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1971/03/10 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 社会労働委員会 第3号
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1971/03/10 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 社会労働委員会 第3号

#1
第068回国会 社会労働委員会 第3号
昭和四十七年三月十日(金曜日)
   午後一時十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十九日
    辞任         補欠選任
     杉山善太郎君     横川 正市君
 一月三十一日
    辞任         補欠選任
     和田 静夫君     藤原 道子君
     横川 正市君     佐野 芳雄君
 二月二十二日
    辞任         補欠選任
     小笠原貞子君     須藤 五郎君
 三月七日
    辞任         補欠選任
     須藤 五郎君     小笠原貞子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         中村 英男君
    理 事
                鹿島 俊雄君
                高田 浩運君
                大橋 和孝君
                小平 芳平君
    委 員
                上田  稔君
                上原 正吉君
                川野辺 静君
                玉置 和郎君
                徳永 正利君
                橋本 繁蔵君
                山下 春江君
                佐野 芳雄君
                須原 昭二君
                藤原 道子君
                高山 恒雄君
                小笠原貞子君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  斎藤  昇君
       労 働 大 臣  塚原 俊郎君
   政府委員
       厚生大臣官房長  高木  玄君
       厚生大臣官房審
       議官       信澤  清君
       厚生大臣官房会
       計課長      福田  勉君
       厚生省公衆衛生
       局長       滝沢  正君
       厚生省環境衛生
       局長       浦田 純一君
       厚生省医務局長  松尾 正雄君
       厚生省薬務局長  武藤g一郎君
       厚生省社会局長  加藤 威二君
       厚生省児童家庭
       局長       松下 廉蔵君
       厚生省保険局長  戸澤 政方君
       厚生省年金局長  北川 力夫君
       厚生省援護局長  中村 一成君
       社会保険庁医療
       保険部長     穴山 徳夫君
       社会保険庁年金
       保険部長     八木 哲夫君
       労働大臣官房長  藤繩 正勝君
       労働大臣官房会
       計課長      大坪健一郎君
       労働省労政局長  石黒 拓爾君
       労働省労働基準
       局長       渡邊 健二君
       労働省職業安定
       局長       道正 邦彦君
       労働省職業訓練
       局長       遠藤 政夫君
   事務局側
       常任委員専門
       員        中原 武夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○社会保障制度等に関する調査
 (厚生行政の施策に関する件)
 (昭和四十七年度厚生省関係予算に関する件)
○労働問題に関する調査
 (労働行政の施策に関する件)
 (昭和四十七年度労働省関係予算に関する件)
○食品衛生法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(中村英男君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 社会保障制度等に関する調査を議題とし、まず厚生行政の施策について、斎藤厚生大臣から所信を聴取いたします。斎藤厚生大臣。
#3
○国務大臣(斎藤昇君) 第六十八回国会における、社会労働委員会の御審議に先立ちまして、厚生行政について所信の一端を申し述べたいと存じます。
 昨年は、円の切り上げ、景気停滞など内外経済は大きな試錬に遭遇いたしたのでありますが、一方国民各層の間に次第に高まってまいりました福祉優先の声は、蓄積した経済力を社会資本への投資と福祉向上に充てるべきであるという政治の基本姿勢としてとらえられるに至っております。
 このような時代の転機にあたりまして、厚生省といたしましても、行政各般にわたり思い切った改善措置を講ずるとともに、戦後定着をみて久しい諸制度につきましてもこの際その基本的な立て方から見直しを行ない、将来にわたって国民生活の安定と向上がはかられるように総力を傾ける所存でございます。
 明年度予算案の編成にあたりましては、このような立場から私としましても微力を尽くしたところでございますが、国民の健康の確保と福祉の向上を求める国民的な支援のもとに、厚生省予算は前年度に比しまして実に二三%増、一兆六千億円に達する額を確保できる見通しでございます。
 以下、当面の主要課題について申し述べることといたします。
 第一は、福祉関係予算の飛躍的な拡充でありますが、その中でも最も重点を置きましたのは、今日緊要の課題となっております老人福祉対策であります。
 まず、最も受給者が多く緊急性の高い福祉年金につきまして老齢福祉年金を千円増の月額三千三百円といたしたのをはじめ、障害福祉年金、母子、準母子福祉年金につきましても、かつて例をみない大幅な引き上げをはかり、扶養義務者の所得制限につきましても緩和をはかりました。
 また、拠出制国民年金につきましても、昨年の厚生年金における応急措置にならい、引き上げをはかることといたしております。
 なお、老齢人口が急速に増加しております今日、真に老後を託するに足る年金を目ざし、より一そう所得保障の実をあげまするために、厚生年金につきましては昭和四十九年に、国民年金につきましては昭和五十年にそれぞれ予定されている財政再計算を繰り上げまして実施することを含め、本格的な制度改善の検討を急ぐことといたしております。
 次に、かねてからの懸案でありました老人医療費の軽減につきましては、医療保険の自己負担分を公費で肩代りすることによりその無料化をはかるべく老人福祉法の一部改正を提案いたしております。
 このほか、税制面における老齢者控除の創設、ひとり暮らしの老人、寝たきりの老人に対する施策につきましても新たなくふうをこらし、長い間社会発展のいしずえとなってこられました老人に対し、国家として物心両面にわたる思い切った配慮をいたしました。
 また、立ちおくれの著しい社会福祉施設の整備につきましては、引き続き大幅な増額をはかるとともに、社会福祉施設で働いておられる職員の方々の定数増や処遇の改善につきましてもあわせて大幅な増額をはかったほか、心身障害児、者対策をはじめとして社会福祉施策全般の充実をはかることといたしました。
 この結果、明年度の社会福祉費は前年度に比し三七・五%の増額となっております。
 第二に、日々の健康を守る上においてゆるがせにできない医療保険制度についてであります。
 政府管掌健康保険の財政は、依然として悪化の一途をたどっており、今回の医療費改定による影響等を考慮いたしますると昭和四十七年度末におきましては三千億円をこえる累積赤字をかかえることとなります。被用者保険の中枢である政府管掌健康保険の財政がこのように安定を欠いたままでは、抜本改正への円滑な移行に重大な支障を来たすものと考えまして、昭和四十七年度におきましては何よりもまずこのような事態の解決をはかることとし、標準報酬の上下限の改定、保険料率の引き上げ、賞与についての特別保険料の徴収、国庫補助の定率化等を内容とする健康保険法一部改正案を提案をし、御審議願うこととしております。
 さらに、懸案の医療保険制度の抜本改正につきましては、給付、負担の両面にわたって格差、不均衡を是正しつつ、いよいよ重要性を増してまいりました国民医療の確保の観点から、医療保険の一そうの充実発展をはかるため、制度改革の具体案を策定し、昭和四十八年度実施を目標として今国会に法案を提案いたし、御審議願う所存でございます。
 第三に、国民の健康に対する関心は日増しに高まり、制度のあり方につきまして幅広く見直すべきであるという声が強まっております。さきに述べました医療保険制度の抜本改正はもとより、その前提となるべき医療の確保がいまほど強く求められているときはありません。また、将来にわたって国民の健康を守るためには、単に疾病の治療にとどまらず、包括的な予防体制、さらに一歩を進めて健康の増進など幅広い立場からの検討を行ない、時代の要請に即応した医療を確立する体制をつくることが必要であると考えます。今国会に医療基本法案を提出することといたしておりますのもこのような考え方に基づくものでございます。
 また、同様の考え方に立って、新たにモデル的な健康増進センターを設置することにより国民の健康増進を目ざし、また、これまで手を差し伸べられることの少なかった特定疾患対策につきまして機構の整備、治療研究の積極的な推進をはかり、人工じん臓対策として治療費の負担等の措置を講ずることとしました。
 さらに、従来から逐年充実をはかってまいりました成人病予防、僻地医療、救急医療、看護婦等医療関係者の充足などに対する施策を一そう充実させたところでございます。
 以上のほか、国民の生活環境の整備改善等の問題につきましては、激増するごみに対する施策として、廃棄物処理施設緊急整備計画を策定し、その計画的な拡充をはかることとしており、食品、医療品の安全確保の問題につきましても、調査研究を深めるとともに、特に食品につきましては規制の強化をはかるため食品衛生法の一部改正案を提案をいたしております。
 最後となりましたが、国民がこぞって待ち望んでおりました沖繩の復帰がいよいよ本年五月十五日に実現することと相なりました。
 復帰後の県民生活の面で十分に本土並みの水準が確保されますよう、厚生省といたしましても格段の努力をいたしてまいる所存でございます。そのための所要の予算措置を講じているところでございます。
 以上申し上げました事項のほか、厚生省が解決すべき課題は山積いたしております。そのいずれをとりましても、国民一人一人の日々の生活に深くかかわりのあるところでございますので、一件一件迅速に、かつ確実に処理し、国民の期待にこたえる覚悟でございます。
 各位の御指導、御鞭撻を重ねてお願いを申し上げる次第でございます。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(中村英男君) 次に、昭和四十七年度厚生省関係予算につきまして政府から説明を聴取いたします。福田会計課長。
#5
○政府委員(福田勉君) お手元に配布いたしました資料に基づきまして、昭和四十七年度厚生省所管予算案の概要を御説明申し上げます。
 昭和四十七年度要求額は一兆五千九百七十五億円でございまして、対前年度増加額は二千九百八十五億円、伸び率は一二三%でございます。
 一ページをおあけ願います。主要経費別要求額でございますが、社会保障関係費、これは労働省所管の失対費あるいは農林省所管の社会保険費を除きまして一兆五千二百四十六億円でございまして、一二二・七%の伸びでございます。この中で特に社会福祉費は二二七・五%の伸びを示しております。その他の主要経費といたしましては、公共事業関係費のうち生活環境施設整備費が一六五・八%の伸びに相なっております。
 二ページに進ましていただきまして、主要事項について申し上げますと、生活保護費でございますが、前年度に比べまして五百九十七億円の増でありまして、内容は備考に書いてございますように、生活扶助基準の一四%引き上げ、これによりまして標準四人世帯の月額は一級地におきまして四万四千三百六十四円と改定になる予定でございます。なお、そのほかの教育扶助基準及び葬祭扶助基準についても所要の改定を加えております。
 次に、社会福祉施設整備費でございますが、四十六年度八十三億円に対しまして四十七年度要求は百二十億円でございます。三十七億円の増になっております。寝たきり老人あるいは重度心身障害児の施設や保育所等緊急に必要な施設に重点を置いて整備する予定でございます。
 次に、社会福祉施設処遇改善費でございますが、職員等の処遇改善につきましては毎年相当の改善を加えておりますが、四十七年度に特に重点を置いたものの一つでありまして、百三十五億円を計上いたしております。内容につきましては三ページから五ページまでにございますが、三ページのうち職員の給与の改善といたしまして保母、寮母等直接入所者の処遇に従事する職員の特殊件にかんがみました給与改善及び雇用人の給与引去上げ、民間施設職員に対する給与の格差是正を行なうため六十二億円を計上いたしております。
 さらに、職員定数増といたしまして二十億円を計上いたしているところでございます。
 六ページにまいりまして、老人福祉対策費でございますが、四十七年度予算案の最重点の一つとして計上いたしておりますが、六ページから八ページまでに内容を記載しております。六ページにおきましては老齢福祉年金の改善といたしまして千六十一億円を計上いたしております。このうち改善分は百六十三億でございまして、年金額の引き上げは老齢福祉年金におきましては月額千円、その他扶養義務者等所得制限の緩和、恩給等との併給制限の緩和等を考えておるところでございます。
 次に、老人医療対策費でございますが、新規施策といたしまして九十六億円を計上いたしております。これは七十歳以上の老人の被用者保険及び国民健康保険の自己負担分を公費負担するためのものでございまして、いわゆる老人医療の無料化でございます。国庫負担といたしまして四十八年一月実施で九十六億円でございます。
 その次の、老人一般福祉対策費でございますが、前年度二百二十七億円を三百三億円、七十六億円の増でございます。
 七ページにまいりまして、おもなものを申し上げますと、一番の老人家庭奉仕事業費でございますが、これは老人の家庭奉仕のための手当月額二万三千九百円を三万七千円に増額いたしております。さらに、二番目の(2)でございますが、介護人につきましては三千四百人を五千七百二十五人と増員をはかっているところでございます。さらに、一番下の老人クラブ助成費、これは七万クラブを八万五百七十五クラブに増設するというように、月額千五百円から二千百円に増額をはかっているところでございます。
 八ページにまいりまして、心身障害児・者対策費でございますが、一三ページまでございます。総額で申し上げますと、六百十四億円でございまして、百三十六億円の増を計上いたしているところでございます。
 まず第一、身体障害児対策費といたしましては、主として心身障害研究費一億円を三億円にいたしておりますのと、通園事業助成費あるいは重度障害児の日常生活用具給付費を新たに計上しているところでございます。
 九ページにまいりまして、育成医療費としまして新たに後天性心臓障害及び人工じん臓のいわゆる人工透析医療等に対しまして新規に予算を計上いたしているところでございます。
 一〇ページにまいりまして、在宅盲精薄等重度障害児集団療育事業助成費六百万円でございますが、あるいは特別児童扶養手当につきましては福祉年金の増額に見合った手当額の引き上げ及び新たに障害範囲の拡大といたしまして、重度の精神障害児、内部障害児、併合障害児等にも特別児童扶養手当を支給する道を開いたところでございます。
 一一ページにまいりまして、精神薄弱児対策費でございますが、一一ページの一番下のおとなの身体障害者対策とともに従前の施策のおおむね拡充でございますが、新たにふえましたのは一一ページの一番下にございます更生医療給付費といたしまして、後天性心臓の手術費とともに一二ページの一番上の人工透析医療費を新たに計上したところでございます。
 それから、一一ページの一番最後でございますが、社会適応訓練事業費といたしまして盲婦人家庭生活訓練あるいは言語障害者発声訓練等のいわゆる社会訓練事業に対しまして新規に補助することにいたしております。
 一三ページの一番最後でございますが、障害福祉年金につきましても、月額三千四百円から五千円に増額をはかっているところでございます。
 一四ページにまいりまして、民間社会福祉事業育成費でございますが、三十三億円でございます。これは備考欄にございますように、社会福祉協議会の職員給与のベースアップ、職員増及び2の心配ごと相談所の増設及び民生委員定数を十二万五千人から十六万人に増員いたしております。
 なお、7の社会福祉施設職員の退職手当共済制度の改善等が中心になっているところでございます。
 一五ページにまいりまして、同和対策でございますが、同和対策といたしまして四百二十九億の四十六年度予算に対しまして、四十七年度要求は六百二十九億と相なっておりまして、二十億円の増をはかっているところでございます。これは生活環境を改善するための施設の整備あるいは隣保事業の推進等、施策の充実をはかることにしておりまして、その中の一番おもなものがいわゆる1の施設整備費でございまして、二十億円の増をはかっているところでございます。
 一六ページにまいりまして、母子等福祉対策費でございますが、八十二億を計上いたしております。児童扶養手当につきましては、母子福祉年金の改善と並びまして、月額千四百円の引き上げでございます。これを中心にする改善をはかりますとともに、寡婦福祉貸付補助金につきましては、一億五千万円を増額計上申し上げているところでございます。さらに、新規といたしましては、母子及び寡婦家庭の自立促進対策といたしまして、家庭奉仕員等養成経費を計上いたしているところでございます。
 一七ページにまいりまして、児童の健全育成対策費でございますが、六百七十七億円を計上いたしておりまして、百五十二億円の増でございます。内容といたしましては、保育対策費と家庭児童育成対策費に分かれておりますが、そのうち保育所措置費につきましては、措置児童数の増加に対応いたしまして、四十六年度に引き続き措置児童数の増加をはかることといたしております。さらに、児童館につきましては、個所数をふやし、単価をふやしているところでございます。
 一八ページにまいりまして、母子保健対策費でございますが、十六億円でございまして、二億円の増でございます。内容といたしましては、従前の施策の充実強化でございまして、特に小児医療センターにつきましては、昨年に引き続きまして一カ所をさらに整備することにいたしております。
 一九ページにまいりまして、医療保険対策でございますが、これは大臣の所信表明にございましたように、内容といたしまして、国庫補助の五%の定率化を中心にいたしまして組んでいるところでございます。
 次の国民健康保険助成費につきましては、四千八百九十一億円でございまして、四十六年度予算より六百七十二億円の増でございます。その大部分は一の療養給付費補助金あるいは3の財政調整交付金、合わせまして四割五分の補助金でございますが、そのほかは事務費の単価引き上げ、あるいは保健婦に対する国庫補助の大幅な引き上げ、なお、その次のページの国保組合の臨時調整補助金を九億を二十五億円に増額いたしました内容等でございます。
 二〇ページにまいりまして、児童手当でございますが、四十六年度創設いたしました児童手当につきまして初めての平年度化分の分でございまして、百六十一億円を計上いたしているところでございます。
 次は、国民年金の改善でございますが、福祉年金につきましては最も重点を置いた施策の一つでございまして、改善内容といたしましては先ほど御説明いたしましたように、老齢におきまして月千円、障害、月千六百円、母子福祉年金におきまして月千四百円の大幅改善を中心にいたしておるところでございます。
 二一ページの一番下でございますが、拠出年金でございますが、これは四十六年度の厚生年金保険の改善に準じまして、応急的な改正を行なうものでございまして、六百七十一億円を計上いたしているところでございます。内容といたしましては、障害年金の最低保障額あるいは母子、準母子、遺児年金の最低保障額の一〇%の引き上げでございます。
 その次は、二二ページの保健所費でございますが、百六億円の計上でございまして、前年度に比し、十二億円の増に相なっているところでございます。特別結核検診設備整備といたしまして、保健所に新たに百ミリのミラーカメラを設置すること、あるいは4の(2)にございますように、沖繩対策といたしまして、無医地区に保健婦を設置すること、その他は従前の施策の充実でございます。
 二三ページの原爆障害対策費でございますが、これも重点を置いたものの一つでございまして、八十六億円に対しまして、四十七年度は百十五億円を計上いたしておるところでございまして、二十八億円の増でございます。内容といたしましては、健康管理手当、医療手当等の月額を千円アップすること、さらに昨年に引き続きまして、六十歳を五十五歳まで、五歳年齢引き下げをいたしているところでございます。その他は従前施策の充実でございます。
 二四ページにまいりまして、難病その他の特定疾患対策でございますが、まず特定疾患対策費といたしまして五億三千万円を計上いたしておりますが、これはスモン、ベーチェット等、いわゆる原因不明または治療方法の確立しておりません疾患に対しまして、新たに一元的な対策を講ずるための施策を取り上げたわけでございまして、中心となりますのは治療研究あるいは調査研究等の研究費補助でございます。
 二五ページにまいりまして、じん不全対策でございますが、新規疾病対策の重要なものといたしまして、じん臓機能障害者の救済をはかりますために、人工じん臓を国立あるいは公立病院に整備いたしまして、かつそのための人工透析医療基準の策定あるいは専門技術者の養成、さらに高額の自己負担を伴います人工透析そのものの医療費の公費負担を行なうものでございまして、合わせまして五億六千万円計上してあるところでございます。
 二五ページの小児ガン等小児疾病対策でございますが、小児疾病対策につきましては、従前から未熟児等養育あるいは自閉症児養育、さらに小児ガンの治療及びこれらの医療機関といたしまして小児医療センターの整備を行なってきたところでございますが、四十七年度におきましては二十三億円を計上いたしまして、新しく慢性じん炎、ネフローゼ、小児ぜんそくにつきましても治療研究として取り上げることといたしたいと存じておりますし、さらに育成医療の中で後天性心臓障害あるいは人工じん臓、人工透析医療等を公費負担するということを考えているところでございます。
 二六ページの結核対策でございますが、結核対策費といたしまして五百五十五億円を計上いたしておりまして、前年度に比しまして八十六億円の増でございます。おおむね従前施策の踏襲でございますが、新規といたしましては、先ほど申し上げました特別結核検診用のカメラの整備等がござ
 います。
 二七ページにまいりまして、精神衛生対策費でございますが、沖繩におきます同意入院医療といたしまして、同意入院医療費につきましては沖繩
 の現在とられております措置をそのまま認めることといたしております。
 その他、従前の施策の踏襲と充実をはかりまして、五百十一億を計上しているところでございます。
 二八ページにまいりまして、伝染病対策でございますが、十六億円の計上でございまして、新規といたしましては血清銀行の運営推進費を入れて新たにつけているところでございます。これは伝染病流行予測及びその対策といたしまして血清銀行を設置しようとするものでございます。
 二九ページにまいりまして、成人病対策、そのうちガン対策といたしましては五十九億円を計上いたしておりまして、約二十億円の増でございます。国立がんセンターの運営あるいはガン研究の助成、それから、都道府県の施設の整備等いわゆる従前施策の充実をはかりますとともに、新たに国際的にガン研究の情報交換をはかりますために国際ガン研究機関に加盟するための分担金を七千五百万円計上いたしているところでございます。
 その次の三〇ページの循環器対策でございますが、これはおおむね従前の施策の踏襲でございます。新規のものといたしましては、国立循環器センター設計事務費二千九百万円を計上いたしておりまして、将来の国立循環器センターの準備をしようとするものでございます。
 それから、次の救急医療対策費につきましては、五億円を計上いたしておりますが、新しいものといたしましては、三一ページに休日急患診療の確保対策といたしまして新規の予算を計上いたしているところでございます。
 三一ページの僻地医療対策でございますが、四十六年度に引き続きまして従前の施策の充実をはかるところでございますが、新規といたしましては、僻地患者輸送用雪上車を新たに加えましたことと、さらに沖繩の対策といたしまして僻地歯科診療班の派遣あるいは無医地区保健指導員としての保健婦三十八人の設置等があるところでございます。
 以下三三ページにまいります。三三ページの医療関係従事者確保対策費でございますが、そのうち1看護婦の確保対策といたしましては七十六億円を計上いたしておりまして二十二億円の増でございます。備考欄にございますように、看護婦の養成所施設整備あるいは設備整備費のほかに、養成所運営費につきましては前年度予算額を倍増いたしているところでございまして、その充実をはかっているところでございます。
 さらに三四ページにまいりまして、看護婦の共同保育施設整備費でございますが、これはいわゆる潜在看護力の活用をはかりますために医療機関に共同の保育施設を設けようとするものでございます。
 三五ページにまいりまして、理学療法士等確保対策でございますが、これにつきましては従前の国立療養所あるいは国立病院の運営費のほかに新たに一番の公立養成所施設整備費を新規に計上したところでございます。
 三六ページにまいりまして、戦傷病者戦没者遺族等の援護でございますが、総計三百二億円を計上いたしておりまして、三十七億円の増に相なっております。
 障害年金、遺族年金につきましては、恩給の改定に準じた改善をはかりますほか、準軍属の年金額の引き上げ、あるいは戦没者等の遺族に対します特別給付金の対象範囲を拡大する等が中心でございます。
 なお、遺骨収集及びフィリピンにおきます慰霊碑の建設等につきましては、所定の必要な予算を計上しているところでございますが、三八ページに記載してございます。
 三八ページにまいりまして、生活環境整備対策でございますが、二百二十七億でございます。そのうち廃棄物の処理事業の拡充につきましては、四十六年度四十三億に対しまして八十二億円計上しているところでございまして、五十年度を目標といたします年次計画を策定いたしまして、ごみ処理を中心にいたしました施設の拡大をはかることにいたしたいと存ずるところでございます。
 二番の水道整備事業の拡充につきましては、おおむね従前の施策の充実でございまして、水道整備事業といたしまして百四十五億を計上いたしております。五十一億円の増でございます。
 三九ページにまいりまして、麻薬、幻覚剤対策でございますが、これは従前の麻薬対策のほかに、新たに幻覚剤対策を取り上げまして、幻覚剤対策費といたしまして二千万円を計上いたしているところでございます。
 四〇ページにまいりまして、研究費及び試験研究所費でございますが、これは厚生省関係の研究費などをまとめたものでございまして、おもなものにつきましては、先ほど御説明申し上げたところでございます。
 四一ページの消費者安全対策でございますが、消費者安全対策といたしましては二億四千万円を計上をいたしておりますが、内容といたしましては、食品の安全衛生対策、それから、医薬品安全衛生対策及び新たに家庭用品の危害防止対策費を計上したところでございます。
 食品及び医薬品の安全対策等につきましては、従前のいわゆる薬効調査あるいは安全試験等の総点検の実施の拡大でございますが、新規に家庭用品の危害防止につきましては、いわゆる衣類等に使用されます防炎加工剤、そういう毒物、劇物に関する基準の設定あるいは洗剤、有機顔料等の安全試験等を行なおうとするものでございます。
 次に、厚生省関係の公庫、公団につきましては、四二ページにしるしてあるところでございます。その事業計画及び補給金等の内容を記載してございます。
 また、厚生省所管の特別会計、これは五つございますが、その収支につきましては四三ぺ−ジ及び四四ページに掲げてあるところでございます。
 以上が昭和四十七年度厚生省所管予算案の概要でございます。
#6
○委員長(中村英男君) 本件に対する本日の調査はこの程度にいたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(中村英男君) 労働問題に関する調査を議題といたします。
 まず、労働行政の施策について塚原労働大臣から所信を聴取いたします。塚原労働大臣。
#8
○国務大臣(塚原俊郎君) このたび労働行政を担当することになりました塚原でございます。誠意と熱意をもって労働行政の推進につとめてまいる所存でありますので、よろしくお願いいたします。
 さて、第六十八回通常国会にあたり、当面の労働行政について、一言所信を申し述べ、各位の御理解と御協力を得たいと存じます。
 御承知のように、近年のわが国経済の発展はまことに目ざましいものがありましたが、昨年来、景気停滞に加えて国際通貨調整問題があり、きびしい経済環境のもとで労働情勢の面でもその影響を受けつつあります。
 一方、これまでの高度成長の過程を経て、経済成長の成果を国民生活の向上に結実させ、高度福祉国家を実現する必要性が一そう高まっています。
 これからは、高度経済成長時代に比べて、新たな困難も予想されますが、私は、この際、人間尊重、福祉優先を根本方針とし、次の事項に重点を置いて労働行政を展開する考えであります。
 第一は、豊かな勤労者生活の実現をはかることであります。
 勤労者福祉の向上を長期的視野に立って計画的に進めるため、昨年、労働者生活ビジョン懇談会が発足しましたが、本年は同懇談会の活動を起点にして勤労者福祉行政の総合的な展開をはかってまいります。
 まず、勤労者の福祉に関する問題の中で、最近特に論議を呼んでいる労働問題につきましては、労使が自主的な話し合いにより実情に即した方法でその一そうの近代化を進められるよう、機運の醸成と援助を行なっていく考えであります。
 次に、勤労婦人、勤労青少年対策の充実であります。
 最近、育児、家事等の家庭責任を持つ婦人の職場進出は目ざましいものがあります。このため、勤労婦人の職業生活と家庭責任との調和をはかることを軸に、総合的な福祉施策を進めることとし、所要の法案を今通常国会に提出することといたしております。よろしく御審議くださるようお願いいたします。
 また、勤労青少年対策については、勤労青少年ホーム、体育施設の増設、職業指導の充実等により、勤労青少年の健全な育成と福祉の増進をはかってまいる所存であります。
 第二は、勤労者の安全と健康を守るための総合的な施策を推進することであります。
 現在、労働災害による被害者は、年間百七十万人にも及び、このうち六千人にものぼるとうとい人命が失われています。
 労働省としては、これまで、労働災害の防止を行政の最重点事項の一つとして取り組んできたところでありまするが、今般、急激に変化する産業社会の実態に即応した総合的な安全衛生立法を行なうこととし、今国会に労働安全衛生法案を提出いたしました。よろしく御審議くださるようお願いいたします。
 第三は、積極的な雇用政策の展開であります。
 昨年のニクソン声明に始まる国際経済の動向は、雇用面にも少なからざる影響を与えるものと予想されます。今後の雇用政策の運営にあたっては、こうした当面する事態の推移を的確に見定め、その推移に応じて適切な方策をタイムリーに実施する態様を確立してまいります。特に、四十七年度の予算編成にあたっては職業転換給付金、失業保険給付の充実をはかるとともに、景気停滞の影響を受けやすい中高年齢者や季節移動労働者に関する対策及び繊維産業離職者対策の充実をはかることといたしました。
 職業訓練につきましては、生涯訓練体制の一そうの充実をはかるとともに、新たに、公共職業訓練施設において養成訓練を受ける青少年に対して必要な資金を貸し付ける技能者育成資金制度及び高年齢者専用の職業訓練施設を創設いたします。
 第四は、合理的労使関係の確立であります。
 現在、労使関係の動向は、ひとり労使間の問題にとどまらず、政治、経済、社会の各般に大きな影響を及ぼすようになっております。その意味で、労使間の問題は、国民経済的見地から、労使が良識をもって、自主的な話し合いにより平和的に解決することが肝要であります。労働省でも、労、使、学識経験者による産業労働懇話会を開催する等、労使相互の意思の疎通をはかることにつとめております。今後もその面に一そうの努力を傾注してまいる所存であります。
 以上、当面の労働行政の最重点事項について所信の一端を申し上げました。各位の御鞭撻と御協力をお願いする次第であります。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(中村英男君) 次に、昭和四十七年度労働省関係予算について政府から説明を聴取いたします。大坪会計課長。
#10
○政府委員(大坪健一郎君) 昭和四十七年度労働省関係予算案を御説明申し上げます。
 お手元に資料がお配りしてございますので、おそれ入りますがごらんになっていただきたいと思います。
 まず、予算の規模でございます。最初の黒ワクで囲みました欄がございます。この一番下に、所管総計といたしまして、九千二百五十五億七千三百万円が計上されてございます。昨年に比べますと一千六百九十六億四千百万円の増加でございまして、二二・四%の増となっております。
 その内訳は一般会計と特別会計でございます。
 一般会計は、千五百二十億二千四百万円、二百三十三億二千二百万円の増で、一八・一%でございます。
 それから次は、従来労災保険及び失業保険をそれぞれ特別会計で経理をいたしておりましたが、昭和四十四年十二月に労働保険の保険料の徴収等に関する法律が成立をいたしまして、本年四月一日から労働保険が発足をいたすことになっております。したがいまして、その保険に基づきますと、勘定が二つ設けられまして、保険料の徴収は徴収勘定に入る。その徴収勘定に入りました保険料に、その他必要経費を合わせまして、これが労災勘定と失業勘定に資金が流れまして、その両勘定からそれぞれ保険金が支出されるという仕組みに相なります。したがいまして、勘定が三つに分かれておりますのを御了承いただきたいと思います。
 まず労災勘定でございます。これは従来の労災保険特別会計そのものでございます。三千六百一億四千二百万円、六百七十九億五千二百万円の増、二三・四%の増でございます。
 次は失業勘定でございます。これは従来の失業保険特別会計でございます。四千三十四億六千六百万円、七百七十九億六千五百万円の増でございます。二四%になっております。
 最後に徴収勘定でございまして、五千五百七十三億九千六百万円、これは保険料の収納でございますので、さきに申しました両勘定と重複になっております。
 それから、従来、石油関係を除きまして石炭関係の特別会計というのがございましたが、今回石油、石炭合同になりまして、石炭及び石油対策特別会計というのが設けられます。この会計から離職者対策用の資金が労働省所管としてまいっておりますが、九十九億四千百万円でございまして、昨年度に比べますと、四億二百万円の増となっております。
 次は、主要事項でございます。主要事項は、先ほど大臣の御説明にもございましたとおりの主要項目につきまして予算の計上がございます。
 一番最初は、一ページの中段以下にございます勤労者福祉対策の展開、四十八億七千九百万円でございます。そのうち重点を申し上げますと、次の二ページをお繰りいただきたいと思いますが、勤労者財産形成促進制度の推進、本年一月に発足をいたしました勤労者財産形成制度のために、四十七年度も五億一千万の出資を雇用促進事業団にいたします。
 それから、勤労婦人・青少年福祉対策の積極的推進といたしまして勤労婦人福祉法――これは仮称でございますが、勤労婦人福祉法の制定を御審議いただきますとともに、関係福祉施設といたしまして、従来の勤労青少年ホーム、働く婦人の家を五十五カ所増設をいたす。なお、中野に現在建設中でございます勤労青少年センターに二十億ほどの予算を計上いたしまして、最終年度の完成を行なう。四十八年度から開設になる運びでございます。以下の各項目は、従来の事務的諸経費に、四十六年四月に婦人参政権獲得二十五周年を迎えましたので、四十七年度におきましては婦人の社会における地位についての調査等を含めてさらに充実強化をいたすという費用でございます。それから、中小企業におきましては、退職金共済制度あるいは中小企業の集団に対しまする助成制度がございまするので、これを従来に増して強化をいたすというので、一億二千万ほどの増加が見られております。あとは事務費の計上でございます。次は、三ページにまいりまして、総合的労働安全衛生対策の確立でございます。先ほど大臣の御説明にございました労働安全衛生法の制定を御審議いただきますが、それに関連いたしまして、右の欄の1から7までの内容について予算の計上をいたしております。総額といたしましては二十六億二千三百万円、七億一千百万円の増でございます。
  〔委員長退席、理事大橋和孝君着席〕
まず、安全衛生教育センターの設置、それから女全衛生教育の充実でございます。これは、民間企業で安全衛生教育に携わります指導者を集中的に育成強化をいたすという趣旨の安全衛生教育センターを清瀬に設けるという予算が1でございまして、三億計上されております。それから二番目は、新しい制度といたしまして、有害物を使います場合の有害物質表示制度というものを新しく設ける。それから、有害物質を使用いたしております事業場は公害源にもなりますので、その点検活動を強化するという事務費か二番目に計上されております。
 それから三番目は、健康に非常に有害な物質、特に発ガン性の物質でありますベンジジンでありますとか、ベータナフチルアミンでありますとか、このような種類の物質につきましては、製造禁止または製造許可の制度をしきまして、こういうところで働いております労働者の皆さんが一生涯相当高年になって発ガンをするというような事情がございますので、高年にまで健康管理が及びますように健康管理手帳を創設いたすという趣旨の費用が入っております。
 それから、産業医学総合研究機関を建設いたすということが昨年度以来お認めいただいておりますが、明年度昭和四十七年度は七億三千九百万円を予定いたしまして建設にかかるということでございます。
  〔理事大橋和孝君退席、委員長着席〕
 それから五番目は、労働災害防止団体、これは林業でございますとか、運輸でございますとか、災害防止団体が産業別に設けられておりますが、その団体の活動強化のための国庫補助額を相当大幅に増額するということでございます。七億四千二百万が計上されてございます。
 それから、新たな制度といたしまして、監督強化に対応いたしまして必要な環境整備の費用でありますとか、健康診断の費用を融資をもって援助するという安全衛生融資制度が創設予定されております。融資額は二十億でございまして、融資機関は労働福祉事業団でございます。
 それから最後は、危険有害設備を設けるような計画がございます場合には、労働基準監督署で事前審査体制をしきまして、これによってチェックをいたすということになります。その関係事務費があわせて計上されております。
 以上が安全衛生関係の経費でございます。
 次は、四ページをごらんになっていただきますと、2の安全衛生管理体制確立のための監督指導の費用は関係事務費でございますが、ここでかねがね御主張のございました監督官が七十名増員になっております。それから、安全専門官が三十五名増員になっております。
 それから、労災保険事業でございますが、労災保険事業は給付内容の充実と福祉施設の充実を考えておりまして、給付内容といたしましては、基礎日額の改定等につきまして現在審議会で御審議いただいておるところでございます。それから、福祉施設の充実でございますが、労災病院といたしまして鹿島地区に一カ所の新設、並びに新たに健康診断を特に行なうという施設といたしまして、東京労災病院と中部の労災病院に健診センターを二カ所併設をいたすという費用が入ってございます。
 それから、通勤途上災害につきましては、現在調査会が御調査中でございますが、昭和四十七年度には相当精密な内容的な調査を行なうということで、そのための準備の経費が千二百万ほど組んでございます。
 それから、五人未満事業場への適用拡大、これは先ほど申しましたように、保険が一元化徴収になりますので、それと関連いたしまして五人未満事業場への適用拡大を行なうという経費が計上されてございます。
 次が、総合的雇用政策の推進でございます。三千八百八十五億五千五百万、前年度に比べまして八百四十三億七千五百万の増でございまして、その主要な点は雇用対策の経費でございます。
 まず、ここにございます雇用対策の強化と職業紹介機能の充実では、職業紹介機関の内容の充実と、従来行なっております諸施策の事務費の増高でございます。
 次の五ページを開いていただきますと、主要なものが書かれてございますが、まず、炭鉱離職者臨時措置法でございますとか駐留軍離職者臨時措置法でございますとか、一般的には雇用対策法で就職困難な方々に就職指導手当あるいは職業訓練手当等を支給いたしまして、再就職の確保の諸措置を行なっておりますが、これらの職業転換給付を増額をいたします。就職指導手当につきましては一四%程度、職業訓練手当につきましては一二%程度の増額でございます。
 それから、職業紹介機能の効率化といたしましては、現在行なわれております即時処理方式を拡大をするという経費と、ターミナル職業相談室のような大都市におきまする積極的な職業相談施設等の経費が組まれておるわけでございます。
 なお、公共職業安定所の施設の整備と増員につきましては百二十名の増員と、施設の新営の費用が組まれておるわけでございます。
 それから、7の雇用促進住宅の建設でございますが、これは従来一万戸ずつ移転就職対策のために雇用促進住宅を建設してまいっておりますが、四十七年度も一万戸計上いたしまして、従来よりも高層建築に重点を置いて住宅建設を行なうということでございます。
 それから八番目は、雇用促進融資制度でございます。これも従来住宅でございますとか福祉施設でございますとか、職業訓練の施設に融資をいたしておりますが、今回はこれらのものに対しまして二百二十三億の融資ワクをもちまして融資を行なうということでございます。
 次は、六ぺ−ジにまいりまして、労働環境の整備といたしまして、新産工特地帯でございますとか農村工業導入のための施策を重点的に施行する地帯につきまして福祉センター等を増設する経費を計上してございます。勤労者総合福祉センター、これは前年度は二カ所建設いたしまして、調査費が三カ所ついておりましたが、この三カ所を建設いたしますとともに、新たに四カ所に調査費を計上いたします。
 それから、勤労者の体育施設を十カ所ほど増設をいたします。
 次は、農村における総合的雇用対策の推進でございまして、その重点は季節移動労働者対策でございます。三十三億一千万の予算が計上になっておりまして、前年度に比べまして五億九千七百万の増でございます。
 出かせぎ対策――まあ仮称出かせぎ対策でございますが、季節移動労働者対策の内容の中心点は右にございますが、季節移動労働者援護事業、これが都道府県で計画されまして、都道府県で実施されます場合に季節移動労働者の援護事業の助成といたしまして半額を補助する、一億五千万を予定してございます。どういう援護事業かと申しますと、季節移動労働者の就労集会を開催したり、健康診断を行ないましたり、あるいは留守家族の慰安懇談会を行ないましたり、あるいは都道府県が相談員を東京等に派遣をして季節移動労働者の実情を把握するといったような経費でございます。
 次に、季節移動労働者安定就労対策事業、これは国の事業といたしましてグループリーダーの育成でございますとか、基礎的事項の講習でございますとか、技能講習会の開催等を行なう費用が一億五千万ほど計上されてございます。
 なお、東京、名古屋、大阪に季節移動労働者の福祉センターを一億の予算をもってそれぞれ設置することにいたしております。
 それから、通年雇用等につきましては、前年と同じ状態で積極的に推進をいたすということにいたしてございます。
 それから、農業者の転職対策でございますが、これは前年からお認めいただいております職業紹介体制強化の予算のほかに、職業訓練の推進等につきましては訓練人員を増加いたしますとともに、七ページの上欄にございますような施設の増設も行なうということでございます。
 それから、ドル・ショック等の関係で出てまいっております繊維産業離職者対策でございます。十一億三千九百万円を計上いたしてございます。これはまず課徴金等の問題とからめまして、政府間協定で織機等の買い上げが行なわれます場合の離職者に対しましては、合理化離職者再就職援護措置といたしましては、手帳を発給をいたしまして、発給を受けております者に対しましては再就職のための給付金を支給し、職業訓練等を実施するというものでございまして、石炭なり駐留軍なりの離職者対策に準じて行なうものでございます。
 それから、石炭、駐留軍の場合には、特別給付金として一時金が支給されておりますので、これに準じまして繊維離職者に対しましても一時金を支給するということで計上されておるわけでございます。費用は五億八千七百万でございまして、内容は、二年ないし五年繊維産業に従事いたした者につきましては、機織機等の買い上げによる離職に際して三万円、五年から十年の者に対しては四万円、十年以上の者に対しては五万円を一時金として支給するというものでございます。
 四番目は、炭鉱離職者、駐留軍離職者対策でございます。これは従前の対策を充実強化をいたすという趣旨でございます。就労ワク、事業費単価はそこに記載されておるとおりでございます。
 五番目は、港湾、建設労働対策でございまして、これは主として労働者の福祉施設の充実に中心が置かれておりまして、港湾労働者福祉センター、簡易宿泊施設、日雇労働者福祉センター等を増設いたす予定でございます。
 なお雇用調整手当につきましては、手当額の改善等を検討いたすということになっております。
 八ページに入りまして、失業保険事業の充実でございます。
 ドル・ショックの関係で、雇用情勢の悪化が伝えられておりまして、昨年度の後半の失業保険の受給者は、相当当初見込みより増高をいたしてまいっております。昨年度は失業保険事業の受給実人員を平均四十六万四千名と算定をいたしておりますが、年度末ではその当初見込みより六万ないし七万の増加になっておりますので、昭和四十七年度につきましては五十六万七千名の受給実人員が出るという予定で予算を組ませていただいております。
 それから、受給者の再就職の促進の諸給付金の確保、五人未満事業所への適用拡大等が見込まれておりまして、合計いたしまして八百十八億三千万の増加となっております。
 次が失業対策事業でございます。
 失業対策事業は、昭和四十六年度に十二万人の就労ワクで事業を行なっておりますが、大体現在までに五万人程度就労人員が減少いたしております。したがいまして、就労ワクを十万五千人にとりまして、労力費は一千二百八十二円、=二%アップをいたしまして事業の継続をさせていただきたいという計上でございます。
 なお、特定地域開発就労事業といたしまして、昭和四十六年度の後半に五千名のワクで出発をさせていただきましたものが、明年度は就労ワク五千名、事業費単価三千五百円でなお継続実施をいたすということでございます。
 四番目は、生涯訓練体制の多角的推進、職業訓練の関係でございます。九十九億五千九百万円、九億円程度の増加でございます。
 まず第一番目は、職業訓練校の充実でございまして、雇用促進事業団の行なっております総合高等職業訓練校の拡充。新設が二校、職種の増設が二十五科目。都道府県に援助をいたしまして都道府県が実施をいたしております専修職業訓練校につきましては、新設が一校、職種の増設が二十三科目ということになっております。
 なお、既設の職業訓練施設の整備といたしまして、建てかえあるいは職種転換等に充てる費用を十三億ほど準備をいたしております。
 次は、事業主等の行なう職業訓練の振興でございまして、これは次のページを繰っていただきますと、事業内訓練といたしまして、運営費の補助をいたしておりますが、指定職種につきましては五千二百円、その他の職種につきましては三千六百円の単価で訓練生一人当たりの補助を行なうものでございます。
 なお事業主が、地方公共団体または訓練法人等が共同使用の目的で施設を設置いたします場合に、共同職業訓練施設設置援助というものをいたしておりますが、これを二十七カ所、三百万円の補助単価で実施をいたすということでございます。
 新しい制度といたしましては、3にございます技能者育成資金制度がございます。これは職業訓練受講資金の貸し付け制度でございます。ブルーカラーに対する奨学資金制度に準じた制度でございまして、五千七百名のものに対しまして、公共職業訓練を受講いたします場合に三千円ないし六千円程度の貸し付けをいたします。貸し付け期間は訓練期間でございまして一年ないし二年、返還は二十年以内で、無利息で貸し付ける。貧困の家庭のような状況がございますれば、特に貸し付け額を考慮するというたてまえにいたす所存でございます。
 次は、成人職業訓練の推進でございます。
 まず公共職業訓練校におきまして、成人職業訓練コースという夜間コースを設けまして、五万一千人程度の方々に職業訓練を行なう。それから職業人能力開発向上セミナーという短期的な職業講習を四千八百六十人の人員のワクで行なう。
 五番目は能力再開発訓練でございます。これは中高年齢者に対します職業訓練でございますが、訓練人員六万五千三百八十名を予定いたしております。なお新しく高齢者といたしまして、六十歳以上のような高齢者の方々に、専修職業訓練校に特別の専用科目を設けまして、ここで訓練をする。五科目程度を予定しております。
 なお、職業訓練を実施するに際しましては、特に先生と申しますか、指導員の確保が重要でございますので、指導員を養成いたします大学の移転拡充を三十億の予定で、現在相模原に土地を購入いたしまして進行させておりますが、四十七年度に完成をいたす予定で、なお十五億ほどの予算を計上させていただいております。
 それから、職業訓練指導員につきましては、産業教育振興法に準じまして、工業高校並みの指導員手当を支給する。本俸の一〇%程度の手当を支給するという予算を計上させていただいております。
 技能検定の拡充と技能尊重機運の醸成、これは前年に準じまして九十八種目を百十五種目に増高いたしまして、これを行なうということにいたしております。心身障害者につきましては、社会復帰対策の推進、これは労災関係でございまして、職能回復指導施設でありますとかリハビリテーション作業施設、社会復帰指導員の配置等を前年に準じてなお拡大、強化いたすということでございます。それから、心身障害者の雇用促進につきましては、新たに雇用奨励金を新設いたします。月額一万円でございます。そのほか職業センターを設けるということにいたしております。
 なお兵庫に身体障害者のコロニーが設けられますので、重度身体障害者の職業訓練校といたしまして、一校を兵庫に補助を申し上げるという予算も計上されております。
 六番目は同和対策でございます。これは同和地区の出身者の就職促進につきまして、特に就職の場合の資金援助といたしまして、就職資金の貸し付けをいたしておりますが、これを三倍以上増大いたしまして、五千万円ほど準備をいたす。それから、特別指導を行ないます特別職業指導校の指定を八百十校から千校に増加いたしております。以上が大体の対策でございます。
 七番目は、合理的な労使関係の形成でございます。内容は産業労働懇話会等を中心にした事務費の計上でございます。
 八番目は、労働外交の推進でございます。一二ページの一番上でございますが、アジアの諸国から技能労働者を招きまして、国が三カ月、それから民間機関が六カ月程度の訓練を行なうというものでございまして、当初計画といたしまして、四十七年度に三十名程度、労、使、公益で構成されております日本ILO協会が受け入れ機関となりまして、関係費用の四分の三を補助して行なうというものでございます。
 それからチェコスロバキアのプラハに、レーバーアダッシェを新たに一名置きまして、関係労働組合員の方々、あるいは先生方にいろいろな御連絡、あるいは現地の調査等に当たることになっております。
 なお、沖繩復帰対策といたしましては、沖繩振興開発特別措置法、特に雇用対策に関する項目を設けまして、沖繩が復帰をいたします際にやむを得ず離職される方々には求職手帳を発給いたします。石炭労働者なり駐留軍労働者に準じた手当の支給等の措置を行なうということでございます。
 それから、訓練等につきましては、訓練校の新増設を考慮いたしておるということでございます。
 二二ページに入りまして、沖繩の行政機関といたしまして、沖繩労働基準局のほかに労働基準監督署を五カ所、それから、沖繩の婦人少年室を一カ所、それから、県の機関といたしまして職業安定課と失業保険課、それから、公共職業安定所を五カ所、それから、公共企業体等労働委員会事務局沖繩支局を設ける予定でございます。それから、職員は現在二百六十六名でございますが、二百七十名に増員をいたしまして配置をする予定になっております。労働基準行政なり、婦人行政の事務の充実は、ここに書かれてあるとおりでございます。
 最後に、従来労働統計と申しておりましたが、これを労働関係の情報全般の開発を含む形に再編成をいたしまして、労働情報業務と名づけまして、情報開発のための事務経費を増高いたすということで、千二百万ほどの増額を計上さしていただいております。
 たいへん簡単でございますが、以上が労働省の予算の概要でございます。
#11
○委員長(中村英男君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 本件に対する本日の調査はこの程度にいたします。
    ―――――――――――――
#12
○委員長(中村英男君) 食品衛生法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。斎藤厚生大臣。
#13
○国務大臣(斎藤昇君) ただいま議題となりました食品衛生法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
 近年、農薬による食品の汚染、食品添加物の安全性、消費者保護の見地からする表示の適正化等、食品に関連する多くの問題が提起されまして、国民の重大関心事となっておりますことは御承知のとおりであります。
 政府といたしましては、従来より食品衛生の向上のため必要な諸施策を、逐次計画的に進めているのでありますが、なお現行の食品衛生法の規定によっては、必ずしも十分に対応できない面もありますので、今回所要の改正を行なうことといたした次第であります。
 以下、この法律案のおもな内容について、御説明申し上げます。
 第一は、安全性に疑念のある食品等に対する規制を強化するため、関係規定を整備したことであります。
 第二は、厚生大臣及び都道府県知事が、それぞれ、営業者が順守すべき措置に関し基準を定めることとする等営業者責任を強化したことであります。
 第三には、必要に応じ製品検査を命ずることができることとする等製品検査の制度を改善するとともに、検査体制の整備をはかったことであります。
 第四は、食品等に関する表示制度を改め、また広告についても公衆衛生の見地から必要な規制を行なうことといたした次第でございます。
 その他洗浄剤の規格を定めることとする等所要の改正を行なうことといたしております。
 以上がこの法律案を提案をいたす理由でございますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#14
○委員長(中村英男君) 以上で趣旨説明は終わりました。
 本案の審査は、本日はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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