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1971/06/16 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 商工委員会 第20号
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1971/06/16 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 商工委員会 第20号

#1
第068回国会 商工委員会 第20号
昭和四十七年六月十六日(金曜日)
   午後一時三十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月十六日
    辞任         補欠選任
     大谷藤之助君    久次米健太郎君
     植木 光教君     河口 陽一君
     須藤 五郎君     星野  力君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大森 久司君
    理 事
                川上 為治君
                剱木 亨弘君
                竹田 現照君
                藤井 恒男君
    委 員
                赤間 文三君
                小笠 公韶君
                河口 陽一君
               久次米健太郎君
                中山 太郎君
                矢野  登君
                山本敬三郎君
                渡辺一太郎君
                阿具根 登君
                小野  明君
                大矢  正君
                林  虎雄君
                中尾 辰義君
                原田  立君
               柴田利右エ門君
                須藤 五郎君
                星野  力君
   国務大臣
       通商産業大臣   田中 角榮君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        林田悠紀夫君
       通商産業大臣官
       房長       小松勇五郎君
       通商産業大臣官
       房参事官     増田  実君
       通商産業省企業
       局参事官     田中 芳秋君
       通商産業省鉱山
       石炭局長     莊   清君
       通商産業省鉱山
       石炭局参事官   飯塚 史郎君
       通商産業省鉱山
       石炭局石炭部長  青木 慎三君
       通商産業省公益
       事業局長     三宅 幸夫君
       建設省道路局長  高橋国一郎君
       消防庁次長    山田  滋君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   説明員
       通商産業省鉱山
       石炭局石油業務
       課長       根岸 正男君
       運輸大臣官房参
       事官       原田昇左右君
       日本国有鉄道貨
       物局パイプライ
       ン部長      斎藤 隆雄君
       日本国有鉄道建
       設局長      内田 隆滋君
   参考人
       新東京国際空港
       公団施設部長   福岡 博次君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○小委員長の辞任及び補欠選任の件
○石油パイプライン事業法案(内閣提出、衆議院
 送付)
○参考人の出席要求に関する件
○熱供給事業法案(内閣提出、衆議院送付)
○中小鉱山対策の充実強化に関する請願(第二三
 号)
○不況対策の強化に関する請願(第二四号)
○日米繊維政府間協定破棄等に関する請願(第三
 八七号)(第三八八号)(第三八九号)(第三九〇号)
 (第三九一号)(第三九二号)(第三九三号)(第三九
 四号)(第三九五号)(第三九六号)(第三九七号)
 (第三九八号)
○不況下における中小企業安定対策に関する請願
 (第四九二号)(第六五七号)(第七二一号)(第七二
 二号)(第七二三号)(第一〇九五号)(第一一一六
 号)
○中小企業安定のための緊急措置に関する請願
 (第一三〇四号)
○国内鉱山の抜本的な鉱業政策の確立に関する請
 願(第一四二六号)
○経済政策の転換に関する請願(第一四五五号)
○中小商工業者の営業と生活安定のための緊急措
 置等に関する請願(第一五五四号)
○割賦販売法の改正に関する請願(第一七三四号)
○石油パイプライン事業法案反対に関する請願
 (第二一九九号)
○第五次石炭政策確立に関する請願(第二九三二
 号)(第二九三三号)(第二九三四号)(第二九三五
 号)(第二九三六号)(第二九三七号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大森久司君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 去る十二日、竹田四郎君が委員を辞任され、その補欠として小野明君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(大森久司君) 石炭対策に関する小委員長大矢正君から、文書をもって、都合により委員長を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(大森久司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、石炭対策に関する小委員長の補欠選任を行ないたいと存じますが、小委員長の選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(大森久司君) 御異議ないと認め、それでは石炭対策に関する小委員長に剱木亨弘君を指名いたします。
 ちょっと速記とめてください。
  〔速記中止〕
#6
○委員長(大森久司君) 速記を起こしてください。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(大森久司君) 石油パイプライン事業法案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○中尾辰義君 パイプライン事業は、わが国におきましては今度初めてでございますが、もうすでに具体的計画が国鉄のパイプライン、それから関東パイプライン、成田空港パイプライン、京浜パイプライン等が進められておると、このように聞いておるわけですが、これらの具体的な事業計画はどうなってるんですかね。最初にひとつ説明してください。
#9
○政府委員(莊清君) 関東地方が一番計画が具体的に進んでおります。関東地方では三つ計画がございまして、一つは成田空港のパイプラインでございまして、千葉港から空港までの四十四キロメーターの計画がございます。次は、国鉄の横浜−川崎から八王子を経て南埼玉までの計画でございます。三番目は、石油業界が関東パイプライン株式会社をすでに設立して、目下計画中の千葉沿岸から埼玉を経て北関東へ送る計画がございます。
 以上の三本が関東でございますが、その他の地域につきましては、まだ政府全体としての調査検討は実は十分行なわれておりません。
 昭和四十六年度に通産省で予算措置が講ぜられまして、通産省限りでございますが、将来の石油の消費、あるいは輸送の状況というふうなものを通産省なりに委員をお願いいたしまして、調査検討をしたものがございます。これは基本的な調査、基礎調査程度のものでございまするが、それが北海道と近畿と二つ実はございます。その他の地域につきましても、今後進めることにいたしておりまするが、北海道や近畿その他のものにつきましては、本法案が成立いたしました場合には、いずれ本法に基づく基本計画というものとして具体化することに相なりますので、当然に関係各省協議の上、政府全体として十分な調査の上計画を立てていくということに相なる次第でございます。
#10
○中尾辰義君 私が聞かぬのまであなたは答えているんですがね。いま四つの会社が、四つの事業計画が進められておると聞いておりまするので、その四つの会社につきまして、もうちょっと、現在までもうわかっていらっしゃると思いますから……。たとえば、関東パイプラインは会社の概要はこうなっていると、そうして資本金はどのくらいで、どういう株主が参加をしている、建設計画はこういうふうになっていると、もう少しあなた、説明してもらわぬと、きょうは上げなきゃならぬのですよ。丁寧に答弁しなければ長引くばっかりだ。もう少し聞いている者がわかるようにですな、それは。私は、党大会でちょっと質問がおくれている。前の社会党の委員の質疑は耳に入ってないから同じような質問をするか知りませんけれども、めんどうでしょうけれども、ひとつ詳細に答弁してくださいよ。
#11
○政府委員(莊清君) まず、民間の関東パイプライン株式会社の計画につきまして申し上げます。
 路線につきましては先ほど申し上げたとおりでございまして、約二百キロメーター、パイプの太さは十八インチでございます。これは、千葉に石油製油所を持ちます会社、及び北関東において石油の販売に関係しております合計十四社、これが出資社になっております。授権資本は現在二十五億円で、昨年十二月に設立されて、四分の一払い込みで六億二千五百万円、これが払い込み資本金でございます。総投資計画として三百三十億程度のものが予定されております。石油の輸送目標というものは、これは本法に基づく許可取得後二年程度の期間に工事を完了するという前提のもので、昭和五十年度で約五百万キロリットル、昭和六十四年で千三百万キロリットル程度のものを事業計画として現在想定しておるわけでございます。
 次に、国鉄の神奈川から南埼玉までの計画について、これは国鉄からも御出席になっておりますが、私から便宜簡単に申し上げます。
 これは距離約百十キロメーターで、パイプ十六インチのものでございます。これは国鉄の事業として実施されるものでございますが、資金計画としては約百五十億円、輸送の最大計画量は約七百二十万キロリットル程度でございます。
 それから空港公団の計画は距離が四十三キロメートル、これはジェット燃料を専門に輸送する計画に相なっておりまして、五十一年で約五百万キロ、六十一年で千五百万キロというふうなことに相なっております。
 以上でございます。
#12
○中尾辰義君 それから、あなた、先ほどちょっと答弁おっしゃったんですが、この四つのほかに、将来通産省としては全国的にパイプラインの網を敷設したいと新聞にもちらほら出ておりますが、かなり具体的に新聞にも書いてあるのもありますけれども、将来の計画構想、その点について大ざっぱに言わないで、もう少しその計画をこまかく発表できたらひとつお願いします。
#13
○政府委員(莊清君) 現在の通産省限りではございますが、省内の委員会で基本調査ができておりますのが北海道と近畿でございますので、その二つについてごく主要な点を申し上げます。
 北海道は、室蘭及び苫小牧から札幌を経由して旭川方面への幹線パイプラインでございまして、距離約二百五十キロメーター、将来の需要増を見込みましてパイプは十六インチ、それから、投資規模では約二百五十億円程度のものを考えております。輸送量は、当初は七百万キロリッター程度でございまするが、将来は内陸部の発展を考えまして一千万キロリットル程度を目標にこういう基礎調査が行なわれております。
 それから近畿でございまするが、これは西は姫路、南は和歌山から大阪経由京都方面でございまして、八日市方面までの延長についても将来は検討の対象にすべきであるということに相なっておりますが、その点はまだはっきりいたしておりません。八日市まででございますと約百二十キロメーターでございまして、量的な目標としては当初が七百万キロリットル。将来は、これは内陸部の関係の消費量をどう見るかいろいろな関係がございまして、まだ調査の段階でございまするけれども、確定的な目標はございませんけれども、北海道と違いまして、近畿については十八インチのパイプライン、これは関東パイプライン会社でございますが、これが一応調査の結果まとまっております。
 今後通産省としては、九州とか中部についても検討を進める予定でおりましたが、今後は関係各省の共同作業で、北海道のものについても、近畿のものについても、今後のものについても総合的な調査検討を行なって計画を具体化するという方針でございます。
#14
○中尾辰義君 これは新聞の報道なんか見てみると、九州もこれは志布志ですか、鹿児島と宮崎の境の志布志、あるいは四国は坂出から宿毛、中京は四日市から美濃加茂、こういうように書いてありますが、これはどうなんですか。これはもう新聞のことですから、私も一がいに信じませんけれども。
#15
○政府委員(莊清君) その問題につきましては、通産省としては公式にはまだ何ら調査検討の対象には至っておりません。
#16
○中尾辰義君 いずれにいたしましても、これをきっかけに通産省も全国的ないろいろな構想を考えていらっしゃるようですが、それで、このパイプライン事業が開始されるにあたりまして、これは初めての事業でありますから、住民といたしまして一番考えねばならないことは、パイプライン事業というものの安全性はどうなんだ、危険度はどうか、あるいは事故の実情はどうだったんだろう、こういうことを考えるのが普通なんですね。
 それで、今日までこのパイプライン事業の先進国である欧米諸国におきましてもいろいろな事故があったようにも聞いておりますので、その事故の実例、件数、事故の原因、被害の状況、こういったところをひとつ説明してください。
#17
○政府委員(莊清君) まず、ヨーロッパでございまするが、一九六六年から六九年までの間の四年間の実績で二十二件ということが報告されております。なお、その六九年のOECDの発表によりますと、ヨーロッッパでは事故の割合でございますが、タンクローリーを一にした場合に鉄道が〇・三四、それからパイプラインは〇・〇〇〇七であるということも報ぜられております。
 それから、アメリカがパイプラインの歴史は一番古うございまして、百年程度あるわけでございまするが、これは米国運輸省の液体パイプライン事故統計というものがございまして、それによりますると、一九七〇年で事故の数が相当ございまするが、内訳は、パイプの外部の腐食によるものが百五十件程度、それから他工事の実施によりましてパイプラインが損傷を受けたというのが約百三十件、それから運転ミスとか、整備の不備とか等によりますものが若干ある、こういうふうなことに相なっております。
 ヨーロッパの場合にもこの事故の二十二件の内訳については明確な数字がございませんが、保安調査団がまいりまして調査したところによりますと、大体アメリカと同じようにやはり主たる事故は外部の腐食、続いて他工事のものであるということが報ぜられております。
 それで、実際にどういう大きな事故があったかということでございまするが、最近の大きな地震でございまするロスアンゼルスの地震の場合を例にとって申し上げますると、新しい技術を使って、材料及び溶接技術等も十分の検討を行なわれた最近のパイプラインについては、ロスアンゼルス地震のもとでも無事であったということがわかっておりまするが、古いパイプラインにつきましてはパイプの材質の面、それから溶接のしかた、あるいは検査等の点でかなりやはり不備がございまして、二本ほど事故が起こっておる。十五キロリットル程度の油の漏洩があったということが調査の結果わかっております。
 それからヨーロッパでございますが、西ドイツで一九六六年に非常に大きな事故がございまして、千三百キロリットル油が出たということがわかっております。これは、パイプは古いパイプでございまするが、パイプの材料、鉄をつくる工場で加工いたしましてパイプにする。まるめてパイプにする場合に、資材――パイプの板を溶接する工程があるわけでございますが、その製鋼工場の段階で溶接部に欠陥があった、したがって、それが事故の原因であるということが報ぜられております。
 なおこのほか、最近の例でございまするが、アメリカのオハイオ州で、原油のパイプラインで、これは非常に溶接のしかたなり検査という点が不備であったということが調査の結果相わかっておりますが、原油のパイプラインが一九六九年一月に切れまして、そしてこれは相当大量の原油が町にあふれ出た、こういう事故が報告されておるわけでございます。
#18
○中尾辰義君 それじゃこれは参考に聞きますが、あなたのところから出したのですか、石油パイプライン保安調査団――通産省はじめ各省から調査団を出されていらっしゃるようですが、これの報告書によれば、一九六九年における事故件数は、運転中のパイプラインについては四百三件という大きい数字が出ていますね。それから損害額は四百二十六万ドル、死者五名と、これは現地調査をされた結果の報告ですから間違いないと思いますけれども、これをもうちょっとそちらで詳しくわかっておれば説明してください。
#19
○政府委員(莊清君) 一九七〇年の数字でもう一度申し上げますると、外部腐食によるものが百五十件強でございます。それから他工事によるものが約百三十件、それからあとはすべて五十件以下のものでございまするが、件数の多いものの順序から申し上げますと、内部腐食、それから操業運転上のミス、それから不明というのが第三番目に来ております。四番目が機械継ぎ手の不備、五番目が補修を行なったところが、補修が悪かったということで、またその場所から事故があった、こういう順序に相なっております。最後に、五十件以下のものを申し述べたわけですが、内部腐食が約五十件、それから最後に補修のミスというのは、数件程度というふうな順に開きがございます。外部腐食と内部腐食、合計いたしますと二百件強でございまするので、腐食によるものが多い。これは、アメリカでは百年前から非常にパイプラインがありまして、最近のスチールの性能の高いものを使うようになってからはこういうことが減り、さらにまた外部の塗装等非常に技術が進歩し、注意されるようになりましたので、おそらく古いもの中心の事故であろうと存じますが、外部腐食と他工事が圧倒的な比率でございます。
#20
○中尾辰義君 この中で、これ四百三件全部でなっておりますけれども、最も代表的な被害の大きかったやつはどのようなものがあるんですか。
#21
○政府委員(莊清君) ドイツで非常に大きな事故があったということを申し上げましたが、アメリカで私ども承知いたしております最大の事故というものは、ロスアンゼルスのときではなくして、やはり今回のオハイオ州での原油パイプラインの事故が現在までの報ぜられた中では最大規模のものであると存じます。
 オハイオ州の場合には、一日に約五万キロリットル、年間千八百万キロリットルの原油を輸送している二十二インチのパイプラインでございますが、これが数年前に本管から約二十インチの鉄の線を継ぎたして分岐をした。その分岐のところの溶接部に亀裂が入って、そこから大量の油が、三百キロリットルでございますけれども、原油が出て、しかも立地上、町の地区であったらしくて、下水道に流れ込んで家庭のほうにまで累が及んだということが報ぜられて、非常に罹災の数が多かったようでございます。それが現在まで報ぜられた中で一番社会的に大きな不安を与えた大きな事故であったように承知いたしております。
#22
○中尾辰義君 だから、その被害の状況の説明少しありましたけれども、もうちょっと詳しくわかりませんか。下水に流れ込んでどうのこうの、これくらいではちょっとわからぬ。どのくらいの損害を受けたのか。これはパイプラインの審議の一つの参考にするわけですから。そういうでかい事故ばかり起こるとは限っておりませんけれども。
#23
○政府委員(莊清君) 必ずしも十分でないかと存じますが、現在わかっている範囲で申し上げますと、油の漏れた量が約三百キロリットル、それから周囲に対する損害額が四十一万七千ドルと報ぜられております。それで消防団員が出て消防作業をやったようでござますが、どういう関係か、下水道にその原油が流れ込んで一部火が入ったと、発火したということが報ぜられております。負傷者でございますが、消防団員が二名軽傷を負ったということが報ぜられております。パイプライン自身の修理でございますが、約九千ドルかかったということでございます。それから三百キロリットルの油が出て、この当該地区を清掃するのに約二週間かかりまして、この清掃費用というのが三万二千八百ドルであったということを当該会社から私どもは承知いたしております。なお、パイプライン自身の亀裂を生じた部分は三十六時間後に修理が終わりまして通油が行なわれた。あとはその地区の清掃なり事後処理ということで二週間もかかったと、こういうことが報ぜられているわけでございます。
#24
○中尾辰義君 大体被害の状況はわかりましたが、それでは今度は関東パイプライン、それから国鉄のパイプライン、これが代表的なものでございますので、この両方のパイプラインの敷設はどういうところを通っていくのか、その敷設の工事をこういうふうにしてやるということを詳しく説明してください。
#25
○説明員(原田昇左右君) 国鉄のパイプラインについて申し上げます。
 国鉄のパイプラインの計画は、先ほど通産省からもお話がございましたが、さらに詳細に申し上げますと、まず京浜地区にギャザリングラインを設けまして――これは京浜パイプライン株式会社という国鉄とその地域の精製会社の出資した会社であります――それを設けまして、ここで工場から製品を集油いたしまして、つまり集油ラインを敷いて、それをトランクラインと結ぶわけでございますが、国鉄の安善及び新興の発ステーションと製油所との間約二十キロメートルのルートにギャザリングラインがございます。それからトランクラインは安善及び新興の発ステーションから横浜線沿いに北上いたしまして、橋本を経まして八王子に至り、八高線沿いに高麗川に達しまして、川越線沿いに南埼玉に至ります延長約百十キロメートルのルートであります。ギャザリングラインは外径十六インチ、二系統でございますが、トランクラインは同じく十六インチ一系統であります。送油能力はギャザリングラインが一年間に七百二十万キロリットル、トランクラインは同じく年間約七百二十万キロリットル。着工は四十七年度にできるだけ早い時期に着工いたしまして、完成は四十八年度四月を予定いたしております。
#26
○中尾辰義君 ルートの説明もですけれども、その線路沿いにいくわけでしょう。地下何メートルくらいのところに、軌道からどのくらい離れたところにどういうふうにして埋設をしていくか、そこのところが聞きたかったのですね。民間のほうは道路沿いのどういうようなところをどのくらいの深さでどうやっていくのか、そういうところをひとつ説明してください。
#27
○説明員(内田隆滋君) 国鉄のパイプラインにつきましては、基準といたしましては大体線路のセンターから四メーター離れ、そうしてグランドレベルから一メーター二十以下にいけるということを最低基準にしております。それで、大体線路に沿ってまいります。線路敷が、大体検討いたしますと、ほとんど十分の余裕がございますが、一部においては、民家からの離れが足らないところがございます。そういうようなところでは線路下にパイプを埋めます。この場合には、十分なるスチールパイプのケーシング、あるいはコンクリートのいわゆるボックスの中に入れるということでまいります。それから道路並びに小河川は全部建設省をはじめ河川管理者、道路管理者と相談いたしまして、規定の基準で埋設をいたします。それから大河川につきましては、大体いわゆる地上の橋梁に懸架するということでまいりたいと思っております。
#28
○政府委員(莊清君) 関東パイプライン会社の場合には、千葉の海岸道路から花見川の堤防を経由して国道十六号線に入りまして、それから東北縦貫道に入るわけでございまするが、道路はすべて側線に入るわけでございます。道路の横に側線というのがございます。その下に埋めることに相なります。深さはこれは建設省のほうで検討をされておるわけでございまするが、一メートル五十以上の深さに現在の段階で埋めさせるべきだということに相なっております。花見川では堤防の下部に空地がありまして、そこに埋めるという案でございます。
#29
○中尾辰義君 そうしますと、関東パイプラインの場合は道路に入れる。場合によっては人家の軒下を通る、そういうようなこともあり得るわけですか。
#30
○政府委員(莊清君) この海岸道路の場合には、軒下ということはないかと存じます。それから花見川の堤防の場合も同様でございまするが、それから以北、十六号線、それから東北縦貫道という場合には、今後の地域開発の問題もございまするが、当然に住宅地その他の施設が道路に近いところにできてくるということはございますので、仰せのとおりパイプラインと住宅の近接ということが生じてくるわけでございます。
#31
○中尾辰義君 これは、外国の場合は相当土地も広い関係もありましょうけれども、スイスのパイプライン規制法ですか、平家建築物から二十メートル、それから数階建のビル、学校、人が集まる施設から百メートル以上離して埋設をしなければならぬと、こういうふうになっておるように出ておりますけれども、実際スイスの場合どうなっているのか。その後また改正があったのか、それが一つ。
 それから国鉄の場合、これは電車が通るわけですから、それに対するところの列車の振動による影響だとか、あるいはこれは幾らか専門的になりますけれども、迷走電流で腐食をするということも資料に出ておるのですが、この辺もう少し詳しく説明してください。
#32
○政府委員(莊清君) スイスの保安距離の問題でございまするが、若干の例を申し上げますと、一九六六年七月の規則、これは政令でございまするが、政令の第十条というものでは、人間の居住する建物というので二十メートルであったものが、一九七〇年八月の政令改正で十メートル。それから集会のための屋外広場、運動場等でございますが、六六年では五〇メートルであったのが十メートル。それから避難の容易でない多人数の人が入る建物、たとえば学校、病院等でございまするが、百メートルであったものが二十メートル。それから幹線道路や鉄道からは、この点は二十メートルということで変更がないようでございます。距離は、理由はよくわかりませんが、若干短くなっておるようでございます。同時に補強パイプとか保護のためのさや管、漏洩に対する検知及び漏洩保護の装置等を特別に講じた場合には、この距離についてまた別途の措置をとることができるという定めが政令の中に別途ございまして、補強パイプとはどういうものであるとか、さや管とか検知装置、そういうものについて、それぞれ条項を設けまして規定がなされております。したがいまして、一定の保安基準というのは、わが国ではなかなか十メートル、二十メートルをとりづらいわけでございますが、そういうものがあり、それ以内でするときにはそれにふさわしい別途の防護措置を講ずることを義務づけておる、これがスイスの基本的な考え方であるということが申せると存じます。
#33
○中尾辰義君 それじゃわが国の場合は、そういう規制の措置はどういうふうになりますか。
#34
○政府委員(莊清君) わが国の場合にはやはり欧米よりも過密でございますし、都市計画その他も立ちおくれておる面もございますので、条件としては恵まれておらないというふうに考えております。したがいまして、保安距離が十分とれない場合にはそれとの関連において保安確保のためにパイプの構造なりを、あるいは事故が発生した場合にそれを最小限度で押えて防護する措置なりというものが、スイスの場合でも要求されておるわけでございますが、わが国の場合には、特にこの点について万全の措置を配慮するということが、特殊事情からいって強く要求されるところでございます。したがいましてパイプの材質、パイプの強度等についても欧米の水準以上のものをやはり保安基準として要求するということでなければなりませんし、それから、欧米では必ずしも義務づけがなされてない国があるようでございますが、緊急遮断弁であるとか、あるいは地震に備えてオートメーションである限度以上の振動の場合にはポンプ等をストップさせる装置等、こういう安全関係の設備等というものを法律上必須条件としてすべてに義務づけを行なう、そういうものの規格なり何なりについても考え方として世界の最もすぐれた最高水準のものをやっていくということが、パイプライン事業に対する保安についての基本姿勢で当然なければならないと、かように考えておる次第でございます。
#35
○説明員(原田昇左右君) 国鉄の電食対策と列車転覆時の処置でございますが、まず電食対策につきましては、国鉄では直流電化鉄道敷に数多くのケーブルを敷設しているわけでございます。これにつきまして四十年前から選択排流器によります電食防止を実施して効果をあげておりまして、十分な経験を有しておるわけでございます。また昭和二十四年以降通産省、運輸省、国鉄をはじめとします電鉄事業者並びに水道、ガス、電力及び電気通信事業者から構成されます電食防止対策委員会が設置されておりまして、多数の実例について電食防止対策を十分検討し合っておるわけでございます。このような電食防止対策委員会の実例によりましても、適切な塗覆装と電気防食装置の設置をいたしますれば、パイプラインの電食は十分防止できることが証明されておるわけでございます。今回敷設を計画しております沿線では土壌抵抗、腐食性レール電位及び対地電位勾配というものを測定いたしまして、それぞれの実態に即した具体的な防食設計を行なっているわけです。
 防食設計のたとえば装置の一例を申し上げますと、流電陽極を標準として二百メートル間隔に置くとか、あるいは排流器を変電所付近等に十九カ所くらい設けるとか、こういったような防食設計をいま行なっています。それから導管の敷設でございますが、五百メートル間隔に設けました電位測定端子によりまして、導管電位を監視することにいたしております。導管電位の設定値はマイナス〇・八五ボルトからマイナス二ボルトにいたしております。これを監視してこの間におさまるようにいたします。また排流器及び外部電源装置につきましては機器監視を行なうというやり方をやっていくわけでございます。これによって私どもは完全に電食は防止できるものと確信をしておる次第でございます。
 それから次に、転覆の場合でございますが、地表面から一・二メートルの深さに埋設することにいたしておりますので、この深さをとっておきますれば、かりに列車の転覆のような事態が生じましても、導管が列車より直接傷つけられるおそれはなくて、ショックも導管の上部の土によりやわらげられますので導管が破損するようなことは一般的にないと、かように考えておる次第でございます。
#36
○中尾辰義君 それでは、線路沿いを敷設用地としていくことは、これは買収しないで済みますし、一番安上がりで済むわけですが、外国の場合でもそういった線路沿いでパイプラインを敷設したところがあるのか。また、そういう場合の事故例はなかったのか。あれば、その模様につきまして御説明していただきたいと思います。
#37
○説明員(原田昇左右君) 外国で鉄道用地を利用した例でございますが、手元にございます資料が必ずしも十分でございませんので、これで十分かどうかわかりませんが、手元にある資料から申し上げますと、米国では、たとえば、サザンパシフィックパイプラインが全長三千九百キロのうち六〇%は鉄道用地に敷設されておるわけでございます。それからバックアイロングアイランドパイプラインというのが米国にございますが、これは全長五十四キロのうち二十四キロがロングアイランド鉄道用地に敷設されております。これは線路中央から三ないし六メートル、深さ〇・九メートル以上に埋設されております。それから公共サービス電気ガス会社ラインというのが米国にございますが、これは延長約百キロの半分以上が、ニューヨーク、サスケハンナ・アンド・ウエスタン鉄道という鉄道会社がございますが、その会社の用地を使用しております。それからヨーロッパの例でございますが、トラピルパイプラインというフランスのパイプラインがございますが、これは五キロメートルにわたり鉄道用地に敷設されておるわけでございます。
 以上、私どもの手元でとりあえずわかります例でございます。
 それから、事故例は聞いておりません。
#38
○中尾辰義君 それでは線路沿いに敷設された場合は一つも事故はなかったと、いままでの事例によりますと、そういうことですね。
#39
○説明員(原田昇左右君) 外国の場合、正確なそれぞれの事故例について全部調べたわけでございませんので、完全に事故例がなかったかどうかということははっきりわからないのでございますが、一応私どもの現在の知り得る範囲においては、これについての事故例は報告されておりません。
#40
○中尾辰義君 それでは、法案につきまして少しお伺いしますが、まず最初、第二章の「基本計画」、これは「主務大臣は、石油パイプラインの適正かつ計画的な設置に関し、石油パイプライン基本計画を定めなければならない。」、こうなっておりますが、これは事業会社ごとにやるのか、全国一律に計画を定めるのか、その点が一つ。
 それから二項の四に、「その他必要な事項」と出ております。「基本計画においては、次の各号に掲げる事項を定めるものとする。」と、第四の「その他必要な事項にはどういうものがあるのか。
 それから基本計画に、最も重要な法案の原則及び基準というものが全然示されておらない。法案のほの字も、これは基本計画にはないわけですけれども、これは、保安基準というのは技術上の基準ということに含まれるとも思われるわけですけれども、まあこまかい基準は省令で定めるといたしましても、この基本の計画に全然入ってないということはどういうことですか。むしろ入れる必要がないのか、その点。
#41
○政府委員(莊清君) まず基本計画は、関東地方の先ほど申し上げました計画を中心に、まず、法律施行後なるべくすみやかな時期に策定、公表するという方針でございます。続きまして、計画の固まりぐあい等にもよりまするが、逐次他の地域に及ぼしていくということであって、全体がそろうまで待つという方針ではございません。地域ごとに逐次定めていくという方針でございます。
#42
○中尾辰義君 私が聞いているのは、全国一本なのか、それとも地域計画ごとにまた違うのか、こういう意味です。
#43
○政府委員(莊清君) 地域ごとに当然異なることに相なるわけでございます。
 それから、法律の第三条第二項の四の「その他必要な事項」の内容でございまするが、これは法律の一つの例文かとも存じます。必ずこういうふうにいたしまして、必要な事項がその地域ごとにある場合、その余地があるようにしておるという立法上の当然の配慮がございますけれども、必要な事項として想定いたしておりまするのは、一つには、当該地域について保安上特に他地域と異なって特別の配慮を必要とするような場合には、それに関しての基本的な事項というものがございまするし、また、共通的な事項といたしましては、大体当該事業に要するであろう資金の所要見込み等、事業に関するきわめて基本的な事項ということも入るわけでございます。
 それから保安基準に関して、法律の条文の上では何らの基準らしいものが示されておらないという御指摘でございまするが、すべてこの第十五条第三項第二号の主務省令ということで、各省の共同省令の中で規制をいたしていくことに相なるわけでございまして、その点は他の立法例と同様の形になっておるわけでございまするが、実質的な内容につきましては、現在、各関係各省間でかなり具体的な突っ込んだものについて検討を進めておる段階でございます。したがいまして、基準について全く現在何ら具体的な中身について考え方がないということではもちろんございません。ただ、法律の上ではパイプの肉厚をどうするかということはきめておらないわけでございます。ただ、これに関しまして、先ほどスイスの規制法に関連した御質問に対してお答えいたしましたが、衆議院のほうでの法案に対する一部修正の御決定がございまして、その中で、政府提案の第七条の許可基準のところでございまするが、そこで「周辺の建物との保安距離、保安深度その他の保安措置の確保により災害の発生の防止が図られるもの」でなくては事業許可そのものを与えるべきではないということが、別途許可基準として入るように御修正がなされておりまして、基準そのものは十五条の省令に譲られるわけでございまするが、その考え方として保安距離も考えるし、保安距離が十分でない場合には保安深度なりその他の保安の補足的な手段というものを総合的に講じて、全体の保安を最大限確保するということに相なっておるわけでございます。
#44
○中尾辰義君 それから第三十八条に「基本計画に関する事項については、通商産業大臣、運輸大臣及び建設大臣」と、この法律の主務大臣が書いてあるわけですが、これは自治大臣は消防庁を所管しているわけですけれども、この基本計画からはずされておるのは、これはどういうわけですか。
#45
○政府委員(莊清君) 基本計画は、現在では第三条にございまするように、基本方針、完成の目標年度、それから石油の種類及び輸送数量、その他必要な事項ということでございまして、いわば地域ごとに定める将来の石油のパイプライン網整備に関する一つの誘導目標でございます。これに適合した計画というものが、公共性のある重要な当該地域の石油輸送の根幹をなすパイプラインであるということで、保安監督は、事業許可の段階以降個々の事業について万全の措置を講ずることに別途いたしておるわけでございまして、基本計画というものは、ただいま申しておりまするように、当該地方の一つのマスタープランであり、誘導目標でございまするので、自治大臣に関係行政機関の長ということで、通産大臣、運輸大臣及び建設大臣のほうから策定にあたってあらかじめ意見を聞く、都道府県知事についても同様意見を聞く、こういうふうに第三条において規定をいたしておるわけでございます。
#46
○中尾辰義君 それから二十条の輸送規程、さらに工事の計画、認可、完成検査に関する技術上の基準、これは十五条、十六条。さらに、事業者の自主保安基準として保安規程、二十五条。これは、この三つがあるわけですが、これは相互関連性はどういうことになるわけですか。
#47
○政府委員(莊清君) 技術上の基準は、関係省の主務共同省令で定めるものでございまして、保安に関しての規程の具体的な内容を明確に定めることにしております。この基準に適合いたしておりません場合には、パイプラインの設置工事をさせないということに法律上相なっておりまするし、
  〔委員長退席、理事川上為治君着席〕
工事が終わったあとは、この基準に照らして完成検査を行ない、完成検査に合格しなければ稼働を認めないということに法令上いたしておるわけでございます。さらに事業者に対しては、常時この技術基準を維持すべき義務を課しておりまして、その違反がある場合には、主務大臣が必要な措置命令を発することができるようにしておりまして、最大の最も必要な場合には、事業許可の取り消しというところまで及ぶというふうにいたして、この技術基準の拘束力というものを担保しておるわけでございます。
 それで、保安規程でございまするが、本法の趣旨におきましては、パイプライン事業として一番大切なものは保安でございまするから、本法の趣旨におきましては、技術基準も、それから事業者が自主的に定めて認可を受けるべき保安規程というものも、保安を確保するためという点では全く同様でございますが、保安規程のほうはあくまでも個々の事業者に自主保安規程としてきめさせているものでございます。ただし、これは認可制にかけておりますけれども、主務大臣からこれの認可の変更命令その他改善を命ずる措置もできるようにいたしております。
 で、保安規程では何をきめさせるかということでございますが、法律に例示がございまするとおりに、事業者の内部での保安に関する組織、教育その他主務省令で定める事項、これをきめます。主務省令が何をきめる予定かと申しますと、組織、教育のことは当然でございまするが、企業のいわゆる自主保安に関する各種事項でございまして、例示いたしますると、監視、点検、パトロール等の方法、それから自衛消防組織の組織運営の問題、それから非常時に、事故時に対する緊急措置、これを企業自体何をするかというふうなことをきめろというふうなことを省令できめております。それに基づいて企業が内部の事項をきめまして、認可を受けるというものでございまするから、保安確保という観点からは表現はあいまいかもしれませんが、共同省令であるところの技術基準、これをさらに各企業段階で補完させ、万全のものにするためのものである、こういうふうに申せるかと思います。そういう保安確保という意味で一体になっておるものでございまして、関連性が非常にあるわけでございます。
 輸送規程のほうは、これは保安とは直接関係ございませんで、公益性の高い、非常に公共性の高いパイプライン事業でございまするから、事業も許可制にいたしておりますし、その運営そのものについても料金その他ございまするが、利用者の立場も考えまして、事業としての公共性の確保に欠けることのないように、公共性の確保に連なるような運営がなされるということを担保するために必要な規程をきめさせまして、それを認可にかけておるということでございます。料金でありますとか、利用の方法その他に関する事項がこれの内容に相なります。したがいまして、保安とは直接関係はございませんが、これもこの事業の性格から申しまして、ぜひとも国の監督のもとで適正に行なわせることが必要なことでございまして、これも認可制にかけておりますし、改善命令等の措置が全部かかるようにいたしておるような次第でございます。
#48
○中尾辰義君 それからいまの保安規程のところで、第二十五条のこの「保安に関する組織及び教育に関する事項」云々とありますけれども、保安に関する組織はどういうことになるのですか。一つの企業とか工場とか、そういうものじゃなしに、今度パイプラインそのものが非常に長いものになるのですがね。ですからこの場合の組織というものはどういうような組織になるのですか。それをひとつ……。
#49
○政府委員(莊清君) 省令で具体的には「組織及び教育に関する事項」、基準となるべき事項を定めることに相なるわけでございますが、現在私ども考えております案でございますが、申し上げますと、保安のその統括責任者というものを置かせる。それからその下に、御指摘のとおり地区別に――非常に遠距離にわたるわけでございまするから、地区別に保安管理の責任者というものをその下に定めなければならないというふうにいたしたいと考えております。
 それから、そのもとでやはり油を輸送する、これはまあ営業に関係した面でございまするが、そういう管理部門の責任者、それから維持管理部門の責任者というものを置かせるということが必要であろうと思います。この保安技術者、それから法律上別に「保安技術者」という規定が二十六条にあるわけでございまするが、これの資格をまた法定することにいたしておるわけでございまするが、その申し上げましたような組織の責任者としてこの保安技術者というものの配置をさせるという、一言で言いますればやはり内部組織の基準というものを二十五条の省令できめる方針でございます。
 それからさらに、そういう責任者のもとで実際に保安に非常に関係の深い作業員というものが現場では当然必要に相なるわけでございまするので、そういう作業員の問題につきましても、同様同種類の作業員を置くが、そういう作業員に対しての必ずこれだけの教育はその作業の種類に応じましてすべきであるというふうな事項等も、この主務省令の重要な内容として今後検討をいたすことにいたしております。
#50
○中尾辰義君 それから第二十条の「(石油輸送規程の認可)」、この項ですが、まあ通産省では石油輸送事業は公益事業と、こういうふうに考えていらっしゃるようですけれども、そうしますと、電気事業、あるいはガス事業等においては供給規程というものがありますが、この法案の輸送規程というのはこの供給規程に相当するものと考えてよろしいのか、それが一つ。
 それから第二項の五に、「利用者が当該事業を利用することを困難にするおそれがないものであること。」ここのところはわかったようでわからぬ。もう少し説明してください。
#51
○政府委員(莊清君) 輸送規程のほうは、一言で申せば、お話ございましたように、電気ガスの供給規程というものと同様の性質のものでございます。
 それから、「利用者が当該事業を利用することを困難にするおそれがない」ということでございますが、一例を引きますると、石油パイプラインでは次々と一つのパイプラインで複数の利用者、つまり石油輸送をしようとする精製会社からの各種の石油製品というものを一つのパイプラインで逐次効率的にかつ安全におくる必要がございますが、その場合にバッチといっておりますようでありますが、一つの油の一回分の輸送単位というものを当然にきめませんと、非常に少な過ぎるという場合には、また効率的な運営というものが技術的にも不可能に相なります。最低量というものを当然にきめなければならないわけでございまして、各国ともそうなっておるようでございまするが、まあ油の種類によりましてその量が、ある特定の事業者にとってはパイプラインそのものが全く使えなくなるような、一部の人しかうまく使えないような、そういうふうなことがあってはならないというような趣旨でございまして、重要な公共性の高い事業として運営を認める以上、その点については認可の際に十分に審査をする、もし不備があれば変更もさせると、こういう趣旨でございます。
#52
○中尾辰義君 そうしますと、その輸送単位といいますか、輸送の最低量というのは、各油の種類がありますけれども、どの程度をお考えになっていらっしゃるのですか。
#53
○政府委員(莊清君) 現在、想定されておりますのは、一つの油が三千キロリットルから約五千キロリットル程度のまとまった量ということが、効率的な輸送の上で必要な量として要請される量でございます。
#54
○中尾辰義君 それじゃ、次に、パイプラインの経済性について少しお伺いしたいと思います。
 輸送方法、輸送手段には、タンカーとか、あるいはタンクローリー、パイプラインといろいろありますけれども、これは輸送距離、輸送規模、そういうもので多少異なるでしょうけれども、当然あなたのほうでは輸送費というものを数字的に、こういったような輸送手段ごとに、どれが一番経済的なのか割り出していらっしゃると思いますが、何かそういう数字的なものがありましたら説明してください。
#55
○政府委員(莊清君) 概算でございますが、申し上げます。
 内航タンカーが輸送としては一番安うございます。ただ、タンカーでございまするから、内陸輸送は不可能でございまするが、内航タンカーを一とした場合に、同じ距離でパイプラインがコストで約二倍、それからタンク車は内航タンカーの約四倍、つまり、パイプラインの二倍でございます。それからローリーは二十倍、したがって、パイプラインの約十倍というふうなことが、これは概算でございますが調査の結果出ております。もっとも、これは輸送距離によりまして異なるわけでございまして、内航タンカーは五百キロメートルをこえるというふうなことになりますと、きわめて逓減効果が大きく出るようでございます。パイプラインは長くなれば長いほど必ずしもコストが安いというわけではなくて、当然百キロとか、二百キロというふうな距離が最も経済メリットが発揮できる距離だということは、経験で言われております。
 こういう状況でございます。
#56
○中尾辰義君 国鉄の場合は。
#57
○説明員(原田昇左右君) 国鉄のパイプラインの具体的な採算性の問題でございますが、一応の試算によりますと、鉄道のタンク車によります運賃の大体二、三割減程度の運賃を前提といたしまして、単年度黒を六年目に計上する。累計黒となるのは大体十二年くらい……。
#58
○中尾辰義君 それを聞いているんじゃなくて、輸送費の問題。輸送手段はいろいろありますけれども、それはパイプラインの約幾らにつくのか、それを聞いておるわけです。
#59
○説明員(原田昇左右君) 輸送費の問題につきましては、いまの国鉄の場合は、先ほど鉱山石炭局長が申し上げましたように、鉄道タンク車の単価で申しますと、先ほど申し上げたとおりでございます。
 さらに、具体的にもう少し申し上げるとか何かいたしますれば、一応一つの試算をしまして、十六インチ管で、大体、年間七百万キロリットルの輸送量ということを想定しまして、鉄道の場合は四十一キロリットル積み三十五トン車で比較いたしてみますと、パイプラインは二百キロメートルで計算いたしまして、大体、約二円六十銭パー・キロリットル・キロメートルになります。鉄道タンク車の計算をいたしますと、四円パー・キロリットル・キロメートルになります。
#60
○中尾辰義君 わかりました。
 それでは、国鉄の場合と民間の場合、これから工事をして、資本を借金をして事業が始まるわけですけれども、その採算性はどうなっているかですね、その点ひとつ、国鉄の場合と一般のパイプラインの場合と御説明してください。
#61
○政府委員(莊清君) まず、関東パイプラインの見通しを申し上げます。
 建設費が三百三十四億といたしまして、輸送料金というのがキロリットル七百円という前提でございまするが、税法上の償却期間十五年、これを見ますると、最初の約七年間でございまするが、キロリットル七百円で営業いたしますと、毎年、赤字が出ざるを得ないわけでございます。で、累積赤字が七年間出て積るわけでございまするが、七年を越しますると、償却負担が軽くなってまいりますので、七年から十五年までの間には単年度は黒字に変わってくる。そうして累積赤字を消して、ちょうど十五年で累積赤字が消える。それ以降は同じ料金を維持すれば、赤字は完全に消えたあとで単年度黒字になる。こういう計算で、こういう形を想定いたしてまいりますと、キロリットル七百円程度の料金でやっていける、こういう一応の試算がございます。
#62
○説明員(原田昇左右君) 国鉄のパイプラインの試算でございますが、大体、単年度黒を六年目に計上できる、累計黒字となりますのは十二年目という程度の計算になると思います。ただし、その場合の運賃単価は鉄道貨物車の場合の約二、三割減になります。
#63
○中尾辰義君 それじゃね、その赤字の間がまあ六年ないし七年ということですけれども、公益性ということから、その間の利子補給ということもちらっと聞いたんですが、その点どうなっていますか。
#64
○政府委員(莊清君) 関東パイプライン会社に対しての利子補給というのは四十七年度予算でもございません。この所要資金三百億強につきましては、約二〇%は民間株主の出資金、それから三〇%を金利七・五%の開銀融資、それから残り五〇%が市中銀行からの調達、借り入れという資金計画を前提にいたしております。利子補給につきましては四十七年度でも考えておりませんが、ただいま申しましたような資金計画で、先ほど申し上げましたような、大体十五年で事業としては完全に健全なベースに乗れるという一応の見通しを現在持っておる次第でございます。
#65
○中尾辰義君 それから、第二十条の料金のきめ方ですね。やはり「料金が能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものの範囲をこえないものであること。」ときめておりますが、ここのところ説明してください、「適正な原価に適正な利潤」。
#66
○政府委員(莊清君) 「適正」ということば自体は、こういう公共的な料金に関しての監督規定を設ける場合のこれはもう常に使われることであって、不合理、不適正なものであってはならないという当然の趣旨でございまするが、能率的な経営のもとにおける適正な原価というものがありまして、それに適正な利潤を上積みしたもの、これが最高限度である、その範囲内でなければ認可をしないという趣旨でございます。
 この事業、非常に長期の先行投資を行ないましてやっていくことがぜひとも事業の性質上必要な事業でございまして、発電所を逐次ふやしていくというふうな意味での年々の投資ということが事業の性質上不可能でございまして、当然、相当長期を見た先行投資になりますので、事業の性質上事業開始後当分の間赤字をしようということは、これはやむを得ないことだろうと思います。最初から黒字にするというふうなことで考えていくということは、これまた、過大な輸送費というものを結局は消費者に当初から転嫁するということでございまするので、長期的な採算に立って適正な料金というものを認めると、必ずしも初年度から全部を適正な利潤で全部カバーしなければ事業として不健全だというふうには、そう考えるのはかえってこの事業に向かないのではないかということでございます。当然、原価は償わなければ事業の継続が不可能でございますが、そういう趣旨でございまして、同様の条項はたとえば航空運送事業にも法律上の例文があるようでございます。
#67
○中尾辰義君 わかりました。それじゃまあ「適正な原価に適正な利潤を加えたものの範囲をこえないもの」、これはいまの公共料金みたいにこれで当然また上がっていく可能性はあるわけですね。それは答弁要りません。
 国鉄のほうにお伺いしますけれども、これは現在国鉄のタンク車で油を運んでいらっしゃるわけですが、これは油の種類ごとにいま運賃が違っていると思っていますが、パイプラインで輸送した場合も違うのか、その辺のところをひとつお願いします。
#68
○説明員(斎藤隆雄君) ただいま先生お話のとおり、現在、国鉄の貨車運賃はガソリンとその他が料金が多少差がございますが、パイプラインにつきましては、これも今後の運輸省の御認可等の関係もございますが、現在のところ、そのシステム上からもガソリン、灯油、軽油の運賃の差はつけない方向で考えております。ガソリン、灯油、軽油いずれも同じ距離であれば同じ料金で運ぶということで計画を検討しております。
#69
○中尾辰義君 いまどのくらい違っておるのですか。
#70
○説明員(斎藤隆雄君) いまは、ガソリンが一五%増しでございます、他の灯油、軽油の。
#71
○中尾辰義君 それでは、同じく二十条の二項の四に、「特定の利用者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。」と、こういうように出ておりますけれども、そこでお聞きしたいのは、国鉄の場合ですね、そのルートが新港から八王子を経て南埼玉に至っておる。それで、米軍の横田基地の近くを通るわけですが、これはどうですか。米軍からこういうような油かあるいはジェット燃料等の輸送をやってくれと、こういう申し入れがあった場合はどういうふうに処置されるのかですね、その辺をお伺いします。
#72
○説明員(斎藤隆雄君) 私どものパイプライン計画は、今後年々需要の着実な増加が見込まれておりますので、一般民需用の石油の輸送を目的としてきております。米軍のジェット燃料につきましては、まず将来の需要の見通しも明確でないということと、これをパイプラインに転嫁するためにはその経済性やいろいろ発着の関係も、パイプをつなぐ問題も出てくるでございましょうし、あるいは技術上の検討も今後十分行なう必要がありますが、いまのところ見通しとしては、米軍のジェット燃料をこのパイプラインで送ることは困難と考えております。
#73
○中尾辰義君 これはどうですか、大臣。地位協定によっていまでも国鉄でいろいろ米軍のものを運んでおるのですが、このパイプラインでジェット燃料の輸送なんか申し入れた場合、協定上どうなりますか、この辺。
#74
○国務大臣(田中角榮君) 基地に対する燃料を送るということは、現在も送っておるわけでございますから、これはパイプラインによらなくてもいいわけでございます。パイプラインによるかよらないかということは、これはそのパイプライン敷設によって基地へ送ることが有利であるかどうかという問題もありますし、また、そういう燃料を送れるような余裕があるかどうかというようなことも考えなければならない問題でありますから、それは特定して考える問題ではないと思います。もっと明確な御質問をしていただければ……。
  〔理事川上為治君退席、委員長着席〕
#75
○中尾辰義君 第二十条第二項の第四に、「特定の利用者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。」と、こう明記してあるのですよ。そうするというと、まあ米軍の場合もこれは特定の利用者になるわけでしょう。ですから、輸送を依頼された場合にこれはどうなるのですか。「差別的取扱いをするものでない」ということですから、こういうジェット燃料なんかも、これは断わることができるものか、輸送もやれないのか、その辺のところを聞かしてください。
#76
○政府委員(莊清君) 大臣からお答えいただきます前に、法律的な施行関係があると思いますので、ちょっと補足させていただきます。
 この石油パイプライン事業、公共事業と申しておりまするが、定義にもございまするように、第二条第三項でございますが、このパイプラインはあくまで石油精製工場とか、あるいは石油の販売業者というふうなものが、現在でもタンクローリーや国鉄を使いまして、大量の油を内陸に実は輸送しておるわけでございまするが、それと並行いたしまして、将来は極力パイプラインのほうにこれを移していくという必要がある。しかも、これを保安には注意しながらやるということが法律制定のまず政策的な観点から出てきた最初の考え方でございまして、単独の石油精製会社がコンビナートで隣りにあります火力発電所に重油をパイプラインで送っておる、こういう例はすでにたくさん全国でございます。これをわれわれはこの本法の対象には入れておりません。「一般の需要に応じ、」というのは、あくまでも、最初に申し上げましたように、公共事業として行なう反面、道路の利用でございますとか、土地使用でありますとか、そういう特権を付与しておるわけでございますから、これは北関東なら北関東の石油供給の相当の部分というものを将来パイプラインに置きかえていくんだと、現在石油精製会社が、販売業者が現に送っておりますが、それを置きかえていくということで、監督も厳重であるが、特権も与えているという趣旨でございますから、いま申し上げましたような、火力発電所に重油を送っておる一社対一社の関係のパイプラインは、現在でも道路を通るときには道路法でそれぞれ占用の許可をとってやっておりまするし、保安のほうは、これは圧力も非常に低いし、距離も非常に短いというふうなことでございまするが、消防法の規制のもとで保安が行なわれている、こういう状態が一つございます。したがいまして、かりにある製油所があって、どこか米軍の基地にジェット燃料なりなんなりを一つ送るというふうな事態が生じましても、そういうものは特にこの法律で想定しておりますような、特に公益性の高いパイプライン利用者というふうにまず考えることがないわけでございまして、本法の外である、かように法律立てるときに、根本前提に置いておるということをちょっと申し上げておきたいと思います。
#77
○中尾辰義君 それじゃ特定の利用者というのは、精製業者あるいは販売業者ということですね。米軍のほうは当然これが当たらないと。しかし、地位協定の面から考えた場合はどうなりますか。
#78
○国務大臣(田中角榮君) これは法律上、米軍の施設に供給しないということにはなりません。ただ、する場合には、パイプラインから引き受けるところまで支線を引いたり、いろんな施設を向こうはしなければならないわけでございますから、それも全部やりますと、こういうことになれば供給しないということにはなりません。しかし、それは輸送容量というものもあるかどうかの問題もございますし、そして現在のところは、これは米軍基地に供給するなんということを予想してやっておりませんから、ですから、それは特定な扱いはしないこと、余ったらの話であって、現在の状態では、基地に供給するものはこの法案に対しては除外しております。
#79
○中尾辰義君 法案のことはわかったと私が申し上げたでしょう。地位協定上どうなるかということを聞いているのですよ。そうすると、やっぱりこれは地位協定の面からいえば断わるわけにいかない、その点です。
#80
○国務大臣(田中角榮君) これは、設備をするから供給してくれと言えば、断わるわけにはまいりません。まいりませんが、現実的にはそういうものを予定してパイプラインの敷設を考えておるわけじゃありませんから、やはり民間優先ということで、余裕もあるしということになれば別でございますが、いま、年間輸送するものの量もちゃんと計画しておりますから、余裕もないということで、特別天引き、地位協定が優先をして、基地のほうが優先して油を送らなければならないというようなものではない、こう理解していただいてけっこうです。
#81
○柴田利右エ門君 このパイプラインというのが石油類の輸送で最も合理的で経済的な方法だと、特に持続的な長距離輸送、こういうことについては非常に効果があるんだということは、世界でも広く認められておるところであろうと私も理解をするわけでありますが、ソ連やアメリカを中心にしたヨーロッパ、こういうところではかなりの距離のラインがすでに存在をするということであります。それだけに歴史も古いわけでありますが、わが国では、今日、石油の需要ということも急激に上昇をしつつある、こういう状況とも関連をしておると思いますけれども、新しく石油パイプライン事業法というものが現在国会に提案をされて審議をされておるわけであります。これの理由もいろいろあろうというふうに思いますが、今回こういう事業法案が提案をされたポイントといいますか、最も重要だと思われる点についてお伺いを申し上げたいと思います。
#82
○国務大臣(田中角榮君) 去年で石油が二億二千万キロリットルも消費しておるわけでございますし、間々申し上げてありますように、五十年三億キロリットル、六十年には七億キロリットルというように大きくなることが予想されます。いま、六〇%以上海上輸送をしておるわけでございますし、三〇%近く、二九・何%だと思いますが、これは道路の上を走っております。鉄道で運んでおるものは六%か七%ということでございます。もうこのような状態では海上がふくそうして事故が起こる寸前である。これは事故が起こったら東京湾や大阪湾はどうにもならないような状態になっております。それから、交通がふくそうしておるということは、大型タンクローリーというものが動いておるということで、災害の起こる危険性が非常に多いわけでございます。そういう意味で、これからパイプラインによらなければならないということで、もう真に必要性が感じられております。もう一つは、輸送費が非常に安いということでございます。でありますから、大量輸送というものは、現状のままでパイプラインによらないとできなくなるということ。それからタンクローリーでもってやると、災害か起これば――この災害防除という面から。それから第三は、経費が安い。この三つ、明確な理由があるわけでございまして、時代の要請ということがこの法律提案のポイントである、こう御理解いただきたいと思います。
#83
○柴田利右エ門君 三つの点が重要なポイントだと、こういうことでありますが、これから御質問申し上げる中には、すでにお二人の委員の方が御質問になっておられるわけでありますが、ほかの委員会との関係で席をはずしておったような場合もありますので、あるいは重複する面もあろうかと思いますが、ひとつ御了承をいただいて、質問を進めていきたいというふうに思います。
 外国でのパイプラインの安全性の問題特に初めてわが国ではやるだけに、この安全性の問題というのは非常に関心のあるところでありますが、こういう面について外国あたりで、写真なんか見ますと、砂漠の中で、これはもうむしろ埋設するというよりも、むき出しで地上を走っておるのですが、外国でもやはり都市の中を走っているようなラインもあるのじゃないかと思います。そういうところに対する安全性といいますか、保安の維持対策、あるいはそういう事故も皆無ではないというふうに思います、事故もあったと思いますが、それらに対する対策等につきましては、これはまたもっと具体的に聞こうとは思いますが、こういう点についての概略的な、防護策が進んでいるのじゃないかというふうに思いますので、その点につきまして御説明を願いたいと思います。
#84
○政府委員(飯塚史郎君) 外国におきまして、パイプラインが最も古くから運営されておりますのはアメリカでございますが、すでに百年を経過しております。したがいまして、アメリカにおきましては、安全対策がかなり進んでいるように伺っております。
 アメリカの石油協会の基準が、APIと申しておりますけれども、この基準によりますと、おもな点を申し上げますと、埋設の深さは――大体まあ埋設が多いわけでございますが、埋設の深さは
 一般には〇・九メートル、これは人家密集地とか道路では一・二メートルの埋設を基準としてうたっております。それからパイプの肉厚でございますが、これは計算上得られましたものの一・四倍の安全率をとれということをいっておるわけでございます。それからパイプラインの腐食、特に電食の防止のためにパイプラインにビニール等の塗覆を施すことを基準にいたしております。そのほか、アメリカ側におきまして、事故の大多数が他工事による損傷でございますので、パイプラインを敷設した個所が明確に他の工事者からわかるように、パイプラインを敷設した個所には標識を設置するということをうたっております。その他漏洩検査等の措置もあるようでございまするが、なお、イギリスにおきましても、このアメリカのAPIの基準とほほ同じようなものがつくられておるわけでございます。
 スイスにおきましては、先ほど鉱山石炭局長から御説明申し上げましたけれども、若干アメリカ、イギリスの場合と違いまして、保安距離というものについて、たとえば、人家密集地域は十メートルないし二十メートルの距離を置けというふうなことをうたっております。ただし、その距離がとれない場合には、パイプに対する補強工作等を強化することによってその距離のとれない部分をカバーすることを義務づけておるようでございます。
#85
○柴田利右エ門君 いまの御説明で、アメリカあるいはイギリス等におけるパイプラインの安全性の確保の問題について、それぞれその条件に応じて補強工作もとられておるという御説明をいただいたわけでありますが、これは私が申し上げるまでもないことでありますが、わが国の場合は世界で有数の地震国だ、こういうふうにいわれております。関東大震災以降でも相当の大きな地震がありまして、そのつど人命を含めましていろいろ大きな被害も出ておるわけでありますが、さらにそれに人口過密という――まあこれは過密、過疎というふうないろいろな問題もありますけれども、先ほどからお話の出ておりますパイプラインの計画をされております地域、特に関東地域というようなことを考えてみますと、過密の問題は十分考えていかなければならぬというふうに思います。それに地盤沈下というような問題も加わってまいりますと、砂漠や原野を走る、あるいは地震の懸念のない国でのパイプラインの埋設というようなことを考えあわせてみますと、やはりこの二つの要素だけでも日本の場合は、安全性については当然お考えになっておられると思いますけれども、全く別なものが、大きな要素が加わってくるのではないかというふうに思うわけです。そういうような面についてさらに、このパイプラインを計画をし、この法案を出されたということから見て、どのようにお考えになっておられるのか、お伺いをしたいと思います。
#86
○政府委員(飯塚史郎君) 先生御指摘のように、わが国におきましては地震多発地帯であるということと、地盤沈下も起こりやすい地質状況にある。もう一つは、都市の過密化が外国に比べて特にはなはだしいというような事情もございまして、私どもはこの法律に基づきます技術基準をつくる場合に、この三点を最も十分に配慮して、技術基準をできる限り外国のそれに比べまして厳格なものにしていくべきであるというふうに考えておるわけでありますが、具体的には、たとえばパイプの肉厚でございますが、アメリカの場合には先ほど申し上げましたように、計算上得られました数値の一・四倍の安全率をとっておるわけでございますが、わが国におきましては、二・五倍の安全率のものを使用することを義務づける必要があるのではないかと考えておるわけでございます。なお、ちなみに、この二・五倍の安全率というのは、わが国におきますガス管の肉厚で義務づけられておるものであります。つまり、ガスと同じような安全性を考えてその肉厚にする予定であります。
 それから、かりに漏洩等の事故が起こった場合の措置も当然考えておかなければいかぬわけでございますが、漏洩が起こって付近に油が流出するという場合に、できる限りその量を少なくするために、ブロックバルブというものをある一定間隔に置いておくことを考えておりわけでございます。特に人家密集地帯をパイプが通る場合には、一キロメートルおきにブロックバルブを設置することが必要ではないかと考えております。
 なお、地下に埋設する際の深さでございますが、アメリカにおきます先ほどの原則〇・九、密集地帯は一・二というものに対しまして、わが国の場合には原則一・二、道路、密集地帯におきましては一・五メートル以下というふうに、深さにおいても外国よりもきびしくする必要があるのではないかというふうに考えておるわけであります。
#87
○柴田利右エ門君 いまの三つの点は、それぞれに埋設する管の肉厚の問題とか、それらは当然諸外国の例、あるいは専門家の意見等も聴取されたと思います。まあ二・五倍にするとかいろいろな方法を考えられておるわけでありますが、何といってもやっぱりそのパイプラインが通るその付近に住まなければならぬという人から見れば、この問題は非常に大きな問題だというふうに考えます。
 それで、先ほどからも言っておりますように、わが国の地震の被害といいますか、昔からまあ大きな地震にも見舞われておりますので、何とかこの地震の予知はできないだろうかというのが、ある意味ではわれわれの大きな願いでもあるわけですが、なかなかこの地震の予知というのは、実際問題としては非常にむずかしいように思います。しかし一面、地震学者のほうでもかなりこういうことに対して研究されておるという向きもあるやに聞いておりますので、この地震の予知について、そういう方面の研究等につきまして御承知の向きがあればひとつお聞かせをいただきたい、こう思います。
#88
○国務大臣(田中角榮君) まあ地震の予知は、これはいま御指摘ございましたように非常にむずかしい問題でございますが、しかし、過去の地震によって地震の経験がございますので、安全基準というものに対しては、相当高い基準率をとっておるわけであります。これは高層建築においてもそうでございます。超高層においてもそうでございますし、高圧ガスのタンク等においても各国より強いものをとっております。それからまた、ガスの埋設や水道その他の埋設機器に対しても高い数字をとっておるわけでございます。ですから、地震の予知は、地震の研究たくさんしておりますが、これ、なかなか予知をするということは研究段階でございまして、これはきめ手のないことは御承知のとおりでございます。しかし、地震国であるということで、もうすべての技術基準には、過去の地震には十分耐え、またそれよりも大きな地震にも耐えられるようにということで倍率を大きくしているわけです。一・四を一・七に、一・七を二・〇にというふうに、みんな技術基準は全部強くしております。これは絶対的ではないわけであります。それよりも大きなものがくればということでありますが、そういう意味で地震の予知、これはまあ地震の専門家いるかと思いますが、私以上のことはないと思います。あれば答弁をいたします。
#89
○説明員(原田昇左右君) 気象庁は運輸省の一部局でございますので、私から若干御答弁申し上げます。
 気象庁におきます明治十八年以降昨年まで八十六年間にわたります関東地方におきます地震の記録を調べて分析いたしてもらった結果でございますが、今回のパイプラインの計画地域では、震度六、つまり、関東大震災よりやや大きい規模の地震でございます。一応そういった地震の起こる確率というのは考えられるわけでございますが、それ以上大きいものはほとんどもう考慮する必要がないという程度の統計的なデータが判明いたしております。
 そこで、このパイプラインは震度六程度を考慮すれば、大体もう問題ないんじゃないかということになるんでございますが、それよりさらに安全を見まして、その数倍程度のエネルギー、もちろん震度としてはその倍にはなりませんですが、そういった地震も考慮した十分な強度を持ち、かつ粘り強い鋼管を使用する。それから信頼の持てる継ぎ手を用いる。それから継ぎ手については慎重な検査を行なう。それから要所要所に曲管を配置するといったことを講すれば、地震対策としては、とりあえず強度の面についてはだいじょうぶである。しかし、万が一そのパイプが破損に至る場合であっても、破損以前に、大体、もう少し低い震度の四から五くらいの地震が必ずあるわけでございますから、その際に感震器が働いて、ポンプをストップさせ、そして遮断弁をブロックバルブで閉じるという措置を講じまして、大量の油の流出を避けるということをいたして、二重、三重にチェックいたしておるようなシステムを考えれば、一応地震対策として万全を期せられるのではないか、こういうふうに考えて、基準を考えておる次第でございます。
#90
○柴田利右エ門君 いま運輸省の方に御説明いただいたんですけれども、現在、実際計画が着手されております、先ほども話のありました、京浜から八王子を通って南埼玉へいくというもの。それからもう一つございましたですね、空港へいくのもあるということですが、その点について国鉄は何か土木学会ですか、それから空港のほうはまた別のところに、専門家の集団に委嘱をされて、いろいろそういう調査研究を、これはみずからの基準、設計その他の十分な裏づけにするためにおやりになっておるということであります。まあ、たまたまある学者が論文を書いておりまして、その中でそれに触れておられるんですが、それらの研究の報告書等が出されて、地震なんかの場合十分に具体的にこうしなさいと、これは設計をするほうではありませんので、ある意味では一般的な書き方になろうかと思いますけれども、そういう研究調査報告というものが実際の設計その他の上でどの程度の影響を与え、どういう程度そういうところがら摂取をして、実際の設計なり工事基準といいますか、基本的になるものはそういう研究が――またあとで御質問申し上げようと思いますけれども、その基準の問題等と関連して、すでに先行しておるとすれば、それらのものが、すでにその研究所の基本になるものがもとになり、さらにその基本にのっとって、研究調査に基づいて実際に設計がなされていくと。そういうことは地震なり――先日も参考人の方の御意見を聞いてみますとパイプの上に直接良質の砂をある高さ埋設することによって非常に強度といいますか、そういうものが強くなるというようなお話も聞いたわけなんですが、残念ながら技術的なことはこっちも詳しくわかりませんので、そういう点についての考え方について御説明をいただきたいと思います。
#91
○説明員(原田昇左右君) ただいま先生の御指摘のこざいましたように、空港公団の設計基準につきましては、高速道路調査会に研究を依頼いたしまして、これは空港公団が主として道路敷を使うという観点から高速道路調査会にお願いいたしまして、報告書を得まして、それに基づいてその設計基準を作成いたしたわけでございます。さらにその場合、東京消防庁の石油類導管技術基準というものがございまして、これをやはりベースにその報告書の作成がなされておるわけでございます。
 技術基準は一般的な表現にならざるを得ませんわけでございますが、具体的設計にあたりましては、そういった技術基準をベースに地域の条件、土質の条件、あるいはさらに材質、材料の条件、そういったものを詳細に調査し検討しまして、具体的な設計値を求めていくわけでございます。
 そこで、国鉄の場合は、土木学会に委託いたしたわけでございますが、これも土木学会としましては、この高速道路調査会の報告書の作成のメンバーに当たられた方々も含めまして、材料、溶接、土質、地震、電食、制御、それから消防など、パイプラインに関しますあらゆる分野の権威者並びに関係各省の関係者からなりますパイプライン委員会を設置してもらいまして、そこで慎重審議して報告書作成に当っておるわけでございます。また、国鉄のその基準作成にあたりましても、先ほど申し上げました東京消防庁の石油類導管技術基準というものをベースにして、これを参考にいたしておりますし、また公団の高速道路調査会の報告書等も十分参照にいたしておりますので、それらの間に十分技術的な関連性ができておるわけでございます。
#92
○柴田利右エ門君 これは新聞に出ておることなんで、あるいはまだ私がこれから申し上げることよりもさらに、いまおっしゃったような安全性の面からいって十分な配慮がなされておるかと思いますけれども、いまのような御説明を聞いて、この京浜から南埼玉間のパイプラインで横浜市に説明をされた中に、この集油ラインが――油を集めるラインですね、船舶の航行が多い横浜航路と京浜運河を横断をする。その場合に海底下二メートル程度の深さに埋めるというような御説明だったということなんですね。これは二メートルぐらいですと、海底ですから非常に軟弱なものだろうというふうに思います。そうなると航路ですから船がいかりを入れるということも当然考えられるわけです。それからしゅんせつということもあると思います。しゅんせつの場合よりいかりの場合、アンカーを入れる場合でも、それはここに埋設してありますよという標識があれば避けられると思うのですけれども、二メートルというのは何としてもこのままの形で埋めるということについては、やはり事故の面で多少配慮が欠けるのではないか。いまのような御説明を聞けば聞くほどこの辺がどうか。いま冒頭にお断わりしましたように新聞の記事ですから……。
#93
○説明員(原田昇左右君) ただいま御指摘の横浜港の入口の埋設深さ二メートルというお話でございますが、これは何かの間違いではないかと思います。私どもとしましては、まさに先生御指摘のとおり、将来のまずしゅんせつ計画というものを考慮いたしまして、そのしゅんせつ面からさらにアンカーリングのときの、投錨によってひっかけるというようなおそれのないように十分な深さをとるということによって、パイプラインの安全を維持するという配慮をいたさなければならぬと考えております。したがいまして、具体的にはそのところの土質その他等との関係もありますし、将来のしゅんせつ計画との関係もございますので、これは運輸省、国鉄、さらに地元の港湾管理者あるいは港長、こういった関係者で十分協議いたして適切な深さを決定してまいりたいと考えております。
#94
○柴田利右エ門君 そういうような場合は深さもそうですが、やはり何か埋設したパイプを庇護するような方法が考えられるのですか。それとも、深さということによってそういう安全なところに埋めると、こういうようなかっこうになるわけですか。
#95
○説明員(原田昇左右君) まずは深さが、投錨によってひっかからないように十分な深さであるということは第一義的に必要でございますが、さらに安全をはかるために、その上にパイプをコンクリートで被覆いたしまして埋設するということでございます。
#96
○柴田利右エ門君 先ほどからも出ておりました、すでに計画をされております主として関東内におけるパイプラインの計画についてルートの選定、これは当然安全の面からいって、できるだけ公衆が常時生活をするような場からは相当離すというような配慮が原則的にはなされると思いますけれども、現実の面では必ずしもそうでもないように思うのですが、こういう点についての安全性。これは先ほどからパイプの肉厚を厚くするとか、そして深さの問題、地質の問題、いろいろ御研究の上で安全性の確保のためにいろいろ意を用いておるのだと、こういう説明は聞きますけれども、特にルートの選定によって人口過密なところを通るというような場合についてのそういう安全性についてお考えを、重ねてひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#97
○国務大臣(田中角榮君) 過密のところをなるべく通らないほうがよいということで、よくスイス等の比較をされるわけでございますが、これは過密のところを通らぬわけにまいらないところがあります。これは迂回するといっても迂回するには限界がございまして、迂回できないところもございますから、まあスイスのように平面的に十メートル離したほうがいいとか、二十メートル離したほうがいいということがなかなかできないところがございます。鉄道敷ですともう局限されたところを通るわけでございますから、これは材質、それから深さ、深さは必ずしも深いということではないわけであります。構造で最も効率的なものは一メートル五十ないし二メートルといわれておりますから、そういう意味で計算上立証できるような深さが保持されるということ。もう一つ、いまあなたが御指摘がありましたように直接本管に当らないように被覆を行なうということがございます。被覆は二重にも三重にもできるわけでございます、被覆材質で安全性を倍加させることも当然できます。その上、第四は、バルブの問題バルブでもって自動的に危険のときには警報装置が鳴るとか、それから監視員制度ということで監視を常時行なうとか、それから外傷が与えられないように埋設個所を明示するとかいうことが、いろいろなものが五重にも六重にも安全性というものは確保できるわけでございます。ですからそういう意味で、平面的な状態としては人家から何メートル離れるとか公共の、人がたくさん寄るような駅とかそういうもの、広場からは平面距離からして何メートル離れるというようなことはスイスやなんかで考えられておりましたし、日本でも平面的な場合にはそういう制限がございましたが、だんだんと過密の中を通るということになると、そういう平面的な水平距離では調整できないようになっておりますから、だから、そうかといってこれはどこを通ってもいいのだ、何でもいいのだということではありませんが、基本的には安全性が確保されるような位置を選ぶべきでございます。
 しかし、これが将来のことを申し上げますと、これは地下共同溝という一つの中にすべてを入れるということで、高圧電線さえ通そうという世の中でございます、隣には高圧ガスパイプがあり、高圧電線が通り、こういうような状態、それは技術が解決しなければならないというような時代がきておることばもう御承知のとおりです。これはパリの下水道の中は地下道としてすべてのものが通っておる、いま高圧電線を通そうとしておることも御承知のとおりでございます。そういう意味で、技術的には十分可能で安全率を十分とれる、しかし設計書どおり、仕様書どおり仕事をしなかったらこれは問題がございます。これは設計書どおり、基準どおり、仕様書どおりに仕事が行なわれる、そして安全確保のための管理が持続して行なわれる、こういうことで危険度に対しては万全の対策を期せます、こういうことでございます。
#98
○柴田利右エ門君 このルートの問題は、私が申し上げるまでもなくすでにそういうようなお考えもあり、これはだれが考えてもパイプを通す場合に人家から離れたところに通してもらえば一番いいわけでありまして、それでいろいろ住民として新しくとにかく石油パイプラインというのを通すわけですから、アメリカあたりでは百年の歴史があるとはいいながら日本では初めてだ、こうなりますと、やはりこれを通す場合の住民の方々とのいろいろな話し合いというものもできてくると思います。条文の中ではたしか、許可をする場合には自治大臣の意見を聞くと、自治大臣は都道府県知事の意見を聞かなければならぬというようなことになっておったように記憶いたしておりますが、やはり実際問題としては、このパイプラインが設置、埋設をされるであろうところの付近に住む住民の方々から見れば、安全度ということに対しては、非常に大きな関心事だというふうに思います。
 したがって、それらの人々との話し合い、そして円満に解決をするための方途につきまして、法文では先ほど言いましたようにうたってありますけれども、何か特別に、新しい問題だけにやっぱりくふうが要るんじゃないか。ただ、納得させるための技術と、こういう意味でなくて、やはり新しい事業に手をつけるだけに、そういうくふうというのは、特に住民の市民活動が非常に盛んなときだけに、そういう面については、ただ盛んだからそれを納得させるとか、埋設するために、事業を計画するためにその場限りの話し合いというようなことでは毛頭ありませんけれども、おそらく事業をやられる方が話し合いをされる場合でも、そういうことでなくって十分に安全性を立証をしながらお話し合いをされると思いますけれども、これはまだかなり技術的な、ある意味では管を地中に通して油を流すんだという非常に単純なことではありますけれども、それだけになかなかやっぱりそういう面の立証というのは、非常に理解しにくい面もあろうかと思います。そういう点について何かくふうがあればひとつお聞かせをいただきたい。
#99
○国務大臣(田中角榮君) 御指摘のとおり、石油パイプラインは石油という可燃性物質を送るわけでございますから、危険がないということはないわけであります。まあそういう意味で、いままでは地元の地主の承諾さえ得れば土地を買い、土地を使用し、パイプラインを敷設ができたわけでございますが、やはりこれだけ大量のものを全国的の制度に切りかえざるを得ないということになれば法律が必要である。法律では明らかに基準を明示する必要がある、こういうことで法律を御審議いただいておるわけであります。だから、地元の協力なくしてやれるわけではありませんし、しかも、あとから安全の確保ということで持続的な安全確保が起こるわけでありますので、地元の協力、理解ということが前提であるということは当然でございます。
 しかし、地元の理解ということは、これは法制上なかなかむずかしい問題でございまして、これは事業者に対して主務大臣から地元の理解を得るように、少なくとも、石油の導管を入れるのに水道管だと言ってごまかして買ったというような話がありましたけれども、そんなでは通るわけはございません。これはそういう意味で地元の理解を十分得るようにという強い指示を許可の場合に行なう。いままでは地主さえ土地を売るか土地の使用権を認めるかすればよかったわけでございます。いまの地下鉄でも何でも、ビルの下でも何でも通っておるわけですが、それは当該地主が承諾をすればいいということであっても これはそうじゃないと思うんです。やはり事故というものよりも、まあ可燃性物質を大量に常時輸送する、しかも、恒常的に行なうという事業でありますから、これはやはり高圧線を引くときに、高圧線の下は一定距離全部補償します、補償するだけではなく買います、買いますし、適法な、地面から何メートルびしっと離れておりますと、地上から何メートルという制限を守っておりますが、しかし、高圧線が通るルートの住民というものの承諾を得ております。理解を得ておる。やっぱり同じ態度でなければならない。法律的に規定することはなかなかむずかしいわけでございますが、当然、地元の理解を得るということは主務大臣から事業者に強く指示をするということでございます。
#100
○柴田利右エ門君 この地元の承諾を得るといいますか、もちろんその前提になるのは、できるだけそういうところは離して埋設するということが大前提になるわけでありますが、そういう話し合いをする場合に、近い時点でそういう大きな災害があったときに一体どういう事象が起きたであろうかということが、パイプの肉厚の数字だとか、埋設の深さだとか、そういうことの説明とあわせて理解を得る方法ではないか。
 同時に、この法案自身の問題と関連して私もお聞きをしたいんですが、新潟地震の場合に、新潟―東京間の天然ガスのパイプライン、これが被害を受けなかったということが言われておるわけなんですが、しかし一方新潟地震のときに、この法案と関連をして、事故の例がなかったかというと必ずしもそうでないように承知をいたしております。この事例はあまり紹介されていないように思いますけれども、消防庁の調査報告だとか、新聞、雑誌の記事等には断片的に出ておるように思います。それから先ほど御説明のありましたように、非常に歴史の古い――アメリカにおけるロスアンゼルスの大地震のとき、あれはたしか政府のほうも調査団をお出しになったんですが、聞くところによると、調査項目も多くて、予算の関係等もありまして、必ずしも石油パイプラインというものに対する十分な調査はできていないというようなことも聞いておりますけれども、しかし、それに私がそう聞いておるだけであって、十分な調査もできておるのではないかというふうに思いますので、この二点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#101
○政府委員(莊清君) 新潟の事故でございますけれども、これは天然ガスのパイプラインは全然事故がなかったわけでございますが、新潟市内でのパイプライン、これは御指摘ございましたように事故を起こしております。
 一つは、埠頭から石油精製工場のタンクヤードに、約二キロメーター、市道の下を通っている十六インチの原油パイプラインがございまして、それの溶接部が一カ所亀裂をしたということで原油が漏洩したようでございます。これは非常に古いパイプラインで、実は会社のほうでもこの当時の調査で非常に古いものであって、正確な設置年月は必ずしも明確でないというぐらい古いものであって、溶接はアーク溶接じゃございませんで、当時のガス溶接というものが切れたということがはっきりしてございます。
 それから、それでは新しいものは完全に全部無事であったかといいますと、遺憾でございますけれども、六インチと申しますから非常に小さいわけでございまするが、そのパイプラインが橋を渡っておる。その橋が流れたためにパイプがたれ下がるということによる事故、それから橋げたのところだと思いますが、固定をしてしまうというためにパイプがひび割れしたというふうなことで、現在ではそういう橋を渡すときなどは、橋そのものを――橋げたそのものかしっかりしていると折れることは当然でございますので、固定せずに柔構造と申しますか、そういう配慮がぜひ必要であるということを学者の先生方、全部御指摘がございますので、こういう固定したというふうなことによる事故がないようにしなければならぬ教訓として、非常に貴重な実例であると思います。
 ロスアンゼルスの事故につきましては、いま先生もお話ございましたように、あの地帯では、関東大震災級の地震だったそうでございまするが、ガス管とか水道管、合わせて二千カ所ぐらい亀裂を生じたという中で、二本古い石油パイプラインも確かに事故を起こしております。東京都の調査団が行きましたときには、その二本については通産省の調査団と同様のことになっておりますが、それ以外に軽微なやつが数件あったというふうなことを、これは別のときに行かれまして別の人に会って聞いておるんじゃないかと思いますが、そういうことを東京都のほうではキャッチしてお帰りになったということも私ども聞いております。したがいまして、全体としては数件あったと、しかし、特に大きかったのは二件であって、それも振動がひどくなってきた場合に、それを測定しましてポンプがとまるような装置があったようでございまして、送油をとめておった、圧力も下げておったということで、大きくこわれた二本も油の量としては、十五キロリットルと申しますからタンクローリーで二台か三台という程度のもので幸いとまった、こういうことが報ぜられております。
 したがいまして、やはり今後は、ロサンゼルスで切れたようなものとは材質も違いますし、溶接も違う、もっと進んだものを当然日本では取り入れるわけでございますけれども、いかにそっちのほうで配慮いたしましてもどんな地震がくるかわからないという意味で、それが打ち破られたときにどうするかということが最後のとりでとして非常に大事でございます。外国ではそこまでの義務づけは国によって必ずしも行なっていない国が多いようでございますけれども、振動なり何なりを自動的に測定して、オートメーションで運転そのものをとめる。圧力をかけるのをやめる。あるいはバルブを締める。それから、送電線が切れたらどうなるかというようなこともございましょうから、そういう場合には非常電源でそういう装置が働くような――電気が切れたことによって動き出す設備というのがあるそうでございますから、そういうものの義務づけをする。担保をすることがもう絶対不可決で、保安基準でもそれで一律に全部規制をするというふうにしたいと考えております。
#102
○柴田利右エ門君 わかりました。
 先ほども、地震の場合に振動があれば自動的にとまるというような装置も考えなければいかぬのではないかというようなお話も承りましたが、ただこの場合に、技術基準の中にそういう点が十分に明確に挿入をされておれば問題はないと思いますけれども、石油パイプラインの事業というのはある意味では企業がやるわけですから、企業は別な意味で企業としての任務もありましょうし、それに負わされた使命もあるわけですから、経済的な面からいえば、先ほど六、七年は赤字が続くだろうというふうなお話もありました。もちろん、こういう初めて手をつける仕事ですから、最初から黒字をというようなことは考えてはならぬと思いますけれども、そういう考え方からいくと、本来絶対的に安全ということが確保されてないだけに前向きに安全のほうをわれわれとしては求めるわけでありますけれども、企業はやはりそれと違った面もあるわけでありますので、そういう面についてはぜひ先ほどお話のありましたような点を、技術基準なりその他にちゃんと明確にして義務づけるというようなことや配慮されなければならぬというように思います。いまの御説明をそのように理解をしたいというように思います。
 それからいま、新潟の地震によって損傷を来たしたパイプが意外に古いパイプだったと、こういう御説明があったのですが、これは科学技術の革新というのは非常な勢いで進んでおりますので、先日も参考人の御意見をお聞きしたときに御説明がありました。なるほどそうだというように私も感じたのですが、そういう技術の革新を、安全という面、さらには石油パイプラインの事業本来の任務に合致したそういう革新の面も含めまして、これを前向きな形で取り入れるような構想というのがなければいかぬではないかというように思います。どうしても企業で最初の基準に合えばそのままずっといく。特に新しいものが技術の開発でいろいろ出てきた。それをさらに導入するということになれば、それはそれでまた企業としての負担もかかるわけですから、どうしてもそれを逡巡をするような傾向になるのだろうというように思いますが、そのような点についてのお考えがあればお伺いをしたいと思います。
#103
○政府委員(莊清君) 石油業界で現在、年間約三千億円程度の設備投資を年々行なっております。これは今後は備蓄の増強等もございますし、タンクの増設等でまだふえるわけでございますけれども、関東パイプラインは大体石油企業の大どころがほとんど共同事業として行なうわけでございます。二年間で約三百億ということでございますから、通産省としては、投資額が多過ぎるために十分な保安装置ができないというふうなことは、これは産業界にも絶対に言わせるべきではない、これは当然のことでございます。業界としてもこれは関東パイプライン会社の社長の出光計助氏が参考人として衆議院でもその点についてきわめて明快に、かりに採算上若干苦しい点が出ても保安を絶対に優先させます、それから新しい技術はこれはどしどし取り入れなければならぬと思っておるということを述べておられます。これは企業がかってに取り入れるのではなくて、やはり共同省令できめます技術基準、われわれとしてはこれ以上に企業が実態に即して強化すべきは強化するということで申請を出してくることを当然期待しているわけでございます。この保安基準というのは最低のところを義務づけるわけでございますが、技術の進歩に応じまして常に欧米の水準を上回る最もすぐれたものにするということが必要だと思います。今後とも関係省令でそういう姿勢で常時専門の学者の御意見も伺って、とるべきものはどんどんとっていきたいという姿勢で臨むことが基本であろうと思います。そういう方針で通産省もやる決意でございます。
 それから政府としても、今後やはりまだ全国各地パイプラインをつくるわけでございますから、やはりパイプラインの保安問題などについて政府としても研究開発ということを、国の試験研究機関もございまするから、そういうところでもやはり取り上げていくということもこれから必要であろうと思います。そういうものの研究を行なう民間に対する助成というふうなことも、これは今後の課題でございまするが、やはり石油政策上の重要な事項、保安政策上も重要な事項、こういう姿勢でやはり前向きにぜひ考えたい、かように思っております。
#104
○柴田利右エ門君 わかりました。
 次に、別な質問を行ないたいと思いますが、法案の三十八条、主務大臣の項がございますが、これでそれぞれの基本計画だとかあるいは事業の許可、そういうことについて、分かれてはおりますけれども、一応複数ないし三名の方になっておられるわけですが、こういう非常に危険なものを取り扱うのに、一省が、きまったところが所管をしないというのは何となく実態にそぐわないような気がします。
 それで、そういうことと考え合わせて、これも新聞記事でたいへん恐縮ですけれども、五月の下旬でしたか、姫路市内の国道で水素ガスを積んだタンクローリーが追突をして爆発をした、こういう記事と関連をして、こういう車の許可についても、車の上に載せるタンクの所管は通産省だと、車自身は運輸省だと、こういうことで、タンクの許可がおりれば自動的に車の許可もおりる。一方、そういう業者の事業所の数等につきましても、必ずしも把握が十分でないというようなことが出ておったんですが、また一方では、これが輸送機関なのか、供給機関なのかというようなことも論争になって、国鉄を中心にした運輸省の考え方と通産省の考え方と火花を散らしていろいろやり合ったのが、こういう問題に取り組むことがおくれた原因だというようなことも一方では出ておりまして、そういうことも読むんですが、それらがいろいろ調査をされて今日に至ったと、ある意味ではそういう経緯があるだけに、これらの問題をこういう複数の所管でやる場合に十分意を注いでやられるのだという考え方もありますけれども、しかし、国鉄がやるんならやってみよう、こっちは流す油は出さんのだということも言ったとか言わんとかというようなことも出ておりました。何かそういう面では不安があるような気がいたしますのですが、こういう点については十分な対策というか、対処のしかたというのが考えられておると思いますけれども、そういう点についてひとつお伺いをしたいと思います。
#105
○国務大臣(田中角榮君) この法案がきまるまでの過程において、いろいろ御指摘を受けるようなことがあったことは事実でございますが、それはそれとしてひとつ御理解をいただきたいと思うのです。
 パイプラインというものが一体輸送なのか供給なのか、これはもういつも申し上げておりますが、これは近代の形態からいいますと、輸送か石油事業なのかというようなことを分けられる状態ではありません。これはもうパイプラインも何もかにも全部含めて石油業ということでございます。そういうことでいろんな議論をしたときに、私は、いいかげんにやめなさいと、こう言ったのですが、これは輸送の中にコイルを輸送することもあります。電線を輸送するわけです。これは電電公社九のか、運輸省の所管なのかと、こういえば、もうそれは議論の余地のない議論でございますから、こんな議論で何年もやっておったということはもうセクショナリズムと言わざるを得ないわけでございます。そういう問題がありましたけれども、そういう問題から卒業してこれだけの法案をお願いするわけでありますから、政府が一体となって責任を果たすということになっておりますので、そういう前提でひとつ御理解を賜わりたいと思います。事業者や住民やいろんな方たちに迷惑をかけてはならない。四省共管ということはやむを得ずなったわけでございます。
 これはほんとうは私が運輸大臣か何かなら、もっとはっきり言うのです。これは所管大臣は通産大臣である、そして鉄道敷を使うときは運輸大臣と協議をすべし、農地を使うときは農林大臣と協議をすべし、道路の下を使うときには建設大臣と協議をすべし、これはもう当然のことだと思うのです。海の下を通るならこれは運輸大臣と協議をする、当然です。これは法律はみなそうなっているのです。公営住宅法にしても、労働者の住宅への入居その他労働大臣と協議しなければならない、こういうことになっております。厚生住宅にしても、厚生大臣と協議をすべきである。住宅については火災予防の見地から消防庁長官に関係があるというので、公営住宅法の主管大臣にも自治大臣は入らぬといかぬということになって、これは各省大臣は全部共管にならなければならぬわけでございまして、そういう議論、私は、やはりこれは内閣が国務大臣の責任で閣議でさばくべきだったと思いますが、いま考えてもしようがありません。現実的には法律は四省共管、これは五省、六省だったのです。農地を通るから農林大臣もということで最後までもめたのですが、それはとにかくおりてくれということで四省になったわけでございますから、四省が、やはり四省になるがゆえに責任が果たせないということじゃ困りますので、通産省では鉱山石炭局長、運輸省では官房長、それから国鉄関係は鉄道監督局長、成田公団関係は航空局長、建設省では道路局長、自治省では消防庁長官という人が代表になりまして、これは連絡会議をつくって、もう十分共管の責任を果たせるようにしようということにいたしております。
 なお、四省の地方の出先機関の間でも連携を保ちまして、四省が一体となって行動ができますようにいたそうということでございますし、緊急の処置につきましては、もう単独の省でも処置ができるようにという了解を前提にいたしておりますので、その限りにおいては、四省共管ということで国民に迷惑をかけないように万全の体制を講じてまいりますので、御理解をいただきたいと思います。
#106
○柴田利右エ門君 このことについては、衆議院のほうの附帯決議の中でも触れられておりますので、おそらくかなりの人がお触れになったと思いますから、私、これでこのことは終わります。
 パイプラインの現在の事業計画というものは、先ほども御説明を聞きまして、いま関東と、どっか和歌山から大阪のほうというような話を聞いたのですが、候補地としては五地域あるというふうに聞いております。その五地域のそれぞれの範囲というものについていまお考えがあるのかどうか。中京なら中京というふうに言われておるのですけれども、それについて何か範囲がいまのところあるのか。そういうものがありましたら、ひとつお聞かせを願いたい。
#107
○政府委員(莊清君) 中京地区、それから九州、いずれもまだ通産省自身も調査検討を委員会にお願いもしてないという段階でございまするが、大規模パイプラインの性格から申しまして、中部地区でございますとどうしても四日市に製油所がございますので、そこを起点としてこれを内陸のほうに輸送する、あるいは名古屋というふうなところがどうしても起点になって、それを内陸に輸送するということに当然相なろうかと思います。九州のほうにつきましては、これはまだ全くこれからの段階でございます。
#108
○柴田利右エ門君 そうすると、いまのところは中京なら四日市を中心に名古屋だとかいって、その周辺は大体どのくらいだということは、別にこれからの計画によってそういう点についてのチェックがされるということで、いまの時点でそこを中心にして何キロ範囲だとか何とかいうことではないわけですね。
#109
○政府委員(莊清君) さようでございます。
#110
○柴田利右エ門君 それでは、あとは法案について御説明をお聞かせをいただきたいというふうに思っておりますが、一つだけ地盤沈下の問題についてお伺いをしたいというふうに思います。
 これはいま公共用水のくみ上げの面等の点で、規制が一応ある地域にはあるだろうというふうに思います。このパイプラインを敷設することによって、自然の地盤沈下という言い方が適切かどうかわかりませんけれども、そういうものが大体学理的に計算ができるのだそうでございますが、その地下水をくみ上げることによって地盤沈下が起きて、それがやはり導管に影響を与えるということはしろうと考えにも考えられるし、そういうのが不規則に起こる、不当な沈下が行なわれるということになると、この間どなたか、もらい被害だというような――私聞いておりまして非常に適切な表現だと思っておりましたのですが、そういうようなことが考えられるのですが、こういうパイプラインを通すようなところについて、そういう沈下を防ぐというような意味での地下水のくみ上げの規制とか何とかいうようなことについてのお考えをお伺いしたいと思います。
#111
○政府委員(莊清君) わが国の場合には欧米と違いまして、どうしても今後とも大きな道路、あるいは国鉄の路線敷というふうなところを主として使わざるを得ない状況にございます。したがいまして、道路や鉄道というものは建設される際に、すでに長年の調査によりまして、地質というものが調べられて、軟弱地盤のところは極力避けるということが当然行なわれておるわけでございますから、普通の、ある意味では野原にすぎないところを新規に通すというよりも、すでに道路なり国鉄を建設する段階での調査というものは一応あるということで、安定性があるように考えていますが、別途、水のくみ上げによる地盤沈下という問題がなるほどございまして、これは天然ガスをとっても水は一緒に抜けるとか、そのほか農業関係、あるいは生活関係の水というものによる地盤沈下も地域によっては、関東地方でも天然ガスよりもはるかにたくさん水を抜いておるというふうなことも報ぜられておるわけでございます。
 したがいまして、やはり道路や国鉄そのものにまでひび割れを生ずるとか、沈下させるというふうな大規模な地盤沈下というふうなことが起こるほどにまで地下水のくみ上げというふうなことは、これはもうあらゆる意味におきましてなされてはならないわけでございまして、現在でも工業用水等によってそれを切りかえていくということが行なわれておりますので、あるいは千葉等では通産省の指導もございまして、県と一緒になって、天然ガスなどは相当きびしい規制、あるいは天然ガスを採掘することそのものをやめてもらうというふうなこともあるわけでございます。やはり御指摘のように、道路や国鉄に支障を与え、ひいてはパイプラインにも悪影響を与える、そういうことは絶対ないように、総合的な地下水くみ上げに対する前向きの施策――規制もするけれども、かわりの水が要りますから、これを手配する、こういうことが同時にやはりなければこれは困るのでありまして、一つの地域対策なり国土計画の問題だと思いますが、同時にやはりなされなければならない。都道府県等と御相談しながらやっていく構成にいたしておりますので、当然そういうことも含めて、通産省としても十分そういう点も念頭に置いてやるという方針でございます。
#112
○柴田利右エ門君 ぜひひとつ考えていただきたいと思います。パイプラインか地動と――地面が動くのと絶縁をされるような防護施設があれば、そういう心配もある程度薄らぐと思いますけれども、なかなかそこまではいかないのじゃないかという気もしますので、そういう点については十分にひとつ御検討、実行に移されるような形をとっていただきたいというふうに思います。
 それから、これは大体事業の性格としては公益事業だというふうな御説明が先ほどあったように思いますが、この法で、パイプラインの距離といいますか、ある意味では短さともお聞きしたいのですが、そういうものに対する長さですね、そういうものについての一応の考え方というのはあるのですか。
#113
○政府委員(莊清君) この法律で一応対象に考えておりますパイプラインは、長さ二、三十キロメートル以上のもの、これを法律でも、これは「(定義)」の第二条第二項の政令で定めていく場合、何キロメートル以上のもの、こういう取り扱いをいたす方針でございます。細目につきましては、まだ関係省間で詰めが残っておりますが、二、三十キロ程度以下のものははずす、こういうふうに考えております。
#114
○柴田利右エ門君 次に、十五条の規定、第二条の定義との関係で、自家用のものはいわゆる許認可といいますか、工事の監督規制、そういうものを受けないわけなんですが、これはまあ自家用のものがはたして転換をし、営業用のものになるかどうかという点は、正直言って私、詳細にわかりませんけれども、話としてはそういうものが工業用といいますか、営業用に転換をしたり、譲渡をしたりということがあり得るのじゃないかと思いますが、そういう場合にはどうするかというようなことは、どのような考え方に立っておられますか。
#115
○政府委員(莊清君) 自家用のすでにできておるもの、これを多数の販売業者なり精製業者が使うというふうな形に変えてまいる場合でございますが、これはすでに工事が終わっておりますから、お話のございました十五条の工事計画認可ということにはかかってまいりません。それは要らないということになりますが、第五条の事業許可、これは要る。それから第十八条、これが適用に相なります。技術基準の適用についてこれはチェックを受けることに相なります。
#116
○柴田利右エ門君 検査をね。
#117
○政府委員(莊清君) なお自家用パイプラインであるけれども、それを多数の者の利用に供して大きなものにするというときには、プラスアルファの工事がつけ加わるわけでございます。枝葉のパイプを出すとか、あるいはタンクをふやすとか、ポンプの能力を増強するとか、こういうことが必要になりますので、その際には、その部分についてはすべてこの法律の適用は当然かかるという法制の、法律上のたてまえになっております。
#118
○柴田利右エ門君 次に二十条の「料金が能率的な経営」云々というのがあるのですが、これは先ほどの公益事業だということになりますと、電気、ガス等の条文と比較をいたしますと、電気、ガスの条文に、「原価に適正な利潤を加えたものであること。」ということでもう条文が終っていますね。これは「の範囲をこえないものであること。」ということですけれども、この「範囲をこえないものであること。」というのはちょっとわかりにくいのです。これ一体どういうことをいっておられるのですか。
#119
○政府委員(莊清君) 電気事業、ガス事業の場合には御指摘のように、「適正な原価に適正な利潤を加えたものであること。」必ず原価プラス適正利潤であるそのものでなければならぬということが法律上うたわれております。本法のパイプラインにつきましては、この加えたもの未満という趣旨でございまして、原価は償わなくてはいけないけれども、利潤については、ある期間というものは、全額ではなくて、その一部であっても、それが安定した事業として永続することに特に支障にならないと判断される場合にはむしろ下げていく、こういう考えでございます。
 電気事業、ガス事業の場合には、逐次やはり末端の需用があっての発電施設であり、送電施設でございますから、需用がないのに送電線をあらかじめ十年先の分をはかってやるとか、発電所をつくってやるということもないわけでございます。したがいまして、パイプラインは十数年先の状態で、昭和六十数年で一応の適正規模にするように先行投資をやるわけでございます。これはパイプをどんどんふやして掘り返すというふうなわけにはまいりません。したがいまして、電気事業並みでございますと、当初のうちというのは著しく高いものとしてそれを全部消費者価格に転嫁しなければならない。あとになれば、またこれは償却が済めば極端に下げるということに相なります。これを押し通すことが特に望ましいわけではなくて、むしろ長期的にバランスのとれた、将来は若干値下げしていくことは当然でございますが、最初もある程度安い、将来はもっと安くする。全体として十分採算がとれ、しかも超過利潤がない、こういう形が最も適しておるということでやっています。航空運送事業でもいろいろ先行投資的なものがあるだろうと思いますけれども、同様の状況に実は相なっているわけでございます。
#120
○柴田利右エ門君 いま聞いておりますと、ふとこんなことを考えたんですが、「範囲をこえないもの」というのは、上限が押えられておって、その下だということなんですが、下だというふうにここで書くということは、もちろん長い目で見て、企業をいま始めたときに、先ほどもちょっと出ましたけれども、ある計画のもとにその投資分を償却していくような、そういう性急な形でなくって、かなりロングに見て、そして企業の安定というか、成長のプログラムをつくってやっていくということですが、公益事業ということで、一体、電気ガスとの関連でふと考えたのは、「範囲をこえないものであること。」という書き方をするということは、こういう書き方をするだけのことはするんだぞということも裏にあるように思うんですが、先ほどの四十七年度にはそういう予算はありませんということから関連をすると、先はどうなるんですか。私の聞き方が悪いのかもしれません。
#121
○政府委員(莊清君) 関東パイプライン会社の例を引いて申し上げますと、主要な十四社で設備投資をする。年間三千億やっておる業界で、二年間で三百億くらいやるわけです。いかに法案で十分にやっても、それによって株主である石油精製会社等にとりましては、これは電力会社の場合と違いまして、一部の投資である。その事業が、かりに数年間適正利潤を加えたものぴったりで収入がなくても、これはやはり末端のガソリンとか灯油の価格にそのまま反映していくわけでございますから、最初からパイプラインの経済メリットというものを消費者価格にも反映させるというなるべく低い価格。十五年、十七年くらいで単年度黒字になって、法定償却十五年、実際には数十年持つわけですが、法定償却が終わったあたりでは、完全に累積赤字もきれいに消えて、単年度相当な黒字である、そのあたりから、料金が相当下げられるという見通しがあるわけでございます。そういう判断に立って処理をしてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
 電力会社の場合には、それプロパー、電気料金一本でございますから、その水準のあり方いかんによって電力会社そのものが成り立つか成り立たないか、こういう状態に当然相なるわけでございまして、当然に公益事業である以上過大な利潤はいけませんが、最初から、すべてコスト・プラス・利潤というものが、規模のいかんにかかわらず、常に保証されていなければならない、こういう要請があるんだろうと思います。そこの違いを政策的には腹の中に入れまして、こういう立法をいたしておる、こういうことでございます。
#122
○須藤五郎君 大臣にまずお尋ねするわけですが、石油パイプラインは周辺住民の安全にかかわるものでございますから、その計画や工事にあたりまして、一定のルールが確立されなければならないと思います。そのやり方は、住民の意見を十分に聞いて、住民の同意を得る、あくまでも民主的なものであること。これが一つの条件です。
 二番目は、住民の生命、環境に対する安全性は絶対に保障されること。もし住民の生命や環境に対していささかでも危険を持つおそれのある場合には、パイプラインを通さないこと。最低限、この二つが私は原則として確立されなければならないと思いますが、大臣はどういうふうにお考えになりますか。
#123
○国務大臣(田中角榮君) 先ほども申し上げましたように、住民の支持と理解ということを得るためには十分な努力をなすべきことはもちろんでございまして、主務大臣は事業者に対してそのように強く指示をするつもりでございます。
 安全性を確保しなければならない、これはもう安全基準を明確にいたしまして、世界でたくさんの例がございますが、しかし、それよりも日本が地震国であるという特性を加味したより強固な安全基準を実行することによって、安全率をもう一〇〇%に近く高らしめてまいらなければならないと、こう思います。
#124
○須藤五郎君 大臣、絶対的な安全性というものは確保できるのでございましょうか。その安全性をどういうふうに考えていらっしゃいますか。
#125
○国務大臣(田中角榮君) 絶対ということは、これはなかなか絶対とは言えないんです。ただ、新しいもの、まあ多量であり、可燃性物質であり、爆発物であるというものに対しては、基準を非常に強くしなければならぬことは御承知のとおりでございます。いままでよりも超高層という建物を許可する限りにおいては、その安全度、強度計算というものは非常に強いわけでございますし、火災や避難に対する基準等も強いわけでございます。それから、高圧ガスの法律によりましては、タンクとかタンクローリーとか、いろいろな問題に対しても、高圧ガスに対しては材質の制限もございますし、強い安全基準がございます。
 そういう意味で、この石油パイプラインというものは可燃性の物質を多量に送るわけでございますから、これはタンクローリーよりも、また船でもって運ぶよりもはるかに安全なんですということだけで、こういう比較論だけではいかぬわけでございます。これはどんな場合であっても安全でございますと言い得るものでなければならぬし、また確保できるものでなければならない。だから、先ほどもそういう話がございましたが、タンク車で鉄道によって運んでおるわけです。それよりも鉄道敷を通るパイプラインのほうがより安全でございますと計算がぴちっと出なければ、安全度を確保できないわけですから、そのような安全確保のために基準を強固にするほか、工事施工にあたっては基準どおりに行なわれ、また管理等も十分行なわれるような体制をしきますと、こう申し上げる以外にないわけです。
#126
○須藤五郎君 大臣の言うとおり、私は絶対安全ということ、一〇〇%安全ということはなかなかあり得ないことでむずかしいことだと思うんですが、相対的安全にとどまるということは、すなわちパイプラインは事故が起こり得るということ、起こるということだと私は思うんですね。そうでしょう。絶対安全だというんでなくて、相対的安全ということになるわけですから、事故が起こる。
 その事故の起こった事実は、先ほど同僚もいろいろあげましたが、たくさんあるわけですし、昭和三十九年六月の新潟地震によって昭和石油パイプラインが損傷して火災が発生した。そのパイプは世界的水準といわれたものだということですね。絶対安全だというその考えのもとにつくられたのがやはり新潟地震でああいうことになっておる。昭和四十五年の四月の大阪の地下鉄工事の現場でガス爆発が起った。あれもそういう例だと思いますが、近くは今月の十一日、四谷新宿通りの地下二・五メーターの水道本管五百ミリですね、これが破裂した。原因は車の重さに耐え切れず破裂したと、こういうことになっておりますが、成田のパイプラインですね、今度はあれは市街地、深さが一・八メートルなんですね。四谷よりもずっと浅いということがいえるわけです。はたしてそれで安全だといえるか。住民がそれで安心できる状態かということが私は問題になると思うのですね。事故が起こった場合、住民の生命や環境に大きな被害が出る危険性がある以上、石油パイプラインはタンクローリーより安全とか、最高水準の技術でつくるなどと、相対的安全論で住民を切り捨てるとか、住民を度外視してやっていくということは、私はあってはならないと思うのですね。住民にとりましては事故が起こらないこと、その安全の保障が大事だと思うのですね。第一にはパイプラインは市街地を通さないということ、これも私は一つの条件だと思うのです。住民を安心させる、市街地を通さない。どうしても市街地を通さざるを得ない場合には住民の同意を得るということ、十分な保安距離をとるなどが私は必要になってくると思うのです。
 ところが、通産省は「石油パイプライン技術保安管理基準について」この基準をきめました。その中でこう述べておるのですね。「わが国が地震、地盤沈下、地くずれ等の多い自然条件と交通過密、過密市街地化等悪化する社会条件等苛酷な環境下にあるところから、特に保安上万全を期すべく過密地帯に布設する際等保安上特に考慮を必要とする場合には、欧米における適用状況より更に厳しい立場で基準を定める」と、こう通産省は述べておりますが、例をスイスの場合にとりますと、保安距離が法律で定められておると私は聞いておりますが、その点日本の法律はどうなっておるのか。日本の場合、スイスの場合より地震などのことを考えればさらにきびしく保安距離を定めることは当然であると私は思うのですが、保安距離をどう定めていらっしゃるか、その点を聞いておきたいと思います。
#127
○国務大臣(田中角榮君) 先ほども御答弁申し上げましたが、安全距離というものは水平距離ではかる場合もございます。まあ昔は、みな水平距離で大体はかっておったわけです。公衆が多数常時集まる公園、広場の類からは何メートル離さなければならぬとか、幼稚園からは何メートル離すとか。私はいつでも申し上げておるのですが、公害が出るようなものは何メートル離さなければならぬと、だから火葬場などは人家だから何メートルという制限があります。これはみんな水平距離でございます。しかし、過密の状態においては水平距離ということでできない場合がございます。そこで、水平距離が十メートル以上、二十メートル以上というようなスイスのような状態よりも、日本の都市部における過密は深さによって調整ができるわけです。深さといっても、普通の常識で考えると深いほどがいいという考え方もありますが、これは技術的には必ずしも深さには比例をしないということでございます。これは専門分野の問題でございまして、専門家が公聴会でも述べておりますとおり、日本においては軟地盤であり、いまのような状態から言うと一メートル八十ないし二メートル、マイナス二メートルというところが一番安全度が多いということも言われておるわけでございますから、そういうものは学問が、また過去のいろいろの例が解決をする問題でございます。
 もう一つは、材質が非常によくなっておるということで、いままでは鉄筋コンクリートでございましたけれども、いまはもう鉄筋構造、柔軟性となって超高層が建っておると同じことで、地震がきた場合でも、地盤沈下が行なわれた場合でも、不同沈化等があった場合でも構造によってカバーできるという問題もございます。
 もう一つは、工法によってカバーできるわけです。直接外傷が当たらないように、先ほども申し上げましたが、本管に当たらないために被覆をいたします。それはコンクリートで被覆をする場合もあるし、いろいろなもので二重、三重と、これは全然無限にやれるわけではございません。これはコストの問題もございますからおのずから限界はございますが、そういう意味で日本の都市におけるものは最も新しい、技術もずっとよくなっておりますし、それから日本の特性を加味した安全率というものを十分見て――まあ私が言うと、相当たくさん乗っているコンコルドというものがございますが、コンコルドが何千キロを飛べるだけのガソリンタンクをしょっているわけです。あれは非常に基準はうるさくやっておるわけです。ですから、そういう飛行機の持つガソリンタンク、まあそれと比べればどうかというと、それほど安全ですとは申し上げられませんけれども、しかし、ほんとうにそれに近いくらいに安全度というものに対してはきびしく考えなければならない。また、政府もそのように住民には迷惑をかけない、こういうことで工場の中のガスパイプ、高圧パイプというぐらいの規制をするような姿勢で安全基準をきめておるということでひとつ理解をいただきたいと思います。
#128
○須藤五郎君 大臣はそういうふうにやろうと思って言っていらっしゃるだけで、私は、もう少し具体的なお答えを願わないといかぬと思うのですがね。要するに、私は、こういう場合は市街地を通さないことが原則だということをまず言っているのですね。どうしても市街地を通さなければならない場合には、住民が納得し、その同意を得るということ、これが必要だということを言っておりますね。それから、十分な安全保安距離をとることが必要だということを私は言っているのですよ。それで、いまいろいろあなたはおっしゃいましたが、法的にこれをつくって、そして規制をするということが必要だと思うのです。ところがいまの話では、保安距離は法的にどういうふうに規制するということは一つも具体的には入っていない。あなたのそういうことばだけで国民が納得できるのか。だから、保安距離をどういうふうにするのか。市街地はできる限り通さないようにするが、まあその場合には住民の納得のいくような話し合いのもとで住民の同意を得るのかと、こういう点で具体的にどういうことをしていらっしゃるか。
#129
○国務大臣(田中角榮君) あなたの気持ちよくわかるのですが、それはあなたの言うとおりにならないのです。
#130
○須藤五郎君 どうして。
#131
○国務大臣(田中角榮君) それは、水平距離十メートルなんか置けないのです。これは技術的に安全基準で計算をされるものであればいいわけです。これは水平距離はとれないのですよ。それはなぜかというと、鉄道敷を通る場合には水平距離は十メートルもとれないのです、鉄道の下ですから。学問上水平距離をとるということは安全率があるわけです、水平の安全率。ところが、水平十メートルというものは地下に埋設をすれば何メートルということが学問的にも計算上すぐ出るわけです。ですから、それはこの法律による安全基準でもう距離の問題はきまりがつくわけなんです。
 もう一つは、都市の中を通らないようにしてください、これは気持ちはよくわかるのですが、通らないわけにもいかないのです。なぜかというと、いま通っている鉄道敷は都市のまん中を通っているわけですから、それは材質、構造、それから工事のしようによって安全基準は十分まかなえます、こう言うのです。
 それともう一つ最後の問題は、あなたが言うように、しかし、可燃性のものを大量に常時輸送するのであるから地元の理解を得なければならない、それはそのとおりです。そして水道管を布設するんですといって土地を買って、買ったから石油パイプを通していいんだというものではない。それは埋設個所を明示をして、安全を維持するためにいろいろな施設をするわけでございますが、そのためにも埋設場所を明示するようなことが望ましいので、そういう意味からいっても住民の支持と理解を前提といたしますと、こういうことを申し述べておるんですから、あなたの言っておることに的確なお答えをしておる、こう思うんです。私の考え以外にちょっとないんです。ものさしが横のものさしと縦のものさしで同じものさしですが、技術的にはこうなんですと。ですから、技術的にはあなたの御質問に十分答えていますよ。だれが聞いたってそれ以外にない。ですから、技術基準はどうかと言えば、技術基準はこういうことでございますと述べなければならぬわけでございます。それはもうそれで十分の答えになっていると思います。法律には書けないんです。
 高層建築でもそうなんです。高層建築は建築基準法において、耐震、耐火で耐え得るようなものは、法律にはないけれども、それは計算上ちゃんと技術官が基準に適合したものと判断をし、建築基準法の第何条による建築基準に適合すると、こういうふうにすれば認可を与えるわけですから、それは同じことなんです。これは高圧ガス取締法もそうなんです。こまかいものを一ぱい書いてあるわけがありません。これはもう航行の安全法もそうなんです。みんなそうなんです。基準はちゃんとつくってやりますと、そういうことです。
#132
○須藤五郎君 おそらく大臣、あなたの答弁聞いておって、パイプラインが通っていく周辺の人たち、はたして安心するかどうかということですね。それはおそらく安心しないと思うんですよ。そうしてあなたは鉄道の線路に沿うてということでした。最も危険な場所を通っていくんですよ。そうでしょう。最も危険な場所ですよ。スイスなどではそういうところを通るときには、鉄道、幹線道路と並行する場合には、レールあるいは車線の外端から二十メートルと、こういうふうにスイスなどでは法律できめていますよ。ところが、そういうことはきめられないと。日本のは鉄道のそばを通っていくんですから、うんと接近しておるわけです。最も危険なところを、スイスの規定よりももっと危険な条件でいく。
 それから深さはどれだけにするんですか。深さはどれだけにしてどういうことをやるんだと、だから横のものを縦にするんだから、それであなたはいいとおっしゃるが、それじゃ、スイスは横二十メートル離れたところをやるというんだったら、今度あなたは深さ二十メートルのところへ埋めるから、横のものを縦にするんだから、それでいいじゃないかとおっしゃるのか。そういう工事をやるということを法的に規制していらっしゃるのか。ことばでそういうことをおっしゃっても、おそらくあなたの話を聞いておる者、国民は、危険だなと、こうしか私は受け取らぬと思うんですよ。国民が安心のできるような答弁をしてくださいよ。
#133
○国務大臣(田中角榮君) 国鉄の問題は国鉄の建設局長から答弁をいたしますが、やっぱり技術の問題は技術で、法制上の法体系というものはみなそうなっておるんですよ。建築基準法にしろ、高圧ガス取締法にしろ、高速鉄道の基準にしろ、みんなそうなんです。ですから基準を、それは半径幾らにしなければならないとか、安全に走るには安全率は幾らにしなければいかぬというようなものは、法律に書けるわけはないんです。それは新たに定められる基準に適合するものでなければならないということでございまして、それはスイスとたてまえが違う。それは平面都市の場合はそういうことが確かにいままであったんです。それはスイスと同じように、鉄道の駅等から、また幼稚園等から何メートル離れなければならないというような規定でございましたが、今度過密の中ではそうはできない。できないが安全度は確保されるのか、それは材質、工法、それから深さというようなもので十分解決をされる。そうでなければ――超高層の建物自体の中に高圧パイプが通っておるんです。ですから、もうそれは建物から離して高圧パイプを通せるわけがない。地下室にはみんな高圧パイプも入っておるし、高圧電線も巻き込んでおるわけでありまして、その調整は技術で十分できるんです。ですから、それで理解をしないということはないんです。
 いまでも東京のまん中、あなたのお宅の上を高圧電線が通っておるはずです。私たちがいま、車で通っておる道路の下を高圧ガスパイプが通っておるんです。みんな通っていくんです。それと同じような法構成であり、しかも十分安全率は慎重に見て、十分技術的にも、学問的にも、計算的にも全世界のどの国の石油パイプラインよりも安全性を見ております。見て基準をつくります。衆議院でも言われたように、われわれ計算屋でもないし、技術家でもないからわからぬが、その安全基準をきめるときには事前に委員会に見せてくれ、こう言われたというから、それではこれは政府が安全基準をつくるときには御相談をいたします、こう言ったのです。これは炭鉱の保安基準も同じことです。保安基準によらなければならない。それをあなたは、炭鉱が爆発しないように法律に全部保安基準を書きなさい、そうじゃないんです。それは鉱山保安法の第何条において、基準を定めなければならぬ、こう書いてあるでしょう。それで炭鉱はちゃんと維持されておる。
#134
○須藤五郎君 炭鉱ははたしてちゃんと維持されているんでしょうか。
#135
○国務大臣(田中角榮君) だからその話とは別だと。あなた何でも一緒にしてはだめですよ。どうも須藤さんともあろう人がそういうことじゃだめです。まあ議論はいたしません。
#136
○須藤五郎君 あなた、炭鉱はちゃんと維持されているというけれども、炭鉱はしょっちゅう爆発したりしているじゃないですか。そんなことを言ってもだめですよ。私がわからぬのかあなたがあまり楽観過ぎているのか。
 それでは、新潟の地震の起こったときの災害ですね、パイプが破損したという、あれは何ですか、安全基準がなかったんですか。安全基準を考えてちゃんと合ったことをやっていなかったということですか。それから四谷の地下二・五メートルのところが破裂した、これはどういうことでああいうことになったんですか。今度はそれよりも浅さは一・五メートル浅さいんですよ。それに対して成田の周辺の人たちははたして安心できるような状態なんですか、条件なんですか。
#137
○国務大臣(田中角榮君) これはどうも次元の違う話を持ち込んできておられるんで、これは飛行機は安全度があるんです。ちゃんと何千マイル飛べるだけのタンクを抱きながら飛んでいる。しかし、きのうもおとといも落ちるんですから、事故がないということではないんです。何か事故調査をしなければならないということで、何かあるんでありますから、それは全く一〇〇%安全だということは人の世の中にはありません。私はまじめに答えているんです、実際。しかし、何人もが承認できる安全基準というものがなければならないということで、それは比較論として世界でいまやっておるものよりも最も安全率をきびしくしております。ということは、これは比較論において妥当なものだといえるわけであります。その程度の安全率というものはちゃんときめております。
 それはそうであっても、大阪でガスの爆発があったじゃないか、それはあった、確かに。それはちゃんと法律に基づいて布設しておったガスですが、それよりも強力な何か、いわゆる事故の原因、よく解明されませんが、少なくとも一つのショートするようなし電気がショートしたか何か知りませんけれども、あれだけの大惨事を起こすような状態が起こったわけです。今度も外圧によって水道管というものが破損したのか、不当沈下によってなったのか、ビルの地下水のくみ上げによってなったのかは、これから技術的に解明されなければならぬ問題でございますが、これは基準としては適合するものでなければならないということで、安全基準というものは十分つくってございます。安全基準がなければ新幹線なんか乗れないのです。安全基準があるから乗っているわけです、お互いに。ですからそういう意味で、石油パイプラインというものの敷設に対しては、世界的に比べてみて、日本は地震もあり、過密である都市の中を通らなきゃならぬとかいろいろな状態がありますから、最も新しい材質であり、最も新しい工法であり、最も安全である、こう言えるのです。そうするとあなたはまた、新潟地震でタンクの爆発はどうだと言われるかもしれぬが、あのタンクも高圧ガス取締法によるタンクだったのです。しかし、それは古いガス管や何かあったり――新しい天然ガスを送る帝石のパイプは破損がなかったのです。ただ古い何十年かたったようなものが、継ぎ手が折れたりいろいろなことがあったわけですから。私が言うことで説得力がなければ、国鉄をしょっている建設局長もおりますし、道路でもって道路占有を認可する道路局長も来ておりますから、そういうことで十分安全度は申し上げます。
#138
○須藤五郎君 もう一つね、新潟のそれはちゃんと基準に合ったものだったけれども、古いパイプがあったりいろいろなことがあったために破裂したというなら、それでは古いパイプは何でできたか。それでは、パイプは何年ごとに取りかえるとか、そういうちゃんと規則をつくっていかなきゃだめですね。この間、同じような話で、和歌山の住友金属、あそこのバルブが破裂して二人が死んだことがありましたね。それでそのバルブはどうしたのかというと、古いのだ、古いものをしたままで毎年検査をしてないのですね。そういう条件でたまたま破裂した。だから私はそのときに言ったのです、年に一回とかちゃんとそれを調べて、絶対安全だということを確認しておく必要があるのだと。ところが、それは法律にはそういうことになっていないのですよ。だから今度も、もしもこういうことをやるならば、新潟のあれが古いパイプがあったために破裂したということならば、そんなことじゃ安心ができない。それをどういうふうにしてそういうことをなくすかということ、そこまで私、考えていかなきゃいかぬと思うのです。そうでしょう。私の考え無理じゃないでしょう。
#139
○国務大臣(田中角榮君) よくわかります。それは検査をしなきゃならない、定期的にしなきゃならない、安全確認をしなきゃならない、間隔はちゃんとバルブをつけなきゃならない、そういう制度上のものは全部ございます。ですから、もう先ほど申し上げましたが、法律は完ぺきであっても、そのとおり行なっておらないということで事故は起こるんだということでありますから、そういうことのないように、これはもう完ぺきを期さなければならないということはお説のとおりでございます。それは基準をつくりますから、実際は十五年でもって償却できるようになっておりますが、しかし、実際はもつことは五十年もつ。五十年もつといっても、五十年までほっておけば新潟の古いパイプと同じような爆発をするおそれがあります。それは安全基準と定期検査というものによって、何年を過ぎたならばこれは当然エックス線による検査をしなければならない。いまでもガス漏れ検査はやっておりますから、そういう基準というものは明らかにしなければならないと、私はそう思います。
#140
○須藤五郎君 それは私は、やはり何年たったら検査するとかそういうことを法律で規制していくということが必要だ、そうでないと安心はできないということですね。それからさっきも大臣、ちょっとぼくが気になることをおっしゃった。コストの点もありますのでと、こう言った。こういう安全を守っていく上でコストというようなことをおっしゃるのは、私はそれはちょっとおかしいと思うのですよ。
#141
○国務大臣(田中角榮君) これは日本語をちゃんと理解していただけると、日本語としては、私よりはるかに先生であるあなたがそういうふうにおとりになるとは思わなかったのです。私のずっと申し上げていることは、安全ということは一〇〇%はできません。しかし、事実一〇〇%に近い処置はできます。材質は非常に最新のものである。しかも、工法としては被覆をいたします。被覆を二重、三重、五重、無制限に被覆すれば少なくとも九九九九に近い、学問的には一〇〇ではない、一〇〇ではないが一〇〇イコールというような数値は求められるはずであります。が、しかし、これはあくまでも事業でありますから、いいですか、事業でありますから、研究施設として学問的にただ証明するためにやる仕事じゃないのです。ですから、それはおのずから限界はございますので、だから無制限に被覆をするということは工事をやるなということなんです。それを高い税金を取れば、これは禁止税は、税金として払えば何でもやっていいということですが、学問的に禁止税というのです。禁止を目的として税を取るということになるのでありまして、これは一〇〇%にはならないという援用に言ったのですが、言わずもがなであれば取り消します。言わずもがなであれば取り消しますが、それはそういう意味で何重にもそれをするわけにはいきません。だから、そういうことでありまして、とにかく安全の確保は必要です。ですから、全世界で最新最大最強の制度を確立いたします、こう言っているわけですから、まあ私が要らぬことを言ったかもしれませんけれども、しかし、そこはひとつすなおにおとりをいただきたい。
#142
○須藤五郎君 あなたがおっしゃると、コストということばが私にはぴんと響くわけですね。営利という面が人命という面よりも先に立っていくようなことばに私は受け取れたから、やはり人命というものを第一義に考えて、コストに多少合う合わぬはそこはあなた考えて、そうしてやっていくという姿勢が私は必要だと、こう思うのでこういうことを申し上げたわけです。
 それでは次の質問。成田のパイプラインにつきまして、千葉の地元住民が強い反対運動を繰り広げているのは御存じのとおりだろうと思うのですが、反対運動をやっている人々は一人や二人ではないのですね、二万六千人にものぼる広範な人々でございます。これらの人々がなぜ反対するのかということなんです。それは、先ほどからずっと申しましたやり方が住民の意見を聞かない、住民不在、きわめて非民主的、一方的なものであるということです。それから二番目は、安全性についての納得いく説明が公団や千葉市から何らなされないままで、安全性の保障がなく、住民の生命、財産が脅かされる、これがおもな私は反対運動の理由だと思っております。
 安全性の保障がない住民無視の非民主的なやり方で進められておる成田パイプラインは、住民の同意を得られるまで工事を中止すべきであると私は考えます。絶対パイプの敷設は許すべきではない、そう私は思いますが、そうお約束ができますか、住民が納得するまでは工事をしないという。
#143
○国務大臣(田中角榮君) こまかい問題は事務当局からお答えいたしますが、あなたのいま言う、納得できない限りにおいては敷設を許さないというわけにはまいらないのです。そういうことは、これはまずその前提としては、納得を得るべく十分努力をいたします。理解を得られるべくこん身の努力を傾けます。当然のことです。それは絶対だいじょうぶです、こういうふうな計算をしておりますということをこまかく申し上げ、説明をして納得を得るまで努力を続けるということは、これは当然でございます。当然でございますが、ここで私に、納得が得られない限り埋設をとめろと、こういうことになりますと、そうでなくてもおくれておるあの新東京国際空港公団の業務開始は全然ストップするということを前提でここで申し上げなければならぬのですから、そうはできないのです。それは新東京国際空港にパイプラインができなければ現実的に運べないのです。これをタンクローリーで運ぼうものなら、それはもう事故は起こるのにきまっている。ですから、ほんとうにパイプラインの埋設をとめるということは、空港の開設をとめるということにつながるわけです。そうでなければ、タンクローリーで運んでまいるということになったら、それはもう東京のまん中を毎日タンクローリーだけが通るようになりまして、それはとてもできないのです。
 ですから問題は、このように新しい仕事でございますが、もう国会では法律も通していただきますし、これはこういうふうになるんです。国会でもこういう御注意がありました。それに適合するように、法律公布前でございましたけれども、各省と十分打ち合わせて各省の支持を得ながらやっております。こういうことで地元の納得を得る、納得を得て、そのときにいろいろ地元の要望があったらそれにこたえるようにしなければなりませんが、あなたがいまここで、おやめなさい、地元の納得が得られない限りにおいてはこの工事を差しとめるかという御質問に対しては、絶対だいじょうぶのものでございますし、それで納得すべく努力をいたします。しかし、一人も反対がなくなるまでこれは工事はやらぬということは、私の立場では申し上げられません。これは御理解をいただきたい。
#144
○須藤五郎君 そうすると、反対があってもどうしても工事をやるんだと、あなたの声を聞いていると。みんなが納得するまで工事をとめるわけにはいかぬ、だからやるのだ……。
#145
○国務大臣(田中角榮君) 一生懸命になって納得させますと言っている。
#146
○須藤五郎君 それじゃ、いまあの人たちが心配していろいろ反対運動をやっているのは、あなたはどういうように理解されるのですか。あんなばかなことを、こういうふうに理解をなさるのですか。無理もないと、こういうふうに理解なさるのですか。
#147
○国務大臣(田中角榮君) ばかなことだとは思っておりません。それは説得をしなければならないし、説得というのはただ説得ではなく、いろいろ説明をして住民の理解を得られるように努力を続けなければならない、また続けます、こう言っているのです、はっきり。それはそうでしょう。それは何かやっぱり新しいものをやるときには、空港の建設にあれだけ反対があったのですから、反対があるでしょう。だからそれはそれでしょうがない。空港はできそうである、そこへとにかく、石油がこなければ空港は動かぬであろうという立場の方もあるでしょうから、ですからそれはみんな安全基準だけで、反対じゃないと思うのですよ。それはいろいろありますよ。私は、それは住民が納得するように、技術的に安全でございますということを十分述べます、理解を得るようにつとめます、こう言っているのですから。あなたはそうすると、じゃ、あれやっているのは何も理解を示さぬのかと、そういうことじゃないんですから――それはあまりにも政治的じゃありませんか。
#148
○須藤五郎君 大臣の答弁が最も政治的なのか、私の質問が最も政治的なのか、これは国民が判断する問題ですから、私はそれ以上は申しませんけれども、私は、あなたの説明で成田周辺の人がみな理解を示せばけっこうだと思うのですよ。ところが、あなたの説明ではまだ足らぬですよ。だからみな納得しないのです。その納得しないのを押し切っていこうというところに、私は問題があると思うのです。その点をよく考えて、やはり政治家としての態度を示していっていただきたいと思うのですね。
 だって、石油パイプライン事業は、石油の輸送量の増大でこれまでのタンク車やタンクローリーでは運び切れない、どうにもならなくなった状況が予測されるところから石油資本が中心に推進していると、こういうものなんでしょう。これはそうでしょう。この事業は利潤追求の営利事業であり、パイプラインの利用者、一番利益を受けるのはごく少数の石油メーカーですね。国民はいまパイプラインを使用するということは全くないんです。これは石油メーカーですよ。国民はこんなものは使いませんよ。この点、電気やガスの場合とは大きな違いがあるのです。同じ公共といっても、石油パイプライン事業は石油資本のための事業であって、公共事業であるとは私は言えないと思いますよ。ここははっきりしておかなければならぬ。あなたも御同感だと思うのです、この点は。うなづいていらっしゃるから、大臣は私と意見を同じくするというふうに理解しておきますよ。
#149
○国務大臣(田中角榮君) いやいや、ちゃんとお答えします。
#150
○須藤五郎君 石油メーカー共同で行なう千葉から埼玉、栃木に至る東側パイプラインは言うまでもなく、国鉄の行なう横浜から八王子、南埼玉に至る西側ラインも、石油資本の意向、財界の要求に沿って計画されておるということははっきりしております。送油料金は石油業界の納得できるものであること、それから工事計画の内容は、将来石油業界の要望にこたえて一部変更は可能であることなどが、事前に話し合われておりますね。これは「経団連週報」でも明らかになっておる点でございます。私も持っています。しかも、国鉄のパイプラインは、初年度において全送油量の四分の一以上を占める米軍用ジェット燃料を送ることが想定されておるわけですね。米軍奉仕の側面も、また私は否定することができないと思います。
 パイプラインの計画にあたりまして、石油業界の意向は十二分に取り入れながら、他方、成田パイプラインに見られるように、住民の意向は全く無視されておる。安全性への疑問には、何ら納得のいく回答は与えられてないまま工事が強行されるということなんですね。業界優先、住民切り捨ての事実が、ここにあざやかに私は対比されていると思います。このような業界本位、住民軽視の性格を持つ事業が、どうして公共事業であると言えるでしょうか。これは言えないと思うのですね。いやしくも公共事業という限り、住民尊重の民主的なやり方と安全性の保障を解決することが、最小限私は必要だと思います。このルールを守り得ないパイプライン事業を、土地収用法の対象となる公共事業にあてはめるのはもってのほかだと私は思いますが、その点、どうお考えになりますか。
#151
○国務大臣(田中角榮君) 私は、この法律は共産党の方も御賛成いただけるのじゃないか、趣旨は、そう思っておったのです。しかし、依然としてどうも公式論をお述べになっておられるようでありますから、私もまあ率直なお答えをせざるを得ないのですが、いま公害の問題とか人命尊重とか、こういうことを言うときに、石油というものを使わないでよければ別でありますが、石油は二億リットルも使っておる。五十年には五億リットルになり、五十五年には七億リットルをこします。現在その六三・三%でありますか、これはみんな船で運んでおる。もう船はふくそうして、一触即発の状態である。もう一つは、二九・何%、三〇%はタンクローリーで道路を運んでおる、これはもう人命損傷のほんとうにそれは一歩手前である。
 そういうときに、この石油というものが、それはあなたの言われるとおり、水や電気ほどじゃないかもしれません。しかし、だんだんガスに近くなってきておることは事実であります。そういう意味で、生活の上で不可欠である。そうすれば、運ばなければいけない。運ばなければいけないものであるならば、最も安全に運び、住民に迷惑をかけないようにする。それは世界的趨勢であるパイプラインによらなければならないじゃありませんか、こう申し上げておるわけです。それをあなたが、そうではなく、全く要らないものを独占資本のために送っているようなことを言われることはおかしいのです。それは国民生活に重大な影響があるのです。じゃ、このままでさなきだに混乱しておる道路を、いまの三倍、五倍のタンクローリーが大型化して、一体われわれの家の前を走って、人命というものを守れるのかということをやはり考えていただきたい。そういう意味では、このパイプラインには賛成であると、だからその安全基準ということに対して、もう少し納得するようなものを出しなさいと、こういうふうなぐらいにしていただくほうが私も理解できるんです。ですから、これは公益事業ということに対して、まあ土地収用権は付与するということでしょうが、これは公益事業である。公共事業としてというよりも、この性質としては同じように土地収用権を付与しておる工業用水道事業法による事業、それから自動車ターミナル法による事業、こういうものに匹敵しても遜色のない事業である、こういうことは言えると思うんです。
 これは隣の国に送る石油パイプラインじゃないんです。お互いの生活のために必須の条件を整備しようと、こういうのでありますから、これはそういう意味で、いまよりも交通安全に資し、われわれの生命安全になり、道路はすいすいというわけにいかなくても、道路の混雑というものはいまよりもよくなるというのなら、それはある意味において新しいバイパスをつくるにひとしい効果を持つ。そうなれば公益事業じゃありませんか。だから、この重要性というものと、これが行なわれた場合の国民生活に及ぼす貢献度ということを考えると、これは私は、公益事業に準ずるものとして法律の制定を求めるというのは、あなたから言われるほどのとんでもない話だというふうに考えておりません。とんでもない法律じゃありません、これは。これをやらないでもって、これ一年でも二年でも延びたらえらいことになるんじゃありませんか。実際においてそうです。いまどんどんと法律によらずしてやっているでしょう。やっているからもっと強くしろと、もっと安全基準を強くするためには本法の制定を必要とすると、こう言っておるんでありますから、そこらを御理解いただきたい。
#152
○須藤五郎君 共産党はパイプラインに反対かと、こうあなたおっしゃるが、私も混雑のあの街路をタンクローリーで走ったり、あるいは鉄道でタンク車を運ぶ、これも危険だと思うんですよ。だから、それはパイプラインのほうが私もよいと思いますよ。しかし、よいというには条件が私たちにはあるわけですね。あなたは、よいということだけでもうやろうとするから、こういうふうに問題があるんです。私たちが政治をやるんだったら、住民の納得のいくように安全度をはっきり見きわめて、そうして住民と相談をして、安全を確保して、コストなどということは言わずにですよ、一〇〇%はいかなくても、九九・どれだけという、それぐらいの安全度を確認した上で私たちはやりますよ。住民に納得してもらってやりますよ。ところが、いまのやり方はそうじゃないから問題があると思うんですね。
 原子力発電所でもそうですよ。私たち、原子力そのものの平和利用に反対しているわけじゃないんですよ、共産党は。しかし、方々に原子力発電所ができることに住民はみな反対しますよ。なぜならば、弊害があるからですよ。そうですよ。だから、その安全をはっきり見きわめて、安全を確保した上でやるなら私たちも賛成してもいいと、そこまで思っているわけです。しかし、今日の状態では賛成できない。まず第一、平和の条件が確立できないという中で、原子炉をたくさんつくるということも危険だと思う。そういう点で、私たちはあなた方と意見が違ってくるんですね。そこへいくと、やっぱりあなたは企業を第一に考えるし、私たちはそうでないという差が――あんたは、それは私が言ったら心外に思うかもしらぬけれども、やはり自民党の政治というものは、そういう点、私たちの考え方と違う点があると、こういうことだと思うんです。
 だってね、丸善石油の社長、昨年二月のある会合で、石油パイプライン事業について、業界の代表として、業界としては、土地をぜひ確保できるようにしていただきたいと、政府・自民党筋に土地収用権を認めることを希望しておるわけですね。この石油業界の強い要望にこたえて、政府は土地収用権を認めるために、エネルギー政策、石油パイプラインの経済性の点だけではむずかしいので、交通の過密防止とか都市環境の向上に寄与するとか、あれこれの理由を考え出したというのが、私は事柄の真相だと思うんですね。すでに、さきに述べましたように、石油パイプライン事業は主として石油資本の営利を助けるものであって、憲法十三条の「公共の福祉」とか、二十九条の公共性というものには私は当たらないと思うんです、その点は。営利事業のために国民の土地を強制的に収用するということは、公共性の拡大解釈による収用権の乱用であって、憲法のたてまえからいきましても、絶対に私は許されないものと思います。そういう意味で、この石油パイプライン事業は土地収用の対象事業に追加すべきでない、法案から削除すべきだと思いますが、大臣はどういうふうにお考えになりますか。
#153
○国務大臣(田中角榮君) 土地収用権、土地収用の規定を盛る場合には、これを厳密な立場で規定しなければならぬということは、私もそう考えております。いやしくも、国民の権利を幾ばくかでも制約をするということになれば、これはもう法律によらなければならないということでございますから、これはもう非常に厳密な解釈をすべきであるし、また運用にあたっても、そうでなければならぬと思います。
 しかし、先ほどから申し上げておりますようにね、ものは角度によって見方は違いますが、そのくらい違うのかなと、しみじみたる思いでお聞きしておったんですが、それは初めから一つの全然――あなたは、さっき、石油の重要性も知っておると、それで自動車で運ばれちゃ困るんだと、よくわかるんだと、こう言いながら、あなたが認めておるにもかかわらず、その原稿をお書きになった方々は、初めからそれを認めない。そういうことはうけませんよ、実際。それは初めから特定な人の利益のために――特定の人じゃありません。それをやらなければどうなるということを私はさっきから言っているじゃありませんか。だから、あなたもお認めになったように、この道路をタンクローリーで運べば困るんでしょう。われわれの生命、安全さえも保持できないから、考え方は私も理解できると、こう言っておられるんだ。それだけ重要なんです、これは。重要なものを、初めから一部の業界の代表が要請をしたから、それにこたえ、実現をはかるために、いろいろでっち上げてこの条文を入れたと。それは酷ですよ。そんな考え方では、石油の重要性というものをお認めにならぬということじゃありませんか。私たちは、そういう一部の人たちの要請によってこの条文を設けたんじゃありません。それはそれだけの――公益事業、公共事業に断定はできないけれども、それだけのウエートはあります。それは国会でもって法律になっておる、すでに土地収用権が付与されておる工業用水道事業法に基づく事業、自動車ターミナル法に基づく事業等にも収用権は付与されておるじゃありませんか。それと今日の石油パイプラインと比べて、遜色はない。私の言うことをすなおに聞いていただけば……。
#154
○須藤五郎君 私はすこぶるすなおに聞いていますよ。
#155
○国務大臣(田中角榮君) あなたは私の答弁を聞いておると、すぐ理解されるんですが、また次の段階になると――それは立場が違いますから、それはいいです。いいですけれども、そういう立場でもって政府は土地収用権というものをつくったんじゃありません。土地収用というものはほんとうに厳密に考えなければならないということは、それはあなたが御指摘になった以上に考えております。
#156
○須藤五郎君 ぼくはね、大臣もなかなかすなおにものをおっしゃる方だとは思っていますよ。しかしね、ものの考え方に多少私たちと違う点があるんですね。これはやむを得ないかわかりません。私たちは政治的な立場が違うんですからね。しかし、共産党は石油の重要性も認めぬ、パイプラインの重要性も認めぬとあなたは言うから、そうじゃないんだと、認めておるけれども、その上に立ってどうするかという点について、あなたたちと私たちの間に意見が違うんだと、そういうことなんですよね。
 それじゃ、次に質問を進めていきましょう。
 石油はエネルギーの七〇%を占め、国民生活に欠かせない重要物資だと、こういうことをおっしゃいますが、国民の重要物資といいますならば、鉄鋼やセメントなども私は欠かせない重要物資だと思うのですね。それも公共事業であるということに私はなると思うのですね。いまあなたのおっしゃったような国民の生活に欠かせないものだということになるならば、鉄鋼だってセメントだって同じじゃないかという議論が成り立つと思うのですね。また、日本に石油やその他の資源を運ぶ船舶――造船、海運業も私は同様な公共事業だと、こういうことになると思うのですね。
 それじゃ、石油を運ぶという意味ではタンク車やタンクローリーも公共事業と、こういうことになってくるのですね。タンク車やローリーをパイプにかえる、これは輸送手段の変化にすぎないのであって、その事業が利潤追求の事業である本質に私は変わりないと、こういうふうに思いますね。まさかタンクローリーなどを公共事業だとはあなたおっしゃらないでしょう。それと同じことじゃないかと思うのですね。しかもパイプラインで運ぶ石油量は、全石油製品のごく一部分だ、ごく一部分ですよ。これを公共事業というのは私は成り立たないと思いますが、どうですか。
#157
○国務大臣(田中角榮君) 説をなそうとすればそういう説もできると思います。立論はできます。できますが、しかし、人間は歩いておったのです。歩いておったのじゃだめだから鉄道にしよう、鉄道には日本国有鉄道法というものをつくって、これは昔は鉄道省だったのです。税金でやっておったのです。だからそういうものから、それじゃいかぬ、それは戦後コーポレーションに直そうということで独立採算制に移ってきております。それでも公共事業である。道路とは違うけれども、国有鉄道は営利追求でもあります。営利追求というよりやはり国有鉄道法の精神は道路に近いものである。だから、ほんとうに国益を守るためならば国有鉄道の運賃はゼロにするじゃありませんか。非常事態や災害が起こったときに国有鉄道は無賃乗車を許す、それは道路に近い公共性を持っているからであります。同じことだと私は思うのです。だからそういう意味で、ガソリンというものはこれはいままでタンクローリーでもって送っておったものを今度パイプラインにするだけであるということは、ガソリンをタンクローリーでは困るのです。国民生活に要るものではあるが、必要欠くべからざるものではあるけれども、これを現状どおり送られたら国民生活の安全は保持しがたい。そういう意味でやむにやまれずやるのじゃありませんか。しかも、それは鉄道でもって送るタンク車の二分の一であり、道路を走るタンクローリーの二分の一であるということになれば、それだけは消費者価格も下がるのです。そういうことはやはりこれは政策として遂行するに価値あるものだと思うのです。
 そういう意味で、公共事業か公益事業かという判断は、鉄道とか、それから港湾とか道路とか、これはもう公共事業であります。しかし、電力もガスもこれは公益事業であります。明確に法律で公益事業というものではなくとも、三公社五現業ではなくとも、少なくとも法律による特殊会社であると同じことで、これは法律による公益性の、公共性の非常に高い事業である。これは法律に基づく事業であるということは事実なんです。ですから、そういう意味では観念的には公益事業の範疇に入るものと、こういうふうに御理解いただければ一番妥当だと思います。
#158
○須藤五郎君 電気やガスの関係はいまあなたが出されましたが、電気ガス事業と私は同様とは思わないのですね。電気やガス事業はサービスが直接不特定多数の国民に行き届いておるわけですね、明らかに。ところが、パイプラインは利用者が特定の少数の石油メーカーだと、こういう点で私は、電気やガスと同列に考えることはできないと思いますよ。それはちょっと大臣の考え違っていると思うのですよ。
 それから、確かにタンクローリーが走るよりはパイプラインというのは交通緩和にはなるという意見もあります。それは、一応そういうことは私も承認しますが、ところが、遠方へ運び片道空車というメーカーにとっては不経済な部分が少しばかり私は減るにすぎないように思うのですね。だって、パイプの着地点といいますか、Aの地からBの地へずっと行きますね。そしてそのBの地から方々に枝葉が分かれてまた運んでいくのでしょう。だから、AとBの間は多少交通が緩和されるかわからぬけれども、今度はAからBに行った、Bからほかに行くときには、そこからは今度は今日より以上に交通はふくそうしてしまうわけですね。それで公害だという考え方がある。そういうことになるのでありまして、交通の緩和といったってごくある限られた区間であって、その緩和がほかのところでは緩和どころではない。そこで非常にふくそうするということは起こってくると思うのですよ、その点で多少の緩和はあるということは私も認めますけれども、そればかりで納得はできないと思うのですね。こういう点大臣、どうお考えになりますか。私ももう時間がまいりましたのでこれ以上質問はいたしませんが、どうですか。
#159
○国務大臣(田中角榮君) まだいろいろ御質問があるようでございますが、いまのような話、なかなかこれは確かに比較をするとすぐわかるのです。いま国道一号線というのは車で一ぱいでございます。ですから東名高速道路をつくったわけです。これもまたいっぱいでございます。中央高速道路をつくらなければならないということ。そこでまた英知は何によって解決するか。道路だけつくっているとこれはたいへんなことになるということで、これは新幹線をやろうということになっているわけです。新幹線というもので低廉大量に運んできて、そしてある地点、ある地点におろす、こういうことであります。だから、これは東京でも七号線の中には車の乗り入れを禁ずる。禁ずる場合にはどうするか。地下鉄を建設せざるを得ないのです。地下鉄網、代替運輸機関を持たずして車を乗り入れ禁止では歩いてこなければいけません。これはもうそんなことできるわけはないんです。ですから、どうしても安全大量で国民の利便をはかるということになれば地下鉄であります。地下鉄は乗る人だって乗らぬ人だってありますよ。タクシーで来る人もありますし、歩いてくる人もあります。バスのほうがいいという人もあります。しかし、地下鉄はあくまでも公益事業、地下鉄を公益事業と思わぬ人はありません。これは地下鉄に土地収用権を付与してもだれも容認します。そういうことじゃありませんか、同じことだ。だから、それは二点間の幹線がパイプになるのでそこだけは閑散になるかもしらぬが、先はたいへんだ――その二点間がたいへんなんです。その配送をする点、拠点拠点まで送るのにそれはもう国道一号線がパンクの状態になっておるじゃありませんか。車はいまの三倍になる、ガソリンは三倍になるというのです。これはいまのタンクローリーが大型になって走ろうものならば、われわれも車などでもってとても登院できなくなると思うのです。だから、そのくらい危険なものをパイプラインによって合理的なものにする、それは世界のもう大勢である。
 こういうことから考えますと、私はほんとう申し上げますと、過密地帯というものはそういう新しい制度に変えない限りにおいて国民の健康とか国民の安全は確保できない、こう思うのでございまして、これは新しいものでありますから世界で例のないほど厳密に監督もし、基準もきびしくすべきだと私は思います。で、安全は絶対に守らなければなりません。それこそ安全第一である。しかし、あなたがいま申されたように、これは価値が少ないということですが、価値が少ないのではなく価値は大いにあるが、しかし、工事執行に対してはお互いに万全を期しましょうと、こういうふうにひとつお考えいただければはなはだ幸いでございます。
    ―――――――――――――
#160
○委員長(大森久司君) この際、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 石油パイプライン事業法案の審査のため、本日、参考人として、新東京国際空港公団施設部長福岡博次君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#161
○委員長(大森久司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#162
○大矢正君 この法律案は、極論をすれば日本の行政機構をみんな含んでいるような、どこに行政上の中心があるのかわからないほど非常に複雑なものでありますがゆえに、一体だれに指名をして質問をしていいのか私自身わかりませんから、それについては自分は確信を持っているから答弁してやろうという立場がおありの方は、どなたでもけっこうですからお答えいただきたいと思うんです。
 まず第一に、三十八条の「主務大臣」についてお尋ねをいたします。この三十八条、「この法律における主務大臣は、次のとおりとする。」、以下五つに分けてそれぞれの主務大臣を規定をしておるわけでありますが、それが三項にまいりますと、「第二号から第五号までの規定にかかわらず、日本国有鉄道が行なう石油パイプライン事業にあっては、」云々ということばがあるんでありますが、この三項、すなわち、日本国有鉄道が行なうパイプラインについてはいま申し上げました主務大臣は違うのですよということはどういう理由からそういうことになるのか、お尋ねをいたしたい。
#163
○国務大臣(田中角榮君) 四省共管になっておるわけでございますが、いま御指摘ございましたように、三省及び四省と、項によって分けておるところがございます。それで国有鉄道の「工事の検査及び保安検査」という検査事項につきましては、運輸大臣及び自治大臣でもって担当ということで、これは通商産業大臣は入ることはないということでございます。それから……。
#164
○大矢正君 なぜそうなるのかということを聞いておるんです。
#165
○国務大臣(田中角榮君) それはまあ国有鉄道の施設の中のものでございますから、これは通商産業大臣がやらなくとも、事務的には四省でもってちゃんと協議ができるようになっておりますので、責任は運輸大臣及び自治大臣、自治大臣というのは火災とかその他のものであり、これは普通なら鉄道敷は運輸大臣専管でもいいと思ったのですけれども、これはやっぱりそうなって、それから、空港のほうは工事の計画及び検査でありますので、これは保安に関するものでありますので、運輸大臣ということにいたしたわけでございまして、これは……。
#166
○大矢正君 いまの何の話をしているんです、大臣のいまの話は。私は三項の話を聞いているんですよ、国有鉄道にしたのを。
#167
○国務大臣(田中角榮君) 三項のならけっこうです。
#168
○大矢正君 そうすると、いまの大臣の答弁からいくと、国鉄パイプラインというのは国鉄の線路敷を使うから、したがって国鉄にたとえば工事の検査、保安の検査に関することについてはまかせたほうがよろしかろう、こういう解釈になるわけですね。といたしますと、次の第四項の「新東京国際空港公団が行なう石油パイプライン事業にあっては、その事業用施設についての工事の」云々というやつがありますが、これは一体どういう理由でやるんですか。
#169
○国務大臣(田中角榮君) さっき申し上げたのは、国鉄に関するものはすべて運輸大臣にまかせたというのではなく、これは基本計画と工事計画は四省大臣がやるということでございますので、通産大臣も入っておるわけです。ところが、この工事の検査及び保安の検査、検査に関する限りにおいては、これは運輸大臣と自治大臣でよろしい、こういうことでございます。
 それから後段の第四項の問題に対しては、政府委員から答弁させます。
#170
○政府委員(莊清君) 空港公団につきましては、関東パイプライン、純民間でございますが、それに対する関係各大臣、四大臣が監督をいたすわけでございますが、それと、国鉄のもっぱら行なうパイプラインとちょうど中間の扱いになっております。というのは、国有鉄道と違いまして空港公団は本来飛行場の関係の業務でございまして、本来輸送をやっておるわけでもございません。そういうことで、工事計画の認可、これは保安基準に適合しておるかどうかの認可でございます。その段階から運輸大臣だけではなくて自治大臣、つまり消防業務を所管しておる自治大臣もその認可権を持って加わる、こういうふうにすることが必要である、こういう判断からそうなったわけでございます。
#171
○大矢正君 私も何も勉強しないで質問しているんじゃないんだから、どこがどういう所管をするか、どこを削除するかということはわかっておって聞いておる。いいですか、国鉄パイプラインというものはなぜ認めたか。それは国鉄の線路敷を使うからこれは国鉄にやらせざるを得ないんだというならば、それはそれでわかるんですよ。では空港公団のパイプラインについては、空港公団というものは、それは飛行機を飛ばすのが目的でしょう、油を輸送するのが目的の公団じゃないわけです。そういうものへまかせたという理由は、今度は本質的に違うんじゃないかというんで、それを同一の扱いをすることの理由は何かを聞いておる。
#172
○説明員(原田昇左右君) 空港公団は空港におきます飛行機の給油施設の建設運営を行なうことができることになっております。そしてその設置管理につきましては、空港公団が行ないます成田空港の維持管理と一体的に行なう必要がございますので、この場合、給油施設としての意味を有する石油パイプラインの事業を空港公団が行なうという特殊な立場がございますので、その第四項のような取り扱いをいたしたわけでございます。
#173
○大矢正君 あなたにお尋ねしますが、飛行場でジェット燃料が必要だからというなら、なぜ羽田空港ではパイプラインをつくらないかというんです。
#174
○説明員(原田昇左右君) 羽田空港は直接、はしけによりまして輸送されておるわけでございます。
#175
○大矢正君 あのね、いいですか、空港公団というものが油を使用するから、したがってパイプラインをやらなければならぬというんだったら、今度は使用目的ごとに全部会社をつくらなければならぬという理屈になりませんか。たとえば、国鉄の場合には国鉄の線路敷というものを使う。したがってこの際、やはりそれは国鉄に十分監視もしてもらわなければしかたがなかろうという理屈は成り立つと思う。ところが、油をあなた方は安定的に供給されればいいわけでしょう、ジェット燃料を。それなのになぜパイプライン事業まで手を出さなければならぬのか。そうしてその部分について、たとえば保安の問題、検査の問題その他の問題については運輸大臣、すなわち、それも専決事項にしなければならぬのかということを聞いておるんです。
#176
○説明員(原田昇左右君) 空港公団は、公団法によりまして、航空機給油施設もあわせて空港公団の業務として行なうことになっておるわけでございます。したがって、「航空機給油施設」の意味を持ちますパイプラインの建設運営というものを空港公団がやることは、空港公団法の第二十条の業務に照らしまして空港公団が当然やる事業として考えられるわけでございます。
 もう一つ先生のおっしゃいます、鉄道敷と違うじゃないかという点は、それは当然でございまして、飛行場の外に設置される部分につきましては、国鉄が行なうものと違いまして主として道路敷を使用して敷設されるわけでございます。したがって、この意味ではほかのパイプラインと異なるものではございません。したがって、一般的に保安面を監督する立場にあります自治大臣と運輸大臣が共同して空港公団のパイプラインの保安面の監督を行なうことにいたしたわけでございます。
#177
○大矢正君 だから私はさっき申し上げたように、今度こういうことになりますと、たとえば郵政省に関係した油を使う何かのものができたら、それは今度は郵政大臣が保安から何からみんな検査しなきゃならぬという、そういう理屈になっていきませんか。私は、国鉄の場合ならまだわかるような気がいたしますよ、線路敷を使うんですから。これ以上議論してもしょうがありませんがね、ただ安定的に供給をするとか、それから安全を維持しなきゃならぬとか、何かやはり目的をはっきりしてこの際やるべきじゃないのか。どっちを向いているのかわからぬようなこういう法律の立て方。もっと極論するならば、とにかく、空港はこれは運輸省だから運輸省にやらす、こっちはこれにやらす、それ式にやったら日本国じゃうの行政機構はそれこそみんなパイプラインをつくらなければならぬじゃないですかと、私はそのことを申し上げているのです。パイプラインはなぜ通産省にやらせないのですか。
 それから次にお尋ねをいたしますが、新東京国際空港公団の宣伝のビラがありますが、いかに安全かということを宣伝しているビラですよ。これには「タンクローリーで輸送するよりはるかに安全です」と、表題がそうなっているのですよ。「タンクローリーで輸送するよりはるかに安全です」と、絶対的にはるかに安全でございますという論拠はどこにある。だれか答弁できる人があったら言ってもらいたい。
#178
○参考人(福岡博次君) 先ほどからお答えしておりますように、タンクローリーでやりますと地上の交通は非常に危険でございます。そういう点を申し上げたので、数字の点でわれわれが確信を持って申し上げるというわけにはまいりません。
#179
○大矢正君 あまりこまかいことを言うとおとなげないようだから、次に行きますよ。私の聞くのは全部新東京国際空港公団のビラを前提としてですから、そのつもりでお答えをいただきたいのです。
 まず、中の一部を読ましていただきますと、こう書いてあります。「ジェット燃料は家庭で暖房用に使う灯油と同じように揮発性が低く、ガソリンやガスと違って簡単に引火しません。」、したがって安全でございますと、こう書いてある。ところがこれは語るに落ちると思うのです、私に言わせれば。その前に何と書いてあるかというのです。「ジェット機に使われている航空燃料には、現在、灯油系とまったく同じものと、灯油系とガソリンを半々に混ぜたものとの二種類があり、空港公団のパイプラインは、この二種類の航空燃料を新空港に送油することになっています。」と、こう書いてある。これこそ語るに落ちるということになるのじゃないですか、どうですか。
#180
○参考人(福岡博次君) お答えいたします。
 ジェットAと申しますのは、先ほど申し上げましたように物理的な性質は灯油と同じでございます。それからジェットBは、いまおっしゃいましたようにガソリンと灯油が半々まぜたものということでございます。そういう点ではジェットBはマイナス一度からマイナス二十三度までの性質を持っております。ガソリンはマイナス四十五度の引火点でございます。そういう点で性質は明らかに違います。
#181
○大矢正君 それは私はガソリンと同じだとは申しませんよ。申しませんが、わざわざここにあなたのほうが、灯油系とガソリンを半々にまぜたものとの二種類と書いてあるじゃありませんか。それでもって「簡単に引火しません」と、絶対的なという用語を使うから、私はあなた方の言っていることがおかしいじゃないかと、こう言っておるのです。
 それからその次に、同じこの中に、また、かりに万一、パイプラインから燃料が洩れたとしても、自動装置ですぐ送油が停止される」と、それはあたりまえでしょう、とめれば。しかし出ませんか、絶対に出ることはありませんか、これをとめたら。自動的に自動装置で送油をとめましたら、出ませんか。私は出ると思いますよ。どう思いますか、一滴も出ませんか。
#182
○参考人(福岡博次君) これは三〇リッターの量が漏れますと全部の装置がとまるようになりまして、ポンプもとまりまして、緊急遮断弁が全部閉まるようになっております。それでいまのお答えになりますが、圧力は、これは液体でございますので、すぐ大気圧に下がります。そういう点から、漏れる量は微量でございます。それから、緊急遮断弁は二十二カ所に設けてございまして、これは空港までの地域の高低差、それから重要な施設というところを基準に置きまして設けておりますために、それの高低差による量というのは微量でございます。で、大気圧のために出る量は非常に限定されるというふうに考えます。
#183
○大矢正君 次に、「大きい地震にもビクともしないことが証明されています。」、管ですよ。送油管が「大きい地震にもビクともしないことが証明されています。」、地震にびくともしない送油管というのがいま世界にあるのですか。
#184
○参考人(福岡博次君) これは私どものほうで調査いたしましたデータに基づきまして計算を十分いたしました結果、関東大地震のような地震がございましてもびくともしないという確信を持っております。
#185
○大矢正君 関東大震災というのは何度ですか、震度は。
#186
○参考人(福岡博次君) マグニチュード七・五だと記憶しております。
#187
○大矢正君 そうすると、七・五というようなそれこそものすごい大きな地震でもびくともしないと、こういう解釈をしているわけですね、間違いないですね。
#188
○参考人(福岡博次君) はい。
#189
○大矢正君 私はあるところから資料を得ておりますがね、いまのかなり高級な管を使っても大体四から五くらいになってくるとかなりの影響があらわれてくるという資料を私持っているのですが、あなたは絶対にそういうことはないと確信を持ってここで言えますか。
#190
○参考人(福岡博次君) 私どもはそういう確信を持ちまして計画設計をいたしております。その上に、この問題につきましては関係の機関と十分協議の上定めております。
#191
○大矢正君 次に、「溶接個所はすべてX線検査」云々と、こう書かれてありますね。日本の国にはエックス線検査以外に正確にひび割れ、割れ目、その他検査する方法はないんですか。
#192
○参考人(福岡博次君) このいま先生がごらんになっていらっしゃいますパンフレットに十分言い尽くしていない点がありましてたいへん恐縮でございますが、私どもの検査は、全数にわたりまして溶接個所はエックス線検査を行ないます上に、重要な個所は別の非破壊検査を実施する予定にしております。
#193
○大矢正君 私は、いままでいろいろとあなたのほうで出しておるこういう、地域住民に対して絶対に安全だと、心配はないんだという資料というものは、私のようなしろうとが考えてもかなり問題があるように思われるし、正確にこれを技術的にやっていけば、まだまだ議論の尽きないところだと思いますが、時間の関係があるから、私はこれで終わらしていただきますが、次にお尋ねいたしますけれども、鋼管の肉の厚みは、普通安全度と呼ばれるものはどれだけあるんですか。
#194
○参考人(福岡博次君) 私どもの計算によりますと、鋼管の持ちます強度の約三〇%でございます。それはすべての応力を含めてございます。
#195
○大矢正君 管の肉の厚みは幾ら。
#196
○参考人(福岡博次君) 十一・一ミリメートルでございます。
#197
○大矢正君 荘さん、衆議院であなたがこの肉の厚みの問題、これに対しては、技術上安全といわれております厚さの二倍を下回らない程度の安全をさらに見込みまして云々と答えていますね。それは何ミリのことをさしているのですか。
#198
○政府委員(莊清君) 関東パイプラインの場合、十八インチの管でございます。空港公団は十六インチでございますが、安全といわれておる数字が大体五ミリを若干切ったところ、四・五ミリ程度と聞いておりますが、空港公団の場合でございますと二倍以上で、二・五倍程度の安全係数を見たということになっております。今後各省での技術基準をつくります場合でも二倍以上の係数、二倍以上、幾らにするかということを今後さらに検討して詰めていく、こういう方針であると衆議院のときに私はお答えしたのです。
#199
○大矢正君 私のところの資料がありますが、これによりますと、大体安全と思われる肉厚は六・七八になっている。それを倍にいたしますと、十三以上にならなければあなたの言うことばに合わなくなってきますが、これはどうなんですか。
#200
○政府委員(莊清君) 各国とも安全係数というので、何割増しかのものを基準にしておるようでございまするが、いま御指摘の数字はヨーロッパの一般の水準の肉厚ではないかと思いますが、それはわが国で考えております二倍以上ということではなくて、一・何倍という安全係数を見た場合の肉厚であると思います。
#201
○参考人(福岡博次君) ちょっと補足説明になりますが、先生の御指摘の点は、当初の計算にすでに安全性の二・五というのは含んでおります。
#202
○大矢正君 いやいや、あなたのいう当初というのは何のことをさしているのですか、具体的に言ってください。
#203
○参考人(福岡博次君) 先ほどおっしゃいました約六・八ミリメートルの厚みを計算する過程において、二・五という安全係数を見込んで計算したものであるということでございます。
#204
○大矢正君 そうすると、そのことと荘さんのおっしゃられることとは具体的に同じことなんですか、それは。
#205
○政府委員(莊清君) 同じことであろうと考えますが、担当課長からこの点ちょっと補足をさしていただきます。
#206
○説明員(根岸正男君) 先ほど先生の御指摘にありました六・七八ミリメートルという数字は、いま空港パイプラインのほうで御説明いたしましたようにパイプの厚さは、これはパイプの径と中に入ります圧力に比例するわけでございます。あと使います材料の引っ張り強さに反比例するという形になるわけでございます。ですから、これはそういうこまかい計算のバリエーションはございますけれども、そういう計算でいきますと、たとえば空港の場合では、十六インチで通しますのがたしか三十キログラム、こういうふうに聞いております。二ミリぐらいの厚さでけっこうだという数字になるわけでございます。それに対して、二ミリあるいは二・幾つかの数字になるわけでございますが、それに二・五を掛けておるというふうに、私のほうはその六・七八の算出根拠は詳しく聞いておりませんけれども、了解しているわけでございます。
 ちょっと追加さしていただきます。それで先ほどの十一ミリというのは、六・七八に対してあと外力に対する影響を加算して十一ミリという計上をしておるというふうに聞いております。
#207
○大矢正君 法律の中にも、技術基準ということばが何カ所か出てまいりますね。その技術基準というのは、いまでき上っているのですか。と申しますことは、各省それぞれありますからね。あるいは各省だけではなくて学会その他の検討もありますから、そういうものを最終的に集約をして、これだけあればだいじょうぶだというふうに、全体で納得した技術基準というものがおありになりますか。
#208
○政府委員(莊清君) 現在はまだ検討中でございまして、完全なものができておるわけではございません。
#209
○大矢正君 そうすると、いますでに二キロメートルは完成をし、しかもほか四十二キロメートルにわたっては、かなりの部分で工事が進捗しております空港パイプラインについて技術基準がなくて、何を基準でこの工事が進行されておるのでしょうか。
#210
○参考人(福岡博次君) 私どもといたしましては、これは非常に重要な施設でございます。皆さんに御心配をかけてはいけないということで慎重に検討を重ねまして、高速道路調査会に委嘱をし、それの結果、大体東京消防庁の石油類導管技術基準に基づきまして計画を立てたわけでございます。それをその後地元の市町村の当事者の方、それから千葉県、それから中央の所管庁の御意見を全部伺いまして、その内容をきめたわけでございます。
#211
○大矢正君 あなた方もいろいろ努力されておやりになったであろうことは想像いたしますが、あなたがやられた、考えられた、あるいは検討されたそういうことで、そうすると技術基準というものはきまってしまうのですか。今度の技術基準ですよ、法律に基づく技術基準というものはきまってしまうのですか。
#212
○説明員(原田昇左右君) ただいま空港公団から申し上げましたように、空港公団の今回の工事の実施につきましては、公団として確たる技術基準をつくりまして、そうしてそれに基づいてやっておるわけでございます。私どもは、これが十分安全を担保するものであると確信しておる次第でございます。したがって、本法に基づいて定められます技術基準に抵触するようなことは万一ないと考えておるわけでございますが、万一にもそのようなことがございますれば、今後修正するにやぶさかでございません。
#213
○大矢正君 あなた、自信ありげな御答弁をされるようですが、そうするとあなたのところの技術基準を今度は全部の技術基準にするという前提がない限は、いいですか、あなたのようなことばは出てきませんね。そう思いませんか。私はしろうとですからよくわかりませんが、一般論として考えてみた場合に、あなたが絶対に自分のやっている技術基準というものは間違いないのだという前提でやっておられるとすれば、そうすると、今度でき上がる技術基準というものはそれが技術基準になるんだというふうに考えざるを得ませんね。そうすると、何のためにいまの段階で技術基準がないのかということを私は聞かなければならぬ。
#214
○説明員(原田昇左右君) 本法に基づいて定められます技術基準というものは、今後定められるわけでございますけれども、もし、将来本法に基づいて定められます技術基準に抵触するような事項が出てまいりますれば、それは修正いたしていかなければならない、こういうように申し上げたわけでございます。
#215
○大矢正君 技術基準でそのとおり工事がやられているかどうかという問題は、これは全体的な、言うならば、全体を通しての監督なり、それから立ち会いなり、そういうものの上において確認をされるわけでしょう。でき上ってしまってから全部掘り返してやれますか。たとえば、技術基準があなたがやられたところの技術基準よりももっときびしい技術基準が国会の議論やなんかを通じてでき上った場合に、四十四キロのものを全部掘り返してみんなやり直しやれますか。
#216
○説明員(原田昇左右君) いまのは仮定の議論でございますので、いろいろあるかと思いますけれども、私どもとしては、空港公団の現在やっております技術基準が相当程度レベルの高いものであろうと考えております。それに非常に欠陥があるという事態が発生いたしましたならば、これはもちろん修正する必要があろうかと思います。
#217
○大矢正君 通産大臣にお尋ねしますけれども、技術基準はきまってないと、こう言うのですよ。それはなるほど空港パイプラインが早くできなければ給油ができないから、したがってたいへんだということは、私はわからぬわけじゃないのですよ。わからぬわけじゃないんだが、技術基準があるかどうかと言えば、ないと言う。法律だけは通せと言う。こういうことでは私どもとしてはこの法律に賛成ができないということになるわけですよね。そう思いませんか。
 それからもう一つ言わしていただくならば、先般の竹田四郎君の質疑に対して、万一手抜き工事があったならば、それをやり直させますと、こう答弁している。手抜き工事があるかないかはみんな掘り返してみないとわからないでしょう。これはどうやってやりますか。
#218
○国務大臣(田中角榮君) これは、この法律が早急に必要であるということで御審議をお願いしているのです。これは法律がなくとも現実できるのです。
#219
○大矢正君 そんなこと知っています。
#220
○国務大臣(田中角榮君) できるのです。ですから、このままほっておけば、法律なしでもってやれることになるわけです。そうなってはこれは困るので、法律を一日も早く制定をしてもらって、そうしてその法律による技術基準や、それから検査機構やいろいろなものを明確に法定をしたい、こういうことでお願いしているわけです。実際問題としてはいまやろうとしておる国鉄の工事も、それから現に施行中である空港公団の工事も、これは新基準に合うような――いずれにしても新基準というのは、これから法律ができてから四省でやる。法律に基づいて正規な会合をして積み重ねなければならぬわけでありますから、法律上の基準というものを新たにつくられるわけですが、いま高圧ガス取締法とか、それから空港の中をパイプでもって引くとかいう現実的な基準があるわけです。基準というよりも技術上守らなければならないものがあるわけです。ですから、その意味では専門家なんです、いずれにしても。空港の建設そのものがもう非常に高度の技術を要しておるわけですから、そういう意味で民間がやっているということになるとめんどうでございますが、まあ国鉄と空港公団がやっているものに対しては少なくともこの法律に適合する規格ということで、この法律を成立をさせていただくということを前提にしてやっているわけです。
 しかも、運輸省は国鉄という最もうるさい状態におけるパイプラインということを基準にしていまのものをやっておるのでございまして、これは掘り起こすということはむずかしいにしろ、工事施工の過程において、本法の適用を受けていると同じ体制によってやっていることは事実なんです。ですから、ほかの事業がいろいろな、民間が用地を買ってがたがたやっておるのとは違いまして、これは空港公団の中のパイピングそのものが非常に高度の技術を要するものであるので、そういう意味では、本法施行後新たに継続されて行なわれるものと同規格以上に厳密に工事が行なわれている、こういうように理解していただきたい。
 ですから、そういう意味で、この法律が通ってから、前のものを全部この法律の適用施設にするのはおかしいじゃないかということは当然出てくるわけです。出てくるのですが、それは法律が現にないわけでありますし、そうすると、普通の安全基準でもって安全であると認められれば、これをやってはならないという法律がない限りにおいてできるわけです。ですから、まあそこを早く空港公団や運輸省で、これはもう三年もこの法律をがたがたとやっておりながら、ついに空港の業務開始に間に合わせるために、やむを得ずこの法律の成立を待たずして着工しなければならなかったというだけに、工事は厳密であり、しかもこの法律が施行後は適用を受けるように、受けても問題はまあ議論の上ではあります。確かにそれはもう法律のない場合につくったものを一体どうだと、しかし、まあこの法律ができて基準ができれば、この工事の工程とか一切の基準はいま部長が述べておりますように、一切の記録があるわけです。あるわけですから、それと適合して、今度の新しくできる基準よりも上回っておるはずであります。少なくとも下回るというところはない。下回ればそれはその部分は改修命令を出させるわけでありますから、そうなれば十分この法律に適合する施設として認定をしてしかるべきである、このように考えております。
#221
○大矢正君 これは議事進行に関してですが、速記をとめさしてください。
#222
○委員長(大森久司君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#223
○委員長(大森久司君) 速記をつけて。
 これにて午後七時十分まで休憩いたします。
   午後六時九分休憩
     ―――――・―――――
   午後七時十三分開会
#224
○委員長(大森久司君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 熱供給事業法案を議題とし、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#225
○竹田現照君 会期も最終日で時間も追ってますので、まとめて質問していきますから、お答えのほうもひとつ心得てお願いします。
 熱供給事業の範囲というのは地域冷暖房、あるいは工業用の熱供給事業、あるいはまた蒸気供給を目的としたような事業、あるいはまた私の札幌で計画をされているごみ焼却炉の発生熱を利用した供給事業等いろいろと考えられておりますけれども、この問題についてどういうふうにお考えになっておられますか。
#226
○政府委員(三宅幸夫君) ただいま御指摘のとおり、現在行なっております熱供給は、ほとんど地域冷暖房が大宗を占めておりますが、若干給湯を行なっておりますし、また蒸気をクリーニング用あるいは厨房用に使用する。あるいは小規模ではございますが工業用のプロセス蒸気に使っているケースがございます。非常に流動的かつ将来発展すると期待される産業でございますので、そういった比率はわかりませんが、供給事業法案の定義にありますとおり「加熱され、若しくは冷却された水又は蒸気」というものを導管で供給する形態でございまして、今後ガスのエネルギーの有効利用、大気汚染防止といった観点から相当普及され、将来は農業用あるいは漁業用等の多目的の熱供給システムがおそらく開発されるんではなかろうかと、かように存じております。
#227
○竹田現照君 次に、この「地域暖冷房事業の振興について」という総合エネルギー調査会の熱供給部会の冊子にも書いてありますが、北海道を除いては大体全般的に温暖であたたかいと、さらにまた日本の家屋構造、これは木造だとかあるいは鉄筋等々含めて木造が非常にまだ現状多い。そういうふうなことを考えたときに、この熱供給事業の普及の可能性というのはどの程度考えられるのか、このことについてひとつ伺いたい。
#228
○政府委員(三宅幸夫君) 御指摘のとおり、日本は一般論として温暖な国でございますが、地域によりまして、また季節によって非常に格差がひどいという特色の気象条件ではなかろうかと思います。東京は非常にむし暑くて、そして単に寒いだけでなしに、はだに刺すような寒さを持っておるという点では、同じ温度でも諸外国から見て不利な気象条件ではないかと、かように考えております。そういう意味におきまして、冷房あるいは暖房、あるいはそれを兼ねました事業というのは都市構造の変化とともに相当のスピードで普及していくのではなかろうか。現在十カ所ばかり稼働しておりますが、すでにアンケート調査を地方公共団体等々でいたしました結果、全国的にここ数年の間に七、八十のプロジェクトがあるようでございます。
#229
○竹田現照君 この地域冷暖房には相当の金がかかるわけですけれども、たとえば、北海道等でだんだんと居住者の負担が非常に多くなるというような不満も出ておったというようなことをちっと新聞で私は記憶しますけれども、そういう経費の面で普及が必ずしも思うようにいかないのじゃないか。新しい団地だとか、あるいは都心部におけるビルだとかいうところにはありますけれども、この部会でもいろいろと討議をされているように、広く全般的にこの供給事業が普及するには経費の面でかなりむずかしい面があるのじゃないか、そう思いますが、どうですか。
#230
○政府委員(三宅幸夫君) 確かに熱供給の事業の値段というものは非常に大きな問題でございます。先ほど御指摘にありました北海道では、暖房手当が大体月六千円ということになっておりまするので、大体の値段はまあ二DKで四千円台、それから三DKで五千円から六千円という値段でなければお客さまに満足は与えられない。そういう値段を前提にいたしまして現在設備投資を、しかも、相当また先行投資を行なっておりますので、各企業は非常に赤字でございます。期間利益が三、四年は赤字が続くのではないか。累積赤字を解消するには七、八年かかるだろうと思います。しかし、そういった資金コストを薄めるために私どもといたしましては、本年度から特に開発銀行の新しい融資の方式を設定いたしまして、できるだけ初期の段階における資金コストを引き下げることによりましてこの事業の普及に資したいと、かように考えております。
 また、今般提出いたしました法律案の附則におきまして地方税法並びに法人税法の一部改正を行ないまして、他の公益事業同等の特別措置を税法上の措置を講じた次第でございます。
#231
○竹田現照君 いまのお答えの点、最後にお聞きしょうと思ったのですが、ついでですからここでお尋ねしておきますが、たとえば、札幌市がやっているようなものも借り入れ金が相当膨大な金になっていると思うんですね。そういう意味で、こういう公益事業に特別な助成という意味では、税制上の問題は今後この法律、あるいは四十七年度のいろんな施策の中に出ていますが、たとえば公害防止事業団からの融資、北東公庫からの融資、こういう面でいまなお一考を要する面があるんではないか。たとえば、公害防止事業団の金利五・五%をこういうところは三・五%にしてほしいとか、あるいは据え置き期間の問題等々について数多く現実に先行している事業ではたくさん要望が出ているわけですけれども、そういう問題が税法だけではなくて考えられない限り、結果的にいま燃料手当に見合う云々と言っていますけれども、その燃料手当だって必ずしも十全に満たされているわけではないわけですから、結果的には経費負担増ということになってくる心配が非常に大きいわけですけれども、この点はどうですか。これはむしろ大蔵省なんですけれども、きょうは出ておりませんから、お答えをいただきたい。
#232
○政府委員(三宅幸夫君) 御指摘のケースは北海道のケースでございますが、これはつとに公害防止事業団から五分五厘という特利が設定されて、引き続き融資を続けたいと考えております。据え置き期間の問題につきましては、なお改善の努力をいたしたいと考えております。また、現在資本金が北海道熱供給公社は十億でございますが、そのうち七割は北東公庫、あるいは北海道庁、札幌市が持っております。今回五割増資をされると聞いておりますが、そういった観点におきまして、公的な資本が入ることによりまして、資金コストが総体的に薄まることを期待いたしております。
#233
○竹田現照君 ほとんど新しい都市計画等に基づいて、あるいは工業配置等の問題に関連してこれがいま進められておりますけれども、都市計画との関連性をどういうふうに持っていかれようとするのか。これはパイプラインの法律の問題のときにも収用法との関係がちょっと出ておったようですけれども、ガス事業法だとか、あるいは電気事業法においては土地収用法の問題が出ていますけれども、これは法律上いま出ていませんね。そういう点はどういうふうになるんですか。
#234
○政府委員(三宅幸夫君) この事業に要する土地は、私人の所有地を強制的に収用してやるというケースはあまり想定されておりません。主として公道の下に導管を埋めるという点において土地の問題に関係があるわけでございますので、御指摘のとおり、土地収用法の規定は設けておりません。ただ、都市計画の一環としてこの事業はどうしても推進さるべきであるし、現在また進行中のプロジェクトはいずれもそういった性格のものでございますので、都市計画法上の計画施設ということになりますと、都市計画法六十九条によりまして自動的に土地収用権が付与されますので、その点で十分手当てができると、かように考えております。
#235
○竹田現照君 いま実施されています供給事業の供給区域、これを見ますと、資料を見ましても、たとえば北海道の場合は、北円山団地が百四十戸、それから苫小牧が千五百戸、真駒内が千八百戸、あるいは下野幌団地が九千戸、百四十戸から九千戸に至るまで非常に規模がばらばらですね。ですから、こういうばらつきをどういうふうに――こんな小さいものじゃ、百四十だなんていうのは採算上もどういうことになるか、私わかりませんが、九千戸というように広大な団地になりますと、これはおのずから違うんです。あまりにばらつきが大きいんですけれども、こういう点はどういうことですか。
#236
○政府委員(三宅幸夫君) いまのばらつきで、百四十戸というケースは、日本住宅公団が非常に初期の段階におきましてテスト的につくられたケースでございます。やや異例のばらつきのケースでございます。で、この供給事業は、温度、圧力を変えないで効率的に供給する区域は、おのずから現在の技術では制限がございます。単一のプラントの規模の場合は、大体暖房の場合で四キロ平方、それから冷房の場合には一キロ平方が一応単一プラントでは適正規模である、かように言われておりまして、これに対応する需要家戸数は、大体消費家庭にいたしまして約一千戸が適正ミニマムラインということになっております。したがいまして、先ほどの北円山団地はやや特殊なケースでございまして、ほかのケースはいま申し上げたラインから上のほうへばらついておるわけでございますが、そのばらつきのよって来たるゆえんのものは、当該都市の生活圏、あるいは需要密度、それから町づくりのテンポ等々によりまして、いま御指摘のばらつきが現在は出ておるわけでございます。
#237
○竹田現照君 一千戸というのはちょっと少ないような気もするんですけれども、そういう点で、採算上はうまくバランスとれるのですか。これからできる団地というのは、そんな一千戸くらいのものじゃ規模としては小さ過ぎると思うのですが、その点はどうですか。
#238
○政府委員(三宅幸夫君) ミニマム一千戸と申し上げたわけでございまして、もちろん千里ニュータウンその他のケースはもう少し大きな規模でございます。で、規模は大きいほうが採算的には一応よろしいと考えられますけれども、ただ、それに対応する都市計画あるいは導管の引っぱりぐあい等によりまして、必ずしも大規模がいいかどうかということは一がいには言えない。熱の密度が非常に集中しておりまして、ピーク、オフピークの格差が比較的少ないというようなケースが一番効率のいい事業になるわけでございますので、そういったものが複合的に作用いたしましておのずから建設規模がきまる。ただ、一千戸を割りますのはとてもわれわれとしてはこの法律でも考えておるような対象事業ではございません。
#239
○竹田現照君 パイプラインでも一番質疑の重点になっております保安の問題ですね、熱供給事業の保安に関する通産省の基本的な考え方をまず最初にお伺いしたい。
#240
○政府委員(三宅幸夫君) 熱供給施設は、ボイラーあるいは熱交換器、冷凍機といったような発生源の設備と導管、この二つが大きな設備でございますが、ボイラー、熱交換器につきましては、すでに労働基準法で所要の規制が行なわれております。冷凍設備につきましては高圧ガス取締法で規制されておりまするので、われわれはこの点はそれらの法律に譲りたいと、かように考えております。ただ、熱供給施設の個々はいま申し上げた次第でございますが、これがシステム全体として、お客さまに事故といいますか、故障を起こさないで安定的に供給し得るというシステム的な観点からの安全性対策というものをここにひとつ考えたい。
 第二は、導管につきましては、道路法によりまして埋設のときに規制がございますが、導管それ自体の材料、構造、あるいはその他の技術上の基準が全然いま定められておりません。ないしは法的根拠がございませんので、今般新しく法律をつくりまして、導管について新たな保安規制をかけたいと、かように考えておるわけでございます。したがいまして、その内容は、公衆の安全という観点からと、それから事故ないしは故障を起こさないで消費者に不便をかけないで、安定的に熱媒体が供給される、この二つの観点から安全性の問題をわれわれは取り上げておるわけでございます。
#241
○竹田現照君 保安について省令で技術基準をつくることになっておりますけれども、この技術基準がどんなものだということを、先ほど資料をいただいたんですけれども、作成項目の骨子だけがありまして、具体的にどういうものだということがちょっとわからないのですがね。先ほど来と同じように、この一番私どもが聞きたい問題などが、あげて省令あるいは政令にまかされるということになれば、これはその保安という面について十分ただせないわけですね、この質疑の過程の中では。この法律をつくるのに何年もかかったわけですが、この技術基準というものはいまできていないのだから間に合わないわけですけれども、これはいつはっきりするのですか、この省令で定めることになっている技術基準は。
#242
○政府委員(三宅幸夫君) 本法施行を前提といたしまして、昨年十月に当局に熱供給技術委員会を設けまして、学者先生並びに実務家をメンバーといたしまして、約二十回ぐらいの審議を重ねております。で、この法律の附則によりまして、公布の日から六カ月以内に施行する。施行と同時にこの保安規程の規制がかかりますので、それまでに早急に技術的な基準の結論を得たいということで、いま申し上げました熱供給技術委員会で鋭意検討を進めているところでございます。
 ただ、一言補足さしていただきますと、この熱供給のシステム全体の技術基準というものは、むしろこれは狭い意味の安全性の基準というよりも、故障なく熱供給が行なわれる、需要家に暖房が夜中にとまったりするようなことがないように行なわれるということでございまして、大きな事故を予想するようなケースではないと思います。また導管につきましても、ガスの爆発とか、あるいは送電線の感電事故とか、そういった非常に危険性の強い事故を予想しておるのではなくて、導管が地下を走っておってそこから故障が起こって道路を破損するとか、あるいは若干通行人に熱いお湯が出たりしてはいけないということで保安規程を考えているわけでございまして、非常に爆発事故、あるいは感電事故といったひどい事故はこの事業からは予想されない、かように考えております。
#243
○竹田現照君 この熱供給事業者の自主的な保安基準となると、保安規程、これは具体的にどんなものを予定をされているのですか。これはいままで現にやっているところもあるわけですから、パイプラインのように、現在やっているものの最低を押えて、それに合わせるのだというようなことでやればいいのか。新たに通産省側が求めているのは、まだ高い保安規程なのか。ですから、いま施行している供給事業者のその保安規程があなたのほうで予定をしているものより低ければ、それは改めさせるということも当然必要になってくるわけですが、そういうことはどういうふうにお考えになっているわけですか。
#244
○政府委員(三宅幸夫君) 先ほど申し上げた技術委員会が、同時にこの保安規程の問題についても検討中でございまして、大体私どもが考えております項目は、熱供給施設の維持、運用の業務を管理するシステム、あるいは保安責任者の選任、それから従業員の教育、保安施設の安全確認のための点検、巡察、あるいは導管の工事方法、それから需要家施設との関連におきます保安施設の点検、あるいは災害その他非常時にとるべき対策、こういったようなものをすべて掲げていま検討しておりますが、いずれにいたしましても安定的に、つまり、故障なくいつも供給が行なわれる、また導管につきましては、事故のないようにという点で非常に念を入れた検討をいまやっているわけでございます。
#245
○竹田現照君 この電気事業、ガス事業には、保安の監督者として主任技術者、いま審議中のパイプラインの場合は保安技術者、そういうものの選任義務をそれぞれ課しておりますけれども、この熱供給事業者にはその種のものが事業者に課せられておりませんけれども、その理由はなぜですか。
#246
○政府委員(三宅幸夫君) 熱供給設備の個々の設備につきましては、ボイラ取扱主任技術者とか、圧力容器取扱主任者、高圧ガス作業主任者、電気主任技術者等の資格を要するものが、関連法律によりましてすでに義務づけられておりまするので、独自に熱供給という事業についての主任技術者が要るかどうかということに問題はかかると思いますが、これらの技術者というものは、むしろ単体機械の技術というよりもシステム全体を有効に円滑に動かす技術者でございますので、私どもは保安統括責任者ということでこれを保安規程の中に設けたい、かように考えております。
#247
○竹田現照君 提案理由によりますと、この熱供給事業のメリットというのはエネルギーの有効利用であるということがいわれていますが、いま重油あるいは石炭、これはガス事業を除いてはほとんどそうですけれども、このエネルギーの有効利用、これはどういうふうにお考えになっておられるのですか。これは大臣も、この法律が通ると北海道でも石炭産炭地が石炭をたいていないのはどうだということをこの間おっしゃっていましたけれども、現実にそういう問題とも関連をしてどういうふうにお考えになっておりますか。
#248
○国務大臣(田中角榮君) まあ北海道などは、これはこの法律があることが望ましい地域でございます。これは冬の暖房ということから考えれば、もう一番望ましい地域であります。これは一々全部二戸建てに一個ずつ、一カ所ずっということになると、これはいままではそういうことをやっておるわけです、暖房を。それからふろもそうでありますが一そういう冷暖房、給湯というものが一緒にやられれば、これは非常に合理的になるわけでございます。制度の上ではそういうことになりますし、それからもう一つは、北海道のように、いま札幌の地域暖房は重油をたいておりますが、石炭と重油と比べてもそんなに差はない。しかも、石炭は北海道としてはいま一番消費をしたい、しなければならないものでございます。そういう意味で、初めから多少石炭と重油との間に経済的な差があれば、それを補てんするというような道も考えなければならないかもしれませんが、いずれにしても、北海道などは石炭をたく地域暖房が望ましい。そういうことで、通産省はそういう意味ではひとつ誘導したいと、こう思っております。
#249
○竹田現照君 そこで、公害に関連してお伺いしますが、たとえば、いま札幌のどまん中でもありませんけれども、中心よりちょっと離れたところにありますね。供給の最初は石炭のかまを使ったらしいですけれども、いまは重油になっている。これは安定供給のためであるとかないとかいう話ですけれども、私はちょっとしろうとなりに石炭の問題で、産炭地だからということであったのでしょうけれども、あのどまん中に発電所のように石炭を山のように積んでおれば、煙による、粉じんによる公害というようなものも当然想定されるわけですね、町のまん中で。そういう面等もありますので、そういう点の公害というものも心配されます。公害という面から考えると、石炭はたきたいけれども、また公害の面からいえばそうだ。そうするとかなり離れた場所に、かなりのスペースを持ったところに建てて石炭を積んでおかなければならぬ、人家に粉じんの害を及ぼさないように。そうしなければ身近に振りかかってくるわけですから。そういういろいろな問題点も考えられますが、そういうことを解決をしなければならぬと思いますが、そこで熱供給事業による戸別暖房に比較して公害の発生量というものはどれくらい減るものなのか、これをもし計算が出ているのだったらお知らせ願いたい。
#250
○政府委員(三宅幸夫君) 具体的に全国的な計算は出ておりませんが、個別的な計算は出ております。先般、私どもで、東京の江東地区の防災計画地域、これについて地域で冷暖房が完全に行なわれた場合にはどのくらいの効果かあるかと――公害発生量が十分の一に減るという数字が出ております。同じように札幌市のプロジェクトが昭和四十九年に完成しますと、同地域の大気汚染は約半分に減るだろうといわれております。ことしの一月でございましたか、札幌の従来の黒い空というのが非常に明るくなって、排出基準といいますか、環境基準を下回ったという新聞記事を見た記憶がありますが、私どもはこのプロジェクトがどんどん進行すれば、札幌はおそらく四十九年には現在より半分の程度になるんではないかと期待いたしております。
#251
○竹田現照君 重ねてお伺いしますが、それは実績から十分の一ぐらいには減るもんだということに了解してよろしいんですか。
#252
○政府委員(三宅幸夫君) これは、現在一番過密をしております江東地区でかりに集中冷暖房が行なわれた場合には、どれだけの効果があるかということをモデル計算したわけでございますから、実績値の保証ではございませんが、モデル計算いたしますとそういう数字が出たと、そういうことでございます。
#253
○竹田現照君 いままで実施をしているところの実証というもののデータはないんですか。いま何カ所かやっていますね。それと大気汚染その他の関係の、どういうふうに減ったというふうな実証というデータはないんですか。
#254
○政府委員(三宅幸夫君) これは燃料のいかんによりまして非常に影響が異なりますので、個別的な実証データはございません。ガスの場合には、いま全然無公害であることは間違いございませんし、灯軽油の場合にもほとんど無公害に近いと、かように考えられます。ただ、重油の場合には若干問題でございますけれども、それについてもやっぱり集中化によります熱効率の上昇が少なくとも二割はございますから、その意味では二割以上の効果はあるということは言えます。ただ、従来と今度どう異なったかということを実証した数字はございません。ただ札幌のケースによりますと、大体四十九年には半分になるだろうといわれているわけであります。
#255
○竹田現照君 これは衆議院の附帯決議にも公害の問題が一番出ていますけれども、それはやはり札幌なら札幌、新宿副都心なら副都心で重油をたいたならこれだけ、たとえば石炭をたいたならこれだけ、それを個別でこうやったのと、公害の面から考えたときにはこれだけこうなっているんだというような、そのような公害の心配というのはないんだというようなことがデータとしてなければちょっと説明がきかないんじゃないですか。そういうものでとてつもない煙突を立てて重油をたいたとか、説明ができる資料というものを持ち合わせておく必要があるんじゃないかと思うんですが、
#256
○政府委員(三宅幸夫君) いまの新宿の場合に、あそこでボイラーでやったらという計算と、いま全然無公害であるガスの関係の比較はいたしておりませんが、原則として大都市、特に人口過密の地点では無公害燃科でありますガス、あるいは非常にSO2の低い灯軽油あるいはA重油、こういったものを中心にこの事業の燃料選択が行なわれるべきであろうと、かように考えております。また、かりに重油をたく場合でもできるだけサルファを低くし、さらにまた熱効率が二割以上いいわけでありますから、それに対応してS分の低い油を購入する経済力を持ってほしい。また必要な場合には高煙突によって対応してほしい、かように考えておりますが、しかし、いずれにしましても、将来のビジョンといたしましては、行政の指導面におきまして燃料選択については、できるだけ無公害燃料ないしは非常に公害の程度の低い灯軽油に主力を置くように燃料の選択の面で業界を指導してまいりたいと、かように考えております。
#257
○竹田現照君 最後に、熱供給事業の経営、それから将来の見通し等についてお伺いしますけれども、先ほどもお話があったように、かなり膨大な借入金によっておりますから、当然赤字経営を余儀なくされているということだけは、これは現実ですけれども、この事業の原価構成、あるいは原価構成の時間的な推移、どういうふうに変わっていくものか。
 それから、いまの赤字が先ほどもちょっと三年ないし五年というようなお話があったというようなふうに聞きましたけれども、赤字解消にはどのくらいの期間を必要とするとお考えになっているのか。
 それから、税制上の問題は先ほど取り上げられておりましたけれども、この種事業、この公益事業として普及をさせていくという意味からも政府として今後どういう助成措置を、金融上の問題、あるいは税制上の問題、あるいは技術開発に対する金融等を含めて助成措置を講じていかれようとされているのか、このことをお尋ねして質問を終わりたいと思います。
#258
○政府委員(三宅幸夫君) まず、原価の構成の変化でございますが、事業開始後五年間は大体平均いたしまして金利償却費が六割、それから燃料費が二割、あと雑費こういう形になっておりますが、五年を過ぎますと特に金利コストが下がってまいりますので、資本費、いわゆる償却金利の二つを合わせましたウエートが四割程度に落ちまして、逆に燃料費のウエートがウエートとして上がってくる、こういう計算になっております。
 それから赤字の問題でございますが、事業発足当初は先行投資の負担が多いために、三年ないし四年は期間利益が赤と累積赤を消すのに大体七、八年はかかるというのがわれわれの計算でございます。
 それから最後に、助成措置の問題でございますが、今回お願いいたしました法案で税制上の措置をとっておりますほかに、新たに北海道等で将来軽油を燃料とされるケースが出てまいりますので、政令の改正によりまして軽油引取税の免税をいたしたいと、かように考えております。
 また財投につきましても、本年に引き続きまして質量ともにその内容の改善をはかってまいりたい。また、この産業の将来の発展のために技術面について特に力を入れる必要がございますので、現在、特定機械工業振興臨時措置法におきましてその各機器の品質の改善その他の合理化を急いでおります。また、熱量計につきましては、従来八万円程度の機械式の熱量計を二万円程度に引き下げたいということで本年度補助金を交付する予定でございます。
#259
○原田立君 時間がないということですから、もうはしょりながらやりたいと思いますが、要点だけお伺いしますから、きちっとお答え願いたいと思います。
 現在、熱供給事業は十地域において実施されておりますが、これらち事業主体別に分類すると一体どうなるのか、これが一つ。
 それから、これらの実施の経験から見てそれぞれの事業形態についてメリット、デメリッとが出てきていると思うのでありますけれども、政府当局としてはそれをどのように判断しているのか、それが二つ。
 それからまた、供給の形態と事業主体の種類との間に、最適形態という観点から好ましい結合関係をどういうふうに見ているのか、これが三つ目。
#260
○政府委員(三宅幸夫君) 現在、十地点の形態は需要形態別に見ますと、住宅中心型が四つ、業務用中心型が四つ、両者混在型が二つということになっております。
 経営の主体では、ガス事業会社の兼業が三ケース、それから民間の専業者が三、それからいわゆる第三セクターが三、それから組合方式が一ということでございます。
 これらの主体のいままでの実績からどういうのが好ましいかという御質問でございますが、先ほど来申し上げましたように、都市におきまして特に過密都市では、ガスを主原料とするのが公害対策上最も好ましいと思いますので、大都市ガス会社のみならず、将来は中小のガス会社にもこの方面に進出することによって夏場におけるオフピークのガスの販売量をふやす、こういう努力をするのではないだろうか、かように考えております。あと民間でいろいろなパターンがございますが、特に公害対策あるいは防災対策等が必要な地域につきましては、第三セクター方式が将来好ましいと考えておりますが、まだ揺籃期の産業でございますから、経営主体がどうあるべきかということについて断定的なお答えはできないと思います。
 それから、第三番目の御質問はちょっと質問を取り違えておるかもしれませんが、供給サイドの条件からいきますと、先ほど申し上げましたように、四キロ平方程度が暖房の適正な、ないしはマキシマムの距離、逆に需要サイドからいきますと、中高層住宅が中心になりました、いわゆる需要密度が高く、ピークオフ、ピークの差の少ない地域が非常に需要サイドとしては好ましい。そういう両方から今後立地が選択されるのではないか、あるうはプロジェクトが決定されるのではないか、かように考えております。
#261
○原田立君 現在、事業主体には地方公共団体、民間企業、あるいは札幌の熱供給公社というようないわゆる第三セクターがあり、かなり多様化現象が見られるように思うのでありますが、このような多様化傾向は今後も持続するのか、それとも何か一つのものにしぼられていくのか、そこら辺の見通しはいかがですか。
#262
○政府委員(三宅幸夫君) 先ほど、現在、プロジェクトが七、八十あるということをちょっと申し上げましたが、その内容も現状の十地点とほぼ同じようなパターンでございまして、やはりいろんなケース、いろんな性格の主体が多いと思います。いわゆるデベロッパーがやるケース、ガス会社が兼業としてやるケース、第三セクターがやるケース、ただ、市町村等が直接経営主体になるというケースは現在のところ、あまり多くは予想されておりません。
#263
○原田立君 現在工事中のもの、及び計画中のもの、実施しているもの等含めると、全国で八七四カ所というように表に出ておりますが、その事業主体、現在やっているのは事業主体はわかっておるけれども、これから起きるもの等における事業主体等も含めて、一体全体の数はどういうふうになっておるのか、まず、それだけお聞きしておきます。
#264
○政府委員(三宅幸夫君) 八十四プロジェクトは、市町村等の御希望も入れた数字でございまして、事業主体の性格がきまっておるのは、そのうちで民間企業としていこうというケースが十五、公共でやりたいというのが二、兼業でやりたいというのが六、それらがいまきまっておるわけでございまして、それ以外はまだ市町村等で、あるいは公共団体で関係方面と相談中というケースもあるようでございます。いずれにいたしましても、地元にそういうプロジェクトを引っぱりたいという要望があるのが八十四カ所の地点でございまして、その経営主体がどうなるかということについては、まだ煮詰まってないプロジェクトがあるわけでございます。
#265
○原田立君 都市計画や公害防止計画という観点から、ある地域で熱供給事業の実施が必要だと、こういうふうに行政当局が判断をしたときに、当局としては積極的な働きかけ、こういうものをするのかどうか。
 それから、事業の実施が必要な地域において、もし資力等の関係で民間企業では事業主体となるものがない場合、こういうような場合はどうするのか。
#266
○政府委員(三宅幸夫君) 事業主体がない場合という問題についてお答え申しますと、やはり一応この法律は、公益事業の規制をやろうという法律でございまして、熱供給事業の全般的な振興法という性格を持っておりませんので、後日の研究課題として残さしていただきたいと考えております。ただ、私見を申し上げますと、特に防災的な観点から、あるいは公害防止的な観点から、どうしても安い料金で、しかも、この供給事業をやりたいというときには、公的な資本の参加が必要であり、あるいはまた特に優遇された財政投融資上の措置が必要ではないかと思いますけれども、反面、個別冷暖房、ないしはこういった業種の恩典を受けない他の階層とのバランスも残りますので、その辺も含めて今後振興計画のあり方について検討さしていただきたいと考えております。
#267
○原田立君 私質問したのは、ある地域で熱供給事業の実施が必要だと行政当局が判断をした場合に、積極的な働きかけを当局がするのかしないのか、これが一つ。
 それから、資力等の関係で、民間企業で事業主体となるものがない場合、そういうような場合には、もうずっと計画がずれてもしようがないという考えなのか、そこのところ。
#268
○政府委員(三宅幸夫君) 地元でこういうのが必要だと言われて、政府が働きかけるかどうかという御質問だと思いますが、その点については、地元で関係の者と十分資金なり技術なりの連携をとられて都市計画公害防止計画の一環としておやりになることだと思います。ただ、将来の問題といたしまして、この地域は特に防災計画上問題ありということでございますれば、国が積極的に乗り出さなければ、なかなかこの事業が当該地区の防災計画として成り立たない場合があり得るのではなかろうか、かように申し上げたわけでございます。
#269
○原田立君 四十九年度までに六十三カ所ぐらいやりたいというのが案に出ているわけでありますけれども、その中で五億から十億ぐらいの規模のものを十四、十億から二十億までのものを十四、二十億から三十億ぐらいのものを九と、こんなふうになっていて、これで全体の何が半分になっているんですね。先ほどの約千戸ぐらいの規模でというようなことがあったけれども、それはこの金額からいきますと、どこら辺に入るのですか。
#270
○政府委員(三宅幸夫君) 大体、苫小牧でやっておりますのが四億の所要資金で、戸数が千五百戸と記憶しております。
#271
○原田立君 そうすると、ちょっと答弁がおかしいのではないですか、考え方が。大体千戸ぐらいのものをやろうという考え方でしょう。
#272
○政府委員(三宅幸夫君) 最低限千戸でなければ経済的な規模とはいえないと申し上げたわけであります。千戸が妥当であるというようなことに取り違えられましたら、訂正さしていただきます。
#273
○原田立君 そうすると、五億から十億というのは、何戸ぐらいのものが対象ですか。十億から二十億ぐらい、また二十億から三十億、これはどれくらいのものが対象になるのですか。
#274
○政府委員(三宅幸夫君) 個別の表をいま持っておりませんが、たとえば下野幌は三十八億の設備投資で九千戸だったと思います。それから、新宿副都心のケースは六十億の設備投資で、プラザホテルクラスの業務用ビルが十一カ所、こういう計算でございます。
#275
○原田立君 そうではないんですよ。これはおたくのほうからもらったんですよ。「工事規模別実施計画地点数推移」、これに四十九年、五十年まで書いてあるけれども、四十九年までの数を集計したのが先ほど私が言った数なんです。これでいくと五億から十億が十四カ所、十億から二十億が十四カ所、二十億から三十億が九カ所と、これで全体の半分なんですよ。大体このくらいのものをねらっておるのだろうと推測しているわけなんです。これは一体どれくらいの規模のものになるのですかと聞いているんです。先ほど対象世帯数が千戸、苫小牧が四億で千五百、こうなったとなると、五億から十億、十億から二十億、これはどのくらいの規模になるのですかと聞いているのです。
#276
○政府委員(三宅幸夫君) つまり、これは家庭用だけではなくて、業務用ビルに供給するものもございますので、あるいは若干の給湯施設を持つものもございますから、統一的な軒単位で幾らになるということは、ちょっといま申し上げかねるわけでございます。戸数というのはあくまで消費者家庭を中心にして申し上げたケースでございますが、業務用の場合にはビル何棟という形になりますし、業務用と家庭用とが混合いたしました場合には、ビル何棟と家庭用何戸ということになるわけでございますから、お手元に差し上げてございます資料によりまして、これは個別に何戸だということはちょっと数字は持っておりませんし、平均的な数字は業務用と家庭用とは全然別の形態でございますから、一がいに言えないと思います。
#277
○原田立君 どうも不親切な御答弁なんでね、私はしろうとなんだから、あなた方専門家なんだから、概略のところを説明してもらえればいいのですよ。それはもうけっこう。
 公益事業局の中に集中熱供給調査委員会、こういうのと、熱供給技術委員会というのができているように聞いておりますけれども、それはそうですか。
#278
○政府委員(三宅幸夫君) 集中熱供給方式に関する委員会と、後者のほうとは全然別のものでございますが、確かに二つございます。
#279
○原田立君 集中熱供給調査委員会が四十六年七月に設置されたと聞いておりますけれども、すでに四十五年度において七地区も実際にやっているわけなんですね。そうすると、この調査委員会も、本来ならばもっとこういう事業ができる前に、こういうふうなものも政府の中につくって、ある程度の基準をつくり、指導すべきだと思うのですけれども、これは現実にこうやって一年おくれでできている。なぜおくれたのか。
#280
○政府委員(三宅幸夫君) この事業に関する調査をやりますために、先ほど御指摘のあった委員会ではなしに、その前に、地域冷暖房システム・アナリシスに関する検討委員会というのがありまして、いまここに持っておりますが、相当詳細な検討をシステム・アナリシスの手法によりまして経済的、技術的に行なっております。こういうものを背景にいたしまして、昨年の春、エネルギー調査会の熱供給部会で新しい法律の制定についての提案がございましたので、今日まで検討の結果、提案をいたしたわけでございます。
 それから、先ほどの集中熱供給委員会、これは実はちょっとケースの違う委員会でございまして、将来のビジョンを描くために江東地区並びに水島地区、それぞれ性格が違う地区でございますが、そこにコンビナート的に、あるいは集中的に熱供給方式が出た場合にはどういう結果になるかということを分析した委員会でございます。
 最後に技術上の基準等につきましては、先ほど申し上げました技術委員会を現在ひんぱんに開催中でございます。
    ―――――――――――――
#281
○委員長(大森久司君) この際、委員の異動について報告いたします。
 本日、大谷藤之助君、植木光教君が委員を辞任され、その補欠として久次米健太郎君、河口陽一君が選任されました。
    ―――――――――――――
#282
○原田立君 私心配するのは、要するに、去年の七月この調査委員会ができて、たった一年足らずで今回の法案ができたと、審議する日数が少なかったのじゃないだろうかと。その理由として、将来のいわゆる具体的な計画のレールに乗っていく法案というようなことで本気になってやったのかどうか、あるいはまたいわゆる時代の先端をいく事業として先取りというようなことで、ただぱかっと頭を乗っけたのかどうか、そんな点を非常に心配するわけなんです。今回この法案が基礎的にどういう考えで出たのか、このあたりいかがですか。
#283
○政府委員(三宅幸夫君) 私のほうの官房にでございます総合エネルギー調査会の中に熱供給部会が設けられましたのは一昨年でございます。この事業の将来のあり方、あるいはそれについての経済的技術的な分析をいたしましたのが、さっき申し上げました地域冷暖房システム・アナリシス検討委員会の調査結果でございます。それは相当膨大な資料になっております。また、その一環といたしまして、昨年五月に海外に調査団を派遣しております。それからその熱供給部会で、先ほど申し上げましたように、規制を中心にいたしました、あるいは消費者保護を中心にいたしましたこの法律の制定についての答申を得ましたので、鋭意今日まで検討してまいったわけでございます。ただ、この法律の施行運用にあたりましては技術的な問題が非常に多うございますので、昨年十月新しくこの法律の運用ないし施行に関しましての技術的な委員会を省内に設け、学識経験者の参加をいただいておるわけでございます。
 で、先取りしたかというような御質問でございましたが、私どもはこれは広い意味の振興措置ではございますが、いわゆる通常言われます振興法ではない。将来非常に伸びるであろうこの業種について、この際、消費者保護の体制を固め、それについての政府の立法上の意思をはっきりしておかなければ、悪徳業者ができたり、あるいは不測の事故があってはいけない、そういう意味で、あらかじめ保安規制を中心にし、あるいは消費者保護を中心にいたしました公益事業規制を加えることによって間接的にこの事業の将来の健全な発展に資したい、かように考えておる次第でございます。
#284
○原田立君 熱供給技術委員会の中に、保安分科会というのができて具体的に検討しているというようなことはいまお伺いしたところでありますが、このところで検討されているものが、今後省令や何かできめられる非常に重要な基礎になるだろうと思うのでありますが、これらのテーマをもとに現在までどのような検討が行なわれ、どのように煮詰まってきたか、概略でけっこうですから説明してもらいたい。
 それから、この技術委員会で検討されたものを、特に事業者の管理する熱供給施設の安全問題だけでなく、需要設備の安全問題をも保安分科会が検討課題としていると聞いておりますが、この点の検討結果はどのようになっているのか。なお、これらの検討テーマのほかに追加されたテーマがあるのかないのか、その点がひとつ。
 それから安定供給分科会のほうでもいろいろと検討されているようでありますが、大きくテーマが三つに分かれるようでありますが、その後追加されたものがあれば、それも含めて検討の経過と結果を明らかにしてもらいたいと思いますが、簡単でけっこうですから。
#285
○政府委員(三宅幸夫君) 簡単に申し上げますと、学者を含めて二十人の委員会、いままで昨年の十月から開催頻度は二十回でございます。私の希望では、この八月の終わりないし九月早々にはこの法案の成案を得たいと、こういうことで努力中でございます。
 技術基準の項目につきましては、まず発生設備につきまして、調整装置、緊急停止装置、予備バルブ、耐圧試験方法、気密試験方法等数項目にわたっております。それから導管につきましては、材料、構造、接合、防食装置等々十数目が現在検討の対象になっておりまして、おおむね八月終わりないし九月の初めには結論を得る程度に煮詰まっておる状況でございます。
#286
○原田立君 具体的な協力の上に検討されているならば、関係省庁及び地方公共団体とどのような連携をとってこれを推進されようとなさるのか、特に私、この問題について申し上げたいと思うのは、たとえば、ここで熱供給の一つの会社をつくろう、使っている重油がハイサルファの重油である。実際そこにつくられると、まあ公害を、個々の燃焼をするものから一カ所にするんですから、ある程度の公害の減少もあるかもしれぬ、メリットがあるかもしれぬ、だけどまたその一カ所に集中的に公害発生するおそれもなきにしもあらず、となると、そこで個々の地域においては、こういう燃料でこういう仕事をやりますよと、こう言ってもちょっと地元では、それは環境基準なんかの問題も含めて公害の発生するおそれがあるんで、ちょっと困るなと、こんなふうな場合ですね。地方公共団体の場合、いやそれはほんとうは設置してもらっちゃ困るんだと、こういう意見があったとしましょう。そのときに、今回の法律の中では通産大臣が必要と認めればどんどんつくりますよと、こういうふうなことで、地方公共団体の意見が反映するような条項はどこにもない。その点でたいへん心配するわけでありますが、特に関係省庁、またその中で特に地方公共団体とどのような連携をとって、これからこれを推進しようとなさるのか。また、地方公共団体のほうでまたそういうのをやっちゃ困ると、こういうふうな意見があった場合に、通産省としてはどうするのか、その点はいかがですか。
#287
○政府委員(三宅幸夫君) 技術委員会は本法施行の保安関係の規定についての技術上の検討を行なっておるわけでございまして、地方公共団体の関係は一応ないと思います。ただ、御指摘のとおり、この公害問題はまさに地元にとってたいへんな問題でございまして、一カ所に集中して公害が逆に集中化するということであってはいけないと思いますので、本法の許可にあたりまして、特にこの点は厳重な行政指導をやりたいと、かように考えております。熱燃料規制をどうするのかというのが非常にこの事業の公害対策上きめてになる問題でございますので、でき得べくんば、都市については都市ガスあるいはそれ以外の地域につきましてもSO2のきわめて少ない燃料を選択するように行政指導してまいりたい、また、許可に際して、市町村と十分連絡をとるということに関係省庁の間で、そういう約束になっております。
#288
○原田立君 現在十カ所やるところの燃料は何ですか。
#289
○政府委員(三宅幸夫君) 都市ガス会社が兼営しておるのは、もちろんガスでございますから、ガスが三ございます。それから札幌円山団地がC重油、それから仙台の卸センター、これは共同組合の小さな規模でごございますが、B重油、それから札幌の市街地地域が石炭、この秋から軽油をたきます。下野幌団地は現在C重油ですが、近くB重油になると聞いております。真駒内はC重油、大体そういったケースでございます。
#290
○原田立君 重油の場合、公害の発生について心配ありませんか。
#291
○政府委員(三宅幸夫君) 公害の発生の程度、どの程度まで許容されるかというのは各地域の事情によりまして非常に違っておりますが、いずれにしても、これらのケースは地元と十分話がつき、かつまた地元市町村が積極的に参加されたケースが多いわけでございますので、御指摘の心配はないと考えております。ただ将来の問題としては燃料センターの問題が非常に大きな問題でございますので、この点は行政指導を通じて十分配慮してまいりたい。かように考えておるわけでございます。
#292
○原田立君 十カ所の中で重油が六、ガスが三、石炭が一ですね。日本に入ってくる重油は大体がハイサルファの重油です。心配はほんとうにありませんか。
#293
○政府委員(三宅幸夫君) この重油をたいている地域はいずれも当該地域の環境基準に適合した範囲内のものでございまして、さればこそ地元はこれについて積極的な支援をしていただいたのだろうと考えております。
#294
○原田立君 局長、環境基準といいますけれども、一本一本の煙突はその基準に合っても二十本も三十本もやると全体がオーバーしちゃうというのはこれは現在町中に起きている問題です。特に、こういう熱供給事業等でやる大きな事業ですから、現在札幌ば何か表で見ますと、将来計画からいきますと、十カ所ぐらいになりそうですね。そうなると、集中的に行なわれるようになる。一本一本の環境基準は合っていても全体的な濃度を濃くするようなことにはならないか、その心配はありませんか。
#295
○政府委員(三宅幸夫君) 札幌のケースは当初石炭をたくということで発足をいたしまして、石炭ボイラーがたしか二基現在動いております。ただこれ以上空を汚すのは適当でないという地元当局の非常に強い要請がございまして、北海道熱供給公社は第三号ボイラーから軽油、最もサルファの少ない軽油に切りかえ、この秋から運転に入る、こういうことでございまして、札幌を中心とします計画はいずれも当該地域の条件、許された条件の中で最もベストな道を選ぶ、また選ぶべきである、かように考えております。
#296
○原田立君 ほんとうに公害の発生心配ありませんか。というのは、いまのように一カ所や二カ所のうちはいいですよ。だんだん数が増していくときに、その濃度が濃くなってスモッグが発生しちゃって問題になるようなことは、そういう心配はありませんか。そこで、そういうような観点から地方自治体がもうそんなにつくられたんじゃ困る、こういうような意見が出てきた場合に、それを十分取り入れるのですか、どうですか。
#297
○政府委員(三宅幸夫君) 十分取り入れます。
#298
○原田立君 熱供給事業の開始にあたって、プラント周辺に公害を発生するおそれがあるときには、その事業を許可してはならないと考えるのでありますが、許可基準すなわち、第五条には公害防止の観点からの定められた基準はうたわれておりません。この点についてどうなんですか。
#299
○政府委員(三宅幸夫君) 公害防止の問題は、たとえば、大気汚染防止に関しましてはすでに大気汚染防止法ができておりまして、すべて地元の意見を中心に処理されることになっておるわけでございます。特にこの熱供給というのは電気やガスと違いまして広域的な運営、広く他府県にまたがる運営ではなくて、全く地元の市町村を中心に行なわれる事業でございますから、地方自治体に委譲されました大気汚染防止法の知事の権限の中で、しかも、地元民の要求をさらに加味いたしまして地元で決定された計画でございます。したがいまして、大気汚染防止法のワクの中で十分処理されたケースであると考えております。したがいまして、この法律の中であえて直接的な公害防止という規定は入れなかったわけでございますが、本法を制定したい、また、この事業を将来伸ばしたいという考え方の背景には、この事業が大きく大気汚染防止に役立つ事業である無公害燃料のガスあるいは低硫黄の硫黄分を中心にいたしました燃料規制をできるだけ強化する、あるいはそうでない場合でも熱効率がよくなりますからそれだけ排出重油の、使用重油の量は減るわけでございますので、大きく公害防止に寄与するという考え方からこの事業を取り上げておるわけでございます。
#300
○原田立君 第十四条第二項には、その料金決定の原則について、「能率的な経営の下における適正な原価に照らし公正妥当なものであること。」と、こうなっておりますが、これはどういうふうな意味を持つのかどうかがまず一つ。
 それから電気、ガス両事業の料金決定原則と熱供給事業の料金決定原則とはちょっと異なるのではないか。同じ公共事業といいながら、違う点は一体どうして違えたのか。それからまた、地方公共団体の行なう熱供給事業についても料金決定原則は法規上は民営の場合と同じであるが、実際にはどうなるのか、
 以上料金決定問題についてお伺いします。
#301
○政府委員(三宅幸夫君) 十四条第一項の表現は確かに電気、ガスと違っております。電気、ガスの場合には「能率的な経営の下における適正な原価」プラス適正な事業報酬という表現になっておりますけれども、現実の事態を熱供給事業について顧みますと、先ほど来申し上げましたように、当初は相当な赤字を覚悟してこの事業に乗り出さざるを得ないということになっておりますから適正な事業報酬という表現は削っております。
 〔委員長退席、理事川上為治君着席〕
 それから第二は電気、ガスの場合には料金算定は定率、定額というふうに書いてあったと思いますが、ここでは業務用につきましてはいろんなパターンがございますので、算出方法がルール化しておればよろしいと、こういうふうになっておるわけでございます。なお、地方自治団体は地方の議会のコントロールもございますので、私どもはこれについてあらかじめ届け出を受けるということで認可の対象からはずしたわけでございます。
#302
○原田立君 今回原油等の、油等の値上げ攻勢等もあり、だんだんと安いエネルギー時代から高価格のエネルギー時代、こういうのに入ったと思うんでありますが、このような高価格のエネルギー時代に入っている今日、低廉にして安定供給できる燃料の転換政策、こういうものについてはどのような見通しを持たれているのか。要するに、名目上では低廉にしてそうして安定的な供給を云々と、こうなっているけれども、実際にはそれがなかなかできないのじゃないかと、こう心配するんですが、いかがですか。
#303
○政府委員(三宅幸夫君) いまの御質問を私の所掌する電力、ガス並びに新しい供給事業として法律を出しております熱供給事業について申し上げますと、こういうエネルギーのコスト上昇要因がございますけれども、本法でもし御承認いただきますならば、固定資産税を中心といたしました地方税について軽減措置がとられます、また、受益者の負担の道も開かれますので、従来なかったメリットがコスト上生じてまいります。そうしたことで若干エネルギーが上がるといたしましてもできるだけこれは吸収してまいりたいと、かように考えております。
#304
○原田立君 時間がないから中途はんぱなお伺いのしかたになっているんですけれども、大臣、まず結論的にお伺いするんですけれども、公害を防止する、個々の暖房を切りかえて集中的にすると、こういうことで公害の防止につながるのだと、こういううたい文句なんでありますけれども、やはりその設置されたその地域には公害の発生するおそれなきにしもあらずと心配しておるわけです。そういうようなことがあったんでは何にもならないわけでして、そういうような場合、もしそんな公害を発生するようなことになれば、当然取り消し処分ぐらいなきびしい処置をしてでも公害多発は防がなければならない。
  〔理事川上為治君退席、委員長着席〕
ところが許可条件の取り消しの中には、そういう公害問題等についてあまり触れておりませんが、ここのところはほんとうならば法律の案文を実は変えてもらいたいくらいな気持ちでおるわけです。公害発生をしたような場合には、そういうようなときは、もう厳重に行政処分で停止するのだぐらいのものを条文に入れるべきだと、こういうふうに思っておるわけです。いまの段階においてはそんなこともできないでしょう。ですから大臣の答弁として今度の熱供給事業は公害発生は絶対させないのだ、もし出すようなことがあれば停止をさせるくらいの、そういう姿勢で臨むのだという、そこら辺のお考えをお聞きしたいと思う。
#305
○国務大臣(田中角榮君) 原田さんの御発言の趣旨、よく理解できます。しかし、こういうことをひとつ考えていただきたい。いままで温暖多湿でございます日本の気候風土の中で、住宅というものは開放系のものであったわけでございます。しかし、これからは立体化してまいりますし、団地化してまいります。それで不燃化してまいるわけでございます。そうすると、どうしても冷暖房、給湯というようなものが必要になってまいります。これはもう家の構造上、冷暖房を必要とし、空調を必要とするようになるわけでございます。いままでのように開放的なものではやれなくなります。だから、そういう意味で、これは電気やガスや水道に似たる広域性を持つものでございます。そうすると、一戸に一つずつ独立して全部に熱を確保すると先ほど局長から申し述べましたが、非常にロスもございますし、また、公害も多発をするわけであります。それを合理的な熱供給という制度の中で吸収してまいりますと、少なくとも、コストも相当安くなりまして、利用者の利便に供することができると同時に、公害も少なくとも半減をさせられる、こういうことでございますから、制度としては当然このような制度を確立しなければならない。
 この法律は、さっきから御質問いただいておりますパイプラインのようにやはり公害を起こしてはならないというふうに保安基準を確立をするということを目標にしてつくられている法律でありまして、促進法とか、そういうものではないわけでございます。ですから御指摘ございましたように、ほっておくとほんとうに大気も汚染されますし、公害も多発されるような状態でありますので、それを事前に規制をしたいということが本法提出の主目的でございます。そういう意味で、当然のことながら公害防除のためには、強い公害除去をできるような基準、施設というようなものを要求できるようにしてまいりたい、このように思います。公害がたくさん出るような場合は、大気汚染防止法等の基準があるわけでありますから、これでもって当然規制を受けるわけでございます。ですから大気汚染防止法以外に本法で事業を取り消すということが可能なのかどうかという問題は法制上問題があるようであります。ですから、それは大気汚染防止法によって規制を受けるということが正しいと思います。本法でどのように公害防止のためにすることができるのか、これはこれからも十分検討してまいりたいと、こういうふうに思います。
#306
○原田立君 大臣の言われることわかるのですよ。私はもう少しその先を言っているのです。公害を出したような、出すようなことになっちゃった場合には、もう厳重に行政処分でつぶしちゃうぞ、それくらいの強い姿勢で今回も臨みますということを、大臣、そういうふうに言ってくれればいいのです。
#307
○国務大臣(田中角榮君) それは、許可をする場合に燃料選択等、厳重に許可基準をきびしくしてまいる。また、その後も設備や何かが当初考えられたもの以外に大気汚染をするようなものがあれば改善命令を出すとか、そういうようなものは公害防止のためには万全の措置を講じてまいりたい、こう存じます。
#308
○委員長(大森久司君) 大臣の答弁は短かく願います。
#309
○柴田利右エ門君 熱供給事業のメリットというのは、先ほどからいろいろ御説明を聞いておりまして、あげられると思います。たとえば公害防止だとか、あるいはエネルギーの変率利用、省力化、あるいは土地建物の有効利用、さらには都市災害の防止などであります。しかし、これらを総合いたしまして、熱供給事業というのが現在の都市にとって、新しい町づくりをする場合に、持に不可決だというふうに御判断になっておられるのは、いまのところ官庁並びに現に供給事業をされようとする側ではないかというふうに思います。
 一方、この供給を受ける住民の側から見れば、まあ日本の気候の関係もございましょうし、供給地域が限定されるということ、あるいは料金、これもまあ北海道の例が出まして、手当等の関係で御説明もありましたけれども、やはり高いということが言われます。従来の特に暖房なんか見ますと十分だと、コストも安いと、こういうふうなこともございまして、この熱供給事業というのが、先ほど言いましたような認識は受ける側にはあまりなかったんではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#310
○政府委員(三宅幸夫君) いまのは、需要者のほうにあまり喜ばれていないのではないかという御質問かと思いますが、私どもも、これについてアンケート調査は需要者から直接はやっておりませんが、地元市町村では、当該地元の方々の御意向を受けて非常にこのプロジェクトに興味を示しておられる。それが、まだ不確定要因がございますけれども、すでに約八十カ地点ということになっておるわけでございます。それから、直接消費者の感触を調査いたしましたのは、札幌市がことしの一月から二月にかけまして下野幌団地の入居者の方にアンケート調査をいたしました。大多数の回答は消費者が手間がかからない快適な暖房ができて、また、お湯が自由に出るというので非常に歓迎だ、こういう調査結果になっておるそうでございますが、ただ、若干部屋が乾燥し過ぎるという苦情もあったようでございます。これはむしろ入居後間もない方が多いものですから、需要者のサイドの器具の調整について不慣れな点があったのではないかと、こう思いますが、その点は会社側から十分今後PRをしていただきたいと考えております。いずれにいたしましても、札幌市の調査によりますと、非常に歓迎されておるという数字が出ております。
#311
○柴田利右エ門君 先ほどから北海道の例がよくあげられておるのですが、アンケートというのは、大体いまあるプロジェクトといいますか、現在進行中のもの、さらにはこの事業が進んでおるところ、そういうところ全般にアンケートをされても、大体そのような結果が出されているわけなんですか。
#312
○政府委員(三宅幸夫君) いまのは札幌市が下野幌団地についてやったアンケートでございます。私どもが消費者にアンケート調査をしたことはございませんが、先ほど申し上げました八十カ地点のプロジェクトというものは、大部分が地元の意向を受けて地元の地方公共団体からそういう計画を進めたいという名乗りのあったケースでございますが、その裏には、当然地元の消費者の相当の支持があるのではなかろうか、かように考えております。
#313
○柴田利右エ門君 次に、熱供給事業の適地基準の問題についてお尋ねをいたします。
 熱供給事業の適地基準というのは、一応次のようなものが考えられるというふうに思います。熱供給に対する需要が高密度であるということ、需要が季節的、時間的に安定をしていること、町づくりが計画的に行なわれること、これらの点であろうというふうに思いますが、これらの適地基準は、将来わが国の都市の構造なり、あるいは住宅様式においてならともかく、現状及び近い将来において必ずしも当てはまらないのではないかというふうにも考えられるわけでありますが、この点はいかがでしょうか。
#314
○政府委員(三宅幸夫君) ただいま御指摘のございました適地基準は、これはまさに総合エネルギー調査会の熱供給部会の答申にうたわれた点でまことに御指摘のとおりでございます。これが、日本に全国的に普及するかどうかという点はいろいろまだ流動的でわかりませんけれども、いずれにしても、中高層住宅及びビルの集中化ということが行なわれますならば、こういった適地基準に該当する。プロジェクトが今後相当出てくるのではないか、かように考えております。
 なお、一九七〇年にヨーロッパで世界的な地域冷暖房の会議が持たれました。来年また第二回が開かれる予定でございます。そういうところにも積極的に参加をいたしまして、適地基準について諸外国がどういう実態になっておるのか、非常に普及率の高い先進諸国の、この面についての先進諸国の例もなお深く検討してみいたと、かように考えております。
#315
○柴田利右エ門君 いま国際会議のことが出ましたし、一九七〇年にもそれが開催をされ、さらに、逐次開催されるということでありますが、いままでのところでは必ずしもはっきりした概念なり定義なりというのが明確になっていないというようなことが言われておるわけでありますが、こういうこれからの会議でさらにこういう問題が論議をされていくというふうに思いますが、いままでの経緯なりについて概略でけっこうですからちょっとお聞かせを願いたいと思う。
#316
○政府委員(三宅幸夫君) 一昨年四月にロンドンで第一回がございまして、参加人員約六百名、日本から民間人が五名出ております。論文の発表者は六十名で、日本は三名、非常な関心を日本が示しておるという数字がこれでも読めるわけでございますが、来年第二回の会議がハンガリーのブタペストで開かれる予定でございますが、日本生産性本部その他とも連携をとりまして、積極的にこれに参加したいと、かように考えます。
#317
○柴田利右エ門君 それでは、次の質問に移りたいと思います。
 次の質問は、配管計画についてでございますが、熱供給事業の許可基準の中に、五条の四号ですか、「その熱供給事業の計画が確実かつ合理的であること」という規定がございますが、この合理的ということばの意味は、この場合経済的という意味を持っておるというふうにも解されるのですが、いかがでしょうか。
#318
○政府委員(三宅幸夫君) 机上のプランでない、夢物語でないという意味において計画の確実性を要求しておりますと同時に、経済諸原則を踏まえてその内容が合理性十分であるかどうかという判定をしたいと考えておるわけでございます。で、具体的に合理性が何だということになりますと、特に問題なのは、都市計画あるいは当該地元との公害防止計画との対応策が十分ついているかいないかという点が一つの大きなポイントになろうかと考えております。
#319
○柴田利右エ門君 事業計画を樹立する場合最も問題になるのは、地域の配管計画ということが一つ重要な課題になろうと思います。それもニュータウンのように初めから供給をする区域がはっきりしておるものはいいわけですが、既成市街地で実施をすると、すでに町並みができて長い間多くの人たちがそこに住んでおるというようなところで実施をする場合には、将来需要をどこまで予測をしたらよいかというようなことがむかしい問題になるのではないかというふうに思います。しかも、これに先ほどお話がありましたけれども、一応企業であるということならば、採算性ということも考え合わせていくと、そうなりますと設備費の中で、配管費の占める割合が五〇%を上回るくらいになるではないかというような話も聞いておりますが、現在実施をされております熱供給事業では、将来の需要をいささか見込み過ぎたきらいもありまして、過剰設備というような傾向もあるやに言われております。過剰な先行投資をすれば、それは結局事業の健全な発達ということに対しては当然妨げになってくるわけであります。同時にまた、それが料金決定にもはね返ってくることになるわけでありますが、そのように考えてまいりますと、事業の採算性と将来の需要見込をとの調和点、こういう点をどこに見出していくかということはこれは非常にむずかしい問題であろうとは思いますけれども、もちろん、これは事業といいますか、企業が解決をしなければならぬ課題だとは思いますが、行政当局としても無関心でおられる問題ではない、こういうふうに思いますので、それらの点に対します指導といいますか、お考えについてお伺いをいたしたいと思います。
#320
○政府委員(三宅幸夫君) 確かにいま御指摘のとおり、配管に要する経費は、総建設費の半分ないしはそれに近いケースが多いわけでございますが、これは特に地下に導管を先行投資として一回まず埋めてしまうというために、非常に先行投資性が強いからでございます。そういったコストの上昇要因をいかに薄めて低廉な料金を設定するかということば、長い目で設備の減価償却期間を、少なくとも八年、十年くらいとることによりまして、後年度にその問題の調整をはかっていく、こういうことにしか方法はないと思いますが、なお、一般論として財政金融上の措置によってこれを促進してまいりたいと、かように考えております。
#321
○柴田利右エ門君 次に、熱供給事業の技術開発の問題について御質問したいと思います。
 熱供給の技術開発、これについては最も要請をされるのはコストの低減であろうというふうに思います。これは必ずしも熱供給に限る問題ではないというふうに思いますが、先ほどからの御説明を聞いておりまして、特にこういうことにも関連をいたしまして、国の積極的な助成策というものが必要になるんではないかというふうに判断をいたします。たとえば、特定電子工業あるいは特定機械工業の振興臨時措置法、こういうものは電子機器あるいは機械等を指定をして高度化計画をつくりまして、その生産技術の向上なりあるいは生産の合理化、そういうことを促進をする制度も設けておるわけでありますが、熱供給装置についても高度化といいますか、近代化といいますか、こういう計画によりまして、技術開発を進めているわけでありますが、その内容について、概略につきまして御説明をいただきたいと思います。
#322
○政府委員(三宅幸夫君) 御指摘のとおり、高度化計画で業種の指定が行なわれております冷凍機につきましては、生産コストの引き下げ率を七%、ボイラーについては一〇%以上、光熱費についても一〇%以上、そして熱量計については八万円から二万円まで引き下げたいというので、本年新しく技術開発補助金を交付いたしまして、熱料金の大幅な単価引き下げをはかりたい、こういうふうに考えております。
#323
○柴田利右エ門君 いま八万円のやつを二万円くらいにしたいということなんですが、こういう法案を出されるについては少し手おくれの感じを私感ずるのですが、大体いつごろになったら、そのくらいになるのですか。
#324
○政府委員(三宅幸夫君) 本年度一ぱいに必要な技術試験を全部行なうと、そして、これは従来熱量計は機械式の熱量計でございましたが、今度新しく電子式の熱量計を開発しようとしておる向きがございますので、その成果に期待をいたして補助金を交付した次第でございます。
#325
○柴田利右エ門君 熱量計の問題につきまして、値段のことももちろん大切な一つの問題ではありますけれども、これは精度のほうも値段に劣らぬ大きな問題だと思いますが、夏分において、夏季においては、流れをしぼったりゆるめたりというようなことでもって誤差がかなり大きくなるというような話を聞いておりますが、こういう精度の面についてはどうなんでしょうか。
#326
○政府委員(三宅幸夫君) 従来、熱量計の誤差がわりあいゆれが多いということは御指摘のとおりでございますので、高度化計画では二%以内ということでもって現在努力中でございます。
#327
○柴田利右エ門君 この質問で終わります。
 公益事業審議会の問題について、お尋ねをいたします。この熱供給事業というのは狭義の公益事業だと、こういうことで御説明があったように聞いておりますが、まあ電気事業、ガス事業、これに熱供給事業を加えますと、公益事業というものが三つになる。先般論議をいたしました石油開発公団も公益事業だというような、石油パイプラインの事業につきましても、そういうような性格があるということなんですが、この段階で公益事業を調査審議をする審議会として、公益事業審議会というようなものについて何かお考えになっておられるかどうか、お尋ねをいたします。
#328
○政府委員(三宅幸夫君) 御指摘のとおり、電気には電気事業審議会、ガスにつきましてはガス事業法によりまして地方に協議会制度がございます。また、中央には臨時の調査会がございます。さらにこの熱供給については、熱供給部会というのを総合エネルギー調査会に設けまして、中間答申をいただいたわけでございますが、この三つの事業に共通する面もございますけれども、その時代の要請によりまして問題の重点項目が移動しておりますので、いま直ちに三つのものを統合いたしました公益事業審議会への改組ということはちょっと慎重を要すると思いますけれども、将来の問題として十分検討しておくべき問題だろうというふうに考えております。
#329
○柴田利右エ門君 ガス事業については審議会が設けられていないということもありますので、この審議会というのは確かに三つのものを並べまして、必ずしも一つの審議会でやるということが適当かどうかという点につきましては、お説のような考え方もあるだろうと思いますけれども、この審議会というのを人選その他によってかなりそういう面を補う面もあろうかと思いますので、御検討をわずらわしたいというふうに思います。
 私はこの質問で終わりますというふうに申し上げましたけれども、実は大事な点を一つ落としておりましたので、その一点だけ追加をさせていただきます。
 この熱供給問題と関連をいたしまして、いろいろ技術革新が進みまして、こういう地域冷暖房というようなことがいわれておるのですが、たしか内閣で「二十一世紀を見通して」というような論文について募集といいますか、されたことがあって、何か当選したのがあるはずなんですが、それと関連していろいろ学者先生方が出しておられる本の中で、こういう席であまりうろ覚えのことを申し上げてもたいへん恐縮でございますけれども、その中で、二十一世紀になれば地域冷暖房というのはむしろこういう形でなくて、電気が非常に発達して、そういうことによって十分その用を足す。二十一世紀になると、いわゆるいまいっておる地域冷暖房というのはほんのわずかの地域で、わずかの数しか残っていないというようなことを読んだことがございます。そういう点について、これは内閣のほうでたしかいろいろ国民に呼びかけてそういう論文を、各先生方の論文を集められたわけでありますから、あるいはそういう点で御存じかと思いますので、そういう点についてせっかくこうしてつくっても、もちろんそのときそのとき、いまのような時代は非常に技術の進歩の度合いが激しいわけですから、そう先々のことを見越し過ぎていまの状態をなおざりにする、等閑視するということも問題があると思いますけれども、かなりの先を見越してこれがもう余りものになるというようなことを、あまりにもここで力を入れるのはどうかというような感じがいたしますので、その辺についてのお考えがあればひとつお聞かせをいただきたい。
#330
○国務大臣(田中角榮君) そのような論文があったかどうか、私もちょっとさだかに覚えておりませんが、しかし、そういうことがないとは言えないと思います。しかし、今世紀末といったら三十年あるわけでありますから、これはもうやっぱり相当な時間がございます。それから幾ら考えてみても、一つの論文として考える場合、想定をする場合、地域冷暖房論のごときものはないのじゃないかという考え方が一つ生まれるかもしれませんが、しかし日本の状態から考えてみて、過去、戦後二十七、八年の状態を見てもまだこの状態でございますから、しかも、エネルギーの問題を長期展望いたしますと、すべてがビルディングになる、それから電気ですべて快適なということが考えられるかどうか。そういうことになることが望ましいことでございますが、やはり現実問題としてまだ木造平家建てと超高層が隣合わせで存在をするというような状態を考えますと、やはり高速交通網で結ぶ団地化というものが一つの段階として存在をすると、こう考えざるを得ません。その場合は、これはもうどうしても地域冷暖房施設のようなものがなければ合理的なものにならないわけでありますから、やはりいまの段階においてこの法律の線でいくということは必要なことだと、こう考えるわけでございます。
#331
○柴田利右エ門君 終わります。
    ―――――――――――――
#332
○委員長(大森久司君) この際、委員の異動について報告いたします。
 本日、須藤五郎君が委員を辞任され、その補欠として星野力君が選任されました。
    ―――――――――――――
#333
○委員長(大森久司君) 別に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#334
○委員長(大森久司君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もなければ、討論はないものと認め、これより直ちに採決に入ります。
 熱供給事業法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
 〔賛成者挙手〕
#335
○委員長(大森久司君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 竹田君から発言を求められておりますので、これを許します。竹田君。
#336
○竹田現照君 ただいま可決されました熱供給事業法案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党四党共同提案による附帯決議案を提出いたしたいと思いますので、御賛同をお願いいたします。
 案文を朗読いたします。
   熱供給事業法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行にあたり、熱供給事業の健全な発達をはかるとともに、保安確保、公害防止等の見地から、次の諸点についてとくに配慮すべきである。
 一、熱供給事業の許可およびその監書にあたつては、環境の保全の観点から、地方公共団体の長の意見を尊重するとともに、使用燃料の規制、排煙処理施設の整備等、総合的な大気汚染防止対策を講じ、いやしくも熱供給事業の開始が新たな公害をもたらすことのないよう努力すること。
 一、熱供給事業者の自主保安体制確立の基礎となる保安規程の届出を受理するにあたつては、保安確保の観点から、厳重な基準を設定してこれを審査することとし、認可制度と同様の行政効果をあげるよう、強力な指導を行なうこと。
 一、本法に基づく供給規程の認可にあたつては、現在熱供給を業として行なつている者を供給規程の内容にとらわれることなく、消費者保護の見地から十全の認可基準を設定するとともに、供給規程のモデル作成等の措置によつて熱供給事業者の指導を行なうこと。
 一、熱供給事業が、高熱の湯、蒸気等の導管等による供給を行なう点において、事故発生の場合危険性の多い性格をもつものであることにかんがみ、保安確保の見地から、通商産業省令で定める技術上の基準を完全かつ高度のものとするとともに、熱供給施設、とくに導管に対する監視体制および他工事等による事故防止対策を確立し、安全の確保に万全を期すること。
   右決議する。
   以上です。
#337
○委員長(大森久司君) ただいま竹田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#338
○委員長(大森久司君) 全会一致と認めます。よって、竹田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し田中通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。田中通商産業大臣。
#339
○国務大臣(田中角榮君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、政府といたしましてはその趣旨を尊重し、万遺憾なきを期する所存でございます。
    ―――――――――――――
#340
○委員長(大森久司君) 次に、石油パイプライン事業法案を再び議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は御発言願います。
#341
○大矢正君 先ほどの質疑の最後の段階で、私は現在進行中の空港パイプラインとその技術基準との関係についてお尋ねを申し上げました。その後、各省から技術基準、また建設基準等々それぞれの所管省からの若干の資料をいただきました。時間的な余裕がございませんので、詳細、私自身が検討することができませんので、この際、質問というよりも、大臣に二点にわたって決意のほどをお聞かせ願いたい、こう思うわけであります。
 まず第一点は、空港公団のパイプラインは、先ほども議論がございましたとおり、この法律が存在しようがしまいが実行に移されるものであるというこの事実を考えまする際に、先ほど来言われておりまするような最高の技術水準、あるいは最高の設備、あるいは機能、そういうものを前提とした言うなれば安全対策を考えようといたしましても、すでに実行に移されているというこの事実の上におきましては、ズレが生ずる不安があるわけであります。したがって私は、そういうような技術基準の上における現在進行中の空港パイプラインと、今後のパイプラインとの間の違いをなくするために、関係各大臣全員からそれぞれ答弁をいただきたいところではあるますが、出席は田中大臣お一人でございますので、田中大臣から責任あるひとつお答えを賜わりたいと思うのであります。それはなるほど技術上の基準につきましては、諸外国の例を十分勘案をし、諸外国より以上の安全を考慮した上においての施設、これを考えておられるようではありますが、技術の進歩がさらに一そう考えられる今日におきましては、やはり私はさらに一そう最高の技術を集約いたしまして、事故が起こることのないような最善の努力をすべきではないかと、このように考えるのでありますが、大臣、どのようなお考えを持っておられますか、決意のほどをお伺いいたしたいと、こう思います。
#342
○国務大臣(田中角榮君) 本法による保安基準の確定を待たず、実行されております新東京国際空港公団によるパイプライン敷設工事にあたりましては、諸外国における安全基準によりより強い技術を確保し、技術的には全く問題のない工事を行なうよう各省及び空港公団との意思の疎通をはかって、万遺憾なきを期してまいる所存でございます。
#343
○大矢正君 最後に、安全上の問題と住民との間における今後の話し合いについて決意をお尋ねいたしたいと思うのでありますが、現在進行中の空港パイプライン、また、将来設けられるであろう関東パイプライン、あるいは北越パイプライン全部を含めて、私は特に考えなければならないことは、やはり先ほど来質問の中心にもありましたように、安全の維持であり、かりそめにも建設費の多寡によってコスト高が考えられ、そのために保安がなおざりにされるようなことがあってはならないと思いますし、同時にまた、人口密集地帯であるとか、万一の場合に被害の甚大な個所であるとか、こういうところにつきましては、たとえば迂回をするとか、あるいはまた、今日絶対と称してもよいほどの最大のひとつ安全対策を考慮するとともに、最終的には地域住民との間に対話を通じ、地域住民との間の摩擦を最小限度にとどめるような配慮をしつつ、この建設に当たる決意がおありかどうかお尋ねをいたしたいと思います。
#344
○国務大臣(田中角榮君) 石油パイプライン工事は、わが国における新しい事業でもあり、可燃性物質を大量に運ぶ重要な事業でもございますので、安全対策につきましては万全を期さなければならぬことは申すまでもありません。この事業遂行にあたり、地元民の理解を得るために誠意を持って対処いたしてまいりたいと存じます。
#345
○委員長(大森久司君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#346
○委員長(大森久司君) 御異議ないと認めます。それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もなければ、討論はないものと認め、これより直ちに採決に入ります。
 石油パイプライン事業法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#347
○委員長(大森久司君) 可否同数と認めます。よって、国会法第五十条後段の規定に基づき、委員長において本案に対する可否を決します。
 本案については、委員長はこれを可決すべきものと決定いたします。
 竹田君から発言を求められておりますので、これを許します。竹田君。
#348
○竹田現照君 ただいま可決されました石油パイプライン事業法案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党四党共同提案による附帯決議案を提出いたしたいと思いますので、御賛同をお願いいたします。
 案文を朗読いたします。
   石油パイプライン事業法案に対する附帯決議(案)
  政府は本法施行にあたり石油パイプライン事業の実施に伴う保安確保の緊要性にかんがみ、とくに次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一、石油ハイプライン基本計画の策定、事業の許可および工事計画等の認可にあたっては、とくに公共の安全の確保に留意すること。
 二、主務省令で技術基準を定めるに際しては、人口稠密、地震多発等のわが国の特殊性を考慮し、日本国有鉄道、新東京国際空航公団等の既往の技術基準にとらわれることなく、保安確保の見地から最高かつ完璧な内容のものとするとともに、保安規程の認可にあたっては、保安管理上万遺憾なきを期すること。
 三、石油パイプライン事業行政の運営にあたっては、その円滑を期するため連絡協議会の如き組織を設置し各省の緊密な協力のもとに確固たる責任体制を確立すること。
 四、石油パイプラインの事業用施設に関する工事の施行および各種検査の実施については、主務大臣は、保安のための技術基準に適合させるため、とくに消防職員立会いのもとに厳重な点検を励行するものとし、不良工事に対しては、必ず工事のやり直しを命ずること。
 五、石油パイプライン事業者の事業用施設の設置および事業の運営については、関係地方公共団体および関係地域住民の意思を尊重し、とくにその保安上の不安を解消するため具体的な措置をとるよう強力にその指導すること。
 六、日本国有鉄道の行なう石油パイプライン事業の運営にあたっては、とくに消防の見地から自治省および関係地方公共団体と密接な連携を保ち公共の安全を確保すること。
   右決議する。
  以上です。
#349
○委員長(大森久司君) ただいま竹田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#350
○委員長(大森久司君) 全会一致と認めます。よって、竹田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し田中通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。田中通商産業大臣。
#351
○国務大臣(田中角榮君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、政府といたしましてその趣旨を尊重し、万遺憾なきを期する所存でございます。
#352
○委員長(大森久司君) なお、両法案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#353
○委員長(大森久司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#354
○委員長(大森久司君) 請願第二三号、中小鉱山対策の充実強化に関する請願外三十二件を議題といたします。
 本請願につきましては、慣例により、理事会において慎重に検討いたしました。以下、お手元に配付いたしました資料によりまして、その結果を報告いたします。
 第二四号不況対策の強化に関する請願、第一四五五号経済政策の転換に関する請願、第三八七号、第三八八号、第三八九号、第三九〇号、第三九一号、第三九二号、第三九三号、第三九四号、第三九五号、第三九六号、第三九七号、第三九八号日米繊維政府間協定破棄に関する請願、第二三号中小鉱山対策の充実強化に関する請願、第一四二六号国内鉱山の抜本的な鉱業政策の確立に関する請願、第一三〇四号中小企業安定のための緊急措置に関する請願、第七二一号、第七二二号、第七二三号不況下における中小企業安定対策に関する請願、第一五五四号中小商工業者の営業と生活安定のための緊急措置等に関する請願、第二九三二号、第二九三三号、第二九三四号、第二九三五号、第二九三六号、第二九三七号、第五次石炭政策確立に対する請願、以上二十七件の請願は、いずれも議院の会議に付するを要するものとして内閣に送付するを要するものと決定いたしました。
 以上報告いたします。
 この際、おはかりいたします。
 ただいまの報告どおり決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#355
○委員長(大森久司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#356
○委員長(大森久司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#357
○委員長(大森久司君) 継続調査要求に関するの件についておはかりいたします。
 産業貿易及び経済計画等に関する調査を継続することとし、本件の継続調査要求を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#358
○委員長(大森久司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#359
○委員長(大森久司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#360
○委員長(大森久司君) 委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。
 産業貿易及び経済計画等に関する調査のため、閉会中に委員派遣の必要が生じた場合には、これを行なうこととし、その手続等については委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#361
○委員長(大森久司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後九時十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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