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1947/08/06 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第5号
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1947/08/06 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第5号

#1
第001回国会 厚生委員会 第5号
  付託事件
○教員の恩給増額に関する請願(第六
 号)
○食肉統制價格撤廃に関する陳情(第
 二号)
○聖靈生命眞理療法保護法規の制定及
 び名誉恢復に関する陳情(第四号)
○兒童の福祉増進に関する法令制定の
 陳情(第七号)
○恩給法の改正に関する陳情(第十二
 号)
○都市官公廳職員の生活安定に関する
 陳情(第三十八号)
○戰死戰災遺家族並びに傷病者の更生
 に関する陳情(第五十号)
○恩給法の改正に関する陳情(第六十
 四号)
○國民健康保險組合制度を改革するこ
 とに関する陳情(第六十六号)
○傳染病予防法等の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
○保健所法を改正する法律案(内閣送
 付)
○國民健康保險金に対する國庫補助金
 の増額等に関する陳情(第九十八
 号)
○青少年禁酒法案(小杉イ子発議)
○恩給増額に関する請願(第三十九
 号)
○大学等への死体交付に関する法律案
 (内閣提出)
○大正十二年勅令第五百二十八号司法
 警察官吏及び司法警察官吏の職務を
 行うべき者の指定等に関する勅令の
 一部を改正する法律案(内閣提出)
昭和二十二年八月六日(水曜日)
   午前十時二十分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○保健所法を改正する法律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(塚本重藏君) これより委員会を開会いたします。昨日に引続き保健所法案について質疑を続行いたします。
#3
○藤森眞治君 昨日政府委員に概略的の質問を申し上げたのでありますが、今日は引続いて各條項にわたつて逐條的にいろいろな点でお伺いいたしたいと思います。つきましては委員長にお願いしたいと思いますが、少し時間を取るかも知れませんので、全部を一囘に申上げるわけには行きませんから、或いは二、三囘に切つてお伺いするかも知れません。発言の許可をよろしくお願いいたします。
 先ず第一保健所法の第一條についてお伺いしたいのですが、都道府縣又は政令で定める市がこれを設置するとなつておりますが、この設置す場所の標準、これはどういうふうな標準によつて設置されるものかということを伺いたい。
 それから第二條につきまして、この第一項の衞生思想の普及及び向上に関する事項、これにつきましては、この保健思想の対象はどこにあるのでございましようか。医療関係者、医師、或は保健婦、齒科医師、そういうふうな点にも指導普及の点が向けられるのでありましようかということを伺いたい。
 それから第三項の栄養改善の点でありますが、これは昨日の質問にも出ておりまして、大体を承りましたが、栄養改善につきましては他の省、殊に農林省方面との関係もあるのじやないかと存じますが、その辺につきましてはどういう措置が執られておりますか、又飲食物の衞生、これにつきましては飲食物の認許可権の問題を保健所がやるというふうに承りましたが、これは飲食物を製造する者に対する認許可並びに飲食物を取扱こう者、この方面に対する飲食物の認許可権がどこまで及ぶかどうかこれを承りたい。
 それから第六項におきまして公共医療事業の向上及び増進、この公共医療事業と申しまするのはどういうふうなものでございましようか、お伺いしたいのであります。
 それから第十項、結核、性病、傳染病その他の疾病の予防に関する件、これは少し脇道に外れるかも知れないのでありますが、念のためにこの際お伺いしたいと思います。この結核の予防に関する件でありますが、我々の今日まで見ておりまする点では、少くも結核の初期感染に対する指導或いは処置、そういうことについて十分徹底しておらないかという感じがありますので、現在この初期感染についてはどういうふうな方法で進んでおられるか、現在の状況を承りたい、かように存ずる次第であります。先ず第一にここまでのことを伺つて置きたいと思います
#4
○政府委員(三木行治君) お答えいたします。第一條の保健所を設置いたしますに当りまして、場所の標準はどういうふうにやるかという御質疑でありますが、これは行政区問と一致せしめる方針でございまして、概ね地方事務所と一致するよう、そうして地方事務所は現在保健所の数よりも少いのでありまするが、その余つたものにつきましては、一應これを支所というようなことでやつて行く。こういう方針でございます。
 それから第二番目には保健指導の対象、これは何であるかという御質疑でありますが、これは一般的には区域内におきまする住民、これが保健指導の対象であります。併しながら特別の場合といたしまして、保健婦、産婆及び統計に関する市町村の吏員という者も指導の対象に相なるわけであります。
 尚三番目には栄養の問題に関して農林省との関係はどうであるか、栄養の指導につきましては、昨日縷々申上げました如くに、栄養効率を増進するということを主眼とし、且つ家庭菜園等によりまして、その絶対値を増すという方法を執つていることは、お聞き及びの通りでありまするが、これを要しまするに、厚生省といたしましては、栄養要求省といたしまして、栄養生産省でありまする農林省とは最も緊密なる連絡を必要とするのであります。從いまして常時緊密なる連絡を執つているのでありまして具体的に申しまするならば、輸入食糧等に関しましては、これ等の農林当局と厚生省栄養当局とが協議会を作つて、しばしば緊密に連絡、協議、実行をいたし、又は両省の研究機関もやはり研究会を持つている。その他随時に、例えば安本を中心とするところの会合というような点におきまして、栄養要求省、栄養生産省、この両省は緊密なる連絡を執つておるのであります。併しながら何しろ今日の食糧不足は余りにも深刻でありまするために、私どもの主張するところが、なかなか実際面に現われて來ないというような点につきましては、誠に遺憾に存じておる次第であります。
 次に飲食物の許認可の関係を保健所でやる場合において、これは取扱者だけであるか、或はそれともその他の面にも及ぶかという御質問でありまするが、これは飲食物の営業取締規則におきましては、製造加工の面にも触れまするので、保健所において取扱う府縣もあるということになると存じます。
 それから公共医療事業とは何であるかという御質疑でありますが、我が國におきまする生活保護法、或は健康保險というような医療費の問題を処理いたしますところの事業及び各種の医療施設、そういうものの效率を増進いたしまして、誰もがこれらの利益に均霑いたしまするように保健所が斡旋、且つ協力し、又場合によりましては、それらの医療施設の一單位となつて、結核、花柳病なり性病等につきましては治療をやるというような面において協力をして行くというのが、この條項にあります第六番目の公共医療事業の效率増進に関する事項であります。
 最後の結核予防に関しましては、予防局長からお答えいたします。
#5
○政府委員(濱野規矩雄君) 私から初期感染についてお答え申上げます。結核行政の重点は仰せの如く結核に感染した瞬間が全く一番危ないのでして、一年乃至二年くらいの間が一番危ないのでありまして、これに対しまして行政的には仰せの如く、強力に指導いたしますことは非常に必要なことであります。これは十年以前においてこの問題については割合に閑却されておりましたが、そういう方面には研究を進めて強力にしました。保健所等の仕事で一つの大きな仕事で、並びに小学校その他におきまして、ツベルクリン初内反應等におきまして、陽性に出ましたものに対しまして特にレントゲンその他をとりまして、後は定期的に檢診を続けて行き、これを防ぐ。尚、最近は人工的に初感染を起すBCGを学術振興会で研究いたしまして相当数の人に人工的初感染のBCGを注射いたしまして、同時にこの人たちの健康管理をいたしております。仰せの如く結核予防の重大は初感染の人々に大半はよく管理することにおいて予防はできるのであります。これにつきましては一層保健所を改組して人員を加えまして、努力して行きたいと存じております。
#6
○藤森眞治君 第一條の保健所の設置の場所についてお伺いいたします。これについて都会の医療機関の充実しておるところよりも、むしろ田舍の方の充実されない方にまず早く保健所が開設されなければならんのじやないかということであります。その辺はどういうふうにお考えでございましようか。それから予防局長からお話の初感染のことはよく分りましたが、現在我々はこれまでやつて参りましたところから見ますと、只今仰せのようになつておらないのですが、ここに小学校の生徒に学期の初めに先ずツベルクリン初内反應をやります。これは文部省の命令でやつておるということであります。それから昨年におきましては初夏の時分に厚生省の命令だというのでツベルクリン初内反應を行いまして、そうして陰性者に対してはBCGの接種をやりました。ところがその前にやりましたもの、或いは前年度にやりましたものの初感染に対しては、何の方法も講じていない、而もこれを市町村に迫つてこれはなんとかしなければいかんじやないかという注意をいたしましても何の指示もないからというので、そのまま放置しておるというような状態でありますので、それを特に伺つたわけでございます。
 それから第四條、厚生大臣の指定する疾病の治療でありますが、この外にどういう疾病がありますか。それからこの結核、性病、歯科、これの治療はどういう範囲であるか伺いたい。
 第五條におきまして「保健所は医師歯科医師、藥剤師その他の者に、前項の試驗及び檢査に関する施設を利用させる」、これはこういう医療関係者が、檢査治療を委託することの依頼によるもののみの利用でありまするか、或いは医療関係者が直接保健所に参りまして、その施設を自分みずから利用し得るということでございましようか、その点をお伺いしたい。
 それから第七條の最初の点でございますが、これは今も一部承りましたがどのくらいの数の支所を作ろうという御予定でありましようか。
 先ずそれだけをお願いいたします。
#7
○政府委員(三木行治君) お答えいたします。保健所の設置の場所については、特に医療機関の不足した、例えば田舍等を優先的にやる必要があるではないかという御意見につきましては、全く同感でありまして、実際に充実をいたします場合には、医療機関の不足した設備等の少ないところから手をつけたいと考えます。
 それから第四條については予防局長からお答えいたします。
 第五條の医師、歯科医師、藥剤師が保健所を利用する場合には、委託の分のみか、みずから利用できるかというお尋ねでありまするが、双方ともやり得る次第でありまして、特に医師みずからが保健所の、例えばレントゲン等を御利用下さることは非常に結構なことであると考えます。
 尚次の支所については、現在保健所は六百七十五ケ所、行政区劃といたしましての地方事務所は四百二十三、支区は百六十七であります。計五百九十その五百九十を引きました残りの八十五ケ所は一應支所で行きたいと、只今考えておる次第であります。
#8
○政府委員(濱野規矩雄君) 私から今の治療のことについてお答えいたしますが、結核、性病は昨日もちよつと申上げました通り、予防的の治療を主としていたします。結核のときは療養所と時には連絡をとることがあります。又療養所から帰つてきました患者におきまして、続いて保健所ですることが必要であればします。それは開業医さんの方にお願いすることも勿論でございます。そういう予防的の治療を結核と性病についていたします。歯科はこの間公衆衞生局長から申し上げましたように、一斎檢査をいたしまして、應急的の処置をいたしまして、徹底的の治療は歯科医師に譲るというふうにいたします。
 その外「厚生大臣の指定する疾病」とありますのは、先般三木局長から御説明申し上げましたように、地方において地方病の猛烈に出ておる所で、勿論開業医各位にもお伺いいたしますが、その保健所でそういうことをやることが非常に必要な、例えば青森縣にトラホームがひどい、集團的に治療しなければならん、乃至は山梨縣の日本住血吸虫病というようなものは、そのときどきにいたしたいという趣旨でございます。
#9
○藤森眞治君 只今の結核の治療につきまして、先般の御説明にも人工氣胸をやるということがございましたようでございますが、人工氣胸をやること結核予防との関係についてもう少し詳しく承りたいのであります。
 それから第八條の点を承りたいのですが、第八條に「但し、厚生大臣の許可を受けたときは、この限りでない」というのは、どういう場合を指すものでございましようか。
 第九條に「命令で定める場合を除いては、使用料手数料又は治療料を徴収してはならない。」命令の定める場合にておいは治療費を徴収しないとありまするが、この有料、無料の境はどこにありますでしようか、尚これが実際において治療を行われる場合に、健康保險との関係はいかようになりましようかということを承りたいと思います。
#10
○政府委員(濱野規矩雄君) あの結核の予防法には御承知の通り環境上病毒傳播の虞れある患者に対して医師が屆出その他をして貰うということがありますが、環境上病毒傳播の虞れあるというのはいわゆる開放性結核で、私たちから言わせますならば、この開放性結核に將來なるベきものを速かにやる例えば瘰癧の患者においても早く治療してやつて、將來開放性結核にならんようにする。これが結核予防法の精神であります。医学的にもそうあるべきものと確信しております。この保健所で治療いたしますものは、法律には別に指示されておるものではありませんで、結核の治療の大半の義務に國家に負わされておりまして、結核療養所としまして、その一つの任務は地方廳において公共團体がすべきである。それは要するに公立の療養所でありますが又あと公益法人が作りますと、これに対して補助をいたします。その治療に対しては國家が特に指示をする。今度國立病院になりまして、一層これに拍車をかけられ、療養所に行くべき人もこれが治療された方が早く治るべきものと考えます。又療養所から帰つて來た患者についてもそのまま放置しませんで、管理を続けて、同時に家庭において働くことができるようになつても保健所がその患者の管理ということをいたします。この患者はどこにどうしておるかということの管理を保健所で開業医と一緒になつていたします。或る患者さんにどうしても治療しなさいというお勧めもいたします。どうしても開業医さんに行くのはいやだと言えば、こつちに來なさいということは現在においてもやつておる点であります。そういう意味におきまして、要するに予防の建前からいたしましても、治療することも必要かと考えます。
#11
○政府委員(三木行治君) 第八條におきまして、厚生大臣の許可を受けたときはこの限りでないということは、どういうことであるかという御質疑であります。保健所は申上げるまでもなくその地域における保健指導を專らやるところの機関であつて、而もそれは住民の各位と緊密なる親しみを持ち、信頼の基礎の上に立たなければならんことは言うまでもないと思います。從つて保健所の信用を害するような、いかがわしい人間がその保健所を称えるとすれば迷惑千万なことでありますので、保健所という名称を恣に掲げることを禁止する。從つて保健所たることを示すような文字でありますから、例えば何々大衆保健所、或いは勤労保健所というような名称もこれに触れるわけであります、但し厚生大臣の許可を受けたときはこの限りでないという文句は、私共といたしましては、例えば廣島市におきまして、保健所の一部の業務を用いて、保健所という名称を使用したいという申し出がありましたときには、この保健所法で定めるいわゆる保健所というものは都道府縣及び勅令に定めるところの都市でありますからして、廣島市ははずれるのでありますが、その場合においては特に厚生大臣の許可によつてこれを許す、かような趣旨であります。
 それから第九條の使用料、手数料又は治療料というものはどういうところにけじめがあるかという御質問であります。申し上げるまでもなく保健所は保健指導を第一の目的といたしまするが、その保健指導というのは固より無料でございます。又治療につきましても固より営利機関ではございませんので從いまして保健所におきまする使用料手数料、治療料というものは無料を原則とするところでありまするからして使用料、手数料、又は治療料をとることは例外である。こういうことになつております。私共が予想いたしておりますこれらの手数料は、まず第一番に第四條にございまするところの治療に対する手数料、治療料、それから第五條のレントゲン及び試驗檢査等に関する使用料、手数料ということに相成るのであります。治療料につきましては概ね祉会保險の診療報酬規程に基づきまして、地方におきまして地方事情に即するところの料金を決める。それを厚生大臣が認可いたしまして、これを実施して行くというようにやつて行きたい。又もう一つの面はこれらの諸檢査及びレントゲン等の使用料でありますが、それらにつきましては、官公立施設の使用料、手数料というようなものを参考にいたしまして、適正妥当なる金額を決めて行きたい、かように考えておる次第であります。
#12
○藤森眞治君 只今の健康保險の関係を承りましたが、よく分りました。尚私の伺いたいのは、この料金を徴收するということについて、健康保險のいわゆる被保險者としての取扱い方、いわゆる現金の支拂をすべきなのか、或いは保險の支拂になるものかということをお伺いしたいと思ます。
#13
○政府委員(三木行治君) この問題はむづかしい問題でありまして尚只今保險当局とも話合いをいたしておりますが、建前といたしましては成るべく現金支拂をやつて行きました方が保健所の少ない事務陣営といたしましては頗る好登合でございます。そういうつもりで交渉いたしております。
#14
○中平常太郎君 大分御質問される方があるようですから、私も簡單に質問したいと思いますが、警察で衞生行政を扱つておる場合におきましては、警察の方面でこの消毒設備をやつておりまして、その都市における結核に使つたような夜具衣類とかそういうようなものを無料で警察の方へ運んで、そうしてこれを消毒してその乾燥消毒をやつたあと使えるようにして古着屋へこれを廻すというようにして処理してやつてゐたのでありますが、この警察の衞生行政を除けてしまつてそういう面もなくなつたのでありますが、保健所の方ではこの結核予防に対して消毒乾燥消毒というようなことを計画されておらんかどうか、そういう予算があるかということを一つお伺いしたいと思います。
 それから次にこの保健所にはいろいろ非難が起きまして、どの保健所におきましても市民とのみつちりとした接触点というものは少ない。それでややもすればいろいろ非難ができて一週間の間に僅かに二日しか相談に行く日がないとか、或いは或る日には午前中しかないとか、非常に人民との間には不便な規則ができておりまして、一般市民は今日は保健所へ行つても診て貰えるかどうかということも考えなければならないという複雑なことになるのであります。大変こういう不便があつて非難の的になるのであります。もつと機構の改革をやらなければならないと考えております。そこで一保健所に対しまして委員会という民間の総意を反映し得る委員会をどの保健所にも作る必要があると思うのでありますが、そういう方面はどうも規約にはないようでありますが、そういうお考えはないのかどうか、それから次に結核のベツドか足らないということは、固よりでありますが、できて來るものの足りないというような心配より、できないようにすることの方がベッドを増加するところの苦心よりも尚必要な効果的なものと思うのであります。工場衞生のごとき不備なために、農村へ結核を傳播せしめるような状態は、これは一人の患者をなくしても一つのベツトが要らないことになるのでありますから、ベツトの殖えることにおいて汲々とするよりも、患者のできないことの方面に向つて積極的の手段を講ずべきであると思うのでありますが、こういう方面が保健所に対してはどの程度まで求められるものか、要求し得られるものか、すぐに労働基準法その他において制約されておる、その方面でやるといいますけれども、それは又別個の立場におきまして國民健康保險を扱うという保健所におきましては、労働基準法の目的の百分の一にも近いような一つの條項をあてにして保健所が安心しておるわけには行かないと思うのであります。それからこの点について十分な保健所の活動をどういうふうにされるかということ、その次にもう一つは、第二條の指導の点につきまして、体力の指導が一つもない、これは前の規則は体力の向上ということが第一番に掲げられてありましたが、今度は明細に羅列されておりまして、全体を通じるということになれば、体力の向上ということになりますけれども、私はこういうふうな法規を発表するに國民の体力の増進を図るというような考えを保健所が持つべきではないかと思うのでありますが、この点に対してはなんら積極的の手段方法が規則の上には現われていないのであります。例えてみれば各諸官衙における晝食後の一時間の運動の指導、或いは日光浴に対する適切な集團の人々に対する一つの激励的ないろいろな催し事、とにかく一般の健康増進のため積極性を持つような條項が第二條の中に入つていないので、つまり体力の増進というようなふうのことはどの項目で扱うか、又保健所が今後それを扱うか、扱わないかということをお伺いしたいと思います。以上四つでございます。
#15
○政府委員(三木行治君) 区民との接触点が非常に少く、かつ保健所の活動についても週二日にぐらいしか外來診察をやつていないというような点は遺憾であるのであります。何か運営について委員会等を考えるべきじやないかという御意見でございますが、全く私どももさように考えております。從いましてこれは是非ともさような民主的な納得の行く行き方といたしまして委員会を設置する方針でありまするが、ただそいつをやつて行きますために、法規、命令を出すという根拠法が、この中に條章がないのであります。併しながらここの第六條に「厚生大臣は、地方における公衆衞生の向上及び増進を図るため必要と認めるときは、「云々こういうところに「保健所の設置及び運営に関して」というように記載してございまして、この運営に関する厚生大臣の指示権に從いまして、通牒によりまして委員会を設置するというような措置を講じて行きたい所存であります尚御指摘になりました体力の向上というような総合的な積極面が欠けておるではないかという御質疑でありましてその点につきましては実は國民体位、國民体力というような言葉が相当に戰時的色彩がある、併しながら他に適当な言葉もなく、且つ御指摘になりましたように、これからのものを総合的にやりまするならば、窮極において國民の体力を向上するということに相成るこういうことで特にそれらの体力の向上という文字を使用いたさなかつたのであります。その点御了承を得たいと存じます。尚消毒及び結核につきましては、予防局長からお答えいたします
#16
○政府委員(濱野規矩雄君) 先程のお話の消毒の件、ぼろやなにかの消毒でございますが、あれは結核予防法の中に定められておりまして、市町村がいたすことになつております。今度保健所ができますれば、市町村にそういうことを慫慂し、又あるものを利用するように保健所の医者なり看護婦さんがよく指導できると思います。消毒の義務は、結核予防法の中にあります事項で、市町村がそれをするように命令で定まつております。
#17
○中平常太郎君 今まで警察でやつておりましたが……。
#18
○政府委員(濱野規矩雄君) 警察でやつておつたというのは、市町村に対して警察の人が奬めたことになります。そうせんと今度はぼろと古ぎれが賣れんことになります。
 それからもう一つ、その次の御質問の患者の発生を少くする方が、ベッドを作るよりも必要じやないか、これはもう仰せの通りでございまして、又保健所に十分のスタツフが揃いますればこれに向つて努力する、それが本当の保健所の在り方だと思うのであります昨日から申しておりますが、宜ろしく御願いいたします。
#19
○小杉イ子君 私は第二條の第三と第四と、最後の保健所の機能強化ということの三つを伺いたいと思います。これは質問でなく希望を申上げたいと思います。
 飲食店の衞生という所で私が申上げたいのは、外食券で食べておるような人は皆淋しい家庭から來ておる人でございますから、食べ物などに氣をつけなければなりませんが、私が最近見ました例は、十五六日目に初めて米粒を拜んだわけでありますが、今度はちよいちよい拜みます。その中に鼠の糞が二つ入つておりまして、虫が一つ入つておりました。そうして味噌汁の中に大根がそのまま切らないで入つております。それは大きいことはございません小さい大根です。それは余りですから私は神戸に持つて帰つて見せたのでございます。こういう不愉快なことをしてこの人たちに御飯を食べさせておるということは、誠に氣の毒なことと思いますから、これに対する財國法人に対する御注意を願いたいと思います。そうしてこの間も中毒患者が沢山出たけれども原因がわからない、食堂の不潔ではなかろうかということが出ましたので、これを伺います。
 第四は、水道の汚物掃除のことを書いてございます。私の部落あたりでは全然下水というものに対しては、掃除ということの観念がございませんので下水は何でも物を流す所と、こう申しております。どうしても聞きません。一例を申しますと、ここで記事を取つて頂きたくないことでございますが、パンパンが多うございますから、それらが使つた器具を隣りの下水にごみと一緒に抛り込みます。それは全く飲んでもいい程綺羅にしておる下水であります。それが流れて行く、それを畑にかけますからそこで乾く、それを子供たちが風船が落ちておると言つて吹きます。こういうことなどは余程考えて頂かなければならんと思います。これを防ぐには私はたつた一事でいいと思います。それは下水の流れ口に金網を置くとか、金輪を置くとか、たつた一つで流れて來ないのであります。その施設をするために私は市に要求したのでございますが、失敗いたしました。
 それから最後の保健所でございますが、先だつて厚生大臣も仰しやいましたが、鉄道の不潔、紙屑を捨てる、バナナの皮を捨てることはもう普通のことになつておる。ああいうことは昔から、二十年も三十年も前からどういうふうにどこに箱を拵えたらいいか論せられたのでありますが、誠に不愉快でございます。或る駅に参りました時に大便の便所の所が高くなつておる。これは土で高くなつておるのかと思つたら大便で高くなつておる。そうして下駄の歯の型がつく、そうしてこれに「うじ」がわいて、通るところに皆「うじ」がわいておる、便所の手洗などありません。私はですから新憲法の発布されない前でございましたが市会議員を訪ねまして、私は特別急行券を頂いておる駅長でございますけれども、ああいう無能な駅長は免職さしたらどうか何故ならばあの女の子供達が四、五人おつて皆ふざけて遊ぶ時間がある。その時間を例えば手当でも出して、女であるからというわけでありませんけれども、家におつて便所掃除をしなければならんのですから、そういう便所掃除を手常を出してやらせる、交替で何日間日間に一遍するというような方法を取られたら如何と、こう思いまして、そうしてああいう無能な人は免職さすということがなければならん、私は決して免職させるのが希望ではありません。その前にその人に対して三遍も四遍も忠告しなければならんのですが、こういう権限がこの権能強化のところにあるかどうか、こういうことをしなければ到底この不潔とかいう病源……中平先生といつしよで、この病氣を出してから防止するということは予算を大変喰います。予算を必ず余計に喰いますということを思いますときに、こういうところの処分を最も強化して頂きたい。これは希望でございます。これを以て終ります。
#20
○三木治朗君 この保康所の重要な仕事であることはいうまでもないのでありますが、この保健所法を最も效果的に、能率的に実際的に效果をあげさせるのには、色々工夫も必要だと考えられるのでありますが、私共労働組合を長年やつておりまする者に取りまして、一番労働階級にこの保健所法の実施が必要なのであります。ところが肺病にいたしましても、或いは花柳病にいたしましても、なかなかその早期発見を恐れるのであります。成るべくこれを避けようとするのであります。労働者が病氣になるということは、いわゆる貧乏のどん底に落ちて行く第一歩であります。又取返しがつかないのであります。從つて早期にそういうものをなくすという建前からいたしまして私共戰前に保健婦をおいて、それは労働組合の仕事としてでありますが、保健婦を雇つて、各労働者の家庭を始終廻らせるということを計画したこともあるのであります。併し遺憾ながら保健婦がなかなか数がありません。それから若い子供のようなものでは、これ亦家庭を廻らせるのに役に立たん。二三の人にも会つて見たのでありますが結局適当な人を得ることができないうちに戰爭が始まつたような次第であつたのであります。私共考えますのに、これを最も效果的に效果をあげさせようとするのには労働組合、今日では到るところに労働組合ができておりますが、まだ必ずしも健全な発達をしておるとは言えないかも知れませんが、この今到るところの工場事業場にある労働組合を利用いたしまして、或いは労働組合自体に発案させるようにいたしましてそうしてその労働組合とタイアツプして效果を挙げるような方法を取つて頂く御意思があるかどうかということをお伺いしたいのであります。今日も労働組合がただ賃金値上げや闘爭にのみ耽つておるというのは甚だ不健全な行き方でありまして、労働組合が色々の労働階級の福祉のために事業を行うことによつて初めて、健全な労働組合の発達ができるのであります。イギリスあたりにおきましては失業保險なども悉く労働組合がこれを引受けて実施しておるのであります。日本の労働組合も發達して参りまするならば、この保健所法のような仕事も労働組合自身が引受けて、そうしてその指導をしてやることによつて初めて、爭議の予防ができるのじやないかと、かように考えるのであります。こういう点に関しまして、何らか政府において御腹案があるかどうか、お伺いしたいと思います。
 次に保健婦の問題でありますが、先程ちよつと申上げましたが、保健婦をやはり一般國民が信頼してよき相談相手、病氣に対するよき相談相手になるというような非常に重要な役目を持つのでありますから、この保健婦の養成、これには余程填重な考慮が必要だと思うのであります。ただ女学校を出たからというだけのことでなくして、やはりその人が何か殉教的な、或いは社会正養の観念に強い人であるというような人を選んで、そうして十分教養して行くのでないと、一つの職業としての保健婦ということであつては、容易に実效が挙らないように考えられるのであります。この点は非常に実際問題としては困難ではあろうと思いますが、そういう方針で保健婦の養成に当つて頂けるかどうか、その点に関して御意見をお伺いいたしたいと思うのであります。
#21
○政府委員(三木行治君) 保健所を能率的にやるために、特に労働組合との関係等について考えたことがあるかという御質疑でありますが、私共全く同感に存じておるのでありまして、保健所が本当に仕事をやつて行きますためには、その区域内におきます住民の方方の盛り上る共感と共鳴とをかち得なければ、到底恒久的な效果も挙らないのでありまして、殊に労働組合というような組織化された團体があるという場合におきまして、それらの組合の方方がこの事業に関心を持ち、又銘々のことであるというような御理解を賜つて御協力下さるということは、私共の衷心希望するところであります。是非共よろしくお願いしたいと考えているところであります。
 次に保健婦というものは、事業の性質上非常に信頼に基礎を置かなければならないのですが、それらの資質の向上について何らかの考えがあるかという御質疑であります。昨日もちよつと申上げたと存じますが、保健婦の教育制度と申しますか、その制度は昭和二十五年度からは六・三・三を終りまして次の大学課程四ケ年でありますが、それを三年間やりまして、そこで初めて甲種看護婦になる、その上に更に一ケ年間の保健婦学科を修めまして、國家試驗を受けた上でそれをパスいたしまして、厚生大臣の免状が貰えるということになりますので、昭和二十五年度以降におきましては、極く一般の保健婦、外のルートもございますが、極く一般の保健婦はほぼ大学教育を受けるというようなことにも相成りまするので、人間としての面におきましても、或いは教養の面におきましても、相当指導力を持つに至るものである、かように考えておるのであります。そこに至るまでの期間におきましては、本年度予算におきまして約百万円の再教育費が計上いたしてございまするので、それらを活用いたしまして、十二分に再教育を実施いたして行きたい、かように考えておる次第でありまして、ほぼ御期待に近いところまで進み得るのではないか、かように考えておる次第であります。
#22
○中山壽彦君 私、今まで御質問を申上げる機会を得ませんでしたが、最初若干総括的の御質疑をいたして置きたいと思います。先だつて來、各委員の方からお話になりました通り、我が國民の公衆衞生に関する思想というものは非常に低級でありまするということは事実であります。而して又現在の保健所が公衆衞生に関する指導をスムースに遂行しておつたかということを考えますと、私自身の観察では甚だ不徹底であつた。こういう感じを起こしておるのであります。今囘保健所が改正をされまして、從來よりも……十一項の指導を行ひ更に又特定の病氣でありますが、治療の面にも行い、その上に行政の一部門も担当するというように保健所の使命というものが、非常に拡大強化されたのであります。この重大な職責を果たしまするには、保健所における人手陣容というものが余程完備しなければならぬと、こういうふうに考えているのであります。申すまでもなく公衆衞生の範囲というものは非常に廣汎なものでありまして、これを教えて行きまする面から申しましても、各種の專門家に俟たなければならないこういうふうに考えられるのであります。今後は学制の改革も割期的な改革が断行せられまして、その新学制による卒業生は相当公衆衞生に関する知識も沢山持つことに相成ると存じますが少くとも今日までの医師に対して十分な指導を果せということは非常に困難なように私は考えるのであります。現在短期の講習会をおやりになつておりますることは非常に結構なことでありまして、どうか今後こういう講習会を数囘繰返して一つやつて頂く。先ず指導に当る人の力を十分につけるということに、十分一つ御熱意を持つて頂きたい。こういうふうに思います。又指導事項の一々につきましても、先刻來いろいろの御意見が出ておりまするが、第三の栄養改善ということは今日の食生活の行き詰つた際、栄養、カロリーをできるだけ高めるということについては、余程國家が全力を注いで、この問題はやらなければならない。一保健所がこういうことに力を入るることができるかどうかというようなことを私は疑つているのであります。御承知の通り主食の米食の米がいかに豊年でありましても、その絶対量が不足するということは、もう既定の事実でありますで我が國民は今後粉食をどうしてもしなければならない。この粉食には我が日本人は非常に不慣れであります。最近私の聞きました或る事実がありますので、これを一つこの機会に委員の各位にも申上げ、又政府当局の方にもお話を申上げて今後の参考にいたしたいと私は存じております。或るアメリカの宣教師、これは戰前に長く茨城縣に來ておられた方でありますが、丁度昨年の暮に我が國に來られまして、人類愛の立場から本國なり最高司令部との間に非常なる努力を拂われて、月に一万トン以上の大豆の粉の輸入をされておつたのであります。丁度五月頂に米の遅配が相当ひどくなりましたので、農林省の食糧管理局の方からその大豆の粉を或る地方に流したところが、流された地方で数人の下痢患者が発生したのであります。このことを宣教師が聞かれて、私共に話された言葉がある日本は何故にかように非科学的であるか自分共は非常な熱意を以て本國から一万トンの大豆の粉と雖も日本に輸入することに努力をいたしておるのである。この大切な粉をかように非科学的に使うということではもう日本に送るだけの熱意が消退をする。こういう話をされたのであります。私共この話を聞きまして、誠に汗の出るような氣持がいたしたのであります。その宣教師は丁度今アメリカに帰つておられますが、來る九月には再び日本に帰るからと、こういうことを申しておられるのであります。御承知の通りアメリカの科学と物量とを無視して無謀な戰いを敢行し、今日敗戰の憂目を体得いたしておる私共でありますから、この機会にすベてのことを科学的に処理するということに、官民共に頭の切り換えをしなければならんではなかろうか。その宣教師の言われるのには、この大豆の粉はお豆腐にするとか、味噌の材料にするとか、こういうつもりで日本に輸入したのだ。これをそういう考慮なしに漫然と地方に流されるということは非常に困るということを申されておつたのであります。それで私は政府御当局にお願いいたしますことは、こういう場合に農林当局と厚生省とが、もう少しよく話し合つて、國民の幸になるように、大事な輸入物資を利用して頂きたい。そこで粉食というものには、我が日本人は古來慣れておりませんのでありますから、この際粉食の調理の仕方、又これに附随する副食物、こういうものをどういうふうにしたならば栄養カロリーを保ち得るかという一つの処方を作つて頂きたいと思うのであります。この処方たるやなかなか困難だと存じますが、困難と申しましても努力をしなければいかんわけでありますから、栄養学者のみならず、実際家を呼び、例えば木村屋の主人とか或いは又料理に堪能なる実際家とか、こういうような人々と学者とが協議をいたしまして、粉食の処方をする。又パンにつけるバターも今日はない。又ジヤムをつけましても、ジヤムは別に栄養にはならんのでありますから、なにか少い物質の中にも多量に安く求め得る品物の中から、パンならパンにつける一つ物を考究して貰いたい。こういう機関を中央に設置して頂きたいということを私はお願いいたしたいのであります。かく申しますことも、折角奇篤な点から我が國に輸入を努力されている方々の心証を害しますということは、多くを期待しております今日、將來に対して惡い印象を残すような虞れがありはしないか、こういうような意味合から、特にこの点をお願いいたして置きたいのであります。而して又折角立派な処方ができましても、これを國民の日常生活に直結せしめるということが、我が國の公衆衞生の見地からいいますというと、非常に困難だろうと私は思います。そこでこういう國民の日常生活に直結せしめて、これを活用するということこそ、各保健所の重大な私は使命じやなかろうか。こういうことにこの保健所が全力を傾注されるということを、私は心から切望いたしておるのであります。
 次に第九項目の所に各種の檢査ということが記るされてありますが、先だつても或る委員の方からお話になりましたのでありますが、戰災によりまして各種の檢査施設というものが破壊され、又その復活はいろいろの隘路によつて今日までできておりません、そこでこの保健所に顯微鏡的の檢査、培養檢査、花柳病等も扱われるものでありまするから、ワツセルマンの檢査をし得る施設もなさければならんと思うのであります。今日は非常に物も高い時でありますから、培養器や孵卵器をお買いになるにしても、又動物を飼うにしても、施設費も沢山掛かりますし経常費も亦相当高く掛かることと思うのであります。まだ予算を拜見いたしませんから、詳しいことは申上げにくいのでありまするが、どうも中途半端な保健所をいかに多数お作りになりましても、世の中に役に立たんのでありますから、六百七十五箇所のうち少数でもいいのでありますから、実際に社会のために能率を挙げ得る保健所を作つて頂きたい。でありますから從つて今度のこの保健所の改正というものは何年計画でこれを完遂なさるお見込であるか。無論早いことは早い方がいいのでありますが、これは予算の関係でありますから、その内容に重点を置きまして、たとえ少数でも早速活動し得る保健所を一つ拵えて頂きたい。こういうことを私は心からお願いいたしたいのであります。
 尚先刻藤森委員からの御質問もありましたが、この保健所が所在の医師会と協力をいたす、医師会のみならず医療團体と協力をして行きますということは、保健所の能率を挙げまする上に極めて必要なことと存じております。ところで從來の医師会は強制加入でありましたが、強制加入でありましてもなかなか保健所等に就職しておりまする医員の方の医師会に入りますということが非常に困難であります。今囘は新らしい医師会は任意加入ということに変つて参りますので、尚更この点の問題が非常に私は困難でなかろうか、併しながら是非お入りなさいということは強制にわたるわけでありますからそういうことを医師会の方から保健所の職員に向つて申し上げることも困難なように思うのであります。これらの点についても御当局では一つ十二分に考慮を願つて置きたいと思うのであります。又今日は大臣も御出席になりましたので、第四條の結核、花柳病、歯科の疾病、これは予防に限局することだ、こういう御説明も承つておりますし、或いは又厚生大臣の指定する病氣ということは地方に特異性のある病氣というようなことも政府委員の方から承つておりますが、これは將來大きな影響のあることでありまするから、大臣の御出席を幸に改めて一つ大臣から御言明を願つて置きたいと思うのであります。
 又保健所で治療行爲をするということにつきまして、いろいろ社会では医療國営の前提ではないか、こういうような杞憂を抱いておる人も沢山あるのでありますが、この点についてもすでに政府委員から御答弁を得ておるのでありますが、我が國の医療制度につきましては、現在ソビエットの如き國営がいいか、アメリカの如き民営がいいか、又國営民営両者二本建でいいかこういうことは現在厚生省に設置されておりまする医療制度審議会においていろいろ御討議を進められることと存じますが、これらの討議の上からも、この保健所で治療行爲をするということは、これは今後我が國の医療國営の前提ではないということをはつきりと大臣からも一つ御言明を願つて置きたいと思うのであります。以上私の質問を終ります。
#23
○國務大臣(一松定吉君) 只今中山委員の御質問に牽連いたしまして、米國のある篤志家のわざわざ日本に送られた粉に対して使用方法を誤つたがために衞生上面白くなかつたということに牽連して、非科学的の態度ではよくないではないかという、そういうような点については十分にこれを檢討した上に食用に適するような方法においてこれを使用されるという知識が國民になければならんというような御意見は御尤もであると私も考えておるのであります。いろいろ配給の食糧等に関しましてどういうものかいろいろな物が混つておつて、それがために中毒したというような記事が新聞紙上に散見する度ごとに、私はそういう点について何とかの方法によつてこれを是正しなれけば公衆衞生上憂慮すべきことが多いということを常に考えておるのであります。幸に今囘はこの保健所法の第二條におきましてそれらに関しまする調査研究のことも十分にできることになつたのでありまするから、今あなたの仰せになりましたような方法によつてそういう欠陥を十分に補填して、ますます保健衞生に注意をいたしたいとかように考えておることを御了承を賜りたいのであります。
 それから第四條のいわゆる厚生大臣の指定する疾病の治療を保健所において行うことができる。厚生大臣の指定する疾病とはどういうものであるかということの御指摘でありまするが、私專門家でないからよく分りませんけれども、調査した所によりますると、それは極く特殊な疾病を考えておるのでありまして、厚生大臣が一般的の疾病までも保健所において治療せしむるというような考ではありません。然らば特殊な疾病といえばどんなものであるかと申しますると、事務当局からの今私に対する内示でありまするが、これによりまするというと、青森縣におけるトラホーム、或いは山梨縣における日本住血吸虫病というような特殊の病氣があるそうでありまするが、いわゆるこういうような特殊な病氣については保健所をしてこれが治療に從事せしむる。こういうような趣旨から一般的な疾病に関して保健所がそういうことをやる、そうして一般開業医の職域までも侵してやるというような考えは今持つておりません。要するに現行法通りのことにおいて尚足りない点について政府は保健所をしてこの仕事に從事せしめて、よつて以て保健衞生の完璧を期したいという趣旨から出たものであるということを御了承を賜りたいのであります。
#24
○政府委員(三木行治君) お答えいたします。保健所が大いに加重せられた使命を達成いたしまするためには、人的陣容の整備が非常に必要だと思うが、この点についてどう考えておるかという御質疑でありますが、只今御手許へ大変延引いたしましたのでありますが予算書を大体の結論を得ましたのをお配りいたしました。時間がありますならば御説明申し上げたいと存じまするが、それで御覧下さいましても分りますように、概ね総数においては二倍程度の陣容でありまするが、併しながらこれは五ケ年計画で以てやるという趣旨でありますので、大きくなりました保健所におきましては大体四倍くらいな定員を擁することができると存ずるのであります。尚再教育につきましても常時或いは予防局におきまして、或いは医務局におきまして、或いは私共の方におきましてそれぞれ行政にくつついておりまする再教育はいたしまするし、且又全般的な再教育につきましては公衆衛生院におきまして、これは公衆衛生院が性格を変えまして、専ら再教育機関として今後二、三年は専念するというような変貌を遂げておりまするので、相当御期待に副い得るものであると考えておるのであります。
 次に栄養の改善につきまして色々とお話がございましたのでございまするが、これの重大さにつきましては申すまでもないところでありまして、今日東京都民の受けておりまする配給栄養量は概ね千百カロリー、蛋白は約三十グラムという程度であります。從いまして実は普通の栄養指導の方法では到底追い付かないのでありまするが、併しながらこの時だからこそ栄養指導を徹底的にやつて行かなければならんということで、私共といたしましても大いに責任を感じ、農林省とも緊密に連絡をし、研究機関とも緊密に連絡を又し地方の職員を集めまして調理方の実習を開くというようなことで非常に努力をいたしておる次第であります。尚お叱りを受けました大豆粉の件でありますが、この点につきましてほんの聊か釈明をいたさせて頂きたいと思うのでありまするが、この大豆粉は私共非常に感謝いたしまして、実はこれは普通輸入の枠の外から輸入せられる物であり、且つ日本が蛋白質不足のときにおいて最も恰好な品物であるというようなことで、特に厚生省と農林省の関係当局で委員会を組織いたしまして、二囘に亘りまして協議をいたしましたのであります。從いましてそれの栄養指導の方法につきましては、当然私共が担当するということで若干は試案も得ておつたのであります。ところがこれが実は普通の輸入の枠の中で決済しなければならんということに相成りましたということ、及びそれが意外にも早く到着いたしまして、私共がもう一ケ月したら着くであろうということで懇談会をやつておりますときに明日着くということが分つたというような関係もございまして、これが豆腐とし、或は味噌として非常に良質のものであるということが分りながら、実は腰碎けになり、且つは又周知の機会を逸した。併しながら遲れ馳せではありますけれども、これ等を豆腐として或いは味噌として使う使い方、或いはこのものは一度熱を通す必要があるというようなことにつきましても、それぞれ努力した積りでありますが、而も尚若干の中毒患者を出したということは誠に申し訳ない次第であります。兎に角農林当局との間に緊密な連絡があつたということにつきましては十分御了承を賜わりたいと存ずるのであります。尚その次の粉食の問題につきましてもしつかりやれという御言葉でありましてこれは厚生省の方針といたしましても單り從來の米麦依存という考え方はもうこの際はつきりと清算いたさなければならんということで、その方向に向つて努力いたしておるのでありまして保健所におきましてもお配りいたしました予算書に載つておりますように、栄養士一名づつを貰い得るような原案に相成つております。從いまして御趣旨の通りにその方面に向つて極力努力を傾けて行きたいと存ずる次第であります。尚、試驗檢査につきましては、仰せになりました通りに、試驗檢査施設というものはなかなか開業医に取りましても困難であります。而かも医学を実践するということにつきましてはこれ等の施設が不可欠のものでありますから、十分に内容充実に努力をいたしまして、又それの配置につきましては既設の機関のある内等は避けるというようなことで、重点的にやつて行くということにつきましては、十分に御趣旨に副うように努力をいたしたいと考えております。尚医師会等の関係につきましては固より緊密なる御連絡を御願いしておるのでありますが、その任意加入となりました、新生医師会に対しまして、保健所との関係につきましても御趣旨は十分に了承いたしまして努力をいたしたいと、かように考えております。
#25
○姫井伊介君 第一條の「公衆衞生の向上及び増進」とありますが、この増進の意味がはつきり分からないのでありまして、これは國民健康を増進されるという意味か、公衆衞生を増進するという文字の上から考えますとなんだかぴんと來ないような感じがするのであります。英文に訳される場合はどうなりますか知りませんが寧ろ普及になるのですか、一方では向上をしてそれを更に普及せしめる意味にありますか或いは別の意味で健康を増進させるという意味か、その点を伺つて置きたいと考えます。第二条の第二号「人口動態統計に関する事項」、これはどんな種類で、どんな範囲までお取扱いになりますか、他の衞生統計との関係になにか無駄なが生じ重複をすることがありませんが、從つてどこにはつきりと線を引かれますか、それをお尋ねいたします。第四條の治療につきましては保健所は処方箋をお出しになることができますかどうか、お尋ねいたします。それから第六條、これは質問ではありませんが、さつき中平委員のいわれましたように委員会の設置は法文化する必要があると私は存じます。最后のお尋ねは、社会的方面から、保健所の活用についてでありますが、多くの場合生活指導が分析的に行われまして、私共の生活が既に総合的に扱われていないところに、保健所の從來の悩みもあつたのであろうと考えるのであります從いまして、地方におきまして色々の施設があります。医療施設も無論でありますが、保健組合の病院もあり、農業会の病院もあります。その外今度は公民館を設置するとか、或いは生活協同組合もできまして、それに又施設もできましようし、或いは又社会事業方面でいろいろなことも行われます。こういう場合にそういうふうな施設と緊密な連絡をとつて行かなければならんということは無論でありますが、その方法といたしまして、從來の施設の他に、若し新説されるような場合には、そういうふうな地方の既設の施設を活用する。更に支所などにおきましても社会事業の隣保館などに支所を置かれますことは、社会事業自身も非常に仕合わせでありますし、又支所を置かれますにつきましても、特別な建物が要らない場合もあるわけであります。地方における保健所が、いわばヘルス・センターとなるといたしまするならばそれを更にシヴイル・センターといつたところまでに拡大する考えをもつて他の施設と協力されるならば、施設の充実並びに増設につきましても、非常に便利があるのではないか。従いまして、結論的に申しますと、あらゆる施設を活用する。そこに科学の交流も行われ、職員等の人的の連絡もスムースに行われるわけであります。自然の中に保健所の使命が進んで行つて、例えば聖路加病院でありますが、近來はどうであるか知りませんが、病人に対しましても、病氣に差支えない者に対しましては手藝をやらせる。或いは慰樂普通娯樂といつておりますが、そういうものをやらせる操り人形をやるとか人形を作るとか、その中に自然に病氣が忘れられて行く。そういうことになりますと。どうしても社会施設などと緊密な連絡をとる必要があると思う。更に又経費も從つて節約もされる訳であります。こういう方面から私は保健所の活用につきましては廣くそういうふうな施設と本当に協力して、渾然一体となつて進まれることをお願がいし又それにつきましてのお考えを承りたいと思います。以上
#26
○政府委員(三木行治君) お答えいたします。第一條の「地方における公衆衞生の向上及び増進」、その「向上及び増進」とは何であるというお言葉であります。これは率直に申上げますというと、憲法に用いられておる言葉でありまして、私共は公衆衞生の質的及び量的の向上それを「向上及び増進」と、かように解釈をしておるのであります。次に人口動態統計というのは疾病統計を含むかと、こういう御質問でありますが、人口動態統計は、今日現在におきましては、内閣総理廳統計局の主管になつておる。併しながら公衆衞生と密接なる関係もございますので保健所におきましては、これを市町村役場から保健所を経由いたしまして、保康区内における出生、死亡、婚姻、離婚につきましては、十分にこれを知つておる。そうしてそれらの統計に基きまして折角公衆衞生の向上増進を施策するということに便することに相成つておるのであります。然らば、これは衞生統計を含むかという問題でありますが、現今における人口動態統計は衞生統計は含まないのでありますが、併し私共といたしましては、いわゆる傳染病及びその他の屆出疾病に関することは、ここで含まれて解釈しております。便宜的な解釈でありますがお許しを得たいと思います。尚第四條の治療の場合に、保健所は処方箋を出すかこれは保健所で発行いたす所存でございます。尚最後の御意見に対しましては、私共全く同感でありまして、保健所が單なる藥臭いものだけを対象とするというような考え方では、これは本当の公衆衞生では勿論ございません從いまして、あらゆる機関が相互に緊密に連絡いたしまして、受ける國民の側になつて見るというと、一本で行くというような措置をどうしても講じなければならん。從いまして保健所といたしましては、例えば保健婦活動という一断面をとつて見ましても、例えば保健婦が訪問いたします場合におきましては、特に社会事情、或は健康保險との緊密なる(連絡、或はこれらの十分なる知識を以て、)連絡に資するというような措置を講じておる次第であります。今後におきましても、その線に副いまして、十分に運営上の注意を拂つて行きたいと、かように考えておる次第であります。
#27
○谷口弥三郎君 私はこの際三つばかりのことについてお伺いいたしたいと思います。先づ第一番には、予算の関係でございすまが、これは既にたびたび各委員から申し出でもあつたり、御説明も頂いておるのでありますが、とにかく今囘保健所の機能を拡充強化しようという目的に改正案が出ましたのでありまして、これは我々國民として、而も敗戰國の今の現状からして是非十分にやつて頂かなければならんと思つておる際で、誠に喜んでおるのでございますが、聞くところによりますれば僅か二千八百万そこそこの予算額でやつて行こう、この案を見れば、極めて沢山な項目に亙つた公衆衞生の増進事業があるのにも拘わらず、このくらいの金で実際に、只今中山委員のお尋ねもありましたように、本当に立派な人を集め得るかと、又設備が実際にできるだろうかと考えて見ましても、これは只今レントゲン一台を買いましても十数万円を要します。又必要なワツセルマンの檢査をいたします場合にも、その資材、モルモツトにいたしましても可なりの経費を要するのでありましてこれはなかなかこのくらいの金では困難であるのではなかろうか。無論当局においてもこの國難の、経済不振の時代を考えて、極めて遠慮して少額をお見積りになつたろうと思いますが、これで確かに行ける、本当に行けるというお氣持があるのだろうか。是非一つこの点、行けるのならば結構でありますが、どうしてもむずかしいようであれば我々も立法府の一員として、大いに援助をいたしまして、実際に保健所の機能が活用できるようにしたいものであるということが、第一の質問やら希望であるのであります。
 第二には地方委員会の設置と、関係國隊との連絡関係でございますが、これにつきましても「既にたびたび」御説明もありましたし、殊に本日は中平、姫井両委員から既にお尋ねになつたことでありまするが、是非ともこの僅かの予算で完全に仕事をやつて行こうという上におきましては、いわゆる重点的にやろうという場合には、どうしても地方委員会を設立いたしましてその委員会によくお諮りになつて頂かんというと実際の目的を達し得るかどうか。アメリカにおきましては、最近保健所が大いに機能を活躍し始めたというのは、これは設置場所が比較的そういうふうな設備のない所に用いた結果であると聞いておりますので、ぜひとも設置場所を或はABCの級のものを配置するとかその他に対しては是非とも委員会を作つて頂く。併し、尚その附近のすべての國体を活用させて、或る場合には事務所なども一緒にして、そうしてやつて行くようにすれば、僅かの経費で目的を達することができはせんかというように存じますので、それに対する御所見を承りたいと思います。
 第三には、保健婦と助産婦との関係についてお伺いをいたしたいのであります。最近この保健所或いはその他におきまして、保健婦と助産婦との間に可なり職域爭いが起つております。幸い先日山下委員から、この第二條の第七号について、「母性及び乳幼兒の衞生に関する事項」というところについてお伺いをされたところが、政府委員においては、これは兒童福祉法と考え合せてやつて行くというような御説明で大いに安心をいたしておるのでありますが、実際にこういうようなふうの事実があるのでございます。或る所に一人の姙婦がおりまして、お産をいたしましたから、その翌日行つて見ますというと、保健婦が参りまして、沐浴させておつたが、産婆は從つてもう翌日から行くのを往診をやめた。ところが数日いたしまして、熱が非常に出たからぜひ往診をしてくれというので、産婆が参つて診たところがそのお産をした婦人は、褥婦は子宮が收縮が惡いとか熱が出ているとか、下り物の分秘が非常に沢山あるというような点から、産婆は産褥熱であるという考えの下に、地方の医者に頼んだ、地方の医者では、可なり重態であるから、到底自分では責任を持ち切れんというので、專門病院にそれを送つて來た。最近ありますペニシリンなどを應用いたしまして漸く一命は取り止めることができたのであります、これは保健婦の職域といたしまして、産婆のおらん場所であれば仕樣がないけれども、産婆がいるときに、而も産婆がお産をさせた所に保健婦が出しやばつて、そうして子供の世話をして、母の方を見なんだ結果、そういう病氣を早く見出すことができなんだような次第であります。從つて今後保健婦の指導をされます場合には、産婆のいる所には、而もそれは開業産婆でありますので、それまでは保健婦が取つてしまうというのでは、産婆の口が乾上つてしまいますので、是非とも産後当分の間、或は姙婦、産婦などについては保健婦は手を出さずに、産婆の方にやらせるというようにして頂かんというと、今後産婆会並びに保健婦の方面との連絡協調が非常に困難と思うのであります。從つてこういう点については、特にこの公衆保健局の方におかれまして、大いに指導を完全にして頂きたいというように考えております御質問申し上げます。
#28
○政府委員(三木行治君) お答えいたします。地方委員会の設置によつて重点的に、高能率的にやれという御意見であります。私共も全く同感に存じておる次第であります。厚生大臣の通牒によりまして、是非ともこれらの委員会を作らして、十分に、一番正しい意味の親しまれる、高能率的な保健所の運営をやりたいと考えております。
 次に予算の問題でありますが、予算がこれで行けるかどうかという御質問でありました。私共といたしましてはこれでは甚だ不満足でありますが、取敢えず、先程も申しました如くに、概ねこれは五分の一程度、私共が考えております五分の一ぐらいのものでありまして、言い換えますれば、縷々御説明申上げました保健所活動は、今日ございます保健所の五分の一ぐらいにおきましてはほぼやれると、かような意味合であります。五ケ年計画を以ちまして、我が國の財政の現状と睨み合せて努力を続けて行きたいというのが私共の氣持でございます。
 次に保健婦と助産婦との関係でございますが、保健婦で助産婦出身でない保健婦には助産はやらせないことにいたしております。殊に主事助産婦がおります場合に、さようなことがあることは勿論適当でございませんので、今後さようなことがございませんように十分に注意をさせるつもりでございます。
#29
○宮城タマヨ君 各委員や皆さんからいろいろ質問が出ます。それに政府委員から大変懇切な屆きました御答弁もありまして、私のような素人でも大体この法案の内容が分つて参りましたような次第でありまして、喜んでおりますが、私は極く小さい点で二点について質問したいと思つております。
 第一点は、三木政府委員にお願いしたいのでございますけれども、保健婦の教育の問題がいろいろ今まで出ましてございますが、二十五年度から最高の教育を受けるようになつておるという御説明で大変これは嬉しいことと喜んでおりますが、二十五年までそのままでございますということは、予算の関係だけでしようか、どうでございましようか。それから、若しもそれがどうしてもできないとする場合に、今までの保健婦の再教育について百万円かの予算が取つてあるという御説明でございましたが、その教育の内容の点について少し承りたいと思つております。四年前かに女子の專門学校に保健科というのが設けられております。そうして今までの家庭科の教科目よりも随分社会的な教育も受けておるのでございますが、これは文部省の方となにか御連絡がございましてこの保健科を出ました者が保健婦になるというような途はないのでございますか、或はもう付いておるのでございましようか。
 それと、それから都市や農村の生活指導をしますところの中心に保健婦がならなければならないということは今までも出たことでございますし大切なことだと思つておりますが、それにつきまして今派遣されております保健婦が如何にも実際の家庭生活ということについて縁の薄い人が多いのであります。それで地方なんかへ行つてみますと、とんでもない、そんなことは迚も考えられない遥か離れておる問題のように私共も実際見ますと感じるのでございますので、そこでそうかといつて今それをどうすることもできませんが、実際今私共が食糧の不足なときに、配給されましたものをすべて無駄のないようにするための生活指導、殊に食指導ということは、どこかで以てやらなければなりませんというときに、私共として願いますことは、この保健所で以て保健婦に当つて貰うより外に今途はない、生活の最末端の責任を全部持つて欲しいというような希望を持つのでございます。それにすれば先程から申しますように、余りに年も若いし、生活にも慣れませんし、理窟の上では食生活のことも分つておりますけれども、実際の生活からは余りに離れておる。でございますから、私一つ伺いたいのは、先程からの委員会の法制化ということも出ておりますが、私はその委員会というのは、皆様の仰しやるのと少し内容が違つておりますが、家庭生活を指導しますという上に、家庭婦人を集めて、或いは今まで出來ております婦人会なり、母の会とか或いは母親学校の方々を以て組織する家庭生活を中心にした委員会というものを、保健所の外廓團体でもなんでも宜しうございますからつくつて、運営して行くような方法を、法制化するまででなくてもなにかこの第六條の運営のところにも記るしてあることでございますから、やつて頂いたらどんなものかと思つております。それで私共中央で食生活のことなんか考えておりますというと、中央で研究し、そうしてその研究の結果を津々浦々までも農村へ行き渡らせたいなと思つておりますけれども或る意味から考えますと、実際そんなことは飛んでもないことでありまして地方へ行つて見ますと、地方の農村で農村婦人で以て研究されておりますというような、すでにすでにできあがつておるので、さつきの大豆粉の使い方なんかということについても、随分研究をされておるのでございますから、そういう婦人を以て一つの集りをつくつて、屆いておりませんところを指導する。それで東京では「とうもろこし」の粉が沢山配給になりまして、この間私共の家庭でも八日分配給になりまして、それを貰いましたときに、少し苦いのもございまして、みんな困つておつたのでございますが、それを苦いので困ると言うていろいろやかましく言つておりますときに、私思つたのでございますが、日本で毎年一番立派な壯丁を出しておる、日本一の壯丁を送つたという富士山の麓の鳴澤村という村がございますが、この村はなぜ日本一の壯丁をつくるということを行つていろいろ調べて見ましたところ、一年中「とうもろこし」の粉なんです。すべての食物は外にはございませんで、「とうもろこし」の粉ばかり食べておる。そうしてその「とうもろこし」の粉の食べ方が実に合理化した食べ方をしておるのでございます。でむしろ私は「とうもろこし」の粉なら粉の食事ということについてもその鳴澤村のやり方に眞似るということが非常に大事なことでないか。それと同樣のことが各地方にもあるだらうと思いますので、どうしてもこれは保健衞生行政の上だけでなくつて、今の食生活を指導するその指導の中心になるものはやはりこの農村の生活方法を以てしたいというようなことから、私は保健所を中心としました女の委員会を作つて頂きたいというような希望を持つものでございます。今一つはいろんなものが配給になりましたときに、それが不合理なものが沢山ある。と申しますのは麦が配給になりましてもその中の三〇%、嚴密に言いますと、三〇%以上も食物としたら不適当なようなものが配給されておりますようなときに、みんな不平を持ちますけれども、その不平を一体どこへ言えばいいのですか。どこへ言えばお上に達するのですかということを私共はよく聞くのであります。私共もそう思います。これを配給所に持つて行くというと上からこういうふうにして來たので、これをいい按配にして配給しますと、全体量が減つて來ますからというようなことで、全く暖簾と腕押しで問題にならない。そういうときにやはりこの保健所を中心といたしまして、そういう問題について、そんなものを食べさしたために子供が病氣した。年寄りが病氣した。成人がとうとう助からなかつたというような問題を特に保健所を中心としまして、そういうものを集めて中央に声を立てて貰う。つまり私は政治を台所に直結いたしますという一つの機関にして頂きたい。それ程重いものにして頂きたいということを考えまして、お願いするわけでございます。若しそういうお企てがあるようでございましたらお聽かせ願いたいと思つております。
 それから今一つは、保健婦が持つております権限は一体どこまであるのでありましようかということであります。條文の読み方が下手だから分らないのかも知れませんけれども、取締り行政から指導行政に移つて参つて、それから今警察行政の中にはその面のことはない筈でございましようが、実はこの間私は國会の休みに二三日を利用しまして草津の國立の癩病病院を見に参りましたのでございますが、そのときに田舍にございます保健所を尋ね、保健婦に会いましたときに非常にこぼしていましたのは、山の中で大変赤痢がはやつて困つておるのだけれども、どうも田舍では川の水を使つてその川の水も三尺流れれば綺麗になるといつてどんなことを言つても川の水を使う、そうして家の中には確かに赤痢患者だと思う患者が沢山寢ております。けれども私共が参りましてそれを診察させるように手引きをしなければならないと思いますけれども、私共に権限がないので何にもなりません。疲れて寢ておりますよ、頭が痛いのですよと言われゝばそうかと言つて引下つておるよりしようがありません。これは一体どういうふうにしたらよいでせうかという質問を受けたのでございますけれども、私はそれに答えることができなかつたのであります。一体それはどういう権限を持たされておりますのでございますか、素人でございますので三木先生からお伺いいたします。
#30
○政府委員(三木行治君) 保健婦教育につきまして二十五年からでなくもつと早くよいことはやつたらよいじやないかという御意見でございますが、これは現に高等女学校を卒業した者が二ケ年間の教育を受けるという制度が行われております。從いましてこの切り替時における混雑を防ぎますために経過期間を必要とする、こういうことでございます。尚相当大きい改革でございますので、これに要する職員等の養成というようなものもございます。それで二十五年度と相成つた次第であります。御了承を得たいと思います。
 それから女子大等の保健科出身の者は、保健婦になれるかどうかという御質問でございますが、現行制度に、厚生大臣の指定いたしました養成所の出身者及び試驗を受けてこれに合格したる者、こういうことに相成つております。從いましてこの保健科という学科は厚生大臣の指定した養成機関に相成つておりません。学科におきましては相当にやつておられるのでありますが、例えば保健所実習というようなものを欠いておるのであります。從いましてこの方々が保健婦となられますためには、試驗を受けてこれに合格するという制度が残つておる次第であります。左樣に御了承願います。
 農村に、殊に保健所活動をやる場合に、保健所地域内における婦人の委員会というようなものを大いに活用する必要があるのじやないかという御意見に対しては、私共全く御同感に存じております。私共の縷々説明申上げました如く、保健所におきます一番基本的なものは衞生知識の普及問題であります。これらの知識が普及いたしまして初めてすべての保健所活動というものがうまく行くのであります。併しながらすべての衞生知識の普及という問題でも、家庭の主婦の御理解と御協力とがなければ到底やつて行けない。貧糧の問題につきましても同樣でありますだから学校でどういうよいことを学んで参りましても、家庭の主婦の同意を得られない教育は実施できないのであります。我々の衞生行政全般、保健行政の活動の全般が家庭の主婦の御理解によつて家庭の隅々まで入るということが究極の目的であります。それらの問題につきましては、私共といたしましても十分に地方に傳えまして、左樣な組織を是非作らせるように指導して参りたいと考えております。
 尚保健婦の権限につきましては、保健婦自身は権限を持つておらないのであります。只今御指摘になりましたような場合におきましては、それぞれ活動が十分できますので、今予防局長から御説明申上げます。
#31
○政府委員(濱野規矩雄君) 只今のお尋ねの権限でございますが、これはお手許に廻りました厚生行政の中に傳染病予防法というのがございます。その中に檢疫委員というのがございます。それに任命されればどのような素人の方でもそういう権限があります。まして保健所の所長がすでにこういう事務をとつておりまして、保健婦はその下僚でありますから、堂々となさつてもちよつとも差支ない。ですからして保健所長の命を受けてさるべきであります。その保健婦さんはよく御存じなかつたのでありましよう。おやりになつてちよつとも差支ない。それからやかましく言えば、素人の方でもこの檢疫委員に地方長官が任命いたしまして、汽車の中でもどこだろうがそういうことができるようになつております。左樣御承知を願います。
#32
○小川友三君 大体審議も長くなりましたので、この辺で簡單にお伺いいたしまして休憩を願いたいと思いますが、幸に今日の厚生常任委員会は、大臣がわざわざ御來場下さいまして非常に御厚志を頂きまして厚く御礼を申上げます。特に大臣がいらつしやるので、第六條に対しましてお伺ひ申上げますが、先程大臣は、この保健所法に対しまして完璧を期するという自信のある極めて國民を救済するにふさわしいお言葉を御提供下さいましたので、我々委員としても張合いのあることであります。この第六條に、「厚生大臣は、地方における公衆衞生の向上及び増進を図るため必要と認めるときは、第一條の地方公共團体に対し、」云々といふことがございますが今も中山委員、各委員の御質問の通り日本の保健衞生、生衞文化というのは非常に低いものでありまして、正に大臣は地方における公衆衞生の必要を完全に認めて頂けたことと信ずるのであります。そこで保健所の予算でありますが、前委員からもお話ありました通り、二千八百三十五万五千円という極めて貧弱そのものの予算を以て、大臣は七千何百万の國民保健の完璧を期するということを言はれたのでありますが、これは非常に低い予算でありまして、何かのお間違いではないかと思うぐらいの予算であると思つておりますが、どうか我々議員がこの予算をもつと五倍十倍にすることに賛成をいたしますから遠慮なく、厚生大臣閣下として、大予算を編成して貰つて完璧を期するということを実践をして頂きたいのであります。それから第十條に、「國庫は、保健所に関する」云々、この二分の一の國庫負担でありますが、これが全額を國庫で負担をするという意氣込でなければ、完璧は期せないと思つております。政府はなんだ、半分ぐらい出して、地方公共團体にあと負担さしておつて、能書だけは盛沢山であるというような非難があるのでありまして、これを全額を國庫が負担するというような、極めて保健衞生のために政府当局が本腰を入れて頂くという建前にして頂きたいということを御答弁を願いたいのであります。それから第三國人が沢山おりますので、殊に癩病患者の第三國人でよく見るのでありますが、これらが悠々と電車の中に乗つておりまして、衞生知識のある人から見れば、癩病患者が電車に乗つかつて來て困ると思いますが、こういうことに対して厚生大臣の権限でこれを病院に入れることができると思いますが、なんとか手続をしましたらできると思いますが、その方面にも御盡力を願いたいのであります。又いわゆるトラホーム、結核患者の第三國人が随分電車に乗つております、これには僻易しておりまして、なんとかならんものかと思つておりますが、幸に今日は大臣がお見えになりましたので、この方面にもこの保健所法を以てやれるかどうか、又やつて貰いたいということをお願いするのであります。それから第二條の七に、母性及び乳幼兒の問題がありますが、姙産婦に対する結核の予備診断をして頂きたいと思つておりますが、これは結核の姙産婦であるということが決まつたならば、栄養量を余分に配給をして貰えるかどうか、又は是非栄養量を配給して貰いたいという意見であります。それから保健所が僅かな数しかありませんが、今日は大臣がお見えになつておりますので、千三百ケ所ぐらい、警察の数だけ保健所を作つて頂きたいのであります。そうして予算は十億でも二十億でも我々は賛成しますから、どうでもこうでも千三百ケ所を作つて頂きたいということは、昨日政府委員の方が極めていい話をして下すつたのであります。敗戰後の日本の結核患者の数と現在保健所を政府が作つてから、政府のいわゆる手足となつた保健所員が活發に九千七百名が動き出したために、結核患者が非常に減つた、傳染病が非常に減つたという話を聞いたのであります。そうすると保健所を後二倍、三倍に殖やせば傳染病の数が非常に減るということが、それで裏附けられるのでありまして、どうかこの際疲弊困憊した日本で余裕はないと言われるかも知れませんが、幸に大藏大臣は片山内閣の栗栖君でありまして、我々籍を同じうする緑風会員であります。大いに口説きますから、大予算を編成して頂きまして窮乏のこの健康保健所の完璧を期して頂きたいのであります。それから昨日政府委員員が百三十二ケ所に健康保健所の、小さい保健所がありまして、そこにはお医者さんが一人しかいない。そこを二人に殖やして貰つて、それから水質檢査、水を檢査するのが非常に忙がしい仕事でありますが、これを檢査するのは藥剤師という職業の人がおる。水質檢査の專門家でありますから、藥剤師を百三十二名採用して貰つて、そうして全然藥剤師のいないところでありまするからして、完璧を期してやつて貰いたいということをお伺いするのであります。それだけでありますが、どうか御答弁願いたい。
#33
○服部教一君 尋ねたいことも厚生省の盡力を願いたいことも、沢山あるのですけれども、もう段々今日は時も來ましたし、又他日に讓りまして、今ちよつて簡單に申上げたいと思うことは、先に宮城委員から申されました富士山の麓の「とうもろこし」の粉を食ベて体格に非常に能くなつたという話を聞きまして、これを厚生省が「とうもろこし」の粉ということについてどういう研究ができておつて、現在配給されておるものについてどういうように指導されておるか、これを聞きたいそれは、私は今から三十六年前に文部省の視学官をしておる時に、山梨縣を歩きまして、山梨縣を一ケ月各地の学校を視察に歩きまして、ふつと見たのは小学校の廊下にいる小供が非常に体格が良いので、私は不審を起したのであります。おかしいなと思つてそれから何を食つておるのか、どういう労働をしておるのかということを調ベた。その時に「とうもろこし」をその地方では盛んに食つておる。國子にして火の中に入れてそれを食つておる。そうして段々調べて見ますというと、兵隊に行つても申種合格、工兵がその村から多く出るということを聞いたのであります。その頃に私はアメリかの雑誌を読みましてアメリカ人の体の大きいということ、健康上良いということは「とうもろこし」の粉を食うからだということを、その雑誌に書いてあつた。私は医者でもないし、專門家でもないから、私はそういうことを見て、今思い出して、今宮城さんの言われたことから思い出して、私は三十六年前にそのことに氣がついて、それ以來その方に專門にやりませんから、うつちやつたのでありましたけれども、今思い出して私はこういうような問題について厚生省がどういう研究をされておるかについて伺いたい。「とうもろこし」の粉が配給が多いのでありますから、このことをちよつと一言申上げたいのでありますそれからこの栄養知識の普及のことは極く必要であります。今小川さんのおつしやつたように、これは大々的にやつて貰いたい。これは我々は素人であるけれども、素人たる我々も感じておる。厚生大臣はなにも医者でもなければ、そういうことについての專門家でありませんけれども、併しながら常識の非常に発達したお方でありますからしつかり專門家のお方が大臣を頼み大臣をつついて、そうしてその仕事をやつて貰いたい。又我々もそれについては共にできる限り先小川さんが仰しやつた通りできる限りこの日本の公衆衞生を進める上において力は盡しますから、足らんならば我々も鞭撻して下さい。お前達は大きなことばかり言うて何をしておるかと我々をつついて下さるならば、我々もできる限り、或いは大藏大臣に委員を作つてでもやります。昨日の文化委員の時にこういう問題が出た、観光の設備をやつて、ホテルなどを作つて外國人を沢山入れて日本に金を落すようにしたい、こういうことで昨日は文化委員の方で長い間專門家の方も來られてやつたのでありますが私は言うたのです。こんな汚い所に、ごみだめの汚い町に、衞生上不完全で沖もこんな所に外國人が來たら、日本にもう一遍來たら、來るのは懲り懲りだということになつてしまうから、先ず以て衞生上の設備もよくし、しつかと奇麗な町にして……私はスイツルに五十日ほどおつたことがありますが、実に今から思い出しても氣持の好い、奇麗にしてある。ところがイタリーに二度行きました。イタリーに行つたところが、イタリーは汚くて汚くて、泥棒が多いやら、子供の乞食が多いやらもう誠にいやな感じをいまだに持つておる。そんなようなもので日本に観光客をよんで、日本に金を落すのもいいけれども、金を考へずに、もつと日本を改革することを先にしなければならん日本に來たら帽子をとられた、財布を盗まれた、さあホテルに泊つたらホテルの女中がやつたか、誰がやつたか知らんが、鞄の中に入れておつた金をとられたということになつたら、日本に來ることがいやになる。日本をよくしさえすれば、人間は一遍は日本に行くべきものだというようなことで、アメリカでも世界の人が日本に一遍行つて來なさいということになれば、いやでも金が落ちて來るのです。初めから貧乏だから金を搾つてやろうという考えは毛頭なくして貰いたいということを私は昨日言うたのであります。私はそこでこの衞生上最も必要だと思います。衞生上こんなに惡い所はどこにあります。ドイツあたりに行つても、とても傳染病の種切れをしておるというふうに医者が、言つておる。日本はどうです。傳染病はとてもとてもこんなことではどだいなつておらん。これは厚生省の方で人が足らなければもつと殖やして、早くやめさせんように俸給を沢山やつて、厚生省に長くおつて、本当に日本の衞生思想の普及なり、設備をやつて貰いたいのです。これは私は國民の声として切に望むのです。
 それから玄米食の問題ですが、この間もちよつと申しましたが、私は今これを準備しておるのです。方々から材料を集めておる。これを大々的にやるつもりである。厚生省が玄米食を妨害しておる。本当か嘘かどうか分らないが、厚生省が惡いというのです。それだからその玄米をこれは徹底的にやるつもりであるから、どうか調べておいて貰いたい。それは材料を医学博士とか、方々から集めております。今度徹底的にやるつもりである。玄米にしたら日本の食生活の米の問題は解決できる。それが大切なことである。それだからそんなことは解決はできんにしても、もつと奬励しなければならんが、奬励されておるころか、むしろ私の耳にすることは、厚生省の医者が反対をいたしておりますこのお医者さんが居られるかどうか知りませんが、私は憤慨しておる。どうか一つ……、これだけに止めておきますから……。
#34
○國務大臣(一松定吉君) 小川委員からの保健所の予算の問題についての御質問があつたのであります。実はあなたのお説のように、我々が國の保健衞生というものが欧米各國に比較してどうも低位にあるということを我々は非常に痛感をいたしまして、保健衞生について、もう少し立派に、只今服部委員の言われましたような程度にまでこれを向上発展せしめなければならんというような趣旨から取敢ず二十二年度の追加予算といたしまして、厚生省は二億五千万円というものを要求したのであります。ところが御承知の通り今囘の追加予算は健全財政という建前から赤字を出すまいという大藏省の非常な固い決意から、これを赤字を出さんで、國家の収入だけで賄うという建前でいろいろ練りました結果、七百億円という程度にく手が屈かんかというだけの國家の収入というものを考え出して、これを税によつて賄うこういうことにしたのであります。そういたしました結果、各省の予算をいろいろ大藏省も心配をして、それを殖やしたり減らしたりして、結局私の方の保健所の予算は二千三百万円というものが通過いたしたのであります。こういうことでこれは誠に止む得ないことであるのでありますから、それはでき得る限り御趣旨に副うように一つ國家の収入を殖やすことさえできますれば、大藏省の方でもこういうことはよく認めて呉れておるのでありますが悲しいかな予算の関係上、今囘は三千五百万円ということになりましたがために、御期待に副うことができないことを私は甚だ遺憾に思うのであります併し厚生省といたしましては、二億五千万円あれば取つておる予算にこれを加えてやれば、どうかこうか御期待に副えるところまで行けやせんかと思うのであります。どうかこういうことでありますから、この点を一つ御了承を願いたいと思います。それから全額負担の問題は、これは勿論私共の方では國家の収入が許しさえすれば、地方團体に僅か二分の一を負担して貰わなくても、又負担して貰うことによつて保健衞生というものの健全なる運営が思うように行かないというようなことを排除する意味からいたしましても、國家の全額負担がいいのですが、今のところでは予算の関係上そういうことになつておりまするけれども、將來そこまで行かなければ嘘だと私は考えております。
 それから癩病の患者の第三國人が道路を云々というようなことで、或いはそういうようなことがあるかも知れませんが、法律の建前は第三國人でありましても、こういう癩患者はこれを療容所に收容して、そうして手当をするということになつておりますから、そういう者が公然道路を闊歩しておるというようなことについては、これは誠に寒心に堪えませんから、そういうことのないように一ついたしたいと考えております。それから結核の妊産婦がどうも栄養が十分でないがために非常な面白い結果を見ないというようなことは、これは誠に申しわけのないことでありまするが、そういうような方も入院をして頂けば、國家がこれに対して一合の加配米というものを加えておりまするから、そういうところで、これ以外に特に結核の妊婦に対する特別の施策というようなものは今勿論やつておりませんが、併し医者の方面から見まして、できるだけの手当を加えて、そういうことの危險状態に陥らないようにするということはこれは当然の任務でありますからこういう点については一層注意をいたすことにいたします。
 それから保健所を警察の数だけ設置せよという御尤もな御質問でありますが、これも要するに予算が伴うものでありますから、予算が十分に認められますれば、警察若しくはそれ以上の数をおいてでもこういうことをするがいと思いますから、御趣旨の程は了承いたしました。
 それから宮城委員の富士山麓の鳴澤村における「とうもろこし」の常食問題に牽聯いたしましての服部委員の御質問でありますが、厚生省で「とうもろこし」を主食として用いることについての研究調査をしたかどうかという点は、厚生大臣に就任日の浅い私はちよつと分りませんが、これはいずれ事務当局から答えると思います。「とうもろこし」が非常に健康上有益であるという点は、宮城委員並びに服部委員の有力なる御発言によつてこれはもう疑う余地はないのであります。そういうことにつきましては、一つ一層厚生省としても十分の調査をして、今宮城委員の御発言中に思つたのですが、それでは一つ鳴澤村における「とうもろこし」の食い方等について研究して見たいと考えました。都合によれば委員を派遣いたしまして、そういうことの調査研究もさして見たいと思います。
 それから服部委員の衞生上に関する設備が不十分であるというようなことでありますが、これはもうあなたの仰しやる通りこの前も私が色々なことを申上げた序でに汽車の中の不衞生であるということを申上げたと同じようにどうも戰さの前後から國民が汚なくなりまして、そこにも立小便ここにもたれ糞というように東洋の君子國人であつたものがこれが日本人であろうかというように私共痛感しておるのであります。こういう時にいわゆる観光客を日本に誘致するというようなことは以ての外だというお叱りを受けたのでありますが、私も服部委員の仰しやるように、スイスを見て如何にも掃除がよく行届いて綺麗であり、外客を誘致し、それによつて外貨の獲得をはかつて、それで一國の財政を賄つているということを見たり聞いたりして実は感心して歸つたのでありますが、実は私は昨日の文化委員会には出なかつたのでありますが、私の考えておりまするいわゆる國立公園制度というものを確立して、そうして外客を誘致して外貨獲得を一つやろうという実は考えを以て著々その方面に手をつけております。戰前の色々なところの資料等を基礎にして調査したところによりますると、ここに列席している三木局長の調査研究によると、今外客を日本に誘致すれば少くとも一年に七十億円の外貨の獲得ができるというような推定を持つておりますので、國際親善というものの増強と、外貨の獲得と、そうして我が日本の自然の風光を外人に紹介するというやうなことについて非常に貢献があろうと思いますから、これは一つやりたいと思います。それにつきましては、服部委員の言われるように、道路が不潔であるとか、いや道義が頽廃しておつて、泥棒や詐欺をして外國人の旅客の物を狙うというようなことがあつては、これは以ての外でありますから、そういうことも一つないように努力したいと思いまするから、そういう場合には皆様におかれまして大いに御協力を賜りたいのであります
 それから玄米食の点でありますが、服部委員が如何に玄米食について非常な熱意を以て調査研究されているかということは、服部委員が衆議院議員でありましたときに、これらの点について熱心に主張せられ、私も試食にあずかつたこともありまして、大変いいと思いました。その当時、議院においてもいろいろな説がありまして、これは胃腸を害するという説と、いや害しないという、医学研究の上に二説があつたように思うのでありますがどういうことでありましたか、今日まで服部委員の考えているだけ、それだけ玄米食が國内に拡がつておらんことは、これは服部委員の遺憾とするところでありましようが、決して厚生省が玄米食を奨励することを妨害しているというようなことは、これは私は実は聞いておりませんが、もうそういうことがあれば私も考えますが、大いにあなた方と力を協して、これは研究の上でこれが國家民衆の保健衞生の上に白米食よりいいということになれば、これはそういうことに進めなければなりませんが、あなたのいうような資料等がお揃いでありましたら、御提供を願いますれば、共に研究してそれをやつて見たいと思います。
#35
○服部教一君 沢山集めておりますから厚生省の方に出します。
#36
○國務大臣(一松定吉君) それ以外のことで事務当局から答えることがありますれば答えます。私の答弁は取り敢えずこれだけにいたします。
#37
○政府委員(三木行治君) 大臣がお答えになりませんでした一つ二つのことにつきまして私からお答えいたします。小川委員の御質問の薬剤師が五百三十六名では足らんではないか、というお尋ねにつきましても、これは私共といたしましても当時全部の保健所に要求いたしたのでありますが、甚だ残念でございますが、五百三十六名という歩留りに相成りまして、百三十九名は次年度予算におきまして是非実現するように努力いたす所存であります。
 それから服部委員から「とうもろこし」に関する諸般の研究があるかどうかというお尋ねでありますが、これにつきましては「とうもろこし」の食べ方というものは、いろいろと研究したものがありますし、又指導用のものもございますが、ただ甚だ残念でございますが、本日私はこれを持つて來ておりませんことを一つお許しを願いたいと思います。ただ「とうもろこし」は蛋白質が米よりも豊富でありまして、而も新鮮なときにはビタミンが非常に豊富であります。併し古くなるとビタミンが米よりも少くなるという欠点を持つておるのであります。鳴澤村につきましては私は前に話を伺つたことがあるのでありますが、その当時の調査した結果によりますると、鳴澤部落は「とうもろこし」を主食としてゐるが健康状態は非常によろしい。併しその原因は「とうもろこし」が蛋白質を豊富に持つておるということも一つの原因だろうし、その他團子であるとかいろいろなものを食べておりまして、いわゆる遍食が行われていない、栄養素が普遍的に取れておるということが一つの原因ではないか。尚一つの理由といたしまして、鳴澤村は外界との交通が割合に少いので結核等がまだ侵延するに至つていないというようなことも考えられるのであります。
 尚「とうもろこし」の食べ方につきまする問題等につきましては、後刻資料等をお手許にお届けいたしたいと思います。
#38
○委員長(塚本重藏君) お諮りいたしますが十二時半を過ぎておるようですが、午後食事後に続行することにいたしますか、それから若し午後にするということであれば厚生大臣は他に差支があるようですから厚生大臣への質問はこの機会にして呉れということであります。
#39
○小杉イ子君 性病のことでありますが科学者の言うことが嘘でないといたしましたならば、アルコールは精虫を酔わせる、又白血球の殺菌作用を失はせる、そのためにそのようなときに惡性の異性に接した場合には、その行爲が不満足のため、つい傷ができます。それが原因となつて直ぐに性病に羅りやすいのでございます。今私共はその生殖器病者が病院でただれ腐りかけてゐるのを見ますときに、これが皆國民の負担であるということに憤慨せざるを得ないのでございます。そうして今日自由主義とか、或は民主主義を取り違えましてパンパン等を取締りますと今は自由主義である、自分の体を自分が使うのにどこが惡いか、といつて喰つてかかります。彼等がトラツクに乗せられて檢徴に行くときには、丁度女学生が運動会にでも行く時のように、手を挙げて喜んでおります。そういう世相に対する取締りを注意して頂きたいと思います。
 それから先程申し忘れましたが、驛長を免職すべしと言いましたけれども四五遍は注意して聞かなければいけないけれども、これが用いられましてこの驛は日本一だという程の驛に私が行つたときにはなりました。そうして便所に花が差してありました。そういうことをたとえ個人でも注意すべきであるということを申し上げて置きます。
#40
○井上なつゑ君 時間をとりまして申し訳ございませんが、厚生大臣のおいでになります時にお願いたしたいのでございますが、先程からよくおつしやつて頂きましたように、保健婦の活動でございますけれども、これまで保健所におります保健婦は大変活動しにくい面が多々ございましたのでございます。戰爭中に保健婦が置かれますと、あちらからこちらからもというようになりまして、その設置團体が随分沢山ございまして、結局上の方の命令が沢山参りますが、しまいの締括りをする所がないような始末でございまして、結局只今谷口委員からおつしやいましたように、助産婦と保健婦とが一軒の家でくつついて見たり、保健婦同志が一つ患者を訪問して見たりというように、非常に薄い所や濃い所ができまして、訪問指導が十分に行かないと思うのでございますが、さいわい厚生大臣がおいでになつておりますので、厚生省内でも色々の立場によつて保健婦が設置されておると思いますのでございますが、何とかこれをうまく保健婦活動を十分によくならしめるように、一本にして頂くことができましたら非常に有難いと思います。
 それと同時に保健所は單なるその地区の連絡の役所ではなくて、私はむしろ保健所を保健問題の交換所のような所にするように督励して欲しいと思うのであります。お医者さんも藥剤師の方も、保健婦も産婆も皆利用して頂きますし、その地区の住民の人も喜んで保健所へ來るような場所にしてほしいと願つておるのでございます。
#41
○國務大臣(一松定吉君) 只今の御質問に対しましてはよく御趣旨はわかりましたが、具体的のことは事務当局からお答いたします。
#42
○政府委員(三木行治君) 保健婦活動の面において今日いろいろな経営主体に属しておる爲に不便であるという点につきましては、私共も同感に存じておるのであります。できるだけ一元的にやつて行くという意味におきまして関係方面と十分に御相談を逐げ、御期待に副うようにやつて行きたいと存じます。尚保健所が交通上の便その他おのおのの團体等の便利からも、中央的なオルガンとして使えるように、又綜合的の機関としても使えるようにという御意見に対しましては、私共も全く同感に存じております。保健所の施設、保健所の人間そういうものを頂いて皆樣の御用にサービスをするということが主眼でございます。他方にも十分にその意味を傳えまして、御期待に副うようにやらせたいと思います。
#43
○姫井伊介君 予備審査も相当時日をとりましたし、やれば幾らも長引かされますが、相当質問應答も重視したものもありまするし、一遍これで打切つて当り前の審査に入ろうぢやありませんか、それを提案します。
#44
○草葉隆圓君 その前にこれに関係する施設を視察して、そうして今のような方針をおとりになつて頂きたいと思います。
#45
○委員長(塚本重藏君) ちよつと速記を止めて。
#46
○委員長(塚本重藏君) 速記をとつて下さい。本日は保健所法に関する質疑を一應この程度で終了し、明後日國立療養所並びに保健所等を視察することにいたします。御希望の方の御氏名をお届け下さるようにお願いいたしまして本日はこの程度で散会いたします。
   午後零時四十三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     塚本 重藏君
   理事
           谷口弥三郎君
           宮城タマヨ君
   委員
           内村 清次君
           中平常太郎君
           三木 治朗君
           草葉 隆圓君
           中山 壽彦君
           安達 良助君
           小林 勝馬君
           藤森 眞治君
           井上なつゑ君
           小川 友三君
           小杉 イ子君
           波田野林一君
           服部 教一君
           姫井 伊介君
           穗積眞六郎君
           米倉 龍也君
  國務大臣
   厚 生 大 臣 一松 定吉君
  政府委員
   厚 生 技 官
   (公衆保險局
   長)      三木 行治君
   厚 生 技 官
   (予防局長)  濱野規矩雄君
ソース: 国立国会図書館
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