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1971/04/25 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 商工委員会 第7号
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1971/04/25 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 商工委員会 第7号

#1
第068回国会 商工委員会 第7号
昭和四十七年四月二十五日(火曜日)
   午前十時二十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大森 久司君
    理 事
                川上 為治君
                剱木 亨弘君
                竹田 現照君
                藤井 恒男君
    委 員
                赤間 文三君
                植木 光教君
                小笠 公韶君
                大谷藤之助君
               久次米健太郎君
                矢野  登君
                山本敬三郎君
                渡辺一太郎君
                阿具根 登君
                小野  明君
                大矢  正君
                林  虎雄君
                中尾 辰義君
                原田  立君
               柴田利右エ門君
                須藤 五郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   田中 角榮君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        林田悠紀夫君
       通商産業大臣官
       房参事官     増田  実君
       通商産業省企業
       局長       本田 早苗君
       通商産業省企業
       局参事官     田中 芳秋君
       通商産業省鉱山
       石炭局長     莊   清君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   説明員
       大蔵省主税局税
       制第二課長    渡辺 喜一君
       大蔵省理財局国
       有財産総括課長  窪田  譲君
       文化庁文化財保
       護部長      高橋 恒三君
       厚生省環境衛生
       局環境整備課長  山中  和君
       運輸大臣官房政
       策計画官     吉村 眞事君
       建設省都市局下
       水道事業課長   井前 勝人君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○沖繩国際海洋博覧会の準備及び運営のために必
 要な特別措置に関する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○石油開発公団法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○臨時石炭鉱害復旧法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大森久司君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 理事会の結果を報告したいと思いますので、速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#3
○委員長(大森久司君) 速記を起こしてください。
 沖繩国際海洋博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○小野明君 この前、大臣がおられませんときに、かなり詳細に質問を申し上げておきました。
 大臣にお尋ねいたしたいのは、この沖繩海洋博におきまする資金計画というのは、大体海洋博関係で四、五百億、関連公共事業で約一千億、このように承っておるわけでございます。そういたしますと、やはりこの海洋博を成功させることにねらいをおきました各省庁の協力関係ということがきわめて大きな要素になろうかと思います。その辺でそれが期待できるのかどうか、大臣の御所見をいただきたいと思います。
#5
○国務大臣(田中角榮君) 沖繩海洋博覧会あと三年しかないわけでございますので、これが事業を遺憾なく行なうためには、相当準備にピッチをあげなければならないということでございます。五月二十五日までにはいよいよ正式に沖繩博の概要等も届け出るわけでございますが、いまの状態で一番力を入れなきゃならぬのは道路問題でございます。道路問題は、いまバイ。ハスをつくるとか、また本部まで現在の道路の拡幅が効率的なのか、私自身も建設省当局を通して十分話を聞いておるわけでございますが、一部は現道の拡幅、一部はバイパスの建設によりまして、大体三年間で間に合うと、こういうふうな見通しでございます。その他旅行者の収容所の問題とか、宿泊施設の問題とかいろいろまだ問題ございます。問題ございますが、まあ大阪博覧会をやったあとでございますし、大阪よりも政府が主体になってやるという事業のものでありますから、政府間の連絡を密にして集中的な投資を行なうということであれば、この博覧会に間に合わせることができるだろうと、あとは参加国の招致その他内容を充実するように努力を傾けるということで何とかやっていけるという見通しを近ごろ持っておるわけでございます。
#6
○小野明君 それと、やはりこれは地元の協力関係ということが非常に大きな問題であろうかと思います。まあ現地沖繩のほうもこれを切望しておるのだと、こういうお話は承っておりますが、はたして地元の積極的な協力態勢が期待できるのかどうかですね、これをお尋ねいたしたい。
#7
○国務大臣(田中角榮君) まあ世界で初めての海洋博覧会でございますし、海洋開発というものは新しいテーマであり、沖繩の祖国復帰を記念してということよりも、この沖繩復帰を契機として海洋開発というものをスタートさせようというためには、これは不可欠なものでございます。ですから、テーマの選び方もよかったし、沖繩としても、これをやらないで新しい海洋開発をスタートするというわけにもまいりません。そういう意味で、いまのところ素直に見て、沖繩海洋博覧会を成功させようという考え方は、政府も本土民も、また沖繩県民もこれは同一の方向にある、こういう認識でございます。とにかく、沖繩県民もこの博覧会を契機にして道路を直したり、港を修築したり、それから空港整備をしたり、まあ第一次の目的は海洋博覧会の成功でございますが、残った施設やそういう環境整備は沖繩の開発にも直結するものであるということで、東側のバイパスなどをつくるとすれば、用地は市町村がすべてこれを提供する、こういうように非常に協力的である。まあこれからいろいろピッチを上げていく過程においては、全然トラブルがないのを望むわけでございますが、全然ないというふうに断定はできません。できませんけれども、大筋において、これは糸満や近くでやらないで、最も遠い本部でもってやろう、そうすれば本部との間の道路も港も空港もみんなできるじゃないか、そういう意味で本部にきめまして、政府もそういうことを承知の上できめているわけでありまして、沖繩も、やるなら一番遠い本部がよろしい、開発のためにもよろしいというだけではなく、立地的条件もそろっておることでございますが、そういう意味で、沖繩はあげてこの海洋博覧会を契機にして沖繩の社会環境整備をしたい、こういうこともありますので、まあ私は円満にいくと思いますし、円満にやらなければいかぬ、こう思っております。
#8
○小野明君 なお、この関連公共投資その他につきましても、この現地沖繩のいろいろな要望というものがあろうかと思いますので、その辺を十分踏まえながら、今後の沖繩の将来の展望というものを見通しながら、ひとつ十分な御配慮をいただいてやっていただきたいと、こうお願いいたしておきます。
 それからいま一つの問題は、関係国の招請の問題ですが、三十五カ国この条約に加盟をしておるそうであります。なかんずく加盟国はもちろんですが、共産圏諸国に対する招請というものもこれは必要ではないのか、こう考えます。特に中国の招請について、ひとつ国連に加盟をしておるやさきでもありますし、ぜひ招請をお願いしたいと思うわけでございます。この点について大臣の御意見を承りたいと思います。
#9
○国務大臣(田中角榮君) わが国と国交のある外国政府に対し招請を行なおうということでございますから、国交がなければ招請ができないということでございますが、これはいまの状態においては、正式に述べれば、これしかないと思います。思いますが、時間もあることでありますし、日中の国交は正常化を行なおうと言っておるのでありますから、あしたにも行なえないとしても、近い将来には実現するということでもありますし、こういう問題外交上の問題ではありますが、これは国際的に卓球大会とか、スキー大会とか、そういうものはみんな入っておるのにという議論もあります。いろいろむずかしい問題もあるようでございますが、公式な御答弁以外に、事態の推移を見ながら、できるだけ外国の声も聞きながらこれに対処してまいりたい、こういうことでひとつ御了解いただきたいと思います。それ以上に積極的なこともいまの段階で申し上げられませんが、全然やらぬというのじゃございませんし、まあ以上のところで御理解を願います。
#10
○原田立君 大臣、いまの小野委員の質問で、沖繩海洋博はただ単に海洋博開催ということだけでなしに、沖繩今後の発展のためにやるのだという、そういうお考えのようでございますが、海洋開発そのものについてわが国の場合にはまだ八十八億九千七百四十万、総予算に対する比率などから見ると非常に少ないようなのが現状ですね。それは認識いただいているだろうと思うのでありますが、もっとそういう面で海洋開発に関しての予算の充実、あるいは組織の充実、そういうものにもつと力を注ぐべきだと、こう思いますがいかがですか。
#11
○国務大臣(田中角榮君) 全く御指摘のとおりでございます。日本は海国日本と言われておりますから、海国は船だけでもって海との関係を持つということではなく、これはもう大陸だなの問題等、近年非常に資源問題として大きくクローズアップされておるわけでありますから、海国といわれる日本がこれに先がけて仕事を行なったり研究するということでなければならなかったわけでありますが、どうも海洋開発ということに対しては一歩おくれております。世界的にも大体海洋開発というものに対しては近年であります。私は、いま世界じゅうのいろいろな国々の人と会いまして、一番海洋開発というものに興味を持っているものはカナダであると思います。カナダが非常に興味を持っている。それから北欧の国々も興味を持っております。あとの国々というのは、海洋開発の重要性というものを知っておりながらも、なかなか海洋開発というものを――沖繩での海洋博を契機にして海洋工学とか、海洋開発というものを主要テーマにすることは実に興味深いというのは、やはりそれらの国々でございます。ですから日本は、これから大陸資源、大陸だな資源等々、これが公海の資源さえも求めていかなければならないというところでございますから、この沖繩海洋博を契機にして、海洋開発というものに対しては、予算だけでなく、あらゆる意味で拡大していかなければならぬということは、もう切実に感じます。
#12
○原田立君 そこで大臣、お伺いするんですけれども、この約八十九億の予算の中で通産省関係では二十六億一千八百四十万円、全体の約三割ぐらいになっているように私は思います。非常にその通産省の占める比重というのが大きいと私思うのでありますが、今回の海洋博を行なうについて沖繩に残すもの、通産省としてどんなようなことをお考えなんですか。
#13
○国務大臣(田中角榮君) 沖繩に残す……。
#14
○原田立君 それでは、もう時間がないから言うのですけれども、実際、海水淡水化ということですね、このことが通産省の予算の中に載っております。で、これは何も沖繩ばかりではなくて、日本全体にも大きい課題であると思うし、沖繩にとっては切実な問題だと思うのです。この予算の措置が海水淡水化及び副産物利用ということで七億七百三十七万六千円と、こうついております。ところが、前回昭和四十六年度では七億四千二百四十一万円と、三千五百四万円減っているわけですね。減っているのもちょっと気に食わないけれども、そこら辺の説明はけっこうですから、要するに、海水淡水化というその装置等ですね、あるいは今回の沖繩海洋博の唯一の残すべき資産というようなことで完成して残す、それくらいのお考えはございますか。
#15
○国務大臣(田中角榮君) こまかい問題は事務当局から答弁をいたしますが、海水淡水化というのは、これは離島の問題等を開発するには非常に重要な問題でございますし、これはまあ沖繩の海洋博覧会の研究テーマとしても、また出展のテーマとしてもおもしろいものだと思います。私もサンクレメンテに行ってまいりましたときに、あそこのちょっと南に、サンジエゴでございますか、海軍の根拠地がございますが、これは世界で最大の海水淡水化の仕事をアメリカ海軍がやっているわけでございます。日本もこれに委託していろいろなことをやっているわけでありまするが、これはぜひ見てきたかったのですが、こういうテーマを沖繩海洋博の主要テーマとしてひとつやりたいというふうに考えておったわけでございます。私は、その後の海洋博の中に占めるこの大型プロジェクトとしての海水淡水化というものがどうなっているのか、私もさだかに聞いておりませんが、これはひとっこれから沖繩海洋博の主要テーマとしてやはり残してくるもの、継続的に研究するものとしては非常にけっこうなものであり、適切なものであろうと、こういうふうに考えます。
 で、予算上の問題は事務当局から申し上げます。
#16
○政府委員(本田早苗君) こまかい数字は手元にございませんので、概略で申し上げますが、大型プロジェクトの海水淡水化につきましては、大体五十億の総規模で考えておりまして、現在試験プラントの製作までを四十七年度でやりまして、八、九の五年目、六年目で十万トンプラントの製作の部分製作にかかると、こういうことでございますので、四十七年度大体七億程度で動いてきておりますので、八、九で大きく試験プラントに入れると、こういうふうに御了解賜わりたいと存じます。
#17
○原田立君 要するに大臣、私はここで言いたいのは、海水淡水化というそういうことですね。これは海洋国日本として非常に重要な課題である。だから、それを沖繩に残してやる、装置等々ですね。そうすることが沖繩の産業開発も進むであろうし、海洋博をやった意義にもつながるであろうと、こう思うわけであります。そういう方向でお考えを、大臣はそう考えておると、こういうことでよろしいですか。
#18
○国務大臣(田中角榮君) はい。
#19
○原田立君 それではあともう一つは、海水の淡水化の問題と、やっぱりあと電力の問題ですね。この二つはどうしても解消しなければならぬと思うのでありますが、電力の確保ということについては、あそこは高い山もないし、福地ダムなんかつくっても、あれは工業用水だけの取水で、電力関係ではあまりプラスにならないし、となると、やはりどうしても火力発電というようなことにもなってくるだろうと思うのですが、海洋博を開催すること自体にもものすごい電力が必要であります。また、それに至るまでの間に多数の人が出入りしますから、そういう面でも電力は必要であります。沖繩の電力確保ということについて格段の努力をなさるべきであると思いますけれども、その点はいかがですか。
#20
○国務大臣(田中角榮君) 電力は、もう当然あれだけの大きな海洋博をやるのでございますから、電力の開発をしなければならないということはもちろんでございますけれども、特に電力に対しては例のアルミ工場、これの建設計画もあるわけでございますが、これは少し景気も悪いとか、いろいろな問題があって、半年、一年計画はおくれておりますが、これは将来どうしてもやりたい。一つの工場としては代表的なものの一つでございますから、これは沖繩電力の移管を受けましたら、新しい沖繩として必要な電力は、これは十分確保をしてまいるということでございます。
#21
○政府委員(本田早苗君) 四十八年度の運転開始を目途に、牧港に八万五千キロワットの火力発電所を建設中でございます。それから、四十九年度の新年度からは十二万五千キロワットの火力発電所を、これも建設計画を進めておりまして、四十九年度までに約二十万キロワット追加されることに相なる予定でございます。
#22
○原田立君 あまり時間がないので、もうあとはまとめて御質問します。事務当局で答えてもらってけっこうであります。
 那覇市自体は沖繩第一の都市でありますからホテルもありますし、今後は水洗便所の利用等が多くなるであろう。そうなると、終末処理のいわゆる屎尿処理場、あるいは下水道の整備、こういうふうなものが完備されないと、一ぺんでくさい町になってしまうわけであります。今回の海洋博についても、外国の人たちが来るとなると、どうしてもこの整備が必要であります。都市計画上どういうふうなものを考えて計画されているのか、これがまず一つ。
 それから海上付近のいわゆる本部付近、あるいはまた名護市付近にもこういうようなホテルあるいは高級住宅、国民宿舎、一般民家等がおそらく建設されていくでありましょう。そうなると、那覇市内と同じようなやっぱり屎尿処理、あるいは下水道整備、こういうことをしなければならぬと思うんであります。聞くところによると、那覇は都市計画でやっているそうでありますが、名護の場合にはそういう計画がないように聞いております。となると、非常にこれは大きい問題になると心配しているわけでありますけれども、海洋博開催の時期が三年後に迫っております。そこいら辺とあわせてどういうふうに計画を進めていくのか、お答えいただきたいと思います。
#23
○説明員(井前勝人君) 現在沖繩における下水道につきましては、公共下水道あるいは総合下水道等を実施しているわけでございます。現在の普及率は、まだ本土より若干おくれておるわけでございます。昭和四十六年度末の普及率は約二二%でございまして、本土の二四・九%に比べますと幾らか立ちおくれが見られております。そこで、本土の第三次五カ年計画が昭和四十六年度から昭和五十年度までということで発足しておりますので、この本土の整備水準まで引き上げるように沖繩の下水道も促進していきたいと、かように考えておるわけでございます。
 特に、海洋博に関連いたしまして那覇市等が中心となろうかと思われるわけでございますが、那覇市の下水道の現況を申し上げますと、現在昭和四十六年度末で下水道の普及率は約一七%になっておるわけでございます。したがいまして、この本土の水準に引き上げるべく那覇市をはじめ関係各市の下水道整備の措置につきましては強力に推進していく予定でございますが、昭和五十年度末ではこの普及率が約三九%になる見込みを立てておるわけでございます。
 それからもう一つ、海洋博の場所に近い名護市でございますが、現在名護市では下水道事業はまだ実施されておりません。しかし、いろいろ現地の事情等を調査いたしますと、昭和四十八年度からいわゆる公共下水道事業を実施していきたいというような希望もございますので、この点は十分現地の状況を調査しながら、現地と打ち合わせしながら推進方については検討してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#24
○説明員(山中和君) ただいまの下水道の整備のほうでございますが、屎尿処理施設につきましては、もちろん下水道の整備と関連するわけでございますが、現在沖繩博につきましては、大体これで増加する人口としまして日量二万人を推定いたしまして、屎尿処理施設としては大体一日当たり二十八キロリッター、約三十キロリッターくらいの整備を必要と考えております。もちろんこれは、ただいま名護市のほうでの下水道の整備計画と相関連するわけでございますが、その際に、これだけは上乗せをしなければならないということがございます。したがいまして、終末処理場の規模においてこれを処理するか、あるいはもし下水道整備が完遂できない場合には二十八キロリットルをただいま四十七年にも、あるいは五十年までには名護市あるいは本部町の屎尿処理施設の計画があるやに聞いておりますので、そこのところへ上乗せしていくという考え方で解決いたしたいと思います。
#25
○原田立君 要するに、私指摘したいのは、厚生省のほうもそちらのほうも快適な沖繩泡旅行であったと、こういうふうにしなきゃいけないと思うんですよね。海洋博はりっぱだったけれども、ホテルがめちゃくちゃでもう全然だめだったというような、そういうふうな環境整備の面で悪かったならば、いい印象を全部ぶっつぶしてしまう。いろいろ計画もあるだろうと思うけれども、鋭意前進できるように進めてもらいたいと思います。
 それから、港についてでありますけれども、運輸省来ていますか。――この前あなたの答えた中で、あんまり気に食わないところもいろいろあったわけですけれども、資材運搬のために運天港、あるいは渡久地港を使うということでありますけれども、その点はどのくらいかということで小野委員が質問したらば、二千トン級の船が入るようにすると、こういうようなことでありますけれども、将来ここは旅客用港にも使うのかどうか、それがまず一つ。そうすると、ただいま現在、鹿児島−那覇、鹿児島−東京間大島運輸で運航している船は、これが一万二千四百七十トン、それから関西汽船の船は四千九百五十トン、二千七百二十二トン、琉球海運の船でも五千トン、三千五百十トン――約三千トン、こういう船です。そうすると、運天港はただ二千トン級が入るというような程度の整備では、今後のことについてはちょっとこれはまだ手の打ち方がおそいんじゃないかと心配しているところなんです。どうなっているかということ。
 それから、現在の那覇港は米軍港として接収されて、ほとんどその利用価値がないのはあなたもよく御承知のとおり、そのために那覇新港を建設するそうでありますけれども、その港がいま申し上げたような約一万三千トン級のような船が入れるようなそういう港をつくるのかどうか。それはまた五十年の海洋博に間に合うのかどうか。この前は、あなたの答えではあんまりそんなところ考えてないで間に合うかどうかわからないだなんというふうな答弁だった、非常に気に食わないところなんです。そこいら辺もう少しはっきりしていただきたいと思うのであります。
 それから、これは聞いた話でありますけれども、十三そうの船で人間及び資材をこの海洋博では運搬するそうでありますけれども、これは一体どのくらいの船で運航するのか。また東京、大阪、鹿児島三カ所から出発するのが現状でありますけれども、函館、仙台、名古屋、高知、北九州、こういうようなところでは考えないのかどうか。あるいはまた十三そうのうちにカーフェリーは入るのかどうか。いまやっぱりカー時代でありますから、当然車で行きたいだなんというふうなものも出てくると思う。カーフェリーの計画等もあるのかどうか。時間がないから五つくらいまとめて質問しましたから、あなたの答えも適切に簡潔に答えてください。
#26
○説明員(吉村眞事君) 港湾の整備の問題がございますが、私、この前ちょっと答え方が悪かったわけでございますが、運天港については二千トンではなくて、現在五千トンの計画を進めておるわけでございます。それで、御指摘のように会場建設用の資材等の運搬にも使わなければなりませんので、この五千トンは現在すでに計画をしておりますものをできるだけ早く実現するようにいたしたいということでございます。それから、これを博覧会開催時に旅客用に使うかどうかという点は、おそらく一部分使う必要が生じるだろうというふうに考えまして、それで、その場合にどのような港湾をつくる必要があるかということを現在調査中であるということを申し上げたつもりでございますけれども、ちょっと言い方がまずかったわけでございます。それで、その旅客用に使う場合の規模が一万トン以上の船の入れるような規模にする必要があるかどうかということにつきましても、那覇港の利用計画との関連があるわけでございまして、その間の関連を十分考えました上で計画をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから那覇につきましては、新港を現在やっておりまして、この規模は五十年には三万トンの船が入れるような規模に整備をする計画をいたしております。そして、現在予定をいたしております工事のスピードでいきますと、ほぼ五十年には三万トン級の船が入れる施設が完成するというふうに予定をいたしております。現在すでに五千トン級の船が三隻ぐらいつける状態になっておりますし、まあ万全の準備体制を整えたいと思っておりますが、なお、現在つくっておりますもので間に合うかどうかということは、運天との関係もございますので、今後検討の課題といたしまして、遺漏のないようにいたしてまいりたいと考えておるわけでございます。
 それから、船の船団十三隻というのは、これはまず確定した数字ではございませんけれども、これくらいの数字になるのではないかと現在予想されておる数でございまして、現在ある船を含めての話でございますから、今後つくります船につきましてはかなり大型の船が予想されるわけでございます。現在すでに船をつくり始めているものもございますが、これは七千トン、八千トンという船でございますから、今後つくります船はおそらくこの規模以上の船ではないかと考えます。
 それから、その中にはカーフェリーは入るかという御質問につきましては、今後のカーフェリーというものの重要性といいますか、進歩発展を考えますと、おそらくこの中にはカーフェリーが入ることと考えております。
 それから発地、こちらの本土のほうの発地はまだ仙台等の地方は考えておりませんで、現在定期航路の中心と考えておりますのは、東京、阪神のほかに鹿児島ということを考えております。臨時船等の発地は、あるいは別の港から出る可能性もあるかと思いますが、定期船といたしましてはこの四港――阪神を二つにいたしますと、四港を考えておるわけでございます。
#27
○原田立君 あと空港整備の問題、あるいは道路問題、あるいは交通問題等いろいろあるんですけれども、時間がありませんから、また部屋のほうに来てもらっていろいろと聞きたいと思うのでありますが、最後に、沖繩現地では、いわゆる沖繩現地の沖繩海洋博研究会というふうなことで、琉球大学長であるとか、芥川賞作家の大城さんであるとか、そういう方々が会をつくって、いま一生懸命やっているそうであります。あるいはまた地元の設計士連合というようなところは、海上計画に沖繩の考えをも反映させようと自主的に構想を練っておると、こういうふうな動きが報道されているわけでありますが、沖繩の人たちは今回の海洋博の計画そのものも、沖繩のことを心配してくれてやってもらうのはたいへんありがたいけれども、現地の声を吸い上げるんじゃなくて、押しつけになるとか、あるいはあまり取り上げてくれないとかこういうふうなことの心配をしている声が非常にあるようであります。そこで、私は、こういうふうな会が地元に自主的にできたんですから、地元の声を十分吸い上げていってあげるべきだ、こういうふうに思いますが、基本的にいかがですか。
#28
○国務大臣(田中角榮君) 沖繩発展の将来に資したいというのがこの博覧会の趣旨でもございますから、沖繩の声を反映させなければならない、このことはもちろんでございます。そのためにこそ大浜先生をわずらわして、会長にぜひなってくださいと、私は沖繩の声を反映させるためにあなたになってもらいたいんだと、こういうことで私自身がお願いしてなっていただいたということでございますし、また人選等につきましても、大浜先生の御意見も十分聞いておりますので、これがまた官制の博覧会であるということになれば、こういうことをやるもののメリットは半減すると思いますから、これはやはり沖繩の特殊性、地元の方方の意見が十分反映されるようにということに努力をいたします。
#29
○藤井恒男君 私は今度の海洋博について、沖繩の本土復帰を記念して行なわれる事業として大いに賛成するものでございます。そういった意味におきまして、今度のこの法案については賛成いたします。そういう前提に立って二、三御質問申し上げるわけでございます。
 まず目的について、いままでのいろいろな説明によりますと、大要三つの目的があるように説明を受けております。一つは、本土と沖繩の一体化をこの海洋博を通じてはかるべきである、そのために海洋博を通じて本土と沖繩の人的交流をこの際増大さしたい、これが一つであろうと思う。
 二番目は、沖繩経済社会開発の促進、沖繩県民の福祉の向上に資するために、この海洋博を通じて関連公共施設の整備をはかりたい、そのために本部に持っていった経緯も大臣の御説明のとおりだと思うのです。同時にまた、せっかく行なわれる海洋博であり、膨大な公共投資を行なうのであるから、その施設のあと利用の万全を期したい、こういうこと。
 三つ目は、世界の海洋開発技術の国際的交流の促進と海洋の平和利用の増進に寄与しつつ、わが国の海洋開発の振興をはかる、こういうふうにいわれておるわけでございますが、大阪万博と異なって政府がイニシアチブをとって行なう海洋博でございますので、この三つの目的からいいましても膨大なんで、政府としてはこの中でどれにポイントを置こうとしておるのか、何に最重点施策を持ち込もうとしておるのか、それをお聞きしたいと思うのです。これがまず第一点でございます。と申しますのは、私の申し上げたいことは、この海洋博を行なって沖繩の県民にとって何が最もプラスになるか、海洋博が終わったあと何が一番。プラスになるかというふうにせしめようとしているのか、このことをお聞きしたい。
#30
○国務大臣(田中角榮君) まあ何がといっても、大体全部プラスになるようにしたいと思うのです。これはまあ三年間でやろうということでもって、沖繩を縦貫する道路の整備はどうしてもやらなければなりません。それだけでない、港や空港の整備も行なわなければならぬ。非常に大きな人が動きますので、沖繩自体といたしましたら、沖繩のまず八〇年代に動くような規模の人が一挙に動くわけでありますから、そういう社会環境の整備ということができるわけであります。
 それからもう一つはあと地の利用。あと地というよりも、建物の利用とか、そういうものを沖繩の開発のために役立たせるということがございます。
 もう一つは、沖繩が返還後、二十五年を埋めて、沖繩の県民所得を増大せしむるというようなことを一体――本土のそのままというわけにはまいりません、沖繩の特殊性がありますから。そういう意味で海洋科学や海洋工学、また海洋開発というものをここにひとつ集約的に展開をしよう。特にエカフェの調査等で南シナ海、あそこの沖繩大陸だな、尖閣列島、こういうところに非常に膨大な石油資源等もあるというようなことも、もうすでに明らかになっておるわけです。まあ沖繩を中心にした海洋開発というものが脚光を浴びるにちようどかっこうな時期を迎えておるわけでありますから、そういう意味で私は、世界的な衆知が沖繩海洋博に集められるということは、沖繩のこれからの発展というものに対しては相当重大なものである、こう考えておりまして、何がということではなくて、やることはすべて、公共投資もあと地の利用も、特に目標として、参加出展国の内容を整備することによって、沖繩というものが将来どうすればいいのかという一つの方向もきまるわけでありますし、意義は非常に大きい、こう考えております。
#31
○藤井恒男君 私のものの考え方だけれども、二十五年間隔離されて、しかも、基地経済にたよった沖繩に三年間かけて膨大な金をつぎ込むとはいえ、海洋博をやること、そのことだけによって沖繩が本土並みに復興するということは全然考えられない。かりに沖繩開発計画を強力に促進したとしても、日本それ自体も大いに国民が努力して二十五年かかってこれだけの繁栄を来たしたわけなんで、しかも、あの辺境の地でそれをやろうと思えば十年ぐらいのロングランで考えなきゃならないと思うわけです。だから、沖繩は復帰した、めでたい、したがって海洋博をやる、それで沖繩はなれりというようなことは、私はきわめてあまいと思うし、大臣もそういうふうにお考えじゃないと思うんです。そういう意味から、長期的な展望に立ってその一つの一里塚として沖繩海洋博というものを位置づけるということが、私は必要だろうというふうに思うわけです。そういうふうに思えばこそ海洋博というものを単なるお祭りにしてはいけない、だからポイントをしぼれというふうに私は思うんです。そういう意味において、いま大臣がお考えになる範囲において、沖繩でもろもろのものが不足し、必要だろうと思うが、何が最も沖繩県民の民生安定のために必要とお考えか、そのことをお聞かせいただきたい。沖繩県民の福祉を増進する、民生を安定さすために何が最も喫緊な問題か。
#32
○国務大臣(田中角榮君) 具体的には、社会環境も整備されておらないし、工業化を行なおうとしても社会資本が不足しておりますしと、いろんな問題があります。電力もそうですし、機械も水もそうですが、いろんなことがありますが、結局は沖繩というものに対していろんなことがいわれておりますが、沖繩の一次産業比率というのは非常に高いわけです。農漁民、それから林業、といっても農業だけですが、非常に高いわけです。非常に高いけれども、県民総生産は非常に低い。だからひとつ、たくさんの人間で収入は幾ばくも得ていないということになると、やっぱり二次産業比率を上げる以外にはないと思うんであります。二次産業比率を上げれば、三次産業比率は付随的にこれは歴史の示すとおり増大をしてまいりますから、そういうふうにしていく以外にない。そうすると、本土の二十五年たどってきた同じものをやるのかというんですが、それは水がない、いろんな地形、地勢上の制約もございますから、そうはいかないんです。ですからそういう意味では、本土というようなことではなく、公害の伴わないという事業が考えられる。ですからいまあなたも御存じのとおり、沖繩には本土のいろんな繊維工場が、いろんなきれいな工場がいっております。それは本土並みではなくて相対的な低賃金を目的にして進出しているわけであるが、極端に目くじらを立てることはない。いまの沖繩の賃金と本土賃金との格差は、ある時期までに徐々に埋められて、極端にいま本土と同じ賃金にするということは、これは不可能なことだと私は思うんです。そういう意味で沖繩復帰というものが、沖繩の労働力は全部本土へ移ってしまうのでは、これは沖繩の総生産の拡大にはなりませんし、沖繩の県民所得の拡大にはならない。そういう意味で、沖繩の二次産業比率を、一次産業から二次産業へ、三次産業へと人口を移動せしめる。しかし、それは沖繩に定着をさせるものでなければならない。それに必要な沖繩開発が行なわれ、それの一つのテーマは海洋開発だ、こういうふうに判断をして沖繩海洋博とのつながりをつけておるわけでございますから、私は、沖繩が沖繩としての特性を生かしながら、豊富な労働力を使いながら二次産業比率、三次産業比率を高めて県民所得の増大をはかっていくことが――今度の沖繩海洋博で港とか、それから離島との関係を、離島をどうするか、離島はあのままでいいのだという人もありますが、沖繩のあのおイモなどをつくっておる離島の農民というものが一次産業でいいなどとは私は考えておらない。そういう意味で離島との交通を確保してやるとか、港湾の整備、それからフェリーボートの就航とか、小型の飛行場の整備だとか、そういういろいろな問題がこの沖繩海洋博によって整備をされますので、沖繩海洋博をやることによって沖繩の近代化、沖繩の工業化、沖繩の新しい開発というものは急速に進むのだ、これがやはりこの海洋博覧会のメリットだというふうに考えるべきだと思います。
#33
○藤井恒男君 沖繩について多くの人が沖繩を訪問し、現地を見た上でもろもろのことを言っておるわけだけれども、どれとして的確に沖繩の未来図というものをさし示したものはないわけです。で、そういう中でともかく海洋博をやってみようじゃないかというところが打ちまけたところだと私は思うので、これはやはり腰据えてやらぬと、観光開発といったところで、はたして沖繩が観光開発に適するものか、これも非常に疑問のところもあるし、よごれを伴わない第二次産業といっても、ああいった地理的条件、あるいは湿気の多いという特殊環境の中で第二次精密機械をあそこに持ち込めるかどうかということもたいへん問題になるところだと思う。そういう意味で私は、こういう海洋博があそこで行なわれるということでいま以上沖繩に多くの人がおもむくわけですから、もっと長期プランを立ててさし示す必要があるのではなかろうか。そうして沖繩海洋博を行なうこと、このことを私はお願いしたいと思うのです。
 それからいま一つ、先日私、中国に参って香港に寄ったわけですが、香港に行きますと、かなりの頻度でわが国の香港総領事館に対してデモが行なわれている。デモの内容は何かというと、尖閣列島に関する問題で、尖閣列島は中国古来の領土である、したがって、これを日本が沖繩返還とともに奪取しようとしておることはけしからぬという意味のデモが行なわれている。先ほど大臣のお話の中で、海洋博の一つのテーマとして海洋開発、それには海洋資源、しかもあの近辺にある尖閣列島、ここには豊富な石油の埋蔵量があるということをお話になったわけだけれども、このままいきますと、中国のいまのそのような状態から推察すると、尖閣列島、そこに豊富な埋蔵量がある、その開発の手を伸ばす、しかも、それが戦争につながるというような解釈にならぬとも限らないわけなんです。われわれの真意は先ほど申したように三つの目的で、あくまでも平和裏にこれをやろうとしておるわけなんだけれども、その意図するところが通ずることなく逆な方向に流れていくとすれば、わが国と中国との国交回復ということを当面の大きな政治目標としてやらなければたらないときにあたって、非常に逆の効果を招く懸念もある。そういう意味から私は、これを先ほど小野委員から質問があったわけだけれども、あぐまでもわれわれ平和に徹するものであると同時に、近隣諸国でもあるし、現在国交回復していないけれども、どうぞ沖繩の海洋博に来て下さい、出展しなくてもどうか参観してくださいというねおらかな気持ちでの近隣諸国への呼びかけが必要であろうというふうに思うわけです。先ほど大田から抽象的な表現でのお答えがありたわけだけわども、もう一度その辺についていまのような現状にあるということを踏まえて、はっきりした御答弁をお願いしたいと思います。
#34
○国務大臣(田中角榮君) 御発言の趣旨はよく理解できるんですが、これは日本が日本だけでやる博覧会ではない、国際条約に基づく博覧会であると、こういうことでありまして、日本の考え方だけではどうにもならないです。どうにもならないですが、ですから外交ルートを通じまして、現に国交のある国としかやりませんと、公式なお答えはそうでございますと、そこでピリオドを打てるわけです。しかし、御指摘の事情もお互いによくわかりますから、まだ三年もあることでありますから、あと三年間といっても、出展をするかどうかということになれば、それは一年か一年半の間にはめどをつけなきゃならぬ話でございますから、そうい、問題に対しては、これは私先ほど申し上げたように、国際的なものでもオリンピック――札幌のオリンピックにはちゃんと未承認国も、国交のない国も来ておるじゃありませんかという素朴な国民の声もありますので、そういうことに対してはいろいろ国際機関の御意見も聞いてみたいと思いますと、そこらで御了承いただきたいと思います。これはやはり国際条約に基づく一つの万博でございますから、そういう意味では、やはり正規に申し上げると以上のとおり。しかし、お互いに言うこともよくわかりますから、遠いところの人ばかりやらないで、隣の人にもどうぞという道があれば、それはやりたいことですなあという気持ちはよく理解できますし、よくひとつお話を聞いたり相談してみましょうということで、ひとつ御理解いただきたいと思います。
#35
○藤井恒男君 これ私、不勉強で申しわけないんだけれども、確かに海洋博は国際条約に基づくものでありますが、BIEへ登録を完了すれば、そのあと一々参加国についてBIEに対して承認を求めるという必要はない。招請にあたっては、主催国が外交ルートを通じて相手国に招請することができるということだと私は判断しておる。だから、いまの大臣のお答えは多少私窮屈だと思う。だからおおらかにやればいいんであって……。この辺のところをひとつどうですか。
#36
○国務大臣(田中角榮君) 外交ルートを通じてということになっておりますので、外交関係がないとできませんと、こういうことが政府側の答弁でございます。ございますが、これはまあ外交ルートといっても電話もありますし、いろんなことがあるんですから、だからこういう四角ばったことに一体局限されるのか、制約されるのか、そういう問題、まだいま御答弁を申し上げた以外の答弁がどこまでできるのか、さだかに詰めておりませんから、これは検討いたします。
#37
○藤井恒男君 この点、いままで私の判断の範囲では、大臣のお考えはちょっと窮屈な感じがいたします。これはもう一ぺん検討してもらいたい。外交ルートというのはいまおっしゃるように、民間外交だって野党外交だっていろいろあるんですから、だからこれはもっとおおらかにやれるもんだと私は解釈している。いろいろ検討したものをお示しいただきたいと思います。
 それから次に移りますが、海洋博のテーマが決定いたしまして「海――その望ましい未来」というのが印刷物でわれわれにも配付されております。これを読んでみたわけですが、まあ書いてあることは読んでみればわかるものの、テーマは外国を招請するときには最も重要なものになるので、これは多少抽象的過ぎるし、ばくとしたような印象で、これだけでは一般国民に対して今度の海洋博開催をうたい込んでおると私は思えない。きわめて抽象的なテーマの決定の経緯と、このテーマについての概要をひとつここで御説明願いたいというように思うわけです。
#38
○政府委員(本田早苗君) テーマの決定の経緯につきましては、参加国、多数参加していただきまして、いろいろの出展計画をやっていただくわけですが、その出展にあたりまして、統一的な考え方に基づいて出展をし、博覧会全体を一つの基本的な理念で表明するというために、テーマを策定するということに相なっておるわけでございまして、テーマ委員会で茅先生が委員長で、和達先生が副委員長で数回やっていただきまして、四月十日にきまったわけでございます。いま御指摘のように、抽象的な表現で、これでは今後の出展について何を出展するかについての内容の考え方が不明確なのではないかということを御指摘受けておりますが、登録申請にあたりましては、別途分類表というものを出すことに相なっております。その分類表はこのテーマに基づきまして、たとえば海の生成、活動及びその包蔵する豊かなるものということで、たとえば海洋の生成、海洋の資源、海洋の科学、それから海洋の化学。それから第二点としては、海洋と経済活動ということで、海洋と産業、海洋において働く人々の生活、海洋環境の保全というふうな個々の内容をあげまして、この項目に該当するもので出展を願いたいということを、分類表というものを示すわけでございます。その分類表を作成するにあたりましては、この抽象的な考え方を背景にしまして、いま申し上げましたような個々の項目に分けた内容を明らかにした分類表を各国に送りまして、その分類表に該当する項目で出展計画を考えてもらう、こういうふうに相なっておるわけでございます。
#39
○藤井恒男君 分類表はいつできるのですか。
#40
○政府委員(本田早苗君) 最終的に詰めておりますが、登録申請を行なう際には、これを添えて出すことに相なっておりますので、登録申請までのここ一、二週間の間に最終的に詰める。いま申し上げたものは案でございます。
#41
○藤井恒男君 分類表に基づいて外国を招請するわけだけれども、分類表それ自体がここ一、二週間で登録しなければならない。したがって、もうその素案はできておると思うが、たとえば、わが国の場合の政府出展が一番ポイントになるわけだ。そういう意味で、政府出展としての具体的なものをどういうふうに考えておるか。私は、このテーマの中にも大体三つぐらいの項目がうかがえるんだけれども、もっとわが国が出展する場合には、ポイントをしぼるべきじゃなかろうか。たとえて言うならば、海水の淡水化というのも一つの大きな問題でありましょうし、あるいは立ちおくれておるところの潜水技術の確立の問題もありましょうし、あるいはたん白の養殖なども、これはまた急な問題であろうと思う。そういった場合にですね、とにかく出展するということについてもっとポイントをしぼるべきだし、その辺の考え方が現在まとまっておれば、構想でもけっこうですからお聞かせを願いたいと思う。
#42
○政府委員(本田早苗君) 現在まだ政府出展についての最終の詰めを行なっておりませんが、陸上、海上に政府館を建設する。その際には、御指摘のようなものを考えねばならないと考えておりますが、そのほかに海浜の亜熱帯公園海中公園、あるいは魚類の展示場等を候補にあげて、最終にしぼってまいりたいと思っておりますが、御指摘のような点をわれわれとしても考えておりまして、今回の海洋博覧会の出展国としての、しかも、中核的展示物が政府出展ということに相なると存じますので、十分その点は、あいまいなものではなくて、しぼった問題意識を持って展示のポイントをきめたいというふうに存じております。
#43
○藤井恒男君 この海洋博は万博と異なって、単なる物品を展示して人を集めてそれを見せる、楽しむというのとちょっと趣が違うと思うんです、海洋博の場合は。だから、たとえば亜熱帯に産する魚介類を展示して、こういうものが生息していますよというのであれば、これはもうあえてこれをやらなくたって、いま宮崎にでもちゃんとした水族館でもあればできるわけなんです。だから、政府出展というものはそこでやはり相当意欲的な掘り下げが必要だと思うんですよ。そういう意味で私は先ほど申したように、たとえば、潜水技術の問題をこの際海洋博を契機に長期的に掘り下げるのも、あるいは淡水化の問題しかり、養殖の問題しかり、そういった点にポイントをしぼるべきだと私は思うんです。いまのお話ですと、あたかも万博のごとく展示して見せる、あるいは見て楽しむというふうな印象にとれるのですけれども、そうなれば趣が、あるいは多くの人の期待とやや異なると思いますので、もう少しお考えを聞かしていただきたいと思います。
#44
○政府委員(本田早苗君) 展示物の規模、内容等についてはさらに検討することを考えておりますけれども、たとえば陸上政府展示館におきましては、海洋に関連する自然、歴史、文化、あるいは御指摘のような科学技術水準を示すための実物、あるいは模型等によりまして原理的に展示することも考えますが、これによりまして自後、これを博物館あるいは研究施設に活用するということにいたしたいと思います。また淡水化装置につきましては、展示と同時に観客用の飲料水の供給源として活用してまいる施設にしたいということで検討をいたしておるわけでございます。海上展示物につきましては、海中の作業用の機械あるいは資源開発機械、調査機械等につきまして、実物あるいはモデル等によりましてこれを展示すると同時に、実際の活動状況を見せると同時に、その成果を確認できるようなことにいたしてまいりたい。なお、これを自後の研究施設に活用できるというようにいたしたいと考えております。それから海中公園ということで考えておりますが、これには展望施設と同時に、海中牧場として新しい養殖水産業の一つの新しい方式を開発できるようなことを検討しておるわけでございまして、御指摘のようにしぼって、かつ今後の飛躍のための跳躍台にいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
#45
○藤井恒男君 いまの段階でお聞きするのが無理なのかもわかりませんが、できたら、もう少し科学技術という面を掘り下げる立場から政府出展というものをひとつ考えていただきたいというふうに思います。
 時間がありませんから先に移りますが、その次に物価対策の問題ですが、私も住居が大阪にございますので、大阪万博のときにたいへん苦い経験をしておるわけです。大ぜいのお客さんに来てもらうのはけっこうだけれども、そこに住んでおる者はまさに万博公害というようなものを受けかねない状況でございます。まして今回、小さな沖繩に、延べではありますが四百万人ほどの人が出入りするということになれば、この物価騰貴ということは当然考えなければならないわけなんです。幸い大阪万博の経験をわれわれ持っているわけですから、まあ抜かりなくおやりになろうとは思うけれども、この物価対策について現在持っておられる構想があればお聞かせ願いたいと思います。
#46
○政府委員(本田早苗君) 御指摘のように大阪万博の際には、青果物、畜産物、水産物につきまして物価の騰貴が見られ、対策を講じたわけでございますが、現在沖繩博覧会とからみまして、農林省のほうですでに検討を進めておられまして、それに対する対策として考慮されております点は、野菜の生産供給につきましては、集団団地の育成整備を緊急に考える、魚介の生産供給の確保のためには漁港の整備が必要である、それから青果物魚介類の流通施設としての市場施設の整備がこの際必要である、また流通貯蔵施設のために冷凍冷蔵施設の重点的な整備をはかる、また青果物、食肉、魚介類につきましては、近接いたしております九州の生産増大対策を行ないまして、九州からの移入をはかることとし、冷蔵コンテナ船の配置を考慮する必要がある、さらに、その他の生鮮食料品につきましては移入を考える必要があるというようなことで、大阪の先例にならいまして、沖繩海洋博にあたりましては、特に生鮮食料品関係を中心として、物価の値上がりを来たさないような対策をあらかじめ措置しておきたいというふうに準備を進めておる次第でございます。
#47
○藤井恒男君 大阪の万博のおりには、まあ博覧会担当大臣というのが選任されたり、あるいは次官クラスによる推進本部あるいは関係閣僚協議会というものが設置されて、物価対策のための対策委員会というものまで設置した経緯があるわけなんです。今度の沖繩の場合には、大阪以上に私は物価問題に大きなしわ寄せがくると思うし、いまおっしゃったように広範な施設等をつくる予定をしておられるわけだけれども、やはり政府が今度は柱になってやろうとするからには、大阪万博の轍をふまないためにも、いま申したように何らかの機構を設置する必要があるんじゃないか、物価のためのですね。これは単に沖繩県民だけの問題じゃなくて、隣接する鹿児島、宮崎等にも波及する問題ですから、そういう面で対策委員会の設置あるいはそのためのセンター的なものの設置等についてお考えがあるかどうか、お伺いしたいと思います。
#48
○政府委員(本田早苗君) すでに十二月から各省連絡会というものを設けまして、その対策につきまして各省の連携をとりつつあるわけでございますが、登録申請も五月の下旬というふうに控えておりますので、さらにこれらの連絡の体制につきまして整備する必要もあろうかと存じて、その点についてはさらに検討することにいたしておりますが、準備の段階といたしましては、各省連絡をしばしば開催いたしまして、大阪の万博の先例も考え、対策の検討を逐次進めておる次第でございます。
#49
○藤井恒男君 この問題について、せんだっての衆議院の商工委員会で同じような問題が取り上げられて、大臣のほうから、必要があれば何か具体的に物価対策のための対策委員会あるいはセンター的なものを設置してもよろしいと、考えてみましょうという意味の発言があったように聞いておるわけであるが、それでよろしいでしょうか。
#50
○国務大臣(田中角榮君) まあこれだけの人が入るのでございますから、生鮮食料品その他物価問題に対しては重大な関心を持ち、遺憾ないよう配慮をしなければならぬことは当然でございます。ただ市場との関係もございますし、市場の拡充をどうするのか。まあ沖繩県の意向、沖繩の住民の意向というものもありますので、またいまの施設や権利もありますから、そういうものとも十分意思の疏通をはかりながら、万全な対策をとるにはどうするかということを検討していくべきだと思うんです。たとえば肉の問題とか、タマネギの問題とか、いろいろありますが、こういうものをやはり沖繩に対しては相当程度の備蓄をしながら、これは特別輸入割り当てを行なって備蓄をしながら絶えず放出をしてやるというやっぱり体制を整えて、地元業者との間に十分な連絡をとらないと紛争が起きますし、いろいろなトラブルが起こると思いますので、この問題は――沖繩というのは輸送手段もいろいろな問題において困難な特殊な事情がありますので、これは遺憾なきを期してまいりたいということでひとつ御理解をいただきたいと思います。
#51
○藤井恒男君 次に、資金の調達計画に関してですが、財界からの寄付を二、三十億つのるということを先日の商工委員会のときにお答えがあったわけなんです。これは財界の企業の出展とは別の問題なんで、どのような形でどういう呼びかけで寄付をつのるのか、その辺のところをお聞きしたいと思うんです。
#52
○政府委員(本田早苗君) 御指摘のように、企業の参加以外の協会の負担する資金につきまして、財界に資金的に協力していただくと、こういう趣旨でございます。これにつきましては、財界の経団連その他の有力なる団体の方々に理事になっていただいておりまして、協会の方針をよく理事会を通じて御理解いただきまして、資金計画等につきましても、固まった際に理事会を通じて、理事である方々の御理解を受けた上で各業界に協力を願えるように取り計っていただく、こういう段取りで考えております。
#53
○藤井恒男君 大阪万博のときは、まあ当初予定したよりも倍の入場者があったというようなことから、かなりもうけたわけなんです。今度この沖繩海洋博の場合には、政府が金出して――地元には負担能力がないわけだから――やらなきゃならない。しかも、金がたくさん要るということはよくわかるんだけれども、財界から寄付をつのる、しかも理事になってもらって、まあ理事になったから、おまえのところ趣旨よくわかるから何ぶん応分のものをというやり方がいいのかどうか。企業出展するところが、その出展という形においてある程度の助成をするということは、これはわかるわけだけれども、出展以外の財界から寄付をつのっていくということについてもうひとつ釈然としないわけなんです。その辺のところをひとつお聞かせいただきたいと思います。
#54
○政府委員(本田早苗君) お答えいたします。
 実は、この海洋博覧会を開催する段取りになる際に、日琉の合同懇談会が財界で持たれておりまして、特にこれは商工会議所を中心にされたわけですけれども、その際に、財界としても大いに協力するから、沖繩としてもこの際海洋博覧会の開催ということを考えて、そして政府に、条約上の博覧会の開催というほうに持ち込んではどうかというような、いろいろお話し合いがあったようでございますが、その際に、財界としても博覧会については大いに協力しようというような背景がごく当初からありまして、財界としてもその博覧会については資金的にも協力するという前提で実は博覧会開催へ進んでまいっておるという事情もありまして、いま申し上げましたような段取りで、財界としても協力するという姿勢にあるわけでございます。
#55
○藤井恒男君 いずれ、これは目的の中にもあるように、沖繩海洋博が終われば、あと地のあと利用ということが大きな課題になってくるわけなんです。それが沖繩県民の福祉につながるということなんですが、万博の場合も、終わったあと記念協会というのが現にできておる。記念協会の基金というのは現在百五十五億あるわけなんです。これは何かといえば、平たくいえばもうけです。もうけなんです。で、万博それ自体、確かに財界の寄付もあったでしょうけれども、政府からの多額の援助もあるし、地元の地方自治体からの三分の一ほどの助成もあったし、多くの国民の入場料というものもあるわけなんです。これは言ってみれば国民全部の財産ですね。したがって、この万博記念協会がこのたび四十六年度についての沖繩海洋博に調達する資金は全部で、出捐金を含めて千二百五十万円、こういうまあわずかな金、百五十五億の現在金を握っておるわけだけれども千二百五十万円、これでは私は話にならぬ。むしろ、この沖繩海洋博というものが沖繩県民とそうして広く日本国民の喜びと将来に資するためということであれば、一部の財界からの寄付ということにたよるよりも、この記念協会から思い切って金を出さすというほうが私は正しいと思います。そうすることがあと利用の問題についても、いたずらなひもをつけることなく、沖繩県民の私は財産として沖繩福祉の増進にあとが利用されるというふうに思うんだけれども、大臣、この辺どのようなものかですね。
#56
○国務大臣(田中角榮君) 一つの考え方ではございますが、強制すべき考え方でもないんです。これはやはり非常に大阪でやるときには困難な問題ございました。われわれもまあ非常にたいへんなことだと思ったんですが、非常にうまくいったわけです。六千万人も人が入るということで、思わずうまくいったわけです。しかし、あれをやるにはそれなりの相当無理な割り当ても事実したわけでございまして、で、まあ産業界でもこれはひどいじゃないかということを言われたときもございます。われわれ自身もいろいろなことを要請してまいりましたから、それだけのものが思わざる結果として出ましたので、これは、じゃ無理をしたところに割り戻ししなければいかぬのかと、こういう――まあやるつもりもなかったんですが、そういうことは一応の話題にはなりましたが、しかし、こんなに結果がよかったんだから、社会的にこれを何らかの別なひとつ用途に役立たすことがよろしいんだということで、あと地の問題、国際大学とか、いろいろな問題も計画しております。そういう問題と、あと地を持っておりますから、そういうこととあわせてしかるべき結論が出るわけでございます。その過程に沖繩海洋博が出てきたのでありますし、沖繩海洋博は特に困難な資金事情にございますので、やはり参加をしてもらうことは事実でございますが、どうもこの百数十億の金を全部出してやってしまうということにはなかなかむずかしい問題がございます。ですから、沖繩は沖繩として政府は公共負担とか補助金のほうを見ましょう、なるべく沖繩に地元負担をかけないように、本土全体の産業が沖繩というものに対して協力をしてもらうと、こういうことでございますので、いま御指摘になられた大阪万博のあとできておる剰余金の問題等に対しても、お互いがそういうことを検討したわけです。われわれもそれが一番いいということを考えたわけですが、なかなかこれを直接結びつけるというわけにもまいりませんので、この過程においていろいろ理解を求めるということでこの問題には対処したいと、こう思います。
#57
○藤井恒男君 私は、まあ沖繩の海洋博に対して万博の基金の百五十五億を吐き出してしまえということを一つも言っているわけじゃないんです。千二百五十万円というのはあまりにもこれは些少じゃないか、あのあと地を利用するためにも基金は必要だろうけれども、むしろ私は――財界は企業出展という形で応分の目に見えない援助という形をとらざるを得ないわけなんです。それ以外に二、三十億の寄付を取るということよりは、その寄付を取る分はひとつ万博の中からでも助ければ、そういった不明朗な形をとらなくても、みんながせいせいと参加できるじゃないかということを申し上げておるので、できるだけその趣旨に沿うように、ひとつ記念協会のほうからももっと出せということを強く大臣からも主張していただきたいし、そうすることを国民は一つもそっぽを向いたりせずに、当然拍手をもって迎えることであろうというふうに私は思うわけです。それから企業出展の場合に、これは五十億から七十億の規模になるようですが、大阪万博のときには出展準備金制度というのを設けたわけです。今度も当然その種のものを設けると思うんだけれども、これをやっぱりやるなら早期にやるべきじゃなかろうかと思うんだけれども、どうですか。
#58
○政府委員(本田早苗君) この五月に登録申請を一応する予定でおりますが、登録申請をしたあとでいよいよ計画を固めて、そして企業出展をお願いするということになりますので、四十八年度からは確実にできると思います。四十八年度税制におきましては配慮をしてもらうということで、われわれとしては税制当局のほうにもあらかじめ話を出しておる次第でございます。
#59
○藤井恒男君 もう時間が参りましたので、あと最後一つにしたいと思います。
 海洋博を目当てに、本土の大企業が沖繩の土地の買い占めをはかっておるということを仄聞するわけなんです。これは単に本部の問題じゃなくて、本部のほうは町長が町民と話し合って念書をつくって、協力します、適正価格で明け渡しますというようなことでございますが、海洋博をやるというようなことになると本部地区だけじゃなくて、やはり全体に波及する問題です。そのための土地の買いあさりということがあると、これは純朴な沖繩県民に対して土足で乱入するようなことでたいへん申しわけないことだと思う。現状はどういうものなのか。もしそういうことがあれば、これを防止する手だてというものがなくちゃならないし、そういったことについてどのようにお考えになっておるか、お聞かせいただきたいと思います。
#60
○国務大臣(田中角榮君) 本部の地域は住民及び県当局と非常に連絡がうまくいっておって、買いあさりはできないようになっておりまして、これは望ましい姿になっているということでございます。一部うわさになっているような、本土業者が行って買いあさっているじゃないかといううわさは承知しております。承知しておりますが、うわさほど実態はつかんでおらないんです。これはどういうことかというと、制度上琉球に現に居住する者でなければ土地を取得することはできないということになっておりますから、これは相対ずくでやっているということになると、これは暮夜ひそかにやっているというのか、たもとの中でやっているのか、これなかなかわからぬことであります。ですから、制度上は琉球に現に居住する者以外は土地の取得はできないということになっているので、現にうわさになっているほど大きい問題はないようでございます。これはなかなか琉球政府そのものも監視しておるようでございますし、それほどの問題はないようでございますが、これはあるとしてもさだかにこれをつかむということはいまの状態ではむずかしい。施政権下においてやっていることでございまして、制度上登記をしませんからなかなかこれはわからないということでございます。沖繩まで本土資本が行って買いあさり、地価をつくり上げる、そういう不道徳なことをしないように、これはまた売ってもらわないようにということが望ましいというのが実態でございます。
#61
○藤井恒男君 時間がまいりましたので、あらかじめお願いしておきました現在のマスタープランの状況、それにまつわる各省の管轄する現在の工事、その他の進捗状況については省略して、また別の機会にお聞きしたいと思います。
 最後にお願いでございますが、いま最後に申し上げましたことについて大臣の御答弁がありました。今度の海洋博の目的それ自体が沖繩県民の福祉の向上と沖繩の振興開発ということに大きくあるわけなんです。このことが、海洋博をやることによってむしろ本土の心ない金もうけの人たちがもうけて、沖繩の人たちが結果的に潤いがなかったということのないように、十分土地問題などを主にして適正な指導をしていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。終わります。
#62
○須藤五郎君 この法案に対しましては、私たちも賛成の立場をとっております。それだけにやはり責任もあると思いますので、私は、安心して賛成のできるようにひとつお答えをいただきたいと思うのです。
 あの大阪万国博のときには、外国の招請につきまして昭和四十一年八月十二日の閣議決定をしていると私は伺っておりますが、今回も同様の決定を閣議で行なうのか、それと、行なうならばそれはその時期と内容はどうかという点を伺いたい。
 続けてもう一つ質問を重ねておきます。
 外国へ招請状はいつ送る予定かという点、大阪万国博のときに招請した百二十三カ国、二十一国際機関へは全部送るというのかどうかという点を、簡単に答えてください。
#63
○政府委員(本田早苗君) これは閣議決定を行なうことになろうと考えております。ただし、会場の基本構想ができまして、そうしてそれを向こうに案内をする必要がございますので、基本構想の固まる夏以降になるというふうに存じます。
 で、全部に招請するかどうかにつきましては、これは海洋博でございますので、やはり海洋との関連のある国ということに相なろうと思います。われわれの調べておるところでは、大体日本が承認しておる国のうちで百十四カ国が海に面した国であるというようなことでございまして、あんまり内陸の奥のほうの国に招請することが適当かどうかという判断はまた後ほどいたしたいというふうに存じます。
#64
○須藤五郎君 大阪万国博のときは、お隣の中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国、ベトナム民主共和国、ドイツ民主共和国などの幾つかの社会主義共和国が招請されておりませんでした。そのことにつきましては先ほどから各議員がいろいろと質問していらっしゃるようですが、国際博覧会に関する条約、それは、招請のルートにつきまして外交上の経路を通じて行なうと定めておるだけでありまして、招請国については主催国の決定すべき問題であると、こういう考え方をいたしておると私は聞いておりますが、これらの国々については、たとえ国交がなくてもわが国の判断で招請できる。そうしてできるだけ多くの国が参加することが望ましいと思います。海洋博はすべての国との平和と友好の増進に貢献することを願う立場に立ちまして、これらの社会主義国を除外せず、招請すべきであると思いますが、どうでございましょうか。
#65
○国務大臣(田中角榮君) 先ほどもお答えを申し上げておりますとおり、外交ルートを通じてということでございますので、公式に申し上げれば未承認国に対しては外交ルートがないということで招請はむずかしいということでございますと、ここまでは正確に答えておるんです。答えてはおりますが、しかし、まだ三年もある話でございますし、中国等に対してはいま日本政府は国交正常化を国会で正式に申し上げておるわけでありますから、そういう国が一体どうなるのかということは、これから国際機関の意向も聞いたり、また日本でも研究をいたしますということで、ひとつあとのほうはこれは非常に前向きな、現実的な御答弁をしておるわけでございますので、そこらで御理解のほどをと申し上げておるわけでございます。
#66
○須藤五郎君 中国との関係ですね、中華人民共和国との関係はやがて国交回復をせざるを得ないという段階にきております。そうして過去におきましても中国の見本市をはじめ、日本の見本市を北京並びに東京、大阪などでこれまでも数回やってきております。だから、今度の海洋博に中華人民共和国を招請するということは、何らぼくは不自然じゃないと思っております。
 それからなお朝鮮民主主義人民共和国、ベトナム民主共和国につきましても、もういまや国交回復の一歩手前であり、そうして貿易をこれから増進さしていかなければならぬという立場にある以上、やはり朝鮮民主主義人民共和国もベトナム民主共和国もこの場合には招請すべきだと、こう思います。田中通産大臣は三月二十八日の衆議院商工委員会で、中華人民共和国の招請につきましては「積極的な立場で検討してまいりたい」、こうあなたは発言していらっしゃいます。私は議事録で調べてあります。この発声は中国の招請もあり得るというふうに理解してよいか。たいへんくどいようでございますが、もう一ぺん伺っておきたいと思います。
#67
○国務大臣(田中角榮君) 先ほどから本件に関してはもう五回くらいお答えを申し上げておりますので、もう十分御承知いただけると思います。それは外交ルートでやるということになっておりますので、未承認国とはなかなかむずかしいのです。しかし、中国などに対しては国交正常化ということを政府自体が国会で前向きに申し上げておるのでございますし、あすというわけにはまいらなくとも、ことしじゅうには国交の正常化ができるかもしれませんし、来年の初めにはできるかもしれぬということであるし、沖繩博覧会は三年後ということでございますので、そういうことも含めていろいろ検討いたしますので御理解のほどをと、こういうことで、ひとつ含みのあるところで御理解のほどをお願いします。
#68
○須藤五郎君 あなたが衆議院(しゅうぎいん)でおっしゃった「積極的な立場で検討してまいりたい」と、こういう発言に対しまして、中国の招請を積極的に考えると言う以上は、台湾は招請すべきでない。今日、中華人民共和国政府は中国を代表する唯一の政府として国際的に正当に認められております。この現実を無視して台湾を招請することは私は、中華人民共和国招請の道を閉ざしてしまって、中国敵視の立場に立つことを意味する。また、もし政府が一方で台湾を、他方で中国を招請するということを考えておるならば、これは二つの中国の立場に立っていることを意味する。政府が、中国は一つであるとの立場に立って中華人民共和国の招請を積極的に考えるのであれば、台湾は招請すべきでない。これは論理の必然であると私は思いますが、そういう点につきましてどういうふうにお考えなのか。中華人民共和国を招き、台湾も同時に招くというのか。そういう二つの立場をとるのか。それとも、中華人民共和国を招請して台湾は招請しないという一つの中国の立場をとるものか、はっきりとひとつ補足していただきたい。
#69
○国務大臣(田中角榮君) その問題は、共産党のようにはっきりと申し上げられないほどめんどらな問題でございます。ですから、まだ三年もあることでございますから、いろいろな国際情勢の推移もございますし、まあそういうことでひとっこれは、いまどっちをやめてどっちをとる、そんなことが答えられるようであれば、これは非常に簡単なわけでございますが、これは特に日本は隣でございますし、隣というよりも沖繩はもっと隣になるわけなんです。だから非常にむずかしい問題もあるようです、政府は。しかし、問題があっても、解決しなければならないときには解決するのでございますから、いま直ちにこれを右か左か返事をなさいと、こう言っても、そんな状態にないということもよくおわかりのはずでございますから、時間もないことでありますので、どうぞお次の質疑に進めていただきたいと思います。
#70
○須藤五郎君 これはほかの人だったら聞かないのですが、次期総理をもって目されているあなたならば、この際、そういうことは明らかにしていかなければだめだと私は思うのですよ。そこで私は重ねて聞いておるのですが、あなた、しかめっつらをしていらっしゃるから、これ以上私は追及はやめますが、しかし、その点はよく腹におさめていっていただきたいと思います。
 まあ、いろいろな問題につきましてほかの人たちがたくさん質問しましたから、私は少し文化的な行事の開催につきまして質問したいと思うのですが、大阪万博のときには世界各国から多くの文化使節がやってきて、音楽やバレーその他多彩な行事が催されました。海洋博につきましても文化的な行事は行なわれるのかどうか。どのような計画があるのか。また、入場税につきましても大阪万国博と同様の措置をとるのかどうかという点を聞いておきたい。
#71
○国務大臣(田中角榮君) 沖繩海洋博覧会におきましても展示、催しもの等は、これは当然行なうということになると思います。特に、沖繩というものは大陸文化との中継地でございますし、また、これは日本本島にも持たないいろんなものを持っておりますし、そういう意味では古代からの民族文化の交流の接点でもある。これは非常にいいものが残っておりますので、そういうものをこの機会に催し、国際的に見てもらう。沖繩というものはいかにかおり高いところであるかというところを見てもらうのが、一つの沖繩海洋博の目的でもありますから、当然そういうことを考えたならば、それをやれば免税措置その他とられることは当然のことであろう。いまの段階では、これはもう沖繩という博覧会に対して、大阪以上にそういうものを考えられるべきものだ、こう考えております。
#72
○須藤五郎君 私も沖繩に二度ほど行きました。やはり生活程度からいいますと、本土とはだいぶ差があるように思うのです。そこで、文化行事をやるという場合には、まあこの間の万国博でも入場税は取りませんでした。税金は免除されておりました。だから今度は、特に沖繩の海洋博におきましても、そういう催しものから入場税を取らないということが私は絶対必要なことだと思っております。取るか取らぬか簡単に答えてください、時間がないから。
#73
○説明員(渡辺喜一君) 万国博につきましては先生御指摘のとおり、特別に立法をいたしまして、中の催しものについては入場税は取らない。これはいろいろ条件がございましたけれども、そういう条件に合致するものについては入場税は取らないという措置を講じたわけでございます。今度の海洋博については、まだどういう催しものがなされるのか、その辺が具体的にはっきりしておりませんので、いまの段階で直ちに入場税を取るとか取らないとか、はっきりしたことをお答えするわけにはまいらないわけでございますが、もちろん、この海洋博の趣旨が国際条約に基づく博覧会ということで、万国博と同じものでございますので、催しもの等の具体化に伴いまして、積極的に考えていきたいと思っております。
#74
○須藤五郎君 じゃ、大阪の万国博と同じように扱っていくというふうに理解していいですね。いいならいいと、はっきり一言でいいですよ。
#75
○説明員(渡辺喜一君) 催しもの等が万国博と同じような性格のものである限りにおきましては、万国博と同様に考えていきたいと思っております。
#76
○須藤五郎君 私は、この海洋博の機会に文化的行事の一つとしまして、沖繩のすぐれた歌や踊りを盛り込んだプログラムを積極的に考えていくべきだと思っているのですね。これは、沖繩の伝統的な歌や踊りを保存発展させるためにも、また沖繩をたずねてくる人々の理解を増し、深めるためにも、私は大きな役立ちをすると思っております。また、文化的な行事を行なういわゆる劇場ですね、ホール、これも小屋がけではなく、粗末なものではなく、りっぱな建物を私は建設する必要があると思います。これは、少したとえ話はおかしなことですが、私は、かつてドイツに参りましたとき、第一次欧州大戦の結果フランス領に編入されておったドルトムントという都市、西のですね、それがヒトラー時代に本土に、ドイツに帰ってきたわけです、人民投票によりまして。そのときヒトラーが、その地方の人たちが祖国に対する忠誠を失っていなかったということをうたって、ドルトムントにりっぱなオペラ劇場を建てたんです。この沖繩とは違いますよ、私は何もそういうことを一緒に考えておるわけじゃないんですが、したがって、今度沖繩が返ってきた場合、長い期間沖繩県民にかけた御苦労に報いるという立場に立ちまして、沖繩の中心都市である那覇市に国費をもって私は、りっぱな劇場を建てるべきだと思うんです。その海洋博の会場の中では不便でございますから、やはり那覇市の中心街にりっぱな劇場を建てて沖繩県民に贈るべきだと、私はそう思っておるんですが、それに対しまして通産大臣どうですか、どういうふうにお考えになりますか。
#77
○国務大臣(田中角榮君) 非常にアイデアとしてはいいアイデアであり、記念事業としてはふさわしいものであると思います。思いますが、いま沖繩海洋博の中でどのようにそれが考えられておるのかは私自身も承知しておりません。とにかく、二十余年間の異民族統治のもとから返ってくるという記念事業としては、その種のものはこれは非常に意義のあることだと思います。どういう計画があるのかさだかにしておりませんので、あればお答えを……。文部省ありますか。
#78
○説明員(高橋恒三君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、沖繩にはすぐれた伝統芸能や、あるいは工芸技術があるわけでございまして、こうしたものを会期中に上演するとか、あるいは展示するという方法は非常に好ましいことと思っております。したがいまして、具体的にどのようにするかということにつきましては、海洋博の主催団体等と協議して前向きに考えてまいりたいと思いますが、いま御指摘のような国立の劇場等につきましては、将来の問題として考えていくべきではなかろうかと思っております。
#79
○須藤五郎君 私は、国立劇場を建てろとまでは言ってないんですよ。国費をもってりっぱなホールをつくって沖繩県民に贈れと、こういうことを私は言っているんです。それが沖繩県の文化的な発展のためにも非常に大きな貢献をするだろうし――あそこにはそういう小屋がないんですよ。私、行ってみると何一つないんですね。音楽会やるにしても、踊りやるにしても、学校の講堂でやっているような状態で十分なことができないんですから、それをやっていただきたい、こういうことです。
 それからついでに、文化庁が来ているから私、文化庁にちょっと一言言っておきたいのですが、この間私は沖繩に参りまして、沖繩の踊りのお師匠のところへ踊りを見せてもらいに行きました。りっぱな踊りなんです。ところが、そこに集まってきている、けいこをする人は三、四十名です。しかもその先生は、昼間は市役所の観光課につとめて、本土から行く人の案内役をしておる。そして給料をもらって、そうしてやっと生活を立てておるというようなことで、どうしてこういうことをしなきゃならぬかと言ったら、沖繩ではなかなか文化が育たないんだということをその先生が嘆いておった。だからこの際、そういう面も文化庁として考えて、沖繩の民俗的な舞踊、音楽、それがりっぱに育っていくように、私は今後そういう立場で育成していっていただきたいということをつけ加えておきますね。
 それから、三百六十万人の人々が予定されておる沖繩海洋博、沖繩の観光事業を発展させるという面で、大きな私は役割りを果たす、またそうなければならぬと思っておりますが、観光と文化財の保護という面ですね、非常にむずかしい問題が起こってくるんです。ややもすると、観光に重点が置かれてしまうと文化財が破壊されていく。これは明日香村のあれを見てもわかるでしょう。どこを見ても、日本ではそういうことが言えますが、そういう点は十分これは気をつけていってもらいたい。沖繩では現在たぶんあの中部、今度博覧会の会場になる周辺だと思いますが、砂利取りのために、県内の土建業者が砂利を取るために、名前は私はここで申しませんが、そういうために海が汚されて、よごされて、あの美しい海が濁ってきている。海が濁ればサンゴ礁は死んでしまうという、こういう結果が起こってきますので、この点も十分注意をしていかなければならないと思うのですが、今度の海洋博覧会を設営するについても、この点十分注意を持っていっていただきたいと思うのですが、どうでしょうか、その点建設に当たる方々は。
#80
○政府委員(本田早苗君) 会場建設につきましては、いま御指摘のような点がございますので、できるだけ現状の地形を生かすようにして、土どめ等によりまして土砂の海への流出を極力防止し、排水も極力留意しながらやるということでやってまいることを考えております。
#81
○須藤五郎君 あと二間だけ質問します。
 これは海洋博の基本計画はいつごろきまるのか。計画発表後、地元沖繩をはじめ国民から新たな提案や意見が出ることが予想されますが、こうした意見が出た場合、これに耳を傾けて計画をさらによくしていく体制はとれておるのかどうか。
 それから入場料の問題になりますが、一体入場料は幾らぐらいにする気持ちがあるのか。まだこれはおそらくきまっていないとお答えになるでしょうから、これに対するお答えは要りませんが、その基本的な体制ですね、それについて。
#82
○政府委員(本田早苗君) 先ほど藤井先生からも御指摘ございましたが、地元でもいろいろ考えて、この点を考慮に入れよという御指摘もあったわけですが、会場計画委員会に地元の委員の方々を入れまして、会場計画が確定する際には地元の意見も入ってきまるというやり方できめてまいりたいと思います。目標としては、大体この八月前後には計画をきめていきたいと思います。
#83
○須藤五郎君 最後に、先ほど民社党の方が、日本の万国博が百五十五億ですかの利益をあげた、ところがそれがすっかり大蔵省に吸い上げられてしまっておると。百五十五億というと、ここからの利子が幾ら生まれてくるかといえば、おそらく私、十億の利子はあがってくると思うのですね。ところが、私、この間万国博のあと地へ行きました。それで日本庭園が非常に評判がいいし、私もあのときに見て、もうそれがどれだけ木が育ってどういうふうになっているかと思って、入ろうと思って行ったのです。ところが、もうずっと行列をしておりましてね、一時間ほど待たぬと入場券が買えないのです。それは一時間待つことはかまいませんよ。しかし、あの日本庭園を見るのに入場料を払わなければ大阪府民にしろ、近効の人、あそこに来る人が日本庭園一つ見ることができないというのは、私はおかしいと思うのですね。百五十五億ももうけて十億の利益を、果実をあげながら、入園料を取らなければならぬというのはあんまり情けない企画だと思うのです。あの大阪の庭園入園料ですね、幾ら取っているのか。百円ぐらいですかね。百円か百五十円か知りませんが、あんなものただにしたらどうだというのが私の意見です。ただにできませんか。ただにしたらどうですか。
#84
○説明員(窪田譲君) 日本庭園の入場料についての御質問でございますが、日本庭園の入場料はおとな五十円、子供三十円でございます。そして、それをただにしたらどうだというお話でございますが、これまで日本庭園の収支というのが四十六年度分、御存じのように記念協会は四十六年九月に発足いたしまして、半年分でございまして、四十六年度収支状況はまだ決算が確定しておりませんのでよくわかりませんけれども、大体の現在の見込みといいますか、見通しで申しますと、入場者数が日本庭園は五十八万人ばかりで、それで五十円、三十円の入園料を取りまして、入園料収入が大体二千五百万円。ところが、それに対する経費、現金収支で見ますと、相当それをオーバーする形になっております。そこで、日本庭園だけを見ましても、相当な赤字という形になっております。そこで、あるいは御質問の趣旨からはずれるかもしれませんが、百五十五億円の資金の運用益が十億出るではないかというお話がございましたけれども、記念基金の果実が、一年分にいたしますと約十億確かに出ます。四十六年度分については、その半分でございますので大体五億と、こうお考えいただいてけっこうだと思います。その五億の大体半分を万博のあと地の公園整備に充てる。したがって、先ほどの日本庭園が赤字というようなものも、その五億の中でまかなっていくという形でございます。さらに、その半分は何に使うかといいますと、先ほども御質問ございました、例の、国際親善あるいは国際交流というような事業を行なうものに対して補助を行なうというような形で処理をしていくということでございます。現在のところ、日本庭園をただにすることはちょっと考えておらないというのが現状でございます。
#85
○須藤五郎君 大蔵省は、一ぺん金を握ると使い道知らないんですよ。ためることだけしか考えておらない。十億の利子が入ってくる。庭園からの入場料というのはわずか二千万円ぐらいのものでしょう。そんなもの、ただにしたって何ら差しつかえないんじゃないですか。何でそんものを取って恥をさらさなきゃならぬのかということですよ。ああいうものは国立の公園として、入場はただで国民の前に開放すべきものですよ。それでこそ私は、万国博の値打ちが出てくると思うんですよ。あんまりけちくさいじゃないですか。そんなら、百五十億もうけた金を全部もとへ戻しなさいよ、大蔵省が握ってないで。そしたらちゃんとただでできますよ。何でそればかりのけちくさいことをして恥さらしをしなきゃならぬか。大阪の府民はみんな、こんなものに金をどうして払わなきゃならぬか、おれたちは万国博でたいへん迷惑をしている、物価も上がって、混雑をして、えらい迷惑をしている、今度はそこで、公園一つ見に行こうとすると、入場料を取られる、何とばかげたことだと、そう府民は言ってますよ。そんな恥をかかないで、万国博ありがとうございましたと、日本庭園は皆さんどうぞ自由に御覧ください、御利用くださいと、こういうふうに出たらどうなんですか。大臣、どうですか、それは。今後の沖繩の海洋博でも同じことが起こってきやしないかと思うから、私はこれを言っておるんですよ。沖繩海洋博つくって、あと地の利用をどういうふうにしていくか、建物をどういうふうに利用するか。そのとき、沖繩県民から入場料を取って、いろいろそれをまかなっていくというようなことじゃなしに、もっとりっぱな態度で私はあと地利用をしていっていただきたい、こういうことです。
#86
○国務大臣(田中角榮君) あの大阪の万博のあと地の利用ということは、明確に早くきまるべきであります。きまらない過程において有料であるということは――まあ感じの上ではわかりますよ、みみっちいことを言うなと、感じの上ではわかりますが、しかし、有料制度というものを定着させるということも新しい近代的な一つの社会的なものであります。しかし、長く続いていますとね、これは百五十億は宙ぶらりんになっておって、何するんだということになりますから、これはやっぱり早く、大阪万博というような歴史的なものを、その百五十億に近いものをどう使うのか、ほんとうに国際大学をつくるのか、あすこをもっと大きな自然公園にするのか、そういうことは一日も早くきめらるべきです。きめられることが大阪万博を意義あらしめることである。私はそれがよくわかります。ただ、それがきまるまでの間全部無料にしておくということでなければならぬということではないと思うんです。それは早くきめる、その間は荒らさないということ。あなたの気持ちわかりますよ、日本人ですから。わかるけれども、ただわかるだけでは困るんです。ですから、きまるまでの間にそういう過程にはあるのだと。あなたの発言がありましたから、大蔵省もまた何かうまく考えると思います。私もやっぱりこういうものは、長く何とはなしにそれでもって利息をかせいでいるというようなことになると、いろいろな批判が生まれるし、これは大阪万博という歴史的な大事業の有終の美をなさしめるものではない、こう思いますから、これは一つの関係閣僚でありますから、通産大臣十分の責任ありますので、また大蔵省とも相談をいたします。
#87
○委員長(大森久司君) 他に御発言がなければ、質疑は終結したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#88
○委員長(大森久司君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、討論はないものと認め、これより直ちに採決に入ります。
 沖繩国際海洋博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#89
○委員長(大森久司君) 全員一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#90
○委員長(大森久司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 これにて午後二時まで休憩いたします。
   午後零時二十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時三十七分開会
#91
○委員長(大森久司君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 石油開発公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本法案についての趣旨説明はすでに聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#92
○大矢正君 きょうは質問に入りますにつきまして、まず第一に、政府に今後のエネルギー全体の需要見通しとそれに対する供給の体制についてお尋ねをいたしたいと思いますが、まず第一に、この三月で終わりました昭和四十六年度の供給実績をお答えいただきたいと思います。これは多分に資料的な質問でありますが、油、石炭、ガス、電力発電、水力発電、そのほかはその他という形でけっこうでございますが、以上のような分類に従って需要の実績がどうなっておるか。それから、昭和五十年ごろには大体いま私が申し上げましたような分類に従ってどの程度の需要予測を算定されておられるか。ついででありますからさらに付加をいたしますと、いま私が分類をいたしましたおおむね五つ、その他を含めまして六つに分類をした際に、その一次エネルギーの中における各分野の供給構成の割合は、たとえば比率はどういう形に四十六年度はなっており、想定される五十年度の需要に対してはどういう数字になってあらわれるか、お答えをいただきたいと思います。
#93
○政府委員(莊清君) 昭和四十六年度でございますが、国内の燃料油の消費は一億九千七百万キロリットル、約二億キロリットルでございます。総エネルギーに対して約六八%程度の比重になっておると考えております。石炭につきましては、国内の石炭生産が約三千二百万トン、別に五千万トン弱の海外原料炭の輸入がございます。国内生産の石炭の一次エネルギー供給に占めます比率は約八%程度にあたるわけでございます。それから原子力の関係は、私いま手元にちょっと資料を欠いておりまするが、原子力の関係は現在のところはまだ非常に少のうございまして、百万キロワット未満だと考えております。一次エネルギー全体に対しますウエートは、これはまだ単位にあがってこない程度の数字でございます。昭和五十年におきましての数字でございまするが、石油の全体の消費が約三億キロリットル強と見通しをいたしております。石炭につきましては、石炭鉱業審議会の場でいろいろ検討がなされておるわけでございますが、先生御案内のとおり、最低二千万トンというものを国内の生産で確保するという政策がいま検討されておるわけでございます。その時点におきまする海外原料炭の輸入は、現在鉄鋼の生産見通し等が、確としたものが実はございませんが、当然五千万トンはこえる、五千万トンの大台に当然乗るというふうに考えております。あと原子力の関係につきましては、後ほど数字をまとめまして、全体の絶対量及び構成比について資料で御提出をいたしたいと考えます。
#94
○大矢正君 昭和五十年ごろを想定いたしますと、油の需要は約三億キロリッター、これはあなたがいまお答えになった四十六年度の一億九千七百万キロリッターの油、すなわち構成の比率といたしましては、約六〇%というもののウエートがむしろ高くなっていく、こういう解釈をとって差しつかえないかどうか。私も、たとえばわが国の経済成長率が何%の場合に、エネルギーの消費率を何%に見込むとどのくらいというような、ある程度の想定される資料等については、あるいはエネルギー調査会の考え方等については、自分でも読んでおりますので、おおむね昭和五十年度、あるいはそれからさらに十年後の昭和六十年度ごろになりますると、一次エネルギー全体の中に占める油の割合は、おおむね七五%前後というような説も今日あるわけでございますが、基本としては油のウエートは、全体として高まりつつこそあれ、下がることは供給構成の中ではない、こういうふうに判断をいたしておりますが、そのとおりでけっこうかどうか。
#95
○政府委員(莊清君) 油のウエートが高まることはあっても下がることはないのではないかという御指摘は、私も大局的にまさにそのとおりであると思います。ただ、いまお話がございましたような昭和六十年度、非常に先のことでございますが、かつて総合エネルギー調査会において検討いたしました場合には、六十年には原子力発電というものが相当、一割近いウエートを持たせたいということを、政策姿勢としての前提といたしまして、その場合には七〇%を若干切るような石油のウェートというものを、一つの形として想定しておったということは別にございます。これは趨勢と申しまするよりも、原子力発電をせめてそのあたりまで持っていく必要があるという政策的な姿勢におきまして、それに基づいての見通しというふうに御理解いただきたいと存じます。
#96
○大矢正君 私もさまざま資料等を研究いたしましてみまするに、昭和六十年ころの一次エネルギーの需要総量というものを推計いたしますると、いろいろの説がありますが、ある程度高度経済成長がまあ安定成長と申しますか最低六%、最高九%のような程度で発展をしていった場合におけるエネルギーの消費増加等を判断いたしまする際に、おおむね六十年のエネルギー消費量は、石油換算約七億七千万キロリッターというような数字が出ておりますが、しかし、一説によりますると、この程度ではとうていおさまらないし、これからの日本の産業発展、あるいは技術水準の変化等も勘案いたしますると、そう予測を簡単にできる数字ではありませんが、場合によっては十億キロリッターをこえるということも、六十年代を越えまする際には考えられるのではないかというような説もありますが、ともあれ、七億キロリッターから八億キロリッターくらいの一次エネルギーを消費するという際にあたりましては、六十年において原子力発電の設備の規模はおおむね六千万キロワットアワーというような非常に膨大な原子力発電を前提として成り立っておるわけですが、しかし、最近の原子力発電における安全性の疑問、あるいはまた立地問題等々考えてみますと、昭和六十年度にはたして言われるような六千万キロワットアワーの原子力発電が可能であるかどうかというと、大いに疑問のありますところでありますけれども、もしこれがこのとおりいかないということになりますれば、その分は当然のことながら油を中心とした他のエネルギーで代替をしなければならぬ、こういうことになると思いまするから、私自身は、いまあなたのおっしゃったように六十年代になりますれば、七〇%ないしは七〇%を割る程度で油はおさまるのではないかというような話、必ずしも妥当であるとは今日の段階では言えないのではないか、こう思うわけであります。これは将来の話でありますから、議論の対象にしようとは思っておりませんが、問題は、このように石油換算にして七億キロリッターからの六十年度においては消費が見込まれる。このうちの七〇%程度を占めるといわれる油の安定的な供給ということは、わが国の経済発展にとって重大な問題になるわけであります。
 そこで私はお尋ねをいたしますが、政府には一体、この石油政策というものが今日あるのかどうか。たとえば、海外あるいは大陸だな開発についてはこういうことをしよう、また精製部門等につきましては具体的にこのような方法でとかというようにして、個々に対する対策はなるほど見受けられますが、上流部門、下流部門含めての一貫した政府自身の確たる見通しの上に立った一つの石油政策というもの、たとえば石炭なんかにありますれば、石炭政策というものは今日くずれつつはありますが、一応のものは整っておるわけでありますが、私は、どうもいままでこの委員会におきましてもそうでありまするし、また通産省が発行されるそれぞれの資料等を見ましても、一貫したそういう石油政策に関するものが見当たらない、こう思うのでありますが、それは私の判断の誤りかどうか。もし通産省に政府としての上流部門、下流部門含めた一貫した石油政策というものがあるとするならば、この際それを明示してもらいたい、こう思うわけであります。
#97
○政府委員(莊清君) 通産省では、従来から石油問題につきましては主として国内におきます精製とそれの国内における供給、精製と販売という面・におきまして、わが国の石油製品の供給の低廉かつ安定を期するという基本的な政策目標から、申し上げました石油の精製と国内における販売という、いわゆるお話ございました下流部門しか実は国内にわが国としてないものでございますから、この下流部門に対しまして一つのはっきりした政策を掲げて遂行いたしてきております。これは、石油業法の運用という形及び外資法の運用という形でございまするが、戦後一〇〇%外資系に押えられておったそういう下流部門というものを、その後成長の著しかった国内の石油消費の伸びの中で、申し上げました二つの法律の運用を通じまして、いわゆる民族資本における下流部門を五〇%まで持っていきたいということを目標に長年やってまいりまして、現在のところようやくその水準にほぼ達したということが言えるかと思います。その後OPECの問題等もございまして、特に今後におきまする膨大な石油消費の伸びを考えます際、わが国として下流部門に片寄った産業構造及び政策というものは重大な反省期を迎えたわけでございます。
 そこで、わが国としても海外に対しまして、いわゆる自主開発ということを大きな政策目標に掲げまして、石油公団等は四十二年にすでに発足しておるわけでございまするが、まだほとんど見るべき成果があがっておらないという現状でもございますので、今後における一つの大きな課題といたしまして、石油の上流部門にわが国としても積極的に参画をして、いわゆる自主開発というところに向かって努力をするということが新しい政策課題になってきたわけでございます。今回御提案申し上げておりまする石油公団法の改正もその趣旨によっておるものでございます。
 以上申し上げました二つが大まかに申し上げまして、政府としてとってきておる政策の二本の柱でございます。
#98
○大矢正君 私がお尋ねしていることとちょっと答弁が違うわけですが、私がお尋ねをいたしておりますことは具体的に申し上げると、いまの政府の石油政策というものは、まあ、あると言えば確かにあるかもしれませんが、それはいまはしなくても、あなたがおっしゃっておったように、石油業法を中心として企業、それからその設備に対しての許認可制、これを柱にして、それに必要に応じてつけ足していっているというのが今日の石油政策だし、いい悪いは別にしても、はっきり申し上げて石油政策というものはそれしかない。あとは行政指導でサービスステーションを過当競争におちいらせないための押えをやっておると申しましょうか。しかし、漸次この産油部門に対しても手を伸ばしていかなければいかぬというような発想のもとにいま私が申し上げました、まあ業法とは直接関係ありませんが、その柱の業法をさらに拡大をしていくというようなことになってまいりましたから、したがって、逆にいうとアップストリーム、すなわち上流部門から石油政策を考える場合に、むしろ逆に石油業法というものが今日支障を来たすような事態になっていはしないだろうかという感じがするわけです。具体的にはあとから指摘いたしたいと思いますが、ともあれ、政府自身の中に上流下流を含めた一貫した思想のもとにおける政策的なものが展開されないところに、たとえば、海外において精製しようとする場合の、あるいは民族系の資本で海外において原油を生産しても、それを国内に持ってきて精製、販売する場合において、石油業法がじゃまになるというようなことで一貫性を欠くきらいが残念ながら今日の石油政策の中に見られるのではないかと、私はそう感ずるのでありますが、こまかいことは後々指摘しますが、そういう基本的な、言うなれば石油政策というものを通産省として立てる気があるかどうか。石油業法を中心として、それに必要に応じてつけ足していくというようないまのやり方でなしに、抜本的にやはり石油業法というようなものからはみ出して、日本全体のエネルギーの供給、その中における油の供給体制はどうあるべきか。もちろんこれは原油の生産から販売に至るまでの一貫したものを必要としているのではないかと思いまするが、どのようにお考えか、お答えをいただきたい。
#99
○政府委員(莊清君) 従来の下流部門を主として対象とした政策を、上流部門にもわが国として積極的に進出すべきであるという、基本的な政策の変更が行なわれつつあるということを申し上げたわけでございますが、先生御指摘のように、大きな問題が実は今後に残っておることは事実でございます。通産省では昨年の秋以来、総合エネルギー調査会の中の石油部会でこの問題を取り上げまして、たまたまお話が出たのでございまするが、新しい進路でのいわゆる石油の自主開発に乗り出した場合における原油の取得と、それに国内の石油業法との運用の関係をどうするか、あるいは国内の立地が限界にきて、むしろ製油所を海外にこれから共同事業等の形に持っていくという場合に、いわゆる国内の供給の安定、あるいは自主性のあり方をどう確保するか、それに基いて石油業法のあり方はいかにあるべきかというようないろいろな新しい問題が、開発に乗り出していくということを契機に出てまいったわけでございます。これは、わが国自体の状況の変化もございますが、OPECの諸国等からの要請もございました。その結果いろいろな問題が新しく予想されるに至りましたので、そのエネルギー調査会の石油部会の場で御審議をいただいております。とりあえず、昨年の暮れに中間答申の形でいただきましたのは、主として自主開発及び原油の備蓄問題、この二点につきましての当面の中間答申をちょうだいいたしたのでありますが、残っておる問題のほうが、と申しますと語弊がございまするが、残っておる問題がはなはだ大きいわけでございまして、この問題について引き続き慎重な御検討をわずらわしておる最中でございます。通産省といたしましてはなるべく早い時期に、できればことしの夏か秋までにはこういった問題についての一応の考え方というものを取りまとめるということを目標に、御審議をいただいておるわけでございます。
#100
○大矢正君 これは、あなたのところの事務局がお書きになった本の中に、「石油産業の現状と問題点」というのがあります。これを私は読ましていただいたのでありますが、政府が石油政策をつくる場合における目的と申しますか、基本的なねらいというものには二つある、一つは安い油をしかも安定的に供給をする、そういう目標に向かっておるのである、こう書かれておる。それは私も間違いのないことだと思うのであります。そこでただ問題は、第一点の安い油をという問題に一つ問題があることと、今後安定した供給を得られるかどうかということにもまた問題がある。第一の安い油をわが国に運んでくる、ないしは供給をするということについて、そういう今日の国際情勢の中で確信が持てるのかどうか。たとえば、私も読ましていただいた日本エネルギー経済研究所――あなたのほうと非常に密接な関係のあるこのほうの本の中でも向坂さんが言っておられるのは、もう石油を安く手に入れようという考え方、発想というものは今日では成り立たないのではないかということは、この中に断定的におっしゃっておられないが、書いてある。やはり今日の段階では、値段の問題よりもむしろ安定供給にウエートを置いたほうが正しいのではないかということを言われておるわけですが、私は、二十七日の日に参考人として向坂さんがお見えになりますから、おそらくそのときにでもお尋ねするつもりでおりますが、政府としては、気持ちとしてはわからぬわけじゃない。安い油を手に入れるということでありますし、供給するということでありますから、そのこと自身は何も問題はないんですが、現実にそういうことがこれからのたとえば石油情勢を判断する際に考えられるかどうか。最近のOPECのメージャーズに対する攻勢、それからまたメージャーズ以外の国際石油会社との連合によるいろいろな石油政策等を考えてみまするに、七五年の十二月三十一日までには、私の調べに間違いがなければ逐次値段を上げていくという、かつてのテヘラン協定においてもきまっておるわけでもありまするし、公示価格と実勢価格というものは多少差があることは私も認めますが、しかし、全体として過去におけるような価格が下がっていくだろうなんてことは想定できないし、しかも、最高にうまくいっても現状維持、現状維持も今日の情勢ではおそらく困難だと私自身は判断せざるを得ないのでありますが、そうすると、政府の考えまする安い油をということはどういう形でこれを達成されようとするのか。もし具体的な方法があったらお答えをいただきたい。
#101
○政府委員(林田悠紀夫君) 仰せのように、安い油を安定的に供給するということが非常にむずかしい事態にあると、私もそう考えておるわけでございます。なぜそうかと申しますると、やはりいまの御質問中にもあったわけでありまするが、油の需要は非常に多くなってきておる。しかも、なおこれがだんだん多くなる。また最近におきましては、世界の三割の消費をしておりまするアメリカ合衆国におきましては、油の資源が底をつきかけたというような状況にもございます。そうしますると既存の油の資源といたしましては、やはり中近東とか、あるいはインドネシア、あるいは共産圏というようなものにたよらざるを得ない。しかも、そういうOPECの諸国におきましてはきわめて民族意識が強固になってまいっておりまして、毎年のように値上げ攻勢が行なわれておるというような状況でございます。そういうことから、日本近海におきましてもし大きな資源が発見されるというようなことがありましたならば、それは日本自身が安く、自主的に得られるということがございましょうけれども、なかなかいまの状況からいきましたならば安く得られるということが困難であります。それで私たちといたしましては、しかし、そういうことで手をこまねいておるというんではなくて、何とかしてこの世界のあらゆる資源に向かいまして自主的な開発、自主的な参加を日本自身がやってまいりまして、そうして安くということはできなくても、少なくもできるだけ安く手に入れ、しかも、安定的に手に入れていくということを努力しなければいけない、これが今回の公団法の改正の趣旨でもございまして、そういうことを熱烈に希望いたしまして努力を重ねておる、こういうような状況でございます。
#102
○大矢正君 このわが国の近海に、たとえば、大陸だな開発の過程で大量に油を開発することが可能であるというような判断は、今日までの探鉱その他の判断からいたしまして私は、なかなか想像のできないことである。もちろん、たとえわずかであっても国産原油として消費されることはけっこうなことではあるが、わが国の油を輸入するにあたってのメージャーズとの価格の交渉等において力を発揮するところの国産資源と申しますか、国産の原油確保、もうとてもじゃないがいまの段階では考えられない。またOPEC諸国は先ほども申し上げましたように、かなり強い姿勢で今後もやはり何らかの形で油の価格の引き上げと申しますか、価格の引き上げというよりも、メージャーズを中心とした国際石油会社からの取り分をふやすためにがんばるのではないか、私はこう思いまするし、一方、また最近は、私の記憶に間違いがなければ、OPEC諸国は従来のような利権協定というものはもう結ばない。合弁事業かもしくは開発請負契約である。それ以外のものは認めないというような強い態度で、みずからの手で油部門に進出するというような態度を一貫して貫いておる。こういうようなことから見ましても、なかなか私は政府が言っているような安い油を、しかも、安定的に供給するというような体制というものは、そう簡単にでき上がるものではないという実は不安を抱いているのでありますが、いかがでしょうか。政府としては、私が申し上げるようなこと以外に、いやそうではない、やはり今後は油はまだ下がるかどうかは別にして、せめて上げないような状態くらいはでき得る政策なり対策というものがあるのだというようにお考えになっておられるならば、その具体的な裏打ちをこの際示してもらいたいものだと、こう思うわけです。
#103
○政府委員(莊清君) OPECの攻勢はなかなか激しい、それからメージャーの力というものもこれまた強力であるというふうな状況のもとでございまするから、単純な輸入の形だけに依存しておっては、それは世界で一番高い条件のもとに形成された価格での輸入ということが日本としては漸次避け得なくなるであろうということは、これは御指摘のとおりだと思います。ただ、やはりいま政務次官からお答えいたしましたように、世界全体の石油資源というものは無限ではございませんで、たとえば、一九七〇年代の十年間で、過去人類が石油を使い始めてから百年余りになっておるようでございますが、その間に使った総量にひとしい量を今後の十年間で使うだろう。つまり三百五十億トンくらいを一度に使うであろう。これは六〇年代の消費量の倍である。片一方、資源のほうは、現在確認埋蔵量として人類が手に入れておるというものは相当量あるわけでございまするけれども、これはよほどの努力をいたしまして、今後十年間に新しい資源の発見量をよほどふやしませんと、生産とそれから資源との関係、このバランスというものが急速にくずれてくるということがまずいわれておるわけでございます。現在では大体三十数年分の消費に耐える量があるというふうに見られておるようでありまするが、もしも今後十年間における新規の発見量が過去十年間の発見量程度であるならば、十年後にはそれは二十年ぐらいの資産に減ってしまうというふうなことがいまや常識になりつつあるといわれております。したがいまして、やはりわが国としてこの安定と低廉という問題を考えます場合に、極力安くということばもいま先生からあったわけでございまするが、やはりその安定と低廉というものは、これは別々にあるわけではございませんで、まず安定あっての低廉、そのもとでのできるだけ安くと、こういうふうに考えざるを得ませんので、まず世界全体の石油の資源量をふやすということに向かって、わが国はこれだけの経済力もございますし、大きな消費国でございますから、積極的に立ち向かっていく。ドルを積んでおって、それで輸入すれば大体間に合うであろうというふうな消極的な方針を変えまして、積極的に参画をしていく、開発に向かって努力をするということが、みずからやはり安定にもつながるし、したがってまた低廉と、その条件のもとでの極力低廉ということにも近づくまずきわめてオーソドックスな方法だろうと思います。すべての政策というのは、それを基本に展開していくということが大切だろうと思います。もちろん開発のやり方でも、これは相手方もあることでございますから、いろんな相手と組むという形も必要でございましょうし、地域的な分散をはかるということも当然必要でございましょう。しかし、やはり基本の考え方としては、世界全体の石油の供給源をふやすことによって積極的に努力をするということが一番基本であろうと思います。石油開発公団の任務とするところもまさにそこにあるわけでありまして、石油公団がみずからどこまでやるかと、これがどういうやり方をすれば一番その道に沿うかという戦術的な議論はいろいろこれからも、まだわれわれとして不備だと思っておりますし、検討を重ねて前向きにやらなければならぬと思います、戦術のほうは。しかし、戦略のほうはわが国としては申し上げたような路線を、やはり国民の理解と御協力を得てしっかりやっていく、これに尽きるであろうと思います。戦術についてはいろいろきめこまかく今後検討すべきことが多いということを私どもも率直に認めております。
#104
○大矢正君 私は、最近の海外における油田開発に関してのそれぞれの国とわが国の関係石油会社との間の契約の内容、あるいは協定の内容等について若干の勉強をさしてもらっておりますが、この内容を見まするに、過去においてメージャーズがしてきたような利権協定と比較をする場合に、わが国のほうとしてはかなり負担の多い、リスクの多い協定内容になりつつありますね。これは世界の流れるところで、南北問題その他もからみ、いたし方のない情勢であることは私も認めるところであります。ただ問題は、そういうことを考えまする際に、わが国が少々の海外における原油開発を進めてみたからといって、それがメージャースの原油の販売価格を引き下げるような力になったり、あるいはバーゲニングパワーになるという考え方は残念ながら持ち得ないのではないか。なるほど会社は二十数社も海外に出ていって、それぞれ探鉱あるいは現に営業に入っているところもありますが、しかしながら、それ全体がかりに当たるわけでもないし、よしんば当たったとしても、世界における原油供給のメージャーズのあまりにも強大な力を考える際に、私は必ずしもそれが低廉な価格でということにはつながっていかぬように考える。したがって、まああなたがおっしゃるように、やはり価格の問題は安いにこしたことはないが、とにかく安定供給にこれからの石油対策は最大の力点を置くという以外にないんじゃないかというように私自身感ずるわけでありますが、政務次官、いかがでしよう。
#105
○政府委員(林田悠紀夫君) おっしゃるとおりだと思います。中近東なんかのOPECの諸国と話し合ってみましても、単にOPECが参加するというばかりでなくて、たとえば日本が参加する場合に、もっと大いに経済協力をやってもらいたい、たとえば、日本から研究所をつくってもらいたいとか、あるいは病院をつくってもらいたいとか、いろいろそういう石油以外の問題が出てまいります。そういうことから考えましても、やはりそれに応じなければ参加できないという現状でございまして、もういまより安く石油が手に入るということは考えられない。むしろどうしても高くつく。しかしながら、エネルギーの現状からいきまして、安定的な供給をはかるためにはどうしてもそこに参加して行かなければいけない、こういう状況であろうと、かように考えます。しかし、まあそれでいいというわけではなくて、エネルギー全体の問題としてやはり石油以外の資源をも相当考えていかなければいかぬのじゃないかと、たとえばウランなんかがそういうことになってくるわけですが、こういうほかの資源につきましても、これから大いに積極的に努力していくということが必要じゃないか、かように考えるわけでございます。
#106
○大矢正君 局長、海外でみずから原油の開発に乗り出すといういまの御方針のもとにそれぞれの地域で開発を進めておりますが、一つもうここで具体的にお尋ねをしたいことは、アラビア石油がたしかこの四十七年度で年間ほぼ二千万キロリッターぐらいわが国に原油を持ち込んでおりますが、これの精製会社に対する調整割り当てですか、これはおおむね申し合わせの期限が切れる。したがって、四十八年度以降はあらためてアラビア石油の油自身をどうこれを国内として処理するかということを考えなければならぬという課題が一つあると私は思っております。とりあえずこの問題はどう処理をされますか。
#107
○政府委員(莊清君) 石油審議会で、一昨年ごろだったかと思いまするが、お話しのように、アラビア石油についての従来やっておりましたプロラタ方式といっておりまするが、そういう一種の割り当て引き取りというふうなことを、公式にやるのは昭和四十七年で一応打ち切ろうではないかという御意見があったやに承知いたしております。ただ、この問題についての私の率直な考えでございまするけれども、アラビア石油が出たころには非常な、これは国産原油第一号で、しかも、非常な安いコストで大成功をしたということで、世の中の注目を浴びたわけでございまするけれども、残念ながら後に公害問題、特に亜硫酸ガス問題から硫黄分が多いということで、貴重なものではあるけれども、日本の現状ではなかなかその処理をするのが苦労であると、こういうところから問題が出たように私は判断しております。そこで、いずれの国におきましても、特にヨーロッパのフランスでもドイツでもそうでございますけれども、自国の資本で苦労して開発した油というものは、これは非常に大切にしておるわけでもございます。全く経済性のないようなものでは、これは今後は探鉱で井戸が成功しても、開発に進むかどうかという段階におきまして、よほどその先を見まして判断をするということが必要でございますが、現に相当量のものが安定的に出ているという状況でございますから、やはり国としての基本姿勢というのは、これだけの資源はやっぱり活用するということを基本に考えるべきだろうと思います。そのための努力として、やはり脱硫関係の技術の開発、あるいはそれの普及ということが、いろいろ従来から努力はされて徐々に成果はあがっておりまするが、まだわが国全体としては非常におくれておるという状況にあります。これは、わが国のアラビア石油に限らず、新たに石油開発全般に関する非常に大きな問題を先生御指摘になったのじゃないかと思って実はお答えしておるのでございますが、低硫黄の原油というものはそうあちこちにあるものではない。もちろん低硫黄原油の開発を重点にいま石油公団でも進めてはおりまするけれども、やはり硫黄分が一%をこえるような井戸であるとかというふうな場合にどうするかという、今後もあり得る問題でございます。国の基本政策としては、やっぱり技術でこれを解決するといいますか、あるいは脱硫技術を早急に開発して、それによってわが国が喜んで持ち込み得る原油の範囲を極力拡大するとか、低硫黄だけにこだわることなく、中硫黄のものでも日本は処理できるのだというふうなところに向かってあらゆる努力をする。これは企業にもうんとやってもらうし、やらせもするということを基本にやはり置去ませんと、これは一%以下の硫黄分のものにだけかかわっておったのでは、なかなかその開発ということも本格的には進まない。したがって、価格面でこれはやはり低硫黄だけよりも中硫黄のものもこなせるというふうなところに向かうのが安定供給に通ずる基本的な道だろうと思います。これを政府としては考えなくちゃならないと思います。
 ただ、当面の問題として、アラビア石油のような場合には、これは硫黄分も二%をはるかにこえておるということで、とりわけその扱いのむずかしい原油でございますけれども、国全体の消費の伸びというものがあるわけでございますから、その中でやはり全然これを処理する余地がないかという点については、従来の実績にもかんがみまして、もう少しゆとりのある考え方がとり得るであろう。と申しますのは、全体の消費が伸びていくわけでございます。その中で二千万キロリットル程度のもののウエートというものは年々下がっていくわけでございまするから、その中で全量とは申しませんけれども、相当部分というものはこれを吸収し得るのではないか、また、吸収するようなことを中心に考えるべきであろう。ただし、取引条件その他についても、これは長年のことでございまするから、いろいろ業界内部で検討されてしかるべき事項もあるかもしれませんけれども、こういう問題についてもせいぜい検討も行ないつつ、アラビア石油の石油を四十八年以降極力国内で活用するということはやはり考えたいと思います。従来のような、通産省が非常にシビアな形で一種の強制割り当てに近いようなやり方、これを踏襲するかどうかは別にいたしまして、何らかの方法でこれがやはり活用されるということを基本に私は考えていくべきだと思って、内部で検討しておるところでございます。
#108
○大矢正君 あなたの発言としては、脱硫技術の進歩等によって、アラビア石油のハイサルファはローサルファに切りかえることにより原油の引き取りその他可能性が生まれてくるというようなお話ですが、いまの技術をもってしては、私の記憶に間違いなければ、キロリットル当たり千五百円から千七百円くらいの脱硫に関する費用がかかると思いますが、それだけの負担の多い二%から二・五%あるいは二・八%というようなハイサルファを簡単にわが国の精製会社がこれを受け入れるかどうかということになりますとね、どうもそう簡単なものではない。供給体制が整わなければ、これはハイサルファでもあるいは脱硫の原価が高くなって、油全体の原価も高くなるような結果になってもやむを得ないということになりますが、現在のところは、量的にはそう不安がないという態勢にあるといたしますれば、私は、それは確かに二億キロリッターの中の二千万キロリットルですから、ちょうど一割といいますかね、今日の時点では。それくらいの油が消化できないは、ずはないとおっしゃられるが、なかなかそう簡単なものでは私はないんじゃないかと。最近新聞等の報ずるところによると、やむを得ずアラビア石油はみずからの精製会社を国内につくるが、しかし、これには設備の割り当てという石油業法が厳然と控えておるから、これはなかなが問題がある、あとは、元売りあるいは販売等の面では、民族資本と呼ばれる共石を利用して販売を進めるという、いろいろなことが新聞等で報じられておりますが、具体的にそういうふうになっていくのかどうかですね。で、石油業法というものがあるがゆえに、これはある面では過当競争を防いでいるというか、設備の過剰を押えているということはなるほどありますが、しかし、一方においては、いま私が申し上げたように、せっかくわが国が海外へ出ていって開発した原油を国内へ持ち帰ることができない、こういうような苦しみというものは、いままでは強制的な割り当てをやっておりますから、しぶしぶながらもこれはわが国の精製会社が引き取るということで済みましたが、四十八年以降は結局はその保証がないわけだから、何らかの措置を講じなければ、これは原油をただ放置するということになってしまうわけでありまして、せっかくのわが国の力による原油の開発ということが、何の意味も効果もなさなくなるということになるわけであります。将来の展望を踏まえて、いまのアラビア石油だけに限らず、今後、かりに開発が可能な企業なり地域なりが出てまいりました際に、そういうものも含めてどうされるおつもりか。で、石油業法というものがあるがゆえに、むしろじゃまになるということも想定される今日でありますから、私は先ほど申し上げたように、抜本的に、石油政策を一貫した形で立て直す、つくり直す、法律が必要であれば、その法律ももとよりやり直しするというような考え方まで持っておられるのかどうか、お答えをいただきたいと思うわけです。
#109
○政府委員(莊清君) わが国の輸入しております原油は、量的にも年々ふえておりまするが、その全体の平均の硫黄分は何%かという点をちょっと申し述べたいと思いますが、五年前の昭和四十二年では、たしか二%程度でございます。それが量がふえましたが、四十六年では大体一・五%ぐらいの総平均まで下がってきております。これは高硫黄の原油の輸入がほぼ横ばい、量的に横ばいであって、あとの低硫黄の原油、一%以下の硫黄分のものが努力によって次第にふえてきているということ。主として一%から二%の硫黄分の中硫黄原油というものの量的な伸びが大きかったというふうな結果、こういうふうに量はふえたが、硫黄分は若干下げたという成果が出ておるんだろうと思います。
 で、アラビア石油の問題でございまするが、先ほども申し上げましたが、やはり全体の伸びの中で問題になるのは、その中の硫黄分が全体としてどれだけかというふうに、国全体としては考えられまするので、やはり脱硫についても、いろんな段階なり方法があるようでございまするから、全般にわたって従来、必ずしも努力が万全でなかったものを、この際、大気汚染防止という観点からもこれをうんと進める、石油政策の見地からも、これが安定供給につながる一つの道であるということを申し上げたつもりでございまするが、やはり、単なる環境問題だけではなくて、エネルギー政策という見地からも脱硫は非常に大切な政策目標でございまして、アラビア石油の問題というものも、前向きに考えることが私は正しいというふうに、個人的にも確信しておるわけでございます。
 ただ、先ほどもちょっと触れたつもりでございまするが、今後における石油の開発の場合、現在でも石油公団がたくさんの。プロジェクトに対して助成をいたしておりまするが、石油は出てみなければ硫黄分が何%ということは、ほんとうはわからぬわけでございまするが、その近所のあらゆるデータ等から判断いたしまして、まず、これなら硫黄分が非常に低かろうというふうに客観的に判断されるものを対象に取り上げております。完全に重点をそちらのほうに指向してやっておるということでございます。今後におきまして、ただ、実際探鉱をやってみて原油の層に当たった、しかし、不幸にして硫黄分がきわめて高いという場合に、それ以降の開発投資に踏み切るかどうかという問題につきましては、これは民間でも当然慎重に検討すると思いますが、石油公団も含めた政府としても、この問題についてはその段階で場合によってはやめるか、さらに進むか、井戸のまま置いておいても将来また使えるわけでございますから、そういう幅広い判断をして、やはり極力良質かつ低廉な原油の開発ということを中心に行なうべきであるというふうに同時に考えております。ただ、すでに相当な投資をして二千万キロリットルという貴重な量が出ておるわけでございまするから、これの活用についてはまた別途の判断、政策というものがあってしかるべきだろうというふうに私は考えているわけでございます。この問題を解決するために、現在では、お話ございましたが、石油業法の運用といたしまして、これは通産省令がございまして、各製油所は業法上の義務といたしましてどれだけの石油製品を向こう一年間で供給をするか、そのためにどういうソースの原油を持ってきて使うかということを通産省に届け出る義務を課しておりまして、それによりまして行政指導の形で、アラビア石油の問題も、いわゆるプロラタ方式という行政指導による引き取り保証制度を活用しておるわけでございますが、この点について石油業法に何らかの改正を加えるかどうか、現在のところ特に結論は得ておりません。いずれにいたしましても、やはり石油業法の問題は徐々に国内での立地の問題に限界が当然あり得るということ、それから、石油の開発事業に日本が出ていけば、その油が出てきたときには、少なくともOPECとのジョイントベンチャーでの形での現地精製ということが強く要請されてくる。イラン石油の開発のときには契約上の一種の条件になっておるわけでございますが、わが国の側の事情、それからOPEC側の要請というふうなところから、従来の国内でのいわゆる消費地精製一本やりというものは徐々に修正されざるを得ない状況がございます。その場合において、なおかつ国内でのいわゆる民族系と外資系との販売のマーケットに占めるウエートというものをいかにして望ましい形に維持するか、これが今後における、いわゆるダウンストリームにおける石油政策の非常に重要な課題になろうと思います。いまの石油業法が直ちにこういう役に立つかと申しますと、先生御案内のとおり、はなはだ十分でないわけでございます。目的は要するに、国内におきます安定と低廉をいかに確保するかということでございまするので、客観情勢が変化しましたならば、この石油業法の目的、性格というものもさらに根本に立ち返って見直すということが当然必要でございます。いまその点についても内部でいろいろ勉強し、総合エネルギー調査会のほうの御意見なども内々伺って検討を進めておるという段階でございます。
#110
○大矢正君 私はいまあなたのおっしゃられたようなことであるがゆえに、やはり政府としてもこの一貫したアップ、ダウンを通した石油政策というものを早急に立てなきゃならぬということを申し上げておるわけですね。ですから、アラビア石油もたまたまいまハイサルファだということでありますが、これから開発される過程の中で、さらにまたハイサルファの場合には、いまあなたは、やめたほうがいいじゃないかという話でありますが、せっかく多額の投資をして、これは硫黄分が多いからやめたというのではゼロになってしまうわけですから、結局はやはり、それは多少ハイサルファでも、何とか開発していかなければならぬというふうに私はなると思うのですけれども、その際に、結局は国内にハイサルファの油を持ってくるわけにはいかない。したがって、技術的に可能かどうか別としても、現地でたとえば脱硫するとかというような方法でローサルファにして国内に持ち込むということだって考えられるわけで、そうした段階においてこの消費地における、すなわちわが国の国内において精製をすることを原則とした今日の石油業法では、もうそういう幅の広いといいますか、幅のある石油政策というものはとり得ないわけでしょう。ですから私は、石油業法自身は今日行き詰まりを来たしておるし、しかも、あの石油業法というのはちょうどことしで、私の記憶に間違いなければ満十年になるはずですよ。十年の間に世界の情勢、特に石油をめぐる情勢というものは非常に大きな変化を受けておるし、今日のようにOPEC諸国が強大な力を持ってメージャーズすら後退させるほど大きな転換が起こるとは想像もしていなかったわけですからね。油なんというものはまだまだ幾らでも下がっていくのだという単純な考え方しかなかった当時でき上がった石油業法ですから、公害が今日これほど広くなるという事態でもない時点における消費地、すなわちわが国における精製主義を貫いた石油業法ですね。そういうふうなことを考えてみますと、冒頭私が申し上げたように、石油政策を一貫して、しかも、早急に政府が立てなきゃならぬ必要性に迫られているのではないかという立場から議論を私は展開したわけであります。そのことをひとつ十分お含み置きをいただきたいと、こう思うわけであります。
 それから、次にお尋ねいたしますのは、石油公団の投資ないしは融資に関してのことでありますが、前にも私は一度指摘したことがありますが、私の手元に参っております政府提出の資料によりますると、昭和四十七年の二月現在で石油公団の出資が二百九十五億四千万円、融資が四十九億八千万円合わせて三百四十五億二千万円、それ以外にかなりの債務保証が行なわれておるわけですね。で、私は、もちろんわが国のエネルギー安定供給、特に原油の安定供給のためにはこの程度の金でいいなどとは毛頭考えておるわけではありません。だがしかし、国民の貴重な税金を使って事業を行なうこの種の公団でありまするがゆえに、やはり石油はもうこれは山師のやることであって、大体いままでの統計数字からいけば確率は一二%程度だというようなことだけで済まされない問題があるのではないかと、こう私は思うわけであります。そういうようなリスクの分散ということを考えてみた場合に、今日、二十幾つほどの海外の開発企業が存在をしているということは、はたしていま私が申し上げたようなリスクの分散ということになるかどうかという点で、大いに疑問があるわけであります。私は、少なくとも政府が多額の出資をし、融資をし、債務保証するのでありますから、やはりある程度企業をグループ別に整理・統合するなり、また集約化するなり、そういう方向でたとえばAという地点、もしくは地域において、かりに探鉱やってみたけれども、しかしだめだった、しかし、Bという地点においてこれが成功したがゆえに、どうにか公団から受けた投資もあるいは融資も返済することができるというような形で考えていかないといけないのではないかと。ところが、若干地点を別にするような会社もございますが、大部分はもう一会社一地域ないしは一地点というようなかっこうで、そこで油が当たらなければもうそれでゼロになってしまう。幾ら出世払いだとは言いながら何十億というこの投資、融資がゼロになってしまうというようなことは、できるだけこれは避けねばならないといたしますれば、私が申しておりますように、早くそれぞれの海外の石油開発会社というものを統合するなり合同するなりして、やはりいま言ったようにリスクの分散をはかっていくと。で、いま若干、何社かを統合するような持ち株会社的構想が現に行なわれつつあることは私も聞いておりますが、しかし、これはあくまでも三社ないし四社というような形で持ち株会社としての存在はありますが、かりにこの、出世払いでありますから、もし探鉱したけれども事実当たらなかったというような場合には、その会社自身がかりに油に当たらない場合には、もう返済の可能性はないということになるわけでありまして、何らのリスクの分散にならぬわけですね。でありますから、やはりそんな持ち株会社――単なる持ち株会社的なものではなしに、もっと強力なやはり合同、合弁事業というものが行なわれるべきであるし、万が一持ち株会社的なことで――まあ独禁法の関係もありますからやむを得ない面があるといたしましても、かりに万一の場合には、その持ち株会社それ自身がある意味において責任を分担するというような形を私は今後ともとるべきではないかという考え方を持っておるのでありますが、一向にこの公団の投融資というものはそういう面に向けられないで、ただ、数多く海外において探鉱をやればいいんだというような傾向があります。が、この点についてはいかがでしょう。
#111
○政府委員(莊清君) 石油の開発というのは、お話ございましたように、過去の実績で見ましても、国際石油資本があれだけの技術力と情報力を傾けて努力いたしましても、成功率がまあ一%とか二%とかという数字が実績として報道されておるわけでございます。同じように見える地下の構造であっても、実際にボーリングをいたしてみませんと、はたしてそこがから井戸であるのか、それとも原油が実際にあるのか、やってみないことには地上からの物理探鉱等ではどうしてもそこまできわめがつかないという、技術の限界というものがそうさせておるんだと存じまするが、世界の大石油資本があれだけの努力をしながらも、仰せにございましたような非常にリスクの高い事業であるということが現実でございます。これらの国際石油資本はもちろんのこと、それからフランスのERAPでございますとかイタリアのENI等も、開発段階から石油の精製、販売の段階まで持ち株会社的な、政府の一種のコンツェルンのような形で一貫した形態でやっておりますので、本体が非常に企業力がしっかりしておるという点があるわけでございますが、わが国の場合には、そういうものを直ちに行なえる主体というものがどこをさがしてもないわけでございます。石油精製産業は国内での精製、販売にやっとであるという状況で、直ちに国内から海外の石油開発に打って出るというだけの実体をまだ備えてはおらないという悩みがございますので、どうしても有望と思われる地点ごとに、石油精製産業も入りまするし、それからユーザーも大いに語らいまして民間の資本を集め、それに石油公団の出資という形で援助を仰ぎまして、有望と思われる地点ごとに、結果としては二十幾つもの開発会社ができておるということでございます。これは各地点ごとにやはり状況が違いまするから、どうしてもそのいままでの考え方では別会社方式でやらざるを得ない。で、別会社でやりまして、そこに政府の出資が入っておりまするから、不幸にしてそのプロジェクトが失敗した場合には、これは政府としては出資は無に帰するわけでございますけれども、少なくとも政府出資のあった分だけは民間はかぶらずに済むという意味で、国の中での民間と政府との間でのリスクの分散ということが行なわれる。これによって、これが助成のきめ手になりまして、民間資金もかなり動員した形での開発体制がいま進んでいるわけでございます。ただ、三十近いプロジェクトができまして一斉にやっておるわけでございますが、ここまでまいりますると、それぞれのプロジェクトに分かれておるいまの個々の開発会社では、それだけの仕事にかまけるわけでございまして、新しい石油の利権情報の収集であるとか、より広範な民間資金の動員とか、あるいは技術者の機動的な活用においては、どうしても一つ一つのプロジェクトに縛りつけられておるために、そういうことがおよそできないという非常な弊害が目立ってきております。
 そこで、お話ございましたように、まだたいした成果は出ておりませんが、資本系列ごとに統括会社というのをつくりまして、資本系統ごとにいま申し上げましたような情報の収集とか、技術者の機動的な活用であるとか、あるいは民間資金のより一そうの動員というふうなことを、やはり国にタイアップする意味で民間自身にも行なってもらうという形に、一歩と申しません、半歩踏み出したわけでございます。まだ直ちにそれぞれのプロジェクトごとの会社の大同団結、合併というふうなところには向かっておりませんですが、これは一つにはそれぞれのプロジェクトに相当な金が要る。しかも、これをかりに十なら十合併いたしますれば、一つで失敗しても、まだほかのところで成功したものがあれば、全体として政府の出資というものは、いずれ全額を回収するというふうな形にどんどん向かうわけでございまして、政府と民間との間のやむを得ざるリスクの分散という政策効果をどうあげるかという点に、一つのまた悩みも同時に出てくるわけでございます。ドイツのデミネックスというのがありまして、これは民間の石油精製会社が一つの共同会社をつくって共同で石油を掘るという、アップストリームに出ていくという形でございますが、ドイツの場合は、政府が相当自由な考え方でそこに成功払い融資というものをやって、失敗したならば、デミネックスが黒字であってもその分は切り捨てるというふうな、思い切った財政資金の運用に踏み切っております。日本の従来の財政制度のもとでは、伝統的な思想のもとでは、およそこういうことは考えられないような現状でございます。そういうところに二十幾つのプロジェクトを一見乱立させるような結果にならざるを得なかった一つの原因もあろうかと思います。乱立しておればいいというものではございませんで、少なくともそれぞれがグループごとにヘッドクォーターをつくって前向きの仕事をする、効率をあげる、民間資金も動員する、国の施策にタイアップする力をつけさせるという意味で、私どもは半歩前進の意味でいまこれをやっておるわけでございます。いずれにいたしましても、わが国として今後考えなければいかぬことは、やはり徐々の形でもやむを得ませんが、強力な一貫企業というものを何らかの形で育成していくということが根本になろうと思います。それによって初めてやはりメージャーがやっておりますように、一社一社がたくさんのプロジェクトを一社の中でやっておるわけでございまして、やはりしっかりした本体のものが一貫化した形でアップストリームからダウンストリームまでやるような形になれば、いまのような乱立した形というものもおのずからほとんど解消するだろうと思います。資本系統ごとの統括会社の構想というものも、そういうことに直結するかどうかは別にいたしまして、考え方としては一貫化を目標に置いた若干の前進である、かように御理解をいただきたいと存じます。
#112
○大矢正君 次に、つい二、三日前でしょうかの新聞にちょっと出ておりましたが、純粋な民族系企業の最たるものであり、政府が積極的に力を入れてき異同石油――もちろんこれは販売部門だけですが、この共同石油がいままでの純粋性を失って、国際石油企業であるガルフ・オイルとの間に沖繩に貯油基地を設けるというような、言ってみればアメリカ系の石油会社の資金的な援助を仰ぐということで、純粋な民族系企業からまた脱落をしていくというような結果が報じられておりますが、こういうことになりますと、政府が幾ら民族系企業というものをかばいつつ、まあいろんな作用を持たせようと、たとえばひもつき原油を断ち切るとかいうような配慮を考えたとしても、現実的にはその効果は失われてしまうという問題点がございますね。こういうことは実際上やむを得ないという方向なのか。それならばことさらに、もう油の国際性といいますか、石油の国際性から考えてみて、しいて従来政府が行政的におやりになったような民族企業の育成なんということは考えないほうがいいんじゃないかとすら私、実は感ずるわけでありまして、これは共同石油をつくること、そうしてまたこの共石に、これは、共石自身は石油の販売の部門でありますから、製油部門の各社に対しては特別の設備の割り当てとか、まあ販売分野におけるウエートをずっと上回るほどの精製設備の割り当てとかいうような非常に保護をしてきたわけですがね。それがいつの間にか、またそれは精製部門とか、あるいは販売部門とかいう内容のものではないとしても、外国の企業との間の資本提携というようなかっこうになってまいりますると、何のためにいままで政府はやっていたのかなあというわけになるわけで、政府はそういうふうな民族系企業の育成という方針はこの際おやめになったのかどうか、その間の経緯をお尋ねいたしたいと思います。
#113
○政府委員(莊清君) 私はヨーロッパの、たとえばドイツのような現状に比べまして、わが国の場合には、戦後のまあ各製油所が閉鎖をされてやっと再開をしたあの当時の国内の状況から、よく今日のような、いわゆる民族系資本で五〇%までやるというような状態までいったものだというふうにむしろ考えておるわけでございます。ドイツなどは、資本の自由化をやったために、ガソリンスタンドをぱっと押えられて、それが機縁で製油段階までメージャーズのほぼ完全な支配下に入るようになったということで、いまさらデミネックスをつくって騒いでみても、おそらくたいしたことはできぬだろうといわれる状況にございます。わが国のほうは、先ほど申し上げましたように、外資法なり石油業法のそれなりの運用によりまして、若干の弊害はあったかもしれませんけれども、全体として、ドイツの例に比べてはるかに私は、結果として望ましい状態に今日まで持ってこれておるというふうに言えると存じます。ただこの場合に、やはり民族系資本によって何を考えて、育成において何をねらっておるのかというとでございますけれども、結局はわが国のいわゆる民族資本が民族資本によってどういう石油の生産をするか、投資をするか、いかなる価格でそれを売るか、どういう原油を持ってくるかというふうないわゆる経営の基本にかかわること、やはり民族系資本で行なっておるような、そういう下流部門がせめて半分あることがわが国の国内市場の安定ということに長期的につながるであろうという、そういう基本的な判断があってこそでございます。問題は、その経営の基本にかかわることは外資にきめられるのじゃなくて、やはり民族系資本できめられるような、そういう企業というふうなことを私どもは従来から民族系企業といっているつもりでございます。まあ現在でもいわゆる七業種というのがございまして、個別に外資を認可できるという業種の一つとして、電算機産業でありますとか、そういうものと並んで石油精製及び販売というものがあるわけでございまするけれども、それのねらっておった目的というのは以上に尽きるわけでございます。
 したがいまして、たとえば、今後共同石油は海外に石油開発に出ていく場合には、これはもう当然やはり外国資本、それも強力な国家資本であるところのOPECの石油会社と最低五〇%のジョイントベンチャーということは、これはもう当然のことでございまするし、場合によっては英米の石油資本と部分的には提携をさらに強化するということも、これはやはり全体としてわが国として国策に沿う点じゃないか。必要な事業の局面において自主性をそこなわない限度で外国の資本とも提携をするということは、他の産業の場合にもそうだと思いまするが、石油の場合にもこれは当然あり得ることで、現在までのように、国内で単に精製を行ない、販売だけを行なっておるというふうな段階では、そういうこともなかったろうと思いまするが、石油の開発に乗り出すとなれば直ちにそういう問題はあるわけでございますけれども、その場合にでも、結局自主性を維持できるかどうかというところが判断の基礎になるところでございます。御指摘のございました沖繩の場合、これはまだ私ども正式には聞いておりませんが、おそらく沖繩に上陸しました外資の子会社をつくりまして、あそこでCTS事業等を行なうというふうなことを共同石油は検討しておるということかとも存じまするけれども、私はそういうことによって共石という――共同石油という民族系資本が、企業としての自主性の基本というものを特にそこなわれるということにはなるまいと思いまするし、またその他のジョイントベンチャーを行なうときにも、ずいぶんくどく申し上げましたが、そういう自主性をそこなわないような形で行なうということは当然に必要だろうと思います。そういう意味におきまして、私どもは新聞で一部報ぜられたようなことが、非常に何か従来の石油政策と矛盾したと申しまするか、相いれないような路線でのことというふうには実は考えておらないわけでございます。
#114
○大矢正君 これは通産省からお聞きしたわけじゃないのですが、私はある本を読みましたところが、政府の行政指導として国際石油会社、まあこれはメージャーズに限っておるわけじゃない。まあ特定の石油会社という意味で申し上げておるわけじゃございませんが、数多くの国際石油会社とわが国の精製業あるいは販売を含めてでありますが、その下流部門における資本上の提携の中におきまして、たとえば借り入れ金――わが国の企業の借り入れ金一ドルについてたとえば三・五バーレルの油を引き取らなければならぬ、これだけは無条件であるというような行政指導をかつてやっておられたというようなことが、私は先ほど申し上げたとおり、政府から聞いたのじゃなしに、ある本で読んだわけですけれどもね。現にそういうことが行なわれておるのかどうか。これはもちろん私、悪いことだと言っているのじゃないんですよ。ある一つの目標を持って、このひもつきも限界があると、そのひもの限界はこれだけだという一つの基準を明示してやるというか、指導を明示してやるということは、まあいいことだと思いますよ。問題はそういうことがあるのか、あるとすれば、どういうものをものさしとしておるのか、お答えをいただきたいのです。
#115
○政府委員(莊清君) 仰せのようなことが従来から確かに行なわれております。結果としてわが国の場合には、現在のところでは所要原油のほとんど過半数と申しますか、七割近いものがいわゆるメージャーズという数社の国際資本――国際大石油資本から供給されておりまするし、それに次ぐようなものもございます喝から、全体として外資によって供給されておる原油がほとんど全体に近い。アラビア石油でありますとかその他若干のものが例外であるという程度でございます。したがいまして、民族系の石油会社でも、そこで処理しております原油というものは、いずれかの国際石油会社から供給されたものがもうほとんどであることは間違いございません。ただし、これは外資系についても行なっておることでもございますけれども、たとえば株式の外資の取得比率が、ある外資系会社の場合五〇%だという場合に、そこの株主であるところの国際石油会社から一〇〇%に近い油をやむなく買っておったというふうなことはやめて、株式取得比率に応じた分までは、つまり五〇%までは株主たる国際石油会社から油を買うという長期契約を維持するということは、これはやむを得ないといいますか、当然のことでございますが、残りの五〇%についてはまあ自分の買いたいところから買う、資本の半分は民族系なんでございまするから、国内資本でありまするから、残りの半分については自分のチョイスで有利な条件だと思うところから自由に買う、それ以上のひもつきをされてはならぬということを政府として要請をし、それを提携先である国際石油会社のほうにも話をよくしまして、先方の理解と協力のもとにやってきたということは事実でございます。今後もやはりインパクトローンの問題その他いろいろあると思いますけれども、やはり先生御指摘のような意味で、私、先ほど自主性自主性と申し上げましたから、その点についてどうなっておるかという私はお尋ねだと思いました。そういう点についてはやはり十分政府として――これは相手のあることでございますから、法律でいきなり強制もできないことでございますが、関係者の理解と協力を得て政府がやはり指導をするということは非常に大切だろうと思います。
#116
○大矢正君 大臣が見えられたから、私も約束どおりこれでやめますが、ただ、いま共同石油はこれは別に精製会社を持っているわけじゃない。販売部門だけしか持たないわけです。アジア石油なり日本石油なりその他から精製されたものを受けてそれを販売する、原則的にはそういう立場ですね。でありますから、表面上から見れば、これは販売部門に対してたとえば外資が入ってくる。極端にいえば外資が入ってくるというか、外国の石油企業から金を借りるということでありますから、問題はないように一見見えるけれども、実際に外国から入ってくる企業が販売会社である共同石油に力を売ることによって、共石グループの、言うならば精製会社にひもつき原油を売り込むようなことが将来起こり得ないということは言えないでしょう。たとえば、販売部門を押えられてしまったら、精製会社が幾ら精製しても売れないわけですから、だからそうなってまいりますれば、単に沖繩に貯油基地をつくるために金を借りるんだということで済まされない問題が将来起きるのではないか。政府が最もきらうことは、ひもつき原油がふえればふえるほどフリーハンドが失われる。それがある面においては安定供給ないし低廉な油をわが国が確保できないということになるから、したがって選択の幅、フリーハンドを持つんだと、そのためには外国の石油会社から金を借りても、それは極力ひとつひもは少ないようにということを考えているわけでありますから、まるっきり異なったような形であっても、そういう形で民族系の企業というものが外国系の企業と結びつくということは、将来やはり問題を残すことになるわけですからね。でありますから、やはり政府としても十分その辺のことは考えて、単なる貯油基地であるから外国の資本が入って別に問題ないじゃないかという安易な気持ちではなく、あるいはまた他の民族系企業、すなわちあなたのことばを借りれば、自主性を持って経営ができるわが国の石油会社が、いろんな理由でまた外国の石油会社と手を結んで沖繩で精製工場をつくるというようなうわさも今日出ておりますから、やはりどうしてそういうものが起こってくるかということになりますれば、また一番最初の私の質問したところに戻るのでありますが、どうも政府の一貫した石油政策というものが立てられていないところに原因がある。必要があればちょっとつけ足してみる。つけ足しだけで重大な石油政策、エネルギーの大宗を占める石油政策をいままで行なってきたし、これからもどっちを向いて走るんだかわからぬような不安感がいろいろな面で存在しているのでありますから、この際、できる限り早い機会に抜本的な石油政策というものを樹立されて、一貫した指導のもとに行政が行なわれることを私は心から期待をいたしたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。
#117
○委員長(大森久司君) 他に御発言がなければ、本案に対する本日の質疑はこの程度にいたします。
    ―――――――――――――
#118
○委員長(大森久司君) 次に、臨時石炭鉱害復旧法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。田中通商産業大臣。
#119
○国務大臣(田中角榮君) 臨時石炭鉱害復旧法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 本法律案は、第一に臨時石炭鉱害復旧法の一部一改正、第二に石炭鉱害賠償等臨時措置法の一部改正、第三に産炭地域振興臨時措置法の一部改正をその内容とするものであります。
 まず、鉱害関係二法の改正でありますが、これまで政府といたしましては、この二法に基づきまして、鋭意鉱害復旧の促進、鉱害賠償の円滑な実施につとめてまいったところであります。この結果、本年度までにすでに処理いたしました鉱害は、これまでに発生した鉱害の半ばをこえるに至っておりますが、なお、復旧費にして一千億円をこえる鉱害が残存し、さらに石炭鉱山の相次ぐ閉山とともに無資力鉱害の激増を招き、鉱害問題は、いまだ深刻な状況にあります。
 このため、政府といたしましては、昨年八月の石炭鉱業審議会の答申を中心に最近の鉱害処理対策に対する要請を勘案いたしまして、本年七月末までに廃止するものとされております鉱害関係二法につきまして、所要の期限延長をするとともに、あわせて、最近における鉱害をめぐる社会的経済的環境の変化に即して、より効率的かつ計画的な鉱害復旧を実施し得るよう、所要の改善を行なうこととする次第であります。
 次に産炭地域振興臨時措置法は、石炭鉱業の不況の進行がもたらす産炭地域の経済的、社会的疲弊を回復するため、同地域における鉱工業等の急速かっ計画的な発展等をはかることを目的といたしておりますが、今般の改正は、産炭地域に対する企業進出の一そうの促進をはかる必要があることにかんがみ、地方税の減免を補てんする措置を拡充強化しようとするものであります。
 以下この法律案の要旨について御説明申し上げます。
 第一条は、臨時石炭鉱害復旧法の改正であります。その内容の第一は、同法の延長についてであります。臨時石炭鉱害復旧法は、昭和四十七年七月三十一日までに廃止すべきものとされておりますが、残存鉱害の状況にかんがみまして、昭和五十七年七月三十一日まで十年間の延長を行なうことといたしております。
 第二は、この法律に基づく復旧の対象となる公共施設の追加を行なうものであります。すなわち新たに工業用水道及び公園を鉱害復旧の対象とするとともに、その他の公用または公共用施設につきましても、政令で追加することができるようにすることといたしております。
 第三は、鉱害復旧長期計画に関してであります。すなわち、今後十年間における残存鉱害の計画的かつ効率的な処理をはかるため、新たに、鉱害復旧長期計画を作成公表することといたしております。
 第四は、復旧不適農地及び家屋等に対する措置に関してであります。復旧不適農地につきましては、従来の要件を緩和いたしまして、復旧することが著しく困難な場合に加えて、復旧することが著しく不適当な場合におきましても石炭鉱害事業団が金銭補償を行ない得ることとし、さらに、被害者保護の一そうの徹底をはかるため、被害者の申し出があった場合には、石炭鉱害事業団が復旧不適農地を買い取る制度を新設いたしております。
 また、復旧することが著しく困難または不適当な家屋等につきましても、農地の場合と同様に金銭補償を実施する制度を新設いたすこととしております。さらに賠償義務者が無資力または不存在の場合の金銭補償の費用について国及び都道府県が補助することといたしております。
 その他、鉱害地域における都市化の進展等、土地利用状況の推移に即しまして、農地から宅地への転換復旧を、被害者の理解を得つつ促進するため、みなし復旧工事の補助率を引き上げることといたす等所要の改善措置をあわせ講ずることといたしております。
 第二条は、石炭鉱害賠償等臨時措置法の一部改正であります。その主たる内容は、第一に臨時石炭鉱害復旧法と同じく、本法の期限を昭和五十七年七月三十一日まで十年間延長するとともに、第二に鉱害賠償積立金について、いわゆる無資力復旧の取り扱いを受けた鉱業権者の取り戻しの制限を行なうこと等であります。
 第三条は、産炭地域振興臨時措置法の一部改正についてであります。
 その内容は、現在、同法におきましては、産炭地域における工場立地を促進するため、関係地方公共団体が地方税のうち不動産取得税、固定資産税を減免した場合の税収減を、普通交付税で補てんする措置を講じておりますが、このたび、企業誘致の一そうの促進をはかるため、同措置の対象として、新たに事業税を加えることといたした次第であります。
 以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同下さいますようお願い申し上げます。
#120
○委員長(大森久司君) 次に、補足説明を聴取いたします。駐鉱山石炭局長。
#121
○政府委員(莊清君) 臨時石炭鉱害復旧法等の一部を改正する法律案の提案理由及び要旨につきましては、補足御説明申し上げます。
 本法律案は、臨時石炭鉱害復旧法の一部改正、石炭鉱害賠償等臨時措置法の一部改正及び産炭地域振興臨時措置法の一部改正の三つの部分に分かれております。
 その第一は、臨時石炭鉱害復旧法の一部政正でありますが、同法は、石炭及び亜炭の採掘に伴って生、ずる鉱害について、国土の保全及び有効利用並びに民生の安定の立場から計画的な復旧を行なうことをその目的といたしまして、昭和二十七年に十年間の臨時法として制定されたものであります。同法はその後昭和三十六年に十年間の期限延長が行なわれ、本年七月三十一日までに廃止すべきものとされております。
 政府は、同法の制定以来鉱害を受けた農地、農業用施設、家屋、公共施設等を対象として鋭意鉱害の復旧につとめてまいったわけであります。この結果、今日までに処理をいたしました鉱害は、今後処理をいたすべき残存鉱害を量的に上回るに至っております。
 しかしながら、残存鉱害は、昭和四十四年度末に実施した全国鉱害量調査によれば、復旧費にして千三百八億円余の膨大な量となっており、今後すみやかにその処理につとめなければなりません。このため同法をさらに十年間延長する必要があると考える次第であります。
 また、鉱害を取り巻く情勢は、同法施行以来大きな変化を遂げてきております。
 すなわち、一つには、近年の相次ぐ石炭鉱山の閉山に伴い、取り残された鉱害の大半が終閉山炭鉱の鉱害となっており、この結果、従来にも増して総合的、計画的な鉱害の処理が可能となると考えております。
 さらに、これと並んで賠償義務者の無資力化が進行しておりますが、これに即して必要な法律上の手当を行なおうとする次第であります。
 第二に、鉱害復旧の過半を占める農地復旧の面におきましては、最近における都市化の進展と地域開発の動向を踏まえた将来の合理的な土地利用に即して妥当な方向で対処するよう所要の改善を行なうこととする所存であります。
 第二に、石炭鉱害賠償等臨時措置法の一部改正でありますが、同法は十年間の臨時法として昭和三十八年に制定されたものでありまして、本年七月三十一日までに廃止すべきものとされております。
 同法は、将来の発生鉱害の賠償を担保するため鉱業権者に積み立て金の積み立てを行なわせるほか、鉱害紛争の円滑な解決をはかるための裁定制度の設置、鉱害の計画的復旧の推進並びに鉱害賠償資金及び防止資金融資の実施機関としての石炭鉱害事業団の業務等について規定し、臨時石炭鉱害復旧法と相まって鉱害処理の円滑化に資することとしている次第であります。
 このため、臨時石炭鉱害復旧法とともに十年間の延長を行なうこととするとともに、臨時石炭鉱害復旧法の改正に合わせ必要な改正等を行なおうとする次第であります。
 第三に、産炭地域振興臨時措置法の一部改正でありますが、本法は、石炭鉱業の不況による炭鉱の閉山が、炭鉱従業員及びその家族にとどまらず、炭鉱を中心とする地域の経済、社会に急激かつ深刻な影響を及ぼすことにかんがみ、炭鉱の閉山により疲弊した産炭地域において、石炭鉱業にかわる鉱工業等の急速かつ計画的な発展により当該地域を新たなる経済社会活動の場として再生発展させることを目的として、昭和三十六年に制定されたものであります。
 同法は当初、五年間の臨時法として成立し、その後昭和四十一年に五年間、さらに昭和四十六年に十年間延長され現在に至っております。
 産炭地域につきましては、法の制定以来同法を基礎として、産炭地域振興計画を策定するとともに、同計画の実現のため、企業誘致、産業基盤整備、地方財政援助等各般にわたる施策を鋭意推進しているところであります。
 このたびの改正は、産炭地域の振興の上で最も重要な企業誘致をより一そう促進する必要があることにかんがみ、地方公共団体が地方税の減免を行なった場合に普通交付税で補てんする措置を拡大するものであります。
 以下、法律案の要旨につきまして、補足御説明申し上げます。
 第一条は、臨時石炭鉱害復旧法の一部改正であります。
 その内容といたしますところの第一は、同法の延長についてであります同法は、昭和四十七年七月三十一日までに廃止すべきものとされておりますが、残存しております復旧費にして千三百八億円にのぼる膨大な鉱害をすみやかに処理する必要がありますので、新規発生鉱害の状況等を勘案して、昭和五十七年七月三十一日まで十年間の延長を行なうことといたしております。
 第二は、この法律に基づく復旧の対象としての公共施設の追加に関してでありますが、今般新たに工業用水道及び公園を鉱害復旧の対象といたすとともに、その他の公用または公共用施設につきまして、政令で追加し得ることにいたしております。このことによりまして、公共施設についてはほとんどすべて復旧の対象になると考えております。
 第三は、鉱害復旧長期計画に関してであります。すなわち、法の延長期間内における残存鉱害の計画的かつ効率的な処理をはかるため、新たに通商産業大臣が関係方面の意見を聞いて鉱害復旧長期計画を作成し、公表することとし、今後の鉱害復旧の基本指針といたすこととしております。
 第四は、復旧不適農地及び家屋等に対する措置に関してであります。
 まず、農地につきましては、従来の復旧不適農地の要件を緩和いたしまして、復旧することが著しく困難な場合のほか、復旧することが著しく不適当な場合にも石炭鉱害事業団が金銭補償を行ない得ることとし、さらに、被害者保護の一そうの徹底をはかるために、被害者の申し出に基づいて石炭鉱害事業団が復旧不適農地を買い取ることができるよう新たに制度を設けることといたしております。
 また家屋等につきましては、従来このような制度は準備されておりませんでしたが、復旧することが著しく困難または不適当な家屋等につきましても、農地の場合と同様金銭補償を実施し得るよう制度を新設いたすことにしております。
 さらに、農地及び家屋等のいずれの場合にあっても、賠償義務者が無資力または不存在の場合においては、この金銭補償の費用について国及び都道府県がその全額を補助することといたしております。
 以上のほか、鉱害地域における都市化の進展等に伴う土地の利用形態の推移に即しまして、農地から宅地への転換復旧、すなわちみなし復旧工事を被害者の理解を得て促進するため、従来六五%であった予算上の補助率を七五%に引き上げるとともに、法律上の補助にいたす等、所要の改善をはかることといたしております。
 第二条は、石炭鉱害賠償等臨時措置法の一部改正であります。
 その第一の内容は、同法の延長についてであります。昭和四十七年七月三十一日までに廃止すべきものとされております本法の期限を、臨時石炭鉱害復旧法と同じく、昭和五十七年七月三十一日まで十年間延長することといたしております。
 第二に、鉱害賠償積み立て金についてであります。いわゆる無資力復旧の取り扱いを受けた鉱業権者の鉱害賠償積み立て金の取り戻しにつきまして、制限を行なうことといたしております。
 その他、臨時石炭鉱害復旧法の改正に伴い新たにつけ加えられる石炭鉱害事業団の業務の追加等を行なうことといたしております。
 第三条は、産炭地域振興臨時措置法の一部改正であります。
 その内容は、現在、同法におきましては、産炭地域における工場立地を促進するため、関係地方公共団体が地方税のうち不動産取得税、固定資産税の減免を行なった場合の税収減を、普通交付税で補てんする措置を講じておりますが、このたび、同措置の対象税目として、新たに事業税を追加するものであります。
 これは、収益力のある中核的企業を誘致する上で、事業税の減免措置を講ずることがきわめて効果的でありますが、産炭地域道府県の財政状況にかんがみ、これら道府県が事業税の減免を行なうことを容易にするため、事業税の減免に伴う税収減を普通交付税により補てんする措置を講ずることとした次第であります。
 以上、簡単ではありますが、法律案の提案理由及びその要旨につきまして補足御説明申し上げました。よろしく御審議を賜わりたく、お願い申し上げます。
#122
○委員長(大森久司君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 自後の審査は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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