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1971/05/23 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 商工委員会 第12号
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1971/05/23 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 商工委員会 第12号

#1
第068回国会 商工委員会 第12号
昭和四十七年五月二十三日(火曜日)
   午前十時三十七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     大谷藤之助君     小山邦太郎君
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     小山邦太郎君     大谷藤之助君
 五月二十三日
    辞任         補欠選任
     矢野  登君     山崎 竜男君
     阿具根 登君     鶴園 哲夫君
     藤原 房雄君     中尾 辰義君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大森 久司君
    理 事
                川上 為治君
                剱木 亨弘君
                竹田 現照君
                藤井 恒男君
    委 員
                赤間 文三君
                植木 光教君
                小笠 公韶君
                大谷藤之助君
                中山 太郎君
                山崎 竜男君
                山本敬三郎君
                渡辺一太郎君
                小野  明君
                鶴園 哲夫君
                林  虎雄君
                中尾 辰義君
                原田  立君
               柴田利右工門君
                須藤 五郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   田中 角榮君
       国 務 大 臣  山中 貞則君
   政府委員
       公正取引委員会
       委員長      谷村  裕君
       公正取引委員会
       事務局長     吉田 文剛君
       公正取引委員会
       事務局取引部長  熊田淳一郎君
       厚生省環境衛生
       局長       浦田 純一君
       厚生省薬務局長  武藤g一郎君
       通商産業政務次
       官        林田悠紀夫君
       通商産業大臣官
       房長       小松勇五郎君
       通商産業大臣官
       房参事官     増田  実君
       通商産業省企業
       局長       本田 早苗君
       通商産業省化学
       工業局長     山形 栄治君
       通商産業省繊維
       雑貨局長     佐々木 敏君
       中小企業庁長官  高橋 淑郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   説明員
       農林省畜産局牛
       乳乳製品課長   植木 建雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○特定繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
○割賦販売法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大森久司君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#3
○委員長(大森久司君) 速記を起こしてください。
 委員の異動について報告いたします。
 昨二十二日、小山邦太郎君が委員を辞任され、その補欠として大谷藤之助君が選任されました。
 また、本日、藤原房雄君が委員を辞任され、その補欠として中尾辰義君が選任されました。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(大森久司君) 特定繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。田中通商産業大臣。
#5
○国務大臣(田中角榮君) 特定繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 現行特定繊維工業構造改善臨時措置法は、わが国の繊維工業を取り巻く内外の経済環境がきびしくなりつつある情勢の中で、その構造的脆弱性を克服し国際競争力を強化するため、特定繊維工業について総合的な構造改善をはかることを目的といたしまして、昭和四十二年に制定されたものであります。本法律の対象業種としては、当初、特定紡績業及び特定織布業の二業種でありましたが、昭和四十四年の改正でさらにメリヤス製造業及び特定染色業の二業種が追加されたのであります。
 しかしながら、その後のわが国繊維工業をめぐる内外の経済環境は、当初の予想をはるかに上回る急激かつ広範な変化を遂げております。すなわち、海外におきましては、発展途上国における繊維工業のめざましい発達があり、これら諸国における自給度の向上と第三国市国におけるわが国製品との競合によりまして、従来、海外市場において圧倒的地位を誇っていたわが国の繊維製品が次第に後退を余儀なくされつつあります。
 また、わが国市場におきましても、これら諸国からの輸入は、近時急激に増加しつつあり、この傾向は、昨年八月一日から特恵関税が発展途上国に供与されましたこともあって、今後ますます進むものと予想せられております。さらに、過般の日米繊維問題に見られますように、先進国におきましては、国内産業に対する保護主義的な動きが台頭しており、今後のわが国繊維製品の輸出に対する制約は大きなものがあると考えられます。これに加うるに、昨年末には、国際的な通貨調整が行なわれ、わが国の繊維製品の国際競争力は、この面からも大きな影響を受けるものと予想せられます。
 国内に目を転じますと、若年労働者を中心とする労働力需給の逼迫とこれによる賃金の上昇は、当初予期していた以上のものがあります。また、国内需要面においては、製品の多様化、高級化、ファッション化等の需要構造の変化が顕著にあらわれてきており、繊維工業の供給構造の変革を強く迫っておるのであります。
 このように繊維工業をめぐる内外環境は近年著しい変化を遂げておりますので、本法律に基づき昭和四十六年度末を目標として進められてきた特定紡績業及び特定織布業の構造改善事業は必ずしも順調な進捗状況とはいえず、本年度末までに当初計画の目標を達成することが困難な状況となっております。このため通商産業大臣の諮問機関であります繊維工業審議会及び産業構造審議会繊維部会において慎重な審議を重ねていただきました結果、この時点において構造改善事業を打ち切ることは、これまで積み上げてきた構造改善の成果を減殺することとなることだけでなく、紡績業及び織布業という繊維工業における基幹的な産業が大きな打撃を受けるおそれがあること、また、関係業界ではこれまでの構造改善への反省と内外環境の一そうのきびしさに対する認識に基づいて新たな構造改善への意欲を高めていることなどの理由から、この二業種についての構造改善の計画期間を二年間延長し、構造改善を促進するための措置を引き続き講ずべき旨の答申を得た次第であります。また、最近における需要動向の変化に適切に対応して、わが国繊維工業を高付加価値産業あるいは知識集約型産業に脱皮させることは、発展途上国のきびしい追い上げの中にあるわが国繊維工業を合理的な国際分業の中に位置づけるためにも必要な道であります。この観点から今回の臨時繊維産業特別対策の一環としまして、繊維製品の需要動向の変化に即応するための事業を助成することとし、そのため十億円の政府出資等をもちまして新たに振興基金を創設することといたしております。
 政府といたしましては、以上の施策を実施するのに必要な法律的裏づけを得るため、特定繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案を作成し、提案することといたした次第でございます。
 次に、改正の要旨につきまして御説明いたします。
 第一は、特定紡績業及び特定織布業の構造改善事業の計画期間につきまして、従来、本年六月三十日までとなっているものを二年間延長し、昭和四十九年六月三十日までとすることであります。
 第二は、新たに繊維工業構造改善事業協会に、振興基金を設置する旨の規定を置くとともに、同協会の業務として新商品または新技術の開発、海場市場動向調査等の繊維製品の需要動向に即応するための事業に対する助成金の交付の業務を追加することであります。
 以上が、今回の改正の主要点であります。何とぞ慎重に御審議の上、御賛同賜わりますようお願い申し上げます。
#6
○委員長(大森久司君) 次に、補足説明を聴取いたします。佐々木繊維雑貨局長。
#7
○政府委員(佐々木敏君) 特定繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を補足して御説明申し上げます。
 特定紡績業及び特定織布業の構造改善につきましては、本法律が制定されました昭和四十二年以来五カ年間の計画期間をもちまして鋭意努力が払われてまいりました。しかしながら、繊維工業をめぐる内外環境が、発展途上国に対する特恵関税の供与、先進国における輸入制限的傾向の増大等当初の予想をはるかに上回るきびしいものであったこともありまして、両業種の構造改善事業は必ずしも順調な進捗状況であったとは申せない状況に立ち至っております。すなわち紡績業の構造改善につきましては、その三本の柱のうち過剰設備の処理は四十三年度に百十二万錘の精紡機が処理され、一応計画どおり実施されましたものの、設備の近代化につきましては、中小紡績業の分野で、特に高能率設備の導入がおくれたこと等から、生産能率の目標であるコリ当たり二・七人に達することが困難となっており、生産または経営の規模の適正化につきましても、今後さらに推進しなければならない実情にあります。また、織布業の構造改善につきましては、現在、全国九十一産地のうち生産量において八〇%を占める四十一産地が、本事業に参加しておりますが、その中心的事業があります設備の近代化について見ますと、昭和四十六年度末までの設備ビルド総額は、全体計画の七〇%にとどまっており、過剰設備の処理及び企業規模の集約化につきましても計画どおり進まず、不十分なものとなっております。このような情勢から繊維工業審議会及び産業構造審議会繊維部会におきまして慎重な審議を重ねていただきました結果、この二業種についての構造改善の計画期間をそれぞれ二年間延長し、構造改善を促進するための措置を引き続き講ずべき旨の答申を得た次第であります。
 次に、振興基金の設置についてでございますが、最近における繊維製品の需要動向は、従来からの複合繊維化の進展に加え、所得が上昇したこと、生活様式が多様化したこと等もありまして、ますます多様化、高級化、ファッション化の傾向を強めてまいっております。わが国繊維工業にとりましては、このような需要動向の変化に、より迅速に、また、より適切に対応し得る供給構造に移行していくことが、国民生活の質的充実に対する寄与という観点からばかりでなく、高付加価値産業に、あるいは知識集約型産業に脱皮することになり、発展途上国によるきびしい追い上げの中にあるわが国繊維工業を合理的な国際分業の中に積極的に位置づけ、長期的に安定した地位を確保するという意味においてもきわめて重要なことであると考えております。
 この製品の高付加価値化、知識集約化を今後一そう促進するため、今回、臨時繊維産業特別対策の一環といたしまして、紡績業、織布業をはじめとする繊維工業全般につきまして、新商品開発、新技術開発、海外市場動向調査等繊維品の需要動向の変化に迅速かつ適切に対応するための事業に対しまして、助成金を交付することとし、そのため、繊維工業構造改善事業協会に新たに振興基金を設けることといたした次第であります。
 次に、改正の要旨につきまして、補足して御説明いたします。
 本法案におきましては、第一に、本法律の廃止期限は、従来昭和四十九年六月三十日となっており、このうち特定紡績業と特定織布業の構造改善に関する規定につきましては、本年六月三十日までに廃止するものとなっておりましたが、先に申し上げましたような事情から、両業種の構造改善の計画期間を二年間延長する必要がありますので、この関係の規定の廃止期限を、この法律全体の廃止期限であります昭和四十九年六月三十日に合わせることといたしております。
 第二に、新たに繊維工業構造改善事業協会に、政府の出資金と繊維工業に属する事業を営んでいる者またはその組織する団体からの出捐金によって構成される振興基金を設置する旨の規定を置くとともに、同協会の業務として、新商品または新技術の開発、海外市場動向調査等の繊維製品の需要の動向に即応するための事業に対する助成金の交付及びこれに付帯する業務を追加することといたしております。なお、この振興基金の関係の業務につきましては、今後十年間すなわち昭和五十七年六月三十日までに行なわれるよう本法律を廃止する場合に、政府が必要な措置を講ずることといたしております。
 第三に、従来、消費工業構造改善事業協会は、信用基金をもちまして特定織布業、メリヤス製出業及び特定染色業の構造改善事業に必要な資金の借り入れにつきまして債務の保証を行なってまいりましたが、これを特定紡績事業者が行なう構造改善に関する事業についても行なうことができることといたしております。
 第四に、従来の特定紡績業の構造改善事業の一つの柱でありました業界の共同行為による特定精紡機の処理に関する規定につきましては、基本計画上の目標どおり行なわれましたので削除することといたしております。
 その他所要の経過規定を置くとともに、条項の整理等を行なうことを内容といたしております。
 以上、この法案につきまして補足説明をいたしました。何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#8
○委員長(大森久司君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 本法案に対する質疑は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(大森久司君) この際、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 特定繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(大森久司君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(大森久司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#12
○委員長(大森久司君) 割賦販売法の一部を改正する法律案、不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括して議題といたします。
 両法案に対して質疑のある方は順次御発言を願います。
#13
○小野明君 景表法につきまして質問をいたしたいと思います。
 この改正は、権限を地方自治体におろすというものでありまして、たびたびの衆参両院での審議の中で要望されておった件でもあり、私も賛成をするわけでございますが、地方自治体にその権限をおろすというこの改正案につきまして、地方自治体の協力の体制といいますか、これを受け入れる体制というのはどのようになっておるのか、まずお伺いをいたします。
#14
○政府委員(谷村裕君) 数点についてお答え申し上げたいと思います。
 まず、先般来から、ただいま御指摘のように、衆参両院におきましてもそういう御決議をいただいており、また、そういうことを受けまして、地方公共団体のうちにも、こういう消費者行政の一環としての景表行政については地方としてもぜひやらしてほしいという、そういう御意見が出ているところでございます。そういう意味におきまして、また、私どもはこの法律をつくります際に、地方団体、都道府県知事の方々にもいろいろ御意見を承り、御相談を申し上げたのでございますが、中には、まだ自分のほうとしては必ずしもそれだけの体制が整えられないかもしれないと言っていらっしゃる向きもございましたが、大半は、大部分はぜひこういうことで進めてもらいたい、またそれに協力したい、そういう御意向でございました。
 それから第二に、現在の都道府県等におきましては、消費者行政のためのいろいろの仕事をいたしております。現に地方自治法もさようなふうに変わっておりますが、やっております仕事といたしましては、たとえば、消費者生活センターというようなところでのいろいろの苦情相談でありますとか、あるいは現品を展示して消費者啓発運動をやるとか、そういうことでございますし、またその他、他の省の所管に基づく、たとえば、宅建業法等に基づいてするいろいろな取り締まり等も引き受けておるわけでございますが、そういう形でやっておりますうちに私どもの景表法関係のいろいろな苦情相談その他もまいります。それを都道府県のほうから私どものほうに取り次いでまいります。それがかなりの数にのぼっております。これを取り次いできて、私どものほうで調べて、そしてまたやるというその手間を、もっと何とか早く地元で目につき、苦情を受け、気がついたらすぐにでも指導ができるようになっていたらいいのではないかという、そういうような考え方も地方のほうにございます。また私どももそう考えます。現にそういう仕事をいたしておりますだけに私どもは、今回の仕事をお願いするということになれば、これは手始めでございますから、だんだん充実してまいりますけれども、いまの体制としては、そういう姿が現にもう各都道府県においてもできておるということを申し上げたいと思います。
 それから第三番目には、いわゆる都道府県の機構といたしましては、ほとんどすべての県が、名前はいろいろございましょう。たとえば県民生活課とか、消費生活課とか、いろいろの名前がございますが、少なくとも部局の中にそれぞれの必要な課、あるいは多少の人員をそろえてやっております。それで必ずしもまだ十全なことはできないと思いますが、そういう消費生活をやるような部局もすでにございますので、私どもの仕事をするようになれば、おおむねそういうようなところがやはり従来の線に沿って引き受けていただけるようになると思っております。
 第四番目に、これはのちほどあるいは御質問になるかもしれませんが、本年度の予算におきまして、十月から半年分ではございますけれども、人員一人、わずか一人ではございますが、手始めでございますので、一応そういうことでございますが、そういう人を置き、そしてまた私どものほうのある程度の連絡活動等に要する経費、そういうものを予算で要求いたしまして、約二千万円程度の予算がそれに必要な経費としてつけてあるわけでございます。都道府県のほうとしては、いろいろ今後ともそういうことについて国のほうが積極的になるならば、もっと予算をふやしてほしいということをいっておりますが、最初のことでございますので、本年度はそういうことになっておるわけでございます。
 以上、とりあえず四点だけお答え申し上げました。
#15
○小野明君 地方自治体との協力と同時に、中央におきます各省との協力、この点が非常に大切ではないかと思います。いろいろ公正競争規約等が各省所管の事項においても行なわれておるわけですが、聞くところによりますと、不動産広告の規制についても非常に甘い、あるいは食品表示についても問題がある等、公取の努力もさることながら、各省のこれに対する協力というものが見受けられない、そういう事例を私ども聞いておりますし、また事実もあると思います。それで、その行政に対する各省の非協力ぶり、このはなはだしいものを一つあげてもらいたい。
#16
○政府委員(谷村裕君) お説のとおり、私どものほうの立場からいたします景品表示法による行政と、それから各省所管のそれぞれの、たとえば家庭用品でありますとか、食品でありますとか、そういったものについての、あるいはいまお話がございました不動産でございますとか、そういうことについてのそれぞれの立場からする行政とが一つの目的に向かって両方の立場から行なわれております。そういう意味におきまして、私どもが中央各省の間との連絡を密にいたしまして、消費者行政の実をあげなければならないことはお説のとおりでございます。実は私も、公正取引委員会の委員長になりました際に、何か公正取引委員会だけがひとりで一生懸命張り切っておって、各省は何か業者のほうだけを向いているというふうな形に伝えられるとすれば、それはとんでもない間遠いである。やはり政府は一体となって、よく連絡しながらそういう仕事をしなければならないというふうに思っておったんでございますが、経済情勢の変化とともに、各省庁におきましても、非常に消費者行政ということに注目をいたしまして、そちらの方面での仕事にもかなり力を入れられるようになってきていると私は思います。私どもの仕事はみんな各省所管に関連いたしますいわゆる縦割り行政に対して横割りになりますので、すべて各省との連絡を密にしなければならないような問題でございます。そういう意味では御指摘のとおり、各省とも十分連絡をしてやっていかなければならないと思いますが、いまおっしゃいましたように、たとえばある一つの具体的な調査なり何なりをする。検査と申しますか、こういうようなときには、たとえば不動産におきましては、私どものほうがいわゆる不動産の誇大表示を取り締まる現場に参りますときには、私どもだけで参るときもございますが、たとえば建設省の関係をやっております東京都とか、そういった都道府県の方々とも一緒になって参ります。あるいはまた観光のおみやげ品等について調べます際、あるいはまた食品等について調べます際にも、ときによりそういうふうに共同でやっていることがございます。しかし、逆にまた御指摘になったような意味において、たとえば一つの公正競争規約をつくろうというときに、私どものほうはここまでひとつやりたいという話がある際に、そこまではいまはまだ少し行き過ぎではないかというふうな意味でのやりとりがあることもございます。これは行政官庁間において、ある程度どの点までの妥当性を考えてやるかということについての話でございまして、いろいろな御意見がそこに出てくることはあると思いますが、そういった各省の御意見も伺い、また、私どもは消費者側の御意見、学識経験者側の御意見、また業界としての希望、そういうことも公聴会等を通じて検討しました上で公正競争規約をつくっているわけでございます。何かそのはなはだしいものという意味は、公取はこうしようと思っているけれども、どっかの省はこう言ったというような具体的な例をあげろとおっしゃる意味でございましたでしょうか。
#17
○小野明君 そう、あればひとつあげてもらいたい。
#18
○政府委員(谷村裕君) そうはなはだしいというほどの懸隔のあるものはございませんで、たとえば、厚生省の方がいらっしゃるかどうかしりませんけれども、お化粧品の広告をするときに、色が白くなるとか、しわがとれるとか、たとえば透き通るようにおはだが白くなるとか、いろんなものの言い方がございます。これは、広告というものは多少とも文学的表現がございますから、その文学的表現に対してどこまではいい、これでは行き過ぎだという線を法律的に画するというかっこうになりますから、はなはだその辺の程度がむずかしいわけでございますけれども、私どもとしてはややきつめにといいますか、消費者の立場からいうと、色が白くなるといったって白くなりはしないとか、透き通るといったって透き通るということはうそだとか、いろいろおっしゃいます。そういう表現の問題、これを厚生省と御相談したわけでございますけれども、厚生省のほうでも従来とも薬事法に基づいて一つの基準をきめておいでになります。そうして厚生省のほうとしてはずいぶん昔だったら、こんな広告がと思われるものをどんどんつづめまして、そうして私、具体的にこまかい例は忘れましたけれども、色が白くなるというのはいけないと厚生省のほうでもきめているわけでございます。私どものほうでもやはり色が白くなるということはいけないということは、これは両方とも一致する。ところが、小じわを防ぐ、皮膚に栄養を与えるというふうな点はどうかというふうなところでは、さて栄養を与えるとは何だということで言うておった例がございます。結果的には皮膚に栄養を与えるというのは、まあ特定の化粧品についてはいいだろうというふうにしたことでございまして、こう非常に著しくかけ隔たった話というのはございません。
#19
○小野明君 公正競争規約というのは、これはやはりそれぞれの食品につきましても、あるいは不動産につきましても推進をされておる、またこれは私はいいと思うのです。その中でそう各省の間で目立った意見の食い違いというのはないと思うというふうな御意見ですが、やっぱり取り締まりの規制の総本山ですからね、やはり消費者保護のために断固たる姿勢で規制基準をつくっていく、こういう姿勢を貫いてほしいと思うのです。
 そういう立場で、いま化粧品の話が出ましたから、それについて尋ねていきたいと思いますが、化粧品については、昨年の十月の公取の告示に従ってことしの二月施行規則ができておる、こういうことでございますね。そのキャッチフレーズの基準というものがその中できめられておりまして、先日実施されたようですが、いま委員長言われましたように、消費者団体が猛反対をしておったといわれる皮膚に栄養を与える、あるいは小じわを防ぐ、こういうキャッチフレーズが許されている、こういうことのようですが、これはどうですか。この表現は科学的な根拠というものがあるのかどうか。公正競争規約の「(不当表示の禁止)」という中で、二号、四号にそれぞれ制限条項があるが、私が見ます限りにおいては、どうもこれにひっかかるように考えられるわけです。「ヒフに栄養を与える。」、「小じわを防ぐ。」――これは事実に基づいた表現だとお考えになりますか。
#20
○政府委員(谷村裕君) たいへん科学的に、栄養を与えるということはどういうことかとか、そういう言い方がたとえば、それは誇大であるというふうに判断するかというふうな、科学的な問題が一方にございます。それから一方には、いわゆるお化粧品というのは何のために皆さんがお使いになるのか。ただきれいにするということ一きれいというのは、色美しくするというだけのために使うのか、それとも、やはり皮膚ががさがさになったりするようなのに対して、ある程度それに対する対抗力を与えようとしてお使いになるのか、いろいろな立場からの御検討があると思います。正直申しまして、私どものほうは、そういった点についての、いわば、何と申しますか、行政官庁としてのはっきりとした考え方というものは、これは厚生省の専門的な薬事行政のお立場に対してお願いをして、そこの御意見を聞くということでやってまいるのが一番行政官庁としてはよろしいと。ただ、何としてもそこに行き過ぎがあってはならない。その行き過ぎをいまのような立場からチェックするとするならばどういうふうに考えるべきかということで、この点については厚生省のほうと、過去に出されました適正広告基準というものを中心にして検討したわけでございます。そして厚生省のほうに対しましても、過去においてつくっておられました適正広告基準を多少手直ししていただいたことがそのときもございます。そして最終的には、効能効果の範囲を行き過ぎないという程度において、ただいまのものが出たわけでございます。しかし、お選びになる消費者の側からすると、はたしてそれでいいのかどうかということが常に流動的に問題になることは、ただいま御指摘のとおりでございます。さような意味で、いつまでも何にもつくらないでおるよりは、とにかく、ああいう形でつくりましたが、今後とも厚生省と、その表現のしかたの程度、行き過ぎのないようにするということについて、いろいろまた消費者側の御意見も承って、これからも十分介意してまいりたいと、かように思っております。
#21
○小野明君 厚生省にお尋ねをいたしますが、おられますね。
 毛髪、皮膚、くちびるに栄養を与える、「小じわを防ぐ。」、「ニキビ、シミ、ソバカスを防ぐ。」――これは薬事法上問題がないわけですか。学界でもその効果というのは疑問視されておることばではありませんか。
#22
○政府委員(浦田純一君) 私、厚生省の環境衛生局長ではございますが、薬事法上のことにつきましては薬務局のほうで所管しておりまして、私、委細について承知いたしておりませんので、すみませんが、そちらのほうに御通告いただくようにお願いいたします。
#23
○小野明君 そうすると、これは薬務局長が関与しておるわけですか。
#24
○政府委員(浦田純一君) さようでございます。
#25
○小野明君 呼んでもらいたいですな。
 そうすると、公取のほうでは、厚生省の薬務局長とこの点は当然打ち合わされた上にこのキャッチフレーズを認められたわけですね。この点は消費者団体のほうも強く言っておることでもあるし、いま申し上げた表現というのは学界でも効果が疑問視されておる、このように私は聞いております。規則では、公正競争規約ではけっこうなことを書いておりますけれども、薬事法上、あるいは学界でも問題になっておるような表現を規則で許すというのは、公正競争規約の効果そのものがざるである、しり抜けになっておる、こう言わざるを得ないと思いますが、この点、打ち合わされておると思うんだが、どうもいまの委員長の答弁ははっきりしない。私は、誇大宣伝ではないかと、こう指摘をしておるんですが、再度、この点についてはっきり御答弁をしてもらいたい。
#26
○政府委員(谷村裕君) 先ほど来申し上げましたとおり、どのところまでがよろしいかと、よろしいかというよりも、むしろ逆に、それ以上になればそれは誇大宣伝であり、内容を著しく実際のものよりも優良なものであると消費者に誤認される表示であるというふうにいうべきか、この点の線を引く問題でございます。全くかたくかたくやってまいりますことも一つでございます。従来のやり方に比べてある程度前進するというのもやり方でございます。しかも、一つの表現のしかたというものが、ほんとうのものよりも著しく優良であると消費者に誤認される表示というふうに私どものほうでなっております。さような点について、私どもが厚生省の薬務局と相談、御意見を伺いましてやりました現在の点が、私どものただいまの時点におきましては、すでに公正競争規約に基づく一つの規則として私どもも認めておりますのでございますから、私どもの立場といたしましては、それはいわゆる誇大、誇張されたものではないと。ただし、それが全く正しいと申しますか、本物そのものの言い方であるかどうかという点については、ただいま御指摘になりましたようにまだ問題は残っておると存じます。さような意味におきまして、私どもはもうこれでいいとは決して申しません。しかし、いまの段階では、この程度の表現をもって直ちに、「著しく優良であると一般消費者に誤認される」表示という、例の景表法の文言そのものからいたしますならば、まず、ただいまの段階ではやむを得ないと、かように考えておる次第でございます。
#27
○小野明君 薬とか医薬部外品につけられるものならいざ知らず、化粧品というものは、薬事法にきめられておりますように、「人体に対する作用が緩和な物」と、こういう表現になっておるわけですね。そういたしますと、やはり効果そのものに、こういうことばそのものに大きな疑問のあることは、これはいなめない事実であると思う。そうすると、この規約の中の「(不当表示の禁示)」第九条二号に「虚偽の表現、不正確な表現等を用いることにより、当該化粧品の効能効果について、事実に反する印象を一般消費者に与えるおそれのある表示」、これに該当するように私は思いますが、これは業界に甘い基準であると私は言わざるを得ないと思うんです。この点をひとつ改める御意思があるかないか。改めるべきではないか。この際きちっとひとつ姿勢をしてもらいたいと思うんです。
#28
○政府委員(谷村裕君) 御指摘のような御意見は公聴会の際にも、また、その前の表示連絡会の際にも消費者団体のほうの方からお聞きしたことがございます。極端に申しますならば、なるほど化粧品というのは効能、効果という、いわば衛生的な効能、効果と申しますか、薬的な効能、効果は一つもないんだと、さようなことをおっしゃる方もございました。そういうことに対しまして、何が事実に反するものであるか、そこには疑問があるけれども、全くそういうものがないとも言い切れるのか、そういうものというのはどういうふうな立場でそれを考えたらいいのか、いろいろな御意見がございました。消費者のほうの方の一部からはまさにいまおっしゃったような御意見がございました。ただきれいにするだけであって、一つもそういう身体的な、物理的な効果は化粧品というものはゼロである、したがって、そういうものは一切書くべきでないとおっしゃる方もございました。しかし、世の中の消費者の方々の中には、必ずしもそうだというふうに考えておらない方もいるかもしれません。その辺のところは私どもこれからも消費者側の御意見もさらに十分承りまして、また厚生省の薬務局のほうのお考え方も承りまして、やはり御指摘のように正しい表示に持っていくということが私は必要であると思います。そういうような意味におきまして私は、現状をもって直ちにそれでいいんだと言い切るつもりはございません。そういう検討と申しますか、改良は御指摘のように今後とも加えてまいらなけりゃならない問題がある、かように思っております。
#29
○小野明君 この問題はしばらくおきまして、時間もないことですから、次の問題に移ります。
 牛乳の不当表示の問題ですが、五月十七日に明治乳業の「インチキ牛乳で引責、社長ら3幹部辞任」と、こういう報道がされております。これは朝日ですが、けさの朝日におきましてもこの報道がされておりました。それで、この問題の若干の経緯をかいつまんでひとつ御説明願いたいと思います。
#30
○政府委員(谷村裕君) 簡単に申し上げます。
 昭和四十五年九月上旬に、東京都内で市販されております十一社、三十銘柄の牛乳、加工乳を公正取引委員会としては試みに買いました。試買いたしました。そして、これを公正取引委員会事務局長名の文書をもって国立衛生試験所の慶田氏に分析を依頼いたしました。その結果が昭和四十六年三月末、約半年かかっておりますが、公正取引委員会事務局のほうにまいりましたが、その報告書によりますと、うち六社、十一銘柄の牛乳、加工乳に異種脂肪混入、あるいは混入の疑いのある旨の報告書が出たわけでございます。このため、私どもといたしましては四十六年六月、去年の六月、東京都内に供給する牛乳工場九工場に対して立ち入り検査を行ないました。そしてその調査は、牛乳工場が集乳をしている地域からいろいろなまの牛乳を受け入れます、その受け入れの検査の体制がはたしてしっかりしておるかどうか。あるいは製造工程の内容は一体どうであるか。また集乳や出荷の数量的な数字はどうなっているか。あるいはさらには、他の製品等との関係において異種脂肪を使っておるとすれば、その異種脂肪の使用の状況はどうであるかというふうなことを行なったわけでございます。それと同時に私どものほうは、もう一ぺんこれは念を入れて調べなければならないと思いまして、さらに東京都内で売っております牛乳、加工乳を買いまして、これをやはり分析検査をしてもらうということにしたわけでございます。いまの二つのことにつきまして、まず立ち入り検査の結果からは、私どもはどうも工場内部において異種脂肪を混入している、そういう姿というものをつかむことができなかったのでございますが、異種脂肪が誤って入るかもしれない管理体制、工場の建物のつくり方や何かに問題がありはしないかという懸念を抱くことはあったのでございますが、しかし、いずれも私どもとして異種脂肪が混入されるということがその工場において故意に行なわれていたということ、あるいは過失によって行なわれていたということを証拠立てるものの十分なものは得られなかったのでございます。
 それから、第二番目の試買検査につきましては、やはり同じように国立衛生試験所にお願いしたいと思って、極力その旨を厚生省のほうにもお願いしたわけでございますが、厚生省のほうとしてはいろいろ何と申しますか、食品検査その他のものが立て込んでおられて、いまはちょっと引き受けられないというお話でございましたので、農林省所管の公益法人であります日本食品分析センター及び日本乳業技術協会というのに分析検査を依頼いたしました。その結果は九月に出てまいりましたが、私どもの試買いたしました牛乳及び加工乳には異種脂肪の存在は認められないということでございました。そこで、私どもとしましては、第一回の国立衛生試験所の慶田氏にお願いした検査結果、これは検査方法が実は違うのでごさいますが、その結果と、そのあとで検査をお願いしたほうの検査結果とが違っていること、及び私どもが立ち入り検査をいたしました時点において十分な、私どもがそれが黒であるというだけの確証を得られなかったこと、その二つ及び今後そういうことについてしっかり何と申しますか、管理体制など確立してもらわなければあぶないというふうに思いましたこと、そういうようなところからこのことを直ちに表には出さずに、それぞれの六社の者を呼びまして、そうして厳重な注意を与えたわけでございます。と同時に、それを直接の所管担当の官庁であります厚生省のほうには御連絡を申し上げておったわけでございます。そういうわけで、私どもがどういう点を注意したかということは、もし御必要があれば詳しく申し上げますが、八項目ばかり詳しくやっております。そうしてその間、実は私どもとしましては業界、あるいは消費者に無用の混乱が起こるということを懸念いたしまして、そういうことを慎重に調査しておる時点においては表には出すことを控えておったわけでございます。
 ところが、八月でございましたか、新聞に四社の名前が出たわけでございます。これがたまたま中小の、中小と申しちゃ失礼でございますが、大手ではなかった業者の名前が四つ漏れたわけでございます。これは私どものほうが正式に発表したわけではございませんし、どうしてそういう名前が出たかは私どももわからないのでございますが、新聞に報道されました。一部には、私どもが小さいところだけを表に出して、大手をかばったんではないかというふうなことを言われる向きもございますが、私どものほうといたしましては一切そのことについては公式発表をしない。しかし、いずれときを見て、やはりもっと牛乳なり何なりについての体制が混乱を起こさないという時点を見きわめましたところでこういう問題についての発表をいたしたいと、かように考えておったわけでございます。
 ところが最近に至りまして、四月の初めに衆議院の物価特別委員会におきまして、さらに具体的に一社の名前、具体的には明治乳業の名前をあげられまして、それがあったかというふうな御質問があり、それに対する私の答弁があり、最近におきまして、もう六社のうちの五社の名前が出てしまったような結果になっておりますし、私どものいままでの調べでは、いまの段階において牛乳の管理体制その他は十分に確立され、また、異種脂肪混入の事実は現時点においてはないであろうという私どもの考えのもとに、公正取引委員会としては国会の御質問に答えて、どういう検体に、どういう疑いがあったか、どういう検査結果であったかということを先般御答弁申し上げたわけでございます。現実には、私どもはいまのところの段階では、業者のほうもいろいろ取り調べましたけれども、業者のほうではどうして異種脂肪が入ったか自分らとしてはわからない、検査結果で疑いがある、あるいは混入していると認められるというふうにいわれておっても、自分らのほうとしては、それを故意にやり、または過失によってもそういうものが入ったとは考えられないということを言い続けてきておりますが、さような段階におきまして公正取引委員会といたしましては、今後ともこの牛乳の問題については十分関係の官庁とも御連絡しまして、消費者の疑点のないように、しっかりとしたいい牛乳を消費者に供給していただくようにわれわれの行政を進めてまいりたい、こう思っておるところでございます。
#31
○小野明君 そうしますと、まだ現在の時点におきましても、この六社十一銘柄、これは当時の四十六年三月の分析結果があるにもかかわらず、異種脂肪の混入を認めていないということですか。
#32
○政府委員(谷村裕君) だれが主語であるかによりますが、私どもとしては非常に疑いがあると見ております。そういう検体については、慶田氏の調査によればそうなっておるという報告でありまするから、あとの報告では白というのが出てまいりましたけれども、その時点においてはあるいは入っていたのではないかという疑いを持っております。しかし、疑いを持っておるという形でありまして、断定的に言うことは私どもとしてはまだできない。私どもはやはり証拠に基づき、事実に基づいて行政をしなければならないという立場にもございますので、断定はできない。しかし、疑いは持っておるわけであります。それから、主語がもし業者のほうでありますならば、私どもに対する業者のいずれもの答えは、業者のほうとしては、さようなことで疑いはかけられておるというような試験結果は出ましたけれども、自分らとしてはどうしてそういうことになったかわかりません。そういう答えに終始しております。
#33
○小野明君 非常にあいまいな状態で、私どもどうも納得できないわけですが、四十六年三月の調査結果で六社十一銘柄、これはすでに発表をしておりますか。
#34
○政府委員(谷村裕君) その時点においては発表いたしておりません。
#35
○小野明君 現在は。
#36
○政府委員(谷村裕君) 現在は、先々週くらいでございましたか、衆議院の物価特別委員会における御質疑に答えて、その会社の名前、それからその牛乳が加工乳であるか牛乳であるか、そしてまた、それに対して混入していると認められる、あるいは混入している疑いがあるということについて、それぞれ一本一本について申し上げました。そういう意味では発表されていることになります。
#37
○小野明君 その六社十一銘柄、それをひとつ、衆議院ですでに発表しておるわけですから、発表願いたいと思います。
#38
○政府委員(熊田淳一郎君) 四十六年三月二十七日付の、国立衛生試験所の慶田雅洋室長、食品添加物第三室長でございます。が、この方の分析結果によりますと、まず明治牛乳でございますが、三つございまして、一つは普通乳、これに異種脂肪の存在が認められる。それからあと二つ、これは加工乳でございますが、これは異種脂肪混入の疑いが認められるというものでございます。その次に興真乳業でございますが、これは一つでございまして普通乳でございます。これは異種脂肪の存在が認められる。それからその次は三井農林乳業でございます。これも一つでございますが、これは加工乳でございまして、混入の疑いがあるというものでございます。それから四番目には協同乳業でございますが、これも一つございまして、加工乳でございまして、異種脂肪の存在が認められるというものでございます。その次にグリコ協同乳業でございますが、三つございます。で、いずれも加工乳でございますが、そのうち二つは異種脂肪の存在が認められるというものでございまして、残り一つは疑いがあるというものでございます。六番目に小岩井農牧でございますが、これは二つございまして、いずれも加工乳でございまして、いずれも異種脂肪の存在が認められるというものでございます。
#39
○小野明君 いま発表がありましたように、衛生試験所の慶田さんですか、この人の試験結果については、明確に異種脂肪の存在が認められる、あるいは純乳脂肪とは認められない等の報告がございますね。入ってなかった分については、存在が認められない。きわめて明確にこの報告がされております。こういう事実があるにもかかわらず、今日なおかつ明治乳業ですか、異種脂肪の混入を認めない、この言い方がどうもおかしいと、委員長もお考えになりませんか。農林省おられますが、この点はいかがですか。
#40
○政府委員(谷村裕君) 私どもとしては、国立衛生試験所の慶田氏を鑑定人として鑑定依頼をし七、その結果を得たわけでございますが、それによって黒と断定するかどうかということについては、その一つの検査結果だけをもってすることについてはもう少し慎重でなければならないという意味においてやったわけでございますが、私どもとしても、いまだにそこがはっきりとした確信は持てません。非常に疑わしい問題があると、しかし、どの段階でどのようにしてどうなって入ったのかということについては、いろいろ私どもも直接立ち入り検査までいたしたんでございますが、十分把握できなかったというところでございます。で、おまえはそれを、向こうが入っとらぬ、入っとらぬ言っているのをどう思うかと、こういう御質問だと思いますが、これはわかりません、率直に申しまして。確信を持って、そういうことは絶対ないはずだと思ってそう言っていらっしゃるのかもしれませんし、あるいはそうでないのかもしれません。この点については先般も、たとえば明治乳業の、やめられますことになったというその社長が私どものほうの事務局に見えましたときに、いろいろと事務局の者が聞いたそうであります。何のためにやめるんだと、やっぱり非を認めてやめるのかというふうなことで、かなりきびしく聞いたようでございますが、はっきりとした心証を私どもとしてはいまだ得ていないところでございます。
#41
○説明員(植木建雄君) 農林省の牛乳乳製品課長でございます。
 ただいま御質問いただいております点につきましては、農林省といたしましては、やはり酪農というものをしょって行政をいたしております立場でありますので、特に昨今の飲用牛乳の需要が非常に減退と申しますか、不振をきわめておる次第でございます。そういう意味で酪農の振興という立場上、需要不振ということにかかわるあらゆる問題につきましてきわめてきびしいと申しますか、深い関心を持っておるわけでございます。その一つに、牛乳の品質に対します消費者の不信感と申しますか、そういうものがやはり根強く消費者の間に広まっているんではないか。したがって、牛乳については、品質というものを、消費者に対して絶対間違いのないものだ、こういうふうにして需要を喚起していくということが消費需要を考える場合の基本ではないかというふうに考えておりますので、事実の究明そのものは、食品衛生法違反というような事実があったかどうかということにつきましては、私どもはやはり関係当局の十分な調査とかそういったものを待つべきだとは思いますが、農林省としましては、たとえ疑いにせよ、そういう牛乳の品質に関する諸問題に疑惑があるということについては、きわめて憂慮を深めているところでございます。そういう意味で、特に市乳のトップメーカーでもありますので、いま御質問いただいております明治乳業につきましては、国会でそういう事件が初めて明らかにされましてから、私ども農林省としましては明治乳業に対しまして厳重な警告書を出しますとともに、あわせて関係業界に対しましても、そういう不祥事の絶滅を期するように強力に農林省としても一般的な行政指導の分野におきまして指導を強めていく、こういう態度でございます。
#42
○小野明君 乳製品課長か。あなた、需要喚起ということから私は尋ねておるんじゃないですよ。そんなことは、だれもそういう答弁は求めていないんです。食品衛生法違反という事実があるかないかです。この観点から言っておるんでね。そういう的違いというか、商売根性を出しちゃいかぬ。また事実があれば、はっきり衛生試験所の事実が報告されておるわけですから、それが加工段階、処理段階で入ったにせよ、あるいはまた故意ということがあるにせよ、科学的な結果が出ておる以上は、これはやっぱりどうかわからぬというような態度をとること自体が不信感を招くことになるんじゃないですか。また、公取委員長もそこのところをはっきりひとつ業者にさしてもらわなきゃいかぬ、どうかわからぬというようなことではね。それは一回のテストではわからない。しかし、一回のテストでははっきりと黒と出ているわけですからね。
 それで、さらに委員長のこの報告の中に――公取事務局長の厚生省環境衛生局長並びに全国飲用牛乳公正取引協議会の委員長永井国男さんに対する要望書につきましても、これは四十六年の九月にされておるようですが、「異種脂肪が混入されている事実は認められなかったが、一部の乳業者工場において、生産乳の受入れから製品の出荷にいたるまでの生産管理体制の不備等が見受けられた。」こういう文書があります。これはきわめて事実をねじ曲げるものじゃないですか。異種脂肪がはっきり検査の結果は出ておる。こう報告をされておるにもかかわらず「異種脂肪が混入されている事実は認められなかったが、一部の乳業者工場において、」過失でこうなったんではないか、これは首尾一貫しない要望書になっておる。こういうあいまいな態度が、いまだに明治乳業の責任者がその混入を今時点においても認めていない、ここに私は原因していると思うのですよ。事実は事実としてはっきりさしてもらいたいと思う。農林省もね、また牛乳をよけい売ろうというようなそういうけちな考え方でこの問題を私は考えちゃいかぬと思うのです。消費者を中心に、事は異種脂肪という食品衛生法違反という事実の有無をはっきりして、科学的な根拠に基づいて私は行政やってもらわなきゃいかぬと思うのです。委員長、再度御答弁いただきます。
#43
○政府委員(谷村裕君) 私どものほうが全国飲用牛乳公正取引協議会と、それから厚生省環境衛生局長と両方に対して申し上げたことは、結局いま御指摘になったように、結果的には、ひとつ生産管理体制その他をしっかりやってくれということになっておりますが、その前段として、四十五年の九月上旬に市販されておる牛乳を買って分析検査を行なったらば、異種脂肪が混入されている疑いが生じた、これをまず言っております。その次に、さらにまた買ってみたら、今度は検査の結果は何もそういう混入という事実が認められなかったと、この二つのことを言っております。しかし、工場検査の結果は、あるいはそれが事実であるということになるおそれのあるような生産管理体制の不備も見受けられたから、ひとつ所管官庁としてはしっかりやってください、また業者としてもそこは十分心得てやりなさい、かようなことを言っておるのが私どもの厚生省並びに業界に対して言った事実でございます。
#44
○小野明君 たまたま公取が試買検査をやった、こういう結果が出た。それは私は評価しなければならぬと思うのです。しかし、その不信感というのがありますからね。一つは、この試買検査というのはどれぐらい金がかかるかわからぬが、たびたびやってもらいたいと思う。この点はいかがですか。
#45
○政府委員(谷村裕君) 牛乳に限らずいろいろございますが、特に牛乳についてはそういうことがございました。あるいは御指摘のようなことを私どもやるべきだと思っております。
 この機会に申し上げておきますが、現に私どものほうはすでにまた試買をいたしまして、現在厚生省にお願いいたしますと同時に、農林省所管の先ほど申し上げました公益法人である日本食品分析センターにもその検体を送付いたしまして、今度は一ぺんだけということではなくて両方の分析検査を、いわゆるクロスチェックという形でやっていただくように、すでに現在さようなことをやっております。そのことをいまここで申し上げておきます。そうして、さらにまた、今後とも消費者の御疑惑がなくなるように、私はもういまの段階では厚生省、農林省の御指導も十分に行き届いておりますから、さようなことはないと信じておりますけれども、なお念のため全国にわたってそういうようなことが起こらないように、私どもとしての行政は行政として関係各省と連絡をとりながら進めてまいるつもりでおります。
#46
○小野明君 厚生省は、この問題が起こって、この問題に対していかなる処置をとられたのかね。もともとこれは厚生省がやらなきゃならぬ仕事じゃないですか。厚生省にひとつお尋ねをいたします。
#47
○政府委員(浦田純一君) 厚生省といたしましてはこの事件の前に、昭和四十四年におきまして、牛乳等に乳脂肪以外の脂肪、あるいはカゼイン等の混入することのないように各都道府県に対して立ち入り検査、あるいは監視等の強化をはかるように通知いたしております。しかしながら、昭和四十五年に至りまして、ただいま公取委員長のほうから申し上げましたような事実が起こったわけでございます。これに関しましては、昭和四十六年の五月十八日日刊紙に公正取引委員会事務局の試買検査の結果が、たしか記事が掲載されましたので、六月九日の日にさらに新しい異種脂肪の検査方法を添えまして各都道府県に通知いたして、その違反の有無、また違反があれば摘発するように指示いたしたところでございます。また一方、関係の業界それから会社に対しましてその旨の注意をいたしたのでございます。昭和四十六年の十一月二十日のことでございますが、公正取引委員会のほうから御連絡ございましたので、さらにトップメーカーである明治乳業株式会社に対しましては事情の聴取をいたしまして、私どもの立場としては牛乳といったようなものは非常に食品としても、病人の栄養、あるいは乳児の栄養を補うという大切なものでございますので、かりにこういったような事実が過失にしろあるということであるならば、それ自体が問題であるという立場から、この事実につきまして疑いを持たれたということ自体につきましても、明治乳業に対して、たとえば荷受けの際のチェック、あるいは製品工程における管理、あるいは製品の管理といったようなことに具体的に改善その他を命じまして、その結果につきましてのてんまつ書の提出を求めた次第でございます。自今、各都道府県を通じまして異種脂肪混入の事実について、今日に至るまで調査あるいは検査を進めているところでございますけれども、当該の会社につきましても、その後異種脂肪の混入しておるという事実は、厚生省関係の検査機関におきましても認められていないということでございます。
#48
○小野明君 この四十六年の調査でも六社十一銘柄というものがあがっておるんですね。ですからこれは大体、こういうものは公取にももちろんやらなきゃならぬ権限があるわけですが、もともと厚生省が試験所を持っておることであるし、この問題になった六社十一銘柄を中心に、これから夏の需要期でもありますし、もっと積極的な姿勢を示すべきじゃないですか。また農林省も、業者に甘い態度でなくて、牛乳を売らなきゃいかぬということではなくて、こういう違反業者に対しては、きちっとやっぱり措置をとるという厳正な態度で私は臨むべきだと思う。再度厚生省と農林省に答弁を願います。
#49
○政府委員(浦田純一君) 従来、牛乳に異種脂肪あるいはその他のものが、本来成分でないものが混ずるということは厳重に、私どもはその事実がないように取り締まりその他指導の強化にあたってきたつもりでございますけれども、先ほど申しましたように、昭和四十四年におきましてすでにその辺のことについて各都道府県に対して通知し、また四十六年に至りましては、新しい検査技術につきまして特に各都道府県の担当技術者を呼びまして、その技術の指導講習をするといったようなこともやってきておりまして、つとめてきておるつもりではございますが、なお、非常にものがものだけに今後ともさらに一そう厳重な取り締まり体制、監視指導の体制の強化、実効をあげていくようにつとめてまいりたいと考えております。
#50
○説明員(植木建雄君) 異種脂肪等を混入した牛乳を販売いたしましたような乳業に対しましては、やはり厳重な、厳粛な措置をとるべきであるということにおきまして、私どもも全く同感でございます。そういう意味におきまして、農林省といたしましても牛乳につきましては、公正取引協議会という自主的な、自分らの公正を確保するための団体もございますので、昨年の八月の時点におきましても畜産局長から厳重な行政指導を行なっておりますし、また、今回の明治乳業をめぐる問題につきましては、特に影響するところも大きいというところで、四月の十一日付で明治乳業に対しまして警告書を発しまして、厳重な注意を喚起しておるというような次第でございます。なお、この問題につきましては、事態の重大さがきわめて大きいと思いますので、あらためて農林省といたしましては、その後関係の業界に対しましても、今後こういう不祥事を絶滅するように特に注意すべく、行政指導を畜産局長から行なったところでございます。
#51
○小野明君 それから厚生省、これは牛乳をたびたび買っておる町の声ですが、どうも製造月日の日付問題、たとえば、日曜日になると配達をする方がおられないのかどうか。あるいは連休の前になると、翌日の、あるいは数日先の製造月日を打っておるらしいんだね。こういう事実について調べたことがありますか。
#52
○政府委員(浦田純一君) 日付の問題は、やはりそういうふうな事実があるとすればそれは違反事項でございます。いままで私どものほうに報告を受けた範囲内におきましては、私はそのような事実は承知しておりませんけれども、万一日付につきまして先取りした、まあ誤った表示をしているということがありましたら、私どもとしては違反事実として厳重に取り締まってまいりたいと考えております。
#53
○小野明君 製造月日の問題などは特にひとつ気をつけてもらいたい。そして大型のケースになると、製造と書いて、月日が非常にあいまいになっておる。ナンバーリングで打ってあるけれども、日にちが明確でないような打ち方がしてある。けさ私は見てきたばっかりで、ここに現物を持ってくればよかったけれども、とにかく、いつつくられたもの、製造されたものかどうかがはっきりしないものが多い、大型のものになればなるほど。月日の問題はひとつ厚生省でも厳重に一これは私はどこの銘柄ということは申し上げませんが、ひとつきびしくチェックしてもらいたいと思います。
 それから、再度公取の委員長にお尋ねをいたしますが、明治牛乳がインチキ牛乳で、一本について一円程度もうけた。これは新聞によると、昨年九月期に記念四分増配をやったというんですね。これは業界の七ふしぎとか何とか書かれているようですが、四十億も五十億ももうけるなんということはまことにけしからぬ話です。これは独禁法二十五条によると無過失賠償責任制度、故意または過失の有無にかかわらず罰金があるのだが、これによって消費者に返済を求めるということができるのかどうか、これをお尋ねします。
#54
○政府委員(谷村裕君) まず前段の、たぶん新聞記事を引用されたと思いますが、一本について一円、あるいは数十億という話については、私どもそれが事実であるかどうかは、まず私どもはただいまの段階では存じません。
 それから、法律の解釈の問題でございますが、まさに二十五条ではさような「不当な取引制限」や「不公正な引取方法を用いた事業者は、被害者に対し、損害賠償の責に任ずる。」しかも、それは故意、過失を問わないと書いてありますが、同じくその次の条文、二十六条におきまして、そのような損害賠償の請求は、いわゆる確定審決を経た場合に初めて裁判所はこれを主張することができると、かようになっておりまして、審決をもって私どものほうが、はっきりこれはもう不公正な取引方法をしたのだというようなこと。これがたとえば、やみカルテルを結んでおったんだというようなことのいろいろな姿の勧告審決とか、同意審決とか、あるいは正式審決とかございますが、審決として確定した場合にできるということでございます。さような意味におきましては、まず御質問になりました問題につきましては、私ども独禁法上の審決という措置をとっておりません。そういう段階のことでございますので、御了解いただけると存じます。
#55
○小野明君 最後に、通産省に一点だけお尋ねをしておきたいと思います。
 一つは、最近の繊維類ですね、シャツを着たらここに何ですか、ほろせができたとか、いろんな事例があげられております。さらに、大阪の千日ビルの火災で見られますように、新建材が火災に対して非常に危険である、こういう商品に対する有害性の表示とか、チェックのシステム、こういうものをどういうふうにやっておるのか。もっときちっとシステムを確立してもらわなければいかぬと思うんですが、どうですか。
#56
○政府委員(佐々木敏君) まず、繊維関係の品質表示、あるいは加工の人体に及ぼす影響に対する繊維局の行政につきまして申し上げますと、品質表示関係につきましては、現在組成の品質は、混用率とか混用繊維とか等につきましては、全部品質表示法の対象になっております。問題は、先生がおっしゃいましたようないろいろと使用段階における収縮性とか、もしくは最近問題になりました繊維の難燃性等につきまして、ごく最近に家庭用品品質表示審議会を開催いたしまして収縮性、難燃性等の性能表示につきましても近く表示をする段階になっております。
 次に、加工が人体に及ぼす影響の問題でありますが、繊維製品は申し上げるまでもなく、高級化、多様化、あるいは洗たくの問題とか、しわの問題とか、防虫加工等々、加工はやはり繊維製品の高級化のためには必要でありますけれども、これが人体に及ぼす影響の度合いが非常に大きい場合には、これを厳重にチェックする必要があるというようなことから、昨年度から通産省におきましては繊維品安全対策会議を設けまして、ただいま六つの加工につきましてそれぞれ大学その他に研究を依頼いたしまして、人体に及ぼす影響の程度、それに対する対策等につきまして検討をいたしております。特に、最近はかゆみを伴いますホルマリン処理等につきましては、ごく最近、業界に対しましてこれの加工剤の処理等につきまして、適切なる指示をいたした次第であります。
#57
○小野明君 先ほどからちょっと懸案になっておりまして……。薬務局長見えておりますか。――薬務局長見えておらぬようですから、また薬務局長に対する質問は後日に譲りたいと思います。
 私の質問は以上で終わります。
#58
○委員長(大森久司君) 午前中の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十分開会
#59
○委員長(大森久司君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 午前に引き続き割賦販売法の一部を改正する法律案、不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案、以上両法案を便宜一括して議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#60
○竹田現照君 通産省と公取に、この両方の法律を込みにして質問いたします。
 先に公取にお伺いをいたしますけれども、公正競争規約、これのいままでの実績、それから当初の予定との対比、このことについて最初お尋ねします。
#61
○政府委員(熊田淳一郎君) ただいままでに公正競争規約で公正取引委員会が認定をいたしましたもの、景品関係で十四、表示関係で二十五、合わせまして三十九ございます。
 なお、そのほか、認定をしましたあとで事情の変化等によりまして内容を一そう強化させるというための規約の改正の認定も行なっております。今後におきましても、新たに業界を指導いたしまして、公正競争規約の認定をいたしてまいりたいというふうに考えております。
#62
○竹田現照君 今年度の規約作成の予定はどういうことになっておりますか。それとあわせて、この規約がそのとおり実行されているのかどうか。公取として監査をされているのですか、その点。
#63
○政府委員(熊田淳一郎君) 今年度規約を設定するようにただいま指導いたしておりますものには、次のようなものがございます。たとえば食パンの表示、それからチョコレート利用食品の表示、それから即席めん類の表示、ダシのもと類の表示、こういうようなものを現在のところ指導いたしております。そのほかに洗剤とか歯みがきにつきましても、表示と景品について指導いたしておるところでございます。
 で、公正競争規約の実施状況につきましては、公正競争規約の施行機関でありますところの公正取引協議会というのがございますが、この協議会を通じまして常時実情を把握をいたしておりますが、定期的にこの協議会から文書によりまして報告を徴するということもいたしております。また、公正取引協議会が自主的にいろいろ違反に対しまして制裁措置をとるというようなことがございます場合には、当公正取引委員会に一々報告をするようにさせております。それによって実情を把握をいたしておるわけでございます。そのほか、公正競争規約が適正に運用されておるのかどうか、違反がそれによって是正されつつあるのかどうかというようなことを把握をいたしますために、公正取引委員会独自の立場におきまして、公開試買検査会を催しまして、その規約の実施状況を把握するということもいたしておるわけでございます。
#64
○竹田現照君 いまお答えになりました公正取引協議会というのは、むしろそのメンバーの隠れみの的な存在になっておるやに聞きますが、それでこのメンバーが違反しても協議会が適当な処理をする、公取は排除命令を出さない。したがって、やみからやみに葬られてしまう。そういうようなことが事実問題としてはありませんか。
#65
○政府委員(熊田淳一郎君) ただいま先生御指摘のようなことは、ないと考えております。私ども公正取引委員会といたしましては、この公正競争規約の性格が、自主規制といいますか、業界がその内部におきましてお互いに規制をし合い、違反行為のないように是正をしていくというものでございますので、一時的には、協議会におきましてもしも違反を発見しました場合には、協議会が公正競争規約に定められております制裁措置に従いまして、具体的な処分をしていくということにまかせることにしておりますけれども、しかしながら、この協議会の制裁措置によってもまだ違反措置が十分に排除できないというような場合には、公正取引委員会が独自の立場から排除命令を出すとか、警告を発するとかというような処分を別途行なうという態度で臨んでおります。
#66
○竹田現照君 その排除命令というのは、実際出したことがありますか。
#67
○政府委員(熊田淳一郎君) 排除命令をいままでインサイダーに対しまして出した例はございませんが、警告を発した例はございます。なお、近く排除命令を出す予定のものはございます。
#68
○竹田現照君 いままで排除命令というものは、この協議会メンバーに出されていないということについて、結局同じ穴のムジナのようなものだからそういうものの中で適当に処理をされるだろうという、そういう疑念が消費者にある。ですから、いまは近くどういうふうに出されるのかわかりませんけれども、いささかもそういうことのないように公取は厳正なる態度をもって臨むべきである。それから、いろいろの問題があちらこちらで次から次に出ますけれども、そういうことについて公取の排除命令等がいままで出されておらないということが、事の白黒は別としてやはり疑惑を招いていると思うのです。ですから、その点は今後も厳正に処理をしていただきたいと思います。
 それから、不当表示の基準が最近甘くなってきたのではないかということが言われます。たとえば、食酢の表示は公取が規約できめました。今度のつけものの問題は違いますね。これについて公取はどうして黙っているのですか。
#69
○政府委員(熊田淳一郎君) 食酢の表示につきましては、合成と醸造というふうにはっきりと分けさせるように規約でも指導しておるところでございます。それでつけもの、酢づけにつきましてはJASとの関連がございまして、農林省のJAS規格をきめられる際に、公取といたしましては、やはり規約できめましたように醸造と合成というふうに分けて、やはり酢づけの質についても表示をすべきだということを、意見を申し上げましたけれども、これは農林省のまた科学的な技術的な見解もございまして、現在のところは農林省のおきめになったところに従っておるわけでございます。
#70
○竹田現照君 公取が意見を述べられたということは公けになっていないですね。やはりその点にも疑問がある。ですから、公取が意見を述べられたという場合はやっぱりそのことは明らかにしてもらわないと、関連で片方は規約をつくる、片方は黙っているというようなことがあっては、私はどうにもならないと思うんです。
 それから、このごろよく新聞に出ていますけれどもね、何というんですか、ジーパンというんですか、このけつのほうにUSAとかいろんなことを書いていますね。ところが、あれは実際は外国のものでないということもいわれていますね。ですから、とにかくメード・イン・USA、あるいはイングランドと書いてあっても、事実上はそうでないというような違反事実というものが、ああいう新聞等に報ぜられているとすれば、これはやはり不当表示であることは間違いないわけですから、そういうことについて、公取は、もう少し見解というものを明らかにする必要があるんじゃないかと、そう思うんですけれどもね、いかがですか。あとの質問にも関連しますけれども、どうも私たち日本人は外国ものに弱いですからね。何でもそういうことを書いておくと、よかろうというようなことですぐ手を出す、そういう傾向が多いもんですから。どうですか、あれはずいぶん新聞に出ていますよ、そのことについて。
#71
○政府委員(熊田淳一郎君) ただいまお話ございましたように、ジーパン、これは正式にはジーンズと呼んでおります。このジーンズの表示につきましては、排除命令あるいは警告というような措置をこの三月にとったわけでございます。これは先生御指摘のように、すべて英文表示でやっておりまして、しかも、英文表示を和文に直してみても虚偽な内容が含まれておるというような場合には、これは排除命令相当であるということで実は排除命令を出した案件でございますが、これはジーンズに限りませんで、その他の輸入繊維品、あるいは原料を輸入して日本で加工をしておる製品、そういうようなものに間々見受けられるわけでございます。これは消費者団体からも申告がございまして、私どもといたしましても、非常に違反の疑いの濃いものにつきましては、具体的な調査をいたしますと同時に、一般的には英文表示そのもの、これがまあ外国品が優良であるというような考え方がありますと、非常に一般消費者の誤認を招きやすいということもございますので、これにつきましては、原産国表示をはっきりとさせるということによって、この一般消費者の誤認を排除していくというようなことを現在考えておるわけでございます。
#72
○竹田現照君 四月十二日の参議院の物価の連合審査の際、私が取り上げました例のアメリカ系洗剤のべーシックHですね。あれはまあ明らかに私は不当表示であると思うんですけれども、これは通産省が業者を呼んで調べた上で、四、五日前の新聞ですか、全面的に非を認めたというようなことが出ていましたけれども、しかし、私のところにいまでもいろんなおかしな電話がかかってくるんですが、まあすんなりいってないと思うんですね。ああいうことについて公取はどうして黙っているんですか。どうも私は公取の態度が納得がいかないんです。私の質問に関連して、この四月の二十日の朝日新聞にこういうでかい広告が出ているんですね、べーシックH。これは全然通産省の工検の検査だとか、私の質問等に対する挑戦ですよ。この間の十七日の通産省の記者会見による発表等でいくならば、この広告は明らかにインチキなんです。明らかにインチキ。私は朝日新聞にも呼んで来てもらいまして、いろいろ聞きましたよ。たとえば、ここに米国政府認可最高品質表示というマークまでついているんです。あの現物にもついています。これは消費者団体がアメリカ連邦政府農務省に問い合わせたところが、こんなものは洗剤に使うべきアメリカ政府の表示ではないというのです、マークが。これは鳥の肉が安全で衛生であるということで使うマークなんだそうですよ。それを間々、こんなものをつけると、日本人は、アメリカ政府が保証済みだというようなかっこうに見る。こういうことを通産省は、公取は、独自の検査結果を持っていないと言っておりますけれども、私が指摘しましたように、通産省の工検での分析結果が、私の質問の段階で明らかなんですよ。だから、こういうことについて公取はてきぱきと処置をすべきだと私は思うのですよ。ところが、この家庭用品品質表示法に基づいて通産省が何かしたから、おれのほうはあえてやらなくてもいいんだというような、そういうことを消費者の団体にあなたのほうの景表課長が言ったとか言わないとかということを私は聞いておりますけれどもね、そういうことでは私はけしからぬと思う。ここまではっきりしておるんですから、あなたのほうはぴしっとした態度を、それこそ不当表示の典型的なものですからね、どうしていままでやらないのです。
#73
○政府委員(熊田淳一郎君) 先生の御意見、ごもっともでございまして、あのあとただいままでに調査を続けております。いろいろな先生おあげになりました景品表示法上の疑問点がございます。私ども厳重に調査を進めたいと思っております。
#74
○竹田現照君 これは調査する必要がないのだ。明らかなんだ、明らかになっているんですね。通産省に業者が呼ばれて、全面降伏したかどうか、私は現場を見てないからわかりませんが、とにかく、通産省の指示に従って直しますと、いままでのものは破棄しまして、新しいものを売りますと、こういうことになっているわけですよ。ところが、いま私が指摘したアメリカ政府のこういうマーク等で消費者の目をだまくらかすということが明らかであるものを――これは農務省からもアメリカの本社については警告の文書が出ているようですけれどもね。こういうインチキなことを、日本の消費者をごまかすようなことがはっきりしているんですから、これについては鋭意調査――もう調査する必要はないのです。事実が明らかなんだから。だから、公取は直ちにこの景表法違反で処置をすべき事犯であると、私はそう思うのです。いかがですか。
#75
○政府委員(熊田淳一郎君) できるだけ早く結論を出したいというふうに考えております。
#76
○竹田現照君 公取の委員長ね、結論は出ているのです、明らかにインチキであるという。だから、あなたのほうは直ちにこれについて景表法違反で何らかの処置をとる。この朝日新聞の四月二十日、御存じですね、こんなでかい広告なんですから。
#77
○政府委員(谷村裕君) 私、実は申しわけないんですが、四月二十日の広告というのを見落としまして、私自身がいま事務局が持っておりますものを見て承知いたしました。おっしゃるとおり、確かに問題が問題だというよりは、景表法違反の疑い濃いものと思います。
 なお、私どもの手で米国政府に、最高品質表示、Aグレードなどというこの商標がはたしていかなるものであるかは、工検的な立場において、たとえば先方の農務省なりに問い合わせるというような手続も要ることかと思います。私どもは、そういう意味でのきちんとした始末をしておかなければいけませんから、そういう意味でいま部長の言いましたように、取り急いで本件の処理を進めたいと思います。
#78
○竹田現照君 あの連合審査の際、委員長も御出席でしたからね、私のやりとりは十分御承知だと思う。これは中央三紙に求めたようですけれども、ほかのほうは断わられて、朝日だけが出したんです。それで聞きますけれども、これは、私は最初の広告は知っているのです、朝日に載っていたのは、だけれども。これはちょっとおかしいというので朝日のほうでこれは修正をしたらいいんじゃないかというようなことを言われまして、当初のほうから見ればだいぶん変わっているのです。ところが、修正の意見をそのまま入れているわけでもないのです。そこで私は、この天下の朝日新聞だとか、あるいはこれは三越だけなんです、これを売っているのは。こういういわゆる消費者の信頼度なり信用度なんというものがきわめて高いものを利用して販売行為をしておかしなことをやるものについては、私は業者だけではなく、こういう広告業者というのかな、だとか、あるいは三越等のああいうきわめて消費者に影響力のあるそういうところも当然に責任をとるべきだと思うのです。ところが、その体制がいまのところいまの法律上はあまりないんですね。ですから私は、そういうふうに景表法も法律改正等もし、あの連合審査の際にも言いましたけれども、消費者をごまかす意思があったかどうか広告主は別としても、結果的にそうなったのですから、不明を国民にわびるべきだと思う。三越なんかもこれはもう販売なんかも間違いだったと。そうして、そういう説明をして店員は売っていたわけなんですから、これはそういう謝罪を国民の前に明らかにする意味において、謝罪広告その他というものをやはり私は出させるべきだと思う。
 それから、いまのこの新聞広告に関連して、これだけでかいものを出すわけですから、国を相手とって告訴するというところまで行きまして――私なんか日本の国内メーカーから金でももらってやったのじゃないかといまでも電話がくるのですよ、はなはだけしからぬ話なんですけれども。こういうことについて、公取は逆にこれくらいの全面広告で謝罪広告を出すように業界に言うべきだと私は思うんです。いかがですか。
#79
○政府委員(熊田淳一郎君) 広告をします広告業者に対しましても、できるだけそういう不当な表示というようなものを広告に載せないようにということは、常時公正取引委員会といたしましても要望いたしておるところでございまして、たとえば不動産なんかにつきましては、公正競争規約の公正取引協議会の準会員というような資格で公正競争規約を守っていく、そういう面から広告業者も協力をしていっていただくというようなことを考えておるわけでございまして、まあ百貨店の場合にも、そういうような不当表示のものを公然と販売をさせるということは適当でございませんので、そういうようなことのないように今後とも十分に指導をしてまいりたい、要望してまいりたいというふうに考えております。
#80
○竹田現照君 特に、新聞広告等は広告審査協会というのがあるのですね。ですからそういうようなところでやはり問題になったようなもの、今度のこういうようなものは十分誤りなきを期した上に立って、広告料が入ればいいというものではないのですから、ほかの社はやはり断わっているわけですからぬ。そういう審査協会等でチェックして、消費者に誤解を与えないような措置を十分に、こういう報道機関なりとの間に公取との意思疎通というものをいまの段階で取りきめておく必要があると思うのです。こんなものが出てから私どもはあなたのほうを責めてみたって、これはあとの祭りなんですから、こういうことのないように公取とマスコミ業界等との取りきめをやはりなさっておく必要が私はあると思うのですけれども、私のこの見解についてはいかがですか。
#81
○政府委員(谷村裕君) 主として広告媒体との関係についての最後の御質問でございますから、それについての考え方を申し上げますが、やはり経済情勢の変化、特に情報化時代そしてまた消費者時代といわれる今日におけるそういう広告媒体の責任ということば、御指摘のとおり非常に大事だと思います。ただ法律上の問題として、そこにどこまでのたとえば審査を要求するか。これならばもちろんいけませんけれども、どこまでそこに法律の立場において要求するかということは、これはなかなかむずかしい問題もあろうかと思います。しかしながら、御指摘のような意味において一つのルールと申しますか、モラルの考え方と申しますか、そういうようなことをいま御指摘のような広告審査というやり方でもって先方もやり、またわれわれもそれに対して十分それぞれのいろいろむずかしい問題について話し合っていく、そして何かルールをきちんときめるようにできればということは、御指摘のようにたいへん大事なことだと思います。そういうような意味において、私どもも広告関係の者といろいろよく話をするのでございますが、なお一そう御指摘のような点については心がけてまいりたいと存じます。
#82
○竹田現照君 それからもう一つ、私もちょっと疑問な点があるので、不当表示に当たるのかどうか、ひとつ御見解をお聞きしたいのですけれどもね。スキーですが、私は北海道だから特にあれなんですけれども、いまオリンピックでもメーカーの大きなマークをつけているようなもの、あるいはメーカーが一目わかるようにスキーに入っているものがある。オリンピックの選手としてことしも札幌オリンピックでは、フランスの選手が出場がだめになりまして、帰国になってちょっと話題をまきましたが、ところが、私たち小さいときには、スキーにもほんの小さくどこどこの会社というのがちょっと書いてあったのですね、製造の。ところが、このごろはスキー全面に書いてあるのですね、何々スキーというのが。私は、あれは消費者の負担において自己の会社の宣伝を買わせておるようなものだという気がしてならないのです。その何々スキーという、メーカーであろうと何であろうと、それはどこか金具の前かうしろのほうに昔のようにちょっと書けばいいが、そうではなくて何々スキーというのがずっと出てわかっているというようなことはどう考えてもおかしいですね、ぼくが考えるのに。これは公取としては景表法との関連においてどういう見解をお持ちですか、事前にちょっと言っておかなかったので検討していないかもしれませんが。
#83
○政府委員(谷村裕君) 御承知のように景表法の第一条というものは、不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止することによって、一般消費者の利益を保護するということにあると思います。そういう不当誘引というものをやる具体的なそういった表示の中身としては、例の四条の一号、二号、それから指定はしてございませんが、三号ということになります。このものが実際のものよりも著しく優良なものであるかとか、あるいは取引条件が実際よりも著しく有利であるかというようなものがいわゆる不当表示になるわけでございますけれども、ただいまのスキーにしても、全般に全部あるというふうなこと、しかも、それが一般消費者には誇示されます。しかも、特に優秀な選手がそれを使ってあんなにいいジャンプができるのか、クリスチャニアができるのかということがわかること、それ自身はなるほど一つの事実でございますけれども、はたしてそれが不当表示というものとしての、著しく優良なものであると誤認させる表示をしたという、この私どもの文言から直ちに不当表示の問題が出てくるかということになりますと、竹田委員も、疑問に思うが一体どうなんだろうと言われておりますように、私どももちょっとそれは直ちに不当表示の問題になるかどうかという点については疑問に思います。むしろ不当表示の問題よりは商業道徳ないしはスポーツ道徳の問題ではなかろうかと、法律において消費者保護という立場から不当表示とすべき問題としてはやや遠いのではないかというふうに思いますけれども、この際私一人でこういう話を申し上げてもなんでございますから、御指摘の問題については事務局でもひとつ検討いたしますし、委員会でも話題としてひとつ勉強さしていただきたいと思います。
#84
○竹田現照君 これは念のためですけれども、たとえば、このかばんに谷村かばん店だなんて書いていたら普通は買わないでよ。冗談じゃない、かばん屋からもらってきたようなものですから買わないですけれども、スキーというのは買わざるを得ないわけです、子供でも。ぼくはやはり、消費者に金を出させて自分らの自社宣伝までやらせるということは、これはけしからぬ商行為のような気がするのです。これは政府機関で、郵政省が郵便切手に、郵便番号の普及のために番号を日本の地図に入れて、一ぱい書いているやつがある。こういうやり方と同じように、利用者の負担において自分らの宣伝をさせるなんていうのは、これはちょっと検討して、むしろこれはやめさせるベき商行為であると私は思うので、まあ委員長、長く日にちをかけないで検討してください。
#85
○小野明君 簡単にお尋ねをいたします。
 化粧品の公正競争規約の施行規則で「小じわを防ぐ。」このキャッチフレーズが許されておるわけですね。あるいは「ニキビ、シミ、ソバカスを防ぐ。」というのが許されておるように聞いておりますが、事実ですか。
#86
○政府委員(武藤g一郎君) 公正競争規約につきましては、公正取引委員会のほうで先般改善が行なわれましたけれども、御指摘の点につきましては、その点は残っております。
#87
○小野明君 これは許されておるわけですね。残っておる。
 そこで公正取引委員会に、委員長にお尋ねをしたんだが、その辺は薬事法との関係で、この宣伝については厚生省のほうで主張があった、こういうふうにお聞きをしております。そこで薬事法の二条に化粧品に対する定義というものが出ておりますが、この「小じわを防ぐ。」という表現、あるいは「ニキビ、シミ、ソバカス」等、この表現は何ら差しつかえはない、こういう御判断ですか。
#88
○政府委員(武藤g一郎君) まあ結論的にはそうでございますが、薬事法では、薬につきましては、先生御承知のように、効能とか効果というものは、基準その他が非常に厳重にきめられております。化粧品につきましては、誇大広告の点につきまして規定がございまして、それにつきましていろいろ通牒で内容に、具体的にたとえば指導基準が載っておるわけでございます。この点につきまして、先般の改正の際に、色を白くする、それから皮膚に栄養を与えるという点が従来の基準にはございましたけれども、その点を抹殺いたしまして、公正取引委員会のほうと歩調を合わして、その点の基準を公正取引委員会のほうで落としていただいて、私どものほうでも基準を落とした、こういういきさつでございます。したがいまして、残りにつきましては、昭和三十八年の通牒の指導基準がございますが、それによって現在では運用が行なわれている、こういう実情でございます。
#89
○小野明君 指導基準によりて運用が行なわれておるかどうか知りませんが、ここに誇大広告の規定があります。六十六条。「効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。」これがそうですね。ところが「小じわを防ぐ。」というのは、これは事実あなた方が考えてみて、そうして学界においてもこれは問題のない化粧品の効果としてあげられますか。
#90
○政府委員(武藤g一郎君) 法律的に許可をする際での基準ではございませんけれども、広告に関しての一つの基準として、厚生省は従来からその点は認めてきているところでございます。
#91
○小野明君 従来認めてきておるということは、これらの点については、効能、効果は正しく表現されておるのだと、こういうお考えですか。
#92
○政府委員(武藤g一郎君) 広告の点につきまして、もちろんその化粧品につきましての実態からしまして、そういう点を認めているところでございます。
#93
○小野明君 広告だから化学的な根拠がなくともよろしいという筋合いのものではありませんね。ですから、実際にこういうことを書いて、このしみ、そばかすが防げるのですか、どうですか。化学的な根拠がありますか、うそではないですか。
#94
○政府委員(武藤g一郎君) 薬ほどの厳重な許可、認可等は行なわれておりませんけれども、広告の基準として認めている以上は、やはりそういう点は認められる点で、広告についてもその点は従来から指導基準で明示しているところでございます。ただ、広告基準でございますので、広告というのは、なかなか基準というのはむずかしゆうございますので、その点は十分今後とも内容につきましては検討していきたい、かように考えております。
#95
○小野明君 広告の基準というものが私は問題だと言うのです。それが実際効果のないもの、あるいは化学的にその効果、効能というものが疑問視されておる。こういう場合には当然この広告というのは是正されてしかるべきだと思うのです。どうでしょう。広告だから少しは間違ってもいい、それが誇大広告に対する規制ではないですか、この法の。ですから私がお尋ねしているのは、消費者にとっては、その宣伝によってものを買っていくわけでありますから、多少は消費者がだまされることもしかたがないというようなことでは、これはけしからぬ。ですから、広告の基準だからどうだからというのでなく、毛髪、皮膚、くちびるに栄養を与えるとか、あるいは「小じわを防ぐ。」「シミ、ソバカスを防ぐ。」、これは学界でも化学的な根拠のあるものとして、化粧品につけてもよろしいのかどうか、そこを聞いているのです。
#96
○政府委員(武藤g一郎君) もちろん私が申しましたのは誇大広告に関します一つの基準でございますが、先生おっしゃいますように、実態がやはりその点は十分科学的でなければいけないということで、私どもはそういう点につきましては、従来から関係の学者には意見を聞いておるところでございます。なお、それを広告上どういうふうにあらわすかということは六十六条の広告の問題でございますが、その点も踏まえて今後ともこの問題につきましては検討を続けていきたい、かように思います。
#97
○小野明君 ですから、科学的に根拠のない表示、広告宣伝というものは、私はこれはうそだと思うんだが、化粧品業界にべったりの姿勢といいますか、非常に甘い基準を許してはならぬと、こう思います。ですから、厚生省の薬務局長としても、あるいは公取の委員長としても、この表現は適当でない、もっときびしい基準にすべきであると、こういう私は意見を持っております。ですから、再度検討してもらいたいと思います。
#98
○政府委員(武藤g一郎君) 医薬品につきましては、先生御承知のように、いろいろ効能の再検討等も十分行なっております。化粧品につきましても、先生の御趣旨のとおりでございますので、今後そういう観点からこの問題には取り組んでまいりたい、このように考えます。
#99
○竹田現照君 通産省にお尋ねしますが、今度の割賦販売法の改正は昨年の行管の「消費者保護に関する行政監察結果に基づく勧告」というものに基づいているわけですけれども、このような勧告が行なわれるということは、いままでこの割賦販売に対する通産省の適切な行政措置がとられておらなかったことに通ずると私は思います。したがって、この勧告がなされる前に今回のような法改正の必要があるという――改正の必要があるということは、適切な指導が行なわれておれば当然に通産省自体がおわかりになると思うんですけれども、そのことがなされておらなかった、なされなかったということはたいへん遺憾なことだと思いますので、まずこの点について見解をお尋ねします。
#100
○政府委員(林田悠紀夫君) 割賦販売法が昭和三十六年に制定されましてから十年ほどの年月がたったわけでございまするが、その間四十三年には大きな改正をいたしました。ところが、近年におきまして割賦販売その他の消費者信用の多様化と量的拡大がめざましいものがある反面、これについて金融知識やあるいは法律知識に乏しいというような一般の消費者が不当に不利益を受ける事例が多々見られるに至っているわけでございます。その間、通商産業省がまあ怠慢であったんじゃないだろうかというような御指摘もある次第でございまするが、現行法の運用を通産省としましては強化をしてまいっております。昨年の八月に割賦販売の審議会をお願いいたしまして、それに諮問をいたしまして、審議会としては異例の、短期間にきわめて高い頻度の、毎週のように会議を開いていただきまして、そうして消費者信用全般にわたって審議すべきところでございまするか、特に緊急を要する改正につきまして、優先的に答申をしていただいたわけでございます。その間に行管からの勧告があったわけでございまするが、その勧告の内容につきましても、この審議会で審議をしていただきまして、答申をいただいたような次第でございます。またその間には、昭和四十五年でございまするが、ブリタニカをはじめとしまする外国系の百科事典の訪問販売が問題を起こしまして、その件につきましては企業局長から各社に通達を出しまして、厳重にいろいろな問題点を指摘して改善を要請したわけでございます。ところが、なかなか改善の実があがらないというようなことがございまして、また再度この問題で、昨年の十二月でございまするが、「外国系百科事典等の訪問販売等の適正化について」ということにつきまして、各社に厳重な警告を発しました。また割賦販売一般につきまして、四十六年一月には「割賦販売価格等の表示について」というようなこと、また六月には「割賦販売契約約款の再検討について」というような通達を出しまして、各業界に指示をしてきておるというような次第でございます。仰せのように十分とはいっていないわけですが、できるだけの努力はいたしてきておるということでございまして、御了承をいただきたいと存じます。
#101
○竹田現照君 四十三年にこの法改正が行なわれて登録制から許可制に改まり、供託金の額も大幅に引き上げる、そういう改正が行なわれましたけれども、その後いままで倒産した件数はどれくらいあるのか。その原因、あるいはその被害を受けた消費者に対してどのような救済措置がとられたのか。たとえば、去年札幌で、これは一番大手の倒産だといわれておりますが、関西機器信用販売会社が倒産しましたけれども、ああいうような問題についてどういう措置がとられたのか、お答えいただきたい。
#102
○政府委員(本田早苗君) 前払式割賦販売業者の中で倒産した件数は、昭和四十年以来九件ございます。原因といたしましては過大な固定資産の投資、あるいは無理な営業規模の拡大、あるいは営業政策の失敗による売り上げの減少ということに伴う資金繰りの悪化というようなことで倒産に至ったものでございますが、年度別に見ますると、四十年に三件、四十一年に二件、四十二年に一件、四十三年に一件でございまして、改正後四十四年、四十五年は倒産がございませんでしたが、四十六年に二件発生を見ておるわけでございます。これらの倒産に対しましては、通産省といたしましては、倒産した前払式割賦販売業者に品物を納めておりますメーカーでありますとか、あるいは同業者に対して、倒産した会社の債務の肩がわりをして、商品の引き渡しを希望する契約者に対しまして商品を引き渡すように指導いたしておるわけでございまして、できるだけ契約者の被害を小さくするように措置をいたしております。たとえば、前受け金を受けておりまして、なお払い残額が残っております場合に、残額について支払った場合には、当初契約の商品を協力した会社のほうから渡すというようなことで処理を進めてまいっております。
 御指摘の関西機器につきましては、現在会社更生法の適用を受けることになっておりまして、更生計画は近く決定できるのではないかという段階までまいっております。
#103
○竹田現照君 現行法二十条で、通産大臣は「その必要の限度において、当該許可割賦販売業者に対し、財産の状況又は前払式割賦販売に係る業務の運営を改善するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。」とありますが、この改善命令がいままで出されたことがありますか。それで、その出されたことによって倒産が防止されたというような事例がありますか。
#104
○政府委員(本田早苗君) 御指摘のように、四十三年度に二十条の二の御指摘の規定が追加されたわけでございますが、その後今日まで四件改善命令を発動いたしております。その中で一件、昨年の四月九日に改善命令を出しましたタカケン商事の場合には、改善命令に基づきまして不良営業部門、これはインテリアの部門でございますが、これを廃止するということと、手持ち不動産を処理するということによりまして経営内容の改善を見まして、健全化が期待される実情になっております。
 御指摘の関西機器信用販売につきましても、かねて改善命令によりまして、改善をはかってまいっておったものでございますが、なかなか効果が出ずに今回のような事態に立ち至ったものもございます。
#105
○竹田現照君 たびたび問題になります外資系百科事典の問題でありますが、先ほど政務次官も御答弁がありましたけれども、先月の物価の連合審査会の際も、私の質問に対して田中通産大臣は、「百科事典の問題等、これは実効があがりまして、業者はこの販売をやめることにいたしまして、やめました。だから今後も引き続いて」云々というような御答弁がありましたけれども、これでは通産省の指導に従って、言われておるようなことはやめたことになっておるんですけれども、しかし、実際はやめていない。いまなお街頭販売その他が執拗に行なわれておるし、業者は、あなたのほうの指導をあまり守る意思はないということも言っておるようです。したがって、通産省の行政措置について、私は十全の信用度をおけないわけですね。同僚の議員も銀座でひっかかったとか、ある人は渋谷でひっかかったという事例、最近ずっと聞いています。これは事実のようです。ですから、一体、どこまでもああいう大きな問題になっているものについてやめるように、そういう措置をおとりになっているのか。通産省独自でもモニター調査等をやったということも聞いてますが、その結果はどういうことになっておるのか。いつまでたってもやめない業者の違反事実というものを公表して、一般の消費者の注意を喚起する必要が私はあると思うんです。どうしてそういう百科事典業者の違反事実というものを公表されないのか。私が先ほど指摘したべーシックのような問題は、通産省やられたわけですね。はっきりあれは公正審査ということも新聞発表されたからわかったでしょう。ああいうようなことをやはり適切にやられる必要があると思うんですけれども、全然行なわれてないところに、浜の真砂のたぐいで、いつまでたってもやめない原因があると思うんですけれども、どうですか。
#106
○政府委員(本田早苗君) 道路上で客を誘引する販売方法については、昨年の十二月に重ねて通達を出しまして、その販売方法をとらないように警告をいたしておるわけでございますが、この二月の十日に広島の通産局で、広島市内で、それから二月十八日は東京、大阪、名古屋、各通産局の職員が販売状況の調査をいたしました。その際広島、名古屋、東京の繁華街で、路上販売のケースが発見されまして、厳重に注意をいたしたわけでございますが、これによりまして、当該会社は全部百科事典の販売を三月をもって取りやめるということに相なりまして、一応の効果をおさめておるのでございますが、その後も通産局等の調査によりますと、なお街頭における販売があるということでございますので、今後さらに各通産局によりまして、街頭販売の状況を把握し、御指摘のような処置を考えねばならないというふうに考えておる次第でございます。
#107
○竹田現照君 いま私が指摘したようなことは現行法ではひっかからないんですか。何も引っかかるあれはありませんか。
#108
○政府委員(本田早苗君) 法律的にはこれを直接規制しておる法律はございませんが、ただ、それに伴う弊害を考えまして、これは自粛さすべきだということで指導しておるわけでございます。
#109
○竹田現照君 現行法でいまお答えのようなことだとすれば、今度の改正案ではどういうことになりますか。
#110
○政府委員(本田早苗君) 今回審議会に諮問いたしました際に、大きな問題点としては二点ございまして、消費者信用に対する保護法としての基本的な規制を行なう考え方、もう一つは御指摘の訪問販売、あるいは路上販売のような販売方法についての基本的な規制を考える方法、この問題を取り上げて検討したわけでございますが、消費者信用の基本的な規制ということになりますと割賦販売だけでなくて、割賦販売でないローンその他の問題もございますし、非常に広い分野にわたる。これに対しては、かなり長期な調査とこれに対する法制の整備が要するということになりまして、そういう商品販売一般について規制するということにつきましても、同様にいろいろ問題が起こるということで、その問題は引き続き検討するということにいたしまして、当面いろいろ割賦販売に関連しまして生じている問題をさしあたり改正をし、引き続き検討した結論に基づきまして、商品販売についての一般的な問題についての法制の整備が必要かどうかということの結論を得たい、こういうことでございますので、御理解をいただきたいと存じます。
#111
○竹田現照君 そうすると法律改正しても、この種の問題については、法律的に規制するものがないということになるんですね。そうすれば局長お答えになったように、何回もあなたのほうは勧告なり注意をして、三月末でやめるというのが、ひとつもやめないで、依然として行なわれていることは、通産省自体もお認めになっているわけでしょう。とすれば、いまのこの法改正で間に合わないとすれば、私が先ほど指摘したように、ブルタニカはこうだ、どこどこの外資系の会社はこうだということを、具体的にそろそろ考えなければならないのじゃなく、そういう事実というものを消費者の前にはっきり示して注意を与えるべきもう段階だと思うんです。いたずらに、これから調べてなんというものじゃないですね。あなたのほうに三月末でやめますという約束がなされていながらやらないんだから、だから、私が指摘したように業者のほうは守る意思はない、こう言っておるわけです。ですから、いつまでもそういうなまぬるいことをやっていたのでは私は話にはならない。
 そこで、公取にもあわせてお伺いいたしますけれども、このブルタニカ等の外資系の執拗な事典の売り方というものは、明らかに典型的な不当行為だと私は思うんです。ところが、消費者団体で訴訟を起こしても不起訴になった。不起訴になったことは何でもかんでも無罪放免になったということで、この間の参考人の御意見の中にも、いろいろとトラブルが起きて、むしろ業者のほうが強腰になってしまっているというような御意見もありましたけれども、公取に、四十五年の十一月二日に消費者団体から、不当表示の申告書が出された、そして不当表示の実例を示すカセットテープをはじめ証拠物件をあなたのほうに出してあるということを聞いていますけれども、そのことは事実ですか。
#112
○政府委員(本田早苗君) その前に……。いま御指摘のように、路上販売について効果がない、したがって、それを直接規制する法律をやらなければ意味がないではないかという御指摘でございましたが、今回の改正法によりまして、申し込み書面の交付を義務づけた、それからクーリングオフの制度を導入したということによりまして、これに伴う弊害に対するある程度の処置はできておるという点は御理解を賜りたいと存じます。
#113
○政府委員(熊田淳一郎君) ただいま先生お話しございましたような申告がございまして、またことしに入りましてから、資料の追加といいますか、そういうようなものがございました。
#114
○竹田現照君 その申告についてどういう措置をなされたんですか。
#115
○政府委員(熊田淳一郎君) いろいろと調べておりますけれども、こういう種類の案件で非常にむずかしい点は、口頭による不当な表示という点でございます。販売員が口頭によって顧客にいろいろ不当表示になるようなことを述べておる、これを証拠として取り上げるということに非常な調査上の因難さがあるわけでございます。それで、今日までまだ結論が出ないでおりますが、現在もまだ調査は続けております。
#116
○竹田現照君 四十五年十一月二日ということになると、二年半にもなる。しかし、公取は二年半もこの種の案件に日にちがかかるんですか。もう少し積極的にやれば――問題が提起されて二年半というんじゃ、消費者保護の探題としての公取の機能としてはこれは泣きますね。どうしてこんなに長く放置しておくんですか。
#117
○政府委員(熊田淳一郎君) ただいま申し上げましたように、非常に証拠の収集に手間どるということが最も大きな原因でございまして、そのほかに、これを調査いたしております際にまたほかの大きい案件が入ってくるということで、一時中断というようなこともございまして、本件につきましてはちょっと長引いておりますけれども、最近また新しい資料の御提出もございましたので、それによって調査を急いでおるわけでございます。
#118
○竹田現照君 いまが問題がいろいろと提起されて、ずいぶん世論に訴えられて、被害があちらこちらに出ていることがはっきりしているんです。それなのに、いまのお答えのようなことでは私は、消費者は絶対納得しないと思うんです。通産省の態度と同じように、もう少しそれは新聞等であなたのほうが、公取と通産の共同でもいいですから、そういう事実について、街頭販売その他の問題を含めて、消費者に注意を喚起してほしい、具体的な会社名をあげて。具体的な街頭販売等の場合というのは現実にあるわけです。事実としてあるわけですから、そういうことはやはり提示をしてもいいんじゃないですか。私、先ほど、前のことでもお尋ねしまして、公取委員長から先ほどお答えいただきましたけれども、これは緊急の問題として直ちに行なうべきだと私は思うんです。だから、二年半たって、これからまたいろいろ放置するなんということになると、何年たったら公取はこの問題について措置するのか、全然信用できないじゃないですか。どうですか。
#119
○政府委員(谷村裕君) 御指摘のとおり、私どものほうで、いまの問題に限らず、訪問販売について非常に問題があったために、その被害者約四、五十人から調書をとりまして、それでかりに法廷で争うことになっても十分対抗できるというあれを持って排除命令をやった例がございますが、これも排除命令をそのまま率直に受けませんで、審判に持ち込まれて審判事件となったケースがございます。さようなこともございまして、訪問販売についての事件の処理というものが、いま事務当局が申しましたようにたいへんむずかしい問題でございますが、じんぜんおっしゃるとおり日を送っていてもいいことではございません。四十五年の十一月というのでございますから、二年半ではなくて一年余りかと思いますが、それにしてもよろしくございません。それは事務当局たいへん込み合っておりますけれども、やはりさっき申しましたように、また新しい証拠等に基づいていろいろ検討していることと思います。
 それから第二に、これは先ほどの小野委員の質問にも関連するのでございますけれども、どの段階でいろいろのどういう措置をとるかという問題がございます。その場合に、私どもある程度これはあぶない、疑わしいし、しかも、放置しておいたらいかぬというふうな問題を、非常に厳格な証拠等をある程度用意してやるという排除命令でなくて、注意したり、警告したりする例はございます。現にこの例についても注意をし、それに対して改善の、何と申しますか、方向をこういうふうにいたしたいという、一種の始末書みたいなものですか、そういうものをとっている例でございますが、そういったようなものについてどこまでわれわれとしては消費者のために表に出すか。たとえば、排除命令となるとこれは当然公にもなりますが、さっきお話が出ましたように、排除命令までいかなくても、警告処分というふうなことで、あるいは注意処分というふうなことでやったもので表に出した例がございます。
 そういうようなわけで、私どものいたしますやり方としましても、いわゆる排除命令だけが一つの行政上のあれではなしに、いろいろなやり方があると思いますし、おそらくそういうこともお考えの上で私にお聞きになっていらっしゃるのだと思いますので、そういう点もわれわれ考えてみたいと思います。
#120
○竹田現照君 私も、いつか自分でもひっかかったということでお話ししましたけれども、明らかにごまかされるのですよ。にせの何とかの名刺を持ってきて一そんなところの申し込み書を持ってきて、それで私は四年ほど前にひっかかりました。私はサインはしたけれども、現物が違うものだから突っ返しましたよ。そういう契約書には、「この契約は輸入品に対してなされるもので解約は不可能であります」というようなことが書いてある。それはその後の問題になったものだから、この条項は削除されていまの契約書にはそういうものはないそうですけれども、ところが、全く似て非なるものですね、持ってくるものと送ってくるものとは。その販売方法というものはいまでも依然として変わっていない。私は、ひっかかったというより、金を一銭も払わないで返してしまったから、ひっかかりそこなったというわけですがね。ひっかかったのは一ぱいいるんですよ。議員の中にも、腹が立ってしょうがないけれども金を払ったという方がたくさんいます。
 そこで、今度の改正は四日間の契約解除期間というものが設けられている。この間参考人の清水先生にもこの四日間のことについてお尋ねしましたけれども、まあ四日間がいいとか悪いとか確たるあれはないんですね。いろいろと御説明はされるんですけれども、たとえば四日間は、まあ高いものを買ったなと、だからちょっといろいろ考えたが、これはやめようという期間だと、こういうんです。それならそれでいいんですけれども、私が言っているような、こんな百科事典なんというものは、見たところだけは確かにりっぱなんですから。私が見たものなんていうのは、一冊見て楽しいんですよ。まことにきれいです。そしてセロファンが何枚もある。「人体」でも、すぐ一枚めくれば血管、その次めくれば骨のほう、その次やると内臓が出ると、これが「チョウチョウ」から何から一ぱいあるわけです。とにかく絵本として見ても、子供に見せても、これは英語がわからなくても楽しいわいと、こう思うものなんですよ。ところが、送られてくる二十四冊というのは、そんなもの一ページあるかないかというのと、全然ないようなものもあるのです。それで私電話をかけたら、二十四冊集大成したものをお見せしたんだと、こう言うんです。ところがそうじゃないんです、現物は。したがって、そういうものを送られてきて、初めてこれはひっかかったなと思うんですよ。しかし、今度のこの改正で四日間ということになりますと、むしろ業者に、解約はもう四日間過ぎたんですからできませんよというための、何か業者側につごうのいい日にちを設定をしたようなことに私はなりかねないんじゃないかと、こう思うんです。とにかく、いろいろと御説明はありますけれども、ケースによっていろいろと違うと思います。自動車やミシンなどはまた別だと思いますけれども、こういう、とりわけ巧妙な外資系の業者というようなものについては、この期間だけでは一つも問題の解決には私はならぬと思うんです。むしろ現物を手にして、はっきりごまかされたんではないということがわかったときにサインをすることによって消費者を守る、そういうような方法というようなもの。この間清水先生も、私見ですけれどもと言ってそういうようなことを言われておりましたね。私は、そういうことをしないと、この改正だけではどうも不安なんです。これは、この改正案の立案の過程で、私も通産省に言ったことがあります。これは、どうも四日間というのは私は納得がいかない、実際の体験から。その点はどうですか。もしこの法改正に伴う、いま私が指摘したようなことが皆さんのほうで御理解いただけるなら、何らかの措置をとっておいてもらわなければ、このままではむしろ消費者保護にはならない。そういう業者の消費者に対する態度にむしろ権利をつけてやるようなことになりかねないと、そう思うんです。
#121
○政府委員(本田早苗君) クーリングオフの制度につきましては、購入者が購入の意思について不安定なままで契約するということがセールスマンの言辞等によって起こるということを考えまして、もう一度冷静に考えて、もう一度決心をする期間を与えるという趣旨でございます。このクーリングオフの期間の間には、現物が届けられても、申し込みあるいは契約を取り消した場合には、販売業者の責任において現物を持って帰らねばならないということになっておるわけでございますので、クーリングオフの期間内は現物が届かないというふうに判断しておるわけでございます。そうしますると、いま御指摘のように、現物を見てから、契約者として想像していた内容のものと現物とが違う、これについて措置を要するのではないかと、こういう問題に移ろうかと思います。したがいまして、クーリングオフの期間との問題じゃなくて、見せたサンプルと現物とが違うということに対する配慮を必要とするのではないかという問題であると存じます。法律的には、見せたサンプルと現物が異なるということになりますと、これは詐欺に該当する行為ということで取り消し得る行為ということになるわけでございますが、法律的には、民法の救済を要するということになろうと思います。しかし、一般の消費者は、法律知識も必ずしも十分持っていないということでございますので、今回の改正法の四条の省令で、契約書等に記載する事項をきめることにいたしますが、その際、見本と現物が違っているような場合に、契約の取り消しができるということを注意書きとして明瞭に書きまして、購入者に注意を与え、それに基づいて次の措置がとられるようにしたいというふうに考えておる次第でございます。
#122
○竹田現照君 それは具体的にはどういうことですか。たとえば契約約款に、私がいま指摘したようなことをちゃんと書かせて、事後に消費者側が被害を受けるようなことがいささかもあってはならないような契約約款をつくらせるように、徹底的に業者に対してあなたのほうは規制措置をとる、そういうようなことですか。
#123
○政府委員(本田早苗君) 御指摘のように、契約約款の中で、現物と見本が違っておる場合には取り消し得ますということを書かしめるということです。
#124
○竹田現照君 それは、法的にはどういう裏づけがありますか。その規制に対して、業者が、そんなもの法的に何らきめられないのだからということで守らなかったら一巻の終りですからね。法的にはどうですか。
#125
○政府委員(本田早苗君) 五十三条の罰則で、省令できめてある内容の記載事項を記載しない場合には罰則がかかるということでございます。
#126
○竹田現照君 それはちょっと私いまあれを持っていませんから……。業者に実害があるような罰則になっていますか。何か一万円や二万円の罰金やなんかじゃだめですよ。そんなものは払ってみたって大した影響ないのですからね。ばんばんやりますからね。
#127
○政府委員(本田早苗君) 書かないことに対しての罰則は三万円の罰金でございますが、基本的には民法の九十六条に抵触することで取り消しの行為、取り消されるべき行為だと、こういうことにつないでいくことになりますので、契約の効力としては取り消される行為、そうして、そういう注意書きを書かないことは割賦販売法の罰則に触れると、こういうことでございます。
#128
○竹田現照君 とりわけ外資系の会社に共通していることは、かなり悪質と言っていいか、何と言っていいのかわからぬけれども、弁護士を常に配置して、法的には弱い消費者に、言うなれば圧力をかけて、結局泣き寝入りさせるというケースが多いようですね。どうもブリタニカなんかその最たるものなんですけれども、ですから、そういういまのお答えだけでは、消費者を実際に守れるかどうかということはたいへん疑問なんですよ。それですから、先ほど通産、公取の両方にお願いしているように、百科事典等に対する業者に対するあなた方がはっきりした態度をとっていないから、そういうことをいまの段階でこの法改正、この景表法をも含めてこの二つの法律の改正を契機に、指摘されているような業者というものは、もう消費者の前にはっきり公示をして注意を喚起をする必要がある。そのことが改正法をより国民にPRをする道でもあると私は思うんですよ。ですから、そういう点もあわせて、ほんとうに消費者の利益が保護されるのかどうか、確信をもってお答えができるのか、くどいようですけれども念を押しておきます。
#129
○政府委員(本田早苗君) この法律が成立しましたならば、新しく消費者保護法として割賦販売法の性質が変わるわけでございます。したがいまして、改正割賦販売法の精神によりまして、法の保護すべき方向に反する諸行為に対しましては、明確な態度で処置をしたいと、こういうふうに考える次第でございます。
#130
○竹田現照君 守られるんですね。
 公取はどうですか、関連して。
#131
○政府委員(谷村裕君) 先ほどからだんだんのお話承っておりますが、私どもとしても、そういう問題についてこれからも十分詰めていきたいと思います。
#132
○竹田現照君 そこで、訪問販売で契約解除期間が設けられることは先ほど私がお伺いしていることですけれども、衆議院の委員会で、自動車の関係は業界が反対ではずすというようなことを大臣言っていますけれども、この政令事項ですけれども、この点はどういうことですか、これ。自動車をはずすということは私はたいへん不公平だ。有力な業界が猛烈な反対をすれば政令事項の中でそれははずしますと言う。いまは自動車だけでも、今度はミシンだ、あるいは電機もだということになると、事実上は骨抜きになってしまうんではないか。ですから、衆議院で言われた大臣の発言というものは撤回すべきだ。私は、こういうものの解約、解除期間というのは、ほんのわずかな可能性があってもそれを防止するということがねらいであり、それが法律の目的だとするなら、それから除外をするというのはどうしても納得がいかないんです。この政令できめようとするものは具体的に何を考えられていますか。大臣答弁しているように自動車だけですか。
#133
○政府委員(本田早苗君) クーリングオフの適用を除外する商品としましては、お医者さんの使う医療用の機械器具、あるいは農家の使う農業用機械器具等をまず政令で定めることを現在考えております。と申しますのは、これらの商品は訪問販売の形態はとりますけれども、購入にあたりましてそれぞれ専門知識もあり、比較して判断するということに相なりますので、この二品目は一応指定することを考えております。自動車につきましては、購入にあたりまして、販売の条件等の交渉が行なわれるのが通常でございます。しかし、その際、購入者の購入費が安定して契約がされるかどうか、これらのことにつきましては現在調査をいたしておりまして、その結論を待ってきめたいというふうに考えておる次第で、適用除外の品目にきめておるわけではございません。現在調査中でございます。
#134
○竹田現照君 そうすると、衆議院で大臣がお答えになったというのは私の聞き違いかな。それはどうですか。まだ検討中ということで、自動車ははずすということではないんですね。それ、念のために……。
#135
○政府委員(林田悠紀夫君) 衆議院の速記録を手元に持っていないんでございますけれども、大臣の答弁も、現在調査をして、しかる後検討するということであろうと存じます。ただいま企業局長が答弁いたしたとおりでございますので、御了承を願います。
#136
○竹田現照君 私は、衆議院の過程で――自動車もはずすべきでないということだけは強く主張しておきます。それから、政令できめる場合も、業界の力によってはずされるなんということの絶対にないように、私は特に要望しておきます。
 それから、この訪問販売の苦情の大半はセールスマンですね。そうして、セールスマンにだまされて文句を言っていくと、会社は、あれは解雇したとか、当社とは一切関係がございませんとかということで責任が回避される。そんなことをやっておったんじゃ、これいつまでたっても始まりませんので、セールスマンの教育、悪質なセールスマンの排除、こういうことについてどういうふうにお考えになっているのか。
 それから、あれは、いろんなものがみなそうですけれども、固定給でなくって歩合ですね、セールスマンは。それですから、結局売れ売れということで、ノルマをあげていくことによってどうしてもセールス自体が無理になる。そのことがその会社のセールスマンにとっては腕がいいということに通ずるわけですけれども、裏を返せば消費者ははなはだ迷惑をしている。そういうことに因果関係はなるわけですよ。したがって、そういうことについてどういうふうに業者に指導をなされようとしておるのか、お伺いします。
#137
○政府委員(本田早苗君) セールスマンにいろいろ問題があるということは御指摘のとおりでございますが、先ほども申し上げましたように、今回の改正によりまして申し込れ書面の交付義務を課した、あるいはクーリングオフの制度を導入したということで、セールスマンの弊害がある程度是正されるということは御理解いただけたと存じますが、販売業者に対しましてセールスマンの教育を徹底して、販売方法等についても、深夜訪問するというようなことを避けるようなこともよく教育し、徹底する必要があろうということは、御指摘のとおりだというふうに存じます。ただ、ここでセールスマンの責任につきまして、御指摘のように会社のほうにかけ合うと、あれはもう当社におりませんというようなことで責任をのがれるということにつきましては、先ほど申し上げました契約約款の中に、セールスマンの行為につきましては、割賦販売業者が責任を負うということを明記させるようにいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
#138
○竹田現照君 このセールスマンの責任範囲というものを明らかにするために、セールスマンに証明書を携帯をさせるということを販売業者に義務づけるということは、これはむずかしいというお話もありますけれども、できないんですか。あるいはまた登録制、これは、業界を登録していないんだから、業者を登録していないんだから、セールスマンを登録するということは法的にむずかしいということも聞いていますが、行管の勧告には、セールスマンに証明書を携帯させることを割賦販売業者に義務づけることということになっておるんです。ところが、これがむずかしい。そうすると、業者を登録していないからセールスマンを登録制にするのはむずかしいというのであれば、業者を登録することはどうなんですか。その関係を、いずれにしてもそのセールスマンの立場というものを明確にして、いわゆる悪質セールスマンというものを排除する、そうして会社もそのセールスマンが行なったことについては一切の責任を負う。解雇しましたから自後当社と関係がありませんなんという、そういう逃げ口上を与えない措置というものをやっぱりしておく必要がある。
#139
○政府委員(本田早苗君) 御指摘のように、行政管理庁の勧告におきましては、セールスマンについて身分を証明さす証明書を持たすとか、登録制を採用するということによってセールスマンと全社の責任を明確にすることが必要だというふうになっておりますが、法制の段階でいろいろ話し合いをしましたところ、御指摘のように、登録制かとっていない自由に営業できる販売業者について、そのセールスマンについて登録制をとる、あるいは有権的な身分の証明制度を敷くということはいろいろむずかしい、こういうことでございますので、契約約款の中で、セールスマンの行為について会社は全責任を負うということを明確に書かしめるということで対処いたしたいというふうに考えておる次第でございます。
#140
○竹田現照君 いずれにしても、このセールスマンと業者との関係、消費者に対する責任体制というものをより明確にする措置をとっていただきたい。
 時間がだいぶ迫っておりますから、ひとつ先へ進めますけれども、今度の改正で友の会、互助会、これがこの法律の対象になることになっております。この間、参考人の出席をいただいていろいろと意見もお聞きしました。各党ともあの意見にいろいろと疑問点を持っておられるようですけれども、この対象になる互助会等は一体どれくらいあるのですか。
#141
○政府委員(本田早苗君) われわれの調べたところによりますと、互助会が二百五十、友の会が百五十でございます。会員数は、互助会が四百万、友の会が百七十万。預り金の総額で互助会が百五十億円、友の会が百二十億円。それから、業者の人格といたしましては、互助会につきまして調査いたしました七十一団体のうちの約八割が任意団体で、二割強が会社組織、友の会については任意団体である。会費につきましては、互助会については、月三百円から五百円の六十回というのが最も多いようでございますし、友の会については、月千円掛けで十二回というのが最も多いようでございます。
#142
○竹田現照君 ちょっと、いま私が伺いました互助会が二百五十と言いましたね。これは冠婚葬祭等の互助会のことでございますね。それで、四百万の百五十億とおっしゃいましたが、間違いありませんか。
#143
○政府委員(本田早苗君) そのとおりでございます。
#144
○竹田現照君 私が聞くところによると、会員が四百五十万ということになっている。まあこれはいいんです。
 そこで、いままで互助会、友の会等で倒産の事例というものはどうなっていますか。
#145
○政府委員(本田早苗君) われわれの承知するところでは、友の会につきまして二件の倒産例が報告されております。一件のほうは会費満了直後でございましたので、すべて商品券に引きかえられていて、実際の被害額はごく軽少であった。もう一件は、五千八百万の積み立て金がありましたが、倒産会社の営業を全部引き受ける会社がございまして、その会社によって債権債務が引き継がれて処理された、こういうことでございます。それから、互助会につきましては一件ございますが、既契約者に対するサービスにつきましては、経営者が交代して営業を継続いたしまして、現在は営業を継続し、通常の状態になっておるということでございます。
#146
○竹田現照君 このいまの互助会、友の会で、新しい法律による許可基準に該当して前払式特定取引業として許可されるものはどれくらいありますか。
#147
○政府委員(本田早苗君) 前払い式の特定取引の業者ということになりますが、これに対する許可の基準は前払式割賦販売業者の許可基準を適用するというのが原則ということに相なるわけでございます。ただ、互助会の場合には、役務を提供するということでございまして、それに伴う若干互助会の特質というものがございます。この点は検討を要するというふうに存じます。と申しますのは、前受け金を預り金として経理しておりまして、集金費は損金に経理しておるということから、繰り越し損失をかかえているという形になりまして、経理の実態からいいますと、非常に不利な経理の実情を示しております。これらの点は、一応役務提供の特種な形態を考慮に入れて考える必要があろうかと思います。したがいまして、そのまま許可基準を適用するということになりますと、現在ある団体につきましては、かなり大部分のものが適格性がないということになりますが、業態の特質を考慮して、その辺については実情調査の上、許可基準についての配慮を入れたいというふうに考えます。
#148
○竹田現照君 その百五、六十億の前受金がいまお話があったような預り金勘定というようなかっこうになって、そうすると、事実上互助会というものが赤字ということになるのですね、表面は。実際はその金があるわけですね。そういうことはこれどうなんですか。法人組織として法律的にどういうことになりますかね。新しいこの法律を適用するのは法人でなければならぬことになっていますね。それはどういうことになりますか。
#149
○政府委員(本田早苗君) 任意団体のものについては、その経過期間の間に法人に変わってもらって、経理の実情が明確になるようにした上で許可するという形にいたしたいと思います。
#150
○竹田現照君 法人というと、これは都道府県知事の認可法人ですね。そうすると、これ年に一ぺんはその互助会の内容、あるいは経理状況等について報告の義務が課せられているのでしょう。そうすると、そういう場合に、いまのこの預り金というようなかっこうに基づいてこれをやっている限り、いつまでたったって収支は赤字になるのです。だから、そういうようなものはどういうことになりますか。
#151
○政府委員(本田早苗君) 法人にする際に、御指摘のように、都道府県知事の許可する公益法人になる場合も考えられますが、営業行為を行なう法人としては、やはり通常の会社組織になるものもあろうと思いますし、現実の業態からいきますと、会社組織になるものが多いというふうに判断をいたしております。そこで、この経理の処理でございますが、先ほど申し上げましたような経理のしかたでは繰り越し損失が出ますが、その辺の点については、繰る越し費用の計上というものを認めて、その辺は是正するということを考慮した上で判断する必要があろうと思います。
#152
○竹田現照君 この間の参考人の御意見の中に、互助会が直接役務提供しないでいわゆる下請けの会社がそれを代行するようなことがちょっとお話の中にありました。山本先生あたりの御質問の中に出てまいりましたが、これと法二十九条の五との関連はどういうことになりますか。
#153
○政府委員(本田早苗君) 互助会自体が法人になるということが必要だという考え方で処理するつもりでおります。それからサービス機関に事実のサービスをやらせることにつきましては、互助会は指定役務の提供を受けることの取り次ぎを行なう業者と、こういうことになります。
#154
○竹田現照君 私が質問したような場合でも、そのいわゆる親元互助会というものは、やはり法人格を持たなくちゃ下請けにそういう役務提供を代行させるということもだめだということですね。
#155
○政府委員(本田早苗君) そのとおりでございます。
#156
○竹田現照君 ここで、前受金の保全措置として指定受託機関を設けることに三十五条の四でなっております。これはどんな機関ができるのですか。これは全国で幾つもつくるのか。日本で一つしかつくらないのか。その指定受託機関なるものの性格と、でき上がったものは大体こういうものであるということをひとつ説明してください。
#157
○政府委員(本田早苗君) 既存の前払式割賦販売業者を中心にするものと、互助会を中心にするものと、二つの指定機関の設立を準備いたすことになっております。両者とも資本金は五千万円から一億円程度のものを考えまして、これらについては金融機関の参加を求める。そして金融機関の専門的な知識を活用して指定受託機関としての機能を十分に果たすようにいたしたい。その際、販売業者並びに互助会がこれに参加するということに相なります、それぞれの指定機関に。
#158
○竹田現照君 この会社というものは、「資本の額が五千万円以上の株式会社でない者」は指定してはならないと書いてありますね、法律には。これはまあ資本金が五千万円以下ではいろいろな面で、信用、あるいは保証、そういう問題で不都合だということで出されたと思いますが、そういうことなのか。それから、この指定受託機関が受託事業基金というものを設けなければならないということも書いてありますが、この事業基金の性格というものはどういうものなのか、ひとつあわせてお尋ねします。
 さらにまた、この業者の中には指定受託機関に参加しないといわれるものが一部あるそうですけれども、この前払式割賦販売業者というものが全部参加することが望ましいと思いますが、その業界参加の見通しはどういうことになっておりますか。
#159
○政府委員(本田早苗君) 受託事業基金を設けることになっておりますが、これは指定受託機関が受託事業を行ないます場合に、自己資金を充実して財産的な基礎を強固にしておく必要がある。しかし、設立当初から十分な自己資金を持っているということが困難でございますので、一定限度までは受託事業基金を積み立てておきまして不測の事態に備えると、そうして指定受託機関の支払い能力を確保すると、こういうことにいたしたいということでございます。
 それから指定受託機関に業界がどういう参加のしかたをするかということでございますが、前払式割賦販売業者につきましては大半が参加するという意向を表明しておりますし、互助会につきましては、全員参加という前提でいま準備を進めております。
#160
○竹田現照君 ですから、全員参加で進めているというけれども、一部は参加を何か親の遺言か何かでできないんだということを言っている大きな業者もあるようですけれども、そういうものをちゃんと説得して、発足するまでには全部参加をさせる、そういう努力をしているというふうに理解していいんですね。
#161
○政府委員(本田早苗君) 一部で参加について異なる意見があるというようなことが報ぜられておりますけれども、設立運営の具体的な構想がきまる段階で業界ともよく話を詰めまして、全体が参加できるような体制に整備したいというふうに考えております。
#162
○竹田現照君 先ごろ公取が不当な割賦販売表示の運用基準をきめられましたけれども、これには、不当表示に該当するおそれがあるものとして割賦販売条件などについていろいろ具体的な事例をあげて基準を示しておりますけれども、今回の改正案では、割賦販売条件を表示する際には「省令で定める」云々ということになっておりますけれども、この「省令で定める」云々と、公取がきめた運用基準とはどういう関係になりましょうか。
#163
○政府委員(本田早苗君) 改正案におきましては、広告の規制につきまして、割賦販売業者に対しまして一定の事項を一定の方式に従って表示しなければならないというふうに、積極的に表示すべき事項とそのやり方をきめておるわけでございます。で、このことによりまして、虚偽誇大の広告が避けられるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、法律的には景表法と一応別の見地に立ちますが、両方の法律が有効に働いて所期の目的が総括的には達せられるというふうに考えるわけでございます。
 それから、御指摘の価格等の表示につきましては、この法律ができました際に、若干この間の問題等は修正を要する点が出ようかと思います。たとえば、アドオン方式のところ、これらにつきましては、さらに成立のときに公取委員会のほうとよく調整をとりたいというふうに存じます。
#164
○竹田現照君 通産省の省令があとからできるわけですから、公取がきめた運用基準よりは前進をしたものがきめられる、きめられなければならぬわけですね。その場合は公取は、通産省の省令よりおくれている部面については訂正されるのですか。
#165
○政府委員(熊田淳一郎君) 今度通産省のほうで新たに省令でおきめになる事項、まだ内容を具体的に承っておりませんが、現在公正取引委員会がきめましたこの運用基準、この中で改めるべき面が出てまいりますならば改めたいと思っております。
#166
○竹田現照君 これはもう当然のことですから、そういうふうになさってください。
 それから、いまも局長のお答えの中で、アドオン方式を実質年率に改めさせる、こういうことになっておりますけれども、これはなかなかしろうとでは簡単にはできないのだそうですね、むずかしくて。それに対してはだれでもが一目わかるというように、もちろん業者も、あるいは消費者もそうですけれども、それはどういう措置をとられるのですか。
#167
○政府委員(本田早苗君) 実質年率の計算というのが、いろいろ何か方式があるようでございまして、そのうちの適当な方式を確定しまして、それによっていろいろなボーナス払いのような特殊な条件がありますから、それを取り入れた複雑な表になろうと存じます。この表の作成は相当経費のかかる問題でございますので、通産省で表を算定して作成をして業界に配付するということで、それらの経費負担については配慮をいたしたい。それによりまして、その表に準拠すれば簡単に年率表示に切りかえられるような体制にいたしたいということを考えております。
#168
○竹田現照君 まあ、いうところの換算表というものをつくってすべてにわかるようにする、そういうことですけれども、そこで、ちょっと関連してお尋ねしておきますけれども、現金買いと割賦買いとの間の利率というのか、手数料というのか、そういうものも含めてどれくらいが適正なものか。基準というのはあってないようなものかもしれませんけれども、行政当局としては現金買いとこの種のものとの、いわゆる金利だとか手数料に見合うものはどれぐらいが妥当であるとお考えになっているのか、参考までに聞いておきます。
#169
○政府委員(本田早苗君) 割賦購入におきます利息、手数料の実質年率は大体一〇%から二〇%程度になっておるようでございます。その内容は、金利のほかに集金費、それから貸し倒れ補てん費、信用の調査費、あるいは割賦販売事務費等が含まれておるようでございます。割賦販売価格が割り高かどうかという問題につきましては、これらの現金価格との差額を何が構成しているかということできまるわけでございますが、これらにつきましては、本年度の予算で割賦販売協会のほうに調査をしてもらうことにいたしておりますが、その調査の結果に基づきまして、適正な手数料等を算定いたしたいということでございますので、御了解を賜わりたいと思います。
#170
○竹田現照君 それで、いまお尋ねしたことですけれども、少しでも安くするためにも業者は多額の運転資金が必要になってくる。その運転資金が容易に融資ができるとなれば、無理して金を集めない。運転資金を集めないという方法をとれば、少しでも消費者には安いものが提供できるということになるのですが、そういう観点からどれくらい金が、一説には百二、三十億もあればいいのじゃないかという説もありますけれども、割賦金融の専門機関というようなものとあわせて消費者信用調査機関等を設けるお考えはございますか。
#171
○政府委員(本田早苗君) いま御指摘の点は、今後の割賦販売の業界の健全な発展のために必要だということでかねて指摘をされておる点でございますが、割賦販売の金融の専門機関の設立、これが必要だということでございますが、その前提としましては、御指摘もございましたが、信用調査機関であるとか、それの保証機関であるとか、あるいは回収機関であるとかいうものが並行的に整備される必要があるわけでございますが、これらについては、なお未整備の状態であるということともからみまして、御指摘のような体制に持っていくにつきましては、さらに体制の整備が必要だという現状でございます。ただ、方向としては御指摘のような方向に持っていくことが必要で、そのために金融機関のみならず、保証機関あるいは信用調査機関等を並行的に整備するようなことを推進してまいることが必要だというふうに存じ、そういう方向につとめたいと存じます。
#172
○竹田現照君 あと時間が二、三分しかありませんので、一つだけ要望しておきますけれども、先ほども触れましたように、新しく互助会、友の会が法律の対象になるので、いままで通産省所管外でしたから具体的にお調べになっていないと思うのですけれども、この間の参考人の御意見の中でもいろいろと私も疑問点がたくさんあるのですよ。だけれども、そのことを全部申し上げる時間的余裕がいまありません。それでたとえば、これは公取にも関係があると思うのですけれども、私がこの間一万五千円なり三万なりのもので利用者が満足しない場合にはどうするのだと言ったら、何種類かのいわゆる別の設備があります、こういうことなんですね。ところが、結果的にそれじゃそういうものを利用しなければならないことに、まあ少しはいいものをやってやろうということになって、そういうことに結果的になるはずというのは、一体どういうことになっているのか、私はわかりませんけれども、そういうのはあまりあのパンフレット等にも明確でないような私は気がするのです。ですから百円会費、あるいは三百円会費の何年積み立てで二万なり三万なり五万なり積み立てれば、葬式なり、いわゆる婚礼なりの行事というものはあまり恥ずかしくなく一とおりのことができるのだ、そういうふうに理解して互助会の会員等になるというのですが、それだから、もちろんその会費で設備はなされるべきだと思うのですけれども、お話があったように、この何種類もの、まあ二十万円くらいまでの設備があるというお話で、これは一般の業者の提供からみれば三分の一、あるいは半分の金でそのことが提供できるのだ。そういう設備は、それでは一体どこの金で行なうのか。互助会の会員の金でやるとすれば、これは明らかに私はちょっとインチキだと思うのですよ。これは全然別のところから金を出してやればいいんですが、互助会の金というのが、きめられた役務提供のものを設備するという以外に使われるとすれば、これはちょっと会員を募集する何というのですか、約款というものですか、そういうものについてだって、景表法に違反するかどうかわからぬですけれども、ちょっと誤解を招くケースではないかと思うのです。ですから、そういう面等も十分新法の適用にあたって、互助会等の運用について通産省もよくお考えになっていらっしゃるようですけれども、羊頭狗肉のたぐいでないように、いろいろな面で十分お調べになって、今後の運用に資していただきたい。そのことを特に申し添えて私の質問を終わりたいと思います。
#173
○中尾辰義君 最初に、公取委員会のほうにお伺いします。
 公正取引委員会の問題に対しての取り組み方、その姿勢等につきまして、いろいろな批判があるわけですが、問題を軽く見ているのじゃないか。あるいはどうしても問題の扱い方そのものがあまりにも慎重過ぎてタイミングを失っているんじゃないか、あるいはまた業界に対しても、いま一歩消費者の立場からしてもきびしい姿勢がとられておらないという点、あるいはまた、公正取引委員会の関係各省庁に対する姿勢が非常に弱いのじゃないか、いろいろなことがいわれておりますので、こういうことに関して、けさほどから乳業の問題が取り上げられておりますので、私もずいぶんその点につきまして、今回の乳業問題に対する公取の取り組み方ということについて、若干の疑惑もありますのでお伺いしてみたいと思います。
 それで、今度の乳業問題に対する公取の取り組んできたその経過報告につきましては、けさほどありましたけれども、もう一ぺん確認の意味で私のほうから経過を申し上げてみますけれども、最初四十五年の九月に、東京都内で市販されている牛乳、加工乳の分析を国立衛生試験所に依頼した。それは約三十点ほどしていただいて、四十六年の三月にその回答がきたと、その結果は異種脂肪混入の疑いがあるものもあり、明らかに異種脂肪混入という判定を下されたものも若干ある。その後四十六年の六月以降に東京都の乳業工場の実態調査に取りかかって、同じく八月にこれは牛乳、加工乳の試買分析検査が二カ所に依頼されておるわけですね。一つは日本乳業技術協会、ここに十六点、それから日本食品分析センターに十四点、この検査の結果が、九月八日に回答がきておるわけです。その結果に基づいて公取委員会は業界に要望をされております。それは異種脂肪混入の事実は認められなかったけれども、生産管理体制の不備もあり、製品出荷管理について公正競争規約違反行為にならないように業界に要望されたと同時に、厚生省にも同じようなことを通報されておる、このように私は聞いているわけです。
 そこで、問題点を少しお伺いしてまいりますけれども、四十六年の八月に日本乳業技術協会と日本食品分析センターに分析を依頼された。それはどういうような経過、検査方法で依頼されたのか、まずその点からお伺いしましよう。
#174
○政府委員(熊田淳一郎君) その場合は、ステリンのガスクロマトグラフィー方式という方式で検査を依頼したわけでございます。この検査方法は四十六年の六月に厚生省から「牛乳等の指導取り締まりの強化について」という通達が各都道府県に出ておりまして、その中に示されておる方式の一つでございます。
#175
○中尾辰義君 それは、その結果はあなた方は一応白であったと、こういうふうに聞いておりますけれども、そのとおりですね。
#176
○政府委員(熊田淳一郎君) そのとおりでございます。
#177
○中尾辰義君 そこで、次にお伺いしたいのは、検査方法に三つある、このように聞いておりまして、それはただいまあなたがおっしゃったような、四十六年の六月に、これは厚生省環境衛生局乳肉衛生課から各都道府県政令市衛生部局長あてに通知が出されております。この三つの方法について――厚生省、見えておりますか。これは、私が聞きたいのは、三つの方法がありますけれども、この中のともかく一つやればいいのか、それとも一つでははなはだ不十分である、どうしても精密検査をするには三つの方法をやらなければいけないのか、二点。
 三番目は、この三つの方法で非常に精密な検査方法とやや精密を欠くというようなものがあるのか、この三点についてお伺いをしたい。
#178
○政府委員(浦田純一君) 昨年の六月九日付で環境衛生局の乳肉衛生課長から各都道府県政令市衛生部局長あてに出しました通知の中身は、先生御案内のとおりだと思いますが、これの付属資料といたしまして、乳肉の成分規格の試験方法について資料を出しております。これは三つの方式でございまして、一つは酢酸フィトステロール、それから二番目がステリンのガスクロマトグラフィーでもって異種脂肪を測定していくという方法でございます。第三番目は酪酸価法と申します三つの方式でございます。私どもの指導といたしましては、この三つの試験方法を実施しろというふうにいたしております。
 この方法のそれぞれの価値でございますが、やはり一番手がけやすいものといたしましては、ガスクロマトグラフィーによる方法であろうと思います。また酢酸フィトステロール法も、これもやはり重要な検査方法でございます。三番目の酪酸価法は、場合によっては、前の二つの方式に比べればいわば補完的、補充的なものとしいて言えば言えるかもしれません。私どもの判定といたしましては、この三つの試験の結果を総体的に判断して判定をしろというふうにいたしてあるところでございます。
#179
○中尾辰義君 それで私がお伺いしたいのは、こういうふうに昨年の六月厚生省から出ておるわけですから、三つの方法でやらなければならぬと。ですから、これは公取の皆さんでもう御承知のはずと思いまするが、そこで、この日本乳業技術協会と日本食品分析センターに依頼された検査方法が、特に二番目のガスクロマトグラフィーですか、この方法で指定されておやりになっているんですね。私は、そこにも問題があると思いますね。こういったような問題になっているものを厚生省からも三つの方法でやれ、こういうふうな指示があるにもかかわらず、最もあなた、公正でなければならない公取がただ一つの方法で依頼をされて、その結果に基づいて白であったということ自体も私は、非常に慎重さを欠くのじゃないか、こう思うのですね。それはやはり前回黒であったのだから、それであればなおさら今回は三つ同時に試験をして、そうしてその結果はこれこれであったというふうに私は判断を下すべきだ、このように思うのです。その点はいかがですか。
#180
○政府委員(熊田淳一郎君) 先生おっしゃいますように、できるだけ慎重な検査方法というものを採用すべきであると思います。思いますが、当時の状況を申し上げますと、八月でしたか、毎日新聞に、四社の例をあげまして四十五年に行ないました検査方法のある程度の結果らしきものが報道をされました。そのために業界では中傷合戦というようなものも起こりかけてきたというようなうわさも耳にいたしました。そういうような状況でございまして、私どもできるだけ早く結論を出したいということを考えたわけです。立ち入り検査に引き続きましてできるだけ早い機会にこの分析検査の結果をもう一度出したい、こう思っておるわけでございます。その際に、この三つの方法全部ということになりますと、相当時間がかかるようでございます。しかし、このガスクロマトグラフィー法は時間的には一番早く結論の出る方法であるということを聞いておりました。できるだけ早く結論を出したいということと、このガスクロマトグラフィー法は比較的新しい方式であるということもありまして、この方式を指定をしたわけでございます。
#181
○中尾辰義君 厚生省のほうからはいろいろと検討もされまして、そうしてこういうような三つの方法でやるように指示も出ているわけですが、それをあなた、一つの方法でやって、そういうことを――私こんなことをなぜ言うかというと、前回黒だったのだから、それならばなおこいつは精密にやらなければならぬ。それをあなた方のほうが簡単におやりになっている。しかもこの書類見ますと、これはふしぎなことに日本乳業技術協会のほうは八月の二十三日にあなた方が依頼をされていらっしゃる。それと食品分析センターのほうにも同じく八月の二十三日に依頼をされておる。そして答えも両方とも、食品分析センターが四十六年九月八日に回答がきておる。技術協会のほうもこれまた九月の八日に回答がきておる。これまた疑えば、この同じ日に両方ともまたこういうような検査の結果の回答がきておるという点も、疑えば幾らでもあるんですね。ですから、あなた方の立場が非常にまた疑惑の目でもって見られている場合もある、それが一つですよ。
 それともう一つ私はお伺いしますけれども、国立衛生試験所のほうでは酢酸フィトステロール試験法、これでまあやっているんですな。それで一番問題なのはスワローズテールというんですか、こういう結晶が一番異種脂肪、油脂の存在を判定するに有力なる証拠なんですけれども、こういうのが出ておる。それを二回目の試験方法ではこういうふうに簡単におやりになっている。それで白だったからあれだと、そういう点もあなた方がもうちょっと厳密でなきゃいけないと思うんですな。厳密にやるということは、要するに、消費者の立場を守ることでありますから。その点が私は一つ非常にこれは疑わしく思うんです。その点いかがですか。
#182
○政府委員(熊田淳一郎君) ただいまの最初のほうの御質問でございますが、たまたま同じ日に依頼し、同じ日に返事があったということでございますが、これはまあ依頼は同時にやりましたから、当然同じ日になるわけでございますが、検査結果がたまたま同じような期間を経て出たということであるというふうに私了解をしております。
 それから、スワローズテールのような方式をとるべきであると、あるいは酢酸フィトステロール方式をとるべきであるという御意見でございますが、これはごもっともであると思います。で、最初のときには国立衛生試験所に依頼をいたしましたが、その際には、そういうような方式が分析検査の際にとられたわけでございまして、私どもといたしましては、二回目の検査の際にも国立衛生試験所にあわせて検査依頼をいたしまして、こういうふうないろいろな検査もやってもらいたいということを考えまして、当時厚生省を通じまして依頼をしたわけでございましたが、国立衛生試験所のほうではほかの検体の検査が立て込んでおるということで、遺憾ながらお願いができなかったわけでございます。そういうような事情がありまして、ただいま先生御指摘のように、ガスクロマトグラフィー法だけでいかざるを得ないということになったわけでございますが、しかしその場合でも、一つの機関だけに検査をさせるということは不適当であるというところから二つの機関、日本乳業技術協会と日本食品分析センターと両方に依頼をしまして、クロスチェックをしてもらう、こういう考えで臨んだわけでございます。
#183
○中尾辰義君 まあ繰り返すようですけれども、せっかく三つの方法で精密にやるようにという指示が出ているわけですから、最も厳格でなきゃならない公取側としては当然私は、そういう三つの方法で判断を下すべきだと、このように思います。そうせないというと、これはやはりいろいろな疑惑の目で見られる。
 そういったようなことに関連して私は、もう一つ聞きますけれども、この全国飲用牛乳公正取引協議会というのがありますね。これはどういう団体ですか、ちょっと説明してください。
#184
○政府委員(熊田淳一郎君) これは、飲用乳につきまして公正取引規約というものができておりますが、この規約の運用に当たる機関でございます。この規約に加盟をいたしております業者がすべてこの協議会の会員になっておりまして、そしてこの公正競争規約によります業界の自主規制、これを実施をする場合に、その監視もしていくというのがこの協議会の役目になっておるわけでございます。
#185
○中尾辰義君 私のお伺いしたところによりますと、これは乳業メーカーがほとんど入っている。千百四十五社も入っている、こういうふうに聞いているわけですけれども、ただ、私が申し上げたいことは、その中にあなた方の公正取引委員会の審判官をおやりになった方が次々とここの協議会の、これは常任委員兼事務局長になっていらっしゃるんですね。これは私は非常に問題だと思うんですね。まあ善意に解すればいろいろあるでしょうけれども、公取の審判官がこれは四十四年の五月一日から四十六年の十二月一日までは上村さんですか。さらに四十六年十二月から現在まで松浦さんが、これは公取の審判官をおやりになった方が事務局長になっていらっしゃると。こういうことも、どうもこれは公取の審判をする厳粛な審判官がこういうところに天下っていけば、これは当然業者と公取との間の癒着というようなことが勘ぐられるんじゃないかと、こういうところがら今回の問題もまあ派生してきたようにも思われぬこともない。だから私は申し上げている。この点いかがですか、このことは。
#186
○政府委員(谷村裕君) 中尾委員のお立場からそういうふうに私どもの立場に対して御疑念をいだかれることを、私は非常に残念に思います。しかしながら、まあ事実はまさにそのとおりでございまして――まさにそのとおりというのは癒着しているという意味じゃございません。その審判官をやった者が請われてそちらに参りました。公正取引協議会がいろいろたくさんございますが、そのうちでたしか私の記憶によりますと、私どものところにおりました職員が望まれてそこの事務局長ないし専務理事という職についているのは、たしか三つくらいあったかと思います。その他のものについてはなかったと思いますが、そういうことは私どもとしては、できるだけ協議会の運営を私どもの意に沿ったように、そしてまた業者のほうの立場だけでなしにうまくいけるようにと、そういう指導の意味も込めてやったことでございまして、決してそのために私どもの行政が業者サイドに傾いたり、あるいに何らかの意味でのゆるい扱いをすると、そういうようなことを引き起こすようではもってのほかでございます。私も、公正取引委員会の委員長として常に戒心しておるところでございますから、この際、私どもの考え方をちゃんと申し上げておきたいと思います。そして、しばしば御質問をいろいろなところでいただいておりましたが、私どものとってきたことすべてが私自身いろいろ反省してみまして、百点満点であったとは、それは私も言い切れないと思いますが、あの時点において私どもがとるべき態度としてとったことについては、これは私ども公正取引委員の委員長及び委員といたしまして、当時の状態においてはなまぬるいと言われればなまぬるいということばをいただくかもしれませんが、慎重にできるだけ扱っていこう、そしてある意味での混乱はできるだけ避けるようにしていきたいと、そういう配慮があったことはこれは事実でございますが、その配慮と申しますのは、やはり私どもの仕事というものが、証拠をかなりはっきりとつかんで、そして初めてそこにおいて何らかの措置に出得る、そういう行政の立場にあるというところから出たものでございます。
#187
○中尾辰義君 それは公取委員長のお話も私はわからぬでもないですよ。だけれども、あなた方の主観だけでは世の中に通らないと私は思うんです。公取の審判官が民間の全国飲用牛乳公正取引協議会の事務局長になっているという、これはあなた、聞いただけで第一印象は何だおかしいじゃないか。これは消費者感情というものも加味してものごとを考えなければ私はいけないと思う、国民感情という、そういうことを。これはそういうものはないかもしれませんよ。けれども、えてしてこれは公取の場合だけに限りませんですよ。いろいろな公害の、例の重金属のカドミウムだ、あるいはシアンだ、ああいうようなケースを衛生試験所等に依頼したような場合でも、どうも隠したがる。そして真実を発表しないで、すべてが後手後手になっておると、そして今日のああいったようなひどい公害の、農業の公害、その他いろいろありますけれども、問題を惹起しているわけですよ。それから、これは私はあなたがおっしゃったことはわからぬでもないけれども、それを全面的に受け入れる気持ちにはなっておりません。その点はよくひとつお考えになられて、ほんとうはこれは、今回の問題はあなたの責任ですよ。だれが責任かといったって、委員長が責任をとる以外はないですよ、これだけ大きな問題にして。ところが慎重、慎重はいいけれども、だからさっき言ったじゃありませんか。慎重、慎重でもうみんな後手になってタイミングを失してしまう。ここはいろんな批判もあるでしょう、その辺も加味して、これからはひとつ当たっていただきたい。実は私は、きょうは官房長官か総理を呼んでいろいろと所見も伺いたかったんですけれども、いろいろと衆議院の問題でお出になりませんが、それだけ一つつけ加えておきます。
 この問題はこれで終わりまして、次に割賦の問題を少し、時間がありませんけれども質疑をします。
 割賦販売につきましては、いろいろともう質疑がございましたので、だいぶ省略しますけれども、この外資系の百科事典の販売業者のことにつきまして、これは問題が非常にたくさんあるようですので二、三お伺いしてみますが、これはいま何社くらい認可されておるのか、そしてその大もと等につきまして実際全部掌握をなさっていらっしゃるのか、その辺はいかがですか。
#188
○政府委員(本田早苗君) 昨年、外国系の百科事典の業者に対しまして販売方法の自粛等の通達を出しましたのは、当時把握しておりました八社でございましたが、その後いろいろの事情から、それ以外に三社あるということが判明いたしました。インターナショナル・ヘライゼンス・インコーポレーションという会社は実は、社長がその八社の中の一社の社長と同じでございましたので、同種の会社と判断しておりましたが、別会社の社長を兼務しておるということがわかりました。それから別にもう一社は、昨年の十一月に設立されておりまして、その後取り扱いの分野が変わったということで、外国の百科事典を販売するということになっておりますし、また第三の会社は、医学書を中心にやっておったのが、百科事典を扱い出したというような事情で、われわれとしては従来八社と考えておりましたが、三社さらにあるということがわかりました。
 最近問題の多い百科事典の販売業者につきまして、実情把握が粗漏であった点は遺憾に存ずる次第でございますが、今後よく調査をして、常に実情を把握できるようにいたしたいというふうに考えるわけでございます。なおこのほかに、TBSブリタニカ社というのが出資いたしております会社が、最近日本語版によるブリタニカの百科事典の販売の有限会社をつくるというのが出てまいっております。
#189
○中尾辰義君 外資系の図書販売については先ほどからいろいろと言われたようですが、もう少し通産省はしっかりこれがんばってやってもらわぬと、そんな答えなんか、あんな答弁では私は納得いかぬ点もたくさんあるんですよ。私が聞いておるのは現在六十八社くらいあると、このように聞いておるんですがね。いろいろとその中に、いまおっしゃったような、社名を変更して社長が同じものだとか、いろいろなものがあって、品物を扱う会社が違うだけで値段はばらばらだとかね。だからこれは事あるごとにこの問題が出てくる。
 だから私、一つ具体的にお伺いしますけれども〕、このコミュニケーション・アンド・スタディーズ・インターナショナル・リミッテッドと書いあるこれは、社長さんは日本人の社長さんですよ。松本忠さんと書いてある。もう一つ、インターナショナル・ヘライゼンス・インコーポレーテッドですか、これも社長さんが松本忠さん、この二つの会社はどう違うのか。ここから出しておるようなものはどうなっておるのか。値段はどうなっておるのか。その辺をひとつ教えてください。
#190
○政府委員(本田早苗君) いま御指摘のC&S社という会社のほうは、ある程度問題がございまして、この点についてはいろいろ指示をいたしておりますが、もう一つの会社につきましては……。
#191
○中尾辰義君 まず値段から言ってくれないか、違うのか。中身が同じで値段が違うのか。
#192
○政府委員(本田早苗君) 値段はわかりませんが、C&S社のほうはニュースタンダード・エンサイクロペディア、それからプログラムド・クラシス、ファンク・アンド・ワグナルズ・スタンダード事典というものを売っておりますし、片一方インターナショナル・ヘライゼンスのほうは、ニュー・スタンダード・エンサイクロペディアのほうは同じでございますが、それ以外にニュー・アチーブメント・ライブラリーというものを別個に扱っておるようでございますが、この価格につきましては、いま手元に資料がございませんので、後ほど報告さしていただきたいと存じます。
#193
○中尾辰義君 そういうところを教えてもらわぬと審議にならぬ。そういうのが問題があるんです。
 もう一つ具体的に聞きますが、こういうのを持っているんですが、いま申し上げましたコミュニケーション・アンド・スタディーズ・インターナショナル・リミテッド、ここが出しているんですが、C&S、これは百科事典ですが、これを見ますというと、本書の提出時が四千円、それから残額は毎月の支払いが三千六百円掛ける二十五回、そのほかに特別支払い月というのがありまして、これは六月と十二月――ボーナス月でしょう、これで二万九百円掛ける五回、総額が十九万八千五百円、こうなっておるんですね。そこで私がお伺いしたいのは、この契約書の中にこういうことが書いてある。小さい字で書いてあるんです、虫めがねで見なければわからぬような字で。ゆっくり読みますからね。「本契約が貴社に依る受諾前に解除された場合は、申込金に相当する金額を契約締結および履行に至るまでの通常必要とする費用に代る損害金とし、申込金をもってその支払いに充当します。」、これが一番ですよ。二番目は「本契約がその成立後満二カ月以内に解除された場合は、商品の使用損料として購入価格の三
〇%に相当する金額を支払います。」、これは本人が契約しているんですよ。それから「(ハ)本契約がその成立後満二カ月を超えた時点で解除された場合は、前号の金額にさらに、満二カ月を超えた日から一カ月ごとに(一カ月未満の場合は日割計算とする)購入価格の三%に相当する金額を加算した金額を支払います。ただし、その合計額が購入価格を超える場合は購入価格と同額を支払います。(ニ)前二号の場合において、貴社から相当期間を定めた催告を受けたにかかわらず私が契約商品の全部を返還しなかった場合、もしくはその返還が不能の場合には、購入価格と同額を損害金として支払います。」、これは私は字がこまかくて虫めがねで見なければ、わからぬのですよ。だからこれいまのは大きい字に書きかえて読んだ。こういうものは契約書として出したってなかなかわからないですね。まあ活字の問題もそうだし、それからその内容の問題はどうですか、これは法規に照らして。
#194
○政府委員(本田早苗君) いま御指摘がありました、たとえば約款の商品発送後満二カ月以内に解除の場合、解約に伴う損害金として購入価格の三〇%に相当する金額をもらう、この内容は割賦販売法の六条と抵触するケースが予想されます。六条は当該商品が返還された場合、通常の使用料が割賦販売価格に相当する額から当該商品の返還されたときにおける価格を控除した額がいずれか大きいほうの額をこえる金額を請求してはならぬとなっておるわけでございますので、一率に三割というのをきめるということは、オーバーする事態があり得るわけでございますから、これは六条に違反することがあり得る契約内容であるということで、不適当であると思います。この点につきましては、かねてからC&S社には解約の条件について改める必要があるということを言っておるのでございますが、まだ改定ができていないということで、御指摘を受けたわけでございます。この点についてはさらに約款の改正を同社に対して要求するようにいたさねばならないというふうに思うわけであります。
#195
○中尾辰義君 ですからね、通産省がそういうことを出しても、あまり業者のほうは反省をしてないような感じがします。だからこんな問題が出てくるのですよ。あなたのほうでもう少しその点しっかりやってほしいですな。いいですね。
#196
○政府委員(本田早苗君) 御指摘の点は、この会社を呼び出しまして訂正さすようにいたします。
#197
○中尾辰義君 そうしないと被害者が続々と出るのだ。そうしたら、またあなたのところに苦情が出て、また委員会であなたがやられるということになる。
 次に、また外資系のある会社では、名刺代から品物のパンフレットが自己負担であり、契約が成立したときに契約者から送料四千円を社に送ってくると、一件当たり二万円のマージンをセールスマンが受け取る仕組みになっているのですが、しかし、契約者が割賦代金を三回払わぬうちにこれがキャンセル、もしくは送金不能になった場合、セールスマンに歩合として渡たした二万円から割賦代金を立てかえ払いをさせるからくりになっている。こうなっているらしいのですな。だからセールスマンはどんな手段を講じても、契約者から割賦代金三回分を何が何でも取り立てる。そのためにはいろいろな手段を講じて無理算段を言うというようなことを私ども聞いているのですが、こういうような契約の仕方ですね、労働契約ですな、これはどうお考えになりますか。
#198
○政府委員(本田早苗君) 歩合給と固定給によりまして、歩合給のウェートで成績をあげさすということがいろいろ過当競争に巻き込むということに相なるということで、これらの点についても適正な内容に是正する必要があると思いますが、その歩合制の中で、御指摘のように返還を要求されるような内容の歩合制ということが、さらに販売の姿勢を攻撃的にするということになろうと思いますので、これらの点については労使間の給与の問題でございますが、適正な方向に改めていくのが妥当な問題であるというふうに考えるわけです。
#199
○中尾辰義君 いまの最後のところ、もう一ぺん言うてよ、聞こえなかった。
#200
○政府委員(本田早苗君) 適正な方向に改めていくことが妥当な方向だというふうに考えます。
#201
○中尾辰義君 適正な方向に改めていくというのは名答弁なんですけれども、聞いているほうはもう一つわからないですよ、適正な方向に改めていくというのでは。そこはひとつ検討してみてください。
 それで、いま言ったようなことにも関連していろいろとトラブルが出てくるわけですね、月賦販売におきましては。そこで、本質的な問題として身分、給与の不安定な業務委託契約による歩合給の販売員というようなものの労務管理がこれは問題になってくるわけですが、この点につきましてどうお考えになるのか、その点いかがですか。それからセールスマンの身分保障について今後どういうふうにしていくのか、さっきもちょっと質問がありましたですが。
#202
○政府委員(本田早苗君) やはり安心して業務に従事できるという体制が必要だと存じます。労使間の給与の問題でございますから、労働省等の御意見も伺う必要があろうかと思いますが、労働省の意見を伺いまして、当然安心して働ける給与の体制ということに改善できるように指導してまいりたいというふうに考える次第でございます。
#203
○中尾辰義君 それじゃ、私いろいろ質問がありましたけれども、竹田君の質問と重複しておりますので、これで終わります。
#204
○藤井恒男君 法案の具体的な質疑に入る前に、流通関係について若干御質問申し上げたいと思います。
 わが国の流通部門が他の産業部門に比べてその近代化が著しくおくれておるわけでございますけれども、もちろんこの欧米諸国の流通部門などに比べるとはるかに見劣りがいたします。もちろん、およそ百年にわたる日本古来の商習慣というものもございますので、直ちに欧米のそれと比較することは無理かと思いますが、現在の他の産業部門に比べれば、それに比してわが国の流通部門は著しく見劣りがする。この辺について企業局としてはどのように判断なさっておるのか、お聞きしたいと思います。
#205
○政府委員(本田早苗君) 終戦以後生産の増強ということで、供給力の増加というところに重点が置かれた政策が続きまして、物資の不足する中の流通ということから、流通の段階の合理化、近代化がおくれてまいったということは御指摘のとおりだろうと思います。しかし、現在のような状況になりますと、消費者物価対策、あるいは資本自由化対策等々、また国の全体の経済の均衡ある発展ということから考えますと、おくれておる流通部門についてその近代化、合理化を強力に推進する必要があるということは御指摘のとおりでございます。ところがこの流通の近代化、合理化を上げていくということに相なりますと、流通の部門というものが多数の事業所、多数の段階に入り組んでおるということで、その実効ある方策というのがなかなか効果をあげがたい状況に相なっておるということであろうと存じます。従来から政府といたしましては、そういう意味で小売り商、卸商の協業化、組織化、これを通じました体質の強化、あるいは輸送、集配等の流通の段階におきます物的流通の合理化、これらの方策を通じて流通機構の改善に努力してまいったわけでございまして、たとえば開発銀行融資を通ずる卸総合センターの設立、あるいは中小企業振興事業団の融資によります卸商業団地の助成、件数で申しますとこれ八十一件ございます。卸総合センターが三件、それから配送センターが、助成といたしまして開発銀行から融資をいたしておりますが、大量消費財配送センターといたしまして四件助成実績が出ておりまするし、生産財の配送センターとしても四件実績が出ております。また、ボランタリーチェーンの整理ということで開銀、あるいは中小企業振興事業団、あるいは国民金融公庫等から融資をいたしておりますが、チェーンとして融資対象が百十九ございます。また、小売り店舗の共同化によります中小規模の小売り商の共同事業につきましては、百九十四件の助成をいたしておりますが、これで効果が十分あがるという状態ではございませんで、さらにこれらの施策を強化してまいることが必要だと思います。今年度といかしましては、一つには、流通システム化を推進するという意味で流通システム開発センターを設立いたしまして、今後各段階におきます流通の相互の関連をシステム化していくということを進めてまいりたい。また、物的流通といたしましてはパレットプールを――標準規格のパレットをプール組織で使うということによる輸送経費の軽減をはかってまいるということを推進いたしていくということを考えておる次第でございます。が、御指摘のような流通段階の合理化、近代化につきましては、なお、強力にやらねばならない問題だというふうに考える次第であります。
#206
○藤井恒男君 この生産段階では、私もずっと生産部門に身を置いてきた経験から見ても、たとえば、生産性向上のために企業では労使あげて懸命の努力をして、いかにしてそのコストダウンをはかるか、新製品を開発するかということで真剣な努力をしておるわけなんだけれども、この生産段階で生産される物品がユーザー――、消費者にわたる間の流通経路があまりにも入り組んでおるため、たとえば繊維でいいますと、キロ当たり一円のコストを下げるということになれば、思い切った生産工程のカットをするか、あるいは大幅に人員減を来たすかしなければならぬ。まあ言ってみれば、ことばは不適当かわからぬけれども、血みどろの努力をしてコストダウンをやる。ところが、これが消費者に渡ります間にはむしろそれがコストダウンじゃなくて、コストアップになる。それはあまりにも流通の経路が長過ぎる。ある表現をすれば、わが国のある意味での進んだ産業面においては産業構造が改革されて、先ほどおっしゃったようなまあ集中、合併、あるいはシステム化ということが進んで、一本のアスファルト道路が敷かれる。ところが、それから以降の流通段階に入れば、これはまさに迷路だ。これは単に繊維の流通を言うだけじゃございませんよ。親企業においてしかり、その他すべての問屋、大問屋がある、小問屋があるし、地方卸があるし、小売りがある。これでは幾ら生産段階で努力しても、良質の品物を国民に安く提供するということにつながらない。悪いことばでいえば、電話一本で商品をキャッチボールして、その間にそれぞれマージンを得てコストアップにつなげている、こういうふうに私は思うわけです。そういう意味で、需要構造というものも著しく変化しておる。消費者自身も生活のパターンも変わっておるし、あるいはものを購入するという動機にしましてもたいへんな違いを来たしておる。
  〔委員長退席、理事川上為治君着席〕
で、まあむずかしいことばで言えばそれが選択的な消費の増大ということにもなりましょうし、消費の多様化ということにもなろうと思うんです。で、いまおっしゃったように協業化、あるいは組織化――物的流通の合理化をはかっておるというふうに言われるわけだけど、私どもから見る限りにおいて、どうも企業局――通産省が指導しているこの流通部門についてのそれを消費者の側から見た場合に、ズレがある、それは生活のパターンの変化とか、あるいは需要構造の変化というものについていけない、絶えず後手を踏んでおる、そのために多くの消費者がたいへんまあ気の毒をしておるんじゃないだろうかと私は思うんです。で、こういうズレについてどういうふうにお考えか、この点を聞いておきたいと思います。
#207
○政府委員(本田早苗君) ズレという御指摘でございますが、流通段階の合理化の効果というものが個々の企業の合理化だけでは実効があがらないという点があろうと思います。たとえば百貨店の、A百貨店が伝票組織を非常に新しい考え方で整備したと、ところが、B百貨店も同じ考え方で別の方式の伝票方式をきめたということになりますと、納めておる卸商はそのA百貨店用の伝票、B百貨店用の伝票ということで、あとの帳簿整理は非常に複雑な帳簿整理になっておるというようなことにつきましては、むしろ納入される百貨店の伝票の統一がはかられる必要があるということでございます。それから、だんだん消費者の嗜好が多様化してまいって、多様の商品を準備する必要があるというようなことに対しましても、最近は販売店の間で相互に連絡をいたしまして、共同で仕入れた商品をそれぞれ持っておって、東京で契約をした商品を福岡で福岡の店から配達するというようなことが考えられてまいっておるわけでございますが、これらのことがさらに進んで組織的に行なわれると私は、流通段階の合理化の実効が非常にあがってまいるんではなかろうかと思います。たとえば石油製品におきましても、九州で精製した油を自分のブランドで九州で売るということになりますと、東京湾の沿岸からわざわざ運んでいって売る必要がない、したがって交錯輸送も整理されると、こういうことになろうと思いますが、これらの点につきましては、その辺の商品の品質の統一その他が前提になってくると、こういうことになろうと思いますが、そういう点も含めて総合的に流通段階の合理化効果をあげていかねば、企業個々の段階、あるいはある業種だけの段階ではなかなか片がつかない。したがって、総合的に大きく関係者がその合理化に共通の考え方で処理をするという姿勢が必要であろうというふうに思うわけでございます。
#208
○藤井恒男君 いま局長のおっしゃった面は、物的流通という面におけるシステム化の一つの側面を述べておられると思うんで、全体の私が聞いておる流通というものについてのお答えではないと思います。
 しかし、それはそれといたしまして、別の角度からお伺いしますが、昭和三十一年に百貨店法というものが施行されました。で、これは当然のことですが、中小商業者の事業機会を確保するということがこの法律の目的である。もちろんそのことが何よりも大切であろうと思うのだけれども、同時に流通の近代化の促進というもの、それから消費者物価の安定確保という面がむしろ立法の骨子になければならない、私はそのように思うわけなんです。先ほど申したように生活のパターンも変わるし、それから製品から消費者へという一本化という方向も急ピッチにある部分では進んでおる。そういう段階の中で、昭和三十一年に制定された百貨店法というものがむしろいまではあまり意味をなしていない。この百貨店法に基づく百貨店、それとスーパーとの関係、あるいは松山方式と言われるようにスーパーと小売り店、あるいは疑似百貨店、寄り合い百貨店、いろいろな点で相互に相反発する、相反する問題を提起しておる。この辺の一連の問題についても局長のお考えを聞きたいと思います。
#209
○政府委員(本田早苗君) 御指摘のように、百貨店法は三十一年に中小小売り商業者の営業機会の確保というものが一番前面に出て、百貨店活動を規制する法律として発足したわけでございます。その後大量消費の時代を迎え、販売方式等についても新しい方式を導入するという形が出てまいりまして、特に消費者物価対策としての新しい流通方式の導入の必要性ということとから見まして、御指摘がありましたような百貨店、それから大型スーパー、あるいはそれの特に大きな疑似百貨店、あるいは中小企業者の構成する寄り合い百貨店というようなものが、それぞれ流通の効果をあげるという形で競合する状態が出てまいったわけでございます。で、その際、三十一年にできた百貨店法の改正を中小小売り商業者の立場からスーパー、あるいは疑似百貨店に適用するのが妥当なのか、あるいは流通の近代化、したがって、消費者利益の確保、消費者行政につながる方向で、最近の情勢に即応した形に改めるのが適当か、実はこの辺の問題につきましては、先般の産業構造審議会の流通部会におきましていろいろ御議論を賜わりましたが、結論を得ませんでして、引き続き小委員会を設けて、現在御審議を願っておるところでございます。まだそれぞれの立場からは、その新しい百貨店法の方向というものにつきまして、それぞれの業界としての意見は必ずしも一致する段階にございませんので、第三者としての小委員会委員の間で考え方を整理していただこうと、こういう考え方で現在御審議を願っておる段階でございます。この審議の結論に従いまして、新しい時代に即応した百貨店法というものを考えてまいりたいというふうに考えておる次第であります。
#210
○藤井恒男君 端的に申し上げて、局長は百貨店とスーパーというものの違いですね、違いをどのように見ておられますか。百貨店とスーパー。
#211
○政府委員(本田早苗君) いわゆるスーパーとそれから代表的な百貨店という形になりますと、百貨店というのはかなり高級な商品まで品ぞろえをしまして、そうして高いマージンで品を売っていく店舗と、それからスーパーということになりますと、日用品を中心にしまして薄利多売と申しますか、そうした形で商品を売っていく組織というふうに思うわけでございますが、最近のスーパーの大型化に伴いまして、かなり百貨店的な大型スーパーが出てまいっておるというふうに考えられます。
#212
○藤井恒男君 それはね、局長、奥さん方が考えておるのはそういうことなんだ。まあ百貨店に行けば高級品もたくさんあるし、あるいはわれわれが日常買い求めないものでも品ぞろえしてある。スーパーに行けば、手っとり早くげたでも突っかけて、買いものかごさげていって買う。そこは安い。これは奥さんのものの考え方。現実の形態は、見た目はそういうことになっているかもわからぬけれども、しかし、百貨店とスーパーの大きな違いというのは、やはり私は流通問題だと思うんです。百貨店で特徴的なのは問屋に依存しているということ。要するに、百貨店では返品制をとっているということ。だから、ことばは的確かどうかわからないけれども、ある意味での貸し席業、大胆なものの言い方をすればね。あるいは出張店員制によるもの、これが百貨店なんですよ。スーパーの特徴は何かといえば、そこに展示している品物に対して、まあおよそ全面的にリスクカバー、リスクをスーパーが負っている。だから購入の経路、そして商品に対するリスクのとり方によって、私は、マージンに違いが出てくると思うんですよ、値段が。だから店のかまえを見て、こういうのが百貨店、こういうのがスーパーだということではこれは困る。で、私が先ほど述べましたように、百貨店法というのは中小業者に商いの機会を確保する。もちろんそれは大切なことであるけれども、しかし、流通の近代化ということと、それから消費者物価の安定供与というものに寄与するものでなくてはいかぬわけですよ。だとすれば、いま一部には百貨店法を大型店舗であるスーパーにかぶせて、スーパーの進出をはばもうという動きも確かにある。しかし、消費者のニーズによって私は百貨店、そしてスーパー、あるいは駅前などにある俗にいう商店街ですね、それぞれの機能が補完し得る余地がある、これが私、行政指導だと思うんですよ。だから百貨店というものが全部スーパーになってしまっても困るだろう。消費者にとっては、百貨店は百貨店としてのやはり特色がある。そしてスーパーにはスーパーとしての特色がある。また商店街には商店街としての特色がある。この消費者のニーズということをよく考えて、しかも、それが消費者物価を安定供与せしめる方向で私は行政指導すべきだ、その中から流通の近代化というものをはかっていかなければいかぬ、これが私は一番大きなポイントだろうと思うんです。
 で、私の調べた範囲では、たとえば、いま百貨店法によって百貨店というのは営業時間というものは規制されております。売り場面積というものも規制されている。スーパーはそれが広がっている。スーパーなどを見てみると、全部に適用されるかどうかわからぬけれども、都市部のスーパーなどは、たとえば午前中に一番売れる品物は何かというとベビー用品、だから子持ちの奥さん方が午前中に買いものに出かけてくる。そして午後は主として主婦の買いものが主体である。そして今度夜に入るとつとめ帰りの女性その他の人の何といいますか商品がさばける。これなどは、やはり新しい生活のパターンに即応した体制を持っておるのじゃないだろうかという一面を私感ずるわけですけれどもね。だから、先ほどせっかくの御答弁をいただいたわけだけれども、そういったお考えだけで百貨店、スーパーというものを見詰めておられるんでは、これは私、失礼な言い方だけれども、おそまつだと思う。だから先に申したように、すべてが相補完しつつ、その目的は何かといえば、むしろいま一番おくれている流通の近代化と、それに伴って消費者物価を安定供与する方向、こういうものがやっぱり立法の趣旨になって新しい法体系というものを導いてほしいと思うんですよ。まだ作業部会で、小委員会で検討なさっておるということなんで、いずれまたそれが出てくれば本格的な論議も起こすことと思いますけれども、できてしまったらそればどうにもならぬわけなんです。そういった面を、よく通産省の意向としてやっぱり反映してもらいたいし、私がいま申し上げたような点についてのお考えについて、再度承りたいと思います。
#213
○政府委員(本田早苗君) 最初私申し上げましたように、消費生活の態様も変わってまいっておりますし、消費者物価の安定対策の必要性というものもきわめて高くなっておりますし、流通機能の、十分これが発揮できるような体制がまず必要だということでございますので、三十一年の百貨店法の目的だけで、現状では必ずしも十分でないという基本的な考え方でおりますが、小委員の方々も、おおむねその点については御異論がないと存ずるわけでございまして、御指摘のような点につきまして、審議会にも反映するようにした上で御検討を願うようにいたしたいと存じます。
#214
○藤井恒男君 消費生活改善監視員制度というのが置かれておるわけですが、現在これがどういう機構であって、どういうふうに機能しておるかお聞きしたいと思います。
#215
○政府委員(本田早苗君) 現在、人員としては七百名でございましたが、沖縄が帰ってまいりましたので十五名配置することにいたしまして、七百十五名を通産大臣の任命によりまして各府県にそれぞれ任命いたして、各府県で活動を願うと、苦情の処理あるいは価格動向の実情をこちらに御連絡、あるいはわれわれの出すアンケートに対しまして、その地域の実情をとらえていただきまして御連絡を願うというようなこと、あるいは苦情処理の窓口として苦情を聞いていただいてこちらに御連絡を願うというふうな機能を果たしていただいておるわけでございます。
#216
○藤井恒男君 これは報酬なんかどうなっておるんですか。
#217
○政府委員(本田早苗君) まことに些少でございますが、予算で制約されておりまして、年に六千円差し上げるということにいたしております。
#218
○藤井恒男君 この消費生活改善監視員制度、私は消費者保護の立場から非常にこれは有効な組織であろうと思うのですが、まあ人数も全国で七百名ということであれば、これはまあ非常に少い人数だし、やっぱり年間六千円ではたいへん気の毒な話なんで、奉仕みたいなことにしかならぬということですね、これは。だからこの辺やはりもうちょっと機構を充実して、庶民のこれは窓口なんだから、だから苦情処理の窓口でもあるし、また相談員でもあるし、だからこの辺のところをもうちょっと充実強化していく。そして庶民の側にも、この監視員というものが設置されておるんだということをもっと徹底さすというような方策を講じなければ、いまのままでは、ただ求められるアンケートに応じてくるというようなことに終わってしまう、六千円の価値しかないようになってしまうというふうに思われるんで、この辺をひとつ強化してもらいたいと思うんだけれども、どうでしょう。
#219
○政府委員(本田早苗君) 逐次強化してまいって、いま七百人になっておるわけでございますが、御指摘のような点についてはさらに努力したいと存じます。
#220
○藤井恒男君 割賦販売法について若干御質問いたしますが、せんだって参考人からの御意見をいろいろ承りまして、その中で全日本互助協会の会長の小泉さんからの意見の開陳がございました。で、私も互助会というのはあまり知らなかったわけですが、当初私なりに考えていた互助会の形態と、せんだっての参考人としての小泉さんの御発言によって、だいぶ私、互助会を見る目が変わってきたわけなんです。で、衆議院段階でも議事録など拝見しますと、かなり突っ込んだ互助会についての論議があったわけなんだけれども、互助今の発足の経緯と現状との間にはかなり違いが出てきておるように見受けられるのです。互助会全部がと私申しませんけれども、そのうちのある部分についてはですね。したがって、これはひとつ互助会というものについてもう少し、互助会自体も健全に発展していくように、また、これを利用する側も苦情の起こらないように、私はやっぱり何といいますか、指導をしていく必要があろうというふうに思うわけなんだけれども、この辺についてどのようにお考えになっておるか、お聞かせください。
#221
○政府委員(本田早苗君) 先ほど申し上げましたように、現在……。
#222
○藤井恒男君 ちょっと中座しておったので、聞いてないのです。
#223
○政府委員(本田早苗君) われわれの把握しておるところでは、二百五十の互助会があるようでありますし、会員も四百万、先ほど四百万以上だという御指摘も受けましたけれども、四百万に達する。また、預かり金も百五十億になるというふうな状況でございまして、御説明のありましたように、町内会のような互助組織から発足はいたしましたけれども、日本国中で非常に多数の組織がつくられ、しかも多数の会員を擁し、多額の金を預かるというような形になっておりまして、したがいまして、割賦の審議会におきましても、これからさらに拡大するということになれば、からだが大きくなったに応じてそれ相応のやはり組織の整備も必要だということで、互助会も割賦販売法の適用の範囲内に取り入れて、そうして不測の問題も起こらないようにすることが必要だと、こういうことで今回規制の対象に入れ、前受け金の保全措置を講じて、会員である契約者に対しまして保護の措置があらかじめ準備されるという形にいたしたわけでございます。したがいまして、御指摘のように、今後会員のほうから苦情の生じないような体制に互助会の業務のやり方等につきましても、
  〔理事川上為治君退席、委員長着席〕
整備してまいることが必要だというふうに思うわけでございまして、その点、その方向で業界に改善をしていただくつもりでおるわけでございます。
#224
○藤井恒男君 ざっくばらんにお聞きするんだけれども、衆議院段階でも、これいろいろ論議されて、局長もこれについてのいろいろな御答弁があったわけなんで、で、この間の会長さんの御発言のニュアンスと、衆議院段階でいろいろ論議され、また通産省当局が御答弁なっておったこととはちょっと違うように思うんですよ。それ、どうお考えですか。
#225
○政府委員(本田早苗君) 違うという点につきましては、一点はやはり互助会は法人の組織に変えてもらった上で許可するということにいたすことを私のほうは努力いたしております。このことにつきましては、やはり多額の金をお預かりするということで、しかも、長期間にわたって預かる可能性のある業態に相なるわけでございますので、これについてはやはり法人組織にしまして、そうして経理等については、明確に経理できるようなことが今後の互助会の運営にあたっては必要だというふうに考えるわけでございます。ただ、互助会の発足の事情、あるいはその目的が名前のごとく互助を目的としてやっておる等のことがございますから、また、提供するのが商品でなくて役務である。役務の提供に伴いまして提供すべき、あらかじめ準備すべきいろいろの道具が要る。衣装であるとか、あるいは葬祭具であるとかいうふうなものがまず最初に調達される必要がある等々のことがございますので、許可の基準に伴いまして、その役務提供に伴う特殊性、本来商品の販売を目的としておる前受式割賦販売業者の基準をそのまま適用するわけにはまいらないと思いますので、指定役務を提供する互助会としての特殊性は考慮に入れて許可の判断をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
#226
○藤井恒男君 私がお伺いしたのは、発足の経緯からして、互助会というのは発足のままかりに進んでいたとするなら、それはまさに互助のものであって、公益性が非常に高いものである。この間のお話をいろいろ聞いていく中から、確かにこれは法人組織にしなければならない部分もたくさん出てきて――互助会は幾つもあるわけですからね。だから、ある互助会においては、まだ昔の発足の経緯をそのまま踏襲して現在公益性が非常に高い、いわゆる互助という形の形態をそのまま維持しているところもあれば、ある互助会においてはそれからさらに進んで、ここでいわれるところの法人にして、経営諸表もかっちりしなければならないというようなところへ変質といいますか、まあ発展したのかどうか知りませんが、変質している部分もあるというふうに私は聞いたわけです。その辺をどう考えておられるかということを聞いたわけなんです。
#227
○政府委員(本田早苗君) 互助会の発足当時の互助の体制で仕事を進めていくという場合に、どうしても営利法人の形態をとれというわけには行きにくいと思います。そういう意味で、そうしたまあ公益法人としての実体を持つ場合には、公益法人としての認可ができるようなことを府県知事に通知をして、公益法人として法人になることができる体制も考慮したいというふうに考えておるわけでございまして、全部が全部営利法人になれということを前提にいたしておるわけではございません。
#228
○藤井恒男君 まあ互助会、友の会というものを今度この法の中に組み入れていこうというのが大きな改正の一つであるわけです。私はきわめて一般的なものの考え方をすれば、物品を授受するいわゆる割賦販売を規制するところの法体系にこの種のものがはたしてなじむものであろうかということについては、いまでも疑念を持っておるのです。しかし、法体系それ自体が各般にわたって整備されていないわけだから、まあやむを得ないかなと思っているわけなんだけれども、いまもお話しになったように、互助会の中にも発足のままずっと推移しておるものもある。とすれば、むしろそれは公益法人の方向へ向かって進むというものと、もはや現在営利法人でなければならないという互助会も現存する。そうだとすれば、許可基準というものをやはり画一化すべきじゃなかろうというふうに思うのだけれども、いまおっしゃったのは、公益法人と営利法人と二つに分けるというふうに指導し、持っていこうという御答弁だったのだけれども、そういうふうに見ていいわけですか。その他また、許可基準というものは個々の互助会によって適用を変えていくというふうにお考えなのか。
#229
○政府委員(本田早苗君) 公益法人にすることわれわれとして考えるという事情につきましては、互助会が発足の事情、それからその後のそうした性格を持ち続けておるという場合に、なおかつ営利法人の体制に切りかえろといわれることは、互助会としては非常にやりにくいという御意見がございます。そこで、本来の公益法人の実体を備えている場合には、公益法人として法人格を取得した上で、新しい法律の互助会として認めるという考え方をとりますということでございまして、これの許可につきましては、やはり多人数の方から金を預かって運営していくということでございますから、一応運営の基礎としては、許可の基準の条件を備えておることが必要だと、こういうふうに考えます。ただ、その条件につきましては、先ほど申し上げました互助会の特殊性については考慮する、こういうことでございます。
#230
○藤井恒男君 これはまた後ほど附帯決議に、互助会の問題もこれらの経緯を踏まえて若干触れられると思いますので、互助会の問題はこの辺でやめておきたいと思います。
 その次に、消費者信用が多様化して量的にも拡大されているわけですが、消費者金融ですね、消費者金融というものが非常に立ちおくれておると思うんです。で、この消費者金融というものの現状について教えていただきたいと思います。
#231
○政府委員(本田早苗君) 割賦販売その他消費者金融につきましては、三十年代から家庭電気製品、あるいは自動車等に生活を合理化するための商品需要というものが非常に起こってまいったことと並行しまして、非常に増加してまいっております。割賦販売の売り上げ高につきましては、これはチケット販売を含んでおりますけれども、四十三年の商業統計によりますと、卸売り、小売り合計で三兆六千億の総販売額の四・七%を占める状況でございます。消費者賦払い信用の残高につきましては、これはわれわれのほうで試算をしたわけでございますが、住宅の信用を除きまして昭和四十五年で一兆四千億円になりまして、この四十五年の個人消費支出が三十五兆円でございますが、それの三・九%に相なっております。住宅信用を含めますと、消費者賦払い信用残高は約三兆円に現在なっておるというふうに推定いたしております。
 それから、割賦販売の取り扱い業者の数でございますが、四十三年の商業統計によりますと、常用従業者を使用しております商店が五十三万五千店ございますが、そのうち割賦販売をしている業者は、これは延べになろうかと思いますが十一万六千店ということに相なっております。
 それから、割賦販売業者の商品別の販売の比率を見ますると、昭和四十六年に実施しました割賦販売実態調査の暫定集計でございますが、男子の洋服、家具、ミシン、自動車で大体七〇%が割賦販売で売られております。それから家具、寝具、カラーテレビ、ルームクーラーは八〇%ということになっております。
 それから、消費者の割賦販売の利用状況でございますが、経済企画庁の消費者動向予測調査によりますと、過去三カ月間に割賦を利用した世帯の割合というのが全世帯の平均して三二ないし三四%、三世帯に一世帯が割賦を利用しておるということになっております。
 それから、家計に占める割賦購入割合でございますが、これは総理府の家計調査によりますと、全都市の勤労世帯平均で約二%が割賦購入に充てられておる。そうして、消費者信用の残高は企画庁の消費者動向調査によりますと、一世帯当たり平均十八万八千円ということになっておりまして、これは住宅の信用も含んでおります。住宅信用がかなり大きなウェートを占めておりますが、十八万八千円ということに相なっております。
 以上でございます。
#232
○藤井恒男君 消費者信用調査機構というものが非常に多岐にわたっておるわけなんだけれども、これをもうちょっと調整していくような指導はなさっておるわけですか。
#233
○政府委員(本田早苗君) 御指摘のように、多数の機関で消費者信用調査を行なっておるというのが現状でございます。複数の機関で競合した状態で信用調査を行なうということは合理的ではないということは御指摘のとおりでございます。したがいまして、これらの機関が十分協調を保ちまして全国的なシステムで運営できるように指導いたしまして、将来はこれを一本化できるようにすべきだというふうに考える次第でございます。
#234
○藤井恒男君 せんだっての参考人の意見聴取のおりに、日本消費者連盟の竹内さんから契約条項についてのまあいろいろな御注文があったわけです。その一つは、悪質セールスマンの責任は当然会社が負うべきである。二つ目が、詐欺による契約には賠償の責めを負わしめるべきである。それから三つ目が、消費者に不利な条項、これは先ほどから外国系の百科事典の例に見られておったわけだけれども、たとえば、裁判所を指定するというようなことは書かせないように。それから四番目が、同じく契約の中に強制執行、まあ前時代的な強制執行などの特約などは規制してくれと、こういった四つの意見があって、私は一々ごもっともだというふうに承りました。このうち一つ二つは先ほど来の討議の中でも今度の法の中に組み入れられておるようにも思うわけだけれども、この四つの問題についてどのように処置していけるものか、聞かしてもらいたいと思います。
#235
○政府委員(本田早苗君) セールスマンの責任につきましては、契約約款の中の記載事項としまして、セールスマンの行為については会社が責任を負うということを明記さすようにいたしたいと存じます。
 それから、詐欺による契約につきましては、やはり契約約款の中におきまして、たとえば、現物とそれから見せられた見本とが違うという場合には、契約は取り消し得るものであるということをやはり契約約款で明記して、消費者に事前にわかるようにいたしておきたいと思います。
 それから、管轄裁判所の問題につきましては、販売業者の本社所在地の裁判所という特約のごときものは不利な約款になるということで、特に不利な約款をしてはならないということで、特約を排除することを検討いたしたいというふうに考えております。
 それから強制執行につきましては、民事訴訟法の問題でございますので、この法律ですぐにいろいろ新しい手を打つことがなかなかむずかしい問題のようでございますが、先ほども申し上げましたように、今後消費者信用保護法のような法律を検討するということにいたしておりまして、消費者部会では検討を続けますが、その際に、これらの問題についても新しい考え方を入れられることを検討いたしたいというふうに考えております。
#236
○藤井恒男君 今度の割賦販売法については、消費者保護というたてまえからの立法であることは当然のことなんですが、消費者信用というものがこのように量的にも拡大しているし、しかも多様化しているという点から、どのような形態のものがあらわれてくるかなかなか予測しがたいというのが現状だろうと私思います。そういった意味で金融の問題それから商品を受け渡す問題、業務、それに先ほども出ました役務をサービスするという問題、あるいは現に割賦の伴わないところの契約、まあ旅行とか、あるいはその他もろもろのものが現にもあろうと思うのだけれども、こういったものを消費者信用という形でこの割賦販売法の中に網羅することに本来的に無理があると私は思います。しかし、これは先ほど来論議されておるように、今後消費者保護の全体的な保護体系が必要だということを局長もお認めになってその作成を急ぐということでございますので、こういった趣旨を生かして全体的な法体系というものを整理する段階にきておる。私は、その辺のところをよろしく肝に置いて処置していただきたいと思います。
 時間が迫っておりますので、割賦販売法はそのくらいにしまして、一点だけ景表についてお聞きしたいのですが、今度の法律で、不当表示の問題等について、迅速に対処するために、現在の公取の機構だけでは不十分だから都道府県知事に委任する、委託するというのが法の一つの大きな趣旨でございますが、そのために経費を投じて、四十七人の人件費が出ていますね。お話によれば一県一人、四十七都道府県だから四十七人、こういうことだけれども、いかにもこれは画一的過ぎやしないか。PRということも必要だし、すべての県にそれは必要ではあろうけれども、しかし、おのずからわが国の地図をながめれば現状はわかり切ったことなんで、この辺どうしてこういう形になったのか。まあ人数が多ければそれは重点的な配備もできるという答弁ならこれは答弁もないにひとしいわけだけれども、これはちょっと画一的に過ぎやしないだろうかという気がしますので、この点お聞かせいただきたい。
#237
○政府委員(熊田淳一郎君) 都道府県に出します委託費の中で、人件費、四十七都道府県分にそれぞれ一人の職員の配置分しかないということになっておりますが、これは必要最小限度ということなんでございます。私ども最初に考えましたときは、やはり各府県で最小限度一人は基本的な相談業務といいますか、そういうような従来からやっております業務に必要な人員が要るであろう。それでそのほかに、従来の実績から見ましても、やはり大きい都市を含みます県、こういうようなところは苦情の件数も多うございます。したがいまして、違反件数も多くなるわけでございまして、そういうような予想されます違反件数に比例をして人員をある程度配分すべきではなかろうかということを考えまして、予算要求の際にはもっと多く人員を要求したわけでございましたが、しかし、予算折衝の過程におきまして、やはり必要最小限の人員ということになりまして、非常に画一的ではございますけれども、各都道府県一人ずつということになったわけでございます。しかしながら、これは今後のまた実施状況を勘案をいたしまして、これで不足するところにつきましては、今後の予算措置で応じてまいりたいというふうに考えております。
#238
○藤井恒男君 これはゼロと一というのは大きな違いだから、まあ一名置かなければいかぬというのはよくわかるんです。しかし、四十七都道府県あるから四十七全部パーだということはちょっと私お粗末だと思うので、もう少しこの辺は公取におかれても人員を置かれるならもっと的確な置き方、そのためのはじきというものも出てくると思うので、今後継続的にこの問題をひとつ詰めていただきたいと思います。私はふやしたほうがいいと思うが……。
 その次は、これは最後にお伺いしますが、今度の法案と少し離れますけれども、企業局と公取のほうにお尋ねします。
 実は私、五月五日だったと思うけれども、テレビのニュース番組で見た内容のものなんだけれども、子供の教科書以外の参考書がおびただしく出回っておる。皆さん方のお子さん方もまあ教科書以外の参考書というものはたくさんお買い求めだと思うんだけど、ちょっと私数字を申し上げますが、これはもうばく大な数字なんです。日本図書教材協会に加盟している会社が全国で二十社あるわけだけれども、このうち教科書以外の参考書が実に六万種類現在あるわけなんです。その売り上げが年間五百億。教科書の文部省予算が百六十億円、これに対して、いま申したように教科書以外の子供の参考書は六万種類で五百億円、三倍強になるわけです。それから教育の機器、最近学習マシンというふうにいっておるわけだけど、この機器のメーカー、これが全国五十五の都市に支社を持って六千店の特約店がある。三万五千人のセールスマンで販売に当たっておる。この販売はほとんどが訪問販売です。販売の形態もこれはある意味における割賦です、頭金を置いて月々払っていくという形なんだから。そして売り上げがこれも年間実に四百億をこしておる。学習雑誌を出している出版社、小学生向けの学習雑誌二種類、これが六百万冊。小学生は全国で九百五十万人おるわけだけど、三人に二人はこれらを全部利用しておる。こういう現状ですね。この現状に照らして、正規の義務教育というものを子供は受けておるし、学校で正規の教科書によって教育を受けておる。そういったときに、いま言ったように三倍もの費用でこれだけのばく大なものが子供のいわゆる余暇時間に使用されておるこの教育上の問題というのは、この場で論議すべきことじゃありませんから、私は触れません。たいへんな問題だろうと私は思うんだけど、こういったほとんど全部の人にくまなく行き渡っている商品ですね、いってみればこれは商品なんです。しかも、学習マシンということになると教育ママではないけれども、子供を持つ親の心理としてお隣さんが教育マシンを持ったらうちの子にも、あるいは隣の席の子が教科書以外のきれいな色のついた――小学校の参考書ですよ、付録も非常に膨大な付録がついておる。これには必ず各号に付録がついておる。それを見ると、この子もほしい。こういう行為がはたして妥当であるかいなか。こういうことを企業局として検討なさったことがあるかどうか。また公取としてこの種の問題について――私は直ちにこれが不当表示であるとかどうこうは言いませんよ。そこまで私は調べてないんだけど、ぽっと私の目に映ったテレビの印象からは、ちょっとこれはという気がするわけなんだけど、公取としてはこれは全然関知していないことかどうか、それぞれお聞きしたいと思います。
#239
○政府委員(本田早苗君) 御指摘の問題につきましては、直接問題として検討はまだいたしておりません。一度文部省ともよく連絡をとりまして、実情を把握した上で判断をさせていただきたいと存じます。
#240
○政府委員(谷村裕君) 私どものほうでは、いま藤井委員がおっしゃいましたように、不当表示問題というふうにはこれを全般的には見ておりませんけれども、扱いました例といたしまして、いわゆる参考書類等を売っております連中が、一冊幾らというふうなことを、お互いに申し合わせをいたしまして、そして売っておったという一種のカルテル事件をたしか昨年だったと思いますが、調査摘発いたしまして、それをやめさしたという例がございます。今後とも、非常にこの教育熱心に世の中がなってまいりまして、こういうものが出るようになりますと、それだけに需要が多い、そこで競争がある、何とかというような形の、いまの価格協定のようなことがあってはいけないということで、それは私どもも十分注意してまいりたいと思っております。
 それから、やはり一つ学習雑誌でございましたか、あるいは学習百科事典のようなものにつきまして、その宣伝用の文言に不穏当な表示が認められました。直ちに不当表示として処断するというほどの内容ではなかったのでございますが、それに対して警告を与えた例がございます。雑誌――小学生向け雑誌等になってまいりますと、これはいわゆる法定再販品でございます。法定再販品につきましても他の雑誌と同様私どもとしましては、それが再販の上においてはたして消費者の利益を害することなくやっておるかどうかということを私どもの立場から見なければならないわけでございますが、ただいままでのところまだちょっと雑誌まで手が回っておりません。あるいはレコード、カセットテープ等々についても将来、私どもとしてしなければいけないと思っておりますが、そこまでは手が回っておりません。総じて私どもはこういう問題につきましては、そういう立場から扱っておりますが、また別の角度で申し上げますならば、やはり何と申しますか、私どもの生活内容の多様化、特にそれが具体的な、いわゆる衣食住という問題でない面にかなり私どもの生活が多様化してきているということのこれが一つのあらわれではないかと思いますが、それだけにやはりこういった問題の正しいあり方、これは単に法律だけの問題ではございませんけれども、ということは御指摘のとおりやはり大事な問題であろうと思います。
#241
○藤井恒男君 このニュース特集のポイントは、テーマは、子供にたしか売り込めというようなテーマであったと思うのです。だからテーマから推察するなら、いまの教育ママと児童心理というものをよくキャッチして、セールスマンを督促して訪問販売をやらす。先ほど言ったような膨大な三万五千人のセールスマンを全国に散らすわけですからね。なお、NHKが扱った趣旨というのは、私の推測するところでは遊び盛りの子供に、正規の教育を受けておるのに、その子供の余暇時間をこういうことによって縛りつけることに対してどうなんだろうという投げかけだろうと思う。しかし、現に三人に二人がこれを読み、私の子供もこれを読んでいますよ。どんどん雑誌がエスカレートして雑誌も分厚い、おみやげの付録もでっかい。そしてそれが機器に及んできた。学習マシンだから、これは何千円ですよ。だから奥さん、もちろん一ぺんに払えぬ。家庭を訪問して品物を見せ、頭金幾らで、あとは毎月幾らかずつ払ってもらえばいいんですよということになれば、これは割賦でしょう。それは私、そこまでこまかいことわかりませんよ。しかし、これだけ膨大なものが出回っておるということについて私は、やはりこの場で論議することが不適当かもわからぬけど、もろもろのことを考えて行政指導というものはあらねばならない。通産省の行政指導によって限られた範囲だけで、こういう形でやっていくというものだけではいけないんじゃないかというような気もしまして、適当な場でなかったかもわからぬけど、せっかく企業局と公取の委員長お見えだからお伺いしたような次第なんです。一度双方で十分御調査願って、適正な運営がなされるように、また、できればその現状等について、晴海に集配の総合センターがあるはずだから、資料なども一度お見せいただきたいというふうに思います。以上で終わります。
#242
○須藤五郎君 最近、不当表示によるごまかし商品があとを断たないというニュースが連日のように報道されております。牛乳をはじめ合成洗剤、木など。このような不当表示をなくし、国民が安心して買いもののできるようにする上で、今回の割賦販売法、不当景品類及び不当表示防止法はどれだけ役立つかという点をお尋ねしたいと思います。
#243
○政府委員(本田早苗君) 割賦販売によりまして消費者にいろいろ御迷惑がかかっておるという場合に、特に問題が生じておりますのは、訪問販売による割賦販売のときでございまして、先ほどかり御指摘のように、企業体系等もその原因になっておるかとも思いますが、あまり契約関係の知識か十分でなく、また、商品知識も十分でない主婦の方々に十分な見本を見せずに契約する、そのことか現物を見た上でだまされたというふうなことに相なるわけでございますので、今回、申し込みの内容について書面で明示することにしまして、かつ現物を提示しまして、よく契約者の方がそのものについて実態を認識した上で契約するという形にいたしたいということで、訪問販売による問題ほかなり問題が解消するというふうに考えておるわけでございます。それから、表示につきましても、たとえば現金正価幾ら、割賦販売の価格は幾らということで、定額だけで判断することに伴いまして、実際の金利の年率というものは価格差以上に大きなものであるということであとで問題が起こらないように、価格の表示等につきましても、それを年率表示をするということではっきりと計算して、比較の上で契約ができるというふうにもいたしたいということ等々によりまして、御指摘の点の問題を解消するようにはかっているわけでございます。
#244
○政府委員(谷村裕君) 今回の不当景品類及び不当表示防止法の改正によりまして、私は大まかに言って二つのことが言えると思います。
 一つは、私どもが独占禁止法をやってまいりました最初のときには、こんなに全国にわたっていわゆる不当表示とか不当景品とかいうものがあるということを想定していたわけではございません。昭和三十七年にこの法律ができましたときにも、ほんとうにその点についてはどの程度の事件がどうなるかということは思っていたわけでもございません。つまり、御承知のように、いままさに須藤委員が御指摘になったように、不当表示とか不当景品というものは毎日毎日全国で起こり得る問題でございます。さような意味におきまして、これが私どものところはブロックごとに、まあ十人とか、多いところで大阪の二十人ぐらいの者がおるという程度の地方支分部局を持っておるわけでございますが、これが都道府県に網を広げるということによりまして、より有効適切にその処理が消費者のためにできるのではないかという点、その全国的規模にある程度いくというごと。これはさらに、おまえそれでは不足ではないか、もっと特別市だの市町村にも行ったらどうかという御意見も出るかもしれませんが、この点は最初のことでございますので、とにかく、都道府県でそういう体制を整えていただくということでひとつ全国的な網の目を張りめぐらす。
 それから第二番目は、いままではもちろん都道府県で受け付けたり、市町村でも受け付けたりして、私どものほうにもいろいろ言ってまいります。そうしますと、私どものほうでまたいろいろそこのところは話を聞いたりして出かけます。時間がかかる。それを都道府県知事の段階において何か違反事件があるかなとお認めになったら、すぐその場で指示をしていただく。おやめになったほうがいいですよ、これは間違っていますからおやめなさいと。それから御自分の手で、それがたとえばうそつき表示になっているか、二重表示になっているかということを調査する権限を与えられていますから、都道府県知事が現場で、身近なところで迅速に処理していただくという、この迅速な処理ということ。しかし、それは法律では、指示に従うか従わないかということは強制力を持っておりませんから、やむを得ません、私どものほうで参りましょうけれども、もう定型的にいままでの例でもいろいろな公正競争規約や何かでもルールが立っているので、違反と認められると直ちに手が打たれる、この二点が大きな点であるかと思います。
#245
○須藤五郎君 次に私は、牛乳の問題で少し質問をしたいのでありますが、牛乳は国民の生活に欠かせないもので、国民の健康にかかわり、また幼児の主食でもあり、牛乳メーカーは良質の牛乳を供給するという社会的責任を負っておると思うんです。この社会的責任を忘れ、もうけ主義に走り、異種脂肪入りのインチキ牛乳を売っていたトップメーカーである明治乳業の責任はきわめて重大だと思います。つくってはならない牛乳をつくったことは許すことのできないことでありますが、砒素入りミルクの事件で多くの被害者を出したままいまだに完全補償をしない森永乳業の例もあるように、大乳業メーカーの無責任さは目に余るものがあると思います。政府は明治乳業の社会的責任をどう考えているのか。きのうの新社長の新聞記者会見で国生社長は、まぜものは一個だけだと。一体、一個だけということはどういうことか。その試験したびんを一本だけさして一個だけだと、こう言うのか。これは一個だけだというようなことばは国民をごまかすことばだと私は言わなければなりません。自分ではそういうことをやっておきながら、はなはだ高姿勢の居直った発言をしておる。何ら反省をしている様子がないということです。政府は、このメーカーの姿勢を社会的責任を感じたものと思うのかどうかです。政府は、明治乳業が異種脂肪入り牛乳をつくったという事実を一体認めるのかどうかというこの点について、私は農林省、厚生省、公取の意見を聞いておきたいと思います。質問は簡単ですから、簡単に答えてもらいたいと思います。
#246
○説明員(植木建雄君) 農林省の牛乳乳製品課長でございます。
 去る四月五日におきまして、衆議院の物価特別委員会で明治乳業をめぐる諸問題が初めて明らかにされまして、同社の異種脂肪混入にかかる牛乳等について若干の疑い等があったのではなかろうかというような御指摘が明らかにされたわけでございます。農林省といたしましては、当然のことでございますけれども、つくりました牛乳は食品衛生法に基づきまして、良質のものを消費者に供給するということを前提にして酪農乳業が成立をいたしておるわけでございますので、事の重要性に非常に思いをいたしまして、農林省といたしましてはこの事実に基づきまして、四月十一日付で明治乳業株式会社に対しまして、特に畜産局長名で本件に関し種々の警告を厳重に発しましたのでございます。おそらくは、本件は乳業界全体の姿勢にかかる問題でございますので、乳業者の集まりでございますところの全国協会に対しましても同様の行政指導を強くいたしておるのでございますが、特に明治乳業につきましては、本件が市乳の大手メーカーであるということからその影響はきわめて大きいと考えまして、本件の経緯、あるいは同社の所見等を特に畜産局長名で求めたのでございます。これにつきましては、農林省のこの警告書に対しまして、明治乳業といたしましては、事態をきわめて深く反省しておるということで、四月二十日に、昨年秋に厚生省に提出いたしておりましたてんまつ書を添付いたしまして回答がまいっております。それらによりますと、やはり今後生産、管理等の体制につき十分自粛自戒しながら仕事を進めていく、こういう内容に相なっております。
 農林省といたしましては、異種脂肪というようなことによって消費者の牛乳不信が一そう大きくなるということから、ひいては牛乳の需要ということに影響することに思いをいたしまして、このような一連の行政指導を強くとった次第でございます。
#247
○政府委員(浦田純一君) 厚生省といたしましては、本来純正な食品であるべき牛乳が少なくとも昨年、一昨年の公取委員会事務局より調査をされました結果が、大手メーカーのトップである明治乳業の製品について、異種脂肪を混入しておるということについて疑いが持たれたという事実につきましては、これはきわめて私どもとしては重大な事態と思い、また、憂慮いたしておるところでございます。この公正取引委員会事務当局から御連絡のございました成績によりまして、私どもは直接に明治乳業株式会社の責任者を呼びまして事情の聴取を行なったわけでございます。私どもの根本的な立場といたしましては、少なくともどのような経過であれ、あるいは故意と過失とは問わず牛乳にこのような疑いが持たれたという事実につきましては、これは私どもは、本来あってはならないことという立場から明治乳業に対しまして、従来までの荷受けの際のチェックのしかた、あるいは工程の管理、あるいは製品の管理につきまして具体的に私どものほうから指示いたしまして、その結果につきましてはてんまつ書の提出を求めております。なお、県当局を通じましてそれらの改善についての事実の確認、さらにその後引き続き製品が……。
#248
○須藤五郎君 よけいな答弁する必要はない。ぼくの質問にずばりと答えたらいいんです。
#249
○政府委員(浦田純一君) きわめてこのようなことは重大な事実だということで、昨年の十一月二十日にてんまつ書の提出を求めて、それ、出ております。自今、こういった問題についても私どもとしては……。
#250
○須藤五郎君 明治乳業の社会的責任はどう思うんだということを聞いている。
 それから異種脂肪が入っておる牛乳をつくっておったという事実を認めるのかどうか。その二点ですよ、ぼくの質問に対する答弁は。言いわけみたいな答弁をする必要はない。
#251
○政府委員(浦田純一君) 公正取引委員会事務局より提出された成績によりまして、私どもはそういった事実が、疑いがあるというふうに承知しております。当方からのその後の検査では、残念ながらその事実は、その後の製品について検査しましたところでは認められておりません。
#252
○政府委員(谷村裕君) 須藤委員の御質問に端的にお答えいたします。
 私は、明治乳業はもちろんトップ企業でありますか何でございますか、大手でございますが、それ以外といえどもやはり社会的責任はたいへん強い問題があると思います。その点では大手、あるいは中小とを問わないと思います。全国にわたって、いやしくもそういう異種脂肪が入るようなことがあっては絶対にならない、かように思います。
 それから第二の点につきましては、私どもの立場からあの検査結果をもってして直ちにそういう異種脂肪を故意に入れてつくっておった、あるいはどこかで間違って入った、あるいはまた生乳段階でのチェックが足りなかったと、絶対にそういう事実が何かあったと断定するためには、いささかまだ証拠が十分ではなかったと私どもは思っております。しかし、何かそういうことがありそうだという疑いを持っておりますので、その後においても何べんか検査を繰り返し、先ほど小野委員の御質問に答えて、現に検査をまた実行いたしております。
#253
○須藤五郎君 あんたたちの答弁を聞いていると、何だか私の質問をぼやかしてしまうというような、そういう意図を持って答弁しているように思うんですよ。また厚生省などは、メーカーのところへくる途中で何かそういう異物が入ったんじゃないかという、そういうことばすらも使って、何かメーカーの責任を薄めていこうというような、そういう意図がはっきりするんですよ。だからみな国民は厚生省も、それから公取も、それから農林省も何かメーカーの側に立って、国民の健康を守るという純粋な立場に立ってないんじゃないかという、そういう疑惑を国民が持たざるを得ないようなことになるんですよ。だから私が答弁求めたように、政府は、明治乳業のこういうことをやってきた社会的責任をどう思うか、それば社会的責任は重大ですと、こう答えればそれで済むことなんです。それをそうはっきり答えないで何とかかんとか言い回しをして……。それから明治乳業は異種脂肪が入っておる牛乳をつくっておったという事実はどうなんだと、つくっておりましたと、こう答えたらそれでいいことなんです。一ことばで済むことです。それを言を左右にしてごまかそうとするからこういうことになってくるんじゃないですか。その点はっきり答えてもらいたいんです、時間もないことですから。私は、そう時間がないから簡単に私も質問しているんだから、簡単にそこの責任を明らかにしたらいいんです。厚生省、どうです。もう一ぺん答えてください。
#254
○政府委員(浦田純一君) 厚生省としては、このような疑いを持たれたということですら明治乳業の社会的な責任は重大であると思っております。それからその事実につきましては、公正取引委員長のほうからのお答え――私どもはそちらのほうからの御連絡でもって動いたわけでございますので、そちらのほうからお答えしていただいたとおりでございます。
#255
○須藤五郎君 農林省はどうですか。
#256
○説明員(植木建雄君) 先ほど御答弁申し上げましたように、本件はきわめて重大な社会的責任のある事案であると考えております。したがって、私どもは警告書を当該会社に出したわけであります。それからなお、事実の問題につきましては、農林省は食品衛生法に関する事件でございますので、直接の事件の内容調査をいたしておりません。そういう趣旨でありますが、御了承願いたいと思います。
#257
○須藤五郎君 農林省は、ことに四月二十日に明治乳業から、異種脂肪混入を認めるという回答を実はとっておるのでしょう。
#258
○説明員(植木建雄君) ことしの四月十一日にただいま申し上げました警告書を出すと同時に、その間の経緯等についての所見を求めました。その回答によりますと――四月二十日付で明治乳業株式会社から回答がまいっております。その内容につきましては、過日厚生省に対しててんまつ書というのを提出いたしております、そのてんまつ書のとおりでございますということで、てんまつ書は別添でつけてきております。このてんまつ書を読みますと、私どもは当然やはりこの事実が一部にあったのではないかと、こういうふうに受け取られる節が多分にございます。
#259
○須藤五郎君 厚生省も昨年十一月二十日、明治牛乳のてんまつ書をとっておりますね。同じような内容のてんまつ書をとっているのじゃないですか。とっているならとっている、こう一言答えて下さい。
#260
○政府委員(浦田純一君) とっております。
#261
○須藤五郎君 みなすなおにそれを認めていますからね。私これ以上追及はやめますが、五月二十二日の社長交代のときに異種脂肪混入をはっきり認めているのですね、社長自体が。それから四月二十七日、牛乳乳製品懇話会で国生明治乳業会長は、異種脂肪混入の事実を認めて陳謝をしておるのですよ。だから、こういう事実があるのだから、ぼくの言った質問に対してすなおにそうでございますと、重大であります、混入は認めておりますと、こう答えればいいものを、君たちは何か奥歯にもののはさまったような答弁をするから時間がかかってしょうがないのですね。
 けさの各新聞に出た明治乳業の「謹告」御心配をおかけしましたが、製品につきましては御心配ございません、異種脂肪の混入については一言も認めていないのです。ごまかしの社告だと私は思うのですが、政府はこの社告の内容を一体そのとおりだというふうに認めるのかどうか。農林、厚生、公取、認めるなら認める、認めないなら認めないと一ことばで答弁して下さい。
#262
○説明員(植木建雄君) 農林省といたしまして、昨日の社長交代、それからその際の談話、それからけさの「謹告」ということばを使っておりますが、それを見まして、自分の製品に対してきわめて遺憾の意を表しておると、こういうふうに考えております。
#263
○政府委員(浦田純一君) けさの明治乳業の「謹告」、これにつきましては私の心証といたしましては、こういった事実を認めておる、その点私どもさらに事実について十分に調査する、その処置について関係のほうと検討するというふうに考えております。
#264
○政府委員(谷村裕君) いろいろございますが、私どもはいま現にもう検査しておりますから、検査の結果が出ることを待って、どういう実態であったかということがその検査という形ではわかってくるというふうに思っております。今日の問題について直ちにいまどうというふうには言えないと思います。
#265
○須藤五郎君 これから検査する牛乳がいつの牛乳かわかりませんが、明治牛乳といえども以前売っておったような異種脂肪のまじった牛乳を今日なお売っておるかどうかということは、これは疑問があります。だから、今日売っておる牛乳を検査して、かつて売っておった牛乳全般に及ぼすことができるかどうかということは大きな疑問だと私は思いますよ。だから、かつてはあったんです、これからはなくすかはわかりませんが。それならばそれでもう少し私「謹告」というこういうことばがもっと謙譲な気持ちで出すべきものだと思う。御心配をかけましてまことに申しわけなく、おわびをします、しかし、かつて私たちはそういうあやまちをおかしておりましたということばが一言も書いてありません。それで、製品につきましては御心配ございませんと、こう大みえを切っておるのです。こういうことを政府当局はどういうふうに受け取っておるのかと、そういうふうに私は聞いておるわけですね。わかりましたね。
#266
○政府委員(谷村裕君) 私どもとしては先ほどからお答えいたしておりますように、過去の問題についても本人がまさにあやまちをおかしたと、あやまちと申しますか、故意と申しますか、その私どもが指摘した事実を認めたとはまだ私は思っておりません。会社当局その他から聞きましても、疑いがかかったことについて申しわけないということは言っておると聞いておりますけれども、そういうことをおかしましたということをみずからあえて是認した、非を認めたというふうには私ども聞いておりません。その点は私どもの立場としては、いまの段階で過去のあれがどうであったかということをはっきり断定するだけのまだ心証、確証を得ていないということをさっき申し上げましたが、そういう段階でございます。しかし、それを明らかにし、はっきりさせることが私は必要であると思っております。そういう意味で、もうすでにそれは現在でも大事なことでございますから、試買をいたしまして、すでに検査機関に手渡しておりますということを申し上げました。
#267
○須藤五郎君 明治牛乳の異種脂肪混入は私は、過失ではあり得ないと確信しているのですね、これは必ず故意に異種脂肪を混入したのだと。政府は一体どう判断するのか、その点をまず伺っていきたいと思います。過失か故意か、そこです。公取さんどう感じていますか。
#268
○政府委員(谷村裕君) 私どもの立場からは、法律上厳正な証拠に基づいて一つの結論を出さなければならないわけでございますが、いまの段階ではその点いずれとも言いがたいということを申し上げる以上、断定的にものは申し上げられないのでございます。
#269
○須藤五郎君 農林省などはどういうふうに考えているのですか。厚生省、過失だと考えているのですか、故意だと考えているのですか、一ことばで答えてくださいよ。
#270
○政府委員(浦田純一君) いま公取の委員長から申しましたように、私どもはいずれとも断定しかねております。
#271
○説明員(植木建雄君) 私どもがお伺いをいたしておりますのは、十分な状況証拠を伴った意味での事実の断定についてはなされておりませんが、一試験結果においては、混入した製品があったということは承知しております。そういう意味で、混入された製品が一つの試験結果であったというふうに私どもは思っております。
#272
○須藤五郎君 農林省の答えは過失ではないと、そういうものを意識的にまじえたときはあったと、こういう答弁ですね。
#273
○説明員(植木建雄君) たいへん重大な点でございますので、慎重にお答えいたしますけれども、それが、できた製品にそういうものが認められたということが、故意にそういうことを入れた結果になったのか、過失によってなったのか、その辺の事実究明については私ども明らかにし得ないのであります。
#274
○須藤五郎君 故意に入れたということを、私はこれから実証していきます。
 インチキ牛乳の問題が消費者運動の中で取り上げられましたとき、これまで大手牛乳メーカーはきまってこう言ってきた。酪農民がしぼった牛乳に異種脂肪を混ぜるのだと、責任を酪農民にかぶせてきたのです。これは皆さん御存じのとおり追及のほこ先をかわしている。酪農民はそんなことはしておらないのです。純粋な気持ちで仕事をやっておると主張しておりましたが、今回、異種脂肪混入の犯人が大メーカー自身であることがはっきりしてきたわけです。これは農林省は納得するだろうと思うのです、この意見は。
 どのような方法でインチキ牛乳がつくられていたかをはっきりさせることは、インチキ牛乳をなくすために必要であると考えますが、インチキ牛乳が明治乳業の場合、いつごろからどのような方法でつくられていたのかはっきりさしてもらいたい。インチキ牛乳の事実を認める以上、政府はその事実を究明し、国民の前に明らかにすべきであると思いますが、どうでしょうか公取、厚生、農林、簡単に答えて下さい。
#275
○政府委員(谷村裕君) いずれにいたしましても、なぜそういうことになったかという事実の究明は、私どもやれる範囲においてやりましたが、ただいまのところはわかっておりません。しなければならないことだと思います、済んだことであっても。できればそういう何か証拠なり、あるいは証人なり、何かそういうものがどの程度証拠力としての意味があるか、これは問題でございますけれども、もしそういう新たなものが出てくるとすれば、やはりそれをもってわれわれは事実の究明はしなければならないと思います。
#276
○政府委員(浦田純一君) 私どもも事実の究明はいままでつとめてきたところでございますけれども、現在までのところははっきりしておりませんが、しかし、重大な問題でございますので、関係省庁とも連絡いたしまして、さらに事実究明について努力を続けていきたいと思っております。
#277
○説明員(植木建雄君) 農林省といたしましては、事柄が食品衛生法違反という事実がまさにあるかどうかということでございますので、厚生省の意見を十分聞きまして、そういった点についての調べ等も、さらに農林省でできる部分がありますればやりたいと思っております。
#278
○須藤五郎君 三者とも、追及してその事実を突き詰めると、こういうことを言っていますから、いま現在わかってなければ、その事実を突き詰めて国民の前に明らかにする義務が、私は厚生省にも、農林省にも、公取にもあると思いますから、ぜひともそれを積極的にやって、一日も早くその事実を究明し、国民の前に明らかにしてもらいたい、約束してもらいたいと思います。いいですね。
 それじゃあこれまで使っておった牛乳原料の中で、インチキ牛乳が問題となって以後使わなくなった原料があれば、それは異種脂肪であると疑うことが私は十分できると思うのですね。私たちの調査の中で、明治乳業はそのような疑わしい原料を使っていたことが判明いたしております。異種脂肪の混入は決して偶然の過失で起こったものではなく、計画的に行なわれておるということははっきりするのですね。その一つは異種脂肪入り粉乳と見られる原料が千葉県の主基工場や信州の上田工場から戸田橋工場その他へ送られておりました。この原料を溶かした容器には脂肪がこびりつき、魚の腐ったようなにおいがして異種脂肪だとわかっております。この原料は工場ではマル全と呼ばれて、丸の中に全の字ですが、三十キロが紙袋に入っておりました。戸田橋工場でもこれを夏場は一日に九十袋、冬場はその半分ぐらいを使っておりました。牛乳工場ではこの原料を溶かしたタンクと普通の原料を入れたタンクとは別々に分かれておりまして、ホモジナイザー、いわゆる均質機ですね、ホモジナイザーに入れてこれをまぜておるわけです。この原料は数年前から使われておりましたが、ことしの二月−三月ごろから使われなくなっておるということを聞いております。
 昨年六月、公取は、明治乳業戸田橋工場へ立ち入り検査しましたが、このときこのようなマル全と呼ばれる紙袋に入った原料を確認していたかどうか。厚生省、農林省はどうか。
#279
○政府委員(熊田淳一郎君) 昨年立ち入り検査をいたしました際に、ただいまおっしゃいましたような異種脂肪、あったかどうかということはわかっておりません。
#280
○須藤五郎君 そんなことじゃ立ち入り検査にならぬよ。
#281
○政府委員(浦田純一君) 私どもがこの事実を知りまして、すぐ全国に乳肉衛生課長名をもって通知いたしまして、違反事実の調査並びに摘発をするように、厳重に監督指導するように通知しておりますが、私どもの関係の指導あるいは検査というものは、都道府県知事に対する機関委任事務として行なわれております。それで、その結果の報告を求めておるところでございますが、現在までそのような事実についての報告は参っておりません。確認いたしておるという報告は受けておりません。
#282
○須藤五郎君 農林省。
#283
○説明員(植木建雄君) この事件そのものは食品衛生法違反ということでございますので、農林省といたしましては、一般行政指導ということで指導しておりますので、そういう立ち入り検査等は農林省ではできないわけでございます。そういう意味で、いまお尋ねのような案件についての事実は、私どもは承知いたしておりません。
#284
○須藤五郎君 この事実、マル全、袋入りのものですよ、これが異種脂肪を入れたかどうかということのかなめなんですよ。だから、あんたたちは簡単に会社へ立ち入り検査しても、会社はこれをおいそれとはあんたの前へ出して見せないんですよ。いかにあなたたちの立ち入り検査はずさんなものであり、不徹底なものであるかということが、それ一つ見てもはっきりするんですよ。私たちはこれをはっきりつかんでおりますよ、マル全という袋に入ったものがあるということをね。だから、これから調査するならその点もはっきりしていくことですよ。あるいは、あなたたちは調査にいまから行けば、もう国会でこれをやったということがすぐ明治乳業のほうにわかるんでしょう。もうさっそくこれはどこかへ片づけて隠されてしまうかわからぬ。しかし、私たちはこれまでにはっきりとつかんでおるんですよ、調査の結果。それが今度の問題の起こりだということですよ。だから、あなたたちがもっと調査するというなら、立ち入り検査するというなら、もっと徹底した検査をするということが必要です。今後の検査はそういうことを考えて徹底的にやらなければだめですよ。それでなければ意味なさぬですよ、肝心なものを見ないで。それじゃ済まぬですよ、国民の前に。いいですね。――うなずいていらっしゃるから、私の言うことを納得したんだろうと思うから、その次の質問にいきましょう。
 第二に、愛媛工場では、カゼインとえたいの知れない脂肪に脱脂粉乳をまぜて消石灰、脱臭剤などの薬品で処理をして粉乳をつくっておりました。カゼインは牛乳には使ってはいけないということになっておるんですよ、食品衛生上。そのカゼインを使って、えたいの知れない脂肪を入れて、脱脂粉乳をまぜて、消石灰や脱臭剤などの薬品で処理して粉乳をつくっておった、こういう事実がわかってきております。その点認めますか。どうですか。
#285
○政府委員(浦田純一君) 私どものほうにそのような報告がございましたので、昨年十一月、県当局を通じまして、さっそく事実の調査に当たらしたわけでございます。それで、カゼインでございますが、これは確かにその工場にあったというのも事実のようでございます。ただ、これは先生御承知だと思いますけれども、特別の調製粉乳の原料としては認められておるということでございまして、同工場がはたして普通の加工乳、そういったものにこれを使っておったかどうかという事実関係につきましては、残念ながら確認ができずにおります。
#286
○須藤五郎君 それじゃカゼインを何に使っておったんです、その工場は。
#287
○政府委員(浦田純一君) 特殊調製紛乳の原料として使っておったものと考えております。
#288
○須藤五郎君 カゼインは牛乳に使ってはいけないということになっておるんじゃないですか。
#289
○政府委員(浦田純一君) 牛乳には使ってはならないことになっております。
#290
○須藤五郎君 じゃ特殊というのは何です。
#291
○政府委員(浦田純一君) 乳児用の特別に調製した粉乳でございます。
#292
○須藤五郎君 なおいけないですな。牛乳と粉乳と違うんですか。やはりお乳なんでしょう。子供に使う粉乳にカゼイン使ってもいいという、そんなばかなこと、おかしいですよ。厚生省。子供ならよけい使っちゃいけないんじゃないですか。あんたの言う牛乳というのは一体何やね。粉乳は牛乳と違うんですか。粉乳も牛乳のうちでしょう。そうでしょう。違いますか、牛乳と。粉乳とはどう違うんですか。牛乳を乾燥して、そうして粉にしたのが粉乳でしょうが。それを子供が飲むんだったら、よけいいかぬじゃないですか、カゼイン使ったら。そこをどういうふうに説明するんですか。ぼくの頭じゃ説明のしようがないね。――答えなさい。
#293
○政府委員(浦田純一君) カゼインを特殊調製粉乳の原料として使っておるということは、現在、法律で認められておるわけでございますが、カゼインというものは元来が牛乳の成分の一つでございますので、その辺、純粋なカゼインを使うということで特に特別調製粉乳については許可しておるわけでございます。人体の健康いかんということは、これは別の観点の話になりますけれども、健康あるいは栄養価といったような点から申しますというと、そもそも天然の牛乳の成分でございますので、その点は変わりはないということでございます。
 それから牛乳と申しますのは、やはり省令でもって牛乳とそれから特別調製粉乳というものにつきましては、それぞれ規格というものが設けられておりまして、取り扱いははっきりと分かれておるわけでございます。
#294
○須藤五郎君 その議論は、もっと時間があるときにやりましょう。
 私は、この愛媛工場での粉乳のつくる工程を、あんたたちは知らぬと言うんだから、そういうものがあることを知らないと言っているんだから、私が質問しても答えられないかもわからないと思うから、参考までに製造工程を私がここで説明しましょう。
 カゼインをタンクに入れて八十度ぐらいの蒸気加熱で十五分間、そして攪拌して活性炭を加えて、これは脱臭用でにおいを取るためです。それを十分攪拌間して、それでろ過して冷却する。それでタンクに保存するのです。それから二番目の植物性油脂、ヤシ油は、四十かんぐらいを蒸気室で百度Cぐらいで加熱して白く凝固したヤシ油を液化して、タンクに入れて色素、ビタミン剤を加える、そういうことでつくるのですね。それからそのできた1と2を合わせて、さらに脱脂粉乳五十キログラム入り二袋まぜて、そして攪拌して消石灰その他を混入――中には、私は名前がはっきりわかりませんが、CL、ML、MOなどの記号のついた薬品を混入して、そして遠心分離機でごみを取りまして、濃縮してホモジナイザー、いわゆる均質機にかけて、ドライヤーで粉乳にする、こういう経過です。この粉乳は加工乳や牛乳にまぜて市販牛乳をつくるものと思われます。工場ではこの工程のことを何と称しておるかというと、Mを溶かすと、こういうふうに呼んでおるのです。できた粉乳のことをマル全と、こういうふうに呼んでおるのです。
 現在、愛媛工場ではこの問題について、実は箝口令がしかれております。労働者に質問しても一切口を閉じて答えないのです。あくまでも追及していくと、労働者はしまいには泣き出す。こういうふうに箝口令がしかれております。この箝口令をしいておること自体、会社には知られては困る事実があるということをはっきりと証明しておると思う。マル全という粉乳のある事実をあなた方は知っておるのかどうか。重ねて私はここで皆さん方に質問するのですが、知らなければ知らないで、はっきりと答えてもらいたいと思うのです。公取さん、どうですか、ここまで説明してきても思い当たることはございませんか。
#295
○政府委員(谷村裕君) 存じません。
#296
○政府委員(浦田純一君) 存じません。
#297
○須藤五郎君 農林省はどうですか。
#298
○説明員(植木建雄君) 農林省としては、食品衛生法に違反する物資があるかどうか、そういう摘発する能力もないわけでございますが、そういうようないまの御説明のありましたことについては存じておりません。
#299
○須藤五郎君 私がせっかく、私たちのほうで調査したことをここで明らかにしたのですから、私たちの調査したこの事実を踏まえて、そして徹底的に調査してもらいたいと思います。調査しますね。はっきり言ってくださいよ。
#300
○政府委員(浦田純一君) 調査いたします。
#301
○政府委員(谷村裕君) 私どもとしても調査いたします。ただし、両方で重なってむだであれば、もう所管の厚生省に徹底的にやっていただくことが私のほうとしてはけっこうだと思います。
#302
○須藤五郎君 まあダブってもいいんですから、両方で徹底的に調査してください。
 次に、明治油脂の尼崎工場で、還元牛乳用ホモイラーという商品をつくって大量に販売しておりましたが、これは事実かどうか、これが一点です。
 それから、還元牛乳用ホモイラーは何に使われるものかという点。
 それから三番目は、還元牛乳用ホモイラーの生産状況は現在どうなっておるかということ。
 それから四番目は、明治乳業の愛媛工場に明治油脂尼崎工場のラベルを張ったかんがあります。これは現地で調査しておるのですから。還元牛乳用ホモイラーは異種脂肪の疑いがありますが、政府はこれを調査分析してもらいたいということなんです。これは要求です。
#303
○政府委員(浦田純一君) 尼崎並びに愛媛工場のホモイラーの点につきましては、実はいま初めてお聞きしたので、存じておりませんでした。しかし、事実であるとするならばこれは重大問題でございますので、さっそく調査をいたしまして違反の事実があれば、これは徹底的な処置をとりたいと思います。
#304
○須藤五郎君 私の言うことは、うそを、でたらめを捏造して言っておるのじゃないので、調査した結果を私はここで言っておるのですから、そのつもりで調査してくださいよ。ホモイラーがあったらたいへんでしょう、あなたがいま言ったように。その事実があるということを指摘しておるわけです。
 もう時間もありませんから、私は結論を急ぎますが、国民の要求しているほんとうの良質の牛乳づくりをメーカーに強く望むが、そのためには、もうけのためにはしっぽを押えられなければ何でもやろうというメーカーの姿勢を改めさせなければならないと思うのです。ヤシ油には燕尾菌というばい菌が必ずくっつくので、燕尾菌を見つければヤシ油があるということはすぐわかるのですね。それで、ヤシ油は比較的検出されやすいと聞いておりますが、魚油などは検出がむずかしいと聞いております。異種脂肪の試験方法は、厚生省が都道府県に通知しても、その試験方法ではわからないような異種脂肪をまぜるおそれがあるといわれておりますが、今後どのようにしてインチキ牛乳をなくすのか。その対策はどうだということです。それから試験方法の確立はどうだということ。
 それから、牛乳のイメージダウンによりまして牛乳の消費量が伸び悩む結果、酪農民は大きな打撃を受けるわけです。また明治牛乳の販売店も営業が脅やかされてその被害は少なくありません。酪農民や販売業者の損害はこの原因をつくり出したメーカー、明治乳業が負うべきであると思いますが、これらの損害補償について、政府はどう対処するつもりか。この二点を質問いたしまして、私の質問を終わります。
#305
○政府委員(浦田純一君) 牛乳中の異種脂肪の検出につきましては、実は先生の御指摘のとおり、従来なかなかむずかしい問題がございました。こちらのほうが検出方法を開発しますと、さらにそれをくぐるような方法というものをつくるといったような事実もあったようでございます。今回の明治乳業の件、それに関連いたしまする乳業界におきまする異種脂肪を混入したかどうかという件につきまして、私どもは国立衛生試験所で新しく三つの検出方法を開発いたしまして、それにつきまして都道府県の技術者をすでに昨年十一月に呼びまして、その技術方法の講習会を開いております。
 それから、将来のことでございますが、さらにこのような事実もございましたので、国立衛生試験所を中心といたしまして、より的確な検査方法の開発ということにつとめてまいりたいと考えております。
#306
○須藤五郎君 業界の補償は。
#307
○政府委員(浦田純一君) 業界に対しましては、これはやはり内部的な自主態勢、あるいはさらに私どものほうはそれを監視の立場から牛乳業界についての監視は最重点としてやっておりますので、再びこのような問題が起こらないように今後とも十分の努力をしてまいりたいと考えております。
#308
○須藤五郎君 農林省は酪農民に対してどういうふうに考えておるのか。酪農民の損失に対して。
#309
○説明員(植木建雄君) 酪農民につきましては、御承知のように現在の集荷方法は一元集荷多元販売で、……各酪農団体が農協を通じまして各県ごとにそれぞれの県内の所在の工場に売り渡しをする。したがって酪農団体、農協団体が県ごとにそういう問題につきまして、販売につきまして、当然十分な協議をしながら、売るところには売る、売らないところには売らない。団体交渉力を持っておりますから、そういうものを通じまして、円滑な需給調整並びに集乳ができるというふうに考えております。なお、その辺について問題がありますれば、農林省といたしましても十分指導をいたす責任があると考えております。
    ―――――――――――――
#310
○委員長(大森久司君) 委員の異動について報告いたします。
 本日、阿具根登君が委員を辞任され、その補欠として鶴園哲夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#311
○委員長(大森久司君) 他に御発言もなければ、両法案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#312
○委員長(大森久司君) 御異議ないと認めます。よって、両法案に対する質疑は終局いたしました。
 それでは、まず、割賦販売法の一部を改正する法律案の討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#313
○委員長(大森久司君) 速記を起こして。
    ―――――――――――――
#314
○委員長(大森久司君) この際、委員の異動について報告いたします。
 本日、矢野登君が委員を辞任され、その補欠として山崎竜男君が選任されました。
    ―――――――――――――
#315
○委員長(大森久司君) 別に御意見もなければ、討論はないものと認め、これより直ちに採決に入ります。
 割賦販売法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#316
○委員長(大森久司君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 竹田現照君から発言を求められておりますので、これを許します。竹田君。
#317
○竹田現照君 ただいま可決されました割賦販売法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、共産党、五党共同提案による附帯決議案を提出いたしたいと存じますので、御賛同願います。
 案文を朗読いたします。
   割賦販売法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行にあたり次の諸事項の実現につき努力すべきである。
 一、消費者信用保護に関する基本法をすみやかに検討すること。
 一、業務を委託したセールスマンの販売行為に関する割賦販売業者の責任を明確化するとともに、セールスマンの資質の向上、不当勧誘の排除に努めること。
 一、業界における苦情処理機構をさらに一段と充実するとともに、その適切かつ迅速な処理体制の確立をはかること。
 一、互助会等の既存事業者の実態を把握するとともに、業界の体質強化のため積極的な指導を行ない消費者とのトラブルを未然に防止すること。
  右決議する。
#318
○委員長(大森久司君) ただいま竹田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#319
○委員長(大森久司君) 全会一致と認めます。よって、竹田君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、田中通産大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。田中通商産業大臣。
#320
○国務大臣(田中角榮君) ただいま御決議をいただきました附帯決議に対しましては、政府といたしまして、その趣旨を尊重し、万遺憾なきを期する所存でございます。
#321
○委員長(大森久司君) 次に、不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案の討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もなければ、討論はないものと認め、これより直ちに採決に入ります。
 不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#322
○委員長(大森久司君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 竹田現照君から発言を求わられておりますので、これを許します。竹田君。
#323
○竹田現照君 ただいま可決されました不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、日本共産党、五党共同提案による附帯決議案を提出いたしたいと存じますので、御賛同をお願いいたします。
 案文を朗読いたします。
   不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行にあたり次の諸事項の実現につき努力すべきである。
 一、公正取引委員会ならびに都道府県(特に大都市の所在する都道府県)の機構の抜本的拡充強化につき画期的な予算措置を講じ、もつて不当景品、不当表示防止の実効を期すること。
 一、都道府県知事に対して十分に指揮監督するとともに情報交換、協議等について都道府県相互間の連携強化の指導を行なうこと。
 一、すみやかに第四条第三号の指定を行ない、不当表示の防止に万全を期すること。
 一、公正競争規約の設定について積極的に業界を指導すること。
   右決議する。
#324
○委員長(大森久司君) ただいま竹田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#325
○委員長(大森久司君) 全会一致と認めます。よって、竹田君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、山中総理府総務長官から発言を求められておりますので、この際これを許します。山中総理府総務長官。
#326
○国務大臣(山中貞則君) ただいま決議されました附帯決議について、政府は、その趣旨を尊重し、その事項の実現に努力するつもりであります。
#327
○委員長(大森久司君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#328
○委員長(大森久司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次回は、明二十四日午後二時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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