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1971/05/26 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 農林水産委員会 第17号
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1971/05/26 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 農林水産委員会 第17号

#1
第068回国会 農林水産委員会 第17号
昭和四十七年五月二十六日(金曜日)
   午後二時十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     棚辺 四郎君     初村滝一郎君
     山田 徹一君     塩出 啓典君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高橋雄之助君
    理 事
                亀井 善彰君
                園田 清充君
                中村 波男君
                前川  旦君
                宮崎 正義君
    委 員
                梶木 又三君
                河口 陽一君
               久次米健太郎君
                小林 国司君
                鈴木 省吾君
                初村滝一郎君
                堀本 宜実君
                川村 清一君
                工藤 良平君
                辻  一彦君
                村田 秀三君
                塩出 啓典君
                向井 長年君
                塚田 大願君
   国務大臣
       農 林 大 臣  赤城 宗徳君
   政府委員
       環境庁長官官房
       審議官      鷲巣 英策君
       農林大臣官房長  中野 和仁君
       農林省農政局長  内村 良英君
       食糧庁長官    亀長 友義君
       林野庁長官    福田 省一君
       水産庁長官    太田 康二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
   説明員
       防衛庁防衛局運
       用課長      福田 勝一君
       厚生省医務局国
       立療養所課長   野津  聖君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
 (当面の農林水産行政に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高橋雄之助君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、棚辺四郎君及び山田徹一君が委員を辞任され、その補欠として初村瀧一郎君及び塩出啓典君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(高橋雄之助君) 当面の農林水産行政に関する件を議題とし、これより質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
#4
○中村波男君 去る五月の十二日の当委員会におきまして、同僚の工藤委員が鹿児島県薩摩郡宮之城町宇都塚国有林十八林班につきまして、いわゆる混合契約、それと一体をなします造林請負について、その不当不法性をただしたわけでありますがいその委員会の質疑におきましては、長官はあまり現地の状況を承知していないので、よく調査をして善処する、そのためには林野庁として現地調査に監査官を派遣する、こういう御答弁があったわけであります。
 したがって、まず最初にただしたいのは、監査官を派遣されまして調査をされた結果、工藤委員が質問いたしました点について、実態はどうであったか、詳しくひとつ御説明を伺いたいと思うわけであります。特に三十七・一五ヘクタールを混合契約によって伐採をいたしたわけでありますが、このことは森林法施行令別表の第二号(一)ロの施行規則二十二条の三によって「二十ヘクタールをこえない範囲内」という指定を受ける地域でありますから、これは明らかに森林法違反ではないかという質問が第一点。
 第二番目には、混合契約によりまして、地ごしらえの契約があるわけでありますが、地ごしらえが終わらないうち――具体的に言いますと 伐木を搬出未済のままで植林が相当面積行なわれた。私たちの調査によりますと、十町歩近いものが搬出未済木のままで、いわゆる山床散材のままで植林をされたという指摘をいたしたわけでありますが、その実態はどうであったか。
 さらに、植えつけ本数の関係でありますが、われわれの調査では、少なくとも植え残したのが仮植として五カ所ないしは六カ所に相当ほうってあった。この本数は少なくとも一万本を下ることはないというふうにわれわれは見ておるのであります。それは全部写真もとってありますので、大体の本数というのは推定ができるわけでありますが、これらの実態から、規定の六万九百本でありましたか、これを植え残しておる。
 これらの点について、特に調査結果というものをまずお聞きをし、続いてその他の問題をただしてまいりたい、こういうふうに考えておる次第であります。
#5
○政府委員(福田省一君) お答えいたします。
 第一点の二十ヘクタール以内の制限の問題でございます。監査官を派遣いたしまして調査した結果の報告でございますが、現地は三十七・一五ヘクタールを三カ所に分けまして、一カ所は九・一九ヘクタール、他の一カ所は十一・〇四ヘクタール、第三カ所ば十六・九二ヘクタールに分けて伐採しておりまして、団地の間には二十五ないし三十五メートルの幅の保護樹帯が残存している状態でございました。したがいまして、森林法施行令の別表に定めておりますところの保安林の施業要件である一伐区の面積二十ヘクタール以内であるというこの要件には合致しておると考えられますので、一応、この点につきましては、違反の問題はないというふうに考えておるところでございます。
 それから第二の点でございますが、搬出未済のまま残っておるのに、地ごしらえも植えつけも終わったと認めて、金を支払ったではないかと、こういう御指摘の点でございます。現地調査の結果の報告によりますというと、三月の二十八日の営林署における検査時点では、三・一七ヘクタールに小径木が十数本ずつまとめられた形で残っていたのでございますが、検査員――これは営林署の経営課長でございますけれども、検査員は注意して搬出することによって伐採木を損傷することはないと判断し、完了と認め代金が支払われたのであると、こういう報告になっておるわけでございます。
 その後の状況を見ますというと、若干――ここは集材機によりまして搬出をしておるところでございますので、苗木の損傷が見られるのでございますが、報告によりますと、若干――といいますのは約二・六%であるとこう申しております。これは手直しをさせるということで、今後はこのようなことが起こらないように指導してまいりたいとは思いまするけれども、実際は植栽をします前に、地ごしらえを完全にしておくことは造林技術上、これは当然のたてまえでございまして、残存木を集材機で持ち上げて搬出するために、まずこれは損傷はなかろうという判断をした点には非常に甘い点があるというふうに、実は私たちも考えるわけでございまして、この点につきましては、今後厳正な指導をしてまいらなきゃならぬと、かように考えておるところでございます。
 それから第三の点でございますが、営林署が支給した苗木六万九百本のうち、三分の二ぐらいはほったらかしであったではないかという御指摘でございます。この点につきましては、事実関係を調べた報告によりますというと、集材土場として使うために、集材機で搬出しまして、トラックに積むまで一たん材を置く土場でございますが、集材の土場に使うために、一たん植栽された苗木二百九十五本が抜きとられまして仮植されておる。しかし数万本の苗木が放置されておるということはないと、こういう報告になっておるわけでございます。掘り取って仮植されている苗木は、材の搬出したあと買い受け人にこれは植え付けさせる、こういうことは申しております。しかし、この点につきましては、現地の監督員の指示に従ってなされなければならぬ点でございます。その点については、現地の監督員の指示に従っていないということも問題がございますので、今後はこの点につきましても厳重な注意を喚起してまいりたい。また、このようなことが起こらぬように指導してまいりたいというふうに考えるところでございます。第三点はそのような事情でございます。
 以上簡単に御報告申し上げます。
#6
○工藤良平君 関連。いまお話しがございましたが、まず第一番の保安林の伐採の際における規定の問題でありますけれども、私は先日もこの写真をお示しをいたしまして回答を求めたのでありますけれども、調査中ということで、明らかになりませんでした。先般はただ会計年度におきまして十六・九二と二十・二三のこの二つの林班の区分によって行なったというお話であったのですが、いまの御報告では、これは実は同じ十八林班の中で三つの区分に分けられておるということでありますけれども、この写真で見ますと、それじゃはたしてその林班の間に二十五メートルないし三十五メートルの保護樹帯が残されているとするならば、その面積は一体どの程度になりますか。どこにそういうものが見られるか、これをひとつ示していただきたい。これはほとんど全景になりますが、頂上の部分には若干ありますけれども、示していただきたいと思います。
#7
○政府委員(福田省一君) こちらのほうで調査した結果の写真をとってきておりますけれども、保護樹帯は低質広葉樹林でございまして、この、先ほど申し上げました三カ所――一カ所は九・一九ヘクタール、第二の個所は十一・〇四ヘクタール、これは前年度採伐したところでございまして、残りの十六・九二ヘクタールは今年度伐採するところでございます。この三つの団地の間に、まあ先生ごらんになったと思いますけれども、谷間に沿って大体保護樹帯が残っておるわけでございまして、面積は……。
#8
○工藤良平君 面積を明らかにしなさいよ、あなたそういうなら。
#9
○政府委員(福田省一君) ただいま調査して御報告いたさせます。これは後刻報告いたします。
#10
○工藤良平君 何のために調査に行ったんですか。二十五メートルないし三十五メートルのその間に保護樹帯があるとするならば、その面積は当然明らかに私は調査をしてきただろうと思う。何のために調査に行ったのか。その面積をいま明らかにしてくださいよ。この前、衆議院でもそのようなかなりいいかげんな答弁がなされていると思いますが、私はその面積をいまここで明らかにしていただきたいと思います。
#11
○政府委員(福田省一君) ただいまこの三団地についての距離、つまり保安林の指定施業要件でごさいますか、これくらいの幅がなければならぬというのが保安林の施業要件でございますが、面積が幾らなければならぬという規定は実はございませんから、その点については保安林の施業要件に違反するものではないと思います。しかし、面積もただいま調査した結果を後ほど御報告いたします。
#12
○工藤良平君 二十五メートルないし三十五メートルの間隔で保護樹帯があったとするならば、それを確認をしてきたわけでしょう。当然その面積は幾らだということはわかるわけでしょう。全体の面積は三十七・一五でありますから、その中で、それではいまそれぞれの境界に保護樹帯があるとするならばその面積は当然私は計算上明らかになると思うんですけれども、明らかにしていただきたいと思います。
#13
○政府委員(福田省一君) 全体の面積が三十七・一五ヘクタールでございますので、先ほど申し上げました一団地の九・一九ヘクタールと十一・〇四ヘクタールと十六・九二ヘクタールと三つ足しましたその差し引きが、三十七・一五との差し引きがいま申しました……。
#14
○工藤良平君 いいかげんなことを言うものじゃありませんよ。いいかげんなことを言うものじゃない。
#15
○中村波男君 三つ合計してみなさいよ。きちっと合うんですよ。そんな計算は小学生でもできるでしょう。
#16
○政府委員(福田省一君) 先ほど申しましたように、後刻御提出いたします。
#17
○工藤良平君 だから私は何のために調査に調査に行ったとするならば、全体の三十七・一五の中から二十五メートルないし三十五メートルの保護樹帯林が残されているとするならば、当然その面積は今度の調査で私は明らかにされるだろうと思って今日まで報告を待っていたんでありますから、当然それは明らかになるのが至当じゃございませんか。
#18
○政府委員(福田省一君) たいへん失礼いたしました。三団地を切ったところを合わせて三十七・一五ヘクタールでございますので訂正いたしておきます。
#19
○工藤良平君 切ったところが三十七・一五ヘクタールであるとするならば、それではその保護樹帯林を含めたもので全体で何ヘクタールになりますか。
#20
○政府委員(福田省一君) 後ほど提出いたします。
#21
○工藤良平君 調査に行ったわけですから、それは面積は調べてきたんじゃないんですか。
#22
○政府委員(福田省一君) 実は私は、その三団地の間の距離のことばかり頭にございまして、面積は実は考えていなかったので、いま持ってきておりませんので、後刻御報告いたします。
#23
○工藤良平君 そういうことで、しかし、林野庁というところは木材の払い下げをやるんですか、立木の払い下げを。私はもう少しりっぱなことをやっていて、自然保護の立場から赤字が出る。出るならば、一般会計から埋めることは当然だということで、この前、大臣の前向きの回答をいただいて、まことにりっぱだというように感心をしておったのですけれども、そういういいかげんなことで払い下げをしていって赤字が出るということならば、私はこれはだれが一体日本の山を食いつぶしているかということになりますよ。そんないいかげんなことをやっているのですか。明らかになぜならないのですか。調査にはだれが行ったのですか。明らかにしてください。
#24
○政府委員(福田省一君) 調査に参りましたのは林野庁の監査官宮岡でございまして、五月十二日から十四日までの三日間でございます。
 なお、幅の問題でございますけれども、最小限二十メートルという制限をしていますことは、土砂の流出を防ぐとか、林分としてまとめるとか、そういったいろいろの理由がございます。ですから、伐区と伐区の間の距離にそういう保護樹帯を残すということは非常な大事な問題でございますが、まあ結果的には御指摘のように面積ということも関連するわけでございますけれども、保安林の施業要件の定めておりますところの幅につきましては、非常に大事な問題でございます。
 なお、御指摘の面積は、ただいま照会しております。くどいようですが、あとで御提出いたします。
#25
○委員長(高橋雄之助君) いまこちらのほうで三十分以内に出してくれということですから、急いでください。
#26
○政府委員(福田省一君) 保護樹帯の面積を申し上げます。一・三一ヘクタールと〇・八七ヘクタール、合計二・一八ヘクタールでございます。
#27
○委員長(高橋雄之助君) もう一度。
#28
○政府委員(福田省一君) 一・三一ヘクタールと〇・八七ヘクタール、合計二・一八へクタール。
#29
○委員長(高橋雄之助君) 三つあるのだよ。それ二つじゃないですか。
#30
○政府委員(福田省一君) 三団地の間にある伐区の二つでございます。
#31
○中村波男君 そこで、長官の御主張によりますと、三七・一五切ったけれども、三つに分けて、その境目に保護樹帯を設けたから森林法の違反ではない、こういう御説明があったわけですね。そこで、まず保護樹帯を設けられた目的といいますかね。保護樹帯はなぜ設けるかというそれをちょっと説明願います。
#32
○政府委員(福田省一君) 伐区と伐区の間に保護樹帯を設けます理由は、一つは山は大体は傾斜地でございますし、まあ、そうでない場合もございますが、その伐区の木を切りますというと、そこから新しく地面が露出しますので、そこからある程度腐植なり土なりが流れ出してくる、それを押えるためにある程度の幅の林分が必要でございます。そこで、いま申し上げた最小限二十ヘクタールあれば、それが可能であろうということが一つでございます。
 次は、切り開いた伐区と伐区の間に台風その他の風が吹いた場合に、いろいろとあとの造林幼齢木に被害を与える。それを防ぐために一つの防風林的な機能があるわけでございます。それが第二点でございます。
 それからもう一つは、一律に一本ずつ並んでおりますというと、非常に抵抗が弱くなる。ある程度固めた林分として保存するほうが、その機能を発揮するためには目的に沿うものであると、そこで林分としての構成分として考えますならば最小限二十ヘクタール必要であります。この場合は二十五ないし三十五ヘクタールでございますので、いま申し上げた点を十分補い得ると、そういうふうに判断するものでございます。
#33
○中村波男君 いま保護樹林の……。
#34
○政府委員(福田省一君) 失礼しました。いま二十五ないし三十五ヘクタールと申し上げました。メートルの間違いでございます。
#35
○中村波男君 なお、保護樹林の機能についての説明があったわけでありますが、私は何といっても保護樹林は水害を防止する、いわゆる土砂の流出、崩壊を、山の崩壊を防ぐ、ここに大きな機能としての重要視しなければならぬ点があると思います。そこで、五月の十九日の衆議院の農林水産委員会で瀬野委員の質問に、長官は、私がいま質問を申し上げましたような観点に立つ質問に対して、保護樹林を設けて区切ってあるから森林法違反ではないという説明の中で、こういう御答弁をなすっていらっしゃるわけでありますが、「この一応二十メートルにいたしました理由は、これくらいの距離がございますと、大体において上部から出ました土砂をある程度とどめ得るということが一つ、それから防風上の効果を考えた場合に、これくらいの幅があればよろしいということが一つ、」まあ、まだそのほかにいま述べられたようなことは述べられておるわけです。そこで現地の保護樹帯というのは、いま私が読み上げましたような機能を果たすところに残してあるというふうに長官は御報告を聞いていらっしゃいますか。いま私が申し上げましたように、土砂の崩壊を防ぐと、土砂の流出、山はだの崩壊を防ぐという機能からいきますなら、やはりこれも山すそに、沢沿いに残すというのが、私は保護樹林としての当然設定すべき場所だと思います。現地の保護樹林は、どういうところに残してあるか、御報告をどういうふうに聞いておられますか。
#36
○政府委員(福田省一君) 現地の報告によりますというと、沢通りと、それから峰通りに、両方に残しておると、こういう報告でございます。
#37
○中村波男君 私が現地を調査したのによりますと、沢通りとは私は、言えないんじゃないかというふうに気づいたわけです。それから、ほとんど残してあるのは峰沿いに残してある、頂上のところに残してある。私は、保護樹林を残した目的は、これは水害上の目的ではなくて、これはどの山でも植林をいたします場合には、植えたものの防護上、頂上沿いに保護樹帯を残すということをやっておるわけでありますから、したがって、私は、こういう理由で三七・一五を切ったことは森林法違反でないということは当たらない。それはどこまでも詭弁である、こういうように私は考えておるのでありますが、これに対する御見解はいかがですか。
#38
○政府委員(福田省一君) この伐区と伐区との間に残しますのは、川内の営林署に限りませず、全国的な問題でございますが、原則としまして峰通りに残すようにしております。なお、沢通りに残しますものは、やはり土砂から渓流を保護するという意味も一つございます。しかし、一般的には先ほど申し上げた三つの機能、これを考えておるわけでございまして、峰通りに残す場合のほうがむしろ多いのでございます。
#39
○工藤良平君 さっき私が写真を見せたように、あなたの目的からいたしますと、当然ここに、これはシラス地帯ですから、ああ川内は。この峰伝いに当然残さなきゃならぬ。がけくずれが至るところに起こっておる。このがけくずれの中に一本だって木が残っていやしないじゃないですか。目的と全く反した形で行なわれている。私の写真を回してください。委員の皆さんに見てもらってくださいよ。あなた、そんな詭弁を弄してもだめですよ。机の上と現実とは違うのです 全く違うのですよ。――そのうしろからいろいろ言っている人、あなたは現場を見たんですか、あなたが宮岡さんですか、現地を見てきた方……。
#40
○説明員(福原正雄君) 違います。
#41
○工藤良平君 それじゃ要らぬことを言いなさんなよ。いま、この写真を見て、あなたがほんとうに峰伝いにがけくずれなり、水源涵養林対策として保護樹帯が残されているとするなら、あなたが御指摘してみなさいよ。一本だって木は残っていやしませんよ。たいへん大きな問題なんです。
#42
○政府委員(福田省一君) 監査官が写真をとってまいりましたので、ただいま持ってまいります。
#43
○中村波男君 最初に私が質問した中で、山床散材のままで私たちとしては十ヘクタール近いものがあったと、そのまあ中間に植樹が行なわれた、こういうふうに指摘をしたわけでありますが、この山床散材のままの面積は、調査の結果、どれほどあったということになっておりますか。
#44
○政府委員(福田省一君) 五月十三日現在で一・三五ヘクタール、約百三十立方メートルの材が残っております。
#45
○中村波男君 五月十三日といいますと、完了検査を行なわれたのが二十八日でしょう、三月の二十八日ですね。それから搬出をしたのであって、三月二十八日現在には、私たちが指摘したように、十町歩近くあったということを認めますか。
#46
○政府委員(福田省一君) 三月二十八日の営林署におきます検査の時点では、三・一七ヘクタールの小径木材が数十本ずつまとまった形で残っておりましたが、検査員の検査野帳は、先ほどお話ししましたように、注意して搬出することによって植栽木を損傷することはないと判断し、完了と認めて代金を支払ったのでございますが、ただいま申しましたように、五月十三日現在で一・三五ヘクタール、百三十立方メートルの材が残っておるのでございます。ただ、材の搬出につきましては、この場合は混合契約は地ごしらえと伐採でございますが、伐採の搬出期限は二カ年にわたっております。
#47
○中村波男君 三七・一五ヘクタールを混合契約では、一度にいわゆる契約したわけですね。三七・一五を一度に契約をして、契約をしたのは昭和三十六年の六月二十五日ですね。それから三七・一五の搬出期限というのは昭和四十七年の十一月三十日です。その契約の限りにおいては、山床散材が、いわゆる搬出未済木があってもいいわけです。そのことを私はきょうは指摘をしているのではない。三七・一五の植林の請負契約の中には、これはいわゆる山床散材のままで木を植えてもよろしいという契約内容でありますか、その点、明らかにしてください。
#48
○政府委員(福田省一君) 先ほども私から御説明しましたように、本来は地ごしらえが完了してから植裁をし、その前に山元にありますところの切りました伐採木を搬出してから地ごしらえすべきものでございます。それを現地に行きました検査員が、材がそこに散在してはおるけれども、これは集材機で持ち上げて運び出すのだから、その間に植えても差しつかえないというふうな判断をしていたところに非常に甘さがあると存じます。ただ、この混合契約の内容は、はっきりと売り払い木を搬出したあとに地ごらえしなさいとは書いてありませんが、地ごしらえはちゃんと筋立てをして搬出に、植裁に支障のないようにしなさい、あとは現場の監督に従ってやりなさいと、かように指示しております。その上に、また契約の問題もございますけれども、私は、非常に判断が甘かったということは率直に認めなきゃならぬ、かように思っております。
#49
○中村波男君 判断が甘かったなんていうような問題ではないんじゃないですか。十アールとか二十アール特殊な事情があってまだ山床散材があるけれども、それはいわゆる搬出その他において植樹された苗木に折損あるいは害がないという認定があったからやったということなら、私たちも重箱のすみをつっつくようなことを国会で取り上げようとしません。あなたのほうがいま認められた面積ですら三ヘクタール以上がいわゆる完了検査を行なった時点では、山床散材のままであったんだと、こういうことでしょう。そういうのを完了検査をして異常なしと報告するその検査のやり一方、林野庁の職員の感覚が問題ですよ。そう思いませんか。判断が甘かったというような程度のことでありますか。どうですか、それは。
#50
○政府委員(福田省一君) まあ、御指摘の点でございますが、やはり材が残っている間に植えているという写真の報告でございます、私も写真見たんであります。したがいまして、材をそこから運び出すというと若干新植した苗木がいたむ場合がございます。それについては必ず植え直しをさせると現地からそう申しております。ただ、一定の期間内に早く造材をしてしまおうというふうなことが、かような結果になったものだと判断いたします。この点については厳正にさようなことのないように、計画的に地ごしらえが終わったところを植えると、それから搬出が出たあと地ごしらえするという手順は、厳正に守るように指導してまいりたいと思っております。
#51
○中村波男君 早く木を植えなきゃならぬと、植樹するには適期がありますからね。いつまでたっても、いいということであってはならぬことはよくわかります。経過をたどってみれば、昨年の六月混合契約を行なわれて八カ月か九カ月三月までにはあるわけでしょう。その二十ヘクタールの分が完全にいわゆる伐倒木を撤去して、その上で規定の整地を行なう期間的な余裕というものは十分あったはずですよ。また、そういうことを見通して混合契約をすべきであり、造林の請負契約を行なうべきですよ。それを行なわなかったということは、これは明らかに造林の請負契約の大きな違反ですよ。そう思いませんか。
#52
○政府委員(福田省一君) 御指摘のように、ちゃんと丸太を搬出したあと地ごしらえをし、地ごしらえをちゃんと終わったあとに植えつけをすべき手順でございます。ただ、したがいまして、御指摘のように搬出がおくれて、それで地ごしらえが間に合わぬという状態であるならば筋立てができたというつもりのようでございます、判断は。しかし、この場合は、明らかに契約の変更手続をとる等の措置をすべきものでございます。したがいまして、この点につきましては、木は植えてとにかく集材機で出すんだから、たいした支障なかろうというふうに判断したことが甘いということを私は申し上げておるのであって、契約書の内容は先ほど申しましたように、筋立てをちゃんと行ない、あとは現場の指示に従えと、こういうふうに出ております。その点につきましては、やはり指示の点につきましても、はっきりした方針を出して、契約の条件についてもやはり今後厳正に実行してまいりたい、監督の面につきましても厳正に指導してまいりたい、かように考えております。
#53
○中村波男君 混合契約の際に、筋立てを行ない、あとの整地のやり方については、監督の指示に従え――向こうの営林署長に聞きましても、仕様書というのはっけられておりませんね、契約書に。私たちが現地を見まして他の造林地帯と比べて、いわゆる筋立てがしてありまするけれども、その筋立てのぼさとか言うんだそうでありますが、いわゆる伐木をして枝とか用材あるいはパルプ材として使えないものをずっと積んであるわけですね。そのほさ面積が整地面積より広いようなところが、三間どころではない、ほとんどとは言いませんけれども多いわけですね。こういう私は仕様書はあり得ないと思うんです。だから、六万九百本植えたといいましても、いわゆるできるだけ均等に間隔を保って植えるという目的からいいましても、また植えるほうからいえば、いわゆる手間が省けて早く造林ができるという、こういう結果に現実というのはなっておるということを見まして、全くその請負のずさん――監督のさっき指示に従わなかったとおっしゃいますが、私は従わなかったのではなしに、監督をしておったかということを疑いたくなるのであります。従わなかったら、もう契約違反としてびしびしやればいいわけです。本質的には、特定な請負者に請け負わせて、いわゆる林野庁の特定の幹部職員との癒着がこういう監督上にも手心が加えられ、ばく大な山床散材を残した中で、整地は完了したという完了報告を出させておるところに問題がある、そのことが私は、この国会で追及をしなければならない重点であります。この点どうお考えですか。そういう点は全く手落ちがないと、こういう事例というのが往往にして従来からあるんだという感覚であったんでありますか。そういうことも今後許されるという方針でありますか、いかがですか。
#54
○政府委員(福田省一君) 伐採をし、伐採された材を搬出し、そのあとに残った枝条を片づけて地ごらえをし、地ごしらえが済んだあとにきちんと植える、手順はたびたび申し上げておりますように、かようでございます。御指摘のように、売りました木を全部運び出したあと、残った枝条を全部取り払ってきれいにし、全地をきれいな状態にしてそれから植えつけをする場合も、ヘクタール三千本とするならば間隔は何メートルときちんとはかって、これを距離を正確に植えておけばよいという性格のものでございましょう。しかし、実はまず第一点のぼさが残っている点でございますけれども、なぜぼさを残しておるか、昔はきれいにそこを掃除していたものであります。そのぼさを残しておるということは、やはり崩壊を防ぐとかという問題もございますし、ある程度請負ばかりじゃなくて直営生産事業の場合におきましても、こういう筋立てあるいは穴の状態にする、筋の状態にする、ある程度周囲にぼさを残すほうがあとの林地の補植の形成、あるいはかんがい、その他の被害の予防、そういう点を考えまして、最近はそういう指導をいたしております。ただ、丸太が、残っていたところは、先生御指摘のように問題でございます。それから、一本一本きれいに植えなければならぬと申しましても、これは、あるドイツの例でございますけれども、きちんと岩の上まで土を持っていって植えたというような話もあります。そういうようなことはやめて、湿地のようなところは避けるとか、適正なところに植える。同じ区域の中でも、ある程度、ヘクタール当たりに換算しますと、薄いところもあれば、濃いところも出てくるのは当然でございますから、仕様書にその点をきちんときめられないものだから、現地の指導員の監督に従いなさい、こういうことを指導しておりますことは、直営生産事業の場合も同様でございます。
#55
○中村波男君 お互いに貴重な時間ですから、一般論でごまかさないようにしてください。私はぼさがあること、いけないなんということは一言も言っていませんよ。当然地ごしらえとして、ぼさを横筋に残すところもありましょうし、縦筋に残すところもある。当該山は縦筋に残してある。そのぼさが、いわゆる私たちが造林技術として承知しておる範囲をこえたいわゆる乱雑に広い幅にまたがって残してある。こういうことは少なくとも林野庁の施業計画、あるいは仕様書の規格から言えば、あまりにもずさんではないか、広すぎるじゃないか、このことを指摘したのです。だから、おのずからぼさ面積が多ければ、今度は植林面積が少なくなる、そういうことが植林の五十年、六十年の将来を考える重大な、植え方として適切であるかどうかという点に私は質問をいたしたわけであります、どうですか。
#56
○政府委員(福田省一君) あまり理屈ぽいことを申し上げてたいへん失礼いたしました。現地につきましては、現地の計画に従って、ぼさをどの程度残し、どの程度植えるかということは、それぞれの営林署において指導したものと思います。この点につきましては、御指摘のとおりでございますが、ただ、私の申し上げたのは規格を同一にし、全国どこでも同じにするということではなくて、指導員の監督に従ってやるべきであるということを申し上げたわけでございます。
#57
○中村波男君 これは、また総括的に集中的に質問しますが、次は、いわゆる植え残しですね、官給といいますか、営林署が苗は提供したわけですね、その本数が六万九百本でありますが、私たちの調査をした四月四日現在、少なくとも一方本以上が仮り植えとして五カ所あるいは六カ所にまとめて残っておったわけですね。これは明らかに規定の本数を植えなかった、完了検査の終了した時点においては一万本以上が植え残しておった、このことははっきり指摘できると思いますが、いかがですか。
#58
○政府委員(福田省一君) 当方から派遣しました監査官の調査の結果の報告では、集材の土場として使うためにいったん植栽された苗木二百九十五本が抜き取られて仮植されておった、しかし、数万本の苗木が放置されていることはない、こういう報告でございます。
#59
○中村波男君 なるほど二百九十五本ぐらいだと私も見たのでありますが、いわゆる木材の集積場といいますか、専門的なことは忘れましたけれども、そこに植えてあります。私は、その程度のことならやむを得ぬと思うんですよ。しかし、千本や二千本ではなくて、少なくとも一万本前後の苗木が植え残しておった。これはただ単にうわさとか、攻撃のためにうその数字を申し上げておるのではなくて、いまここに写真を持ってこなかったのでありますが、五カ所にわたって全部写真をとってありますから、そういうのは必要だという場合ができれば、証拠物件で出したいと思いますが、これは調査された方が、現地の営林署の説明にごまかされてきた以外に言いようがありません。もっとも五月十二、三日にお出でになったのですから、四月から五月で五十日くらいあとのことでありますから、三月末の原状を把握することは不可能である。したがって、正確な本数を確認をしろということは、無理でありまするけれども、二百九十五本ありましたなどと言って国会答弁をのがれようとされるならば、私たちは調べる方法を持って調べなければならぬ、こういうふうに思いますが、どうですか。
#60
○政府委員(福田省一君) こちらのほうから私、官給しました苗木本数は、わかっております。ただいま確認したのは、二百九十五本でございます。はたしてその差額が全部植えられていたかどうかということはなかなか確認しにくい問題でございます。したがって、調査時点におきましては、ある程度プロットを設けて調査した模様でございますけれども、現在これはたいへんな問題でございますので、もしこれが事実とすれば、これは全部調べなければならぬと思うわけであります。そこで、このプロットの数をさらにふやしまして検査を続行するようにいたさせております。
#61
○工藤良平君 関連。その問題について、私は先般の質問からどうしても納得できないわけでありますけれども、私がここに持っております写真は仮り植えに、仮植をしてある残量です。これおそらくこのまま私ちょっと概算してみたのですが、二千本くらいあるだろう、ヒノキが多いのですが、二千本くらいあるだろうと推定したのですが、そうすると五カ所にこういうものが残っているとすれば、約一万本残っていると私は推定しました。あなたは二百九十五本という答えでありますが、これは四月四日、いわゆる植え付け完了検査が終わって代金を支払った後に残っておった、苗がこういうことであります。これは間違いなくその四日時点の写真でありますから、間違いないと思います。ほかに植え付けた写真もあるわけです。私がこれを一万本と推定をした場合に、その後の調査で明らかになった点は、一万本は、きわめて今日までいわゆる川内営林署が行なってまいりました過去の肥薩産業に植え付けさせた仕事との関連の中でぴたっと一致するわけであります。それは四十五年の十七林班における植栽の内容というものを見てみますと、これが三八・五五ヘクタール、これに対しまして契約本数がこれは後ほどお聞きをいたしますが、保安林の指定施業要件のヒノキ、スギの植え付け本数からいたしますと、私は違反をすると思うのでありますけれども、ヘクタール当たり二千五百本で計算をして契約は行なわれております。したがって、この本数が九万四千九百本、この一万本が二〇・二三ヘクタールの契約本数と計算をして見ますと、五百本一ヘクタールで残したとするならば、ちょうど一万本に合致するわけであります。これは偶然かもわかりませんけれども、私はこの肥薩産業は四十五年度までに行なってきた一ヘクタール二千五百本という基準をもとにして植えつけられた。したがって、ヘクタール当たり三千本の苗木を持ち込んだ結果からするならば、一万本の苗木が余るということは当然であります。過去そういう契約を行なってきた。しかも、あなたのほうからは保安林における指定施業要件として三千本ないし四千本という基準を示しておきながら、林野庁そのものは二千五百本という契約をしているという事実が明らかにされているわけでありますが、そういたしますと、私はこの写真にある一カ所約二千本、したがって、約一万本の植え残しがあったとしても、別に不思議ではない。こういうことが暗黙の了解の上に行なわれておったとするならば、これは林野行政の中できわめて大きな問題だと思いますよ。この点について、長官、事実関係を明らかにしてもらいたいと思います。私は二百九十五本なんということでは、全くこれは納得できるものではありません。
#62
○政府委員(福田省一君) ただいま御指摘の点は、これは重大な問題でございます。ただ先ほど申し上げましたように、現地の絶対本数を全部調査さしたいということで継続しておりますけれども、もし今年度のこの問題以外に、ただいま先生御指摘のように、過去においてもそういうふうにこちらが三千本出したのに初めから二千五百本しか植えていないということになったならば、これはたいへんな問題でございます。この点も十分調査いたしまして、この事実関係を明らかにして、厳正な処置をとってまいりたいと思います。
#63
○工藤良平君 私は、長官、ぜひ調査をしていただきたいと思います。肥薩産業がこういうことで、しかも、それが営林署の契約の中にうたわれているとするならば、たいへん重大な問題だと思います。十七林班、四十五年の植栽においてそういうことが行なわれておるという事実が明らかにされておりますから、これはぜひ明確にしていただきたい。しかも、私はこの前も指摘をいたしましたけれども、その後における補植、これは直営でやっておるようでありますけれども、この肥薩産業の植栽をしたその後における補植の状態を見ても、先般お話ししましたように、約二〇%から三〇%の補植を行なっているという事実が明らかにされている。きわめて重大な問題であります。全国平均の補植率は幾らになっているかということも、先般お聞きをしましたけれども、これは数倍という率は高い補植をしているわけでありますから、私はたいへんこの問題については林野庁としても重大な問題だと思いますから、ぜひ明らかにしていただきたい、このように思います。
#64
○政府委員(福田省一君) 御指摘の点につきましては、過去の問題も含めまして十分調査しまして、この点を明らかにして厳正な処置をとってまいります。
#65
○中村波男君 それから、私が三、四日前に現地に参りまして調査をしたのでありますが、今日なお、二千本程度だと思いますが、杉、ヒノキの仮植されておるものがあったわけですね、仮植えになったのが。私が見たのは二カ所でありますが、まだそのほかにあるかどうかは、全山を調査するわけにいきませんからほんの限られたところで二カ所、仮植中の二千本ぐらいの苗木を発見したわけです。そうして現地を見ますと、私が調査に参った前日ごろ植えたと言われておりますし、植えたと見られる苗木が相当あるんですね。補植しておるわけです。そこで、現地の営林署長に聞きますと、これは業者が自発的に補植をしたんだ、こういう説明でございました。したがって、この事実から見ても、これは私たちが指摘したように、既定の本数がいわゆる植えつけられておらなかった。したがって、新聞にも出ますし、われわれの調査も行なわれるということで、あわてふためいてそれらの事実を隠蔽するために、急遽人を動員して、いわゆる植えつけたと言わなければならない事実をまず私は、長官に申し上げるわけです。この点について何か現地の営林署から報告が来ておりますか。
#66
○政府委員(福田省一君) この点につきまして現地のほうとの連絡、報告をとったのでありますが、申し立てによりますと、搬出する際に損傷した、植栽木が傷ついたものがあるのでそのあとを植えようとしておるんだと、こういうことを申しておったそうでございます。署長は、こういう際だから、こんなことをやったんでは疑いも受けるじゃないか、それはやめろと、こう言って、それを中止させて水仮植か何かしたというふうなことで、一応宮林署長はそれを差しとめたというふうな報告を受けております。
#67
○中村波男君 長官、それは私たち重大だと思うんですよ。三月二十八日に完了検査が行なわれて、代金が三月三十日に支払われたいわゆる造林地でしょう。そのあとに、いまの御説明でいいますと、営林署の許可も受けずに、業者がいわゆる材木を運び出すときに木をいためたから自発的に植えておるんですと、ちょっと聞きますと美談でありまするけれども、少なくとも他人の山へ無断でまた木を植えに入るというような、またそういうことをいわゆる許すということ、またそういう現実に木を補植しなければならないようなものを完全に規定どおり植樹が行なわれたとして完了届けをいわゆる出し、これをまた確認する報告をした営林署の係官、問題はありませんか。これはどうですか。
#68
○政府委員(福田省一君) 御指摘のとおりでございます。すでに検査を完了し代金を支弁しておりますその後においてそういう行為がなされるならば、これは証拠隠滅という疑いをかけられるのも当然でございます。したがいまして、先ほど申し上げたように、署長がこれを差しとめたということは、適正な処置であると思います。
#69
○中村波男君 その措置は、適正であるかもしれませんけれども、それもおそらく私たちが出かけるということで差しとめたんじゃないかというようなことを地元で言っておった人もおりました。それはまあ、どうかわかりませんけれども、全く業者とのなれ合いといいますか、癒着ぶりは目に余るものがあるというふうに長官もお思いになると思うんですよ。お思いにならなければ、うそですわね。
 そこで、もう一つ、私はこういう問題が起きた本質と申しまするか、大きな禍根と申しますか、これは造林計画では二カ年にわたって植えるということが最初から計画としてあったわけでしょう。それを三七・一五、一度に混合契約で木を切らせる。森林法で二十ヘクタールという制限をしたのも、大面積を皆伐すると、いわゆる山地の崩壊その他水害による被害が大きいから二十ヘクタールという制限を設けたんです。したがって、これを二つに区切って切るべきものは切るべきであると、したがって、木を切るのは二カ年にわたって一度に契約をしておるということは、四十七年度に施業するところの植林も引き続いて同じ業者にやらせるという前提が、約束では、文書上の約束はないかもしれませんけれども、これはもう常識として約束されたも同じ措置がとられると思うんであります。こういう点について川内営林署の行なった三七・一五の混合契約は、妥当だというふうに監督官庁の最高としてお思いですか。
#70
○政府委員(福田省一君) 南の事情、北の事情いろいろございますけれども、立木を売り払いいたしますというと、たとえて申しますならば、三月に入ってから売りますというと、これはどうしても翌年度にかかるのはいたし方ないところでございます。したがいまして、販売の点だけを取り上げますというと、半月でも二カ年にわたることもございます。で、混合契約の問題につきましては、十分先生御承知かと思うんで、また御説明申し上げるとおこられるかもしれませんですけれども、これはやはり木を売るほうと、あと下ごしらえするほうと分けてやったほうがすっきりいたします、別々にやったほうか。しかし、――この点御説明してもよろしゅうございますか。
#71
○中村波男君 いや、そんなことは必要ないです。ぼくの言ったことに対していいか悪いかということだけ言えばいいです。
#72
○政府委員(福田省一君) 適当であると思っております。
#73
○中村波男君 あっさり御返事があったんですがね。三七・一五。しかし、造林の計画では二〇・二三と一六・九二に分けて造林をするわけでしょう。造林をするということは、来年の二月から三月にかけてやるということですよ。そうすれば混合契約も造林とあわせて二年にわたって契約をし、できるだけ木を切るのはあとに残すべきだ。いま切らなければならぬという、そういうものではない場合には、木はあとに残すべきだ。そういう行政措置を当然私は、とるべきものだ。便宜的に三七・一五を一度に混合契約として切らせるというやり方は、これは私は、やり方としては、うまいやり方ではない、こういうふうに考えて御質問したのでありますが、長官はこれでよろしいと、こういう御回答ですね。そうですが。
#74
○政府委員(福田省一君) 契約を三つに分けまして、植えつけと、それから混合契約とそれぞれ契約しましたことは、これは混合契約の趣旨からいきまして適当であると、かように思っております。
#75
○中村波男君 それなら逆に聞きますが、私が申し上げるように、二度に分けたらどういう支障がありますか。
#76
○政府委員(福田省一君) 伐採します場合に、これは先ほどちょっと申し上げましたように、三月に処分いたしますというと、どうしてもこれは翌年度にまたがります。したがいまして、販売のほうのいわゆる売るほうの契約は二カ年度にまたがったわけでございます。ただ、伐採する行為は順ぐりに進んでいきますから、当年度に、というのは四十六年度に完了するものと、四十七年度に完了するものと二回になるわけでございますけれども、契約は、販売のほうの契約は一本にしておるわけでございます。地ごしらえのほうは、これが終わってから地ごしらえし、こちらのほうが終わってから地ごしらえするわけで、両年度それぞれありますけれども、混合契約の趣旨からいきまして販売のほうと、それから地ごしらえのほう一緒に混合契約したわけでございます。造林のほうは、それが済んでから造林をするために、造林のほうは別途の契約になっております。
#77
○中村波男君 かりに、混合契約として三七・一五を一度にやったとしても、木を植えるのは二カ年にまたがるわけでしょう。残りの一六・幾らの造林地について来年の二月か三月にいくわけですよ。だとするなら、請負契約の中で二〇・一五は、いわゆる伐木を終わるのはいわゆる植林にかかる前、あるいは一月の末でもいいでしょう、二月十日でもよかったでしょう。しかし、残りの分についてば、ことしの四月から十二月という期限をつけて切らせるべきではないですか。いわゆる水源涵養という保安林の使命からいいましても、何も急いで木を切らせる必要はなかったと思うのであります。木を切らせたのは、植林をするためである。植林は一年もあとに行なうのでありまするから、それを一度に木を切らせる必要はなかったのではないか。木は現実に、もうすでに一緒に引き続いて作業が行なわれて切り倒されていまおるのです。そのこと御存じでしょう。その点を私は、指摘しておるのです。行政措置として、もう少し知恵を働かせてやるべきではなかったか。違法とかなんかという立場ではなくてですね。指摘をいたしたのは、そういう観点です。
#78
○政府委員(福田省一君) 造林の契約につきましては、四十六年度と四十七年度と分割しております。で、大事なのは、ただいま御指摘ございますように、木はなるべくゆっくり切ったほうがいいではないかという御指摘でございますけれども、この点はちょっと、私はむしろ切ることがきまりますれば、なるべく早く切ってしまって、なるべく早く植えたほうが、これはあとの造林の、自然保護の関係からいきますというといいと思っておるわけであります。ということは、樹木は切ったあとしばらくさらしておきますというと、日照がありまして、腐植が非常に速くなるということでございますので、本来ならばこれは切ることにきまりますれば、できるだけ早く切って早く植えるというのがたてまえでございます。しかし、非常に土地が荒れることが心配な場所は、皆伐を避けてそこで択伐に持っていくという趣旨でございます。この場所につきましては、したがいまして、水源涵養保安林でございますので、面積は一団地は二十ヘクタールにし、そうして伐採したならば早く植えると、切って早く植えるために、まず第一前提として、切って早く地ごしらえしなきゃならぬ。切って早く地ごしらえをするには、切る人と植える人と地ごしらえする人が一緒にやったほうが早い。これはもうよくやるというのがたてまえで、実は混合契約という制度を設けているわけでございます。
#79
○中村波男君 長官と議論かわしておりますと、こっちもどうも頭が変になる。早く植えよ早く植えよと言ってですね、四十七年度分は来年の二月か三月でなきゃ植えぬでしょう。いつでも木を植えるわけにはいかぬでしょう。木を植えるには適期があるでしょう。だから大体二月か三月植えるでしょう。そういう点からいってですね、四月なら四月、第二期工事として契約を結んで、そうして来年の木を植えるまでに伐採を行ない、搬出をする期間的な余裕が十分ありますから、私はそういう観点から三七・一五一度に混合契約をして一度に木を切らせることは、やり方としてはまずいじゃないかということを指摘しているのですが、がんとしてそのことをお認めになりませんから、これはまあ幾ら議論をしましてもですね、長官の考え方が変わらない限りは、どうにもならぬ問題でありますから、次の質問に移りたいと思いますが、私は考えられてしかるべきではないかと思うわけです。
 もう一つ実際に山を見まして、感じたのでありますが、混合契約は言うまでもなく、森林資源充実特別開発事業、いわゆる特開事業として、混合契約によって立木処分を行なうものであります。そこで、今回の問題になっております森班のヘクタールあたりの林分はどれだけであるか、お聞かせをいただきたいと思う。ヘクタールあたりの林分ですね。十八林班の混合契約で売却された山の林分ですね、どれだけありますか。それから全国平均の林分はどれだけになっているか。
#80
○政府委員(福田省一君) 林分と申しますのは、材積のことでございましょうか。
#81
○中村波男君 はい。
#82
○政府委員(福田省一君) ただいま計算いたします。面積とあれはわかっております。
#83
○中村波男君 全国平均でどれだけですか。
#84
○政府委員(福田省一君) 全国にいたしますと、蓄積が十九億立方メートルでございます。それから面積二千五百万町歩でございますが、ちょっとヘクタールあたり計算しておりますので出します、ちょっとお待ち願います。
#85
○中村波男君 じゃ私が調査したのを申し上げますから、違っておるというなら御指摘いただきたいと思うのでありますが、全国平均林分は百二十立米だと、たしか林野庁の資料によって、私は承知をしたところでありますが、それから今回の問題の十八林班の林分は、百六十立米であるわけです。これを比較しましても、いわゆる特開事業としての低質林分の山であるかどうかということについては、これは問題があると思うんです。その点はいかがですか。
#86
○政府委員(福田省一君) 全国平均では約百二十立方メートルでございます。十八林班につきましては、御指摘のとおりでございます。
 ただいまお答えしましたように、全国平均百二十立方メートルでございます。しかし、主伐いたします林分の対象林は、大体は全国平均が二百五十立方メートルぐらいになっております。ここの場所につきましては、御指摘のとおり、百六十立方メートルでございますので、中身はやはり低質広葉樹林が主でございます。大体は全国平均から見ますというと、低質広葉樹林を対象に、私たちは混合契約をいたしまして、拡大造林を進めておるわけでございます。この数字から見ますと、全国平均に比べますと適当なことだろうと思っております。
#87
○工藤良平君 いま長官は、これは適当だというお話ですけれども、森林資源充実特別開発事業で払い下げる場合ですね。一ヘクタールあたり百立米以下の効率の悪いものということになっていると、私たちは理解をしておるわけでありますけれども、そうするとこの十八林班の場合には、百六十立米であるということになると、やはり特開で払い下げるということについても、若干疑問が残るのでありますけれども、その点はどうでしょうか。
#88
○政府委員(福田省一君) 低質広葉樹林と申しますと、大体。パルプ材以外には向かぬような山が主でございます。御指摘のとおりでございます。ただ、この低質広葉樹林というのは、ここの場合百六十立方メートルでございますが、ただ、全国的に見ますというと、昔から薪炭林を主とした山の多いところ、たとえば岩手県であるとか高知県の西のほうであるとか、こういうようなところは、最近は木炭生産が振るいません。需要がないわけであります。こういうようなところは、比較的一ヘクタールあたりの蓄積が少ないわけであります。かつまた、北のほうは御承知のように、寒い国ですから、林分そのものの成長については悪いわけでございます。南のほう、九州地帯におきましては、雨量も多いし、それから気温も高い、そういうことで成長はいいわけでありますから、同じ低質広葉樹林でございましても、北に比べれば南のほうがよくなっているというのが現実でございます。
#89
○工藤良平君 したがって、成長率がいい、ヘクタール当たり百六十立米というような見込みが立てられているわけでしょう。そうすると、特開で払い下げるということ自身、ちょっと問題が残るのでありますけれども、全国平均よりもかなり高いところにあるわけですから、むしろ私はおかしいじゃないかという気がするんですが……。
#90
○政府委員(福田省一君) 拡大造林でございますというと、これは一般的な指導方針でございまして、百立方メートル以上でも、大体拡大造林でございますので、小径木でございまして、私どもは別にほかの用途に用いるものでございませんので、百立方メートル以上ということでも差しつかえないというふうに、実は判断いたしておるのでございます。
#91
○工藤良平君 もう一つは、しかも、あとの植栽についてこのようなずさんなことが行なわれておるとすれば、それは水源涵養林なり、あるいは防災のための保安林という立場からすると、たいへん大きな問題が、そういう言い方をすると残ってくるような気がするわけです。ここの場合、用材を目的にするのか、いいですか、さっきの写真から想像しますのに、用材を確保するということが目的なのか、それとも国土保全、災害防止ということが目的なのか、そういうことからすると、いわゆる平均ヘクタール百二十立米といわれるものからすると、かなり高いところにある木をわざわざ伐採をして、このようなずさんな植栽をしなければならないのかという疑問が出てくるわけであります。その点について、私の納得できるようにひとつ説明をしていただきたいと思うんですわかりませんから。
#92
○政府委員(福田省一君) 御指摘のように、ただいまここは百二十立方メートルちょっとでござい・ます。そこで……。
#93
○工藤良平君 百六十でしょう。
#94
○政府委員(福田省一君) 百六十立方メートルでございます。そこで水源涵養保安林ということが、ここが目的でございますので、水源涵養機能の高い森林に仕立てなければならないというふうに考えるわけでございます。先ほど先生御指摘のように、特別開発事業というものは、そういう趣旨から実は出発しておるものでございまして、全国的にいろいろ差はございますけれども、現在低質広葉樹林だけでございますとあまり向かない、そういう林を早く成長力の早い、しかも成長した結果もっと大きな蓄積を持つような森林に仕立てようというのが目的でございまして、いずれにしましても、杉なりヒノキを造林いたしますと、百六十立方メートルどころではなくて、先ほど申し上げた主伐林野は二百五十立方メートルでございます。二百五十立方メートルよりも場所によっては三百立方メートル、五百立方メートル、こういうふうな森林になるわけでございます。ただし、その期間は申し上げるまでもなく、四十年−五十年かかるわけではございますけれども、そういうふうな現在ある林よりも、もっと蓄積の多い林にしたい。したがって、また蓄積涵養機能も発揮できるような森林に仕立てていこうというのが、この開発事業の目的でございます。
#95
○工藤良平君 そういうことになると、当然いままでずっと私どもが質問をしてまいりました一貫した事項が、その目的から相反して、植栽の契約についても三千本から四千本というものが二千五百本で契約されてみたり、植えられたはずのものが一万本も残ってみたり、植えたものが二割も枯れてみたり、そのようなことが過去から現在においても行なわれているという、私はそこに非常に大きな問題があると思って、このことを言っているわけです。机上の上であなたが、一貫してさっきから中村委員がしきりに質問されているけれども、あなたはあなたなりの道を歩いているわけです。私どもは現実を見て、しかも過去に行なわれてきたいろいろな伐採から植栽に至るまでの問題を提起をして、これではいけないじゃないかということを言っているわけでしょう。そうでしょう。まことにこれは言いわけですか。あなたは適切な措置だということを言っておりますけれども、これはまことにずさんなこういう林野行政ではいけないという結論が、この十七林班、十八林班の問題については起こるのじゃないか。言いわけする必要はないのですよ。こういうやり方が悪いなら悪い、したがって、これは根本的に私たちとしては改善をします、そのための措置もします、ということを当然あなたはこの国会の場で言うべきじゃないですか。私はそう思うんです。さっきからの論議を聞いて、そうしなければつじつまが合わないじゃないですか。どうですか。
#96
○政府委員(福田省一君) 先ほど御指摘がございましたように、重大な問題は、こちらが関係した苗木がそのまま全部完全に植えられておったかどうかという点でございます。その点につきましては、なお、目下検査を続行中でございます。非常に重大な問題でございます。これはまさに契約どおりやらなかったということでございますし、あわせてまた監督が不十分であったということでございます。こういう事実を確かめまして、私は、御指摘のように厳重な措置をとってまいりたい、かように思っております。
#97
○中村波男君 まだまだ林地についてお聞きしたいことがありますが、時間が限られておりますから、結論的に質問をしてみたいと思うのでありますが、長官のお立場からいえば、目下調査中である、こういうことでありますが、少なくとも私たちこの問題を国会で取り上げるにあたりましては、現地を調査をし実態を十分把握をいたしまして、そうしてこれはたいへんな問題だということから質問を二日間にわたって申し上げておるわけでありますが、そこでさいぜんも工藤委員が指摘しましたように肥薩林業技術KKとは、三年ほど前から技術を有するものという業者として造林の請負契約が行なわれておるのでありますが、明らかに昭和四十五年度の造林請負契約におきましても、営林署の指示した三千本が植えられておらない、さらに補植率は三〇%を上回っておる、こういう実態からいいまして、またまたこの業者に請負わせること自体に私は問題があったというふうに思うわけです。さらに、さいぜんから私たちが指摘しましたようないわゆる実態の中で、今後こういう業者を指名取り消し等を行なわずに、またまた特殊な技術を有するという認定に立って請負契約をなされる所存であるのかどうか、まずその点をお伺いをしてみたいと思うわけであります。
#98
○政府委員(福田省一君) ただいまもお答えいたしましたように、慎重に、厳重にいま検査しておりますけれども、この内容の中には先生御指摘のように、場合によっては契約の違反の問題とか、そういった問題があるわけであります。私たちの指導なり監督の不十分な点もあったかと思います。このことにつきまして結果が判明いたしますれば、契約違反の場合には、指名の問題につきまして、あるいは随意契約の問題につきまして先生御指摘のとおり厳重な措置をとってまいりたい、かように考えております。
#99
○中村波男君 地元のうわさでは、しょっちゅうといいますか、おりおりに営林署の高級役人と業者と、いろいろ打ち合わせでありましょうけれども、めし等を食べておられる、こういううわさも耳にしたわけでありますが、このことも、何といっても元営林署の職員が多数この会社におられる。そういう点については、とかく癒着、なれ合い、こういう点が厳に監督指導をされませんと起こるいわゆる関係にあるんじゃないかと思うわけです。したがって、少なくとも今回の問題を厳重調査をされまして、したがって、契約書に基づいて、その違約した者があるならば違約金を取る、また、そういう違約金を納めなければならぬような事態を起こした業者については、やはり適当な、厳重な処分、措置をおとりになる、こういうことは私は、当然だと思うのでありますが、いかがですか。
#100
○政府委員(福田省一君) 御指摘のとおりでございまして、こういう疑惑を招くに至った原因、内容を厳重に調査いたしまして、いろいろと先生の御意見のとおり厳重な措置をとってまいりたい、かように考えております。
#101
○中村波男君 私は、業者の不正の疑いがあると考えておるわけでありますが、その前にさらに問題は、重大な責任というのは、これを監督する立場にある営林署がえりを正さなければならぬというふうに思うわけです。私が指摘をしたように、整地完了届けにいたしましても、あるいは植えつけ請負事業の完了検査にいたしましても、いまいろいろ指摘をしたような中で、契約どおり行なわれておりますというような報告書を営林署長に出す、こういうことがこのままで許されていいかどうか、こういう点はいかがですか。
#102
○政府委員(福田省一君) この点につきましても、ただいま申し上げましたようになお、検査続行中でございますが、報告の内容を見ましても、こちらが監査課を中心にいろいろ検討した結果十分でないものもございます。したがいまして、私はただいまなお検査続行中と申し上げました。なお手が足りなければこちらのほうからもっと強化しまして、その点を十分明らかにして御趣旨の線に沿って措置してまいりたい、かように思います。
#103
○中村波男君 さらに私は、まあ熊本営林局の川内署の、これも問題でありますが、間伐木の売り払いにつきましてお尋ねをいたしたいと思うわけでありますが、四十六年の二月二十七日、川第五八二号で泊野林産有限会社、これはさいぜんから問題になっております肥薩林業技術KKの社長である楠八重益夫さんが経営をしておる、いわゆる同系列の会社のようでありますが、この泊野林産有限株式会社に大平国有林五三よ林班において間伐木を売り渡したことがあるようでありますが、この内容について御報告を承りたいと思います。
#104
○政府委員(福田省一君) ただいま御指摘の五三林班の間伐木の処分契約の概要でございますが、昭和四十六年の二月二十七日に契約したものでございまして、杉ほか八種類の樹種、三十八ヘクタールございますが、四千四百四十六本、材積にいたしまして千百四十七立方メートル。予定価格が六百八十二万円でございますが、売り払いました価格は六百九十万円、引き渡しましたのが四十六年三月の十九日、搬出期限は四十七年三月十八日と、こうなっておりまして、これが終わったあと四十七年の三月の二十二日にあと地検査を終了いたしております。
#105
○中村波男君 問題はそのあと地検査でありますが、そのあと地検査は異常がないと申しますか、契約違反はなかったという検査報告でありますか。
#106
○政府委員(福田省一君) 昭和四十七年三月二十二日に検査の職員が立木処分個所におもむきまして、まず林分の周囲の一点から二人で参りまして、右と左に分かれて周囲を営林署で定めた検査項目に従ってずっと検査してまいったということで、あと地検査はやっておるわけでありますけれども、周囲から二人が分かれてこういうふうに回りまして、林分の中をこう通ってまいったという報告でございます。それで要するに、円形の中を初めに周囲を分かれて二方向から行って、二人が一緒になったところからまん中をまた少し離れて、ずっと通って、こういう検査をしたという報告でございます。
#107
○中村波男君 この四十五年度の伐採計画には、この林班は入っておらなかったというふうに聞くのでありますが、どういういきさつでこの林班の間伐木を売却することになったか、その理由をまずお聞かせいただきたいと思います。
  〔委員長退席、理事園田清充君着席〕
#108
○政府委員(福田省一君) これは急いで調査したものでございまして、四十五年度にどうして計画に入ってなかったかという点についてば情報とっておりませんが、急いで調べてみます。
#109
○中村波男君 私が調べたところによりますと、伐採計画に入っておらなかったのでありまするから、普通では間伐木の払い下げということはあり得ないわけでありますが、四十五年の十月十五日の熊本局の調整会議で急遽伐採指定に繰り上げられた。したがって、分期指定は四十六年四月一日から五十年三月三十一日になっておるわけでありまして、そういうふうに私の調査ではなっておりますが、この点は間違いないでしょうか。
#110
○政府委員(福田省一君) これもかなりな大急ぎで実は調査したことでございまして、御指摘になりました点について私どもこの席で御返答できない点もございますので、至急急いでまた調査いたしたいと思います。
#111
○中村波男君 そこであとから、私たちが判断しております、予想しております、急遽この林班の間伐木払い下げになった理由を申し上げたいと思いますが、その前に、この山の間伐木の樹齢は、どれくらいだというふうに報告がきておりますか。
#112
○政府委員(福田省一君) これは四十八年生でございまして、平均して杉は二十七センチ、ヒノキは二十センチ、ほかに広葉樹、闊葉樹が二十センチから二十六センチ、そういう大きさの木でございます。
#113
○中村波男君 長官、その写真、ちょっと見ていただけませんか。二十センチや二十五センチの木もありますけれども、私は現地に行って見てきたんですけれども、四十、五十の木はざらにあるわけですよ。私たちが現地で聞きましたのは、樹齢五十年というように聞いてまいりました。
#114
○政府委員(福田省一君) ただいま申し上げました四十八年生、平均直径、杉二十七センチ、ヒノキ二十センチ、――これは平均値でございます。また説明するとおしかりを受けるかもしれませんが、沢通りのほうは太くて、それから上のほうにいくと細い。これは当然でございます。それからその地質によっていろいろな差がございますし、この写真拝見いたしますと、これは伐根でございます。ですから私、申し上げたのは胸高直径でございますから、一メートル以上のところをはかったもので、伐根はこれは太くなるのが普通でございまして、この写真は非常に太く出ておりまするけれども、これは伐根でございます。
#115
○中村波男君 しかし、長官、あれでしょう。胸高ではかるわけですからね、伐根と大体四センチないし六センチくらいの違いというのが平均じゃないですか。だから、その写真だってそんなに大きな違いは私はないと思うんですよ。私たちが勉強した中では、胸高と伐根とでは四センチないし六センチというふうに聞いておりますが、そんなに大きく違いますか。
#116
○政府委員(福田省一君) これはもう極端に非常に違う場合がございます。大体において地味のいいところは下と上とあまり違いございません。地味の悪いところは上が細くて下がうんと太くなります。
#117
○中村波男君 長官少し質問に御答弁が御親切に過ぎるのですが、私は平均値を申し上げたわけでありまして、間違っておらぬと思うのであります。
 そこで、私が調査をいたしました理由は、実際に営林署が選木をして、この木を売りますという刻印をいたした木以外が相当切られておる、そういう情報がありましたので実は現地へ参ったわけであります。そこで、私だけ一方的に調査をしますと、これはまた水かけ論になりますので、営林署長さんに御回行いただきまして、そしてまあ現地を見せてもらいました。もちろん時間がありませんからとてもとても全山を見て回るわけにいきませんので、ほんの限られた場所だけ見たわけでありますが、御承知のように、その写真にもありますが、売り払う木には根元に刻印を押してあるわけですね。しかし、われわれが見て歩きましたところで、刻印が全くどこにもない。また刻印があったように見せかけるためか、刻印を押すために切ります切り口というのがあるのもありました。しかし、これは、いかにあとからやったかということは、選木をいたしまして売り渡しをし木を切るまでには、相当な時間がありますから、いわゆる営林署の係官の押した刻印をしたものについては、いわゆる樹皮、ヒノキの皮、杉の皮が巻いておりますから、よくわかるのでありますが、木を切る、また木を切ったあとにごまかすために傷口をつけたものは枯れておりますから、いわゆる皮が巻きませんので、これは作為的なものだということは一目りょう然であります。したがって、この木もないじゃないか、この木もないではないですかというふうで署長さんと一緒に歩いたわけでありますが、これはもう現実でありますから言いわけもできませんし、説明もつかなかったわけであります。こういうことが署長の耳にも多分にいままでに入っておったと思うのでありますが、それらについて川内営林署として調査をされたことがあるのかどうか、そういううわさに対して結果報告は林野庁へ来ておるのかどうか、まずその点からお聞きをしたいと思います。
#118
○政府委員(福田省一君) この問題につきましても、若干の連絡を受けたわけでございます。御指摘の刻印の問題でございますが、間伐木を売り払います場合でも、それ以外の場合でも必ず収穫調査をいたしまして、これを販売するんだということになりますというと山刻印を必ず打ちます。御承知かと思います。その次には必ず払い刻印を打ちまして引き渡して、あと地を必ず検査をしてまた山刻印を打つわけでございます。間伐でございますので、本来ならば場合によっては誤伐なり盗伐のおそれがあるわけでございますので、切った伐根は必ず全部調べなきゃならぬというのがたてまえでございます。しかし何千本という木を、これを一本一本調べるということは、過去にやっておりましたけれども非常にむずかしいということがありますので、最近では必ずその中をサンプル調査しまして、ある程度間違いないということが確認できれば、林分の周囲がはっきりしている場合には、隣との林分がはっきりしている場合には、周囲の確定だけでよろしいと、こういうふうに指導しているわけでございます。
 テープの問題でございますけれども、これは収穫調査をしました際に、必ずテープをつけるとか、ペンキをつけるとか、間伐でございますので間違っちゃいかぬということから必ずこれをつけさせるように、刻印を打つと同時に指導しているわけでございます。そのテープが、おそらく伐採したあとにつけたんだろう、置いたんだろうとは思うわけでありますが、これが問題ですけれども、根元に売り払った場合には、払い刻印を実は打つわけでございます。ただ、間伐の場合は、ただいまお話しましたように、いずれの場合も払い刻印が確実ならば周囲だけにして処理する場合もありますけれども、最初の調査のときに山刻印だけ必ず打っておきます。必ず根っこにあるわけであります。ところが買い受け人がそれを切る場合に、間違って払い刻印の下を切る場合もあります。間違う場合もありますし、故意に何か天然林でございますけれども、木目のある板が欲しいということで、払い刻印の下を切ったりする場合もあります。そうするというと払いのしるしがない、刻印がないということになりますと、これは問題になりますので――払いじゃない山刻印でございます――山刻印の下を切ったためにしるしがない、そういうときには、念のためにテープを下に置いておきなさいというふうな実は指導は全国的にしているわけでございます。それが解釈のしようでは、ただいま先生が御指摘のような、わざと盗伐したものをテープを置いたんじゃないかというふうな疑いをかけられるおそれも、実はいま伺ってそう思うのでありますけれども、なきにしもあらずでありますが、指導方針としましては、もし間違って刻印の下を切ったならば必ずしるしを置いておきなさいよと、こう指導しているわけであります。
#119
○中村波男君 私も三十ヘクタール以上の山で間伐をやるのでありますから、二本や三本刻印のないのが切られておるとか、善意に解釈すれば間違って切ったとかということもあるでしょう。だから問題にする考えはございません。しかし、われわれの調査によりますと、百本や二百本でないわけですね。山刻印のないのが切られておるのが百本や二百本でないわけです。したがって、現地調査の際には、営林署長にお願いをして、いわゆる野帳を持っていっていただきまして調べたわけですね。刻印のないのにいまおっしゃったテープが張ってあるのもありますし、ないのもある。テープの番号によって野帳と照り合わせて見ますと、野帳には二十センチと書いてあるのが、そこに写真にありますように五十センチの木が切られておる。十五センチのは四十センチのが切られておる。とにかく刻印のないのは、小さな木は一本も切られておらない。だから本数は全体できょう私は何本ということは申し上げません、問題が大きいだけに申し上げません。しかし、私たちのほうは厳密な、正確な調査方法で一応全山調査をいたしました結果、数量においても石数においても、ばく大なものが盗伐されておることは明らかであります。したがって、数字については本日は明らかにいたしませんけれども、明らかな盗伐が行なわれておるのであります。このようなことは、私たちが調査に入るまでには、相当あの地域で昨年来いろいろなうわさが出ておったのでありますが、営林署としては検査もされておるのではありますし、また山刻印のない木に検査の刻印が押してあるという、そういう伐根も私の見た範囲でも二、三あったわけであります。あと地検査をやって、報告書が出されておるのでありますが、どういう検査をしたのか疑わざるを得ません。これはおそらく検査のやり方についてば三つあるようでありますが、この山については抜き取り検査を行なっておるようでありますけれども、抜き取り検査によっても、刻印のないのに検査をした判が堂々と押されているということで、検査であったのかどうか、これまた疑わざるを得ないのであります。こういう実態というものを、きょうの時点では初めてだというように御答弁なさるか知りませんけれども、この問題は、いま申し上げましたように、たいへんな私は問題だというふうに考えましたので、本日取り上げたのでありますが、現地の署長も一緒に調査に行ったのでありまするから、署長から何らかの報告が私はなされなければならぬし、あったと思いますが、いかがですか。
#120
○政府委員(福田省一君) 営林署のほうで労働組合の分会が以前から間伐林分を調査している模様だということを営林署長も承知しておったようでございます。
 そこで、その裏づけ資料をとるために、営林署のほうで念のために担当区主任に命じまして調査した報告がございます。先ほど来先生御指摘ございましたように、払い刻印の問題あるいは山刻印の問題を通じまして、誤伐ないしは盗伐のおそれが十分あるわけでございます。この林分につきましては、間伐でございまして、二〇%を標準として間伐をしているわけでございますが、この担当区主任を中心にしまして、念のために五月十一日、十二日、十六日、十七日全部伐採木を調査したのでございます。そうしますというと、この林分の間伐の指定は、全体で間伐は四千四百六十四本しなければならないことになっている。四千四百六十四本が先ほど申し上げたパーセントに基づくものでございます。これだけ間伐しなければならぬ。そこで、間伐した伐根全部調べたという報告がけさほどまいりました。それを見ますというと、杉が六百六十本、ヒノキが二千七百七十四本、広葉樹が四百七十二本、合計三千九百六本でございまして、五百五十八本不足でございます。切ってないのでございます。盗伐どころか、大問題でございまして、間伐をちゃんとやらなければならないのにやっていない。こういう問題が新たにわかったのでございます。
#121
○中村波男君 ナンセンスですな、私がここで……。
#122
○政府委員(福田省一君) ただし、これは急な調査の報告でございまして、若干の誤差があれば、これは問題でございますので、これは報告ではそう出ておりますので、問題があれば私のほうからまた厳重に調査したいと思います。
#123
○中村波男君 そういうことになりますと、これはどっかの司法権によって調査願う以外に白黒をつける方法がないということにならざるを得ぬと思うのでありますが、私たちは自信を持って、いわゆる抜き取り検査でありませんので、全山を正確な方法で調査をして、それがいま申し上げましたように、総本数において百本や二百本や三百本でない、こういう確証があがりましたので、指摘をし、金額にいたしましても、――いわゆる盗伐をされておるものは大径木でありますから、しかも三十メートル、四十メートルの実にりっぱなヒノキが特に目立ったのでありますが、したがって、金額にいたしましても、数百万円ぐらいに当るのではないかと推定をいたしておるわけであります。
 参考までに、ヒノキの四、五十センチの四、五十メートルのものは、立米幾らぐらいになりますかね。ちょっと参考までにお聞かせいただきたいと思います。
#124
○政府委員(福田省一君) ただいま調査して、すぐお答えいたします。
#125
○中村波男君 じゃ、調査を願う時間を利用しまして質問を続けたいと思います。
 間伐の目的ですね、間伐というのはどういうために行なうのかということをまずお聞かせいただきたい。
#126
○政府委員(福田省一君) 間伐をいたします目的は、最初に苗を植えますときには三千本とか四千本、場合によっては二千本とかでありますけれども、たくさん植えるわけであります。たくさんそれをそのままほうっておきますと、だんだん大きくなってくれば、枝と枝とが触れ合って木が伸びなくなってくる。そこで、いい木にするためには間を幾らかずつ、たとえば杉ですと大体四十年でございますが、四十年ぐらいの間に幾らかずついわゆる間伐をしまして、それでだんだんいい木にしていく。要らない悪い木は若いうちに取ってしまう。また、ある程度の大きさになればまた、その中から悪いのを取る。そうして最後にいい木を残すというのが目的でございます。
#127
○中村波男君 よくわかりました。
 そういう目的であるとすれば、五十年の樹齢を擁するこの山で間伐をすること自体が、施業として異常といいますか、変則だとはお思いになりませんか。わからぬですか。樹齢五十年の山で間伐をしたのでしょう。
#128
○政府委員(福田省一君) 場所によりまして、まあ、いろいろございますけれども、この場合は四十八年生の造林地でございますから、その伐採をしたわけでございますけれども、ここの主伐の伐期齢は――私は四十年、四十五年というのは平均値で申し上げたのでございますが、ただいま調査してお答えいたします。
 戦後造林を急ぐことから、短伐期林業という考え方で、実はただいま申し上げたように、杉の場合に四十年ぐらい前後、ヒノキの場合四十九年とかというところで伐採を、いわゆる主伐をしておったのでございまして、中には六十年なり七十年なりという場合もございますし、秋田杉のような場合には、百年以上もたっているわけであります。で、ここの場合は、どういうふうな主伐の樹齢にしておったか、ただいま照会してすぐお答えいたします。
#129
○中村波男君 間伐というのは、勘ぐった見方をすれば、林野会計が悪化した、赤字になった、だから、主伐は規定上できないから間伐をして収入をはかろう、こういう計画というか、こういう林野庁としての意図というものはないわけですか。
#130
○政府委員(福田省一君) 間伐をします目的は、ただいま申し上げたようなことでございます。けれども、間伐でも、先ほど申し上げたように、若いときにやる間伐と、相当の樹齢に達してからやる間伐とございまして、若いときにやった間伐林というのは売れません。それからある程度の利用期に達しますというと、その間伐材は売れるわけでございます。しかしながら、やはり私たちは、間伐というのは目的はそういうことでございますけれども、国有林がただいまいろいろと収入が足らぬところで悩んでおるところでもございますので、間伐もできるだけこれを収入にあげてまいりたいと、こう思っておるわけでございます。しかしながら、最近は木材価格の全般の傾向としまして、間伐材の売れ行きは非常に不振でございまして、実は売るのに苦労しておる状態でございます。
#131
○中村波男君 私は、間伐は基本的に、いわゆる樹木の生長を助けるといいますか、さらに生長を早め、高めるために行なうのだと思うわけですよ。したがって、この山の間伐は、いま指摘したように、五十年の樹齢だと言われておりますが、主伐をしても――主伐をすベき樹齢になっておるんじゃないかというふうに思うわけです。それを間伐という方法をとってこれを払い下げたということについて大きな疑点が残るわけでありますが、したがって、こういう山を間伐させたといいますか、行ないましたのは、いわゆる本来の林野庁の行政を離れた理由があったんじゃないか。そういう点について、長官、お気づきになる点はありませんか。
#132
○政府委員(福田省一君) 従来の考えを離れた理由というのは、よく私、まあ、わかりませんですけれども、しかし、間伐の目的には、先ほど申し上げましたように、あとに残る林分をよくするということと、もう一つは収入を上げるという意味もございます。まあ、しかし、本来的には、そういう、あとにいい林分を残すということでございます。間伐材が最近売れ行きが非常に不振でございまして、売るのに苦労していると申し上げましたけれども、やはりいまの考え方では、四十年、五十年で切らずに、もっと伐期をだんだん延ばしたらいいんじゃないかというふうな意見も出てまいっております。そのためには伐期はどれくらいにするか。五十年であわてて切らずに、むしろ百年ぐらいたった木にしたほうがいいんじゃないか、そのほうが環境のためにもいいんじゃないか。まあ、いろいろの意見がございまして、その問題、検討中でございますが、ここの場所におきましても、やはり特殊な意味があるんじゃなくて、やはりそういう保育と収入確保と、そういう二点から間伐したものではなかろうかと私は思っております。
#133
○中村波男君 伐木を行なうための適期というのは定義があってないようであります。いま、林野庁は、ヒノキが何年ぐらいが適期だというふうに見ておられますか。
#134
○政府委員(福田省一君) 伐期がどれぐらいかということをきめることはなかなかむずかしゅうございますけれども、ただいま林野庁できめております造林木の伐期につきましては、先ほど申し上げましたように場所によって違いますけれども、杉は約四十年、ヒノキは四十三年ぐらい、大体五十年以内で切ると、こういうふうにきめてあるわけでございます。いま申し上げましたように、伐期の問題については、いろいろ、それでも売れない場合がございますので、最近、外材との関連の問題がございまして、特に間伐材ということもございまして、伐期の問題につきましては基本的にただいま検討もしておりますが、現在は、そういうふうに、杉は四十年、ヒノキは四十五年というふうにいたしております。
#135
○中村波男君 それで、資料として要求をしたいんですが、四十六年の一月から十二月までの間に、伐採計画になかったものが局等の調整会議で、急遽、伐採を繰り上げて伐採を行なった全国的な数量、金額等について、すぐといっても出ないと思いますから、後日、できるだけ早い時期にお出しをいただきたい、こう思うわけです。実は、この資料をいただいて質問を申し上げますと、こうしたむちゃな間伐木の払い下げがなぜ行なわれたかということが明らかになるだろうというふうに思うわけです。したがって、この場で私が指摘をしたように、明らかに盗伐が相当数量行なわれておるということについて、林野庁としては、むしろ、払い下げ本数を大きく下回る数量が切られたにすぎない。これは事実だとすれば、これも一つ契約違反でありますから、違約金等をお取りになることは当然だと思いますね。これも契約違反でしょう。少なけりゃいいということじゃないですからね、間伐の目的から言えば。しかし、私たちは、絶対に盗伐、誤伐が行なわれておるということについてば、自信を持って申し上げておるわけです。
 そこで、こうした無理な払い下げを行ないました背景には、これはうわさでありますから私は、断定して申し上げるのではありませんけれども、いわゆる参議院選挙に資金の割り当てが行なわれた。したがって、泊野林産等々に百万円を出させた。そのためには、間伐払い下げによって資金をつくらせた。こういううわさが昨年来いろいろな業者、その他から出でおるという、こういう事実をこれは参考までに申し上げておきますから、十分腹に置いてお調べをいただきたいというふうに思うわけです。御承知のとおり、調査された結果そういう盗伐もなかった、そういう背景のもとに払い下げたものでないということになることを私は期待をいたしますし、あってはならぬと思いまするけれども、いわゆる下世話にいう火の気のないところから煙が立たぬということもありますので、これは大臣も写真をごらんになったし、十分お聞き取りいただきたいと思いますので、この問題についてはうやむやで、国会で言いのがれをしたから済んだなどとお考えにならないように、十分ひとつき然たる態度で処理されることを強く私は要求をいたします。そこで、この問題は論外でありまして、いや論外というのは間伐の目的からいって論外だと言うんでありますが、間伐ということは、これは当然山を育成する上において行なわれなければならない重大な作業だと思います。しかし、最近では七年や十年生の杉やヒノキなどというのは、いわゆる価値として還金できないような状況でありますから、したがって、間伐をするその費用、間伐費用を、間伐した材木の代金で間伐に要する費用をまかなうなどということはできないわけですね。しかし、私はやらなければいけないと思うんです。そういうような観点からこの問題を見詰めますとですね、特に、私は間伐については立木販売、それをやめるべきだと思うんです。やはり、これは間伐をする場合には、選木という上からいきましても、相当技術を要するものでありますし、また、木を切るためにも、ほかの樹木をいためないようにという、そういう十分な配慮をなされて作業が行なわれなければならないものでありますから、そういうたてまえからいいましても、これはできるだけ技術のある、また将来の山を考える作業というものをさせますためには、やはり直用、直営という原則の上に踏まえた作業というものを進められるべきではないか、こういうふうに思うわけでありますが、この点はいかがですか。
#136
○政府委員(福田省一君) 先生御指摘のとおりでございまして、間伐、また天然林におきますところの択伐、これはあとに残る林木をよくしていくという意味からは大事な作業でございます。
 そこで、間伐木を選定します場合には、決して買い受け人には選別させません。必ず営林署の職員が選定するというたてまえにしておるわけです。で、この場合は、先ほどお話ししましたように、間伐は最初は撫育の間伐でありますけれども、だんだん大きくなってくると利用間伐ということで、だんだん収入も上がってくると、最初のころはだれも買いたい人もおりませんので、できるだけこちらでやる場合もありますし、あるいはこれを他にやらせる場合もございますが、この間伐の問題は、選定が一番大事でございます。あと切って出す問題は、ここに残っておる木を傷つけないように、また、その林道から運び出す場合に、途中に先生おっしゃいますように造林地等がありますし、そこから出す場合に、傷をつけないようにというようなことが必要でございますので、その点を十分御指摘のように考えまして、これを実施する場合は、私たちの職員だけで実施する場合もありますし、あるいはまた別の機関に実施させます場合には、必ず相手のそういういま申し上げた点を十分にやれるような技術と信用のあるものを選んでやらせるということをたてまえにしておるわけでございます。
  〔理事園田清充君退席、委員長着席〕
 たとえば森林組合の労務班にこれを実施してもらっておる場合もございます。その他いろいろありますが、この点につきましては、相手方を厳重に選んで、そうしてしかも、その監督も厳重にするというたてまえで実施しておるものでございます。
#137
○中村波男君 私は、調査の、林野の仕事で木を育てるまでが仕事で、木を切ることは林野庁の本来の仕事でないというそういう考え方については納得がまいりません。特に間伐などは業者に渡すから何百本という盗伐が行なわれたり、あるいは近くにある木のいたむことにおかまいなく切られるというような実態がいみじくも今度の調査によってはっきりしたわけでありますが、そういう点から見て、できるだけやはり営林署の仕事として、木を切ることについても、十分な技術と配慮のある切り出し方というのが必要ではないか、こういうふうに私は考えておるのであります。また、この問題については別な機会に御意見も聞き、意見も申し上げたいというふうに思うわけでありますが、したがって、間伐の本来の目的から見て、伐期に達したものを間伐するということは、もうやめるべきだと思うのであります。ましてや、いま指摘したように、黒いうわさにつながるような間伐のやり方というのは、これはもう言語道断でありますが、伐期に達したものは私は処分をすべきだ、これは赤城農林大臣もそういうことをおっしゃったということでありますが、木を切らぬことが一番大切だということにはならぬと思う。伐期のきたのは切ることですよ、切って直ちに植えることが大切であります。そういう点では間伐いたしましても、それが造林地である場合は、造林地としての面積に入るわけです。あるいは三千本植える予定のところを、先般岐阜県の坂下町の調査でも、現実には七百本か八百本しか植わっておらぬという報告を受けたのでありますが、私、調査してもとてもとてもこれは二千本も三千本もの木は残っておらぬというふうに見たのでありますが、七百本でも三千本でも、これは造林地として林野庁の統計にあるのでありまするけれども、本数からいえば三分の一か四分の一しか造林地としてはないわけであります。こういう点からいいましても、私は五十年に達するような山を間伐で払い下げるなどということは、今後は絶対に、やめてもらいたい。
 時間がありませんから、また私自分の目で調査をしておりませんから、指摘をいたしませんけれども、茨城県その他においても四十年、五十年という樹生の木が間伐で払い下げられておるという幾多の事実を私は知っておるわけです。そういう点についてどうお考えですか。
#138
○政府委員(福田省一君) 先生御指摘のように五十年で切らなければならぬところを四十八年の時期に間伐で切る、これはおかしな話でございます。もしそれが事実とすればこれはまことにけしからぬ話です。よく調査いたします、そういう事実がございますれば。ただ、先ほど申し上げましたように、必ずしも原則は四十五年とか、さっきのヒノキは四十五年、杉は四十年としておりますけれども、ただいま伐期についてはいろいろの事情を検討しておりますが、外材等の五五%入ってきた関係もございまして、造林が最近非常に不振でございます。ということは、木を切らないから、造林が不振になってきておるという、そういうことでございますので、この伐期の問題につきましては、ただいま慎重に検討しておるところでございます。もし御指摘のように、五十年の伐期が四十八年。これがもし事実がございましたら、厳重にまた調査したいと思います。
#139
○中村波男君 御承知のように、林野庁は森林司法警察権を一部の人に与えておるわけですよ。そういう機能、権限を持つ林野庁が、明らかに盗伐であるという者に対して、異状なしというあと地検査の完了報告を出しておる。これは労働組合等からも、前々から指摘をしてきたようでありますから、もちろん営林署長はじめこの問題は知っておったと思うのですね。それから、完了検査をした係官もそういううわさがあり、指摘があったということについては十分承知しておったはずです。それが今日までほとんど調査が行なわれておらない。さっき長官が指摘された数字というのは、抜き取り検査といいますか、局部検査ですよ。一定のところを検査して推定した数字ですよ。そういうところに、私は全く林野庁の行政というのが感覚的にも麻痺しておるのではないかということを考えざるを得ないわけですね。
 まだまだいろいろお聞きしたいことがあるわけでありまするけれども、時間が相当超過しておりますので、この問題は、きょうはこれで質問を終わりたいと思いますが、早急に明らかにしていただきたいと思います。これはもう現地を厳密に調査すれば明らかであります。明らかになることであります。したがって、前から私たちもいろいろうわさがありましたので、現地調査をいたしまして、これはたいへんだということの上に立って、本日、取り上げ、質問をしたわけであります。したがって、こういう事件が起きたその相手と申しますか、引き起こした者は、全部が、いわゆる営林署からたくさんな元職員が入社をして、経営をしていらっしゃる肥薩林業株式会社であり、それと同系列の泊野林産有限会社である。ここに私は、問題が隠され、ひそんでいると思うのです。したがって、調査をされまして、事態というものが明らかになりましたならば、虚偽の報告をした職員とともに、厳重な、ひとつ、やっぱり林野庁としての措置をとられるべきだと思いますが、いかがですか。
#140
○政府委員(福田省一君) 先ほどお話ししましたように、急いで実は調査した報告でございますので、四千四百六十四本植えなければならぬところを、三千九百六本しか植えてないということは、五百五十八本不足で、盗伐どころじゃない、反対なわけでございます。しかも間伐をしなかったわけです。ですから、逆に、間伐をしなかったということが問題になるわけであります。ですから、先生御指摘のような問題がありますので、私のほうでも、なお、監査官等派遣しまして、さらに厳重に調査したいと思います。もし、先生御指摘のような、まあ私は盗伐なんという問題はないと思うんです。ただ、単発的に誤伐等があるいはあるかもしれません。もし、そういった盗伐等がありますれば、これは森林法に基づいて、当然これは処罰しなければならぬ刑事問題になります。これで、もし、御指摘のような盗伐事件になりますと、普通林でありますというと、罰金三万円、懲役三年以下の問題になりますし、これは保安林となりますというと、保安林は、五年以内の懲役、五万円の罰金と――まあ金額は問題じゃございませんけれども、そういう法律もございますので、厳重に、もし、そういう事実がありますれば――私は反対だと思いますけれども、厳重に処置してまいりたいと思います。
 それから、先ほど四十八年生の木をなぜ切ったか、この事実につきまして、この場所につきましては、ただいま問い合わせをしましたところ、外材等の影響で、林野庁としましては、この伐期も検討していく考えでございますが、この場所につきまして、八十年生ぐらいの伐期にしたい、そういう考え方でございます。
 失礼しました。もう一つ残っておりますのですが、ヒノキの現在の立木の価格でございますが、胸高直径四十ないし五十センチのもので、元玉から末木までの、平均で、一万三千円ぐらいでございます。
#141
○村田秀三君 関連。
 私は資料持っているわけじゃありません。いま、中村委員と長官のやりとりを聞きまして、いろいろ考えてみるのでありますが、聞いておりまして、そのつど、そのつど腹立たしくて、これはがまんできなくて、関連をやるつもりで求めたわけでありますが、いま、中村委員がまとめようとしております。しかし、それはきょうのところをまとめるということでありまして、問題は継続されるわけでありますから、いずれかの機会にまた、そちらの調査を待って追及する、こういうことであろうかと思います。しかし、ここのところだけは明確にしておいてもらいたいと思います。
 つまり、第一点は、工藤委員も先回主体的に触れた問題でありますが、つまり、伐採、造林、その調査をやってこられて、その答えがきょう発表されたわけでありますが、聞いておりますると、契約の中では、つまり造林、植林の部分でありますが、まあ、いろいろな条件、状態としての条件というのがあるかもしれませんが、契約には、筋を立てて植林をするということだけであって、あとは監督、つまり、営林署所定の監督を受けてやりなさい、こういう契約であるものだから、いろいろな気象、環境の中で条件が変わるのでありますと、こういうような言い方をしております。しかしながら、よくよく聞いてみますると、長官の発言の中にも、これは不十分なものであるというような言い方をしておる。不十分なもの、不十分であるというような言い方をしている。どうも聞いておりますると、つまり、請負業者を何かしらかばっておるという、そういう印象きり実は受けないのですね。だから、ここで問題は、はっきりすると思うのです。たとえば、前回、工藤委員の指摘をした場合には、一万何本かの仮植がある。ところが、長官の答えでは二百九十何本とか、まことにべらぼうな数字であります。しかし、中村委員が、目で見て調査をしてきた、その時点、わずかに四、五日前の話でございましょうけれども、二、三千本ぐらいは現認をしてきていると、こういうことなんですね。話がいろいろに食い違っております。そして長官は、自発的に業者が補植をしておるのだと、こういうような言い方をしております。その補植というのは、かりに善意に解釈したといたしましても、ではいつの時点からいわゆる補植か始まっているのか、こちらから現地調査に行くといううわさを聞いて、それをとめたんじゃないかというような憶測も出てきている。いままで補植したじゃあ本数というのは、一体何本なんです。三月三十一日に完了検査をやって、そしてそれでよろしいということになって以降、では何本ぐらい補植したのかという問題も出てくる。この補植した本数と一万本の本数というものが、ほぼ一致しなければこれはおかしな問題になる、こういうことにもなるわけですね。こういうことをいろいろと考えてみますと、これはあなた方が業者をかばうのはけっこうでございましょうけれども、かばうとするならば、いわゆる監督不十分であったという責任だけは、あなた方の話をいま聞いただけでもまぬがれることはできない。あるいはまた監督が十分であったということであるならば、その業者が契約に違反をしたというそういう責任追及はあなた方がしなくてはならぬという問題が出てくる、こういうことになります。
 二点目の問題でありますが、いまの盗木事件の問題であります。あえて盗木とこう言いますけれども、あなた方の緊急な調査の中でもいわゆる誤伐か盗伐か、そういうおそれも感じられるということを言っておるわけですね。それで、いろいろ聞いてみますと、誤伐というのはあります、こういうような言い方をされている。誤伐があったということを認めながら、いわゆる施業完了したときに検査をして、その報告は十全であったということになっているわけでしょう。もしも検査を終了した時点で誤伐があったと、かりにそれを善意に解釈して誤伐だったとしても、その時点でこれはいろいろあなた方は、手を打っていなくちゃならないはずであります。いろいろ聞いてみますと、その誤伐というものが、かりに誤伐だといたしましても、それが十本や二十本じゃないということになる。しかも、その大きさもまた違う。こういうことが明らかになったとするならば、一体完了検査をした時点における正当な施業であったという立証をしたあなた方は、一体どうなるのかという問題が出てくる。そうしますと、これは明らかに共謀して誤伐らしく見せかけて実際は盗伐しておったという、そういう問題がこれは確定的にならざるを得ないと私は思うんですね。まあ言ってみれば共同正犯です。こういうことでありますから、詳細に調査をすると、こう言いますけれども、これはあなた方が黙ってやらしたか、承知をしてやらしたか、それきり出てこない。そうすると、あなた方の責任もあるし、同時にまた、業者の刑事責任も出てくると、このことだけはまぬがれない問題だろうと私は思います。と同時に、詳細な資料ということでありますけれども、この際つけ加えておきますけれども、とにかくこれは立木全部記してあるわけでありますから、伐根を見て大体の量というものは積算できるわけであります。その積算された量、現実に販売をした場合に幾らになるのか、同時にまた、あなた方が払い下げたその金額というものは幾らなのか、こういう点についてもこれはやはり明らかに資料を出してもらいたいということと同時に、調査をします調査をしますと言うけれども、聞いてみますると、ずいぶん前の話であります。うわさはあったけれども、何か今回動きがあるから調査に行きました、五月の十二日、十何日ですなどというようなとぼけたことを言っているようでは、これは実際あなた方に国有林の経営をまかせておけませんよ、大体。こういうことにもなりますが、しかし、調査、調査というけれども、その調査をいつまでやるのか、それは少なくとも早い機会に、人をかけてやればこれは一週間なんてかかりっこないんですよ、こんなのは。少なくとも一週間か十日の間に私はきちんとしたものを出してもらいたい、こういうことを要望しておきます。約束をしてもらいたい。
#142
○委員長(高橋雄之助君) ただいま村田委員から特に要望されたことについては、早急にひとつ調査してそのとりまとめをしていただきますことを、私から申し上げておきます。
#143
○中村波男君 もう一点質問をしてきょうは終わりたいと思いますが、この問題も肥薩林業技術KKとの問題でありますが、昭和四十五年の二月二十七日に十七林班でありますが、立木物件の引き渡し四十六年四月五日、搬出期限四十六年四月六日、買い受け人より搬出末済物件四十立米を棄権する旨の届け出があった。したがって、あと地検査では四十立米の搬出末済物件を確認してある。しかし、その後しばらくして物件はなくなったと、この問題についても、これは営林署の署長はじめ承知しておったようでありまするけれども、その後調査した形跡もありませんし、当然これは契約違反でもありますし、したがって、われわれの推定では、五十万円ぐらいに達するのじゃないかと思っておりますが、全く親方日の丸式で、こういう点についてけじめがなされておらない。客観的にこれがどうしてなくなったかということを見ますならば、これはやはりそれを買い付けた肥薩林業が運んだとなしに考えられない、こういう内容であります。したがって、さいぜんから幾つかの具体的な問題を指摘をいたしたんでありますが、根本的には業者と営林署が癒着して、そしてこういうことが放置されておるとなしに考えられません。こういう点についても長官として、この事実を報告受けておられるかどうか知りませんけれども、私は、まあ時間がありませんから、こまかい内容についての質問は、きょうはやめまするけれども、ことほどさようにいろいろな問題が、いわゆる不明朗な運営が、また汚職、不正につながるような内容のものがあるということについて全く私は憤概をせざるを得ないのでありますが、この点について長官の御所見、また、これに対する対処される方法について明らかにしていただきたいと思います。
#144
○政府委員(福田省一君) 十七林班の棄権物件の問題については、報告を私、受けておりませんので、さっそく現地を調査させまして対処してまいりたいと考えます。なお、一般的に最近かような問題につきまして新聞記事等に出まして、たいへん疑惑を招くような行為があったというふうなことが出ましたことにつきましては、私も非常に遺憾に思うのでございますけれども、ある程度私は率直に申し上げまして、先生御指摘の、退職者が行ったとかというような会社につきましては、漫然と私たちは長年林業の経験を持っておるから間違いないだろうというふうな安心感が自来あったのだろうと思います。ですから、こういう点については経験を持っておるということに慢心を持たずにやはり厳重に、皆さんの指摘を受けないように厳正な処置をなお一そうとっていかなきゃならぬと、姿勢を正していかなきゃならぬと、こう思うわけでございます。御指摘の点につきましては、私は今後十分に御趣旨を尊重しまして一そう厳重な取り扱いをしてまいりたい、かように考えております。
#145
○塩出啓典君 それでは、時間もだいぶたちましたので御答弁のほうも簡潔にお願いしたいと思うのでありますが、きょうは、戦時中御存じのように日本政府が広島県の大久野島でイペリットやルイサイト等の毒ガスを製造し、それが各地に戦時中散らばっておったわけでありますが、それが戦後に海に捨てられたり、そういうような処理がなされ、一部はその後自衛隊あるいは海上保安庁、漁民等によって掃海をされた、あるいはまた漁民の網にひっかかったりして、その際に、被害を受けている、そういうような人も出ていることは明らかになっているわけでございますが、これは政府としてそういうような実態を、簡単でいいと思うんですけれども、どこがどのようにして掌握しているのか、その点をお伺いしたいと思うんです。
#146
○政府委員(鷲巣英策君) 政府といたしましては、先日、総理からの指示がございまして、環境庁が内閣官房の協力を得まして昨日の午後関係各省の連絡会議を開いたところでございます。そうして、まず第一回の連絡会議といたしましては、一応の方向づけをいたしたわけでございますが、まず当面緊急に処置すべき事項といたしましては、大久野島において現在問題になっておりますドラムかんを掘り起こすこと、それからその内容物を検査すること、この二つを環境庁が自衛隊などの御協力を得まして、直ちに実施したいというのがこれが緊急対策でございます。
 それから第二に、若干時間がかかりますが、できるだけ早く処置したいと考えております事項は、まず大久野島の陸上における毒ガス問題、これについては環境庁が中心になりまして必要な対策を検討する、どういうふうにこれからやっていったらいいかということを至急検討するということでございます。それから第二点は、大久野島の周辺海域に投棄された毒ガス問題につきましては、水産庁が中心になってどういう対策をとる必要があるかを至急検討する。それから第三点といたしましては、大久野島の毒ガスの工場の元の従業員等の毒ガス被害者に対する措置について大蔵省及び厚生省が中心となって必要な対策を検討する。この三点が現在早急な事項でございますが、すぐにどういう措置をしたらいいかというところまでみんなの頭がそろっておりませんので、とりあえずは検討して至急に方向づけをしようというわけでございます。
 それから、さらに大久野島の毒ガス問題に関連いたしまして、全国の旧陸海軍基地における毒ガスの状況、あるいは戦後における掃海作業のどのようにやったかという点につきまして、防衛庁が中心となって調査をして、これを連絡会議に報告をする、こういう形でとりあえず組織づくりをしまして、前向きに大いに一生懸命これをやっていこう、こういうふうに考えておるわけでございます。
#147
○塩出啓典君 ただいま環境庁のほうから昨日の連絡会議において今後こういう方向でやる、そういうようなことについて御答弁をいただいたわけでございますが、その点ひとつこの答弁だけではなしに、あとひとつ実践をよろしくお願いしたいと思います。最近の新聞等あるいは過去においてもそういうことがたびたびたとえば漁民の網に引っかかって千葉沖とかあるいはまた広島県の竹原等においても去年あるいは四十五年あたりも漁民の網に引っかかったり、そうしてそのたびにいろいろ被害が出た、そういうようなことが行なわれておるわけでございますが、そういういままでの過去の戦後から今日までの状況、こういうものはつかんでおりますか。
#148
○政府委員(鷲巣英策君) 過去のいろいろな被害状況につきましては、現段階におきましては、環境庁といたしましてはまだ把握してございません。ですからこれにつきましては、今後防衛庁が中心になりまして、過去の先ほど申し上げましたように掃海作業の状況とかあるいは戦前における旧陸海軍基地における毒ガスの状況、こういうものを調べまして把握いたしたい、かように考えておるわけでございます。
#149
○塩出啓典君 そうすると防衛庁のほうは、たとえば別府湾における掃海作業は自衛隊でやっているわけですね。それからまた瀬戸内海における網にかかった毒ガスの処理は、それは自衛隊でやったり、あるいは海上保安庁、銚子の沖なんかは海上保安庁が中心になってやっておりますけれども、そういう点で自衛隊としてはどうなんですか、戦時中にどれくらいの毒ガスが日本にあって大久野島に残っておった。そういうような実態は現段階において防衛庁としてはどの程度つかんでおりますか。
#150
○説明員(福田勝一君) 私どもは一番腐心をいたしておりますのは、旧軍時代に大久野島を中心といたしまして、銚子沖あるいは別府湾、そういったところにどの程度そういったイペリットを中心といたしますところの毒ガスのボンベが投棄されておるかという資料、これを入手するのに一番腐心いたしておるのでございますし、先ほども環境庁のほうから御説明ございましたように、総理から総点検させよという御下命が出まして、私どもその仕事をやるわけでございますが、その資料が一番私どものつらいところでございます。私どもといたしましては、従来こういった毒ガスのボンベ等が発見されました際に、何らかの形におきまして、この掃海、投棄の作業に参画させていただいておる、そういうことで私どもが中心になって調査をするようにと、こういうお話でございましたので私どももできる限りの努力をしてみたい、こういうことでございます。したがいまして、実態については、いま申し上げましたように、旧軍時代とのつながりが非常に弱うございまして、それで非常に腐心しておるのでございますが、できるだけ広範に、しかも正確な資料を集めましてつかんでいきたい、かように思っておるのでございます。
 なお、先ほど別府湾あるいは大久野島については自衛隊が、あるいは銚子沖には水産庁、海上保安庁が中心になってやっておるのではないかというお話なんでございますけれども、これは御承知のように、銚子沖につきましては、二百メートルの海底にボンベが捨てられておるという状況でございまして、これにつきまして、私どもの掃海の能力という点におきまして、非常にその点が欠ける。したがいまして、どうしてもこれは、民船と申しますか、漁船をチャーターいたしまして、底びき網で海底をかきまわす、そしてボンベを引き上げるというような作業になります関係上、同時にまた、それが一番、被害の面からいって、漁業に専従されておられる方に被害が及ぶというような関係で、水産庁がいろいろ予算等を所轄する中心の役所になっていただいたというようないきざつがございます。ところが、別府だとかあるいは大久野島につきましては、水深が数十メートルということでございます。四十メートルから七十メートルというのが別府湾でございますし、大久野島についても数十メートルというのがほとんどでございますので、そういったところについては、私どもの技術でも参画さしていただける、中心になってやらしていただけるというようないきさつがございまして、ソーナー等を使いましてボンベを、ボンベらしきものを探知いたしまして、そしてダイバーによって水中にもぐって一々それを引き上げるというような作業をやらしていただいたというようなことから、別府湾あるいは大久野島と銚子沖におきますところの掃海の中心になりました役所が異なったと、こういういきさつでございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 なお、先ほど申し上げましたように、実態の調査につきましては、私どもできるだけの力を出して、同時にこれは防衛庁だけではとてもできることではございませんので、海上保安庁であるとか、あるいは水産庁、あるいは厚生省、そういったところのお力を十分お借りしていきたいと、かように思っておる次第でございます。
#151
○塩出啓典君 結局いままでは防衛庁自体も、そういう職務上担当でもないし、そういう点で非常に戦時中どうなったかということは、非常に掌握は困難だと思うんですよね。しかし、やはりその当時生きていた人もだいぶいるわけですから、私も調べりゃわかると思うんですよね。そういう点はいままであまりやっていなかった、けれども、これからはこういうのを防衛庁が中心になって調査をやりたいと、そういうふうに判断していいわけですね。
#152
○説明員(福田勝一君) 仰せのとおりだと思うんでございますけれども、何ぶんにも私どもも、切れっぱしの情報等はすでにあることはあるんでございますが、その情報がはたして正確なものであるか、あるいは全体の中からいってどの程度の部分になるのかというような点につきまして、どうも評価する手がかりすらいまのところないような状態でございます。しかし、先ほど申し上げたような方向で、これはちょっと時間はかけさしていただかなきゃならないのではないかと思うんでございますけれども、とにかく努力さしていただきたいと、かように思っておる次第でございます。
#153
○塩出啓典君 これは非常に、陸上のことはいざ知らず、海の問題は非常に水産庁も関係があると思うんですけれども、私は、そういう点で、水産庁としても、もう少し真剣にやるべきじゃなかったか――あまり、問題がどっかでぽっと出れば、そのときにあわてて――これはまあ衆議院の予算委員会でもだいぶ問題になって、総理も万全の措置をとるということを二年前に言っておるわけですけれども、結局それなりに終わっておるわけですけれども、そういう点で、水産庁としてももう少し、やはり漁民の立場を守るのは水産庁ですから、そういう点で、今日までそういう実態の掌握、対策等について、全国的にはどういう処置をとってきたんですか。
#154
○政府委員(太田康二君) 私ども具体的な問題が起こりましたときの措置ということで、結局、問題の処理にあたってきたということで、全体の掌握ができてないことはもう御指摘のとおりでございます。御承知のとおり、銚子沖におけるイペリットの処理の問題につきましては、先ほど防衛庁のほうからも御答弁がございましたが、私どもの予算で、あるいは流用、あるいは予備費の使用というような形で、処置をいたしたということでございます。
 それから大久野島の周辺の毒ガスの問題でございますが、この話が実は私どもに出てまいりましたのが、たしか昭和四十六年二月であったわけでございます。そこでまあ、銚子沖の例に準じまして、私どもといたしまして種々検討いたしたわけでございますが、その場合にも、やはり問題が問題でございますから、処理をするためには警察、厚生等の関係者の配慮も必要でありますと、さらに地方自治体の協力も不可欠である、一体どういう時期にどういう方法で地元漁業の協力を求めてこれを実施するかというようなことで、いろいろ地元県の意向も打診をいたしておったのでございますが、大久野島周辺の場合の毒ガスの投棄につきましては、なかなかいろいろむずかしい問題があるようでございまして、毒ガスかんの引き上げ後の陸上処理による可能性が強いわけでございますけれども、それだけに、危険が多いということ、もし引き上げ途中で毒ガスかんが破損して内容物が漏出した場合に、浅海のために、内容物次第では、付近の水産動植物にかなりの影響を与えるというおそれがあるというようなことで、こう言うと何でございますけれども、地元も初めは非常に積極的に、ぜひ早く掃海してくれというようなこともあったわけでございますけれども、その後何と申しますか、こういうおそれがあるんで、もうちょっと慎重に対処しなければいかぬぞというようなことを私のほうにも言ってきたような経過がございます。しかし、先般来御答弁が各省からございましたように、私どもといたしましては、今後防衛庁をはじめとして関係省庁とともどもこの調査に当たると、あと具体的に調査の結果、毒ガスかんがあるということが明らかになりますれば、先ほどの農林省、水産庁が中心となって必要な対策を検討するということに相なっておりますから、従来の銚子沖におけるイペリット等の例も勘案いたしまして至急対策を検討いたしたいと、現段階におきましては、かように考えておる次第でございます。
#155
○塩出啓典君 いま長官は、非常に危険だから漁民の人もあまり掃海してくれるな、慎重にしてくれ、そういうお話しですけれども、それはほかのところは知りませんけれども、広島県の忠海漁港の漁業組合の人たちは、水産庁に陳情しても水産庁はやっぱりそういう設備もないからお前たちやってくれと、これはまあ非常にむずかしい問題ですね、やっぱり。だからそれを、お前たちやれと、補助金出すからと、そういうことは、これはちょっと水産庁としても、非常に専門的な問題で、いろいろ防具とか問題ですから、そういうようなやはり態度が非常に、私は言うならば水産庁としても、ちょっと無責任じゃなかったんじゃないかなあと、そのように思うわけですけれどもね。そういう点、ひとつ改めてもらいたいと思うんですけれどもね。
#156
○政府委員(太田康二君) 銚子沖のイペリットの際も、やはり地元の漁民の方の協力を得て一先ほどの話にありましたように、底びき網漁業を雇い上げましてそれで実施した。もちろん漁民の方にお願いしたわけですが、それ相当の何と申しますか、先ほど申し上げました厚生関係とか警察関係との配慮はもちろんいたしたわけでございますけれども、やはり基本的には底びき網漁業で引いてもらうことしかおそらくなかろうかと思いますので、そういった意味で地元のやはり協力と申しますか、そういった意向も十分打診して、私どもが船を雇い上げるにいたしましても、結局実施する場合には漁船、しかも底びき漁船ということになりますので、そういう形で銚子沖もやりましたから、今回の場合もしやるということになれば、実際の実施の段階におきましては、そういった形態をとらざるを得ないだろうということで、地元にお話ししたことは確かにあるわけでございます。
#157
○塩出啓典君 厚生省にお伺いしますが、そういうガスボンベをたまたま網に引っかけたり、あるいはまた別府湾の自衛隊による、いわゆる浅い海で掃海をして、そうして遠方へ海洋投棄をした、そういうときにかなり人体に被害が出ておる。これは、千葉沖の場合なんかは、はっきり衆議院の会議録で問題になりましたし、千葉、広島県等においてもそういうのは現実に私もよく知っておりますが、そういうものについて非常に私は厚生省として全然そういう国民の生命を守る立場で掌握もしてなければ、イペリット、あるいはルイサイトの毒ガスが人体にどういう影響をもたらすか、そういう因果関係等についてもこれは昭和二十年代から広島大学において独自に今日まで検査をしてきているわけですね。そういうような点についても、先般予算委員会の厚生省分科会において質問いたしましたところが、全然そういうものは厚生省として掌握をしていない。そこで、私はこれは非常によくない、厚生省としてもやはり早急に担当をきめて、厚生省としての担当をきめて、やはりそういうガスとそれが健康にどういう影響を及ぼしていくか、そういうようなやはり因果関係ですかね、また今後の対策、被害者の実態掌握、そういうものを担当をきめて積極的にやってもらいたい、そういうことを要望したいわけでございますが、そういう点、その後厚生省としてはどういう体制で進んでおるのか、それを伺っておきたい。簡単にね、よろしいですか。
#158
○説明員(野津聖君) いま御指摘ございましたように、こういうふうな関係の毒ガスについての毒性の問題につきましても、現在の段階では非常にむずかしい点もございまして、またもう一つは出てまいります急性症状そのものに対応する対策ということが、現在の段階では主体になっているというふうなことでございまして、その原因とかあるいは実際に障害を及ぼします経路等につきましては、非常にまだ学問的にも詰められていないというような問題もございまして、少なくとも現在の医学のやり得る範囲においての治療、あるいはその対策というものにつきましても十分手を打ちたいと思います。また先般、一昨年の銚子沖の際にも、医務局といたしまして実際に作業に従事された方の健康と、あるいは付近の住民の健康というふうなものにつきましても、私どものほうの国立病院療養所から医師なり看護婦を派遣いたしまして、そういうことを事前に防ぐというふうな体制をとっている段階でございます。
#159
○塩出啓典君 別府の場合はどうなんですか。それから広島県の忠海漁業関係のそういうような被害状況、さらには大久野島が戦後、いま国民休暇村が建設されていますが、そういう建設途上においてやっぱり土木工事のときに被害を受けている人もいるわけなんです。そういうのは広島県が、国がやらないものですから自発的にそういう健康診断をやっているわけですよ。本来は国がやるべきものですがね。そういうような問題も、あるいはいま言った広島大学を中心とする今日までのそういう因果関係、あるいは病状等に対する研究の内容、そういうものもやはりぼくは積極的に、いままではあまりやってないわけですから今後積極的にひとつ調査をしてもらいたい、そのことをお願いしたいと思うんですけれどもね。
#160
○説明員(野津聖君) 実態として、いま広島県のお話、それから大分県のお話、さらに大久野島のお話がございましたけれども、実態として私どものほうに直接その対策について届け出、あるいは通知というふうなものにつきましての御意見が県のほうから出てこない点もございますけれども、いずれにしましても、非常に大きな問題でございますので、できるだけその体制をとっていくようにいたしたいと思っております。
#161
○塩出啓典君 これはひとつ環境庁にお願いしたいと思うんですけれども、やっぱりいまも県のほうから報告がないからわからない。それはやっぱり国としてどこが担当するかということをはっきりきめなかったわけで、いままでは何か事が起こると起こった問題の処理だけやる、やはり抜本的な対策を立ててこなかったということが、戦後今日を経てやはり問題が解決しない一つの問題じゃないかと思うんですよ。そういう点で、やはりただ起こった問題を処理するんではなくして、さらに積極的に、もちろんそれには人員の問題、予算の問題――それは限度はあると思うんですよ。可能な限りにおいてひとつ積極的に探し求めてやっていく、そういう姿勢でひとつやっていただきたいということを、これは総理もおりませんから総理大臣の代理としてひとつどうですか、その点は。
#162
○政府委員(鷲巣英策君) お話にございましたように、従来のこの問題に対する全般的な組織が必ずしも十分でなかったという点は、確かにそのように感ずるわけでございます。今後環境庁といたしましても、関係各省の積極的な協力を得まして、この問題につきまして組織的に解決できるよう、努力をしていきたいと思います。
#163
○塩出啓典君 これも厚生省にお伺いをしたいわけなんでございますが、海へ投棄されてすでに四分の一世紀もたっているわけですけれども、そういう四分の一世紀たっている現在、海底にあるイペリット、ルイサイト等の毒ガスがどういう危険性があるのか、そしてまた、そういうものの処理をどうするのか、やはりたとえば銚子沖等で、非常に二千メーターくらいの深いところへ捨てているようですね。あるいは米軍等は最初は太平洋のほうに捨てた、そういうような処置もしているし、あるいは広島県の竹原市等ではコンクリートに詰めて、そうして海に捨てるとか、そういういろいろな処置がとられているわけですけれども、そういうような、今後やはりどういうようにやれば非常に安全なのか、また現状ではどういう状態、どのような危険性があるのか、そういう点はどうですか。
#164
○説明員(野津聖君) 私どものほうでその問題について担当しているわけじゃございませんので、確固たる御答弁を申し上げるのがむずかしいかもしれませんけれども、いずれにしましても先般来のいろいろな経験を徴しまして、関係の各省庁と連絡しながら進んでいかなければいけないというふうに考えております。
#165
○塩出啓典君 別府湾の場合は、分析検査のために国立衛生試験所へ一本持って帰ったのですよ。これはどうなんですか、お宅のほうの管轄じゃないのですか。
 それから防衛庁にお聞きしますが、防衛庁長官はこの衆議院の委員会において、やはりこのイペリット等は陸に揚げるよりも海の底に埋めたほうがいい。もしそこで漏れても、百何十時間すれば無毒化する、そういうことを防衛庁長官が答弁しているのですが、これはどういうような根拠があるのですかね。
#166
○説明員(福田勝一君) このイペリット等を中心にします毒ガスの基本的な性質等に関しましては、ちょうどきょう専門家が来ておりませんので受け売りで恐縮なんでございますけれども、やはり処置のしかたとして一番よろしいのは、ボンベ等をドラムかんに詰めまして、あと、ふちをコンクリートで固めまして、それを二千メートル以上の海中に投棄するというのが一番安全でございます。それから、それ以外のボンベそのものをなまで投棄した場合でございますけれども、これは海水等によりましてボンベそのものがやはり腐食してくるわけでございますけれども、腐食いたして出ました液は大体海水、塩分でございますけれども、これと化学反応いたしまして、大体百時間ちょっとくらいで中和して無毒化するというふうに専門家から私ども聞いた受け売りの知識でございますけれども、よろしくひとつお願いいたします。
#167
○塩出啓典君 環境庁がひとつ中心になりまして、そういうような点を、厚生省も関係のある問題ですからよろしくひとつお願いしたいと思いますよ。それとやはり海に沈んでいるのを調査するのも非常にむずかしい問題だと思いますけれども、それからまたいわゆる掃海をする、それで海上自衛隊の能力では三十メーターか数十メーターしかできない。それで漁民の協力を得ているということですけれども、千葉沖の場合は二百メートルか三百メートルの深さで、ところが漁民の船というのは十トンか二十トンくらいの非常に小さい船ですね、それでなければできない。ところがわれわれ国民の予算でつくった非常に膨大な自衛隊の装備をもってもわずか十トン二十トンの底引網の漁船にも及ばないというのは、これはちょっと私はあまりにもその現状ではできないかもしれないけれども、それらのことは研究すればぼくはできると思うんですよ。そういう点で、衆議院での答弁等を見ますと、もう自衛隊は能力がない能力がないと言っているけれども、能力をひとつ開発してもらって、できればそういうのは、もちろん漁民の人の応援も必要でしょうけれども、そういう人に頼らなければできないというんじゃなしに、そういうような点ももっとひとつ検討してもらいたい、積極的にですね。そういうことを全然やらないで、現状の力ではできないできないと、これじゃあ話にならないと思うんですが、その点をひとつお願いしたいと思います。
#168
○説明員(福田勝一君) 実は大久野島の毒ガスの処理についてでございますけれども、大体投棄されていると思われる周辺のこの海域につきましては、四十四年の十一月に一回と、それから十二月に入りまして一回と、それぞれ五・六平方キロメートル実は掃海したわけでございますが、この掃海の際におきましては、掃海艇三隻を出しまして、これは機雷探知機でございますが、これは磁気反応機じゃなくて音響で金属製の物体を探知する機械でございます。これを三隻に装置いたしまして、そして探査をいたしまして、これは四十メートルから七十メートルの深水でございましたので、これを探査しまして、一々ダイバーをもぐらせまして、それらしきものをさがし出したのでございますけれども、実際には見当らない。そこで、海底の水とかあるいはどろ、こういったものをひとつ分析する必要があるということで、このダイバーにそういった海底の塩水とそれからどろを持ち帰らせまして、そして広島の衛生試験所で分析をした結果、これは一応無害だということだったわけでございます。
 で、問題は、別府湾の場合もそうなんでございますし、また同様に大久野島の海域についても同様のことが言えると思うのでございますが、水深が浅くなりましても、海底で砂またはどろをかぶってしまった場合には、私どもの持っております音響によるところの探知機、いわゆるソナーではちょっとそれをキャッチすることはできないということなんでございます。で、やや防衛秘密にわたるのでございますけれども、実はこのどろの中に埋まっている、海底にあって、しかもさらに砂ないしはどろに埋まっているそういう金属製の物体についても探知する機械、まあ、いわばそういった機雷探知機ということになろうかと思うのでございますが、そういうものについても研究開発はしておるということでございます。そういう点では努力はいたしておるのでございますが、まだ成果がいまここきょうあすに出るというふうな見通しはないということなんでございます。その辺の事情はひとつ御理解を賜わりたい、かように思う次第でございます。
#169
○塩出啓典君 専門的なことはよくわかりませんけれども、やっぱり十トン、二十トンの漁船にできることが防衛庁でできないという、そういうことはそんなに研究は必要ないと思うんですよね。もちろんそれは金属を音響で探知するとか、そういうようなことはよく研究する必要があるかもしれぬけれども、そういう点をひとつ大いに積極的に研究してもらいたい。やはり自衛隊は国民の生命を守るのも一つの使命ですからね。
 それから、きょう新潟港で機雷の爆発があったわけでございますが、機雷の場合はこれはあれでしょう、自衛隊法の九十九条ですか、「海上自衛隊は、長官の命を受け、海上における機雷その他の爆発性の危険物の除去及びこれらの処理を行うものとする。」と、これにはっきり規定されているわけですね。ところが、中曾根前防衛庁長官は、毒ガスは爆発性じゃないから、だからこれは適用しないのだと、そういうことを言っているんですよ。それがそうならば、この自衛隊法の九十九条を変えて、やっぱり毒ガスも当然含むべきじゃないかと思うんですね。
 それからまた、ここに、これは昭和三十三年七月三日に防衛事務次官等から各都道府県に、陸上において発見された不発弾等の処理については、これはいままで通産省だったけれども、自衛隊法の一部を改正する法律の施行により自衛隊が処理をすると、そういう通達も出ているわけですね。そういう点で、環境庁はそういう処理は防衛庁がやるというお話でございますが、やっぱり法的にもそういう点はちゃんとすべきじゃないか。これは検討してもらいたいと思いますけれどもね。
#170
○説明員(福田勝一君) 検討はさせていただきたいと思いますが、それぞれのこういった法規の規定というのは、それぞれやはりいきさつがございまして、こういう規定になった次第でございますので、検討につきましては相当慎重にやらせていただかなければならないのじゃないかというふうに思います。予算の裏づけその他もございますし、そういうふうなこともありまして、検討をすべく、帰りまして十分筋に報告いたしましてさせていただきたいと、かように思います。
#171
○塩出啓典君 それから掃海の費用とか、あるいはまあ損害賠償の問題ですね。忠海漁港等に二十億円国が損害賠償するというようなことを言っているわけですが、これは金額はどういう根拠か私は知りませんけれども、いずれにしても国が製造したそういう毒ガスによってほんとうにやっぱり被害を受け、これは漁業の収入が減るとか、あるいはまた船がやられるとか、あるいは健康被害を受けるとか、そういうふうな事実は私はやはり国の責任のもとにおいて処理すべきじゃないかと思うのです。千葉県の銚子沖等においても、その当時予備費等を使っていろいろ掃海の費用等も出しているようでございますが、これはそのときの臨時的な処置であって、それに対する抜本的な一つの方針というものを確立をして、こっちは出すけれどもこっちは出さない、忠海市なんかはガスボンベ一つ揚がるとコンクリート詰めにして海に捨てると六万円かかるんですよ。こういう市は財政的に苦しいわけですね。そういうのは金額は少ないかもしれませんけれども、筋から言えばやはり国のもとでちゃんとやるべきだ、私はそう思うんですけれどもね。そういう点もひとつ検討してもらいたい。
#172
○政府委員(太田康二君) 銚子沖のイペリットの場合は、御承知のとおり県に委託をいたしまして、地元の船を雇い上げまして、実施をいたした、そのために予算の一部流用をし、さらに予備費の使用もいたしたということでございます。なお、その後の処理といたしましては、イペリットかんを引き揚げた場合には、これに対して一件に対し八万円という、何と申しますか額の補助をいたしております。これに県が何か二万円乗せまして十万円というものを漁民のほうに交付しておるということを聞いております。こういった事例もあるわけでありますから、私どももはっきり防衛庁が中心になって、私どもが協力し、調査の結果毒ガスがあると、そしてそれを引き揚げるということが具体化すればやはり銚子沖等の例に準じて措置すべきものということで、これはもちろん財政当局と話し合いの問題もあるわけですが、そういった例もあることですから、そういう方向で検討していきたい、かように思います。
#173
○塩出啓典君 最後に、農林大臣に、水産関係も関連がありますので、戦後二十七年もたって、いうならばいま今日環境庁が担当するということがきまること自体、私はまあ、そういうことで被害を受けた人に対してはまことに申しわけない、政治の怠慢であるといわざるを得ないと思うのです。しかし、過ぎ去ったことはもういまさら言ってもしかたがないわけですから、そういう点ひとつ特にきょうは漁民の問題ですね、これはもちろん漁民以外にも工場につとめた人、いろいろそういう被害者がおります。そういうものは別途問題として、漁業被害等もあるならばこれは当然納得のいく処置をとるべきじゃないかと思います。そういう点で漁民の立場に立ってひとつ農林大臣が積極的に監督をし、これをひとつ推進をしていただいて、そうして大久野島にしても安心して多くの人が訪問できるように、また漁民の人も安心して操業ができるように、その処置をとっていただきたい、そのことを要望したいと思うのですが。
#174
○国務大臣(赤城宗徳君) お話のようにいたしたいと考えております。
#175
○向井長年君 実は私は、わが国の林政全般、民有林あるいは国有林について質問いたしたい、こう考えておりましたが、時間もございませんので、民有林関係等につきましては若干これは次の機会に回しまして、特に国有林関係の問題について三、四点質問をいたしたいと思います。したがって、端的に質問いたしますから、答弁もそういう意味で明快に端的に答えていただきたいと、こう冒頭に要望いたしておきます。
 まず第一に、わが国の林業の中核をなしておるのがまず国有林であろうかと思います。この国有林の経営が特に昭和四十五年以来赤字の経営に入っておるのではないか、赤字財政ではないかと思いますが、このまま放置するならば恒久的な赤字になる可能性が非常に強いと思います。したがって、これに対して国家的な重要問題と私は考えますが、この国有林再建についての具体的な方策が那辺にあるのか、あるいはまた今日までこういう要因を来たした原因は、これどこにあるのか、この問題をまずお答えいただきたいと思います。
#176
○政府委員(福田省一君) 最近、国有林の乱伐ということが一部で論ぜられておるわけでございます。確かに昭和三十年代から旺盛な木材の需要に積極的に対処することが要請されましたために、木材の生産を重視するあまりに、自然保護への配慮を要する地域の一部でより適切な施業が行なわれるべきであったと考えられるものもあったことは事実でございます。現在自然保護等に十分配慮した新しい施業方法を定めまして、実施に移すこととしておるところでございます。また、国有林の赤字の問題につきましては、国有林の多くが山岳地帯に位置しておりますために、その経営の負担において国土保全、自然の景観の保護などの面で、ますます重要な役割りを果たすことが要請されてきておりますほかに、資源的な制約による伐採量の減少、木材価格の低迷、外材等の圧迫もございまして、あるいは人件費の大幅な上昇、こういったことがわが国の林業をめぐるきびしい情勢でございますが、そのことが国有林の中に集中的にあらわれておる。それで国有林の経営の収支が急速に悪化しているという状態でございます。このような現状に対処しまして国有林の抜本的な改善を行なおうと現在、検討を急ぐ一方、林政審議会にも審議の検討をお願いしているところでございますが、農林省としましては、この改善にあたっては単に経営収支の改善にとどまらず、国有林の公共性に十分配慮しまして、一つは森林の多角的な機能の維持増進に配慮した施業の拡充、治山事業の推進などの公益的な機能の増進の諸施策、次に、事業の実行形態の合理化、販売方法の改善など、各種の事業の改善、合理化、またその次には、業務の執行体制の整備、労務管理の改善、組織機構の合理化などの経営管理体制の刷新、次にまた、良好な自然環境の提供事業、こういったことの国有林の新たな展開、これを中心としまして、抜本的な改善策を樹立、実行する必要があると考えておるところでございます。
#177
○向井長年君 いまも長官から、るる今後の方針等も述べられましたけれども、私は、まずやはりここで反省しなければならぬことは、少なくとも国有林の経営は官業であるというものの考え方、企業性に非常に乏しいということ、ここに私は問題がまずあると思いますよ。少なくとも一般民間の企業だったらどうなんですか。相当思い切った企業性を持って企業の合理化あるいはまた近代化その他企業の充実、こういう問題と取り組んでいくと思うんですよ。しかしながら、特にこれ官業であるという立場から、非常に私は、企業性というものに対して考え方が非常に乏しい状態が、いま長官が言われたもろもろの施策が今日まで十分行なわれてなかったというところに原因があると思うんですが、いかがですか。
#178
○政府委員(福田省一君) まことに先生御指摘のとおりであると存じます。この点につきましては、最近、国有林の経営の状態が非常に放漫であるというふうな御批判もいただいているわけでございます。ただいま申し上げましたように、この点に つきましては、民業の模範となるような近代化、合理化をはかりまして、国民全般の支持を受けるような経営体制に切りかえてまいりたいと、かように思っておるわけでございます。
#179
○向井長年君 そういう企業性を非常に強く持って、この国有林の経営に当たるということになれば、まず企業性の中から出てくる問題は、やはり能率性、効率性だと思いますよ。今日まで能率性、効率性が十分果たされておったと長官は思われますか。
#180
○政府委員(福田省一君) その点につきましては、率直に反省いたしまして、必ずしも十分でなかったということを感じておるわけでございます。今後は、御指摘の線に沿いまして、徹底した改善計画を早期に樹立してまいりたい、かように考えております。
#181
○向井長年君 実は、私、ちょうど六、七年前だと思います。坂田農林大臣、それから田中林野庁長官時代だと思いますが、そのとき、この問題をとらえて私は、質問をいたしました。やはり林政全般、特に国有林の企業、この問題について質問をいたしましたか、その後――そのときに私か言ったのは、企業性から効率性、言うなら能率性、こういう問題について、俗に言うところの委託林と、こういわれておりますこの問題については、十分な再検討を行なわなければならぬ時期にきておるのじゃないか、こう私は思います。と言うことは、御承知のごとく、やはり今日、直営直用という問題が重要視されておりますけれども、これがただいま十分な成果をおさめておるかと言えば、必ずしもそうじゃないでしょう。したがって、直営直用の問題も必要にいたしましても、この問題についてやはり十分な再検討をする時期がただいまきておるのじゃないか、こう思うわけなんです。で、特に、やはり先ほどもいろんな意見がございましたけれども、林業というものは各地に点在し、国有林も点在し、あるわけです。したがって、常に国営――官業である以上は、林野庁か管理し企業努力をしなければならぬと同時に、やはり地元に対しての、地元と申しますか、一般民間に対しましても十分なやはり協力を得なければならぬということだと思います。そうなってまいりますと、今日のこの直営直用の問題も私は再検討の時期がきている、こう思いますが、その点いかがですか。
#182
○政府委員(福田省一君) 先ほどお答えいたしましたように、私たちはこの点につきまして十分反省していかなければならぬと思っておるわけでございます。特に、国有林を取り巻くこういうきびしい事態の中で、今後の経営のあり方を鋭意検討しているのでございますが、直営直用の方向につきましては、先生御指摘のように、地域振興など地元関係に十分配慮する必要があると考えております。また、しかし雇用の安定の面から見ましても、この事業をずっと継続してやる、いわゆる継続性を十分考慮する必要がございます。この点につきましても計画的にやってまいりたいと思います。また御指摘のように、能率性を尺度とする経営の改善、合理化を行なう必要もあると、かように思っております。これらの点を十分考慮いたしまして、御指摘の線に沿うて努力してまいりたい、かように思っておるわけであります。
#183
○向井長年君 大臣にちょっとお伺いいたしますが、特に、いま長官からお答えがありましたこの問題について、少なくとも国有林の健全な経営にプラスする直営直用は、これは当然私はやらなければならぬと思います。しかし、それによって継続的に、あるいは非能率、こういう問題が出てくるという問題については、これは縮少の方向に進まなければならぬと思いますが、この点、大臣どうですか。
#184
○国務大臣(赤城宗徳君) 先ほどから話を聞いておりましたが、森林の公益性というのは非常に強まっております。そういう点で私は公益優先というようなことを十分考えなくちゃならぬと第一思います。そこで、そういう点で、官業というか国営という分野がふえてきていますが、ところが国営、官業一般が非能率であるという傾向で、国鉄などでもそうでございますが、せっかく公益的な仕事をやっていながら、非常に効率的じゃない、あるいは能率性がないという欠陥が出てきておると思います。特に、この森林経営は、長い間の森林を育成していく期間がありますから、能率性がない傾向がある。それで、直営直用の問題も、官業全体が、直営直用で、雇われている人までも官僚性というかいそういう傾向になる点が私は、なきにしもあらずじゃないかと、こう見ています。そういう点などから見ますと、どうしても能率性とか効率化――林野に関係している人の全体としてそういう傾向もあるんじゃないかと思います。ですから、能率性とか効率性とかいうようなものも考えて、抽象的なことばで言えば、善良なる管理者としての能率性、効率性をあげていく、こういうことで、場合によってはそういう点に欠くるところがあるものは是正していかなくちゃならぬ、こういうふうに私は考えます。
 それから、もう一つ地元というお話がありましたが、私は、やっぱり山村振興というような関係もありますから、地元の労働力というものをこれは十分入れていく、こういうことで、やはり地元の人は何といっても実際にそれで長年生活してきている歴史的なあれがありますから、山を愛するといいますか、そういうことから、地元の者も協力させるというか、使うというようなことによって、いまの公共性、公益性それとまた生産の企業性とか効率性、こういうものと、両方発揮できるようにさしたらいいんじゃないか、こういうふうに考えます。
#185
○向井長年君 いまの大臣の答弁は、かいつまんで申し上げますと、こういうことに解釈してよろしいですか。もちろん直営直用も有効的にこれば活用しなきゃならぬが、しかし、それによって経営がマイナスになるという問題については、あるいは地元関係の問題も含めて、これについては縮小なりそういうものは若干やめていく方向をとらなきゃならぬ、こういうふうな解釈をしてよろしゅうございますね。
#186
○国務大臣(赤城宗徳君) 縮小ということばがどうもあまり適当ではないのですが、何といいますか、前向きに、効率的、能率的な方向に沿わないものは結果において縮小する面も出てくるということになろうと思います。
#187
○向井長年君 なりますね。長官どうなんですか、大臣のいまの意見。
#188
○政府委員(福田省一君) 大臣のおっしゃいましたように、やはり直営直用事業、これはいい直営直用事業にしてまいりたいと思うわけでビざいます。大臣のおっしゃいますように、地元関係のことも十分配慮しまして、全体として国有林がよくなっていくような方向で努力してまいりたいと思っております。
#189
○向井長年君 時間がございませんから次に進みますが、内閣委員会でこれはまた問題になると思いますけれども、いま審議中の農林省設置法改正の中で、林野庁の職員部の廃止問題が出てまいっております。これはいずれいろいろと他の機会にも質問いたしたいと思いますけれども、林野の問題につきましては、いま労使関係は非常に問題点が多いかと思います。ただいまこういう問題点が多い中で、そういう機構を縮小していくという問題についてば、どうもわれわれ合点がいかない。少なくともそういうときにはその機構というものはあって、もっと充実して労使関係を正常に管理し、また接触を深めていくというのが正しいあり方だと思う。この点について林野庁としては、どういうこれに対して根拠を持ったのか、あるいはまた、そのほうが労使間がうまくいくと思ったのか、この点についていかがですか。
#190
○政府委員(福田省一君) 御指摘の職員部をなくするということについての御質疑でございますけれども、私はこれからの国有林経営は、まさに先生おっしゃいますように非常な難局にかかっていると思うわけでございます。したがいまして、従来ありました職員部と、それから業務部、この二つをむしろ合併して国有林部といたしまして、国有林全体を一丸としてこの国有林部長が、これからの難局の中にも特に、労働問題が大事でございますので、一括してこれに当たっていくというほうがいいのではなかろうかと私は思っておるわけでございます。なお、それを補いますために、従来業務部でやっておりますところの経常の業務につきましては、審議官を置きましてこの国有林部長を補佐するということに実はなっているわけでございます。御指摘の点につきましては、私はさように考えておるものでございます。
#191
○向井長年君 この問題につきましては、私は、ここでの論議はやめます。いずれ内閣委員会でもう一回やることになると思いますし、問題点を指摘したいと思いますが、次に、特にここで明確にしたい問題点は、これも労使関係の問題ですけれども、長年懸案事項になっておった特別昇給制度の問題でございますが、これについては今日まで置き去りにされておる。どういう理由で置き去りにされておるんですか。これは他の企業は国鉄にしても専売にしても、全部特別昇給制度があるんですよ。なぜ林野だけがないのか。同じ公共企業であって、どうもこの問題については、われわれは相当以前から指摘しておりますけれども、今日まだやられておらない。この理由をまずお聞きすると同時に、これに対して今後どう対処するつもりか、この点をお聞きいたしたいと思います。
#192
○政府委員(福田省一君) 御指摘の特別昇給制度につきましては、相当長い間の懸案事項でございます。この問題につきましては、国有林の事業は先生御承知のように、独立採算制度、特別会計をとっておるわけでございます。一般会計におきましては、勤務評定をいたしますれば、直ちにそれに基づいて特別昇給制度は実施できるものでございますし、現に実施しております。ところが、国有林の場合におきましては、前提となる勤務評定をいたしましても、特別昇給をやる際に必要な基準につきましては、労働組合との協議をいたしまして、それで基準をきめなきゃならぬ、こういうことになっているわけでございまして、長い間労働組合とこの点につきまして協議を重ねてまいりましたが、なかなかその点についての話し合いがつかなかったということがおくれた原因でございます。
#193
○向井長年君 それで今後のことは。
#194
○政府委員(福田省一君) 今後、先ほど申しましたように、国有林の抜本的な改善をはかっていかなきゃならぬという中におきまして、特に、働く者については処遇をよくしてやるということ、これは必要な問題でございますから、その趣旨に沿って特別昇給制度は早期に実現をはかりたいと、かように考えておるものでございます。
#195
○向井長年君 特別昇給制度を実施しようとするのに、労使間で話し合いがつかない、こういういままでの理由らしいんですが、どうして話し合いつかないのか、特別昇給制度、これをつくろうというのに、それに反対というか、それに対しては賛成できないという、これは労使というのは組合でしょうが、職員組合でしょうが、それはどこなんですか、どの組合なんですか。
#196
○政府委員(福田省一君) 御指摘のように労働組合は二つございます。略称全林野、日林労、かようになっておるわけでございます。日林労との間におきましては、おおむねこの点につきましては話し合いは進んできておるわけでございまして、私はこの問題につきましては一方の組合が話がついたからその組合とはやる、他方の組合はつかないのでこれはやらない……、なお両方の組合に入っていないものもございます。こういう三種類あるわけでございまして、私は、この制度はいい制度であると考えておりますので、全職員に均てんするような方法をとりたいと考えているわけでございます。
#197
○向井長年君 そうなれば、いま長官が言われるように特昇制度は、これはやるのだということになるならば、一方の組合がそういう形で賛成するならばその基準においてそれを実施する、そうすれば、他の組合も当然職員は特昇制度というものは、必ずしも私は、反対じゃないと思いますよ。そういう形で十分な理解を得られるのじゃないか。そういうことで、いつから実施しますか。
#198
○政府委員(福田省一君) すでに長年の問題でございまして、四十六年度中には実施したいと思っていたのでございますが、四十七年度に入ったわけでございます。ただいま公労委のほうにそれぞれあがりまして調停案等が出てまいっております。私は、この点につきましてはこの年度内に、しかし、年度内の末までということではございません。前提となりますところの条件を早期に整備いたしまして、できるだけ早く、一日も早く実現するというふうに考えておるものでございます。
#199
○向井長年君 実施に移すということですから私は了解しますが、大臣、その点いかがでしょう。いま長官から一日も早く実施に移したい、移す、こういう御答弁でございますが、大臣ももちろんそうだと思いますが、一言御答弁願います。
#200
○国務大臣(赤城宗徳君) 私はもう特昇制度がなかなか話がいろいろ両方でまとまらないというのは、これはいままでのいきさつもあると思うのです。勤務評定制度をつくるときに、非常に反対がありました。勤務評定というのは特昇とか、上に上げるのじゃなくて、罰をするというか、悪いほうばかりを注意してやるのじゃないかという一つの観点があって勤務評定をしようという制度について全般的に勤務評定反対ということをいわれる、しかし、私は特昇制度というのはいいことだと思うのです。ですから、これは労使お互いに十分話し合われて、そのほうへ進めていくには大いに力を尽くしていきたいと思います。ですからいま公労委に調停が出るそうですが、そういう方向に調停してもらうことを非常に期待するわけです。
#201
○向井長年君 大臣も長官も特昇制度を早急に実施したい、こういう方向で検討したいといっておりますし、長官はもう少し、本年度一日も早く、こういうことでございますから、これはそういう形に理解してこの問題を終わりますが、もう一つ、日給制職員の労働条件のいわゆる賃金体系の改正の問題ですが、これについてはどうなんですか。
#202
○政府委員(福田省一君) 国有林野事業の作業員は、賃金につきましては、雇用の実態、それから林業労働の特殊性から、御承知のように日給制、これは出来高給を含んでおるわけでございますけれども、そういう日給制体系としているものでございますけれども、このことは国の企業として給与特例法の趣旨に沿うものと考えておるのでございますが、この体系のもとで従来からも労働条件の改善につとめてきておるところでございますけれども、今後ともこの改善につきましては全力をあげてまいりたいと、かように思っております。
#203
○向井長年君 私は、時間三十分返上しましたのでこれで終わりますが、まだまだ質問事項がたくさんあるわけですが次の機会にいたします。官房長官には内閣委員会で質問いたすことにいたしますから、ひとつ今後いま言われたこと、答弁されたことをぜひ実施に移していただくことを強く要望して質問を終わりたいと思います。
#204
○委員長(高橋雄之助君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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