くにさくロゴ
1971/03/14 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 商工委員会 第2号
姉妹サイト
 
1971/03/14 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 商工委員会 第2号

#1
第068回国会 商工委員会 第2号
昭和四十七年三月十四日(火曜日)
   午前十時九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     須藤 五郎君     小笠原貞子君
 三月四日
    辞任         補欠選任
     原田  立君     鈴木 一弘君
 三月七日
    辞任         補欠選任
     中尾 辰義君     山田 徹一君
     小笠原貞子君     須藤 五郎君
 三月十日
    辞任         補欠選任
     鈴木 一弘君     原田  立君
     山田 徹一君     中尾 辰義君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大森 久司君
    理 事
                川上 為治君
                剱木 亨弘君
                竹田 現照君
                藤井 恒男君
    委 員
                赤間 文三君
                小笠 公韶君
                山本敬三郎君
                阿具根 登君
                小野  明君
                大矢  正君
                林  虎雄君
                中尾 辰義君
                原田  立君
               柴田利右エ門君
                須藤 五郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   田中 角榮君
       国 務 大 臣  木村 俊夫君
   政府委員
       公正取引委員会
       委員長      谷村  裕君
       経済企画庁長官
       官房長      吉田太郎一君
       通商産業政務次
       官        林田悠紀夫君
       通商産業大臣官
       房長       小松勇五郎君
       通商産業大臣官
       房参事官     増田  実君
       通商産業省重工
       業局長      矢島 嗣郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
    ―――――――――――――
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
 (昭和四十七年度通商産業省の施策に関する件)
 (昭和四十七年度経済企画庁の施策に関する件)
 (昭和四十六年度における公正取引委員会の業
 務概況に関する件)
○計量法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大森久司君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#3
○委員長(大森久司君) 速記を起こしてください。
 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。
 まず、通商産業大臣及び経済企画庁長官からその所信を聴取いたします。田中通産大臣。
#4
○国務大臣(田中角榮君) 第六十八国会における商工委員会の御審議に先立ち、通商産業行政に関する私の所信の一端を申し述べたいと思います。
 顧りみますと、昨年七月私が通商産業大臣に就任いたしまして以来、ニクソン大統領の訪中声明、米国の新経済政策発表とこれに続いた国際通貨上の大きな混乱、日米経済関係の緊張の激化等、対外面では真に激動の時期を経過してまいりました。また、国内経済につきましても、ようやく上向きのきざしを見せてきた景気が、国際経済情勢の影響を受けて再び停滞傾向に転じるに至りました。
 この間、政府といたしましては、わが国の国益を守りつつ一日も早く混乱を収拾することに全力をあげてまいりましたが、御承知のとおり、通貨調整問題につきましては、幸い各国の国際協調の努力が実りまして、昨年十二月十九日、通貨調整に関する合意が成立し、これに伴い米国は輸入課徴金を撤廃いたしました。また、過去三年日米間の懸案となっておりました繊維問題につきましても、きびしい条件のもとで最大限の努力をなし、昨年十月、大綱について合意に達し、今年一月には正式調印をみるに至りました。さらに日米経済関係全般につきまして、先般のサンクレメンテ会談及びその後の事務折衝により一応問題の解決にこぎつけましたので、今後は多角的な国際経済関係の動向に注目していくことが肝要であろうと考えます。
 次に国内経済面では、景気の立て直しをはかるため、補正予算の編成、数次にわたる財政投融資の追加、公定歩合の引き下げを行なってまいりましたが、さらに、通貨調整等との関連で打撃を受ける中小企業に対しては、財政・金融・税制の各般の分野にわたって必要な対策を強力に推進しており、この関係で立法措置の必要なものにつきましては前国会で御審議をいただいたところであります。このような諸措置に加えまして、四十七年度におきましては、景気の早期回復をはかるため、一兆九千五百億円の公債発行を含む大型予算を編成するとともに、財政投融資計画につきましても大幅な伸びを確保しておるのであります。これら諸措置の効果が浸透することにより、四十七年度の経済成長率は七・二%程度になるものと考えております。
 以上のような内外の諸事情を踏まえまして、昭和四十七年度の通商産業政策を、私は次の諸点に重点を置いて強力に推進してまいる所存であります。
 まず第一に、対外面について申し上げます。わが国の経済力はいまや国際経済社会に大きな影響を及ぼすまでに発展、拡大しており、わが国の経済運営上、対外関係の重要性はいよいよ高まっております。通貨調整の妥結、米国の輸入課徴金の撤廃により、国際貿易の撹乱要因は一応解消しましたが、なお、一部諸国では保護貿易的な動向がみられますので、このような動きを抑制し、引き続き世界経済の順調な発展を確保するため、この際、わが国としても自由貿易の維持発展をはかる見地から、積極的な努力を国際的な場において行なうべきであると考えます。さる二月十日、日米共同宣言において、日米両国は、一九七三年にガットのワク内において工業品貿易及び農産物貿易を対象として多角的、包括的な交渉を開始し、かつ、これを積極的に支持することを明らかにいたしましたが、私はただいま申し上げましたような見地から、この問題に積極的に取り組んでまいる所存であります。
 この場合、わが国自身が貿易・為替の自由化の推進、関税の引き下げ、対外経済協力の拡充等、経済の国際化を一段と進めることが必要なことは言うまでもありません。私は、問題の生ずる事例には所要の調整措置を講じつつ、積極的に経済の国際化を推進してまいりたいと考えております。
 また、対共産圏貿易の拡大につきましては、わが国としてはこれまでも多角的な経済交流の推進をはかるという見地から積極的に対処してまいりましたが、ニクソン大統領訪中後の新情勢をも十分考慮に入れまして、さらに貿易拡大のために必要な措置を講ずる所存であります。
 第二は、適正な産業配置と環境の保全の推進問題であります。六〇年代の高度成長は、過密・過疎、公害等の問題を激化させましたが、日本経済の成長力を考えますと、私は、全国的に工業の再配置を促進し、各地域の特性に応じた経済発展を推進することにより、これらの問題を解決しつつ、引き続きわが国経済が順調に発展していくことが可能であると考えるのであります。このため、工業の再配置に関する計画を策定、公表し、政策運営の基本方針及び民間企業に対するガイドポストとするとともに、過密地域から移転する工場について、税制上、財政上の移転促進措置を講ずることとしておりますが、さらに、産炭地域振興事業団を改組、拡充して、工業再配置・産炭地域振興公団とし、跡地の融資及び買い上げ、移転資金融資、中核的工業団地の造成等の業務を行なわせ、工業再配置推進の中心的機関とする等の措置を講ずることとし、これに必要な法律の制定及び改正を予定しておるのでございます。
 また、公害防止につきましては、産業公害防止対策調査及び休廃止鉱山鉱害対策の拡充、廃プラスチック有効利用促進事業の推進、公害防止技術の開発の促進等、公害防止のための諸施策を強力に推進するほか、公害計測機器の検定制度の導入等をはかるため計量法の改正を予定しておれます。
 第三は、資源エネルギー対策であります。わが国経済の発展には、資源の安定的確保をはかることが不可欠の要請であることはいまさら申し上げるまでもないところであります。このため、四十七年度におきましては、各種資源の安定的確保のための諸施策を強化拡充するほか、ウラン資源探鉱開発を促進するため成功払い融資制度を導入し、また海洋資源開発を推進するため、地質調査船の建造に着手することとしております。さらに、わが国エネルギー源の大宗をなす石油資源につきましては、最近の国際石油事情にかんがみ、その安定的確保の要請が一そう高まっておりますので、施策の抜本的かつ総合的な推進をはかるため、石炭対策特別会計を改組、拡充して石炭及び石油対策特別会計とするとともに、石油開発公団の機能の拡充をはかることとし、これらに必要な法律の改正を予定しており、なお石油関係の対策として、原油備蓄の促進措置を講ずるほか、石油パイプラインの建設を促進するため所要の法律の制定を予定しておるのであります。
 また、公害の防止、エネルギーの効率的利用及び快適な都市環境の実現に資する熱供給事業を推進するための法律の制定を予定しております。
 次に石炭対策につきましては、現在いわゆる第四次石炭対策を実施中であり、昭和四十七年度におきましても石炭鉱業の再建と保安の確保をはかるため所要の対策を講ずるとともに、やむを得ず発生する終閉山につきましては、これに伴う社会的影響を緩和するため十分な配慮を払ってまいる所存であります。
 なお、石炭対策の推進に関連いたしまして、臨時石炭鉱害復旧法及び石炭鉱害賠償等臨時措置法の存続期間を延長するとともに鉱害復旧制度に改善を加え、また、産炭地域における工場立地を促進するため、関係道県が事業税の減免を行なった場合の減収補てん措置を講ずることとしており、このため所要の法律改正を予定しております。
 第四は、産業構造の知識集約化の推進であります。わが国は、産業の重化学工業化を軸として、六〇年代を通じて急速な経済発展を続けてまいりましたが、この間、さきにも申し上げました過疎・過密、公害等の問題が生じてきたほか、所得の上昇に伴い国民の生活意識も変化し、多様化するに至っております。このような事態を踏まえて、環境を保全しつつ、国民生活の一そうの向上をはかるためには、産業構造の知識集約化を強力に推進することが必要であります。
 このため、電子計算機産業の振興、情報処理サービス業及びソフトウエア業の育成、振興をはかるため助成措置を大幅に拡充するとともに、国民生活の情報化を推進するための映像情報システムの開発等を促進することとしております。なお、住宅産業、海洋開発産業等の新規産業につきましては、その育成振興に必要な諸施策を引き続き強力に推進することとしております。
 第五は、中小企業対策の拡充であります。今日のような経済情報の流動的な時代において、営々と努力している中小企業に対して、私は、積極的な支援策を講ずる必要があると考えます。
 かかる見地から、中小企業構造の高度化をはかるため、中小企業振興事業団の事業規模を拡充するとともに、政府関係中小企業金融機関の資金量を拡大する等金融対策を強化し、また、中小企業の資金調達の円滑化をはかるため信用補完制度の拡充をはかることとしております。
 次に小規模企業対策につきましては、各種経営改善普及事業の拡充をはかるほか、小規模企業共済事業の拡充、強化をはかることとしており、関係法律の改正を予定しております。
 また、円の切り上げ等国際経済調整措置の実施による影響を打開するための対策を拡充するとともに、中小企業公害対策につきましても、技術改善、指導、共同処理施設の設置の促進等、その強化をはかることとしております。
 なお、繊維産業につきましては、引き続き構造改善対策を推進するほか、業界の現状にかんがみ、過剰設備の買い上げ、資金繰り資金の長期低利融資、融資円滑化のための債務保証及び新規商品の開発の助成に関する特別措置を講ずることとしており、これらに関連して特定繊維工業構造改善臨時措置法の改正を予定しております。
 第六は、消費者利益の増進と流通部門の近代化の問題であります。高度化し複雑化した現代社会において、消費者利益の保護増進は重要な課題の一つでありますが、四十七年度におきましては、商品試買検査の拡充、商品テスト網の整備等、消費生活改善対策を拡充するほか、繊維品、雑貨、化学品等の安全対策を推進することとしております。また、最近における消費者信用の拡大に対処して、消費者利益を保護するため割賦販売法について所要の改正を行なうことを予定しております。
 流通部門の近代化につきましては、卸商業団地、流通システム化拠点施設等の建設を促進するとともに、ボランタリーチェーンの結成等一般小売り商の協業化、組織化を進め、小売り商の体質強化をはかることとしております。また、流通システム化を一そう推進するため、人材の養成、普及指導事業の実施等の措置を講ずることとしております。
 第七は、技術対策の強化であります。わが国経済の将来をささえるのは、時代の要請にこたえる独創的な技術の開発であり、そのための技術開発力の強化が緊要の課題であります。このため、電気自動車、パターン情報処理等、大型プロジェクトによる研究開発を計画的に推進するほか、公害、安全、廃棄物処理等の対策を中心として重要技術研究開発補助金及び試験所特別研究費を増額する等、施策の強化充実を行なうこととしております。
 また、瀬戸内海の水質汚濁防止対策の画期的推進をはかるため、中国工業技術試験所に瀬戸内海大型水理模型を建設するほか、情報処理技術、省力技術等の新しい発展の基礎となるバイオニクスに関する総合研究制度を創設するとともに、JIS表示制度の拡充をはかることとしております。
 次に、沖繩対策について申し上げます。全国民の永年にわたる念願でありました沖繩の本土復帰が五月十五日に実現の運びとなりましたが、沖繩県民の福祉の向上をはかるためには、今後、沖繩経済の発展を総合的に推進することが必要であり、その際、特に小規模企業を中心とする現地中小企業に対しては、近代的促進、組織化等の施策をきめこまかく展開するほか、工業用水、電力の安定供給の確保等、産業基盤の整備にも力を入れ、美しく豊かな沖繩を建設するため努力を払う決意であります。
 また、沖繩の本土復帰を記念し、かつ世界の海洋開発技術の国際的交流を促進しつつ、わが国海洋開発の振興をはかるため、政府はさきに一九七五年沖繩で国際海洋博覧会を開催することといたしました。四十七年度から本格的準備に入りますので、博覧会の準備及び運営の円滑化をはかるための法律の制定を予定しておりますが、関係者一同の一致協力のもとに、この博覧会が成功裏に開催されますよう全力をあげてこれに取り組む考えであります。
 なお、以上のほか、最近における過激派集団による緊急の事態に即応するため、火薬類取締法及び武器等製造法の改正を行ない、盗難防止等に関する監督体制を整備すべく準備を進めております。
 以上申し述べました諸施策を中心として、昭和四十七年度一般会計予算に千六百三十三億円、石炭及び石油対策特別会計に千百八億円をそれぞれ通商産業省分として計上するとともに、財政投融資においても、通商産業省関係として一兆七千二百八十三億円を予定しております。
 私は、これらの諸施策の実施を通じまして、健康で豊かな国民生活の実現と、わが国経済の繁栄のため最善を尽くす所存でありますが、委員各位におかれましても一そうの御理解と御支援を賜わりますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(大森久司君) 次に、木村経済企画庁長館。
#6
○国務大臣(木村俊夫君) 商工委員会が開かれるにあたりまして、所信の一端を申し述べたいと存じます。
 当面のわが国経済は、設備投資や民間住宅建設の低迷などにより昨年に引き続き停滞基調を続けており、こうした経済情勢のもとで、昭和四十六年度の国民総生産は、実質四・三%程度の伸び、規模にして八十兆二千二百億円程度に達するものと見込まれます。
 このような情勢にあって、昭和四十七年度を迎えるにあたり、景気の早期回復をはかることは急務であります。このため政府といたしましては、公債政策を活用した積極的、かつ機動的な財政・金融政策の運用をはかるとともに、わが国の高まった経済力にふさわしい国民福祉の向上と対外均衡をはかるため、生活関連社会資本や社会保障の充実、国土総合開発の促進、対外経済政策の積極的展開、消費者物価安定策の推進、農業、中小企業の近代化など、新しい経済発展のための国内条件の整備等の諸施策を重点的に講じてまいる所存であります。
 昭和四十七年度の経済の姿を想定いたしますと、以上のような経済運営により年度の後半には景気も回復し、この結果、実質経済成長率は七・七%、沖繩の本土復帰に伴う増加分を控除しても七・二%程度となるものと見込まれます。
 また、国際収支も、年度後半にかけて黒字幅は次第に縮小の方向に向うものと見込まれます。
 次に、最近の物価動向を見ますと、卸売り物価は景気情勢を反映して総じて横ばいに推移しており、消費者物価につきましても、最近その騰勢が鈍化しております。このような物価その他の経済情勢を総合的に勘案いたしまして、さきに閣議決定をみました経済見通しにおきましては、昭和四十七年度の消費者物価上昇率を五・三%と見込み、消費者物価の上昇をこの範囲にとどめるよう最善の努力を傾注することといたしました。
 このため、政府といたしましては、農業、中小全章、サービス業など低生産性部門の近代化や、流通対策の強化、競争条件の整備等の施策を強力に推進することといたしております。
 特に、野菜対策につきましては、本年度の二倍を上回る予算措置を講じ、供給の増大をはかるとともに、その実施体制についても、食品流通局を新設するなど、万全を期しているところであります。また、円切り上げによる輸入品価格の低下を消費者物価の引き下げに結びつけ得るよう、輸入品の追跡調査を行ない、その監視・指導体制の強化につとめます。
 次に、公共料金につきましては、政府は公共サービスの適正な供給をはかるなどの観点から、このたび、その一部を改訂することといたしましたが、その引き上げを極力抑制するという基本方針は、今後とも堅持してまいります。
 国鉄運賃の改定につきましては、国鉄自身の合理化努力と千百億円を上回る財政措置を前提に、その再建のため真にやむを得ない範囲にとどめることといたしております。
 消費者米価につきましても、物価統制令の適用廃止と関連し、小売り業者に競争原理を導入して、その合理化を推進する等の措置を講じ、消費者米価水準の安定を期することといたしております。
 高度の福祉社会を実現し、国民すべてが豊かな生活を享受するためには、過密・過疎問題など当面する地域課題を解決するとともに、国民の価値観の多様化を踏まえ、自然の保護、保全など環境問題にも十分配慮しつつ、国土の総合的な利用を推進する必要があります。このため、政府といたしましては、国土利用のあり方について総点検を行ない、新幹線鉄道や高速道路等の交通通信ネットワークなどの先行的整備を強力に推進いたしますとともに、都市、農村を通じて豊かなコミュニティ形成のため、生活環境施設の整備、広域生活圏構想の実現をはかってまいる所存であります。
 また、大都市に集中し過ぎた工業の再配置を促進し、各地域の特性を生かした開発プロジェクトを環境保全に十分配慮しながら実施することも必要であります。
 最後に、新しい長期経済計画の策定について申し述べます。
 わが国は、内外の諸情勢の変化に対応して、従来の急激な成長によってもたらされたひずみを是正し、今後の発展の制約条件を克服しつつ、新たな目標に向かって経済社会の進路を転換していかなければなりません。
 その目標の第一は、公害から解放され、自然と調和のとれた生活環境をつくり出すとともに、老人や母子家庭でも安心して生活できるように社会保障を充実し、国民が能力と意欲を十分に発揮できる労働環境を整備するなど、高まった経済力を基礎に、すべての国民がゆとりと安らぎのある生活を享受しつつ、同時に、生きがいのある毎日を送ることができるような福祉社会の建設であります。週休二日制の実施についても、このような観点から検討されるべきでありましょう。
 第二は、自由貿易の推進、経済協力の拡大等に積極的努力を重ねる一方、世界経済の変貌に対応し、わが国の経済構造の改善と転換をはかることによって、国際的な協調を実現していくことであります。
 政府は、このような目標を達成するため、本年中に新しい長期計画を策定し、今後の経済運営の長期的指針として、その実現につとめてまいる決意であります。
 以上、私の所信について申し述べました。本委員会及び委員各位の御支援と御鞭撻をお願い申し上げまして、私のごあいさつにかえます。
#7
○委員長(大森久司君) 次に、昭和四十六年度における公正取引委員会の業務の概況について公正取引委員会委員長から説明を聴取いたします。谷村公正取引委員会委員長。
#8
○政府委員(谷村裕君) 昭和四十六年中における公正取引委員会の業務の概略につきまして、お手元に資料をお届けいたしましたが、その主要な点につきまして御説明いたします。
 今日のわが国経済は、内外ともに困難な局面を迎えておりますが、その健全な発展をはかるためには、独占禁止政策を有効適切に運営することにより競争条件の整備をはかることが必要であります。
 このような現状にかんがみ、公正取引委員会は、昭和四十六年におきまして私的独占禁止法、下請代金支払遅延等防止法、不当景品類及び不当表示防止法を厳正かつ強力に運用することにより、違法な価格協定の排除、再販売価格維持行為の弊害の規制、不当な国際的契約及び協定の監視、管理価格の調査、下請取引における下請代金支払い等の適正化、過大な景品つき販売及び虚偽・誇大な表示の規制等に重点を置いて業務を行なってまいりました。
 まず、私的独占禁止法の施行に関する業務といたしましては、同法違反被疑事件について、昭和四十六年中に百八十二件につきまして審査を行ない、このうち法的措置をとったものは四十五件でありますが、揮発油等の消費物資に関する価格協定がおもなものであります。
 再販売価格維持制度につきましては、その弊害を一そう規制するための方策について検討を行ない、昭和四十六年四月に「再販売価格維持行為の弊害規制等について」を取りまとめ、さらにこの弊害規制方針を具体化するための検討を進めてまいりました。なお、昭和四十六年中における再販売価格維持契約の成立届けは八社、九件であり、昭和四十六年末に再販売価格維持契約を実施しているものは、八十八社、百二十六件となっております。
 昭和四十六年中における経済実態の調査といたしましては、管理価格調査、流通支配調査、巨大企業の市場行動調査、生産集中度調査及び外資進出産業における市場構造、市場行動調査を行ないました。
 不公正な取引方法に関する業務といたしましては、歩積み・両建て預金等の拘束預金につきましてその実態を把握するため、昭和四十六年五月末及び十一月末の二回にわたり、全国の中小企業者約九千を対象にアンケート調査を実施いたしました。
 また、取引に付随しない懸賞広告であるいわゆるオープン懸賞広告につきましては、そのうちの過大なものを私的独占禁止法の不公正な取引方法として適切に規制するため、特定の不公正な取引方法として指定いたしました。
 次に、私的独占禁止法に基づく届け出に関する業務といたしましては、まず、国際的契約等の届け出は、二千六百七十一件にのぼりましたが、技術導入契約がその大部分を占めております。
 会社の合併、営業の譲り受け等の届け出につきましては、それぞれ千百六十一件、四百二十四件となっており、中小企業に属する合併が大半を占めております。
 私的独占禁止法に基づく共同行為の認可につきましては、昭和四十六年中には、不況に対処するための共同行為として、ステンレス鋼板、特定鋼材、塩化ビニール樹脂、構造用合金鋼の四件について新たに認可いたしました。
 また、企業合理化のための共同行為としては、鉄くずについて四件及びポリノジック綿について一件、計五件の認可をいたしました。
 下請代金支払遅延等防止法の施行に関する業務といたしましては、昭和四十六年中に、下請代金の支払い状況を中心に九千百一件の親事業所に対しまして調査を行ない、そのうち五十五件につきまして同法第七条の規定に基づく勧告を行なっております。また、手形期限の短縮を促進するため、主要業種ごとに設けられている標準手形期限について、関係団体の協力を得て、機会あるごとにその周知徹底をはかっております。
 不当景品類及び不当表示防止法の施行に関する業務といたしましては、六十一件の排除命令を行ないましたが、その内訳は、過大な景品類の提供に関するもの三十七件、不当表示に関するもの二十四件でありました。また、表示に関して七件、景品に関して三件の公正競争規約を認定いたしました。
 最後に、昭和四十七年度の公正取引委員会の予算案でありますが、本国会に御審議をお願いいたしております公正取引委員会の予算案は、総額八億千五百十六万一千円でありまして、本年度に比し一億六千二百三十九万九千円の増額となっております。この内容は、事務局定員七名の増員に伴う経費のほか、国際的契約関係経費、管理価格調査経費並びに不当景品類及び不当表示防止法施行経費の増額などがおもなものであります。
 また、本国会には、不当景品類及び不当表示防止法の改正案の御審議をお願いいたしておりますが、その趣旨は、都道府県知事に権限の一部を委任することにより、同法の運用をよりきめこまかくかつ効率的に行なうことにあります。
 今後、公正取引委員会の業務は一層重要性を増すとともに、従来にも増して複雑多岐にわたることと思いますが、各位の御支援を得まして重責を果たしてまいりたいと思っております。何とぞよろしく御指導、御鞭撻のほどをお願いいたします。
#9
○委員長(大森久司君) 以上で大臣の所信及び政府側の説明は終わりました。
 質疑は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#10
○委員長(大森久司君) 計量法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。田中通商産業大臣。
#11
○国務大臣(田中角榮君) 計量法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 計量法は、計量の基準を定め、適正な計量の実施を確保し、もって経済の発展及び文化の向上に寄与することを目的として制定されたものでありますが、同法につきましては、最近における社会情勢の変化に対応して、計量による取引や取り締まりの適正化、消費者保護等の観点から、諸制度のあり方に幾つかの改正を加えるべき事情が生じております。これにかんがみ、政府といたしましては、昭和四十六年四月から計量行政審議会に計量法における諸制度のあり方について審議をお願いし、昨年十一月答申を得て以来、その趣旨に沿って同法の改正を慎重に検討してまいりました結果、ここに成案を得て提案することとした次第でございます。
 次に、本法案の要旨につきまして御説明申し上げます。
 第一は、計量単位に関する改正でございます。第十三回国際度量衡総会の決議及び日本学術会議の意見等に基づきまして、時間の計量単位であります秒の定義を従来の天文学的方法から原子物理学的方法に改めるほか、温度及び光度に関する現示の方法の改正、波数、熱伝導率、比熱等に関する計量単位の追加を行なうこととしております。
 第二は、計量器の定義の拡大でございます。近年、地域冷暖房の普及に伴い、これの取引に使用される熱量計の性能確保に関する要請が高まっておりますほか、主として公害の取り締まり等に使用される濃度計及び振動計についても同様の要請が高まっておりますので、これらを計量法上の計量器として追加して同法の規制対象とすることとしております。
 第三は、家庭用計量器についての規定の新設でございます。ヘルスメーター等の家庭用計量器につきましては、その性能等の面で種々の問題点が指摘されておりますので、これについて技術上の基準を定め、製造事業者及び輸入事業者に対してこれを順守せしめる等の措置を講じて、その性能の確保をはかることとしております。
 第四は、指定検定機関の制度の導入でございます。新たに検定を実施することとしております濃度計、騒音計等の計量器の検定について、民間の能力を活用し得るよう、検定に必要な技術的能力を有する等適正な検定を実施し得ると認められる民間の機関で、通商産業大臣が指定するものを検定の主体として追加することとしております。
 このほか、計量証明事業者が計量証明に使用する計量器の検査に関する計量士による代検査制度の導入、計量行政審議会の諮問事項の整理、検定手数料に関する改正、罰則の整備等について所要の改正を行なうこととしております。
 以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#12
○委員長(大森久司君) 次に補足説明を聴取いたします。矢島重工業局長。
#13
○政府委員(矢島嗣郎君) 計量法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由の順序に従って若干の補足説明を申し上げます。
 第一に、計量単位に関する改正につきましては、従来から、メートル条約に基づく国際度量衡総会等で重要な単位に関する決議が行なわれるたびに、逐次、法改正を行なってきておりますが、今回の改正案でも、最近のこれら国際機関の決議等を取り入れて改正を行なうこととしております。まず、秒の定義を従来の天文学的方法から原子物理学的方法に改めることとしておりますが、この改正により、定義そのものの精度が二けた程度向上するほか、セシウム標準器を備えた研究者はその場で即座に高精度の測定が可能となります。温度及び光度についての改正は、定義の内容の実質的な変更ではなく、学術機関の一致した意見に従い、従来の表現の不備を補うためのものでございます。また、波数、熱伝導率、比熱、エントロピー及び放射強度の計量単位を追加するとともに、濃度の計量単位について、公害濃度の計量等において一般的に使用されているPH及びキログラム毎立方メートルを追加する等の改正をいたします。なお、慣例に従い、これら新たな計量単位の法文上の表現につきましては、日本学術会議に参考意見を徴しております。
 第二に、計量器の定義の拡大につきましては、昨今の計量の安全に対する新たな社会的要請に対応するための改正を行ないます。まず、最近の地域冷暖房の普及に伴い、熱供給事業者が一般家庭、事業所等と熱量取引を行なう際に使用する熱量計につきまして、その性能確保に関する要請が高まっておりますので、現行の定義を拡大して、これに用いられる積算型熱量計等を計量法の規制対象に加えることとしております。次に、主として公害規制において、大気中の公害ガスの濃度や水中の微量重金属の濃度を測定する等のための濃度計につきましても、熱量計と同様、その性能確保に関する要請が強いので、現行の定義を拡大して、それらの濃度計を計量法の規制対象に加えることとしております。また、人体に不快感を与える振動については、現在、国としての規制法は制定されていませんが、近年、国際的な研究の進展に応じ、地方公共団体等でも振動について規制を行なう動きがあり、振動計の性能確保の必要が見込まれますので、これを新たに計量法の規制対象とすることとしております。
 なお、計量法の対象たる計量器に追加されますと、製造事業者及び修理事業者に対し、登録義務、検査のための設備の保有義務及び検査規程の届け出義務が課せられるほか、検定の体制が整ったものから順次検定を実施していくこととなります。
 第三に、家庭用計量器についての規定の新設につきましては、最近ヘルスメーター等の家庭用計量器が急速に普及する中で、これについて確たる性能の基準がなく、また、その性能のいかんについて一般消費者にチェック能力がないためきわめて不安であり、計量法上何らかの措置を講ずるべきであるとの声が消費者団体等を中心として強いものがございます。これらの要請に対しまして、現行の計量法上の検定の対象としてはどうかという点については、検定という厳格な制度を家庭用計量器にまで適用することは過剰規制となるおそれがあり、行政の簡素化にも反すると考えられます。このため、今回新たに家庭用計量器について国が一定の技術上の基準及び表示の基準を設定し、製造事業者及び輸入事業者にその順守義務を課し、必要に応じて立ち入り検査、商品試買等により基準の順守状況の監視をするという制度を採用することにより、家庭用計量器の品質、性能が一定水準以上に保たれるようにしております。また、販売事業者には所定の表示を付したもののみの販売を認め、粗悪品が消費者の手に渡らぬよう配慮しております。
 第四に、指定検定機関の制度の導入でございます。これは、今後新たに検定を実施することとしております濃度計、騒音計等の計量器について、これらが従来の計量器とは異なった分析化学あるいは音響学等の特殊な技術をも要するものでございますので、従来の国及び都道府県等の検定体制を補完するため、民間の機関のうち、業務を適確、円滑かつ公正に実施する能力のある者を通商産業大臣が検定の主体として指定するものでございます。また、これらの計量器のうち型式の承認の対象になるものについて、指定検定機関の行なう試験に合格したときは、型式承認に要する手続を簡素化することとしております。これらの措置に伴い、指定検定機関の指定基準等に関する規定を置く章を新たに設けることとしております。
 このほか、計量証明事業者が計量証明に使用する計量器の検査について、都道府県の負担が増大する一方、民間において計量士の能力が向上してきておりますので、都道府県知事にかわって計量士が代検査を行ない得ることとし、行政の簡素化及び計量士制度の活用をはかることとしております。また、計量行政審議会の諮問事項を再編整理いたしますほか、今後の法改正に伴う検定等の手数料の最高限度の改定、罰則の整備等につきまして所要の改正を行なうこととしております。
 以上、計量法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして補足的な説明をいたしましたが、詳細な点につきましては、御質問に応じてお答えしたいと存じます。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#14
○委員長(大森久司君) 以上で説明の聴取は終わりました。本法案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日は、これにて散会いたします。
   午前十時四十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト