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1971/04/20 第68回国会 参議院 参議院会議録情報 第068回国会 社会労働委員会 第10号
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1971/04/20 第68回国会 参議院

参議院会議録情報 第068回国会 社会労働委員会 第10号

#1
第068回国会 社会労働委員会 第10号
昭和四十七年四月二十日(木曜日)
   午前十時二十三分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         中村 英男君
    理 事
                高田 浩運君
                大橋 和孝君
    委 員
                石本  茂君
                上田  稔君
                上原 正吉君
                川野辺 静君
                橋本 繁蔵君
                須原 昭二君
                藤原 道子君
                高山 恒雄君
   国務大臣
       労 働 大 臣  塚原 俊郎君
   政府委員
       厚生省医務局長  松尾 正雄君
       労働省労政局長  石黒 拓爾君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   参考人
       日本赤十字社衛
       生部長      北村  勇君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○労働問題に関する調査
 (松山赤十字病院における労働問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(中村英男君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 労働問題に関する件を議題といたします。
 まず、去る三月二十三日に行なわれました松山赤十字病院における労働問題に関する件について、その後の経緯の概略を参考人、日本赤十字社衛生部長北村勇君から聴取いたします。
#3
○参考人(北村勇君) よろしくどうぞお願いいたします。北村でございます。
 それじゃ、その後の経過を簡単に御説明申し上げさしていただきたいと思います。
 四月の十四日の午後から十五日の未明にかけまして、愛媛県の地方労働委員会のあっせん委員会が行なわれまして、公益側の委員から、労使双方に口頭で次のような提案がございました。
 第一には、一律十五時間の超過勤務手当をおりるということを前提として、第二に病院側は一・九カ月に相当する資金の調達を願いたいと、それから第三点は、これに対する回答は四月の十六日の午後六時までに公益委員のほうに知らせてもらいたいということ。第四は、残りの問題については、四月の十七日以降に、公益委員が病院に出向いていろいろ調整をいたしますということでございました。
 それで病院側はいろいろ検討した結果、そのあっせん案をのむと、受諾するということで、四月の十六日の午後五時五十分に公益委員に対して御返事申し上げたのでございます。
 それに対しまして、翌十七日の夜九時五分から、あっせん委員長から次のようにお話がございました。
 三月十一日以来、いろいろ実施調査を始め、今日まで赤十字病院の争議のあっせんに力を尽くしてまいりましたが、双方の基本的な考え方が氷解することができないために、あっせんの妥結が困難と考えられます。最終段階を迎えて、当委員会は円満妥結のために努力しましたが、病院側は相当大幅な譲歩をしてくれましたし、組合側も歩み寄りを見せましたが、ついにみぞを飛び越えることは不可能ということで妥結に至らなかったというお話を承ったのでございます。これがその後の経過でございます。
 その点に関して、私どもといたしましては、このあっせんの試案による解決方法を今後とも続けていきたいというふうに考えて、いろいろなこれから方法でやっていきたいというふうに思っておるわけでございます。ごく簡単でございますが、その後の経過は以上でございます。
#4
○委員長(中村英男君) どうもありがとうございました。
 それでは質疑のある方は御発言を願います。
#5
○大橋和孝君 いま北村参考人から御説明がありましたけれども、私がちょっと別に聞いているほうでは、受諾をしたということはどうか、――されたかどうか、私、よくわからないが、まあ、あっせん委員にまかせるというふうなことをおっしゃって、同時に、三・一カ月のものはすべて年末一時金として支給することはしない、そして、二・五カ月分をして、あとの〇・六カ月分は協約破棄に伴う補償金として支払うんだというふうなことを言われる。これでは、いまのお話では、病院側は非常に譲歩をしたとおっしゃっているけれども、譲歩になっていないですね。ですから、その協約破棄ということが前提になってしまっておったんではちょっと違うのじゃないかと、いまのお話が。
 それから一律十五時間の問題に対しましても、これは今度の中ではまあ、給与の何か要綱、いろいろなものにこれを取り入れて解決をするようにというふうな柔軟性の勧告があったやに聞いているわけですが、この問題に対しては別だと、こういうふうにはずしてしまっておる。そうすると、その一律十五時間という問題は、この協約の中では相当大きな協約の問題になるわけですから、どちらかといえば病院側の譲歩というのはほとんどぜ口だ、こういうふうに見なきゃならぬと私は思うのですけれども、その間、どうなんですか。
#6
○参考人(北村勇君) 私が先ほど申し上げたのは、あっせん委員長がそういうふうにお話したという、口頭でお話があったということで申し上げたのでございまして、その点ひとつ御了解していただきたいと思います。
 それから、いまいろいろ大橋先生のほうからお話がございましたが、四十五年度は、御承知のように二・五プラス二千五百円で一応妥結しておったわけでございますが、四十六年度の分については、昨年度を下回らない線はやっぱり考えなくちゃいかぬということで、二・五カ月。プラス二千五百円という話が口頭の話中の中には出たと思います。しかし、向こうでは、あっせん案のほうでは、一・九カ月に相応する金をつくって払いなさいということでございましたので、私のほうはその線に沿って資金調達をしようという覚悟で、あっせん案を受けようという気持ちで御返事申し上げたということでございます。以上。
#7
○大橋和孝君 じゃあ病院側は時間外のこの問題に対しては、この際は打ち切るということを言明しておられるわけですが、それはどうですか。
#8
○参考人(北村勇君) この際打ち切るというのは、あっせん案の中にそういう条項が入っておるものでございますから、そのあっせん案を私のほうは受諾するということは、やはりそういう線でやるということになると思います。
#9
○大橋和孝君 私が聞いているのは、あっせん案の中には打ち切るということはいっていないわけです。それはもう少し話し合いをして、そしてきめるんだと、あるいはまた、それが、一律十五時間が時間外ということで無理があるならば、いろいろそれを組みかえて、考えるべきだというふうな含みをもって、いわゆる給与の要綱に基づいていろいろと解決をするのだというふうな柔軟な案を示しているはずなんだと、こう聞いているんですがね。
#10
○参考人(北村勇君) はなはだあれでございますが、おことばを返すようでございますが、実は、私のほうで院長を呼んで、きのう、このあっせんの内容と、その後の経過を聞いたわけなんです。それで、報告によりますと、先ほど、私が冒頭に申し述べたようなあっせんの内容が口頭で公益委員から提示があったということでございますので、私のほうとしては、間違いがないというふうに思っておるわけでございます。
#11
○大橋和孝君 それは、私のほうで組合側の人とも話を聞いたのですが、そういうふうに聞いているわけですね。だから、そういうところに食い違いがあって、そして、非常に話し合いが難航しておる。それからして、公益委員のほうもあるいは地労委のほうももう手を引かなければいけないようなみぞがある。こういうふうに判断をされるわけでありまして、いまのような話があれば、もう少し話し合いの道があるんじゃないかと私は思うんです。労働省のほうはどういうふうにお考えになっておりますか。その間の経緯についてちょっと御報告があったら、ひとつ聞かしていただきたい。
#12
○政府委員(石黒拓爾君) 私のほうといたしましては、あっせんの過程におきまして、双方の歩み寄りがありましたので十五、六日の段階では何とかいけるんじゃないかという希望を持っておりましたのですが、十七月の段階であっせん不調になりましたことははなはだ遺憾に思っております。しかし、愛媛地労委としてはさらに状況によっては、必要があればさらに努力をするというような御意向も持っているやに承っておりますので、なお一そうの御努力ができればお願いしたいものだと考えております。
#13
○大橋和孝君 私、これはちょっと北村参考人に聞きたいのですがね、十六日から、いま労政局長もおっしゃっておりましたし、あなたのほうもそうおっしゃっておりますが、かなり歩み寄りが見られたという段階ですね。これは、あなたは中央のほうでどう指導されましたですか。私のほうで聞きますと、現地のほうの院長あたりが、中央のほうへ話をすると、かえって硬化した返事が出てくるというのですね。もう現地で話しているほうがスムーズにいきそうであるのに、中央のほうに連絡したら、ずばっと、あと戻りした返事が来る。どうにもならぬという感じを受けているわけですが、あなたのほうはどういうふうな指導をされたのですか、その間に。私は、日赤の本社のほうは非常に、何といいますか、協約破棄のための、――やらなかったら一切いかぬというふうな形で、私は指導しているんじゃないか。逆に言うなら、円満な解決ができるやつを足を引っぱっているのではないかと私は考えておるのですが、あなたのほうはどうですか。
#14
○参考人(北村勇君) おことばを返すようでございますが、いろいろ現地とは私ども常に連絡を保って、とにかく、円満に解決することが第一義的に必要なものでございますからやっておるのでございますけれども、この示された案については十分検討いたしまして、その案であれば、院長は、やろうではないかということで意見が一致して公益委員のほうに御返事した次第でございます。したがいまして足を引っぱるとかどうとかいう見方もあるかもしれませんけれども、私のほうはそういうつもりでなく、何とかして一日も早く組合との間に円満な解決をみたいということをこいねがっていろいろお願いし、またやっておるわけでございます。その点は十分ひとつ御理解いただいて、御了解いただきたいと思います。
#15
○大橋和孝君 このあっせん案が議せられている間、三月二十七日からこの十七日までですか、の間にあなたのほうではそういうふうな、いまおっしゃったように前向きによく話し合いをさして、現地で、これを解決をさしたい、これは前の委員会でもそういう答弁をいただいたわけです。ですから、そういう関係でおやりくださっていると私のほうは非常に期待をしておったのですが、しかし、具体的にこの間じゆうにあなたのほうでは現地のほうに、どういう場合一どういう報告があって、どういう指令を出したかということを、もう少し具体的にちょっと聞かしてください。そうすると、なるほど本社のほうは、この問題解決のために、かくかくしかじかの指令を出して指導したということなら私ども納得できるんですけれども、いま抽象的にこういうようなことをやりたいと思っていますと言って、まあ、地方から私も見せてもらって、その後の報告を聞いていると、これは、むしろ中央のほうへ連絡すればはね返ってくる答えはもっと厳格なものだ――厳格というか、きついものであって、そうして、いままで病院側で譲歩を示しておったものが、またうしろへ戻ってしまうんだ、こういうようなことを非常に大きく印象づけているわけですね。ですから、そういうことがなかったということなら私も了解できるわけですから、私が了解のできるように、あなたのほうはいまおっしゃっているような、しかじかの指導をして、円満な解決をするために努力してきましたというならば、何をやられたかということを具体的に示してもらいたい。
#16
○参考人(北村勇君) お答え申し上げます。
 一応三月十一日にあっせん委員ができまして、三月の二十七日から三者構成のあっせん委員会があっせんに入ったのでございますが、一応、どういう内容で、どういうふうに出てくるかということはわれわれはうかがい知るわけにはまいりませんのですが、できるだけ、あっせんの案が出た場合にはそれをひとつ公正な第三者の御意見として十分に尊重して、その線に沿うてやろうではないかという指導であり、また相談であったと思います。したがいまして、あっせんの内容については私のほうはいろいろ検討はしましたけれども、とにかく公正な第三者の御意見であるから、いろんな困難なことはございますが受けようということで御返答申し上げたという次第でございます。決して、本社のほうが強い線を出したとか、現場のほうがやわらかい線が出たということではなくて、どういうあっせん案が出てもひとつやろうではないかという基本的な立場に立ってあっせんをお待ちしておったということでございます。
#17
○大橋和孝君 いま申したように、時間外の問題なんかもはずしてしまうとか、あるいはまた、二・五カ月ですね、あとの〇・六カ月は、協約破棄された場合の補償的な役割りとして〇・六カ月を出すんだというふうなことをあなたのほうは言っておられるということは、もっとそれは考え直そうではないかという話し合いからしてみれば、非常にバックすることにもなろうし、やはり協約破棄というようなことをはっきりうたっておっては、話し合いが進まないわけじゃないですか。それはむしろそういうことをどうしても押しつけるということは、やっぱりあと向きになるというふうに考えざるを得ぬと思うんです。そういう意味で、私は、中央のほうがむしろ積極的にこの問題を円満に話し合いの中で解決しようという意思がないのじゃないかと思うんですが、その意思は十分おありなんですか。組合と病院側との話し合いで、ほんとうにこの問題を解決をするという、本筋をやろうという気持ちですか。その点真意を聞かしてください。
#18
○参考人(北村勇君) その点については前の委員会でも人事部長からるるお説明があったと思いますが、何といっても、労使の間の関係というものは話し合いを主に第一義的にやって円満に解決するというのがもう基本的なことでございますので、いまも赤十字としてはそういう考えを持っておりますし、また失いたくありません。したがいまして、何とか話し合いによって解決しようというふうに――また、前の委員会で言ったようなことを言うわけですが、四十四年の三月ぐらいから四十六年の十一月ぐらいまで十八回の団体交渉によってこの問題をいろいろ討議し、また病院側からも代案を提示して話し合ったのでございます。そういうことで一生懸命やってきたということは一応お認め願いたいと思います。したがいまして、私どもとしましては、このあっせん案によってぜひひとつ今後、この問題を解決して円満な病院運営に戻りたいというふうに願っておるわけでございます。
#19
○大橋和孝君 本社側としては、やはり組合と十分に話し合いを現地でさして円満に解決するという気持ちはもう明確だということを聞きまして、私は、それはもう原則で、あたりまえだと、こういうふうに思うんですが、それはぜひやってもらいたいと思う。ところが、けさちょっとニュースを聞いたのですが、これは労働省のほうに聞いても労働省のほうは御存じないようです。ところが本日の就労は全員がない、そして、職員食堂で全員待機せよ。したがって、待機中も組合活動はしてはならない。こういう、上京していらっしゃる院長から現地に連絡があったという知らせを聞いたわけです。これはあったんですか。
#20
○参考人(北村勇君) 少なくとも、ゆうべ別れる時点まではそういう院長が指示したことは私どもは存知しません。また、きょうは普通の状態で病院が運営されておるというふうに信じております。
#21
○大橋和孝君 ちょっといま聞いてくださいよ、どうなっているか。そこについてきている人がちょっと松山へ連絡して聞いてもらったらいい。
#22
○参考人(北村勇君) はい。
#23
○大橋和孝君 ぼくのほうにはそういうニュースが入っているんだからね。本社たるものがそんなルーズなことではいかぬじゃないですか。われわれのところに、このニュースが入っているのに、本社はきのう別れるまでは何もなかったというような状態では、私は、非常に本社はあれじゃないかというふうに感じます。これは真偽はあとからわかるとしまして、もし、こういうことがあったとするならば、これは本社へ院長がやってきたらまたこういう指令を出すわけですね。おそらくこれは全員就労がないということは、ロックアウトという意味なんでしょうと私は想像しますが、ロックアウト、そんなら組合のほうが何にもやっていないのに、正常にやっているのに、あなたのほうだけは先制的にロックアウトをやるんですか。まず、このロックアウトの問題に対してあなたの方の考え方をちょっと聞かしてください。
 もう三病棟ぐらいは患者を減らしてしまって、事実上ロックアウトしてもいいような段階をつくっているという話も聞いています。私は、この間行ったときも、そういうの見たが、ここに一人とか二人とかいないようになってしまっている。あの基幹病院で、地域からは、あの病院こそ手術もしてもらい、最後の病気の診断をして治してもらうという地域からいえば、ほんとうに期待をしている大病院ですね、りっぱな病院です。また、今度新築されてりっぱにされようとしているのを私は見せてもらってきました。おそらく四国じゅうを通じてナンバーワンじゃないかと思われるような、いままでもりっぱな実績を持っておられるわけですね。そういうところが簡単にロックアウトをできるような体制を整えて、先制攻撃といいますか、ロックアウトでもって、もう組合を弾圧していこうというような考え方があらわれているように、この事実からしても私は見えると思うんですね。院長が東京へ来たら、東京からそういう命令を出すんだから、こっちに出て来るまでの間はそんなことはなかったわけですよ。そうすると、やはり本社において何かサゼスチョンされたことが、そういうふうに反映していくわけですから、これは、先ほどから私が言っているような状態じゃないですか。その辺のところなんかをもう少し明確にしてもらわないと、私はこの問題はこじれる一方だと思いますし、また、日赤ともあろうものが、そういう態度でやっているとするならば、私は、これはもう社会労働委員会としても許すことができない問題であると思う。また、労働省としてもおそらく黙っておれない問題だろうと思うんですが、あなたはどうですか、その点。絶対ないと言えますか。
#24
○参考人(北村勇君) そのロックアウトに現在入ったか入らぬかということは、いま現地に電話を入れておりますので、それについては後ほどまた問題にしていただくとして、一般論から申しますと、医療施設の問題というものを、組合側も、また使用者側もそういうふうな争議行為によって解決するということは基本的にはいかぬというふうに私も思っております。しかし、今回の問題については、いろいろ解釈のしかたもまた出てくると思いますので、一般論的には、私どもはそういうことはやるべきじゃない。また、病院の運営というものは二十四時間サービス業務でございますので、そういうふうなことはおもしろくない、喜ばしくないというふうに常に考えておるものでございます。
#25
○大橋和孝君 北村参考人としては、絶対本社のほうからはそういうふうな、何といいますか、きびしいような指令をせずに、いまおっしゃったとおり、現地で話し合いをするような場をより高めていくための努力をするということに変わりはありませんね。
#26
○参考人(北村勇君) はい。
#27
○大橋和孝君 それは大事な問題ですから、しっかりひとつやってもらいたいと思うんですが、そうでないところに問題があるように私は思います。
 それから少し問題を掘り下げていろいろ伺ってみたいと思いますが、今回のこの不調に終わった原因は何であるとお考えになるか、ひとつ北村参考人の御意見を伺いたい。あとで一ぺん労働省あたりからもこれはちょっと伺っておきたいと思いますが。
#28
○参考人(北村勇君) 実は、このあっせん委員長さんが最後にお話しした、みぞが越えられなかったという、そのみぞとは何ぞやということを実は委員長にもきのうよく聞きましたけれども、委員長自身もわからない、よくわからないということでございますが、両方側から相当歩み寄りがあったけれどもとうとう最後の一線で話し合いがつかなかったということは一体どういうことであるかというふうに、実は理解に苦しんでおるわけでございます。しかしながら、何といいましても、やはり先ほどから言うように、第三者の公正な立場におけるあっせんの案でございますので、ぜひひとつその線で今後とも妥結をするように努力したいというふうに思っておるわけでございます。
#29
○政府委員(石黒拓爾君) 今回のあっせん不調になりましたのについては、私ども十五時間問題をめぐって若干の意見の不一致があったというふうに報告を受けておるわけでございますが、しかし、これも何かできそうな気もするんでございまして、これだけでせっかく長い間のあっせんが全部不調に終わらなければならないほどのものかなあという感じを実は持っております。
#30
○大橋和孝君 そういう点を考えますと、先ほどのちょっと質問にもう一ぺん戻るわけですが、やはりこの本社のほうで、もう少し、前向きにこれを解決さすような指導というものをやられたならば、私は、これは不調に終わらないでもう少し話が進んだと思うんですね。だからどう考えてみても、何か本社のほうが少し原則にとらわれておられるというか、もう一歩その解決を話し合いでさすことに踏み切っていらっしゃらないという感じを持つんですが、これを、いまの不調に終わった原因を北村参考人は考えてみられて、絶対そういうことはないんだ、一生懸命やっているんだけれども、これができなかったと、こう考えていらっしゃるのか。あるいはまた、いまの御答弁の中では非常にあいまいになってしまって御答弁になっていないように思うんですが、もう少し具体的に言うて、原因はどうだったということは、もう当事者でおってもらうとすれば相当そのピントはどこどこにあったというぐらいのことはわかるんじゃないかと思うんですが、もう少し具体的にその話をしてもらえませんか。その原因をちょっとよく考えておかないと、今後、解決の見込みは立っていかないんじゃないかと思いますが、どうでございますか。
#31
○参考人(北村勇君) どうも大橋先生と意見が並行するようでございますが、とにかく、私のほうはどんなあっせん案でも一応のもうという姿勢でやってきたわけなんであります。あっせん案が出ましたので、それじゃこれでやろうということで御返答申し上げた。したがいまして、妥結に至らなかったのは、組合さんのほうで、どういう御関係か知りませんけれども、やはり、このあっせん案ではのめないということで不調に終わったんじゃないかというふうに私どもは解しておるわけでございます。
#32
○大橋和孝君 解する解するというんですけれども、私先ほど指摘したでしょう。二・五カ月で云々というような、協約を破棄した補償として出すというわけでしょう、〇・六カ月を。そうして時間外の給与問題に対しては、この際全部打ち切るということを言っておるんだから、これはあんた、譲歩も何もせずに自分かってに言うたとおりに認めるならば、それはあっせん案に乗りますわというようなそんなことを言いながら、あなたが譲歩したとか、前向きに解釈したことにはならぬじゃないですか。あんた、この問題に対して先ほど労政局長も触れられましたけれども、一律十五時間の問題は話し合いで解決できますね。それならこれは話は進むわけですよ。あんた、それは全部この際に打ち切るというようなことを言うから話にならないわけですね。それをはっきりしてください。
#33
○参考人(北村勇君) 御返事を申し上げます。
 あっせん案の内容は、最初、私が申し述べたのは、私のほうは、病院側から聞いた内容でございます。それから大橋先生のほうは、先ほどあっせん案の内容を御説明ございましたが、そのあっせん案の内容自体が最初からもう食い違っておるような感じを受けるんでございます。したがって、私のほうで得たあっせん案の内容というものは、第一には時間外一律十五時間というものをおりてもらうんだ、それを前提として一・九カ月の資金の調達を病院側で考えてくれということでございまして、その点が先ほどから大橋先生と私のほうで話が食い違っておる一つの大き道になっておるわけですが、私のほうは、病院側から聞いたあっせん案の内容でございます。その点がどうでございますでしょうか、私どもは病院側からそういう案である、それじゃ、のもうということで御返事申し上げた、こういうことでございます。
#34
○大橋和孝君 私は個人的にはいろいろ組合にもぼくの意見は言っているわけですよ、解決するためにね。けれども、あなたはいま、あっせんが十五時間云々の問題は、この際アウトにするというからやったと言うのですね。しかしこちらはそうではないんです。私の聞いているのは、アウトじゃないんですよ。それを切るなら、あなたのほうは二・五カ月といま言っているのでしょう。〇・五カ月を補償的なものにして出そうと、こういうふうなことを言っているわけですから、あなたのほうこそ、そういうふうな考え方を持っているから、そういうふうな解釈をしているのであって、一方、公益のあっせん案ではそういうことまで言っていないわけですよ。もう少しそれはいろいろ給与云々の過程の中で評価をしようと言っているわけです。――これはぼくの個人の意見ですよ、組合はどう思っていらっしゃるか知らないけれども。――ですから、提示しているのは、二号俸でも上げなさい。あるいは十五時間というのは七千円ほどになるようですね。ですけれども、この七千円というのは、いまこの物価高の時代に、せっかくいままで七千円をもらっていたやつを、一ペんにずばっと切りますよとあなたが言ったら――あなた自身の経済でもかなわないじゃないですか。私がいまつとめておって、それは時間外給与がけしからぬから七千円削りますよ、はいありがとうございます、と言っていますか、この物価高で生活が苦しいのに。ですから、そういうような無謀なことをあなた自身が考えていること自身が、サラリーマンがたくさん多いというのに、問題じゃないですか。ですから、私が個人で考えて言っていることは、せめて二号俸でも上げてあげなさい。あるいはまた、そのやり方によっては、地域給というのはほかでは出されていますね、日赤の中では。あちらこちらで私聞きますけれども、地域給というのを出しているのですから、地域給三%なら三%をつけましょう、二号俸くらいでも号俸を上げてあげましょうと。そういう段階をして、それから徐々にあなたのほうの規定にだんだん沿っていくような形に、ベースアップもある中でこれができていくならば、私は話がわかると思うのですよ。一ぺんに七千円ずばりと切りますよ、それでいきなさい。それには補償金として〇・六カ月あげますと。これは当然出すものじゃないですか、三・一カ月というのは、あなたのほうで。ほかの日赤では全部それを給与しているものですから。それを削っておいて、〇・六カ月を補償的にあげましょうというような、これはあなたずいぶん考え方が私は――そんなことを言ってこの問題が解決するように思っているというのは、それはあなた、ひどいじゃないですか。いま月に七千円というのは大きいものですよ。それをすぽっと切っちゃって、それはあたりまえだと・は、もう血も涙もない本社と言わなければならないと私は思うのです、そういうことが通るならばね。そういうことを前提として、これをやっているものだから、これは不調に終わりますよ。あたりまえじゃないですか。これは前向きにやっている姿勢とはいわれない。その点はどう思いますか。
#35
○参考人(北村勇君) いろいろ大橋先生の御意見を承っておりますが、私のほうとしては、二年間にわたって十八回も団交をやった問題でございますので、一朝一夕には片づく問題だとは思っておりません。しかしながら、せっかくあっせん委員会ができましたので、ぜひそこで、いいあっせん案を出していただいて、お互いにそこで妥結したいということで、いままで待っておったわけでございますが、そのあっせん案の内容については、前提があるとかないとかいうお話でございますが、少なくとも私どもはそういうことの内容であるというふうに、きのうは承っておるのであります。したがいまして、その線で今後とも何とかして解決したいということにはやぶさかではありませんし、また、そうすべきだと当然思います。ただ、七千円一。へんに切るのはどうのこうのというのは、これはまたいろいろなことを含んでまいりますので、公開の席で先生と私だけで討論してきめるという問題でもないように思いますので、その点については、まあ、当委員会のような公式の場でなく、またいろいろ御意見を承りたいと思っておりますが、とにかく私のほうとしては、先ほど私が言ったような案の内容でぜひひとつ妥結をしてもらいたいということでございます。
#36
○大橋和孝君 その案については、あなたがそのようにきめておったら話が進まないじゃないですか。一律十五時間をいかぬと言う。しかし、あなた御存じだろうと思うのですけれども、この一律十五時間の時間外について云々と言っていますけれども、いまの院長が前におりました広島の日赤ですね、あれは十九時間やっているんですよ。御存じですか。ほかにはたくさん例があるじゃないですか。いまの院長がいままでやってきた広島では、十九時間認めているんだ。それをほうっておいて、なぜ松山だけ十五時間をそんなに問題にして、あなたは、それをはずさぬ限りは――はずすということを前提にして話し合いを続けるのだと、そんなむちゃなことを言って、それが一番キーポイントになっているんです。それを何とかもう少し、いま言っている、これは私の私見ですから、それはいい考えじゃない、もっといい考えがあるかもしれませんよ。あるかもしれませんけれども、何かそういうようにして、多少は号俸で一もし、どうしても一日十五時間というのはいかぬというならば、号俸にしていくとか、地域給をつけるとか、何かまだほかにもありますわね。住宅を何やらするとか、いろいろあるわけです。あなたのほうでは、お医者さんなんかのほうでも、みないま住宅やら何やら手当をいろいろ一ぱい出していますね。だから、そういうようなことも考えられるわけです。私は、ほかのほうの日赤もずっと調べましたが、ある程度のばらつきは、独自の病院長の権限でやれるというので、非常に違っていますね、いまやっているのは。比較的そこの業績があがっているから問題にならない。業績がちょっとあがらなかったら問題にするというような形であって、そういう、まあ、あなたのおっしゃるようなことが、そんなに固執せんならぬとするならば、全体にそういうふうにやられているのかというと、やられていないですよ。どうですか。その問題だけでもおかしいじゃないですか。いままでおりました広島日赤では一律十九時間認めているじゃないですか。ここは十五時間なんですよ。これがもし前提となって、それがいかなんだら、この話は前にいきやせぬというような、そういうようなかたくななことではいかぬので、私は、おそらく将来はそういうところも直されるだろうと思うのですが、こういう問題も話し合いの中で、もう少しあなたのおっしゃったような先の前提で、やはり労使間の話し合いというのが一番強いわけですから、一番基本になるわけですから、これを抜きにせずに、その一律十五時間の問題も話し合いをしていったらどうですか、何かの形で。そうしたら私はもう少し話は進むと思うのです。あなたがおっしゃっている十五時間とか、こういうような大事なものを、十四項目とかなんとか言っていらっしゃる。これをみなアウトにしなかったならば話はできぬ。話をするなら、お金の組み方は違うけれども、合計して三・一カ月にしましょうというような形では私は、話はできないと思う。それは日赤できめた前提はどこまでものみなさい、それだったら話をするということなんだから、これは話にならぬと思う。そういう前提なんかももう少し……。私はここで言いたいことは、もう私の案をそのままやるとかやらぬとかいうことでなしに、もう少し話し合いの場でいろいろ、十五時間の問題も労働時間の問題も一時金の問題も――この項目の中で一番大きいのはこの三つでしょう、おそらくずっといろいろ読ましてもらったのでは。だから、こういう大きな問題に対してはひとつここできちっとしていこう、また話し合いの場でうまくやっていこうという姿勢でやってもらうならば、――私は非常にありがたいのですが、その点どうですか。何とかそういうことにはできませんか。もう除外しなければいかぬという考え方はやめてもらいたいと思うのです。どうですか。
#37
○参考人(北村勇君) たいへんおしかりを受けて恐縮しておりますが、一応あっせん案が出まして、不調に終わった現時点においては、私どもはこれからやはり話し合いは話し合い、それからまたさらに必要であればあっせんもお願いしなければいかぬというふうに考えているわけでございます。したがいまして、そういう道程を通る途中で、いろんな解決方法はまた出てくるかもしれませんが、それについては十分に検討して、できるだけのことをしたいという気持ちは十分持っております。ただ、いま実際に大橋先生から提案されたような地域給とか、あるいは二号俸ベースアップをするといたっような問題は、ここで私一人がいいとか悪いと言うことはできませんので、今後の解決の道程ではいろんな問題が出てくると思いますが、これについては、真剣に私どもは対処して、研究さしてもらうというつもりでおります。したがいまして、どうか、何とか一日も早くこの問題についてはピリオドを打って、正常な病院の運営に返るように私どもも一生懸命やりますが、大橋先生のほうでもできるだけひとつ御指導をお願いしたい、こういうふうに思っているわけでございます。
#38
○大橋和孝君 私も、いままでいろいろこういう話を聞いてまいるときには、決して一方的に組合ばかりに聞いているわけじゃありません。いろいろのこともやっていますが、しかし、これはほんとうにそういうような血の通った交渉が必要なんですね。特に、私はここでもう一つ北村先生にちょっとお聞きしておきたいと思うことは、この日赤というものはやはり支部が単位でしょう、県単位の。したがって県知事なり、あるいはまた、県知事でなくても、副知事とかなんとか、いろいろそういう人が支部長になっているわけですね。ある程度病院の運営は支部長にも権限があるわけですね。そして、中央からいろいろバックアップもしておられるでしょうけれども、支部長に権限がある。だから私はここのところで、指導のもとにあれがあるならば、一体この支部の支部長はどういうふうにこの問題に対して考えておられるか。こういうものごとを、もっと前向きにいけるようにあなたのほうもお願いをしながらいかなければいかぬのじゃないですか、これはどうなっておりますか。
#39
○参考人(北村勇君) この問題について私支部長に直接会って意見を聞いたり、また何したわけじゃございませんが、各県には赤十字の支部というものがございます。支部の事務局長がいるわけでございます。その人が常に支部長とは接触を保っていろいろ病院の問題については御指導をいただいておるわけでございます。したがいまして、いままでの経過については支部長も十分認識されて了解しておられるというふうに私は解しております。したがいまして、いま支部長の意見について、この問題を最後の場でどういうふうに解決するかというところまでは支部長とまだ接触を保っておりません。しかしながら、院長がいろいろ考える場合には、支部長と十分連絡を保って相談してやっているというふうに解しておるわけでございます。
#40
○大橋和孝君 私は、ここのところで何を問題にして聞きたいかというと、支部長にまかしてやっていくならば、支部長がある程度の当事者能力を持たなんだらこういうことができないわけです。病院長が責任を持つならば病院長がある程度やっていけるだけの権限を与えておかなかったらできないわけです。いま、これは話を聞いていると、病院長はさっと東京へ来て話を聞いてはいろいろな指令を出しているから、何でも本社のほうに何か権限があると、それなら本社のほうに当事者能力を持たなければいかぬですね。金を出したりあるいはまたその他のことをやる。だから、私は、ここのところが非常にあいまいになっていると思うんですよ。支部長が一体当事者能力を持ってやるのか、あるいはまた病院長がそれを持っているのか、本社が持っているのか。これは都合のいいときだけは取り上げて文句を言うけれども、あとの悪いときには金を出さないと言えば病院長は困ってしまう。あなたのやり方が悪かったら病院長職をとばすよといったら病院長はできなくなるわけです。こういうようなことではほんとうに労働問題をだれが責任を持ってやるかということが明確になっていないですよ。この点、あなたどう思われますか。
#41
○参考人(北村勇君) もう十分おわかりだと思いますが、赤十字は法人が一本でございますので、最終責任は社長にあるわけでございます。しかしながら、全部の施設を一々見ているわけにいかぬので、支部長には支部長なりに権限を委譲しております。それから支部長はまた病院長に、ある権限を委譲しておるというかっこうになっておるわけです。したがって、第一次的には院長、第二次的には支部長、それから最終責任は赤十字の社長ということになると思います、あらゆる問題は。したがいまして、私のほうとしては、支部長の意見を常に聞きながら現地の問題については対処をするという方針でやっておるのでございまして、いきなり院長が支部長を飛び越えて、本社へ行ってどうのこうのということは、動きとしてはございますけれども、その場合には、支部長の意見を十分聞いて院長の意見と合わせてやるという基本方針のもとにやっております。
 それから、先ほど大橋先生からの御指示がございました例のロックアウトの件でございますが、ただいま病院のほうに電話をしまして聞いたところによりますると、院長はまだ東京から帰る途中でおるそうでございまして、昨日、副院長がいま院長代理をしておりますが、要するに、ロックアウトして、職場におった看護要員の方が参りまして、あっせん中はロックアウトをしないという約束になっておったんですが、あっせんが破談になったので、こわれたのでどうしようかというふうに副院長のところに話しにきたそうですね。副院長はこの問題については院長がいないので、院長がどうせあした帰ってくるから、この問題については院長がいないのではっきりは返事はできないけれども、少なくとも地労委のあっせん中はロックアウトをしないという約束になっておったのが、地労委のあっせんが不調に終わったので一応食堂におっていてくれ、そして必要な場所にはまたお願いして就労してもらう。したがって、就労拒否ではない。要するに、必要な場所にはまた出てもらうけれども、はっきりとしたことは院長が帰ってから聞いて御返事する、こういうことで食堂に集まった、こういうことのようでございます。さっき大橋委員の言われたように、食堂に集まったのは事実のようでございます。
#42
○大橋和孝君 その問題はまたあとで……。
 もう一つ、労働大臣は時間がお急ぎのようですから、労働大臣に聞いてもらいたいこと、それからまた、いろいろしてもらいたいこと、もう一点述べて、あとで大臣にお伺いいたします。
 このいろいろな十四項目を云々して、この際やめてしまえと言っておられるのは、これは本社の中の内規ですね、規定でそういうものをつくっておるから、それに逸脱しておるからこれを変えると、こう言っている。ところがこちらのほうで、いま松山の日赤では労使団交でいままでいろいろ積み重ねて、そして日赤の賃金が低いから、また地域的なそういうふうな補償も、地域給も入れられていないから、だからして、話し合いのうちで円満に話をして、その賃金というものはいろいろな組み方が行なわれてきた。その中で、一日十五時間というものが出てきた。ある一方のほうでは十九時間のものも出ている。そういう形で、それらがある程度当事者能力として認められて、そしてある程度のワクの中でこれがやられてきた。それがちょっとワクが逸脱してきたことがあるかもしれませんけれども、これはやはり労使関係で積み上げてきたものですね。話し合いをして労働協約として出てきたものですね。ところが、あなたのほうでは、本社のほうでは一方的な内規というものをこしらえた。これには労使の話し合いは持っておりませんね。そういうものが今度先行して、これを押えつけてアウトにしてしまわなければいけないということは、私は、労働法規的に考えて間違えだと思うのですよ。参考人はどう思っていらっしゃるか。労働省のあっせんに対してどう思っていらっしゃるか。これは大問題だと思いますね。
 それからもう一つは、私は、ついでに時間がないからお話しておきたいと思いますけれども、労働基準法違反というのは松山に一ぱいあるわけです。私は、あとから大臣がおられなくても労政局長にも聞いてもらいながら、一ぺん不当労働行為というもの、あるいはまた、基準法違反というものについてずっと一ぺん話し合いを詰めてみたいと思いますが、三六協定の問題に対しても、一人夜勤の問題に対しても、夜勤の二人の場合におきましても、またいろいろな仮眠もしていないとかの問題もあります。女の事務員の云々という問題も一ぱいありまして、こういうものをずっとあげていくならば、私はここで労働基準法違反というものがたくさんあると思うのですよ。こういうようにして、松山そのものはほんとうに労働協約を尊重したやり方をせずに、もう基準法違反もやるし、そしてまた、本社からもいわれている内規というようなものを先行して、これをやっていこうという非常に労使間の問題をよりこじらせる方向に私はいっていると思うのです。北村さん、どうお考えですか。
#43
○参考人(北村勇君) ちょっと御説明申し上げますが、大橋先生のほうから内規、内規というお話がございましたが、給与要綱と赤十字ではいっておりますが、これは労使間の話し合いによって解決してお互い手を握って妥結した給与要綱でございます。したがいまして、これは一種の労働協約だと思います。
 それから、これを最後に決定する給与委員会というものには組合の代表も一緒に入って、そこで解決しておるというものでございますので、その点ちょっとお断わり申しておきます。
#44
○大橋和孝君 それは給与委員会で、給与そのものはそうかもしれませんですけれども、何かに逸脱している、逸脱しているといって、いろいろ取り上げていられるものの中には、非常にやはり日赤として本社のほうでかってにきめたものがあるわけでしょう。私は、必ずしもこれはほんとに労使関係でやられたものだけではないと思う。そういうものがすべて当事者能力として、ある程度、病院長にゆだねられているわけですから、それを規制していこうというのは、逸脱している逸脱しているということが、一つは内規的なものに縛られて言っておられるだろうと、私のほうは解釈せざるを得ないわけですが、こういう点について、一ぺん労働省のほうのお考えを伺っておきたいと思います。
#45
○政府委員(石黒拓爾君) 就業規則あるいはそれに基づく内規というような問題につきましては、これは主として基準局の問題でございますので、私の知る限りで申し上げますが、あるいは不正確かもしれません。
 就業規則は、もちろん協約に反することはできない。協約にない事項について就業規則をつくった場合には、これは一応労働者を拘束するが、ただし、不満な場合には、それを団体交渉、労働協約という手続をもって変更することができる。内規というものが就業規則に基づいて行なわれた場合には、一応これは労働者に対して職務執行等について拘束力を持つものでございますが、労働者がそれに反対であるという場合には、同じく団体交渉、労働協約という手続をもってこれを変更することができるものであるというふうに理解いたしております。
#46
○大橋和孝君 まあ大臣、ちょっと時間がないようですから、私、ここでちょっと大臣の考え方をお聞きすると同時に、強力な日赤に対してはひとつアドバイスをしていただきたいと思います。
 で、先ほどから申し上げて、大臣もよくお聞き願ったと思いますけれども、私は、やはり、この労使間の紛争、こういうものを解決するためには、話し合いが必要である。同時に、ここのところの十五時間の問題ですね、時間外の。これは、やはり、比較的賃金が安いから何とかしてあげようという、その現地の院長あるいはまた支部長の考えがあって、こういうように団交の中で、労使の交渉の中で積み上げられながら、これが協約として出てきているわけです。それが本社のほうの内規に比べてみると、非常にこれは高過ぎると、これは今度破棄するならばこうだというようなことで、破棄を一方的に考えてこの問題を示してきたところに、この労使の問題が起きてきたわけですね。ですから、これをもう少し弾力的に考えようということ以外には、私は、これはなかなか解決の道が行なわれないと思うのです。七千円も一ぺんにダウンすることを組合側に強要して、そうして、おまえらこれをやってこい、やってこなかったらロックアウトをする。いまの報告を聞いてみると、何かことばはあいまいでありましたけれども、結局、みんなを食堂に集めて、そうして、やってはいけない、もし必要があったら、わしのほうから行くから、そこの職場に行けと、これは事実上のロックアウトでしょうね。別に組合のほうは、まだストライキも何にもやっていない、正常なところで話し合いをしようと言っておるところで、何で追い打ち的にやらなければいかぬのか。こういうようなやり方が続く限りは、私は、これは非常にゆゆしい問題になると思うんですよ。おそらく長期化して、私どもの聞いておる組合あたりでも、ほとんど全員がそろって、これはストライキに入ってやらなければあかぬのと違うかという意気さえ、団結してやっておるという話も聞くわけですから。これは、うっかりしたら、長期のどろ沼になる。もうかなりいまの話を聞いてみると、本社のほうではいろいろな悪いアドバイスをして、もう、今度本社のほうへ病院長が来たら、病院長が着くまでに、もうそういうようなことをあとの副院長の院長代理がやっていいというふうなことが指令されておるというふうなことであるならば、もう私は、日赤本社が主導権を握ってこの紛争をよけい助長しているような形が出てきていると思うのですよ。私は、こういうようなことを、一応、労働問題、――働く者の味方どして正しいことを主張してもらう労働省としては、やはり、ここでひとつ強力な日赤にアドバイスをしていただかなければいかぬ。で、お帰りになる前に、塚原労働大臣、いつも私どもこうした質疑の中で大臣のこういう問題に対しての積極性を聞いて、非常に信頼を申し上げておるわけでありますが、日赤が先ほどから申しておるように、四国一番の教育病院であり、基幹病院であり、あの大ぜいの四国の国民のほんとうに命を託するところの病院であるとするならば、私はそんな軽々としてわずかな問題、そういう問題にこだわれることなしに、もう少しそういうおおらかな気持ちでこれを指導して、もう少し働く者が意気に感じて働いて、ほんとうにこの病院に対して奉仕ができる体制をつくらなければ私はいかぬと思うんですよ。ですから、そういう観点で、私はここでひとつ労働省として徹底的な決意のもとにこの問題が、紛争が早く解決するように、私は本社のほうにかなり大きな圧力をかけてもらわなければできないと思います。私も、この中に入って、見に行きましたが、労働組合に対してはそんないいことばかり言ってません。それは譲歩すべきところは譲歩せい、それからまた話し合いにのるべきところは話し合いにのって、そしてやっていくようにせなかったら問題は解決せぬじゃないかと、そういうことは強力にアドバイスしているつもりであります。ですから、組合の幹部の人たちの話を聞いても、かなりそういうことに対しては、積極的な協力も惜しまないという気持ちに進んでおると、私は思うのです。だから、今度こそはあっせんもうまく実を結んで、そうして、労使の紛争もこれでうまくいって、また段階的にだんだんと労使の関係がよくなるものだと、こういう考えのもとにいままでやってきたわけでありますけれども、それがどうしてこのような調子で不調に終わっていくのか、みぞがなぜ乗り越えられないのか。私は、もっと話し合いをしたらできると思いますので、もう少しあっせんが不調になったところで話し合いを進めて、また、あっせんの場が必要ならばあっせんをしてやってもらわなければいけない。しかし、非常にそこのところに本社の硬直した考え方に対して不満を持っておるわけです。労働大臣、ひとついままでの話のいきさつを考えていただいて、ほんとうに基準法違反をやったり、あるいはまた協約のものを先行さして、ほんとうに労使のいままでの慣行上の協約を無視して、それを一片のほごにさすようなやり方をさせないで、十分大臣の立場で日赤のほうにもアドバイスしてもらいたいと思うのですが、その御所信をひとつ承っておきたい。
#47
○国務大臣(塚原俊郎君) 松山の日赤病院の紛争につきましては、先般の社労委員会で当事者同士のいろいろ話を承りまして、きょうが二回目であります。私、たまたま労働大臣でありまするが、国会議員としても、こういう問題が国会の場で論議される、しかも二回にわたって論議されるということはこれは珍しいことではなかろうか、それだけに非常に憂慮いたしておるわけでございます。ことに聞くところによれば、四国でも有数な基幹病院であり、人命を扱う非常に大事な公共性、重要性を持った医療機関においてこういう紛争が長引くことは、地域住民のみならず、ほかに与える心理的な影響は私は非常に大きいものがあると思う。この前のお話、それから地労委のあっせんに入った段階それから大橋委員とも私たびたびこの問題でお話を聞いており、また労政当局からも話を聞き、私のほうでなすべきことはそれぞれやってまいったわけでありまするが、率直なところ非常にいい線まできたというので、私は安心しておったわけであります。それが急転直下最悪とは申しませんが、よくない状態にきて、いまのお話しによるとロックアウト云々ということ、これではどろ沼に入ってしまうのじゃないかということをば憂えております。院長が帰ってからの処置というものがどうなりまするか、これを注意深く眺めておるわけでありまするが、先ほど北村参考人の話を聞いておりますると、やはり本社としての圧力云々はないという話でありますし、私はそのことばを信じまして、こういうものはやはり当事者同士が話し合って、しかも、地労委でもってそこまでのいい線までいったなら、お互いに譲るべきところは譲る、互譲の精神を発揮すれば、私は、この問題の解決はできるのじゃなかろうかと、しろうとですから、その間のかけ引きをやったことはございませんからわかりませんが、どうも不信感というか、断絶があるような気がしてなりません。いま基準法の話等も出ましたが、労働省の所管内においてなすべきことは、われわれは十分やりまするし、問題は、事の重要性からかんがみまして、国民の不安を取り除くために、また医療機関としての役目を果たしていただくためにもなすべき最大限の努力はいたす考えでございます。
#48
○大橋和孝君 たいへん前向きな姿勢をいただいて、もう少し最後の詰めのところまで大臣に聞いてもらいたいと思いますが、あとはひとつ労政局長に聞いてもらって、あとからまた大臣に報告してもらうことにいたします。
 非常に北村参考人、いま大臣もそういうふうに言っておられるわけですね。私はここでひとつ、こまかしい問題に移る前に、大きい問題としてこの問題をどうして解決されるのか。
 それから、いま私はちょっと、実にくだらぬ私の考え方を述べました。これはまだ組合のほうにも言うてませんから、争議はどうなるか、そんなことは私は全然知りませんよ。知りませんけれども、一律十五時間という問題も、ほかの日赤では十九時間というものがあるわけなんだ。この十五時間を解決するときには、そういういろいろ当事者能力として、ある程度のばらつきは認めているわけですね、あなたのほうも、ほんとうからいえば。認められないにしても、いままではそういう、ある実績があるわけなんです。そういう点から考えるならば、私は、この問題の解決にはどうするんだ、そういうふうなほんとうの、ある程度の見通し、先ほどおっしゃるのは労使間でよく話し合って、そしてきめていこうという気持ちは、基本線は変わりないとおっしゃっているのだから、それをするためには、いま私が先ほどから指摘しているような、この一律十五時間という時間外の勤務の問題だとか、労働時間の問題だとか、一時金の問題だとかいうものを除外して考えたのでは、これは話し合いに入れない。その中で一番問題なのは、私は、こういうふうな時間外の問題だと思うのです。こういうものをひとつ、いまも私が申したことは、それは愚案だからそれでなくてもよろしいが、何とか補正をして、そして、あなたのほうのメンツも立つような方向でこれをやって、これでまた計算するなら――私もちょっと計算してみましたけれども、おそらく七千円でなしに、五千円ぐらいになるわけですよ。そうしたら、これは労働者のほうにもかなり犠牲をしいることになるわけです。そこで、何というか二で割ったような形になるわけですから、おそらく、それは組合側としては私がこんなことを言っていることはのまらないだろう、何を言っているのだということになるだろうと思うのですが、――私はそういうふうなことまでも、実際の私の気持ちの中では持っているわけなんですよ。そういう形で話し合いというものが、お互いに互譲の精神というものがなければいかぬのですから、何かそういうことにしなければ、私は、これは解決はせぬと思うんです。ここで、こうした時間外の問題は、何かそういうふうなことで、ひとつ考えてもらったらどうなんだ。あるいはまた一時金の問題だって、いろんな問題があるならば、少々それはこういうわけだから、こうだということであってもいいわけです。ただ、自分のほうの目的が達せられるためには、こうするというふうな形じゃなしに、もう少し一時金の問題も非常に問題があれば、ここのところはどういうところがあって、どう一したらいいかというのも考えられるわけです。あるいはまた、労働時間の問題なんかでも、四十四時間で実働がここでは三十八時間三十分になってますね、これは、ほかなんかだったら三十九時間のところもありますね。そういうような問題もいろいろありますからして、こういう問題なんかも、いまじゃ週二日制の休日なんかもいわれていることなんですから、こういう問題なんかも、そんなに大きなこだわりになるものじゃないんじゃないか。話し合いの中では、解決ができるものだ、こうやってみれば、あとの項目なんかいろいろ話し合いをすれば、デットロックに乗り上げて、どうでもこのロックアウトをして、どろ沼の闘争が続いて大ぜいの国民に対して、住民に対して非常に大きな不安と、そしてまた、非常な生命にも関係するような問題を起こさなくて済むんではないか。あそこで、あんたのほうでは何病棟か、三病棟か減らしておられるけれども、市民の受ける不安というのは非常に大きいわけですね。これは新病棟もできるわけでございますから、そういう時期に、こういう悪いものは掃除しておけというような考え方じゃなしに、もっともっとこれはそういうような話し合いの場をつくって、そして、双方が歩み寄って話し合いをしていこうという形でなければ、どうしてもこの解決のめどは立たぬ、私は、こういうふうに思って、いま申し上げているのでありますが、北村さんのほうではこれはどういうふうにしようとお考えになり、そしてまた、これからどういうアドバイスをしていこうというふうに考えて、この問題を解決しようとされるのか。これは、いま事実上のロックアウトに進みかかっておる問題に対して、あなたのほうは、さっそくこれに対して現地を指導して、そういうことにならないようなことをさしていくのかどうか。ここらのところひとつはっきりしていだかないと、私は非常にいけないと思います。ここで、私は、こういうことを言って、何度も申し上げていることは、私は、日赤本社に対して非常に国民の不安を解消するために、こういった問題を提起しているわけであります。少なくとも、日赤本社ともあろう使命から考えたならば、私は、こういうトラブルというものは、一切起こさせぬように努力してもらうべきだという観点でやっております。ですから、こういう問題が行きようによっては、私は絶対にほこ先をとどめないで、日赤のあり方に対しては、もっとするどいメスを入れていきたいと思います。ここでは、まだ申し上げておりませんけれども、いろいろな調査をすれば、日赤の中のいままでの運営の中の問題で問題点をえぐり出して出せば、きたないものを出せば、何ぼでも、まだあれがあるわけですから、だから、そういうことまで私はしたくないので、きょうは非常に前向きの姿勢で、日赤の本社のほうで考え直していただきたいということを、原点においてやっているということを、十分把握の上に、御答弁していただかないと、将来、変なものが出てくる可能性もあるわけですから、十分ひとつ考慮してもらいたい。そういう前提のもとに、私は、この問題の取り組み方を、ひとつ徹底的に北村先生のほうからお話を承っておきたいと思います。
#49
○参考人(北村勇君) 大橋先生の意のあるところを十分私は、きょうは感銘して承りましてございます。ただ、その大きな問題について私が一衛生部長として、ここで大橋先生と約束するとか返事するというわけにまいりませんが、十分、大橋先生の意を体して帰りまして、上司にも報告し、また上司とも綿密な連絡をとって、前向きの姿勢で努力したいということだけここで申し上げるのでございます。
#50
○大橋和孝君 そういうふうなおことばを私は非常にうれしく思います。どうかひとつ、私は、ほかに他意ありません。いろいろことば荒に申し上げておりますけれども、決して他意はないわけで、ほんとうに労使間の話し合いをしてもらって、譲るところは譲りながら、そうしてお話を進めてもらうのは、私は非常にありがたいことだと思います。しかし、こんな場所で私は私見ではありながら、こういうことを申し上げて、あるいはあとから労働組合の人からつるし上げられるかもわかりません、何ということをしゃべってくれるのかと。われわれにはそういう意思はありませんよということでしかられるかもしれません。けれども、私があえて申し上げているのは、そういうようなところにあるわけですから、ひとつ、そういう意味は労働大臣にも聞いてもらおうと思って、いろいろ話をしておったんですが、お互いに、――きょうは厚生大臣にも来てもらって、基幹病院なり、あるいはまた教育病院としてのあり方に対して、こういう状態をどう思ってくれるか、厚生行政の中で、こういう問題が起こっている、ロックアウトになって、どろ沼の闘争になっていくというようなことになったら、私は、これからそういう教育病院なり基幹病院なり、その地域の中心になっている病院に対する国民のイメージというものが、こわれてしまうわけでありますから、そういうことには、ひとつ、大きくむずかしい困難な道も乗り越えて、そういう病院をほんとうに国民の期待に沿うような運営に持っていっていただく。私はそういうふうなことに対しては、少々の金が出過ぎるとか、出ないとかということは問題じゃない。むしろ私は、独算制まで切ってしまっても、そういう設備なんかでも、もっと公の見地から金を入れて、そうしていいものとして、国民の生命を保障できるような、そういう病院のあり方で地域地域がなければならぬと思うわけでありまして、そういうことは、おそらく厚生大臣も、私との前からの論議の中にも、そういう姿勢を示してもらっておったわけでありますから、きょう私は松山の問題に対して、一体厚生行政ではどう思っているのかということも所信を聞いて、大臣の気持ちを聞きながら、日赤のあり方を、もっと積極的に厚生行政の中からも、また労働行政の中からも、十分、日赤の重大使命に向かってひとつ協力をしてもらって、こういうようなつまらない、労働者にしわよせするような運営ではなくして、普通に働いている労働者も非常に意気に感じながら、理事者と手をつないでいけるような雰囲気をつくらなければいかぬと私は思うわけです。そういう意味で、私は非常に前向きな姿勢でお話をしておるわけでありまして、いま北村先生から、そういうような決意を聞いたので、私はそれを十分に反映をしてもらって、これをうまくどろ沼的な闘争に入らない、絶対に入らないで、ごく短期間にこの話をまとめてもらいたい。先ほど労政局長もおっしゃっていましたように、大臣もおっしゃっていましたが、もうだいぶ、いいところまでいっているんだから、うまく話がいきそうだと、こう思って安心しておったとおっしゃっているくらいでありますから、外側から見られても、もう一歩、本社のほうで前向きに出てもらいさえすれば、この話はずっと円満にいくんじゃないか、話が進むんじゃないかという考えもあるわけでありますから、特に、私は日赤の本社の首脳部のほうで、そういうことを確認してやっていただきたいということを、ここで特に要望いたしておきます。
 私、まだちょっと、たくさん問題点をあげておるわけでありますけれども、もう少し時間いただいてよろしゅうございますか。
#51
○委員長(中村英男君) 詰めじゃないですか。
#52
○大橋和孝君 詰めにしようかと思ったけれども、もう少しこまかい点がありますので、少しやらしていただきたいと思いますのでお願いいたします。これは労政局長も来ていただいておりますから、ひとつ、いろいろこの考え方をただしておかないと、この解決の上においても、また、ほかのほうへ悪くいくといけないという観点で、私はちょっとお話を聞いておきたい、詰めておきたいと思います。
 組合のほうではいろいろな問題も考えておるようでありますけれども、非常に何と申しますか、いままでの給与の問題あたりで、いま十四項目を破棄するという立場であるために、私は非常にこの問題が出てきていると思いますから、特に、ここんところで、そういうことにこだわらずにやってもらわなければならぬ立場から考えますと、私は、やっぱりどうしても本社の内規と、それからまた、先ほどから問題になっておりました労使間の取りきめた現場での協約、こういうものをやはり話し合いの中で重視していかなければならぬという点が先になると思います。そういう観点から、やはりいままで積み重ねてきたものを、非常に大事にしなければいけないということと、同時に、また私は、他のずっと日赤のあり方を見てみますと、その日赤、日赤でだいぶ差があるわけです。それはやはり、これは当事者能力として、ある範囲のことを、この前の質問の中にも幅を持たしてやらしているとおっしゃっているわけですから、それで私はよいもんだと思いますけれども、それが、ここだけ非常に前向きに取っ払うと、比較的差が大きいからということだろうと思いますが、先行していることに問題があるので、私は、どうしてもある程度話し合いを主体に置いてやるという前提をここでやってもらわなければいけないというふうに思うわけであります。その点もう一つ北村先生のほうのお考えも聞いておきたいと思いますね。
#53
○参考人(北村勇君) 先ほど申し上げたように、基本的には労使間の問題というものは話し合いによって解決していくべきだということには変わりはございません。
#54
○大橋和孝君 それじゃ、ちょっとこれはこまかしい点ですが、三六協定を結んでいられるかどうかということなんですが、これは本社で把握していらっしゃるんでは、病院の中で一体どれくらいの病院が三六協定を結んでいらっしゃるのか。そしてまた、本社でもこの三六協定を結んでいらっしゃらないと思いますが、しかも、それで時間外をやっていらっしゃる、これなんかやっぱり基準法違反にならせぬかというふうに思うんですが、ここらの点は一体どうなっているんですか。
#55
○参考人(北村勇君) 全国の九十三の赤十字病院の中で幾つ結んでおるかという、はっきりとした数はいま持っておりませんのですが、半分に満たないと思います。それから、本社で結んでいないのは、現場と違いまして事務系統でございますので、時間外の問題があまりないわけなんですが、しかし、これとて必要でございますので、最近において、組合といま接触を保って三六協定を結ぼうとしておる段階というふうに承っております。聞いております。
#56
○大橋和孝君 これは私のほうで調べてみましたら、おそらく全部の、九十三のうちで二割見当じゃないかと思うんですね。そして、やはりそこでは時間外をやっているわけですから、−私は、こういうようなものも違反につながるもんだと思うんです。
 それからもう一つ、一人夜勤をやらしているのがありますね。ここでも三病棟から四病棟あるはずですね。これはなかなか休憩がとれないわけですね、これなんかも基準法違反になりはせぬかと思います。また、二人夜勤をやっている場合でも、実際は休憩も仮眠もとれない。これはやはりそこの状態を見せてもらっても、仮眠する場所もできていないわけですね。仮眠もできない、あるいはまたそういう設備もない、こういうようなことであれば、やはりこれも基準に違反をしてくるというふうな形になると思うんですが、そういう点どうですか。
  〔委員長退席、理事高田浩運君着席〕
#57
○参考人(北村勇君) 一人夜勤の問題確かにございます。それから二人夜勤で例のニッパチの八以上になっておるところも事実でございます。まあ、御承知のように、看護婦の需要供給からいって、看護婦さんの数が絶対的に足りないというのは、もう現実のかっこうだと思います。私のほうは算術計算でございますが、ニッパチをもしかりにやるとすれば、赤十字の場合には二・五ベッドかそこらに一人という計算になるんでございます。したがいまして、現実の問題として、ニッパチの線でやるということをかりに約束しても、なかなか実行が不可能であろうということで、ニッパチの問題を解決するには一つの方法としてシフト――この前の委員会でも人事部長が話したように三交替のシフトをひとつ研究してもらって、何とかこの線でやっていただけないかということは組合側に提案してございます。ただ、これとても人員の増加がもちろんついてまいるのでございます。しかしそれはそれなりにして、最も実行できるような案で最初はやろうじゃないかということで組合に提案しておりますが、これはなかなかいろんな問題でまだ妥結に至っておりません。話がついておりません。したがいまして、ニッパチの線は、人事院のお考えの線は尊重をするという立場には立っておりますが、実際的にはその線にまでいっていないということはたしかでございます。
#58
○大橋和孝君 こういうのはいろいろとってみますとまだあるわけです。たとえば、女の事務員あたりの超過勤務、これは基準法の六十一条で規定がございますね、時間的な。
  〔理事高田浩運君退席、委員長着席〕
こういうようなものも考えてみますと、この辺で聞いて調べてみますと、だいぶそれがオーバーしておるわけでありまして、こういうことなんかも、オーバーに勤務さしておることは問題があろうと思うんです。あるいはまた、宿直許可をとっている病院もわりあい少ないように思いますね。しかし、これもやはり内規あたりから考えてみれば、この許可をとっていないというのもこれはいけないと思うんですね、内規のある場合でも。あるいはまた、やはり綱紀粛正の問題からいっても、いろいろ問題があると思うんですね。これはあまり申し上げたくはないけれども、いろいろ検査室だとか、あるいはまたその他いろいろ入院患者に対するやはり綱紀が乱れているために、いろんなことが起きている例も私はたくさん聞いているわけです。こういうふうなことでいろいろやっておりますと、医療法の問題だとか、いろんなところに持ってきますと、やはり基幹病院としてほんとうにやってもらうためには大事なことが、労働の面からも、あるいはまたそういうふうな面からも拾い上げればたくさんあるわけだと思います。私はそういうふうなこまかしいいろんな問題もたくさん聞いてはおりますけれども、それはもう問題にしたくないと思います。しかし、やはりこの労働の問題をずっと拾い上げてみましても、私はまだこれはだいぶいろんな問題が残っておるわけですね。だからして、この労使間の今度の問題を見るときにも、一方的にあなたのほうが相当強い指導をもってやっているということになればこういうふうな問題も裏からは出てくるわけだと思います。ですから、やはりそれはこのままでいいと私は申しませんけれども、いまおっしゃっているように、逐次これは改正して、ほんとうに教育病院として、また病院の中心的な役割りとして、そういうことをやることが、やはりそうした大きな病院の使命をより達成さすことになるわけでありますから、そういう観点で、そういうところをひとつ十分充実さしていくような努力をしていかなければならぬと同時に、私は、やはりこの労使間の問題を、もっと、そういう現実的にとらえて、そうして、これを解決をしていくような方向にいっていただかないと、何か、この間うちから、本社の幹部の方々のお話を承りますと、もう少しそういう点に、何といいますか、あたたかい手心と申しますか、あるいはまた、そういうふうな血の通った行政と申しますか、そういう面のところで、これはもう一歩前進をしてもらいたいという気持ちを持ったわけであります。副社長と申されるのか、とにかくこの間うち、田辺さんに話を聞いてみましても、非常にそういう点では、もう一歩進めたあたたかい気持ちでこの行政を進めていただきたいと思います。この点は、やはりこういうふうなところを振り返って考えましても、労働者に対して、働いている人に対しての魚心と水心という観点もありまして、ほんとうに話し合いの場に熱を入れてもらうという、そういう点なんかにも、こういうようなことをずっと振り返って考えてみますと、問題点が非常にあろうというふうに考えます。ですから、ひとつ、そういう点で、こまかしいことは申しませんけれども、特に配慮を厚くしてもらいたい、考え直していただきたい、こういうふうに思います。
#59
○参考人(北村勇君) たいへん貴重なる御意見を拝聴いたしまして感謝申し上げます。その線に沿って十分ひとつ努力していきたいと思います。ぜひ、また大橋先生も国会議員の立場で御指導御援助をお願い申し上げます。
#60
○委員長(中村英男君) 北村さん、どうも御苦労さまでございました。
 他に御発言もなければ本件に対する本日の調査はこの程度といたしたいと思います。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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