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1949/04/18 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 大蔵委員会 第53号
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1949/04/18 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 大蔵委員会 第53号

#1
第007回国会 大蔵委員会 第53号
昭和二十五年四月十八日(火曜日)
    午前十一時六分開議
 出席委員
   委員長 川野 芳滿君
   理事 岡野 清豪君 理事 小峯 柳多君
   理事 小山 長規君 理事 島村 一郎君
   理事 川島 金次君 理事 内藤 友明君
      大内 一郎君    甲木  保君
      鹿野 彦吉君    佐久間 徹君
      高間 松吉君    田中 啓一君
      苫米地英俊君    三宅 則義君
      田中織之進君    宮腰 喜助君
      竹村奈良一君    田島 ひで君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  水田三喜男君
        大蔵事務官
        (理財局見返資
        金課長)    大島 寛一君
 委員外の出席者
        大蔵事務官   谷川 寛三君
        專  門  員 椎木 文也君
        專  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
四月十五日
 委員松本善壽君及び柳澤義男君辞任につき、そ
 の補欠として苫米地英俊君及び中野武雄君が議
 長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
四月十五日
 租税特別措置法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出第一七二号)
同月十七日
 理容業者に対する所得税課税標準の適正統一化
 に関する請願(高間松吉君紹介)(第二四七九
 号)
 提灯類に対する物品税撤廃の請願(橋本金一君
 紹介)(第二四八三号)
 同(加藤鐐造君紹介)(第二四八四号)
 同(松本七郎君紹介)(第二四八五号)
 同(野村專太郎君紹介)(第二四八六号)
 昭和二十五年度予算、税制改革並びに税務行政
 に関する請願(松澤兼人君外二名紹介)(第二
 四九八号)
 農業協同組合の醸造事業認可に関する請願(田
 中啓一君外三名紹介)(第二五〇二号)
 農家報奬物資の課税免除等に関する請願(田中
 啓一君外三名紹介)(第二五〇四号)
 農業協同組合事業資金の特別融資に関する請願
 (田中啓一君外三名紹介(第二五〇七号)
 恩給等受給療養者に未復員者給與法適用の請願
 外一件(青柳一郎君紹介)(第二五五一号)
 同(小峯柳多君紹介)(第二五五二号)
 同(前田正男君外三名紹介)(第二五五三号)
 同(大西正男君紹介)(第二六一五号)
 同(小林運美君紹介)(第二六一六号)
 家具に対する物品税撤廃の請願(西村直己君外
 一名紹介)(第二五六六号)
 巧芸画に対する物品税免除の請願(冨永格五郎
 君紹介)(第二五六七号)
 革手袋に対する物品税免除の請願(天野公義君
 紹介)(第二五六八号)
 窓掛類及び敷物類に対する物品税軽減に関する
 請願(清水逸平君紹介)(第二五六九号)
 揮発油税軽減に関する請願(佐々木秀世君紹
 介)(第二五七〇号)
 養鶏業者に対する課税軽減の請願(田中堯平君
 紹介)(第二五九六号)
 中小企業に対する税制改革に関する請願(多田
 勇君紹介)(第二六〇八号)
 青色申告制度の普及徹底並びに中小企業の経理
 改善に関する請願(多田勇君紹介)(第二六〇
 九号)
 恩給等受給療養費に未復員者給與法適用等に関
 する請願(北村徳太郎君紹介)(第二六一七
 号)
 同(山口好一君紹介)(第二六一八号)
 未復員者給與法の一部改正に関する請願(山口
 好一君紹介)(第二六一九号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 米国対日援助見返資金特別会計からする電気通
 信事業特別会計及び国有林野事業特別会計に対
 する繰入金並びに日本国有鉄道に対する交付金
 に関する法律案(内閣提出第六五号)
 租税特別措置法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出第一七二号)
    ―――――――――――――
#2
○川野委員長 これより会議を開きます。
 去る十五日本委員会に付託されました租税特別措置法等の一部を改正する法律案を議題として、まず政府の説明を求めます。水田政務次官。
#3
○水田政府委員 ただいま議題となりました租税特別措置法等の一部を改正する法律案について、提案の理由を御説明いたします。
 わが国の経済を急速に復興し、その健全な発展をはかるためには、外資と外国技術の適正な導入をはかることが緊急不可欠であることは、言うまでもないところであります。先般御審議を願いました税制改正の諸法律案におきましても、かかる配慮を織り込んでいるのでありますが、なお一層この目的に沿うよう、所得税課税上の特別措置を講ずることが必要であると考えるのであります。ただかかる課税上の特別措置は臨時的のものである点を考慮しまして、これを租税特別措置法に規定するのが適当であると認め、ここに本改正法律案を提案することといたした次第であります。なおこのほか所得税法及び法人税法の改正、富裕税の新設等に伴いまして所得税、法人税、富裕税等の課税標準等の特例の改正、または新設を行うことといたしているのであります。
 次に本法律案の内容について申し上げます。最初に外資導入等の場合における所得税上の特例について、御説明いたします。
 この特例は、日本経済の復興を達成するために必要な長期的な外国投資と、日本経済の復興と健全な発展のために、外資または外国技術の導入を必要とする事業の活動に必要な、特定の個人を優遇するという考え方に立つているのでありまして、その内容は大略次のごとくであります。
 すなわち第一に、外国在住の個人等が適法に外貨で獲得したわが国の公社債の利子所得に対する源泉所得の税率を、当分のうち通常の場合の百分の二十の半分、すなわち百分の十とすることとしているのであります。
 第二に、外資または外国技術の導入を必要とする重要産業を営む法人で、外資による投資額が一億円以上のものに勤務する者で、わが国に一年以上居所を有してはいるが、住所を有していないものの昭和三十年分までの給與所得または退職所得につきましては、三百五十万円を最高限度として、その收入金額の五割を控除して計算することとしているのであります。外資または外国技術の導入を必要とする重要産業の種類は、日本経済の健全な発展をはかるために不可欠な発電業、鉄鋼業等の重要産業に限定し、今後の外資の導入状況等を参考としつつ、大蔵大臣が外資委員会に協議して定めることとしているのであります。またわが国の技術水準の状況等にかんがみまして、右の場合のほか、重要産業を営む法人の技術者で、わが国に一年以上居所を有してはいるが、住所を有していないもののうち大蔵大臣の指定するものは、この課税上の優遇措置を受けられることにしているのであります。
 第三に、外資の導入を容易ならしめるために、その事業活動の結果、右に述べた重要産業を営む法人の事業活動を容易にし、外資の適正な導入が促進されることとなる事業を営む法人に勤務するもので、わが国に一年以上居所は有してはいるが、住所を有していないものの昭和三十年分までの給與所得または退職所得につきましては、同じく三百五十万円を最高限度として、その收入金額から五割を控除して、所得税を課税することとしているのであります。
 また外資の導入を容易ならしめるために、その事業活動の結果、右に述べた重要産業を営む外資法人の事業活動を容易にし、外資の適正なる導入が促進されることとなる自由職業を営むもので、わが国に一年以上居所を有しているが、住所を有していない者の昭和三十年分までの事業所得につきましても、同様の措置を講じているのであります。
 右の法人の事業及び自由職業の種類は、大蔵大臣が外資委員会に協議して定めることとしているのでありますが、現在のところ銀行業、弁護士業、公認会計士業等を予定しているのであります。
 なお、わが国の文化を振興することも急務と考えられますので、外国知識等の普及をはかるため、この特例とあわせて新制高等学校以上の教員及び牧師その他宗教の布教に従事する者で、わが国に一年以上居所を有してはいるが、住所を有していない者の昭和三十年分までの給與所得または退職所得につきましては、三百五十万円を最高限度として、その收入金額の五割を控除して所得税を課税することとしているのであります
 なお、現在外国人の非円通貨からなる所得については、所得税を課税していないのでありますが、この取扱いは近く廃止される予定であります。この場合における急激な負担の増加を避け、経過的な措置といたしまして、次の措置を講ずることとしているのであります。すなわち、わが国に一年以上居所を有してはいるが、住所を有しない者で、この措置実施前において、合法的にわが国で非円通貨所得を有していた者、及びこの措置実施後に合法的に入国した者に限り、その者の昭和二十五年分及び昭和二十六年分の所得につきましては、三百五十万円を最高限度として、その総所得金額の五割を控除して計算することとしているのであります。
 最後に、わが国に一年以上居住を有してはいるが、住所を有していない者の給與所得または退職所得につきましては、昭和二十五年度から五年間だけは、外国において支那いを受ける金額は、原則として合算しないこととしているのであります。ただ弊害が生じないようにするために、本国からの送金額は、外国で支拂いを受けた給與金額に達するまでは、これをわが国で支拂われた給與金額に合算し、なお、わが国で支拂われた給與金額が、わが国におけるその者の通常の生活費に満たない場合には、外国で支拂いを受けた給與金額のうち、その満たない部分に相当する金額、これを合算することとしているのであります。
 次に、今回の所得税法及び法人税法の改正並びに富裕税法の創設に関連いたしまして、租税特別措置法について若干の改正を行うことといたしたのであります。すなわち今回の超過所得に対する法人税が廃止されたこと、所得税の讓渡所得の課税方法が合理化されたこと等により、従来の規定中不用となつた規定を廃止いたしました。また目下の状況においては、在外財産等の処理が未定でありますので、従来から在外財産等を所有している者に対しましては、その価額が算定できることとなるまで、相続税の課税価格に算入しないこととしているのでありますが、改正後の相続税及び新たに設ける富裕税の課税にあたつても、同様にその課税価格に算入しないことといたしたのであります。なお今回納税準備預金通帳には、印紙税を課さないことといたしました。
 次に、揮発油税の延納の場合の担保の物件の範囲を拡張し、税務署長において確実と認められる保証人の保証を包含せしめることとしたのであります。
 以上本改正法律案の概要を御説明いたしましたが、何とぞ御審議の上すみやかに御賛成あらんことを、切望してやまない次第であります。
#4
○川野委員長 これより本案を議題として質疑に入ります。質疑は通告順によつてこれを許します。三宅則義君。
#5
○三宅(則)委員 私はただいま議題となりました租税特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして、質疑を行いたいと思うのであります。
 ただいま水田政務次官から提案理由の御説明があつたのでありまして、外国人に対しましてこの法律を施行するということでありますが、政府はどのくらいの予算的措置を持つておられますか。ただ漠然と按分するわけではありませんから、今の昭和二十五年度の予算に組んだものをどういうふうにして按分するのか。その線があると思いますが、それを伺いたい。
#6
○谷川説明員 ただいまの御質問の点でございますが、まだ十分正確な数字的な検討ができておりません。
#7
○三宅(則)委員 非常にお忙しい中でありましようから、本日は資料の提出が困難であるかと存じまするが、私は由来法律をつくるときにおきましては、ただ條文をつくるということのみではなくして、その精神を織り込んで、こういう場合にはどのくらいであるということは、いやしくも政治家でありまする以上は、その予算的措置をこれと関連さして、並行さしてかかることが必要であろうと思いまするから、どうか今日お帰りになりまして、明朝でも至急案の内容をお示し願いたい。と同時にまたお忙しいでありましようが、新旧対照表というものは、われわれが見るのには非常に便利でありますから、これもともどもに明日お持合せを願いたいと思いますが、政府の御答弁を承りたいと思います。
#8
○谷川説明員 数字の方でさしあたり予算に関係があると思われますのは、三條と四條と五條の四関係の特別措置でありますが、正確な数字は不明でありまするけれども、予算上大した影響を及ぼすものとは思われません。なお本法律案の要綱と新旧対照表は、印刷の関係がありますので、明日はちよつとむずかしいかもしれませんが、全力をあげまして提出の準備をいたしますから、さよう御了承を願います。
#9
○三宅(則)委員 今の政府の御答弁を承りまして、ぜひ明日もしくは明後日までに、お出し願いたいと存じます。また平田主税局長もそのときはぜひ御出席を願いまして、とくと議員の納得の行くように質問応答していただきたいと考えます。それで私の観点からいたしますと、外国人に限り資本もしくは技術を注入する者に限るというように解釈するのでありますが、それはどういうような人たちでありますか。たとえば連合国も相当あるわけでありますが、今の政府の考えはどの辺を言つておられるか。それを承りたい。
#10
○谷川説明員 それでは簡單に御説明申し上げます。まず重要産業を営み、外資が一億円以上入つている外資法人に勤務する者、重要産業を営む法人に招聘された技術者で大蔵大臣の指定する者、外資導入を促進し、外資法人の活動に寄與する者、それから新制高等学校以上の教員や牧師等で、わが国に一年以上居所を有してはいるが、住所を有していない者がこの優遇措置を受けられることになつています。これらの條件にかなう者であれば何国人でもよく、またどのような地位の方でもいいわけであります。
#11
○三宅(則)委員 あまりしつこく聞くようでありますが、もう少しわかるようにお教え願いたいのです。私の想像でありますが、将来相当向うからの資本が来るわけであります。また日本の事業会社等にも出張して来たり、そうして資本も来ると思います。そうすればアメリカとかその他の国からも来ると思いますが、現在考えておりますところでは、ただ法律によそから来るだろうというだけでなしに、どういうようなものが何人来るだろうという想定があるはずだと私は思いますが、どうでしようか。
#12
○水田政府委員 それはこの提案理由で述べましたように、外資の導入ということが日本の経済の実情から見て、どうしても緊急な要請になつておりますので、そのためには導入の受入れ態勢を日本でつくらなければならぬ。つくる態勢の一つとして、実際は昭和二十七年から三十年までの間というものを今ここで御審議願つて、法律にしなくてもいいとお考えになるかもしれませんが、こういう法律を日本でかつて置いたということによつて、初めて日本への外資導入とか技術導入とかが向うにおいて考えられるので、そのためにこういう案をつくつたわけであります。従つてどういう外資が導入されるか、それからどういう人たちが来られるかということは、これからの問題でありますので、その点は御質問のように具体的な予想はまだついておりません。それからもう一つは、先ほどの御質問のどういう人ということでしたが、最初は技師長とかあるいは特に高級な外国人に限りたいという意向もこちらにございましたが、そうでなく、今事務官から説明がありましたようにこれに適用される外国人全部――事務員であろうと何であろうと、全部に適用するつもりでございます。
#13
○三宅(則)委員 実は政務次官の御説明で大分わかつて参りましたが、私はこの法律と多少関係があるかないか知りませんが、こういうことを憂えておる。外国人が日本に参りまして資本を投下し、技術を持つて参りまして、わが国の産業開発に努力することはまことにけつこうでありますが、ややもするとこれに関連をいたしまして、たとえば娯楽機関も一つの有益事業といえばいえるのでありますが、もしそうなりますと飲食業とかそれに附随するような事業まで発展さそうとする御意思があるかどうか。たとえて言いますれば、その方面に中国人や朝鮮人が相当入つておるということも聞いておりますが、そういうことを除外して、真に経済再建のために必要である技術もしくは資本のみに限る、こういう意思をもつてつくつておられますか。その点をはつきりお教え願いたい。
#14
○谷川説明員 それではその産業をどういう点に限定するかという点につきまして、ただいま私どもが考えております点を御説明申し上げたいと思います。三宅委員がお話になりましたような事業にまで拡張することはいたしません。これは大体先ほどの提案理由にもございましたが、日本経済の健全な発展をはかるために、緊急不可欠な重要産業に限定いたしておりますし、原則といたしましては、今後の外資の導入状況などを参考といたしまして、大蔵大臣が外資委員会に協議して定めることにいたしております。現在のところでは大体以下に申し上げますような事業を考えております。今の法人税法におきまして、免除の特典を與えられておる重要産業に限つております。読み上げますと、大体金、地金の製錬業、それから硫酸アンモニア、肥料用尿素、肥料用硝酸、塩化アンモニア、石灰窒素、過燐酸石灰、溶性燐肥、苛性肥料の製造業、第三に醋酸ビ二一ル、それからポリアミド樹脂、こういうものを原料といたします合成纖維並びに醋酸纖維素、さらにはこういつたものを原料とする醋酸纖維、こういつたものを製造します事業、それから発電業、金鉱、砂金鉱の採掘または採取の事業、石油の採油、精油並びに石炭の採掘の事業それから鉄鋼業、現在のところではこういつたものを重要産業として考えております。それからただいま申し上げましたものが、日本経済の健全な発達をはかるための緊急不可欠な重要産業でございますが、そのほかに今申し上げました重要産業を営んでおります外資法人の事業活動を援助することになり、ひいては外資の適正な導入を促進することになるような事業を営んでおりますものというのが、五條の二にございますが、この事業と申しますのは、提案の理由の中にもありましたように、現在のところ新聞業、銀行業それから弁護士業、公認会計士業、こういつたものを考えております。さらに最初に申し上げました重要産業を営んでおります外資法への事業活動を容易にし、外資の適正な導入を促進することになるような自由業とございますが、この範囲は先ほど申し上げました二つの範疇のものと同様、大蔵大臣が外資委員会に諮つて定めることにしております。現在のところでは弁護士業、公認会計士業その他を考えております。今申し上げますように、重要産業並びにこの重要産業を営む法人の事業活動を援助する事業、自由業、これらの範囲を全部限定しておりますので、三宅委員が御質問になつたようなものにまで拡張する考えはございません。
#15
○三宅(則)委員 詳細な御説明があつたわけでございますが、私はこういうことをひとつお伺いいたしたいのでございます。たとえばこれに対しての給與所得等は幾らでもよろしいのでありましようか。何百万円以上というのでございましようか。三百五十万円を超過するものは差引いて、三百五十万円以下のものに対しては、これは半分ぐらいは減ずるということでございましようか。それから外資委員会にかけて決定するということでありますが、この外資委員会にかけるというような條文がこの中のどこに入つておりましようか。その点二つお伺いいたします。
#16
○谷川説明員 御説明申し上げます。まず第一点の給與の金額はどれくらいのものから、この優遇処置を講ずるかということでございますが、これは別に幾らからということは言つておりません。ただ五割の控除を受けられます最高限度は、お話のように三百五十万円で限つております。
 それから外資委員会に協議して定めるという條文でございますが、これは関係のところに全部入つております。第五條の重要産業の範囲でございますが、三項のところに「第一項に規定する事業の種類は、大蔵大臣が外資委員会に協議した上、これを定めて公表する。」とございます。それから外資法人の事業を助ける事業及び自由業の範囲は、第五條の二の二項のところに「前條第二項の規定は、」末項のところに「前條第三項の規定は、第一項に規定する法人の事業及び前項に規定する自由職業の種類について、これを準用する。」とございます。関係のところにそれぞれ規定してございます。
#17
○三宅(則)委員 私の考えるところによりますと、確かに法文にあるわけでございますが、三百五十万円という線は向うの最高基準ということに考えておられるのでございましようか。あるいはこれを多少変更する御用意があるかどうかということが一つ。次にこの重要産業はお説の通り外資委員会にかけて、大蔵大臣がきめると言われておりますが、自由業等につきましては、銀行業もしくは弁護士業、公認会計士業等となつておるのであります。しかし向うがこちらに相当参りまして、銀行等を操作するということに相なるかと思いますが、これにつきましてはどのような想定がありましようか。なければないでけつこうでありますが、あるということであれば承りたい。さらにこれに関連いたしまして、わが国の産業を啓発するにあたつて、たとえて言うと過半数の金額を、わが国の産業に導入せられることがあろうかと考えておるのでありますが、政府といたしましてはどういうお考えをお持ちであるか。伺いたいと思うのであります。
#18
○谷川説明員 第一点の三百五十万円を計算した基礎でございますが、これにつきましては主税局長が見えてから答弁させていただきたいと思います。
 それから外国銀行で相当日本ヘ入つて来るものがありはしないかという御質問でございましたが、これにつきましてはただいま相当数の銀行の支店が日本に設けられております。たとえばマーカンタイル銀行とか、アメリカ銀行とか、中国銀行といつたようた銀行が十行ばかり支店を日本に出しております。これにつきましては理財局の方から資料を取寄せまして、差上げることにいたします。
#19
○竹村委員 政府次官にお伺いしたいのでございますが、大体これは昭和三十年までにと限つておるようであります。そうすると講和條約との関係をどういうふうにされるか。たとえば講和條約が締結された後にもこういう趣旨で続けて行かれるのか、お伺いしたい。
#20
○水田政府委員 ただいまの御質問でございますが、結局講和会議の内容によりまして、今こういう日本の国内法はそのまま引続き有効になるかならぬかというようなことも、講和会議のときの内容になるのじやないかと思いまして、これが場合によつては続くこともあろうし、そうでなくまた改正して別の措置をとることもあろうかと思いまして、その点ははつきり現在判明いたしません。
#21
○竹村委員 そういたしますと講和條約後におきましては、こういう法案を條約のいかんによつては廃止するかもしれぬ。あるいは存続するかもしれぬ。こういう御答弁でございましたが、そういたしますとこの法律案というものは、日本政府が現在独自なお考えでお出しになつたのか。あるいは最高司令官からの指示によつてなされたのか。その点を明らかにしてもらいたい。
#22
○水田政府委員 この点は日本政府として、外資導入の受入態勢のために必要だという考えで出したものであります。むろんこの法案については関係筋と折衝し、同意を得てきめたものでありますが、建前といたしましてはあくまでわれわれの必要によつてつくつた法律であることを、御了解願いたいと思います。
#23
○竹村委員 そういたしますと日本政府が必要だと考えて提案されたのでありますので、お伺いいたしますが、こういう形で特別ないわゆる外国人に対する減免方針をとられますと、日本国内における日本産業はとうてい外資と対等な立場において企業を営めないということになつて参ると思うのでございますが、これに対して政府はどう考えておられますか。
#24
○水田政府委員 もしこういう特別な措置が長く続くようでしたら、ただいまの御質問のようないろいろな問題が出て来ようと思いますが、法案にもあります通り暫定措置でありまして、昭和二十七年から昭和三十年まで三年間の措置でございますので、今日本経済で外資が必要だということはおわかりの通りであります。もう一つ私たちが心配しておりますのは、今の対日援助というものがいつまで続くかという点におきまして、現在の対日援助を打切られたら、日本の産業復興というものには、非常な障害を及ぼすということはわかり切つたことでございます。しかし将来これが長く期待できないとすれば、どうしても外資の導入ということに切りかえて解決しなければいけませんので、向う五箇年くらいの間にそういう切りかえをやつて、日本経済の復興を挫折させないような措置を今から講ずる必要がある。そういう意味で暫定措置としてこういう措置をとることは絶対に必要でありまして、その経済再建に必要な期間こういう措置をとることの利益と、日本の国内産業を圧迫する弊害とを比べてみた場合に、それくらいの犠牲はどうしてもやむを得ないと考えているわけでありまして、これを長くやつた場合には、御説のような問題が出て来ると思いますが、当面それよりも外資を入れる必要がある。対日援助を打切られたあとの準備とかいう点から考えますと、そういう措置はやむを得ないと考えております。
#25
○竹村委員 ところでこれは日本の再建のために外資が必要だ。従つてこれは論をまたない点である。この点についてはおのおの意見がありまするが、そういうことはお互いに意見として問題になりますけれども、しかし私は日本の産業を発展せしめるために外資導入をするというよりも、日本産業を発展さすということが根本であります。外資だけが日本において発展するということは、決して日本経済の復興にはなるものではなく、それはかえつて外資を優遇して、外資によるところの日本の産業を育て、日本のいわゆる国内におるところの産業をつぶすということは、結局日本産業の復興じやなく、これは外国産業の復興であると私は考えるわけであります。従つて三年間にわたりましてこういう措置をとられて、そのうちに先ほどからの政府の説明によりますと、鉄鋼業とかいう重要産業を指定しておられますが、そういう重要産業は三年間あるいは講和條約までこういう措置をとられますと、あるいは既定の事実として講和條約の中にこのことが織り込まれるかもしれぬと、われわれは考えております。たとい三年にしてもそういう形でやられますと、決して結局におきましては日本のこの重要産業というものは太刀打ちできなくなつて、自然とつぶれざるを得ない。しかも特に中小工業以下は私はつぶれざるを得ないと思うのでございますが、これに対してもし仮定の問題だと言われればそれまででありますけれども、もしこういう措置において中小工業以下が、外資と抗対できずしてつぶれて行くような場合になりましたときに、政府は一体どうされるか。それよりもこれは既定の事実でつぶれると思うのでございますが、政府はどういう対策を持つておられるか。そういうことはないとして対策は持つておらないかどうか。その点をお聞きしたい。
#26
○水田政府委員 ただいまの御質問ですが、重要産業そのものについての特別措置を講ずるというのではございませんで、その産業に勤めている者の給與所得についての優遇でありまして、その点の御心配はないと思います。
 それともう一つ御質問の中に、外資がそれだけ来たら日本の産業がつぶれるというような御心配がございましたが、今われわれとしては全然そういうことを考えておりません。最近アメリカから帰つて来た大蔵省の財務官の話を聞きましても、外資を導入して産業復興に役立てようということは容易な仕事ではございませんで、まだ日本の経済が安定していないとか、あるいは世界の政治情勢の問題とか、外国には非常な不安がありまして、しかも外国の配当は六分配当というような現実を見ますと、よほど優遇措置を講じなかつたら、とても簡單にわれわれの欲するだけの外資は来ない。その点でむしろわれわれは外資の導入は楽観しておりませんので、今日のような状態ではすぐには人つて来ないと考えております。もしそれがすぐに来るという状態が見えましたときには、政府としては当然これに対する措置をとるつもりでおります。
#27
○竹村委員 外資を導入するためには、優遇措置を講じなければ外資が入らないほど、日本においては税金が高い。従つて国内の税金も現在の状態ではやはり高くて、産業が成り立たぬということを政府は考えておられるのですか。これを考えられれば別に優遇せぬでも入つて来るはずだ。従つて現在の税金のとり方は、結局日本の産業を発展せしめないほどの苛酷な税金である、こういうふうに政府は認めておられますか。
#28
○水田政府委員 その点はそういう問題は確かにあろうと思います。それだからこそ資本蓄積その他のために、今度の税制改革をやつた次第でございますが、この改革の結果もまだ政府としては足らない。来年度以降予算の減額に従つて、もう一歩の減税をやらなければ、日本の現在の産業復興及び資本蓄積ということは、完全に行かぬだろうと考えておりますので、減税についてはそういう趣旨で、よそを少くとるのだから、国内のものもさように減税して行くという方針をとりたいと思つております。
#29
○竹村委員 先ほど私が申しました以外のことを考えておられるようですが、私の申しましたのは、たとえば外資を導入したならば日本の産業がつぶれる。そういうふうに簡單に言うたのではないのでありまして、外資を導入してそれが日本の産業と同じような状態のもとにおいて、税金を課すというのならば別だけれども、こういうような特別な優遇をして外資を入れるならば、国内資本でやる国内産業は、結局外資の入つた産業に追いまくられて、しかも特に中小工業はつぶれる運命にある。私はこういうように申し上げたのですがこれに対してそういうふうな懸念はないとおつしやいますけれども、実際問題として外資の入つた方の工場の税金が、国内資本でやつておる産業の税金の半分でいいということになつた場合に、これは商品の面においてもいろいろな面においても競争ができないで、勢いつぶれざるを得ない。そういう場合が起ることを予想して申し上げたのでありますが、そういう場合には政府はただちに確固たる対策をお立てになる用意があろかどうか。この点をお聞きしたい。
#30
○水田政府委員 それは先ほど私がお答えしました通り、外資が入つて来ても、入つて来た重要産業そのものについて減税するとかなんとかいう問題でしたら、御説のようなことがあろうかと思いますが、そうじやなくて、その産業に勤めておる外国人に対する給與所得と退職所得に対する措置でありまして、別に外資が入つて来たからその会社が優遇されるという問題ではありません。しかもその外資の入つて来る外資法人の範囲も、外資の投資額が一億円以上のものに限定しており、そこの従業者に対しての措置でありますから、外資を入れたからと言つて、中小産業が圧迫されるという問題は起らないのではないかと思います。
#31
○竹村委員 それではもう一つお聞きしたいのですが、これは大体講和條約ができなければわからないということでありますが、そういたしますと、政府としましては講和條約かできた場合に、その條約によつてこれが存続するかどうかわからないほどのものを、もうすでに講和会議が近いと言われておる今日、しかも先ほど政務次官は、先のことでもそういう措置を講じなければ外資が入らないので、二十七年からこれをやるとおつしやいますけれども、しかしそういうようなことを講和條約を前にしておやりになるということは、結局において講和條約の條項の中にこういう措置を永久にとるような考え方が、なしくずしに行われるのではないかと私は懸念いたすのでありますが、それに対して政府は一体どう考えられておりますか。
#32
○水田政府委員 講和会議の時期がわれわれにはわかりませんので、講和会議は近いだろうという予想はございますが、それによつてこの外資の導入態勢を今考えないというわけには行かないと思います。もし急速に講和会議があつたにしても、われわれの考えとしては、ここ二、三年の間こういう措置はやはり日本としても必要だ。同時にこれを長くやる意思はございませんので、講和会議の内容としてこういう措置が生きたにしても、永久にこういう措置をとる考えは持つておりません。
#33
○宮腰委員 外資導入につきまして問題になるのは、いずれにしても貸借関係でなく、この会社の実態である株式を取得する場合が生ずると思うのでありますが、そういう場合に、会社法なり商法の一部を改正しまして、日本の現在の株主総会に強力な権限を與えなければ、おそらく外資のためにその経営自体が非常に曲つた方向に持つて行かれる危險があると思う。これはナチスの法律ですが、たとえばその当時のナチスのやり方は――非常に全体主義的で惡いことであるかもしれませんが、議決権の点については、国内が二に対してアメリカの資本が一という株式の比例でやつておつたようですが、こういうような問題について政府では考慮する必要があるのではないか、こういう必配を持つのですが、この一点をお伺いしたいと思います。
#34
○水田政府委員 ただいま御質問のような措置は、政府としても当然考えるベきことでございまして、それにつきましては今その問題を検討中でございますので、もしどういうふうになつているかという最近のいきさつが御必要でありましたら、あとからお答えいたします。
#35
○宮腰委員 外国の技術者が大分入つて来るという予想でございますが、これは外国の技術者が日本の技術者を指導するという意味でございましようか。それとも指導は全然除外しまして、みずからその生産の技術面を担当するという意味でございましようか。その点をお伺いいたします。
#36
○水田政府委員 これは両方の場合を予想しておりまして、その技術者がどうしてもその産業に必要だという場合に、直接その技術者の手を借りる場合と、将来その技術者によつて日本の技術の指導を受けるという、両方の場合が予想されております。
#37
○川野委員長 それでは、本案に対する主任局長である平田主税局長も、きようはお見えになりませんので、本法案に対する質疑は明日に讓ることにいたします。
    ―――――――――――――
#38
○川野委員長 次に米国対日援助見返資金特別会計からする電気通信事業特別会計及び国有林野事業特別会計に対する繰入金並びに日本国有鉄道に対する交付金に関する法律案を議題として、質疑を続行いたします。竹村奈良一君。
#39
○竹村委員 この原則的な問題につきましては、まだ内藤委員に対して御答弁がありませんので、その点は別といたしましても、本日いただきました資料によりますと、この見返り資金は、対日援助物資を売りさばいて、その金を積み立てたということになつておるのでありますが、そういたしますと国民は全部金を拂つておるわけであります。それを今度はこういう形でいろいろなところへ投資される。ところが政府はこの根本的な問題についてはつきりされておらない。これは返還するものであるか、あるいはもらつたものであるかわからぬということになつておるのであります。国民はその物資に対しては全部支拂つておるが、それが積み立てられたものが投資されて、将来講和條約成立後これを返さなければならぬということになりました場合に、政府は返還するのにどういう用意を持つておられるか、お伺いしたいと思います。
#40
○大島政府委員 ただいまの御質問でございますが、見返り資金といたしましては、援助物資の拂下げ代金等を資金として、目下緊要なる経済の安定と再建とのために使つておるわけでございます。現在日本が受けておりまする援助資金が将来どうなるかという点につきましては、先般来大臣等から御答弁のあつた通りでございまして、見返り資金は政府の資金でございます。従いまして、将来の援助資金の処理につきましては、これがいかようになるか、こういう事態におきまして、見返り資金をどうするかということが、その一環として十分措置されることと思つております。
#41
○竹村委員 どうもわれわれとしてはその点については納得ができないのです。これはもちろん講和條約を締結してから、返すものであるか返さないものであるかきめるのだ。しかし何と言つたところで、これは政府の金だから、政府がかつてに使つておくのだ。返す場合には政府がかつてに何とか考えて返す。こうおつしやいますけれども、国民はすでにこの金を拂つておる。それからまたこれは返す場合には何兆という金になると思うのです。その場合に、何兆という金が返せないということになつたときに、われわれが一番心配いたしますのは、これの投資されましたところの鉄道、あるいは電気通信、あるいは林野です。返すということになれば、政府はえらそうなことを言つたつて、国民からとらなければならぬが、なかなかそう簡單にとれないとすると、その場合にこれが抵当になるのじやないかという心配があるので、その点をはつきりしていただかぬと、われわれといたしましては、実に不安で耐えられないわけであります。その点もし鉄道に投資した――まあ、これは仮定のものだから、もらつたらけつこうだけれども、しかし返さなければならぬという場合に、一体政府は鉄道でも抵当に入れるのかという心配がある。その点ひとつはつきりしてもらいたい。
#42
○大島政府委員 先般来この法律の御審議に関連いたしまして、理財局長から御説明したところでございますが、見返り資金といたしましては、国有林野や鉄道、電気通信等に対しまして、建設に必要な資金を繰入れる、あるいは交付をして行くわけでございます。従いまして、繰入れをした後におきましては、見返り資金と鉄道なり電気通信事業なりとの縁は切れるわけでございます。従いまして、将来援助資金の処理について決定があるような場合におきましても、国有鉄道なり電気通信事業が債務の担保になる、あるいはとられるというような関係は、当初から起り得ないわけでございます。
#43
○竹村委員 実はこれをやつておりましても納得できませんので、はなはだ済みませんが大蔵大臣を呼んで来てもらつて、根本的な点について御答弁を願いたいと思います。それでなければ水かけ論になつてだめです。
#44
○川野委員長 先般来内藤委員の御意見もありますので、適当のときに政府委員からこの点については答弁させることにいたします。
 それでは本日はこれにて散会いたします。
    午前十一時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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