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1971/04/18 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 農林水産委員会 第7号
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1971/04/18 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 農林水産委員会 第7号

#1
第068回国会 農林水産委員会 第7号
昭和四十七年四月十八日(火曜日)
   午前十時二十二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高橋雄之助君
    理 事
                亀井 善彰君
                園田 清充君
                中村 波男君
                前川  旦君
                宮崎 正義君
    委 員
                梶木 又三君
                小林 国司君
                鈴木 省吾君
                温水 三郎君
                山崎 五郎君
                川村 清一君
                工藤 良平君
                向井 長年君
                塚田 大願君
                中村 登美君
   国務大臣
       農 林 大 臣  赤城 宗徳君
   政府委員
       農林政務次官   佐藤  隆君
       農林大臣官房長  中野 和仁君
       農林大臣官房審
       議官       遠藤 寛二君
       農林省農林経済
       局長       小暮 光美君
       農林省蚕糸園芸
       局長       荒勝  巖君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
   説明員
       環境庁大気保全
       局大気規制課長  山村 和男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改
 正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高橋雄之助君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案は、前回説明を聴取しておりますので、これより質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
#3
○工藤良平君 私は、農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案につきまして質疑をいたしたいと思います。
 この法案そのものの細部的な内容につきましては、前川委員のほうから詳細に質問いたしますので、私はごく二、三点について内容をお聞きをしながら、あと果樹全体の問題についてお聞きしてまいりたいと思います。
 まず最初に、この内容に盛られておりますものの中で、収穫共済のうち、その共済目的としての果樹の種類が出されておりますが、その中で、「その他政令で指定する果樹」というところがありますけれども、それは果振法に基づいて果樹の振興をはかってまいりました種別のうち主要なものをさしているのか、それは今後どのような計画で、この農災法の中に組み入れられていくのか、まずその点をお聞きいたしたいと思います。
#4
○国務大臣(赤城宗徳君) 政令で指定するものというのは、いまのお尋ねの中の果振法で振興の対象としているもの、その中からでございます。
#5
○工藤良平君 そういたしますと、果振法で指定されております、たとえばクリとかカキとかといりものは近い将来において当然これに繰り入れられていく、このように理解をしてよろしいわけですね。
#6
○国務大臣(赤城宗徳君) 果振法で指定されているカキとかクリでございますが、いろいろ県の制度で必要な資料の整備をはかったり、共済事業の状況等を見ながら検討していく必要がございます。でございますので、そのうちでもカキその他につきまして、被害事実の基礎調査をいま行なっております。まだ問題があるものも考えられますので、指定の時期はいつかというようなお尋ねでございますが、それに対しましては、画一的には申し上げられませんが、できるだけ早い機会に保険設計ができるようつとめてまいりたい、こう考えております。
#7
○工藤良平君 二番目の問題として、この収穫共済と合わせて樹体共済が出されております。私もこのことについては賛成でございます。特に永年作物であります果樹につきましてはそのことが当然のことだと思いますし、しかも、樹勢の回復までには相当な期間を要しますし、まことに私はこの点については賛同するものでありますけれども、ただ、その範囲で収穫共済と同一種類の果樹で生育程度が一定の基準に達しているものというようにされておりますけれども、樹勢の低下というものは、逆にいいますと、私は幼木の際の被害の影響というものが、幼木に限ってほとんど植えかえしなければならないのではないかというような気がするわけでありまして、そういう意味からいたしますと、むしろ幼木ほど被害が大きい。したがって、それを対象にしていくということのほうが大切ではないかという気がするのでありますけれども、その点、一定の基準に達しているものというふうに示しておりますのは、どのようなことを意味しているのかお聞きしたいと思います。
#8
○政府委員(小暮光美君) 果樹共済の制度化のために試験実施をするにあたりまして、樹体共済の問題についてもあわせて試験をいたしたわけでありますけれども、収穫共済と比べまして、全く新しい考え方でございまして、収穫の際にいろいろな基礎的なデータが確立しているものと、それと密接不可分の関係で、生産過程にある果樹、年々所得を生み出しておるそういう果樹についての樹体そのものの被害について、収穫共済と不可分のものとして、これを制度化するということにつきましては、比較的早く考え方が整理されている、これについての基礎的な資料の整備も急いでおる、これを本格実施に間に合わせたいということでございます。
 幼木の問題につきましては、確かに御指摘のような問題がございますが、まだ幼木につきましてどのような形でこれは保険設計に組み込めるかという基礎的な調査等について、なお相当詰めるべき点があるというふうに考えております。幼木の問題は、決して制度的に放棄するわけではないんですけれども、これについては、なお引き続き検討さしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
#9
○工藤良平君 この問題は、私も後ほど農災法の目的の際に議論をしたいと思っておりますので、そこに譲るといたしますが、特に幼木の対策については非常に私は大切ではないかというふうに実は思っておりますので、今後、その点については、目的と合わせながら議論をしてまいりますので、そこに譲るといたします。
 それでは次に、共済金額の査定の問題でありますけれども、特に果樹の場合には、価格の変動というものが非常に私は激しいように思うわけでありまして、たとえば今日まで進めてまいりました米とか麦とかいうようなものに比較いたしますと、その共済金額の査定というものが非常にむずかしいのではないだろうか。その判断というものは、一体どこに基準を置いて査定したらいいのか。実際、これは具体的な運用の中で問題が出てくるような気が私はするわけでありますけれども、その点、ちょっとお伺いしておきたいと思います。
#10
○政府委員(小暮光美君) 確かにくだものの場合には、これを時々刻々に販売するという形でございまして、とれましたものを全部まとめて、米の場合のように一俵幾らということで、達観して眺めることができない性格のものでございますから、圃場でとれたもの全部についてという思想であるよりは、むしろ出荷という段階を正確につかまえて、どういう形で経済的な商行為が完結したかということを見ながらやらなければいけないという点で、実は農災制度として、いわば新しい分野に踏み込んだということになるわけでございます。ただ、これにつきましては、それぞれ物賃調査その他客観的な調査等も使いまして、また、それぞれの出荷団体の出荷資料等につきましても、制度的にこれを取り入れるために、協力を求めると申しますか、農災制度の中に出荷団体が資料を出してもらうというような形で、協力を求めるという形で、その点を具体的に処理してまいりたいというふうに考えております。
#11
○工藤良平君 次に、私は、樹体共済の場合に、具体的な事例で、こういう場合は一体どうなるのかということを申し上げてみたいと思うんですが、実は、これは昨年私の県で、ナシの産地がありますが、これはもちろん台風の被害と、それから新しく海上空港といいますか、海に四百メートル、前面二千メートルにわたって埋め立てをしまして空港をつくっているわけですが、それがたまたま台風と一致をいたしまして、自然環境をこわしたその岸壁に、実は台風が襲来をいたしまして、高さ三十メートル、しかも二千メートルの広範にわたって波が打ち上げたということで、予想もしなかった塩害が起こったのでありますけれども、私はここで一番いい例ですからお話を申し上げるわけでありますけれども、被害が起こったのが八月の四日、五日でありまして、もちろん、すでに、わせは若干早いですけれども収穫の時期に入ろうとしておった。おくてについては、もちろん、その塩害によりまして全部落葉してしまいましたから、相当な被害が出たわけであります。果実そのものに対する被害というものが一つ起こってきたのと、もう一つは、今度のこの対象になりました樹体の影響というものが、非常に大きな問題が出てきたわけであります。私も八月の中旬に報告を受けまして現地に参りましたが、そのときは、九州の八月ですから非常に暑いわけです。一瞬にしてナシの葉がまっ黒くなりまして落葉してしまった。そういたしますと、ちょうどナシについては、すでに花芽の形成期に入っているわけであります。さほど問題にしてなかったんですけれども、その後九月とそれから十月に参りましたら、九月にすでにもうこの花芽の生育が始まっているわけであります。そして秋に参りましたら、それが花が咲いてピンポン玉ぐらいの実がなるという状態が起こってまいりました。そうすると、これは当然この樹体共済の対象にはなると思うんですね。その場合に、これが一体一年でその樹体の影響というものが済むものか、あるいは二年にまたがるものか、非常に大きな問題が実は提起をされているわけであります。そのような場合に、この樹体共済を適用する場合に、一体単年度でそれを査定をしていくのか、あるいは二年、三年とまたがるという評価をしながら樹体共済の対象として扱っていくのかという問題が現実に私は起こってくるのではないかと思うんですが、こういう場合に、非常にむずかしくなると思いますけれども、そういった収穫共済と同時に樹体共済を合わせて適用する。おまけに、それが単年度でなくて二年度、三年度とまたがるというような結果というものが生ずるということになったときに、その具体的な適用はどうなるのか、そこら辺をちょっと説明していただきたいと思います。
#12
○政府委員(小暮光美君) 樹体共済の場合に、塩害あるいは凍霜害等で花芽がいたんでしまった、あるいは葉が縮んでしまった、こういうような形のものを樹体共済の対象にするという考え方ではございませんです。それらのものは収穫共済の対象――収穫共済のほうは、実は単年度でなくて、これを会計年度で切ったりいたしませんで、それぞれのくだものごとに花芽の形成期から収穫期まで。ですから、具体的な樹種については、たとえば一年半というような形になるわけです。したがいまして、前の年の自然災害で花芽の段階からいたんだということで翌年収穫がないということになれば、これは収穫共済で処理する。それから樹体共済のほうは、これは新しい仕事ですから、いろいろな考え方は今後検討されると思いますが、今回、一応提案しております考え方は、その木が、何と申しますか、再起不能で、これはむしろ、いろいろ肥培管理するよりも植えかえたほうが経済的であるという程度まで損傷いたしましたものについて樹体共済ということに判定して共済金を支払う。したがいまして、これは単年度、十二カ月単位のものを考えております。これで、ある年に樹体共済の対象となったということで、ある樹園地が樹体共済の共済金の支払いを受けますと、その翌年は、その部分については収穫共済を受けつけないということになると思います。収穫共済と樹体共済との間は理論上さい然と分かれるということになると思います。
#13
○工藤良平君 これは、実は、運用において特にアフターケアの問題が私は非常に大きな問題となると思うのですね。そういう、いまのような二つの場合が起こった場合に、二年ないし三年にまたがって、樹体の回復が非常に困難であるというような判断をした場合に、むしろ、樹体共済の適用によって新植をさしていくということのほうがむしろ有利ではないかということが起こり得るのじゃないかと思いますね。そういう場合には、そういった指導――アフターケアというものが必要になってくるのじゃないだろうか。どちらをとるか、その選択の問題ですね。こういう点については、どのように指導をしていったらいいのか。その点についてお伺いしたいと思います。
#14
○政府委員(小暮光美君) ただいま塩害とか凍霜害等具体的な例をとってのお話でございます。果樹につきましては、別途、たとえば雪の害といったようなものもございまして、これが特に風雪害等の場合に、かなり大きな、枝が折れてしまうといったような問題がございます。こういう場合に、いまの御指摘と似たような一つの境界線にまたがる問題が起こるというふうに私ども見ております。くだものの一つの木でございますので、先生もこれはよく御承知のように、一部がそこなわれますと、木としては十分の根が張っているわけでございますから、逆に、代償生長と申しまして、ほかの枝にたくさん花がつく。西側は前の年に塩害でやられましたけれども、東側に無傷の花芽があれば、そちらのほうにたくさん実るといったような問題もございますし、どの辺で見切るかということが指導上もなかなか問題だろうと思います。そこで、先ほど申しました制度といたしましては、植えかえるほうが経済的に妥当であるというようなところまでいたんだものを、これを樹体被害があったということで、将来その木が当然何年か後に収益をあげるであろうというふうに想定されるような計数があるわけですから、それを勘案した保険金を払う。それによって植えかえてもらう。そうでない場合には、むしろ、その木を肥培管理して育てていくと、そういうことになりますが、しかし、そういう場合に、肥培管理して育てていくほうが一部収益において劣るということになれば、これは収穫共済という形のほうで救っていく、このように指導してまいるかと考えております。
#15
○工藤良平君 運用の問題については、非常にこれが画一的に運営をされることがいいのか、あるいはそういったような弾力的な運営というものがいいのか、非常に問題があろうと思いますけれども、新しい制度だけに、しかも、そういう特に非常にむずかしい果樹という問題を扱うわけでありますから、ぜひ、それらの点にいては慎重に、しかも、農家の方々に手の行き届いた指導体制というものが必要じゃないかと思いますから、そういった点を申し上げておきたいと思います。
 次に、共済金の支払いの際の問題でありますけれども、減収量のうちに品質低下の尺度という部面がありますけれども、確かに、被害を受けた場合に、量そのものが非常に減収をしていくということと、それから品質低下というのが非常に大きな問題になりますし、それももちろん共済支払いの一つのファクターになるということがうたわれておりますが、この品質低下の一体尺度というのはどこに置くのか非常にむずかしい問題ではないかと思います。しかし、それは加味するということになつっておりますので、この辺ちょっと御説明いただきいと思います。
#16
○政府委員(小暮光美君) 品質低下の問題につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたように、果樹の場合には米、麦等と違いまして販売活動という段階でどれだけのいわば出荷があったかということを確認するような考え方が加味されております。したがいまして、その段階で、品質低下によって要するに手取りが減ったという部分を共済の対象にできるように制度を仕組みたいということで御提案申し上げておるわけでございますが、確かに個々の農家についてこれを判定することは、組合の運営上もできないと思います。したがいまして、今回の案ではすべてのものについて品質の問題が加味できるということではなくて、特に共販制度が確立しておって、その傘下の組合員ごとに、日ごろたとえば、荷受けの場合の評価表といったようなものが、出荷段階で制度的に確立している、こういったものについてのみ品質を加味することを認める、こういう考え方でございます。したがいまして、傘下の組合員が全員農業協同組合を通じて共販をやっておる、少なくとそれぞれの農家ごとには五割以上共販に載せておるというようなことを一応の要件にいたしたいというように考えております。その場合に、出荷段階でそれぞれの生産者ごとに採点表がございまして、共同計算の結果を個々の農家に割り振って口座に振り込むときに採点のしかたがある。これは今回の制度以前から要するに共同出荷という形でそういう仕組みが確立しておるわけでございます。それが完備しておるものについては、それを使ってよろしいという形で品質低下の問題が共済の対象になる、かように考えておるわけでございます。
#17
○工藤良平君 次に、この加入方式の問題ですが、一応の目安としてだろうと思いますけれども、資格農家、一応組合がつくられますけれども、その組合等が定める一定の規模、こういうことなんでありますけれども、その一定の規模というのを、五アールないし十アール程度以上というようなものが一つの目安というようなことになっておるようでありますが、といたしますと、これで果樹農家の一体何十%ぐらいを吸収できるものなのか、あるいは総面積の一体何%をこの共済の中に吸収できるかという問題ですね、この点についてお伺いしたいと思います。
#18
○政府委員(小暮光美君) 実は、くだものについての統計は、残念ながら樹園地ごとにどの程度の要するに零細規模であるか、あるいは一農家当たりどの程度の数の樹園地を持っておるかということを正確に把握できるところまでまいっておりません。そういう実情にございます。したがいまして、御指摘の問題に統計的に直にお答えすることは、実は、現状ではできません。ただ、今度の制度を組み立てますために関係県の担当の者、これは県庁の人とそれから組合の人を含めてでございますが、非常に何回も打ち合わせを繰り返して、一応今回御提案いたしました規準で購入資格を定めるという前提で、しかも、いまございますようないろいろな道具立てを生産者に納得してもらう仕組みを、そういうもので初めのうちにどれくらいの加入が期待できるだろうかというようなことを議論いたしておりますが、おおむね初期の段階で五割程度の樹園地面積をカバーするところまでやれるのじゃないかという心証を持っております。ただ、統計的に申しますと、それを具体的に厳密に積み上げればそのようになるというところまでは確認いたしておりません。
#19
○工藤良平君 内容についてはきわめて簡単ですけれども、ごく二、三点についてお尋ねをしたわけですが、そこで、私はこの果樹全体の問題について、これから触れていきたいと思うのですが、この農災の目的ですね。これについて若干私は、いま政策的な問題とも関連いたしまして、何回も読み直してみたわけでありますけれども、きわめて初歩的な質問になるかもわかりませんが、この農業災害補償法の損失補てんというものが、農業経営の安定をはかるためということに、もちろん大きな目的はなっておるわけであります。それは言いかえますならば、それが直接農家のいわゆる農業経営生活者の生活安定ということを旨としているのか、果樹の再生産を最小限確保するという目的を持っているものなのか、もちろん、これは二つは相関関係にあるわけですから、それを切り離すということは、もちろん、おかしなことでありますけれども、私はその目的の視点をどこに置くかということによって全体的な政策というものを眺めてみなければならぬのじゃないか、このように思っておるわけです。これは無理にくっつけたような理屈かもわかりませんけれども、その点ちょっと考え方を詰めていきたいと思いますので、御意見をいただきたいと思います。
#20
○国務大臣(赤城宗徳君) お尋ねの点は、御指摘もありましたが、非常にむずかしいと思うのでございます。両方関連しまして果樹農家の安定もあり、また、その安定させるためには再生産ができるようにしていかなくちゃならぬというようなこともあり、両方関連していますから、私から言いますれば、両方の機能を持たせようと努力して、この制度を設けたという以外にないと思っておりますが、そういうふうに御了承願いたいと思います。
#21
○政府委員(小暮光美君) 大臣のおっしゃるとおりでございます。
#22
○工藤良平君 私は、確かにこれは二つ両方とも関連しておりますから、安定させるためには再生産を確保しなければならぬだろうし、再生産を確保するということは、農業経営者の生活の安定ということになることなんですけれども、しかし、やっぱりこの農業共済制度がいわゆる農家の生活安定ということを本来的に目的としているのかどうかということですね。やはり私はむしろそうじゃなくて、農災制度というのは、やはり農業再生産を最小限確保していくためのやはり一つの制度というふうに見るべきではないか、そうするとこれから質問をしてまいりますけれども、果樹共済制度の検討結果ということで文書が出されておりますけれども、その中でうたわれている幾つかの条件というものが十分に総合的にかみ合わされた中で、果樹政策というものが樹立されていくべきではないだろうか、このように実は、思うわけでありまして、その点についてひとつ御意見をいただきたいと思います。
#23
○国務大臣(赤城宗徳君) なかなかむずかしい問題でございますが、農業保険制度、農業災害制度という理念といいますか、制度のこれは問題であろうと思います。再生産といっても、初めから生産面に大いにタッチするよりも、生産の過程において災害支障が来たすときにそれを補っていく、こういうような制度でございまするから、端的に言いますならば、果樹振興法というようなものが生産面において大いに再生産をもさせるように振興していく、生産性の問題とか、いろいろ……。ですから果樹振興法が生産面において大いに再生産の面に尽くす、農業災害制度はその過程においてそれが支障なく行なえるように、途中で災害等があったというときに、それを補てんして、そうしていわゆる再生産の支障を、差しさわりあるものを除去していくと、こういうような考え方と思うのでございますので、割り切ってどっちかということは、ちょっと言いかねるのではないかと、こう思います。でございますから、まあ果樹の農災制度というものは、果樹振興の方針と両立してやっていかなくてはいけないもんだと、まあ、そういうふうに考えます。
#24
○工藤良平君 私が言いたいところは、結局この果樹共済ができたから、たとえば被害があったときに、その果樹農家を全面的に生活保障までできるという体制にあるのかどうかというと、そうではないだろう。そうすると、やはりその果樹が被害を受けた場合に、次の再生産に必要なものを保障していくという仕組みではないだろう。そういたしますと、当然この果樹経営体質の改善なり、あるいは経営基盤の確立というようなことが、大きな柱どして一方になければならないという理論になってくるんではないだろうか、ということを先ほどから言いたいわけでありまして、その点が表現は違いますけれども、大臣の考え方とほぼ私は一致できるんじゃないかと、このように思っているわけであります。そういう意味で、この共済の制度というものをとらえていきますと、当然農家のいわゆる果樹農家の生活安定というものの大きな柱というものが、やはりなければならない。その大きな柱をつくるための手だてが、一体どうなのかということが私は当然出てくるだろう、このように思っているわけであります。そういう意味から、これから特に具体的に果振法ができまして、今日まで果樹の振興、特に新しい日本の農業の柱として畜産、果樹、蔬菜ということをささえてきたわけでありますけれども、その果樹振興法に基づいた運用というものが今日まで行なわれてまいりました。その運用の中で順調に五十三年の目標を設定し、それに向かって計画的に進めてきたその計画は、順調に一体推移をしたかどうかということをやはり見ていく必要があるんではないかと、そのように思いますが、その点については農林省としては、どのように判断しておられるかお伺いをしたいと思います。
#25
○国務大臣(赤城宗徳君) いまの考え方は、私も同じでございます。非常にいい分析といいますか御理解で、基本的な考え方であり、私もそれと同じ考え方でございます。それにつきまして、推移等につきましては、局長のほうから御答弁申し上げます。
#26
○政府委員(荒勝巖君) 果振法に基づきまして、果樹振興計画を樹立いたしまして、五年前に決定して、その後推移を見てきたわけでございますが、具体的に申し上げますと、果振法の対象でたとえばミカンを例にとりますと、四十二年から四十六年度までにミカンは三万ヘクタールを植栽するということになっておりました。でありますが、その結果この五年間の間にミカンは三万七千二十ヘクタールということで、目標達成に対しまして一三・四%というふうに、比較的植栽率といいますか植栽のテンポが早かったと、こういうふうに理解しております。こういったことは、カン類には全般にナツミカンあるいはその他の夏かん類についても、植栽率はわりあいにテンポが早かったんでございますが、一方落葉果樹のリンゴ等を例にとりますと、リンゴは六千七百五十ヘクタールをこの五年間に植栽の目標としてきたんでありますが、結果的には四千二百四十六ヘクタールということで六二・九%。あるいはブドウにつきましても八三・四%。まあ一番悪いのは桃類でございまして、八千五百ヘクタールの目標に対しまして二千八百七十ヘクタールということで三三・八%ということで、全体といたしましては、果樹の目標といたしましては、七万四千九百ヘクタールを基本的な目標としたわけでございますが、結果的には八万百二十四ヘクタールという植栽面積でございまして、目標達成としては一〇七%ということで、われわれといたしましては、目標に対して実績は多少上回っておりますが、おおむね総論的にはまあまあというところだと思いますが、この各種の樹種の間に、ミカン類は比較的植栽が進んだのに対して、落葉果樹の一部のものが非常に立ちおくれておるということにつきまして、非常に反省いたしておりまして、今後こういったことのないように、新しい基本方針の改定に際しまして、この辺の実現方について努力いたしてまいりたい、こういうように考えている次第でございます。
#27
○工藤良平君 私もかつてこのミカンの新植の問題についていろいろ検討したことがあるわけでありますが、九州の場合をとってみましても、たとえば福岡あたりは非常に目標年次の目標面積をはるかに突破をするというような状態が発生いたしておりまして、現実にそれから何年かたって農村の現地を回ってみますと、せっかくパイロット地域に指定をされて県営あるいは国営で新しいミカンをつくりましたものが、どうも近ごろ観光業者などに売られているという状態が生まれているわけであります。で、これらについて私どもは、詳細にこれからその実情というものを調査をしていかなければならないと思いますけれども、どうも現地に入ってみますと、もう私はいつもこれは持論で言うんですけれども、適地適産ということがしきりに言われてまいりましたし、近ごろでは地域分担あるいは団地形成、こういうような新しいことばで表現をされておるわけでありますが、なぜ、こういう大量の社会資本の投下をして、せっかくパイロット地域に指定をされてやられたものが、観光業者などに売られていくのだろうか。これはやはりその中における具体的な果樹栽培の技術というものと、それから植栽計画との間のアンバランスというものが、そのような結果というものを、私は生んでいくのではないかという気がするのでありますけれども、そういう点に対する農林省の指導体制というものですね、これについてはその欠陥がなかったのか、そのことをやはりいまここで私は、ひとつ考えてみる必要があるのではないか。もちろん、そのような反省の上に立って、果樹農業振興基本方針というような新しいものが出されたのだとは思いますけれども、その辺の実情というものをできれば御説明をいただきたいと思います。
#28
○政府委員(荒勝巖君) 先ほど申し上げましたように、果樹基本方針に対比いたしまして、一部の果樹の種類につきまして、植栽の進み過ぎ、あるいは立ちおくれということが言われております。その結果といたしまして、でき上がってくる問題は、果実の数量の関係から申し上げますと、多少ミカンについては、つくり過ぎではないかといういろいろな御心配なり御意見があるわけでございますが、結論的に申し上げますと、ミカンの価格につきましては、現在までのところきわめて順調に、年々多少は値上がりをしてはおりますが、むしろ価格的にはこのくだものといたしましては、価格は安定しておる。不当な暴落もなければ、また異常なる暴騰もないというところで、物価という観点からいたしますと、非常に安定した価格で推移している。ことしは、たいへんだということで毎年言われるわけでありますが、というのは年年供給量がふえてきている次第でありますが、旺盛なる国民の消費の増大に伴いまして、価格のほうは比較的安定してきておる。したがいまして、農家経営として一般論といたしまして、そうかんきつの生産が非常に困難であるというふうには、私ども実は見てないわけでございます。ただ、その間にありまして、非常にその産地間競争というものが激しくなってきておりまして、単に十年ほど前のように、ミカンをつくりさえすればいいという時代ではございませんで、やはり厳重な選果を行なうということによって産地間競争に耐え抜くということがだんだん問題となってきているわけでございます。ただ、一般論といたしまして、西のほうが、特に植栽が進みました地方におきましては若木が多いということで、若木からできます果実につきましても、したがって、品質もあまりよろしくないということで、これが成木化し、一人前の果樹園になる過程で、その間選果等についても厳重な指導よろしきさえ得れば、品質の向上もございまして、今後順調にいくんではなかろうかと、こういうふうに思っているわけでございます。ただ、その間にありまして、観光業者に売られているのではないかという御指摘があるわけでございますが、最近観光農業ということで、果樹園自身が不利だからということで、観光業に売り渡すというようなことよりも、むしろ、やはり都市化の波といいますか、レジャーといいますか、そういったことで都市の近辺方面でも観光果樹園ということが多少議論として出てまいりまして、現実の問題としましては、都市近郊では、相当従来の農業者としての果樹園よりも、観光業としての果樹園への切りかへが少しあるんではなかろうか。また、構造改善におきましても、多少その観光農業としての果樹園の育成ということも、農林省としては認めておる次第でございまして、こういうことも今後の果樹農業のあり方についても、われわれとしてもさらに検討しなければならないのではなかろうかと、こういうふうに考えております。一般論といたしまして、若木を植えた過程で果樹は、御存じのように、相当技術的に多少むずかしい点もありまして、植えれば何とかなるという時代ではございませんので、やはり今後技術的にもさらに指導強化を行ないまして、また、府県の試験場なり指導員というものを十分活用いたしまして、果樹農業が今後りっぱに育っていくよう指導してまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#29
○工藤良平君 この問題は、確かに全体的に果樹農業に対する指導体制等にも、もちろん影響があるわけでありますけれども、私も日本農業というものが、ある程度観光農業的な要素を取り入れながらいかなければならないという部面については十分わかるわけであります。そういう道を当然歩く地域というものもあってしかるべきだ。特に日本のように過密化した状態の中においては、そのようなことが望ましいと、このように思うわけであります。ただ、私、心配になりますのは、いまちょっと局長触れておりましたように、技術的なアンバランスというのが非常にあるわけであります。本来やはりミカンの産地、あるいは桃の産地、そういったところにはそれぞれのやはり昔からつちかわれてきた、農民の中で生まれてきた科学的な技術体系というものが私はあると思う。それに現在の新しい、理論的な裏づけというものを付加していって拡大をし、地域の果樹の振興が大きく発展をしていくという要素というものが、私は、将来その地域の農業を発展させる道だと、このように考えておるわけでありますけれども、しかし、ここ数年の状態を見ると、いまお話がありましたように、極度にミカンならミカンというもののムードにあおられて、そうしてやはり技術のない者がミカンに飛びついていく、そういうことから成木になるまでにすでにそのミカン園を手放さなければならないという状態というものが、たくさんあるわけであります。もちろん、そういう指導体制につきましては、この集団的な指導体制というものを確立することによって、それらを防止していくということが、非常に私は大切になってくるだろうと思いますけれども、現実にそういう状態が生まれてきているわけであります。もちろん、これは後ほど私は金融関係にも関連をして申し上げたいわけでありますけれども、やはりこの団地の形成をさせ新植をさせる、さっきの話じゃありませんけれども、やはりその後におけるアフターケアというものが、私はどうもないような気がしているのであります。そこを一体どうしていくのか。たとえば共済の制度はできたけれども、そのもとのつくる段階で、そういうりっぱな生産ができないということであっては、どんなにりっぱ共済という制度ができてみたところで、私は農村の生活の安定にはならない、経営の安定にはならないという気がするわけですから、やはり大もとというのは、その生産段階における生産をいかに高能率の高品種の品物を大量につくらせるかということが、やはり前提条件でなければならない。そういうアフターケアというものが十分であるかどうかというと、まだまだ私はそこに行き届かない状態というものが生まれているのではないか、こういうように実は思うわけでありまして、特に果樹経営の場合には、価格の変動あるいは生産の不安定、零細性、こういったもの、あるいはいま申し上げましたように技術体系が確立されていないというようなことが、そういった状態をつくり出していく要素になっているのではないか、こういうような気がするわけでありまして、そういった総合的な指導体制、これをやはり確立する必要があるのではないか、このように思うわけであります。この点については、特に大臣も時間もないようでありますから、大臣のひとつ基本的な果樹行政に対するお考え方を、これは最後の問題が前に出てきますけれども、ひとつおききをしておきたいと思います。
#30
○国務大臣(赤城宗徳君) いまお話のとおりだと思います。災害制度はできましても、災害制度の基本というものは、やはり果樹農業というものを振興するということでございますから、それにつきましては、やはり高能率あるいはそういう点で生産性が上がるとか、生産量もあるいは労働の生産性も上がるということが基本でございまして、その基本の線を進めていくための支障がないようにということで、先ほど申し上げましたように、災害制度をこれに適用するのでございますから、いまのお話のとおりで、やはり果樹農業の振興ということに力を入れていくということが基本であると私も考えます。
#31
○工藤良平君 そこで、これは局長にお伺いいたしますが、くだものの需給計画であります。農林省も何か近ごろまたこの作物別の需給計画をある程度立てる必要があるのではないかという考え方もあるようでありますが、先ほどのお話から推測をいたしますと、ミカンの植栽は若干目標を上回っているけれども、それは価格も安定をしているし、需要と供給の関係については、比較的バランスがとれながら発展をしていると、このように理解できるような発言があったのでありますけれども、そうしますと、この果樹農業振興基本方針という、この新しく出てまいりました基本方針と、それから従来からありました果振法に基づいた計画との間において、大きなそう軌道修正をする必要もなく進められていいと、このように理解してよろしゅうございますか。
#32
○政府委員(荒勝巖君) 私たち、この果樹農業基本方針の改定に際しまして、先ほど来申し上げておりますように、かんきつ類の需要の見通しについて相当検討を加えたということが問題の一つでありまして、さらに、落葉果樹の桃とかブドウとかいうものを大いに伸ばさなければならないということについて、また検討を加えたわけでございますが、かんきつ類につきましては、先ほど来申し上げましたように、相当目標に対しましては実績が、植栽が進み過ぎているという点もありまして、ミカン類の改定に際しましては、むしろどちらかといえば少し抑制ぎみ、従来のような早いテンポでかんきつを増産することについては、多少のやはりわれわれといたしましても危惧の念を持っておりまして、これにつきましては、改定に際しましては相当というか、若干押えぎみにかんきつ類の生産については、検討した次第でございます。ただ、需要量の測定に際しましても、相当いろいろな観点から検討したわけでございますが、ミカンの需要というものは、やはり相当強いということで、昭和五十六年需要の見通しといたしましては、ミカンの需要は四百ないし四百二十万トン前後の需要の見通しがあるということで、それに向かいましてこの植栽を加えていきたいということでございまして、四十二年から四十六年と先ほど申し上げましたように、三万ヘクタールの新規の植栽ということで行ないましたのでありますが、今回の四十七から五十一年までの五年間は、大体一万五千ヘクタールということで、大体従来の植栽率に対しまして半分ぐらいの新植拡大率ということで、一応押えまして模様を見るということで需給のバランスを合わせてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#33
○工藤良平君 私、昨年だったと思いますけれども、九州のかんきつ研究会に二日ばかり出まして、いろいろかんきつ生産者の、しかも指導的な立場にある方々のいろんな意見を聞いたわけであります。まあ、そのときにたいへん議論が沸騰いたしましたのは、米の生産調整が始まった。しかし、ミカンのほうも三百五十万トンあるいは四百万トンになる、たいへんなことだと、稲よりも先にミカンの新植を押えなきゃいかぬ、生産調整をしなきゃいかぬという意見が圧倒的に出てまいりまして、私は、前日にある農協の組合長さんが、日本のミカンはグレープフルーツが来ようとオレンジが来ようと、やはりそれに対抗し得る体質と新しい品種を求めて私たちは前向きに検討し、改善をしなければいかぬということを口をすっぱくしてしゃべったのでありますけれども、次の日、各県の意見を聞きましたところが、一斉に生産調整に入らなきゃたいへんだと、新植は認めぬという極端な議論になってしまいましたわけで、私はそういう意味から言いますと、いま荒勝局長が言いましたように、やはり長期的な展望に明るい展望を持たせるということは、農業を考える場合に、非常に重要な考え方じゃないかと常に思っているんでありまして、しかし、あまり吹くだけ吹いて結果的にそれが価格の下落になるということになりますと、たいへんでありますけれども、しかし、ここに出されております五十六年度における生産目標というものを見ていきましても、大体現在のこの状態で推移しても決して過剰ということにはならない。むしろヨーロッパやアメリカに比較をいたしましても、まだくだものの取り方というのは非常に少ないという消費生活の中における率も出ているわけでありますから、そういう点を、積極面を大いに引き出しながら、やはり指導体制というものを確立をしていく必要があろうと、このように実は私は思っておるわけであります。しかし、そうはいたしましても、何といっても当面の問題は、国際的に対応し得る果樹農業というものが一体成り立つのかどうかということが一つの大きな不安として残るわけでありますが、この辺について国際的に対応し得る果樹というものは一体何か、ミカンがそれに対応し得るかどうかという自信を持たせること、それについての考え方をひとつ言っていただきたいと思うのです。
#34
○政府委員(荒勝巖君) 昨年グレープフルーツの自由化が行なわれました際にも、この国際競争力の問題が非常に問題になりましたし、またその前には、バナナの自由化が行なわれました際にも、リンゴのバナナとの競争力ということが、非常に議論になったことがあるわけでございます。で、まだたった一年しかたっておりませんので、グレープフルーツの自由化後たった一年しかたっておりませんので、まだ十分な的確な見通しといいますか、断定的なことは申し上げかねるわけでありますが、昨年六月にグレープフルーツが自由化されて以来この三月まで、相当の輸入量が輸入されましてきたわけでございますが、結果的に申し上げますと、非常に心配されたわけでありますが、夏かんを含む雑かん類とグレープフルーツとの価格関係というものは、多少杞憂のようなことに結果的にはなっておりまして、昨年よりも、夏かん類につきましても、またアマナツにつきましても、それからその他のハッサクあるいはイヨカンというふうな雑かん類全部が、昨年よりもことしのほうが、昨年の三、四月よりもことしの三、四月ごろのほうが価格的にはむしろ上回っておるというようなこともありまして、やはりグレープフルーツにはグレープフルーツの需要量があり、雑かんには雑かんの非常に根強い需要があるということを証明されたわけでありまして、しかしながら、われわれといたしまして、普通夏ミカンがいつまでも、グレープフルーツが自由化されようとされまいと、普通夏かんに対する国民の消費の高度化というような観点からいたしますと、将来需要の伸びが期待し得ないというようなこともありまして、夏ミカン等の植栽計画におきましても、従来からの普通夏かんというものは、極端なことを申しますと、もうほとんど、逆に今後改植を進めていく。現在の普通夏かんの六割前後を改植を進めまして、アマナツカンなりイヨカンなりハッサクのほうへ切りかえていくという考え方で、この夏ミカン類の指導を今後とも強化してまいりたい、こういうふうに考えておるのでございます。
 また、オレンジと温州ミカンとの競争力いかんということが、今後の新しく課せられたる課題でございますが、われわれといたしまして、普通温州ミカンには温州ミカンの強い需要というものが十分にあるということと、またアメリカ側のほうから見ますと、日本の温州ミカンが非常にまあ食べ方が簡単であるというようなことで、逆にアメリカでは日本の温州ミカンに対する恐怖感といいますか、ああいうものがあまり大量にアメリカに入ってくると、逆にアメリカのオレンジのように食べにくいものは困るというような意見もアメリカ側に相当にありまして、こういった観点等も勘案して進めたいと思っておりますが、しかし、従来のような、ただ植えさえすればいいというようなことでは、はなはだ困るのでありまして、さらに、まあ日本のかつての果樹生産のあり方というのは、段々畑に、まあ豊富な農村の労働力を前提にした果樹栽培というものが中心でございましたが、今後の果樹栽培というものは、そういう形であってははなはだ困りますので、土地基盤整備を当然の大前提といたしまして、農地局のほうで事業をやっております開拓パイロットというふうな、こういうものから基盤整備計画が行なわれ、かつまた作業道といいますか、農道、作業道も整備され、かつかんがい用水の、こういったスプリンクラー等も含むかんがい設備等も整備される中で果樹農業を今後とも育成してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございまして、われわれの計画でも今後そういった果樹、ミカン栽培を推進する中で、相当労働生産性も節約されていくんではなかろうかと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#35
○工藤良平君 いまお話のように、やはり国際的にも生産段階で十分に対応し得るやはり果樹農業というものを私たちはつくり出していかなければならぬと思いますが、まあ、そういった意味からいまお話しがありましたような土地基盤の整備等につきましても、やはり十分な対策というものを講じていく必要があろうと、このように思います。それともちろん非常に重要な関連があるわけでありますけれども、優良品種の画期的な開発というものが私は必要ではないだろうか、このように思っておるわけでありまして、まあそれらの点について農林省としての取り組みを若干お聞きをいたしたいと思います。
#36
○政府委員(荒勝巖君) これは園芸試験場で主としてやっていただいておりますので、私からお答えするのは多少まあ、主管が違うわけでございますが、興津を中心とする園芸試験場で非常に果樹の品種改良につきましては、いろいろと研究を願っておるわけでございまして、たとえば、リンゴ等につきましては、富士、陸奥というふうな、非常に世界にもまれに見る優良品種の育成に成功しておるわけでございます。また、ミカン類につきましては、なかなかこれは、そのミカンの持つ特殊な性質というものがありまして、品種の交配による新品種の育成というものが非常にむずかしいというふうにいわれておりまして、従来からかんきつ類については、主として技がわりというところに重点を置きまして、品種の改良に重点を置いてきた次第でございます。その結果、ごらんになりましてもわかりますように、温州ミカンにつきましては、戦前はおよそ温州ミカンには種があったというのが、戦後の最近出回っておりますミカン類には、ほとんど種のないミカンが育成されておるわけでございますが、さらに、これを一段と味のよいミカンをつくるということと、それから災害等の気象の影響を受けない安定的な作物というところの二点に重点を置いて、今後品種の改良を行なってまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
 夏ミカン一つ例にとりましても、従来はすっぱい夏ミカンという、普通夏ミカンといわれましたものが、品種のやはり更新などによりまして、甘い夏ミカン、アマナツカンというものが、新しく消費者の需要にこたえるような種類が育成されておりますので、今後さらに温州ミカンにつきましても、新品種の育成をわれわれ自身一日千秋の思いで待ち望んでおる次第でございます。
#37
○工藤良平君 特にグレープフルーツの場合に、なぜあれだけの強さを持っておるかということですね。これについて率直な御意見を聞かしていただきたいと思います。
#38
○政府委員(荒勝巖君) グレープフルーツにつきましては、アメリカにおきましても、相当カリフォルニア州、あるいはフロリダ州で、それぞれの産地に適した品種の育成に非常に努力をされてまいりまして、単なる果実も従来の黄色いのからだんだんルビーというふうな新品種にまで発展し、かつまた長期保存に耐えるという観点から、カリフォルニア州中心のグレープフルーツは生食用ということを、頭からそういう大前提で育成されておりますので、相当四月、五月に収穫後も、秋口まで保存ができるような品種の育成と並びに低温貯蔵による品質の保存方法というものが相当進んでおるのではなかろうか、こういうふうに考える次第でございます。
 また、フロリダ州におきますグレープフルーツは、逆にいえば、ほとんど生食用で食べるものではなくて、初めからジュース用に回すということで、八割から九割近くは収穫後直ちにジュース工場に回って、ジュースとして消費者に回されるように栽培されております。これらは大体三、四月をもって一応商品出回りとしては終わりということで、日本へ入りますグレープフルーツ等につきましては、四月以降のものは、ほとんどカリフォルニア州のどちらかというと皮の厚いグレープフルーツが今後入ってくるのではなかろうか。これは夏場も消費に耐えるような形で保存されておる。そういうふうに理解している次第でございます。
 今後われわれといたしましては、このグレープフルーツとの競争力というようなこともありまして、夏ミカン、あるいはその他ハッサク等のこういう雑かん類につきましては、さらに今後品質の向上のみならず、長期保存に耐えるような高級雑かん類の低温貯蔵庫を整備いたしまして、日本におきましても、夏まで、かんきつ類の一部が供給できるような低温貯蔵庫の整備について、予算の上でも非常に指導してまいっておる次第でございまして、たとえば、リンゴ等は、もうほとんど年間供給が可能になりまして、高級リンゴにつきましては、八月近くまで、前の年のリンゴが供給され、九月になりますとニュークロップのリンゴが出てくるというふうになっておりますので、一部のかんきつ類につきましても、そういうふうな指導を現在行なっておる次第でございます。
#39
○工藤良平君 いまお話がありましたように、グレープフルーツの強さというものは、非常に安くなってきておりますから、価格の面もありましょうけれども、やはり年間を通じて市場に出回るという強さというものを、私たちは勉強しなければいかぬ。温州にいたしましても、やはり市場に出回る期間というものは、どうしても制約をされる。したがって、日本のように多種多様のミカンがある国におきましては、それをうまく組合わせることによって、それに対抗していく。こういう私は、市場操作というものが必要ではないかと思っておるわけでありまして、先日私、これは余談になりますけれども、議長招待を受けました。そこでミカンが出てまいりました。リンゴも出てまいりました。リンゴはわざわざ皮をむいて食べなければならぬ。温州ミカンはそのままだれでも皮がむけますから食べられる。しかし、もういまの温州ミカンはおいしくない。隣にネーブルが出ておる。ネーブルというのは、おいしいというのがわかっておりますけれども手をつけない。なぜだろうか、むきにくいからと思います。グレープフルーツを見なさい。なかなか食べにくいけれども、わざわざさじまでつけて食べておるわけです。私は、ここでミカンのむき方の技術を披露するわけじゃありませんけれども、私は、あの席上で女の人たくさんおりましたけれども、そこで私は、ネーブルを簡単にきれいにむいてみせたわけです。びっくりしているんです、だれも知らないわけです。簡単にぬりばし一本できれいにむけるわけです。私は、そういう商品にちょっと手心を加えることによって、いまネーブルがおいしいんだ、おいしい時期だと思ってもむきにくい、食べにくいということから、明らかにいまおいしくない温州のほうにやっぱり手がいく。戦後日本にもりっぱなミカンがたくさんあるわけですから、それを時期的にうまく組み合わせていけば、十分にグレープフルーツに対抗していける。りっぱなミカンを、さらに品種改良やることによって、もっともっとミカンの需要というものを増大し、もちろん、それに伴う生産も拡大をしていけるし、農家の生活の安定も期せられるんじゃないか、こういう気がするわけです。そういうようなことから、ぜひひとつ優良品種の画期的なやはり開発というものが、私は必要じゃないだろうか、こういうふうに考えておりますが、その点については余談になりましたけれども、意見を申し上げておきたいと思います。
 それから、次に、これは大きな問題でありますけれども、いま農村に工業を導入をするというような法律までできまして、農村の工業導入ということが非常にいわれておるわけでありますが、その問題と関連をいたしまして、一体農村加工という部面にどのように私たちが入っていくのか、いまの状態を見ますと、せっかく農業で原料を大量に生産をしたものが、むしろ都市近郊の工場に運ばれていって、そこで加工をされる。逆にいま農村にきている工業というものは、弱電機とかそういったものが農村に導入をされておる。こういうことが生まれているようでありますが、そのようなことからいたしまして、特に現在農林省が打ち出している営農団地の方式なり、そういったものからいたしまして、いわゆる付加価値をどのように農村に吸収をしていくかということ、これはやはり農村工業導入の問題に関連をして、私は、基本的な問題として考えていくべきではないだろうか。特に加工原料の主要な部門を持つ果樹の立場から考えて、そういうことは、当然私は、必要ではないかと思いますが、この点に対する考え方をお聞かせいただきたいと思います。
#40
○政府委員(荒勝巖君) 従来日本におきましては、くだものというものは、やっぱり生鮮食料品といいますか、青果物ということでくだものの需要といいますか、消費形態はほとんどなまのものを、新鮮な形で消費するというのが、日本の従来の果樹のいわゆる食生活の形であったわけでございますが、世界的な形から見ますと、なまのままで食べるという段階から、逐次加工という形で、それがジュースという形になったり、あるいはかん詰めになったり、あるいはさらに干しくだものというふうになる。で、場合によりましては、さらにワインというような酒類にまで消費の形態が伸びてきているわけでございまして、日本におきましても、従来はミカンあるいはリンゴはほとんどなまのまま摂取するという形であったわけでありますが、だんだん食生活の高度化に伴いまして、なまのままで年間供給するということの困難さも多少それにからんではおりますが、逆になまのままで直ちに摂取するのではなく、何らかの形でジュースなりかん詰めにして摂取するという時代が逐次やってきておるんではなかろうかと、こういうふうに考えておるわけでございます。
 特に、またアメリカ等におきまして、アメリカのかんきつ類が相当日本の三倍近く供給される国でありますが、実態的にはやはりミカンのうちの七割近くがジュースという形で摂取されておりまして、なまのままで食べるのは出回り期間だけでありまして、あとは季節外になりますと、ほとんどジュースという形で摂取するという消費形態をわれわれといたしましても学びまして、日本におきましてもジュースの近代的な生産工場を育成していくということで、かんきつにつきましては、全国で七工場、リンゴについて二工場、助成をいたしまして、近代的なジュース工場の育成をただいま行なっておる次第でございまして、今後われわれのかんきつのやはり消費の大きな方向といたしましては、生ジュースといいますか、一〇〇%の果汁を消費者に摂取するような方向で供給し、かつまた消費しやすいような方向で行政指導をしてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#41
○工藤良平君 いまお話のように、私も従来農産物加工工場というものが、安い工業原料を農村のほうが供給をしていくというこの仕組みというものがあったと思っているわけであります。そういう意味から、近ごろ特に農業団体を中心にいたしまして、この流通機構の改善、あるいは新鮮な加工原料を確保して、農民資本のもとで加工する、そして付加価値を吸収をしていって、この農産物の価格の安定、やがてはそれが農家経営の安定という形に結びつけていこうと、こういう機運が相当出てきているわけでありまして、そういう意味からいまお話のようにミカンで七工場、リンゴで二工場というものを農林省の指導のもとにやらせるという方法は、私は一つの方法だろうと思うのであります。それがどのようにこれからの農村における出かせぎというものをなくし、農業で食べられるという形のものとの関連の中で組み立てられていくかどうか、非常に私は大切なことだと思っているわけでありまして、そういう意味から、今日まで農産加工というものが第三者の手に渡っていた、それをやはり本来あるべき姿であるこの農村工場というようなものに組み上げられていくという必要が非常に大切ではないか、このように思っているわけでありまして、その点についてはぜひひとつ農林省側の積極的な、私は指導体制、それから助成というものを期待をいたしたい、このように思っているわけであります。
 さらに、それと関連をいたしまして、この日本のくだもの、いわゆる国内消費というものを中心に、今日まで私は考えてきただろうと思いますけれども、これが一体輸出振興策として可能性があるかどうかという問題、これについては全体的にこの果樹振興という立場から考えても重要でありますから、そういう点についてのひとつ御見解を、伺いたいと思います。
#42
○政府委員(荒勝巖君) 農林省といたしまして、かねてからくだものにつきましてやはり一部は輸出を大いに行なうべきであるという考え方に立って行政的に助成し、あるいは指導してまいったわけでございますが、結論的に申し上げますと、どうもやはり国民の旺盛なる需要ということのために、結果的にはどうも輸出というものは何となく現在伸び悩んでおるというのが実情でございまして、輸出するよりも国内で消費したほうが農業者の観点からいたしますと有利であるということで、非常にわれわれとしては輸出の振興には現在苦慮しているような次第でございます。
 物別に申し上げますと、リンゴ等につきましては、アジアにおきまして日本のリンゴの価格の優秀性ということもありまして、ソ連圏貿易におきましても、リンゴの輸出は比較的順調に行なわれております。一方東南アジア向けにつきましても、リンゴは多少輸出が行なわれておる次第でございます。
 ミカン類につきましては、かねてから対米輸出というようなことで、非常にやかましく農家の方々からも言われておりまして、われわれといたしましても、大いに輸出の振興をはかってきたわけでありまするが、カナダ向けのミカンのほうは検疫の問題がほとんどありませんので、比較的順調に行なわれておるわけでありますが、対米向けのミカンにつきましては、解禁州の問題もありまして、なかなか輸出が困難でありまして、どちらかというとしりつぼみといいますか、少し伸び悩みというよりもちょっと減少ぎみできたわけであります。これらにつきましては、今後さらに一段と輸出の強化をはかりたいということで、輸出ミカンの検疫地区につきましては、相当政府におきましても力こぶを入れますとともに、今回日米交渉の結果ハワイ州が解禁州となりましたので、ハワイ州は御存じのように日系人も多く、従来から日本との間の交流も激しいので、ミカンの輸出には非常に条件としてはいいのではないか、しかも距離的にも近いということでハワイ向けの、来シーズンからのハワイ向けの輸出ミカンの増進には大いに力こぶを入れてまいりたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。そのほかにヨーロッパ向け等につきましても、いろいろと実験的にやっておりますが、非常に距離が遠いということで、なかなか輸出の振興はむずかしいというふうに考えておるわけでございまして、従来ソ連圏貿易の、ミカンのソ連圏貿易もこの二、三年来多少好転のきざしも見えてきておりまして、昨年の秋には、ソ連のほうへ日本からミカンの関係者が行きまして、向こう側と打ち合わせてまいりました結果、この秋には、日本のミカンの出回り期にソ連からミカンのチームが、使節団が参りまして、日本側とさらにミカンの輸出について検討を行なっていく、こういう段階になっておる次第でございます。
#43
○工藤良平君 まあ、局長と一時間以上にわたりましてこの議論をしてきたわけでありますが、この議論を聞いておりますと、日本の果樹農家というのは、非常に希望も持てるし、農業の中では非常に成長農業として位置づけられるような気がするのでありますが、実態ははたしてそうだろうかということですね。農林省のこの農業白書等を見ましても、必ずしもやはり私は満足すべきものではないのではないか、こういうような気がいたします。したがって、私は、これからの果樹振興の中心的な課題を一体どこに置くのか、非常に重要な課題だろうと思います。ただパイロット指定をして、生産段階におきましてもいろんな努力が払われ、流通加工の段階におきましてもいろんな助成も行なわれておるわけでありますが、ただ、問題は今回出されてまいりましたこの農災法によりまして、災害に対する再生産を保証する一つの手だてもできてきた、これでは全く万々歳ということになるのでありますけれども、実際に個々の農家に入ってまいりますと、そうも言えないようであります。なお、依然としてこの果樹地帯からも離農が起こり、出かせぎがひんぱんに拡大をしていくという状態があるのでありますが、そういった意味から特に私は金融政策上からの問題点はないのか、たとえばいろいろな返済の時期が迫ってまいりますと、必ず出てまいりますのが据え置き期間を延ばしてくれ、返済期間を延ばしてくれ、金利を安くしてくれ、こういうような要請が非常に強いのであります。もちろんこれについては、そう甘やかしてばかりもいられないじゃないかということもあろうと思いますけれども、しかし、やはりこういった切実な問題があるわけでありまして、金融政策上から見た果樹農家、それに対する対策改善の方法、こういうものは一体どうすればいいのか、その点に対する考え方を伺っておきたいと思います。
#44
○政府委員(小暮光美君) 果樹の場合には、他の農業生産と異なりまして、育成の年限が非常に長いという問題がございます。したがいまして、これまでのたとえば農業構造改善事業推進資金というような制度を考えます場合にも、農業一般は据え置き期間が三年、償還期限が二十年ということで仕組まれておりますが、果樹の場合には据え置き期間を十年、償還期限を二十五年まで認めるというような制度にいたしております。また、果樹園の経営改善資金というようなものにつきましても、やはり据え置き期間が十年、償還期限が二十五年という仕組みでございまして、畜産経営拡大資金の据え置き期間が三年、償還期限が十五年、それからいわゆる主務大臣指定ということで農舎とか農機具等の取得、この場合も据え置き三年、償還十五年といたしておりますのに比較いたしますと、果樹農業の特殊性、こういうものを十分織り込んだ制度金融の姿に私どもとしてはなっておると、こういうように考えております。ただ、御指摘のように、果樹園経営が必ずしもうまくいかなかったような場合に、その具体的な経営に即して償還上の困難を生ずるというような場合がないではございません。このようなものにつきましては、ただいま申しましたように、据え置き十年、償還期限が二十五年という制度がございますが、実際にはそれぞれのくだものの樹種によりましてそこまでの据え置き期間を必要としない、最初の営農計画、たとえば七年目から償還に入れるといったような木の性質等を見まして、通常ただいま申しました制度的な据え置き期間なり、償還期間のさらに実数で営農計画がつくられているのが大部分で、それらの状況に着目いたしまして個々の営農の実態に即して、これは経営をきちっと盛り立てて、これを償還させていくということが制度金融の本旨であります。具体的な措置を必要とする場合には、農林漁業金融公庫等において十分これを措置できるような仕組みに相なっております。
#45
○工藤良平君 特に運営の段階でいま後段にお話がありましたような弾力的な運営というものが私は必要ではないだろうか、こういうことを痛切に感ずるわけでありまして、ぜひそれらの点につきましては、農林省としてもいろいろと指導体制をとっていただきまして、要は健全な果樹農家を育成していくということがやはり本来の目的でなければならない、このように思いますので、ぜひそのような措置を講じていただきたいと、このように思います。
 あと価格の問題あるいは流通の問題とかたくさん果樹の問題につきましては、あるわけでありますが、時間もずいぶんたちましたので、ここらあたりで私の質問を終わりたいと思いますけれども、何と申しましても、これからの農業の中における成長作物として需要にこたえる供給体制をつくっていかなければならぬと思いますし、しかも外からは自由化という大きな波が打ち寄せるというような状態でありますので、私どもといたしましてもあらゆる施策を講じて、健全な安定した育成農家をつくり上げることに努力しなければならぬと、このように思います。もちろん、いろいろな安定的に供給できる果樹農家を育成をするということは、言いかえれば消費者に対して安定的に新鮮なくだものを供給をする、こういうことにもなるわけでありますので、ぜひそういった意味から農林省のこれからの格段の協力をお願いいたしたい、このように思います。特に新しくできますこの農災法の問題につきましては、これが新しい部門であり、しかも複雑な困難な要素を持っているわけでありますから、それらの運営については私が冒頭に申し上げましたように、やはりこれからのアフターケアの問題について十分なる対策というものが必要であろう、このような考え方でこれらの御意見を申し上げまして、さらに農林省のほうの最後の御見解を伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
#46
○政府委員(佐藤隆君) いま工藤委員おっしゃいますように、果樹農業の安定的な発展、これをはかるためには計画的な植栽をやるとか、あるいはまた流通段階でどうするとか、あるいはまたこれも先ほどお話出ましたように、加工その面についてもまだまだ考えなければならぬのではないかと、あるいは金融の弾力的な措置、こうしたこと等を含めまして、果樹農家が良質な果樹を計画的に生産でき、消費者に安定的に供給することができますように、さらに努力をいたしてまいりたいと思います。
#47
○委員長(高橋雄之助君) 暫時休憩いたします。午後一時三十分から再開いたします。
   午前十一時四十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十二分開会
#48
○委員長(高橋雄之助君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案について質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#49
○前川旦君 新しい果樹共済につきまして先ほど工藤委員から果樹行政についての基本的な問題についての質問がいろいろありました。
 そこで、私はこの法案そのものの中身を少しお聞きをしてまいりたいと思いますがその前に、この果樹についての共済で問題になりましたのは、昭和三十四年の伊勢湾台風のころからじゃなかったかと思います。考えてみますとずいぶんこれ日にちが、長い時間がたっているわけです。その問生産者団体なり、いろいろな方面から強い要望、があるにもかかわらず、ずいぶん長い間スローテンポでかかってきたということ、この点について大臣の御所見をまず最初にお伺いをしたいと思うんです。もちろん、この法案は、たいへん前向きな案ですから、提案されるに至った御努力には敬意を表しますけれども、それにしても、あんまりテンポがおそ過ぎるのじゃないかというのが偽らざる気持ちじゃないかと思います。その点について御所見を伺います。
#50
○国務大臣(赤城宗徳君) テンポがおそかったということに対しましては、私も責任というか、それを感じております。いまお話のように伊勢湾台風のときに果樹園をやろう、そして試験実施をやるということは、私のときでございました。それだけにおくれたということ、御指摘されまして私も大いに責任を感じておるのでありますが、御承知のとおり、保険会計といいますか、保険行政というものは、なかなか技術的に複雑な面がございます。そういう面で技術員といいますか、実態調査と技術員、こういうことに相当手間どったのでございますが、おかげさまをもちまして法律提案の段階に至りました。たいへん御協力いただきましたたまものと思います。そんなふうな事情でございましたので、御了承を願いたいと思います。
#51
○前川旦君 そこでまず、共済の対象の問題でありますが、先ほども大臣の御答弁の中にもありましたが、果樹農業振興特別措置法、いわゆる果振法、ここにあげられました十品目になりますか、そのうちの六つが法律できちっと名前が出ております。あとは省政令にまかされているわけですが、残りはその果振法の中からという先ほどの御答弁でした。桜桃、ビワ、カキ、クリ、ウメ、これだけ残っているわけすでけれども、大体いつごろをめどに、省令ですか、いつごろをめどに桜桃、ビワ、カキ、クリ、梅、五つですか、残りを入れていく御予定なのか承りたいと思います。
#52
○国務大臣(赤城宗徳君) いまお話のように、果樹振興法の中から逐次果樹保険のほうへ繰り入れていこうと思うんでございますが、それにはやはりまだいろいろな調査が十分にできておりません。カキなどにつきましては、相当調査が進んでおりますが、その中で最初に入れていくには、カキ、クリなどは早いと思います。調査を相当進めておりますから、それではいつこれを対象に入れるかということにつきましては、いま直ちに御答弁申し上げることはできませんが、これがおくれてだんだんいま実施されるような段階に入ったわけでございますが、その中でまだ対象品目にならぬものもありますから、できるだけ早い機会に調査をして入れていきたい、こういうふうに作業といいますか、作業を進めておる次第でございます。
#53
○前川旦君 政府委員にお伺いしますが、いま大臣の答弁では、カキ、クリは相当進んでいるというお話がありました。実際問題としてその未端で、、調べてみますと、確かに各地方でカキとクリはずいぶも調査が末端で進んでおるようです。いままでにもう五年ですか、五年近くやっておるんじゃないでしょうか。おそらく四十七年度、四十七年度末で調査すべきものは、ほとんどもう調査して済むんじゃないか、カキ、クリ。こういうように見通されますが、その進み方、そういうことですか。
#54
○政府委員(小暮光美君) カキ、クリにつきましては、現在の六果樹についての試験実施と並行して基礎的な調査をしようということで、調査を手がけておりますので、残されたものの中では調査が進んでいるほうに入ることは、ただいま大臣が申されたとおりでございます。ただ、実は、その調査の期間の初期の段階では、カキについて必ずしも旺盛な保険需要と申しますか、これがなかったようなこともございまして、調査のごく最初の段階は、実は一県なんです。岐阜県一県についての調査でございました。その後そういうことでは困るということで、生産県三県に調査の範囲を広げていろいろ調査いたしております。
 それから、クリにつきましては、カキと同様にかなり調査が進んでおりますが、実は、これを保険の仕組みにいたしますために、共済の対象とすべき災害の態様と申しますか、収量の変動と申しますか、そういう点がある程度保険設計にかなうような基礎的な姿が出てくるかどうかという問題がございます。非常に何と申しますか、被害の状況がはなはだしくおくれておりまして、その辺に設計上さまざまな難点がほかの果樹よりもあるんじゃないかといったような問題点も出てまいっております。これらの点は、やはり基本的には栽培の仕組み等がある程度進むと申しますか――もちろん被害があるから共済制度にのせるのですけれども、その被害の出方がある程度の範囲内に入ってくるというようなところまで、やはり栽培のほうもあわせて技術が進んでいくということが一つございます。もう一つは、保険需要の問題、やはりかなりの産地がこれに参加しようというような形に意欲が出てくるということもございます。これらの点は、十分指導いたしながら、できるだけ早い機会にこれを制度に仕組んでまいりたいというように考えております。
#55
○前川旦君 大臣の御答弁で、できるだけ早い機会に、しかし、その期日についてはちょっといま資料も整ってないから言いがたいということでありましたが、現場の生産者あるいは担当者の話を聞きますと、まず生産者から、これは非常に切実な要望が出ております。特にカキについて出ております。カキ、クリ一緒にしてというのじゃなくて、カキだけでも先にひとつ入れてもらいたい、現実の問題としてそういう要望が出ております。それから、いまの調査の進みぐあいから見て、四十八年には間に合うんじゃないだろうか、カキだけ切り離せば。で、この法律が実際に実施される段階では、何とかカキだけでも入れてもらいたいという強い実は、要望があるんです。そういう点を勘案して、期日は約束できないとおっしゃいましたけれども、四十八年あるいは四十九年、この辺を目標にしてがんばるということでお取り計らいを願えないもんだろうか、こう思いますが、あえてもう一度お尋ねいたします。
#56
○政府委員(小暮光美君) 御要望、十分頭に置きまして調査を急ぎたいと思いますが、先ほどクリについて申し上げましたような、設計上非常にむずかしいという問題のほかに、カキのほうはクリよりは議論はこなしやすいというふうに見ておりますが、やはり制度に仕組みますのに、本格的に調査をしましてから何年分何年分基礎資料がたまるかというのも、実は、保険設計上の一つの事務的には基本的な問題でございまして、さっきちょっと申しましたように、最初に岐阜一県だけだったというところを改めまして、主産県に広げる。しかも制度改正をすることを頭に置きながら調査を進めてまいりまして、三カ年の数字が一応まとまりましたけれども、三カ年でこれを保険設計するということは、まだちょっと無理でございまして、これはできるだけ理論的に可能な限り急ぎたいと思いますけれども、その辺の事情は御了解いただきたいと思います。
#57
○前川旦君 試験期間に共済の対象となる、共済目的の種類というのですか、まあ法律では列挙してありますが、これをさらに細分して試験をやってこられたはずですが、試験期間のあの細分のしかた、それをそのままこの法律の実施に盛り込んでいきますか。これは細分をしてもらいたいというのが農家の要望です。細分化してくれるとありがたい、この点いかがですか。
#58
○政府委員(小暮光美君) 対象果樹をさらに品種あるいは栽培方法を細分するということは、この試験の期間から一つの検討課題になっておりますが、たとえば温州ミカンをわせ温州と普通温州に分けて試験をやってまいりました。また、そのほかにリンゴの場合では、かなりこまかく一類、二類、三類、四類、五類というものを初め事務的にはつくりました。ただ、五類は実際上その他という、これは分類に入らないリンゴを全部入れるようなものをテーブルプランとしてはつくってみたのですけれども、これは生産者が組織できないものですから、五類は実際は試験しませんでした。一応五つに分けたもののうち四類、ごくわせとわせとなかてと特殊のもの、そういう形で試験をしてまいる。ただ、この試験の結果をよく見てまいりますと、やはり一つには、できるだけ地域の実情に即して分けてほしいという生産者の御要望があったことは明らかでございますが、逆に保険設計上必要な危険分散という点でいかがであろうかというような事例も、実は、出てまいっておる。いまのリンゴの例でいいますと、祝とか旭、俗に青リンゴ、これだけは御承知のように時期が早くて、リンゴの生産販売の形としては、あとから出る紅玉とは全く違うということはわかるのですが、試験実施を祝、旭だけを一類ということで仕組んでみたのですが、総生産高の七%、これで関係県も非常に少ないというようなことで、これはなかなか危険分散という保険の論理からはやや無理があるんじゃないか。そこでやはり本格実施の際にも、もちろん法律にも御提案してございますが、品種または栽培方法で分けるつもりですが、その分け方については、試験実施のときの分け方をそのまま踏襲するかどうか。ものによってはやはり若干もう少し大くくりのところから始めて、ただ、栽培がだんだん、さらに需要のある品種についてはふえていく、そういう形で保険の対象とすべきものがまあ、集団としてふえてくるというようなところがあれば、さらにまた細分するということもできますけれども、やはり細分のメリットといまの危険分散の問題、両者のかね合いを見ながら、具体的に細分のしかたを指導してまいりたいというふうに考えています。
#59
○前川旦君 できるだけ農家の要望をとり入れて現実に即したやり方をしていただきたいということを要望しておきます。
 それから、先ほどもちょっと出ましたが、この樹体共済の場合、幼木を対象からはずした一番大きな理由は何ですか。
#60
○政府委員(小暮光美君) これは先ほども申しましたけれども、理論上幼木は対象にすべきでないといったようなロジックがあってはずしたということではなくて、やはり試験設計いたしますときに、実際に生産しておりますものも、あるいは目下育成中のものも含めて、樹園地をある一定のサンプルでこれを調査いたした。そのときに、実際でき上がりました個表では、具体的な保険設計をするに十分なだけの幼木のサンプルは得られなかったというような実際上の問題もございます。今後この制度を実施しながら、各地に新たに植栽した面積がかなりあるわけですから、そういうものについてさらに調査を続行いたしまして、これについての制度化について研究してまいりたいというふうに考えております。
#61
○前川旦君 何年ぐらいのデータで、いまの幼木にまで広げるだけの基礎資料が整うというふうにお考えですか。特にこれは産地でこれまた要望が強いのですよ、幼木も見てくれということがですね。この共済が実施された段階で、幼木については試験実施でもやってもらいたい、試験実施を部分的にしがら、並行してやってもらいたいという要望が強いのです。そういうことはどうですか。そういうことも踏まえて、いつごろの時期にこれ踏み切るというふうな見通し持っていらっしゃるわけですか。
#62
○政府委員(小暮光美君) 試験実施に関する法律は、今度の本法が施行されますときに、これを廃止をするつもりでございますので、試験実施を本法と並行してやるわけにはまいりませんけれども、この幼木の問題につきましては、なお若干年の調査を続行させていただきまして、できるだけ早期に対象にできるようにいたしたいと考えております。
#63
○前川旦君 共済のこの事故の問題ですが、虫害が入ってかなり幅広くなりました。たいへんな前進だと思いますが、先ほど塩害の話が出ました。これは塩害は通産省になりますね。先ほどの答弁で通産省になると思いますが、よろしゅうございますか。塩害って塩ですよ、塩は。
#64
○政府委員(小暮光美君) なります。
#65
○前川旦君 同じ煙害でも煙はどうなんです。これは煙突から出る煙もやっぱり、煙害は煙害でも、これもあるんですね、事実上の問題として。工場が進出してきまして、そういう場合があるんです、公害ですけれども。
#66
○政府委員(小暮光美君) 農業共済制度は、やはり自然の災害というものを、実は、対象に考えておりますので、煙害でも煙の害のほうは、この制度の対象には想定いたしておりません。
#67
○前川旦君 そうしますと、これは一種の公害として相手の企業との民事上の争いということにまかしてしまう。しかし、これは風向きとか何かその他の気象の関係がかりに変わったとすればこれもみていいんじゃないでしょうか。
#68
○政府委員(小暮光美君) 気象災害でございますれば、この制度の対象になりますけれども、人為による災害は、やはりそれぞれその災害をもたらしたもとからの補償と申しますか、あるいはそのもとを逆に絶つ、そういう被害が起こらないように絶つという形で対処すべきであるというふうに考えます。
#69
○前川旦君 人為なものであっても、気象と一緒になって被害が出る場合があります。たとえば薬剤なんかの場合も、摘花剤をまいたりする場合も、まいたあとで急に気象が変わったりとんでもない公害が出る場合もあるはずなんですね。そういう気象条件の変化が伴った場合には、これやはりみていいんじゃないかと思いますがね、これいかがですか。
#70
○政府委員(小暮光美君) どうも具体的な事例に即して判断する以外にないと思いますけれども、どこまでこれが気象災害、気象による災害というふうに認められるかどうかという問題であろうかと思います。
#71
○前川旦君 そうしますと、現実に即してやはり判断していくというお考えだろうと思いますが、その因果関係の問題になると思いますけれども、因果関係で気象の変化、気象条件その他の台風とか雨が降るとか、それが非常に影響して、薬剤が逆に被害が出るとかというような場合には、柔軟な考え方をしていっていいと思いますけれども、そういうふうに考えてもよろしいですか。
#72
○政府委員(小暮光美君) 農薬のかけ過ぎという言い方は、適当ではないと思いますけれども、農薬の使用を誤った場合、それが気象条件と加重して被害が起きるというようなことが、あるいは御指摘の点かとも思いますけれども、それが気象災害であるというふうに判定できる場合には、本制度の対象となるということであろうと思います。
#73
○前川旦君 中身のこまかいことをずっと伺ってまいりたいと思うのですが、組合員の資格で「栽培の業務を営む者」という文章があります。これは十五条の四ですが。そこで五アールから二十アールのところでという数字が出ています。この五アールというのは、これはよくわかるのですけれども、ずいぶんきめのこまかいことでいいと思うのですけれども、上の二十アールという上限をきめるのは、これはどういうわけなんですか。
#74
○政府委員(小暮光美君) これはそれぞれ上限なんです。それぞれ上限なんですが、五アールないし二十アールの範囲内で組合がその地域における上限をきめる、こういう考え方でございます。
#75
○前川旦君 どうもよくのみ込めないんですがね。もうちょっと詳細にいまのを説明してもらえませんか。二十アールというのがよくわからない。
#76
○政府委員(小暮光美君) くだものの種類ごとにそれぞれ五アールないし二十アールの範囲内で組合がきめるということになるのですが、これはそれぞれの果樹園芸の立地によりまして、たとえば山ぞいの傾斜地帯の果樹の農村の場合、あるいは水田、平場でもって樹園地を集団でつくっているような場合、それぞれの組合の地域ごとに実態が違うわけです。結局これを一律にいたしますと、たとえば五アールか二十アールかどっちかに割り切ってしまいますと、非常に機械的なことになって、果樹を業としている生産者の多数が参加できないということになっては困ります。ただ、もう一つは、あまり零細な五本か十本というふうな人まで全部拾い込もうとしますと、組合の仕事はうまくいかないということでございますので、それぞれの組合ごとに範囲をきめよう、こういう考え方でございます。
#77
○前川旦君 下限ですね、下限という意味ですね、私はちょっと感違いしたのですか。
#78
○政府委員(小暮光美君) 下限でございます。
#79
○前川旦君 それから先ほどもちょっと工藤委員の質問にも出ておりましたけれども、樹体の共済事故で、損傷というのはどういう基準で判断するのか、植えかえたほうが経済効果があるという程度の損傷をみるのだ、こういうような御答弁だったと思いますが、その前に滅失、流失、埋没、こういうのがありますね。わざわざ「損傷」ということばを入れたわけなんですが、この「損傷」というのは、ずいぶん判断がむずかしいと思うのですね。そこで、たとえばこれは現地の要望ですけれども、かりに果樹、ミカンならミカンがありまして、樹種が三つが違う、一つが同じ、その程度で損傷みてくれたらいいじゃないかという意見があるのです。これで植えかえたほうが得だということはちょっときびしいじゃないか、その程度みてくれという強い要望があるのですが、その点についていかがですか。
#80
○政府委員(小暮光美君) 樹体の共済につきましては、実は、初めてのことでございますので、やや慎重を期しているということを、率直に申し上げておいたほうがよろしいかと思います。それで流失したり埋没したり、明らかに全くだめだということは、あまり争いがないわけですが、木が大きくいたんだというものをどこまで樹体共済の対象にするか、これは私は、判断の問題だと思います。制度的にどっちでなければならぬというふうには考えておりませんが、ただ、果樹の特性として午前中に申し上げましたように代償生長というのが明らかにある。一部の損傷が翌年の収穫にそれほど影響ないという事例が具体的にもございます。そこで、一部分の枝の損傷というものを樹体被害というふうに認定するというふうに考えます場合には、それのまた基準をどうするかというようなことにつきまして、いま少し実態を積み重ねてまいりませんと、かえって午前中に申しましたように、収穫共済と樹体共済がまたからみ合うわけでございます。その辺が非常にむずかしい問題を次から次へと巻き起こすのじゃないか。そこで、今回本格実施の当初に当たりましては、どこまでも、流出、埋没に準ずると申しますか、これは植えかえたほうがその経営のためによろしいという判定がなされる程度の損傷というものを樹体被害ということの中に入れたいということで申し上げているわけでございます。なお、今後の研究課題であるというふうに考えております。
#81
○前川旦君 どうかひとつ前向きに地元の生産者の要望を入れて検討をしていただきたいと思います。
 それから、八十五条ですか、大臣が指定する組合というのがありますね、これは品質低下の問題で。この大臣指定の組合とは具体的にどういうことをいっているのか。たとえば出荷体制の問題もあると思いますが、一つはその収穫物の何割ぐらいをこの組合が扱っているというところで線を引いて、それを指定する資格というか、基準にするかという問題、それと全国的に見てどれくらいの、数で判断しますか、耕地面積で判断しますか、どの程度の割合でこれが指定される見通しというか、見込みを持っていらっしゃるのか、この二つを御説明いただきたいと思います。
#82
○政府委員(小暮光美君) 組合を指定いたします考え方は、試験実施の際にも、関係の団体といろいろ議論いたしました。加入者の全部についてその生産量の相当部分を出荷団体を通じてその県で定めた規格に従って出荷しておるというようなことを一応の目安にいたしておるわけでございます。ただ、相当部分と言いますと、これまたはっきりいたしませんので、いま申しましたのをもう少しこまかく言いますと、全員が参加した共同師売であって、個々の会員についてはおおむね五割以上共販に乗せておるというようなところに線を引いてはどうだろうか、これはいずれも指導上の問題でございます。その程度の共販であることが、この問題を円満にさばくためには必要だろうというふうに思いますので、そういうふうにいたしたいと思います。その程度の共販体制のあるものが、どれくらいあるかという点につきましては、さらに本格実施のときまでにもう少し詳細に調べてみたいと思いますが、これまで県の連合会等といろいろ議論いたしました際、この程度の基準で合格すると思うからやりたい、やりたいというふうに希望しておりますものを、大体見ますと、四割程度です。この希望するものが全部合格とか、これはさらに具体的に本格実施の際に詰めてみませんとわかりませんが、少なくとも四割程度は希望しておるというふうな実態でございます。
#83
○前川旦君 被害を受けまして、収穫が減った場合に、ミカンなんか品質低下をずいぶん伴うんです、実際問題として。ですから品質低下というものは主体的に考えるぐらいに、つまり大臣指定組合というのをうんとふやすということで私は考えてもらいたい。これは現地の要望です。しかもリンゴなんかの場合でしたら、かなり出荷体制が整っていますけれども、ミカンの場合は、わりあいにリンゴほどいっていないです。品質は低下はするは、おそい、しかも共販に十分乗っていないという面がかなりありますので、そういったミカンをやっぱり救えるような形での基準のきめ方、これをぜひお願いしたいと思います。いまの試験段階での五割の共販、五〇%の共販、それを踏襲していかれるわけですね。
#84
○政府委員(小暮光美君) いまのは、五割という試験実施の線は、踏襲するつもりでございます。なお、いまの点についてなお一言だけ申し上げておきますが、私ども先ほど指導上の問題というふうに実は御答弁申し上げたんですが、できるだけ出荷体制を強化するという一つの指導の基本的な考え方がございます。そこで、そういう指導を加えながら、大体農災制度のほうではある基準に達したものについては、客観的に品質低下を判定し得る能力のある組合であるというふうにこの制度の中で拾い込んでいきたい。したがって、その指定の基準を下げることは、いまの共販体制を強化していきたいという指導のたてまえ、目先できるだけゆるくしてしまうということとはちょっと矛盾するわけですから、やはり指導の特に姿勢としては、ある水準以上の共販体制というものを堅持したいと思います。ただ、地域の実情に応じてある共済組合の全地域がそれにはならないけれども、一部の地域がなるという場合があると思います。と申しますのは、共済組合について別の事情でできるだけ合併ということを指導しております。むしろ人件費がだんだんかさんでくるわけですから、できるだけ広い地域での組合というのを共済のほうで指導しております。そうしますと、くだものの出荷という面では二つか三つの組合の地域であるものが、共済制度の観点から一つの共済制度の地域になっておるというふうな場合があります。それを共済組合の地域の中から全部さっきの基準にならないから、品質問題を扱ってはいけないということは、やや酷ではないかということで共済組合の地域の一部であっても、出荷のほうがある地域については間違いなく先ほどの基準に達しておるという場合には、その部分についでいまの仕組みを使ってよろしい、このような指導をいたしたいというふうに考えております。
#85
○前川旦君 いまのことを書いてある条文ですけれども、この条文の文章は「当該種類の果樹に係る果実の相当部分が農業協同組合の共同利用施設によりその品質の程度に応じ格付けされて販売されている」、これはいまのお話でいいんですが、そのあとでわざわざ「等」ということばを入れていますね。これはわざわざ「等」と入れたのですか。いまのお話と違うものを考えていらっしゃるのだろうと思います。それはどういうことなんでしょう。
#86
○政府委員(小暮光美君) 別にそう他意があってやっているわけではございませんが、いま申しましたような趣旨が貫けるような仕組みでございますれば、やはりそれを採用していきたという気持ちから立法上「等」と入れたわけでございます。
#87
○前川旦君 これ実際問題として、出荷組合から資料を集めるのはたいへんな手間がかかると思うのです。一軒の農家で何百枚と伝票を使う場合があると思うのです。そんなむずかしい、そんな手間がかかることをしないでも末端の検査員、調査員を信用してもらって検見でやったらどうかというような意見も出ているのですが、この点についてのお考えはいかがですか。
#88
○政府委員(小暮光美君) 果樹共済につきましては、共済の組織がこれまで直接果樹を扱っていなかったという実態がございます。当然この仕事につきましては、農業協同組合、現実の出荷をやっております農業協同組合の協力を求めなければならないと考えておりまして、農業協同組合の側で共同出荷のために、かなり客観的に把握できる仕組みをやっております。あるいはその資料を使って品質の問題を処理したいというふうに考えております。やはり客観性ということが、非常に大事ではないかというふうに見ているわけでございます。それを生産者からたくさんの伝票を集めなければできないじゃないかという御指摘でございますが、それぞれの生産者ごとに出荷団体といたしましては、大都市の出荷の全部について総合評定と申しますか、そういうものも出すようにいたしております。そういうものと当該年との件数の比較というふうな形で、これは客観的にこれが把握できるという点に着目して、先ほどのようなことを考えているわけでございます。検見というような方法は、現在のところ想定いたしておりません。
#89
○前川旦君 これ現実にやってみてたいへんな手間で、現実的にむずかしいということになれば、そのときにいろいろまたここで論議をしていきたいと思います。
 そこで、一番大切なこの基準収穫量というものは、どういうやり方できめていきますか。
#90
○政府委員(小暮光美君) 基準収穫量につきましては、ほかの農済制度の場合と同様、国が直接持っております統計調査部の資料等をもとにいたしまして、県ごとに過去の一定年間の収穫量から基準のものを求めまして、これをそれぞれ組合の地域にだんだん分けていくという仕組みで、これを設定する考えでございます。
#91
○前川旦君 この法案を見ておりまして、これはちょっと大臣に聞いていただきたいんですけれども、たとえば、このいまのような辺は、たいへんに法律の案文が悪文なんですね。ちょっと私、読んでみましょうか。これ、大臣おわかりになるかしら。共済関係の成立。「第百二十条の二 果樹共済の共済関係は、収穫共済にあってはその共済目的の種類ごと及び果実の年産ごと、樹体共済にあってはその共済目的の種類ごと及び第百二十条の九第二号に掲げる期間ごとに、農業共済組合の組合員又は次条の果樹共済資格者が、定款等で定める申込期間内に、その者が現に栽培している第八十四条第一項第四号又は第五号の果樹で、組合等が現に行なっている収穫共済又は樹体共済においてその共済目的の種類としているもの(収穫共済にあっては第百二十条の六第一項の収穫共済の共済目的の種類等ごと、樹体共済にあっては同条第四項の樹体共済の共済目的の種類等ごとに、その栽培の業務の規模が、省令の定めるところにより定款等で定める基準に達しないものを除く。)のすべて(当該果樹のうちにこれが収穫共済又は樹体共済に付されるとすれば共済事故の発生することが相当の確実さをもって見通される等果樹共済事業の適正円滑な運営を確保することができなくなるおそれがあるためこれにつき収穫共済又は樹体共済の共済関係を成立させないことを相当とする省令で定める事由に該当する果樹があるときは、その省令で定める事由に該当する果樹以外の当該果樹のすべて)を組合等の収穫共済又は樹体共済に付することを申し込み、組合等がこれを承諾することによって、成立するものとする。」、
 何のことなんでございましょうね。何か一回読んだだけではわかりませんね。よく調べてみると、保険ですから、いつ保険が成立するかという、普通、生命保険とか損害保険では、金を払い込んだその日から成立するということでしょうけれども、これはそうじゃなくて、申し込んで、組合が承諾したときから効力を発生しますよということを言っているようですね。ただそれだけ、一行か二行で済むことが、どうしてこんな長い悪文になるのでしょうね。これはひとつ、大臣がいらっしゃる間にこういう習慣は、やめてもらいたいと思うのですけれども、いかがですか。
#92
○国務大臣(赤城宗徳君) これは、戦後の法律全体にわたっているのじゃないでしょうか。アメリカの占領軍が来ましてから、何か法律の条文の書き方というものがだいぶくどくなりましてね、私どもそう感じています。ですから、いま読んだのも、前のほうと一番結論の「承諾することによって、成立するものとする。」で終わっちゃうようなんですが、条文をたくさん、何条とか何条とか引いてあったり、省令で定めるところがどうとかという、そういう何かつけ足りがたくさんあるものだから長くなって、私もわからないです。これは、前とうしろだけで何とかきまりそうなことにしかわからないんですが、だんだんこれは改めるべきだと思うのです。私は、法律全体がそう思うのですよ。非常にくどくなっています、終戦後の法律の条文は。そして、戦前は文語体でしたが口語体になって、これはけっこうですが、それで文章も長い。非常に判断しにくくなっている。また、訓令的な条文も非常に多くなってきている。そういう感じがいたします。
 ですから、できるだけ農林関係の法律等につきましても、私らでもいま農林関係六法を見てもなかなか自分で判断できないようなものが多いわけですが、こういう点はよくこれから研究して、簡潔でぴしっといくようにしたいと思っています。まあ、これからの研究問題でございますから、御趣旨のように研究していきます。
#93
○前川旦君 私は、大臣のいらっしゃる間にぜひこれは検討して、やってもらいたいと思うのですよ。この内容の説明なんかは、法案を出すときに、提案理由説明の補足説明の中でたったっといってしまえば済むことなんでね。この条文そのものはもっと簡単にしてもらわないと、現地で担当する者がたいへんな一苦労いたします。ですから、その辺ひとつぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、共済金額ですが、七〇%を最高の共済金額としています。最低は大臣がきめるというふうに条文ではなっていますが、これは四〇%ですか。
#94
○政府委員(小暮光美君) 下限につきましては、おおむね四〇%ということで指定いたしたいと考えておりますが。
#95
○前川旦君 そこで下限の四〇をきめる根拠というのは、一体何なんですか。四〇ですね、四〇で保険共済かけても、これは手取りというか、一体共済の意味があるのかどうか、四〇という数字が。それから指導としてはどうなんですか、七〇でも四〇でもいいんですよ、こういう指導じゃないのでしょう。やはり現実の指導として、七〇%であれ属、できるだけ七〇%満ぱいでかけていくべきじゃないか。かけなさいという指導をなさるわけでしょう。
 それから農家の希望も試験実施のあれを見ると、ほとんど最高額に近い数字が多かったように思います。そういうことを考えると、四〇という数字は意味がない、もう少し上げるということを考えてみていいんじゃないかと思いますが、その点いかがですか。
#96
○政府委員(小暮光美君) 御指摘のように、指導上はできるだけ高いものを選ぶように組合も指導していますし、私どもも、そういう組合の指導が正しいというふうに考えております。ただ、国が掛け金まで国庫補助している。もちろん事務費についても補助しますが、一軒々々の農家が共済をかけます場合の掛け金の二分の一を国庫補助するというような形で、国の制度として仕組む問題でございますので、一応、制度として下限のほうも指定しておくということでやっております。実際の農家の選択といたしましては、かけます共済掛け金と、受け取れる共済金額とのバランスで判断するわけでございますけれども、おおむね七割前後が生産費的なものを償い得る一つの線ではないかということで負担能力さえございますれば、できるだけこの上限に近いもので選択するように指導してまいりたいというふうに考えております。
#97
○前川旦君 そうしますと、四〇という数字が、七〇から四〇、現実の問題として四〇という数字はおいでおいでも、指導としては七〇に近いところへ指導していくということですね、そういうふうに考えてよろしいですね。
#98
○政府委員(小暮光美君) 国は、二分の一の掛け金の負担をいたしますけれども、やはり主体的には農家が判断する問題でございますので、強制するようなつもりは毛頭ございませんけれども、二分の一国庫負担することによって、できるだけ高率の共済金額を選ぶように指導をしたいというふうに考えておるわけでございます。
#99
○前川旦君 この七〇%という数字が妥当であるかということは、一つ問題があるかと思います。たとえば、同じ農家単位共済で、水稲の場合は七二だったと思いますがね、同じこれは農単、農家単位共済、農単ですから水稲が七二で果樹が七〇ということで二%の違いがあります。これは将来七〇を少しでも上げていくという姿勢であるのかどうか、その辺についてお伺いします。
#100
○政府委員(小暮光美君) 試験、実施の際には、六〇%ということで一応試験をいたしまして、ただ、できるだけ果樹共済を生産者にとって魅力のある制度にいたしたいということで、本格実施の際に、上限を一〇%引き上げて七〇%ということにいたしたわけでございます。これは先ほど来申し上げておりますように、掛け金の国庫負担ということとの関連で、どこまで高い共済金額の選択を指導できるかという問題がございます。他面この上限をあまり高くいたしますと、俗に保険の理論のほうでモラルリスクという関連も出てまいります。やはり農家の負担の状況、それに対しての二分の一の国庫負担という一つの考え方、それらを彼此勘案いたしまして、しかも生産費の調査等から見て、おおむね現金生産費的なものを償う、それらのものを総合的に勘案いたしますと、七割というのが現時点において妥当ではないかというふうに考えて、提案申し上げておるわけでございます。
#101
○前川旦君 試験実施の六〇%が七〇%まで上がったということは、非常に大きな前進だと思います。しかし、水稲のほうで七二%という非常に高い、まあ二%の違いですけれども、たいへん高い数字が出ておりますので、これはやはり七〇に固執するのではなくて、・さらに上げることもあり得るという柔軟な考え方でとらえてもらいたい、このように思います。同じ意味で家畜共済、それから樹体共済が八〇ですけれども、これもやはり同じような考え方で、あまり八〇というのを固定して考えるのではなくて、場合によったら上げるのだと、いろいろバランスもありますけれども、そういうことを含めて前向きかつ弾力的に考えていっていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 それから、樹体共済の場合、この樹体そのもののとらえ方というのは、非常にむずかしいと思うのです。どういうふうにして、これ現実にどんな方法で、この木は価格幾らだということをどういうやり方できめられますか。おやりになりますか。
#102
○政府委員(小暮光美君) 樹体の評価の考え方としては、二つ判断の基準があろうかと思うのですが、そこまで果樹を育ててまいりますのに、どれだけの投資があったかという考え方が一つございます。
 それを申し上げます前に、一応家畜の場合ですと、目下搾乳中のたとえばホルスタイン一頭というものについてそれ自身が売買できますから、おのずからなるマーケットプライスがある。家畜の場合には、そういうものも判断の基準になりますが、果樹の場合には、実は苗木の段階では、客観的に見てとれる相場がございますけれども、一ぺん樹園地に植えてしまってから育ったものは、土地ごと売り買いするということはあるのかもしれませんが、樹園地の一本一本の果樹については、幾らで売買というような実態がございませんので、そういう樹価を基準にするという考え方はとれない。そこで、そこまで育成するのにどれくらいの金がかかったかという問題が一つ、それから年々ある程度の収穫をあげるものですから、年々の収穫を複利年金の減価方式というようなもので、現在時点で引き直してみる、そういう形での評価のしかたと二つあるのではないか、しかし、それは何年目の木であるかということによって、いまの二つの点のどちらを重く見るかというのがまた違ってくるわけでございます。おおむね二つの要素を勘案しながら樹齢ごとにこれを算定する一定の係数をつくりまして、その係数を基準にして評価するようにいたしたいと考えております。実際には、これまで試算いたしましたところでは、温州ミカンの例で収穫最盛期というようなものにつきましては、おおむね基準収穫金額の三倍程度というのが試算として出ております。
#103
○前川旦君 それではこの支払いですけれども、収穫減が三割をこえたら支払いになるわけですけれども、たとえば水稲の場合は二割ですね、二割で支払いになるわけです。同じ農家単位の共済でありながら三割と、それから試験の三割と五割と二種類ありましたね。三割というのはどうなんですか、数字の根拠、妥当性、それからいまの水稲と比べてみて、さらに引き上げるという考え方があるのかどうか、その辺いかがですか。
#104
○政府委員(小暮光美君) 三割足切りにするか五割足切りにするかということで、試験実施は三割と五割の二つについて試験をしたわけでございます。五割足切りは、申し上げるまでもございませんが、共済金をもらう頻度は非常に少なくなりますけれども、比較的少ない掛け金負担で、いざという場合には、相当実のある金額がもらえるというところに、保険としての一つの意味があるわけでございますが、どうも三、四割のあたりにかなり実際上の頻度が多いという実態から見まして、五割足切りということは、生産者の理解と申しますか、納得が得がたいということが試験実施の段階で明らかになりましたので、今回の本格実施では、これを一応切り捨てまして、全体を三割足切りということに制度化いたしたわけでございます。なお、水稲との比較でございますが、水稲は、これまで一筆建てで三割足切りでございましたのを、多年の検討の結果、農家建ての場合に二割足切りということに直したわけでございます。水稲と果樹では、被害の発生態様も違います。また、水稲につきましては、やはり制度発足以来かなり長い期間にわたっての基準収穫量の算定あるいは損害評価といった面での数十年にわたる実務の積み重ねがございます。それぞれの最末端までこれについていろいろな統計も整備しておりますし、過去において起こったさまざまな姿が実体面に把握されておるわけであります。果樹につきましては、まだこれから本格実施に入る段階でございます。やはり現在における基準収穫量の算定の制度あるいは評価技術というようなものから考えますと、三割とするのが最も妥当であるというふうに判断いたした次第でございます。
#105
○前川旦君 これが妥当であるかどうか、スタートですからある程度やってみないとわからないと思いますが、これもやはりできるだけ現実に合うように、前向きで柔軟な弾力的な態度で取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、今度は支払い割合ですが、これは省令で定める率というふうに法律ではなっております。そこで、いろいろ新聞等で出ておりますのは、たとえば二割を引いて掛けるとか、一・四掛けて四割引くとかいろいろ算定の方式が出ておりますが、実際にはどういうふうにおやりになるのか。それから、新聞に出ておりましたそういう算定方式でグラフをつくってみましたところが、幾ら減ったら幾ら払ってもらえるかという支払いのそのグラフがまっすぐになっていないんですね、まん中がへこむんです。つまり一番被害がたびたびあるであろう四割減とか五割減とか、その辺が支払いの割合が低いのですね、割合が。これは少しおかしいので、やはりこの辺を是正しなきゃいけないというふうに思うんですけれども、その辺について御意見いかがですか。
#106
○政府委員(小暮光美君) 先ほど申しましたように、試験実施の段階で、実は五割足切りと三割足切りという二つの想定をいたしまして、それぞれについて必要とする掛金率、そういうものをそれぞれの樹種ごとにかなり詳細な統計処理で導き出したわけです。で、それらのものが現在、今回の本格実施にあたりましての当初想定される掛金率、そういうものに全部反映いたしておるわけでございます。ただ、足切りの点は、実は先ほど申しました事情で五割足切りというものをやめまして、もう三割足切り一本にいたしたわけでございます。そこで、試験実施の段階で関係の生産者の方々に十分浸透いたしております。三割被害がございましたら一割まず支払う、それから五割被害の場合に三割支払う、この二つの点は、試験実施の際に、生産者に繰り返し繰り返し周知徹底しておるポイントでございます。その二つがいま申しましたように現在算定されてる掛金率と照応すると、こういう事情がございますので、今回省令で指定いたします支払い割合は、三割をこえ五割以下である場合に、その減収の割合から〇・二を差し引いた割合、それから五割をこえる場合には、減収の割合に一・四を乗じたものから〇・四を差し引いた割合、ということでこれを定めたいというふうに考えているわけでございます。ただ、これらの点につきましては、もちろん、何年間かの実施の中で、今後さらに被害の発生態様というものを常時調査いたしまして、さらに妥当な掛金率といったようなものを求める作業は常時繰り返してまいるわけでございます。今後の制度の発展に即してまた判断してまいりたいというふうに考えております。
#107
○前川旦君 三割の被害で一割ですね、それから十割の被害、つまり完全収穫ゼロで十割。したがって、その問をまっすぐに線を引いた割合でその間のそれぞれの割合ということが、これはほんとは妥当なんだと思うんですよ。ところが、実際に四割被害で幾らもらえるのか、五割被害で幾らもらえるのか、六割被害で幾らもらえるのかということで、グラフをつくって線をずっと押してみますと、そうすると四割被害、五割被害が損をするんです、割合から言うと。ずいぶん落ち込んでるような感じなんです。グラフが、比率から言うと。で、一番被害の多いところで、この支払い割合が損をしてるというのは、どうもこれはいただけないような気がするんです。そして、これは今度、いままでの試験段階では、国庫の負担が一割だったやつが、今度は五割、これは大きな前進だと思いますが、五割になりますね。そうすると、試験段階よりか明らかに保険の掛金は下がるんだろうと思うんです、これはまあ、計算してみなきやわかりませんけど。下がると考えるのが常識だと思います。それを考えますと、いま最初に言いましたこの支払い割合、四割、五割が損をするというところを是正しても十分に原資はあるんじゃないか、やれるんじゃないかというふうに思いますがね、その辺いかがですか。
#108
○政府委員(小暮光美君) まあ、損をするというのはちょっと、先生もそれは御承知の上でおっしゃってるんだと思います。やや表現としては適切でないかと思いますが、そういう、まあ、一つの設計の問題でございまして、それぞれ、そのような場合にこれだけの支払いが行なわれるという形で保険料率を算定するということを、この五カ年の試験実施の中で毎年改定いたしながら積み上げてまいったということでございます。本格実施になりますと、当面二年に一ペん共済掛金の改定をやる、それで大体確定いたしましたら、将来は四年に一ぺんの改定ということに持ってまいりたいというふうに思いますけれども、これまでの仕組みがいま申しましたような一つの沿革の経過を踏んでやってまいっております。この点につきましては、本格実施の当初はこの案でこれを実施することが、最も整然とまいるのではないかというふうに考えております。ただ、御指摘の点につきましては、制度運営の今後の問題として検討を引き続き行ないたいというふうに考えております。
#109
○前川旦君 私が損をすると言っても、実際損をすることはありませんから……。しかし、ほかに比べて四割なり五割の被害を受けたときに率が悪いということは、やはり何か損をしたような気がしますよ、これは。それで、今度料率改定は五十年を予定しているのですか、二年というと五十年になりますね、昭和五十年でしょう。そのときまでにこれは検討していただいて、これはやはり妥当な――ちょっとおかしいなと首をかしげるようなことでなくて、まともな形に直すように、前向きでやはり取り組んでもらいたいと思います。これ強く要望しておきたいのですが、いかがですか。
#110
○政府委員(小暮光美君) ただいま申しましたように、試験実施の沿革とのからみで、このようにただいま考えておるものでございますので、御指摘の点を十分体しまして、ニカ年間に検討いたしたいというふうに考えております。
#111
○前川旦君 国庫負担の二分の一、これは試験期間の一割から五割に上がったのは、非常に大きな前進だと思います。敬意を表します。しかし、それはそうとして、たとえば蚕繭は五七%ですね、それから農作物共済は五九%だったと思います。それに比べると、まだまだこれは上げていく余地があるんじゃないかというふうに思いますが、その辺いかがでしょう。
#112
○政府委員(小暮光美君) なかなかむずかしい点でございますが、まず農作物――米・麦の共済制度は、御承知のようにいままで主要食糧ということで、これについての一つの生産の考え方あるいは食糧管理の考え方というものが、バックボーンとしてあったわけでございます。したがいまして、かなり被害の高いところも、とにかく米はつくるということで、高被害地には非常に高率の国庫補助をやるということを考えの中に含みながら制度を仕組んでまいりました。最近の米穀の需給事情、あるいは農村全体の姿、あるいは選択的拡大といったような農政の方向を勘案いたしまして、先般これを一部改正いたしまして、あまり高率の被害地域に高率の国庫補助をすることを改めて、補助の程度を下げたりいたしております。なお、全体として、かなり被害率の高いところに高率の国庫補助をする、全面的にそういう形で農済制度にのせる、いわば強制的にのせる、こういう仕組みで設計いたしておりまして、そのことの結果が、水稲については五九%の国庫補助率ということになっておるわけでございます。果樹の場合には、何と申しましても適地適産ということが指導の一つの基本線でございまして、はなはだしく高率の被害が予想されるところに、果樹園芸を奨励するという考えはございません。したがいまして、・適地適産という形のもとで考えますと、やはり国庫負担のあり方は、あらゆる加入者に対して平等という線が一つございまして、その点国庫負担に傾斜をしました水稲の平均五九というものとは、異なる数字が果樹の場合に出てまいる事情がございます。
 なお、二分の一とはどういうことかと申しますと、これは理屈が合ってないような問題でございますが、何と申しますか、自主的な選択を基礎とした任意加入の制度、しかし、果樹振興という国策の観点から、国がこれにできるだけの助成をするという観点から、他のもろもろの補助制度とのバランスを考えますと、二分の一国庫補助ということが妥当な線ではないか、こういう判断でございます。したがいまして、当然加入の米の場合が五九であるということとの関連で、果樹共済の国庫負担率を将来五〇から五九の方向に持っていくという含みではないということは御理解いただけるかと思います。
#113
○前川旦君 しかし、五九%という高い国庫負担の調整もあるわけですから、これもまあ、弾力的に考えていただきたいと思います。
 そこで、この問題で非常に大きなもう一つの問題は、末端の事務量が、担当者の事務量がたいへんにふえる見通しです。実は私は日曜日に帰って末端の意見もいろいろ聞いてきましたけれども、米作調整、あるいは麦は減っているとはいっても、この共済関係の事務量は、決して減っていないわけなんです。その上へこの新しい果樹の共済が加わる。これはたいへんな事務量だといって、初めからもう泣き顔をしているような感じなんですね。一体これどれくらい事務量がふえるのかつかんでいらっしゃいますか。
#114
○政府委員(小暮光美君) 四十八年からの実施でございますので、四十七年度の予算に果樹保険の事務量調査ということで六十五万九千円の予算をお願いいたしております。ことし一年間で、その点は詳細に調査いたす所存でございます。
#115
○前川旦君 いまその事務量調査の通達がきているというのは、現場で聞きました。一体どういうことをやるのかといって、現実の問題で聞いてみますと、調査員というのですか、係員が一本一本の果樹の樹齢を数えて全部つけ出すのだそうですね。ですから、二月の農家単位ですから、一筆ごとにやってそれを加えるのですけれども、一本一本全部やる。そして一本一本樹齢が違いますから、樹齢が違うのがたくさんありますから、一本一本やる。それを毎年毎年この樹齢が変わってきまずから、一年ごとに調査をして、それから申告してきた農家単位にまたそれを修正をする。君のところそんなこと言ったって、そんなにたくさんできるはずはないだろうといって修正したり、あなた精農家だからもう少しやれるのじゃないかといって一件一件修正をする。それから、もし被害が出れば、これまたたいへんな調査になるわけですね。そういう点で、非常に事務量がふえます。その点の予算措置というもの、事務費補助、これはうんとしっかりつけてもらいたいというのが、地元の偽らざる熱烈な希望ですね。この点について取り組む姿勢はいかがですか。
#116
○政府委員(小暮光美君) 農業共済組合全体としては、御指摘の中にもございましたように、稲作転換あるいは麦の減反といったようなことで事業量が減ってまいる要素がございます反面、こうして新たに事業が創設されるということでございます。長期的には、おのずからバランスする点があるはずでございますけれども、その過渡期には御指摘のような事務の重複があることは、私どもも十分察知いたしております。それから、現在かなり高い水準にあると見ております水稲共済についての事務能力、これも実はいろいろ担当の人たちの過去の苦心を伺ってみますと、昭和二十九年ころまでは、さまざまの問題を含んでおったようでございます。ようやく昭和三十年代になってかなりの精度になり、現在では一朝事が起こりましたときに、きわめて迅速に事務が運べるようなかなり精度の高いものができておりますが、果樹につきましては、これから本格実施の初期の段階には、かなりの事務上の苦労があるだろうということは、私どもも十分想像がっくところでございます。これらの事務費の問題につきましては、予算編成の段階においても、十分配慮してまいりたいというふうに考えます。
#117
○前川旦君 実験段階、試験段階で予算措置がついているのは県段階で、たとえば専門評価員、これは県段階に三人、地区の調査員、これは一地区三人ということで、わずかですけれども予算がついているようです。しかし、実際には三人ではとてもやれない。九人から十四、五人、一地区当たりまあ必要である。したがって、予算措置が伴いませんから、事務費を流用して何とかやりくりしているというのが実情なんです。そういう実情を御認識の上に現実に合うようにやってもらいたいのですが、ずいぶんこれは強い要望です。ですから農林省も強い態度で、この実現をはかってもらいたいと思いますが、どうですか。
#118
○政府委員(小暮光美君) 実験の段階には、実は実験であるということからくるもう一つの非能率さがございます。栽培面積のわずか六%程度のものにつきまして、試験的に実施いたしたわけでございますが、いかに試験的であっても、これにはかなり事務量がかかる。したがいまして、共済の対象とすべき事業量、事業の量と実験実施のために動き回る人の能力というものは、ややアンバランスであったと思うのです。本格実施の際には、かなりの範囲の事業量というものを想定して、これに相応した事務の姿を整えるということでございますので、いわば単価的には、本格実施の場合のほうが試験実施の場合のほうよりも、合理的になると思います。それにしても、先ほど申し上げておりますように、初期の段階におけるさまざまな事務のふくそうということは十分予想されますので、これらの点につきましては、実態をできるだけ正確に把握して、予算措置について万全を期したいというように考えております。
#119
○前川旦君 この際ですから、この一般的なことで、たとえば米麦の場合ですね。評価員あるいは評価係員というのですか、末端で評価している人が一部落につき平均三人、二十万部落、全国では六十万人という人が担当しているわけです。それから、さらに共済連絡員一部落一人、二十万人くらいおられますが、この人たちの報酬というものが、あまりにも現実離れしている。たとえば、ほとんどもうただというと極端ですけれども、無料報酬、無報酬で、もう献身しているといっても言い過ぎではないと思うのですね。たとえば六十万人の人が一体どれくらい働いているか聞いてみますと、年間十五日働いている。このために働く日当で計算すると、一日三千円と計算して四万五千円になります。しかし、実際には年間二千円か三千円で、いまごろ子供の小づかいでも五千円札をやるような時代ですから、まさか大きなおとなに二千円年間に差し上げるというのは、かっこう悪いというので、一。へん会食して慰労して、それで終わりだというのが現実の姿だと思うのです。この人たちが、しかも共済をささえているわけですね。末端でささえているこの人たちの待遇の改善ということを積極的にやはり考えていくべきではないか。いままではこれは名誉職として済んできたかもしれませんけれども、だんだん世の中がそれで済まない世の中になってきます。したがって、この人たちの献身的な奉仕によってささえられている共済、これをさらに維持して発展さしていくということになると、この人たちの手当、待遇というものを考えていかないと、これから先はこなせないということははっきりしていると思うのです。この辺について、どう取り組んでいかれますか。
#120
○政府委員(小暮光美君) 確かに世の中はだんだん変わってきたという実感は私どもも感じておりますけれども、ただ、農業者の自主的な組織としてこの農災制度が発展してまいっております。もちろん必要な部分については、国が大幅に助成するということをやってまいっておりますが、部落段階での損害評価というものにつきましては、これまでもこれは組合並びに農業者の負担ということで、部落段階の損害評価をやるということで、農作物につきましても、蚕繭につきましても、家畜共済につきましても同様の考え方で直接補助はしないということでやってまいっております。果樹につきましてもその段階は、やはり従来と同じような考え方を踏襲することにいたしたいと思います。しかし、それぞれ県段階、その他あるいは組合のいろいろな事務のあり方等につきまして、先ほどから申しましたように、実態をよく把握いたしまして、所要の事務費について適切な助成を考えたいというふうに考えております。
#121
○前川旦君 いままではこれで済んできたけれども、これから先こういうところへ大きな手詰まりが生じてくる可能性がありますので、これはしっかり考えていただきたいと思います。強く要望しておきます。
 そこで、次に新規の共済についてお尋ねをいたしますが、新規の共済、これは今度果樹ができますが、これを機会に、たとえば施設園芸、肉豚、鶏あるいはまた地域共済ということで、地域特産物、イグサ、お茶、たばこ、ホップ、豆、サトウキビ、こういったようなものについて新しい共済制度をつくってもらいたいという要望が生産者、農家から非常に強くなりつつあります。そこで、この果樹の問題が一つ済んだら次はさらに新しい共済を考えていただきたい。こう思うんです。特に施設園芸をまず最初に取り上げてもらいたいと思いますが、これは大臣にお答えをいただきたいと思いますが、施設園芸についても園芸研究会というのが設置されて、これは四十三年です。それから四十四年から農林省で調査研究をしているということが新聞に出ておりますが、一体この施設園芸についての共済は、この検討というものがどれだけ進んでいるのか。いつごろまとめて、この法案を国会に提出することができる見通しなのか、この辺についてお答えをいただきたいと思います。
#122
○国務大臣(赤城宗徳君) 施設園芸につきましては、農業上非常に占める地位が重要でございます。さらに、また農業団地との関係なんからいいましても、その地位がますます重要になってくるのでございます。そこで、いまお話のように、四十三年度以降共済制度化に関する諸調査を行なってきております。本年度はその調査の結果を踏まえまして、制度化にあたっての保険技術の諸問題と、対策を中心に広範な検討を行なう予定でございますので、できるだけ早急に結論を得たい、こういうふうに考えています。時期的にはちょっと申し上げられませんが、早急に結論を得たい、こういうことを申し上げておきます。
#123
○前川旦君 政府委員の方に……。いま大臣おっしゃったように、今年度というと四十七年度ですかね。四十七年度には総括的な検討をなさってということは、法案の準備も含めるということなんでしょうか。大体もう資料ができているんですか。四十七年度で調査を終わらして、四十八年から検討するということなんでしょうか。四十七年度でもう法案も含めての検討を始めるというふうに考えていいんでしょうか。その辺いかがですか。
#124
○政府委員(小暮光美君) まだその法案の時期を云々するようなところまでは、成熟いたしておりませんが、基礎的な調査につきましては、おおむね思い当たるものについて大体資料を収集いたしましたので、これをもとにして保険設計がどのようにいたしたらできるかということについて鋭意検討を進めたいと考えておりますのが本年度でございます。
#125
○前川旦君 一番最初に大臣にお尋ねしましたときに、伊勢湾台風――昭和四十三年から、ずいぶんこれはいいことができました。いいことができたんですけれども、ずいぶんこれはスローテンポじゃないかということを申し上げましたけれども、どうかひとつこの施設園芸をさらに広げる、あとの新種共済についてこの果樹共済と同じようなスローなテンポじゃなくて、もっとたたみ込んでいくような早いテンポで要望にこたえてもらいたいということをこの際、強く要請を申し上げておきます。
#126
○川村清一君 ちょっと関連。
 前川委員の質問に関連してお尋ねいたします。私もこの共済制度の中に果樹が取り組まれたことを歓迎いたしますし、今日までの御労苦を高く評価するわけでございますが、ただいま前川委員から新しい種目の共済制度をどう考えておるかと、どう検討されておるかというような御質問がありまして、その内容として施設園芸それから地域の特産物、肉豚、鶏というようなことが話されたわけでありますが、私がここで特にお尋ねし、御要望申し上げたいのは、私、これは北海道出身でございますので、北海道の土地柄からいいますと、畑作共済なのでございます。この畑作共済ということにつきましては、北海道の農民というものは、これは長い間強く政府に対して要請をしてまいりましたし、道民の声を代表する私といたしましても、国会の中でこれを取り上げまして、数回にわたって政府当局と議論をしてまいりました。か
 つては、大和田さんが経済局長されておりますときにも、大議論をしたことがあるわけでございますが、言うまでもなく畑作共済につきましては、政府におきましてすでに三十年来から試験あるいは調査をされてまいっておるわけであります。しかし、いまだにこれが実施されない。言うまでもなく、御承知のように北海道の耕地面積約九十万ヘクタール、このうちの水田面積というものが二十一五、六万ヘクタールでございますから、もう六割以上、これが畑作なのであります。ここで豆であるとかあるいはビートあるいはバレイショ、こういったようなものを耕作しておりますが、これが共済制度の上に乗っておらない。したがって、昨年のようなああいう大冷害を受けますというと、これはまあ米につきましては、幸い共済制度に乗ってその災害を補てんさせるわけでございますけれども、畑作については、何らのその補てん策がない。したがって、ちょっとオーバーな言い方で恐縮でございますけれども、米づくり農家はまあ、たとえ米が一粒も取れなかったと、凶作で取れなかったといたしましても、共済金は入ってくるわけでございます。その共済金の額というものが、畑作において平年作で、かりにバレイショが平年作で――こういうことはないですが、かりにあったとしても、バレイショが平年作で収穫されて、それを売って入ってきたその収入と、それから米が一粒も取れなくて共済金を受けた収入とがとんとんであります。こんなばかげた不合理な話は、私はないと思うのであります。したがって、北海道のこの畑作というものを振興するためには、どうしても畑作共済というものと取り組んでもらいたい。しかし、なかなかこれがむずかしいらしい。むずかしいわけをいえば何かというと、まず畑作の主産地は北海道である。日本列島の中で非常に片寄っているというようなことから、そこに危険が出た場合に、これを分散することはできない。そうしてまた、作付面積というものもなかなか安定していない。変動が非常に多いわけであります。で、こういったようなことで保険設計ができない、保険設計を組むことができないというのが、政府の言う最大の理由のようでございます。しかし、その理由がわからないことはないのでありますが、その考え方でいくならば、いつまでたったって北海道の畑作共済というそういう制度ができないわけであります。保険設計ができないわけでありますから、でありますので、私の申し上げますのは、いわゆる共済制度というものを一つの保険と考える。保険といういままでの考え、いわゆる既存の保険という考え方をもって北海道の畑作共済を制度化するとするならば、なかなかこれはむずかしいと考えるのです。したがって、発想を根本的に変えて、従来の考え方ではなくて、発想を根本的に変えて、そうしてこの北海道の畑作農民の経営安定ということを考えてみるならば、何らかの形の保険設計というのですか、何と言いますか、その制度、共済制度というものを考えなくては私はできないのではないか、こういうふうに考えるわけなんです。
 そこで、ずいぶん長い間試験をやってきたし、実験をしてきた、調査もしているわけでありますから、いまさら局長が、いろいろ検討いたしまして、そうして、なんというもう段階は過ぎているわけなんです。すでに検討しているわけですよ。もう検討の結果が出ているはずなんです。私が言うように、いままでの考え方でいったならば、これはできないのだから、根本的に発想を変えて、そして北海道の畑作共済というものをひとつ制度化するという、そういう考え方はないのかどうか、これをお聞きしたいんです。まだ五年も六年も前と同じような考え方、段階なのかどうか、私が大和田さんと議論してから四、五年たつわけですが、それでも一向できてこないわけですが、そういうことを考えたものだから、いま前川委員が新しい種目の共済ということを質問されましたので、これに関連して私は北海道の畑作という立場からひとつ政府のお考えをお尋ねしたいと思うわけでございます。
#127
○政府委員(小暮光美君) 北海道の畑作物共済の問題につきましては、御指摘のとおり、過去において調査並びに議論をいたしました。昭和三十九年から四十一年までの間、畑作物共済制度調査検討会というものをつくりまして、北海道について議論いたしましたが、「畑作物共済制度は、一部地域においては成立し難く、全国的な規模において危険分散をはかる必要がある。そのためには、内地についても試験、調査を行なって保険需要の実態および保険設計の基礎資料を得る必要がある。」というようなのが当時の一応の結論でございました。その後、稲作転換という非常に大きな農政の転換がございまして、私どもといたしましては豆類について、北海道だけということでなしに、豆類についての共済制度というものができないかどうかということを地域特産物の制度化の検討の一環として調査いたしたいということに考えまして、現在タバコ、ホップ等の地域農産物と並びまして豆類についても調査を進めておるところでございます。
 ただ、御指摘のように、この問題につきましては、畑作物が水稲、果樹等と違いまして、きわめて作付に任意性がございますため、従来水稲を出発点にしてさまざまの試練を経てつくってまいりました農災制度のものの考え方をそのまま追及することで、はたしてよい案ができるかどうかという点については、御指摘のような問題点があると思います。それらの問題も含めてなお研究をさせていただきたいと考えております。
#128
○川村清一君 重ねてお尋ねしますけれども、なお検討してというおことば、私も大体そういう御返事だろうと予定しておりましたが、なお検討、なお検討でこれは数年たって、私も先ほど御指摘申し上げましたように、二年や三年でないわけです。もう数年前からこれはまあ検討されている、試験もされておるわけであります。したがって、もう結論が出てきてもいいんではないか。その結論と申しますのは、先ほど私が申し上げましたようにめんどうな点がありますので、したがって、従来の保険設計という考え方ではなかなか設計できない。したがって、根本的に発想を変えた新しい考え方で取り組まなければ、これはなかなか容易ではないだろう、容易でないのではないかと、こう考えるわけです。むずかしいから今日までできなかったわけでありますから、ですから、何か新しい考え方がないのかどうか、本気になって、やる気で取り組んでいらっしゃるのかどうか、見通しはどうなのか、もう少し具体的に、なお検討ではなくて、こういうようなかっこうでやりたいのだというようなことが、もしお考えだったら御答弁を願いたいと思うわけであります。
#129
○政府委員(小暮光美君) まだ公の場で申し上げるような案は、持ち合わせておりません。
#130
○前川旦君 どうも法案のこまかいことずっと聞いてきまして、最後にこの試験の段階と、それから試験での結論、結果を検討会におかけになったはずですが、そのときに強く意見として価格の対策ですね、これを盛り込むべきだという意見が強く出たということを聞いております。そこで、いままでこの果樹というのは国の保護がほとんどなくて、全く腕一本で自由主義経済の中へ、その荒波の中でずいぶん苦労をしながら、それぞれの農家が築き上げてきた部門だと思うんです。まあ、そういうことの中で果樹農家のやはり切実な要望というのは、価格の支持制度といいますか、価格問題をやはり政策として打ち出してもらいたいという強い要望があります。
 そこで、この果樹の価格問題について、これからどういう姿勢で取り組んでいかれるのか。たとえば今年の予算では、これは新しい予算として加工原料用果樹実価格安定対策事業、六億四千万ですか、新規事業として組んでおられます。これは非常に前向きでよいことだと思いますが、そういうことでおそまきながら進み出したような思いがいたしますが、大臣、最後に、この果樹の価格対策についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、これからどういう手を打っていこうというお考えなのか、最後にお伺いをしておきたいと思います。こういう共済事業ができることはいいことなんですけれども、同時に、やはりこの価格の問題を一方でささえるという政策が伴って、これも生きてくる問題だと思う。その点についてのお考えを伺いたいと思います。
#131
○国務大臣(赤城宗徳君) たいへん価格問題は大事なことでございますが、根本的には、やはり永年作物でございまするし、また果実の需要は多くなるのでございますから、一つの計画的なものをもって生産、あるいはその生産の前提としての植樹、植栽等の計画を立てて、その植栽目標も変えましたら、その基本方針に従って生産性の向上を目ざしてやっていくこと、あるいは出荷の安定、そういう基本ができますれば、それからできました出荷の安定を引き続きやっていって、価格の安定をはかりたいと、こういうようなふうに考えております。
 なお、加工原料用の果実につきましては、加工原料果実の価格が著しく低落した場合に、生産者に一定の価格補てんを行なう、不足払いですね。価格安定対策を四十七年度から新たに講ずることとしております。これを通じて果樹農業者の経営の安定と、果実加工業の健全な発展をはかるということをはかっていきたいと思っておるわけでございます。
#132
○前川旦君 終わります。
#133
○宮崎正義君 午前、午後と、ほとんど法律の内容の、多岐にわたっての質問が繰り返されてまいりまして、それを中心に論議もまたされてまいりました。なるべくならば重複を避けるようにしていきたいと思いますが、中には大事なことは重複して質問をするようになると思いますが、御了承を願いたいと思います。
 まず最初に、果樹保険臨時措置法に基づいて試験的な果樹共済というものを今日までやってまいりましたが、その具体的内容と経過といいますか、その経過はどのように今日まで実績の上にあらわれているかということを具体的にお示し願いたいと思います。
#134
○政府委員(小暮光美君) 試験実施は、まず対象樹種を温州ミカン、ナツミカン、リンゴ、ブドウ、ナシ、モモの六果樹といたしました。全国三十六道府県にわたりまして実施をいたしました。引き受けは四十三年度以来試験期間中は継続して実施してもらっておりました。最近年の昭和四十六年産での引き受け戸数で申し上げますと、約五五尺引き受け面積が一万二千ヘクタール、全国の成園面積のおおむね六%に当たる実施規模でございます。保険にかかりました金額は七十六億円、保険の掛け金は一億八千万円ということに相なっております。初年度、次年度の実績が詳細出ております。三年目が目下集計中でございます。四十四年度は金額被害率が一割をこえるというようなことでございましたが、四十五年度は二%台、四十六年度は五%程度というようなことに相なっております。
#135
○宮崎正義君 四十四年度の一割をこえるという被害額は、どのくらいですか。
#136
○政府委員(小暮光美君) 正確には一一・二%であったと思いますが、保険金の支払い額で七億六千七百万円、再保険が五億七千六百万円という規模でございます。
#137
○宮崎正義君 結論的には、赤か黒かということなんですがね、その点どうなんですか。
#138
○政府委員(小暮光美君) 四十四年度の被害が非常に大きかったものでございますから、現在のところは赤字でございます。
#139
○宮崎正義君 幾らですか。こまぎれに回答しないで、ひとつ率直に回答してください。何回も同じことを聞くことになりますから。
#140
○政府委員(小暮光美君) 四十四年産につきましては、連合会の不足額が九千六百万円、政府の特別会計の不足額が五億五千八百万円でございます。
#141
○宮崎正義君 果樹保険臨時措置法の三割方式、五割方式との二次方式が採用されております。これにあたっての事実上から考えていきますと、まだ二年残っているような勘定になると思います。そうしますと、いま政府の特別会計の不足額が五億五千八百万円、連合会のが九千六百万円というその赤字をかかえて、今度は引き継がれていくことになるわけですね。すると、この四十八年度の実施にあたって、いままでの継続の掛け金あるいは生産面の実態と県連合会とのかみ合わせといいますか、どんなふうになっていくのでしょうか。
#142
○政府委員(小暮光美君) 試験実施は四十七年度引き受け、四十八年度に実際に共済金を支払うという形のところまで現在の試験実施の法律でまいりますが、新たな引き受けは四十七年度で終わって、四十八年度からは新法による引き受けということになるわけでございますが、試験実施につきましては、三割足切りのものと五割足切りのものと、それぞれ経理を区分いたしております。それぞれごとに損益がわかるように措置するつもりでございます。なお、試験実施の中の三割足切りのものは、そのまま新しい本格実施の三割足切りのほうに引き継ぐという形になりますものは、新たな制度のほうにそのまま引き継がれる。五割足切りで、試験実施だけで終わってしまうというものにつきましては、試験実施終了の段階で措置することになっております。
#143
○宮崎正義君 具体的な措置は、どんなふうにするのですか、五割方式は。
#144
○政府委員(小暮光美君) これは剰余がございましたときには、無事戻しということでいたすことになっております。
#145
○宮崎正義君 いままだ私が質問して両方幾らかと言うことは、ちょっと無理かと思いますけれども、これは大事な問題になってくると思うのです。これから四十八年度に実施になってきますと、事実上二年おくれている勘定になっているわけですから、したがいまして、計算なんかもまた連合会等の金のほうの事実上の問題等もこのあとで、非常にいろいろ基準の問題等でお話を進めていきますが、そういうこの法律に基づいて考えていきますと、これは、五割処置のやつは、五割の分の段階で処置をしていくと言われますけれども、今日の段階で五割と三割の方式でどのような形態で加入しているかどうか。
 いまの質問でつけ加えますと、赤字、黒字をどのようにしていくのか、まだ全国的に被害のあった四十四年度の被害、つまり四十五年度において収支が明らかになっているんじゃないかというふうなことを考えるので伺っているわけです。
#146
○政府委員(小暮光美君) 三割方式が七一%、五割方式が二九%という形になっております。
 なお、先ほどのお尋ねについて補足して申し上げますと、三割、五割ごとに経理は区分しておりますということを申し上げましたが、これはこれまでの審査の経過で、もし余りがあった場合にどうするかという御指摘がございました。余りがありました場合は、無事戻しということを考えるということは、過去において答弁されておりますので、それとの関連で申し上げたわけでありますが、試験実施の全体としてもし赤がございます場合には、これを本格実施のほうに引き継ぐという考え方で考えております。
#147
○宮崎正義君 本格的実施の段階で引き継ぐといいますけれども、四十五年度の段階ではもうわかっているんじゃないでしょうか、両方の面が。
 それでは、計算はいまやっていていただいて、これがあとの質問でだいぶ問題になってくるのでしつこく聞いているわけですが、それはそれとしまして、いま計算されるでありましょうから。
 三割以下といっても、非常に資本力のない被害農家というものを特に対策としてお考えになつでおりますでしょうか。
#148
○政府委員(小暮光美君) ちょっと御指摘の趣旨が聞きとれなかったのですが、三割以下の被害の場合には、これは一応自家保険と申しましょうか、農家の経営の中でこなしていただくという考え方で設計ができておるわけでございます。したがいまして、資本力の強いものと弱いものとの間に実態上の差があろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、かなり零細な規模、先ほども議論がございました五アールから二十アールというような程度のものでございますので、それの三割以下の被害というものが当該農家にとって年間を通じての農業所得のうちのどの程度になるか、経営の規模によって違うであろうと思いますが、災害補償の制度といたしましては、三割程度の被害までは、これを自家保険ということで、水稲共済保険のほうでも、そういうふうにやってまいっておるわけでございます。
#149
○宮崎正義君 くだらぬと思われるかもわかりませんけれども、二割九分とか二割八分だとかというすれすれの面があるわけです。実は、ナシの問題で取りあげて言うと、こういう例があるんです。これはある指定地域なんですが、ここで百十四世帯の人が――百十五世帯のうちの百十四世帯、一世帯だけが加入していない。大体平均三反歩あたりの経営面積で、三割方式に全部加入している。前回の試験制度のときには、五割か三割かがわからなくて、三割なら入っておくというようなことで、全部が三割方式に入ったわけです。ところが、ひょうの被害を受けた、昨年。そうした中で、その中で十二人の人が対象からはずれてしまった。しかも、現場へ行ってみましたときに、両隣りの人が受けてまん中の人がその対象になっていなかった、実際。じゃあ対象にほんとにならないものであるかどうかということになってきますと、先ほど来からお話がありましたような技術査定員、評価員の考え方によってきめられてくるわけです、非常にわれわれが見れば変わらないように見えるのですが、そういうふうな事例がございました。この評価員といいますか、その人たちの考え方にもよるでありましょうし、また、地元の組合なら組合の人たちが下調査したものを、それを吸いとって評価員が見る。それをまた県なり国の段階で、共済組合の段階で見ていくということになるわけです。こうしたことが行なわれてきておりまして、この地域では、金を納めて加入して、被害を受けて、隣りがもらえて、おれのところがもらえない、一銭にもならないというようなことで、こんなんならやめたほうがいいという声を実際上聞いているわけです。それで、こういう三割を基準にしたという、その中でも線をどこに引いていくか、評価の線をどこに持っていくかというようなことが問題になってくるし、また、現場によっては、これは混種の樹園があるわけです。それで、たとえば長十郎とかあるいは二十世紀だとか混種しているわけですね。そうしたものになっているときに、長十郎だけをそこでは加入品目としての、果樹としての契約をしているわけです。他のものは認められていないというようなことにもなっていくんじゃないか。こういったような一連のいまお話し申し上げた中で、どんなふうに三割試験というものに対する考え方を今後もしていかれるのか、そのようなことを伺っておきたい。
#150
○政府委員(小暮光美君) 三割試験が妥当なのか、五割足切りが妥当なのか、あるいは二割がいいのか、そういう制度の仕組みの問題、どこで切りましても、必ず切れ目のところで、紙一重で対象になるものとならないものとがあろうかと思います、理論上は。その境目の問題と、二つ合わせておっしゃったと思いますが、いまの何割が妥当かという問題につきましては、これは一つには掛け金の率、あるいは共済事務の簡素であるか、繁雑であるかその辺が一つの判断の基準としてもございまして、できるだけひんぱんに、ちょっとでも事故があったら払うことにしようとすれば、それだけ実は掛け金は高くなる。それからわずかな被害でも、みな調べなければならぬということになれば、それだけ事務職員なり機動力なりをつくっておかぬとできないということで、組合の事務運営に分不相応の金がかかるかもしれぬ。そういう組合運営の問題と、それから実際にもらいます金額が、これは掛け金との相関になりますけれども、しょっちゅうもらえることにすれば、多分そのつどもらうものは、わずかたばこ銭程度のものであるかもしれない。そういう問題ございまして、できるだけ足切りはむしろ高くして、必要なときに相当の金額はもらえる、そのほうが事務が簡素ではないかという思想が一方にはございます。しかし、これは現実の農家の経営というものがそれほど企業化され、大規模でなくっておるわけでございますから、実際の生産者の気持ちからいうと、あまり理想に走った案は、生産者がついてこないということでございまして、そのような点を実は行き来しながら、三割と五割の試験実施をいたしました。五割足切りに対しましては、現段階では、生産者の理解なり協力があまり予想できないということから、三割の一本にしたというのが、足切りの当時の提案についての私どもの判断でございます。
 それから、第二の点のどこで切っても必ず切れ目ができる、四九%、五〇%、あるいは二九%、三〇%があろうかと思います。この点につきましては、実は水稲共済につきましても、先ほど申し上げましたように、制度発足以来三十年代の初めごろまでさまざまの苦労を重ねながら、その後次第に基準収穫量並びに損害評価につきましてそれぞれの部落ごとに一つのおのずから定まった同意見と申しますか、一つのルールが熟成してまいったという経過がございます。果樹につきましても、今後残念ながらおそらく実施の初期の段階にはさまざまな摩擦があろうかと思いますけれども、これらの点につきましては、誠意を持ってこれを制度を高めるという指導上の問題ではなかろうかと思います。なお、先ほど御指摘の具体例につきましては、もしお許しをいただければ後ほど具体的な部落名等をお教えいただきまして、具体的なデータに基づきまして判断いたしたいと思います。ひょう害等につきましては、一般論で申しますと、冷害あるいは風水害と違いまして、きわめて局地的な被害もあり得ますんですが、一人の農家の一つの樹園地でも、まん中から右と左に被害等も分かれることも、ひょう害でございますとあり得ると思います。ただ、あまり抽象論でお答えするよりは、具体例に即して実態を調べてみたいと思います。
#151
○宮崎正義君 お説のとおり、ひょうというのはコースがきまっておりまして、ひゅうと行って、ほかのところは影響がない、それはもう私も承知いたしております。
 それで、評価員ですね、先ほど前川委員からも実際の現場に当たっていく評価員が何名かというようなことも言っておられました。この農家の方方が被害を受けて事務手続をするのに、二十日以上もかかっております。非常に共済組合の掛金をもらうために、とうとい日数を二十日以上かけながらこの制度に順応してきているわけです。その災害を受けたときも、大ぜい来て一生懸命に見てもらったから、非常にそれでも早くいったんですということを言っている。そのときの員数が約十四、五名、そう言っておりましたが、まあ、そんなようなことを私は聞いておりますが、いずれにしましても、また逆に言えば、果樹専業の農家というものは、果樹というのは商品率が非常に高い。ですから、言うならば農家の人も、ある農家の人たちは商品意欲が非常に強いわけです。そうしますと、掛け金を多くかけれだ保険金が多く取れるのだから、その五割方式あるいは三割方式というものをもう少し当時よく話を具体的に聞いたほうがよかった、こんなようなこともあるわけで、こうした農家の果樹に対する生産意欲といいますか、そういう意欲にこたえていくような受けとめ方といいますか、それはどんなふうにお考えになっておりますか。
#152
○政府委員(小暮光美君) 確かに、御指摘のように果樹農家は、かなり経済性に対する理解の深い農家が多いというふうに私どもも見ております。今回の試験実施で、実は試験実施でございますから六割という共済金額でやったわけでございますが、その最高六割ということのどの程度までを皆さんが選択したかということを見ますと、たしか試験実施では九一%程度、最高に対して九一%の選択をしております。現在水稲共済がかなり長い歴史を持って全国的に行なわれておりますが、水稲共済が最高限度額に対して八二・四%、果樹共済は試験実施で最高限に対して九一%という選択をしておるというところから見ても、果樹農家がこうした問題にかなり理解が深いというようなことを私どもも感じております。これらの点に、試験実施で六〇%でございましたものを、七〇%に引き上げて本格実施の御提案を申し上げておるというような点に、果樹農家の意欲を反映させたつもりでございます。
#153
○宮崎正義君 おっしゃるとおりでありますが、そのような意欲のある農家の方々の声をもう一つ言ってみますと、一筆単位にしてもらいたいという声もある。あるいは農家単位といいますか、一筆単位といいますかね、その点についてはどうお考えになりますか。
#154
○政府委員(小暮光美君) まあ制度を完全に御理解いただいた上で、生産者がどちらをとるかということでございますが、実は、五割足切りか三割足切りかという場合にも、出てくる判断でございますが、一筆か農家立てかという場合には、別の意味で、やはり比較的安い掛け金の負担で、いざというときにはかなり意味のある金額がもらえる形と、そうでなしに、わりあいに頻繁にもらえますが、そのつどもらう金額はそれほど多くない、掛け金は総体的に高いというような形になりますものと、いずれがいいかというような、いわば総合判断でございまして、農家単位にいたしますれば、保険理論上は比較的低い掛け金率で必要なときにはかなりまとまった金額がもらえるというほうに近づくわけでございます。ただ、果樹の場合には、そういう保険理論上、一筆立てよりも農家立てのほうを生産者におすすめするという意味だけでなしに、午前中申し上げたこととも関連しますが、米麦と違いまして圃場でとれたものを全部収穫と見るということでなくて、ある日に一斉に出荷するわけでございませんので、逐次逐次もぎ取って逐次逐次出荷していく、若干選別しながら出荷していくという形になりますので、やはり販売という行為との関連で、その年の果樹が幾らあった、とれたと、最終的には何キロとれたという形で、数量で表示しますけれども、これはやはりくだものと米では販売の過程が違うわけです。したがいまして、共済制度を仕組みます場合の、どの時点で収量を見るかというところにも若干違いがある。そこで、これをかりに水稲の場合の一筆立てに近い形、まあ果樹一本一本とは申しませんけれども、樹園地ごとにというようなことで共済にかけようとしますと、どこの部分が出荷されていったのかという、しかも一つの木から何回も分けて収穫するわけでございますから、どの木の分が何キロ出ていったかというようなことを確認することは至難のわざになるわけです。やはり経営体ごとに、あるくだものの種類または裁培方法区分ごとにまとめて、これを共済にかけていく、それの、その出荷時期の総出荷量というものとの関連で何キロ収穫があったかということを見ると、こういう形になるのでございますから、果樹の場合には、やはり農家立てというのが最も適当であるというふうに考えているわけでございます。
#155
○宮崎正義君 その集出荷の問題、この基準の問題をあとで御質問しようと思いましたが、いまここでお話が出ましたので……。まことに、この集出荷の収穫量をきめていくというのが、非常に困難じゃないか。いまのお話では、農家単位のほうが好ましいということで、私もまあ反対じゃございませんけれども、その集出荷の台帳といいますかね、集出荷台帳、それが基準になってくると思うんですが、その点どうなんでしょうかね。
#156
○政府委員(小暮光美君) 基礎的には、やはり加入農家の申告というのを基礎にいたしますけれども、これをチェックする手段としては、統計調査資料並びに関係者で編成する評価会による評価というようなもので、これをチェックしてまいるというシステムを考えております。
#157
○宮崎正義君 たいへんこれむずかしいんじゃないかとも思うんですが、たとえば、私が悪い農家とします。そうすると、一〇〇生産があったのをその三〇は自分の処分にして、七〇を出荷して、それを台帳に載せておいた。三〇というものが私自身の自由にする行為で、集出荷の台帳に七〇のものしか供出してなかった、出荷してなかったというときに、この災害が起きてきた。そうしますと私は百のものをつくったんだ、いつもは七十で組合のほうに出しておったんだけれども、災害を受けたら百の請求をしてくるということになりますと、当然今度は税務署の関係になってくるわけです。
  〔委員長退席、理事亀井善彰君着席〕
税務署の査定の関係になってくるわけです。そういうふうに、正直な人と不正直な人がいるわけです。そういうようなものから考えあわしてみても、なかなか出荷台帳に記入されているそのもの自体も、ほんとうのものが今日まで積み重ねられてきているかどうかということが問題だと思うんですがね。まあ、こういうふうなことから考えていきまして、いまの御答弁でチェックをここでやる。統計資料によってもやるというけれども、その統計資料自体がそういうふうな間違いの中からできたとすれば、これはまた問題が残ると思う。まあ、そういうふうなことが現実的にあるんじゃないか、このように思うわけです。ですから、どこが基準になる収穫量かということなんですね。
#158
○政府委員(小暮光美君) どこまでも加入農家の申告をベースにしますが、これを相互にチェックするものとしては、合議体の形での評価会という形で関係者が出てきてやりますものと、農協と出荷団体における出荷等の確認というようなもの、これらを積み重ねてやってまいる以外にないと思います。その点で先ほど申しましたように、やはり制度の運営の中で何年かを経て、それぞれの部落あるいはそれぞれの村ごとに、おのずから基準となるべき収量、あるいは評価の目ならしと申しますか、こういうものが次第に熟成してまいるはずのものでございまして、御指摘のような点が、すべり出しの当初においては、これは絶無ではないというふうに私も思います。
#159
○宮崎正義君 集出荷の問題については、これは特に慎重にして、過去のいろんな実績等もあるでありましょうけれども、特にこれは重要な課題に、今度はなってくると思います。災害が起きれば、必ずよけい災害被害を受けたんだということを言ってくるに違いないんであります。そういった面から、実績の収穫量というものが、この台帳に明確化されていかなければならない。特に農家を信用していくということになるんですから、今後の見方ということを私はちょっと申し上げただけでありまして、それで先ほどの果樹共済については九一%という、そのことをおっしゃいました。確かに非常に関心を持っているわけであります。そこで、今回は午前中も、先ほども質問がありましたように、共済事故の範囲、この点にオールリスクの考え方でやられたことは非常にいいと思います。で、先ほどの質問の中にも、塩害は入っておる。それから農薬を使用した場合の使用上のあやまちで損害を受けた場合、これに対しては考えるというお話であります。さらにもう一つの、煙の煙害――煙の煙害についての前川委員とのやりとりを盛んにされていました。このことにつきまして、私も一つの事例をもちまして、煙害というものがどれだけ痛め尽くしておるかという一つの事例から、今後の対策というものをお考え願いたいというふうに思うわけですが、御存じのように、いまはもう非常に煙突が高くなりました。ですから、風に流されていく公害といいますか、そのものは非常に広範囲にわたって害を及ぼしてきております。千葉県で、あれは市原市でございますか、これはナシがやられた。御存じのように、千葉県というのは、もう重化学工業の日本のメーカーが全部集まった、日本の工業地帯の縮図とも言えるような大規模の団地構成をもってやっておるところであります。そこで、この市原市の状態における公害、これは人為的だといって、そんな人為的なものは知らないよというお話でありますが、これはやはり将来の課題としてどうしても取り上げていかなきゃならないのじゃないかと思います。きょうは環境庁の大気規制課長が見えているようでございますから、まずその方からこれらに対する基本的な考え方というものを伺っておいて、そしてその農産物に与える影響性というものをどんなふうに考えているかということをまず伺っておきたいと思います。
#160
○政府委員(小暮光美君) ただいまの御指摘の中で、ちょっと午前中の私の答弁に関連したところがございますので申し上げますが、農薬のかけ過ぎというのは、これは明らかに耕作者の過失でございまして、それを保険事項にするという考え方はないわけでございますが、先ほど、いろいろ具体的な例で、要するに塩害は見るかと、これは見ます。それから煙の害は見ますか、それは見ませんと申し上げている間に、いろいろたとえば農薬の使い方がちょっとずれておったと、そこで異常気象が来た。普通以上の被害になっという場合、どうするんだというような御指摘があったものですから、どこまでも自然災害である。自然災害である気象に基づくものであるということの判定ができます限りは、それは保険事項とすべきだと、多少その平素のしかたにおいてやや欠けるところがあったとか、そういうことはございましても、それは自然災害であるというふうに判定できる場合は、当然制度の対象になるだろうということを申し上げたわけでございまして、明らかに耕作者の過失になるものは、やはりこういう農作物についての災害補償制度の対象とは考えておりません。
#161
○説明員(山村和男君) お答えいたします。宮崎先生の御指摘の硫黄酸化物によりますところの市原市のナシの被害につきましては、昭和四十年及び四十一年の時点におきまして約三十ヘクタールに及ぶ被害があっように県当局から、現在、御報告を受けております。また、現在におきましても県、市当局等におかれまして種々の対策等をお立てになられたようでございますが、その以後におきましても、当該地域におきまして樹勢の衰弱とか、あるいは果実の肥大不良とか、あるいは奇型果の発生とかが訴えられておりまして、葉中の硫黄分の多いことから硫黄酸化物による被害ではないかというようなことが訴えられたことは、私たち重々承知しているところでございます。御承知のように、硫黄酸化物によりますところのこうした環境破壊というものに対応いたしまして、国といたしましてはただいま環境基準というものを設定いたしまして、この環境基準を維持、達成すべく総合的な燃料の低硫黄化というものをもちまして、そうして燃料中のS分の軽減につとめておるところでございます。具体的に申し上げますと、低硫黄原油の確保とか、あるいは低硫黄分の重油の確保とか、あるいは重油からの脱硫装置の開発とか、あるいは排煙脱硫の開発とか、その他工場配置等の適正化の問題とか、そういった総合的な政策のもとに、こうした硫黄酸化物によるところの被害を極力少なくする。また、原燃料にそうしたS分の少ないものを使用して、そして被害を発生しないような方策を講じているところでございますが、一方におきまして、各排出施設からのそうした硫黄分の排出というものにつきましては、私たち、K値方式と申しておりまして、要するに各地域の汚染の実態にかんがみまして、K値というものを一つのインデックスといたしまして、そうして排出量というものを極力抑制していくというふうな方法をとりまして、現在、そうした対策を講じておるところでございまして、昨年の末にK値の改正を、約四割ぐらいK値をカットいたしまして、そしてその地域の硫黄分の低減をはかることにいたしました。そして、現在市原地区におきましては、各硫黄酸化物の発生施設からの発生量をK値で四割ぐらいカットするようなスタンダードを現在定めて、抑制につとめているような実態でございます。
#162
○宮崎正義君 市原地区の実態、御存じですか。被害の分析状態というのを御存じでしょうか。果樹組合から四十三年、四十四年、四十五年の被害補償請求を産業側のほうにしているわけですが、これは七千六百九十八万五千円を請求しているわけですが、四十六年の十二月にとりあえず減収補てんの問題として県信から出そうと、そして借り入れられるようにしてあげて対策を講じてあげようということをやっているんですが、まだこれはできておりませんが、この利子については、県なり市なりが補てんをしていこうということなんですが、現実的にこういうふうな問題が起きておる。で、企業側のほうからわずか一千万ぐらいの補償金が出ているということなんですけれども、いまもう市原市というのは、御存じのように、あそこは百年のナシをつくっている歴史がある。そして、養老川流域にざっと八十三ヘクタールの農家の――現在は減りまして三百戸数ぐらいしかございませんけれども、この亜硫酸ガスや弗素、これらでナシが奇形化している。ナシの実自体が奇形化してきている。そしてさらには商品価値が落ちてきて、小さくなってきている。で、非常に心配をしていて、協議会等をつくられて交渉をしているわけなんです。これはまた企業方とのほうとの話し合いをして、たく燃料を規制しているようでありますけれども、非常に大きな問題をこれからも残している。で、分析のことを御存じでしょうか。
#163
○説明員(山村和男君) ただいま現在千葉県の市原市に県及び国が設置している点が約十四測定点ございます。そのうち、特に東海小学校付近におきますところの測定点におきまして、要するに私たちが緊急時の措置を要する事態というふうな高濃度汚染が生ずるような地点がございます。そういう地点がございますので、そういった地点を少なくとも四十八年までにはそういう事態が生じないようにというふうな意味で、先ほど申し上げましたように、昨年の末にK値の大幅な改正をいたしまして、そして対処していく所存でございます。
 なお、四十八年におきましてさらにそうした汚染の実態等を勘案いたしまして、必要に応じましては、さらに強化をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#164
○宮崎正義君 あの地域をAゾーンとBゾーンに分けている、そのことを御存じですか。Aゾーンのほうは、たとえば硫黄が、弗素がどれだけあってどれだけの被害を、何%の被害を受けているかというようなことも調査されておりますか。
#165
○説明員(山村和男君) 現在、硫黄酸化物につきましては、各測定点ごとの資料を持ってまいっておりますけれども、弗素加合物につきましては、一昨年末の公害国会におきまして有害物質として弗素化合物が新しく追加指定されました関係上、現在まだ具体的な測定技術等の問題等がございまして、それらに関するデータ等、私のほうにまだちょうだいしていないような状況でございますので、弗素加合物につきましては、具体的にちょっとお答えいたしかねます。
#166
○宮崎正義君 お呼びした時間がなかったから無理ないと思いますが、実際は十アール当たり考えてまいりますと、青も赤のナシも四千から五千キロが現在は二千から三千キロというふうに減収をしているわけです。こういうことを私なぜ取り上げたかといいますと、樹体の算定方法といいますか、ここに問題が当然しぼられてきていいんじゃないか、こう私は思うわけです。
 そこで、樹体そのものもゆがめられていっているというようなことのまだ分析を、私どもでやっておりませんのでわかりませんけれども、現地の状態を見てまいりますと、年々四十一年から四十二年、三年からずうっと減収をしておりますし、そうしてそのナシも青にしろ赤にしろ、長十郎にしても二十世紀にしても落ちてきているということなんです。そういうことから考えまして、さっき自然の気象状態によって流れていくその異常といいますか、異常であろうが異常でなかろうが、確かにそういう樹体そのものも、果樹そのものも被害を受けているということがあるわけです。これはまあ千葉だけじゃないと思うんです。最近は、特に樹園なんかのほうに行きますと、排気ガスが非常に大きな問題になってきております。こういう点等を考えあわしてみて、公害によるものは人的なものだから、そっちのほうでやればいいんだから、おれのほうでは知らないというような考え方は、私は納得できないと思うわけです。こういう点について、大臣に将来に対するお考えを現在のことを踏んまえられてお答えを願いたいと思います。
#167
○国務大臣(赤城宗徳君) 確かに公害によって農作物だとか果樹などが被害を受けることもあると思いますが、やはり何といいますか、この範疇といいますか、農業災害のほうは、天災地変ということは、ちょっと大げさかもしれませんが、まあ、自然現象によって災害が起きるということであり、公害のほうはどっちかといえば、原因が人為的だと、こういうようなことがありまして、またそれを防除するのに人為的なものは防除させることもできますし、自然的なものもできないということではありませんけれども、非常に困難であります。そういう点から見まして、やはり公害による災害は人為的な原因者といいますか、それを起こしている原因を突きとめることはできるのでございますので、そのほうから補償をさせる、こういうことがまあ筋といいますか、筋じゃないかと、こう思うんです。ことに公害を農業災害などに入れるということはむずかしい。公害は特定の地域で特定の条件のもとで起きることでございます。農業災害の適用は、一般的で一般農家が自然災害等に対して相互に掛け金を出して危険分散をはかろうと、こういう制度でございますので、制度からいいましても、ちょっと農業災害補償制度の事項としては非常になじまない、こういうように私は考えております。おのずから救済の方法等の受け持ちといいますか、分野が違っておるんじゃないか、こういうふうに考えております。
#168
○宮崎正義君 なじまないと、なじまさなければ私はいけないと思います。地域は、千葉県のいまの地域ばっかりじゃございません。先ほどお話がありました施設園芸なんかにも、これは共済制度をつくっていきますと、これから特にそういう問題が多くなってくると思うのです。ですから、当然措置を考えていくような前向きな進み方じゃなければいけないんじゃないか。それで、この市原地区なんかもAゾーンとBゾーンの地域がございますけれども、やめさせるという方向に持っていっているようにも思えるし、農家のほうでは百年来の歴史があるんですから、やっていきたいんだと言うけれども、一部ではやめさして、工場が進出してきたから、産業が進出してきたからだんだん押されてきたんだからやめろというような行き方をしいられているような空気を私は感じてきたのです。こういうことがあっちゃ私はならぬと思います。そこで、それに対する対策というものを考えてあげなかったならば、せっかくの意欲を落としていく。私はそこへ行って聞かれたのは、今度共済制度の問題が出ておるけれども、この点特に大臣に訴えておいてもらいたいということで、申し上げているわけなんです。ですから、企業の犠牲になっている姿というのは、これは施設園芸ができてきましても、こういう形態は必ず起きてくると思うのですがね。もう一回大臣から御答弁願いたいと思います。
#169
○国務大臣(赤城宗徳君) そういうことはあろうと思いますが、大体川崎市ですね、あそこなんかもナシの産地で、非常に盛んだったところなんですが、日本鋼管ができてからですか、何かいつの間にかだんだんできなくなっちゃって、ナシが実らなくなったりなんかして、いまはナシの産地ではなくなっちゃったのです。そういうことが市原なんかにも、そういう現象を心配している向きもあろうと思います。しかし、これはやっぱり公害としては、公害の人為的なものだから補償を出せ、さらにはもう環境的だということ、これは農業としての環境、果樹としての環境ができるようにするとか、そういうような立場から保護するというかしていかなければ、農業災害の対象としてやっていっても、それがどんどん恒常的になってきますと、これは毎年毎年農業災害で救ったって救いきれない、こういうことでございまするから、だからその持ち分というか分野をきめて、あるいは環境保全というような関係からか、また、その前には人為的な加害者から補償させて、それで果樹園芸を持続させると、こういうようなことよりほかないんじゃないでしょうか。よく事情もなお一そう聞いて御相談したいと思いますけれども、そういうふうに考えます。
#170
○宮崎正義君 それはひとつ善処していただくように、将来お考えの中に入れておいていただきたいということを私は希望を申し上げます。そして環境庁の方にも。
 これは一つの例でありまして、日本全国にたいへん同じような打撃を受けている人がおります。新潟においても、直江津あたりでは排気ガスとか大気汚染でどれほど被害をこうむっている人がいるかということだって、例をあげればもう幾つもあるわけです。そういう点を踏んまえられて、農家を締め出すようなことのないように、四十八年度の云々じゃなくて、いまから手を打つことを切望しておきたいと思います。
 次に、質問を申し上げたいのは、ナシについてですね。加入区域がどうであるとかあるいは加入組合数がどうであるとか、加入件数がどれだけあったか、どれだけあるか。それから四十四年ですか被害総額がナシについてはどれだけあったか。被害地域はどの区域にまたがっていたのか。被害発生源といいますか、ひょうですね。そういうものの中のおもだったものの原因は何であったのか。そして支払い保険額は大体どれくらいあったかというようなことを、具体的におわかりになればお知らせを願いたいと思います。
#171
○政府委員(小暮光美君) ナシについての試験実施の件数は十件でございまして、組合等の数で約四十加入区に分けましたので、加入区の数で約五十、関係農家戸数は八千戸ということになっております。
 支払い保険金は四十四年産にかかわるものが九百六十万円、四十五年産にかかわるものが千三百万円、四十六年産にかかわるものが九千八百万円でございます。
 災害についておもなものは、凍霜害とひょう害とそれから赤星病、黒星病ということになっております。
#172
○宮崎正義君 これらに対して再生産の確保が十分になされるかどうかということなんですがね。午前中も午後もお話がありましたように、落葉のものとミカンなんかと形態が違うわけです。ミカンなんかですと、少々の風があっても葉っぱで守られていきますし、そういったような面から考えていきましても、非常に被害を受けていく率といいますか、痛んでいく率といいますか、そういうようなものから再生産の樹体の面から、また収穫の面から、また試験実施期間ではどんなふうなことがなされたか、ナシの場合についてお知らせいただきたいと思います。
#173
○政府委員(小暮光美君) それぞれの果樹ごとに果樹振興の観点から、技術指導等が行なわれておると思いますけれども、ちょっと私どものほうでナシについて具体的に産地の生産改善にどのような措置をしたかについてつまびらかにいたしません。
 ただいま御指摘の落葉果樹とかんきつ、それは確かに災害の態様が異なります。東日本の落葉果樹につきましては、やはり凍霜害が非常におそろしいと申しますか、常時一番気をもんでおります普遍的な被害でございますが、西日本のかんきつにおきましては、逆に干ばつとかあるいは台風被害といったようなものがございまして、それぞれに悩みをかかえておると思います。やはり農災制度と並行して、生産並びに技術の面での施策が充実されなければならないというふうに考えております。
#174
○宮崎正義君 非常にナシ、モモ、このモモなんかは、特にむずかしいんじゃないかと思うのです。それから青森の紋羽病の実情、あれはどうなんでしょう。
#175
○政府委員(小暮光美君) 紋羽病につきましては、担当のほうの部局から見えておりますので、専門的にそちらから御答弁申し上げさせますが、とりあえず、私からこれまで報告を受けておりますことを申し上げます。
 青森県における紋羽病は、昭和四十一年度には日照の不足、多雨等の気候不順がございました。特に、水田地帯のリンゴにつきまして紋羽病が多数発生したという報告を受けております。これらの原因の一つとして、高つぎによる樹体の弱化ということもあるのではないかということが言われておるようでございます。
#176
○説明員(山村和男君) ちょっと訂正申し上げたいのですが、先ほど市原地区の測定点を約十三と申し上げましたけれども、正確に申し上げますと、現在、十五ぐらいの測定点がすでに設置になっておりますので、最近のデータのほうを申し上げて、訂正さしていただきたいと思います。
#177
○宮崎正義君 紋羽病の原因等から考えて、将来の樹園なんかのことも大きく取り上げていかなければならないことと思います。園種にもよるでありましょうけれども、政府としてはどんなふうな指導育成をやっているかどうか。
#178
○政府委員(小暮光美君) 紋羽病の防除対策としては、先ほども申しましたように、水田を転作してリンゴをつくりましたようなところに多いようでございますが、排水等による土壌の改良を基本といたしまして、その他、薬剤による防除につきましても、それぞれ指導しておるところでございます。
#179
○宮崎正義君 紋羽病の取引をするわけじゃありませんので、一応いろんな形態を積み上げていって、最終的に質問をしたいためにお伺いをしているのです。
 御存じのように、果樹というものは、私が申し上げるまでもなく、継続的な結果と、隔年的結果と、この二面性を持っております。また、樹齢によりまして果樹の生産高というものが違ってまいります。たとえばナシの場合なんかですと、六年ぐらいからそろそろなりますけれども、実際は、一番の収穫高があるのは、十年から約二十年の間――二十年までいかないでありましょうけれども、たな八年と言われているくらいでございます。これは私が申し上げるまでもないと思いますけれども、こんなような実情を考えていきますと、標準収穫量というもの、これは論議をされているところでありますが、この標準収穫量、あるいは被害額の算定方法というものが非常にむずかしくなってくると思うのです。こういう点について、どんなふうに考えておられるか、御説明願いたいと思います。
#180
○政府委員(小暮光美君) くだものの共済制度につきましては、御指摘のような点が、制度の研究を始めました初期の段階から議論になっておるわけでございまして、樹種によりましては、俗に言う表年、裏年といったような問題もございますが、ただ、全体としては、やはり農業技術の進歩の中で、表年、裏年を克服するような果樹園経営のあり方が求められておるわけでございますが、基準収量につきましては、過去の一定期間の実績をもとといたしまして、これをできるだけ客観的にはじき出すように努力することによって、逐次、精度の高い基準収穫量が得られるというふうに考えております。制度がある程度定着いたしました際には、四年に一度ぐらいの改定になると思いますが、初めのうちは、できるだけ全部の掛け金率等についても、二年に一ぺんぐらい見直すというようなことを制度全体としては考えているわけでございますが、基準収量のほうは、どこまでも客観的な過去の統計に基づいて全国ベース、県、各市町村という形にこれを割り戻していって、それぞれの地域ごとに若干のアラウンスを考えるということで、これを処理していきたいと考えております。
#181
○宮崎正義君 一定期間と言われましたですね。過去の一定期間というのは、いつからどのくらいまでの問ですか。
#182
○政府委員(小暮光美君) おおむね五年間を考えております。
#183
○宮崎正義君 九年間というふうに聞いたんですが、そうじゃないのでしょうか。
#184
○政府委員(小暮光美君) 九年というのは、料率を求める場合の平均のとり方が九年でございます。
#185
○宮崎正義君 ナシの場合の基準を定めるなら、樹齢をどのくらいにして基準にするか、いろいろあるだろうと思います。それから地域的な格差もあるでありましょうし、また、さらには、損害評価の主観の介入といいますか、そんなものがありますでしょうし、また、客観的な正確性を堅持していくとかいうような問題も加味されてくると思うのですが、種類にもよるだろうと思うのです。この点、どんなふうにお考えですか。
#186
○政府委員(小暮光美君) 樹齢をグループといたしまして、それぞれのグループ別に、過去五年の実績に基づいてこれを求める考えでございます。
#187
○宮崎正義君 私は、具体的に言っているわけです。地域的格差だとか、あるいはいろんな状態というものがあるだろうと思うのです。過去の試験実施の場合、どんなふうにこれをやってきたかということをお伺いしたいのです。
#188
○政府委員(小暮光美君) それぞれ標準収量表をつくりまして、それに基づいて地域の実情に即した決定をするように指導いたしたわけでございます。
#189
○宮崎正義君 非常に、このことだけでもだいぶん論議をしなければならないのですけれども、まず、午前中にもありましたけれども、非常に先行投資がかかるという御答弁がありました。先行投資が非常にばく大である。ナシの場合には、ナシ園十アール当たりどれだけの先行投資が必要か。たとえば、たなの費用とか、あるいは元肥から、そのナシが成熟していく十アール当たりのこの先行投資というものは、どれくらいかかっておりますか、御存じでしょうか。
#190
○政府委員(小暮光美君) 調べてから、後ほど御答弁申し上げます。
#191
○宮崎正義君 私のほうから申し上げてもいいんだ。まあ、それはお調べ願って、私のほうの調べと合っているかどうか、また参照をしたいと思います。
 先行投資をしまして、午前中も話がありました幼木の件ですね、これはどうしても問題になってくると思うんです。これをどう処置してやるか、もう論議をさんざんやっておられましたが、私も聞いておりましたけれども、この点はやはり一番切実に農家の方たちのこの時代に受ける災害というものが大きく左右するといっておりますので、この点は私からも重ねて幼木のときに対する災害の考え方というものをもう一度確認をしておきたいと思うんですけれども。
#192
○政府委員(小暮光美君) 収穫共済というところから出発いたしまして、年々の収穫を生み出しております樹体そのものが埋没、流失等いたしました場合に、これを補う意味での樹体の共済というものを考えたのが現在の姿でございます。したがいまして、試験の場合も、そのような形のデータをそろえたものでございますので、午前中にも申し上げましたように、そういう形で、まず発足いたしたいというふうに考えておりますが、なお、せっかく樹体共済を仕組みます以上、幼齢樹の段階をどのように措置するかということにつきまして、引き続き検討いたしたいというふうに考えております。
#193
○宮崎正義君 九種類のもの、試験実施の指定果樹の種類、そしてその類別、こういうことについてお伺いしたいんですが、ナシについて一類、二類、三類のものが、おもなものにどんなものがあるかということをお知らせ願いたい。
#194
○政府委員(小暮光美君) 一類はいわゆる長十郎ナシの系統、赤ナシの系統でございます。二類は二十世紀の系統、そのいずれにも属さないものが、一応三類というふうに観念いたしたわけでございます。
#195
○宮崎正義君 一類が長十郎ですか。
#196
○政府委員(小暮光美君) どうも失礼しました、逆でございます。
#197
○宮崎正義君 これは大事なことなんです。これを間違えられるといけないんです。ですから念左押したわけです。
 三類といいますか、リンゴなんかにいきますと、やはり三類が、御回答がありましたね、デリシャスとか、リチャード・デリシャスとか、スターキング・デリシャスとか、陸奥だとか、いろいろありますが、非常に好まれている。このナシにいたしましても、やはり三類というものは、いま三類の中にどんなものがおもにありますかということを伺ったら、その他のものがというだけでおしまいになってしまったんですが、いまどのような新種が多くつくられているかという、その点ぐらいはひとつ、これとこれとこれというぐらいのことは、おわかりにならなきゃいけないんじゃないかと、私は思うんですがね。
#198
○政府委員(小暮光美君) 三類は、その他の和ナシの品種ということでございますが、その詳細につきましては、もしお許し得られるならば、園芸局から御答弁申し上げます。
#199
○政府委員(荒勝巖君) いわゆる三類は、新水とか幸水とかいう、最近の奨励されている品種でございます。数量は、あんまり多くないと思います。
#200
○宮崎正義君 非常にそれが、新水とか幸水とかいうのは、農家は非常に力を入れてきているわけですよ。非常に力を入れてきている。したがいまして、リンゴの三類のものと、将来はそうなってくるんじゃないかというような考え方でしてきておるわけです。そういうふうなものに対する共済のあり方といいますか、そのようなことはどんなふうにお考えになりますか。一類、二類、三類に対する考え方ですね。
#201
○政府委員(小暮光美君) 午前中、たとえばリンゴで申し上げたように、リンゴの一類青リンゴが、全体の栽培面積のわずか六%、関係県も非常に少ないというようなことから、独立ではなかなか制度化が困難であるかもしれない。したがって、ほかの類似のものとグループを一緒にして設計することができないかということを検討中であるということを申し上げました。ナシの場合には、ただいまの三類がたしか試験実施の段階では、二五%程度の栽培面積を占めておりまして、リンゴの場合の一類のようなものではございません。したがいまして、これについては十分制度化が可能であるというふうに考えます。
#202
○宮崎正義君 確かに流れというものを見ていかなければ、行政のあり方としては私はゼロだと思うんです。そういう意味合いにおいて、特にこの問題に触れておいたわけです。といいますのは、やはり需要量というものは、改良品種というものを求めていく傾向が非常に強いわけです。そういう場合等を踏んまえての私の意見を申し上げながら、どこに眼を向けていくかということを申し上げたわけでございます。
 そこで、きょうは時間を五時までにはやめてくれというようなお話がございましたので、まだ私、問題残っておるので、これをやり出しますと一時間くらいまだあとかかるだろう、あとからの一つの問題を出していきますと。
 先ほどの赤字の問題それと引っくるめまして次の過程に入ってくるわけですが、それをやりとりしておりますと、一時間半ぐらいまでかかる。ですから、その報告だけを聞いておきまして、きょうは私の質問を終わりたいと思います。
#203
○政府委員(小暮光美君) 試験実施の収支につきましては、四十四年度及び四十五年度の累計で、政府の不足額が、三割方式にかかわるものとして約四億九千万円、五割方式にかかわるものとして約一億三千万円、合計約六億二千万円でございます。なお、連合会につきましては、年度に対して剰余を生じたもの、不足を生じたものが、組合が別でございます。いま早急に詳細な数字が求められませんけれども、剰余金も不足金もそれぞれ約六、七千万円、これは連合会を相互にプールすることをいたしませんから、赤字を生じております連合会が約七千万円、剰余金のほうの連合会が約六千万円ということに相なっております。
 なお、ナシの先行投資につきましては、園芸局のほうからお答えいたします。
#204
○政府委員(荒勝巖君) 統計調査部のほうの調べによりますと、日本ナシにつきまして二十世紀と長十郎がございますが、育成年数大体六年ないし七年ということで、二十世紀の鳥取の場合に大体三十五万五千円ぐらい、それから長十郎の場合、埼玉でございますが、大体二十五万八千円で、これはたなが入っておりません。たなにつきましては、七万五千円程度のたな代が別途要る、こういうことになっております。
#205
○宮崎正義君 たな代が七万五千円という、どんな見積もりかわかりませんけれども、二段づり等をお考えの上で計算されたものであるか、それから柱がどれだけの角のものが、どれだけ使われているか、大小あるはずです。それから捨て木等の問題もあります。これらを計算してそうなるかどうか、もう一回御研究を願いたいと思います。そして、この次の私の質問のときに、先行投資ということから、もう少しお話をしていきたいと思います。
#206
○理事(亀井善彰君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめ、これにて、散会いたします。
   午後四時四十一分散会
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ソース: 国立国会図書館
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