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1971/05/09 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 農林水産委員会 第11号
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1971/05/09 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 農林水産委員会 第11号

#1
第068回国会 農林水産委員会 第11号
昭和四十七年五月九日(火曜日)
   午前十時十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月八日
    辞任         補欠選任
     足鹿  覺君     工藤 良平君
 五月九日
    辞任         補欠選任
     塩出 啓典君     山田 徹一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高橋雄之助君
    理 事
                亀井 善彰君
                園田 清充君
                中村 波男君
                前川  旦君
                宮崎 正義君
    委 員
                梶木 又三君
                小林 国司君
                鈴木 省吾君
                温水 三郎君
                初村瀧一郎君
                堀本 宜実君
                山崎 五郎君
                川村 清一君
                工藤 良平君
                辻  一彦君
                戸叶  武君
                村田 秀三君
                塩出 啓典君
                塚田 大願君
                中村 登美君
   国務大臣
       農 林 大 臣  赤城 宗徳君
   政府委員
       北海道開発政務
       次官       上田  稔君
       農林政務次官   佐藤  隆君
       農林大臣官房長  中野 和仁君
       農林省農地局長  三善 信二君
       食糧庁長官    亀長 友義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
   説明員
       農林省農政局参
       事官       松元 威雄君
       農林省農地局管
       理部長      堀川 春彦君
       農林省農地局建
       設部長      杉田 栄司君
       建設省河川局水
       政課長      伊藤 晴朗君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○土地改良法の一部を改正する法律案(第六十五
 回国会内閣提出、第六十八回国会衆議院送付)
○派遣委員の報告
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高橋雄之助君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 土地改良法の一部を改正する法律案を議題とし、派遣委員の報告を聴取いたします。園田君。
#3
○園田清充君 去る四月二十五、二十六日の両日、私、中村、宮崎、小林の四名で岡山県を訪れ、現在、当委員会に付託されております土地改良法の一部を改正する法律案についての審議に資するため、土地改良事業の実情調査を行ないまし
 視察した場所は二カ所でありまして、岡山県小田郡美星町の県営畑地総合土地改良事業と笠岡市の国営笠岡湾干拓事業であります。第一日は、当委員会終了後出発、岡山市に到着し、直ちに県下の土地改良事業の概況を聴取しました。
 岡山県においては、新幹線の開通や中国縦貫道等によって経済も急速に活発化することが予想されるが、農業の近代化にも大いに力を入れる必要があるとのことであります。そのためには、土地基盤の整備が今後、一そう重要となってくるが、特に畑については土地基盤整備がまだ不十分であり、今後、県中央部に雑木林として存在する広大な土地を農用地として造成することが目標である、そのための水問題の解決、都市化、工業化と農業の調整、排水の処理問題等解決すべき多くの問題もある。その意味において、今回の土地改良法改正案には期待しているとのことでありました。
 第二日は、まず小田郡美星町を訪れました。
 美星町は標高三百メートル前後の台地の上にあって酪農と葉たばこの栽培が盛んであり、畑作が経営の中心となることは将来も変わることはなく、したがって、地域農業の近代化の基本的要件として土地基盤整備をはかることが必要であり、葉たばこ、野菜等の大型産地化を目標として商品生産基盤の確立をはかろうとするのが、この県営畑地総合土地改良事業の目的であります。
 本事業による受益面積は六百十四ヘクタール、主要工事は、有効貯水量百万立方メートルのダムの建設、パイプによる用水路百六十六キロメートルの敷設、農道十二キロメートルの造成及び農地造成五十一ヘクタールであります。総事業費は十六億七千七百万円、四十六年度まで一億八千七百三十万円が支出され、進捗率は一一%、五十二年度に終了する予定であります。四十六年度までにでき上がったものは農道十一キロメートル、農地造成三十ヘクタールでありまして、残りが今後の事業であります。
 将来の営農計画としては、普通畑においては、たばこ、白菜、カンラン、ニンジン、麦、飼料作物等であり、樹園地では桃等があげられております。
 現地での説明によりますと、この町は農業を産業の中心とし、農振地域の指定を受けており、将来とも大規模な農用地の造成を行ない、スケールの大きい生産性の高い農業を目ざしております。そのためには、何よりも土地基盤の整備が必要であり、一つの土地改良区を町全域を対象に設立しており、町からも土地改良事業に積極的に助成しているとのことであります。
 本総合事業においては、畑地かんがい、農道整備、農用地造成の三つの種類の工事に分かれており、現行法では別個の計画を定めて事業を実施しなければならなかったが、改正案によると、これらの工事とあわせて一個の土地改良事業として施行できることとなるので、このことは手続の簡素化となりけっこうなことであるとのことでした。また、計画中の基幹農道の早期完成、土地改良事業の迅速化について強い要望がありました。
 次に、笠岡市に行き、国営笠岡湾干拓事業を視察しました。
 この事業は、笠岡湾の一部千六百四十七ヘクタールを締め切り、千百八十七ヘクタールの干拓による農用地造成と岡山県及び日本鋼管が施行する四百六十ヘクタールの工業用地造成を行なうとともに、高梁川から延長二十二キロメートルの共用導水路により農業用水のほか工業用水、上水道用水の確保をはかろうとするものであります。
 事業費は、共同事業総事業費百五十五億五千万円、うち干拓事業費は百二十四億円、四十六年度までの進捗率五〇%、臨海工業用地造成事業費十二億五千六百万円、四十六年度までの進捗率二五%、共同導水路事業費十八億四千九百万円、これはほぼ完成しております。
 工期としては四十一年度から開始され、五十三年度完成が予定されております。雨の中ではありましたが、船で、現在まだ海である干拓予定地をつぶさに視察したのであります。
 営農計画としては、当初は水田が予定されていたのでありますが、米の生産調整という事態に応じて、酪農と野菜を中心に変更したとのことであります。すなわち、酪農については、一戸当たり約十ヘクタール、七十戸で七百九ヘクタール、野菜については、一戸当たり約四ヘクタール、五十八戸で二百三十三ヘクタールを予定し、トマト、ニンジン、カンラン、白菜、レタス等が考えられております。周辺の農家の農地保有面積がきわめて小さい中にあって、今後の営農が期待されております。
 現地で特に要望のあったのは、干拓事業の工期が全体実施設計を含めて十年以上になるのは長過ぎる、もっと短期間にやらないと時代の推移について行けないというものでありました。また、地元の農家が米の生産調整等に対応して鶏舎や豚舎を農地の上につくろうとする場合、これが農地法上の農地転用を要することとなって、予期しなかった不便をこうむることがあるので、これに対する善処が要望されたのであります。
 以上、簡単ではありますが、御報告を終わります。
#4
○委員長(高橋雄之助君) 別に御発言もなければ、派遣委員の報告は、これをもって終了いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(高橋雄之助君) 次に、法律案の審議を前回に引き続き行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
#6
○中村波男君 総合農政の一環として土地改良事業の新たな推進をはかるために、本案が提出されたと思うのでありますが、しかしながら、その内容及び制度全般についていろいろ検討をいたしてみますと、幾多の問題を抱えておりますので、時間の許す限り質問をいたしたいと思います。
 その第一は、農業及び農村の生産及び生活の基盤を造成し、維持管理する農業土木技術施行の基本的法制であることは言うまでもありません。したがって、土地改良制度が長期の見通しの上に立って運用をされるべきであることは、これまた論を待たないところであります。したがいまして、農業生産の地域分担の指標、農振法による土地改良利用計画、国土総合開発計画、これに伴う各種地域開発計画等が具体化しております中にあって、これに対応する土地改良長期計画が確立され、その計画に合う、その計画に基づく土地改良法の改正を行なうべきではないかというふうに私は思うわけであります。
 したがって、ここでただしておきたいと思いますのは、土地改良長期計画の改定を政府は準備をしておるというふうに聞くのでありますが、その土地改良長期計画の改定作業がどのように進んでおるのか。また、改定の基本構想等につきまして、具体的に御説明を受けたいと思うのであります。
#7
○政府委員(三善信二君) 土地改良長期計画につきましては、現在作業を進めております。進捗状況等を申しますと、これは御承知のように今年度新経済社会発展計画等の改定の作業も行なわれつつありますし、農林省内部でまた需給の見通し、そういう作業も現在行なっております。そういった作業の進捗状況ともあわせまして、今後十カ年間にその農業基盤整備事業をどういう方向で推進していくかということについて現在作業をいたしておるわけでございます。まだ作業中でございますので、具体的にこまかく内容を申し上げるという段階ではございませんが、大まかな方向としましては、やはり今後の農政の方向に即した農業基盤整備の重要性ということに基本的な認識を置きながら、一つはやはり需給の伸びているような農産物、たとえば果樹、畜産そういった畑作振興のための土地基盤整備を大いに拡充強化をしていきたいというのが第一点でございます。
 それから第二点としまして、最近都市と農村との関係で、やはり農業と他産業との調整、そういう問題がいろいろとあちこちに起きているわけでございます。そういう点の土地利用という関係から見て、今後その土地利用の調整の上に立った土地改良事業というものの推進をはかっていく。それからさらに、農村の環境整備と申しますか、そういった面も今後拡充をしていきたいと思っております。で、こう申し上げますと、それじゃ稲作、米の生産について土地基盤整備はあまり推進しないんじゃなかろうかという御懸念もあろうかと思いますが、それはそれとしてやはり今後の稲作経営の集団組織の育成あるいは経営規模の拡大、そういった点に資するようなことで、これも引き続き土地基盤の整備というのをやっていきたいと思います。ただ、従来御承知のように、まあ、土地改良事業と申しますと、すぐ考えますのはやはり米中心であったということでございますが、その点畑作物にウエートを切りかえながら、今後の基盤整備の推進をやっていきたいというようなことも、当然これは必要ではなかろうかと思っております。
 以上、非常に大ざっぱな話でございますが、いずれにしましても今後の需給の見通し、その上に立った一つの農政の方向を踏まえて、この土地改良の長期計画を策定していきたいと思っております。今年度じゅうにこれを策定したいと思って、鋭意作業いたしておる段階でございます。
#8
○中村波男君 私が指摘するまでもなく、現在ある土地改良法、土地改良の長期計画というものは、四十年を初年度とする十カ年計画として策定されておるのでありますが、その後の農業事情は、具体的に指摘するまでもなく大きく変貌をいたしまして、一口で申し上げれば米の生産過剰、農業の大きな柱であった自立農家の育成という政策目標というものは、皮肉にも兼業農家の増大という事態を招いたことは言うまでもありません。政府の政策目標のいわば裏目が出たと、現在長期計画の計画作成の前提条件が当時とはなはだしく異なってきたと、これは指摘申し上げることができると思うわけです。したがいまして、四十四年度以降国会におきましても、長期計画の改定が論議されて、政府も改定することを約束してきたはずであります。しかるに、いま御説明があったように、本年度じゅうに十カ年土地改良長期計画の改定をするんだということでありますが、この点については、はなはだ怠慢であったと言わなければならぬというふうに私たち思うわけであります。
 まあ、それはそれとして、農業白書においても農林省みずからが十年の農政を反省いたしまして、今後の農政の拡大を率直に表明しておるのであります。みずから指摘いたしております課題について、今回の土地改良制度の改正にあたってどのように対応しようとしているか、この点についてお伺いをしておきたいとこう思います。
#9
○政府委員(三善信二君) 先ほども申し上げましたように、これは御指摘のように、やはり最近農業情勢というのは非常に変わってきてまいっております。その上においてやはり土地改良の長期計画というものを、今後の十年間のことを考えて、頭に置きながら改定をしていくというわけでございます。
 特に最近農業事情に即応した土地改良のあり方と申しますか、今回の改正も、そういった農業事情を踏まえた改正の案を審議いただいているわけでございますが、一つはこれも先ほど申し上げましたように、最近の米の過剰生産、それに基づきます生産調整、それを踏まえまして土地改良事業は、やはり一つの畑作に重点を置いて今後進めていく必要があるのではなかろうか。最も需要の伸びております果樹とか園芸作物、そういうものを中心にやっていくということが、方向としては考えているわけでございます。
 さらに、先ほども申し上げましたように、農村の環境整備、そういった問題を取り上げてやっていく。それから都市と農村との、農業と他産業との土地及び水の利用調整、こういう問題が非常にうるさくなってきております。このまま放置しておれば、やはりスプロール化的に土地もつぶれていくという危険もございますし、水も一方では余っているところもあるし、一方ではやはり足りないで困っておると、そういう事態も生じている。そういった土地と水についての他産業と農業との調整を農業サイドから見てこれを調整していくということも必要になってきておる。
 そのほか、最近はやはり土地改良事業の内容としましても、非常に大規模な事業が進んできておりますし、まあ、そういう手続の面においてもやはり土地改良事業というのを、現行法を改正する必要があるというそういう要請にこたえて、今回の法改正をしたわけでございますが、非常に大きな点からやはり申し上げますと、今後の農業経営と申しますか、やはり国際競争にうちかつような効率的な近代的な農業経営を目ざして、それの育成をはかっていく、そのためにはどうしても一つの基盤整備というのがやはりグランドになって、そういう方向に向かっていく必要がある。その間いろいろな施策は当然これは必要でございますけれども、そういうグランドとしての農業基盤整備の重要性というのは、現在においてますます必要で重要視されてきているということを、私ども特に感じているわけでございます。そういう上に立って、土地改良法の改正もひとつ新しいそういう現在の農業の情勢の変化に即応しながら、この改正をしていきたいということで御審議を願ったという次第でございます。
#10
○中村波男君 農地局の管理課が出しております「土地改良制度改正の考え方」にも載っておりますが、「農村地域において農用地以外の土地利用が拡大していることにかんがみ、圃場整備事業、農用地造成事業等の施行地域内において共同利用施設用地、公共用地、工場用地等が新たに必要な場合には、」一定の条件のもとではありまするけれども、「創設換地として確保すること等ができる」道を開いたわけでありますが、これは現状追認的措置で、すなわち政策があと手、うしろ手に回って、はたして政府の言う合理的な土地利用がはかられ、優良農地を確保するという基本を維持し、周辺農地への被害防止をはかるという立場で運用できるかどうかということについては、大いに疑問を持っているわけでございます。すなわち都市化の波に押され、それに対応する土地改良を行なおうという、こういう発想といいますか、そういうねらいが今回の改正案の中に大きく貫いておるんじゃないか、そういう疑問を持ちますがゆえに、それらの観点に立って、これから、若干、具体的に質問を申し上げてみたいと思うわけであります。
 したがって、今回の改正案で優良農地や農業用施設の損壊が無秩序に行なわれる。無秩序ということが言い過ぎであるならば、今度は法の裏づけによって、いわゆる農地の農業以外への転用の道が開かれるんじゃないか。したがって、いろいろな予想される弊害というものが考えられるわけでありますが、はたしてそれが防止できるのかどうか、そういう点について、具体的にどのような手を打っていこうとするのか、これらの点についてお尋ねをしてみたいと思うわけであります。
#11
○政府委員(三善信二君) 今回の改正の一つの重要な点としまして、やはり非農用地を取り込み、またそういう、お説のとおり創設換地等によって工場用地や公共施設用地、そういうのを生み出していくという手法を改正案の中に織り込んでいるわけでございます。で、この考え方は、これは農地をそういう非農用地としてつぶしていくというような考え方は少しも持っておりません。むしろ私どもの本質的な姿勢としては、農振法に基づきます農用地区域の優良農地あるいは集団的な農地、そういったものは、当然これの転用を規制をしていく、当然そういう農地は、守っていくという点には変わりはないわけであります。
 ただ、ややもしますと、このまま放置しますと、そういう都市化の波と申しますか、そういった社会経済情勢の一つの大きな波もございまして、放置しておけば、これがやはり優良農地等がスプロール化的につぶれていくという危険がなきにしもあらずでございます。そういう意味におきまして、土地改良法で考えておりますのは、やはりあくまで農業サイドからそういう優良農地を確保していこう、集団的な農地は確保していこうという、そういう趣旨に基づいて、農地を確保するために、最小限度必要なそういう非農用地の生み出しというようなこともやっていきたい、こういう考え方でございますので、まあ、先生おっしゃるように、あとで、こう追いかけて、この法改正が出てきたというようなことも言われておりますが、そう言われてもいたし方ないと思いますが、今後の問題としては、やはり、それをできるだけ良農地は守っていくといういわば攻勢防御と申しますか、そういった趣旨で、この基本的な考え方は、そういうことでございます。
#12
○中村波男君 いま三善農地局長の御答弁によっては、そういう弊害は起こらないんだと、起こさないんだと、こういう答弁でありますが、それらの私の心配する問題については、あとから続けてお聞きするといたしまして、私は、第一に、大きく疑問に思いますのは、四十四年に制定されました農振法ですね、これは御承知のように、いわゆる建設省の新都市計画法に対峙する農林省の農地の領土宣言だったと思うわけです。したがって、農振法地域の指定をいたしまして、農地のスプロール化を押えて、したがって農地以外の宅地あるいは工場用地は言うまでもなく、他への転用を抑制するという、ここに大きな法のねらいがあったと思うんです。目的がそこに置かれておると思うんです。さらに、都市計画法による調整区域につきましても、いわゆる農地の転用を強く規制するという考えに立っておるということは、言うまでもありません。そこへあとから出てきたのが、昨年の国会で通過いたしました農村地域工業導入促進法なるものであります。したがって、農振法なり、市街化調整区域で農地のスプロール化を押えるという立法が片方にあって、今度、土地改良法で、もちろん無制限には許さないという方針であることは法案にも、あるいは行政的指導としてもわかりまするけれども、しかし、この道を今回の土地改良法で開くということになれば、いわゆる農村の自立農家としての経営というものに限界が出てきて、兼業農家が年々増大をしております中で、いわゆる農村地域工業導入促進法の考え方、趣旨等からいっても、いわゆる農村に工業を導入して、兼業の機会を多く与えていくという、こういう国のつくった法律の一つの裏づけがあるわけです。したがって、土地改良で工場用地、宅地等をつくり出してもよろしい、その前提条件としては、もちろん農地を転用するためには、いわゆる所有者の許可といいますか、同意が必要であるということになっておりますが、やはり町村行政というようなベースからいいますと、やはり工場を誘致する、それにはなかなか敷地というものがここにおいては確保できないから、逆に土地改良を行なうことによってその用地を生み出そう、これがいわゆる市町村の行政としての方針である。こういうことになりまして、そういう面からも、土地の、何といいますか、捻出ということばは適当でないかもわかりませんが、つくり出すということがいわゆる行政ベースにおいてどんどん進められる危険もあるというふうに私は思うわけです。したがいまして、規制をする、規制をすると言いましても、しからば、具体的に何割程度は許すのか、何割以上はだめなのか、こういう規制になると思う。それは言うはやすいんでありますが、そういう何割というようなことで、規制のワクというものが実際には、はまるものでは私はないと思うんですね。
 そういう点について、具体的に起きてくるであろう予想される問題について、政令その他でどう対処しようとしておるのかということをやはり明らかにされませんと、私の心配しておる点というものは、解明がされないのではないか。したがって、私は、片方では農振法あるいは調整区域ということで農地のスプロール化を押えるという法律があり、そのあとからそれを今度は合法的にくつがえしていくような土地改良法の改正ではないだろうか、こういう点について大きな疑問を持っておりますので、具体的にひとつ御説明をいただけないものでしょうか。
#13
○政府委員(三善信二君) 一つは、農振法との関係で、一体どういうことになるだろうかというお尋ねだと思います。
 農振法では、御承知のように、やはり農用地区域、これは優良農地、集団的農地としてこの農地をできるだけ維持していくというのが基本的なたてまえになっておるわけでございます。しかし、この土地改良法で工場用地、公共用施設を生み出すということができるようになれば、すべての地域で各土地改良区、土地改良事業は、圃場整備をやる場合には、必ずそれをやるというようなことではまずございませんし、一つは、その工場なら工場一つ考えてみます場合に、その工場がいつ来るかわからぬというようなために、その用地をわざわざあけておくというようなことではなくて、やはり工場は来るという一つの見通し、相当はっきりした見通し等があった場合に、この手法でその用地を生み出すというようなことをやはり考えていく必要があろうと思っております。
 それから、規制の方法としましては、法律的には別に何割まではそういう非農用地を生み出すのがいいというような規定はございませんで、私どもが基本的に考えておりますのは、やはりこういう非農用地を生み出すということも敷地を生み出すということも、農業サイドから考えてのことでございまして、その農用地の集団化、農用地の効率的な利用、そういった土地利用の一つの秩序を持ったことを考えてこの工場用地やその他の敷地を生み出していくということでございますから、無制限に工場用地等を生み出していこうというようなことは、全然考えておりません。
 それじゃどのくらいを考えているかという御質問もあったかと思いますが、大体農業サイドから見まして、二割ないし三割程度のことを考えてやっていきたい。その点は、これは土地改良の事業計画等を通じまして十分指導し、またチェックをしていくというふうにしていきたいと思っております。
 で、基本的に農振法の考えと今度の土地改良法で、一方ではそういう用地を生み出して、優良農地をつぶしていくのじゃないか、相矛盾するのじゃないかというお考えがあるやに承りましたが、これも先ほど申しあげましたように、そういう意味ではございません。やはり優良農地、集団農地というのは、これはあくまで残していく、これをつぶすようなことではなくて、やはりスプロール化を防止するために、そういう農地を、優良農地等を残すために、そしてスプロール化を防止するために、農業サイドから考えているわけでございますから、決して考え方として農振法の優良農地は、これは残していくのだというようなそういう基本的な考え方と別に矛盾するようなことではなかろうというふうに考えております。
#14
○中村波男君 私がお聞きしたいのは、むしろ農林省が優良農地をつぶそうなどと考えておられるとは思いません。いま都市化の波がだんだん都市周辺からさらに何といいますか、奥のほうへ広がってきておる、それから必然的に農地価格がどうもどんどん上がってきたという中で、土地改良計画を立てます場合に、いわゆる農業を続けていこう、生産基盤強化を行なうことによって高能率の農業がやれるようにしようという人もいるでありましょう。しかし、一方には、この機会に、農振法の指定を受けて農地の転用はほとんど不可能になっておるのでありますから、土地改良をやることによってそういう道が公然と開かれるということであるならば工場用地なり、あるいは宅地用地なり、あるいは公共施設なり農業施設用地として必要とするものがあるならならばそれに売ってもよろしい、こういうようになったときに三割まではよろしいけれども三割こえた人はだめですよ。
 そうしますと、どこで制限をするのか、悪い農地だけはよろしい、優良農地はよろしくないなどということは、土地改良組合のサイドで実際規制ができるだろうか、そういうことをやろうとすれば土地改良事業自体をいわゆる中止するという結果に、私はなるのじゃないかというふうに思うわけで、それは机上で御計画になる点については、楽にできるでありましょうけれども、実際に土地改良の実態というものを十分は知っておりませんけれども、知る者としては、それはなかなかむずかしいことになるのじゃないか、そういうふうに私は思うわけです。したがって、いまおっしゃいますように、二、三割程度ならいいだろうという、こういうことで認可基準をそこに置かれるといたしますならば、しかし、三割五分はだめなんですよと、三割まではよろしいよというようなことに私はならぬのじゃないか、くどいようでありますがその点どうお考えになっておりますか。
#15
○政府委員(三善信二君) まあ、この土地改良事業、圃場整備をやるところが、必ずそういう工場用地等の捻出を目的としてやるようなことでは、本質的にはない話なのでございまして、圃場整備をやるついでにやはり土地利用の秩序、ある一つの利用計画を計画的にこれでつくっていこうという大きなねらいがあるわけであります。そこの事業参加しておられる農民の方もいま先生言われましたように、やはり農業を続けて、あるいは農業規模を拡大して圃場整備をやっていきたいという人が大部分でございまして、ただ、やっていきたいけれどもスプロール化するというようなのは防止したいということを事業参加者は考えて、この事業は実施していかれるのが当然のことだと思っております。したがいまして、そう何といいますか、無制限にそういう非農用地をつくっていこう、中には土地が上がるからひとつそういうことをやっていこうというような人もそれはいないとも限りません。しかし、そういうことはやはり私はまれであるべきであるし、また、まれにしてもらうようにこれは指導していかなければいかぬし、土地改良をやる以上圃場整備をやる以上、それを目的でやるということは、私はそれは本末転倒の話ではないかと思っております。したがいまして、やはりその地域の実情に応じて、多少私はこれは違うと思います。あるところは、これはそういう工場用地等を生み出すことは全然考えないところも、これは大部分そういうところであろうと思います。あるところには一割くらいは宅地用地を生み出したいというところもあろうかと思います。
 そういうことで、地域の実情によりそれは違いますので、一律に二割まではいいが二割一分こえたらだめとか、三割まではいいけれども一分こえたらだめというような一律の規制というのは、地域の実情に応じて考えていく場合には、非常にむずかしい点もあろうかと思います。ただ、申し上げておりますのは、普通の二割ないし三割以内でおさまるようなかっこうで指導もしていくし、またそういうことでチェックもしていくというようなことで、今後の運用には慎重にやっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#16
○中村波男君 まあ、この問題は、いまここでどれだけ議論をやってみても、実際これが可決されて走り出したときに、いろいろな問題として出てくるんじゃないか。したがって、私の指摘するような事態が起きないという保証はおそらく局長もできないと思いますし、私は起きるんじゃないか、そういうふうに思うわけです。したがって、これ以上議論をいたしましても、これはまあ平行線になると思いますから、具体的な問題についてお聞きをしてみたいと思うわけでありますが、まあ創設換地をつくりますためには、土地の提供については、これは同意を得なければならぬ、こういう規定になっておるようであります。そこで、宅地なら一ヘクタールの用地を必要とする場合に、十アールずつの人が十人同意すれば一ヘクタールできるということにもなるわけでありますが、そういう同意は得られないけれども、全体でひとつ生み出そうじゃないか、いわゆる全体が減歩することによって必要な用地をつくり出そうじゃないかということが合意された場合は、これはまあ、多いか少ないかの違いはありますけれども、同意ということについては変わりはないのでありますから、そういう方法でもいいのか、ばか念でありますが、確認しておきたいわけであります。
#17
○政府委員(三善信二君) まあ、御承知のように、この非農用地を生み出す、工場用地、公共施設を生み出すということは、これまで現行法では、御承知のように土地改良施設、これは共同減歩でやれるわけであります。これはなぜやれるかと申しますと、やはりその事業参加者、農家の全体の方がこれを利用し、全体の方がその利益を受けるということで、そういう共同減歩の方式がとれるわけでございます。で、今回のこの非農用地の生み出し、取り込み、生み出しというのは、やはりどうしてもそういう全体の利益、全体の使用、共同利用のためにやるわけではございませんので、同意はそこに当然必要だ、同意がないとそれはできないんだという仕組みにしてあるわけでございます。いま先生がおっしゃいましたような、みんながひとつ出し合って、そうしてそういう用地の生み出しをやろうというような場合に、結果的にはその共同減歩みたいなことにはなるわけでございますね、結果的には。ただし、その本質は、やはりそれぞれの同意を得たという結果が共同減歩的な方式になるということで、やはり同意はそれは当然必要でございます。同意なくて、ただ土地改良施設みたいな共同減歩のやり方は、これはできないというふうに考えております。だから、先生がおっしゃったような場合には、これはやはり結果的には、共同減歩と同じようなことになるということでございます。
#18
○中村波男君 土地を提供する場合には、少なくとも幾らぐらいで売れるだろうか、こういうことにならないと具体的には土地の提供者というのはないんじゃないかと思うわけです。だといたしますと、土地改良事業を開始する前にそういう要求があれば、代金決済についても一応の妥結といいますか、話し合いが行なわれて、したがって、提供してもらえば幾らで売れますよ、幾ら支払いいたしますよと、こういうことにならざるを得ないんじゃないか、こういうのが一つ。
 もう一つは、そういう事前に価格まで決定はできないけれども、しかし、公共用地として予定があるんだ、また、この町として、もう一つ引き下げて考えれば、土地改良区として、土地も少ないからやはり工場を誘致する必要があるんだ、そのためには何といってもまず工場用地をこの機会に確保して、そうして適当な企業を誘致する必要がある、そういう考え方の上に立って、幸い同意者も得られた、そういうときには価格について一応の土地改良組合が保証する最低限度額を示す、そういうことだってあり得ないとは言えないんじゃないか。また、それが示されないとなかなか話がつかないんじゃないか、あるいはそれができないにいたしましても、まあ仮払い金というような形で一定の金額を払っておきまして、そうして事実売却が終わったときに清算をする、こういうやり方等も考えられると思うのでありますが、そういうこまかい点について農林省としてはどうしようとされておるのか、いかがですか。
#19
○政府委員(三善信二君) 御指摘のように、やはり土地を提供してもらう場合には、ただ提供してくれくれと言うことだけでは、なかなかこれは進まないということだろうと思います。だから、私は、土地改良の事業計画をつくる時点において、まあ、大体対価はこのくらいでひとつ提供してくれというようなことは、これは現実的にはそういう方向に当然なっていくだろうと思います。
 それでもう一つの点は、やはりその仮払いの方法、そういうのも一つ取り入れて、それであとで本払いするというようなことも考えたらいいじゃないかというお話でございますけれども、そういうことも一応法的にはできるようにいたしております。で、一応事業計画をつくりますときには、普通のやり方として大体どのくらいで提供してくれというような価格を示すことになろうと思います。で、それを今度は換地計画をつくりますときに、その何といいますか、換地計画のときに、やはり仮清算といいますか、そういうのを一応やるというようなことも、これは必要によってはできるようにしたらいいと思っております。そういうことで、まあ土地を提供される方が、できるだけ提供しやすいような運用の方法というのは、当然考えていく必要があろうかと思っております。そういう点についての具体的な指導等も十分私どもやっていきたいと思います。
#20
○中村波男君 まあ、私がこういうこまかい質問をいたしますのは、これはなかなか問題が残るんじゃないかと懸念するからであります。したがって、土地改良計画が立てられるときに、いわゆる用途等がはっきりしておるものについては問題はないと思いますが、将来を見越す、あるいは何といいますか、裏を返せばいわゆる共同減歩という形をとって、そして用地をつくり出しておいて、それを工場、その他宅地に処分をしてその利益をもって今度は事業費を充てていくというようなことも、表向きはできないとしても裏ではやれるという、こういうことになりかねないというふうに思うわけです。したがって、仮清算金をしてもよろしいといういま御答弁でありますが、そうなりますと、借り入れ金をしなきゃならぬ、そして借り入れ金が無利息で政府が貸すというような道は、おそらくおとりにならぬでありましょうから、どこか適当なところで資金を借り入れる、これは利息だけでも年数が長ければたいへんなことになる。そういうのも土地改良の事業費として、あるいは事務費として認める道を開くのかどうかという問題があります。
 それからもう一つは、一応仮清算をする、あるいは代替の約束をする、そして実際土地を確保したが、売却したけれども予想した価格には売れなかったという場合が出る。赤字が出たというときには、だれが責任をとるのか、だれがそれを負担するのか。総会の決議があるから、全部から出すのは当然だということには、私は実際にはならないのではないか、大混乱が起きるんじゃないか。また、あまり名誉ある例でありませんけれども、岐阜県の大垣市に起きたような問題も起こりかねないような要素といいますか、はらんでおるようにも思いますので、この点はやはり具体的な例を想定してきちっとした点をつくっておっていただきませんと、政府の意図とは違った形が出て土地改良法がゆがめられる、意図と反した方向に進んでいく、こういうことを私は、おそれるあまりに御質問をいたしたわけであります。
#21
○政府委員(三善信二君) その仮清算金を仮払いをするというような場合に、その手当は一体どこからするのかというお話でございますが、そういう懸念もたぶんにあるわけでございます。で、政府資金を出すとか、そういうようなことは考えておりません。やはり差しあたって農協等から借りる、そういうことになろうかというふうに考えております。それから予定しておったのが見込み違いで売れなかったというようなことも、これはあり得ることであろうと私も思います。絶対ないとは申し上げにくいと思います。しかし、もともと工場用地を生み出す場合に、そういう土地改良区はブローカー的にやるわけではございませんので、やはり確実な見通し、相当はっきりした見通しがあって、そういう用地を生み出すということは、これは基本的な事業の運営のやり方でございますから、そういう懸念はあっても現実にはそういうことが起こらないような指導ないしやり方をしていくというふうに、十分指導はしていきたい。
 どうしてもそれが万一できてきたという場合には、一体どうするのだというお尋ねだろうと思いますが、そういうことがかりにあったとしました場合に、たとえば売れないということもあるかもしれません、それから安くしか売れなかったというようなこともあるかもしれません。で、そういう場合には、これはもう少し私どもも実態的に詰めていきたいと思いますけれども、たとえば市町村と相談をして、市町村の将来の公共用地等にしてもらうような、そういう相談を持ちかけるとか、いろいろなやり方はあろうかと思いますけれども、最初からそういうことばかり予定しているというのもどうかと思いますし、そういうことがないようにやりたいし、また指導していくというたてまえで、私どもも考えておりますので、その点今後の、万一あった場合というようなことも、いろいろ事例としては考えていかなければいかぬだろうかとは思っております。そういう点、もう少し事務的には詰めてみたいと思っております。
#22
○中村波男君 何といいますか、正直な御答弁をいただいたと思っております。
 そこで、私の意見として申し上げれば、そういう事態が起きないように、全く投機的な計画、あるいはいつ必要があるかというようなことのはっきりしないような計画について、これはやはり認可するときにチェックする、これは徹底的にやっていただきませんと、いま申し上げるような問題が惹起いたしまして、それこそ土地改良組合の汚職、疑獄といいますか、そういうことに発展するような事態が起きることを、私は強く懸念いたしまして質問をいたしたわけでありますが、続いて、創設換地をつくりますときに、もちろん同意を得るということでありますが、その同意を得る場合には、その創設換地がいわゆる小作地である場合ですね、小作地である場合、所有者と耕作人が異なる場合ですね、これは当然両者の同意を必要とすると思うのです。そこで私の見聞しております事例としては、処分をする場合に、土地代金の配分について、これは当然耕作権というものがあるわけでありますから、地主と小作の間で耕作権をめぐって金銭的な歩合が妥結しないというような事例が多々あるように思うわけです。したがって、これはやはり、政令にゆだねる事項ではないと思いますが、この問題を実際に発動する場合は、こういう点についてやはり土地改良組合が責任を持ってこれらの点についても、事前に話し合いが終わった、それがいわゆる承諾だと、こういうことにしておきませんと、あとからではなかなか四割だとか六割だとか、あるいはそういうものは払うとか払わぬとか、どちらにその金額を支払うとか支払わぬということになりかねないと思いますが、その点いかがですか。
#23
○政府委員(三善信二君) 提供される農地が小作地である場合、これは先生、御指摘のとおり権利者には、すべての権利者の同意を得るということでございますので、当然小作人の方の同意も得ることになります。それから清算金の配分につきまして御指摘のような問題が、トラブルが起きないとも限らないと思います。したがいまして、いま先生の言われましたようなやり方で、土地改良区が事前にやはりきちっと調整をして、あとでトラブルが起きないようにするというようなことを私ども厳重に指導をして、そういうトラブルを起こさないようなやり方で進めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#24
○中村波男君 今度の法改正の趣旨を読んでみますと、農村の生活環境整備ということが大きく取り上げられておるというふうに説明があるわけでありますが、しかし、この土地改良法の改正からどういう生活環境整備が行なわれるかといえば、やはり公共用地が取得できる程度であって、広い意味の生活環境整備に土地改良法の手法をもって対応できるとは私はまあ考えておりませんし、それはむずかしさがあるであろうというふうに思うわけです。そういう観点から、私は、ほんとうに生活環境整備を土地改良法を通じて、もちろん限度がありますが、限界がありますが、やろうとするならば――たとえて言うならば、公害を発生しておるような工場が地域内にある。したがって、これは農用地に被害を及ぼさないような地帯へ移転をしてもらう。また、それが複数なり、あるいは三つも四つもあるような場合には、一カ所に集めるというような、そういう地帯というものがあるのかないのかわかりませんけれども、ないとは言えないんじゃないかと思うわけですね。そういうような、一つの例でありますが、ことを考えますならば、非農用地等についても強制的には法のたてまえとして無理であろうと思いますが、強いひとつ指導といいますか、土地改良法ぎりぎりで何とかそれらができる道というのは開くことができないのであろうか。できそうにも私は思うわけでありますが、そういう点について検討なさったのか、全くそういう点は考えておられないのか、考えてもできないのか、いろいろ事情があると思うのでありますが、お聞かせをいただきたいと思います。
#25
○政府委員(三善信二君) 現にある公害を及ぼしているような工場、現にある工場をどっか一カ所にまとめるとか、それはちょっと私どもの考えでは土地改良法の問題ではないんじゃなかろうかと思います。それで、たとえば、工場用地として確保、用地施設が確保してある。で、その用地を強制的に取り込んで、圃場整備の中に取り込んでやることもできないかということも、また、一つあろうかと思いますが、やはり非農用地を取り込みます場合に、先ほど来申し上げておりますように、強制的に取り込むということは、これは非常にむずかしいし、法的にもそういう措置はいたしておりません。やはり同意を得て、取り込む場合には取り込んでいくということにしかやりようはない。ただ、同意を得る際に、現実問題としてそういう事業者、参加者の農家の方々がみな総意に基づいて、ぜひそういうのを、そういう敷地等を取り込んで、相手の同意を得て、どっか一カ所に生み出していくというようなやり方は、現実的な問題ですから、これは不可能でもないとは思いますが、法的な問題としては、これはできないことだというふうに考えております。また、先生言われましたように、そこまで農村においてどういうそういう実態があるのか、その辺のところも私どもまだよくわかりませんが、法的にむずかしいし、現行法の体系ではできない、強制的に取り込んでやるということはできないということしか申し上げようはないと思います。
#26
○中村波男君 まあ、工場となると、なかなか例として問題が複雑で大きいと思いますが、たとえて言うなら、土地の値上がりを見越してこの農地の、点々と土地が確保されて値上がりを待っているというような事態がありますね、都市近郊では。これをそのままにして、同意を得なければならぬという改正法のたてまえからいいますと、それがあるために土地改良をやろうとしてもやれないという、また、やってもいわゆる理想的な圃場整備なり区画整理が行なえない、こういう事態というものは、これはたくさんあると思うのですね。したがって、そういう場合に、何らかの手を打つということが土地改良法の中で考えられないだろうか、考えるべきではないだろうか、こういうふうに思うのですが、いかがですか。
#27
○政府委員(三善信二君) 先ほども申し上げましたように、やはり実態的な問題として、土地改良事業圃場整備をやる参加者の農家の方々のみんなの方が、そういう場合にはひとつ同意をとって、その事業の中に入れていくというようなことしか法的にはやりようはないと、こう思います。また、そういう実態もあろうかと思いますが、そういう点、土地改良区等が大いに市町村その他とも一緒になって働きかけながら同意をとっていくというようなことでやっていくように、十分その点は指導してみたいと思っております。
#28
○中村波男君 次に、創設換地から捻出された工場用地あるいは宅地用地等について、土地改良組合自体が造成を一緒にやる。たとえて言うなら、排土等が、ちょうど捨てれば造成があわせてできるというようなことだってあり得ると思うのでありますが、この限度といいますか、土地改良組合としてやれる範囲というものは、どういうふうに考えておられますか。
#29
○政府委員(三善信二君) やはりこういう工場用地、そういった敷地を生み出すのも、土地改良法のワク内の一つの事業としてやるわけでございますから、その敷地の造成、そういうのまで含めてやるということは、これはちょっと逸脱するというふうに考えております。ただ、排土とか、そういったものはかまわないと思いますけれども、用地自体の造成を、中の造成をやるというふうなことは、そこまではこれはやれないというふうに考えております。
#30
○中村波男君 換地の問題は、いろいろまだ私としても聞きたい点ありますが、時間の制約もありますから質問を変えてみたいと思うのでありますが、高性能の農業の展開に必要な革新的技術の導入をするには、その基盤の確保と整備が前提条件であることは、これは言うまでもないわけでありますが、四十五年の農業白書を読んでみますと、大型機械可能の水田面積というのは二百二十四万ヘクタール、内、区画整理済みの面積というものは百九万ヘクタール、その内の大型機械利用可能は二十七万ヘクタールということになっておるわけであります。それから今度の土地改良法の中に大きく取り入れたのは、畑地のかんがい排水事業を積極的にやっていくという長期計画の構想の中で、それに対応する措置が若干講ぜられたというふうにも思うわけです。そこで畑地は、大型機械の導入の可能面積というのは、どれぐらいあるのか。それから機械化の対応できる面積というものはどれぐらいあって、畑地かんがいの施設を持つ面積というのは現在どれくらいになっているのか、この機会にお伺いしたい。
#31
○政府委員(三善信二君) この資料は、四十四年に土地改良の長期計画のときの準備資料として調査をいたしました資料でございますが、先生の御質問と直接合わない点もあろうかと思いますが、畑の整備状況というのを申し上げますと、一つはそれの柱を農道の条件、それからそういう畑の用水施設条件の整備、そういうのに分けて見てみますと、最初が農道の条件、これが大体取りつけ道路が行なわれ、また地区内道路も整備しているというようなのは大体約二十七万ヘクタール、全畑地の面積に対しては、これは一一%ということになっております。非常にまだ道路の面では、基盤整備が進んでいないという点も言えるかと思います。それから用水施設条件の整備された面積でございますが、これが畑かんの施設を有しているものが七万ヘクタール。まあ、現在事業やっているのもございますので、そういうのを入れますと十二万ヘクタールぐらいになります。要畑かん施設面積に比べますと、こういう用水条件が整っているのは約一二%ということになっております。したがいまして、まだまだ畑地帯のそういう圃場条件の整備というのは非常におくれているというのが、正直に申し上げまして実情でございます。
#32
○中村波男君 こういうことを聞きましたのは、今後の水田転用との関連において若干聞きたいと思いましたのでお聞きしたのでありますが、したがって、米の生産調整と土地改良制度の問題についてお聞きをしてみたいと思うのでありますが、申し上げますまでもなく、四十五年度の計画では百五十万トン以上の米を減産する。うち五十万トンが農地の転用なんだと、こういう計画が示されたわけでありますが、実際には米の減産は百万トンに対して百三十九万トン、これは生産調整でありますが、しかし、農地の転用によって五十万トン減産するというのは、これは面積で言いますと、十一万八千ヘクタールに対して三万六千ヘクタールの農地の転用が行なわれずに、八万二千ヘクタールというのは計画を下回った。大きく狂いが出た。そこで四十六年から五十年までの五カ年間を実施するということが公表されまして、稲作転換目標は面積にして五十万ヘクタールだ、こういうふうに聞いておるわけでありますが、そこで四十六年度は二百三十万トンの生産調整をはかる、水田農地の転換は、まあ、五万ヘクタールだ、こういうふうになっておると思うのでありますが、したがって、最初に私は指摘をしたように、この米の生産過剰の問題、特に稲作を他の農作物に転用するという政策と並行して、一口に言えば農地をつぶしていくこの政策というのが大きくいま出てきておることは、否定できない事実だと思うのです。したがって、これを土地改良法の改正にあたって受けて立ったと、こういうきらいがあるのじゃないか、こういうふうに私は見ておるのでありますが、したがって、農地の今後の面積ですね。もちろん、開田は全面抑制だ、その中で水稲作面積というのを、いわゆる五十年にはどれだけに減らす考えなのか、こういうのを具体的にひとつお示しいただきたいと思うわけです。
#33
○説明員(松元威雄君) 米の生産調整の面積でございますが、ただいま先生のほうから五十年度に関することをいろいろおっしゃったわけでございますが、全体としてみますと、四十五年の十二月に、「農業生産の地域指標」というものを公表いたしたわけでございます。生産調整は、基本的にはこの地域指標の線に沿いまして、その年々の数量は年々の諸事情によってきめて行なわれているわけでございますが、大筋の方向としては、四十五年十二月に策定いたしました「農業生産の地域指標」が、いわば基準になるわけでございます。
 これによりますれば、水稲の作付面積は、四十四年に対しまして約九十万ヘクタール減らさなければならぬ、こういう数字に相なるわけでございます。
 その次に、しからばこの九十万ヘクタールに相当する生産を減らすわけでございますが、その場合のやり方といたしまして、一つは農業内部におきまして水稲からほかの作物に転換する、こういう形態がございます。もう一つは、水田を他用途に転換する、こういうのがあるわけでございます。前者の場合の、水稲から他の作物へ転換する場合の形態につきましても、これはまあ、圃場の状態を申しますと、水田を完全に畑化してしまうというのもございますし、それから形態は水田そのままでやる、しかし、植えるのは他の作物である、こういう形態がございます。それから田畑転換、輪換、こういう形態もございますが、それら全部合わせまして大体五十二年におきましては約九十万ヘクタール相当分を水田から転換してまいりたいというふうに見通しているわけでございます。したがいまして、残りの三十万ヘクタール相当分につきましては、あるいは住宅用地、工場用地、あるいはまた道路等の公共用地等のいわゆる転換ということに相なるわけでございまして、そういった他用途転換を五十二年までに約三十万ヘクタールを想定している、こういう数字でございます。
#34
○中村波男君 他用途への転換が三十万ヘクタール、それから転作による転用というものが九十万ヘクタールという御説明ですね。
#35
○説明員(松元威雄君) 六十です。両方合わせまして九十でございます。
#36
○中村波男君 そうすると、稲作転換面積に対する五〇%がいわゆる農地をつぶすということですね、六十に三十ということになりますから。
#37
○説明員(松元威雄君) 全体は合わせて九十万ヘクタールでございまして、そのうち農業内部で作付を転換するものが六十、それから他用途転換が三十、したがいまして、全体の中では他用途転用が三分の一、こういうわけでございます。
#38
○中村波男君 そういういわゆる米の過剰生産という政策目標、それに土地改良を従属、ということばは言い過ぎでありますが、対応させようとする意図というのは、さっきからいろいろ議論をいたしましたように、工場用地にまで転用を土地改良法で認めると、こういう発想といいますか、そういう具体的な法律改正というのになって出てきたんじゃないか、こういうふうに思うわけでありますが、これはやはり国の大きな政策目標だからやむを得ないのだ、こういう農地局としては、お考え方の上に立っていわゆる時代の要請にマッチするように出したんだ。したがって、長期土地改良計画においても、そういうものを踏まえて、これから策定、決定していくんだ、こういうことですか。
#39
○政府委員(三善信二君) この土地改良法の改正で工場用地等を生み出すというのは、そういう水田をつぶすために、この土地改良法がお手伝いしているというような意味、趣旨ではございませんので、で、私ども考えておりますのは、先ほど来申し上げておりますように、やはり農村におけるスプロール化、それをいかに防止して、農村における土地利用の計画的な、秩序ある計画化をやっていこうというのがねらいでございます。水田の生産調整による水田の問題については、先ほど松元参事官も言われましたように、土地改良の事業を通じまして、水田を畑作に転換する、そういうことは相当現在でもやっているわけでございます。この土地改良のいまの非農用地の生み出しが、直接そういうことをねらってやったんだという意味ではございませんので、ひとつ御了承を願いたいと思います。
#40
○中村波男君 了承するわけにはまいりませんが、これは疑問は疑問として強く私は持っておるものであります。したがって、開田抑制ということはやむを得ざる事態だとは思いまするけれども、そこで見通しを誤ったと言えば、そのとおりだと思うのでありますが、干拓の問題ですね。提出をしていただいた資料によりますと、昭和二十一年以来、現在までの完了地区数というのは、国営、補助干拓を合わせまして、地区数にして百九十五、造成面積三万二千百ヘクタール、事業費は千二百八十八億円ということでありますが、さらに継続中の事業を含めますと、かなり膨大な干拓事業というのが進められてきましたし、まだ進んでおると思うわけであります。そこで、いわゆる米の生産調整、開田抑制、こういうことから干拓事業も新規事業というのは、ほとんど中止をしたと、こういう事態にぶつかったわけでありますが、お聞きしたいのは、いわゆる他目的に供せられた地区数と面積と事業費をまずお聞きしておきたいと思うわけです。
#41
○政府委員(三善信二君) 他目的と申しますのは、水田を畑に転換するということも含まれておるわけでございますか。
#42
○中村波男君 まず農用以外に転用した目的ですね。
#43
○政府委員(三善信二君) 昭和二十一年から四十六年まで完了した干拓地区数は、先ほど申されましたように、百九十五地区でございます。面積が三万二千百ヘクタールでございます。そのうち四十六年度までに他目的に転用を行ないました地区は三十五地区、それから転用面積にしまして二千八百ヘクタールでございます。
#44
○中村波男君 もう一つお聞きしておきたいのは、水田から畑へ、水田以外の作物へ計画変更をする地区数、面積ですね。
#45
○政府委員(三善信二君) 開田抑制に伴いまして、営農計画を変更し、畑を造成するというふうにしましたのは、地区数におきまして二十一地区、それから面積にしまして開田計画面積が一万九千八百ヘクタール、これは昭和四十五年度以降の話でございますが、一万九千八百ヘクタールから一万六千九百ヘクタールを開田計画をやめた。それで畑に転換するような計画に変更したということでございます。
#46
○中村波男君 私は干拓事業について、まだ詳細な実地調査もしておりませんし、不勉強のそしりは免れないわけでありますが、干拓事業が二十一年から急速に伸びた、また急ピッチで施行されたという背景は、食糧難、米が不足しておるということにあったと思うわけでありますが、しかし、もう一つ私は高く評価しておりますのは、何と言っても日本の農業の脆弱性というか、国際農業として太刀打ちできない大きな原因というのは、零細性にあると思うんですね。したがって、絶対量が耕地として不足しておるという点にあると思うのでありますが、そういう点では、いわゆる干拓をやることによって耕地の造成、それだけ経営規模の拡大につながるわけでありますから、私は少なくとも、すでに実施設計が行なわれて、工事が着手されたものについては、やはり中止をしたり、農業以外に転用を強くはかるような考え方はやめるべきだ。したがって、米が過剰でありますから、米の生産ということについては、いろいろ問題がありますが、やはり農業用地としてこれを活用する、うまく利用するということをやれば、事業をやめる必要というのはないんじゃないか、こういうふうに、これは私の私見でありますが、考えておるわけです。したがって、せっかく調査をし、実施段階で中止をしたという個所もあると思うのでありますが、それらの点について、もう少し具体的に実態というのをお示しいただきたいと思うわけです。
#47
○政府委員(三善信二君) 干拓事業につきまして、四十五年から生産調整の進行に伴いまして、開田抑制という措置を講じて、計画を変更し、これを畑地造成に切りかえていくというのが、現在の実態でございます。それはやはり一方では、そういう米の生産過剰に対応して生産調整までやっているのに対して、一方では依然として水田の造成ということをやっているのは、これはいかにもアンバランスなやり方で、行政的には一貫したやり方ではないというような問題も当然ございますし、また、他方において畑作経営の一つの合理化、近代化あるいは効率化、こういった問題を進めていかなければならない事態にもありますので、その両者をやはり勘案しまして、畑地に切りかえて、そのかわりに畑地として営農が十分できていくように十分調査もし、計画も立てて、現在その事業を実施しているというのが現状でございます。
 ただ、他目的の場合は、これは先生も御承知のように、最初から干拓の計画と、それから最初から他目的の計画が両方ほかの角度からあった、それを工事として、事業として一緒にやったということで、事業費の負担等は別に他目的の場合は、そちらのほうから事業費が出るわけでございますが、そういうやり方をやっているところも現にあるわけでございます。この前、調査に行かれました笠岡の干拓などがその例でございます。それから、他目的の転用の場合に、実は、開田で干拓を完了した、完了したけれども、その地域的な、あるいは立地的な条件から、どうしても予定したその入植者等が確保できない。もっとも事業をやります場合には、そういう点は十分調査をしてやるわけでございますが、入植者の確保ができない、あるいはそれに加えて、情勢の変更によって、その地帯はもはや農業地帯ではなくなってきたというような場合に、事業を完了したあとにおいて他目的に転用するというケースもあるわけでございます。そういうような実態でございまして、私どもはこの干拓をやります場合に、やはり本質的にはそういう農用地の造成、これは規模拡大あるいは地元の方からすれば、地元の増反、そういう面もございますし、あるいは新しい地区にそういう新しい経営をつくっていく、モデル地域を形成していくというようなことも考えて、一般的には当然農用地をつくっていくというのがねらいでございますが、それを、いま申し上げましたようないろいろな情勢の変化、あるいは当初から他日的な工事も一緒にやったほうが効率的であるというような場合も加えて、いろいろなやり方をやっているわけでございます。
 そういうことで、干拓につきましては、現在開田抑制以来、新しい新規の干拓の地区を新しく調査を始めて、そしてやっていく計画は、現在のところございませんし、また、それに必要な適地も現在のところそう予定にのぼっているわけでもございませんが、現在手がけている事業につきましては、できるだけ早期にこれを完成さしていくというふうに考えているわけでございます。
#48
○中村波男君 いま、農地局長のお話では、水田計画は畑地転用等で予定どおりどんどん進めていくのだというお話でありますが、私たちが聞くところでは、佐賀県の有明干拓の福富地区、熊本県横島地区、佐賀県の土浦地区等は、入植を打ち切ったり、それから営農計画の変更によって有形無形の損害を与えたし、混乱を引き起こしておると聞くわけです。
 それから八郎潟は、御承知のように開田打ち切りで、四十五年度に第五次入植が中止になってから、モデル農村建設はやめた、しかし、その後、あとの干拓地のいわゆる営農計画といいますか、施業計画というのは、まだ宙に浮いておる。畑でやるんだという構想は、あるようでありますが、具体的に畑地としてこれを活用し入植をさせていくというような計画は、一とんざを来たしておるというふうに聞いておるわけでありますが、これは違っておりますか。
#49
○政府委員(三善信二君) 失礼でございますが、いまのお尋ね、八郎潟を特にお尋ねのことだと思いますが、八郎潟につきましては、いま先生言われましたとおりに、五千ヘクタール現在未利用地として残っているわけでございます。この五千ヘクタールにつきましては、私ども畑地として利用したい、畑地のモデル経営をここで創設したいということで、研究会もつくりますし、営農の計画等も現実に相当審議をしてきております。また、現地の八郎潟の実験農場においては、畑作物としてどういう作物を導入するかということで、この栽培実験をやっております。現在たとえば具体的にはタマネギとかあるいはバレイショあるいは牧草、そういった畑作物の試験実施をやって、わりあいいい成績をおさめているというのも事実でございます。それから畑地経営にするためには、やはり圃場条件というものを、もっと乾燥をよくしていくと申しますか、乾田化していくというようなことが必要でございますし、そのための事業として、現在、圃場造成準備溝ということで、一応明渠排水路等をつくりまして、一応かわかしたあとで第二次的にまた圃場造成をやっていく、こういう手間のかかったようなやり方も、現実に事業内容としてやっております。
 それから、そういう畑作の営農形態を現実的にどういうやり方をやっていくかについては、もちろんモデル地区をつくりたいと思っておりますので、大規模の経営、その配分面積にしても、現在の検討の結果では、約最低十五ヘクタールぐらい配分したらどうかという意見も出ております。その場合には、また入植者も募集するということになるわけでございますので、そういう十五ヘクタールか二十ヘクタールの配分ということを考えて、それの何戸か、たとえば四戸集まって協業をし、大型機械を導入して、それで近代的な畑作のモデル経営をつくっていくというようなことも、現実に研究いたしております。実験農場でそういう大型機械も動いて、そういう実験をいたしておるような状況でございます。したがいまして、まあ、水田の造成を一応現在やめまして、畑地の造成ということに切りかえておりますから、まあ、一とんざを来たしたと思われる節もあろうかと思いますが、現実には、私、いま申し上げましたような方向で畑作経営のモデル地区を造成するための事業を現在、促進をしてやっているというような状況でございます。
#50
○中村波男君 まあ時間もありませんから、その他の問題については、本日は質問を続けませんけれども、私が考えますのに、せっかく長い年月をかけて調査をし、ばく大な国費を投入して工事が進んでおる中で、これを農業以外に転用することを強く考えるとか、あるいはそのために既定の計画というものが大きく後退をして、しかし、農地として使わなきゃならぬということで、無理な転作計画などを考えることがあるとすれば、これは私は、たいへんなことだと思うんですよ。したがって、なるほど米は余っておりますが、しかし、十アール十俵も十二俵もとれるところが目の前にある。片方は、十アール三俵か五俵のところが、たんぼとして残されておるといういろいろな面があると思うんですが、したがって、生産調整というのは、別な時点で私は考えるべきだ。したがって、無理のない営農計画、水田として最も適地で、それとかみ合わせる営農計画というのが、この干拓地に必要だというならば、私は、それを大胆に進めていいんじゃないか、こういうふうに考えるわけであります。これは大臣から答弁いただかなくとも、私の意見として大臣にお聞きとり願いたいと思うんですが、そういう意味で、いわゆるいやな言い方でありますが、国民の血税をつぎ込んで国策に順応するという立場で、干拓事業は進んだわけでありますから、これを最大限に生かす、活用するという観点を少なくとも農林省は忘れてもらっては困るんじゃないか、こういう私の意見を申し上げて、次の水利権の問題について少しお尋ねしてみたいと思うわけであります。
 いまさら申し上げるまでもなく、農村の都市化、兼業化の進行などによりまして、水利統制のゆるみ、さらに水利制度の大規模化など、他産業との水利用の競合、都市用水の利用の増大などによって、いよいよ複雑になってきていると思うんであります。しかしながら、農業水利権は現行法制上、明確になっていない、不安定そのものであることは言うまでもありません。したがって、私たちは今回の土地改良法の改正にあたって、この水利権を明確にされるんじゃないか、明確にされることを期待をしたのでありますが、またまた今回もこれを逃げて通ったと、根本的な水利権というものに対する措置というものは私はとられておらない、いわゆる施設の共有という点が一歩前進をしたといえばしたのでありますけれども、これでは根本的な解決にはならないのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。したがって、従来の建設省の水利権に対する見解、いわゆる公水としての一本やりの考え方からいたしますならば、今回の土地改良法の改正措置によってほんとうに水利権というものが確立されるのかどうか。これは逆に言えば、紛争の種を今度は農林省と建設省の間に大きくするのじゃないかというような懸念さえ私は持つのであります。したがって、そういう点は十分、いわゆる法律改正はないけれども行政レベルにおいて話がついておる、心配ない、こういうことであるかどうか、お聞きしたいと思うのです。
#51
○政府委員(三善信二君) 今回の国営の水利施設については、これは全体ではございませんけれども、同一の水系におきまして、一方では都市用水側の要望が非常に強い、付近にダムをつくろうとしても、なかなかその用地もないしダムもできない。片や都市近郊で、農業のほうでは、農地は相当転用されており、いままで使っていた農業用水というものは、非常に余裕が生じてきた。こういう特定の地区と申しますか、一般的な地区でございませんで、そういう実態が非常に明らかに出てきているような地区について、この法改正で施設について共有の持ち分権を与える。これは土地改良施設について共有持ち分権を与える。それで水利権につきましては、現在の河川法に基づいて河川法の許可を得て新規に水利権を……、水を分けるほうですね、水をもらうほうの水利権につきましては、河川法上、新しい新規の水利権を取得する、そういうことでこの改正に織り込んだわけでございますが、そういうことをやってもこの水利権問題がまだ解決していないので、非常に実態的にそごを生じてうまくいかぬのじゃなかろうか、こういうお尋ねかと思いますけれども、たとえて申しますと、土地改良施設について持ち分権はこれは与えよう、ただし、水利権のほうが伴って、その水を分けてもらうほう、そっちに与えられない、そういうような問題が現実的に起こって、かえって紛争の種になるのじゃなかろうかという御質問かとも思いますが、その点は事前に河川管理者と十分協議をして、こういう共有持ち分権も与え、水利権がはっきり新規の利用者に対して付与されるという前提がはっきりした上で、この措置をやるわけでございますから、そういうトラブルはないように、私ども建設省とも十分話し合ってやっているわけでございます。
 ただ、農業水利権の基本的な解決が少しも今回の法改正でも行なわれていないし、その問題は将来一体どうするのかという一つの御指摘もあったかと思いますが、これにつきましては、現在河川法の体系で、農業水利権も保護されているわけでございます。ただ、農業の慣行水利権ということにつきましては、これが相当多数にのぼっておりますし、また、その権利の内容というものは、非常に複雑でございまして、これをどういうふうに今後やっていくかということは、私ども調査をしながら、ひとつ今後の根本的な検討課題としてその検討をしていきたい。その問題はそういうふうに将来の問題としてひとつ検討を進めていきたいというふうに考えております。
#52
○中村波男君 大臣に一つだけお聞きしておきたいんですが、四十五年の二月の閣議において、当時の建設大臣から農業用水と慣行水利権を洗い直して、水の再配分を行ない、総合的な水利用をはかるべきであるという提案がなされまして、内閣審議室において総合的に検討することになっていることは、大臣も御承知のところであります。さらに、建設省は水資源合理化促進法というような立法化を検討中であるとも伝え聞いておるわけであります。このような建設省の公水という立場での水利用の合理化案に対しまして、農業用水の権益及び農業用水の合理化等について農林省としてどのように対処されようとするのか。少なくとも私は次の土地改良法の改正にあたっては、この水利権をはっきりと規定できるようなやはり研究と検討を十分していただいて、農業水利権、すなわち慣行水利権というのが侵されないように、農林省としては、十分な法制的にも措置をとれるようにお願いしたいと、こういう立場から質問を申し上げるわけであります。
#53
○政府委員(三善信二君) 先に私から答えさせていただきます。ただいま先生御指摘になりました、いわゆる根本構想と申しますか、その問題だろうと思います。で、その後私ども建設省に検討が進んでいるのかということを聞いてみましても、ほとんど検討は進んでおりません。それから内閣審議室のほうでも、実態的な検討は進んでおりません。で、この農業の慣行水利権の問題につきましては、先生も十分御承知のように、その権利内容というものも非常に複雑で、これを簡単に調査するといってもなかなかできない。ただ、この実態調査をいままでやってきているのは、むしろ農林省だけじゃなかろうかと思っております。そういう意味におきまして、今後もそういう実態調査はやってまいります。で、たまたま現在水利用の合理化の検討会というのを農地局でつくっておりまして、そこで基本的に慣行水利権の実態も踏まえて、一体将来どういうふうにこれを持っていくか、非常にむずかしい問題でございますし、そう簡単に結論が出るということは、これは私も考えておりません。また、早く結論を出して、それが得であるか損であるかということも、これは考えていかなきゃならぬ問題だろうと思っております。そういう点も十分踏まえまして、水合理化の検討会の中で、今後そういう基本的な検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
#54
○国務大臣(赤城宗徳君) ただいま農地局長から答弁申し上げましたように、慣行水利権というのは歴史的なもので、よく慣行水利権で水争いなんかもできたり、ずいぶんやかましい問題でございます。でございますので、いま建設大臣の発言のようには進んでおりませんが、非常に複雑な問題でございますので、研究は十分しなくちゃなりませんので、農地局に農業水利問題研究会を設置いたしまして検討を行なっておりますが、なお昭和四十五年度から農業用水の合理化のための調査を推進しております。また、合理化のための具体策として、昭和四十七年度から農業用水合理化対策事業を実施しておるというのが実情でございます。
#55
○委員長(高橋雄之助君) 暫時休憩いたします。
   午後零時五分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時九分開会
#56
○委員長(高橋雄之助君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 午前中に引き続き、土地改良法の一部を改正する法律案の質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#57
○宮崎正義君 二日間にわたっての質疑が行なわれました土地改良法の一部を改正する法律案につきまして、前任者の方々からいろいろの質疑がありましたから、なるべく重複を避けまして、端的に質問をしていきたいと思います。この要綱の中の「第二」に、「土地改良事業の総合化」ということにつきまして、「農業用用排水施設、農業用道路その他の土地改良施設の新設又は変更の事業は、これとあわせて施行することを相当とするものとして一定の要件に適合する他の土地改良工事を含めて、一事業として施行することができることとするとともに、農用地の造成の事業には、既耕地の区画形質の変更その他の附帯工事を含めることができるものとすること」、こういうふうにうたわれております。そこで、質問に入ります前に、私は、北海道開発庁長官がきょうはほかの委員会でおいでになりませんので、政務次官がお見えになっておりますので、総括的なことを一言お伺いしてみたいと思います。
 長官が二日に北海道に来られて、三日帯広空港から自衛隊のヘリコプターで中標津空港に向かい、空から十勝中部の穀倉地帯あるいは根室地域、新酪農農村建設予定地を見たあと、陸路根室市、納沙布岬を訪れた。そして北方領土の復帰と北方海域の安全操業についての要望と、あるいは産炭地等の企業の誘致、工場誘致等のことについても知事のほうから陳情を受けたりされておるということが、長官が行かれてから私どもも承知していることでございますが、そこで長官がちょうどヘリコプターで飛ばれているときに、私はその地上で現地を一生懸命に見ておったわけでございます。頭上にヘリコプターが飛んでいるので、ああ、だれが乗っているのかなというふうに思っておりました。それが長官でございました。あとでわかったわけでございます。そこで、いま私が申し上げますように、連休にもかかわらず北海道開発のために大きく力を入れてくださっている長官の、北海道のこの根釧原野といいますか、そういう方面における酪農という農業政策に対する基本的な将来にわたっての考え方を伺っておきたいと思います。
#58
○政府委員(上田稔君) 北海道におきましては、酪農につきましては、酪農に適したところをひとつ大いに開発をしていこうという考え方から、特に北海道の北部の天北地域を中心にいたしました地域、との地域に対しまして、それからまた、根室と釧路との地域――東部の地域でございますが、この地域がやはり温度があまり上がりません。そういう関係で、やはり草地にしなければいけない。したがって、この地域はやはり酪農に適するのじゃないか、こういうことから、大きく酪農としてやっていこうと考えておりますのは、北部の地域と東部の根室、釧路地域、この二地域を考えておるわけでございます。そこに大規模の酪農の農地を開拓していく、こういう考え方でございます。
#59
○宮崎正義君 私は、もっと新酪農村建設地域のあり方、今後の位置づけ、構想の様子、そういうものをもう少し具体的にお話を伺いたいと思うわけです。と申し上げますのは、今回、土地改良法一部改正に伴う国営総合農地開発事業計画を進められております。これに対する考え方をあわせて、どんなような地域構想を持っておられるか、その点を伺いたいのであります。
#60
○政府委員(上田稔君) 根室・釧路地域につきましては、根室中部地域といいまして、いま現在考えておりますのは、非常に大規模の草地開発を考えておるわけでございます。これは、いままでは北海道では大体一世帯について三十町歩くらいなものを考えておったのでございますけれども、この根室中部の計画では、大体一世帯五十町歩くらいの大きさにして、そして一町歩に一頭、こういう考え方でいきたい。そして外国に負けないようなそういう安い酪農といいますか、そういうものを北海道に建設していく。こういう考え方でやっておるわけでございます。
#61
○宮崎正義君 いま、お話しがありましたですが、いま答弁をされたことの内容を、私がこれからの質問の中に徐々に、いろいろな角度から、いまの御答弁の裏づけといいますか、そういうものを求めていくようになると思いますので、具体的な事例をもって進めたいと思います。
 そこで、農地局長にお伺いをいたしますが、私は特に広範囲な問題でありますので、一部の地域に限定しまして、そこから将来のあり方というものをきめていかなければならない。また、その計画を立てていかなければならない。これからの土地改良法という、土地改良事業というものの目標、方途というものも、一地区の例を話して、それを全体とは言いませんけれども、その中には全体に通ずることが当然あるはずでありますし、そういう観点の上から、問題を一地域にしぼってお話を進めたいと思います。
 現在まで施行されております開拓パイロット事業の当初計画から、現状とあわせて今後の、どういうふうな変更になっていくかという計画を示していただきたいと思います。これも先ほど申し上げましたように、特に浜中町の茶内地区、これらにしぼっていきたいと思います。
#62
○政府委員(三善信二君) 浜中町の農地造成事業の問題だと思います。この地区は、当初国営農地開発事業として昭和四十一年から四十二年に調査を行ないました。で、経緯を申し上げますと、四十三年に全体設計をやりまして、四十四年より着工をいたしております。農地造成に関する既耕地の整備を含めまして総合的に開発をやる。もちろん、ここでは私ども酪農の開発をやろうということで計画したわけでございますが、四十六年度になりましてから、やはり隣の茶内第二地区と申しますか、そこで一体となって既存の畑地の圃場整備等も含めて広範囲な総合的な土地改良事業をやったほうがいいということで、非常に地域を広げまして四十六年から新たにスタートをして今日に至っているわけでございます。そこで、具体的には、当初の茶内第一地区と申しますか、そこの総事業費が三十六億。端数は切り捨てさしていただきます。それから、農地造成の面積が三千三百ヘクタール、五十年度までで大体その事業を完了するというような計画でおりましたが、先ほど申し上げましたように、四十六年度から隣接地区も含めて一体として事業をやるということで、現在は総事業費九十六億円。それから農地造成が五千七百二十三ヘクタール。畑地の圃場整備、これが五千四百五十二ヘクタール。トータルとしまして総事業費が九十六億円に対し、圃場造成あるいは既存の畑地の圃場整備を含めまして一万一千百七十五ヘクタール。これを五十二年度までに実施完了をしたいということで、現在事業を実施しているという状況でございます。
#63
○宮崎正義君 そのいまお話しがありました九十六億に対する――四十三年度から基本計画を決定されて、四十三年度、それから四十六年までの間の予算措置と、当初計画された予算と、それから実際予算化していったその事業費の様子を、もう少し具体的に説明をしてもらいたいと思います。
#64
○政府委員(三善信二君) 事業費としましては、先ほど申し上げましたように九十六億円。それが四十六年度までの予算としまして七億五千二百万を実施しております。四十七年度は六億六千万を予定して事業を実施しておる。まだ全体の九十六億円に対して進捗率はあまりよくございません。といいますのは、これは四十六年度に隣の第二地区を合わせて一体的にやろうということで計画変更したわけでございますが、その際に、いろいろ計画変更に手間を要したという問題もございまして、事業費ベースでは非常におくれております。そういう状況でございます。
#65
○宮崎正義君 この第一次、第二次の開パの計画というものは、四十八年で終了するという予定でございましたですね。
#66
○政府委員(三善信二君) 当初の計画は五十年に完了する。で、第二地区を合わせまして五十二年で全体をやるというふうになっております。
#67
○宮崎正義君 わかりました。その五十二年で総合計画が完成されれば、いままでの大体平均頭数の一戸農家当たりが二十二頭というのが、一戸当たり五十頭という平均になっていくというような考え方を発表をされて、期待を私は持っております。いずれにしましても、いままでの経緯から見ていきまして、九十六億当初予算があって、それが五十年、今度延びまして五十二年になるということだと思うのですが、いま五十年とおっしゃいましたけれども、第二次の総合計画を含めて五十二年になる。そうしますと、九十六億から先ほどおっしゃった七億三千七百二十六万六千円ですか、それを引いてみても、一年間の予算というものが十八億なければ、五年で割ってみても十八億なければ、これはやれないわけです。五年間で割ってみても、平均十八億弱になるだろうと思うのであります。こういうふうな考えの上からいきますと、四十一年に当初計画をされてから、四十六年にさらに第二次計画を総合に含めていって、今度は五十二年にするというふうになってきますと、やっている間にいろんな計画変更をされてくるということになると、毎年平均に十八億なくちゃならないものが、はたして十八億実際に予算化していくことができるのかどうなのか。これができないとすれば、この事業というものは、また、いままでやってきたことが計画どおりにいってないということをはっきり証拠が裏づけられると、私は思うわけです。そこで、こういう事業は、ある工事にはどっさりいっときに金を費やさなければならぬ、また、あるものに対しては徐々に金を出してもよろしいというようなことになっていくのは、これは私が申し上げることもありません。そういうことから考えていきまして、当初は、やはり多額の予算というものを傾注していかなかったら工事は進まない。ですから、こういうことから、四十七年、四十八年にどんなふうな予算措置をして計画をしていって、このおくれてきている事業を取り戻していくかということを説明を願いたいと思います。
#68
○政府委員(三善信二君) こういった大規模の事業になりますと、やはりいろいろな実施設計、全体設計をやりましたあと、当初の工事というのは、そう一挙に進めるということはなかなか困難な場合が多うございます。やはりその工事の進捗状況に応じて予算も増額していくということが基本的な私どもの考えであります。で、四十七年度は六億六千万を一応予定をいたしておりますが、先ほど先生が御指摘になりましたように、五十二年に完成するとしたら、残りの年数で十数億つけなければ間に合わないんじゃなかろうか、こういう御指摘もございましたが、やはり事業の実施の状況、進捗の度合い、その現地の事情、それぞれ違いますので、そういう実情に応じて予算も増額をし、事業も促進してまいるというふうに今後いたしたいと思います。
#69
○宮崎正義君 「いたしたいと思います」とおっしゃいますけれども、実際上この事業がおくれているのが実態なんです。ですから、いま私が聞いているのは、四十七年、四十八年にどんなふうな事業を開発していってそこに金をつぎ込むか、その計画を知らせなさいという私は質問をしているわけです。
#70
○政府委員(三善信二君) 事業内容としましては、まず道路をひとつ当然これはやらなければなりませんし、それから、本体が農地造成事業でございますから、農地造成事業、これを、圃場整備を含めまして農地造成事業をやります。それからさらにまた、残っております明渠排水の事業、これも相当金がかかりますし、そういった事業をやはり同時に実施していくというようなことに考えております。
#71
○宮崎正義君 いま答弁がありましたように、それでは、道路だとか明渠とかあるいは土地改良に要しているいままでの予算と同時に、おのおのの事業というものが何%程度にできているか。
#72
○政府委員(三善信二君) 農地造成、明渠排水それから道路、別々に分けて、どの程度の予算の進捗状況であるかということでございますが、四十六年度までの実施の概略のこれは数字でございますが、四十六年度までの実施概要としまして、主要工事が道路約十六キロメーター、それから排水路が約十キロメーター、それから農地造成が五百八十三ヘクタール、これを合わせまして、先ほど申し上げました七億五千二百万、四十六年度まで一応事業費として支出したということでございます。で、事業の進展の、これをパーセンテージで申し上げますと、事業費のパーセントでは、進捗率が四十六年度までに八%、それから道路が七%、明渠排水の施設が一五%、農地造成が一〇%、まだこの進捗率は、きわめて進んでおらないというような状況になっております。
#73
○宮崎正義君 こういうふうに一つ一つ詰めていきますと、だんだんと非常に予算措置の問題もそうでありますし、事業の内容等も相当おくれているということがわかってくると思います。これはもう一地方だけじゃない。各方面にわたってやはり同じことが言えると思うんです。
 そこで、大体道路のその面積、道路の状態からいくと、道路が六〇%、それからその支線道路というのが四%、それから明渠が三〇%、支線はゼロ。それから耕地造成というものが一八%。こんなふうに私どもは、あの現地で調査してみておりますけれども、これが進捗状態の姿だと思うんです。それから、予算の面でいきますと、局長がお答えになりましたので省略いたしますが、いずれにいたしましても、こんなふうな現況の中に、今回の改正法の中の第二条の改正がございます。第二条のこの法律の改正、これをちょっと御説明を願いたいと思います。
#74
○政府委員(三善信二君) 第二条は、土地改良事業の事業の種類を規定しております。今回の改正におきまして、総合的にこの事業をやれるというようなことをここでうたっているわけでございます。従来は、土地改良事業というのは一工種一事業と申しますか、それぞれの事業においてそれぞれの手続をとり、やってまいったわけでございますが、今回の改正によりまして、総合的に、それを一時に一つの手続でやれるというふうに、手続上の簡素化をはかったというようなわけでございます。
#75
○宮崎正義君 ですから、その簡素化やるならどれをどのように変えようとするのかですね。
#76
○政府委員(三善信二君) 例で申し上げますと、従来は、未墾地を対象とする農地造成事業、それから既耕地を対象とする圃場整備事業、または、かんがい排水事業を総合して行なう仕組みがあったわけですが、今度は農地造成事業そのものにこれを合わせて行なう必要がある。既耕地を一緒にすることができる。既耕地も一緒に農地造成事業と合わせてやっていくということができるようにしたわけでございます。
#77
○宮崎正義君 いまお話がありましたように、ひっくるめてやりやすいようにやっていくというふうに端的に受け取っていいと思うのですが、そうしますと、いままでの法律の面からいきますと、二条の2の一のところに「かんがい排水施設、農業用道路その他農用地の保全又は利用上必要な施設の新設、管理、廃止又は変更」、このように2の一のところにございます。これらのことを簡便にするために今度は「土地改良施設」という形で変えていこう、こうするわけでございますね。その点、伺っておきます。
#78
○政府委員(三善信二君) そういうことでございます。
#79
○宮崎正義君 そうしますと、「土地改良施設」といって、いままでの、早くいえばかんがい排水施設だとか、農業用道路だとか、あるいは農用地の保全だとか利用だとか、必要なものを全部ひっくるめてそういう一体化した中でやっていこうということになるわけですが、そこで、私は非常な問題が出てくるのじゃないかと思うのです。たとえば、この明渠にしろ暗渠にしろ、当然規定していかなければならない、きめていかなければならない、別々にやっていかなきゃならないような事業というものは、やはりひっくるめて一つの中にかためて、そして、早くいえば、「土地改良施設」というその文字の中に全部を含めて入れてしまうというのじゃなくて、やはりその中で、このものはこういうふうな施行令を持たなければならないとかというような行き方をしなければならないのじゃないかと思うのですが、この点、私の申し上げていることがおわかりになるでしょうか。
#80
○政府委員(三善信二君) まあ、従来のやり方でもやれるわけでございますが、合わせて一緒にやったほうがいいというような場合には、当然一緒に合わせてやれるということにしているわけでございまして、まあ、一緒にやるためにいろいろなトラブルが起こるというような具体的な事例というのはどういう場合かよく私もわかりませんが、もしそういうことがあれば、これは別々に取り上げていくということも可能であるわけでございます。
#81
○宮崎正義君 先ほど明渠排水の話が出ましたのでお伺いしたいのですが、この茶内地域の明渠の規模といいますか、規格といいますか、そういうふうな、早くもっと端的にいえば、この工事を契約いたしておりますその仕様書といいますかは、上限下限の幅はこういうふうにしろ、川底はこういうふうにしなさいというふうな、そういうふうな規定がつくられて契約をされているのじゃなかろうかと思うのですが、明渠に対する規格といいますか、道路でいえば道路構造令とか、そういったようなものがあるのかないのか。その点、伺います。
#82
○政府委員(三善信二君) この茶内地区につきましては、この幹線の排水路が、大きく分けて二つございます。一つはオラウンベツの幹線排水路の計画でございますが、これは最大通水時は毎秒二十五トン、それから水深二・〇八メーター、のりの勾配約二割、そういうことで、もう一つのノコベリベツ幹線排水路計画断面より小さくなっております。ノコベリベツ幹線排水計画断面は、最大の通水時が毎秒七十一トン、水深が二・六メーター、のりの勾配が二割ということで、こちらのほうが大きくなっておりますが、それは実情に応じてそういう一つの計画をつくってやっているわけでございます。
#83
○宮崎正義君 もう一回お伺いしますけれども、オラウンベツのほうは二十五トンですか。
#84
○政府委員(三善信二君) はい。
#85
○宮崎正義君 そうして二メーター〇八ですか。これはもう一回、この点、二メーター〇八というのは何なのか。
#86
○政府委員(三善信二君) これはオラウンベツ幹線排水路の計画の断面でございます。
#87
○宮崎正義君 断面ですね。
#88
○政府委員(三善信二君) はい。最大の通水時がいま申しました毎秒二十五トン、それから水の深さ、これが二・〇八メーター、それからのりの勾配が二割ということでございます。
#89
○宮崎正義君 そこで、大体想像がおつきになると思うんですが、この明渠に対する、私先ほど言いましたように、構造規格というものがあるんでしょうか。
#90
○政府委員(三善信二君) 明渠に関して画一的な構造の規格というのはございません。ただ、そこの現実の実情に合わせてどのくらいの大きさにしたらいいか、そういうことを当然調査をし、計画をつくってやるというのが現状でございます。
#91
○宮崎正義君 そこで、私の考えるのは、普通明渠というと、本州のほうでは小さいものを考えるんですがね。いま断面で御説明がありまして、どれだけのものかということもおわかりだと思うんですが、そこで一応の規格というか、基準というか、そういうものをつくっておかなければ、これは私は将来大きな問題が残るんじゃないか、このように思うんですがね。この点もう一回確認をしておきたいと思うんです。
#92
○政府委員(三善信二君) これはやはり現地の状態で、わりあい広いそういう明渠排水路でございますが、どの程度の広さにするか、それは、たとえば十年に一回の最大雨量が来ても耐え得るような設計にするかどうか、そういう設計のやり方は、いろいろあるわけでございます。やっぱりその地域のそういった排水に伴ういろんな条件、そういうのを考慮して計画をつくるということでございまして、何か画一的な規格品的なことでやるようなものではなかろうというふうに私は考えております。
#93
○宮崎正義君 私の問い方も悪いんですが、普通私どもの見ている小さな明渠――北海道のような明渠になりますと、この現地なんかだと、相当規模が違うわけですね。それで、建設省の河川局伊藤課長さんですか。――この二級河川につきまして河川法にもちゃんと出ておりますね。第五条で、「この法律において「二級河川」とは、前条第一項の政令で指定された水系以外の水系で公共の利害に重要な関係があるものに係る河川で都道府県知事が指定したものをいう」、あとずっと七番までありますけれど、この河川のやはり建設ということになれば、当然建設省でおやりになると思うんですが、地域における明渠なんというのは、どんなふうにお考えになっておりましょうか。
#94
○説明員(伊藤晴朗君) 御存じのように、河川法の中で河川と申します際に、この河川法の三条に、「一級河川及び二級河川をいい」と書いてございます。その一級河川並びに二級河川の定義は、一級河川については第四条、二級河川につきましては、いま御指摘の第五条にありますとおり、特定の水系にかかる河川。これは、一級水系の場合は、政令で指定した河川につきましてさらに政令で指定をされる。二級河川につきましては、重要な水系につきまして河川を都道府県知事が指定をいたすということになっておるわけでございますが、ここで、その指定をすべき対象となる河川につきまして、第四条の一項にございますように、「公共の水流及び水面をいう」と書いてございます。この意味で、河川法が適用される河川、これはほかに準用される河川もあるわけでございますが、いずれの場合も、自然的に「公共の水流及び水面」という性格を持っておるものがその対象になりまして、さらに法律の手続によって指定されたものが河川法にいう「河川」ということになろうかと思うわけでございまして、ただいま御質疑が行なわれております排水路等につきまして、規模等いろいろ問題はあろうかと思いますが、ここでいう「公共の水流及び水面」というものに該当するかどうかということで河川法上の適用がきまってくるのじゃなかろうかというふうに考えております。
#95
○宮崎正義君 それでは、私、図面を持っているので……。開発庁の現場作業をやった人のほうから聞きたいのですが、さっき局長の言われたのはこれですね、ノコベリベツ。これがオラウンベツ。この工事が、先ほど申し上げましたように、どのような工事設計に基づいて、どのような契約をされているのか、これは農林省のほうで。実際施工したほうは、開発庁の現場の作業になっております。――私が全部言います。そのほうが早い。大臣、これ見てください。――そこにお示ししましたように、その幹線明渠排水という事業のもとに河川改修をやっているんだと、こういうふうに私は見たわけなんですが、これは違っているものかどうか、私の見た考えが違っていれば違っているとおっしゃっていただきたい。
#96
○政府委員(三善信二君) これはやはり農業サイドから、農業開発のための明渠排水路でございます。河川改修的に一見見えるようでございますけれども、やはり農業用の明渠排水として実施しているわけでございます。したがいまして、一般の河川改修の場合には、やはりその河川のあれも大きい河川をやっておられますし、農業用の場合は、やはりその農業の土地利用的な面を考慮しながらやっておりますので、多少やり方においてきめこまかいと申しますか、そういう点はあろうかと思います。で、単なる河川改修というような事業ではないと、私どもは、そういうふうに考えて事業を実施しているわけでございます。
#97
○宮崎正義君 それはもう局長の立場では当然そうおっしゃられるのはあたりまえでございましょう。この曲がりくねった小っちゃなものを縦線の一本の線に変えていったわけです。
 そこで、いま建設省の水政課長、あれをごらんになりまして、この写真の状態から見てどうお考えになりましょうか。
#98
○説明員(伊藤晴朗君) 問題になっている川は、私どもの河川からいきますと、風蓮川という河川の水系だと思いますが、風蓮川につきましては、四十六年の三月に北海道知事が二級河川に指定をしておりますが、その区間は、風蓮湖と称する海面から上流約七・五キロ程度ということを聞いております。ただいま農林省のほうから聞きますと、浜中町の農地開発事業でございますか、これが行なわれております区間は、さらにその上流十五キロから二十キロ地点だそうでございまして、そういうことになりますと、この自然の水流、水面といたしますと、それは河川法の適用される河川でない、いわゆる普通河川というものであろうかと思います。で、普通河川の場合でございましても、もちろん自然の川なりということで、河川そのものには間違いございませんが、通常の場合、普通河川につきましては、河川法にいわゆる河川工事というものは行なわれておりませんので、ただいま農林省の農地局長のほうから言われましたように、これが特定目的の農業用水路ないしは農業用排水路として事業をいたしますことも可能かと考えております。
#99
○宮崎正義君 あれは風蓮湖へずんぶん落ちていくらしいです。お話しがありましたね、風蓮湖のほうにずっと落ちていく。私は、いま規模の点を伺ったわけですがね、その点、どうなんですか。
#100
○説明員(伊藤晴朗君) 先ほど御説明申し上げましたとおり、河川工事でやるか通常の農業用のかんがい用水路事業等でやるかという点につきましては、必ずしも規模等できまってくるものではないと思います。本来その性格によってきまってくるものかと思いますが、もちろん、これが河川工事という性格を持ついわゆる不特定公共のための工事をするとか公害の除却軽減ということになりますと、もちろん比較的大規模な工事が行なわれることが通常ではございますが、その区別は、必ずしも明確な規模による基準というものがあるものではないと思います。
#101
○宮崎正義君 そうしますと、あくまでも認定して、「公共」ということと「指定」ということで二級にするとかというようなことになるわけですね。
#102
○説明員(伊藤晴朗君) お説のとおりでありまして、通常県知事のほうで、この河川法の五条にいう「公共の利害に重要な関係がある」河川については、河川法による二級河川として指定をいたしまして、国の補助金等をつけて、いわゆる公共事業としての河川工事が施行されるわけでございますが、ただいま御指摘の川等につきまして、まだ北海道の場合、こういう種類の原始河川というものが非常にたくさんございますために、北海道の河川事業がそこまで至ってないのではないかと考えます。
#103
○宮崎正義君 開発庁政務次官のほうにお伺いしますけれども、いま課長の言われたとおりなんですが、北海道の実情というもの、この点について御承知の点があれば御説明願いたい、実情について。
#104
○政府委員(上田稔君) 北海道につきましては、河川につきましては、非常にいままで手が入っておらないというのが実態でございます。特に北海道は泥炭地が非常に多うございまして、改修を完全にやるためには非常に金のかかるという川が非常に多いわけでございます。しかも、人家がある程度まばらでございますので、そういったような関係もあって、やはり声が出てくるのが非常に少ないというような関係もあったりして、いままで非常におくれておったんじゃなかろうかと思うわけでございます。そして、しかも、どの川でもでございますが、平たん地に来ますと非常に蛇行をいたしまして、大きくこう曲がっておる。たとえば石狩川にいたしましても、ほとんどがもう蛇行を直していくといいますか、直に直していくような工事、これがおもな改修工事というような形になっておるわけでございます。そういうところにいままで金を使っておって、なかなか護岸まで及んでおらないというのが実態でございます。したがいまして、これから大いに北海道のほうも、河川のほうに力を入れていただきたいということで、ことしの四十七年度の予算におきましてもそういう点をお願いをしておるわけでございます。
#105
○宮崎正義君 伊藤課長にお伺いいたしますが、その写真を見ていただきますと、二級河川以上の私は規模と見るんです、この施工方法からいきましても。こういうふうなことが現に行なわれておりまして、そしてその農林省のほうと河川局のほうと、何か、全然もうノータッチなんだ。農政局のほうはノータッチなんだ。そっちでどんなような河川に類するといいますか、私たちが見れば河川だと思うようなものが現に行なわれておっても、知らないでもよろしいということはないだろうと思うのですがね、この点、どうなんでしょうか。
#106
○説明員(伊藤晴朗君) お説のとおりでありまして、かりにこれが河川法上の河川であります場合はもちろんのこと、河川法上の河川でない、先ほど申し上げましたようないわゆる普通河川につきましても、これが公共の水流、水面であります場合に、そこに特定の目的のための用水路、排水路事業等を施行されることにつきましては、河川法なり普通河川の場合には、通常は都道府県の条例に基づきます許可、これは開発局の場合ですから、当然協議ということになろうかと思いますが、そういう形で御相談はいただいておると思います。
#107
○宮崎正義君 そこで、いま話がありました。農地局長、協議を行なわれたはずでありますね。この明渠をやるのには協議を行なってやるようになっているわけですね。これが、じゃ、いつの時点で、何回、どのように行なわれているかというようなことをお調べになったことございますか。
#108
○政府委員(三善信二君) いつ協議をしたか、何回したかという点、いま手元に資料を持ちませんので、早急に調べさせていただきたいと思います。
#109
○宮崎正義君 そこで、初めの問題に戻ってまいりますと、その明渠についても、この種のもの、またこの程度のものというような、早くいえば構造上の私は施行令か何かがあっていいんじゃないか、こう思うわけです。というのは、当然現場へ行ってごらんになればすぐわかりますが、川と変わりないんです。全然河川と変わりないんです。それで構造上も、写真にありますように要所、要所はコンクリートで打ってありますけれども、くずれているところなんかは、どんな工事をやったのか、工事の施工内容がわかりませんと、この工事は不正なのか、設計どおりやったのか、仕様書どおりやったのか。やったとすればあんな事態にはならないと思うのです。しかも、ことしは雪が非常に少なかったんです。したがって、雪解けの水も非常に量が少ないんです。少ないのにかかわらず、そのような、ごらんのような破壊をしているわけです。ですから、この費用が、私の見たところによりますと、これは予算上の面で見てみますと、明渠排水の四十六年度までが一億五千九百二十六万六千円なんです。早くいえば一億六千万円なんです。これが、それじゃ、そのお金がこんなに使われておって、これはまた来年に持ち越すか、修理をしなきゃならないでしょう。修復をしなきゃならないでありましょう。先ほど伺いませんでしたけれども、国が幾ら負担して、道が幾ら負担して、受益者――地元が幾ら負担しているか。率の面からいって考えてみましても、これは地元は特別会計で約八億くらいしかないんです、一年間、財政規模が。その中で地元負担ということになって、もしそれがしわ寄せされ、さらに工事が延びてくるということになると、農民一人一人に負担というものがかかってくる。さらに、工事は、一年やったものが全部だめなんだからもう一年ということになってくる。こんなことが繰り返されていったならば、いかにいい法律を立案をされていこうとも、農民を苦しめるだけだと、私は、こう言いたいわけなんです。農林大臣、いかがでございましょう。
#110
○国務大臣(赤城宗徳君) 私は、現地をよく見てませんが、私の地元なんかでやった経験から考えますと、こういうものは中小河川に編入してもらうことが一番。そうして中小河川に編成してもらえば、建設省で、農民の負担なしで、私の地区の排水機なんか、つくりまして、この間竣工しました。これは中小河川より小さい糸繰川という小さい川ですが、中小河川に編入しまして、そうしてずっとやって排水機の大きなものをつくりまして、この間完成しました。地元の負担はなくて済んだんです。そういう方法をやはり地元でとっていったらどうかと思うんですがね。これはいま写真で見ると、当然中小河川に編入されるべき相当な河川だと思います。普通河川のようですが、そういう方法でいくよりほかないと思うんですね。ですから、中小河川やなんかに編入されないと、どうしてもいまの農林省関係でやれば、地元の負担が、いまのところでは負担せざるを得なくなって、地元の人たちが苦しむというか、困る。こういうふうに私、考えました。これは考え方です。いまどうこうということではございませんが、そういうふうにさせたらどうかと思うんです。
#111
○宮崎正義君 非常に当を得た私は大臣のお話だと思います。私も、そのように、できることならば一刻も早くそれを認可の方法をとっていただくようにして、地元民を安心をさせてあげるということが何よりも大事ではなかろうかと思うんですが、建設大臣も来ておられませんので、大臣がおいでになれば、大臣と大臣とのお話し合いで、あうんの呼吸でおわかりになると思うのですが、残念ながら隣の委員会においでになりますので、そういう点、私もちょっとものさびしい思いをたしますが、いずれにいたしましても、いま大臣の御答弁がありましたように、明渠だという形で、中小河川に当然これは見ていかなければならないんだ。もう土地の土質だとかあるいは土地柄、そういうものを見ていけば、当初設計されるときには、これは当然わかると思うんです。わからないわけではないと思うんですがね、農地局長。
#112
○政府委員(宮崎正義君) やはり設計するときには調査をまずもっていたしますし、その調査に基づいてこれはやるわけでございますので、いろいろな点はそれははっきりわかるわけでございます。わかるわけでございますが、不可抗力的な問題も中には出てくる場合もありますし、ことしは融雪が少なかったという点をおっしゃいましたが、そのようでございますが、やはり調査の段階からやっても思わぬ不可抗力的な原因によってこわれる。これは、のりがくずれたケースでございます。そういうこともあろうかと思います。くずれたところについては、私ども、四十七年度、できるだけ早い機会に補修工事をやりたいというふうに現時点では考えておる次第でございます。
#113
○宮崎正義君 ですから、私先ほどから言っておりますように、契約の仕様書があれば私もっと中に入りたいんです。これは決算委員会じゃありませんので、あばくために言っているんじゃないんです。これは当然年度がたってきますと、決算委員会の爼上にあがってくるでしょう。それはそれとして、私は、こういう総合計画のもとにやっていく改良事業というもの、不可抗力であったからそういうふうにくずれてしまうと言うなら、予測されないものだと言いますけれども、あの写真をごらんになればおわかりのように、全部下の、下端は水の当たったところが全部くずれている、水の流れているところが全部くずれているわけです。しかも、カーブでないところもコンクリートがこわれている。中に流れているわけです。カーブのところでえぐられております。それから、土手も随所に歩けないように土手がくぼんでおります。こわれているわけです。そうしますと、これは設計上のミスなのか、工事人のミスなのかということになってきますけれども、私は、そういうふうなことをいま取り上げたくないわけです。現地の人は苦労なさって、あの荒野で吹きさらしの中で工事をやってこられたということは、私はわかる。がゆえに、そういう方に対しては、私はとやかく言うわけじゃありませんけれども、少なくとも国営という名がついておって、それの設計がどうであったか、施工していることがどうであったかというようなことがわかっていなければいけないんじゃないか。しかも、ヘリコプターであの上を飛んでいるわけです。私は、下から見ていたんですから、ヘリコプターを。そういう実情が、私はほんとうの現地視察であれば、将来に大きな手を打っていく一つの、私は考え方だと思うんです。そういう意味から、私はこれ言っているわけですから、そしてさらには、このいまの地域におきましては、先ほども申し上げましたように、五十二年になると頭数が五十になって、そして販売額が、単価生産量とか、あるいは価額だとか、販売量だとか、全部こまかく数字が出ております。五十頭に対して単位生産量は四・六とか、そうして単価は、これは四十六円で、いま四十七円で、補償金が七円七十銭つけておりますが、これはちょっと違っておりますけれども、販売量が二百二十八トン、しかも、販売額が百四十九万八千円になるという、これがA型、B型、C型というふうに分かれております。B型が三十九頭、C型が二十九頭という理想図が農家の人に与えられているわけです。五十二年にはこうなるんだよという大きな明るい希望を持たして、これを農家の人たちにわからしていく。ところが、実際はどうかといいますと、この五十二年にC型で二十九頭と言いますけれども、これにならないんです。いまの実情というのは、C型の以下の以下でございます。農家の方の生活の中で、実態というのは。そういうところでまざまざああいう工事を見て、そうして自分たちの税金が、自分たちの納めている組合員の金が、むざんにもこういう形の上で使われているということを現実に見ているわけです。夢は与えられておるけれども、現実に立ったところが、ずるずる土手がくずれておるみたいに不安定だ、こういうふうなことから考えていきましても、私は、国営の総合農地開発事業というものに対して、全国どれくらいあるのか、この点を伺っておきたいと思います。
#114
○政府委員(上田稔君) ちょっとその前に。よろしゅうございますか。
 たいへんこういう工事をやっておりますのは、私どもの下の建設局で担当いたしておりまして、設計につきましては、私どものほうはちょっとわからないのでございますけれども、局のほうは、私どものほうから人が行っているというか、私どもの下の者でございまして、そこで、こういうことが起こりまして、たいへんに申しわけないと思っておる次第でございます。よくその点につきまして、調べまして善処いたしたいと思うわけでございます。しかしながら、先ほど二級河川にすぐするようにというお話がございました。二級河川と申しますのは、これは道が管理をする、道の知事さんが管理をされる川でございます。したがって、これは道の機関にはからないといけない、そういう問題がございます。したがいまして、これにつきまして道といろいろ私どものほうからもお話を申し上げ、お願いをいたしたいと思いますが、早急にここでだいじょうぶであるということは、ちょっと申し上げかねるのではなかろうかと思っておるのでございますが、まあ、極力いたしたいと思っておる次第でございます。
 次に、設計上の問題でございますが、いろいろと宮崎先生のお話を聞いておりますと、前に蛇行した川であった。これをある程度直に直しておるように思うのでございまして、そういうふうになりますと、川というのはやはり前の性格が出まして、蛇行しておる、その埋め立てたところ、そこにやはり元の水が当たっていくという性格を持っております。したがいまして、そういうところを埋め立てたところというのは、やはり下からやられていくという性格が非常に強うございます。したがいまして、そういうところについては、特に入念に設計をしていかなければならないのじゃなかろうかと思うのでございます。この写真を見せていただきますと、おそらくこわれているところは、そういうところではなかろうかと思うのでございます。その辺のところの少し心使いが足らなかったのではないかというふうに思われます。こういう点をひとつ十分に建設局のほうに注意を与えて、そうして、こういうことが起こらないようにさせていきたい、特にこれを見ておりますと、泥炭層でやられたかと思っておりましたら、下のほうに砂れきのようなものが出ております。必ずしも泥炭層がやられたのではない。したがって、これはやはり湾曲しておったのを埋め立てたところ、そこへ水がまた当たっていくということが原因のように思われますが、十分に注意さしていきたいと思います。
#115
○宮崎正義君 この農林省の建設の方々を、私は個人的に絶対に責めてはならないと思うのです。そのことを一つの基盤として、よりよい技術研さんというか、先ほど農地局長の言われたような、土質とか、地質とか、そういうものの研究というものを、これを一つの基盤にして、一歩深く研究をしなければならないのじゃないか。河川局の専門家の技術者も、私はその農林省の建設部の技術者も、私は技術の点においては、これは技術者としての資格といいますか、力といいますか、そういうものは私は同じだと、こう思いたいのです。また、そうでなければならないと思うのです。そういう面から考えまして、できたことは、今度はそれをよく変えていかなければならない、そういう立場で現地の人を責めないようにひとつお願いをいたしたいと思います。
#116
○政府委員(三善信二君) 国営の農地開発事業を行なっております現在やっている地区は、全体で五十五地区でございます。
#117
○宮崎正義君 開パからいまのような総合農地開発事業というふうに切り変わってきたのは同数ですか。開パ事業をやってきて、それで総合農地開発事業に切りかえたというのは。
#118
○政府委員(三善信二君) この茶内地区みたいに切りかえたというのは、ほかにはございません。国営の農用地開発事業、これを通称開パ、こういうふうに言っているわけでございます。ここみたいに当初の計画と次の計画を一緒に大きくして一体的にやっているというのは、たしかほかにはないというふうに思います。
#119
○宮崎正義君 北海道のことばかり言って恐縮ですけれども、恵北地区はどうなんですか。
#120
○政府委員(三善信二君) この地区は、最初から総合農地開発事業でやっております。
#121
○宮崎正義君 だいぶ時間がたちまして、えらいことなんで、次に進んでいきたいと思います。これらを進めていきますのに、やはり農家の生活を守っていくということから、事業をまた推進をしていく一つの大きなめどともなっていっております財政、要するに資金関係の問題でございますが、たとえば長期貸付金制度というものがどのくらい種類があるか、あるいは受託農林漁業資金というものがどの程度の種類があるか、また農協ではどの程度の種類の貸し付け制度があるか、そういうことをお答え願いたいと思います。
#122
○政府委員(三善信二君) 先生御承知のように、この事業はもちろん補助金がついておりますし、国の補助とあるいは道負担、都道府県負担等も当然ついているわけでございます。地元負担というのは、市町村がその一部を持つ場合もございますし、そういうことで、補助金のシステムが一つあるということは当然でございます。そのほか関係いたしまして土地改良につきましては、特に土地の取得資金に対する融資というのは、これは当然長期の融資がございます。それから、いま申し上げました補助金の残、農家負担になった場合に、その補助金の残額について、補助残について、公庫から農家が借り入れるという資金もございます。それから、こういった開パ、農用地造成については、上物の施設が当然伴いますので、そういう意味で、個人施設について近代化資金、その他共同利用施設資金、そういうものも公庫資金としていろいろあるわけでございます。特にこういった農地開発の場合には、そういう基盤整備に伴う補助金融資と同時に、やはり上物の施設ということも大事でございます。そういう点も現在いろいろの融資をやっているというような状況でございます。
#123
○宮崎正義君 基金のほうの人を呼ばなかったんですから、その程度のお話、御回答だろうと思うのですけれども、長期貸し付け金の近代化資金とか天災あるいは農林漁業資金とか、あるいは酪農振興資金とか、あるいは農家経済振興資金だとか自立安定資金その他とか、一ぱいありますね。それからさらには、受託農林漁業資金ということになりますと、自作農資金とかあるいは敷地取得資金だとか、あるいは開拓継承資金だとか総合施設資金だとかマル寒資金だとか、こう一ぱいあるわけです。こういう一ぱいの名目で農家の人は借金しています。どこからどう借りているのだかわからないけれども、借金の総額だけはわかる、さらに、そのほかには組合で少々手形等で借りるものもありますし、それから組合員勘定で借りているものもありますし、これらひっくるめて私の借金が幾らだと、こう言っているわけです。この茶内あたりは一戸当たり平均が約六百万借金をかかえている。これは大型ですから、六百万ぐらいたいしたことないとおっしゃるかもわかりませんけれども、これはえらいことなんです。こういうふうな実情の中で、農協の組合の参事の人なんか、これはたいへんです。一人一人の借金が幾らあるかなんていったら、一人の人が借金の帳面をめくるだけで、一日かかったってめくれないくらいの借金の台帳がある。
 そこで、大臣に私は希望を申し上げたいことがあるのですが、農林漁業資金の草地改良の累年貸し付け分の統合なんというのはどうなんでしょう。してもらったらどうかと思うのですが、どんなものでしょうか。
 それからもう一つは、こういったこまかい資金がいろいろなやつが出ております。統合できるものは、統合していくようにひとつお考え願えないでしょうか。
#124
○国務大臣(赤城宗徳君) 資金にはそれぞれ目的といいますか、使用目的があるのですから、できるだけその目的に沿うたように整理するということが、私は必要であろうと思います。また、いろいろ私も調査して検討さしてみたいと思います。
#125
○宮崎正義君 局長どうですか、具体的にはどれとどれとが統合できるんじゃないかとお考えになったことがありますか。
#126
○政府委員(三善信二君) いま大臣が申されましたように、いろいろな種類の資金がございますけれども、その資金はやっぱりそれなりにその目的がございますし、それの限度もあるし、それから金利の問題等もやはりいろいろ資金の性格、内容に応じてきめられているというのが現状でございます。これはもう先生、御承知のとおりでございます。
 こういったいろんな資金を統合するかどうかという問題については、これはなかなかむずかしい問題でございまして、具体的にはやはり総合的にひとつ貸すような場合には、総合資金的制度もこの公庫資金の中にあるわけでございまして、やはりこの農家が借りる場合に、そのいろいろ分けて書いたほうが便利な場合もございますし、限度等もございますので、なかなかむずかしい問題だと、私、現実に思っております。いま先生、おっしゃいましたこの茶内地区の営農の実態、農家がそういう六百万円ぐらい平均借金をしているんだというような御指摘がございましたが、そういった面、私どもひとつ実態を一度調べさしてもらいたいと思っております。
#127
○宮崎正義君 なぜ私、こういう問題出しましたかというと、土地改良事業のことで金が一番使われるわけなんです、大体において。ですから、特に将来のお考え方をどのようにお持ちになっているかということを伺っておいたわけなんです。で、この点につきましては、関係の局長がおいでになりませんので、細部にわたっては質問を省略をして新換地制度、換地制度ですね、の問題についてお伺いをしたいと思います。
 「どのように抜本改正されるか、土地改良法改正法案国会提出」、全国土地改良事業団体連合会から出ていますこういうパンフレットです。これの八ページ、九ページ、これに基づいて、先ほどの、明渠をつくっていきます。あんな大きな明渠をつくっていきますと、換地制度ということがやはり取り上げられてくるんじゃないか、こう思うわけです。と申し上げますのには、土手があります。土手なんか何と見なすんでしょうか。土手をどういうふうに見なされるんでしょう。先ほど明渠がありましたね。あのわきに、両方に築堤ができている、歩けるようになっている。トラックが通ってもだいじょうぶぐらいの道幅があるわけですよ。
#128
○政府委員(三善信二君) それは土地改良施設で、やはり排水施設の一部であるというふうに見るのが至当だと思います。
#129
○宮崎正義君 なぜ、こういうことを聞くかといいますと、道路法の中に、御存じのように、堤防が規定されてないんです。ただ、通称土手というのは道路だというふうに見なしているだけであって、法律上に規定されてないと私は思うんです。そうしますと、水路の一つであるのだといういまの答弁によりますと、規定されてないから水路の一つであるのだというふうに解釈していいのですか。道路法の構造令の中にはないのです。これは隣の建設大臣に来てもらえばすぐわかるのですが。
#130
○政府委員(三善信二君) それはやはり先ほど申し上げましたように土地改良の施設そのものとして考えるのが一番適当であろう、そう考えたいと私たちは思っております。
#131
○宮崎正義君 これは道路法の道路構造令から話をすれば、また問題が違ってくる点がありますが、まあ場所が違うのでやめますけれども、そこで先ほど午前中にも水利権問題が出ておりました。この改良されていきましてから、換地造成をされたものに対して当然水利権問題が生じてくると思いますが、慣行水利権というものの考え方をいま変えなきゃならない。当然工場が出てくれば、工場が農業用水の他目的に使われてくるということは、これは当然出てくる。こういう場合の考え方というものを一応伺っておきたいと思います。
#132
○政府委員(三善信二君) 農業用水を必要な場合に他転をするというその他店の目的が、たとえば上工用水あるという場合に、水利権の問題はどういうふうに措置されるかというお話かと思いますが、今度の土地改良法の規定で私どもが考えておりますのは、国営の土地改良施設、かんがい排水施設、その国営の水利施設について特にそういう他転の必要のあるところについてその施設の共有持ち分権を与える、で与えると動じに、その持ち分権だけを与えて、水は与えないというようなことにならないように、持ち分権を与える場合には、あらかじめ河川に基づく水利権が許可されるように、付与されるように事前に十分協議をした上で、そういう手続をとるというふうにして、その間に共有持ち分権と他転先の水利権の問題にそごを来さないように、そういうふうにやっていくことにしているわけです。
#133
○宮崎正義君 この水利権は、中村委員が午前中やっておられましたので、この程度にしておきまして、午前中のこの委員会で岡山へ行きました報告をしましたのですが、その中でちょっとお伺いしたいのは、委員会が始まる前に、先日の当委員会のときに、農地法の第二条です、改良法じゃありません、農地法の第二条で「この法律で「農地」とは、耕作の目的に供される土地をいい、「採草牧地」とは、農地以外の土地で、主として耕作又は養蓄の事業のための採草又は家畜の放牧の目的に供されるものをいう」と、第二条にこのようになっておりますが、そこで、たとえば鶏舎とか豚舎、これなんかに農地をそのまま使うということは、この二条の規制によってできない、地目変更していかなければならないのだというふうに言われておりますが、この点どうなんでしょうか。
#134
○説明員(堀川春彦君) 農地法の適用の問題でございますが、農地を鶏舎、豚舎――これは一応農以外のものということで農地法上は定義づけておりますから、したがいまして、この鶏舎、豚舎の敷地に転用するという場合におきましては、これは農業者がそれを行なう場合におきましては、農地法四条の問題でございまして、農地法の四条には、農地を農地以外のものにするものは都道府県知事なり、面積が大きいときは、農林大臣の許可を受けなければならないということになっておりまして、この許可の運用によりまして許可相当であれば許可をするということになっておるわけでございます。
#135
○宮崎正義君 同じ農業の経営者が鶏舎とか豚舎とか、そういう畜産事業に入ろうとするときに、一々こめんどくさい手続をとっていかなければならないというふうになるわけでしょう。
#136
○説明員(堀川春彦君) いまは四条のことを申し上げましたが、転用につきましては四条と五条。五条は転用目的のための権利の設定、移転でございます。四条は農地を持っている人が農地以外のものにする行為、こういうようなことを主にした規定でございます。この二つの条文によりまして転用規制ということをやっておるわけでございますが、その目的は再々申し上げておりますように、できるだけ優良な農地をあるいは集団的な農地を保全をいたしまして、他の利用との調整をはかりつつ、そういった保持すべき、保全すべき農地を残していきたい、かような趣旨から出ているわけでございます。
 ところで、豚舎、鶏舎というようなものでございますが、そういう施設を利用いたしまして養豚を行なう、あるいは養鶏を行なうということは、これは畜産業という農業であるということになっておるわけでございますが、これは従来農業者であった者がそういうことをやる場合もあります。そうでない場合ももちろん企業的に農業の土地でやるということもあり得ます。したがいまして、こういった農地を農地以外のものにする場合におきまして、農業者が非常に小規模のこういった施設に転用をする場合におきましては、これは省令をもちまして許可除外にいたしておるわけでございます。したがいまして、許可の手続を要することはないわけでございますが、しかし、相当大規模な施設ということになりますと、こういった宅地的な利用ということをやる場合におきましても、その究極目的が養畜の事業という農業でございましても、これは一応転用規制をかけるのが適当である、かような形で許可制になっておるわけでございます。ただし、農業者が非常に集団農地のどまん中にたとえば豚舎をつくりまして、まわりに被害が及ぶというようなことがあってぐあいが悪いというような特別な場合は別でございますけれども、しかし、この許可制で、申請をいたしますれば許可をされる場合が大部分であろうというふうに考えております。
#137
○宮崎正義君 その規模ですがね、どの程度の規模なんですか、その認められるというのは。
#138
○説明員(堀川春彦君) 現在の農地法施行規則で二アールと定められております。
#139
○宮崎正義君 そこで、休耕地を転換農業をやっていくために永年であれ、また単年度的にこの休耕地を変えていく場合ですね、これに対する今度は考え方というものにいろんな考え方が出てくるんじゃなかろうかと思うんです。この点についてどんなふうにお考えになっていますか。永久転作の場合にはこうである、単年度転作の場合はこうなるんだと、この活用面はどんなふうになっていくかですね。
#140
○説明員(堀川春彦君) 農地法との関係をお尋ねだと思いますので、それについてお答えいたしますと、たとえば野菜等に水田を転換をするというのは、やはり農地の利用を続けるわけでございますから、農地の転用というような問題は何ら起こらない。問題は、永久転換の中で植林転用というようなことで、農業と言えない形で転換をはかるという場合があり得ます。かような場合におきましては、これは農地を農地以外のものにすることでございまするので、これは転用の許可にひっかかるわけでございますが、私ども政策的にただいま米の過剰ということもございまして、生産調整を農家の御協力を得てやっているということでございまするので、こういう場合には非常に最大限の優先順位をもちまして、植林転用につきましては許可をする。もちろん場所が非常にぐあいが悪い、そういう特殊な事情があれば別でございます。
 それからなお果樹を植えるというのも、永久転作の一つでございます。これも農業的利用を続けることでございますので、何ら農地法上の転用許可の問題にはひっかかってこないということでございます。
#141
○宮崎正義君 植林、果樹の問題はわかりますが、私、たとえば鶏舎とか豚舎に変える場合、永久転作として金がどうなるのかということなんです。
#142
○説明員(堀川春彦君) ちょっとお答えがあるいは不正確かも存じませんので、もし不正確でございましたらあとで訂正さしていただきますが、養魚池にするというような場合におきましては、これは農地法上からいいますと、転用でございます。農地を農地以外のものにする行為でございまして、転用ではございますが、これは生産奨励金は支払うということに相なっております。それから鶏舎、豚舎あるいはその他の宅地ということにつきましては、鶏舎、豚舎はたぶん宅地転用というような扱いで、生産奨励金の支払いの対象になっておらないのじゃないかと思いますが、この点至急調べまして御返事申し上げます。
#143
○宮崎正義君 これはいろんな事例があるんです。ですから私、伺っているわけなんです。知ってて聞いているのは非常に意地が悪いわけなんですけれども……。これはよくお調べ願って、奨励金をもらっているとか、もらってないとかいう事例もよくお調べになったほうが、私はいいと思うんです。それから、それが公平であったかどうかということをお考え願えれば、私の質問の内容はおわかりになると思う。ですから、今度将来に向かって、コンクリートを打って建物を建てて、そういう鶏舎なり豚舎なんかをつくっていくということが農用地として適用していき、コンクリートを打っているから農耕地ではないんだというような区分けというものも、これは明確に将来はしていかなきゃならない。同じ農業の経営者で、同じ人が同じ所で、片や水田をやり、片や鶏舎、豚舎を経営しているということになりますと、土地改良にも融れてきますし、農地法の問題点にもだいぶいろんな問題点が生じてくるというふうに思うわけです。この点、将来の課題として私は伺っているわけなんです。この点についてもう一度お願いをいたしたい。
#144
○政府委員(三善信二君) 先生のお尋ねは、将来の問題として、農地の転用規制の問題、たとえば豚舎、鶏舎、そういった問題も含めた事項について、どういうふうに将来考えているかというお尋ねだろうかと存じますが、先ほど来管理部長が御説明をいたしておりますように、やはりこの問題は、私は考え方として二つあろうかと思います。で、一つは、やはりそうやってルーズにしていくことによって、たとえ農家の人が自分の農地を畜舎にしていくというような場合でも、これは面積が非常に広いとか、それからやはりそういった場合に抜け穴的な一つのことが起こってこないだろうかと、これは非常に何といいますか、老婆心的な一つのあれかもしれませんけれども、そういう問題もいろいろ現実問題としてやはりあり得るわけでございます。まあ、いろんな角度からやはり検討をしてみなければならないとは思っておりますが、直ちに、それじゃ農業者が使うんだから、そんなのは簡単じゃないかと、すぐ農地法の転用の基準を直したらどうか、あるいは許可除外にしたらどうかと言われましても、その辺将来の問題としていろいろの角度からやはり全般的な農地法上の問題の一つとして検討をいたしてまいりたいと思っております。
#145
○宮崎正義君 いずれにしましても、この二条の規定も相当ゆがめられているわけです。それを今度転用していきますと、四条、五条がありますけれども、これは手続上とってもかかるのです。非常に日数がかかります。そういう点もあわせて、御存じだと思いますけれども、御参考にしておいてお考え願いたいと思います。同時に、先ほど申し上げましたように、永年転作あるいは単年度転作として豚舎、鶏舎がつくられているというような形態もお調べ願えればいいと思います。
 それから、次に入ってまいります。きめられた大体時間が三時ということでございますので、あと少ししかないので、問題が相当残りますので、あさってまたあらためてやりたいと思います。で、これはまたお聞きするとずいぶん長くなりますが、午前中に干拓の話がありまして、中村委員のほうからも秋田の干拓のことが質問にありました。このことにつきましては、また十一日の日にゆっくりといろいろな角度で、また今後の干拓事業のあり方ということに対処するために質問を申し上げたいと思いますし、いまは、午前中局長が御答弁なさいました中で、これだけを聞いてきょうは終わりたいと思います。
 干拓事業をやる面の中には、最初から水田造成というものを目途にしてやっていくもの、それから片方では畑作造成というものを考えて両面からいく場合、それから、さらには最初から他目的があったという形態でやっていった干拓事業がある。それが笠岡市の場合のようなものだと、こういうふうに午前中は答弁がございました。秋田の場合の干拓は、先ほど伺いましたこの三つの中のどれに当たるのでしょうか。
#146
○政府委員(三善信二君) 八郎潟の干拓につきましては、当初の計画は先生御承知のとおり、やはり水田の造成ということを主たる目標としてやったわけでございます。
#147
○宮崎正義君 そうしますと、この八郎潟のことで十一日にやるには、もう一つだけ伺ってみますと、水田の目的のために、そこが、八郎潟が適地適作であるという面から対応できる自信があってかかったんだと、こう了解してよろしゅうございますか。
#148
○政府委員(三善信二君) もちろん、そういうことでございます。
#149
○宮崎正義君 時間ですから、十一日の日にまたこの問題は時間かけてやりたいと思います。きょうは、私の質問を終わります。
#150
○辻一彦君 土地改良法の改正について、二、三点を御質問いたしたいと思います。
 まず、土地改良法改正案の具体的な問題に入る前に、若干赤城農政の中心と言われた農業団地の問題、すでに多くの委員からも質疑が行なわれて明らかになっておるのでありますが、問題に入る前に、二、三点だけ確認の意味で大臣にお伺いしたい、こういうふうに思うわけであります。
  〔委員長退席、理事亀井善彰君着席〕
 第一は、いままで農林大臣が変わりますと、新しいことばが出てくる場合が多い。その場合に二つありますが、一つは従来農林省がやっておる政策、そういうものに新しい装いをつけるというか、ことばをかぶせてやっていくが、中身はいままでのやり方と変わりがないという場合があります。もう一つは、農業を取り巻くいろいろな内外の情勢、そういうものに対応して新しいことばと同時に、その中身が新しい構想であるというこの二つがあるのですが、赤城農政の目玉と言われる農業団地構想というものは、その二つのうちのどちらの一つに当たるのか、まずお伺いいたしたいと思います。
#151
○国務大臣(赤城宗徳君) 別にそのつどそのつど名前を変えてやるというようなことじゃなくて、農業の本質から考えて、こういうあり方でいくべきじゃないか。ですから、いままでのいろいろ言われたことも十分含まれておる点も相当あります。たとえば農業基本法などに言われていることなどの要素も十分含まれて、農業団地構想というものを出しておるわけでございます。
#152
○辻一彦君 まあ、従来のも含まれておるということでありますが、それを含んでおったとするなら、たとえば、いままでの農業構造改善事業の中にいろいろある問題が取り上げられている、これは当然だと思いますね。それで農業団地と従来言われておった農業構造改善事業ですね、この差というものは、私はわかったようでちょっとわかりにくい点もあるのですけれども、いま一度大臣にひとつお伺いをしたい。
#153
○国務大臣(赤城宗徳君) いままでの構造政策の中に含まれている一つの大きな問題は、自立経営農家の育成ということだろうと思います。
 私は農業というものは、農業の本質は農業によってその生活ができると、こういうのが一つの必要な条件であり、もう一つは、農業というものが、農業に従事しないものにも食糧を供給すると、こういうので初めて農業だと思うのです。そういう意味で自立経営農家として経営が大きくなって、そうして農業の収入で農家がまかなっていけるという方向へ持っていくというようなことは、これは農業の本質だと思うのです。ところが実際において自立経営だけでやっていけるか、また、自立経営の育成が十分いっているかといえば、土地問題や何かでそういっていません。それからもう一つは、実際問題として自立経営農家でばかりいっていませんから、経済の成長下において、兼業農家というのが八〇%以上、八五%にもなっておる、こういうのが実態だと思います。しかし、農家として自立していけるという方向は、これは失ってはならない問題だと思います。それを構造的に一個人でやっていける、あるいは団体的な経営によって経営規模が、団体としての経営規模を大きくしてそういう方向にもっていけるかどうかという問題が、自立経営農家とあるいは団地経営農家との差であろうと思うのです。そういう意味において、私は、団地経営というその個人、個人の形でなくて、一つの共同的な作業やその他あるいは経営の範囲といいますか、経営の規模ですか、そういうものを共同的な形でやっていって、自立経営、個人としての自立経営でやっていけないことを補っていくというか、そういう形でやっていくべきだと。そういう意味におきましては、団地経営というような考え方でいかなくちゃならぬじゃないか。
 もう一つは、農業者というものは、農業者以外に食糧の供給をしているわけでございまして、消費者も非常にふえておる、あるいは全部が消費者と言ってもいいくらいで、そういう点から考えますと、やっぱり農業全体としての農業生産の需要と供給のバランスがとれなくちゃならぬ。バランスをとるという意味におきまして、米のように、これは非常に喜ぶべきことでございますが、供給が過剰になったというものは生産調整という形で、需要と供給とがバランスがとれるように持っていかなければならぬと思うのでございます。そうでないと、やはり自由経済で――米は統制しておりますが、自由経済下におきますれば、豊作貧乏というような、供給が過剰になって、かえって収入が減るというような豊作貧乏というような形をもたらしてはいかぬ。そういう意味において、需要と供給のバランスをとらなくちゃならぬ。ところが、そのバランスがとれない面もあります。供給が非常に足らぬ。こういう面は、やはり自給のほうへ持っていって、できるだけ自給度を維持して、そうしてそのバランスをとる方向へ持っていかなくちゃならぬ。こういう意味におきましても、需給のバランスをとる、あるいは、何といいますか、選択的拡大といわれている畜産とか、あるいは果樹とか、あるいは野菜とか、そういう供給が十分でない面を増していこうというような面にも自給度という観念が入ってくると思います。それを考えると、地域生産指標というものが、適地適作的な指標というものが必要になってくる、自給度の面で。そういうことを考えますと、これをやはり団地的にやっていかなければ、自給度を維持していくということもなかなか困難になってくる。野菜なら野菜の指定産地を団地化して、なお強力に団地化していく、こういうことが必要になってくる。あるいは畜産においてもそうです。果樹においても必要である。こういう方面から考えますると、自給度を増す、あるいは需要供給のバランスをだんだんとっていこうというような方面から考えても、団地的な経営という方向へ持っていかなければならないんじゃないか。
 そうして、これが特に国際的な関係から自給がなかなかできないものに対しては、自由化の要請が非常に強く押し寄せてきます。こういう点から考えますと、これはまたどうしても生産性が上がらぬと、何といいますか、労働の生産性も上がってきませんと、自由化の波にだんだん押しまくられるというような傾向がございますから、できるだけ国際的に見ても生産性が上がるような農業に持っていかなくちゃならぬ。そういうことを考えましても、個人的になかなかそれで、個人独自でそういう方向へ持っていくというのは、経営の面から見ましても、あるいは労働の生産性から見ても、なかなか困難な面があるから、どうしても団地的にこれを方向づけていきませんと、その点においても、十分とは言えないが、その要請にこたえ得ないというような点もございます。
 でございますから、一つは農業者として立ち行くために、それから需要供給のバランスをとって、農業生産性が安定していくために、そうしてまた国際的に見ますれば、生産性が上がりませんと、自由化の波に押しまくられるというようなことに対処できない、こういう三つの要請から考えましても、農業の経営が、日本のような土地の狭いところ、団地的な形でその三つの要請にこたえていくということが必要でないかと、こういう考え方でございます。
#154
○辻一彦君 官房長が見えれば、この問題少し具体的に聞きたいつもりでおるんですけれども、いま見えないようですから、そのときにひとつ。
 いま、大臣のいまの団地構想については伺いました。そこで、これは農業基本法は生産、価格、構造という三つの柱の上に立っておったわけでありますが、大臣のいまの御発言では、自立経営、・ひとり立ちでやっていく農業というのはなかなかむずかしい。そういう点で、集団というか、団体に重点を置いた団地構想というものが生まれてきたんだと、こういうように受け取ったんでありますが、そうなりますと、農業基本法の非常に根幹であった生産政策、価格政策、構造政策という問題をかなり修正をして、その上にこの団地構想というものが乗っているというように理解をしていいのか、その点どうでしょう。
#155
○国務大臣(赤城宗徳君) 修正というよりも発展さしたというふうに、私は考えておるんです。たとえば、構造政策、いま問題になっている土地改良――構造政策などにおきまして、土地改良というものが非常に必要であり、土地改良におきましては、やっぱり農地の生産性を上げる、したがって、労働の生産性も上がることでもありますが、同時に、土地改良も、基本法にいわれているように、選択的拡大というように、米作から畜産とか、あるいは果樹とか野菜とか、そういう方面へ選択的拡大をさせようという方向へ土地改良も力を入れて、畑作農業という方面に力を入れようということは、一つの構造政策の発展でございます。
 でございますから、農業基本法の問題を修正するというよりも、農業基本法にいわれている問題を発展的、何といいますか、止揚といいますか、アウフヘーベンというか、そういう形で持ってきている考え方であると、私は、自分では考えておるわけでございます。価格の問題でも、生産性の問題でも、それから需給のバランスをとって価格政策を推進していくというような意味ですから、まあ一言でいえば、修正というよりも、これを発展さして、より目的に沿うような方向へ持っていくという考え方を基礎として、こういう構想を持っているわけであります。
#156
○辻一彦君 まあ、止揚という非常に哲学的なことばが出たんですが、生産政策や価格政策については、私はまだ発展的な面があると思います。しかし、構造政策の――いわゆる構造改善事業ではなしに、基本法の構造政策のもとでは、結局、農業外に雇用の場をたくさんつくって、そこへ農民を引き出せば、あとに残った農家の規模が大きくなる、それで自立経営が育成されていく、これが基本だったと思うのですね。それで、協業という問題が当時論議されましたが、農林省の構想としては補足的なものとしてこれを扱っておった。しかし、事態は、いま大臣も指摘されたように、明らかに兼業農家の極端な増加と――たとえは、私の北陸筋をとっても、これは九割以上は兼業農家という形で、専業農家は一割にも足りないという状況になっておる。これは経済の大きな変化の中で起こったわけですが、これだけ兼業農家が増加をしていくという状況ですね。そして、兼業農家は非常に増加する。しかし、完全にその土地から離れ切れない兼業農家がふえるために、農業人口は減ったけれども、農家戸数は依然としてほとんど変わりはないという。だから、当初設定された構造政策というものはなかなかそういう状況の中では進まないという事態が私起こっておると思うのですが、それが発展的に団地構想が出たというふうには、ちょっとその間のつながりが私理解しにくいのですが、もう一度、いかがでしょう。
#157
○国務大臣(赤城宗徳君) 先ほどから申し上げましたように、やはり問題は日本の農業というものは、アジア的農業と昔からいわれておりますように、いわゆる零細農業でございます。零細農業でございまするから、アメリカのような大農的な農業と、農業自体競争力がないわけであります。そこで、農業基本法などによりましても経営規模を拡大して自立経営農家の育成ということを目ざして、そうして、大農経営にはならなくても中農の下ぐらいに少し経営を大きくしていかなければやっていけないのじゃないかという考え方があったと思います。ところが、いまの構造政策等からいって、土地を取得する、農地管理事業団というものはつぶれてしまったのですが、地方に合理化法人みたいなものが各県にできておって、そうして自立経営農家の経営が大きくなるように、離農する人やあるいは土地を手放す人の土地を自立経営農家のほうに買って経営をふやすというような方向を少しは打ち出しておりますが、事実問題として、土地の価格の問題やら、あるいは農業は捨ててほとんど兼業――第二種兼業になっても土地だけは保有しておこう、こういう土地に対する執着というか、意欲はまだ残っております。これは大事なことだと思うのです。そういうようなことですから、経営規模の拡大ということも事実問題として進まない、こういうことが現状です。
 一方において農業だけの収入では生活ができないということで、農外収入に依存するというようなことで兼業にたよらざるを得ない。実際、辻さんのほうでもそうかと思いますが、私のほうでももとの自立農家で農業だけやっている人でも、出かせぎというか兼業農家というか、自立農家でも農外収入を得るために働いておる、働きに出ておる、こういうのが現状でございます。でございまするから、これを、農外の収入を得ないで農業でお互いにやっていける、あるいは農外収入を得られるというようなためには、労働力が相当節約されて農外収入を得る機会が多くなることが、これは兼業農家においても必要だと思うのでございます。そういう点からいいますと、やはり団地的な経営によって兼業農家の兼業収入を得られる時間と機会を多くするということであり、また、兼業農家も農家でございまするから、これを切り捨てるというようなことは、これはすべきことじゃないと思います。やはり団地的な農業の経営の中に入ってもらって、土地だけを提供してもらい、所有権は保有しておっても、利用権だけはみな提供してもらう、利用の面で構造的に利用してもらうというふうなことで農業との接触をまだ持っておくということが必要である、こういうふうに思うわけであります。ですから、兼業農家が団地のほうとの結びつきをどういうふうに自立経営農家との関係で持たれるかというお話でございますが、それは一つの経営規模が団体として大きい中にひとつ入ってもらう。それで、その点は自立経営あるいは構造政策の考え方と根本的にそう違わないと思います。それを発展させた考え方であると私は考えるものでございます。
#158
○辻一彦君 要約してみると、あれでしょうか、農業基本法の構造政策に自立農家育成とそれから協業組織の育成というのがありましたですね。当時においては自立農家育成が中心であり、協業組織が補足的であった。しかし状況の変化の中で逆になって、協業組織の強化というほうがむしろ団地構想として発展的にとらえられていく、こういうように理解していいのでしょうか。そういうように私いま受け取れたのですが、いかがでしょうか。
#159
○国務大臣(赤城宗徳君) ウエートが後者のほうに多くなったというふうにいま御指摘のようでございますが、私は、自立経営農家というものを発展させていけば、実際に個人での自立経営農家というのはなかなか乗れないから、共同的な方面での自立経営、個人的農家じゃなくて、団体的な自立経営というような形に持っていくべきであって、こっちへ重点を置いたというようなことに御解釈願えば、それでもまたけっこうでございますが、実はその全体としての動きを団地経営というような形に持っていくというふうに私は考えておるわけでございます。
#160
○辻一彦君 いまの御答弁の中の自立農家というのは、前は二町歩あるいはそれが底上げになって二町五反、三町歩というふうな状況にだんだん上がっていったのですが、少なくも個人の経営農家を中心としての自立農家であったと思うのですが、いまの大臣の御発言の中では、自立農家必ずしも個人の農家をさすのじゃなくして、全体として自立できるというような大きな意味に広がったように思うのですが、そういう理解でいいのでしょうか。
#161
○国務大臣(赤城宗徳君) そういうように私は考えておるわけでございます。
#162
○辻一彦君 きょうはその問題を深く論議するためではないので、いま関連して若干私官房長にお伺いしたいのですが、いま大臣から、この団地構想についていわばかなりわかりやすく話していただいたわけですが、しかし、一般農民にとりますと、なかなか「構造改善事業」、「広域営農団地」、それから「農業団地」、「総合農政」とずっと一連のことばがたくさん並んで、それらの関係がどうもとらえにくい、わかりにくいという、そういう理解があるのですが、私は、農政の効果をあげるためには、やはり農民にわかりやすくするということがたいへん大事だと思うわけなのです。その点で、これらの一連の団地構想を中心にして幾多の構想をまとめて資料のようなものにしてよくわかるようにしてもらうということ、そういうことはできないでしょうか。きのう私、農林省のそういうものがないかと聞いたのですが、そういう形ではまだまとまっていない。各課ごとにそれぞれ御説明いただいたのですが、それぞれ伺えばなるほどと思うのですが、全体として体系づけてわかりやすくするということが大事だと思うのですが、そういうものがあれば出していただきたいし、なければひとつつくっていただくようにお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
#163
○政府委員(中野和仁君) 御指摘のとおりでありまして、今度の農業団地構想を進めるにあたりまして、予算でも約二億円の普及費をつけております。これをいま具体化をはかっておるところでございまして、きょうも私ここへ来るまで相談をしておったわけでございますが、やはり何といいましても、末端農家に農業団地というものはどういうものかということをおわかりいただくために、各部落には必ず、どういうものかという中身を書いたものが行くように、数十万部まず刷りたいと考えております。それと、中央地方を通じまして、これはもちろん農林省だけでできることではございません。農業団体等集めまして、一緒になりまして推進するというかっこうから、中央の段階、地方農政局の段階、それから県の段階にそれぞれ協議会を置きまして、それから当然村の段階でも、そういう団地構想を進めていく村につきましては、村長、農協長を中心にしましてそういう協議会を開くという考え方でいまつくっておる最中でございまして、もう少ししたらそれらが全部でき上がるというふうに考えております。そのめどを大体今月末というところに置いているわけででございます。
#164
○辻一彦君 そういう準備がされておるならば、ぜひひとつ十分やっていただきたいと思うんです。そこで、それは単に刷るだけでなしに、いまお話では、部落段階にまで――市町村の段階はもちろん――部落の段階にも協議会を置かれるということですね。そうなりますと、たとえば構造改善事業を推進するためのそれぞれの協議会がありますが、そこらの関係というものがどういう位置づけになるのか。そういう点で、今後何年間というような事業として計画的に進めるのか。あるいは、構造改善事業と同じように、あれに準じたような要綱等をつくって進められていくのか。そこらの進め方についてちょっとお伺いしたい。
#165
○政府委員(中野和仁君) ただいま申し上げましたのは普及関係でございます。これを進めていくために、役所としましては当然農業団地の推進の要綱というものをつくりまして、これによって進めたいと考えております。で、先ほど申し忘れたわけでございますが、この要綱が大蔵省とも相談がつきましたときには、全国的にブロック会議等を開きまして、そうして趣旨の徹底をはかりたいと考えております。
 それから、県の段階はともかくとしまして、村の段階に構造改善についてのいろいろな協議会がございます。それを別にやって、これは農業団地、これは構造改善というふうにも私なかなかまいらないと思います。その辺は要綱を練る段階でひとつ十分調整をいたしたいと思っております。
#166
○辻一彦君 ちょっと念のために聞きますけれども、その調整をする場合に、どうなんですか、並列的につくるというのか、農業団地構想の協議会ができるのか。そこらはどんな位置づけになりますか。
#167
○政府委員(中野和仁君) おそらくどの村に行きましても、そういう村の指導者層は似ておりますから、そのメンバーは共通にしてはいかがかと考えております。
#168
○辻一彦君 それで第二に、私は農業団地と土地改良法改正案の関係について若干農地局長にお伺いしたいんです。
 今回の土地改良法の制度の改正というものが農業団地構想というものとどういう結びつきを持っておるのか。あるいはまあこれは継続審議でだいぶ前からかかっておったわけでありますから、ちょっと無理かもわかりませんが、この団地構想というものを踏まえてこういう改正案が考えられておるのか、あるいは、前にかかったとすれば、その後のいろいろ手を加えていく段階でそういうことが考慮されておるのか、そこらのところをちょっとお伺いしたい。
#169
○政府委員(三善信二君) この土地改良法の改正と団地構想との関係はどうかというお尋ねでございますが、先生御承知のように、この団地構想というのは、構造対策の視点からどうしてもやはり機械化とか集団化による経営規模の拡大、そういうことをやっていく必要が基本的にあるわけでございます。そういう面におきましては、やはり何を申しましても、この農業基盤整備事業、これを通してそういう一つの道をつくっていくということがこれは当然のことでございまして、その意味におきまして、大きな一つのこの団地構想のグルンドとして農業基盤整備事業の役割りはあるというふうに考えた。具体的にそれでは今度の改正とどの点がどう関係してくるかというお尋ねだろうと思いますが、たとえば今度の改正法の中に、市長村の特別申請事業という先行投資的な大規模の事業をやるということも改正法の中にうたわれております。また、総合的に土地改良事業をやる――従来ばらばらにやっていたのを総合的にやるという、そういう総合事業の実施、そういった面。団地にも、先ほど先生も言われましたように、小さいものから大きいものまである。高能率生産団地からあるいは広域の流通団地、そういった大きなものまであるわけでございますが、それぞれの面でこの土地改良事業の果たす役割りというのは非常に私は大きいと思っております。特に広域流通団地等におきましては、やはり当然基幹農道の整備というのは中心になっていかざるを得ない。その基幹農道をつくります場合に、従来のようなやり方をやっていけば非常に手間もかかるし手続もめんどうである。で、そういった面については市町村特別申請事業等を活用すれば、これは非常に円滑に実施もいくんじゃなかろうかというような点も具体的に考えられようかと思っております。それと、土地改良事業と流通の施設の関係、そういうのも、やはり同時に土地改良に続いてそういう施設も整備していく必要があろうかと、その場合に非農用地の取り込みあるいはそういう敷地の捻出、そういうことも土地改良法の改正の中に織り込んでおるわけでございまして、そういう意味におきまして、いろいろございますが、やはり土地改良事業及び今回審議をお願いしております土地改良事業法の改正の中に、この団地の今後の事業の推進と非常に関係が深く、むしろそのグルンドとして私どもはこの促進につとめてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#170
○国務大臣(赤城宗徳君) 委員長ちょっと。
 いま農地局長が話したとおりでございます。この土地改良改正法は、農業団地などということを言いだす前からの構想でございますが、当然団地を進める上において必要な方向へ土地改良法を改正していくという形になってきておるわけであります。いまのような流通関係から農道の問題、あるいはこの米の生産調整からいっても稲作の団地的な経営というようなことが必要になってくるし、あるいはまた、土地改良法改正そのものが稲作ばかりでなく畑作に力を入れるというような方向で、先ほど出ましたが八郎潟の問題などもそうでございますが、その他でも野菜とか果樹とかあるいは畜産だとか草地造成とか、そういう方面によくいくように土地改良法を改正しようということでございまするから、前後はしていますが、非常に団地的な考え方の、その方向への土地改良法の改正案であると、私はそういうふうに認識しております。
#171
○辻一彦君 次に、若干改正案の中身に関連して伺いたいと思うわけです。
 一つは、換地制度における非農用地の取り扱いの改善という問題、これはずっと論議された中身であります。若干重複する点もあると思うんですが申し上げたいと思うわけです。現行法で、住宅地や墓地であるとか工場用地、いろいろなものが取り込まれないで、これが改正案ができればそういう不合理さがある程度解消されスプロール化がなくなる。こういう点が改善されるんですね。これは私もその点わかるわけです。しかし、午前中中村委員からも指摘がありましたが、やっぱり従来でも農林省予算の助成によって地元の県、市町村が負担をして、農民が負担をしてこの基盤整備、土地改良をやる。そういうものが、ともすると、せっかくやった農地、基盤整備をやった農地が、こういうものに転用されるということでいろいろ問題があったわけなんですが、やっぱりこの法案の改正によって、これが、午前中も出ました加速度的に住宅や用地の転用にいくんじゃないかという懸念が、非農用地区がふえるんじゃないかと、こういう懸念を一つ持つのですが、そこらの見通しといいますか、どういうふうに局長、お考えになっているかお伺いしたい。
#172
○政府委員(三善信二君) 非農用地の取り込み、またその非農用地を生み出す。そこで、宅地化とかあるいは工場化とか、まあ優良農地がどんどんつぶれていくんじゃなかろうかという御懸念だろうかと思いますが、私どもが考えておりますのは、その優良農地とか、あるいは集団的なそういう農地、それはあくまで保存し、有効的な利用をしていくというその気持ちは全然かわらないわけです。ただ、現状のまま放置しておきますと、ややもすれば都市近郊はもちろん、農村においても農地がスプロール的につぶれていくというような事態が見受けられるわけでございまして、そういう場合に、やはり農業サイドから見て、農業を守り、農用地を、優良農地を守るためには、そういう積極的にひとつ工場用地あるいは宅地用地というような最小必要限度なものはひとつあらかじめ圃場整備の事業を通じて用意しておく、これがスプロール化を防ぐ一つの手段である。こういうふうに考えているわけでございます。ただ、無制限にそれじゃそういう宅地あるいは工場用地の捻出を認めるかと申しますと、これも午前中いろいろ御議論をいただきましたが、やはりそれを目的にこの圃場整備をやるわけでは絶対にございません。農地を守るためにやるわけでございますから、農業サイドから見て、適切な位置にある、あるいは妥当な規模である、そういう一つの歯どめをつけて、この改正法のこの非農用地の取り込み、あるいは非農用地の捻出につきましては考えていきたいと、その歯どめのつけ方、いろいろ中村先生からも御指摘を受けましたが、やはり運用の面で、あるいは指導の面で、非常に私どもこれは十分慎重に考えながらやっていかないと、ややもすれば御懸念のようなことにならぬとも限らない。保証はできません。そういう意味で、私どもは決して野放図に、そういう農地がつぶれていく、宅地化していく、そういうのを促進するためにこの法改正をしたのではございませんということを言いたいわけでございます。
#173
○辻一彦君 農林省はもちろんそれを促進するためにやっているというようなことは私は考えない。ただ、結果として、いままででも農地から非農地への動きがかなりあった。それがさらに促進されるんではないかという懸念があるので、その点、午前中に中村委員からも歯どめについての御論議があったわけですから、これは十分歯どめをしっかりしてもらって押えていただかないと、ただでさえ農地の転用が起こる中で、非常に私は出ていく心配があると思うんです。その点、しっかりやっていただきたいと思います。
 そこで、都市周辺の、私は、農地というものは歯どめをかなりかけましても、もしこれが改正案が成立すれば、かなり流動的に動いていく可能性があると思うんですね。それからもう一つ、山間僻地において、いま生産調整ということで荒らし田になっている、荒らしている田んぼが非常に多いわけですね。こういう水田はおそらく今度は稲をつくるといってもなかなかもとに返らないような荒れ方になっている。そうしますと、休耕で休んでいるのだというものの、それはもうちょっともとに戻らないような荒らし田が全国にかなりふえているのじゃないかと思う。都市の周辺の農地がかなり減少してくる。そして、その外まわりにはそういう荒れ地、荒れた耕地と申しますか、なかなかもとの耕地にならない、そういうものがどんどんふえていく。その両方によって日本の農地の減少というものはかなり起こるのじゃないか。こういうふうに私は考えるわけですが、そういう点で、ここ数年農地から非農地にどのくらい動いたか。さらに、もしこの法案が改正されるとどのくらい動くだろうか、これはちょっとむずかしいことですが。
 それから、午前中も論議があり、いまも論議がありましたが、近年の農地の造成はどのくらいなされてきたか。これからその農地造成をどのくらい見込んでいるか。そこらのプラス、マイナスといいますか、前後になる数字を、ちょっとわかったらお願いしたい。その、どれだけ改正によってふえるかということは、これはちょっとそう簡単に数字が出るものじゃないと思いますが、大まかな数字でもひとつお願いしたい。
#174
○政府委員(三善信二君) まず最初に農地の壊廃の状況でございますが、田畑合わせまして、造成の問題もありますが、ひとつ四十四年と四十五年をとってみたいと思っております。壊廃面積は田畑合わせまして、四十四年は、これは人為壊廃に限りましたが、約九万ヘクタール、それから四十五年は十万ヘクタール。これに対して農用地を造成しました面積でございますが、これは農地開発、それから干拓あるいは草地造成、こういったものを含んでおります。トータルしまして四十四年が四万五千ヘクタール四十五年が四万四千ヘクタールということでございます。で、差し引きしますと、人為壊廃の面積がふえているというわけでございますが、それでは今後一体どのくらいその壊廃等を見込んでいるかというお尋ねでございますが、まずその前に、私どもとしましては、農用地をどのくらい造成する必要があるかということを考えなければいけないと思っております。で、現在そのために基本的にはやはり需給の見通し、それに基づきましてその農地の面積をどのくらいに持っていくかということがはじき出されるわけでございますが、いま土地改良の十カ年長期計画を策定中でございます。作業中でございます。その作業はやはり農産物の需給見通し、十年後の見通しということに基づいてやるわけでございます。その関係におきまして、それじゃ十年後にどのくらい農用地の造成が必要かということの私ども考えていかなければならない具体的数字はまだ出ておりません。ただ一方、壊廃の状況としては、これは御承知のとおり、ここ二、三年、まあ大体四十二年から四十三年、四年、五年と、七万ヘクタールから八万ヘクタール、四十五年になると多少ふえて十万ヘクタールとこの人為壊廃面積がふえていると思いますが、この傾向というのは横ばいより多少ふえていくような傾向にあろうかという感じはいたします。現実問題としてはどういうふうになっていくか、その点はっきりした想定はできませんけれども、まあ壊廃の面積はふえていくであろうという想定を一応考えておいたほうが無難であろうかと思っております。
#175
○辻一彦君 いま検討中であるということですが、大まかな方向として、たとえば四十四年は四・五万ヘクタール、四十五年四・四万ヘクタール、これだけの農地造成をやった結果、それより上がるのか下がるのか、どっちなんですか、これは。
#176
○政府委員(三善信二君) これが一がいに言えないと思うのです。全体の農用地面積を十カ年後に土地改良長期計画に合わせてどの程度に持っていくかというのが、取りきめなきゃならない一つの大きな問題なんです。そこから、そのつぶれるのを想定し、そしてどの程度の農地が不足するからそれをどう造成をしていくか。まあ、非常に簡単な例でいけば、つぶれるのと造成するのと一緒に見るとか、そういうこともこれはあり得るかもしれませんけれども、そういういろいろな今後の見通しと作業との過程においてつくっていくということになりますので、一がいに言えないという気がいたします。
#177
○辻一彦君 それじゃ需給の見通しという場合に、私は飼料――の需給ということ日本全体の食糧というか、これを考える場合、非常に重大な問題だと思うのですね。なるほど、米は現在において一応余裕はある。しかし、えさ全体を考えれば、たいへんな量を外国から輸入している。そしてその需給の見通しは、えさ等の粗飼料生産を含めて需給の見通しを立てられておるのか。そこらは一体どうなのか。その中でどういう農地の必要性を計算しているのか、そこをひとつ答えてください。
#178
○政府委員(三善信二君) お説のとおりでございまして、それも含めております。現に先ほど申し上げました草地造成、これはやはりそういう需給事情を反映して毎年造成面積はふくらんでおる。ただ問題は、畜産局長なんかも非常に困っておられますけれども、それはなかなか用地の確保、それが非常にできにくくなっているというような現実の問題はあろうかと思います。そういう問題をやはり草地造成する場合にどういうかっこうで解決していくか、または、やりやすくしていくかというようなことも今後の草地造成の一つの問題点ではなかろうかと私は考えております。
#179
○辻一彦君 えさの生産は、草地と畑地にも、かなりやりようによっては、日本の場合、粗飼料生産が可能だと思うのですね。そこで、そういう面も含めての検討だと思うのですが、そこで、私は大まかに考えて、この改正案が成立したとすれば、局長の見通しのように、やはりつぶれるほうはだんだん上がっていく。上がっていくと見なくちゃいけない。ふえていく。それから、生産調整によって山間僻地等のたんぼは、これはもうもとに返らないような荒らしづくりがされている。そこをもとの耕地に返すのもそう簡単でない。こういう上と下の条件がある中で、私は、農地の造成というものはかなりな力を入れないと全体として私は日本の農地の減少ということが出てくるのじゃないか。その場合を考えた場合に、食糧の自給度、どういう点を考えたときに、大臣にお伺いしたいのですが、私はやはりえさを含めて最大限食糧の自給の必要というものが日本にあるのではないか。そうすると、農地の減少ということは、これは何としても避けて、積極的な農地造成によって、つぶれる傾向を補っていく。そして最大限えさを含めての食糧というものの自給度というものを確保するような必要があると思うのですが、そういう点の大臣の御見解とそういう農地行政の将来に対する考え方、これをひとつお伺いしたいと思います。
#180
○国務大臣(赤城宗徳君) 私は、やはり、農産物の自給度を維持をしていく。維持しようとしてもだんだん減るような傾向にある。これは極力維持していくという方向を持たなくてはならぬ。それには、どうしても農地、耕地が少ない日本の国土というものでございますから、農地はやはり広くしたほうがこれは非常に望ましいと思います。そこで、いま見ましても宅地化したり工場化したりして農地はどんどん減っていく傾向にあると思います。
  〔理事亀井善彰君退席、委員長着席〕
ですから、やはり農地はできるだけ造成していくべきであり、その造成したところは、なお新しい農業がやりいいところなんです。古いところはもうなかなか伝統を打ち破れないで新しい農業のほうに進み得ない。そういう点から考えても農地の造成というものは力を入れていくべきものだと私は考えております。
#181
○中村波男君 ちょっと関連して質問したいのですが、農地の造成問題について辻委員からいま質問がなされておりますが、昭和四十五年の行政管理庁の勧告が行なわれたわけです。農業基盤整備事業に関する行政監察に基づく勧告、これによりますと、「農用地造成事業は、農産物需給動向への即応と経営規模の拡大を目的として実施されるものであるが、造成された草地の中には、荒廃し、または農用地以外へ転用されているものが少なくなく、このようなものは普通畑および樹園地の一部にもみられる。
 これは、事業計画の不適切、経営技術の未熟、離農および労力不足等によるものであるので、農林省は、事業計画の不適切および経営技術の未熟によるものについては、計画作成の際、経営的観点等から計画内容の審査を的確に行なうとともに、事業完成後においても、農業者が造成農用地を十分に利活用し、荒廃または転用等が生じないように、営農方法等に関し地方公共団体と協力して指導する必要がある。」、こういう勧告をいたしておりますね。これはわれわれもいろいろと見聞をしておるところでありますが、これについて具体的にどれくらいそういう不適切な地域が面積的にあったのか、また、それの事後措置ですね、農林省はどのようにそれらのものに対して勧告の趣旨に沿った適切な措置をとったのか、この点についてこの機会にお聞きしておきたい、こう思うわけです。
#182
○政府委員(三善信二君) ちょっといま手元に数字は持ち合わせませんので、早速それは調べて御報告いたします。
 行政管理庁が勧告いたしましたのは、やはり非常に古い農用地造成あるいは干拓等で、おそらく干拓はしたけれども、社会情勢の変更によってそこはやはり農用地として使うことが非常に不適切になってきた。したがいまして、入植者等もなかなか集まらない。そういうようなところもあったわけでございますから、そういうことも指摘の中に入っているのだろうと思っております。したがいまして、一般の農用地造成をしたところでそういうほったらかしてやっているというようなところは、これはもしあるにしても、数字的にも非常に少ないでございましょうし、また、私どもはそういうところはほとんどないと思っておりますけれども、もう一度、指摘された地区自体どういう地区か、それと、その状況等についてまた御報告をさしていただきたいと思っております。
#183
○委員長(高橋雄之助君) 局長、いまお話しのあったとおり、あとで資料を出してください。
#184
○辻一彦君 では続いて第二に、基幹事業の実施方式の改善の問題がありますね、これについてひとつお伺いしたいと思うのです。
 三月の二十三日に農水で私も御質問したんですが、米の問題ですね。そのときに大臣から、米については地域の分担ということを今後考えなくちゃいけないと、この点で、東北、北陸、九州等は米の地域分担の地域として考え、それと同時に、本格的に基盤整備や土地改良が重点的にやられなくちゃならない。こういう御発言であったわけです。また、農地局長も、機械の問題に関連して、大型機械が十分動くようなそういう基盤整備や土地改良が、特に低湿地帯というか、米の単作で低湿地帯、そういうところに力を入れなくちゃいけない、そういう御発言があったわけです。そこで、私は米の地域分担と米の主産地という点を考えますと、たとえば山形の庄内平野であるとか、あるいは私のところを言って恐縮ですが、福井には坂井平野というところがありますが、あるところにはほんとに暗渠の水が全部流れていくような基幹排水路をつくって、これをポンプアップでもって外に出す。こういうようにするということが非常に大事じゃないか。そこで、この改正案の中に、国や県の先行投資が、三分の二の地元の同意がなくても議会の議決でできるという項目がありますが、こういう、国の先行投資というようなものは、というような考え方は、少なくも米作地帯ならば、平野に一本排水路を大きなのをつくるというぐらいの考えを持ってこういう改正案が出されておるのかどうかですね。そこらのところをひとつお伺いをしたい。
#185
○政府委員(三善信二君) 市町村振興の特別申請事業、これは、まさにそういう、どうしても必要な、しかも大規模で先行的にやらなければいけないというようなものについては、従来の三分の二のあれでなくて、市町村の共同申請でやれる。これは、具体的な事業はそれじゃ何があるかということでございますが、私どもとりあえず考えておりますのは、やはり大規模の農道、あるいは大規模のこういうかん排施設、そういうことを考えているわけでございます。したがいまして、先生御指摘のようなそういうことは、もし市町村――数カ市町村集まってもけっこうでございますから、そういう要望があれば、そういう点は取り上げていくということに今後はなろうかと思っております。
#186
○辻一彦君 そこで、大きな排水路をつくって、ほんとにそこに水を流していくというか、暗渠から水をしぼっていくということになると、ほんとうの排水効果をあげるのは、結局冬に水を排水できなくちゃいけない。冬に水がほんとに排水できるのは、ポンプでもって、北陸筋でいえば――新潟もそうですが、北陸筋はポンプアップで揚げる必要がかなりあるわけですね。そうなりますと、大規模の場合ですね、用水の場合には、農民は水が来るんですから、経費の負担は、稲をつくる水はこれは当然ということでみんな負担していますが、冬の期間も水をしぼって、それをポンプアップしてくるということになると、かなりの維持管理の経費がかかるわけですが、こういう大型の、私は一つの平野に一本くらい大きな排水路を設けようというようなことになれば、維持管理についても、一つの国の適切な援助といいますか、助成というか、こういうことが私は少なくも必要になるのじゃないかと思いますが、そういうやり方が国内でどこかになされているかどうか、一、二私は例があるということは聞いておりますが、そこらのことをお伺いしたい。
#187
○政府委員(三善信二君) 維持管理費に対する助成の問題のお尋ねだと思いますが、土地改良事業で事業をやります場合に、やはりこの維持管理費を見込みましても十分事業は成立できるというような、そういう基本的な考え方のもとにこの土地改良法というのは成り立っているわけでございます。したがいまして、維持管理一般論としてそれを助成するとかいうようなことには、どうも法的になじまないわけでございますが、この問題につきましては、いろいろ実態を調べまして、今後ひとつ何かいい方法があり得るのかどうか、私ども四十七年度いろんな実態調査を土地改良関係についてやりたいと思っております。まあ、その際にひとつ調査をしてみたいと思っております。ただ、現実、先生のお尋ねにつきまして、新潟の阿賀野川の排水事業、この場合には一部維持管理費を助成しているわけでございます。これは当初全く予定をしなかった、しかも、地盤沈下という予測しなかった事態が起きたわけでございます。そういう面も考慮しながら、ここの場合には特別に扱われているというようなことでございまして、一般的には維持管理についてはやはりそういう助成の対象にはいたしておりませんし、いろいろ問題は今後は出てくるかもしれませんけれども、土地改良事業の本質的な性格から見てなかなかなじまないという問題もあるわけでございます。
#188
○辻一彦君 新潟のそれはそれとして、特殊な地盤沈下という問題があるわけですから、それはそれでいいわけですが、私は一つの平野に一本くらいそういう大きなのをつくったら、それくらいは、かなり国がめんどうを見るくらいな対策を立てて、大まかな話ですが、いいんじゃないか。だから、米の産地であれば、一平野一県に一つくらいになりますか、それくらいのことはこれからの構想としてぜひ私は考えていただきたい、こういうように思います。
 そこで三つ目ですが、用排水の点ですが、都市用水側の対価を支払い条件にして、公物の共有持ち分を認めるという点がありますが、これは電気事業や水道事業業者とか、ほかにどういうものを大体考えておるのか、その点、伺いたいと思います。
#189
○政府委員(三善信二君) たとえば県営の工業用水等を考えております。
#190
○辻一彦君 現行制度でこういう公物の共有持ち分を与えるような例がほかにもありますか。なお、そういう改正によって共有持ち分を取得した者はどんな利益といいますか、権利を受けるのか、その点、いかがですか。
#191
○政府委員(三善信二君) ほかには共有持ち分権を与えたような例はちょっと思いつきませんが、この共有持ち分権は土地改良の国営の施設についての持ち分権を与えるわけでございます。で、そのうらはらとして、持ち分権を与えた場合に、水を他転ずる、あるいは工業用水に分けていくその水については、一方で河川法の体系で水利権の許可を受けて水利権が付与されていくと、許可されていくと、こういうことになるわけでございます。で、まあ一方は土地改良施設の共有持ち分、一方河川法上の水利権の許可ということで、これがちぐはぐなことにならないように、私どもはもう建設省と十分相談を――現在もしておりますが――して、そういう協議のととのったようなものは必ず水利権は与えていくと。共有持ち分権だけあって、水利権は与えられなかったというようなそごを来たさないように運営の点ではやっていかなければならないと思っております。また、当然そういうふうに運営されていくということは、私確信を持っているわけでございます。
#192
○辻一彦君 私は、幾つかの用水組合といいますか、水利組合ですね、を歩いて、意見を聞いてみたわけですが、余り水を、対価が支払われるならば、こういう条件で分けてもいいということはいいとしても、水利権を分けるについては将来の不安があるという声がかなり強いので、私はやはり農業サイドのほうから、農民あるいは水利組合の不安のないように保障する歯どめを何かの形でしっかり――いま答弁もありましたが――やっていかなければいけないのじゃないか。そういう歯どめ措置というものを、建設省とも話し合って心配のないようにしたいということですが、もう少し具体的にそういう歯どめ措置を考えているか、その点、いかがですか。
#193
○政府委員(三善信二君) この共有持ち分権を与える、この共有化に際しましては、それじゃどの程度他転を、水を認めるかというようなことについては、これはやはり公平な水量調査というものを十分やった上でないと、一つの感じ、あるいは一つの慣習的に他転ずるというわけにはまいらないと思っております。その調査は、国で十分その測定の調査をして分けていくということになるわけでございます。で、もう一つの点は、やはり土地改良区の方、あるいは関係農民の方が、将来のこともおもんぱかって、水はどんどん分けていけば足りなくなるのじゃなかろうかという心配を持たれないように、その辺は十分この関係者の調整をとりながらやっていく必要があろうかと思います。で、実際的には、都道府県の中にこれに関する協議会みたいなものをつくりまして、やはり市町村長、農協長、土地改良組合長等を入れた協議会でやはり十分もんでいくということにしたいと思っております。それと同時に、先ほど申し上げました、どれだけ農業用水に確保するか、現時点だけの問題じゃなく、将来も含めて、どれだけ確保するかというそういう調査、いわゆる水量測定の調査とそういう必要水量の調査、それもあわせてやった上でこれは実施していくということになるわけでございます。で、御承知と思いますけれども、この共有持ち分権を与えるのは国営の施設、水利施設でございまして、しかも、全部こういうことをやろうとしているわけじゃ私どもございません。現実に都市側あるいは農村側――農業サイド、片や水は余ってきている、片や水が足らないで逼迫して何ともならない、そういうところだけに限定をして、こういうやり方をしてやっていく。それがやはり一つには、大きな目で見れば、水の効率的利用という面で必要なことであろうと思っておるわけでございます。そういう意味で、歯どめと申しますか、そういう点には十分注意をしてこの運営はしていきたいと思っております。
#194
○辻一彦君 私のいま申し上げた例も鳴鹿用水というような大型の用水の例ですから、そこで、これはちょっとこまかい話になるのですが、もう少し小さなところで小さな水利組合、それが農業用水を分けるとした場合、一年に一回は、断水期で、大体一月とか二月ごろに一カ月ないし一カ月半だけ水をとめて補修をずっと水利組合がやりますね、いろんなことを、断水期には。断水期間があるので、こういうものを水を分けるとすると、水量をどういうふうに調整することに具体的になりますか。
#195
○政府委員(三善信二君) 先生いまおっしゃいましたようなそういう小さい土地改良区で、この土地改良区の小さい施設で水を分けていくというような場合は、あまり私ども想定して、予定しておりませんですけれども、少なくとも工業あるいは上工水に他転をしていくという場合に、断水期間があるようなことでは、他転ということはこれはちょっと無理だろうと思います。そういう場合に、断水するときには、やはりそれを調整してため池を持つとか、そういうのがはっきりしていなければ、もらうほうもこれはあぶなくて分けてもらえないという実情もこれはあろうかと思います。いずれにしましても、私どもが考えておりますのは、これは国営の施設についての規定でございますので、一般的にそういう小さいのまで対象に取り上げて考えるということは、現段階では、そういう必要性もあるかもしれませんけれども、私どもはそういう必要性あるいは要望等もあまり聞いていないという状況でございます。
#196
○辻一彦君 これはあまり小さい話じゃなしに、福井でいうと、鳴鹿用水から秒四十三・五トンの水が入って、あそこの坂井丘陵の北部開発が、五トン・クラスかそういう水で福井化学とか工場なんかがやはりほしいという話が出てきているわけですね。だから、あまり狭い水路の話じゃなしに、かなりな水路でもって、やはりそれでも断水期をもってやっているわけですから。そういう問題があるのですが、これはあまり細部にわたりますからこの程度にいたしたいと思います。
 それから大きな用排水路が建設されたあとに新しい受益面積が生じた場合には、そこの地区が分担してそれを利用するという道が開かれるわけですね。ところが、こういう問題が一つあるのですが、これは具体的な例ですが、福井県の坂井北部の丘陵千六百町歩の畑かんをやる。畑地かんがいを中心にした開発ではかなり大きなものだと思うのですが、ここへ九頭竜川の水をとって、これは秒五トンを回す大体計画になっていますね。しかし、その導水路を地下を通して丘陵地帯へ送るわけですけれども、そのときに、その周辺の町村がおそらく将来受益の可能性が出てくるのではないか。これは北部開発をやっている農村の組合の側の考えですが、数カ町村に受益の可能性が出てくるのではないか。そういうことが事前に考えられるとすれば、せめてその町村を通る導水路だけは――地下を、水田の下を通しているのですが、そういう経費はもちろん国や県から助成があってやるわけですが、あるいは国でやるわけですが、地元の負担がいろいろあるわけですね。そういう中に、将来のそういうのを見通して、町村が参加をして経費を分担するような可能性というのはないだろうかという、こういう声があったのですが、これはここの改正案では事後の問題なんですが、事前にそういう問題があって農民側から要求があった場合にどういうぐあいに考えるか、その点はどうでしょうか。
#197
○政府委員(三善信二君) ちょっと、いまの先生の言われていることはこういうことだろうかと、こう思っておりまして、間違いましたら御指摘を願います。
 市町村特別申請事業的な農耕をやりたいのだが、その場合に市町村も同時に金を出すという、出してそうしてスタートできないかというようなことでございますか。
#198
○辻一彦君 まあ、大体そういうことでございます。
#199
○政府委員(三善信二君) 今回の改正法には、それは該当しないわけでございますね。で、そういうやり方が、法的な話ではなく、実際問題として何かやれないかということもあろうかと思いますが、やはり市町村特別申請事業を使う場合には、国、県が先行投資で負担をしまして、最後に負担金を払います場合に町村も協力をする。こういう事後的なやり方で市町村がそれに協力し、タイアップしていくというようなことは一つあろうかと思いますけれども。
#200
○辻一彦君 まああまり公で言えないことなら聞かないことにしましょう。
 それで次、排水の問題ですが、いままで農業用水路は都市化によって町の中に取り囲まれて、都市の中を農業用水が走っている場合がだんだん私どもの近辺にも出てきている。その中で市街地の中を流れる農業用水はそこに農村の生活排水も入っておったのですが、最近は都市の生活排水というものがたいへん大量に流れ込むようになってきた。そこで一つの例ですが。住宅地では屎尿処理の浄化槽を戸々に幾つかでまとまって設けている場合があるわけですね。これは新設したときは効力があって機能を発揮しているのだけれども、一、二年しますと十分な機能を持たなくなる。そうしますと、かなりよごれた汚水が農業用水路に流れ込んでくるという、いわゆる都市の生活排水という、こういうものがだんだん流れ込んでくる。こういう事態がいま起きて、各地でどうも問題があるように思うのですが、こういう農業用水に流れ込んでくる都市の生活排水、こういうものを規制することができるのか、どういう方法があるか、その点はいかがですか。
#201
○政府委員(三善信二君) 都市用水、生活用水が農業用水排水路に流れ込むその程度の問題であろうかと思います。最初からもうすでに農業用水排水路が下水化しているような状況においては、しかも、それを農業排水路としてあまり農業目的に使っていないような場合には、これはひとつ市町村なんかに協議をして、市町村にその施設を移管するというようなことも考えられましょうし、また市町村と協議して市町村で経費を少し持て――費用負担を持たせる、維持管理上持たせる、そういうことも考えられますし、また、今回の改正でそういう差しとめ請求みたいなことができるようにしているわけでございますが、非常にむずかしいのは、不特定多数の生活用水みたいのを一体だれに向かって差しとめを請求するかということは、これは非常に問題がございまして、なかなかそれは法的にはやりようがないということもあろうかと思います。そういう場合に、やはりその排水のまあ受忍の限度というのがあると思いますけれども、その受忍の限度を越えて極端に排水するという場合に、不特定多数の場合にそれじゃどこに持っていくかといいますと、やはり市町村長なんかと協議するとか、あるいは公団住宅があれば公団のその管理者に相談をするとか、そういう持ちかけをいろいろ考えていく必要があろうかと、これは具体的にそれぞれのケースによっていろいろ違うと思います。そういう点、実態問題に当たってまた解決の道を見出していくということもあろうかと実は考えております。
#202
○辻一彦君 建設省の住宅局長と農地局長の間に都市生活排水の受け入れについての何か協定書か覚書というか、何かがあったということをちょっと前に聞いたんですが、そういうものはないのですか。あればひとつ内容を明らかにしてほしいのです。
#203
○政府委員(三善信二君) ちょっとお待ちくださいませんか。――非常にお待たせして申しわけございません。これは四十六年の三月十五日に河川局長と住宅局長と、それから農地局長、三者の間でやはり差しとめ請求の問題で屎尿浄化装置から流れ出る排水には差しとめの請求はこれはしない。といいますのは、当然これは浄化されて出てくるのだという前提になっているわけでございます。そういうことを加味しまして、何でもかんでも差しとめ請求みたいなことをやってもらっちゃ困るという趣旨もあったろうかと思います。そういう意味で、こういう覚書を差しとめについてやっているわけであります。
#204
○辻一彦君 それでね、さっきちょっと申し上げたんだが、浄化槽が十分機能しているときはいいけれども、一、二年すると、古くなると、これがどうも十分働かなくなって、あんまりきれいじゃない、よごれたのが流れてくるということが出てきたものですから、だから、そういう覚書によると、そういう場合も差しとめできないということになるのだけれども、そこら一ぺん研究していただかないといかぬじゃないかと思うのですが。
#205
○政府委員(三善信二君) 私もはっきりは覚えておりませんけれども、この浄化槽等に対する何か規制はあるのじゃないかと思っております。野方図にこれは放置しているのじゃないだろうと思っています。これは私にもう一度調べさしてください。
 それから、もしいま先生おっしゃいましたような事態が現実に起きた場合に、それをどういうふうに対応していくかという問題につきましては、私どもも建設省側と、そういう事態が現実に起こったということであれば、また協議をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#206
○辻一彦君 じゃあ、それは十分調べてもらって、こういうものがどうも最近各地でふえつつあるという事実がありますので、十分ひとつ調べた上で、これは十分ひとつ建設大臣とも話し合っていく、こういうようにしてもらいたいと思う。そうして事態がはっきりしたら、調査の結果がはっきりわかれば、また御報告を願いたい。
 そこで、どうも今度の改正法案の中に、こういうふうに、いわゆるこの農業用水等に公害をもたらすようないろいろな排水やそういうものの規制が、改正案を見ると、ないと思うのですが、まあ、国や県によって、あるいは工場から出るいろいろな廃棄物は、これは一定量を越えた場合には規制するけれども、ちょっと中小企業程度の小さな工場の場合には、かなりの量が出ても、たとえばすれすれでもそれが基準以下、規制の点以下であると、これがどうにもならないという場合があるわけですね。そういう点で、私は、公害をもたらすいろんな排水が農業用水に入り込んでくる、こういうものに対する今度の改正案はどうも対策がないように思うのですが、その点、どうでしょうか。
#207
○政府委員(三善信二君) 水質の汚濁の問題であれば、それは一般のその基準に従って土地改良区の管理の規程の中にそれを入れて、そこで規制するということになるわけでございますが、その他、よごれた水等いろんな種類があろうかと思います。それは現実問題として管理規程をつくります場合に、そのやはりよごれのぐあいあるいはその流れ込む水量の基準、そういうのを実態的にその地域の実情に応じてやはりつくっていくことになろうかと思います。そういう面で何らかのかっこうでそういうチェックができるようなことを私ども促進をしてまいりたいと思っております。
#208
○辻一彦君 まあ、私はこの公害の問題については少し対策が足りないと思うので、この点は十分検討して対策を立てていただきたいように思います。
 それからなお都市の生活排水の問題ですが、これが農業用水に大量に流れ込むようになると、そうしますと、あふれて、いままでのような水路では非常に不十分だ、こうなると断面拡張の必要が起こってくる。そういう場合に、一体この水路はどこが断面拡張の責任を持つのか、負担をするのか、この点、どうでしょう。
#209
○政府委員(三善信二君) これはやはり農業排水路ということに主たる目的がある排水路であれば、やはり農業サイドでそれは考えなければいけない。それが、そうでなくて、もう農業排水路としての目的を逸脱した都市下水道か下水みたいな状況になっているというような場合には、これは先ほどちょっと申し上げましたように、市町村長等と協議をして、そこに経費負担をさせるあるいは移管をする。そういう協議をしていくこともできるというふうに考えております。大体、先生のおっしゃるような場合は、一応は農業用水、農業目的のために使っている排水路であるということだろうかと私想像いたしますが、その場合にはやはり農業サイドで負担をするということにならざるを得ないわけであります。
#210
○辻一彦君 ごみの問題にどうもなってしまったので恐縮ですけれども、もう一つ、この機会ですから、都市を流れるいまの農業用水で、最近あきかんからビニール製品ですね、こういうものがどんどん流れて、住宅地では水があふれる、そして苦情が出るし、それから水田地帯では、そういうものがたんぼの中に流れ込んでいく。こういうことでずいぶん問題になってきた地域がありますが、たとえば政務次官の地元の新潟では、こういうのを大規模にモーターでもってくみ上げて、ごみをトラックにコンベアでやっていると、こういうことを聞いたんですが、私はこんな状況がやはりこれから農業用水を囲む都市の中に出てくると思うのですが、こんな問題は、都会は大体同じことになろうと思いますが、やはり新潟でもそうですが、福井あたりでもモーターをつけて、そしてそういうごみを何カ所かで押えて、それでくみ上げるという施設をかなりな規模でやろうという動きがあるんですが、こういう問題は、農業用水の一つなんですが、また農業用水を主とした用水ですが、これなんかも国なんかでこういうものに対する対策というようなことはこれから考えていかれるのかどうか、その点、どうですか。
#211
○政府委員(三善信二君) ごみの流入と申しますか、そこまでは私どもはあまり研究が及んでおりませんので、今後そういうものを調べまして研究させていただきたいと思います。
#212
○辻一彦君 それではその問題はそれとして、次に私はコンクリートの耐用年数のことを伺いたいのです。
 それは用水のダムだとか、それからいわゆる農業用の水路などで使っているコンクリートの耐用年数というものは一体何年くらい見ているのか。それから戦後間もなくつくられたセメントというものはたいへん質が悪いので、このセメントでつくった水路等はかなりいたんできているんですが、そこらの補修なんかはどういうふうにお考えか。これは農業用水路に非常に関係があるんですが、この点、ひとつ伺いたい。
#213
○説明員(杉田栄司君) 技術的な問題でございますので、私からお答えさせていただきます。
 コンクリート構造物の耐久性は、一般的には五十年もしくはマス・コンクリートでは八十年と、こういわれております。ところが、中には、基礎地盤の状況あるいは荷重条件あるいは気候等によりまして、非常に耐用年数の劣るものもあるということでございます。特に戦争直後にセメントの品質が非常に低下いたしまして、これは特に燃料の事情とか、そういうことで非常に品質が低下した時代がございます。そういうものにつきましては、お説のとおり、三年か五年しかもたなかったというものがあるわけでございます。したがいまして、いわゆるコンクリート構造物等で耐用年数以内で補修を要するものにつきましては、更新事業として土地改良施設でやっております。
#214
○辻一彦君 これは私の地域になりますが、福井県では地震がありましたですね、大地震が、昭和二十三年に。その地震災害のあと復旧という形でつくられたいろいろな農業用のかん排水の施設が多いわけですね。もうすでに二十四年経過している。その昭和二十三年ごろのセメントは、いまのお話のように、どうも質がよくなくて、五十年はこれはとてももちそうにないセメントなんですね。そこで、そこらで起こっている心配は、五十年ではもうどうもこれはどうにもならないし、耐用年数を何とか縮めてもらわなければいかぬという意見が非常に強く出ておりますが、具体的に戦後その時分につくられたコンクリートですね、何年くらいに耐用年数を見て更新をしたか、そういう例があったら教えてください。
#215
○説明員(杉田栄司君) 戦争直後の二十五、六年ごろまでのものにつきましては、当初から非常に品質の悪いものがございまして、そういうものにつきましては、やはり五、六年で更新を要するものも出てまいっております。その具体的な例をここで申し上げるのはちょっと差し控えたいと思いますが、たとえば政務次官の御出身であります新潟あたりでもそういう例がございます。これはもちろん一部地盤沈下というようなそういう外的な要因も加わって、特に耐用年数以内で更新を要することになったものだと思います。
#216
○辻一彦君 そうすると、具体的に耐用年数は五、六年というのもあるし、ということになれば、ケース・バイ・ケースですか、その一つ一つを見てですか、大体何年ごろの生産のセメントは耐用年限何年と見ているのか、それはどうですか。
#217
○説明員(杉田栄司君) これは戦争直後のものに特にそういうものがございます。特に戦争直後は非常に――セメントの品質は本来均質であるべきなんでございますけれども、工場生産の際にサイロごとに品質が違っておったりなんかしたりいたします関係で、また非常に物資が不足なことがございましたので、それぞれ倉庫に確保するために長く保存しておった。そのために劣化したというものもあるわけでございます。したがいまして、個々に具体的にその破損の状況等を見て対処していくよりほかに方法はないと考えております。
#218
○辻一彦君 聞くところによると、農林省は二億一千万からのこれに対する調査費を要求して何か削られたということを聞いたんですが、そんなことはなかったですか。
#219
○説明員(杉田栄司君) ちょっと記憶をいたしておりません。
#220
○辻一彦君 ということは、全然なかったということですか。ちょっと、私、こういう問題をよく調べてみると、聞いたところでは、農林省もいろいろ心配をして、調査をやるということで予算の要求の準備をしたが、どっかで削られたという話を聞いたんですか。
#221
○説明員(杉田栄司君) 土地改良施設、特に水利資産の調査ということで、一般的に、そういう問題に焦点を合わせたわけじゃありませんけれども、資産の内容の調査ということで施設の調査はいたしております。
#222
○辻一彦君 じゃ、いまのは私の聞き間違いですかね。そういうことはなかったんですね、いままで予算を要求されて削られたという、そういうことは。
#223
○説明員(杉田栄司君) 特に、セメントの品質等に基づく不良な施設の調査ということをやった経緯はございません。
#224
○辻一彦君 いま私の聞いているのは、予算要求をやられておったということを聞いたんですが、まあそれはそれで、じゃ、いいです。
 そこで、そういう調査をやられておるならば、それはセメントのそういう質の調査ではない、こういうことですが、資産調査というのは、多分に耐用年数からいって非常に問題があるというようなところを調査しているという、そういう内容はないですか。この問題についてのかなりな具体的な調査をしているということじゃないですか。
#225
○説明員(杉田栄司君) 特にそういう問題ではなくて、土地改良の資産が――もちろん調査いたします際には、どの程度に今後耐用年数があるかということもわかるわけでございますけれども、戦後の施設について、特に悪いからその部分だけを取り出して調査するということをやった、あるいはやるための予算要求をしたわけじゃありません。水利資産の調査はずっと継続的にやっているわけでございます。したがって、台帳もできているわけでございますので、そういう中で特に更新を要するものが出てまいりましたならば、地元の申請を得まして、更新事業として更新してまいるということにしたいということで調査をしておる段階でございます。
#226
○辻一彦君 そうすると、具体的にかなりな調査資料がまとまって、そしてこれは耐用年数からいってかなり無理だというようなところも現実につかんでおるのですか。それはこれから調査するんですか。実態はどのくらい把握できていますか。
#227
○説明員(杉田栄司君) ちょっと答弁を間違えましたんですけれども、地区ごとにどの程度の土地改良資産があるかという調査をしておるわけでございまして、特に耐用年数が来ておるかどうかということに焦点を合わせてやっているわけじゃございません。ただ、調査をいたしますので、どういう時期につくられたものだとか、どういう内容のものであるかというようなものはわかってきておるわけでございます。
#228
○辻一彦君 まだそういう調査がされていないとすればですね、こういう声をかなり聞くんですが、予備的にひとつ調査をしてもらって、そしてその必要があるということであれば本格的な調査をしてもらいたい。まず予備調査の段階で一応調べてもらいたいと思うんですが、その点、農地局長どうですか。
#229
○政府委員(三善信二君) 今後の問題といたしまして、そういう調査の――調査といいますか――内容をいろいろ検討さしていただきたいと思っております。
#230
○辻一彦君 じゃ、次に、私、基盤整備をやる場合に一割の転作あるいは休耕というのがワンセットになっている。で、これはいまの農政の方向からいえば組み合わされるわけなんですが、しかし、農民は、土地改良や基盤整備は一番大事な条件だから何としてもやりたい、やってもらいたいと、こういう非常に強い熱望を持っておるわけですね。しかし、これに必ず一割の転作や休耕が具体的にくっついてくる。こういうことについては、農民のほうはいま助成による土地改良、基盤整備ができるので、無理でも受け入れなくちゃいかぬということで受け入れてはいますが、米単作地帯の農家にはあまりほかのものをつくっても政策効果が出ていないように私は思うんですよ。
 そこで、これは福井の近郊にこういうのがありましたが、基盤整備をやって、一割転作で、レタスをつくって、二トン車に何ばいかレタスを積んで市場に行ったら、それで値くずれがして、まあ周辺もさんざんな目にあったという。そういう流通の問題とか価格の問題がかなり整備されないと、すぐ米作農家に野菜をつくれといってつくってみても、こういう例が私は案外多いんじゃないかと思うんです。そういう点で、十分な野菜づくりの技術や体験を持たないそういう農家がセットでそういう形になるよりも、私は、生産調整は生産調整として別に切り離して、じっくり基盤整備や土地改良は土地改良でやると、こういうようにしたほうが効果的であると思うんですが、この点、局長または大臣からこの点の考え方を伺いたいと思います。
#231
○政府委員(三善信二君) 生産整備の問題につきましては、やはり、あるところは一割やらなくてもいい、あるところはやらなきゃいかぬというふうにしますと、ほんとうはやはり地域の実情に応じて実施するのが一つの理想だろうとは思います。まあ、しかし、その実情に応じてやるといっても、あるところはやったり、あるところはやらなかったりということで、これはお互いに公平を欠くという問題も起こるということが反面あるわけでございまして、そういう意味において、一割と一割五分というようなことで、やはりある程度実際の問題としてはそうやらざるを得ないというのが正直なところ実態だろうと思います。
 ただ、いま御指摘になりました、それはやるのはいいけれど、やったあと野菜をつくって値くずれして、えらい損をしたと、こういう技術もあまり覚えていないようなところにやるのはおかしいじゃないかと、これは実態問題としてはもっともな御議論でもあろうかと思いますけれども、ひとつ、やる場合にそういう流通の問題等もやはり指導しながらやっていくというふうに改善をしていくことが必要だろうかと、私、直接の生産調整の担当の局長ではございませんけれども、土地改良をやる場合におけるやり方としては、やはりある程度現実的には一律にやらないと、不公平になって、かえっていろいろ収拾のつかない問題が出てくるということになろうかと実は思っているわけであります。
#232
○辻一彦君 私ね、ほかの県を歩いたときに、ある水田単作地帯で、かなりりっぱな水田のあるところに、そこを埋め立てて肉牛をやっているところを見たんですよ。で、思いついたのは、私のいとこが私の部落で共同酪農のはなやかな時分に酪農をやって、畜舎だけはたいへんりっぱで、みんなが見に来たんですが、中の牛がだめになって、先祖伝来の田畑売ってあと始末をしたという例がたくさん私の近辺にもあったんですが、だから、十分な体験がないときに、農民は基盤整備やりたい、だから、何かひとつセット受けなきゃならぬということで受けていますけれども、それが指導上よほどそういう点で考えないと、かえって政策的にいうとマイナスのことになっているんじゃないか。そういう例があまりにも私の近辺にもあった。それで、この間あるところ回ったときに、何か農民の希望する土地改良、基盤整備というものは、生産調整は生産調整で県で割ってやれるのはそれはいいとしても、これはひとつすっきりした形で土地改良をじっくりやるということが一番基盤をつくるのに大事じゃないか、こういう感じを強く持ったわけですよ。そういう点、大臣ひとつ御見解をお聞きしたいと思います。
#233
○国務大臣(赤城宗徳君) 実情は御承知でしょうが、生産調整というのはあまり希望しないわけです。そういう関係で工場を誘致するような場合に、土地改良部分を、ちょうど工場をやるんで、それを生産調整に結びつけて、そして生産調整の面積を割り出す、こういうようなかっこうでやってきたんですから、いろいろ支障を来たすような面もあろうかと思いますが、そういう、やむを得ずやらざるを得ないので結びつけたんで、いまのところしかたないと思うんですが、なるたけお互いに支障のないように進めていくということは、いろいろこれから注意していきたいと思います。
#234
○辻一彦君 それには私たいへん不満ですが、ほかの問題もありますから、また別の機会に譲りたいと思います。
 そこで、若干こまかい問題になるんですが、一つは運営の問題ですが、これは確かめられた問題であるかもしれませんが、簡単にお伺いしたい。それは、たとえば四十七年度の広域農道等が、すでに予算配分というか、なっている。そういう中で、従来三分の二の同意がみな要った。もし、この改正案が成立をかりにしたら、四十七年度はすぐそれを適用するのか、どうなのか。その点、どうなんですか。
#235
○政府委員(三善信二君) この改正法案が通りましたあと、現実に実施すれば、それから対象になっていくということで、さかのぼってやるとかということをするつもりは全然ございません。
#236
○辻一彦君 それから福井県でも三百二十ほど土地改良組合というものはあるのですが、どうも弱小と言っては悪いのだけれども、非常に土地改良組合が弱いところが多いのですね。これをやはり土地改良を現実に進めるとすれば、農協とともに、非常に大事な――農協の力も大事ですが――土地改良組合というものが実際の事業主体としては非常に重要だと、この非常に弱い土地改良組合をどういうふうに育成をしていくのか、こういうことについてどういう考えを持っておられるか、これをひとつ伺いたいと思います。
#237
○政府委員(三善信二君) 土地改良区の基本的な問題につきましては今度の改正では実は取り上げていないというのは、これは御承知のとおりでございます。私どもこれまで土地改良区を指導してまいりました基本的な方針は、三十九年以来、そのころが一番土地改良区はよけいにたくさんありました。それを弱小なのをこう統合をしたり、あるいは整理したりして今日に至っているわけですが、今日になってもまだ先生御指摘のようなそういうものもあろうかと思います。今後の問題として、やはりいま少し時間をかけて、今後の土地改良区のあり方も含め、土地改良の基本的な問題について実態調査も踏まえながらひとつ検討をしてまいりたいと、かように存じております。
#238
○辻一彦君 それからさらに若干具体的な問題なんですが、山間部における土地改良の問題ですが、このかなり高低のあるところを四、五十町歩土地改良をやって、基盤整備をやって、ところが、そこが泥炭地の場合があるわけですね、そうすると、七メートルぐらいボーリングをやると、棒がずっと突っ込んでしまうというようなところがあって、そういうところでブルがめり込んで、助けに行ったのがめり込んで、三台とも中にめり込んで引き上げたというところがあるんですね。ところが、表をならして一応基盤整備が終わった。終わったところが、一年ほどすると、その泥炭地のところが非常に落ち込んでくるわけですね。その点で、いま十アール――一反歩に対してニトン車で二十台ぐらい砂を入れなくちゃならぬというので、砂を農家の人が入れているのを見たのですが、これは一度基盤整備をやったあとは客土なんかの対象にならないということを聞いたのですが、こういう場合に何か手当ての方法はあるのかどうか、その点、いかがでしょうか。
#239
○政府委員(三善信二君) 一度やりましたあと、その基盤整備の対象にならないということではございません。そういう必要ないし要望があれば、申請していただきますれば、もちろんこれは採択基準というものもございますから、そういう一つの要件に該当すれば、当然やっていけるということになるわけでございます。
#240
○辻一彦君 それから、これは平たん地の、たとえば高速道路等がいま各地において起きております。そうしますと、公共事業の高速道路が入ってきた場合に、たとえば土地改良をやった場合の地域の五%とか一〇%が農地がつぶれる。つぶれると、残ったところで全体のいわゆる用排水路、一割つぶれたからといって用排水路を一割狭くするわけにはいかないのだから、前のままにしなければならない。残った九割でこの用排水路を維持しなくてはならない。こういう問題が出てくるわけですね。そこで、高速道路等が入ってくる場合に、そういう問題を敏感にキャッチした土地改良組合は交渉していろいろの補償をさしたりしているのですが、ちょっとうっかりしていれば、これは見過ごして泣き寝入りになってしまうという場合が、現在地域開発がどんどん進んでいる場合は多いわけですよ。これを法制的にというか、何かの裏づけによって保護をするというか、あるいは一割つぶれて九割の分が負担をしなくてはならない。それに対して何らかの側で、これに対する補償をするというかあるいは手当てするというか、そういうことを私は何か裏づけるものがないのかどうか、その点、どうでしょう。
#241
○説明員(堀川春彦君) いまお尋ねの問題の処理の基本的なたてまえというのは、かようなことになっているわけでございます。つまり、全体のたんぼなら全体のたんぼの面積の一割が高速道路でつぶれまして、したがって、買収をした人がいるわけです。そういたしますと、そのつぶれた部分のたんぼを持っていた土地改良区の組合員は、その土地については、一応非農地になるわけでございまするから、土地改良区に対する関係をその時点で清算をするといいますか、法律のことばでは「必要な決済をしなければならない」というふうに現行法で書いてありまして、その決済の場合に、その土地改良区といたしましては、いろいろな施設の維持、管理、運営をしていくわけでございまするから、そのことを前提にして経費賦課をしているわけでございます。その賦課の分を含めまして、その土地を買収された方が必要な決済をする、こういうことに理屈の上でなっておるわけでございます。ただ、たてまえはさようなことでございまするけれども、土地を買われた方が幾らで買ってくれるのかという買収交渉の値段との関係とかいろいろなことがございまして、その辺の現実問題としてはなかなかむずかしい問題が起こってくる場合が間々あるわけでございますが、たてまえはさようなことでございます。
#242
○辻一彦君 たてまえはそうですが、現実は、いま言われた点がありますが、そこに現在の時点で清算をする。しかし、土地改良区というものが今後何十年残るわけでしょう。そのための維持管理費が九割でずっと負担していくわけですね。いままでの分は決算のときに整理をしても、これから二十年先のことまでずっと残った九割の人が負担しなければならない、その問題があるわけですね。そういう点について何かの裏づけで心配がないようにできないだろうかと思うのですが、それはむずかしいのですか。
#243
○説明員(堀川春彦君) どうも制度のほうをやりますと、将来の施設の耐用年数というものが一応あるであろうと思います。そうすると、その耐用年数の期間にわたって使うわけでございますから、したがいまして、残存耐用年数に見合う分の維持管理費が反当りでどれくらいになるかということが計算をされるわけでございます。そういたしますと、その部分の、つぶれた一割なら一割の土地について必要な決済ということで払っていただくと、かようなことになるわけでございます。
#244
○辻一彦君 もう時間があまりないので、あと残した二点だけ伺っておきたいと思います。
 一つは、国営でやっている坂井北部丘陵開発事業ですね、この問題です。この問題は、昨年の九月に参議院の農林水産委員会で正規に視察に行ったわけです。九月に行って、私、つい最近行ってみて、九カ月の間に非常に開畑といいますか、これが進んでいるということを見たのです。それは六百町歩を畑地かんがいでやるというのですから、これは畑地かんがいを前提とした事業としてはかなり大きいと思うのです。ここで四反区画の畑がずっとつくられて畑に仮換地が行なわれ、第一次耕作として大規模なスイカ等をつくってやっております。そこで、そういう実態を見て、中堅農家あるいは若い農民の人がかなり意欲的になって、こういう形で千六百町歩が畑として開かれるならばさらに積極的に参加をしてやっていきたいという動きが強くなってきたわけなんですね。そこで、私はそういういまの時代になかなか農業に打ち込もうというのは少ないので、そういう意欲をやはり引き出すようなやり方というものがどうしても大事でないか。
 そこで二つあるのですが、一つはいま開墾をやっているのを見ると、従来ならば山成り方式ですね、山ごとにやはり勾配をそのままに残している。しかし、千六百町歩というあの規模で、やはり開畑の場合には表土をはねて心土をならして、そしてまた表土を置くというふうにして勾配をある程度ならしているわけですね。そうしますと、そこに起こる問題は、一つは土壌改良という点で酸性を中和する場合に炭カル、溶燐をかなり――炭カルの場合は千六百キロ、溶燐は百二十キロというものを十アール当たりに入れておるのですね。しかし、いまの制度上既耕地にはそれが入れられないし、未墾地に土壌改良剤が使われる。そうしますと、その量を未墾地にまいて土壌改良をやっておるのですが、かなりな範囲で心土をならし、表土をはねてそれをならしていく。こういうことになると、一定の区画にずっと分散してしまって、予定するような効果が出ないと思うのですね。そうなりますと、いま現実にやっている畑で地力の低下ということが起きてくる。そうするとせっかく若い農家の方がこれはひとつ取り組もうということでやっている中で、地力低下ということを現実に見せたら、これからの開発というものに非常な障害が出るのじゃないか、こういうことを地元の開発に当たっている人たちは非常に心配をしておるわけですね。そこで、制度上は既耕地にはそういう手配ができないということになっておりますが、こういう大規模の場合には、かなり条件を考えて私はやる必要があるのじゃないかと思いますが、その点、ひとつ見解どうでしょうか。
#245
○政府委員(三善信二君) これは一般に炭カルの問題や何か、未墾地、開墾地の場合にはこれはいつも一般的にやっている問題でございます。既墾地の場合にも圃場整備事業の中でこれはやれるようになっているはずでございます。
#246
○辻一彦君 やれるのですね。
#247
○政府委員(三善信二君) はい。
#248
○辻一彦君 それでは、やれれば、これはひとつ具体的な方法でやはり、ぜひ国営ですからやってもらいたいと思うのです。
 それからもう一つは、こういう若手の方のせっかく立ち上がった意欲をどうぞひとつ吸収して伸ばしていく。こういうために、これは国営の事業ですから積極的にひとつ対策をぜひ立ててもらいたい、こういうように思うわけです。
 あと五分ですが、最後に私、米価の問題についてこれはひとつ大臣にお伺いをいたしたいと思うのです。
 減反、米価の据え置きと、こういう中で、米の先行きに対する不安がやはり米作農民の土地改良に対する意欲をある面ではそいでいる点がかなり私はあると思います。米価の動きいかんは、米づくりの農民が土地改良と関連して非常に関心をいま持っているところだろうと思うわけです。そこで、三月の二十三日にこの農水で前川委員また私たちから質問の中で大臣は、ことしの生産者米価を上に向いて弾力的に考えると、こういう御答弁であったわけですね。それから、きのうの新聞を見ますと、本格的に四十七年度の産米については米価を引き上げる腹を固められたということが報道されている。これは私は米作農民にとっては期待しているところであると思います。
 そこで、一つは、本年度の、四十七年度の産米米価に対する三月以降今日まで、あの委員会以降いろいろと米価の問題をお考えになっておったと思うのですが、その間のひとつ考え方の前進といいますか、そういうものを第一にお伺いをいたしたいと思います。
#249
○国務大臣(赤城宗徳君) 三月以降、まだ四十七年度産米の生産者米価については資料等が整っておりませんので、方針はまだきめておるわけではございません。米価審議会を開く前ごろにいろいろ審議する資料を集めて方針をきめていきたいと思います。ただ、あのときから申し上げているように、私は、押える押えるといういままでの考え方には賛成しておらないわけであります。まあ、いろいろ政治的な理由もあります。選挙なんということではなくて、私は考え方が、これは率直にいうと、政府でいろいろ公共料金からその他値上げしました。それは取るほうを値上げしたのです。で、出すほう、やるほうはちっとも値上げしない。こういう考え方は私はあまり感心しないです。取るほうばかり値上げして、国民のふところへ入るほうは押える、押えると、こういう考え方は私は感心しないと、こういうことを常々考えておる。ただし、財政当局その他いろいろ一律一体に取るほうも出すほうも上げちゃいかぬというような……いや、取るほうは上げることに賛成していて、出すほうはあまり賛成しないような傾向があるようでございますので、こういうことも調整をしなければ、具体的にきめるまでにはいかぬと思います。しかし私は、考え方として、私が考えていることはちっとも間違いないと思うのです。それから、いまの予算の編成方針でも、福祉とか景気浮揚、こういうことを考えているのですが、やはり景気浮揚ということは、一面において国民のふところをよくしなくちゃ景気浮揚にはならぬと思う。そういう農村、農民の関係だけはいつもふところは押えていくという考え方には私は賛成しないわけです。ですが、具体的にはいろいろこれから折衝しなくちゃならぬ問題がございます。この間、参議院のある議員なんかも、米価を上げると国債を増さなくちゃならぬから、そんなことは賛成できないような質問を私にしたんですが、私はそのときに反駁しようと思ったんですが、まだ腹をきめてないときにそこまで言うわけにはいきませんから、答弁はしなかったんですが、考え方はそういうことです。
#250
○辻一彦君 そういう発言を聞いて、米作農民は期待していると思いますので、くずれぬようにがんばって、ひとつ最後までやっていただくようにお願いします。
 終わります。
#251
○委員長(高橋雄之助君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
 次回は明後十一日午前十時から開会いたします。
   午後五時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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