1971/06/08 第68回国会 参議院
参議院会議録情報 第068回国会 文教委員会女子教育職員育児休暇制度に関する小委員会 第7号
#1
第068回国会 文教委員会女子教育職員育児休暇制度に関する小委員会 第7号昭和四十七年六月八日(木曜日)
午前十時十六分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 宮崎 正雄君
委 員
久保田藤麿君
楠 正俊君
志村 愛子君
宮之原貞光君
安永 英雄君
内田 善利君
萩原幽香子君
加藤 進君
担当委員外委員
文教委員長 大松 博文君
事務局側
常任委員会専門
員 渡辺 猛君
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本日の会議に付した案件
○女子教育職員育児休暇制度に関する件
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#2
○委員長(宮崎正雄君) ただいまから文教委員会女子教育職員育児休暇制度に関する小委員会を開会いたします。女子教育職員育児休暇制度に関する件を議題といたします。
ただいまから本小委員会の審議経過について御報告申し上げます。
御承知のとおり、本小委員会は、昨年末設置されましだが、本年四月四日、第一回の会合を開きました。続いて同月六日の第二回小委員会におきまして、審議を進めていくためのたたき台といたしまして国立及び公立の義務教育諸学校等の女子教育職員の育児休暇に関する法律案要綱試案を私から提出いたしました。その後の審議は、この要綱試案を中心といたしまして、委員相互間で、あるいは政府関係機関に対し、きわめて熱心に進められ、回を重ねること七回に及び、今日ようやく草案を得るに至りました。
ただいまお手元に配付してございますものがその草案でありますが、この際、朗読を省略さしていただきまして、その趣旨について御説明申し上げます。
女子教育職員の育児休暇制度の問題につきましては、かねてから本委員会におきまして十分論議されてまいりましたので、この制度創設の背景や理由につきましては省略さしていただき、本案が目的とするところについて一言触れたいと存じます。
高等学校以下幼稚園に至る学校の女子教育職員は年々増加し、四〇%を占めるに至り、年間出産者もおよそ二万人前後と聞いております。核家族が多い上に、保育施設も十分でない状況の中で、乳児をかかえた女子教育職員は、退職を余儀なくされたり、あるいは職にとどまっても十分な勤務ができない実情にあります。そこで、このような女子教育職員に対し、育児休暇制度を設け、休暇終了後引き続いて勤務し得るようにするとともに、その間は代替教員を配置して学校教育の一貫性を保持し、もって教育水準の維持向上をはかろうというのが本案のねらいでございます。
次に、内容のおもなる点について御説明申し上げます。
第一に、高校以下幼稚園に至るまでの国公立学校に勤務する女子教育職員で、一歳未満の子を育てる者が申請した場合、任命権者は、特別の事情のない限り、育児休暇を承認しなければならないこと。
第二に、育児休暇期間は、産後休暇終了の翌日から生児が一歳に達する日の属する学期の末日までを原則とすること。
第三に、育児休暇を承認された女子教育職員は、その間身分を保有するが職務に従事せず、給与は支給されないこと。
ただし、任命権者は、教育上特に必要があると認めるときは、育児休暇中の女子教育職員に対し、月に三日以内の勤務を命ずることができることとし、その場合には、相当額の給与を支給すること。
第四に、女子教育職員は、育児休暇により勤務しなかったことを理由に、不当に不利益な取り扱いを受けないこと。
第五に、任命権者は、育児休暇を認める女子教育職員にかわる教育職員を臨時的に配置すること。
第六には、退職手当、復職時の俸給調整、公務災害補償、労働基準等、他の法律関係につき、所要の規定を定めたこと。
第七には、私立学校の設置者は、育児休暇制度を実施するよう努めること。
第八には、この法律の施行期日を昭和四十七年九月一日からとしたこと。
第九には、本法施行前六カ月以内に産後休暇を満了した女子教育職員で、法施行後一カ月以内に育児休暇を申請した者には、本法が適用されることを経過措置として定めたこと。
以上が、本草案の趣旨並びにその内容であります。当小委員会におきましてこの草案を御決定いただけるよう希望いたしたいのでございます。
以上、経過と本草案の内容について、きわめて簡略ではございますが、御報告いたす次第でございます。以上でございます。
別に御発言がないようでございますから、ただいま私から提案いたしました法律案草案を、本件に関する当小委員会の審議結果として文教委員会に報告することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(宮崎正雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。#4
○安永英雄君 ただいま小委員会の結論が出たわけでありますが、小委員会の大かたの意向として、有給という問題をほとんど全員で意思の決定をかつてやったわけであります。あるいはまた、休暇期間中の取り扱いについて、一年を勤務したものとみなすということで通算の問題、あるいは、復元時の調整の問題等については、百分の百、こういう確認もいたしておったわけでありますが、残念ながらいま決定した案はそういう形にはなっていない。いわゆる後退をいたしておるわけであります。諸般の事情を考えた場合に、先ほどの結論が小委員会で各人考えて賛成をしたわけでありますけれども、残念なことであります。したがいまして、私どもは、そういった小委員会の結論を持っておったわけでありますから、今後この小委員会の持っておりました目的を追求しながら成功させる、こういう形をしなければならぬと思うし、また、小委員各位につきましてもそういった意向をみな持ってやる。今度の国会で成立させるとすればやむを得ないといった立場でいまの小委員長の提案を決定したというふうに私は思います。そういう意味で、次に、私は、小委員会の申し合わせ事項として決議をしていただきたいというふうに考えますので、読み上げさしていただきたいと思います。以上のことを提案いたしますので、小委員会の決議として決定をいただき、これを委員会の報告の中にぜひ含めていただきたいというふうに提案をする次第であります。
#5
○委員長(宮崎正雄君) ただいま安永君から提案されました申し合わせ案を当小委員会の申し合わせとすることに御異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(宮崎正雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。なお、文教委員会における当小委員会の審議経過及び結果の報告につきましては、これを小委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(宮崎正雄君) 御異議ないと認めます。これにて散会いたします。
午前十時二十六分散会