小さなものをつくって――人力車より少し大型程度の新しいミニカーをつくって、そういうものをタクシーに充当する、こういうふうにしないと、日本のようにいまさら簡単に道路が広がらないというところではだんだん麻痺状態がひどくなる一方だと思うんです。それと同時に、公害も交通事故も多くなってくると思うんですね。こういう問題を根本的に解決をするための勇断をふるう必要が運輸省としてあるんじゃないかという気がするわけです。その点を最後にお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#224
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 確かにいま瀬谷先生から御質問いただきましたとおりでございまして、大量輸送機関といたしましては鉄道、あるいはその次におきましてはバス。タクシー、乗用車というものはほんとうに少数の方でございますから、むしろ交通空間を占用する幅の少ないほうがいい。――御承知のとおりでございます。しかし、それを直ちに法的規制でやっていくかどうかという問題があるわけでございまして、私どもできるだけやはり一般の住民の自由意思を尊重してやっていきたい。実は、私その点で先般タクシー料金の値上げをいたしました。料金の値上げは、私はしたくなかったものですから、なるべく小型車にしたらどうか、そうすれば料金の値上げをしなくても償却費も少ないし、ガソリン料も少なくて済む。いままで大きなタクシーに乗っていたものが小型車になっても同じ料金なのかといわれるかもわからぬが、現実にふところから出る金は変らぬなら、そういうふうにしたらどうかということを盛んに話したわけです。ところが、いま小型車をある程度やっているのは軽自動車よりも少し大きいわけです。それで最初、京都だけが大体六大都市ではやっている、あとのほうは東京なんかを含めたらどうなんだ。小型車のほうをうんとやったらどうかといったら、乗用車へ乗る者が非常に少なくなる、やはりなるべくふんぞり返って少しデラックスな車に乗りたい。こういった需要が非常に多く、私の小型車案はどうも現実的じゃございません、こういうことでだめになった次第であります。それらの点はこれからの問題といたしまして、いまお話がございました製造の面で、たとえば電気自動車にするとか、いろいろ小型車の経済的なものをつくらす。それで経済効果と両方をねらうとともに、やはりいまの道路需要にかんがみまして、何と申しますか、できるだけ一般の利用者の方がそういう小型車を利用するというふうに持っていかなくちゃならぬ。法的規制をすべきかどうかということはさらに検討が必要でありますが、どうしても持っていかなくちゃならぬ。それからただいまのところ、やはり優先レーンと申しますか、専用レーン――バスにおけるこれはぜひともふやしてまいりまして、やはり大衆の輸送機関として優先さしていかなければならぬ、こういうふうに考えている次第であります。いまの先生のお話は、十分私はわかっている次第でありまして、それらの規制というものをいついかなる時点においてすべきか、どの時点ですべきかということは十分これから勘案してまいりたい、こういうふうに思っている次第であります。
#225
○田渕哲也君 いままでたくさんの委員の方が質問されておりますので、中には若干重複する面もあろうかと思いますけれども、質問の順序の関係であらためてお答えをいただきたいと思う次第でございます。
 まず初めに、今回の道路運送車両法の改正によりまして、軽自動車の車検を実施するということでありますけれども、この軽の車検を実施する理由について、これは提案理由の中に書いてありますけれども、あらためてお伺いをしたいと思います。
#226
○説明員(隅田豊君) 提案理由でも大臣から御説明申し上げたとおりでございますけれども、軽自動車の検査を新しく実施いたします理由は、まず従来は一応事故率が一般車に比べましても比較的小そうございましたし、軽自動車の保有台数が、これも三、四輪につきましては比較的少ない、それから性能その他も、たいして速度も出ないであまり問題にならないような車であった。しかしそれでございますので、いままでは主としてユーザーを対象にいたしまして定期点検等の義務づけをするというような間接手段でもって一応やってまいったのであります。しかしながら最近におきましては、軽自動車の保有台数がふえてまいりまして、約六百万台、全体の自動車のうちの三分の一くらいを占める程度になりましたし、性能的に申しましても、速度はほとんど普通の車とそう違わないところにまであがってまいりましたし、その安全性というものを考えていった場合に、普通の自動車と違った取り扱いをするということにはどうもいろいろと問題があるのではないか。そこへもってまいりまして、排気ガスその他の公害の問題が出てまいりまして、小さいとはいいながら、とにかくかなりの数が走っておりますので、それによる排気ガスの影響も無視するわけにはまいりませんので、以上の理由から車両検査を実施することにしたわけでございます。
#227
○田渕哲也君 二十六年にこの車両法が制定された当時には、軽は除外されていなかったと思います。それが翌年の二十七年の改正で軽が車検からはずされた。当時の理由はどういうわけですか。
#228
○政府委員(野村一彦君) その件につきましては、従来、道路運送法の中に現在の道路運送車両法と同じような内容の規定があったわけでございますが、二十七年に道路運送法から道路運送車両法が独立をしたときに従来のものをそのまま引き継いでおりましたために、当時は軽が入った、その後、見直しをして、また軽をはずしたというふうに私ども承知しておりますが、その点は、何といいますか、道路運送法から道路運送車両法を分離したときの、従来のまま分離をしたという事情によるものだと、こういうふうに考えております。
#229
○田渕哲也君 先ほど、軽の車検を実施する理由が何点かあげられたわけですけれども、私は、その理由が現状から見て必ずしも納得いかない点があると思います。
 まず最初にあげられた点は、車両事故件数の問題があげられております。従来は、整備不良による事故率が一般車に比べて低かったということがあげられておりますけれども、これは、実績を調べてみますと、率においても絶対数においても、いわゆる車両事故、車両故障による事故件数というのは軽の場合は減っております。これは率ですね、一万台当たりで、四十三年で一・二六が四十四年〇・九五、さらに四十五年には〇・七三。さらに絶対数におきましても、四十三年四百八十八件、四十四年四百三十五件、四十五年三百九十件、これは軽三輪、四輪をとった場合ですね。このように減ってきておるにかかわらず、これが理由にあがっておるというのはおかしいんじゃないかと思いますが、この点はいかがですか。
#230
○政府委員(野村一彦君) 事故の件数、それから、それが一万台当たりに占めますところのパーセンテージ、この数字につきましては、ただいま先生が御指摘になったとおりでございます。したがいまして、そういう御疑問が出るのは私はもっともなことであろうと思いますが、一面、最近の軽自動車の普及というようなことを考えてみますと、これは先生も御案内のように、非常に性能もよくなってきておる、それからスピードも増進をしておる、それから、道路の整備に伴いまして高速走行をする機会が非常に多くなってきておるということでございます。そういうことでございまして、私どももいろいろ研究をしたわけでございますが、ちょっと私、名前を忘れましたが、ある学者の調査によりますと、結果として一つの事故が起こった場合に、それが起こると同じような条件で、何といいますか、たまたま運よく事故にはならなかったけれども、全くそれと同じような局面があるという、何といいますか、大きな事故一件の外周には小さな事故二十九件がある、さらにその周囲には三百件の事故の可能性を含んだ状態があるということを、何か私よくわかりませんが、何かハインリッヒの法則というのがあるそうでございまして、そういうようなことから考えましても、たまたま結果から見て事故がこうなったということでございますけれども、それらの内包する同じような状態というものはかなり多い。そういうことから、やはりこれを未然に防止するためには、特に多量の欠陥事故というものを防止するためには検査が最も有効な手段である。こういうようなことから、数字の面では確かに先生のおっしゃったような傾向がございますけれども、私ども、この際、軽の検査に踏み切るということにしたわけでございまして、なお、もう一つの考え方といたしましては、この国会の審議の過程におきまして、各党の諸先生から軽の検査をやるべきではないかという非常に政治的な高い次元からのお話がございまして、私どもそれが一つの大きな、何といいますか、踏み切りの土台になったということは、率直な私どもの考え方でございます。
#231
○田渕哲也君 私は、この軽の車検実施に反対する考えはないわけです。むしろ車検の実施には賛成でありますけれども、ただ問題は、タイミングとして非常におそかったんではないかという気がするわけです。次の理由に「保有台数は著しく増加し、」ということが書いてあります。ところが、その軽の保有台数の推移を見てみますと、四十四年から四十五年は約二〇%ほどふえております。四十五年から四十六年は一五%程度、ところが四十六年−四十七年は一〇%を切っております。言うなら、保有台数もそろそろ頭打ちにきたということが言えるのではないか。これは、今後の保有台数の推移についてどのように見ておられますか、今後の予想ですね。
#232
○説明員(隅田豊君) 御指摘のとおり、軽自動車の保有台数は、従来から比べますと伸びが非常に下がってきております。数字で申し上げますと、五十年になりますと、軽の三、四輪の合計は、試算したものでは六百六十万台くらいになるわけでございまして、そうしますと、横ばいではございませんが、微増ということばが適当なんじゃないかと思います。
#233
○田渕哲也君 大体、今後の推移としましても、だんだん伸び率は減ってくる、それから、大体四十九年くらいには頭打ちになるんではないか、七百万台くらいで大体頭打ちになるんではないか、そのような想定が一般にはされているわけです。ところが、今回の車検の実施は四十八年十月からということですね。この保有台数の増加ということを理由としてやるのならば、少なくとももう三年くらい早く始めるべきでなかったかと思います。頭打ちになってきたときに、どうも保有台数がふえてきたから検査をやるんだと言ってもぴんとこない。それから、先ほどの整備不良の問題にしても、事故件数が現に減っているにもかかわらず、これからは整備をきちんとやらなければいかぬというのも理由としてはつながらないのではないか。こういう点から考えて、軽の車検の実施のタイミングという点ではちょっとずれているのではないかと思いますが、この点どうお考えですか。
#234
○政府委員(野村一彦君) 確かに、何といいますか、軽の検査に踏み切るならばもっと早く踏み切るべきではなかったかという先生の御主張、私もそのとおりだと思います。おくればせながらと申しては適当でないかと思いますけれども、とかく安全及び公害が現在のように非常に問題になっておる時期でございますので、私どもこの上に、もし車両欠陥に基づく事故が重なるというようなことがあれば、これはゆゆしき社会問題でございますので、いわばおくればせながらもその検査の体制は整えたいというのが私どもの希望でございまして、タイミングの点は、確かに先生のおっしゃるようなおそきに失するではないかというおしかり、私ごもっともだと思います。
#235
○田渕哲也君 それから、もう一つの理由に公害問題があげられております。公害というのはいろいろありますけれども、その中の大きなものは排気ガス公害だと思います。この軽の場合は大体二サイクルで、いわゆる混合油を燃料に使っておる場合が多いわけですけれども、これが一般のほかの登録車ですね、従来の登録車は四サイクル、ほとんど四サイクルですけれども、これと比べて排気ガス公害の面でどのような差があるかという点、お伺いしたいと思いますが。
#236
○説明員(隅田豊君) 確かに二サイクルのエンジンは、普通に使われております四サイクルのエンジンに比べますと、一酸化炭素、窒素酸化物においては普通の四サイクルのエンジンよりは若干少のうございますが、炭化水素につきましては非常に悪い結果が出てくるのが普通でございます。それで軽自動車の一つの試算を私たちもしてみたのでございますが、大体、軽自動車が、何といいますか、出します排気ガスの総量の中で、一酸化炭素、それがどのくらいあるだろうかという一つの試算をしてみましたところ、自動車の排気ガス全体が大気汚染に占める割合の中で一八%程度になるであろうというような一つの、ほんとの概算でございますが、試算になっておるわけでございます。
#237
○田渕哲也君 いまの一八%というのは排気ガス総量の計算ですか。有害ガス、有毒ガスということでなくて排気ガス総量の計算ですか。
#238
○説明員(隅田豊君) 有害ガスのうちの一酸化炭素について試算をしたものでございます。
#239
○田渕哲也君 これはもう少し詳しくお伺いしたいと思いますが、どういう計算でなっておるわけですか。
#240
○説明員(隅田豊君) 非常にラフな計算でございまして、ちょっとあまりいばれるような試算ではないのでございますが、普通の自動車と軽自動車とで大体月間の平均走行キロが違います。これの比率と、それから実験室的に求められておりますところの軽自動車に対してのCOの排出量、これがキロメートル当たり幾らという数字がございます。これに自動車の総台数を考慮して、この三つをもとにいたしまして出してございます。
#241
○田渕哲也君 軽のこの車検の有効期間は二年ということになっておりますね。営業用、自家用、乗用車、トラックを問わず二年となっておりますが、現在の登録車の場合には、トラックは一年、それから乗用車の営業車は一年ということでありますけれども、これは軽は全部二年とした理由はどういうことですか。
#242
○説明員(隅田豊君) 有効期間をきめます場合には、大体におきまして平均的に考えられる走行キロを大ざっぱに見まして、それで有効期間をいままでもきめているわけでございます。それと旅客運送事業なり社会的な影響というものも若干は加味いたしますが、ほとんど走行キロ――非常に走るか走らないかということをベースにいたします。で、軽自動車の場合には営業用というものがほとんどございませんので、やはり実態を見ておりましても、走行キロは比較的短いほうで、そういう意味では二種類ある有効期間のうちでは長いほうをとっていいんではないかということを考えております。
#243
○田渕哲也君 先ほどの排気ガス公害との関連で考えますと、二年に一回の検査では排気ガスのチェックは必ずしも十分ではないと思います。したがって特に二年に一回の検査で排気ガス公害の問題がチェックできるかどうか、非常に疑問だと思いますが、この点いかがですか。
#244
○説明員(隅田豊君) 排気ガス公害につきまして二年に一回の検査で問題がチェックできるかどうか。これは確かに軽自動車だけの問題でございませんで、自動車全体の排気ガス検査の問題として議論さるべき問題だと思います。現在の段階では軽自動車の有効期間をきめる場合におきましては、二年、一年という二種類しかございませんのを、二年のほうをとったということでございまして、今後の排気ガスについてはまた別途の方途を考えていかなければならないと思います。ただ、排気ガスについては一つの定期的なチェックをやることは、あまりこまかいことをやることは物理的にも不可能でございます。その点はある程度妥協しなければならないところがあると思います。
#245
○田渕哲也君 いままでも定期点検整備というものは義務づけられておるわけですが、私は、これからは排気ガス公害の面から考えると、あるいは車両の保守、安全の面から考えると、定期点検整備というものをもっときっちりやるべきじゃないか。そのためには、もっと義務づけというものを強化すべきではないかと考えるわけですが、この点はいかがですか。
#246
○政府委員(野村一彦君) 確かにおっしゃるように、定期点検整備というものの義務づけがなまぬるいではないかという御意見、私もある程度同感に存じます。ただ、定期点検整備の趣旨は、やはり先生御案内のように、このユーザーに、自動車のユーザーとしての相当自主的な、自分のことは自分で整備に責任を持つということ、これはユーザーに対しての共通の一つの義務というよりも心がまえであろうと思いますので、そういう点で私ども従来実施しておったわけでございます。しかし、これの実施率といいますか、励行率は必ずしもよくないということで、これをもっとシビアなものにすることについては、私ども検討する必要があると思います。ただ、これについてはあくまでもやっぱりユーザーの自覚ということが基本になければなりませんので、その辺はユーザーの自覚の喚起も待ちながら、これをもっと有効にやるという具体的な方法についてはさらに今後検討したいと思います。
#247
○田渕哲也君 現在、軽の定期点検整備率はどのくらいですか。
#248
○説明員(隅田豊君) 軽自動車の定期点検整備率は六十数%と記憶しております。
#249
○田渕哲也君 一般の登録車の場合は何%ですか。
#250
○説明員(隅田豊君) 登録車の場合は若干よくなりまして八四%でございます。
#251
○田渕哲也君 まあ登録車の場合もあまりよくないわけですけれども、これはなぜ一〇〇%にならないわけですか。
#252
○説明員(隅田豊君) なぜならないかというとあれでございますが、私たちとしては一〇〇%に非常に何とかしてならせたいと思って、いろいろとあらゆる手段を使いながら行政指導をしておる段階でございますが、どちらかと申しますと営業車につきましては、行政指導だけでなく監督も十分行き渡りますので一〇〇%に近い数字が出ております。しかし普通の一台一台を持っておられる方方に対して一〇〇%にするということは、われわれの努力の足りないところもございますけれども、なかなかむずかしいと思います。しかし車両検査というような一つのチャンスをつかまえまして、この率を上げでいくということは非常に可能だと考えます。
#253
○田渕哲也君 そうすると軽自動車の場合、車検の実施によって定期点検整備率というものはかなり上がると考えていいわけですか。
#254
○説明員(隅田豊君) かなり上げられるだろうとわれわれとしては希望しております。
#255
○田渕哲也君 次に、今度は軽自動車の検査の実施の体制についてお伺いをしたいと思いますけれども、今回は軽自動車検査協会というものをつくってやるというようなことになっております。これは協会をつくってやる理由について端的にお答えをいただきたいと思います。
#256
○政府委員(野村一彦君) 軽自動車の検査を行なうにあたりまして、どういう方法でやるかということをいろいろ検討したわけでございますが、まず、もちろん国が、いかなる検査をやるにしろ、最終的に検査について責任を持つべきことは当然でございます。そういう意味から考えますと、国がみずから検査を行なうということが私は最もいい方法であろうと思います。ただ、これを具体的にどう実施するかということを、予算、定員、あるいは機構その他の面でいろいろと検討いたしてみますと、また第二陸運事務所ともいうべきものをつくらなければならない。また、それをつくるにつきまして、いろいろ何といいますか、これを実情に応じた機構、実情に応じた人員ですみやかにその体制を整える等の点につきまして、より合理的効率的な方法はないかということを研究いたしましたところ、他の検査検定機関等の例にもありますように、国の検査検定を行なう事務は代行機関ともいうべき機構をつくっておる。それは相当弾力的な運用によって効率的な効果をあげておるということを知りましたので、それによってこれを軽の検査の際に取り入れようというのが今度の協会によって検査をやるという基本的な考え方でございます。
#257
○田渕哲也君 もう少し具体的にお伺いをしたいのですけれども、国がやる場合と、協会のような代行機関をつくる場合と、具体的にどういう差が出てくるか。どういうメリットとデメリットがあるか、この点お伺いをいたしたいと思います。
#258
○政府委員(野村一彦君) メリット、デメリットの問題は非常にむずかしいと思いますが、まず協会がやります場合に考えられますのは、協会は一つの認可法人でございまして、たとえば予算的な手当て、資金的な手当てということは、これは借入金によって必要に応じて必要な額の金を借り入れる、それによって経費の裏付けを得るというようなことがございますし、それからもう一つ、人員等につきましても、たとえばこういう技術者でございましても、もちろん技術的な制限はございますが、公務員試験による採用者の中から選ぶという、そういう人事院規則上の制約といいますか、そういうものはございませんで、適時必要な技術者を必要に応じてとっていくというようなこともできますし、結局国で行なうにしても、これはいずれ国の車検特会で行なわなければならないことでございます。施設の整備の面、資金の調達の面、それから適材適所の人員をすみやかに確保できるという点、そういう点から考えますと、この協会といいますか、この認可法人のほうが現在の国家組織よりももっと能率的にやれるという点があると思います。それからそれに反して、そのかわり国がみずから行ないますということは、運輸大臣がこれに対して全面的に責任をとるということでございます。もちろん検査協会が行ないましても、運輸大臣はこれに対して監督の責任を持っておりますが、やはり国家機関ではない、そういう点がいろいろ解釈上も問題があるかと思いますが、私どもはああいう厳重な監督規定を設けておれば、そういう監督の面におきましては国家機関と同じような責任を国家として負い得るということから、彼此考量いたしますと、協会ということが最も現実に即した、しかもメリットもいま申し上げた点があるということから、これに踏み切ったということでございます。
#259
○田渕哲也君 いま説明を受けたような利点があろうかと思いますけれども、私はひとつデメリットとしまして、いままでの国がやっておる検査と二元的になるわけですね。今度は検査協会というふうなもので一元的なものでなくて二元的になる。これはたとえば二重投資というようなことにならないか。あるいは組織においてもやっぱり一元的にやったほうが総体の人員としては少なくて済むということが言えるのではないか、このような点はいかがですか。
#260
○政府委員(野村一彦君) まあ二元的というものをどのように見るかということであろうと思いますが、確かに一方は国が直接やる、片方は協会というものをつくってやるということでは二元的でございます。しかしかりに国がこれを直接やるといたしましても、先ほど申し上げましたように、さいふは同じ車検特会のさいふを通じてやるということになるわけでございます。今度の協会でやります場合も、これは協会のもちろん会計になるわけでございますが、出資は車検特会からやりますし、その収入の源泉は手数料収入でございます。そういう意味から言いますと、そのさいふの問題はあまり変わらない。
 それから、その投資の規模その他から考えますと、これはまあ具体的に一つ一つのケースをとってみますと、いろいろの点があるかと思いますが、総体的には国で検査をやるために要する経費と、それからこの協会という形をとってやる経費というものは、私はコストの面から見ればほぼ同じものであろうというふうに思うわけでございます。ただ現実的に国が、ここに私どもが考えておりますような規模のものをつくるのには、まあこれは相当いろいろの問題があって、協会をつくるよりもタイミング的にはこれはおくれてくるんじゃなかろうかと、そういうふうに考えるわけでございます。
#261
○田渕哲也君 もう少し具体的に入りたいと思いますけれども、現在まあ軽自動車の保有台数は約六百万台――五百八十九万二千六百五十四台、これは昨年の十二月末の数字ですけれども、全自動車保有台数の約三〇%ということが言われております。
 それから、これからの増加を見ますと、月間の増加は抹消を引いて約五万五千台、そうすると検査開始時期の来年の十月には七百万台を越えるということが予想されております。そうすると二年間でこの検査をやるわけですから、大体年間にはこれの半数ですね、三百五十万台の車両を検査しなければならない。これだけの体制がはたしてとれるかどうか、また間に合うのかどうか。来年の十月までにそれだけの施設なり体制が間に合うのかどうか、この点いかがですか。
#262
○政府委員(野村一彦君) まず、この協会でございますが、検査を開始いたしますのは、先生おっしゃいましたように四十八年の十月からでございます。ただそのための準備といたしましては、この法律をお認めいただきましたならば直ちに同協会を発足をさせまして、そして準備を進めるということでございまして、まず協会を発足さして、そして所要の規定等を整備して、そして関係の役職員等を任命するとともに、土地の物色をする。それから施設の準備をするということでございます。土地の準備等につきましては、すでに昨年まあこの法案を国会に審議をお願いしようという案をかためました段階におきまして、地方の整備部長等を集めまして、いろいろとこちらの考え方を説明をし、協会が発足するまでは地方の整備部長が事実上この産婆役をつとめるようにというような連絡もいたしてございます。そういうことでございますし、私どもとしては一年二、三カ月になるかと思いますが、一年二、三カ月余りの準備期間がございますので、この間に施設の整備、組織の整備、それから人員の確保ということをまあいままでやってきましたのに、さらにラストスパートをかけてやるということであれば、四十八年に間に合うものと考えますし、またぜひ間に合わせなければならないと、かように考えております。
#263
○田渕哲也君 検査協会のこの車検場の数とか、広さとか、コース数、それから人員の規模についてお伺いしたいと思います。
#264
○政府委員(野村一彦君) 検査協会は全国一本の組織を考えております。そして東京に本部を置きまして、全国各都府県に一カ所の支所、北海道に七カ所の支所、合計五十三カ所の組織を置くわけでございます。
 職員といたしましては、役員、職員、合わせまして五百四十名程度を考えております。本部は約四十名、地方は全部合わせますと五百名程度でございます。
 検査のコースといたしましては、大体全国五十三カ所に合わせまして六十四コース、といいますことは、東京とか大阪とか、そういう大きな都市におきましては一カ所に二コース、ところによっては三コース程度のものが整備されるのではないかというふうに考えております。
 大体、以上が概要でございます。
#265
○田渕哲也君 ただいまの規模で年間消化できる検査台数は何台になりますか。
#266
○政府委員(野村一彦君) 大体、先ほども先生のおっしゃいましたように、四十八年から検査を開始いたしまして、平年度において三百万台、まあ三百万台ないし三百五十万台ぐらいをこなせるということでございます。もちろん、これはいま申し上げました発足当時の検査協会の機構でございまして、こればかりが全部の検査をやるわけではございませんが、年間の検査としては三百万台ないし三百五十万台程度に平年度においてはなると考えております。
#267
○田渕哲也君 そうすると、民間の指定工場でもやるわけですね。その分とこの協会でやる分との比率はどうなんですか。
#268
○政府委員(野村一彦君) これも平年度でございますが、平年度におきましては、私どもただいま考えておりますのは、おおよその見当といたしましてこの協会が約五〇%の検査をこなす。残りの五〇%を民間の指定整備事業でこなすということで、おおむね五〇、五〇で所要の継続検査の件数をこなしていく。かような一応のめどを持っております。
#269
○田渕哲也君 先ほどのお話では、大体一県当たり一カ所の検査場をつくるというお話があったわけですけれども、現在この登録車の場合では東京には四カ所の検査場がある。大阪には二カ所ある。それが今回の場合はそれぞれ一カ所ということですね。これは東京、大阪だけではなくて、どこでもそういうことは言えると思いますけれども、これは特に遠くから検査場まで持って行くということはたいへんなことだと思います。したがいまして先ほど、二元的にやるデメリットということを申し上げたわけですけれども、それだけの投資をするならばやはり一元的にして、新しくできる検査場というものは地域的に分散をして、登録車も軽も一緒に検査できるようにしたほうが、より便利ではないかと思いますが、この点はいかがですか。
#270
○政府委員(野村一彦君) 先ほど申し上げましたように、現在登録車の検査場は、東京に支所、本所含めまして四カ所ございます。今度の検査協会でやります軽の検査につきましても、東京にもおそらくその支所のまた出先と申しますか、分室と申しますか、支室と申しますか、そういうものが私は三カ所程度は必要であろうというふうに考えます。
 それから、先生のおっしゃいました軽と登録車を一緒にしたらどうかと、これは先ほど二元的というおことばがございましたが、私は物理的な場所としては現在の登録車の検査場自身が、東京ではもう狭隘になっておる、そうすると新たな場所をつくる。そこにこれは財産区分というもののやり方はむずかしいと思いますが、そのかきねを接して隣で国がやり、隣で軽をやるというようなこと、これは用地の選定上私はできると思います。そういうようなことは極力まあ両方の機関はたとえ別になっても、連絡をよくするということは、これは安全行政上も必要なことでございますから、その点は実際の配置の面で考えていこうと、こういうふうに思っております。
#271
○田渕哲也君 現在、東京にある検査場の個所並びにコース数をお伺いしたいと思います。
#272
○説明員(隅田豊君) 東京は、まず本所が品川にございまして、支所といたしましては足立と練馬と多摩にございます。コース数は品川の車検場が八コース、それから、それ以外のところが六コースでございます。
#273
○田渕哲也君 それから、今度軽自動車の検査場をつくられる場合の東京の規模というのはどうなんですか。
#274
○説明員(隅田豊君) 先ほども御答弁で申し上げたのでございますが、現在私たちが試算をして計算をしております段階におきましては、たとえば東京の検査場を何カ所で何コースというような計算は必ずしもしておりません。全国的なものを全部、何といいますか、総合的に計算して平均単価で計算して計画を立てております。ただ一応、車両数その他から算定いたしますと、三コースぐらいになるだろうと考えております。
#275
○田渕哲也君 軽自動車の台数は、東京の場合と全国と同じとすると、三〇%ということにしますと、まあもちろんコース数は――一コースでできる検査数というのは、まあ軽自動車の場合は一般車よりも多いかもわかりません、かりに同じだとすると、一般登録車が三十二コースあるから軽自動車の場合には少なくとも十何コースが要るわけですね。軽自動車の場合はたくさん消化できるにしても、やっぱり十コース近いものがなければ消化できないのじゃないかと思いますが、三コースでできるんですか。
#276
○説明員(隅田豊君) 一応、たぶん三コースで、私は計画といたしまして東京を具体的にまだ設計をしたわけじゃございませんが、まず東京は、ほかの車と比べますと軽自動車の所有台数は全国平均からいくと率が低いほうでございます。それから、業務的な検査をやるほうの、業務量といいますか、こなせる数と申しますか、これは普通の車よりもだいぶ高くなります。ことに大型のトラック、バスと比べた場合には、倍近い数が出てくるのじゃないかと思います。それから新規検査をやりません、ほとんど型式、メーカーから売られた車でくるだろうと思います。そういう意味で、普通の車と全部検査の質というものが変わってくるのじゃないかと思います。われわれの検討した場合は、一番大きいところで三コースぐらいあるといけるというふうに思っております。
#277
○田渕哲也君 かりに、東京に何コースかある検査場を一カ所つくられるとしますと、先ほど私が申し上げた趣旨からいうと、そういう軽自動車専門の検査場を一カ所つくるよりも、たとえば品川の八コースのうち一コースを軽自動車用に充てる、あるいは足立の六コースのうち一コースを軽自動車用に充てる、こういうようにしてやって、新しくできる検査場も一般登録車のコースをたとえば何コースかつくって、軽自動車のコースは一コースつくる。そうすると、利用者の側からすると非常に便利になるわけですね。遠いところから、わざわざ一カ所の検査場に行かなくても済む検査場を利用できるし、それがさらに一カ所ふえるわけですから、さらに便利になる。これは一般登録車の場合にもさらに便利になる。こういう面から見ますと、検査協会をつくって、別に二元的にやるということは、非常に投資効率からいって悪いと思いますが、いかがですか。
#278
○説明員(隅田豊君) 現在国が使っております検査用の機械は、軽自動車よりも大きな機械を対象としておりまして、これをこのまま軽自動車でやることは非常にむずかしゅうございます。もし、そういう意味で、国の現在の検査場で軽自動車をやるといたしますと、機械はその分だけは入れかえなければいけないわけでございます。それからもう一つは、やはり業務には粗密がございまして、最大のピークのときは現在のコース数だけでもなかなかこなし切れないというような状態さえあるわけでございます。そういう意味では軽自動車というものは、やはりこれから軽自動車のを追加してつくるということになりますと、やはり別につくったほうがかえっていいというのがわれわれの考え方でございます。
#279
○田渕哲也君 たとえば、機械でしたら移転すればいいわけでしょう。まあそれは、若干ピットとか、そういうものがあればつくりかえなければいかぬ面もあるでしょうが、機械設備なら、これは移転すればできるわけですからね。それから、いまのところで一ぱいだというけれども、それならやっぱりほかにどんどん検査場というものを増設せんといかぬわけですね。増設するときに、やはり軽の分と合わせてつくる。これが私は本筋じゃないかと思いますがね。この点いかがですか。
#280
○政府委員(野村一彦君) 確かに、先生のおっしゃるように、同じ構内といいますか、同じ場所に軽と普通車と、その検査場を置いて、もっと有効にやれないかという御提案、これは私どもも実は検討したわけでございます。ただそのときに考えましたのは、いずれにしろ、特に東京あるいは大阪みたいな大都会におきましては、軽のほうもそうでございますが、普通車の検査場も狭隘をきわめて、だんだんとこれから人員もふやし、施設もふやしていかなければならない。そういうところに、かりにいま先生のおっしゃいますように、普通車の検査場の一部分をやめて、そして別に軽を入れるということをやりましても、結局は普通車のものをどこかにふやさなければならないという、いわば漸増の態勢にある検査場の設備の拡大の要求があるわけでございますから、そういう点を私ども検討はいたしたのでございますが、一応別個の組織とするということが――一応といいますか、別個の組織にするということにいたしたわけでございます。ことに、具体的な土地あるいは機械設備等の交換分合といいますか、彼此融通し合って、そしてできるだけこれを有効に使うということは、これは私ども新しい検査協会の建設費を少なくするためにもぜひやりたいし、やらなければならない。具体的にはそういうめどもある程度立っているところもある、こういう状況でございます。
#281
○田渕哲也君 現在、検査場に行くのが非常にこれはたいへんなんですよ。整備した車を非常に混雑しているところを長々と時間をかけて行く。これが交通混雑を増すということにもなっているのですから、やはり検査場をつくるならば、できるだけ地域的な配分ということを考えて、そして軽自動車の場合も、一般登録車の場合も、できるだけ一元的に計画を組んでやるようにしていただきたい。たとえば東京以外の、各地方の県でも、現在一般登録車の検査場は一カ所というところが非常に多いわけです。そうすると、軽自動車の検査場をつくるときには、それぞれそこのところに軽自動車のコースも、一般登録車のコースもつくるようにしたほうが一般の利用者からすると、きわめて便利だと思いますけれども、そういうお考えがあるわけですか。
#282
○政府委員(野村一彦君) 土地の事情にもよると思いますけれども、私どもできるだけユーザーと申しますか、自動車の検査を受けに来られる方の利便というものを考えまして、いろいろな制約はあると思いますけれども、土地の物色ということは、これはまあ比較的地方におきましては、いろいろな条件もあると思いますが、大都会に比べてやりやすいと思いますので、そういう利便については、これは考慮して場所をつくりたいと思います。
#283
○田渕哲也君 ことに、場所だけではなくて、そういう二カ所ができた場合に、こっちは一般登録車専門だ、こっちは軽自動車専門だということにせずに、こっちの一部で軽自動車をやらせる、新しくつくるところも一般登録車ができるようにする、そういう共用といいますか、一緒の検査場の中で両方ができるようにする、そういうお考えはないのですか。
#284
○政府委員(野村一彦君) ただいまの点は、これは国の車検特会で整備する土地及び施設、それから検査協会の財産たる土地及び施設でございますから、その辺の区分がこれは会計処理上明確にできるならば――たとえば隣りのコースというようなことで会計処理上的確にできるならば、私はそういう方法も可能であろうと思いますが、その辺さらに研究してみたいと思います。
#285
○田渕哲也君 それが片一方が協会で違うから、人格が違うからできないということならば、私はこの協会をつくるというのはやはりおかしいのじゃないか、こういう気がするわけです。この点いかがですか。
#286
○政府委員(野村一彦君) 先生が同じ場所とおっしゃいました意味は、これは広い敷地の中で、ここからこっちは国の土地、ここからこっちは協会というような分け方ができれば、私はこれは会計処理上も適当にできると思います。ただ一つの上屋の下に、ここからこっちは国だ、ここからこっちは協会だということにしますと、非常にこんがらかりますし、特に、補修費なり修理費等の配分等をめぐっていろいろ問題があると思います。技術的に可能なような方法で、極力投資上むだにならないような方法、これは私極力検討してみたいと思います。
#287
○田渕哲也君 これはぜひ現在車検に行く非常な不便さを解消する意味において、せっかくこの軽自動車の検査体制をつくるときに――それだけの投資をされるわけです。これはもう検査協会がやろうと、国がやろうと、国家的にそれだけの投資をするわけですから、その投資をできるだけ利用者に便利なようにしていただくことをお願いしたいと思います。
 あとまた質問が残っておりますけれども、時間の関係で本日はこれで終わりたいと思います。
#288
○委員長(木村睦男君) 本案につきましては、本日はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後五時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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