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1971/05/25 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 農林水産委員会 第16号
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1971/05/25 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 農林水産委員会 第16号

#1
第068回国会 農林水産委員会 第16号
昭和四十七年五月二十五日(木曜日)
   午前十時二十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     辻  一彦君     小野  明君
     山田 徹一君     塩出 啓典君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     初村瀧一郎君     棚辺 四郎君
     小野  明君     辻  一彦君
     塩出 啓典君     山田 徹一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高橋雄之助君
    理 事
                園田 清充君
                中村 波男君
                前川  旦君
                宮崎 正義君
    委 員
                梶木 又三君
                河口 陽一君
               久次米健太郎君
                小林 国司君
                温水 三郎君
                初村滝一郎君
                堀本 宜実君
                山崎 五郎君
                川村 清一君
                工藤 良平君
                辻  一彦君
                戸叶  武君
                村田 秀三君
                塩出 啓典君
                向井 長年君
                塚田 大願君
   国務大臣
       農 林 大 臣  赤城 宗徳君
   政府委員
       北海道開発政務
       次官       上田  稔君
       北海道開発庁総
       務監理官     山田 嘉治君
       農林政務次官   佐藤  隆君
       農林大臣官房長  中野 和仁君
       水産庁長官    太田 康二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
   説明員
       行政管理庁行政
       管理局管理官   古谷 光司君
       林野庁業務部長  辻 良四郎君
       水産庁漁港部長  矢野 照重君
       運輸大臣官房安
       全公害課長    鈴木  登君
       運輸省海運局外
       航課長      山地  進君
       運輸省港湾局技
       術参事官     大久保喜市君
   参考人
       日本鉄道建設公
       団理事      北原 正一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○漁港法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○漁業協同組合整備促進法を廃止する等の法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○中小漁業振興特別措置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
○国産材の振興対策等に関する請願(第八号)(第
 三五号)(第五六号)(第六五号)
○山村開発次期対策の早期実現に関する請願(第
 九号)(第三四号)
○農林年金(農林漁業団体職員共済組合)制度改
 善に関する請願(第一一号)(第一二号)(第二八
 号)
○国内林業の抜本的振興対策に関する請願(第一
 六号)
○さけ、ますはえなわ漁業の転換に関する請願
 (第一七号)
○昭和四十六年度農作物の冷害による減収対策に
 関する請願(第一八号)
○米の検査規格五等米の存続に関する請願(第一
 九号)
○国際海洋法の制定促進に関する請願(第二〇号)
○家畜共済制度の改正に関する請願(第四八号)
○農林年金制度改善に関する請願(第七一号)(第
 七三号)(第七八号)(第九二号)(第三一〇号)(第
 三三三号)
○中小漁業経営改善資金対象範囲の拡大に関する
 請願(第一二七号)
○特別被害米(黒しょく米)の発生防止対策等に
 関する請願(第一三八号)(第一三九号)(第一四
 〇号)(第一四一号)(第一四二号)(第一四三号)
 (第一四四号)(第一四五号)(第一四六号)(第一
 四七号)
○外国産生糸の輸入規制に関する請願(第四〇四
 号)(第四三七号)
○中国産食肉輸入禁止解除に関する請願(第八九
 二号)
○加工原料乳の保証価格引上げに関する請願(第
 一二三三号)(第一二三五号)(第一三〇五号)
○「林業振興に関する決議」の早期実施に関する
 請願(第一二七七号)(第一四二一号)(第一四五
 八号)
○てん菜の最低生産者価格引上げに関する請願
 (第一三五三号)(第一三九一号)
○農政の基本方向確立に関する請願(第一四一七
 号)
○中型さけ、ますはえなわ漁業の漁法転換に係る
 陸揚港の指定に関する請願(第一四一八号)
○林業災害補償法(仮称)の制定促進に関する請
 願(第一四一九号)
○森林法の改正促進に関する請願(第一四二〇号)
○ソ連漁船団の操業水域の調整及び被害補償等の
 措置に関する請願(第一四二二号)
○北上山系総合開発事業の実施促進のための特別
 法の制定に関する請願(第一四三〇号)
○森林組合(単独)法及び森林災害補償法の制定
 に関する請願(第一四五二号)
○昭和四十七年産生産者米価値上げに関する請願
 (第一四五七号)
○中国産輸入羊腸消毒免除に関する請願(第一九
 〇四号)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高橋雄之助君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の移動について御報告いたします。
 昨二十四日、辻一彦君が委員を辞任され、その補欠として小野明君が選任されました。
#3
○委員長(高橋雄之助君) 漁港法の一部を改正する法律案、漁業協同組合整備促進法を廃止する等の法律案及び中小漁業振興特別措置法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
 この際、参考人の出席要求についておはかりいたします。
 三案審議のため、日本鉄道建設公団の役職員を参考人として出席を求めることにし、その取り扱いは委員長に御一任を願いたいと存じます。異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(高橋雄之助君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(高橋雄之助君) それでは前回に引き続き、これより三案の質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#6
○宮崎正義君 いま委員長のほうからお話ありました中小漁業振興特別措置法の一部を改正する法律案、漁業協同組合整備促進法を廃止する等の法律案、また漁港法の一部を改正する法律案、この漁業三法の改正案が出ておりますが、改正案を次から次へと時代によって改められていくのは当然でありますが、その基盤となるものはいまさら申し上げるまでもなく漁民の生活を、漁業に携わる人たちの生活を、この基本から出ていかなければ当然ならないと思うわけであります。
 そこで、このおのおのの三法に入る前に、私は昭和四十五年度の漁業総生産量が九百三十一万五千トンと、史上始まって以来の漁獲量であったというわけでありますが、これをまた手放しでどうも喜んでおるようなわけにはまいらない。特に、従来まであったのだと思いますが、新しい問題として四十六年、四十七年、今日に及びまして大きな問題となっているのが、産業優先の副産物としての魚介類からPCBが検出されてきているということであります。この問題も一昨日の当委員会においても論じられてきているわけであります。こういうことから、それらの汚染が沿岸から沖合いへと広がりつつありますが、こうした中で国民の水産物に対する需要は年々増加してきております。これは否定するわけにもまいりませんし、こうした中で、公害の問題等が起きている中で、生産量といいましても、やはり輸入水産物がだんだんとふえてきております。こういう現況である日本の水産業の位置というものが、たいへんな重要な岐路に私はいま立っていると思います。特に、今度の中小漁業振興特別措置法の一部を改正する法律案等の中小漁業や大漁業に比べての沿岸漁業の生産性というものは、まだたいへん低くもありますし、公害に侵されているということも同じ問題として取り上げられるわけであります。資源問題にいたしましても、また労働問題等々、取り巻く環境条件というものはだんだんだんだん年々きびしいものになってきております。そうした中で、私は、四月の十三日に水産問題を、当委員会におきまして、全国的な沿岸漁業の被害状況を指摘しながら、日本沿岸漁民に対する政府の考え方をお聞きしたわけであります。日本水産業の九〇%を締めるというものは、これは沿岸漁業によるということは明らかであります。それらがどんどん海洋汚染による荒廃とそれに伴っての資源状態というものが悪化していく。これに対処して、どういうふうにして沿岸漁業またはその漁業組合の携わっている人たちに対して、政府は今後どのような方針を根本的に進めながら対策をしていこうとするのか。まず日本列島全地域における海洋汚染の漁場の環境保全をどう考えていこうとするのか、この二つの点を最初に伺っておきたいと思います。
#7
○政府委員(太田康二君) わが国の沿岸漁業を取り巻く環境が、臨海地帯の工業化とか、都市化に伴いますところの公害の増加、あるいは御指摘のございましたような若年労働力の流出、こういったきわめてきびしい現実にあることは、御指摘のとおりでございまして、私ども水産行政をおあずかりする者といたしましては、やはり水産行政のねらいは、一つは国民の必要といたしますところの食糧、特に動物性たん白を安定的に供給するということと、当該産業に従事する漁業従事者の所得並びに生活水準の確保をはかることにあるわけでございまして、なかんずく沿岸漁業に携わる従事者が、たいへん数が多いわけでございますし、経営体の中でも九〇%こえておるという実態にあるわけでございますから、沿岸漁業につきましては、やはり私どもといたしましては、その近代化をはかりまして、生産性向上によりまして、いま申し上げたような水産行政のねらいを達成をいたしたいということを考えておるのでございます。
 そこで、現在、私どもが沿岸漁業の振興として取り上げております問題は、一つは、漁港等の漁業生産基盤を整備する、二番目に、栽培漁業の推進等によりまして、水産資源の保護、培養対策を実施をする、それから第三に、これまた御指摘がございましたが、漁業公害対策を強化をいたしまして、少なくとも各種公害立法の厳正な運用によりまして、いま以上の漁場の条件の悪化を防ぎつつ、一方生産力の低下した漁場につきましては、漁場の復旧事業を実施するという形での漁業対策の公害対策を強化する、さらにいま、かつて実施をいたしまして、さらに四十六年度から第二次の沿岸漁業構造改善事業を実施いたしておりますが、これらを推進してまいる、こういうことによりまして沿岸漁業諸施策を推進しているわけでございますけれども、これらの施策を通じまして漁業生産の増大あるいは漁業経営の安定、漁業従事者の福祉の増進、こういうものをはかってまいりたい、かように考えております。
 それから、先生御指摘のとおり、日本列島全部公害の問題に遭遇いたしておるわけでございまして、海は従来ともすると、たとえば投棄の場所にされたというようなことに伴いまして、瀬戸内海等におきましては、現状のような公害が進行すれば、もう二十年もたたないうちに、漁場としての価値を全く失うというような問題をかかえておるわけでございまして、やはり臨海工業地帯、特に太平洋ベルト地帯におきますところの沿岸漁業というものがたいへん公害を受けておる、PCBの問題を初めといたしまして水銀問題等いろいろ出てまいっておるわけでございますけれども、これらにつきましては、先ほど申し上げましたように、公害問題ということに真剣に取り組み始めたことが、おそきには失しましたが、いずれにいたしましても、一昨年ですか、公害の諸立法ができたわけでございまして、これらの厳正なる運用によりまして、現状以上に漁場の環境条件の悪化を防止する。
 一方そういうことをしながら、他方におきましては、これまた先ほど申し上げましたように、生産力の低下した漁場の生産力回復のための復旧事業、すなわち客土をするとかしゅんせつをするとか作澪をするとか、こういった復旧事業を実施いたしまして、漁業の生産の場を確保いたしたい、かように存じております。
#8
○宮崎正義君 お答えの一々、理論的には非常に筋道が通ってりっぱなのでありますが、おっしゃった中でも、このままの状態では二十年もたたないということですが、むしろもっと私は寿命はないと思います。と申し上げますのには、いまもお話しありましたけれども、最近の浅海養殖漁業なんかを取り上げてみましても、いわゆるノリだとかカキだとか魚介類、真珠、ワカメ等の生産量というものが、最近の十年間で約二・五倍ぐらいに伸びてきているというふうになっておりますが、あくまでもこれは絶対量が少ない、昭和四十三年度で五十二万トンに過ぎませんし、しかし、生産金額の面では約一億円という生産金額の約一三%を占めているような、この浅海養殖漁業がずっと伸びてきているわけです。これら生産物が、大体需要度も伸びてきているという関係からでもありますが、養殖業というものを力をいま一生懸命入れるというお話であると同時に、これらに対する汚染公害というものが非常に多いということ。一昨日でしたか茨城県でもシジミが全滅だというふうなことが報道されておりました。私、現場へ行っておりませんからわかりませんけれども、テレビ等の報道で見ましても、相当な被害を受けている。前回も私は総点検のこともお話ししましたけれども、水産庁としても総点検をやったと言われたけれども、私どもの資料からいくと、まだまだとうてい総点検をやったという状態ではないということを指摘しておきます。そうして、こうしてわずか二カ月ぐらいの間にも相当な被害額が伸びてきているわけであります。こういう面から考えまして、前回も申し上げましたように、昨年の十二月の千葉の木更津沖へ流された原油によって、ノリの養殖場が一夜に八億八千万ですか大被害を受けた、これもこの前申し上げました。と同時に、新潟県の五十嵐浜のほうから山形県の境のずっと沖のほうへ、リビアのタンカーのジュリアナ号の事故によって損害補償問題等が起きてきているということでありますが、まだそのほかにも室蘭等の流出事故、そういうものがございますが、いま申し上げました点につきまして、その後どんなふうな経緯をたどっているかお伺いをいたしたいと思います。
#9
○政府委員(太田康二君) まず新潟県のジュリアナ号の坐礁によりますところの油流出による損害の問題でございますが、この問題につきましては、私どもといたしまして、直ちに現地に調査官を派遣いたしまして、被害の実情を調査し、応急対策を講ずることといたしますと同時に、その後、私どもの日本海区水産研究所がございますから、これが中心となりまして、漁場の復旧をどうしたらよろしいかとか、あるいは実際に被害がどういう状況になっているかというような調査をいたしまして、私どもの次長を団長とする数人からなる調査団を派遣いたしまして、これらの調査に当たったわけでございます。その間におきましてたまたまあの事故が十一月の三十日でございましたので、年末を迎えまして漁業者の受けた被害がたいへん大きいということで、現行制度には特になかったわけでございますけれども、先生御承知のとおり天災融資法の制度が一つあるわけでございます。これに準ずるということで、予算上の措置といたしまして、長期低利の、何と申しますか、越年資金を融通するということで、末端の金利が三分五厘になりますように、農林中金あるいは漁信連を通じて被害を受けた方々に資金の融通の道を講ずるということをいたしましたのが第一点でございます。
 それから、あとのいろいろな被害等の対策につきましては、たしか環境庁が中心になったかと思いますが、関係各省相寄りまして、どこまで被害の請求ができるかというようなことも検討いたしましたし、それから漁場のその後の状況を私どもの水産研究所でずっと調査いたしてまいりまして、たしか最近におきまして、すでに、何と申しますか、水の自浄作用によりましてほとんど問題はなくなったということで、いままで操業を中止をいたしておりましたところの操業の再開もしたというようなことでございます。
 そこで、その間におきます被害――直接被害、間接被害あるわけでございますけれども、これらにつきましては、いまの関係省寄った会合におきましておおむねこの見当の要求はできるということでございまして、ジュリアナ号の場合には加害者がはっきりわかっているわけでございますから、新潟県の漁連がこれに対して損害賠償の請求をいたしておる、目下それぞれの弁護士を立てまして、弁護士間で話し合いが行なわれておるというふうに承知をいたしております。私ども当初は十億円以上の被害があるのではないかということでたいへん心配いたしたわけでございますけれども、結果的にはそれほど大きな被害にはならなかった。これは不幸中の幸いであったかと思うのであります。
 ジュリアナ号につきましては、そういったことで大体対策を終了し、あとはいま申し上げましたような両当事者間における話し合いが残されており、私どもこれを全面的にバックアップいたしまして、すみやかにこの両者の話し合いが妥結いたしまして被害漁業者に対するあたたかい救済の手が差し伸べられるようにとり進めてまいりたい、かように存じております。
 それから、もう一つ千葉県に起こりました原因者不明の油の流出によるノリの被害の問題でございますが、たいへん残念なことでございますが、あの場合、被害が八億八千万というようなことでございまして、千葉県限りの被害であるということで、従来天災融資法を運用する場合の基準等もございまして、被害が一県で、しかも被害金額も決して少なくないわけでございますけれども、天災融資法に準ずる措置を講ずるためには、あの程度の被害でございますと、原則としてそこはやはり第一義的には市町村、さらに市町村で手に負えないときには、県にお願いするということになっておるのでございまして、私ども承知いたしておる限りにおきましては、県がかなりの特別の救済措置を講じまして当面対処をしたいと。なお、海上保安庁のほうといたしまして、原因者の油を流出した加害者につきましての追跡を実施いたしておるということでございます。これが明確になりますれば、当然加害者に対しまして損害賠償の請求ができるということになっておるのでございますが、今日までの段階では、まだ加害者が必ずしも明らかでないということになっております。そういった面で、従来原因不明のこういった水産物に対する被害というものに対する救済制度というものが、必ずしも十分ではないわけでございます。私ども漁業の災害補償制度も持っておりますが、ノリ等につきましては、油の油濁による被害につきましては、実は免責事故にいたしておりまして、これによって救済はできない。と申しますのは、これによって救済するということになりますと、結局は保険料の問題にはね返ってまいりまして、漁民の負担において問題を解決するということにもなるわけでございまして、真の意味における問題の解決にならないというふうに理解をいたしておりまして、この点につきましては、現行の制度が不備であるというようなことで、実は私どもこれらをどういうふうに今後解決していくかということにつきまして現在、真剣に検討いたしておるところでございます。
 大体両方の事件につきましては、そういった経過に相なっております。
#10
○宮崎正義君 ジュ号の件はほとんど前の回答と変わってないように思います。これは外国との折衝関係ですから、公の金額等は発表できないかと思いますが、その後どんなふうな進展をしているかということが心配だったわけです。と同時にもう一つは、一部のものは水がだんだんきれいになっていくから、一部の魚介類はいいけれども、今日まで多額の水揚げをしておった、平ったいことばで言えば高い品物、そういうものが非常に漁ができないということが一つの現況でございます。これらの表面だけをとらえるのではなくて、そういう実際の面を見ていかなければ私は、行政指導というものはできないであろう。また、これに対する真剣さというのが当然わいてこない。この点に十分留意をしていただかなきゃなりませんし、また、もう一点の千葉県木更津の件でございますが、原因不明であるということは、いまだにわからない、このまま、不明であるまま一年も二年もたったら、今度はどういうことになるか。県である程度までのことをいま補償しているというようなお話なんですが、実際被害をこうむっているのは漁民なんです。私たち同胞なんです。その人たちを県で及ばなければ国でやるのだといって、今日に至るまでそういうふうな考え方で野放しにしているような、対策を講じてあげていかないような行き方というものは、私はいけないのじゃないか。この点について私はもう一度伺っておきたい。
#11
○政府委員(太田康二君) 現在、災害を受けました場合の救済措置としては、農林省の関係におきましては、まあ他の省庁に比べますと、かなり制度が完備いたしましておるというふうに考えております。御承知のとおり、被害を受けた場合の経営資金等につきましては、天災融資法の制度があるわけでございますし、それ以外に農業災害補償法、あるいは漁業の災害補償制度、さらに自作農の維持創設資金というような資金の面の手当てもできておる。それ以外に個人の被害につきましても農地農業用施設の復旧の暫定措置法等もございまして、かなり制度としては完備いたしておる。そこで一番問題になりますのは、天災融資法の制度であるわけでございますけれども、やはりこの考え方は、御承知のとおり第二条で「国民経済に及ぼす影響が大であると認めて政令で指定するもの」ということに相なっております。この考え方の基本は、たいへん、何と申しますか、こういうことを申し上げますと、おしかりをいただくかもわかりませんが、やはり第一義的には被害の起こった場合に、市町村で措置すべきものというふうな理解に立っているのだろうと思うのでございまして、市町村でめんどうが見きれない場合には、これは都道府県でめんどう見る。都道府県でめんどう見きれないような国民経済に重大な影響を及ぼすというようなものにつきましては国が乗り出す、こういうたてまえになっているのだろうと思うのでございます。
 そこで、これは農林省と大蔵省との間のあくまでもその取り扱い上の内規でもあるわけでございますけれども、原則として三十億円以上の被害で、しかも数府県にまたがって被害が及んでおるというような場合が国民経済に重大な影響を及ぼした場合というふうな理解の上に立って天災融資を発動いたしておるのでございまして、ただし局地的に、非常に、何と申しますか、被害をもたらすものが高潮とか突風とか氷害とかあるわけでございまして、こういったような場合には、三十億と言わず十億でも発動する場合があり得る、しかも、その場合にもやはり被害県としては、やはり二府県以上にわたっておるというようなことが発動の基準になっておるのでございまして、千葉県の場合には残念ながら千葉県限りというようなことでございましたし、金額的にも決して少ない額とは申しませんが、十億にも達しなかったというようなことで、特に私どもといたしましてジュリアナ号に対してとったような措置が講ぜられなかったということでございます。
#12
○宮崎正義君 地方自治体というのは非常に財政がきびしいということは、いまさら申し上げるまでもないんです。したがいまして、この点なんかを十分に考慮の上でなければならないと思うんです。当然まかない切れないという面が出ているわけだから私は申し上げているわけです。千葉県あたりの予算、財政構成なんか見ていきましても、とうていそれに対するあたたかい手を差し伸べてあげるというようなことにも及んでないわけです。だから申し上げているんです。そういう点をよくお考えの上で御答弁を願いたいと思う。ただ、さらさらさらさらとあたりまえのことを言って、あたりまえのことを私は聞いているわけにいかないんです。やはり各県の自治体自体の実情というものを見ていきながらお答えを願わなければいかぬのじゃないか、そういう意味で私は申し上げているわけです。前回、こうしたことでいま訴訟が、どのように、日本列島をめぐっての原因不明、あるいはその原因がわかっていて訴訟事件が起きているかどうか、その件数、それと解決したものの件数というものを資料を提出していただきたいということを申し上げて、その点につきましては、委員長からも特に発言をしているわけでありますから、それらの点につきまして資料が私のところに届きましたんですが、この資料の関係者ですか、海運局の山地外航課長さんですか。 この資料に対する説明をお願いしたいんですがね。
#13
○説明員(山地進君) 前回先生から御質問のございました被害の件数並びに訴訟の件数、それから解決した件数等についての御質問ございましたが、農林省のほうと御相談し、いろいろ取り調べたんでございますけれども、発生した、被害を与えた件数そのものにつきましては、都道府県等に詳細報告を集計する等の手続を踏まないと、目下農林省並びに運輸省にもその資料がございません。それから訴訟の件数につきましても、私どものほう並びに農林省のほうにも明確な数字というものがございませんので、若干先生の御質問の趣旨にははずれているかとは思いましたが、日本の船主責任相互保険組合というのがございます。これは通称PIと言っておりますんですが、それは船主の損害をカバーする保険会社みたいなものでございますが、そこに依頼いたしまして、十年間でそこで扱った件数並びにそこの解決額というものを報告をしてもらったのがお手元に配った資料でございます。なお、この資料は、外国船によって引き起こされたものを含まない、日本の相互保険組合は日本船だけが加盟しておりますので、日本船の起こした被害だけを集計したものでございますし、さらに金額的には、解決額が一万円以下のものというのは相当あるわけでございますが、それまでは集計する時間がございませんので、お手元にお配りした表には、金額が三十万円をこえるものというものを集計してございます。これの集計のトータルは、十年間に約百五件ございまして、漁業補償のものが二億一千六百万円、それから清掃費用II清掃費用と申しますのは、油等をたれ流しした場合に、たれ流しの船舶あるいは荷主等がその油を清掃した費用でございます。これが約三億四千二百万円、合計で五億五千八百万円ということになっているわけでございます。それから、一万円から十万円のものというのは約四百四十八件ございまして、これの金額については、さらに私どものところにはPIから報告は求めておりません。簡単でございますが、御説明いたします。
#14
○宮崎正義君 「日本沿岸における油流出事故に係る漁業補償及び清掃費用」というこの資料があるんですが、これをずうっと見ますと、全地区に及んでいるのですね、全列島に及んでいるわけです。ですから、過去十年前から、こういう被害で、現地では訴訟を起こしながら、またこの事故に対処するために相当な忍苦と、それから金子をかげながら一つ一つを処理しているというふうに見ることができるんです、この資料から見ましても。ですから、そういうふうなことを考えまして、当然海運局のほうでも、日本列島にまたがっていると、こういうことは自分の所管の中で掌握をしていくというような考え方を将来お持ちにならなければいけないんじゃないかと思いますが、どうなんですか。
#15
○説明員(山地進君) 海洋汚染防止法ができまして、それによりまして、今後は発生件数等につきまして報告は逐次集計され、その実態というものはわれわれの手元にさらに詳細集まってくると思うのでございまして、それらについて十分検討し、その実情の把握並びにその解決の促進に努力したいと、かように考えます。
#16
○宮崎正義君 鈴木安全公害課長さん、いまの私の質問に対して……。
#17
○説明員(鈴木登君) いま外航課長からお答えしましたとおり、実は海洋汚染防止法が、先生御指摘の、一昨年の十二月にできまして、それに基づく省令で、一万平方メートル以上に及ぶ事故が発生すれば、すぐ海上保安庁の関係当局に報告しろということになっております。これはすでに昨年の六月二十五日から施行されておりますので、現在徐々ながら海上保安庁のほうに報告が参っております。それから、今後もその報告を中心にいたしまして、海上保安庁のほうでその被害件数の取りまとめということをやりたいと思っております。ただ、漁業被害額がどのくらいかにつきましては、その報告件数には被害額の点まで求めておりませんので、被害額の点はこれから水産庁のほうと打ち合わせまして、今後どういうふうに取りまとめるか、非常に主観的な面も多うございますので、その辺を水産庁のほうと相談しながらやっていきたいと、かように考えております。
#18
○宮崎正義君 水産庁長官、この資料御存じですか。日本列島全地域にわたっての状態がずうっと……、お読みになりましたか。
#19
○政府委員(太田康二君) この資料が運輸省のほうから提出されたということは承知をいたしております。
#20
○宮崎正義君 それだけじゃなくて、どういう考えを持ちますか、水産庁長官として。
#21
○政府委員(太田康二君) 私どもといたしまして、油による事故、それによる漁業の損害というものがたいへん各地において起こっておるということは憂慮いたしておるのでございますが、まあ海洋汚染防止法等によりまして今後かような事故かないようにということを、これはお願いする以外にないわけでございまして、私どもといたしましても漁業の油による被害の実態ということの掌握にはつとめなければならぬわけでございますけれども、私ども手足がございませんので、結局県を通じてこの実態を知るというふうにいたしております。そういった意味で従来とも油による被害のみならず、それ以外の公害によりますところの漁業被害の実態というものにつきましては、発生のつどその概要の報告を各県から求めておりまして、その実態の把握につとめてまいっておるのでございますが、私どものこれに対する県と一体となっての取り組みの姿勢というものが従来欠けておったというような面もあるわけでございますから、今後におきましては県の係官等を参集する機会もありまして、そういった機会を通じまして、もっと公害の実態把握というものにつきましては積極的に取り組んでもらうようにつとめてまいりたい、かように存じております。
#22
○宮崎正義君 どうかそういう点でまだこれはこの問題はずっとやりたいんですが、時間がありませんので、もうこんなに時間がかかるとは思わなかった、時間がありませんので。前回また私、質問しました中に、その廃油処理の施設をどういうふうに考えてどういうふうにやっているのかという質問をしたのですが、そのときには答えがなかったんですがこの点についてひとつ。
#23
○説明員(鈴木登君) お答えいたします。
 廃油処理には二種類ございまして、実は国内の内航専用のものと、それから外航専用のものとがございます。外航専用のものにつきましては、おもに外国から輸入されます原油のバラスト水あるいはビルジ、原油運搬船のビルジを中心に処理する設備、これが現在のところ東京湾と瀬戸内海と、それから九州に各一カ所ありまして、各原油運搬船からそこまで運ぶための集油船会社というものもつい一、二カ月前発足したわけでございます。それから国内船におきましては、全国に約六十九カ所設備する計画で現在建設中でございます。そのうち現在すでにほとんど大部分はできあがっておりますが、四十七年度、本年度あと十カ所程度整備いたしまして四十八年の三月までに完了する。そして四十八年三月以降全国的に海洋汚染防止法が内航船に適用されまして、そのときをもって完全にその油のたれ流しということはなくなると、かようなスケジュールになっております。
#24
○宮崎正義君 四十七年度予定地域言ってくださ い。
#25
○説明員(鈴木登君) お答えいたします。
 新潟、千葉、横浜、東京、北九州、酒田、宮古、釜石、大船渡、塩釜、鹿児島、函館、その十二カ所でございます。
#26
○宮崎正義君 那覇はどうなんですか。
#27
○説明員(鈴木登君) まことに失礼しました。那覇をちょっと落としました。一つ那覇が入っております。那覇を入れまして十三カ所になります、申しわけございません。那覇はちょっと別掲して
 おりますので落としました。
#28
○宮崎正義君 これにつきましても相当まだ問題があるわけです。これ以外にも問題のところが一ぱいあるわけなんですが、とりあえずこういうような計画でおやりになっていこうとされて、四十八年の三月にはこれが全部完成するんですね。この十三カ所はする予定になっているんですね。
#29
○説明員(鈴木登君) 本年度じゅうには完成することになっております。と申しますのは、法律上四十八年三月までしか施行期日がございませんので、それまでに完成するということで本年度までに完成ということになっております。
#30
○宮崎正義君 大体この資料出されたものからの各県の状態を見ていきますと、おもなるものが大体集約されているようでございますけれども、まだだいぶ落ちているところがあります。この率からいきまして、だいぶ落ちているところがあります。今後の計画の予定というものがわかればお知らせ願いたい。
#31
○説明員(鈴木登君) いま御質問の、計画についてといいますのは廃油処理施設の問題でございましょうか。
#32
○宮崎正義君 そう。
#33
○説明員(鈴木登君) 現在の廃油処理施設の六十九港といいますのは、およそ原油あるいは重油の輸送の基地の中心になっているところをやっておりまして、各内航海運業者あるいは外航海運業者から調査いたしまして、入る港をほぼ取り上げているということにしております。したがいまして、それ以外に新しく、たとえば六十九港以外に新しく原油を取り扱う港あるいは重油を取り扱う港が発生いたしました場合には、直ちにそこに建設する所存でおります。
#34
○宮崎正義君 この地域はずっと見てみますと、ほとんど廃油を処理することばかりじゃなくて、非常に公害度のすごいところです。これは水産庁の資料で、前の被害の資料等を見ていきましても、かなり濃度の強いところが大体出ております。これはもう廃油を処理する施設をつくるというところだけに、このおもなるものが集約されておりますけれども、まだこれ以外に問題点が一ぱいあるわけです。ですから、先ほども御答弁がありましたけれども、これはもう重大問題なんです。漁業白書等でも公害の総点検がまだなされていないというように報告されておりますし、これらをはっきりしていきませんと、水産漁業法をどんなふうに切りかえていって改正しよう改正しようといっても、こういう企業が最優先になったその副産物としてできている今日の公害の事態というものを見なければ、また漁業を営む漁民の立場に立ってその漁民をどうするかということになれば、これから解決していかなければこれは容易じゃない。ですから今回のこの三法におきましても、これが基本になっていかなかったら私はいけないのじゃないのか。冒頭にも申し上げましたが、そうだと思うのですがね、この点について政務次官の私は、お考えをお伺いしておきたい。
#35
○政府委員(佐藤隆君) 先ほども水産庁長官からお答えを申し上げましたが、宮崎委員のおっしゃる意味は、いま時代の変遷の中に出てきた公害問題というものを一体どうとらえているのか、行政がおくれているのではないかと、この一点の御指摘にあるのではないかと私は拝聴いたしておりました。残念ながらいまそうした意味での御指摘を甘んじて受けなければならないような情勢にあると私自身考えております。
 そうした意味におきまして公害問題、これからは特に海上汚染、そうした問題につきましては、海上保安当局であります運輸当局、そことも十分連絡を密にしてしかも手続上は町村あるいは県において取り運ばれることが非常に多かろうと思いますが、しかし、国として、漁民のためにという観点に立っての取り組みの姿勢、これこそ大事だと、かように思っておりますので、そういう考え方で取り組んでまいりたいと思っております。
#36
○宮崎正義君 日本鉄道建設公団、北原さんお見えでございますか。――どうも本日は御苦労さまでございます。
 次に、私がお伺いしたいこととは、青函トンネルの工事のことにつきまして、その漁業に非常に被害が出ているんです。まず水産庁としては、青函トンネルに影響されている出口、入口ですね、出入口。青森で言えば、竜飛とか三厩、この地域には、ものすごい被害が出ている。しかも、これは長期にわたっての問題になっているわけです。北海道でも同じようなことが起きると私は思っていますんですが、まず青森のほうの三厩地域における漁業被害というものをどんなふうに長官は考えておられるか。
#37
○政府委員(太田康二君) 私ども県を通じて報告をいただいておるのでございますが、青函トンネル建設に伴いますところの漁業の影響調査につきましては、青森は竜飛地区について実施をされております。その結果によりますと、工事の排水による濁りによりましての魚介類、藻類への影響があるということでございまして、青森県については、県が仲介して、被害額の算定にあたって鉄道建設公団にお話し合いをしておるということでございまして、私どもの承知しておりますものといたしましては、昭和四十六年九月二十八日に福島町の吉岡漁協――失礼しました。青森県は昭和四十一年から四十五年度の被害につきまして、ワカメ、イワノリ、フノリ、エゴノリ、アワビ、サザエ、タナゴ、タコ、ブリ、マグロ、イシナギ、これらにつきまして、鉄道建設公団に対しまして一億三千八百万余の補償要求をいたしておる、こういうふうに把握をいたしております。
#38
○宮崎正義君 いま引っ込めちゃったんですが、引っ込めないで福島のほうも言ってください。
#39
○政府委員(太田康二君) 私が言いかけましたのは、北海道の分でございまして……
#40
○宮崎正義君 だから、引っ込めないで……。
#41
○政府委員(太田康二君) 北海道につきましては、福島町長があっせん作業を行なっておると。被害につきましては、やはり同様の水の濁りによる魚介類、藻類への影響ということでございます。私どもが承知をいたしております限りを申し上げますと、昭和四十六年九月二十八日、福島町の吉岡漁協は、工事に伴う補償額として五千九百七十万六千円を鉄道建設公団に要求するため、福島町長があっせんするように要求をいたしております。さらに十月十三日に補償要求額を二千万円追加いたしまして、総額七千九百七十万六千円というものの要求をいたしておりまして、福島町長が両者の仲に入り、あっせんを続けておるというふうに聞いております。
#42
○宮崎正義君 この二つを合計しますと、二億ちょっとになるわけでしょう。まだ、どんどんふえていきます。また一面には、ろ過の浄化装置を設備しているというものの、これはまだ完全でないわけです。どんどんふえてくるという実態にあるんだということを前提にしまして、私は次の質問に入ります。
 これは昨年の七月に衆議院の公害対策特別委員会におきまして御答弁がありましたんですが、これは北原さんは、この件を御存じでございますか。
#43
○参考人(北原正一君) 七月でございますと、たしか私が答弁したはずでございます。
#44
○宮崎正義君 そうしますと、いま水産庁長官が被害額を言っておりましたですね、これに対する考え方をお伺いしなければおっしゃらないんでしょうか。
#45
○参考人(北原正一君) 被害額につきましては、そのままの数字が即それであるということには、もう少しよく調ベなければわからないというふうに考えております。
 実を申しますと、ちょっとつけ加えるかっこうになりますが、私ども工事をやります場合に、どれだけ漁業に被害があるかということよりも、むしろ被害のないように工事を進めていくのにはどうすればいいかということを主体に、北大の水産学部にお願いいたしまして、漁業に及ぼす被害調査を昭和四十年から委託して研究いたしております。その結果等を参考にいたしまして、ただいま、現地の漁業協同組合とその被害額につきまして、いろいろ意見の一致を見るように話し合いをいたしております。
 青森方におきましては、三厩漁業協同組合それから竜飛の漁業協同組合とお話し合いをしておりますが、そのほかに、先ほどお話がございましたように、青森県も仲介――仲介といいますか、一緒に話し合いに入っていただいておりまして、青森の水産試験場のほうからも、いろいろと――北大水産学部のお調べが片一方ございますが、青森の水産試験場のほうでもいろいろとお調べくださいまして、そういう権威のある方々とも一緒に調査の結果を討論し合っていただきまして、漁業協同組合と、その被害につきましても、意見の一致を見るように調査をしておるわけでございまして、金額そのものにつきましては、いまのところ、そういう話し合いがつきませんと、どの程度であるかということはまだわからないという状態でございますが、被害がありましたものに対しましては、正当、妥当な補償をいたすというふうに考えております。
#46
○宮崎正義君 公団側で、組合のほうから出されている漁業被害補償要求書というものをずっと御検討なさっているわけでしょう。それと同時に、昨日も函館で会合しているはずであります。その場に私はおりませんけれども、その要求等の内容等も聞いております。そういう点を踏んまえまして、いまお話がありましたけれども、青森県の水産試験場あたり、昨年に、青函トンネル工事に伴う排水影響調査というものが細部にわたって出ているわけです。こういうものを踏んまえられてから今日に至ってきているわけですがね。この分析の成分については、古寺議員がさんざやっておりますので、私は省略いたしますけれども、この年月は約五年じゃございませんかね。その漁民は一年といえど、かすみを食って生活をするわけにはいかないわけです。損害を受けているのは毎日の生活の中に損害を受けてきているわけです。こういう点から考えられて、被害額が今度自分のほうで調べたものと大体合致すればと言われるけれども、それがいつの時点でそういうふうになるのか、ずるずるこのままいかれたら、漁民の人たちは、どうするかということです。この点もう少し明確に御答弁願いたいのですがね。
#47
○参考人(北原正一君) 現地の漁業組合との話し合いのことでございますが、先ほど申し上げました北大の水産学部の正式な報告が――四月の二十五日に現地の役場におきまして青森県並びに地元の組合の方々と御一緒にお話をしたわけでございます。
 そこで、われわれのほうの被害の実態は、いわゆる有機物の被害ということではなくて、沈でん物の被害、つまりトンネルの中で掘りました岩粉が排水とともに出てまいりまして、濁った水が出てくるということでございまして、それの沈でん物の濃度による被害ということが大部分でございます。それで、その沈でん物が浄化槽を通りまして出ていくわけでございますが、海へ入りましてから、どのくらいで拡散するか、どこの部分でどれくらいの濃度になるかというようなことが非常に被害と密接な関係がございます。
 そこで、その話し合いのあと――五月八日に第一回目に漁業組合と話し合いを、その後の第一回目の話し合いをしたわけでございますが、その席上では補償交渉の基本的な進め方についていろいろとデスカッションされました。
 それから、第二回目に五月二十三日から二十四日にはその汚濁面積は、どこの区間であるかというような考え方、それから海藻類、つまりワカメでありますとかエゴ、ツノマタ、フノリ等の海藻類やアワビ、サザエ等の生産と、それの生産面積、それから水産統計がございますが、それが県の統計、農林省の統計、漁業組合の統計、三つございますけれども、食い違っている点がございますので、これらのどれを採用すればいいか、そういうような基礎的な問題のお話し合いをいたしました。
 第三回目は六月十日にこれを行なう予定でおります。
 で、私どもとしては、なるべく早くそれをきめまして、公正妥当な補償をいたしたいというふうに考えております。
 なお、だんだん工事が進んでまいりましたので、この被害が目についてきたとは思うのでございますが、つまり、排水量がふえてきたのに伴って被害が大きく出てきたのではないかと思われますが、昨年の十二月から沈でん装置のクラリファイアーといいますか、俗称シックナーと申しますが、そういうものを設けまして、ただいまそこの装置を通って出ております排水は非常にきれいなものが出ておりまして、昨年施行されました環境庁から出されました基準に合格しておる水が出ておるわけでございますが、それができましてからは、漁業組合のほうからは苦情が出ておりませんので、それができますまでに濁った水を出しておったということに対する被害額の御要求でございまして、それをどこの区域でどれくらいの、そこにいままでどれくらいの生産量があって、それがそれによってどれくらい被害を受けたかということにしぼられてまいりました。それの具体的な基準等につきまして、いままで二回の話し合いで詰めてきておるという状態でございます。
#48
○宮崎正義君 沈でん槽ができてからだいぶよくなってきたことは、私も知っておりますけれども、まだ完全じゃないということを漁民のほうでは言っております。
 まだ、もう一つ問題は、その残土の問題ですね、つまり掘り出したその土ですね、その排土ですね。それをどういうところに置いてあるか御存じですか、現場へお行きになったことございますか。
#49
○参考人(北原正一君) 知っておるつもりでございます。
#50
○宮崎正義君 それがどのような影響を与えているかということも御存じでございましょうね。
#51
○参考人(北原正一君) その点は、まあ豪雨等がありましたときに濁ったのが流れ出るということが過去にありまして、そういうことに対しては、そういうことのないように砂防堰堤のようなものをつくりまして、濁った水を出さないようにということで措置をしておるわけでございます。
#52
○宮崎正義君 どうも明確なる歯切れのいい答弁ではございませんですが、実際これは困っている。これはどういうふうに処置されようとしておられるのかですね。しかも中へ、トンネルの中へ持っていきます機械器具類を運ぶあの道路なんか、ものすごいものが流れている、そういうようなこと等ですね。今後あの野積みのままでいいのかどうか、こういう点どういうような対策を講じられようとしておられるのか、その点を伺っておきたいと思います。
#53
○参考人(北原正一君) 持ってきましたズリを転圧してブルドーザーなどで整地いたしまして置いておくわけでございます。その置く場所は、谷間へ入れるわけでございますが、そこのところの排水設備を完全にいたしまして、その出てきた土砂が雨などで濁って出ないようにするという努力をするわけでございますが、それには堰堤をつくりまして、そこの堰堤に濁った水をある程度こせるようなフィルターというようなものを入れまして、そこを通ってくれば濁った水がきれいになったものが出ていくというふうにするつもりでおります。また、一部で、一部といいますか、ただいまのところではかなりそれをつくっております。
#54
○宮崎正義君 その谷間とおっしゃいましたけれども、これはどこの敷地ですか。
#55
○参考人(北原正一君) それはただいま捨てております敷地は、私どもが用地買収いたしました敷地でございます。
#56
○宮崎正義君 そこではこれは今後どれだけの排土が出る予定ですか、そこへ入れ切れますか。
#57
○参考人(北原正一君) あそこの竜飛の場所をただいま海底部から、いまやっております作業の場所は、海底部のトンネルのところでございます。そこには約二百五十万立米くらいの土が出てくる予定でございます。ただいま私どもが捨てております場所には、それだけはとても入りませんので、約六、七十万立米かと思いますが、残りのものは近所にあります沢を使わしていただきまして、そこで先ほど申し上げましたように排水設備を完全にいたしまして堰堤などをつくりましてつとめてきれいな、雨が降りましてもきれいな水が流れるというふうな工事をいたしましてやってまいりたいと思います。そこのところの捨て方、どれだけ、この沢には何万立米入るかというこまかいことにつきましては、国有林もかなりお願いしたいと思いますので、そういう関係官庁のほうともよく連絡をいたしまして、つとめて被害の起きないように設備をやって捨てさせていただきたい、そういうふうに考えております。
#58
○宮崎正義君 沢を借りるとおっしゃいましたんですね。農林省の林野庁の関係じゃないかと思いますが、そんな話があって、賃借、貸借の問題ですね、そのような話があるんでしょうか。
#59
○説明員(辻良四郎君) ただいまの鉄道建設公団から青函トンネルの掘さくによりまして、出ました排せつのズリの捨て場といたしまして、国有林を使用したい旨の申し入れが今年の二月に青森営林局にありましたことは聞いております。この場所は、増川営林署管内の三厩村地籍にありまして、約三十五ヘクタールございます。この場所は灌木林を主体としておりました西向きの緩斜地でございまして、また風当たりの強い風衝地にもなっております。林業場としましては、必ずしも適地ではないわけでございますが、その地帯一帯が津軽の国定公園の指定見込み地になるということも聞いております。また、この公団の申し入れに対しまして、五月の十日に三厩村からは防災上につきましての問題、あるいは漁業の被害、村の埋め立て計画、自然保護、そうした観点から貸してくれるなという反対の陳情も青森営林局にあったわけでございます。したがいまして、林野庁としましては、こういう経緯を踏まえまして、鉄道建設公団と地元三厩村の調整を待ちましてから、最終につきましては対処いたしたい、このように考えております。
#60
○宮崎正義君 この種の問題が必ず起きてくることは当然なんです。トンネル工事をやりますと、必ず起きてくる問題なんです。これはもう長い間の御経験でやっておられるわけなんですから、これはもう青森ばかりじゃない、北海道もみんな同じことが言えるわけです。この青森県を私は特に例にとって言っているにすぎないのであって、当然向こうも含めて北海道の出入口である福島のほう、あっちのほうも考えながら申し上げていることなんで、同じ考えで進んでいかなければならないことです。そういうことで両面を踏まえて私は申し上げているわけです。これがやはり同じような、いま農林省の答えがありましたように、この国定公園としての見込み地にもなっておりますし、こういうようなことを考えますと、最初からどこに捨てていったらいいんだろうかということも相当計画の上におやりにならなければ、そうでなくてさえ沿岸漁業がいためつけられておるわけです。あちらのほうはほんとうに水揚げ高の非常にいいところで、かなりの漁獲高もあるわけなんです。それが大きな被害を受けているということ等を考えあわせて、すみやかに――あとから起こってくるでありましょう三十五ヘクタールの灌木林のところを借りたいということなんですが、これもやはり、地元あっての、今日の国土が守られてきておるわけですから、そういったような意味合いの上から御配慮をしていただかなければ、お話し合いの配慮といいますか、綿密な打ち合わせをやり談合していかなければ進んでいかない、こう思うと同時に、いま私が申し上げました、トンネルに運んでいく道路から出てくるもの、で、いまフィルターで水をこしていけばいいというようなことでありますが、それだっていま積み上げているところ、また、これから新しく積み上げていこうとするところまで考えていかなければならないというふうに私は思うわけです。こういう点を考えられて、漁民はとかく一億三千八百一万円ですから、その補償をしてもらいたいということを言っておるわけです。これなんかも生活がいまだんだん苦しくなってきておる。物価高の中でこれだけの被害を受けているんだということを現実の立場に立ってお考え願えなければ早い解決ができない。これは私もう一度申し上げましてお考えを最後に伺っておきたいと思います。
#61
○参考人(北原正一君) 私ども特に青函トンネルのような大工事といいますか、国民のための工事をやっておりますので、それによって被害が起きるということは、きわめて避けなければいけないということは十分に承知しておるつもりでございまして、また、いままでもそうしてきたつもりではございますが、何ぶん、完ぺきにということは、努力はいたしましたわけですが、完ぺきにできなかったという点がございます点は深く反省をしておりまして、これからやっていきますにもそういう点、いま先生がおっしゃいましたようなことをわきまえまして、最大の努力を尽くしていくつもりでおります。
 なお、北海道のほうにつきましても同様でございますが、北海道のほうの捨てる土の場所につきましては、町有林、個人の林地等ございましたが、さしあたっては解決をいたしました。その用地は確保できたわけでございますけれども、しかし、その設備というものは、おっしゃいましたように完全にやるようにいたしまして、そこから出てくる濁った水と、豪雨の際などの濁った水ということに対しても、できるだけのことをいたしまして被害の出ないように万全の努力をいたしたいというふうに考えております。
#62
○宮崎正義君 もう一点。対策ですね、コンクリートでおやりになると思うのですが、勾配なんかは二から二・五ぐらいの勾配でおやりになる計画等もあると思うんですが、これについても、北海道も同じです、いま被害をこうむっておるのは。これは最初にきちんとやっておけば問題が起きないんです。ところが、起きてから処置をする、ここに問題がある。何でもそうなんですね、いままでの状態を見ていきますと、問題が起きてから、やっとその問題に、ああそうだったのか、いけないといって、手を伸ばすような形になって起きておるわけです。ですから無計画だ、計画がないと言われてしまうことになるわけです。だから、当然北海道の場合だってやっていなければならなかった。今度またどうなるかわかりませんでしょう、農林大臣が許可されるかどうかわかりません。いずれにしましても、灌木林があるところの一番林野としては不向きであるということ、そこに排土を持っていこうとしても、相当の手当てをしてからでなければ持っていけないということになれば、いまからもうかかるぐらいのスピードでなければ工事も進捗していかない、捨て場のことを考えて、ほおっておけないということになりますと、これまた両方が詰まってくるということになるわけです。それらの影響は住民、特に漁民というものの生活条件というものを考えた上でやっていかなければいけないということを私は強く申し上げて、善処を遅滞なくやっていただくよう申し上げておきたいと思います。
 どうもきょうは、ありがとうございました。
 漁港の問題につきましてこれから質問しようと思うんですが、いま三厩の話が出ておりますので、三厩の漁港の一端を述べまして、日本全体に及ぼす日本列島の漁港というものは、今日の時点から考えていままでの計画性というものが相当大きく変革されていかなきゃならないという観点の立場に立ちながら、一部現場のことを申し上げながら全体の話し合いを進めてみたいと思います。
 そこで、いま申し上げましたように現在実施中の第四次整備計画が四十四年度から四十八年度までと、こうなっております。最終年度を待たずに今度は四十七年度から打ち出されて五カ年計画に入っていくという勘定になるわけです。この理由として一昨日の本委員会に長官が漁獲量の変化、あるいは漁船の大型化、増養殖の増加等漁業情勢の変化によるとして、かつ第二点として事業の進捗率が七割の進行であるから、他の整備計画事業の例から見ると移行している例があるといわれました、これはおっしゃいましたね。私が水産庁からいただいた資料によりますと、一昨日長官が言われたことと少し私、疑義があると思うのですがね、この点について、四十七年七割の進行であるからという、七割の進行であるというのはどういう時点で七割の進行ということを言われるのか、まず最初にお伺いしてから具体的に入りたいと思います。
#63
○政府委員(太田康二君) 私どもは、四十七年度はいまの第四次計画の第四年度目にあたるわけでございますけど、本年度予算を実行いたしました暁におきましては、だから四十八年三月三十一日と申したほうが正確かもわかりませんが、その段階ではいまの第四次漁港整備計画に対しまして七一・四%の進捗率を確保できる、こういうことを申し上げたのでございます。
#64
○宮崎正義君 この第四次整備計画の四十六年度の進捗率は、示されたものから見ますと四八・四%となっておるのですがね、これはどうなんですか。
#65
○政府委員(太田康二君) 四十六年度末は御指摘のとおりの進捗率でございます。
#66
○宮崎正義君 先ほどおっしゃったのは四十八年の見込みなんでございますか、見込みですね。七一・四%、そうでございますね。
#67
○政府委員(太田康二君) もちろん事業が全部終わってみませんと、どのくらいいったということの正確な数字は出ないわけでございますけれども、現在の予算に基づきまして事業が全部実行された場合には七一・四%になる、こういうことでございます。
#68
○宮崎正義君 それを伺いたかったのです。それを伺っておきたかったのです、はっきりと。これは、この資料から申し上げますと、第一次は計画漁港数が四百五十港ですか、水産庁からいただいているこの資料ですね、来ておりますね。第一次は、計画漁港数が四百五十港、予算が五百四十四億円、それに対する実積、着工数が三百七十五港、うち完工が四十三港、事業費は百二十一億円で、進捗率が二二・三%、第二次では七一・四%、第三次では六三・二%、第四次では四八、四%、着工数が三百七十港、うち完成が十六港よりない、こういう計算になるのですね。たとえ、長官の御答弁のように、第四次の進捗率がずっと見込んで七割であったとしても、着工の漁港数と完成した漁港数を対比した場合、この整備計画に満足するものが私はないのですがね。第三次整備計画も最終年度の四十五年度を待たずして四十四年度から第四次に移行しているわけです。このようなことから考えまして、政府の整備事業というものは、計画をしているけれども、その計画どおりに行っていない。すなわち計画倒れだと、こう言わざるを得ないわけですがね。長期展望に立ったのはけっこうだと思いますよ、その長期展望のもとに立てたその長期計画が実施されなければ、これ何にもならないと思うのですがね。これはどうなんでしょうか、この点は。
#69
○政府委員(太田康二君) 私が七一・四%と申し上げましたのは、総事業費が二千百億ということに相なっておりますから、これに対しまして四十七年度の予算を全部実行いたしました暁におきましては、事業費規模で七一・四%まで進捗をいたす、こういう数字を申し上げたわけでございます。先生御指摘のように個々の漁港ごとに見てまいりますと、完全に、たとえば完成をしたというようなことになっていないものもあるわけでございまして、それはそれなりに各港別に事業計画があるわけでございますから、そういった意味で計画期間内におきますところの事業として、その港についての事業費は一応完成をいたしておるというようなものもあるわけでございますけれども、完全な意味で、何と申しますか、工事が完全に終わりまして、もうこれ以上投資の必要がないというような意味で終わったということを申し上げているわけではないわけでございます。と申しますのは港湾等でも横浜、神戸等につきまして計画がございまして、また次の計画で設備投資を続けていくというようなこともあるわけでございまして、その点につきましては、私のほうの漁港においても同様のことでございまして、先ほど来申し上げておりますように漁船の大型化あるいは漁獲物の生産の増大というようなことに伴いましてまた計画が改定されまして、その新しい事態に応じた計画に組みかえていくということで、従来とも進めてまいっておるのでございます。
#70
○宮崎正義君 その七一・四%の件は、私はわかったつもりなんですがね。私のあとで質問しましたものは、第一次、二次、三次、四次と、こういう計画を立て、一次は四年間、二次は八年間、三次は五年間というふうに計画を立ててまいりましたね。それでおのおのの、さっき長官が一港一港ということをおっしゃっておられる、一港一港なら一港一港の特殊の事情があるから、その事情に基づいての計画を行なっていくのだというような御答弁がありましたけれども、私はいま全体を言っているわけです。いただいた資料の中から全体を申し上げているわけです。ですから、この第一次に予定されました四百五十港というものが第四次に全部でき上がっているのかいないのか、端的に言えばそういうことなんです。第一次漁港整備計画として立てられた漁港が第四次に至る、約何年ですか、約二十年ですよ、にわたって当初計画されたものが、今日できたかできないのかということを聞いているわけなんです。
#71
○政府委員(太田康二君) 計画期間内で、計画したものにつきましては、できたと申し上げて差しつかえないと思いますが、御承知のとおり利用が次第に増大するというようなことで、計画の達成を待たずに計画の改定を行なう、そして規模を拡大するというようなことがあるわけでございますから、そういった意味では計画内に全部終わってしまったということにはなっていないということを申し上げておるわけでございます。
#72
○宮崎正義君 いま計画立てたものできたとおっしゃいましたですが、そうするとその第一次計画のときに四百五十港あげましたですね、整備計画事業四百五十港当初計画立てたものは、どことどこができて、どことどこがまだできないんですか。
#73
○政府委員(太田康二君) 第一次の計画で申し上げますと、御指摘のとおり四百五十港が対象になっておりまして、そのうち四十三港が従前の意味におきまして計画が完全に終わった、残りの漁港につきましては、漁港情勢の変化に従いまして新しく計画を改定いたしまして、次の計画の中に織り込んでいったと。したがいまして、そういった意味ではこの計画期間内に全部終わったということにはなっていないわけでございます。
#74
○宮崎正義君 開発庁の政務次官が御出発されるということで、さきに問題をくるっとひっくり返して、そちらのほうに方向を向けてまいります。いまの話は、これは問題一ぱいあるんです、あとでこまかく一つ一つやっていきますから。
 それでは、もうちょっと早く言っていただければ、もう少しゆっくりと大演説をお伺いして、北海道の開発行政についてのこれからのビジョンというものを……。全北海道海域をめぐっての、全土をめぐっての漁港整備計画、あるいは改築整備、あるいは振興開発、そういった問題点をどんなふうにお考えになっておりますか。また、今日の北海道の漁港の修築、改築事業等の実施状況というものがどんなふうに行なわれているか、総括的にお伺いをいたしたいと思います。
#75
○政府委員(上田稔君) お答え申し上げます。
 北海道の漁港の整備につきましては、北海道の総合開発計画に基づきまして推進をいたしておるところでございます。その第三期の総合開発計画におきます漁港の整備におきましては、今後の漁業生産の動向に対応して、生産及び流通の中心となる重要漁港及びその他の沿岸漁港などの重点的な整備を推進すると、こういうことをうたっておりまして、具体的に申し上げますと、第三種漁港それから第四種漁港、これに重点を置きまして整備を急いでおるのが現況でございます。で、この次に計画をしていただいておりますものにつきましては、さらに少し足らないところの一種漁港、二種漁港にも力を入れていきたい、こういうふうに考えております。
 それで、いままでの進捗率でございますが、第一次におきましては二十億円、第二次におきましては九十三億円、第三次におきましては、百七十億円を投資をいたしておるところでございます。現行の第四次の漁港の整備計画では、総額が二千百億円のうちで、これは全国でございますが、北海道分は三百六十億でございます。これに対しまして、四十七年度末におきまして約二百七十億という予定でございます。
#76
○宮崎正義君 お伺いした中で、漁港の修築や改修事業の実施状態というものの御説明がないんですよ。
#77
○政府委員(上田稔君) 第一次の計画におきましては、計画七十七港でございましたが、六十五港を実施をいたしております。第二次におきましては、九十四港を計画いたしておりましたが、実施は九十港でございます。第三次におきましては、七十二港の計画をいたしておりまして、七十二港ともに着工をさせていただいております。第四次におきましては、七十三港を計画いたしておりまして、実施は、いまのところ七十三港に手をつけさせていただいておるわけであります。
#78
○宮崎正義君 これは漁港整備計画ですね、いまの全体を言っておられるわけですね。
#79
○政府委員(上田稔君) そうでございます。
#80
○宮崎正義君 そこで、北海道の海域をめぐる漁港というものが、百年の北海道の歴史がありますけれども、非常におくれている。いまの御答弁にありましたけれども、第二次計画は九十四のうち九十一第三次計画は七十二のうち七十二という、完全にできているというのは、これだけの表面を見ると、まことにうまくいっているように思えますけれども、実態はほとんど手がつけられなかったということが考えられるわけです。したがいまして、これからの整備計画、築港計画というものをどんなふうに踏んまえておられるのか、この点を明確にしていただきたいと思うのです。
#81
○政府委員(上田稔君) 先ほどちょっとお答えを申し上げましたが、重要漁港、すなわち第三種及び第四種の漁港、これに重点を置いて整備をいたしてきたわけでございますが、それに加えて、一種、二種の漁港をさらに整備を加えていきたい、こういうふうに考えております。特に北海道におきまして、風浪の関係もあって、一種、二種というのが非常にたくさんございますし、この漁港をぜひ整備をさしていただきたい、こういうふうに考えております。
#82
○宮崎正義君 重点政策はわかるのです。それじゃ北海道の、これは山田総務監理官ですか、お答え願えるといいと思うんですが、三種港が現在幾つあって、どのような進捗状態になっているのか。
 これが、また一次、二次、三次、四次計画というものが、どんなような経過で進められて今日まできているのか。
 それから、これからまたどう進めようとするのか。この計画どおりにいってない隘路が一ぱいあるように、私は回ってみたところでずいぶん承知をしているわけです。こういうことを頭の中にお入れになってから、御答弁していただきたいと思うのですがね。
#83
○政府委員(山田嘉治君) ただいまお尋ねの第四次漁港整備計画におきましては、北海道は、漁港法で指定いたしました第一種の漁港の数が全体で百八十五ございますが、第一種は現在二十九、現在の計画で採用してやっております。それから第二種が全部で二十六港北海道にございますが、ちょうど半分の十三を現在やっております。それから重点漁港でありますところの第三種、第四種、これは北海道の場合は、県と違いまして国が直轄事業で先生御承知のようになっておりますが、第三種は、全部で十六港のうち十四港現在実施しております。第四種は十八港、そのうち十七港を現在やっておるような状況でございます。
 それから、一次から三次までの間に漁港の種類別にどういう実績であるかという点につきましては、ちょっとただいま手元に資料を持っておりませんので御了承願いたいと思います。
#84
○宮崎正義君 その辺が大事なんですね。手元に資料がないから言えないと言ったんじゃ、これ質問ができないんですがね。一次で百八十五、一種が百八十五の現在が二十九、まあいろいろお話がございましたが、一次、二次、三次、四次とありましたけれども、この第三種だけを取り上げて私はみたいと思うのですが、その第三種の一次、二次、三次、四次計画というものが内容がわからないとおっしゃるんだったら、質問のしょうがないんですがね。
#85
○政府委員(山田嘉治君) 第三種漁港は直轄漁港でございますので、これは資料を整えまして、後ほど差し上げたいと思います。
#86
○宮崎正義君 これは質問できませんよ。
#87
○政府委員(太田康二君) 私どもの調査によりますと、北海道における第三種漁港は、第一次計画では十三港、そのうち採択したのが十二港、第二次計画では十三港の十一港、第三次計画では十五港の十四。
#88
○宮崎正義君 先ほどの開発庁のと違うんじゃないですか。
#89
○政府委員(太田康二君) いやそれは第四次は十六の十四、先生が一次から第四次まで言えとおっしゃいましたから、いま申し上げたわけでございまして、もう一度申し上げます。
 第一次は十三港で十二港、第二次が十三港で十一港、第三次が十五港で採択が十四港、第四次が十六港で採択は十四港。
#90
○宮崎正義君 もう一度お願いします。済みません。第三種の第一次が――、もう一回おっしゃっていただけますか。
#91
○政府委員(太田康二君) 十三港が十二でございます。第二次が十三港が十一、第三次が十五が十四、第四次が十六が十四。
#92
○宮崎正義君 それでは一つ二つ集約して取り上げてみたいと思うのですが、三種の中に寿都がありますね。寿都の整備計画がございますが、これの状態を長官お願いします。
#93
○説明員(矢野照重君) 寿都につきまして計画を申し上げますが、第四次の全体計画が三億六千七百万、これで四十四年、五年に一億二千七百四十万、四十六年度に七千三百万、四十七年度、これは現在実施中でございますが、八千六百万の予算を計上してございまして、これが予定どおりできますと、四十七年末におきます進度は七八%になります。
#94
○宮崎正義君 いまの寿都の状態が第四次が三億六千七百万円ですね、それでこれの進捗状態はどうなんですか。いま私はお伺いしたはずなんですがね。ただこれだけだと、予算だけ言っておしまいになりますと、工事が……。
#95
○説明員(矢野照重君) 四十七年度末におきます進度は、七八%になる予定でございますが。
#96
○宮崎正義君 これから考えていきまして、初当計画と違ってきているのですか。このでき上がらないというか、完成しない、完工しないというか、これはあれでしょう、寿都は何年から始めたのですか、昭和二十七年からでしょう。昭和二十七年から始めて今日に至るまで、約二十年間ですね。先ほど長官からお話がありました、確かにいろいろな情勢は変わるでありましょうけれども、寿都の問題はどこにそういうふうな隘路があるのか。これを片づけなかったら何年たったって、”何年も何年もまた同じことをやっていかなければならぬ、どこに問題があるのかということですね。二十年間かかっているのですよ。
#97
○説明員(矢野照重君) 漁港の計画を立てます場合には、目標年次におきます漁船勢力あるいは水揚げというようなものを十分まかなうだけの施設をつくるということで計画を立てておりまして、寿都につきましては二十七年に着工したわけでございますが、当時におきます漁業情勢と、現在の第四次におきましては四十八年を一応目標年次として、四十八年度におきます漁業情勢を推測しましてやっているわけですが、その間の相違がございまして、結局非常にこの利用状況が増しているということで、整備計画改定のときに計画規模の増大をやったわけでございます。
#98
○宮崎正義君 その状態はわかるのですよ。状態はわかるのですが、現在どこにどういう問題が残されているのか、そのために二十年間も年数が経てきている。それはわかりますよ、あなたのおっしゃる水揚げの量だとか、いろいろな漁業関係の変化ということがあるから、その年その年また違ってくるのだという御答弁だというふうに私は、受け取ったわけですけれども、二十七年に当初計画したものですね、これがもう二十年の間毎年毎年水揚げが変わってきて、状態が変わってきているからそうなるのだというふうな答弁だと、私は、いま受け取ったのですがね。ところが、五年なり、あるいは八年なり、三次計画の五年なり四次計画の五年なりというものから考えていきますと――寿都の漁港計画のあれを持っておいでになりますか。港湾の漁港の姿図とでも言いますか、設計図といいますか、そういうものをお持ちですか。
#99
○説明員(矢野照重君) 寿都の平面図につきましては、ここに持参してございます。
#100
○宮崎正義君 それから見て、どこが違ってどうなったかというのは見てみないとこれは、はっきり御答弁できないだろうと思うんですよ。まあ、これはあとにしまして、政務次官がお帰りになるので政務次官にお考えをもう少しはっきりお伺いしておきたいのは、たとえば北海道のこれは一例なんです、ですから、苫小牧から室蘭、函館に行く汽車に乗って一番お通りになるところを考えてみましても、漁港が幾つあるかということなんですよ。避難港がどれだけあって漁港が幾つあって、そしてその天然のまま百年たってもそのままの状態でほうり出されているというところは、どれだけあると。そのわずかな、北海道でいえばわずかですよ、もう本州から比べればとんでもない長い距離ですけれども、北海道に行けばわずかな、一部分にしかすぎませんけれども、その間の漁港整備というものがどんなふうにできているか、これから判断をして、さらに今度はオホーツク海のほうを一部分とってみても、どんなふうに整備がされてあるのか、百年たってもそのままほうり出してあるところは、どういうふうになっているのかということを、どうとらえておいでになりますか。また、それを今後どういうふうに北海道が、もうこれからはほとんど北海道が主生産地になる、主水揚げ量も北海道によってきまっていくということが私は、いえると思うんですよ。そういう面から考えて、北海道に対する漁港整備、それが漁業の基盤になっていく、これは私は申し上げることないのですが基盤になっていくことなんですから、そういう点から踏んまえてどんなふうにお考えになっているのか。
#101
○政府委員(上田稔君) 北海道におきましては、漁港の密度の非常に高いところと少ないところとがあるように見受けました。これは私、政務次官にならしていただきましてから、ずっと北海道の海岸線のところを歩かしていただいて、まだ歩かしていただいていないところもございますけれども、歩かしていただいたときの感じでございますけれども、非常に密なところと、それから非常に少ないところがあるという感じがいたしました。その密なるところにおきましては、いわゆる一種、二種という漁港が非常にたくさんあって、で、これがおのおのがやはり北海道の特性といいますか気象的な特性というか、そういうものによって合併してやっていくということができない。したがって、やはりおのおのが独立して存続さしていかなくちゃいけない、こういうものではなかろうかというような感じがいたしたのでございます。
 それから、非常に疎なるところ、これはたとえば内浦湾の奥のところであるとか、あるいは白老町の付近であるとか、あるいはまた広尾町からずっと東の部分であるとか、こういったようなところは非常に数が少なくなっております。これにつきましては、やはりいろいろ原因があるんだろうと思うわけでございますが、地元の方々の御意見をよく聞いて、この漁港の整備というものをはかっていかなくちゃいけないんじゃなかろうかと思うわけでございます。というのは、やはり北海道は非常に水産物の豊富なところでございますし、漁業で生きておられる方々が非常に多いわけでございますから、こういう疎なるところがあれば非常に御不便を感じられるのじゃなかろうか。先ほど言ったように気象的にも非常にお困りにたるのではないか、こう思いますので、そういう点において第五次の計画においてそういうような面を考えていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#102
○宮崎正義君 時間もたちましたので、まだ大臣にもお伺いをしなければならないのですけれども、どうもお時間があるようでございますので政務次官、どうか御退室してもけっこうだと思います。
 いま御答弁がありましたけれども、北海道の実情というのは、確かにおっしゃったように違うんです。違うんですけれども、海というものと島の国土というものは、どこでも変わらないわけです。ですから、そういう点から踏んまえて、せっかくつくった漁港も用をなさない漁港が随所にあるわけです。それは一カ所二カ所じゃないわけです。せっかくつくったところが使いたくても使えない。水揚げを攻められて攻められているのだけれども、その水揚げもできない。船も係留できないというようなところもずいぶんある。
 これは、私またこの次の機会にゆっくりと一つ一つの事例をあげながら質問をしてまいりますけれども、また三種漁港におきましても、計画されたものが計画どおりに進んでいない。予算も三分の一あるいは半分くらい、要求額よりも三分の一くらいになってしまっているとか等々北海道に力を入れていかなければならないといいながら、確かにパーセントの上では百分の九〇とか百分の八〇というようなことをいわれておりますが、それだけにおくれているからこそそうなんであって、もっと力を入れて百分の百くらいの北海道に対する考え方というものは、予算措置というものは当然しなければならない、こういうふうに思うわけですがね、この点どうなんでしょうか。
#103
○政府委員(山田嘉治君) 北海道の漁業が、非常に北海道は水産で生きているという面がございますこと御指摘のとおりでございます。その上に気象条件も御指摘のように非常に荒い。また本州方面からの漁船も多数きておるというような実情を考えまして、特に北海道の漁港につきまして国として力を入れて、整備をしていかなくちゃならぬということは、これは私ども常々考えておるところでございます。そのために非常に特別に高い補助率でございますとか、あるいは直轄の事業というようなところをやっておるところ、先生御承知のとおりでございますけれども、漁港がとかく何と申しますか総花的になりまして、完成がおそくなるというような弊害が確かに御指摘のようにないとはいえない実情でございまして、最近、四十六年、四十七年等につきましては、非常に漁港のこの伸び率も大きくなっておりますけれども、私どもといたしましては、いま御指摘のように非常に漁港の数が乏しくて地元がお困りであるというようなところの地元の御要望等も勘案いたしまして、漁港の予算を一段とこれから重要視してまいりますように、水産庁ともよく相談をいたしまして、できるだけよくしていきたいというように考えております。
#104
○宮崎正義君 もう際限がありませんので、きょうはこの程度にとどめておきますけれども、せっかく港湾局参事官がお見えになっておられるので、釧路西港の計画をいま着々としておやりになっておりますね。私が申し上げるまでもなく、四十四年の十二月に着工されておる。当面、四十八年度までの第一期五カ年計画として、最終的には五十五年までには完成しようという計画で、総工費が二百六十億ですか、この大型プロジェクトの考え方によって計画を立てられてきております。この当初計画されたときには、池田内閣の高度経済成長ですね。この時代で、工業港としてスタートしてきたというふうにわれわれは知っているわけですがね。最初は工業港としてのスタートが主体だったというように記憶しているんですが、そうしますと、その後ばずっと御存じのように高度経済成長の状態というものが、政策というものがだんだん転換されてきまして、変わってまいりまして、したがって、西港というものも多目的のために使われてこなきゃならないという実情になってまいりました。これでまた急遽今後の大型プロジェクトのいき方というものを多目的のためのどんなふうな計画をしていくかということは、重要な課題になってくると思うのです。苫小牧港が沿岸にずっと工業地帯を持ってきた。もし今度釧路港が同じようなことをやっていきますと、いまの苫小牧港と同じような二の舞いを踏むんじゃないかと心配されるわけですが、そこで、いま申し上げましたように、多目的の漁港区だとか、あるいは石油ターミナルの基地だとか、あるいは中小企業の流通関係の施設だとかいう問題等が含まれての構想の上に計画を立てられていると思うのですがね。この点、どんなふうにお考えになっていますか。
#105
○説明員(大久保喜市君) 釧路港につきましては、昭和四十四年に在来の釧路港では非常に手狭になってまいったものでございますことと、それから、工場の誘致、こういうようなことをしたい、ということから、釧路周辺地域の地域開発の観点から工場の誘致、こういうようなおとをしたい、こういう地元の非常に強い御熱意等もございまして、そういたしますというと、何と申しましても港湾が在来のものでは手狭であるということから、いわゆる西港と称しておりますが、新しい式の港湾計画を立てたわけでございます。それで、ただ先生の御懸念のような苫小牧のようなという点についてでございますが、実は釧路港の計画をいたします際に、非常に港湾管理者並びに港湾関係者が悩みました点は、確かに背後に土地はあると言いながらも、そこへほうり込んでいくというような形では、どうも非常に計画として限定されてしまうということから、在来の釧路港の拡張という、いわゆる商港的な施設をつくって、その商港を窓口として、背後に工場を誘致する、こういうような仕組みで考えるのがあそこの地域的な自然条件にも合致しているということで、いわゆる防波堤で囲んで、突堤式の形としては、商港の形をとった計画を立てたわけでございます。それで、昭和五十五年を目標にいたしました港湾計画を立てまして、それでその地区に工事にかかるにつきましては、その地域の漁業関係者の方を、いわゆる生活の基盤というものの競合もございますので、漁業関係の漁業補償、こういうような点でいろいろ関係者が折衝いたしまして、ようやく着工の運びになったというのが現状でございます。それで確かに御指摘のように、その四十四年時点から現在では四囲の情勢が変わってきております。しかしながら、わが国全体としての経済活動、それから都市の消費活動、こういうようなことにからみまして、一方には陸上交通のいわゆるいろいろな面での制約、こういうようなこともございまして、釧路港は何と申しましても北海道の東部の地域の一つのいわゆる流通の拠点と申しますか、そういうような性格を兼ね備えているとろでございますので、現在、第四次港湾整備五カ年計画におきまして、その一部の地区を最近の流通の問題を配慮しながら計画をいたしておる次第でございます。それで御指摘のように、釧路西港の一番東側と申しますか、在来の港に一番近いほうに、これは現在の釧路港での沿岸の小型漁船が相当在籍しておりますし、漁業を営んでおりますが、それらの船が着く安全な泊地が足りないわけでございます。これはいささかデーターが古いのでございますが、四十四年の計画を立てました時点で四十二年の実績で申しますというと、在籍船が約三百隻程度ございましてこのうち、非常に手狭な副口地区、そういうところと、あとは釧路川とか、狭い水路や商港施設を無理して使っているような状況でございますので、大体二百隻程度の漁船が係留するといいますか、利用するような意味合いの漁港的な施設をいまの西港の一番東寄りの在来港の近いところに計画いたしてございます。それで工事の手順からいたしましても、その東側の地域から逐次やっていくという形をとらざるを得ないということもございまして、まず最初には産業基地と並んでいまの漁港施設、それからさらに急がれておりますのは、やはり最近のエネルギー需要といいますか、油の需要等もございますものですから、そういう背後地の消費活動、経済活動に結びついた輸送量の増大に対処する施設を逐次整備していくということを考えている次第でございます。
#106
○宮崎正義君 農林大臣がおいでになりますので、北海道の漁業をめぐる問題につきまして、開発庁のほうと私がいま質問を重ねてまいりました。で、私、質問はまだこれからするところなんですけれども、時間もきてしまったので、最後に北海道の漁業というものに対しての構想、今後またどういうふうにそれを育成していくか、そういう点について一言伺っておきたいと思います。
#107
○国務大臣(赤城宗徳君) 漁業資源というものが、日本全体から見て非常に少なくなってきているわけでございます。そこで北海道もその例であると思いますが、北海道の漁業等につきましては、いま一口で言えば零細といいましょうか、零細漁民というものが多いと思います。そういうことでございますから、北海道には、内地でもそうなんですが、特に漁業関係なんかでも北海道に分厚く考えなくちゃならぬ面が相当あるんじゃないか、こう思います。そういう施策をとっていると思いますが、十分、北海道については、すべての面で分厚く考えなければならぬ面が多いと思うんです。漁業ばかりではございません。しかし、漁業としてはほんとうに適地といいますか、漁業には非常に適しているところでございまするし、漁業生活者も多いと思いますので、その点十分分厚い政策をとっていきたい、こう思っています。
#108
○委員長(高橋雄之助君) 暫時休憩いたします。
   午後零時三十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十三分開会
#109
○委員長(高橋雄之助君) ただいまから農林水産委員会を再会いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
#110
○川村清一君 すでに数名の委員から、各般にわたりまして詳細な質疑がかわされておりますので、私はできるだけ重複を避けて質問をいたしたいと思いますけれども、あるいは若干重複するところが出るかもしれませんが、その節はひとつあしからず御了承をいただきたい。
 最初に、漁港法の一部を改正する法律案について質問申し上げますが、まず農林省が指定をしております漁港数、この一種、二種、三種、四種ごとに合計幾つあるのか、これをひとつお知らせいただきたいと思います。
#111
○政府委員(太田康二君) 先般お配りしました漁港法の一部を改正する法律案参考資料の一ページに書いてございますが、現在の漁港は総数で二千七百六十一港でございます。その内訳を各区分に従って申し上げますと、第一種漁港が二千百九港、第二種漁港が四百六十七港、第三種漁港が九十三港、特定第三種漁港が十一港、第四種漁港が八十一港、これは申し上げるまでもございませんが、この二月一日現在でございますので、沖縄、今度復帰いたしました沖縄県についての漁港は入っていない、こういうことでございます。
#112
○川村清一君 それでは、この二千七百六十一の農林省が指定されました漁港の中で、いまだ何ら着工されておらないもの、整備計画に乗ったことのないもの、これは何港あるか、これを御説明願いたい。
#113
○政府委員(太田康二君) 私どもが漁港法に基づきまして国会の承認を得て定めておりますところの漁港の整備計画と申しますのは、御承知のとおり、現在進行中の漁港整備計画は去る四十四年の第六十一国会で御承認を得たものでございますが、四十四年度以降四十八年までの五カ年間に三百七十港につきまして漁港修築事業によりまして重点的に整備をいたしますと、こういう計画になっておるわけでございます。
 そこで三百七十港でございますが、一種が八十三、二種が百四十四、三種が七十五、特定第三種漁港が十一、第四種漁港が五十七、計三百七十と、こういうことに相なっております。
#114
○川村清一君 ちょっと私の質問と合わなかったと思いますが、二千七百六十一というこの指定漁港数というものは、これは昭和四十四年に指定されたのじゃなくて、昭和二十年代から指定されてきておりますね。そこで合計が二千七百五十一です。そこで一次から四次までの整備計画があったことは存じておるわけであります。私の質問しておりますことは、指定されました二千七百六十一港の中で、第一次、二次、三次、四次の整備計画に一度も乗ったことのないもの、しかし、これは修築だけで御答弁されてもちょっと問題があるので、整備計画といえばあるいは修築だけ言われると思いますが、改良も、部分改良も入れてもいいですけれども、指定はしたけれどもいまだ改良されないもの、いまだ手を加えたことがない漁港があれば何港あるかということをお伺いしたい。
#115
○政府委員(太田康二君) 私どもの推定によりますと、大体三百港ぐらいが全然、二千七百六十一のうちまだ着手をいたしていないというふうに考えております。
#116
○川村清一君 それは三百港未着工のもののうち一番古いもの、いわゆる農林省が指定した年次では昭和二十三年とか二十四年とかありますが、一番古いのは何年ごろのものですか。
#117
○政府委員(太田康二君) まことに不勉強で申しわけありませんが、ちょっと現在手元に資料がございませんので、後ほど調べましてお答えさしていただきたいと思います。
#118
○川村清一君 昭和二十三年とか二十四年とかいう、ずっといまから二十年も前に指定しておりながら、いまだ手を入れたことがないというようなものはありませんか。これは何港とはっきり言わなくてもいいのですが、そういうものがあるかないかということを御答弁いただきたい。
#119
○政府委員(太田康二君) まことに申しわけありませんが、全体についての未着工の調べがいまございませんので、後ほど調べましてお答え申し上げます。
#120
○川村清一君 三百港大体あるということは御答弁いただいてわかりましたが、そこで第四次漁港整備計画第一図というこれは、全国の漁港の地図というのですか全国の漁港がここに載っているわけですが、これを調べますと、未着工漁港というのがちょっと見当たらないと思うんですが、三百港もあるならば当然出てくると思うんですが。そうしますとあれですか、この整備計画一図にはこれは第四次漁港整備計画となっていますから、そういう御答弁のありました三百七十港だけが載っているんですか。それにしましてはちょっとふに落ちないのは、これにはやはり改修事業もみんな載っているわけですが、改修事業も整備計画ではいわゆる国会の承認事項になっているわけですね。
#121
○政府委員(太田康二君) 先ほども法律に即して申し上げたのでございますが、私どもの整備計画で国会の承認を得ておりますのは、三百七十港の修築事業の各県別の港別、そこにおもにつくります施設別のものを承認を得ておるわけでございまして、よく第四次の整備計画は予算額で総額、調整費含めまして二千三百億というようなことをいっておりますが、これはあくまでも参考でございまして、その際、たとえば改修事業につきましては、おおむね五百五十港を対象にしてこの総事業費として約四百億を充てたいと、それ以外に局部改良としては、これは港数はいっておりませんが二百億ぐらいの金を予定をいたしておる。そうなりますと、当然漁港修築事業でございますが、これは三百七十港で千五百億ぐらいの総事業費で実施をするということで、予算のいまの金額の面は漁港整備計画という厳格な意味での国会の御承認をいただいている整備計画の中には入っていない、整備計画はあくまで三百七十港という改修、修築を中心にしたものになっておるわけでございます。
#122
○川村清一君 ですからそこのところはっきりしていただかなければ、整備計画というのは国会の承認事項になっておるわけであって、われわれが責任を持ってこれは国会で承認しているわけですから、そうしますと、その承認を得る事項はこれはあくまでも整備計画の中の修築事業を承認しているわけであって、そこで三百七十港というのは修築港であると、こうぼくらは理解しておるわけだが、私が水産庁のほうにお聞きしますと、いまいわゆる漁港整備計画というのは何港やっているかというと、国会で承認した修築事業も改修事業もときによっては局部改修まで入れてしまってこうやってくるというと、これこんがらがってしまいますから、ですから、この地図は漁港大会でいただいたんですが、漁港協会で出したんだと思いますが、これには第四次漁港整備計画一図とある、そして全国にこれだけの漁港が書いてあるわけです。そうすると第四次漁港整備計画というのは国会で承認しているわけですから、ところがこんなに承認しているわけないわけです。この点を誤らないようにやっていただかなければ往往にして間違いますから、ひとつ御注意をしておきたいと思います。
 次にお聞きしたいのは、これもまた資料が来ておらないというような御答弁になるかと思いますけれども、二千七百六十一港もあるわけです。そこでこのうちいまだ手を加えていないと、全然着工していないものが大体三百港あるというような御答弁でありましたが、それをさらにこまかくしてお聞きしたいと思いますが、この漁港の中で外郭施設、水域施設、係留施設これが具備された漁港は何港あるか。それからこの三つのうちいずれか未完成の漁港が幾つあるか。外郭施設だけはできているけれどもまだ利用のできないものが何港あるか。全く施設のない漁港、これは大体三百何港あるということはわかりましたけれども、一と二と三ですね、外郭、水域、係留施設、これが全部具備したいわゆる完成といってもいいでしょう、こういう漁港が何港あるか。このうちのどれかが未完成のものが何港あるか。外郭施設はできたけれども水域施設あるいは係留施設ができないために利用できないという港が何港あるか、こういうふうな内訳がわかりましたらひとつお示しいただきたい。
#123
○政府委員(太田康二君) まことに申しわけありませんが、現在手元に資料ができておりませんので、後ほど資料をそろえまして御説明申し上げたいと思います。
#124
○川村清一君 資料は全然ないとは思いません。これはあると思います。なければ漁港行政ができないわけですからあると思いますので、後ほどこれはひとつつくって出していただきたい。
 そこでお聞きしますことは、第四次整備計画が四十四年から始まりましてその実施率はこれは前の委員の質問等によって明らかになったことは、四十七年度の予算を実行いたしました結果七一・四%そこまで進捗しておるということが明らかになったわけであります。
 そこで、第四次計画は七一・四%実施したということはこの数字に対して農林省としてはどのような評価をされておるか、これは農林省自体がどう評価されておるかということをお聞きしたい。
#125
○政府委員(太田康二君) 少しく詳細に申し上げますと、先ほど申し上げましたように厳密な意味での整備計画ということで修築事業だけを申し上げますと、四十七年度の事業費、事業を実施いたしますと七二・九%に相なります。ですから、改修事業が先ほど申し上げましたように四百億という想定をいたしておりましたのでこれとの対比で申し上げますと七〇・六%、局部改良が二百億でございますから六一・九%これらを全部ひっくるめまして四十七年度末七一・四%とこういうことに相なるわけでございます。
 そこで、これの評価と申しますか、私どもといたしましては計画で第四年目でございますので、大体私どもが想定をいたしておりましたようなテンポで事業の実施が確保できたものというふうに評価をいたしております。
#126
○川村清一君 全体計画は事業量二千百億に対して七一・四%だろうと思うのです。ところが第四次のこの事業量は二千三百億円ということになっておるわけです。そうすると二千百億以外に二百億出まして、これ何かというとこれは調整費ということになっておるわけでありますが、これは第四次整備計画というものが発表されたときに、総体事業量二千三百億円とこの数字が出るわけです。したがって、われわれは当初二千三百億円が第四次整備計画の事業量であると、こう理解しておったわけであります。ところがこれをいろいろお尋ねしてみますと、それは二千百億であると、こういうことなんですが、この二千百億に対して七一・四%ということでありますが、そうするとこの調整費として二百億というのはこれはどういうことになるのか。これは使うのか使わないのか一体使っているのかどうか、この二百億という数字をちょっと説明していただけませんか。
#127
○政府委員(太田康二君) 整備計画の御承認をいただいたときにも、「本計画の実施に当たっては、今後の経済、財政事情および漁業の動向等を勘案しつつ弾力的に行なうものとする。」というようなことも書かれておるのでございますが、調整費といいますのは、そういうことで、一応、総事業費としては二千三百億ということでございますが、うち二百億が調整費ということで、予算的には当面は二千百億で実施するという形でやってまいったというのが、今日までの実情であるわけでございます。
#128
○川村清一君 四十四年から四十七年まで、この四年間に物価はどのくらい上昇しておりますか。
#129
○政府委員(太田康二君) 私どもの計画では、毎年八%の値上がりというのを見込んで計画をいたしております。
#130
○川村清一君 その調整費の二百億円というのは、これは国会の承認を得ている金額ですね。これは一体何に使うんですか。いま長官がおっしゃった、いわゆる経済状態の動向とか、いろいろ問題があるわけですね。それに応じて、四十四年度、計画第一年度においての情勢の中でこれに着工したけれども、しかし、いろんな情勢の変化によって当然調整せんければならぬ。でなければ、事業規模というものも縮小していかなければならないだろうというようなことで、二百億というものを取られておる。その二百億というものを全然使用しないということになれば、実質的にその二千百億では、当初の計画を若干縮小しなければならないということにならないではないかと私は思うんですが、この辺どうですか。その二百億というのは全然使わないで、そのまま無執行のままになってしまう。そうすると、総事業費二千三百億というのは、だだかけ声だけであって、実質は二千百億というふうなものになって、これはどうも理解できないわけですが、この点はどういうふうに解釈していらっしゃいますか。
#131
○政府委員(太田康二君) あるいはこういうことを申し上げると、おしかりをこうむるかもわかりませんが、整備計画として予算が二千三百億ということは、説明としては申し上げたかと思いますが、実際にそれは整備計画の内容ではないわけでございまして、一応、長期計画を立てまして、向こう五カ年間で三百七十港を整備していくということにあわせまして、その際、全体の予算の規模としては二千三百億と、そのうち調整費が二百億ということでやってまいったのでございます。
 そこで、二百億――毎年、物価か上がるようなわが国の状況におきまして、確かに、当然、計画を従前の意味で達成するためには、調整費を使うべきじゃないかという御議論もあるわけでございますけれども、私どもといたしまして、今日までの段階におきましては、二千百億ということをベースに仕事を進めてまいったのでございます。
 まあ今回、沖縄の復帰等もございましたので、これらとの関連におきまして、そこらあたりをどう解決するかということに、具体的に沖縄予算としては十一億の予算を本年度計上いたしておるわけでございますが、ここらの扱いにつきましては、なお財政当局とも詰めてまいりたいと、かように存じております。
#132
○川村清一君 いまの長官のおっしゃっていることは、私の言っていることと同じじゃないかと思う。私は、整備計画を国会が承認をするときに、一港一港全部、その事業計画なんというものを検討した上に立って、これは承認しているわけじゃないんですね。ですから、三百七十港を四次計画では整備いたしますと、その総額は二千三百億でございますと、この数字が出ておる。それを承認しているわけであります。しかしですね……。
#133
○政府委員(太田康二君) そうじゃない。
#134
○川村清一君 そうじゃないですか、違う――違うなら。
#135
○政府委員(太田康二君) 二千三百億というものにつきましては、法律上の、国会に御承認をいただくいわゆる整備計画の中には入っていないということを私は申し上げたわけです。
#136
○川村清一君 その三百七十港を承認いたしますと、その承認の中に、国は二千三百億使いますというその数字は入っていないかもしれません。しかし、三百七十港を承認するときに、それじゃ、これを整備するときにどれだけお金はかかりますかということは、これは当然聞いているわけでしょう、その程度のものは。そのとき、政府は、いや二千三百億使いますと、こういうふうに答弁しているんでしょう。ないですか。全然数字に触れないですか。三百七十港を整備いたします、はあ、そうですかと、あとは何も議員は聞きませんですか、これに対してどれだけかかりますと、このくらいかかりますということは政府がおっしゃって、ああそうですかと、それじゃ承認するということになっているんでしょう。
  〔委員長退席、理事園田清充君着席〕
#137
○政府委員(太田康二君) おそらく四十四年度の整備計画の御承認をいただきますときに、当然そのことが議論になったかと思います。改修事業、局部改良事業含めまして全部で二千三百億であります。修築事業につきましては、三百七十港を五カ年間におおむね千五百億の御説明を申し上げておるかと思います。
#138
○川村清一君 これは前に私は、大和田長官に聞いているんですよ。これは第四次計画が始まってから二年目か三年目に聞いているんですね。そうして、一体、第四次計画の現在今年度における進捗率は幾らかと。それから、これは必ず四十八年までの五カ年間に完全に実施できるかどうかということも聞いているわけですよ。そうすると、現在においては何%いきましたと、これから以後毎年予算の伸びを二八%ぐらい伸ばしていけば、必ずその計画は完成できますということを長官はおっしゃっているわけですよ。そうすると、その何%で今度は将来この年度内に必ず一〇〇%するという、そうすると、そこに当然事業量に対して、事業量というものになると二千三百億、実質的には二千百億、二千百億に対してことしは何%ですと、ですからこれを二八%ずつふやしていくと、これは必ずできますということを言っているんですよ。そうすると、そのときに金額が問題になってくる。ですから、二千三百億全部がですね、これは二千三百億というのは二千百億ですね。これは全部が何も修築とは私は、言っているわけじゃないですよ。もちろん、この中には改修も入るということを言っているんですよ。だから、修築ならやはり千五百億、これは切って言っているわけですがね。いずれにいたしましても、七一・四%というものは、水産庁が評価されているように、私はやっぱり評価しています。よくやったと思っています、正直に言ってね。あとは昭和四十八年に二八%伸びれば、これは一〇〇%になるわけですから、昭和四十七年で七一・四%、約七二%いったということは、四十八年度に四次計画でもう一年あるわけですから、四十八年で二八%いけば一〇〇%になるわけですから、これは私もよくいったと思って評価しているんですよ。
 こういう立場で聞いておるわけですけれども、二千百億に対してはそうなんですよね。ところが、四年前と今日ではいろいろと経済状態が変わってきているから、単価も高くなってきておるから、したがって、最初の計画のこの一〇〇%やるためには、これは四十四年のときの物価と現在の物価が違うんだから一単価が違ってきておりますから、その二千百億を完全に消化をしても計画を一〇〇%達成することはできないことになるんじゃないかと。そこで調整費二百億というものがある けだから、この二百億を使えば、そうすると、事業全体一〇〇%いくんではないかと、そういう考えに立って聞いておるわけだ。二百億を何にも使わないで、大蔵省に返してしまうというんであれば、これはもったいない話だから、何とかこの調整費二百億というものを使えないかどうかということを私は胸に置いてお尋ねしている。もう一度御答弁してください。
#139
○政府委員(太田康二君) これは調整費ということで、いつの段階においてこれを有効に使うかというような問題はあるわけでございますけれども、私どもといたしまして、今日まで計画的に進めてまいりまして、その間におきまして、物価の上昇等がございましたから、計画に対しましても事業費の値上がり等もございますから、金額面で見ますと、二千百億に対して七一・四%いったと、しかし、実際を見ますと、計画したとおりのことができているかどうかという点につきましては、御指摘のとおりであろうかと思うのでございます。
 そこで、従来のこういったものの取り扱いといたしまして、他の長期計画等の例もあるわけでございますけれども、おおむね計画が何と申しますか、大半を終わりますと、完了を待たずに新しい計画に変更するということが行なわれるのが通例であろうと私、存じておるのでございますが、そこでいま先生の御指摘のように二百億返しちゃっても、四十八年度が残っているわけでございますけれども、私どもといたしまして先般景気浮揚策というようなこともございまして、四十六年度に相当の補正予算も計上いたした。したがいまして、あと二千百億に対しての計画といたしましては、一〇%ぐらい伸びればおおむね達成するということになるわけでございますけれども、これは先般来申し上げておりますように、私どもといたしましては、やはり新しい事態を踏まえまして、ここで第四次漁港整備計画というのが一応まだ年度途中ではございますけれども、できますれば四十八年度を初年度といたしまして、向こう五カ年間の五十二年までの新しい第五次漁港整備計画というものを、私どもといたしましては現段階におきまして明年度予算の編成の際までにつくり上げまして、また国会の御承認を得てまいりたい。これは当然財政当局との話し合いということもあるわけでございますけれども、そういうつもりでおるわけでございます。
#140
○川村清一君 第五次整備計画に明年から移行することはけっこうでございます。その問題につきましては、またお尋ねしますけれども、そこで、問題をちょっと変えてお尋ねしますが、第一種漁港ですね、これは修築事業として着工いたしまして、そしてこれを完成するまでには、一体どの程度の金がかかるのか。これは港々によって違いましょうけれども、これは第一種漁港というのは、大体規模がきまっておりますから、平均して一体どのくらいの予算がかかるのか、これを教えてくれませんか。
#141
○説明員(矢野照重君) 各整備計画を立てる段階におきましては、その計画期間であります、たとえば第四次の場合には、五カ年ということで一応そのときの所定の規模のものは完成するということで計画を立てております。しかし、現実には今回第五次整備計画改定の問題が起こっておりますように、その時点において考えました漁船勢力なり水揚げ高の増というような問題がございまして、途中で所定の計画が完成しない以前において、さらに規模を増大するというような計画改定等をやっておりますので、一がいに一種漁港ですと何年ということは申し上げにくいのですが、少なくとも計画を立てる段階におきましては、計画期間で出ます。たとえば第四次でございますと五カ年で一応できるものを計画として立てております。
#142
○川村清一君 いや、私の聞いていることは、そのこともお尋ねしようと思っておりましたけれども、お金のほうを聞いている、一体幾らお金がかかるか、予算がどのぐらい組まれるのか、一つの漁港をつくるのに。これはもちろん漁港によって違いますけれども、平均して大ざっぱに言って一つの一種漁港をつくるにはどのくらい金がかかるか、端的にいえばそういうことです。
#143
○説明員(矢野照重君) 第四次計画について申し上げますと、修築について申し上げますと、第一種漁港につきましては八十三港やっておりまして、総事業費が二百四億ですから一港あたり二億五千万ぐらいになるかと思います。第二種漁港におきましては、百四十四港で総事業費が三百九十億でございますので、二億五、六千万になるかと思います。それから、三種漁港におきましては七十五港ございまして、総事業費が四百二億ということで五億強になるかと思います。それから、特定第三種漁港におきましては十一港ございまして、総事業費が二百五十億ということで一港当たり十二、三億、第四種漁港におきましては五十港ございまして総事業費が二百五十二億ということでございますので四億ちょっとになるかと思います。――特三につきましては失礼しましたが、二十二、三億になるかと思います。詳しくはちょっと計算してまた申し上げます。
#144
○川村清一君 私の聞いておることは、いま部長さんは一種、二種、三種、四種とおっしゃいましたが、特定第三種までおっしゃいましたが、特定第三種について全体で何億と、それは漁港が十一港あるから一港当たり何ぼと、それは特定第三種を第四次整備計画で整備事業をやっていることはわかっている。しかし、これはもう第三次で終わるときもあるわけです。あるのをこれを第四次計画でもって規模の拡大、こういう形でやっているわけですね、私の聞いているのはそういうことでなくして、まあ一番先に何にもないところに港をつくる、そうすると一番規模の小さい第一種あたりがいいと思って、それをお尋ねしているわけです。第一種漁港を何にもないところにつくったら、つくってできるまでに全体でどのくらいお金がかかりますかということを端的に聞いているわけです。
#145
○説明員(矢野照重君) それは地形、それからつくります施設によりまして相当な幅がございまして、たとえば湾港なんかをつくります場合には係留施設だけでけっこうですが、そういうときには比較的少額で済みますが、しかしながら、砂浜等で防波堤等かなり大規模なものをつくってやる場合には、同じ泊地面積にしましても相当な費用が要るということで地形とか地盤その他、そういうものによって左右されますので、一がいには幾らと言うことがなかなか困難なことだと思います。
#146
○川村清一君 全然私が知らないしろうとでお尋ねしているのでなくて、だから言っているでしょう、漁港によって違いますということを。いろいろ条件が違うからお金が違うということは知っているのですよ。だけれども平均してわれわれしろうとに第一種、まあ私どもが浜へひとつ行ったとしますか、よその人が出てくるとしますか、先生、ぜひここヘひとつ漁港をつくってくださいと、一種でけっこうですからつくってくださいとこう言われたときに、よしわかったと、努力してやるとこう言いたいところでしょう。そのときにしかしここに港をつくると一体どのくらいの金がかかるだろうという、これは直観的に何もこれはわからなければよしつくってやると言ったもののこれはたいへんな、これに五億も十億もかかるものを、そんなものを約束したところで、これはとても実現しそうにもない、ですから大体どのくらいお金がかかるかくらいわかっていなければお話にならぬでしょ。それは地形によっていろいろ条件が違うということはわかっていますよ、わかっているけれども第一種漁港といえば小規模なものでしょう。だから、私は第一種を言っているわけです。その第一種の漁港をつくるのに大体いまから十年、十五年ぐらい前ですと、私どもは一種は少なくとも一億三千万から一億五千万くらいかかると、こう思ったのです。しかし、いまなら二億くらいかかるのじゃないかと思うのだけれども、こういうことでお尋ねしているわけですよ。それはあなた、三億も四億もかかるものもあるのだろうし、一億二、三千万でできるものもあるでしょう、しかし、ぱっと、まあこれならどのくらい、こう言えるようなものもあるでしょう。だから平均してどのくらいですかということをお尋ねしているのです。そうむずかしいことを聞いているのじゃないですから、ひとつ言ってくださいよ。
#147
○説明員(矢野照重君) これ、非常に幅がありまして、なかなか言いにくいのですが、先ほど参考までに申し上げましたように、第四次計画におきましては、一種漁港におきまして、大体一回当たり二億五千万程度になるということを申し上げたんです。
#148
○川村清一君 それじゃわかりました。そうしますと、第一種漁港をつくるのに大体二億から二億五千万ということで、わかりました。そこで、それじゃそれをつくるとして何年ぐらいかかるのか。当然整備計画に乗せる以上は、私どもは計画内において実現するような計画を立てますと、こういうようなことですが、それは一体どのくらいか。いわゆる計画内期限ですから五年間、五年間でこの漁港をつくるという、ひとつやっぱりそういうめど、計画でもって実施計画をつくるわけですね。そう考えられておる水産庁は一体予算の配賦をされておるかどうか、ここが一つ問題なんですよ。先ほど宮崎委員が質問をされていましたが、二十年たったけれどもまだできない。できない事情があることを私は知っているんですよ。知っているけれども、端的に言って二十年たってもできない、こういう事例は私もたくさん知っています。そこで、いまおっしゃっていることと実際は全然違うんじゃないですか。私の知っているところで昨年から着工をした漁港があります。一種漁港があります。初年度は何か一千万足らずですね、予算づけが。もっともこれは修築じゃございませんよ。修築じゃございませんけれども、そうして二年目は三千万程度。そうすると最初から五年なんてできるしかけにはなっていないわけです。もう最初の計画からして、この港ができるまでにはその整備計画二期分ぐらい、最初の計画五年、次期計画五年、十年くらいでできたらけっこうです、そういうようなことでされておるんじゃないですか。どうですか。
#149
○説明員(矢野照重君) これは前半申し上げますと、先ほど長官から申し上げましたように、四年度におきます今年度の進度が七一%ということになりますが、個々の漁港ごとに考えました場合には、それぞれの漁港につきましてその施設の速度とか経済効果とかあるいは緊急性とか、そういうものを勘案してつけておりますので、個々の港につきましては、必ずしも現在全体の進度が七一%だから七一%ということには、これはならないと思います。
#150
○川村清一君 まあ、そういうことになるでしょうね。そこで私がお尋ねしているのは、大体一つの港ができ上がるまでには、何年くらいかかりますかということをお尋ねしているわけです。それも個々の港によって違うでしょう。それも承知しています。個々の港によって違いますけれども、これを大体何年くらいでできるのか。ところがその計画期間中にやるように計画しますと、こういう御答弁であったので、五年が二、三年延びて七年か八年くらいでできたら、これはけっこうですよ。個々の港は違いますけれども、最低の条件のところであったって、長くたって十年くらいでできるような計画になりませんか。どうですか。
#151
○説明員(矢野照重君) 当初の、かりに二次計画、三次計画――当初着工計画を立てました規模のもので、それ以上の将来の泊地の増とかあるいは係船延長の増とか、そういう計画規模の増という問題がなければ、当然平均で五カ年あるいは多少あれしても七、八年で完成するかと思いますが、その間、先ほど申し上げておりますみたいに、計画の改定という問題がございまして、計画増になっておりまして、結局その分がだんだん延びていっているという状況でございます。
#152
○川村清一君 それは部長さんの御答弁ですが、ちょっと納得できないんですよ。私の知っておる漁港で、昭和二十三年に農林省指定の漁港があります。これ現在まだ工事をやっております。これはあなた二十三年に着工してまだやっております。それはどういうことかというと、いろいろな問題があるわけです。それで、一次でできなくて二次にかかる、二次をやっているうちにまた条件が変わって第三次に移る。第三次をやっているうちにまた条件が変わって第四次に移行する、こういうことがありますから、私はわかりますけれども、しかし、それが理由にはならないんです。むしろ長くかかっていることもその理由をつくるわけです。私はそう思います。いいですか、いまこの漁港の必要度があって漁港をつくってくださいということをお願いする。よし、ではつくってやろうというわけで指定をして、そうして着工したとします。そうすると、この必要度というものは、現在の漁港の実態の中から必要が出てくるわけですよ。そうすると、やはり現実の条件に合った漁港なんですよ。ところが、これが何年かたっているうちにこの条件が変わってくる。条件が変わってくるから、この漁港では間に合わないということで、計画変更して次の整備計画に乗っていく、こうなっていくわけですけれども、これはわかるんですよ。わかるけれども、ここから十年、十五年たったときに、十年前と十五年前では条件がすっかり変わっておりますよ。漁港を取り巻く漁村の状態というものが、漁業の実態というものが、いわゆる資源にしても変わってくるし、漁業構造が変わってくるんです。無動力船が動力船に変わっていった、あるいは漁船の大型化といったようなことで、この規模では合わないという条件が出てくるんですね。それからもう一つは、内地のことはよく存じませんが、北海道あたりたくさんあるんですが、漂砂によって砂が入って、早くつくってしまえば砂取りできるわけですよ。それをケーソン一つか二つ入れて、そうして、そのくらいの仕事しかしないんですから、一年間にケーソン一つか二つ入れてやめてしまうんですから、全部できるまでに十年も十五年もかかるのは、初めからそのしかけになっておる。五年ででき上がるなんて、そんな計画なんか私、知らないですよ。できたのを見たことがないんですよ。そうしますと、砂はどんどん入って、砂入り間になってしまう そういうようなことで長引けば長引くほどその漁村の状態、漁業の構造が変わりますから、どうしても計画変更していく。計画変更してすぐまた効率的に金をかければいいんですが、かけないものだから、これはますます長引いていく。二十年たってもまだできない。こういうようなことになっているんですね。どうですか、こういうのはありませんか。ぼくは全国的にあるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。ですから、ぼくの言いたいことは、もう少し整備計画を立てるときに、漁業動向の推移というものを見て、それに対処して漁港の規模、事業計画等を立てるにあたっては、部長のおっしゃっておるように年次内に必ず完成するというような、そういう考え方でずっと計画を立てて実施すべきだと、そうして漁港予算はもっと効率的に使うべきだ、長引いたためにむだな金をずいぶん使ってますよ。先ほど申し上げましたように、砂が入ってどうにもならぬ、また砂を出す、こういうようなことを繰り返す。ちょうどさいの川原の石積みみたいなことをやっているところがたくさんありますよ。なぜ、こういうようなことになっているかということですよ。それはあまりに漁港の配備というものが総花式なんです。この地図をごらんなさい。これは北海道あたりでもそうですからね。北海道の渡島、檜山のこの地帯あたりは一つの町に漁港が五つも六つもあるわけだ、五分も車で行くと漁港があるわけだ。また行くと漁港があるわけだ。これ全国的に見ても、こっちのほうは私は現地に行ったことはないからわかりませんけれども、この地図の配置とわが北海道の配置と比べてみると、北海道でもそうなんだからここなんかもつともっとひどいのではないか、車で三分も行けば漁港があるのじゃないか。これは長い歴史がたっていますから、こっちのほうはできていると思うが、こんなことでできるはずがないでしょう。そこで私が一港をつくるのに一体どのくらいお金がかかりますかと聞くと、何か警戒をしてもたもたして言われない。たとえば二億としますから、二億のお金をかけなければできない港を一つの計画の中で四百も五百も持って、これを四年間でやります、五年間でやりますといっても、やれるようなしかけじゃないでしょう。だから、もっと合理的な計画を立てて、この計画の中ではこの港この港は必ず完成するのだと、よけいな、ほかのほうはちょっとがまんしてくれというくらいでやっちゃう、そうして次の計画では、またこのやつを完全に仕上げるというような漁港行政というものができないものかどうかということを私はここで指摘したいのですよ。お金ばかりかけたって、ちょびりちょびりつけたって何年たってもできないでしょう。第一次の整備計画に載ったのが第四次の整備計画に残っておってまだできないという港がたくさんあるのでしょう。そうして先ほどのお話しによると二千七百のうち全然手をつけてないのは三百もある、こんなばかばかしいことがありますかどうですか。農林省が指定した漁港が二千七百ある。その二千七百のうちまだ何にも手をつけていない、ケーソン一本できてないのが約三百あるというのです。そうすると、漁民の方々は指定されているのですから、農林省漁港として地図の上に載っているわけですから、一体うちの漁港はいつできるのだろうと、何年たってもできないということになると、政府に対する不信感が非常に強く出てくるのじゃないですか。こんなにたくさん一つの原因として、ぼくははっきりいいたいことは漁港行政というものが政治力に振り回されているからだ。道南のほうに行ったら何々代議士の漁港というものがたくさんあるのですよ。私は、何々代議士の漁港もいいのだ、できておれば。できない、十年たったって十五年たったってできていない、ケーソンが三つか四つ並んでおって、これが何々代議士の漁港だと、選挙になるとおれがつくってやると胸を張って歩くものだからみんなが当てにする、そしてあの先生に頼んでやろうというわけです。なるほど農林省が指定してくれた指定してくれたって、先ほど申し上げましたように子供のおもちゃを買ってくるようなわけにいかぬのですよ。一つの漁港つくるのに億の単位の金がかかるのですから、一つの町村に五つも六つもあってこれが全部できるといってできっこないでしょう。ですから、漁業構造改善、漁村の構造改善、こういう観点から漁港行政というものを根本的に改むべきじゃないかと、ぼくはそう思いますけれども、これは水産庁の長官並びに赤城農林大臣の御意見を私はお聞きしたいのです。
#153
○政府委員(太田康二君) 私も農林省の予算課長をやっておりました際に、そういうようなことを申し上げたこともあるわけでございますけれども、漁港の場合には、先生も当然お考えだと思いますが、やればやるだけの効果があるということで、確かにこれが総花的に流れているのじゃないかというような批判はあろうかと思いますが、ただ、私どもといたしましては、まあ現在の限られた予算の中でやっておることでございますし、その間におきます漁業状況の変更等もございまして、完成がおくれるというようなことにつきましては、ある程度先生も御理解いただけるであろうと思いますが、いずれにいたしましても、修築事業が重点でございますから、この三百七十港につきましては、各施設別に計画を立てまして、それを少なくとも五カ年間で終わる。しかし、それが終わった段階におきましても、実際に漁船がふえたりというようなことで、その施設では足りなくなるということでございますから、また次の計画に改定をしてまたこれを取り上げていくというようなことでございますから、そういった意味では、まあことばが過ぎるかもわかりませんが、エンドレスな形で次から次と整備がされていくというようなことがあろうと思います。なお、そのほかに改修事業とか局部改良事業をやっておりまして、これでさっぱり完成しないじゃないかというようなおしかりも受けるわけでございますけれども、そういった点につきましては、私ども今後の予算の執行にあたりまして、一つはやはり何と申しましても、ワクをもっと大きく取ることが大事でございましょうし、緊要度に応じて確かに重点的、効率的な施行ということは、公共事業について常日ごろ言われておることでございますから、十分考えてやっていきたいと、かように存じております。
#154
○川村清一君 大臣いかがですか。
#155
○国務大臣(赤城宗徳君) 御指摘のとおりだと思います。むやみやたらに計画もなくして当てもなく指定するということは、十分考えていかなくてはならぬと思います。指定した以上は、何年間にやれるというような見通しで、少しは議員の連中に泣いてもらっても、悪い顔しても、そうしなくてはこれは全く全体の不信を買うと思います。そういう面で、できるという目あてのつくものを指定をして、また指定した以上は、やはり早く貫徹するということ、それからもう一つはやはり予算を、どうも農山漁村に対しては、公共事業としても予算の割り振りといいますか、少し少ないのじゃないかと私は思います。で、やはり金があれば指定しただけできるのですが、ないのによけいに指定してしまいますから、どうしてもおくれていまのような御指摘を受けるようなわけでございまするから、両面から、漁港の指定を慎重厳重にやってやれるような見通しをつけてやる。で、指定した以上は、早期に完成するということ、それにはやはり金が必要ですから、予算を相当裏づけするように努力する、こういうことでやっていきたいと、こう思います。
#156
○川村清一君 漁村にとりましては、大事な生産基盤としての使命を持っておる漁港でございますから、漁民にとりましては、何をさておいても漁港が必要です。ですから、もう全力をあげて自分の地先に漁港をつくっていただくように、一日も早く完成していただくように政治力をたよっていろいろお願いする、これはもう漁民のあたりまえの気持ちだと私は思うのです。しかし、それをいたずらにそのまま受けて、そうして総花的にちょこちょこ予算をつけていったところで、かえってでき上がるのに年数がかかってしまう。そうして漁民の期待にこたえられないばかりでなくて、いわゆる行政や政治に不信感を持つようになる。やはり予算にはワクがあるのですから、もっともっと予算獲得に努力していただいて、
  〔理事園田清充君退席、委員長着席〕
漁港予算なんかもうんとふやしていただくといたしましても、もう二千七百の漁港を五年間なら五年間に全部やり終えてしまうなんということは、これは夢のような話なんです。ですから、そこにやはり優先順位というものをつけ、そうして大事なものは五年間なら五年間で完全にやっていただくという重点的な、効率的な予算措置をして事業を執行することが大事でないかと私は思うのです。そのことが漁民のためにも親切になり、また水産業の発展のために寄与する道であると信ずるがゆえに、こういうことを申し上げておる。ぼくも北海道で道会議員なんかやっておったときに、よそへ行くと、町長あたりから陳情されます。そうしてうちの町にうちの町にと言って、お互いに町長がおれのほうに早くつけてくれということを言うわけですな。これもどっちも必要だけれども、どっちも早くやりたいけれども、なかなかめんどうだから、ひとつ町長のほうでじゃんけんをやれ、じゃんけんをやって、ひとつ勝ったほうに先にやろうじゃないかというような、冗談のようなことを言ったわけですが、そういうようなことをやって、一日も早く完成港をつくっていただくというようなことで、私は、努力していただく、そのことが大事なことじゃないかと思うのです。
 この特定第三種の問題にかかりますけれども、今度の法律改正によって外郭施設と水域施設については、国の負担率を七〇%までに引き上げました。これはけっこうなことです。ほんとうは七五%にしたかったんですが、七〇%に上げたということは、当局の努力というものを評価します。ただ納得できないのは、この外郭、水域、それに係留のこの三つ、これはやはり一体です。ところが係留施設の補助率アップをしなかったことは、これはどういうわけですか。これはどうも評価できません。ここはちょっと高く評価しながらも、そこだけは評価できないのですが、それはどういうわけですか。
#157
○政府委員(太田康二君) この点につきましては、先般も申し上げましたが、私どもといたしまして、やはり国庫負担率の引き上げということにある程度重点をしぼってやりませんと、なかなか実現がしにくいというような配慮もございましたし、それでは一体どういう点に重点を置くかということで、公共性が高くて、しかも整備に多額の費用を要するということで、やはり外郭施設と水域施設というものを取り上げまして、これに重点をしぼって国庫負担率の引き上げをやったと、こういうことでございます。
#158
○川村清一君 何かちょっとわからないのですが、外郭施設と水域施設ができましても、係留施設が完備しなければ利用できない、利用度が低くなるわけです。ですから、これは三位一体なんです。ですが、いまの長官のお話では、われわれは重点的にしぼってやったと、こういうわけなんです。そうすると係留施設のほうは、外郭や水域施設に比べて重点度が低いということですか。水産庁のほうはやはり漁港法に基づいて、これは外郭、水域、係留、こういう三つについて補助率を上げてくれと、さらには七五%を、漁民の要求に応じて七五%として大蔵に要求したのですか、しなかったのですか。ところが、大蔵のほうは、七五%は聞かれない、他の公共事業の関係もあるから七〇%でがまんせいと、外郭、水域でがまんせいと、係留のほうは、これは認めないということで、大蔵のほうに押し切られたのではないかと私は思うんですが、そうじゃないですか。最初から係留のほうは上げていかなかったのですか。
#159
○政府委員(太田康二君) そのとおりでございます。
#160
○川村清一君 そのとおりだということは、どのとおりですか。
#161
○政府委員(太田康二君) 私どもは、初めから国庫負担率の引き上げを実現したいということで、重点をしぼってまいりました。決して係留施設が大事じゃないということを言っているのではございませんけれども、先ほど申し上げましたように、多額の費用を要する面につきまして国庫負担率を引き上げますれば、それによって地元の負担の軽減にもつながりますわけでございますから、重点をしぼりまして、何も係留施設が大事じゃないということを申し上げているわけではございませんが、その二つにしぼって国庫負担率の引き上げを要求した、こういうことでございます。
#162
○川村清一君 係留施設が大事じゃないことはないと言うけれども、その大事じゃないことはないことをどうしてやらなかったのですか。係留施設も補助率を上げてもらえばよかったのに、それを要求しなかったのですか。外郭と水域をやって、係留のほうはそのままにしてしまったということは、大事じゃないと言わないとすれば――外郭施設に比べて係留のほうは大事じゃないという、そういう理解の上に立たなければそういうことはできないはずじゃないですか。それじゃ納得できない。大蔵へ持っていったけれども大蔵が認めなかったというならやむを得ないけれども、初めから係留のほうはいいのだというふうなことじゃ、ちょっと納得いかない。それであれですか、漁港の係留施設はやらなくてもいいのですか。完成しなくてもいいわけですか。利用度はそれでいいわけですか。だからさっき一番先に聞いたでしょう。外郭施設、それから水域施設、係留施設を具備する港が何港あるか、いずれか未完成な港が何港あるかということを、冒頭私はお尋ねしたわけです。そうすると、これはやはり漁港法にもはっきり載っているわけですから、この外郭、それから水域、それから係留と、これはやはり基本施設であって、そのほかに今度は機能施設である。この基本施設のほうの係留のほうはそっちよりも重要でないといったような取り扱いをされては、漁港に対する認識がちょっと足りないのではないかと思うのですが、長官どうですか。
#163
○政府委員(太田康二君) だから、私が申し上げましたように、係留施設を何も軽視したということを申し上げているわけではございませんけれども、全部補助率、国の負担率を引き上げてもらうことが好ましいことは言うまでもないわけでございますけれども、きびしい情勢の中で、原則として公共事業の補助率の引き上げは行なわないというようなことがいつも原則としてきめられるわけでございまして、なかなかこの負担率の引き上げというのは困難でございます。なおかつ他の同種の公共事業、特に私どもは港湾との対比を言うわけでございますけれども、港湾の場合にも、やはり外郭施設と水域施設に比べますと係留施設の補助率が低いというようなことも実態としてあるわけでございますので、私どもは重点をこの二つにしぼって要求した。そうして百分の七十五まではいきませんでしたけれども、百分の六十が百分の七十になったということで、決して係留施設がなくてもよろしいとか、係留施設は軽んじてよろしいなんということを申し上げているわけではないわけでございます。
#164
○川村清一君 まあ長官のお考えもわかりました。しかし、そういう姿勢に対してはちょっと納得いきかねるのです。
 ですから、さらにお尋ねしますが、それでは第五次整備計画というものに対して、農林省としてはどういう構想を持っていらっしゃるか、これをお尋ねします。
#165
○政府委員(太田康二君) 先ほどの先生の御指摘もございましたように、私ども第四次計画で初めて五カ年間にというようなことをうたって、計画が五カ年間ということを明示をいたしたのでございますが、五カ年間におきますところの先を見通しまして、漁船の隻数あるいは漁獲量等も想定をいたすわけでございますけれども現実の動きは、さらにそれよりも早いテンポで動いておるわけでございます。そこで私どもといたしましては、第五次の漁港整備計画というものをつくるに至ったゆえんのものは、先ほど来申し上げているような経過がありまして、私ども策定の作業をいたしておりますが、やはりその際、漁船の大型化あるいは漁獲量の増大、水揚げの集中化、輸送形態の変化、さらには最近におきましては増養殖事業が非常にふえておるというような、第四次漁港整備計画を立てました以降今日まで、さらに先を見通しての漁業情勢の変化、こういったものを十分計画の中に織り込んで第五次の漁港整備計画を立てたい。その際、当然、先ほど来議論になっておりますように、物価の値上がり等もございますし、魚価の整備がおくれておるというような意味で、整備の促進も要望されておるわけでございますから、私どもといたしましては、規模もまだ最終的に幾らというふうな額までまとめ上げてはおりませんけれども、現在実は各都道府県を通じて計画を聞いておるというようなことでございまして、最終的なまだ詰めができておりませんが、私ども最終の予算の編成までに、かなり思い切った規模の全体計画というものを立てたいということで、せっかく検討作業を続けておるということでございます。
#166
○川村清一君 かなり思い切った規模という、そのかなり思い切った規模なんですが、それはこれから各県からあがってきたものを積み上げて、そうしていわゆる現在の漁業の実態、さらに将来の展望というものを十分勘案して、そうして計画を立てるということでありますが、そこでそのかなり思い切った規模といっても、これは第四次の事業量は総額二千三百億、こういうものがあります。一次は何ぼ、二次は何ぼ、三次は何ぼ、四次は何ぼとあるわけでしょう。そうすると、もう昭和四十八年からやるわけですね。そうすると、大体この八月にはもうまとめなければならないでしょう。農林省で、この八月には予算規模をまとめなければならないでしょう。そうして大蔵に出さなければならぬでしょう。いま、まだ、全然その日になるまで金額はわからないのですか。それはこまかい数字は、わからなくてもいまの抱負があるでしょう。長官の持っているこういう抱負に基づいてやるとするならば、大体どのくらい程度の事業量というものがいまなかったら、こんなものできるわけないじゃないですか。いまどのくらいあるんですか、どのくらいの構想を持っていらっしゃるんですか。
#167
○政府委員(太田康二君) まだ各県からのいまヒヤリングを個別漁港ごとにやっておる段階でございまして、いま全体として向こう五カ年間にどのくらいの規模であるかということは申し上げかねるわけでございますけれども、私どもといたしましては、当然常識的な線もございましょうし、他の何と申しますか、長期計画の伸び率等のことも当然念頭に置きまして、全体のワク、こういうものは、きめてまいりたいというふうに考えております。
#168
○川村清一君 それですから、一体どのくらいの構想を持っていらっしゃるということをお聞きしているんですよ。観念的なことはわかりましたよ。しかし、二千七百六十一港という農林省指定漁港があって、これがいまだに完成したものが何港もない。しかも何ら手を加えてない、着工してないものが三百港以上もある、これが実態なんでしょう。そして現在の日本の漁業の構造は、どうなっているかということを、それから将来に対してどういうふうに発展していかなければならないか、政策があるわけでしょう。その政策にあわせていくならば、当然第五次はこのくらいのものが必要だということをいまここでおっしゃったって、それを、前にそう言っておきながら、実際こうなった、けしからぬなんていうそんなけちなことは言いませんよ。私はこの際、広大なひとつ構想を持ってもらいたいと思う。ということは、農業における、漁業の漁港に匹敵するのは土地改良ですね、生産基盤の整備ということです。そうすると土地改良については、たしか昭和四十年から四十九年までの十カ年の長期計画だ、二兆六千億です。これはあんた、もう夢みたいな大きな数字を農業の土地改良にはやはりそういう計画を持っているわけでしょう、それがどのくらいできるかは別として。それだけの構想を持って事業に取っかかっているというこの姿勢は、私は評価したいと思う。ところが漁業においては、農業の土地改良に匹敵する生産基盤の整備というものが漁港なんだ、漁港整備にもっともっとこの大きな理想を持って、構想を持って力を注ぐという観点でお聞きしているんですが、いま第四次計画ではわずか二千三百億円、しかも実質は二千百億円だ、それを実施した暁には、それじゃ日本の漁港というものは、どれだけ整備されたかということを検討してみるというと、これはたいしたことではないということになれば、この際、第五次計画には全漁民の要望である漁港整備というものにもつともっと力を注ぐべきじゃないかということで、二千三百億や三千億ぐらいではだめですよという気持ちを持ってお尋ねしておるんですが、少なくとも第四次の三倍ぐらいの構想を持って、三倍以上ぐらいの構想を持って取っかかるべきじゃないかという考えのもとにお尋ねしているわけでありますが、それも言えませんか。
#169
○政府委員(太田康二君) 私どもそうありたいと思いますが、いませっかく積み上げをやっておることでもありますし、まだ八月まで時期もあることでございますから、十分検討をいたしまして、私なりに最大の努力をいたしまして、第五次の漁港整備計画というものを策定いたしたいということでございます。
#170
○川村清一君 それじゃしかたないです。ぜひりっぱなひとつ計画を立ててやってください。まだ私、議席がありますからね。第五次計画が出てきたときに、こんな計画をつくってと言っていやみを言われないようにひとつやってくださいよ。これはお願いしておきます。
 それじゃ、沖縄県の漁港の問題についてちょっとお尋ねをいたします。沖縄県の漁港の整備状況は一体どんなような状況になっているか、それから向こうの漁港法に基づいて指定された漁港が何港あるか、そして整備計画に乗って整備事業がされておる漁港は何港あるのか、現在利用できる漁港というのは何港あるのか、こういうようなことについて概略御説明願いたいと思います。
#171
○政府委員(太田康二君) 沖縄におきますところの漁港の整備の問題でございますが、御承知のとおり、一九六一年以来、琉球政府による沖縄漁港法に基づきまして沖縄の漁港の整備計画が定められまして、漁港の修復事業が実施されてきているのでございますが、御指摘のとおり、その整備がたいへん立ちおくれているのでございます。そこで、復帰前にたしか四十四港指定をされておりましたが、五月十五日までにさらに十六港追加されまして、現在六十港が指定をされております。内訳を申し上げますと、第一種漁港が五十一、第二種が三、第四種が六ということで、全部で六十ということに相なっております。
 私ども漁港の整備計画の技術援助というようなことで向こうに出向いて参った者の話を聞きますと、実際に利用できる漁港らしい漁港、内地の漁港に匹敵するようなものは第二種漁港の糸満、泊、石垣、この程度のものでございまして、あとのものはきわめて、ことばは悪うございますが、整備がたいへんおくれているというような状況でございます。そこで私どもといたしましては、本土の漁港法を即時適用いたしたわけでございますが、現行の沖縄の漁港の整備計画につきましては、本土の漁港整備計画が改定されるまでの間は、とりあえず本土の漁港法に基づきまして漁港整備計画として取り扱うということとして引き続き整備を促進するということで、実は本年度も国費十一億六千八百万円を計上いたしておるわけでございます。そこで、私どもといたしましては、先ほど来申し上げておりますように、できますれば四十八年度を初年度とし五十二年度を目標年度とする第四次漁港整備計画というものの改定を考えておりますので、その際、沖縄におきますところの基幹的な漁港につきましては、沖縄の振興開発特別措置法に基づきました振興開発計画というものもあるわけでございますから、これと十分な調整をはかった上で、私どもの計画の中にこれを当然組み入れまして、その重点的な整備をはかってまいりたいということでございます。
#172
○川村清一君 沖縄の現在の漁港の整備状況は、非常に悪いと思います。そして沖縄における今後の振興開発事業において占める水産業の位置というものは、きわめて高いと思います。やはり沖縄における第一次産業というものは大事な産業になりまして、そういう意味から漁業の振興のためには、基盤となる漁港の整備というものは欠くことのできないものでございますから、ぜひ第五次計画策定にあたっては沖縄を重点的に取り上げて、沖縄の漁港整備のために努力願いたいということを強く要望申し上げておきたいと思います。
 最後に、漁港関係でお尋ねしたいことは、漁港の整備はもちろんでございますけれども、漁港の背後地の環境整備について、これは漁港が整備されまして漁業が盛んになりますれば、当然その漁港の周辺に水産加工場がたくさんできるわけです。そうすると、水産加工場ができれば必然的に臭気であるとか廃水とかというものによる公害が起きてくる。そこで、この公害排除のためには、その水産加工施設というものをやはり集団的に他に移動させるという必要が出てくるのではないかと思うのですが、いわゆる水産加工団地というものをつくっていくという必要度が生まれてくると思うのですね。そうすると、どうしても漁港の近くに――漁港からうんと遠くに離れたところでは困るので、漁港の近くに水産加工団地をつくる公用地が必要になってきますね。そこで、この公用団地の造成であるとか、あるいは漁港の整備とともに、これは農林省所管ではございませんけれども関連の仕事として申し上げておるわけですが、それにひとつ意を用いていただかなければならないということと、もう一つは、水産が盛んになればなるほど、輸送機関が非常にそこにあるということで、道路の整備ということが必要になってきます。道路がきわめてふくそうしておる。どこへ行っても、そこで道路の整備のために、やはり漁港の整備と同時に、関連して努力してまいらなければならないと思うんですが、こういう点に第五次の整備計画作成にあたっては、いま申し上げましたような事項も十分取り入れられまして、建設省などと話し合って、この実現のために努力していただきたいということを申し上げたんですが、これに対する長官の御見解を承っておきたいと思います。
#173
○政府委員(太田康二君) まことにごもっともな御指摘でございまして、私どもといたしましては、やはり流通の拠点であるような漁港が非常に大量の集中水揚げに伴いまして、幾つかの漁港でそういうことが要望されておるのでございます。そこで、そういったところでは御指摘のとおりな加工団地の形成ということも当然考えなければならないわけでございまして、私ども漁港協同組合等が加工場をつくるための施設用地、こういったものは現在の漁港の予算である程度めんどうを見ることもできるわけになっております。私ども聞いておりますと、県自体の今回の計画にはかなりそういった面での配慮が払われておるようでありますので、私どもも、予算面で見られるものは予算面で手当てをいたしますが、それ以外にも、流通加工団地形成事業というような事業で補助の道も講じておりますから、これらが一体となって、漁港が本来の意味の機能を発揮できるような運営はしてまいらなければならないだろうということで、その点は実施の段階におきましても配慮してまいりたいと思っております。
 それから、道路の問題もたいへん的確な御指摘でございまして、私ども、例のガソリン税の見返り事業として漁港関連道というのをやっております。ただ、これはガソリン税の見返りを財源としておりますので、伸び率があまり大きな伸び率ではなしに、全体でたしか十二、三億だと思いますが、これは財源でそういうことで制約を受けております。これを有効に使いますし、最近聞きますと、建設省あたりでも市町村道に力を入れるということもあるようでございますから、そういった事業の実施にあたりましても、漁港の整備が十全の意味で、何と申しますか、そういった面も完備されまして、ほんとうに漁港としての機能が十全に発揮されるというふうに事業の実施に当たりまして、十分配慮してまいりたい、かように存じております。
#174
○川村清一君 漁港法についていろいろお尋ねしました。納得できかねる点もいろいろあるわけです。もう少し忌憚なく長官から御答弁いただきたいと思っておるわけで、なぜかと申し上げますと、私どもはやはり漁民の期待に沿って、漁港を一日も早く整備してあげなければならないという気持ちを持っているわけです。そのためには、何と言っても、漁港関係の予算をうんととらなければならないわけです。あなた方もそうでしょう。私どもは野党の立場にあっても、やはり国民、漁民の期待にこたえる使命を持っているわけですから、そういう点につきましては、あなた方の仕事に協力申し上げて、そうして漁港予算を大幅にとることで努力する、そうして漁港の整備も一日も早く進めたい、こういう考え方を持っている。だから、第五次計画などについてはどういう構想を持っておるのかということをお尋ねしているんです。ざっくばらんにもっと言っていいと思うんです。ところが何だか、かんだか、さっぱりその程度の御答弁しかなさらない、こっちのほうが一生懸命になっておるのに、あなたがそういう姿勢であるなら、やろうと思っているやつが先を折られちゃって、はなはだ遺憾だと思う。もっとこういうようなことは、もうみんなが一生懸命にやらなければだめですよ。だから、その水産の予算なんていうのは一番少ない。そんな姿勢だから、ぼくは所信表明に対して質問申し上げたように、水産庁関係の予算というのは、農林省予算の五%です。五%以上に上がったことはない。もう農林省総予算の五%が水産庁予算だということです。そこで、そういう少ない予算を管理している責任者の水産庁長官の位置というのは、農林省の機構の中ではどういう位置にあるのかということを前に大臣に聞いたことがあります。たしか倉石大臣です。そうしたら、農林省の中では水産庁長官というのは最右翼でございます、そういう御答弁だった。そうすると、太田水産庁長官は農林省の中で最右翼の位置を占めておって、そうして、あなたの管理する予算は最低の予算である、こういうことでは、全国の漁民に対して申しわけない話です。あなた方に協力しようと思っても、そういうようなことでははなはだ遺憾であります。しかし、しかたありませんので、第五次整備計画をつくるときにしっかりやってください。また、あとでそれに対して御批判申し上げますから。
 そこで、この漁港法に対する質疑は一応これで終わりまして、次に、中小漁業振興特別措置法の一部を改正する法律案について御質問申し上げますが、本法は沿岸漁業振興法――いわゆる沿振法に基づく中小漁業振興のための事業を実施するための法律であると私は理解しているのですが、それでよろしいですか。
#175
○政府委員(太田康二君) 私どもも中小漁業振興特別措置法と申しますのは、昭和四十二年に制定されたわけですけれども、その前に制定されております昭和三十八年に沿岸漁業等振興法第九条に即しまして、制定された法律であります。したがいまして、どちらかと申しますと、沿岸漁業等振興法が基本法としての基本的な政策目標を規定したものでありまして、これに対して中小漁業振興特別措置法というものは、それの実施規定であると考えております。
#176
○川村清一君 そうしますと、本法の母法は漁業基本法と言われている沿岸漁業振興法である、それの第九条に基づいて行なわれる政策である、こういうふうに理解いたします。
 そこで、私はお尋ねするわけでありますが、この母法である沿振法では、中小漁業者の範囲というものは、法第二条で政令で定めるということに規定されておるわけでございます。それを受けて沿振法施行令第二条は、中小漁業者の範囲を規定しております。この沿振法施行令の第二条によりまして、中小漁業者とは、「常時使用する従業者の数が三百人以下であり、かつ、その使用する漁船の合計総トン数が千トン以下である。」こういうふうに規定してあるわけであります。ところが、提案されております本法の改正案の要旨の一つが、中小漁業者の定義を合計総トン数二千トンを三千トンに引き上げるということであります。で、四十二年にこの法律案が国会に提出されまして、これを本委員会が審議いたしました当時、私も議席を持っておりまして、私もこの法律案に質問をいろいろやったわけであります。当時私が質問をいたしましたことは、この二千トンという、この二千トンが三千トンにかわるわけでありますが、その二千トンというのは母法である沿振法に照らして矛盾しているのではないか、おかしいのではないか、こういうことを質問したのです。で、沿振法では中小漁業者とは、いわゆる千トン以下の漁業者と、こういうふうに規定をしておる。ところが、この法律ではこれを二千トンに規定しようとしておる、母法と違うのではないか、これはおかしくないかということを質問しました。当時の久宗水産庁長官は、私の主張を認めました。認めたけれども、省内においていろいろ議論しておるけれども、なかなかいろいろな問題があってこうしたんだと、しかし、これをさらに検討いたしまして、何とかこれは統一したいというような意味の御答弁をされたのであります。ところが、五年たって、四十二年に制定した法律を改正しようとして出てきましたね。ここに問題があるのですが、当時の長官は、検討して統一したいという御説明であったが、何らこれを統一するどころか、沿振法の千トンを今度は三千トンに引き上げる、こういうようなこと、こういうふうにして法律によって中小漁業者の定義が違うということは、法解釈上いろいろ混乱が生ずるのではないか、こう思うのですが、これに対して長官はどういうような御見解を持っておられますか。
#177
○政府委員(太田康二君) 御指摘のとおり、沿振法で中小漁業とは何かということで、直接はっきりと法律の上で規定をしておるわけではございませんが、さらに政令で、中小漁業者ということで、中小漁業者としては、いま御指摘のとおり、「常時使用する従業者の数が三百人以下であり、かつ、その使用する漁船の合計総トン数が千トン以下である漁業者」ということになっております。そこで、今回私どもが中小漁業振興特別措置法の改正をいたしました趣旨は、これは前年水産業協同組合法の改正を行ないました際に、組合員資格の範囲の拡大をいたしたのでございまして、その趣旨に沿いまして、両院におきましてもそれぞれこれについての法律の改正をすべきではないかというような御趣旨の附帯決議がございましたし、こういったことを踏まえまして、今回従来の二千トンからこれを三千トンに引き上げたということでございまして、その限りにおきましては、御指摘のとおり、沿振法での中小漁業者の範囲よりも広くなっておるわけでございます。沿振法によりますところの中小漁業者の範囲につきましては、沿振法が、各種の実はこれを受けての法律が水産庁の中にいろいろあるわけでございまして、それぞれ制度制度に応じまして、確かに御指摘のとおりの若干の違いがあるわけでございます。特に金融面におきましては、農林漁業金融公庫、これではむしろ法律ではなしに業務方法書の問題でございますが、一応のこれは三百人かつ千トンというようなこと、あるいは漁業近代化資金助成法では三百人かつ千トン以下というようなこと、これは法律できめられております。それから今回の中小漁業振興特別措置法では、三百人かつ三千トン以下ということで、これも法律できめられておるわけでございまして、制度制度によりまして多少の取り扱いの違い方があるという面はやむを得ないかと思うのでございます。私どもといたしましては、そうは申しましても、特に金融等の関係におきましては、いろいろ水産金融につきましても、全面的な検討の段階に至っておるというふうに考えておりますので、その際、あるいは農林漁業金融公庫法の業務方法書、さらには漁業近代化資金助成法におきまするところの中小漁業者の法律上の扱いというような点につきましては、当然検討しなければならないことであるというふうに考えております。
#178
○川村清一君 その農林漁業金融公庫法とか漁業近代化資金、こういうような資金の業務方法書においてそういうふうに書かれておる、それはわかります。わかりますけれども、私の申し上げておるのは、少なくとも沿岸漁業振興法というのは、これは漁業基本法である。農業基本法があり林業基本法がある。しかし、漁業基本法という名を打ったものはないけれどと、それと同じものは、いわゆる沿岸漁業振興法なんだ。ですから、この法律に基づいて毎年毎年やられたことが国会に報告されている、それが漁業白書なんですね。その基本になる法律でいわゆる中小漁業者の範囲というものがきめられておるわけです。これは法律を受けて政令できめているわけですね。それを母法としてなされておる施策がいまの法律でしょう、この本法ですね。本法の中小漁業者の範囲というものが、母法である沿振法をはるかに逸脱しておる、ちょっとの相違があってもこれはやむを得ないような御答弁でありますけれども、四十二年には二千トンであった、ところが沿振法は千トンである、これはおかしいじゃないかという私は質問をした。久宗長官は、おかしいのだと、省内でもずいぶん議論したのだと、しかし、なかなか結論が得られない。ということは、いま長官がおっしゃった金融の問題ともからんでくるわけです。そこで二千トンにしたのだ。しかし、これはおかしいので、+分検討して統一したいという旨の御答弁があった。ところが今回は二千トンをさらに上げて三千トンにもってきたんでしょう。これは少しぐらいの相違じゃない。母法は千トンなんですよ。それを受けてつくった法律が今度は三千トンになってきているでしょう、あまりに違いがあるんじゃありませんかと。法律によって中小漁業者の範囲というものは、定義というものは変わるのはちょっとおかしいでしょう。私は、そのとき申し上げたのですが、いまも長官がおっしゃっておりましたが、なるほど昨年私どもは、水産業協同組合法の一部改正案をここで審議して可決しました。そうしてその水協法では、組合員である資格というものを、法人の場合は正組合員は千五百トン、準組合員は三千トン。このときも私は、いろいろここで意見を申し上げた。これは通った。そこで水協法のこの組合員である資格と、このいまの振興法とは一致しましたが、そのほかに漁業生産調整組合法という法律があります。この第二条にも、中小漁業者の説明があります。これは三百人以下、千トン以下、こうなっています。それから中小漁業融資保証法という法律があります。この第二条にも、中小漁業者の範囲というものが規定されております。四項に、漁業を営む法人、三百人以下、千トン以下、それから漁業者の組合員である法人二千トン、こういう規定がある。水協法が変われば、ここも変わると思いますけれども、このように、私がどうしてもふに落ちない点は、この法律改正に、この法案に反対しているわけじゃないですよ、反対しているわけじゃないですけれども、中小漁業者というものの範囲、定義が、法律によって違う、まちまちである、そして基本法である沿振法と全く違う。こういうようなことは、一体これは正しいのかどうか、金融関係やいろいろな問題があることは承知しておるのですよ。承知しておりますけれども、納得いかない。どう説明しますか。それなら沿振法を変えちまったらどうですか。沿振法の改正をしたら。これは法律と違って政令ですから、政令の改正はあなたのほうでできるわけでしょう、これはできないですか。できれば、これをやったら、またいろいろ問題があるわけですね。どうでしょうか。
#179
○政府委員(太田康二君) 御承知のとおり、沿岸漁業等振興法は、「沿岸漁業」と「沿岸漁業以外の漁業で、その漁業に係る漁業生産活動の大部分が政令で定める中小漁業者により行なわれているもの」で、平たいことばで言えば、中小漁業でございますが、それを対象にいたしております。これを受けまして国の施策ということで、いろいろなことが三条で各号列記されておるわけでございます。この中には、先ほどちょっと申し上げましたように、まあ漁業近代化資金助成法等沿振法以外にできました法律なんかもございまして、これは現段階におきましては、法律上三百人以下、千トン以下ということになっておるというような実態もあるわけでございますから、すべて政令で確かに中小漁業者ということが沿振法では書かれておりますから、全部直せばよろしかろうというような議論もあるわけですけれども、先生もいみじくも御指摘になりましたような、これとの関連法案におきまして、まだそこが手当てができていない。なぜ手当てができないかということになりますと、やはり金融の問題としてこういった特別な制度融資で見るものは、この段階まで見ればいいんではないかという議論もひとつあるわけでございます。それが現在の実態に即して適切であるかどうかという議論は、また別途あるわけでございますので、私どもが先ほど申し上げましたように、金融の全面的な改善ということにいま取り組んでおるのでございまして、その際、そういった面の配慮も当然加えていかなければならないだろうというふうに考えております。そこで、そういったことですべての何と申しますか、制度が全部整いまして、同じようになるというような扱いが完全に実現を見るというようなことになりますれば、私ども、政令を改正するにやぶさかでないわけでございますけれども、現在沿振法がまた母法であるというような関連からいきましても、その辺がなかなか各種の関連法案とのからみにおきまして、一元的な定義づけができてない、必ずしもそろってない。御指摘のとおり、問題はあろうかと思いますので、私どもこれから検討はいたしますが、いまの実情はそういうところにあるということを御理解いただきたいと思うのでございます。
#180
○川村清一君 検討するということは、五年前に長官約束されているんですよ。ところが検討さっぱりされてないんですよ。それは、私どもも痛くもかゆくもないことですから黙っておりますけれども、しかし、これは法律専門家に聞いてみなければわからぬ。法制局でも来ておったら聞こうと思うんですが、こういうことはあるんですかな。法律によって規定されているんですね。それが法律によって違うんです。この法律では、中小漁業者はこうなっている。この法律は、中小漁業者というものはこうなんです。この法律によれば、中小漁業というものはこういうものなんだと、この法律によれば、中小漁業というものはこうなんだと、法律によって中小漁業者というものの姿が変わっちゃうんですね。そして、母法ですね。親がきめているのに、子供は親をはるか大きく飛び越えて大きくなっちゃった。親は千トンときめているのに子供は三千トンになっちゃった。どうもちょっとほかにこういう法律ありますかな。私、法律はしろうとですから、よくわからないんですが、このようなことはあるんですか、一体。長官どうですか。
#181
○政府委員(太田康二君) 私どもの制度で申し上げますと、先ほど申し上げたような事情があるわけでございまして、やはりそれぞれその法律の目ざすところの定義というものが通常きめられているわけでございますけれども、その法律のねらいとしているところがどこかというようなことによって、そういった中小漁業者というものの定義が違うということはやはりある得るのではないかと思います。ただ実際に、それでは一方でそうなっているのに他方はまだ千トンにとどまっているというのはどうかということは、別途議論のあるところだろうと思いますが、その点につきましては私どもはさらに検討をいたしたい。こういうことでございます。
#182
○川村清一君 ちょっと長官にお尋ねいたしますが、昭和四十五年の中小漁業の生産額、生産高が昭和四十五年の漁業白書では出ておりますわね。そこで中小漁業の総生産額、生産高はどれだけと出ておりますか。
#183
○政府委員(太田康二君) 中小漁業の生産高は四十五年で三百七十八万五千トンで、金額で三千七百四十六億、こういうことに相なっております。
#184
○川村清一君 長官、あなたはいま三百七十何ぼと言いましたか、中小漁業の総生産量は。
#185
○政府委員(太田康二君) 三百七十八万五千トンです。
#186
○川村清一君 三百七十八万五千トンとおっしゃいましたね。それは漁業白書の二十九ページに出ております。そこで、それは間違いないのです。三百七十八万五千トシと出ております。その三百七十八万トンをとった業種はどうあるか――沖合い底びき網七十六万五千トン、まき網百四十九万二千トン、それからサンマ棒受け、マグロはえなわ、サケ・マス、カツオ一本釣り、サバはね釣り、イカ釣り、その他の中小漁業四十一万九千トン、合計三百七十八万五千トン。これは中小漁業計です。そうですね。これは漁業白書読んでいるのですから。
 その次、ちょっと恐縮ですが長官も漁業白書を持っていらっしゃいますから、三十四ページ開いてください。三十四ページに、そこに以西底びき網二十七万九千トン、遠洋底びき網百四十万五千トンというものがあるでしょう。これは「大規模漁業の業種別生産の推移」という統計に出ている数字なんですね。そうでしょう。これといま審議している法案とひとつ関連して考えてみてください。この法案によりますれば、以西底びき網、遠洋底びき網、北方海域、南方海域を入れまして、これを加えて中小漁業計というものにならなければおかしいわけでしょう。二十九ページの中小漁業計は、これは沿振法に基づく中小漁業者の範囲の中で生産されているものと理解するわけですよ。ところが本法によりますれば、この統計では大規模漁業の業種に入るところの以西底びき、遠洋底びきもこの中に入ってくるわけでしょう。そうすると、法律的な相違だけではなくして、統計上こんがらがってくるじゃありませんか。ですから、これは沿振法に基づいて国会に提案されているところの漁業白書ですよ。この漁業白書に出ている中小企業というものと、そうして、いま法律を審議しておるこの法案の範囲の中に入る中小漁業とは違ってくるわけじゃないですか。この混迷を一体どうあなたは説明されるのですか。それで納得せいったって、これは納得できないですよ。この統計がおかしな統計になってくる。中小漁業、中小漁業と言うが、中小漁業では当時どれだけの生産があったか、三百七十八万五千トンだと言う。ところがこの三百七十八万五千トンには、私らが中小漁業と思っていま審議しているところの以西底びきとか、それから遠洋底びきまで入ってこないのですよ。このことを一体どう説明されますか。水産庁は。
#187
○政府委員(太田康二君) 私どもの白書で使っております数字はここに書いてございますように、農林省の漁業養殖業の生産統計報に従っておるわけでございまして、そこでの約束ごととして、沿岸漁業はしかじか、大規模漁業はこれこれ、「中小漁業とは、海面漁業から沿岸漁業および大規模漁業を除いたものをいう。」ということで整理をされておりますから、その際以西底びきは確かに統計上の処理といたしましては、大規模漁業に入っておるということでございます。そこで先生御指摘のように、一方で中小漁業と言いながら、一方で大規模漁業と整理しているのはおかしいじゃないかというような御指摘でございます。そこで、中小漁業振興特別措置法におきましては、中小漁業者の経営の安定をはかる目的から、指定業種につきまして、沿岸漁業以外の業種であって、その「業種に係る漁業生産活動の相当部分が中小漁業者によって行なわれていること。」というふうに書かれておりますし、その業種の「漁業を営む中小漁業者の相当部分の経営が不安定となって」いるため、「経営の近代化を促進することにより、その振興を図ることが特に必要であると認められること。」と定めておるのでございます。これは、本法による振興の対象となり得る指定業種をより広く、それに属しますところの中小漁業者に限りまして、融資あるいは税制上の助成措置を講ずるということをねらいとしているものでありまして、この趣旨におきまして中小漁業の指定業種の範囲を、この統計のほうはどちらかと言いますと、沿振法の趣旨に沿って整理をされておるというふうに理解をいたすわけでございますが、若干広くなっておる。そこで以西底びき網漁業を営む中小漁業者もかなりあるわけでございますので、これを施設の対象の中に含めたということでございまして、確かにおかしいではないかと言われますれば、そういうことでございますが、法律の目的とするところは、そこにあるわけでございますから、指定業種として以西底びき網漁業というものを指定をいたして、中小漁業者の助成をいたしておるということでございます。
#188
○川村清一君 どうも説明がおかしいですな。この漁業白書で言う中小漁業、これはわかるんですよ。次に、統計では大規模漁業の中に入っているものを、今度この法律は中小漁業として取り扱っておる。あんまりに便宜主義です。私は法律に反対するために言ってるわけじゃないですよ。どうもそれは便宜主義じゃないですか。長官の答弁をお聞きしましても解明されないんだ、この疑問は。だから、ただ、こういうことでしょうね。沿振法に基づいて当然これは出ておるんですから、沿振法では中小漁業と見てないんだと、沿振法では大規模漁業として見てるんだと、しかし、大規模漁業に、早く言えば、金を貸してやりたいんだと、近代化、合理化、そういうような意味においてお金を貸してやりたいんだと、そして税金もまけてやりたいんだと、それでこの業種がもっと振興するようにそういう処置をしてやりたいんだと、そういう処置をするためには、中小漁業という名前をかぶせなければできないんだと、大規模漁業という名前の中に入っていればできないんだと、しかし、実態は大規模の中に入っているんだけれども、一括して中小漁業の部類の中に入れておいてお前たちに金を貸してやるぞと、税制措置もしてやるぞと、こういうことなんでしょう。そういうふうにお答えになれば、そうかと――反対、賛成は別としてそうかとわかるけれども、どうもこの基本になる法律では、これは中小漁業でないわけですよ。ところが、今度こういう法律をつくって、無理して中小漁業のワクの中に入れて、そうしてその振興のために税制面においてあるいは金融面においていろんな措置をする、こういうことなんです。この業種がだめになることを望んでおるわけじゃない。振興することはいいですよ。いいですけれども、どうもあまりに便宜主義である。もう少ししきちっとしたものにならぬですか。だから、わかる人がこの白書を読んで、ああ日本の中小漁業の生産はこれだけあるのか、三百七十八万五千トンか、そして大規模のほうの漁獲高はこれだけか、こういうふうに理解した。ところが、そうではなくて、これでは大規模漁業の中に入っているけれども、しかし、いろんな面から考えて、これは中小漁業の中に入っておるんだと、いっそのこと、初めから中小漁業の中に入れてしまったらどうですか、この統計の上からも。漁業白書も統計の上で入れたらどうですか。以西底びきと遠洋底びき、沿振法で入れられないですか。これはできるでしょう。そうすると、これだけでも疑問は解明されるわけだ。どうかしなければだめですよ、これは。長官、もう一度御答弁ください。
#189
○政府委員(太田康二君) 御承知のとおり、以西底びき網漁業の経営の実態は、全体で経営体の数が八十一ございまして、許可隻数がまだ六百二十五隻ということで、このうち使用漁船の総トン数三千トン以上の規模の経営というのが七経営体、約九%ございまして、許可隻数で二百四十三隻、約三九%となっております。したがいまして、大規模な漁業者がかなりの生産活動に従事しているという実情から見まして、白書では、従来から中小漁業ということに含めずに、大規模漁業として取り扱っておるということでございます。ところが、いま御審議いただいております中小漁業振興特別措置法におきましては、中小漁業者の経営の安定をはかるという目的をもちまして、指定業種というものを定めまして、その「業種に係る漁業生産活動の相当部分が中小漁業者によって行なわれている」と、そしてその業種の「漁業を営む中小漁業者の相当部分の経営が不安定となって」いるために、「経営の近代化を促進することにより、その振興を図ることが特に必要であると認められること。」というのが要件になっておるわけでございまして、以西底びき網漁業の実態を見ますと、やはり中小漁業者というものがかなりの部分を占めておりますし、しかも、私どもは税制上の措置あるいは金融上の措置は大手なんかには一切いたしておりません。まさにこの法律がねらっておりますところ  経営が苦しくなっておる中小漁業者――以西に従事しておる中小漁業者というものを対象に施策を講じておるということでございます。確かに、ものによってやや便宜に流れているではないかというような御批判もあろうかと思いますが、そういう趣旨でございますので、御了解をいただきたいと思う次第でございます。
#190
○川村清一君 その答弁はわかるんです。
 そこで、中小漁業者の手によってということです。中小漁業者とは何かということなんです。そこで中小漁業者とは、この以西底びき、それから遠洋底びき、これも入るんだと、こういうことでありますれば、この統計の上において大規模漁業の範疇に入っているものを引き出してきて、統計の上でも中小漁業者の中に入れなさいと言っている。以西底びきあるいは遠洋底びきというものの実態は中小漁業者であるんだという、そういう御見解ですから、実態はそうなんだから、実態がそうならば、この漁業白書の上の統計の上においても、大規模漁業の中にこれを入れないで、これを抜き出してきて、中小漁業者のほうに入れたほうがすっきりするんじゃないかということを私が申し上げている。これが一点。
 その次に、沿振法は、幸か不幸か知らないけれども、この中小漁業者の範囲というものを、法文でなくて政令できめているのだから、政令を実態に合うように変えたらいいではないですかということを言っているわけですよ。そうすれば、この辺のもやもやがとれてすっきりするのじゃないかということを申し上げている。これはどうですか。私の言うことわかるでしょう。こういうことでやってもらえばすっきりする。
#191
○政府委員(太田康二君) 御趣旨はよくわかるのでございますけれども、やはり以西底びき網漁業というものの経営の実態が、先生の御指摘のように、中小漁業者もやっておりますが、大規模漁業者もやっておるわけでございまして、大規模漁業者による部分と中小漁業者による部分というものをはっきり分けることが統計上なかなか困難であるというようなことで、以西を二つに分けまして、大規模と中小に分けて、いま先生のおっしゃるように、生産統計のほうもそうしたほうがよかろうというような御意見もあるわけでございますけれども、むしろ私どもの御審議いただいております中小漁業振興特別措置法というのは、業種を指定いたしまして、その業種の中で経営が非常に困難になっておる中小漁業者の方々の振興をはかるということになっておりますので、しかも以西底びきという中には大規模もあり中小規模もあるということの実態もあるわけでございますから、確かに形式的に言いますとおかしいではないかというような議論も成り立ち得るかと思いますが、そういったことに理由があるということも御理解をいただきたいと思う次第でございます。
#192
○川村清一君 形式的とおっしゃいますけれども、これはあなた法律というものは形式的なものであって法律で、一つの法律でこういうふうに定義づけた。ところが今度はこっちの法律にいったら変わってしまったと、こっちの法律にいったらまた変わってしまったと、こういうものは、一体そういう法律というのあるのかどうかはなはだ疑問ですから、私はもっとこの法律専門家に当たってよく聞いてみてそれでまた質問いたしますが、ちょっと納得いかぬですよ。それはいろいろ問題がある、問題があったってそれはあなた、ただ形式的なものだと、実態はこうなんだと、これはどうでもいいんだ、そういうことにはならない。そんなふうに法律がよけいなものだったら、法律つくるのはわれわれがつくるんですから、そんな疑義持たれるような法律をつくってそれでやっておったら、それはあなた方のほうは官僚だから、この法律はどうでも解釈するかもしれないけれどもそうはやはりいかぬ。そうなればやはり専門家に、しかるべき人に聞いてもらわなければ、大臣がお見えになったから大臣にお聞きしますが、いま私といろいろ長官との間に質疑をかわしましたのをお聞きになったと思いますが、大臣、どうですか。賛成反対じゃないんですよ。この中小漁業者の範囲というものが漁業の基本になる法律である沿振法に規定づけられたわけですよ。それと違ったようなことが法律によって出てきているわけですね、これじゃどうも納得いかぬ。これは一本に統一すべきではないのかというのが私の見解なんですが大臣どうですか、やりとりをお聞きになっていておかしいとはお思いになりませんか、長官の言うほうが正しいですかな、どうですかな大臣ひとつ裁判官になってこれを……。
#193
○政府委員(太田康二君) 先ほど来申し上げておりますように、もちろん沿振法を受けての法律もございますし、それ以前の法律もあるわけでございますけれども、やはり法律は制度制度によってそれぞれのねらいがあるわけでございまして、その際その法律で受ける、たとえば中小漁業者の定義というのは違うということは、やはりあり得るんだというふうに私は考えております。
#194
○川村清一君 あり得るという長官の御見解です、私はおかしいと思います。しかし専門家でないからはっきりここで言えないので、もっと専門家についてよくただしてまたお尋ねしますけれども。
 そこで農林大臣にこれはまじめにお尋ねしますが、どうもこれはおかしい、沿振法に中小漁業者とはきちっと書いてあって、そしてこれは母法ですからね、基本法ですからね。ところが別な法律では基本法を離れて中小漁業者の範囲をぽこっと拡大していくということは私は納得いかないと、また立法上も問題があるんじゃないかという疑義を持っているわけでありますが、大臣はこれに対してどういう御見解をお持ちになられますか。
#195
○国務大臣(赤城宗徳君) 法律によって中小漁業の定義がきまっていてはこれはまずいと思います。しかし基本法にあって、それを運用する政令によっては、目的によって金を貸すほうではこの辺までにしようとか、そういう何といいますか運用については幾分違うことがあってもしようがないですが、法制上はそれはおかしいんですね、ほんとうは、法制的には。しかし運用上に法律できまっているのと政令におけるのと違うというのは、これはあり得ることがあるとこう思います。
#196
○川村清一君 この論議をやっておってもしようがないですから、次に移りますがね。
 そこで、先ほど申し上げましたように、そういうこれは法律法文できまっておったら問題じゃないですよ、これ政令ですから、政令を変えたらいいんですよ。
 それから沿振法にいわゆる中小漁業者の範囲というものを法文でうたわなかった理由があると思うんですよ、なぜ政令でやったかという理由があると思うんです。それからこの振興法は法令でもってうたっているわけです、こっちのほうは法律でうたっている、母法のほうは政令でうたっている、こういう違いがありますから、ですから私は第二条を受けての政令ですから、当然本法と同じあれを持っていると思うわけでありますが、しかしあれだったら都合が悪ければ政令を変えていただきたい、こう思います。
 いずれにいたしましても検討されまして、こういう疑問が生じないように、たとえば統計なんかでもこれはいまの論議から統計との間にまた混乱が起きてしまいますからね、すっきりしていただきたいということを要望してまたいつかの機会にお尋ねすることにします。
 次に、法三条に基づいて定めなければならない振興計画というものがありますね。その振興計画の内容がどうであったのか。それから施行令にはこれは五カ年間の期間ということになっておるわけでありますが、五年間がことしで過ぎるわけですね。この五年間にこの振興計画というものがどれだけ実施されたのか、完全に実施されたのかされないのか。完全に実施されなかったとするならばその理由はどこにあったのか、こういうようなことについて御説明いただきたい。
#197
○政府委員(太田康二君) 中小漁業振興特別措置法が昭和四十二年に制定をされましてその年に以西底びき網漁業とカツオマグロ漁業につきましての業種指定をいたしたわけでございます。
 先般お配りした資料で一三ページに以西底びき網漁業とカツオ、マグロ漁業につきまして経営規模の拡大、これは大型船の建造ということになるわけですが、その点と資本装備の高度化、以西底びきにおきましては省力揚網装置の設置それからカツオ、マグロ漁業におきましては近代化大型船の建造あるいは省力機器等の設置、これらの点に重点を置いて振興計画を定めてまいったわけでございますけれども、その実績を申し上げますと、まず以西底びきでございますが、経営規模の拡大といたしましての漁船の大型化をはかるということにつきましては昭和四十二年から四十六年までの間に四十六隻という計画を立てたのでございますが、最終的実績は残念ながら十二隻にとどまったのでございます。もちろんこの十二隻の建造によりましてそれはそれなりに効果を発揮いたしたと思うのでございますが、まあ計画に比べますとかなり実績は落ちておるという実態でございます。
 それから、資本装備の高度化の問題でございますが、省力揚網装置等の設置でございますが、これは四十二年から四十六年までの五カ年間に二百四隻の計画に対しまして最終的実績は百八十四隻に設置をされたということでございまして、まあその結果労働力の節約あるいは漁業活動の能率化等が推進されて生産性の向上がはかられたというふうに考えております。
 ただ、計画に比べまして実績がいずれも十全の意味では達成されていない。特に大型化の建造というような点につきまして十分達成できなかったことはまことに遺憾に存じますが、私どもの見通しといたしまして若干以西底びきというものの将来の見方について計画が甘きにすぎた。
 御承知のとおり以西底びきにつきましては漁獲高の伸びが非常に鈍化をしておる。あるいは魚価も低迷をしておるというようなことで先般も申し上げました減船をしなければ経営の安定がはかられないというような状況にもなっておるようなこともありまして計画どおりにいかなかったということに考えております。
 それからカツオ、マグロ漁業でございますが、これにつきましては実はこれもやや私どもの計画が理想にすぎまして、一つは経営規模の拡大につきまして三隻以下の経営体を四隻以上の経営体に拡大するという経営規模の拡大計画を持ったわけでございますが、結果としてはこれも十分達成をしなかったということでございまして、はなはだ遺憾に存じております。ただ、近代化基金を導入して、近代化・大型船の建造というのは、かなり計画を上回って実施を見たということでございまして、資本装備の近代化につきましては、近代大型船の建造は八十七隻の計画に対しまして百三十二隻。省力機器等の設置につきましては、これも三百六十九隻に対しまして百八十二隻ということで、これも実は計画に一部達成をしていなかったというようなこともあるわけでございます。
 そこで、カツオ・マグロ漁業につきましては、一方におきまして、資源の問題、さらには国際規制の強化の問題等もございましたし、カツオ・マグロ漁業ということで一本やっておりますが、まあその中には、何と申しますか、やや異種的な遠洋カツオ・マグロ漁業と近海のカツオ・マグロ漁業一本でやっておったと。いうような点で、近海カツオ・マグロ漁業につきましては、許可隻数はかなりあるわけですけれども、実際に着業しているものはかなり実際よりもいっていないというようなこともございまして、計画面におきまして、やや、規模の、資本装備の近代化、特に近代大型船の建造という点につきましては計画を上回ったわけでございますけど、経営規模の拡大というような点につきましては、遺憾ながら計画倒れに終わったという実績でございます。
#198
○川村清一君 そうしますと、以西底びき、それからカツオ・マグロ漁業につきましては、計画達成率が期待どおりいかなかった、非常に低かったというような答弁でございました。
 そこで、四十二年には、いまお話しのとおり、二つの業種が指定されまして、四十三年には、まき網漁業が指定をされている。四十四年に沖合い底びき漁業が指定されております。この二つの業種の成績はどうか。計画どおり、現状時点では進んでおるかどうか、これを簡単にひとつ御説明いただきたいことと、この二つの業種については、この法律が改正されることによって、五年たちますというと、来年はまき網と、その次の年は沖合い底びきということで、特定業種として一本に指定される予定になっているかどうか、この点を明らかにしていただきたい。
#199
○政府委員(太田康二君) まことに申しわけないのですが、ちょっと私の手元にありますのは、近代化のための農林漁業金融公庫の融資の実績で申し上げますと、まき網は四十三年から、御承知のとおり指定をされまして、今日まで実施いたしてまいったのでございますが、四十五年度現在で、計画が七十一億五千万の融資に対しまして、四十億五千六百万、五八%。これに比べまして、沖合い底びきは四十四年に指定をされまして、計画の融資額が三十一億、これに対しまして四十六億二千万ということで、一四九%ということに相なっております。
 今後の見通しといたしまして、まき網、沖底ともに目下四十六年度の集計をいたしておる段階でございますけど、どちらかと申しますと、この傾向は、沖底につきましては、計画をかなり上回るんではないか。まき網につきましては、計画を下回るというようなことが現段階においては予想されておる次第でございます。
#200
○川村清一君 この二つの業種ですね、これが引き続いて特定業種に指定されるようなことになるのかどうかということをお聞きしているわけです。
#201
○政府委員(太田康二君) 私ども、幸いにしてこの法律案が国会で可決されまして法律となりますれば、とりあえず、期限のまいりました以西底びき網漁業とカツオ・マグロ漁業、これは特定業種としての政令指定をいたしたいと思っております。
 それから、引き続いて、四十三年、四十四年にやりましたまき網と沖合い底びきでございますけど、いまから予想することは、何と申しますか、多少問題があろうと思いますが、いずれにしても、いまの実態から見ますと、あの法律で規定されておるような要件に該当する業種ではないかというふうに考えておりますので、また、その段階で検討はいたしたいと思いますが、まずまず指定の対象になるのではないか、また、そうしなければいけないのではないかと考えております。
#202
○川村清一君 そうしますと、法律の改正によって、こういうふうに理解していいですね。指定業種というものがある。それから特定指定業種というものがある。二つ、これ併存するわけですね。そうすると、いまことしこの法律が制定されますというと、以西底びきとカツオ・マグロはこちらのほうから移っていくと、こちらのほうにはまき網と遠洋底びきが残っている、こういうことですね。そうすると、これがまた、これは四十三年、四十四年ですから、五年たつというと、これは必ずまたこっちへ行くと、これもこっちへ行くというふうなことになるわけですね。こっちのほうにもう一つ入ってくるものはないですか。
 これは、私はね、四十二年にこの法律を質問したときに、当時、以西底びきとカツオだったから、これは足りないじゃないかと、まき網を入れるべきだと、底びきを入れるべきだと言ったわけです。そのほかに、サケ・マスはどうだとか、サンマはどうだと、イカはどうだということを私は言っているわけですね。こっちのほうに新たに入ってくるようなものは考えていらっ  らないのかどうか、これはどうですか。
#203
○政府委員(太田康二君) 先生の御理解のとおりでございまして、今度の新しい第四条の二という規定を設けまして、従来の「指定業種のうちその業種に係る中小漁業の構造改善を図ることが当該業種に係る漁業を島む中小漁業者の経営を安定させるため緊急に必要であると認められるもので政令で定めるもの」と、これをまあ「特定業種」と呼んで、指定業種の中から、いま言ったような条件に該当するものを特定業種として政令できめるわけでございます。で、その際、いま申し上げましたように、この法律が通りました暁には、私どもといたしましては、当面、期間のまいりました以西底びきと、それからカツオ・マグロ漁業はまさにこの要件に該当する、こういうふうに理解をいたしますので、政令でもって指定いたしたいと思っております。
 それで、指定業種になりませんと、特定業種に移り変わらないという、こういう問題があるわけでございます。そこで、「指定業種」は、現在の中小漁業振興特別措置法で、「当該業種に係る漁業生産活動の相当部分が中小漁業者によって行なわれて」おるんだと。それから、この業種にかかる中小漁業者の相当部分の経営が、「漁獲量の変動、漁業経費の増大等により」「不安定となっており又は不安定となるおそれがあるため、」生産性の向上その他経営の近代化を促進する必要があると認められる業種、これを政令で指定する、こうなっておるわけでございます。おそらく四十二年にこの法律が制定されました過程におきまして、いまお尋ねのようないろいろ御議論があったかと思います。そこで、同種の中小漁業といたしましては、また考えられますのはイカ釣り漁業、サンマ漁業、これにサケ・マス漁業、これが考えられるわけでございます。ただ、先生も十分御承知であろうと思いますし、御理解をいただけると思うんでございますが、イカ釣り漁業とかサンマ漁業とかいうのは周年操業というような経営の実態がございませんで、兼業形態が大部分であるということでございますので、これらを指定業種として政令で指定いたしますということにつきましては、他の兼業業種との関連におきまして、やはりもうちょっと検討する必要があるのではないか、こういう問題がございます。
 そこで、いま、当面は、この法律による農林漁業金融公庫の特別融資の制度がないわけでございますけれど、私どもといたしましては、漁業近代化資金あるいは公庫の通常の金利の資金でめんどうを見ておるということでございます。
 それから、サケ・マス漁業でございますが、これも就業の期間というのは、きわめてわずかな期間で、限られた期間になるわけでございまして、日ソ交渉によりまして漁獲量が毎年定められるということで、これも先生十分御承知のとおりでございまして、漁業の実態等から見ますと、どちらかといいますと、新しい設備投資を抑制をいたしまして、経費の節減をはかることがその収益性につながるというようなふうに私ども考えておりますので、当面、この指定業種とすることは考えていないということでございます。
 ただ、イカ釣り漁業なんかは、近年におきましては、だいぶ大型化もいたし、周年操業する実態も出てきております。イカ釣りというのは全部で三万幾つもございまして、中身がいろいろ、百トン以上のものもありますし、十トン以上のものもあり、もっと小さいものもあるということで、いろいろ問題もあろうかと思いますが、経営がだんだんそういうふうに変わってまいりまして、なおかっ法律で定める要件に該当するというようなことでありますれば、全然指定業種としては新しい政令指定がないということではないわけでございますが、現段階におきましては、いま申し上げましたような業種が一応対象として考えられる業種ではございますけれども、それぞれいま申し上げましたような問題がありまして、指定には至っていない、こういう実態でございます。
#204
○川村清一君 いろいろ議論したいことがあるわけですが、時間がだいぶ過ぎておりますので、質問を進めてまいりたいと思いますが、本法律が制定されますと、今度は特定業種というのができますの。そうすると、その特定業種に認定される条件として構造改善計画を、これをその業種が構成員となっている漁業協同組合等が作成して農林大臣の承認を受ける、こういうことになっておりますね。そこで、その業種の属する「漁業協同組合等」となっていますね、これはどういうような内容ですか。
 それから、これが自主的に改善計画を作成するということになっておりますけれども、自主的ということで政府は全く手をこまねいてまかしておるのか、やはり基本的な何かを持って指導するのか、この点はどういうことになっているのか説明していただきたいことと、自主的に作成するその改善計画の具体的な内容ですね。こういうこと、こういうことということがうたわれておりますね。そうすると、具体的にどういうことなのか。たとえば共同化といったようなことになれば、減船というのが出てくる。減船というのはどのくらいか。先ほど規模拡大といったようなものについては、非常に成績が悪かったような御説明がありましたね、それから資本装備共同化についてはわりとよかったと、こういうような批判もあるだろうし、そうすると、金はどんどん借りて自分の資本装備は近代化していく、しかしながら、これを合併して大型化していく、規模拡大していく、こういったようなことは、さっぱりやられていない。やっぱり個人経営ということで、これはあわせてやるといったようなことが抜けておる。そうすると、同じようなことでやっちゃ、またまずいわけでしょう。どうも私、考えてみると、そういうことは毛頭ないと答弁されるにきまっていると思いますが、指定業種ということで振興計画五カ年やってきましたね。これは五年ですから切れちゃうわけです、ことしで切れちゃう。切れたらもう税制上の優遇も金融上の優遇もこれはなくなるわけですね、そうですね、いまの振興計画並びに振興法で言えばね。そこで、ことし切れるから何とかこれもっとつなぎたい、ここで切らなくてもっとつなぎたいということでこの法律を改正して、今度は特定業種なんというものを設けて五年間やってきたのを、ここまでは指定業種でございます、ここからは特定業種でございますと、また五年間やる、その五年間また税制上金融上の優遇措置をする。この措置をしたいばかりに何か二千トンを三千トンに上げたりしてこうやってきた――首かしげていらっしゃるけれども、意地悪く解釈すれば、そう受け取らざるを得ないわけだ。ですから、これから五年間に構造改善事業というのはきちっとやってくれなければ困るわけだ。これを見ると罰則なんかあるわけです。罰則をなぜ設けたかということを聞きたい。そうすると、この法律に罰則を入れた場合に、まだ巻き網や遠洋底びき残っていますね。巻き網や遠洋底びきは振興計画でやっているから、これがまだ二年残っている。この間、振興計画どおりいかなかったら、これも罰則受けるのですか、この辺ちょっと説明してください。
#205
○政府委員(太田康二君) 第四条の二という新しい規定で構造改善事業計画を立てる事業主体といたしまして、「漁業協同組合その他の政令で定める法人(以下「漁業協同組合等」という。)」という点でございますが、この点につきましては、私どもカツオ・マグロ漁業につきましては、遠洋カツオ・マグロ漁業につきましては、日本鰹鮪漁業協同組合連合会、近海カツオ・マグロ漁業につきましては、全国漁業協同組合連合会、いずれも水産業協同組合法に基づく協同組合でございますが、これが主体になるのではないかというふうに考えております。
 それからいま一つ、特定業種として指定をいたしたいと考えて考えております以西底びき網漁業でございますが、これは以西底びきに従事いたしております中小漁業者の相当部分が参加をいたしておりまして、全員によって組織されておりますところの社団法人の日本遠洋底曳網漁業協会という社団法人がございます。そこで、以西底びき網を念頭に置いた場合に、やはりこういった全国団体があるわけでございますから、これが構造改善事業計画を立てることがふさわしかろうということで、この法律では「漁業協同組合その他の政令で定める法人」ということで「漁業協同組合等」ということにいたした次第でございます。
 それから、今度の法律でございますが、法律が施行になりますと、やはり政府といたしましては、第二次の振興計画というものを立てることになるわけでございます。振興計画が基本的な方針を示すものでありますけれども、その具体的な中身が私どもは構造改善事業計画になろうかと思います。したがいまして、私どもが立てますところの振興計画と構造改善計画というものが斉合性を保たなければいけませんわけでございますが、振興計画で定めるべき内容というものは、法律で定められておりますので、もちろんこれを定める場合に業界の実態等も十分念頭に置き、さらに業界が自主的に立てますところの構造改善計画というものとの斉合性を考えていくわけでございますが、私ども当然構造改善計画を立てていただきます場合に、その指導もいたしたいと考えております。
 そこで、以西底びき網漁業につきましては、やはりこれも構造改善計画の中身として「水産資源の利用の適正化、経営規模の拡大、生産行程についての協業化その他の構造改善に関する事業」ということが構造改善事業と、こう呼んでいるわけでございますが、一つは水産資源の利用の適正化というような観点から、やはり資源的にかなり以西底びきは問題にもなっておりますし、やはり永続的かつ効率的な利用の確保というような観点から、利用の適正化をはかるためには、漁船の削減というようなことも実施しなければならないだろう。それから、南シナ海への漁場の拡大のための大型船の導入というようなことも考えなければならないだろう。現に漁船隻数につきましては、業界が自主的に四十七年、四十八年の二カ年にわたりまして現在の許可トン数の約二割を自主減船すると、初年度はその一五%ということで、まあ予算的な裏打ちも私どもいたしたわけでございますけれども、これを円滑に推進するために、そういったことが一つございます。
 それから、経営規模の拡大をはかるための一経営体当たりの漁船隻数の増加、この点につきましても、以西底びきについての経営の実態を見てみますと、どのくらいの規模が最も経営が安定しているかというようなことがわかるわけでございますから、これらをにらみ合わせて漁船隻数の増加ということを考えてまいりたい。
 それから、生産行程の協同化の問題でございますが、これにつきましては共同運搬体制の確立、鮮度保持の施設の設置、こういったことを骨子といたしました事業が取り入れられることになろうというふうに考えております。
 それから、カツオ・マグロ漁業の構造改善計画でございますが、これはやはりいま申し上げたような法律に定めました要件に従いまして水産資源の利用の適正化をはかるためには、漁獲量の減少傾向にあるマグロというものは、今後あまり大きな期待が持てないわけでございますから、マグロはえなわ漁業を資源的に余裕があると言われておりますところのカツオ釣り漁業へ漸次移行する必要があるのではないか。それから、経営規模の拡大をはかるためには、標準仕様船というものが私どもあるわけでございますので、これによりますところの一経営体当たりの漁船の隻数増加というようなこと。それから、資本装備の高度化をはかるための事業といたしましてはカツオの自動釣り機、これは省力化に大いに役立つわけでございますのでカツオの自動釣り機等の導入、こういったことを骨子とした事業が取り入れられることになるのではないかというふうに考えております。
 それから、今回法律で罰則を設けて、第九条に罰則の規定があるわけでございますけれども、これはこの制度が先ほど申し上げた漁業協同組合等が構造改笑事業計画を定めまして農林大臣の認定を受けると、その構造改善事業計画に沿って事業を実施る中小漁業者に対しまして、金融上の優遇並びに争制上の特別措置を講ずることに相なっておりますので、これらの漁業協同組合等に対しまして、実施状況について必要な報告を求める根拠規定を八条に置いたわけでございます。それとの関連におきまして、報告徴収権に対しまして、報告をしないとか、あるいは虚偽の報告をしたという場合の罰金刑を規定をいたしたのでございまして、通常、報告徴収権に基づく裏といたしまして、こういった規定が設けられるのが例になっておりますので、これを規定をいたしたということでございまして、ただ実際に計画どおり実行しなかったから、その人が罰則を受けるというようなことはないということでございます。
#206
○川村清一君 念のために聞いておきますが、先ほどお聞きしたんですが御答弁がなかったので重ねてお聞きしますが、その罰則規定が設けられたことによって、四十三年に指定されましたまき網漁業、四十四年に指定された沖合い底びき漁業、これは指定業種でございますが、これもその適用を受けることになるのかどうか。この以西底びきとカツオ・マグロは新しいほうに入りますから、これはわかりますが、まだ前の指定業種の振興計画で事業をやっておる、これも受けることになるのかどうか、これを明らかにしていただきたい。
#207
○政府委員(太田康二君) この法律が施行になりまして、私どもは先ほど申し上げましたように、まき網と沖合い底びきにつきましては、それぞれ前の計画が終わりました段階で考える、しかし大体条件を満たすものとして指定になろうということを申し上げたわけですが、それが指定になりますと、それを受けましてこの団体が構造改善事業計画を立てるわけでございますから、この法律が施行になった直後におきましては、私どもの考えといたしましては、とりあえず以西底びきとカツオ・マグロでございますから、先ほど申し上げました三団体がおそらく立てることになろうと思いますが、その三団体だけ当面はこの対象になるということでございます。
#208
○川村清一君 その問題についてもいろいろ議論があるところですが、きょうは時間の関係でそれを避けて、まあ直接関係もないかと思いますけれども、ひとつ資源の問題なんですが、特にここで申し上げておきたいことは、北洋底びきまき網です。いまの指定業種になっておるこの業種について申し上げますが、この白書によりますと、四十五年の総生産額は九百三十二万トン、それで海面漁業生産量が八百六十万トン、そのうちの四二%がスケトウダラとサバなんで、スケトウダラが二百三十四万トン、サバが百三十万トン、これはもう非常に多かったんです。それが九百三十二万トンと初めて九百万台を乗り越えた大きな原因になっておるわけですね。そこで、このスケトウダラというのは、おもに北洋底びき、母船式底びきでとるわけですが、しかし、遠洋底びきもやっておるわけです。それからサバのほうは、ほとんどこれはまき網だと思うんです。
 そこで、いろいろいま振興計画に基づいてこういうようなことをされておりますが、とればいいものだというものでは、これはないわけでありまして、四十五年度のこのような生産が上がった原因は、スケトウダラとサバである。ところが、スケトウダラ資源とサバ資源は、どういうような状態になってきているかということなんです。私は、現に釧路へ行って昨年あたり見ておるわけでありますが、スケトウダラなんかも体形が非常に小さくなってきておる。サバ資源のごときは、全然小型になって問題にもならなくなってきたわけであります。このように体形が小型になってきておるということは、これは資源が不足してきておるということを証明しておる、これは証明しておるものと私は考えておるわけであります。
 そこで、この中小漁業振興特別置法によって、いろいろ生産規模を拡大する、資本装備を近代化すると、こういうようなことからますます漁獲努力をすることによってこの資源が枯渇していくということがあるんではないかということを非常におそれておるわけでありますが、こういう点に関して、こういうような施策を進めると同時に、この資源対策というものに対してどういうようなお考えを持っていらっしゃるか、これを明らかにしていただきたいと思うのであります。
#209
○政府委員(太田康二君) 本年度の白書におきましても、沖合い底びきにつきましては三〇ページ、まき網につきましては三一ページにわたりまして、それぞれ現在漁獲をいたしておりますおもなる対象物についての資源評価の見通しを書いておるわけでございますけれども、御指摘のとおりスケトウダラにおきましてもサバにおきましても、これが確かに一方が二百三十五万トン、片方が百三十万トンということで、これによりまして海面漁獲の内四十何%を占めておる、実は、それ以外のものはあまり生産が伸びていないというのが九百三十一万五千トンの実態であるわけでございます。
 そこで、資源の保存培養ということが当然考えられなければいけませんわけでございますから、実は今回のサケ・マスの減船等に伴いましての北転船等の要求がかなり強く出たわけでございますけれども、漁場の関係からいきまして、資源の問題から見ましても、そういった状況にないということで、抑制というか、転換をお認めするわけにまいらなかったという実態もあるわけでございまして、やはり資源状態というものを当然考えながら私どもは行政を進めてまいらなければならないというふうに考えております。いずれも御指摘の点につきましては確かに問題がある業種でございますので、私どもといたしましては、これ以上漁獲努力をふやすというような形での政策というものは、ある程度抑制的に考えていかなければならないだろうというふうに考えております。
#210
○川村清一君 この法案審議の最後にお尋ねするわけでありますが、沖縄における指定漁業について、これは琉球政府の沖縄の漁業法に基づいて指定した漁業でございますが、これは昨年の末に水産庁からいただいた資料によって御質問するわけでありますが、四十六年十月二十三日現在において琉球政府が指定いたしました指定漁業の隻数というものは、トロール漁業が六隻、機船底びき網漁業が十隻、大型カツオ、マグロ漁業が七十七隻、計九十三隻あるわけでありますが、この九十三隻をさらに内訳いたしますと、五十トンから百トンまでが十三隻、百トンから二百トンまでが二十一隻、二百トンから三百トンまでが四十八隻、三百トンから五百トンまでが九隻、五百トン以上が二隻、こういうようなことになっております。そこで私がお尋ねいたしたいことは、この九十三隻の指定漁業のこの認可というものは、そのままこれは本土復帰によって農林省がこれを許認可したとみなして、この行政を行なうことになろうと思うんですね。そこで私がお尋ねしたいのは、ここには業種ごとに、そうして一隻一隻、船名からその経営者から、その経営者の所在地から、そのトン数、全部一隻一隻についてやった資料をいただいた。九十三隻の全部、これは戸籍謄本がここにあるわけですが、これを見て先般も辻委員が質問されておりましたが、どうもふに落ちないわけであります。私の考えでは三百トン型の船をいまつくるとしたならば二億ぐらいの資金が必要だろうと思うんです。五百トンの船をつくるなら三億ぐらいの金が必要だと思うわけですね、近代的な装備なんかした場合に。そうすると、あの沖縄にこのように五百トン以上の船が二隻もある、三百トンから五百トンまでが九隻もある、二百トンから三百トンまでの船が四十八隻もあるということになれば、これはわれわれも常識といいますか、頭の中には沖縄というところは貧因なところなんだ、非常に資金も不自由しているのだというふうな考えがあるわけですね。そういう貧因な沖縄にどうしてこういう大型の船があって漁業経営できるのかどうか、一体資金はどこからくるのか、こういう船をつくる造船能力というものはあるのかどうか、本土でつくったやつを持っていっているのか、本土の船を売船していっているのではないか、いろいろな疑問が出てくる、その実態を知らぬものですから。そこで、琉球政府が許可しておるところの指定漁業に従事している九十三隻の実態というものをどのように把握されておるのか。この資料によりますというと、ほとんど個人名義で行なわれておる、そして一法人が五隻も六隻も経営している、そういう企業もあるわけですが、一体ほんとうに沖縄県の企業が自主経営しているのか、名義は沖縄県の名義になっているが実質経営は本土にあるのではないか、本土の資本がここを経営しているのではないかといったような疑義が出てくるわけでありますが、こういったような実態を把握されておるのかどうか。そして日本におきましては、この指定業種の漁業というものは許可期間が五年であります。ことしは更新期でありますが、ことし更新される。沖縄のほうは、向こうの琉球政府の制度によって一年である、申請は自由である、こういうことになっております。当然沖縄もことしは更新期に入っておるわけでありますが、本土における更新にあたって、沖縄の指定漁業についても一隻一隻検討されて、そうして許可されるのではないかと思うのですが、その辺がどうなのか。こういった経過というようなことについてどういうようにつかんでいらっしゃるのか。これはこれからの沖縄の漁業にとっても大事な問題でありますし、それから日本の本土の漁業にとっても大事な問題であります。と申しますのは、ほとんどカツオ、マグロ漁業でありますが、これはやはりあの南方海域というものに本土の船が出漁していくというようなことでいろいろ競合してくるのではないかというおそれ等もありますので、この辺についてひとつ解明していただきたいと思います。
#211
○政府委員(太田康二君) 私ども一応漁業の許可ないし認可は、先生がおっしゃいましたようにみなし許可、みなし認可で処置をいたしたということでございます。
 そこで、トロール漁業は六隻でございます。私どもの遠洋底びき網漁業に相当するものでございます。その次の機船底びき網漁業は十隻でございますが、これは以西底びき網漁業に相当するといえば相当するものでございます。それから大型カツオ・マグロ漁業、そのうち大型マグロ漁業が六十九隻、大型カツオ漁業が八隻、これは向こうの法律では従来五十トン以上ということになっておったわけでございますけれども、この大型マグロの六十九隻は私どもの七十トン以上の遠洋カツオ・マグロ漁業に相当するものでございます。それから八隻は近海カツオ・マグロ漁業、それは二十トン以上、従来は七十トン未満であったわけでありますが、今回八十トンまで引き上げたものであります。
 そこで主としてカツオ・マグロ漁業について申し上げますと、カツオ・マグロ漁業の実態は、最終的には本土と琉球政府との間で八十一隻にするということで合意に達したのでございますが、実際には八十隻が本土の遠洋カツオ・マグロ漁業として三カ年のいわゆるみなし許可となっているという実態でございます。
 そこで、これらの船は、先生御指摘のとおり全部日本からの輸出の中古船でやっておるわけでございます。私ども、資本的に日本の資本が参加しておるのではないかというような点につきましてある程度調査もいたしたのでございますが、仕込み資金等を商社等がめんどうを見ているという例はあるようでございますけれども、実際に資本が全面的に参加しているというような形での経営はなかろうというふうに考えております。問題はやはりトロール漁業の六隻というものでございまして、この中には、本土におきましては遠洋底びき等につきまして特に新しく許可がないというようなことで、内地の資本が一部参加をしたような形で営まれているものもあるというふうに聞いておるのでございます。
 実態を申し上げますと大体そういうようなことでございます。
#212
○川村清一君 実態の調査が甘いと思うのです。結論的にいってもう少し一隻一隻に当たって詳細にひとつ検討してください。水産庁はしっかり、たとえばサケ、マスなんというものにつきまして十分調査をされておると思います、あなたのほうで許可しておるのですから、ところが実態は水産庁で把握しているようなものではないわけです。これは申し上げることははばかりますが、やはり裏には裏があるわけでございますから、十分ひとつ把握してください。そして、まあ早い話が、端的に言って沖縄を本土資本が食い物にしないように、これはこれだけの船があることは悪いと言っているのじゃないのですよ。これを沖縄の人が経営して、そうしてこれで得られたものが沖縄に落ちるのならいいのですよ。それは私はけっこうなんです。そうじゃなくして、沖縄の人の名前を使って、そうして本土の資本がそれをあやつってその富は本土の資本が吸い上げておるということであるならば絶対これは許すことのできないことであると、私はそういうふうに判断しているわけです。ですから、私自身もこれわからないのでありますが、私のいろいろな経験から憶測してそういうものがあるのじゃないかという強い疑惑を持っておりますから、この点だけはっきり申し上げておきます。
 そこで、いろいろ議論したいことがあるのですが、もう時間になりましたのでこの法律についての質疑はやめまして、最後に、漁業協同組合整備促進法ですね、整促法、これについて簡単に質問申し上げて終わりたいと思いますが、行政管理庁の方がいらっしゃると思いますが、最初にお尋ねをいたします。
 この漁業協同組合整備促進法が廃止になるわけであります。それに伴って整備基金が、漁業協同組合の整備基金がこれまた廃止になって清算されるということになるわけであります。逆に言うと、整備基金を廃止するためにこの整備促進法を廃止する、こういうことになっていると思うわけであります。そこで行管の方にお尋ねするわけでありますが、整備基金をなぜ廃止するのかというと、これは行管のほうから特殊法人は廃止せいという勧告があって、その勧告に基づいて、さきには、四十三年ですか、漁価安定基金が廃止になりまして、今度また整備基金が廃止になる、こういうことになるわけであります。そこで、特殊法人というものは各省庁ごとに一体どれくらいあるのか、全部で幾つ特殊法人があるのか。で、その特殊法人を廃止せよという勧告を行管が出したと言うのでありますが、行管は一体幾つの法人を廃止せよという勧告を各省庁ごとに出したのか。それから農林省に対しましては、さきに魚価安定基金を廃止せよということで、これを廃止いたしました。今回は、整備基金を廃止するということでございまして、さらに聞くところによりますと、農林省所管の日本てん菜振興会というのですか、これも廃止せよという勧告を出しておる、また農林省は、そういう方向に沿って作業を進めておるということも聞いておるわけでありますが、なぜ一体、この漁業協同組合整備基金にしぼってお尋ねしますが、この整備基金を廃止せよという勧告を出されたのか、この辺のことについて事情を御説明願いたいと思います。
#213
○説明員(古谷光司君) お答え申し上げます。
 まず特殊法人の数でございますけれども、五月の十五日現在で百十四であろうかと思います。内訳を申し上げますと、公社――三、公団――十四、事業団――二十二、公庫――十、金庫等――四、営団――一、特殊会社か十一、その他――四十九、計で百十四になろうと思います。
 第二番目の問題といたしまして、行政管理庁が勧告を出したということでございます。実は、特殊法人の整理につきましては、昭和三十九年の九月の臨時行政調査会の答申並びに昭和四十二年八月の行政監理委員会の意見等がございまして、行政管理庁のほうからこうだということを言ったのではございません。ただ、それを受けまして、行政管理庁といたしましては、そういう答申等をもとにいたしまして、各省と折衝いたしまして閣議了解を得たものでございます。
 それから、三番目の日本てん菜振興会、これは先ほど申しました昭和四十二年十月の閣議了解におきまして、日本てん菜振興会は優良国内品種の完成する昭和四十七年度をもって廃止する、こういうように閣議了解をされているものでございます。
#214
○川村清一君 いま問題になっている漁業協同組合の整備基金は、これはどういうことですか。
#215
○説明員(古谷光司君) 整備基金でございますけれども、それは閣議了解で廃止するというよりも、四十七年三月三十一日に任務が終わる、仕事が終わるということで廃止するものでございます。
#216
○川村清一君 重ねてお尋ねいたしますが、この行政調査会あるいは行政監理委員会等から廃止を勧告された法人というものは幾つあったのか、それから閣議で了解をされておるところの法人は幾つあるわけですか、そういう点、おわかりでしたらひとつ報告をいただきたい。
#217
○説明員(古谷光司君) まず臨時行政調査会の答申でございますけれども、ちょっと私、こまかい資料を持っていませんが、十幾つ、十六か十七の特殊法人があがっていると思います。ただし、それは全部廃止するという意味ではございませんで、中には二つ、三つ統合しろ、こういうような勧告になっているかと思います。
 それで、四十二年の閣議了解を申し上げます。まず郵便募金管理会は廃止する。
 魚価安定基金は廃止する。
 三番目、愛知用水公団は、水資源開発公団に統合する。
 四、漁業協同組合整備基金は昭和四十六年度の業務終了をもって廃止する。
 五番、日本てん菜振興会は、先ほど申しました優良国内品種の完成する昭和四十七年度をもって廃止する。
 以上のような昭和四十二年十月十二日の閣議了解でございます。
#218
○川村清一君 行管のちょっと御意見を伺いますが、あるいはこれは行管のほうとしてはお答えできないかどうか知りませんが、この整備基金というもの、これは四十七年三月三十一日で任務を終わる、終わるからこれはなくなる。それで整備基金の実態というものを御存じかどうかということ――。
 私が言いますから、こういう実態なんだということを申し上げますから――。  特殊法人となっておる。そこで、しからばこの整備基金の実態はどうかというと、整備基金は二億の出資金を持っているわけです。この二億の出資金の中には、政府は一文も出していないわけです。政府は一文も出資していないわけです。そうしてその運営は自主的になされているわけです。そうしてその基金で働いている職員というのは、常勤職員が一人です。そうして女の人の職員が一人おる、二人ですよ。こういうものなんです。これを廃止したところで、人間にすると二人なんです。それから政府が一文の出資もしていないのですよ。これでもやはり特殊法人でしょうかね。また、これを廃止したことによって、どれだけの一体メリットがあるのかどうか。行管では、ぎょうぎょうしく廃止する法人の中に入れた。だから、なるほど一つの法人は整理されたと、こういうことになるかもしらぬけれども、その法人の実態はいま申し上げたようなものなんですね。これに対してどう考えるか。これもやはり特殊法人でしょうか。
#219
○説明員(古谷光司君) 実は、特殊法人特殊法人と、私をひっくるめてやはり政府部内で使われていることばでございますけれども、厳格なる特殊法人の定義というのはございません。正確に言いますならば、行政管理庁設置法の第二条の四の二にこういう規定があるわけでございます。「特別の法律により特別の設立行為をもって設立すべきものとされる法人」、これを称して実は特殊法人ということばを使っているわけでございます。中には認可法人というようなことばを使いまして、ややただいま言った法人とは別な取り扱いをしているわけでございますけれども、言わんとするところは、特殊法人の定義というものが確立されていないというところに一つの問題点があろうかと思います。
 それから廃止されたメリットいかん、実はこれは私、答弁能力ないのでございますが、要は、政府といたしましては、極力機構の抑制をはかっているということでございまして、そういう職員が二人だといっても、やはり特殊法人の一の数には該当するものでございますので、今回、必要のないものは廃止をいたしまして、極力行政機構の規模の縮小をはかりたい、こういうことであります。
#220
○川村清一君 行政規模の縮小、けっこうです。けっこうですけれども、これはいわゆる各省庁にわたって公平に、いわゆる適正に妥当にされておるならば、これはけっこうなんです。百十四のこの特殊法人、そうしてぎょうぎょうしくいま御説明あったように、臨時行政調査会の答申だとか、行政監理委員会の決定とかがあり、また閣議の了解を得てやられてきた結果はどうなっておるか。けさほど行政管理庁のほうからいただいた資料で見ますというと、なるほどいままで廃止された法人は十三ある。十三あるけれども、たとえば日本蚕糸事業団だとか――、日本輸出生糸保管株式会社というのは昭和四十年に廃止されたけれども、それは日本蚕糸事業団という特殊法人になって生まれ変わってきておる。石油資源開発株式会社というのは昭和四十二年に廃止されたけれども、石油開発公団というものに生まれ変わってきておる。それから愛知用水公団は、昭和四十三年に廃止されたけれども、水資源開発公団に統合されといったぐあいに、廃止されたものはみんな何らかの形で生き返ってきておって、そして完全に死んだものは何かと言うと、北海道地下資源開発株式会社が四十三年に、魚価安定基金が四十三年に、郵便募金管理会が四十三年に、帝国鉱業開発株式会社が四十五年に廃止された。そうすると、この資料によると完全に廃止されたものは四つしかないんですよ。十三のうち四つしかない。あとは全部何かの形で生き返ってきている。これであんた、行政規模がこれで縮小されたのかと言えるものでないでしょう。百十種の業種の中に、このような状態なんですから、そして私はこの委員会で昭和四十三年には魚価安定基金の葬式をやったわけです。きょうまた漁業協同組合整備基金の葬式をやらなくちゃならない。この委員会で私は二回葬式をやるわけですよ。だから全部にわたってやるならいいんですよ。だけども弱い、いま申し上げた政府が一銭も出資もしていない、そして全く自主的に経営している、職員はたった二人しかない、こんなものを廃止してしまって、そしてそれこそ総裁とか理事長が何十万といったような給料をもらって、やめるときには何千万というような退職金をもらうようなそういうやつは、どんどんいばって生きているわけでしょう。こんなあんた、全く吹けば飛ぶような、ごみみたいなものを廃止して、さもこれで廃止しまして、それで行政規模が適正になりますなんて、どの顔下げてそんなことが言えるかと私は言いたいぐらいの、実際のところ。そうすると、農林大臣、済いませんがね、ちょっとお尋ねします。農林省の、大臣が所管しておる、前には魚価安定基金をなくし、そして今度は漁業協同組合整備基金も葬式するということになるわけですがね、いま申し上げましたように。まあ大臣は閣僚の中でも有力閣僚でございますから、この実態は百十種もあって、そしてこれを整理するものは整理して、そして行政規模を適正化するということは大賛成なんです。ですけれども、いま廃止するというこの基金が、さっきから繰り返して言っていますが、政府が一銭も金を出してないんですよ。政府は何にも干渉してないんですよ。そして職員はわずか二人なんですよ。自主的に運営しているところの法人なんですよ。これもやはり特殊法人だということで廃止する、どうもこれは農林大臣として一意見があってしかるべきじゃないか。閣議の席上あたりでひとつ演説をやってもいい問題でないかと思うのですが、いかがですか、これは。
#221
○国務大臣(赤城宗徳君) 実はいろいろの事情、御指摘を受けましたが、私ども前に閣議できまっていたものを引き継いじゃったようなわけで、それほど主張もしないでここまできてしまったということなんですが、これからいろいろ検討してみたいと思います。これじゃなく、こういう問題を。しかし私は法人としては、特殊法人というものは何かできるだけ少なくしたほうがいいという方針には賛成でございますが、具体的に農林関係でまた出るような場合には、よく注意をしておって、主張するものは主張していきたいと思います。
#222
○川村清一君 まあ時間ですから、私は一言言ってやめますけれども、ほんとうはもっともっと農林省と議論したいところがあるんですが、実は私は、この法律に対しまして非常な愛着を持っているんですよ。一つの経緯があるんですよ。それをひとついまここで、御承知だと思いますが、あえて申し上げたいのですが、この法律が生まれるまでの経緯なんですが、実は言うまでもなく昭和二十四年に水協法が施行された、そこでやはり漁業協同組合がどんどんできていった、全国で三千組合以上も設立された。そしてこの新しい組合が旧漁業会の財産を引き継いだ、赤字を背負った組合もたくさんある。そこで戦後のインフレーション、こういうふうなことから漁業協同組合というものの経営がきわめて不振だ、赤字組合がどんどん出てきた。そこで、国では昭和二十六年に農林漁業組合再建整備法を施行したわけです。それで国がいろいろな政策をやったけれども、良好な結果を得ることができなかったわけです。そこで今度は昭和二十八年に連合会に対しまして農林漁業協同組合連合会整備促進法という法律ができたわけです。それから三十一年には農業協同組合における農業協同組合整備特別措置法というものができた。そうして抜本的な整備をはかった。国がずいぶんこれに対しててこ入れをした。そこで、農協につきましては国がめんどうを見ましたから、この組合というものが立て直り、整備ができてきたわけであります。
 そこで、漁業協同組合は、たとえば農林漁業組合再建整備法であるとか、連合会については農林漁業協同組合連合会整備促進法がありますけれども、単協については、こういう法律がないから、何とかしてこの農業協同組合整備特別措置法のような法律をつくっていただいて、国の力添えによって組合の再建をはかりたいということを望んだわけであります。これが、昭和三十一年ごろからこういう運動が出てきた。当時北海道では、私は当時この北海道の議会の議員をやっておったのでありますが、知事は社会党の田中知事でございましたが、道の条例をもってこの制度を実施したんです。道がこの利子補給をすることによってその不良赤字組合の再建にずいぶん努力いたしました。しかし、これは北海道だけの問題でないから、何とかこれを国の制度をつくって、国の制度化のもとにこの問題を全国的に解決しなければならないということで、北海道が中心になってこの運動を起こしたわけであります。たまたま昭和三十四年の二月に水協法施行十周年記念式があって、記念の全国漁協大会があって、この決議を契機に法制化運動というものが全国的に巻き起こったんです。そこで私どもは北海道から上京してきまして、水産庁あたりにもぜひひとつこれを法制化してくれと、北海道でいま条例でやっているけれども、これは道だけの問題ではないんだし、道の、地方自治体の力には限度があるから、何とか国の力添えによってやっていただきたいということで運動をやったわけです。陳情にも私は来たわけです。これを受けて社会党が漁協整備特別措置法という法案をつくって、これを国会に提出したわけです。これは農協整備法である農協整備特別措置法と同じ思想で「同じ仕組みでつくられて、国が利子補給を行なうというような仕組みになっておった。これが国会に提出したものですから、水産庁も本腰になってこの法制定のために努力すると、準備に入ったわけであります。
 で、水産庁が初め考えておった考え方は、やはり農協整備特別措置法や農林漁業組合連合会整備促進法と同じ制度、やはり国の力添えでもってこの問題を解決しようという、そういう思想であったわけであります。ところが、この法律をつくり、政府が提案をすることになりましてからだんだんその思想が変わってまいりまして、漁業協合組合整備基金という特殊法人をつくって、そうしてこれが利子補給の補給金の交付業務をするということで、それを中心にしまして、この制度というものがつくられて国会に出てきた、こういうことであります。これが昭和三十五年四月二十七日に公布されて、三十五年の六月十五日から施行されてきた。そして、この基金の期間というものは、先ほど言われましたように、昭和四十二年の三月三十一日までの時限立法、整備基金については。こういうような形になって生まれてきているわけです。これが国会の中でいろいろ議論されております。当時の参議院の、私は会議録なんか調べてみましたら、参議院の農林水産委員の委員長は堀本先生、現堀本委員であります。その当時、水産庁の漁政部長はやはり参議院議員になっている林田悠紀夫議員であります。同僚議員であります。この方が政府代表となっていろいろ答弁されている。そして、この法律が生まれるまで、この基金が生れるまで、私どもは北海道のものとしてこの運動の中心になって努力したし、私自身も東京に来て何回も陳情したと、こういう経過があるわけですから、この法律をいま廃止するということになりますと、やはり何となく愛着を感じておるわけです。そこで、任務は全部終わったというならいいんですが、任務が終わったということはどういうことかというと、もう新組合はありません、赤字組合はありません、こういうことであれば、これもいいでしょう。次に、この法律を制定するときの会議録をずっと読んでみますと、当時政府はどういうことを言っておったか。この漁業協同組合のやはり指導というものについて、いま農業の場合には中央会というものがあります、指導機関として。この農業における中央会的なものにひとつこの基金が脱皮した形において、これを、こういうものに肩がわりさせてつくるんだ、そういうことが必要なんだ、というようなことを政府委員ははっきり答弁している。これは、記録に残っているわけです。ところが、現在これを廃止するというについては、中央会のようなそういうような指導機関も何もないわけでしょう。一体そういう指導はどこがやるかというと、これは県漁連や全漁連がやっておる。しかし、漁連はこれは指導というものも、任務を持っているかもしれないけれども、本来の任務はこれは経済団体ですから、経済的な仕事を一生懸命やるわけですね。したがって、一体県漁連や全漁連にまかしてだけでいいのかどうか、中央会的な指導機関は必要でないのかどうか。漁業協同組合を、今後の漁業についての展望などを見るときに、やはりもっともっと指導、助言というものを強化してまいらなければならないということがあるんではないかということが考えられるわけでありますが、そういうものをなくしていいのか。法律をつくるときに、はっきりそういうことを言った。したがって、私に言わせるならば、いわゆる立法の趣旨と相反しているのではないか、もう任務は終わったといって、これをなくしてしまうということについて、私は非常な異議を持っているのでありますが、この辺について、この法案提出者の政府としてはどういうような御見解を持たれておるか。いろいろ御答弁を聞いて議論をしたいことがたくさんあるわけです。用意もしてきているわけでありますが、時間もだいぶおそくなってこれ以上やっておりましても、ほかの議員の皆さま方に御迷惑をかけますので、この質問を最後にやめさしていただきます。
#223
○政府委員(太田康二君) 先ほど行管の古谷管理官からもお答えがあったわけでございますけれども、この法律を昭和三十五年に制定してまいったわけでございますけれども、まあ、この基金の業務が漁協法の整備計画の達成の最終期限、昭和四十七年三月三十一日になっているわけですが、到来をもって終了をすることになっているわけであります。この間、漁港の整備につきましては、当基金の業務を通じまして、相当の成果をあげたというふうに判断されるわけでございまして、なお特殊法人の整理統合に関しまする政府の閣議了解、あるいはその後における閣議決定等もございまして、この際、当基金を解散するということにいたしたのでございます。そうして、その根拠法規でありますところの漁業協同組合整備促進法を廃止するということにいたしたわけでございます。ただ、私どもといたしまして、先生御指摘のとおり、漁協が非常に弱体であるというようなこともあるわけでございますけれども、その間約十何年経過をいたしたわけでございますけれども、立法制定当時と比べますと、出資金額が四倍にふえ、信用事業も貯金残高で十一倍、貸し付け残高で七倍、販売事業取扱いは四倍ということで、大幅な伸張を示している。それから損益状況を見ましても、損失計上組合が全くないわけではございませんが、八百一組合が三百九十九組合にも減るというようなこともあったのでございまして、まあ、それだけで十分とは言えませんので、昭和四十二年から漁業協同組合合併助成法に基づきまして、漁協の合併も推進してまいったのでございますが、同法がさらに昭和五十一年三月三十一日までに五カ年間延長したということもございますので、やはり経営基盤の強化という意味では、漁協の合併促進ということを積極的に進めてまいりたい、この点につきましては、系統団体自身も自分たちの運動として、積極的に取り組むことに相なっております。そこで、私どもといたしましても、これをバックアップする意味におきまして、漁協に対する駐在指導、あるいは巡回指導の予算、あるいは県の合併推進活動のための経費についての助成というようなことも、かなり思い切って本年度はふやしておるつもりでございまして、さらに系統自身の内部でも、今回全国漁業信用事業総合援助制度というような制度もつくりまして、経営不振組合の発生を系統運動によって未然に防止するというような体制をもとっているのでございます。これらの施策を進めることによりまして、漁協の健全な発展育成というものをはかってまいりたい、かように存じております。
#224
○川村清一君 大事なことをひとつ忘れたのですが、恐縮ですが。
 基金が廃止されますと、清算するわけですね。財算を処分したときに、二億の出資金を全部返してしまって、残余の剰余金が出てきたときに、これをどう処理するのか、これが一点。それから、この基金に働いている人が二人いるわけです。二人であっても生活をしている、二人が。この二人の処遇はどうなるのか、この点を御答弁いただきたいと思います。忘れておりました。
#225
○政府委員(太田康二君) 法律の規定によりまして、残余財産の処分ということが書かれております。先生御指摘のとおり、法律の第七条でございますが、一応出資者に対して分配すると、「なお剰余を生じたときは、基金の目的に類似する目的のためにその剰余財産を処分することができる」。これは農林大臣の認可を受けて実施することになるわけでございますが、現在想定されておりますのは、漁業協同組合が協同組合学校を持っているのでございまして、大体これに残余財産を引き渡したらということが想定をされておるのでございます。
 それから、整備基金の問題で職員の問題がございますが、常勤の役職員は、かつては先生の御指摘のとおり、女子の職員もおったわけですが、現在は、事務がだんだん縮小しておりますので、二名ということになっております。専務理事一名、参事一名ということになっております。私ども聞いているわけでございますけれども、参事の方はたしか同じような趣旨で系統団体のほうにいらっしゃるということで、理事の方につきましては、私のほうでめんどうを見まして、温排水の協会のほうにお世話をいたしたということで、円滑に就職ができるというふうに考えております。
#226
○委員長(高橋雄之助君) 三案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#227
○委員長(高橋雄之助君) この際委員の移動について御報告いたします。本日塩出啓典君、初村瀧一郎君、及び小野明君が委員を辞任され、その補欠として山田徹一君、棚辺四郎君及び辻一彦君が選任されました。
    ―――――――――――――
#228
○委員長(高橋雄之助君) 次に、請願第八号国産材の振興対策等に関する請願外五十一件を議題といたします。
 本委員会に付託されております五十二件の請願につきまして、先ほど理事会で審査しました結果、第八号国産材の振興対策等に関する請願外四十七件の請願は、議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第一八号昭和四十六年度農作物の冷害による減収対策に関する請願外三件の請願は保留とすることに意見の一致を見ました。
 つきましては、理事会の審査のとおり決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#229
○委員長(高橋雄之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#230
○委員長(高橋雄之助君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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