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1971/06/08 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 運輸委員会 第16号
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1971/06/08 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 運輸委員会 第16号

#1
第068回国会 運輸委員会 第16号
昭和四十七年六月八日(木曜日)
   午前十一時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月六日
    辞任         補欠選任
     高橋 邦雄君     橘  直治君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         木村 睦男君
    理 事
                鬼丸 勝之君
                江藤  智君
                佐田 一郎君
                森中 守義君
    委 員
                岩本 政一君
                岡本  悟君
                菅野 儀作君
                平島 敏夫君
                山崎 竜男君
                若林 正武君
                伊部  真君
                小柳  勇君
                瀬谷 英行君
                藤田  進君
                田代富士男君
                三木 忠雄君
                田渕 哲也君
                山田  勇君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  水田三喜男君
       運 輸 大 臣  丹羽喬四郎君
       国 務 大 臣  竹下  登君
   政府委員
       大蔵政務次官   船田  譲君
       大蔵省主計局次
       長        吉瀬 維哉君
       運輸大臣官房長  高林 康一君
       運輸省鉄道監督
       局長       山口 真弘君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  秋富 公正君
       労働政務次官   中山 太郎君
       労働省労政局長  石黒 拓爾君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   説明員
       日本国有鉄道総
       裁        磯崎  叡君
       日本国有鉄道副
       総裁       山田 明吉君
       日本国有鉄道理
       事        長浜 正雄君
       日本国有鉄道理
       事        原岡 幸吉君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進
 特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○運輸事情等に関する調査
 (派遣委員の報告)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(木村睦男君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○瀬谷英行君 審議に先立ちまして官房長官にお伺いしたいことが一つございます。
 それは、現在、この運賃法なり国鉄財政再建のこの法律の審議を行なっている最中に、国鉄の仲裁裁定の問題に関して、公労十六条の問題が出てきたわけでありますが、一体、どういう真意でこの措置を政府としては提起をされたのか、考え方によると、現在の運賃法の審議に対してこの十六条問題を持ち出すことによってブレーキをかけるとか、あるいは圧力をかけるとか、そういうことが感ぜられるわけであります。そういう点があるとするならば、本筋の問題の審議にいろいろ影響してくるわけでありましてやり方としてはどうも解せない問題が多いので、その点を政府当事者としてお答えをいただきたいと思うのであります。
#4
○国務大臣(竹下登君) これは、経過的に申し上げますと、先般来の仲裁裁定につきまして去る六日、関係閣僚の打ち合わせ会を開き、そうして国鉄を除く二公社、五現業に対しては仲裁裁定を実施する、国鉄関係につきましては公労法十六条、まさに一項に該当するので、十六条二項の定めるところにより先例によって手続をとるということを決定いたしましてそうして運輸大臣の請議に基づきまして閣議決定をいたした、こういう筋になるわけであります。したがいまして請議大臣は運輸大臣でございますので、その限りにおいては運輸大臣からお答えをいただくことが適切であろうかと思います。しかし、いま瀬谷委員の御指摘になりました国会審議に対するいろいろな政治的判断とか配慮とかという点につきましては、国会との接点にあります私からお答えするのが適当かと思いますので、その限りにおいてお答えをいたしたい、このように思います。
 率直に申しまして私ども仲裁に移行いたしましてそして委員長見解が出ました後一月ということになりますと、去る二十七日に公労委の御決定があらなければならない、こういう筋書きになりますと、その際、運賃法がなお審議中でありますだけに、それが、法律上の手続が去る六日にその期限が切れるということは、十分事前から私どもも察知しておりましただけに、私どものほうからそのような問題が起こるであろうという事前の予測につきましては、関係方面へ一応お伝えをいたしておりました。で、現実問題になりますと、実際問題、まずこれを、昭和四十一年以来こういう場面に遭遇したことがございませんだけに、いま瀬谷委員が御指摘になった、いわば新聞論調等の中におきましても、国会審議に対する挑戦ではないか、あるいは別の意味においていやがらせではないか、こういう論評も確かにございました。したがって私から、それはそういう筋のものではないということを、まあ記者会見、あるいは積極的に両院に出かけたりしながら御説明をいたしておるという今日の段階であります。この点につきましては、やはり現状においてこの仲裁裁定を実行することが可能であると予算上、資金上断定ができない、こういう状態に確かにあると思います。そこで十六条第一項の精神からして第二項の定めにより、きわめて事務的にこの手続をとることにした。実際問題、私なりにこれについていろいろ悩んだと申しましょうか、考えてみましたが、確かに公労法十六条一項また二項の読み方につきましても、私どもの乏しき法律知識ではなかなか実体がどういうものかわからなかったのでありますが、昭和二十四年にいろんな議論を経て一つの統一された解釈というものができておるようであります。それに基づいてやりますと、実際問題、このような裁定があったときは国会に付議することが政府の義務である、こういうふうな理解のしかたができるんではなかろうか、このように判断をいたした次第でございます。そこで本年度予算は、国鉄運賃法等の一部改正法案が成立することを前提としたもので、予算自体は通っておる。そして法案自身は今日国会で御審議をいただいておるさなかである。そうすれば、法案通過を前提として判断するということは、これこそむしろ国会軽視であるという各般の検討をいたしまして、これは従来とも、国会に付議することがきわめてすなおに政府の義務である、こういう受けとめ方において提出をした、こういうことでございます。
 ちなみに、昭和四十一年が最も最近の例でありますが、この場合が一番今回に似たケースではなかろうかというふうに判断をいたしましたし、その前、昭和二十四年から三十六年までの間の八回につきましてはケースが異なりますが、運賃法にしいて該当するものとしては追っかけ補正予算が出されて自然消滅をしたと、こういうことになっておりますし、また昭和二十四年、五年等につきましては、当時の記録をさかのぼって見ますと、まあいわば国力が今日まで充実いたしておりませんし、何月から実施するという形で一部承認と、こういう結論を国会からいただいておる。そういう例をかれこれ勘案いたしまして、私は国会に付議することがやはり政府としての義務ではなかろうか、こういう判断に立って付議をした、こういうことであります。その前の前提になります、にわかに実施可能と断定できないとこういう判断につきましては閣議請議の所管大臣からお答えするのが妥当ではなかろうか、このように思います。
#5
○瀬谷英行君 それじゃ運輸大臣から。
#6
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま官房長官から御答弁をいたしましたとおりでございまして、率直に申しまして、主管大臣といたしまして一番の組織をかかえております国鉄職員に対しまして、国鉄だけがこういったような措置をとらなくちゃいかぬというような財政状態、まことに残念でございます。私といたしましては、何とかいたしましてやはり他の二公社五現業並みに仲裁裁定をできればひとつ実施をしたい、承認をいたしたいという念願につきましては、これはもう主管大臣でございますだけに、国鉄総裁もそうでございましょうが、私といたしましては切実な考えでございました。しかしながら、御承知のとおりすでに御審議を願っておりますが、国鉄財政につきましては、このままで放置いたしますれば、提案理由の説明でも申しましたとおり、償却前すでに千七百億の大赤字ということでございまして、全部、国鉄の再建は運賃改定と再建促進法案にかかっておりまして、その予算におきましてあらゆることを執行するということでございまして、その間いよいよぎりぎりまで、原資の方面におきまして何とかできないかということで国鉄当局と再三煮詰め、御協議いたしました。大蔵当局ともいろいろ検討をした次第でございますが、何と申しましても予算上、資金上これは非常にいまの状態といたしましては見込みが立たぬという結論に達しまして、やむを得ずやはり所定の措置をとらざるを得ぬ。また一面におきまして、いま官房長官からお答えをいたしましたとおり、まだ予算審議が審議の過程でございまして、政府におきましても何とも言えない状況である。むしろ、今日私どもは、国の一般予算の成立は見ましたものの、それに関連いたします国鉄予算につきまして御審議を願って、予算に全部をかけておる今日の現状におきまして、その所管といたしまして、可能であるということを断定することはとてもできぬ、また、いたしますことは、国鉄のいま御審議中のものを、むしろ成立を見越してのものであるという、僭越になるということも判断をいたしまして、事務的にも考え、あらゆる点も考えまして、やむを得ずその当否につきまして国会の御判断にゆだねるのが、むしろ政治的におきましても、運輸大臣といたしましても妥当であるというふうに考えまして、政府に、主管大臣といたしまして関係閣僚にはかりまして、政府といたしまして国会にその判断をゆだねるということになった次第でございますので御了承願いたい、こういう次第でございます。
#7
○瀬谷英行君 公労法の中で、三十五条で、仲裁委員会の裁定に対しては、当事者双方とも最終的決定としてこれに服従しなければならないということになっております。その点では、仲裁裁定が出た以上は当然この裁定を尊重し、これを守りますという約束は、いままでも関係大臣がやっておられたような気がするのであります。一々その議事録、急にさがしてもわかりませんけれども、その点はまずどうなのか。総理大臣はじめ関係各大臣は、裁定に対しては最終的決定としてこれを守りますということを約束されておるのかおらないのか。これは総理の答弁のことはちょっとわかりません。官房長官覚えていたら答えていただきたいと思うのですがね。
#8
○国務大臣(竹下登君) 私も正確に記憶しておりませんので、運輸大臣のほうからお答えいたします。
#9
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 私も当時総理が、いついかなる委員会で御答弁いただきましたのか正確にしておりませんが、法律の趣旨としてはいま御指摘になりましたとおりでございまして、仲裁裁定は守らなくちゃいかぬ、政府もそれに努力しなくちゃいかぬ、あらゆる努力をしなくちゃいかぬということは当然でございます。私どもはその趣旨に従いまして努力をいたしまして、それゆえに、ぎりぎりの期間までもいろいろ何とかいたしたい、こういうふうに思った次第でございますが、しかし、そのただし書きにございます支払い不可能な場合におきましては、これは十六条の規定に従い、この場合は国会の承認を得ずして支出をしちゃいかぬ、こういう規定になっておりまして、私もはなはだ、先ほど申し上げましたとおり残念でございましたが、こういった支出可能であるということを断定をする、どうしてもあれが出てまいりません、やむを得ざる措置として提出した次第でございます。
#10
○瀬谷英行君 そうすると、いまの運輸大臣の答弁は、聞きようによると、運賃法も、これは成立をしないという前提に立っての御答弁のように聞き取れるわけです。どうしてもこれはできませんという意味のことに、そういうふうに聞き取れるわけですが、まだこれは審議をしているわけで、十六日まで会期があるわけなんですけれどもね、すでに今国会における成立はあきらめておられるということなのか。そういうふうに聞き取れたんですがね、どうでしょう。
#11
○国務大臣(丹羽喬四郎君) これは私は決してそういう意味で申し上げた次第ではございません。何といたしましても、政府といたしましては、この国会におきまして運賃法並びに再建促進法の一部改正は、これはぜひひとつ御審議をいただきまして成立をさしていただくという念願――これはまあ御承知のとおりいろいろ交通、輸送機関はございますが、国民の一番の大動脈として全国にわたる国民の足でございます。それの再建をお願いをしているわけで、いろいろ御審議の過程におきまして問題があろうと思う次第でございますが、全体におきまして国鉄がこれから十ヵ年いかにして円満なる運行をいたしまして、国民の陸上の大動脈といたしまして足を確保する、これ一番大きな問題でございますので、決してあきらめるというわけではございません。ぜひとも先生方の格別の御協力によりまして通していただきまして、そうして、これによりまして職員にも安心を与え、また一そうの皆の御協力を願いまして、そうして国家的サービスの実現に邁進をしていくという熱意には何ら変わりはございません。決してあきらめているわけではございません。重ねて申し上げる次第でございます。
#12
○瀬谷英行君 現在審議の過程にあって原案がどうなるかまだわからないわけですね。たとえば一キロ当たり今度は五円十銭にしろという案が出ております。しかし、審議をした結果、一キロ当たり五円十銭じゃ安過ぎるから六円にしろというしとになるのか、高過ぎるから四円五十銭にしろということになるのか、原案どおり五円十銭でよろしいということになるのか、どうなるのかまだ見当がつかない。したがって、見当のつかない段階で、仲裁裁定の問題に関連をして、十六条を適用して議決を求めるといったようなことをするのは、これは明らかに審議の方法に対して拘束をしようという意図があるというふうに見られてもしかたがない。だから、これは切り離すのが妥当じゃないかと思うのですよ、当然。そうでないと、国会の審議をあらかじめもう想定をして、誘導するといいますか、政府のほうへ。誘導するとか、もっとどぎつい表現をすれば脅迫をするとか、あるいはまた拘束をすとか、そういうふうにとられてもしかたがないのです。したがって、そういうふうにとられないようにするためには、審議をあくまでも公正に続けていくためには、この裁定の問題とこの運賃の審議の問題は切り離すのが妥当ではないかと思うのでありますが、その点はどのようにお考えになりますか。
#13
○国務大臣(竹下登君) ただいま瀬谷委員のようないわゆる御指摘がそれなりの議論として起こるであろうということを、率直に、かねてからそのことを心配をいたしておったのであります。私は、国会で今日審議中でありますだけに、その審議の方向を予測してものごとを決定をすることこそ、国会軽視の議論を呼ぶことになりはしないか、一方そういう判断も確かにいたしました。したがって、議案そのものとしては、非常にタイミングは私も悪いと思っております。ただ、法律上十日という日にちからすれば、たまたまこれが国鉄運賃法を御審議いただいておる時点に重なるということでありまして、これは法律に基づき事務的に手続したものでありますだけに、政治判断としてのタイミングの悪さというものを越して法律の手続に従ったと、こういうことであります。だから議案そのものとしては、私どもも整理しておかなければならないのは、国会に対してはあくまでも別個の議案としてこれを御審議いただくと、こういう基本姿勢は持っていなきゃならぬ、これは私どももそれなりに意思統一をしておるところであります。
#14
○瀬谷英行君 予測をしてきめるということは国会軽視になると、こういうふうにいま官房長官言われた。タイミングが悪いということはよく承知をしているということなんですね。タイミングの悪いことを重々承知の上でお出しになったということなんですけれども、じゃあ、法律の手続に従ったというふうに言われますけれども、法律の手続に従うならば、この承認案件として、十六条にいたしましても、仲裁裁定を当事者双方が守るという前提に立ってその承認を求めるというのが法律手続としては正しいのじゃないか。ところが、今回の場合は不承認の議決を求めるという腹があるのではないかというふうに見られるわけですね。そうじゃないというならいいですよ。不承認の議決を求めるということがむしろ政府の含みであるということになると、これは問題になってくるわけですね。それは完全に運輸委員会の審議を拘束し、あるいは誘導し、あるいは脅迫をする、こういうことになってしまうと思うのでありますが、その点はどうですか。
#15
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまお話しございましたとおりでございまして、私ども不承認の議決を求めるという腹でやったわけでは毛頭ございません。いまの予算上、ただいまの現時点の見通しとして支払い可能であるという断定ができないから、どうすればいいかという御判断を国会にお願いしたというわけでありまして、どういう方法かということも含めましてお願いしておる次第でございます。決して不承認の議決を求めるという気は毛頭ないことははっきり申し上げておきます。
#16
○瀬谷英行君 不承認の議決を求める気はないということであれば承認してもらう、裁定どおり承認してもらうという方法しかない、そんなに幾つも方法はないわけです。この案件に関する限り、承認するのかしないのか、二つに一つですね。そうすると、いまの運輸大臣のおことばでは、不承認の議決を求める気は毛頭ないということになれば、これは裁定に従ったという前提に立りて承認を求めるということでなければいけないと思うのだけれども、それにしては、公労法十六条を取り上げるというのはちょっとおかしいことになりはせぬか、矛盾してきはせぬかと思うのでありますが、その点はどうですか。
#17
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 重ねてのあれでございますが、要するに、支出不能の場合におきましては国会の承認を得なくてはいかぬということがはっきりと十六条に規定してある次第でございます。ただいまの状況によりまして、はたしてそういった認定をいたしまして、支出能力があるかどうかということを判定することが非常に困難なことであるということで国会の御意思を得るというわけでありまして、決してこれがためにむしろ不承認の議決を予期して出したものでないということを重ねて申し上げます。
#18
○瀬谷英行君 まずいろいろなことを考えなきゃならないんですけれども、支出が不能であるということになれば支出不能の議決を求めるということになりますと、春闘の妥結事項というものが全部御破算になるわけですね、これは。先般、日本国じゅうを震憾をさせたといいますか、大きな騒ぎになりました春闘が妥結をしております。しかし、この春闘の妥結事項というのは、あの妥結した内容が守られるということが前提になるわけであります。それが、たとえば国会の議決でもってできませんということになりますと、春闘の妥結事項は全部御破算ですよ。そういうふうになってもよろしいのかどうかということは、これは労働大臣にたださなければならぬ。
 それからもう一つは、支出不能かどうかということなんでありますけれども、予算上、または資金上不可能な資金の支出を内容とするという、不可能かどうかという認定はだれがどういう機関で行なうかということなんですね。これは大蔵大臣の専決事項でよろしいのか、政府がかってにこれをきめてよろしいのかどうか。国会の予算の場合は予算委員会というのがあって、衆参の予算委員会でもって予算審議をしてきめるというのがいままでのならわしであって、予算委員会を通らないものは、かってに大蔵大臣といえどもきめるわけにいかないわけです。ところが、これはもう明らかに予算上不可能であるという認定を主務大臣だけでもってやろうとしているかのように聞き取れるわけです。それがはたしていいのかどうかという問題それから波及するところが非常に大きいのですが、大蔵大臣なり、あるいは労働大臣にも出席を求めなければならないことになってくるわけです、こうなると。で、それぞれの立場の御答弁がいまいただけなければ官房長官から一応お伺いいたしますけれども、私としては、これらの問題はどうしても大蔵大臣あるいは労働大臣からも答弁してもらわなければならぬと思うのです。どうでしょう。
#19
○政府委員(石黒拓爾君) 労働大臣が衆議院の社会労働委員会に出席しておりますので、労働省に関してのお尋ねの点につきまして私から一応申し上げます。
 ことしの春闘につきましては、公企体関係の争議が公労委に係属いたしまして、去る四月二十七日に調停委員長見解というものが打ち出され、それから、それにつきまして最終的合意が得られずに仲裁に移行して、五月二十七日に仲裁裁定が出ましたいきさつは、瀬谷先生よく御承知のとおりでございます。で、この仲裁裁定につきまして、先ほど来るる御答弁申し上げておりますように、現状におきましては予算上、資金上、可能でたい、可能と断定できないということで国会に付議しておりますが、労働省といたしましては、そういう状態にもかかわらず、この仲裁裁定というものはぜひとも実行いたしたいものであるというふうに熱願いたしております。
#20
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの予算上、資金上、現時点におきましては支払いが困難であるという決定は政府としてした次第でございます。先般の閣議におきまして閣議で決定いたしような次第でございます。これは政府の決定でございます。しかし、ただいま労働省からも答弁がございましたが、私どもといたしましても、どうしてもこれらの仲裁裁定の結果が実施できるように念願をしておることにつきましては、やはり変わりないところでございます。
#21
○政府委員(船田譲君) 大蔵大臣が参議院の大蔵委員会に出席中でございますので、便宜、私がかわって御答弁申し上げます。
 ただいま労働省並びに運輸大臣から御答弁がございましたとおり関係の閣僚協議会には財政の主務大臣でございます大蔵大臣も参画いたしております。そうして閣議におきまして政府の意思を決定いたしまして、国会の御意思を仰ぐために提出をいたしたわけでございます。
#22
○瀬谷英行君 国会の意思を仰ぐために提出をしたということなんでありますけれども、国会の意思を仰ぐといっても、まだこの運賃法そのものは審議の過程にあるわけでしょう。これは海のものとも山のものともまだわからぬわけです。結論がまだ出ていないわけですよ。十六日まで結論が出ないわけでしょう。それなのに政府のほうで国会の意思を仰ぐというのは、どういう形の意思を仰ぎたいということなのか、その点、明示されないと、意思を仰がれた国会のほうで困ってしまうのです。その点はどうなんですか。
#23
○政府委員(船田譲君) 政府の意思につきましては官房長官からお答えいただくことになるかと思いますけれども、大蔵省といたしましては、この国鉄運賃法並びに財政再建法が成立いたしますことを心底から願っておるわけでございます。それは、御承知のように、国鉄の本年度の収入予算総額が一兆四千三十五億円でございますが、その一二・七%に当たりますところの千七百八十八億円がこの運賃の改定によるところの増収分として見込まれているわけであります。したがいまして、この運賃法が通りませんことにおきましては、既定の支出予算を実行することも不可能でありますけれども、同時に、先ほど瀬谷委員が申されましたように、仲裁裁定はこれを尊重して実行しなければなりませんから、そのために新たに必要になってまいりますところの財源が七百五十二億というものをさらに実行いたしますためにはどうしても現在の予算上不可能と判断せざるを得ない。しかし、あくまでも運賃法の御審議は国会の運営上の問題でございますから、私どもはこれに何ら申し上げることは差し控えさせていただきますけれども、万一の場合に備えまして、この十六条の二項に基づいて御判断を仰ぐために提出した次第でございます。
#24
○国務大臣(竹下登君) これは私、まあ法律の専門家でございませんが、こういう手続をとりますにつきましては、ずいぶん各方面とも議論をいたしてみました。で、結局、このたびの趣旨は――いわゆる予算上、資金上、可能、不可能という問題は、現時点において判断をしなければならない。その現時点における判断は、ただいま運輸大臣また船田政務次官から申されたとおり、実行可能であるとにわかに断定しがたい。こういう事態になりますと、この国会でこれが承認、不承認ということばが使われておりますが、昭和二十四年以来議論された結果、国会の議決を求めるの件、こうして提出をいたしましたこと自体が、いわば非常に下世話なことばで申しますならば、政府として今日の時点でこのような判断でございますが、いずれか国会のほうの御意思で御決定をくださいと、こういう立場で提出するということが、昭和二十四年以来の経過からいたしまして、承認を求めるの件でなしに、国会の議決を求めるの件と、こういうふうに取り扱いが今日までなされておる経過のように私も研究をさしていただいた次第でございます。
 したがいまして、これについて瀬谷委員から必ずしもお問いではございませんが、予算上、資金上、不可能であるという、いわばにわかに可能であると判断しがたい。そこで、いわば法律に基づく議案提出の義務でもって御判断を国会でいただく。もとより国会で承認と、こういうことになりますれば、政府は、それは裁定に服すまた義務が生じてまいりまするし、国会で不承認ということになったといたしますならば、この不承認を条件にして、いわば最終的に裁定に拘束されない、こういうことに相なるであろう。そこで、予算上、資金上、可能であるという判断をいたしましたといたしますならば、いわば、今日審議中でありますこの国鉄関係二法というものの成立を前提に可能であると、こうかりに判断をすれば、これこそ国会の御審議のさなかでありますだけに、審議権を軽んじたというそしりも免れないであろう。また、もう一つの議論といたしましては、直ちに補正予算を出せば可能じゃないか、こういう議論が当然出てくるであろうと思われるわけでありますが、この可能、不可能は現時点で判断して、先例によりましても、補正予算を追っかけ提出をいたしまして御審議をいただく際にも、必ず一応この手続をとらせていただいた後、補正予算が議了した段階で自然消滅ということを国会で御決定をいただいておる、こういうことに相なっておるわけであります。
 しかし、そのようなことをすべて別にして、たとえば、現状のままで可能じゃないか、いわば国鉄の計画されております事業のすべてを停滞させれば可能じゃないか、あるいは、それだけのものを借り入れをもってまかなえば可能ではないか、これも卒直に、今日まで私ども部内で議論をしました際に、議論として、可能であるという論理は、これはそれなりに成り立つというふうに私も思います。しかし、現実問題、その場合には国鉄事業の停滞を来たすであろうし、御審議賜わっております国鉄再建計画に破綻をもたらすことでもありますし、また、かりに、もし借り入れという措置が考えられましたときには、これまた予算総則によって借り入れワクがあり、すでに成立いたしました予算に御議決をいただいておりますだけに、やはり補正予算そのものの提出が必要となってくる。さようしからば、今日どういう事態が最もこのことを実行するに可能であるかといいますならば、御審議賜わっておりますこの法律案の通過、成立した段階に、およそ可能であろうと断定することができるのではなかろうか。もろもろの角度から検討いたし、弁明をいたしますならば、このたびの政府のとりました措置というものは、法律上きわめて事務的にとった手続であり、そして、それなりの配慮あるいは私どもの政治姿勢につきましては、当委員会等で御究明賜わったことに対する誠心誠意のお答えをしますことによって御理解を賜わりたいものである、このように考えております。
#25
○瀬谷英行君 この官房長官の言い回しは、さようにかみしもを着ておりますけれども、こういうかみしもを全部取り去ってみると、どういうことになるかというと、可能か不可能かの判断は、現時点では直ちに実行可能と断定しがたいということは、これが仲裁裁定を守る、守って支出をするということができるかどうかわからない、だから運賃法が成立をしたらば実施をするけれども、成立しない場合には春闘の妥結事項も御破算になることを覚悟してやらないんだということになってしまうわけです。だから運賃法の成立かどうかということがここにかかっている。つまり仲裁裁定を実施できるかどうかにかかっているんだというふうに、突き詰めていえばなってしまうわけですね、何と言おうとも。だが、そういうことになりますと、言い回しがどうあれ、この運輸委員会に対して、政府の原案どおりにこの運賃法を成立させてくれないと、こうだぞと言っていることになるわけですよ。やっぱりこれはかみしもを着てていさいよく言おうと、何と言おうとも、しょせんは脅迫あるいは誘導ということになるんじゃないですか、結果的には。そうなるとは思いませんか。
#26
○国務大臣(竹下登君) これはかみしもを着ておりますか、洋服を着ておりますかは別といたしまして、いま瀬谷委員の御議論というものは、私は政治感覚的になされ得る可能性はあると思いましただけに、ずいぶんかみしもを着て御理解にこれつとめておる、こういうことであります。ただ私はこの問題、いわば政治的な感覚の中に瀬谷委員が発言された問題は消化できるものの、たてま与論からいえば、法律に従った別途な議案として国会では御審議いただくものである、そういうふうに割り切らざるを得ない、このように考えております。
#27
○瀬谷英行君 われわれは、やはり割り切っていかなければいけない、つまり、割り切るというよりも分離していかなければいけないと思っている、これは。運賃の問題、国鉄再建の問題は非常に多くの問題をはらんでおるわけですね。多岐にわたっているわけですね。これは、うのみにしてくれと言うことが無理なぐらい多くの内容を持っております。おそらく野党だけではなくて、与党にしても相当な意見があってしかるべきではないかと思うんですね。それをともかくまるのみにしないことには、仲裁裁定のほうも御破算にしますと、何か仲裁裁定不履行の責任を国会のほうになすりつける、責任転嫁をする、こういう意図を持ってやられたことのようにしか思えないわけです。そうじゃないと言うんならば、あくまでも裁定の実行と運賃の審議というものは切り離してやるべきだと思うんですね。いまのところ、たてまえとしては切り離さなければならぬけれども、実際はそうじゃないんだ、あくまでもくっつけて、そしてどうなんだと、あいくちを突きつけて命が惜しければ金を出せという式のやり方をやっているわけですよ。だから、やり方はあくまでも脅迫なんですね。ただ、かみしもやモーニングを着てていさいよく言っているだけの話です。だから、その点は、審議をする側にすれば、これは重大な問題ですよ。内容は多岐にわたっておりますだけに、脅迫をされ、誘導をされながら審議をするというのでは、この審議というものは公正にはできないということになってしまう。だから、私どもとしては、公正な審議をやろうとするためには、あくまでもこれが成立をしなければ、こうなりますとか、ああなりますとかいう妙な条件をつけてもらいたくはない。だから、無条件で仲裁裁定は仲裁裁定として実施をするのだ、その財源は、この運賃法がどうなろうとも、あらゆる場合を想定して考えておくということでなければうそだと思う。それは補正予算という問題も生じてくるかもしれませんし、あるいは予算委員会でもって、そうなりますと当然、補正予算の審議という問題も出てくるでありましょう。これは国会運営の問題に関連をしてくることでありますから、あくまでも政府として考えなければならぬことなんでありますけれども、当委員会における審議のあり方からしますと、私は、いま政府がわれわれの目の前に突き出した公労法十六条という問題は、公正な審議の運営について、これははなはだ納得しがたいものがあるというふうに言わざるを得ない。その点が解明されないと、これからの審議を進める上にたいへんに困るわけですかね、その点はどうなんですか。
#28
○国務大臣(竹下登君) これは私も、瀬谷委員の御議論の中におけるいわば瀬谷委員の御感想は、政治的感覚の中にそういう感想は実存するというふうに私も理解をいたします。したがって、これをいかに、そうした感覚のものでないということを、払拭するための御理解を賜わるということには最善の努力をしなければならない、政府自体そう考えております。確かに、御指摘のとおり、明らかにこの二つの議案というものは、これは議案としては当然二つの分離された議案であるというふうに理解をいたしております。が、内容については、そうは言っても事実問題これはそう分離する内容のものではないじゃないか、こういう御意見もそれなりに私は成り立つものだと思います。しかし、いまの場合、御理解賜わりたいことは、政府として、現時点において、これが可能と言いがたいという断定をせざるを得ない、この問題はすべて現時点に立って、そういうにわかに断定せざる場合は、政府として国会の意思を問うという法律上の義務が存在しておる、その義務に基づいてこれを御審議いただく、こういう意味で提出したわけであります。したがって、もろもろの状態は、それは確かに考えられます。これは国会自体で御結論をいただくことでありますので、政府側から、こういった場合はどうなる、ああなった場合はどうなるということを私なりに検討はしてみましたものの、これは国会に対して僣越のさたでございますが、現時点で、いま本院において国鉄運賃法というものが審議されておる、そして、それを踏まえた予算はすでに成立をしておるという場合、現時点で、節減とかあるいは移流用とか、あるいはまた補正予算とかというものを考慮の外に置いて、現時点で判断をして、いわゆる国会への提出義務を順守していく、こういうふうに御理解を賜わりたいものであると、このようにお願いをいたすところでございます。
#29
○瀬谷英行君 金額にすれば、この原案どおりに成立するかどうかということは、千七百億の金がどうなるかという問題であります。一兆何千億というこの予算の中で千七百億ですからね。これが二兆とか三兆とかいう支出を内容とするなら、これはむずかしい話になってくるのでありますけれども、国の予算の中から見れば、千七百億という支出が不可能であると、こういうことはわれわれの感覚からすれば考えられない。あくまでも一つのワクの中でものを考えようとすれば、千七百億であろうと、あるいは千百六十億であろうと、それはワクの中で考えようとすれば同じことですよ。あくまでも現時点で実行可能と断定しがたいというふうに言われましたけれども、そうやって国会にその意思を仰ぐということであれば、それじゃ手続的には、政府はどういう形でもって国会の意思を仰ごうとしているのか、どういう形での議決を求めようとしているのか、これはどうなんでしょうか、その点も、これはちょっと事務的にわたりますけれども、お聞きしたいと思うんです。
#30
○国務大臣(竹下登君) これはやはり現時点という時点は、いま御審議賜わっております国鉄運賃法が成立することを前提とした国家予算というものが成立し、そして、私どもはこいねがっておりますし、今日この委員会において御審議をいただいておるという、この審議が進行しておるというなれば、可能性の中においては、それが成立し得る可能性をも包蔵しておると、そういうすべての現時点ということからいたしますならば、私は現時点でいま予測される場合には、こういう措置がありますということは、私の口から申し上げるのはいささか軽々に過ぎるのではなかろうかと。したがって、あくまでも、すべての背景の中に、現時点で判断した場合に、これがなし得ると断定できない。が、いま可能性を包蔵し、われわれがこいねがった運賃法そのものは御審議いただいておる。そういう現時点の中で判断すれば、法律的にも、事務的にも、私は、国会へ別個な案件としてこの議決案件を提出する義務に忠実に従わなければならないではないかと、ずいぶん悩んだ、私も。国会対策的な竹下登はやや先行するきらいがありますし、それだけにずいぶん悩んで、瀬谷委員並びに各方面の御質問に対しましても、私なりにものごとを整理して御理解を賜わるような最大の努力をいたしておると、こういうことであります。
#31
○瀬谷英行君 最大の努力というのはどういう意味なんですか。この成立を、つまり原案どおり通してくれと、一言で言えばそういうことをお願いするという意味なんですか。
#32
○国務大臣(竹下登君) この法律案は、これは政府、内閣一体の責任において提出したものでございますから、これはもう心から成立を、申しますならば、成立を期待をしておると、こういうことであります。しかし、私が御理解をいただきたいというのは、その法律が成立すること、これは当然、提出者としての、内閣一体の責任からすれば、これはもとより期待をしておることでありますが、そういう現時点を踏まえた場合、この公労法第十六条によって提出義務を負わされている政府としては、感覚的に好むと好まざるにかかわりませず提出しなければならないという義務を生じておるということを御理解をいただきたい、こういうことであります。
#33
○瀬谷英行君 その義務というのは、公労法上のたてまえから言うならば、仲裁裁定を履行する、こういう前提に立って国会に承認を求めるというのが政府としての義務ではないかというふうに判断をするんであります。それがまた、きわめて常識的な判断ではないかと思うんでありますが、その点について疑義がありますか。
#34
○国務大臣(竹下登君) これは、この公労法自体、昭和二十三年にできたそうでありますが、まあ、いろいろ歴史を調べてみますと、当時、いわば英訳されたものを日本語に直訳した法律である、こういうような議論も国会においてなされたようであります。したがって、それなのに、昭和二十四年に、この承認を案件として提出するときには、議決を求めるの件として提出すべきだというような議論の中に煮詰まった結果として、この十六条二項の義務というものは、十六条第一項で今日可能と断定できないというときに義務として生ずるところの私は提出義務ではないかというふうに、国会に付議することが政府の義務であるというふうに断定せざるを得ないではないか、こういうふうに理解をいたしております。
#35
○瀬谷英行君 公労法の問題は昔からいろんな経緯がありました。しかし、いさまらこの法律ができ上がった当時のいきさつを繰り返してみても始まらないことなんでありますけれども、スト権を奪った、公共企業体の労働者からスト権を奪った、スト権を奪ったかわりにこういう制度を設けた、したがって、この制度に対しては労使双方ともに従いなさいというのがその趣旨だったと思うんです。ところが、その仲裁裁定に対して政府が履行しなかったことがある。履行しなかったために、労働組合はいろいろな形でもって抗議行動をやっております。当初は、ハンガーストライキといったような手段に訴えました。私もハンガーストライキというのをやったことがあるんです。ストライキというのは仕事をやらないのがストライキだと思っていたら、胃袋を休ませるストライキがあるなんということは思われなかったんでありますけれども、こういうことをやったけれども、なおかつ、きき目がなかった。だから、だんだんそれがエスカレートして、結局、実力行使という名称になり、やがてはストライキという名称を公然と使うようになってきたわけです。今日では、公労法の存在があってもストライキということばが公然と出るようになってしまいました。それというのも、この仲裁裁定というものがちゃんとこの法の目的どおりに運用されなかったから、そんな結果があらわれたんだと思うのです。だから、もしも今日、国会の審議の状況を予測をして、春闘の妥結を一切御破算にするようなことが結果として出てきたならば、政府が、それこそ、またまた大ストライキをやられるということも覚悟しなければならぬと思いますよ。これまた労働大臣の出席を求めたいところなんでありますけれども、労働問題として、そのような事態になるということを考えてよろしいのかどうか。これは政府の当事者としては、そういうことは考えるべきじゃないと思うし、極力回避しなければならないと思うし、そのためには、労働者側を納得させるような方法を講ずるのが当然だと思うのでありますが、その点はどうですか。
#36
○国務大臣(竹下登君) これは、いわゆるストライキというものに対してたびたび、年中行事、でもございませんが、官房長官が談話を出し、違法ストに対しては断固たる措置をとる一方、また特に国会、なかんずく野党サイドとの接点にありますだけに、スト回避については私なりにも各党各派の御協力をいただきながら最善の努力をしていく、こういう姿勢を今日までとっておりますし、いま瀬谷委員の労働運動のベテランとしての御意見がかりにもし将来エスカレートして、さらに大きなストライキを誘発するとか、そして、それに対して当然、処分というものが行なわれていくとかいうような、いわば双方ともの良識の中において避けたいという気持ちを包蔵しながらエスカレートし、労使関係がまさにデッドロックに乗り上げるというような事態になることは私も最も避けなければならない、むしろ私どもに課せられた至上命題の一つではないか、かように考えております。したがって、政府が、いまそういう政治的感覚の中でいろいろ御議論なすっているところの国会に対する挑戦であるとか、あるいはおどしであるとか、あるいはいやがらせであるとかいうようなものではなくして、まさにこれが政府として国会に対して付議することが義務であるということに基づいてやったものであるということを、この委員会の場を通じ、また各方面に理解を求めることによって、そうしたエスカレーションというものが行なわれないように、事前に防止する私は最大の努力をすべきであるという精神であります。
#37
○瀬谷英行君 それは官房長官としての一つの希望といいますか、そういう希望を述べられたという意味ではわかりますけれども、現実の問題として、いまこの運賃法は国会で、しかも参議院で最終的な審議をやっておる最中であります。だから、これがどうなるかということはまだわからないわけです。そうすると、もし原案どおりということになれば政府は文句はないかもしれないけれども、先ほど申し上げたように、審議の中でもっていろんな意見が出てくるわけです。たとえば、これは中身に入りますけれども、旅客収入と貨物収入だってえらいアンバランスがあるわけです。旅客収入の黒字でもって貨物収入の赤字をカバーしているんじゃないか、こんな問題も出てくる。それから利用者負担というふうになったといいながら、一方においては新幹線では必要以上に余分の運賃を支払って乗っているお客がある。かと思うと、貨物運賃では出血サービスをしている面がある。こういう矛盾を一体どうするんだというふうに突き詰めてくれば、理論的に明らかに矛盾している点がたくさんあるんですから、そうすると、これじゃだめだという意見も出てきたってふしぎじゃないと思うんです。そうなれば、この原案というものはやり直せということになるかもしれない。御破算にしてやり直せということになるかもしれないし、あるいは修正をされて旅客と貨物の運賃の賃率というものが変わってくるかもしれない、あるいは旅客の運賃の賃率そのものも変わってくるかもしれない。そうなりますと、数字が全部動いてくるわけです。そういうことも考えてみると、じゃ千七百八十八億というものが予定どおりに確保されなければだめなんだと言うけれども、四月一日が今日まで延びてきたということだけでもこの数字はくずれている、すでに。そうすると、この千百八十億という数字がくずれたからということになりますと、そういう理屈から言うというと、何も十六日まで待たなくたって、これは実行不可能だという結論が出てくるかもしれない。ところが、今日まですでに数字がくずれた分についてはほおかぶりできておりながら、どたんばになって、これはパーになったら、一切、仲裁裁定も御破算だというのは、これまた理屈が通らぬと思うんです。もし、あくまで原案の千七百八十八億を固執するなら、今日すでにこれは御破算にしなければならないということになってくる。予算措置は別途に講じなければならぬということになってくる。予算委員会を開いて、この問題をどうするかということを根本的に検討しなければならないということにもなるんじゃないですか。その点はどうでしょう。
#38
○国務大臣(竹下登君) ここのところが私の一番注意していなければいかぬところでありまして、内閣官房長官をいたしておりますと、国会との接点が多いだけに、国会でいろいろな議決がなされる態様などが前提に入って私が答弁をしたりしますと、これはまさに政府ののりを越してしまうおそれがございますので、その点非常に注意して答弁もいたしておりますが、今日の段階では、いま御審議を賜わっておりますのを内閣一体の責任においてよかれかしとして提出したわけでございまするが、それが原案どおり成立することを期待をしておるという表現以上に、内閣一体の責任において私の口から申し上げるわけにはまいらないと思います。瀬谷委員御議論のとおり、すでに四月一日実施のものが今日まで、公布の日から、こういうことでずれ込んでおることについて、おおむね一日五億円の歳入欠陥が生ずるということに対しまして、その千七百八十八億円そのものがすでに今日の段階において完全に確保されないということは明瞭ではないかという御議論に対しては、将来さらに自己努力をすることによってそれを埋めようといたす努力を続けますというのが形式的な答弁になるであろうと私は思います。が、いずれにしても、国会でこの法律案がどういうふうになっていくか、こういうことにつきましては私なりに一生懸命自分を自粛自戒をいたしまして、政府としてよかれかしとして内閣一体の責任において提出し、今日御審議賜わっておるものが成立することを心から期待をしておりますという答弁が限界ではなかろうか、このように思っております。
#39
○瀬谷英行君 大蔵大臣がお見えになりましたから、大蔵大臣にお伺いいたします。先ほど来ここで質問をしておりますことは、国鉄の運賃並びに財政再建のこの法律案の審議に先立ちまして、政府のほうが公労法の十六条の問題を取り上げまして、そうして国会にその意見を仰ぐ、こういう形をとっているのでありますけれども、公労法そのもののたてまえからいうと、仲裁裁定は労使双方履行しなければならない、それを守るという前提に立ってその承認を国会に求めるのがほんとうじゃないのか。ところが、政府が十六条を持ち出したということは、不承認の議決を考えているんじゃないかというふうに見られるわけです。ところが現段階では、との運賃法がどうなるか、まだ、海のものとも、山のものともわからないわけです、先ほど私は申し上げたんですけれども、一応、政府から出された国鉄の原案は今度は一キロ四円二十銭を五円十銭にしろ、こういうふうにいっております。しかし、ここの審議の結果では、一キロ五円十銭じゃ安いから六円にしろということになるかもわからないし――そういうことにはならないと思いますけれども、たとえばの話です。高過ぎるから四円五十銭にしろということになるかもしれない。いや五円十銭という原案どおりでよろしいということになるかもしれない。前の四円二十銭でたくさんだということになるかもしれない。どうなるか、わからないわけでしょう。どうなるかわからないのに、すでにこの実行が可能とは断定しがたいという理由でもって――これは官房長官がおっしゃっています。実行可能とは断定しがたいという理由で公労法十六条を持ち出されることは、この運輸委員会に対して政府自身が一つの誘導を試みるあるいは圧迫をかけているというふうにしか見られないわけなんです。一体なぜそういうことをするのかということを先ほど来質問をしてきているわけなんですけれども、支出のほうの責任者である大蔵大臣としては、実行可能と断定しがたいというのは、一体どういう根拠でもって断定しがたいというふうに見られたのか。また、十六条を持ち出されたその真意というものは那辺にあるのか、その辺を大蔵大臣からぜひお伺いしたいと思います。
#40
○国務大臣(水田三喜男君) 御承知のように、この仲裁裁定は、これは政府として当然尊重すべきものでございますので、各公共企業体の実情を見まして、相当無理なところもございますが、しかし、これは裁定を尊重する、あらゆる努力を払ってこれを実現するように政府は努力するつもりで、他の公共企業体については問題はございませんでしたので、この裁定のとおり実行したいということをきめました。しかし、この国鉄に関しましては、ただいま運賃法案がまだ御審議の最中でございまして、先の予測ができません。そういうときは、現状に即した政府は判断をする以外には方法ございませんが、現状に即して考えますというと、この今年度の国鉄の予算も、こういう一連の法案が通過するということを前提として組まれたものでございますし、したがって、それは予定である、もしここに狂いが出るということでございましたなら、この裁定の実施も当然これはなかなか実現が困難な問題になりますので、したがって現段階においては、これは予算上むずかしいという判断をいたしまして、もしそうだとすれば、これは国会の議決を求めなければいけないことでございますが、その求める期限が十日以内というふうに法律できめられておりますので、この最後の期限が六日でございまして、したがって六日中にその手続をとらないということになりますというと、政府はこの国会でこの法案が当然通過するということをもうきめ込んだ上で、そうして予算上これが可能であるという考えから何らの手続をとらなかったということになるわけでございまして、実際はそうではない、いま御審議を願っている最中でございますから、現状においては、これは不可能だということでこの手続をとったということでございますので、ここの御審議を圧迫したとかなんとかじゃなくて、もし政府がこれを出さないというふうなことだったら、むしろここの結論をかってに政府が出したということで、これは委員会の審議に対して政府が行き過ぎた想像をするということになりますので、このほうが審議を無視したことになると思いますので、御審議に対しては、これは政府はどうしても通過を期待はいたしますが、この御審議を願うということにしまして、現段階におきましてこれが未決である間は、この仲裁裁定を実現することは不可能だという見解に立ってこの手続をとったということでございます。ですから、決して、委員会に挑戦したとか、委員会に圧迫を加えたというのではないので、むしろ逆だというふうに私は考えております。
#41
○瀬谷英行君 逆だというのはちょっとおかしいと思うんですよね。じゃ国会の議決を求めるというのはどういう議決を求めるつもりなんでしょうか。たとえば春闘でもってあれだけの大きな騒ぎの中で一応妥結しましたね。しかし、この妥結をしたということは支出を約束したということなんですね。政府といえども、国鉄も政府の検関なんですから、政府自身が支出を約束をしたということになるわけです。そうでしょう。その支出を約束したのを、この議決によっては御破算にするかもしれませんよということになる。春闘の約束を御破算にすることは、国会に責任転嫁をするつもりなのか。あの春闘の妥結というものは、そこまでかたい約束じゃないんだというふうに言い切れるのか。れれわれが考えるならば、約束をしたということは、約束をした金額は出さなきゃいかぬ、運賃法がどうあろうとも、どうころぼうとも、予算措置は予算措置だというふうに考えるのが筋じゃないんですか。その点はどうなんです。
#42
○国務大臣(水田三喜男君) 三十五条によりまして、これは政府は尊重しなければならないということでございますが、それが、もし予算上、資金上不可能であるという場合にはこういう手続をとらなければならないという規定がございますので、それによって手続をしたということでございます。
#43
○瀬谷英行君 予算上、資金不可能であるという認定を、そういうように簡単にきめていいということにはならぬと私は思うのです。三十五条等から考えてみても、あるいはまた公労法そのものの制定の趣旨から考えてみても、そういうふうには理解されないと思うのです。これは国会の承認を求める一種の承認案件のようなかっこうになっているわけです。ところが、これは言い方がどうあろうとも、いま政府がやろうとしていることは、現在審議中の法律案がかりに原案どおりにいかなかった場合には不承認の議決を求めるという手続をとろうとしているというふうにしか解釈されないんですけれども、そういうふうな解釈が間違っているのかどうかですね。
#44
○国務大臣(水田三喜男君) それは十六条の解釈はそうじゃないと思います。どうするかをこの国会に議決を求めているんですから、国会が不承認という場合もあり得ますし、国会は、予算上できなくてもこれはやれと、承認する場合もあると思います。で、かりに承認するというようなときには、この運賃法案が通らなくてこちらを承認するというのは、要するに国鉄の再建策、今度の再建策は最初から全部やり直すということでございますので、その結果はどういうことになるのか、これはまたその事実に基づいて別個のことを国会にお願いして処置してもらう以外にはないという問題になろうと思いますが、十六条自身では不承認を求めるということでございませんで、どうすべきかということを国会に求める、こういう法律であろうと思います。
#45
○瀬谷英行君 どうすべきかと言ったって、出すか出さないかしかないでしょう。半分に値切るわけにいかないでしょう、これは、この問題は。だから、どうすべきかという言い方はきわめてあいまいですよね。全部出すか出さないかですね。承認を求めるということは支出を認める、認めてもらおうということなんですね、承認を求めるということは。そうでなければ不承認の議決ということになっちゃうわけです。白か黒か、中間というのはないわけです。そうじゃないですか。
#46
○国務大臣(水田三喜男君) 国会の判断ですからあらゆる場合があり得ると思います。イエスかノーかというのでなくて、一部承認とかなんとかということはあり得ると思います。ただ、いままで先例がない。四十一年のときにも同じようなことがございましたが、この期間がきて、国会に議決を求めているうちに法案が上がったために自然消滅になったという例はございますが、あまり例はございませんが、これは国会がどういう議決をするかは、私は、国会自身がやる、いろんなことをやり得ると思います。
#47
○国務大臣(竹下登君) ただいまの大蔵大臣の御答弁のとおりでありますが、少し問題整理したのがここにございましたので、私から補足いたします。
 従来から一貫して、議決を求めるの件という形式で行なってきて、このたびもこの先例にならっております。このこと自体が、これを承認するかしないかという国会の意思を問うべきことを規定したものであるというふうに理解されるから、昭和二十四年に統一いたしまして、そういうことばを使っております。さらに、これは昭和二十八年の際の統一した答弁がございますが、政府が国会に対して裁定の承認または不承認を求める場合は、具体的事由を示して、政府としては、仲裁裁定の扱い方は、国会の審議を通じて国会において結論を出してもらうという行き方のほうが実際的であると考えているので、今回もその方法に従った次第であります。昭和二十八年第十七回国会における、これは小坂労働大臣の答弁の要旨がそのようになっております。
#48
○政府委員(山口真弘君) 先ほど大蔵大臣が申されたとおり、最近の例におきましては、四十一年度におきまして、郵政関係につきまして全部承認か全部不承認かという形でもちろんこれは検討はされておりましたが、この点につきましては、議案自体が自然消滅と――郵便法の改正法律案が成立いたしましたあとに自然消滅ということになりました。それで、ちょっと前の例でございますが、もちろんこれは国会の議決を求めまして、そして国会が自由な御判断でこれを御判断なさることでございますから、全部承認をすることも全部不承認をすることも、あるいは一部分承認することもあるわけでございまして、ずっと前の例といたしましては一部の承認をしたことがございます。
#49
○小柳勇君 関連。
 法律論争はあとに譲りまして、政治的な政府の見解を聞きたいんですが、いままでの瀬谷君の質員に対する竹下長官なり大蔵大臣の答弁は、いまの政府の態度は、現時点では資金上、予算上支出不可能と認めるから、国会に議決を求める案件を出して、国会のほうで出せとおっしゃるならば別途補正予算などで出しますが、出さぬでよろしいと思うならもう出しませんと、現時点では支出不可能であるという前提でこの議決を求める案件を出しましたと、このようにとれますが、それでいいですか。
#50
○国務大臣(竹下登君) したがって、この議決を求めるの件につきましても非常にことば使いを注意したわけでありますが、現段階において予算そのものは成立し、その裏打ちとなる国鉄運賃法が審議され、そうして一体、千七百億の歳入欠陥が生ずるかどうかということについても現時点においては決定しがたい状態にあるので、今日断定できないと、こういう表現を使っておる、このように理解していただきたいと思います。
#51
○小柳勇君 もう一回確認いたします。したがいまして、この運賃値上げ法案によって千七百八十億ばかりの増収を見込んでおる、だから、その法案がどうなるかわかりませんから、現時点では政府としては支出不可能でありますからこの議決案件を出しましたと、こう理解してよろしいかと聞いているんです。
#52
○国務大臣(竹下登君) 私どもは、非常に正確に支出可能であるとは断定できないと、こういう表現を使っておりますが、なお正確を期する意味において、吉瀬次長のほうから、このことは正確に説明さしていただきます。
#53
○政府委員(吉瀬維哉君) ただいま官房長官から御答弁申し上げましたとおり、現段階において支出が可能であると断定できない、この意味でございますが、おそらく、借り入れ金を追加すればいいじゃないかとか、借り入れ限度が予算総則できめられているので、まだ実行が残っているので、その範囲内ではできるんじゃないかとか、あるいは将来の問題として工事費を削減すればいいじゃないかとか、いろいろな御疑問が出ることは、あるいは当然かと思いますが、私ども、先ほど大蔵大臣から御答弁申し上げましたとおり、現在成立した予算を前提といたしまして、その予算はいわゆる国鉄に対して相当なる財政援助を行なう、一方、国有鉄道といたしましては運賃値上げを行なうというような体系のもとに組み立てられた予算でございまして、その段階におきまして、借り入れ金をもちましてこういうような費用をまかなう、あるいは工事費、国鉄再建のためにぜひ必要な前向きな投資を削減されるというような状態におきまして可能であると断定することは困難であると、そういう前提におきまして不可能であると断定したと、こういうように考えております。
#54
○小柳勇君 私の質問と同じことを言っているんです。答弁はそれでよろしいんですが、この運賃法が通ったあと千七百八十億なりあるいは千七百億増収があるかないについては、あとのほうは運賃法のところで論じましょう。運賃は、前の運賃値上げとその年の増収の問題などいろいろ具体的に例が出ておりますから、そのことはまた別に論議しましょう。
 で、私が質問しているように、いまの政府の態度は、現時点では、この国鉄労働者に対する裁定を完全に実施するだけの資金上、予算上支出不可能と判断いたしますから、この議決を求めておりますと、そういうことです。したがって、それをまず前提にしていますから質問いたします。
 昭和二十四年の、いま官房長官は文書を読まれました。昭和二十四年から昭和三十一年まで国鉄労働者に対する裁定は不完全実施でありました。一部不履行。それが現在なお裁判で争われておりまして、約二千億近くの借金が政府にあるとわれわれは考えています。正確に言えば千七百億ばかりまだ借金があると。それがいま裁判中です。したがって、昭和二十四年から昭和三十一年までの裁定一部不履行に対しまして裁判判決はさまざま出ています。したがって、公労法三十五条、公労法十六条の解釈は学者によりましても判例によってもさまざま。したがって、法律論争は後刻また瀬谷君もやるでしょうし、私もあとは後刻やりますが、いま私は政治的に質問いたします。
 それは昭和三十二年、私が委員長時代に汽車をとめ、そして昭和二十四年から昭和三十一年まで毎年毎年ストライキ権のかわりに仲裁委員会の裁定が完全実施されなかった、したがいまして、われわれはILOにも提訴いたしました。ILOは私どものこの訴えを是といたしまして、ストライキ権のかわりにきまった仲裁委員会の裁定が完全実施されないということは、これは不当である、これは完全な代償ではないという勧告が出ています。これは労働省御存じのとおりです。したがいまして、昭和三十二年に、当時は石田労働大臣でありましたが、石田労働大臣が積極的にこの裁定完全実施を唱えまして、当時の岸総理とわが党の鈴木茂三郎委員長が会談いたしました。そして、今年は完全に裁定を実施いたしますということで私はストライキを解除いたしました。それ以来、三十三年以来今日まで仲裁裁定は完全に実施されて、裁定が出れば、あるいは仲裁委員会にかかれば、いわゆる実力行使を一切やめて裁定に服してきたのは御存じのとおりです。したがいまして、いま、ことしですね、あのような情勢の中で国鉄労働者が、これは各組合とも、四つの組合とも仲裁委員会にゆだね、そうして裁定が出ました。その裁定の内容も、これは不満足なんです、国鉄の労働者は。そうして裁定は、各民間の企業に比べて裁定は、出ました結論は民間より低いわけです。したがって、不満ではあるけれども、昭和三十三年から今日までの経緯を考えて、国鉄労働者としては、裁定が出たならば完全に守ると、したがって実力行使は一切中止いたします、したがって国鉄労働者が一切の実力行使を中止して、そうして営々としていま輸送の任務に従事しております。その国鉄の労働者、生活の、いわゆる生存権を獲得したとして働いているこの国鉄労働者の裁定を、現状としては資金上、予算上不可能であるから実施できませんと、あなた方はいま国会に議決を求めようとしておる。このことは、いままでの慣行、政治的なりっぱな慣行を無視することであると私は考えますが、竹下長官はいかに考えますか。あとでまた少し、その答弁によって質問いたします。
#55
○国務大臣(竹下登君) これは確かに、いま小柳委員御指摘のとおり、いわば一部承認の時代は別といたしまして、完全実施するようになりましてから、今日、そういう実力行使が直ちに中止されるというような形が定着しているというふうに私も理解しております。したがって、まさに四十一年の郵便法通過の際、いわば法律そのものは違いますが、こういうことがありましたものの、国鉄関係についてはこのような事態は、完全実施後におきましては、法律案とそして議決を求める議案が一時的にも国会の中に並存したという事実はございません。ただ、補正予算等の審議中に際しましても、このような手続が、まさに国会に付議することが政府の義務であるという精神に基づいて行なわれてきたわけでありますので、それは国鉄精神においては、法律解釈上は私は違っていない精神においては、法律解釈上は私は違っていないと、このように思います。ただ私自身、これについて政府部内でもいろいろ議論をいたしましたが、今日やはり法律をすなおに読んだ場合、通ったらどう、通らなかったらどうというふうに、国会の審議権の中に少しでも介入する姿勢はあってはならない。内閣一体の責任において提出した法案であるから、当然通過成立さしていただくことを期待しておるという段階におきまして考えましたるとき、私は、小柳委員御指摘のように、小柳委員の御意見にもそういう感じが受けとめられるわけでありますが、私どもはそうでなくして、あくまでも国会に付議することがその時点に対処しての判断に立った場合は義務である、こういうすなおな気持ちで御理解をいただくべく努力をすべきである、このように考えております。
#56
○小柳勇君 それでは長官、もう一回質問しますが、端的に、この仲裁委員会から出た国鉄労働者に対する裁定を完全に実施する腹があるのかないのか、それだけ結論を聞きましょう。政府の見解を聞きましょう。
#57
○委員長(木村睦男君) 水田大蔵大臣。
#58
○小柳勇君 ちょっと大蔵大臣、待ってください。政府の見解を聞きましょう。
#59
○国務大臣(竹下登君) 当然かくありたいという精神には変わりはございません。
#60
○小柳勇君 裁定を完全に実施する、したいという念願があるならば、幸いいま国会開会中でありますから、運賃値上げ法案がどうあろうと、とにかく補正を――国鉄労働者に対する裁定に対しては、もし現在の、いままでの予算で国鉄が動かないとするならば、それに対する補正を、あるいは予算流用を、できるだけの政府で出し得る力を出して、完全実施する方向で検討する、それでもなおできなかったら、国会でひとつ補正予算などの予算委員会を開いて補正予算をきめてくれと、こういうような話ならわかりますよ。現時点では予算上、資金上支出不可能でありますから、裁定を完全に実施せぬでもよろしいような議決をしてくれ、それが真意でしょう。あなたはいろいろ言い回しをしておりますけれども、現時点では不可能ですから、出さぬでもよろしいような議決をしてくれ――もしそうでないならば、それでは、これじゃ足りませんから、金を借りますとか、あるいは補正を組みますとか、もっと前向きに承認を求め、あるいは議決を求めてよろしいと思う。
 私は、公労法十六条というのは、これは憲法違反だと考えています。三十五条があって、それを打ち消して、公労法に一体何の生命がありましょうか。憲法二十八条から考えていきますならば、私はこの公労法十六条ができたときからそう思っていました。しかし、その論争はいたしません。これは裁判が判定いたしましょう。したがって、運輸大臣もさっき裁定は完全に実施したいとおっしゃる、それならばその方向の答弁がもっとあってしかるべきだと思う。ただ冷たい文庫だけ読んで、しかも昭和二十四年のそういう文章を読んで、カビのはえた文章を引用して、現在の佐藤内閣の姿勢というものを昭和二十四年のカビのはえた文章で表現しょうということに対して私は不満足です。したがいまして、大蔵大臣もいま、いや、そうじゃないという顔をしていらっしゃるが、じゃ議決を求める真意を言ってください。私が言っているように、幸いいま国会開会中だから、予算委員会を開いて補正でも組んでください、あるいは費目の流用でもやってくださいというような意味であるかどうか、大蔵大臣から答弁を求めましょう。
#61
○国務大臣(水田三喜男君) いまお話しの前提になっている問題で一言申し上げたいと思いますが、国鉄の財政が非常に大きくなっておることは御承知のとおり。この財政をこのままに放置しておく場合には、国鉄の公共企業体の職員の待遇が他の公共企業体の職員と明らかに区別されるような事態になってはたいへんである。この仲裁裁定が下った場合に、公共企業体の中で一つ例外を置くような事態がないようにということを私どもは考えて、国鉄の再建案――今度の予算編成に先立って一番先にこの問題と取り組みました。そうして、毎年こういう問題が起こったら、国鉄の従業員に対してこれは政府としてたいへんな問題でございますから、一年、二年の問題じゃなくて、少なくとも十年ぐらいの計画で、その間に国鉄の財政が立ち直るという一つの方途ができるならば、毎年こういうことの問題が起こらなくても済むという見通しから、根本的な国鉄の再建案を私どもはつくったつもりでございます。それに基づいて、政府の出資なり、助成なり、あるいは国鉄の企業努力で解決する部面、それから利用者に負担してもらう部面というようなものをきめて、この十年間で国鉄が一応とにかく、わずかであろうとも、財政が黒字に転換するという計画を立てて、その上に本年度の予算が編成されたということでございます。したがって、この計画が実施されるのでありましたならば、問題は一切ございません。いま御審議を願っている運賃法案もこの計画の一つでございますので、これが通過する場合には、もう予算上、資金上の問題はなくて、これは、この裁定を他の企業体と一緒にのめるということになるのでございますから、私どもは、ぜひこれを通していただきたいというふうにいま考えているわけでございますが、この法案が国会に出ている最中に、これが通過させていただくのか、いただかないのか、国会の権限に属することを政府がかってに想像して、これはできそうもないから、それじゃ別の形でこの裁定を実施しようといって、いま政府が立てたこの十年間に再建するというこの法案と離れた別個のものを、すでに国会の議決を願った予算と別のものを政府が立てて、この裁定を可能とするようなものを出したら、それこそ国会をたいへん無視して、何だ、たんきめた予算をかってに政府が動かしてそういうことをするのかとおしかりを私が受けてもどうにもならない問題でございます。したがって、そういう政府の再建策の法的裏づけがまだできていないときでございますから、したがって、現段階においては可能と断定できないという限りにおいて、国会の御判断を得るという措置が当然であって、私はここでかってに政府が、いま言うように修正案ですか、補正予算ですか、そんなものを出したら、それこそ国会をばかにしたたいへんなことというおしかりを受けるんじゃないかと思いますが、これはちょっといまの御質問が少しおかしいんじゃないかと思います。
#62
○小柳勇君 関連だから、もうこれで終わりますから。
 まず磯崎総裁に、今度の完全実施に要する費用、総額、それから定昇の予算、純粋にどのくらいが足らないのか御説明願って、そのあともう一問伺って……。
#63
○説明員(磯崎叡君) 今回の仲裁裁定の内容は、もう御承知ですから申し上げません。それによりまして国鉄が所要する資金は約七百五十二億でございます。億以下は省略いたします。そして、七百五十二億は、これは定昇を含んでおりませんが、この中で支出予算のある部分が五百七十億。この五百七十億も、先ほど来お話しのように収入予算と見合いでの支出予算でございます。ですから現時点におきましても、この五百七十億の裏づけの原資が一〇〇%あるとは申せないわけでございます。そのほかに百八十二億、これは支出予算のない面でございます。これは例年ならばこの部分だけが問題になるわけであります。ことしは根っこのほうの五百七十億自体の原資の問題が先ほど来御議論になっておるわけでございます。こういうふうに思うわけでございます。
#64
○小柳勇君 前年度予算で組みました定昇分の予算に入っているのは幾らですか。
#65
○説明員(磯崎叡君) 定昇分は、これはもう当然でございますのでいま申し上げませんでしたが、約二百億でございます。
#66
○小柳勇君 したがいまして、純粋に足らない面とわれわれ考えますのは二百億、いろいろはね返りなんか考えまして、大きく言いましても三百億です。大蔵大臣、これだけの大きな問題になりました、国鉄労働者に対する賃上げ問題が、いま二百億から三百億のことで――政府は、この運賃値上げ法が通らなければ現状としては資金上、予算上支出不可能でありますから国会ひとつ判断してくださいと言われるし、はっきり政府の腹はどうかと聞いたら、裁定は完全に実施する腹ですとおっしゃる。それならばこの二百億、三百億の金を何とかするだけの努力をしなきゃならぬでしょう。国会でただ議決を求めますというて、そういうことはどういうことですか。それは言うならば、もうこれいま国会で、ここに、さっきから瀬谷君言っているように、国鉄再建法、運賃値上げがかかっておりますから、これ上げなければ国鉄労働者に対する裁定実施できませんよと、端的に言えばそうでしょうが。それを何かうまく表現を変えて、そして国会に議決を求めます、判断を求めます。政府が原案を持ってきて、三百億足りませんからこうしたいがどうですかと、普通はそうでしょうが。予算委員会に持ってくるのはみんなそうでしょう。ただばく然と判断してくださいなんて、そういう議決のしかたありませんよ、普通出てくるのは。したがいまして、いま一つ断定したいのは、現在の佐藤内閣は、国鉄労働者に対する裁定は完全実施する腹はないということ、これを私はまず確認しておかなきゃならぬ。でないと、いま衆議院から出されてきた議決をすなおに受け取れないですね。
 したがいまして、もう一回これは運輸大臣に聞いておきましょう。運輸大臣は当時者です。あれだけの大きな仕事をして、危険な仕事をしている国鉄労働者に資金上、予算上――わずかとは言いません、わずかとは言いませんが、一兆数千億収入のある国鉄経営で二百億か、三百億、それもすぐじゃないですよ、すぐじゃありませんよ。にもかかわらず資金上、予算上支出不可能で公労法十六条を発動したということ自体問題です。郵政が昭和四十一年に発動しまして、それはもうすぐ郵便法が通ったから全然論議しないで済みました。だから今度出しました、そのようにあいまいなことで、先の見通しのあいまいなことで公労法十六条を使うべきじゃないと私は言いたいわけです。したがって、もう一回聞きましょう。あと法律論争は他の委員がやりますから、運輸大臣に、国鉄労働者に対する裁定は完全実施するという、何とか努力をして完全に実施する腹があるのかないのか、端的に見解を聞きます。
#67
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 私は冒頭にも御答弁を申し上げました。国鉄の職員全体に対しまして他の二公社五現業並みに仲裁裁定決定されましたものを完全に実施したいという念願におきましては、これは人後に落ちるものではございません。ぜひとも実行をしたいという念願でございますので、ただいま官房長官また大蔵大臣からも御答弁がございましたとおり、いまの法律のたてまえといたしまして、現時点におきまして予算上、資金上支出が可能と断定できない場合におきましては、やはりこの法律のあれによりまして国会の御判断を仰ぐということが政府に義務づけられている次第でございまして、それゆえに、今回ほんとうに残念ではございますが、そういった措置をいよいよ六日のぎりぎりの線におきましてきめた次第でございまして、将来とも、ぜひともこれが完全実施をしたいという念願には変わりないことをはっきりと申し上げておく次第です。
#68
○瀬谷英行君 小柳委員の質問に対して大蔵大臣の答弁はちょっと的をそらしたように聞き取れるんですよ。十六条を持ち出したということが、これがしごくあたりまえのことのように言われておりますけれども、先ほどの官房長官の答弁で審議権の中に介入する姿勢があってはならないということを言われました。これはすなおな気持ちでということなんですけれども、すなおな気持ちで、もし審議権の中に介入する姿勢があっちゃならぬということであれば、官房長官自身がタイミングが悪かったと言っているんですよ、白状しているんですよ、そのタイミングの悪い時期を選んでこの十六条を持ち出すということは、何と弁明しようと、これはストレートに運賃の値上げと賃上げが結びついちゃっているんですよ。そういうことになるでしょう。運賃の値上げと労働者の賃上げが政府の十六条の発動によって結びついているんですよ。そういう解釈になりませんか。事務的にやむを得ないんだとか、いろいろな言い回しはあります。言い回しはありますけれども、端的に言うならば、政府のほうは、この運賃法が原案どおりに成立をしなかったならば仲裁裁定は履行できません、不承認の議決を求めるんだと、こういう意味なんですね。結果的に。そういうことになるでしょう。そのことは、審議権の中に介入する姿勢があってはならぬと言うけれども、結果論として、運輸委員会の審議権の中に介入したことになるわけです。これは運賃を上げなければ、原案どおり通さなければ賃金は上げないということなんですからね。そういうことになっちゃう。しかし、そうはいかぬというふうに言っておる。私のほうで言っておるのは、この運賃の問題と仲裁裁定の問題は別である、別でなければならぬと言っておるんですよ。黒字にしなきゃならぬ、国鉄の財政の再建をはからなきゃならぬということは同感なんです。何も野党といえども国鉄の財政が破綻に瀕してもよろしいというふうには考えておりません。赤字がどんどんふえて、火の車にガソリンぶっかけるようなことになってもかまわないんだと、そういう無責任なことを言っておるんじゃないです。ただ、黒字にする方法が、考え方が違うというだけなんです。
 これは運賃の審議の中でおいおい明らかになってくると思うのでありますけれども、いまの政府のやり方は、運賃の値上げということを絶対的な問題にしているわけですね。ところが、しかし内容をしさいに検討してみると、運賃の値上げ必ずしも最上策であるとは言いがたいということになってくると思うんです。これはわれわれの主張であるし、政府の見解と違ってもやむを得ないと思うんですけれども、財政の再建をするためには、公共負担で当然政府が負担すべきものは政府でもって見なきゃならぬということは言えると思うんですよ。ところが、一々中に入ってしまうと何ですけれども、たとえば孫利子なんてばかげたことが今度出てきております。こんな孫利子の手当てをして財政再建のために大きな貢献をしたなんということは言えた義理じゃないと思うんですよ。つまり、本来ならば政府が当然やるべきことを国鉄に肩がわりをさせ、いわば立てかえ払いをさせておいてその借金の利息がどんどんふえた、利息のまた利息を払ってやろうといったような、その場しのぎのことで国鉄の再建ができるとわれわれは思っていない。だから、運賃の値上げといったところでたかだか千七百億でしょう、あえてたかだかと言いますよ。ところが借金のほうは幾らなんです。借金の利息のほうは幾らなんです。このくらいの運賃の値上げをやったからといって財政再建ということが一挙にできるような仕組みになってないでしょう。それを私ども言っているんです。それにもかかわらず千百八十八億、それもすでに数字的な根拠というものはくずれているんですね。千七百八十八億からもっと減っておるでしょう。それができなければ仲裁裁定のほうもだめですというふうに、賃上げと運賃値上げをストレートに結びつけるというやり方はきわめてまずいと思うんですね。正しくないと思うんです。それをあくまでもやろうということは、結果的には、この運輸委員会の審議を拘束する、あるいは誘導するという結果になるということを指摘しているんです。だから、それはおやめなさいと私は言っているんです。政府が、そういう審議権の中に介入する気持ちがないんだということであるならば、裁定は裁定としてこれは処理をする、裁定の完全実施という面で処理をするということをまず約束をすべきだと思う。これがどうなるか、この運賃法がどうなるかということは十六日までいってみないとわからないことなんですから、不成立を前提とし、あるいは不成立した場合を考慮するということは私は間違いだと思うんです。その点はどうですか。
#69
○国務大臣(水田三喜男君) 再建策が妥当かどうかという問題に結論はなるようでございますが、私はいま国鉄の経営を圧迫しているものの一番大きい要素は債務であると思っておりますので、この債務を一ぺんたな上げをするということを前提にしないとなかなか再建策は立たないと思いますが、たな上げするしかたは、この債務について年々支払いを要する利子分の再建債の発行を認めて、その利子を国が全部見てやるということは、事実上この再建期間中相当大きい国鉄の部分の債務が一時たな上げになるという効果を持つものでございますから、再建策としては非常に大きい対策になってきておると思います。そうして出資、助成、そのほか入れまして、とにかく二兆円近い負担を国が負うわけでございますから、それを土台にしたこの国鉄の再建策に基づいて本年度の国鉄予算の御審議を願って、すでに両院を通過させてもらっておる、その中の一つの内容が欠けるという場合には、これはこの予算の執行ということがもうこれで事実上不可能になると思います。ことに仲裁裁定によって七百五十二億という金が必要になると思いますが、いろいろ予算の流用、予備費を使い、それから五%あらかじめ準備されている金を使ってもなおかつ少し不足なものが残る、それだけを措置したら、ここでしのげるかというと、そうでございませんで、すでに運賃で予定されておる千八百億というものを入れますと、ここで二千億の金のやりくりをしないというと、この支出が可能であるという断定ができないというので、問題はこの予算の狂いの二千億というものをどうするかということになりますと、現在の段階ではとてもこれは可能という断定ができないということがはっきりしております以上は、政府はそれをそのままにして手続をとらずに十日間の日を過ごすというわけにはまいりませんので、これは国会に対して卒直にこの議決を求める、国会の判断を仰ぐ手続をとるのが政府として当然だろうと思います。そのときに、さっき申し上げましたように、政府が手続をとらぬということは、これは、国会がこれを議決してくれるだろう、くれればとらなくてもいいのだということになって、国会の議決に干渉したことになりますので、そういうことはすべきでないということが、さっき官房長官の言った意味であろうと思います。これはそのとおりであって、国会の自由な御審議を願うという立場から、政府は法に基づいて、現時点においては政府として可能と判断ができない以上は、一応国会に対して御判断を願うという措置だけは、この十日の最後の日までにとらなければならない、これがちょうど六日であって、国会の御審議中にこれが日が重なったということでいろいろのことを言われているようでございますが、これはやむを得なかったことだろうと思います。
#70
○藤田進君 どうも苦しい答弁で、あいまいなようですが、ここで整理してみたいと思うのですが、国鉄運賃の改定によって昭和四十七年度さらに四十八年度のそれぞれ年度別に幾ら増収になるのか、これもあらためて聞いてみたい。それから、いま、今度の仲裁裁定の実施に伴う人件費増で三百億くらい足りないと言われておりますが、これはいろいろいま総裁が言われたような計算方法で、昭和四十七年度幾ら足りないのか、まず、それからきちっとしておきます。
#71
○政府委員(山口真弘君) 四十七年度におきまするところの増収分は千七百八十八億であります。それから仲裁裁定によりまする原資につきましてはこれは七百五十二億、これは先ほど総裁から申し上げましたように、定期昇給の外が七百五十二億でございます。そして現在組んでありますところの支出予算でございますが、給与改善費が五%分で三百六十億でございます。その他かりに予備費二百五十億を流用するというふうなことをいたしまして、それが二百十億とすれば五百七十億でございますから、先ほど総裁が申し上げましたように、支出予算の面では百八十二億の不足分が生ずるということでございます。ただし、これは先ほども申しましたように、千七百八十八億の増収の部分というものを前提としての考え方でございます。したがいまして、増収部分の千七百八十億というものがかりになければ、当然その部分と、それからいま申し上げました仲裁裁定を実施するための予算に組んでおりません部分を足した分おおむね二千億というものが実際上の不足となってまいる、こういうことでございます。
#72
○藤田進君 私が聞いているのは、運賃とはかかわりなく、いまの成立した予算から見て、人件費部分だけを出してみると百八十二億足りないということなんだが、これは千七百八十億の増収という組み方の中でそうだというのですね。そうじゃなくて、この予算、つまり、今度の運賃改定に関係なく割り出してみると、それは二千億だという、そういう計算が出てこないのですね。これは、その辺のことを書類でまず出してもらいたいと思うんですよ。
 それから、断定しがたいというところに非常な意味合いがあるようなことを官房長官言うのですけれども、これはどうも決着がついてないようなので、なおいろいろなものをいま調べてみますと、たとえば昭和二十四年度、これは最初、いまと同じような断定とか、そんなことは書いてないのですけれども、仲裁裁定を履行できないということで承認を求めて出した。これが十二月の十二日に出して、それから一週間後の十二月の十九日の日にこれを撤回して差しかえていますね。いろいろやった結果、十五億五百万円、これあたりは石炭費の節約、修繕工事の繰り延べ等とこまかに書いてありますけれども、そういうものでできますというので、国会へ差しかえておるのです。今度の場合は、まあ文書で出していただいて、これは私は本番で仲裁問題について質問したいと思っておりますが、今度もまるきりだめだと、こう言うのですね。そこで官房長官は、断定はできないか、まあ出せるというようなことにも、出したいし、とも聞こえるのですが、その断定の意味をもっとはっきりしてもらいたい。断定できない――そうはっきりは断定できないという意味は、はっきりと言えないということなんだろうと思う。いろいろ作業してみると、全然もうだめなんだというのじゃなくて、予算の補正、あるいは資金繰り、これはわずかなものですね。イスラエルで何かあったということで、急に五億足らずが出ていくというようなことなんでしょう。これは別の機会にただしたいと思いますが、国鉄の世帯で今度これが資金上いわゆる繰り上げができないということ、それが断定できないと、こう言うのですね。この断定の意味をもっとはっきりしてもらいたいのです。
 それから、小柳委員の関連質問もありましたが、昭和三十二年以降は、当時、岸総理と鈴木茂三郎社会党委員長との間に会談があり、約束ができて、完全実施をいたします、こういうことで、自来、完全に実施をされて、池田内閣へと、そして佐藤内閣も昨年まではきたわけですね。この内閣の方針が今年度からもう全然変わった。過去のそういう約束、先例、慣習というものはこの際やめるのだ、変えるのだということに思われますが、以上ひとつお答えをいただきたいのです。
#73
○国務大臣(竹下登君) あるいは正確を期するために事務当局から補足をするという場合があることをまずお許しをいただきたいと思います。
 これはいま藤田委員御指摘の、このたびの「国会の議決を求めるの件」、私が申しましたのは、議決を求めるの件という表現を使うようになったその歴史的経過を調べましたら、二十四年の際以来こういう表現をしております、こういうことを申し上げたわけであります。したがいまして、この公労法そのものには、私も近日中に勉強しただけの知識でありますが、学説等、いろいろな場合にいろいろな学説があり、また判例があるということも承知をいたしておりますので、この「議決を求めるの件」の事由の第二項のところに、「右裁定第一項の実施については、目下検討中であるが、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案が国会において審議中であり、現段階においては、その実施が予算上可能であるとは断定できないので、本裁定は、公共企業体等労働等関係法第十六条第一項に該当するものと認められる。」、こういう事由を付しております。その事由の際の「その実施が予算上可能であるとは断定できないので、」というのは、この実施が、今日の段階でできるかできないかがわからない断定できない、こういうことでこのような表現を使っておりますということであります。
#74
○藤田進君 それから内閣の方針の変更。
#75
○国務大臣(竹下登君) 内閣の方針が変わりているという事実はございません。あくまでもこの法律に基づきまして、現時点の判断に基づいてこの措置をとったというだけであります。
#76
○藤田進君 それでは、内閣の方針が何ら変更を見ていないということは、これこそ断定できるのですか。
#77
○国務大臣(竹下登君) そのとおりであります。
#78
○藤田進君 その方針とは、繰り返すようですが、昭和三十二年以降は、岸総理と鈴木茂三郎委員長との会談で結末がついているのですね、記録を調べてみますと。これは御存じですか。
#79
○国務大臣(竹下登君) 私も承っております。
#80
○藤田進君 そうすると、その内容ですが、これは完全実施をするということで、歴代内閣はこれを完全実施してきたわけですね。その以前は、日にちを非常に繰り延べをし、不完全な状態であった。とすれば、今度のこの運賃等に、かつてもそうですが、かかわりなく実施されてきたのです。内閣の方針もそうだ。毎年運賃は上げてきたわけでもない。仲裁裁定は御存じのように、しばしば出ているのですね。運賃とは無関係に仲裁裁定は完全に国鉄においても実施するという、そういう内閣の方針であったと思うが、そう理解してよろしいのですか。
#81
○国務大臣(竹下登君) ただいまの御指摘でございますが、三十四年、三十六年もまたこの補正予算を追っかけ提出しながらもこの手続だけはしている、こういうことでありますので、昨年以来内閣の方針自体は変わったわけではもとよりございませんが、国会へ付議する義務というものに基づいてこの手続だけは行なわれているということも御理解を賜わりたいと思います。
#82
○藤田進君 そうじゃなくて、運賃との関係が直接関連するのかどうか、この点です。きょうは官房長官に聞いているのだ。鉄監局長がこんなことをきめているのかね。一々説明せねば官房長官が知らぬというのはどうも……。
#83
○国務大臣(竹下登君) まことに専門家でございませんで、説明を聴取することは、私も藤田委員に、できるだけ正確に答える責任を持っているのでございまして……。したがいまして、いままでやっておりますのは、いわゆる運賃とかかわりなくやっている。このたび、たまたま運賃改定の法律案審議中の現時点において、それが成立をしない場合、すでに御承認いただいている予算の支出に影響があるからこの措置を事務的にとらしていただいた、こういうことであります。
#84
○藤田進君 それでは、運賃の改定というものが、これがきまるきまらないにかかわらず、内閣の方針というものは、予算上補正をし、資金繰りをして完全実施する、こういうことに当然帰結すると思うのですが、単純に言えばそういうことなんでしょう。
#85
○国務大臣(竹下登君) これがまあ一番今日まで各方面から御議論をいただいておるところでありますが、現時点においてよかれかしと――すでに予算が成立し、かつその裏づけとなるこの法律案をよかれかしと、内閣一体の責任において提出し、そして御審議をいただいておるという現時点でございますから、当然私どもとして言えることは、これが成立することを期待しておるということは言えると思うのであります。そこで、補正とかあるいは借り入れとかというような別途でもやるべきである、あるいはやるかやらないか、やるべきであるという御議論は、私は、国会でこの法律案が通らないであろうとかというようなことが前提になるので、提出者としては、通ることを期待しておるという以上の判断を、国会の審議の中に介入して、それを前提の上においての措置とか判断はとるべきではない、このように考えております。
#86
○藤田進君 だから、その期待は、内閣において提出されているのですから、その成立を念願され、努力される、それは決して不当だと思っておりません。だから、そのことと同時に、いまの裁定を実施しないということとが結びついているのではないかという質疑がかわされたわけですが、どうもはっきりしないので、内閣の方針が変わってないということであれば、過去、補正もされ、資金繰りもされて完全実施をしてきた、このこととはかかわりなく、この方針が生きているという答弁でありますから、運賃の成立は大いに期待されつつも、もしこれが成立しないというときでも、仲裁裁定については、これはまた別の観点で内閣の方針を貫く、こういうことじゃないんですか。どうなんですか。
#87
○国務大臣(竹下登君) それが現時点において、したがって、やはりいまの藤田委員の議論を進あていきますと、この法律自体が通らなかった場合とかということをやはり前提とした議論にならざるを得ないではないか。私どもとしては、やはり今日、いま御理解いただきましたように、よかわかしとして提出した法律案が通ることを期待しておるという段階でございますので、その後の措置について、これは常識的にいろんな措置があり得るとかということは、私もそれはわからないわけではございませんが、そういうものがある、だから、いまの場合、これがすでに成立しました予算、そしてそれの裏づけになるこの法律案が審議中であるから、現段階においてはにわかに断定できないということで、国会の議を求めておるわけで、国会の御判断を求めておるわけでございますから、それ以上に、私が今日あらゆるいろんなことを前提としてのお答えをする立場にはない、こういうふうに御理解を賜わりたいと思います。
#88
○藤田進君 じゃあ変わった観点で聞きますが、運賃が成立する、通るということを前提に、あるいは期待しつついるということなんで、運賃が通れば、これはもう出せるというように断定できるのでしょうね。どうですか。運賃が通ればこれは出せるとはっきり断定できますか。
#89
○国務大臣(竹下登君) 通りました場合、この議決を求める件についての事由もここに付しておりますので、この事由どおり、現段階、これが通れば、当然今度は私どものほうから、通りましたので判断を仰ぐ必要がなくなりましたという届け出をいたします。それに基づいて国会のほうで、いわゆる自然消滅という措置を、これは議長のほうでおとりになるという過去の例がございますから、当然のことといたしまして、われわれが期待しております結果になりますならば、当然これは実施することが断定できると、こういうことであります。
#90
○藤田進君 はい、わかりました。それで運賃が通らなければやはり出せないと、こうなりますね、いまの裏は。
#91
○国務大臣(竹下登君) 現段階でそれを期待をしておるという状態仮定の論議として、通らなければ予算の執行が非常にむずかしくなると、こういうことは言えますけれども、通らなければという前提で政府全体として統一してお答えすることは、私はまあいかがなものであろうというふうに考えております。
#92
○藤田進君 統一されていなければ、もう時間がないから休憩中に統一してもらいたい。だから、通ることは、これもやはり仮定の問題でしょう。通ることは仮定しておいて、通らないことは仮定できない、それはあまりにも一方的ですよね。そうでしょう。通る場合どうなるだろうか、通らない場合どうなるか、それくらいの見通しを立てないで一国の政治をあずかるということは――事実、両方の想定があるに違いない。これは休憩時間に統一してくださいよ。
 それから聞いておきますが、目下検討中であるというのですが、これは一文も出せないんではなくて、不足分は、ある程度は現在の予算なりあるいは既定経費の節減なり、資金繰りなりということで――過去にも途中で差しかえられたことがありますね。あるのです。昭和二十四年に見られるわけです。今度の場合「目下検討中」、これはいつまでに検討されるのですか。そして、そういう作業が煮詰まって、実はこの程度なら出せるとか、一切出せないとか、こういう予定があるのですか、ないのですか、その検討された結果。その検討の結果はいつまでなのか。
#93
○政府委員(山口真弘君) この事由書の「目下検討中であるが、」というのは、これは文字どおりでありまして、この提出する段階におきまして検討中である。そして、この運賃法、法律案が審議中であるから、「現段階においては、その実施が予算上可能であるとは断定できない」ということでありますから、したがって、これは、この運賃法、財政再建促進法の成立というものとの関連ということを考えておるわけです。
#94
○藤田進君 これを読んでみて、そうじゃないでしょう。「断定できない」というのが「目下検討中」ではあるけれども、いまの時点では、これを提出された時点では「断定できない」と書いてあるでしょう。「右裁定第一項の実施については、目下検討中であるが、」国鉄運賃により云々、こういう関係で「断定できない」と、現段階ではね。ですから、この断定のできる日がこなければならぬでしょう、いま検討されているというなら。これはいつまでたっても検討の結論が出ないという見通しなんですか。どのくらいなら予算化できる、あるいは資金繰りができるという、その検討やっているのでしょう、現在。
#95
○政府委員(山口真弘君) 少し具体的な中身になって申しわけございませんが、今年度の予算は、予算書に提出をされておりますとおりでございまして、全体としては赤字運賃が改定をされなければ償却前赤字の段階でございます。非常に大きな赤字の段階でございますので、したがって、そういう段階におきまして、これを移用、流用して給与だけをまかなうというようなことはできないわけでございますので、したがいまして、これも「予算上可能である」、現段階において「予算上可能である」ということは「断定できない」ということで、一切、運賃法、財政再建法との関係というものを考えまして、ここでは「断定できない」から「該当するものと認められる。」、こういう趣旨でございます。
#96
○藤田進君 だから、その点は内閣の方針で、運賃がどうあろうとも、それは運賃の成立は期待するし、運賃が通ればもう文句なしに出せますと。それで、それじゃあ逆に運賃が成立しないという場合にどうかと。これは、その場合出せないということを統一して私が言うのは少し、言うべきでないように思うなんというようなことが――あとで速記調べますが、それじゃあそれは統一してくださいと、こう言っているのですから、鉄監局長がとやかく言う分野ではないと思う。その統一した見解を後刻承ります。ということは、検討中というのは単なる修飾語で、現在運賃が上がらない限り、検討したって、無から有は生じないのだ、こういう答弁のように局長からはうかがえます。そこでもうびた一文も、資金繰りも何もできないのだということのように見えますが、これは社会労働委員会にかかっているのでしょうけれども、従来の政府の方針が変わらないと言いつつも、運賃とからめたかっこうが徐々に出てきておる。しかも、この運賃はこんなような措置を今度されて、しかも運賃とからませるということでかえって運賃の審議がおくれて、きょうはいきなり運賃の内容に入る予定でいたのに、突如としてこういう緊急的課題にぶつかったわけです。給与はそれ自体、社会労働委員会でしょうが、本運輸委員会としては、このもたらす結果というものがいま四組合に対して出ているように思いますが、まあ、それぞれそれを黙って見過ごすようにも思われない。国鉄の輸送というものが、諸般の面にわたって、大きなやはりこういう政府の措置によって問題を引き起こすようにも思われる。ですから、事は非常に重大な問題だと私は思っております。ですから、この辺は十分勘案されて、官房長官は内閣の意思をひとつ統一してもらいたいと思うのです。運賃が通らない場合のことを――通ったときだけを考えて、あなたは予想してものをやっておるというのですが、こんなことをやっておると、今後こんなことをやっておると、まだまだこの問題は多いのです。私は本番にやりますけれども、これだけでも国会が終わりそうです。私、早くこの問題だけでもケリのつくように回答をいただきたいと思います。そういうことで、私は撤回されるべきだと思うのです。あるいは、この運輸委員会が撤回決議をするのもけっこうでしょう。これはまあ理事会で相談してもらいたい。
#97
○森中守義君 議事進行。
 それでいま官房長官、藤田委員から、どうもやはりその二面の問題がありながら、片一方の面だけは仮定されて、片一方は仮定されていない、不成立に終わった場合どうするか、こういう問題が出ているわけです。その辺の答えが正確でありませんから、これから休憩に入ります、その間に、もう少し正確な統一見解を午後から出せるようにこれを検討してもらいたい。
#98
○委員長(木村睦男君) 午前の質疑はこの程度とし、午後は二時二十五分再開いたします。
 これにて休憩いたします。
   午後一時二十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後四時二十四分開会
#99
○委員長(木村睦男君) ただいまから運輸委員会を再会いたします。
 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、竹下内閣官房長官から発言を求められておりますので、これを許します。竹下官房長官。
#100
○国務大臣(竹下登君) 先ほどの藤田委員の御質問に対してお答えをいたします。
 政府は、昭和三十二年以来、仲裁裁定を完全に実施してきたところでありますが、今回も、完全に実施する方針で努力することに変わりはございません。
#101
○瀬谷英行君 午前中からたいへんこの問題で長々と質疑が行なわれたわけでありますが、官房長官の言明は、政府の見解として、これを表も裏もなくすなおに解釈したいと思うのでありますが、それでよろしいですね。
#102
○国務大臣(竹下登君) 瀬谷委員の御見解でけっこうであります。
#103
○瀬谷英行君 それでは、官房長官、せっかくの機会でありますから一言だけお伺いしたいのでありますが、前回の委員会でも、国鉄財政新再建対策要綱が問題になりました。この対策要綱は、大蔵大臣と運輸大臣、自民党政調会長、自民党国鉄再建懇談会座長、この四名の連名になっているわけであります。閣議決定をしたのかどうかということがたいへん問題になりましたけれども、閣議決定はしていないんだと、しかし予算面で云々というお話があったんであります。しかし、われわれは、今回の提案された法案の骨子になっている要綱であるならば、閣議決定をするのが妥当ではないのか、水田、丹羽、小坂、二階堂という、この四名の連名というものは、これはおかしいではないかということを質問をしたわけであります。したがって、この対策要綱そのものが閣議決定と同じ性格を持っているのかどうかということを、再度この機会に官房長官からお伺いしたい。つまり、政府の正式な機関決定というふうに解釈をしてよろしいのかどうかということです。
#104
○国務大臣(竹下登君) 私も、水田、丹羽、小坂、二階堂四氏の署名にかかわるものは、たしか放送討論会に参ります前に熟読をいたしたことがございます。これは、その方針に基づいて四十七年度予算案が閣議決定をいたしたものでありますので、その予算案の閣議決定の前提となる大方針として私どもは理解をいたしております。
#105
○瀬谷英行君 じゃ官房長官、時間的にたいへんお急ぎのようでありますので、この問題についてはまたあらためてこまかいことについてはお伺いすることにいたします。官房長官どうぞ。
 それでは、この対策要綱に基づいて、この前の委員会でいろいろとお聞きしましたが、まだはっきりしていない点がございます。たとえばこの「地方閑散線は、五年以内に撤去する。」、こういうのがあるのでありますけれども、じゃこの「五年以内に撤去する」というのは幾らかというと三千四百キロ、本年度二百キロというお話があったのですが、すでに本年度に入っているんですが、一体どこの何線を撤去するのかということがまだはっきりしないということは、われわれにとっては解せない。したがって、この点は、審議をする必要上、どこの何線をどれだけ撤去するのか、その点を明らかにしてほしいと思います。
#106
○政府委員(山口真弘君) 対策要綱に書いてございます地方閑散線の問題でございまするが、これにつきましては、鉄道としての特性を失ったもの、言いかえますれば、国民経済的に見て道路輸送に比して鉄道輸送が不利であるというような性格のものにつきまして、道路の事情だとか、あるいは当該地方におけるところの国土開発計画の事情だとか、あるいは冬季における積雪の状況だとか、将来の開発計画の問題等を考慮いたしまして、鉄道としての特性を失ったものとして三千四百キロを認定をいたしまして、そうしてその中から本年度は二百キロ撤去をしたいということで今年度の予算を組んであるわけでございますが、具体的線名につきましては、ただいま申し上げましたような各般の基準というものによりまして今後これを検討してまいりまして、具体的な線はそれからきめてまいる。現段階におきましては、具体的な線名はまだ確定はいたしておりません。
#107
○瀬谷英行君 いつ発表するつもりですか。
#108
○政府委員(山口真弘君) この具体的な線につきましては、いま御審議いただいております法律の成立後、閑散線認定の基準を定めまして、これは当然閣議にはかるかっこうになるかと思いますが、そしてそれをきめた上で、具体的にこれを認定をするということに相なるわけでございます。いずれにいたしましても、この法律が成立いたしましてから、そういう基準等を策定をいたした上で認定をする次第でございます。
#109
○瀬谷英行君 そうすると、国会が終わってから発表するということなんで、国会が終わらないうちは、審議をやっているうちはなるべくこれは隠していく、こういうふうに聞き取れるわけですね。それはちょっとまずいような気がするんですよ。われわれはやはり、具体的にどこの何線がこういうわけだから撤去するんだということを言われないと、いいとか悪いとか、これは審議のしょうがないですね。ばく然と抽象的にこういうところは撤去したいということを言われたんでは、しかもこの国会が終わってから発表しますというのでは、どう考えてみても国会審議というものを避けているような印象を受けるわけですよ。なぜ国会審議を避けなければならないのか、それをもし審議の最中に発表するとめんどうなことになるというふうに考えておるのかどうか、その点はどういう理由なんでしょうか。
#110
○政府委員(山口真弘君) 国会審議を避けたいというようなことでは毛頭ございません。先ほど申しましたように、この地方閑散線というものは、国民経済的に見て道路と比べて鉄道のほうが不利である、道路のほうが有利であるというようなもの、さらにそういうものについて実際の現地の実情というようなものを十分に勘案をいたしまして、そうしてさらにその地域につきまして将来の開発計画その他というようなものがあるかどうかというようなものも十分踏まえ、さらに国の状況その他というようなものを十分考え合わせた上でこれを認定をいたしまして、そして転換をしていくということでございますから、十分必要な審査を尽くさなければならぬということでございますので、これは法律が成立をいたしましたら、十分に審査の上、その基準を確定をいたしてから決定をいたしたいということでございまして、決して国会の審議をしたくないという意味ではございません。
#111
○瀬谷英行君 議事進行上、ちょっとお願いしたいことがあるんですがね。
 今回、地方閑散線区等の視察、現地調査というのを行なったわけですね。いま鉄監局長の報告を聞くと、抽象的な表現はするけれども、具体的にどこをということはまだ発表できないということを言われましたが、やはり現地調査の結果もこの機会にできれば報告してもらったらいいじゃないか。東京の関係は私も参加いたしましたけれども、京都ですか、関西のほうは行っておりません。向こうのほうは閑散線区の視察が目的で行っておるはずですから、できればこの閑散線区の調査の視察の概要もこの機会に報告をしてもらったほうがいいと思うんですが、できるかどうか。
#112
○委員長(木村睦男君) いま事務当局で報告書をまとめておりますので、その点なるべく早く報告できるようにさせたいと思います。
#113
○瀬谷英行君 きょう午前中からの質疑の問題が、仲裁裁定の移行の問題と、さらにILOのこれに対する見解にまで及んだのでありますけれども、ILOの結社の自由委員会の報告書によると、このマル生等がたいへんに問題になって、これが取り上げられた。不当労働行為ということがきびしく批判をされたということを聞いておるわけであります。
  〔委員長退席、理事江藤智君着席〕
そこで、このILOの見解というものがどういう形で示されているのか、またこのILOの批判をどのように受けておるのかという点をお伺いをしたいと思います。
#114
○政府委員(石黒拓爾君) いわゆる国鉄のマル生等に関しまする国鉄労組、国鉄動力車労組及び総評は、昨年の十一月にILOに対して申し立てをいたしました。それに対しまして、結社の自由委員会は、六月二日に理事会に対しまして結社の自由委員会の報告を配付してございます。理事会におきましては、この審議は、総会後の理事会においてこの報告を審議する、そこで正式に採択をきめるということに相なっておると承知しております。
#115
○瀬谷英行君 報告書の内容等について、正式ではないというふうにいま聞き取れるのですけれども、しかし、それが正式な報告書になるということは、これは時間的な問題であって、すでに内容についてははっきりしているんじゃないかと思うのでありますが、はっきりしている限りにおいて明らかにしてもらいたいと思います。
#116
○政府委員(石黒拓爾君) 結社の自由委員会から理事会に出ました報告書は、第八十項から八十三項まで四項にわたっております。生産性運動に関連する反組合的差別待遇の申し立てについては、これらの事件がすべてすでに解決を見たものであることに留意しつつ、反組合的差別待遇に対する効果的かつ迅速な審査機関の重要性を強調するとともに、国営企業の場合には当局もこの種の行為を防止するための責任を負っておると考えるべきであるということを言っております。それから、違法な争議行為に対し労働者に課される制裁については、法律に規定された制裁適用に関し硬直的な態度は労使関係の調和的な発展に資するものではないと考えるべきであると言って、この件について注意の喚起をいたし、そして本件の審査を第二回以降に延期するように勧告するというのが主たる内容であります。
#117
○瀬谷英行君 要するに、マル生は国際的にもきびしく批判をされたということになると思うのです。したがって、国鉄としてもこのきびしい国際的な批判に対して率直にこれを受け入れて、このマル生運動なるもの、つまり不当労働行為、組合に対する分裂工作といったようなことを内容とするマル生なるものは、組合に対して公式に謝罪をしただけではなくて、今後の方針としてもこれは一切やらないということを明らかにしなければいけないと思うのでありますが、国鉄総裁の見解をお伺いしたいと思います。
#118
○説明員(山田明吉君) ILOの進み方そのものも、あるいはいま労働省からお話しになった程度の情報を私どもも受けております、しかし、私どもはその委員会の正式のメンバーでも何でもございませんので、まだ新聞あるいは労働省からの情報の程度で私ども判断するしか材料がないわけでございますが、先生がおっしゃいました、そのILOの結社の自由委員会に持ち出された問題、これは確かに昨年来からのいわゆるマル生運動という中で起こった事案が持ち出されているわけでございますが、この問題につきましては、昨年来、委員会でも、あるいは国会のほかの委員会でも、御質問あるいはいろいろな御意見も私ども十分伺っておりますが、その当時から申し上げておりますように、事実公労委で不当労働行為と考えられることがあった、これについて具体的にこういうふうにしなさいという公労委の決定をいただきまして、それに対するそれぞれの措置をいたしたことは、当時御報告したとおりでございますし、その後も、部内の会議あるいは文書等を通じまして再三再四、不当労働行為と目されるような行為を一切やらないようにという厳重な内部的な通達をいたしてございます。私どもは、その後新しい類似の問題が起きておらないことから見ても、その国鉄当局としての考え方が現場に浸透していると考えているわけでございます。
#119
○瀬谷英行君 昨日のサンケイ新聞の夕刊によりますと、「国鉄の磯崎総裁は今国会で審議中の国鉄運賃値上げ案などが成立した段階で、機構、人事、職員管理などを中心に大規模な改革を実施する方針をきめた。内容は」「昨年末いらい中止しているマル生教育を新しい国鉄再建運動の一つとして管理者を中心に再開」をするというのが一番、第二番として「一部駐在理事室の廃止をはじめとする機構簡素化」、三番が「学閥打破による大幅な人事の刷新」、四番が「乗客サービスの質的向上」、この四項目がおもな柱であるということが出ておるのでありますけれども、きびしく批判をされていわばたしなめられた形のマル生をまた取り上げて再開をするということは、たいへんこれは問題じゃないかという気がするわけです。「管理職を対象に」というふうに注がついておりますけれども、管理職を対象にしてみても、同じような教育が行なわれたならば、それが現場にまた土に水がしみ込むような形で浸透していくということをねらっているのじゃないかというふうに疑わざるを得なくなってくるのでございますが、そのような懸念はないのかどうか。また、このマル生を再開をするという意図が那辺にあるのか、その点をお伺いしたいと思うのです。
#120
○説明員(磯崎叡君) 私、その夕刊を実は見ておりませんけれども、いまの御質問にお答えを申し上げます。
 私も、昨年の十月以来、との問題につきましては、いろいろ反省し、また考えておったわけでございますが、あの時点で申しましたいわゆる修正再開というふうな次元の問題でこの問題を取り上げないということは、何回も国会で申し上げたとおりでございます。一方、こうやって御審願っております国鉄の再建問題、これは主として財政上の数字的な再建問題でございますが、これと同時に、私ども当事者といたしましては、いわゆる数字にならない再建を当然やらなければいけない。いま先生が読み上げられたような、人事とか、組織とか、機構とか、いろいろございますが、そういう数字にならない再建、百年たった国鉄としての新しい世紀に向かっての再建をしなければならない、これは当然の義務と考えております。したがって、私は、マル生を再開するというふうな次元の問題ではなくて、当時私が申し上げました、いやしくもどの組合であろうとそんなことは問題じゃないので、国鉄職員として国鉄を愛するという気持ちと、国鉄職員として国鉄の利用者にほんとうに忠誠心を持つ、この二つを中心とした職員の意識というものをはっきりさせない限り、国民にこれだけのことをやっていただいてお報いする内容がない、こういうふうに考えておるわけであります。したがって、私の考えておりますのは、単にいわゆるマル生の再開というふうな次元の問題ではなくして、当時私が申し上げました、先ほどの二つの点、これを中心として国鉄職員としてのあるべき姿というもの、これを国民にぜひ理解していただき、また国民から御支援をいただきたい、そういう意味のことを申したといえば申したわけであります。
#121
○瀬谷英行君 生産性本部と連絡をとった生産性向上運動、いわゆるマル生という形のものを存続するのかどうかということが問題ですがね。これは、いままでのは悪かったけれども今度のは純生と言っても、なかなかすなおには受け取れない。純生だか、びん生だか、これはあけてみて味が違ったといったときには間に合わない。だから、純生と称してマル生教育というものが形を変えて再開されるということは、これこそ国際的なILOの批判に対してもむしろそむくというようなかっこうになるわけですから、そのような疑問を抱かせないようにする必要があると思うわけですね。その点は一体だいじょうぶなのかどうか。その点を要するに内容的にどうかということですね。内容的には全然形が変わるのかどうか。具体的にじゃどういう教育なのかということになります。その点をお伺いをしたい。
#122
○説明員(磯崎叡君) まだ具体的にどういう方法でというところまでいっておりませんが、いま私のほうの中の次の世代をになうべき若い職員に、ものの考え方その他をまとめさしておりますけれども、いままでのやり方が悪かったからそれを直してやるのだというふうな考え方ではありません。もっと違った、国鉄再建のためにいかにあるべきか、また国民への信頼の回復をどういう形ですべきかということについての具体的な方法、それを間違いなく進めていくということを考えなければいけないと思います。現にここ数日間、またいわゆる順法闘争と称するサボ行為が行なわれまして、連日十数万のお客さまに非常に迷惑をかけております。連日、夜おそく私のうちに電話がかかってまいります。一体何だという強いおしかりを、全然存じ上げない方からほとんど毎晩数通の電話を受けておりますが、そういったことのないように、職員がほんとうに国鉄職員としての自覚に目ざめて、そして国鉄の再建に尽力するのは、これは当然のことでございますが、それについての管理者のものの考え方、それをはっきりさせなければいけないというのがこれからの問題点であろうというふうに私は思っております。したがって、単にいままでのマル生運動を再開するということではないということだけははっきり申し上げておきます。
#123
○瀬谷英行君 生産性運動の問題と労使間のトラブルの問題、これまたいろいろと問題があるところなんですが、いまちょっと総裁から言われましたが、いま行なわれている順法闘争ですね、こういう問題はやはり労使間の不信感が回復していないところから生じてくるんじゃないかというふうに思いますけれども、この機会に、いまの闘争のてんまつ、それからこれに対する対策といったようなことをお聞かせいただきたいと思うんです。
#124
○説明員(山田明吉君) いま行なわれておりますサボタージューまあ順法闘争と言い、あるいはそれに類する表現を用いておりますが、サボタージュであるという実体は変わらないと私どもは見ております。それで、いま数日来から行なわれておりますのは、動力車労組が残念ながら昨年以来職場で暴力的行為に関係した職員を出しておりまして、それについて警察が刑事事件として捜査をし、それの一環として逮捕という行為に出ているわけでございますが、昨年来からのたびたびの闘争の際の私と組合幹部の諸君との話し合いの場におきましても、組合幹部諸君も暴力行為は労働問題ではないんだということをはっきり言い切っておるように、現在警察が刑事事件として取り上げております暴力行為は、私どももいわゆる労働問題――労使で話し合いをすることによってどうできる問題とは別個の問題であると考えております。にもかかわらず、それを不当な逮捕であるという一種の抗議行動として動力車労組がサボタージュを指令をし、それが、全国ではございませんけれども、行なわれているのが、ここ数日来からの問題でございます。それからもう一つ、国鉄労働組合は九日から、たしかベトナム問題に関連した政治的な表現を掲げて米軍輸送を拒否するとか、そのほかに健保改悪反対というような目標を掲げまして闘争指令を出しておりますので、これにつきましては、大体国鉄としては、いかなる荷主、いかなるお客さんでも運送する義務があるので、こちらの都合でそれを差別することは、これはもう鉄道営業法にも反することであるし、それからまた禁ぜられている違法な争議行為をやることは、これはもうたびたび申しているような違法そのものである、それはぜひやめてもらいたいということを文書をもって通知をいたしております。私どもといたしましては、組合員であり同時に国鉄職員であるうちの職員の良識に信頼いたしまして、そのような国民に御迷惑をかける違法行為が行なわれないようこれからも説得をし、あるいはあらゆる機会を通じましてそのような行為の中止を強く呼びかけていくつもりでございます。
#125
○瀬谷英行君 いまのお話だけだと、どうもばく然として、詳細わかりかねる点があるのですが、マル生というものが再開をされるということになると、これはまた寝た子を起こすというようなことになりはしないかという心配をするわけです。それでなくったって、マル生の苦い思いがまだ忘れられていないですからね。ここでやはり労使の間でもって不信感を一掃するということが第一じゃないか。幾ら国鉄の財政再建であるとかなんとか言ってみても、労使の歯車が全然かみ合わない状態で、この歯車がかみ合わないままに動こうとしたって、ろくな動き方はできない。その意味からするならば、一体今後の教育とか、あるいは運営、そういったような問題では労使間の不信感を一掃するということに重点が置かれるべきではないだろうかという気がするのですがね。国鉄職員としての本来の仕事を忠実に行なうということであれば、私は生産性本部などというわけのわからぬところに何もいろいろことを頼む必要ないと思う。また、そういうところに金を使う必要もないと思うのですがね。赤字であって、やらなければならぬことまでもけちけちしている状態でありながら、生産性本部のマル生教育のほうには惜しみなく金を使うということでは、これは世間が納得をしない、こう思うのですね。だから、こまかいようだけれども、そういうところにこれからも金を使うという気があるのかないのか、そんなところとは縁を切ると、そして独自でもって教育の問題等については取り組むということになるのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
#126
○説明員(山田明吉君) これからの再建の基本になる考え方、これは、先ほど総裁が総裁の信念として述べた点は、私も総裁を補佐する者として全く同感に思っております。ことに再建措置法の改正をお願いし、運賃の改定もお願いしている、その委員会の席上におきましても、国民に対するサービスを忘れてはいかぬというような強いおしかりもございますので、私どもとしては、お返しというようなそういうけちな根性じゃなくて、衷心、誠心誠意をもって国民に対する国鉄としてのサービス向上にはこれからさらに拍車をかけていかなければならないと考えておるわけでございますが、そのやり方が、生産性教育という名前をつける必要は私自身はないと考えておりますが、再建を遂行していく確固たる哲学はこれはぜひ必要だ、その考え方で従来やってきたわけでございますけれども、そのやり方に、部外の講師にお願いをしてうちの職員の教育をやっていただくことは、私をはじめとして国鉄職員というのはわりに視界が狭うございますので、世間のほかの会社あるいは企業の実情を勉強するということも必要だろう、そういう考え方で、従来生産性本部という一つのやはり教育機関の知恵をおかりするということをやったわけでございます。これからの国鉄再建の考え方の徹底、それに従来と同じ方々をお借りするといいますか、お願いするのがいいかどうか、その必要があるかどうかは、いま検討中でございます。
#127
○瀬谷英行君 そこのところは大事なところだと思うんですよ。このマル生問題で悪名を天下にとどろかしたわけですからね。その悪知恵をつけた連中をまたまた講師に頼んでやれば、それは同じことになると思うんですよ。それは学校教育にどろぼう頼むようなことをやったって、よくなりっこないですからね。これは国鉄独自でもって国鉄本来の使命にかなうような教育をしなければいかぬと思う。安全とか迅速確実ということばが昔からよくいわれているのですけれども、こういうことばに尽きると思うんです。ほかにいろいろむずかしいことをいう必要はないので、生産性を上げろといったって、国鉄の現場の職員は百円の切符は百円で売るほかないわけで、かってにまけるからたくさん買えというわけにはいかない。そういう現場職員がおのずからやるべき分野があって、それを確実に行なうということに尽きるわけだし、それから収入をあげろといってみたところで、物見遊山を強制するようなことを増収の一つの手だてとして奨励することもこれはどうかと思う。おのずからやれることには限界があるし、その範囲もきまってくると思うんです。にもかかわらず、どうもいまお聞きをすると、生産性本部といったようなところに未練を持っているかのように聞き取れるわけですね。そうなると、われわれのほうも、時期を見て、ほとぼりがさめるのを待って、また評判の悪かったマル生を再開をしようとしているのではないかというふうに疑わざるを得なくなってくる。そういう点はないのかどうかということをこの機会にはっきりさしておきたいと思うのですが、どうですか。
#128
○説明員(山田明吉君) 先ほど来、総裁も私もたびたび申し上げているように、従来持たれていた、いわゆるマル生というような表現で抱かれていた暗いイメージはぜひ払拭したい、そのようにかたく考えております。
#129
○瀬谷英行君 それはことばの上で約束をされただけでは、なかなかこれはむずかしいと思うんです。だから、これは労使間の不信感を助長する一番大きなきっかけになっている問題なんですからね。こういう措置はやはり組合との間で納得ずくでやらなければいかぬと思うんです。特に組合員に対する教育の問題等にもなってくれば、おのずから管理職の考え方というもの、管理職に対する教育の方針というものは、うそ偽りなく現場に浸透するようなことになり、こそこそやったってすぐわかることです。それだけに、私はこういう問題はガラス張りの中で、先ほどもちょっと官房長官の答弁の中にも、裏も表もないのかということを念を押しましたけれども、種もしかけもないような状態で、疑念を持たれないようにする必要があると思うんですがね。この点は、組合側と十分に協議をし、内外に疑念を持たれないようにするということがお約束できるのかどうか、その点をお伺いしたい。
#130
○説明員(山田明吉君) お説のとおりに、管理職だけにとどまっていたんではこれは教育の効果があがりません。管理職を教育するということは、とりもなおさず管理職を通じて現場の末端まで国鉄のあるべき方向を信念として持たせるというのがいわゆる教育の効果でございますので、その点は管理職だけでこそこそするというふうなことは全く無意味だと私は考えております。それから、したがいまして、その間に裏表を使うというようなことは、やろうと思ってもできることではないと思っておりますし、
  〔理事江藤智君退席、委員長着席〕
また国鉄のあり方、それからいま御審議願っております再建の考え方等も、しばしば、これは正式な団体交渉等ではございませんけれども、話し合いの場を持ちまして、組合の協力これはまあ組合の協力なくしてはできるものではございませんので、その点は私ども、むしろ積極的に組合にも説明をし、今後の協力を呼びかけておる状況でございます。
#131
○瀬谷英行君 サービスの質的な向上ということも出されておるのでありますけれども、サービスの質的向上というのは、具体的にどういうことなのか。このサービスの向上は、今回のような国鉄財政再建の要網の範囲で、はたしてできるのかどうかという疑問をわれわれは持つわけでありますが、この問題にはあらためて触れるといたしまして、サービスの具体的内容は一体どういうことなのか、その点をお伺いしたいと思いますが。
#132
○説明員(山田明吉君) 国鉄のサービスと申しましても、国鉄のやっておりますことは輸送そのものでございます。その輸送も、安全な、そして快適な輸送が何よりも必要かと思うわけでございまして、大きくは全国の新幹線網の整備、それから現在線の改良、その間に列車のスピードアップというような問題もございましょうし、列車の増発というような問題もございますし、また無形的なサービスとしては、窓口の親切な応答とか、あるいは相手の立場になってやる車内の誘導、まあほんとに各般にわたっております。貨物輸送につきましても、一体きょう出した荷物が向こうに何時に着くのやらわからないような輸送が従来の貨物輸送でございましたが、これも、 フレートライナーをはじめといたしまして、地域間急行その他の設定によりまして、大体もう旅客と同じような時刻表で物が送れるという体制に持ってまいっております。その間にコンピューターも導入するとか、いろいろなくふうもございますが、そういうような大小きめの細かい問題をひっくるめまして、これから国民の方に御利用していただくのにふさわしい国鉄をつくっていくというのが、これからのサービスの基本的な考え方であろうかと思います。
#133
○瀬谷英行君 じゃ、いま報告ができるということでありますから、調査の報告をお聞きしたいと思います。
#134
○委員長(木村睦男君) ただいま議題となっております法律案の審査に資するため、去る六日及び七日の両日にわたり委員派遣を行ないましたので、派遣委員から報告を聴取いたします。
 まず、第一班の御報告を願います。佐田一郎君。
#135
○佐田一郎君 第一班の派遣報告をいたします。
 派遣されました委員は、木村委員長、岡本委員、小柳委員と私の四人で、瀬谷委員が現地参加をされました。派遣地は、東京都及び埼玉県で、六月六日、東京地下駅及び武蔵野線の建設状況を視察してまいりました。
 まず、東京地下駅について申し上げます。東京地下駅の建設は、東京を中心とする通勤対策の一環として、東海道線と総武線を、東京地下駅で結ぼうとするもので、総工事費二百三十八億円をもって昭和四十三年から進められております。総武線については、本年七月十五日から、乗り入れることになり、地下駅の一部使用が開始されることになっております。東海道線のほうは、昭和四十九年春から乗り入れが予定されており、その後は、東海道線と総武線との直通運転も行なわれることになっております。工事は、地下二十四メートル、五階に分かれ、きわめて大規模な工事となっております。特に、火災、水害、地震、停電等災害時における安全対策については、万全を期するため、各般の施設を整備していると説明がされました。
 なお、視察に際しては、東京地下駅から錦糸町駅まで電車に試乗し、運転上の安全対策について説明を聴取しました。
 次に、武蔵野線の建設状況について申し上げます。武蔵野線は、松戸市小金から浦和、国分寺を経て、川崎市小倉に至る九十六キロメートルに及ぶ鉄道でありますが、小金線、小金−船橋間十五キロメートル、京葉線、川崎市塩浜から東京湾沿いに船橋、千葉を経て木更津に至る百四キロメートルの二線とあわせ、東京外環状線を形成しております。目下、この三線については、それぞれ鋭意、工事が進められております。この外環状線が完成いたしますと、在来の山手、東北線等、都心を走っていた貨物群を外環状線に走らせることにより、在来の貨物線を通勤輸送に振り向けることができること、それから、外環状線に沿って、新しい近代的貨物駅、自動化された貨車操車場の造成により貨物の円滑な輸送がはかれるほか、外郭衛星都市間相互の旅客交通に役立つ等の効果を発揮することができるといわれています。
 今回視察いたしました武蔵野線は、昭和四十年に着工し、総工事費千三百八十一億円をもって工事が進められておりますが、今回はその中で武蔵野西線といわれる線区の建設状況を視察してまいりました。特に西浦和駅、新座駅、新小平駅及び西国分寺駅の建設状況をつぶさに調査してまいりました。いずれも、工事は順調に進められております。来年四月には松戸市小金から府中市までの間の完成が予定され、残りの府中市から川崎市小倉までの間は昭和四十九年の初めには完成が予定されております。
 なお、小金線は昭和四十九年度に完成が、また京葉線の完成は昭和五十年以降と予定されておりますが、いずれにいたしましても、外環状線の持つ使命からして、その建設が一日も早く完成されるよう期待して報告を終わります。
 以上であります。
#136
○委員長(木村睦男君) 次に、第二班の御報告を願います。
#137
○鬼丸勝之君 関西視察の結果を御報告いたします。
 派遣されました委員は、山崎委員、藤田委員、伊部委員、山田委員及び私鬼丸、一行五名で、六月六日及び七日の二日間にわたり、山陽本線住吉−東灘間の高架化工事、兵庫県下の篠山線の廃止後の状況及び滋賀県下の湖西線の建設工事の現場を視察してまいりました。
 まず、山陽本線住吉 東灘間の高架化工事は、踏切道改良促進法に基づく工事で、三キロ余にわたる区間の踏切道十二ヵ所を除却するものでありまして、工事費総額六十三億八千五百万円で、国鉄と神戸市の折半負担で、現在全工程の四分の一がほぼできており上り線が四十八年十月、下り線が五十年一月に使用開始され、全工事の完了は五十一年三月とのことでありました。
 次に、直ちに本年三月一日に廃止されました篠山線の現地の状況を見るため、六甲トンネルを通り、三田経由で福知山線篠山口に着き、篠山線撤去に伴い新設された珪石積み込み専用設備を車上から視察し、丹南町公民館で篠山線沿線の町長、町議会議長等の人々から撤去後の事情と要望を聴取しました。
 地元の要望は、撤去に際して地元と国鉄との間にかわされました覚え書き事項の早期実現で、その中には、すでに実現したもの、あるいは線路跡地の問題のように仮契約のされたものもありますが、特に福知山線の大阪方三田より篠山口までの複線電化の早期実現と、国道百七十三号線の整備並びに大阪地区と篠山地区間をバスで結ぶことが地域住民の強い要望であるから、いずれもすみやかに実現するように努力してほしいとの強い希望が表明されました。また、この際、国鉄が篠山線の廃止実現に示した熱意に劣らぬだけの熱意を廃止後の覚え書き事項の実現にも示してほしいとの多数の強い声がありました。
 七日には湖西線の建設状況を視察してまいりました。湖西線は、東海道本線山科より琵琶湖西岸を北進し北陸本線沓掛に至る総延長七十七キロに及ぶものでありまして、建設のおもな目的は、京阪神以西と北陸方面との連絡と、東海道本線山科 米原間の輸送力増強並びに琶琵湖西岸地域の産業、観光資源の開発促進であります。私どもは、山科の東海本道線との取りつけ工事の現場を視察し、続いて堅田、和邇付近までトンネル工事、高架橋建設工事をつぶさに視察してまいりました。
 本線の大要は、工事費総額六百十九億円、延長七十七キロ、その間に橋梁三百十ヵ所、延べ三十一キロ、隧道二十二ヵ所、延べ十五キロが存在するとのことでありました。現在、工事も順調に進み、昭和四十九年に全線完成し、五十年に開業予定とのことでありました。
 以上、御報告申し上げます。
#138
○委員長(木村睦男君) ただいまの御報告に対し、質疑はございませんか。
#139
○藤田進君 佐田委員か、同行されましたどなたかにお伺いしたいと思うのですが、同じ日に調査が行なわれましたために、一班には参加ができませんでしたが、いまの御報告によりますと、東京駅に、私の聞き間違いがあるかもわかりませんが、約地下二十四メートル地下五階、これはまあ相当なものだと思うのです。私が立ってみまして、この部屋の天井が大体五メーターぐらいの高さじゃないかと思うのですが、非常な出入りの、ラッシュ時における状態というものは、もう想像しただけで、いまの東京駅の現状よりも相当な交通量になるだろうと、乗降者が多いだろうと思うのですけれども、私はあすこをいつも通って思うのに、まあ工事が非常に長いことと、それから非常災害の場合にこれはたいへんなことになりはしないだろうかということであります。大阪の「ニチイ」の場合は、上で起きて大量の死者を出しました。これは火に焼けて死んだのじゃなくて、新建材等によるガスによる殺傷となっておりますが、どうしても地下の場合はもっとたいへんなことになりはしないだろうか。ことに、気圧の関係から重いガス等が、あるいは電力がとまった、自家発がそう思うようにいくのかいかないのか。いまの御報告によると、安全対策が各般にわたり万全を期してあったと、そう言われておりますが、これはそれぞれ、どういうことをやっているのかまず最初にお伺いしたい。
#140
○佐田一郎君 非常に短い時間で、ただいまの御質問に対してこまかい御報告ができないのがまことに残念でありますが、この点ひとつ、専門家も来ておりますので、国鉄側からお聞き取り願いたいと思うんです。安全対策については、何と申しましょうか、非常に綿密に計画をされておるようでありますが、図面もきょうは持っておりませんので、ひとつこれはぜひ国鉄あるいは鉄建公団側から詳細はお聞き取り願いたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
#141
○藤田進君 視察いたします意義というのは、行政当局がやったと称しましても、立法府という立場から、最高機関の委員会からいって、当局が説明することがほんとうに真なりや、効果はどうだろうかということを国民にかわって直接見に行くというところに大きな使命があるように私は思うんです。委員によってそれぞれの見解は違うといたしましても、なるほどこれならば安心して利用者を入れていくことができる、当局の言うとおりだ、ここは当局が言うけれどもこういう疑念がある、これは直させなければいかぬ、そういうことで視察するのだろうと思うんです。それが全く私にはよくわかりませんわけで、どなたか一緒に行きました方でもけっこうです。それは、その設備の費用が幾ら要ったとか、そういうことを聞ければいいと思うんですが、佐田委員ごらんになりまして、太鼓判が押せるような状態であったならば、どういう関係で太鼓判が押せるか、安全関係で私は非常に心配します。非常災害というのは、電力がとまったり、自家発があるかどうかわかりませんが、それは始動までに一体時間がどのくらいかかるといったような、地震時における状態といったようなことが、地下であるだけに、エレベーターもとまると見なければなりませんし、電車は地下で動かなくなるというようなことを、やはりこの議会を通じて、安心してもらえるのかもらえないものか、私ははっきりしてもらいたい。私は行きたかったのですけれども、どうも三日ぐらい中をおいてもらうとよかったのですけれども。第二班のほうは私ども行きましてつぶさに調べております。何でもお答えいたします。
#142
○佐田一郎君 なかなか専門的なことになりますので、私どもはまことに不勉強でございますが、安全対策につきましては、特に御心配の、たとえば地震等において停電になった場合は、直ちにディーゼルエンジンに切りかえて発電をするという設備が十分できておるようです。
 それからなお、一番問題になります排煙の問題でございますが、これについては、各階とも、非常に綿密ないわゆる遮断機がございまして、それぞれ、つまり排気設備が一ヵ所に集中されて、そして外部に出る、こういうふうなぐあいに、私の見た範囲内におきましては、これならまず完ぺきであろうというふうに考えております。
 それからなお、全体の災害の防除対策については、やはり電算機によるところの周密な計画が計画されておりまして、どこに被害が発生いたしましても、すべてそこに集中されて、そして直ちに施設に伝達されるというふうな施設ができておるようであります。また同時に、各車両のいわゆる何といいますか、事故に対しましても、これは他の施設と同じでありますけれども、これらも十分一ヵ所において探知できるような施設が完備しておりまして、さようなわけで、私どもの見た範囲内においては、地震、あるいは停電、あるいはまた災害、火災等においての事態に対応できるような施設と見てまいったわけでございます。
 なお、いま岡本先生から、しさいは私が説明するというお話がございますので、もし何でしたら、そのようにお願いいたします。
#143
○藤田進君 たとえば、例示いたしました一般の電力会社の供給する電力がとまる、これはいろいろな態様がありますけれども、そうしたらすぐ何か自動的にディーゼルが回る、そういういいものがいまできているかどうか、この疑問ですよ。あらかじめ一時停電する、あるいは修理で停電するとか、そういうものはわかりますが、しかし、えてして暴風なり、地震なり、火災なりというふうなことで電力がとまる、供給がとまってしまったというときに、ディーゼルが間髪を入れず動いて供給されるように聞こえたんですけれども、それはどういうしかけになっているんですか、コンピューターシステムでそうなっているんですか。
#144
○説明員(長浜正雄君) ただいま御質問の停電につきましては、われわれも非常に心配でございますので、停電しないように、電力系統を分けまして、片方の電源が切れましたときは別の電源を使う、電源が国鉄の電源とそれから電力会社の電源両方融通できるようにしてございます。しかし、それでもなおかつ突発事故によりまして停電することがございます。そこで、先生がおっしゃいましたように、ディーゼル発電にすぐ自動的に切りかえられるような処置をとっております。
 それからなお、地震その他によりまして、いろいろパニック状態にならないように考えなければいかぬということで、設備の面と、人的関係といいますか人間の面、両方の面から防災体制を考えております。建設当初から、実は消防庁その他部外の方々に入っていただきまして、委員会をつくりまして、考えられる条件を全部洗い出しまして、それに対応するような設備にしてあるわけでございます。したがって、今度の設備につきましては、特に東京駅の地下は深いところでございますので、防災センターを置きまして、すべての情報がそこに自動的にわかる、そうしてそれに対して、この防災センターにおります責任者がボタン一つで――いまおっしゃいましたシャッターがおりるとか、あるいは換気ファンが反対方向に動くとか、あるいはそれらをとめる、あるいは排煙装置をどうするといったようなことが、すべてボタン一つでできると同時に、そこから各職員がおりますところ、あるいはまたそれ以外の司令塔のところへも、同時に一言で全部のところに通ずるような通話装置を備えておりますと同時に、消防署その他の所要のところへも電話で連絡をすぐにすると同時に、そういう処置、設備ができておりましても、それを運営する人間の訓練その他ができていないときはどうにもなりませんので、それらの訓練を今後開業までに実施をいたしまして、常に突発事故が起こったきに対応できるような処置を講じておるつもりでございます。
 詳しくは別途資料でもって、御質問がございましたら提出いたしたいと思います。
#145
○藤田進君 いまの自家発が自動的にというのはどういう装置になっているんですか。簡単に言えば、一般線あるいは国鉄供給線が両方ともとまる。たとえば、過去の地震の例をとると、配電線というのはほとんどめちゃくちゃになっていますね。夏冬の伸縮については若干のゆとりを持たせますが、地下はそういう温度の差はあまりないかとも思いますけれども、しかし地震ということになりますと、電気というのはどんな系統をもってもほとんどこれはだめになります。しかし、そういうときに自動的に自家発が始動するというのは、私は消えそうになれば人工的に始動するというのが従来あったと思うんですけれども、それが自動的にというのは、何か装置が新しいものができているのですか。
#146
○説明員(長浜正雄君) 実は、電気のこと、私専門でございませんので、ちょっとわかりませんが、と同時に、もちろん人間も張りつけておりますから、それのほうの断線その他によります事故は人間が処理できるようになっております。ちょっとその辺そのように承知しておったんでございますけれども、細部について必要であれば別途お答えいたします。
#147
○藤田進君 これは、自動的というのは、佐田先生もそういうふうに理解されているし、何か行かれた方の話では、もうすぐ四十秒――訓練では、何時何分に切れたものとして、それから始動するというようなことで、消防の火災訓練と同じようなものですから、実際問題としてはなかなかそう簡単にいかないと思うんです。いろいろな事例がありますから、これは電気専門家でもないようですから……。そこで、世の中にはあってはならないことがよくあるわけで、いろんな、爆弾闘争というか、火炎ぴんというか、そういうものが全然ないとは限らないんですが、相当な人があそこに入ってくるんじゃないかと思うんです。それはどういうことになるんですか、そういうものの自衛体制といいますか、あるいは設備的に……。
#148
○説明員(長浜正雄君) そういうことも考えられますので、たとえばそういう突発事故の起こりましたところのエスカレーターは、すぐその場所だけは停止し、あるいは必要によってはその部分だけにシャッターをおろす。そうして、シャッターをおろす処置をして、お客さんは、ほかのエスカレーターが動き得る状態であれば、ほかのエスカレーターから上へ上がっていただくというような処置をとりたいと思います。
 それから、そういうところで突発事故が起こったという情報をすぐ防災センターのほうに連絡をするという処置をして、その防災センターのほうで、どの場所で起こっているからどういう処置をしろというような指示を出せるような設備と同時にそういう訓練を行ないたい、こういうふうに考えます。
#149
○藤田進君 これは、先般、広島でどうもしかけてあったようで、車両が完全に焼けていますね、あの鉄がなぜ焼けたかと思うほど。あれは犯人はつかまったと思いますが、あのように車両が地下でやられてしまうと処置がないんじゃないかという私は心配を持ちますが、どうもまだ十分でありません。委員長が急げというのでありますけれども、あと若干ありますので……。
 佐田先生、これは総武線は何か七月に乗り入れるんだ、こういうんでしょう。それで東海道線は四十九年の春というんですか、違いますか。
#150
○佐田一郎君 そういうことですな。
#151
○藤田進君 これはなぜそうなんですか。もう来年七月。肝心な東海道線のほうがまだ二年先の春だなんて、これはどういうことを言っておりましたか、おくれた理由。
#152
○佐田一郎君 その点まで追及しませんでしたので、ひとつこれは当局側からお聞き取り願いたいと思います。
#153
○説明員(長浜正雄君) 図面がございませんのでわかりにくいかと思いますけれども、東海道線の増設分は、大船から現在通っております貨物線を通って、戸塚の付近から新鶴見の付近まで参ります。途中で新鶴見から、現在やはり貨物線であります新鶴見の横を通りまして、現在貨物線の品川まで入ります。品川から新しい線を地下鉄でつくりまして、東京まで持ってくるわけであります。そうなりますと、現在フルに走っております貨物列車をどこかに移さなければなりません。それはやはり、御視察いただきました武蔵野線が完成いたしますと、武蔵野南線あるいは東西線が完成いたしますと、それに一部区間は移すことができる。移せないところ、たとえば戸塚から鶴見の付近までにかけましては、これは新しい貨物の線をつくりまして、それに貨物の線を移して、残りましたところは在来の東海道線を活用する、こういうことになります。移します武蔵野線の開業が、先ほどの御報告のように四十九年春、こういうことでございまして、それに引き続きまして乗り入れる。それから戸塚から鶴見まで貨物線を移す新しい線をつくっておりますが、これの竣工時期もそういうことになるということでございます。これらとの関連において、四十九年春に東京駅までの旅客線を完成する、こういうスケジュールになっております。
#154
○藤田進君 時間があればもっとやるのですが、大体五時半でやめるのだということで、時間がないのでこれでやめます。
#155
○瀬谷英行君 いまの報告について私も質問したいのですけれども、第一班のほうは、私は議運の関係で午前中は参加できませんでした。したがって、東京駅の地下駅のほうは見ておりませんけれども、いまお話を聞いただけでは、たしか二十何メートルですね。そこに電車が入ってくるということですから、地下駅のほうも、幾ら合理化をしたからといって、人間を配置しないというわけにはいかないと思うのです。それ相応の人の配置が必要になってくる。いわんや、いま藤田委員が指摘をしたような事故に対して、全然人間の配置がなかったとすると、これはえらいことになると思う。地下何十メートルというところだと、エスカレーターがとまってしまえば、歩いて上がってくるほかない。停電でまっ暗になってしまったというごとになると、どんなことになるのかちょっと私らには想像がつかないのですけれども、穴ぐらの底でまっ暗になったということになると――これはまあ電気が切れないようにしているんだと言いますけれども、切れた場合にはどうするかということだって考えておく必要があるでしょう。そのときにローソクにちょうちん持って走り回るというわけにもいかないだろうという気もするのです。そういう点を考えると、ある程度の要員というものは、かりにどんなに節約をしても必要になってくる。その地下の東京駅ができたことによって、地上の東京駅のほうがあき家になる、あっちのほうはやめるというわけではないでしょう。そうすると、地下の駅もできるし、地上の駅もそのまま存置をするということになる。そこで、これだけでも相当に要員は必要になってくるというように常識的に考えられる。
 それから武蔵野線の関係であります。武蔵野線の場合でも、武蔵野操車場というものが開設をされる段階では、操車場並びに操車場に付属をする機関区であるとか、あるいは客車区であるとか、そういうもろもろの機関を全部集計すると、千六百何名といったような要員を必要とする、こういうお話がございました。それから、その間に点々とありますところの駅も、これまた無人駅というわけにはいかないと思うのです。少なくとも、何名かの要員を配置しなければならぬということになる。つまり、第一班が視察した東京駅の地下駅、あるいは武蔵野線の各駅、あるいは武蔵野操車場、これだけを考えてみましても、相当数の要員を必要とするということになる。その捻出をどうやってやるかわりませんけれども、そのほかにも全国的にサービスの向上ということをいま副総裁が言われたけれども、列車をふやすとか、あるいは駅を新設するとかいう場合には、何と言っても人手を必要とするわけですよ。それらの人手を必要とするにもかかわらず、この合理化、つまり対策要綱では、十一万人を縮減する、こういうふうに述べている。十一万人を縮減をするということは、相当の人数を減らすということです。相当の人数を減らしながら、サービスを改善すると、あるいは駅をふやすと、あるいは列車をふやすといったような手品師のようなことができるのかどうか。この点、はなはだ私には不可解な気がするのでありますが、その点は一体どのように解決をしたらよろしいのか、お答えをいただきたいと思います。
#156
○説明員(山田明吉君) 十一万人の縮減につきましては、先日、資料を整えて御説明するということになっておりますので、これは概括的に申し上げますと、たとえば出札の窓口でありますならば自動券売機の設置、あるいは運転関係ならばCTC化、全国的なそういうような近代化、合理化で、十一万人はあらゆる職種にわたるわけであります。したがいまして、その間に、広域的な、それから職種間のいわゆる配置転換も、従来以上の規模で行なわなければならない要素はございますけれども、私ども、昭和五十三年までの十一万人の縮減、それからその間に予想される業務量増に対する手当て、これらで計画どおりにやれる目算を立てているわけでございまして、具体的な、七月十五日開業予定の総武線関係の東京地下駅の要員の手当て、これも、従来、東京付近の合理化、近代化によりまして、捻出しております要員を――貯金と言っておりますが、相当持っております。具体的にどこに何人という問題は、現在対応機関で話し合いをいたしておる最中でございます。同様に、武蔵野線が四十九年に開業をいたすわけでありますが、その際の運転要員、あれは貨物輸送が目的でございますので、旅客関係の営業要員はほとんど要らないと思いますが、主として運転要員、それからヤードそのものにつきましては、ごらんいただきましたように、できる限りの機械化をはかっておりますので、たとえば、従来、吹田とか、新鶴見とか、貨物ヤード自体で、昔風に千人要るとかあるいは千五百人要るというような規模の要員の手配は必要でない、最小限度の要員で十分そういう機械化が活用できるような体制を考えているようなわけであります。
#157
○瀬谷英行君 さっき藤田委員が、安全の問題でちょっと心配をされましたけれども、安全面というのは、やはり相当に慎重に考えておく必要があると思うのです。
 これは大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、この間、会館でも、防災訓練をやりましたけれども、あれは訓練ですからね、ほんとうに火事が起きたわけでもないし、ほんとうに電源が切れたわけでもない。だから、わりあいと訓練はすらすらできました。しかし、ほんとうに電気が切れて――電気が切れたんだろうと思うんですけれども、エレベーターがとまったときにぶつかったことがあるんですよ、私は。そうしましたら、非常の場合にはこの電話をかけてくれと書いてある。そのエレベーターの女の子が電話を取り上げたけれども、話し中で全然通じないというわけです。それでしかも、どこでとまったかわからないで、外が見えないですからね、とまったきりになってしまう。電話は幾ら話しようとしても通じない。だから、平時は、もしとまったら電話かけりゃいいと思っているけれども、実際になってみると、電話が通じないということになるんですからね。これは通じない電話じゃ、幾ら耳に当てたってしょうがない。当然あわてるわけです。あわてても、今度はとびらはあかない、どこにいるんだかわからないということになっちゃう。エレベーターの中だけの問題でしたけれども、これが、地下何十メートルという、しかも何十万という人間をのみ込んでいる大きな構造物の中でそういう不測の事態が生じたならばどんなことになるだろうかといったようなことは、当然考えの中に入れておく必要があるのじゃないのか。もし、そういう場合に、要員が足りませんでしたとあとで言いわけ言ったって、間に合わないと思うんです。そういう点についてはたしてどのように考えるのかということが一つ。
 それからもう一つは、武蔵野線の始発で、この間、西国分寺まで行きましたけれども、問題は、西国分寺の駅の問題よりも、あそこからこの国会までバスでもって何分かかるかということに私は若干興味を持ったんです。そうしましたら、一時間四十分かかりました。電車で来ますと、三十何分から四十分ぐらいですよ。この近辺の四ッ谷――国分寺から四ッ谷か信濃町あたり、あるいは市ケ谷あたりでしたらね、大体二十分から四十分ぐらいだろうと思う。ところが、その間をバスで一時間四十分なんです。いかに交通が渋滞しているかということがわかるわけですね。だから、もはやマイカーには限界があるということに見なきゃならぬでしょう。その間に、例の光化学スモッグで問題になっている石神井地区なんかもあったわけですね。だから、それだけ自動車というものがあってももうマラソンの選手と変わりがないような状態になってきているということを考えれば、当然、大量高速輸送、その輸送の手段ということを考えなきゃならぬときだろうと思うんです。したがって、都心に向かう交通網を整備をする場合には、国電に依存をするだけではもはや間に合わぬだろう。しかし、間に合わぬところは、マイカーでもって、何とか自動車で片づけてくれというわけにいかない事態にきていると思うのでありますが、こういうことを考えてみるならば、やはり、これは一例でありますけれども、これからの輸送形態をどうするかということはもっともっと真剣に考えなきゃならぬことじゃないかという気がするんです。
 まず、以上の二点について大臣にお伺いしたいと思うですが。
#158
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 第一点の、交通機関の安全確保の問題について、装備並びに訓練の点につきましては、先ほどからいろいろ御指摘がございましたが、私承知いたしておりますところによりますと、国鉄当局も非常にその点は心配をしておりまして、そういったような機械設備の点検、また訓練につきましても、相当につとめておるように私どもは承知をしておる次第でございます。しかしながら、先般以来、いろいろの事故もございましたし、そういった点、ことに、地下何十メートルというようなところにおきまするところの、そういった地点におきまする不測の事態における異常事態の発生ということにつきましては、特に私、力を入れてやる必要があるだろうと思う次第でございますが、人員の合理化ということはやはり経営上当然でございますが、安全の面におきまして、万一それによりまして人員の不足を生じまして、そのために危険の防止ができなかったということではなりませんので、そういうことのないように十分の配慮をすべきであります。また、国鉄も当然そのことをしておると思う次第でございますが、私どもその点につきましては特に注意を喚起してまいりたい、こういうふうに思っております。
 それから、大都市の通勤通学の対策でございますが、ただいまお話がございましたとおり、私も最近の交通事情を考えますると、バスにおきましては、あるいは専用レーン、あるいは優先レーンというものをできるだけ多く大都市においてはつくるようにということを、私は運輸大臣就任以来、そのことは早くからっとに提唱しておる次第でございます。いろいろの事情におきまして、たとえば片道三車線なければ非常に専用レーンは無理であるというようなこと、またそれをやりましたときに一般の自家用車の規制を伴わなければならぬ、規制の場所をどこにするか、規制の場所のしかたによりまして、これがその他の環状道路が込んでまいりました場合にかえって非常に交通渋滞が起きるというような問題がございまして、私のほうといたしましては、そういう点につきましては、内閣におきまして交通対策委員会が設けられている次第でございますが、その実施機関といたしまして、この機関を監督指導するところの運輸省、またそれの具体的の規制をするところの公安委員会、警察庁、それとまたそれらの道路面の提供、改善をするところの建設省、その三者が一体となりまして、常に三者一体となってこれらの具体的な大都市におけるところの交通面におきまする渋滞をいかにして緩和をするかということが当面の問題であり、先般も三閣僚そろいまして、事務当局をいたしまして、総理府を中心といたしまして四省におきまして常時それを連絡をいたしまして具体的の結論を得るようにせっかくいま指導をいたしておるところでございますが、ただいま先生の御指摘のとおりでございまして、どうしても大量輸送機関は、国鉄に依存するか、あるいはまた一般の電車に依存するか。しかし、それだけでは、路面電車におきますところの、何といいますか、定時性、それからまたスピード化ということは望めないことでございますので、地下高速鉄道の建設が必要であるというようなことでございまして、すでに東京、大阪におきまして、地下高速鉄道網の整備拡充ということを念頭に置きまして、たとえて申しますと、東京におきまして、首都圏におきまして十三路線ふやしまして、これらを全部合わせましてたしか五百数十の路線を予定いたしております。これらにつきまして、全体を合わせまして一兆五、六千億にのぼる建設資金になる次第でございますが、できるだけそういったものの具体策につきましても検討をいたしまして、都市の通勤通学の混雑緩和に当たりたいというように思っておる次第でございます。
#159
○瀬谷英行君 閑散線区の問題で、やはり第二番の関係について質問したいと思うんですけれども、篠山線というのは私は前に一度視察したことがあります。まだその当時は線路が残っておりまして、曲がりなりにも細々と運転をしておったわけであります。しかし、廃止のうわさを聞いてたいへん地元は動揺しておったわけでありますが、あの線区を私視察をしてみまして、感じとしては、立ちぐされになっておったという感じなんですね。全然国鉄はもう見放してしまった、何ら手を加えてない。線路は草が茂っておりまして、よく見るとまっすぐなやつがちょっと曲がっているんじゃないか、よくこれで脱線しないものだというような感じだったんです。しかし、単線区間のディーゼル車がやっと走っているという状態のそういう線区というものは、住民もだんだんこれは不便だから利用しなくなりますよ。これ、勢いますます経営状態は悪くなっていくということになってしまうんですね。あのときに感じたんですけれども、あの篠山線の終点からもうちょっと延ばして京都のほうへ行く何とかというところでしたけれども、どの辺につなぐことができたならば京都方面との接続連絡というものは非常によくなるんじゃないかということを感じたんです。だから、ほっとけば立ちぐされでもって利用価値のない鉄道になってしまうけれども、ちょっと投資をすればこれは住民にとってきわめて重宝な足になる、こういう二面を持っていると思うんです。国鉄の場合は、もう片っぱしから立ちぐされの状態をそのままにして、ほりたらかしにして、ますます営業係数が悪くなってきて、やがては廃止の方向に追い込んでしまうというような傾向もあるんじゃないかという気がしたんでありますけれども、そんなような傾向がいわゆる閑散線区にはないのかどうか。現在、鉄道建設公団で一方では建設をしているところがある、一方では廃止の予定になっているところがある。廃止の予定になっているところと建設の予定になっているところがくっついている、こういったようなところだってあるのですね。こういう矛盾した問題を一体どう解決するのか。篠山線の場合は、はたして打開策というものはなかったのかどうか、これらの点についてもお尋ねをしたいと思います。
#160
○政府委員(山口真弘君) 篠山線につきましては、仰せのように、その先に予定線が実はございます。で、したがいまして、予定線をつなぐことによりまして一つのルートというものが形成されるということも、確かに仰せのとおりであろうかと思います。ただしかし、篠山線の現状というものを見ますと、この利用状況、あるいは人口の状況、それから輸送の状況というようなものを見ますと、やはりこれは鉄道よりも道路のほうが適しておるということで、従来国鉄におきましても地元の方と鋭意お話し合いをしてきたところでございまして、地元の方々の御了承というものも得た上で、今回廃止をするという運びになったわけでございます。
#161
○瀬谷英行君 いま、地元の人々も篠山線の廃止については了承したというふうに聞き取れたのでありますけれども、視察をされた方々の感触として、やはりあそこは廃止をしてよかったのだ、もうあんなところに鉄道は要らないのだというふうに地元の人たちが納得をしていたのかどうか、これは現地を視察された方にお聞きしてみたいと思います。
#162
○鬼丸勝之君 私から簡単にお答えいたしまして、また詳細は、克明にメモされておりますから、そちらからお答えがあるかと思いますが、結論的に申しますと、篠山線の場合は条件つきで了承された、こういうふうに私ども承知いたしました。その条件というのは、先ほど報告にも申し上げましたが、何といっても一番のポイントは福知山線の複線電化、これが地元の四町の強烈なる要望でございます。そのほかに、国道一七三号線、これを整備すること、それから大阪方面へのバスの運行を確保すること、こういう点がおもな条件でありまして、あとこまかい、たとえば廃線後の跡地を払い下げるという問題これなどは大体道路または公共施設に充当するということで町村と仮契約をいたしております。
 それから、福知山複線線電化の関係におきまして、用地買収も、ちょうど圃場整備を今年度から取りかかるそうですから圃場整備の関係において同時に用地買収を今年度から始めるということで予算も計上されておりますので、この点も地元の強い要望がありましたけれども、地元も懇談会の席上で了解されたと私は認めます。ただ、福知山線の複線電化の関係におきまして、三田−宝塚間、この問に多目的ダムをつくる構想があると、これは国鉄当局も非常にこの点心配しまして、県当局といま折衝中でありますけれども、これはまあ構想程度ではちょっと現下の圃場を整備するのに見通しがつきにくいのではないかと、この点は、農林省、建設省、あるいは水資源公団、また水資源公団が県営であるかもはっきりしない、ダムサイトの位置もはっきりしない状況でありますから、われわれは政府に対しましてもダム計画を早く認めるように促進するということを約して帰りました。まあ大ざっぱに申し上げますと、そういうことでございます。
#163
○伊部真君 いま報告された内容に相違はないのでありますが、少し地元のほうの意見があった点はお伝えしておかなければいかぬと思います。それは、やはり地元のほうとしてはかなり撤去については慎重であったのでありますけれども、条件をつけて了解をした、しかし、国鉄さんはその廃止するまでの了解を取りつけるところまではほんとうに熱心で、日参してその情にほだされるほどでわれわれとしては了解したのだけれども、その話がついたら、それから非常に冷淡になって、これはけしからぬということでおしかりを受けました。御出席の国鉄の常務理事からも、その点は反省いたしますというお答えがありましたが、やっぱりこれは国民感情として残ると思います。
 それからもう一つは、やはりバスに代替したらいいじゃないかというお話があります。しかし、あのバスの代替は、一ヵ月定期で国鉄のときには二千四百円であったものが、一ヵ月五千八百円になった。これは私がこれから廃止路線をバスに切りかえると言ったときの計算の中に入れなければならぬと思うのです。国民はバスにかわったがちっとも変わらぬじゃないかという場合、それなら五千八百円の料金を出して国鉄はやっていくのかどうかという問題とからんでくると思うのです。したがって、この二点は、非常に強く地元から言われるし、これから廃止路線の問題の論議の中で、やはり考えなければならない問題じゃないかというふうに印象づけられましたので、補足しておきます。
#164
○説明員(長浜正雄君) さい、ぜんの御答弁の中で答弁しかねた自動切りかえの問題で簡単に補足さしていただきますと、調べました結果、片方の電流が切れますと、これが電圧がゼロになりますので、それによりましてリレーが働きまして、片方の電線のほうのリレーで電流がつながり、両方切れましたときは電圧が両方ゼロになりますので予備電源のほうにリレーが働く、こういう装置になっておりますので、つけ加えさしていただきます。
#165
○瀬谷英行君 いま、伊部委員の報告によりますと、私も前に篠山線に行ったときのことを思い出していました。国鉄の運賃とバスの運賃ではえらい開きが出ております一いま御報告があったように、それはこれから各地で出てくるんじゃないかという気がするんですね。この撤去されたところはバスを使いなさい、ところがバスのほうはうんと運賃が高くなる、こういう状態になるわけです。つまり、地域住民としては犠牲をこうむるということになるわけですね。国鉄はせいせいしたようなつもりになるかもしらぬけれども、地域にとってそう簡単な問題じゃない。そういう問題を一体どうするかということが一つ残ってきます。そこで、大臣にこの機会にお伺いいたしますが、先般、日本民鉄協会の総会、これは三十一日だったということですが、この総会で適正化運賃の決議をしたということであります。具体的に言うと、私鉄のほうが、大手各社が遠からず値上げを申請する、三〇%前後の申請の見通しであるということです。国鉄の運賃の問題を審議している最中に、民鉄協会の総会では私鉄の運賃の値上げをほのめかしているということになるんですね。おそらく、この国鉄の運賃の経過をにらみながら私鉄も上げようとしているんじゃないかというふうにわれわれは考えるわけなんですけれども、そうなってまいりますと、国鉄も、私鉄も、あるいはバスも、相前後して値上げをするといったようなことがこれから予想されるわけなんです。一体それで地域住民の足というものは確保できるのかどうか。また、この私鉄の値上げに対して、民鉄協会総会のこの決議に対して、運輸大臣としてはどのように処置をされるおつもりなのか、その点をお伺いしたいと思います。
#166
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 先ほど適切な御質問がございました。と申しますのは、私ども一番問題にしておりますのは、先ほどからも御議論がありました、乗客の多いところで相当収益のあがっている利用者に対してはよけい運賃を取る、こういうような御質問、私どもただいま、いろいろの料金の問題を見まして、国鉄は総合原価主義を御承知のとおりとっております。それに、いま申しましたような地方路線につきましても、ほかのバスその他から見まして非常に安い。しかし、それは一面において非常に利用者の多いところのほうに負担をしてもらっておる、このいまの原則をもって、ただいまも御審議をいただいております次第ですが、将来の問題といたしまして、そういった問題に路線別原価主義をとるべきであるかどうかということがこれからの非常に大きな問題で、閑散線のいまの問題、バス路線の問題というようなものも、やはりそれと関連をして考えなければならない私は大きな問題、非常に適切な御質問でございまして、私ども、将来の運輸料金体系として、これから十分検討していかなくちゃならない問題である、こういうふうに思っておる次第であります。
 しかし、いま公団のほうのお話でございますが、この点につきましては、先般も私は新聞記者会見のとき、初めてこの点を聞きました。ちょっと目を痛めておりますので、新聞記事は私見ておりませんので、突然聞かれまして、私鉄にはそういった民鉄協の話がある――実は自動車局長からもその話は承知しております。しかしながら、私は再三この委員会で、国会におきましても申し上げましたとおり、国鉄運賃につきましての便乗値上げは絶対に認める方針はないということを申しております。総理大臣も同様の答弁をしております。また現実の問題といたしまして、そういったような運賃値上げについての申請も、何も聞いておりません。一つ名古屋鉄道だけ聞いております。私ども、時期的にも考えまして、申請がきた以上は、これは一応検討の対象にはいたしますけれども、いまのところはそういうわけでございます。しかしながら、ただいまの現実の状態、経営の状態から申しまして、私ども見まして、現時点におきましてはそういったものを認める意思はないということをはっきりと申し上げておる次第でございます。それはやむを得ざれば、どうしても経営がいかないという場合におきましては、ある程度の利用者負担ということもしかたがない次第でございますが、できるだけやはり公共の、一般の公衆の足の確保を低廉な運賃でもってできるというものはしたい、あくまでも適正な原価主義で貫く、こういうふうに思っておる次第でございます。国鉄運賃の値上げ、それにやはりさや寄せをして上げようというふうな意思は、絶対にただいまのところはそういう考えはないことをはっきりと申し上げる次第でございます。
#167
○瀬谷英行君 この私鉄の便乗値上げは認めないというふうにおっしゃいましたけれども、われわれが調べましたこの資料によって見ましても、国鉄が今回のような計画でもって運賃の値上げをしたと仮定をいたしますと、私鉄との比較が非常にアンバランスになることが数字的にはっきりしているのです。つまり、同じところで走っておるんでも、私鉄の場合と国鉄の場合では、私鉄のほうがぐっと割り安になってしまう。そうなりますと、私鉄は国鉄に右へならえして値上げをさせてほしいというふうに申請してくることは火を見るよりも明らかです。その場合、便乗値上げはさせないといっても、片一方が明らかに高い、それとつり合いをとるんだといって申請をされた場合に、むげにそれが断れるかどうか、非常にむずかしいことになってくると思うんです。ですから、国鉄の運賃、特に旅客運賃については、割り高になるところはどこも、東京周辺とか、大阪周辺とか、いわば黒字の地域でもって割り高になるのですね。つまり、原価計算をした場合には必ずしも上げなくてもいいような地域でもってかなりの割り高の運賃になる。そうしますと、それに並行する私鉄というものは、やはり結果的には便乗値上げという形をとらざるを得ないのじゃないか。もうちょうど便乗値上げの何よりの口実ができるわけです。また、ほっておけば、国鉄の乗客が今度は私鉄のほうになだれてしまう、なだれ現象が生ずる。私鉄のほうにばっかり移行するから、運賃は上がったけれども実際の収入は今度私鉄のほうに移ってしまう、こういう結果も出てくるんじゃないですか。したがって、この運賃というものは、並行して走っている場合にはある程度国鉄も私鉄もつり合いをとらなければいけないという問題が出てくると思うのです。そのつり合いをどうやってとるのか、とらなくてもよろしいというふうに考えられるのかどうか、その点をお伺いしたいと思う。
#168
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま御質問いただきましたとおりでありまして、大都市の区間におきましては、でき得べくんばつり合いをとることが望ましいということでございまして、すでにそういう方向におきまして、あるいはハンブルグ市の例であるとか、それからまたいろいろの案が計画をされて、一部実行に移されておるところもございまして、私どものほうといたしましても、運輸料金の問題でただいま研究をいたしております。現時点におきましては、並行路線につきまして、今回の国鉄の旅客運賃の改定に伴いまして、私鉄とある程度の格差ができる場所も相当ございます。ほんとうにその点はまことに遺憾でございますが、先ほども申しましたとおり、総合原価主義をとっている今日の国鉄の運賃体系におきましては、まことにこの点は、大都市の利用者に対しては遺憾ではございますが、やむを得ないじゃないか。先ほどからお話がございました地方ローカル線、あるいはまたそういったような点におきますところのたとえばある程度の路線別にとりますと、運賃を相当高く急カーブで上げなくちゃならぬ、こういう問題が出てくる次第でございます。総合原価主義でございますから、両者相まちまして適当な運賃に押えるということでございます。御承知のとおり、東京周辺の大手私鉄等の並行路線は、やはりそういったような人口過密地帯だけを通っている線でございます。また、いろいろの面におきまして、収支率その他においてもこの差異がございます。できるだけやはり安い運賃に押えていくべきであるという論点からいたしますと、総合原価主義をいかにするかということで今日のこれからの大きな問題と申し上げる次第ですが、現時点の課題といたしまして、御提案といたしましては、これはある程度はやむを得ぬ――申しわけないけれどもやむを得ない、こういうふうに思っている次第でございまして、したがいまして、そういう点で、並行路線でございましても発着点がお互いに違うわけでございます。しかし、その間の路線もきまってまいりますので、おのずからやはり利用者も異なる。確かにそういった点におきまして、それでは私鉄に乗りかえをしようかというものも相当あると思う次第でございますが、発着点が違うということによりまして、それからいままで国鉄を利用した料金というようなものの加算、いろいろなこともございまして、それらの点につきまして、それゆえに実収は一五%とした次第でございますが、料金は二三・四%とこういうふうにしております。ある程度のそれらによるところの実収の平均額の欠陥というものも考慮に入れまして、そうして今日した次第でございます。これらは将来のほんとの研究、また新しい具体的の知恵を出していかなければならない問題だと思う次第でございますので、将来の問題としていろいろ考えてやってまいりたい、こういうふうに思います。
#169
○委員長(木村睦男君) 派遣委員に対する質疑は終了しました。
 引き続き審議を行ないます。
#170
○瀬谷英行君 派遣委員に対する質問と運賃の問題とかかわりが多いように思うので質問をしたのでありますが、いまの大臣の御答弁では、私鉄が上がって国鉄の運賃とのアンバランスが出てもしかたがない、こういうお話です。しかし、国鉄の運賃が上がるということをある程度予想しながら私鉄が運賃の値上げを用意しているという状態がここにはしなくもはっきりしてきたわけです。これは民鉄協会の総会で決議をしているのです。そうすると、国鉄運賃が外堀だとすると、私鉄の運賃が内堀というようなかっこうで、順次埋められていくということを予想しなければならない。そうすると、この国鉄の運賃は私鉄運賃の値上げする導火線にもなると思うのですね。これは利用者にとってはなかなか深刻な問題になってくる。しかも、その私鉄の運賃が値上がりをすることを食いとめるだけの根拠というものは、国鉄の運賃を上げた以上はある程度なくなってくるんじゃないか。あるいは、ある程度押えがきかなくなってくるんじゃないかということも考えなければならない。
 そこで、やはりこういう問題を考えてみますと、イタチごっこを繰り返すようなことになると思うのでありますけれども、国鉄の運賃のあり方と私鉄の運賃のあり方というものを両方比較して考える必要が出てくるんじゃないか。たまたま国鉄の運賃の場合は、特に旅客運賃の場合は、どちらかというと都市周辺では割高になっているわけです。ローカル線では、なるほどその乗り手が少なくて立ちぐされのような状態になっているところがたくさんあるかもしれません。しかし、都市周辺ではそうではないわけです。たいがい都市周辺では、旅客運賃の面では黒字になっているところが多いわけです。つまり、言いかえれば、運賃を上げなくたって元が取れているというところが多いわけです。それを何%か上げると、そういうところの並行私鉄というのは国鉄に便乗してうんと今度は上げることによってもうけることができるということになるわけですね。これは、結局はその住民が一番、ばかをみるという結果になりはしないでしょうか。その点を考えてみますと、まずさかのぼって国鉄運賃のあり方を考える場合には、旅客運賃と貨物運賃とのアンバランスというものを是正をするということも考えてみる必要があるんじゃないでしょうか。いま確かに旅客収入と貨物収入では国鉄の場合は開きがあります。三十年ぐらい前でしたならばそんなに貨物収入と旅客収入との間の差がなかったのが、だんだんだんだん開いて、いまは二対一から三対一くらいに、あるいはもっとになっているでしょう。そういうアンバランスが生じてきている。ところが、貨物収入の場合は、赤字を出しておっても、要員の面では、たとえばヤードを必要とする。ヤードがあれば、いかに合理化したといっても、相当数の要員を必要とするということになってくるわけですね。だから、これらの点を考えてみますと、なかなか、合理化とはいってみても、貨物収入の点では適正な収入をあげるということはむずかしい状態にある。そのとばっちりが全部旅客収入のほうへかぶってくる。しかも、その旅客収入のほうにかぶってきた点が民間の私鉄運賃にまで影響するというような形が出てくるわけです。こういう問題はどうしても根本的に政府として検討する必要があるのじゃないかと思うのですが、それらの点についての配慮が必ずしも十分ではなかったのじゃないか。この運賃法の問題では、国鉄の運賃の問題特に国鉄の財政の問題だけを考えて、この中でそろばんをはじいて収支を合わせよう、こういうような点があったのじゃないかという気がいたしますが、それらの反省というものがなくていいのかどうか、その点について再度お伺いしたいと思います。
#171
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 御専門のよく御存じの瀬谷先生に私から一々御答弁するのもはなはだ恐縮でございますが、責任者として申し上げますが、もう一ぺん私申し上げますが、いまの料金体系、料金をきめる基準というものは、あくまでも事業別適正原価主義、これを貫いている次第でございます。したがいまして、適正原価であるかどうかということが私鉄運賃をきめるやはりこれが根拠でございます。適正な原価でございましたならば、これは御承知のとおり、あらゆる経費を算出いたしまして、それにことに私鉄でございますると一定のある程度の利潤を見まして、これで適正な料金ということになる。もちろん合理的経営ということが前提でございますが、それによってきめている次第でございまして、私としては、ただいまの私鉄の料金、それでいまいろいろ御努力は願っておりまするが、必ずしもそれによりまして私鉄の運営が困難というふうにいま現時点で私ども認識いたしておりません。また、先ほどございましたが、民鉄協会では決議はしていないそうでございます。というようなことでございまして、また私のところへまだ認可申請もきておりません。先例もございますから、そういう点で私どもは便乗値上げを認める考えはないということをはっきり申し上げておく次第でございます。ただいまお話がございました、その利用者の多い区間の問題、これは確かにこれからの大きな問題である。また、貨物収入が非常に激減をしてまいりました。今回の再建策の一つに、それからまた、今回、四十四年度におきましてせっかく御審議を願いましたのを、三年にしてまた再び改定をお願いしなくちゃいかぬというふらちな羽目におちいりましたのも、貨物運賃収入の激減と申しますか、予想外の伸びのおくれ、正確に申し上げますとそれでございますが、これがまあ大きな原因である。その大きな原因といたしましてはいろいろございますが、貨物運送におけるところの国鉄の輸送地位のシェアが非常に減ってまいりました。また、国鉄の大きな輸送の物資でございました第一次物資、たとえば石炭でございますとか、木材とか、そういったものが非常に減ってまいりましたということが大きな原因でございますが、ともかくも貨物料金が減ってきた、その点のある程度のしわ寄せもあるのではないか、確かにそのとおりでございます。また、四十四年度におきましては、やはり一般の産業に及ぼす影響、物価に及ぼす影響ということの御批判をいただきまして、貨物だけは運賃の上昇ということはいたさなかった次第でございます。したがいまして、そういうところにも格差がございますので、今回は一・二%を上回るところの二四・六%という運賃の改定をいたしまして、ただいま御審議をお願いしている次第でございます。また、ただいまお話がございましたヤードの問題というような問題につきまして、これは今回の国鉄が、貨物輸送につきましては、やはりこの輸送方法につきまして抜本的な近代化をはかって、そうしていまの貨物の需要に対応するような体制をつくらなくちゃいかぬということで、先生の御指摘をいただきましたようなヤードの整理、近代化ということをまず第一番に考えておる次第でございます。また、定時制を確保しなければいかぬというようなことといたしまして、要するに中長距離の直通輸送、それがためにコンテナの増強、またフレートライナーというようなことも考えておりまして、近代的、抜本的な輸送の体制の強化によりまして、そうして貨物輸送のシェアもはかっていく、そうして増大をはかってまいりたい、そうして国民に対するサービスの改善をはかってまいりたい、こういうことが趣旨でございます。今回の国鉄の再建の大きな国民サービスとしての、この一番大きな問題、そうして収入増強の大きな問題といたしまして、旅客の都市間輸送の問題、あるいは大都市通勤通学の輸送の問題とともに、貨物輸送の近代化ということが一番の根本になっている次第でございまして、いろいろ御知識の点におきまして、その具体的の問題につきましてさらに一そうの御指示をいただければ幸いであると、こういうように思います。
#172
○瀬谷英行君 先ほどサービスの問題についてちょっと触れましたけれども、サービスというのは、口先だけでおあいそを言うのはサービスじゃないと思うのです。すし詰めの満員電車にぎゅうぎゅう押し込まれて、車内放送だけ「御乗車ありがとうございます」なんて言われたって、これはちっともありがたかないんですね。別に「御乗車ありがとうございます」といって車内放送なんかしてくれなくても、すいた電車に乗ったほうがはるかに楽なんです。ところが、現在の状態で、しかも今回の提案をされた運賃法あるいは財政再建のこの法律の趣旨でもっていくと、どうもサービスというのは口先だけのサービスになりはせぬかということを心配するわけです。たとえば、具体的に並行路線における国鉄と私鉄の運賃の比較をしてみましても、東武の浅草−久喜間と国鉄の上野−久喜間と比較をすると、通勧定期で、東武のほうは二千百九十円に対して、国鉄の場合は四千八百十円になる。それから新宿と拝島の間は、西武の場合が千八百六十円に対して、国鉄の場合が三千九百五十円になる。京成の場合は、京成の上野と船橋の間、国鉄の上野と船橋の間を比較してみますと、京成が千六百八十円に対して、国鉄が二千八百八十円になる。京王帝都の場合はですね、新宿と八王子の間が、京王帝都で二千三百六十円に対して、国鉄の場合が四千二百円になる。いずれを比較してみても、東武、西武、京成、あるいは京王帝都、どれを比較してみましても、国鉄のほうがはるかに割り高になるわけです。割り高になれば、私鉄にしてみれば、自分たちのところの運賃の値上げの何よりの口実ができたということになるし、利用者にしてみれば、どちらかというと安いほうへ乗るほうが得だということになるから、私鉄を利用できない場所は別ですけれども、利用できる場所は今度は私鉄のほうに切りかわってしまうということになるでしょう。そうすると、せっかく国鉄のほうで運賃を上げたつもりでも、お客をにがしてしまうということになれば、アブハチとらずになってしまうわけです。ですから、こういう点を考えてみると、必ずしもその運賃の値上げがそのまま収入の増加につながるとは限らないと思うんですね。こういう比較を十分にした上で、まず国鉄と私鉄の運賃のアンバランスというものをなくすということを考えなければならないだろうし、また同じ地域を走っているならば、その地域についての輸送原価からいうと国鉄も私鉄もあまり変わりはないわけです、ないはずなんですね。ただ国鉄の場合は、公共負担であるとか、あるいは閑散線区であるとか、あるいは貨物であるとか、こういういろいろな赤字の要因――それから赤字の一番の大きな要因は、先ほどもお話がありましたように、債務であるといわれております。債務――借金ですね、国鉄の場合は。これは私鉄にはない現象なんです。借金の利息だけでこれこれになるといったような問題がある。こういうまあハンデがついている。こういうハンデを考えてみると、やはり国鉄の運賃のあり方というものをこれは相当に検討してみる必要があると思う。先ほど来、この運賃値上げの問題と、それから仲裁裁定履行の問題があって、いろいろ論議をいたしましたけれども、私どもが言っておりますことは、この原案というものは、必ずしも公正妥当であると言いがたいと思われることが、ちょっと指摘をしただけでたくさんある。だから、そういう問題を解決をしないで、原案どおり値上げをすればいいということにはならぬだろう。
 それともう一つ、サービスを向上させるということを言っておるけれども、このサービスの具体的な内容は何かということに触れてみたいと思うのです。しかし、きょうのところは、もうだいぶ時間がきているからというふうに言われておりますので、これ以上詳細に質問するのは省略をいたしますけれども、幾つかの例をあげてみましても、国鉄としてやらなければならないサービスというものはたくさんあるわけです。それが赤字ということのために行なわれないでいる。こういう点をもっともっとわれわれは突っ込んで取り上げて、そうしてその利用者のためのサービスということをここに約束をしてもらわなければいかぬ思うのです。私は、運賃を上げるからサービスをする、こういう約束をするのは間違いだと思う。運賃を上げる上げないにかかわらず、国鉄として利用者に対するサービスは約束をしなければならない。銭を上げなければサービスしないぞというのは、これは間違いだと思います、営利を目的とするのじゃないのだということを明記をしてあろのですから。まず何よりも国民に対して尽くすべきことを尽くすということをやらないで、運賃の値上げだけを先行させるのは、間違いだと思うのです。そういう点について、今度はもっと個々の問題について私は国鉄総裁にお聞きをしたいと思うのでありますけれども、よろしければ発言を……。
 それじゃ続けます。まず私鉄と国鉄との比較の問題についていませっかく大臣に質問をしたところなんですが、もっとやってもよろしいということでありますから、大臣から、私鉄と国鉄との比較の問題、それから私鉄に対する今後の運賃値上げの問題について、先ほどちょっとお話がありましたけれども、申請がまだないということでしたけれども、国鉄の運賃がかりにいま私が比較をしたような形でもって実現をすると、これは私鉄は黙っているわけないと思うんです。民鉄協会の決議があったとかなかったとかいう話ですけれども、これは当然問題が具体化してくると思うんですね。そのときに、一体どういうふうにさばきをつけるつもりなんでしょうか。これは、私鉄個々の経営状態について、おまえのところはがまんしろ、おまえのところは上げていいと、こういうことをやるおつもりなんでしょうか、この点はどうですか。
#173
○政府委員(山口真弘君) 今回の改定によりまして、国鉄、私鉄の並行路線等につきまして相当の格差が生ずるという点は、御指摘のとおりでございます。ただ、国鉄につきましては、先ほど大臣から申し上げましたように、総合原価主義によりまして、全国一律の運賃計算の方法を取り入れまして、全国一律の運賃を取っておりますが、私鉄につきましては各社別々でございます。したがいまして、私鉄の運賃につきまして私鉄からかりに申請がございました場合におきましても、ただ単に国鉄との間の格差ということではなくして、各社につきまして個々の経営事情というものを十分に審査をして、慎重にこれを処理するということに相なるわけでございます。
#174
○瀬谷英行君 じゃ、もう一つ質問いたしますが、サービスの具体的な問題ですが、運賃と料金のふつり合いという問題もあります。旅客と貨物のふつり合いだけじゃない、運賃と料金のふつり合いという問題がある。たとえば新幹線では、俗に言えばたっぷりもうけておるわけです。もうけておるということは、特急券なんというのはうんとよけい取っておるということになる。しかし、新幹線でなくも――これもまた具体的な例をあげたいんですけれども、これは私もらってきたんですが、先般、急行のグリーン車に乗った人がいるんですよ。その急行のグリーン車に乗った人は、熊谷から東京までの切符を買って乗ったけれども、満員ですわる場所がなかったわけで、グリーン車にようやく割り込めたのでグリーン車に乗った。幾ら取られるかと思っていたら、実は全部で運賃は二百八十円の区間、二百八十円の区間に対して、急行料金と運賃とそのほかに座席指定券とかグリーン券だとか全部を合算して千四百八十円取られた。二百八十円のところですよ。二百八十円のところで、千四百八十円というと、五倍以上です。この人は、私も、実はグリーン券だからまあ二倍かあるいは三倍は取られてもしかたがないと思っていた。ところが、実際に取られてみたら千四百八十円、五倍以上で、幾らなんでもひど過ぎるんじゃないか。それで、うそだと思われちゃいけないから、急行券と切符は改札出るとき渡さなければならないから渡してきたけれども、グリーン券やら座席指定券やら車内で発行された補充券は参考のために持ってきたといって私に見せた、これがそうなんです。これが千百円ですね。このほかに急行券と切符、これが三百八十円、合計千四百八十円。二百八十円の運賃区間のところに、たかだかグリーン車の席にすわるだけで千四八十円取るというようなことは、これはあまりひど過ぎるのじゃないか。場所によっては、快速電車なんて運転しているところは、何もグリーン券も急行券も出さずに済んでいるんです。そういうところもある。これは好きこのんで乗ったんじゃない、ほかに乗ろうと思っても乗れないから割り込んでこのグリーン車に乗ったらこのとおりなんです。これはあまりひどいと言うんですね。確かに運賃に対して料金を比較すると、この五倍も取られるなんてばかなことはないですよ。これはちょっと、商法としても、悪徳商法だと言われてもしようがないですね。これはやはり利用者にしてみれば納得できないことだろうと思うんです。こんなことやっておいて、「御乗車ありがとうございます」といって口先だけで言ってもらったって、これは利用者としては割り切れないと思う。国鉄総裁にもお伺いしますけれども、まず大臣としてはどのようにお感じなんでございますか。
#175
○政府委員(山口真弘君) ただいま先生の御指摘は、運賃と料金との考え方ということに結局なるだろうと思いますが、運賃、料金ともに輸送サービスの対価でございますが、運賃の場合には輸送サービスの基本であるところの場所的な移動効果の対価ということであろうと思います。それから、料金につきましては、要するに提供する輸送サービスの質を勘案いたしまして、あるいは乗客等がその追加された輸送サービスというものを享受することの便益だとかあるいは経済的な効果というようなものを対象としたところの対価であろうというふうに考えられるわけでございます。
 そこで、問題は、最近、先生御指摘のように、運賃に対応いたしまして料金部分が非常に大きくなっているということは事実でございますが、これにつきましては、ただそういうことで、事実でございますけれども、そういう料金の対応するような、サービスの対価としてその分を料金として分担させることがいいのか、あるいは基礎的な場所的移動の対価であるところの運賃にそれをかけることがよいのかという問題であろうかと思います。つまり、運送原価というものがございました場合に、その配分というものを、基礎的なものにかけるのがよいのか、あるいは付加的な料金にかけるのがよいのかということだろうと思うのでございます。ただ、現段階におきましては、輸送サービスの質の向上というものが着々と進んでおるわけでございまして、そういう意味におきまして、最近では料金のウエートが高くなっておる、こういうことであります。
#176
○説明員(磯崎叡君) 運賃と料金のバランスの問題、これはいつも問題になるのでございますが、いまの例でございますけれども、現在のグリーンという制度が、御承知のとおり、昭和四十四年に改正いたしましたときに、当時の一等を廃止する、そうしてその単一――いわゆるモノクラスにするという制度改正を主にいたしたわけでございます。しかし、一挙にそれをしますと非常にアンバランスができますので、一応前の一等運賃をそのまま残したかっこうでグリーン制度をつくりましたために、非常にグリーン料金が昔の一等――一等と申しますのは、三等級が二等級になりまして、一等、二等になったときの一等でございます。したがって、昔の一等運賃がほとんどそのまま適用になっておる。また、グリーンのしたがって指定券も、あるいは急行料金も、全部その昔の一等並みのグリーン料金というものがまだ残っておるわけでございます。今度はそれを少し是正して、いわゆるグリーン料金というものは単に車の設備使用料だ、昔の特二料金のようなものだというふうに変えていきたいというのが今度の改正の一つに入っておりますが、そのほかに御承知の通行税が入っております。これが一割入っております。これは絶対やめないという御方針のようでございますので、それらを合わせますと、いまお話しのように高くなってくるということでございます。しかし、そもそも運賃と料金のバランスをどこでとるべきかということになりますと、先ほど御指摘の、東海道新幹線などになりますと、非常に料金のシェアが高い。結局これは、先ほど大臣がおっしゃった総合運賃制度でもって、新幹線の人が北海道の赤字をしょい、九州の赤字をしょってもらうという関係で、ああいうことになるわけでございまして、問題は、いわゆる全国の総合画一料金というものをいつまで維持できるかどうかという問題、それが解決しますと、わりあいに問題は簡単になってくると思いますけれども、これは国鉄として全国一本の運営をする以上、やはり画一料金であるべきだという議論も相当強いと思います。したがって、なかなか踏み切れないでいるということでございます。しかし、一方、過疎地域における交通機関というのは、どこも、これは国鉄に限らず、あらゆる交通機関が全部経営が困難である。それを過密地域の人にしょってもらっているという現状でございます。しかも、過密地域のいわゆるグリーンの利用者にしょってもらっているかっこうでございます。こういう部内の権衡の、何と申しますか、負担の寄せ合い、負担のかぶせ方ということに問題があると思います。しかし、いつまでもそういうことを言っていてもきりがございませんので、今度はそういう、最小限、料金と運賃のバランスを少しでもとりたい。いままでの一等運賃的なグリーン料金を、設備使用料的なものに若干改めるという内容が、今度の運賃の改正に入っているわけでございます。しかし、まだまだ全般的に運賃と料金のバランス一がとれておるとは申し上げられませんけれども、方向としては、そういう方向に進んでまいりたいというふうに思っております。
#177
○瀬谷英行君 運賃というのは運び賃と書くわけですね。これはすわり賃じゃないわけですよ。ところが、二百八十円の運賃のところを、これは好きでもって選択をした場合には、これは多少高くたって承知の上で乗ったのだということになるんですけれども、ところが、そうじゃない。もう割り込めなくて、しかたがないからグリーン車に乗ったのだ。乗ってみたところで、これは座席の構造がちょっといいだけで、到着する時間は同じなんですからね。そうすると、それが二百八十円と千四百八十円、五倍以上というのは、どう考えたって極端過ぎやしないかということになるんですよ。人の弱みにつけ込んで五倍の銭を取るというのは、これは昔の雲助根性がそのまま今日出ているのじゃないかと言われてもしようがないですな。こういうことは、明らかにこれは不合理な問題として、国鉄自身が解決をしなきゃならぬことなんです。こういう、私は一例をあげたにすぎません。一例をあげたにすぎませんけれども、この種の例は非常に多いと思うんですよ。こういう例をたくさん残したまま、また運賃を上げます、御了解くださいというのじゃ、これは利用者にしてみれば、すっきりと納得はできまいと思うんですね。
 その他にも、たとえば急行料金がはたして妥当であるかどうかという問題もあります。快速電車というのが走っているところでは、急行料金は要らないで相当速く走れる。ところが、そんなものが走ってないところは、どうしても急行に乗らなきゃいけない。しかし、やはり急行と各駅停車電車とのスピードを比較をしてみた場合、あんまり差がないという点があるんですね。これは、東海道線にも、高崎線にも、こういう事例がある。それなんかも、実際はたいして差はないのに、金だけよけい取られるということは、これまた利用者にしてみれば納得できがたいだろうと思うんですね。
 そういう問題を、一体今回解決をするということになっているのかどうか、いたしかたございませんでもって済ますのかどうか、こういう点です。いまのような運賃の値上げの筆法でいくならば、この種の問題は解決をされまいと思うんです。しかし、解決をする気があるのかないのか、この点を総裁に再度お伺いしたいと思うんです。
#178
○説明員(原岡幸吉君) いろいろな点、何といいますか、非常に良心的なサービスでないじゃないかという御指摘でございましたけれども、まず最初のグリーンの問題でございますけれども、今回の改定でいままでどおりのようなことを考えておるかと、これに対してお答え申し上げたいと思います。
 一般的な考え方につきましては、さっき運輸省のほうから、あるいはまた総裁から御答弁したとおりでございますが、熊谷の具体的な事例で、ごく近距離でグリーンを利用した場合に非常に運賃のほかの部分のほうが高くなってしまう、おかしいじゃないかと。過渡的なグリーンの性格からいってこのようなことになっておりましたが、今回の改定では、これは案が実行される段階において国鉄において考えている内容でございますけれども、百キロ程度の距離の場合のグリーンの利用、これは五百円というふうに特定するということを考えております。なお、座席指定料金というものはグリーンの場合には収受いたさないというようなふうに考えておりますので、いま御指摘の具体的な事例にこれを適用いたしますと、かなり先生御指摘のような方向で改善が行なわれると、こういうふうに案の内容として考えているわけでございます。
 なお、その他いろいろ具体的なことおありと思いますが、その点につきましては、個々の問題といたしまして、できるだけ御指摘の方向で、実行する段階において、サービスの内容と対価というものが適正なものになるようにサービスの本質にかんがみて検討し、前向きに改善していきたいと、このように考えます。
#179
○瀬谷英行君 急行料金の問題も相当問題があると思うんですよ。急行券というのを取っているけれども、場所によっちゃ急行といったってちっとも速くない急行がある。急行というのは急いで行くから急行というので、それがちっとも急がない、各駅停車と変わりがない。そういうのが急行の看板をつけているだけで急行料金取る。これもやはり考えようによっちゃ詐欺類似行為になると思うんですね。東海道線を走っている東海何号なんというのがあります。これなどは、やたらと停車して、どうも通過する駅のほうが少ない。停車ばっかりしているわけです。これでも急行だからといって急行料金取るわけです。こういうことをやっておりますと、停車駅が多いんだから、これは検札が来なければ急行料金払わないで乗れるといったようなことにもなるわけですから、おそらくそういう事例は多いと思うんですね。だから、こんな急行は、いっそのこと急行でなくて、今度は廃止になるということでありますけれども、準急といったような形にして、急行券を取らないまあ急行のようなシステムにしたほうがこれは合理的じゃないかと思いますが、この前の委員会でもちょっと指摘いたしましたけれども、特急だけれども実際は急行よりのろい特急があるんですね。急行だけれども各駅を変わりのない急行がある。いずれもこれは看板に偽りありですよ。二級酒に特級酒のラベルを張って高く売るようなこういう商法は、これは政府の機関である国有鉄道がやるべきことじゃなかろうと思うんですね。こんなにまでして銭もうけをしなきゃならないのかという気がいたします。こんなにまでしてこの庶民のふところからだまし取るようなやり方をなぜしなきゃならぬのかという疑問が出てくるわけです。だから、まず指摘をされるような不合理というものをこの機会に検討をして一掃するということが国鉄から約束をされてしかるべきであろうと思うんであります。が、その点はどうですか。
#180
○説明員(磯崎叡君) 運賃というものは、御承知のとおり、ずっと昔からの積み重ねの点が多々ございます。また、二十三年に運賃法が法律で法定されましてからも、非常にいままでの積み重ねの問題がございます。したがって、必ずしもすっきり割り切れた形にはならないし、また何がすっきりしているかということについても問題があると思います。それから、運賃は、もちろん運賃だけでなしに、そのサービスの対価でございまして、先ほど先生のおっしゃった、特急、急行、あるいは快速、普通と、こういった種別がうまく運用できるかできないかは、結局は輸送力があるかないかということに帰着するわけでございます。先ほどお説の、熊谷から上野まで来る際にどうしてもグリーンを使わなければならない、普通車が込んでしょうがないということは、結局普通車の輸送力がないからだということになると思うんです。したがって、どうすれば高崎線の輸送力をふやせるかという問題が本質の問題であり、私はこれは本質のサービスだというふうに考えます。したがって、今度の運賃の問題につきましても、そういう本質的なサービス問題について――私は今度の運賃値上げは全部ぺースアップに回るということを決して申したことはございません。今度の運賃値上げの半分はベースアップに回りますけれども、約四分の一は設備投資に回るようにしております。計算をすればすぐ数字は出てまいります。そういうふうに運賃を上げていただいて、もちろんぺースアップに回しますけれども、相当部分をやはり設備改善に回して、根本的な設備の改善をして、そしてサービスをよくする。輸送力をふやせば、おのずからそれによって運賃制度がついてくるということだと思うんです。したがって、運賃が先行するよりも輸送力が先行しないと、先生おっしゃるような矛盾がどうしても生じてくると思います。したがって、今後、おかげさまでぼつぼつ複線化もでき、あるいは新幹線などもできてくれば、輸送力が増強され、そういった矛盾がだんだんなくなってくるというふうに御了解願いたいというふうに思うわけでございます。
#181
○瀬谷英行君 いま総裁言われたように、輸送力をふやさなければならぬということは本質的なサービスの向上のためには絶対欠くことができないんだということはお認めになっておるわけです。しかし、輸送力をふやすということは、たとえば電車をふやすということでもあり、それからお客さんをたくさん窓口に待たせないようにすることでもある。だから、そのことといままで行なわれたような合理化とは私は矛盾すると思うんです。いままでの合理化の概念というのは、いかに少ない人でよけい列車を走らせるかということに集中していたような気がするんです。だから無人駅が出てくる。無人駅の問題でこの間私は陳情を受けました、非常に不便だ、やめてもらいたい。列車の間引きという問題もある、それも困る、それから車両火災もありました。車両のほうは粗製乱造であり、検査のほうは手抜きである、サービスのほうはダウンであり、それで運賃は上げる。こんなことでは、たまったものではない。したがって、この際、ほんとうに本質的なサービスの改善をするということであれば、輸送力の増強をして、そうして輸送需要に対応する、国鉄本来の使命を全うするという方向に進まなければならないと思う。そのためには、十一万人の合理化などということはどう考えてみてもその方針とは合わないという気がするんです。しかし、そのことをさらに突き詰めていけば、いろいろ論議があるでありましょう。きょうは若干の指摘にとどまりましたけれども、さらに新幹線等の問題、公害対策の問題、それから設備投資のあり方等について質問をしたいと思うのでありますが、きょうのところはこのくらいにして、後日に回わしたいと思います。
#182
○委員長(木村睦男君) 質問を続けてください。
#183
○政府委員(山口真弘君) 先生御指摘のように、鉄道の輸送サービスの根幹というものが輸送力の増強にあるということは、御指摘のとおりであろうと思います。やはり、何といいましても、いまのように通勤輸送におきましては二百数十%という乗車効率を示しておりますことは、非常に適当ではないわけでございまして、輸送力をふやし、乗車効率を下げ、そうして快適な輸送サービスを提供するということでなければならぬわけでございます。それで、今回の御審議いただいておりまする再建計画におきましても、この点を重視いたしまして、そうして十年間におきまして総額七兆円に及ぶところの設備投資を考えております。そうして、その設備投資におきましては、国民の要望するような輸送力増強、安全対策というようなものをやってまいろうということでございます。
 その中身といたしまして、たとえば先生御指摘がございましたような通勤輸送につきましても、これを重点化して行ないます。
 また、都市間輸送等につきまして、新幹線を中心とするところの複線化その他の工事、それからさらに電化の工事、あるいは国民の要望するような中長距離の貨物輸送の改善というようなものに努力を注ぎまして、そしてサービスの向上につとめてまいるというふうに考えておるところでございます。
#184
○委員長(木村睦男君) 瀬谷君に申し上げますが、委員長は審議を続けたいと思います。御質疑をお願いします。(「理事会をやりなさい」と呼ぶ者あり)まだ質疑を続けたいと思いますから……。(「ちゃんとルールをきめなさい」と呼ぶ者あり)まだ質疑は終わったんではないんですね。
#185
○瀬谷英行君 ない。
#186
○委員長(木村睦男君) それでは明日……。
 本日はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後七時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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